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1979/04/15 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 商工委員会 第16号
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1979/04/15 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 商工委員会 第16号

#1
第091回国会 商工委員会 第16号
昭和五十五年四月十五日(火曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 塩川正十郎君
   理事 中島源太郎君 理事 野田  毅君
   理事 渡部 恒三君 理事 清水  勇君
   理事 渡辺 三郎君 理事 近江巳記夫君
   理事 神崎 敏雄君 理事 宮田 早苗君
      天野 公義君    浦野 烋興君
      大塚 雄司君    粕谷  茂君
      鴨田利太郎君    田原  隆君
      橋口  隆君    原田昇左右君
      深谷 隆司君    水平 豊彦君
      粟山  明君    渡辺 秀央君
      石野 久男君    後藤  茂君
      上坂  昇君    渋沢 利久君
      中村 重光君    松浦 利尚君
      山本 幸一君    長田 武士君
      木内 良明君    中川 嘉美君
      森田 景一君    小林 政子君
      安田 純治君    中井  洽君
      横手 文雄君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  佐々木義武君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       梶山 静六君
        通商産業大臣官
        房審議官    尾島  巖君
        通商産業省通商
        政策局長    藤原 一郎君
        通商産業省通商
        政策局次長   真野  温君
        通商産業省基礎
        産業局長    大永 勇作君
        通商産業省生活
        産業局長    児玉 清隆君
        工業技術院長  石坂 誠一君
        資源エネルギー
        庁長官     森山 信吾君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       児玉 勝臣君
        資源エネルギー
        庁石油部長   志賀  学君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   高瀬 郁彌君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 安田 佳三君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力安全局核燃料
        規制課長    佐竹 宏文君
        郵政大臣官房電
        気通信参事官  金光 洋三君
        郵政省電波監理
        局放送部業務課
        長       志村 伸彦君
        参  考  人
        (石油公団理
        事)      江口 裕通君
        参  考  人
        (石炭鉱業合理
        化事業団理事) 佐賀新太郎君
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
四月十日
 公益法人及び会員の経営する結婚式場写真部の
 地元優先委託等に関する請願(木内良明君紹
 介)(第三九五四号)
四月十五日
 公益法人及び会員の経営する結婚式場写真部の
 地元優先委託等に関する請願(有島重武君紹
 介)(第四一〇九号)
 同(田島衞君紹介)(第四一一〇号)
 同(森田景一君紹介)(第四一一一号)
 同(渡辺三郎君紹介)(第四一一二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関
 する法律案(内閣提出第三五号)
     ――――◇―――――
#2
○塩川委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として石油公団理事江口裕通君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○塩川委員長 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。清水勇君。
#5
○清水委員 今後のエネルギー政策については、好むと好まざるとにかかわらず石油依存度を大幅に下げること、したがって新しい多様なエネルギー源に依存をする方向に転換をしつつ、その安定供給をいかに図っていくか、こういうことだろうと思います。同時に、エネルギーの有効利用あるいはムーンライト計画に代表される省エネルギー政策、これらを結合していかなければならないし、私はこれが重要なテーマになるのだろう、こういうふうに考えているわけであります。そうした立場で見た場合、新機構としては、石油にかわる新エネルギーの開発、とりわけわが国のエネルギー構造の変革、これへの取り組みが中心的な課題になるのだろうというふうに見ているわけでありますが、最初にこの辺について大臣の所信を承りたいと思います。
#6
○佐々木国務大臣 お説のとおりに考えております。なるべく石油を使わぬように、脱石油時代と申しますか、そういう時代に持っていくために石油にかわる新しいエネルギー源を開発していくという方向はお説のとおりでございまして、何をどういうふうにかえていくかというのが一番重要な問題になりつつあると思っております。
#7
○清水委員 何をどういうふうにするかという点については私にも意見がありますから、後ほど詳細に触れて政府の見解をただしてまいりたい、こういうふうに思います。
 ところで、長期エネルギーの需給暫定見通し、これについて伺うと、政府は十年後に供給エネルギー中輸入石油の割合を五〇%、十五年後には四三%くらいにしたいとしております。確かに当面石油に依存せざるを得ないという実情は私もよく理解をしております。だがしかし、将来世界における石油資源が枯渇をしていくといいましょうか、その開発が次第に限界に近づいていく、こういうことを考えてみた場合に、将来というか、少なくとも二十一世紀を迎える段階で、輸入石油に対する依存度をもっと下げて、全体の三分の一程度にしてはどうか、こういう方向が求められるべきではないかと私は思うのですけれども、その辺はいかがでしょう。
#8
○佐々木国務大臣 十年後、おっしゃるように石油の占めるシェアと申しますか、七〇%から五〇%くらいまでに下げたい。さらにそれを四三%まで下げたいというので、その後二十一世紀の初めまではまだ二十年ございますので、さらにその後の五年間にはできればもっと下げるというふうに、石油の依存率をだんだん減じていくというのが一番望ましい姿だと思っております。
#9
○清水委員 そこでいま輸入石油の問題にちょっと触れたわけですけれども、一つだけ聞いておきたいことがございます。
 最近アメリカ政府から、イランに対する制裁措置についてわが国政府に協力要請が来ていると思いますが、これに対する措置として政府は具体的に何か決めているのですか。
#10
○佐々木国務大臣 向こうからの申し入れによりますと、アメリカでとっている措置、また現在とった措置がどういうものであって、日本がいままでいろいろ協力してくれたということに対して感謝の言葉がありました。最後に、国連で決議しようとして出しました経済制裁案と申しますか、それを、国連では通らなかったけれども、アメリカとしては全面実施したい、ついては日本、ヨーロッパの諸国もそれに準じて御協力願いたいというのが趣旨でございまして、それに加えて政治的な面として、大使の引き揚げとかあるいは国交断絶とか、これはすぐという問題じゃないようでございますけれども、という要望がございました。したがって、それに対してどう対処するかということで、御承知のようにリスボンのEC外相会議で九カ国がイランの大統領に対して、人質の問題が中心問題でございますから、いつまでにどういう方法で人質の解放をしてくれるかという申し入れをしようというので、先般申し入れをしたのは御承知のとおりでございます。その結果を踏んまえまして、和田大使がたしかきょうイランをたって日本へ一時帰ってくるはずでございまして、これは決して引き揚げとかいうのじゃなくして、情勢を、事情を報告に帰るということになっておりますが、帰ってまいりますので、その様子を聞きますとイランの真意も那辺にあるかよくわかると思いますので、そういう問題も聞き、また、近く二十一日にはECの外相会議あるいは二十六、七日だと思いましたがECの首脳者会議がございますので、そういう結果等も踏んまえまして具体的な対処をこれから進めたいということで、慎重に構えてございます。
#11
○清水委員 いずれにしても大平総理は旅先の発言の中で、わが国政府がアメリカの要請にこたえた場合、リアクションとしてイランからの油の供給がストップされるかもしれない、しかしそういうことをも覚悟の上で、ある程度アメリカに協調をしていかざるを得ないといった趣旨の発言をされている。言うまでもなくイランからは約五十二万バレル・パー・デーの輸入をしておって、その影響というのははかり知れない大きさがある。しかもこれが下手をすると、再び石油価格の高騰といったようなそういうことにもつながっていくわけですから、まあこれは商工委員会という性格上、外交のあり方についていろいろ言うことは避けますけれども、私は念には念を入れて十分わが国の国益というものを中心に据えて検討すべきじゃないか、そうしてむしろ両者の間に入って事態の打開を図る、このくらいの積極策をとるべきじゃないかというふうに思うわけですが、一言でそのことについて所信を述べておいていただきたい。
#12
○佐々木国務大臣 もちろん人質問題なんというのは国際法違反であることは明瞭でございますし、基本的な国際秩序を乱すことでもございますから、早期に人質の解放というものを解決したいという努力をするのは当然のことでございますけれども、それに絡んでの、いまお話ございましたような経済問題に関しましてはわが国の国益に関連することでもございますし、慎重に対処しなければいかぬということで、先ほど申しましたように和田大使等のあるいはヨーロッパの会議の模様等関連をしつつわが国の対処方法を決めたい、こういうことで、ただいま寄り寄り情報交換等行っている最中でございます。
#13
○清水委員 さて、先ほど触れた暫定需給見通しによると、石油にかわって海外炭なりLNGに依存をする度合いというものが非常に大きくなるという計画ですね。どうもこれを見ると相変わらず海外の化石燃料に依存をする、そういうところにかなりのウエートをかけようとしている、こういうことがうかがえるわけです。私はこの傾向を直ちにいかぬというふうに言うつもりはありませんけれども、しかしこれでは、外から取ってくる時代からみずからつくり出す時代へ転換を図るという政府の新機構設立のキャッチフレーズとも言うべき基本姿勢にもとるんじゃないかとさえ実は感ずるのです。私はこの際、自然循環系エネルギーといいましょうか、いわゆるソフトエネルギー、新エネルギーの開発というものにもつと大胆に取り組んでいくべきではないかというふうに主張をしたいんです。そして先ほどもちょっと触れましたが、この迎える二十一世紀に、水力とか地熱等を含めて、いわゆる新エネルギーで少なくとも全供給量の三分の一くらいを確保していく、こういった積極的な姿勢を持ってしかるべき時期に来ているんじゃないか、こんなふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
#14
○佐々木国務大臣 代替エネルギー、石油にかわるエネルギーを何に求めるかという問題は、先ほども申しましたように一番中心問題だと思いますけれども、私どもは御承知のように原子力とか石炭あるいはLNGを主体にして、大きい柱にして、それを補完するものとしていまお話のございましたような自然エネルギーと申しますか、消耗しない再生可能のエネルギーと申しますか、そういうものをあわせて開発したいということで、その方面にも思い切った力を注ぎたいということで、そればかりではございませんけれども、今度の機構問題あるいは法律を提出いたしまして皆様の御審議をいただいているところでございますが、その自然エネルギーと称するものが量的にあるいは時期的にどんどん思うがごとくいくものかと申しますと、これは私なかなかそう簡単にはいかぬ問題じゃないか。まだ未知の分野と言ってはまた少し言い過ぎでございますけれども、そういう点も大変ございますので、特にきょうの朝日新聞の米国の何とかいう人のあれを読みますと、これは全くホワイト・エナージー・パスというのと反対の意見が出ておるわけでございまして、そっちの方はいわば神話に属すのだというふうな結論まで書いておりますが、やはりなかなかむずかしい問題も山積しておりますので、そういう問題を克服しながら開発に大胆に進んでいかなければいかぬ問題でございますから、もちろん進めますけれども、しかし当面、量として時期として油にかわる急激な変革に耐え得るかといいますと、やはり補完的な意味をしばらくは持たざるを得ないのではないかというように考えております。
#15
○清水委員 実は私はこれまで通常国会の都度、政府が言うサンシャイン計画についてもっと本腰を入れたらどうだ、かけ声は大きいけれども予算の裏づけが非常に少ないといったようなことなどを指摘をしてきているのですけれども、どうも政府側からは一貫して、いまいみじくも大臣も触れられておるけれども、いわゆる新エネルギーというようなものは短中期的にはなかなか実用化が困難なんだ、期待できないのだ、こういう発想で姿勢が消極的にとどまっている。しかし私は、この姿勢というものはやはり克服されなければならないのじゃないか、こう思うのです。なぜならば、今後のエネルギー政策では、当面する短中期的な政策と相まって長期のエネルギー戦略といいましょうか、そういうものをしっかり結合しながら臨んでいかなければいけない時期に来ている。そうした中で、たとえば安全性一つをとってみても非常に深刻な問題を持っている原発というものにどうも傾斜をするというようなことが往々にしてあるわけなんですけれども、そうではなしに、やはり有力なエネルギー供給源として新エネルギーを重視していく、単なる補完エネルギーというような位置づけで見てはいけないのじゃないか。それは短中期的にはそうかもしれませんが、やはり長期的にはそういうふうに位置づけるべきじゃないか、こう思うわけですが、いかがでしょう。
#16
○佐々木国務大臣 一番の問題は、具体的に申し上げますと財源問題でございますけれども、大体十カ年で三兆というふうな財源を組みまして、そしてこれを開発するのに新しい、いま御審議いただいております機構までわざわざつくって、そして新エネルギー元年と国民に訴えつつこれを大胆に進めようとしておるわけですから、私どもとしてはいままでと大分違った気合いの入れ方だと御理解いただければ大変ありがたいと思います。
 ただ、それじゃ地熱は一体何年にどれほどになるか、太陽発電、蓄電は何年にどれほどになるか、具体的に述べてみろといいますと、これはなかなかその数量から見て油にかわる決定的な、少なくとも五年、十年の間にはボリュームを持ったエネルギーとして育ち得るかといいますと、いまのところそういう結論にはなれないのでございますから、将来を楽しみにしつつ、いまの段階では補完的な意味、こう申し上げておるのでございまして、決して軽視しておるわけではございません。よく言われますように、何でもかんでも取っ組んで重点がぼけるじゃないかという非難を受けますけれども、私はそれに対しては、そうじゃないのです、日本はエネルギー資源がないのだから何でもとにかく取っ組んで、伸ばせるものはどんどん伸ばすべきだという実は主義で、およそ大蔵省的なセンスから見ますと少し乱暴な議論でございますけれども、しかしそれがやはり日本の与えられたエネルギー対策の現状じゃなかろうかということで、必要なものはどんどん何でも進めていくという体制でいきたいと思っております。
#17
○清水委員 将来を楽しみにというお言葉もありましたが、私はそうではなしに、それは楽しむという見方もあるのかもしれませんが、やはり深刻に洞察をしながらいかにして自給し得るエネルギーを開発していくか、実用化をしていくか、こういうことでひとつ大いに推進を図ってもらいたいと強く要請をしておきます。
 さて時間も余りないものですから、ここで新機構に触れてちょっとお尋ねをしていきたいと思います。
 まず、新機構のかなめである運営委員会のあり方と新機構のあるべき基本問題に触れて二、三お尋ねをいたします。法案によると、運営委員会の権能は非常に大きいのですね。一々挙げませんけれど、予算と決算、事業計画や資金計画についての議決権を持っている。のみならず、機構の業務運営にかかわる重要事項に関する権限、これも確保をさせている。さて問題は、これだけ大きな権限を持つだけに、私は委員の人選のいかんというものは新機構の成否を左右するに足る重要な性質を持っている、こう思うのです。仄聞をすると、理事長には財界の大立て者を考えておられるとか、七人の委員については学識者グループから二人、それからユーザーグループから二人、プラントメーカーグループから二人、そして長官の言葉によれば報道機関から一人といったような選考基準があるようでありますが、そういうふうに受け取っていて間違いございませんか。
#18
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり運営委員会の権限は、法案上は大変強い権限を与えているわけでございまして、この人選を慎重に行うことがこの機構の運営に大きな影響を持つという意識は持っているわけでございます。
 そこで、具体的に理事長及び運営委員の人選につきまして、どういう観点から人選を進めるかということにつきましては、先般私からお答えしたところでございますけれども、いま清水先生御指摘のように、どの分野から何名ということは現段階においては考えてないわけでございまして、基本的には広く各方面から人選を進めたいと私どもは考えておるということを申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。
#19
○清水委員 いずれにしても、これは国会承認人事じゃなくて大臣任命人事なんですね。この種の人事について在来のパターンから類推をすると、どうも通俗的な言い方かもしれませんが、功成り名を遂げた斯界の長老などといったような者をはめるとか、経団連あたりの有力な財界人を充てるとかというようなことがえてして想定をされる。しかしこれは二十一世紀のわが国のエネルギーを支える新しいエネルギーをつくり出す、いわば画期的な新機構における新技術の開発というものを考えた場合、どうも余り長老といったような頭のかたい存在では非常にむずかしいのじゃないかというような感じもしないわけでもありませんから、まあいずれにしてもこの革命的とも言うべき大事業にふさわしい人事というものをやはり考えてもらう必要があるのじゃないか。特に七人の委員は非常勤、無報酬だというふうに言われている。私はそのことを通してむしろ心配なのは、新機構の機動性というものが欠ける結果になりはせぬかということなんです。理事の権限も限定をされている。そういうことを含めて考えた場合に、たとえば事務局の五名の方は運営委員の秘書役、お守り役みたいな存在になってしまったり、理事それ自身も委員の補佐役という形で忙殺をされるというようなことになってしまいますと、本来の役職員の機能というものを果たすことができず、ときに果断を要するようなものについても即断ができないといったような懸念が生ずる。ですから、この辺については一体そういう心配はないのか、杞憂なのかということを明らかにしていただきたい。
#20
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり、運営委員会の事務局といたしまして、原案では五名の人間を張りつけたいというふうに考えております。これはいまおっしゃいました、いわゆる運営委員のお守り役的なものではなくて、私どもの発想ではポリシーボード的な機構を考えているわけでございまして、運営委員が、先ほどお答え申し上げましたとおり各方面から広い人材を確保したいという意識に燃えておりますので、そういった方々に対しまして、ポリシーボード的な役割りを果たす機能が必要なのではないかという観点から、五名の人間をここに配置したいということを原案としては考えておるわけでございます。と申しますと、御指摘のように現実にはどうも運営委員のお守り的なことに堕してしまうのではないかというおそれも多分にございますので、その点につきましては十分私どもが目を光らしていきたいというふうに考えておりますし、それから、先ほど来御指摘のございましたように、この運営委員会のやり方を失敗いたしますと、この新機構そのものが大変な問題を抱えるということになりますので、この点につきましては、特にかなめになるポイントというふうな認識を持っておりますから、御指摘の線を踏まえまして、そういうことのないように誠心誠意やってまいりたい、こういうふうに考えております。
#21
○清水委員 なお意見はあるのですけれども、時間の関係もありますから、先へ進みます。
 この新機構は、開発プロジェクトの中枢は押さえる、あるいは技術管理もやることになるだろうと思います。思いますが、実際の研究開発の業務というものは民間企業に委託することになると私は見ております。構想というか、計画によると、新機構は六十五年度までの十一年間に約一兆五千億前後の膨大な資金をつぎ込もうとしているわけですね。受託企業は、受託をするということを通してかなりの利益を受けることになるわけでありますが、さらにパイロットプラントの等を通じ、ノーハウの面とかあるいは実用化段階などになればなるほど受託による利益以上の、大きなはかり知れない利益というようなものも将来想定できるのだろうと思うのです。ですから、そういう点を考慮するならば、新機構は無論のこと、選ばれる運営委員というものも特定企業と特別な間柄、結びつきといったようなものがあってはならないと私は思いますので、その辺に十分な配慮を払った上で、広く有用な人を求めていく、こういう基本を貫いてもらわなければならぬと思いますが、その点はいかがですか。
#22
○森山(信)政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、新機構の研究開発業務につきましては、必要に応じまして委託をするという制度をとりたいと思っております。委託先は各方面にまたがると思いますけれども、中には特定の企業に委託をするというケースも出てまいりますので、そういうことを考えますと、運営委員の方とその特定の企業が結びつくということになりまして、かえっていわゆる疑惑を招いても困るということもございますので、十分踏まえまして人選を進めていきたいというふうに考えます。
#23
○清水委員 次に、新機構は三十九条一項一号のイと口について業務を民間に委託をする、こういうことができるわけでありますが、その場合に、いまも長官言われるように、特定の企業に利益が集まるといったようなことにならないようにしなければならぬと思うのですね。たとえば、いまどういうことを想定したらいいかわかりませんが、関係工業界なりあるいはメーカーに共同体だとかジョイント方式というものをとらせるといったやり方で、特定の企業に利益が集中しないように配慮するというようなことも検討されなければならないと思うのです。現に政府は、日米独三国によるSRCIIの参加の仕方について、いわゆるナショナルプロジェクトにふさわしいジョイントベンチャーというのでしょうか、これの結成を進めている。たとえばガルフと組んで石炭液化の分野では三井が先行しているけれども、単独ではこれを認めないのだということをせんだっても言明をされておる。同じような意味で、国内企業に委託をする場合も、やはりそういう十二分な配慮が払われてしかるべきなんじゃないか、こういうふうに思うわけですが、この点はどんな構想をお持ちなんでしょうか。
#24
○森山(信)政府委員 まず、委託をする際の基準でございますけれども、本来的には新機構で研究開発をデベロップすることが望ましいというふうに考えておるわけでございます。そこで、新機構で研究開発をすることがより本質的な目的に合致するのか、あるいはその分野に関しましてすでにある程度ノーハウを蓄積したような集団がございまして、そこに委託をする方が効果が上がるか、それが一つの委託の場合の判断基準でございまして、いま申し上げましたように特定のところに委託をした方がより効果的なケースに限って委託をするということでございまして、その際に、特定の企業に限って委託をする方がいいのか、つまり効率性ということを考えた場合にそれがいいのかどうかという問題と、いわゆるモラルの問題、社会道徳の問題、こういった考え方もございますから、そういったものに対しての十分なる配慮をいたしたいというふうに考えておりますけれども、具体的にはいま清水先生御指摘になりましたように一つの集団をつくる、私どもはこれを受けざらと称しておりますけれども、一つの業界で機構をつくり上げまして、特定の企業に集中することなく、業界として受けとめるようなやり方を考えてみたいというふうに検討をいたしておるところでございます。
#25
○清水委員 ところで、新機構は、これまで電発などが蓄積してきているサンシャイン関係のプラント・エンジニアリングなどの技術、これをどう活用していくかということについてちょっと聞いておきたいと思うのです。
 実は私も地熱発電所等を見せてもらっておりますが、電発では現在大規模の深部地熱の研究開発に取り組んでいる。せんだって地熱をめぐっての漫画論争みたいな話がここの委員会でもございましたが、それとは別に、たとえばすでに三千ないし五千メートルといったような深部にボーリングをする、こういう研究が大分県境の豊肥地区などで進められているわけですね。したがって私は、そういう進んだ技術というものをどう吸収していくか、これは非常に重要なことだと思うのです。また同時に、新機構の技術開発本部と現に存在をする工技院のサンシャイン計画推進本部、この連携といいましょうか、関係といいましょうか、これは一体どうなるのか、やや不明確な点があるものですから明らかにしていただきたいと思います。
#26
○石坂政府委員 御指摘のとおり、現在サンシャイン計画におきまして、基礎研究から開発の段階に進みまして、パイロットプラントをつくるというような仕事に関しましては電発に委託をしてその推進に当たるということをやっております。したがいまして、現在までの間にいろいろなノーハウが特に電発の技術者に蓄積されているというように考えられますので、この力をうまく使うということがこの新機構にとっても非常に重要であろうというように考えておりまして、そのためには、人員の配置その他についてもそういう点を考慮してやる必要があるというように考えておるわけでございます。
 なお、サンシャイン計画と新機構の関連について御質問がございましたけれども、工業技術院のサンシャイン計画の本部は、現在いろいろな意味での新エネルギーの開発の全体構想を勉強しております。そういう意味で、サンシャイン本部は依然として職制的には同じように残るだろうというように考えておるわけでございますが、もう少し具体的に申しますと、新機構に関しましては主として開発の段階に至ったものについてこれを実施していただく。サンシャイン計画の中にも基礎的なものがございまして、先ほど御質問にもございましたように、これからいろいろ、太陽エネルギーの新しい使い方の問題もございますし、あるいは海洋の温度差発電というような問題もございます。あるいは風力もございます。そういった意味での基礎研究を十分積み上げる段階のものもたくさんございますので、これらは工業技術院傘下の研究所を初め、いろいろな機関にお願いして基礎研究を実施していただくということで、そういうものが実って、いよいよ実施の段階に近づいてきて、研究から開発に移ったという段階でこの新機構を活用することを考えていきたい、こういうように考えておるわけでございます。
#27
○清水委員 いま工技院の院長から、サンシャイン計画というお話もございましたが、サンシャイン計画についてはすでに同僚委員が何回か質問されておりますから、時間の関係で私は割愛をして、この際ローカルエネルギーの開発に関してちょっとだけお尋ねをしておきたいと思います。
 まず一つは小水力発電のことなんです。せんだっても質問が出ておりましたが、政府は、今年度から電源多様化勘定を通じて地方公共団体に対して出力に応じた補助金を交付する、こういう計画を持っておられるわけでありますが、私は、単に補助金の交付だけではなく、たとえば起債等財政の優遇措置も十分配慮する、あるいは先般渡部恒三委員が触れられているように、電源地帯の地域住民に対する低料金制度の導入といったようなメリット、こういうものも具体的に工夫をし、配慮をする、そうでないと、地方公共団体が今日厳しい財政状況の中で、魅力ある政策として小水力発電に取り組むというようなことはなかなかむずかしいのじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、これらについてどういうふうなお考えを持っておられますか。
#28
○森山(信)政府委員 中小水力の問題につきましては担当部長から答弁申し上げますけれども、その前に私からローカルエネルギーにつきましての基本的な考え方を申し上げたいと存じます。
 御指摘のとおり、地方公共団体がこのローカルエネルギーの問題に真剣に取り組んでいただくためには、財政的な裏づけということが必要ではなかろうかと思っております。そこで私どもは、昭和五十五年度、本年度から新たにローカルエネルギー問題といたしまして、金額はわずかでございますけれども十八府県に対しまして一億八千万、つまり一県当たり一千万程度の補助金を予算で計上したわけでございまして、これは補助率二分の一でございますから倍の事業費で行っていただくわけでございます。たかだか二千万程度のことでローカルエネルギーの問題は取り組めるという筋合いのものでもございませんが、ただ、ことしがその元年ということでございまして、御指摘のような、地方財政計画全体の問題として将来取り組むような課題ではなかろうかという問題意識を持っておりますので、その点につきましては十分自治省当局とも今後の課題といたしまして取り組んでいきたい、そういうことを基本的に考えておりまして、地方公共団体が現実に真剣に取り組んでいただかない限りローカルエネルギーの問題は解決できない。したがいまして、私どももできるだけの支援をしていきたい、こういうことをローカルエネルギーの問題に関しましては基本的に考えているということを、まず私からお答えさせていただきたいと存じます。
#29
○安田(佳)政府委員 補助金等につきましては、先生のおっしゃるような措置を講じておるわけでございますが、さらに地方公共団体等に関しましては、地方債の枠につきましても、五十五年度は自治省にもいろいろお話しした上ふやしていただいたところでございます。また、電源立地促進対策交付金制度がございますが、この交付金制度におきまして、従来は対象規模が五千キロワット以上のものでございましたが、五十五年度におきましてはこれを一千キロワット以上のものに引き下げて交付対象を拡充する等々の措置を講じまして、地方公共団体についても一層助成の強化を図ってまいるつもりでございます。
#30
○清水委員 一つだけ私の質問に対しての答弁が落ちているのですけれども、たとえば電源地帯の地域住民に対する低料金制度の導入といったような配慮、これについてはどう考えてますか。
#31
○安田(佳)政府委員 そのため、電源地帯の措置といたしましては、昭和四十九年度以来電源三法が制定されておりまして、それによります交付金制度が実施されております。当面この交付金制度を活用いたしてまいりたいと存じますが、さらに将来の問題につきましては、いろいろと各方面からの御要望も踏まえて長期的な課題として勉強してまいりたいというふうに考えております。
#32
○清水委員 勉強を大いにしていただかなきゃなりませんが、地方公共団体に財政上ある程度措置をされるだけではなしに、やはり電源開発に伴う地域住民への影響というようなものも深刻に起こるわけですから、それにふさわしいメリットが配慮される、この点はぜひひとつ大臣も留意をしていただきたいと思います。
 さて、ここでいま一つ、バイオマスエネルギーと言いましょうか、つまり家庭廃棄物あるいは農業廃棄物その他挙げればいろいろございますね。これらを活用して、バクテリアなどを利用した生物的処理というのでしょうか、これを通じて可燃ガスを生産をするといったような手法あるいは薪炭林の活用といったような点でも積極的な推進が図られるべきではないか、こう思うのです。ちなみに薪炭林は全国約四百万ヘクタールが放置されていると言われています。一ヘクタールについて三十ないし七十立方の材がとれる。これについて、たとえば林野庁とか森林組合とか地方公共団体、こういったところと協力をしながら、一つの例で言えば木炭生産等についても企業化、共同化を図りながらエネルギー化をしていく、このことは単にエネルギーの供給に有効であるというだけではなしに、過疎地域の経済開発といったようなものに対しても一定のメリットを与えることになるのじゃないか。したがって、こうしたものは技術的にも経済性についてもそう問題はないわけなんですから、通産といいましょうか、つくられる新機構といいましょうか、積極的に推進すべきではないか、こう思いますが、いかがですか。
#33
○尾島政府委員 先生御指摘のとおり、薪炭につきましては最も身近にある自然エネルギー、再生利用可能なエネルギーでございまして、われわれといたしましては太陽、地熱、中小水力等の自然エネルギーとあわせまして、今後地域の実態に応じましてその開発、利用を図っていきたいと思っております。薪炭に関しましては農林省あるいは地方公共団体等と十分連絡をとりつつ今後とも開発を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
#34
○清水委員 大臣、いずれにしてもこうしたローカルエネルギーへの取り組みというのはまさに地方の時代と言われるにふさわしい事業だと思いますね。同時に、一面では地域住民にエネルギー問題に関する理解を図る手だてにもなる、まさしく法第十条が予定をするエネルギー問題に対する国民の理解を図る、これを地でいくようなものだと私は思うわけです。同時に、地域エネルギーの開発というものは進めば進むだけ、その分だけたとえば電力事業者の場合電源投資が節約できるわけですから、当然地域エネルギー開発といったようなテーマについては電力会社等にも多分に協力をさせてしかるべきものだ、こう思いますが、その点はどうでしょうか。
#35
○佐々木国務大臣 私、先週の土曜日でございますか、山形県へ呼ばれましてエネルギー問題を話しに行ったのですけれども、地方におけるエネルギー問題に対する関心というものは非常な、異常なと称してもいいくらいでございまして、特に御指摘がございました電源地帯に対する電力料金の特例みたいなものに対する要望が、渡部君の提案で新聞に大きく出たものですから大変な関心でございまして、それからいまのローカルエナージーというものに対して、やはり県なり鉱業権者なりがいろいろ問題を進めているというようなことで、これからやはりこの問題に対しては相当強く政府としても関心を持って進めていかなければならぬと思いますし、またおっしゃるようにそのこと自体がエネルギーの節約にも結びついていくわけでございますから、ぜひひとつこの地方の時代にふさわしいこれからの考え方というものを進めるべきだと考えております。
#36
○清水委員 次に、もう一つ、この際にアルコール燃料のことについてお尋ねをしておきたいと思います。
 私の得ている非公式な数字といいましょうか、情報では、エネ庁は全供給量のうち、六十年度に二百万キロリットル、六十五年度には七百ないし八百万キロリットル、七十年度には一千万キロリットルをアルコール燃料で賄う、こういう方針のようでございます。この量が新エネルギーに占めるウエートというのは割合として非常に大きいと私は見ておりますし、私個人はこれを積極的に推進をしていくことに非常な意義を感じております。
 ところで、具体的にどうアルコール燃料の開発をいま言われるような方向へ推進をしていくのか、構想が余り示されておりませんので、ひとつこの際明らかにしていただきたい。
#37
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 「長期エネルギー需給暫定見通し」におきまして、アルコール系燃料と申しますのは「新燃料油、新エネルギー、その他」という数字の中に含まれておるわけでございますけれども、その中でアルコール系燃料として私どもが考えております数字は、大体先生がいま御指摘のあった程度の数字を考えております。
 アルコール系燃料として私どもが考えておりますのは、一つはメタノールであるとかエタノール、そういったアルコールをガソリン等の石油製品に混入して使用する、これが一つのタイプでございます。もう一つのタイプは、こういったアルコール類等から従来の石油製品、ガソリンのようなものでございますけれども、従来の石油製品自身を合成していく、この二種類のタイプを考えているわけでございます。このうち、ガソリンに混入して使うということにつきましては、これは先生御案内のように、すでに米国、ブラジル等におきまして実用段階に入っておる、こういう状況でございます。
 私どもといたしまして、こういったアルコール類の活用というのは、可能性を非常に秘めた代替エネルギーというふうに考えておるわけでございまして、今年度からまずそのアルコール類の自動車用ガソリンへの混入の問題につきましてフィージビリティースタディーをまずやろうということにしております。アルコールをガソリンにまぜます場合に、わが国の場合に非常に環境規制が厳しゅうございます。そういったものとの関係でどういう環境への影響が出てくるかという問題、それから経済性の問題、それから日本のように湿度が高い場合に水が含まれる可能性がございます。水が混入いたしますとガソリンとアルコールが分離するという問題もございまして、そういったことから流通段階におきます貯蔵性の問題といったような、いろいろな幾つかの問題がございます。そういった諸問題につきましてまずフィージビリティースタディーをやっていこうというのが一つでございます。それからもう一つは、このアルコールを大量に使っていくということになりますと、アルコールを大量に低コストでつくっていくための技術開発、こういう技術開発の問題が一つございます。
 それから、先ほども申し上げましたように、もう一つのタイプとして、アルコール類から石油製品を合成していく、こういった技術開発というのが必要でございます。したがって、私どもといたしましては、先ほど申し上げたようなアルコール混入についてのフィージビリティースタディーを実施いたしますと同時に、今年度からそういった技術開発につきまして七カ年計画で推進していこう、こういうことに考えております。
#38
○清水委員 ただいまの答弁の内容と直接関係している話ではありませんけれども、ひとつこの際にアルコール専売事業のあり方に関連をして一言お聞きをし、大臣に確かめておきたいことがございます。
 実はこのことについては、昨年の八十七国会でも論議がございまして、その際政府から、つまり通産大臣から、専売制度の廃止や製造部門の民営化については大臣も御承知のように否定的な態度が表明をされております。その後、御承知のごとくいろいろな経過があったわけでありますけれども、いずれにしても主管の通産大臣としては製造部門の民営化ということは将来にわたっても考えていない、こういうふうに私は理解をしているわけでありますが、そういうことでよろしゅうございますか。
#39
○佐々木国務大臣 そういう考えでただいま進めています。
#40
○清水委員 それでは最後になろうかと思いますが、最近LPG、特にタクシーのLPガスの小売価格が地方によって大変なばらつきが生まれております。これは通産の行政指導のあり方にも私は問題があると感じておりますのでただしておきたいと思います。
 具体的に申しますと、ハイタク関係の労働組合の連合体である全自交という組織があるのですが、この実態調査によると、リットル当たりで、大阪とか京都とか兵庫、これらを中心にした関西では五十八円ないし六十四円くらいなんですね。平均六十円前後。ところが関東その他の地方がこれはいずれも八十円台。ちなみに申し上げると、私の長野では八十三円、お隣の新潟は八十九円、こういう水準なんです。関西に比べると四割も五割も高値がついている。私はどう考えてみても、どうしてそれほどの価格格差というものが起こっているのか、タクシー業者なんというものはLPガス八十円台なんというところは大変なわけですね。そこで調べてみると、六十円前後で売られている場合でも一定のマージンというものが確保されている、見込まれている。そうなりますと、八十円台の販売価格というものは不当な暴利価格ではないかというような見方も成り立つわけなんでありますが、通産としてはそういう実態をどう掌握し、また具体的にどう是正ないし適正化を行政指導の面でとらえているか、お聞かせをいただきたいと思います。
#41
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 昨年来世界的にLPG、特にブタンでございますけれども、需要が非常にふえたということでございまして、LPG価格が非常に上昇したわけでございます。それで、CIF価格で申しますと、ことしの二月におきまして大体昨年同期の二・七倍という程度に値上がりしております。私どもといたしまして、こういったCIF価格の上昇とガス価格の上昇というものが、その市場を通じまして適正に反映されていくということはやむを得ないというふうに考えているわけでございますけれども、いずれにいたしましてもこういった仕切り価格の引き上げに際しましては、いわゆる便乗的な値上げがないように十分指導をしておるという状況でございます。流通段階に入るわけでございますけれども一流通段階におきましてもいわゆる便乗的な値上げ、不当な価格がないようにということで、通産局あるいは自治体を通じましていろいろ指導をしておるわけでございます。
 現在の市場価格、これは平均的でございますけれども、大体タクシー向けのいわゆるオートガスの小売価格は、昨年に比べまして大体一・七倍ということで、CIFの価格の引き上げと対比した場合に、現在のオートガスの価格というのは必ずしも不適正ではないというふうに考えておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても先生いま御指摘がございましたように、地域によってかなり差があるということも事実でございます。そういった地域におきます差と申しますのは、これはその地域の市場の状況であるとかあるいはタンクとの距離であるとか、そういったいろいろなファクターが働いてくるわけでございます。そういったことで地域における価格差というのは、これはある程度やむを得ないのではないかというふうに思っておりますけれども、いずれにいたしましても今後私どもとしても引き続き不適正な価格形成というものが行われないように、十分な指導をしてまいりたいというふうに思っております。
#42
○清水委員 あと一分ありますから、もう一回確かめておきますが、どうも現状はばらつきがあるけれども、これは不適正なものじゃないなどというふうに言われるのですけれども、それは五円や六円の差であるならば、いま部長が言われるような事情でこれはいたし方がないかもしれませんね。だがしかし、場合によってはリットル当たり三十円近い差が起こっている。率にして五割近い差がついているのですよ。これでも不適正だとは言えないなどということではぼくは問題だと思いますね。だから、そういう基本になるような物差しがはっきりしないものですから非常に論議がしにくいわけなんですけれども、私は五円や六円ならいざ知らず、明らかに二十円以上三十円近い差があるのはきわめて不適正だと思いますよ。だから、こういう点をきちっと行政指導を強めて、何ゆえにそういう状況が起こっているのか、そしてどう行政指導を強めてこれを是正をしていくか、いやしくもそこで不当な暴利といったようなものが存在しないような、そういう措置を講ずるというのが当然なことだというふうに思うのですが、これは大臣、最後にいかがですか。
#43
○佐々木国務大臣 御承知のように、価格政策に関しましてはまず量で需給バランスをとって、価格は市場操作で決まるところへ決まる、そういう方策をいままでとっております。ただ、いわゆる便乗値上げ等がその間に起こらないように監視を十分にして、もし便乗値上げ等あるいはおっしゃるようなばらつきのひどいところはよく原因を調べて、それに対して対処法を講じていくというのが根本的な趣旨でございますので、おっしゃるような趣旨のところがございますれば、これはやはり是正しなければならないものがあると思いますので、よく調査してみたいと思います。
#44
○清水委員 終わります。
#45
○塩川委員長 これにて清水勇君の質疑は終了いたします。
 引き続き松浦利尚君の質疑に入ります。松浦利尚君。
#46
○松浦委員 この法案に入ります前に、関連がありますから石油公団の方に参考人で来ていただいておりますからお尋ねをいたしますが、きょうは総裁がおいでにならない理由は、ここで明らかにできますか。
#47
○江口参考人 昨日も総務課長の方から御連絡をさせていただきましたけれども、従来よんどころなく延ばしておりましたアポイントが二つほどちょうどこの時間に重なりまして、十一時から二時までの間に重なっております。特にきのう御指摘のありました休眠関係の会社で一社社長が相談に来られるというようなことがございまして、きょうはよんどころなく失礼をさせていただいております。
#48
○松浦委員 いま休眠会社の今後の問題について調査に行かれたということですが、カタール石油だというふうに聞いておるのですが、それは間違いないですね。
#49
○江口参考人 間違いございません。カタール石油でございます。
#50
○松浦委員 いままで石油公団が出資をしまして、そしてすでに清算をした会社が何件あって、現在全く探鉱活動を行っておらない休眠会社が幾らあるのか、その数を教えてください。
#51
○江口参考人 株式の売却等を含めましていわゆる清算をいたしました会社は現在十二社でございます。それから、そのほかに俗称休眠と言っております、鉱業権を放棄いたしまして探鉱活動を行っていないという状況のものが六社ございます。合計十八社でございます。
#52
○松浦委員 こういった清算会社、それからいま言われた休眠会社十八社を含めて、公団が出資した金額、総額はすぐ出ますか。
#53
○江口参考人 いま資料を至急当たりますので、ちょっとお待ちください。
#54
○松浦委員 それじゃこの質問が終わるまでに御提出いただきたいと思うのです。
 それでは、公団が今日まで石油開発関係会社に出資された総額、これはおわかりになりますね。
#55
○江口参考人 公団は四十二年に発足いたしまして、五十四年度末まで累計で四千百八十六億円を投融資いたしております。
#56
○松浦委員 通産省にお尋ねいたしますが、会計検査院からこの休眠会社についての勧告を受けておられると思うのでありますが、これに対してどういう処置をされるというふうに会計検査院に報告しておられますか。
#57
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 会計検査院から指摘をされたものは、いわゆる探鉱事業に失敗いたしまして鉱区返還を行って探鉱事業を行っていないものといたしまして会計検査院から指摘を受けたもの、これは十一社でございます。このうち、現在までに解散あるいは公団が保有株式を売却いたしまして整理を行ったもの、これが六社でございます。また、一社は試掘を現在準備中と聞いております。したがいまして十一社中残りの四社でございますけれども、残りの四社を含めまして現在休眠状態になっている会社が六社あるわけでございますけれども、これらにつきましては、現在解散準備中あるいは隣接鉱区へのファームインを検討中といったようなものあるいは撤収作業中といったような会社がございます。会社によって事情がそれぞれ若干ずつ違っているわけでございますけれども、いずれにいたしましても公団に対しましては、公団対象事業を行う見込みがなくなった場合には速やかに解散または株式の処分といったような方法によりまして整理をして、公団の資産が不良資産化することのないように指導をしてまいりたいと思っております。
#58
○松浦委員 いま言われたことは非常にそのとおりだと思うのですけれども、石油探鉱というのは非常にリスクの大きいことだということは理解いたします。しかし、少なくとも公団が出資をする資金というのは国民のものであって、そう簡単に処分されてもらっては困るものなのです。逆に言うと、石油公団が重点配分ではなくて、ばらまきになっておるところに将来性のないようなところにまで結果的には出資をしておるという形が出ておるわけですが、その最大の理由としては、やはり官僚の天下りがあると思うのです。
 調査室を通じて石油公団に資料の提出を求めましたが、私の手元に来た資料では、石油開発関係に通産から天下っておる方はきわめて少ない。九人しかおらないというふうに私の手元に調査室を通じて依頼をした件については来ておるのですが、これは間違いないですね。九人ですか。
#59
○志賀政府委員 石油公団が探鉱事業資金を出資しております石油開発会社、これは四十三社でございます。その専任役員が大体百五十人ぐらいおりますけれども、その専任役員のうち把握しておりますのは九人ということでございます。
#60
○松浦委員 石油公団が出資しておる会社に対しては九人、間違いないですね。それは絶対間違いないですか。
#61
○志賀政府委員 五十四年三月末現在でさっき申し上げた四十三社でございますけれども、その四十三社のうち専任役員としておりますのが九人というふうに承知しております。
#62
○松浦委員 私が把握をする範囲内ではもっと多いはずです。
 これは大臣にお尋ねをいたしますが、石油公団が石油探鉱をするために新しい会社をつくってそれに出資をして、そしてそれに通産からここに名前が出ておるだけでも相当会社の大きなところに九人の人が行っておられるわけですが、金と人間が一緒についていくわけですね。しかも結果的には先ほど言いましたように会計検査院から指摘を受けなければならないような、解散をしなければならない会社が出てきておるあるいは休眠会社がある。この休眠会社についても恐らく将来の展望がなければ整理をして、できるだけ国民の負担を減らすために株の売却等を行って資金の回収をやらなければならない、そういう事態に追い込まれてくるのですが、こういうあり方について大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#63
○佐々木国務大臣 私はいまお話を聞きまして、詳しい事情を実はよく知りません。御指摘がございますので、よく私も事情を聴取いたしまして考えてみたいと思います。
#64
○松浦委員 少なくとも四十三社あるうち十八社はもう動いておらないわけですね。公団が出資した四十三社のうち十八社が動いておらぬということは、これは大変な問題だと思う。私は今度のこの法案について、新機構をつくることに別段反対するつもりはありません。機構をつくることはいい。しかし、少なくとも石油公団に見られるように新機構が、この前の質問に対しての大臣の御答弁によりますと、六十五年まで十年の間に一兆五千億の税金をこの新機構によって使うわけですね。一兆五千億を十年間といえば、これは国民にとってみれば大変な金ですよ。これが石油公団のように官僚が天下っていく出先であることは、官僚にとってプラスかもしれないけれども、国民にとっては、確かにリスクが大きい、こういう新エネルギーを開発するということについては確かにリスクの大きいこともわかるけれども、しかし探鉱ほどではないが、やり方いかんによっては税金のむだ遣いになる可能性が非常に強い。そういう点については、この法案を提出する大臣としてはどういうふうにお考えになりますか。あなたはいま石油公団の問題については熟知しておらなかったからこれから一遍検討を加える、こう言われましたけれども、石油公団がやったと同じことが繰り返されたのではたまらないです。法案の具体的な審議に入る前に、大臣、この問題はどういうふうに考えておられますか。
#65
○佐々木国務大臣 この新機構で開発していく事業にも、リスクの大きいもので民間で扱えぬものがたくさんあるはずでございまして、リスクが大きければそれだけ、しかも必要であればこれは官で扱って進めていくという行き方しかとれぬわけでありまして、民間だけでは進まぬわけでございますから、民でやれなくても官としては必要だという場合に初めてリスクが大きくても進めざるを得ない。したがってその遂行の過程におきましては、いまおっしゃるような、立地でどうかということはないにしても、あるいはそういうケースというものも起きてくるかもしれない。しかし、なるべくそういうことは避けつつ、国の税金でございますからタックスペイヤーには迷惑をかけぬような配慮を払うのは当然でありまして、ですから、すっかりちょうだいする手もあろうかと存じますけれども、そういう点はなるべくないように周到な配慮をして進めていくという態度は崩せないと思っています。
#66
○松浦委員 私は何といったって政府の姿勢にかかっておると思いますね。確かにこの法案で見ますと、七人の運営委員というのは、政府は非常勤を除いて運営委員になれない仕組みになっておりますね。やはり大臣の指導監督というのが重要な影響を与えると私は思うのですが、やはりこの七名の運営委員の選任いかんでは同じことが起こると思いますね。極端に言うと一兆五千億という資金に、そういう言葉は表現が悪いのですけれども、利益を得ようとするものがたかってくる、あるいは必要でないところに結果的に資金を援助する、助成をする、そういうことが出てくると思いますね。ですから、この運営委員の人選の問題については大臣はどういうふうにいま考えておられるのですか。
#67
○佐々木国務大臣 先ほどその点に関しましては長官からもお話がございました。私も同感でありまして、実は私は、初代の原子力委員会のときに、事務局長と申しますか、やっておったわけですけれども、あのときは石川一郎さんは経団連の会長をやめて直接委員になり、有澤廣巳先生も一切やめてなられて、そして湯川、藤岡という原子力の世界的な博士が二人就任いたしまして、大変な注目を浴びて、またそれだけの実績も残しました。何といっても初めが大変重要なものでございまして、初めが、何と申しますか、その任にたえぬような人ばかりであればこれはりっぱな機構に育つわけがない。ですから、人と財源とスキーム、問題を進めていく仕組み、この三つが一番重要なことは申すまでもないのですけれども、その中でもやっぱり人事が一番大切でありまして、少なくとも初代の原子力委員会に国民が期待をかけてああいう世界的に注目を浴びるような人事ができたというふうなくらいの気構えで今度の人選を進めてみたいと考えているところでございます。
#68
○松浦委員 私はやっぱり石油公団の経験から見て、エネルギー機構をつくった国民の期待に反する結果が出てくることを非常に恐れるのです。ですから、いま大臣から言われたように、確かにリスクの大きい分野ですけれども、少なくともこういう税金の結果的にむだ遣いが起こったというような批判を受けないようにぜひ善処してもらいたい。運営委員の人選については厳しくやってもらいたい。そして、少なくともこういう資金がいくところについては、自粛する意味でもう通産官僚は天下らない、少なくともエネルギー機構から一兆五千億の資金で援助する分野についてはもう通産官僚は天下らぬ、そのくらいの気構えが必要だと思いますね。大臣、その点どうですか。
#69
○佐々木国務大臣 要すればその道に練達の士であり、学識経験が豊かであって、しかも人間的には非の打ちどころのない人格者であるということが一番望ましいわけで、官民学を問わず、やはりこの人であるならばと思う人を採用すべきであって、余り官ではいけない、学者ではいけないというふうにえり好みせぬ方が私はかえって人材を広く集めるのにはいいんじゃなかろうかと、少しおおらかに考えております。
#70
○松浦委員 いや、おおらかに考えることは結構ですけれども、私は学者を入れるなとは言っておらぬのです。官だけ言っているのです。学者はいいのですよ。官を言っておるのです。
#71
○佐々木国務大臣 私も官で育った端くれの一人でございますけれども、そうばかりも言えぬのじゃないかとも思います。しかしお説もわからぬことはございません。よく参考にいたしまして人選を進めたいと思います。
#72
○松浦委員 参考にする。大臣は人柄のいい方ですからこれ以上申し上げませんけれども、さっきの、江口さんわかりましたか。総額幾らになりましたか。
#73
○江口参考人 十八社に対しまして、出資金は六百五億でございます。
 若干補足いたしますと、この中には有償償却等で戻ってきた分が数十億入っております。したがって、ネットでは五百五、六十億であろうと思います。しかし、いずれにしても出した分は六百五億でございます。
#74
○松浦委員 結局休眠会社を長く置いておけば資本を食っていくということになるわけですから、会計検査院が指摘したとおり、早く回収することが大切だと思いますね。それはぜひそういうふうに心がけていただきたいと思います。
 そこで、次にこの法案の内容に入っていきたいと思うのですが、やはり代替エネルギーの目玉は何といったって石炭だ、こういうふうに思うのですけれども、これもこの計画でいきますと、すでに国際協力プロジェクトとして日本、米国、ドイツとの関係でSRCIIというプロジェクトが、すでに日米間でこれは協定を結んでおるわけですから、二五%の出資で行うようになっております。主としてガルフと三井が参加をするようになっておるわけでありますが、これに特会から七十五億、それからEDS、エクソンと日本石炭液化技術開発株式会社、これは出光等を中心として設立準備中だと報道されておるのですが、これに四億、それ以外に国内でコミニック、神戸製鋼、三菱化成、日商岩井が共同で一つの研究共同体をつくり上げておる、これも恐らく将来出資要請が国の方になされるんではないかというふうに思うのですが、これなんかを見ましても、結果的に焦点の定まらないばらまきのような形態になるんじゃないですか。要するにそういう石炭の液化という問題が出さえすればどんどんと特会から資金を出していく、結果的にだめならだめで、リスクが大きいんだからというのでその会社自身は解散をする、そういう形態の繰り返しが行われる可能性が非常に強いんですが、こういうことについては大臣どういうふうにお考えになりますか。石炭が目玉だからこれから研究開発ができて、液化関係でどんどんこういう共同研究が進む、あるいは会社設立が準備される、こういうものについては資金を出していかれるのですか。
#75
○佐々木国務大臣 この種の開発にはある程度リスクがあるのはやむを得ぬことでございまして、これは先ほど御説明したとおりでございます。リスクが多くて民間でやれないという問題であればこそ、こういう機関でこれを手がけていくというのはやむを得ぬ姿かと存じますが、それにしてもやはり国の税金で賄う問題でございますので、慎重の上にも慎重を重ねまして、そういうことのないように注意していきたいというのが私の考え方でございます。
#76
○松浦委員 それじゃSRCII、これは米国のウエストバージニア州にすでに設立を予定されておるわけですが、これに対しては二五%の費用分担ですから政府としては七十五億を特会から出す、それからエクソンと日本石炭液化技術開発株式会社には四億、これは既定の方針として出されるわけですね。
#77
○森山(信)政府委員 一応そういう予定にさせていただいておるわけでございますけれども、SRCIIにつきましては、基本契約はできておりますが、細目の実施協定につきましてはまだ調印をいたしておりません。これは当委員会におきましても再三御説明してまいったところでございますけれども、現実に工業所有権の問題あるいはノーハウの使用の問題等につきましてまだ細目の打ち合わせができておりませんし、それから日本側の分担体制、これも三井グループが先行するというようなことが言われておりますけれども、私どもは単に三井グループだけに援助するという姿勢は望ましくないということで、オールジャパンのいわばナショナルプロジェクト的な協力体制というものができ上がらない限りはこの実施を進めることは考えないということでございまして、そういう客観情勢がすべて整ってアメリカ側と細目の協定を結ぶ段階になりましたら予算に計上させていただきました金額を支出させていただきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#78
○志賀政府委員 EDSにつきましてはすでに日本側といたしまして参加協定を結んでいるわけでございます。それに従いまして計上されました予算を実施していくというふうに考えております。これはすでに五十四年度におきまして予算に計上されております。五十四年度が約三億五千万円、五十五年度につきましては約四億円ということでございます。
#79
○松浦委員 そうすると、今度コミニック関係が要請してきたときにはどうするんですか。これも大きなプロジェクトとして民間でやっておるのですが、これから要請してきたときどうしますか。
#80
○石坂政府委員 ただいまコミニックのお話が出たわけでございますが、新聞等でごらんいただいて御質問が出たと思うのでございますが、私どもは実は、豪州のビクトリア州にあります褐炭の非常に豊富な埋蔵量あるいはそれの石炭自身としての運輸性の問題、輸送が非常に困難であるというような問題から考えまして、これを液化することは石炭液化研究開発にとってあるいはそれの実用化にとって非常に重要であるという認識をしておるわけでございます。そのために、今年度からこの豪州の褐炭をどういう処理方式を採用すれば一番うまく液化できるだろうかあるいはほかの方法と比べてその褐炭を液化することがどれほど有利であるかどうかというようなことを現在検討を始めようとしておる段階でございます。したがいまして、これをどこにお願いするか、どの技術をとるかということにつきましてはまだ決まっていないわけでございます。
 一つだけ補足さしていただきますと、いろいろな方法を研究すること自体不合理ではないかというような御指摘のようでございますが、私どもといたしましては、石炭と申しましてもいろいろな石炭があるわけでございます。ウエストバージニアの炭は非常に硫黄が多い、鉄分も多いという特殊の炭でございます。豪州の褐炭もまた非常に変わった性格を持った炭でございます。そういったように石炭の種類がいろいろございますので、それに対応する技術というものはまたおのずと異なってくるというように考えておるわけでございまして、そういった意味から必然的にいまの研究開発の段階としてはかなり多くの方法を並行的に研究していかなければいけないというように考えているわけでございます。ちなみにアメリカにおきまして石炭の液化につきましては二十七方式の方法を並列して開発しておりますし、西ドイツにおきましても八方式を同時に進めておるわけでございます。
#81
○松浦委員 いまアメリカが二十七方式、ドイツが八方式、こう言われたのですが、それでは日本の場合は研究開発をいろいろな炭に従ってやれば、そういう方式、研究開発に対して無制限に助成をしていくというような発想をとられると理解していいですか。石炭が本命であるということから言えばそういうふうに理解していいですか、私の方は。
#82
○石坂政府委員 たまたま外国の例を申しましたので若干誤解が出たかと思いますけれども、日本はやはり日本の主体性を持った研究開発を進めなければいけないということで、現段階におきましては数種の方法を並列してやるべきだと考えておりますが、たとえば小さな、一トンくらいの石炭を一日に処理するというようなプラントにおきましては、相当数のパイロットプラントをつくるということは合理的な考え方だと思うのでございますが、それを五十トン・パー・デーにするとかあるいは二百五十トン・パー・デーにするというような段階におきまして、十分なスクリーニングをかげながら研究開発をしぼっていくということが必要であるかと思います。
#83
○松浦委員 それから、もう時間がありませんから、あとは濃縮の問題についてお尋ねをいたしますが、実は今度のこの助成対象の中に、濃縮ウランの実験プラントについての補助ということも出されておるのですが、現実にすでに一部では人形峠の遠心分離法、旭化成の化学法、化学法はすでに原燃でも行われておるようでありますが、いずれにいたしましてもこういうふうにいわゆる原子力発電の燃料になる濃縮ウラン技術というものの実験プラントというものが、補助対象になってまで奨励をされつつあるわけですが、原子炉等規制法の中にウラン濃縮に対する規制の条項が実はないわけです。いろいろお話を聞いてみましたところが、資料をいただきました。その資料を見ますと、実は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の中の加工の事業に関する規制、「核燃料物質等の使用等に関する規制」によって規制されるのです、こういうふうに言っておられるのですけれども、政府が資金援助してまで実験を考えておる人形峠の遠心分離法にしましても、旭化成の濃縮ウランにいたしましても、少なくとも原子炉等の規制法を改正して、濃縮ウランというものは一つの条項を置くべきではないかというふうに私は思うのです。ことしの三月一日に再処理にかかわる民間会社が設立をされましたけれども、この民間会社の設立前、昨年でしたか、すでに再処理にかかわる規制がここの中に、第五章「再処理の事業に関する規制」ということで法改正がされているのです。しかも、再処理工場が動き出すのは十年先だというふうにも聞いておるのです。濃縮ウランということで実験プラント等が開始をされてくるということになれば、厳しい意味でやはり法の規制対象にすべきだ。そういう規制対象がないまま、ただ実験だけは金を助成してどんどん進めるというやり方は法体系上きわめて問題がある。特に核を扱う問題ですからね。そういった意味ではなぜこういう法改正をやらなかったのか、動燃等の遠心分離法による濃縮ウランというのはすでに政府が具体的にやっておる事実があるのです。そういう問題について、時間がありませんので簡単でいいですから、ひとつお答えをいただきます。
#84
○佐竹説明員 規制当局であります科学技術庁からお答えをいたします。
 旭化成の計画しておられますのは、事業として継続的に濃縮ウランを生産するものではありませんで、研究開発としてウラン濃縮を行うものでありますので、原子炉等規制法上核燃料物質の使用として規制されるものと考えております。
 このプラントの建設、運転に当たりましては、ウランの使用の目的、使用の方法、使用期間、使用量、使用施設、貯蔵施設、廃棄施設等を記載した使用許可申請書を科学技術庁長官に提出し、許可を受ける必要があります。科学技術庁といたしましては、この許可に際しまして申請内容が原子炉等規制法に定めます基準、すなわち核燃料物質が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと、原子力の研究開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと、使用施設、貯蔵施設または廃棄施設の位置、構造及び設備が災害の防止上支障がないものであること、核燃料物質の使用を適確に遂行するに足りる技術的能力があることについて厳重な審査を行うことにしております。特に災害の防止上支障がないかどうかにつきましては、必要に応じまして科学技術庁の原子力安全技術顧問の意見を聞きつつ、十分にその安全性を審査していくつもりでございます。また、プラントの運転開始後も、必要に応じ核燃料使用状況調査等を行いまして、安全確保に万全を期します。
 また、ウラン濃縮事業につきましては、原子炉等規制法上加工の定義に、「核燃料物質を原子炉に燃料として使用できる形状又は組成とするために、これを物理的又は化学的方法により処理することをいう。」とあります。商業規模で事業としてウラン濃縮を行う場合に当たりましては、加工の事業に含まれるものと考えております。なお、この際、加工の能力等につきましては原子力委員会、安全性の確保につきましては原子力安全委員会の意見を聞くことになっております。したがいまして、現在の原子炉等規制法によりまして十分な安全規制が可能であると考えております。
#85
○松浦委員 たんたんと棒読みされたけれども、棒読みは棒読みでいいけれども、しかしそういう問題ではないのだよ。それは少なくとも実験プラントであってもウランを扱うのだから慎重でなければならぬし、それはちゃんとした規制のもとでやってもらわなければならぬけれども、しかし少なくともこういう核原料を扱う場合は、やはり法体系上濃縮ウランということがこれほど言われておるし、現実に遠心分離法なり旭化成の化学法等がすでに実験段階から実験プラント段階へ進んできておるわけだから、そういうことを考えれば私はここで法改正をやるべきだと思う。何もずさんにしておるという意味のことを言っておるのではない。もっと厳しく監視してもらわなければいかぬし、規制してもらわなければならぬけれども、法体系上は濃縮ウランというものがこれほど、すでに予算書の中にも濃縮ウランという言葉が出てくるわけですからね。そういう意味では通産大臣どうですか。私は少なくとも、これは科学技術庁の担当かもしれませんけれども、やはり予算をつけてまで実験をさせるということになれば、法体系上はこの規制に関する法律の一部改正を行うべきだ。再処理工場については昨年改正をやったのですよ。そして一条項を入れたわけですよ。――いやだめです。大臣です。あなたのところは棒読みだからいいよ。
#86
○佐々木国務大臣 その規制法は私自体がつくった規制法でございます。ただ考えてみますと、改正いたしましたのは、プルトニウム再処理は言うなれば民間では製造できないようになっておったのですけれども、それを改正いたしまして、民間でもできるようにしたのが昨年の改正だと心得ております。プルトニウムと同様な扱いで濃縮ウランを法体系として扱うのかどうかという問題は、私のつくった法律でございますけれども、古い記憶でございまして、もし誤った発言をするといけませんので担当官から御説明させます。
#87
○松浦委員 もう先ほど言われたから。科学技術庁は改正する気はないわけですよ。既成事実の積み重ねをやろうとしているだけなんだから、さっきもう聞いたから、同じことを聞いても同じだから、時間がないですから。
#88
○塩川委員長 通産省の方からということですから。
#89
○松浦委員 大臣が言ったことを補足するのですか。
#90
○児玉(勝)政府委員 ただいま大臣から御答弁がありましたように、再処理事業につきましては法律の改正をお願いしたわけでございますが、このたびの濃縮ウランの試験につきましては、使用の規制ということで当面いいのではないかと私たちも考えておりますが、ただいま先生のおっしゃいますように、これから事業が大きくなります場合にはその規制の方法につきましても通産省として責任を持ちますので、その実態に合わせまして科学技術庁の方と相談いたしまして、それに合うように対処してまいりたいと考えております。
#91
○松浦委員 この問題は非常に大切なことですから、それではエネ庁の方の専門家にお尋ねいたしますが、今度の旭化成の濃縮ウラン実験プラントというのは三%まで濃縮させる、こう言っておるのですけれども、吸着塔をもっと高くすれば三%以上の濃縮が可能なんですよね。私は専門家ではありませんけれども、旭化成の技術者の方やらうちの党の専門家に聞いてみますと、吸着塔を高くすれば三%以上の濃縮をすることができる。あるいは三%の濃縮した原液を取り出して、それをベースにしてまた濃縮をやれば、六カ月ぐらいたつと二〇%の濃縮限界に達することができるわけですね。ですから、実験プラントとは言うけれども、実質的に扱い方いかんによってはきわめて危険な状態になり得るのですよ。私は科学者でないからわかりませんけれども、実験をしようとする者はやはり限界に挑戦するわけですね。「むつ」が使っておる濃縮ウランが四・四%だそうですよ。そうすると、旭化成の三%の濃縮ウランをあと一・四ぐらい上げれば四・四、すぐ「むつ」等の原子力船に使われる濃縮ウラン精製が可能になるのですよ。ですから、実験だ実験だと言うけれども、具体的に言うと、そういった絶対にあり得ないことではないからですね、これは。スリーマイル島事故だって、これは絶対あり得ないことがあったわけだから、核を扱うというのはきわめて慎重でなければならぬ。科学者が常に自分の限界を求めて挑戦をしていくその過程で、仮に二〇%等の限界、臨界に達して爆発が起こる。それは放射能なんというのはほんの小さいものかもしれませんよ、何ミリぐらいの放射能かもしれぬけれども、そういう状態になれば放射能ができることだけは事実です。そういう危険なことが実際にあるわけでしょう。あるいは人形峠の遠心分離法、これは仮定では九九%濃縮可能でしょう。そういうことを政府が助成をして、まかり間違ったら爆発をするような、それが何の法の定めもないまま、ただ、私たちが人為的に管理しますからいいです、厳密にやりますからいいですだけで過ごしておって、事故が起こったときにどういう責任を持ちますか。だからこそこの核原料物質等の規制に関する法律というのは厳しくしてあるわけでしょう。いまのような考え方なら、実験であればもうこういうものは規制の対象にならぬ、要するに、こういうただ単なる加工の事業に関する法律等の規制だけを届け出て、そして厳しくチェックすればそれで事足りますで済みますか。
#92
○佐々木国務大臣 松浦さんにお答えしたいのですけれども、核の問題はそんなものじゃございません。これは実験過程であろうとこれに対する国内の監視は非常に厳重をきわめるわけでございまして、その法規はただいま申しました規制法ではありますけれども、国内だけかと申しますと、そうじゃないのでありまして、これは国際的に核拡散防止条約にも加盟し、あるいは恐らく米国の原材料だとすれば日米原子力条約あるいはカナダとの条約等でこれは十分監視をする、いわば兵器に転用しないという監視を受けることになっておりまして、ウィーンの機関にその監視を、両国のバイラテラルアグリーメントでもって任してありますから、その監視にしょっちゅうウィーンの監視機関が来ておりまして、厳重に監視しております。したがいまして、そういう転用というものはあり得ようがございませんし、また、国内的な体制からいきましても、基本法からいってもあるいは非核三原則からいきましてもそういうことはあり得ないように、二重三重、幾重にもこれを監視しておりますので、そういう心配はゆめゆめないもの、安心してしかるべきだと思っております。
#93
○松浦委員 ゆめゆめない、安心してしかるべきだと言われますけれども、私は核爆弾をつくるとかなんとかということを言っておるつもりはないんです。実験過程でそういう事故が起こる可能性があると申し上げておるのです。ですから、濃縮ウラン技術についてもこの条項で規制をすべきだと、こう申し上げているのです。
 専門家にお尋ねしますが、現在の吸着塔をもっと大きくすれば、三%よりもさらに濃縮度を高めることは可能でしょう。
#94
○児玉(勝)政府委員 先生おっしゃいますように、吸着塔を高くいたしますと若干吸着率が高くなることはおっしゃるとおりだと思います。ただし、その吸着塔のいわゆる物理的な大きさということが決まりますと、逆にその吸着率というものが決まってくるかっこうになりますので、その寸法によりましてもうすでにそこの吸着塔においては何%かということが逆に規制されるということもございますので、われわれといたしましてはその吸着塔の高さ、また溶液の流れるフローの速さ等々勘案いたしまして、安全性について十分勘案いたしたい、こう考えております。
#95
○松浦委員 それから、三%濃縮したウランを取り出してさらに濃縮していくということはあり得ることでしょう。現在のものでも三%濃縮したものを取り出して、またそれを実験プラントで濃縮していけば高めていくことは可能でしょう。しかしそういうことは絶対あり得ない、しませんと、こういうように言われるだろうけれども、現実にそういうことは可能でしょう。やろうと思えばできるでしょう。
#96
○児玉(勝)政府委員 先生おっしゃいますように、原理的には可能でございますが、実際的には非常に時間がかかりますので、非常に高濃縮のものをつくるには数年かかると言われておりますので、そういうことからいきまして、高濃縮のものをつくるのはこの方法では非常にむずかしい、それが核不拡散の意味ではいいのではないか、こう考えているわけでございます。
#97
○松浦委員 六カ月で二〇%になると言っておられるのですよ。実験プラントを持っておるところが言っておられるのですよ。おたくの方にはそういう報告はないのですか。
#98
○児玉(勝)政府委員 実験的にごく微量のものを何回も何回も吸着させるという方法でいきますと、そういうデータもあるかと思いますが、実際的には今度考えておりますパイロットプラントの大きさでは、とてもそこまではいかないというふうに考えております。
#99
○松浦委員 ですから大臣、いま私がやりとりしておったのをお聞きのとおり、要するにそういうことはやろうと思ったらできるけれども、しかしそれはできない仕組みに、こういうふうにするということだけである。ですから、私がさっきから言うように、なぜその規制に関する法律をつくることにこだわられるのですか。濃縮ウランというものが、これほど実験プラントが進んできて、遠心分離法なりあるいは化学法というものが現実に助成までしてされるという段階が来ておるにかかわらず、なぜ法の規制をすることに反対なんですか。それは実用に供することはないという前提に立っておるからですか。
#100
○佐々木国務大臣 いまの規制法の規定で十分に国内的にも監督できますし、また許可その他に当たっては、原子力委員会、安全委員会等で十分これを審査いたしまして、そして金を出していくわけでございますから、国内的にもそういうおっしゃるような危険性というものはないわけでございまして、兵器に転用する意味の危険性ですよ、私の言うのは。松浦さんの意味は、どうもそこが両方またがっているような感じがいたしまして、どちらかはっきりしないのですけれども。それから国際的にも兵器には転用できないように、これは十分監視できるように、インスペクターが皆来ておるわけでございますから、これは問題ないと思います。ただ、安全性そのもの、そのもの自体が安全かどうかという面に関しましては、これは安全だという認定でやっているわけでございまして、私の感じでは、原子炉等に比較しまして監督さえ十分であれば、設計その他十分審査の上許可するわけでございますから、問題なかろうと思っております。
#101
○松浦委員 大臣、私は兵器云々ということは一つも言っておらないのです、現在やっているのは実験プラントですから。濃縮過程で臨界に達したら危険を伴うような状態の実験プラントじゃないか。だから、濃縮ウランの密度を高めて原子爆弾に使うとかなんとかという意味で言っているのじゃないのです。そういう実験プラントが現実にあって、実験過程で二〇%という限界、臨界に達するような状態が生まれたときには、爆発ということが起こってくる危険があるのじゃないか。それはさっきの議論でなきにしもあらずなんです。兵器に使うとかどうとかじゃないのです。そのことを私は言っているのです。ですから、実験プラントそのものをすでに奨励をして補助金まで出すという段階が来ておるなら、法律規制をしたらどうですかということを申し上げておるのであって、何も兵器にどうのこうのということを私は言っているつもりはありません。実験過程の安全性の問題です。
#102
○児玉(勝)政府委員 大臣の御答弁の前にちょっと事務的に御説明さしていただきたいと思いますが、今度のパイロットプラントは三%の濃縮ウランをつくるということが目的でございまして、それ以上の濃縮ウランをつくるという目的は持っておりません。そういうわけで、この方法は反応が非常に徐々に進みますので、そういう意味での臨界管理ということも十分できますし、今度のプラントにおきましてはその臨界管理に至るまでのような問題は起こらない、こういうふうに考えております。
#103
○松浦委員 大臣、くどいようですが、それじゃもう法改正はやらずに補助金はどんどん出して、濃縮ウランの実験プラントはどんどん進めていく、そういうふうに理解していいですね。
#104
○佐々木国務大臣 法改正をすれば監視監督が大変厳重になり、いまの法律では監視監督が厳重じゃないというふうに私は必ずしも考えておりません。しかし、御指摘のことでございますからいまの法規で十分なるや否や、新しい時代にもなっておりますから、それをもう少し検討さしてみたいと思います。
#105
○松浦委員 誤解かもしれませんけれども、いまちょっと大臣が言われたことは、それなら法律は要らないじゃないですか。管理監督を厳しくやるならば何もこんな法律要らないですよ。
#106
○佐々木国務大臣 野方図に、取り締まる法規がなければ別です。いま取り締まる法規があるわけでございますが、あなたはそれじゃ不十分だろう、あるいは民間ででも大きくやるようなときにはプルトニウムと同じように、再処理と同じようにこれは別法規ではっきりやるべきじゃないか、こういう初めからの話でございますが、そういう民間でやるような大きい時代にはまだ入っておりません。実験の段階です。じゃ実験の段階で取り締まりは全然野方図かというと、そうじゃなくて、いま取り締まる法規があるわけでございますから、その法規で十分だと思いますけれども、しかし御懸念もあるようでございますから、十分かどうかもう一遍検討してみます、こういうことでございます。
#107
○松浦委員 それから大臣、大体これは原則として公開が原則だと思うのですよね。
#108
○佐々木国務大臣 原子力基本法でうたっております三原則に対しまして大変誤解のありますのは、公開の原則というのは研究の成果の公開でございまして、研究途中を公開するのじゃこれは研究にならぬのですよ。これは当然の話でありまして、法規をよく読んでごらんなさい。
#109
○松浦委員 法規を読ましてもらいますけれども、読んでみましても先ほど言いましたように、現実にもう実験プラントというのが実験室から立地を求めて外に出ておるわけですね。補助金を出して施設をつくる段階に来ておるわけですね。しかもイエローケーキの溶解剤とか還元剤とか酸化剤というのは、フランスとの競合があるから全くこれは発表できません。それはそれでいいです、発表できないのだから。ところが、一般論としてこういうものが使われておるだろうということがわかっても、そういう内容についてはわれわれは知る権利を持たないのですね。大臣が言われるように、実験過程だから公開は必要ないと言われたときに、公開されないものが現実に事故を起こしたときに一体どうなるのですか。そのときになってああこれは大変だ、そういうものが使われておったのか、それなら初めから反対すべきだったという住民の意見が出てもそれは通らないということですね。だから、実験過程で立地を求めて、操業一歩手前のそういう実験プラントが外に出てきてもそれは公開ではないのだ、実験過程だ、遠心分離法についてもこれは実験過程だから公開はせぬでいい、秘密に進めればいいのだ。じゃ結果が起こって、公開する過程で事故が起こるものについてはどういう配慮があるのですか。そのときに住民が反対したって無理でしょう。そういう問題については大臣、どこで接点を求められますか。
#110
○佐々木国務大臣 公開の意味は、私の申し上げました意味と全然同意義だと思っています。これは長年国会でも何遍となく議論をして政府の統一見解も出した、そして言っている結論でございますから法改正の必要はないと思っております。
 そこで、それじゃ実験段階では、実験段階というよりは研究の段階で公開しないから、非公開だから大変危険だ、じゃ公開すれば危険はなくなるか、そんなことはございません。そういう意味じゃなくて、それは公開しようがしまいが安全性そのものに関しましては原子力委員会等でも十分吟味して、設計その他審査した結果これで大丈夫だろう、そして運転の途上は監視監督しているわけでございますから、そういう危険性はないということで進めているのだ、こういう意味でございます。
#111
○松浦委員 それじゃお尋ねをしますが、旭化成がやられる化学法と動燃がやっている遠心分離法、濃縮ウラン技術のどちらにウエートを置いて考えておられるのですか。
#112
○児玉(勝)政府委員 動燃事業団が実施しております遠心分離法は、ナショナルプロジェクトとして従来から推進しているわけでございまして、国といたしましてはこれを濃縮ウランの本命の技術と考えておりますが、今回実施いたしたいと思っております化学法につきましては、それを補完すべき濃縮方法というふうに考えております。
 それはどういう意味かと申しますと、先ほど来お話が出ておりますように、三%のような低濃縮ウランをつくるにとって非常に容易といいますか、経済的にできる見通しもございますし、また、それは同時に核不拡散の政策の上からいっても好ましいのではないか、こう考えておりますので、補完すべき技術としてその開発の成果を見守っておる次第でございます。
#113
○松浦委員 遠心分離法にウエートを置いておるということについてはわかりました。
 さらに、もう時間がありませんから簡潔にお尋ねをしますが、この前の電気料金の値上げのときに各電力会社、沖繩電力を除きますが、九社で核燃料の五十五年度残高を調べてみましたら、総トータルで一兆三千四十九億円になっているわけですね。そして原発が大体九州と同じように一千億近く持っておるそうですから一兆四千億、約十年近くのウランをもうすでに確保しておるわけですね。そういう状況の中で、濃縮ウラン技術にそういう助成をしてまで奨励をするという、そのことはどういうメリットがあるのかということが一つ。
 それからもう一つは、私は率直に言って素人ですからわかりませんけれども、むだな投資をなくすということからお話をさしていただきますと、すでに動燃事業団では、新型転換炉、ATR、それからカナダ型重水炉、これは天然ウランをそのまま燃料にする炉、それから動燃事業団の高速増殖炉、こういった新しい原子炉がどんどんと開発されておりますね。そうしてくれば濃縮ウランそのものはもう必要ないという状態が来るのじゃないですか。ですから逆に言うと、濃縮ウランは成功したけれども結果的にむだな投資で、何にも必要ないという事態が出てくるのじゃないですか。そういう問題についての見通しを教えてください。
#114
○児玉(勝)政府委員 ただいま先生御指摘の一兆三千四十九億円という数字は電力会社の保有します核燃料資産の額であると思います。この核燃料資産には濃縮ウランのみならずウラン精鉱とか、それから完成燃料体等も含まれておりますので、この核燃料資産は、今後の発電の増大等を考えますと約五、六年というふうに考えられます。そういう意味で、決して過大な量というふうには私たちは考えておらないわけでございまして、できましたら、この原子力発電がこれからも開発され運転されますので、もう少し長期の観点からしてもいいのではないかと考えております。
 また、先生御指摘の、濃縮事業をやるころには新しい炉がどんどんとできてきて、もう濃縮ウランが要らなくなるのではないか、こういうことでございますが、FBRの開発は一九九〇年代の後半ということでございますので、それまでの期間やはり長期にわたりまして濃縮ウランが必要であるということかと思います。(「そのとおりだ」と呼ぶ者あり)それで、昭和六十五年までは濃縮ウランの役務契約が大体できておりますので、約六千万キロワット相当分の濃縮ウランは確保できる見込みでございますけれども、それから以降の問題につきましては、これは自前で調達しなければならないということでございますので、それに備えまして遠心分離法またはこの化学法を開発しているわけでございます。
#115
○松浦委員 結果が起こってこなければ、先ほど言いましたように、最後まで理事さんにはおっていただきましたけれども、石油公団そのものが探鉱するときにどんどんと出資をしてみて、結果的にむだな投資、こういう状況になっておる。ですから、何でもかんでも新エネルギーだということでむだな投資をして、結果が起こったときに批判をしてみてももう遅いわけですよ。そういう意味で慎重であるべきだということを申し上げておるのです。
 それからもう一つは、いま渡部先生は、原子力発電はどんどん先生のところに持っていって電気料金を安くしてくれということだそうですが、そういうところには大いに持っていっていいとは思うけれども、問題は、三月の二十三日にスウェーデンで行われた原子力発電についての国民投票の結果が、政府の方は少しとり方が誤っておるのじゃないか。調べてみますと、発電所の維持を認める案が三九・一で、十年以内に廃止する案が三八・七であることは事実です。それから設置を認めるという案が一八・九%、このトータルでは国民投票の結果は賛成だったというふうに理解をされておるのですけれども、内容を分析しますと、スウェーデンの場合は既設と建設中の炉の十二基に限って運転を認めるという案が一つ、それからもう一つは、安全の確保、新エネルギー開発、省エネルギーを推進しかつ発電所の国営等の条件つきで原子力発電所の維持を認める案が三九・一%、こういうふうになっておるのですよね。ですから条件つきで賛成する人たちについても、既設と建設中の十二基に限って認めておる。しかも二十五年の法定耐用年数、償却期間が終わったらもうなくなるのだということを前提にして認めておる。ですから、必ずしも政府が言われるように積極的な意味で原子力に賛成した投票結果ではないのですよ。やはり原子力発電は危険だということを前提とした、きわめて慎重な投票結果であったというふうに理解をすべきだと思うのです。
 少し時間が超過しましたが、この点について最後に大臣の御見解を求めて終わります。
#116
○佐々木国務大臣 私もスウェーデンには三回ぐらい原子力を見に行っていまして、あれほどかたい岩盤の中につくっている国でございますから、原子炉そのものの事故で周辺の住民あるいは財産に損害が出るとはゆめゆめ思いませんけれども、しかしお話しのような投票の結果のようでございます。
 ただ、思いますのに、人口五百万でございますか千万、たしかそれほど大した人口でもなし、産業といっても日本や何かの比ではないところでございますから、お国柄の事情が大変違うということが一つあろうと思いますし、スウェーデンにあらざる国、たとえばフランス、英国、ソ連、米国等は、それぞれ原子力発電を非常に強力な進め方で現実に進めようとしている国もありますし、進めている国もあります。サミットの会議でも原子力発電を重要視して、これをひとつみなでやろうじゃないかということになって建設しておるわけでございますから、スウェーデンの例だけをもって今後の日本等の原子力発電の将来を卜するというのは私は少し短絡過ぎはせぬだろうかという感じがいたします。日本といたしましては、せっかくここまで進めてきた原子力発電でもございますので、今後とも安全性に対してさらに研究開発を進めまして、これから開発すべきだというふうに考えてございます。
#117
○松浦委員 終わります。
#118
○塩川委員長 これにて松浦利尚君の質疑は終わります。
 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十三分開議
#119
○塩川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。上坂昇君。
#120
○上坂委員 石油代替エネルギーの法律案について質問をいたしますが、まず最初に、省エネルギーということの定義について、通産省の定義になるのだろうと思うのですが、これをひとつ説明をしていただきたいと思います。エネルギー節約と違う点もひとつ説明をいただきたいと思うのです。
 それからもう一つは、どうしてこんなに一生懸命省エネルギーをしなければならないのかということについてもあわせて御説明をいただきたいと思います。
    〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕
#121
○森山(信)政府委員 省エネルギーとは何かという問題でございますけれども、御指摘のとおり節約という概念だけではないのは当然でございまして、省エネルギーという日本語、なかなかむずかしい解釈もあろうかと思いますけれども、私どもはいまお話し申し上げました節約を図るということが一つの考え方だろうと思いますけれども、もう一つの考え方は、エネルギーの使用の合理化、効率化という点があるのではないかということでございまして、昨年通していただきましたエネルギーの使用の合理化に関する法律、これを通称省エネルギー促進法と言っておりますのはそういうゆえんでございまして、そういう考え方を持っておるわけでございますが、これをまた角度を変えて申し上げますと、一つはエネルギーに対するソフトウエア的な考え方、もう一つはハードウエア的な考え方、つまりソフトウエア的な考え方はどちらかといいますと節約の概念に該当するのではないか。それからハードウエア的な考え方は、ソフトウエアプラスエネルギー使用の合理化、効率化という問題につながってくるのではないか。これは、より具体的に申し上げますと、たとえば生産施設をエネルギーを節約するタイプの構造に変えていくとか、あるいは建物あるいは家庭用のいろいろな機械器具をそういった形に変えていく、そういったハードウエア的なアプローチ、そういうものが全部総合されて省エネルギーという言葉になっておるというふうに通産省としては了解しておるわけでございます。
 それから、なぜ省エネルギーを図っていかなければならぬかという問題、第二点の御指摘につきましては、私どものよりどころといたしまして、昨年の八月に総合エネルギー調査会から答申をいただきました「長期エネルギー需給暫定見通し」によりますと、今後十年ないし十五年の中長期的な展望から判断いたしました場合に、一つは輸入石油の供給制約の問題がございますし、それからもう一つは、日本の経済成長、国民生活の維持をある程度の成長率をもって伸ばしていかなくてはならない、この二つの課題があると思います。その二つの課題を解決していくためにいま御審議いただいております代替エネルギーの開発ということに主眼を置くわけでございますけれども、どうしてもそこに制約条件が入ってまいりますので、そのギャップを埋めるためにいわゆる省エネルギーということはやっていかなくてはならない、こういうアプローチで省エネルギーを行っていきたいということでございます。
 なお蛇足でございますが、一九八〇年代におきます私どものエネルギー政策の骨子は三点あろうかと思います。一つは代替エネルギーの開発であり、一つは省エネルギーの強化であり、もう一つは石油対策の強化、この三つではなかろうかというふうに考えております。
#122
○上坂委員 十年から十五年の中長期的な見通しに立っていろいろ考えていった場合に、制約条件があるということはわかります。それからもう一つは、GNPといいますか、成長率の問題が出てくると思うのですが、私は、そうした非常に危険な状況にあるというように判断されて、今後見通しがなかなか明るくならないという条件の中で、成長率をもう考えなくてもいいんじゃないか、こう思っているんですよ。人口がふえたり何かしてその分だけふえていくということならこれは別ですが、特別に成長率をどんどんふやしていくというようなことが、いまのこうした非常に恵まれた世の中でこれ以上どうして必要なのかというふうにむしろ思っているのです。その辺はどうお考えになりますか。
#123
○森山(信)政府委員 成長率の問題につきまして私からお答えすることが果たして妥当かどうかよくわかりませんけれども、私どもが考えました場合の成長率の問題につきましてお答えを申し上げたいと存じます。
 確かに、先ほど私がお答え申し上げましたとおり、今後十年なり十五年なりの日本の経済あるいは国民生活を見渡した場合に、少なくとも五%ないし四%程度の成長は必要だというような認識を持っておるわけでございますけれども、そこに一つの、ある意味での拡大再生産ということを考えました場合に、一定の成長率がその拡大再生産を支える一番大きな要因になっているのではないかということでございまして、いま御指摘のとおり、一定の生産規模になり一定の国民生活のレベルになった現況におきまして、よりプラスの成長率を図る必要はないのではないかというお考えもございましょうけれども、やはりそこに均衡のとれた、再生産だけではなくて、将来に向かってのある程度の拡大再生産を図っていくことが私どもの子孫に対しての現在の責務ではないかということでございますので、その成長率をどうするかという問題は御議論があろうと思いますけれども、少なくとも拡大再生産を図るためのある程度の成長を図ることは必要じゃないかということでございまして、私どもが計画策定の際に立てました五%とか四%とかいう数字につきましての御議論は、また別個の観点で議論をさせていただきたい、かように考える次第でございます。
#124
○上坂委員 いま高齢化社会ということを言われていますが、私はあと十五年くらいたつと高齢化社会でなくなるという考え方を持っているのです。というのは、昭和の二けたの人はせいぜい生きて六十までだと思うのですね。というのは、いま生命が七十歳を超して延びました。なぜ延びたかというと、これは明治時代の人だからです。あとは大正時代の初めの人だからです。これはうまいものを食べなかったし酒も余り飲まなかった。本当なんです。それから自動車にも乗らなかった、暖冷房のところにも住まなかったのです。そして歩いたのです。それこそズボン下も何もはかないで歩いた。ところが、いまはそういうことじゃなくて、まことに温存されているわけですよ。ぜいたくきわまりないわけですよ。だから、昔の人が七十歳になるということは、それだけ鍛えた体に薬がよくなってきたのですから七十まで生きるのはあたりまえだ。だけれども、これからの人は薬づけになってしまうのだから、よほどいい薬でもないと薬が効かなくなる。そこへもってきて基礎体力がないのだから高齢化社会は出てこないと私は思う。だから、昭和二けたの人はせいぜい六十までしか生きないと思うのですよ。
 そこで、これ以上高度経済成長を図っていくということは、日本の国民を早死にさせるもとになってしまうと私は思うのです。ここが非常に重大なんですよ。だから、成長率というのはやはり国民全体の将来――いま長官は拡大再生産をやって子孫にいろいろ残していかなければならぬと言ったけれども、それは残すとかえって死に方を早める、そういう結果になると思うので、私はこれはやめた方がいいのじゃないかと思う。大臣、どうですか。
#125
○佐々木国務大臣 大変高邁な御思想で、私にはちょっと判断がつきかねますけれども……。
#126
○上坂委員 これはなかなか判断がつかないでしょう。だけれども確かにそういう時代が来ると私は思うのですよ。そういうことを考えながら政治をやらないとこれはだめだと思うのですよ。私だって長生きする方ですよ、大正だからね。昭和の二けたはだめです。私はそういう意味でいろいろエネルギーの問題なんかも考えなくてはならぬと思っているのです。
 ところで、省エネルギーの対象といいますか本命とするものは一体何なのですか。どこに本命を置くのですか。いろいろ書いてあるけれども、本命はどこですか。
#127
○森山(信)政府委員 省エネルギーの対象の本命はどこかという御質問に対しましては、これは全部でございますというお答えをせざるを得ないわけでございまして、やはり特定の人に省エネルギーをお願いして、特定の人がのんびりとエネルギーを享受しておるということではいけないと思いますし、いま御質問のございましたように昭和二けたの人がエネルギーを享受して、私も大正でございますけれども、明治、大正の者はいろいろ節約をしろということでも済まないと思いますので、いま上坂先生の御指摘のように、昭和二けたの人にも頑健になっていただくためにも省エネルギーはぜひお願いしたい、こういうふうに考える次第でございます。
#128
○上坂委員 そこで、もう全部対象になる、こういうわけですが、産業部面、輸送部面、それから民間、そういうふうにとったときはどこへ省エネルギーの焦点を置きますか。
#129
○森山(信)政府委員 一応私どもが事務的に積み上げました積算を申し上げますと、昭和六十年度の目標でございますが、生産部門におきまして約一一%の節約をお願いしたい。それから、家庭、業務部門におきまして同じく一一%、輸送部門におきまして一〇・八%。それから節約措置といたしまして、これは先ほど申し上げましたむしろソフトウエアの方でございます。これはパーセントではなくてキロリットルで出しておりますが、千百三十万キロリットルの節約を昭和六十年度までにお願いをしたいと思っておりますので、それを合計いたしますと全体で八千万キロリットルの石油換算の節約。これを率にいたしますと一二・一%の節約ということをお願いしておるわけでございます。
#130
○上坂委員 そこで、輸入の一七%増、きょうの新聞の指摘ではこれは非常に困難である、こういうふうに言っているようでありますが、この家庭のいわゆる節約というのはそんなに一生懸命宣伝しなくたって、電気料金上がると節約してしまうわね。ほかの、何でも物価が上がってくると黙っていたって節約するようになってしまうのですね。
 問題なのは、ビルディングがありますね。五十階や八十階のビルディングをつくるようになったら、これは一体どうやって電力なんか節約できるのですか。冷暖房なんかかけないで、いまの東京にあるところの建物を見てごらんなさい、ここで住めますか。住める道理がないと思うのですよ。夏になってあの冷房をとめてごらんなさい、これはふやけてしまうですよ。今度は冬に暖房をとめてごらんなさい、とてもかぜばかり引いて仕事にならないわ。だから、もう本当に日本の家庭なんというのは自然にそういうことをやるんですから、問題は東京なら東京にある建物ですよ。そういうものに対する指導がなくて新宿あたりににょきにょき建ったり、池袋あたりにどんどん大きなものが建つようなことで省エネルギーなんというのはできっこないと私は思う。そういう点どう思いますか。そしてまた、そういう点についてはどういうふうにこれから指導されるつもりですか。
#131
○森山(信)政府委員 東京におきましてずいぶん大きな高い建物ができたわけでございますけれども、これは功罪いろいろあろうかと思います。
 一つは、土地の制約という問題もございますから、できるだけ限られたスペースで許容能力を大きくするということは必要だろうということで、ああいうビルができたのだろうと思います。それから、あれは一つはコンピューターの開発によりまして、従来は高層ビルができないとされておりました日本におきましても、高層ビルができるということの一つの科学的な勝利ではないかという気もしないではないわけでございますけれども、省エネルギーという観点に立ちますと、まさに御指摘のとおりでございます。
 そこで、家庭用の場合を例に出されましたけれども、確かに料金が上がりますと、エネルギーコストが上がりますと必然的に省エネルギーが促進されるわけでございますが、私どもはそれだけでは十分ではないというふうに考えております。と申しますのは、先ほど来お答えいたしておりますとおり、省エネルギーにはソフトウエア的なアプローチとハードウエア的なアプローチがあろうと思いまして、コストが上がると省エネルギーをしようというのはまさにソフトウエアの面でございますけれども、それだけでは十分ではなくて、家庭でお使いになる機械器具等につきましても、自然に省エネルギーになるような機械器具の開発というものを並行的に行うことが大事ではないかというふうに考えておるわけでございます。その理論をいま御指摘の高層ビルに当てはめますと、もちろんビルにお住みになるあるいはビルで勤務される方々がいわゆる省エネルギーマインドということを一生懸命考えていただく必要はあろうと思いますけれども、そこで使われます機械器具そのものに省エネルギー的なものを開発するというやり方もあるのではないか。たとえば照明自身も相当合理化される余地がまだ残っていると思いますし、そういった面でのアプローチ、あるいは暖房、冷房器具そのものにつきましても従来と変わった形で、一定時間使いましても結果においては省エネルギーになっているというような機械を開発する必要があろうと思います。それは建物内部の問題でございますが、建物そのものを省エネルギー型の建物にする必要があるのではないかということでございまして、さきに引用いたしましたエネルギーの使用の合理化に関する法律におきましては、建築物に対する措置というのが一つの大きな項目になっているわけでございまして、ことしの二月に建設省におきまして、建築物に対します省エネルギータイプの指導基準を公表いたしまして、今後おつくりになります建物につきましては、そういった基準に従って建築をしていただきたいというふうな指導をしたいということでございまして、建物自身から省エネルギー型の建物をつくり、その中に使用される機械につきましても省エネルギー型の機械器具を使っていただく、そういう両面からの方策を推進していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#132
○上坂委員 詳しく説明をいただいてありがとうございます。
 いま政府がやっているいわゆる石油危機という宣伝は、税金を高く取るためにやっているんだという説がある。国民に何となく納得させて、それではしようがない、高くなってもしようがない。省エネのためにいろいろなどころに新しいものを開発しなければいけない。だから税金を取られてもしようがない。生活が困るぞと宣伝するわけです。生活が困るのじゃ大変だから税金を上げることもやむを得ないだろう、こういう認識を植えつけていくんだ、そういうことのために機構を改革したり、それから税金を高く取ったりするんだという説があるのです。実を言うと、私はもっともだと思っているのです。どうですか、そこら辺はそうではないと言い切れますか。これが一つ。
 今度、一キロワット八銭五厘が三十銭に上がりますね。そういうふうにしてどんどん上げていく。そうすると国民は黙っていてもやむを得ないなと思うのです。ここら辺が非常に問題だと私は思っているのです。
 そこで問題なのは、いまいろいろなことをやると言っています。たとえばサンシャイン計画の推進ということがありますが、まあソフトの方が強いような感じがしますが、サンシャイン計画の供給量というのは、六十五年度で五%、そういう設定をしておられる。それから、昭和七十年度で七%しか賄っていけないということになっている。ということは、七十年というといま五十五年ですから十五年ある。十五年間にたった七%しか開発しない、ふやしていかないということになってしまうのじゃないかと思うのですね。大体一生懸命やる気があるのかないのか。そして、その間だめなところは全部原子力で賄う、こういう発想でこういう機構をつくったりいまのエネルギー対策を考えているのじゃないかというふうに私は思うのですが、その点はいかがでしょう。
#133
○石坂政府委員 ただいまサンシャインのお話が出ましたので、私から答弁させていただきます。
 実はサンシャインを始めましたときは二〇〇〇年代のクリーンエネルギーをつくるという発想でございまして、相当長期間にわたってじっくりと基礎的に勉強しようということでございました。したがいまして、そのときにはサンシャイン計画の成果としてどのくらいのエネルギーが代替されるかというようなことは全く考えていなかったわけでございます。しかし、御承知のような事態になりまして、私どもといたしましては研究開発に当たってもある程度の目標を立てて、そのゴールに向かって邁進しようじゃないか、そういう考えのもとに先ほど御指摘がございました五%とか七%という数字が出たわけでございまして、私どもが現在の技術水準で先を見通した場合に、このくらいのものは目標としてしかるべき数字であろうということで定めたものでございます。
#134
○上坂委員 長官、さっきの答弁。税金上げるためにつくっているんじゃないか。
#135
○森山(信)政府委員 今回私どもが代替エネルギーの開発につきましてお願いをしております財源は、御承知のとおり電源開発促進税の増税と、それから石油税の使途拡大でございます。いずれも目的税でございます。こういった代替エネルギーの開発を一般会計で推進する方法もあろうかと思いますけれども、その目的税をお願いしておりますゆえんは、やはり国民がそれによってメリットを受けるということが前提で目的税をお願いしたわけでございまして、言いかえますとエネルギーをお使いになる方が、将来のエネルギーの需給安定ということのために資金負担をしていただくということでございますので、そこに一般会計からの支出とは違った次元の考え方が出てくるんではないか、こういうふうに思うわけでございます。したがって、その目的税である程度の税金の負担をしていただきまして、それでエネルギーを使っていただくということになりまして、エネルギーの使用のコストが高くなるということになりますと、当然に先ほど来お話のございますいわゆる省エネルギーと考え方がつながってくるのじゃないかということでございますので、それは国民の選択の問題ではないかと思うわけでございます。税金を高く払って、しかもエネルギーでもたくさん払うということになりますと、それは確かに二重の支払いということになりますけれども、そこにおのずから賢明なる消費者としての選択が働くんではないかということがございますので、私どもは税金を上げるためにエネルギー危機をあおりまして、エネルギーが大変になるから早く税金を納めてくださいという考え方でやっているのではなくて、あなた方がお使いになるエネルギーを安定的に供給するためにはこれだけの金が要ります、それはあなた方の御負担でぜひお願いしたい、それが目的税にさしていただいた最大の理由だというふうに考えております。
#136
○上坂委員 ところで、代替エネルギーという意味について御説明をいただきたいのです。特に第二条の一、二、三、四の項目がありますが、これについて具体的に説明をしてください。
#137
○尾島政府委員 本法案の第二条におきまして代替エネルギーを定義づけておりますけれども、これはこの法案の目的が、わが国の経済の石油に対する依存度を軽減していこうということでございますので、その石油にかわって用いられるエネルギーの開発、導入を促進してまいるという見地から、石油代替エネルギーを明確に定義しているわけでございます。
 石油は非常に利用価値のあるエネルギーでございまして、石油を考えてみますと、まず燃料として燃焼の用に供しているわけです。その燃焼によりまして熱を得られ、さらにその熱を変換いたしまして動力を得、その動力をさらに電気にかえているわけでございますが、この四つのレベルにおきまして石油にかわって用いられるエネルギーをおのおの規定しているわけでございます。
 まずその第一号におきまして、石油にかわって燃料として用いられるもの、すなわち石炭、LNG、アルコール、さらには石炭液化油というようなものが、燃料として石油にかわって用いられるものだと思います。さらに、その燃焼によりまして熱を得られるわけですが、その熱にかわるべきものといたしましては、太陽熱とか地熱とかいうのが考えられるだろうと思います。さらには原子力から得られます熱もここに入ります。さらに動力、これにかえて使われるエネルギーといたしましては水力、波力、風力というようなものが考えられます。さらに電気でございますが、いま考えられておりますのは太陽光を直接に電気に変換する技術を開発いたしておりますが、太陽光発電によって得られた電気というのがこれに入ると思います。
 これら四つのレベルにおきまして、石油にかわって用いられるおのおののエネルギーの形態をすべてわれわれは石油代替エネルギーというふうに定義いたしまして、これらの開発導入を図ってまいりたいということでございます。
#138
○上坂委員 そうするとこの代替エネルギーというのは、ある一定の期間で代替という名前が消えていくものなのかどうか。いま言ったようなことがずっと開発されていくと、もう石油の代替ではなくなる、そこで代替という言葉はなくなってくる、そのものが要するに動力なり熱力なり、そういうものになってくると思うので、その見通しはいつごろになりますか。
#139
○森山(信)政府委員 代替エネルギーという言葉に関しましては上坂先生の御指摘のとおりだと思います。
 現段階におきましては一次エネルギー構造の中で七五%も石油が占めておるということから、これをできるだけ早く構造的に変化をしたいということでございますので石油代替エネルギーという言葉を使っておりますけれども、本質的には石油にかわるエネルギーではないわけでございまして、エネルギーはエネルギーとして確立されなくてはならぬというふうな感じを持っておりますから、いつまでも石油代替エネルギーという言葉を使うことが適切であるかどうかは御指摘のとおりだと思います。
 しからばいつごろから石油代替エネルギーという言葉がなくなるのかという御指摘に関しましては、私どもは、ちょっと大ざっぱな言い方になるかもしれませんけれども、二十世紀の間はやはり何といっても石油が主力になるということから、できるだけこれにかわるべきエネルギーを開発していこうという問題意識をかき立てる必要がございますので、そういった範囲内では石油代替エネルギーという言葉を通用させたいと思っておりますけれども、心の中では決していつまでも石油にかわるエネルギーという考え方ではなくて、むしろ本質的なエネルギーということで地熱でございますとか水力でございますとかその他のエネルギー源の開発に取り組んでいきたいというような基本姿勢を持っておるわけでございますが、ただ、くどいようでございますけれども、当座は石油代替エネルギーということで、石油の構造をできるだけ早く、しかも少くしていこうという問題意識のためにそういう言葉を使わせていただいているということでございます。
#140
○上坂委員 石油がエネルギーとして本命であるということで石油代替エネルギーという言葉を使っていると思うのですが、原油そのものがいま窮迫しているということになると、この節約といいますか、何とか原料をかえていかなければならないという問題が起きてくると思うのです。そこで石油をできるだけ大切に使っていくという意味では、原料にどうしてもメスを入れざるを得ないと思うのです。そういう点で原料にメスを入れる場合、どういうところに焦点を置いていくかということで基礎産業局長、御説明いただきたいと思います。
#141
○大永政府委員 現在石油化学工業におきましてはナフサを原料にして使っておるわけでございますが、石油全体がだんだん少なくなってまいりますと、ナフサもだんだんソースが欠乏してくるわけでございまして、石油化学工業の規模が縮小いたしますと国民経済に非常に大きな影響を与えることになりますので、やはり原料対策というのが石油化学工業においては一番大切でございます。
 そこでさしあたりの問題としましては、ナフサをなるべく有効に利用するということで、シビアクラッキングと言っておりますが、ナフサからエチレンの収率を上げることに努めますとともに、ナフサ以外の原料といたしましてLPGでございますとかNGLでございますとかといった他の代替品の利用も行ってまいっておりまして、その代替品、現在は五・数%の使用率でございますが、これはだんだん上がってくると考えております。
 さらに中長期的な問題といたしましては、一つは現在大型プロジェクトとして進めておりますアスファルトからの分解によります化学原料の製造という技術の開発が進められておりまするし、さらに今年度からは新たに。化学ということで、一酸化炭素と水素との混合ガスからオレフィン類その他の石油化学製品をつくっていくというような技術開発をいたしておるところでございます。
#142
○上坂委員 これも非常に大切な問題で、これは非常に早く技術を開発して工業化をしていくことが必要だろうと思うのです。
 そこで、大臣も何か質問がないかと思っておられると思うから御質問いたしますが、国際エネルギー機関の事務局が加盟各国に対して、一九九〇年代の初めまでに石油火力発電所を全廃するようにという提案をしたと聞いています。特に日本とイタリアが五〇%を占めておりますからこれの対象で、びっくりしている、困っているわけですが、五月の下旬にはIEAの閣僚会議が開かれるということでありますけれども、わが国はこの提案に対してどういうふうにこたえていくのか、また五月下旬のその閣僚会議がどういう発展をするかというので、ひとつ予想をお聞かせいただきたい。
#143
○佐々木国務大臣 五月の二十何日でございましたか、確かにIEAの閣僚理事会が開かれる予定になっております。そのテーマを何にするかというのはまだ確実には決まっておりません。
 京都で先週の月曜日でございますか、国際LNGの大会がございまして私も参ったのですけれども、IEAの事務局長であるランツケ氏が来ておりまして、向こうから会見を求めてきたものですから、会っていろいろ話をしてみました。アメリカを回ってきておりますので、アメリカの意向なども踏まえてみますと、やはり一つは、八一年――八〇年度、ことしはもう六月ですから半年過ぎたことになりますので、八一年のシーリング、目標あるいは八五年、場合によったら九〇年、三つの機会に世界のIEA加盟国の輸入数量の上限をどうしたらよろしいかという問題が恐らく出るのじゃないかと思います。ただ、そういう目標云々ばかりじゃなくて、むしろどうしたらそういうことに到達できるかという方法論を代替エネルギーの開発も目指して議論するのが効率的じゃないかということもあるようでございまして、そういう点もあわせて恐らく議題になるのじゃなかろうかと思います。
 その際、石油火力は将来のものは一切つくってはいかぬということで、去年のサミットでもそういう話になったのですけれども、今度は従来の石油火力もだんだん切りかえていこうじゃないかという提案がなされるやにうわさも聞きますけれども、この方はまだ確かではございません。わが国にとりましては急激にそういう状況になりますと大変な混乱を招く事態になりますので、方針は賛成といたしましても、時期とか手順というものに対しましては相当慎重に構えなければいかぬと考えております。
#144
○上坂委員 なお大臣にイランとイラクの問題についても聞きたいと思いましたが、時間があと二十分しかありませんからこれは後回しにしまして、いわゆる代替エネルギーの本命の一つである石炭についてお聞きをいたしますが、私は、通産省がどんなにうまいことを言っても、石炭をスクラップにしてしまったという犯罪的な行為は隠すことのできないものだと思うのです。かつて五千万トン、六千万トンという大量のエネルギー資源をわれわれは掘っていて、二十五万人から二十六万人の労働者がそこで暮らしていた。それで、黒ダイヤの戦士とかなんとかとおだてて危険なことをやりながらどんどん掘らせておいて、あげくの果てはそれもどんどんつぶしてしまって首にしている。安い石油を買うから石炭は要らないという考え方の上に立ってきたということについては、これは隠すことのできない事実であります。これはまさに犯罪的行為だと言っても差し支えないと思うのです。
 それで、この前学者の先生に聞きましたら、いま大学の先生でも、教授クラスの人は石炭に対する開発の技術であるとかいろいろな技術は持っている。しかし助教授以下になったらこれはわからない、こういうふうに断言しているわけです。そのくらい日本の石炭に対する問題というのはひどくなってしまったのですね。そこで、石炭を、相変わらず二千万トン体制をつくろうとしていますが、いま千八百三十万トン程度しか実際には掘られていない。そうすると、結局これからの日本の石炭というのは一体掘れるのかどうか。いま全国で炭鉱が二十一社ぐらいだと言われておりますね。それが掘っている炭鉱、これは資源ですから枯渇してくるわけです。枯渇してくれば二千万トン体制が一体維持できるのか。できないということになれば、できるようにするためにはまたほかのところを掘らなければならない。前の炭鉱に手をつけようと思っても絶対に手なんかつけられる道理がないわけです。そうしますと結局全部やめてしまって、国内炭二千万トンなんというのは、書いてはあるけれどもこれはまさに机上の計画だけであって、結局は全部海外炭に頼らなければならない、こういう結果になるのじゃないかと私は思うのです。私は常磐炭田の出身ですから非常に痛感をするわけでありますが、その辺についての見通しはいかがですか。
#145
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 現在わが国の石炭というのは九州と北海道でございます。現有炭鉱で埋蔵炭量をいま調べておるわけでございますが、一応四十九年に調査はしております。現在までのところ、ある一定の深度で一定のコストで掘れるものがどれだけあるかということでございますが、大体十億トンということでございます。したがって、現在程度の二千万トン体制ですと五十年程度掘れるということに相なります。
#146
○上坂委員 それはいま残されている炭鉱で全部掘る、こういう考え方ですか。
#147
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 たしか十億トンの七割程度が既存炭鉱でございます。あと三割程度が新たに炭鉱を開発するという個所になるかと思います。
#148
○上坂委員 だから、そこまでぼくは聞いているわけだけれども、答えないでぽこぽこやるから時間ばかりかかってしまう。そこで開発ができるのかということを聞いているのです。三割の開発について自信がありますか。
#149
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 三割は新鉱開発になるわけでございますが、これにつきましては五十年、五十一年と調査をいたしております。そのうち開発の可能性がかなりあるという個所が二カ所ございまして、それについて現在各種の調査を進めている段階でございます。現状では開発に当たりましてかなり各種の問題がございます。その問題点、特に環境問題とか土地利用の調整問題とか、それから労務者の確保問題等々ございまして、その問題を逐一解決しなければ現時点ではむずかしいだろうと考えております。
#150
○上坂委員 やはりむずかしいという結論しか実際出てこないですね。だから、やはり日本の石炭だなんて、こんな計画を立てているけれども、結局は二千万トン体制なんていうのはぼくはいまの状況ではなかなかできないと思っているのです。結局海外炭にばかり頼ることになる。ところが海外炭というのはいまはみんなメジャーが握っているわけです。石油ばかりではなくなってきたのですね。そこで日本でも石油の開発を海外に求めるとか、あるいは石炭の開発を求めるとかいうふうにこれに載っかっております。載っかっているけれども、実際に有望ないいところはみんな世界のメジャーが握っちゃっているということになりますと、私はこれも非常にむずかしい問題じゃないかと思うのです。
 先ほど石炭液化の問題が出ましたけれども、石炭液化の技術でもアメリカではすでに日産六百トンの技術でプラントを持っているわけです。日本は一トンか二トンのようですね。技術的に見ますと大体十年ぐらいおくれているのじゃないかと言われているのです。しかも石炭液化にしましても、これを握っているのは、実際の技術を本当に持っているのはエクソンであったりガルフであったり、やはりメジャーなんですね。そうしますと、国際資本にがっちり日本は全部握られちゃって、その体制の中に組み込まれていくしか方法がない。自主開発だ何だなんて能書き言っているけれども、実際できるのかということが私はやはり非常に問題だと思うのです。そういう意味で、取り組み方が、文字の上では大変きれいごとの取り組みのように思えますが、実際問題としては石炭をスクラップにしてきたような状況のものとちっとも変わりのないものが出てきて、結局のところは何だというと、全部代替エネルギーの本命は原子力である、そしてその原子力をどんどんつくっていくのだ、こういうことに私は結論をつけざるを得ないのです。私はそう思いますが、どうですか。大臣、お答えください。
#151
○佐々木国務大臣 まず石炭でございますけれども、もちろん開発輸入しなければ、単なる貿易で将来期待しているような大量の石炭というものは安定供給はむずかしいと思います。その際、いまおっしゃるようにメジャーがほとんど押さえてしまったのじゃないかという御懸念でございますけれども、私どもの聞き及んでいるところでは大体三割ぐらいでございまして、それも米国、カナダ地帯が多いように承知します。したがってわが方で一番考えております豪州とか中国の方はまだこれからのようでございまして、決してメジャーが全部押さえて手も足も出ない状況じゃないというように承知しておりますから、これから機構をつくって、機構の大きい柱の一つは海外炭の開発問題でございますので、その方に力を注いでいけばまだまだ目的どおりやれるのじゃないかと思います。
 そういうことでございますから、まず当面一番やりいいと申しますか、転換していいものは何といっても石炭でございますので、石炭と原子力とLNGというものは三つまんじどもえでそれぞれの特徴に従って進めていくというのが一番よろしかろうと考えておりますので、決して石炭は表面だけで、実際は全部原子力でやるのだというふうには考えてございません。
#152
○上坂委員 そう答えるだろうと思っていたわけでありますが、石炭のことについてはぼくは非常に心配をしているからいま申し上げたわけでありますが、もう一つの心配は、本命の二つである原子力です。原子力発電所が石油にかわってコストが安いとかなんとかいうのはぼくはうそだと思うのですね。これは全然そんなことはないと思うのです。ちなみに原子力の稼働率を見ますと、昭和四十八年が五四%、四十九年が四八%、五十年が四一・九%、五十一年五二・八%、五十二年が四一・八%、五十三年が五六・七%、上がったようでありますが、これは新しいものができたから上がっているだけの話で、古いものはどんどん下がっている。せいぜい十年くらいしか原子力はもたないだろうと私は見ているのですね。そういうのをどんどんつくっていくということは、コストの面では物すごい高いものになるし、それからいわゆる死の灰を処理するのにも大変なコストがかかるということを見ますと、これはもうえらいことになってしまうんじゃないかと思うのですね。
 そこで稼働率を七〇%にとった場合の原子力の発電コストが石油のコストよりどんなふうに安くなるのか、それから六〇%ではどうなるか、現在の稼働率の五〇%台ならば一体どっちが高いのかということを具体的に説明していただきたい。
#153
○安田(佳)政府委員 原子力発電の発電原価と申しますと、発電所の建設時期とかあるいは発電規模等によりまして異なりますので一概に申し上げるわけにはまいりませんが、仮に標準的な地点に標準的な発電所を建設するということを想定いたしまして、そしてモデル的に計算をいたします。時点といたしましては五十五年の一月時点をとりまして、そして五十四年度運転開始の発電所の場合ということで想定いたしますと、原子力発電所の稼働率が七〇%の場合におきましてはおおむね七・六円程度というふうに想定されます。これが先生がおっしゃいました六〇%という数字をとりますと八・六円程度、五〇%の場合は九・九円程度ではなかろうかというふうに推定いたしております。一方石油火力をとって見ますと、これは五十五年一月時点でございますが、同様にして算定いたしますと、稼働率七〇%の場合におきまして十五・五円程度ではなかろうか、御参考までに六〇、五〇を申し上げますと、石油火力六〇%の場合は十六・一円、五〇%の場合は十六・九円というふうに推定をいたしております。
#154
○上坂委員 これは何といいますか、いまのコストの面でいわゆる使用済み燃料棒とかそれからいわゆる低レベルの廃棄物、そういったものを廃棄をするということを全然コストに入れないで、それから原子力発電所が十五年なら十五年しかもたないでそれを今度はやめてしまった場合ですね、それの管理コストであるとかそういうものを含んだときには、これに大きくプラスをされてくるコストがあるんじゃないかと私は思うのですね。それで、火力発電所とか水力発電所の場合にはかなり長期に稼働が可能であります。使用することが可能であります。しかし原子力は恐らく半分、もっと低い寿命しかないんじゃないかというふうに思うのですね。そういうことを考えたときに非常に問題が出てくるんじゃないかというふうに私は思うのです。それからいまの試算は、ウランの価格というものが現在の価格で見積もられているのではないかというふうに思います。それと今度の上がったいわゆる原油の値段というものと比較された上でのコストの決め方、試算の仕方だと思いますが、ウランがこれからどんどん上がっていくということになると、このウランもメジャーが全部ウラン鉱を押さえているということになりますと、これはどんどん上がっていく、こういう形になりますとその差が非常に狭まっていくのではないかという感じを私は持つわけです。その辺はいかがですか。
#155
○安田(佳)政府委員 まず、前段の廃棄物処理費等が含まれていないあるいは廃炉の費用が含まれてないではないかという御指摘でございますが、まず廃棄物関係につきましては、私どもの試算といたしましては一応処理費、保管費等を含ませておりますけれども、最終処分費は含めておりません。しかしINFCE等におきます試算によりますと、廃棄物の処理処分コストは全部で三十銭から五十銭程度というふうになっておりますので、仮にその半分が最終処分コストといたしますと、キロワットアワー当たり十五銭ないし二十五銭程度ではなかろうかというふうに想定いたしております。また廃炉処分費でございますが、まず廃炉に至ります期間が比較的短いというようなお話でございますが、私どもとしましてはおおむね三十年程度はもつんではないだろうかというふうに考えております。そして廃炉処分費でございますが、この廃炉処分費は先ほどの試算には含めておりません。しかしこれも各種試算例によりますと、建設コストの数%が廃炉費ではないだろうかというふうに見られておりますので、その点につきましても大きなコストアップ要因にはならないんではなかろうかというふうに考えておるところでございます。それからウラン鉱石の価格でございますが、オイルショックの後にウラン鉱石は非常に価格が急騰いたしましたが、その後はほぼ安定的に推移しておるところでございます。今後の見通しにつきましては、世界の原子力発電や石油情勢等にも依存するわけで、一概に申せませんが、当分の間はおおむねこの傾向が維持されるものではなかろうかというふうに予想しております。いずれにしましてもこの燃料費と申しますと、ウランの費用が発電コストに占める燃料費の割合は原子力発電の場合に二割と三割の間ぐらいというふうに考えております。したがいまして、石油発電の場合は七割程度であることを考えますと、燃料費の上昇が原子力発電コストに及ぼす影響は相対的に小さいんではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#156
○上坂委員 説明ではそういう説明をしないと困るからそういう説明をするんだろうと思うけれども、そんなに甘いものじゃないと思いますね。そこで一つだけ頼んでおきたいのは、もうこれ以上福島県には原子力は絶対持ってきてもらわないように、そこに座っている渡部委員長代理が原子力どんどんつくってくれ、つくるということになると私の方につくるわけですから、これは非常に困る。これは絶対にこれからやめてもらわなければいけないと思うのです。
 それからもう一つは、私は原子力発電というのは非常に引き合わなくなると思うのですね。原料の面から何から引き合わなくなる。メジャーがたとえば石油が上がったことに対してまたウランも上げていくという形になってきますと、これは手当てが大変になってくると思うのです。そこで考えられるのは、どうしてもやはり再処理工場をつくって、そして高速増殖炉をつくらなければならない、そしてプルトニウムをつくるんだ、ここへ持ってくるというふうに考えている。いわゆるこのコースを設定するために今度のこういう機構とかなんかをつくるんだというふうに私は見ているんですよ。そのためにこういう法律をつくったり機構をつくったりする。これは必ずそうなんです。うまいことは言うけれども実際の魂胆はそこにあると思うのです。そこでその再処理工場をやってプルトニウムをつくれば、これはもう当然原子爆弾の材料ですから、これは軍事力です。そこで問題になってくるのは、最近関西のいわゆる関経連の偉い人が軍事力を増強しろ、武器輸出国にしろ、こういうふうにやってくるのはここにあるわけなんですね。というのは、日本が原子力発電所を持つということは、これはもう大変な危険なんですよ。なぜかというと、たとえば防衛力を増強しようとしている人に特に言いたいのだけれども、ミサイル兵器で日本やっつけるのには何にも要らない、原子力発電所をぽんぽんと爆撃すればこれで日本は決まりだ、全部そこから放射能が出ますから、日本の一億国民は全部死滅するしかないわけです。でなかったら死ぬ前に何十年も苦しまなければならないわけですよ。そういう非常に危険なものをわれわれは平和利用だ平和利用だと言いながら、軍事利用はしないと言いながら、軍事力にかわるものをどんどんつくっておるということなんですよ。こんな危険な話はないのですよ。
    〔渡部(恒)委員長代理退席、野田委員長代理着席〕
そこで、そういう危険なものを守らなければならないからということで、どういう発想になるかというと、今度は自衛力の強化だということになって、どんどん日本が軍需産業を増強していくという、私はこういう結果になっていくと警告をしておきたいと思うのですよ。だからこの法案というのは非常に問題のある法案でありまして、これは将来のそうした日本のいわゆる軍事大国への道につながるものではないかと私は疑わざるを得ないのです。そういう危険な法案を私たちは審議しなければならぬ。これは非常につらいわけであります。ここらが問題なんですね。
 私はこれで質問を終わりますが、こういう考え方を持っているということについて、大臣ひとつそれはどうなんだということでお答えをいただきたい。
#157
○佐々木国務大臣 あるいは古くて新しい問題かもしれません。二十数年前初めて原子力を日本で取り入れようというときに、最も真剣に議論したのはその問題でございまして、自後各党が超党派であの原子力基本法というものをつくったものでございまして、これは上坂先生の大先輩の皆さんが一緒になってつくったものなんです。
 そこで、根本はあくまでも平和利用に徹するということでございまして、そのためのあらゆる国内、国外の法律あるいは条約の整備等をしてまいってきておることは御承知のとおりでございまして、加えまして非核三原則なんというものがあって、万国に例を見ない核は持たぬ、つくらぬ、持ち込ませぬというシビアな原則で、国際的な関心のもとに平和利用のみに徹しているというわけでございますから、これは御安心いただければいいんじゃなかろうかと思います。
 それからファストブリーダーへつながっていくということは、これはもう初めからの当然の進む道として、軽水炉だけであればこれは原子炉というのはそれほどうまみがないのですよ。そうじゃなくて、これがファストブリーダーにつながっていくというところに燃料サイクルのうまみが出てくるわけでございまして、私からくどく申し上げるまでもなしに、ファストブリーダーになればいわば燃やす燃料よりも自分でつくっていく燃料の方が多くなるわけですから、準国産と言われるゆえんのものはそこなんでございまして、それが一番この原子力開発の燃料面からいった一つの特徴面でもございますし、おもしろい面でもございまして、日本はそれを目指して実はいままで進んでおったわけですから、急にいまになって思いついてそんなことやったのでも何でもございませんということを御理解いただきたいと思います。でございますから、この法案をつくったから大変いまのコースが逆転しちゃって、また軍事力に走るのじゃないかとか、いままでの方針をもっともっと促進して早めるという方向にいくのじゃないかという御懸念でございますけれども、そんなことはございません。原子力の体系はこの法案とは別でございまして、原子力は原子力で従来も進めました研究体制あるいは開発体制で、そういう別体系で進んでいるわけでございますので、この法案とは関連ないといえば関連ないと考えて結構じゃなかろうかと思っております。
#158
○上坂委員 終わります。
#159
○野田委員長代理 長田武士君。
#160
○長田委員 まず初めに、総合エネルギー調査会需給部会が五十四年八月に発表いたしました「長期エネルギー需給暫定見通し」の中にあります昭和六十年度並びに六十五年度の目標数値について、これが達成可能と考えられておるのかどうか、この点まずお尋ねをいたします。
#161
○森山(信)政府委員 昨年の八月に総合エネルギー調査会から答申をいただきました「長期エネルギー需給暫定見通し」中間報告でございますけれども、その時点におきまして考えられるあらゆる英知を結集いたしましてつくり上げましたのがいま申し上げた暫定見通しでございまして、端的に言いますと官民挙げて達成すべき努力目標ということで掲げた数字でございます。その後の事態の推移によりまして若干見通しが変動せざるを得ないというところもあろうかと思いますけれども、その時点におきます官民挙げての最大の努力目標という性格のものであるというふうに御理解をいただきたいと思う次第でございます。
#162
○長田委員 官民挙げての努力目標ということでありますけれども、やはり暫定見通しでありますから、見通しとしては相当確実性のあるもの、実態に即したもの、そういうものでなくてはならぬと私は思うのですね。
 それでは具体的な数字でこの問題を取り上げてみたいと思っております。特に原子力発電の項を見てまいりますと、五十三年度の実績が千二百六十八万キロワットに対しまして、六十年度に三千万キロワットを予定しておるわけであります。これは倍率に直しますと二三六%増ということになります。さらにこの六十五年度を見てまいりますと五千三百万キロワット、何と四一八%というふうに依存度が高まっておるわけであります。現在の原子力発電所建設計画を見てまいりますと、建設中のものが七基ございますね。これが五百八十四万キロワット、仮にこれが六十年度中に運開されたといたしましても、既存設備も含めて二千七十九万キロワットにしかすぎないわけであります。さらに五十五年、五十六年度分について電調審では千九百六万キロワットの原子力発電の建設を検討しておるようでありますけれども、これらの建設が認められたといたしましても、原子力発電所の建設は運開まで御存じのとおり最低十年と見積もられておるわけであります。したがいまして、このような現状では六十年度はおろか六十五年度までに間に合うかどうかというのは、私ははなはだ疑問であろうかと思っております。この点については、通産省どうですか。
#163
○安田(佳)政府委員 ただいま原子力発電所に関しまして先生が御指摘になりました数字は、昨年八月に策定されました暫定見通しの数字でございます。原子力発電につきましては、その後昨年十二月になされました電気事業審議会の需給部会の中間報告におきましては、アメリカのスリーマイルアイランドの原子力発電所事故の影響等によります立地のおくれを考慮に入れまして、昭和六十年度の目標につきましては二千八百万ないし三千万キロワットという数字を示しているところでございます。
 現時点におきます判断といたしましては、昭和六十年度末の目標三千万キロワットの達成は、若干おくれるものというふうに予想をしておりまして、実際には先ほども申しました電気事業審議会の見通しの下限の二千八百万キロワット程度になるというふうに見込んでおります。当省としましては、今後さらに電源三法の活用、安全性の確保、広報活動の充実等によりまして積極的に立地促進策を展開いたしたいというふうに考えておりますが、六十五年につきましては目標は五千三百万キロワットというふうに立てております。これにつきましては現在計画が具体化しつつあるものもございます。北海道電力、東京電力、九州電力等におきまして具体化している地点も相当あるわけでございますが、現在具体化しております地点だけではまだ五千三百万キロワットに達しません。当面の施策といたしましては、いま予定されております計画地点を早急に進めますとともに、さらに一つでも多く原子力発電所の立地を促進いたしまして、目標達成に努めてまいりたいというふうに考えております。
#164
○長田委員 原子力発電所の建設に当たりましては、それが本質的に放射能という特殊な危険物を内包しておるということや、私もスリーマイル島へ行ってまいりましたけれども、あの事故、さらにはわが国が世界で唯一の原爆被爆国であることから、国民感情的に私は慎重にならざるを得ないと思っております。それは当然であろうと思います。したがいまして、いずれの国よりも日本の場合は安全性については特に厳格であるべきだと考えるわけであります。こうした点を考えてまいりますと、原子力発電所の導入計画がおくれておるということを理由といたしまして早急に導入を図ろうとすれば、国民との間にトラブルが起きるのは当然であります。そういう意味で、私はことさらに慎重な対応が必要となってくると考えておるわけであります。この点については見通しはどうですか。
#165
○児玉(勝)政府委員 ただいま先生おっしゃいますように、安全性を最優先にいたしまして原子力開発をやってまいりたい、こう考えております。
 それで、原子力発電所の安全対策といたしましては、原子炉自体の安全性ということが第一に挙げられるわけでございますが、それは一つは軽水炉の運転を安全にかつ稼働率よく運転してみせるということでありまして、そういう意味で運転実績を上げるということが何といっても最大の実証ではないか、こう考えております。それから安全研究、実証研究ということにつきましても、原研または原子力工学試験センターにおきましてさらに進めるということを考えておりますし、さらに長期の問題といたしましては、日本型軽水炉の確立ということで改良、標準化の調査研究を進めておりまして、これも五十五年にその調査を終了いたしますので、今後の軽水炉につきましてそれを適用してまいりたい、こう考えております。
 第二の問題といたしましては、安全審査または検査体制の強化ということであろうかと思いますが、そういう意味で、行政庁におきます厳重な安全審査または検査の体制を強化してまいりたいと思います。また、原子力安全委員会におきますダブルチェックもしていただきまして、行政庁におきます安全審査が十分行われていることを確認していただくことといたしております。
 それから第三には、運転中の監視体制の強化でございます。これも国の運転管理専門官を今年度からいよいよ現地に制度として配置することになりました。そういうことを基盤にいたしまして、住民の方々と安全に対する問題の意思の疎通も図っていくということも大切であろうと考えております。この運転管理専門官によりまして運転中の保安規定の遵守状況の調査を実施させようと思っております。また、原子力発電所の運転員の資格制度の導入とか、それから品質保証体制の確立というのもあわせてやりたいと思っております。
 それから第四番目が、万が一の緊急時対策でございまして、従来も防災基本法によりましてその対応ができることになっておりますが、原子力発電所の事故という特殊性も勘案いたしまして、国が全力を挙げて対応するということにいたします。そういう意味で、いわゆる緊急時対策の強化ということでホットラインの問題、または緊急時医療設備等々の対応を十分にやっていく所存でございます。
#166
○長田委員 このように見てまいりますと、原子力に非常に依存度が高くなっておりますけれども、この暫定見通しは原子力をある程度下方修正しなくてはいけないのではないか、そのように私は考えておるわけであります。そうなってまいりますと、六十年度の供給量の確保ということになりますと、石油に対する依存度を低める、その反対に海外の一般炭であるとか、LNG、そういうものの活用ということが緊急な課題になろうかと思っております。そういう点については対策はどうですか。
#167
○高瀬政府委員 石炭についてお答えいたします。
 海外炭の引き取りは、先生御案内のように六十年度で約一億トンという数字になります。これは世界の貿易量では相当のウエートということでございます。これを進めていくためには、まず資源の調査、探鉱、開発という問題、それから流通をどうするかという問題、それから国内の環境を克服するための利用技術をどうするかという問題、それからそれらの点を逐次進めていかなければならないと考えているわけですが、われわれはこれを通称コールチェーンの形成というふうに考えております。
 それで、調査、探鉱、開発につきましては、いま御審議いただいております新機構で積極的に進めるということを考えております。流通につきましては船会社に対します積み荷保証をさせまして、それで大型船の建造、就航というシステムをつくっていきたいということでございます。そのほか産炭国のインフラの整備がございます。これにつきましては必要な資金について新機構の保証の制度を活用してはどうかというふうに考えております。また、国内の受け入れ体制ということで、国内に国内炭のコールセンターを建設することになりますが、これは現在開発銀行に新たな制度をつくりまして助成をしていくということで考えております。
 これをつなぎ合わせますと、先ほど御説明しました調査から利用までに至る一つのコールチェーンができ上がるのではないかということを考えておりまして、その方向で具体的な施策を進めていきたいと考えております。
#168
○長田委員 長期需給の見通しを立てることは、いままでの経過を見てまいりましても非常にむずかしいことだろうと私は考えるのです。ましてやわが国は国際環境の変化によって大きく左右されるものを持っておるわけですね。こうした実情を踏まえますと、法案第三条に供給目標を策定する規定がございます。私は、そこで果たして合理的かっ現実的な目標を立てることが可能かどうかということを非常に危惧をいたすわけであります。代替エネルギーの開発に当たっては巨額の投資が当然必要でございますし、もし供給目標の設定がその見通しを誤った場合、大変な事態になってしまうわけですね。そこで、現状に即した供給目標をどのように策定するのか、またそうした供給目標を策定される根拠ですね、どこに重点を置かれるのでしょうか。
#169
○尾島政府委員 本法案の第三条におきまして供給目標を定め、これを公表することになっておりますけれども、この供給目標を定める場合には、その代替エネルギーの種類及び種類ごとの供給数量というのを明確に決めることになっております。これらを決める場合には、そのエネルギー全体の需要の見通し、さらには石油の供給の見通し、こういうものを勘案しつつ、さらに石油代替エネルギーの開発供給状況を勘案いたしまして決めるわけでございます。こういうことで、これらを勘案しつつ具体的な供給数量を努力目標として明確に決めていきたいというふうに思っております。
 なお、この詳細につきましては、従来からエネルギー政策全般についての政策努力目標の役割りを果たしてきております暫定見通しというのがございますけれども、これをも踏まえまして、今後法律に定められております所定の手続に沿って具体的な数字を決めてまいりたいというふうに考えております。
#170
○長田委員 法案の第三条第四項ですね、この計画は通産大臣が閣議の決定を経なければならないとなっておるわけであります。
 そこで、閣議の決定を経るということは、この供給目標は国の目標になると考えていいのでしょうか。その位置づけについて御説明を願いたいと思っております。
 また、この供給目標はどのぐらいの期間を設定されるつもりなのか。たとえば一年あるいは中長期の視点に立って計画を立てられるのか、その点についてお尋ねいたします。
#171
○森山(信)政府委員 現在ございます需給見通しにつきましては、先ほど来御質疑のございました総合エネルギー調査会の数字がよりどころになっておるわけでございますけれども、新たに国の意思といたしまして代替エネルギーの開発に取り組むという姿勢を示します以上は、やはり内閣の責任におきまして供給目標というものを決める必要があるんじゃないか、こういう観点から閣議を経た上で通商産業大臣がこれを決めるというふうにさしていただきたいというのが私どものお願いでございまして、その供給目標の期間につきましては、私どもは一応いまのところ十年ぐらいを見通した供給目標をつくってみたいというふうに考えておるところでございます。
#172
○長田委員 次に、新エネルギー総合開発機構についてお尋ねをいたします。
 まず、機構の設立過程でありますが、当初通産省は代替エネルギー公団として発足をさせたいという考え方であったようであります。ところが、行政改革等の問題がございまして今回このような機構に変わったわけでありますけれども、その結果、代替エネルギーの開発導入にしぼるべき機構が、形式上既存の石炭鉱業合理化事業団を母体としておるわけであります。そうした仕事の継続を行う、そしてまた二年以内にはアルコール専売事業の製造部門を引き受けるということになっておるのですね。このような経過を見てまいりますと、この機構について私は幾つかの問題点といいますか、危惧される問題があるわけであります。
 その一つは、総合という名のもとに、将来新たなエネルギーの問題などが出てきた場合すべてこの機構に包含されてしまうのではないか、包括されてしまうのではないですか、そういうように考えておりますが、この点がまず一点であります。つまりこのことは、先ほどもちょっと触れましたけれども、巨額な国家予算を投入しなければなりませんし、機構がふえていくことを当然意味されるわけでありますから、こうした不安に対しては通産省はどのように、この一点ですね、考えておりますか。
#173
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり、予算要求の段階におきましては私どもはいわゆる公団組織として設立をさせていただきたいとお願いをしたわけでございまして、私どもは昭和五十五年度は代替エネルギー開発の年であるという認識を持っておりますけれども、別の次元で言いますとことしは行政改革の年でもあるということでございますので、それの調和を図るという観点からいろいろ検討いたしまして、いま御審議いただいております新エネルギー開発機構という制度に私どもの原案を持っていったわけでございまして、基本的な考え方といたしますと、予算要求の当初に考えましたこととそう大きな違いはないと思うわけでございますけれども、具体的な問題点といいましょうか、変わったところは、やはり第三セクター的な要素を相当強く持っていく必要があるのではないかということが当初とやや変わってきた点ではなかろうか。もともと当初の段階におきましても、公社、公団も第三セクターでございますから、第三セクター論は当初からあったわけでございますけれども、今後の代替エネルギー開発の飛躍的な発展ということを考えますと、どうしても民間の活力の導入ということが必要になってまいりますので、そういう観点から新しい機構というような名称に考え方を統一をしたということでございます。
 それから、石炭合理化事業団の問題につきましては、御案内のとおり、現在石炭鉱業合理化事業団が行っております業務の中に海外炭の開発という業務がございますので、それが新しい機構と関連性を持ちます。そういう観点から、行政改革の要請にもこたえまして、石炭合理化事業団の改廃を行うことによりましてこの新しい機構との統合を図らしていただきたいというふうに考えたわけでございますし、アルコールの問題につきましては、いわゆるバイオマスの開発の観点、これを新エネルギーとしてとらまえるという観点から、将来の課題といたしまして検討していくということでございます。
 それから、今後の問題につきまして、すべて新エネルギー総合開発機構という名のもとに全部ここに包含するんではないかという御指摘につきましては、それは私どもは決していまの段階でここで全部やるということを考えているわけではございませんで、本委員会でたびたび申し上げておりますとおり、新エネルギー開発機構の本来の趣旨は、資源の開発と、それから企業化を特に促進することが必要だと思われるものにつきましての技術開発ということを主眼にいたしておるわけでございますので、そういった考え方のもとにおきまして、必要なものはもちろんこの機構でやらしていただきたいと思いますが、それ以上のものもすべてこの機構に集約的に行うということをいまの段階では考えていることではないということは、ぜひ御理解を賜りたいと思う次第でございます。
    〔野田委員長代理退席、渡部(恒)委員長代理着席〕
#174
○長田委員 第二に、石炭鉱業合理化事業団は仕事の性格上どちらかといいますと後ろ向きの対策を講ずる、そういう組織だろうと私は思うのです。一方、新機構は将来の対策を担う組織であると言ってもいいと私は思います。そこで問題は、このような性格の相違した組織が一つの新エネルギー総合開発機構に統合される、それで十分に所期の目的が達成されるだろうかということを私は危惧するわけなんです。その点についてはどうでしょうか。
#175
○森山(信)政府委員 石炭鉱業合理化事業団の行っております業務が、いま長田先生の御指摘のように後ろ向きの仕事であるという考え方もあろうかと思いますけれども、国内の唯一の資源とも言っていいような国内炭の開発ということは、私どもの立場からいいますと決して後ろ向きの仕事ではない、その面に関します限りは前向きの仕事ではなかろうかと思う次第でございます。
 ただ、よく言われておりますスクラップの面の仕事あるいは鉱害対策の問題、そういった問題を処理いたしておりますのが現状でございますから、あわせて処理いたしておりますので、そういう面につきましてやや御批判があるのはこれは当然ではなかろうかと思う次第でございますけれども、冒頭に申し上げましたように、国内炭の有効活用ということは大変前向きの仕事ではないか。その国内炭の有効活用という問題と、それから海外炭の有効活用というものと両々相まちまして石炭対策というものを推進していくべきではないかということでございますので、先ほどお答えいたしましたとおり、今後新たなる機構でやります仕事の分担は、石炭鉱業合理化事業団がそのままその部分につきましては引き継いでいくのが当然ではないかという考え方のもとに、新機構におきましては合理化事業団をそのまま包含をしていくという考え方をとっておる次第でございます。
#176
○長田委員 私はそういう点で、実際に権限を持つ理事長とかプロジェクトチームですか、随意につくられるということでありますが、プロジェクトチームにどういう人を配置するかということが相当むずかしいなという感じを持つのです。そこで、新機構における役員の人選については、石炭鉱業合理化事業団の役員を配置するのか、あるいは一部の入れかえを行うのか、あるいは全く新しい人選をされるのか、その点はどう考えておられるのですか。
#177
○森山(信)政府委員 石炭鉱業合理化事業団の役員は、現在は石炭鉱業合理化という仕事のために任命をしているわけでございますけれども、今回は、石炭鉱業の合理化の部分もございますけれども、それ以外の、いわゆる新しいエネルギーの総合開発という分野も大変大きなウエートを占めた機構になるわけでございますから、現在の事業団の役員の方がそのまま横すべりするということはちょっと無理ではないかという考え方を持っておりまして、新機構の役員は全部構想を新たにいたしまして人選を進めてみたいというふうに考えております。
#178
○長田委員 私も、石炭鉱業合理化事業団の役員が新機構の業務に適しているかどうかという点は、ひとつ真剣に御検討いただきたいと思っておるわけであります。私は、できれば役員の人事は新たな見地に立って、いま長官からお話がありましたとおり選んでいただきたい、その点を強く要請しておきます。その中で、具体的にはできる限り民間の優秀な人材を登用していくべきである、そのように私は考えるのですが、その点いかがでしょうか。
#179
○森山(信)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、新機構はいわゆる第三セクターで、しかも民間の活力に相当重点を置いた考え方を持っておりますから、役員構成につきましても御指摘のような考え方で人選を進めてまいりたいと思っております。
#180
○長田委員 次に、石油代替エネルギーの開発導入資金についてお尋ねをいたします。暫定需給見通しをベースといたしまして、昭和六十五年度までに輸入石油比率を現在の七五%から五〇%に下げる、逆に代替エネルギーの依存率を現在の二五%から五〇%に上げるということになるわけでありますが、今後、この十年問で四兆円前後の財政資金が必要であると実は言われておるわけであります。したがって、この資金をどのように調達するかという点はきわめて大問題だと私は考えます。そこで、通産省は当初これらの資金を新たな目的税を設けて財源の調達に当たるという方法を考えていたようでありますけれども、五十五年度はこれを見送っております。その理由についてはどういう理由があったのでしょうか。
#181
○森山(信)政府委員 確かに昨年の夏予算要求をいたします段階におきましては、私どもは新税構想ということでお願いしたわけでございまして、それは最後まで新税構想をお願いしたわけでございますけれども、昨年暮れの政府税調におきまして、エネルギー関係の税制が余りにも複雑多岐にわたっておりますので、新税をつくるかわりに電源開発促進税の増徴、それから石油税の使途変更をすることによって通産省の主張する新税構想と同じような効果が期待されるのではないか、こういう御決定をいただいたわけでございますので、私どもも、財源手当てがそれによって図られるということでございますれば、別に新税をつくらなくても、目的税的なものを同一の効果として期待させていただく限りは同じ効果が出てくるという判断から新税構想を見送ったわけでございます。新税構想を見送ったということは財源手当てを見送ったというわけじゃございませんで、いま申し上げましたように、既存のエネルギー税制の中におきます財源手当ての効果を期待して見送ったということでございます。
#182
○長田委員 森山資源エネルギー庁長官は昨年十一月号の「通産ジャーナル」の中で、日本エネルギー経済研究所の生田所長との対談の際、「代替エネルギー開発という目的に協力するということをはっきり性格づけた税を考えた方が、エネルギーの重要性を理解していただきやすいのではないか一これが私たちの価値観です。」と話されておるのですね。私、雑誌を見てきましたけれども、こうしたことから、長官が新税を設けることにかなり積極的に動いているんじゃないかというふうに受けとめておるわけでありますが、私はそれははなはだ遺憾に思っております。この点については長官、現在でも考えは変わっておりませんか。
#183
○森山(信)政府委員 私のつたない話が先生のお目にとまりまして大変光栄に思う次第でございますけれども、先ほどお答え申し上げましたとおり、私どもは、昭和五十五年度から代替エネルギーの開発に本格的に取り組むためには、目的税といたしまして代替エネルギー新税をつくっていただきたいという念願に燃えたわけでございますけれども、税の方のお立場から、先ほどお答えいたしましたとおり、政府税調といたしましてエネルギーに関する税制を複雑多岐にわたらせるよりも、むしろ既存の税制を利用して代替エネルギーの財源を確保する方策を講じた方がいいのではないか、こういう結論をいただいたものでございますから、それなりの対応をさせていただいたということでございまして、現在までございます特別会計、御承知のとおり電源特会と石炭石油特会とございますけれども、その中に代替エネルギー開発のための特別勘定を設けさせていただく、そういうことによりまして私どもの主張と税制調査会の方の御判断をマッチさせたということで、私の強い願望がそこで生かされたというふうに御理解を賜りたいと思う次第でございます。
#184
○長田委員 長官、よく聞いてくださいよ、あなたは新税を創設することを主張したのでしょう、いまそれはもう撤回したのですか。
#185
○森山(信)政府委員 資源エネルギー庁長官の立場といたしまして、代替エネルギー開発に直接使わしていただける新税が欲しいということは私の主張だったわけでございます。しかしながら、先ほど来たびたびお答え申し上げておりますとおり、その私の願望を税制調査会の方で聞いていただきまして、それにふさわしい財源手当てを税制上考えるということでございますから、新税であるか旧税であるか、旧税という言葉はちょっとなじまないかもしれませんけれども、現行税制の中で新税構想と同じ効果を持つような制度を新たに創設する、こういうような御決定をいただいたわけでございますから、私の主張は通させていただいたというふうに私は理解いたしております。つまり、私の主張が通ったといいますのは、新税構想と同じ効果の財源手当てをつけていただいたという意味で、私は私どもの主張を通させていただいたというふうに理解いたしておりますので、形の上では新税構想をあきらめたというと何となく代替エネルギー開発の熱意が一歩後退したんではないかというふうに見えるかもしれませんけれども、私は、効果としては全く同じ効果だというふうに認識いたしておりますので、そういうふうに変わりつつある現行税制の改正につきましても長田先生ぜひとも御支援を賜りまして、私の新税構想と同じ効果が十分発揮できますような御支援を賜りたいというふうにお願いする次第でございます。
#186
○長田委員 通産大臣の答弁よりももっとむずかしいね、あなたの話は。なかなか理解できない。そういう意味で、財源手当てができれば新税の目的を達成したのと同じとは、これは全然違うのですよね。これだけインフレが高騰しておりますし、国民の生活は非常に苦しいのであります。こういう中にあって新しく税金を取ろう、エネルギー開発のためには手段、方法を選ばないなんという感覚ではいかぬということを私は言っているのです。
 長官、いいですか、後で具体的に言いますけれども、今回、この財源といたしまして石炭及び石油特別会計を改組、拡充しましたね、これで三百四十九億円、それから電源開発促進対策特別会計の財源であります電源開発促進税の税率を引き上げております。そして電源多様化勘定を新設をいたしまして八百二十七億円、合計一千百七十六億円の財源を調達したわけですね。長官、間違いありませんね。それでこれからもこうした方法で資金の調達を行うのか、あるいは石油代替エネルギーの対策のために新たな目的税を将来考えておるのかどうか、この点通産大臣どうですか。
#187
○佐々木国務大臣 いまの二つの財源をもちまして将来十カ年、一兆五千億ですか、その調達が可能だという見通しでつくったわけでございますから、せっかく決めた税でもございますし、そのままそれを財源にして将来とも進めるべきだというふうに私は考えております。
#188
○長田委員 そういう点、ぜひ新しい税金を考えるなんということをしないでいただきたい、私は強く要望しておきます。
 そこで、今回新税を設けないで資金を確保する方法の一つに、石油税の利用が考えられると私は思うのですね。五十五年度の予算の中で石油税の使途を見てまいりますと、税収入見込みが四千百億円ありますね。これに対しまして石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計に二千五百二十億円繰り入れております。残りの千五百八十億円については一般会計に入れてしまっているのですよ。大蔵省との話し合いでは、何か不足した場合にはこれを戻そうというような話し合いもできているようですね。一般会計に千五百八十億円も入れておいて、いいですか、先ほどちょっと申し上げましたとおり、開発促進税の額を引き上げて八百二十七億円も財源に加えているのです。そういう点が私は納得できないのですよね。財源があるのに促進税を引き上げる、この点長官どうですか、こんなことをやっていると国民は納得できませんよ。
#189
○森山(信)政府委員 今回私どもがお願いいたしております代替エネルギーの開発につきましては、先生御承知のとおり、いわゆる電力関係の代替エネルギーの促進というものもございますし、石油関係の代替エネルギーの促進ということもございます。この税金でこういった新しいエネルギーの開発の御負担をいただくのは、私どもは本質的に目的税的な考え方を持っているわけでございまして、石油税でそれを行うということになりますと、石油関係の石油代替エネルギーの開発に石油税を充てることにつきましては、これは目的税に合致するわけでございますけれども、電気関係の代替エネルギー開発につきまして石油税を利用するということは、目的税の考え方からするとちょっと異質なものでございます。そういう考え方のもとに電気関係につきましての代替エネルギーの開発につきましては、電気を消費される需要家の方に負担をしていただくというのが目的税的には最もふさわしいんではないかという考え方で、石油税と電源開発促進税と二本立てでやったということでございますので、確かに石油税の一部を一般会計に一時流用するという現行システムはございますけれども、それをそのまま電源開発促進税に充てるということになりますと、目的税的な観点から申し上げますと、ちょっと違う考え方が出てくるんではないかということでございますので、私どもは電源開発促進税をぜひお願いをしたいという主張をしているわけでございます。
#190
○長田委員 私は、総合エネルギーの新しい開発という観点においては、広い意味での、広義での考え方に立つべきだというのが私の考え方なんです。
 そういう意味、このような石油税を一般会計に千五百八十億円ですか、繰り入れるというのは、これはちょっと違うんじゃないか。ましてやこのような機構が新しく設立されるわけでありますから、私はこの促進税の引き上げをやらないで、石油税の方から補てんして当然しかるべきだという考え方なんです。長官、わかりませんか私の話。あたりまえのことじゃないですか。
#191
○森山(信)政府委員 長田先生の話は私もよくわかります。わかりますけれども、先ほどお答えいたしましたとおり、石油を消費しておられる方々が税金を負担いたしまして、それを電源開発のために使うということになりますと、石油と電気の間の相関関係は直接的ではございませんから、電気を消費されておる消費者の方が電気関係の安定供給のために資金の負担をするということは、これは当然ではないか。電気をお使いになっている方が全然税金の負担をせずに、石油を使った方の税金によって全部電源開発まで行うということになりますと、これはちょっとおかしなことになるんではないかということでございますので、石油を消費した方が負担するお金で石油関係の代替エネルギーの開発を促進し、電力をお使いになった方々が電源関係の代替エネルギーの開発に資金を回すということは、目的税的に言いますとこれは大変合理的なことではないかというのが私どもの考え方であるわけでございます。
#192
○長田委員 私の申し上げましたのは、一般会計にその分を繰り入れないで、こういう開発に充てるべきだという考え方なんです。ですから、電気と石油というたてまえもあるでしょうけれども、大乗的な見地に立てば私は当然行っていいものではないか、そういうふうに考えておるのです。税金を上げなくてもいいんじゃないかという意味なんですよ、私の言っているのは。ガス、電気料も上がったじゃありませんか。それをまた税金を上げる、もう二重の苦しみですよ。それをこの際、電気料金が上がったんですから、せめて税金だけでも現状のままにすべきだというのが私の考え方なんです。
#193
○森山(信)政府委員 電気料金も、大変申しわけないことながら四月一日から値上げをさしていただいたわけでございますけれども、一方、石油関係のコストもずいぶん上がっておりまして、消費者の方々には石油関係の、たとえば灯油でございますとかあるいは軽油でございますとかあるいはガソリンでございますとか、いろいろなコスト負担をいただいているわけでございまして、石油税につきましては、幸か不幸かいわゆる従価税という制度をとらしていただいておりますので、これは税率を上げなくても原油が上がってまいりますと当然に収入がふえてまいりますから、税率を上げる必要はないということで、税率は据え置きということで一般会計に一時流用をさしておるということでございまして、これは当然に石油対策及び石油関係の代替エネルギーの対策に必要な段階に至りますと、特別会計の方へまた返してもらう、こういう仕組みになっておりますので、これはそれなりの対応をしているわけでございますが、その余った分を一般会計から電源開発特別会計の方に移しかえをいたしますと、石油の消費者が電気関係の資金負担までやったことと同じ効果になりますので、私どもは大変心苦しい仕儀ながら、電力の安定供給という観点に立って、電源開発促進税をぜひお願いしたいということを繰り返し申し上げている次第でございます。
#194
○長田委員 次に、ソーラーシステム普及促進対策についてお尋ねしたいと思います。
 太陽熱を利用いたしました暖房、給湯設備はすでに技術開発が確立し、企業化も進んでいるわけであります。しかし、企業の生産規模が非常に小さくて、設備費のコストが割り高となっているために、公的施設や住宅及び事業用施設への普及がおくれているのが現状でございます。
 そこで、通産省は本年度より設備費用の低利融資事業を行うため、仮称ソーラー基金を創設すると聞いておるわけでありますが、この制度の概要について簡単に御説明いただきたいと思っております。
#195
○児玉(清)政府委員 お答え申し上げます。
 助成措置は大きく分けて三つございますが、いまお尋ねの点は一般の住宅用、事業用のソーラーハウスについての助成でございます。そのほかにも直接設置費の補助助成というのがございまして、これはソーラー基金を通さないわけでございますが、これが三十億円の助成措置でございます。
 いま御指摘いただきましたソーラー基金を経由いたしますものについて申し上げますと、ソーラー基金を民間団体の中に設定いたしまして、その規模は二十二億円のお金を国の方から投入いたしまして、それから民間が二億五千万円のお金を投入いたしまして、それをソーラー基金として使うわけでございますが、基金の機能といたしましては、民間がこのソーラーシステムを設置いたしますときに低利になるようにということで、利子補給という形で、民間の一般家屋の場合は末端金利で五分五厘、事業用で六分五厘の金利水準を実現できるような仕組みになっております。したがいまして、この基金造成費として投入されます二十二億円のお金と民間からの二億五千万円、これのうち利子補給分として十四億五千万円、これが金融機関に払われまして、それの効果といたしまして末端金利が五分五厘あるいは六分五厘というものが実現する、そのような仕組みになっております。
#196
○長田委員 この制度が設立されることによりまして設備の普及が行われます。メーカーが生産規模を拡大するようになりますと、必然的に設備費のコストダウンを図ることになりますし、普及の促進が大きく前進できるのではないか、このように私は考えているわけであります。したがいまして、どうか一日も早くこの制度を確立されて広くPRしていくことを要望しておきます。
 また、この制度を利用しやすくするためには貸し付けのための審査を簡便にすべきであると考えておりますが、この点大分むずかしいようですけれども、どうでしょうか。
#197
○児玉(清)政府委員 お答え申し上げます。
 いま御指摘いただきましたように本制度はきわめて重要な新しい助成措置でございますので、その効果を最大限に発揮いたしますためには、利用者が十分円滑にこれを利用できるような、また全体の仕組みについての理解を早く普及させることが必要でございますので、いままさしく御指摘いただきましたような観点を十分頭に置きまして、簡便な方式でしかも迅速にということで、現在特に貸し付け審査の仕組みについて鋭意検討を進めております。
#198
○長田委員 さらに住宅用の普及を早めるために、ソーラーシステムの設置者への、いまお話のありましたとおり低利融資、それだけではなくて、ソーラーシステムの設備の低料金での割賦販売やリース制度も私は設けたらどうかなと思っておりますが、通産省はどうですか。
#199
○児玉(清)政府委員 融資助成のほかに割賦販売やリースに対しましても助成をするということ、いま御指摘の線私どもも全く同感でございまして、そういった割賦販売あるいはリースの仕組みを利用して設置されますものについて、たとえばリース料とか割賦販売料が低減されるような、したがいまして結果的には融資助成の低利助成と全く同様な効果を上げるような仕組みを別途考えております。やり方は先ほど申し上げました融資助成と若干異なりますし、また若干検討に時間を要しますが、これも並行的に同時に実現できるようにぜひ推進してまいりたいと考えております。
#200
○長田委員 次に、新エネルギーの開発について工業技術院にお尋ねをいたします。
 政府は、昭和四十八年のオイルショックを契機といたしまして、石油にかわる代替エネルギーの確保を目指しまして、翌四十九年にはサンシャイン計画を発足させたわけであります。ちょうど六年を経過しておるわけでありますが、現在までの進捗状況を簡単に御説明いただきたいと思います。
#201
○石坂政府委員 サンシャイン計画でございますが、今日まで約六年経過したわけでございますが、その間三百八十億円の国家予算が投入されまして、主要なテーマについては基礎研究からプラント開発の段階に移行をしておる状況でございます。
 今後エネルギー対策の重要な柱といたしまして、石炭の液化とか太陽光発電あるいは地熱エネルギーというような技術開発を中心に、サンシャイン計画を加速的に推進させたいということで、五十五年度予算は約二百九十億円となっておりまして、これと同時に新エネルギー総合開発機構を設立することによって、さらに新エネルギー技術の早期の実用化を図りたいと考えておるわけでございます。
#202
○長田委員 サンシャイン計画の中に太陽エネルギー技術の開発というのがありますね。最近太陽電池の企業化が報道されたことによってにわかに注目を集めておるわけであります。太陽電池については、光を直接電力に変換することから、周辺技術が簡単であり、エネルギーの損失も少ないことから、太陽エネルギー利用の本命とも言われておるわけでありますが、実用化のためには電池の光電変換効率をアップしなければいけない、そうしないと商業ベースに乗らないという問題が出てきておるようであります。したがって、コストダウンをどう図るかということが急務のようであります。
 そこで、昨年十月ごろから工業技術院において有機材料を使った新しい太陽電池の開発に成功したと聞いておるのでありますが、工業技術院における太陽電池の開発の状況はどうでしょうか。
#203
○石坂政府委員 御指摘のとおり光発電についても将来非常に有望な方法であるというように認識いたしておるわけでございます。現在まで、いわゆる素子の部分のコスト低下を図る目的でいろいろな研究を重ねておるわけでございますが、主としてシリコンの結晶を使った素子の製造技術をいろいろな角度から検討してまいりまして、技術的なめどが立ちつつある状況になっておるわけでございます。これにつきましては原料用のシリコンの低廉な精製技術ということも必要になりますし、また、太陽電池パネルの量産技術を確立するというようなことも必要になっておるわけでございます。それと並行いたしましていろいろな新しい着想がないかということで、傘下の研究所でも勉強しておるわけでございますが、御指摘の有機物を使った光の素子というものにつきましても、繊維高分子研究所で研究を進めておりますが、これはまだ非常に基礎的な段階でございまして、これを具体的にどういう方向で実用化するべきかというところまでまだ至っておりません。
#204
○長田委員 実用化のためにはまだまだ問題点が多いようであります。しかし、石油への依存度を低下させるためには、代替エネルギー利用技術の開発が急務であると言っても過言じゃありません。その中で私は、太陽エネルギーだけは無料で無尽蔵でありますし、しかもいかなるエネルギーよりもクリーンであることから、その開発には多大な期待を寄せておるわけであります。さらにまた、太陽電池における発電は、火力、水力、原子力などいずれの発電よりも建設運転コストがかなり低くなることが予想されておるわけですね。したがいまして今後、先日新聞で発表になりましたけれども、東北大学の研究開発については工業技術院においても積極的に援助すべきではないか、このように私は考えておりますが、その点どうでしょうか。
#205
○石坂政府委員 今年度の私どもの計画といたしましては、アモルファスシリコンという方向を主な方向として勉強していきたいと思っておりますのですが、先日新聞に載りましたような、東北大学におきましても、実験室的な規模ではございますが、特に基礎的な段階ではございますけれども、一つの新しいアイデアを出されて、シリコンの結晶を薄く膜にするという技術を御発表になったわけでございまして、これにつきまして私どもも注目しておるわけでございます。
 ただ、今後これの実用化ということを考えますと、さらにセルの面積をいかに拡大していくかとか、あるいは効率をどうやって向上するかとか、いろいろと工業的な課題の解決も必要であろうと思うわけでございます。そういった考え方も含めまして、この技術については十分注目し、いろいろな意味で検討をさせていただきたいと思っております。
#206
○長田委員 太陽エネルギーを利用する発電方法には、太陽電池とは別に熱発電システムがあるわけですね。この発電には曲面集光方式とタワー集光方式の二つがあるようであります。
 ところで、現在香川県の仁尾町にこの二つの方法を用いていずれも出力一千キロワットですか、熱発電所が本年中に完成を目指しておると聞いておるわけであります。ところが、この推進に当たっては膨大な敷地の確保が必要なんですね。あるいは天候の問題、さらには技術的な面では鏡一つをとってみましても精密な平面鏡の作成やあるいはさびとかあるいはほこりなどの防止問題、さらにはコストの問題など、数多くの課題を抱えておるようであります。こうした問題については対応策はできておるのでしょうか。
#207
○石坂政府委員 太陽の熱発電につきましては、私どものサンシャイン計画でも非常に多額の研究費を投じまして、五十五年度に完成を目指すべく努力中でございます。御指摘のとおり太陽の光を集めるためにかなり広大な敷地がかかるわけでございますし、まだこれからいろいろな意味でのコストを引き下げるという努力を積み重ねていかなければならないと思っておりますのですが、現在でもいろいろ外国から見学に見えるという状況でございまして、大変注目をされているということもございますし、また、オーストラリア等では熱発電技術について協力して研究をしようじゃないかというような話も出ておるわけでございまして、そういう状況を踏まえまして、より一層この問題についてよく勉強していきたい、こういうように思っております。
#208
○長田委員 それでは最後にお尋ねをいたします。「長期エネルギー需給暫定見通し」の中に、サンシャイン計画によるエネルギー需給量は、昭和六十五年度では石油換算三千五百万キロリットル、構成比では五%、昭和七十年度では五千六百万キロリットル、構成比では七%という導入目標を立てておるわけであります。ここで言うサンシャイン計画には太陽エネルギーが含まれているのかどうか。またこの目標値は、ただいま御答弁のありました実用化の見通しで果たして導入目標の達成が可能かどうか、この点はどうでしょうか。
#209
○石坂政府委員 私どもいままでサンシャイン計画を進行するに当たりましては、一応二〇〇〇年代を目指して基礎研究をじっくりとやるという姿勢でまいりましたのですが、エネルギーの厳しい事情に直面いたしまして、このサンシャイン計画を大いに促進していくということについていろいろ議論をしたわけでございます。その中でやはり一番大切なことは、十年後あるいは十五年後にどのくらいの代替エネルギーが取得できるかという目標をまず決めまして、そしてその目標に向かって技術者あるいはその他の力を結集していくということが一番大切であろうというように考えたわけでございます。したがいまして、昭和六十五年には代替エネルギーとして約五%あるいは七十年には約七%という目標につきましては努力目標ということで、これを是が非でも成功させたいというように考えておるわけでございます。
#210
○長田委員 以上で終わります。
#211
○渡部(恒)委員長代理 中川嘉美君。
#212
○中川(嘉)委員 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案、この内容に入ります前にお聞きをしてまいりたいと思います。
 それは、政府が第一次石油パニックのときに見通しを誤ったこと、これに対してその後どのように反省し、またどういう政策をとってきたのかということ。わが党もサンシャイン計画にはもっと手を打っていくべきである、こういうふうに言ってきたわけですけれども、先ほども御答弁の中で若干述べられておりましたが、一向にやる気が見当たらなかったと受けとめた方が妥当ではないかと私は思います。また、石油需給安定法と国民生活安定法、これらをつくったのみで適用もしなかった、このように見た方がこれまた妥当かと思うわけです。ただ、備蓄政策のみをIEA側との約束でやっているのみで、一体政府が本当にやる気があるのかどうか。外交交渉も積極的に行うとともに、日本国内の将来にわたる対策、こういったことも真に具体化すべきではないかと考えますけれども、まずこの点をお答えをいただきたいと思います。
#213
○佐々木国務大臣 第一次エネルギーショックのときと今度の大きい違いは、一つは、当時は備蓄なんというものはまだ考えてもいなかったということ。それから節約が五%、七%ということで、これが国民的な合意の上で進んでいるということ、それから御承知のように、IEAは第一次ショックの所産物として生まれたものでございますから当時はなかったわけでございますけれども、これによりまして最後の緊急的な融通制度というものができて、いよいよとなったときには各国で譲り合う制度が考えられるということ、それからもう一つはやはり石油の安定供給ということで、当時は考えられなかった中国とかメキシコとか、いろいろ中近東以外にも供給量がふえてきたこと等が大分当時と違った色彩だと思います。
 同時に、代替エネルギー面に関しましては、LNG等は当時に比べると四、五年でもう格段の相違でございますし、原子力は当時からもやってはおりましたけれども、石炭に切りかえるというような大きい構想は、今度が最も具体性を持って出てきたのではないかというふうに考えます。
 それから、いま御審議いただいている新エネルギーと申しますか自然エネルギーと申しますか、こういうものの開発なんというのは当時はまだ全くアイデアにすぎない段階でございまして、こういうふうに機構をつくり、予算をつけて積極的に研究、開発、実用というところまで進めていこうという体制になったのは大変な相違だと思っております。
#214
○中川(嘉)委員 いま御答弁いただいたわけですが、石油代替エネルギーの供給目標、これは多々論議されてきたわけですけれども、昨年八月に作成されたところの総合エネルギー調査会需給部会の「長期エネルギー需給暫定見通し」があります。石油代替エネルギーをどこに求めていくのか、すでにこの委員会で論議がなされてきたわけですけれども、ソフトエネルギー、すなわち自然循環及び再生可能としての意味からは、水力とか地熱とかあるいは波力、風力、ごみ発電、バイオマス、太陽熱、こういったものがありますが、これらソフトエネルギーにはもっと力を入れるべきだ、私はこのように考えるわけです。この点についてのお考えをお答えいただきたいと思います。
#215
○佐々木国務大臣 いまお話しのような方面にもっと力を入れるべきだということで、こういう新しい機構もできたものと私は承知してございます。もちろんしばらくの段階におきましては、再生可能なエネルギーが新エネルギーとしていままでのエネルギーにかわるほど大量に希望できるかと申しますと、そうはまいらぬと思いますけれども、しかしできるだけ早くそういう時代が来るように、これからエネルギッシュに問題を進めていくということが大変必要なことだと思っております。
#216
○中川(嘉)委員 たとえば地熱ですけれども、この地熱にしても、総合エネルギー調査会需給部会の「長期エネルギー需給暫定見通し」を見ますと、いま十五万キロリットル弱のものが六十年度には一応二百二十万キロリットルに目標を置いている。一体これが達成できるのかどうか、そこに至るところのプロセスを具体的にしていただきたい。特にこの地熱に関する限り主要なものは国立、国定公園になっていますし、昭和四十七年三月の通産省と環境庁の覚書というのがありますが、この覚書で、いま開発されている以外にはやらないとされていますけれども、この点はどんなものか。たしか二年前に前エネルギー庁長官がその見直しをしたいというふうに述べておられたようですけれども、この点は変わらないのかどうか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
#217
○安田(佳)政府委員 まず第一点の「長期エネルギー需給暫定見通し」の目標が達成できるだろうかどうかという点でございますが、この暫定見通しによりますと、六十年度二百二十万キロリットルというふうになっております。それで、現在わが国で運転中の地熱発電所は六地点ございまして、約十六万キロワットでございます。石油換算いたしますと三十万キロリットルに相当いたします。国内の有望地域はおおむね十五地点ぐらいでございますが、昭和六十年度ぐらいまでに約八十万キロワットを目標に地熱開発が現在進められております。それにさらに熱水有効利用というものを含めますならば、石油換算にいたしまして百九十万キロリットルが努力によりまして開発できるのではなかろうかというふうに見込んでおります。したがいまして、現在の三十万キロリットルを足して、大体二百二十万キロリットルが達成できるのではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
 次に、環境庁との間の問題で地熱開発に支障はないかということでございますが、今後地熱を開発するに当たりましては、どうしても国立、国定公園内におきまして開発を進めることが必要であるというふうに考えております。したがいまして、その際には環境保全について十分考えなければならないわけでございますが、最近では発電所建設に当たっての環境保全技術も相当進んでまいりました。そういう点も含めまして環境庁とも協議して進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#218
○中川(嘉)委員 いま最後のところで伺いました、二年前に前エネルギー庁長官が見直しをしたいと述べたという点ですが、これはこちらの調査によりますとこの商工委員会で答弁されたということになっておるわけですけれども、この点、御答弁の中ではっきりと確認をしておいていただきたいのです。
#219
○森山(信)政府委員 環境庁との覚書は、ただいま公益事業部長が答弁いたしましたとおり、地熱の開発地点がおおむね国定公園、国立公園等に集中的にあるものでございますから、環境保全という観点から覚書を結んだわけでございますけれども、私どもの基本的な考え方は、環境保全に十分留意するという考え方はとっておりますが、地熱開発の技術進歩というのは年々歳々上がっていくわけでございますので、環境保全ということを頭に入れながらも、技術開発の革新性について環境庁に理解をしていただくという配慮も必要なのではないか。つまり、ある一定の時点において覚書を結びましても、その時点以降に環境を破壊しなくて地熱開発ができるような技術開発が進みまするならば、環境庁といえども開発について異論はないはずでございますから、そういう意味で覚書は永久に地点を拘束するものではないということを私どもは通産省の立場としてアピールしてみたいということでございます。
 ただその覚書の見直しということは、環境保全に十分留意するという考え方を覆すという意味ではなくて、環境保全と地熱開発とが技術的にあるいは社会的にも認容されるような段階になったときはそれなりの対応をしてほしいという一つの通産省の意思があるということを、私の前任者が当委員会で答弁したのではないかということでございまして、それは私もその考え方を踏襲してまいりたい、こういうふうに考えております。
#220
○中川(嘉)委員 次に温泉と地熱資源の問題ですけれども、この地熱は石油エネルギーにかわるものとして、「長期エネルギー需給暫定見通し」の中で、昭和七十年に七百万キロワットを得よう、こういう計画ですけれども、現在は地熱発電で電気を起こしているのはわずか十五万七千キロワット、将来七十年にただいま申し上げた七百万キロワットのエネルギーを達成しようとするには発電所の個所の増加、これはもう大変なものになると思います。ところが日本古来からの保養の基地、いわゆる温泉保養基地といいますか、ここに地熱発電の場所が当たってくる。この場合に地熱発電によって温泉保養基地が侵害される場合も当然考えられるわけですけれども、いわゆる地域指定、こういったことを行って地熱の開発を行うべきではないか、このように思いますが、この点はいかがですか。
#221
○安田(佳)政府委員 地熱の賦存地域には非常にしばしば温泉等がございますが、地熱開発を進めてまいります上で温泉などの既得権益との調整を図るということ、これはきわめて重要な問題でございます。そこで、温泉地域での地熱開発を行いますような場合におきましては、私どもといたしましては既存の温泉に支障を生じないように開発を進めるというような方針を基本的にとっているところでございます。そういうことのために、今後とも開発地点を選定いたします場合あるいは開発手法をどうするかというような場合におきましては、既存の温泉に十分配慮するなどによりまして温泉との合理的な調整を行いつつ、地熱開発を進めてまいりたいというふうに思うわけでございます。
 先生御指摘のように地域指定を行うとかいうようなことにつきましては、これはいろいろな法律的な問題等もございまして、非常にむずかしい問題を持っております。その点につきましては私ども今後の一つの長期的な問題点としては意識しているところでございますが、地域指定を行うとかというふうな点につきましては相当問題が多くて、直ちには行いがたいところであろうかというふうに考えている次第でございます。
#222
○中川(嘉)委員 地域指定は考えてないけれども何らかの形で検討していこうという、そういう程度ですと将来必ず何かトラブルが生じるのではないかと私は思うわけです。温泉は地下資源ですから、掘ってみなければ上からは全くわからないわけで、よく地下水をくみ上げるとき、こういったときでも絶対に問題を起こさないといって掘ってみたところが、その周りの地下水が枯渇をしたというようなこともよくあるわけです。地熱発電のエネルギーは当然必要なんですけれども、現在の温泉なら温泉というものが枯渇しないような方策として地域指定以外にないというふうに私は考えるわけです。もう一度この点について、温泉法十四条の地域指定とは違った地熱の採取の際の地域指定、こういったことを考えてはどうか、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。
#223
○安田(佳)政府委員 温泉につきましては法律に基づいて指定がなされているものと思いますが、地熱に関しましてはまだそういう地熱権といったものが法定されていないところでございます。したがいまして地域指定をするというような根拠もございません。私どもといたしましては、全国の地熱の有望地域をいろいろ探し出しまして、そのうちそういう既得の権益と抵触することの少ないような地点で有望な地域を、優先いたしまして開発を進めていくというような現実的な方式で地熱開発を当面進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#224
○中川(嘉)委員 いわゆる温泉協会といったところはこういった問題については非常に心配しているのも当然かと思います。いままでもいろいろと反対運動等もあったようですけれども、このことに関する実態はどの程度把握しておられるか、お答えをいただきたいと思います。
#225
○安田(佳)政府委員 地熱開発を推進いたしますために各種の問題がございますので、通産省といたしましては地熱懇談会という学識経験者にお集まりをいただいた会を持っておりまして、その会におきまして各種の議論をしていただいたところでございます。
 その中の一つの問題といたしまして温泉関係者からの御意見もございましたが、そういう温泉関係者からの御意見だけではなしに、地熱開発関係を法定するに当たりましてはそのほかもろもろの非常に困難な問題がございますので、単に温泉関係者の御意見だけということでなしに、そういう問題を解決した後に初めてそういうステップがとれるかというふうに考えているところでございまして、現状におきましてはまだそこまでの段階にはなかなか至っていないという実情でございます。
#226
○中川(嘉)委員 私は先ほどから温泉温泉と言っていますが、別に特定の関係があるわけでも何でもないわけで、だから、その他と全部含めても結構ですけれども、やはりそういった住民の新しい事態に対する心配とか反対運動とか、いろいろこれからも起こるであろうと思いますが、先ほどの御答弁にあったように、開発地点の選定とか手法ということについて十分ひとつ配慮をしてこれから対処していただきたいと思うわけです。
    〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
 また、この地熱資源を開発する際の公害といいますか、環境に及ぼす影響について具体的にどんなものが想像されるか、どのような点が心配されるのか、それに対する対策はどのように考えておられるのか、もう少しここでひとつ詰めて伺っておきたいと思います。
#227
○安田(佳)政府委員 地熱を開発いたします場合には、やはり環境保全との調和を図ることが重要であるという認識を持っております。そこでどういう環境問題があるかと申しますと、たとえば熱水中に含まれる砒素の問題、あるいは発生いたします蒸気中に含まれます硫化水素ガスの問題等があるというふうに考えられます。砒素につきましては、日本の地熱発電所におきましては、地下深部から取り出します熱水はこれをすべて地下深部にまた還元するというシステムをとっておりますので、砒素によります河川の汚染というものは生じないものと思っております。また、蒸気中の硫化水素ガスにつきましては、これを冷却塔に導きまして、そして強制拡散方式をとりまして周辺への影響が極力生じないように措置を講じておるところでございます。
 このように有害成分の除去技術につきましては研究開発をいろいろ進めているわけでございますが、さらにそのほか、クローズドシステムを採用するとかあるいは生産基地を、たとえば傾斜掘りをやるなどの方法によりまして集約化して開発面積の縮小化を図るとか、先ほど申しました生産還元の井戸のシリカの付着、スケールの付着等を防止するとかあるいは冷却塔の高さを低めまして、そして自然景観との調和を図るとか、そういうような各種の環境保全対策のための措置を講じ、また技術開発を現在行っているところでございます。
#228
○中川(嘉)委員 騒音の公害についてはどうでしょうか。
#229
○安田(佳)政府委員 現実に発電所を建設いたします場合におきましては、騒音につきましてはこれを規制値以下に抑えるように指導いたしております。
#230
○中川(嘉)委員 同じく原子力についても五十二年度実績が八百万キロワット、これが六十年度に三千万キロワット、こういうふうになっておりまして、先ほども論議が出ていたようですけれども、国民的合意に至っていないこの原子力発電に対して政府はどのように進めていこうとしておられるか。すでに質疑応答がいろいろなされたと思います。しかし、この具体策ですね、これをいま一度はっきりと確認をしておきたいと思います。
#231
○児玉(勝)政府委員 原子力の開発推進につきましては、安全を最優先にいたしまして推進してまいりたい、こういうふうに考えております。また、安全確保の問題以外にも、地元に対するいわゆるメリットを分配するという意味で電源三法の活用をいたしましたり、また広報活動の充実等によりまして積極的な立地促進策を展開していきたい、こういうふうに考えております。
#232
○中川(嘉)委員 通産大臣の御意見も一応伺っておきたいと思いますけれども、安全性の確認とか立地条件の合意とか、まだまだ解決しなければならない諸問題をたくさん抱えている原子力発電に、こういったただいま挙げたような数字ですけれども、多大な期待をかけなければ計算が合わない。一方では、昭和六十年度を最終年度とする経済社会七カ年計画、こういったものが作成されているわけですが、エネルギー供給の不確実な状況の中で、安定した計画が成立しようはずがないと私は思うわけですけれども、こうした現実に対して原子力発電をどのように考えていかれるか、大臣からもひとつ答弁をいただきたいと思います。
#233
○佐々木国務大臣 いまお話がございましたように、原子力発電で一番の問題点は立地問題でございまして、また立地問題の根本は安全性に対する用意でございます。でございますから、まず私は、原子工学的に見て発電炉自体が安全なものであればこれは問題ないわけでございますから、それをいかに安全なものにつくり上げていくかというのが一番根本でございまして、アメリカでもドイツでもフランスでもいまどんどん進められるゆえんのものは、そのもの自体が安全だからと思います。
 そこで、日本では、少し遅まきではございますけれども、原子力研究所あるいは通産系統の諸機関でいろいろ安全そのものの研究を数年にわたって進めまして、ずいぶんその面からは進歩しておると思います。
 同時に、いろいろな発電所の故障等がございますから、これに対する、どういう理由で故障したのか、材料なのかあるいは構造そのものなのか、そういう点を、資料が非常に豊富に何年かの間に集積されておりますので、そういうものも集大成して完全な炉をつくるべく、これから標準型と申しますか、そういうものでもつくってまいりますればこれまたずいぶん私は安全工学的には変わった行き方で、安心できるかっこうになるんじゃないかということが一つ。
 もう一つは、スリーマイルアイランドの結果、運転中の安全性という問題も大変重要になってきまして、運転員をどうするか、あるいは運転中のインスペクトをどうするか、そういう問題が非常に重要になってきましたので、それはそれでただいま充実中でございます。
 それから、公的な安全認定の機関が権威を持つか持たぬかというのが非常に重要な問題でございまして、これは御承知のように安全委員会をつくりまして、通産省の査定とダブルチェックをいたしまして、念には念を入れてやっております。しかも安全委員会の委員は相当権威を持った、日本では最高だとおぼしき人々で構成されておりますので、私は、日本におきましてはこの安全委員会が認定を下せばまず住民の皆さんも安心していいんではないかと思います。
 もう一つ、たって言いますと、最悪の事態、そんなことはないとは思いますけれども、事故が起きた場合に、それに対する対処方法等をただいま進めておりますので、それこれあわせていきますと、住民の皆様に原子力発電というものは安全なものだ、あるいは信頼の置けるものだという一つの時代というものは、そう遠い時代とは思っておりませんので、立地問題さえ片づいていけば私はもっともっと進め得るものではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#234
○中川(嘉)委員 安全性の確保という非常に重要な問題ですから、短時間のうちにやりとりといいますか、論議をするつもりはきょうのところはありませんけれども、きょうの大臣の御答弁を踏まえてまた新しい機会にぜひこれは伺ってまいりたい、このように思います。
 ところで、これまでエネルギーの需給に関しては従来から中央集権的であったものを、通産省が五十五年度からローカルエネルギーシステムとして発足させようとしていますけれども、これは大変結構なことだと私は思います。そこで、その具体的内容はいかなるものか、まず御説明をいただきたい。
 昨年自治省がまとめた地方行政のエネルギー対策の実態調査によりますと、省エネルギーとか石油需給対策にほとんどの自治体が取り組んでいる。ローカルエネルギー利用のような創造的な対策をとっているところは、北海道とか秋田、宮城、山梨、島根、大分、鹿児島、こういった、ごくわずかなところであるわけです。やはりそれには情報とか技術あるいはコスト、こういったものが伴うためと私は思いますけれども、政府は、この情報とか技術の提供、さらには税制、金融、財政の面からも補助をしていくべきではないか、このように考えますが、この点はどんなものか。私はこういう身近なエネルギーを創造的に利用していくということは大変重要なことであると思っております。単にエネルギーの問題だけではなくて、雇用であるとかあるいは地域コミュニティーあるいは環境保全、地方分権主義とか、こういった八〇年代の政策に沿う内容というものを持ったテーマ、こういうふうなものだと思っておりますけれども、政府としてもっと積極的に援助を行うべきじゃないかと考えておりますが、決意のほどを伺っておきたいと思います。
#235
○森山(信)政府委員 ローカルエネルギーの取り組みの姿勢に関しましては、ただいま中川先生から御指摘のありましたことを私ども全く同感だというふうに思っておる次第でございます。
 そこで、昭和五十五年度から新たにローカルエネルギーにつきましての財政的な裏づけをしようという計画を持っておるわけでございますけれども、これははなはだ規模の小さいものでございまして、総額にいたしまして一億八千万円の規模の予算を計上しておるわけでございます。具体的には十八府県に対しまして補助をするわけでございますが、補助率は二分の一でございます。したがいまして、一県当たり一千万円ということでございまして、規模としては大変小さいわけでございますが、具体的には五十五年度にその地方自治体の地域内のエネルギーの賦存量でございますとかあるいは利用可能性の調査を実施する場合の調査費の一部補助というかっこうでございまして、現実に開発のための予算になりますと、これは別途の観点ということになろうかと思います。
 そこで、資金的な裏づけをすることは、ことしが皮切りになりまして今後飛躍的に増大させていきたいというふうに考えておりますが、情報の提供あるいは県と県の間、地方自治体の間の総合調整の問題、こういうようなことを考えますと、単に一つ一つの府県にそういう開発をお願いするだけではなくて、総合的な調整機関あるいは情報提供機関、こういったものが必要になってくるのじゃないかということを感じておるわけでございまして、近い将来にぜひそういった組織をつくり上げていきたいというふうに考えておりますし、そういった組織を媒体にいたしまして、どういう税制上の手当てあるいは財政上の手当てあるいは金融上の手当てをしていったらいいのかということを検討することにいたしたいというのが基本的な考え方でございます。
#236
○中川(嘉)委員 次に、エネルギー需給のための立地と環境問題ですけれども、この法案にも環境の保全に留意する旨が盛り込まれてはいるのですけれども、やっと提出されようとしているアセスメント法案、けさのニュースによりますと地域住民の中から学識経験者を除こうとする後退の姿勢が見受けられるわけですけれども、果たしてこのエネルギー需給促進のために国民的合意が得られるのかどうか、政府はどのような方法で説得に努めるつもりであるかをお答えいただきたい。
 このLNGとか石炭、あるいは原子力にしても立地までには十年以上は当然かかるとされていますけれども、話し合いとかあるいはアセスメントをする手続に時間がかかる、そしてかなりの建設期間がかかるというふうに、いいかげんな見通しを立てているのはおかしいんじゃないかと私は思わざるを得ないわけです。このように見てくると、果たして政府の言う需給目標の達成というものが可能かどうか、確信のほどをひとつ大臣からも伺っておきたいと思うわけです。
#237
○佐々木国務大臣 アセスメント法案に関しましては三回だと思いましたが関係閣僚会議がございまして、その最後に要綱の形で一応関係閣僚としては合意を見たわけでございますけれども、その際に、公聴会でございますが、初めは原案になくて、説明会というものしかなかったのですけれども、特に自治大臣が主張いたしまして公聴会というものを、必要に応じてやはり知事としては諮問を受けて決断を下したらいいんじゃないかという議論から、公聴会というものをそれじゃ要綱の中に入れようというので入ったわけでございます。その後、要綱を法律化するのに法制局との間にいろいろやりとりがあったと思いますが、私もその間の詳しい話はよく存じません。法律の形式で決まりましたときにはまた閣僚会議を開こうということで別れておりますので、けさの新聞の真偽のほどは私確かではございませんけれども、法律の原案を審議する段階にはまだ至っておりません。
#238
○中川(嘉)委員 時間の関係で次に参りますが、この新エネルギー総合開発機構のあり方、これはもうすでにいろいろと出ていますので、一、二点だけ確認をしておきたいと思います。
 まずこの整合性の問題について伺いますけれども、基礎研究的なものは工業技術院に残す、企業化の間近いものについては新エネルギー開発機構に移す、原子力については科学技術庁が担当する、三部門でやられるようですけれども、総合的調整は果たしてこれでできるのかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
#239
○森山(信)政府委員 代替エネルギーの供給目標につきましては、閣議の議を経た上で通商産業大臣が決めるということでございまして、ここが一つの総合調整の場になろうかと思います。
 そこで、いま新エネルギー開発機構について御指摘がございましたが、まず工業技術院との関係は、単に工業技術院が基礎研究をするというだけではございませんで、工業技術院を含めました各種の大学あるいはその他の研究機関あるいは民間におきまして基礎研究をやっておられるところ、そういうところで基礎研究をやっていただきまして、その中で特に企業化の促進を必要とするものにつきましては新エネルギー機構で分担をさしていただく、こういう分担関係になるわけでございます。
 それから、原子力関係につきましては新エネルギー機構ではタッチをいたさないということでございまして、これは従来の路線でございます科学技術庁あるいは動燃事業団等で実施をしていただくということでございますので、この分はちょっと別でございますけれども、その他の部分につきましては新エネルギー開発機構と密接な関係を持って運営をさしていただく、こういう考え方でございます。
#240
○中川(嘉)委員 代替エネルギー技術開発のいわゆる公益性の面から、この新機構が行う石炭液化のノーハウですね。これにしても特定の企業とかあるいは委託者だけにやるということになると不公平になると私は思うわけなので、ノーハウは大企業だけへの奉仕になることなく、広い分野に行き渡るようにすべきではないかと思いますが、この点はいかがでしょう。
#241
○石坂政府委員 新エネルギー機構で開発いたしました成果につきましてはいろいろ考えられるわけでございまして、たとえば特許というような形で出るものあるいはノーハウというような形で、文章の形で残るもの、それからもう一つは、技術者の頭の中に残るノーハウというものがあるかと思います。前の二者につきましてはエネルギー機構がこれを取得することができるわけでございます。三番目の問題につきましてはなかなか取り扱いがむずかしいのでございますが、一応その技術者の頭の中に保存されるということになろうかと思います。
#242
○中川(嘉)委員 いまお尋ねしたとおり、いずれにしても不公平というものが将来生じるようなことがあってはならないわけで、いわゆる大企業だけへの奉仕になるということのない路線、こういったことを当然考えるべきだと思いますが、この点だけもう一度確認をしておいていただきたいと思います。
#243
○森山(信)政府委員 御指摘のとおりでございまして、この新エネルギー開発機構の設立をお認めいただきました暁には政府機関として運営をさせていただくわけでございます。言葉をかえて言いますと、国民の税金で運営をさせていただくわけでございますから、そういったところで開発されますものが特定の企業にそのメリットが及ぶということのないように、あるいは国民のための代替エネルギーの開発ということを十分踏まえた運営をさせていただきたい、かように考えておる次第でございます。
#244
○中川(嘉)委員 次に石炭対策の推進ですが、国内炭は言うまでもなく最も安定的な供給源であり、一定規模の生産を維持することはエネルギーの安全保障の見地からもあるいはまた地域経済、さらには雇用との関連、採炭技術の今後の海外石炭開発に果たす効果等からもきわめて重要であると思います。これを担保する石炭対策の推進ですけれども、これは欠かすことのできないものですから、石炭鉱業の状況というものは、これは採掘個所の深部移行による生産コストの上昇あるいは過剰貯炭、内外炭価格差あるいは労働力確保、こういった多くの問題を抱えているわけですけれども、生産そのものは二千万トンという数字を下回っているわけです。海外諸国では長期ビジョンに立って進めているわけですけれども、たとえば西ドイツ、ここでは四〇%の国内炭を利用するといった、資源における安全保障というものを非常に重視して考えているわけです。一方わが国の場合は、安易に石炭を斜陽産業としてしまったわけですけれども、このような脆弱さを招いた責任を担当省としてどのように考えておられるのか、この点をお答えいただきたいと思います。
#245
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 国内炭の安定強化対策というのは第一次から第六次にわたりまして行われております。その際、わが国の資源状況というものを大前提といたしまして、既存炭鉱の生産力等を前提として供給の将来性、そういうものに観点を置く。第二点は、競合エネルギーの供給力とか価格等の経済諸条件を勘案いたしまして、一次から六次にわたりまして適時適切な対策を打ってきたというのが実情でございます。
 政府といたしましては、国内炭が貴重な資源である、しかも代替エネルギーであるという観点は従来どおり変わっておりませんで、その認識に立ちまして、そのときどきの客観情勢を踏まえて国内石炭鉱業の安定強化策を図ってきたわけでございますが、その際、この安定強化策につきましては、他に類例を見ないような手厚い財政援助をしてその維持に努めてきたということでございまして、わが国の石炭鉱業の維持に政府として手抜かりがあったという認識は持っていないというのが実情でございます。
#246
○中川(嘉)委員 どうも伺っていることに対する答えが返ってこないのですけれども、この今回の法案の内容を見ますと、海外炭の開発輸入にかなりのウエートがかかっているように思います。石油については石油公団があるように、この機構は石炭のための石炭公団のような感じを受けるものですけれども、石油の開発についてはかなりのリスクがあるわけで、ある面では成功払いのような投融資もやむを得ないと私は思いますが、新機構が海外の炭鉱を開発しようとするのに対して政府はどのような投融資をするのか、このあり方について御説明をいただきたいと思います。
#247
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 従来海外の石炭開発につきましては、石炭鉱業を含んだものを対象として取り上げている。それに対しまして調査の段階では補助金、探鉱の段階では融資、それから開発の段階では債務保証という制度を持っていたわけでございます。今後海外炭の大幅な増大に対処するために、石炭鉱業に限らず、商社とか石油業界、そういうものも幅広く参画ができるというシステムに変えておりまして、調査の段階の補助金は従来どおりの制度でございます。そのほか探鉱融資につきましては融資条件の大幅な緩和をしております。それから、債務保証につきましても保証対象額の幅を広げておるということで、積極的に対処しております。
#248
○中川(嘉)委員 石炭を利用しようとしますと一番困る問題、これはばい煙とか灰処理の問題あるいはSOx、NOx等の問題、こういったものが多量に出ることが考えられるわけですけれども、こういった公害問題とかあるいは環境との調和についてどのような対策を立てようとしておられるのか、これは当然万全の対策を講ずべきだと思いますが、具体的に御説明をいただきたいと思います。
#249
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 石炭利用は、当面どうするかという問題と、将来どうするかという問題と二つあると思います。当面の利用の問題としましては、硫黄酸化物、それから窒素酸化物、ばいじん等の大気汚染物質をどうするかという問題が第一点。それから、石炭を燃焼した後の灰をいかに処理するかというような問題が石炭利用の決め手になるということでございます。したがいまして、われわれ政府といたしましても従来から研究をしておりまして、排煙脱硫、脱硝技術につきましては現にもう研究に着手しておりまして、ほぼめどがつきつつあるというような現状でございます。それから、灰捨て場の立地とか石炭の灰利用の技術については、現在研究を積極的に進めているというような段階でございます。将来は、やはりクリーンなエネルギーにするということで、ガス化、液化の技術につながっていく必要があるのじゃないかということで、これも現在基礎研究等を進めているという段階でございます。
#250
○中川(嘉)委員 この石炭の供給についてですけれども、六十年度で海外炭一億百万トンの輸入が計画されている。先ほども同僚委員からの質問に対してこの件に関する御答弁があったようですけれども、世界の貿易可能量、これが約二億トンというふうに言われていますが、約半分に当たる。実際にこれが可能なのかどうか、供給国並びに供給量ですね、こういったことについて具体的な計画があれば、当然これはなければならないわけですが、御説明をいただきたいと思います。
#251
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 現在、と言いましても一九七七年の統計で言いますと、世界の石炭生産量というのは二十五億トンということになっております。そのうち、国際貿易ということで動いておるのが約二億トンでございまして、そのうち一般炭が約三千万トン弱ということになっております。今後の世界貿易量というものを見てまいりますと、一九八五年で約二億一千三百万トン、それから一九九〇年で三億二千三百万トン、二〇〇〇年では五億三千万トンということに相なるのではないかということがIEAの予測で出ているわけでございます。その増加率の一番大きいのは、原料炭ではなくて、一般炭ということに相なっております。
 資源の賦存状況を見ますと、石炭の埋蔵量はかなり多うございまして、それが日本を中心とした環太平洋に広く広がっているということでございまして、資源的な制約というのは少ないのではないかというふうにわれわれは見ております。しかしながら、現在国際貿易量が小さいということで、今後の需要増というのは新規炭鉱の開発を前提としなければならないということで、新規炭鉱の開発、それから国内の流通体制の整備ということに今後一層の努力をしていかなければいけないのじゃないかというふうに感じております。そういう方向で、先ほど御説明いたしましたような諸対策をいま打っているという段階でございます。
#252
○中川(嘉)委員 私が伺ったのは、六十年度で海外炭一億百万トンの輸入計画があるという、実に簡単な質問をしているわけですけれども、それに対して何らぴたっとした答えが返ってこない。ほかのことをしゃべっておられる。要するにこれは全体の半分に当たるのだから、それに対する供給国ですね、その量はどうなっているのだと、簡単な質問なんですよ。
#253
○森山(信)政府委員 昭和六十年度の世界の貿易見通しが、先ほど石炭部長から御答弁いたしましたように二億一千三百万トンでございまして、日本の一億トンがそのうちの約半分でございますから大丈夫かという御指摘でございますけれども、この点につきましては、いわゆるメジャーがある程度その石炭を押さえているのじゃないかという御指摘につながってくるのじゃないかと思うのでございます。私ども、メジャー経由のものが直ちに割り高になるというふうな考え方も持っておりませんけれども、せっかく日本へ持ってくるからには、日本の手による開発輸入ということを考えたいということでございまして、先ほど申し上げました世界の貿易量と因果関係はございますけれども、日本の手による開発輸入ということに力点を置きまして、私どもが考えております期待量は日本の手で確保したいということを基本的に考えておる次第でございます。
#254
○中川(嘉)委員 どうももう一歩先に進めなくてしようがないわけですが、では、この一億百万トンの輸入計画というのがあって、どことどこから輸入するか、それは全然わからないわけですか。
#255
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 この一億トンの数字の内訳をまず御説明いたしますと、一億百万トンのうち、一般炭が二千二百万トンでございまして、その残余はほとんど原料炭ということに相なるわけでございます。原料炭は、現在もうすでに五千万トンを超える数量を輸入しておりまして、その大宗はまずオーストラリア、約四〇ぐらいだと思います。それからあと中国、ソ連、アメリカ、それから国内炭ということで構成されているわけでございます。今後、この一般炭の二千二百万トンの主要輸出国になるのは、オーストラリアがやはり鉄鉱と同じようなウエートになってくるのではないかというふうに感じております。その次に大きいシェアを持つのは中国ではなかろうか。その他、南ア、インド等がいま検討されているというところでございます。
#256
○中川(嘉)委員 この辺でもう次へ進みますが、貿易量の半分ということで、この石炭の値段が上がらないかということが当然懸念されるわけでございますけれども、実際の折衝に当たって、値上がりを招くことがないようにうまくやるべきだと私は思うわけです。こういったことは、政府としていまから当然考えておかなければならない、半分に相当するわけですから。そのことについて具体的な対策が実際にあるのかどうか、すでに輸入されたということも踏まえてのあれですが、お答えをいただきたいと思います。
#257
○高瀬政府委員 お答えいたします。
 わが国の価格アップにつながらない輸入体制をつくるためには、鉄鋼、電力、セメント等の大口ユーザー業界が十分な話し合いをして、いたずらな競争をしないというシステムが必要かと思います。それにつきましては、現に鉄鋼、電力、セメント業界で今後の海外炭の手当てについて国内調整をいかにするかという議論はすでに行われております。それを踏まえた上で、先ほど言いましたように、やはり供給力をふやさなければ価格アップにつながりますので、積極的に開発輸入を考えていこうということで、そのシェアを、輸入量の半分以上は開発輸入でいきたいということを考えていま諸対策が打たれているというのが現状でございます。
#258
○中川(嘉)委員 石炭の点では最後の問いになるかと思いますが、石炭を使用する経済性の限界について一点だけ伺います。
 まず、この発電設備について、石油を一〇〇とすると石炭が一六八、こういうふうになるようでありますが、そのほか石炭については輸送問題とか公害対策とか、石油に比べて格段の扱いにくさがあると私は思います。そこで伺いたいと思うのは、石油に比べて石炭の価格、これがどれぐらいであれば経済的に成り立つのかという点、この点はいかがでしょうか。
#259
○安田(佳)政府委員 発電コストについて比較をいたしますと、これはなかなか具体的な、現実的なケースを申し上げるわけにもまいりませんので、五十四年度に運転開始するといたします標準的なプラントのモデル例で申し上げますと、昨年九月ごろということで、ちょっと時点のとり方が古くなりますが、そういたしますと、海外炭を使用いたしますと、当時の石油火力と石炭火力とではほぼ同程度のコストでございました。建設単価は石炭の方が高うございます。しかしその後石油価格は相当上昇してまいりました。他方、石炭火力につきましては、石炭価格もある程度の上昇があるわけでございますが、特に問題なのは公害対策設備費が非常に増大してきているということと、新規立地に伴いますインフラの整備費が増大しているという発電コストの上昇要因がございます。そういう点から見ますと、一般的に石油火力と石炭火力との発電コストはどっちが高いかということは、現時点ではなかなか申し上げにくい状況でございます。
#260
○中川(嘉)委員 キロカロリー当たり石油がどのぐらいで石炭がどのぐらいになるのか、要するに何割ぐらいなら引き合うのかといった点があるので、前の質問で価格交渉ということも非常に重要になってくるのだ、そういった価格を超えないような形というものが大事なのだということで伺ったわけなのですけれども、大体の割合がどうなるかということですね。この点はどうなのですか、全然わからないわけですか。
#261
○安田(佳)政府委員 大変申しわけありませんが、ただいま手元にキロカロリー当たりの石油及び石炭の価格の資料を持ち合わせておりませんので、後ほど先生に御連絡いたします。
#262
○中川(嘉)委員 これは非常に重要なことでもありますので、ひとつ委員長、資料をぜひ提供していただきたいと思います。
 もう時間が参っておりますが、工業技術院の関係の方がおいでになっていらっしゃるようなので、まとめてちょっと伺っておきたいと思うことがここに最後にありまして、これは機構とは関係のないことであることは承知の上で伺うわけですが、新技術ということで二、三の質問を一本にまとめて最後に伺っておきたいと思います。
 それはMHD、すなわち電磁流体発電についてですけれども、現在工業技術院の手によってムーンライト計画の一環として研究開発が進められているMHDですが、新技術の開発という点から注目に価するわけですので、これについてお聞きしたいわけです。
 まずMHDへの評価、そしてこれまでの研究開発はどのようになっているか。ついでにずっと伺ってしまいますが、世界的開発状況はどうなっているのか。外国との技術提携あるいは共同開発についてはどのような見通しを持っているのか。さらに最近において工業技術院関係者がアメリカのDOEを訪問しているわけですけれども、この訪問内容はどんなものであったか。またシュレジンジャー氏の後任であるダンカン長官からの話もあって、二月にミッションが派遣されてきたわけですけれども、このときの話し合いはどのような内容であったのか。最後に、五〇%以上の熱効率ということになることがらして、今後積極的な対応を私は望むものですけれども、今後の開発計画はどのようになっているか。
 以上、時間の都合もありますので、一本にまとめて伺ってしまったわけですが、技術院の方からお答えをいただければと思います。
#263
○石坂政府委員 御指摘のMHD発電でございますが、これは非常に熱効率が高くなるというようなこととか、あるいは多様な燃料が使えるというようなメリットを持つユニークな発電方法であると認識しているわけでございまして、その将来性を重視いたしまして、昭和四十一年度以来国のプロジェクトとして研究開発を進めておるわけでございます。昭和五十一年度からは第二期計画というのに入っておりまして、現在五十六年度からの発電実験に備えまして、マーク7と私どもは言っておりますが、発電実験プラント、これは百キロワットのものでございますが、この建設を進めておるというのが実情でございます。
 それから、世界的な開発状況でございますが、現在MHDに関する大規模な研究開発を行っておりますのは、わが国のほかにはソ連とアメリカがございます。ソ連でございますが、これは最も進んでおるのではないかというように考えられておりまして、ソ連の発表によりますと、一九八五年ごろには出力五十万キロワットという実用規模のMHDプラントを完成して運転研究を行う計画があるというようにされております。またアメリカにおきましては、最近開発に非常に力が入ってまいりまして、いわば加速化が行われておりまして、一九九〇年代に実用化の技術を完成するということで努力をしているようでございます。
 それから三番目の御質問の、諸外国との技術提携、共同開発についての見通しでございますが、現在日米両国間の共同開発ということにつきましてMHDを対象に考慮はしておるわけでございますが、ただMHDが非常に多くの技術的研究開発要素を持つということが一つございます。またその開発に非常にお金がかかる、非常に巨大規模の開発であるというようなことがございまして、両国が何らかの形で協力していくことは望ましいと考えておるのでございますけれども、協力のあり方につきましては、今後の課題としていま検討させていただいておるところでございます。
 それから、工業技術院の担当者が米国のエネルギー省を訪問しておるだろうということでございますが、事実でございます。私どもの担当の研究開発官が昨年の十月にDOEを訪問いたしました。その中で行われた話し合いでございますが、一つはMHDの長期的開発計画について日本側がいま再検討を行っているところであって、日米協力ということもこれにあわせて検討したいということをわが方は述べております。それから二番目に、MHD技術開発の進捗状況だとか実用化の見通しなどにつきまして、わが国の関係者に周知させる必要があるのではないかというようなことをこちら側が述べておるわけでございます。もちろん向こうの研究開発の実情も現場で見てまいったわけでございます。
 それから次の御質問は、ダンカンからの親書で二月にミッションが派遣されたということでございました。これも事実でございまして、本年の二月十二日から十五日の間に、米国エネルギー省のMHD部長を団長といたしまして、メーカーだとか電力会社などのメンバー計六名が来日いたしまして、日本側の関係者と数度にわたる意見交換を行ったわけでございます。両国の開発状況だとか実用化の見通しというようなものについて意見交換が行われました。もちろん米国側のミッションもわが方の研究施設の訪問も行ったわけでございます。
 最後の御質問で、MHDは非常に効率がいいので積極的な開発をしてはどうだという御意見でございます。私どももこの世界のエネルギー情勢の深刻化の中で、長期的な問題といたしましてMHDの重要性がますます高まってくるだろうというように考えております。ただ、実用化のためにはまだいろいろ技術的問題が山積しております。また、それと同時に、先ほど申しましたように本格的な開発のためには巨額な投資も要るというようなことでございます。したがいまして、わが国といたしましては当面現在建設をやっておりますマーク7の実験機によりまして、十分いわば基礎的と申しますか、技術の基礎を固めまして、その後に長期的な開発をどういうように方向づけるかということを考えたいと思っておるわけでございます。もちろんその際はエネルギーの情勢だとか、利用するサイドの長期的な展望だとか、それから米国の開発動向等も勘案しながら慎重に検討していきたい、こういうように考えているわけでございます。
#264
○塩川委員長 これにて中川嘉美君の質疑は終了いたします。
 引き続いて神崎敏雄君の質疑に入ります。
#265
○神崎委員 本日私は、条文に即してその解釈、運用について伺います。
 まず、第三条で石油代替エネルギーの供給目標を定めるとしております。閣議決定を経て目標を決めるわけですから、現在のエネルギー需給見通しなどとは相当違いがあることは明らかであります。ところで、さしあたり目標として掲げるエネルギーの種類はどういうものか、お答え願いたい。
#266
○尾島政府委員 お答え申し上げます。
 第三条におきまして供給目標を定めることになっておりますが、この供給目標を定める代替エネルギーの種類といたしましては、「開発及び導入を行うべき」ものというふうにされておりまして、量的なウエートですとか供給可能性あるいは汎用性、いろいろな面を考えまして、今後開発し、導入を図っていくべき重要な代替エネルギーの種類を定めてまいろうかと思っております。今後しさいに検討していくことにいたしておりますけれども、現在われわれが考えておりますのは、石炭、LNG、原子力、地熱、水力と太陽エネルギーなどを考えております。
#267
○神崎委員 そこで原子力発電についてでありますが、政府は、わが国において原子力発電所の建設は促進すべきであるという国民的合意はすでに形成されておるという認識なのでしょうか、それとも政府当局は促進すべきであると考えているが、まだ国民的合意が十分に得られておるとは言えない、こういう認識なのでしょうか、どちらなんでしょう。
#268
○佐々木国務大臣 国民の理解が順次深まりつつあるという認識を持っておりまして、アンケートの結果、数字ははっきり覚えておりませんけれども、原子力発電に対する支持者の率が相当ふえておるように聞き及んでおります。しかしおっしゃるようにパーフェクトに、一〇〇%支持を得ておるかと申しますと決してそういうことはないと思っています。まだまだ努力が必要だと思っております。
#269
○神崎委員 まだまだ国民的合意が形成されておらない、こういうふうにお認めになったのですが、いまの段階で一〇〇%そうじゃないと言われるその基準といいますか、それは一体どこに置いているのか。勘として、いまはまだあかぬなあ、そういう調子で見ておられるのか、大体いけるというふうに思っていらっしゃるのか、基準は一体どこに置いておられますか。
#270
○佐々木国務大臣 やはり基準は、世論のことでございますから、世論調査等の結果、それを一つの目安にすべきじゃないでしょうか。
#271
○神崎委員 国民投票を行ったわけではない。原発建設はもっとどんどん進めるべきであるという点で国民的合意が得られる、そういうことも言えないですね。こういうような状況、いま大臣がおっしゃるような状況なんですね。それはつまり、いま認められたように、まだ十分国民的合意があるとは言えない、そういうように言うことは、まだまだ国民的合意を形成する努力の余地がある、こういうふうに思っていいでしょうか。
#272
○佐々木国務大臣 まだまだ努力すべきだと思います。私どもが二十数年前から考えておったのがもしそのまま実現しておれば、いま油の問題で国民に迷惑をかけるなんてことはなかったろうと思います。そういう点から考えますと大変残念でございますけれども、おっしゃるように日本の特殊な事情もございますので、完全に御理解いただいているとは現在では申せないと思います。
#273
○神崎委員 そこで、この法律案第三条は原発建設の目標も決めるわけであります。従来からも通産省は原発建設の促進に努力してきたことは周知のとおりであります。しかし、この法律が成立いたしますと、閣議決定もして、政府が従来以上に原発建設を支援することになるわけであります。原発建設促進に法的根拠を持たせるということであります。これはきわめて重要な点であります。ことしの予算委員会でもわが党の不破議員が安全対策上の問題点を重ねて指摘いたしましたが、いまも言われたように国民的合意の形成という点でなお余地が残されておる、そういう状況にありながら、法的根拠を持たせて促進を図るということは、国民の生命、民族の将来、これに責任を負うという立場からわが党はきわめて重要に考えます。この点について重ねて御見解を聞いておきたいのであります。
#274
○佐々木国務大臣 御承知のように、言うなれば原子力基本法が原子力開発の憲法みたいなものでございますけれども、これに基づきまして原子力委員会あるいは原子力安全委員会等ができて、国としてはその認定あるいは方針に従って開発を進めることになっていることは御承知のとおりでございまして、この計画を計画として閣議にかける前には、恐らくは原子力に関しては原子力委員会等の承認も得ましてそして進めるものだと思いますので、若干の国民の中にはまだ不賛成の方がおるにしても、国の法のもとで権威づけられた機関のゴーというサインであればこれは進めるべきだというふうに考えます。
#275
○神崎委員 次に、第四条はエネルギー使用者の努力を明記しております。「エネルギーを使用する者は、」「石油代替エネルギーの導入に努めなければならない。」とありますが、ここで言う「エネルギーを使用する者」とは、文字どおりエネルギーを使用するすべての者、すなわち農民、漁民、中小企業あるいは一般国民などを含むこのすべてを指すものですか。
#276
○尾島政府委員 本法案は代替エネルギーを開発いたしまして、それを実際に導入を図って利用を拡大していくということを目的といたしております。したがいまして、開発のみならず導入面におきましてもエネルギー使用者に対しまして一般的な導入努力義務規定を設けたわけでございますけれども、その「エネルギーを使用する者」の範囲でございますが、文字どおりわが国におきましてエネルギーを使用する者すべての者を対象として考えております。
#277
○神崎委員 そうしますと、たとえば重油を使っている農民やふろ屋さんが石炭を使うように使用エネルギーを切りかえる場合に、これらには金融上の助成が行われることもあり得ると考えていいんですね。
#278
○尾島政府委員 御指摘の中小企業者、農民、その他の国民にその導入を図っていく上で、いろいろな助成を行わなければならない事情もあるかと思います。今後その助成の措置につきましてはその必要性に応じまして検討してまいりたいと思っております。たとえば先ほども説明がありましたとおり、ソーラーシステムの導入に対しましては、民間住宅用、事業用の建物等につきまして必要な範囲におきまして助成措置をとることにいたしておりますが、今後広く一般に代替エネルギーの導入を図っていくためには、その必要に応じましてこの助成制度というのを考えていきたいと思っております。
#279
○神崎委員 いまその助成については、あると思う、また検討する、こういうふうに言われたが、たとえば具体的にいまおっしゃった助成制度の内容、こういうものを考えておられたら答えていただきたい。
#280
○尾島政府委員 先ほどソーラーシステムの導入につきましてちょっと触れたわけでございますけれども、工場、事業場のような大口消費者に導入を図っていくためには必要な助成を考えていかなければならないと思っております。その手始めといたしまして、産業用のLNGの導入あるいは石油から石炭に転換するもの、それからコールセンター等につきましては、開発銀行からの低利融資を考えております。
#281
○神崎委員 いま広く国民全般だというふうに言われたのですが、しからばこの代替エネルギーの導入に努めるべき対象に、自衛隊や在日米軍も含まれるのですか。
#282
○尾島政府委員 本法案におきましては「エネルギーを使用する者」と言っておりまして、何ら範囲を限定するような規定は設けておりません。したがいまして、一般的に御指摘のあったような国等の機関につきましてもこの努力義務規定は含まれるというふうに解釈いたしております。
#283
○神崎委員 そういう一般論じゃなしに、具体的に在日米軍も含まれるか。含まれるのだったら含まれる、含まれないのだったら含まれないと明確に答えていただきたい。
#284
○尾島政府委員 法律論といたしましては在日米軍につきましても国内法の適用はあるものと思っております。この規定では努力義務規定を規定しただけでございまして、罰則等の規定は設けておりませんけれども、一般論といたしまして在日米軍に対しても適用されるものというふうに理解いたしております。
#285
○神崎委員 あなたが理解するのじゃなしに、こちらが理解したいから質問しているので、だからそれは一般論ではだめだ、はっきりおっしゃいと言うておるのに、あなたも一般論的に言いますならばとお答えになっているのですが、まだそこははっきりしてないんですか。してなかったらしてないでいいんですよ。
#286
○尾島政府委員 お断り申し上げましたように、法律論といたしましては在日米軍に対しましてもこの規定は適用されるものというふうに考えております。したがいまして、御指摘のように在日米軍はこのエネルギー使用者の範囲に含まれるものというふうに考えております。
#287
○神崎委員 一つも明快でないね。これはわが国の法律にするんでしょう。その法律に従ってもらえると考えるというようなニュアンスに聞いたのですが、この法律はそんな頼りないんですか。まだあなたの方の考えに入っておらなんだら入っておらなんだでいいんです。あるいは除外するなら除外するでいいんですよ。しかし法律が決まったら、いまあなたが言った、一般論的に日本におる者すべてにそれが及ぶというんなら及ぼしますとなぜ言えないんですか。法律的にこうやってありますから及ぶように思いますというような、そんなへっぴり腰の答弁をせぬでいいでしょう。
#288
○尾島政府委員 法律論的には云々と申し上げましたのは、本法案が成立しまして、適用の対象として在日米軍がその対象に含まれるというふうにわれわれ思っておりますけれども、御説明したわけは、罰則あるいは強制措置というのが本法案には規定されておりません。したがいましてこの努力義務規定は、適用はあるけれどもそれを強制するような手段はございませんので、そういう意味におきまして法律論としてはその対象に含まれるというふうに申し上げたわけでございます。
#289
○神崎委員 よくわかりました。そうしたら、先ほど挙げましたところのいわゆる漁民、農民、中小企業、一般国民も同じカテゴリーですね。
#290
○尾島政府委員 御指摘のとおり、そのとおりでございます。
#291
○神崎委員 そこで、少し側面から聞きますが、代替エネルギーの導入に努めなければならない点はすべてのエネルギー使用者にあるとしても、第一義的には当然石油の大量消費事業者がその対象の主なものだということが言えますね、そうじゃないでしょうか。
#292
○尾島政府委員 代替エネルギーの開発、導入を図っていく上では、その効果から考えてみまして、大口消費者である工場、事業場、これは全エネルギー消費の割合を考えてみますと五六%ぐらいに上っておりますが、そういう工場、事業場を対象として施策を進めていくことは効果的だと思っております。したがいまして、第五条におきまして導入指針を策定することにいたし、さらにそれに基づきまして指導、助言をして導入を促進してまいりたいというふうな法のたてまえになっているわけでございます。
#293
○神崎委員 どうも答えが聞いていることにぱっと合わない。考えているとか思うとかじゃなしに、聞いていることに対してそうでないとかあるとか、そのとおりだとか、こういうふうにお答え願った方が質問がしやすいのです。聞いていることじゃないことをずっと言うて、それで最後になってそう思うと言われたら、またそれを聞かなければいかぬようになってしまうのです。だから、いま言うたように当然大量消費者、事業者が対象になる、これは常識論ですね。そうしたらそうやと言えばいいのに、ああじゃこうじゃ言うておいて大体そうだと思う、こういうことになってしまうのですが、もう一回。ぼくの言うているとおりですか。
#294
○尾島政府委員 エネルギーを使用する者ということで、すべてのエネルギー使用者を含みます。もちろん御指摘のように、大量消費者も当然その中に含まれるわけでございます。
#295
○神崎委員 では次に進みます。
 次に、第二十条の機構の運営委員会に関して伺います。
 これまでの審議で、この運営委員会は大変重要な役割りを負っているということは、大臣も資源エネルギー庁長官も言明されておられます。私も当然そう考えるわけであります。
 そこで、この機構と同じ特殊法人である電電公社の場合も経営委員会が設けられております。日本電信電話公社法第十二条に基づいて、電電公社の経営委員は衆参両議院の同意を必要とすることになっております。郵政省に伺いますが、電電公社の経営委員人事が国会承認を必要とするようになった理由はどういう理由ですか、伺います。
#296
○金光説明員 お答えいたします。
 日本電信電話公社の経営委員会は、公社における最高意思決定機関として、公社事業の企業性の発揮と公共性の確保の調和を目的として設置されております。予算、決算、事業計画、資金計画等、公社経営の根幹にかかわる重要事項につきましては、同委員会の議決事項とされております。したがいまして、公社の経営、管理の基本事項を決定する機関である経営委員会を構成する委員は、高度の公共性を有する独占事業の経営を左右する重要な職責を有するので、その任命には慎重な考慮を要する、そういった点から両議院の同意を得て内閣が任命することになっているというふうに理解をいたしております。
#297
○神崎委員 日本放送協会、NHK、これの経営委員も国会承認を必要としていますが、これはなぜですか。
#298
○志村説明員 お答え申し上げます。
 NHKは、あまねく全国に放送を行うものということになっておりますし、また全国の受信者が負担する受信料をその財政基盤とするということでございますので、その経営については受信者の意向を反映する必要がある、こういうことから受信者たる国民の代表者ということで、その選任については国会の同意を要するとしたものと理解しております。
#299
○神崎委員 そこで、いま電信電話公社とNHKについて聞いたのですが、言うまでもなく石油代替エネルギーの開発導入は、広く国民の理解を得ることがどうしても必要であります。場合によっては、国民生活の重要な切りかえや産業構造の転換も求められるほどのものであります。そこで、新しく設立される機構が真に国民本位に運営されるかどうか、運営委員人事はそのかなめの一つでもあります。国民の総意で取り組むという立場に立ち、かつ議会制民主主義を貫くという点でも、国権の最高機関である国会の承認を得るということこそ道理にかなったことであると思います。当然この機構の運営委員は国会承認の人事案件とすべきでありますが、この点してないということはどういうことですか。
#300
○尾島政府委員 日本放送協会経営委員会ですとか、日本電信電話公社の経営委員会の委員について国会承認案件になっているわけですが、その職務が広く国民一般に直接大きな影響を与えるものであるということを前提といたしましてそうなされているものと考えております。本機構の運営委員会につきましては、その職務の重要性ということが高いわけでございますけれども、その職務の性質は、中長期にわたる代替エネルギーを開発促進していくという特定の政策分野について方向づけを行っていくものでありますので、その委員の任命につきましては、当該政策を担当する通産大臣によって判断されるのが適当であろうというふうに考えております。
#301
○神崎委員 当然そういうような答弁が返ってくるとは予測しておりますが、そうじゃなしに、きわめて重要である点から重ねて言いますが、私は、この機会に、大臣よく聞いておいていただきたい、現在の特殊法人の役員や国の審議会委員について国会の承認を必要とするものにどういうものがあるか、これを見ました。実はそれで驚いたのでありますが、原子力委員会委員、原子力安全委員会委員、科学技術会議議員、宇宙開発委員会委員、これなどは国会承認が必要となっておる、これは当然であります。しかし一方、商品取引所審議会委員が国会承認案件となっているのにこの新エネルギー総合開発機構はそうではない。要するに問題の重要性との関係で見ますと全くちぐはぐな感じがするのでございます。特に通産省関係のものはさきに挙げた商品取引所審議会だけです。電気事業審議会、石油審議会、石油公団、金属鉱業事業団などエネルギー関係の審議会、特殊法人はすべて国会承認を必要としない、こういう扱いになっております。また、土地鑑定委員会委員、漁港審議会委員、運輸審議会委員、鉄道建設審議会委員、地方財政審議会委員などは国会承認案件となっております。横に並べて考えてみますと、経済審議会とか産業構造審議会とか、非常に重要な役割りを果たしているものがしかるべき扱いになっていない、そのことを強く感じるわけであります。特に商品取引所審議会の委員が国会承認を必要とするのに、石油、電気、代替エネルギーがその扱いになっていないということはどう考えても不合理です。重ねて大臣の見解を聞きたいと思うのであります。
#302
○森山(信)政府委員 委員会、審議会等の構成員につきまして、その人事を国会承認案件としておりますのを見ますと、行政委員会またはこれに準ずるようなものにつきましてこの取り扱いを要するということが原則ではなかろうかと思っている次第でございます。
 そこで、いま御指摘のございました商品取引所審議会について国会承認案件になっておるではないか、こういう御指摘につきましては、同審議会が当初発足当時は行政委員会として発足したわけでございまして、その当時行政委員会につきましては国会承認案件とするという原則に従いまして国会承認案件にしたわけでございますけれども、その後商品取引所審議会が行政委員会的な色彩を脱却いたしまして現在のような審議会制度になったわけでございますが、最初に国会承認案件になったものをその審議会の性格が変わったから国会承認から取り下げるのも大変失礼な話でございますので、一応当初に決めたとおりにやらせていただいている、こういうことでございます。
#303
○神崎委員 私はいま商品取引所審議会だけを挙げたのじゃない。特定なものとして挙げたので、それ以上たくさん挙げましたね。それとの関連から見ても、今度できる機構はそれに該当しないほど、量、質ともに国権の最高機関のところで承認をしてもらわぬでいいくらいな軽い機構というふうに理解してもいいのですか。
#304
○森山(信)政府委員 国会承認案件とすべしという神崎先生の御主張は、それほど重要視していただいているということで私は大変うれしく思うわけでございます。しかしながら、先ほど来尾島審議官から答弁申し上げましたように、広く国民一般に関係のあるものにつきましては、議会制民主主義でございますから国会承認案件にしていただくのが当然だと思いますけれども、この限りにおいては大変重要な仕事ではございますけれども、新エネルギーの開発、導入促進、新技術の開発という局面に限ってみますと、これはやはり国民一般の方に直接的な影響はない。通産省が閣議の議を経て定めます供給目標に従いまして技術開発を集中的にやるという局面に限って申し上げますと、やや国民一般の汎用性と違う局面があるのではないかということでございまして、これは行政上の判断から人事を選ばせていただきたいということでこういうかっこうをとったわけでございますけれども、決して国会承設案件じゃないと重要な組織ではないという考え方ではなくて、そもそもの発想が違いますので国会承認案件にはしていないということでございまして、その点私どもは機構の重要性と人事案件としての次元の違いを感じておるという次第でございますので、本機構そのものの重要性につきましては、神崎先生のおっしゃるように大変重要な問題だというふうに私どもも考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#305
○神崎委員 国会で承認を受けたらいいとか悪いとかいうところの局限的な問題の理解ではなしに、いま出ているこの法律案というものは三年や五年の問題ではないのですね。恐らく二十一世紀に向かって国の産業基盤、国民生活の基礎に大きな影響を与えるようなきわめて重大な中身を持った、またそれを進めていこうとする法律的性格がある。それをやるのに、その機構がそのような考え方でひとり歩きしたりあるいは一大臣が認めるとかというような形からやっていって、本当にそういうことでいいのだろうか。こういう意味で、何もこの委員会を国会で決議したら貫禄がつくとか重みがあるとか、そういうようなものじゃなしに、いま出ているこの法律案はそれほど重要な内容を持っていますよ。しかもそれを運営する人たちがそういう形でいいのだろうか、こういう観点から伺っているんですね。先ほど大臣に聞いたのですが、大臣、これは後に言質を残したらいけないと思っておられるのか黙っていらっしゃるのですが、率直な考えとして大臣はどう思いますか。
#306
○佐々木国務大臣 さっき長官から答えましたと同様でございますけれども、原子力委員会あるいは宇宙開発委員会も同じだと観念しておりますけれども、これは形式は諮問機関でございますけれども、実質は一種の行政委員会的な性格を持ったように法律上は仕組んでございます。ですから、原子力研究所だとか動燃とかいろいろな原子力の機関がございますけれども、それとは切り離された一つの行政的な性格を持った委員会でございますので、そういう意味からいたしまして、国会の議決を経て大事をとろうというふうに考えているんだと私は承知してございます。今度のこの委員会はこの機構とそのまま密着した一つの機関でございまして、これから離れて国民全般の云々というふうな、それほど行政府的な性格を持ったものではないと考えてございますので、諮問機関と言っては語弊があるかもしらぬが、国会の承認を得るまでの必要はなかろうということでこういうふうになったと考えてございます。
#307
○神崎委員 この論議は一応ここでとめておきましょう。
 次に、第四十条の「業務の委託」についてでありますが、地熱、太陽熱、石炭液化、これらの技術の企業化を促進する開発について、これを委託する場合、委託先は外国の会社もあり得るでしょうし、またあるだろうと思うのですが、これが法文上は何ら委託先に限定条件がついておりません。この点をひとつ明らかにしていただきたい。
#308
○尾島政府委員 技術開発を効果的に効率的に進めていくために適当なる委託先を選定したいということで、法文上には何ら限定的な規定を置いておりません。したがいまして、外国企業についてもその対象となり得ると考えております。しかし、当面具体的には外国企業への委託というのはいまのところ考えられないのではないかと思っております。
#309
○神崎委員 また、四十条で、「機構は、通商産業大臣の認可を受けて定める基準に従って、」業務を「委託することができる。」とありますが、この「基準」というのは一体どういう内容を想定されておるのでしょうか。
#310
○尾島政府委員 機構から技術開発の業務の一部を民間企業に委託する場合に、あらかじめ通産大臣が定めた基準に従って行わなければならないことにしておりますけれども、一般的な基準で定める事項については今後具体的に検討してまいりたいと思いますが、いまわれわれが考えております内容といたしましては、委託の要件、委託先選定の要件、契約の要件、委託業務の管理方式、委託成果の取り扱いの要件というようなことが考えられると思います。
#311
○神崎委員 いまおっしゃったその要件は公表されますか。
#312
○尾島政府委員 具体的な公表については新機構が設立され、その新機構において判断されることと思いますが、われわれとしては必要に応じ公表していくことが望ましいのではないかと思っております。
#313
○神崎委員 望ましいじゃなしに、公表するように指導しますか。
#314
○尾島政府委員 そのように指導してまいりたいと思っております。
#315
○神崎委員 やっとかみ合ったですね。
 次に、企業化のための技術開発について、委託する委託先は大企業か外国会社またはそれらの子会社、関連会社になるであろうと思います。ここで開発された技術はだれでも使える保障があるのでしょうか。機構の名において行う技術開発、その成果がすべて機構のものとなる保障があるのでしょうか、どうでしょうか。
#316
○尾島政府委員 技術開発の成果につきましては、一般に特許権、実用新案権等の法律上の工業所有権やいわゆるノーハウというようなものがございまして、これらの機構における技術開発によって得られる成果については原則として機構が所有するということにして、その管理運営は機構にゆだねられることになります。
#317
○神崎委員 私どもはこの点をきわめて重要視しております。すでに先般来工藤議員あるいは安田議員も指摘しておりますが、私はあらゆる技術について言えることだと思うのです。いわば大企業が国の金で技術開発を行って、その成果を食い逃げすることはこの法律では防ぎ切れないと思うのです。文書等に表現できるものは抑えられるとの説もありますが、それとてその保障は乏しい。ましてや周辺技術、ノーハウ、技術情報は外部に漏らさない守密義務協定があるのが通常であります。外国会社への委託もあるのですからこれはなおさらのことであります。開発した技術は国のものになるというやり方を貫くのかどうか、大企業に食い逃げさせないようにするということがいま言い切れるのかどうか、この点御答弁願いたい。
#318
○森山(信)政府委員 先ほど尾島審議官から御答弁申し上げましたとおり、原則といたしまして新機構に特許権、工業所有権、ノーハウは専属といたしまして確保するという基本姿勢をとっているわけであります。原則としてと申し上げましたのは、技術者の方で大変りっぱな方を確保するという観点からも、一身上に属すべき特許権等について、いかなるりっぱな人が来ても、その人が開発し発明したものは全部国が取り上げますよということになりますと、技術者がなかなか集まらないという問題もございますし、そういった一身上に帰属すべきようなものは特定の研究者の方の専属とする場合もあり得るということでございまして、それ以外はすべてこの機構がホールドするということでございます。したがいまして、この機構が国民の税金を使わせていただいて開発をいたしました工業所有権等のいわゆる権利関係は全部専属的に機構に確保いたしまして、それを民間企業が企業化する際のやり方につきましてはまた別途の観点ということで、特定の企業に直ちに工業所有権なりノーハウが移っていくという考え方は全く持っていないということを申し上げておきたいと思います。
#319
○神崎委員 さてそこで長官、実は私、先日経団連の担当の方から率直な意見を伺いました。経団連の考え方としては、国が技術を全部取り上げるというやり方ではだめだと言うのですね。委託を受けてからの開発は国の金かもしれないが、委託を受ける前は企業の金でやってきたのだ、そういう基盤の上に委託があるのであるから、技術開発で秘密が保たれないとか、その成果をすべて国が取り上げるということでは決して進まない、こう主張されたのであります。この法案の作成過程で通産省に対してこの主張は強く言ってあると言っているのです。この点、政府はどう考えておられるのか伺いたい。
#320
○森山(信)政府委員 この機構で分担いたします業務は、再三当委員会でお答え申し上げましたとおり、資源の開発と技術の開発、これは特に企業化を促進する必要のあるものについての技術開発ということでございます。したがいまして、その前の段階において基礎研究が一つあるわけでございまして、その基礎研究がある程度目鼻がついたものを、特に企業化を促進する必要があると認めたものについて新機構に移すわけでございますから、その前の段階で、つまり基礎研究の段階ですでにある種の権利が発生したものを国が取り上げるということにつきましては、いささか問題があるのではないかということでございますが、少なくともその新機構に移った段階で開発されて発生いたします権利関係につきましては国のもの、これは国の税金をもってその技術開発をするわけでございますから、そのプロセスにおきます権利関係はこの機構に属するということを申し上げておるわけでございまして、恐らく経団連が先生に言われたと思われますことは、その機構に移る前の基礎研究の段階で発生した権利関係を全部国が取り上げるのはおかしいじゃないかということではないかと思いまして、その点につきましてはなるほどおっしゃることもごもっともかなという気がいたしますけれども、それをさらに発展させて出てまいります権利関係につきましてはあくまで国に帰属すべきである、こういうふうに考えております。
#321
○神崎委員 長官、もともと通産省当局の考えていた構想は、金も人も国が使う強力な公団構想であったのです。それに対して経団連が、民間の活力を使うことで簡素で効率的な機構にすべきだと批判、反対した、こういう経過があるのですね。
    〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕
いまそれまでの話だという話ですが、そういうニュアンスですが、そこで反対した経過がある。民間の力を評価せず、国がすべて取り込むやり方に経団連は反対したのです。今回の機構はいわば妥協の産物なんですよ、話の上の。したがって、官民一体となってこそ機能が果たせるようになっているというように言うのですが、民間の活力を使うことを強調して、そして官民一体を強調されておるのですが、その官民一体の本質的な中身は、この機構の業務を民間に委託する場合も民間企業側にメリットが残されていなければならない。この点でも経団連側の証言があります。すなわち委託を受けて開発研究する過程で新しい何かを開発し、それを企業化して民間企業が利益を得ることがあっても国は税金を取れる、だからそれでよいのではないか、こういう論理であります。また、民間企業から機構へ技術者が出向する場合も、出向するメリットが必要なのであります。民間企業が出資もし、技術者も出向させる、金も人も出す、そうして技術開発のうまみはすべて国のものになる、こんな仕組みの運営になるのであれば民間の協力は得られない、機構は機能しないだろう、このように向こうは明言をしております。これが経団連の論理であります。政府はこの過程でこれを承知しているはずなんです。この点は運用上の重要問題として残っているのだと経団連はまだ言っております。結局、経団連が要求するような運用をするのか、それとも技術の食い逃げを許さない運用をするのか、ここにいま大事な問題があるわけなんですね。こういう経過がずっと来たことを大臣は御承知ですか。
#322
○佐々木国務大臣 この機構が公団から第三セクターに性格を変える、そのやりとりの中で、正確には忘れましたけれどもそういう話があったことは事実でございます。
#323
○神崎委員 長官の意見はいかがですか。
#324
○森山(信)政府委員 経団連が主張しておると言われます点は、恐らくこういうことじゃないかと思うのです。つまり先ほどのお答えとも関連があるわけでございますけれども、新機構で技術開発をしたものがすべて新機構、つまり国の権利になりまして民間に全くその権利を渡さないということになりますと、その企業化がなかなか進まないのではないか。したがって、その点につきまして、開発されたものが実用化されるようなメカニズムをうまく考えてほしいということを主張しておるのではないか、こう思うわけでございます。その実用化を促進する考え方と、権利関係の帰属とはまた別の考え方でございまして、特定の権利関係を特定の企業だけに与えておくということになりますと、かえって経団連が言っておるだろうと思われます実用化の促進にもつながっていかないわけでございますから、その点の運営につきましては経団連も特定の企業に専属させることを主張しておるわけではなくて、広く民間にその実施権を移してほしいということへの主張につながっておるのではないかということでございまして、権利関係と実施権とはまた別個の問題だ、こういうふうに考えております。
#325
○神崎委員 時間が大分迫ってまいりましたが、私はこの点については重要な問題点が二つあると思うのです。一つは国の予算の不正使用などの新しいエネルギー汚職といいますか、これが生み出される可能性があるという点であります。二つ目には、技術が秘匿されていないかどうか、三つ目はその他の委託に係る事業が適正に行われているかどうか、国すなわち通産省と機構と会計検査院が委託先に立ち入り調査ができることが必要だ、こういうふうに思うのであります。不正使用などそういうことのないようにするとは言明されると思うのでありますけれども、それでは説得力がないと思う。実際の体制として未然防止の措置が必要であります。委託先への立ち入り調査権を法文上でも明記すべきではないのか、こういうふうに思いますが、この点どうでございましょうか。
    〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
#326
○尾島政府委員 機構が必要がある場合に一部を民間企業に委託しつつ、あくまでもみずからの責任を負いながら技術開発を進めることになっておりますけれども、個々の技術開発プロジェクトの進捗につきましては、委託部分があるときはそれを含めて機構全体がその管理、調整をしていく責任を有しておりまして、政府といたしましては、この機構への監督を厳重に公正に十分やっていくことによって、全体として整合性のとれた技術開発を推進していくことができるものと考えております。
#327
○神崎委員 それはさっき挙げた第一で、第二に、自民党政府のエネルギー政策の一貫した根本問題は、わが国のエネルギー産業を民間私企業にゆだねているということであります。石油、石炭、電力という国家的にどうしても欠かせない産業がもうからなければやらないという私企業体制になっておる。石油代替エネルギー産業はこれからの産業でしょうが、民間任せでは進まないと言って政府が乗り出したとは言え、リスクは国が負担、利益は大企業というのが今回の構想であります。石油代替エネルギーの企業化に成功したとしても、結局導入するかどうか、新エネルギーを量産するかどうかは、もうかるかもうからないかで決まります。従来と少しも変わっていません。この点も経団連は正直に語ってくれました。石油代替エネルギーの開発、導入はわれわれも取り組んでいる、政府の指導でやるのではなく市場メカニズムで決める、こう言っております。法律体系もそういうものになっていると私どもは解釈しております。
 今回の法律案は、きわめて重要な点が運用のさじかげんにかかっていたり欠落したりしているのであります。民間私企業任せのエネルギー体制について、いま一度検討する考えはないのかということを大臣に御意見を聞きたいと思います。
#328
○佐々木国務大臣 要するに研究開発にはいろいろな段階があるわけでございまして、原子力の例で言いますと、研究炉から実験炉と申しますか、原型炉あるいは実証炉、そうして実用炉という段階を経ていくわけでありまして、この機関は、その間において原型炉あるいは実証炉、実用の直前のその段階を担当するのが主任務であるということは、いままで担当官がるる申し述べたとおりでございますけれども、お話しのように、しからば実用炉というのは何だ、実証炉が済んでいよいよ実用に入った、実用に入ったということは、要するに民間でも企業がそれを引き取って、自分の企業として、自分の採算で自分のリスクでそれをやっていける段階に入ったということでございますので、その場合には民間にお任せするのがいまの資本主義のたてまえとしては当然ではなかろうかと考えます。
 ただ、それまで行く道行きとしては、民間だけでは進みませんから、国としてこういう機関をつくって、そうして民間にバトンタッチするというのがこの機関の使命だと考えまして、こういう機関なしにはなかなかそういう実用化段階に進まない、それを一日も早く進ませるというのにはやはりこういう機関をつくっていくのが一番いまの資本主義体制では必要な措置ではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。
#329
○神崎委員 時間が参りましたので、先ほどから質疑をしてまいりまして、この法律は、まだ国民的合意が十分に得られないところの原発建設を促進するということに対して法的根拠を与え、かつ大企業奉仕型、もうからなければやらない民間私企業任せだ、こういうエネルギー体制の新しい拡大である、私はこう思います。これはきわめて重要な問題点を持っておる、こういうことを明らかにしてまいりました。
 日本共産党・革新共同は、石油代替エネルギーの開発研究が真に国民的利益に沿って進められるようにならなければならない、こういう立場から、政府に先ほど申しましたような各点を深く検討していただきたい、このことを強く要求してとりあえずきょうの質問は終わります。ありがとうございました。
#330
○塩川委員長 これにて神崎敏雄君の質疑は終了いたします。
 引き続いて中井洽君の質疑に入ります。中井洽君。
#331
○中井委員 法案の中身に入ります前に一つだけ通産省にお尋ねをしたいと思います。
 現在、イランとアメリカとの緊張というものが大変な高まりを見せ、アメリカが新しい制裁措置に踏み切って、同盟国日本等にも同調を求めてきているわけであります。私どもとしてはアメリカに対する協調と、そしてイランとの友好、すなわち日本の必要とする石油の輸入というものが確保できていく、この二つの道が何とかバランスをとりながらやれていけば本当にいいことだ、このように考えておりますが、もしこの二つの道の選択というのでどちらかを選ばざるを得ない、こういう状況になって、そして日本もイランに対する制裁というものに加わったとして、イランは当然日本に対して石油の輸出というものをとめてこよう、このように思います。現今の日本の石油の備蓄量あるいは石油の輸入状態、そういったものを判断をしましたときに、イランからの石油がなくても大体一年ぐらい日本のエネルギー事情というものはあるいは国民生活の安定というものは十分図れていける、このようにお考えかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
#332
○佐々木国務大臣 先ほども、けさでございますか、お話し申し上げましたとおり、アメリカ側から申し入れがございました。その申し入れの内容は、繰り返すようではございますけれども、アメリカの今回とる措置、経過、それからいままでこの問題に関しまして日本が協力したことに対する感謝、そして三番目といたしましては、国連に決議案を出して通らなかった、しかしその決議案はそのままフルにこのたびは実施に移したいというのが言うなれば経済的な措置の全貌でありまして、加うるに、政治的な面といたしましては大使の召喚、すぐではないけれども、情勢によっては国交断絶というふうなことが望ましいという申し入れがございました。
 わが方といたしましては、もちろんイランの人質問題は、これは国際法上許すべからざるものでもございますし、基本的な国際社会秩序に対する脅威でもございますから、一日も早くこれを除去しなければならぬというその努力は当然すべきものだ、国際社会の一員としての責務だと考えておりますから、それに対しては、アメリカの今回とった措置も、いままで何遍となく国連を通じあるいはみずから試みたことでございますので理解できますが、しかしそれにどう対処をしたらよろしいかという問題に関しては慎重な配慮が必要なことは申すまでもございません。
 そこで、まずヨーロッパ諸国の態度というものが大変この問題を処理する上で重要な要素でもございますので、ヨーロッパ側の動向等を見きわめつつおりましたが、御承知のようにリスボンのECの外相会議で、人質問題をまず片づけるべきではないかということで、イラン政府に対してヨーロッパ九カ国と日本の大使とが一諸になりまして、十二日でございますか、イランの大統領に申し入れをして、いつどういう方法で人質を解放いたしますかという質問を出し、それに対するイラン側の見解を持ちまして、きょうイランを立ってくるはずでございます。イランの和田大使が日本に帰ってきますれば、これはもちろん大使の召喚という意味ではなくて、報告のための一時的な帰国であることは間違いございませんけれども、それによりましてイラン内の状況もある程度詳しく把握できましょうし、あるいはヨーロッパ側の大使と一緒に動いたわけですから、ヨーロッパ側の見解も相当明確につかめていくのではないかということ、それからもう一つは、この二十一日にECの外相会議をもう一度開きます。それと二十六、七だと思いましたが、ヨーロッパの首脳者の会合がこの問題に関してございます。その動き等も見定めた上、わが方といたしましては慎重な態度でこの問題に臨みたい。申すまでもなしに、いま申しましたような人質問題等を中心にするアメリカに対する態度というものは理解を示さなければいけませんし、そのための努力はできるだけしなければいけませんけれども、さらばといって経済問題になりますと、いままでずっと話し合いを進めて、アメリカ側の了承を得つつ、理解を得つつ進んでいる線もございますので、その線をさらにどの程度まで深めるかといったような新しい問題は、やはりヨーロッパの動き等を見定めた上で日本としては考えていくべきだと、こういうことでただいま進んでございます。
#333
○中井委員 そういう情勢はそのとおりであろうと思うのでありますが、私がお聞きをしたいのは、日本が一つの道を選択するときに判断の材料として、もしイランの石油がとまっても、いま日本の国民経済あるいは日本経済全体はイランの石油なしにやっていけるとお考えなのか、あるいはそれだけの備蓄があると御判断をなさっておるのか、その点だけをお尋ねしたいわけでございます。
#334
○佐々木国務大臣 そういう判断をこの国会の場で話すこと自体が大変な一つの問題でございますので、そういう研究はもちろん政府でございますからいろいろしてはおりますけれども、しかしそういう選択をする前に外交的な重要な解決を要する点がございますから、まずその方にかかっているのだ、こういうふうに御理解いただければありがたいと思います。
#335
○中井委員 それでは理解をいたしまして、法案の中身に移りたいと思います。
 この法案の問題は、供給目標をつくるという、ここにあろうかと私は思うのであります。石油代替エネルギーの供給目標をつくる場合に、やはり総合的なエネルギーの見通しというものをはっきりさしていかなければならぬ。それは結局どういう形でおつくりになるのか私どもわかりませんが、去年つくられた「長期エネルギー需給暫定見通し」、こういったものが基礎になろう、このように思いますし、また、その中でも昭和六十年度の輸入石油の量あるいは昭和六十五年度の輸入石油の量、こういったものがポイントとなっていく。その他の比率だとか量だとか、いろいろな変わりはあろうと思いますが、この六十年、六十五年の石油の輸入の量あるいはエネルギー全体に占める率というものはこの暫定見通しどおりだ、このように考えてよろしゅうございますか。
#336
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり、新法におきまして供給目標をつくる場合の前提条件といたしまして、「長期エネルギー需給暫定見通し」が一つのたたき台になるだろうというふうに考えております。そこで、いまお話しの輸入石油の量とエネルギーに占めます比率、これは一つの一定のものとしてとらまえたいというふうに考えております。
#337
○中井委員 もしこの暫定見通しとつくられた供給見通しが今後大きく違ってくるというようなことが数字的にあるとしたら、どういう要因が考えられますか。
#338
○森山(信)政府委員 いまお答え申し上げましたとおり、輸入石油の量が、現在国際的に合意されております線で計画を組んでおりますから、その前提が狂ってまいりますと、大きく変わってくるということになろうかと思います。
#339
○中井委員 この暫定見通しの中で、たとえば六十年に原子力が三千万キロワットである。これに対して、六十年少し達成できないのじゃないか、こういう質問があれば、去年の十二月に実は電気事業審議会で二千八百万キロワットから三千万キロワットが、大体二千八百万キロワットのところに近い線に何とかいけそうだ、こういうお話でございます。また、この法案の中にも、「通商産業大臣は、供給目標のうち原子力に係る部分については、内閣総理大臣の推進する原子力の開発及び利用に関する基本的な政策について十分な配慮を払わなければならない。」こうなっているわけであります。
 そこで、代替エネルギーの供給目標をおつくりになるけれども、その基礎にはやはり総合的なエネルギーの供給目標がなければならないと思うのであります。その場合の原子力の比率だとか原子力の量をどこで決めていくのか、お答えをいただきたいと思います。
#340
○佐々木国務大臣 希望の原子力の開発目標もできましょうし、それに対して、開発を担う電力会社等が具体的にどういう計画を持っているかという、いわば積み重ねていく行き方もございましょうし、そういうものを彼此あんばいし、あるいは立地の条件等も考えながら、可能性からいけばこのくらいだろうといって一応見通す見通し作業もございましょう。そうしたものを通産省としては当然この法案に基づきましてつくるわけでございますけれども、原子力に限りましては通産省がつくればそれでよろしいかといいますと、原子力委員会という国の機関がございまして、総理の諮問機関と申しますか、実質的には一つの決定権を持っておって、その決定を総理が尊重するというかっこうになっておりますから、原子力に限っては一つの特別の扱いといたしましてこれにかけまして、そしてその承認といいますか、認定を得た上で閣議決定に持ち込む、こういう手順を経るのがこれは一番よろしかろう、そういう手順を大体書いたものと思っております。
#341
○中井委員 先ほどお話がございましたように、供給目標のポイントとして、やはり六十五年には輸入石油の率を五〇%という形に持っていくのだ、これが大きなポイントであろうと思うのであります。これを達成するためには六十五年には原子力一〇・九%をどうしてもやっていかなければ、ほかのエネルギーというわけにもなかなかいかない、このように考えるわけであります。しかし、たとえばいままで、ここにありますが、昭和五十年に長期エネルギー需給計画がつくられておる。あるいは五十二年に暫定見通しがつくられておる。去年も暫定見通しがつくられておる。そのつくられているたびに、たとえば六十年度の計画をとっても原子力計画がだんだん下がってくる、数量的に下がってきているわけであります。要するに原子力発電がちっとも進んでいないということであろうかと思うのであります。先ほどから質疑を聞いておりますと、六十五年、いまのままでいったらとうてい量的なものを達成できない、こういうことであります。そういうことがわかっている段階でこれから供給目標をおつくりになる、今度供給目標をおつくりになられるときには、六十五年に達成できなくてもとにかく目標としてつくるのだ、こういうことなのか、あるいはこれだけはきちっとやりますという政府の責任を持った目標が出てくるのか、そこのところをお尋ねしたいと思います。この法案自体で、私は先ほど申し上げたようにこの供給目標を閣議決定してつくるのだ、ここに大きな意義があろうかと思うのであります。そのときに、代替エネルギーの量だけにしてもその底には原子力もあり輸入石油の問題もある。ところがその肝心の供給目標が十年たったら全然達成されない。そんなことでは十年たってもまだ国民はエネルギー不安におののかなければならない、このように考えるわけであります。そういった現実と目標というものをどのように合致させて供給目標をつくっていかれようとするのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
#342
○佐々木国務大臣 資本主義国の計画でございますから、社会主義諸国の計画とは違いまして、権力でこれを押し通すというわけにはまいりません。でございますから、これは一種の努力目標であることは間違いないのですけれども、閣議決定をいたすからにはそれを達成するための諸手段、たとえば財政とか金融とかあるいは税制とかあるいは法制的な裏づけとかいったような面に対しましては、当然いままでとは扱いが変わった強い順位を持ってくるものと思います。たとえば、道路五カ年計画とかいろんなそういうものがございますから、それと同じような重みを持ったものになっていくとは思いますけれども、さてしからば、予定どおりに何でいかぬのかという、いかぬいまの理由は立地の問題にあるのでございまして、これだけは言うなればほかのフランスとかソ連のように、立地問題に対してはほとんど障害がない、計画どおり進みますというのであれば、日本もはるかにいまよりももっと計画が進んでおったに違いございません。しかし、いかんせん立地の面ではなかなか問題が複雑で思うように進まないということで、いままでの計画がスローダウンしていくことは事実でございます。
 さらばと言って、それでは全然進まないのかというと、そうではなくて建設中のものもどんどんできていくでしょうし、計画中のものも実施に入っていくという段階を経ているわけで、フランスなどの例を見ますとテンポを非常に速めてどんどん計画が進んでいくわけですけれども、日本は残念ながら計画がスローダウンしていくという、その主たる原因はそこに問題があるわけで、もしエネルギーの問題の重要性をみんなが認識して、これはひとつみんなで力を合わせてやるべきだと国論が統一して、原子力発電は大いにやるべきだというふうに各党とも力を合わせてやってくだされば必ず進むに違いございません。そういう時代の来ることを念願して、いまの一番の原子力発電の進まない主な原因はそこにあるのだということをここで申し上げておきたいと思います。でございますから、計画の本質は努力目標には違いないのですけれども、できればそういう政治勢力等が結集して、これに向かって計画として進めたいものだというふうに希望したいと思います。
#343
○中井委員 おっしゃるとおりだと思うのでありますが、しかし立地の問題をいまのようにほっておいて、そして反対者が多いからだ、安全の合意がとれていないからだという形で、仕方がないでやってくれば、毎年毎年同じことを議論しなければならないし、毎年毎年エネルギーについて不安を抱かなければならないわけであります。安全性の合意を取りつけるために政府みずからもっと思い切った努力をすべきだし、もっと発言すべきだ。そして立地でいろいろと困っている点についても、国が後ろから金だけ出すから地方自治体がおやりなさいあるいは電力会社がおやりなさいということだけではなしに、国がもっと矢面に立って思い切ってやっていかなければ、原子力発電の計画だって幾らつくったって達成できないですよ。私はそのように思います。どうぞそういった意味で大臣のお考えをもう一度いただきたいと思います。
#344
○佐々木国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。私どももそれは万難を排して計画は進めたいということでやっておりますけれども、まだまだ力も足らぬし、配慮の周到でない点もたくさんあると思いますが、皆様の御支持、御注意をいただきまして進めていきたいと思います。
#345
○中井委員 次に移ります。
 先ほどの質疑の中で、この供給目標というのは、大体十年くらい単位に考えていくのだ、こういうことでございました。十年先のいわゆる輸入石油の量等が決まるというようなこともあろうかと思いますが、政府自体が、たとえば経済政策あるいは経済成長、そういったことを長期的な見通しで立てていくときに、いま持っておられるのは大体七年くらいの計画じゃないか、このように思うわけであります。そういうもっと先の国民全体のエネルギーというものをどういうふうに計算をしていくのか、あるいはどういうふうに枠をはめていこうとしているのか、あるいは何を数値の単位として計算をしていこう、そういう形で十年という単位をつくっていこうとされているのか、その点をお尋ねをいたします。
#346
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり、国の総合的な経済社会政策という観点に立ちますと、いま経済社会七カ年計画があるわけでございまして、私どもがエネルギーサイドの計画をつくります際に、国の総合的な計画はフレームワークとして出てくることは当然でございます。ところが、代替エネルギーの開発という観点に立ちますと、どうしても中長期の立場に立たざるを得ないということでございまして、できれば十五年、二十年先を見通したことをやりたいわけでございますが、そうなりますと七年間の計画と余りにも乖離が大き過ぎるということで、その中間をとって十年ぐらいの見通しをつくりたいということでございまして、もちろんフレームワークとしての経済成長率あるいはもう一つの予見といたしましての輸入石油の制限の問題、こういう観点から考えますと、十年ぐらいの期間が最もふさわしいのではないかという一応の結論を出して、そういう判断をしたということでございます。
#347
○中井委員 逆に、たとえばこの新機構の中に盛られております幾つかのプロジェクト、企業化を促進するためのプロジェクト、そういったものに対して、変な意味じゃなしに十年間の枠をはめるとか、十年あるからゆっくりやれとか、そういうことではないでしょうね。
#348
○森山(信)政府委員 十年という期間は長いようで非常に短いと思いますし、また、短いようで長いということもございます。物によって大分違ってくると思いますけれども、やはりそれぞれの対応に応じた供給目標と開発目標ということを考えまして、一応十年間ということを考えたわけでございますけれども、十年で打ち切りということではなくて、今後十年、二十年、三十年と続いていく過程の十年間というふうに私どもは理解をしておきたい、こういうふうに考えております。
#349
○中井委員 少しもとへ戻りますが、先ほどの原子力と同じような観点でお尋ねをしたいのです。
 公明党の中川先生の御質疑にも出てまいりましたが、たとえば昭和六十年に海外炭に一三・六%頼っていくのだ、六十五年には一五・六%頼っていくのだ、こういうことでございます。六十年の一億百万トンというのは、全世界の石炭の貿易の半分だ、こういうお話でございました。本当に日本一国で、そのときに貿易量がどうなっているかわかりませんが、全世界の石炭の貿易量の半分というものを買い取ることができるのか、あるいはそんなに買い取っていいものかどうか、私はこのことを非常に心配するわけであります。何か日本だけが世界じゅうの資源をどんどん使えるのだという発想のもとに計画がつくられておる、そう思えてならないわけであります。そういったことに対する対策あるいはそういう危惧に対して、そういうことは心配要らないのだ、そういった確たる御答弁というものをいただきたいと思います。
#350
○佐々木国務大臣 そういう多量の石炭を海外から輸入する場合あるいは海外に出てまいりまして液化事業等を行う場合、いろいろございますけれども、いずれにしても大変な量の輸入になるわけでございますから、仕分けをするセンター等をどこに置くか、あるいは港湾その他の設備をどこにするか、大変重要な問題でございます。また、環境問題等もございますから、それはおっしゃるようにいろんな細かいと申しますか、細部にわたった周到な配慮が必要なことは事実でございます。世界の全貿易量の半分の石炭をということですから、大変なことだと思います。しかし私に言わしめれば、日本ではかって五千万トン石炭を出しておったのですけれども、これを原子力で、純粋天然ウランでやればどのぐらいの量かと申しますと、五千万トンに相当するのは一立方メートルのボリュームのウラニウムで足りるのです、これは。ですから港湾も別に直す必要もなし、やろうと思えば技術もございますからできるのですけれども、さっき申しましたように、油がだんだん危なくなってくる、原子力も反対が多くてどうにもならぬ。これはやはりそれじゃ石炭をという、特にいま申しましたように苦しくともそれを進めざるを得ないというところに日本のエネルギー政策の悲劇があるんじゃないかと思います。しかし、私どもはそれにひるんでおってはいけませんので、それに対する万全の手配をしながら進みたいという覚悟でございます。
#351
○中井委員 いまの御答弁は、大臣個人としては原子力をもっと伸ばせるものなら伸ばしていきたいのだ、そうして原子力を石油にかわる代替エネルギーの中心に置いて日本のエネルギーというものを確保していきたいのだ、このようにお考えになっておられる、しかしいろいろな事情で原子力というものが思うように進まない、したがって石炭もずいぶん無理しなければならないのだ、こういう御答弁のように理解をするのですが、それでよろしゅうございますか。
#352
○佐々木国務大臣 ちょうど日本のエネルギー事情はフランスと非常によく似ておりまして、自国には何ら主なエネルギー資源というものはないのです。そのフランスはいまどういう状況かと申しますと、何遍も繰り返すようですけれども、五年後には全発電量の半分は原子力、十年後には三分の二、残りは石炭で、こういうことで着々とやっておるわけですから、日本もできればそういう方向が望ましいのじゃないかと思うのですけれども、しかし、フランスと日本の違うところは、繰り返すようですけれどもあるわけでございますから、やはりできないものはできないわけでございますので、努力はしつつも石炭におんぶするものは石炭におんぶするという方向に行かざるを得ないと思っております。
#353
○中井委員 しかし、石炭に頼ると言いましても、フランスなんか自分の国の石炭でやっていけるわけでありますし、ドイツだって自分の国に石炭があります。日本は国内炭も余りないわけでありますから、大変むずかしいことだろうと私は思います。
 それで、輸入をそういうふうに五〇%もやるんだと日本だけ言っても、世界の国が石油を節約しよう、石油がなくなっていくんだ、高くなってくるんだ、それじゃやはり石炭だということで世界じゅうが石炭というものに目をつけていく中で、半分の量の確保ということは大変なことだと思うのです。したがって、そういう御努力もいただくと同時に、原子力をやはりもっともっとスピードアップしてやっていただく。政府の最大限の御努力をお願いをして次の問題に移りたいと思います。
 同じく過日の委員会でも少し質問させていただいたわけでありますが、地熱に対して原子力や海外炭ほど大きな比率を持たせておりませんけれども、量的には六十五年度ぐらいまでにかなり伸ばしていくんだ、こういう計画のようでございます。しかし、これまたいろいろと御議論がありますように、環境問題でこの計画どおりいくのかどうか、非常に私たちは危惧をいたしておるわけであります。
 そこで、その観点から幾つか御質問を申し上げますが、昭和四十七年の三月に、環境庁の自然保護局長と通産省の公益事業局長の間で「国立公園及び国定公園内における地熱発電の開発に関する了解事項」というものがつくられております。これはこのまま現在もそのとおり生きておる、このように理解をしていいのかどうか、これが一つ。
 それから、昭和四十八年以降オイルショック等が起こって、その他のエネルギーの開発ということについて国は早急に対策あるいは処置をしていかなければならなくなって、環境庁との間にこの了解事項に対してどういうふうにしてくれ、あるいはここを変えてくれというふうな話し合いをしたことがあるのかどうか、この二点について御答弁をお願いします。
#354
○安田(佳)政府委員 わが国では地熱の有望地点が、その多くが国立、国定公園内に含まれております関係上、環境庁といたしましても地熱の開発につきましては相当気を使っておりまして、仰せのような事実があったわけでございます。しかし、最近におきましては、四十八年以来のエネルギーの状況の変化がございましたし、他方、地熱開発に当たりましてのいろいろな技術開発についても進歩がございました。砒素とか硫化水素ガスとかそういったような問題の処理あるいは自然景観の保全についてもいろいろな新しい技術も出てきているところでございます。したがいまして、そういう事実を踏まえまして、そして私どもといたしましては個別の地点ごとに事前に環境に関します調査を行いまして、景観との調和、保全等に十分配慮いたしまして、そしてそういうことを踏まえた上で環境庁とも協議を行いながら、可能な地域からケース・バイ・ケースで開発を進めたいということで環境庁とも話をしているところでございます。
#355
○中井委員 私の質問の仕方が悪いですか。あなた、私の質問の仕方は悪いですか。これは生きているのですかと聞いているのです。それから四十八年以降どんな話し合いをしたのですか、これを二つ聞いているだけです。そんな精神的なことを聞いていないです。
#356
○安田(佳)政府委員 先生御指摘のようなそういう話し合いは現在も残っているところでございますが、それにつきましてはいまお答え申し上げましたように、ケース・バイ・ケースでいろいろと話し合いをしているというような状況でございます。
#357
○森山(信)政府委員 四十七年当時に結びました覚書はまだ生きているというふうに考えております。ただし、その趣旨はケース・バイ・ケースで運用するというふうに私どもは了解いたしておりますから、六地点に限定されることなく、本来覚書を結びました趣旨にもとることがなければ新たなる開発は可能ではないかという考え方を通産省は持っておるということでございます。
#358
○中井委員 私、公害委員会にも所属しておりますので、また金曜日に公害委員会でやろうと思うのでありますが、たとえば今度の新機構ができたとして、立地担当される人が七人か何か置かれるのですか。これは地熱対策用でございましょう。環境庁と話ができればいいわけでしょう。違うのですか。そういうことではないのですか。質問がちょっと飛びますけれども、その点ちょっとお尋ねいたします。
#359
○森山(信)政府委員 立地対策室に予定されております人間は地熱だけではございませんで、そのほかの、たとえばパイロットプラントをどこに置くかというようなことを含めました総合的な立地対策を推進するということで考えておるわけでございます。
#360
○中井委員 それでは四十八年以降、この覚書に書かれておる六カ所以外で、具体的にどことどこで環境庁と話し合いになってどういう結果になっているか、御報告いただきたいと思います。
#361
○安田(佳)政府委員 六地域以外ではございませんが、葛根田につきまして、新たなる第二期の問題につきましていろいろ話をしているところでございます。また、六地域以外でございますが、熊本あるいは鹿児島、宮崎等におきましてすでに開発計画中のものもございますれば、調査につきましてやっと調整が終わりまして調査を行っておるというような地点もございます。
#362
○中井委員 私が申し上げておるのは、この了解事項が生きておって、そして通産省の方は個別にケース・バイ・ケースでやっていく、こうおっしゃるけれども、公害の委員会なんかの議論ではそんな答え出てこないですよ。私が心配をしておるのは、こういう四十七年の了解事項というものをそのまま、いまのいろいろな情勢あるいは公益事業部長がおっしゃった技術的な開発が進んだ、そういったことを加味して環境庁とエネルギー政策上必要だということでもっと早くから話し合いをしていなければ、こんな計画を幾らつくったって、いざやろうと言ったってできやしないですよということを申し上げているわけであります。国がこのごろになって急にエネルギー元年だとか言ってこういう機構をつくられる、それはそれで結構だけれども、要するにこの地熱開発の問題一つをとっても、昭和四十八年のあの大変なオイルショックの後何一つ対策をされていない。あるいは原子力の問題だって本当に国民のエネルギーあるいは日本経済のエネルギーということを考えてぴしっと進めていない。したがって、いま五十五年になってあわててこういう対策をつくらなければならない、こういうことではないでしょうか。そういった意味でもっと通産当局は――環境問題は環境問題であたりまえであります。大事であります。しかし政府当局同士であります。話し合えば幾らでも了解点には達すると思うのであります。もっと早期にこういう新たな了解事項というものをつくり上げていただきたい、あるいはまたこれからいろいろな計画等をおつくりになる、それはそれで先ほども申し上げたように結構でありますが、また何年かたったらエネルギー元年というのでやり直しをしなければならない、そういったことが二度とないように、大臣、いままでの反省を含めてこれから原子力あるいは石炭、地熱、そういった総合的なものをきちっと決めたらやるんだ、そういう御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#363
○佐々木国務大臣 地熱発電の最近の状況、私まだつまびらかに把握しておりませんので恐縮ですけれども、私はまだ大臣になる直前まで自民党の地熱開発の議員連盟の会長をやっておりまして、ただいま進めておる範囲では、私の知っておる範囲ではアメリカのガイザーの技術を導入いたしまして、空中から日本でどういう地帯、どういう地点が地熱開発の地点としてふさわしいか、その調査をオーバーオールにやっておる最中でございまして、調査の結果をまだ私知りませんけれども、去年夏アメリカに参りましてガイザーの会社の担当技師に聞いたところでは、大変有望地点がふえていますと、私数字をちょっと忘れましたが、要するに大変ふえています。でございますから、その地点地点を洗ってまいりますれば必ずしも国立公園に限られるということではなしに、まだまだ地点はあると思います。
 それからもう一つは、いままでのような浅いところじゃなくて、深部、三千メートルの深いところにおきますればさらに熱量の多いのを取り出せますから、自然発電量も大きくなるということで、そういう地点も兼ね合わせましていろいろアメリカでディスカッションしてみますと、非常に有望だという判断でございまして、わが資源エネルギー庁の担当官同士でどういう判断をしているか、まだ聞いておりませんけれども、私の申し上げている趣旨は決して架空なものでもなしに、やろうと思えば可能な趣旨ではなかろうかというふうに考えてございます。
 それから、原子力とか石炭の問題などお話しのようにたくさん問題がございます。問題の所在がわかっていながらその解決がまだできないという大変つらいいまの政治情勢と申しますか、政治力と申しますかでございますので、今後もひとつ隘路を打開するように、役所はもちろんでございますけれども、党の力もかりまして進めてみたいと思っております。
#364
○中井委員 それから、次に移らしていただきますが、その前に私も実は葛根田も松川も視察に行ってございます。大変環境問題むずかしい中で非常にいい形でおやりをいただいておると喜んでおるわけでございます。どうぞ環境庁と十分な話し合いの中で、計画どおりの地熱発電というものが、地熱のエネルギーというものが利用できるように進めていただきたい、このことを重ねてお願いを申し上げておきます。
 次に、先ほどこれまた議論があったと思うのでありますが、大変新機構の財源ということが複雑な形になっております。私どもの党もこの法案そのものに別に反対をしているわけではございませんが、実は税の制度のあり方に非常に異論がございまして、いまだにこの法案に賛成するのかどうか決めかねている実は状態でございます。先ほど御議論のあったことを繰り返すつもりはさらさらございませんが、エネ庁長官は、目的税として消費者からその分を御負担いただくのがいいじゃないか、こういう形でございます。私どもは石油税から一般会計へ一千数百億、一時流用という形で言われてはおりますが、入っておる。その分と言いますか、それなら一般会計から、国のエネルギー対策という重要な政策目標を達成する財源なんだから出してもいいじゃないか、このことを強く主張しているわけであります。その点についてエネ庁長官のお考えをもう一度お尋ねをいたします。
#365
○森山(信)政府委員 御指摘のとおりエネルギー政策を進めます際に、目的税でやるか一般財源でやるかということは一つの議論の分かれるところではないかと思います。一般財源でエネルギー対策を推進すべしという御主張も私は十分理解できると思うわけでございますけれども、新たなる観点でエネルギー政策に取り組む場合に、今回のように代替エネルギーの開発という特定の目的がございます場合には、その特定の目的の利益を享受する方、つまり受益者に負担していただくのが普通の税負担の公平の原則からいいまして当然のことではなかろうかということを考えまして、石油と電力にその御負担をお願いするということをお願いしているわけでございまして、いま御指摘の点は、石油税は財源が少し余って一般会計に一時流用して、将来石油対策に使うとしてもしばらくの間は一般会計にあるんだから、その分を電源開発税のかわりに回したらどうだという御指摘ではなかろうかと思う次第でございますけれども、これはもとをただしますと、石油税ということで国民の……(中井委員「そうではなくて、一般会計からどうだということです」と呼ぶ)一般会計につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり目的税の趣旨からいってちょっと私どもは違う考え方を持っているということでございます。
#366
○中井委員 このごろ何か議論を聞いていますと、目的税目的税ということで、盛んにほかの委員会等でも出てまいりますし、余り目的税をどんどんふやしていくと、国は何のために税金取っているのかわかりませんし、税の体制そのものを目的税を主体とした税体制に変えた方が早いじゃないか、こんなふうに思える議論さえあるわけであります。実は過日この委員会で私どもの党の横手文雄君が、電気税を五%から三%に下げろ、こういうふうに質問をしたときに、自治省の課長が地方自治体の電気代も上がっていますという答弁をしたのであります。それでは電気税というのは地方自治体の電気代を払うための目的税か、変な言いがかりでありますが、こういうふうに私どもは言いたくなるわけであります。それで、これからもたくさん問題が出てこようと思うのでありますが、エネ庁長官としてエネルギー対策のお金をどの部門とどの部門に一般財源として一般会計から出すべきだ、そしてこういうことに関しては今後とも目的税という形で新しく取るのだ、この区別をきちっと明確にしていただきたいと思います。
#367
○森山(信)政府委員 エネルギー対策の中で一般財源に期待すべき分野は、まだ実用化の段階ではなくて基礎的な研究段階であって、それをどういうふうに利益として国民の方が享受するかわからない分野につきましては、これは一般財源で賄うのが筋ではなかろうかと私は思うわけでございます。しかしながら、ある程度実用化の初期の段階になりました場合には、それに対する投資がはっきりいたしておりますので、いわゆる受益者というものがはっきりしてくる段階からは、目的税で使わせていただくのがよろしいのではないかというような基本的な考え方を持っております。
#368
○中井委員 エネ庁長官のお答えというのは、税の仕組みからして目的税というものはこういうものに使うのだという形での御答弁ではないと私は思うのであります。大体通産あるいは資源エネルギー庁等は、これからのエネルギーの財源として、そういう形でほぼ区別をしていくのだということだろうと思います。それを目的税だ目的税だ、こういう形でおっしゃる。私から言わせれば、少し勉強不足かもしれませんが、企業化を図るということであるならば、何年で企業化をいたします、幾らで企業化をいたしますとはっきりと明言すべきじゃないでしょうか。この点はどうですか。
#369
○森山(信)政府委員 代替エネルギーの開発の中には懐妊期間の長いものもいろいろございます。先ほど来御指摘のございました原子力等は相当な懐妊期間があるわけでございますが、その他の代替エネルギーにつきましても、たとえば石炭液化のようにある程度開発のめどがつきましても、本当に実用に供されるのには十年くらいかかるというものもございますし、その期間が半分くらいで済むものもあろうと思いますので、一概に実用化といっても、何年くらいで実用化すべしということの線はなかなか引きにくい。ただ、一般論として申し上げますと、私どもがただいま御審議いただいております新エネルギー開発機構は、その実用化のテンポを早めるためのファンクションを与えていただきたい、こういうふうに考えておりますので、幸いにいたしまして新機構の設立をお認めいただきましたならば、できるだけ早く実用化を促進するように努めてまいりたいというふうに考えております。
#370
○中井委員 先ほどの大臣の御答弁の中で、代替エネルギーの開発を、十年間でこの法案でもって約一兆五千億くらい確保できるから大体それでいけるのだ、こういう御答弁があったように思うわけであります。大体一兆五千億くらいの財源を十年間で確保した、それはそれで結構でありますが、それではその十年間でいわゆる地熱の問題、太陽熱の問題、そういったものは企業化を必ずしていけるのだ、こういうことをお約束いただけますか。
#371
○佐々木国務大臣 研究開発の問題でございますので、確実に十年後にはどのぐらいというのは、いまにわかに判断するのはむずかしいのでございますけれども、しかし年度別に今後の開発の状況を勘案して仕組んでまいりますればはっきりした見通しというのが立ってくると思いますので、それが立った暁には必ずそういうふうにするのが基本でございますから、努力いたしたいと思います。
 それから、お話でございますけれども、私も長い間この種の問題を扱った一人でございますが、えてしていまの財政の仕組みは年度財政でございまして、一年限りでございます。この不況によりまして、あるいは緊縮財政等の声が出ますれば、この種の長期の計画というものは、特に研究開発というような部門にいたしますと、順位といたしましては必ずしも高いとは言えない危険を持っておりますので、長期に安定して開発をやっていくとすれば、この種の財源を特別に確保していくということは大変重要なことだと考えます。
#372
○中井委員 大臣のお考えもそのとおりであろうと思うのでありますが、私どもは、逆の立場からいくと十年間で一兆五千億なら一兆五千億という金額を限ってしまう、そうするとその金額の範囲でしかできないのじゃないか、こういう危険性を感じるわけであります。えてして国のやる事業といいますのは、これは事業を直接やるわけではありませんが、成田空港のようにむちゃくちゃに高くなるのが通例でございまして、お金が足りなくなるのではないか。十年間の一兆数千億のお金ですら、石炭の液化問題あるいは地熱の問題が解決するかどうかという危惧の念を私どもは抱いているわけであります。そういったときの財源対策、そのときには一般会計から財源を出していくのかあるいはこの特会を続けてやっていくのか、そこのところのお考えをもう少しお聞かせいただけませんか。
#373
○佐々木国務大臣 石油税に関しましては、お話しのようにいま使えないものは一般会計に貸しておきまして、必要な場合は取り出せるという組み立てに法律はなっておりますので、その点では問題ないと思います。
 二番目の電源開発の資金のことですけれども、いまの値上げで大体いけるのではないかと私は考えておりますけれども、もし十年間の途中でこれでは足らぬというふうな事態が来るのであればまことにこれは喜ばしい話でございまして、そのときには国を挙げてそれではというふうになるのではないかと思います。
#374
○中井委員 それでは時間がありませんので、次の機構の問題に入ります。また後刻時間をいただけたら財源のことについて質問をしたいと思います。
 そういう形で財源を切られ、ある程度緊急の対策をやらなければならないこの機構が、石炭鉱業合理化事業団と一緒にやる理由はわかります。私どもも行政改革をやれ、行政整理をやれと言っておるわけでありますから理由はわかりますが、幾ら御説明を聞こうと、余りにも違うものがくっつき合っておる。そして新機構が三百三十七人の人数で発足をされるようでありますが、石炭の事業本部の方を見ますと百九十一人、経理部十五人、総務部二十九人、そこに企画、業務の二十五人を足したら、これは石炭事業団の人たちの人数じゃないかと私は思うのであります。
 そこで一つ聞きたいのは、石炭鉱業合理化事業団の方々は全員首切られずにここにお移りになるのでしょうか、このことが一つであります。それからもう一つは、往々にしてこの新機構があちこちでいわゆる頭脳の役を果たすのだ、あるいは中核的な機能を果たすのだ、こういうことでありますが、私どもは、限られた財源で早急にやり遂げなければならないというときには、国は方向とお金だけを出すことを決めて、もっとコンパクトなものにする。そして、方向と財源だけを与えて思い切って民間に任せてしまう、それの方が有意義に機能するのではないか、このように考えております。もちろん委員会か何かをつくって大いに民間の活力を利用します、あるいはこの研究グループの中へも民間の活力を利用します、こうおっしゃるけれども、逆に国が金と方向だけを与えて思い切って民間にやらせてしまう、そして民間に企業化を督促する、これの方がすっきりする、このように私どもは考えるのでありますが、そういった考えも含めて通産省のこの新しい機構に対するお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
#375
○森山(信)政府委員 まず第一点の石炭鉱業合理化事業団の現在働いております人間の配置の問題からお答え申し上げますと、新しい組織になりました場合に石炭鉱業合理化事業本部という制度を考えておりまして、定員といたしましては百九十一名考えておるわけでございます。現在役員を除きまして約二百六十名の定員がおりますから、相当大幅な削減ということにならざるを得ないと思います。その大幅な削減と申しますのは、新しい機構の分への振りかえということを考えておりまして、合理化事業団そのものの定数の削減、実員の削減ということは考えていないわけでございます。つまり、新機構をつくりましても既存のもののやりくりで、できるだけ人間の数をふやしていくことを避けたいというふうなことを基準にして考えておるということでございます。
 それから、第二点の御質問でございます新しい事業団の業務の内容につきまして、こういう新しい組織をつくらずに、特定のところに金と方針を決めてやらせた方がいいのではないかという御指摘でございますけれども、確かにそういった面でかえって民間の活力が生かされて成功する例もあろうかと思います。しかしながら、けさほどの質問にもございましたように、特定のものだけが先行いたしまして、また余り採算の合わないものが先行しないというようなことになりましても困りますし、代替エネルギーの開発はやはり整合性をとって開発が進められなければならないということでございますので、ここに一つ中核的な組織がございまして、そこで整合性を保ちながら技術開発を行い、企業化の促進を図っていく、こういう考え方がぜひ必要なのではないだろうか。従来は特定のところへそれぞれ資金を流しまして代替エネルギーの開発をお願いしておったわけでございますが、余りにもテンポがのろ過ぎる。いまの世界の石油情勢からいいまして、ゆっくりした開発ではとても間に合わないという私どもは一つの焦りがございますから、できるだけ早く代替エネルギーの開発をやるために中核的な組織をつくっていただいて、そこで傾斜的にそういった代替エネルギーの開発を促進するという機能をぜひ与えさせていただきたいというのがいま御審議いただいているゆえんでございます。
#376
○中井委員 よくわかりますが、いままでおくれてきたのは金のつぎ込み方が足りないからだ、こういう理屈もあるわけでございますし、本当に中核的なものとして有意義に、また有効に機能さそうと思えば、たとえばこの技術開発本部の上に何人か別の人をくっつけて、これだけ独立させた方が私はよほど有効に作用すると思うのであります。石炭の人が何も働かぬというわけじゃないですけれども、ここの人が全部総務に行って、経理に行って、そして新エネルギーの問題もやるのだといったってなかなか処理できない、私はこのように考えるわけでございます。石炭の方で数を減らすとおっしゃるけれども、実際何も減っておらぬわけであります。そういったことを考えると、私どもの党でも大いに議論のあるところでございまして、別の形でもっと機敏に動ける体制をつくっておやりになった方が私どもは代替エネルギーのいわゆる企業化あるいは開発促進、こういったことに有効ではないか、このように考えているわけであります。その点を特に申し上げておきます。
 また次の機会に質問する時間がございましたらこの点を質問させていただくことをお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#377
○塩川委員長 これにて中井洽君の質疑は終わります。
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#378
○塩川委員長 参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 先ほどの理事会で御協議願いましたとおり、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案審査のため、来る二十二日の商工委員会石炭対策特別委員会連合審査会に参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#379
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 この際、お知らせいたします。
 本案についての石炭対策特別委員会との連合審査会は、明十六日、明後十七日及び来る二十二日に開会いたしますので、御承知おきお願いいたします。
 なお、委員会は来る十八日午前十時三十分より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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