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1979/02/12 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 商工委員会 第1号
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1979/02/12 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 商工委員会 第1号

#1
第091回国会 商工委員会 第1号
本国会召集日(昭和五十四年十二月二十一日)(
金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
   委員長 塩川正十郎君
   理事 中島源太郎君 理事 野田  毅君
   理事 堀内 光雄君 理事 渡部 恒三君
   理事 清水  勇君 理事 渡辺 三郎君
   理事 近江巳記夫君 理事 神崎 敏雄君
   理事 宮田 早苗君
      天野 公義君    浦野 烋興君
      小川 平二君    越智 通雄君
      大塚 雄司君    粕谷  茂君
      鴨田利太郎君    田原  隆君
      辻  英雄君    橋口  隆君
      原田昇左右君    深谷 隆司君
      水平 豊彦君    粟山  明君
      渡辺 秀央君    石野 久男君
      後藤  茂君    上坂  昇君
      渋沢 利久君    中村 重光君
      松浦 利尚君    山本 幸一君
      長田 武士君    木内 良明君
      中川 嘉美君    森田 景一君
      小林 政子君    安田 純治君
      中井  洽君    横手 文雄君
―――――――――――――――――――――
昭和五十五年二月十二日(火曜日)
    午後零時三十八分開議
 出席委員
   委員長 塩川正十郎君
   理事 堀内 光雄君 理事 清水  勇君
   理事 渡辺 三郎君 理事 近江巳記夫君
   理事 宮田 早苗君
      天野 公義君    越智 通雄君
      粕谷  茂君    鴨田利太郎君
      橋口  隆君    原田昇左右君
      深谷 隆司君    水平 豊彦君
      粟山  明君    渡辺 秀央君
      上坂  昇君    渋沢 利久君
      中村 重光君    松浦 利尚君
      山本 幸一君    長田 武士君
      木内 良明君    中川 嘉美君
      森田 景一君    小林 政子君
      中井  洽君    横手 文雄君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  佐々木義武君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      正示啓次郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        公害等調整委員
        会委員長    青木 義人君
 委員外の出席者
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月四日
 辞任         補欠選任
  小林 政子君     工藤  晃君
同月五日
 辞任         補欠選任
  後藤  茂君     川崎 寛治君
  工藤  晃君     小林 政子君
同日
 辞任         補欠選任
  川崎 寛治君     後藤  茂君
    ―――――――――――――
昭和五十四年十二月二十一日
 工業標準化法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一号)
昭和五十五年一月三十一日
 灯油値上げ抑制に関する請願(村山喜一君紹
 介)(第三九八号)
 企業管理士法の制定に関する請願(大橋敏雄君
 紹介)(第四八六号)
二月六日
 特許管理士法の制定に関する請願外一件(奥野
 誠亮君紹介)(第五五二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
一月三十日
 エネルギー対策に関する陳情書(関東一都九県
 議会議長会代表東京都議会議長高橋一郎外九
 名)(第四九号)
 中小企業退職金共済制度の改善に関する陳情書
 (中国五県議会正副議長会議代表岡山県議会議
 長元浜貫一外四名)(第五〇号)
 電気災害防止に関する陳情書外二件(真岡市議
 会議長大森忠一郎外二名)(第五一号)
 石油製品の安定供給及び価格抑制に関する陳情
 書外三件(十都道府県議会議長会代表愛知県議
 会議長吉川博外十二名)(第五二号)
 灯油対策等に関する陳情書外十一件(愛知県議
 会議長吉川博外十一名)(第五三号)
 関西電力等の料金値上げ反対に関する陳情書外
 一件(茨木市議会議長中内稔外一名)(第五四
 号)
 電力、ガス料金等の値上げ抑制に関する陳情書
 外九件(枚方市議会議長渡部聰外九名)(第五
 五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 小委員会設置に関する件
 工業標準化法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一号)
 通商産業の基本施策に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
 鉱業と一般公益との調整等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○塩川委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 通商産業の基本施策に関する事項
 中小企業に関する事項
 資源エネルギーに関する事項
 特許及び工業技術に関する事項
 経済の計画及び総合調整に関する事項
 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項
 鉱業と一般公益との調整等に関する事項右各事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○塩川委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。
 鉱物及びエネルギー資源に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなるエネルギー・鉱物資源問題小委員会
及び
 流通問題に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなる流通問題小委員会
を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 両小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 両小委員会の小委員及び小委員長は、委員長において追って指名し、公報をもってお知らせいたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任に
 つきましては、あらかじめ委員長に御一任願いた
 いと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#8
○塩川委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。
 この際、通商産業大臣から、通商産業の基本施策について所信を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。
#9
○佐々木国務大臣 第九十一回国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する所信を申し述べたいと存じます。
 わが国経済は、七〇年代のドルショックと石油危機の試練を乗り越え、世界の総生産の約一割を占める経済大国となりました。しかしながら、七八年のイラン政変に端を発した国際的な石油不安により新たな試練を迎えております。
 八〇年代を展望しますと国際情勢はきわめて流動的なものがあります。このため、わが国経済の安定的成長のための基盤整備が重要性を増してきております。
 私は、このような状況の中で、八〇年代の通商産業行政の課題は次の三つであると考えております。
 第一は、資源小国の制約を克服することでございます。わが国民の英知を結集し、技術革新により天然資源小国から頭脳資源大国へ飛躍することが必要です。
 第二は、国際社会での貢献であります。われわれは、自由貿易体制を守るとともに、経済協力を進め、資源や技術の国際共同開発を積極化するためあらゆる努力を払うべきであろうと考えております。
 第三は、活力とゆとりの両立であります。わが国が持つ活力をさらに充実させ、そして最大限に発揮していくことが必要であります。また、生活空間の整備、自由な時間の増加などにより、ゆとりある社会を実現したいと考えております。
 最近のわが国経済の動向を見ますと着実な拡大を続けておりますが、今後につきましては、エネルギー問題、世界経済の先行き、物価動向など必ずしも楽観を許さないものがあります。こうした状況にかんがみ、エネルギーの安定供給の確保や節約の徹底を基礎として、経済の安定的成長の維持と雇用の改善に努めつつ、物価の安定を図ってまいる所存であります。その際、特に、産業界が持っている活力を存分に発揮できまするよう、適切な経済環境の維持にも十分配慮していくことが肝要であると考えております。
  このような経済運営方針のもとに、昭和五十五年度においては、エネルギーセキュリティーの確保、国際経済社会への貢献、技術立国への接近、活力ある中小企業の育成、快適な国民生活の実現
 の五項目に重点を置いて政策を推進してまいる所存であります。
 世界的な石油需給は中長期的に逼迫するものと見込まれます。わが国は、石油への依存度が最も高い国の一つであります。今後の経済運営に当たって資源面での制約を克服するためには、わが国の総力を挙げて十年以内に輸入石油依存度を五〇%程度に引き下げねばなりません。昭和五十五年度を石油代替エネルギー元年と位置づけます。このため所要財源の確保、特別会計の整備を図るとともに、新エネルギー総合開発機構を設立することにより、石炭、原子力、液化天然ガス、太陽熱などの石油代替エネルギーの開発、導入を促進することとしております。これらの対策を推進するため、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案を提出することといたしております。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 また、石油の消費節減を大いに推し進めていく必要があります。このため昭和五十五年度については七%の節減を目標とすることを決めました。国民各位の御理解と御協力を得て、この目標が実現されることを強く期待いたしております。
 石油は、当面わが国のエネルギー供給の大宗を占めます。したがいまして、その安定確保は重要な課題であります。政府といたしましても、自主開発を進め、政府間取引原油の確保を図るとともに、備蓄基地の建設に努めることといたしております。また、石油ガスは需要分野が広く、輸入に大部分を依存しておりますので、石油ガスの備蓄の増強が必要であります。このため、石油備蓄法の一部を改正する法律案を提出することといたしております。これもまたよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 世界経済は、現在、石油不安、景気後退、国際収支の不均衡などの問題を抱えております。わが国は、国際経済社会において積極的な役割りを果たすこととし、問題解決に貢献しなければなりません。
 このため、まず、エネルギー外交を強力に推進することが必要であります。今日、世界が抱えるエネルギー問題を解決するため、わが国は先進消費国と協力するとともに、産油国と幅広い交流を進めていく所存であります。これらにより、わが国へのエネルギー供給を確保してまいりたいと考えます。
 次に、自由貿易体制の堅持が重要であります。東京ラウンドの諸協定の円滑な実施に努めるとともに、各国とも協調して保護貿易主義を抑えていかねばなりません。すでに提出の工業標準化法の一部を改正する法律案は、この趣旨に沿ったものです。よろしく御審議のほどをお願いいたします。
 また、経済協力の拡充強化の必要性が高まっております。政府開発援助の三年倍増の目標を確実に達成するとともに、大規模プロジェクトや技術協力を積極的に推進することといたしております。
 戦後の経済復興、発展の過程において、外国からの技術導入が大きな役割りを果たしてまいりました。これからはわが国みずからが技術フロンティアを開拓しなければなりません。また技術開発は、資源に乏しいわが国にとってナショナルセキュリティーの観点からも重要な課題であります。このため、総合的なエネルギー政策と調和を図り、サンシャイン計画、ムーンライト計画を強力に推進してまいる所存であります。
 また、新しい知識集約産業の育成により、産業構造を変革することが重要であります。このため、情報産業、航空機産業や原子力産業の技術開発を支援してまいります。昭和五十五年度からは新たに民間航空機用ジェットエンジンの日英共同開発を開始する考えであります。
 繊維産業につきましても構造改善の推進やアパレル産業の振興により、そのファッション化、高度化を図っていくことといたしております。
 最近の中小企業をめぐる経済環境は、発展途上国の追い上げ、原材料やエネルギーコストの上昇など厳しいものがございます。
 中小企業者がこうした環境変化に対応するためには、総合的な経営力を充実することが何よりも不可欠でございます。このため、中小企業大学校
 の創設など、ソフトな経営資源の充実のための施策を抜本的に強化する所存であります。
 また、中小企業が安んじて事業活動を展開し得るよう、その経営の安定化を図ることが重要であります。このため資金調達の円滑化、体質強化のための資金助成、大型店出店対策の充実、倒産防止対策の強化を行うこととしております。
 今日、活力に満ち、快適な環境を備えた地域社会の形成が望まれておりますが、これに果たす中小企業の役割りは大きくなっております。このため、産地振興対策を一層充実するとともに、新たに地場産業についても総合的な振興を図ることとしております。
 さらに、小規模企業対策、中小商業、サービス業対策、下請対策については、その強化拡充をいたします。
 これらの対策を実施するため、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、中小企業事業団法案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案を提出いたします。これらについてもよろしく御審議のほどをお願いいたします。
 快適な国民生活を実現するためには、魅力ある地域社会づくりを進めることが重要であります。このため、雇用機会の確保に資する地域振興対策を推進するとともに、公害防止、産業保安、廃棄物の再資源化などに力を尽くしていくこととしております。
 また、住宅問題につきましては、質の向上を求める国民の声にこたえまして、居住空間の拡大などを内容とする新住宅開発プロジェクトを発足させることとしております。
 ここで、国民生活安定の基礎をなす物価について申し述べたいと思います。
 最近の卸売物価は、石油価格上昇の影響などから大幅に上昇しております。輸入石油価格の値上がりが、市場を通じて適正に反映されることはやむを得ないと考えられます。もちろん便乗値上げなど不正な価格形成は許されません。政府としては一段と意を用い、生活関連物資などについて需給及び価格動向を調査、監視してまいります。
 なお、現在、電気、ガス料金の値上げが申請されております。本件につきましては、経営の徹底した合理化を前提といたしまして、原価主義の原則に立って、物価、国民生活への影響を十分に考慮して、厳正かつ慎重に対処してまいる所存であります。
 われわれは、幾多の試練を乗り越えて新しい時代に踏み出そうとしております。八〇年代の道は狭く険しいものと思われます。八〇年代のわが国経済を展望し政策を提言するため、目下八〇年代の通商産業政策のビジョンについて各界の御意見をお伺いしております。こうした中長期的展望をも踏まえつつ、通商産業行政を積極的に展開することによって難局の克服に全力を傾注してまいる所存であります。
 委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
#10
○塩川委員長 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信を聴取いたします。正示経済企画庁長官。
#11
○正示国務大臣 わが国経済運営の基本的あり方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。
 最近のわが国経済をめぐる内外諸情勢は、石油問題の深刻化を初めとしてますます厳しさを加えております。第一次石油危機をようやく克服し、安定成長軌道への定着を目指すわが国経済の前途には、多くの困難が横たわっているのであります。
 特に物価面では、卸売物価が原油を初めとする海外産原材料価格の高騰等により大幅な上昇を続けており、消費者物価にも卸売物価上昇の影響が漸次及びつつあります。
 このような情勢のもとで、わが国経済が安定的成長を持続していくために、政府は、現下の景気の自律的拡大基調を維持し、雇用の安定に努めつつ、当面物価の安定、さらには国際収支を重視して機動的な経済運営を行っていくことを基本といたしております。
 以下、今後の経済運営の重要な課題として、物価、景気、石油の三点にしぼりまして申し述べたいと存じます。
 まず、課題の第一は、物価の安定を図ることであります。
 このところ、国際収支面では経常収支が大幅な赤字となっており、また、卸売物価の急激な上昇が続いておりますが、これはともに原油を初めとする海外産原材料価格の高騰という共通の要因に根差すものであります。海外産原材料高そのものが卸売物価を押し上げるとともに、経常収支の赤字を拡大し、それが円安をもたらすことによって卸売物価をさらに押し上げるという状況でありました。この意味からも、国際収支の動向には注視を怠ることはできないと考えます。
 原油高、円安の影響等を直接、間接に受けて、わが国の卸売物価は本年一月、前年同月比で一九・三%の上昇となっております。
 他方、消費者物価は、主要先進国中西ドイツと並び最も安定した推移を示しております。
 海外産原材料価格の大幅な上昇や各国からのインフレーションの波に洗われながらも、わが国では、企業、消費者の冷静な対応に加え、賃金の穏やかな増加や生産性の高い上昇等により、消費者物価は台風等の影響による野菜価格の高騰が見られるものの、基調としては比較的落ちついた動きを示しております。
 しかしながら、さきに述べましたように、卸売物価上昇の影響が漸次消費者物価にも及びつつありまして、今後の消費者物価の動向には十分警戒を要するものと考えます。卸売物価上昇の影響を最小限にとどめるよう極力努力していく必要があります。物価の安定こそは経済運営の成否を決するものであります。私は、物価の安定それ自体が、国民生活安定の基本的条件であること、及び、それが持続的成長を生み出す源であることをここで改めて強調いたしたいと存じます。
 政府は、昨年十一月、八項目にわたる総合的な物価対策を定め、鋭意その実施を図ってまいりました。
 まず、五十四年度の今後の公共事業の施行に当たっては、物価の動向に配慮し、公共事業等歳出予算現額の五%を当面留保いたしました。国、地方を合わせた事業費ベースでは一兆円を上回る金額であります。
 通貨供給量は現在安定した推移を示しておりますが、引き続きその動向を注視し、適切な金融調節を図ってまいらなければなりません。日本銀行が、昨年四月以降三次にわたる公定歩合の引き上げ等の措置を講じましたことは御承知のとおりであります。
 以上の財政、金融両面における措置のほか、石油製品その他の生活関連物資について安定的供給の確保を図るとともに、便乗値上げ等不当な価格形成が行われることのないよう、需給、価格動向を厳しく調査、監視することとしております。特に、石油製品の価格安定のためには、石油供給計画を基本として、実需に応じた供給の確保に努めております。石油の消費節約に向けての国民運動も、石油製品の価格安定において重要な役割りを担うものと考えます。
 中長期の観点からの物価対策としては、農林水産業、中小企業等の低生産部門や流通機構の合理化の促進を行っております。輸入政策、競争政策についても十分努力してまいります。
 次に、公共料金につきましては、物価情勢が厳しさを増しつつある折から、国民生活に及ぼす影響がきわめて大きいことにかんがみまして、経営の徹底した合理化を前提として厳正に取り扱う方針で臨んでいるところであります。
 五十五年度の予算関連公共料金の改定に当たっては、真にやむを得ないものに限るとともに、その実施時期及び値上げ幅について極力調整いたしました。
 電力、ガスを初めとする予算関連以外の公共料金につきましても、経営の徹底した合理化を求め、厳正に対処していく方針であります。
 なお、今後の物価の安定を図るためには、仮需の動きを封ずるとともに、インフレ期待を未然に防止することが肝要であります。前回の石油危機の際、在庫積み増しや買い急ぎが起こり、それが激しい物価高となってはね返るという苦い経験を味わいましたが、今回は企業、消費者ともに冷静に対処しているところであります。今後とも早目早目に時宜を得た物価対策を推進してまいる所存であります。
 政府は各般にわたる物価対策を行い、消費者物価上昇率を五十四年度においては四・七%程度、五十五年度においては六・四%程度にとどめるよう最善の努力を傾けてまいりたいと考えております。
 ところで、国民生活の安定と向上を図るためには、物価対策と並んで消費者政策の積極的な展開を図っていくことが重要であります。
 このため政府は、消費者を取り巻く環境の推移に的確に対応しつつ、商品、サービスの安全の徹底、規格、表示の適正化、消費者の啓発等、各種の施策を講じてまいります。
 課題の第二は、景気の維持と雇用の安定を図ることであります。
 最近のわが国経済は、原油価格の大幅な上昇など厳しい環境のもとではありますが、五十二年度以降における公共投資の大幅な拡大による景気浮揚政策が実を結び、景気は堅調な民間設備投資の増大に加え、個人消費、輸出の増加などから、総じて着実な拡大を続けております。
 その結果、五十四年度の実質成長率は六・〇%程度と、おおむね当初経済見通しどおりになるものと見込まれます。また、鉱工業の生産、出荷は引き続き増加基調にあり、企業収益も高い水準を維持しております。雇用情勢もなお厳しさが見られるものの、改善の動きが続いております。昨年十二月の有効求人倍率は一年前の〇・六三倍に対し〇・八二倍にまで回復し、完全失業率も二%前後の水準にあります。
 しかし、今後の経済動向につきましては、石油価格上昇に伴い、実質需要の伸びが鈍化する面も考えていかなければなりませんし、また、アメリカを初めとする世界景気の先行きにも厳しいものがあります。これからは、五十三年後半から五十四年にかけての拡大基調に比べればやや緩やかな上昇局面になっていくものと考えられます。
 政府は、五十五年度の実質成長率を四・八%程度と見込んでおります。これは先進各国の中では最も高く、雇用の維持に十分資するものと考えます。
 第三の課題は、エネルギー制約への対応を着実に推し進めていくことであります。
 当面、石油情勢の変化から来る各種の衝撃をやわらげながら吸収していくことが焦眉の急務であります。
 まず、原油の量の確保でありますが、五十四年度においては、現在までのところ、ほぼ当初計画どおりの量を確保しております。国民生活上重要な灯油も十分な量を確保いたしております。
 しかし、国際石油情勢は、依然としてきわめて流動的な様相を呈しております。今後とも原油の量の確保には万全を期する考えでありますが、それとともに、石油の消費節約を大いに推し進めていく必要があります。
 五十四年度についての五%、千五百万キロリットルの節約目標は、国民各位の御協力により、現在までのところかなり順調に達成されつつあります。
 先般、政府は、五十五年度について節約の度合いをさらに高め、七%、二千万キロリットル以上を目標に据えて、新年早々から資源とエネルギーを大切にする国民運動を一層強力に推し進めているところであります。
 なお、原子力、石炭液化など、石油代替エネルギーの開発を計画的に推進するとともに、石油供給源の多様化にもさらに積極的に取り組んでいかなければなりません。
 私は、本年は、省エネルギー化を進め、脱石油型社会に向けて、産業構造や生活様式を改め、これまでの量的拡大から質的充実へ転換していく新たな出発の年にしなければならないと考えております。
 以上、当面する課題とその取り組み方について申し述べました。
 今日、石油問題の深刻化を初め、その行く手には容易ならざるものがありますが、政府はあらゆる努力を払い、国民各層の御期待に十分こたえる政策の展開を図ってまいる決意であります。
 わけても物価の安定につきましては、世界各国がひとしくインフレーションとの苦しい闘いを強いられている現状にもかんがみまして、いまや国民的課題として、政府はもとより国民各位が冷静にかつ、全力を挙げて取り組むことが肝要であります。
 本委員会の皆様の深い御理解と力強い御支援を切にお頼いする次第であります。(拍手)
#12
○塩川委員長 次に、公正取引委員会委員長から、昭和五十四年における公正取引委員会の業務の概要について説明を求めます。橋口公正取引委員会委員長。
#13
○橋口政府委員 昭和五十四年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。
 昨年のわが国経済は、景気拡大傾向の中で、石油価格の大幅な上昇という事態に直面いたしましたが、公正取引委員会といたしましては、競争秩序の維持、促進を通じまして、わが国経済の健全な発展を図るべく独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。特に、昨年は、改正独占禁止法の適正かつ効率的な運用に努めるとともに、減速経済下において大きな比重を占めてきております流通分野の問題につきまして積極的に取り組んでまいりました。
 まず、昨年における独占禁止法の運用状況でありますが、昭和五十四年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は百三件、同年中に審査を終了した事件は三十六件であり、そのうち法に基づき勧告したものは十二件、勧告をしないで直ちに審判を開始したものは一件でありました。また、昨年における課徴金納付命令事件は三件であり、合計三十九名に対し総額四億一千二百七十三万円の課徴金の納付を命じました。
 次に、認可、届け出受理等に関する業務でありますが、まず、合併、営業譲り受け等につきましては、昭和五十四年中にそれぞれ八百七十三件、六百六件、合わせて千四百七十九件の届け出がありました。認可等につきましては、大規模会社の株式所有制限に関し、法第九条の二第一項第九号の規定に基づく承認を三件、金融会社の株式所有制限に関し、法第十一条の規定に基づく認可を三十六件行いました。
 事業者団体につきましては、昭和五十四年中に成立届等千二百二十一件の届け出がなされておりますが、事業者団体による違反行為を未然に防止するとともに、その適正な活動に資するため、事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針を作成し、あわせて事業者団体が実施しようとする活動の適否について、事前相談制度を設けました。
 また、国際契約等につきましては、昭和五十四年中に七千四百二件の届け出があり、改良技術に関する制限条項、競争品の取り扱い制限条項等を含む三百七十八件について、これを是正するよう指導いたしました。
 独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、一昨年十二月に改定いたしましたガイドラインの別表掲載の事業分野について、実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。
 また、価格の同調的引き上げにつきましては、特殊調製粉乳、乗用車、普通板ガラスの三件について価格引き上げの理由の報告を求めました。
 流通分野の問題につきましては、出版物、自動車、百貨店、大型スーパー等について実態調査を行うとともに、対策の検討及び関係業界に対する指導を進めております。
 独占禁止法上の不況カルテルにつきましては、一昨年来実施されていました八品目は、市況の回復等により昨年四月末までですべて終了し、昭和五十四年においては鋼船の不況カルテルについて新たに認可いたしました。
 なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の総計は、昭和五十四年末現在で四百九十四件となっておりますが、その大半は、中小企業関係のものであります。
 次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申しますと、下請代金の不当な値引き、買いたたき等の是正を中心に法運用の強化を図り、下請事業者の保護に努めてまいりました。
 最後に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申しますと、昭和五十四年中に公正取引委員会が同法違反の疑いで取り上げました事件は、千三百九件で、このうち排除命令を行いましたものは十二件、警告により是正させましたものは六百十五件でありました。
 また、都道府県の行いました違反事件の処理件数は、六千六百五十二件となっており、今後とも都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。
 公正競争規約につきましては、家庭電気製品製造業における景品類の提供の制限に関するもの等十五件について認定し、昭和五十四年末現在における公正競争規約の総数は、八十二件となっております。
 以上簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。
#14
○塩川委員長 次に、公害等調整委員会委員長から、昭和五十四年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の処理概要について説明を求めます。青木公害等調整委員会委員長。
#15
○青木政府委員 公害等調整委員会が昭和五十四年中に行いました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務につきまして、御説明申し上げます。
 初めは、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。
 これは、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定するものでありますが、昭和五十四年中に当委員会に係属した事案は二十五件であり、うち三件は新規に請求のあったものであります。これを請求理由別に見ますと、ダム等の施設の保全に関するもの二十三件、環境保全に関するもの二件であり、また、これを請求者別に見ますと、農林水産大臣一件、建設大臣十二件、都道府県知事十二件となっております。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問、現地調査等所定の手続をとるとともに、具体的に地形、地質、紘床、一般公益等各般の事情を詳細に検討する等審議を進め、七件について処理を完了いたしました。
 第二は、不服の裁定についてでありまして、採石法、砂利採取法、自然環境保全法等に規定する特定の処分に対する不服については、もっぱら当委員会が審査庁として裁定を行っているものでありますが、昭和五十四年中に当委員会に係属した事案は四件であります。これらの事案の内訳は、採石法の規定による通商産業局長の処分に対するもの一件、砂利採取法の規定による知事の処分に対するもの二件、自然環境保全法の規定による環境庁長官の処分に対するもの一件でございます。これらのうち、二件について裁定を行い、残り二件は審理中であります。
 第三は、土地収用法の規定に基づき、事業認定または収用裁決等に関する不服申し立てについて、建設大臣が決定または裁決を行う場合には、当委員会の意見を聞かなければならないこととされておりますが、昭和五十四年中に当委員会で処理手続を進めたものは三十一件であり、うち十八件について処理し、残り十三件については審理中であります。
 以上が昭和五十四年中に公害等調整委員会が行ってまいりました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務の概要でございます。
 今後ともこれらの事務の処理に当たっては、法の趣旨にのっとり、鋭意審理を進めてまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。
#16
○塩川委員長 以上をもちまして、両大臣の所信表明及び両委員長からの説明は終わりました。
 なお、この際申し上げます。
 昭和五十五年度通商産業省関係予算及び経済企画庁関係予算の説明につきましては、お手元に配付の資料で御了承願いたいと存じます。
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#17
○塩川委員長 内閣提出、工業標準化法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。
#18
○佐々木国務大臣 工業標準化法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 先般、多角的貿易交渉において、各国の規格及び認証制度が貿易に対する不必要な障害にならないようにすることを主な目的として、貿易の技術的障害に関する協定が作成されました。
 この協定は、認証制度の分野における内国民待遇及び無差別待遇の許与について定めており、これを実施するため、外国の製造業者等が日本工業規格表示制度を利用することができるよう措置を講ずることが必要となります。
 一方、日本工業規格表示制度は、これまで商品選択の指標として、取引の単純公正化、使用消費の合理化等に重要な役割りを果たしてまいりましたが、商品の高度化等に伴いその役割りは一層大きなものとなっております。今後ともその適切な運用を図るため、制度の一層の充実が望まれるところであります。
 かかる工業標準化事業をめぐる情勢の変化に対処するため、今般工業標準化法の改正を提案することといたした次第であります。
 次に、本法案の要旨につきまして、御説明申し上げます。
 第一は、外国の製造業者等が日本工業規格表示制度を利用することができるよう措置することであります。
 日本工業規格表示制度につきましては、現行法のもとでは、国内の製造業者、加工業者のみが利用し得るものとなっておりますが、今般、貿易の技術的障害に関する協定を実施するため、外国の製造業者、加工業者も主務大臣の承認を受けた場合には、その製造する鉱工業品等に日本工業規格に該当するものであることを示す特別な表示、いわゆるJISマークを付することができるよう措置いたした次第であります。
 これにより、輸入産品にも日本工業規格表示制度が適用されることとなり、一層の取引の単純公正化、使用消費の合理化等が図られるものと期待されるところであります。
 第二は、日本工業規格表示制度の適切な運用を図るための改正であります。
 日本工業規格の改正時等、必要な場合には許可製造業者等に対し、主務大臣の認定等を受けた検査機関の検査を受けるべきことを義務づけるとともに、同表示制度の対象品目以外の鉱工業品に対してもJISマークを付することを禁止いたしました。
 第一二に、日本工業規格がなお適正であるかどうか確認等をする期間を国際規格に整合させ、五年に一度とし、日本工業規格の国際規格への準拠をより一層深めることといたしました。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#19
○塩川委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は、来る十九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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