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1949/03/20 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第17号
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1949/03/20 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第17号

#1
第007回国会 法務委員会 第17号
昭和二十五年三月二十日(月曜日)
   午後二時十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○矯正作業の運営および利用に関する
 法律制定反対の請願(第九九三号)
○司法書士法改正に関する陳情(第二
 四〇号)
○名古屋高等裁判所および検察庁金沢
 支部昇格に関する請願(第一二八〇
 号)
○尼崎市に神戸地方裁判所および検察
 庁支部設置の請願(第八一六号)
○秋田県増田町に簡易裁判所設置の請
 願(第五六二号)
○香川県小豆郡に地方裁判所支部等設
 置の請願(第六三一号)
○下級裁判所の設立及び管轄区域に関
 する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○宮城県築館区検察庁を仙台地方検察
 庁支部に昇格の陳情(第一四五号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより法務委員会を開きます。
 先ず請願第九百九十三号矯正作業の運営および利用に関する法律制定反対の請願、これを議題に供します。政府のこれに対する御意見をお伺いいたします。
#3
○政府委員(牧野寛索君) 本法案は、すでに国会に提出せられ審議中のものでありますが、法務府としては矯正保護上重要な法案であり、国会において愼重御審議下さることを希望するものであります。法務府としてはこの法律を実施しても、刑務所における就業人員やその技術或いは予算等の諸点より見て、その生産額にはみずから制限があるのでありまして、民間企業に影響を與えるとしてもこれは極く軽微なものであると考えておるのであります。これらの具体的数字の説明や将来の運営方針等につきましては、適当の機会において十分説明したいと考えておる次第であります。法務府といたしましては、法律によつて作業を課せられる受刑者に、継続的に職業教育上適切な最少限度の仕事を與えることができれば十分であり、決して無制限に生産設備を拡充するようなことは考えているのではありません。又刑務所の仕事さえ確保し得れば、民間のことは考えずもよいということではなく、運用において十分この点を考慮し民間企業の立場を尊重するのであります。印刷関係作業についても勿論同様でありまして、尚これが法案通過後の実施につきましても、各省、各業者代表とも十分協議を遂げ、その適正を期したいと思つておる次第であります。
#4
○委員長(伊藤修君) 本請願に対しましては、これに関するところの法律案が目下議題になつておりますから、その法律案審議の際併せて審議をすることにいたしたいと存じます。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(伊藤修君) 次に陳情二百四十号司法書士法改正に関する陳情を議題に供します。本案についての政府の御意見をお伺いしたいと思います。
#6
○政府委員(牧野寛索君) 司法書士法については、衆議院において目下議院提出法案として小委員会において検討が続けられているが、政府としては陳情の趣旨に即するよう十分意見は具陳しておる次第であります。
#7
○委員長(伊藤修君) 本案につきましては、追つて衆議院より本案についての立法措置を講ぜられ、正式に議題として取上げられることになつておるそうでありますから、その際参議院に回付をせられました場合において、これも併せて審議することにいたしたいと存じます。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(伊藤修君) 次に、請願千二百八十号名古屋高等裁判所および検察庁金沢支部昇格に関する請願を議題に供します。本案についての政府の御意見をお伺いいたしたいと思います。
#9
○政府委員(牧野寛索君) 只今お申述べになりました名古屋高等裁判所金沢支部及び検察庁金沢支部を、それぞれ高等裁判所及び高等検察庁に昇格方請願の御趣旨は十分了解いたしました。金沢市は、現名古屋高等検察庁管内における名古屋市に次ぐ大都市でありまして、御不便の事情は了承されるのでありますが、政府におきましては、去る昭和二十三年法務庁令第十一号を以て、金沢市に名古屋高等裁判所支部に対応する名古屋高等検察庁支部を設置し、同年五月十五日から施行いたしましたことは御承知の通りでありまして、更にこれを高等検察庁に昇格いたしますことは、国家財政上の制約もあり又他地方との権衡の問題も生ずることでありますから、本請願の御趣旨は最高裁判所に伝達いたしまして、尚十分研究いたしたいと存じますからさよう御承知を願いたいと存じます。
#10
○説明員(磯崎良譽君) 只今の請願の御趣旨はよく分りますのでありますが、高等裁判所におきましては、その支部も本庁の裁判管轄におきましては全く同じでありまして、名古屋高等裁判所管内の日本海側の富山、石川、福井の三県が、現在金沢支部に事件を回付して参つておるのでありますが、事柄は結局支部という形を本庁に改める点にあるのではないかと思われるのでありまして、その実質的な理由は、本庁にいたしましても変らないのではないかと思われるのであります。現在の全国の高等裁判所の配置状況、その他を考え併せますと、相当愼重に研究しなければならない問題であると思います。請願の趣旨はよく分りましたが、今後よく研究いたしたいと思います。
#11
○委員長(伊藤修君) 本案に対しましては追つて採決を後日にいたしたいと存じます。
  ―――――――――――――
#12
○委員長(伊藤修君) 次に請願八百十六号尼崎市に神戸地方裁判所支部および検察庁支部設置の請願を議題に供します。本案についての政府の御意見をお伺いいたします。
#13
○政府委員(牧野寛索君) 本請願に対しまして、政府といたしましても御不便の事情は了承いたしておるのでありますが、裁判所支部の設置は、最高裁判所の権限に属しておりますので、本請願の御趣旨は最高裁判所に伝達いたしました、何分の御考慮を願うことにいたしたいと存じますから、さよう御承知願います。
#14
○説明員(磯崎良譽君) 只今請願のありました尼崎支部の設置問題でありまするが、現在尼崎は神戸地方裁判所伊丹支部の管内に属しておりまして、裁判の新事件数を見ますと、民事は通常訴訟が百六十七件、調停二件、その他の事件が百十六件、合せて二百八十五件、理事が第一審が四百二十三件、再審抗告なく、その他が百十六件、合せて五百三十九件、尚家庭裁判所支部といたしましては、家事事件が千二百五件に及んでいます。そのうち尚伊丹支部の管轄区域は、面積は六百四十九・三平方キロメートル、人口が約四十四万九千、そのうち大体尼崎支部の管轄に予定せられております区域内の事件は、この伊丹支部の約七割近くでありまして、尼崎市に支部を置くということは相当考慮していい事柄であろうと思つております。予算的な措置が講ぜられれば適当な機会に支部は設置していいのではないかというふうに最高裁判所は考えておりますので、請願の御趣旨に副うように尚一層努力しようと思います。
#15
○委員長(伊藤修君) 本案に対するところの採決は後日に譲りたいと思います。
  ―――――――――――――
#16
○委員長(伊藤修君) 次に請願五百六十二号秋田県増田町に簡易裁判所設置の請願を議題といたします。本案に対する政府の御意見を伺います。
#17
○政府委員(牧野寛索君) 本件は最初の請願でありますから早速関係庁へ紹介いたしまして、諸般の事情を調査中でありまして、右調査の完了を待つて適当に処置いたしたいと存じますからさよう御了承を願いたいと思います。
#18
○説明員(磯崎良譽君) 現在増田町は秋田の地方裁判所管内の湯沢簡易裁判所の管轄区域内にあるのでありますが、予定管轄区域として地元から要望のありました地域内から、どれだけの審理件数が予定させられますかにつきまして、目下秋田裁判所の方に調査中でございますので正確な数字は申上げられませんが、現在の湯沢簡易裁判所の審理件数と予定管轄区域の人口、双方の人口を比較対照して凡その数字を推定し得るのでありますが、それによりますると民事は通常調停その他の事件を併せまして九十五件、それから刑事が通常詐欺その他の事件を合せまして、約五百九件の即ち湯沢簡易裁判所の事件の四六%予定し得ることになるのであります。現在の簡易裁判所の平均審理件数、平均面積、平均人口等を考慮しますと、やや簡易裁判所としては範囲が小さくなり過ぎはしないかというふうに思うのでありますが、その詳細につきましては地元の裁判所の方から詳しい調査が参りますので、それらと睨み合せた上で愼重に考慮いたしたいと思います。
#19
○委員長(伊藤修君) 鈴木さん本案に対して何か御発言……。
#20
○鈴木安孝君 この請願をしたのは十三ヶ町村、そのうち六ヶ町村は平鹿、七ヶ町村は雄勝であります。雄勝の方の村から湯沢簡易裁判所へ参りまするには、山谷峠を越さなくちやならんのですが、その奥の方から湯沢裁判所に出ますには丁度夏でも一日を要しますから、冬季には二晩泊らなければ簡易裁判所の用を弁ずることができないというような状況であります。又平鹿の方の増田町附近の六ヶ町村も十文字という駅から湯沢裁判所に出るということになりまして、その間の不便というものが非常に多いのであります。増田町は将来経済的にも発展する場所であります。今この請願の十三ヶ町村というのは、増田町を中心として活動している場所にありますから、増田町に簡易裁判所ができますと、非常に地方民に便利がありますので、或いは現在においては件数は少いかも知れませんが、簡易裁判所ができますと事件が都合よくなると思うのであります。地方民の希望を容れて、御採択になるよう願いたいと思います。
#21
○委員長(伊藤修君) では本案に対しましては、後日採決することにいたしまして本日はこの程度にいたしたいと思います。
  ―――――――――――――
#22
○委員長(伊藤修君) 次に請願六百三十一号。香川県小豆郡に地方裁判所支部等設置の請願を議題に供します。本案に対する政府の所見を伺います。
#23
○政府委員(牧野寛索君) 本請願は最高裁判所の権限に属しておりますので、最高裁判所の方から事情陳述を願いたいと思います。
#24
○説明員(磯崎良譽君) 当委員会にこの請願が出ましたことを知りましたので、早速現地の高松地方裁判所の方に書面を出しました。審理件数、交通状況、所在地の官庁、弁護士の数等詳細な紹介をいたしておりますので、いずれその回答に接することと思つております。私達の推定では件数はそう大したことはないと思いますけれども、小豆島から高松に至る海上交通は、時に天候状態その他によつて非常に不便でありますことが凡そ想像がつきますので、現地から回答が参りました上で請願の趣旨を考慮いたしたいと思つております。
#25
○委員長(伊藤修君) 別に御発言もなければ、本案に対しましても次回にこれを譲り採決に入りたいと思います。
  ―――――――――――――
#26
○委員長(伊藤修君) 次に下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。本案に対しましては、前会質疑に入つておりますから、本日も質疑を継続いたしたいと思います……。別に御質疑もありませんか。では本日はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#27
○委員長(伊藤修君) 次に今一件陳情がありましたから追加して議題に供します。陳情百四十五号宮城県築館区検察庁を仙台地方検察庁支部に昇格の陳情であります。では政府委員の御意見を伺います。
#28
○政府委員(牧野寛索君) 只今お申述べになりました宮城県築館区検察庁を仙台地方検察庁支部に昇格方請願の御趣旨は十分了解いたしました。地方検察庁支部の設置は最高裁判所の権限に属しておりますので、本請願の御趣旨は、最高裁判所に伝達いたしまして、何分の御考慮を願うことにいたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。
#29
○説明員(磯崎良譽君) 只今の請願につきましては、最高裁判所の方で、只今現地の仙台地方裁判所へ照会いたしまして、事件数、交通状況その他を調査中でございます。遠からずその回答に接すると思いますので愼重に研究いたしまして、請願の御趣旨に副うよう努力いたしたいと考えております。
#30
○委員長(伊藤修君) では本案に対しましても後日これを採決することにいたしまして、本日はこの程度にいたしておきます。
 それでは本日はこの程度で散会することにいたします。明後日は午前十時より開会いたします。
   午後二時三十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           岡部  常君
           宮城タマヨ君
   委員
           大野 幸一君
           鈴木 安孝君
           深川タマヱ君
           松村眞一郎君
  政府委員
   法務政務次官  牧野 寛索君
   検     事
   (法制意見総務
   室第四局長)  野木 新一君
  説明員
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局総務
   局第二課長)  磯崎 良譽君
ソース: 国立国会図書館
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