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1979/04/24 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 農林水産委員会 第24号
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1979/04/24 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 農林水産委員会 第24号

#1
第091回国会 農林水産委員会 第24号
昭和五十五年四月二十四日(木曜日)
    午後八時開議
 出席委員
   委員長 内海 英男君
   理事 片岡 清一君 理事 津島 雄二君
   理事 羽田  孜君 理事 山崎平八郎君
   理事 柴田 健治君 理事 芳賀  貢君
   理事 和田 一郎君 理事 津川 武一君
   理事 稲富 稜人君
      小里 貞利君    菊池福治郎君
      近藤 元次君    佐藤 信二君
      佐藤  隆君    菅波  茂君
      田名部匡省君    高橋 辰夫君
      玉沢徳一郎君    西田  司君
      福島 譲二君    保利 耕輔君
      堀之内久男君    渡辺 省一君
      小川 国彦君    角屋堅次郎君
      新村 源雄君    馬場  昇君
      日野 市朗君    細谷 昭雄君
      本郷 公威君    権藤 恒夫君
      瀬野栄次郎君    武田 一夫君
      中川利三郎君    中林 佳子君
      小沢 貞孝君    小渕 正義君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  武藤 嘉文君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       近藤 鉄雄君
        農林水産大臣官
        房長      渡邊 五郎君
        農林水産大臣官
        房審議官    塚田  実君
        農林水産省経済
        局長      松浦  昭君
        農林水産省構造
        改善局長    杉山 克己君
 委員外の出席者
        農林水産省経済
        局総務課長   牛尾 藤治君
        農林水産省構造
        改善局農政部長 関谷 俊作君
        農林水産省構造
        改善局農政部農
        政課長     若林 正俊君
        農林水産委員会
        調査室長    小沼  勇君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
 辞任         補欠選任
  神田  厚君     小沢 貞孝君
  近藤  豊君     小渕 正義君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 貞孝君     神田  厚君
  小渕 正義君     近藤  豊君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農用地利用増進法案(内閣提出第七七号)
 農地法の一部を改正する法律案(内閣提出第七
 八号)
 農業委員会等に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出第七九号)
     ――――◇―――――
#2
○内海委員長 これより会議を開きます。
 農用地利用増進法案、農地法の一部を改正する法律案及び農業委員会等に関する法律等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 各案に対する質疑は、昨二十三日終了いたしました。
    ―――――――――――――
#3
○内海委員長 ただいま議題となっております三案中、まず、農地法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 この際、本案に対し、柴田健治君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案に係る修正案並びに津川武一君提出の修正案が、それぞれ提出されております。
 両修正案について、提出者から順次趣旨の説明を求めます。柴田健治君。
    ―――――――――――――
 農地法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
#4
○柴田(健)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合を代表して、農地法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨を御説明申し上げます。
 修正案は、お手元に配付いたしたとおりであります。
 第一点は、小作料について、政府案では、一定の金銭の額で定め、かつ、授受しなければならないものとする現行法第二十一条及び第二十二条の規定を廃止することとしているのを、現行法の規定を存置させ、例外として、耕作者の農業経営に支障を生じない範囲内において、省令で定めるところにより、農業委員会の承認を受けた場合のみ、その他の方法によることを認めるものとしたことであります。
 第二点は、政府案では、農地等の賃貸借の解約等に係る第二十条の許可は、原則として農業委員会が行うものとしているのを、現行法どおり都道府県知事が行うものとするよう改めようとするものであります。
 第三点は、政府案では、国が売り渡した未墾地等の処分に係る第七十三条の許可は、都道府県知事が行うものとしているのを、現行法どおり農林水産大臣が行うものとするよう改めようとするものであります。
 以上が修正の趣旨及び内容であります。
 何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#5
○内海委員長 津川武一君。
    ―――――――――――――
 農地法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#6
○津川委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、農地法の一部改正案に対する修正案の提案理由を説明いたします。
 そもそも、歴代自民党政府の農業破壊政策のもとで、穀物自給率が一九六〇年の八三%から七八年には三七%に半減し、さらに、専業農家戸数は二百八万戸から六十二万戸へと三分の一に減ってしまうなど、日本農業は重大な危機に直面しております。
 とりわけ、農地は、六〇年以降の十八年間で総面積の二割以上に相当する百三十八万ヘクタールがつぶされ、耕作目的で売買される農地価格も、全国農業会議所の調べでは、中田平均で十八倍にも高騰しているのであります。さらに、麦、大豆などの生産が壊滅状態に追い込まれ、米作減反の強制が全国水田面積の六分の一にも及ぶ中で、延べ作付面積が二百五十万ヘクタールも減少して、耕地利用率が一三四%から一〇三%へと落ち込み、農地がほぼ一毛作的にしか利用されない状態になってしまいました。
 このような今日の農業、農地問題を解決するためには、農民経営の安定と食糧自給を目指して農業を基幹生産部門として再建し、また、大企業本位の土地政策をやめて土地利用の民主主義を確立し、農地の拡大と農業的利用を保障することが重要であります。こうした裏づけの上に、農地法の基本原則を貫きながら、農民の運動で農地の農民的所有と利用を守り、農地の有効利用を図るための民主的秩序を確立することが求められております。
 政府原案は、耕作放棄地の増大や農地賃貸借の広がりのもとで、農地の有効利用を求める現実の動きを反映したものではありますが、農地問題の根本にメスを入れることを回避したばかりか、幾つも無視し得ない問題を持っております。
 農地法改正案の政府原案の最大の問題は、大企業の土地投機と農業進出の一手段となっている農業生産法人の役員にかかわる要件を全面的に緩和し、これらの進出を一層容易にするものと言わざるを得ないところにあります。
 したがって、第一に、農業生産法人の役員に関する要件の緩和について、政府案のような全面的緩和をやめ、同法人への農用地を提供した構成員の後継者が役員になる場合に限って要件を緩和することが修正案の内容であります。
 第二は、許可権限等の委譲にかかわる部分の修正で、一つは、農業生産法人への権利移動については、現行どおりすべて都道府県知事の許可とすること、二つは、市街化区域内農地の転用等の届け出に関する権限委譲をやめ、現行どおり都道府県知事への届け出とするものです。
 これがわが党の修正案の内容であります。
 また、きわめて遺憾ながら反対討論が省略されることになっているので、一言しておきます。
 さきに指摘したような問題を持つ政府原案には反対であること、また、この基本的問題を回避した部分的な修正案に対しても賛成できないことを表明し、委員各位の御賛同をお願いして趣旨説明を終わります。
#7
○内海委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#8
○内海委員長 両修正案に対して別段御発言もないようでありますので、引き続き原案並びに両修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、津川武一君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○内海委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、柴田健治君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○内海委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○内海委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#12
○内海委員長 この際、本案に対し、佐藤信二君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動機が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤信二君。
#13
○佐藤(信)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して、農地法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農地法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本改正案の施行に当たっては、農地制度の基本理念を崩すことなく左記各項に十分留意し、運用の万全を期すべきである。
      記
 一 定額金納制に対する例外規定の運用に当たっては、耕作者の権利を保護し、経営の安定に支障を生じないよう十分な指導を行うとともに、小作料として譲渡される米穀については、食糧管理法を遵守し、その制度の運営が適正に行われるよう措置すること。
 二 標準小作料については、地域の実態をふまえ、農業経営の安定を旨として設定し、これが遵守されるよう適切な指導を行うこと。
   また、統制小作料の撤廃に際しては、小作料の急激な引上げ及び賃貸借の解約等が行われることのないよう適切な指導を実施するとともに残存小作地については、これを自作地化するための施策の充実に努めること。
 三 農業生産法人の業務執行役員に係る要件の緩和については、これが農外資本による農地取得等を招来することのないよう適切な行政指導を行うとともに、農業委員会等による監視体制を強化すること。
 四 農業委員会に対する権限委譲等に当たっては、その自覚と責任のもとに農地法の適正な運用が行われるよう研修、指導等を強化すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の内容につきましては、質疑の過程等を通じてすでに各位の十分御承知のことと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#14
○内海委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議に対し別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#15
○内海委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議について、政府より所信を求めます。武藤農林水産大臣。
#16
○武藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#17
○内海委員長 次に、農業委員会等に関する法律等の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 この際、本案に対し、和田一郎君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案に係る修正案並びに中林佳子君提出の修正案が、それぞれ提出されております。
 両修正案について、提出者から順次趣旨の説明を求めます。和田一郎君。
#18
○和田(一郎)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四党を代表して、農業委員会等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨を御説明申し上げます。
 修正案は、お手元に配付したとおりであります。
 修正の第一点は、政府案において、農業委員会の選挙による委員定数の上限を三十人としているのを、農林水産大臣が定める基準に該当する広域な市においては四十人とすることができるよう改めることであります。
 修正の第二点は、政府案において、都道府県農業会議の会長、副会長は常任会議員のうちから選任することとなっているのを、会議員のうちから選任するものに改めるとともに、会長、副会長に選任された者を常任会議員とするよう改めることであります。
 修正の第三点は、政府案において、都道府県農業会議の農業委員会を代表する常任会議員の定数とその他の常任会議員の定数を等しくすることとしているのを、その他の常任会議員の定数は農業委員会を代表する常任会議員の定数を超えないようにしなければならないものに改めることであります。
 以上が修正案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#19
○内海委員長 中林佳子君。
#20
○中林委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、農業委員会法等改正案に対する修正案について御説明申し上げます。
 修正案の内容は、公選される農業委員の定数の上限を四十人から三十人に削減するという改正部分を削除するものです。
 農民の土地と経営を守るための行政委員会の公選制の廃止や権能の弱体化につながるおそれの強い、また、何よりも農民の利益代表としての農業委員会の民主主義的な性格を弱める定数の削減は、原則的に反対であり、部分的な修正では賛成しがたいものであります。
 以上がわが党の修正案の提案理由と内容であります。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#21
○内海委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#22
○内海委員長 両修正案に対して別段御発言もないようでありますので、引き続き原案並びに両修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、中林佳子君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#23
○内海委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、和田一郎君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#24
○内海委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#25
○内海委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#26
○内海委員長 この際、本案に対し、保利耕輔君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。保利耕輔君。
#27
○保利委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して、農業委員会等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農業委員会等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、今回の農地法制の整備に伴い、農業委員会制度が今後果たすべき役割が、従前にも増して重要となることにかんがみ、その業務の的確な運営を期するため左記事項に留意し、その機能が十分果たせるよう万全の措置を講ずべきである。
      記
 一 農業委員会の果たす使命の重要性にかんがみ、農業委員の使命の自覚を促すとともに、その職員の資質の向上を図る等事務執行体制の整備強化につき、十分な指導を行うとともに今後とも助成措置の改善に努めること。
   なお、これらと併せ、農地主事の未設置の農業委員会においては早急に設置するよう指導の強化に努めること。
 二 農業委員会と都道府県農業会議の連携強化を図るため、農業委員会を代表する農業会議の会議員については、極力、農業委員会会長を充てるものとし、農業委員会の会長以外の者を指名する場合にあっても、農業に関し、高い見識と豊富な経験を有し、かつ、その農業委員会の総意が的確に反映できる者が指名されるよう指導すること。
 三 農業委員会を代表する会議員の代表性が確保されるよう都道府県農業会議の常任会議員の構成について十分配慮するとともに、それ以外の会議員については、業務を適正に運営するにふさわしい者を充てるよう適切な指導を行うこと。
   なお、都道府県農業会議については、その機能を十分発揮させるため、財政基盤の強化充実に努めること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の内容につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#28
○内海委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議に対し別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#29
○内海委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議について、政府より所信を求めます。武藤農林水産大臣。
#30
○武藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#31
○内海委員長 次に、農用地利用増進法案について議事を進めます。
 この際、本案に対し、稲富稜人君外二名から、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案に係る修正案並びに中川利三郎君提出の修正案が、それぞれ提出されております。
 両修正案について、提出者から順次趣旨の説明を求めます。稲富稜人君。
#32
○稲富委員 私は、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して、農用地利用増進法案に対する修正案の趣旨を御説明申し上げます。
 修正案は、お手元に配付いたしておるとおりであります。
 第一点は、法律の目的規定である第一条の修正であり、政府案では、農用地について利用権の設定等を促進する事業を行うとしている旨の規定を、農用地について耕作者のために利用権の設定等を促進する事業を行う旨に改めるとともに、「農業経営の規模の拡大」という字句を、「農業経営の改善」に改めようとするものであります。
 また、この目的規定の修正に伴い、政府原案第三条第三項に使用されている「農業経営の規模の拡大」という字句についても、これを「農業経営の改善」に改めることとしております。
 第二点は、農用地利用増進事業の実施に関する条文を政府原案に追加する修正であり、「農用地利用増進事業は、農用地の保育及び利用の現況及び将来の見通し、農用地を保有し、又は利用する者の農業経営に関する意向等を考慮して農用地の農業上の利用の増進を図るとともに、農業者又は農業に関する団体が地域の農業の振興を図るためにする自主的な努力を助長することを旨として実施するものとする。」とした規定を設けることとしております。
 第三点は、政府原案第三条第一項の規定の修正であり、政府案において、市町村は、農用地利用増進事業を行おうとするときは、実施方針を定めなければならないとしている規定に、事業の趣旨の普及を図らなければならないとする旨の規定を加えたことであります。
 第四点は、政府原案第三条第七項の規定の修正であり、政府案では、都道府県知事は、実施方針の承認をしようとするときは、あらかじめ、都道府県農業会議の意見を聴かなければならないとしている規定を、都道府県農業会議及び都道府県農業協同組合中央会の意見を聴かなければならないとするよう改めることとしております。
 第五点は、政府原案第十条第一項の規定の修正であり、農用地利用改善事業を実施する団体について、政府案では、一定の区域をその地区とし、かつ、当該地区内の農用地につき権利を有する者の三分の二以上が構成員となっている団体で政令で定める基準を備えるものとしている旨の規定を、農業組合法人その他の団体で政令で定める基準を備えるものであって、一定の区域をその地区とし、かつ、当該地区内の農用地につき権利を有する者の三分の二以上が構成員となっているものとする旨の規定に改めることとしております。
 以上が修正の趣旨及び内容であります。
 何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#33
○内海委員長 中川利三郎君。
#34
○中川(利)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、農用地利用増進法案に対する修正案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府案の最大の問題点は、農地の所有権移転を同法案に取り込み、農地法三条による規制の適用除外としたことであります。これらは、農地法の空洞化と廃止に一歩足を踏み出し、大資本の農地支配を容易にするものと言わざるを得ないのであります。
 わが党は、農用地利用増進法案が、農用地の有効利用を図る上で一定の活用の可能性があることを否定するものではありませんが、同法案には、選別的な構造政策の推進に対する歯どめがないこと、また、耕作者の経営の不安定さを拡大するなどの問題点があります。これでは貸し手と借り手の双方の生活と経営が安定せず、農業生産の発展も農地の有効利用も望めないものであります。したがって、政府案のままではとうてい賛成しがたいものであり、これが本修正案を提案する理由であります。
 以下、修正内容を御説明いたします。
 修正案の第一は、目的及び実施方針の要件などを改め、農用地利用増進事業を、農用地の有効利用を図り、農業経営の安定に役立つものとする趣旨の規定を明記するものです。
 第二は、農用地利用改善事業を行う団体が、利用権の設定等の事業により積極的に関与し得るよう、農用地利用増進計画を定める場合、あらかじめその団体の意見を聴くことを義務づける規定を追加するものです。これは農民による農用地の集団管理の方向に一歩でも近づけようとするものであります。
 第三は、農地法の許可が不要とされる権利移動の範囲から、所有権移転にかかわる部分を除くことであります。所有権の移転は賃貸借等とは違い、一回限りの行為であり、それだけに農民的土地所有を守るため、より厳重な農地管理が必要であるからであります。
 第四は、耕作権を不安定にする経営の委託を受けることにより取得される権利にかかわる部分を削除し、経営の受委託については、農用地利用改善事業を行う団体が調整することとするものです。
 第五は、市町村が実施方針を定める場合には、あらかじめ農業委員会の意見を聴くこととする規定を明記することです。
 以上がわが党の修正案の内容であります。この立場から、基本的な政府案の問題点をそのまま残す修正案には賛成できるものでありません。
 委員各位の御賛同をお願いして、修正案の提案説明といたします。
#35
○内海委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#36
○内海委員長 両修正案に対して別段御発言もないようでありますので、引き続き原案並びに両修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、中川利三郎君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#37
○内海委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、稲富稜人君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#38
○内海委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#39
○内海委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#40
○内海委員長 この際、本案に対し、渡辺省一君外二名から、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。渡辺省一君。
#41
○渡辺(省)委員 私は、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して、農用地利用増進法案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農用地利用増進法案に対する附帯決議(案)
  最近のわが国農業をとりまく環境は、農畜産物の需給不均衡に加え、農業労働力、農地の有効利用がぜい弱化する等誠に厳しいものがあり、これに即応し、食糧の総合自給力の向上をめざした農業生産の増進と農業経営の体質強化を図ることが緊急の課題となっている。
 よつて政府は、生産、価格、構造等の各般にわたる施策を充実するとともに、農地行政の運営に当たつては、農地法の基本理念を堅持しつつ、左記事項の実現に努め、農業委員会制度の機能の充実とあいまつて、農用地の有効利用の促進と農業経営の改善に対し万遺憾なきを期すべきである。
      記
 一 利用権設定等促進事業については、制度の趣旨を徹底するとともに、市町村、農業委員会、農業協同組合等の緊密な連携のもとに推進体制を整備し、地域関係者の理解と合意のもとにこれが実施されるよう指導体制に万全を期すること。
   また、本事業の実績等については、農業白書において公表すること。
 二 利用権の設定に当たっては、耕作者の経営の安定が期されるよう利用権の存続期間及び継続設定等につき十分配慮するとともに、投下した有益費の公正確実な回収が図られるよう指導すること。
 三 今回の農地法制の整備に関連し、農地保有合理化促進事業が利用権設定等促進事業の中で十分活用されるよう指導及び助成に努めるとともに、農協による農地信託制度及び農業経営受託事業等従来からの農地流動化施策についてもその充実に努めること。
 四 農用地利用改善事業については、農事組合法人等その実施団体を全国各地域において幅広く育成強化するとともに、地域農政推進等に当たっての位置づけを明確にすること。
 五 農用地利用増進事業等今後の農地流動化行政の運営に当たっては、これが基幹的農家の育成及び農用地の有効利用とあいまって地域農業の組織化等に資するよう、国の財政・税制上の措置を拡充し、あわせて地価対策の確立、農外雇用条件の整備等に努めること。
   また、農地取得のための資金融通の円滑化と充実を図ること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の内容につきましては、質疑の過程等を通じてすでに各位の十分御承知のことと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#42
○内海委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議に対し別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#43
○内海委員長 起立多数。よって、本動議のごとぐ附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議について、政府より所信を求めます。武藤農林水産大臣。
#44
○武藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#45
○内海委員長 なお、お諮りいたします。
 各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#47
○内海委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後八時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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