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1979/03/06 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 逓信委員会 第2号
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1979/03/06 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 逓信委員会 第2号

#1
第091回国会 逓信委員会 第2号
昭和五十五年三月六日(木曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 小林  進君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 左藤  恵君
   理事 堀之内久男君 理事 武部  文君
   理事 野口 幸一君 理事 鳥居 一雄君
   理事 藤原ひろ子君 理事 西村 章三君
      足立 篤郎君    秋田 大助君
      渡海元三郎君    長谷川四郎君
      畑 英次郎君    早川  崇君
      吹田  ナ君    久保  等君
      森中 守義君    田中 昭二君
      竹内 勝彦君    木下敬之助君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 大西 正男君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 小山 森也君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  寺島 角夫君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  神保 健二君
 委員外の出席者
        日本電信電話公
        社総裁     秋草 篤二君
        日本電信電話公
        社総務理事   玉野 義雄君
        日本電信電話公
        社総務理事   小澤 春雄君
        日本電信電話公
        社総務理事   小川  晃君
        日本電信電話公
        社営業局長   西井  昭君
        逓信委員会調査
        室長      芦田 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  木下敬之助君     小沢 貞孝君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 貞孝君     木下敬之助君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 逓信行政に関する件
     ――――◇―――――
#2
○小林委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を行います。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。木下敬之助君。
#3
○木下(敬)委員 木下であります。初めての質問でありまして、余りうまくいきませんが、よろしくお願いいたします。
 それでは早速ですが、このたび郵政省の中に設置されたと聞いておりますKDD問題に関する調査特別委員会の調査結果がわかりましたら御報告いただきたいと思います。
#4
○小山政府委員 KDDからの贈答などにつきまして、昨年十一月十二日に省内に綱紀点検委員会を設けまして調査いたしましたところ、一昨年七月以降におきましてKDDの関係者との会食は延べ十六回、延べ六十一人、また贈答といたしましては、中元、歳暮の時期に延べ六十八人がプレゼントを受けております。そのほか、七名に対しまして、海外出張のみやげが贈られております。
 以上でございます。
#5
○木下(敬)委員 こういった問題が国民の大きな疑惑を招いてきておる中で、大臣のこのたびの所信表明で御決意を聞かしていただいておりますが、今後の徹底した捜査というものに向けまして、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#6
○大西国務大臣 KDDの今回の問題は、国民の皆さんにも大変御心配をおかけしまして、まことに遺憾な事件だと存じております。再びこういう事件が起こってはならないと考えておるところでございます。御承知のように、現在、KDDをめぐる事件につきましては捜査当局の捜査が行われておるところでございますので、私どもとしてもこれを見守っておるところでございます。
 今回の事件の重要な原因というのは、やはりKDDの経営に当たる経営者の姿勢、これに大きな原因があると私どもは思います。そこで、この経営姿勢を改めて、刷新をして、本来の公益性の非常に高い国際電気通信事業を推進してもらわなければならないと思っております。御承知のように新しい首脳陣が就任をされまして、この新しい首脳陣が良識のある経営をこれからなさるものと私どもは大いに期待をしておるわけでございます。と同時に、一方におきまして郵政省あるいは政府の監督のあり方、こういうことにつきましてKDD法の改正をいま鋭意準備中でございます。こういった措置と相まって、今後厳正に監督を適時行ってまいりたい、こう存じております。
#7
○木下(敬)委員 大臣のおっしゃられますとおり、KDDの経営姿勢に問題があったことは言うまでもありませんが、国民の目からながめてみまして、監督の立場にも十分でない面があったのではないかという声があるわけです。この辺につきまして、大臣が統括なされておることはわかりますが、直接にはどういった方が担当なされておられるのでありましょうか。
#8
○大西国務大臣 大臣官房に電気通信監理官室というのがございまして、そこに監理官二名がおるわけでございます。その監理官を中心としてそういったことをやっておるわけでございます。
#9
○木下(敬)委員 板野元社長が五十一年に就任なされております。このころから大きな問題がいろいろと出ておるようでございますが、この当時から具体的にどういう方が担当なされておられたのか、お名前を挙げていただきたい。
#10
○大西国務大臣 政府委員からお答えをさせます。
#11
○小山政府委員 四十九年の一月から五十二年の七月までに佐野芳男がおります。それから五十年七月から五十二年七月まで松井清武でございます。これは、監理官は二人おりますので、非常に時期が重複いたしております。次に、五十二年七月から五十三年六月までが江上貞利でございます。それから五十二年七月から現在に至るまで、神保健二でございます。それから五十三年七月から現在に至るまで、寺島角夫。
 以上でございます。
#12
○木下(敬)委員 事務面と技術面の担当が違うというふうにも聞いておるのですが、その辺はどうなっておられますか。
#13
○寺島政府委員 ただいま官房長からお答え申し上げましたように、監理官は発足以来二名の制度をとっておりまして、一名が事務担当、一名が技術担当、大きく申しますとこういうことで参っておるわけでございます。
#14
○木下(敬)委員 せっかく挙げていただきましたお名前でございますから、その辺の分担がわかれば、教えていただきたい。
#15
○小山政府委員 先ほど申し上げたうち、技術担当は、佐野芳男、神保健二の二名でございます。松井清武、江上貞利、寺島角夫の三名は事務担当でございます。
#16
○木下(敬)委員 それでは、きょうおられます寺島監理官にお聞きいたしたいと思いますが、どういった形でKDDの経営や運営に監督をなさっておられたのか、簡単にお聞かせ願いたいと思う。
#17
○寺島政府委員 お答えいたします。
 監督と申しますのは、御案内のとおり法律に基づきまして大臣に権限が付与されて、それに基づきまして監督を行っておる次第でございます。
 ところで、KDDについて申し上げますならば、先生御高承のとおり、KDDと申しますのは国際公衆電気通信事業というものを独占的に行う株式会社として昭和二十八年に発足をした会社でございまして、これに対する監督法令といたしまして、昭和二十七年に現行の国際電信電話株式会社法というのができておるわけでございます。
 そこで、この国際公衆電気通信業務というものを株式会社として運営をさせるという政策が当時とられたわけでございますが、この趣旨は、国際間のいろいろな情勢等を考え合わせまして、株式会社という民間経営の形で、その民間の創意性、自主性あるいはその活力というものを十分に生かす方がより望ましいという政策判断でなされたものと承知しておるわけでございます。
 しかしながら、国際公衆電気通信事業を独占的に行うという大変に公益性の高い性格を持っておりますので、一面、国としての監督と申しますか、コントロールが必要なこともまた論をまたないところでございます。
 ただ、こういった商法によります株式会社であり、かつまた国の資金というものも出ておらないという形でございますので、その監督のあり方とそういった民間の活力を生かすということをどう調和させるかということが一つの問題点であろうかと思うわけでございまして、現行の法律はそういうところの一つの調和点としてできておるものというふうに私どもは理解をしておるわけでございまして、私どもの監督は、そういう趣旨でできました現行の法律の趣旨にのっとりまして代々監督を続けてまいった、かように考えておるわけでございます。
#18
○木下(敬)委員 課税対象となっておるような交際費、接待費が大分修正がなされて相当大きな数字で聞いておりますが、こういったものにつきまして、五十一年、二年、三年、四年、その当時はどの程度の数字がわかっておったのか、その当時KDDの方から出されておったような報告書があれば見せていただきたいと思っておるわけであります。
#19
○寺島政府委員 先ほどお答え申し上げましたようなKDD法の趣旨でございますので、現行のKDD法におきましては、そういった予算あるいは財政面につきましても比較的緩やかと申しますか、そういう法律の仕組みになってございます。たとえば予算について申し上げましても、予算ということは法律上ございませんで、予算的なもののとして大臣認可の対象になっておりますのは事業計画でございます。翌年度の事業計画につきましてこれを大臣認可が必要である、こういうことになっておるわけでございます。また決算に関しましても、大臣認可の対象となっておりますのは、決算の結果生じてまいります利益金をどう処分をするのか、利益金の処分というものが大臣認可の対象となっておるわけでございます。御高承のとおり、利益金の処分と申しますのは、株主への配当を幾らにするかという問題、それから役員賞与をどうするかという問題、いわゆる利益として生じました金がKDDの社外に流出をしていく、その流出の度合いというものが適正であるかどうかという観点からこれを判断をして認可対象にするという形になっておるわけでございます。したがいまして、利益金の処分が認可の対象でございますけれども、その利益金の出てまいります根源は決算にあるわけでございますので、その決算書類、貸借対照表でございますとか損益計算書でございますとか、そういうものは私どもとしても利益金処分の認可の審査の過程で目を通しておるわけでございます。しかしながら、それ以上の内部の細かい経理状況等につきましては、場合により任意に報告を求めることもございますけれども、そこまで突っ込んで、個々の項目は幾らかというふうな突っ込んだ審査というものはやっておらなかったというのが過去の実情でございます。
 ところで、いまお話しございましたそういう意味で交際費という問題、交際費の金額につきましては、国会におきましても、KDDからもいわゆる課税対象となりました交際費の金額については御報告のあったところでございます。
#20
○木下(敬)委員 それでは、その当時有価証券報告書等で発表されておるようなものも見てなかったということですか。それともそれに近いものもしくはそういったものは受け取っておったわけですか、有価証券報告書に出てきたようなものということです。
#21
○寺島政府委員 先ほど申し上げましたように、バランスシートあるいは損益計算書といったふうに公開をされておりますものにつきましては、目を通してございます。
#22
○木下(敬)委員 五十三年の例で言いますと、九十五億ほどの諸経費という形が上がっておるわけですが、こういったものの内訳等はその当時全然質問していないということですか。
#23
○寺島政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、利益金の処分というものの認可申請を審査をする過程におきまして、決算状況というものの把握に努めておったことはそのとおりでございます。ただ、その中の個々の費目等につきまして、これはどうだ、あれはどうだという詳しいところまで、あるいはその中の一つの項目に非常にスポットを当てて見るというふうな形はいたしておりませんでした。
#24
○木下(敬)委員 その辺に国民の疑惑も集中しておるのではないかと私は考えておるのですが、こういったころにちょうど円高差益が言われまして、KDDがもうけ過ぎているのではないかという話が大変出て、値下げしろという声も相当あったと思います。その時期に、七十五億と言えば大変巨額なものです、それを大ざっぱなままで見過ごしていたということに大変な疑問を感じるのでございますが、その点どういうふうにお考えになりますか。
#25
○寺島政府委員 御指摘のとおり、円高という問題が五十二年の暮れごろから大変に強い傾向であらわれてまいりまして、それに伴いましていわゆる円高差益の問題が議論の対象になったことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、それに絡みまして、郵政省としても料金問題についてずっと五十三年以来指導を重ねてきたことは事実でございます。
 ただ、KDDの場合はその仕組みから申しまして、詳細は省略をさせていただきますが、円高差益というものは金額的には、たとえば五十三年度で申し上げますと大体五億見当でございまして、全体の売り上げから見ますと〇・五、六%程度でございまして、大きなものではございません。ただ、御指摘のとおり、五十三年度の決算におきましても経常利益が九十数億円になっております。こういったKDD自体の経営状況が非常にいいということ、そしてまた料金の方向別格差と申しますか、為替レートの変動に伴います料金というものを円レートに換算をいたしました場合に、たとえば日本から外国にかけます場合と、外国から日本にかけます場合とを円レート換算で比較をいたしますと、相当の差が出ておったことも事実でございます。こういった情勢を総合的に判断をいたしまして、かつまたKDD自体の経営の安定ということも、そしてそのことが国民へのサービスということに大事な点でもありますので、そういうことを総合的に勘案をして料金問題、料金の改定ということについて早急に検討するようにKDDに五十三年来指導を重ねてきた次第でございまして、その結果の一つが昨年の十二月から実施をいたしました国際料金の引き下げとなった、かように考えておるわけでございます。
#26
○木下(敬)委員 実際に円高による差益というのは五億円ぐらいだった――それは結構なんですが、世論としてあれだけ大きな声になったとき、こういった九十億ももうけているとか、その当時に九十五億も諸経費として大ざっぱに支出されている、それがきっかけとなって当然そこに目が向いてよかったのではないかと私どもは思っておるわけです。
 いろいろなことの指導で五十三年以来続けてきておると言われますが、これはどういう形でその指導をされておるのでしょうか。その辺は、たとえば監理官は板野元社長とはどういうお会いの仕方をしてそういう話をされてきたのか、その辺お聞かせ願いたいと思います。
#27
○寺島政府委員 国際料金の件に関する指導でございますが、その前に先生御案内のとおり、KDDの料金に関しましては、公衆電気通信法によりましてすべて郵政大臣の認可料金となっております。したがいまして、郵政大臣の認可を必要とするわけでございます。
 そこで、ただいまのお尋ねでございますが、五十三年の春以来、郵政省といたしましては二回にわたりまして文書をKDDに対して出しまして、改定方の検討を強く指導しておったわけでございます。なおかつその文書以外にも、口頭あるいはいろいろな場におきまして強く要請を重ねてきたところでございます。
#28
○木下(敬)委員 その口頭ほかいろいろな場というのが、ただいま世間から見ましても大変いろいろと問題になっておりますので、きょうすぐにというわけではなくても、前任者の方その他も、一体どういう形でどういうふうな指導、具体的な口頭でやるときの状況ですね、どこで、どんな形で、どういうふうにいつもはやっていたのか、そういった問題を少し聞かせていただきたいと考えておりますが、きょうは時間もないでしょうから、それはまた別のときで結構でございます。
 いま板野元社長の話が出ましたので、監理官、その板野元社長とはどの程度のおつき合いなんでございますか、個人的に。
#29
○寺島政府委員 御案内のとおり、板野前KDD社長は郵政省の出身でございます。したがいまして、私が郵政省に入りましたときから先輩として、直接同じ部局で仕事をしたということはございませんけれども、当然面識もございますし、先輩としていろいろな指導を仰いだことはございます。
#30
○木下(敬)委員 板野社長のことはわかりました。
 佐藤前社長室長、保田前参与とは御面識その他、お聞かせ願いたいと思います。
#31
○寺島政府委員 佐藤前社長室長につきましては、御案内のとおり郵政省で申しますならば私の二年先輩でございます。そういう意味でもちろんお名前も存じておったわけでございます。なお、保田参与につきましては、私は全然存じておりませんでした。そういう方がKDDにおられるということも、正直言って承知をしておらなかったわけでございます。
#32
○木下(敬)委員 その佐藤前室長らとも口頭で、先ほど言われたようないろいろな打ち合わせをする機会、口頭でした方に入られるわけですか。それとも公のものというか、そういった料金問題等についての打ち合わせ等は板野元社長だけでございますか。
#33
○寺島政府委員 私、監理官という立場で公的にいろいろKDDと話をする、あるいは何か折衝をするという場合には、大体重役以上の方とお話をしておりました。したがいまして、先ほどいろいろな場と申し上げましたのは、たとえば全然別の用事で重役なりあるいは幹部の方が見えられたときに、ところで料金問題についてかねて検討を要請しているがどうなっているのだ、早くやってほしいというふうなことを言うことが結構あった、そういう意味で申し上げたわけでございます。
#34
○木下(敬)委員 監理官、前任者にもまたいずれ機会を見てお話しいただきたいと考えておりますが、きょうは私はほかの質疑の都合もありまして、KDDの問題はきょうのお話をもとによく検討して、またやらしていただきたいと考えております。どうも大変ありがとうございました。
 最後に、いま一度大臣、重ねて今後こういった問題を徹底してやっていただきたいという国民の希望、これをどうかよく御理解いただいて、解明に努めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは電電の問題につきまして御質問さしていただきたいと思います。前に質疑があって重複する問題があるかと存じますが、よろしくお願いいたします。
 まず第一に、電話料金の遠近格差の是正の問題についてお尋ねいたしたいと思います。
 昨日の秋草電電公社総裁の公社の事業概要説明にもありましたけれども、最近の公社の経営は大変好調のように見受けられております。このことはまことに喜ばしいことであって、公社の皆様、相当の経営の御努力をされたものと敬意を表しておりますが、五十一年の料金改定後の公社の収支状況は、収支率において見ますと、五十二年度八五・九%、五十三年度八七・四%となっておって、五十三年度決算は総収入三兆六千二百二十四億円、総支出三兆二千三百十六億円となり、三千九百八億円の黒字となっております。また五十四年度の十二月末までの収支実績も、予定収入に対し二・七%の増収で順調に推移しているとのことでございますが、電電公社はこの黒字の原因についてどのように分析されておられるのでしょうか、また今後の経営収支見通しについてどのようにお考えでしょうか、最初にお伺いいたしたいと思います。
#35
○秋草説明員 私どもの電電公社の事業経営につきましては概略先般申し上げましたけれども、五十一年十一月に参議院の議決を得まして現在の料金が決まっておるわけでございます。その当時まで、四十九年、五十年、五十一年と三カ年にわたって赤字が出まして、その総額は六千億でございます。
 現在の料金改定後はきわめて順調に推移いたしまして、五十三年度をもちまして大蔵省から赤字のために一時借り入れをしました約六千億の借金は、全部完済できました。五十四年度からは本格的な収支差額として内部保留ができておるわけでございまして、今日五十四年度はいま終わろうとしておりますけれども、きわめて順調に推移していまして、五十四年度の予算では二千九百六十四億の収支差額を計上すべく国会で予算を議決しまして順調に推移しておるのでございますが、予想したよりも景気が後半から盛り上がってきたということと、それから人件費の支出が比較的前に比べたらアップ率が少なかったということと、金利も、ただいまは相当上がってきましたけれども、全般には安かったということの影響で、収支差額は本年度は恐らく三千数百億あるいはそれ以上になるだろうというふうに思っております。
 これがいまの現状でございまして、私は常々この国会でも、電電公社の収支差願というものは一文も社外に流出する、いわゆる配当とかあるいは役員賞与とかそういうものもございませんので、全部社内に保留されるものであるから、いかに収支差額をよくしても恥ずかしいことはないし、大いに増収に励み、節約に励めということを言って、多々ますます弁ずる、これはすべて加入者に還元されるものであるからということで、大いに従業員を叱咤激励して増収、節約に励ましております。
 現在この収支差額の大きな額というものは、先生方には御承知と思いますけれども、これは加入者に還元という言葉はちょっと激しい言葉でございますけれども、間接的に現在の制度では建設勘定の一部に流用しております。これは予算をもって流用しておりまして、したがいまして、いま予想よりも約千億の増収が期待されるということも新聞に報道されておりますが、これも偽りのない話でございまして、これすらも今年度の電電債の発行をできるだけ差しとめて、内部の無利子の金があるのでございますからこれを建設に流用する。その建設の流用も、いたずらに公社だけで勝手に建設勘定をふやすわけではございませんで、予算に規定された一兆八千億の予算の範囲内の、外部資金を借りるかわりに内部資金を流用しているということでございまして、これはそれだけ金利が安くなりますから、加入者に最終的には還元されまして、できるだけ料金の上がる時期を遅くする、一年でも二年でも三年でも持ちこたえるということは加入者のためである。あるいはまた料金を上げる場合でも、内部保留というものがございまするから、上げ幅が少なくなるということにプラスに影響するということに必ずなるのでございまして、いまのところ私は、収支差額が多くなるということは結局加入者のためであるということだと思っております。
#36
○木下(敬)委員 私は詳細に勉強して検討しているわけではないのですけれども、そういった中で電話料金はもう少し安くできるのではないかと考えておるのであります。五十三年度の事業収入三兆五千八百二十三億円の九〇%を電話収入で占めておられるようですが、この電話料金は、特に遠距離の電話料金は高過ぎると思っておるのであります。大西郵政大臣はこの点はどのようにお考えでございましょうか。お伺いいたしたいと思います。
#37
○大西国務大臣 電電公社の料金は、まあ諸外国と比較をいたしますと、遠距離はおっしゃいますように高くついております。それから中距離といいますか、そこは大体大差のない状況でございます。そうして近距離については安い、こういう状態のようでございます。そういう中にありまして、遠近格差というものがあるわけでございますから、この遠近格差をできるだけ縮めていくということはやはり必要なことだと考えております。
 ただ、それをやるにつきましても、電電公社の将来にわたっての経営の安定、こういうことを考慮の外に置いてはいけないわけでありまして、そういうことを考慮しつつ考えなければならない問題ではございますけれども、同時に、この遠近格差をなくしていくということは重要な政策課題といいますか、そういう問題だと私どもは心得ております。
 そういうことでございまして、当面の措置といたしまして、夜間の料金につきまして、何か深夜の料金といったようなものについてその料金の値下げ率を高める、こういったことはどうだということで、その検討を目下電電公社にはしてもらっておるところでございます。
#38
○木下(敬)委員 深夜の料金の値下げというのが話題に出ましたので、重ねてお聞きいたしたいのですが、まだいつやるという目標は出ておられないのですか。できれば、できるだけ早くやられた方がいいのではないかと考えておりますが、大臣でなくても結構でございます。
#39
○玉野説明員 お答え申し上げます。
 ただいま大臣のお話がございましたようにそういう御指示を受けておりますので、私どもの方でも鋭意検討いたしております。ただ、これにつきましては、先ほどお話がございましたように、全体をやる場合には近距離を上げて遠距離を下げるという両方をやらなければいかぬわけでございますが、それに至る前に、認可料金で外国よりも高い遠距離、ほぼ三百二十キロを超える部分でございます、これについて深夜における割引を――現在夜間の割引は午後八時から朝の七時まで四割引きということで、これは六十キロを超える部分いたしておりますが、さらに深夜につきまして、三百二十キロを超える遠距離について六割にしたいということで検討をいたしておるわけでございます。
 これは六割がいいのかいろいろ議論もございますので決まってはおりませんけれども、ただ、これをやります場合には、機械の設備といたしまして、現在昼間の料金と夜間の割引と二段制になっておりますが、それが深夜の割引をもう一段設けますと三段になってくるわけでございます。その三段に切りかえるに必要な機械設備をせぬといかぬわけでございます。これを鋭意準備いたしておりますが、これはやはり全国やらぬといかぬものですから、どうしても今年末ごろまで時間がかかると思いますので、これをいたしますといたしましても、どうしても今年末ごろになるという予定でございます。
#40
○木下(敬)委員 できるだけ早急にやっていただきたいと考えております。
 その割引の措置のほかにも何か考えておられるようなことがありましたら、この際お答えいただきたいと思います。
#41
○西井説明員 夜間の割引についてはただいま御答弁申し上げましたとおりでございますが、これは私どもといたしましては、遠近格差の縮小の中の夜間についての先取りと申しますか、それの先行実施という考え方に立っております。したがいまして、公社としましては、先ほど大臣からも御答弁がございましたとおり、本質的にはやはり遠距離を下げまして近距離を上げていきたい、こういうふうに考えているところでございまして、そのためには、現在法定料金制になっております関係で法律改正が必要だと思っております。そのようにいたしますと、まあ遠距離の方と近距離の方とで利害が相反する面が出てまいりまして、そういう方の御理解を十分得まして、できるだけ適当な速やかな機会に国会等にお願いいたしましてこの格差を是正してまいりたい、このように考えている次第でございます。
#42
○木下(敬)委員 公社はそういったいろいろな国民への便宜、利用者への便宜というものの中で、自動車の電話とか新しくいろいろなものを開発をなされておるようでございますけれども、体の不自由な方やお年寄りに安心して暮らしてもらえるように各種の福祉用電話を開発しておる点も聞いております。しかし、いろいろな技術を必要とするものだけではなくて、単なる工夫のような点でもそういう人たちへの本当に温かい目というものがもっとあっていいのではないかと考えているような点がございます。それは、屋内へ電話機を取りつけるときのコードの長さ等に決まりがありまして、たとえば病気で寝ているからできればまくら元までと思うのも、簡単にコードを延ばせばできそうなものだと思うのですが、いろいろな決まりがあって簡単にできない、そういった国民の声を聞くのですが、こういった点も含めまして、そういう福祉の面についてお答えいただきたいと思います。
#43
○西井説明員 ただいま先生からお話のございましたとおり、公社といたしましては、身体的にいろいろ障害のある方のために各種機器の開発を進めてまいりましたところでございます。ただいまございますのは、盲人用のダイヤル盤でございますとか、シルバーホンという名前でついております「あんしん」「めいりょう」「ひびき」といったようなものとか、フラッシュベルでございますとか、身体障害者用の公衆電話あるいは難聴者用の公衆電話、そういったものも開発いたしております。
 ただいま先生がおっしゃいましたようにコードの長さでございますが、これは私どもの方でいろいろ需要調査をいたしまして、現在、標準的なコードのほかに三メートル、五メートルの二つのいわゆる長尺コードというものを発売いたしております。これをもう少し長いものを考えろという御意見かと思いますが、ただいま私どもの方といたしましてこのコードの関係につきましていろいろな調査をいたしておりまして、このコードについて、長過ぎるので近くへ持っていったら巻き取るようなことを考えろとか、ねじれを少し考えてほしいとか、そういういろいろな御要望もございまして、その中にただいまおっしゃいました長尺コードについての御意見も出ております。公社はそういう調査を進めまして、五メートル以上のものについて何メートルぐらいのものがいいのか、どのぐらいの長さにどのぐらいの需要があるのか、こういうことをただいま調査中でございまして、その調査の結果を待ちまして、五メートル以上の長尺コードについても先生のお話のとおり実現方を検討を進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#44
○木下(敬)委員 どうぞよろしく御検討をお願いいたします。
 いま一つお尋ねしたいのですが、料金の問題ですが、基本料金というのが何段階かあるように承っております。この辺を、いままだそういう必要があるかどうかも含めまして、ちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#45
○西井説明員 お答え申し上げます。
 公社といたしましては、電話料金といいますのは当然のことながら原価を回収するという考え方をとっておりまして、その原価と申しますか経費の回収の方法は、ただいまおっしゃいましたとおりいわゆる二部料金制と申しますか、それを基本料と通話料の二つの料金によって回収するという考え方をとっているわけでございます。
 そのうちにその基本料と通話料と、どういう考え方でこれを回収するかということでございますが、非常に端的に申しますと、電話をかけてもかけなくてもかかる経費を基本料で回収をいたしまして、電話をかけることによりましてかかる経費を度数料で回収するというのが、どちらかと申しますと一番理論的だとわれわれは考えております。ただ、そのようにいたしますと電話というものは、電話をかけてもかけなくてもかかる経費というものが非常にウェートが高うございまして、そういうふうにいたしますと大幅な基本料の値上げになってまいるわけでございます。また電話をお使いになる方の方からお考えになっていただきますと、少ししかお使いにならない方に比べて、たくさんお使いになる、それによって商売をやっておられるような事務用等につきましてはそれだけ効用が高い、こういう面もございます。したがいましてこの点につきましては、日本だけではございませんでして諸外国も皆そういう考え方をとっておりまして、かかる経費の中で、基本料というものはそういう実質原価を回収するよりも低目に定めまして、それを度数料で回収をする、こういう考え方をとっておるところでございます。
 公社のただいまの電話料金体系と申しますのは、度数料につきましては先ほどのとおり近距離が諸外国に比べて相当に安く、遠距離が逆に高いという料金体系になっております。基本料につきましても大体諸外国に比べて安い料金になっておるわけでございます。公社の経営の点から申しますと、固定的な基本料から入ってきます収入というものが多いほど経営の安定が図れるわけでございますが、これはどちらかと申しますと、国民の皆様方の合意によって、公社としてはできたら基本料を上げていきたいという希望を持っております。国民の皆様方の合意の上に立って、できたらそういう方向に進めたい、こういうふうに考えておるのが実情でございます。
#46
○木下(敬)委員 遠近料金の差にしましても、最初に決めたころには、交換の人件費その他でいろいろ相当の理由があったと思いますけれども、ずいぶん年数のたったいま、基本的に原点に戻ってぜひ検討されることをお願いいたしたいと思います。
 それでは、最後に大臣にいま一度お聞きいたしたいのですが、通信衛星打ち上げの計画みたいなものを所信表明の中で述べておられますが、この間の「あやめ」がああいった結果になっておるのを見たりしますと、大変大きな費用を要するわりに、本当に大丈夫なのかなという疑問が起こっておるのですが、この点御説明いただきたいと思います。
#47
○大西国務大臣 実験用静止通信衛星、これは社会、経済の進展に伴いまして、飛躍的に増大することが予想される通信需要の増大、利用形態の多様化に対処するため、大容量の通信が可能なミリ波帯の電波による衛星通信に関する技術データを取得することを目的として研究開発が進められてきたところでございます。
 実験用の静止通信衛星、いま御指摘のありました「あやめ」二号は遺憾ながらふぐあいであったわけでございますが、しかし「あやめ」二号のふぐあいということにつきましていま原因を調査中でありまして、これは四月一日をめどに調査を行っておるところでございます。今回の「あやめ」二号のふぐあいの結果といたしまして、宇宙開発計画の全般的な変更を必要とするかどうかということにつきましては、いまの原因究明等によりまして今後の対策について考えていくことでございますけれども、所信表明で申し上げました実用の衛星それぞれにつきましては、五十七年、五十八年にはこれを計画どおりやっていきたい、このように考えておるところでございます。同時に、実験用の衛星につきましても、ふぐあいでございましたけれども、これから日本が先鞭をつけております問題につきまして、ミリ波の開発といいますか、そういうことにつきましてはきわめて重要な問題でございますので、この失敗の原因を十分究明した上で、今後ともこの問題は捨てないでやっていかなければならない問題だ、このように考えておる次第でございます。
#48
○木下(敬)委員 それではどうもありがとうございました。
#49
○小林委員長 これをもって木下敬之助君の発言は終わりました。
 電電公社総裁から発言を求められておりますので、これを許します。秋草電電公社総裁。
#50
○秋草説明員 先ほど私の答弁の中で、五十四年度の建設投資額は一兆六千八百億円でございますが、それを誤って一兆八千億と申しました。謹んで訂正いたします。
 ありがとうございました。
#51
○小林委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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