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1979/04/10 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第14号
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1979/04/10 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第091回国会 地方行政委員会 第14号
昭和五十五年四月十日(木曜日)
    午前十時八分開議
 出席委員
   委員長 塩谷 一夫君
   理事 石川 要三君 理事 大石 千八君
   理事 中村 弘海君 理事 小川 省吾君
   理事 神沢  浄君 理事 小濱 新次君
   理事 三谷 秀治君
      岸田 文武君    北口  博君
      工藤  巖君    椎名 素夫君
      井岡 大治君    河野  正君
      細谷 治嘉君    安藤  巖君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 後藤田正晴君
 出席政府委員
        警察庁交通局長 池田 速雄君
        自治大臣官房長 石見 隆三君
        自治大臣官房審
        議官      花岡 圭三君
        自治大臣官房審
        議官      川俣 芳郎君
        自治省行政局公
        務員部長    宮尾  盤君
        自治省行政局選
        挙部長     大林 勝臣君
        自治省財政局長 土屋 佳照君
        消防庁次長   鹿児島重治君
 委員外の出席者
        国土庁長官官房
        秘書課長    栗山 昌久君
        大蔵省主計局主
        計官      尾崎  護君
        文部省管理局教
        育施設部助成課
        長       横瀬 庄次君
        厚生省児童家庭
        局企画課長   北郷 勲夫君
        農林水産省構造
        改善局総務課長 関口  尚君
        運輸省自動車局
        業務部旅客課長 荘司 晄夫君
        建設大臣官房人
        事課長     台   健君
        建設省都市局都
        市計画課長   高橋  進君
        建設省道路局国
        道第二課長   本山  蓊君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
四月十日
 重度重複身体障害者に対する地方行政改善に関
 する請願(岡田利春君紹介)(第三九六一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二八号)
     ――――◇―――――
#2
○塩谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三谷秀治君。
#3
○三谷委員 大臣にお尋ねしますが、地方財政問題についてはいままでしばしば議論してきました。そうして、これは大蔵省も自治省もそうですけれども、いまの処置ですね、交付税特会借り入れと半額国の負担制度といいますか、これについては、好ましいものではない、平常なものではないということを繰り返して答えていらっしゃいます。にもかかわらず、もはやこれで六年目を迎えるわけですが、今日においても恒久的な、安定的な制度ができないのはなぜだろうかという疑問を持つわけですけれども、この点をお尋ねしたいと思います。
#4
○後藤田国務大臣 その点はしばしばお答えをいたしておりますように、好ましくない制度だという意味ではありません、やむを得ない制度だ、かように考えておるわけでございます。
 自治省としては当然のことながら、地方団体の利益を政府の中で代表するという立場でございまするので、毎年地方交付税法に決められておるように交付税率アップということを要求しておるわけでございます。ただ、今日の厳しい国家財政の状況、地方も苦しい、お互いに痛みをともにするといったような考えで処理するのが現実的な解決の道ではないのか、かようなことで、御承知のような借り入れ制度、それを二分の一後年度にわたって国が負担をする、こういった暫定的な意味合いでの制度をつくって五十三年以来処理をしておるわけでございます。つまり、恒久的にこれでいいとは私、考えておりませんけれども、当面の具体的な解決策としてはこれ以外方法がないのではなかろうか、かように考えているわけでございまするので、いずれの日にか国、地方を通ずる税財政制度の根本的な改革というチャンスをとらえて、基本的な地方自治確立のための制度に切りかえてまいりたい、かように考えているわけでございます。
#5
○三谷委員 交付税制度というものが財政収入額が需要額に満たない額を補てんするという制度のものであることは言うまでもありませんが、そこでこの問題は、やはり交付税法の原点に返って議論しませんと、一つ一つ既成事実を積み上げていって、そして、その積み上げたところが議論の出発点になったのでは、この問題の本旨がずれてしまいます。
 御承知のように交付税法では、毎年度として交付すべき普通交付税の総額が引き続き著しく不足する場合、地方財政もしくは地方行政に係る制度改正または税率の変更ということがうたわれております。ところが政府は今日まで、いろいろな臨時的な特例的な措置をもって制度の改正である、こういう主張をしてこられました。これが制度の改正でないということは、きのうの参考人の意見でも異口同音に言われております。
 たとえば横浜大の井手名誉教授は、半額政府負担を交付税法に明記しておるけれども、これは限られた期間の臨時的な措置であって、制度改正ではない、こういうふうにおっしゃっております。それから関西学院大学の高寄講師は、地方財源の不足が著しく、これは要するに一〇%以上、引き続き、これは三年を超えるという、権力解釈という表現をされておりますが、これを超えて引き続き六年目に入っておる、いつまでもこのような臨時的な措置を続けるのか、毎年特例措置をとる交付税制度はおかしい、交付税は国の財政事情のいかんにかかわらず、地方自治体の共通の財源であって、国の財政事情に連動してはならない、こういう意見です。それから古川西南学院大学教授は、附則八条の三によって不足財源問題が解決したようにされておるけれども、これは安定的なものではない、引き続き交付税法六条の三の解釈に従って地方財源対策を論ずるべきだ、このようにしてこれが制度改正ではないということをこもごも強調されております。
 ですから、これが制度改正だという自治省の主張は、国民に対する説得力を持たないものであるというふうに私は思うわけであります。そして現に昨年の本委員会で、大蔵大臣質問でありましたが吉野大蔵省主計局次長でありますが、決して望ましい姿とは考えていない。森岡財政局長も、こういう状態が平常であってはならない、できるだけ早い機会に地方税、地方交付税などの一般財源を増強したい、こうおっしゃっております。
 ところが、一向にこれが改善されるような見通しが立ってこない。自治省のお答えを聞きましても、具体の展望が全然出てこないわけでありますが、これでいいのだろうか。これをやはり交付税法の六条の三に従って制度改正を速やかにやってもらう必要があると思いますが、どうでしょうか。大臣がしばしばおかわりになるわけですが、かわるたびに同じ問題を繰り返す、どの大臣も責任を持ってこれを解決されようとしないという状態があるわけですけれども、どうでしょうか、後藤田自治大臣の手でこれの解決ができないものだろうか。すべきものだと思いますが、いかがでしょう。
#6
○後藤田国務大臣 ただいまお述べになりました参考人の皆さんの御意見は、それなりに尊重をして私どもとしては受け取っておかなければならぬ御意見だと思います。
 この制度は、制度としておかしいじゃないか、こういう御質疑ですが、私どもはこれは恒久的な制度とは考えておりません。やはりやむを得ざる暫定的な制度である、こういう理解でございまするので、制度の一つであることは間違いない、しかし、それは本来のあるべき恒久的な制度とは理解をしていない。それだけに一日も早く地方交付税法の本則で決められておるような、この交付税というものが地方団体の財源保障と財源調整、二つの意味合いを持った重要な一般財源の柱でございまするので、できる限り早い機会をとらえて恒久的な制度に改めたい、私どもとしてはかように念願もしておりますし、毎年のような私どもの主張でもあるし、何とか実現をしたい、かように考えております。
 そこで、例の一般消費税の問題が出たときも、これは一つの機会であろうということで恐らく前任者は、地方消費税という形でお出しになったんだろうと思いますが、これは総選挙の結果、否定をせられたわけでございまするので、そういったチャンスが与えられなかったということでございますが、先般来しばしばお答えをいたしておりまするように、国、地方の税財政の基本的な見直しということは私は率直に言って、いやおうなしに来ざるを得ないことだと思います。そういった際に、事務事業の見直しから始まって、これの裏打ちとしての税財源の根本的な改正ということに取り組んでまいりたい、かように考えておるような次第でございます。
#7
○三谷委員 この措置が制度などと言えない論拠といいますのは、この措置というものは解決しがたい矛盾を含んだままになっておるということです。交付税特会の借り入れの半額を国が負担するというんですね。半額を地方が負担する。その地方負担分は財政需要額として算入するとおっしゃるわけです。つまり交付税で措置するというわけですが、その交付税が不足続きなんです。不足続きだからこういう措置をとった。ところが、その措置をとったものはまた交付税で措置する、こうおっしゃるわけです。ですから、実際的には何の解決も意味していない。要するに、償還財源は何ら付与されていないままで、足りない交付税でまた新しい算入措置をとる、こうおっしゃるわけです。ですからこの制度そのものが、交付税財源の増強をしないで将来交付税で措置するといっても、これは何の解決にもならぬわけです。つまり、そういう全くの欺瞞的な内容になっている。これがその矛盾を縫合したままで年々繰り返されていって、地方の借金も雪だるまのようにふくれてくる。しかも、これをどこから返すかと言えば、返す当ては全然ありません、こういうことになっているわけです。
 それで、去年のこの委員会で大蔵省の吉野主計局次長がこう言っております。この問題の解決のためには、「やはり地方財政が好転し、あるいはまた地方行財政制度が改正された暁におきましては、その時点以降におきます地方交付税を含めましたいわゆる地方団体の一般財源によりまして償還をするということになろうかと存じます。」こう言っている。つまり、いまどんどん借金している、その借金をどうするのか。地方財政が好転したときには返すことの方途がつこう、あるいは、地方行財政制度が改正された暁におきましては、それ以後には返済ができましょう、こういうわけです。つまり、借金をいまどんどんしておりますけれども、その返済の措置については何一つこれは決まっていない、ただ借金を繰り返すだけになっている。これはサラ金と一緒です。こういう無定見なことを自治省がいつまでも地方財政措置としてとっていくというようなことは、もはやこれは、毎年毎年同じことを繰り返しておるわけですけれども、認められません。
 要するに、イタチごっこになってしまっている、そして、問題を先に引き延ばすだけである、しかも、先になればなるほど借金はふくらんでくる、こういう事態になっておるわけでありますから、これは要するにこの措置では、この問題は自己完結的な措置になっていない、したがってこれは制度改正と言える性質のものではないというのが私の考え方であります。つまりこれは初めから瑕疵がある措置になっているわけです。初めからそういうきずのある措置を決めて、そしてそれが、六年たとうとしますのに目鼻がつかないということでは、これは少し程度が過ぎやしませんでしょうか。
 それで、国の財政の問題をおっしゃいますけれども、国の財政の問題ということになりますと、これは国の政策選択の問題がありまして、いまでもなお、たとえば防衛費を一%にしろとかいうような要求が与党の中から出るわけでありますから、つまり、財源がないないと言いながらなお、政策選択によりましては財源というものがそこで見出されようとしているわけですから、その点から申しますと地方財政の問題も、国の財政がどうとかこうとかいうことではこれはいただけないわけであって、もともと地方自治の本旨といいますのは、政府の政策選択以前の問題であって、憲法事項でありますから、その地方自治の本旨を尊重した上で政府の政策選択の余地が残されてくるというのであって、あべこべになってしまっている。このあべこべな考え方をもって地方行財政の問題を扱われますから、地方自治制度の侵害とか破壊とかいう批判が起きてくるわけです。
 これについて少し御意見をお聞きしますとともに、改善措置を急いでとってもらう必要があると思いますが、大臣の話を聞いておりますと、また大臣がかわって次の大臣になって、そこでまた同じことを繰り返して、また次の大臣と、こうなっていくので、これでは無責任過ぎます。どうでしょうか。
#8
○後藤田国務大臣 私は三谷さんの御意見に、全くそれはおかしいなんて言っているのじゃないのです。その御議論はよくわかるのです。ただ、国家財政の現状と地方財政の現状、そこで、この両者の妥協の産物による暫定的な措置なんですね。したがって私は、やはり今日のこの経済状況、それに伴う財政の厳しい状況というものは、いつの日にか解決しなければなりませんので、そういう際には根本的な改革に踏み出そう、かようにお答えをしているわけなんです。
 ただ、いまお話のありました吉野君の回答というのは、これはまさに大蔵サイドの物の考え方。つまり、地方行財政制度の改革、地方財政好転の時期にというお話でございましたが、それは無理なんで、これはやはり今日の仕組みの中で地方だけがよくなるなんということは考えられない。国も地方も行財政の改革をやり、財政状況が好転をした、好転をしない場合には新しい制度をとったというときに、お互いに分け合うべき筋合いのものであろう。私どもはそういう際には、やはり地方というものの立場に立って、ぞして根本的な改革に乗り出そう、こういうことでございます。
 お話の中の、政策選択の問題だ、地方の問題は憲法上の課題だからというお話でございましたが、それもわからぬわけでありませんけれども、私は今日の国家財政の厳しい状況を見て、政策選択だけで地方だけをよくしろというのも、これはちょっと無理なのではなかろうか。やはり最初から申し上げておりますように、国も地方も痛みをともにするんだ、それでお互いに譲り合って、現在の国の制度、地方の制度が両々あいまって、お互いに住民の要望に沿うことができるような行政の運営を可能にする、そういう立場で解決をすべきものであろう、かように考えておるわけでございます。
#9
○三谷委員 きのうの参考人の意見の中でありましたのは、たとえば租税特別措置を全廃すれば地方財政問題のおおよその片はつくという財政学者の意見もありました。これも政策選択の問題でありますから、そういういろいろな措置をとることによって、地方財源を豊かにし、地方財政を守るという姿勢、これが肝心なわけであって、自治大臣が特にその点について努力される必要があると私は思うわけです。
 そこで、五十年以降毎年度の特会の借り入れ、臨特を含めました交付税交付金、これを国税三税に割り戻してみるとどれだけの税率になるのか、お尋ねしたいと思います。
#10
○土屋政府委員 最近のいろいろな特別会計借り入れ等の特例措置を講じましたものを含めました交付税総額が、国税三税の中でどれだけの率を占めておるかと申しますと、五十年度で三二・二%でございましたが、五十一年度が四二・九、五十二年度が四〇・一、五十三年度が四二、五十四年度が四七、五十五年度では三九・八%ということになっております。
#11
○三谷委員 これを国税総額に割りつけてみた場合の比率はどうなるでしょうか。
#12
○土屋政府委員 ただいまの点につきましては、五十年度が二四・三%、五十一年度が三一・二%、五十二年度が二九一五%、五十三年度が三一%、五十四年度が三三・六%、五十五年度は二九%ということに相なります。
#13
○三谷委員 そうしますと、現実にいま配付されております交付税の総額というものは、国税三税で比率をとりますと四〇%前後、それから国税総額で比率をとってみますと三〇%前後、こういう計算になっております。それでこの国税総額といいますのは、専売納付金及び自動車重量税等の譲与財源を含むものでありますから、最も幅の広い国税総額、こういうことになるわけでありますが、それでもってしましても三〇%の比重を占めている。これは一つの数字的な根拠を示しているわけでありますけれども、この状態の中で交付税率の改正という問題、交付税の総量の確保という問題が絶対の課題になってくるわけでございますが、いま結局大臣がはっきりした態度をお示しになりませんのは、何か新税でも期待されておって、新税の新設とあわせてこの地方財源問題を解決しようという意図でもお持ちなのでございましょうか。
#14
○後藤田国務大臣 いまは要するに国も地方も財政の再建、その第一歩としての行政改革、つまり、高度成長時代のぜい肉の切り落としをやる、こういうことを前提としてできるだけ簡素合理化をした仕事のやり方をやっていく。そしてその仕事の進みぐあいをにらみ合わせながら最後の帳じりを合わせてみる。そうして帳じりの結果、どうしても赤字が出てくるのだということになれば、改めて国民の皆さんに訴えなければならぬ時期が来るのではなかろうか。そういう際にこそ国、地方を通ずる抜本的な改革に乗り出さなければならぬ時期ですから、いま問題になっておるような交付税制度等についても根本的な改革に乗り出そう、かように私は考えておるわけでございます。
#15
○三谷委員 要するに、国民の負担によって片をつけようというお考えだと思いますが、私どもは政府に対する申し入れでも明らかにしておりますように、いまの税制あるいは財政金融制度の民主化、合理化によりまして地方財政問題は十分に解決ができるという考え方を持っておりますから、その点で、いつまでもこういう状態でじんぜんと時間を延引することはよくないと考えておるわけであります。
 そこで、一方で交付税の算入費目が著しく増加しておる。つまり四十一年以後交付税率は変わっておりませんが、交付税に算入します費目が著しくふえてきておるようでありますが、四十二年以降交付税の算定費目として新しく加えられたもの、そしてその年間需要額、これをお聞きしたいと思います。
#16
○土屋政府委員 四十二年度以降に新しく地方交付税の算定項目に追加されたもの、それから、それに対します需要額は五十三年度の需要額で統一して申し上げたいと存じます。そして、追加されたものを区分けをいたしますと、一つには、地方債の元利償還を見るというたぐいのものと、それからもう一つは、従来のものを分割して拡充していく、こういった二つの性格に分かれると存じます。
 四十二年度には特別事業債の償還費を費目として追加をいたしております。これが五十三年度需要額で九十三億五千七百万。下水道費が四十二年度でございますが、七百五十二億七千八百万。同和対策事業債の償還費が四十五年度、七十七億一千万。過疎地域振興のための地方債償還費の費目追加、これが四十六年度、三百八億八千二百万。公害防止事業債償還費が四十七年度、四百十一億五千五百万。公園費、四十七年度、四百二十九億五千百万。石油コンビナート等の特別防災区域に係る緑地等の設置のための地方債償還費、五十一年度、四百万。いわゆる地方税減収補てん債の償還費、これが五十一年度に設けられましたが、千三百六億八千八百万。財源対策債償還費、五十二年度に追加をいたしましたが、千五百十一億八千四百万。特殊教育諸学校費を五十四年度に費目を設けましたが、千四百三十八億二千三百万ということになっております。
#17
○三谷委員 このような特定事業に係る償還費を交付税で財源措置をすることは、交付税の特定財源化を意味するのではないかという疑問が一つ出てまいります。それから交付税の税率は、分母はそのままになっておりますのに、分子だけは次々と膨張してくる。これで見ますと、約五千億前後の需要増になるわけでございますが、この措置も合点がいかぬ措置であります。その上、教員や警察の年々の定員増という問題もあります。教員の人確法によります待遇改善費などもありますが、この国の施策に係る地方負担を安易に交付税に吸収してきたのでは、いまでさえ不足する交付税がますます困難になってくるのではないかと思います。そして農地関係の事務費だとか国有財産管理費などは交付税の対象から外すべきだ。これなどは委託費として国庫負担金で措置すべき性質のものである。そういうものまで交付税の積算の基礎にされておったのでは交付税の会計がますます困難になってくることが明らかでありますが、こういう点についてはどのようにお考えでしょうか。
#18
○土屋政府委員 先ほど御指摘がございましたように、四十二年度以降、制度の新設とか改正によりましていろいろと費目を追加いたしまして、基準財政需要額を増額しておるということは事実でございます。そのほかにいろいろと財政需要というものは増加をしてきておるわけでございますが、私どもといたしましては、そういった必要な財政需要額というものは的確に算定をいたしますとともに、交付税の総額につきましても所要の額を確保して、需要額の増加にできるだけ対応できるように努力をしてきておるわけでございまして、たとえば三二%の交付税率が決まりました四十一年度につきましてこれを一〇〇として見ました場合に、基準財政需要額は五十三年度で七七三、したがって七・七三倍に伸びておるわけでございます。しかしながら地方交付税は、四十一年度を一〇〇にいたしまして五十三年度で八八五、八・八五倍ということでございまして、かなり需要に対応して必要な額は確保しておるつもりでございます。
 ただ、先ほどから御指摘がございましたように現実には、特に五十年度以降は特別会計で借り入れをするといったようなパターンで財源不足の穴埋めをしておる、そういった点から見ますと結局、借金で穴埋めしておるんじゃないかということでございます。形の上ではそのようなことになっておりますけれども、たまたま現実を見ますと、先ほどから大臣がるる申し上げたような状況でございます。暫定的な形でやってきておるわけでございます。ただ、毎年度毎年度の需要につきましては、ただいま申し上げましたようなことで対応しておるわけでございます。
 また、最後に申されましたような農地関係を初めといたします委託費関係、こういったものについては本来、地方交付税等で見ないでこれは当然国が全額持つべきではないかという御意見でございます。その点につきましては私どもも、国が本来やるべきものを委託しておるというものは当然そのようであるべきだと思うのでございます。ただ、これは古い制度のころから地方交付税でその分を見ておるといったようなことでございます。やや慣習化しておりますけれども、こういったたぐいのものは本来、別途国が措置すべきであり、私どもとしては新しい制度の改善等の際は、国において当然の措置として予算措置を講じてもらいたい、こういう申し入れもしておるところでございます。御指摘は前々からあった点でございますが、慣習化しておるものを一挙に変えるということもできにくい点もございまして、いろいろとなお改善すべき点があるとは存じております。総額についてはいま申し上げましたことで、根本的改善かどうかについては御議論があるかもしれませんが、需要額に見合う増額は図ってきておるところでございます。
#19
○三谷委員 いまのお答え聞いておりますと、交付税の総量を確保するための基本的な方針、これもない。それから、いま申しました末梢的な具体の細かい処置についても、慣習化したものであって容易ではない。こうなってきますと一体どないなりますのや。本当ですよ、大臣。できるところはやらせる、大筋でまた困難性があれば末端の水漏れは防いでいくというぐらいのことはやってもらわぬと、これはいかぬじゃないでしょうか。有力な自治大臣が就任されて、結局これという改善処置もなしにまたおかわりになるというふうなことでは、これはまことに残念ですが、こういう慣習化した不合理性、これなどは大臣の在任中に片をつけてほしいと思いますがどうでしょう。
#20
○後藤田国務大臣 需要項目の中に本来、国費で負担すべきものがある、こういう御説のようでございますが、そういうものは当然改めなければならぬと思います。ただ問題は、国と地方と両方が関心を持つべき事項なのかどうか。両方関心を持つべき事項であるならば、一般財源でございますから、地方としても当然負担しなければならぬならば、それは交付税の算入に入れるということはあたりまえでしょうけれども、御質問の中に、全く地方の関心を持つべき事項じゃないというものがあるじゃないか、こういうお話でございますので、そういう点については早急に改善措置を講じたい、かように思います。
#21
○三谷委員 そのことを繰り返して強調しておきます。
 交付税の内容について財政局長からいろいろお答えがありましたけれども、実態を見ますと、各自治体の決算とそれから交付税処置を見ますと、算入漏れ、算入不足が随所にあります。これは一昨年の委員会で細かく指摘しましたからきょうはそれはしませんが、これは決算処理と照らし合わしてみますと明白です。ただ、幾らか改善された点があります。同時に、まだ未改善の部分もありますが、きょうこれを指摘しておりますと、ちょうだいしました時間がなくなりますからきょうは残しておきますが、もう一つ超過負担の問題でございます。
 超過負担については、かなり改善されたことは間違いありません。特に単価差におきましては大筋において解決されてきた。これは私の調べでも明らかになっております。ただし、いまの超過負担は最も大きいのは対象差であります。これでかなりな超過負担が出ておるわけでございます。特に学校及び保育所、ここの超過負担が非常に多いわけでありますが、文部省、お越しになっておればお尋ねしたいと思いますが、これは少し具体に申し上げませんと抽象論議になりますから、具体に申し上げますが、柏原という市があります。ここで堅上北という中学校の建設を五十二年、五十三年度にわたりまして施行したわけでございますが、ここで合わせますと約八千億近い超過負担が出ております。
 これは対象差から出る超過負担でありますけれども、最も多いのはガス暖房工事、これがほとんど見られていない。それから放送施設、これもかなり超過負担が多くなっております。給水用の配水管の設備負担金というものは、場所によりまして特殊性を持つものでありますが、これなどは四千万を超すような負担になっております。こういう費目について文部省としてはどのようなお考えでいらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
#22
○横瀬説明員 現在公立学校の施設についての国の補助あるいは負担につきましては、原則といたしまして義務教育諸学校施設費国庫負担法という法律によりまして学校施設の建設費につきまして補助しておるわけでございます。建設費でございますので、その中で取り入れるものにつきましてはできるだけ取り入れていこうというような方針で年々逐次改善しておるわけでございまして、ただいま御指摘の対象差と言われる分につきましては、五十二年度に門とかさくとか渡り廊下とかそういったものにつきましても補助の対象に含めまして、地方負担の軽減を図るという努力をしてきているわけでございます。
 ただいま個別に挙げられました事項につきまして、暖房の施設でございますが、これは現在のところ、暖房施設を新築あるいは改築するような際に補助対象としておりますのは積雪寒冷地域と特殊教育諸学校でございますが、その他の温暖地域等につきましては現在のところ対象になっていないわけでございます。これは年々そういう検討をしているわけでございますけれども、現在の省エネルギー問題とかそういったこともございまして、なかなか実現に至っていないのが現状でございます。
 それから放送設備につきましては、これは設備でございますので建設費という範疇に入ってこないというようなことで、こちらの方の補助対象外になっているわけでございますが、教材費という別の補助金で、これは大変限度額がございまして必ずしも実情に合っていないと思いますけれども、そちらの方で教材という面から補助の対象にしているわけでございます。
 それから給水、排水関係につきましては、学校の敷地内につきましては補助対象になっておりますが、それ以外の分、外から引いてくるような分につきましては、これは個々に非常な問題がございますので、原則としては補助対象になっていない、こういうような仕分けになっているわけでございます。
#23
○三谷委員 暖房費の問題ですけれども、省エネ時代とおっしゃいますが、真冬になりますと温暖な地域でも火の気なしにはおれない状態がしばしばあります。ですから、大阪あたりの小中学校にしましても全部暖房設備を完備しております、これが実態です。この暖房費については、八尾市の用和小学校というのを見ましても、五十三年でありますが、六百七十万の暖房設備費というものが対象になっておりません。それから山本小学校も二百八万円ですか、これは出るのが当然であって、補助の対象になっていないわけですから、これは少し改善してもらう必要がありはしませんか。まあ省エネ問題はあるとしましても、これは器具じゃありません、要するに施設ですから、対象にして当然行わなければ、実際に自治体はこれを支出しておるわけでありますから、いまの財源難の中で支出財源というものに困るわけですから、この改善は文部省において至急に検討してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#24
○横瀬説明員 ただいまの温暖地域における暖房のことでございますが、先ほど申し上げました対象にするかしないかという問題は、施設に関連したいわゆる中央暖房の工事についてでございます。個々の学校においてストーブとかそういうようなことでほとんどの地域において暖房をしている、またしなければならないという実態はよくわかるわけでございますが、中央暖房工事まで必要かどうかということについて、省エネルギーというような問題あるいは子供の教育上どうかという問題、いろいろあるわけでございます。そういう御指摘を受けたこともございますが、ただ私どもとしては、実態として積雪寒冷地域以外においてもかなり行われているということもございますし、そういう御要望も強く出ているわけでございますので、そういう意味で、この補助の対象にするということについては検討課題であるということは重々承知をしてございます。
#25
○三谷委員 交付税の単位費用としては、放送設備が学校数の単位で二十一万円年間に計上されておるわけでありますが、文部省としてはこういう処置はとれないわけでしょうか。
#26
○横瀬説明員 放送設備というような設備の関係につきましては、先ほど申し上げましたように、現在の補助制度が建設費の補助であるということから、施設費の補助の中にこの設備の関係を入れていくかどうかということは、ほかにもいろいろな御要望がございますが、そういう一つの制度の大きな転換を意味することになりますので、これはなかなか困難な問題だというふうに思います。
 先ほど申し上げましたように教材費、これは義務教育費国庫負担法に基づく教材費でございますが、その中に、放送設備というものが基準の中に含まれておりまして、これは限度額がございますので、それで全部をカバーすることはなかなかむずかしいかと思いますが、一応そちらの方向で措置すべき問題ではないかというふうに考えております。
#27
○三谷委員 保育所の超過負担の問題、特に人件費の問題でありますが、きのうの参考人として出てこられました市長会の代表者の方でありますか、具体の数字を挙げていらっしゃいました。それによりますと、保育所の所長の人件費が、国の基準では十四万二百円、市長会の調査では平均十九万三千円という数字が出ている。きのうお越しになりました川西市長のところでは、市の出しております人件費は二十万五千七百円でありますが、国の基準でいきますと最高で十五万百円、こういう説明をなさっておりました。一般保母で、国の基準で十万一千三百円でありますが、実態は十二万四千円であったと説明があったように思います。それから調理員などは、国の基準で八万八千四百円でありますが、実際は十一万一千円、こういう差が示されておりました。
 そして、これは人件費でありますが、数の問題も述べておられました。これによりますと、市長会が調査しました――市長会じゃないかもしれませんが、百九十七保育所を調査して、国の基準では千三百五十人でありますが、実態は千五百七十八人実在をする。それぐらいいなければ子供の十分な世話はできない、二百二十余人の人員差がある、こういう指摘がありました。私どもまだ実態にわたりまして今回、自分で調査をやっておりませんが、きのう参考人の陳述でこういうふうな指摘がありましたが、これについて厚生省の御意見を聞いておきたいと思います。
#28
○北郷説明員 保育所の施設長さんあるいは保母さん、調理員、この三つでございますが、それぞれ数字をお挙げいただきましたが、五十五年度の数字を申し上げますと、施設長女これは国家公務員で申しますと行政職(一)の五の八の格づけでございますが、十八万一千九百八十円でございます。それから保母さんでございますが、十万七千四百八十四円を予定しております。それから調理員につきましては、九万三千九百円でございます。いずれも五十四年度に比較しまして、人事院の勧告がございましたその率によりましてそれぞれ給与の改善を行っておるところでございます。こういった保育所の職員の人件費につきましては、三年に一度でございますが、自治省、大蔵省、厚生省の三省合同で調査をいたしまして、実態をつかみまして妥当と思われる給与に格づけする、こういう措置を講じておるわけでございます。
 それから人数につきましては、一応の国の基準があるわけでございまして、それを超えて各自治体で人数をそれよりよけいに置いておるところが確かにございます。こういうものにつきましては、その分を全部見るというわけにはまいりませんので、国の基準の分については予算措置を講ずる、こういうことでございます。しかしその人数につきましては、毎年できるだけの改善措置を講じてきておる、こういう状況でございます。
#29
○三谷委員 これは繰り返してお尋ねすることはしませんが、本年度幾らか改善措置はあったようでありますが、しかし実態調査などをよくおやりになって、もっと実勢に合わす努力をしてほしいと思います。このことを要望しておきます。
 そこで、三月六日のこの委員会で、私は自治体による中央官庁役人の接待問題を取り上げましたが、引き続いてこの問題に少し触れたいと思います。
 一つは徳島市の問題ですが、これは大臣の足元でありますが、ここでわが党の議員が調査しました、市長関係の総務費によりまして接待を受けられた方々の中に、政府並びに特殊法人関係者の数がかなり見受けられます。取りまとめた表をいま差し上げました。農水省、建設省、運輸省、国土庁、法務省、総理府、日本開発銀行、国鉄、防衛庁、同施設庁、これが接待を受けたことになっております。接待の費用は、徳島市長の昭和五十三年度の総務費、すなわち租税でございます。しかも注記にありますように接待が、懇談をなさっただけでなしにいわゆる二次会というものがそれぞれ付随しております。
 いま名前を挙げました省庁にはそれぞれ、徳島市への出張目的、役職、氏名、接待を受けたことの有無についてお調べをいただくようお願いしまして、回答をいただいております。その回答はそこに添付してございますが、建設省だけまだいただいておりませんので、建設省のお答えを聞きたいと思います。
#30
○台説明員 お尋ねの、昭和五十三年十月三十日から翌三十一日にかけまして徳島市へ出張いたしました職員はおりますが、当該職員が徳島市から接待を受けたという事実はございません。
#31
○三谷委員 自治省はいかがでございましょうか。
#32
○石見政府委員 昨日御指摘をいただきました資料に基づきまして、私ども徳島市とも連絡をとりまして精査をいたしました結果は、昨夜御報告申し上げたとおりでございますが、改めてお答えをさせていただきますと、御指摘をいただきました中で、五十三年四月七日、四月十五日、六月二十七日、七月十二日の分につきましては、当省といたしましては徳島市に職員が出張しております事実はございません。
 それから、九月の二十六日にかかわります分につきましては、九月の二十六日という日に徳島市に出張いたしました職員はございません。ただ、示されております二名の者につきましては、八月の十二日、八月の十四日にそれぞれ休暇をとりまして、徳島市へ私事旅行で参っております。
 それから、十月十四日、十一月二十九日、一月二十四日の分につきましては、それぞれ該当者が徳島市へ公務出張いたしております。
 それから、公営企業金融公庫の分につきましては、十月十七日及び十八日というお示しをいただいておりますが、公営企業の当該職員は、十月十七日には参っておりますが、十八日にはその事実はございません。
 以上でございます。
#33
○三谷委員 徳島に出張なさったかどうかというお尋ねではないのです。出張されて接待を受けられたかどうか、そしてなおその場合、二次会等にも参加されておるのかどうか、これをお尋ねしておる。
#34
○石見政府委員 ただいま申し上げました徳島市へ出張いたしました職員につきましては、当日現地におきまして、当該団体の方と会食をともにしたということは事実でございます。
 なお、二次会につきましては、二次会といいますものはちょっと実態をわれわれまだ詳細つかみ切っておらないのでございますが、当該職員につきまして個々に私ども当たりまして聞いております限り、記憶のあるものにつきましては、二次会と申しますか、会食の後別途な場所へ移って引き続きともに会合したということは事実でございます。
#35
○三谷委員 そこで一つは、そういう接待をこういう地方自治体の行財政の健全な運営を指導する立場にある自治省が受けることがどうかという問題です。しばしば常識の範囲とか儀礼的とおっしゃいますが、常識の範囲とは一体どういう範囲なんでしょうか、儀礼的とは一体どういう範囲なんでしょうか、これをお聞きしたい。そうしてしかるべき場所で会談をして席をともにして、そして二次会といいますのは、これは石見さん、あなたも御承知ないはずはないと思うのだが、大体料理屋で飲んだ後はバーに行って、そこで発散をするという仕組みになっている。二次会というのはそういう性質です。それにも参加されたわけですから、そうい4状態についてどうお考えなのかお聞きしたい。これを一点。
 もう一つは、参加されていないのがある。この参加されていないのはいまの建設省の答えにもありましたし、大臣のところに差し上げております省庁の回答の中に、出張した事実はない、あるいは、当日は他の方面に行っておったとか、そういう回答がずいぶんあるわけです。そうしますと、これはどちらかにうそがある。この回答にうそがあるか、あるいは、徳島市の決算書類、これは証憑と証憑付随書類を見たわけでありますから、書類は完全に正式なものであります、それにうそがあるか。つまり、空宴会をやっておるか、あるいは参加されている方が参加しなかったとおっしゃっているか、どちらかなんです。
 それで聞いてみますと、いろいろ具体の事実などをお伝えいただきました省庁もありますから、そういう事情から見ますと一どうも空宴会というふうな色彩もかなり濃厚な感じがするわけでございます。その場合に一体これはどうなるのか。市議会に対しては、にせの証憑あるいは付随書類を出して、使ったと言う。ところが実際はそれが使われていない。そうすれば、その金は一体どこに行ったのか。最近、空出張がはやるようでありますが、空宴会というのも、これはまた新しく登場してきた新しい手法のようでありますけれども、それがなされておれば当然、これはその金が何らかどこかで使われているということになるわけであります。
 そこで自治省にお尋ねをしたいのは、そういう場合の自治省の監督処置あるいは調査処置、これはたとえば自治法の二百四十六条の二には、「確保すべき収入を不当に確保せず、不当に経費を支出し、若しくは不当に財産を処分する」という条項もありますし、「財務監視」という規定もありますが、こういう処置によって当然これは調査をされる必要があると思いますが、この点はいかがでしょうか。
#36
○石見政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、五十三年度、当該職員が徳島市へ出張いたしまして、当該団体の職員と会食をともにし、あるいは、二次会と言われるものを持ったことは事実でございます。
 私どもといたしましては、このようなことにつきましては、ただいま先生からもお話がございましたように、やはり一般社会の常識におきます儀礼的な範囲においてのみ許されることであろうかと思っておりまして、もちろん、こういうことが乱に流れることは厳に慎むべきことだというふうに存じております。と同時に、いずれにいたしましても、これらの会合の経費がいわば公費で賄われておるということに思いをいたしました場合には、当然のことながら必要最小限度の範囲内で、いやしくも世間一般の常識をはみ出すようなことがあってはならないというふうに考えておるわけでございます。
 二次会をどう考えるかという御質問であったようでございますが、私といたしましては、二次会と申しますのが、先生おっしゃいましたような形態もございましょう、また、必ずしもそういうことばかりでもないかもしれません。私たちも二次会の実態は、どう申しますか、区々であろうかと存じております。したがいまして、私どもといたしましては、いま申しましたように社会的な儀礼の範囲内でおつき合いをするということでありますれば、やたらとそういう形の二次会というものは当然、それは好ましいことではないというふうに考えております。
 なお、その経理が空宴会と申しますか、というお話でございました。私どもそういう経理がどのような形で行われておるかはつまびらかにいたしておりませんが、もちろん、予算執行あるいはまた会計経理につきましては、法令の定めるところに従いまして適正に行われるということは、申し上げるまでもないところだろうというふうに考えておるところでございます。
#37
○三谷委員 そんな精神訓話みたいなことを聞いているのと違うわな。つまり自治省も、四月七日、四月十五日、徳島市に出張した事実はないと言うのだ。ところが、徳島市の決算証憑書類によりますと、自治省の役員が二人、接待に応じておる。そして一つは、一次会で十六万三千余円、二次会で二万三千余円、もう一つの方は、一次会で八万三千余円、二次会で一万五千余円、こうなっています。ところが行っていないのだ、自治省は。行っていないのに証憑ではちゃんと行ったことになっているわけだ。
 これは単に自治省だけじゃありませんよ、防衛庁も当日は出張していないと言うのだ。それから法務省は、当人は四国の法務局の方ですが、中央の会議で上京中であって徳島市にはいなかった、接待を受けていない、こうおっしゃっている。そして六月の二十七日、七月の十二日、これも自治省ですけれども、徳島市に出張した事実はない、こうおっしゃっている。ところがこの分も、徳島市の証憑書類によりますと、一次会が八万七千余円、もう一つは二万七千余円、こうなっておる。
 これを例示しておりますと時間も食いますから、省略します、書類は大臣に差し上げてある。つまり行ってないとおっしゃる分が多いわけだ。そうすれば、これはどないになったんや、まことに面妖な話だ。だから、こういうことですと当然、これは住民が自治体に対する信頼関係を失っていくのはあたりまえであって、しかも、これはあなた方自身が利用されておるといいますか、架空の対象として利用されておるわけですから、これはこのままほっておいて、いまのような精神訓話めいたようなことを言っておって済むものじゃない。当然これは調査をして、なぜこういうふうなことが起きてきたのか調べて、実態を明らかにする必要がある、当事者としてもする必要があると私は思う。それをやるべきである。
 それからもう一つは、昨年の暮れですか、特にKDD問題などが起きましてから綱紀粛正の通達などが出ましたが、これはその通達以前の事件であることは間違いがありませんけれども、しかし通達が出る出ないにかかわらず、公費で接待を受けるというようなことは好ましいことではない。まあ友人などがおりまして、私用でお帰りになって、そして友人関係などがあって旧交を温める場合には、これは私費でやるという態度を貫きますならば、こういう問題は全くないわけでありまして、ここでも一つの、さっきおっしゃいました慣習化といいますか、こういうものがあるだろうと思いますが、これについて一般論でなしに、これからどうするかという問題をはっきりしてほしいと思います。それから、いま申しましたややっこしい不明なトリックめいた内容については、一遍調べていただきたいと思います。いかがでしょう。
#38
○石見政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、四月七日、四月十五日、六月二十七日、七月十二日に自治省関係者と懇談、それはまた二次会もあるという資料をいただいておりますが、私どもといたしましては、こういう事実はございません。したがいまして、このことは先生ただいま御指摘もございましたように、私どもといたしましてもまことに迷惑でございます。ただいま市に対しましては、こういう部分につきまして一体どういう事実関係であったのか、あるいは、なぜこういうことになったのかということにつきまして、調査と申しますか、事実をはっきりさせていただきたいということをお願いをいたしております。なお、このような会計経理の問題につきましては当然のことながら、これはもう市といたしましても厳正に執行すべきものでございましょうし、それぞれの手続に従って県を通じ指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、今後のこのようないわゆる会食あるいは接待ということにつきましての私どもの基本的な考え方でございますが、従来ともそうであったわけでございますが、このような会合が持たれるということは、状況によりあるいはあり得ることかとも存じます。しかし先ほど申し上げましたように、現在置かれております状況等を考えました場合当然のことながら、それはあくまで厳しい態度で対処しなければならないことでございまして、庁内職員全員に対しましても、今後出張時におきますこういう会合等につきましては、その辺十分心してまいるようにということを私ども厳しく指導いたしておるところでございます。
#39
○三谷委員 そうしますと、適正な事務処理の確保措置というのが自治法の規定の中にありまして、総理大臣は、不当に経費を支出したり、著しく適正を欠く事務の執行をした場合、かつ、明らかに公益を害しているものがあると認めるときは、その長に対して、その事務の処理または管理、執行について違反の是正または改善のため必要な措置を講ずることを求める、こういうふうな条項もありますから、そういうことを含みながら実態を調査するということでございますか。大臣、どうでしょうか。
#40
○後藤田国務大臣 私の郷里の市のことで、私も大変困惑をいたしております。ただいま三谷さんからいただきました資料を見させていただきましても、徳島市の経理書類と接待を受けたという人との事実についての開きがあるようでございますから、それらについては十分調査をいたしまして、適切な処理をいたしたいと考えます。
#41
○三谷委員 もう一つ例を挙げておきます。
 予算編成期に当たりまして各省庁が、事業費予算等の増額工作の一環として、大蔵省などを都内の高級料亭等に接待しておる事実が明らかになりました。そして、中央省庁間の接待を自粛する旨の処置がとられましたし、また、その自粛の方針は次官名で各自治体に対して通達をされてまいりました。この予算編成期における中央省庁の接待というのは、中央省庁間だけではなしに、地方自治体が盛んにこれをやっているということは、私どもも地方議会に長くおりまして承知しております。最近、新潟県の議会で、この中央省庁の接待を知事が認めた事例がございます。これもそこに書類を差し上げました。
 これは昭和五十三年と五十四年の予算編成期でありますが、「大野」とか「満ん賀ん」とか「一条」といった赤坂のおなじみの料亭に各省庁幹部を県側が招いて接待をしております。大蔵省は五十三年九月五日と翌年八月二十九日に「大野」で、建設省は五十三年九月六日と翌年八月三十日に「一条」で、農水省は五十三年八月二十二日と翌年九月六日に「福田屋」で、国土庁は五十三年八月二十四日と翌年八月二十三日に、厚生省は五十三年八月二十三日に、自治省も五十四年八月二十四日にそれぞれ「満ん賀ん」で新潟県から接待を受けたことになっておりますが、この方は間違いがないでしょうか、それぞれお答えいただきたいと思います。
#42
○石見政府委員 御指摘のございました昨年八月二十四日に新潟県知事ほか幹部と自治省の幹部が、お示しの場所で会食を持ちましたことは事実でございます。
#43
○三谷委員 大蔵省は来てないのですか。――それでは建設省。
#44
○台説明員 御指摘の昭和五十三年九月六日及び昭和五十四年八月三十日に、新潟県幹部と建設省の幹部とが出席された儀礼的な会合があったと聞いております。
#45
○栗山説明員 お答えいたします。
 五十三年八月二十四日及び五十四年八月二十三日に、新潟県知事主催の懇談会に国土庁幹部に招待があったという事実はございます。ただ、国土庁主催行事でないので、招待を受けた人が全員出たか、また、場所その他についても詳細はわかりません。
#46
○関口説明員 私、官房ではございませんが、五十三年八月二十二日の会合、五十四年九月六日の会合、あったと聞いております。
#47
○三谷委員 自治大臣、いま地方自治体は財政難でいろいろ苦慮しているわけでありますが、その中で、こういう種類の会合が持たれ、予算の陳情が行われるようでありますが、この慣習は一掃しなくちゃならぬと私どもは思うわけであります。しかも、各会合ごとの出費額は大体五十万から六十万でありますから、少ないものではありません。この予算編成期の省庁の接待だけで五百三十万ほどの県費が使われております。こういう悪例を是正するために、何らかの処置を自治省としても考えていただきたい。これは、やる自治体側に対しても指導が必要でありますし、受ける側についても、閣僚会議等ででも意思統一をしてもらう必要が当然あると思いますが、この点についてお尋ねしたいと思います。
#48
○後藤田国務大臣 過去においては知事さんとか市長さん等が上京なさったときに、それぞれの地位にふさわしい程度の接待といいますか会合が行われておったのは事実であろうと私は思います。私はこういった問題は、日本の社会的な土壌の中で生まれておる一つの習慣であったのではなかろうか、かように考えるのです。それが社会的に度外れなものでなければ黙認をせられておったというのも、これまた事実であろうと思います。私自身は余りぎすぎすした世の中になるのもいかがなものかなという気はいたします。しかし基本は、官公庁間の接待などというのは税金だということの観念は持ってもらわなければならない。したがって、過去の問題を私はここでとやかく批判するつもりもありませんけれども、今日のこの厳しい状況においてこういったものは当然、改めるべき筋合いのものであろうと考えます。
 そこで先般来、内閣においても、官公庁間の接待はやめようということを政府の方針として決めまして、各省庁にすでに伝達もいたしておりますし、同時に、それを受けて自治省としては、地方団体にもその趣旨を伝達しておるところでございますので、従来のような社会的な慣行であった、ほどほどのものならといったような物の考え方は、これから先は是正をせられていくものであろうと私は考えておりますので、十分御趣旨を体しまして今後一層徹底したい、かように思います。
#49
○三谷委員 研究したいというのはよくわかりませんが、いけないことははっきりしておるわけですから、なくするための措置をどうするかということを……(後藤田国務大臣「いやいや、研究じゃない。やりたい、徹底したい」と呼ぶ)ああ、そうですか。
 それでは、もう一問だけお尋ねしますが、参議院選挙を目前に控えまして、出馬を予定されておる人たちの動きが一段と活発になっております。消防庁長官並びに自治省事務次官を務められました松浦氏もその一人だと思いますが、同氏が去る三月四日に広島市内のホテルで励ますパーティーを開かれた。同氏がというか、あるいは励ます会が行ったものか、いずれにしても松浦氏を中心にするパーティーが開かれました。新聞によりますと、会費一万円を出して集まった約三百人のうち、ひときわ目立ったのが宮澤知事、竹下副知事を初めとする県の各部長と県下八十七市町村の市長、議長ら、こうなっております。そういう状況の中で開かれましたが、広島市立町のホテル、つまりこのホテルで行われたわけでありますが、ここに参加しましたのは、県、市町村のトップあるいは消防、私学関係者などが大部分を占めていたわけであります。県からぜひ顔を出すように言われましたという町長さん、午後から職務を切り上げて県庁用務にかこつけて出てきましたという町長さんもいらっしゃる。知事、副知事から出てくれと言ってきたのでやむなく出席したという町長さんもいらっしゃる。町長さんの固有名詞を挙げられますけれども、別に必要ないでしょう。それから、例の山林火災の問題もあるので出席をしなくてはならなかったと述べていらっしゃる方もあります。この松浦氏を励ます会は、知事らが市町村の幹部らを組織し、出席を求めて、県側の行政権限というものがそこで生かされておるということが見てとれるわけでございます。
 そこで選挙部長にお尋ねします。これはもちろん公的な行事ではないわけでありますから、行政の延長のように、特別公務員ですけれども、公務員がこれに参加を呼びかける、その呼びかけに応じて参加せざるを得ないような状況をつくり出すということは、地位利用の選挙運動になるものと思いますが、その点はいかがでございましょう。
#50
○大林政府委員 政治家を励ます会に参加する場合の態様について、選挙法の地位利用との関係に関するお尋ねでありますけれども、いわゆる励ます会と申しますのは、一般的には御承知のように、まことに多種多様なものであると存じます。したがいまして、百三十六条の二の地位利用に該当するかどうかという問題につきましては、励ます会の目的、態様あるいはやり方の問題が一つございましょうし、それから出席者に対する参加要請、これが地位を利用したということに該当するかという問題、この二つの問題があるかと思いますが、要するに地位を利用するかどうかということは、やはり政治家の職務権限あるいは影響力というものを不当に行使して呼びかける、そういうことが地位利用に該当するというふうに解釈をされておるわけであります。個々具体の事実の認定の問題になってまいると思います。
#51
○三谷委員 地位利用については、「その地位を利用して、公職の候補者の推薦に関与し、若しくは関与することを援助し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。」こうなっております。二項の一号ですね。そこで、広島の例でありますけれども、さっき申しましたように参加しました市町村長などが、知事や副知事の要請によって出たと言っているわけです。これはどういうことなのでしょうか。知事や副知事という地位を利用して、行政上の指導権限があるわけですから、あるいは財政等に関する権限を持つわけですから、それがこういう集会などに参加を呼びかけるということは、地位利用にならないのか、妥当なのか、どうお考えでございますか。
 いま私は名前を特に申し上げずに幾つかの町長の言い分を申し上げましたけれども、もしも調査の必要があるとしますならば、たとえば音戸の町長であるとかあるいは川尻の町長であるとか、これは分明しておるわけでありますが、どうでしょうか。こういう一般的な状況ですが、なお、わからぬとおっしゃるならば、調べてもらえるかどうか、お答えいただきたい。
#52
○大林政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、その職務権限あるいは影響力を不当に利用して呼びかけるかどうかということが決め手になるわけでありまして、それは参加者の方々にいろいろの事情があったかもしれませんが、要するに呼びかける際に、そういった影響力を不当に利用して呼びかけるという呼びかけ方をしたかどうかという問題であります。
 こういった具体的な事実の問題については選挙部といたしましては、これを調査する権限というものはございません。具体的な事件が起こりました場合には、常に司法当局の判断にお任せをしておるわけであります。
#53
○三谷委員 いまのは地位を不当に利用したかどうかということですか。地位利用に当たって、不当な利用の仕方と正当な利用の仕方があるわけですかね。
 出てこなければ予算を渡さぬとか、出てこなければどうとかいうふうな、制裁的あるいは恩恵的ないろいろな言葉をそこで使ったか使わなかったかは別として、そこに参加をしなさいと言うことは、知事や副知事の潜在的な行政権限というものを考えてみた場合に当然、この地位というものが影響するということはだれが考えてもわかることである。そうしますとこの場合、町長が言っていますように、知事や副知事に参加をしろと言われてやむなく出席をしたというわけですから、これは明らかにそういう潜在的な権限が作用していると考えるのがあたりまえじゃないですか。
 この場合、松浦氏がかつて自治省の事務次官をなさっておったということも一つはあります。そして広島県知事がまた、自治省の事務次官をしておったという経歴がたしかあったと思うのです。いわゆる自治省一家と言われるつながりを持っているわけです。それから、県の消防協会がパーティーの世話役になっておりますが、自治体の外郭団体というのは、予算獲得のための役人の接待だけでなしに、特定の選挙運動の手足にもなっておる、これは今日までの常識になっておる。そして、この県の消防協会というのは、県から五百五十万円の補助を受けておるわけであります。県下の市町村からも応分の負担金によって、つまり住民の租税によって運営されておる。こういう状態を考えてみますと、こういうことが野放しにやられていいのかどうかということ、それで公正な選挙ができるかどうかということは、だれしも懸念を持つのはあたりまえの話だ。
 そこで大臣、どうですか、あの方の答えは、これはとてもじゃありませんが事務解釈以上に出ぬわけであります。これは選挙法上の問題でもあります。しかし、これを扱うにつきましては、政治的な要素も持つものでありますから、大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
#54
○後藤田国務大臣 現在、参議院選挙が行われるということで、いろいろな人がいろいろな会合をやっていらっしゃるのですが、これはすべて後援会活動でございます。また、励ます会等も行われておりますが、これらも選挙法上、私どもはいわゆる選挙運動、つまり事前運動とは見ておりません。したがって、広島の例は具体的にどのようなことであったのか私は承知しておりませんが、いずれにいたしましても今日の活動はどなたも、いわゆる選挙運動ではなくて後援会活動ということでやっていらっしゃるもの、かように考えます。したがいまして私は、地位利用であるといったような物の見方はいたしておりません。
#55
○三谷委員 どうも後藤田さんらしい答弁ですね。選挙についてはやはりはっきり言えぬような雰囲気が少しあるようです。しかし、これは「公職の候補者となろうとする者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的をもつてする次の各号に掲げる行為」などとなっておるわけです。つまり、選挙期間に入って候補者になって、それから選挙違反という問題が起きるとしましても、公務員の地位利用による選挙運動の禁止というものは、「候補者若しくは公職の候補者となろうとする者」、これが対象になるわけです。そうしますと、いまおっしゃいますのは少し的外れになっていると私は思いますが、どうですか。こういうことを県がやるということ、それから、先般の綱紀粛正の申し合わせ、政府通達でも、パーティー券などというものをあっせんしたりするようなことはよくないということになっておりますが、ここでは知事などがあっせんをしておる、そして市町村長が参加しておるという状態も推定されるわけです。これは調べればわかります。そういうふうになってきますと、こういうことはやはりやってはならないということを厳格に指示してもらって、そうして公正な選挙ができるようにやってもらうことが必要ではないでしょうか。
#56
○後藤田国務大臣 選挙運動は公正にやらなければならぬということは、当然のことでございます。ただ、候補者たらんとする者云々だから地位利用で禁止規定に該当するのでないかということですが、それは第一項を読んでいただければ、選挙運動をしてはならぬ、こう書いてあるわけでございますので、私が先ほどお答えしたように、ただいま行われておる励ます会その他の時局講演会、こういうものはすべて、いわゆる事前運動とは理解をいたしておりません、後援会活動である、かように私は解釈をいたしているような次第でございます。
#57
○三谷委員 繰り返しやっておりますと時間がたちますし、私の質問時間も終わりましたからこれで終わっておきますが、いまの大臣のお答えには納得するものではないことを申し上げておきます。
 終わります。
#58
○塩谷委員長 井岡大治君。
#59
○井岡委員 私は質問に入る前に、先般、八日に社会党から提案をいたしました都市交通事業特別措置法について、大臣はごらんになったかどうか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
#60
○後藤田国務大臣 先般御提案になられたときに拝聴いたしておりましたが、けさ、また読ませていただきました。
#61
○井岡委員 私たちの提案を大変御熱心に閲覧していただいておる、このことについて敬意を表します。
 都市交通というものは、三十五年をピークにだんだん下り坂になってきたわけです。御承知のとおりです。同時に、モータリゼーションのふくそうで路面電車は、交通の邪魔になる、こういうことで、大多数の都市はこれを撤去したわけです。まだ一部、たとえば鹿児島、熊本あるいは札幌、函館、こういうところには残っておりますけれども、とにかくほとんどの大都市が地下鉄にかえていった。その結果、モータリゼーションと、それから輸送が少量化したために、中小都市ではほとんどバスが主体になってきた。それが非常に業績が悪い、このことは御承知のとおりです。
 そこで、私たちが出しました法案について、大臣の御感想をひとつお伺いしたいと思います。
#62
○後藤田国務大臣 確かに都市の公共輸送機関についでの御提案は、私どもとしても検討しなければならぬ課題を多く含んでおると私は理解をいたしております。ただ物の考え方として、企業原則の上に立って考えるのか、そうでない立場に立って考えるのか、ここが分かれ目だなといったような印象を持っておるのが、私の率直な感じ方でございます。
#63
○井岡委員 私は企業原則というそのこと自体に一つは大きな疑問を持っているのです。それは自治法で、都市は交通事業というものを行っていい。交通事業を行っていいというのは一面、行政としてこれをやっても構わない、こういうことだろうと思うのです。また、やりなさいということだろうと思う。そうだとすると、企業原則、それだけでこの問題を処理しようとすることは私は間違いだ、こう思うのですが、この点いかがですか。
#64
○後藤田国務大臣 おっしゃるとおり、私も企業原則だけで今日の公共輸送機関、これが運営できるとは思っておりません。そこで、それをどのように財政的に援助していくのかという、これは一つの考え方ですね。ただ、私が言っている企業原則というのは、やはりこれはあくまでも独立採算という意味なんですね。そこで、この独立採算ではなかなかできない面がございますので、そこをどのように理解をして財政的な支援措置を講ずるか、そこの物の考え方、やはり私どもは今日のこの自由経済の中において、こういった交通機関といえども企業の原則、つまりは独立採算というものを基本にしながら、なおかつ、それでは間に合わないといったところをどう考えていくのかといったような物の考え方で、都市交通問題に対処するのがいいのではないのか、また、現にそういうやり方をやっているわけですね。ところが井岡さんの御提案は、これではもう全く企業原則、独立採算を放棄をしていると言っては言い過ぎですけれども、そこまで踏み込んでいらっしゃるなという、そこらが考え方の分かれ目ではなかろうかな。よく井岡さんの御提案の趣旨はわかるのですよ。わかるのだが、そこらが違いだな、こういうのが私どもの受けとめ方でございます。
#65
○井岡委員 私も同じ考え方なんですよ。私は一つの事業ですから、すべて親方におんぶをして、何をやったっていいんだ、こういう不見識なことは考えてないです。たとえばこれは非常に手前みそになって申しわけないことですけれども、私は都市交通の副委員長をしておったときに、将来のいわゆる自動車の激増を予想して、こういう労働集約型の企業というものでいいのかどうか、こう考えたものですから、二十六年にワンマンカーの問題を提起をしたのです。運輸省、大分怒りましたよ、安全を損なうということで。しかし、今日では都市交通というのは御承知のように、ほとんどが単一料金なんですね。そうですからその設備さえ完全なものにすれば、もうワンマンカーで十分やっていけるではないかということで、大分論争をやりました。そして今日は、これをやらなければ、おまえたち企業努力をしてないんだ、こういうことになってきている。
 そういうように考えておりますから、大臣の言うように、何でもかんでもおんぶしよう、こういうけちな考え方を私は持っておりません。けれども、都市交通というのは、もう単に努力だけでいかないんだ。そうすると、どの辺にいわゆる行政として手だてをするか、そして、努力というものはどういうものかということを考える時期がもう来ているのではないか、来ているのではなくて、やらなければいかぬのじゃないか、こういう意味で提案をしているんで、あれは企業努力というものをしないんだというように考えてもらったのでは、私は大きな誤解だと思うのです。この点、もう一度聞きたいと思います。
#66
○後藤田国務大臣 私の舌が足りなかったのかもしれません。私も井岡さんのおっしゃることをわからぬのでないです。要はその程度問題やなあ、というのが私の率直な考え方。だからここは御相談をして、現在の都市交通問題に対処しようじゃありませんかというのが私の考え方ですから……。
#67
○井岡委員 大臣が相談をしてやろうじゃないか、こういうように申されておるわけです。大体野党が提案をしますと、たなざらしにするのですよ。これは国会の問題だから政府に関係がないといったような顔をしておいでになるけれども、私は野党の提案といえども、議会というところはやはりコンセンサスを積み重ねることによって国民の期待にこたえるものだと思うのです。だから、いま言われたように程度の問題、この程度をどこに置くかというところに大きなウエートがかかっておるわけです。
 そこで委員長、われわれの提案も御審議をいただくことをお願いしたいと思うのですが、いかがです。
#68
○塩谷委員長 理事会に諮って、よく相談をしたいと思います。
#69
○井岡委員 委員長の御配慮、決断、大変感謝をします。
 そこで、いまお話をいたしましたように、高度経済成長のときには、その中枢管理機構が都市に集約しておった、これはもうそのとおりですね。その結果、人口の集中が大都市に、あるいは中都市に起こってきた、それが大きなひずみになっているわけです。都市交通もそのひずみの一つのあらわれだろう、こう私は思います。
 しかし、あなた方が第三次全国総合開発計画概要をまとめておいでのようですが、それによると、昭和六十年には全国の人口は現在の一億二千万人が一億四千万人になる。そして都市に集中する。たとえば三大都市圏では、東京圏では三千五百万人、それから名古屋圏では一千万人、大阪圏では一千九百万人、合計六千四百万人がこの三大圏に集中をする。同様に、地方においても都市に集中するだろう。そういうように考えてみますと、わが国の産業、経済というのは都市圏を中心に動いていく、こういうように理解していいと思うのですが、この点はいかがですか。
#70
○後藤田国務大臣 私も昭和四十七年、この問題に二年間ばかり取り組みました。おっしゃるとおりの傾向でございます。しかし、いいとは思っておりません。これはまさに日本の政治課題の最大の問題である、かように考えております。
#71
○井岡委員 いまそのことでいろいろ論議をしようと思いません。
 そこで、具体的に都市における交通、いわゆる公営交通、こういうものの位置づけをどのようになさっておるか、審議官。
#72
○川俣政府委員 公営交通が交通事業全体の中で占めます割合を見てみますと、地方鉄軌道事業におきましては一五・五%、それから自動車運送事業、バス事業でございますけれども、これが二五%をそれぞれ占めておりまして、都市生活の中で住民の足といたしまして公営交通事業が果たす役割りは、今日も将来も非常に大きなものがある、かように考えております。
#73
○井岡委員 まあそのとおりなんですけれども、都市の市民生活に果たす役割りは非常に大きいものだ、しかし、これは行政の立場から都市交通というものをどういうように位置づけをされているというか見ておられるか。特に高速鉄道というのをどういうように見ておられるか、これをひとつお伺いしたい。
#74
○川俣政府委員 バス事業あるいは高速鉄道、地下鉄事業、それぞれ都市の中に占める機能としてどういう説明をするか、いろいろ意見があるところだと思います。特に地下鉄事業等につきましては、これを道路と見るというような考え方もあろうかと思います。いずれにいたしましても、都市において住民の方々が生活を営まれる上において、必要欠くべからざる機能を持ったものだというふうに思っております。
#75
○井岡委員 都市の住民にとって生活する上において機能欠くべからざるものだ、こういう御説明ですが、もう少し具体的こ――機能欠くべからざるものだと、これだけでは少し抽象的だと思うのです。行政としてこれをどう見ているのか、こういうことをお尋ねしたい。
#76
○川俣政府委員 たとえば都市計画におきまして、都市施設として道路、公園その他いろいろあるわけでございますけれども、こういった中で公営交通の占める位置というのは、いま申し上げましたような諸都市施設と同じ程度の位置づけを持っておるものだというふうに思っております。
#77
○井岡委員 建設省、だれかお見えになっておりますか。――都市計画課長からひとつ。
#78
○高橋説明員 都市におきます交通、これは先ほど来御答弁がございますように、都市の住民にとって非常に重要な問題でございます。その中でも、特に地下鉄につきましては、非常に大きな意味を持っております。と申しますのは、これは総合的な交通計画の中でいろいろ物事を考えなければならないわけでございますが、自動車交通そのもののふくそうしておる点、それからあるいはバス事業との関連、そういったようなことから考えまして、大量交通機関としまして最も都市の骨格を決める基本的なものだ、こういうふうに考えております。そういう意味で、都市計画の面からも地下鉄につきましては、そういった総合的な面を考慮しながら、ほかの交通手段との体系の位置づけを考えながら、根幹的なものとして都市計画としても位置づけておる、こういうふうにしておる次第でございます。
#79
○井岡委員 そうすると、都市計画として必要欠くべからざるものだ、こういう位置づけをしている、こういうことですね。
#80
○高橋説明員 そのように考えております。
#81
○井岡委員 都市計画として必要欠くべからざるものだ、こういうことでありますと、行政としてこれをなおざりにしてはいけない、こういうことだと思うのです。そうだとすると、審議官は、これはある意味における施設、こういうように言われました。これを施設として解釈をするのか、施設であると同時に事業体として解釈をするのであるか、ここに大きな分かれ目があるのではないか、私はこう思うのです。大臣は私の後段の方に御賛成された、こういうように私は理解している。施設ではあるけれどもこれを事業体として、いわゆる独立採算という表現を使われたのですから事業として――私は独立採算ということは企業というように解釈していいと思うのです。私は事業と解釈している。だから事業としてこれをやっていく、こういうように実は考えたわけです。
 実はきのう建設省と自治省の方に来ていただいて、どう見ているのかと言ったら、これは施設だ、こう言っているのですけれども、一生懸命施設というのは何だろうと思って考えてみた。そうすると、この辞典では、「施設」はこういうように書いてある。「人が利用するようにこしらえもうけること。「公共の−」」そして「親のない子を入れておくところ。」これが施設だそうです。地下鉄というのは、つくってそのまま置いておくのなら、これは何にもならぬのです。だから、いわゆる施設を利用して行う事業、こういうように位置づけをするのがいいのではないか、私はこういうように理解をしたわけです。私なりに理解したわけです。
 そうだとすると、これは大臣、ここがあなたと私との違いなんだが、当然、施設を利用して人を輸送する、こういう事業ですから、この施設というものについては国が負担をする、これはあたりまえじゃないですか、この点、どうです。
#82
○川俣政府委員 ただいまおっしゃいましたような点が考慮されまして、現在の地下鉄の建設事業につきましては、かなり高率の補助がなされておるわけでございます。御承知のとおり五十三年度から、国及び地方合わせまして建設費の七〇%について補助が行われているわけでございます。さらに、地方団体は一〇%の出資をいたすということになっておりまして、形式で申しまして約八
〇%、実質七〇%の高率の補助がなされておるわけでございます。
#83
○井岡委員 実質七〇%で、形式では八〇%。ただ、これは私どういうように言うのか、ちょっと言葉が見当たりませんが、建設即補助というかっこうになっておらなくて、建設したそれに対するものについてある一定の尺度でもってはかって、そしてそれに補助をしていく、こういうことですね。
#84
○川俣政府委員 御説のとおりでございまして、国三五%、地方三五%の補助を実質的にやりますが、十年間に分割をしてやっておるということでございます。
#85
○井岡委員 そこに大きな違いが出てくるわけです。建設をしますと事業者は、直ちに払っていかなければいかぬわけだ。払うお金がありませんから当然、借入金をしなければいかぬ。これを分割するためにその間の利子というものは、莫大な利子になるわけですね。これを実質補助にする。もちろん、それには計画を持ってくるでしょう、精査しなければいけません。その精査をした上についてこれを出す、こういうような制度になりませんか。
#86
○川俣政府委員 地下鉄事業に対します補助はここ十数年来、急速に手厚くなってきておるわけでございます。たとえば昭和四十二年度当時は一〇%でございました。それが四十五年度から五〇%、四十八年度からは六六%、五十三年度から先ほど申し上げましたように七〇%。非常に急速に伸びておりますし、非常に多額の資金を要するわけでございまして、そういった関係から現行のような十年分割の制度が生まれたものだと思うのでございます。
 ただいまお話がございましたように、これをこの分割の期間を縮めますとか、あるいは一括補助金を交付いたしますとか、それぞれ御意見はあろうかと思いますが、現在の財政状況等を勘案いたしました場合に、言うべくしてただいまお話しのようなことが直ちに実現できるものではないのではなかろうかと思うわけでございます。今後の検討課題であろうと思います。
#87
○井岡委員 検討課題ということでございますから、私がいま申し上げたように、お話のとおりこれは莫大な金がかかりますから、十分検討していただくと同時に、そのことが企業に大きな負担になっている、このことを十分念頭に置いて検討していただきたい、こう思います。
 そこで、警察庁来ておいでになりますね。――もうくどくど言いませんが、御承知のようにとにかく走らないのです。そのためにはどうしてもこれを走るようにしなければならぬわけです。特に省エネルギーという時代で、大量輸送がいかに必要かということはもう申すまでもありませんし、いまや、大都市は高速鉄道の補完としてでございましょうけれども、中都市あるいは小都市はこれが一つの大きな市民の足ですから、どうしても走るような環境をつくらなければいかぬ。そのために、専用レーンあるいはいろいろ御努力いただいておることについては感謝をいたします。けれども、まだ十分じゃないです。そこで、環境整備について具体的にいまお考えになっていることをひとつ挙げていただけませんか。
#88
○池田政府委員 ただいまお話がございましたとおり、私どもといたしましても、都市の交通を事故をなくすると同時に円滑にしなければいけない、こういう立場から四十九年に、都市につきましては都市全体の交通という観点からの規制をやっていかなければいけないということで、いわゆる都市交通規制というものを生活ゾーン対策あるいはバス優先対策等を講じてきておるわけでございまして、五十三年からはこの枠を広げまして、三万以上の都市でも必要な都市については措置をとるのだということにいたしまして、すでに六百十九の都市につきまして何らかの形でいろいろな措置を講じているところでございます。
 また、バスレーンにつきましては、四十九年当時七百六キロでございましたものを鋭意努力いたしまして、五十四年末では一千六百七十二キロまで拡大いたしておるところでございます。この中には、バスの専用通行帯もございますし、バスの優先通行帯もございますし、それから特殊な例といたしましては、一車線しかございませんような場所につきましても、他の交通をその間全部排除するというバスの専用道路も設定いたしておるわけでございます。
 最近の例でございますと、ついこの間の四月一日からは、広島の安芸地区でございますか、大変人口がふえてまいりまして、道路が片側一車線しかない場所でございますけれども、たった六キロ程度につきましても場合によると、一時間以上かかるというような懸案の場所でございまして、そういうところにつきまして住民の方の御了解も得ながら、七時から七時半につきましてはバスの専用道路とする、こういうような措置も講じておるところでございます。
 なお、現在はまだ、実施するのが適当じゃなかろうかというふうに考えて大体やれるところはやったというのが実情でございますけれども、なお若干のところにつきましていろいろ検討しておりますところの実情を調べてみますと、道路構造の問題、たとえば幅員の問題でございますとか、始点、終点のバスのターミナル的なものの問題でございますとか、あるいは、住民の方の意識がまだそこまで行っていないというような点もございますけれども、鋭意努力いたしまして、大量公共輸送機関の優先を図ってまいりたいと思いますが、同時に、全体的な交通の処理ということも考えながら今後対処してまいりたいというふうに考えております。
#89
○井岡委員 私は具体的なことで、一般論じゃないのですよ。それはもうあなた方が努力しているということはわかっているのです。だから感謝しているのです。だけれども、私は申し上げたいのです。
 実は広い道路、これは片道三車線が日本の道路であると私は大きく声を上げるのです。ということは、大型車が一番中側にあって、それから中型車、それからバスレーン、こういうように声を上げるのですけれども、全部がそういうことになっておりませんから、そういうことのできるところはやはりやるべきではないのか。ここまで踏み切らぬ限り、幾ら口で大衆輸送を優先さすと言ってみても、日本人はせっかちですから、何ぼ専用レーンを設けていたってそこへ入ってきますからね。私はあえてこれをとがめようとは思いませんけれども、少なくとも行政の指導としてはそこまでやっていくべきではないのか、こういうように思うのですが、この点いかがです。
#90
○池田政府委員 御質問の御趣旨を体しまして、今後とも努力してまいりたいと思います。
 それから、現に設定しております専用通行帯あるいは優先道路につきましての指導取り締まりでございますけれども、昨年の違反取り締まりの件数を見ましても、三万八千四百四件の検挙を見ております。もちろん、検挙だけで事足りるということではございませんで、その指導もあわせて十分やってまいる所存でございます。
#91
○井岡委員 私は検挙の問題についてはまた別な考え方を持っておりますけれども、ここでその論議をしようとは思いません。いずれにしても、できるところはそういう区分通行というのを大いにやるべきだ、こう思うのです。
 先般、私は鹿児島に行って非常に感心したことがあるわけです。それは、鹿児島の路面電車軌道内に車が一台も入らない。そのために、あそこの路面電車は昔と同様にすいすいと走っていっているわけですね。ところが、先ほど申し上げましたようにせっかちですから、あいておったら入っていく。私はこれまでけしからぬというほど近視眼的には考えておらないのですが、どうかそういうことでさらにやっていただきたい。
 それと同時に、駐車ですね、狭い道路の中に非常にたくさんな駐車をしているわけです。あなた方の場合は、駐車をしておったらじきにこれは駐車違反だ、こういうことで物をとろうという考え方でしょうけれども、そうでなくて、あの区間、何時から何時まではここに駐車をしてはいけませんよ、こういうことは考えられませんか。というのは、過去の市内交通というのは四六時中お客さんがあったわけです。ところが今日は、奥さんも働いておいでになりますから、ほとんど昼間はお客さんが少ないわけですね。そのためにごそっと落ちています。昼間に乗っておいでになるのはおじいさんかおばあさん、大体無料で乗っておいでになる方々です。しかし、ラッシュアワーに必要な車両それから運転者、これだけはどうしても確保しておかないといかないわけです。ここに大きな赤字の原因があるわけですけれども、この原因の論議をしようとは思いませんが、とにかく、あのラッシュアワーの時間帯は、九時なら九時までの時間帯はもう駐車をしてはいかぬのだ、あるいは九時半、十時までは駐車をしてはいかぬのだ。これも片道だけです。ごらんのとおり、都心部に入るのはいっぱい乗っていますけれども、今度は帰る方にはほとんど乗っていませんから、そういう手だてを考えるということはできませんか。
#92
○池田政府委員 先ほど来申し上げましたバスの優先通行帯あるいは専用通行帯にいたしておりますところにつきましては、全面的に駐車禁止にいたしておりますし、場所によりましては停車も禁止いたしております。そのほか、主な幹線道路等につきましては、特殊な場合を除きまして大部分のところに駐車の規制をやっておるわけでございますが、なおその点につきましては今後とも引き続き努力してまいりたいと思います。
#93
○井岡委員 これは外国の例ですけれども、とにかく、省エネルギー時代になってきたというよりは第一次石油ショックから、優先させないといかぬ、そしてお客さんをバスに吸収しなければいかぬ、こういうことで、信号などで工夫をされている都市もあります。こういうことについてお考えがあるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
#94
○池田政府委員 通行区分の指定のほかに、バスの感知機という信号制御の一つの類型でございますけれども、これを設けまして、すでに三百八十六基ほど設置いたしております。
#95
○井岡委員 設置いたしておりますで、その結果を言ってくれなければ、設置いたして、それがぼくはむだ遣いだと思うのです。それを設置した結果どういう効果が出ているのか、効果が出ないんならどこに欠陥があるんだ、こういうことを考えてもらわないと、設置いたしております、それだけじゃ話にならぬですよ。そこをちょっと言ってください。
#96
○池田政府委員 設置いたしました場所につきましては、それぞれ相応の効果を上げております。
 それで問題は、実は全体的な交通の処理上、これは日本の例でございませんで大変恐縮でございますけれども、それをより徹底いたしましたところにつきましては、イギリスのノッチンガムという市で、幹線道路につきましてバスに極端な通行の優先権を与えました信号制御を行いまして、ちょうど一九七五年の九月から実施されたそうでございますけれども、これはやり方に問題があったのかどうかわかりませんけれども、一般の自動車交通が大変な混雑をいたしまして、翌年にやめざるを得なかったというような教訓もあるようでございます。こういった外国の例等も見ながらわれわれの方も、やれるものをどうやったら効果的にやれるかということで検討を進めながら逐次実施いたしておる、こういうことでございます。
#97
○井岡委員 非常に御努力いただいておるようですから敬意を表しますけれども、私は石油問題というのはもう一遍来るのではないかという気がしてならないのです。そういうふうになりますと、大衆輸送というのをもっと国民が大切にするようにしますと同時に、これでなければいかぬのだということをこういうところで国民に示すということが必要ではないのか。マイカーはけしからぬとかけしかるとか言ってみても、いまはもう皆さん家庭を持って、御存じだと思いますけれども、子供に働けと言ったら、そんなら自動車買うてくれるか、こうやるでしょう。こういう時代ですから、そういう時代を乗り越えなければいかない。そのためには、通勤をするのにわざわざ高いガソリン代を払ってやるよりは低廉でそうして目的地に達するのだ、こういうことを国民に教えるのがいまの時代ではないのか、こう思うのです。ひいてはこれが企業経営について非常にプラスになる、こういうことですから、ひとつ考えていただきたいと思うのです。
 警察の方がお見えになっていますから、ついでに一つお尋ねしておきたいと思うのですが、実は、私たち家におりますと、ときどきバスの運転手諸君がやってまいります。言われることは、前の横断者がある、横断者があるからあわててブレーキを踏む、前の横断者には傷をつけることは避けられたけれども、その結果乗っているお客さんがけがをする。そうすると、あなたの方は業務上過失傷害罪、こういうことで御処分をなさいます。それだけならまだいいのですが、今度は点数でいかれるわけです。その結果、バスに乗れなくなる。その諸君たちの話では下車勤務と言うのだそうですけれども、下車勤務をやると大分給料は下がります。こういうことで、これを私は全部点数をひっかけたらいかぬのだとは言いませんけれども、情状を十分把握されるわけですから、けがをしているから当然、傷害ですから調べられます。なるほどあの状況ではやむを得なかったのだということになれば、何らかの処置を講じてやるというのが私は政治じゃないか、あるいは行政じゃないかと思うのです。やっぱり温かみというものがあって初めて、ああなるほどとこういうことになるのですが、これを画一的にやられるということについては私はどうも理解ができません。非常にいろいろ違いますけれども、都道府県でこれらの点を十分話し合っておやりになっておられるところもあるようです。ですから、これをさらに徹底をしていただく、こういうことになりませんか。
    〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕
#98
○池田政府委員 路線バスにつきましては、多数のお客さんがございますし、中には、お年寄りの方も幼児の方なども見えるという状態がございますので、とっさの場合等に適切な防衛措置がとれないお客さんもあるということは十分承知いたしております。それだけに逆に申しますと、運転されます方には大変安全上の強い注意を払っていただかなければならぬということでございますけれども、また反面、実情等をよく見ますと、運転者の過失以外に十分考えなければいかぬ事情というものもある場合がございますので、こういった場合につきましては、慎重に事実関係を検討いたしまして、運転免許の行政処分に当たりましては慎重にやるということで指導いたしておりますので、今後ともその方向を続けてまいりたいと思います。
#99
○井岡委員 どうもありがとうございました。
 次に、建設省おいでになりますね。――建設省が基幹バスのために調査をする、こういうことですが、この基幹バスについてどういうようなお考えか、ひとつ。
#100
○本山説明員 都市及びその周辺を中心にいたします公共輸送機関としてバスの運行の円滑化に資する道路整備を進めて、それからバス利用への積極的な誘導を図るため建設省では、昭和五十五年度からバス路線総合整備モデル事業というのを創設いたしております。五十五年度は秋田市、大阪市等全国八都市において事業実施を図ることとしております。
 モデル事業といたしましては、実施する道路整備については大体二つに大きく分類されまして、まず、バスの円滑な運行に資する観点から、バスレーン等の施設等を必要とする現道拡幅とかあるいはバイパスの整備、あるいは交差点の改良等を実施することにしております。それから一方、バスの利用者の利便を増進するという観点から、バスと鉄道あるいはバスとバスとの乗り継ぎ等を円滑にするための駅前の広場とかあるいはバス停車所等の整備を図ることとしております。
 なお、昭和五十五年度は全国八都市におきましてこれらの事業に必要な事業費としては、約百四十億円を予定しております。
#101
○井岡委員 建設省の立場から、地下鉄なりあるいは郊外電車、私鉄に乗り継ぐそういうなにをこしらえる。本年度は百四十億だけれども、引き続いておやりになる、こういうお考えがありますか。
#102
○本山説明員 本年度は初年度でございますので、モデル事業として乙の八都市でございますけれども、将来、この事業の進展を見まして漸次拡大したいと思っております。
#103
○井岡委員 それから、基幹バスで何か調査費がついているのがありますね。
#104
○荘司説明員 お答えいたします。
 いま先生御指摘の基幹バス調査というのは、私どもの方で今年度調査を予定しております都市パスの運行効率改善に関する調査の委託費のことかと存ずるわけでございますけれども、三百九万円の調査費が本年度ついておりまして、政令指定都市に委託をいたしまして、先ほど来御議論になっております都市バスの運行効率の改善という見地から、利用者のバス輸送サービスに対するニーズの把握でございますとか、あるいはバス輸送サービス改善による輸送需要の変化、これが経営に与える影響などの検討、こういうものを踏まえまして都市バス輸送サービスのあり方についてどんな方策がよいかといったような点について、先ほど申し上げましたように政令指定都市を選定いたしまして調査を委託したいというふうに考えておるものでございます。
#105
○井岡委員 これは審議官に関係があることなんですけれども、都市バスという限り、単に運行だけの問題でなくて、どうしてもやらなければいけない、特に中小都市においてはそれしか交通がないわけですから、ここを通ればこれはもう赤字だということがわかっておる、わかっておるけれどもそれを通さざるを得ない。
 実はこの間私は、これは審議官よく御存じだと思いますから所も言いますが、私は大阪市ですから大阪市の西淀川区の大和田というところに行ったわけです。これはあなた方の御指導によってバスの再編をやかましく言われて、通っておったところの路線を外してしまったわけなんです。そこはもう赤字が出るのは決まっているのです。ところが、地下鉄もない、郊外の私鉄もない、そのバスだけしかないのですね。そのために、この間行ったら、友達の家にたまたま寄ったわけです。寄った途端にその御主人が、あるいは奥さんが、近所の人をみんな集めてきたのです。何で集めてこられたのかなと思って、まあ選挙の折に世話になっているから礼を言うのにいい機会だと思ってやったところが、そうじゃないのです。井岡さん、あなたは交通局の出身でしょう、ここにバスしかないことを知っているでしょう、それをなぜ外してしまったんですかと、こういう叱責というか質問というか、まあ質問も兼ねた叱責ですね。
 こういうように、どうしても通さなければいかぬところがあるわけです。これらについて、やはり基幹バスということの調査の中には、どういうところが必要なんだということをぜひ、建設省もせっかく調査をなさるというのですから、そしてこれを将来も発展さすと言われるのですから、お考えいただきたいと思うのですが、いかがです。
#106
○荘司説明員 今年度の調査費につきましては、先ほど申し上げましたような趣旨で調査をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。いま御指摘の、あの都市内における具体的な路線につきましての必要性といいますか、あるいはバス路線網の計画といいますかにつきましては、先ほど来御議論のように、いろいろ御指摘のような問題もあるということは私どもも理解をしておるわけでございますけれども、先ほど申し上げました今年度の調査につきましては現在のところ、先ほど申し上げたような趣旨で実行いたしたいというふうに存じておるところでございます。
#107
○井岡委員 私は三百九万円でそこまでやってくれと言っているんじゃないのですよ。将来そういうことを――あなたの方も、都市交通というものは住民に欠くべからざる一つの事業だ、こういうようにおっしゃっているわけですから、おっしゃっている限りは、やはりそれを満たしていくようにしなければいかぬでしょう。だから、ことし私はやってくれと言っているんじゃないのです。将来そういうことをも含めてお考えいただきたい、こう言っているのです。その点についてやはり明確にしておいてもらわぬといけないし、同時に、この点については、どうしても赤字なんです、どんなに努力しても赤字なんです。けれども通さざるを得ない。大臣が企業だと言うけれども、私は行政だと言っているのはそこに違いがあるわけですから、これをひとつ……。
#108
○荘司説明員 運輸省といたしましては、都市バスの経営状況といいますのは御指摘のように、大変厳しい状況にあるということを十分承知いたしておるわけでございますが、先ほど来御議論がございますように、都市バスとしていかに機能していくかということを考えますときに、やはり一つは、その信頼性を回復する必要があるだろうということで、これは主として警察御当局の御措置でございますけれども、専用レーンというようなものでこれに対応をしていく。それからもう一つは、これも一つの企業といいますか事業として、やはり先ほど来お話が出ております、必要な経費というものは利用者の負担というのが私どもとしては原則であるということでございますので、できるだけ事業の効率化というのをしていただいた上で必要な経費については、これも道路運送法の規定に照らしまして、適正な原価を償う運賃といいますか利用者の負担といいますか、これでもってバス事業としてこれを回収していくというのが基本であるというふうに考えておるわけでございますが、いまいろいろ御議論がございますような都市交通の困難な問題もございますので、どうしても国の助成が必要だというふうに考えられる部分につきましては、たとえば新しい住宅団地ができましたときに先行的に、バス輸送の供給力をつけましてマイカー需要に流れるような需要をバスの方に吸収するというふうな見地から、一定規模以上の団地ができましたときに、一定期間この運行費の助成をして、バスの供給力を確保するための補助でございますとか、あるいは、これは先ほど先生の御指摘がございましたように、乗り継ぎターミナルといいまして、バスと地下鉄の乗り継ぎの地点、あるいはバスとバスの乗り継ぎの地点にバスターミナルを整備いたしますときに、これも都市バス輸送のサービスの改善として非常に重要なことでございますが、そういうものについて国として助成をするという制度を五十四年度からやっておるわけでございます。
 さらに、細かいことで恐縮でございますけれども、バス・ロケーション・システムといいまして、都市バスの運行の定時性が非常に欠けるということで利用客の方がバス待ちでいらいらされる、こういうのもサービスの一つの問題でございまして、こういうものを改善するという趣旨で、バスの接近表示を停留所に行うというシステムを整備いたしまして、これまたサービスの改善に資するというふうなことから、これについても国として五十四年度から助成をするというふうなこと等、国がある程度助成をいたしまして都市交通問題に対処するという見地から、必要なものにつきましては国の助成ということも当然考えなければならないということで、私どもとしてはいろいろな措置をとってきておるというふうに考えておるわけでございまして、こういった総合的な対策の中で、いまお話がございましたようなことも、諸般の情勢を考えながら検討していくべき問題ではないかというふうに考えておるところでございます。
#109
○井岡委員 建設省の方、それで結構ですから、どうぞ……。
 そこで、運輸省の方、おいでになりますね。――いま建設省の方から言われた、ここに問題があるのです。道路運送法八条ですか、原則として原価を償うもの、そして一定の利潤を得るものでなければならぬ、これが料金、運賃だと思います。ところが、原価を償うということになると、いま原価を償っておる都市交通というもの、一定の利潤を得、原価を償っているのはありますか、お聞きしたいのです。
#110
○荘司説明員 公営事業についてのお尋ねかと存じますので、実は自治省の方からお答えいただいた方がよろしいのかと思うわけでございますが、私どもの調査でございますと、いわゆる大都市でやっておられます公営バスで、五十三年度のバス事業としての経常収支ということで黒字ということになっておるのは、川崎市がバス事業の経常収支としては黒字になっておるというふうに伺っております。その他の大都市につきましては、おおむね赤字であるというふうに存じております。地方の中小都市におかれましても、黒字の会社が若干ないわけではございませんが、赤字の会社の方が数ははるかに多いと存じているところであります。
#111
○井岡委員 川崎にしたって、一般会計から繰り入れているのですよ、バスを購入するとか。そういうものを入れて黒字になっているだけで、決して自動車それ自体で黒字になっているのじゃないのです、これは後に最後に私は言いたいと思っておりますからおきますけれども。
 しかも都市バスというのは、料金というのは議会の制約があるわけです。だから、企業を担当している管理者としては、百円を百五十円にしたい、こういうように考えても、議会の制約があるものですから、これを百二十円にしなさい、こう言われればそうせざるを得ない。あなた方は、運輸審議会でその点を十分審議をしてあるいはわれわれも精査をして指導をする、こう言っておいでになりますけれども、議会までは指導することはできないのです、どんなに言っても。そこにまた努力ということをあなた方は言うかもわかりません。管理者は当然もっとそこを努力して、それではいかぬじゃないか、だから百五十円にするように説得しなさい、こういう努力というものを必要とすると言うかもわかりませんけれども、現実にはそれはある限度があるわけです。百二十円と言っておったものを百三十円まではできたけれども、依然として百五十円には足りぬ、こういうことは明らかなわけです。だから、そういう運送法による原価を償うもの、一定の利潤を得るもの、このことについて私は、あなたを責めるのではなくて、情勢としてこれを考える必要があるのではないか、こう思うわけです。
 したがって、現在の地方公営企業法というのは、制定当時はそれなりの効力を発生し、またそれなりの成果を上げたと私は思うのです。ところが、現実にはこのふくそうした状態、あるいは制定した当時の地下鉄建設の費用と今日のこと、こういうものをあわせ考えますと、やはり公営企業法それ自体をある程度見直しをする。私は全面的にと言いたいけれども、それでは大臣もお困りでしょうから、余り全面的にと言いませんが、とにかく見直しをする時期が来ているのではないかと思うのですが、その点、審議官でいいですから答弁をしてください。
#112
○川俣政府委員 バス事業について申し上げてみますと、現在再建中の団体が二十ございます。昭和四十八年度に再建法ができまして、当時二十四団体が再建団体になったわけでございますが、その後、四団体が再建を完了いたしまして、現在二十団体でございます。
 この二十団体につきましては、四十八年に再建が開始されまして、それで長いところで十五年間ということでいま再建中なのでございますけれども、私どもの見通しによりますと、四十八年度にたな上げをいたしました不良債務に係る再建債については、これを逐次解消してまいることができますし、また、先ほどから先生もおっしゃっておりますように、企業といたしまして内部努力にも努めていただく、同時に、適時適切なる料金改定もやっていただくということになりますれば、いずれの団体も再建の終了時点におきましては、不良債務を解消いたし、かつ、単年度の収支も黒字になることができるのではなかろうかと私どもは思っております。ただ、先ほどから非常に議論がございますように、企業環境と申しますか、厳しいものがあるわけでございます。残念ながらその乗客数も、微減ではございますけれども毎年減っておるという傾向もございますので、非常に厳しい状況にあることは承知をいたしておりますが、バス事業に例をとって申し上げますと、先ほど申し上げましたようなことで、一応再建のめども私どもとしては持っておるということでございます。
#113
○井岡委員 そこで財政局長、一つお伺いしたいのですけれども、交付税法の十八条。いま大臣は、企業とこれがどういうようにこう、ということですし、一般会計についてお話を聞いておりますと、かなり政府の方からもお金を出しておいでになるわけですね。そこで十八条の異議の申し立て、もっとこれは出してもらわなければどうにもならぬ、こういう異議の申し立てが出たらどうします。
#114
○花岡(圭)政府委員 都市交通事業につきましては、企業として経営されているものでございますから、負担区分によりまして一般会計で負担すべきものを除きましては、交付税で算定はいたしてないわけでございます。御指摘の事例につきまして、そういうことでございますから法十八条の審査の対象とはならないと私どもは解釈しております。
 と申しますのは、この法律の十八条と申しますのは、「審査の申立て」と書いてございますが、これは算定の基礎に不服がある場合ということでございまして、この算定の基礎についての不服といいますのは、法令で定められました算定方法に従いまして具体的に各地方団体の交付税額を計算する場合に、誤りがあったときにこの不服の審査ができるということでございまして、法令で定められました基準財政需要額の算定方法そのものについての不服の審査はできないと解されておるわけでございます。
#115
○井岡委員 若干私と解釈が違うわけですが、これだけたくさんお金を出しながら、一般会計から出しているわけです。これはどこから出しているのですか。やはり交付税として出しているのじゃないのですか。交付金として出しているんじゃないですか。
#116
○花岡(圭)政府委員 一般会計で負担すべきものにつきましては、交付税でその措置をいたしておるわけでございまして、先ほどは審査の申し立てということでございましたのでそちらの方のお答えをしたわけでございますが、もちろん一般会計で負担する部分につきましては、地下鉄建設事業の地方負担額あるいは地下鉄事業の特例債の元利償還、こういったものにつきましては普通交付税で算定いたしております。
#117
○井岡委員 そうだとすると、その算定額について異議があるということになれば、当然これはあなた方はやらざるを得ないのです。
    〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕
それが異議申し立てどおりになるかならないかということはこれは別です。しかし、これはもう対象にならぬということにはならぬでしょう。どうです。
#118
○花岡(圭)政府委員 法律の十九条にもございますけれども、前条の申し立てがあった場合に、交付税の算定に用いた数字に錯誤があったときには是正するというふうな書き方もございます。その辺から判断いたしますと、算定方法そのものについての異議申し立てばできない、算定の数値に誤りがあった、用いた数値に誤りがあったというふうなことについては異議申し立てができるということでございます。
#119
○井岡委員 では、異議の申し立てばできる、こういうように理解していいですね。
#120
○花岡(圭)政府委員 先ほど申し上げましたように、要するに数値の取り違いというふうな問題について審査の申し立てができるわけでございますので、これに基づいて算定方法そのもの、たとえば元利償還金については五割を削減するという規定になっておりましたときに、そのとおり数値に間違いなく算定されておる、この五割がどうであるかというふうなことにつきましてはその審査の申し立てばできない、それに使った数値、これが間違いがあるというふうなことにつきましては申し立ての対象になる、そういうことでございます。
#121
○井岡委員 私は分母に異議の申し立てができる、こういうふうに理解します。したがって、この点はあなたの言われるように、算定の五%なら五%を見る、これ自体でなくて、算定をする金額、こういうものについてはある、こういうふうに理解をします。
 そこで、大蔵省おいでになっていますね。――大蔵省にお伺いしたいのですが、先ほどからの御答弁でおわかりのように、実はこれは施設だというお考えのようなんです。施設だということであると、先ほど読み上げました、辞典を一生懸命きのう探しました。入れものだ、こういうことですから当然、地下鉄の建設というものについて特別の考慮を払っていただきたいと思いますし、同時に、いわゆる改良工事について、私は二つ持っているんです。改良工事とは、本当にその施設を改良するということ、これも一つだと思う。それからもう一つは、いま国民のニーズにこたえるという意味における改良工事、こういうものがある。どういうものかと申しますと、皆さんも地下鉄にお乗りになったらおわかりだと思うのですが、あの長い階段をおりたり上がったり、お年寄りやら身体障害者の方々は大変なんです。だから福祉を含めた改良工事、この二つがあると思うのです。
 そういう意味で大蔵省は、四十八年の一月何日ですか、大蔵省、運輸省、自治省の間で決めた、だからこれは許されないのだ、こういうことでございますけれども、もし改良工事を補助の対象にしてもらいたい、こういうことが運輸省なり自治省から出てきた場合、それを受けて立つと申しますか十分協議に乗る、こういうお考えありますか。
#122
○尾崎説明員 お答え申し上げます。
 まず、前半の現行の地下鉄に対する補助制度についてのお考え方でございますが、先ほど自治省の方から御説明ございましたように十年間にわたりまして高額になる初期投資を償却していくという負担の非常に大きなことにかんがみまして補助制度がとられておりますので、必ずしも施設だから補助ということが言えるのかどうか。むしろ経営の問題といいますか、資本費負担の問題についても配慮が行われていることであろうと思います。
 七〇%という非常に高率な補助が行われておりますのは、初期投資が非常に大変だということ、つまり、新しい地下鉄建設のインセンティブとして行われているものでございますので、お話の改良工事につきましては、これは全然別の思想といいますか、別の考え方からくる新しい補助金の問題として考えていかなくてはいけないのじゃないかと思います。具体的な要求が出てまいりましたら、その段階で私ども考慮すべき問題でございますが、一般的に申しまして現在の国の財政事情でございます。したがいまして、新規の補助金につきましてそれを認めることがなかなかむずかしい環境にございますことは、先生御承知のとおりでございます。
#123
○井岡委員 いや、私はいまの国の財政事情というものを前提にして物を判断しておるのじゃないのです。これはいつまでもずっと続かれたら国民はたまったものじゃないですよ。ですから私は改良工事というのは、いわゆるいま地下鉄というのは、これは大臣も御答弁いただきましたように市民にとっては欠くことのできないいわゆる行政の中における事業、変な言い方ですけれども、適当な言葉がわかりませんからこういう言葉で堪忍してください。事業だ。そこでどうしてもその需要にこたえられない、こういうところでありますと、これは改良工事という名前であろうがどうであろうが、その住民にこたえてやる、これが政治じゃないですか。ですから、いまの財政事情の中では非常に苦しいから、これは新規のものは受け付けられぬということでございますが、そうでなくて、将来改良工事というものについても十分話し合う用意はありますよ、こういうようにお考えになりませんか、こう言っておるのです。
#124
○尾崎説明員 私ども要求を受けて査定する仕事でございますので、どうぞ要求してきてくださいということはなかなか申し上げにくい立場でございます。具体的にそういうものがございましたらもちろん検討させていただきますが、ただ、環境は非常に厳しいということを申し上げたわけでございます
#125
○井岡委員 大臣、これは大変な問題ですから、一遍省内でなにして早急にまとめて、大蔵省は要求があればその時点で考える、こう言っておるのですから、十分努力いただくかどうかお聞かせ願いたい。
#126
○後藤田国務大臣 よく検討して努力をいたしたい、かように思います。
#127
○井岡委員 検討せぬでもわかっておることを検討してとわざわざ言わなくともいいですよ。
 そこで、不良債務についても現に四十八年までの分については一応たな上げしておるのですね。それから以後の分についても見直す必要があるんじゃないか、こういうように思うのですが、この点について自治省の方から……。
#128
○川俣政府委員 先ほど申し上げましたように、再建発足当時は二十四団体、八百億ほどの不良債務がございました。再建団体につきましては、その分につきましては五十三年度末で約四百億、半減いたしております。その後発生いたしましたものが百数十億ございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように再建終了時におきましては、その百数十億も含めまして不良債務が解消できるというふうに考えております。
 それから非再建団体でございますけれども、五十三年度末で約五百六十億の不良債務がございます。不良債務が営業収入の一〇%以上を占めるということになりますと、起債申請の際に経営の健全化計画を提出していただくことに相なっております。この計画を私どもは見せていただいておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても非再建団体につきましても、その計画が順調に進捗いたしますれば、現行制度のもとにおきまして不良債務が解消できるという見込みを実は持っておるわけでございます。
#129
○井岡委員 現実にはその見込みどおりにいかない。算用合って金足らずということで、これは昔からのなにですから、十分いってないと思います。しかし、いっているんだ、いける見通しだということでございますから、もしそういうことが現実にあらわれてきた場合は、特段の注意を払っていただきたいことをお願いしておきます。
 そして、もう時間があと少ししかありませんからお尋ねいたしますが、公務員部長は来ておいでになりますか。――三十四年に何か東京都から、刑事罰で処分を受けた者について復職をさしてもらいたいという問い合わせが来た。これについては、その必要はないんじゃないかというなにがあると、たしかそうだったと思うのですけれども、ちょっと書類がどこかへ行ってしまってわからなくなったのですが、現実には、刑事罰を受けて、そして行政処分は解職をする、こういうことについては、もう刑法上の処分を受けているのですから、十分その点について考慮ができる余地があるのかないのか、この点、お伺いしたいと思います。
#130
○宮尾政府委員 御質問にありました三十四年の行政実例というのは、自動車あるいは電車の運転手が業務上交通事故を起こしまし刑事罰の適用があった場合に、平素の勤務成績というものを勘案して、地方公務員法二十八条に定めております、いわゆる禁錮以上の刑に処せられた場合には、条例で定めてあればこれは別でございますが、当然失職をする、こういうことについて、失職をしないという条例を設けることが適当であるかどうか、こういう質問でありまして、それに対して自治省の見解といたしましては、そういう一般的な条例を設けることは適当ではない、こういう見解を示しておるわけでございます。
 それで、この点でございますが、交通事故の防止ということは、これは非常に国民的な課題になっておりまして、交通事故に対するいろいろな社会的な批判というものも相当厳しいわけでございます。そこで、そういう交通事故事案に対しまして、地公法二十八条の規定に該当するような、つまり禁錮以上の刑に処せられるような事案、そういう刑事罰を科せられた場合にもすべてこれを失職させない、こういうような条例を設けることは、私ども現在も適当ではない、こういうふうに考えておるわけでございます。
 ただ、現実にそういう条例をつくっておる団体も相当数ありますが、失職をさせることがその事案の状況から見まして非常に酷であるというような、そういう特別の事例について個別的に判断をしてそういう条例を運用する、こういうことについては私ども、それは全くいけない、こういう指導をしておるわけではございませんで、そういう条例をつくっておるところについては、たとえば執行猶予がついたような場合、こういうケースについては、限定的にそういう特例条例に基づいて措置をしていくというようなこともこれは差し支えないわけでございますが、そういう条例をつくっておるところでも、すべて失職をさせないというような一般的な運用は適当でないというふうに考えております。
 なお、こういう規定は国家公務員の方にもありまして、国家公務員の場合には、人事院規則で特例を定めれば禁錮以上の刑に処せられても当然失職はしない、こういうことになっておりますが、人事院規則ではそういう規定を設けておりません。したがって、やはり国家公務員との関係からいいましても、私ども一般的にそういう条例をつくることについては否定的な見解を持っておるわけでございます。
#131
○井岡委員 中段のところで、特別の事情があればこれはあえて失職をさせなければいかぬという考え方ではない、こういう御答弁でございますが、私はそうであるとするならば、そのあなたの回答書を見たら、これは木で鼻をくくったような回答ですよね、だから、そういうことがやはり十分生かされるような処置を講じてやる。というのは、三十年当時はまだ福祉というものが余り国民の間に大きく政治の問題になっておらなかった。これは笑い話ですけれども、私は三十三年のときの立会演説で、この次に井岡というチンピラが出てきて社会保障の問題を言いますよ、社会保障というのは怠け者をつくる制度です、こんなものに賛成してはいけませんと言って、立会演説で自民党の先生に大分こっぴどくたたかれました。ところが今日では、社会保障とでも言わなければ、自民党の先生といえども当選しませんよ。こんな怠け者やなんて言っておったら、これはたちまちいかれてしまいますよ。それほどやっぱり社会保障というものについて国民に定着している。
 そこで、実はお年寄りの無料パス、これが一番大きな原因なんですよ。あるいは身体障害者の無料パスが問題なんです。運転手は前を主に見ているものですから、そのためにこっちの方でおりがけに事故を起こしたとか、あるいは、どう申しますか、おりようとしておったところをなにしたとか、こういうことで起こる事故が多いわけです。それがいわゆる禁錮というような、これは警察の場合から言えば、大変なけがをさしたのだから禁錮だというのは、ある意味においては私はわからぬことはない。それを木で鼻をくくったような回答書なものですから、どうにもみんな事業所では困っているわけです。ちゃんとこれはもう転職をさしてやっている。そして恐らくその人間も、もう二度と自動車に乗ろうなんて考えを持たないでしょう。そういう点を考えれば、そういう木で鼻をくくったような回答でなくて、もっと私たちの言葉で言うと温かみのある指導ができないのかどうか、この点、もう一度お伺いしておきたいと思うのです。
#132
○宮尾政府委員 交通事故を起こして刑事罰に問われた場合に、これはすべて失職するということではなくて、禁錮以上の刑に処せられた場合に、これは条例で特別にそういう失職をしない規定を定めてある場合は別として、そうでなければ失職をする、こういうのが地方公務員法の規定の仕方でございます。
 そこで、東京都から照会をされましたものに対する私どもの回答といたしましては、有罪判決があって禁錮以上の刑に処せられても、平素の勤務成績がいいとかいうようなことで、そういうことを勘案して失職しないという条例をつくることは適当であるかどうか、こういう質問に対しまして、適当であるかどうかということの判断、それは個々の団体が判断をすべきことですけれども、自治省の見解といたしましては、そういう一般的な条例をつくることは適当でない、こういうふうにお答えをしてあるわけです。その考え方は、いまも同じ考え方を私どもは持っておるわけです。確かに交通事故の形態にはいろいろなケースがあると思うのです。ありますけれども、社会一般の考え方といたしまして交通事故というものについては、社会的な批判といいますかそういうものも非常に厳しいし、交通事故をいかに少なくしていくかということが国民的な課題になっておるわけでございますから、そういう中で、そういう例外を一般的に認めるような条例はやはりつくるべきでない、こういうふうに考えるわけです。
 ただ、どうしてもその地域の交通事情だとかあるいはそのほかの理由がありまして、住民の理解なり同意というものが得られて条例をそういう地方団体がおつくりになったという場合には、それは違法であるとかなんとかいうことを私ども申し上げるということは言ってないわけでございます。ただそういう考え方で一般論として私ども、一般的にはそういう特殊な事情がない限りそういう条例をつくるのは適当でない、仮にそういう条例をつくっておる場合にも、漫然と運用するのではなくて、やはり個別的な事例について、本当にそういう必要があるというものについて限定的に運用していただきたいという考え方を持っておるわけでございます。
#133
○井岡委員 もう時間が来ましたから終わりますが、最後にもう一つ二つ聞きたいことがあったわけですけれども終わりますが、ただ、再建団体でまだ計画変更が出されてないところは、依然として昨年の給与で、片一方の方は上がる、片一方の方は上がらぬ、こういうかっこうになっています。これはやはりその事業を遂行する上において、管理者としては大変苦労することだと私は思いますし、その結果、かえって事業それ自体に悪影響を及ぼしたらいけませんので、格段の御配慮をいただくことをお願いすると同時に、先ほどから申し上げましたように、単に企業ということでなくて、いまや行政だというようにお考えになって、そして私たちが提案をいたしました法案は十分審議をしていただく。悪かったら私たち改めるにはやぶさかではありません。とにかく、いまいろいろな面から考えて、都市の交通事業というものは大きく、どう申しますか、荒療治をやらなければいかぬ時期でございますので、この点をつけ加えて申し上げて、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#134
○塩谷委員長 次回は、来る十四日午後二時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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