くにさくロゴ
1979/05/07 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 建設委員会 第15号
姉妹サイト
 
1979/05/07 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 建設委員会 第15号

#1
第091回国会 建設委員会 第15号
昭和五十五年五月七日(水曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 北側 義一君
   理事 小沢 一郎君 理事 大坪健一郎君
   理事 國場 幸昌君 理事 竹内  猛君
   理事 渡部 行雄君 理事 伏木 和雄君
   理事 瀬崎 博義君 理事 渡辺 武三君
      池田 行彦君    中島  衛君
      中村  靖君   三ツ林弥太郎君
      村岡 兼造君    村田敬次郎君
      井上  泉君    小野 信一君
      木間  章君    中村  茂君
      貝沼 次郎君    松本 忠助君
      井上  敦君    中島 武敏君
      和田 一仁君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 渡辺 栄一君
 出席政府委員
        国土庁土地局長 山岡 一男君
        建設政務次官  竹中 修一君
        建設大臣官房長 丸山 良仁君
        建設省計画局長 宮繁  護君
        建設省都市局長 升本 達夫君
        建設省道路局長 山根  孟君
        建設省住宅局長 関口  洋君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部景
        品表示指導課長 矢部丈太郎君
        公正取引委員会
        事務局審査部第
        一審査長    奥村 栄一君
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  佐野 国臣君
        法務省民事局第
        四課長     稲葉 威雄君
        大蔵省主税局調
        査課長     滝島 義光君
        大蔵省銀行局特
        別金融課長   中田 一男君
        国税庁直税部所
        得税課長    西内  彬君
        自治省税務局固
        定資産税課長  渡辺  功君
        建設委員会調査
        室長      川口 京村君
    ―――――――――――――
四月二十五日
 道路交通環境の改善に関する請願(北側義一君
 紹介)(第四七九一号)
同月二十八日
 重度重複身体障害者のため建築基準法改正等に
 関する請願(上坂昇君紹介)(第四九八五号)
 重度重複身体障害者に対する建設行政改善に関
 する請願(安田修三君紹介)(第五一〇三号)
は本委員会に付正された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法
 の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)
 (参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○北側委員長 これより会議を開きます。
 宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。
#3
○渡部(行)委員 まず最初に、ただいま議題となっております宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案について御質問いたしますが、本法案による改正の要因となった住宅需要構造の変化ということは具体的にどういうことを指しているのか、数字で明らかにしていただきたいと思います。
 また、流通量の増大ということがうたわれておりますが、それは件数でどのくらいなのか、あるいは金額でどのくらいなのか。また、宅地建物などの移動の状況を総合して言っているのか、その内容を具体的に御説明願いたいと思います。
#4
○関口政府委員 ただいまお話のございました、この提案理由に私どもが取り上げました、住宅需要の構造の変化というものにつきましてまず御説明をさせていただきます。
 この住宅需要の構造の変化は、その提案理由の同じパラグラフにございますように、具体的には、住宅の住みかえ需要の増大あるいは職住近接の要請の高まり、こういうものを背景にして引き起こされたものでございますが、やや具体的に申し上げますと、最近における世帯の構成あるいは人口構造の特徴を見てみますと、先生御案内のとおりに、戦後ベビーブーム世代が世帯形成を終了しまして、その結果、分譲住宅なり中古住宅への住みかえ需要が厚くなっておる、こういうふうに私どもは認識をいたしておるわけでございます。
 また一方、大都市への人口流入が鈍化してまいりまして、その結果、大都市地域における借家需要が、まあ過去に比べれば鎮静化してまいりました。また一方、職住近接という要請から、マンションあるいは分譲住宅に対する需要が非常に高くなってきておる、こういうふうに考えられます。
 以上のように、需要構造の変化というのは、借家から持ち家へ、あるいは持ち家から持ち家というふうな住みかえ需要、これを中心にして私どもは考えておる次第でございます。
#5
○宮繁政府委員 住宅の流通晴の増加につきましては、戸数でも、また金額でも、両方かなり増加してまいっております。
 それで、戸数につきましては、金融機関の調査等によりますと、昭和四十九年に、中古住宅の流通量は約二十万戸と推定されておりましたけれども、昭和五十三年では約三十万戸と推定をされております。年率九%程度の増加であろうと推定をされております。
 また、金額につきましては、正確には把握することは困難でございますけれども、十年ほど前は二月建ての中古住宅につきまして需要がございましたけれども、当時は、まだマンションの中古物件につきましての需要は少のうございましたけれども、最近、中古マンションの需要等につきましてもかなりの需要が出てまいりまして、取引価格も年々高くなっておるような現状でございますので、戸数の増加以上に、金額で言えば増加しておるのではないかと考えられるわけでございます。
#6
○渡部(行)委員 そこで、この取引の状態を知りたいのですが、まず取引価格には、非常に小さいものから相当多額に及ぶものがあるかと思いますが、その一番小さい取引のものは、一体金額でどのくらいのものか。それから一番大きいものはどのくらいのものか。これは、年間の事業量にして、一業者の一番大きい事業量は大体どのくらいの金額の取引をやっておるか、あるいは少ないものはどの程度か。
 それからさらに、全体の取引件数とその総金額、その中で資本金一千万円以上の業者による取引件数と金額は一体どうなっているのか、この辺を明らかにしていただきたいと思います。
#7
○宮繁政府委員 個別の取引価格の最高、最低額でございますけれども、平均的に申し上げますと、東京都内では、マンションが一戸当たり大体二千万円近くになっております。もちろん、部屋の大きさ、設備の状況等で大変違いまして、マンションでもかなり高いものは二億五千万というようなものもございます。それから、戸建ての住宅につきましては、これもそれぞれの立地あるいは建物の構造その他によって違いますけれども、平均的には二千五百万から三千万ぐらいと言われております。しかし、戸建てのものでも約二億円というような売買実例もございます。
 それから、年間で事業量が最高の業者、これは大手の不動産協会の会員の中のものでございますけれども、一千三百億ぐらいの取引高がございます。この不動産協会の中でも小さい方の業者は、小さいと申しましても大手の中の小規模でございますけれども、約四億円というような取引高でございます。
 それから、最後にお話のございました全体の取引件数あるいは資本金別のものにつきましては、手元に資料を持ち合わせておりませんので、後ほどまた御報告いたしたいと思います。
#8
○渡部(行)委員 マンションの場合、平均で言われましたけれども、私はなぜこういうことを聞いたかと申しますと、いまの不動産業をしておる階層と申しますか、非常に格差があり過ぎる。それから業務の内容にも相当質的にも違った問題がたくさん包蔵されている。そういうことをまず数字の上で明らかにしたかったわけです。
 そこで、次に、仲介業務と仲介及び売買業務あるいは仲介、売買、開発業務を行っておる業者数と構成比を明らかにしていただきたいと思います。また、開発業務を行っている業者のうち国土利用計画法なりあるいは都市計画法によっての開発許可を受けている許可件数と非許可の件数はどういう比率になっておるのか、この辺を明らかにしていただきたいと思います。
#9
○宮繁政府委員 ただいまお話しの媒介、売買、開発につきましては、おおむねの比率で申し上げますと、媒介の業務をやっておりますのは非常に零細な企業が多いわけでございますけれども、全体の中では約四〇%、それから不動産の売買をやっております業者がこれまた四〇%ぐらいでございまして、それからデベロッパーといいますか、開発をやっております業者は大体二割ぐらい、こういうふうな割合になっております。
 なお、開発許可の件数につきましては、ちょっと調べましてすぐお答えいたします。
#10
○渡部(行)委員 ただいまの御答弁でも大体明らかになりましたが、そこでこの仲介業と売買業及び開発業の業務内容に非常な格差があり過ぎる。最大のものは千三百億円もの取引をやっているかと思えば最小のものは一万円ぐらいのものもあるわけです。これは仲介だけでその手数料をもらってやっておる業者もいるわけですから、こういうふうに内容とその規模がまるっきり違うものをこのままにしていいだろうか。
 そこで、これに対して免許の種類を業態あるいは資金規模など業務遂行能力に応じたものに区分すべきであるという趣旨の答申を住宅宅地審議会が昭和四十五年十二月にしているわけでございますが、これは今回も一応昨年の答申の中にそういう指摘はあったようですが、実際に法制化されることは見送られたわけです。一体どういう理由によってこれが見送られたのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。また、これを見送ったものの、今後は一体どういうふうにされるおつもりか、この問題に対する御見解をお願いしたいと思います。
#11
○宮繁政府委員 先ほどちょっと開発許可の面積を申し上げませんでしたけれども、最近の開発許可の面積につきましては、昭和五十一年が底でございまして三千五百八十ヘクタールでございましたけれども、逐次ふえてまいりまして五十三年では約五千ヘクタール、こういうふうなことになっております。
 それから、ただいま御質問がございました免許の区分の件でございますけれども、業者の業態に応じまして仲介業、売買業、開発業に区分することにつきましては、ただいま御指摘もございましたように、すでに住宅宅地審議会の昭和四十五年の答申においてもそういうふうにしたらどうかという御答申をいただいたわけでございます。しかし、中小業界を中心にいたしまして営業の自由を制約するのではないか、こういう反対論も非常に強くございましたし、またそれぞれの業態に応じました実効性のある免許要件を定めるためには、この業者の営業の実態、営業内容と資金的基礎あるいは人的構成との対応関係、こういったものを十分調査する必要があるわけでございまして、こういった理由で、今回の審議会の答申では、業者の業態の実態を十分把握した上で可及的速やかにその具体化の検討を行うべき旨答申をいただきました。したがいまして、今後はまず業務の実態を把握するための基本調査を早急に実施いたしまして、この免許区分の具体化の検討に取り組んでいきたいと考えております。
#12
○渡部(行)委員 そうすると、まだ実態調査、実態の把握はしていないというふうに受け取っていいでしょうか。昭和四十五年の答申にこのことがうたわれておったのですが、その間約九年かかっているんですけれども、なおかつ調査ができていないということは一体どういうことでしょうか。
#13
○宮繁政府委員 四十五年の答申におきましては、区分をしたらどうかという答申がございまして、そういう作業にも取りかかったわけでございますけれども、先ほどもお話し申し上げましたように、一部の中小業界の方々から、自分たちもいずれ努力をすれば、現在は下宿のあっせん業をやっておりますけれども、大きなデベロッパーにもなり得るような道を閉ざすのではないかというような反対論もございまして、それには聞くべき理由もございましたので、実はそのままになっておりました。それで今回九年目に御答申いただきました場合にもそのことが再び議論されまして、それでは早急に実態調査に取りかかったらどうか、こういうようなわけでございまして、実態調査をこれからできるだけ早くいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#14
○渡部(行)委員 一番この問題で消費者に損害を与えるケースというのは、開発能力を持たないで大きな仕事に手をかけて途中で倒産してもうどうしようもなくなるというケースがあるわけです。そういう際に、これを未然に防止する意味でも、それからそういう事業の内容、規模、そういうものに対応して公正な仕事を進めていくには、やはりそれなりの内容の充実した業者が当たるべきだと思うのです。そこで、この区分をすればその発展する可能性を抑制するんじゃないかという議論があるようですが、私はそうは思わないんで、むしろ次の段階にデベロッパーになろうとすればそれなりの条件をみずからつくって、そういう一定の条件に合った場合にそういう仕事に取りかからせることができる、こういうふうにしていけば、一万円くらいの取引をやっているものと千数百億の取引をやっておるものを一つのたがでくくるということ自体が私は矛盾の方が多いんじゃないか、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#15
○宮繁政府委員 御指摘のように、私も全くいま先生の御意見のとおりだと思います。基本的にはそういう方向で進めていかなければいけませんけれども、十万業者という人たちの実態も十分把握し、その人たちの御意見も聞きながら、基本的な線としましては先生のお説のような方向で進めていくべきだと考えております。
#16
○渡部(行)委員 そこで、最近における宅地建物取引の中で起きている苦情や紛争について、一体どのくらいその苦情や紛争が出ているのか。また、もし悪質な例がありましたら、その例をひとつお示し願いたいと思います。
#17
○宮繁政府委員 最近の宅地建物取引に関します苦情、紛争の件数は年々増加をしてまいっております。建設省と都道府県に持ち込まれるものだけに限りましても、昭和四十九年度におきましては約一万六千件でございましたものが、昭和五十年度一万八千件、昭和五十一年度が二万九千件、昭和五十二年度及び昭和五十三年度ではそれぞれ約三万件にも達しております。また、各年度とも、このうち三大都市圏の八都道府県で約九割を占めておるという実情でございます。
 このような苦情、紛争の内容を見てみますと、まず売買にかかわる苦情、紛争では、契約解除等に伴うもの、あるいは物件説明等をしなかったというような業法違反に伴うもの、あるいはローンの不成立といったような金融のあっせん関係に伴うもの、あるいはまた履行遅延あるいは瑕疵の補修に関するトラブル、こういうものが主たるものでございます。
 それから、媒介、代理にかかわります苦情、紛争では、報酬に伴うトラブルあるいは物件の説明違反に伴うトラブルというものが主たるものでございます。
 なお、最近の悪質な事例といたしましては、無料で温泉旅行に招待して、全く物件を見る機会を与えずに強引に別荘地とかそういったものを販売する手口、あるいはまた他人の所有に係る家屋を同時に多数の人に売買契約いたしまして、手金を集めて会社が倒産するというような悪質な事例もございました。
#18
○渡部(行)委員 そこで、次には警察庁にお伺いいたしますが、宅地建物取引に関する犯罪状況をお聞かせ願いたいと思います。検挙がどのくらいとか送検はどのくらいかを内容別にお願いいたします。そしてまた、この宅地建物にかかわる犯罪の傾向としてはどういうふうになっているのか、あわせてお尋ねいたします。
#19
○佐野説明員 お答え申し上げます。
 昭和五十四年の一年の数字で申し上げますと、私どもいわゆる宅建業法違反としまして千七十九件検挙いたしてございます。それから違反の態様別に見ますと、法令の規制により住宅の建築が制限されている土地や、電気、水道の供給設備がない土地を、その事実を告げないで売りつけた重要事項不告知事犯、これが二百六十四件、パーセントで言いまして二四・五%と最も多くございます。それから次いで無免許営業事犯、これが件数で申し上げますと二百五十八件、全体の二三・九%という状況でございます。それからさらに取引主任者の名義を借りるなど不正な手段で宅建業免許を取得したいわゆる免許の不正取得事犯が九十件ございまして、全体の八・三%に当たってございます。
 過去数年の状況で申し上げますと、大体五十一年から五十四年にかけまして、総件数としては大体千件飛び台くらいの検挙でございます。具体的に申し上げますと、五十一年が千九十九件、五十二年が千百八十一件、五十三年が千五十七件、それから五十四年が先ほど申しました千七十九件でございます。
 それから内容別には、大体各年度とも、違反の態様の上位から申しますと、先ほど申し上げましたような順番になっているというふうに申し上げられようかと思います。
 以上御説明申し上げました。
#20
○渡部(行)委員 先ほどの建設省の方のお答えでは大分苦情あるいはトラブルが多くなってきているという割りには、警察の方の件数は横ばいになっているみたいですが、これは取り締まりが非常にむずかしいということでしょうか。宅地建物取引業をしておるいわゆるもぐり業者、こういう者と、免許を持って業を営んでおる業者との実際上の区別がむずかしいというようなところに起因しているのでしょうか。その辺はどうなんでしょうか。
#21
○佐野説明員 ただいま申し上げましたのは、数字的には宅建業法違反の問題だけで申し上げておるのですが、さらに宅建業法、国土利用計画法あるいは都市計画法、いわゆる不動産事犯全体で私ども統計をとっておりますが、これはたとえばこういう数字がございます。昭和五十年ですと千五百九十一件になります。それが五十四年では二千四百八十件ということでございますので、検挙数としては相当伸びているというふうに私ども承知してございます。
 それから、この種の宅地をめぐる犯罪以外の一般の刑法犯あるいは交通事故、そういった全警察的な統計で見ますと、ほかのものはおおむね下降現象あるいはよくて横ばいということでございますが、いま申しましたように、不動産関係全体で見てみますと、相当検挙数としては上がっておりますし、関係の知事部局その他との連携もそう格別の問題もなく、スムーズに検挙はいっているという感じではございます。ただ、全体的な体制なり能力なりというふうな問題、これはまた今後鋭意体制の整備とかに努めてまいらなければならぬ、そういった課題があることは十分承知いたしております。
#22
○渡部(行)委員 そこで、もぐり業者を摘発する場合のきっかけとなるのは一体どういう場合が多いのか、その辺をお聞かせ願いたいと思うのです。たとえば業者間のうわさとか、あるいは被害者の届け出とか、あるいは新聞その他ですっぱ抜かれたとか、いろいろあると思うのですが、どういうのが一番多いでしょうか。
#23
○佐野説明員 格別に数字では区分いたしてはございませんが、ただいま御指摘がございましたように、各種の広告あるいは困り事相談、それから風評、こういったものからの無免許営業事犯の端緒入手が当然多うございます。もちろん関係行政機関との緊密な連絡も保ってございますので、そういったしかるべき筋からの御連絡もございます。それから逆に、警察で検挙いたしました場合に、関係の向きに情報あるいは課税通報というような形でわが方から情報、連絡を差し上げているというようなケースもございます。
#24
○渡部(行)委員 そこで、今度は具体的にちょっとお聞きしますが、浜田幸一前代議士にかかわる土地転がし等、金づくりということでサンデー毎日に掲載され、さらに朝日新聞でも「もぐり不動産手助け 浜田氏が仲介・報酬?」また「もぐり業者使い“錬金術” 浜田流土地転がしの手口 差益数億円?得る 田中系企業とも取引」というような見出しで、天下の公器と言われる新聞に掲載されたわけですが、これはやはり警察庁としては知らないふりはできないと思うのです。そこで、こういう具体的な問題のすっぱ抜きに対してどのような捜査をされておるのか、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#25
○佐野説明員 ただいま御指摘がありました問題につきまして、特に宅建業法に関して申し上げますと、御承知のとおり、大臣または都道府県知事から免許を受けていない者であるかどうか、あるいは免許を受けている者であるかどうか、そういった問題がまず第一にございましょうし、それから、宅地または建物の売買あるいは売買の媒介などを業として行っていたかどうかというふうな問題、こういった問題につきましては、ただいまお示しがございましたサンデー毎日その他では一向にうかがわれないというふうに私承知いたしてございます。そういった面から申し上げますと、警察が直ちに捜査を開始するに足りるいわゆる容疑事実があるとはちょっと判断いたしかねる次第であるというふうに申し上げざるを得ないかと思います。
 その他新聞報道等にいまいろいろな見出しで問題が掲げられてございますが、いずれにしても警察が捜査を開始するためには、いわゆる客観的な容疑事実と申しますか、あるいは客観的な証拠に基づいた容疑というもの、こういったものをてこに捜査を開始するということになりますので、現段階ではそういったものは私どもちょっと手元にございません。したがいまして、この種のものに対する関心は十分払っていろいろな情報の入手、そういったものについての努力はいたしてございますが、現在のところではその中身についてはちょっと申し上げかねます。
 ただ、一般的に申し上げられる範囲で申し上げますと、いわゆる法令に違反する具体的な容疑事実を認知した場合には、事実に照らして的確に対処してまいるということを基本に私ども日常業務を進めておるという次第でございます。
#26
○渡部(行)委員 具体的な客観的な容疑事実がないと言われましたが、それじゃどういうふうな問題が出た場合に客観的な容疑事実というふうになるのでしょうか。この朝日新聞に出ておるものは、はっきりと不動産の場所も指定しており、そしてその不動産業をやった会社の名前も、ここに君津興産あるいは東通株式会社、あるいは新星企業などというふうに具体的に会社名まで記載してあるわけですね。そしてそこで土地の転がした状況を書いて、どのくらいの値段で取引したかまで書いてあるのですよ。こういう場合に、これでもやはり具体性がないとなれば、だれかから直接の告発でも、あるいは告訴でもされなければ具体的な容疑事実にはならない、こういうふうになるわけですか。
#27
○佐野説明員 ただいまの点につきましては、免許の有無というふうな問題になりますと、一番容疑としてははっきりしてまいるかと思います。それから、取引いたしましたいわば土地の地目とでも申しますか種類とでも申しますか、こういったものが果たして何であるかというふうな問題、それからさらには取引した時点の問題、こういったものがいわゆる宅建業法の構成要件の枠の中にほぼはまっているのではないかというものが現時点ではっきりとした形にはなっておらないという情景でございますので、特に免許の有無の問題あたり、この辺の問題、さらに監督権に基づきまして何がしかの具体的な事実というふうなものは関係の部局あたりから情報をいただくというふうな形で、情報をどの程度整備するかということによりまして、わが方の具体的な心証と申しますか、容疑性というものが積み重ねられていくというふうに考えております。
#28
○渡部(行)委員 それでは、これは容疑事実の免許の有無と言われますが、ここでははっきりと、免許がなくて不動産の売買をやった、と書いてありますね。そこで、建設省は不動産業の監督官庁として当然こういう問題については調査を行ったと思いますが、その調査をされた結果について、ひとつ内容と実態を明らかにしていただきたいと思います。
#29
○宮繁政府委員 新聞その他で報道されております浜田幸一氏が関連している会社につきまして、特に君津興産につきましては、同社の土地取引につきまして建設省では一件把握しておりますけれども、これは新星企業という会社に約二十八億円で三十三ヘクタールの土地を販売したわけでございますけれども、このほかになお宅地建物等につきまして業としてそういった販売をやっておるかどうかという調査が必要でございますので、現在千葉県を通じまして調査を行っております。その他の会社につきましては、いままでの調査では、業者間の売買に関与しておりますけれども、不特定多数の住民の方に土地を分譲販売というようなケースは見当たりませんので、無免許営業とは断じがたいのではないかというふうに考えております。
#30
○渡部(行)委員 この不動産取引業というのは、不特定多数を相手にしたときだけに適用されるものですか。不動産を媒介したりあるいはそれを取得してさらに転売して利益を得るということは、業者間であればこの宅建業法は適用されないということですか。
#31
○宮繁政府委員 言葉が足りませんでしたけれども、業として営む場合には当然対象になるわけでございますけれども、ただ、宅地建物を対象にいたしておりますので、山林を山林なりで売るとかあるいは原野を原野のまま販売するというふうな場合は、宅地の売買に該当いたしませんので、免許が要らない、こういうことになるわけでございます。
#32
○渡部(行)委員 そこで、この君津興産についてはそういうものがあっていま調査中だと言われますから、これは十分調査をしていただくことにしまして、これが明らかになれば警察庁は捜査に乗り出すおつもりがあるのかどうか、またこういう不動産事件というのは、時効は一体何年なのか、その辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。今後の捜査方針、これはひとつ国民が納得するような御説明をお願いしたいと思います。
#33
○佐野説明員 いわゆる宅建業法の罰則の時効の問題につきまして御指摘がありましたので、私承知している限り申し上げてみますと、宅建業法に関しましては最高の罰則が懲役三年というふうに見受けられます。刑事訴訟法上は、「長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金にあたる罰については三年」で公訴時効になるという規定がございます。したがって、宅建業法の場合には、公訴時効が一番長いものであって三年かというふうに考えております。
 それからあともう一つの点につきましては、具体的な犯罪行為があった場合にどうするんだというお尋ねでございますが、警察といたしましては、いわゆる法令に違反する具体的な容疑事実を認知した場合、これは当然事実に照らして的確に対処してまいるというのを基本方針といたしております。ただ、先ほども申しましたように、時効の問題であるとかその他いろいろ状況として掌握いたさなければならぬ問題がまだございますが、そういった容疑事実あるいは事実の解明、こういった問題についての情報収集ないしは調査という段階でございまして、犯罪ありあるいは犯罪容疑があるということで捜査に入る入らない、そういったカテゴリーにはいまの段階ではまだないというふうにお答え申し上げられようかと思います。
#34
○渡部(行)委員 そこで次に大蔵省にお伺いいたしますが、宅建業法違反事件というものを一番つかみやすいのは大蔵省じゃないか、私はこういうふうに思っております。それは、税務署が土地の移動からその仲介者の収入まで全部調べるわけでございますから、そういうことでいった場合、大蔵省としては宅建業法違反事件というものを大体どの程度把握しておられるか、もし把握しているものがあったらお聞かせ願いたいと思います。なければ、こういうものが非常に社会問題化している中で大蔵省はその問題で今後どういう手助けをやれるのか、その辺ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#35
○西内説明員 お答えをいたします。
 不動産業者がもぐりではないかという御指摘でございます。もぐりである場合に、直接接触することの非常に多い税務署がどの程度把握しておるかという御質問でございますけれども、税務署としましては、課税と面接の関係がございませんので免許を持たない業者等がどのくらいおるかといったようなことを把握しておりません。
 それから、今後そういう状況ならどういうふうに対処していくつもりかということの御質問でございますが、一般的に申し上げまして、税務職員が職務の執行に際しましてたまたま法規に違反する事実があることを把握した場合に、そのことについて告発をしたりあるいは関係官庁へ通報を行うようなことはしておらないわけでございます。
 その理由でございますけれども、一つは、税法上の質問検査権というものは刑事責任追及のために行使してはならないという規定がございまして、この趣旨を尊重しなければいけないということ、二つ目に、税務職員に課せられている守秘義務の問題がございます。この考え方というものは、つまり納税者との間の信頼関係を維持することによって申告納税制度の円滑な運営を図るという大きな公益を保護しているものでございます。そういうことで、国税庁といたしましては、お尋ねのもぐり業者であるという事実を知った場合におきましても、これまで同様このような基本的な考え方に従いまして、違反の事実を関係当局へ通報することはひとつお許しをいただきたい、このように考えます。
#36
○渡部(行)委員 ただいまの御答弁は確かに一理はありますが、私ども国民の側からすれば、税務署も国の機関であり警察署も国の機関である、同じ国という人格がやっていることで、一方は犯人を隠し他方は金をかけて犯人を捜す、こういうことが一体いいだろうか、整合性があるだろうかというふうに、国という機関を対象にして考えた場合、非常に疑問が出てくるわけですが、その辺は一体どういうふうに考えておられるのでしょうか。
#37
○西内説明員 お答えいたします。
 御指摘のように、確かに国の一機関でございますし、納税者に非常に接触面の広い仕事を受け持っておるということではございますけれども、ただいま申し上げましたように、税務調査等の法的な性格、またその期待されている役割り等を考えましたときに、たまたま法規に違反する事実を知り得た場合にこれらの官庁へ全部通報しなければならないというようなことになりますと、申告納税制度の円滑な運営を非常に阻害して、十分な調査もできにくくなるというような事態にもなりかねないというふうに存じます。そういう意味で、国の機関というものはそれぞれ役割りを分担しておるわけでございまして、それぞれその立場において仕事をしておるということで、税務当局にそのもぐり業者の通報義務を課すということは少し御容赦をいただきたいというふうに考えます。
#38
○渡部(行)委員 時間がありませんからこの問題はこの程度にしまして、ただ、先ほど建設省から御答弁がありました、山林である場合は何でもない、あるいは原野である場合は何でもないということは、これは登記簿上の地目がそういう場合だと思いますが、しかしここに非常に法の網をくぐるということができるわけですね。実際は山林であってももう全部宅地に造成されて地目だけが山林となって、そして売買されるとこれは宅建業法のらち外だ、そういうことで全然ひっかからない。しかし現実には開発業者は、いまほとんど山林を宅地に直して売るのは山林の地目でそのまま売ってしまうのですよ、宅地にしないで。そういうところがたくさんあるのです。こうすればむしろ国がもぐりを助けておるようなものになるんじゃないでしょうか。
#39
○宮繁政府委員 私の言葉が足りませんので恐縮でございますけれども、仮に地目が山林でございましても、その地形の形状から見まして、一定の道路をそこに入れ、たとえば二百平米とか百五十平米の区画割りをいたしまして宅地の状況になっております場合には、それは地目のいかんにかかわらず実質的に宅地と見なされるわけでございますので、法律の規制の対象になるわけでございます。
#40
○渡部(行)委員 そうすると、さっきの千葉県の問題になるわけですが、この辺はひとつ実態をよく調査していただきたいと思います。
#41
○宮繁政府委員 十分調査したいと思います。
#42
○渡部(行)委員 次には、以上議論されましたような悪質業者をなくするには免許基準の強化と免許の際の審査が非常に重要になるかと思います。そこで、免許の審査はどのような項目についてどのような方法で行っておられるのか、これがまず一つであります。それから悪質業者が免許取り消しなどを受けると替え玉を立てて裏にもぐるなど、繰り返し悪質行為を続ける例があるというふうに聞いておりますが、これに対しては今度の改正案でどのように対処されているのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
 さらにもう一つ、この宅建業法違反の処分を受けた業者が他の会社に吸収合併された、そしてその会社の中で営業を営むということになれば一体どういうことになるか、その辺もひとつお聞かせ願いたいと思います。
#43
○宮繁政府委員 第一点の免許の際の審査その他のことにつきましては、免許の申請書を審査いたします場合には、宅建業法の第五条第一項各号に示されております欠格条項に該当する点があるかどうか、これを審査を行っております。
 その主な項目は、第一としまして著しい不正不当な行為により免許を取り消され、その取り消しの日から三年を経過しない者、との三年は今回、改正で五年にお願いいたしておりますけれども、そういうものかどうか。あるいは第二番目には、禁錮以上の刑に処せられ、または宅建業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者、これも五年に今度改正をお願いしております。こういうものであるかどうか。三番目は、免許の申請前三年以内に宅地建物取引業、宅建業法に関し不正または著しく不当な行為をした者、この三年も五年にお願いしておりますけれども、こういうことがあったかどうか。四番目には、宅地建物取引業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者、五番目には法人の役員等につきまして一から四に挙げましたようなものに該当するかどうか。それから六番目には、事務所について専任の取引主任者をちゃんと置いてあるかどうか、こういうことを審査の主な対象にいたしております。それで免許申請書に記載されている事務所が現実に存在するかどうか、しかも事務所としての一定の設備その他を備えているかというようなことも審査をいたしております。
 これらの審査に当たりましては、刑罰、懲戒等については関係機関の御協力を得まして文書につきまして回答をお願いしておるような状況でございます。また、事務所要件あるいは取引主任者が設置されておるかどうかというような点につきましては、現地調査も行っております。それから、免許申請書もしくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載が欠けている場合におきましても免許をしてはならないという規定になっておりますために、これらの点につきましては慎重に書類審査を行い、必要に応じまして電話でその事実関係を確認するなどの方法で現在のところはやっておるわけでございます。
 二番目の身がわりの者を立てましてもぐりでやるというような点につきましての御質問でございますけれども、悪質業者につきましては免許の取り消しを受けると再び免許が受けられるまでの三年間は従業員になりまして、三年を経過すると免許を申請してくる者もおります。また免許の取り消し処分を前提とした聴聞を行おうとすると、自発的にみずから廃業届けを出して取り消しを免れまして三年間免許が受けられない措置から逃れる者、あるいはまた免許の取り消しを受けると実質的には業者または役員に準じた支配力を持ちながら裏にもぐって免許を取得する者、こういったような例が代表的な事例でございます。このうち第一番につきましては、免許の再取得が可能となるまでの期間を今度三年から五年というように延長いたしまして予防措置を講ずるわけでございます。二につきましては、聴聞の公示があった後にたとえ廃業届けを出してまいりましても免許の取り消し処分を受けた場合と同じような扱いをいたしまして、五年間は免許を与えないというようなことで今回の改正で対処しようといたしております。それからさらに三番目の、事実上の支配力を及ぼすという点でございますけれども、これは運用上の問題もございますけれども、法律の上でも、実質的に支配力を有すると認められる場合には役員であるとみなして免許の取り消しを行うこととなっておりますので、免許時に実質的な支配力を有すると明確に判断できなくても、その疑いがかなり濃い者につきましては免許後の監督を厳しくいたしましてそういう実態があるかないかというような点にも十分注意してまいりたいと考えております。
 それから三番目に、免許を取り消された業者が吸収合併されるような場合はどうなるのかという御質問でございますが、会社が吸収合併されますと、吸収されました会社は消滅するので業法上の措置はとれないことになりますが、ただし免許を取り消された業者の役員であった者が業法の第五条第一項第二号の欠格事由、すなわち悪質行為により免許を取り消された法人の役員、これも三年間、今度五年に改正いたしますけれども、免許が受けられないわけでございまして、こういう欠格事由に該当する場合におきましては、その者が合併されました会社の役員になったときはその会社は免許の取り消しを受けることになるわけでございます。
#44
○渡部(行)委員 時間がありませんので今度少しはしょって質問します。
 今度の法改正でクーリングオフの制度が導入されました。これは大変いいことでございますが、消費者の方々がこれを十分理解してその法の精神を生かせるかどうかが非常に問題だと思います。あるいはまた売買や媒介にかかわる契約に関しても相当の規制がなされましたが、これに対する消費者へのその徹底と申しますか、消費者対策をどのようにやっていくおつもりなのか、これが第一点でございます。
 それから第二点は、近代化センターは中小不動産業者の協業化の推進をその柱としておるようでございますが、中小業者と大手業者との間の分野調整の問題に関してはどのようにお考えになっておられるのか、また実際にこういう問題が発生した場合、これを一体どういうふうに処理されるおつもりなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#45
○宮繁政府委員 今回の法律改正でクーリングオフの制度を設けましたけれども、これは最近の訪問販売あるいは旅行招待販売といったような、強引に土地または建物を売りつける事例が多くなってまいりまして、これに伴います苦情、紛争が多発しているような現状でございます。そこで、消費者保護の見地から購入者の購入意思が不安定な状況で行われる契約に着目いたしまして、その申し込みを白紙還元できるということにしたものでございまして、民法の原則のきわめて強い特例を設けたわけでございます。この制度の活用に当たりましては、購入者側が行う手続といたしましては、クーリングオフ期間の五日間の間に撤回等の意思を表明した書面を業者に発送すれば、もうこれで一方的に契約解除、申し込みの撤回ができるわけでございまして、この書面を発したことの証拠とするためには内容証明郵便等にするのが望ましいのではないかと思います。
 それから、事務所その他建設省令で定める場所においてということになりますけれども、これは安定した契約意思に基づく売買契約が行われるものとしてクーリングオフの適用が除外されることになりますので、建設省令におきましては事務所に準ずるような場所、すなわち継続的に業務を行うことができる施設を有するような場所で、しかも取引主任者がおりましてやるような場合、あるいはまた買い主である消費者がみずから申し出まして自宅または勤務先等へ来てもらってそこでやるような場合はいいのではないかと考えまして、そういった場所を定める予定にいたしております。
 それから、媒介契約に関する規定の整備につきましては、これによりまして従来の取引の慣行にかなり大きな変更が加えられることも事実でございまして、最初は若干消費者側にも戸惑い、業者の方にもいままでにないふなれなような点が生ずることは考えられます。したがいまして、一般の国民の方々に対しましては、媒介契約の明確化をすることによりまして、いままでの口約束等によりますトラブルを未然に防止されるものであるということ、またこのことによりまして物件情報の市場への公開性が確保されて、売りやすく買いやすい広い市場整備が推進できる、このことによりまして、依頼者でございます一般国民にとりましてもやはり大きなメリットが生ずる。こういったような趣旨を御説明するとともに、媒介の依頼に当たっては、別途いま鋭意検討、勉強中でございますけれども、標準の媒介契約約款をつくりまして、これに基づきまして契約を締結していただく。こういったことにつきまして、あらゆる機会を通じまして、また消費者団体あるいは業界団体あるいはマスコミ等にお願いいたしまして、PRに努めてまいりたいと考えております。
 それから近代化センターの問題あるいは中小不動産業者と大手業者との分野調整問題でございます。分野調整問題につきましては、御承知のとおり全国宅地建物取引業協会連合会、全宅連と申しておりますけれども、全宅連と三井不動産販売株式会社の間に問題が生じました。昭和五十二年の十月に、全宅連から三井不動産及び三井不動産販売株式会社の住販会社システムを核とする不動産流通の仲介業務の規模拡大計画につきまして、分野調整法に基づく調査の申し入れがございました。昭和五十三年三月に、引き続きまして同法に基づく調整の申し出がございましたので、建設省といたしましては、全宅連及び三井の双方が話し合いの意思を持っておりましたものですから、三井に対しまして、五十三年四月に予定していた住販会社の営業開始を三カ月間延期させまして、話し合いを行わせたのでございますけれども、合意が成立するに至りませんでした。
 このために、建設省におきまして調整勧告の必要があるかどうかを判断するために調査をいたしまして、この結果を昭和五十四年一月の中小企業分野等調整審議会の第一部会に御報告をいたしました。いろいろ御意見ございましたけれども、少なくとも現在のところでは調整を行うことはむずかしいであろうという意見が多く出されたような状況でございます。しかし、全宅連におきましては、調整申し出に係る住販株式会社の影響、さらに千葉、神奈川、埼玉等の影響も調査した上で判断すべきであるという要望がございましたので、現在その調査を実施中でございまして、その結果を踏まえまして適正な措置を講じていきたいと考えております。
 なお、近代化センターにつきましては、近代化センターの機能は、第一に不動産流通業務の改善でございます。その第二が中小業者の協業化の推進でございますが、このうち流通業務の改善につきましては不動産業界全体で取り組むべきものでございまして、センターはこのために行政指導と業界の自助努力との接点、パイプ役といたしまして機能していくことを期待しております。中小業者の横の協業化、そういった協業化組織を通じて大手業者との情報交換を円滑に行う道も開かれることになります。この面において大手と中小の利害が対立するというものではなくて、業界全体として情報流通の活発化が行われるものと期待しておるわけでございます。
#46
○渡部(行)委員 そこで最後に大臣にお伺いいたしますが、本法改正のねらいは、先ほど来出ておりました住宅需要構造の変化とかあるいは流通部門の比重の高まり、こういうものを背景として、取引の態様あるいは内容が複雑多岐にわたってきておる。そこで第一に取引の公正化を図る、第二に消費者利益の保護を図る、第三に宅地建物の流通の円滑化を図る、こういうのが主なねらいだと思います。もちろんこの法律改正によってこれらのねらいが完全に満足されるとは思われませんが、改善の姿勢が非常に顕著であるということは私も認めるところであります。
 そういう意味で、私は、よりましな法案ということでまず賛成の意を表するわけでございますが、問題はこれで完全というものではありませんし、また昭和四十五年十二月の答申以来、昨年の答申などいろいろありまして、まだ残された問題が幾多あるかと思いますので、今後大臣のこの法律運用に当たっての御所信と、それからこれらまだ残されている幾多の問題の解決にどういうふうに対処をされていくのか、その辺をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#47
○渡辺国務大臣 ただいま先生のお話しになりましたように、本改正案を通じまして所期の目的が達成できるものと考えておりますが、なお、審議会の答申には入っておりましたけれども今回の法案には盛り込んでおらない、そのような事項といたしましては、第一に免許区分の問題、第二番目に瑕疵担保責任期間の延長等の問題、第三番目には宅地建物取引業保証協会への義務加入制の問題、第四番目には苦情処理体制の整備の問題等がございます。これらはそれぞれに当面改正を必要とするものでございますけれども、今回の審議会の審議におきましてはなお結論を得るに至らなかったわけでございます。今後引き続き検討いたしまして、具体案がまとまりますれば、審議会にももちろん諮問いたしますけれども、速やかに具体化を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#48
○渡部(行)委員 どうもありがとうございました。
#49
○北側委員長 中村茂君。
#50
○中村(茂)委員 今回の宅地建物取引業法の一部改正の趣旨でございますが、私は、まず一つとして、不動産の流通量が非常に増大してきた。二つには、苦情、紛争件数も非常に増大してきている。それから悪質事案を防止する。それから宅建業界の近代化を図っていく。これらの諸問題に対応していこう。こういうふうに理解しているわけでありますけれども、今回の法改正の趣旨について特に大臣からお聞きしておきたいと思います。
#51
○渡辺国務大臣 今回法改正をお願いをいたしました趣旨でございますけれども、先生からもお話がございましたが、最近におきます住宅需要構造の変化も見られますし、また流通量の増大も見ておりまして、これに伴います宅地建物取引の態様は非常に多岐にわたってきておりまして、もちろんその内容も非常に複雑化してきておる。これは先生のお話しのとおりでございます。このような状況を反映いたしまして、宅地建物取引に関します紛争事例ももちろん増加しておりますし、また非常に複雑化しておるわけでありまして、宅地建物取引業者について免許基準の強化等を図りまして、その資質の向上を考えてまいりたいと思います。
 なお、その業務に関しまする規制を強化いたしまして、取引の公正を確保し、また宅地建物の購入者等の関係者の保護を一層充実してまいるということを考えてまいりたいと思っております。
 また、増大し多様化してまいります不動産の流通円滑化を図ってまいりますためには、比較的立ちおくれております不動産流通市場をまず整備をする、なおその近代化を図る、これらが必要でございますので、これに必要な法律上の規定を整備してこれに対処いたしたい、これが今回法改正をお願いいたしまする趣旨でございます。
#52
○中村(茂)委員 私は、特に宅建業界というのは大手不動産から中小不動産、総合商社や私鉄企業等の関連不動産、そして個人営業的な不動産というように、企業形態というものが非常に複雑化してきているというふうに思うのです。一部だと思いますけれども、アウトサイダーの悪徳業者が存在していることもまた事実です。こういうことは全体的に業界そのものが非近代的な要素が非常に強いということが非常に大きな原因になっていると思います。ですから社会的にも、先ほど申し上げましたように一部だと思いますけれども、非常に信用がない、消費者の目から見れば不動産を手に入れようというときには疑心暗鬼でいろいろ調査する、こういうことが実態だというふうに思うのです。
 そこで、現在の不動産業界の実態について明らかにしていただきたい。
#53
○宮繁政府委員 現在の不動産業者の数は約十万ございます。そのうちの九十数%が零細中小の企業でございます。それで一部悪質な業者の存在が後を絶たないような現況でございます。
 実はこの業界はそれぞれ団体をつくっておりまして、大手の三団体に加盟しております業者が約三百業者ございます。そのほか、われわれ中堅あるいは中小と言っておりますけれども、団体数が五つございまして、こういった団体に加盟しておる業者が約八万三千業者ございまして、十万六千業者のうちでアウトサイダーが残りの二万三千業者。
 それで、これらの業者が宅建業法違反あるいは不誠実な行為等をやっております一部の悪質業者について調べてみますと、やはりアウトサイダーにその数が非常に多いというような現況でございます。
#54
○中村(茂)委員 次に、不動産取引の苦情、紛争の件数及びその内容について、特に内容の面についてはどういう種類のものというふうに、大別して内容を明らかにしていただきたい。
#55
○宮繁政府委員 宅地建物取引に関します苦情、紛争の件数は毎年増加してまいっております。建設省、都道府県に持ち込まれますものを見ますと、昭和四十九年度において一万六千件でございましたものが昭和五十年度では一万八千件、昭和五十一年度二万九千件、昭和五十二年度及び昭和五十三年度ではそれぞれ三万件にも達しておるというような実情でございます。
 また、各年度とも三大都市圏が約九割を占めておるという実態でございます。
 このような苦情、紛争を原因別に把握できました場合の内容を昭和五十三年度で見てみますと、売買に係る苦情、紛争につきましては、契約解除等に伴うトラブル、これが約四千二百件、物件説明等が十分でなかったというようなことで業法違反に伴うトラブルが約三千三百件、ローンの不誠実というようなことで金融あっせん等に伴うトラブルが約一千七百件、履行遅延に伴うトラブルが約一千五百件、瑕疵の補修に伴いますトラブルが一千百件等でございます。
 以上が売買の点でございますけれども、媒介とか代理にかかわります苦情、紛争につきましては、報酬に伴うトラブルが千二百三十七件、物件説明違反に伴うトラブルが八百五十五件、こういうふうな実態になっております。
 それから、最近マンションにつきましての管理面のトラブルが生じてまいっておりまして、そういう苦情相談等をよく受けるわけでございますが、これはまだ数字的に的確なものをつかんでおりませんけれども、内容といたしましては、専用使用権等の区分所有権にかかわります権利の範囲とかその内容に関するもの、あるいはまた管理規約、あるいは管理委託契約を管理会社等といたしておりますけれども、こういった管理委託契約、あるいは管理会社の業務執行等に関する問題がございまして、特に管理面に関するトラブルが相対的に多くなってきておるのが実情でございます。
#56
○中村(茂)委員 いま御説明いただきましたように、五十二年、五十三年、一年に約三万件、しかもそれが大都会に九割集中している。それから、アウトサイダーの中小不動産業が欠陥マンション、欠陥住宅と言われる苦情、紛争の内容を持っている。こういうふうになってきますと、やはりこれらの問題をどういうふうに防止するか、処理するか、業界の面から見れば、特に悪質業者と言われる面をどういうふうに近代化して、そういうものが未然に防止できるように持っていくかということが、今度の法改正のポイントではないかというふうに私は思うのです。
 そこで住宅宅地の取引の適正化、この面について具体的にお聞きしていきたいと思いますが、私も欠陥住宅、欠陥マンションと言われる問題についてここ数年間一生懸命取り組んでまいりました。しかしいまの状態の中ではなかなかうまい解決にならないのです。ですからこれは全体的に社会問題にいまなってきている。そういう背景を受けてここ数年間それぞれの諸官庁でもいろいろな提言が行われております。経済企画庁では、「消費者保護の見地から」ということで「民間分譲マンションの居住性能に関する基本調査」七十八ページにもわたる見解を調査の結果発表している。また行政管理庁では五十四年三月に、「民間分譲中高層共同住宅(分譲マンション)に関する行政監察結果に基づく勧告」を出している。また国民生活審議会消費者政策部会では「住宅・宅地取引の適正化について」という方針を出している。こういう全体的な動きの中で建設省でも住宅宅地審議会でそれぞれ答申して出されたものもあるし、まだ検討中のものがあるというのが現状ではないかというふうに思うのです。先ほど渡部君の質問に対して、大臣も、まだ残されているものがある、検討中だ、こういうふうに言われていました。
 そこで、今回改正される内容といま申し上げた中でそれぞれ提起されている問題、こういうものを含めて具体的にお聞きしていきたいというふうに私は思います。
 まずその一つとして、先ほども説明がありましたように苦情、紛争の案件が非常に多い。このごろ「欠陥マンションを見抜く方法」という本が出まして、それがベストセラーになるというくらいみんな多く関心を持っているわけなんです。そこで、苦情に対する処理の現状とこれを今後どのように整備していくかということについてのお考えを大臣から聞いておきたいというふうに思います。
#57
○渡辺国務大臣 この苦情処理問題というのは、私どもといたしましても非常に重要な課題であるというふうに考えておりますが、建設省並びに都道府県に、紛争相談の窓口または相談員を設置いたしまして、現在はその解決に努めておるわけでございます。また、宅地建物取引業保証協会はその必須の業務としまして、会員でございます業者の取り扱った取引に関する苦情の処理を行っておるわけでありますが、なお他の業協会におきましても苦情、紛争の解決にもちろん努力をいたしておるわけでございます。
 しかし、売買等の当事者間の紛争に対しまして行政庁が関与するということにつきましては、御承知のように行政の民事不介入という原則もございまして、おのずから限界がございます。たとえば建設工事紛争審査会のような準司法的な機能を持ちました紛争のあっせん、調停機関を行政庁に設置するということも一案であると思いますけれども、ただ、いま言われておりますような行政簡素化というようなこともございますので、それらをあわせ考えますと、むしろ新たに準司法的な機能を持ちました公益法人等を設立をいたしまして処理するようにしたらどうかというふうに考えておりまして、そのような方式につきまして調査研究を行っていきたい、鋭意努力をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#58
○中村(茂)委員 これは相当思い切った手を打っていかなければならないと私は思うのですけれども、それにつけても、いまこういう苦情とか紛争とか欠陥マンションとか、そういう内容、先ほど特に苦情の内容について大別してお聞きしたわけでありますけれども、そして私もいろいろ取り上げてみましたが、性能基準がないことがどうしても解決になかなか手間取るということと、それからそれがないために、いま建築基準法はあるわけですけれども、とてもその基準法だけでは瑕疵がどうだとか欠陥がどうだということを決めかねる要素が非常にある。法的にも、いま準司法的という話がありましたけれども、決め手がないために、相談を受けても業者について、ここはこういうふうに間違っているからおまえは間違いだよ、したがっておまえの責任でこれは処理しなさいという基準をなかなか見つけることができない。ですから私は、こういう問題を解決していくには、言い方はそれでいいかどうかはわかりませんけれども、住宅性能基準というようなものをきちっと定めてそれを守らせる、それに違反した者については欠陥、瑕疵ということで業者に補償させていく、そしてそれを準司法的な機関で判断し解決を図っていくというような前向きの姿勢をとらなければなかなかむずかしいではないかというふうに一点思うのです。
 それから二点目には、法案に出ているいろいろな問題は規制の問題が多いわけでありますけれども、やはり業者については厳しい規制を行う、それと同時に、業界自身の自主規制というものについて建設省は思い切った指導をしていくべきではないか。先ほどからいろいろな角度で言っておりますように、どの業界を見ても、その業界を指して悪徳業者だというふうに世間から名指しで言われる業界は少ないのですよ。しかし、不動産の取引についてはいまだに世間から疑心暗鬼の目で見られる、悪質業者も現に存在する、そういう状態である。やはり自主規制をきちっとさせていくという徹底した指導が必要ではないか、こういうふうに思うのです。それと、行政改革ということでなかなか厳しい面もあると思いますけれども、地方公共団体を指導して行政の窓口の強化などを図っていくべきではないか、こういうふうに思うのですが、もう一度大臣からその決意のほどをお聞かせ願いたいというふうに思います。
#59
○渡辺国務大臣 具体的にはまた局長から御説明を申し上げると思いますが、性能基準の問題につきましてもいろいろ検討いたしておるわけでございますので、後ほど御説明いたすと思いますが、この点につきまして先生のお考え方には私どもも賛成でございますし、努力をいたしたいと思います。ただ、具体的にこれを取り上げてまいります場合には、なかなかむずかしい問題も伏在をいたしておるわけでありますが、そのような方向で努力をいたすつもりでございます。
 なお、業界の自主規制という問題、これは当然な問題でございまして、最近はそういう努力が順次積み重ねられつつございますけれども、なお不十分な問題等もございますので、今回法改正をいたしましてこれに対処するにつきましては、今後ともこういうような面につきましても、私どもといたしましてはもちろん努力をいたしてまいりたいと思っております。
 なお、現在こういうような仕事をしております関係者、必ずしも十分な陣容が整っておるとは言いがたいわけでありまして、いろいろ御心配をかけておるようでありますが、いま行政の簡素化も言われるときでありますので、いろいろな仕事の繁閑を十分利用いたしまして協力体制をなるべく緊密にいたしまして、仕事にそごのないように、それらにつきましては十分配意をし、努力をいたしてまいりたいと思います。特に不動産は、消費者からいいますれば非常に長い間かかり、いわば長い人生の中でもあるいは一回やっとそれが実現するかどうかという重要な問題でございますので、そのためには不動産業界の健全な運営、また仕事の面におきます十分な信頼の確立というのは当然なことでありますから、法改正によりますことにつきましては的確な運営を図ってまいりますつもりでありますし、なお、今回の法改正に盛られなかった問題につきましても、先ほど来申し上げておりますように、私どもは今後なるべく早い機会にそれの具体化を図るということで、極力努力をいたしてまいりたい、このような考え方で進めるつもりでおります。
#60
○中村(茂)委員 それでは具体的な問題についてお聞きしていきますが、宅地建物取引の免許制度について二点質問いたします。
 その一つは、免許基準の強化について、簡潔で結構ですから、今度の改正とあわせてお聞かせ願いたいと思います。
 それから二つ目には、先ほども答弁しておりましたけれども、四十五年十二月の答申の免許の三種類の区分についてどうなっているのか。不動産開発業、それから不動産販売業、不動産仲介業、この三種を免許で明確に区分したらいいじゃないかという答申があるわけですけれども、いつごろまでにこれは実施の段階に踏み切れるのか、含めて御答弁いただきたいと思います。
#61
○宮繁政府委員 まず、免許制度の強化についてでございますけれども、第一に、免許の取り消し等を受けた場合の免許取得禁止期間を三年から五年間というふうにかなり延長いたしました。そのような悪徳業者に対しまして心理的な圧迫を加えることによりまして、不正不当な行為を少なくし得る効果も考えております。
 第二に、免許の取り消し処分の聴聞の公示の後、具体的な処分または不処分を決定することとなる日までの間にみずから廃業等の届け出を行いまして処分を免れるというような業者もおりますので、こういう者に対しましても五年間の再免許取得禁止期間を設けることといたしまして、監督処分を免れる目的で廃業等の届け出を行った業者についても免許の取り消しと同じような取り扱いをすることにいたしたいと考えておるわけでございます。
 免許の区分につきまして、先ほどもお話がございましたけれども、この媒介、売買あるいは開発業といったような業者の業態に応じて区分すること、基本的にはこの方向で進まなければいけないと思っておりますけれども、一部の中小業者の方方から、営業の自由を制約するというような反対論も現実にございました。それで、いずれにしましても、それぞれの業態に応じました実効性のある免許要件を定めるためには、業者の営業の内容と資金的な基礎の関係あるいは人的構成、どういう職種のものをどの程度置いておく必要があろうか、こういったような態様関係につきましても、現在の実態も十分調査した上で検討する必要があるということで、今回の改正では見送ったわけでございますけれども、今後は早急にこういう調査を実施いたしまして、これに基づきまして業態ごとの免許要件を検討いたしまして、区分の具体化をできるだけ早く図ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#62
○中村(茂)委員 次に、瑕疵担保責任期間の問題ですが、これは二年未満の特約を禁止しておりますけれども、民法との関係もあると思いますが、先ほど申し上げた国民生活審議会で出しました「住宅・宅地取引の適正化について」の中でも、「十年とするなど、より長期間とするよう配慮する必要がある。」と提案しています。この問題が欠陥問題を取り上げてみた場合に非常に重要な課題だと思いますけれども、この点の延長というものに対しての考え方、それから、将来どういうふうにしようとしているのか、その点について明らかにしていただきたいと思います。
#63
○宮繁政府委員 この瑕疵担保責任期間の延長問題につきましては、私どもも、ただいま先生から御指摘のありました方向が妥当であると考えておりまして、現在この宅地建物の売り主であります業者の瑕疵担保責任の期間につきましては宅建業法で二年未満の特約が禁止されておりますが、取引の実態から見まして、取引のときに見えなかった隠れた瑕疵が引き渡し後二年程度で発見されるとは必ずしも限らないこと、また、堅固な建物の躯体に関しますような瑕疵について二年の特約を認めるというのは問題である、こういったような点から、瑕疵担保責任の期間を延長する方向は妥当であると私どもも考えております。
 しかしながら、具体的にその期間を定めるに当たりましては、瑕疵問題の発生状況を十分調査する必要があります。これは一部調査も進めております。
 それから、分譲業者がその買い主との間で瑕疵担保責任を議論いたします場合に、分譲業者と建設業者の間の瑕疵担保責任の期間との調整の問題がございます。こういった点について検討する必要があること。
 それから、建物はみんなそれぞれ非常に個性を持っております。それから、新築とか中古の別、あるいは木造、鉄筋づくりの別、あるいは建物の部位、屋根でありますとか壁回りでありますとか、内装でありますとか設備工事でありますとか、そういったようなものに分けて期間を決める必要もあるのではなかろうかというようなことで、これらの検討がまだ現在必ずしも十分に行われておりませんので、こういった瑕疵担保責任の期間の延長が見送られたわけでございますけれども、今後できるだけ早期に検討を進めまして、成案を得た上で住宅宅地審議会の御意見も聞き、所要の改正を行う方向で鋭意努力して取り組んでいきたいと考えております。
#64
○中村(茂)委員 次に、今回の法改正の中身でありますけれども、自己の所有に属しない宅地建物の販売の禁止について、この中で前金保全措置等のある場合を除きと、こういうふうに適用除外があるわけですけれども、この適用除外の中身について明らかにしておいていただきたいというふうに思います。
#65
○宮繁政府委員 まず第一に、宅地建物取引業者が宅地または建物を取得する契約を締結しておりますとき、その他建設省令で定めるときを除外しておりますが、この「建設省令で定めるとき」というのは、都市計画法第四十条の所有権の移転時期が、画一的に「公告の日の翌日」というふうに決められております。実際には所有権の移転することがそれ以前に確定しておるような場合がございますので、これにつきましては除外していきたいと考えております。
 これらは、現在他人の所有に属しておりましても、業者がその所有権を取得できる見込みがあれば、当該宅地建物を第三者に売却する契約を締結いたしましても、これを締結した相手方に引き渡すことができますし、買い主の利益を害するおそれがないというふうに考えられるからでございます。
 それから第二番目に、前金保証措置のあるいわゆる青田売り、まだ建物が完成してないようなものを売る場合も除外しております。これは、いわゆる青田売りの場合には宅地建物取引業者自身も物件がまだ完成しておりません時点で所有権を取得するのが通例でありまして、販売時点では所有権がないにもかかわりませず、法が特に売却を認めたものでありますので、これにつきましては、自己の所有にまだ属していなくても前金の保証措置があるものは売却を認めることとしたわけでございます。仮に倒産等のあれがありましても、前金の保全がなされておりますので、買い主である一般消費者の利益が害されるということはない、こういうふうな理由に基づくわけでございます。
#66
○中村(茂)委員 この前金保全というのは、たとえどれだけでもいいですか。額は全額でなければだめなんですか。それと、この等というのは、いま省令で出す場合と言われましたけれども、それだけなんでしょうか。それと、消費者がわからないですね、前金になっているのか、省令で出したものの内容でなっているのか。だから、消費者対策というものはこれに合わせてどういうふうに措置されるのですか。
#67
○宮繁政府委員 前金保全措置は、物件の価格の五%をあれいたしますと全額保全されることになっております。それから、この特例措置はいま御説明したものだけでございます。
 それから最後に、買い手側がどういうふうにこういうことがわかるのかということにつきましては、取引業者は相手に対しまして、こういうふうになっておるということを必ず書面でもって知らせる措置をとりたいと思っております。
#68
○中村(茂)委員 次に、事務所等以外の場所における契約についての特例、クーリングオフ制度の問題でありますけれども、事務所等以外の場所、こういうことについてどこに線引きを行うのか。それから、事務所等というのですから、事務所に準ずるような場所についてどういうふうに理解したらいいのか。それと、五日間という問題については、「告げられた日から起算して五日を経過したとき。」こうなっておりますけれども、告げられた日というのは、口で告げてもいいのか。告げるということは、大体口で言うことを告げると常識的には言うのですが、口で言ったことが契約になるのか、その辺がよくわからないのです。それと五日に決めた理由。
#69
○宮繁政府委員 省令で定める事務所等ということでございますけれども、これは事務所に準ずるような場所ということを考えておりまして、継続的に業務を行うことができる程度の施設を有する場所で、しかも取引主任者をそこに置いてあるもの、こういうことを考えております。
 それともう一つは、安定的な意思決定が行われると認められる場所としまして、買い主である消費者の方がみずから申し出まして、自宅へ来てくれとか、あるいはまた勤務先へ来てもらってそこで契約をしたいというような場合に、そういった場所を考えておるわけでございます。
 それから、このクーリングオフの五日間を決めるのは、書面で業者の方が五日間ですよということをはっきりと知らせるような措置をとっております。
#70
○中村(茂)委員 いい制度なんですけれども、その線引きをどういうところにするかということと、それから買う方がどういうふうに理解するかということでまたトラブルのもとになる面もあると私は思うのですよ。主任者でいけばいいとか、または本人が業者を呼んで、それで自宅でもいいとかそういうふうに言っておりますけれども。
 それと、起算して五日、これはもう少し、十日ぐらいあった方がいいのじゃないかという意見も相当強いですね。ですから、この五日について、どうして五日という日にちが出てきたのか、どうも、いまの答弁では余りはっきりしないのですけれども。
 私も実はこれは経験があるのです。契約したときには契約金何%と取りますから、そのやつを全額返せ、返さないで、弁護士を頼んで、非常に悪質なのにひっかかった人について世話したことがあるのですが、場所が非常にむずかしいということ、それから五日間で果たしてそういう判断ができるかどうか。業者というのは非常に巧妙ですから、これはひっかかったなということが判断できるかどうか、非常にむずかしいと思うのです。
 ですから、もう一度、その線引きの問題で、五日というのはどういうふうに決めたか。告げるというのは契約した日のことをいうのか。書面と言うけれども、どういうふうになるのか。そこら辺、もう少しわかりよく説明していただきたいと思うのです。
#71
○宮繁政府委員 まず、五日の起算点でございますけれども、業者は、建設省令で定める様式によりまして、買い主あるいはまたその契約の申し込みをいたしました一般消費者でございますけれども、その方々に対しまして、申し込みの撤回を行うことができるのですよ、それからこの撤回を行う場合には、このことを告げた日から起算して五日を経過したらできるということを書面でお示しすることになっておりますので、この点ははっきりすると思います。
 それから、五日間が長いか短いか、実は大変議論がございました。基本的には、契約は自由であるという原則がございますし、契約をいたします場合には、それぞれ自分の責任で判断して契約するのが民法上の原則でございますけれども、その民法の原則を破る措置もやむを得ないというようなことで、こういう場合には一方的に、当事者側の相談なくして契約の解除ができるわけでございますので、やはり取引の安全という点からも、余り、長い期間はいかがなものかというようなことで、いろいろ御議論が出ました結果、現在の訪問販売法等では四日ということにもなっておりますので、一応それに一日を加えまして五日としたようなわけでございます。
 ただ、この五日の期間と申しますのは、不動産を購入する場合に意思決定をするに当たりまして物件の調査をし、あるいはまた大ぜいの方々と相談をする場合が多いわけですけれども、そのための五日期間ではないわけでございまして、どんな品物でもそうでございますけれども、特に大変高価な、また一生に一度か二度しかないような買い物でございますので、十分時間をかけて私どもは調査をしていただきたい。それから、特に相手方の業者につきましての信用調査もやっていただきたい。これはたとえば東京都の窓口へ行っていただきますと、そういった資料も閲覧されますし、いままでにトラブルがあったかないかということもわかるわけでございますので、そういう点を十分お気をつけていただきたい。あるいはまたお一人で現地へ行かないで経験者と同行していくとか、または天気の日だけでなくて、雨の日もその現地を見る、こういうふうなのが通常不動産を買う場合の調査につきましての基本的な事柄でございますけれども、そういったような調査は十分やっていただきたいわけでございまして、その調査の期間が五日とかいうわけじゃございません。非常に不安定なような状況で、温泉場で、見もしないような別荘地につきまして、ごちそうを無料で受けたというような心理的な圧迫もありますし、営業課員が夜遅くまで部屋へ入り込みまして、申し込みをしなさいというような、半ば強要されたようなもとで意思決定が行われる、こういった意思決定を正常な意思決定に回復させる期間をつくったというのがこの趣旨でございます。
 そういうような趣旨でいろいろ検討いたしました結果、今回は五日間をもって妥当な期間であろう、こんなふうに決めさしていただこうと思っておるわけでございます。
#72
○中村(茂)委員 次に、取引の公正確保についてでありますが、そのうちの誇大広告、この件についての違反実態について、公正取引委員会から来ていると思いますけれども、現状を明らかにしていただきたいと思います。
#73
○矢部説明員 宅地建物取引におきます誇大広告につきましては、全般的には少なくなってきておりますけれども、なお依然後を絶たないような状況でございます。
 最近取り上げました件数を申しますと、昨年度公正取引委員会では、八件につきましては排除命令ということで法的措置をとりまして、そのほか簡単な違反につきましては、百件を超える警告を出しております。
 不動産の違反事件、不当表示の内容につきまして申し上げますと、全般的な傾向といたしましては、分譲地に関するものよりもだんだん中古住宅あるいは土地つきのものというものがふえております。特にその中でもおとり広告と申しまして、実際には販売しないようなものを非常に有利な物件を広告に出しまして、それを見に来たお客様にほかの物件を勧める、こういうものがふえております。
 それから、不当表示の内容につきましては、交通の便に関するものが多い。それからそのほか、瑕疵ですとか欠陥につきまして隠しまして、非常に有利な物件のように見せるというようなものもふえております。さらに、中古住宅に関しましては、建物の建築年数というふうなものをかなり古いのを新しいように表示している、このような例も見受けられます。以上が最近の誇大広告の実態でございます。
#74
○中村(茂)委員 次に、誇大広告は、警告を含めて百件以上なんですが、今度の法改正で誇大広告の禁止を強化するということなんですけれども、いまの実情に合わせて今度の法改正はどのような内容になるわけですか。
#75
○宮繁政府委員 今回の改正案では、現在も誇大広告等の禁止の規定がございますけれども、その禁止の対象に新たに二つのものを加えることにいたしております。
 一つは、将来の環境あるいは将来の交通その他の利便に関する事項、これを誇大広告してはならないということ、それから二つ目は、代金に関します金銭の貸借のあっせん、ローンのあっせんをするにつきまして誇大広告をしてはならない、このことを追加いたしまして、現行の規制をさらに強化するということにいたしております。これは客観的な根拠がないのに、近くで町村が工業開発計画を持っておりますとか、あるいはレジャー施設を県が開発しますよとか、道路ができますとか、そういうような誇大広告を禁止することでございます。
 それからローンにつきましては、金利をアドオン方式というような方式で、見かけは低く見えまして、実際はかなり高い金利負担をしなければいけない、そういうような広告が増加いたしておりまして、契約が成立した後もトラブルが生ずる事例が多発してまいりましたので、これらを新たに誇大広告等の禁止の対象に加えることにいたしたわけでございます。
#76
○中村(茂)委員 次に、先ほど申し上げました行政管理庁の五十四年三月の勧告の中に「また、公正競争規約の励行について一層の徹底を図るとともに、いわゆるアウトサイダーの公正取引協議会への加入促進に更に努めること。」こういうふうに公正取引委員会に勧告していますけれども、現状と、その後の措置について明らかにしていただきたい。
#77
○矢部説明員 不動産の表示に関しましては、業界の自主基準でございます公正競争規約というのがつくられておるわけでございますが、ただいま先生から御指摘がありましたように、昨年行政管理庁の方から、公正競争規約の励行につきまして一層励行を図る、それからさらに、規約に入っていない者に対してもさらに規約に加盟するようにという勧告を受けまして、昨年の七月、この行政管理庁の勧告の趣旨にかんがみまして、各公正取引協議会というのがございますが、そこの会員に対して公正競争規約を守る、それからさらに、アウトサイダーもできるだけ加入するよう文書をもって要望いたしております。
 それから、現在四国地方、中国地方には公正競争規約というのができておりませんので、その地域につきましてはできるだけ早く公正競争規約を設定するよう指導をしておるわけでございます。
 それから、なお最近、全日本不動産協会という、いままで規約に入ってなかったところがあるのでございますが、ここが団体加入いたしまして、新たに協議会に入るということで、東京と大阪を中心にしまして約一千の業者が規約に従った表示をしていく、こういうことになっております。
#78
○中村(茂)委員 団体が八団体あって、その団体に入っているところでも、その団体が全部入っているというような実情にはなっていない。その上にアウトサイダーがあるということですから、やはりこのアウトサイダーの取り扱いというのがこれから非常に大きな問題になっていくというふうに思うのです。ですから、これは公正取引委員会きりではなしに、団体ぐらいはそっくり入るようにしなければいけないし、それから団体を組織していないアウトサイダー、ここのところをどういうふうに取り扱っていくかというのが今後の課題だ、こういうふうに理解しています。
 それから次に、ひもつき宅地販売、これは公正取引委員会からも指導文書が出ているわけでありますけれども、もう時間がなくなってきておりますが、この取り扱い方について、考え方を簡潔にひとつ質問いたしたいというふうに思います。
#79
○奥村説明員 御説明いたします。
 土地の販売業者が、その販売する土地に建築する建物につきまして、自己または自己が指定する特定の第三者と建築請負契約を締結することを購入者に義務づけるというふうなことがございます。こういった場合に、土地購入者が、将来何年かいたしまして建物を建てようとした場合に、ほかに安い価格による建築請負契約ができる、そういう安い建築業者のいることがわかりましても、それとの契約ができないというようなことが起こるわけでございます。こういうふうに、土地の販売業者が土地の購入者に建築業者を指定して、それを拘束するといいますか、強制するというようなことになりますと、建築業者間において競争がなくなるというふうな問題、また逆に、土地購入者が建築業者を選ぶことができなくなる、そういった点から独占禁止法上問題ではないかというふうに考えられるわけでございます。
 ただ、プレハブ業者と申しますか、規格型住宅をつくる業者が、自分のつくったプレハブ住宅等を売りたいということで、自分で適当な土地を探しまして、そして宅地を造成してこれを売る。そして、ぜひその土地には自分の規格型の住宅を建築してほしいというふうに、その土地の購入者にお願いするということまで絶対いけないというふうに言ってしまうにはちょっと問題があるのではなかろうか。そこで、ぜひ買ってほしいというお願いがあくまでお願いである、決して購入者を拘束するものではないということをはっきりしておけば、将来そういった問題にはならないというふうに考えられますので、その趣旨を契約書の上で、決して購入者を縛るものではないということを明らかにしておけ、こういったふうなことを公正取引委員会としては各担当者の方に示達をいたしまして、そういう方針のもとで、そういった事件と申しますか、問題が起こりましたときに対処をいたしておるということでございます。
#80
○中村(茂)委員 これは、結局建て売りですと宅地と建物を一緒にやる。しかし、宅地を売るときに、その契約の中に、この土地を買ったら、家を建てるときには建物の方はこの業者に頼んで建てますよということを、一括、土地のときに契約してしまうような方法なわけですね。ですから、業者の方からすると非常にぐあいがいいわけですよ。土地を売った、それで土地の金は入る。建物の方はまた後から、業者で契約しておいて入ってくる。ですから、これは明らかに、優越的地位の乱用という独禁法の項目に該当するというふうに私は思うのです。それを皆さんの方の指導では、その上にできるだけというふうにつければ拘束しないからということで、できるだけという指導をしていますけれども、こういう中途半端な指導ではなくて、やるなら、土地の売買契約をしたときに、それではどの建設業者と上物はやりますというふうに正式な建物の建築契約をする、同時契約をしていれば文句ないと思うのです、正式な契約を。しかし、土地の売買契約のところへ項目を一項つけて、この土地を買った人についてはこの建設業者に上物をやりますよ、それをやらなかった場合にはこの土地はまた返していただきますよ、こういうふうになっているわけですよ。ですから、同時契約以外には認めない、こういう態度をとるよう私から強く要求しておきたいというふうに思います。
#81
○奥村説明員 ただいまの点につきまして、ちょっと補足して御説明いたしたいと思います。
 先ほど申しましたのは、プレハブ業者なんかが自分の宅地を造成して売りますときに、ぜひ自分の建物をお願いしたいということで、これはあくまでお願いだということを表示させればいいということを申し上げたわけでございます。
 それから、もう一つ、たとえばいま先生から御指摘がございましたように、建て売り住宅という問題がございます。建て売り住宅の場合は、土地の上に建物が建っておりまして、上下一緒に買うわけでありますから、これが違反であるというふうにはちょっと言えないだろうと思います。ところが、そのちょっと前の段階、たとえば規格型住宅におきましても、一種類しかないのではなくて幾種類かつくっておりまして、お客様のニーズに合わせまして、そのうちのどれかを御選択いただく、こういったシステムをとっている業者が多いようでございます。したがいまして、そういった場合に、初めからどれと決めるのではなくて、土地を御購入いただきましたときに、比較的短期間、まあ私どもの文書では、せいぜい三カ月というふうに書いてございますけれども、その間の期間内に規格型住宅のどれかを選びまして、そして建物の建築契約も結びなさい、これは結ばないときには土地の売買契約の方も効力を失いますよ、こういったふうな停止条件につき契約にするようにしなさい、こういった文書で事件に対応するように各担当者には指示しているわけでございます。したがいまして、ただいま先生の御指摘がありましたように、せっかく建物を建てる場合に、一種類でなくてどれかを選ぶという程度の選択の余地があるという程度のことでございましたら、建て売り住宅とほとんど変わらないという場合でございますので、その程度のことであるならば、公正競争阻害といいますか、競争阻害の問題はないであろう、こんなふうな考え方をとっているわけでございます。
#82
○中村(茂)委員 時間が来ましたけれども、もう一点だけ、済みません。
 最後ですけれども、今度できます不動産流通センター、これは宅地建物取引業保証協会、この保証協会にも、二つの団体がつくっているという話ですけれども、全員入っているわけでもない。それから、そこのところから出資し、国からも出資し、全体でこういうセンターをつくるわけですけれども、ここのところから、私は、当初から問題にしている、どこの団体にも入っていない、また、こういう流通センターをつくっても、そこのところから除外されてしまうというアウトサイダーの業者、個人的不動産業者、この人たちをどういうふうにしていくかということが非常に大きな課題だということを強調しているわけですけれども、この設立、言えば協業化というのですか、これも大きな課題にしているようですけれども、そこら辺の絡みをひとつお聞きして、最後にしたいと思います。
#83
○宮繁政府委員 近代化センターの事業とこのアウトサイダーの問題でございますけれども、今回の近代化センターの設立基金、これは業界からの出捐も仰ぐわけでございますけれども、アウトサイダーは、直接的にも間接的にも出資にも関連しない結果になります。
 それから業務面につきましては、近代化センターの業務の柱が二つございまして、一つは、不動産流通市場の整備、近代化のために流通業務処理体制の適正化等の指導を統一的、効率的に行っていくということでございますが、この点につきましては、流通業務の適正化の点から近代化センターが媒介契約約款をつくるとか、それから価格の査定の手引書をつくっていくとか、あるいは物件の情報交換をオープンにする意味合いからもこの規格化を進める、こういったことにつきましては、アウトサイダーにおきましてもこれらの指導を受けた方がメリットもございますので、何とか都道府県等を通じましてこういった近代化の指導がアウトサイダーにも及んでいくように一段の努力をしたいと考えております。
 ただ、協業化の事業につきましては、落ちこぼれておるアウトサイダーでございますので直接的に対象にはなりません。しかし先ほどちょっとお話に出ました保証協会でございますけれども、一般の場合はいままでは本社五十万円の供託金が三百万円に高くなりますけれども、この保証協会に入っておりますと現在は十万円が倍の二十万円で負担金が済むことになります。そういう意味では、今回のこの供託金の引き上げはある程度アウトサイダーの方々も保証協会に入り、またそのうらはらをなしております全宅連あるいは不動産協会等にも入る一つの契機にもなろうかと思いますし、そういう働きかけを十分やっていくように業界にも指導してまいりたいと考えております。
#84
○中村(茂)委員 したがって、この保証協会への義務加入制を確立していただきたいというふうに思うわけであります。そうすれば必然的にこの流通センターなどをつくってそこから漏れていくということもなくなっていきますから、これも答申や審議会でいろいろ審議されている問題でありますから、保証協会への義務加入制の確立について強く要望して私の質問を終わりにしたいというふうに思います。
#85
○北側委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十七分開議
#86
○北側委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。松本忠助君。
#87
○松本(忠)委員 宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案について、まず最初に大臣にお尋ねしたい点がございます。
 宅建業法が昭和二十七年当時、いわゆる戦後の復興期におきますところの住宅宅地に対する取引の増大、これに伴いましてしばしば発生したいわゆる悪徳業者によるところの事故を背景に、宅地建物の取引を業として営む者に対する規制法として同年議員立法によって制定され、法律百七十六号として公布施行されました。その後数回にわたりまして改正をされまして今日に至っているわけでございますが、このような数度にわたる改正が行われたにもかかわらず、不動産の流通量の増大に伴いまして紛争件数も増加していることも事実でございます。今回一部改正が議題となっているわけでございますが、特にいままでの改正と異なる点は、第一条の目的の中において「宅地建物取引業の健全な発達を促進し」という文言が追加されております。現行法は、取り締まり法規として宅建業者に対する規制を主にして、そうした規制を通しまして宅地建物の流通の円滑化を目指していたわけでございますが、今回新たに文言を加えましてそうした面を鮮明にした点は評価されると思うわけでございます。
 そこで大臣にお尋ねいたしたい点は、今回このように宅建業の健全な発展、これを鮮明に前面に出した、こういう点についてこれからどのように施策をこれに向かって対応されようとしているのか、この点についてお尋ねを申し上げたいわけでございます。
#88
○渡辺国務大臣 まず、今回入れました経緯でございますけれども、これまで宅地建物取引業法は業者に対しまする規制という観点から規定をいたしておりましたが、購入者などの利益の保護また宅地及び建物の流通の円滑化をより一層徹底するためには宅地建物取引業の健全な発達を促進することが今後重要な課題であるというふうに考えまして、目的規定にこれを追加したのでありまして、この目的を達成いたしますためには今回の法改正におきまして、まず第一番に宅地建物取引主任者に対しまする講習を実施すること、第二番目には媒介契約を明確化すること、第三番目には宅地建物取引業保証協会の弁済業務保証金準備金の取り崩し金の使途に関する規定の整備を新たに行ったわけであります。
 今後はこのような規定の適正な執行を通じまして宅地建物取引業の健全な発達に努力をいたしまして所期の目的を達成いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#89
○松本(忠)委員 そこで建設省の資料によりますと、宅地建物取引業の業者の数というものは年々非常に増加しております。五十三年度末の統計で十万百四十三業者というふうに報告がございます。また別の建設省の資料を見ますと、同じ五十三年度で更新期限の切れを含めまして七千二十四業者が廃業しているという事実もあるわけでございまして、非常に変動が激しい業界であることがわかるわけでございます。そうした業界の対応を反映して取引にまつわる苦情、紛争、こうしたものの件数が年々増加している、こういうことをわれわれは新聞の報道その他でもよく耳にするわけでございます。
 そこで、このような変動の激しい理由は一体何なのかということが一つと、苦情、紛争はどういう状態のものが多いのか、この点について局長の御答弁をいただきたい。
#90
○官繁政府委員 宅建業界におきましては、ただいま御指摘がございましたように新規参入のものも多く、同時にまた脱落していくものの数が大変多いわけでございます。この理由といたしましては、比較的小資本、しかも従業員の数もきわめてわずかの数でございましても、新しくこれに参入ができるということが理由でございますが、しかしながらこの不動産取引業の業務内容はかなり法律的にもその他高度の専門的な知識が必要でございますし、競争も激しいわけでございます。こういうようなことで、なかなか経営の安定がされにくいということで廃業する業者もまた一方で多いのではなかろうかと考えております。
 なお、この苦情、紛争の発生の内容でございますけれども、毎年件数は年々増加いたしております。それで五十三年度でこの苦情、紛争の原因別に把握できますものを見てみますと、まず売買にかかわる苦情、紛争につきましては、契約の解除などに関するものが四千二百件、物件の説明をちゃんとしなかったというようなことで業法違反に伴いますものが三千三百件あるいはローンの不成立といったようなことで金融のあっせんに伴いますものが千七百件、履行遅延に伴いますものが千五百件、瑕疵の補修に伴いますものが千百件というように大体なっておりまして、これら売買に伴いますものが合計で一万四千件程度になっております。
 なお、この媒介、代理に関係いたします苦情、紛争もかなりございまして、報酬に伴うトラブル、これが千二百件程度、それから物件の説明が十分でなかったというようなことに伴いますトラブルが八百五十五件とありまして、これら媒介、代理に伴いますトラブルの合計も四千三百件というふうな数に上っております。
#91
○松本(忠)委員 苦情、紛争の件数が非常に多いことが御説明でわかるわけでございますが、こうしたことが根底にありまして、実際問題として宅建業法の違反という事例が出てくるわけでございます。根本的には苦情、紛争が出ないような状況をつくり出すことが一番いいわけでございますが、そこで何としても宅建業法の健全な発達を図らなければならないというわけでございます。
 そこで、宅建業法の違反の不正不当の行為、こうしたもので処分を行った件数は一体どうなのか、また監督処分までには至らず行政処分で行った場合も相当あると思いますが、その件数等を年度別にお知らせ願いたいと思うわけでございます。
#92
○宮繁政府委員 宅建業法の違反で処分を行いました件数は、昭和五十一年度が三百六十件、昭和五十二年度が三百七十二件、昭和五十三年度が四百五十二件、昭和五十四年度が三百七十七件でございまして、ここのところ数年間はほぼ横ばいの状況でございます。
 なお、業者に対します行政指導といたしまして直接指導と電話等による指導等もございますけれども、直接指導のうち、監督処分には至らなかったけれども最終的には文書を交付いたしまして指導を行ったものがございます。これが昭和五十二年度では百六十五件、昭和五十二年度では二百十五件、昭和五十四年度では百九十四件、これもほぼ横ばいの状況でございます。
#93
○松本(忠)委員 五十四年度の集計が出てきて、先般ちょうだいいたしました資料の新しい件数がわかったわけでございますが、五十年、五十一年の監督処分をしなかったが行政指導をした件数というものが非常に多い資料をいただいております。五十年度が五千七百五十一件、五十一年度が五千六百九十八件というものが受けているわけでございます。それが一転いたしまして五十二年度になりますと百六十五件、五十三年がいまお話しのあったように二百十五件、五十四年度百九十四件と漸減の傾向にあるわけでございますが、五十年、五十一年がどうしてこのように多かったのか、その辺の説明をいただきたいと思います。
#94
○宮繁政府委員 この点につきましては多少統計の御説明の仕方も問題があったかと思いますけれども、実は五十年、五十一年までは電話で業者に対しましていろいろ指導したという件数も含んでおりまして、このために約六千件というような程度になっておりますけれども、五十二年度以降におきましては電話の指導の方を統計をとっておりませんで、文書で指導したもののみを計数として挙げておる、かような結果でございます。
#95
○松本(忠)委員 電話でやるということも何か原因があるから電話でやるわけでございますが、問題は、行政指導というものは消費者を保護するたてまえからいけば当然やらなければならないことでありまして、電話でやったのと文書でやったのと区分するといっても、結局はやはり消費者保護のたてまえから言うならば私は注意は喚起すべきではないかと思います。ですから、そういうものが急に減ったというわけはいま理由を聞いてわかったわけでございますけれども、件数自体ではやはりこんなふうに減るわけがないと私は思うわけですね。結局、五十二年、五十三年、五十四年と漸減傾向しているのは役所の方が怠慢と言っては言葉が過ぎるかもしれないけれども、事実上この程度はしようがないのじゃないかと言って五十年、五十一年にやっていたようなことをやらなくなった、その結果こういう数字が出たのじゃないかと私は思いますが、どうですか。
#96
○宮繁政府委員 ちょっと私の説明が不十分でございまして、事実、電話の照会その他で御相談がありました場合にお答えしておりますし、また業者に対しましても電話で指導等も引き続いてやっておりますけれども、統計数字として挙げましたのがそういうものを五十二年度からは省略した、こういうことでございまして、引き続き当然電話におきましてもこれからも御相談も受け、指導も続けていくことにいたしております。
#97
○松本(忠)委員 わかりました。
 そこで、行政指導を受けた業者というか、全国宅地建物取引業協会連合会を初めとして宅地建物取引業関係の八団体というものに加盟してないアウトサイダーの業者が相当多いのではなかろうかと私は推測をするわけでございます。五十四年度でも結構でございますが、ただいまのお話の中の五十四年度、仮に百九十四件とするならば、この中でアウトサイダーのものがどのくらいあったのか、それから業協会加盟のものがどのくらいあったのか、この区分をお知らせいただきたいと思います。
#98
○宮繁政府委員 アウトサイダーの行儀の悪い業者が大変多いわけでございまして、監督処分との関連でアウトサイダーかどうかというのを把握した数字がございませんので、東京都の例で御説明いたしたいと思います。
 昭和五十三年の三月末における東京都の宅建業者の数は約一万八千業者になっておりますが、そのうち八団体に加盟しております業者は六割弱でございまして一万一千二百業者でございます。アウトサイダーは約七千業者でございます。全国的に見ますと八団体に加盟している業者は約八割でございまして、二割がアウトサイダーですけれども、大都市周辺ではアウトサイダーが多いように見受けられます。
 なお行政処分の件数でございますけれども、東京都が五十三年にやりました行政処分の件数が五十八件でございまして、このうち業界団体に加入しておる業者は十五件、アウトサイダーは四十三件となっております。
 処分をされました業者がそれぞれアウトサイダー、業界加盟業者に占める割合を見てみますと、団体に加入いたしております業者の場合は〇・一三%、一〇〇の業者の中で〇・一三、ところがアウトサイダーの場合は〇・六一%でございまして、一〇〇の中で〇・六一というようなことで、比率を見ますと四倍以上になっておるというような現状でございます。
#99
○松本(忠)委員 それで、いわゆる八団体に加盟している業者の中で法人と個人の区分、それからもう一つは、一法人であってもあるいは一個人でもいいのですが、それが二つの団体に加盟している場合はないのですか。
#100
○宮繁政府委員 業者数の中の法人業者、個人業者はおおむね約五〇%ずっと考えていいかと思います。それから一人の業者が幾つかの団体に加入しているという例もございます。
#101
○松本(忠)委員 そういった現実の数を把握することはなかなか不可能なことだと思うのでありますけれども、宅建業法の状態というものをよく掌握するためには、やはりこういった報告を法人、個人別に――これは後で私の質問の中にも関係があるものですからいまお尋ねをしたわけでありますが、約五〇%ずっということであって、はっきりした数字というものはおつかみになっていらっしゃらないようでございます。これは後でも結構でございますが、八団体は一応私どもは信用のおける業者というふうに考えております。その中で特に法人、個人の別あるいは一法人、一個人が二つの団体に加盟しているというような者がございますならば、正確な数字をお知らせをいただきたいと思うわけでございます。
 次に移りますが、宅建業者は五十三年度末における推計でも約十一万と言われている。大変な業界でございます。先ほども指摘いたしましたように、業者の変動が非常に激しいわけでございますが、極端な言い方をするならば、免許がなくてもあるいはもぐりでも、電話一本あれば手軽に商売できるというようなところから始められるというような要素があるので、業者は非常に増加するのではなかろうか。勢いそういうことになりますと過当競争が起きる。その結果は、誇大広告であるとか不正行為、こういうものが増加しまして、消費者に損害を与えること、これは実際ごく限られた少数の悪質な業者のために業界全体が不名誉な評価を得ているというふうに思うわけです。俗に千三つ屋という言葉がありますけれども、これはやはりこのことを裏書きしている言葉ではないかと思います。そのような本当に少数の悪徳業者というものは、私は過去の業歴というものが非常に悪くて業者団体にも加盟できない、いわゆるアウトサイダーの者が多いのではないかと思うのでございます。そういうアウトサイダー業者を組織化するために全業者に加入を義務づける、いずれかの団体に加入させるというような義務加入ということはできないものかどうか、この点はどうなんでしょう。
#102
○宮繁政府委員 一つは先ほどから話が出ております業者の業態が、媒介であるとか、売買であるとか、あるいは開発業であるとか、非常に違った内容を持っております。これらを現在は一つの宅地建物取引業ということで取り扱っておるものでございますから、そういうものを一つの団体に強制加入という点では大変問題がございます。それともう一つ、弁護士さんであるとか、そういった一つの資格、資質を持ちまして一定の業務を行っている資格者につきましては、強制加入の道が現在法律制度として成り立つようなことで行われておりますけれども、こういう業界を特別の団体に強制加入させるということにつきましては、営業の自由の問題であるとかその他いろいろな点につきましていま少し慎重に検討する必要があろうかと考えております。しかし、いずれにいたしましても、アウトサイダーがおっしゃるように非常に悪質な営業を続けておることも事実でございますので、何とか既存の業界の中に含められるように、私どももこれからも努力をしてまいらなければならないと考えております。
#103
○松本(忠)委員 確かに弁護士さんなんかと比べてみれば無理な話だとは思うのでありますが、消費者保護ということが一番大前提になる、そういうことを考えたときに、慎重というお言葉でございますけれども、この問題はなるべく早い機会に義務加入ということにして、どんな業者であっても看板さえかかっていれば本当に安心して飛び込んで御相談ができるというふうにしないと、いつまでたっても紛争が絶えない、こう思いますので、その辺ばぜひ早く組織化ができるように、義務加入できるように私はやっていただきたいと思うわけでございます。
 それから、この改正案のいままでの経過を見てみますと、一昨年の五十三年から昨五十四年の間に、昨今の住宅事情、こういうものの変化と流通量の増大、こういうものに伴いまして、宅地建物取引の態様また内容が複雑化してまいりましたことから、行政管理庁の勧告あるいは国民生活審議会の消費者政策部会の報告、こういうものが相次いで出てまいりました。特に五十四年の九月、住宅宅地審議会が建設大臣に対して「宅地建物の取引の公正と流通の円滑化を図るための宅地建物取引等制度上講ずべき措置についての第一次答申」というのが行われたように聞き及んでおります。こうしたことによりまして本改正案の提案がなされたわけでございます。
 御存じのように勧告、報告、答申、こういうものがございます。その中で特に答申の考え方を受けてこの改正案が提案されたものと思うわけでございますが、答申に盛り込まれてはいるけれども本改正案に含まれてないものが大体四つあるのではないかと私も思うわけでございます。その一つは免許の区分の問題、二番目に瑕疵担保責任期間の延長の問題、三番目に宅地建物取引業保証協会への義務加入制度、四番目に苦情処理体制の整備、こういうことではなかろうかと思うわけでございます。これらの事項は前回の改正の時点でも相当の論議があったと聞いております。今回も盛り込まれなかったということについては、引き続いて検討しているということになっているのであろうと思いますけれども、現在建設省としてはこれらの四点についてどのように具体的な検討を行っているのか、伺っておきたいのであります。
#104
○宮繁政府委員 御指摘のとおり、今回の改正は昨年九月の住宅宅地審議会の答申を基礎といたしまして立法作業を行って御審議をいただいておるわけでございますけれども、お話しのとおり四つの項目につきましては検討課題として残されたわけでございます。
 第一の免許区分の問題につきましては、免許を仲介業、売買業及び開発業に区分することであります。その必要性は十分認識もされておるわけでございますけれども、業者の業務の実態を把握するためにまず本格的な調査を実施いたしまして、これに基づいて業態ごとの免許要件を検討いたしまして、どの程度の資力が必要であるかとか、どの程度の技術を持つ職員を抱えておる必要があるか、こういったような具体の点を検討いたしまして区分の具体化を図りたいと考えております。そういう意味合いではまずもって業務の実態把握のための調査を一日も早くやっていきたいと考えております。
 第二番目は瑕疵担保責任の問題でございますけれども、これは消費者保護の見地からその最も短い特約期間を延長する必要があろうかと考えております。それでそのためには瑕疵問題の発生の状況等を一部調査もいたしておりますけれども、もう少し突っ込んだ調査をしたい。
 それから、これは分譲業者が一般の消費者にマンション等を売った場合の隠れた瑕疵担保の問題でございますけれども、分譲業者と建設業者との瑕疵担保の問題が関連いたしてまいります。そういう意味ではこの建設業者の施工上の瑕疵担保期間との調整を図る必要がございまして、現在建設省の中央建設業審議会におきまして建設業者と発注者との間の契約約款につきまして見直し作業を進めていただいておりますから、これらとも関連がございますので十分調整を図って具体化を進めてまいりたいと考えております。
 三番目が、先ほどもちょっとお話に出ました義務加入に関連する問題でございまして、宅地建物取引業保証協会というのがございますけれども、これの義務加入制につきましては、消費者被害の救済につきましては、営業保証金と同じような機能を維持しながら協会の場におきます自主規制なり研修、苦情処理を企業者に及ぼすというような意味では望ましいと考えております。しかしながら、現行制度からの移行の面でかなり大きな問題等も抱えておりますので、これを慎重に検討していきたいと考えております。
 最後の四番目の苦情処理体制の整備につきましては、不動産の取引に係ります紛争を簡易に迅速に的確に処理できる何らかの新しい体制をつくり上げるべく、現在勉強中でございます。
#105
○松本(忠)委員 いまの局長の御答弁でわかるわけでございますが、これは前回改正の時点でも相当論議になった問題でありますし、それがいろいろな問題がありまして、免許の区分にしてみても瑕疵担保の責任期間の問題にしてみても、分譲業者と建設業者のいろいろな契約の内容の違いがある。そういうことはよくわかるのですけれども、ひっくるめてこの四つの中でどれが一番先に解決しそうですが、どれが一番後回しになりそうですか。せめてそれだけでも。
#106
○宮繁政府委員 第一番の免許区分の問題は、役所サイドだけではなくて、中小の業界のいろいろな御意見もございますので、これらとの調整をどうとるかという点が一つのキーポイントになろうかと思います。
 第二の瑕疵担保の問題につきましては、かなり技術的な問題でございます。しかし、技術的であると同時にまた業界自身の営業の問題にもかなり問題があるわけでございますけれども、これは何とか早く処理をしたいと考えております。
 それから義務加入の問題につきましては、法律上もかなりむずかしい問題を抱えておろうかと思いますけれども、鋭意問題点も煮詰めてみたいと考えております。
 最後の苦情処理体制につきましては、できるだけ新しい処理方式をつくり上げていきたいと考えております。
#107
○松本(忠)委員 その御苦労はよくわかるのでありますけれども、問題点ですからこれだけは私はなるべく早い時期にできるように十分努力をしていただきたい、こう思うわけでございます。拒否事由というものを現行の免許基準の中では規定しております。今回の改正でも三年を五年にする程度で免許基準の強化と言うけれども、業者の健全な経営を担保して取引の公正を確保するための積極的な免許要件とはならないと思うわけでございます。不動産取引において業者が信義則にのっとったところの営業活動を行うためには、やはり社会的な信用というものがなければならない。それと同時に、業務を完全に遂行するに足るところの資力、資金というものがなければならない。このいわゆる金銭的な信用と社会的な信用という二つをやはり免許要件とすることが絶対に必要であろうと思うわけでございます。
 不動産取引をめぐるところのいろいろなトラブルというものが一向に減らない。そしていまもお答えがあったように、紛争処理、苦情処理というものを早くやらなければならないけれども、なかなかそれができない。そこでそういうものが起きるというのは、業者の中に資質の面において非常に低い、極端な言葉を言えば悪質な業者というものが少なくないと思うわけでございます。こうした者に免許を与えないように免許基準を厳格にすることが取引の公正を確保して紛争を起こさないところの第一条件ではないか、こう思うわけでございます。ざっくばらんに言えば、先ほど申し上げましたような社会的な信用であるとか金銭的な信用、こういったものを積極的に免許要件として導入する、その方がいいのではないかと私は思うわけでございますが、その点についていかがでございますか。
#108
○宮繁政府委員 不動産の取引につきましては、戦争前といいますか、大分前は、自分で家を建てる場合の土地を自分でお探しになるとか、あるいは、資力はないかもしれませんけれどもその地域の不動産業者で信用のおける方にお願いして探すとか、また、家を建てる場合でも、自分で見つけた土地に、資力がなくても信用のおける大工さん、工務店にお願いして建てる、こういうのが通常の状況だったかと思います。しかし戦後、土地の購入の仕方、家のつくり方も大変変わってまいりまして、ある業者が大規模宅地を造成して分譲するとか、あるいはまた不動産の取引につきましても、かなり広い市場で中古住宅の売買等も行われるというようなことで、地域に密着した直ちに自分が信用がおける業者ではなくて、もう少し広い市場で活動しておられる業者にお願いするというような状況が一般的になってきたかと思います。
 そういう意味合いで私も先生の御指摘のように、いまの免許基準はやや消極要件的なものでございまして、もう少し積極的に資力とか信用につきましても考え方を導入していくべきだということは基本的に全く賛成でございます。ただ、この問題は先ほどの免許を媒介、売買、開発等の業態に応じて区分することとも関連してまいりまして、どういう業態であればどの程度の資力、どの程度の技術力、どの程度の職員を持つかというような点とも関連してまいりますので、この問題につきましては免許の区分の問題と一体的にこれから取り組んでまいりたいと考えております。
#109
○松本(忠)委員 確かに免許を受けている業者の中身というものが定かでございませんで、いま局長がおっしゃるように、われわれの知っている過去の取引あるいは建築をお願いするというものと全然違って、ただ新聞広告を見て、ミニ開発ができる、これは交通も便利だからそこへ行って申し込もうじゃないかということで、全くそれらの業者を知らないわけです。そうすると、ただ単に建設をしている、売り出しをしている業者というものがすばらしい大きな会社であるという一つのイメージだけをのみ込んでいってしまう。そこにまた、その名に隠れて誇大広告が見抜かれなかったりして紛争が起きるわけでございますので、私は、積極的に免許基準というものを、資力、信用の面、それから資金的な裏づけ、それからいままで何の紛争も起きなかった、問題も起こさなかったというような過去の歴史といいますか、業績、そういうものを十分に勘案してやるようにするべきではないかと思うわけでございます。
 そこで、現行法の免許拒否事由も、どうしても画一的な免許では不合理な結果にならざるを得ないと思うわけでございます。資本をほとんど必要としないところのアパートなどの貸し借りをする仲介業者、これは資力、信用というよりも、その土地に長年住みついていて、今度新しくアパートをつくったから、おたくに頼むから管理してくれ、仲介してくれ、こういうことでやる。そういった仲介の業者と大資本をバックにして大規模な開発を行う開発業者、それから両者の中間に位置するところの売買業者、先ほどもお話がございましたような三つの区分、この三者に対して同一免許をするところに問題があるのだと思うのでございます。
 現行法では、仲介業者に基準を合わせて免許要件を定めている。一方、何十億というような資本力を必要とする開発業者に対しても、何ら財産的な基礎を審査することなく免許を与えているというような実情になっているのではないかと思います。したがいまして、履行の遅滞、履行不能、こういった事故が発生する基盤が免許を与える時点にもうすでにあるのではないかと思うわけでございますので、不動産取引をめぐるトラブルを防止するためにも、業者の健全な経営を担保して取引の公正を確保する必要がある。そのためには積極的な免許要件を設ける必要がある。そういう点でぜひとも免許区分の――見送りとなりましたけれども、ぜひともこれは早い時期にやらないといけないのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。いまトラブルが絶え間なくあるわけでございますし、こうしたものを考えましたときに、これを未然に防止するのにはまず免許をするときが問題ではなかろうか、こう思うわけでございますので、このことを特に要望しておくわけでございます。
 そこで、免許の取り消しの問題でございますけれども、今回の改正で、免許の取り消しを受けた場合に、新しく免許を受けることができない期間が三年から五年に延長されました。また、免許の取り消し処分の聴聞の公示が行われた後に廃業等の届け出を行った者は、当該届け出の日から五年間は免許を受けることができない、そういうふうに改正をしようというふうになっているわけです。
 ですけれども、たとえば免許の取り消し処分の聴聞の公示があることを何らかの方法で事前に知って、または予期して、あらかじめ廃業届を出してしまった、こういう者に対しては全く処置なしだと思うわけでございます。そうなりますと、そういうふうに悪いことをやっている、どうもこれはおかしなにおいがしてきた、聴聞があるのじゃなかろうか、では聴聞の前にこちらから廃業してしまおうということで廃業してしまう、こういう早耳、ずる賢い者が結局生き残るということになっては、ますます業界が信用を落としていくばかりではないかと思うわけでございますので、こういう者に対してはどのように対処するお考えがあるのか。もしそのようなことが明白な業者には、廃業の届け出をした場合もその届け出を受理しないようにすること、こういうことは考えられないのかというふうに思うわけでございますが、この点はいかがでしょうか。
#110
○宮繁政府委員 一応、免許をもらえば営業が可能なわけでございまして、その免許の中身につきましては、先ほどもいろいろ、もう少し積極的な要件をつけ加えるような御指摘もございましたけれども、いずれにしましても、そういった免許を五年間にわたって取得を禁止するわけでございますので、単に行政庁が調査、摘発等が行われたということだけでは不十分ではなかろうか。相当な証拠も固まりまして聴聞を行う旨が一般に知らされるような段階になった後の廃業等の届け出があった場合には、それは免許取得の禁止の対象とする、これが相当ではなかろうかというようなことで、このような制度にしたわけでございます。しかし、一般に、届け出は一定の事柄を行政庁に知らしめる行為でありまして、それが書面によってなされたといたしましても、行政庁はこの記載事実の不備の有無などの形式的な審査による拒否の場合以外には、受理をしないということはできないであろうと考えております。しかし、非常に疑わしい廃業等の届け出があった場合には、極力この事実確認に努力いたしまして、本当に廃業が行われたのかどうか、見せかけではないかというような点につきましても十分検討いたしまして、この点の運用につきましては十分に注意をしてまいりたいと考えております。
#111
○松本(忠)委員 どうも、そういう傾向の業者がはびこっているということをよく聞くわけです。ですから、何らかの方法を考えないと、事前に、聴聞前に廃業してしまえば、それはできないわけです。この点を一遍考えないと、悪徳な業者だけがますますのさばっていって、また五年後にあるいは名義を変えればすぐできるわけです。そういう面で何らかの方法は考えられないかというふうに思うわけでございますが、この点は重ねてひとつ御考慮をいただきたいと思いますので、答弁をお願いします。
#112
○宮繁政府委員 免許の規定の中に、申請者が著しく不当とか不誠実な行為を行うことが明らかなおそれのある場合は、免許をしないこともできますので、これらの規定をもう少し活用といいますか、法律の趣旨にかんがみまして、十分に適用することも考えられますので、そういった脱法的な行為をやろうとするような業者につきましては、いままで以上に厳しい態度で臨んでまいりたいと考えております。
#113
○松本(忠)委員 それはぜひお願いしたいと思います。
 それから、免許のことに関しまして具体的な問題を二点ほどお伺いしたいわけでございます。
 御承知のように、不動産取引におきましては、消費者保護ということを念頭に置きながら、信頼の置ける業者を保護し育成していく、こういうことが肝心だと思うわけです。長年にわたりまして一つの地域で着実に営業してきた善良な宅建取引業者が今日まで果たしてきたところの社会的役割りというものは、高く評価してもいいと私は思うわけです。昭和四十二年から営業が免許制になりまして、三年ごとに更新されるようになりまして、その更新の回数が免許証に表示されることになっている。そういうことがまた社会的信用を博しておりまして、消費者の側から見れば信頼のバロメーターになる、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、個人経営の場合、親子または夫婦がともに宅地建物取引主任者の資格を持って、同一店舗で営業していた。こういうときに、親かあるいは夫が営業の免許者でございます。その人の名前で免許証がおりている。ところがその免許証を持っていた人が死亡した場合、新規に奥さんなり子供さんが営業免許を取得しなければ営業ができません。店舗ももちろんあるわけですし、いままで宅地建物取引主任者としてその地域に住んでやっているのですから、十分状態もわかっている。ところが、営業免許を取得するためには、新しく申請をし、そして約一カ月たたないと免許がおりてこない。この期間は営業を休止しなければならないわけです。それをやっておりますと、たまたま同業者から指されるという事実があるわけです。一方、法人組織の場合には、代表者が死亡した場合など、代表者の変更届というものを二週間以内にすれば、そのまま営業の継続ができるわけです。これを考えてみた場合に、個人と法人では不平等ではないか、不公平ではないか、こう考えるわけですね。個人経営だから規模が小さいというふうにも言えませんし、法人だから安心だとも言えないわけです。ですからこういう面は、個人であっても、やはり同一店舗で営業していた、そして、宅地建物取引の主任者の資格を持っている者が親子の関係であるとか、夫婦の関係であるとかいう場合、その営業免許を持っていた者が死亡した場合は、引き続いて、これが一カ月の休止の期間などというものがなくてできるように、法人と同じように変更届というものによってできるようにすべきではなかろうか、これが一つ。
 それからもう一点は、個人経営で新規に奥さんなりあるいはお子さんが営業免許を申請する、こうなりますと、お父さんなり夫なりがいままで経営してきた、もちろん自分が、その後継者が手伝ってきたわけでございますが、長年経営してきたその信用を表示するところのバロメーターとも言えるところの更新回数というものがゼロから出発する。ゼロになってしまって一から出発しなければならない、こういうふうになるわけでございます。この長年にわたって経営してきたところの信用というのは一つの営業財産でありますし、社会的信用は一朝一夕でできるものではございません。そのために、夫婦とか親子というようなものがともどもに努力して、その店を盛り上げ、信用を築いてきたわけでございます。こうした場合には、お父さんなり御主人なりがやっていたものに、新規に営業免許を受けるのですけれども、この更新回数というものはそこで打ち切ってしまうのではなくて、追加するといいますか、継承できるといいますか、こういうふうにすべきではなかろうか。そうすることが、やはり消費者の側から見れば安心感を覚え、消費者保護になるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございまして、この二点について、具体的な話でございますが、お伺いをいたしたいと思います。
#114
○宮繁政府委員 お話しの趣旨はよくわかるわけでございますけれども、法律、非常にこれは非情でございまして、現在も宅地建物取引業の個人の免許は一身専属的なものでございますので、免許を受けました方が死亡された場合には、息子さんが直ちにその免許を引き受けるというような制度にはなっておりません。したがいまして、御指摘のような制度に変えることは大変むずかしいことだと思います。しかし、そういったような場合には、その息子さんとか奥さんが適格者であれば、できるだけ早く免許を与えるように、これは私どもは行政側としても最大の努力をしなければならないと思っております。
 それから番号につきましては、御承知のように、初めての免許の場合には(1)の一一一とか一二三ということで、括弧の中に、その免許の有効期間を何回経過したかということがわかるような実は番号のつけ方をいたしております。それで、私どもは、いわば事務整理のためにつけておる番号でございますけれども、おっしゃるとおり、その括弧の中が1か2かによりまして、どのぐらい長くやっておるかということがわかるわけでございます。これにつきましても、先ほど申し上げましたように、個人の免許が一身専属的なものでございまして、財産権のような考え方をいたしておりませんので、大変問題があろうかとも思いますけれども、現在のたてまえ、制度ではやむを得ないのではないか。そういう場合には、やはり長いしにせの一つであるというようなことにつきまして、これはそういうことを一般の方にお知らせしていただくことは何ら差し支えないわけでございますから、おやじさんの代もやっておった、自分の代は二代目だというような言い方もこれは構わぬのじゃないかと思います。そういう点で対処していくより現在のところは仕方がないのではなかろうかと考えております。
#115
○松本(忠)委員 私は、親子とか夫婦とかと、こういう場合に限ってというふうに言っているわけですよね。ですから、そういう問題は、やはり健全な育成をしていくということ、そうすることが、とりもなおさず消費者保護になるのですから、これは何らかの方法を考えてあげてはいかがか、こう思うわけでございますので、お願いをしたいと思います。特に代表者が死亡したというような場合、これは病気、そしてまた事故や何かで死んだ、言うならば、その葬式というか弔いというか、あるいはまた初七日とかそういうことをやってきて、その間に建物の取引の問題があるから、私は届けに行ってくるなんて、そこまではなかなかできないわけですよね。もちろん、いまの局長の話で、そういうものが出れば、速やかに処理をするようにやっていただくことは当然のこととしましても、私は、何らかの方法を考えてあげるべきじゃなかろうか、こう思いますので、お願いをしておくわけでございますが、これはぜひ前向きにひとつ検討してもらいたいと思います。
 それからもう一つ、この法三十五条の重要事項の説明という問題がございますが、都会地におけるアパートの賃貸借、こういう場合については、物件説明書というのを記入しまして、借り主に手渡しをするということは、法の定めるとおりでございますけれども、現実にこうした、要するに一間あるいは一DKというようなアパートの場合など、借り主を現場に案内する、ここにガスのメーターがあります、専用ですとか、あるいは水道がこうだとか、あるいは電気あるいは便所、こういうものはどうだ、こういうことを一つ一つ借り主に、仲介業者が連れていって現場で説明をし、確認をさせる。しかも、その借り主は、店頭に掲示されているところの、賃借料であるとか礼金であるとか敷金であるとか、こういった表に張ってあるビラを見て、これならばいいだろうということでそのお店へ入ってくる。そしてまた、その店の主人が、仲介業者が、店頭に掲示されているのをよく確認をした上、なおさらに、こういうわけですよということを言って、そして現場に案内するわけですから、金額のかさむところの不動産の売買ではございませんし、こうした一間あるいは一DKというようなアパートの賃借、こういった場合だけは、物件説明書に記載して、借り主に手交するというのは大変に繁雑な問題であるわけです。現に、それを見て、これで了解した、じゃあこれでお願いしますということになって入るわけですから、こういう場合は便宜省略が認められないものかどうか。
 あくまで法のたてまえのとおり、三十五条の規定に基づいて、この物件の説明をいたしますというような物件説明書というものを相手に手渡ししなければならないのか。これは法の定めるところはそうでありますけれども、この際、こういうものに対しては何らか便宜省略というようなことはできないものかどうか。こういう点については、業者の方々でも非常に強い要望があるわけです。こういう面について、私は、ひとつ前向きの答弁をいただきたいと思うわけでございます。
#116
○宮繁政府委員 この問題も、先ほど先生の御指摘の、この免許の区分の問題にもかかわる問題でございまして、そういう意味では、現在の宅建業法がやや画一的な規定ですべての業態を律しようという点に種々の問題もあろうかと思います。
 それで、いまお話しのような貸し間の問題につきましても、やはり法律では、重要事項の説明に当たりましては文書を交付しなければならぬという規定になっておりますので、文書は出していただきたいと思いますけれども、ただ、中身につきまして、不必要なものがかなり出てまいりますので、そういうものはもちろん法律の各号の中には入っておりましても必要ございませんので、そういう点の簡素化はできますけれども、文書を出さないというわけにはまいらぬと思います。
#117
○松本(忠)委員 そういう実情であるということは十分御承知おき願いたいと思うわけでございます。
 それから、次の営業保証金の問題でございますが、現行法では二十五条の二項で、営業保証金の額というものは「主たる事務所につき五十万円、その他の事務所につき事務所ごとに二十五万円の割合による金額の合計額」というふうになっているわけでございますが、今回の改正では「宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の保護を考慮して、政令で定める額」として政令にゆだねているわけでございます。そのように改正する理由をお伺いしたい点が一つと、政令で定める額を算定する根拠というものはどこにあるのか、それによって幾ら幾らというふうに政令で定めてくるその根拠、この二点についてお話を承りたい。
#118
○宮繁政府委員 営業保証金の額は、いまお話がございましたように、宅地建物取引業者の取引の実情あるいはその相手方の保護を考慮した適正な額であるべきでございます。この額が適正に保たれるには、その改正が比較的弾力的に行われる必要があるのではなかろうかということで、今回政令で定めることにさせていただきまして、適宜適切にその額を改定し得るような道も開きたい、こういう考えがあったわけでございます。
 それから、政令で定める場合の営業保証金の額は、主たる事務所につきましては三百万、その他の事務所につきましては事務所ごとに百五十万の割合による金額の合計額ということにいたしております。この点は、やはり一つは零細な業者の方もおられるという点も頭に置きまして、現在の不動産取引におきます一物件の平均的な価額をおおむね千五百万程度といたしますと、手付の相当額に当たるのがこれの二割程度ということになりますので、取引の関係者に対しまして最小限担保しておくべきであるとの考え方から、主たる事務所につきましては三百万としまして、従たる事務所につきましては、現行の営業保証金の額の主たる事務所のそれとの割合を維持いたしまして、二分の一の百五十万円にいたしました。大体三百万くらいにいたしますと、いろいろな事故の場合の八割方の保証は可能ではなかろうかということで、今回この程度まで上げさせていただこうというふうに考えているわけでございます。
#119
○松本(忠)委員 そうすると、いまのお話で、三百万あるいはその他の事務所については百五十万、そしてそれの合計額ということになるわけでございますが、現在の消費者の被害をどの程度救済できるかということについて、八割程度救済できるというお話ですが、そうしますと、結局二割は契約した者が負担しなければならないということですか。私は、やはり損害を起こしたからには、それがまるまる保証、担保されなければいかぬと思うのですが、これはどうなのでしょう。
#120
○宮繁政府委員 過去の実績から申し上げまして、遺憾でございますけれども、三百万にいたしました場合には、八割くらいしか救済できないというのが事実でございます。
#121
○松本(忠)委員 その辺が、果たして三百万が妥当なのかどうか大いに疑問があると思うのですね。仲介業者と開発業者とでは格段の差がありますし、そこに従事している人間も違うわけですし、仕事の内容も違うわけです。ですから、年間の取引の金額というものを一つの目安にするということはできないのですか。単に三百万であるとかあるいはその他の事務所は百五十万というふうな決め方をしないで、前年の取引の実態というか、そういうもの、これは私は税務署等で調べればわかるのじゃなかろうかと思います。それともう一つは、仲介業者というわずかにアパートとか部屋貸しの仲介などをしているものと開発業者というようなもの、あるいはその中間の業者というようなものを一括してしまって、大体三百万であれば八割程度は何とかなるのじゃなかろうかということになるのは、私はちょっと疑問に思いますけれども、この点どうでしょうか。
#122
○宮繁政府委員 ちょっと八割の説明が私は言葉が足りませんでしたが、現在のところ、この営業保証金還付の事案に係ります債権額を見ますと、三百万円以下の件数が全体の八割でございます。ですから八割の方につきましては満額還付が行われる、あとの二割の方は三百万円以上の方もございまして、その方が救われないというような実情になってくるわけでございます。
 それから、年間の取扱高に応じて営業保証金の額を算定することは、これは業者の年間の取扱高がかなり変動もございますので、直ちに一律にこういう処理をすることは困難かと考えますけれども、何回も同じようなことを申して恐縮ですが、免許の区分の際には当然検討しなければならないし、また勉強してみたいと考えております。
#123
○松本(忠)委員 次にクーリングオフの問題でございます。今回導入されることになるわけでございますが、業者の事務所以外の訪問販売とか招待旅行先あるいは人里離れた現地などで、非常に特異な状況の中で契約が結ばれることがあるということで、大変にこれは問題になっていたわけですが、これが五日以内なら無条件で解約ができるというわけでございます。これは消費者被害を未然に防止するというか、そういうものにはある程度の成果が上がるのではなかろうかと思いますけれども、五日間というのはちょっと短過ぎるような気がします。午前中の質疑でもございましたし、そしてまた訪問販売、割賦販売法に四日間というクーリングオフの例があることに関連して、一日を加えて五日間とされたというような答弁でございますが、一生に一度買うか買わないかわからないような千五百万あるいは二千万というマンションを買うというような場合と、単なる物品の訪問販売などとは違うわけでございますので、これを同じレベルで考えるというのはいかぬのじゃないか、取引の安全性という点から言うならば、五日間という点ではちょっとどうも疑問じゃなかろうかと私は思う。特に私は、日曜とか祭日とか、こういうものを除いた五日間というふうにしてはどうか、こう思うのです。たちの悪い業者になりますと、五日間ということを頭に置いて、クーリングオフの期間の最後の方に連休であるとかあるいは休日であるとか、こういうふうに持ってきて契約をする。こうなりますと、消費者の方が解約申し入れが困難になってくる。こういうふうに仕組まれてしまうと、せっかくこういう制度ができても効果を発揮しないのではなかろうか。ですから、この五日間というのは祝祭日、休日、こういったものを除いたところの、いわゆるウイークデーの営業日数で五日間というふうにすべきではなかろうかと思いますが、この点どうでしょうか。
#124
○宮繁政府委員 このクーリングオフの期間につきましては、審議会でもいろいろな御意見が出たわけでございます。元来民法では契約は自由に結べる、結ばなくても自由である、しかもたとえそれがいかような契約でございましても、十分慎重に調査もし考慮もし配慮もして結ばれるのが本来的なものであるという民法の原則に対しまして、一方の当事者が一方的に契約を解除できる権利を与えるということにつきましては、いろいろな議論がございましたけれども、やはり今日のこの不動産業の取引の一部の実態から見ましてやむを得ない制度であるというようないろいろな議論がございましてできた制度でございます。
 そういう意味では、これはこの期間にいろいろ調査をするという期間ではなくて、もちろん不動産は大変高額なものでございますので十分に調査をしていただく、この五日間といいますのは、いわば自由な契約意思の形成が阻害されるような状況で、たとえば、まだ見たこともないような北海道の土地を、箱根の温泉場で、半ば閉鎖された部屋の中で判こを押させられるというような、そういったゆがめられた意思決定を正常な意思決定に回復させる期間であると私どもは考えております。この場合も確かに長い方がいいわけでございますけれども、不動産業の取引におきましては初めての制度として導入されるわけでございますし、いまお話しのような日曜日の問題等も、確かにこれはいろいろな考え方ができるわけでございますけれども、訪問販売は四日でございますけれども、旅行先から帰ってくる日時等も考慮いたしまして、今日のところは五日でこの制度を出発させていただきたい、こんなことで五日に決めたわけでございます。
#125
○松本(忠)委員 五日ということは私どもはちょっと疑問がございます。いわゆる物品販売と違いまして高価なものでございますし、一生に一度買うというようなことでございますので、こういう点は、クーリングオフという制度をつくるのならば、やはりウイークデーというものを基礎にしたところの五日間というふうに考えるべきではなかろうかと私は思います。
 それから、業者の事務所とか、省令で定める場所で契約した場合は適用されないこと、こうなっておりますが、適用除外となる事務所と省令で定める場所というものは一体どういうところを想定しているのか、この点が一つ。第二点目は、不動産売買の場合、売り手である業者と買い手である消費者は対等の立場ではないわけです。売り手の方はいろいろな法律的なことも、それから物件そのものについてもあらゆる知識を持っています。一方買い手の方、消費者の方はどうもそういうものは初めてだということでございますから、いろいろ不安もあるわけでございます。そういった買い手の無知につけ込んで売り手の方が、契約の場所を事務所にしておきましょう、こう簡単に言って、そういうことについてクーリングオフなんていう制度をよく知らない人は、事務所にしておきましょうと言われれば、そうですねというふうなことで、そうでないところで契約した場合でも、結局書かれるのが「事務所」と書かれてあれば問題になってくると思うのですが、こういう場合にとうなりますか。まず最初の問題、それから二番目の「事務所」というところでないところで契約した場合、この二点について。
#126
○宮繁政府委員 省令で定めます事務所に準ずる場所というのは、いま考えておりますのは、継続的に業務を行うことができるような施設を有する場所で、同時に取引主任者を置いておるところと考えております。なお、買い主である消費者が自分から申し出まして、たとえば勤務先へ来てくれというようなことで勤務先で契約した場合も除かれるというふうに考えております。
 それから、実際は事務所以外の場所で契約をした場合にそれを「事務所」と書かせるという点につきましては、事実契約を結んだ場所が事務所以外のところであればクーリングオフの制度は働くものと私どもは解釈いたします。
#127
○松本(忠)委員 時間があと十五分ほどしかありませんので先へ進めますが、三十七条の二で、買い主が業者からクーリングオフ期間の告知をされなかった場合、物件の引き渡しがなされないしその代金の支払いも完了していないときはいつでも解約ができることになると思うわけですが、解約できる旨の通知というものは省令で定めるところによって行うことになっておりますが、この省令の内容は一体どういうふうに考えられておりますか。
#128
○宮繁政府委員 告知の仕方につきましてはただいま御指摘のように建設省令で定めることにいたしております。建設省令では次のような事項につきまして記載した書面を相手方に交付して説明すべきであるというふうに定める予定にしております。
 その事項は、まず第一に買い受けの申込みをした者または買い主の氏名及び住所。二番目が売り主である宅地建物取引業者の氏名、法人の場合はその名称になります、それと住所並びに免許の番号。三番目が五日間以内に限って申し込みの撤回または売買契約の解除をすることができること。それから四番目の記載事項が、申し込みの撤回または売買契約の解除は書面をもって行い、その効力は書面を発したときに生ずること。それから五番目が申し込みの撤回または売買契約の解除が行われても宅地建物取引業者はそれに伴う損害賠償または違約金の支払いを請求しないこと。それから六番目に、申し込みの撤回または売買契約の解除が行われた場合においては宅地建物取引業者は速やかに買い受けの申し込みまたは売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還すること。以上のような内容を記載いたしました書面を相手方に交付するように省令で決めるつもりでおります。
#129
○松本(忠)委員 書面で送る場合、要するに手渡しでなくても郵便で送る、たとえば書留で送るとか内容証明で送るとかそういうところまで細かく規定されるわけですか。
#130
○宮繁政府委員 業者が書面で告知する場合の書面の様式その他につきましては定めますけれども、一般的にはこれは手渡すことになろうかと思います。
#131
○松本(忠)委員 解約の場合、手渡すということは現実の問題として非常にむずかしいのじゃなかろうかと私は思うわけです。この文書の発送という、書留であるとか内容証明であるとかそういうもので発送することは当然のことじゃないかと思いますが、どうでしょうかね。
#132
○宮繁政府委員 ちょっと誤解いたしまして恐縮でございます。申し込みの撤回または売買契約の解除は、書面でもって行う場合には郵便で発送すれば足りるわけでございまして、その場合は発したときに効力が生ずるようにしたいと考えております。ただ、将来の証拠力その他の問題から内容証明等の郵便の方がいいわけでございまして、そういうような指導をしていきたいと思っております。
#133
○松本(忠)委員 それからこの宅建取引業法は参議院先議でございます。
    〔委員長退席、竹内(猛)委員長代理着席〕
参議院において全会一致でこれが成立しまして、そのときに附帯決議がついているわけでございますが、その附帯決議の中に「クーリング・オフ制度については、周知徹底を図るとともに、悪質業者等の脱法行為を規制するよう法の厳正な運用について指導すること。」というふうになっているわけでございますが、建設省としてはこの決議の趣旨を具体的にどのように実現を図っていくお考えなのか、伺っておきたいと思います。
#134
○宮繁政府委員 参議院の建設委員会で附帯決議でこういうことをいただいております。それで、クーリングオフ制度のこういう制度が新しくできましたことを買い主である消費者が知らないままにやむなく取引を結了してしまうといった事態が生じないように、各種の広報媒体を通じましてPRをするつもりでございますけれども、住宅宅地審議会にも消費者団体の代表の方々等も参画をしていただきましたので、消費者団体等にもお願いいたしまして徹底をしたPRをやりたいと思っております。なお、この法律の厳正な運用を図るために、都道府県あるいは業界団体を通じましても十分なPRをやっていきたいと考えております。
#135
○松本(忠)委員 時間がちょっと足りなくなってまいりましたので急いでやりますが、不動産流通近代化センターというものを今度設立される考えがあります。六十四条の十二の第七項によりまして、宅地建物取引業保証協会は、建設大臣の承認を受けて、弁済業務保証金準備金の一部を取り崩して、業務の実施の費用に充てる、または宅地建物取引業の健全な発達に寄与する事業に出捐することができるものとする、こういうふうになっております。その準備金の一部を取り崩して不動産流通近代化センターに出資をするわけですが、同センターには国庫補助金の十億円が出されることになっておりまして、総額三十億円を基金とすることになっておるわけでございますが、この近代化センターの目的というものは一体どうなのか、この業務の内容というようなものについてどのようにお考えなのか、この点をひとつ簡単に御説明を願いたい。
#136
○宮繁政府委員 設立が予定されております近代化センターにつきましては、不動産流通業、特に不動産流通の仲介業におきます事務処理方法につきましての適正化を図ることが一つの目的でございます。それともう一つは、中小業者の協業化、最近大手が縦の系列の方式を進めておりますけれども、中小零細業者につきましても横に協業化をやっていただく、そして経営基盤の強化を推進して、円滑かつ合理的な不動産流通市場の整備を促進することを目的としております。
 この目的を達成するために、第一番としまして不動産流通市場の整備、近代化のために流通業務の処理方式等の適正化、これの指導あるいは規格の統一、効率的な事務処理方式の開発といったようなことをやっていただこうと思っております。二番目に、中小不動産業者の横の協業化の指導、それから協業化をするに際しまして必要な資金について債務保証をするとか、あるいは利子補給等を行うといったような金融面でのてこ入れを行っていこうということを考えております。
#137
○松本(忠)委員 この近代化センターがますますこれから拡大するであろうところの中古住宅を含むところの不動産の流通という問題に対して、情報の交換体制を確立して、閉鎖的な市場の近代化、合理化を図っていく、大変結構なことでございます。いまお話のあった中小業者の横の協業化という問題は、一国一城のあるじがいるわけで、これはなかなか言うべくして行われないことだと思うのです。その点、これをおやりになる努力はわかるのですけれども、それを指導している、その中心になってやっていく人間は、専門の知識を持った者でないとなかなかできないと私は思うのです。ですから、そういうものが果たしてうまく運営できるのかどうか。話は違いますけれども、自動車の方の近代化センターなんというのもありますけれども、どうもなかなか思うような仕事ができないのですね。こういう場所だけつくって、そして分担金を出さなければならないというところから、業者の方々には、大手の業者のためにわれわれが結局ダシにされてしまうんじゃないかというような危惧の念を抱いている者がかなりいるようですから、この点について十分やっていただかねばならぬと思うのですが、協業化の見通しというものは非常に暗いのではなかろうかと私は思うわけでございます。
 時間もございませんのであと一、二問でございますが、宅建業者が、業界がこの大規模開発を主とする業務とするところの大手の業者、これからまた地域で主としてアパートなどの仲介をする零細な業者、非常に幅広くたくさんの業者がいるわけでございますが、最近は大手業者が開発事業というものが手詰まりになってまいりましたので、仲介の分野にまで進出してきているのが実情でございます。いろいろ話を聞いてみると、どうも最近は資力のある者が、われわれがいままで手がけていたところへ出てきて、われわれも上がったりになるという話もずいぶん聞くわけでございます。
 したがって、大手、中小零細業者間の分野調整ということが必要になるのじゃないかと思います。こういう問題が一番問題になる。しかも今後取り残された問題、最初のうち申し上げましたいわゆる取り残されている四項目の中の第一の項目の中にもあるわけでございますが、この分野調整という問題で、これからつくられるところの近代化センターには、こうした業界の中に深く内在している問題を解決するために近代化センターがやるべき役割りがあるのじゃないかとも思うのですが、この点はどうでしょうか。
#138
○宮繁政府委員 先ほどもお話しいたしましたように、大手業者が縦の系列で近代化、合理化を進めまして、非常に効率的なシステムをつくり上げてまいっております。そして先生から御指摘のように中古住宅の流通分野に進出をしてまいっております。一方、業者数の大部分を占めます中小業者は、経営基盤が非常に脆弱な上に、業務の処理態様も必ずしも近代化、合理化されておりませんで、非常におくれた面を持っております。そのために消費者のニーズに十分対応し切れないような状態にあります。しかし同時に、中小業者はまた地域に非常に密着をしておりまして、そういったきめの細かい情報等も持っておりますし、長く伝統的に地域で生活しておりまして信頼も受けておるわけでございます。しかし、いかんせん市場が非常に狭隘であるし、閉鎖的である、こういう点につきまして私どもは不動産流通近代化センターがこの課題に取り組んでいただきまして、中小業者の協業化を進めたい。
 大変むずかしいのではないかというお話が先ほどございましたが、すでに西の方、九州とか近畿の府県ではこういう動きがございまして、こういう仕事を手がけておる業界もございますので、そういうところとも十分連絡をとりながら中小企業の協業化を進めてまいりたいと考えております。したがって、大手の企業の不動産の仲介事業分野への進出が、中小企業の経営の安定に非常に悪影響を及ぼすおそれがあるということで、分野調整の問題が提示されておりますけれども、何と申しましても、私どもは、このセンターの目的とする中小企業の近代化、協業化、これのてこ入れをやりまして、小粒でもぴりりとしたような中小企業も育成して、大手業者に十分対抗できるような経営基盤を何とか醸成していきたい、こんなふうに考えております。
#139
○松本(忠)委員 時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いして終わりにいたしたいと思いますが、宅地建物取引行政というものは、いつも弱い立場にあるところの消費者の保護、それから第二番目に、今回つけ加えられましたところの業界の健全なる発達、こういうことを含めましてまだまだ課題がたくさんあります。先ほども局長から御答弁いただきました未処理の問題、要するに免許区分の問題、瑕疵担保責任期間の延長の問題、宅地建物取引業保証協会への義務加入制の問題、最後に苦情処理体制の整備、枚挙にいとまないほどあるが、特にこの四点についてはなるべく早い機会に解決をしなければならない問題だと思います。今後ともこれらの点について、建設省として、大臣として、十分充実を図っていく必要があろうかと思いますが、それに対する大臣の所信をお尋ねを申し上げまして質問を終わりたいと思います。
#140
○渡辺国務大臣 ただいま先生の御指摘になりましたとおりでございまして、宅地建物取引業制度に関します問題点は、いろいろな面にわたりまして非常にたくさん存在しておるということははっきりしておるわけであります。このような現状でございますので、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、また取引の公正を確保するということによりまして、消費者利益の保護と、さらに不動産流通の円滑化を図る、こういうことを考えてまいりたいと思うのであります。そういうような意味におきましては、いままで以上に一層宅地建物取引業者に対します指導監督を強化してまいりたいと考えております。
 なお、そのためには、今回お願いしております宅建業法の改正に伴いまして、その適正な運営及び免許の厳正な審査ということにつきまして努めてまいりたいと思っております。
 なお、今回審議会の答申でなお検討事項とされまして法案に盛ることのできませんでした四項目等につきましても、できるだけ早い機会に検討を進めまして、成案を得られ次第措置をするように努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#141
○松本(忠)委員 以上で質問を終わります。
#142
○竹内(猛)委員長代理 瀬崎博義君。
#143
○瀬崎委員 不動産取引といいますか、宅地建物の取引において紛争が多発していることはるる述べられているとおりでありますが、特に建設省に持ち込まれている宅地建物の取引に関するトラブル、苦情の実態は最近どのくらいの規模になっているのかお答えをいただきたいと思います。
#144
○宮繁政府委員 毎年建設省並びに都道府県に持ち込まれております紛争あるいは相談は件数が多くなっておりまして、ここ両年では年間大体三万件程度になっております。
#145
○瀬崎委員 それは建設省及び各自治体を含めての話ですか。建設省だけということですか。含まれておれば、建設省だけの数字はどれくらいですか。
#146
○官繁政府委員 いまのは都道府県も含まれておりまして、建設省では約百六十件程度でございます。
#147
○瀬崎委員 それはいわゆる文書による行政指導の件数を言っておるのではないかと思うのです。私が聞いているのは、いろいろとトラブルがあるということで建設省に相談に来ている数はどれくらいかというふうに聞いているわけです。
    〔竹内(猛)委員長代理退席、委員長着席〕
#148
○宮繁政府委員 年間約三百件程度でございます。
#149
○瀬崎委員 休みの日なしと勘定しても、平均すれば日に一件は来ているということになりますね。この紛争処理に当たっている職員の数は幾らですか。
#150
○宮繁政府委員 専属で当たっておる者は二名でございますけれども、適宜機動的に他の業務をやっております者も手伝っておるような状況でございます。
#151
○瀬崎委員 その人数と件数から推して非常に無理があるのではないかというふうに感じます。その実態を少し具体的にリアルに答えてほしいのですが、たとえば一日に何件くらいの相談に乗っているのか、多いときはどのくらいあるのか、それから一人の相談にどのくらいの時間がかかるのか、また受けた苦情の解決の方法、手段及び苦情処理に一件当たりどのくらいの時間がかかるものなのか、それからこの二人の職員の方を中心に所定勤務時間外にも及んでいるということを聞き及んでおりますが、残業等の実情はどうなのか、それから相談に応ずる場所あるいは業者に対する行政指導を行う場所等は一体どうしているのか、こういう点についてリアルに答えてほしいと思うのです。
#152
○宮繁政府委員 大体一日平均五件くらいということでございますし、一件につきましては問題の非常にむずかしいものあるいはわりあい処理の簡単なもの等もございますけれども、平均しますと四回くらいのようでございます。それから場所につきましては、役所へ当事者に来ていただいてお話を伺ってそこで処理をする。それから勤務時間でございますけれども、土曜日も遅くまでやるというような状況もございますし、私ども大変少ない人数でございますけれども、これは少ない人数、少ない予算でございましてもできるだけ力いっぱいやるべきだし、またやるのが当然だと思ってやっております。
#153
○瀬崎委員 もちろん土曜日の午後もやられておることも聞いておりますし、平日でもずいぶん深夜にわたっておるという話も聞くし、そのために体を壊した職員のあったことも承知しておるわけです。それから、相談に応ずる場所は役所の中、これはあたりまえの話です。しかし、そうプライベートな問題をあれこれ人に聞かすわけにはいかないからということで会議室の確保等にも非常に難渋しているということも聞いておるのです。そういう点ももう少しはっきりと答えてほしいのです。
#154
○宮繁政府委員 部屋等につきましては必ずしも十分な広さは確保できておりませんけれども、これはこの業務だけではなくて、全般的にわりあい狭いところで多様な取り組みをしておりますが、私どもは部屋が狭いとか人数が少ないというようなことがありましても、先ほど申し上げましたように誠心誠意問題に取り組んでいかなければいけないと考えております。
#155
○瀬崎委員 私が言っているのは、いいかげんにしているとは決して言っていないので、現在のそういう少ない人数、それから場所的にも相談を受けるような、装置がないと言えば大げさになりますが、そういういまの役所で大変苦労だろうな。だから両面あるわけですね。職員の方の、受ける方の体制も整える必要があるし、また来る人々が来やすいようにしていく必要もあろう。つまり被害に遭っている消費者、それから、その相談に当たる職員の側、両面の体制の強化が必要ではないか、こういう意味のことを私は言っているわけです。
 よく聞くのですが、大体建設業課も最近は元請、下請間の紛争あるいはまた欠陥建築物の問題等トラブルが多いところなんですが、それと比べてもこの不動産業課は非常に忙しいということなんです。とりわけ不動産業界がこのように紛争、トラブルを多く発生してくる原因、特に大きな原因はどこにあると考えていますか。
#156
○宮繁政府委員 二つの原因があろうかと思います。
 一つは、業界そのものの体質がございます。十万業者のうちの大部分の方は非常にまじめに取り組んでいただいておりますけれども、ごくわずかでございますが、悪質な業者が存在いたしまして善良な消費者を食い物にしておるというような実態をなかなか改善できない点、これがございます。
 それからもう一つは、消費者の方々も、これは一生に一度の買い物でかなり高額な買い物でございますので、消費者団体等もそういうPR等をやっていただいておりますけれども、何といいますか、賢い消費者になる運動というようなものを通じまして、十分信頼の置ける業者、それから自分の目で見て物件を確認する、そういうような基本的な不動産の買い方につきましてもいま少し御留意をいただきたい。
 こんな問題が絡み合いましていろいろな紛争事案が生じておるわけでございます。
#157
○瀬崎委員 もちろん国会では私自身も相当宅地建物の取引にかかわる苦情を質問しております。また国会の場を通じないで直接建設省に持ち込んだものもあります。代表的なものを言っただけでも、よく例に挙がってくる、無料招待旅行に連れていって北海道のクマザサ生い茂る原野を売りつけたというふうな問題、これは五十三年のちょうど夏ごろから発生して長期に及んだ問題ですね。三信相互とか三総グループがその主役であって、全国で四十社ほどありました。それから、欠陥建て売り住宅の販売と、その補修が放置された問題もありました。去年の二月の国会では近畿土地関係、それから去年の十一月には大倉建設の関係がありました。それから欠陥マンションの問題も相当早い時期に、五十二年の四月の委員会で、これは越谷のある分譲マンションを例に挙げて追及したことがあります。それから誇大広告の問題も、去年の二月に八王子の例を挙げて追及をいたしました。それから積立式の住宅でも、日本相互住宅の例を挙げて、積み立てをさしたけれども家を建てない、あるいはまた積立契約をしておきながら積み立ての金を集めに行かないというふうな問題のあったこと、これは五十二年の五月でありました。
 私以外にも沓脱議員が、大和スキーが、ペンションをつくったらもうかるというので、金をかき集めて倒産をしてしまって、多額の被害を与えた。これは当時の丸山局長が史上最悪かという表現を国会でとられた事件でしたね。五十三年の十一月でありました。それから三和開発が茨城県で、だまして土地を買わせて七億五千万にわたる被害を与えたという例は、同じく参議院で上田耕一郎議員が五十三年の四月に追及している。重立ったのを拾ってもこういうことなんです。
 こういう国会での論議は当然踏まえられていると思うのですが、こういう大きな事件を引き起こしている業者、中には無免許というのもありましたけれども、大半は免許業者だし、しかもわれわれが国会に出したのはほとんどが大臣免許業者であったわけですね。現在宅建業法という一つの規制の法律がありながら、なおこういうことが免許業者によって行われたというのは、結局現行法の盲点をつかれているというか、弱点を利用されているということではないかと思うのです。そういう点、率直に言って建設省は、これら過去われわれが取り上げてきた事件が法律のどういう弱点と結びついておったと考えているのか、簡単に答えていただきたいと思います。
#158
○宮繁政府委員 ただいまいろいろ事例を挙げて御指摘がございましたけれども、私ども、この紛争の実態を見ますと、一つは契約の解約についての紛争、それから次は物件説明等、業法違反に伴う紛争、三番目がローンの不成立に伴う契約の解除に関する紛争、手付金の返還等入っておりますけれども、それから履行遅延とか瑕疵補修等に関する紛争、こういったものが多いわけでございます。
 これらに共通する基本的な原因は、契約のときにおきまして物件の内容とかあるいは取引の条件につきまして、売り手と買い手の当事者間で明確な確認がなされていないというような点にあろうかと考えます。これは宅建業法との関係で申し上げますと、重要事項説明が非常に不十分であったとか、特に取引主任者でない者が重要事項についてあいまいな説明を行っておるというような場合等が最大の問題であろうかと考えております。
 また、御指摘の無料招待旅行とかあるいは調整区域内の土地の販売等につきましては、非常に特異な状況を設定いたしまして、消費者の弱みにつけ込みまして契約の締結を強要したり、また物件の所在地あるいは周辺地の発展性等を誇張して売りつける、こういう新しい悪徳業者も出てまいっておりまして、これに対して現行法が必ずしも十分に対処し得ていなかったと思います。
 それから、悪質な業者が実は繰り返して悪質な行為を行うというような点もございまして、これに対しましても現行法は、必ずしも対応措置が十分ではなかったというふうに考えております。
#159
○瀬崎委員 そういった点に対して、特に今回の改正で改善が期待できるというのはどういう点ですか。
#160
○宮繁政府委員 まず一つは、契約時におきます物件の内容とか取引条件等について明確な確認をするという点につきましては、書面で説明をしなければならない事項を重要事項のすべてに拡大いたしました。
 それと、取引主任者でない者によります重要事項説明を防止するという観点から、取引主任者がその説明を行う場合に、顧客、相手方に対しまして、知事が交付いたします取引主任者証を提示しなければならないことにしました。いままでは、単に業者の従業者であるというものでよかったわけですけれども、今回は、知事が発行する証明書を見せるということにいたしました。
 また、従前の規制では必ずしも十分対応できませんでした新手のやり方に対しましては、一つは、自分の所有に属しない物件の売買契約締結の制限、それから事務所等以外の特異な状況下で行いました買い受けの申し込みの撤回等、これはいわゆるクーリングオフ制度でございますけれども、こういう新たな措置を今回導入いたしました。
 さらに、誇大広告等の禁止につきましても、いままでより対象を広げております。こういうことによって対処することにいたしました。
 さらに、悪徳業者に対します措置としましては、著しい悪質行為等による免許取り消し処分後新たな免許を受けることができない期間を、三年間を五年に延長いたしました。また、免許取り消しの聴聞の公示後廃業等を行った業者に対しましても、一定期間免許の取得を禁止することにいたしたわけでございます。
#161
○瀬崎委員 いま言われた中で、今後消費者が活用するであろうと見られる一番大きな制度改正がクーリングオフの導入だろうと思うのです。しばしば論議されています。参議院の建設委員会で上田耕一郎議員が、五日は短い、こういう指摘をしているのでありますが、これに対して、渡辺建設大臣及び宮繁局長の言わんとするところは、訪問販売法それから割賦販売法が四日だ、これに一日プラスした。この一日というのは、温泉等遠いところで取引が行われた場合、冷静に考える場所に帰ってくるための期間だ、こういうことなんですね。結局ここには、割賦販売法や訪問販売法の対象になっているそこらに簡単にある商品と、それから土地という特殊な商品との違いがどうも織り込まれていないように思うのですが、そうではないのですか。
#162
○宮繁政府委員 確かに、訪問販売の商品と不動産とは本質的に違うと私は思います。ですから、基本的にはやはり、一生に一度、しかもきわめて高額な買い物でございますので、十分な御調査をしていただきたい。これには、都道府県なり何なり窓口へ来ていただきますと、その業者のいろいろな状況がわかりますし、それから、やはり自分の目で確認していただきたい。あるいはまた、経験者を同行なさるのは非常にいいわけでございますし、そういう点、十分な調査をしていただきたいと思いますけれども、このクーリングオフの期間、五日間というのは、そういう調査のための期間ではございませんで、いわば一種の衝動買いをしたわけでございまして、そういう異常な雰囲気の中で契約をした場合に、それでよかったかということを考えてみる期間と言っていいかと思います。そういう意味では、この程度の期間が妥当であろう。しかも、契約は自由ということが原則でございますし、一個の成人が契約するわけでございますから、十分な対応をすべきである。こういうことから言えば、このクーリングオフは、当事者のうちの一方が意思表示すれば契約が解除されるというふうな、民法の原則を破るようなものでもございますので、こういった期間になったわけでございます。
#163
○瀬崎委員 今度のクーリングオフの期間に物件を調査する期間が入っていないということは、もう政府側がそう明言されているのですから間違いのないことですね。しかし一方では、土地という商品と一般の商品との違いも認めていらっしゃるのですが、その違いの中身ですね、一生に一度のものであり、かつ高額なものだということ以外にも、他の商品のようにそこらに幾らでもあるというものではない、また幾らでもつくれるというものでもない、限られたものである、これが一つあると思うのです。
 それから第二に、非常に残念な事態ではありますが、土地は現に値上がりを続けます。かつ、それを利用した土地転がしは、政治家が先頭になってやっているという実例があります。そういうところから、土地は常に値上がりするものだという社会的常識まで生まれてきている現状もある。
 それから三つ目には、買う人の職場とか現住所との関係から、選択し得る地理的範囲というものもおのずから限られてしまうということ。
 それから四つ目には、事前に調査しろ調査しろと言われるけれども、この土地に関して、その周辺の状況であるとか将来の生活環境整備等について、つまり将来性について一消費者が完全に調べられる道理は私はないと思う。
 そして第五に、こうしたところにつけ込んで、たちの悪い業者や、特に大企業でも、セールスは、早く決めないと他の買い手がつくとか、あるいは値が上がるとか言って、結局あふり立てる。
 こういうふうな条件のついて回る特殊な商品だ。こういう点から考えるならば、私は、やはり購入の意思決定前に十分な調査をしておくべきだ、たてまえはそうであっても、実際はそれは不可能に近い。そういうところから、当然、クーリングオフの期間には、冷静になって改めてもう一遍見直そう、こういう余裕は必要ではないかというふうに思うのです。上田議員は、十日ないし二週間というふうな提案をされておりますが、どう考えてみても、もう一遍見直そうと思えば休日は必要なんですから、最低日曜日が入ってくる一週間、どんな日を起点にしても必ず休日が一日入る一週間、これが効果的なクーリングオフ期間ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#164
○宮繁政府委員 いま土地あるいは不動産についていろいろな商品との違いを御指摘がございましたけれども、私もそのとおりだと思います。したがいまして、ますます調査が必要でございますし、それから取引の相手方になる業者につきましても、十分な情報を得て、これは都道府県の窓口へ参りますと、かなりの情報量が提供されます。それから土地の将来性等につきましても、かなりの程度御相談には応じられることにもなっております。
 なお、この五日間の問題でございますけれども、審議会でも、民法学者あるいは消費者代表の方、あるいは労働組合の代表の方も御参加願っておりますし、また業界の代表の方も入っておりまして、いろいろな御議論があった中で、およそこういう日数になったわけでございますけれども、今後の運用を見まして、もし仮に問題がありとすれば、やはりその時点で所要の検討を行うことは、これは当然だというふうに私は考えております。
#165
○瀬崎委員 それからもう一つは、実際にこういうクーリングオフ制度を設けても、なお苦情が実際に起こってくるという場合の処理体制の問題なんですね。これについて、大臣は参議院の方でこう答えていらっしゃいますね。「たとえば建設工事紛争審査会のような準司法的な権能を持ちました紛争のあっせん調停機関を行政庁に付置するということも一案」とおっしゃった上で、もう一つ別に、「新たに準司法的な権能を持ちました公益法人等を設立しまして処理する方式につきまして調査研究を行ってまいりたい」とも言われているわけなのです。一案だという紛争審査会よりも、むしろこの公益法人の方に何か力点を置かれておるような感じと見るのですが、その理由はどこにあるのでしょう。大臣に伺いたいと思います。
#166
○渡辺国務大臣 ただいま先生の御発言のようでございまして、建設工事紛争審査会のような機能を備えたものを私どもが設置することも一案であると思いますけれども、御承知のような、いま行政簡素化というようなことも言われておるときでございますし、そういうような意味で申し上げました公益法人のようなものを設立して処理させたらどうであろうか、そういう意味でこれを検討してまいりたいと申したわけでございまして、私といたしましては、できれば昭和五十六年度の予算要求に当たりまして、そのための調査費等を盛り込んで具体的に進めてまいりたい、これが私の考え方でございます。
#167
○瀬崎委員 相当具体的に進めていらっしゃるということはわかるのですが、この準司法的な権能を持った公益法人とは、もう少し具体的に言いますと、何か実例が他の組織にあれば、こういうものなんだ、それによく似たものだというふうに説明願えたらと思うのですが、あるでしょうか。
#168
○宮繁政府委員 まず、準司法的という考えは、この機関が行政面から独立いたしまして、たとえばどういう名前になりますか、その機関の判断で問題解決をする、そして、たとえば調停をいたしますとか、場合によりましては、仲裁の場合には、これは拘束力のある処分ができる、こういうふうな機関を頭に描いて準司法的と言っております。そして、現在の建設業の紛争審査会は行政庁の中にあるわけでございますけれども、やはり行政の簡素化というような観点から、公益的な法人としてつくり上げていったらどうであろうか。まだ、詳細、具体の構想はまとまっておりませんけれども、ただいま大臣からも御答弁がございましたように、五十六年度におきまして、諸外国の例とか、あるいは国内におきますいろいろな紛争調停機関の例等も十分検討いたしまして勉強を進めていきたいと考えております。
#169
○瀬崎委員 三月二十五日の参議院の建設委員会で全宅連の中山弥十八会長がこの紛争解決について意見陳述をしていらっしゃるんですね。この紛争解決について「私は、業界として、こういうできる範囲の中において何か業務委託のようなかっこうでわれわれに申しつけられれば、いつでもこれらに対応いたしていきたい、」「ただ、役所というのは、権限を民間に出しますというと、いろんな意味でとられるということもあるかとも思いますが、公益法人としての立場から、行政に協力をして、国の住宅政策にまともになって正面から協力するのは当然であろう、」と意見陳述されているわけです。いま言われている行政の外における公益法人というのは、こうした全宅連の会長の発言と何らか関係があるものなのですか。それとは全く別個のものなのですか。
#170
○宮繁政府委員 私は、全く別個のものと考えております。ただ、業界に対しましては常々から、そういった相談窓口を開設しろ、あるいはまた、個別の業者に対しましても、欠陥マンション等のことが問題になりましたときに、必ず会社の中でそういった紛争処理の窓口を決めまして、一般消費者に明示しなさいというようなことも言っております。そういう意味で、私は、業界自体がまじめにこの紛争処理を業界として取り組んでいくことも結構だと思いますし、このことはまたやってもらわなければならないと考えておりますけれども、先ほど来話題に出ております準司法的な公益的な法人というものは全く違うものを考えるべきだと思っております。
#171
○瀬崎委員 つまり、その消費者保護の立場から見たいろいろな紛争の相談について、全宅連の方も全国に三百三十カ所の無料相談所を開設し、約三千名の全宅連会員が無料奉仕で相談活動をやっているということなんですよね。ところが一方、中山会長の発言で率直に認めておられるのですが、「一般の消費者の方々が行政の方へ、お役所の方へ相談事を持ち込んでくる。」余談になりますが、特にわれわれ共産党の方にも非常に相談が多いわけでございます。続いて中山会長は、「私どもの方へどんどん来ていただければ非常にいいんですが、これは業界へ行くよりも役所の方がいいんだろうというような考えからかもしれませんが、役所の方へどんどん行く数が現在ふえつつあります。」こういうふうに認めていらっしゃるわけです。なぜこうした傾向、せっかく全宅連が自主的に紛争を解決しようとして相談所を設けても、それが余り利用されないで、むしろ建設省の方などへ来るという傾向が出てくるのか。その理由をどう考えていらっしゃいますか。
#172
○宮繁政府委員 本来は、業界での自主解決がまことに望ましいと私は考えておりますけれども、やはりそのトラブルを起こしました業者の方も、私どもには監督処分権限もございますので、多少その発言に重みがあるのかなというようなことで、消費者の方々も私どもの方に御相談に見える、こういう傾向だろうと考えております。
#173
○瀬崎委員 不動産に関して「広報」という業界紙というのでしょうか、新聞が出てますね。これの発行所を見ますと、三つありまして、全国宅地建物取引業協会連合会、全宅連、これは社団法人です。それからもう一つ、社団法人全国宅地建物取引業保証協会、もう一つが全国不動産政治連盟ですね。この三つが発行所となって名を並べているわけです。前二社は社団法人なんですね。あとは政治連動をやる団体なんです。これが同居しているわけです、この「広報」という紙面において。これは社会的に見れば非常識な感じを受けるんですが、いかがでしょうか。
#174
○宮繁政府委員 実は私それをまだ見たことがございませんけれども、なおよく調査をいたしまして、もし不都合な点があれば当然これは改めるべきだと考えております。
#175
○瀬崎委員 その全国不動産政治連盟なんですが、これが第九回の年次大会のパンフレットの中で「当面の土地住宅税制改正を含むあらゆる国会活動を、さらに積極的に推進するため」という理由で、率直に言えば税制緩和を求めるためということでしょう。全宅連及び保証協会の会員を対象に一人二千円の特別会費を集めるわけです。総額にして約一億円集めております。その使途は政治連盟の決算書で見ますと、五十三年度なんですがこうなってます。五十三年七月一日から五十四年三月三十一日の間の特別会計収支決算報告によりますと、税制改正運動などの国会活動費一千八十八万四千百五十円、議員連盟関係費三百六十万円、計一千四百四十八万四千百五十円支出、こうなっているわけです。一億円集めていますからまだまだあとに残っているんでしょうが、五十三年度はそういうことです。
 そこで、さらにこの大ざっぱな支出をより具体的にどう使われたのかを今度は五十三年度の自治省に届けられました政治資金の届け出で調べてみました。そうしますと中野四郎後援会、これは前国土庁長官だったと思いますかに百万円、それから天野光晴後援会に十五万円、上田稔選挙事務所に十万円というぐあいで、まあ少額、自民党以外の政党に出ているのも二、三あるんですが、九分九厘自民党の政治家の名前を冠した後援会あるいは励ます会に出ていっているわけです。
 この会員に二千円の特別会費を訴えた五十三年十一月二十八日の不動産政治連盟の訴えがあるんです。「全政連臨時拠出金に関する要請」、何か税理士法改悪を買収したとかなんとか言われる税政連とよく似た名前ですが、「全政連臨時拠出金に関する要請」という中で「議員連盟の早期結成とこれを背景とする効果的な政治活動に要する資金調達に関し」「次の通り資金カンパのご協力を仰ぐことになりました。」と、この特別会費といいますか特別拠出金の目的を示しているわけであります。あわせて五十四年度の予算では急激にこういう政治工作費がふえるんで、特別会計で国会活動費が三千万円、議員連盟関係費が二千万円、政党関係費が二千万円、合計七千万円となっております。ですから全政連、全国不動産政治連盟の臨時拠出金、この特別会費のねらいは議員連盟、正確には宅地建物等対策議員連盟への大がかりな政治献金であることは明白だと思うのです、出す方はそういうふうにはっきり訴えているわけですから。こうした中で事実議員連盟、略称宅建議員連盟というんですか、これが生まれてくるわけですね。五十四年、去年の五月十八日に自民党本部で設立総会をやっております。亀岡高夫氏が代表世話人で、世話人の名簿がありますが、安井謙氏を除けば全部自民党の方ばかりですね。しかもことしの一月六日の総会か何かで浜田幸一氏が新しく代表世話人代行に選ばれてくるわけですね。五十四年度の政治資金の届け出がもう終わっておれば当然この不動産政治連盟と浜田幸一氏を代表世話人とする宅建政治連盟の金による関係はもっと明瞭になってくると思うのですが、これがまだ出ていないのが残念であります。しかし、これだけ説明すれば大体この関係はだれだってわかり得ると思いますね。
 そこで、これは大臣に伺ってみたいのですが、全宅連という業者団体が賭博、土地転がし、しかも現在建設省の宅建業法違反の疑いがあって調べていると思いますが、そういう前科のある浜田幸一前議員を代表世話人とする議員連盟を通じて政界、官界に働きかける、こういうふうな関係は国民から見ればきわめて不明朗な政官財癒着と映るんではないかと私は思うのです。大臣はどういうふうにお思いになるか、これが一点です。
 それから第二点は、当然不動産業界が国民から信頼されたかったらこういう政官財癒着、それも窓口が浜田幸一氏だというふうなことはみずから私は避けるべきだと思うのです。これは成り行きを見守りたいと思う。しかし、同時に議員連盟がほとんど自民党の関係者によってつくられて、不動産業界とこういう政治献金で癒着を結ぶ、こういったことは結局行政サイドから不動産業界に強いことが言えない、十分な消費者保護ができないのではないかという疑惑を生むわけであります、与党でありますから、自民党は。そういう点、建設大臣は自民党の御出身でもあるわけです。やはり政党の方からもこういう関係を解消して明朗にしていくという必要があるのではないかと思います。この考えをただしたいと思います。
 それから三つ目は、先ほど来公益法人を行政の外につくる、つまり、民間の機関として準司法的な権限を持たせて紛争処理に当たるようにおっしゃいましたが、こういうことがあればあるだけ、私は、むしろいまやるべきことは政府が直接、まだいまの政府といえども信頼されているんですから、建設省が体制を強化して紛争処理に当たる、このことを優先させるべきではないかと思うのです。以上、三点伺ってみたいと思います。
#176
○渡辺国務大臣 まず第一番に申し上げたいと思いますのは、今度の宅建業法の改正等建設省がお願いをいたし募りますのは、クーリングオフを初めといたしまして非常に前向きな内容を盛り込んでおると私どもは思うのでありまして、別にそのような運動に左右されました結果であるというふうには考えていただきたくないということでございます。
 それから、浜田議員がどういう動きをなさっていらっしゃったのかということにつきましては、先生からはお話がございましたけれども、私も実は詳しくは存じておりませんので、その点は一度よく計画局長の方で調べてみないと、私といたしましても何とも申し上げられませんが、ただ、議員の活動というのはそれぞれのお立場でお動きになっていらっしゃるわけでございますから、これに対して私はとやかく言う立場ではございませんけれども、少なくとも建設省といたしましては、われわれが所管しております内容について、私どもの責任の十分果たせる立場で判断をし、これを執行していくということにつきましては、御信頼いただきたいと思います。
 なお、紛争解決の処理の方法等につきましては、いま局長もおっしゃったわけでありますが、私どもはいまある宅建業の連合会、そういうようなものを対象として考えるのではなしに、やはりこれは別個の公益法人として、準司法的な機能を持ったものを考えておりまして、したがってこういう問題について検討したいということで、新しく五十六年度に予算要求をしたいということでございますから、その点はひとつ御理解をいただきたい、かように考えるわけであります。
#177
○瀬崎委員 不動産政治連盟が二千円ずつ集めて不動産政治連盟の議員にばらまいたということについては、実は投書も来ているのです。自分たちが半強制的に取られたあの特別会費は何に使われているのか、聞けば議員に三百万ないし十万円ずつ贈っているという話ではないかというふうなことであるとか、電話ではさらに具体的に名前も挙げて、だれに何百万、だれに何百万という話も来ているわけです。そういうことを十分含んで、少なくとも建設省の不動産業界に対する行政がこういうものでねじ曲がったと言われることのないように、事実をもって示していただきたいと思うのです。
 以下、そういう意味も含めて、具体的な問題の解決を建設省に要望したいと思います。いずれも滋賀県で起こっている問題でございます。
 一つは大倉建設、またであります。昭和四十六年から四十七年にかけて、大倉建設が美松ハイランドという分譲地を開発したわけであります。これは滋賀県の甲西町というところにあるわけでありますが、一番近い平松という在所からでも二キロほど離れておりまして、高さも約百メートルほど高い不便きわまりない山の中に開発されています。それも一カ所にかたまってなくて、東山地区、平野地区、赤松台地区と三つに分かれているのですね。辛うじて山の斜面の比較的勾配の緩いところを開いたという無理な宅地開発であります。それぞれの分譲地は段々畑になっています。全部で三百五十区画あるわけでありますが、入居者は五十四年五月十日現在で五十四戸二百十四人、約七分の一ほどしか入っておりません。現在は市街化調整区域に編入をされている上に、すでに入居されている人たちの生活の不便さが実証されているために、新たな入居者の見込みはこのままではないと思います。状況は建設省の方に写真で見てもらっています。
 ここで住民の日常生活の危機が顕在化してきたわけであります。一つは水道、これは簡易水道で、五十三年四月からは入居者が一カ月に二千五百円を大倉建設に支払い、大倉建設が維持、管理に当たっているのでありますが、すでに十年を経過していることや、もともと設備能力が、広範囲の給水に比して不十分なこと、それから配管の埋め方が非常に浅いことから、故障、水漏れが激しく、断水がしばしば発生している。最近も一週間に三回も起こるというふうな状態で、日常生活の不安この上ない。しかも、入居者の負担金二千五百円が大倉の要求でさらに引き上げられる可能性も出ております。
 いま一つは、団地内の道路が大倉建設の私道のままなのですが、何せいま申し上げましたような団地であるために、区画数の割りには非常に団地内道路が長いのであります。しかも勾配のきつい山道であります。簡易舗装はしてあったのだけれども、めくれて荒れほうだいで、いまに自動車の通らぬ道も出てくるのではないかと私自身も現場に行って心配をした次第です。
 このような水道とか道路とかいった生活の基礎条件が整っていない土地を、直ちに利用できる宅地として売り出すこと自身が一体妥当なことかどうか、いかがでしょうか。
#178
○宮繁政府委員 この美松ハイランドの問題につきましては、私ども現在いろいろ調査をいたしておりますけれども、昭和四十六年十二月から四十七年三月にかけまして、いまお話しのように三百五十区画の分譲地を造成、販売したものでございますけれども、五十四年の十二月現在百四十七戸の建築がなされていると聞いております。
 当該地域は、四十八年十二月二十八日に市街化調整区域として都市計画決定されたものでありまして、滋賀県は既存宅地として昭和五十一年の十二月に建築許可をしているもので、現在未建築地のものについても建築が可能ということでございます。
 水道、道路については、水道につきましては、現在業者と地区の住民の方々によりまして美松水道改善委員会というのがございまして、その間で五十三年四月に覚書が締結されまして、業者もこれに基づきまして甲西町への移管推進について努力しておるようでございますが、道路の問題も含めまして、これらの町への移管問題につきましては、私どもといたしましても実態を把握した上で業者に対する指導等、善処をしていきたいと考えております。
 それで、宅建業法の三十一条では「業務処理の原則」の規定がございまして、宅建業者が信義を旨とし、誠実に業務を行うべきことを規定しておりますけれども、これはいわゆる訓示規定でございます。したがいまして、一般論といたしましては、業者が業務の行為に関しまして、宅建業法に基づきます他の具体的な業務規制規定に違反いたしまして、また監督処分規定に該当したような場合には、当然法律上の措置はとれるわけでございますけれども、その信義、誠実の原則に照らしてどうかという場合には、直ちに法律上の措置につきましてはとれない場合が多うございます。しかし、行政指導につきましては、もちろんその信義、誠実の原則に従って処理するということを踏まえまして、これからも対応していくことは十分可能でございますので、御指摘の具体的な懸案につきましては、調査の上検討してまいりたいと考えております。
#179
○瀬崎委員 厳格に行政指導をしていこうという前向きのお話ですから大変結構だと思うのですが、ついでに申し上げますと、分譲販売に当たっては、大倉建設の会社の幹部はどう言っておったかわかりませんが、現場のセールスは、水道は近く町営に移管されること、それまでは無料であること、また現実に無料で供給されておったわけですが、そういう約束をして購入者を安心させておったわけですね。しかし、今日なお町営に移管されていないし、いまのところ町当局は現状のまま受け入れる意思を持っていないわけです。私も確認をしております。そういう点では、物件説明書等にそういう明確な表示がないわけですから、やはりセールスの言葉の約束ということも重要な意味を持つと思うのです。違法性に近いのではないかと思いますね。
 それと、無料でやられておったのが有料、つまり二千五百円の負担に切りかわったきっかけというのは、大倉建設が五十二年の初めに一つの文書を居住者に出したわけなんです。それは「造成工事が完了し、且つ、給水施設が完成作動した段階が、物件の引渡しの時期であり、」物件というのは給水施設だと思います。「引渡しの終了と共に法的責任を完遂したことになります」だからこのことは知らぬでもいいのだと言わんばかりの文書なんですね。それで、これがおかしなことは「引渡しの終了と共に」とあるけれども、では引き渡しの相手は一体甲西町なのか、居住者個人なのか、それとも土地の購入者、まだ家を建てていない人も含めて全員なのか全然わからない。これはどこにも明示がないのです。つまり売買契約のときにも何もそのことは約束されていない。そういうふうなあいまいな引き渡しをうたって、その段階が物件の引き渡し時期だからあとは責任がないのだと言うけれども、その時期も、もし個々の入居者の水道設備完成も含めて給水設備全体の完成作動した時期というなら、まだまだ入っていない人がたくさんいるのですから、その時期は来ていないことになるし、もし個々の家の水道設備は別として、共同の揚水ポンプとか配水池とか幹線配管だけだ、こういうことと言うならば、それができた時点にはまだだれも住んでないわけですから、引き渡す相手は、町も断っておれば、いないということになるのですね。こういう点で一種のおどかしみたいな文書で、そこで住民としてはこれはたまらぬというので、しようがない二千五百円払ってでもと、こういう形で組合をつくるに至った経緯があるわけなんです。大倉建設、御承知のようにこれまでも蒲生町の宮川の長峰団地、これも建設省に呼び出されて、余りにも不便なところなので通勤着向けとは言えなくて、あれは別荘地に開発したものだなどと言ったそうですが、そういうところとか、あるいはこの間も指摘しました草津市の住宅団地は、後に工業用地の網がかぶってきている。そういう矛盾を犯している。そういう点では問題が多過ぎる。悪徳会社とは言いませんけれども、当時のやり方は一歩手前のような感じがするのです。だから、そういうことも参考にして、水道にしても道路にしても大倉建設が応分の負担をする、ここがはっきりしてこない限り、町営への移管は成り立たないと思うのです。そこをきちっと行政指導をするならしていただきたい。重ねて答弁を求めて、次に移りたいと思います。
#180
○宮繁政府委員 具体の事案につきまして十分調査した上で、善処してまいりたいと考えております。
#181
○瀬崎委員 もう一件はさらに複雑な問題、これは全国にも例があると思いますが、同じく滋賀県でありまして、開発した会社は東宝ランドであります。これは大臣の免許を持った宅建業者であると同時に、大臣許可を持った建設業者でもありました。簡単に経過を言いますと、四十六年から四十七年にかけて滋賀県の水口町の人里離れた山奥に第一、第二、第三、第四水口台と名づけた四ブロック、約三千区画の分譲宅地を開発したわけです。現在ここに住んでいる人は二百戸、約七百人にすぎません。この東宝ランドは、宅造を売り出した直後の四十九年十一月二十日に倒産をしたわけです。以後はこの地は、映画ロケの舞台にでもなりそうな荒れ地、荒野と化しているわけです。現在ここも市街化調整区域に編入されています上、水道も道路も学校も、何もかも不備のままで、こういうことが実証されておりますから、このままでは新しい入居者はあり得ないと思います。この販売方法もでたらめだったのですね。
 たとえば宣伝パンフレットであります。「くらしととち」という、こういう実にりっぱなパンフレットと言っていいのですか、ちょっとした冊子ですね、出しているのです。ここには、たとえば「ショックに強いもの」という見出しで、「不動産の価格上昇には眼を見張るものがあり、一般市民からは段々遠のこうとしています。言いかえれば、土地程確かなものはないと申せます。」先ほど私が言ったとおりの土地の特殊性を強調し、投機をあおっているわけです。それから問題の販売している水口台団地とは全く関係のない「湖国めぐり」、つまり琵琶湖一周の観光地の案内にずいぶんのページを割いているわけですね。それから遠い遠いところにある工業団地を幾つも挙げて、将来の発展を印象づける。それから通勤についても、「通勤ラッシュはありません」「すしづめ通勤、乗り残しなど全く無縁です。」さらに草津線については、「複線計画が進められています」これはわれわれが複線計画を要求して運動しているのであって、国鉄はそんな計画は全然ない、こう言っている問題なんです。うそ八百です。しかも、大体一番近い国鉄の駅へ行くのに自動車で行っても三十分ほどかかるような不便なところなんですね。それから「豊かな教育施設」という項もあるのです。ここには何が書いてあるかといいますと、学校の数は「県下では小学校二百三十二校、中学校八十四校と充実」と書いてあるのです。これは滋賀県全体のことを言っておるのであって、問題の団地のところは一体どうなのか、ちっとも書いてないのです。これは、当時もし訴えられておれば明らかに誇大広告になるのじゃないでしょうか。
#182
○宮繁政府委員 広告と実態をよく調べなければわかりませんけれども、ただいま伺ったところでは、多分そのようなことになるだろうと思います。
#183
○瀬崎委員 セールスの実際の販売方法も、本当に無料旅行招待に近いことをやるのですね。クラウンのデラックスな社の自家用車でこの水口台から約四十キロ離れている国鉄東海道線の草津駅までお客さんを迎えに行くのです。乗っけて、途中に三雲ドライブインというなかなかデラックスな食堂があるのですが、そこで昼食をまず無料サービスする。要らないと言おうと思っても、集団で詰め込まれて仕方なくなるのです。その上、湖南工業団地、水口工業団地を案内して、将来発展間違いなしということを十分植えつけて、それからその問題の団地からは五キロメートルも離れた農協のスーパーに連れていって、買い物の心配もない。団地のところは何もないのですよ。山の中です。そして現地で五万円払わして仮契約、こういうことをしているわけです。
 しかし、これはまだ消費者に対する直売なんです。もう一つは、一たん十区画ほどをまとめて投資家といいますか投機家に売り渡すわけです。そのときに条件がつくのです。その土地は必ずもう一遍東宝ランドが仲介、つまりあっせんしてほんまの意味の所有者を見つけて売ってあげます。こういうふうな仲介で買った人もあるのです。まさに土地を投機商品として扱っている。みずから転がしも実践するわけです。
 こういうわけですから、もう水道、道路、造成工事はきわめてずさん、お粗末、手抜きの限りでありまして、なるべく金のかからないようにしているのです。形があるというだけです。そういう点では業法違反に近い悪徳商法ではないかなと思っているのですが、倒産をしてしまったわけです。ここでもその結果生活不安が非常に深刻になっている。とりあえず三点で問題が起こっているのです。
 一つは水道です。これも販売のときは、町営移管される、それまでただと説明しておりまして、また事実ただで最初やっておったようです。ところが、契約にはそういう点は何ら明記がありません。ところが東宝ランドが倒産して電気代を払わなくなったものですから、その電気代の不払いが滞納になって、関西電力が、このままだと送電を打ち切らざるを得ないと居住者に通知したことから、やむを得ず居住者がそれぞれ金を出し合って電気代を払っておるということが出発点になって、五十二年の初め水道管理組合をつくって現在運営している。一世帯一年間二万四千円を出し合い、機械の技術の経験者あるいは経理面を主婦が交代で無料奉仕して辛うじて運営している。しかし、ポンプは一度取りかえたし、井戸の寿命も尽きつつある。夏には完全断水等も起こるので、乳飲み子を抱えた家は引き揚げたのも二、三あるというふうな状態です。それから、道路の方も痛みほうだいで、大きな陥没もできて通行不能の道路も生まれてきています。それから非常にずさんな造成のために、造成崩壊が生まれてきて、こういう点での危険もあるというふうなことで、現在二百軒の人が住んでいるわけですが、その生活維持といいますか、生命維持のために早急な対策が求められているという実情になっています。
 そこで、時間も来ておりますから一括申し上げますが、ここは見かけは大手業者並みなんです。だけれども内容は空っぽで、しかもその商法もきわめて悪質だ。こういう業者に大臣免許が出ていた、ここが一つ大きな問題だと思います。それから、こんな企業があんな山の中に三千区画もの宅地開発を計画すること自体が私は無謀であり、それが許されておったということが二つ目の問題だと思うのです。
 いま住んでいるこの二百軒の人たちというのは、まさに善意の人なんです。ほとんどが大阪に住んでいて、自分の勤めている会社がまるごと滋賀県に移転してきた、そういうところをねらい撃ちされてセールスにひっかかっているわけなんです。そこに住む以外に生活の手段を持たない人人、そういう人々が犠牲者として放置されることは許されない。少なくともこういう人を当面救うことが私は政治の責任ではないかなと思うのです。もちろんその当事者は身近な水口町だと思います。しかし、ここは人口二万の小さな町なんです。三千区画のこの広大な荒れ地を抱えてどうにもならないわけです。どうしても国の援助が必要だと思います。私は決して誇大に言っているわけでも何でもありません。まず建設省もそのひどい実情というものを一度よく調査をしていただきたいと思います。その結果に基づいて、現在建設省の制度には、住宅宅地関連公共施設整備促進費というものもあるわけです。ただ、これは残念ながら新規の団地でかつ一定の面積要件も備えているというふうな場合、自治体に対して適用される。しかしこれを少し拡大すれば――これなどは一割にも満たない分譲しか建っていません。ほとんどはこれからみたいなものなんです。新しいのをつくるのとそう変わらぬのです。こういう会社自身が倒産してしまってどうにもならない、しかし今後は利用の道のある場合、適用ができないものかどうか、あるいは別途の予算措置がとれないものかどうか、あるいは建設省が中心になって関係省庁とも連絡をとる、そしてこの悪質、悪徳不動産会社の無責任開発の犠牲者を救済する道を検討してもらいたい、こう思うのであります。これは建設省の御答弁をいただきたいと思うのです。
 もう一つは、これは決して東宝ランドだけではなしに、全国的に見れば相当多いのではないかと思うのです。このように会社が倒産したことによって環境整備等が放置され、せっかく分譲地でありながら利用されていない土地の調査が実際行われているのかどうか、会社の保有土地の調査等も国土庁が行っていらっしゃるけれども、その中にこういうものが含まれているのかどうかということが一つと、それから、環境整備、後始末に若干手を加えれば直ちに宅地として利用できるものも相当あるわけですから、よく調べて、真剣に宅地供給促進を考えていると言うのなら適切な方策を打ち出すことによって宅地供給の促進にこういう分譲地を役立てるべきではないかと思うのです。これは多分国土庁だと思うのですが、お答えいただいて終わりたいと思うのです。
#184
○宮繁政府委員 いまお話のございました会社は、実は昭和五十二年まで建設大臣の免許業者でございました。その後五十二年四月からは大阪府知事へ免許がえが行われております。いずれにいたしましてもかつて建設大臣免許の業者が不始末をやりまして大ぜいの方々に御迷惑をかけている点、遺憾だと思います。現行法の許す限り私どもはきわめて厳しい免許の姿勢で対応しなければいけないと思っておりますが、これも一つの参考例としていきたいと思っております。
 それから、こういった業者がああいった土地でこういう開発をすることが無謀でないかという御指摘もございました。現在は、開発許可の制度でこの点につきましてはかなりチェックもできまして、いろいろな意味でよくなっておると思いますけれども、さらに開発許可の点につきましてもこれからも十分注意をしてまいりたいと思っております。
 それから三番目に、地方公共団体が引き継ぎを受けてくれない水道とか道路の問題についてどうするかという点でございますが、これは地元ともよく内容につきまして相談をいたしまして、できる限りうまい考え方で処理できるかどうか検討してみたいと考えております。
#185
○山岡政府委員 東宝ランドが土地を買われましたときを調べますと、四十四年から四十八年の二月にかけて買ったということでございます。国土利用計画法施行前の問題でございますので余り詳細がわかりませんので、建設省がこれからも御調査をなさるそうでございますが、一緒によく調査をしてみたいと思います。具体的な問題につきましてはその程度しか実はわかっておらないわけでございますけれども、未利用地の有効活用につきましては、市街化区域内の農地の活用、それから再開発と肩を並べまして非常に大事だと私ども思っております。国土利用計画法では現在先生御案内のとおり遊休土地制度というものがございます。これにつきましては、まず昭和四十四年一月一日から国土利用計画法が施行される前日でございます四十九年十二月二十三日までのものにつきましては附則遊休土地という制度がございまして、それまでに通知をすれば遊休土地としての制度が動くということになっておりました。それを調べてみましたけれども、その間に東宝ランドにつきましてはこの遊休土地の指定が行われておりません。本則遊休土地につきましてはこれから動くわけでございますが、ことしは全体につきまして網羅的な調査を実施をするということによりまして遊休土地の要件に該当する場合には積極的に活用したいということで総点検を実施をするということにいたしておりますけれども、いま先生がおっしゃいましたものにつきまして今回の総点検の中に入ってくるかどうか、この点については今度の調査の際に十分検討してまいりたいと思います。
 それから、企業土地調査のお話もございましたけれども、企業土地調査につきましては実は資本金一億円以上というものを対象にいたしまして毎年調査を行っているものでございまして、昨年も一万八百五十一社を対象にいたしまして回収率が約七三%ということでございましたけれども、この調査をいたします目的といたしまして、販売用土地の実態をつかまえるというのが一番のねらいでございます。最近の調査によりますと、販売用土地で一億円以上の企業が持っておりますものが九万七千ヘクタールぐらいございます。その中で私どもの特に関心の深い三大都市圏内には八千ヘクタールぐらいございます。その中でさらに未着手というのが三千二百ヘクタールぐらいございます。この未着手と申しますのは開発許可をもらったけれどもまだ着手をしていないというようなものも実は入っておるわけでございます。ただ、いま先生がおっしゃいましたようなすでに開発が進んでおるというものまでそこに入っておらないわけでございます。その点につきましても今後一般の未利用地のとらえ方等について将来の問題として検討していきたいと思っております。
#186
○北側委員長 渡辺武三君。
#187
○渡辺(武)委員 宅地建物の取引をめぐりまして苦情、紛争が多数発生をいたしておるようでございますが、このような状況が今後減少するであろうかと見ていきますと、それどころかどうもますます増大をするような傾向にあるようでございますが、建設省といたしまして、そのような紛争増大傾向というようなものが一体何が原因なのか、把握しておられますかどうか、その辺からひとつお聞きをしたいと思います。
#188
○宮繁政府委員 御指摘のとおり宅地建物取引業をめぐります苦情、紛争が多数発生しておりまして、毎年これが多くなってまいっておるような状況でございます。これらにつきましては、売買にかかわる苦情、紛争あるいはまた媒介、代理にかかわる苦情、紛争、多数ございますが、その原因につきましては、売買等の当事者、不動産業者あるいは消費者でございますけれども、取引の段階におきまして物件の内容とかあるいは契約の内容をお互いに明確に把握しないまま取引が行われるというような実例があることが一つでございます。もう一つは、十万業者の大多数の方々は非常にまじめに取り組んでいただいておるわけでございますけれども、一部に悪質な業者あるいは質の悪い従業員がおりまして、この質の低い者が投機または買い急ぎをあおったりしまして法規制を守らないで消費者に大変迷惑をかけておる、こういった原因が主たるものであろうかと考えております。
#189
○渡辺(武)委員 そのような現状認識に立ちまして、建設省といたしましてはそのような苦情、紛争を減少させるために基本的にはどのような方策を考えておられますか。
#190
○宮繁政府委員 お話がございました悪質な業者を排除するためには、第一番目として免許の基準をさらに強化すること、二番目といたしまして免許を受けている業者の資質の向上を図ること、三番目といたしまして法律の厳正な執行によります指導監督の一層の充実を図り、取引の公正を確保することにしたいと考えております。また、当事者が真に安定した意思のもとに明確な内容のきちんとした契約を締結できるように、宅地建物取引業者の業務に関する規制の充実強化あるいは消費者の方々に対する教育といいますか、そういったもののさらに一層の徹底も図ってまいりたいと考えております。
#191
○渡辺(武)委員 ただいま局長が答弁されましたことどもは今回の改正案にほとんど盛り込まれておるようでございますが、私どもはこのような業者に対する規制も大切ではございますけれども、現実にこの宅地建物取引の業務に携わる方々、つまりは従業員といいますか、そういう者の資質の向上がなければ本来的な取引の公正だとか苦情、紛争の減少という問題の解決が図られないのではないだろうか、こう考えるわけでございますが、そのような観点からお伺いをしたいと思いますけれども、この法改正の中で、いわば事務所に設けられることが義務づけられております取引主任者、これが建設省令で従業員十名について一名というふうに決められておるようでございますが、現実の問題として、十名に一名では実際には不十分ではないだろうか。むしろいろいろな国家試験等がございます取扱主任者、これは業務を行うその者が、ガソリンスタンドなんかは名義貸しということも行われていること間々ございますけれども、その業務によっては、特に宅地建物取引というものはその従業員個人がセールスマンとして動く、それと顧客、消費者との間の話し合いというようなものが行われる場合が多いわけでございますから、言いかえれば一対一のような状況の中で行われていく、しかも実際の取扱主任者は十人に一人しかいないということでございますから、その辺ではもう少し、十名に一名という基準を変更していく必要はないかどうか。さらにはその取扱主任者以外のいわゆる一般セールスマンですか、その者自身にもやはり資質の向上を図るための何らかの方策が考えられなければいけないのではないだろうか、こう考えるわけですが、その二点についてお考えをお聞かせ願いたい。
#192
○宮繁政府委員 第一点の取引主任者数の従業員に対する割合の引き上げの問題でございますけれども、事務所に置かれるべき専任の取引主任者の数につきましては住宅宅地審議会の検討段階におきましても、ただいま先生から御指摘のとおりの御意見もございました。しかしいろいろ検討しまして、一つは現実に取引主任者としての業務に従事し得る状況にある者の数の推定が困難でございまして、取引主任者の需給バランスの見通しが必ずしも明確にできなかったこと。また二つ目は従業者を営業部門と一般の管理部門に区分けすることの困難さから、最終的には現状における設置状況を勘案して宅地建物取引業務の全従業員数を対象に従業員十名につき少なくとも一名の取引主任者を置くべきものになったわけでございます。基本的な方向といたしましては、私も御指摘のように今後は取引主任者の供給余力も勘案しながら適切にその割合を引き上げてまいるべきだと考えております。
 それから二番目の、セールスマンの資格制度でございますが、これも大変重要な問題でございまして、宅地建物の取引の公正を真に確保するためには、重要事項の説明を行う取引主任者について一定の資質を現在も確保いたしておりますけれども、取引関係の業務に携わっております一般のセールスマンにつきましても資質の確保とか維持、向上が図られることは必要だと考えております。しかし一般のセールスマンまで資格制度を設けることにつきましては、まだ多少検討すべき点もございますので、いろいろな案を勉強しておりまして、業界団体による登録制度とか、あるいはまた義務講習制度等も、今後は十分含めまして勉強して取り組んでいきたいと考えております。
#193
○渡辺(武)委員 確かに業界による登録制度も必要でございましょうが、登録制度というのは往々にして、登録さえしてあればいいということになるおそれがございますので、やはり十分な資格制度が確立できるまでの間といたしましても業者に従業員の必要な教育というものを行政指導で行わしめていくということが必要ではないかと思います。そのようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、流通の近代化問題に入りたいと思いますが、不動産の流通量が現在幾らぐらいあるのか、さらに、将来この流通壁がどのくらいになると見込んでおられるのか、その辺をひとつ御説明を願いたいと思います。
#194
○関口政府委員 中古住宅の流通量でございますけれども、これにつきましてはまことに申しわけないのでございますけれども正確な統計調査がございませんので、国の他の機関の統計あるいは民間の関係業界の業務情報、さらには各金融機関の推計、こういうものをベースにいたしまして私ども把握に努めておるところでございます。ただ、この資料もやはり制度上の限界がございますので、それぞれ推計されておる値も非常に幅がございます。そういうわけでございまして、一応いまの段階で中古住宅の総流通量を見込みますと、おおむね三十万戸前後ではなかろうか、かように考えております。
#195
○渡辺(武)委員 聞くところによりますと、優良な物件は余り市場には出てこない、そしていわば不良な物件が市場に出回る。つまり、市場に出てこないというのは必ずしも全然売りに出されないという意味ではなくて、市場には出るのだけれども一業者がそれを握ってしまって公開しない、こういう意味に解していただきたいと思いますが、そういうことで流通の近代化が非常に妨げられておるんではないだろうか、こう思われるわけですけれども、その流通の近代化あるいは円滑化のためにどのような対策を考えておられるのか、今回の法改正にはどのような条項でその流通の円滑化が図られておるか、御説明を願いたいと思います。
#196
○宮繁政府委員 ただいま御指摘ございましたように中古住宅の流通市場というのは非常に閉鎖的なものでございまして、もう少しこれが近代化あるいは開放的な市場にならなければいけないと思っておりますが、宅地建物取引業法は、御承知のとおり消費者保護のほかに宅地建物の流通の円滑化を図ることを目的といたしておりまして、過去の数次にわたる制度改善とその運用の努力は取引上のトラブルを防止いたしまして、流通の円滑化に寄与もいたしてきたところでございます。しかしながら、最近は所得に合わせ、あるいはまた家族の数に合わせて住みかえるということが一般に定着してまいりましたし、そういった意味で中古住宅の流通量もふえてまいっております。そういう意味からもこの流通の円滑化を一層図っていく必要が生じておるわけでございまして、建設省と関係業界団体におきましては不動産流通問題研究会等も設けまして不動産流通の近代化について研究を行いまして、その成果に基づきまして、昨年、中小業者の協業化のモデル計画の策定、これは先ほど申し上げましたように個々の業者が情報を握っておるだけではなかなかオープンな市場が形成されてまいりませんので、横に連絡をとりながら、情報の交換をやりながら、業者の体質の近代化も図りますし、また流通市場の整備を図っていく、このような意味合いで中小業者の協業化のモデル計画をつくりました。さらには標準媒介契約約款の作成、三番目といたしまして物件の価格査定手引きの作成等について調査を行ってまいりました。また法制度上の改善としましては、この流通近代化の前提条件でございます売買の媒介、代理の依頼にかかわる契約について法規制を行うこととして、今回の改正案の中にも盛り込んでまいったところでございます。
 今後につきましては、流通市場の整備、近代化が絶対必要でございますので、これについては行政指導も必要でございますけれども、何といたしましても業界の自助努力も大変重要でございますので、業界全体が協力してこれを推進するための機構ということで本年度不動産流通近代化センターが設置される予定でございまして、その基金造成に要する経費のうち十億円は国が交付いたしまして、今後このセンターを中心に業者の業務処理方式の適正化、あるいはまた中小業者の協業化の推進を図りまして、流通市場の近代化に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
#197
○渡辺(武)委員 この不動産の売買の媒介というような、いわば一般的に考えますと人間同士の微妙な信頼関係に基づいて行われておる商行為といいますか、依頼行為といいますか、そのような行為の内容を書面化するということが義務づけられておるようでございますが、現実に果たしてそういうことがいいのかどうか。現実にはいわば口頭依頼というようなことが慣習化しているように思うのですが、余りめんどうくさい書面化をすることによってむしろ別の問題が起きてこないかどうか、その辺はいかがでございましょうか。
#198
○宮繁政府委員 戦争前は、不動産の売買につきましても、いわゆるその地域の信頼のおける不動産業者に依頼をいたしまして媒介をお願いするというのが通例でございまして、その市場の範囲も狭かったわけでございますけれども、近年私どもの生活あるいはいろんな経済活動の範囲が広がってまいりまして、それに伴って不動産の市場もだんだん大きくなってまいっております。しかし一方また、先ほどもお話がございましたように、かなり閉鎖的な市場であるというような問題がございまして、この点の近代化が必要であると思いますが、御指摘のように不動産売買の媒介という行為は、当事者間の信頼がまず第一で成り立っておるわけでございます。しかしながら、実際には、そういう信頼のおける業者だけであるといいのでありますけれども、口頭で約束をしたために契約の存否そのものあるいはその内容が不明確なために、遺憾ながら依頼された方と業者間の紛争事案が少なからず発生をいたしております。また、このことが同時に物件の情報を市場へ公開する隘路ともなっております。そこで、このようなトラブルを何としても少なくしたい、防止したいということ、あるいはまた物件の流通の円滑化を図りまして、広い市場で取引される方がお互いの利益も大きいであろうというような観点から、媒介契約の内容の書面化あるいは明確化等の所要の規制措置を法律で定めることに今回いたしたわけでございます。お話しのように依頼者の方にも最初のうちは不安とか戸惑い等があろうかと思いますけれども、こういうものを防除するためには、標準の媒介契約約款等を作成して普及するとか、あるいはまたこの媒介契約の書面化の制度を実行するに当たりましても十分な準備期間とPR期間等を置きまして、何とかこの制度が円満に定着するように最善の努力をしてみたいと考えております。
#199
○渡辺(武)委員 媒介契約をする場合に、今度の法律では、つまり、専任形式の媒介契約というものを法律で定めるという状態でございます。法律でこのような専任形式の媒介契約を定めてしまいますと、業者としてはその方があるいはいいのかもわかりませんから、恐らくそういう媒介契約がふえていってしまうのではないだろうか。さらに、そのためにむしろ逆に今度は消費者保護に反するような状態になりはしないかどうか。つまり、消費者自身が不動産業者を豊富に知っておればいいわけですけれども、たまたま身近な人しか知らなかった。不幸にしてその身近な人が余りいい不動産屋ではなかった。したがって、Aの人に依頼するよりも実はBの人に依頼した方がより自分の不動産を高く売っていただくことができたのに、専任形式の媒介契約にいたしてしまいますと、一たんAの業者に頼みますとBの業者には頼めない。そういうのはむしろ消費者保護の面からすれば反するのではないかと考えますが、どうですか。
#200
○宮繁政府委員 媒介契約には、お話しのとおり複数の業者に依頼することが可能な一般契約と他の業者にはその物件の媒介を依頼することが一定期間できない専任契約と二つに分けることに今回なりました。そのうち一般契約の場合は、依頼者は複数の業者に依頼することができるわけです。しかしながら、業者の側から見ますと媒介報酬は成功報酬でございますので、成功しないと実は空働きということになりまして、一人の業者しか成功報酬を得られませんので、専任契約の場合ほど契約の成立に向けて努力をしないというようなことも生じがちでございます。また、情報交換組織が整備されますと、複数の業者に依頼する意味もかなり少なくなってまいりまして、市場が安定して大きくなってまいりますと、一人の業者に依頼いたしましてもかなり広い市場での取引の中にその物件が提示されるというようなことになってくるということだと思います。これに対しまして専任契約の場合は、依頼者は拘束を受けます。しかしながら、依頼を受けました業者は自分の信用にかけまして成約に努力をするわけでございますので、成約の率は非常に高いだろうと思います。ただ、御指摘のとおり無能な業者とかあるいは悪質な業者に依頼した場合は、依頼者の方で大変お困りになる現象が出てくるおそれもございますので、そういう意味で依頼者保護の観点から、法律では存続期間を三カ月以内ということにいたしまして、また二週間に一回必ず事務処理の報告を義務づけるというようなことも考えております。
 このように、一般契約、専任契約にはそれぞれのメリット・デメリットもございます。一応はどちらの方式をとるかということは依頼者の選択に任されておるものでございますけれども、逐次不動産流通市場の整備が進んでまいりますれば、専任契約の方式もおのずと役割りを増してまいりまして、物件の効率的な流通に資することにもなり、消費者にもまた益するところが多いのではなかろうか、こんなふうに考えております。
#201
○渡辺(武)委員 いい方向に作用すればいいわけですが、むしろそれが逆な方向に作用した場合には、逆に消費者に不利をこうむらせることになろうかと思います。そこで専任媒介契約において、業者はいまおっしゃいました報告義務がございますね、あれは二週間に一回でしたか。しかし、その報告義務は消費者は何も知る由はないわけですから、業者がいいかげんに書いてきた場合の消費者の対抗手段が何かございますか。
#202
○宮繁政府委員 専任の媒介契約の場合には、消費者は他の業者には重ねて依頼できないという義務が生じてしまうわけでございますが、依頼を受けた業者の方には、御指摘のように成約に向けて一層の努力をする義務がございますし、そして二週間に一回以上の報告をすることを義務づけております。この報告がもし仮にいいかげんなものであるときには、契約上の債務不履行として契約の解除事由になり得ると解釈いたしておりますし、もしそれによりまして損害を受けた場合には当然損害賠償の請求も行い得るものだというふうに解釈をいたしております。
#203
○渡辺(武)委員 現在土地の価格というものは実勢価格との乖離が非常に批判をされておりますけれども、不動産の流通の円滑化のために業者サイドで価格査定基準を作成しておられるようですけれども、このような業者サイドにおける価格査定基準というものが作成をされるようなことが一般的になっていきますと、国が定めております公示価格だとかいろいろな価格がありますが、そういうものから見てむしろ逆にやみ価格を認めてしまうという結果にならないかどうか、この辺はいかがですか。
#204
○宮繁政府委員 御指摘の問題は大変重要な問題でございますと同時に、また大変むずかしい問題だと私も考えております。ただ、現在不動産流通の仲介の場合に、業者は実は値づけをもう現実にいたしておりまして、それは本来は、売り主がみずから、この建物は一千万円で売りたい、こういうふうに値づけをするわけでございますけれども、何分売り主さんの方には値づけに対する十分な知識がありませんので、市場価格の助言を業者がやっておるわけでございます。現実にそういう値づけをやっておりますけれども、価格助言の判断がいわば経験や勘などに頼る場合が多いし、また一部悪質な不動産業者の場合には意識して高価格あるいは低い価格をつけるということもないわけではございません。こういうようなことで現在業者によりまして助言価格が非常にまちまちになっておりますので、これが一般消費者につきましては不信を招き、またいろいろな問題も起こしておりますので、何とかこれに対しまして一般の庶民用の、中古住宅につきまして仲介の際の助言価格すなわち値づけの適正化を図ってまいりたい。そういう意味では、業者によりどころとなるような技術的な基準を示しまして、査定のポイントあるいは査定の考え方、こういったような点を修得してもらう。こんなことでこの基準をつくっておるわけでございます。したがいまして、実勢価格あるいは公示価格、いろいろな価格が世の中にあるわけでございますけれども、いま申し上げましたように、売り主がみずから値づけをする知識がない場合に、何とか適正な助言ができるような価格査定の基準をつくりたい、私どもはこんな考え方でいま基準の作成その他を準備しておるような状況でございます。
#205
○渡辺(武)委員 媒介契約に関する規定、法律でいきますと三十四条の二の二項ですか、「宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。」こうなっておるわけですけれども、この根拠とは一体何を言っているのでしょうか。
#206
○宮繁政府委員 この場合に根拠という意味は、価格の助言をするわけでございますけれども、助言いたしました価格について合理的な説明がつけられるような内容のものでなければならないと考えておりますが、実際には近傍類地の取引の実例とか、再取得価格であるとか、そういった適正な取引価格等がこれに当たるものと考えております。そこで業者が合理的な根拠を明らかにできるようにするために、先ほど申し上げましたような物件価格査定の手引書、こういうものの作成を検討し、その作成方を急いでいるような状況でございます。
#207
○渡辺(武)委員 近傍類地の取引価格だとか適正な売買価格だとか、そういうものは公示価格をつくるときに一応やられることですね。それと同じ手法で公示価格と違ったものが示されるわけですか。
#208
○宮繁政府委員 ここで考えております中古住宅の価格査定につきましては、住宅地とか戸建て、中古マンションそれぞれにつきまして価格査定のマニュアルをつくりたい。主として一般庶民用の中古住宅が中心になりますけれども、建築物につきましては不動産鑑定評価基準の減価法の考え方とか、住宅地あるいは中古マンションにつきましては不動産鑑定評価基準の取引事例比較法、こういった考え方も一つの要素になってまいりますし、土地につきましては公示価格も一つの判断要素にはなろうかと思います。
#209
○渡辺(武)委員 土地問題はまた別のときにいろいろやりたいと思いますが、余りにも国が定めるといいますか、定めるまでもなく、示す指導価格といいますか、それが多過ぎまして、一体何が正しいのか、さっぱりわけがわからぬ。だから余り複雑なことをしない方がいいと思うのです。公示価格なら公示価格だ、それが指導の基準だということにしておいた方が私はいいのではないか、こう思うわけですが、まあ後で検討してください。
 それから、ことしの予算で十億の補助がつけられておったと思いますが、先ほどもお話が出ました不動産流通近代化センター、これは仮称になっていると思いますけれども、これは一体どういう業務を行うのでございましょうか。あるいは、現在の不動産流通市場の中で整備、近代化が必要だと言われておりますけれども、それに一体どの程度役立つものでしょうか。
#210
○宮繁政府委員 いま設立を考えております不動産流通近代化センターは、不動産流通仲介業におきます事務処理様式の適正化を図る、そのことが一つ、それともう一つは、中小業者の協業化、経営基盤の強化を推進いたしまして、円滑かつ合理的な不動産流通市場の整備を促進することを目的といたしております。国が十億円の補助金を出しまして業界の方から二十億円の出捐を予定しておるわけでございます。
 この目的を達成いたしますために、大きく分けまして二つのことを考えております。一つは、不動産流通市場の整備、近代化のために流通業務の処理方式適正化等の指導を図っていく、これを統一的、効率的に行うためにいろいろな基準その他も決めてまいりたい。それから二つには、中小の不動産業者の方々の協業化の指導を図っていきたい。すでに大阪、京都、福岡等の業界の方々はこういった協業化のために組織づくりを進めておられますけれども、こういった協業化に際しまして必要な資金についての債務保証とか利子補給等、金融面からの助成を行うことを考えております。
 このセンターの業務運営を適切に行うことによりまして、業界全体を通じまして流通業務の処理方式の改善も図られるわけでございますし、また中小の不動産業者の協業化とか経営基盤の強化が促進されまして、市場の整備が進むだろうと考えております。
#211
○渡辺(武)委員 その不動産流通近代化センターは、批判をする方に言わしむれば、中小企業分野調整法にけりをつける目的でつくったのではないか、あるいは、国の補助金は業界対策のためだという意見もあるわけですが、その辺はいかがでございますか。
#212
○渡辺国務大臣 ただいまの分野調整法の問題並びに今回の国の補助金が業界対策ではないかというような御質問でございますが、現在の不動産流通業界の問題は、御承知のように大手業者が近代化、合理化されました効率的なシステムを導入しつつございまして、しかし一面におきましては、業者数の大部分を占めます中小業者は経営基盤が脆弱でございまして、業務処理態様の近代化、合理化がおくれております。したがって、消費者のニーズにも十分対応し切れない、こういうような点にあるのではないかと思うのであります。したがいまして、不動産流通近代化センターはこの課題に対処するために、中小業者の協業化の指導等によりまして事業態様の近代化、合理化を図り、経営基盤を強化していくことを目的として設立をいたしておるわけでございます。したがいまして、大手企業の不動産仲介の事業分野の進出が中小業者の経営の安定に著しい悪影響を及ぼすおそれがあるといたしまして提起されました分野調整問題を解決することを目的として設置されるものではございませんけれども、センターの目的とすることが達成されることになりますれば、おのずから分野調整問題が発生いたしました根本的な原因は解決されることになるのではないか、かように考えるわけでございます。
 もう一点の補助金の問題でございますが、不動産流通の近代化は、御承知のように究極的には需要者でございます一般国民が住宅等を売りやすくあるいはまた買いやすくまた安心して取引できる市場を整備するということにあるわけでございます。したがいまして、国の補助金もその点を考慮して私ども行使されるようにいたしたいと思っておるのでありまして、そういうような意味でございまして、業界対策を目的とする経費ではないということをはっきり申し上げておきたいと思うのであります。
#213
○渡辺(武)委員 とかくこのようなセンターは、そこで行っております仕事、この場合だと不動産売買ですね、その仕事の近代化といいますか、あるいは協業化といいますか、そういうことに主体がいってしまって、寄り集まっている企業自身の経営基盤の強化あるいは合理化というものの指導がどうも怠りがちになるきらいがあるのではないだろうか、こういうおそれがありますので、本来中小企業の経営基盤を強化をさせて、そしてしっかりさせていかないと、そこから悪い行いが出てくるわけですから、その辺の方が基礎的にはむしろ大切ではないかとさえ思うのです。その上でその業界の不動産売買に対する近代化あるいは開放的な業務の仕方、こういう指導も必要でしょうが、その以前の問題にある程度力を入れる必要があるのではないか、こう思うわけですが、いかがでございますか。
#214
○宮繁政府委員 御指摘のとおり個々の業者の経営体質の改善あるいは業務処理方式の近代化、これがまず一つの基盤整備的なものだという御指摘でございますけれども、私どももそのとおりだと思います。これにつきましては建設省でもいろいろなモデルをつくる計画を立てて業界を指導するとかやっておりますけれども、なおこの近代化センターができました場合には、情報の処理のやり方であるとかあるいは標準的な約款をここのセンターでつくりまして、これの普及指導を図るとか、あるいはまた先ほど来お話が出ております、これに携わる取引主任者その他の従業員の資質の向上のための研修を行うとか、こういったような個別企業の経営の近代化の指導もテーマとして取り入れていくつもりでおります。
#215
○渡辺(武)委員 それで協業化というものは確かに必要でもあるし、メリットも多いと私は思います。しかしながら、ややもすると協業化そのものが地域の実力者、地域のボスが中心になってしまって、自分に気に食わないやつは入れない、シャットアウトしていくという傾向が間々あるのではないか、こう考えるわけです。私自身も、業種は違いますが、別の中小企業の協同組合をつくる援助をしたわけですけれども、ちょっと知らぬでおるとそういうことが出やすいのですね。やはりある程度実力を持っていないと中心になれない。その人にお願いをしてまとめてもらおうとすると、人間ですからいろいろな感情もございますでしょうが、ややもすると弱小企業はオミットされていく、こういう弊害があるわけです。したがって、そういうことのないように門戸を十分に開放してもらわなければならないわけですけれども、何かそれに対する対応策はございますか。
#216
○宮繁政府委員 不動産業界の場合は各県に宅地建物取引業協会等もございまして、現実にはそういう業界が中心になって現在全会員加盟の協業化を目指している例が多いわけでございますけれども、いま御指摘のような心配が全くないわけではございません。特に小規模であるとかあるいはまた特別な事由で組合員にしないというようなことが行われては大変でございますので、いずれの形態にいたしましても組合員の資格の取得等の際には不当なことが行われないように、すべての業者に十分に門戸が開かれますように、この不動産流通近代化センターを通じ、また業界にもお願いをし、私どももそういった業界の指導者の方々あるいは事業協同組合等の中心になる役員の方々にも十分接触して、そういうことのないように努力してまいりたいと考えております。
#217
○渡辺(武)委員 この近代化センターは中小企業の協業化を指導するのが主たる目的だと思いますけれども、先ほどもちょっとおっしゃっておりましたが、大手不動産業者から出資ですか、援助があるのですか、そういうことも聞いておりますけれども、それは何か理由があるのでございましょうか。
#218
○宮繁政府委員 現在考えております基金は、国が十億、それから全宅連の関係の保証協会から十五億、あとの五億を関係団体から出捐をお願いするように考えております。この不動産流通近代化センターは、先ほどもお話ししましたように、中小業者の協業化の指導のほかに、個別の業者の業務処理態様の適正化の推進事業といたしまして、標準の媒介契約約款を普及するとかあるいは物件情報の規格統一化の推進とか、そういったことも行っていくことを考えております。また、消費者の啓発を図るために各種の広報活動とか、取引の際に使用いたします書類の規格化等によりましても取引の公正化の促進の業務も行っていく予定でございます。こういった業務は、いわば協業化とは別に直接的に、大手、中小の区別なく業界全体として推進する必要もありますし、個々の業者もこれによってかなりのメリットを受けるわけでございますので、そういうわけで大手、中小の別もなく出捐をお願いしたいと考えておりますが、なお、中小業者が横に協業化を推し進めることによりまして、そういった組織と大手業者との物件の情報の交換等もスムーズにもし行われれば、これは協業化のメリットがまた大手業者にもはね返る、こんなふうにも考えております。
#219
○渡辺(武)委員 いい方いい方へと解釈するとそうですけれども、私は悪い方悪い方へと解釈しておりますから。確かに横へ広げていくのは結構ですが、大手業者というのは、いわば自分の系列で自分の力でいろいろつくらせてしまっておるのですよ。管理会社もつくらせておればいろいろな小さい不動産会社も自分の系列下に入れてしまっておるのです。それは中小の部類に入ってしまっておるのですね。そういう傾向があるので、この近代化センターに大手業者からの出捐があると、どうもそちらの方の手が伸びてこないかどうか。むしろ逆に系列下にはめ込まれていってしまいはせぬかどうか、こういうおそれがあったものですからちょっとお尋ねをしたわけですが、それはないということですから、一応信頼をしておきましょう。
 時間がございませんから次に移りますが、マンションの管理についてお尋ねをしていきたいと思います。
 現在、都内でもそうですが、マンションや中高層の分譲住宅が増加をしてきておるようでございまして、大都市圏の勤労者の住生活の向上という面には私は大変評価はできると思います。しかし一方では、一むねの建物の中に多数の人が居住する生活様式でございまして、私自身も昨年末建ちましたマンションの一室にことしの一月から居住者として住んでおりますから、いろいろとこのごろよくわかるわけですけれども、その管理上の問題が非常に重要であるし、いろいろな問題が多いわけでございます。
 そういう観点から質問を続けていきますが、適正な管理を行っていくためには管理組合の設立が重要と思われますけれども、私の入っている管理組合も、実際は不動産業者そのものがもう全部つくってしまうのです、きちっと規約から組織まで。いわば官制の組合であって、そこにはどうも自主性が乏しいような気がするのです。そういう指導を建設省はしておられるのかどうか。管理組合は本来的には自主管理をしていくわけですが、確かに勤め人が多いですからなかなか集まりにくい、お互いに勤務時間も違うから。そういうことで、自主的な管理がむずかしいのでそういうことになっていく傾向もあるのですけれども、その辺の指導をもう少し、ただ管理組合をつくりなさいよという勧めですか、あるいはなるべく管理組合は法人化をした方がいいではないかとかいうような、そういうことだけではなくて、本来的な運営面に対する指導とか、そういうことについてはどのようにお考えでしょうか。
#220
○宮繁政府委員 マンションの数も、御指摘のとおり五十三年、五十四年では十万戸近く建設されておると思います。それから、地方都市におきましても最近マンションの建築が盛んになってまいっております。
 それで、この管理の問題が大変重要な問題という御指摘でございますが、私どももさように認識いたしております。いまお話しのように、私どもの方では、この管理組合の設立の問題が非常に重要な問題でございますし、この設立に当たりましては販売業者の役割りも非常に重要でございますので、取引の段階において管理組合の設立を勧奨するようにいたしておりますけれども、いまお話しのように、押しつけられた管理組合でなく、そこにお住まいになる方々が本当に自主的に参画をされまして、りっぱな管理組合ができることが一番望ましいわけでございますが、なかなか、いまお話しのように入居されておる方々もいろいろな職業を持っておられる方もありまして、必ずしもそこがうまくいっているかどうか問題があろうかと思います。
 なお、こういう点につきましては、マンションの販売業者との話し合いの機会もございますし、また、幸いこういった方々の協会も出てまいりましていろいろな研究会等も持っておりますので、なお一層いまお話しのような点につきまして配意しながら、この管理組合の設立を勧奨するようにやってまいりたいと考えております。
#221
○渡辺(武)委員 さらに、このような中高層の住宅は適正な修繕というものを行っていかなければその居住環境が悪化をしていくと思います。さらにスラム化が進行をするおそれがありますけれども、計画修繕を実施をするという対策としては、いま私どもの管理組合でも、いろいろ調べていきますと、小さな補修程度ならばいきますが、計画修繕まではとてもできないのではないだろうか、こう思われるような積立金しか取ってないようですけれども、その辺はいかがでございましょうか。
 私のすぐ隣に江戸川アパートという有名なアパートがございまして、私はその下に車が置いてあるものだから朝晩見ているのですが、もうベランダの下のコンクリートは落ちているわ、屋根はひびが入っているわ、大変なスラム化をしておるようです。どうもうまくいってないようなんです。いまマンションが非常にたくさん建っておりますが、いまから数十年たった暁には、大体都内あちこちでそういう問題が出てくるのではないだろうか、こういう気がいたします。
 そこで私は考えるのですが、ああいう分譲マンションはいわばそれぞれが区分所有いたしておりまして、所有権が分割されてしまっておるのです。したがって、大修理あるいは建てかえ施工というような時期が来たときに、これは相当な問題が起きるのではないかという心配が実はあるわけです。だから、いまからそういう対策を何か考えておかなくてはいけないのではないだろうか。たとえば、私どものところは百何十人入っておりますが、二、三十人でもよろしいでしょう。そのうちの十人のところは雨が漏り出した、ところがあとの十五、六人のところは全然雨が漏らないで、まだおれのところは二、三年いいのだ、建て直すにはとても金もないし、こういうことで全体の合意が得られないとしますと、雨の漏る方は大変です。住んでおられやしない。ところがああいう建物は自分のところだけ直すわけにいかぬわけです。そういう場合にやはり法律的な制度が何か確立していないとあちこちでやがて問題が起きてくるのではないかと思うのですが、その辺はいかがでございましょうか。
#222
○関口政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、今後いわゆるマンションの大規模な修繕であるとか、あるいは数十年たった場合の建てかえの問題、これが非常に大きな課題になるということば私どもも十分意識をいたしておるわけでございます。
 全般的に、先ほど御指摘ございましたように、現在のマンションは区分所有に基づいてつくられておりまして、その法的根拠としては、御案内と思いますが、三十七年の建物の区分所有等に関する法律によって一応管理の大枠が決められておるという状況に相なっております。
 これらの法体制を前提といたしまして、私どもとしましては、やはり将来の大規模な修繕であるとかあるいは建てかえに備えまして、居住者の方方が、先生御指摘のとおりによく御相談をなさって、平常から一定の資金を積み立てておくということがどうしても必要ではないかというふうに考えております。
 また、マンションにつきまして、鉄筋の建物であるためにいままで修繕ということが比較的居住者の念頭になかったのでございますけれども、ただいま御指摘ございましたように、雨漏りその他に備えまして修繕の必要性が具体化してまいりましたので、私どもとしましては住宅金融公庫に住宅改良資金貸し付けの制度を設けておりますので、必要があればこれらを御活用いただきたい、かように考えておるわけでございます。
 問題は、建てかえに備えてどういう体制をとるかということでございますが、この問題の決着は、いわゆる全員の合意形成をどうやって行っていくかということが一番大きな課題ではないか、かように考えております。現在の区分所有法も、いわゆる建てかえについて明白な規定はございませんけれども、共用部分の変更ということにつきまして規定を設けておりまして、これについては共有者全員の合意がなければすることができない。したがいまして、将来建てかえるとすれば、現在の規定に寄っかかっておる限り、やはり全員の合意がなければ建てかえができないといういまの法体制になっております。
 これがいいのかどうか、実は法務省にございます法制審議会におきまして、建てかえの問題を含め、さらに修繕について機動的に対応するためにどうしたらいいか、こういう点を含めまして、現在審議が行われておりますので、私どもとしましても、それらの検討状況を見守りつつ基本的な検討をこれからも精力的に進めてまいりたい、かように考えております。
#223
○渡辺(武)委員 また最近は非常に新しい建物が多いものですから、さしあたってそういう問題は起きてこないと思いますけれども、現在起きているのは一、二ですね。しかし、やがてはそれらが大半そういう問題が起きてくるおそれが非常に多いわけでございまして、本来、そういうふうにもう耐用年数が来てしまって、建てかえしなきゃいかぬ、大修理しなきゃいかぬという時点になると、おれの部屋はまだ大丈夫なんだからという人が出てくるんですよ。したがって、全体が大丈夫だというときに、もしそういうときがあるとあなたかもわからぬ、あなたかもわからぬですよというときに、そういう何かうまい体制をつくり上げておくということが必要ではないか。問題が起きてしまってからでは、全員の合意を得るというのはなかなかむずかしいのではないだろうか、私はこう考えますので、ひとつ十分研究をしていただきたいと思います。
 それから、いま一つつけ加えておきたいと思うのです。これも私が経験をしておるのですが、建築資材ですね。まだ新品の部屋ですけれども、もう虫がいろいろわいてきておりまして、建築屋さんに聞いたら、ラワン材を使うと非常に虫が多いんだそうですよ。それで、ある建築屋はこのごろ使ってない。ところが、そういうことが全体として指導されているのかどうか。これも一つの紛争の種になると私は思いますので、ひとつ建築資材の方も、紛争にならないような指導をしていただきたい、こう思います。
 それからさらに、ああいう高層住宅には管理人というのがおるわけですね。管理人がいいか悪いかによって、そのマンションに住む人たちの居住生活が非常に大きく左右をされてまいるわけでございます。したがって、管理人の資質の向上のために業界に対する何らかの指導といいますか、そういうこともつけ加えていく必要があるのではないだろうか。住み込みの人もおられるでしょうし、通勤の人もおられるでしょう。私どものところの例でいきますと、私が朝出てくるときにはまだ戸が閉まっておりまして、帰ってきますとまた戸が閉まってしまっておって、これはいつ苦情を受け付けてくれるのかな、こういう状態のようでございます。したがって、その辺もひとつ十分指導をしていただきたいと思います。
 それから、先ほどちょっと申し上げましたけれども、不動産会社の手によってお仕着せの管理組合がつくられるのが非常に多いわけでございますけれども、そうだとすれば、むしろ分譲する会社に対して管理体制の適正化のための指導、これもつけ加えて行っていく必要があるのではないだろうか。往々にしてその形だけが押しつけられてしまって、どうもうまくいってないという例もあるようでございますし、さらには分譲会社の思惑と違った形態になるのですね。どういうことかといいますと、うちは分譲マンションだから、居住者がそれぞれ自主的にやってくれるだろうと思っておった。ところが、実際には買った人はそのまま居住をしなくて、財産保全のためにマンションを買って、そして間借り人を入れるわけです。いわば賃貸マンションと同じような形式になってしまう。そこには単身者も入ってきますし、いろいろなことでどうもうまくいっていないというのが現実でございますから、そういういろいろな状態を総合してうまい管理体制ができるようにひとつ考えていただいて、そうした指導方針を持って業者そのものの指導を行ってもらわなくてはいかぬ、こう考えるわけでございます。その辺の対策をお聞きいたしまして質問を終わりたいと思います。
#224
○宮繁政府委員 先ほどお話がございましたように、マンションの居住者の方々にとりましては、管理人の質は大変重要な問題でございます。中には、いままでの地主さんが急に管理人になるというようなことでいろいろ問題があったような例を私も聞いたこともございますけれども、私どもとしましても、管理人の資質の向上を図るために、管理人教育の徹底、あるいはまた管理人の服務仕様書といったようなものを、標準的なものを作成いたしまして、新しく設立されました高層住宅管理業協会にいまこれをお願いしておるところでございまして、今後ともこの問題について努力を続けていきたいと考えております。
 なお、マンションの購入の場合は、購入の時点ではお互いに居住者の方々も結びつきがないというようなことから、また同時に、管理に関する知識とか経験が乏しいわけでございます。そういった意味合いで、管理組合の設立とか管理規約の設定あるいは管理会社の選定等が分譲業者の主導のもとに行われているのが通例のようでございます。
 そこで、今回の法律改正に伴いましても、重要事項説明の対象に、マンション等についてこれを拡大いたしましたけれども、将来は、この管理体制の適正化をどうするかということがきわめて重要な問題になってまいります。そこで、標準の管理規約とか標準の管理委託契約の作成等を行いまして、関係の業界団体にこれをお示しして、これでやっていただく、あるいはまた販売時に管理組合の設立を勧奨いたしまして、円滑、合理的なマンション等の管理が行われるように特に重要な問題でございますので、精いっぱい検討もいたし、取り組んでまいりたいと考えております。
#225
○北側委員長 竹内猛君。
#226
○竹内(猛)委員 宅建業法の問題についていろいろと審議を進めてきましたが、多くの点についてはいろいろと細かい質疑が行われておりますので、私は、まだ残されている点を含めて、いままでの経過のある問題について若干質問をします。
 まず、この法律は性格上、業者に辛く、そして消費者に温かい、こういうふうに言われております。そういうことでありますが、これは、いままで確かに業者がいろいろと問題を起こしてきた、消費者は常にその犠牲になってきたということがありますから、結構だと思いますけれども、その背景と理由についてもう一度しっかりお答えをいただきたい。
#227
○宮繁政府委員 宅建業法は、いまお話しのように消費者保護の観点に立ちまして、業者を規制することが柱になっておるような制度でございます。これは一つは、不動産売買が、消費者にとりましても一生に何回もあるわけでもございませんし、また非常に高額な価格のものでございます。しかも、不動産売買その他をめぐる法律制度とか規制とかが大変入り組んでおりまして、素人でございます消費者には大変むずかしいわけでございます。一方業者は、まあプロではございますけれども、この業者の中にかなり悪質な者が、ほんの一部でございますがおりまして、大変被害を受けておるような現状もございます。それからまた、後から後から新しい手口で消費者に御迷惑をかけるというようなことも現実に起こってまいっております。そのような観点から、民法の契約自由の原則はありますけれども、やむを得ない措置として、かなり厳しい枠を業者に入れておる、こういう仕組みになっておるわけでございます。
#228
○竹内(猛)委員 この問題は、説明のように、いままでの業者の悪いところは抑えて、そしていいところは伸ばしていく、同時に、消費者を大事にしてほしい、こういうふうに思います。
 なお、先ほどまだ四点ほど問題が残っておるということについては、これはできるだけ早く問題を整理をして完全になるようにしてほしいということは、これは要望です。
 次いで、積立式宅地建物販売業法が成立してからやがて十年になります。この間に地価の高騰やあるいは物価の変動等々があったわけでありますけれども、これが理想どおりに進んでいるのか、進まないのか、もし進んでいないとしたらどこに問題があり、今後どうされるのかという点について御説明を願いたい。
#229
○宮繁政府委員 宅地または建物の販売で目的物並びにその代金の額及び引き渡しの時期がまだ確定しておりません前に、一般の消費者から、その価格に充当いたしますためにその金銭を二回以上にわたりまして受け入れる販売業、これを積立式宅地建物販売業と申しておりますけれども、これを営んでおります業者は現在十八業者でございます。
    〔委員長退席、伏木委員長代理着席〕
いずれもこの法律の施行前から積立業を行っていたものでございます。このうち、知事が許可権者であります十業者のうち、八業者は積立式の宅地建物販売業法第三条第一項の許可を受けております。それから、この積立式宅地建物販売業に係る契約につきましては、住宅ローンが普及してまいりまして、積み立てをしなくても銀行から金融を受けられるというような事情になってまいりまして、積み立てをやる方が減少してまいっております。この積立式の宅地建物販売業をやっておりました業者の方も、こういった社会、経済的な変更に伴いまして、一般の建築の請負業者または一般の宅地建物の取引業に仕事の中身を移しておるのが実情でございます。
 こういった宅地の積立式のやり方につきましては、住宅ローンで必ずしも融資を受けられない人、このような場合にはなお必要なものでございますが、ただ、積立式の販売方式の場合は、通常の販売方式と違いまして、契約を締結する段階では、購入をしようといたします住宅あるいはその代金の額が実は確定いたしておりません。それで積み立ての途中で解約をしたいというような事例が非常に多うございまして、その際、積立契約約款を十分承知していないために、積立金の返還額などをめぐりまして、トラブルが生じるようなことも少なくはございません。今後におきましても、いま申し上げましたように、銀行その他のローンの伸展に伴いまして、今後は業績がむしろ縮小をしていくのではないかと考えております。
 なお、しかし、積立金の保全の措置でありますとか、解約に伴いますトラブルの防止等につきまして、消費者保護の観点から、私どももこれらの業界に対しましても、十分注視の目を向けまして、十分な行政指導を続けてまいりたいと考えております。
#230
○竹内(猛)委員 物価が変動しているときだけにこの問題は重要な問題だと思いますので、十分に注意してほしいと思います。
 それから次は、宅地建物取引業者の数が三十五年には、個人が一万六千四群九十二、法人が二千八百七十四、合計一万九千三百六十六のものが、五十三年には、個人で四万三千三百六十七、法人が五万六千七百七十六、合計が十万百四十三、こういうふうに五倍に増加しております。このうち大臣の認可が二・五倍、知事の認可が五倍という形になっておりますけれども、この背景ですね、無許可の背景というのは何か特にあるのかどうなのか、この点についてはどうですか。
    〔伏木委員長代理退席、委員長着席〕
#231
○宮繁政府委員 不動産業界の推移でございますけれども、一つは、小さな資本あるいは数人の従業者でもわりあい新規の参入が簡単であること、こういった点がございまして、新規参入の業者も非常に多いわけでございます。しかしながら、また同時に、経営の環境がかなり厳しいわけでございまして、かなりの業者が毎年廃業をしていく、こんな事情があります。しかしながら、差し引きでは逐年業者の数がふえてまいっております。
 もう一つ、これは免許の基準に関連する問題でございまして、私どもとしましでは、業者の数と、流通する不動産の需要供給、これのバランスを考えますと、いまの業者の数は決して少なくないと思いますので、今後におきましては、免許につきましてかなり厳しい態度で臨んでまいりたい、こういうように考えております。
#232
○竹内(猛)委員 そこで、営業保証金制度の改正がありますけれども、現行の六倍の保証金を予定されている、こういうふうになっておりますが、これでもなお少ないと思うのです。先ほど来この点についてはいろいろ意見があって、政令で決めるということになっていたけれども、たとえばいまの業者の関係から見ると、資本金が一千万円以下のものは七七・七%という形であります。特に百万円から五百万円の間では三六・八というような形で非常に零細なものがある。こういうような零細なものが重要な土地建物を扱うということについては、これは商売の自由というのはありますけれども、にもかかわらず非常に危険だと言わざるを得ない。また、従業員が五人以下のものが八二・五%ということになると、ここでも問題はいろいろある。だから、零細なものはつぶれていいのだというわけではないわけですが、先ほど数が多いと言われたが、そう思いますね。これからこれをどういうようにしていくのか、自然淘汰を待つのか、それとも何らかの指導によって、よりいいものにしていくのかという、どっちの道をとられるか、これをお答えいただきたい。
#233
○宮繁政府委員 数の問題につきましては、全国で十万以上ございますし、東京都内で約一万八千でございます。この一万八千の数は、東京都内の喫茶店の数あるいはお魚屋、八百屋、肉屋さんの数と匹敵すると言われております。しかし、現実にこれらの方々並びに従業員の方がまじめにこの仕事に取り組みまして、それぞれ生計を立て、企業を維持しておるわけでございますので、私どもこれを淘汰するとかそういう考えは毛頭ございません。しかし、これから新規参入につきましては、できるだけむずかしく資格審査をしようと思っております。
 それで、いまお話しのように、これは小さな下宿のあっせんをやっておる業者の方もございますし、あるいは大規模の宅地の分譲をやっている業者もあります。それぞれの特性に応じまして、それぞれの仕事にまじめに取り組んでいただく業者につきましては、いまのままでそれぞれの中で発展をしていただくような施策をわれわれはとらなければならないと考えております。
#234
○竹内(猛)委員 そこで私は、特にこの機会に、前からいろいろ問題になっており、特に集中審議をしていこうということでやってきました地価の問題について若干触れていきたいと思うのですけれども、土地が供給をされませんと、いかに宅地建物の建設業界が良心的であろうとなかろうと、これは仕事にならない。そこで地価問題というものが問題になるわけですけれども、それを取り上げる前に二、三現実の問題について整理をして、それから地価の問題に移っていきたいと思います。
 先般、二十八日、渡辺建設大臣が筑波研究学園を視察されました。そのときに、現地を視察されて、四点の要請を受けて、そして幾つかの新たな提案といいますか、約束といいますか、大臣としての所見を述べられましたが、その中で、特に交通の問題、それから研究学園の周辺の整備の問題、それから日本住宅公団のこれからの任務の位置づけの問題、それから建設省の営繕本部が、これは行政改革の一環として廃止をされる、そしてこれを新たな方向で変えていくということでありますけれども、これらについて、もういよいよ予算の編成期でもありますし、緊急の課題でありますから、その点について大臣から、この所見と方向についてお伺いをしたい。
#235
○渡辺国務大臣 ただいまお話しのように、私は、四月二十八日に筑波研究学園都市を現地視察をいたしたわけでございます。なお、この筑波研究学園都市をめぐる諸問題につきましては、日ごろ竹内議員からも、いろいろ地元議員としての御高見も拝聴いたしておりましたので、十分それは肝銘の上、現地へ参ったつもりでございますが、特に今回、ほぼ筑波研究学園都市の建設が概成を見たわけでございますので、この機会に現地の視察を実施をいたしたわけでございます。
 そこで、ただいまお話がございました点につきまして、要約して御説明をいたしたいと思うのでありますが、私が申し上げてまいりましたことは、筑波研究学園都市にかかわりまする現状は、四十三機関という世界的にも相当誇り得るりっぱな研究施設が概成をいたしたわけでございますけれども、やはりこれは、現在なお交通整備の関係が完成いたしておりませんので、この交通施設を整備するということと、関係機関に仕事をしております職員等の福利厚生施設、利便施設、そういうようなものが今後整備される必要があるのではないかというような感想を私は持ったわけでございますが、そこで、筑波研究学園都市にかかわりまする道路整備につきましては、常磐道三郷−水戸間、これを昭和六十年度までに供用することを目途といたしておりまして、現在工事を進めております。
 このうちで、柏−谷田部間を昭和五十五年度に、谷田部−石岡間を昭和五十六年度に供用いたしたいと考えております。
 なお、三郷−柏間につきましても、昭和五十七年度末供用を目途に事業の促進に努めてまいりたいと考えております。
 このほか、都心部と常磐道を連絡いたします首都高速道路が問題でございますが、これにつきましても、常磐道の供用に合わせるように、その事業の推進を図るように努力をいたしてまいりたいと考えております。
 なお、この詳細につきまして、必要がありますれば道路局長から御説明をするようにいたしたいと思います。
 なお、筑波研究学園都市にかかわります下水道整備につきましては、現在、霞ケ浦常南流域下水道の関連公共下水道といたしまして、二千七百ヘクタールの整備を完了いたしておりまして、周辺地域につきましても、居住環境の改善を図るために、同流域下水道の関連公共下水道として整備を図ってまいりたいと考えておりますし、やはりこの周辺の公共施設の整備というものが当面の急ぐべき仕事ではないかというふうに私は考えてまいったわけでございます。
 なお、住宅公団の現地事務所の問題でございますが、当日は、澤田総裁も御回行いただいたわけでございますけれども、筑波研究学園都市建設事業のうちで、日本住宅公団が担当いたします事業につきましては、昭和五十五年度以降におきましても、中心市街地の整備、関連公共公益施設の整備などの事業がまだ相当残っておりまして、これらの事業を実施するために同公団の現地機関を存置する必要があるものと私どもは考えております。
 なお、御承知のように、ただいま新公団の発足に対しましていろいろな検討を続けておりますので、これらの今後の検討の過程におきましても適切に対処できまするように、当然のことでありまするが、配慮をしてまいりたいと考えております。
 次に、建設省の筑波研究学園都市営繕建設本部が行政改革の対象となっておりますが、この問題につきましては、官庁営繕事業は概成というところまできておると思うのでありますが、なお二百億円程度の残事業がございまして、また、御承知のように国際科学技術博覧会あるいはサンシャイン計画等の重要事業が見込まれておるわけでございます。今般私は、行政改革の要請にこたえまして、筑波研究学園都市営繕建設本部を本年度限りで廃止をするということに決定いたしたのでございますが、引き続き必要な事業は、本省官庁営繕部におきまして適切に実施をいたしてまいりたいと考えております。
 なお、筑波研究学園都市に建設されました国の研究あるいは教育施設は、先ほど申しましたように諸外国にもその例を見ないような、世界最高水準の施設でございますので、そのすぐれた機能を適切に維持していくということが今後の重要な課題ではないかと思いますので、そのためには施設を利用する省庁とも緊密な連絡を図りまして、専門的で、かつ高度な技術に基づく施設管理が実施できまするような体制を整備することが必要である、このように考えておる次第でございます。
 以上、私は要点を申し上げたわけでございますが、なお、道路等の問題につきまして道路局長から説明をさせたいと思います。
#236
○山根政府委員 お答え申し上げます。
 常磐道並びにこれに接続をいたします首都高速道路の問題につきましては、大臣が申し上げたとおりでございますが、柏−谷田部間を昭和五十五年度中、私ども現在、五十六年の三月を一応の目標といたしております。谷田部−石岡間、これにつきましては、五十六年度に何とか整備が終わるようにいたしてまいりたい。柏から三郷並びに三郷から都内に入ってまいります首都高速道路、これにつきましては、五十七年度を一応の努力目標として現在鋭意進めておるところでございます。
 それから土浦北インターチェンジ、学園都市に接続をいたしますいわばアクセス道路の問題でございます。これにつきましては、現在国道百二十五号、土浦のちょうど南になります阿見−美浦工区、これを四十八年度から、それから新治−土浦工区、これが直接の土浦北インターチェンジに関連をいたします道路になりますが、これにつきましては、昭和四十七年度から事業に着手をいたしまして改良工事を進めているところでございまして、新治−土浦工区につきましては、常磐自動車道との関連を考慮いたしまして、事業の推進を図っているという状況にあるわけでございます。それから柏から三郷、それから首都高速道路、これにかけましては現在首都高速道路の中央のリングの部分が大変込んでおりますので葛飾−江戸川線の方にこれを導入をする、こういう考え方で現在鋭意その事業の促進を図るべくいろいろ調整を図っておるという状況にあるわけでございます。
#237
○竹内(猛)委員 国鉄が路線を複々線にするとかそういうことは非常にむずかしい段階ですから、どうしても道路の方でこれはカバーしなければできないということですから、格段の努力をお願いしたいところであります。
 次いで、先般本委員会で私は、千葉県の湾岸道路の問題について地元の住民との間で話がまとまるまでは事業をしないように、大臣もそれをそういうふうにするということでお答えになりましたが、聞くところによると、くい打ちをしたということで大変緊急にこれは話をしてもらいたいと、確かにあの以後参議院において社会党の赤桐委員の方からも質疑があり、続いて現地で国会議員団、県会議員団との間で話がされている中で、特に公害対策基本法の第二章の第十九条に関係する問題にかかわる問題でありますからこれはぜひ現地の話し合いを進めてもらいたい、こういうことについて強くこの場で要請をしたいと思います。どうもこの話と現地の行動とが一致をしておらない。
#238
○山根政府委員 若干経緯について御報告を申し上げたいと思うわけでございますが、東関東自動車道の千葉市の真砂地区の問題であるわけでございます。昭和五十年十一月から地元説明会をいたしまして、各自治会を通じて御理解が得られるように説明を重ねてまいりまして、昭和五十三年十月に実は検見川−花見川間の工事に着手をいたしたわけでございます。その後五十四年一月に関係の方々から公害調停の申請が千葉県公害審査会に提出をされ、これは受理されまして当地区につきましてはその審理が始められておる、こういう状況にあるわけでございます。この審査会におきましては、現在まで十三回審理が進められまして、環境対策についていろいろ討議がなされておるところでございます。先生御指摘の五月の六日、実はつい昨日のことであるわけでございますが、この花見川の左岸におきまして護岸のくい打ち工事を始めた、これがいま先生御指摘の点ではなかろうか、こう考えるわけでございます。実はこれは先ほど御説明申し上げました着工している工事の一部として実施している、こういう報告を受けているわけでございます。
 それで、これは前回もお答え申し上げたわけでございますが、湾岸道路は首都圏幹線道路網の中核として千葉県の臨海部と内陸部との交流に対する集散機能になるとともに湾岸地域の交通混雑の緩和、新東京国際空港と都心との連絡など、多くの重要な機能を有しておりまして、その完成が実は一方では急がれているわけでございます。しかしながら、湾岸道路の建設に当たりましては、地域の環境を保全するために、これまでの委員会におきましてもお答え申し上げておりますように、事前に環境調査を行うとともに環境対策を十分検討しておりまして、私ども各地域の環境はこれによって保全できるというぐあいに考えておるわけでございます。今後とも、現在進められております千葉県の調停委員会の場はもちろんでございますが、必要に応じて説明会を開催するなどいたしまして、地元の方々の理解を得られるよう最善の努力をして事業の推進を図ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#239
○竹内(猛)委員 地元でも全くこれを拒否をしているわけじゃない。話もしたいし、協力もできるならばしたい、こういうことですから、絶対反対であるということと違うのですから、話を十分にして、積極的に話をしながら詰めるところは詰めていかなければ後で問題が起こって大変なことになるというおそれもありますから、そうしていただきたいと思います。
 もう一つ、けさほど北側委員長に私の先輩である新潟県の石田宥全元議員からお願いがございました。それは信濃川の河川敷の問題のことについてでございますが、これが明治二十年新潟県で河川改修以来いろいろ河川敷を使ってきた。これに対する堤防工事が始まろうということになっていて、約一千ヘクタールぐらいの土地がある。ここの農民が、その問題について一つは、これは委員長の方にお願いですけれども、国会が一定の時期に現地を調査してほしい、こういうことでございます。それからもう一つは、建設省の方としてもあの問題について、一応昭和四十七年ごろに田中角榮元総理といいますか、この人を会長とする払下期成同盟なるものが起こったようですね。これは危険ですね。大変危険だ。そういう危険な動きもあるものですから、それだけにあそこの問題については注目をされている。一方では生活のとりでであるし、一方はそれをまた転売をして一もうけをしようという話、まことに危険な話ですね。そういうことで、ぜひ委員長にはこれを調査をすることについてお願いをしたいということです。それから、建設省の方としては、そういう問題がありますので、ひとつそこを注意をしておいていただきたい、こういうことです。
 委員長にこれはお願いをいたします。
#240
○北側委員長 ただいまの竹内君の提案に対しましては、一度理事会を開いて、また理事の皆さん方の了承も得なければいけませんので、それからお答えしたいと思います。
#241
○竹内(猛)委員 そこで、時間が少しなくなってしまったのですけれども、地価の問題に関して前前から議論をしてきたわけですが、幾らりっぱな建設業者があっても、宅地建物の商売人が良心的であっても、それを動かすものがなかったら、いま大変消費者は自分の家も欲しいし、また高層建築なりアパートに入りたいという、住宅を求めている、これになかなか応じられないということで、最近の新聞は政府に対して土地政策の無策というものについて非常に憤慨をしているというような状態。この間も閣僚会議があった。三十分間で終わったということについて、七項目の問題が提起をされておりますけれども、この七項目の問題の中で結論としては、結局前にいろいろ議論をしたもの以外に一歩も出ていないというような感じもしているのですけれども、大臣は土地問題閣僚懇談会の一員としてこれから土地問題についてどのように取り扱っていかれるかということについてまずお答えをいただきたいと思います。
#242
○渡辺国務大臣 国土庁の山岡局長も来ておりますので後ほど御説明があるかと思いますが、土地対策閣僚懇談会の一員といたしまして御質問ございましたのでお答えを申し上げたいと思います。
 私はかねて申し上げておりますように、地価の安定というのは私ども基本的にこれはやらねばならない政策であると考えておるわけでありますが、今回の土地対策関係閣僚懇談会は、最近の大都市の住宅地を中心とする地価の上昇に対しまして、当面政府として推進すべき土地対策の検討を行うべく開催されたものであると考えております。
 この懇談会開催の契機となりました最近の地価上昇の要因は、基本的には大都市を中心として旺盛な住宅地需要が存在をし、宅地市場がいわゆる売り手市場となっておりますところへ、最近の各種の経済情勢が反映したものと考えております。特に最近のマンション用地の需要の増加によりまして、都心部の土地取引価格が上昇し、これが周辺の地価に影響を及ぼしているものではないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、建設省としましては、良好な市街地の形成に留意をしながら宅地供給を促進してまいりますことが、いわゆる需給のアンバランスによりました地価上昇に対しまして、地価の安定を図るという上でも重要な政策課題ではないかというふうに考えております。
 そういう見地から、今回の懇談会、これは国土庁長官が座長で推進いたしたわけでございますが、その申し合わせに基づきまして、計画的な宅地開発の推進、関連公共公益施設の整備の拡充推進、都市再開発によります土地の有効利用の推進等、各種総合的な土地対策を一層強力に推進してまいりますと同時に、今後の地価動向等を注視しつつ、土地取引に関する規制の強化につきましても検討を行う必要があるというふうに考えております。
 それで、実はいま先生三十分でというお話でございましたが、第一回懇談会は確かに三十分でございましたけれども、このときには事務当局から六項目にわたりまする対策が提示をされたわけでございます。しかし、この場合はいろいろな御意見も出ましたし、実は私も時間的な関係で成文化する時間は十分なかったのでございますので、口頭で発言いたしたのでございますが、一つは、首都圏あるいは近畿圏におきまする最近の土地の届け出は、現在二千平米が基準になっておりますけれども、これは現実には千五百ないし千平米でございますので、この届け出の基準を下げるような配慮を検討したらどうか。
 それからもう一点は、規制地域の指定の件でございますが、これは現実にいろいろな条件を絡み合わせておりますので、これは安易に指定すべきものではないことはもちろんわかっておりますけれども、しかし必要であればいつでもこの伝家の宝刀は抜けるというところに国土利用計画法の主体があるのでございますから、それが全くできないと印象づけておる現状は非常に残念である、その阻害要因は排除すべきである、そういう意味で検討すべきではないかという発言を私はいたしたわけでございますが、このことにつきましては皆様の御了承を得たつもりでございます。
 もう一点、建設省で次官を中心といたしまして土地問題の検討をいたしておりますが、現在ありまする制度の見直しを検討しております中で、大変長い名前で恐縮でございますけれども、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給事業、農家住宅に対する利子補給臨時措置法と簡単に言っておりますが、この制度は制限が一ヘクタールになっておりますので、これを少なくとも〇・五ヘクタールまで、これは政令でできることでございますから、そのような措置をすべきではないか、建設省でもそれは検討いたしたわけでございますが、そういう発言をいたしまして、これも了承をいただきました。なお、本文に入れるべきではないかという御意見もございましたが、時間の関係もございますので、私は私の発言が了承されれば、それでひとつ前進をしていただこうということにいたしたわけでございますが、閣僚の御意見もございまして、今回は時間もありませんし第一読会ということにして、引き続き検討しようということで、第二回の懇談会がいまお話しのように五月二日に行われたわけでございます。いろいろな議論もございましたし、事務当局からは、いずれ御説明がございましょうけれども、いわゆる未利用地の調査等を行いまして、国土利用計画法によりますその活用を図ろうという一項目が新しく加えられまして、私が発言いたしました件は、表現の方式は非常に抽象的でございますが、事務当局から建設大臣の発言についてるる説明もございまして、そういう趣旨を盛り込んだ成文であるということで説明がございましたので、私もそういうような意味におきまして了承をいたしたわけでございます。
 土地問題は非常にむずかしい問題がございますし、何といっても日本の宿命的な土地の状況からいいまして大変困難な問題がございますが、地価の安定には全力を挙げなければなりませんし、いろいろな要因はございますが、需給のアンバランスというものも非常に大きな要因であることば間違いありませんので、私どもはいま申しましたような方向で進みたいと思っております。幸い、ごく最近の指標は若干落ちついてきておるということでございますので、今後とも私どもは地価の安定ということを通じまして土地対策を推進するように、建設省といたしましては宅地供給という課題をしょっておりますが、私どももできる限りそういう努力を続けてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#243
○竹内(猛)委員 大臣の努力はわかりますが、壁がありますから、その壁を突っ切らない限りどうしても周辺に問題がたたずんで奥の方に行かない。その奥は何かというと、いろいろありますけれども、時間がないから全部これは討議ができませんが、依然として三大都市圏の中で農地及び企業が保有している土地が七万八千四百四十二ヘクタールあると言われている。それが余り動かない。そのネックになっているのは一体何だろうかということについて、これはお答えを願うのは国土庁ですね。
#244
○山岡政府委員 三大都市圏内の市街化区域の中の農地でございますけれども、一番最近の資料によりますと九万五千ヘクタールということになっております。市街化区域内農地が、四十八年から五十三年までの間に四分の一が宅地に転換されたというふうな過去の状況でございます。しかしながら、必ずしも円滑に宅地転換が進んでおるとは私どもは思っておりません。この原因といたしましてはいろいろあると思いますけれども、一つは市街化区域内の農地でありましても、営農の継続を希望される方が多いということでございます。私どもの最近の調査によりますと、これは数のそう多くない、千名足らずの東京圏におきます調査でございますけれども、市街化区域内に農地を持っていらっしゃる方々の中で、従来どおりの農地で引き続き農業を継続したいという方が四五%ぐらいでございます。それからさらに、中身といたしまして大部分だとか半分だとかちょっとというふうに差はございますけれども、何らかの転換を希望しているという方々は五五%でございます。そういうようなことでございますけれども、依然として営農の継続を希望する方も多いというのが一つでございます。
 それから一つは、過去におきまして金利を上回る地価上昇が見られたということから、資産保有の傾向が非常に強いということでございます。最近の五十年以降におきます地価につきましては、相当四十七、八年とはさま変わりいたしておりますけれども、昭和三十年から四十九年までの間の平均の値上がり率は、岩戸景気のとき、一億総不動産屋のとき全部を含めまして一九%を超えるというふうな実績があったということは事実でございます。そういう意味で、資産保有的な傾向も強いということでございます。
 もう一つは、やはり保有税が非常に安いということも一つの原因であろうというふうに考えております。こういうようなものがなかなか農家の皆さんが宅地化を促進されない原因じゃないかと私ども考えておりますけれども、これに対処いたしまして、従来は農住型の土地利用転換計画の策定ということにつきまして補助をしてまいりましたし、先般国会に提出いたしました農住組合法案等によりましてそういうものを促進したいと考えておりますし、さらに税制面では優良な住宅地の造成等のために土地を譲渡されるという場合の長期譲渡所得の課税の特例措置等を講じたところでございます。これらの対策が実を結んでまいりますれば、そういうようなものについて相当効果が上がってくるだろうというふうに考えておる次第でございます。
#245
○竹内(猛)委員 いま私の方では、自治省の報告によって三大都市圏の中の市街化区域の農地の面積五十三年度が七万八千四百四十二、こういうふうに申し上げました。国土庁の方では九万五千、そこに差がありますが、その差はちょっと疑問がありますから、後でひとつこれは整理をしなくちゃいけない、どこかに狂いがありますからね。
 そこで、時間がありませんので先に行きますが、いま局長の方から財産保有としての土地保有についての問題がありました。私はこの土地問題というものを、この前も委員会で申し上げたけれども、いま現在、土地の所有者の土地に対する観点というものは財産的価値として非常にこれを高く評価をしているということだ。そういうふうになってしまった。というのは、教育費が相当かかります。それから病気になった場合には医療費もかかる。それから老後の保障についても、年をとった場合に、現在の年金制度ではうまくない、何とかして自分でやっていくためには土地を幾らかでも持ちたいということで、これにかけている。ですから、この問題をもっと真剣に考える一方、土地が生産手段であり、あるいは宅地でありというような形にしないと、土地にいろいろなものを負担をかけるから、土地というものがだんだん価値を持つようになってきているということだろうと思うのです。この見方に対しては賛成できない人がいるかもしれないが、これに対してはどのようにお考えでしょうか、大臣。あるいは国土庁。
#246
○山岡政府委員 最初に農地の面積のことでございますが、先生の資料と私ども同じでございまして、自治省の「固定資産の価格等の概要調書」の五十四年版を申し上げたわけでございます。
 それから、財産保有としての土地保有をどう思うかということでございますけれども、土地は、先ほど来お話ございますように管理が比較的容易でございますし、減耗もしないし、長期的に見て確かに値上がりが期待されるものであったということ等の特性を持つ経済財でございます。したがいまして、財産として保有することが有利であると考えられる傾向があることは、私は事実だと思います。しかしながら、国民の住宅地等に対する根強い需要にこたえますためには、土地の流動化、それから有効利用の促進を図ることは不可欠でございます。このためには、今年度におきましても長期譲渡所得課税の緩和によります土地の流動化の促進、それから農住組合制度による市街化区域内の農地の宅地化の促進等も進めるようにいたしておりますし、さらに先ほど申し上げましたように遊休土地の活用についても最大限の力を尽くしていきたいと言っておるわけでございまして、今後ともそのような各種の施策を総合的に講じてまいりまして、皆さん方も、たとえば農地につきまして喜んで宅地化と営農の継続を図っていくというような、調和をとりながらそういうものの転換を図っていくという対策が必要であろうというふうに考えております。
 そういうふうな資産保有としての傾向が大きいところにそういうふうな転換をお勧めするということでございますので、両面相まった対策も必要であろうと思います。そのために宅地並み課税等につきましても、今度の閣僚懇におきましても、五十七年度目標に自治省十分検討せよという申し合わせが行われたところでございます。
#247
○竹内(猛)委員 時間がなくなったので恐縮なんですけれども、このことだけは一つただしておきたいと思うのです。自治省から見えていると思いますが、二月一日の閣議ですかあるいは自治省の内部の会議かわかりませんが、後藤田自治大臣が、東京、大阪、名古屋を中心とした三大都市圏の市街化区域内A、B農地に対する宅地並み課税を軽減し、自治省がその減額部分を地方交付税で補てんする措置をとっていることについて、課税制度がしり抜けになっているということで、これは見直しをしなければならないという指示をしたという、こういう事実はありますか。
#248
○渡辺説明員 お答えいたします。
 ただいま先生が御指摘になりました減額制度の交付税上の補てんといいますか、交付税上減額されたものは計算に入れないという制度が現行あります。この問題は、その問題についてだけ問題とされて大臣が指示をしたとかそういうことはありません。むしろそうではなくて、市街化区域農地に対する課税のあり方につきまして、五十六年までは現行制度による、減額制度も含めまして。五十七年以降の取り扱いについては、その間十分検討して、そしてどうするか決める、こういう検討課題が与えられています。したがいまして、そういう検討の中でただいま問題となっております減額制度も含めまして検討がされる、こういう趣旨からそういうことが記事になったもの、こう私ども考えております。
#249
○竹内(猛)委員 そこで、C農地、これは課税をしておりませんが、これに対する課税をするかどうかということが近く問題になるわけです。いまA、Bは宅地並み課税という問題があって、これはわが党でもこれについての異議を唱えてきたところでありますけれども、それを実行してみた中で果たして所期のとおりにこれがうまくいっているのかうまくいってないのかということが一つあります。だから、この辺で再検討するとするならば、資料を十分出してもらって議論をしていく。あめとむちというものがあって、一方で税金をまけて、今度は他方であれをするという底抜けでは困るわけです。やはりそれなりに協力がなければいけないという、一番言いにくいことだけれども、これはこれからの土地問題を議論する場合に避けられない問題だろう。これを避けないで堂々と議論をしていく必要がある。それから土地の等価交換というようなこともしなければならないだろうということで、こういう問題も提案をしたいと思っていましたが、時間がありませんので、きょうは大蔵省に来ていただいて大変恐縮で、もう時間がなくなって質問ができないのですが、大蔵省に対しても、いま宅地業者あたりの話では、減税を四千万ではなくて、五千万の減税をしてくれというような話もあったが、今度四千万までは減税になったのですね。われわれはちょっと立場が違うのですけれども、それにしても四千万まで行った。それならば、なお税制の改正をこれからやって、さらに税制の面において土地が供給できるようにするその道というものを考えてもらいたいという面もあったわけですが、これはちょっと時間がなくてもうあれできませんけれども、大変恐縮です。そこで別な機会に、私はやはりこの問題が建設省だけでも、国土庁だけでも、また大蔵省だけでも扱うことのできない問題だと思います。各省庁にまたがる問題でありますから、土地問題というものを真剣に考えていかないと、これは国民からものすごい批判が出てくる。土地を持っている者からもあるいは今度は土地を必要とする者からも出ますから、これは真剣に考える必要がある。
 最後にひとつお答えをいただきたいのは、それならば国土庁が土地公示表によって地価を明らかにしている。その土地公示表によって土地を売買した場合には、これには税金をかけないで、本当に必要な人にその価格で土地を売った場合に優遇措置ができるかどうかという点については、いまの法律ではちょっと無理かもしれませんが、これは一つの案だと思いますけれども、その点についてだけお答えをいただいて終わりたいと思います。
#250
○山岡政府委員 いまの正しい値段で土地を譲渡した者に対して税金をまけるという制度は、現在類似のもので法人重課というのがございます。四十四年以降に法人が取得しました土地を売ります場合には一般の法人税のほかに二〇%の重課がかかるということになっておりますけれども、その中で、開発許可を受けて、それから公募をして適正価格で売るという場合にはその二〇%は免除するという規定が現在ございます。これはいまの重課を免除するということでございまして、一つの考え方だと思いますが、私は逆に、地価公示等によります価格で売買をされた方、これは本当を申しますと法律に準拠して正しいことをされた方ということでございまして、そうでない売買をした人に重課をするという方がむしろ考え方としては筋が通るのではないかと思います。しかしながらそれと同時に、地価公示は先生御案内のとおりまだ一万七千三十地点しかございません。都道府県の地価調査を合わせましても四万数千地点ということでございまして、いずれも全地目につきましてそういうふうなものが直ちに評価にこたえ得るかという点の技術的な問題もございます。先ほどの考え方も含めまして、方向としては大変考えられる方向だとは私思います。そういう意味で十分勉強してまいりたいと思います。
#251
○竹内(猛)委員 終わりますけれども、きょう御出席いただいた大蔵省の方々に、どうも恐縮でした、おわびをします。
 終わります。
#252
○北側委員長 貝沼次郎君。
#253
○貝沼委員 宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案につきまして若干の質問をさせていただきます。
 初めに、今回の改正で第一条関係で法律の目的として宅地建物取引業の健全な発達を促進することを追加することとしております。この「健全な発達」というものの中身についてちょっと伺っておきたいと思います。どういうふうにこれが促進されるのかということであります。たとえば業者の数は個人、法人ともに年々ふえてきております。特に昭和三十五年から五十三年という期間を見ましても個人で二・六倍、法人は二倍、合計で五倍。都内だけでも合計で三倍、一万八千七百。八百屋さんの数よりも多い、こう言われております。このようにふえるのはやはりそれなりのうまみがあるからふえるのだろう、こう思うわけでありますが、そのふえる原因についてどう考えておるのか。こういうのは放置をしておいてよいのかどうかということでございますが、この点についてまず承っておきたいと思います。
#254
○宮繁政府委員 いま御指摘のように宅地建物取引業者の数は十万以上ございまして、毎年新規参入が大変多いわけでございます。これは、わりあい小資本でありましてもまた従業員の数が少なくても取引業を営める、それと免許の基準がかなり容易であるというような点から新規参入の業者が多いわけでございます。ただし、また、御指摘もありましたように一方では廃業者もかなり数が多うございます。それで、新規に参入はされますけれども、いざこの業に進出してみますとまた一面大変厳しい面もございまして、競争も激しい、こんなことで浮沈の多い業界でもございます。
 このような傾向でございますと安定した営業を営んでいただけないというような状況にもなりますし、また専門的な知識、経験の蓄積につきましても問題もございます。私どもは、現在の宅地なり建物なりの流通全体の量と業者の数を見ました場合に、業者の数が特に少ないというようなことはないわけでございまして、今後におきましては免許に際しましてはいままで以上に厳しい審査、調査をいたしまして取り組んでまいりたいと考えております。
#255
○貝沼委員 免許が厳しければ質がよくなるのかということはあると思いますね。果たしてそうなるかどうかという問題はあると思いますが、いずれにしても健全な発達ということは、少なくともいま言った数の問題で、たとえば、今後さらにふやして健全な発達をさせていくということなのか、それとも数というのはもうそれほど必要ではないという点で健全な発達ということを考えるのか。それから、私はまだ言ってなかったのですが、いますでに答弁がありましたけれども、たとえば資本金の規模別に見ても、百万円以下が二六・八%であり、それから五百万以下百一万までが大体三六・八%でありますから、合計して六三・六%と圧倒的に五百万以下の資本金規模になっておる。従業員規模では五人以下というのが八二・五%でありますから、したがってわが国の宅建業者の約八〇%というものは五百万以下の資本金でしかも従業員は五人以内。こういう実態というものを見た場合に、こういうことで健全な姿なのか、それともそうではなしに、たとえば、資本金はこれでいいにしても従業員はどういうふうな姿がいいとか、健全な発達と言ってみても、いまは健全でないから健全な発達をするはずでありますから、具体的にこういうものが健全なのだ、どこをどういうふうに考えておられるのかということを私は聞きたいわけでございます。
#256
○宮繁政府委員 私どもが考えておりますこの健全な発達ということでございますけれども、数につきましては先ほども申し上げましたようにこれ以上ふえてもらっては困るのではないかと考えております。しかし、現在営業を営んでおります業者の方々のほとんど大部分は非常にまじめに取り組んでいただいております。そういう意味で、これから個々の中小業者の方々につきましてもその経営の体質の改善を図っていただき、また業務の進め方等につきましても近代化、合理化を進めていただく、こんなようなことを頭に描きまして健全な発達を促進すると書いたわけでございますけれども、そのためには近代化センターをつくりまして協業化を進めるとか、あるいは業界についても業務処理の仕方につきましていろいろ定型化その他を進める、あるいはまた取引主任者の研修等につきましてもいままで以上に充実した制度にしていく、こんなことを考えておるわけでございます。
#257
○貝沼委員 そういういろいろな具体的な問題が成功することを私は願っておりますが、免許数を見ても、先ほどちょっと答弁にございましたが、免許の更新のできない者、しない者、これが毎年全体の約二〇%ぐらいあるわけですね。それから新規は順調に三〇%ぐらいずつふえておる。したがって、入るのと出るのの関係で実際差し引きはものすごくふえるという形にはなっておりませんが、この業界の特徴として非常にやめる人が多い。やめさせるのもあるでしょうが、そういうことが多い。したがってその辺だけを見ても非常に不安定であり、また一面不健全な感じがするわけでありますので、こういう感じというものを払拭しないと健全な発達にはならない、こう思いますので、最後にこの問題につきましては大臣の所信を伺っておきたいと思います。
#258
○渡辺国務大臣 ただいま局長からも申し上げたわけでありますが、私どもは今回の改正案におきまして新たに法の目的に宅地建物取引業の健全な発達を促進するということを追加いたしたわけでありますが、まじめに努力する中小業者等の経営の安定が得られ、かつ消費者に対して質のよいサービスが提供できるように、これら業者を中心とした流通市場の整備、近代化のための施策の充実を念頭に置いたものでございます。なおまた、具体的な策としましての不動産流通近代化センターの設立も、そういうような意味におきましてはこれを推進することの意義を持つものでありまして、これらの施策の推進によりまして御指摘のような効果が出てくるものと期待をいたしておりまして、この法律の成立とともに適切な運営を図ってまいりたい、かように考えております。
#259
○貝沼委員 次に、消費者保護の立場から二、三点伺っておきたいと思います。
 まず初めに、三十五条の「重要事項の説明」の件に関することでありますが、一九七九年十月五日、当時建設大臣でありました渡海元三郎氏あてに、プレハブ住宅をよくする会、マンション問題を考える会、日本消費者連盟、この三つが一緒になりまして「宅地建物取引業法改正について」という申し入れがなされております。この申し入れにつきましては、当局は承知いたしておりますか。
#260
○宮繁政府委員 承知をいたしております。
#261
○貝沼委員 その内容は検討されましたか。
#262
○宮繁政府委員 検討いたしました。
#263
○貝沼委員 ここで三十五条関係で一点確認をしておきたいと思いますが、三十五条に「重要事項の説明」という「重要事項」という言葉がございます。それから四十七条の場合も、「宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次の各号に掲げる行為をしてはならない。一 重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」これに違反した場合は八十一条で罰則があるわけでありますが、この四十七条の「重要な事項」と三十五条の「重要事項」はどういうふうに違いますか。
#264
○宮繁政府委員 三十五条の規定によりまして、書面で告げなければいけない事項という記載の事項がございますけれども、四十七条の「重要な事項」という解釈の方が広い概念でございます。したがいまして、三十五条の「重要事項」を当然に含んでいるわけでございます。
#265
○貝沼委員 つまり三十五条に書いてある「重要事項」よりも、四十七条の「重要な事項」の方が内容としては広い、こういうふうになっておると思います。したがって、三十五条に書かれていなくても、重要な事項であれば当然これは罰則に抵触しないように説明をしなければならぬわけですね。
 そこで実はこの申し入れの中には、三十五条関係で「重要事項」としてこれらを入れてもらいたいという陳情になっておりますが、これが四十七条の範囲内で解釈をされるならばよろしいということになるわけですね。したがって、十項目の意見が出されておりますけれども、この十項目の申し入れの意見というものは、「重要な事項」として当然該当すると考えてよいかどうか、これを伺っておきたいと思います。
#266
○宮繁政府委員 ちょっといま手元に資料を持ち合わせておりませんので確定的な御答弁ができませんので、またいずれ後ほど御報告をいたしたいと思います。
#267
○貝沼委員 時間があれば一つ一つ申し上げればいいのですけれども、時間がありませんから、それじゃ後日この十項目についてはお返事をいただきたいと思います。
 なお、そのうちの何点かについてただしておきたいと思います。
 まず七番目、十番目。「集合住宅については、構造上の共用部分、規約上の共用部分、管理の方法などを明示させる。」というのが七番であります。十番目は、「敷地面積、建築面積、建築延床面積、建ぺい率、容積率、敷地の権利関係、各戸の共有持分の敷地面積、全戸数の共有持分の敷地面積の一覧表、駐車場使用料、専用庭使用料」そういうようなことを明らかにしなさいというふうに書かれてあるわけでありますが、こういうことは今回の法改正でいわゆる「説明をすべき重要事項の拡大」という内容で見ていいかどうか、この点を伺っておきたい。
#268
○宮繁政府委員 ただいま御指摘ございました集合住宅に関する権利関係の問題あるいは敷地面積等の問題でございますけれども、マンション関係のものにつきましては今次の改正で規定に加わることになりますし、政令で細かく書くことになります。そういう場合にはおおむね網羅でき得るものだろうと考えております。
#269
○貝沼委員 それから三番目に、デメリット表示をさせてくれということが盛り込まれております。デメリットというのは書きにくいことですから、書かないのがあたりまえなんですけれども、しかし後日実はこれが問題になってまいります。たとえば、実際私も土地を見て、どうしてここには植木を植えないのかと言うと、土地が薄くてできないとかいう盛り土の関係、あるいは酸性土壌のために何も育たないとかいう土質関係、あるいは地震が来るたびにしょっちゅう割れる場所に家を建ててしまったとかいう地盤の関係、こういうようなことは当然説明をしなければならない四十七条の中の「重要な事項」に入ると思いますが、この点はいかがですか。
#270
○宮繁政府委員 いま例示がございましたものにつきましては、それがその土地の利用にかかわるきわめて重要な問題に属するものであり、しかも明らかに判定できるかどうかというような観点から判断すべき事項だと思われますので、いま例示されました事項が仮に告げられない場合に、直ちに重要事項を知らさなかったことにはならないものもあろうかと思います。もう少し具体に問題を把握する必要があるのじゃなかろうかと考えております。一般論としてはいまお答えしたような考え方でございます。
#271
○貝沼委員 この申し入れにつきましては、以上で一応やめておきますが、そのほか、消費者保護の立場から割賦販売についてあるわけですね。やはり三十五条関係になると思いますが、三十五条には「割賦販売価格」とありますから当然その内容についても説明するのだと思うわけであります。たとえば最近金利の問題でアドオン方式というのがあります。もう時間がありませんから一々申し上げられませんが、たとえば実質金利が一二%ですよと言われてそれでいいのかと思ったら、アドオン方式でいきますと、一年十二回のローンでやるような場合、実質の利率は二一・五%になるわけです。このように実質金利が非常に大きくなるということで問題が起こっております。したがって、こういうアドオン方式であるとかそうでないとかいうような支払いの方法というものは、これは説明する必要があると思いますが、この点はどうかということ、まずそれを伺いましょう。
#272
○宮繁政府委員 重要事項の説明の中に、現行法におきましても代金の貸借のあっせんの内容ということになっておりますので、ただいまお話しのような点につきましては当然に重要事項に入ってくるわけでございます。
#273
○貝沼委員 その次に三十二条関係、誇大広告の禁止の件、これは非常に結構だと私は思いますが、まず誇大広告等の認定の問題があるわけですね。要するに誇大広告の認定というのは専門家の口で見て判断するのか、それとも素人の一般消費者が見て誤認するような表示は誇大広告と見ていいということなのか、この辺の認定はどう考えたらよろしいですか。
#274
○宮繁政府委員 誇大広告であるかどうかの判断基準でございますけれども、一応社会通念としまして、人に誤認させるような程度のものであるかどうか、こういうことが判断基準になると思います。したがいまして、特に専門的に知識を持っている人が判断する基準をこの場合の基準とする必要はないのではないかというふうに考えております。
#275
○貝沼委員 要するに素人が見て誤認をするような表示はまず誇大広告と見てよろしい。
 たとえば、駅からきっかり千五百メートルとか書いてあるものですから実際行ってみると、タクシーで四十分ぐらいかかって、駅から千五百メートルのところにあったのは案内所であったとかいろいろあるわけであります。
 それからもう一つは、有名会社そっくりの会社名でもって営業しておるところがある。銀座でおなじみの何とか電鉄の何とか不動産とか。その電鉄とは何の関係もない。こういうことが果たしていいのかどうかということで調べてみますと、商業登記法二十七条では「類似商号登記の禁止」というのがありまして「商号の登記は、同市町村内においては、同一の営業のため他人が登記したものと判然区別することができないときは、することができない。」となっておりまして、同一区市町村内での同種の営業種目の類似商号は禁止されておるわけでありますが、営業種目が違ったならばこれは登記ができるわけですね。たとえば銀座のデパートと同じ名称のデパートは中央区ではできませんが、しかし何とか屋、何とか土地会社、こうなればもうすぐ隣にもできるわけでありますから、こういうことが庶民の目をくらますことになるわけであります。したがって、私は端的に申し上げまして、法務省の方に、商業登記法二十七条というのは考え直す必要があるのではないか、手直しをする必要があるのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
#276
○稲葉説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、商業登記法にはそういう規定があるわけでございますが、これは商法の十九条の規定を受けたものでございます。この規定の立法趣旨は既登記の商号権の保護でありますとか、一般の取引主体の誤認を防ぐというような趣旨があるわけでございますけれども、その場合に一方では商号選択の自由というものもございまして、同じ営業に属さないようなものにつきましては、取引主体の誤認は原則としては起こらないということが前提になっているわけでございます。ただそれについて全然手当てがしてないかというとそうではございませんで、不正競争の目的を持ってそういうことをやるということになりますと、商法の規定でも不正競争防止法という別の法律でも、そういう商号の使用の差しとめができるということになっております。そういうことで対処するほかはないのではないか。つまり、登記所でチェックできますのは、その登記所でほかに登記があるということがわかる場合だけでございまして、有名会社であるかどうかということにつきましては、必ずしも登記所では完全にチェックができ得ないということもございますし、そういう判断をした場合に、先ほど申しましたような商号選択の自由というものを阻害するおそれもございますので、なかなかそこまで踏み切ることがむずかしいのではないかというふうに思っております。
#277
○貝沼委員 私はこれをなぜいま質問に出したかといいますと、宅地、建物というのは大体普通の人であれば一生に一度、あるいはあるかないか、私なんかないと思いますけれども、そういう買い物なんですね。したがって、ここで失敗をすれば一生を棒に振るわけでありますから、そういう意味からもう少し検討してもらいたいということなんです。人間の行動範囲が非常に広くなっておりますから、東京の中央区のものが中央区だけ禁止されておるけれどもほかのところなら構わないということでは、これは迷います。たとえば三菱鉛筆というのは私は三菱と関係があるのかと思ったら、あれは全然ないんだそうですね。そういうふうに迷うわけでありますから、大臣も法務省と一回話し合って検討していただきたいと思うのです。
 それから、まとめて大臣に二つばかり質問して終わりといたします。
 一つは、クーリングオフの方は事務所のほかの場合でありますから、これはいま手当てされましたからいいのでありますけれども、しかし事務所の中で威圧的な雰囲気のもとに契約が結ばれ、そして印鑑を持っていないものですから拇印あるいはサインでやってくるというようなことが紛争の種になっております。東京都で調べた数字、行政処分白書等を参考にいたしましても、相当のものがそういう威圧的なものになっておるようでありますし、そういうところからこれを守る対策というものはないのか、もっと行政指導とかなんとかでうまくいかないのか、この点が一つ。
 それからもう一点は、最近ローンが払えなくなって遂に自殺するという悲惨な事件が起こってきております。自分が契約したんだから仕方がないと言えば仕方がないかもしれませんが、それとてもやはり業者に対して、たとえばもっと相談に乗ってあげるようにとか、あるいは解約手続の相談とか、そういうきめ細かな行政指導というものがあっていいのではないかと考えますが、この点どういうふうに考えておられるか。
 いずれにしても、この法ができたとしても、先ほど大臣が答弁されましたように運用が問題であり、その裏にまた行政指導がきちっとなければ、私はこの法律の効果は期待できないと思っておりますので、その点をお伺いして終わりといたします。
#278
○宮繁政府委員 大臣の御答弁の前に私から事務的にお答えしたいと思います。
 御指摘のように、旅行に招待して購入者の意思決定が特異な状況により行われる場合と異なりまして、事務所におきまして業者の強要等によりまして購入者の意思表示に何らかの威力を加えまして契約するという事例もございます。したがって、この場合はクーリングオフの制度にはなじまないものでございますけれども、御指摘のような場合には業務に関しまして取引の公正を害する行為に該当し、あるいはまた、宅地建物取引業に関し不正または著しく不当な行為をしたというところに該当する場合がほとんどではなかろうかと考えております。そういう意味合いから、今後はそういういまお話しのような事例につきましても十分処分し得ると思いますので、そういうふうな方向で対処してまいりたいと思っております。また、これは特にひどい場合には当然強迫とかまたは詐欺のようなことにもなりかねませんし、これは当然契約の申し込みは取り消すこともできると考えております。
 それからローンの問題でございますが、最近特に一戸建ちの住宅を建てようという生活設計をなすって住宅を求める方が多い、これは結構でございますけれども、しかしやはりしっかりした生活設計の中でそういう問題に取り組んでいただかなければまたいろいろな悲劇も起こってくると思います。このローンの問題につきましても契約締結後にいろいろなトラブルも起こっております。それで昭和四十六年にもうすでに建設省の計画局長名等で指導通知をも出しましたし、また四十八年にも不動産業室長名でローンの契約の場合の記載事項につきまして、都道府県知事から各業者に対しまして指導もいたしております。たとえば、金融機関のローンが不成立の場合は売り主または買い主は売買契約を解除することができる、また売買契約を解除したときは、売り主は手付金または代金の一部として受領した金銭を無利息で買い主に返還することを物件の説明書の中で明記するような指導も行ってまいっております。特に御指摘のようなケースは、購入者が自分の返済能力を超えましてローンを借りまして住宅を取得するというようなところに原因がございます。今後購入者がこの返済能力に見合うローン、取得し得ない無理のある資金計画でなく住宅取得を行いますように、業者につきましても購入者の立場に立ちまして助言等を行うように指導もしてまいりたいと考えております。
#279
○渡辺国務大臣 いま局長からそれぞれ御答弁を申し上げたわけでありますが、特にローンの問題につきまして、実はちょうど非常な不況に陥りましたときに、ローンを借りますときには相当に見通しを立てておりましたけれども、そのためにいわゆる超過勤務とか残業とかなくなりまして、またいわゆるベースアップ、昇給もなくなりまして予定する収入がないということのために、ローン返済のために婦人が外で働くとか、そのためにいろいろな社会問題が起きました。
 これは私が大臣になる前でございますが、住宅の委員長をやっておりまして、実は大蔵省ともいろいろ話をいたしまして、全国の銀行協会、各支部がございますが、そこに全部相談所を開設をさせまして、そこで相談に応ずる。これは借りた銀行ではなかなか相談に乗ってくれませんので、そうでなしに、たくさんの銀行が所在する地域にございます銀行協会の中に相談所を開設いたしました。そして、そこでたとえば償還を繰り述べるとか一時償還を見合わすとか、そういう相談に乗ってもらう措置、これは大蔵省と相談をいたしまして銀行協会で設置をさせました。そういうことで相当な成果を上げたわけでございますが、今後の経済情勢等を考えますと、当然こういう問題は今後も憂慮されるわけでありますから、いま局長がお話を申し上げましたような面とあわせましてそのような面につきましても今後十分注意をしてまいりたいと思っております。
 なお、全体としてはすでに申し上げてまいりましたけれども、今回法の改正をお願いしておりますが、これが実現いたしました暁には法の適切な運用は申すまでもありませんけれども、適切なる行政指導も実施をいたしまして、今回お願いしておりまするような趣旨が徹底いたしますように最善を尽くしてまいりたい、かように考えております。
#280
○貝沼委員 終わります。
#281
○北側委員長 中島武敏君。
#282
○中島(武)委員 今度の宅建業法の改正は、改善策としてクーリングオフの制度を新設するとか、消費者がかねてから要望してきたことがかなり盛り込まれているように思うのです。先ほど瀬崎委員が改正点について質問しましたので、私はその他の点について幾つか質問したいと思います。
 まず第一は、瑕疵担保責任の問題です。
 民法五百七十条で瑕疵担保責任は民法五百六十六条を準用するとされております。そして五百六十六条の三項で、瑕疵を買い主が発見したとき契約の解除または損害賠償の請求ができるのは発見したときから一年以内であればよいとされておるのであります。ところが宅建業法第四十条によれば、瑕疵担保責任は、二年の特約をした場合は目的物の引き渡しの日から二年が過ぎればなくなるようにされておるわけであります。このような規定を設けている理由は何なのか、まず最初にそのことを伺います。
#283
○宮繁政府委員 実は、民法の規定はいまおっしゃるとおりの規定でございますけれども、業者が消費者に土地、建物を販売いたします場合に、契約の中で消費者に非常に不利な瑕疵担保責任の規定を設けたような実例があったわけでございます。そこで、どういう場合におきましても二年未満は禁止するという規定をこの宅建業法の中で置いたわけでございます。
#284
○中島(武)委員 ところが実際にはこれは二年が限度とされているというのが実態なんです。これはもう建設省の方でもまた計画局長もよく御存じのところだと思うのです。実は私もたくさんの苦情を持ち込まれるわけであります。特に建て売り住宅とマンションですね、この苦情が非常に持ち込まれるのです。二年を過ぎてから瑕疵を発見することもしばしばあることであります。住宅宅地審議会の「宅地建物の取引の公正と流通の円滑化を図るための宅地建物取引等制度上講ずべき措置についての第一次答申」、大変長い表題のついた答申ですけれども、この中にも瑕疵担保責任期間の延長が指摘されております。せっかく今回この宅建業法を改正されたわけですから、この機会になぜこの点も改正をしなかったのだろうか、こういう疑問がわいてくるわけでありますが、どういう理由で今回この改正を行わなかったのでしょうか。
#285
○宮繁政府委員 瑕疵担保責任の問題につきましては、私もいま先生のお話のようにこの期間を延長する方が妥当である、基本的にはそういう方向で検討を進めなければいけないと考えております。ただ、この期間を決めます場合に、建物の種類が鉄筋づくりであるとか木造づくりであるとか、あるいはまた躯体工事についてどうするかとか、建物の部位、天井回りとか壁回りとか、いろいろな部門に応じまして期間を決めなければいけないという技術的な問題が一つございます。それからもう一つは、瑕疵担保の問題が発生しまして業界がどういう対応をしておるか、この実態調査、これはもうある程度調査は私どもの手元にも参っておりますけれども、もう少しこういった調査を進めたい。それからもう一つは、マンション等の分譲業者と購入者の間の瑕疵担保責任の期間の問題でございますけれども、分譲業者の側とこれを受注して建設をいたします建設業者の間のまた瑕疵担保責任の問題が一つ出てまいっております。この問題につきましてもマンション等の瑕疵担保の期間と非常に関連がございますので、現在、この建設業者の瑕疵担保責任につきまして、中央建設業審議会におきまして、標準請負約款の改正の中の大きな課題として御検討いただいております。この検討が進むと同時に、こちら側のマンション等の分譲業者と消費者の間の瑕疵担保の責任期間につきましても検討を進め、この二つの調整をとりながら期間を妥当なものを検討し、さらに住宅宅地審議会等にもお諮りをいたしまして、期間について定めていきたいと考えております。
#286
○中島(武)委員 民法では六百三十八条で、この瑕疵担保責任の期間が、石造、土造あるいはれんがづくり、あるいは金属づくりという場合には引き渡し後十年間、こういうふうにされております。それから、たしかこれは国民生活審議会の消費者政策部会の報告であったと思いますが、ここでも、昨年たしか十年と、こういう指摘があったかと思います。
 それで、私は、いま検討しているという局長の答弁ですけれども、思い切ってこの際その標準約款それから宅建業法を、民法などとも整合性を図りながら、いろいろな指摘もあるわけですから、十年ぐらいとかというような思い切ったやり方をやるべきではないか。そういうふうにすれば――すべてを十年にしなければならないということはないと思うのです。いま計画局長が言われたような、物によってどうするかということはあるのですけれども、要するに消費者が保護されるという立場を貫いた改正ということが必要なんじゃないかと思うのです。この点についてはどうでしょう。
#287
○宮繁政府委員 いま仰せのように、民法の規定では、堅牢な建物については一応そういう規定がございますけれども、実は実際の商習慣といたしまして、建設業者との契約の中では、堅固なものは二年とか、木造は一年というような期間がやや定着しておるわけでございます。
 しかし、いま仰せのとおり、私どもも、必ずしもすべての瑕疵が二年以内に発見されるとは限りません。ただ、私どもの調査におきましては、マンションのような場合は大体二年以内に隠れた瑕疵が八割五分ぐらい発見はされておるようでございますけれども、なおしかし、二年以上たたないと隠れた瑕疵がわからないというようなものもございます。
 そういう意味合いで、現在定着しております商習慣と申しますか、一つのルールがありますけれども、しかし、やはり基本的にはこれは再検討すべきである、こういう姿勢で取り組んでまいりたいと考えております。
#288
○中島(武)委員 検討しておられるのですから、そしてまた出すというお話なんですけれども、これは一体いつ出されるのでしょうか。建設省の方でも現在のままでは不備だということを認めていらっしゃるわけだし、消費者保護の立場からいっても延ばさなければいけないということも認めておられるのですけれども、検討しておられるということは、一体いつお出しになるつもりですか。
#289
○宮繁政府委員 中央建設業審議会の建設業の関係の方向づけが行われますならば、できるだけ早く検討いたして結論を出したいと考えております。いついつまでというお約束はちょっといたしかねますけれども、可及的速やかに対応してまいりたいと考えております。
#290
○中島(武)委員 この問題は、やはり現実に適合して消費者が保護されるということが大変必要でありますし、また、消費者の側からも非常に望まれていることの一つです。
 大臣、どうですか、次の通常国会ぐらいには出す、これぐらいの決意でおやりになりませんか。
#291
○渡辺国務大臣 いまお話を申しましたように、建設業関係の方の結論もまだ出ておりませんので、これらとあわせて検討することも必要でございます。
 もう一つ、今回の御承知のような答申の中におきましてもまだ結論が出ておりませんので、極力私どもも急いで、考え方は、おわかりいただきましたように、これはもう少し延ばした方がいいのではないかという考え方を持っているわけでありますから、そういう意味では、極力建設業関係の方の結論も急いでいただくようにいたしまして、なお、私どもの方も、今回の答申にはこれがまだ結論を得ておりませんから、そういうものもあわせてなるべく早く成果を得ていただくようにお願いをいたしまして、その成果を得次第、なるべく早くお願いをするようにいたしたい。だから、いまこの機会に次期通常国会ということを申し上げましても、答申等の見通しがまだ立っておりませんので、ちょっとそれははっきり申し上げかねますけれども、できる限り早く結論を出すように努力をしたい、かように考えております。
#292
○中島(武)委員 次の通常国会ぐらいには出してもらいたいものだと思います。それぐらいの意気込みが答弁で返ってくるかと思いましたけれども、そうでもない。しかし、重ねて言いますけれども、これはやはり非常に望まれていることですから、本当に早く改正するように重ねて要望しておきたいと思います。
 次に、宅地建物の取引に関する苦情を少なくする問題について質問いたします。
 宅地建物の取引に関する苦情は、建設省やあるいは地方自治体に対して年間どの程度あるものでしょうか、把握されておりましたら御報告願いたいと思います。
#293
○宮繁政府委員 御指摘の宅地建物取引に関係いたします苦情、紛争の件数でございますけれども、毎年増加してきておりまして、建設省と都道府県に持ち込まれるものについて見ますと、昭和四十九年度におきましては約一万六千件でございましたが、昭和五十年度が一万八千件、昭和五十一年度が二万九千件、昭和五十二年度及び昭和五十三年度はそれぞれ三万件というような数字になっております。これは各年度とも三大都市圏におきまして約八割を占めておるというような現状でございます。
#294
○中島(武)委員 この苦情は、いま報告を聞きますと非常に多い、大変な数だと思うのです。しかも年々苦情がふえてきているということが言えますが、特にこの苦情の中でもどんな種類の苦情が多いのでしょうか。
#295
○宮繁政府委員 この苦情を売買にかかわるものと媒介、代理にかかわるものに分けまして、まず売買にかかわる苦情から申し上げますと、契約の解除等に伴うもの、これがやはり一番多いようでございます。それから、物件の重要事項の説明等が明瞭でなかったというような、これは業法違反になりますけれども、こういうトラブルが、これも一番目の契約解除に匹敵するぐらい多いようでございます。
 あと、ローンの不成立、これは銀行から金を借りる場合にあっせんすると言っておきながら、必ずしもそれが実現できなくて、場合によりましてはサラリーローンを世話するというようなことでトラブルが起こるような例が多うございます。それから履行遅延、期日になっても引き渡しがないというような問題、それから、先ほどお話がありましたマンション等の瑕疵の補修の問題、こういうトラブルが多いようでございます。
 なお、媒介、代理業にかかわるトラブルにつきましては、報酬に伴うもの、あるいはまた物件の説明が必ずしも的確でなかった、こういうようなものが多いようでございます。
#296
○中島(武)委員 この瑕疵にかかわると申しましょうか、工事の設計施工にかかわるものはかなり多いのではないですか。私らのところにはずいぶんその種のことが持ち込まれるのですけれども、その点はどうですか。
#297
○宮繁政府委員 そういった件数も多うございますけれども、しかし、やはり何といいましても、補修の問題のトラブルよりも三倍ぐらい多いのが契約を解除したい、こういうトラブルでございまして、それに伴う手付金の問題、こういったような問題が一番多いようでございます。
#298
○中島(武)委員 それは御報告のとおりなんでしょう。それで、私どものところに非常に持ち込まれる設計施工の問題に関して、これがなぜ多くなるかという問題なんですけれども、これはやはり建物をつくる場合に十分な検査がやられない、つまり中間の検査がやられていないために、全部竣工してしまってから実際の検査をやるわけですね。ここに原因があるのじゃないかというように私は思っているのです。それで、住宅金融公庫の融資住宅の場合には、この種の問題についての苦情というのはわりと少ないように見受けます。これはどこに原因があるかという問題なんですけれども、よく御存じのことと思いますが、中間で検査をやっているということが不良な建物をつくらないという一つの歯どめになっているのじゃないかと思うのですね。その点の認識はどうでしょうか。
#299
○関口政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、公庫融資の住宅につきましては、申請時と上棟時と完成時という三段階に分けてチェックをいたしております。先生御指摘の中間検査というのはこの上棟時のことを指すのだと思いますが、なぜ公庫がこういう方策をとりておるかということにつきましては、申請時の設計図書に沿って基準に合致した構造となっているかどうかという点のチェックが必要でございますのと、それからもう一つは、御希望によりましては上棟時に中間貸し付けと申しますか中間払いをとっておるものでございますから、その二つの要請がありまして、公庫につきましてはいま申し上げたような中間検査を行っております。
 一方、通常の建築物でございますが、これにつきましていろいろ欠陥問題がやかましく議論されたことは御指摘のとおりでございまして、そのうちでも特にマンションにつきまして、昭和五十一年に入りましてから欠陥問題が非常に強く指摘をされたわけでございます。そのときに計画局ともいろいろ御相談をしたわけでございますが、マンションにつきましては、いわゆる発注者とそれから設計者、さらに実際に工事を施工される方という三分野に分かれておりまして、それぞれの間の協議体制が一番必要だ。基本にはそれがございますが、もう一つは、マンションは、完成されますと見えなくなる部分の構造検査がやりにくくなってまいりますし、それからまた、手直しをするという場合に、木造住宅に比べますとややむずかしい面もございます。
 そういうことにかんがみまして、五十一年の暮れに住宅局長通達でもって、建築基準法の規定に基づく施工状況の報告あるいはお話のございました中間検査、これらの励行に努めるようにという通達を出しまして、マンションにつきましては特に中間検査等に力を入れるように、現在はそういう体制のもとで執行をいたしておる次第でございます。
#300
○中島(武)委員 通達を出されているのは非常にいいと思うのです。ただしかし、依然として私らのところに苦情が持ち込まれるので一番多いのは、マンションとそれから建て売り住宅ですよ。これの苦情がやはり一番持ち込まれるのです。
 それで、この問題の解決は、政府施策住宅の一つである住宅金融公庫の融資住宅ですね、この場合には、いまちょっと御説明もありましたように、中間の検査もやっておりますし、また政府の方は自治体と契約してですか、手数料なども出しているわけですね。だから、そういうことはやれるのですけれども、一番苦情の多い少なくともマンションとかあるいは建て売り住宅というような場合には、もっと検査を厳しくする必要があるのじゃないか。通達を出されるのは結構なんですけれども、地方自治体の方に話を聞いてみると、人手が足りない、率直に言って、住宅部局は人手が足りなくて、そうそう回らないのだ、こういう話なんです。
 だから、大臣、どうなんですかね、これももう少し思い切って、この面の予算を増額して、地方自治体などでこういうことが十分やれるようにするべきじゃないかと思うのです。裏づけがなければ、幾ら通達を出されてもなかなか実行しにくいわけだし、さっきも報告があったように、やはり三大都市圏に集中している。しかも三大都市圏の中でも、いまの問題に関して言えばどこに集中するかというと、一番多いのは建て売りとマンションですね、ここへ集中するのですから、実際にこれを解決していく上からいって、これも大臣に聞きたいのだけれども、予算も思い切って要求して、ちゃんと実効が上がるようにする、こういうふうにするべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
#301
○関口政府委員 私どもも平素から各自治体と御相談をし、さらに自治省とも協議を重ねて、いわゆる建築基準の確認体制の強化に努めでまいっておるところでございますが、ただいまのお話は、金をもっとふやして施行体制を充実しろという御指摘でございまして、そういう面もあろうかと思いますが、私どもが接触している範囲では、実際にそれだけの練達した技術者と申しますか、その辺がまだ不足しておりますので、先生御指摘のいわゆる財政上の措置と同時に、私どもとしては、この建築基準確認行政に携わります職員に対する研修、そういうものも充実強化していきまして、資質の向上という面にもなお一層今後とも配慮してまいりたい、かように考えております。
#302
○中島(武)委員 行政改革行政改革といろいろ言うのですけれども、こういう国民生活に非常に直結していて、それで国民から非常に要望されるような部門ですね、これは質の向上ということも含め、それから人手の不足も解決をするということも含めて、そういう要望の強いところはしっかり要望にこたえられるようにしていく、この姿勢が非常に大切ではないかということを考えるわけであります。
 最後に一つだけ質問をしたいと思いますが、これは消費者の苦情をなくする上で、行政が積極的に果たすべき役割り、この問題についてなんです。言われておりますように、宅地建物の購入というのは一生一代の買い物なわけです。だから、消費者の側もよほど慎重でなければならないと思いますが、同時に、行政の側からも、消費者が悪徳業者でなくてよい業者を選択できるように便宜を図るということが非常に大切だというように思っております。その点からいいますと、宅建業法の第十条には、宅建業者の名簿等の閲覧ということが規定されております。ところが、この制度を消費者がどの程度活用しているものか、この点について掌握しておられたら御報告願いたいのです。
#303
○宮繁政府委員 いまお話しのように、消費者の方々が不動産取引をいたします場合に、業者の信用度を調べることがまずもって一番重要なことでございますので、私どももできるだけ消費者の方方に役所の方にもお見えになるようにお願いしたいと思っておりますけれども、私どものPRその他もまだ十分でない点、反省しなければならないと思っております。どの程度お見えになるか、ちょっといま数字がございませんけれども、かなりの方が最近ではお見えになります。その場合、業者の営業妨害はできませんけれども、私どももかなり率直に、事実は事実としてその業者についての情報はお伝えする、こういう態度で臨んでおるわけでございます。
#304
○中島(武)委員 私は、この問題は、買い物をしてそれから苦情を持ち込むというよりは、買い物をする前に相談をして、よい業者か悪い業者かを見分けるということが一番肝心だと思うのです。この点では、建設省もずいぶんと努力をしておられるわけですけれども、もっと率直に私申しますと、こういう制度があるとか相談にいらっしゃいということを積極的に大いにPRしているかというとそうではないですね。来られる方には積極的に対応されるということは、これはもちろんのことだし、ずいぶん建設省も努力していらっしゃるのを私も知っております。これをもっと積極的にPRをするということをやったらどうかと私は思うのです。今度の業法の改正でもクーリングオフの制度が新しく設けられました。私らはずいぶん問題にしていろいろとわかっているのですけれども、では多くの人は知っているのかということになると、そう言ってはなんですけれども、たくさんの方は知っているようでほとんど知らぬですよ。ですから、こういうことをもっと積極的にPRをする。それから、買い物をして後で苦情を言うよりは、先に相談にいらっしゃい、よい業者を選びましょうというようなことを一番にPRするいい方法というのは、これも率直に言いますけれども、一番効き目のあるのはテレビじゃないかと思う。それからラジオ、それから新聞、雑誌。そういう伝達機関を通じて大いにやったらどうかなという気がしているのです。政府の方もかなりいろんな政府施策あるいは政策について番組を組んだりいろいろな方法で宣伝をしておられる。その中には、私に言わせればこんなものはどうかなと思うものもあるのです。あるのですけれども、しかし積極的にPRしておられる。消費者保護という立場から、このクーリングオフの制度だとか、それから事前に相談にいらっしゃいというようなことを、テレビだとかその他の手段を通じて大いにPRをするということは、建設省としてもいわば一層頼りになる、愛される役所になるということにもなるわけでして、この辺を大いにおやりになったらどうかと思っております。
 そういう点では、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の広告とかあるいはコマーシャルの形でもいいかもしれませんし、特別な番組というほどじゃなくても、そういうことをやってみるというようなことを提起したいと思うのですけれども、大胆、その辺はどうでしょう。
#305
○渡辺国務大臣 きょういろいろ議論をしていただく中でも皆様お感じになったと思うのでありますが、今度の宅建業法の改正は相当いい中身のものがあるわけですけれども、これが本当に改正の成果を上げるということになるには、やはり一般の方に改正点の要旨を知っていただかないと、実際効果が上がらないだろうと私は思っておるわけであります。
 そういう意味で、建設省自体もそうでございますけれども、特に一般の方々に関係の深い事項につきましては、方法はいろいろあると思うのでありますが、できる限りPRといいますか、よく知っていただく、これは行政の一環だと思うのでありますが、そういう意味では一層努力をするようにしたい、こうも考えております。
#306
○中島(武)委員 時間だから終わります。
#307
○北側委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 次回は、来る九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト