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1979/04/15 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 運輸委員会 第10号
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1979/04/15 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 運輸委員会 第10号

#1
第091回国会 運輸委員会 第10号
昭和五十五年四月十五日(火曜日)
    午前十時九分開議
 出席委員
   委員長 古屋  亨君
   理事 佐藤 守良君 理事 関谷 勝嗣君
   理事 保岡 興治君 理事 田畑政一郎君
   理事 吉原 米治君 理事 西中  清君
   理事 三浦  久君 理事 青山  丘君
      相沢 英之君    江藤 隆美君
      瓦   力君    三枝 三郎君
      浜野  剛君    福家 俊一君
      三原 朝雄君    山村新治郎君
      久保 三郎君    斉藤 正男君
      関  晴正君    石田幸四郎君
      草野  威君    薮仲 義彦君
      四ツ谷光子君    渡部 正郎君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 地崎宇三郎君
 出席政府委員
        運輸省船舶局長 謝敷 宗登君
        運輸省船員局長 山元伊佐久君
 委員外の出席者
        水産庁海洋漁業
        部漁船課長   工藤 荘一君
        運輸省船舶技術
        研究所長    佐伯 宗治君
        運輸委員会調査
        室長      荻生 敬一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十五日
 辞任         補欠選任
  北川 石松君     瓦   力君
同日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     北川 石松君
    ―――――――――――――
四月九日
 国内用船外機の検査免除に関する請願(足立篤
 郎君紹介)(第三八一一号)
 国鉄運賃の値上げ反対等に関する請願(三浦久
 君紹介)(第三八一二号)
 同(四ツ谷光子君紹介)(第三八一三号)
同月十日
 国内用船外機の検査免除に関する請願(足立篤
 郎君紹介)(第三八九六号)
 同(足立篤郎君紹介)(第三九五五号)
 東北・上越新幹線列車の赤羽駅地下停車に関す
 る請願(中島武敏君紹介)(第三八九八号)
 重度重複身体障害者に対する運輸関係諸制度改
 善に関する請願(岡田利春君紹介)(第三九六
 六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 船舶のトン数の測度に関する法律案(内閣提出
 第六五号)
     ――――◇―――――
#2
○古屋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、船舶のトン数の測度に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。青山丘君。
#3
○青山委員 船舶のトン数は海事関係の諸制度において国際的にも広く使用されてまいりましたが、このたびわが国において一九六九年の国際条約を批准して、本条約の内容を取り入れた船舶のトン数の測度に関する法律を制定されることは、わが国にとっても国際海運の健全な発展にとってもきわめて有益なことだと私は受けとめております。
 そこで、一九六九年にIMCOにおいて採択をされてから今日まですでに十一年たっておりますが、この条約の批准がおくれてきた理由、どのような理由になっておるか、また四十もある関係国内法との調整はどのようにしてこられたのか、まずお伺いいたします。
#4
○謝敷政府委員 先生御指摘のように、この条約は一九六九年に国際航海に従事する船舶のトン数の算定に関しまして画一的な原則及び規則を設定することを目的として採択をされたわけでございます。
 問題は、この国際条約が何分にも各国におきまして海事関係諸法令の基準になるものでございますので、これが国際的に定着するかどうかを各国とも慎重に見きわめる必要がございまして、私どもも国内の関係法令との調整のための検討と、それから各国におきます批准状況を見てまいったわけでございます。
 具体的に申し上げますと、船舶のトン数が各種法制度において広く使用されておりますので、基本的には船舶の所有者であります船主、それから船主の中にも外航船をやっております船主、それから国内のみを運航します船主、それから漁船の船主、こういった関係の向きに条約の趣旨をよく説明申し上げまして、実態とどう調整できるかということの検討をしておったのが第一点でございます。
 それから第二点につきましては、関係の向きとの調整が済んだ後におきまして、関係法令上それが支障がないかどうかということで調整をやってまいったわけでございます。したがいまして、それぞれ批准した国におきましても、国内法の整備については一部問題を残して発効までに検討をするというような国もございますが、わが方としましては、批准と同時に国内関係の国内法及び関係方面の調整をすべて完了した上でお願いするのが至当ではないか、こう考えたわけでございます。
 特に一定総トン数、約四千トン以下でございますが、これにつきましては、条約方式で総トン数を算定しました場合、現行総トン数よりも大きくなることが出てまいります。したがいまして、この点につきまして十分現存船の資料を調査、検討いたしまして、それで条約に決められましたトン数にある一定の係数を乗ずることによりまして現行の体制について支障がないような見きわめをした、この点が、国内におきます四千トン以下の船舶の調査、資料等の検討に時間を要し、かつ船主協会、内航総連合、全漁連、全日海等の関係の諸団体との間で数字をもって詰めてまいりましたために現在に至ったということと御理解いただきたいと思います。
#5
○青山委員 わが国はIMCOの理事国になっていますね。そしてこの条約が採択をされてすでに十一年たっているわけですけれども、IMCOの理事国であるわが国の批准がおくれてきたその理由、いま述べられておりますが、しかし、わが国としては主要な海運国の一つですから、でき得るならば世界の海運国の指導的な立場に立っていかなければいけない。にもかかわらず、条約が発効する要件を大体満たしてきているこの時期になってようやく日本が締約国となろうとしている。しかも二十五カ国で締約国の数では発効要件を満たすにもかかわらず、四十二番目になるんですか、それから六五%の船腹量になれば発効要件を満たすという点についても、現在すでに六一%、日本が約一〇%ということですから、日本が批准をすれば発効要件をすべて満たす、こういう時期に立ち至っているということは、客観的に見て少し遅いんじゃないか。国内法の整備の問題もあったでしょう、それから外国航路の船と国内船に対する配慮もあったでしょう、しかし全体的には少し対応がおくれてきたような気がするのですが、IMCOの理事国としての責任をどのように受けとめておられるのか伺いたい。
#6
○謝敷政府委員 先生おっしゃいますように、わが国はIMCOにおきます理事国でございまして、IMCOにおきましてこの条約の批准、発効について各国にそれぞれ勧告をしております。わが国もそれを真剣に受けとめたわけでございますが、現在まで批准をしております四十一カ国のうちで、いわゆる海運国と言われたものの中で比較的トン数の多いものでかつ早く批准をしましたのは、先生御承知のように英国とそれからノルウェー等でございます。これはもともと画一的な基準をつくりたいという戦前からの各国での協議がありまして、その後、戦後すぐオスロ条約と申しますか、要するに北欧を中心とした条約ができまして、そこでは一応画一的なグループができたということでございまして、それ以外の、たとえばアメリカ合衆国でありますとか、フランスでありますとか、あるいはデンマーク、あるいはわが国のような伝統海運国におきましては、それぞれ外国航路を走ります国際航海に従事する船と、それ以外の比較的小さい内航船、漁船等数多く持っておりまして、この点の調整をできれば一緒にやりたい、考え方によりましては、国内航海に従事する船は従来どおりのやり方で踏襲して、国際航海に従事する船だけを条約を批准して対応すればいいじゃないかという論議もありましたが、それを私どもとしては統一的な基準でやりたい、こういうことで各国の動向を見ながら精いっぱい努力をしたというふうに考えております。
#7
○青山委員 そういう意味かも知れませんね。わが国独自の総トン数を決められてきた理由というのがちょっとよくわからなかったのですが、それと、独自の総トン数を決めたことが国際条約との関係で矛盾を来さないだろうか、その辺はどうですか。
#8
○謝敷政府委員 わが国独自の総トン数を設けたわけでございますが、これは基本的に日本の海事制度の中で長い間船の大きさをあらわす指標として総トン数を設けてきたわけでございます。引き続きこれらの制度においてその運営の基準として使用するためには、現行のもろもろの海事関係におきます秩序に与えます影響をできるだけ少なくするということで、新方式、これは外のり方式と、それから控除場所を認めないという方式でございますが、用途による控除場所を認めないという方式を何とか日本の総トン数体系の中で取り入れたいということでございます。したがいまして、先ほど御説明申し上げました四千トンの前後において同じ総トン数体系でおさまるようにという配慮を行ったわけでございます。
 それから条約上でございますが、条約につきましては、これは国際航海に従事します船につきましては国際トン数証書を与えまして、国際総トン数を使いますので、問題はないわけでございます。特に国内のみを動くものにつきましては、条約上の制約はないわけでございまして、そのいかなる手法を国内のみを運航する船に用いるべきかどうかということについては、あくまでも判断は各国にゆだねられているということで、日本といたしましては、ほかの国の検討状況について目を配りながら、わが国としては総トン数ということで統一して、国内のみを航行する船につきましても、あるいは国際航海に従事する船につきましても、統一的に使用できる総トン数制度を設けた、こういうことで条約上は問題はないと考えております。
#9
○青山委員 四千トン以下の船がこれまでのトン数よりは大分多くなる、そういうことで係数を掛けて実態に即した形にするんだ、私、その意味はわかるのですけれども、これが果たして国際条約との関係で矛盾する問題が起きないのかどうか、ちょっと理解できないのですね。それは、その小さい船が国内船だということになれば、これはトン数証書を交付する意味がちょっとないんじゃないかということになりますし、素人から見れば国際トン数をなぜ国内船にそのまま使えないものかというところがどうも理解できないのですけれども、その辺はどうなんでしょう。
#10
○謝敷政府委員 基本的に新法に言います総トン数は、これは国籍証書に書かれる総トン数である、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。したがいまして、条約で決められております、新法で言います国際総トン数と四千トン以上は事実上数値は合います。それから、四千トン未満は先ほど先生おっしゃいましたように、ある係数を掛けますから、国際総トン数ではかったものとは数字は違います。ただ、一貫して国籍証書に書く総トン数は新法で言います総トン数である、こう御理解いただきまして、その後で、国際航海に従事するものだけが国際トン数証書を持って、条約のはかり方ではかられた総トン数を書いたものを持って国際的に往来する、こういう仕組みになろうと思います。
#11
○青山委員 旧法における除外場所と新法における除外場所とは違ってきていますね。今回は用途による場所の除外というのが廃止されてくる、そうなってくると、船員の作業環境、居住区域が狭められていくんじゃないか、それから、それは同時に居住性に大きなしわ寄せが来るんじゃないかと心配をされているのです。そういうことはないんだということならば、その対策というのがあるのかどうか、お聞かせいただきたい。
#12
○謝敷政府委員 旧法におきましては、もともと各国の古い考え方と同じでございますが、要するに、上甲板の上にあります貨物倉とかあるいは機関室とか操舵室等、あるいは船舶の安全、衛生、利用上これに準ずるものというようなことで、用途によって除外場所が決まっていたわけでございます。新法におきましては、これらを一切外のりではかると同時に、これらの用途による除外場所を除きまして、いわゆる新法の三条に書いております閉囲場所は全部入れる。それで、閉囲場所について、これは一部あいているけれども、開口があるけれども、閉囲と認められるところは閉囲場所に入れますよ、それで、大きな開口があった場合に閉囲場所と認められないものは勘定から外しますよ、こういうことで、大きく変わっておりますのは、先生御指摘のように、用途による除外場所がなくなった、こういうことでございます。
 問題は、船員の居住区域や作業区域がしわ寄せを受けないか、こういう話でございます。現在私どもが見ております限りでは、船員の居住区域や作業区域が現状のように向上をしてきた。特に上甲板上におきます操舵室とか、あるいは操機室といいますか、かじ取りの部屋とか、こういったものは一般的に技術の向上と、それから生活レベルの向上で、関係者の努力によって向上してきた、こう考えております。
 したがいまして、今回の改正によって先ほど例を挙げましたような機関室、操舵室等の場所が除外されなくなりまして、船員の作業スペース等にしわ寄せが来るような事態が生ずるおそれが全くないとは言えないかと思います。これについて私どもとしては、発効前に実態調査を行いまして、関係者の意見を聞いて、実情に応じて、必要がありましたら私どもの関連の法令の見直し等について検討をしてまいりたい、こう考えております。現に、五十五年度におきまして船内の作業区画、居住区画等についての調査研究を実施する予定にしております。
#13
○青山委員 具体的には、船舶安全法等で今度の場所による除外がなくなることによって、船員の居住空間や居住性にもししわ寄せが来るかということになりますと、法律ででもその保証、対策を進めていただかなければならぬと思うのです。そういう可能性はあるでしょう。十分考えられると思うのです。具体的にはどのような対策を進めていかれるのか、お聞かせいただきたい。
#14
○謝敷政府委員 除外場所のうちで上甲板上にあります、先ほど申しました機関室、操舵室、賄室等が除外場所の主なものでございます。したがいまして、作業スペースでございます機関室、操舵室等については特に問題が生ずるとは思いませんが、先ほど私が申し上げましたように、船内の作業区画、それから居住区画全般にわたりまして、調査研究委員会を五十五年度において日本造船研究協会というところで実施をする予定にしております。
 それで、その中で特に三千トン以下の小さい船について問題があろうかと思いますので、これを非常に細かい区切りをつけまして、三千トン以下の船で十グループに分けまして、それから用途別に分けて、一般貨物船、タンカー、旅客船、作業船等の用途別、それから航行区域別に分けて、そして先ほど申しました操舵室、機関室、船員室、食堂、賄室等の床面積でありますとか、容積でございますから天井の高さでありますとか、便所の数でありますとか、こういうものについての調査解析を行いまして、この結果を踏まえまして標準を決める際の基礎資料として利用したい、こういうふうに考えております。
 それで、私ども基本的には、船舶安全法によります設備規定がございまして、その中で現在船員の居住室の容積を決めておりますが、先ほどの調査が終わりましたら、これを実態に合わせるように発効前までに必要な調整を終えて、必要なものは規定をしていきたいと考えております。
#15
○青山委員 作業環境や船員の居住区域というのは、本来ならば拡大されていく方向にあると思っておったのですね。ところが、今度船舶トン数測度の方式が変わってきますと、用途による除外場所を外すことから、どうしても荷物とかお客さんを少しでも多く乗せていきたいということになると、船員の作業環境だとかそういうところに――作業環境というのはなかなか複雑ですけれども、居住空間なんかにしわ寄せが来る可能性が非常に強い。単純に考えて時代に逆行するような不安を持たざるを得ません。その点ではぜひ慎重に取り組んでいただきたいことを要望しておきます。
 それから、最近タンカーがたくさんふえてきていまして、一九七四年のSOLAS条約がこの五月に発効をすることになっておると聞いているのですね。このSOLAS条約というのは載貨重量トン数によって規制をされていくということですけれども、この法律が施行されるまでの間は載貨重量トン数というのは何によって決めていかれるのか。
#16
○謝敷政府委員 七四年のSOLAS条約は昭和五十五年の五月二十五日から発効することとなっておりますので、これを実施いたしますために船舶安全法に基づきます関係省令の整備を行っているところでございまして、大体四月の二十五日を目標にして整備を行っております。これらの省令の施行に当たりましては、先生御指摘のように、載貨重量トンが規制のための区分の際の一つの基準になっております。それでございますので、これは本法施行までの当面の措置といたしましては、本法において規定することを予定しております基準をあらかじめ周知をいたしまして、個別の検査に当たっては、この基準によってトン数が算定されているかどうかを確認することとしておりまして、運用上特段の必要がないと考えております。
#17
○青山委員 現在ある船に対する国際トン数証書の交付はどのようにしていかれるのか。これは簡潔でいいです。
#18
○謝敷政府委員 現存船に対します国際トン数証書の交付につきましては、原則として現存船については従来どおりということでございますが、二つに分かれます。国際航海に従事する現存船につきましては、これは国際トン数証書の交付をやってまいります。それから二十四メートル未満の船舶については、条約上は規制がありませんが、国際トン数確認書というのを念のために出せる制度をつくっております。それで、現存船は十二年間は、特定修繕を行わなければ現在の総トン数をそのまま国際トン数証書に書くことになります。それから国内航海に従事します船につきましては、これはそのまま、その船の一生の間従来の総トン数を国籍証書に書くということになります。
#19
○青山委員 あと十分たちましたら、最後に運輸大臣にちょっとお尋ねしますから、運輸大臣、ひとつお願いします。(発言する者あり)
 その前に、船員局長に二つばかりお尋ねします。
 近年、わが国に入港する外国船のうち、リベリア、パナマ船などのいわゆる便宜置籍船が増加しつつあり、この便宜置籍船のあり方については種種問題が提起されてまいりました。(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。こうした中で五十三年に、IMCOにおいて一九七八年の船員の訓練資格証明及び当直の基準に関する国際条約が採択され、船員の訓練、資格要件等についての国際的基準がつくられて、船員の資質の向上が図られることとなっておりますが、この条約に対する諸外国の対応状況はどのようになっておりますか。
#20
○山元政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の条約は通称STCW条約と言われておりますけれども、現在までのところ、この条約を批准いたしている国はソ連及び東ドイツの二カ国でございます。このほかにも、イギリス、アメリカ等幾つかの国が批准について検討を進めているというように聞いているところでございます。
 なお、本条約の発効条件につきまして申し上げますれば、百総トン以上の船舶につきまして、総トン数の合計が世界全体の商船の総トン数の五〇%以上となる二十五カ国以上の国が批准した日の後の十二カ月後に発効する、こういう要件が定められております。
#21
○青山委員 最近の海難事故を調べてみますと、昭和五十年が二千四百二十一隻、以後ずっと二千六百六十五、二千三百六十九、二千三百五十七、二千百四十五と、昨年まで大体二千隻以上が海難事故に遭っています。これは昭和五十三年ですけれども、船舶職員法違反四千件以上、まことに憂うべき状況だと思うのです。そこで、いま申し上げたSTCW条約はできるだけ早期に発効されるべきだと私は思っているのです。このような海難事故、船舶職員法違反は憂うべき状況だと思うのですが、その御見解と、今後わが国が取り組んでいく姿勢についてお尋ねしておきたい。
#22
○山元政府委員 ただいま先生御指摘のように、海難事故がなお絶えない状況でございますし、船舶職員法等の違反の事例がかなりあるということは御指摘のとおりでございまして、この問題は、基本的には、国際的なレベルで船員の資質の向上を図る必要があると存じております。その意味におきまして本条約は、各国がそうした趣旨を踏まえて一昨年の七月にIMCOにおいて採択された条約でございますので、船員の資質の向上のためにはまことに有意義なものだと考えております。実質世界一の海運国でございますわが国としては、この条約に対応する国内体制の整備につきまして積極的に取り組んでいく所存でございまして、現在すでに運輸大臣の諮問機関でございます海上安全船員教育審議会及び船員中央労働委員会におきまして、それぞれ国内法化のための調査、検討を進めていただいているところでございまして、その結論を待ちまして所要の措置を講じてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#23
○青山委員 先ほどの船舶測度法についても今回のSTCW条約についても、日本は世界の主要な海運国、世界一の海運国、そういう立場からしますと、軽率にとは申しませんけれども、対応が比較的遅いような気がします。その点では海難事故を防ぐという意味でも船員の資質の向上のためにも、ぜひひとつ前向きに取り組んでいただきたい、要望しておきます。
 最後に、運輸大臣ちょっとお尋ねしますが、いよいよあすから交通ゼネストが始まると新聞に出ていますね。毎年この時期になると必ず交通ゼネストが実施されて善良な国民の足が奪われていく、私はまことに残念だと思う。突然で申しわけないが、運輸大臣の見解をまずひとつ伺っておきたい。
 それからいま一つは、現在国鉄の職員のストによる処分が凍結されております。再びストライキが行われればその凍結処分は解除されると聞いております。ストに突入したという事態は一体どういう状況だと受けとめておられるのか、この二つ、突然なんですけれども伺っておきたいと思います。
#24
○地崎国務大臣 昨日私鉄総連の組合の指導者と私と労働大臣、面会をいたしました。それぞれの申し入れ等を伺ってお返事をしたのですが、その際にぜひストを回避してもらいたいということを申し入れを私の方からしておきました。毎年恒例のように国民に御迷惑をかけるストが行われておることを大変遺憾に存じておるわけでございます。何とか労使の協調を図って、お互いに理解を深めてストをぜひ回避してもらいたい、かように存じておるわけでございます。
 なお、国鉄のスト計画についても国鉄総裁より厳重な警告を発しておるわけでございますが、この国鉄ストあるいは私鉄ストで約四千万人からの人が大変な迷惑をするわけでございますので、日本の経済あるいは産業あるいは文化生活の面において大変影響を受けるわけでございますので、できるだけこのストを回避してもらいたいというのが現在の私の心境でございます。
#25
○青山委員 もう一つ。ストに突入したという事態をどのように受けとめておられるか、事態というのはたとえば処分凍結解除の条件になるストへ突入する状況とはどういうことですか。
#26
○地崎国務大臣 状況はこれからのストのあり方を見て判断をしていかなければならないと思いますので、スト回避をいまできるだけ要望しておりますから、ストが行われた場合において判断をしてまいりたい、かように存じております。
#27
○青山委員 現実にはヤマネコストとかといって行われているんですよ。だけれども、それは中央指令ではないということで処分凍結解除にはなっていないようなのです。本来なら法律を破った人たちに対する処分を凍結をするという理由は一体何ですか。私にはわからない。どういう意図で凍結してこられたのか、どうですか。
#28
○地崎国務大臣 国鉄の再建あるいは三十五万人体制、こういうものをこのたびの法案で提出されておるわけでございますが、このようなことで、できるだけ労使の理解を得ながら進めていくというふうなことで前回の措置がとられたと思うわけでございますが、今回の私の考え方としましては違法のストについては認めがたいという態度で終始してまいりたい、かように存じておるわけでございます。
#29
○青山委員 質問を終わります。
#30
○古屋委員長 久保三郎君。
#31
○久保(三)委員 法律案の質問に入る前に、いまもお話しありましたので、一言運輸大臣にお尋ねしたい。
 春闘ということでいま私鉄総連を中心にして賃金交渉が行われているわけですが、もう細かいことは申し上げる必要はないと思うのですが、ストを回避というかストはやるべきでない、これはだれも承知し、またそういうことを望んでいるわけなんです。ストは目的じゃなくてストは手段でありますから、だからそういう手段を使わぬ問題を解決するというのは一番いいことでありまして、それはだれも望んでいることなんです。また努力しなければいかぬと思うのです。
 そこで、私鉄総連の問題は、すでに御承知のようにこれからこれに連動するであろうという一連の賃上げの問題に関係が深いわけであります。昨年の春闘のときに、私鉄の賃金交渉をめぐって政府は陰に陽にこれに制肘を加えてきた。だから自主的交渉と言いながら自主的な交渉が円満にいかないために、いままでにないような、言うならば変則的な解決の方法がとられたということは大臣も御承知のことだと思うのです。いろいろな問題があると思うのです。野方図な賃上げがいいかと言ったら、だれも野方図な賃上げをこれまた望む者はないと思うのですね。しかし、やはり要求は十分聞き入れるという態度でなければ問題は解決しないと思うのです。ましてや最近のような物価上昇、それからこれからもかなりの高騰を予想される情勢の中では、労働者としては自分の生活を守るためにやはりあらゆる手段、努力というか、そういうものをしなければならぬ立場に追い込まれていると思うのです。だからそれを手放しでいる限りは問題はやはり悪化すると思うのです。特に交通関係の問題は世間に与える影響もかなり甚大でありますから、そういうことからいって運輸大臣はこの問題の解決にやはり努力することだと思うのですね。昨年のように悪化させるために努力することでは、これは問題を解決することではありませんからね。だから所信のほどをいま聞いておきたいのです。積極的に円満解決の方向で努力されるのが担当大臣の役目だと思うんだが、その点はいかがか。
#32
○地崎国務大臣 ただいまもお答え申し上げましたように、昨日私鉄総連の組合の幹部の方々と面会をしたわけでございますが、その際、政府は物価上昇をできるだけ抑えるようにという項目と、それから企業、産業間格差の賃金是正に協力をしてもらいたいというお話と、それから政府はこの労使交渉に対して不当な介入をしないように、こういう御要望がございました。私からお答え申し上げましたのは、国民に大変な迷惑がかかるわけでございますから、できるだけストを回避してもらいたい、しかしながら物価の上昇問題については、政府はいま最大の努力をして六・四%をめどとして物価の上昇を抑えるという努力をしているので御理解をいただきたい、そして賃金の労使交渉に対しては、本来労使で決めるべきものでございますから政府は介入をする意思も持っておりませんし、できるだけ労使お互いに協力し合って、理解し合って企業間格差、あるいはいまの賃金交渉をお互いに理解を強めながら解決をしてもらいたい、こういう申し入れに対してのお答えをしたわけでございます。したがって、先生おっしゃるように労使の賃金交渉に対して政府は干渉する意思は全く持っておりません。何としてもストを回避をしていただきたいということを労使にお願いをするという態度で終始をしてまいりたい、かように存じておるわけでございます。
#33
○久保(三)委員 議題外ですから余り長いこと質疑を続けるのもどうかと思うのでありますが、本日というか、きょうあすが言うなら山場というふうに見られておりますので特に申し上げるのですが、言葉を返すようでありましてこれはむだなことかもしれませんが、物価の上昇には政府は最大の努力を払っていると言うが、世間ではだれもそう思っていないのです。われわれも思っていない。そういうのは言うなら単なるやりとりでありまして、われわれの辞書には口説の徒というのがあります。おしゃべりですね。こういうものは政治の場所には不要かと思うのです。できないものはできない、結構ですよ。やれるものはやる。こうでないと、言葉のやりとりで、わかりました、結構でございますということでやっている限りは、これは審議の場所も言うならサル芝居の舞台にすぎないと思うのです。言葉が過ぎますが、そういうことになっては困るのでありまして、やはり政治の舞台というか本舞台というのはここだと思うのです。裏舞台というのも最近たくさんありますけれども、ここ一番というときには、やはりお互いにここ一番で話をして結論を出すということだと思うのです。どうもそういう点で、私は最近非常に不安に思っているのです。運輸大臣はおいでになって、きょうはさわやかなお顔をされていらっしゃいますが、徹頭徹尾ここを休息の場所にしていらっしゃるように見受けられる。それは困る。だから、そういうことを考えれば、いま十五日、きょうが山場だというなら、やはり労使の交渉には介入しませんというのは、これは言うなら型どおりのお話なんでございます。そういうことを聞いているのじゃないのです。去年は事実介入したのです。悪い方に介入したのです。解決を悪化させるために介入した。ところが介入は効かないで、それは的を外れて、解決は最後は自主交渉でできました。政府が干渉したのでストライキをやらぬでも済むものをやっちゃった。ストがいいか悪いかなんという議論もあるようでありますが、いい悪いの前に、それをやらせないということで問題の取り組みがなければこれはどうにもならぬと思うのです。
 もう一遍お聞きします。環境をよくするということは運輸大臣の責任だと思うのです。労使交渉の環境をよくするということ、よくても悪くても、それに介入することはいかがかと思いますよ、運輸大臣でありますから。しかし、環境を整備してあげるということは、政治家として、運輸大臣として当然だと思うのですが、いかがですか。
#34
○地崎国務大臣 きょう五時ごろまでの間に相当労使の間でいろいろな交渉が行われるようでございます。環境をよくしろという仰せでございますが、いまのところ全く労使間の交渉を静かに見守っているという立場で終始をしたい、かように考えておるわけでございます。
#35
○久保(三)委員 いまのところはそうかもしれませんが、じゃ、悪い手出しはしませんな、これは。
#36
○地崎国務大臣 もちろんそのような考え方は持っておりません。
#37
○久保(三)委員 必要があれば環境整備はしますか。
#38
○地崎国務大臣 もし求められればお手伝いをすることはやぶさかでございません。
#39
○久保(三)委員 それじゃ次にいきましょう。
 この測度法に関連して二、三お尋ねしたいのでありますが、これはどちらに聞くのがいいのか、小型漁船の測度の問題です。これは漁船法によりますというより、政令によって決められるわけですね。政令によって手続が違うのですね。これは今回の法律には関係ありませんか。
#40
○謝敷政府委員 先生御指摘の小型漁船とおっしゃいますのは、私の理解では二十トン未満の船というふうに理解をさせていただきますと、二十トン未満五トン以上の船につきましては、現在御指摘のように政令によりまして測度を行っております。これは今度の新法によりましてもそのやり方については踏襲をしてまいりますが、はかり方自身は内のりから外のりに変わりますので、こういう考え方で小型船籍令に基づきます小型船の測度について実施してまいりたい。もっと端的に申しますと、現在の政令によって二十トン未満の小型船舶、漁船も含めまして従来の政令によってやりますが、はかり方そのものは、内のりから外のりに変えるということで、省令に書いております数値等については現状に合わせて検討していくつもりでございます。
#41
○久保(三)委員 そのためにはこの政令の中身を変えますか。
#42
○謝敷政府委員 小型船舶につきましての船籍及び積量の測度に関します政令につきましては内容を変える必要はないと考えております。
#43
○久保(三)委員 それは内容を変えるというか、はかり方を変えることは、この政令の中には関係ありませんか。
#44
○謝敷政府委員 これははかり方そのものは省令にゆだねられておりまして、はかり方の基準を決めておりますのは、船舶積量測度法の体系の中に簡易船舶積量測度規程というのがございまして、ここではかり方の基準及び数値等について決めてございますので、これは改正をする必要があろうかと考えております。
#45
○久保(三)委員 どんなふうに改正をしますか。
#46
○謝敷政府委員 簡易船舶積量測度規程の五条におきまして、法律、現在の船舶積量測度法にございますような用途による除外例がございます。これは当然新法の精神に従って用途による除外例を認めないということと、それから内のりをはかるという決めがございますが、これは外のりに改めます。したがいまして、第七条に、船の長さ、幅、深さを掛けまして、係数をさらに乗ずるということの決めをしておりますが、これの係数については外のりに改めることと、それから用途による除外場所をなくしますので、この係数が変わってまいる、こういうふうに考えております。
#47
○久保(三)委員 そうしますと、おおむね一般の船と同じように変えていくということですね。
 そうしますと、先ほども話がありましたが、船員の船内における設備の問題ですが、設備基準は二十トン未満は漁船特殊規程で決めているのですね。二十トン以上はこれはないですね。そういう規程はないが、いわゆる農林水産大臣の通達のようなもので一応そういう基準を決めている、こういうふうに考えるのですが、そのとおりですか。これは漁船課長さんの方がいいのかな。
#48
○工藤説明員 漁船の場合に限って申し上げますと、漁船特殊規程は総トン数二十トン以上の漁船でございまして、その中に船員居住区その他の基準が設けられております。水産庁といたしましては、その規程で不十分な点につきまして、昭和三十七年から漁船の船員設備基準を告示をいたしまして、これらを守るように、漁船の建造許可その他のときに図面上でチェックいたしまして、またでき上がった漁船についてもそのとおり守られているかどうかのチェックをいたしてきております。なお、この設備基準につきましては、水産庁と船員局、船舶局の三者通達を出しまして、この三者のそれぞれの担当官と申しますか、船員労務官、船舶検査官、漁船検査官あるいは漁業監督官等が、これらの基準が守られているかどうかを常にチェックするということにいたしております。
#49
○久保(三)委員 船舶局長、漁船についてはいまお話がありました。一般の汽船についてはそういうものはないですね。ただ船舶設備規程がある。これも大体いまお話があった漁船の関係と大同小異、余り変わりはないということですね。
#50
○謝敷政府委員 一般船舶につきましては、先生御指摘のように、船舶安全法に基づきます船舶設備規程、それから小型船については、小型船舶に関します特別の、小型船舶安全規則がございまして、居住について決めてございますが、確かに現行の規定ぶりは先生御指摘のとおりでございます。
#51
○久保(三)委員 そこで、先ほども御指摘がありましたが、国際的にはILOの九十二号条約ですか、そういうものがあるわけなんで、国内ではいま言ったように規程とかいうようなもので、あるいは水産庁長官告示か、そういうもので出しているわけなんで、必ずしも中身を言うならば詳細にわたってそういうものができているわけではなくて、大体おおよその規定というか定めをしているわけですね。しかも、汽船については、全日海の組合は、いわゆる船主との間の労働協約というか、協約の中でこういう問題を細かく協定しているわけですね。これも一つの方法ではありますが、そういう組合に組織されている面はいいけれども、組織されていない者にはそういうものが適用されないということなんで、片方では国際的な条約もすでに前に出ているということなんで、私は、この際、測度法の改正は、それぞれ御指摘があるように、今度は外のりでおおよそ全体を包含してトン数もはかるということになりますと、経済性その他からいって、ともすればやはり船員設備の基準とかあるいは作業環境のスペース、そういうものはかなり制限される心配がある。そればかりじゃなくて、これまでも、いままでのような規則なり告示なりがありましても、船員の労働あるいは休息、そういうものについて必ずしも良好な状態にはない。
 だから、この際は、測度法の改正もこれあり、船員設備基準あるいは作業環境基準、こういうものを法制化すべきではないかというふうに思う。いままでのようなやり方で事足りるとは私は思っていないので、また、事足りるというならば、なぜそれは法律にしないのか。それほど政令なりあるいは告示なり規程なりということでちょいちょい皆さんが時宜に応じて変更するようなものではないとこれは思うのですね。そうだとすれば、やはりこの際一応の基準はきちっと法律化して守っていくべきではないかというふうに思うのであります。後からもちょっと御質問申し上げますが、やはり人間がすべての土台であるということを基礎に置いて物事を考えていくことがこれからの時代だろうというふうに思うのです。そうなりますと、やはりそれを保護しそれを守っていくという法制化が必要でないか、そういう観点からも、そういう基準を法制化したらどうか。
 それから、もう一つは、甲の船はこれをきつくする、乙の船は緩くするというのでは、これは言うなら不当な競争を巻き起こす原因にもなりますから、公正な競争からいっても、そういう設備基準、環境基準というようなものは、この際、法制化を考えるべきだと思うが、船舶局長並びに農林省、両方からお答えいただきたい。
#52
○謝敷政府委員 先生御指摘の、船内におきます安全とかあるいは居住、衛生等に関します設備基準につきまして、現在、船舶安全法に基づきます船舶設備規程、それから漁船特殊規程によって規定をしておりますが、御指摘のように、端的に申しまして最低の基準を決めているにすぎない、こういう御指摘はもっともだと思います。しかし、現実を私どもで見てまいりますと、三千トン以上の船につきまして一般的な生活水準の向上等から現在先生が御指摘になりましたILO条約の基準をほぼ実質的に満足しておるところであるかと考えますが、三千トン未満の船においてどういうことかということになるわけでございます。先ほど先生が引用されました労使間の労働協約によりまして、三千総トン以上の新造船についてはILOの基準を実質的に下回らない、それから未満につきましてもできる限り基準に合わせる、それからカーフェリー等におきましては、二十四時間以上航行する三千総トン以上のカーフェリーはILOに定められております基準を実質的に満足するように、こういうことでやっておりまして、現実に私どもとしましてはそれの実態をチェックをしております。
 それで問題は、三千トン未満の漁船も含めましてどうかということでございまして、先ほど先生から御指摘がございましたように、トン数法が変わることによりまして用途による除外場所がなくなるということから、船員の居住とか衛生に関する設備が阻害されないように、さらに改善していくべきものだと考えておりまして、いま五十五年度中に一年をかけまして関係の学識経験者、それから関係の業界団体、それから関係の技術者等によって検討をしてまいって基準を決めてまいりたい、こう考えております。その際に私どもとしましては、船舶安全法の船舶設備規程並びに漁船に関します漁船特殊規程、この両規程を必要に応じ実態に合わせて整備をするということを検討をしたい、現在こう思っておるところでございます。
#53
○工藤説明員 先ほども申し上げましたように、水産庁としては昭和三十七年から船員設備基準を設けまして、これはその後四回にわたり内容を充実してまいっておるわけでございますが、今回のトン数測度法の変更に伴いまして、御指摘のような船員居住設備、それから安全作業に関係のございます機関室ですとか操舵室等の容積が縮小される危険性といいますか可能性も考えられますので、水産庁といたしましては、漁船におきますこれらの業務区域について安全衛生及び安全作業を確保するという見地から、最低基準を設けてこれを強制規定にいたしたいとは思っておりますが、法律にするか政令にするかあるいは省令にするか、いろいろな方法があろうかと思いますが、この辺につきましては運輸省とも十分相談いたしまして実効の上がる方法で定めるということを考えておる次第でございます。
#54
○久保(三)委員 船舶局長のお話はILO九十二号に大体適合するというお話ですが、そうばかりもとっていないのであります。かなり不完全と言っては語弊がありますが、緩やかなところもある。だからせめて労働協約に結んでいるようなものを内容とすることと、もう一つは、安全の問題を含めて作業環境の問題です。これはいまの船員設備基準にはないわけであります。安全の作業環境整備、それを確保するというようなことは、これはどっちにも、漁船の方にもありませんから、だからそういうものも含めて完成さすべきものではないか、こういうふうに一つは思っているわけなんです。いま検討して法制化――強制できるものとしてどういうものをつくるか検討すると言うが、ことしじゅうにそういうものを仕上げますか、それと同時に、仕上げればILO九十二号をいわゆる批准してもよろしいのじゃないかと思うのですが、批准していないですね。なぜ批准していないのか、これもあわせて聞きますが、いかがですか。
#55
○謝敷政府委員 今回のトン数法を可決をいただきますれば条約自身が二年後に発効することになりますので、それで私どもとしては、先ほど申し述べました特に三千トン未満の船についての居住区画、それから作業区画等についての調査を五十五年度で終わることにしております。それをいたしますれば、あとはそれをもとにいたしまして必要な省令を決めてまいるわけでございます。
 その際に、ILO九十二号条約との関係でございますが、これは私どもの局単独ではお答えできない問題がございます。たとえば船内におきます設備、施設の面は私どもが対応するわけでございまして、その他行為の面がございますから、船員の安全等に関します船長の義務規定等がございますので、これは船員局で現在検討をしております。しかし三千トン以上の商船のように、先ほどから御答弁しておりますように、実質的に実現している部分もありますので、今後私どもは、先ほど申しました調査の結果を踏まえて、基本的には条約の趣旨に沿った措置を講ずるように関係の向きとも協議しつつ対処をしてまいりたいと思います。
 私が趣旨と申し上げておりますのは、ILO九十二号条約によりますと、日本の実情とやや違っております例を一つ申し上げますと、たとえば食堂でございますが、これは千トン以上の船には食堂が三つなければいけない、士官室と甲板員用とそれから機関用ということでありますが、現実には私の知る限りでは二つというのが一般的な実態でございまして、こういった点で全部ILO条約の内容をチェックいたしまして、それから私どもが今後調査をしました結果を踏まえて条約の趣旨に沿った措置を講ずることをまず第一にしまして、条約の批准については、基本的には批准をすべきだと思いますが、先ほどのような問題もございますので、この点について十分検討した上で対応させていただきたい、こう考えております。
#56
○久保(三)委員 検討をすると言うが、大体それに近づいてきているなら、やはり実態調査も別に悪いことじゃありませんけれども、それに基づいて結論を出していく。国際的にこの九十二号には賛成はしているんでしょうね。反対しているんじゃないでしょう。
#57
○謝敷政府委員 基本的には反対の立場でございますが、内容の一部について先ほど申しましたように日本の実態と食い違っているところがございますので、船員局と私ども等で検討しているところでございます。
#58
○久保(三)委員 いま一例に挙げられた食堂の数の問題などは条約と国内法の関係をどこまですり合わせをすればいいのか、私は専門家でありませんからわかりませんが、少なくともその条約の趣旨その他に相反しなければ、重大なところでなければ条約を批准したって差し支えないじゃないかというふうにも一応は思うのです。
 いずれにしても、それは検討する必要がありますが、基本的には、いつまでもそういう条約をぶら下げておくことは余りいいことではないと思うのです。それぞれ先進国でありますから批准もして、それに応じて国内体制もそれ以上に充実していくということだと思うのです。そういうことがなければ条約などをILOとかその他に行って議論する必要はないと私は思うので、そういう点をひとつ考えてもらいたい。
 いずれにしても、今年度いっぱい検討して結論を出したいというようなお話だから、われわれも期待しています。これは長年いままでそういう問題を表に出しながら出てこなかったということでありますから、いまあるものはあるというだけで完全ではないもの、それから安全のスペース等については、これは規定もたくさんあるわけじゃない、これを確保していかなければならぬ、こういうふうに思いますので、そういうことで制度化してもらいたいと思います。
 そこで、農林水産省にお聞きします。
 いわゆる船員設備の改善に伴う漁船の大型化に関する取り扱い方針というのがあります。いわゆるボーナストン数ですね。このボーナストン数の処理はどうなされますか。私は原則的に、ボーナストン数は含めて許可するということが趣旨になりはしないかと思うのですね。もしもただ手ぶらでボーナストン数をそのまま移行させるということになるというと、変な改造や何かをされて、今度は逆に先ほど言ったようなスペースを縮めてくる場合がなきにしもあらずでありますから、それは一つの船員設備、船内設備基準、こういうものをこれだけにしたから、これだけはボーナストン数に乗せているのでありますから、それはやはり歯どめを置いた上でのボーナストン数を認めて、それも測度の中で包括していく、それで許可をしていくということにしなければならぬだろうと思うのですが、いかがな御方針ですか。
#59
○工藤説明員 漁業法に基づく許可制度の関係につきましては、直接担当いたしておりませんので的確なお答えはいたしかねる点もございますが、先生御指摘のように、現状と不公平なことにならないように当然措置すべきであろうと思いますし、乗組員の労働、安全衛生に関する環境の向上、それから船舶の安全の確保という観点から、これらを阻害しないよう検討を進めたいと考えております。
 もちろんボーナストン数といいますか、これは俗称でございますが、船員設備改善のための大型化のトン数でございますが、これはすでに制度として定着いたしておりますので、これをいまさら取り去るというようなことはちょっと考えられないことではないかと思っております。
#60
○久保(三)委員 ボーナストン数は運輸省に関係ありませんね。安全法にも関係ありませんね。
#61
○謝敷政府委員 あります。
#62
○久保(三)委員 あるのでしょう。――いまの質問に対してどう思いますか。
#63
○謝敷政府委員 これは、漁船の設備に関しまして先ほど水産庁から御答弁がありましたように、漁船船員の労働環境改善措置要綱というものを水産庁の長官と船舶局長と船員局長の三者の共同通達でしております。
 基本的には漁船におきます居住、労働安全衛生関係の設備を改善していって、それで漁船船員の労働環境の改善に資するということでございます。したがいまして、私どもも漁業法に基づきます許可の際の一定のトン数に特例を設けてでもその環境改善を図るということでございまして、私どもは主として漁船員の施設に関する面を担当をし、それから船員局は労働基準等に関係する面を担当して、水産庁と協議をして三者で出しておるわけでございます。したがいまして、これは三回ほど改善をいたしましたが、今後これらが定着してきました場合に、先ほど水産庁からも私からも答弁を申し上げましたように、法律の体系の中であります設備規程なり、漁船でありますと漁船特殊規程の中に織り込むことも検討すべきではないかと考えております。
#64
○久保(三)委員 これは漁船課長にお伺いしたいのだが、一時、許可トン数以上の船をつくって操業していて問題を起こしたのがありますね。いわゆる減トン工事というやつ。これは最近はどういうふうな傾向ですか。
 それと同時に、漁船の検査は実際はだれがやるのですか。
#65
○工藤説明員 トン数の水増しというか、一昨年あたり大分騒がれたわけでありますが、あの例で申し上げますと、建造の許可を出しますのも北海道知事でございますし、また実際に船の測度をいたしますのも北海道の道庁の職員でございまして、私どもとしてどうも直接手を下す立場になかったものでございますので、あの事件が発覚いたしましてから厳重に北海道を指導いたしまして、現在制度的にも九・九トンを一応十九トンということに船型を改めまして、かつその増トン分に見合うだけの減給を行わせるということで、漁獲努力がふえないようにという点で一応収束を見て、現在は正常化された状態になっております。
    〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕
 ただ、そのほかにも各県にときどきそのような事例が指摘されておりますが、これにつきましても担当の都道府県の指導を厳重にいたしておるところでございます。
 それから、漁船の検査でございますが、安全については、私の方ではなくて運輸省の船舶局所管でございます安全検査がございます。水産庁といたしましては、漁船法で依頼検査というのがございまして、これは船主さんの依頼によって漁船の漁労性能の向上という観点から、どちらかといえば指導的な意味の検査――名称は検査でございますが、内容的には一応船主さんの希望される漁労性能が持てる船にするという意味で、指導的な役割りというか、そういうことでございますので、これは強制でやっておるわけではございません。
#66
○謝敷政府委員 一般には、小型船舶について、先ほど申しましたように二十トン未満については都道府県がトン数をはかっております。それから、安全法の関係は、二十トン未満の漁船につきましても船舶安全法の改正によりまして私どもが検査をしております。
 実態としまして、不法改造転覆等の事故が起こりましたのは、まさに漁業法によります許可を受けたトン数以上の船になるおそれのあるものにトン数をはかった後で改造した、こういうことでございまして、先ほど漁船課長から答弁がありましたのと同時に、私どもは、北海道庁と私どもの検査官と協議させて、今後起こらないようにという指導はしてまいりました。
 今度新しいトン数法によりましてトン数をはかることになりますと、これは外のりではかって除外場所がないわけでございますから およそ同じ長さ、同じ幅、同じ深さの船で、似たような船であればトン数は同じに出てまいるわけです。そういう意味におきましても、だれが見てもこの船は何トンということが非常にはっきりわかるようになってまいりますので、その意味ではそういった不法な、トン数を下げるための改造もやりにくくなるという意味で、何とか国内船についてもこういう方式を導入したいと考えたわけでございまして、この点は新法によりますれば改善される、私はこう考えております。
#67
○久保(三)委員 いまの依頼検査、御説明のとおりなんだが、依頼検査を受けて技術基準に適合しなければ、いわゆる漁業法によるところの許可をしない、こういうことなんですか。
#68
○工藤説明員 あくまでも任意の検査でございますので、合格しないからといって漁船として使えないということにはなっておりません。
#69
○久保(三)委員 船舶検査といまの、船舶なんだが漁船の依頼検査とは、どうもいまの説明ではよくわからぬのでありますが、これは依頼検査をするものについても船舶検査はするのでしょうね。
#70
○謝敷政府委員 これは基本的に、小型漁船といえども、安全に関します検査は船舶安全法によりまして運輸省の検査官がやっておるわけでございます。最初の、新造のときの検査から始まりまして、定期的な検査をやってまいるわけでございます。
 それと、水産庁がおやりになります依頼検査は、分け方としましては、漁船の性能向上、あるいは漁業生産力の合理的な発展、こういうことが目的でありまして、堪航性、人命の安全の見地から行います強制検査である船舶安全法の検査とはおのずから違っておりますので、これは今後も両者とも併用して、片方は漁船性能の向上、片方は漁船の安全のための規制ということで、二つが相まってバランスのとれた漁船ができていく、こういうふうに考えております。
#71
○久保(三)委員 私はよくわからないのでありますが、依頼検査というのは、先ほどお話があったように、漁船と言うよりも漁労について検査をする、そうするとこれは船全体の検査ではなくて、船にある設備の検査、たとえば網の巻く設備がどうだとか、魚倉をどこに置くとかいうようなことなんですか。
    〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕
#72
○工藤説明員 御指摘のように、船に臨んで最終的な取りまとめといいますか、最終的なそういう確認もいたしますが、たとえば魚倉の防熱装置が適切であるかとかあるいはエンジンそのものが果たして性能のいいものであるかとか、それから冷凍設備が適切なものであるか、いろいろございますので、それぞれの製造メーカーの工場等にも参りますし、最終的には総合性能として、船に臨みまして検査をいたすということになっております。
#73
○久保(三)委員 よくわからないけれども、漁船だから魚をとる、それをなぜわざわざ性能がいいか悪いかなどという検査をするのですか。いいか悪いかは船を持っている人、船主、それの責任でやることであって、それはずいぶんおせっかいな話のようにも聞こえる。いかがですか。
#74
○工藤説明員 この制度が始まりましたいきさつから申し上げますと、最近は船主さんも大分勉強はされてきたと思うのですが、なかなか技術的な細かいことについての知識をお持ちでないというようなことがございまして、造船所あるいはメーカーさんに頼んでも、果たしてそれが船主さんの期待する性能を持つものであるかどうかということの確認の技術を持っていないというようなことで、船主にかわって、船主さんの要望に果たして沿える船であるかどうか、沿える船になるようにいろいろアドバイスをしたり指導したりということが私どもの依頼検査のそもそもの始まりでございます。
#75
○久保(三)委員 実際言うと、何かよくわからない。私どもの考え方からするならば、性能のいい漁船をつくるということならば、船舶局長がいるので悪いのですが、漁船はおれに任せろと言った方がよさそうですね。船舶局の方の検査というのはひっくり返らないような船をつくってあるかどうか、これがまず基本ですね。耐航性があるかどうか、そのほかにもいろいろありますけれども、まずそういうこと。何か権限の争いではないが、ここまではぼくがやる、こっちはあなたの方、こういうことでできたような制度にも思うのであります。依頼検査などと言うからおかしいのであって、依頼検査の内容は何も規則や何か決めてやる必要はないのじゃないかと思うのです。そういうことになれば、この設計でつくるのだがひとつどうだろうか、ちょっと指導してくださいというわけだ。さっき話があったようにメーカーによって違いますなんて、何か水産庁はメーカーを指導しているような話もあるけれども、そういう話はどうなんですか。何かややこしいですね。だから依頼検査――検査ということがどだいどうもひっかかりますね。検査というのは技術基準に適合しているかどうかということ、していなければどうなるかというと、していないということを書いた書面を渡す、こう言っているのだな。何のためなんだろうかと思っている。いかがですか。
#76
○工藤説明員 検査が二重ではないかというような御指摘のようにも受け取れますが、船舶安全法によります船舶の安全につきましてはこれは運輸省の所管ということになっております。
 依頼検査の趣旨につきましてはどうも御理解がなかなかいかないというふうに受け取りますが、私どもとすれば終始一貫、これは安全が基本ではございますけれども、その上に漁労性能のいいものをということでやっておりまして、確かに検査という名前をつけてありますことが果たしてどうも適切でないという御指摘であれば、これはまた法改正あるいは制度改正というようなことがございました時点で考え直す必要があろうかとは思いますけれども、もうすでに昭和二十五年当時にできた法律でございまして、私もその辺のいきさつは余り詳しく承知しておりませんので、御指摘の点はひとつ承りまして、また今後検討させていただきたいと思います。
#77
○久保(三)委員 この際御意見を承っておきたいのですが、大体船に関する法律の基本は、船舶法という法律がありますね。それから船舶安全法、船舶職員法、それから船員法、こういう法律が制度としての柱なんですね。ところがその中の船舶安全法というのは、いま漁船課長からお話ありましたが、それ以前の法律なんですね。片仮名で書いてある法律なんです。もちろんそれが全部だめということではないけれども、先ほど来申し上げているように、船内における船員の設備基準あるいは安全環境の基準というようなこと一つを考えても、船舶安全法などは一遍見直すべきではないかへこういうふうに考えている。しかも漁船の問題にしても、漁船特殊規程あるいは特殊規則とかいうことでいろいろなものがたくさんぞろぞろ出ているのです。あるいはいま申し上げましたように、ボーナストン数の制度も出てきている。ということになると、これは船の安全運航についてどういうことであるのかという基本をもう一遍立て直す必要がありはしないかというふうに思うのです。そういう点で、いかがですか、船舶安全法の検討をするつもりはありますか。あるいはやっているならばどういうねらいでやっておられるか。いかがですか。
#78
○謝敷政府委員 先生御指摘のように、船舶に関します基本的な法律の一つとして船舶安全法があるわけでございます。その船舶安全法の二条で「船体」から始まりまして御指摘の「居住設備」等も含めて船舶に関します施設全体について安全の基本的な考え方及び必要な決めをしておるわけでございます。
 それで、これは非常にむずかしい問題でございますが、先ほど申しましたような二条に決めてありますような施設を具体的に現在の技術進歩に合わせて書き直していくということが必要かと存じますが、船舶の技術的な基準は、先ほどの御指摘のような居住設備一つとりましてもかなり前進をし、かなり変化をしていくということで、私どものいまの基本的な考え方としては、安全法は基本的な法律として、その後に続きます政令なり省令なり告示、これとの関係は基本的には私はいまの形であるべきだと思います。それであと問題は、その下にあります政省令を時々刻々適確に変え得るかという点につきましては、確かに私どもの事務能力、それから国際的な条約あるいは条約に至らないまでの勧告等がございまして、これを直しつつありまして、一例を挙げますと、最近ようやく危険物に関します運送及び貯蔵規則を全面改正したわけでございます。
 したがいまして、船舶安全法、これは片仮名法でありますが、字句等について問題になるところもございますが、私は基本的には、安全法の大系はいまの形、いわゆる基本となる法律と、それからその次に位する政令と、それから時々刻々国内の技術的な進歩あるいは国際的な条約、勧告の取り決めに対応すべき技術規定、こういった分け方は、この法律の対象とします船を考えますといまの形がいいのではないかと考えております。船舶安全法は四十八年に改正をしておりますが、逐次法律自身改正の必要が出てくれば改正をするということで対応しておりまして、現在のところは安全法の全面見直しについては検討をまだ開始をしておりません。いまもっぱらやっておりますのは、条約、勧告に対応するための技術省令の改正に全力を注ぐ、それがある程度目鼻がつきました段階で新しい法律的な規制の概念のあり方も考えまして検討をすべきだと考えておりますが、現在のところは、いま言ったような作業順序で安全法に取り組んでおる次第でございます。
#79
○久保(三)委員 安全法の改正というか、これはやっぱり検討していくべきだろうというふうに思うのです。その際、安全法ばかりではありませんが、海の方の古い法律には非常に難解な文言が多いんですね。難解というか、非常に表現の方法が適切でないという、そのために一般的ではない文言が散見されるわけですね。そういうものを整理することも一つなんですね。じっくり考えなければよくわからぬなんというのはどうかと思うんですよ。いまちょっと見当たりませんが、そういうのは各所にあります。そういうものを含めて考えてもらいたい、こういうふうに思います。
 それからもう一つ。この法律の改正で内航船はどうしましたか。この間斉藤委員からお話があって、小さい船は何か割り掛けが多いんですか、そのために小さくなっていくと言ってはおかしいですが、そうですね。そうなると内航の方の扱いはそういうことでいくというと、いまの経済行為にかなり影響が出てくるのではないかという心配もあるのですが、この点はどういうふうになりますか。
#80
○謝敷政府委員 先生御指摘の内航船で特に四千トン未満のものにつきましては、条約方式ではかりました総トン数は現在の総トン数よりもかなり大きく出てまいります。したがいまして、これを修正しますために修正係数をつくったわけでございますが、それは先生御指摘のようにほぼ四千トン近いものは一でございまして、それからだんだん下がって、現行一九九のものは〇.六三というふうに下げておりますが、これは内航船は特に国際航海に行かないわけですから条約による必要がないわけですが、私どもとしては、この際条約によりますはかり方の方式、外のりではかって、用途による控除をしない、したがって外形上の大きさが総トン数に対応するという方式はぜひとりたい、こう思いましたのが一点と、それから現在の総トン数のもとで運航しております国内船の諸活動に大きな影響を与えないということで、四千トン以下の船を中心にして資料を集めましてこういった係数を決めたわけでございます。したがいまして、現行の総トン数に合うという考え方で係数を決めたわけでございますから、先生御指摘のような現状の経済活動を中心とします船舶の活動に余り大きく影響が出ないように工夫をしたつもりでございます。
 四千トン以上の船におきましては、そういった条約に決められております係数は、やはり現状と余り大きく乖離しないようにという決めをしたわけでございまして、たまたま四千トン以下の日本の内航船において、条約による係数が合っておりませんので、これを同様な趣旨で新しく係数を設けたということでございますので、先生御指摘のような現在の諸活動に著しく影響を与えることのないようにという配慮からですから、ほとんど影響はないというふうに考えております。
#81
○久保(三)委員 そういう結論的な話はわかりました。
 そこで、これはよくわからぬのですが、その係数を掛けていけば、本物というか実体とは相違したものになるわけですか、どうですか。
#82
○謝敷政府委員 実体と申しますのがトン数の場合に非常にややこしゅうございますから、現行の総トン数と余り大きな相違はないというふうに御理解いただきたいと思います。
#83
○久保(三)委員 内のりと外のりでは違うし、居住区等のものがあれば今度はそれは中へ入れる、あるいはいまのものは控除するということになっていますから、ずいぶん違うのじゃないかというふうに概念的には思うのですが、それはどうなんですか。
#84
○謝敷政府委員 これは非常にややこしい説明をもう一遍繰り返して恐縮でございますが、船のもともとのトン数の御説明を一遍させていただきますと、内のりではかって控除すべき場所は控除して容積を出します。容積を出しまして、ここから先は昔からのやり方でございまして、百立方フィートが一トンというふうな、これはまさに十九世紀以来の基準として使っていたものでございまして、それで容積を出して、百立方フィートが一トンでございますから、立方メーターで計算をしますと、先ほど申しました内のりの容積を出して、場所を除外して〇・三五三を掛ければちょうど百立方フィートが一トンというような計算になります。それがいままでのトン数でございます。今度は外のりで、それから控除場所をやらないで総容積を出しまして、それで四千トン以上の船は端的に申しまして〇・二から一番大きい船で〇・三二ぐらいの係数を掛けるわけです。したがいまして、感じとして非常に大ざっぱなことを言いますと、〇・三五三を掛けたものに対して〇・二とか〇・三二を掛けますから、内のり、外のりとか控除面積が大体相殺されてほぼ同じぐらいになるだろう、こういうのが国際総トン数でございます。それが〇・二から〇・三二という範囲で出てきます。条約に言う係数が四千トン以下では国際的に余り資料は集めておりませんでしたので、国によっては合ってこないということで、もう一段小さくなるような係数を掛けないと現行のトン数に合わない、こういうことでございます。
 何で小さい船が条約の係数を掛けると合わないかといいますと、内のりのきき方、それから控除場所のきき方が大きい船よりも非常に大きいということで、より小さい係数を掛けてやらなければいけない、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#85
○久保(三)委員 よくわからぬですがね。これは政治的に大きな問題になりますか。
#86
○謝敷政府委員 確かによくわからないし、私どももわかってはおりますが、どう説明していいか、非常にしにくい問題でありまして、それでたとえば内航船主それから全漁連の方々等に対して説明するときに最初は非常に苦労したのですが、最近では実際の図面によりまして、あるいは実際の計算をやって御説明をして、これは関係者の間では全部御納得いただいたと思っておりますし、それから関係省庁で法律案の検討のときも説明をしておりますので、これも御理解をいただいたと思いますが、確かに図面と算式を用いないと、なかなか口頭で御説明しにくい問題がございますが、政治的あるいは経済的には問題はないと考えております。
#87
○久保(三)委員 そうすると、そういう係数の掛け方が違うということは安全性には関係ありませんか。
#88
○謝敷政府委員 現行の総トン数に合うように係数を掛けておりますので、現行総トン数で安全上問題がなければ、私どもは新トン数を使いましても問題がないというふうに考えております。
#89
○久保(三)委員 単純に測度法の改正というのは、内のりから外のりに、それから控除の部分がいままであったのがなくなった、こういうことでありますから、言うならば総トン数としてはふくらむが、しかし実際はもとどおりだということなんですね。だから総トン数でふくらんで、それが経済行為でそのままトン数として適用されるものではないと思うけれども、そういう関係はどういうふうに理解したらいいのか。係数の問題はややこしいから後でゆっくり勉強しましょう。いかがですか。
#90
○謝敷政府委員 内のりであろうと外のりであろうと総容積そのものが従来のトン数ではないわけでして、先ほど申しましたように非常にややこしいのですが、百立方フィートが一トン、約二・八立方メートルが一トンで、一メートル・一メートルの三メートルぐらいのたるがもともと一トンだということから始まったわけです。したがいまして、私どもとしては容積をはかって今度係数を掛けますから、昔みたいに百立方フィート一トンという概念がなくなりまして、まさに条約で決められた抽象的な数式による数字をたまたま総トン数と称し、国際総トン数と称することになるわけですが、基本的に現行の諸制度に混乱を起こさないように、現行の総トン数に合うようにというのを国際的にも国内的にも配慮したわけでございます。
 それで、では一体船をつくる人はどういう考え方で船をつくっていくだろうか、こういうことになりますと、たとえばよく問題になります安全法とかあるいは船舶職員法の二百トンとか五百トンとかのちょっと下ので、一九九とか四九九の船が一体どうなるだろうか、こういう問題で具体的に御説明をしたいと思いますが、従来ですと大体設計の段階で内のりをはかりまして、それであと控除場所を大体の見当をつけて船を設計してつくった上で、仮にはかってちょっとずれますと、上甲板上の控除場所を少し大きくしますと一トン減って一九九になったり四九九になったり、こういうことになるわけです。したがって、ややもしますと不必要な控除場所を考えるというようなことになって、同じ長さ、幅、深さの船でも控除場所のとり方あるいは内のりを必要以上に大きな内のりをつけるとかということで、トン数で一九九とかそういったものが出てきたわけでございます。今度は、もし一九九の船を設計しようとしますと、設計の段階から外のりをきちんとはかり係数を考えて、それで片方の要素であります積みトンも考えて設計をしなければいかぬということで、一九九型をつくるというのは非常にむずかしくなります。二百トンとか二百一トンとか二百十トンぐらいの船ができたりしますが、いわゆる人為的にトン数を下げるために設計上の工夫をするということはなくなって、船本来の積みトンを考え、それから安全、構造を考えるといった船になっていく、こういうふうに考えております。
#91
○久保(三)委員 大変むずかしいことなので、われわれとして心配なのは、これはいままでのやり方から考えてみれば大きな変革なんですね。だから、各方面にいろいろな問題が出るのじゃないかと心配しているのですよ。そういう問題を想定はしておりますか。どんな問題がありますか、想定されておりますか。あるいはこれまでの法律案を出すまでの間でいろいろな意見が出たのだが、大きな問題というのは何かありますか。ここでわれわれとして係数の掛け方を勉強することも一つなんでありますが、大きな変革でありますから、その変革によって何か大きな問題があるとするならば、これは改めて聞いておかなければ、法律案を採決をするわけにいきませんので、そういう点で改めてお伺いしたいと思います。
#92
○謝敷政府委員 基本的に条約の国内法化と、それから積量測度法を廃止して新法をつくる過程で、関係のところと非常に問題になったのは、二つございます。一つは、内航船は条約適用をされないのであるから、前のままの積量測度法で今後もやってほしいという意見。それからもう一つは、逆に国際航海に従事する船も内航の船も、同じ条約方式による係数だけで、国内に特別な係数を当てはめるべきではないのではないか、こういういわゆる制度論者といいますか、一本化したいという論と、二つあったわけであります。
 それで、私どもとしては、基本的には内のり方式、控除方式から外のり方式に変えたい、そうすれば、だれが見ても同じ長さ、同じ深さ、同じ幅であれば同じトン数ということで明確になる、したがって、あらゆる法律を適用する場合に非常に明確な対応ができる、外から見て明確な対応ができるということを、ぜひこの際実現したいということで、それで国内船、内航船についても、この際、新しい法律によったはかり方でやっていくべきだと考えてやったわけですが、そのときに問題になりましたのは、先生御指摘のように、それでは条約どおりの係数でありますと大きくなりますから、現状と混乱をする。それで、新造船同士ですと競争関係は一緒ですが、既存船と新造船との競争関係あるいは諸法律の適用関係で差異が出てくるということで、ここでかなり調整の時間をとったことは事実でございます。したがって、条約の二つの柱であります外のり方式と係数のうち、係数については特別な係数を国内船について考えて、それで現行のトン数に近い数字を求めて、現在の海事関係の秩序を乱さないことを関係者で確認し合って今度の新法を出したということでございまして、その二点が問題だったと思います。
#93
○久保(三)委員 この法律改正に当たって、関係省庁との間に覚書というか、何かこれの解釈とか適用とか運用についての覚書とか、あるいは交換した書面というか、あるいはこれからしようとするものがありますか。
 いや、なぜ聞くかというと、法律の裏でお役人同士が、こういういろいろな法律を出す場合とか制度をやる場合、勝手と言ったら語弊があるが、いろいろなそういう覚書とか何かを取り交わしている面が非常に多いのです。だから、念のために聞いているのですが、ありますか、あるいはやるつもりがありますか。
#94
○謝敷政府委員 基本的には、法律から政省令に任せている部分がございます。特に係数その他は技術的な事項でございますので任せております。これについては、条約が片方でありますし、それから先ほど申しましたような内航船に関します特別な係数もございますから、こういった技術的な省令を決める場合には、もちろん法律での協議と同じように、影響がないようにということを確認するために、関係省庁で確認をし合うということは考えておりますが、それ以外にはございません。
#95
○久保(三)委員 それでは、関連して次の問題を若干お尋ねします。
 造船の関係でありますが、造船設備の削減、これは三月三十一日で一応終わったと思うのですが、その終わった状況について、これからどうするのか、あるいは不況カルテル、操業短縮の問題ですね、これも公取から一応の認可が出て引き続きということになっているようでありますが、こういうものはどういうふうになっているのか、それをお聞きしたいと思います。
#96
○謝敷政府委員 造船不況の克服の問題につきましては、当初、不況の原因として言われておりましたのが、過剰船腹、過剰設備、それから過剰な円高、こういうことが原因と言われておったわけでございます。
 そこで、基本的に造船業だけで単独にやります過剰設備の処理、これにつきましては、国会での御審議をいただきました特安法及び特定船舶製造業安定事業協会の施設の買い上げによりまして、ことしの三月三十一日をもちまして現有設備九百八十万トンのうちで三百六十万トンを処理をして、現在六百二十万トンの残存能力というふうになっております。安定協会の方も、おかげさまで法律を早急に通していただきまして、補正予算で予算的にも措置をしていただきましたので、九事業場、三百六十八億円の過剰造船施設の買い上げを終わって、中小造船所の設備処理について大きく寄与し得た、こういうふうに考えております。この点につきましての委員会での御審議に感謝を申し上げる次第でございます。したがいまして、基本的に過剰設備は解消した、こういうふうに考えております。
 それから、過剰船腹につきましては、油の高騰によりましていま船を減速運航をしております。大体二割五分ぐらいの減速運航でございますから、それを船腹量に換算しますと、過剰船腹も、減速と解撤等によってほぼ解消してバランスしつつあるというふうに考えております。
 それから、過剰円高につきましても、当時、一番高いときに百八十円切れた段階から現状でございますので、これも好転をしております。
 したがいまして、五十四年度の受注量を見ますと八百九十四万トンで、五十三年度の三百二十二万トンに比べてかなり大幅な増加をして、五十年前後の水準に戻ったわけでございます。しかしこれも、先ほど私が残存能力六百二十万トンと申し上げましたのは貨物船換算でございますから、まだまだそこまで達しておりませんで、政策需要の積み重ねをやりましても需給のギャップが残っているということで、操業カルテルを実施をしようということで、五十六年度についても公取の承認を得、私どもも同音心をしたわけでございます。ただ、現在はどのくらいの水準で操業カルテルをやっているかと言いますと、六百二十万トンの残存能力に対して約八割をちょっと超えたぐらいのところで五十六年度決めております。うまく今後の政策需要があればという前提でございますが、八〇%をちょっと超えた段階でやっておるということで、五十五年度はそれよりもまだ下でございますが、そういう状況で、まだカルテルによる操業調整をやらなければ混乱を生ずるというような事態でございます。と申しますのは、おしなべて過去の累積赤字がたまっておりまして、それを解消するまでには至っておりませんのと、それから、ようやくとんとん程度で採算がとれるかというような状況でございますので、過当競争が起こらないようにという意味で、私どもも公取の承認に対して同意をしたわけでございます。
 今後でございますが、過剰船腹は解消したと申せ、荷物の荷動きが大幅にふえるということはほとんど確定的には言えないわけでございまして、しばらくこういう状態で推移していくわけでございますので、後は残存能力いっぱいまで六十年度で需要が出るように合理化をし、競争力を高めて、過当競争を防ぎながら対応していくというのがしばらくの間続くのではないか、こういうように考えております。
#97
○久保(三)委員 設備の処理ですが、これは全体では一〇五%、目標以上に達成した。目標以上に達成したというのは、言うならば、ちぎってやるわけにいきませんものも多いから、結局そういうことになったんだろうと思うのですが、たとえば函館ドックなどはかなり大幅な削減になっているわけですね。トータルで見て、大手七社の達成率は一〇〇%を切っているのですね。あと、中手十七あるいは十六社、大体同じように一〇〇%以上で、一一九%ぐらいに実はなっているわけですね。これはいろいろ問題があると思うのですが、その後、五千トン未満のいわゆる設備新造というか、そういうものをかなりやっているわけですね。これはどういう方針でおやりになっているのか。設備処理の問題と絡んで、あるいは地域性もあるだろうけれども、そういう一定の何か基準、方針があって五千トン未満の設備を増設許可しているのかどうか。どうもいままでのやってきたのを見ると、必ずしもそういうふうには見えないわけですね。大きいところでも、それぞれ五千トン未満のものをやっているのもありますしね。こうなるというと、これは、片方では五千トン以上の問題をやっているわけだから五千トン以下はいいんだということかもしれませんけれども、五千トン以下は言うなら小さい船だから、これはそのままひとつ温存していこう、こういう考え方から、五千トン以上のものは大幅にひとつ設備削減をしていこう、こういうことでやったのに、小さければいいんだということでどんどんやっていけば、今度は、いままでの苦労というか、達成はしてみたものの別な形で造船能力というのがどんどんふえてきてしまう。片方で操業カルテルというか短縮をしても、これもまた非常にむずかしい問題がある。何か一定の基準があって許可されているのかどうか、基準がなくて、これは単なる要求があったからやるということなのか、これをお聞きしておきたい。
 それからもう一つは、これからの日本の造船能力というのをどういう水準で考えていくべきか、これはやはり政策の介入が必要だろうと私は思うのです。なぜならば、設備削減のために政策が介入して金も出しているわけですね。そういうことがあったのにまた再びもとの姿に返っていくということは、残念ながらわれわれは認めるわけにはいかない。むしろ、造船の不況から立ち直ってきた、あるいは立ち直りつつある今日だから安定操業をわれわれは望む。安定操業というのは雇用の安定をベースにしてもらいたいということなんだ。そういうものも全然考えないで、最近船価が上がってきた、しかも需要も多少ふえてきた、だからつくろうじゃないかということでやっていくのには少し駆け出しが早過ぎると思っているわけなんで、そういう点についてのお考えはどうなんですか。
#98
○謝敷政府委員 基本的に、設備処理が一〇五%になりましたのは、これは協会の買い上げによる影響が一番大きゅうございまして、協会は、協会法によりまして施設を買い上げる場合には五千トン以上の船をつくる設備を事業所ごとに廃止するということで、これは過剰廃止になるごとは事実でございますが、そういう決めを法律でしていただいたわけでございます。これはなぜかと申しますと、当時非常に過大な負債を抱え、それから設備を削減し、生産を縮小していくに当たりましても、退職金であるとか担保抜き資金であるとかというものが特安法によります措置だけでは済まない、むしろ残存者と国の補給金をもって買い上げる段階までいかない限りはできないというような緊急事態に対応して行ったものでございます。したがいまして、買い上げの分を除きますと達成率は九九%ということで、私どもとしてはほぼ達成し得た。過剰に処理する必要もなかったわけでございますが、別な観点での、言うなれば非常に危殆に瀕した企業が撤退し縮小する場合の、何といいますか、ある種の相互扶助的な制度によって一〇五という数字が出たというふうに考えております。買い上げによるものがありまして一〇五になったということだと御理解いただきたいと思います。
 それから、五千トン未満につきましては先生おっしゃいますとおりでございまして、五千トン以上が安定しても五千トン未満でまた問題が出てくるじゃないか、こういうことでございます。したがいまして、私どもとしては、海造審で議論をしていただきましたときに五千トン未満については比較的落ち込みも緩やかであるということを指摘をされておりましたのと、その後の需給状況を考えまして、五千トン未満の船台を新設したケースというのは数例でございますが、これはあくまでも特例でございます。特例の一つは、造船所ごとに、事業所ごとに処理をした場合、あるいは過大に処理をした場合に、どうしても雇用なり地域経済の面から短時間では摩擦が大き過ぎるということで配慮したのが一つのグループでございます。それからもう一つのグループは、一つしか船台を持たないで設備処理に対応する場合には、これは根こそぎなくなるわけでございますから、これはこの設備処理勘定に入れないで、むしろそういう方々が能力を縮小するという形で、たとえば六千トンから四千九百九十九トンになるとか、こういうことでやったものと二つのグループがございます。それから、先生御指摘の、大手であったのは一例だったと記憶しておりますが、これはいろいろ議論がありまして、特殊船をつくるのがもともとあったのを認めたらどうだ、こういうことで縮めて限定的に認めたのが一例でございますが、いずれにしましても、船台ごとに処理をしますから、過剰になる部分を地域の問題とか雇用の問題等を考えて処理をしたというのが実情でございます。
 それから、今後、設備についての考え方はどうかという点でございますが、これは御承知のように五十八年度までは安定基本計画がはっきり法律に基づいて決められております。これは五十八年度末までいまの設備処理をしました能力でいくべきであって、能力の拡大は認めない、新増設は認めないという基本計画を決めておりますから、五十八年度まではこの計画を変えない限りはおっしゃるように若干市況が上向いたからといって増設を認めることはございません。
 それから、その後はどうかという点について申し上げますと、私どもとしては六十年度までは現在の残存能力を想定をいたしまして計画を組んだわけでございますから、一時的に若干船が出たからといってまた雇用を一時的に増大して、後またなくなって雇用の安定を欠くというようなことは厳にないようにすべきだ、こういうふうに考えております。したがいまして、残存能力であります六百二十万トンまで徐々に回復をしながら、第一弾としてはカルテルが一日も早くなくなるような情勢が望ましいわけでございまして、その後で設備の問題というのは検討しますが、少なくとも六十年度までは情勢が大幅に変わらない限りは設備については先生のおっしゃるような趣旨で運用をしてまいりたい、こう考えております。
#99
○久保(三)委員 五千トン以下のものはいままでにやっただけで一応もうとまりですか、それともこれからの市況その他によって五千トン以下のものは新設を許可していく方針ですか、どっちなんですか。
#100
○謝敷政府委員 私はいま手元に数字を持っておりませんが、五千トン以下で、ある段階以上は新設は認めない、それからある段階以下は一〇〇%のスクラップ・アンド・ビルドで認めるという方針にしてございます。
#101
○久保(三)委員 ある段階というのはどの段階ですか。
#102
○謝敷政府委員 私、いまちょっと手元に数字を持っておりませんが、たとえば二千五百トン以上は新設は認めない、二千五百トン未満は完全なスクラップ・アンド・ビルドでしか認めない、こういうことになっておるかと思います。いまの段階の数字については私ちょっと記憶にございませんので、例としてお示しを申し上げた次第です。
#103
○久保(三)委員 ある程度はこれまで大きな仕事をやってきたのですから、それが崩れるようなことがあっては困るわけなんです。だから、もう少ししっかりした方針を確立して業界を指導すべきではないかというふうに思うのです。
 これは運輸大臣にお聞きした方がいいかもしれませんね。いままで設備を削減してきましたね。だから、ちょっと景気がいいとか自分の仕事の都合で設備をふやすなんということは、やはりきちんと一定の方針を決めてやっていくべきだろうと思うのです。むやみやたらにふえていけば、これはまた過当競争になり共倒れというかっこうもありますからね。いかがですか。
#104
○地崎国務大臣 最近造船の市況が少しよくなってまいりましたので、新しく設備を拡充したいというような向きも出てまいりました。しかしながら、いま先生御指摘のように、これまでの方針をある程度守っていきまして、過当競争になるようなことにならないような指導をしてまいりたい、かように存じております。
#105
○久保(三)委員 そういう方針はこの際明確に出すべきじゃないですか。いわゆる不況カルテルの問題も一応延長になったということでありますから、そうでないと何かまたもとの姿に別な形で戻る心配がありはしないかと思うのですが、局長、いかがですか。
#106
○謝敷政府委員 私どもが造船法を運用しますのに、従来は海運造船合理化審議会の諮問で動いたわけです。今度はそれに法律で決められております、特定不況産業安定臨時措置法、いわゆる特安法で安定基本計画を決めなければならないことになっております。その安定基本計画では非常にはっきりと新増設は認めないというふうに書いてございますので、従来よりははるかにはっきりと新増設は認めないということが決まっているというふうに考えております。
#107
○久保(三)委員 それからもう一つは、こういう時代でありますから、ダンピングに似たような過当競争はこの際やめるべきだと思うのです。もちろん商売ですから船価を安くあるいは有利に注文をとるということは避けられないし、またあっていいと思うのですが、たとえば最近の傾向を見ていると中小の方が受注量が多いというか大手の方がわりあい少ない、こういうことなんです。中小にもいろいろありますな。ありますけれども、大体そういう傾向ですね。瀬戸内などはかなり活況を呈してきているという話も聞きます。なるほど結構な話なのでありますが、一つここで考えてもらいたいことは、佐世保重工が長いストライキをやりました。幸い解決しました。ストライキの原因は何かというと、労働条件の徹底した切り下げなんですね。そういう徹底した切り下げでやりますれば、あの社長さんの配下にある造船所は船価を安く、あるいは船をつくる立場の人に対しては有利な条件で注文をとれるということですね。そのためにそういう造船所には全部集まってくる。それは何かというと、徹底した労働条件の切り下げでやるからコストは低くて済むということなんですね。だから、そういうことで果たして正当な、公正な競争かどうかということには大変疑問があります。ましてやこれだけの法律をつくり、制度をつくり、銭を出し、労働者の犠牲でこれの安定計画を実施してきたのでありますから、二度と再び安定計画を立て直すようなことがあっては困るのであります。そのためには、先ほど申し上げたとおりでありますが、もう一つは公正な、フェアな競争の原理というのをやはりここで確立してもらいたいと思うのですね。時間外労働はたくさんやる、社外工はたくさん雇う、それで不況になればこれはいわゆる波動要員として吐き出していくというようなやり方は前時代的なやり方であって、これからの新しい時代の仕事のやり口ではないと私は思うのです。
 そこで、直接的な労働条件をどうしろこうしろという担当の部局ではありませんけれども、公正な競争をするためにはどうあるべきかというのを一遍業界にも考えてもらいたいと思うのです。人間の命をすり減らして競争に勝っていくというようなやり方はもはやできないはずであります。だから、週休二日制も切るとか、残業もたくさんやらせるとか、同じ仕事を同じ職場でしていながら、社外工なるがゆえに低賃金であるとか――最近の賃金だってそうですね、大手の方の常用、社員、これは平均十七、八万円取っているのですね。ところが、中程度以下のところは十二、三万というのが出ているのですね。これは仕事には変わりないと私は思うのです。しかも、それ以外の労働条件も切り下げているという実態でありますから、これはしかるべきところの造船合理化審議会でも造船部会なりにかけて一定の基準をやはりつくっておく必要があるんじゃないかと私は思うのです。いかがですか。
#108
○謝敷政府委員 私どもは労働条件あるいは賃金水準について直接介入する立場でないわけですが、いままでこういった問題が起こったゆえんのものは、やはり内外におきます過当競争から起こったと理解をしております。したがいまして、外の方はOECDで、言うなれば過当な補助競争はやめようとか、あるいは過当な設備の新設はやめようかというような大まかな原則で合意ができています。それから中の方は、過当競争防止のために第一段として設備を削減したわけでございますが、依然として需給ギャップが残っております。したがって操業カルテルを認め、私どもも同意をしたわけですが、操業規則の実態をちょっと御説明いたしますと、各会社によって、過去のピーク時に比べて何十%というふうに枠が出てまいります。そうしますと、より高い船をとる、より付加価値の高いあるいは船価のいい船をとるということでないと、五十四、五十五、五十六と三年間続いておるわけですから、経営の根幹から崩れるわけでございます。したがって、現状は、先生御指摘のような過当競争による船価安というのはおさまりまして、あとは、いつの時期にどのくらいの船をとったらいいかというのは、これは経営者の判断で、会社によって結果的に見てうまくとったところと、ちょっと早くとり過ぎたところとが出てまいると私は思いますが、基本的には操業カルテルを三年間やることによって過当競争の防止の外枠を決め得た、こう考えておりますので、あとは私どもとしては、その外枠を決めることによりましておのずから、経営が利益を上げ、過去の債務を取り返し、健全な経営に持っていくために、高い船をとることに努力し、過当競争はしないということになりますので、私どもとしてはいま申しましたような基本的な外側の骨格をつくって見てまいりたい、こう考えております。
#109
○久保(三)委員 雇用の安定とか労働条件の改善とかそれを遵守するとかいうようなことは船舶局長というか、運輸大臣の所管ではないかもしらぬですが、不当競争というのはあなたの方の所管ですね。不当競争の土台になっているのがいま申し上げたようなことなんでありますから、これはひとつ体質改善のためにも独断に陥ってはいけませんから、業界ともお話し合いをいただいた方がいいと思うのでありますが、こういうようなさなかに甲乙の差が非常に多いということは、安定計画を立てて実行はしてきたが、将来また再び不安定になる要素が出てくるわけですから、これはやはり考えなければならぬと思うのですよ。これは一遍、どういう場所で審議するのがいいかわかりませんが、いまが一番造船業の安定操業をどうやっていくかという決めをするいいチャンスだと私は思っているのです。大きな犠牲はありましたが、その犠牲をむだにしないためにもそうだと思う。
 それからもう一つは、さっき言った社外工の制度も、どの程度までどういう仕事でやるべきかというのも当然あるべきだと思うのですね。社外工を利用して、注文のあるときだけはどっと雇って時間外までやらせて、なくなれば追っ払えというのではこれは許し得ない考え方だと私は思うので、これはひとつ運輸大臣どこかで、どこかでというよりあなたの部局、運輸省の中でも検討してもらわなければいかぬ。同時に、労働省その他を入れたところで、あるいは業界を入れたところでやってもらう必要があるかもしれません。だから、造船合理化審議会の造船部会、そういうところで、造船の設備をどうするかという問題だけじゃなくて、そういう問題を含めて考えていく必要があると思うのです。それから局長おっしゃるように、外側で、OECDの方のそういう問題もやはり歩調を合わせていかなければなりませんから、そういう動きをすることも一つだろうと思うのです。だから私は、絶好のチャンスなので、ここで安定的な発展が遂げられるような基盤をつくってもらいたいと思うのです。そういう方向で運輸大臣どうですか。
#110
○地崎国務大臣 受注産業はよく経営の確保のために無理した受注をいたしまして、社外工だとか下請等を圧迫させる例が非常に多いわけであります。これはある程度受注産業の悲哀かもしれませんが、いま御指摘の問題については十分船主関係、経営者といろいろ話し合いの場を持って解決をしていくように努力してまいりたいと存じます。
#111
○久保(三)委員 最後に一つ。具体的に佐伯造船所はいかがになりましたか。
#112
○謝敷政府委員 臼杵鉄工所の会社更生法申請後の動きでございますが、現在二工場のうちで、臼杵工場の方は五千トン以下の小型の船をつくっております。佐伯工場の方は新造船の体制に移行すべく、現在、船体のブロックそれから陸上工事のブロック等の工事をやっておりまして、それで新造船がつくり得るような職種の再配置、それから技能者の再訓練等をやりながら、なるべく早い時期に新造船が入れられるような状態にするべく、管財人と関係会社とが努力をしておる状態だと考えております。
#113
○久保(三)委員 いままでも御苦労なさっていると思うのですが、こういう時代ですから、早く片づけてしまわなければ――船をとってくることについて、注文してもらうことについて会社当局、それから親会社にもよく話をして、船をとってくれさえすれば話は片づくとわれわれは考えておりますので、船をとってこないで、こういう船をつくるのに技術屋はこれとこれとこういうふうな配置でないとだめだとかいうようなことをやっていると、これはいわゆる労働争議の延長みたいになりまして、問題の決着がつかないんじゃないかというふうに思うので、この際はひとつ思い切ってそういう御指導をいただきたいものだと考えているわけなんですが、いかがですか。
#114
○謝敷政府委員 御指摘のように、造船所でございますから、一日も早く新造船をやることが労使の円滑な関係を取り戻す第一の問題だと思います。ただ、御指摘のように、私どもも親会社等に努力をしておりますけれども、とることによってますます赤字がふえるということも、これは避けなければいけない問題でございますので、この両者の兼ね合いで、先ほど申しましたような訓練と再配置の時期を、船体のブロックをやることなどによって、なるべくこの期間を短縮しながら、先生御指摘のような状態に早く持っていくように、今後とも管財人、親会社等と協議を重ねて努力をしてまいりたいと思います。
#115
○久保(三)委員 もう一つお聞きしておきたいのは解撤事業ですね。これは最近買船価格が上がってきているので、スクラップは余り好転しないだろうと思うのです。これは基金制度か何かでやりましたね。あれは動いているのですか。
#116
○謝敷政府委員 国の予算が三十一億六千万、それから民間の基金が三十一億六千万で、合計六十三億二千万円で動き始めたわけです。それで、あの基金が動きましたのが五十三年度の補正からでございますので、五十三年度の後半はまだ比較的順調に解撤が動いておりました。そこで、実績から言いますと、申請トン数としてはことしの三月末で三十二隻、四十五万トンまできております。問題は、三年間で三百万トン、四年間で四百万トンと後でまた百万トン追加したわけでございますが、もともとこの解撤事業は、買う方の買船価格も売る方のくず鉄価格もかなり変動するものでございますから、四年間で四百万トンを達成するように基金制度を設けていただいたわけです。したがって、いま非常に買い値の価格が上がっている時期に調整をしていたずらに赤字を出すことは得策ではないと考えまして、いまやっておりますのは、単にスクラップにしてくずとして売り払うほかに、何か中途解体の段階でほかに利用できないかというようなことをやると同時に、市況の推移を見ていつどう買うべきか、こういうことでございます。問題は、円が二百数十円ということになりますと、またこれも買船価格の上昇につながっているわけでございまして、この辺は五十三年度、五十四年度が終わったわけですから、五十六、五十七ともう一年かけてうまく解撤の事業が進むように工夫をしてまいりたいと思いますが、現状では、いたずらに実績をかせぐために追い込んで赤字を増すということは避けながらほかの工夫をしておる状態でございまして、市況の推移等を見ながらやっていきたいと考えております。
#117
○久保(三)委員 この事業にしても非常に見通しの問題があるわけなんで、一概にそこでどうだというようなことはできないと思うのですが、古い船をつぶして新しい船に賢きかえるという一つのシステムをもう少し別な角度から考えてみたらどうか、こういうふうにも思うのです。別な角度というのはそんなに新しいものはないと思うのですが、幾つかの方法を考えたらどうだろうか。そういうことでないと、スクラップ・アンド・ビルドで解撤事業に助成して何かやろうというのでも、それはいま言われたように市況の変動によってなかなかそう簡単にはいかない、こういうところがありますので、もっと長期展望にのっとった方策を検討してもらいたい、こういうふうに思うのですが、それはいま余り考えていないですか。困ったものだ、何かないかということだけですか。いかがでしょう。
#118
○謝敷政府委員 二つ検討しておりまして、一つは、船主協会の方が新造船と老朽船の代替をどうすべきかということで検討しておりますのと、それから船舶局サイドとしては、解体船の利用についての検討をしているという状況でございます。
#119
○久保(三)委員 終わります。
#120
○古屋委員長 午後一時半から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五十一分開議
#121
○古屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。四ツ谷光子君。
#122
○四ツ谷委員 本法案の提案理由説明の中に「船舶のトン数は、安全規制の適用基準として、また、港湾への入港に当たっての課税、手数料の徴収基準として」云々、こういうふうに述べられておりますけれども、船舶のトン数のはかり方、いわゆる測度と、船舶の安全運航との関係についてお答え願いたいと思います。
#123
○謝敷政府委員 船舶のトン数は、船の安全に関しましては、幾つかの法律を適用する場合の区分の基準になっております。その一つは船舶安全法でありますし、あるいはその他船舶職員法等の法律がございまして、その中で、たとえば何トン以上は云々というふうに、各安全に関します法律の適用の区切りの基準に使われているということでございます。
#124
○四ツ谷委員 測度に関しましては、船舶積量測度官、これが実務に当たっているようでございますけれども、船舶積量測度官の仕事の内容について御説明を願いたいと思います。
#125
○謝敷政府委員 船舶積量測度官の仕事につきましては、船舶法及び船舶法施行細則にのっとってやるわけでございます。具体的に申し上げますと、船舶の所有者からトン数の測度の申請がございまして、その場合に、積量測度官が船舶に臨検して測度を行います。
#126
○四ツ谷委員 委員長、答弁が聞こえません。
#127
○古屋委員長 静粛に願います。
#128
○謝敷政府委員 船舶所有者からトン数の測度の申請がございますと、船舶積量測度官が船舶に臨検して測度を行うことになっております。
 実際に測度に当たりましては、事前に設計図面によりまして測度要領を検討いたすわけでございます。その上で造船所に出向いて、実際に所定の個所の寸法をはかるということから始まります。通常、現場におきましては、進水前に、いわゆる閉囲場所のうちで、上甲板から下にあります全容積と、上甲板下の貨物積載場所の容積を算定するに必要な寸法を測度いたします。それから進水後におきまして、各室内の内装工事に着手する前に、上甲板上の閉囲場所の容積を算定するに必要な寸法を計測いたします。これらの計測いたしました数値をもとにいたしまして、船舶測度表といいます計算表がございまして、これによって測度表を作成して全閉囲場所の容積を算定の上、トン数を決定するわけでございます。
#129
○四ツ谷委員 船舶積量測度官の、ただいま御説明いただきました仕事の内容につきまして、先ほどの午前中の御質問にも、船の安全運航の問題に非常にかかわりがあるということで、船舶検査官のお話が出ておりました。ところが、船舶検査官の方は、運輸省の組織規程第二十二条に非常に細かく仕事の内容が規定をされております。七項目にわたりまして、非常に細かく仕事の内容が規定されておりますけれども、ただいま御説明ございました船舶積量測度官の仕事の内容につきまして、この船舶検査官のように法律に明記されているところがあるのでしょうか。
#130
○謝敷政府委員 船舶検査官につきましては、先生御指摘の設置法との関係、それから船舶安全法十四条で、船舶の検査に関しまして、検査官を命じて事務を行わせる旨の規定がございます。船舶積量測度官につきましては、先ほど私が引用いたしました船舶法の施行細則の十二条におきまして、積量の測度または改測を行う旨の規定がされております。
#131
○四ツ谷委員 積量測度官につきましては、船舶法施行細則の第十二条に非常に簡単に書かれているわけですね。「管海官庁ニ於テ積量ノ測度又ハ改測ノ申請ヲ受ケタルトキハ船舶積量測度官ヲシテ船舶ニ臨検シ船舶積量測度法の規定ニ依リ船舶ノ積量ノ測度又ハ改測ヲ行ハセ」というふうに、非常に簡単に書いています。先ほど局長が御説明になりましたような内容については、どこを探しましても少しも書かれていない、こういうことでございます。
 そういたしますと、船舶検査官、これは安全運航に非常に大事だと午前中も強調された。そして、先ほど私が一番先に御質問を申し上げましたときに、船舶のトン数と安全規制の適用基準ということで、今度の法律改正ということの中では、船の測度というものが非常に重要になってくる。そういうふうな問題から考えますと、非常に端的な聞き方ですけれども、船舶検査官よりも船舶積量測度官の仕事の方が内容が軽いというふうに考えられるのでしょうか、どうでしょう。
#132
○謝敷政府委員 先ほど私が御説明をしました趣旨の具体的な、船舶積量測度官が測度を行います規定につきましては、船舶法の取り扱い手続という省令がございまして、具体的にやり方を決めてございます。ただ、先生御指摘のように、片方は法律で検査官を任命し、片方は船舶法の施行細則で船舶積量測度官の名前が出てくる、こういうことでございますが、法律と細則の差はございますが、基本的に仕事に軽重の差があるとは私は考えておりません。
#133
○四ツ谷委員 それでは、お伺いいたします。
 船舶積量測度官は、船のトン数の測度の業務だけしているのでしょうか。ほかの仕事にもついているのではないですか、どうですか。
#134
○謝敷政府委員 船舶積量測度官のうち、専念をしておる者とそれから、船舶課長を兼任しておる者とございますが、船舶積量測度に関しては専念しているというふうに御理解いただきたいと思います。
#135
○四ツ谷委員 実は、これは昨年八月七日、船舶局検査測度課積量測度室長から各海運局船舶部長殿あてに事務連絡が行っております。内容はもう少し後から触れますけれども、その中で船舶積量測度官の実務の実態調査をやっておられます。その結果を見ますと、確かに測度の仕事だけ一〇〇%やっておられる方もありますけれども、一般事務約四〇%、登録約三〇%、測度二七%、こういうふうな測度官もおられます。この表を見ますと、一〇〇%やっておられる方と、それからほかの仕事、いわゆる一般事務、それから登録事務ですね。こういう仕事をやっている人もおりますが、これはどうしてこういうことができるのですか。測度にだけどうして専念をさせないのでしょう。
#136
○謝敷政府委員 管海官庁でございます地方の海運局、それからその支局におきまして、船舶の所有者から測度の申請がありますれば測度をしなければならない、こういうことになっています。したがいまして、私どもとしては積量測度の事務量を考えながら、かつ全国の主要な港にあります支局には測度官を置かなければいけません。したがいまして、事務量と測度官の配置すべき場所を考えまして実際に測度官を置いておるわけでございまして、その部局におきまして測度だけで一〇〇%の仕事量にならないときには同じ支局の仕事でございます一般事務あるいは登録ということをしてもらっていることになっております。
#137
○四ツ谷委員 いまの御答弁を聞いておりますと大変しんどそうなお答えでございますね。本当は測度官に測度に専念していただいた方がいいんじゃないかと思います。と申しますのは、船舶積量測度官、これはやはり関係諸法令の基礎となる船舶のトン数を決定する重要な仕事を行っている。これは先ほど局長おっしゃいました。そして仕事をする場所も船舶検査官と同じように非常に高いところにも登られるし危険であるということもございますし、異動も全国的に異動する。それに日進月歩する造船技術とか船舶の構造の変化、船種、用途もどんどん変わってまいりますので、種々の船舶に対応するということにつきましては専門知識の修得が必要に迫られている、こう思うのです。しかも一今度の本法案が成立をいたしますと、載貨重量トンも加わる。載貨重量トンの説明を見ますと、特に荷物を積んだときの喫水の状況というふうなことで、とりわけ安全運航に関する重要な部門を占めている、こういうことになりまして新しい仕事も加わる。それから国際トン数証書の発行に関する仕事も加わってくる。こういうふうになりますと、船舶積量測度官が現在は言ってみますと身分が法令上も組織規程上も明記されていない、身分が非常に不安定である、こういうところに問題があるのではないかと思うのです。
 昨年、先ほど読みました船舶局検査測度課積量測度室長の事務連絡の中にもそういうことが書かれております。「船舶積量測度官は、船舶法施行細則第十二条の規定に基づき船舶の積量測度業務を実施していますが、組織上その身分は明確にされていない現状にあり、測度業務の特殊性及び重要性から従来より身分の確立について痛感していたところであります。」、船舶局もその身分が不安定だということについて痛感をしているというふうにこの文章で明らかにされております。「此の度、一九六九年の船舶のトン数測度に関する国際条約の批准に伴う国内法の改正にあたって、法律に船舶積量測度官制度に関する規定を設け、併せて、地方海運局の業務の執行に重大な支障がなければ運輸省組織規程を改正することにより船舶積量測度官の身分の確立と業務の明確化を図ることとしたいと考えています。」こういうふうに船舶局御自身がこういう文書を出して身分の明確化を図りたい、こういうふうに考えていらっしゃる。ちょうどこの法案の成立のときにいいチャンスだからやりたい、こういうふうに考えていらっしゃるにもかかわらず、今度の改正に伴いましてその問題が欠落をしている。どうしてですか。
#138
○謝敷政府委員 私どもは船舶検査官と並んで船舶積量測度官につきましても、その業務、それから任用の実態等から考えて実態に合った身分制度の確立を図りたい、こう考えております。そこで、身分制度の確立と責任の問題と二つに分けて考えますと、一つは各特別の法律によりまして官制度を明記して行うということと、それからもう一つは設置法並びに設置令、規程、組織令、組織規程等によって身分なり所属を明らかにすることと二つございます。
 そこで、前者の各特別法におきまして官制度を設けることについては、法律上必要かどうかという議論になるかと思います。そこで、私どももいろいろ検討しまして、確かに先生御指摘の点についても入れたいということで検討をしてまいった時期がございます。そこで、詰めてまいりますと、船舶積量測度官という職務は、現在は船舶積量測度法の基準に基づきまして船舶法の事務として行っておるということでございまして、船舶法の改正という点にかかわりますれば別でございますが、国際トン数証書の交付のための測度に関する事務ということで条約関連だけにしぼって考えますと、必ずしもぜひ法定をしなければ事務の確実な履行が確保できないということではないという法律的な議論になりまして、したがいまして、今回は今度の船舶のトン数に関する法律の中におきましては、船舶積量測度官を特記しないということで法律的な整備を行なったわけでございます。しかし、法律に明記しないからといいまして検査官と測度官との間に仕事の軽重はないわけでございますから、今後とも処遇の改善並びに設置法上の問題につきましては、検討を加えていきたい、こう考えております。
#139
○四ツ谷委員 そうしますと、局長は船舶積量測度官の身分上の問題についても今後検討していきたい、こういうことでございますか。船舶積量測度官は昨年まで海運局長の発令であったのを新たに運輸大臣の発令に変えておられますね。これは一つの前進だというふうに思うんですけれども、これは労働組合の方からも非常に強い御要望が出ているようでございますが、これは先ほどの御説明の中に、国際条約の改正だからそれに伴うことだからということでしたけれども、国内法も改正されるのにちょうどいい時期ではなかったかと私は考えるのですけれども、いま局長の方が今後とも考えていきたい、こうおっしゃっていますけれども、今後と言ってもいろいろあります。皆様方の御答弁にはよく今後とか当面という御答弁がございますけれども、今後というのは一体どの辺を基準に置いて今後と考えていらっしゃるのですか。今度またこういうふうな法律の内容を改正するような時期があるのかどうか、これだけを特に取り上げて適当な時期に入れていこうと考えていらっしゃるのか、その時期等についてもお考えなのかどうか、お答え願いたいと思います。
#140
○謝敷政府委員 冒頭御答弁申し上げましたように二つございますが、船舶法、これは船舶の国籍その他を決めております法律でございまして、これの改正はいま考えておりません。したがいまして、もう一つ残りの設置法関係の中で身分の確立についての検討を行ってまいりたい、こう考えております。
#141
○四ツ谷委員 それでは設置法の中で考えていきたいということでございますので、身分の不安定のまま非常に重要な仕事をされるというのは、働かれる労働者にとっても非常に問題だと思いますので、できる限り早い時期においてそういう要望が達せられますように今後とも御努力を願いたい、このように思います。
 それでは、次の問題に移らしていただきます。今度の法律の改正によりまして国際航行につく船については国際証書の発行、こういうことがございます。これはわが国においては国際トン数証書については法律の第八条で運輸大臣がこれを交付することになっておりますね。そして権限の委任としては第十三条で海運局長及び海運局支局長がこれにかわる業務をすることができる、こうなっておりますが、国際条約の第七条、証書の発給につきましては「証書は、主管庁又は主管庁により正当に権限を与えられた者若しくは団体が発給する。」というふうに国際条約の中にございますけれども、わが国におきましてもこのような団体に国際証書の発給というふうな業務をやらせるおつもりがありますか、それとも運輸省が責任を持っておやりになるのでしょうか。
#142
○謝敷政府委員 先生御指摘のとおり条約の第七条には「主管庁又は主管庁により正当に権限を与えられた者若しくは団体が発給する。」という規定がございます。
 日本といたしましては、従来も船舶は名称、国籍、船籍港、それからトン数を有しておりまして、これらは船の同一性を示します基本的な事項でございます。と同時に、トン数の決定は船舶、国籍証書の交付を受ける前提要件になっております。こういう意味で主要海運国におきましては各国とも政府が船舶のトン数の測度を行っておる状態にあります。日本におきましても従来とも、新法施行後においても、また政府が船舶のトン数の測度を実施することとしておりまして、民間の団体に委託することは考えておりません。
 なお、ちなみに民間団体が行っております外国の例を申し上げますと、リベリア、パナマ等でございますので、私どもとしては従来も今後も政府がみずから行うというふうに考えております。
#143
○四ツ谷委員 よくわかりました。
 それでは、その次の問題に移らしていただきます。
 運輸省は船舶技術研究所というのをお持ちでございますが、この船舶技術研究所での研究費の問題についてお伺いしたいと思います。
 幾つかまとめてお聞きをいたします。全体の研究費は幾らになっておりますか。それから人当研究庁費の額、これは基準は何に置いて算出をされておりますか。それから共通管理経費はどこから出ていますか。この三つについてとりあえず御答弁ください。
#144
○佐伯説明員 お答えいたします。
 昭和五十五年度の船舶技術研究所の経費からまずお答えいたしますが、人当経費、いわゆる人件費が十三億三千四百万円、それから業務管理費が四千三百万円、研究経費が五億二千九百万円、それから試験で受託いたします受託関係の経費、これは五百万円、施設整備関係が四億四千三百万円、そのほかに他省庁から移しかえの予定額といたしまして二億三千百万円、合計二十五億八千五百万円でございます。
 それから二番目でございますが、先生御指摘の人当研究費、これは正確には研究員当積算庁費と申しておりますが、言いかえますと人当研究費になると思いますが、これは五十五年度当研究所におきまして総計二億八千九百十五万七千円が計上されております。これは先ほど申しましたように積算庁費でございまして、研究費の中には光熱水道料だとかあるいは消耗品だとか備品を買うとか、こういったものが全部含まれてございます。
 第三番目の、共通管理費の御質問でございますが、これは私どもには研究職とそれから管理部門がございまして、管理部門一般についております管理費とそれから研究部門の庁費、この中にも先ほど申し上げました電力だとか水道だとかあるいは消耗品だとか、こういった共通経費が含まれておりまして、両方から共通経費として計上して予算配分をするわけでございます。
#145
○四ツ谷委員 その人当研究庁費ですけれども、これは一人に直しますと幾らになりますか、五十四年度と五十五年度。
#146
○佐伯説明員 五十四年度は一人頭に配算いたしましたのは八十六万円でございます。五十五年度は八十七万三千円を予定しております。
#147
○四ツ谷委員 五十四年度が八十六万円、五十五年度が八十七万三千円ですね。この人当研究庁費の中には、先ほどお話がありましたが光熱費とか備品費とか、そういうものが入っているわけですね。
 この人当研究庁費というのは船舶技術研究所だけでこういうものをお決めになっているのですか。どこが決めているのですか。
#148
○佐伯説明員 ただいま先生御指摘の八十七万三千円は各研究部の研究職当たりに直接配算する額でございまして、共通経費は除いてございます。
 それから二番目といたしまして、いわゆる積算庁費につきましては毎年科学技術庁で見積もり方針調整ということで統一した経費を計算してございます。
#149
○四ツ谷委員 それでは、船舶技術研究所での五十四年度の経常研究費の内容について伺いたいと思うのです。
 船舶技術研究所では特定研究、指定研究、一般研究と三つの部門に研究が分かれておりましたね。この三つの部門について、それぞれ研究費の内容についてお答え願いたいと思います。
#150
○佐伯説明員 私どもの研究所で研究を実施いたします場合に区分をいたしまして、特定研究、指定研究、経常研究というぐあいに分類いたしております。
    〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
特定研究と申しますのは、大型プロジェクトまでまいりませんけれども、数百万あるいは数千万円のオーダーで研究費を使う研究区分でございまして、これは予算上は項目として出てまいります。
 それから指定研究と申しますのは、そこまで大きくございませんけれども、数百万オーダーで、これから後に特定研究に昇格していくような研究内容につきまして指定をいたしまして、配算いたします。
 それから経常研究と申しますのは、これは一般の研究職が各個人あるいは二、三人共同して、先ほど申し上げました積算庁費を個人別に、あるいはそういう組み合わせでもって使って実施する研究でございます。
#151
○四ツ谷委員 ところで、その研究費の中にいわゆる共同研究というのがございますね。共同研究というのはどういう形で行われているのですか。
#152
○佐伯説明員 私どもに共同研究に関する規則を定めた達がございまして、この達に基づきまして、外部の大学あるいは公益法人、特殊法人とか、あるいは企業の場合もございますが、そういったところの研究機関が私どもの研究設備それから研究職と共同して実施する方が最も効果的であるという判断をされる場合に申し込みが参るわけであります。それを私どもは私どもの研究実施に支障があるとかないとかいうことを検討いたしまして、支障がないということになればそれを共同研究として実施するわけでございます。
#153
○四ツ谷委員 そうすると共同研究というのは大学とか公益法人、特殊法人、企業、そういう団体と船舶技研が一緒になって共同で研究をした方が効果が上がりそうなものについてはおやりになるわけでありますけれども、この費用はどうなっておりますか。
#154
○佐伯説明員 これも先ほど申し上げました達に決めてございまして、経費分担割合を共同研究の中身によりましてそれぞれ分担するということで、計画書に分担割合を決めてございます。
#155
○四ツ谷委員 それぞれ分担が決めてあるということですけれども、船舶技研で共同研究なさるときのその費用というのは別に費目を組んでいるのですか。
#156
○佐伯説明員 先ほど申し上げましたように、積算庁費をもってこれに充てるのが多うございます。
#157
○四ツ谷委員 積算庁費をもって充てることが多いというのはどういうことですか。多いというのは、そうでないときもあるのですか。
#158
○佐伯説明員 現実に私どもが持っております模型あるいは設備を稼働いたしてやる場合には経費が特に要りません。そういうときには庁費を使いません。しかし新たに何かを購入しなければならない、あるいは消耗品を買わなければならないというときにこの庁費を充てるわけでございます。
#159
○四ツ谷委員 共同研究につきましてはもう少し詳しくお聞きしたいのですけれども、ほかにもありますので次の機会に譲りたいと思うのですけれども、共同研究につきましては委託研究と扱いが違いますでしょう。委託研究というのは企業が船舶技研に何か研究してほしいというふうに持ち込んでこられて、そしてその費用は企業の方から一たん国に歳入されて、そしてそのままその費用として費目があげられておりますね。ところが共同研究費というのはどこを探しても費目の中から出てこないのです。委託研究は大学だとか公益法人、特殊法人、企業となっているでしょう。そういうふうな団体との共同研究にもかかわらず、共同研究というのは特別の経費の費目として出てきていないのはどういうことなのですか。その辺をよくわかるように説明してください。
#160
○佐伯説明員 先ほど先生御指摘の受託研究だと思いますが、受託研究は確かに予算に組まれてございます。
 この共同研究につきましては、たとえばどこかの大学あるいは特殊法人と共同でやる場合に、その法人ないし大学は予算がまだ確定しておりません。したがって、その大学なり特殊法人はどの程度共同研究に使えるか決まっていないのが実情でございます。私どもが共同研究を受けます場合に 新年度に入ってから、四月以降共同研究の話し合いに入るわけでございます。したがいまして、逆に申し上げますと、どちらも研究の内容、経費の積み上げというのが全然できておらないわけでございます。したがいまして予算を確定するのが困難、できないということから受託研究は前年度同額というようなことでつけていただいておりますけれども、共同研究については予算化されておりません。
#161
○四ツ谷委員 これは妙なことを聞きました。予算がはっきり決まっていないものをどうしてやられるのか。予算がないものをどうしておやりになるのです。しかも国の研究機関が、まだ予算が決まっていないからといって漠然と何となくおやりになるなんというのは、とても私たちには信じられません。
 それでは、仮に五十五年度は大学も予算が決まっていない、特殊法人も決まっていない、企業も決まっていない、しかし五十四年度につきましては共同研究はこういうことをやったという費目の内訳は出てきますでしょうね、決算ですから。どうですか。
#162
○佐伯説明員 先ほどお答えしました中に、庁費を使うものも多いと申し上げましたが、大きなものにつきましては、たとえば原子力研究所の炉を使うような共同研究につきましては予算化されておりまして、私どもの東海支所で予算を実施しております。
 それでいま御指摘の五十四年度でございますが、全部で十四件ございまして、私どもの負担分が四千三百万余りございます。それから相手方負担分が、これは金額が明確にわかっているものだけで四千二百万ございます。
#163
○四ツ谷委員 共同研究費の予算化の問題につきましては非常に不明確でございますので私の方も納得ができません。予算の決まらぬものをどうして研究費の中にお入れになるのか納得ができませんので、これは改めてまた御質問させていただきますけれども、五十四年度の十四件ある共同研究費につきまして、船舶研究所がお使いになったのが四千三百万、相手方がお使いになったのが四千二百万ということでございますが、相手方というのはどういうふうになっているのか、これは後で報告書を出していただきたい、このように思います。
 さて、私が聞きたいのは、先ほど人当研究庁費の額が五十四年度で八十六万、五十五年で八十七万、これは光熱費等は除いた額だ、こういうふうなことなんですけれども、私も船舶研究所へ行きまして、実際にじみちに研究していらっしゃる技術者の皆さんにお目にかからしていただきました。この船舶技研で研究費をお決めになっているわけではなくて科学技術庁が決めているようですので、ここで議論がむずかしいかもわからないのですけれども、たとえばエンジンの研究をしていらっしゃる方。船のディーゼルエンジン等についてはほとんど外国のメーカーのものが使用されている、本当に省エネルギーにふさわしいわが国独自のエンジンの開発がしたい、そういうふうな研究をするにはどうしても研究費用が足りない、そういうふうな切実な御要求もございましたし、とりわけ小型船だとか漁船の事故が相次いでいる、そうしたものについて技術者としての良心と科学性を生かした自発的な自主的な研究がしたい、非常に切実な御要求がございました。これは科学技術庁が決めるので、所長さんにもつと研究費を上げてあげてくださいと言うわけにまいらないと思うのですけれども、いまの研究そのものがすべて国民のために役に立っているとは思いません。大企業の利益のためにやっていらっしゃる研究もたくさんあると思いますけれども、そのことはともかくといたしまして、研究者の方の良心的なそうした研究心にこたえるためにも、ぜひ研究費がもっと大幅に上げられていくように私も特に望みたいと思うのです。そのような見地から言いますと、今度の全体の研究費の中に光熱費も含まれているのですが、これは政府がおやりになったことですけれども、電力料金が非常に大幅にアップをしております。東電なんかですと五十数%上がるのじゃないかと思いますが、こういうふうな大幅アップに対しまして、船舶技研としては、初めにお組みになりました予算で研究を続けていくことができるのでしょうか、その辺はどうなんですか。
#164
○佐伯説明員 お答え申し上げます。
 確かに五十四年度実績から見ますと、東京電力の計算でいきますと六〇%から七〇%というふうな数字が出ております。私どもといたしましては、これに対しまして、まず省エネルギー対策から考えまして暖冷房を節減するということとか、あるいは電力につきましても、私どもに大型設備がございまして大電力が要るということでございますが、これにつきましては、できるだけ夏場の高い時期を外して実施するという研究の調整の仕方、こういったこととか、五十四年度限りの経費もございまして、そういったものをあわせまして何とか値上がり分をカバーして研究には支障がないようにいける見込みを現在立てております。
#165
○四ツ谷委員 せっかくの研究が、電力料金だとかいろいろな公共料金の大幅アップで研究の内容が圧縮されるというのは非常に科学者の皆さんにとってはつらいことだと思いますけれども、船舶技研だけがどうしろといっても、これは国全体の話になりますので、非常にむずかしいことではないかと思うのです。
 運輸大臣にちょっとお願いがあるのですけれども、これは科学技術庁が全体のこういうものをお決めになって、そして大蔵省に折衝されると思うのですけれども、省エネルギー対策については、これはもう積極的にできる限りのことはやっていただかなければなりませんけれども、こうした研究費については、補正予算等を組むように運輸大臣の方から科学技術庁の方に言っていただくというわけにはいかぬのでしょうか。どうでしょうか。
#166
○地崎国務大臣 いま研究所長からお答え申し上げましたように、電力料その他の値上がりによっていろいろ経費の不足が生じることも理解されるわけでありますが、できるだけ、いま諸費節約の時代でございまして、きょうの閣議でも徹底して諸費を節約するようにという話が起きたぐらいでございますので、内部努力をしていただきまして研究に支障のないようにしていただきたい、このように考えております。
#167
○四ツ谷委員 それでは、もう時間が来たようですけれども、もう少しだけ質問させていただきます。
 ほかへ問題が移りますが、船員の雇用と船員職業安定所の問題に関連して簡単に御質問したいと思います。
 昭和五十五年度の船員雇用促進対策関係予算、これはどうなっておりますか。そして、この船員職業安定所の職員の定員はどのようになっておりますか。
#168
○山元政府委員 五十五年度の船員雇用促進対策の業務費予算につきましては、約五千八百万計上されておりまして、前年度に比較いたしますと約九百万の増額、対前年比二〇%の増額でございます。
 なお、ちなみに五十一年度から五十五年度までの間の当該予算の経過等を見てみますと、毎年三割から八割程度増額いたしておりまして、五十五年度の先ほど申し上げました予算額は、五十一年度の予算額に比べますと、約四・三倍となっております。
 それからまた、船員職業安定所の定員でございますが、六十一カ所に九十六名の定員が配置されておりまして、前年度に比しまして二名の増員となっております。
 ちなみに、五十一年度から五十五年度の間について増員の状況を申し上げますと、毎年二名ないし六名増員されておりまして、五十五年度の定員九十六名は、五十一年度の定員に対しまして十六名の増となっております。
#169
○四ツ谷委員 ただいまお聞きいたしますと、船員雇用促進対策事業費、これは昨年より二〇%増ということですけれども、この内訳はどういうふうになっておりますか。事業の内容です。
#170
○山元政府委員 標準予算としてついておりますものが、先ほど申し上げました数字のうち、船員雇用安定対策関係が約千二百八十万でございます。その中には旅費、庁費いろいろございますが、その中で大きいものは、本省、地方海運局を通じまして、船員職業安定対策事務費ということでございまして、本省、地方を合わせますと約九百万でございます。それから、離職者援護制度に関連いたしました船員雇用促進対策費は約四千五百四十万でございまして、そのうちの大きなものは漁業離職者雇用促進対策事務費ということで、本省、地方合わせまして約三千万円でございます。
#171
○四ツ谷委員 昨年に比べまして二〇%増ということで、努力をしていただいていることはよくわかりますけれども、失業船員の雇用状況は現在どうなっておりますか。
#172
○山元政府委員 船員の職業紹介の状況について申し上げますと、月平均でございますが、五十三年の月間の有効求人数が四千二十四名、これに対しまして月間の有効求職数が一万三千二百二十七ということでございまして、求人倍率は〇・三でございます。それで、これは一番悪いときは五十一年の月平均でございまして、〇・二三でございますが、徐々に求人倍率が回復してきているという状況でございます。
 なお、船員の失業保険の受給者の延べ件数を申し上げますと、五十三年は商船、漁船合わせまして八万八千三百七十一件でございまして、五十二年から比べますと約二万件ほどふえておりまして、船員の離職の状況がなお厳しい状況にあると思われるわけでございます。
#173
○四ツ谷委員 ところで、予算それから内容、いろいろと御努力をいただいておりますが、昨年の委員会で、この対策としてファクシミリをつける、こういうふうなことがございましたが、ファクシミリのつけられたのは、一体どこにおつけになったのですか。
#174
○山元政府委員 ファクシミリにつきましては、五十四年度の予算でこれが大幅に認められまして、本省と北海道海運局の本局並びに支局のある部分、それから東北海運局の本局と支局のある部分、これらを合計いたしまして十四カ所設置がすでにされております。それから、五十五年度の予算におきましても、さらに近畿海運局、中国海運局、四国海運局、九州海運局ということで四カ所が予算を認められまして、五十五年度のこれから設置するものを含めますと、十八カ所となる予定でございますが、運輸省といたしましては、さらにこの個所数を今後ともふやしてまいりたいというふうに考えております。
#175
○四ツ谷委員 ただいまの御答弁を聞きまして、やっと求人数の多い近畿海運局にファクシミリをおつけになるということでございますが、確かに北海道だとか東北だとか非常に失業者が多くて求人数が少ないというところに、本省と連絡をとるためにファクシミリをつけるということが考えられますけれども、関東あるは神戸、そうした特に求人数の多いところにもぜひおつけをいただいて、せっかくのファクシミリ、宝の持ちぐされにならないようにぜひしていただきたいと思います。そして定員も併任部分をなくするとか、専任を二人すべての出張所に置くとか、一応の御努力は認めますけれども、ただいまの失業者の雇用状況から見ましても、求人倍率が十人中三人だ、まだまだ事態は深刻だ、こういうことから見ますと、まだまだ船員の職業安定所のいわゆる機構の強化、定員の拡充は今後の課題である、こういうふうに考えます。
 最後に大臣にちょっと一言。いまの船員職業安定所の仕事の充実というのは、これは、いまの造船業界の不況、海運行政の問題からいきまして、地方海運局の持つ役割りは非常に重要だ、こういうふうに思うのですけれども、先ほど大臣が、きょうも閣僚が集まってできるだけ節約をするように、こういうお話し合いがあったそうでございますが、行政改革の話も当然その中に含まれておったと思うのですけれども、行政改革はもちろん本気で取り組まなければならないと思うのです。天下り、天上がりが多い、そういうふうなむだなことは大いになくしていただきたい。要らぬ特殊法人もなくせばいい、公団もなくせばいい、こういうふうに私は思いますけれども、その行政改革が、国民サービスを切り捨てる方向で進められては大問題、こういうふうに私は考えます。
 先ほど私が幾つか御質問いたしましたけれども、船員職安の機構改革、これが昭和二十六年に一度行われております。事実上、機構、体制の縮小が行われ、切り下げが行われました。こういうふうなことがまた起こるということになりますと、われわれの国は海運国だ、こういうふうに言っていますけれども、現状は、その辺は非常に厳しい状況にある。とりわけ国民に直結する部門で厳しい状況があると思うのです。その中で新潟海運局の統廃合というのが出てきておりますけれども、さきの船員職安の機構改革のようなことが行われては大変だと私は考えているのですが、大臣としてどのように考えて対処されるおつもりなのか、それを最後に伺いたいと思います。
#176
○地崎国務大臣 先般の行革で新潟海運局と関東海運局を統廃合する方針を決めました。しかし、私から強い発言を申しまして、新潟海運監理部というものをつくりまして、いままでの行政サービスを低下させないということで、いま法案の措置等を進めているところでございますので、先生おっしゃるように、行政上サービスの低下しないように努力をしてまいるつもりでございます。
#177
○四ツ谷委員 これで終わらしていただきますが、海運局を監理部、こういうふうにして行政サービスを低下させない、それでは一体何のためにそういうふうにされるのですか。意味がよくわかりませんが、海運局を監理部にして行政サービスは低下させない、御心配は要りませんとおっしゃいますが、名前だけ変えたらいいということですか。
#178
○地崎国務大臣 行政改革そのものは国民の大方の非常に強い御要望でもございますし、私どもとしては御要望にこたえなければならない。しかしながら、また反面、行政サービスを低下するわけにいかない、こういうジレンマがございます。そういうことで、一応指揮系統は関東海運局というところへ属させることにいたしましたが、個々の面においてのサービスを下げない、こういうことで監理部組織というものをつくることにしたわけでございます。
#179
○四ツ谷委員 これで終わらしていただきますが、国民サービスの低下につながらないということは非常に問題になってくると思うのです、いま大臣がお答えになりましたけれども。新潟海運局が関東局に合併されるようなことになると、南の風の吹いているところでは北の風の吹いているところがわからない。これは地方紙にも書かれておりますので、そういうふうなことが起こらないように、ぜひとも各海運局の行政内容が充実をしますように、大臣として極力努めていただきますように、強く要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
#180
○関谷委員長代理 渡辺正郎君。
#181
○渡部(正)委員 他の委員の御質問と重複する点があるかもしれませんが、その点はあらかじめお許しをいただきたいと思います。
 この船舶トン数の条約が採択されまして、わが政府が署名いたしましたのは四十四年のことでございますが、それに伴う法制の整備が今日までおくれた理由をまず簡単にお伺いしたいと思いますが、それと関連いたしまして、現在までの締約国の中に、私の承知している限りでは、アメリカ、フランスなどが入っていないようでございます。アメリカ、フランス――主要国ということになりますか、それらの国が締約国にまだ入っていない、おくれている事情について御承知であれば、御説明を伺いたいと思います。
#182
○謝敷政府委員 千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約が現在まで発効の時期に至っていないということにつきましては、これは御承知のように、船のトン数が各海事法規の基準になっておるわけでございまして、各国において、この条約に盛られております制度が国際的に定着するであろうかどうかということを、それぞれの国が慎重に、相手を見ながら検討していたのが実態でございます。
 それで、入った順番を考えますと、この条約はもともと戦前におきましてトン数の画一化の動きがございまして、技術的な検討をかなりしております。その後、戦後間もなくオスロ条約というのが当初八カ国、最後に十六カ国でできました。したがって、船舶のトン数の測度に関しますもともとの発案国といいますか、制度の創始国であります英国、それからオスロ条約に入りました北欧の国々、こういったものは国内のトン数制度との違いが余りなかったものですから、比較的入り得た。それで、あと問題はほかの海運主要国がどうかということになろうかと思いますが、先生御指摘のように、残っております国はギリシャ、これは世界の総船腹量の九%強、それからアメリカ合衆国、これも四・二%、それからフランスが二・九%、デンマークが一・三%、オランダが一・三%、日本がほぼ一〇%、こうなっております。これらの国々はそれぞれ船腹数が多いのと、海運活動その他漁業活動等をやっておりますので、調整にそれぞれ手間取っているというのが実態でございます。
 そこで、日本が今回批准を承認していただき、それから新法を可決をしていただきますれば、日本が入ることによって発効してまいります。そういたしますと、これらの主要な国の船腹量が先ほど申しました数字でございますから、これらの船腹が海外の諸港に行ったときに再測度を受けることがないように批准の準備を進めるというふうに聞いております。
#183
○渡部(正)委員 国際法上の義務を負いますと、法体系から言いますと国際法が優先するわけでございます。ですから、批准いたしますと、国内法の方を国際法に合わせるというのが法律的に言えば順当なやり方だと思いますが、今度の改正案によりますと、総トン数につきましては、国際総トン数とわが国独自の総トン数の二本立てになるようでございます。
 そのことに関連いたしまして、今度の国際総トン数そのものを既存の国内法に盛り込むことはできなかったのか。言葉を変えますと、関連の法律のトン数基準というものを国際総トン数に換算いたしましてそれを法律に書きかえることができなかったのか、そういうふうにも思われますし、あるいはまた国際総トン数というのは国際的に通用すればそれでいいわけでございます。(私語する者あり)
#184
○関谷委員長代理 静粛に願います。
#185
○渡部(正)委員 国内については無関係でございますから、いま考えられておりますように、国際総トン数を基準にしてそれにある係数を掛けてわが国独自の総トン数を出して、現在の既存の法律とつじつまを合わせるというようなことは必要がないのであって、現行の法律はそのままにしておいて、条約上の義務を果たすために国際総トン数だけはかって、それを証書を発行すればそれで済むのではないかというふうにも思われるわけでございますが、私が申し上げました二つの方法をとらず現在の改正案のような方向に決まったその理由を御説明いただきたいと思います。
#186
○謝敷政府委員 先生ただいま御指摘の三方式、国際総トン数をそのまま国内まで持ってくる方式と、それから現行方式を置いておいて国際航海に従事するものだけを国際トン数条約に適合せしめる、それから現方式、三つございましたが、これはまさに調整の過程で非常に問題になったところでございます。
    〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
 それで基本的な考え方を申し上げますと、係数のいかんを問わず内のり方式から外のり方式に改めたい。それからもう一つは、用途による控除の制度が非常に区々まちまちになるおそれがありますのでこれを何とか改善したい、この二点が一番大きな問題でございました。したがいまして、これを一番基本的な要件にしまして検討してまいったわけでございます。
 そうなりますと、条約方式の測度の少なくとも係数以外の部分は採用するということを決めますと、あと残るのは国際トン数どおりに国内トン数もやるかあるいは現行のような国内のみを航行する船についてある特別な係数を掛けるかという二つになるわけでございます。前者につきまして相当議論をしたわけでございますが、たまたま国際会議でいろいろな資料の中心となりました外航船舶については、おっしゃるように四千トン以上はほとんど差がございません。したがって、これはそのまま使える。それから四千トン未満について、強いて大きく出る国際総トン数を総トン数として採用すべきかどうかという議論でかなり紛糾をしたわけでございますが、国際的にも現行体制との間に大きな乖離を生じさせないということの配慮をやはり内航船についても実態に合わせてやるべきではないかという考え方に立ちますと、今回の方法が調整の結果生まれてきたわけでございまして、体制としましては総トン数ありき、その上で国際航海に行くものを条約に従った国際トン数証書に国際トン数を書く。ただし、恐らく四千トン以上の船が中心でございますからトン数は同じ数値を示している、こういうふうな整理をしたわけでございます。
#187
○渡部(正)委員 大変明快な御説明でよくわかりました。それで、国際総トン数から日本独自の総トン数を引き出すための係数についてお伺いしたいと思いますけれども、私が承知しておりますところでは、国際総トン数にある係数を掛けて出たトン数と在来の測度の方法ではかった場合の総トン数と余り違わないようにということで、係数そのものは国際総トン数と在来の総トン数と両方にらんで、計算の結果が従来と余り違わないような係数を選ぶという工夫がなされたのではないかという気がするわけでございますけれども、私が伺った、いま考えられております係数を掛けた場合に出てくる総トン数と、在来の総トン数を同じ船について比較した場合に大体計算値の方が在来の総トン数を下回る例が多いようでございますが、これが現存の船の中で上回る例があるのかないのか、あるいは考えられるのか考えられないのか、全部下回ってしまうのか、そういう係数であるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#188
○謝敷政府委員 わずかでございますが、上回るものもある。それで、いまの係数を考えましたのは、現状に合わせ、かついろいろな各種制度を運用する場合に階段を越えて極端に混乱がないようにという配慮でございますから大きくなるのはわずかでございまして、似ておりますが、若干下目に出る、こういうふうに御理解いただければと思います。
#189
○渡部(正)委員 船舶トン数の法律の扱い方の問題ですけれども、トン数を決めるということについてはあるいは安全の見地あるいは税金を取る、料金を取るという見地と両方あると思いますが、問題なのは安全が――料金の場合には多少出入りがありましてもトータルでそう変わらないと思いますので問題ないと思いますが、安全に関連してでございますが、いまの局長の御説明のように少しでも上回るものが出てくるということになりますと、安全基準で上回ったために、安全の規制が非常に小部分だと思いますけれども損なわれるといいますか問題が出てくるといいますか、私現行法を余りつまびらかにいたしませんが、そういう問題が出てくるおそれはないんでしょうか。それともあるんですか、その点についてお伺いいたします。
#190
○謝敷政府委員 基本的にたとえば一例を申し上げますと、船舶職員法とか安全法の関係で二百トン以上とか五百トン以上とかいう一つの区切りがございます。したがいまして、現在百九十九総トンとか四百九十九総トンとかこういう船があるわけでございます。それで今度の新法によりますトン数をやります場合には比較的近似するようにしておりますが、恐らく船を設計しようとしますと、用途による控除もなければ、内のりでもございませんから、最初に設計するときに二百トンなら二百トン以下になるように当初から設計をしていかなければいけない。そういう意味では上回るものが若干出てくるおそれがございます。これは設計をきちんと当初やれば一九九におさめる設計もできますので、私どもとしては、各法律でそれぞれ段階がありまして、そのわずか下のトン数があるというのが現状でございますから、これは、現在も新法後も設計のやり方によってはそういう船もできますので、現状と余り変わらない、こういうふうに理解をしております。
#191
○渡部(正)委員 新造船についてはいま御説明のようなことで納得いたしますが、現存船につきまして、もしも計算上上回るものが出てまいりまして安全規則その他の適用上船主あるいは船を動かす人々にとって不利な状況が出るというようなことがもし万一ありますならば、その点については余り厳しい適用をなさらずに、在来の測度法による総トン数で扱われるのと同じ扱い方になりますように実際上の御配慮をいただきたいということを御要望しておきます。
 次の質問に移りますけれども、今度の法の改正によりまして、載貨重量トン数が法的な規制の対象となってくるというふうに承知しているわけでございますけれども、載貨重量トン数を法律事項にしなければならないという理由、それからこれを法律で決めていきました場合に、将来、法の適用につきまして従来とどんな点が違ってくるものなのか、その点についての御説明を伺いたいと思います。
#192
○謝敷政府委員 載貨重量トンは先生御承知のとおり、従来は新造船の新造契約、あるいは用船契約等におきまして総トン数と一緒に用いられてきたも一のでございます。それで、これを今回法定化いたしましたのは、直接的には千九百七十四年の海上人命安全条約、それから同条約の千九百七十八年の議定書において、タンカーの安全設備につきまして従来なかった基準として載貨重量トンを基準とする設置義務が課せられてきたわけでございます。したがいまして、こういった載貨重量トンを国際的な安全、もしくは海洋汚染等におきます条約の基準として用いられるような趨勢になってまいっておりますので、法定をしましてその基準を明確にして、申請があれば測度をするという規定を設けた次第でございます。
#193
○渡部(正)委員 まだ時間が余っているようでございますけれども、最後の質問をさせていただきたいと思います。
 大変技術的な法律でございまして、門外漢にはなかなか実態がつかめないところがあるわけでございますが、今度の法改正をめぐりまして、関係の業界、あるいは関係の労働組合等から何らかの意見、あるいはこの改正は困るというような、そういうことがあったのかどうなのか、あったとすればどんなことが業界あるいは従事者で問題にされたのか、そしてそれをどういうふうに運輸省は納得させられて法改正に踏み切られたのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#194
○謝敷政府委員 もともと条約の審議に当たりまして、これは基本的な事項でございますから、造船技術審議会の技術的な検討の意見を聞いた上で条約の会議に臨んだわけでございますが、その後条約が決まりましてから、先生が御指摘のように基本的には船主の各団体、それからつくります造船の各団体、それから運航いたします乗組員の関係の各団体、それから労働組合等からの意見を聞いたわけでございます。そこで皆さん方基本的に外のりにしてそれから用途による控除場所をなくすという方向については、それでいいだろう、ただ問題は、それによって現状と余りかけ離れて、これはプラス、マイナス、両方各関係者にはございますが、したがって余りかけ離れないような係数を掛けるべきじゃないか、こういうことが中心でございました。したがいまして、時間がかかりましたのは、関係の向きに具体的な係数を示して、それが影響がどうあらわれるかということを関係の業界、団体、組合等で御検討いただいていたのが時間がかかったというふうに御理解をいただきたいと思います。これは、いまの新法によります法律及び省令に予定しております事項につきましては、関係者の間で了解ができ、関係省庁の協議がととのった、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#195
○渡部(正)委員 大変ありがとうございました。時間がまだ余っているようでございますが、これで質問を打ち切らせていただきます。大体私がいろいろ検討した結果、全然問題のない法律だと思いますので、速やかな成立と円滑な運用を祈念いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#196
○古屋委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 次回は、明十六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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