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1979/03/27 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 逓信委員会 第4号
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1979/03/27 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 逓信委員会 第4号

#1
第091回国会 逓信委員会 第4号
昭和五十五年三月二十七日(木曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 小林  進君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 加藤常太郎君
   理事 左藤  恵君 理事 堀之内久男君
   理事 武部  文君 理事 野口 幸一君
   理事 鳥居 一雄君 理事 藤原ひろ子君
   理事 西村 章三君
      秋田 大助君    長谷川四郎君
      畑 英次郎君    吹田  ナ君
      久保  等君    森中 守義君
      米田 東吾君    田中 昭二君
      竹内 勝彦君    則武 真一君
      木下敬之助君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 大西 正男君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 小山 森也君
        郵政省電波監理
        局長      平野 正雄君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        監察局監察官  重富吉之助君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     坂本 朝一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    中塚 昌胤君
        参  考  人
        (日本放送協会
        技師長)    沢村 吉克君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   山本  博君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   武富  明君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     坂倉 孝一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     田中 武志君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     海林澣一郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     渡辺 伸一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   青柳 保夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        総務室室長)  片岡 俊夫君
        逓信委員会調査
        室長      芦田 茂男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――
#2
○小林委員長 これより会議を開きます。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森中守義君。
#3
○森中委員 最初に、協会の会長並びに郵政大臣に、放送に対応する姿勢について少しく伺っておきたい。
 最近、新聞等によりましても、とかく言論、報道に対するさまざまな意見あるいは動き等がございますが、要するに憲法二十一条あるいは放送法一条、ひいてはフィラデルフィア宣言、こういうものを基準にして、放送の不偏不党、厳正公平ということが最大の使命としての日本放送協会であるわけでございます。したがって協会は、当然なことであり、いまさらこういうことをお尋ねするのもどうかという気もいたしますけれども、こういう状態でございますから、この際、協会におかれても、特定の政党、特定の団体あるいは個人、こういういかなる立場の人であろうと、言論、報道の自由、これを侵犯しようとする場合ないしは干渉があり得るような場合には、その職を賭してでも報道の自由、言論、表現の自由を貫き通すという決意をお持ちであるかどうか、まず会長のお考えを改めて問うておきたい。
#4
○坂本参考人 お答え申し上げます。
 いま先生の御指摘のとおり、私どもは、現代社会において最も影響力の大きい放送メディアの運営に携わる者といたしまして、国民の知る権利を守り、常に言論の自由、表現の自由を守るというための重要性につきましては肝に銘じておるつもりでございます。したがいまして、放送法一条並びに三条にのっとりまして、放送番組の編集の自由というものは今後とも守っていきたいと考えておりますし、私ども放送事業を預かる者といたしましては、放送番組の編集の自由を守るというためには毅然たる態度を持って対応したいというふうに考えておる次第でございます。
#5
○大西国務大臣 NHKは、申すまでもございませんけれども、公共放送を担当しておる放送機関でございますが、そのNHKのあり方について国民の各界各層からいろいろと御意見のあり得ることはこれまた当然のことだと思います。したがいまして、その御意見につきましては、NHKを監督する機関であります郵政大臣としては、その各界各層からいろいろの御意見というものについては耳を傾けるべき立場にあると思います。
 しかしながらNHKの、いま会長も言われましたように、番組編集の自由というものは法によって保障されておるものでございます。したがいまして、こういった点においてNHKの自主性というものは守られなければならないものだと思っております。でありますから、いろいろの御意見がございましょうが、それをわれわれが耳にする際において、やはりNHKのこういった点をめぐる自主性というものについては、それらの御意見がいかに関連するかということについては慎重に検討をし、かつ対処してまいらなければならない問題だと考えております。
#6
○森中委員 私も、無批判に何でもかんでもNHKのやることに盲従すべきだと、こう言っているのじゃない。確かにいろいろ意見があるでありましょう。しかし、先ほど申し上げましたように、憲法であれ放送法であれ、表現の自由というもの、しかもそれを唯一の使命とする日本放送協会ですから、さまざまな意見等については謙虚にこれに耳を傾ける。しかし、すべからくそれらのことの具体的な実行に当たっては何人の干渉も許さないという、これが私はいま会長の言われた考えであったと思う。これはいいのですよ。しかし、いま郵政大臣のお話ではその辺のことが、ちょっと私は最後の方にいささか気になるところがある。だれでもいろいろの意見を持つわけですから、これはもう大臣と言わずだれと言わず、謙虚に耳を傾けるということはそうでなくちゃならぬ。しかし、日本放送協会が使命によって選んでいく道というものに何人も干渉、抑圧、これは許されない。もし仮にそういうことがあったという場合に、放送法を所掌する郵政大臣としては、常にそのことを念頭に置きながら放送をお守りになるのかどうなのか、こう聞いておるわけですから、もう少し正確にお答えいただきたい。
#7
○大西国務大臣 基本的な考え方においては先生と私と変わりはないと私は存じております。それは法によって保障されておることについて、それを素直にわれわれが受け取る限りにおいては同じだと思うのでございます。NHKの番組編集の自由に関する問題等については、これは法におきましてもそれを保障されているし、NHKに対する郵政大臣の監督権というものも、そういう原点に立ってきわめて限定をされておるわけでございますから、当然そのことを踏まえて私たちはこの行政を推進しなければならぬと考えております。
#8
○森中委員 非常にむずかしい時代ですから、この基本原則だけはいかなることがあっても守り通していただきたい、このことをつけ加えまして、次のお尋ねに入ります。
 きょうはいよいよ月末になってまいりました。恐らく五十五年度の協会予算が四月一日という新事業年度の開始の日から滑り出しできる、こういうふうには思えません。どういうことになさるのですか。
#9
○平野政府委員 ただいま先生御指摘のように、本日からNHKの五十五年度予算等の審議をしていただくわけでございますが、できるだけ早く御審議をいただきまして、NHKの五十五年度予算等が滑り出せるようにお願いを申し上げたいというふうに存じております。しかしながら、ただいま御指摘のように、新しい年度に間に合いかねるということに相なりました場合には、放送法三十七条の二によります暫定予算を組まざるを得ないのではないかというふうに考えておるところでございます。
#10
○森中委員 非常に問題ですね。いま電波監理局長の言われた三十七条の二によれば、暫定予算には一定の要件が付されている。言うまでもなく、一つには「国会の閉会」もしくは「その他やむを得ない理由により」こういうように暫定の要件がある。さて、国会閉会中であったのか、そんなことはありません。予算審議の途中でかれこれ一週間程度の空白はございましたが、他はすべて正常に動いております。だとするならば「その他やむを得ない理由」とは何なのか。これがきちんと解明されておかれませんと、放送法三十七条の二というのは空文になってしまう。そうじゃありませんか。
 それで、これはすでに同僚の久保、武部御両所からも、せんだって一般質問の中でかなり強い質問等もございまして、繰り返すことになりますが、一月三十日に郵政省は協会から予算案を受け取る、自後、所定の手続によって審議会に諮問をする、そういうことをやりながら意見書を付して内閣に持ち込んで、二月十九日には内閣の決定。その後が問題です。二月十九日までは在来と変わりないように進んでいるわけです。ですから、二月十九日閣議決定と同時に国会に提出があったならば暫定の必要はなかった。しかるに国会に出されたのは三月十七日、約一カ月経過しておりますね。この一カ月というものは、一体「やむを得ない理由」とは何なのか、これを解明してもらいたい。そうしなければ、三十七条の二に基づいた暫定予算で措置をするという暫定の要件にかなわないわけです。ここのとこころはもう少し具体的にお示しいただきたい。この解明がなければ暫定の意味をなさない。法律上、暫定の要件を整えませんよ。この辺を具体的にお示しいただきたい。
#11
○平野政府委員 当該事業年度の開始の日までに国会の承認を受けられない事態といたしましてはいろいろなケースが考えられるわけでございますが、先ほど御指摘の法第三十七条の二に規定されております「国会の閉会」の事態以外にも、たとえば国会の休会、衆議院の解散、予算の不承認等がこれに当たると考えられるわけでございます。
 暫定予算につきましては、予算の空白期間が生じ、NHKの事業運営に重大な支障が生じることを防ぐために設けられた制度でございますので、国会への提出がおくれまして国会の承認、不承認の決定が得られない場合につきましても「その他やむを得ない」ものとして暫定予算の編成は許されるものというふうに考えております。
#12
○小林委員長 委員長から、特に平野電波監理局長に忠告をいたします。
 質問者は、二月十九日に政府に提出せられた法案が本委員会にかかる三月十七日まで約一カ月間の空白があるが、その空白はどういう理由かということを聞いておるのでありますから、あなたの答弁は答弁になっておりません。限られた時間内でありますから、いま少しまじめに答弁をやってください。
#13
○大西国務大臣 NHKの収支予算につきまして、国会に提出されるまでの経緯の日時等につきましては先生から御指摘のあったとおりでございます。郵政省の方におきましても、閣議を経て、内閣の提出案件としていまこれを御審議願うことになっておるわけでございますが、その間の事情につきましてはいろいろの経緯があった。私もその間の経緯を一々詳細に知悉しておるわけではございません。ございませんけれども、このNHKの案件に限らず、いろいろの法案等につきましても、その間においていろいろ経緯がありまして、その提出の日時があるいは早く、あるいは遅くなることも一般論としてあり得ることでございます。
 何と申しましても、中央の国会にいたしましても政府にいたしましても、大きな政治の流れに支配されておるわけでございますから、そういういろいろの状況――政治の状況もありましょうし事務の状況もございましょうし、その他いろいろの錯綜した要件が絡まってくると思います。そういういろいろの絡みの中でそういう経過をたどってきたというのが実情でございますから、森中先生におかれましてもこの間の事情についてよろしく御賢察をいただきたいと思います。
#14
○森中委員 私は提出の当事者じゃありませんからね。私がどう賢察しようと愚察しようと、大臣、これは関係のないことですよ。
 いまお話を聞いていますと、自分の責任じゃない、政治全体の流れがどうだとかこうだとかおっしゃるけれども、三十七条の二項を読んでごらんなさい。どう書いてありますか。この辺の確定解釈もきちんとしておきたい。つまり、郵政大臣は意見書を付し、内閣を経て国会承認を求めると言っている。ですから、閣議法定というけれども、閣議決定とは一体何なのか。ただ提出の時期を決める、それだけのいわば手続的なことだと私は解釈しておる。協会が郵政省に出した、大臣が意見書を添えた、これで大体予算案提出の要件が整っている。内閣には、協会予算がいいとか悪いとか、そういう審議権というか選択権はないのです。手続の問題だけですよ。これははっきりしておいてもらいたい。ですから、二月十九日に結構でございますよということで内閣で決まったならば、その後というものは、当然郵政大臣は責任を持って、一日も急いでくれ、早くやってほしい、こういう考えに立たれるのが当然じゃなかろうか、かように私は思う。一体一カ月何をやっていたのですか。どうしてもこの辺の具体的なことをおっしゃっていただきませんと、電波局長は暫定予算をいとも簡単にできるものだという先ほどのお話でございましたが、国会にしてみて、いわんや当事者である日本放送協会にとっては、暫定予算ということは、中身がどう変わるかというのは別として、その重さ、権威から言ってもきわめて重大。五十一年、時の国会の混乱によって二カ月間の暫定予算になった、その後昨年に至るまで、あるいは五十一年以前、協会が暫定予算を組んだ例がありますか。ないですよ。そういう例はない。いわんや今回、この場合、内閣が国会に付託をされなかったがゆえに暫定予算になる。どういう障害があったのか。これは逓信委員会の予算審議の権威にかけてでも、この点は明らかにしておきませんと後日禍根を残すことになります。御賢察願いたい、そういうことではおさまりません。残念ながら私はそういうことを賢察するほど賢人じゃない。愚察をするに、どうもそれじゃ承知できない。もう少し具体的にお話し願いたい。
#15
○大西国務大臣 NHK予算は、これに対する郵政大臣の意見とともに、内閣を経て国会に提出されるわけでございます。国会への提出は内閣が行うものでありまして、御案内のとおり内閣は合議体でございまして、その内閣が閣議によって決められたものを国会に提出する、こういう順序になるわけでございます。
 そこで、先ほど申し上げましたように、そのときにおけるいろいろの経緯といいますか、事務的なこともございましょうし、その他いろいろたくさんの法案等の絡みもございましょうし、いろいろの絡みによってこのように三月に入ってから、十七日でございますか、提案をされる、こういうことになったということでございます。
#16
○森中委員 まことに委員長の手を煩わしますが、これじゃ予算の中身に入れませんよ。重要な予算を審議しようというのに、もはや出発点から暫定予算ということを前提にして予算の審議なんかできますか。しかもその理由が明らかでない。委員長においてしかるべき措置をおとりいただきたい。その間、私は質問を保留します。
#17
○小林委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#18
○小林委員長 速記を始めて。大西郵政大臣。
#19
○大西国務大臣 いままでちょっと奥歯に物のはさまったような申し方をいたしましたのですが、率直に申し上げますと実はこういう事情でございます。
 NHKの予算は先ほど御承知のような経過で閣議にかかっておったわけでございますが、NHKの今回の受信料月額の決定について、それを含む予算について、かねてから与党の方で、それは結構だ、結構であるけれども、従来受信料の不払いの人たちが大変多いではないか、これでは大多数の支払いをしておられる方々に対して非常に不公平だ、こういうことで、このNHKの予算を通す限りは、NHKにおいてその受信料を徴収のしやすいようにすべきではないかということで法案の用意も考えられておったわけでございます。そういうことで、それはつまり三十二条ですか、これをめぐる受信料の義務づけの問題でございますが、そういうこととの絡み合いで、与党と内閣間の調整を私どもの方でしなければならぬような場面になったわけでありまして、その調整のためにこういった提案がおくれた、こういうことでございます。その点はひとつよろしく御寛容を願いたいと思います。
#20
○森中委員 もうそれで責任の所在ははっきりしましたが、暫定予算というまことに好ましくない事態になっているわけだから、それはいま言われるように政府、与党間の調整がうまくいかなかったというのが原因であれば、何か一言逓信委員会にあってもいいのじゃないですか。経過の説明だけでは承知できませんね。(「迷惑をかけましたと言いなさい」と呼び、その他発言する者あり)
#21
○大西国務大臣 でございますから、御寛容をお願いをいたしたいと申し上げております。(森中委員「御寛容――もう少し平たな言葉で」と呼ぶ)御寛容と申しますのは、広い心でお許しを願いたい、こういうことでございます。
#22
○森中委員 協会にお尋ねします。
 今回の場合は五十五年から五十七年、三カ年間のいわば中期というのか短期といいますか、そういうものをにらんでの予算になっておるようでございますが、五十一年以前は八年間料金改定というものがなかったわけですね。一体それはどういうようなことで八年間改定をしないで済んだのか、これが一つ。
 それから、当時は五十四年と言われていたのに一年延びました。これは確かに協会の努力やあるいは物価の比較的な鎮静期があったとか、あるいは低金利の時代であったということなどが挙げられているようでございます。またこの計画によれば、大体三カ年間の料金改定というのがいかにもローテーション化したという感じがするのですが、将来これをずっと踏襲されるというお考えなのかどうなのか、この点をひとつまず最初にお尋ねしておきたい。
    〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
#23
○山本参考人 第一のお尋ねでございますけれども、実は五十一年以前の八年間の場合には、最初五カ年計画を立てまして、五カ年間につきましてはある程度収支の相償ということが可能であるという見通しを立てておりました。また内容におきましても、ちょうど昭和四十六、七、八、ここいらが受信者の数が非常に大きく伸びた時期でございまして、むしろ財政的には相当余裕を持った時期でございます。たまたま、その時期が四十八年に過ぎたわけでございますが、そのときちょうど内幸町の古いNHKの建物の売却ということがございまして、これが約三百数十億で売却が可能になったわけでございます。そういうこともございましたので、さらに三年間は受信料を上げないで経営を続けていこうということにいたしまして、八年間受信料の改定をしないでまいったわけでございます。
 それから、第二のお尋ねでございますけれども、五十一年度から五十三年度までの三カ年間の計画を、四年間受信料を改定をしないで一年間引き延ばしをいたしたわけでございますが、そこの内容につきましては、これはこの前の改定のときにいろいろ御審議をいただきましたが、そのときはちょうど石油ショックの後の物価高騰というものがまだ相当残っておる時期でございましたので、ちょうど三カ年間の事業支出の伸びを一三%台で計画をして御審議をいただきました。ところが、その時期以降、急速に経済の状況が改善されまして、三カ年間をほぼ一一%台の支出でおさめることができました。しかも、いまお話がございましたように、五十一年度のときも二カ月間の暫定予算がございまして、約百十二億の歳入の欠陥がございましたけれども、いま申し上げた経済の条件の好転と、それからNHK側におけるいろいろな効率化の努力、合理化の努力、こういうものもいたしまして、最終的には五十三年度末におきまして五十四年度に繰越額を約百五億、それだけ生み出したわけでございます。その結果、五十四年度は約百億ちょっとの借入金があれば経営ができるということで、五十四年度は受信料の改定をいたさなかったわけでございます。
 それで、五十五年度以降の三カ年間の第三のお尋ねでございますけれども、この期間に、さらに三年たてば同じローテーションで値上げをするということにするのかどうかということでございますが、私たちといたしましては、こういう一つのパターンというものを踏襲をしていくというのは国民の御理解を得ることも次第に困難になってくることと思いますので、さらにこの期間中にいろいろな努力をいたしまして、経営の内部におけるいろいろな効率的なありようというものもさらに促進をしてまいるとともに、新しい財源というようなものにつきましてこれをどう開発をしていく余地があるか、また、そういうものに対してどういうNHK側の対応をしていくのか、こういうことも含めまして、従来のパターンと違った新しい道を今後の三年間につくっていくということで、内部的にも、現在すでにある程度プロジェクトをつくりましてそういうことの対応をしてまいろうという覚悟を決めておるということでございます。
#24
○森中委員 お話はわかりますが、こういうことはどうなのでしょうか。確かに三年ローテーションというものはパターンとしては適当でない、それは結構だと思う。ただ実際問題としまして、五十一年から五十四年に至るこの状況というものは、確かに協会内部の努力はさることながら、外的要因がかなり強かった、今度逆になってくる可能性がある、高金利の時代に入る、そういうさまざまのことを考えますと、ローテーションとしてしたくないのだが、ただ短期の計画として三年を見た、その後八百八十円でいけるかどうかという非常に正確な判断というのはいまつきかねる、こういうように私は見るのです。
 ですから少し具体的にお尋ねしますが、各単年度ごとに事業収入が一応試算されておる。締めて五十七年まで八百八十円を中心とする料金収入で、事業収入で八千五百二十三億、それに事業支出で八千二百二億、三百二十一億の収支差金ということになっております。
 これが、実際問題として当初目的が維持できるかどうか。まあやや不安定要素といいましょうか、不安材料が多過ぎる。さっき申し上げる一つは経済環境。いま一つは、具体的なことになりますが、今回の暫定では、まずきょう衆議院で始まる、参議院の仕上がりまでどの程度の審議日程を見ていくのかということになりますと、大づかみに見てほぼ一カ月ぐらいの暫定にならざるを得ないであろう、こういう気がするのですね。それによって生ずる歳入欠陥は大体どのくらいになるのか、これが第一。少なくとも三カ年計画の初年度において、さっき陳謝がありましたけれども、現実的には相当額の歳入欠陥を生ずることになる。
 それから、いま一つの問題は、御説明によると、大体予算の構成の内容に物価上昇六%ということになっているようですね。ところが、政府がさきに試算として発表したものでも六.四%、いまの騰勢からいって、さて政府試算の六.四%にとどまるかどうか、この見通しもひとつはっきりさしてもらいたい。それなのに六%として予算を組んだのはどういうことなのか。仮に実際の指数との間に相当の開きが出た場合に、単年度ごとにどの程度の予算上の欠陥を生ずるのか、これが一つあります。
 それから、単年ごとに予算の上昇率を七・七%見ておられる、これが三年間踏襲し得るかどうか、これも非常に大きな問題。
 そういったように概括的に見ても、八千五百二十三億に対する八千二百二億というものはすでに出発において相当の誤差を生じながら三年計画は進んでいくということになると思う。それを新しい重点目標の中に、たとえば支出については相当の抑制をするとか、幾つかの重点項目が挙げられておりますが、こういうものをやって、なおかっこの数字に近づくのかどうなのか、この辺を計画の大綱的なものとしてお示しを願っておきたいと思うのです。
#25
○山本参考人 最初にお尋ねになりました点は、私たちも実は非常に苦心をしておる一つの問題点でございます。今後三年間というものが、日本の経済がどういうふうに変動するかという見通しは、私どもが三カ年間の計画を立てるときにどういう物差しを使ったらいいのであろうかということで大分いろいろ苦心をいたしましたが、最終的に私たちがこの計画を立てる時点におきましては、今後の三カ年間、政府の新経済社会七カ年計画というものがまだ改定されておりませんで、民間ではいろいろな指標を使っておりまして、それは政府の見通しよりも高い方が多うございます。しかし反面、どの数字をとったらいいかというようなことば確定的なものとしてのつかめるものがございませんで、とりあえず政府の見通しというものを一つの基準にいたしましたが、そのとき、なお政府見通しは五%でございました。しかし、私たちの方では、五%とは言い条、これからのいろいろな様子を見ておりますと、今後三カ年間というのは平均して六%ぐらいになるのではないか、そのころの経済界あるいはこれは企画庁も含めまして、見通しが五%よりも五十五年度については少し上がるのではないかというような感触を私たちが得ましたので、とりあえず三カ年間六%という一つの物差しをつくりました。
 その後、政府予算の策定の過程におきまして六・四%という数字が出てまいりましたが、私たちはこの三カ年間平均して六――まだ政府の方は五十六、五十七につきましては五%という数字を使っておりますけれども、私の方といたしましてはそういう点平均しまして六%という数字を使って、では三年間完全にやれるかということをこの時点で確約を申し上げるということになりますと、今後の経済の数字がどう変わってくるかということについては、私たちも一〇〇%これをつかんでおるわけではございませんが、できるだけ三カ年間の経営をこの線でやってまいろうと、いろいろな工夫を今後三カ年間やりながら、もしそこに数字上の誤差が出てまいりましたら、それはいろいろなやりくりを、やはり財政上いろいろな手段を講じまして、三カ年間、国民にお約束をいたします期間だけは経営計画に近い内容を達成いたしましてやってまいりたいという、現状におきましてはそういう気持ちを申し上げるということにとどまらざるを得ないと思います。
 それから、暫定予算がもし余儀なき事態になった場合にはどのぐらいの収入の欠陥が出てくるかと申しますと、これは一カ月にしまして四十四億の欠陥が出てまいります。この四十四億をもしスタートのときから抱え込んだとしますと、三カ年間それが影響をしてくることは当然でございます。その三カ年の間に、先ほど申し上げたもろもろの努力とあわせまして、この四十四億というものを、たとえば借入金の返還のやり方とかあるいは事業計画の繰り延べとか、いろいろな手法を講じながら、これをそのままストレートに持ち越すということでなくて、三カ年間の中で何とかこれを吸収していくことがやはりNHKの経営の責任だろうと思っておりまして、このことにつきましては、そういう暁になりましたときにはそれに対応していく所存でございます。
#26
○森中委員 そうしますと、単年ごとの予算とは言いながら、この三カ年計画という収支相償というのは一応、不確定要素はあるけれども、やってみるという御答弁のようです。しかし、残念ながら不確定要素が強過ぎる。そうなれば、いま四十四億とこうおっしゃったわけですが、計画の一部に、来年度あたりは都合によったら修正するかわからぬという文言もちょっと用いられておるようですが、この三カ年間のうちに極度な変動ということは余り考えられない、しかし相当な変動があることは事実でしょう。ただ、それを何人によってこうだという断定的なことはこれはできませんが、一応そういうことを考えていけば、やはり収支相償ということは結果的に崩れるのじゃないか、こういう見方が出てくるわけです。
    〔武部委員長代理退席、委員長着席〕
 その場合に、この三カ年計画というものはぎりぎりの段階に来て、三年ローテーションじゃございませんよと言われるけれども、実際問題としてもう一回料金改定ということにならざるを得ないような気もする。あるいは内部関係でさまざまな抑制をしてやり遂げていくという、どっちの道をお選びになりますか。仕方がないからもう一回ということになるのか、つまりローテーション化になりますね、そういう場合には。そうじゃなくて、内部の対応によって支出を抑制する、それによって最後の帳じりを合わしていくという、つまり五十七年以降も料金改定しないという、このどちらをおとりになるのか、もう一回正確にお答え願っておきたい。
#27
○山本参考人 この前の五十一年度から五十三年度の計画を立てまして御審議を願って、暫定予算になったときの経験と多少ダブったお答えになってしまって残念ですけれども、あのときも、当面直ちに事業計画の変更をいたしませんで御審議を願いまして、一年間模様を見まして、それで次の年に経営計画の内容に変更のある部分を修正いたしまして国会にお出しをしたという手続をいたしました。今回も、現状におきましては先ほど申し上げました態度をとってまいりたいと思いますが、今後一年間、五十五年度の予算をやりくりをいたしました時点で、経営計画の内容において変更を必要とするということがありましたならば、明年度の予算編成のときにそういう内容もあわせてお示しをいたしまして、いろいろな御意見を伺いたいと思います。
 ただ、最後にいまお話がございました五十七年度以降は値上げをしないというか、ローテーション、これはちょっと言葉として――三カ年間を終わった時点でもう一度三カ年間値上げというような形にしたくないということ、これは後ほどまた会長から正確にお答えをしていただきますけれども、基本的には、NHKの財政というのは受信料に九八%依存をしておるものでございますから、できるだけ国民の御負担を少なくするための努力はいろいろな手を尽くしていたさなければなりませんけれども、NHKの財政そのものの基盤は受信料でございますので、受信料改定という方法を全くとらないで経営をしてまいるということは非常に困難、というよりも不可能に近いと思いますので、受信料改定というのは、方法論としてはいつかはやらなければなりませんけれども、安易な形で、ある時期が終わったからすぐにというような発想ではなくて、できるだけ負担を少なくして、NHK側の努力というものをそこに国民に理解していただく、そういう内容もあわせて、いわゆる単純なローテーションというようなことにはいたしたくないというふうに考えております。
 具体的な、値上げをするかしないかというようなことにつきまして、私よりも会長の方がその点については御答弁するのに適当かと思いますので、そのようにさせていただきたいと思います。
#28
○森中委員 この点は三カ年計画及び料金改定とかかわりのある非常に重要な問題でして、もう少しそのためにお尋ねしておきますが、要するに三カ年計画を、効率化とかあるいは内容充実とかという表現のもとに、かなり内部の合理化体制をとろうとしていらっしゃる。結果的にそういうものが歳入欠陥を償うだけのものになるかどうか。むしろこのことが、私は、この三カ年計画の維持ができるかどうかという大きなポイントになってくる気がする。
 そうしますと、事業の能率向上、経費の節減、要員の効率化、これを三本柱として内容の充実を図り、予算の軽減を図るということに連動しておるようですし、しかも、それをいま少し細分化して、スタッフ組織のコンパクト化あるいは組織の簡明化、あるいは管理・間接部門の削減とか、地方局体制の見直しとか、外部団体の積極的な活用とか、業務の外部委託の拡大、こういう具体的なものを目標に挙げていらっしゃる、これはいずれも肯定できます。しかし、こういう三カ年計画、しかも初年度の予算をお出しになったわけだから、具体的に、これについてはこういうもの、あれについてはああいうものというように、すでにこういう効率化案というものはできておるんでしょうか。あればここでお示し願いたい。これがなければ、恐らく単なるアドバルーンじゃないんでしょうから、具体的に審議できませんよ。内容がわからない。ありますか。
#29
○武富参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生が御指摘になりましたように、われわれはこれから効率化を、先生がお挙げになりましたような九項目に基づきましてやってまいりたいというふうに考えておりますし、それから、その効率化というものを、これから五年の間に千二百人という形でもって合理化をしていきたい、効率化をやってまいりたい、こういうふうに考えているわけでございますが、先生御承知のとおりに、協会も非常にたくさんの業務の拡大というようなのがこれまでございました。それを、その要員をふやすことなしにそういう効率化ということによって対応してきたという経緯もございます。したがいまして、これから先効率化をしていくのは容易なことではないということを申し上げておきたいのですが、それでもなおかつ協会への要請が大変高い、そういうことで、われわれとしてはこれに必死に取り組む覚悟でございます。
 年次計画といたしましては、やはりいままで効率化ということをかなりやり尽くしておりますので、急にアクセルを踏みましても急に加速はできないという状況はひとつ御理解をいただきたいと思います。さらに、これから効率化をやりますには、いままでやってきた業務というものを見直さなければできないという面もございますので、それを見直しますまでには、十二分な準備というものをしまして、そうしてかかっていかないといけないと思いますので、われわれの年次化計画は、どちらかと言えば、後半になって加速をするという形態をとっております。
 ただ、そのときに、具体的にそれじゃ管理・間接部門でどれだけ出すのか、大体の集約はしておりますし、目標は立てておりますが、細かい点、つまり具体的にどの部分からどういうふうにというところまではまだ詰め切っていない部分がございますので、その内容はひとつ御勘弁をいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
#30
○森中委員 お答えに少し逆らうようでいけませんが、こういうものを予算の重要な目玉として出しておきながら、内容は検討中というのでは、いささかこれは審議をする側からしますと材料不足、こういう気がする。ですから、これはまだこれから相当な期間があるわけですから、余り拙速につくられてもどうかと思いますが、ある種のめどというものは出していただきませんと、これは審議できませんよ。そういう意味では、協会の予算提出に当たる誠意といいましょうか、私は非常に遺憾だ。
 それで、いま要員をちょっとお触れになりましたが、千二百名というのは五十九年まででしょう。ですから、計画は五十七年まででありながら、要員千二百名は五十九年まで。八、九がありますね、この分を何でこういうところに持ち出してこられるのか。むしろ五十七年までの計画であれば、六百名でございますと言われた方が、審議する側でもそうなのかと言うのですが、非常に紛らわしい。
 それで、その要員の問題も、私は勉強不足な点もございますけれども、一万六千六百六十五名でしたか、ちょっと数字は正確じゃありませんが、こういう要員数というのは、本来定款もしくは予算総則に挙げておくべきなのかどうなのか、ちょっとこれは吟味の必要があると思うのですが、その定員については全然よるべき根拠がないのですね。これは後日でもいいですから、定款に挙げておく方がいいのか、予算総則に示すのがいいのか、検討していただきたい。
 ただ問題は、五十七年までの計画ですから六百名でいってみましょう。この六百名の中に、五十五年百名とされている。しかし実減は五十名ですね。あとの五十名は、業務増によって新しく採りますから差し引きで五十名、こうなっているわけですね。ですから、五十七年に至る六百名減というものはそのとおりには受け取れない。これはどういう計算になるのか。五十九年に至る千二百名と言われるけれども、この減員の実数は幾らになるのか、これをひとつ、わかっていたらお示し願っておきたい。
#31
○武富参考人 お答え申し上げます。
 先生のおっしゃるとおり、ただいまの予算は五十七年まででございますから、六百人というのが正確だと思います。御指摘のとおりでございます。
 それからもう一つ、ただいまおっしゃいましたように、五十五年度は百人を目途にこれ効率化をいたしたいというふうに考えております。しかし、先生が御指摘になりましたように、これから先協会がいろいろ放送事業をやってまいります上に、どうしても業務を増大していく部分がございます。一つは置局の増ということもございますし、一つは受信者の増ということもございます。そういうものに対応する、どうしてもやむを得ない必要増というものがございます。
 ただ、したがいまして、この百名という効率化の中からこういう余力というものを生み出したい、こう考えているわけでございますけれども、この千二百人あるいは六百人との関連はどうかというお問い合わせでございますけれども、やはり必要要員というのは、業務がどれだけ拡大するか、あるいはやらなければいけない業務がどれだけあるかということとお互いに関連をしてまいらざるを得ない。そこで五十五年度には、一応の事業計画というもので増という要素を一応つかみました。しかし、五十六年度、七年度というものについて具体的な計画が立ちませんと、どのくらいの要員を準備するかということが相定まってまいりません。そういう意味で、われわれとしては、あくまで削減する人間は削減する人間として三年間で六百人削減しよう。ただし、この業務量増というものは、増の必要要素というものを見定めながら、必要な要員というものを確保してまいろう、こういう考え方で実はおります。したがいまして、この六百人の減から実際に減る人間は何人なんだという御指摘でございますけれども、これはこれからどういう業務を具体的に年々やっていくかということと相関連いたしまして定めてまいりたい、こういうふうな考え方でおるわけでございます。
#32
○森中委員 御説明の意味はわかるけれども、要するに効率化の大きな目玉は千二百名減ですよ。五−七まで六百ですよ、こうおっしゃる。しかし、だんだん聞いていると実減数が出てこないのですね。ですから、このことになれば結局単なる目安であり、目鼻である、めどである、こういうことになるのじゃないですか。だから、こういうような一つの線引きをもってして果たして効率化ということになるのかならぬのか。言われる意味はわかりますよ。一遍に消えてしまうんじゃないんだ、ふえるから差し引いてということになるようですが、残念ながら差し引き勘定が出ていない。これはひとつ、計画ということになるのでしょうか、めどでもいいから六百名の実減数が幾ら、千二百名の実減数が幾らというように、実数に近いようなものがあれば示しておかれる方が、予算を見る上においては非常に好都合なんです。
#33
○武富参考人 お答えいたします。
 私がいまそういうふうにお答えをいたしましたのは、実は初年度において百人のうち五十名という目安を申し上げました。しかし、われわれとしては、いまの効率化の要請というものが大変強いということから、できるだけ増要素というのは抑えてまいりたい、こういう気があったものですから、それで初年度五十、実際の削減は百、目途といたしまして増というものを一応五十と見込んでおりますけれども、そういう点で実際の数を申し上げなかったわけでございますけれども、いま非常な大ざっぱな目安で申しますと、やはり三年間にこれから増大していく業務というものがどういうものがあるかということをいろいろ考えてまいりますと、やはり少なくとも三百か四百は増をしないと対応ができない、こういうふうな状況があるというふうに私は考えております。
 しかし、これだけひとつ先生……(森中委員「三百、四百というのは五−九まで」と呼ぶ)いえ、それだけの増が出てこようということです。(森中委員「五−七までね」と呼ぶ)はい。
 一つだけ先生、これは申し添えさせていただきたいと思うのですけれども、われわれに対する効率化というものに対する要請というのが大きくございますので、われわれとしてはその増要素というのも、いろいろな業務の見直しとか効率化ということによってふやす人間というのもできるだけ抑えてまいりまして、そしてコンパクトな経営というのをつくることにするのだ、そういう念願からただいま数字を申し上げなかった、この点だけは御理解願いたい、こういうふうに思うわけでございます。
#34
○森中委員 これはひとつ協会側の答弁ももう少し整理していただきたいのは、だんだん押していけば数字が出てくる。持ち時間がありますから、だからきわめて正確なものという問い方をしていないわけだから、そういう最後に言われた五−七まで三百か四百という数字をお持ちならば、そういう意味を含めてこれは答えてくださいよ。そうしませんと意味が通じない。結局三百とした場合に、六百から差し引けば実際の減員数は三百名、四百とすれば二百名、こういう計算になるわけですね。わかりました。
 それからもう一つ、ここのところちょっと聞いておきますが、建設関係ですけれども、五−七までが八百十億、こういう計算ですね。ところで、建設勘定の主要な財源は、一つには放送債券であり、一つは減価償却の引当金である、こういうことになっているようです。
 そこで、いま協会の純資産額は幾らあるのですか。これは放送法によれば純資産額の三倍以内は放送債券を発行してよろしい、こういうことですね。ちょっと純資産の総額をお示し願いたい。
#35
○山本参考人 ただいまお触れになりましたいわゆるNHK自身の純粋な資本というのは七百五十億でございます。それに積立金その他、あるいは当期事業収支差金、そういうものを入れますと、資産といたしましては、五十四年度で予算といたしましては千七億でございます。
#36
○森中委員 山本専務、ちょっと数字違うのじゃないの。私の方で調べてみればほぼ七百八十四億くらいじゃないかな。それはいいですよ。それはもう少し精査してみてください。
 それで、要するに放送法上純資産の三倍は放送債券を発行できる、こういうわけだから、私が申し上げる数字は専務のあれより大分低い、それでも約二千三百億くらいの限度額は発行できる、こういうことになりますね。これが一つと、いま一つは、減価償却を大体五百億ないし六百億くらい毎年やっておられるようだが、大体減価償却はほぼコンスタントに六百億前後出せるのですか。
#37
○山本参考人 ただいま私が申し上げた数字は五十四年度の予算の純資産でございまして、五十三年度の決算でいきますと千百億ばかりございます。千百五十九億ございます。
 それから減価償却の引当金でございますが、これは五十四年度の予算でございますと百六十八億、五十五、五十六、五十七、三カ年間で総計しまして約五百六十億くらいございます。
#38
○森中委員 もう一つお尋ねしますが、いま協会の土地、建物の状況はどうなっておりましょうか。要するに、資料をいただいておりますが、帳簿価格と実際の価格はかなり開きがあると思う。いま総計で六百九十一億九千八百三十七万、こういう計数が出ておりますが、あくまでも帳簿価格ですから、実際の価格は幾らに評価できますか。
#39
○渡辺参考人 お答えいたします。
 協会の資産の再評価につきましては、再評価法に基づいてやっておりまして、いま現実にどのくらいの資産になるかについてはちょっといま試算しかねるのでございますけれども、第一次、第二次再評価法に基づく評価がえまではやっております。
#40
○森中委員 結局、そういうようなことをずっと整理してみますと、要するに、山本さんが言われたような減価償却は、ほぼコンスタントに確保できるということになりますね。しかも、一千億余りの純資産ということであれば、それだけでも三千億余りの放送債券の発行は法定上は可能性があるということになりますね。そうなれば、いま難視解消あるいは都市障害という問題が非常にあって、こういうものを極力速やかに解消することがいわば受信料収納にも影響するというような見方をすれば、五−七計画に至る八百十億という建設勘定というものは、これはどうなんですか、もう少し思い切って、たとえば人手の問題もあるでしょう、いろいろな要因はあるにしても、物の考え方としては、かなり思い切って建設計画をやってもいいんじゃないか、こう思う。ただ、この二百四十億というものをずっと資料で拝見すれば、単年ごとに他の費目との均衡をとりながらほぼコンスタントに何%、何%、こういったようになさっているわけで、ですから、単なる予算の編成上の問題じゃなくて、いま少しサービスの改善を図っていこう、遠地であろうと都市であろうと、受信障害を解消するということであれば、かなり思い切って建設計画というものはやった方がいいのじゃないのか、こう思うのですが、これが本当にマキシマムですか。限度でしょうか。
#41
○山本参考人 私たちが三カ年間の建設計画を立てますときに、内容について相当吟味をいたしました。これは長期にわたりまして受信料にはね返ってまいる性格のものでもございますので、難視の問題につきましても十分検討をいたしましたが、現在のNHKの全体の経営といたしましては、ただいま御指摘がありましたように、放送債券で賄ったらいいじゃないかという御意見も確かにありますが、事実、この三カ年間の八百十億の大半、減価償却引当金を除きまして、それ以外の財源というのは、ほとんど全部放送債券でこれを賄うことにいたしてございます。
 ただ、八百十よりももっと思い切って大きくしたらどうかというお話でございますが、現在借入金その他の利息負担というものもNHKとしましては相当大きな額となっておりますし、それから、難視そのものの実態といたしましても、将来の放送衛星の打ち上げ計画との関係も考えなければなりませんし、また、現在難視として残っておる地域というものは、一戸当たりの負担額というのは非常に大きな負担になっておるような実態でございますし、また実態的にも、NHKの予算というものを、そういうまんべんなく現在の残っておるところに地上施設として改善をしていくということをフラットに考えるよりも、現在は数も相当少なくなっておりますし、また山間僻地の相当交通不便なところ、そういうようなところにも残っておる状況でございますので、できるだけここ三カ年間の間は、難視の解決の問題につきましては本当に必要な限度にとどめておいて、衛星との間の結びつきを考えながら処理をしていこうということで、過去三カ年間に比べますと、衛星のNHK側の負担分も入れまして約五十億ほど難視関係としましては大きくなる、そういう計画を立てております。したがいまして、現状におきましては、私たちは現在の建設費総額八百十億というのがほぼ至当ではないかというふうに考えて計画を立てたわけでございます。
#42
○森中委員 これはひとつ、きょうこの場でお答えいただかなくても、財源上は、受信料と違って減価償却が相当ある、コンスタントに維持できる。しかも放送債券も相当規模発行できる。ただ財務状況がどうかというのはかかわってきますが、財源に余り苦労はないわけだから、可能な限りこれなどは見直してもいいのじゃないかというような気がする。これはひとつ検討していただきたい。
 それからもう一つ、計画の中で、受信料収入ですが、八千三百四十一億というものを三カ年間に見ていらっしゃる。これは非常に不動なものとして理解していいのですか。この点が一番重要な問題ですが、ぎりぎり詰め上げたものが受信料収入として八千三百四十一億と見ていいのかどうか。要するに確定的なものと受け取っていいかどうか。
#43
○山本参考人 この問題はなかなか正確にお答えをしかねる点がございます。と申しますのは、これは他の公共企業全体もそうでございますけれども、特にNHKの場合は、受信料というものを国民の皆様から、こちらがお願いに伺って、現状においては契約によって払っていただくというシステムになっておりますので、他の一般公共事業の収入もこれは一つの見積もりでございまして、ある一つの予測値でございますが、NHKの場合もこれは予測値でございまして、この三カ年間には、たとえば五十四年度末の受信契約数というもの、これはある程度はっきりいたしますが、それにさらに今後増加するであろう世帯の数を三カ年間それぞれ計算をいたしまして、そこに世帯の数として積み上げていって、それに受信料を納めていただく。たとえば、これは技術的なことになりますけれども、年の前半にどのぐらい、年の後半にどのぐらい、これによって収入の金額が変わってまいりますけれども、そういうのも過去の経験によりまして割り振りをいたしまして計算をいたします。しかし、御承知のように、これが絶対確実に収納できるものかとおっしゃられますと、これは過去の経緯もございまして、そのとおりぴったり年度末に収入が一致するという形はとれませんので、やはりこれは一つの見込みとして御理解をいただくことにならざるを得ないと思います。
#44
○森中委員 山本専務、そこですよ、問題は。
 それで、五十四年の九月現在、滞納状況は件数で九十六万一千件になっていますね。これは受信料収入の中には算入をされていないのですか。
#45
○山本参考人 年度の当初の計算の中には入ります。
#46
○森中委員 入るということであれば、これは相当手を打たないとだめですね。手を打たなければ、入らなければ欠陥になるわけだ。
 それで、この中で非常に顕著なものとして、しかも取り得る可能性のものが幾らかありますね。要するに収納対策というのか収納体制といいますか、その辺がどうなのかということになるわけですが、挙げられている内容からいけば、常時不在者が五十三万六千、これは一体どういう人なんです。常時不在ということはいろいろな態様があるでしょうが、全然手が打てませんか。しかも、この五十三万六千の中から収納し得るものを大体何%ぐらい見るのですか。
#47
○海林参考人 お答えいたします。
 いま御質問の、大体九十二万九千というのが現在の滞納の総数でございますけれども、その中で常時不在が、おっしゃるとおり五十四万、五十六万という形で、これは五十三年度の末でございますけれども、ございます。(森中委員「五十四年があるだろう、五十四年が出ているだろう」と呼ぶ)五十四年度は五十三万六千、これが不在でございます。
 現在大体大都会に不在が集中しておりまして、たとえば単身世帯でありますとかというところのフォローがなかなかできない。しかし、これは先生おっしゃるとおり、手をこまねいているということではございませんで、たとえば五十二年の秋から特別営業対策員というようなものを設けまして、北海道も含めて現在百四十人でございますけれども、そういう者が夜分、余り遅くなるといけませんが、夜分伺うとかあるいは日曜に伺うとかというような手だてを講じまして、できるだけ不在者を訪問して獲得しようということでございますが、数字のことでおっしゃいましたが、そうはかばかしい数は出ておりません。
#48
○森中委員 飛行機の騒音等の関係による受信障害が五十四年度で大体六万件となっていますね。これなどは運輸省と話をして全免もしくは半免等にして、事実上繰り入りれができるのじゃないの。これが第一点。これでも相当取れるわけだ。それからビル陰障害、都市障害といいましょうか、これが五万二千。これは漸次増高する可能性があるけれども、SHFの開発であるとか建設計画等が進んでいったり、あるいは法制化等が行われれば、これも相当収納できるのじゃなかろうかという見方を私はする。それからいま一つは沖繩ですが、料金上特別措置が講じられているとは言いながら、普及率が大体本土の二分の一だな。もう少しこの普及度を高めていけば、沖繩の収納率は相当上がってくるのじゃなかろうか。こういう点、ずっと見てきますと、九十六万一千受信料収納には算入しているのだが、実際は落としていかねばならぬという問題であるとか、あるいはこういうことを根拠にしてわざわざ三十二条を改正しなければならぬという根拠にはどうしても通じない。私は、NHKが収納体制にやれるだけのことはやった、なおかつこれではどうにもなりませんというふうには受け取れない。言ってしまうならば、これこそ企業努力であり、協会の努力によって相当改善をされ収納率は高まるのじゃないか、こういうように見るのですが、どうなのでしょうか。
#49
○海林参考人 ただいま御指摘のたとえば航空騒音その他につきましても、防衛庁あるいは運輸省との話し合いを進めて積極的に努力をしている。沖繩につきましても沖繩の特別委託員というようなものを設けまして、新たな契約、そして収納を上げるという努力をいたしております。したがいまして、御指摘でございますけれども、われわれの日々の努力の中で滞納者を減らし、未契約を減らしていくという努力をいたしていきたいというふうに思っております。
#50
○森中委員 それから、ちょっとこれは聞きにくい気もしますが、大体滞納の地域的な分布状態というのは統計上出ますか。どこが悪いとか、どこがいいというのを全国的に見るのも少しどうかなという気はしますが、ある程度地域的な分布が出ておればお示し願いたい。
#51
○海林参考人 全国九十二万と申し上げましたが、その中で一番多いのは近畿でございます。近畿がおよそ四十万でございます。それから二番目が東京でございます。関東全域でございます。これが大体三十万。三番目が北海道でございまして、これが約八万ということでございます。
#52
○森中委員 そうしますと、その中の無理解というのが三十一万三千あるのですが、契約拒否あるいは支払い拒否、この九万六千というのは三十一万の中に入っているのかな。どうでしょうか。
#53
○海林参考人 いま仰せの九万六千、これは未契約の中の無理解でございます。それから、われわれが契約をいただきながら収納ができない、それを滞納という形でくくっておりますけれども、その滞納の中でさらに無理解があるわけでございます。その無理解の代表的なものはやはりNHKの放送についての御批判を持つということが中心で、特に放送法について、三十二条の「契約をしなければならない。」ということが憲法に抵触するというような、きわめて協会としては誤解でございますけれども、そういう論理をお持ちの方を代表とするような方、その方が契約をしながら滞納でいるということでございます。
#54
○森中委員 もうそろそろ時間が参ったようですから、あと一、二点だけ大事なことをお尋ねしておきますが、収納活動にずいぶん力を入れておられることはよくわかる。ただ、これをいま協会でやっていらっしゃる機構といいましょうかあるいは重点の置きどころというのか、こういうものから見て、果たしてその営業活動というものが協会全体の力の何%ぐらいに当たるのか。図表から見る限り、放送総局がある、営業総局がある、こういうのを対比してみる場合に、いろいろな手順はとっておいでのようですけれども、協会全体として営業活動、収納活動というものが占める比重というものについては、残念ながら必ずしも賛同し得ない。極端な言い方をしますと、放送あって財政なし、放送あって経営なし、こういう気がしないでもありません。もともと日本放送協会は放送が本体ですから、それでいいにしても、やはり財政と経営がびしっと背景にくっついていなければ将来非常に不安だ。だからそういう意味で、今度機構いじりをおやりになるようなことなのですけれども、もう少し営業体制、経営、財政体制というものに力点を置くようなお考え方はあるのかないのか、あるとするなら具体的にどうなさろうとするのか、その辺をちょっとお答え願っておきたい。
#55
○中塚参考人 確かに先生おっしゃいましたように、NHKの一番本質的な業務というのは放送でございます。したがって、そこに一番の重点を置くということは当然でございますが、おっしゃいましたように、それを実現していく財源の確保ということ、これは非常に重要なことでございます。しかし、その財源をできるだけ効率的に確保していく、要するに営業に使う額というものをできるだけ安上がりにしていくということも、これまたきわめて重要なことだと考えます。ただ、最近の滞納の状況等から見まして、それの対策ということで営業経費が年々増加しております。それをできるだけ抑えて、効率的に収納をしていくということもこれまた必要なことでございます。しかし、ここ最近は営業面の対策の経費もふえておりますし、また組織的にも営業所等の増設ということはやっております。地域の状況等を勘案いたしまして、組織面におきましても再編成をしていかなければならない点が、全国的に見て何カ所かございます。そういうことを勘案しながら今後の営業総局、全国の営業の組織、これも考えて対応していくつもりでございますけれども、原則的には、営業コストをできるだけ少なくしていくということに重点を置いてそういう体制をとってまいりたい、このように考えております。
#56
○森中委員 これはこれから効率化をおやりになる計画の中でいろいろ検討もなさるでしょうが、ただその予算の配分比ではやはり決まらないと思う。実際問題として、いろいろな手を尽くしているということは示されていますが、全体的に、要するに営業、財政、経営というものは一体のものですから、これなくしてNHKは成り立たぬわけですので、やはり営業活動にはかなり重点を置かれるように強く熱望しておきたい。
 それから、時間があと五分だそうですが、「あやめ二号」の問題です。これで五十八年のBSは本当に大丈夫なのか。何だかアポジモーターの本体に欠陥があったというようなことのようです。五十八年体制を目がけて、協会の新しい経営の方向、放送の方向も大きな変化をしていくわけですが、この計画についてはどうなのでしょうか。
#57
○平野政府委員 実用の放送衛星につきましては、五十八年度打ち上げということが宇宙開発委員会で決定されまして、五十五年度予算案の中にお示しをして、御審議をいただいておるわけでございます。
 一方、ただいま先生おっしゃいました「あやめ二号」、大変残念でございますけれども、打ち上げに失敗をしたわけでございます。この「あやめ二号」は百二十キログラム級の衛星でございまして、塔載しております機器もミリ波の実験用のトランスポンダ一等でございます。国産のNロケット、いわゆる百二十キログラム級の衛星を打ち上げるためのロケットで打ち上げまして、まだ結論は出たように聞いておりませんけれども、アポジモーターの不都合が主たる原因らしい、こういうことでございます。
 ところで、五十八年度に打ち上げを予定いたしております実用の放送衛星につきましては、まずロケットでございますけれども、これは宇宙開発事業団が数年前からNIIロケットという新しい形式のロケットの開発に励んでおるわけでございます。これはペイロード三百五十キログラム級の打ち上げに役立てようということでございまして、Nロケットとは基本的に違うわけでございます。また、このNIIロケットの根拠になっておりますソー・デルタ級のロケットと申しますのは、アメリカにおきまして非常に打ち上げ能率のいい、成功率の高いロケットでございますので、私どもといたしましては、ロケットについては郵政省所管ではございませんけれども、安心をしていいのではないかというふうに考えております。
 また衛星本体につきましても、先ほど申し上げましたように、ミリ波の実験用の機器とは違いまして放送衛星のためのトランスポンダーを積むことになっております。すでにその方向で宇宙開発事業団とNHKも協力をしながら開発を行っておるわけでございます。したがいまして「あやめ二号」の打ち上げは非常に残念でございましたけれども、その失敗の経験と申しますか、それは十分に生かしながら、五十八年度には実用の放送衛星はみごと予定どおり打ち上がるものというふうに考えております。
#58
○森中委員 時間が参りましたからこれで終わりますが、また機会があればもう一回お願いしたい。
 質問を終わります。
#59
○小林委員長 次に、竹内勝彦君。
#60
○竹内(勝)委員 まず最初に、このNHKの出してまいりました値上げに関して、今回二四%平均、カラーが七百十円から八百八十円に値上げされる。この根拠、理由をもうちょっとわかりやすく、かと言って、そう時間がございませんので、明快に最初に述べていただきたいと思います。
#61
○山本参考人 受信料を改定しなければならないNHK側の財政状況というのは、先ほど申し上げましたように、この前五十一年度から五十三年度までの計画をさらに一年延ばしまして、五十四年度まではいろいろな工夫をいたしてしのいでまいったのでございますが、昨年五十四年の一月に当委員会で、五十五年、五十六年、五十七年までの見通しを出せという御指示がございまして、そのときに受信料改定の必要が五十五年度以降は起こるのではないかということを申し上げて資料をお出しいたしましたが、その時点におきましては、約三カ年間で、その当時のもろもろの条件を基礎にして考えまして、約二千億ちょっとの数字をお出しいたしました。その後、経済情勢の見通しその他の変動もございまして、NHK側のいろいろな効率化の努力というものもめどが立ちまして、五十五年度以降三カ年間、受信料の改定をお願いせざるを得ないということで、基本問題調査会に初めて現在の財政状況についての具体的な数字をお出ししましたときに、今回の受信料改定に伴いますもろもろの前提というのはその当時につくり上げたものでございます。
 それによりますと、先ほどお話がございましてお答えもいたしましたが、ここ三カ年間の収入はNHKとして三カ年間平均約二%ぐらいしかございません。毎年の絶対値にいたしまして五十億足らずの収入増しかない。反面、支出の方にいたしますと、物価約六%という物差しを三カ年間平均して使いますと、約千七百億ぐらいの赤字を来すであろうということで、基本問題調査会に御理解を得る資料をつくったわけでございます。その後、具体的に五十五年度の予算案に伴います受信料改定ということでもろもろの試算をいたしました。
 その内容としましては、先に支出の面の方から詰めてまいったわけでございますが、支出の面ではいま申し上げました六%の物価の増を一つの物差しにいたしまして、もろもろの消費者物価に影響する部分につきましてはその物差しで試算をいたしました。それから、人件費につきましては、在来の傾向を勘案いたしまして、それに一%上積みをいたしまして七%で人的費用、もろもろの人的費用がございます、職員の分もございますし、委託で集金をしてもらっております人たちの手当の問題もございますし、それから放送に出ていただく方の出演料の問題もございます。こういうものを七%で一応試算をいたしました。そのほか、NHKの仕事の特殊性といたしまして電力の問題あるいは交通、通信の問題、これは非常に大きな比率でこれを使っております。ところが、ここの部分につきましては六%の範囲内という枠の中ではなかなかおさまらない状況になっておりますので、ここの部分につきましては具体的に六%の枠でない、いわば弾力的な考えで三カ年間の見通しを織り込みました。
 そういたしまして、収入の方は先ほど申し上げましたように、三カ年間で二%そこそこ、そこのギャップといたしまして出てきましたのが千六百十億でございまして、これは昨年度の国会審議のときにお出ししました資料の二千百億、あるいは基本問題調査会に出しました千七百億、そういうものからさらにもろもろの内容の吟味をいたしまして、できるだけ受信料の負担を少なくするように精査をいたしました結果、千六百十億。その差、いわば三カ年間の事業経営に必要な収入と支出のギャップというもの、そういうものをそれぞれカラーなり白黒なり沖繩なり、そういう種類に御負担いただくということで計算をいたしましたものが二四%、カラーにいたしますと八百八十円で、従来から比べまして百七十円、白黒は百円、こういう値上げ幅になったというのが実態でございます。
#62
○竹内(勝)委員 この値上げ問題に関しても、あるいはまたNHKの状況を考えて国民のコンセンサスをどう得ていくか、こういった面が非常に大事になるわけですね。そこで、不払いが漸増しておる、こういう実態を見ても、私はまだ国民がそこまでNHKに対して理解をしておるというようには考えておりません。郵政大臣はおおむね適当だと今回のこの予算に関して述べておりますけれども、その理由を、これも簡潔に述べてください。
#63
○大西国務大臣 NHKの財政は、受信契約の増加というものがほぼ限界に達しておる、こういうふうに観測されるわけでありますが、その反面、事業支出の方は、その抑制に努めましても物価の変動などによる増加は避けられないところでございます。こういうことできわめて困難な状況に立ち至っておるわけでございます。
 NHKは、このような経営の現状と今後の見通しにかんがみまして受信料月額を改定することとしておりますが、NHKが公共放送としてその社会的使命を果たす上で財政基盤の安定は必要なことでございますので、経営の合理化を前提にこの際受信料月額の改定を行うことはやむを得ないものだ、こう判断したものでございます。
 また、事業計画等によりますと、放送番組の充実、難視聴解消の促進など、公共放送として必要な事業を実施をし、さらに今回初めて要員の純減を計画するなど効率的な事業運営に努めることといたしておるなどを総合的に検討いたしまして、その結果、五十五年度予算はおおむね適当との結論に達するに至ったわけでございます。
#64
○竹内(勝)委員 国民に支えられたNHKですよね。それが国民の方からこの値上げ問題に対してもかなり反発が出てきておる、こういった面から考えて、NHKとして今後この国民との合意を得るという面でどう努力していくのか、これを述べてください。
#65
○坂本参考人 お答えいたします。
 私といたしましては、いま先生の御指摘の国民的な合意を得るといいますか、それには最大の努力をしなければいけないのじゃないかというふうに常々考えております。
 今後どうするかという御指摘でございますが、今後、五十一年度の受信料改定の際に発足いたしました視聴者会議等のパイプをさらに充実して御理解をいただく、あるいはもっと一般の市民の方々の中にも入って、NHKの実態を御理解いただく努力をしていくべきだと思いますし、あわせて私どもが預からしていただいております放送そのものを通じましても、その御理解を得るための努力は続けるべきであろうと思いますし、またその点についての視聴者の御理解も得られるのではないかと思いまして「NHKの窓」その他につきましてもかなりの努力をいたしておりますし、今後もしたいと思います。
 なお、新聞あるいはその他のマスコミを通じましてもそういう努力を続けたいと思いますし、私自身の定例の記者会見というようなこともございますので、そういう際を通じて他の同業のマスコミにもアピールして御理解を得る手だてにしたいと考えておる次第でございます。
#66
○竹内(勝)委員 五十一年に値上げをしてすでに四年、こういう形で赤字が見込まれ、どうしても値上げをせざるを得ない、これは果たして支出あるいは収入の面でどう経営努力してきたのか、また今後していこうとしているのか、こういった面が問われる問題だと思いますが、私、この予算の中で特に指摘したい点ですが、いままでの状況と、それから五十五年度の予算ということで考えておるこの事業支出の中の調査研究費の中に番組関係というのがございますね、これは五十一年度五億九千七百万円、五十二年度は六億四千七百万円、ちょうど五千万円アップですね。それから五十三年度は六億八千五百万円、これは三千八百万円のアップですね。五十四年度は六億八千四百万円、これはマイナス百万円ですね。ところが五十五年度へ来て一挙に八億六千五百万円計上しています。一億八千百万円アップ。全体から見ればこれが特に多いとかということで論議するものではございませんが、五十一年度から見ても五十四年度までは大体普通で来ておるのが、五十五年度になると急にこれだけ、他の四倍近くのアップ率ですね。そういう面はどういう理由でございますか。
#67
○渡辺参考人 お答えいたします。
 五十五年度は、ちょうど五年に一遍やります国民生活時間調査という調査時期に当たっておりますので、これは年々国民の御期待をいただいております私どもの調査でございますので、約一億五千万円かけてこの年度にやってみたいと思っておるわけでございます。
 その他の計画につきましては、物価並みの増加程度にとどめているわけでございます。
#68
○竹内(勝)委員 同じく資本支出の中の建設費に関してもまた同じことが言えるわけですね。これはちょっと予算額が大きいです。五十一年度は二百二十億、五十二年度、五十三年度はずっと減ってきています。それから五十三年度から五十四年度にかけては十二億ふえて二百十九億、さらに五十四年度から五十五年度はいままでで一番のふえ方で、二十一億をふやして二百四十億、これだけのものが出ておりますが、これの理由を述べてください。
#69
○渡辺参考人 お答えいたします。
 おっしゃるように、五十四年度から五十五年度にかけまして建設費は二十一億伸びておりますが、内訳を申し上げますと、建設計画の中で老朽更新ということをかなりの比率でやってまいっておりますが、この老朽取りかえが約九億ほど五十四年度に対してふえておるわけでございます。そのほかに、各ローカル放送局におきましてローカルの番組を充実いたしますにつきましては、最近の番組制作機器が改良されておりますので、少なくとも各局に一台ミニハンディカメラであるとかそういう制作機器を配備したいということで約九億入っております。
 大まかに申し上げますと、老朽更新とローカル放送設備の充実というところでこの二十一億が増加しているという内容でございます。
#70
○竹内(勝)委員 これだけ値上げ云々を言うときでございますから、やはりもう一歩そういった面が――支出をできるだけ少なくして収入をよけい上げていく、これが経営努力でございますから、こういうように努力していますというようなものを国民にわかるようなもので説明をいただかないとちょっと納得できないと思うのです。
 ここに資料があるのですが、今度古賀政男記念音楽大賞、こういった企画があるようですが、この運営等はどうなっているのですか。
#71
○田中参考人 お答え申し上げます。
 この古賀政男記念音楽大賞といいますのは、亡くなられました古賀先生の遺業を継ぎまして音楽文化振興財団というものができまして、目的は、歌謡曲について新しく作曲し、新しく歌を公募するというような形で、これはプロと一般の二つの部に分かれますけれども、そういったことで世の中に新鮮ないい歌を送り出すと同時に、才能のある人を送り出そうということでできたわけでございます。
 NHKといたしましては、こういった趣旨に賛同いたしまして、放送を通じて今後も新鮮ですぐれた歌を普及していきたいというような趣旨で、これの放送を受け持つ、放送をするということになったわけでございまして、経費的にはNHKの方は放送出演料あるいは通常の中継の経費といったところを負担いたしまして、そのほかの大会の運営その他については全部財団の方でやっていただくということになっております。いままで発表されていない新しい歌謡曲の新鮮なものを育てていきたいというのが趣旨でございます。
#72
○竹内(勝)委員 後援ということで、すべては財団の方がやるのだとおっしゃいますが、やはり施設なり放送設備なり、またそれによって人も使いますし、運営の面では協力をしていくわけでございますから、私はこれがいいとか悪いとかという問題を言うわけではございませんが、やはりNHKは、たとえば民放がこれだけ発展してきておる中で、それに対抗して何らかのNHKの存在価値を認めさせなければならないというような物の考え方ではなくして、むしろ公共放送として民放ではできないようなそういう体制に進めていく、さらにまた、国民から受信料をもらっているわけですから、国民にそのしわ寄せをしないというその根本的な考え方をこの辺ではっきりしていかないと、NHKとしては今後もずっとこういう値上げ値上げで、これはいま三カ年の案で出てきているわけですけれども、三年たつとまたこの論議をしてNHKとしてはやっていかなければならないというのでは、これは大変なことになるのではないかと考えます。したがって、今後こういった面で、NHKの存在価値として、NHKの方針としては、従来のこの公共放送という立場でどうやっていくのだというその姿勢の問題を述べていただきたいと思います。
#73
○坂本参考人 先生のおっしゃるとおり、NHKとすればやはり国民の期待に沿う、NHKならではという、そういう姿勢を崩すつもりではございません。
 ただ、古賀問題につきましては、古賀先生はNHKの放送文化賞を贈呈した方でもございますし、そういうことで賛同して後援したということでございますので、基本的な姿勢は先生の御指摘の線で当然進むべきものであるというふうに認識いたしております。
#74
○竹内(勝)委員 そこで、収入の面でちょっと論議をしてみたいわけですが、たとえばNHKが放送しておる料理の番組とかあるいは受験講座とか、いろいろなものがございますね。たとえば料理のテキストなどは聞くところによると月間百万部、大変なベストセラーになっておる。こういうことになってきますと、こういったものの販売収入並びに技術開発した場合のパテントの使用料等の副次収入、そういう面での収入の状況というものを説明してください。
#75
○中塚参考人 お答えいたします。
 このテキストの発行によりますNHKの副次収入と申しますか、このテキスト類はサービスセンターを経由いたしまして出版協会にその発行を委託しているわけでございまして、この編集手数料という形でNHKに副次収入として収入があるわけでございますが、これはここ五年ほどの経過を申し上げますと、昭和五十年度で約一億五千万円、それが五十五年度の予算におきましては約四億一千三百万円を見込んでいるということでございまして、年々数千万円ぐらいずつふえているという状況でございます。ただこれを、NHKが編集はいたしておりますけれども、製作、発行、これは委託しているわけでございまして、直接やるということにいたしますとやはりその専門的な要員が必要でございますし、また、現在の出版業界の流通機構というものに乗っけなければこれの販売ということがスムーズにまいりません。したがって、やはりNHKが直接やるよりも、こういう専門の会社に委託をしてやらせた方がより効率的であるというふうに考えておる次第でございます。
 それから、先生もおっしゃいましたように、確かに料理のテキストでございますとかあるいは英語講座でございますとか、そういうポピュラーなものは非常に発行部数が多うございますけれども、ロシア語講座であるとかあるいはスペイン語講座であるとか、そういうものにつきましては発行部数が非常に少のうございまして、採算割れのものも実際はございます。そういう状況でございますので、一概に全部が全部、この放送のテキストというものはもうかっているというわけでもございません。ただ、こういう出版協会を通じますことによって、発行部数の多いもの、それはもうけが多うございますけれども、一方では採算割れのものもある、それをやはりNHKのこの業務を円滑にやっていきます上でこういう機関でできる限り低廉で頒布をするという必要があろうというふうに考えております。
 それから、特許等の実施許諾の状況でございますけれども、これは四十九年度で約百三件で実施料の収入が二千六百万円ございましたのが、五十三年度では件数は八十六件でございますけれども、収入の方は五千六百万円というふうになっております。
 大体、以上でございます。
#76
○竹内(勝)委員 それと、BBCなどの外国の放送機関が海外の放送機関へ呼びかけて、大型番組を編成するためにプロジェクトなどを組んでいる、そして番組をつくっておる、こう聞いておりますが、これはどういう性格のもので、どんなメリットがあるのでしょうか。
#77
○田中参考人 お答えいたします。
 いま先生がおっしゃいましたように、最近海外におきましては各国が共同制作をするというような方式が盛んになってきております。いま例に挙げられましたBBCの問題は、BBCで現在制作しておりますシェークスピア作品集というのがございまして、これをアメリカの出版会社の方と提携しながら経費の分担をして、予算をお互いにカバーし合いながらいいものをつくって全世界に売りさばいていこうというのが目的と聞いております。そういったことでございますので、私たちの方もこういったことを参考にしながら、いろいろ現在仕事を進めているわけでございます。
#78
○竹内(勝)委員 経営の効率化という面でいけば、やはり海外でそういう大型のものをつくって、NHKとしてそこに参加してやっていく、こうなってくると、いろいろな面で効率というものが出てくると思うのですね。NHKはいままでにこういうプロジェクトに参加したことありますか、あるいはまた今後参加しようとする考え方はあるのか、これははっきりさせてください。
#79
○田中参考人 お答えいたします。
 日本におきましてこういった共同制作というような試みはいままでも何回かされてきたわけでございますけれども、何分、言葉の問題だとかあるいは制作費の分担の問題、そういったところにおいて若干、それぞれ国民性の違いから考え方が違ってきておりまして、現在欧米で行われているほどやっていないというのが現状でございますけれども、いま先生御指摘のように、NHKといたしましても、今後世界に通ずるような、売れるような、良質な番組をつくっていきたいということから、現在二、三話が進んでおります。そのうちの一つは、先日もすでに一回放送いたしまして、来月からは毎月一回放送することになっております「シルクロード」、これは日本と中国との共同制作でやるものでございまして、来月から約十二本これを放送する予定にしております。また今月の終わりにはそれのまとめ的なものも放送する予定になっております。
 またそのほかには、現在話が進んでおりますのは、国連の提唱によりまして世界の主な放送機関が共同制作いたします「小惑星のための備忘録」ということで、これは現在それぞれの国で抱えておりますいろいろな公害の問題だとか、そういった問題をそれぞれの放送機関が取材いたしまして、それで番組を交換するというようなことでございまして、NHKでもこのシリーズに一回分として参加する予定になって、いま計画を進めております。
 またもう一つは、アメリカの公共テレビでございますPBSというところとイギリスのBBCと共同いたしまして、人間の頭脳の働きを追求いたします「ブレーン」というテーマでございますけれども、こういったシリーズにも私たちとしては積極的にひとつ企画の段階から参加してみたいということで現在考えております。
#80
○竹内(勝)委員 同じくそういう意欲的な面でこういうものはどうでしょう。日本でNHKがつくったもので海外で関心があるもの、こういったものは外国に売った方が外国の人たちにも喜んでもらえる、同時にNHKの収入にもなってくる、こう思います。それとまた、先ほどの副次収入という面から考えても、放送法自体に、第九条の三項に「協会は、前二項の業務を行うに当っては、営利を目的としてはならない。」営利行為の禁止、こういったものがうたわれておりますね。そういった面から考えて、副次収入あるいはまた外国にいいものを売ろう、こういった面を考えてもいろいろ問題が出てくるわけですね。そういう面でNHKの収入を上げていく、ただ単に国民にだけしわ寄せするんではなくして、そういった努力をしていくという面から考えれば、こういった面を大臣はどういうようにお考えになりますか。
#81
○平野政府委員 御指摘のように、放送法第九条第三項によりまして、NHKはその業務を行うに当たりましては営利を目的としてはならないということになっておりますが、これはNHKはもっぱら全国の受信者から徴収される受信料によりましてその維持運営が行われるたてまえになっておることとうらはらをなすものではないかというふうに考えられるわけでございまして、営利目的の緩和を行います場合には今後のNHKの収入の増加のための一つの重要な方策かとは考えられるわけでございますけれども、一方、NHKの基本的性格にかかわるこれまた重要な問題でございますので、きわめて慎重な検討を要するのではないかというふうに存じております。
#82
○竹内(勝)委員 それともう一点聞いておきたい点でございますが、政府は、今回本委員会でもいろいろと問題になっておりますKDD等の特殊法人が交際費乱用等で体質がいろいろと問題になっているこういう中で、いままで四十八法人に限られていた行政監察の対象を百十一の全特殊法人に広げていくことを表明しておりますですね。閣議でも決定しておりますが、その中で特殊な状態にございますね、たとえば報道の自由、報道への干渉、いろいろなことで問題が出てくるのじゃないか、こう考えますが、行政監察強化ということについて、まず最初に郵政省はどんな考え持っていますか。
#83
○大西国務大臣 今回の行政管理庁設置法の改正案は、いま先生御指摘のように、従来四十八特殊法人に実施をされておったようでございますけれども、これをすべての特殊法人といいますか、百十一になるようですが、これに拡大しよう、こういうことでございます。したがって、NHKもその調査対象法人に含まれることになるわけでございます。でありますが、行管のやります監察といいますか、これは主務大臣の監督権限の範囲内において実施するもの、こういうことになるのでありますから、私どもとしては、これはきわめて制約をされた状態においての監察対象でございますから、別に支障はないと考えております。
 なお、閣議におきましてもこの点については行管長官に対して特にNHKの問題を取り上げまして私の方から発言をいたしまして、そういう特にNHKの性格等にかんがみまして行き過ぎたことはやらないということになっております。
#84
○竹内(勝)委員 こういう行政監察の対象になっていくとなれば、いままでと全く変わりない、大して関係ないんだというようなことにはならないと思うんですよ。そういう面で、いま郵政省の方としては相当安易な考え方で持っていっているように受け取りますが、NHKとしてはこの問題どう考えていますか。
#85
○坂本参考人 お答え申し上げます。
 NHKの業務に対する公的な規制というものは、表現の自由にかかわる公共放送事業体としてのNHKの特殊な性格から、放送法上予算の国会による承認、その他国会への資料の提出等、国民の代表である国会の場を中心に行われておりまして、また御承知のように他に例を見ないような権限を有する経営委員会による制度等によりまして、行政府による規制を最小限度にとどめるように配慮されているというふうに理解しておる次第でございます。したがいまして、NHKといたしましては、今回の行政管理庁設置法の改正案において、NHKが特殊法人の一つとして一括されまして行政機関の業務の実施状況の監査に関連する調査の対象となることに関しましては、放送法の基本理念、特に放送番組の編集の自由の原則がいささかも損なわれないようにというふうに考えまして、郵政省にその考え方を要請しておる次第でございます。今後とも同法案によります行政管理庁の調査につきましては、主務大臣の監督権限の範囲を超えることがないよう格段の配慮をお願いしたいということで、特に実施方法につきまして放送番組編集の自由との関連において特段の配慮を要請したいというふうに考えておる次第でございます。
#86
○竹内(勝)委員 いまのNHKの考え方を踏まえて行管庁にお伺いしますが、報道の自由なり報道への干渉、あるいは番組の内容に関してこういったものになってきたなら大変なことでございますし、その意味から考えて、行管庁としてはどういう基本的なお考えをお持ちでございますか。
#87
○重富説明員 お答え申し上げます。
 ただいま郵政大臣それからNHKの会長からお話がございましたように、私どもの行政監察というのは、行政の合理化、効率化を図る観点から各省庁の業務の運営の実態を調査するものでございまして、その運営の実態を万全ならしめるために関係の特殊法人についても調査をするものでございます。
 したがいまして、私どもはいま郵政大臣、NHKの会長から申し上げられましたように、当然に主務官庁の当該法人に対する監督権限の範囲内において調査を実施するつもりでございます。したがいまして、NHKにつきまして行政管理庁設置法の改正が認められて調査権限が及ぶようなことになりましたら、私どもはNHKについて調査をすることがあろうかと思いますが、もしNHKについて調査をするような場合でも、先ほどから御議論が出ておりますように、放送法上、放送の自由を尊重するというたてまえから郵政大臣の権限もかなり限定されておりますし、私どもの調査も限定されざるを得ない。しかしながら、NHKの公共機関としての放送の自由というのは極力尊重しなければいけませんけれども、先ほどから竹内先生からお話がございましたように、運営の合理化ということは国民として当然に要望されておる問題であろうかと思いますので、その点に関しまして私どもは放送の自由というものと運営の効率化という接点がどこら付近にあるだろうかということを考えて、報道の自由を尊重しながら調査を進めていきたい、このように考えております。
#88
○竹内(勝)委員 郵政省は、NHKの受信料支払い制度を現行行われておる受信契約義務制から受信料の支払い義務制に改めていきたいという考え方、これが閣議でももうすでに決定しておるというようにも伺っておりますが、その内容を明らかにしてください。
#89
○平野政府委員 ただいま御指摘のように現行の三十二条におきまして受信料の契約を義務化しておるわけでございますが、今回の放送法の改正におきましては、まず第一点といたしまして、支払いを義務化しようということでございます。また、従来は契約の義務化に伴いまして受信規約におきまして支払いを義務化するとともにNHKに通知義務を課しておりますけれども、今回の改正におきましては、いわゆる受信機を設置した者にNHKに対する通告を義務化しようということにいたしております。
 第二点といたしましては、現在は受信規約におきまして、若干性格は異なりますけれども、割り増し金の制度を持っておるわけでございますけれども、今回の放送法の改正におきましては、延滞金及び割り増し金という制度を導入しようということにいたしております。
 それから、第三点といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、現在の三十二条では契約を義務化しておりますので、受信規約というものをNHKが策定をして郵政大臣の認可を受けることにいたしておりますけれども、このたびの放送法の改正におきましては支払いを義務化しようということでございますので、放送法の中に受信料規定というものを記載をしていこうというふうに考えております。
 主な改正点は以上でございます。
#90
○竹内(勝)委員 NHKの従来の公共放送という立場を堅持していく点で、これはもう重要な点として公共放送として中立に、そして他の民放とはまた違った面で国民の間に定着してきたこのNHKとしてのいままでの体制、こういったものが公共性という面から、何らかのこういうような罰則、たとえば二倍にするとか、あるいは受信料の支払いを怠った場合には延滞金を徴収するとか割り増し金とか、こういう形でなっていった場合、これは公共性という形からむしろ国の代弁者というような形になり、あるいは何らかの形で行政の統制、行政の介入、こういったものが考えられてきたなら、これは大変なことです。国営放送的な体質になってはこれは遺憾なことでございますので、この点だけははっきりとさせておかなければなりませんので、もう一度答えてください。
#91
○大西国務大臣 先ほど局長から内容について御説明申し上げましたが、お聞きのとおりでございまして、今回の改正といいますのは、NHKの受信料の収納に対してまして、これが円滑化に資するために受信料制度の趣旨を簡明にするということが目的でございます。したがいまして、受信料そのものの性格を変更するものでもございませんし、またNHK自体の性格に影響を与えるものでもないと考えております。
 先ほど先生が罰則とおっしゃいましたけれども、あれは罰則ではないわけでございまして、これは私法上の遅延損害金といいますか、遅延延滞料といいますか、そういうものでございます。
#92
○竹内(勝)委員 そこで、NHKの経営のあり方、将来というものに関して述べておきたいのですが、たとえ今回NHKの受信料値上げが行われたとしても、これは私が先ほど言ったとおり三年ですから、三年たてばまたこういうような論議をしていかなければならないというようなことになってはこれはまた大変なことでございます。もちろん、今回ここで私どもはこの値上げが安易になっていくことに関してはもっともっと検討を要する、こう考えております。したがって、NHKはガスだとか電力料金のようにいわゆる原油が上がったからそれに関連して――まあ大きく言えばそれらに関連があるかもわかりませんが、直接にそういうもので上がっていく公共料金とはまた違ったものですよね。そこで、これは抜本的に論議をしていかなければならないときです。もう外的要因よりもむしろ内部の要因をどう解明し、そして経営の問題をどう取り組んでいくか、あるいはまた収入をどう上げていくか、支出をどう抑えていくか、先ほどの副次収入なり人員整理なり、そのほかの問題等についても、いまの支払い義務制に関しても、今後相当これは論議していかなければならない点でございます。
 そこで、私ちょっと提案しておきたいのですが、仮称NHK経営問題小委員会というようなものを本逓信委員会の中に設けて、そしてそこには参考人も来てもらって何でも討議できる、視聴者ももちろん来てもらって、反対の人も賛成の人も来てもらって、公開をする、NHKは、そういった点は一番の専門なんですから、もっとみんなにわかってもらうように一この委員会でも、国民にはわからない。後になって一部編集したものをテレビに流すようですが、それはもう一切終わったものを流すのですから、気の抜けたビールみたいなものです。そういうものではなくして、現実にどう論議が行われておるかということをやはり国民に知ってもらわなければなりませんので、こういうようなものをつくって、そうして根本的に論議をしていく必要があると思いますが、最初に郵政省のお考え方はどうでしょうか。
#93
○大西国務大臣 当委員会の中にNHKに関する小委員会をおつくりになられることにつきましては、これは当委員会の御判断をなさることでございますので、私どもがとやかく申し上げるべきことではないのではないかと思います。
 ただ私どもといたしましては、各界各層からのいろいろの御意見、NHKのあり方についていろいろの御意見がありますれば、それに対して十分耳を傾けていかなければならないと存じております。
#94
○竹内(勝)委員 では、NHKはこういった、いま私が提案したような、国民にわかってもらうような公聴会なり、地方でも公開の論議の場を開いたり、参考人にも来てもらって、視聴者にもどんどん集まってもらって、そしてやっていこうという考え方にはどんなお考えをお持ちですか。
#95
○坂本参考人 私はまず第一に、やはりこの国会の逓信委員会の場というのが第一義的に考えられることかと思います。ただ、その国会の逓信委員会が何らかの機構をおつくりになって、そしてNHKに出席を求められるということであれば、それは欣然と参加いたしますけれども、やはりこの逓信委員会の場というのが第一義的に考えらるべきであろうというふうに考えております。
#96
○竹内(勝)委員 それはそのとおりでございます。したがって、これをもっと論議を深めて、いまの問題等はそう簡単なもので結論が出てくるというものではございません。いろいろ国民のコンセンサスを得ていくという面から考えても、やはりこれは突っ込んだ論議をしていく、こういう面でひとつ、この仮称NHK経営問題小委員会をつくることに関しては、ぜひ委員長の方に御配慮をお願いしたいと思います。
#97
○小林委員長 ただいまの竹内君の提案に対しましては、仮称NHK経営に関する小委員会というふうな名称でございましたが、その名称も含めて、これは非常に重要な提案でございまするので、理事会の議題にして慎重に処置いたしたいと思います。
#98
○竹内(勝)委員 よろしくひとつお願いしたいと思いますが、そこで、もう余り時間がないので、もう一点だけただしておきたい点は、本案は承認という問題でございますね。この承認、つまりこの特殊法人の承認、すでに大臣は意見を述べて承認した形になっておりますけれども、NHKの存在価値にまでかかわってくる問題ですよね、承認、不承認ということになってきますと。しかし、ここに内容においては非常に重要な問題がある。これだけ公共料金が上がっていく。国民のコンセンサスという面では、いろいろと問題のあるものが盛り込まれている。そういう一部のものを、たとえばこういった点は改める必要がある、したがって現在ちょっとこの承認を見送るというような考えで、この承認という問題を改めてまた本案を出してこれるというような形になれるのかどうなのか、この点を、いままでの状況では一回もそういうことはございませんよね、修正なんということは一度もあり得ない。承認するしかないか、それから同時に、附帯決議をつけている、これはまあ努力目標という形のものでございまして、本当にそれが大きく効力が出ているかというと、これまたいろいろな問題がございますけれども、私はこの問題は非常に重要な問題だと思いますので、この特殊法人における承認という問題に関してはどう理解していますか。
#99
○平野政府委員 NHKの収支予算について修正権があるかどうかという側面から申し上げますと、政府といたしましては、放送法三十七条第二項の「承認」と申しますのは、NHKの収支予算等につきまして、これを全体的に是とするか、否とするかの意でございまして、修正は含まれないというふうに解しておるわけでございます。したがいまして、もし仮に不承認ということになりますと、NHKは予算を再検討いたしまして、編成し直して改めて国会の審議を受けることになろうかというふうに存じております。
#100
○竹内(勝)委員 不承認ということよりも、その中の一部が、値上げとかいろいろな重要な問題があるわけでございますから、そういう意味から考えて、その中の一部、これはどうしても改めた方がよい、予算で言えば修正ですね、そういう形のもので、大枠においては承認できるけれども一部は改めなければならない、こういった場合にはどう処置するのですか。
#101
○平野政府委員 NHKの収支予算の異議のある部分について、望ましくない部分について部分的に不承認ということが可能かどうかという側面から申し上げますと、承認につきましては観念的には一部不承認ということも考えられるわけでございますけれども、本件NHKの収支予算の場合には、NHKの収支予算がNHKの経営の大綱を示すものでございますし、また、先ほど来御審議されておりましたように、それぞれの内容が相互に密接に相関連しておるというようなことを考えますと、NHKの収支予算の一部不承認ということは全体の不承認と同じ結果になってしまうのではないかというふうに考えるわけでございます。
#102
○竹内(勝)委員 そうなってくると、これは余り意味のないことになってしまうというようにとられる面もございますね。したがってこれは、今回はもう時間がございませんが、もっとこの面に関しては突っ込んだ論議をしていかなければならないと思います。したがいまして、この問題はまた後にいたしますが、最後に一つ、これだけこういう重要な時期に、しかもまた、NHKとしてはまた重要なこういう予算として臨んでいくその中で、どう国民に理解を得さしていくかという面に関して今後やはり相当の努力が必要だと思いますので、その決意を最後に会長に伺って、終わりたいと思います。
#103
○坂本参考人 お答えいたします。
 先ほど来も申し上げましたように、何といっても視聴者の皆様方の御理解ということが大前提かと思いますので、いろいろなパイプを通じまして、何としても御理解いただく努力を私先頭に立ってしたいというふうに考えておりますので、慎重御審議、御承認賜りますようにお願いいたします。
#104
○小林委員長 次回は、来る四月二日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開催することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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