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1979/04/25 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 法務委員会 第20号
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1979/04/25 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 法務委員会 第20号

#1
第091回国会 法務委員会 第20号
昭和五十五年四月二十五日(金曜日)
   午前十時十分開議
 出席委員
   委員長 木村武千代君
   理事 中村  靖君 理事 保岡 興治君
   理事 山崎武三郎君 理事 横山 利秋君
   理事 沖本 泰幸君 理事 柴田 睦夫君
      井出一太郎君    稻葉  修君
      上村千一郎君    亀井 静香君
      熊川 次男君    白川 勝彦君
      田中伊三次君    井上 普方君
      楯 兼次郎君    飯田 忠雄君
      長谷雄幸久君    木下 元二君
      岡田 正勝君    河野 洋平君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 筧  榮一君
        法務省刑事局長 前田  宏君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局国
        際刑事課長   水町  治君
        法務委員会調査
        室長      清水 達雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国際捜査共助法案(内閣提出第八二号)
 民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟法施
 行法の一部を改正する法律案(内閣提出第六二
 号)(参議院送付)
 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出第八三
 号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国際捜査共助法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。柴田睦夫君。
#3
○柴田(睦)委員 国際捜査共助法案の審議でありますが、いま問題になっておりますKDD事件については、外国からの資料を日本がいただく、そういうことは必要があるのかないのかお伺いします。
#4
○前田(宏)政府委員 私の聞いております範囲では、特に外国から資料を求めるというようなことはなかったように思います。
#5
○柴田(睦)委員 KDDの事件に関してきょうの報道ですけれども、「二十四日までに、経理から正規に支出された交際費五十八億円とは全く別に、約三億円の「機密費」の存在を突き止めた。この機密費は、」「ある種の目的を持って特定の政治家への贈答、接待に使われたり、政治家や郵政官僚の海外接待、一部は板野、前社長室長佐藤陽一らの横領に充てられた裏金のにおいの濃い金。」それから「関係者の供述から、政治家三、四人について、商品券やパーティー券とは別の金の流れをつかんでいる。」こういうことが書いてあるのですけれども、捜査上この点はどうなっているのかお伺いします。
#6
○前田(宏)政府委員 ただいまお尋ねのような記事がけさの新聞でございましたか出ておりましたことは承知しております、詳しくは見ておりませんけれども。それを見まして、どういうわけでそういう記事が出るのかなとむしろ思ったぐらいでございます。
 と申しますのは、現に捜査中でございまして、御案内のとおり現在のところは板野元社長に対する業務上横領ということで鋭意捜査が続けられているところでございまして、その他それに関連いたしましていろいろと疑惑と呼ばれるようなものが取りざたされておるわけでございますが、その点につきましても、広い意味では解明の対象になっているところでございます。それやこれや含めまして、捜査中の段階でその捜査の内容というものが捜査当局から公表されることもあり得ないことでございますし、そういう意味でも不思議に思うぐらいのことでございます。
 それはそれといたしまして、そういうような報道されましたような事実につきましては具体的に報告を受けておりません。
#7
○柴田(睦)委員 いずれにしろ疑惑全般についての解明を進めているということですが、それは政界工作というような問題もやはり含まれているわけでしょうか。
#8
○前田(宏)政府委員 改めて申し上げるまでもないことでございますが、捜査当局としましては犯罪の疑いがあるものを取り上げて解明する立場にあるわけでございます。
 したがいまして、いろいろ疑惑あるいは好ましくないというようなことが言われておりますけれども、そのすべてが犯罪になるわけではないわけでございます。ただ、いろいろと犯罪の疑いもあるんじゃないかというようなことも含めて報道もされ論議もされているわけでございますので、捜査当局のやれる範囲内において最善を尽くしておるわけでございます。
#9
○柴田(睦)委員 では法案についてお伺いします。
 第二条の第一号で、共助犯罪が政治犯罪であるときは共助をすることはできないという規定になっておりますが、この法案でいう政治犯罪とはどういう概念であるかということ、そして、その概念は一般論、抽象論になると思いますけれども、それをもう少し裏づける意味で、そういう概念から見た場合に、わが国における刑事犯罪で政治犯罪とされる罪名にどういうものがあるかということをあわせて伺っておきたいと思います。
#10
○前田(宏)政府委員 この法案で政治犯罪という言葉を使っておるわけでございますが、そのほかにも似たような法律といたしまして逃亡犯罪人引渡法がございまして、その中でも使われている言葉でございます。
 しかしながら、この政治犯罪という概念は、率直に申しまして必ずしも明確でないと言えば明確でない点がございます。これは国内法に限らずいろいろ政治犯罪という言葉が言われる場合が多いわけでございますけれども、諸外国の立法例とかあるいは国際法の解釈といいますか理解からいたしましても、明確な定義づけというものが従来もなされていないようでございます。ただ、従来の国際法の学会の決議であるとかあるいは条約であるとか、そういうものをいろいろと総合勘案いたしますと、一般的には、たとえば内乱罪のように、その国の基本的な政治秩序を直接破壊する行為、それが犯罪として定められている場合に、それを政治犯罪というというふうに解されているようでございます。したがって、この法案におきます政治犯罪もそのように理解しておるわけでございます。
 しかし、いわゆる政治目的と申しますか主観的にその国の政治秩序を破壊するという意図を持っている行為がすべて政治犯罪かと言いますと、それはまた広過ぎると思うわけでございます。たとえば過激派的なものがテロをやるあるいはハイジャックをやるというようなことになりました場合、その者の目的なり主観の一部には国の秩序を破壊するというようなことが含まれている場合もあるかと思いますけれども、従来からそういうものは、外部にあらわれた行為が殺人であるとか強盗であるとかいうようなことでありますことも含めまして、これは政治犯罪ではなく通常の刑事犯罪だと考えるのが妥当であろうというふうに思うわけでございます。その根拠というわけでもございませんけれども、ハイジャックに関する国際条約等におきましても、こういうものは政治犯罪として扱わないというようなことが明らかにされておるわけでございます。
 なお、それに関連してのお尋ねで、わが国の刑罰法令の中で政治犯罪に当たるものは何かということでございますが、いま申しましたように、刑法の内乱、これは典型的なものであろうと思います。また、それに類するものとして外患誘致というものもやはりこれに当たるだろうと思います。しかしまた、それにやや似たものとして騒擾罪がございますけれども、これは、その騒擾罪とされている行為それ自体といたしましては、基本的な政治秩序を直接破壊する行為とは言いがたいのじゃないか。そういうことで、騒擾罪イコール政治犯罪というふうには考えるべきではないのじゃないかと思うわけでございます。内乱とか外患誘致が典型的な政治犯罪だと申しましたが、それとの関連で、たとえばいわゆる破防法で内乱教唆罪がございますが、これもそういう意味で政治犯罪に含まれるであろうと思います。
 一方、先ほども申したところでございますけれども、若干政治目的が含まれている場合でございましても、それが殺人、放火というようなことになりますと、それは必ずしも政治犯罪とは言えない。したがいまして、破防法につきましてもそういう特別類型がございますけれども、それはやはり一種のテロ行為の予備というふうに考えますと、政治犯罪に当たらないというふうに見た方がよろしい、かように考えております。
#11
○柴田(睦)委員 後段の「政治犯罪について捜査する目的で行われたものと認められるとき。」こういう規定になっているわけですけれども、政治犯罪について捜査をする目的であるかどうかというその見分け、区別はどういうふうにしてやられるのかお伺いします。
#12
○前田(宏)政府委員 二条の一号の後段でございますが、ここにありますように「政治犯罪について捜査する目的で行われたものと認められるとき。」ということで、この認められるかどうかという判断は、結局は法務大臣の判断になるわけでございます。
 ここで考えておりますことは、表向き政治犯罪ということでなく他の犯罪の捜査のような形をして共助の要請をしてくるということも考えられるわけでございます。ただ、そういうことでございますと、相手方の国の一種の主観的なことでございますから、それを見破ることといいますか認定することには若干の困難があろうかと思います。通常考えられますことといたしましては、先方の国から要請がありました場合に、それがどういう目的でなされるかどうかということは一般的に確認しなければいかぬわけでございます。その中で、いまのようなことを頭に置きましてそういう疑いがあるかどうかということを確かめるということが一つでございましょうし、直接確かめるまでもなく、先方の国から要請書あるいは関係書類が参るわけでございますから、それらをしさいに点検いたしますと疑いが出てくる場合もあろうと思います。また、最初の共助要請の受理の段階あるいは法務大臣が出先の検事正あるいは国家公安委員会経由で警察の方にお願いするというような、そういう当初の段階でこの点がわからない場合もあるいはあるかもしれません。しかし、その具体的な措置をいたします現地の検察官がたとえば必要だとされておる参考人なら参考人を調べました場合に、その辺からこれはどうも怪しいということもわかってくる場合があるいはあるかと思います。
 そういうようないろいろな段階で、政治犯罪であるかどうか、また政治犯罪について捜査する目的であるかどうかということは点検する機会があるわけでございまして、それぞれの段階において法務大臣、法務当局といたしまして慎重にこれを検討して認定していく。なおその辺が疑わしい場合にはいろいろと先方にも問いただすわけでございますけれども、あくまで疑わしいということになりますと、この共助はそういう疑いがある場合にまであえてやることではないと思います。したがいまして、二条そのもので制限されない場合でも、五条の法務大臣の相当性の認定というところで解決することも可能であろうというふうに考えております。
#13
○柴田(睦)委員 では五条の問題ですけれども、法務大臣が相当であると認めるときにとるべき措置が三号にわたって書かれておるわけですけれども、二号の場合は実際上警察官に仕事をしてもらう、それから三号の場合は司法警察職員として職務を行うべき者にしてもらうという場合で、警察官関係は公安委員会に書面を送付する、そして海上保安庁長官など国の機関の長に書面を送付する、こういうことになっているわけですが、検察官に仕事をしてもらう場合に、地方検察庁の検事正に対して書類を送付して共助に必要な証拠の収集を命ずる、こうなっているわけです。
 二号、三号はそれぞれの機関の長ということになると、検察官の場合においても検事総長に関係書類を送付してやってもらう、こういうことでいいのじゃないかというような感じを持つのですが、この点はどうして検事正になっているわけでしょうか。
#14
○前田(宏)政府委員 いま御指摘のございましたように、二号あるいは三号の場合に、直接各都道府県の警察あるいは警察官そのものに書面を送付して依頼をするというようなこと、また特別司法警察職員の第一線の人に対して関係書類を送ってその措置をしてもらうということも理論的には不可能ではないと思いますが、そういうことはやはりそれぞれの組織を乱すといいますか、そういうこともございますし、その長その長の指揮監督権というようなこともございますので、警察官あるいは特別司法警察職員に関しましては、それぞれの長という立場にあるところに書類を送って依頼をするというふうにしておるわけでございます。しかし、法務省内部と申しますか検察庁を含めてのことでございますが、そういう意味では法務大臣が長になっておるわけでございまして、そういう意味において二号、三号とは若干違うわけでございます。
 そこで一号の場合に、いま御指摘のように検察庁は法務省の中ではあるといいながら別ないわば半独立的な役所であるという御理解からのお尋ねであろうかと思いますけれども、いま申しましたように、検察庁は普通の行政官庁とは若干趣を異にいたしますけれども広い意味では法務大臣の指揮監督下にあるわけでございます。事柄の内容からいたしまして、この共助の事務の処理というものは迅速を旨とするわけでございます。そこで、なるべく一線に近い方の機関に直接送ること、これがそういう意味で望ましいわけでございます。そのことは二号、三号についても理論的にはそうだということを申したわけでございますけれども、そういうことで、迅速性の必要性、また、それぞれ参考人とか物の所持者というものは各地におるわけでございまして、余り遠方なところにいる人を来てもらうというようなことでは国民にも不便をかけるし御迷惑をかけるということでございますので、なるべく人なり物なりの所在地の近辺の機関が望ましいというようなこと、また、事は捜査そのものではございませんけれども捜査に類似するような仕事でございますから、そういうう意味でも日本の刑事事件を扱っておる検察庁としては地方検察庁が一番適当であろうというふうに考えまして、最高検あるいは高検ということではなくて直接地方検察庁の検事正に関係証拠の収集を命ずるというふうにしたわけでございます。
 そこで、検察庁法との関係ということが若干問題になるのじゃないかという御指摘も含めてのお尋ねではないかと思いますけれども、この事務は、検察庁法十四条との問題で申しますといわゆる行政事務に属する事務であろうというふうに私ども考えておるわけでございます。本来の日本の刑事事件の捜査処理ということになりますと、これは十四条の問題もございまして、個々の事件の捜査処理につきましては検事総長のみを指揮できるという特殊な立て方になっておりますが、これはそういうものではございませんで、捜査には似ておりますけれども、日本のいわば捜査ではなくて外国のためにする共助でございます。したがいまして、もともと検察事務を広い意味で行政事務と言えば行政事務でございますけれども、検察事務そのものとは違った行政事務であろう。そうなりますと、検察庁法との問題も特に抵触というような問題も起こらないだろうというふうに考えまして、先ほど来申しておりますような実質的な必要性、緊急性なり便宜性と申しますか、そういうことを勘案いたしまして地検の検事正というふうに定めたわけでございます。
#15
○柴田(睦)委員 捜査に類似するということですけれども、ちょっと確認しておきたいのは、検察官が共助に必要な証拠を収集するということは、一般的に検察官が行う犯罪捜査とどういう点で相違しているかということを確認のために伺っておきたいと思います。
#16
○前田(宏)政府委員 外形的なと申しますか行為そのものは捜査と全く同じと言ってもいいようなことであろうと思います。
 参考人の取り調べあるいは物の任意提出を求める、場合によっては証人尋問を請求するあるいは令状を得て押収、捜索を行うということでございますから、それ自体は捜査と同じと言っていいと思いますけれども、事の性質が、日本の刑事事件、犯罪についての捜査つまり刑事訴訟法そのものに基づいて行う捜査ではなくて、外国の要請に基づいてこの法律を根拠として行う調査事務とでも申した方がいいかもしれませんけれども、そういうことでございますので、性格が違うというふうに御理解をいただきたいわけでございます。
#17
○柴田(睦)委員 検察官の取り調べなどの証拠収集に当たって警察官を指揮するということを決めた刑事訴訟法の百九十三条の警察官に対する指示、指揮の規定があるわけですけれども、この規定はこの検察官の共助のための証拠収集のためには適用されないものでしょうか。
#18
○前田(宏)政府委員 先ほどのお尋ねにも関連することでございますが、この共助事務と申しますか共助のための証拠収集事務というものは刑事訴訟法そのものによって行われるものではございません。やること自体が、先ほど来申しておりますように、類似というか同一的な意味での類似をしておりますので、刑事訴訟法を準用しているところもございますけれども、それは便宜のことでございまして性質は違う。
 したがいまして、いまのお尋ねのような検察官と警察官との関係は刑事訴訟法では御指摘のようなかっこうになっておりますけれども、これはいわばばらばらのことでございまして、結論から申せば検察官としてこの事務に関して警察を指揮監督できるということにはならない、かように考えております。
#19
○柴田(睦)委員 いま検察庁法の十四条の問題に触れられまして大体理解できたのですけれども、問題は、検察庁法の十四条が犯罪の個別的な捜査に関しての法務大臣の検察官に対する指揮、指示について検事総長に対してだけそれがやれるという規定になっていて、これは法務大臣の検察の捜査に対する権限を制限するという趣旨を持っているのですけれども、こういうふうにして検事正に命ずるというようなことになると、法務大臣と各検察官の関係が、十四条でせっかく制限しているものを実際上なし崩しにしていくような方向に行くんじゃないかというような危惧を一面持つわけですけれども、その点は全く心配はないでしょうか。
#20
○前田(宏)政府委員 十四条の趣旨がただいま仰せになりましたようなことであることはもう言うまでもないところでございます。そのことは確立されたことでございますし、運用上も問題はないと思っております。したがいまして、検察官といたしましてはその規定があることを十分知っておりますし、また法務大臣におきましてもそのことは十分理解しておるところでございます。
 そこで、この国際捜査共助法によります事務というものが、先ほど来何回か申しておりますように本来の捜査ではない、刑事事件の捜査、処理ではないということも検察官としては十分理解しておるところでございまして、それと本来の事務とのより分けということについて混同が起こるというようなことは毛頭なかろうというふうに考えておる次第でございます。
 なお、直接的ではございませんけれども、類似の制度といたしまして逃亡犯罪人引渡法がございますが、これも検事正ではございませんけれども検事長相手ということにおいてはやや類似しているところがあるわけでございます。その点についても問題は生じておりません。
#21
○柴田(睦)委員 それでは次に十三条の問題ですが、ここに検事正が「意見を付して、収集した証拠を法務大臣に送付しなければならない。」ということが書いてありますし、それから都道府県公安委員会についてもやはり意見を付して、それから国家公安委員会も意見を付す、そういうふうに、ずっと意見を付すということが各項に書いてあるわけですけれども、この意見というのはどんな内容になるわけでしょうか。
#22
○前田(宏)政府委員 「意見」としか書いてございませんので、はっきりしないということもあろうかと思いますけれども、先ほどのお尋ねにもお答えしたところでございますが、この法案では制限事由が二条に書いてございます。たとえば政治犯罪であるかどうかというようなことも含めて書いてあるわけでございます。ただ、それだけでなく、先ほども触れましたように五条で法務大臣が相当性の判断をするということで、いろいろな段階で間違いなきを期する、平たく言えばチェックするというような仕掛けにしておるわけでございます。
 先ほどもお尋ねを受けましたように、政治犯罪について捜査する目的で行われたのじゃないかというようなことがいろいろな段階でわかり得るということも考えられるわけでございますし、そのような問題でございませんでも、直接事情聴取した相手方あるいは物の提出を求めた相手方、そういう人に、現地の検事正なり検事正を経由した検察官なりあるいはルートを通しました一線の警察官なりが当たるわけでございます。そういう段階で、いろいろとそれまでわからなかった事情が判明してくることがあると思います。そのことがこの共助を行い得ないかどうかあるいは行うことが相当でないかどうかという判断に関係してくることが多いと思いますし、また行うにいたしましても、この条文で申しますと、いまの十三条の後の方に出てまいるわけでございますが、つまり五項でございますけれども、証拠の使用または返還に関して条件を付することができるというようなことがございます。この条件というのも、主としてその所有者等の希望等があるだろうと思いますので、そういうようなことも含めますと、法務大臣としては、わからない事情がいろいろな段階でわかってくることがあるであろうということでございますので、それぞれの担当者が措置をいたしました場合に知り得た事情、それをもとにいたしました共助の当否についての意見、それを法務大臣の方に集中してくるということを考えまして、十三条の各項におきまして、それぞれのルートの中でそれぞれの段階で意見を付してもらう、そのことによって判断の誤りなきを期そう、こういうことでございます。
#23
○柴田(睦)委員 そうしますと、結局現場の方で調べて、その調べたことに対して意見が出される。法律の上でも、その意見に対する法務大臣の対応について一部書いてあるわけですけれども、全般的にはやはり現場の方が詳しいし、直接調べたことから出てくる意見がつけられると思うわけです。
 そうしますと法務大臣としては、明白な間違いでない限り、その意見を尊重してその意見に従った措置をとる、こういうことになるでしょうか。
#24
○前田(宏)政府委員 具体的にどういう意見が来るかはいろいろケース・バイ・ケースだと思います。したがいまして、必ずそのとおりにするというわけでもないと思いますし、疑いがあればまたそれを問いただして、どういうことであるかということを聞くことも当然あり得ると思います。
 したがいまして、もちろん現地の具体的なことによって出ます意見でございますから十分尊重することは当然でございますが、それらを総合勘案して、この要件、またこれをそのケースについて適用することがいいかどうか、つまり結論的に共助することがいいかどうかということは総合判断をすべきものであろう、かように考えます。
#25
○柴田(睦)委員 それでは、この法案は結局わが国が外国に対して共助をする場合の法律ですけれども、わが国の刑事事件の捜査に関して外国からの協力を求めなければならない事例というものが現代社会においてはやはり一層多くなっているというように思うわけです。
 現在、外国からの共助を求めるには一般的にどういうふうなやり方をとっているのか、お答え願いたいと思います。
#26
○前田(宏)政府委員 警察の方にもいろいろと例があると思いますので、後から警察庁の方からお答えいただいた方がいいと思いますが、さしあたって検察官が従来外国に依頼した例を、ごく少数のことでございますが申しておきますが、いずれにいたしましても、外国に事捜査に関して協力を求めるわけでございすから勝手にやるわけにはいかないということで、いわゆる外交ルート経由で相手の国に要請を行って、その同意を得てといいますか了解を得て証拠の提供を受けておるということでございます。
 一つの例といたしまして、もう大分前になりますが、昭和四十五年に富士銀行の不正融資事件というのがございまして、その関係でフランスに証拠の収集の協力を求めた事例がございます。これはやはり外交ルートを通じまして、東京地検の検察官がフランスの司法当局に対しまして関係証拠物の押収を依頼して、これに基づいてフランスの司法当局が証拠物を押収してくれまして、これをわが方の検察庁に渡してくれたというような例がございます。
#27
○水町説明員 警察が外国に対しまして共助の要請を行った事例でございますが、日本赤軍関係者によりますハーグ事件、これがございまして、昭和五十年、オランダから公式の報告書、参考人の供述調書、証拠物等の提供を受けたことがございます。さらに、同じ年のクアラルンプール事件でございますが、この関係につきましてもマレーシアの当局が作成いたしました供述調書等の認証謄本、この提供を受けたことがございます。さらに、昭和五十一年旅券偽造同行使事件に関しまして、カナダから警察官作成の報告書等の提供を受けたことがございます。
 これらはいずれも警察庁におきまして外務省に依頼いたしまして、外務省から相手国に対しまして共助の要請を行ったわけでございます。
#28
○柴田(睦)委員 法務省と警察庁のどちらでもいいのですけれども、事例があればですけれども、そうした共助の要請をして外国の方から拒否、断わられた事例あるいは提供を受けてもそれがこちらの目的に全然合致しない、役に立たない、そういう資料であったというような事例がありますか。
#29
○前田(宏)政府委員 もともと、先ほど申しましたように検察官が外国に捜査協力を求めた例というのは少ないわけでございまして、記憶にありますのでは先ほど申し上げたような例でございます。その場合には大変フランス当局が協力的でございまして、必要な証拠物の押収をしてくれて、これが当該事件の処理に大変役立ったということでございます。
#30
○水町説明員 ただいま法務省の刑事局長がお答えしたとおりでございまして、大変協力的な態度で協力をしていただいておるのが現状でございます。
#31
○柴田(睦)委員 共助の方でうまくいっているというお話ですけれども、実際には、たとえば日本の捜査官を外国に派遣して、当然外国捜査機関の協力を受けなければならないと思いますけれども、そういう協力を受けながら証拠収集を図ることが必要な場合もあるんではないか。現に、ラストボロフ事件なんかのときは捜査官がアメリカまで出向いたようですけれども、そういう必要がある場合はどういう処置でやりますか。
#32
○前田(宏)政府委員 これも余りこれまで例はございませんけれども、いま御指摘のように、ラストロボフ事件では検察官がアメリカに赴きまして、本人を参考人として取り調べたことがございます。この場合もやはり先ほどの例と同様でございまして、特に直接捜査官が赴きまして捜査をするということでございますから、相手国の主権の侵害というような問題も考えなければいけませんので、そういう観点から外交ルートを通じまして、相手国の同意、了承を得て、いわゆる任意捜査という形で取り調べを行うということになるわけでございます。
 先ほど警察からお話のございましたオランダのフランス大使館襲撃事件あるいはクアラルンプール事件等の捜査につきましても、東京地検の検警官がオランダに赴きまして、その国の捜査機関から証拠資料を入手してきた。これはじかに調べたわけではございませんで、むしろ捜査共助的なことでございますけれども、実際に行って証拠物をもらってきたという例もそれに似たものとしてございます。
#33
○水町説明員 外国に警察官を派遣した例といたしましては、昭和四十八年に殺人事件の捜査のためにアメリカに警察官を派遣いたしまして、参考人等から事情を聴取いたしまして上申書の提出を求めたことがございます。さらに、昭和五十一年に拳銃密輸事件の捜査のためアメリカに警察官を派遣いたしまして、アメリカ捜査当局の御協力を得まして供述調書を作成したということがございます。
 これらの場合には、いずれも警察庁におきまして外務省に依頼いたしまして、相手国の了解を得た上で行っているわけでございます。
#34
○柴田(睦)委員 それから、日本人の被疑者で国外に逃亡している人間、これはいま何人ぐらいいるわけでしょうか。そして、それらの被疑者について日本の捜査機関に引渡しを求めたいと思われる者があると思うわけですけれども、その引渡しを求めて現実に国内で捜査ができるようにする方法、これはどういうことでしょうか。
#35
○水町説明員 近年海外旅行が非常に盛んになりまして、日本人の出国者も年間四百万人を超えるという状況でございます。そういうことで、国内で犯罪を犯しまして被疑者が海外に逃亡する事案というものが非常に多くなっておるわけでございます。私ども一応調査をいたしまして、まあ若干暗数もございましょうけれども、全国的に指名手配されております被疑者で国外に逃亡したと見られる者は約百名でございます。
 警察といたしましては、これらの事案に対処するに当たりまして、入管当局と連携いたしまして被疑者の国外逃亡を未然に防止するということを一つやっております。さらに、外務省あるいは国際刑事警察機構に対しまして、逃亡犯罪人の所在調査、身柄確保を要請しておりまして、逃げ得は許さないという基本方針の貫徹に努めておるわけでございます。
 その具体的な方策でございますけれども、まず所在調査をするというのが第一でございまして、どこにだれがいるかということをまずつかむ、これをやらなければなりません。外務省及び国際刑事警察機構に対しましてそのことを依頼する。今度は、所在調査が終わりましてどこどこに被疑者がいるということになりますと、その身柄の引き取りをやるわけでございますが、その方法といたしましては四つございます。
 一つは、逃亡犯罪人引渡し条約に基づくものでございます。これは日米間にのみ現在条約が存在いたします。第二の方法は、相手国の逃亡犯罪人引渡法に基づいてその引渡しを受けるということでございます。先ほど法務省刑事局長から御答弁のございましたフランスの金東善事件、これにつきましてはその方法でやったわけでございます。第三の方法は、相手国の国内法に基づきましてその被疑者を国外追放にいたしまして、その者を今度は日本側の逮捕状に基づきまして逮捕する、こういう方法が第三の方法でございます。第四の方法といたしましては、日本の在外公館等が本人に説得をいたしまして帰国せしめて、帰国した後に当方の逮捕状で逮捕する、こういう四つの方法で行っておるところでございます。
#36
○柴田(睦)委員 それでは、日本の国内において外国人の刑事犯、これが非常に増加しているというふうに聞いているわけですけれども、その状況、そしてこれに対してどういう対策がとられているかという点などについてお伺いします。
#37
○水町説明員 わが国と諸外国との人的、物的交流が非常に活発化してまいりまして、わが国への外国人の入国者、これも非常にふえてきております。もちろん大部分の外国人、これは善良な方ばかりでございますが、その中に若干の悪い人たちが入りまして、昭和五十四年に日本国内におきまして外国人旅行者等で警察が検挙いたしました刑法犯、この数は四百三人でございます。この十年間に一・五倍ということになっておるわけでございます。
 これらの犯罪の特色を見ますと、最近沖繩県警で検挙いたしましたフィリピン人等によります米国財務省名義偽造小切手行使事件のように、国際的な常習犯罪者による計画的な犯罪が多発しております。そして最近は特に知能犯の増加が著しくなっておりまして、前年比でございますが、昨年が人数で五〇%増というようなことでございます。さらに、偽造旅券を使ってわが国に入国いたしまして、犯罪を敢行した後に直ちに国外に逃亡するという事例も非常に多くなっております。
 警察といたしましては、これら外国人による犯罪動向に的確に対処いたすために、国内関係省庁及び国際刑事警察機構との緊密な連携をとりまして、関連情報を迅速的確に入手いたしまして、国内における犯罪の未然防止と早期検挙を図ってまいっているところでございます。
#38
○柴田(睦)委員 それでは今度はその反対の、日本人が外国において犯罪を犯す、これもやはり趨勢としてふえる傾向にあるし、特に問題になるのは暴力団などが外国で犯罪を犯す事例がいろいろ報ぜられているわけですけれども、それらの状況、さらに特徴、そしてこれに対する対策というものについて伺いたいと思います。
#39
○水町説明員 ただいま御指摘のとおり、暴力団の海外進出等が最近非常に盛んでございまして、日本人が海外で犯罪を行いまして検挙されたということで、外務省からまたは国際刑事警察機構から警察庁に通報を受けたものは、昭和五十四年には検挙件数で百三十九件、検挙人員で百七十七人でございまして、十年前に比しまして約六倍ということでございます。
 これらの犯罪の特色を見ますと、拳銃、麻薬等の所持で検挙されます事例が目立ちます。また、殺人や傷害などの凶悪犯も増加しておりまして、フィリピンにおける日本人同士による殺人事件を初めとしまして、犯行地を国外に求めて犯罪を敢行する傾向も強まっております。
 それから、ただいま御指摘のように、これらの事件の背後には暴力団の海外進出あるいは暴力団周辺の人物の海外進出の動向が絡んでおりますし、また保険金目的による犯罪が非常に増加しておるということでございまして、今後この傾向は一層強まるものと考えております。
 警察といたしましては、このような事業に対処いたしまして、関係省庁及び国際刑事警察機構と密接な連絡をとりつつ捜査官を派遣するなど積極的に証拠の収集を図りまして、国際的な犯罪捜査を展開してまいりたいと思っております。特に暴力団の海外進出でございますが、その海外進出の動向が目立ちますアメリカの各捜査機関との間で、本年一月、五日間にわたりまして日米暴力団対策会議を開きまして、日本の暴力団の進出の実態、取り締まり状況等につきまして情報交換いたしました。さらに日米間における捜査協力について討議を行いまして、国際捜査協力の成果を上げておる次第でございます。
#40
○柴田(睦)委員 最後に、国際刑事警察機構の問題ですが、この十七条で「外国の刑事事件の捜査について協力」ということになっております。この協力というのは共助とはどこが違うのか、この点まずお伺いします。
#41
○水町説明員 先ほど来話が出ておりますように、刑事事件の捜査につきましては非常に迅速性が要求されます。したがいまして国際刑事警察機構におきましては、独自の国際無線通信網を持っておりまして、刑事事件の情報、資料を迅速に交換するということを通じまして、逃亡犯罪人の所在調査、被疑者の割り出し、供述の裏づけなどを早期に行う、こういうことをやっておるわけでございます。
 そういう意味合いにおきまして、この十七条におきます協力につきましては、外国の刑事事件の捜査資料を任意手段によって収集し提供するということでございます。一方共助の方は、定義がございますけれども、外国の要請によりまして、当該外国の刑事事件の捜査に必要な証拠を強制手段または任意手段によって収集し提供するということでございまして、手段、方法が異なっておるわけでございます。
#42
○柴田(睦)委員 国際刑事警察機構がわが国に関連する刑事事件について現実にどのように役に立っているのかという問題ですが、全般的にお答えいただきながら、いわゆる保険金目的の連続殺人事件の被疑者が国外へ逃亡した事案があって、これに対してICPOがいろんな活躍をしたということが伝えられているのですけれども、それらの具体的な事例、昭和五十二年の八月から五十三年の十月にかけて、愛知県の運送会社の社長ら幹部が多額の保険金を従業員らに掛けて殺害するという連続殺人事件について、ICPOの果たした役割りも含めてひとつお話し願いたいと思います。
#43
○水町説明員 国際刑事警察機構への協力要請の主な内容といたしましては、被害者その他関係人からの事情聴取あるいは外国人被疑者の犯歴、人定事項の照会、押収物等の確認、逃亡犯罪人の所在の確認等でございまして、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス等欧米諸国及びフィリピン、タイ、韓国等のアジア諸国に対して照会を行っております。それから重要国外逃亡被疑者につきましては、その所在調査のために国際刑事警察機構から全加盟国に対しましていろいろな手配書等を出しておりまして、国際的な犯罪捜査を展開しておるわけでございます。
 ただいま御指摘の、愛知県下の運送会社の社長が保険金目的の連続殺人事件を行って海外逃亡した事案でございますけれども、国際刑事警察機構に対します国際捜査協力要請につきましては、昨年の四月十日、警視庁と愛知県警の合同捜査本部は被疑者二名が台湾に逃亡したという情報を得まして、警察庁は直ちに国際刑事警察機構に対しまして照会いたしました。そうしましたところ、被疑者二名はすでに台湾を出ておるということがわかりましたので、さらに調査を依頼したところ、被疑者らは四月一日に台湾からパラグアイ、ブラジルへ向かったということが判明いたしましたので、ICPO全加盟国に対します一斉手配をいたしまして、あわせて外交機関を通じましてブラジル政府及びパラグアイ政府に対しまして捜査協力方の要請をしたわけでございます。国際刑事警察機構からは、彼らが四月九日パラグアイの首都アスンシオンからサンパウロに向かって出国したという情報が得られまして、さらに四月九日サンパウロへ入国したという連絡が入りましたので、ブラジル政府に対しまして捜査協力方を強力に要請したわけでございます。五月三日になりまして、外務省の出先機関でございます在ベレーン総領事から外務省本省に対しまして、この被疑者二名がブラジルのアマゾン川流域のパラ州コンセイソン・ド・アラグアイアというところで死亡したという連絡が入った次第でございます。
 ICPOが刑事事件の捜査のために必要な情報及び資料を迅速かつ組織的に交換していくという機能を果たしている一つの例でございます。
#44
○柴田(睦)委員 いまのその事例で日本の警察はどういう役割りを果たしたわけですか。
#45
○水町説明員 日本の警察といたしましては、まず令状をとりまして、令状をとりました段階で直ちに先ほど申し上げた国際手配をしたわけでございますけれども、その段階においてすでにブラジルの方に向かっておったということでございますので、その追跡捜査の過程におきましては、外国警察あるいは国際刑事警察機構のお世話に十分なった、こういうことでございます。
#46
○柴田(睦)委員 終わります。
#47
○木村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#48
○木村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#49
○木村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#51
○木村委員長 次に、内閣提出、参議院送付、民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案及び内閣提出、参議院送付、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨の説明を聴取いたします。倉石法務大臣。
    ―――――――――――――
 民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案
 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#52
○倉石国務大臣 民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 民事訴訟費用等に関する法律に定める民事事件等に関する手数料の額につきましては、昭和四十六年に同法が制定されて以来今日まで改正を経ておらず、その間の経済情勢の変化等にもかかわらず長らく据え置かれていること等により、現行の手数料の額は、実質的に著しく低額になっております。このような事情にかんがみ、今般、民事事件等に関する手数料を現時点に即した適正な額に改定しようとするものであります。なお、刑事訴訟法施行法に定める刑事事件に関する手数料等の額につきましても、昭和四十六年以来今日まで据え置かれたままになっておりますので、民事事件等に関する手数料の額の改定に合わせて、適正な額に改めようとするものであります。
 以下改正の要点を申し上げます。
 第一に、民事事件等における訴えの提起、借地非訟事件に係る申し立て及び民事調停の申し立ての手数料の額についてその算出基準を改めるとともに、その他の民事事件等に関する申し立ての手数料の額を改定しようとするものであります。
 第二に、民事事件等に関する記録の閲覧、謄写等の手数料の額を改定しようとするものであります。
 第三に、刑事事件に関する裁判書の謄本等の請求の費用及び訴訟記録の閲覧の手数料の額を改定しようとするものであります。
 なお、この法律案に基づく手数料等の改定の実施は、民事執行法の施行日に合わせ、昭和五十五年十月一日とすることとしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますよう、お願いいたします。
 次に、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 本法案は、昨年強制執行制度を全面的に改正する民事執行法が成立し、本年十月一日から施行されることに伴い、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部を改正し、新たに、債権等及び航空機、自動車、建設機械に対する滞納処分と強制執行等との手続の調整に必要な規定を設けるとともに、動産に対する満納処分の担保権の実行としての競売との手続の調整に必要な規定を設け、これにより税債権と私債権の実行手続に関し、適正かつ合理的な調整を図ろうとするものであります。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#53
○木村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は、来る五月七日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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