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1979/02/06 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 農林水産委員会 第2号
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1979/02/06 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第091回国会 農林水産委員会 第2号
昭和五十五年二月六日(水曜日)
    正午開議
 出席委員
   委員長 内海 英男君
   理事 片岡 清一君 理事 津島 雄二君
   理事 羽田  孜君 理事 山崎平八郎君
   理事 柴田 健治君 理事 芳賀  貢君
   理事 和田 一郎君 理事 津川 武一君
   理事 稲富 稜人君
      小里 貞利君    菊池福治郎君
      久野 忠治君    近藤 元次君
      佐藤 信二君    菅波  茂君
      田名部匡省君    高橋 辰夫君
      西田  司君    福島 譲二君
      保利 耕輔君    渡辺 省一君
      小川 国彦君    角屋堅次郎君
      新村 源雄君    馬場  昇君
      細谷 昭雄君    本郷 公威君
      権藤 恒夫君    瀬野栄次郎君
      武田 一夫君    中川利三郎君
      中林 佳子君    近藤  豊君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  武藤 嘉文君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       近藤 鉄雄君
        農林水産大臣官
        房長      渡邊 五郎君
        農林水産大臣官
        房技術審議官  松山 良三君
        農林水産大臣官
        房審議官    塚田  実君
        農林水産大臣官
        房予算課長   田中 宏尚君
        農林水産省構造
        改善局長    杉山 克己君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    二瓶  博君
        農林水産省畜産
        局長      犬伏 孝治君
        農林水産省食品
        流通局長    森実 孝郎君
        農林水産技術会
        議事務局長   川嶋 良一君
        食糧庁長官   松本 作衞君
        林野庁長官   須藤 徹男君
        林野庁次長   小島 和義君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長    小沼  勇君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十二日
 辞任         補欠選任
  小川 国彦君     上田  哲君
同日
 辞任         補欠選任
  上田  哲君     小川 国彦君
同月三十日
 辞任         補欠選任
  玉沢徳一郎君     根本龍太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  根本龍太郎君     玉沢徳一郎君
二月二日
辞任          補欠選任
  小里 貞利君     江崎 真澄君
  田名部匡省君     奥野 誠亮君
  高橋 辰夫君     海部 俊樹君
  玉沢徳一郎君     小山 長規君
  保利 耕輔君     塩崎  潤君
  堀之内久男君     藤尾 正行君
同日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     小里 貞利君
  奥野 誠亮君     田名部匡省君
  海部 俊樹君     高橋 辰夫君
  小山 長規君     玉沢徳一郎君
  塩崎  潤君     保利 耕輔君
  藤尾 正行君     堀之内久男君
同月四日
 辞任         補欠選任
  細谷 昭雄君     川崎 寛治君
同日
 辞任         補欠選任
  川崎 寛治君     細谷 昭雄君
    ―――――――――――――
一月十四日
 農林年金制度の改悪反対等に関する請願外一件
 (角屋堅次郎君紹介)(第二二号)
 同(日野市朗君紹介)(第二三号)
 農業関連行政組織の拡充強化に関する請願(高
 沢寅男君紹介)(第二四号)
 屋久島の原生林保護及び国有林経営に関する請
 願(田中昭二君紹介)(第一五九号)
同月三十一日
 農業関連行政組織の拡充強化に関する請願(岩
 佐恵美君紹介)(第四八四号)
 同(工藤晃君紹介)(第四八五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
一月三十日
 農業基本政策の確立に関する陳情書(群馬県利
 根郡月夜野町議会議長増田多兵衛)(第三九号)
 農業委員会等組織の拡充強化に関する陳情書
 (大阪市東区馬場町三の三五大阪府農業会議代
 表置田忠義)(第四〇号)
 農業改良普及事業の拡充に関する陳情書外七件
(愛知県議会議長吉川博外七名)(第四一号)
 米作の自主減反及び転作条件の整備等に関する
 陳情書外一件(大町市議会議長荒木荒重外一名)
 (第四二号)
 都市農政の確立に関する陳情書(大阪市東区馬
 場町三の三五大阪府農業会議代表置田忠義)(第
 四三号)
 水田利用再編対策等に関する陳情書外一件(愛
 知県議会議長吉川博外一名)(第四四号)
 養蚕振興対策に関する陳情書(関東一都九県議
 会議長会代表東京都議会議長高橋一郎外九名)
 (第四五号)
 豚肉の需給調整及び価格安定に関する陳情書
 (関東一都九県議会議長会代表東京都議会議長
 高橋一郎外九名)(第四六号)
 国産乳製品市場の拡大及び価格安定対策に関す
 る陳情書(宮城県議会議長星長治)(第四七号)
 マツクイムシ防除事業に関する陳情書(中国五
 県議会正副議長会議代表岡山県議会議長元浜貫
 一外四名)(第四八号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(農林水産業の基
 本施策等)
     ――――◇―――――
#2
○内海委員長 これより会議を開きます。農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、武藤農林水産大臣から農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。武藤農林水産大臣。
#3
○武藤国務大臣 農林水産委員会を開催していただきまして、この機会に私の所信の一端を申し述べさしていただきます。
 本年は、一九八〇年代という新しい時代の幕あけの年であります。
 私は、八〇年代は、資源エネルギーの制約を初め、高齢化社会の到来、ゆとりと生きがいを求める国民意識の変化、さらに、農林水産物の需給動向など内外の経済情勢や社会環境が変化する中にあって、農林水産業にとりましても、長期的視点に立って、これらの情勢変化に対応する新しい発展を図るべききわめて重大な時期であると思います。
 申すまでもなく、農林水産業は、国民生活の安全保障にとって最も基礎的な食糧の安定供給という重要な使命を担うとともに、限りある国土及び自然を保全し、健全で活力ある地域社会の形成に資するという役割りを果たしております。
 したがって、私は、このような役割りを担う農林水産業の健全な発展なくして、わが国経済社会の調和ある発展はあり得ないと考えております。
 他方、わが国経済の基調が安定成長に移行し、国際化が進展する中で、国民経済全体としての一層の効率化が求められている今日、農林水産業につきましても生産性の向上を図ることが強く要請されております。
 私は、農林水産行政の基本は、こうした農林水産業の役割りと国民経済からの要請を踏まえて、農林水産業の体質を強化し、総合的な食糧自給力の向上と国民生活の安定を図ることにあるものと思います。
 翻って今日のわが国農林水産業の現状を見ますと、種々の大きな課題を抱えております。
 農業につきましては、米の過剰を初めとする農産物需給の不均衡、経営規模拡大の停滞、食料品価格に対する消費者の価格意識の高まり、農村社会における連帯感の希薄化、農村環境整備の立ちおくれなどの問題に直面しております。
 このような事態に対処し、農業の将来に明るい展望を切り開き、国民の農業に対する期待にこたえていくためには、八〇年代の農業のビジョンを明らかにし、長期的視点に立った政策の推進を図ることが肝要であります。
 このため、現在、農業の長期展望と基本政策のあり方について、ことしの半ばまでに結論を得ることを目途として、農政審議会において鋭意検討を願っているところであります。
 また、林業につきましては、外材輸入の増大や木材需要の伸び悩み、林業生産活動の停滞など厳しい情勢にあります。さらに、水産業につきましては、二百海里時代の本格的到来、燃油価格の高騰などの困難な局面を迎えております。
 このような情勢を踏まえ、今後、生産性の高い中核農家を農業生産の担い手として、需給の動向に即し、地域の実態に応じ農業生産の再編成を図っていくとともに、農山漁村における定住条件の整備、食品の流通加工の効率化などを図るため、各般の施策を推進してまいる考えであります。また、森林資源の整備と林業の振興に努めるとともに、二百海里時代に即して、周辺水域内漁業の振興と漁業外交による遠洋漁場の確保に努めてまいる考えであります。
 次に、昭和五十五年度の主要な農林水産施策について申し上げます。
 まず、農業の振興につきまして申し上げます。
 第一は、構造政策の推進であります。
 農業生産の中核となる農業経営をできるだけ多く育成することが肝要であります。現在、野菜、養鶏、養豚など土地の制約の少ない分野では、農業生産の大部分を生産性の高い農業経営が担っていますが、稲作などは、高地価などから農地の流動化が進まず規模の拡大が十分と言えない状況にあります。
 このため、生産性の高い中核農家への農地利用権等の集積が図られるよう、農用地利用増進事業を一層発展させて、各地域の実情に応じ、農地の流動化と有効利用を促進するための仕組みを整備するとともに、これと関連して農地法における賃貸借に関する規制の緩和等について所要の改正を行うなど農地法制の整備を図るための法案を今国会に提出する考えであります。
 また、構造、生産、農村整備等関係諸政策の推進に当たりましては、農業者の日常の生活の拠点であり、同時に農業生産の場である集落を基礎として、これらの政策を総合的に推進する必要があります。
 このため、集落段階での地域農業振興の総合的な推進方策を策定するほか、農地の貸し手と借り手の掘り起こし活動と流動化奨励金の交付を行うなど地域農政特別対策事業を拡充強化することとしております。さらに、集落リーダーの育成など集落における自主的な活動の組織化を促進する事業を新たに行うほか、離農給付金制度をなお十年間実施するなど農業者年金制度の充実を図ることとしております。
 第二は、農業生産の再編成を進めることであります。
 地域の特性に応じ、農業者の創意と自主性を生かしつつ、需要の動向に即応した農業生産の再編成を進めることが今日の農政の重要課題であります。このため、引き続き、米から他作物への転作を進めるなど水田利用再編対策を推進し、総合的な自給力の向上を図ることとしております。
 五十四年度は、関係各位の御尽力によりまして前年度を上回る転作実績を上げることができました。しかし、米需給の不均衡は依然として大きく、このため、五十五年度は、米需給均衡の回復を図るため、緊急の措置として、需給計画の見直しを行い、転作等目標面積などの改定を行わざるを得なかったところであります。委員各位の御理解を切にお願いする次第であります。五十五年度における本対策の円滑な推進を図るため、地域農業生産総合振興対策を拡充するほか、農業改良資金制度に、新たに、稲作農家等が経営転換などを図るための資金を設け、さらに、排水対策を拡充するなど諸般の対策を講ずることとしております。
 また、米需給均衡を回復するためには、米の消費の維持拡大が重要であります。このため、市町村段階において、転作の推進とあわせて米の消費対策を地域ぐるみで推進する体制を整備するとともに、学校給食用米穀の値引き売却を引き続き行うなど米の消費拡大を推進することとしております。
 さらに、需要の動向に即応した農業生産を推進するため、小麦、大豆、飼料作物等の農産物の生産拡大と肉用牛生産の振興を推進するとともに、温州ミカンなど需給の不均衡が見られる農産物の生産を計画的に調整するなど品目ごとの事情に応じた諸対策を講ずることとしております。
 また、品種改良や栽培技術の改善など農業技術の開発、普及に力を入れていきたいと考えております。
 第三は、住みよい農山漁村の建設であります。
 近年、兼業化、混住化の進展等により農山漁村は大きく変貌し、農山漁村における連帯感が希薄化し、集落機能が低下する傾向が見られます。今後、構造政策を初めとする各般の政策の円滑な推進を図り、後継者の育成に資するためにも、農山漁村における連帯感の回復を図り、地域住民一体となってのむらづくりを進め、農山漁村における定住条件を整備していくことが重要となっております。このため、新たに、地域ぐるみの住民交流の促進、地域住民の生活と生産に関する環境施設の整備等を行う事業を実施するほか、農山漁村における生活環境の整備と就業機会の確保等のための諸事業の拡充を図ることとしております。
 第四は、農産物価格の安定と流通、加工の効率化の推進であります。
 農産物価格につきましては、農産物のそれぞれの特性に応じた価格安定制度の適正な運用を図ることとしております。
 食糧管理制度につきましては、制度の根幹は維持しつつ、米の供給過剰、消費需要の多様化という状況に対応し、価格、数量、品質の各面において需給の実態に即した適正円滑な運用や制度と実態との乖離の是正等制度運営の改善について検討を急いでいるところであります。
 次に、消費者の需要の多様化、高度化等に伴い、食料消費における流通、加工部門の占める役割りはますます高まってきております。このような食料消費の動向に対応して消費者に安定した価格で良質、安全な食品を供給するためには、食品加工、外食流通等を総合的にとらえた食品産業の効率化と体質改善を図ることが重要であります。このため、中央、地方を通ずる卸売市場の計画的な整備を行うとともに、食品産業における技術水準の向上、国産原料の調達の安定などを推進することとしております。
 以上のほか、農業災害補償制度の改善、金融の整備拡充、開発途上地域等への農林業開発協力の推進などを図ることとしております。さらに、厳しさを加えている石油、エネルギー情勢に対処するため、農林水産業用石油の需給の安定確保と省エネルギー型農林水産業の推進に努める考えであります。
 次に、林業の振興について申し上げます。
 林業は、林業生産活動の停滞等厳しい状況にありますが、木材など林産物の安定的供給を確保するとともに、子孫のためにも豊かな国土を保全し、また、山村社会の発展を図るという観点に立って、森林資源の整備と林業の振興を強力に推進してまいる考えであります。このため、治山、造林、林道事業を計画的に推進するほか、新たに、間伐対策を含め総合的な国産材の供給体制づくりなどを行う事業や林道網の整備を主体とした山村社会の環境条件を総合的に整備する事業を発足させることとしております。
 さらに、最近における松くい虫による被害の激増の状況等を踏まえ、総合的な被害対策を実施することとしております。
 なお、引き続き、国有林野事業の経営改善を計画的に推進することとしております。
 次に、水産業の振興について申し上げます。
 水産業は、二百海里時代の本格的到来、燃油価格の高騰という厳しい環境にあります。今後、水産業の発展と水産物の安定供給を図るためには、遠洋漁場の確保に努める一方、わが国周辺水域の水産資源の維持、培養とその高度利用を図ることが特に重要であります。このため、漁業外交の強力な展開、新資源、新漁場の開発等を進めるとともに、沿岸漁場の整備開発や栽培漁業関係諸施策の拡充を通じ、「つくり育てる漁業」を積極的に推進することとしております。また、産地における流通、加工施設を総合的に整備するための事業の発足、燃油対策特別資金の新規融資枠の設定などの対策を講ずることとしております。
 これらの農林水産施策を推進するため、五十五年度予算編成に際しましては、厳しい財政事情のもとで、必要な予算の確保に努めたところであります。
 また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましても、目下、鋭意法律案の作成を進めているところでありますので、本委員会におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 以上、所信の一端を申し述べましたが、私は、わが国農林水産業が発展し、それに携わっていただいている皆様に将来明るい希望を持っていただくため、全力を傾けてまいる覚悟であります。
 委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第でございます。
#4
○内海委員長 次に、昭和五十五年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。近藤農林水産政務次官。
#5
○近藤(鉄)政府委員 昭和五十五年度農林水産関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 昭和五十五年度一般会計における農林水産関係予算の総額は、総理府など他省庁所管の関係予算を含めて三兆五千八百四十億円で対前年比一千二百九億円の増加となっております。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一に、地域の創意を生かした農政の総合的推進に関する予算について申し上げます。
 地域の実態に即しつつ、農業者の自主性と創意を生かして、構造対策、生産対策、農村整備対策等各般にわたる施策が有機的関連性を持って総合的、計画的に実施されるよう、新たに、地域農業の単位となる集落において地域農業振興の総合的な推進方策の策定や土地利用についての地域関係農業者の合意づくりを進めるとともに、貸し手及び借り手農家の掘り起こし活動と流動化奨励金の交付により担い手農家への農地の利用権の集積を図る等、地域農政特別対策事業を拡充強化することとし、百四十六億円を計上しております。
 さらに、集落における自主的な活動の組織化を促進するため、集落に対する濃密指導、集落リーダーの育成等を総合的に行う地域農業組織化総合指導事業を新たに実施することにしております。
 また、中核農家の育成を図りつつ、麦、大豆、飼料作物等の生産振興等を図るのに必要な事業を総合的、計画的に行う地域農業生産総合振興対策につきまして、その内容を拡充強化して推進することとし、五百七十九億円を計上したほか、新農業構造改善事業につきまして五百三十七億円を計上し、その積極的推進を図ることとしております。
 次に、水田利用再編対策につきましては、米の需給不均衡の著しい拡大にかんがみ、転作等目標面積を五十三万五千ヘクタールに改定して実施することとし、奨励補助金等として三千三十四億円を計上しております。
 また、これに関連して、農業改良資金において、稲作農家等が経営転換等を図るのに必要な資金を新設するほか、水田畑作物について生産から流通まで一貫した高水準の新技術の開発、実用化等を推進する事業を新たに実施することにしております。
 第二に、農業生産対策等につきましては、需要の動向に応じて実施することが肝要であり、このため、小麦、大豆、飼料作物等の生産拡大の施策を初め、野菜、果実、畜産物等について、それぞれの需給事情、生産事情等に応じてきめ細かな生産対策、価格対策等を講ずることとしております。
 五十五年度予算に関しては、特に畜産及び野菜関係について御説明いたします。
 まず、畜産関係につきましては、粗飼料自給率の向上を図るため、水田利用再編対策のもとで耕種農家群によって生産される転作飼料作物を畜産農家群へ広域的に流通させる事業を新たに実施することとしております。
 また、肉用牛の生産振興につきましては、低コストの牛肉生産の推進を図るため、新たに、放牧適性にすぐれた肉用牛の導入、増殖及び放牧地の整備を行う事業を実施するほか、引き続き肉用牛集約生産基地育成事業等を積極的に推進することとしております。
 次に、需給上特に問題のある野菜につきましては、生産と価格の安定を図るため、新たに、生産出荷団体が主体となって作付及び出荷の各段階において需給調整を行う事業を実施することとしております。
 第三に、農業生産力向上のための基礎的条件である農業生産基盤の整備につきましては、需要の動向に即応した農業生産の再編成等現下の農業を取り巻く諸情勢に対応して、排水対策等水田の汎用化のための事業、畑作振興のための事業、農村環境整備のための事業等に重点を置いて推進することとし、八千九百七十五億円を計上しております。
 第四に、農山漁村を豊かで活力に満ちた地域社会とするため、生産環境、生活環境等の総合的な整備と地域住民の活動の助長等を進めることとしております。このため、既存の諸事業の拡充実施を図るとともに、地域ぐるみの住民交流の促進、地域住民の生活と生産に関する環境施設の整備等を行う農林漁業構造改善村落特別対策事業、山村地域について総合的な整備を図る第三期山村振興農林漁業対策事業等を実施することとしております。
 さらに、農業者年金制度につきましても、昭和五十五年五月で期限切れとなる離農給付金の支給業務について、所要の手直しを行い、なお十年間実施する等、その充実を図ることとしております。
 第五に、農産物の流通、加工対策等に関する予算について御説明いたします。
 食料品に対する需要の多様化等に伴い、食料消費における流通、加工、外食部門のウエートが高まってきていることに対応し、これに関連する食品産業の一層の改善合理化を図ることとしております。
 このため、中長期の展望に立った食品産業政策ビジョンの確立、食品産業における原料調達の安定化と国産農水産物の利用の増進、食品工業における新技術の開発と実用化の促進等、食品産業の近代化を総合的に推進することとし、十二億円を計上したほか、生鮮食料品流通のかなめとなる卸売市場の計画的な整備を促進することとし、百七十一億円を計上しております。
 また、総合的な食糧自給力の向上を図るためには、わが国の風土、資源に適合した食生活の普及と消費の拡大を図ることが必要であります。
 このため、米につきましては、新たに地域に密着した米の消費拡大を図るため、市町村において地域米消費拡大総合対策を実施するとともに、学校給食用米穀の値引き売却等による米飯学校給食の計画的拡充、米食の啓蒙普及活動の展開等、米の消費拡大を一層推進することとしております。
 第六に、農林漁業金融の拡充に関する予算について申し上げます。
 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸付計画額を七千六百九十億円に拡大するとともに、融資内容の整備拡充を図ることとしております。
 また、農業近代化資金について所要の融資枠を確保するとともに、農業改良資金について、稲作農家等が経営転換等を図るのに必要な資金、省エネルギー技術の導入、生活環境の改善に必要な資金を設ける等、その充実を図ることとしております。
 第七に、省エネルギー関係の予算について御説明いたします。
 厳しい石油、エネルギー情勢に対処するため、新たに、農林水産業におけるエネルギー基本対策の検討、省エネルギー技術の実用化の促進等を図る農林水産業エネルギー対策を実施するほか、施設園芸等の省エネルギーの推進を図ることとしております。
 さらに、木質系エネルギーの活用促進を図るための調査を新たに実施する等の施策を講ずることとしております。
 第八に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。
 まず、林道、造林及び治山事業につきましては、二千八百五十五億円を計上し、計画的にその推進を図るとともに、新たに林業の振興を図るべき地域における整備計画の樹立と当該地域における林道網の整備を主体とした環境条件を総合的に整備する事業を実施することとしております。
 また、新たな林業構造改善施策を展開するため、地域の特性に応じて、生産から流通、加工に至る総合的な国産材供給体制つくりと魅力ある山村地域社会の形成を図る新林業構造改善事業を発足させることとし、五十億円を計上しております。
 さらに、最近における松くい虫による被害の激増の状況等を踏まえ、総合的な被害対策を実施することとし、八十億円を計上しております。
 第九に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。
 まず、わが国周辺水域内の水産資源の維持培養と高度利用を図り、「つくり育てる漁業」を積極的に推進することであります。
 このため、沿岸漁場の整備開発を促進するとともに、栽培漁業施設の整備拡充等栽培漁業の振興のための施策、サケ・マスふ化放流事業の拡充強化を図るほか、新たに、地域の養殖生産体制の整備を図る事業及び新内水面振興対策事業を実施することとしております。
 また、漁港施設につきましては、一千六百二十四億円を計上し、その整備を促進することとしております。
 次に、漁業外交の強力な展開、漁業協力の積極的推進等により海外漁場を確保するとともに、遠洋漁業の新たな展開を図るため、新資源、新漁場の開発を推進することとしております。
 さらに、産地における流通加工施設等を計画的、総合的に整備するとともに、多獲性魚の利用高度化を図る施設を整備する事業を新たに実施することとし、三十五億円を計上しております。
 なお、燃油価格の上昇に対処して水産業経営の安定を図るため、新たに漁業用燃油購入資金について五百億円を融通することとしております。
 以上のほか、農林水産業施策の推進のために重要な予算として、試験研究について、畑作物の試験研究の強化に重点を置いて、六百二十七億円を計上しております。
 次に、特別会計予算について御説明いたします。
 まず、食糧管理特別会計につきましては、先ほど申し上げましたように、米の消費拡大を一層積極的に推進することとしております。
 食糧管理特別会計への一般会計からの繰入額は、調整勘定へ六千百億円、国内米管理勘定へ四百十八億円を計上しております。
 国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業の経営改善を計画的に推進することとし、事業運営の改善合理化等の自主的努力とあわせて、国有林野における造林、林道事業に対する一般会計資金の繰り入れ及び財政投融資資金の導入の拡大を図ることとしております。
 また、農業共済再保険等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫が必要とするもの等総額八千二十億円の資金運用部資金等の借り入れ計画を予定しております。
 これをもちまして、昭和五十五年度農林水産関係予算の概要の御説明を終わります。
#6
○内海委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○内海委員長 次に、日本発馬機株式会社に係る事件及びこれに関連する問題について、政府から報告を聴取いたします。犬伏畜産局長。
#8
○犬伏政府委員 過般来本委員会において御審議がございました日本発馬機株式会社に係る事件及びこれに関連する問題について、御報告申し上げます。
 今回の事件につきまして、国民の皆様の疑惑と不信の念を招きましたことをまことに遺憾に存じており、改めて深くおわび申し上げます。今回の事件の経過につきましては、本委員会ですでに申し上げましたとおりでありますが、本事件に関し、武藤農林水産大臣は、日本中央競馬会の幹部を招致し、遺憾の意を表明するとともに、このような事態を再発させないよう厳重に注意いたしました。
 同時に、日本中央競馬会の関係者の責任についても、所要の厳正な措置が講ぜられるよう申し渡し、同競馬会では、これを受けて本年一月二十五日、関係者の処分を行ったのであります。
 また、農林水産省におきましても、本件に関し、指導監督関係者に対しての処分を同日付で行った次第であります。
 日本中央競馬会と日本発馬機株式会社との昭和五十四年度の発馬機作業請負契約につきましては、同競馬会において補修機材費等契約の基礎となる各項目について調査した結果、補修機材費に関して当初契約額を減額することが相当と認められましたので昨年末所要の契約変更がなされました。
 昭和五十五年度の契約の締結につきましては、現在、中央競馬会において調査検討を行っているところであり、適正な内容の契約となるよう日本中央競馬会を指導してまいる所存であります。
 日本発馬機株式会社の今後の取り扱いにつきましては、中央競馬を引き続き円滑に実施していくため、当面、同社をして発馬機作業を行わせることとし、同社の今後のあり方については、現在取りまとめ中の同社の昭和五十四年度決算の内容等を勘案し、本格的な対策が講ぜられるよう日本中央競馬会を指導いたしております。
 今回のような不祥事の再発を防止するため、すでに本職から日本中央競馬会に対し、同競馬会からの出資先法人の業務運営につき再点検を行い、所要の措置をとるよう通達いたしました。
 日本中央競馬会におきましては、関係団体について調査を進めており、近く監査室を設置する等により内部監査及び関係団体に対する監査を強化し、関係団体の業務が適正に実施されるよう努めることとしております。
 また、日本発馬機株式会社の問題に関連して御審議のあった場外施設に対する建設協力金等の問題につきましては、その際の御指摘も踏まえ、今後より一層適切な運営を図るべく学識経験者の意見を徴するなどにより検討を行うよう日本中央競馬会を指導いたしております。
 なお、大阪土佐堀場外施設に係る建設協力金につきましては、日本中央競馬会は施主に対し、その返還を強く求めておりますが、相手方の申し立てにより目下東京簡易裁判所において調停が行われており、これに対し同競馬会としては、本件の早急な決着を求め、この調停が不成立となった場合には、競売申し立て等法的手続により回収する意向である旨報告を受けております。
 終わりに、今後日本中央競馬会の業務が適正に運営されるよう指導監督に万全を期してまいる所存でございますことを重ねて申し上げ、御報告を終わらしていただきます。
#9
○内海委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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