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1979/03/21 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第8号
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1979/03/21 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第091回国会 地方行政委員会 第8号
昭和五十五年三月二十一日(金曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
    委員長 塩谷 一夫君
   理事 石川 要三君 理事 大石 千八君
   理事 中村 弘海君 理事 松野 幸泰君
   理事 小川 省吾君 理事 神沢  浄君
   理事 小濱 新次君 理事 三谷 秀治君
   理事 部谷 孝之君
      池田  淳君    小澤  潔君
      亀井 静香君    亀井 善之君
      岸田 文武君    工藤  巖君
      熊川 次男君    椎名 素夫君
      白川 勝彦君    服部 安司君
      井岡 大治君    河野  正君
      中村  茂君    細谷 治嘉君
      山田 芳治君    小川新一郎君
      斎藤  実君    吉井 光照君
      安藤  巖君    和田 一仁君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 後藤田正晴君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 園田 清充君
 出席政府委員
        自治省財政局長 土屋 佳照君
        自治省税務局長 石原 信雄君
 委員外の出席者
        経済企画庁物価
        局物価調整課長 香西  泰君
        厚生省社会局保
        護課長     佐藤 良正君
        水産庁漁政部水
        産流通課長   真板 道夫君
        運輸省港湾局倉
        庫課長     後出  豊君
        建設省都市局都
        市再開発課長  小林  実君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十九日
 辞任         補欠選任
  田島  衞君     山口 敏夫君
同日
 辞任         補欠選任
  山口 敏夫君     田島  衞君
同月二十一日
 辞任         補欠選任
  北口  博君     熊川 次男君
  丹羽 雄哉君     白川 勝彦君
  加藤 万吉君     中村  茂君
  河野  正君     山田 芳治君
  河村  勝君     和田 一仁君
同日
 辞任         補欠選任
  熊川 次男君     北口  博君
  白川 勝彦君     丹羽 雄哉君
  中村  茂君     加藤 万吉君
  山田 芳治君     河野  正君
  和田 一仁君     河村  勝君
    ―――――――――――――
三月二十一日
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 七三号)
同月十九日
 過疎地域対策緊急措置法の改正に関する請願
 (関晴正君紹介)(第二五六九号)
 退職地方公務員の共済年金・恩給等改善に関す
 る請願(中西積介君紹介)(第二五七〇号)
 同(井岡大治君紹介)(第二六二三号)
 同(斎藤実君紹介)(第二六二四号)
 同(玉置一弥君紹介)(第二六二五号)
 同外一件(山本政弘君紹介)(第二六二六号)
 同(塩田晋君紹介)(第二六九八号)
 同外一件(山花貞夫君紹介)(第二六九九号)
は本委員会に付託された。
同月二十一日
 過疎地域振興法案(山中貞則君外八名提出)
 過疎地域対策緊急措置法の一部を改正する法律
 案(細谷治嘉君外三十五名提出)
 過疎地域対策緊急措置法の一部を改正する法律
 案(小濱新次君外三十二名提出)
は撤回された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一九号)
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 七三号)
 過疎地域振興特別措置法案起草の件
     ――――◇―――――
#2
○塩谷委員長 これより会議を聞きます。
 本日付託になりました内閣提出に係る地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明を聴取いたします。後藤田自治大臣。
    ―――――――――――――
 地方税法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○後藤田国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 今般の電気料金の改定に伴い、住民負担の軽減を図るため、電気税の免税点を二千四百円から三千六百円に引き上げようとするものであります。
 この改正により、平年度百五十五億円の減税を行うこととなります。
 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○塩谷委員長 以上で、本案の提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#5
○塩谷委員長 次に、内閣提出に係る地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田芳治君。
#6
○山田(芳)委員 地方税法の一部改正に当たりまして、私はいま大蔵委員会に所属をしながら、国の税制を見ながら地方税制というものを考える場合に、わが国の地方税制が国の税制に従属をしているという感慨が非常に深いわけであります。具体的にそれを申し上げながら、地方税というのはもっと自主独立の立場に立った税制度があるべきではないかという点を質問を申し上げたいと思うわけであります。
 わが国の戦後の税制を概観いたしますと、昭和二十年代はシャウプというアメリカの調査団が参りまして、わが国に対してあるべき税制の姿というものを勧告をいたしまして、それに沿った税制度ができたわけでありますが、これはまず二十年代に崩壊をいたしました。なぜ崩壊をしたかと言いますと、三十年代に入って、わが国が高度経済成長政策という政策を採用いたしました。シャウプは、税制というものは政策から中立であるべきだという提言をいたしております。ところが、三十年代の税制を見ますと、まさにこれは逆でありまして、わが国の資本蓄積とか設備の近代化、合理化、あるいはまた貯蓄の増進、輸出促進という個々の政策課題のために税制が奉仕をした、こういう状況が三十年代から四十年代に続いております。そのために、シャウプが言ったところの政策から中立であるべきだという概念は、二十年代の末期、三十年代の当初にはもう崩壊をして、三十五年から始まった池田内閣以来の高度経済成長政策の中で、いま言った個々の政策目標のために、租税特別措置を初めとするあらゆる政策的な課題に奉仕をしてきた税制というものが、いわゆる高度経済成長期を通じての税制であったわけであります。
 確かに個々の政策目標に税制が対応してきたという中で、その目標は達成をされたという評価はできると思うのでありますが、いまここで低経済成長の中で、しかも財政再建というものが国、地方を通じて厳しく追求されなければならないときにこそ、まさにこの個々の政策目標に奉仕をしていたわが国の税制体系というものを大きく見直さなければならない時期が来ているのではないか、このように思うわけであります。その立場に立つならば、いまやまさに財政再建という大きな目標はあるけれども、もちろん新しい税制を導入をしたいという政府の意図もわかるし、一般消費税等を具体的に取り上げたこともわかりますけれども、それ以前に、シャウプが言ったように税というものは政策から中立であるべきだという考え方、そして公平の概念というものをそこでは取り入れて、もう一度検討し直す必要があるのではないかということが今日ほど痛感されるときはないと思います。
 この三月十日に税制調査会が開かれました。そこでは、法人税の基本的な見直し、根本的なあり方を論議しようということが話されていると聞いております。このことはまことに結構で、わが国の国税としての法人税のあり方というものを根本的に見直すべき時期が来ている、そのことは、私は過般の大蔵委員会の中におきましても、竹下大蔵大臣に強く要請をしたわけでありますが、地方税についても同じようなことが言えるのではないか、こう思います。
 そこでまず第一に、私は税制調査会の資料やいろいろな議論を拝見をいたしておりますと、余りにも税制調査会というものが国税中心主義であって、地方税のことについては非常に関心が薄いと言うと言葉が適当であるかどうかわかりませんが、本当に地方の時代と言われるならば、もっと地方税について真剣に取り組んで論議をされるべきではないかと思うのですが、どうも昔と同じように、国税の付加税主義的な物の考え方が強いという感じがしてしようがない。そのことは逆に言うと税制自身が、公平の概念を導入して政策を排除していけと言ったシャウプから言うなら、国税自身にも問題があるけれども、それに従属をしている地方税制体系というもの自身にもっと問題があると思うのです。
 そこで、私は一、二質問したいのは、どうも税制調査会は国税中心主義だ。一方また、国の財政を論ずる委員会に財政審議会というのがあるけれども、これも国の財政を論すればいいのに地方の財政にまで言及している。本当に地方の時代にふさわしい税制をつくり財政をつくっていくのならば、もっと真剣にこの地方税制、地方財政を専門的かつ具体的に論ずる機関をつくっていくべきではないか。地方制度調査会は確かに、私も委員の一人として在籍をしたこともありますが、当面の地方制度とか地方行政のあり方を論じますけれども、地方税だけを論ずるあるいは地方財政だけを論ずるというにはやや広範な論議が多過ぎる。税制調査会、財政審議会は余りにも国税に偏っているのではないか、こういう感じがして仕方がないのであります。そういう面から言うならば、もちろん税制調査会の中でもよろしいし地方制度調査会の中でもよろしいけれども、もっと本当に地方の時代にふさわしい地方税制のあり方、地方財政のあり方を主体的に論議をする場所というものが必要ではないかと思うのですが、この点について大臣、いかがお考えになりますか。
#7
○後藤田国務大臣 大変基本的な御質問でございますので、正確にお答えになるかどうかわかりませんが、御説のように日本の税制は、シャウプ税制によって根本的に変わりました。地方税について申し上げれば、やはりシャウプ以前は大体国税の付加税制度、それがシャウプの税制で変わってきた。ところが国税も地方税も、今日の情勢を迎えて大きく変わろうとしている時期である。その際に、もう少し地方の独自性というかそれを考えたらどうだ。同時にまた、税全体について、その生命は公平だ、こういった御意見でございますが、それについては、一般論として私は何らの異議がございません。そのとおりだと考えております。
 ただ、いまの税制調査会の仕組みは御案内のように、国の財政経済全般をにらみながら、国税、地方税を通じてどのようにすべきかということについての総理に対する諮問機関ということで、地方の税の関係者としては地方団体の代表者等も相当入りまして、そして十分審議をせられておると私は思います。したがって、いまの税制調査会の審議のあり方に私自身としては特別そう不満を持っておるわけではありませんけれども、確かに御説のように何といいましても、シャウプ以前の日本の税制というものが国税中心、地方税はそれに対する付加税という物の考え方が基本に流れておりましたので、そういった意識が今日もないとは私は言えないと思います。私も四年ばかりあの税制調査会のおつき合いはいたしましたが、そういった空気がないとは言えないと思います。それは何かといいますと、やはり本当の意味での地方自治というのはどういうものだということを、必ずしも十分一般の人はわかっていない。お役人さんも本当の意味においてはわかっていませんよ。そういったことが基本にありまするので、こういった点については、最近のような時代ですから、これから先も十分地方自治というものに対する本当の意味での認識を持っていただくように、われわれ自治省としても努力をしていかなければならぬと考えます。
 しかし、専門の機関をつくったらどうだという点につきましては、これは国税といい地方税といい、負担するのは国民なんですね、同じなんですよ。しかも、現在の統治機構全体が国と地方が複雑に絡み合っておりますから、これはやはり一つの機関の中で審議をすべきであって、そしてその審議の過程において、いま少しく地方の視点に立った論議というものを巻き起こす必要があるのではないのか、かように私は考えているような次第でございます。
#8
○山田(芳)委員 私もそうだと思います。確かに税制調査会と別にやれというふうには思いません。ただ、たとえば地方制度調査会と税制調査会と異なった答申がなされたとしたときに、おおむねこれは大蔵省を中心にして税制調査会の意見が取り入れられて、地方制度調査会の意見がどうも無視をされるのではないか。無視をするという言葉が適当ではないとするなら、どうも軽視をしているという傾向を従来から私は感じて仕方がない。
 そこで一つの提案でありますが、ひとつ大臣、税制調査会の中に地方税部会というか小委員会といいますか、今度は法人税の関係の小委員会を設けて徹底して審議をすると言っておりますから、それとあわせて、後から触れますけれども、たとえば法人事業税の問題、これは非常に問題があると思います。それを論ずると、また法人の負担が国際水準から見てどうであるかこうであるかという議論がされるわけであります。こういうことを含めて、そういう小委員会などをひとつ設けて、地方の時代にふさわしい地方税のあり方を検討してもらう、そしてそこで答申を受けるときには全面的に尊重してやっていくというような考え方はいかがですか。
#9
○後藤田国務大臣 重要な一つの御提言だと思います。検討さしていただきたいと思います。
#10
○山田(芳)委員 ぜひこれはやっていただきたいと思うのであります。
 わが国の地方税制が大変国の税制に従属をしたというのは、たとえていいますと法人事業税、これは電気、ガス並びに損保関係を除いては物税であり、当然外形標準課税にしなければならないのにもかかわらず、課税標準を法人所得に求めているわけであります。そして、それのいろいろの控除というものを見てみますと、たとえば租税特別措置やあるいは配当控除等々も、おおむね国がやることをそのままそこでは導入をして、国の控除のあり方と全く一緒であります。
 また住民税、これは所得税の付加税かと思われるように基礎控除あり、配偶者控除あり、扶養控除あり、今度の改正でこれがまた国税と同じように一率二十二万円ですか、なりました。国税の場合は一率二十九万円、こういうことになっているわけですね。控除額一つをとってみても、まるっきり国税のそれと同じだという考え方ですね。こういうところは少し地方には地方の考え方があってしかるべきではないか、こういうふうに思うのですけれども、今回むしろ逆行するように、若干控除額が住民税において異なっていたのにそれを同じようにしましたね。そういう点は逆行しているのじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。
#11
○後藤田国務大臣 御質疑の法人事業税、これは昔から何といっても、事業が当該地方団体の中にあるということからの応益の一つの物の考え方がございます。もう一つは、やはり地方税というのは、経済の変動、つまり所得の変動で余り安定性を欠くのはぐあいが悪い、税の安定性が必要だといったようなことから、昔からこれはできるだけ外形課税にしろ、こういう御主張があることはよくわかっているのです。わかっているのですが、しかし、これは何といっても利益の上がらぬ法人にまでかかるという厄介な問題がございまするので今日に至っておる。しかも先般の地方消費税の論議がああいった形になったということを考えますと、税金というのは、やはり基本はそれぞれの税には十分な理由がないと、これはなかなか成立するものではないことはよくわかるのですけれども、果たしてその理屈どおりにいくかというと、これまたなかなか容易でないという面もあるように思います。ことにまた、いわゆる一般消費税が否定せられた今日、法人事業税を外形課税でやれという理屈はわかるけれども、それが果たしてそのまま一般の理解と納得が得られるかどうかという点については、私自身は大変危惧の念を持っております。しかし、これは税の理論あるいは地方自治というたてまえからいえば、やはり外形課税にすべきである、私はこう考えておりまするので、これらについても検討の課題にさせていただきたい、かように思います。
#12
○山田(芳)委員 実はこの問題につきまして、一昨日の大蔵委員会で私は大蔵大臣にも質問をいたしました。ということは、法人事業税は物税といいながら所得課税をしている。しかし、所得課税一本かというとそうじゃなくて、先ほど申しましたように電気、ガス、生命保険、損保関係は外形課税をやっている。しかも、私は特におかしいと思いますのは、法人所得課税の実効税率を算定する場合に事業税を加えているのですよ。大体物税であるといいながら、ただ単に所得に課税標準を求めたにすぎないという説明でありながら、それを法人の実効税率の中に加えるというのはおかしいのであって、そう言うなら、固定資産税だって自動車税だって全部入れなければいかぬのじゃないかというのが私の議論なんですが、こういう点を含めて、物税なら物税、いや所得課税ですというなら所得課税で、きちっと論理を統一した上で国際比較をしていくというふうにしないと、都合のいいところばかりとって、法人の負担は国際水準でございますとかそういうようなことを経団連なんかが言っておるのは、まことに論理を混淆しているのではないか。だから、この点はひとつ大蔵大臣も法人税を徹底して見直しますとおっしゃるなら、この問題も地方のことだと言わないで、本気になって検討してくれと言ったら、それはわかりました、検討いたしますとおととい答えておりますので、この問題を含めて――いまの消費税の問題は確かにあるでしょう。しかし、いまのような消費税はそのままでは入りません。これははっきり申し上げて国民の理解を得られないのですから、こういうものを含めて地方からは、全国知事会でさえ外形課税にやってもらいたい、こういうことを強く要求しているんですから、いまがチャンスであります。いままでも何遍も質問もありますけれども、いま税制調査会が法人税のあり方を根本的に洗い直す、これはもちろん配当軽課税の問題や、いわゆる法人擬制説なり実在説というものをどう調整するか、いわゆるインピュテーション方式を入れるかということを含めて検討しようとしている時期ですから、この問題について、地方の時代にふさわしい法人税課税をどうするかということを検討してほしいというのが、私のきょうの質問の第一なんです。
 そこで、いま大臣が言われたように、所得がない、赤字でもかけるのはいかがかという議論があるけれども、地方にとってみれば、下水道も使うし上水道も使うし、それに要するところの交通機関もずいぶん赤字を出しているんですから、その都市に所在する法人というものは当然分任の義務があります。事業所税があるじゃないか、こういうふうに言われますけれども、これは三大都市圏だけに限っております。そういう点から言っていまがチャンスでありますから、もう一遍こういう問題を含めて、じっくり腰を落ちつけて、地方の時代にふさわしい税制をやっていただきたいということを強く要求をしまして、大臣の決意を聞いてこの問題は終わります。もう一度大臣の答弁をお願いいたします。
#13
○後藤田国務大臣 御趣旨は私自身もよくわかっております。また、いいチャンスだと思います。それだけに検討させていただきたい、かように考えます。
#14
○山田(芳)委員 ちょっと大臣からはあれですが、税務局長、事業税を物税だと言いながら法人所得税の実効税率に入れているという計算をして、税制調査会にしても盛んにいろいろの人がやっておるんだけれども、そんなことをやるのなら、私は固定資産税だって自動車税だって入れるべきだと思うのですが、これはどうですか。
#15
○石原政府委員 所得税にしても法人税にしても、国際比較をする場合に各国の税制が必ずしも同じではありません。そこで、実質的に法人が負担する税をどこまで入れるか、どういう形のものまで入れるか、これはいろいろ議論があるわけです。従来から御指摘のように、わが国の場合で申しますと、国税である法人税、それから地方税である法人住民税、それから法人事業税を加えているわけです。議論から言いますと、法人事業税は物税だというわれわれの理解からすれば、いわゆる法人所得に対する課税である法人税と違うじゃないかという議論は前からあります。しかし現在は、法人所得を課税標準として法人所得に対して直接的に税負担を求めているものはカウントしよう。法人事業税の場合には、一部収入金課税がありますけれども、大部分は所得金額を課税標準にしておるという意味でこれを加えているわけです。
 また、法人が負担している税の中で、たとえば固定資産税の償却資産にかかる税、これは明らかに法人負担でありますから加えろという議論もあります。確かに一部財界の人たちはそういう議論もしておりますけれども、そこは所得に直接関連のある税負担だけをカウントするということで線を引いているわけです。
 したがって、事業税の性格論との関連では確かに問題が残るのでありますけれども、現在の国際比較は、法人所得に直接関連して負担を求めている税を一応集めて国際比較をしているということでありますので、今後の検討課題であると思いますけれども、現在はそういう考え方で比較をしているわけでございます。
#16
○山田(芳)委員 私は必ずしも納得できないのです。たとえば国税の法人税では、前年度の法人事業税の税額を損金として落としますね、こういうやり方は、これはまさにどういう論理に基づいているのか、ちょっと私はわからないのですよ。物税と言い、また国際比較にはそれは入れますなんて言いながら、損金で落としている。これならいまの固定資産税や自動車税と同じことじゃないかと思うのですよ。これはきょうは時間がありませんので、一時間半いただけるそうですが、あとは細谷先生に三十分私がおかりをしたというかっこうになっているので、この程度にします。
 次は、この間大蔵省から資料をとりまして、国税の法人税の調査の状況を見ました。いまわが国における法人の数は昭和五十三年で百六十四万九千、百六十五方法人あります。それで、一体国税庁はその法人について毎年どのくらい御調査になっているのですかと聞いたら、十五万六千件、率にして九・五です。一割いっていないのです。だから法人調査というのは十何年に一巡する、こういうかっこうになっているわけです。その結果はどうですかと聞いたら、更正決定などをした率は七七・九、大体八〇%、そして十五万六千の実態調査したところの法人の不正申告、いわゆる脱税とか故意に数字をごまかしたとかいうものは二二・五%、こういう数字があるのです。
 概観して言いますと、百六十五方法人があるけれども、国税庁が調査をするのに十数年かからないと一巡をいたしません。その一年をとってみて、十五万六千なら十五万六千の法人を調べてみると、そのうちの八割は何らかの形で税が直されなければならないものだ。全体の二割二分五厘、二三%近いものは脱税をしている、こういうことなんです。だから、八割までが何らかの形で正しい税が納められていない。二割を超えるものが脱税など悪質なものである。調べたものがこうなんでありまして、調べられないところに至ってはどうなっているかわからぬと、こういう数字なんです。
 これを見ますと、法人の調査というものにも手が回らないということでいろいろな不公平な問題が出ているとともに、法人事業税もいま言った課税標準が所得であるのならば、当然地方自治体の税務当局も法人の実態を、国税と協力してとは言いませんけれども、調査をする権能が地方税法に与えられているのですから、それの調査をやられたことがあるのか、やられたことがないのか、やっていたらその結果はどうか、お知らせいただきたいと思います。
#17
○石原政府委員 御承知のように現在、法人課税にいたしましても所得課税にいたしましても、所得の調査結果等については多くのものについて国税、地方税同じものを使っているケースが多いわけです。これらにつきましては、いわゆる二重調査の煩を避ける、あるいは、税金を納める側の立場からしますと、同一の案件について国税当局と地方の課税当局と両方から調査を受けるというのでは大変でありますので、たてまえとしては、国税の資料を使ういわゆる国税準拠法人につきましては一応、国税の調査結果をもとにして地方税の賦課徴収を行っております。しかし、地方税法の規定によりまして、地方公共団体の税務当局にも質問調査権が認められております。これに基づいて地方公共団体も質問あるいは調査を行っておるわけであります。
 ただ現在、いわゆる国税準拠法人につきましては、更正決定のために地方が独自に調査し、更正決定を行うということは認められておりません。これは二重行政を排除するという趣旨でそのようになっているのですけれども、しかし都道府県の知事の立場から、調査した結果明らかに国税の方の調査結果に誤りがある、不足がある、こういうことが判明した場合には、税務官署に対して法人税の更正決定を行うべき旨の請求をすることができます。そして国税の方で更正または決定が行われれば、それに基づいて地方税の方も更正または決定が行える、こういう仕組みになっております。この点については、直接地方税でもやったらいいじゃないかという議論もあるかもしれませんけれども、やはり一国の税制として同一の法人所得について二重に調査が行われるということは適当でないということで、このような仕組みになっているわけです。もちろん地方税独自の調査決定を行っているいわゆる自主決定法人につきましては、知事が独自に調査を行い、また更正決定を行っているところであります。
#18
○山田(芳)委員 私はやはり地方独自でもっと積極的にやってほしい。なぜ私がそう言うかというと、まだ参議院で成立しておりませんが、衆議院を通過した税理士法、これの第六条なり何なりで今回は御承知のように、地方税についてそこで担当している者は、都道府県民税とかあるいは法人事業税等に関連をしてやっておられる方は二十三年、それ以外の地方税に従事をしたところの職員なら二十八年以上やれば、あとは自治大臣の指定をする研修機関で会計学の研修を受ければ、試験を受けないで税理士の資格が得られるのですよ。これは非常に恩典であると私は思います。いろいろ御意見があります。こんないわゆる天下り式の税理士をたくさん生産するのは、一般消費税を導入するための道であろうというような意見もありますが、私も長いこと公務員の生活をしてきた人間として、その専門の仕事に長いこと従事をしておれば、ある程度のその道において再就職の道を開いていくことは一つの方法としてあることだから、結構だと私は思っております。だけれども、その人が本当にそれだけの能力があるのかどうかということとは別でありますから、そういう意味で、法人の調査なども常にして、そのことは何も権力をかさに着て徴税を強化する意味ではなくて、やはり正しい税のあり方、節税すべきものは節税をするという立場に立って税の勉強をもっとしていかないと大変なことになりますよ。そういう意味で、税理士法の中で大変、地方の税を担当している職員にも恩典が与えられるという税理士法がいま上程をされている、こういう中ですから、もっとやはり地方の税の職員もどんどん法人の調査などに従事をして、貸借対照表、損益計算書を読みあるいは会計監査の実態に習熟をしてもらわなければいかぬ、こう思うのです。
 ところで、国税庁の職員は税務大学校で会計学の研修をやります、こういうのが大蔵当局の意見ですが、地方の職員はそういう機会が非常に少ない。もっと専門的に勉強させる機会を税務当局、自治省は与えてやるべきだ、このように思うのですが、そういうようなものが全然私の知っているところでは制度化してないのじゃないか。こういうのはどんどんそういうところを毎年何人かずつでも、一府県なり市町村ごとに巡回をして研修を受けさしていくということ、会計学なりあるいは貸借対照表、簿記を読めるようにしてあげるということが、自治省として当然必要だし、実態的な意味においても、税理士法というものがいま改正が俎上にのっているのです。こういう点について一体、都道府県や市町村の税務担当職員の研修というものについて、また税理士法に関連してどのように考えておられるか、ひとつお承りをいたしたい。
#19
○石原政府委員 私ども現在、自治大学校におきまして、専門コースにおいて税務職員の基礎的、専門的な知識の向上に努めております。御指摘のように従来、地方税関係の事務に携わる職員の場合は、法人関係にしても個人関係にしても、所得の調査の大部分が国税の結果をそのまま使うというような実態があったこともありまして、法人の経理の実態等についての知識が国税に比べてどうしても弱いという悩みがあったわけです。最近は都道府県の方の希望も、会計学あるいは企業の経理の内容等についてもっと専門的、実務的な研修の機会をふやしてほしい、こういう要望が出されております。私どもは自治大学校の当局に対して、なるべく税務関係の専門コースにつきましては、ただいま御指摘のような課税の実務に役立つような面の講座をふやしていただくように要請しております。今後ともその努力を続けてまいりたいと思います。
#20
○山田(芳)委員 そうすると、税理士法のいう自治大臣が指定する研修機関で会計学の研修を行った者は試験を免除するとあるその研修機関は、国税庁においては税務大学校であると言っていますが、地方税というか、同じ税理士になる資格を与える研修機関は自治大学校と考えてよろしいのですか。
#21
○石原政府委員 税理士法の改正に関連いたしまして、自治大臣が指定する研修機関をどこにするかという具体の検討はまだ行っているわけではありませんけれども、当面考えられるのは自治大学校ではないかと思います。それ以外の機関として何か考え得るかどうか、これはこれからの検討課題と思いますけれども、当面考えられるものとしては自治大学校ではないかと思います。
#22
○山田(芳)委員 自治大学校で結構だと思いますから、税務大学校に負けないだけの研修を十分やってもらえるようにひとつ要望を申し上げておきます。
 次に、今度高速道路に対する固定資産税の振りかえというような考え方で、四十三億五千万ですか、交付金が計上されました。これは全国の市町村長から、高速道路に対しては固定資産税をかけさせろという要求があったものの振りかえだろうと思うのでありますが、この考え方は、固定資産税と同じような、固定資産税として課税をした場合の出てくる数値を市町村に交付するのか、あるいは別の考え方なのか。国有資産等所在市町村交付金はそこの総額を案分して出しているわけですが、そういう方向でやられるのかどうか、この際、これは税に関連をした問題でありますので、お答えをいただきたいと思います。
#23
○石原政府委員 有料道路の課税問題につきましては御案内のように、いわゆる有料道路の料金のプール制というものが実施されまして償還期間が非常に長くなる、そのために料金徴収期間が長くなるということに関連して、固定資産税の課税を認めるべきではないか、あるいは、国鉄その他三公社等に対する納付金制度と同じように、納付金制度あるいは交付金制度を創設すべきではないかという議論があったわけであります。この問題につきましては一方、率直に申して建設省を初め有料道路の所管当局からすれば、有料道路は各地域の開発のために地域の要望にこたえて建設しているものであり、これに課税するというのはとうてい考えられないという反対の議論がありました。この点については、有料道路負担問題検討委員会というものをつくりまして、それぞれの立場を代表する方々及び学識経験者によっていろいろ検討をお願いしたのでありますが、昨年の七月に答申をいただきました。
 その基本的な考え方は、現在の有料道路は、料金の徴収期間が長くなりましても、やはりこれは将来償還が終われば、一般の公共道路と同じように無料になるという道路の基本的な性格は変わらない。したがって、これに対して固定資産税を課税するとかあるいは交納付金の対象にするということは適当でない。しかし、有料道路が通過することに伴って周辺市町村にいろいろな財政需要を引き起こしていることもまた事実であります。そこでその対策として、周辺市町村がそのためにもたらされる財政需要に対処するためにメニュー交付金を交付することが適当だ、こういう答申をいただきました。メニュー交付金というのは、一定の基準で一定の交付金を関係の市町村に交付する、そしてその交付した額の実際の使い道は、各自治体が有料道路の通過に伴って生ずるいろいろな障害といいましょうか対策費、こういったものに各自治体の自主的な判断で充てていくという意味でいわゆるメニュー補助金、メニュー交付金としてこれを交付しようということになったわけでございます。この点につきましては、関係の自治体における財政需要を調査をした結果、五十五年度から十年間、関係自治体に四百五十三億円の金額を交付しようということになりました。そうして五十五年度、その第一年度として十分の一の四十五億三千万円の予算が計上されております。
 このいわゆるメニュー交付金と言われる助成交付金につきましては、ただいま申し上げましたような趣旨から配分については、道路の延長を基本にしながら通過市町村の人口要素を加味することによりまして、できるだけ財政需要の実態に合うような配分にするように現在、建設省において検討をしていただいておると思います。この所管は建設省でございますので、建設省当局において、関係自治体の財政の実態に合うようにこの交付金の配分を行うように検討がなされているように承知いたしております。
#24
○山田(芳)委員 この問題は財政の問題ですから、余り多くは触れませんが、いまのお話を伺いますと、総額の配分は延長と沿線の人口、この要素で配分をする、しかもその配分をする総額の中で、メニュー方式による補助金等においてそのメニュー補助制度に適合した部分について交付をしていく、こういうことですね。そういう場合に、そういうのは何で決めるのですか。そこの要綱か何かですか、それともいわゆる予算補助ですか。別に法律なり何なりをつくってやるべきものと思うのですが、そういう点はどうですか。
#25
○石原政府委員 これは日本道路公団初め首都高速道路公団、阪神高速道路公団、それぞれ各公団が補助要綱によって交付することになっております。したがって、延長ないしはこれを人口要素で補正した交付基準によって一定の額が交付されますと、その交付された金額の範囲で何に使うかは各自治体の選択になります。いわゆるメニュー補助金でございますから何に使うかは各団体が決める。金額はいわば譲与税と似たような形で、延長を人口要素で補正したもので配分する。その根っこになるものは各公団等の定める要綱になると思います。いわゆる法律補助というようなものではございません。
#26
○山田(芳)委員 そうすると、国の国庫支出金でないわけですから、はっきり言うとそこらあたりの監査とかそれの担保とか、そういうものは地方議会に一切任せる、こういう考え方ですか。
#27
○石原政府委員 これはいずれにしても、道路公団あるいは首都高速道路公団、阪神高速道路公団というような非常に公共性の強い組織から交付されるものでありますから、会計検査との関係がどうなるかは私もつまびらかにしておりませんけれども、一応配分方式は道路の延長を人口要素で補正する、いわば譲与税的な配分になりますので、その配分をしたものがかなり幅広い範囲でメニュー式に交付されますので、その範囲内で使われている限りにおいては特に問題はないだろう。各自治体の主体性が大幅に生かされるようなことになるのではないかと思っております。
#28
○山田(芳)委員 これから十年間ですから、これは相当問題――こういうものは十年たったら恐らくまた続くと思います、いまからそんなことを言うのは言い過ぎかもしれませんが。それはそういうものです。ですから、いつごろそういう要綱をお決めになるのかどうかわかりませんが、これは本来的に言えば、きちっと審議をする機関に――これは建設省だというのなら建設省の人を呼ばなければいけませんが、恐らく自治省と共管だろうと思います。そういう意味で、きちっと資料として当委員会にどういうふうに配分するかという要綱その他をお出しいただきたい。市町村だって、どうなるんだろうということは盛んにわれわれは聞かれるわけですが、よくわからないものですから非常に困っておるという状態であります。その点要望しておきます。
 それから、時間がございませんので個別的な問題を申し上げ、お願いをしたいと思うのであります。
 実は不動産取得税に関連をいたしますが、京都市の京都駅、いわゆる新幹線の南口地区に市街地の再開発事業というのが行われておるわけであります。京都市がその市街地再開発事業の主体でございます。ここにパンフレットもございますが、そこにおいては、市街地の再開発のために協力をした場合には、地方税の七十三条でしたかによって協力をした場合には――不動産を売却する、そして新しいところへ不動産を求めて移る、こういうことがあるわけであります。
 京都市の場合において、いまここで私が質問をしたいのは、ある工場がこの市街地再開発事業に基づいて京都市からぜひ移転をしてほしい、こういうことを要請されまして、京都市のやる市街地再開発事業ならば協力をいたしましょうということで、別のところに土地を求め工場を建てて、いままでやっていた敷地を京都市に売却したわけであります。その場合には、代替の不動産ともとの不動産との差額については不動産取得税がかかるのは当然でありますが、再開発事業でありますから、もともとあったところの財産の部分については不動産取得税をかけないというのがいまの地方税法のたてまえであります。これはあたりまえのことだと思います。よけいに取得した分についてはかかるだろうが、イコールの部分については、これは公共事業として市街地再開発事業に協力をしたということで、不動産取得税は免除されるのが当然の仕組みであると思っております。
 ところがこのケースの場合は、これはすでに建設省にも自治省にも申し上げてあるわけですけれども、京都市の指導の不徹底という中で、市街地再開発事業に積極的に協力をして、権利変換期日前、この再開発事業が公式な手続、すなわち都市計画審議会にかけ、計画決定をして、そういったことの告示をするという手続の中で協力をすれば、これはいま言ったような不動産取得税の免除があるが、話があって、そういう都市計画決定などというものの手続が始まらない前に、協力をしましょうときわめて協力的に移転をした。市の要請によって移転をしたところが、府の方からは不動産取得税がまるまるかかってきた、こういうわけです。
 おかしいではないか、こういうことなんでありますが、よく調べてみると、いま言いましたように、都市計画決定を初めにするところの一連の手続の中でやればいいけれども、その事業計画決定やその他の前に協力をして移転したときにはその法律にかからない、こういうことなんです。要するに話をされて、わかりました、市街地を再開発し、京都市の南口をビルを建ててしっかり都市的な再開発をすることについては協力をいたします、それでは別に土地を求めて工場を移転をいたしますと言ってさっさと一番先に移転をしたら、それは都市計画決定や事業計画決定がなされる前なんだから不動産取得税はまるまるかかります、こういうことになっているのです。だから、これはまさに正直者がばかをみる。京都市からぜひ協力してくださいと言われたら、二の返事で協力をして出ていったら、それは京都市の行う都市計画決定や事業計画決定よりも前であった、だからこれには不動産取得税がまるまるかかります、こういうことなんですね。こんなばかげたことはないので、これはどうしたってどこかが抜けている。やはりこれは地方税法の七十三条の十四の第八項の規定に従って、移った分だけの部分は不動産取得税は、これは土地も建物もあるわけでありますが、免除するのが至当だと思うのですが、この点についての自治省の見解をお承りをいたしたい。
#29
○石原政府委員 ただいま御指摘の件でございますが、いまもお話がありましたように、不動産取得税の課税標準の特例の一つとして、都市再開発事業に従いまして権利変換を行った場合に、その権利床が過小の場合には補償金を受けて他に移る、こういった場合に補償金を受けて代替不動産を取得した場合に、もとの不動産価格相当分は差し引いたネットの取得分についてのみ課税をするという規定であります。この規定の適用要件としましてはただいまもお話がありましたように、都市再開発法の九十一条第一項の補償金を受けた者が権利変換期日後二年以内に代替不動産を取得した場合に、従前の不動産の価格を課税標準から控除する、こういう規定になっております。ポイントは、権利変換期日後に代替不動産を取得した場合にこの規定が適用されるということでありますが、ただいまお話しの京都市の都市再開発事業は、私どもが調査したところによりますと、事業計画の決定そのものがことしの五月を予定しているようであります。したがって、都市計画決定は五十一年八月にすでに行われておりますけれども、これはいわゆる施行区域の決定と非常に漠とした計画でありまして、具体の計画決定はことしの五月に予定されている。ところが先ほどのお話の方は、五十三年の七月三十一日に不動産をすでに京都市に売却して、五十四年、昨年の二月一日に代替不動産を取得しておられる。したがって、不動産の売却と代替不動産の取得の一連の行為がすべて都市再開発事業の事業計画が決定される前に行われてしまったということで、地方税法第七十三条の十四の第八項の規定による特例の適用をしようがない、こういう事態になったわけであります。
 この点につきましては、現在の地方税法の決め方自身についてどうかというお尋ねの趣旨もあるかと思いますけれども、私どもいまの規定は、ほかのこの種の特例措置と同じように、一定の計画内容が確定した段階で特例の適用をするという税法のたてまえはなかなか緩めるというのは困難ではないかと思うのであります。要は、このように自主的に積極的に都市再開発事業に御協力いただくというこういう方が結果として非常に不利な扱いを受けるというのは、これは確かに行政としても考えなければならないことではないかと思います。むしろ、結果論ですけれども私どもからすれば、現在の地方税法のこのような取り扱いというものを、御協力いただく方に十分事前に周知徹底する努力がもっとあってよかったのではないかという感じがいたします。ただ、大変不幸なことに、この不動産取得税は府が課税主体になっている。ところが、都市再開発事業は京都市が事業主体になっている。そのために、私どももこの案件についていろいろ聞いてみましたら、府と市の間の連携というものは必ずしも十分でなかったように思います。
 それから、私は税の担当者としての感想を申し上げますと、やはりこういった税制上のいろいろな特例というのは、都市再開発事業については非常に重要なポイントでありますから、都市再開発事業を進められる立場の方が住民の方に、こういう制度があるのだということをよく指導なさるべきではなかったのか、これは今後のことも含めて私どもそういった点を特に感想を持っております。いずれにしても、税法上いま直ちにすでに行われた行為に対していまの規定を改定して救済するというのはなかなか困難だと思いますが、現実に御協力いただいた方について何らかの救済措置ができないものかどうか、さらに関係の自治体ともよく相談してみたいと思います。
#30
○山田(芳)委員 ちょっと建設省の小林再開発課長にお伺いをしますが、京都市では五十二年の一月にこういうパンフレットを出されまして、この計画は五十一年八月二十四日に決定しましたと書いてある。そして、いま石原税務局長が言ったような計画の決定などというようなことは何も書いてない。そして、とにかくそこの地区についてぜひ御協力をいただきたい、できるだけ早くしてほしい。しかもこのケースの場合は、五十四年の六月までに更地にして京都市に売ってください、一日も早く立ち退いてください、こう言っているのですよ。いま石原さんは、自主的に、とこう言われたけれども、決して自主的じゃないので、京都市から五十四年の六月の末までには更地にして立ち退いてほしいという要請があって、それじゃ協力をいたしましょうと、こうやった。ところが一方、いまお話しのように事業決定というのは五十五年、ことしの五月の予定でございます、こういうことです。私はひどいと言うのですよ。そういう税がありながら、先に出たらひっかからないのをわかっていながら――わかってないのかもしれませんが、わかってないとしたら私はミスだと思う。そういう状態の中で、早う出ろ、いつまでに更地にしてよこしなさい、そうしたら金を払いますよ。冗談じゃないと思うのですよ。
 それなら、そのくらいのことを親切にして、五十五年の五月以降においてどうぞ移っていただいたら結構でございます、しかし契約書は先に交わして、ひとつ立ち退いていただくことだけはきちっとしてくださいと言うならわかるのですよ。さっさと五十三年――二年たてばあの地域だって土地の値段はずいぶん上がります。いま大都市圏は土地がどんどん上がっています。こんなに早う出すことによって自分の持っている不動産でさえ減価をしているというような中で協力をしているのに、それにかぶさって、手続が早かったから、おくれたというならまだしも早かったからおまえにはこういう特典はありませんなんという、こういうことでは本当に協力した者がばかをみる、正直者がばかをみる典型だと思うのです。
 だから、これは一体どういう指導をされたのか、小林さん、ちょっと、あなたがやったわけじゃないから、京都市にひとつ聞いてもらって、納得のいく――こういう税法上の問題がちゃんとあるのに、それも知らされないでさっさといった。それは府がかけているのだから京都市は知りません、府へ行ってくれ、こう言っているのです。これは余りにも冷たいと思う。町工場のおやじさんに地方税法の七十三条の十四の八項がどうだと言ったって、そんなことはわかりやせぬのだ。それを、知っているのがあたりまえだ、法律はそういうものだと言われたら、それは酷ですよ。特に協力をしているのですから、そういうところは親切にやるのがあたりまえだ。どうでしょう、この点ちょっと御報告いただけますか。
#31
○小林説明員 御質問の点でございますが、都市再開発法による市街地再開発事業につきましては、関係権利者の御納得をいただいて実施をするというのをたてまえにしております。したがいましてもちろん、施行者が税制等の問題も含めまして詳細に説明をいたしまして事業を施行するように指導をしておるところでございます。
 京都市の件につきましては、京都市では初めての事例でございまして、いま御質問がありました件につきまして、京都市と権利者との間で十分な接触があったかどうか、説明があったかどうか、現時点では私どもはっきりしてないわけでございますが、早速調査をいたしまして、具体的な事情、京都市側に不十分な点があったかどうか、指導上不備な点がなかったかどうか、その点を含めまして実情を調査いたしまして、必要があれば必要な指導を行いたいというふうに考えております。
#32
○山田(芳)委員 時間もありませんので申しておきますが、大臣、いま聞いていただいたように、おかしいと思うのですね。さっさと協力して、しかもそれはいつすれば不動産取得税の恩典がありますよということも全然言うてなかったと思うのです。わかっていたら、そんなに早う出ろとは言わない。もうちょっと待っていただいて結構です、もっと営業していただいて結構でございますと言うはずなんだけれども、言わない。早う出てくれ、五十四年六月の終わりに更地にして、早うよこしてくれ、こう言っているのです。ここに契約書の写しがありますけれども、それにはそう書いてあるわけです。だから、これは税のことなんか全然御存じなかった。指導がミスであった、これはもう間違いないのです。だから、初めてですといま小林君が言ったとおりなんです。ですから、これは法律上はいろいろ問題あろうと私は思いますけれども、先に協力してさっさといったような正直な人がばかをみるようなことでなしに、法律を超えて、ひとつ建設省と自治省と相談をしていただいて、京都府なり京都市なり指導をして、何らかの形でそれと同じものがこの工場主に支払われるというか、恩典が浴せると同様の措置をぜひとっていただくように、大臣からひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。
#33
○後藤田国務大臣 個別の案件でございまして私、事情をつまびらかにいたしておりませんが、山田さんの御質疑をお伺いする限りは、どこかにぐあいの悪いところがあった、お伺いする範囲では、京都市のやり方に何かの問題があるのではなかろうか、かように思います。よく実態を調べまして・ともかく正直者だけが税金がかかってきたなんということはおかしい話ですから、よく調査の上で善処をいたしたい、かように考えます。
#34
○山田(芳)委員 ぜひそれをお願いして、時間がまいりましたので、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
#35
○塩谷委員長 細谷治嘉君。
#36
○細谷(治)委員 時間が十分ございませんので、要点だけ質問いたしますから、簡単明瞭にひとりお答えいただきたい。
 先ほど電気料金の改定に伴う、こういう理由で地方税法の一部を改正する法律案が出されました。大臣にお伺いしたいのでありますけれども、けさ追加があるまでは、地方税法の改正では四百九十条の二の第二項の部分、いわゆるガスについての免税点の引き上げ、こういうものだけが税法の改正に出ておって、同じように料金の引き上げが予想されておった電気については、いわゆる四百九十条の二の第一項については全然触れておらないのですよ。そして、電気料金がきのうかおととい決まったところで、これを出してきたのです。ガスも値上げが予想されておった、電気も値上げが予想されておった、その段階で、一項を除いて二項だけ法律改正を出しておいて、どうして今度は一項の分を改めて出したのですか、理由をお聞かせいただきたいと思います。
#37
○石原政府委員 若干税法改正の経緯にも関係がありますので、私から初めに答弁させていただきます。
 ガス税につきましては御案内のように、都市ガスについてのみ課税がなされ、いわゆるプロパンガスについては課税がされてない、こういう問題があり、また、電気とガスとではその使用の態様が違う、言うなればガスの方はおふろだとか炊事だとか非常に生活必需的な色彩の強い使用形態になっている、こういうことがありまして、従来から免税点はおおむね電気税の倍ぐらいの水準で設定されてまいりました。その後、電気とガスの使用の態様の違い等に着目して、電気税とガス税は分離され、免税点も従来のバランス以上にガス税の方は高く設定され、また、税率の方も引き下げられて、今日では電気税の五%に対してガス税は二%にまで引き下げられております。
 そういった両税の違い等もありまして、五十五年度の税制改正に当たりましては、さらにガス税については、いわば通常の家庭用のガスについては課税対象から外すというような考え方もありまして、七千円の免税点を一万円に引き上げる、こういうことにいたしたわけであります。したがって、この引き上げを決定する段階では、ガス料金の値上げということではなしに、ガスの使用の態様の違いから来る税制のあり方としてガス税についてはこの際、免税点を大幅に引き上げようということになったわけであります。
 なお、電気税につきましては、五十五年度の税制を検討する段階では、電気料金の値上げがどうなるかはっきりしなかった、恐らく石油代金の大幅な値上がりから、電気料金の値上げは避けられないであろうという空気ではありましたけれども、具体的にどの時点でどの程度の値上げが行われるのかがはっきりしないということもありまして、電気税の方は免税点の引き上げを具体的に改正案に織り込まなかったわけであります。従来も電気税につきましては、料金値上げがあったら直ちに行うということはなくて、かなり期間を置いて引き上げが行われる、こういうこともありましたので、いずれにしても今回は原案には入れられなかったわけでございます。
#38
○細谷(治)委員 そうだといたしますと、たしか一月二十二、三日ごろ北海道電力を除く電力八社の平均値上げは、六四・四二という値上げ要求が通産省に出ておったわけです。同じころやはりガス三社は、五二・一一%の値上げを要請しておったわけです。この値上げ申請とは無関係に、ガス税の方については七千円の免税点を一万円にするという二項の改正を出した。同じように申請がある電気税の方はまあそれを待とうといったのはおかしい。それならば、ガスが今度は上がったわけであります。許可は五二・一一の申請に対して四五・三四上がったわけですから、電気とほぼ変わらないぐらい、五%ぐらいの差で上がったわけですから、ガス税の方、二項の方も手をつけなければおかしいことになりませんか。これが一つであります。
 私が何よりも不思議に思っているのは、ちょっと大臣申し上げますよ。これは新聞の情報でございますけれども、二月十九日に後藤田自治大臣は衆議院の予算委員会で、免税点の引き上げを表明しておるわけですよ。同じ委員会で竹下大蔵大臣は、電気料金の値上げの幅を見て検討いたします。あなたはもうはっきり免税点の引き上げを表明した。そして、大蔵大臣は値上げの幅を見て検討します、こう言っておるわけです。次に、三月三日になりますと、新聞をちょっと読んでみますと、「二日午後五時過ぎから国会内で櫻内幹事長ら党三役と竹下蔵相、伊東官房長官等による首脳会議を開き、予算修正の野党の要求に対して最終回答を協議した結果、電源開発促進税の引き上げ抑制にはあくまで応じない、国税の部分についてはびた一文応じない」、こういうことを再確認して、そのかわりに物価対策費として二百億円上積みしましょう、電気税の免税点を四千円に近づけることによって五十億円ひねり出しましょう、こういうのが新聞記事に出ておるわけですよ。そして、最近発表になりました総合物価対策の内容を読んでみますと、「電気税の課税について所要の調整を行う。」と総合物価対策に出ておるわけですよ。この一連の新聞記事を読みますと、後藤田自治大臣という言葉は一つも出てないのです。あなたは全部いつもかやの外にあったのじゃないですか。突如としてこれが出てきた。そうすると、地方税の担当は大蔵大臣ですか、ちょっとお聞きいたします。
#39
○後藤田国務大臣 私が本会議で御答弁申し上げたのは、従来免税世帯であったものが値上がりによって課税世帯になるというのは、こういった低所得者対策としては適当でないということで、その点に限って免税点の引き上げを行うというのが私の変わらざる考え方でございました。なおまた、ガスとの関連等の御質疑もございましたが、値上げを予定をしてガスの免税点引き上げをやったとは私は聞いてはおりませんでした。別の観点からガスの方は一万円に引き上げるのだ、私自身はこういう理解をしておったのです。電気税の方は、電気料金の値上げがあるという問題が起きてから、私自身の物の考え方として、ともかく電気料金が上がる、それでいままでの免税世帯がいきなり課税世帯になるのは適当でない、したがってその限度に限って免税点の引き上げをやろう、これは私の考え方でございます。
 なおまた、予算修正の過程でああいった議論が出た。本当を言えば、何で予算修正と関係が出てきたのか私にはわからない。私は予算修正の問題が出る前から本会議で、電気料金の引き上げがあるのならばその際には、いまの非課税世帯が課税世帯にならぬようにいたしましょうということを御答弁申し上げておった。その後になって予算修正が出てきたときに電気税の問題が浮かび上がってきたのです。したがって、かやの外におったのかと言えば、私の考え方、初めから一つも変わってないのです。第一、率直に言いますと、どうして一体地方税にそれがかぶってこなければならぬのか私自身には理解ができない。したがって私は会議には出席をいたしません。しかしながら、地方にとっては重要な問題ですから、それだけにこの問題の扱いについて、税務当局としては局長がずっと出ておったことだけは間違いがございません。したがって、政府としてああいった今度の物価対策等の中に入れるということについては私は賛成ということで、したがって言葉も「所要の調整を行う。」ということであって、それ以外の細かなことは私自身としては入れてもらってないと理解をしておるわけでございます。したがって、三千六百円というのは、今回の電気料金の引き上げに見合う、かねてからの私の主張どおりにこの金額は決まったもの、かように考えております。
#40
○細谷(治)委員 ずいぶんつじつまの合ったような答弁をしております。
 日本経済新聞の三月九日に、三月十日の税調総会に「先の予算修正をめぐる与野党合意に盛られた電気税免税点一現行二千四百円一を引き上げることなども諮問する。」こういう報道が出ているのです。そうしますと地方税の責任者、私は自治大臣の後藤田さんだと思うのですよ。ところが、あなたの意図どうあるにかかわらず、終始かやの外じゃないですか。国税はもう全然びた一文いじることはできませんよ、そうして最後に、電気料金の引き上げに関連して電気税というものが、言葉は適切でありませんけれども、全部そこに解決の一点にやられて、あなたは年じゅうかやの外ということで責任が果たせますか。私はこの新聞を読んで、一体後藤田自治大臣は何しているのだい、こう思いました。仄聞するところによりますと、大臣も歯がゆがってずいぶん怒ったという話も聞くのですが、これではやはり責任が果たせないと思うのですよ。石原局長が出ておったと言いますけれども、大臣、大変な責任ですよ。これでは地方が信頼して自治大臣に任せるというわけにいきませんよ。もう一遍簡単にお答えいただきたい。
#41
○後藤田国務大臣 私の態度は終始変わっていない。最初から先ほど言ったような立場でこの問題に臨んでおる。したがって率直に言いますと、たまたまそれを予算修正の過程でお使いになったのではないのかというのが私の考え方でございます。地方税は地方税の独自の立場で最初から、免税点の引き上げは料金の値上げと絡み合ってやる、こう考えておったのですから、それをお使いになられたものというふうに私自身は理解しております。
#42
○細谷(治)委員 これ以上申し上げませんけれども、かやの外にあったことは間違いない。そうして、いま野党の要求についてこれをお使いになったものでしょうがと、こうおっしゃいましたけれども、責任者は全然知らないで外で物事が運んでいくということも許せないと思うのです。もう一つは、ガスの免税点の引き上げは値上げと関係なしだということになりますと、バランスをとるためにガスの方も免税点の引き上げをやって、庶民負担というのを軽くするという糸口が出てきますよ。そう私は思いますが、時間がありませんからもうこれ以上言いませんけれども、大臣、どこへでも面を出すことは必要ありませんけれども、責任を最小限度守ることだけはしていただかなければいかぬ、こう思います。そうしますか。
#43
○後藤田国務大臣 それはもちろんそのようにいたしますが、ああいう場合に顔を出すことが地方にとって有利か不利かということも、私自身はちゃんと計算をいたしておったつもりでございます。
#44
○細谷(治)委員 そこで大臣、この電気税の話が出ましたから、今度の四百八十九条七号の硫化鉱の問題と二十二号の二硫化炭素の問題で、非課税規定が整理されました。しかし電気税全体としては、税法上は逆に、あなた方の資料で一億円の三角が立っておるわけですね。見てみますと、大体非課税によって九百五十七億円、五十五年度で減税されておる。電気税総額というのは二千五百九十五億円でありますから、三七%非課税なんですよ。これはかねてから問題になっておるわけであります。私はやはり抜本的な非課税の整理というのは、今日の時代に即応して検討されなければならぬと思いますが、検討する用意ありやなしや、自治大臣、お答えいただきたい。
#45
○石原政府委員 電気税の非課税品目につきましては先生も御案内のように、原料課税を排除するという考え方から、製品コストに占める電気料金の割合がおおむね五%以上の製品で特に重要なものを八十二品目、今回も二つ減らして八十二品目がリストアップされているわけです。これにつきまして、電気税の性格がいわゆる消費課税であるという基本的な立場とそれから地方税源の確保、こういう問題とどう調整するかということだと思います。私ども地方税源の確保という立場からいたしますと、可能な限りこういった特例措置というのは縮減さるべきである、このように考えます。そういった意味で、五%以上の料金比率のものでありましても外せるものは外していく。今回、品目から落とすことにしております硫化鉱あるいは二硫化炭素、いずれも料金比率は一〇%を超えておりますけれども、これを外すことは差し支えないという合意に達して今回廃止したわけですけれども、今後とも事情の許す限り、この範囲を縮小するという努力を続けてまいりたいと思います。
#46
○細谷(治)委員 これはこの程度にいたします。
 次に、今度の税法改正に関連いたしまして小川委員なり神沢委員から質問があった七十三条の十四、不動産取得税の課税標準の特例の問題であります。七十三条の十八というのを読みますと、「不動産取得税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務」というのがございまして、「不動産を取得した者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、」こういうふうに書いてございます。条例にゆだねておるわけですよ。地方の課税自主権、こういうものを、一番根本の出発点をこれで認めているわけです。さらに七十三条の二十四は、土地を取得した者が一年以内に隣接土地を取得した場合も加えるということで、こういう点の規定があるわけですね。その場合には第一項の規定を適用するわけですよ。にもかかわらず今度、七十三条の十四の三項、四項というのが加わったわけです。自治省に言わせますと、これは課税の特例で三百五十万円引くわけですから、確かに恩恵ですよ。これは政策恩恵なんだから厳しくやるんだ、こういうことで、六十日以内に申告をしなければだめだぞ、こういう規定になっておるわけです。そして、政策恩恵なんだから、六十日以内に手続しておらなければもうあきらめろ、こういうことでは政策恩恵にならないと私は思うのです。
 そういう意味において、時間がありませんから申し上げますけれども、さっき言いました七十三条の十八の不動産の取得税がかかるかかからぬかということについては条例にゆだねておるわけですから、この三項、四項は、六十日以内に云々という書き方じゃなくて、たとえば六十日を基準として示すことは結構だと思いますけれども、条例にゆだねてはいかがですか。両委員からいろいろありました、条例にゆだねるべきだと。それが地方の時代の税制へ半歩でも、かかとでだけでも踏み込んだゆえんじゃないですか。盛んに地方の時代の税制ということを大臣も言います。そうだとするのならば、この辺のことぐらいは条例にゆだねたらいいでしょう。たとえば、七十三条の十八では十五日以内にやっているところもある、一カ月以内にやっているところもある。そういう条例できちんとやっているわけですよ。このくらいは、政策恩恵なら条例にゆだねたらいいでしょう。
 あなた方は市町村は信用しませんけれども、府県は信用しているでしょう。たとえば今度の税の中で均等割については、府県だけは制限税率はないのですよ。市町村の方には制限税率はちゃんと書いてあるのですよ。この前東京都がそのために法人事業税を上げたところが、あわてて今度は制限税率をあなた方は設けたでしょう。そういういきさつからいって、府県をそこまで信用しているのなら、もうあんなことはやらぬぞと思っているのならば、府県の条例にゆだねたらいかがですか。市町村じゃないですよ、これは府県ですよ。お答えいただきたいと思うのです。
#47
○石原政府委員 ただいまお話のありました地方税法第七十三条の十八の規定、これは不動産を取得した場合に申告していただく規定でありますが、この方は、不動産を取得したという事実を市町村を経由して都道府県に申告してもらうという、事実関係の確認というような意味合いもありまして、その期間は条例で各都道府県がそれぞれ定めていただくということにしております。一方、今回の新築住宅についての申告の義務づけでありますが、今回、一定の要件を課することにしたことに対応して、その特例の適用を受ける場合には申告をしていただくということにしたのですけれども、これらにつきましては、いわば課税関係をそれによって決める、特例を適用するかしないかという課税の実態がそれによって変わってくるということでありますので、取得の日から六十日以内に申告していただくというふうに規定を置いたわけであります。
 この点について先生の御指摘は、六十日を基準にして条例で多少のアローアンスを置いてもいいではないかという御指摘でありまして、一つの御意見かと思いますが、ただ、こういった新しい制度がスタートするに当たりまして、団体によってこの課税関係が区々になるということもいかがなものかと考えまして、この点については六十日という期限を設けることにいたしたわけであります。しかしこの点につきましては課税の実行段階で、たとえば取得の日の認定の問題、あるいは、申告期限が本人の責めに帰すべからざる事由によって守れなかった場合に救済する規定等が、現在の地方税法あるいは各都道府県の定めております地方税条例にそれぞれございます。こういった現行制度のたてまえを堅持しながら、実態関係において家屋を新築された方が不利益にならないように適切な指導をしてまいりたい、このように考えております。
#48
○細谷(治)委員 私はやはり一番基本の七十三条の十八の条例にゆだねている以上は、こういう政策恩恵がいままでのような野方図であると困るから何らかの規制をやるということは、税の運営上必要だと認めます。けれども、質問にもありましたようにそのことについては、誕生日でも忘れるようなこういう今日の世の中ですから、なかなかこの恩恵に浴しないことがあるのです。そういうことについて十分PRをしていく、そういうPRをする期間については地方税法の二十条の五の二を適用したいというのが石原局長のいまの答弁だと思うのですけれども、私は改めるべきだと思うのですよ。大臣、どうですか。
#49
○後藤田国務大臣 この六十日の問題については、地方の税務職員の処理の能力等の問題もあって、いろいろ御意見があることは承知をいたしておりますけれども、いずれにいたしましても、円滑に実施をいたすつもりでございますが、先ほど石原局長から御答弁を申し上げたとおりでこの際はひとつやっていきたい、かように考えているわけでございます。
#50
○細谷(治)委員 これは地方の時代、地方の時代、その税制をと言いながら、政策恩恵についてはぱちんと六十日、それがおくれたらだめですよ。それで一番出発点については府県の条例にゆだねているということは、どうも首尾一貫しないと思います。このことを強く主張いたしまして、局長がよく言っておりますように、そのPRを徹底して万遺漏のないような体制をとりたい、そういう意味において二十条の三の規定を適用したい、こういうことでありますが、わからなくはありませんけれども、なお不満があるということをずばり言っておきます。
 大臣にお尋ねいたしますが、あなたはここで答弁する地方の時代への税制については、かなり意欲的でありますけれども、かやの外にあったりいろいろ問題があるわけですが、あなたの方で書いている「地方税」の一月号に、税務局長が巻頭言に論文を書いているのです。「八十年代の幕明けと地方税制の課題」、私も読みました。大変りっぱな、なかなかいいことが書いてある。それを受けまして金子府県税課長が三月号の巻頭言に、「「地方の時代」の地方税制」ということを書いております。いずれかお読みになったことがありますか。――これでは本当に部下の掌握はできませんよ。この問題についていろいろ議論したいのですけれども、ひとつ読んでいただいて、この論文も残念ながら、批判すると恐縮でありますけれども、地方制度調査会その他においても地方の時代の税制は議論するけれども、一歩進んだ具体性の議論というのは皆無である、こう言っているのですよ。そういう点で半歩ぐらい進むような意欲を見せながら、書いた御本人が具体性を欠いている、私は読んでそういう感じを持っております。けれども、なかなか示唆に富んだ論文であります。部下の書いた論文でありますから大臣も読んでいただいて、がんばっていただいて、少し議論したいのですけれども、ちょうど十一分で私の時間が来たから終わりますけれども、本当に五十六年というのは大変な年でありますから、いまから十分な努力をしていただく一つの考え方として、私は税務局長の一月号の論文は、ここでも意見が出ておりましたけれども、非常に貴重な一つのビジョンを描いておると思うのですが、ビジョンではなくてきちんと具体的にしていただきたいと思うのです。いかがですか。
#51
○後藤田国務大臣 いずれにせよ五十六年度の税財政の問題というのは、実際容易ならざる事態が予想せられます。それだけにこういった重要な時期でございますから、できる限りの勉強をいたしたい、こう思いますが、その文章はできる限り読ましてもらいます。その上でまた石原君と金子君ともよく意見の交換をしまして、おまえさんのここはいけないとか、ここはよろしいとかといったことのディスカッションをやりたい、かように考えております。
#52
○細谷(治)委員 終わります。
#53
○塩谷委員長 三谷秀治君。
#54
○三谷委員 固定資産税の特例措置の中に、営業用倉庫の課税標準に対する特例措置が認められておりますが、これによる減収額は五十三年度の場合どれぐらいになりますか。
#55
○石原政府委員 営業用倉庫に係る特例全体といたしまして十億七千三百万、このように見込んでおります。
#56
○三谷委員 この倉庫の中に冷蔵倉庫というのがありますが、この冷蔵倉庫に特例措置を行う意義、これについてお聞きしたいと思うのです。
#57
○石原政府委員 冷蔵倉庫を含めまして営業用倉庫について御指摘のような特例措置が認められておりますが、その趣旨は、流通の近代化でありますとか、あるいは国民生活の安定向上のための物資の生産、流通、消費の各段階における連結点としての需要供給の調整機能、現在これを倉庫が果たしておりますので、倉庫の今後の計画的な整備あるいは近代化を図る、こういった趣旨で設けられたものでございます。
#58
○三谷委員 二百海里時代に対応する措置の一つとして政府は、冷蔵倉庫の増設を積極的に進めて、その一環として固定資産税の減免措置までとるに至ったわけであります。ところがこの援助措置の結果、冷蔵倉庫は急激に増加してきました。いまではわが国の魚の水揚げの半年間分を保管することができるだけの機能を持ってきたわけであります。そして、この冷蔵機能というものが逆に、出荷の操作あるいは価格の設定に大きな影響を持ってきている。つまり魚価の形成について否定的な影響が非常に強まってきている、こういう事態が指摘されております。東京都の調査でもその点が明らかになっておりますし、新聞社の調査などを見ましてもこの点が報道されておるわけでありますが、魚価の形成に冷蔵倉庫が及ぼす影響について農水省はどのような御判断でしょうか。
#59
○真板説明員 お答え申し上げます。
 冷蔵庫は一般的に申しまして、遠洋漁業あるいは沖合い漁業といったような漁業につきましては、操業条件から申しましてどうしても冷蔵庫の設備がなければ流通しがたいという面がございます。また沿岸漁業につきましても、一定時期に特定の漁場で集中的に漁獲される、こういうような性格を持っているものがございます。こういったような産地におきます魚価の乱高下、漁況あるいは海況によります魚価への影響というものを緩和するためには冷蔵庫は必要なものである、こういうふうに考えております。
#60
○三谷委員 そんな単純なことを聞いているのと違う。この冷蔵倉庫を利用して価格の調整だとか出荷調整が行われておる、その実態についてどう考えるか、こういうことを聞いているわけです。
#61
○真板説明員 ただいまの御質問は、俗に魚転がしとかあるいは魚隠しといったような言葉で呼ばれます、消費地におきます冷蔵庫において一部の魚種につきましてある程度の魚価操作が行われているのではないか、こういうような御質問かと思います。これにつきましてはわれわれも、魚というものは国民にとって重要なたん白質の供給源であるという観点から、投機的な取引は厳に戒めてまいりましたし、また、今後もそういうことがないように十分に業界指導をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#62
○三谷委員 転がしについてはいろいろ指導しておるとおっしゃっておりますが、それですと、倉庫に魚を寝かせたまま売り買いをする名義変更の実態などについてはどのように把握されておりますか、これは運輸省もお越しであれば、あわせてお答えいただきたい。
#63
○真板説明員 先生も御承知のように、冷蔵庫の監督権限は運輸省にございますので、運輸省の方からお答えいただくと結構だと思いますが、名義変更それ自体は、われわれ魚の流通に携っているものから見ましても正常な商行為ではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。つまり、大きいバルクで輸入されたものにつきまして、これを細かな小口に分けまして流通させるという場合にも名義変更は行われますし、また、卸売人から仲卸売人への通常の中央卸売市場におきます取引につきましても、特定物品でございまして冷蔵庫の中に入ったまま見本取引がされる、こういうような実態もございまして、必ずしも名義変更それ自体が悪であるという見解はとっておらないわけでございます。
#64
○後出説明員 いわゆる名義変更につきましては、ただいま水産庁のお答えしたとおり私どもも考えておりますが、さらにつけ加えますと、名義変更というものは、荷主が倉庫に寄託してある貨物を他人に譲渡する場合に、倉庫からの品物の出し入れに伴いますところの手間でございますとか、あるいは、倉庫から物を出すことによりますところの物の品質の低下というものを避けるために、倉庫の中に貨物を置いたまま寄託者の名義を変更するということでございます。したがいまして、倉庫から物を出すことによりますところの品質の低下の可能性が高いところの冷蔵倉庫貨物につきましては、一般に行われているという状況にございます。
#65
○三谷委員 名義変更の実態をつかんでいらっしゃいますかと聞いたのであって、名義変更の評価を聞いているわけではないのです。質問に対して答えていただきたいのです。
 そこで、いま名義変更についての見解を聞きましたが、その名義変更というものが転がしという内容とどういう関連を持つものか、お聞きしたい。
#66
○真板説明員 魚転がしにつきましての厳密な定義というのはございませんけれども、われわれが受け取っておりますのは、魚は産地あるいは輸入業者から、これは縦への流通という表現で言っておりまして、これが市場を通りまして小売からさらに消費者に移る流通を縦の流通と言っておりますが、それで流通するのが一般的でございますが、魚転がしと言われるのは、その間の横への流通といいますか、輸入業者からほかの水産物を扱います問屋等への売り渡し、こういったものが俗に魚転がしという名で呼ばれておるのではないかと承知しております。
#67
○三谷委員 それで、この実態をおつかみになっておりますかどうですか。
#68
○真板説明員 名義変更に伴います商取引でございますが、これにつきましては、営業の自由ということでございまして、格別それについての調査はいたしておりません。
#69
○三谷委員 つかんでいない。最近もかずのこ倒産の例のようにきわめて悪質な倉庫利用ということがありました。この状態は、両省とも実態を把握していないというわけでありますが、それで果たして転がしという問題の実態が把握できるだろうかという疑問を持つわけであります。いわば反社会的な行為でありますから、これが野放しにされておるという状態では、監督官庁としての責任を果たしたとは言えないわけでありますが、その点はどうでしょう。
 それから、空売りというのがありますが、これはもちろん論外でありますが、空売りの舞台となったのも営業用の冷蔵倉庫であったわけであります。この空売りについてどうお考えなのか、運輸省は関係した倉庫会社名を把握していらっしゃるかどうか、把握されておればお聞きしたい。
#70
○後出説明員 まず初めの御質問でございますが、冷蔵倉庫事業を監督する運輸省といたしましては、冷蔵倉庫がその本来の役割りに従って使用されるよう最大の関心を持つわけではございますが、一つには冷蔵倉庫業者というものが、荷主の寄託行為の経済的な目的とかあるいは動機というものにつきまして一般的には知り得ずあるいは関与できない立場にあるという事情にもございますが、冷蔵倉庫業者が倉庫業の運営において適正を欠くという点がございますれば、しかるべく処置を講じたいというふうに考えております。また、物資の所管官庁とも連絡を密にいたしまして、倉庫行政として可能な範囲で対処していきたい、こういうふうに考えてございます。
 その次に、空売りについての御質問でございますが、北海道漁連関係の空売り問題ということでございますれば、私どもの調査によりますと、東京水産冷蔵株式会社という冷蔵倉庫業者におきまして、当社の職員三名が北海道漁連の職員の依頼によりまして、北海道漁連の水産物の取引に関連いたしまして、在庫の照会に対して虚偽の回答を行なった等の事実を一応調査結果として得ております。
#71
○三谷委員 しかるべき処置、可能な範囲の処置というふうな実体不明のことをおっしゃっておりますが、この倉庫を土台にします意図的な価格の操作、出荷調整、これはかなり一般的に行われておるわけでありますが、これについてはどうもほとんど実態を御承知になっていない、把握していないというようでありますが、それではしかるべき処置もできるわけがないし、可能な範囲の対応もできるわけがない。まず実態をつかむことが必要でありますが、農水省もこの実態の把握に努める必要がありはしないかと思いますが、その点はどうお考えでしょうか。
#72
○真板説明員 魚の流通につきまして一番問題になりますことは、やはり市場における価格がどうなるかということであろうかと思います。そこで、御質問の冷蔵庫を舞台とする云々という問題につきましては、これは冷凍魚がほとんどであろうかと思いますが、その冷凍魚は本質的には生鮮の魚介類と競合する関係にございます。またさらに、ほかの水産物や畜産物との代替交換といった問題もございます。さらに、市場におきます仲卸人によりますセリによって価格が決定されるというような問題もございます。こういうようなことで、高いコストを払いまして長期間冷凍魚を保管いたしまして高値操作を行うといったことは、一般的に申しましてその利益といいますか、それは乏しいことであろうかと思います。しかし、かずのこのように特定の用途に用いられ、また需要が特定の時期に集中しているもの、こういうようなものにつきましては、昨年も再三にわたってわれわれの方で指導もしてまいりましたし、その結果といたしまして消費者のかずのこ離れといったような現象によりまして一部の商社が倒産するといったような、いわば消費者サイドからのチェックというものがきつくなってきております。今後もこういったような投機的な売買が行なわれないように十分業界に対して指導を行ってまいりたい、こう考えております。
#73
○三谷委員 これは東京水産大学の水産経営の専門家、平澤教授の意見として新聞に出ておりますが、鮮魚のセリでは買い手の力がかなり強い。ところが冷凍加工しておけば生産者側、つまり売り手は安いときは市場に出さず、高値を待って倉庫から出して売ればいい。さらに、ある程度買いだめをした上で市場操作して人工的に高値をつくり出した上、売ってもうけようということになる。消費者の立場から言うならば冷蔵倉庫は魚の安定的高値を生み出す元凶である、こういう意見が述べられております。五十二年の東京都の調査報告を見ましても、冷凍冷蔵庫の普及が冷凍魚の増加、そしてそれによって市場の機能が破壊されてしまった。朝日の調査でも、冷凍の普及によりまして出荷操作が普及してきた、こういういろいろな資料が出ておるわけであります。
 そこで運輸省の白書を見ますと、最近の在庫量の増加について消費需要がふるわなかったからだ、こういうふうなことが書かれております。商社や大手水産会社が中心となってやっております倉庫を悪用した魚隠し、魚転がしのために、国が税の面にまで手厚い保護を加えておるということは、消費者にとりましてはきわめて奇怪なことであります。冷蔵倉庫の建設は一応いま終わって需要にこたえ得る状況になってきておる。そういう点からしますと、問題の多い冷蔵倉庫については、国の特例措置について見直すべき時期に来ておるというふうに思うわけでありますが、自治省は見直しに際して冷蔵倉庫について特例措置を検討する用意がおありかどうか、お聞きしたいと思います。
#74
○石原政府委員 この冷蔵倉庫を含めまして営業用倉庫に対する固定資産税の課税標準の特例措置は、五十五年、ことしの一月一日までに、新増設されたものについて適用される、こういうことで期限が到来しております。したがいまして、当然この後の扱いをどうするか、五十六年度の税制改正の際の大きな検討課題だと思います。ただこの点につきましては、ただいまもいろいろ御指摘があり、また新聞等でも言われておりますように、冷蔵倉庫が価格操作のためにいわば悪用されておるという御指摘であります。しかし、これは制度としてはもともと、庶民の生活を守るために価格の安定、需給調整のためにできた制度であります。したがって、これらの制度が今後を展望してなお必要であるかどうか、これらについては、五十六年度の税制改正の中で関係の省庁の見通しなども承りながら検討してまいりたい、このように思います。
#75
○三谷委員 安定的な価格調整のためにつくった冷蔵倉庫が、実態は高値安定のために利用されておって、高値価格調整のために活用されておる、こういう事態、いま若干の御説明をしました。
 それから、この倉庫というものが大体、これは日本水産とか大洋漁業とか、こういう大企業のもとに系列化されてきておるという実態もかなり強まっておるわけであります。そういう状況の中で、地方税の減免までする必要がどこにあるのかという考え方、これは住民としてはきわめて素朴な自然な考え方でありますが、そういう観点に立って御検討いただきたいと思いますが、どうでしょう。
#76
○石原政府委員 ただいま申し上げましたようにこの冷蔵倉庫の実態、一時御指摘あったような遺憾な事例があったようでありますけれども、全体としての冷蔵倉庫が現在どのような機能を果たしているのか、一般の庶民の生活に関連のある物資の調整についてどのような機能を果たしているのか、またこれらの施設が今後どういう整備の見通しになっているのか、こういったことをも勘案しながら、いずれにしても五十六年度の税制改正で検討を迫られておる問題でありますから、その際十分検討させてもらいたいと思います。
#77
○三谷委員 農林水産省、運輸省、どうぞお帰りください。
 健康保険税についてお尋ねしますが、国民健康保険加入世帯の状況を見ますと、五十二年度の調査結果では、所得のない世帯及び所得が二十万円以下の世帯が二百八十五万世帯に達しております。また、全世帯の約半数近い四七%が総所得金額七十万以下ということで、圧倒的に低所得者の加入が多いわけであります。
 ところが国保税の負担は、これらの低所得者の負担が相対的に重たくなっている。総所得金額七十万以下の世帯が国保税の一八%に相当する約千五百億円を五十二年度で負担しております。これは個々の所得段階別で見ますと、五十二年度の、これは具体の例を挙げる必要がありますが、秋田市で見ますと一総所得十万円以下の世帯の課税所得が約六千万円に対して、調定額が二千六百六十万円の割合になっております。つまり、いま申し上げました低い所得階層の国保税の負担率は四四・三%になっておるわけです。同様に、三十万から四十万の階層の負担率はこれは一五・五%、六十万から七十万の階層の負担率は一二・八%であります。そして、五百万以上の階層ではわずかに三・四%の負担率になっておるわけでございます。このようにしまして国保税の負担というものが低所得者層に大変重たい。このことについてどうお考えになっておりますのか、お聞きしたいと思う。
#78
○石原政府委員 御案内の国民健康保険税は、国民健康保険の療養の給付、医療費の支給等に要する経費の一部をその被保険者が負担するいわば一種の保険共済的な制度であります。したがってその負担の原則、考え方というのは、通常の租税制度とは若干違う、実体的には国民健康保険料の考えで負担配分がなされております。しかも国民健康保険の被保険者が概して申しますと所得の低い人たちが多い、こういうことで、勢い所得の低い人にもかなり高い保険料の負担をお願いせざるを得ない実態になっておるという点は、御指摘のとおりであろうと思います。
#79
○三谷委員 憲法の二十五条ですかそういう規定等に照らしまして、このような所得の低い者ほど負担が高くなるという制度、これは検討する必要がありはしないかと私は思うものであります。
    〔委員長退席、大石委員長代理着席〕
これについて大臣どうでしょうか、お考えを聞きたいと思う。
#80
○後藤田国務大臣 国保税につきましては、私ども地方に出かけますと市町村長さんから一番訴えられるのはこの問題でございます。住民税等についてはまだまだ納得を得て引き上げる余地はあると思うけれども、もう国保税だけはこれ以上はどうにもならぬといったような厳しい御意見をしょっちゅう聞かされておるわけでございます。
 この問題は一応は、日本の医療制度全体の問題あるいは老人医療の問題、こういった点に改革のメスを入れなければ根本的な解決にはならないと思いますけれども、さて根本的解決を待っておったんじゃどうにもなりませんので、私どもとしては現在は臨時財政調整交付金、これをできるだけ国の予算編成の際に増額をしてもらうということで今日まで処置をいたしておるような次第でございますが、仰せのように国民健康保険の加入者というのは、低所得の人が多いし同時にまたお年寄りが多いといったようなことでございますので、かえって医療費の方は金がかかるという今日の現状でございます。そこで、お話しのように低所得者に負担がよけいかかるのは遺憾ではないかと言えば、これは一般論としてそのとおりである、これは何らかの改革をしなければならぬ、かように考えます。
#81
○三谷委員 生活保護基準以下の世帯でも、いま申しましたきわめて高額の税が賦課されておるという状態になっておるわけでありますが、この生活保護基準以下の所得者の一部について地方税法の七百三条で減額規定がありますが、この政令で定める減額基準を構成する加算額、政令五十六条の八十九でありますが今年度十六万五千円でありますが、五十五年度はこれは幾らになりますのか、お尋ねをしたい。そして、その額に基づいて標準四人世帯の四割減額基準は幾らになりますのか、これをお聞きしたい。また、五十五年度の生活保護基準一級地の同世帯の保護費を比較しました場合に、それは何%に達するのか、お聞きしたいと思います。
#82
○石原政府委員 まず、減額対象世帯の基準を定める額でございますが、五十四年度は十六万五千円になっています。これを五十五年度につきましては十七万円に引き上げる予定にしております。そこで、十七万円とした場合に夫婦子二人の四人世帯でどうなるかといいますと、基礎控除相当額が二十二万円になります。それでいまの十七万円に三人掛けることになりますので総額が七十三万円、いわゆる四割減額の対象世帯の金額は七十三万円、このようになります。それから、この金額が一級地の生活保護基準に比べてどのくらいの額になるかといいますと、一級地の五十四年度に比べますと四八・五%になります。
#83
○三谷委員 大臣、いまお聞きのとおりでございまして、生活保護世帯が国保税の減額を受けます収入の限度額が七十三万円、それ以上の所得がありますと減額規定から除外される、こうなっております。そして本年度これを十七万に五千円上げるわけですが、一体十六万五千とか十七万というのは何を基準に出すのですか、計算の仕方が非常にわかりにくい、一般に理解ができない複雑な構成になっておりますが、それはそれとしてお尋ねをしまして、五十四年度で生活保護世帯の保護基準の四八%以上は減免の対象にならない。つまり、国が最低生活基準として決めました生活保護額の四八%までだと減免の対象になる、それ以上は対象にならない、五二%というものは対象にならない、こういうことになるわけでありますが、この点もどうでしょうか。生活保護基準というものが最低生活を保障するものだとして国がそういう処置をとっておるわけでありますから、これがその半分以下でなければ減免の対象にならないというのでは少し酷にすぎやしませんでしょうかどうでしょうか。
#84
○石原政府委員 この政令で定める減額基準の額でございますが、これは毎年度の医療費の上昇の状況、それに伴う国民健康保険税の負担の増加状況、こういったものを見ながら上昇幅を決めているわけでございます。なお、この減額基準ができますと、それによる減額に対しては御案内のように、国民健康保険の財政調整交付の方で財源的にこれを補てんされる、こういうような関係もございますので、この金額の決定に当たりましては、国民健康保険財政の所管省とも意見を交換しながら決めているのが実情でございます。
    〔大石委員長代理退席、委員長着席〕
#85
○三谷委員 調整交付金が五%であるようでありますけれども、これは実態に応じて補完するというよりもむしろ、そういう不合理な制度を糊塗するための処置にすぎないものであって、それでは解決はできないわけであります。
 生活保護世帯になりますと、これが四人世帯で百六十万まで生活保護基準があるわけでありますが、これの適用を受けますと、医療扶助も受けられますから医者もただでかかれる、こういう制度になっておる。ところが、百六十万以下で生活保護を受けなくてがんばっている人ですね、がまんをしながらこういう制度のお世話にならずにやっていこうという人は、このようにしまして大変な負担がかかってくるということになってくるわけでありますから、これはその面の社会政策としましても大変矛盾があるものだと私は思うわけでございますが、大臣どうでしょうか、もう一度お聞きしたいと思います。
#86
○後藤田国務大臣 三谷さんのおっしゃること、わからぬわけではありません。要するに、低所得者に対しては医療は無料にするのだといったようなことにでもなれば一つのやり方だと思いますけれども、私は基本的に、国保税というのは何で税金にしたのだという実際は疑問を持っておるのです。いまの制度は保険料なんですね。したがって、保険の制度でやるといったことが基本にありますから、いろいろな三谷さんのおっしゃるような御議論もあると思いますけれども、現在のたてまえである以上は、そういった比較的低額の収入しかない人も保険料を負担していただくのだ、どうにもならぬ方は無料にしておくのだといったようなたてまえは、現在のやり方である以上はやむを得ない考え方であろう、かように私は考えます。
#87
○三谷委員 さっき少し前向きな答弁をされたと思ったら、また後返りしてしまいましたが、保険料に違いがありませんが、これはいわゆる国民健康保険、強制加入を条件とするものでありますから、国民が任意に選択をするというものじゃない、強制的に加入させられる、そういう制度のものでありますから、貧困者であってもこれに加わっていく、加入していかなければいけない。そういう場合、こういう貧困者に対する対策としていまのようなやり方、つまり、生活保護世帯の半分程度の収入しかなくても税がかかる、しかもその税がさっき申しましたように最も高率になっているという状態は改善する必要があるのではないでしょうか。
#88
○後藤田国務大臣 だから、私は三谷さんの御意見わからぬではない、こう言っておるのですが、ともかくいまのこの制度、税金という考え方がどうしてこういう制度になったのかがよくわからない。いまの制度であるならば、やはりこれは保険制度である、こう理解せざるを得ないので、御指摘のようないろいろな問題点があるのであろう、かように考えておるわけでございます。
#89
○三谷委員 こういう状態になっております一つは、免税点がないことです。それから所得の有無に関係なく応益割課税があること。それから高額所得に対する限度額があること。上の限度額があれば下もやはり一応の免税点があってしかるべきものでありますが、下はない。そして滞納だとか、事務費の国の負担分の超過負担も出てきておる。そして借入金の利子もかさんでくる。つまり、医療費以外のものが賦課総額の中に含まれてくる、医療費計算の分母の中に含まれてくる、こういう状態というものが一つの要因になっておるわけであります。これについてはそれぞれに検討を加えて、低所得者の負担を軽減する処置を検討していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#90
○石原政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、現在の国民健康保険税、名前は税でありますが、実体は国民健康保険料と理解すべきものだと思いますが、そこでこの国民健康保険料の実体を持つ保険税が、ただいま御指摘のようにいろいろ低所得者にもかなり重い負担になっている、こういう事実、これらの問題は、単に国民健康保険税制度の問題だけを取り出しても解決しないわけでありまして、国民健康保険財政全体の解決のあり方としては、たとえばいまの定率負担金のあり方がいいのか、あるいは調整交付金のあり方がいいのか、あるいは自己負担の内容がいいのか、いろいろな意味での国民健康保険財政の抱えております課題というものと一緒に今後解決しなければならない問題であろう、このように理解しております。
#91
○三谷委員 保険料、保険料とおっしゃっていますが、強制が伴うわけだから保険料も税なんだ。公権力による強制的な処置が加わるわけですから、当然これは税に違いない。だから、料という名前を使っておりましてもこれは税なんです。税でありますならば、もう少しそういう所得の実態などというものを考慮して課税をするという要素が強まってこなくてはいけないと思う。ですから、いまのように所得の低いほど高くなる、高いほど低くなる、ちょうどいまの所得税と同じような形になっておりますけれども、これは、こういう事業の内容からしましても当然考慮する必要があるものだと私は思っておりますが、検討をお願いしたいと思います。
 それからもう一つは、いわゆるただし書き方式によります課税方式が大多数の市町村において採用されておるようでありますが、この点について自治省は改善の指導をする意思があるかどうか、お尋ねしたいと思います。
#92
○石原政府委員 御指摘のとおり現在は、国民健康保険を実施しております団体の九七%までがただし書き方式を採用しております。私どもは各自治体それぞれいろいろな事情があって、ただし書き以外の方式を採用している団体もありますので、その点について自治省の方が指導して、ただし書きに移行するようにというようなことは目下考えておりません。
#93
○三谷委員 ただし書き方式に基づく課税の場合、これが著しく困難であると認める市町村が他の方式による課税をしてもいい、こうなっておりますが、この著しく困難であると認める場合というのはどういう場合なんでしょうか。
#94
○石原政府委員 ただし書き方式以外の方式、たとえば所得割方式などを採用している市町村の実態を見ますと、人口の出入りが非常に激しいというようなことのために所得把握が非常に困難だという事例が多いと思います。こういったものが典型的な例ではないかと思います。
#95
○三谷委員 このただし書き方式でやるようにという指導をされているわけですか。
#96
○石原政府委員 自治省としてただし書き方式が望ましいというような指導はいたしておりません。
#97
○三谷委員 それは各市町村で任意に選んでいいわけですか。
#98
○石原政府委員 各団体がそれぞれ選択しているものでございます。
#99
○三谷委員 国民健康保険税条例に、府県、市町村の条例ですが、賦課額や税率を明記せずに、所得割、資産割、均等割、平等割の税額の算定方式のみを規定したいわゆる秋田方式ですね、これに対して秋田地方裁判所で、憲法三十条、八十四条、九十二条、九十四条及び地方税法第三条違反という判決がおりました。この地方税法の第三条の一項は、「地方団体は、その地方税の税目、課税客体、課税標準、税率その他賦課徴収について定をするには、当該地方団体の条例によらなければならない。」と規定しておりますが、秋田市の国保税の課税方式はその根拠となる賦課額及び税率を明定しなかった。そこで、課税要件法定主義違反、課税要件明確主義違反並びに納税義務者の不服申立権の行使不能が問われて、秋田市の規定は無効かつ違法という判決がおりておりますが、この秋田地裁の判決について自治省はどのような御見解か、お聞きしたいと思います。
#100
○石原政府委員 ただいま御指摘ありましたように、秋田市の国保条例において、税率等が明示されてない、税負担額の算定方式を定めておるわけですが、具体的に額とか率で定めてないということで、これは租税法律主義に反するという趣旨の秋田地裁の判決が出されているわけですが、これについては御案内のように、秋田市は直ちに控訴いたしております。
 私どもはいまの地方税制度の運用として、税制の解釈として、住民の立場から自分が負担する税金が非常に明快にわかるように率、額等によって定められることが望ましいと思います。そういった指導もしているわけですが、ただ、秋田市の条例の場合には結局、条例に書いてある算式で計算すると各人の額はわかるようになっておる。その限りにおいて、いまの地方税法の定める要件を全く具備していない、これは直ちに無効であるという判決については、やや酷ではないだろうか。それからまた、秋田市も毎年度税額算定の基礎となります課税総額というのは議会で十分審議した上で予算上決められておりますし、この決定の方式も条例できちっと定められておる、算式そのものはきちっと定められておるわけですから、市長が自由裁量的に課税処分しているというわけではないのであります。そういう意味で、私どもはこの秋田市の立場も理解できるという感じであります。
 なお、御承知かと思いますが、これの判決どおりいきますと、過去三年度分の収入済み額が還付加算金を付して返すとすると約六十億円というようなことで、秋田市の財政にとっては大変な問題になるわけです。そういった意味で、直ちにこれが全く無効だという判決はいささか酷ではないだろうかという感じを持っております。しかし、税法の望ましい姿としては率や額をぴしっと定める方がいいだろう、そういう意味で指導はいたしております。
#101
○三谷委員 この裁判の結果によって秋田市にどういう財政上の影響が出てくるか、それは私は知りませんが、いまおっしゃいました納税者が自分の納める納税額を知ることができるということだけではなしに、いわゆる条例制定法定主義といいますか、こういう観点に立って判決は出ておりますし、ただそれは議会による統制等を重視する観点でありますから、これは決して好ましくないものではないのであって、そういう点から、全体としてまだ秋田式のやり方が少なからず残っておるようでありますけれども、これらもやはり是正の指導を行ってそういう問題が発生しないように努力されるべきだと思いますが、自治省はどのように指導されるおつもりでしょうか。
#102
○石原政府委員 ただいま申し上げましたように、私どもは国保税条例のあり方としては、やはり金額なり率なりが明示される方が望ましいと思いますし、そういった指導をしております。なお、秋田地裁の判決があったということも影響していると思いますし、私どもも指導をしておることも影響していると思いますが、最近いわゆる秋田方式を採用している団体は急速に減ってきております。たとえば昨年の五月現在、秋田方式をとっておりました団体が百二十七団体あったのですけれども、昨年の九月現在になりますとこれが七十二団体に減っております。短期間の間に五十五団体減少しておりまして、恐らく今後もこの秋田方式を切りかえる団体がかなりふえてくる、このように見ております。
#103
○三谷委員 個人の住民税の所得割課税最低限について昨年十二月の税制調査会でも、「国民生活水準との関係における課税最低限のあり方については、今後、当調査会において基本的に検討する必要があると考える。」と答申しておられます。五十五年度の個人住民税所得割の課税最低限は国民生活水準との関係においてどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。
#104
○石原政府委員 五十五年度の住民税の課税最低限は、夫婦子二人の標準世帯給与所得者で百五十八万四千円になります。なお、生活保護基準一級地の場合ですが、同じ条件の生活保護基準は五十四年度の場合、百五十万五千円ということになっております。
#105
○三谷委員 よくこれは比較に使われますが、憲法二十五条を理念とします最低生活費、すなわち生活保護費について、一級地における標準四人世帯に住宅扶助、教育扶助、冬季加算及び期末一時扶助を加算した額とこの課税最低限の額、いま課税最低限の額は聞きましたが、生活保護基準について厚生省からお聞きしたいと思うのです。
#106
○佐藤説明員 お答えいたします。
 昭和五十五年度の一級地標準四人世帯、五十五年四月から五十六年三月まで生活扶助、住宅扶助、教育扶助並びに期末一時扶助を合計いたしますと、百六十五万二千七百七十円となります。
#107
○三谷委員 いまお答えになりましたように、標準的な生活保護費の額を住民税の課税最低限額が下回っております。つまり、最低生活費を割って課税が行われておるという状態になっております。私どもはこの住民税の課税最低限を所得税のそれと一致させるべきだということを主張してまいりましたが、自治省は地方財政面及び広く税を負担さして自治に参加させるという考え方からこの主張を退けてこられました。
 そこで、改めてお聞きしますけれども、この憲法二十五条の最低生活費を国が保障するという国の義務と、それ以下の所得者に対して国が地方税を課するということを法定する、このことの理論上の整合性は一体どうなるのでしょうか、自治省並びに厚生省の御意見をお聞きしたいと思うのです。
#108
○石原政府委員 具体的に憲法が保障する最低生活費をどのように定めるかということは、生活保護法初め社会保障制度の方の体系の話でありますが、税制といたしましては、やはり国がいやしくも社会保障制度としてサポートする程度の金額に所得税にしても住民税にしても課税をするということは、制度としていかがなものか、こういう考え方を持っております。そこで今回は、住民税は前年所得課税でございますから、五十四年度の生活保護基準の状態なども勘案しながら、五十五年度の住民税の課税最低限の引き上げを決定したわけであります。
 いずれにいたしましても税制としても、国が別途社会保障の体系でサポートする程度の水準に対して課税をするということは望ましくない、このように考えております。
#109
○佐藤説明員 生活保護の基準は、世帯の人数とか地域別、その他たとえば障害を持っているあるいは老齢加算とかいう事情によってそれぞれ区々でございますので、一律には決めかねる問題でございます。いわばケース・パイ・ケースの額になるわけでございますが、いずれにしても先ほど税務局長のお答えにありましたように、最低生活費に食い込まないことが適当ではないか、こう考えております。
#110
○三谷委員 最低生活費に食い込むのでいけないのではないかと言っているわけです。さっきの説明によりましても、生活保護基準、最低生活費が百六十五万、ところが課税の最低限百五十八万ということですと食い込んでいるわけです。これは是正をされるべきではないかということをお聞きしたわけであります。この点、大臣どうでしょう。
#111
○石原政府委員 住民税は前年所得を課税標準として課税しておりますので、生活保護基準との関連も前年所得で対比しておるわけでございまして、五十五年度の課税最低限は五十四年度の生活保護基準よりも上回っているという意味で整合性はとれている、このように考えております。
#112
○三谷委員 そうしますと、五十五年度の課税最低限は五十五年度の生活保護費よりも下回るものだ、こういう御見解ですか。
#113
○石原政府委員 前年所得課税でありますから、前年所得における生活保護基準等も見ながら整合性をとっているということでございます。五十五年度をとってみますと、五十五年度の生活保護基準との整合性はとれておりません。この点は従来もそういった事態は起こっておるわけでありまして、住民税の考え方として、前年所得課税であるがゆえに前年の基準との整合性というものに着目して額を決めているということでございます。
#114
○三谷委員 いずれにしても、同じ年度におけるそれと保護基準というものが合致しなくちゃいかぬわけです。そして、同一の年度において計数をとりまして、生活保護基準よりも課税最低限が低いという場合に、さっき厚生省がお答えになりました内容が首肯できるわけなんです。ですからいずれにしましても、前年度課税であれ現年度課税であれ、統計をとりますときにはこれを同じ年度にする、そういう整合性をとりながらたとえば課税最低限を決めてもらうあるいは生活保護費を決めてもらうということが必要だと思いますけれども、そのようにおやりになっておるわけですか。
#115
○石原政府委員 課税最低限にしても、そのほか住民税の課税標準をどのように取り扱うかについて、現年の基準を念頭に置いて定めるということになりますと、現在の住民税の課税方式を根本から変えるということになりますので、直ちにこの現年課税への移行というのは困難であろうと思っております。
#116
○三谷委員 それをしなければ、いまおっしゃいました生活保護基準と税の最低限のバランスはとれなくなってしまう。とる方法をやはり考えなくてはいけない。そうしなければ、いつでも生活保護基準以下の所得しかない人に対して課税が行われるという結果になるわけでありますから、これは何かの研究的な方法をとってもらいたいと思いますが、どうでしょう。
#117
○石原政府委員 昨年あたりから住民税の課税最低限と生活保護基準が非常に接近してまいりまして、先ほど来御指摘がありますように、このままで置きますと五十六年度には逆転現象が起こってしまう、こういう事態になっております。そこで政府といたしましては、税制調査会において、社会保障制度と住民税の課税最低限との関係がいかにあるべきか、両者の間はどのように調整さるべきか、こういった点についてやや突っ込んだ検討をする、このように予定されております。私どもこの税調の場において、この問題を体系的に少し突っ込んだ検討をしてまいりたい、このように考えております。
#118
○三谷委員 時間が参りましたから、もう一まとめにしてお聞きしますが、地方税法の三百二十三条によりますと、減免できる場合として公私の扶助を受けている場合というのがあります。生活保護はもちろんこの筆頭に挙げられると思いますが、それ以外に公私の扶助とは具体的には何を指すのか、これをすべてお答えをいただきたいと思います。
 それから電気税でありますが、電気料金の値上げ幅が五〇・八%に決まったそうでありますが、電気税の負担増を減ずる措置として免税点を二千四百円から三千六百円に引き上げようとしていらっしゃいますが、引き上げない場合の増収は幾らになるのか。そして、免税点の引き上げによりましても消費者はなおそれ以上の負担増となるわけでありますが、その場合の増収は幾らになりますか、これをお聞きしたい。
 それからもう一つ、経企庁にお尋ねしますが、一般家庭の電気料金は、全国平均、通年平均で電気税込みの負担は月額何円から何円に上がるのか、お聞きしたい。
#119
○石原政府委員 初めのお尋ねの住民税の減免の基準であります「公私の扶助を受ける者」、公と私の扶助を受ける者の具体例でございますが、公の扶助としては、最も典型的なものは生活保護法に規定する各種の扶助であります。それ以外の公の扶助としては、たとえば就学奨励金、就学援助のための援助金といったものが考えられます。それから、私の方の扶助ですが、これについてはたとえば社会福祉法人などが生活困窮者に対して一定の補助をしているような場合、あるいは生計を一にしていないたとえばおじさんとかおばさんとかが生活に困っている者に一定の生活扶助をしている、こういったケースが考えられると思います。これらにつきましては各市町村の条例で具体的なケースを定めております。
 それから二番目のお尋ねでありますが、今回、電気料金の改定に関連いたしまして免税点を引き上げることにしておりますが、もし免税点を引き上げないといたしますと最高でどのくらいの負担増になるかというお尋ねであります。要するに、ボーダーラインの人がそのままほっておきますと幾らの負担増になるかということですが、計算してみますと月額で百七十二円の負担増になります。
 それからもう一つのお尋ねでありますが、現在免税点以上の世帯にかかる電気税の額が今回の料金引き上げによってどれだけの増額になるかといいますと、三百六十億円の増額になります。
#120
○香西説明員 お答えいたします。
 電気代の家計負担につきましてはいろいろな計算が可能でございますけれども、家計調査ベース全世帯について見ますと、約千七百円ぐらいの増加になる、このように考えております。
#121
○三谷委員 いまの局長の答弁で、就学援助、保育所入所措置あるいは老人医療費の無料措置、児童手当、福祉年金、こういうものは公の扶助になる。この扶助を受けている者は、市町村における住民税等の減免を受けられる資格があるというふうに理解していいわけでしょうか。
 それから、もう時間ですからあわせてお尋ねしますが、いま電気税の増税分が三百六十億円とおっしゃいましたね、四百五十億円という発表でありましたが、これは変わってきたわけでしょうか。それで、これをゼロとするためには現行の五%の電気税率を何%にすればいいのか、これをお尋ねしたい。これをお尋ねしますのは、電気料金が上がり、かつまた電気税も重くなってきまして、二重に負担を受けるという状態を防ぎますために、税を上げないで済ますためには何%の税率が適当なのか、お聞きしたい。
#122
○石原政府委員 一番初めのお尋ねですが、公私の扶助の例示として先ほど先生が挙げられたようなものは、いわゆる公の扶助に入ると思います。したがって、それらの扶助の支給を受ける人が減免の対象になり得る世帯、このように見ております。
 それから、現在免税点以上の世帯に対して課されている電気税の額が今回の値上げでどれだけふえるかということですが、計算の基礎を申しますと、料金改定前の一般世帯の電気税額は九百八億円であります。これが料金改定によりまして千二百六十八億円にふえます。したがってその差額は三百六十億円ということになります。
 次に、もし仮に全く税の増収が生じないように、一般の世帯の負担がふえないように税率調整をするとすればこれは幾らになるかということですが、現在の税率が五%でありますので、今回の家庭用電灯料金の引き上げ率四三・二五%でこれを逆算いたしますと、五%の税率が三・五%ということになります。
#123
○三谷委員 どうも。
#124
○塩谷委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#125
○塩谷委員長 この際、本案に対して、小川省吾君提出の修正案及び安藤巖君提出の修正案がそれぞれ提出されております。
 両修正案の提出者から、それぞれ趣旨の説明を求めます。小川省吾君。
    ―――――――――――――
地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#126
○小川(省)委員 ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本社会党を代表し、その提案理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 一九七五年度来の地方財政の構造的な危機を打開し、真に地方の時代にふさわしい地方税制を確立することは、八〇年代初頭に課せられた緊急な課題であります。
 しかしながら政府・自民党は、税源再配分による自主財源の充実、企業課税の強化、不公平税制の是正という三つの基本改革を怠り、ひたすら借金依存と国民負担増を基軸とする税財政対策に固執し、本改正案においては名ばかりの住民税減税を行っているにすぎません。
 わが党は、国、地方の税財政の根本的改革をこれまで強く要求してきたところでありますが、住民負担の軽減かつ適正化、企業課税の強化等地方税源の充実を図るため、緊急かつ基本的な事項について所要の修正を行うこととしたのであります。
 以下、修正案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、道府県民税所得割の税率について、今回の政府案における六百五十三万円以下の所得者に対する減税との均衡を図るため、税率を五段階に区分する超過累進税率制に改めることといたしております。
 第二に、事業税に係る社会保険診療報酬課税特例措置を廃止することといたしております。
 第三に、一九八一年度から資本金五億円以上の法人に係る事業税については、外形標準課税を導入することといたしております。
 以上が本修正案の提案理由及びその概要でありますが、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#127
○塩谷委員長 次に、安藤巖君。
    ―――――――――――――
地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#128
○安藤委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由を申し上げます。
 政府提案の法案は、不動産取得税の課税標準の特例並びに住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額の適用対象者を、取得の日から六十日以内に申告した者のみに限定し、きわめて狭く制限をしております。政府はその理由として、登録免許税の場合と同じ要件にそろえて課税関係を明確にしたと答えていますが、これが実施に移されれば、五十三年度実績で年間百五十万件の適用対象者に大きな影響が出てくるのは必至であります。実際の生活において、一般国民にとっては不動産の取得は一生に一度あるかないかであります。その国民すべてに六十日以内の申告を周知徹底することは不可能と言わなければなりません。現に登録免許税についての税率の軽減制度で六十日以内の申告で適用を受けた者は、東京都で五十三年度ではわずか二十七件というのが実態であります。六十日以内の申告を忘れて制度の適用を受けられない人が多数に上ることは間違いありません。
 また、不動産取得の日の確認、続出する苦情に対する対応などで、自治体職員に対していままでにも倍する仕事量を押しつけることになることは、私の質問に対する政府答弁でもはっきりしております。
 わが党の修正案は、この申告期間六十日を政府改正案より削除するため、所要の改正を加えようとするものであります。
 また、産業用電気税についての非課税措置については、本改正案においてわずか二品目のみの廃止がなされるものの、なお八十二品目に及ぶ非課税措置が温存されております。これらは主として大企業の生産する工業原料に対する特別措置となっており、大企業優遇税制の一つであることは明らかであります。また、これらの措置による多額の減収額が関係市町村の財政を大きく圧迫しており、直ちにすべての非課税措置を廃止するよう修正することとしているものであります。
 以上が、本修正案の提案理由とその概要であります。
 何とぞ慎重審議の上、速やかに御可決くださるようお願い申し上げます。
#129
○塩谷委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 両修正案については別に発言の申し出もありません。
    ―――――――――――――
#130
○塩谷委員長 これより本案及びこれに対する両修正案を一括して討論を行うのでありまするが、別に討論の申し出もありません。
 これより採決いたします。
 まず、小川省吾君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#131
○塩谷委員長 起立少数。よって、小川省吾君提出の修正案は否決されました。
 次に、安藤巖君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#132
○塩谷委員長 起立少数。よって、安藤巖君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#133
○塩谷委員長 起立少数。よって、地方税法等の一部を改正する法律案は否決すべきものと決しました。
#134
○塩谷委員長 次に、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入るのでありまするが、別に質疑の申し出もございません。
 この際、本案に対し、三谷秀治君から修正案が提出されております。
 提出者から、趣旨の説明を聴取いたします。三谷秀治君。地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#135
○三谷委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、本日提出されました、電気料金の大幅引き上げに伴う電気税の免税点の現行二千四百円から三千六百円への引き上げを内容とする政府の地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案について、その提案理由を説明いたします。
 政府の免税点引き上げは、電気料金の大幅引き上げに対する電気税の負担を一部回避する上で、一定の改善措置であることは明らかでありますが、この免税点の引き上げ措置は、電気料金引き上げで自動的に電気税の負担増となる一般消費者の一部の負担を減ずるものにすぎないのであります。
 先ほどの政府答弁でも確認できますように、免税点三千六百円以上の世帯については、電気税の値上げによる負担増は避けられず、約三百六十億円の新たな負担となっており、これに該当する世帯は、料金値上げ及び電気税引き上げのダブルパンチを受けることになるわけであります。
 この新たな負担増の回避というものは、単に低所得者層は言うに及ばず、すべての勤労世帯に対して行う必要があると考え、わが党は、そのための措置として、現行五%の電気税の税率を当面三%に引き下げることといたしたのでございます。
 以上、提案につきまして説明させていただきまして、各位の御賛同をお願い申し上げる次第でございます。
#136
○塩谷委員長 以上で修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 本修正案については別に発言の申し出もありません。
    ―――――――――――――
#137
○塩谷委員長 これより本案並びに修正案を一括して討論を行うのでありまするが、別に討論の申し出もありません。
 これより採決いたします。
 まず、三谷秀治君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#138
○塩谷委員長 起立少数。よって、三谷秀治君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#139
○塩谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#141
○塩谷委員長 次に、過疎地域振興特別措置法案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先般来、理事会等において御協議を願ってまいりましたが、去る十八日の理事会において協議が調いましたので、委員長においてお手元に配付してあります過疎地域振興特別措置法案の起草案を取りまとめた次第であります。
 この際、委員長から本起草案の趣旨及び内容につきまして御報告申し上げます。
 まず、本案起草の趣旨について御説明いたします。
 御承知のように、現行の過疎地域対策緊急措置法は、人口の急激な減少により地域社会の基盤が変動し、生活水準及び生産機能の維持が困難となっている地域について、緊急に、生活環境、産業基盤等の整備に関する総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講ずることにより、人口の過度の減少を防止するとともに地域社会の基盤を強化し、住民福祉の向上と地域格差の是正に寄与することを目的に、昭和四十五年に超党派で提案し、制定されたものでありますが、この三月末日をもって有効期限が経過しようとしております。
 この十年間、本法に基づく施策の積極的な推進の結果、過疎地域においては、道路等の公共施設の整備を初めとして、地域の生活環境については相当の改善を見ており、人口の減少も近年ようやく鈍化の傾向を示し、かつては地域社会の存立基盤すら脅かしていた要因が解消されつつあります。
 しかしながら、過疎地域における公共施設等の整備状況を見ますと、他の地域と比較して依然低位にあり、住民の医療や雇用の確保など過疎地域に残されている課題は少なくありません。また、長期間にわたる人口の著しい流出の結果、過疎地域では地域社会の基盤が弱まり、その機能が低下するとともに、人口の急速な老齢化という新たな課題も生じております。したがって、今後はこのような課題に対処しながら、すべての住民が魅力と安らぎを感じつつふるさとづくりにいそしむことのできるような積極的な振興策を講ずる必要があります。
 このような見地から、今後とも引き続き過疎地域について、生活環境、産業基盤等の整備に関する総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講ずることにより、これらの地域の振興を図り、もって住民福祉の向上、雇用の増大及び地域格差の是正に寄与するため、ここに本案を起草した次第であります。
 次に、本案の内容についてその概要を御説明いたします。
 まず第一に、過疎地域の範囲についてでありますが、国勢調査による人口の減少率が昭和三十五年から昭和五十年までの十五年間に二〇%以上で、かつ昭和五十一年度から昭和五十三年度までの三年度の財政力指数の平均が〇・三七以下の市町村の区域としております。なお、本案では沖繩県の市町村をも新たに対象とすることといたしております。
 さらに、今後実施される国勢調査の結果により新たに人口減少率の要件に該当することとなる団体については、その時点における最近三年度の財政力指数の平均が〇・三七以下の場合には、さらに過疎地域の市町村として追加していくこととしております。
 第二は、過疎対策の計画的な推進についてであります。
 過疎対策は総合的かつ計画的に推進していく必要がありますので、都道府県が定める過疎地域振興方針に基づき、市町村及び都道府県がそれぞれ過疎地域振興計画を策定し、相互に緊密な連携により過疎対策事業を実施していくこととしております。
 第三は、本案により新たに講ずる特別措置についてであります。
 本案においては、交通通信体系の整備に関する事項、教育及び文化に関する施設の整備に関する事項、生活環境に関する施設及び老人福祉その他の福祉に関する施設の整備に関する事項、医療の確保に関する事項、農林水産業、商工業その他の産業の振興に関する事項、集落の整備に関する事項について計画を策定し、これにより特別措置を講ずることとしておりますが、特に最近における過疎地域の実情と要望にかんがみ、新たな特別措置として老人福祉の増進のための施設の建設についての助成措置、それぞれの地域の実情に応じて特定の診療科目に係る医療の確保を図るために必要な施設整備についての助成措置、中小企業者に対する資金の確保のほか、地場産業の振興及び商業の振興を図るために市町村が行う公共施設の設置についての財政措置、複式学級教育を余儀なくされている小規模小中学校における教育の充実についての適切な配慮を行うこととしております。
 第四は、これらの特別措置に関連する税財政上及び金融上の特別措置についてであります。
 国の負担または補助の割合の特例、過疎地域振興のための地方債、基幹的な市町村道等の都道府県による代行整備とこれに対する国の負担割合の特例、医療確保のため都道府県知事が実施すべき事業とこれに対する国の補助、農林漁業金融公庫等からの資金の貸し付け、過疎地域における事業に係る税制上の特別措置等過疎地域対策緊急措置法で講じられていた各種特別措置は、本案においても講ずることとしております。
 第五は、本案の施行についてであります。
 本案は、昭和五十五年四月一日から施行し、十年後の昭和六十五年三月三十一日限りでその効力を失うこととしております。
 また、現行の過疎地域対策緊急措置法に基づく過疎地域の市町村のうち、本案では対象とならないものに対しては、四年間過疎債の発行を認めるほか、関係地域の道路の都道府県による代行整備について経過的な措置を講ずる等により、財政上の激変を緩和するとともに、すでに着工した事業の完了を図ることとしております。
 なお、本案施行に要する経費としては、約二百十億円が見込まれております。
 以上が本起草案の趣旨及びその内容の概要であります。
 最後に付言させていただきますが、本起草案を取りまとめるに当たりまして、すでに過疎対策に関する法律案等を提出発表されておりました各党の代表者に御参集を願い、三日間にわたって熱心に御協議を行っていただき、また理事会においても慎重に検討を重ねてまいった次第であります。これらの過程において現行の過疎市町村のうち非過疎市町村となるものに対しては、経過措置の期限を切ることなく当分の間本法を全面的に適用すべきであるとの意見がありましたが、起草案のとおり取りまとめることといたしました。
 なお、過疎地域における自主財源は、今後一層充実する必要があると思料されますので、今後の検討課題とすることといたしましたことを特に申し添えます。
    ―――――――――――――
過疎地域振興特別措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#142
○塩谷委員長 この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。園田国務大臣。
#143
○園田国務大臣 本法律案の提出に際して、議員各位の御努力と御熱意に対しまして、深く敬意を表するものでございます。
 政府といたしましては、過疎地域の現状にかんがみ、もちろん本法律案に異議はございません。御議決いただきました暁には、その御趣旨を体し、適正な運用に努め、過疎地域の振興策になお一層の充実を期してまいる所存でございます。
 委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願いをいたします。どうもありがとうございました。(拍手)
#144
○塩谷委員長 お諮りいたします。
 過疎地域振興特別措置法案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#145
○塩谷委員長 起立総員。よって、さよう決しました。
 なお、法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、来る二十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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