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1979/04/14 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第15号
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1979/04/14 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第15号

#1
第091回国会 地方行政委員会 第15号
昭和五十五年四月十四日(月曜日)
    午後二時五分開議
 出席委員
   委員長 塩谷 一夫君
   理事 石川 要三君 理事 大石 千八君
   理事 中村 弘海君 理事 松野 幸泰君
   理事 小川 省吾君 理事 神沢  浄君
   理事 小濱 新次君 理事 三谷 秀治君
   理事 部谷 孝之君
      池田  淳君    小澤  潔君
      亀井 善之君    工藤  巖君
      加藤 万吉君    河野  正君
      細谷 治嘉君    小川新一郎君
      安藤  巖君    河村  勝君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        自 治 大 臣 後藤田正晴君
 出席政府委員
        大蔵大臣官房長 松下 康雄君
        大蔵大臣官房審
        議官      梅澤 節男君
        大蔵大臣官房審
        議官      宮本 保孝君
        大蔵省主計局次
        長       吉野 良彦君
        大蔵省理財局次
        長       垣水 孝一君
        自治大臣官房審
        議官      花岡 圭三君
        自治大臣官房審
        議官      矢野浩一郎君
        自治省財政局長 土屋 佳照君
 委員外の出席者
        厚生省環境衛生
        局水道環境部計
        画課地域計画室
        長       小林 康彦君
        運輸省港湾局環
        境整備課長   高田 陸朗君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二八号)
     ――――◇―――――
#2
○塩谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
#3
○細谷(治)委員 きょうの委員会に竹下大蔵大臣、私の記憶では記録破りの長時間この委員会に出席をしていただいておるのでありまして、ありがとうございます。御苦労さまです。
 そこで、一月二十五日の大蔵大臣の財政演説でございますが、その財政演説の中に「租税特別措置については、昭和五十一年度以降五年間にわたり、その整理合理化に力を注いできたところでありますが、今回の措置により、おおむねその整理は一段落したと言ってよいものと考えます。」こういうふうに本会議で演説されました。私はこの言葉がずっと耳に残っておりまして、きょう大蔵大臣が来るというので、この点についての大蔵大臣の認識をまずお尋ねしておきたいと思います。
#4
○竹下国務大臣 確かにそういう演説をいたしまして、それから後、たびたび御質問をいただきまして、したがって私も、そういう評価がどこで出たかという根拠をたぐってみますと、税制調査会の評価がそのようになっておる。五十一年以来今年までにおいて、おおむねここまでやれば一段落したと言えよう、そういう評価に基づいてそのような発言になったわけでございます。それは、五十四年十二月の「昭和五十五年度の税制改正に関する答申」の中に、「租税特別措置の見直しについては、昭和五十一年度以来五年間に、」もろもろのことをやって、「これにより、税負担の公平を確保する見地からの政策税制の整理合理化は、おおむね一段落したものといえよう。」という、その御答申の評価をそのまま財政演説の中に盛った、こういうことでございます。
#5
○細谷(治)委員 一国の大蔵大臣の本会議における冒頭の財政演説、これは税調の答申の中にその言葉があったといっても、税調の答申そのままを政府はやるということではありませんし、私は財政演説として、税調の答申の言葉の中にあったからその一節をここにとったんだということになりますと、大蔵大臣の認識そのものだ、こういうふうに申さざるを得ないのであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、税調の言葉を借りたというのでありますけれども、大蔵大臣として、もういわゆる不公平税制の見直しというのは一段落したのか、これからまだやらなければいかぬ、こう考えているのか、その点をお聞きしたいと思います。
#6
○竹下国務大臣 税調の評価をという御答弁を申し上げましたが、企業関係租税特別措置の整理縮減八十二項目のうち、十項目廃止、四十六項目縮減、整理割合が六八・三%、五十一年度から五十五年度までの整理割合にいたしますと八五%、そういう意味において「おおむね」と、こう申しておりまして、やはり税制というのは絶えず見直すべき対象にあるべきものであって、私はこれでやれやれ一段落という気持ちではありません。
#7
○細谷(治)委員 一段落した、やれやれという気持ちではない、こういうことであります。
 私は予算委員会に出されました租税特別措置法等による減収、それを受けて、地方税がどういうふうに影響を受けるのか。それから、地方税自体の政策による非課税規定というのがございます。ちょっと例を申し上げてみますと、たとえば社会保険診療報酬の特例、こういうものによりまして、国税において千六百八十億円、地方税におきまして、事業税で百六十五億、県民税で百十一億、市町村民税で二百六十三億、地方税全体で五百三十九億。あるいは配当所得等でも、地方税で百六十四億、国税で五百十億。交際費課税については一年置きぐらいに整理が進んでいっておりますけれども、さらに、たとえば地方税の非課税規定、固定資産税をとりますと千四百四十億円の非課税による減収、あるいは電気税においては九百五十七億円の減収、こういうのが自治省の資料の中にも数字的にきちんとされております。
 こういう点を見ますと、私は不公平税制はまだまだ積極的に見直していかなければならぬ、こういう段階にありますし、地方税自体の非課税規定というものも抜本的に見直されなければならぬ、こういうふうに思っております。大蔵大臣、どうお考えですか。
#8
○竹下国務大臣 先ほど来申しておりますが、地方税における租税特別措置の影響とでも申しましょうか、昭和五十一年度以降、かなりの整理合理化というような表現もあるいはできるかと思うのであります。したがって今後とも、課税の公平を重視する立場からその整理合理化については、自治大臣に協力しながら努力していかなければならぬ課題であるというふうに考えております。
#9
○細谷(治)委員 きょうは自治大臣にはお聞きいたしませんけれども、たとえば医師の社会保険診療報酬、事業税の減税、県民税の減税、市町村民税の減税、こういうふうにきているわけですね。ずばり言いますと、産婆さんからは事業税を取るけれどもお医者さんからは事業税を一文も取らないというのは、これはおかしな話だろうと思うのですよ。確かに医師の所得課税につきましては、七二%というのは手直しが行われましたけれども、事業税については全く手直しも行われていないのです。やはり七二%を手直しする際に事業税を、産婆さんでも事業税を納めているわけですから、お医者さんが納めないというのは常識的におかしいと思うのであります。でありますから、こういう問題に手をつけるべきであると、こう思っております。大蔵大臣、どうお思いですか。
#10
○竹下国務大臣 これも、われわれいつも頼るのは、税調答申のことばかり申し上げるようですが、「地方税における非課税、課税標準の特例等の特別措置については引き続きその整理合理化に努めるとともに、新規の制度の創設については厳しい態度で対処すべきである。」こういう答申に基づいて対応していかなければならぬわけでございますが、そこで今度は、五十六年度税制に対する税調の御審議をいただかなければならぬということで、早目にサマーレビューのはしりみたいなことをやり出しておるわけでございます。したがって、いま本委員会においてはこの法律が審議されておりますが、ことしの場合、たとえば細谷委員がいま御指摘になったような問題、この国会の場で議論されたすべてを整理して税調の中へ報告して、それでやっていただこう、こういう方針でいきたいというふうに考えておるところであります。
#11
○細谷(治)委員 そこで具体的にお尋ねいたしますが、予算委員会に出されました大蔵の租税特別措置による国税に基づく地方税へのはね返り、こういうものを遮断すべきであるというのが全国知事会なり六団体の意向であります。私もそう思っております。国の政策というのをストレートに地方税に及ぼすということはおかしいと、こう思うのです。直接受けているのでも、現にやはり千五百億円以上残っているんじゃないかと私は思います。これを遮断する御意思があるかどうか、お尋ねいたします。
#12
○梅澤政府委員 ただいま委員が御指摘になりました国税のサイドでの租税特別措置によりまして地方税に減収効果が出る、その影響を遮断すべきではないかという御指摘でございますが、基本的な考え方といたしましては、先ほど大臣のお答えにもございましたように、今後とも税負担の公平の見地から租税特別措置については、整理合理化の方向で努力するという基本的な考え方に変わりはないわけでございますが、ただ、御理解をいただきたいのは、先ほど御指摘になりましたたとえば利子配当の総合課税の問題がございます。現在たまたま源泉分離になっておりますために、課税技術上地方税で課税できないという問題がございました。この点につきましては、ことしの税法改正によりまして、五十九年一月一日からではございますけれども、総合課税を実施することにいたしましたので、この点の地方税における減収効果は五十九年以降遮断されるという努力もわれわれしておるわけでございますが、ただ租税特別措置というのは、いろいろな観点から政策的な意味で減税とかあるいは非課税措置をとっているものでございますから、国でそういう措置を講じました場合に地方税のサイドでも、やはり国の政策効果を考えながら減税なり非課税の措置を講じなければならないというふうに判断されるような問題もございましょうし、あるいはまた、これはもっぱら課税技術になるわけでございますけれども、課税標準の計算上、国税を非課税にしておきまして地方税を課税にするということが非常に技術的に困難な場合もございます。そういうことで、国税の減税措置の地方の減収効果のすべてが遮断されるということはなかなかむずかしい面もあるということをぜひ御理解賜りたいと思います。
#13
○細谷(治)委員 技術的という言葉をおっしゃいましたけれども、私は利子の課税というのを今度変えようとしているのは承知しているのです。ですから、そういうものでなくて、現実には不公平感が非常に多いものを直すべきじゃないか、こういう観点に立って、国の政策が直ちにストレートに地方に及ぶようなことはおやめになったらどうかと、こういうことを提案しているわけです。これは私の提案ばかりじゃなくて、この委員会でも常に議論されておる点です。大臣いかがですか。
#14
○竹下国務大臣 確かに遮断しているもの、言いますならば、中小企業等海外市場開拓準備金、技術等海外取引に係る所得の特別控除、試験研究費の額が増加した場合の法人税額の特別控除、海外投資等損失準備金というようなものは、影響をきちんとこれは遮断をしておるという範疇に入るものである。そこで私は、おっしゃる意味はよくわかるのです。私なりにいろいろやってみますと、確かにいま審議官が御答弁申し上げましたように技術上、何もかにもその範疇の中で解決するということは困難な問題もあるではなかろうかという感じがいたしますので、私はいまの細谷さんの意見そのものを否定する考え方はありません。一生懸命努力します。
#15
○細谷(治)委員 具体の問題として、今後もひとつ積極的に進めていただきたい、これを申し上げておきたいと思います。
 もう一つこの問題、税に関してお聞きしたいのでありますけれども、いま地方の時代、田園都市、これもやはり同じ発想から出ていると思うのですね。そういう地方の時代というものの税制上、財政上の裏づけというのは基本的には、負担と受益というものが連動していく、それをやはりきちんと住民が理解する、受けとめる、こういうシステムが必要だろうと私は思うのです。そういう観点に立って、毎年毎年出る大蔵省の財政収支試算、一般消費税は否定されたわけでありますけれども、それでも今度また出た財政収支試算でも、常に税金というものは国が二、地方が一だという原則にこり固まって税制をいじくっていっておる。私は自治大臣に申し上げたのでありますけれども、どうも税の問題になりますと、予算の修正のときでも自治大臣はかやの外じゃないか、こういう言葉を使いました。
 大蔵大臣は予算編成の最終段階において、来年、五十六年度は大変なんだから法人税の引き上げをやるぞ、こう言っております。これも恐らく国が二、地方が一、それ以上のことだと思うのです。法人税は恐らく国と地方では七、三ぐらいの割合で分かれていますからね。この二対一の原則を、これから地方の時代と言うのならば、税を増税していくあるいは税をつくっていくといった場合には、現在の税制を国から地方にと言ってもそんなに簡単じゃありませんから、今後、来年予定されておる法人税の引き上げなんというのも、逆に地方が二、国が一というぐらいの思い切ったことをやることが地方の時代の裏づけだと私は思うのです。いずれにいたしましても、税というものは二対一が原則なんだ、六五対三五ぐらいが原則なんだ、こういう考えはあくまで貫きますか、この段階でやはり見直してみるというお考えか、これをお尋ねしておきたいと思います。
#16
○竹下国務大臣 法人税を来年度の増収の特定税目としてもう決定をしましたという段階ではございません。しかしもとよりまた、それを例外としておく性格のものでもないというふうに思っております。したがいましてその問題は、法人税によらず、恐らくいろいろな増収措置を講ずる場合に、地方と国との配分について、地方の時代、田園都市、そういうときに当たって地方への配分に傾斜をかけろ、こういう御趣旨であろうと思うのでありますが、私もいろいろ考えるところがあります。率直に言って私自身も地方議会の出身でございますので、大体近いところほどよく見えるというのが私どもの地方行政に関する一つの哲学だと私は思っております。しかしまた、中央で見た方がより公平だ、こういう見方もあろうと思うのです。その調和点をどこに求めるかというのがまさに、地方行財政に対しての目の配り方ではなかろうかというふうに私は思います。
 自治大臣がかやの外どころの騒ぎじゃなくて、特に後藤田さんは詳しいし、私は余り詳しくありませんので、終始後藤田ペースで今度の地方財政というものには当たっていった。私がかやの外であったとはあえて言いませんけれども、そういう感じで、結局結論から申しまして、これはいろいろ議論のあるところでございますけれども、東京都全体でお納めになった国税というもののそれこそ一〇%以下しか東京都には入っていないし、私の島根県が最高でございまして実に五倍でございます。後藤田さんのところは恐らく三番目ぐらいだと思うのでございますけれども、そういう面はまたいわゆる中央にあってながめる一つのあり方ではないか。しかし基本的には私は、近いところほどよく見えるという考え方はこれからも持ち続けていかなければならぬ。さようしからば一概に、これからの税の増収分について地方に初めから傾斜をかけた物の考え方でいくかどうかということにつきましては、私は地方制度全体の問題にもかかわる問題であろうと思いますので、私にある種の哲学がありとすれば、これは近いところほどよく見えるという考え方で臨むべきである、したがって税制等においても、そういうことを念頭から忘れて対応すべきものではないというふうな基本的な考え方は持っておるつもりであります。
#17
○細谷(治)委員 私も先ほど二対一という考えを一対二にしろということを言っておりましたけれども、これでなければならぬということを言っているわけじゃないのです。そういう意識が常に傾斜しておって、二対一というのは鉄則なんだ、こういう考えがおありとするならば、これからの世の中に対応する税制としては不向きだ、こういう考えで是正していただきたい、こういうことを申し上げておるわけです。
 そこで時間もありませんから次に移ります。
 これは毎年のように交付税の総額の問題が議論になっております。せんだって学者先生を招いた参考人も異口同音に、この交付税総額決定の問題は幾ら言っても言い過ぎるということはない、こういう言葉を言っておりました。私もそう思っております。
 そこでまず、大蔵省にお尋ねしたいのでありますけれども、昭和四十一年に地方交付税率が国税三税の三二%、こういうことになりました。鳩山威一郎さんがたしか主計局の次長時代だったと思うのです。もうあの人は退官したわけですね。参議院に出ておる、こういうずいぶん古い話であります。そこでお尋ねいたしたい点は、その後四十一年以降一体、新しく制度が加わったために交付税で財政の裏づけをしてやらなければいかぬものがどのくらいあったかということを私は調べてみました。申し上げますと、警察官の増員、これは政令でいきますから地方団体はそれに従わなければならぬ。後藤田さんよく御承知のとおり。それが五十四年度の財政需要額として幾らになっているかというと三千七億円であります。これが需要額であります。それから教職員の標準を五十人から四十五人に変えました。それに基づく財政需要額の増が五十四年度で九千二百五十四億円であります。それから四十八年から始まりました人材確保法、こういうものに基づく需要額の増が三千九百四十二億円であります。それから四十五年から始まりました私学助成、これも法令に基づくものでありますが、千六百八十七億円であります。いま申し上げました法律なり政令に基づいて当然なこととして交付税の需要額に計入しなければならない額が現在幾らあるかといいますと、一兆七千八百九十億であります。これは私の調べであります。この数字は大蔵省はそのとおりつかんでおるのかどうか、まずお尋ねいたします。
#18
○吉野政府委員 突然のお尋ねでもございますが、ただいま細谷委員が御指摘になりました個々の具体的な項目別にそれが直接に地方負担にどの程度の金額になってはね返っているか、計数的に正確なところはただいま資料を持ち合わせてございません。
#19
○細谷(治)委員 時間がないから、財政局長に確認したいんだけれども、大体そんなところか、違うか、一言だけ言ってください。
#20
○土屋政府委員 ただいまお示しになりました事項について需要額というものを積算いたしますと、大体おっしゃったような数字になると存じます。
#21
○細谷(治)委員 言ってみますと、四十一年以降制度の改正によりまして自動的に一兆七千八百九十億円という需要額がふえてきたわけです。これを五十四年度でありますから、国税三税の五十四年度の十七兆円で割り戻しますと、一〇・四%に当たるわけですよ。言葉をかえて言いますと、四十一年以降制度が変わってきたけれども、交付税率を動かしていない。そのために、このとおり動かしておくと、勘定としては交付税率が四二・四%になっておらなければいかぬわけですよ。そういうことですよ。それが三二%に固定されておるのです。私はここに一つの問題があると思うのですが、主計局次長、問題がないと思うのですが、あると思うのですか。
#22
○吉野政府委員 細谷委員よく御存じのとおりかと存じますが、交付税はいわゆる基準財政需要額と基準財政収入額とのいわば差額に見合うものとして考えられるわけでございます。御指摘のように四十一年度以来、財政需要としてその後加算されたものは一兆数千億に及ぶということは一面あろうかと存じますが、同時に、地方団体におきまする地方税その他の基準財政収入額も増加していることは、これまた先生よく御承知のとおりかと存じます。ですから、先生いまお示しのように、その一兆数千億を現在の国税三税で割り返して、その分が現在そのまま地方交付税率の増加につながるべきであるという御指摘は、あるいは当を得ないのではないかというふうな感じを率直に持つ次第でございます。
#23
○細谷(治)委員 時間がありませんからそこまで申し上げませんけれども、この一兆七千八百九十億円というのを三税の交付税率に換算すると一〇・四になるということですね。もちろん、交付税というのは収入額との差額になります。私はそれを洗っておるんですよ。四十一年以降需要額がどういうふうに変わってきたか、収入額がどういうふうに変わってきたのか、あなたに言われる前にそのことを洗った上で議論しているわけです。ですから、仮にこれを交付税率に換算すると一〇・四だということを申し上げているわけです。端的に言いますと、洗った結果はどう見ても今日、交付税の需要額と収入額との差で、収入額の伸びを見ても、少なくとも五%ぐらいは上げておかなければならぬというのが分析の結果の帰結ですよ。あなたに言われる前にわかっているのですよ。
 そこで、次にちょっとお尋ねしたいのですけれども、五十五年度の財源不足額は二兆五百五十億円であります。これは自治省にお聞きしなければいかぬわけでありますけれども、この財源不足額というのを両省が認めて、そして必ず最終的には両大臣の覚書ということで、おおむね半分は交付税の借入金で、半分は地方債で、建設地方債という名で分けております。半分に分けた理論的根拠は何ですか、お聞きします。
#24
○吉野政府委員 御指摘のように五十五年度の財源不足二兆五百五十億円でございますが、そのうち、いわゆる交付税措置によりましたものが一兆二百五十億円、それから地方財政法五条によります地方債措置によりました部分が一兆三百億、結果としておおむね半々になっていることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、私ども五十五年度の地方財政対策を検討いたしまして、自治省とも種々御協議をいたしたわけでございますが、いま御指摘のように交付税措置と地方債措置とを折半にするというような、いわば原則といいますかプリンシプルをもって臨んだわけでは決してございませんで、五十五年度の財源不足の状況、それからまず、地方財政法五条によりましていわゆる建設事業に充てられる地方債につきまして極力増発をお願いする、そうして地方債の増発によって賄うことが適当でない部分をいわゆる交付税によって措置をしたということでございまして、おおむね折半になりましたのはあくまで結果であるというふうに御理解いただきたいと存じます。
#25
○細谷(治)委員 あくまで結果、これは神わざだと私は思うのですよ。例を引いてみましょう。五十年度の補正段階で確認された財源不足に対して地方債は四八・七%、これは臨特等が入ってくるからそうなるのですよ。五十一年が四七・七%、五十二年が五〇%、五十三年が四四・三、五十四年が四〇、五十五年が五〇。私が申し上げた数字の違いは何かと言いますと、臨時特例交付金とか何かの操作によってこうなっているのですよ。結果としてそうなったんじゃなくて、あらかじめ折半の原則は貫いておるんじゃありませんか。大臣、いかがですか。
#26
○吉野政府委員 重ねて数字を挙げてのお尋ねでございますが、繰り返しになって恐縮でございますが、これはあくまで二分の一という原則があって措置をしたというものでは決してございません。
#27
○細谷(治)委員 二分の一の原則はないけれども、毎年毎年結果としてこうなっているにすぎない。私は納得できません。しかし、時間がありませんから次に進みます。
 こういうことによりまして、毎年巨額の建設地方債を発行いたしておるわけです。そのために五十五年度には、その建設地方債については交付税の需要額に算入していっておりますね、元利償還金に対して。その総額は五十五年度幾らでありますか。――これは聞いて確認しようと思ったのですけれども、あなたの方で出しているこの法案の審議の資料の中に五十五年度の全体計画があるから、すぐわかるわけですよ。そういう地方債の元利償還の裏づけというのは五十五年度には五千百四十五億円でしょう、間違いありませんか。――自分で出した資料がすぐわからぬのか。
#28
○土屋政府委員 おっしゃるとおりの数字に大体なります。
#29
○細谷(治)委員 この地方債の元利の償還が五十二年度から始まったわけですよ。五十二年度は九百七十九億円、五十三年度が千五百十二億円、五十四年度が三千五百四十三億円、五十五年度は五千百四十五億円。言ってみますと、わずか四年の間に五倍以上になっているわけです。交付税で食っているのですよ。これは需要額に裏づけしているんだ。大体において都道府県では東京都だけが不交付団体であります。市町村では不交付団体というのはわずか五、六十しかありません。全部これは需要額に計算されたまま交付税で交付されるわけです。
 そうだといたしますと、五千百四十五億円という需要額の増は、ことし交付税特別会計に借り入れる一兆二百五十億円の半分に当たりますね。そうでしょう、半分に当たる。
#30
○土屋政府委員 おおむね半分に当たります。
#31
○細谷(治)委員 おおむね半分どころじゃなくて、五〇・二%、ちょっきり半分に当たる。一兆二百五十億円借金して、その半分を借金の支払いの需要額に充当するというのはおかしな話じゃないですか。大蔵大臣、おかしいと思いませんか。借りてきた借金の半分強を借金払いの方に計算してやる、これはおかしい話でしょう、そう思いませんか。――だめだよ、大蔵大臣に聞いているんだ。
#32
○竹下国務大臣 要するに、この地方財政計画をつくりますことは、まず予算編成に先駆けてこれだけはきちんとしたものにしておかないと、五十五年度の国の予算全体を組むためのまず基礎的作業であるというところから、自治大臣と私との間で、第一回は交付税率を改むべきである、そして第二回は、まあ出口論とか入り口論とかいろいろやりながら、そして並行して事務当局も詰めて、今日の措置ということに相なったわけでございます。ただ、私は非常に遠慮して言おうと思っておりますのは、国の財政が大変だから地方ががまんしてくれという言い方だけは避けたいと思いつつこの答弁にも立っておるわけでございますけれども、国の財政というものを見た場合に、今日この時点ではこの措置によって最終的には大蔵大臣、自治大臣の両者が合意をして、政府一体の責任としてこのような措置をしたというところで御理解を賜りたいと思います。
#33
○細谷(治)委員 苦しいんだから三方一両損というふうな議論でしょう。
 今度は別の面から申し上げてみましょう。交付税の総額を決められた。五十四年度の主税の自然増収分の交付税相当額というものを、本来ならば五十四年度の総額に加えなければいかぬのを、異例の特例をつくって五十五年度にこれを加えたのです。それはそれで、苦しいからいいでしょう。問題がありますけれども、すでに法律が通ったのですからいいでしょう。そして一兆二百五十億地方交付税に借り入れいたしました。借りておるその交付税で、いままで借りた借金で天引きされているのが幾らかといいますと、三千六百二十億円。一兆二百五十億円を借りたけれども、三千六百二十億円は自動的にこれは借金払いで取られちゃってるんですよ。これもおかしな話ではないでしょうか、大蔵大臣いかがですか。
#34
○吉野政府委員 これも委員よく御承知のとおりかと存じますが、いわゆる交付税措置といたしまして、交付税特別会計が資金運用部資金から借り入れを仰ぐという事態がここ数年続いてきているわけでございますが、この特別会計が借り入れをいたしまして行いました交付税措置につきましては、御承知のとおりこれは返還に当たりまして、つまり交付税特別会計が運用部の特別会計に返します場合に、その負担の二分の一は一般会計が負担をするというルールになっているわけでございます。
#35
○細谷(治)委員 わかり切ったことを言って時間を費やすのはもったいない。あなたの言いたいことは、交付税法附則の八条の三でいっているだろう、こういうことでしょう。この間もここの委員の中からこの問題について質問がありました。私も昨年予算委員会でやりました。言ってみますと、財源不足額を両大臣が確認した。おおむね半分は交付税で借り入れして賄おうや、総額をふやしておこうや、残りの半分は建設地方債ですよ。そうしてそれで仕事をしなさい。そうしてその交付税は借金してまた裏づけしてあげますよ、需要額に見てあげますよ、こういうやり方が附則の八条の三ですよ。これが現在の姿です。
 そうしますと、本法の六条の三の二項というのはどういうことかといいますと、引き続いて著しく基準財政需要額と収入額との差が大きくなったとき、この著しくというのは一割以上、引き続いてというのは二年続いて三年目も確実にそれが見通されるときというのが有権解釈ですよ。予算委員会でもはっきり解釈が決まっております。この第六条の三の二項というものは、いま財政が苦しいから附則で逃れようということでありますが、本法の六条の三の二項はそれ自体完結してなければいかぬですよ。財政が苦しくてやむを得ず附則の方法でやるというならば、六条の三の二項にのっとった形が附則に書かれなければならぬですよ。それが制度の改正でしょう。自分の方は勝手に制度を改正して需要額はふえるようなことをやっておきながら交付税率は引き上げないでおいて、そうして、いざ交付税が足らぬというときになりますとどうやるかといいますと、こんなものは八条の三でやりなさい。半分は交付税の借り入れでやりましょう、半分は地方債だ、こういう形が現在の姿だ。六条の三は空文化しているのですよ。こういうことが許されるか、こう私は思う。
 そこで大臣、時間がありませんから申し上げますが、私は六条の三の二項、それを受けて附則でやるとするならば、財源対策債に対する償還費の需要額を別途何年かかけて返す。一遍に返すわけじゃありませんから何年かかけて、その返済の時期に臨時特例交付金で別途見る。そうしますと地方債の方のやつはそれで消えます、解決します。不十分でありますが解決します。二番目には、交付税特別会計への借入金は、返済計画にのっとって半分ではなくてその全額を国が処置する。これは一遍ではありません、何年かに分かれてずっと支出していけばいいわけですから。三番目は、ことしまではやむを得ないけれども、五十六年度以降は交付税率の引き上げを含む財源措置を講じていく。これでありますと、今日の財政窮乏の中において、六条の三の二項を生かしながら附則でそういうふうに対応していくということであれば、本法と附則は整合性があるわけですよ。それをやるべきだと思うのですが、大蔵大臣いかがですか。
#36
○竹下国務大臣 いま御指摘になりましたように、引き続きというのはまさに二年、そして三年目もそうなる可能性、そしてまた著しくということは一〇%、これは確かに私どももさように承知をいたしております。したがって、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項」、こういうことになっておるわけでございますが、このいわゆる第六条第一項の率の変更ということは、率直に申しまして古くて新しい問題でございますが、いまの財政事情の中で、たとえ五十五年まで許容していただいたとして、五十六年度以後それに手をつけますと言うだけの自信がある環境にはいまない、残念ながらそのように私は思います。
 したがって、いまのその問題以外の御提案というものは、それはそれなりに整合性のある意見だということも私も理解できます。しかし、それすら今日でき得ない状態にあるということ、いま御指摘の整合性そのもの――私どもがやっておることも全く整合性がないとはもとより申しませんけれども、いまの意見は一つの意見だと私は前々から思っております。しかし、そこに及ぶだけの財政に力がいま私はないじゃないか、こういう感じを強くいたしますだけに、財政再建そのものに全力を尽くさなければならない今日でなかろうかということで、自治大臣とも共同の責任で最終的には合意に至っておるということが実態でございます。私は細谷さんの長いこの地方行政委員会にいらしての御見識とか御意見というものを、否定する考えは全くありません。しかし、それをなお私自身が受けとめて、それだけに対応していく力をいまの国の財政が持たないではないかということ、非常に残念ながらそのようなお答えをせざるを得ないというのが現状認識であります。
#37
○細谷(治)委員 大蔵大臣の現状における苦衷はわかっておりますから、私は三つの提案のうちの二つについては理解できるけれども、来年度交付税率を上げるということについてはできかねる、こういう言葉です。
 私自身も財政の実態はそうだろうと思っておりますから、一遍に交付税を全部上げて、五十六年度以降はそれで本則に入っていくということはできないだろうけれども、少なくとも交付税率の引き上げを含めてということを言ったわけですよ。だから、一切片づけぬでもいいです。三二というのをひとつ五十六年度は三五まで上げよう、その次の財政事情を見て三八まで上げよう、あるいは四〇にしよう、こういうことで、含めてということで、大蔵大臣の苦衷も察して、ですから来年は一遍に上げちゃってなんということを言っているわけじゃありません。含めて、やはり制度の問題なりあるいは地方債の活用なり交付税率の引き上げ、こういうもので新しい観点に立って対応すべきだということを最小限度の問題として提案をしたわけですよ。おわかりいただきたい、御理解いただきたい、こう思います。
 それで大蔵大臣、この問題は五十年以降もう長い間地方財政の焦点になっております。そして、この間来た学者もすべてそのことを一口言います。自治大臣がここの席で答弁してきますと、あの附則の八条の三では不十分だと思うけれども、こう言っております。私は今日の国の財政も地方の財政もとにかく、高度経済成長時代の不景気で起こったようなものではなくて、循環的なものではなくて構造的なものだと思うのですよ。構造的なものである限りには構造的な対応をしなければならぬ、こう思っておりまして、そういう御提案もしたわけです。
 そこで大蔵大臣、残念なことにはこの問題で、総理大臣の諮問機関である地方制度調査会は、大蔵省の次官も入っておりますけれども、どうも自治省寄りの答申をしている。それから、同じころに出される大蔵大臣の諮問機関である財政審議会というのは、大蔵寄りの答申をしている。地方財政なんてほっておけ、これが財政審議会の結論でしょう。こういうことでは全く白と黒のようでありますので、こういう問題について、これからの国と地方との関係はどうするのか、その問題点は地方交付税なんだ、こういうことで専門的に掘り下げる仮にたとえば交付税制度審議会、大蔵省寄りでない、自治省寄りでない第三者、こういうもので検討する御用意があるかどうか、大蔵大臣にお聞きします。
#38
○竹下国務大臣 財政審それから地方制度審議会、私はあえて黒と白とは申しませんが、それぞれの立場に立っての御意見の御開陳があり、そしてそれは行政執行のために貴重な糧となるものである。しかし、それをそのときの国、地方の行財政にどうして生かしていくかというのが、いわば私と後藤田大臣とのたび重なる折衝。あるいは、私どもかねて言っておりますのは、言ってみれば私は、大蔵省にいわゆる査定権というものは存在しないという基本的な考え方なのです。財政法を読んでみますと、調整権はあっても査定権というものは本来、省内のいわば慣用語として存在しておって、法律的にはあるべきものでない。したがって私は、そういう姿勢でもって両大臣の会議を何回も積み重ねてきたわけであります。そのお互いの話し合いと、そしてそれに対して事務当局のそれぞれの打ち合わせというようなものが、先生は黒と白とおっしゃいましたが、異なる立場にある調和点を求めた結果ではないかというふうに私は考えております。
 交付税に対する審議会の問題につきましては、にわかの提案でございますので、私としては、それは勉強はさせてもらいますが、いまどのようにいたしますと言えるだけの心の準備がございません。
#39
○細谷(治)委員 時間がありませんから、あと二点聞きたいのです。
 私もおかしなことと思うのですけれども、五十五年度も発行される地方債の四三%ばかりが政府資金でありまして、六〇%になるまで、言ってみますと一七%ばかりの分については利差を補給する、こういうことが両大臣の確認事項になっておるわけですね。利差というのもばかにならぬことでありまして、ちょっと調べてみますと、大体において利差が三百九十二億円になるのですよ、いままで借りたもので。今年度に利差として臨時特例交付金に入っているのが三百九十二億あるわけです。一方、財投はどうかといいますと、私の手元には五十三年度の実績でありますけれども、繰越額の上に不用額というのがずいぶんあるのですよ。五十三年度は不用額がどのくらいあるかというと、総額で一兆四千九百七十三億円。そして恐らく大蔵省は、国と地方団体の出納閉鎖期は違うから数字が多くなっているんだとおっしゃるだろうと思いますけれども、そうじゃなくて、地方公共団体を除いた分の不用額は幾らになるかというと、一兆四千六百二十四億円でありまして、ほとんど変わらないですよ。
 そういたしますと、言ってみますと、一兆一千三百億円ばかり加えればちょうど六〇になるわけですよ。そうすると、利子を利差補給なんて手間の要ること要らないわけです。財投全体のいまのフローからいって、そして地方債というものをなるべく良質にしてやらなければいかぬ。しかも、三百九十二億円というものを借りたところの団体に交付税を通じて返してやるなんという手間も省けるわけでありますから、ひとつ政府資金六〇を最低限度のものとして満たすということをお約束いただきたい、こう思いますが、いかがですか。
#40
○竹下国務大臣 いつも議論される問題として、五十三年度の不用額というものは、これは常識外れという表現は政府当局者が言うべきではなかろうと思うのですが、確かに膨大なものがあります。これはいろいろ分析してみますと、あのとき一番金融が緩んだときでございますので、諸般のいわゆる政策金融というようなものが繰り上げ償還額が非常に多くなったというようなことが、全体として不用額が多くなったということでございますので、これが例年あるべき姿ではないというふうに私も勉強してみてやっとわかったわけであります。したがって、この五十五年度におきましても、これも細谷さんにお答えするようなことではないかもしれませんけれども、政府資金比率が四三・八、公庫資金比率一六・三ということにいたしますと、おおむねこれは六〇・一%、こういうことになるわけでございますが、やはり地方債に充てる政府資金につきましては、他の資金需要を勘案しながら、原資事情の許す範囲内でその充実に努めなければならぬ課題である。
 そしてまた、明治以来初めてのことでございますけれども、衆議院の予算審議中に一度、そして参議院の予算審議中に一回、いわゆる公定歩合の引き上げというものが行われたということに対するまた財投、資金運用部資金の金利の問題等が、今度は地方財政そのものにはね返って迷惑かけてはいかぬという措置につきましては、自治省とたび重なる協議を行いまして一応、五十四年度分は確かに短期資金でつないでいって、最後のところで長期の金利に切りかえていくわけでございますので、ある意味において繰り越しは構造的にあり得る。しかし、不用額は五十四年度の場合は、大変少なかろうと私は思うのでありますが、なおのこと、構造的にそうあるべきものも、たしか四月十五日でございましたかを期限として、金利等についての関係もいままでどおりというような形で取り扱いをさしていただいておるということでありますので、原資事情とそのときどきの需要に応じまして基本的には考えるべき課題でございますけれども、御指摘の事実につきましては、特にいままた私どもの方では国債の消化をずいぶんお願いしておるだけに、縁故債というものが非常に厳しい環境にあるということを知っておりますだけに、私は御意見は御意見としながら、絶えずそういう姿勢でもって対応していかなければならぬ課題であろうというふうに理解をいたしております。
#41
○細谷(治)委員 公募債を入れるとちょうど六〇だ。私はそう思わないのですよ。地方債というものの構造というのは、大体政府資金六〇。それで、公募債というのは特定の団体だけですよ。恐らく三十数団体ぐらいでしょう、公募債を発行できるのは。府県と指定市ぐらい、有力なところだけですよ。そういう公募債は二〇%ぐらい、あとの残り二〇%ぐらいというのは縁故資金だ、これが適正な地方債の構造だと私は思っているわけです。したがって、公募債を加えると六〇なんということは、これは大臣の言葉でありますけれども、私はその言葉では納得できない。
 もう一つ、この問題について。確かに五十四年度の実績は出ておりませんで、一兆四千億なんという不用額はないけれども、恐らく五十四年度は七、八千億円ぐらいの不用額は出るだろうと私は仄聞をしております。そうだといたしますと、やはりこういうものを詰めていっても、これを見てちょっと勉強しましたけれども、誠意をもって取り組むならば、六〇%、そしてその利差補給なんという繁雑な手は避けるべきである、こう私は思います。
 同時にまた、金がない、原資がない原資がないと言うけれども、弾力条項五〇%というのがあるわけですよ。どの実績を調べても、大体においていままでの実績は五・五%ですよ、弾力条項を使っておるのは。もっとも、成田空港あたりの工事ができなかったために五〇近く弾力条項を活用した例はありますよ。それはそれとして対応すれば、必要があれば改善をすればいいわけですから、それが財政民主主義じゃないでしょうか。私はそういう意味において、弾力条項五〇%なんというのは、弾力条項は従来の実績からいって一五か二〇程度が常識ではないか。このことを付言して、ぜひひとつ地方に良質な資金を、こういう形を実現していただきたい、こう思っております。
 最後に、時間がありませんから、ことしから十二年計画で四十人学級というのが始まるわけであります。そうして、参議院の予算委員会でこのことについて、この四十人学級というのは大蔵大臣は、芸術的な作品だということを言ったと新聞に書いてあるのですよ。恐らく芸術的な作品、あるいは大蔵大臣としては清水寺から飛びおりるぐらいの気持ちでやったのだろうと思う。しかし、これはやらなければいかぬことだ。自治大臣はどう答えているかというと、過疎の方からやってもらえるからいいけれども、過密の方からやるのならば反対するんだと、こう言っておった。私は事ほどさようにこの問題は、経常経費における需要の増、それから建設投資における需要の増というのは莫大なものになると思うのです。いますぐということは申し上げませんけれども、まあ三年間というのが言ってみると過疎の方で余り大きな需要はないようであります。遠からず交付税措置なりあるいは税財源で措置するなり何らかの措置が私は必要だろうと思うのですが、大蔵大臣はそうお考えになっているか、これをお聞きしまして、ちょっと時間が過ぎましたが、私の質問を終わります。
#42
○竹下国務大臣 一つ、最初のところで私が六〇%というのを、公募債と申した。あるいは申しておりましたら訂正さしていただきますが、公庫資金比率というふうに申し上げたようなつもりでございましたので……。
 それともう一つは、およそ五十四年度は六千億というふうに見込んでおりまして、それは五十五年度の原資にすでに入れておるというのが実態でございます。
 さらに、四十人学級の問題でございますが、私と自治大臣が申されておるのも大体同じことだと思うのです。とにかく、自由民主党から日本共産党まで、その四十人学級に対しては同じ言葉で要請があっております。もう寸分たがわざる言葉でありました。したがって言ってみれば、これは教育界全体の問題としてとらまえなければならぬ。しかし一方、財政事情というものがある。その調和点をどこに求めるかというのが自治大臣の言う、過疎地帯から徐々にこれを行って、五十七年、ある種のピークが過ぎ去った場合に過密地帯にこれを及ぼしていく。そういう意味でその調和を図ってきたものが、よく国会の言葉で言われる、まあ芸術作品というのは出過ぎた言葉でございますが、そのような言葉を使ったわけでございます。
 したがいまして、御案内のように五十五年度は確かに十三億円でございます。計画が完了します六十六年までには一千億円を若干超える負担になると予想されます。このような地方負担については、地方財政計画にその全額を計上して所要の財源措置をとることになっております。したがって、毎年度の地方財政計画の策定を通じながら地方財政の運営に支障が生ずることのないように対処していこう。そういうものすべてを含めて、芸術作品という言葉をあえて引っ込めて申しますならば、教育と財政との調和点をそこに求めたというふうに御理解をいただきたいと思います。
#43
○細谷(治)委員 終わります。
#44
○塩谷委員長 小川新一郎君。
#45
○小川(新)委員 せっかくお忙しい中を大蔵大臣には当委員会においでくださいまして、交付税、地方税、地方財政全般にわたって大蔵省との絡みの中で御質問するわけでございますけれども、私はあえて今日的な問題の中からいろいろとお聞きしながら、地方財政との関係をお聞きしたいと思っております。
 特に、ただいまも細谷先生からもいろいろ細々と地方交付税、六条の三の二項についての御見解、それに対する大臣の反論等もございましたので、私もこの問題については質問する予定でございましたが、細谷委員からより詳しく御質問がございましたので、割愛させていただきます。
 まず最初に、地方財政、行政の全般の不況前線と申しますか、そういった問題について若干お尋ねしておきます。
 まず物価問題、これはもう大臣得意中の得意でございますし、私どもも本来、大蔵委員会や予算委員会で勉強させていただかなければなりませんけれども、この際、あえてお尋ねしておきたいと思います。昭和五十五年度予算編成の前提になった卸売物価の上昇率は、目標九・三%でございますね。これを達成するのは不可能ではないかという心配が私はしてきました。さらにそれが上昇していくのではなかろうか。これが地方財政や国民生活に大きな影響を与えるので、お尋ねするのでございます。
 日本銀行が四月十一日に発表した三月の卸売物価は、対前年同月に比べて二二・八%、前月上昇率も二・〇%、三カ月連続で二%台の大幅上昇でございますが、この結果、五十四年度を通じた卸売物価の平均上昇率は狂乱物価以来の一二・九%で、政府の当初見通しの一・六%はもちろん、改定見通し一二・一%も上回っていると私は認識いたしております。すなわち、五十五年度の政府の卸売物価の目標九・三%は、五十四年度の卸売物価一二・一%を前提としたものでありますけれども、すでに五十五年度のスタート時点から卸売物価のベース自体が上がってしまうのではなかろうか、こういう心配のもとで御質問しているわけでございます。
#46
○竹下国務大臣 いま御指摘のとおりでございまして、卸売物価は、五十四年度の政府見通しは確かに一・六、それを途中で修正をいたしましたものが一二二でありますが、いま実績見込みといたしまして一二・九、それは事実でございます。そして消費者物価におきましては、四・九を見込んでおったものを下方修正いたしまして四・七としたところでございますが、およそいま予測されるのは、四・七台はどうやら保ち得る、四・七六になるか四・七五になるか、その辺まではまだ詳しい計算ができない現状でございますけれども、今度は、それがげたになりまして五十五年度の物価に影響してくるわけでございます。
 ただ、消費者物価で見ましても、四−六月は五十四年度は三・二なんです。そして卸売物価でも四−六月は三・六でございます。したがって、その後の状況からいたしまして、五十五年度の四−六月は対前年同月比ではかなり高い数字が出てくるであろう。しかしながら、七−九月あたりから卸売物価が二けたになり、十−十二月では一六になり、一−三月では二一・二というようなところまでまいりますと、それがげたになりますので、下期におきましては対前年同月比でいきますとなだらかなものとなってくる。もちろんこれは政府の見通しでありまして、下方修正したこともあれば卸売物価のように逆な修正をしたこともございますけれども、当面六・四の消費者物価、そして九・三の卸売物価は大体そういう見込みで推移するのではなかろうか。しかしそれにいたしましても、ただ手放しでそうなるわけのものではございませんので当面、物価を再重点施策として取り組みながら、むしろわれわれとしてなさねばならぬ一つの目標値であるという認識でこれに取り組んでいきたいと考えております。
#47
○小川(新)委員 ただいま大臣の御見解が述べられたわけでございますが、わが国を取り巻く経済情勢は非常に厳しいものがございます。そこで、四−六月、七−九月、十−十二月、大蔵大臣のお見通しが狂うような問題がこれからも出ると私は予想しておりますけれども、物価二法を発動するチャンスというのは、どういうときを指しているのですか。
#48
○竹下国務大臣 これは必ずしも私の所管ではございませんが、いわゆる第一次石油ショックの際のような狂乱状態が需要と供給とに著しいアンバランスを生じた場合に、発動し得る環境が整うというふうに理解すべき問題ではなかろうかと考えております。
#49
○小川(新)委員 それはいま言ったパーセントが狂うとき、お見通しが狂うような予想が出たとき――たとえばもう一つお尋ねしておきたいのですが、イラン問題です。これも外務大臣、大平総理大臣にお尋ねするのが筋かと思いますけれども、非常に大きな問題でございますので、お尋ねしておきたいのでございます。
 アメリカがイランとの国交断絶を宣言して、EC諸国や日本も大使が一時帰国するというような緊迫した外交、経済情勢になっている。そこで、あなたは経済閣僚のお一人でございますからあえてお尋ねするのですが、もし仮にアメリカの言うことを聞かなかった場合、わが国の経済にはどのような影響が出るか、また財政はどうなるか。また、イランがわが国へ供給しているオイルの輸出を禁止した場合、日本の経済、財政に与える影響。大平総理は十二日の札幌の記者会見で、輸出規制を検討中。アメリカが要請していることはアメリカに協力しよう、イランに対して輸出を規制しよう。要するにイラン側から見れば、敵の味方は敵である、こう言っているわけでございます。こういった情勢と、もう一つは、OPEC諸国のオイル値上げが二弾、三弾と打ち出されないとも限らない。そういう中で、狂乱物価に匹敵するような形で卸売物価もしくは消費者物価は値上がりしてくる、率は上がってくる、なおかつ物価二法は発動できないということになればこれは大変なことでございます。その辺のお見通し、イラン問題について経済閣僚としての御意見、私の質問を踏まえて御答弁をいただきたいと思います。
#50
○竹下国務大臣 イラン問題につきましては、きょう委員会終了後、総理、官房長官、外務大臣、通産大臣、経済企画庁長官、そして私の間でいま一度協議をしようということになっておるところであります。したがって、いま私どもとしてなし得たことは、ECの外相会議と同一歩調をとって、いま御指摘のありましたとおり、人質解放についてのやり方とか時期とかということについて大統領にお会いをして、その報告のために、これは一時帰国という形でございますが、それぞれ大使が一時帰国して報告をするというところまでが決まった対策でございます。その後の問題につきましては、仮に石油がとまれば、一〇%の石油を依存しておる国でございますので、それなりの影響があらわれることはもちろんでございますけれども、いわゆるそういう仮定の前提に立って議論をしておるということはいまだいたしていないところであります。それぞれ担当省においてそれなりの議論は詰めておると思いますけれども、いま会議においてオーソライズされた対策の中には、それは入っていないというのが現段階でございます。
 そして物価二法の場合は、これも現時点に立って申しますときには、何としてもあのときのように需要と供給そのものがアンバランスになるというのがやはり環境の一つの大前提になるのじゃなかろうか。したがって、今後の問題は別としていまの段階において、需要と供給が著しくアンバランスになっておるという状態にはないというふうな理解の仕方をいたしておるわけであります。
#51
○小川(新)委員 重ねてお尋ねしますけれども、そういたしますと、和田イラン駐在大使が一時帰国する、長引いた場合には大使の召還ということにつながってまいりますが、その場合、わが国としてはアメリカに協力せざるを得ない立場にある。――イランに協力する立場にあるのでしょうか、それともアメリカに協力する立場にあるのでしょうか。それによって大きく変わってくると思うのでございますが、大蔵大臣の御見解をお尋ねしておきたいと思います。
#52
○竹下国務大臣 いずれにいたしましても、日米協調という線を貫いていくということは合意として言えることであろうと私は思うのであります。ただいまの場合、われわれとしてはなおEC諸国と協調しながら、この国際法上も認められない人質解放の問題についてさらに努力する。その努力を怠っていずれかを選択するという立場にはない。だから、非常に濃密な時間帯の中で濃密なそういう外交交渉だけは繰り返していかなければならぬというのが、現状認識ではなかろうか。これ以上のことになりますと、ちょっと大蔵大臣さんでは荷が張りますので、この辺が私の答えの精いっぱいではないかと思います。
#53
○小川(新)委員 まことにぶしつけな質問で恐縮しております。恐縮はしておりますけれども、地方交付税特別会計の問題を踏まえた中で質問するには、余り唐突であるように思われても私は困るのでございまして、こういう問題が背景になって、国税三税、こういった三二%の問題にもはね返ってくるがゆえに聞いておるのでございます。
 いまの私の印象では、人質問題を考えないで両国のどちらにつくかということは議論できないけれども、日米協調という線に沿っての問題は当然避けられない、ここまでは私もきょうは認識しておりますが、その先の御答弁がいただけないのは残念でございます。
 そこで、五十五年度の政府の経済見通しで、GNPの成長率四・八%を見込んでおりますけれども、卸売物価、消費者物価の高騰から強い引き締め、金融政策、これはもろ刃の剣でございますが、財政を緩めればインフレの心配が出る、財政を引き締めれば不況と雇用問題が出てくる、こういった問題の中で、財政も昭和三十四年以来の超緊縮財政でありますが、金融も公定歩合が九・〇%、史上最高の水準であります。これはいずれも経済成長率を引き下げる方向に働くと思いますが、これではGNPの四・八の達成は無理ではないか。逆に、GNP四・八を見込んだ予算編成時は、公定歩合が一・七五%引き上げられて九・〇%になる前の状態でありまして、これも先ほどの消費者物価の問題と絡めたもろ刃の質問になりますけれども、いかがでございますか。
#54
○竹下国務大臣 確かに御指摘の点は、それなりに一つ一つが理解できるところではございますが、二月の月例報告等を見ておりましても、今日のところ本当に私どもが感じておる以上に、動向を見てみましてもこれは決してそういう甘い認識という意味ではなくして、消費者物価は二月は前年同月比八・〇%でございます。十一月まではドイツよりも安定しておりましたが、いまやドイツは、さすがとでも申しましょうか五・六、アメリカが一四・一、フランスが一三・四、イギリスが一九・一、イタリアが二一・七、いわばサミット諸国の中ではドイツに次いでやや安定しておる状態と言えるわけであります。一方、失業率の点を見ますと、日本は一・八でありまして、二番目がドイツで三・五%でございますから、他の国に比べればいわゆる雇用情勢というのは逐次改善されてきておる。これを見た限りは、いわば景気にもなお底がたいものがある、こういう表現ができないわけじゃないと思うのです、その数値だけを見た場合。
 しかしながら、卸売物価の影響がこれからじわじわとやってくるというのは、だれも否定することができない厳粛な事実であると思うのです。その際、それはどうしても下降の方向にある種の拍車をかけていくであろうということも、否定できないことであろうと思うのであります。したがって、いまもろ刃の剣とおっしゃいましたが、一方、景気、物価両にらみの中で弾力的な経済運営を行っていくというが、当面はまず物価だ、こういうことになって物価対策が出され、日本銀行によりますところの公定歩合の再々引き上げというものもあった。
 この公定歩合の引き上げという問題につきましてはそれなりに、アメリカなんかに比べたらまだまだ低いとは言われましょうものの、天井感というものが出てそれだけの効果はできつつあるのじゃないか。したがって、外的要因によるところの物価の影響は自力で解決することはなかなか困難でございますけれども、素材品から中間製品、完成品に至るところのいわゆる生産性の向上という中でそれをある程度吸収していくと同時に、ホームメードインフレ、いわゆる国内要因によるインフレというものは断じてこれを避けなければならぬ。そうなってまず、素材にしろ中間製品にしろそういう物価の安定が結局また、底がたい緩やかな景気の拡大というものにつながっていく。表現こそぺらぺらと私は言っておりますけれども、大変むずかしい、そして幅の狭いところにわれわれの選択があるというふうに理解して、これに取り組んでおるというのが現状であります。
#55
○小川(新)委員 いま大変勉強させていただきました。
 そこで、上期、下期に分けて予算の運営方法になってくるのですが、上期においては物価問題を中心に、下期においてはそれを見計らった上に景気対策や雇用問題に力を入れていくということでございます。その一つの前提として、上半期の公共事業の契約目標を六〇%にすることを閣議決定したということでございますけれども、これによって上半期の公共事業が、昭和五十四年度の九兆百三億から昭和五十五年度は八兆六千三百億に少なくなる。契約目標六〇%といっても、地域によっては公共事業の執行は異なるはずでございますから、全国一律六〇%というのは非常に危険である。特に北海道、東北、裏日本の下半期に雪で工事ができなくなる地点においては、上半期に思い切った予算の集中をしなければならない、こういった問題も出てくると思います。また、公共事業を上半期六〇%と決めるだけでは不十分であり、問題は、その内容でございますけれども、上半期は特にインフレ、地価の高騰が懸念されるので、公共用地買収を必要とする事業はできるだけ抑制し、生活、福祉関係の事業を積極的に行うべきではないか、それによって地方財政が潤ってくるというわれわれの見解でございますけれども、この二点お伺いします。
#56
○竹下国務大臣 確かに五十五年度の公共事業の執行につきましては、いま御指摘のように全体として六〇%程度にとどめる、こういう表現をいたしておるわけであります。そしてまた、私も一昨日北海道へ参りましたが、積雪寒冷地帯でございますとかあるいは災害復旧でございますとかそういうものは、一律六〇%程度というようなことはできませんが、総合的な六〇%程度の中でもってそれらも措置していただこうという、厳しい姿勢を打ち出しておるところであります。
 そこで、そうした場合にもいわゆる用地比率の低いものからやっていったらどうだ、たとえば下水道をやったらどうだとか、あるいは保育所みたいな土地そのものがあるところの建てかえをやったらどうだとか、公明党で絶えず御主張なさる、抑制のときであっても促進のときであってもそのような姿勢で公共事業には対応すべきであるというその御議論は、一つの見識であると思うのであります。ただ、私も建設大臣をわずかながらやっておったことがございますけれども、用地比率で事を律した場合に、何だか余りにも大都市を住みにくくする大臣、こういう評価を受けたことが私自身もございます。したがって、一概に用地比率だけでもってこの公共事業の執行に当たるわけにはいきませんが、なかんずく物価と景気両にらみの中で抑制型の総需要管理の志向をしていく場合に、いまの用地比率等に対して絶えず注意を払いながら対応していかなければならぬという御見解には、私も原則的には賛成でございます。
#57
○小川(新)委員 自治大臣にお尋ねいたしますけれども、ただいま大蔵大臣から五十五年度予算の執行の姿勢について私の質問に答えていただいたのでございますけれども、五十五年度の地方財政運営の指針を全国の地方公共団体に通達するということになると思いますけれども、いままで前段でいろいろ質問をしてきましたことを踏まえた中で、地方公共団体にはどのような予算運営の通達をなさる御決意ですか。
#58
○後藤田国務大臣 自治省は、いま聞いてみますとまだ出しておらぬようです。交付税等の法律案が通りましてひっくるめて地方に指示をする、こういうことになっておるようです。その際、もちろん私どもとしては、国でお決めになる基本方針にやはり自治体も沿ってひとつ財政運営をお願いしたいという要請をするつもりでございます。
#59
○小川(新)委員 例年であれば私は余り問題にしないのでございますけれども、先ほどからいろいろわが国を取り巻く前提問題、経済の動向、そして大蔵大臣から御答弁いただきました消費者物価、卸売物価、こういった問題を踏まえた上での昭和五十五年度の地方財政運営の指針というものは重大な関心を持つものであります。特に地方公共団体が主体となって行うべき公共事業の六〇%に削減ということになりますと、下半期においての景気の持続を図るための切り札としてはどういう扱いになるのか、こういう質問のもとで私は言っているわけでございますので、お願いいたします。
#60
○後藤田国務大臣 先ほど大蔵大臣がお答えをいたしましたように、公共事業の執行につきましては、上半期にひっくるめて六割程度、相当抑制をなさって執行せられるようですが、地方としてもそれに準じてやってもらいたい、かように思います。
 ただ、私の個人的な見解で恐縮ですけれども、いまの財政運営は物価と景気と両にらみ、しかし重点を物価に置くんだ、こういうお話でございました。私はむしろもう少し物価に重点を置いて、思い切って上半期は物価対策重点にやるべきである、かように考えております。ただ、工事の施行は先ほどお話のございましたように、積雪寒冷地等ございますので、そこらの点についてはそういった地域が困らないようにやりたい。同時にまた、用地費にだけ金を食われてはどうにもならぬじゃないか、こういうお話ごもっともでございますが、その点については、先ほど大蔵大臣がお答えいたしたとおりに、私もさように存じておるわけでございます。
#61
○小川(新)委員 私は大蔵大臣、地方債のことにつきましては、この前の地方交付税法の質問のときに十二分にやらさしていただきましたのですが、国債の問題を二、三お尋ねしておきたいと思うのです。
 昨年度昭和五十四年度における国債の未発行額、これは幾らありますか。それは売れ残ったものではないかという疑問がございますが、私の方の調べたところによりますと五千七百八十億円、これほど莫大な国債が売れ残った、または未発行になっている、これに間違いございませんか。
#62
○竹下国務大臣 間違いございません。
#63
○小川(新)委員 そういたしますと、この五千七百八十億の国債が売れ残った、未発行になった、これが踏み絵となって五十五年国債の一兆円減額、そんなことは私も思いたくないのでございますが、いろいろとそこに問題が出てくると思いますが、昭和五十五年度の国債十四兆二千七百億円のこれまた完全な消化ができるのでございましょうか。
#64
○竹下国務大臣 ことしの予算編成のときにあらかじめフレームを閣議了解をしていただいて、そして初めに一兆円の減額ありきというような姿勢で予算編成に対応したわけであります。そして現在、シ団の引き受け等を減らして一あるいは資金運用部で引き受け額をふやしますとかそういう形の中で、厳しい環境にはございますが、私は国債の消化はどうにかお願いできるのではなかろうかというふうに思っております。ただ、まだ四月債だけがいま話がついたばかりでございます。
 いま御指摘のございました五千七百八十億円というものにつきましてどうするかという問題につきましては、現時点においてはまだこれは未発行額でございます。が、いまややはっきりしてきておりますのは、予備費の残が恐らく千百七十億でございますかその程度が見込まれます。そして、これからの税収がどれだけのものがいわば自然増収になっていくかということにつきましては、二月の税収の状態を見ますと若干期待できるというふうには思いますものの、またさまざまな歳入に減をもたらした問題もないわけではございませんので、この問題はいわば五月の状態になって三月の税収というものが明らかになった段階でないと、いまのところ、これは完全に減額してしまいますと言えるだけの自信はございません。が、将来にわたっても、五十四年度の補正で一兆二千二百億円の減額をさせていただきましたような国債に対する姿勢は貫いていかなければならぬ。
 ただ、五十五年度ということになりますと、成立したばかりの予算だものでございますから、これに対していわば可能性を含めた見通しを申し上げる段階にはまだないというふうに御理解をいただきたいと思います。
#65
○小川(新)委員 私はこの五千七百八十億の消化というものは大変なことだと思う。上乗せするということでございますから、さらに昭和五十五年度予算案を編成した後に公定歩合が九・〇%に引き上げられましたから、これに伴うところの五十五年度発行予定の金利を上げないと消化ができなくなると思われますが、これまた国債費の増額は補正予算でどれぐらい見込まれるのかということです。
#66
○吉野政府委員 金利の引き上げに伴います国債費の増でございますが、委員御承知のとおり、これは金利の引き上げで直ちにその分だけ一般会計の国債費の増につながるというものでは必ずしもないわけでございます。国債を上期、下期に分けてどの程度の割合で発行していくかという、発行のテンポにもかかってまいるわけでございます。したがいまして、国債の条件改定に伴いまして一般会計でどの程度の追加の負担になるかということを、いま計数的に申し上げられる状況にはないわけでございますが、全く単純に機械的に計算をいたしますと、一%について約四百億円という計算はございます。
#67
○小川(新)委員 一%で約四百億、大変な額でございます。
 そこで、国債そのものの議論はもう時間がございませんからやめますけれども、聞くところによりますと大蔵省、日本銀行は、サウジアラビアなど中東産油国のオイルマネー、石油輸出代金を政府間の直接交渉で本格的に導入することを決めたというようなことを聞いておりますけれども、これは事実なんでしょうか。また、既発の国債の売却だけなのか、新規発行の国債も含むのか。特に中期国債の直接発行が実現すれば、わが国では初めての海外向け国債発行になるのではないかと思います。これは現行の財政法上許されることなのか、また、国債発行の限度額を決める際、市中消化という歯どめをなくしてしまうことにはならないのかどうか、こういった議論が出てくると思います。そういう問題も踏まえてひとつお願いしたいと思います。
 時間がございませんから、もう一問あわせてお聞きしておきますが、地方自治体の余剰資金の運用についてでございます。
 地方自治体の収入であります地方税、地方交付税は、年度を通じましてほぼ平均して入ってくるわけでございますが、短期の余裕資金が生ずるわけでございます。そこで、昨年五月にCD、譲渡性預金が創設されて以来、地方自治体がこのCDを買うケースがふえておりますが、このCDの発行枠及びCD発行残高は全国銀行ベースでは幾らあるのか、また今後ともふえる見通しなのかどうか。またこの発行枠は、自己資本に対する比率が二五%のとき二兆四千億、自己資本比率が四五%に達したときは四兆以上になると計算されております。私どもの計算では、CD発行残高は昭和五十五年二月末で一兆五千二百六十五億円ぐらいになると言われておりますけれども、これは事実なのかどうか。
 また、特に大都市だけにこういった問題が集中してきたのでは非常に困りますので、その一枚当たりを五億円以上となっておるのを一億円以下にできないのかどうか。そしてこの期間が三カ月以上六カ月以内に限られておりますが、これをもう少し多様化する考えはないかどうか。これが中小都市に対する八%という非常に高い金利を目当てにした財政確保の一つの手法としての選択権を与える方法だと私は思っておりますが、いかがでございましょうか。
#68
○竹下国務大臣 最初にお断りしておきますが、CDの運用の問題は、現在五億円、こういうことになっておりますが、いまかなり突っ込んだ御質問でございましたので、事務当局からお答えをさせます。
 そこで前段の、サウジ等いわゆるオイルマネーの還流についての物の考え方についてのお尋ねでございますが、この問題は、私もお許しがいただけるならば今月末にIMFの暫定委員会へ出席させていただこうかと思っておるところでございます。そして、サミットの準備会議等で今日、財務官等を派遣したところでございますけれども、何しろいわゆるオイルマネーのリサイクリングという問題につきましては相手のあることでございますので、いろいろな勉強をしておりますけれども、いま委員御指摘になったような問題は全部、わが方の勉強課題としての重要ポイントばかりでございます。が、いまの段階でそこまで踏み込めるだけの準備はできておりません。したがって今日は、表敬程度というと言葉は悪いのでございますけれども、実態の把握というものにもう少し精力的に時間をかけてみようという状態であることでもってお答えの範囲をお許しいただきたいと思います。
#69
○宮本(保)政府委員 CDのことについてお答えいたします。
 二月末残高の一兆五千二百六十五億円、これは先生御指摘のとおり、全国銀行の数字の残高でございます。それから、発行の枠の話でございますけれども、現在自己資本の二五%ということでございますので、二兆四千億であったわけでございますが、この四月から自己資本の五〇%に枠を広げました結果、全国銀行で見ますと約五兆円になっております。
 それから、この制度をもう少し活用して地方公共団体の余裕資金の運用に向けられるようにしたらどうかという御提案でございます。ただこの商品は、短期の金融市場を育成いたしまして、その金利を自由化していこうという一つの商品でございまして、そういう意味におきましても、ある程度ロットが大きくなりませんとこの商品はなじみませんので、一応現在五億円ということになっておりますし、あるいはその期間につきましても三カ月以上六カ月未満となっておりますが、こういう点につきましては、このCDの発行状況を十分見ながら今後、これを下げていくとか、あるいは期間を延ばすとかもう少し縮めるとか、こういう問題につきましては今後の検討課題ということでございます。
#70
○小川(新)委員 時間が参りましたので、これで御無礼させていただきますが、地方財政の本旨と申しますか、大幅な財源不足を生じているこの交付税法第六条の三の二項についての見解は、先ほど細谷先生からるると細かく御質問がございましたから、私はあえてこの問題には触れませんけれども、地方自治の憲法九十二条という大きな観点から見たときに大蔵大臣は、地方自治の本旨という立場から地方財政、特に交付税法、こういった問題をどのようにとらまえておられるのか。ただ財政的な問題が先行しているところに今日的ないろいろな議論が出てきていると思います。特に地方の問題として地方制度調査会に進んで大蔵大臣も御出席あられて、本来の財政の仕組みやら地方と国との問題についてのお立場をお述べになる機会を私はぜひとも持っていただきたいし、私も地方制度調査会の一員として、このことは会長に御進言をさせていただきたいと思っておりますが、その前に、いま言ったような憲法から見た大きな問題点について御見解をお尋ねいたしまして、私の質問とさせていただきます。
#71
○竹下国務大臣 地方自治のあり方の問題については私も決して人後に落ちないと思っております。ただ、今日的課題といみじくもおっしゃいましたようなこの財政の中で、どう調和を図っていくかというのが当面は考え方のぎりぎりの限界ではないかという中にまさに苦悩し苦悶をしながら、国民の理解を得て本来あるべき姿にできるだけ早い機会に返っていかなければならぬというふうに思います。
 それから、地方制度調査会等への出席の問題等につきましては、これは私の方から進んで出席させてくださいと言う性質のものではなかろうと思いますけれども、それは当然、私どもも勉強させていただかなければならない大きな課題であるというふうに認識をいたしております。
#72
○小川(新)委員 終わります。
#73
○塩谷委員長 三谷秀治君。
#74
○三谷委員 大蔵大臣にお尋ねします。
 交付税法の附則の八条で、六十一年から七十年に及ぶ臨時特例交付金の額が決定されておりますが、この残る半ばの地方負担分はどうなるのでしょうか、これをまずお聞きしたいと思います。
#75
○吉野政府委員 交付税特別会計の借入金につきましての地方負担分でございますが、当然のことながらそれにつきましては今後、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして措置をされるというふうに考えております。
#76
○三谷委員 この地方負担分は何らかの財源が付与されなければならぬものである。たとえば地方税のしかるべき移譲が行われるのか、あるいは交付税額がふやされるのか、何らかの措置がなければ、地方は何の財源も持っておるわけではありません。これは財政需要額と財政収入額の差額の補てんの手段としてとられたものでありますから、国が半ば持つというのはわかりますが、あとの半ばは地方が負担をする、その負担の財源はどこから出るのか、どのような処置でその財源をつくっていくのか、このことがなければこれはまとまった一つの処置として考えることはできませんが、その点はどうなんでしょうか。
#77
○吉野政府委員 お尋ねの御趣旨は具体的に、たとえばそれが税収によるのか、税収によるとすればいかなる税目によるのかといったようなことかと存じます。これは地方交付税特別会計あるいは地方財政の債務についてのみならず、現在国が発行いたしております大量の公債についても、この国会におきましてもしばしば御論議のある点でございます。膨大な公債を抱えて国は一体いかなる財源で償還をしていくのか、その財源調達計画というものがあってしかるべきではないかというような御議論でございます。
 私ども繰り返しお答え申し上げておりますのは、いずれにいたしましても、どのような財源でこの公債を返していくかということになりますと、かなり長期にわたります国、地方を通ずる経済あるいは財政全体の姿を想定いたしまして、その中での国、地方団体の財政の姿を想定いたすことが前提にならなければならないわけでございますが、長期にわたりましてそのような具体的な見通しを立てるということは、現時点におきましてはきわめてむずかしい、むしろ不可能に近いというふうに考えているわけでございまして、そういう意味から、具体的な償還財源をお示しすることは困難であるというふうに申し上げて、御理解をいただくようにお願いしているわけでございます。
#78
○三谷委員 そうしますと、お先真っ暗な全く返済計画のない借金を累積する、これがつまりいまの政府の地方財政計画なんでしょうか。そして先ほど大蔵大臣は、地方財政の問題を言う場合に国の財政の問題を言わないことに考えておるとおっしゃいましたけれども、これはまさにそのとおりなんですよ。国の財政をどうとかいうことは、いまここでは言う場所じゃありませんから言いません。国の財政問題全般を論議するとなりますと、高度経済成長政策に基づく金融あるいは税制、予算、そういう制度全般について論及しなければならぬものであります。これはここで議論をする余裕はありません。しかし、自民党が選ばれたのは、高度経済成長政策に基づいて、税につきましては特例的な減免措置をとっていく、予算は産業基盤中心の建設公共投資を重点とする、そして金融などにつきましても、そういう趣旨に立つ金融制度を充実するというふうにやってこられたわけなんです。ですが、その結果、地方財政も行き詰まってきた。それは自民党の政策選択によった結果でありますから、したがって、いまここで国の財政がどうこうということをおっしゃるのは論理が通らぬわけであります。
 しかしながら、地方財政問題、地方自治問題はそれとは別個にきっちり解決してもらわなければならない。これがいまの憲法のたてまえでありますし、地方財政法や地方交付税法に明らかにされております地方自治の本旨だとか地方財政の自主性、そういう言葉が数多く使われておりますが、そういうものだと思っておるわけであります。国がこの八条の三で負担すべき額を明らかにされる際には、地方はどのようにしてこれを持つべきか、これを返済すべきかという方針を示してもらわなければ、国家から出す臨特だけはこれとこれとこれである、しかし地方の負担する財源は何か、これは何もわからぬ、お先真っ暗である、これでは少しひどいじゃないですか、大臣。どうお考えでしょうか。
#79
○竹下国務大臣 私が申しておりますのは、少なくとも地方自治の本旨とかいうものに対応していく場合に、国の財政がこの状態であるからそれはとてもできないことですという、国の財政に籍口した形の政治姿勢は持つべきではないということを申し上げたのであります。しかし、地方の苦しいこと、これは私どもも十分理解のできるところでありますので、現実問題としてさればどこにその調和点を求めていくかという議論になりましたときに、たび重なる議論の中で、結果としていま御指摘のような措置をとっておるというふうに御理解をいただいて、将来の問題はまるっきり出たとこ勝負でやっておるということではなくして、今後の財政等々経済全般にわたるところの各般の見地からしてこれに対応していかなければならない課題である。いま特定のこの税目をもって補てんしますとか言うべき性格のものではないのではなかろうかというふうに考えておるところであります。
#80
○三谷委員 国が交付税特会の借り入れについての半額負担分の返済計画をこの交付税法の中でお盛りになって、ここに明らかにされておる。しかし、全体の問題はこれで終わるわけじゃないのです。国がそういう交付税特会の借り入れについての返済処置をお決めになるときには、地方の方はどうしてやるかということもあわせて明らかにされる必要があるものだ。国の方だけは臨特を出してやる、地方の方はどうするのか、地方の方はこれからだ、先のことはよくわからぬけれども、そのたびそのたびでやはりやっていこうということでは、これは計画としても展望としても全く不明確なものでありますから、これでは困るのではないかということを申し上げておるわけでございます。
 そして、時間の関係がありますから一つ一つのお尋ねはできませんけれども、たとえば今日における交付税の実率といいますか、国税三税に割り戻しました交付税額、これを見ますと、もう五十一年以後四〇%になっています。こういう処置がずっとなされてまいりました。そして、国税総額における比率をとってみますと、大体三〇%、これは多いときには三三%になっておりますが、それぐらいの実際の比率になっておるわけであります。そして、先ほどお尋ねがありましたように、交付税法の六条の三の二項でありますか、これこれの場合には税率の改定あるいは制度の改正を行って、その基準財政収入が基準財政需要に及ばないところを補てんをするという規定があるわけでありますから、この法の規定に従った処置を当然とってもらう必要がある。それがとれないというのはどういうことなのかよくわかりませんが、それをいま私が申しましたように、国の財政が行き詰まったからということでやってもらいますと、地方にとっては何の責任もない責任問題だけを転嫁されてしまっていくということになってくるわけでありますが、ここのところ、どうも論理的に私どもよく理解ができませんので、お尋ねしたいと思うのです。
#81
○竹下国務大臣 国と言わず地方と言わず、確かに財政という問題、端的に申しますならば恐らく五十五年度末の公債発行額等を見ますならば、国、地方合わせれば百兆円程度になるのではなかろうかというふうに思います。したがって私は、財政というのは総合性の中に存在するものでありますだけに、国がこうだから地方はだめだというべきものではなく、絶えず地方自治の本質というものに対応する政治姿勢というものは持つべきであるけれども、とはいえ、地方そのものが全体の財政再建の中のいわゆる例外に置かれるべきものではない、そこに理解と協力を求めながら、将来われわれとしていかなる対応策をしていくかということが、これからのお互いの課題であるというふうに私は理解をいたしております。
#82
○三谷委員 抽象的でよくわかりませんが、自治省が発表されました地方財政収支試算を拝見をしますと、これは昭和六十年度におきましては、三兆六千二百億の地方税の増税というものが不可避になっております。これは毎年度増税が行われまして、五十九年度が三兆二千億、五十八年度が二兆一千億、五十七年度で一兆二千億、こういう計算になっておりますが、これはどのような税金をお考えになっているのか。つまり、いまの交付税特会の借り入れなどの処置、これがこのような税金として新しく国民に転嫁されてくるということになってくるものでしょうか、お聞きしたいと思います。
#83
○矢野政府委員 先般お示しをいたしました地方財政収支試算における税収の見積もりにつきましては、御承知のように、暫定試算に基づく租税負担率の上昇というものを前提とし、また、現在の国、地方間の税財源配分に変更がないという前提のもとで試算をしたものでございまして、その内容につきまして具体の増税の計画というものを持っておるものではないのでございます。
#84
○三谷委員 そうしますと、この収支試算というものは何ら具体性のあるものではないというわけでしょうか。そうしますと結局、いま累増する地方債あるいは交付税特会の借り入れ、こういうものが年々膨張していくわけでありますが、それを基礎にしまして出されました収支試算、これは結局、この試算で見ると住民に対する税の増強という結果になってくるわけですけれども、方向としてはその方向を示しておると見ざるを得ぬわけですけれども、そういうことなんでしょうか。
#85
○矢野政府委員 繰り返しになりまして恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、国の経済計画というものを前提にして試算をしたところの見積もりでございますので、したがいまして、国の経済計画の暫定試算におきまして租税負担率が上がってくるということを見込んでおる、その姿を反映をしておるものでございます。
#86
○三谷委員 四月十日の当委員会で自治大臣は、総選挙の結果、地方消費税は国民から否定されたとおっしゃいましたが、大蔵大臣はどういう御見解でしょうか。
#87
○竹下国務大臣 これは私ども国会で御決議をいただきまして、その国会の御決議というのは私は、大変専門家の方がお集まりになって、工夫しておつくりになった決議であるというふうに理解しております。政府が中期答申に基づきまして諸準備を行いましたところのいわゆる一般消費税(仮称)というものを財政再建の手法としてはとらない。ただ、この消費一般にかかる税そのものが否定された場合、そういうものがこの税制というものの体系の中にもあるいは学説の中にも、その消費一般にかかる税金そのものが否定されることはいかがであろうかということから、いわゆる一般消費税(仮称)という手法をとらずして、各界各層の意見を聞いて、歳入歳出両面からして財政再建の手だてを模索しろ、こういう御決議の趣旨になっておるわけでありますので、私はその御決議をそのまま素直に受け継ぐべきでなかろうか。いわゆる一般消費税(仮称)と同じものがされば、五十五年は別として、五十六年に採用できる環境にあるとは私も思いません。
#88
○三谷委員 どうも大臣のお答えは、非常に該博な知識をお持ちでありますから広範囲にわたりまして、私どもの頭では理解を超えるような余韻があるわけでありますが……。
 そうしますと、いまの国の財政経済計画から割り出しますと、地方財政の五十五年度ベースによる収支試算というものは増税が避けがたい、増税を考える以外には手法がないということになり、その試算の結果、いま申しました地方税の増額というものが毎年度におきましてここに示されておるわけでありますが、結局、これは格別の具体性のあるものではないとおっしゃいますけれども、とにかくいま試算をつくるとすれば、こういう試算以外には組み立てようがないという状態になっておるわけのものでしょうか。そうしますと、これは自治省がこういう試算をしたということは、基本的には、国の財政やあるいは経済の計画によるものでありますから、これは国の計画の延長路線のものだというふうに考えるべきものでしょうか、どうでしょうか。
#89
○土屋政府委員 先ほどから御議論のございます五十五年度の地方財政の収支試算というのは私どもとしては、できるだけ中長期的な見通しに立って適切な運営をすべきだと考えておりますが、現段階ではそういったものとして頼るべきものは、経済審議会の企画委員会でおつくりになりました昭和六十年度経済の暫定試算、暫定的な姿を描かれて、それで六十年におけるもろもろの経済指標、そのときにおけるいろいろな水準というものが示されておりますので、そういったものを手がかりにし、また、その際における国民の租税負担率が二六・五%である、そういうことを前提として、そういった水準と五十五年度とを等率に結びつけた形で一つの試算をしたものでございまして、そこで示された姿に到達するのを等率で見ればこういう形になるんだということでございますから、具体的な各年度のものはそれぞれ、こういうことにしたいという明確な政策を示すわけではなくて、むしろそういった過程においてここで見込んでおりますいろいろな歳出動向というのがどうなるのか、あるいはまた税の動向がどうなるのか、そういったもろもろの要素を見ながら、私どもとしてどういうふうにして財政運営をしていったらいいかという、一つのまさに手がかりとしての試算でございます。したがいましてその中において、いまのような指標に近づくためには、一応の増税という形のものもございますけれども、この年度でこれだけ増税をするという具体的なものではなくて、あくまでも六十年度に近づくにはそういう形になるが、それがいいのかどうなのか、そういったことも含めて中身についていろいろ検討する、まさにそういった意味での資料であるというふうに認識しておるわけでございます。
#90
○三谷委員 いろいろおっしゃっておりますけれども結局、現状で地方財政の収支の展望をつけようとすればもうこれしかないということよりとりょうがありません。他にほかの計画などが並列的に出ておればそれは別でありますが、これによりますと、増税というものが非常に大きな比重を占めておるわけでありまして、こういうことが今後実際的に追求されるとしますと、これは大変なことであります。これは国の国債などの償還に伴います国民負担というものもお考えになっておるるようでありますし、それから、地方債やあるいは特会の借入金の返済等というものが地方税の増収になって、ダブルパンチになってかかってくるというふうになってきますと、これはいまの国民の状態からしまして負担能力を超える額に達するというふうに思いますが、その点、大臣はいかがでしょうか。
#91
○竹下国務大臣 財政収支試算、これは国と言わず地方と言わず、新経済社会七カ年計画、御案内のとおりでございます。これは昨年の二月閣議決定されたものでございますが、それを年々見直そうというので、簡単に言いますとフォローアップ作業というのを行っておるわけであります。そのフォローアップ作業というもので変わってきましたのが、平均成長率の実質が五・七であったものを五・五に落とした。名目が一〇・三であったものを一〇・六に上げた。それから鉱工業生産指数五・六を五・八とした。それから卸売物価を三%程度としたものを五%程度とした。そうしてその他の問題につきましては、公共投資がおおむね二百四十兆とか社会保障移転の対国民所得比が十四カ二分の一、租税負担が二十六カ二分の一等々の現計画に基づいて、そうして、それを前提に置いて各年度均等的にグラフをつくってみればあのようなものができる。したがって、これはやはり地方財政計画なりあるいは国の予算なりの審議をしていただくための一つの手がかりとしての価値というものは、五年間続いてやったわけでありますから、それなりに評価していただけたときもあった。しかし、これはだめだから財政計画そのものをつくれというような御要請もきつく、そしていま財政計画そのものの作業に取りかかっておりますが、これは他の国々におきましても、それをつくるためには十年かかったとかいろいろな歴史がありますので、むずかしい問題ではございますものの、鋭意部内で検討を進めていこう、こういう段階になっておりますので、これが増税計画そのものを示したものではないというふうに御理解をいただきたいところであります。
#92
○三谷委員 時間が参りましたけれども、交付税率の引き上げ、これは急いでやるべきだ。それで、財政の問題をしばしばおっしゃいますけれども、一つの考え方は、歳出の純計を見ますと、地方が七、国が三ということはもう数年来明かな事実であります。幾らか端数があります、三・三かあるいは六・七か。これが歳出純計です。ですから、実際には国から財源が地方に移転をされている。その移転されますのがいろいろな名称があるわけであって、交付税もあれば負担金、補助金もある、あるいは譲与税もある。いずれにしましてもこれは移転されている。その移転される中で、交付税の率を引き上げて一般財源を強化するという処置をとりますならば、全体の財源がどうとかこうとかいうことにはならぬわけであって、そういう処置をとってもらいたい。これがとられていきますならば、それじゃ交付税をふやしたら補助金が足りなくなってくるじゃないかというふうな議論があるかわかりませんが、補助金が足りない分はそれはそれで国のベースで検討してもらう。地方の問題としては、一般財源を確実に保障するという処置をまずとるべきだと私は思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#93
○竹下国務大臣 私は国が分担すべき行政、そしてまた地方で分担されるべき行政、そこにいろいろな議論があるところであると思うのであります。だから、可能な限り自主的に、いわゆるひもつきでない財源を付与すべきであるというその考え方は、私は決して否定するものではございません。ただ、現下の厳しい財政事情の中で私どもは、いま交付税率そのものに手を染める環境にはないというところで、このように国会の問答等を通じながら御理解と御協力をいただきつつ、行政府は行政府として、大蔵大臣、自治大臣あるいは両省の事務当局等が知恵をしぼりながら対応しておるのが、今日の現実的な姿であるというふうに御理解を賜りたいと思います。
#94
○三谷委員 これは三二%になりましてからすでに十五年を経過するわけでありますが、その間、交付税率の引き上げの問題は、懸案の事項として繰り返し論議されてまいりましたし、決議等もなされてまいりました。今日におきましてそういう環境でないとおっしゃいますけれども、そういう環境でないというのは何を根拠におっしゃっておるのか、恐らく国の財政がどうこうとおっしゃると思うのです。ですからそこのところは、もう十五年もたって、しかも異常な地方財政の行き詰まり状態が明らかになりましてからすでに六、七年になるわけでありますから、これは法律に基づく処置を適正にとるというのが政府の責任であって、そうでなければ余りにも無責任であり、無能である。結局、この地方財政の破綻といいますか国家財政の破綻といいますか、これは自然的なものではない、自動的なものではない。要するに政策が選ばれて、その政策を執行されました結果あらわれてきた破綻でありますから、この破綻の責任を明らかにするということは当然やってもらうべきものであって、そのためにはまず、さっき申しましたようにいろいろな点がありますが、それを考えながら、国から地方に転移します財源の中で交付税の率を上げてもらうということをやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それから、時間の関係でもう一つお尋ねしますが、五十二年の三月十五日に施行されました廃棄物処理法の施行令によりまして、地方自治体がごみの最終処分を委託する場合、業者に処分場所や処分方法を示さなければならなくなったのです。しかし、実際には処分地を持っていない自治体が大都市周辺におきましては圧倒的に多いわけであります。そこで、いままでは業者委託をして不法投棄をしておる、法令違反をやっておったわけでありますが、これでは有毒廃棄物が無計画に廃棄拡散されるわけでありますから、これをお尋ねをしました結果、厚生省、環境庁両省の調整が行われまして、そして大規模の最終処分場を首都圏と近畿圏につくろう、こういう方針が決まりました。そして調査費が五十三年以来計上されてまいりましたが、ことしは公団をつくるというふうな要求がありまして、その費用が認められないという結果になったわけでありますが、このごみの問題について大蔵はどのような御見解であるのか。公団、必ずしもそれでやらなくちゃいけないという性質のものではありませんが、どのようにしていわゆるフェニックス計画を実行するというお考えなのか、これをお尋ねしたいと思う。
#95
○竹下国務大臣 まず、ごみの問題につきましては私、詳しくわかりませんので、これは事務当局の答弁でお許しをいただきたいと思います。
 そこで、最初の点でございますが、とにもかくにも、いろいろ模索し苦悩しつつも地方財源不足額について、臨時地方特例交付金の交付、交付税特会の借り入れ及び建設地方債の増発ということで一応、それなりの完全補てんをするというのがいまの場合私どもにとっての至上命題であった、その工夫の結果を御理解と御協力をいただかなければならない課題であるというふうに最初の点は考えます。
 ごみのフェニックスの問題につきましては、事務当局からお答えをいたさせます。
#96
○吉野政府委員 フェニックス計画に関連いたしまして廃棄物処分の問題でございますが、私どもも首都圏あるいは近畿圏におきます廃棄物の処分をどうするかという問題につきましては、いずれにいたしましても関係の地方公共団体あるいは関係各省にとりまして、非常に重要な検討課題であるという考え方を持っております。ただ、五十五年度予算要求といたしまして厚生省それから運輸省から、それぞれ別途の公団設立の要求があったわけでございますが、私どもといたしましては、行政改革を積極的に推進をしていくさなかでもございますので、公団の新設というような彩で対処をするということにつきましては基本的に問題があるのではないかということが一つ。それからもう一点は、厚生、運輸両省それぞれ同じような要求があったわけでございますが、結局、両省間で調整がつかなかったということもございまして、五十五年度予算の要求には応じなかったということでございます。
 しかし、冒頭申しましたように、この問題の重要性はそれなりに認識をいたしているつもりでございますので、それぞれ厚生、運輸両省に調査費を計上をいたしております。私どもといたしましては、両省の検討の結果を踏まえましてよく御相談をしてまいりたい、かように存じております。
#97
○三谷委員 運輸、厚生両省にお尋ねします。
 五十五年度予算については両省から、公団新設要求という形の広域処分場推進計画が出た。しかし、これはいまおっしゃいますように退けられた。今後、推進形態が公団方式がいいかどうかも含めまして、両省はどのような展望を持っていらっしゃるのか。両方が引っ張り合いをしたために事業がおくれてしまうということになっていきますとこれは本末転倒でありますから、この点はどうなのか、お尋ねしたいと思います。
#98
○小林説明員 首都圏、近畿圏を初めといたします大都市圏の廃棄物の最終処分空間を確保していきますために、規模の大きな事業でございますので、まず、事業主体を確立をし具体的な検討に入っていくべきだと考えております。そのため現在、事業主体のあり方等を中心に鋭意検討を進めているところでございまして、運輸省を初め関係者とも十分協議の上検討してまいりたい、このように思っております。
#99
○高田説明員 廃棄物の処分に関しましては、陸上処分の適地の確保が非常に困難になっておるということから、海面の埋め立て処分に頼らざるを得ないというのが現状であろうか、そう考えます。こういった要請が今後ますます強まってくるものと考えておりますので、そういった要請に対応すべく運輸省といたしましては、現行制度で持っております廃棄物の埋め立て護岸の整備、これをなお一層促進するとともに、関係者が共同で利用できる広域的な廃棄物埋め立て処分場、こういったものについても、関係省庁と十分連絡をとりながら今後積極的に検討を進めてまいることとしております。
#100
○三谷委員 聞いたことについてお答えになっていないわけですが、いま聞いた範囲ではお互いにまだけっぱり合っている。厚生省は厚生省で、いろいろ他省庁と連絡をとりながらと言っているけれども自分流の主張をしているし、運輸省も同じことをやっていますが、自治大臣、これでは困るのは地方自治体です。ごみの始末に困ってしまって、大阪などはどんどん山間部に持っていってほかしておる。有毒廃棄物なんです。こういう状態でじんぜんとして日を送るとこれはえらいことになりますから、大臣の方もひとつごあっせんを願ってまとめてもらって、来年度から事業に着手ができるようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#101
○後藤田国務大臣 大都市行政で一番肝心なうちの一つは廃棄物の処理の問題だと思います。ただ、いま両省の話をここで初めて私、聞いたのですが、全然考えが熟しておらぬように思います。もう少し関係省庁よく協議しまして、できるだけ前向きで検討してまいりたい、かように思います。
#102
○三谷委員 終わります。
#103
○塩谷委員長 河村勝君。
#104
○河村委員 先ほどから地方財源不足額の補てんの五十年度以来やっている対策についていろいろな角度から質疑がありましたが、正直言って満足なお答えがない。とうていきょうここでどうこうという問題にもなるまいと思いますので、余り細かい質問は避けますが、大蔵大臣の答弁で、多少少しでもこれから何か解決の展望でもできるきっかけにでもなるような返事があるのかと思って一生懸命聞いていましたけれども、どうも言葉のあやだけでさっぱりなさそうであります。
 おっしゃるのを聞いていますと、国の財政難に籍口するような政治姿勢はとらない、それから、地方自治の本旨というものは大切にせねばならぬ、そこまではいいけれども、地方財政といえども国全体の苦しい状態の枠外に出るものではないから、そこで大蔵、自治でお互いに話し合い折れ合って、一致点を見つけてやっていくしかないのだということであれば、前段の財政難を籍口しないというのも地方自治の本旨を尊重するというのも消えてしまって結局は、もう大変苦しいのだから、この辺で折れ合ってやろうじゃないかということしかないのですね。それとも、大変りっぱな文句をお使いになるからには、地方自治の性質からいって、いかに国の財政が苦しくても、そういつまでもいまのような矛盾したやり方を続けていくわけにはまいらないから、苦しい状態が続いておっても早晩、何かの手を打たねばなるまいという意味でおっしゃっているのかどうか、その辺のところをもうちょっと正確に答弁をいただきたい。
#105
○竹下国務大臣 河村委員、私のお答えを的確にしかも端的におまとめいただいての御質問でございますが、私はその御指摘になったとおりでございまして、私自身が絶えず申しておりますことは、あるいは御質問の趣旨に沿わないかもしれませんけれども、いわゆる国の財政、すなわち大蔵省万能的な物の考え方の政治姿勢というものは改むべきものであるという考え方を持っておりまして、それが私の表現の中にそのような形であるいはあらわれたかもしれません。しかし、大蔵省へ参ってみますと、査定などという言葉は、部内のみずからを査定するというような立場で使われた言葉であって、あくまでもその予算の調整権の中にあるべきだという基本姿勢は、歴代ずっと見てみますと、それなりに貫かれておる状態だなという認識を私は持っております。したがって、あくまでもそうした姿勢で臨まなければならないという基本的なスタンスをまず申し上げたわけであります。
 そこで、現実の問題においては、後段でも御指摘のございましたように、その協調融和の中で、現状はどの点でもって調和点を求めるかということにいかざるを得ない、それだけの厳しい環境であるというふうに思います。しかし、国全体がそうであっても、まず一番大切なのは当然のこととして国民であります。そうして、最も近いところにあるものが国民のニーズを一番よく知っておるというような観点の姿勢を、これからも貫くべきであるという趣旨で私は申し上げておりまして、現在、手品のように何かすばらしい発想が出てくるというような環境にはないし、私にもその能力はないというふうに考えておるところであります。
#106
○河村委員 国と地方とが折れ合うというところまで一応認めるとしましても、二兆五百五十億のうち、半分がさっきから話が出ているように建設地方債、半分が地方交付税ということにはなっているけれども、地方交付税特会の一兆二百五十億のうちのそのまた半分は国が持つけれども、あとは地方ですね。そうすると、折れ合ったと言うけれども、半々じゃなくて二対一ですね。これではやはり、国の方が苦しいから、国の方の泣き方は地方の半分、地方の方が三分の二泣けということと同じじゃないかと思いますが、そんなことで折れ合ったということになるのでしょうかね、いかがでございますか。
#107
○竹下国務大臣 いまの点だけを御指摘いただけば、私はそのような議論もなし得ることであると思うのであります。ただ、総体的に一般財源というものがどのような形で地方の行政の中に位置づけられておるかということを見ますと、とにかく、財源不足額というものを何とか完全補てんをするという点におきましては、現状においてはいまの姿がぎりぎりで一理解と協力を求めていかなければならない問題ではなかろうかというふうに私は認識をいたしております。
#108
○河村委員 御返事よくわかりません。わかりませんが、五十三年度の地方財政対策をつくるときにつくられた五十二年十二月二十三日の大蔵大臣と自治大臣との覚書がありますね、これは現在でも生きているのか、それから、これをまだ当分生かして続けていくつもりなのか、どうなんですか。
#109
○吉野政府委員 ただいま委員御指摘の五十三年度の地方財政対策を策定いたしました際の両大臣の覚書は、これは昭和五十三年度の地方財政対策に関連しての覚書でございます。そのまま継続しているかという御質問へのお答えになるかどうかでございますが、その後、昭和五十四年度におきましても、それからまた昭和五十五年度の地方財政対策を決定いたしました際にも、ほぼ同趣旨の覚書をそれぞれ毎年度、両大臣間で取り交わしていただいてございます。
#110
○河村委員 毎年度つくるなら、五十三年度が一番最初のときですが、昭和五十三年度以降地方財政が好転し云々するまでの間、各年度の対策はこうするのだということになっていますね、これは一体どういうわけなんです。毎年度つくるものなら、あんなこと書く必要ないじゃないの。
#111
○吉野政府委員 失礼をいたしました。昭和五十三年度の覚書には、ただいま御指摘のような「昭和五十三年度以降、地方財政が好転し、あるいは地方税財政制度の基本的改正が行われるまでの間、」ということで、幾つかのポイントを覚書の形で書いてございますが、御承知のようにこの部分はその後、五十三年度予算と並行いたしまして法律事項にされてございますので、以後、五十四、五十五年度の覚書を交換していただく際には、すでに法律事項にもなっておりますのであえて記載をされていない、こういうことでございます。
#112
○河村委員 それでは、本質的な問題はとても確たる答弁はいただけないでしょうが、交付税特会が資金運用部から金を借りて、国の負担部分ですね、これを五年据え置き、十年賦で国が償還をする、それを特例交付金で返していく、一体なぜこんなややこしい手口をいつまでもやっていなければならないのか。国債を発行して資金運用部に持たせれば同じことですね、なぜこういう妙なやり方をしなければならないのか、特別な意味があるのですか。
#113
○吉野政府委員 地方財政対策を考えます場合に私どもは基本的には、いわゆる財源不足額につきましては、できるだけ地方債の増発によって対処していただきたいという考え方を持っているわけでございますが、その残余につきましては御指摘のように、交付税特別会計で借り入れをして、その後、これを計画的に償還をしていくという形をとっているわけでございます。
 国が公債を出して、その分だけいわば純粋の交付税として措置をしたら同じではないかという御質問でございますが、私は考え方として違うというふうに考えております。つまり、交付税特別会計で借り入れをいたしまして、それに対して二分の一国が負担をするわけでございます。これが法定化をしてルール化されているわけでございますが、残余の二分の一はいわば交付税特別会計の負担において返すというものでございます。したがいまして、この交付税特別会計での借り入れにつきまして、国が借り入れの償還について二分の一を負担をするということでございまして、あくまで国が本来的に交付税という形でストレートに対策を講じたものではない、そういう意味で考え方が違っている、かように考えております。
#114
○河村委員 へ理屈みたいなもので、交付税特会が資金運用部から借りる金の半分は国が負担する、半分は地方自治体が負担するんだから、その国が負担する半分の分はどっちみち後で償還のときには特例交付金で賄うなら、国債を発行して特例交付金を支給した方がよっぽどきれいだし、結果は同じことでしょう。だから、その考え方というのは一つのへ理屈みたいなものであって、つくる際にはほかに何か実質的な意味があったのではないかと私は思いますが、特別な理由はなかったのですか。
#115
○吉野政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、交付税特別会計の負担においてまず借り入れが行われて、それが交付税として地方公共団体に配付をされるわけでございます。その償還につきまして、国が二分の一負担しているわけでございますが、それはあくまで交付税特別会計の借り入れの償還について、国がどの程度負担をするかという問題でございまして、国がストレートに交付税として地方団体に交付をするというものと考え方において差異があるということでございます。
#116
○河村委員 しかし、それは全くそれこそ地方自治の本質を忘れたものであって、本来、基準財政需要に対する不足額というのは交付金でもって賄うべきものだ。だから賄われる部分は当然、優先的に通常の交付金にすべきであるが、一歩譲って、それが三二%を変更したくなければ特例交付金でもいい、まず賄う。そして足りないところを、それは仕方がないから、地方自治体が資金運用部から借金をするというのが筋道じゃないですか。その理屈というのは、何にも理屈にはならないでしょう。大蔵大臣、そう思いませんか。
#117
○竹下国務大臣 河村先生の御発言を聞いておれば、まさにそれも一つの見解である。そして、いままでの経過を聞いてみると、私も説明を聞いただけでございますけれども、それができたときからの経過からすれば、現状における一つのやり方かなというふうな理解の仕方でございまして、完全にいまの議論を消化する能力が、現時点においては私にございません。
#118
○河村委員 だけれども、さっきの主計局次長の説明を聞いていると、財源不足額があったら、それは地方自治体が借金して地方債で賄うべきものだ、それがたてまえだ、こう言うのでしょう。そいつは全然話が逆でしょう。
 まず国が本来、この差額を交付金として補うべきものだ。それが本来のたてまえなんだ。だけれども、地方交付税率を三二%をアップしたくないというところで、一部は現に特例交付金を使っておるわけだ。だから、特例交付金を出してはいかぬという理屈は何もない。そんな妙な借金制度を使うよりは、同じ結果になるなら、国がまず国債を発行して、それで特例交付金としてその分を交付すれば、その方がよっぽど地方自治の本旨にかなうんじゃないですか。地方交付税法の法則にもかなうわけだ。そうでしょう。
 だから、私は全部国が持てと言っているわけではない。どっちみち半分は国が持って、償還する際には特例交付金で償還するんだから、それならその分を初めから出しちゃったらいいじゃないか、同じことじゃないか。だから、別段これで国の財政負担がふえるわけでも何でもないんですよ。それならちゃんと筋道どおりやった方がよろしいし、かつ手間も省ける、わざわざ資金運用部から借りてそれを年賦で償還するなんて妙な手続をとらなくても。そういうもんじゃないですか。
#119
○吉野政府委員 御指摘のように、全くそのそろばん勘定だけで申しますれば、交付税特別会計の借入金のうち国が負担すべき部分、これを公債という形でまず国が借金をして、それを国が順次償還をしていくというのと、その部分を交付税特別会計の借入金にしておきまして、その借入金の償還の都度国が負担をしていくというのとは同じことになろうかと存じます。ただ、これもまことに繰り返しになって恐縮でございますが、交付税特別会計と一般会計とは会計を区分をして経理をしているわけでございます。それで基本的には、地方に交付されるべき交付税は交付税特別会計で処理をされるべきものでございます。そういう基本的な考え方に立ちまして私どもは、交付税特別会計での処理をまず考えるべきである。その場合に、交付税特別会計が資金運用部資金から借り入れの余地がございます場合には、その借り入れによって交付税特別会計自体がともかく賄っておく。その借入金につきましてその後、交付税特別会計の負担の状況を考慮いたしまして、その二分の一を特別に国が負担をする。そういうルールによって処理をしていくのが、この一般会計と交付税特別会計と区分経理している趣旨にもかなうのではないか、かように考えているわけでございます。
#120
○河村委員 それは本末転倒だと言うのですね。どっちみち特例交付金にしたところが特別会計に入るのだから、特別会計で処理することには変わりない。それなら、そろばん勘定が同じなら本来、財政需要に対する財源不足は国が出すというのが約束事なんですから、だからそうすべきものなんだ。
 大蔵大臣、これは本当は理由があるのですよ。五十二年、五十三年ごろというのは大蔵省が、一般会計に占める国債依存度を三〇%以内に抑え込むということを至上命題にしていた。そうすると、わずか何千億、あのときは幾らだったか私もちょっと、数字を見ればわかりますが、その分だけ特例交付金で交付すると三〇%超すのですよ。そうすると、この枠だけは死守したいわけだ。それだもんでこういうややこしい手口を用いたわけです。だから、そのときには大蔵省の立場から言えば、いい悪いは別にしてそれなりの理由があったんです。それで三〇%を守れるもんなら守った方がいいという理屈もあったでしょう。ところがその後、それは突破してしまって、三〇%というのは防衛線の意味がなくなってしまった。マジノラインを越えてしまったら、こういう微細な出入りというのは余り意味がなくなってしまう。そのときはそういうことがあったから、こういうしちめんどうくさいことを使ったけれども、もはやその意味がないんですよ。
 そこはもとのところを言わないと、何でこんなことをやったのかわからなくなってしまうんです。だから、そういうあれがなくなったら、もちろん私らは国債をこれ以上増発していいというつもりは毛頭ありません。だけれども、資金運用部から金を借りて償還しても同じことなんです。それなら、交付金で賄えるものは賄ったらよろしいんで、これは大蔵大臣、ことしはこれで仕方がないけれども、こんなばかげた回りくどいことはやらぬ方がいいですよ。本来なら国は、国債を出して特例交付金で交付する、残りの半分も地方債で賄わして、むしろ赤字は赤字ではっきりさせた方が、これからの再建にはいいかもしれないと思うくらいで、もっと単純明快に扱った方がよろしい、こう私は思うのですよ。お考えいただけませんか。
#121
○竹下国務大臣 いま河村さんの御意見を聞きながら、河村さんが政審会長をしていらっしゃる当時に、私も同じような説明を受けた記憶はあるんです。しかし、それは率直に言って私、忘れておりまして、いまの御議論を聞きながら、確たる自信がないままにそういうことを想起したという感じはいたしますが、私も素人でございますから、ここでミスリードしてもなりませんので、十分勉強させてください。お願いします。
#122
○河村委員 行政改革の問題ですが、この前予算委員会の集中審議のときに、財務局の下部機構である府県単位の財務部を全部やめたらどうだという提案をいたしました。これは地方分権という立場から、知事会等から非常に強い要求がある事柄ですね。とにかく、資金運用部の金を取り扱うというのを大義名分にして、それで起債やら補助金の申請手続やらにむやみと介入をして、これが非常に邪魔になっているわけです。それから、経済調査という名目でいろいろな要求をする。だからいまや極端に言えば、地方財務部というのはマイナスの要素の方が多いんですね、二重行政、二重監督。だから全部なくせという主張をいたしました。
 ところが、ついこの間の三月二十八日の閣議決定、ブロック単位の機関の行革計画、これで見ると、五十五年度末までに北九州財務局と南九州財務局を統合する、大蔵省関係はこれしかないんですね。こんなのはもうあたりまえ過ぎて、ばかばかしいぐらいです。それは地方の抵抗はありましょう。むしろ全部なくすといえば逆に個々の抵抗はなくなるかもしれないが、二つあるのを一つにしろなんというのは非常に抵抗が多い。しかしそれにしても、九州にブロック機関を二つ持っている役所というのは大蔵省しかないですよ。もともとよけいなものだったんで、これを一つにするのは行政改革以前の問題ですわね。一体財政再建の最大の責任官庁である大蔵省がこんなことでよろしいとお考えであるのかどうか、それを伺いたい。
#123
○竹下国務大臣 きょう実は法案が大体でき上がりまして、南北の九州財務局を統合するわけでございますが、私も行政改革について河村さんの意見をたびたび聞かされておりまして、一口に言えば、まず隗より始めよということで、行政管理庁と大蔵省がまず好むと好まざるとにかかわらず隗にならざるを得ないかということを支分部局の問題においてやるわけです。これについても確かに大変な抵抗があるものだということを私、役人をしたことがないものですからもっと簡単に考えておりましたが、大変なものであるということをしみじみと感じました。しかし、これはこれでやらなければならぬと思います。
 次に、六月末までに今度は府県単位のものに手を染めようということが、御指摘の昨年の十二月の閣議で決定いたしておりますので、この点についていまから検討に入らなければならぬというふうに考えております。確かに、これは河村さん自身もそうであったと思うのでございますけれども、終戦後、雇用の場としてそれなりの存在意義というものは私はあったと思います。しかし、これでいいと私も思いませんので、まあ主たる業務であるのが三つあって、いわゆる国有財産の管理と金融機関の指導と、もう一つは、言ってみれば国立資金運用部銀行業務とでも申しましょうか、そういう点について、私なりにいま手がけなければならないという姿勢でやっとこさ作業にかかりつつあるという状態でございまして、私もやってみて、役所に一日も勤めたことのない私でございますだけに、これはよっぽど構えてかからなければできることではないなという認識をますます強くしておるというところでございますので、六月末までにはどうしてもそれなりの私なりの検討の結論は出さなければいかぬと思っておるところであります。
#124
○河村委員 簡単なものであるなどとは夢にも考えていないのですけれども、しかし、いま全体の世論がほうはいとして起こっているときですから、こんな時期にできなかったらもう永久にできませんね。きょうは時間がないから財務部のことだけ言うのであって、別段大蔵省だけ特にやいやい言うわけではございませんで、ほかにももちろんあるのですけれども、ただ、さっきも言いましたように、大蔵省はこれから、この地方交付税問題にも象徴されるように、やがては増税をやらなければならぬ時期が必ず来るでしょう。しかしその前に、やはりこれだけ国もがんばって行政費を節約をやりましたという実績は示さないと、特に大蔵省の立場はきわめて弱くて、増税と言ったってまた袋だたきに遭うということになりかねないので、せめてこのくらいのことはおやりになるべきだと私は思うのです。
 現に、これはこの間もちょっと申しましたけれども、昭和四十五年十一月の閣議決定で、「ブロック機関の下にさらに府県単位機関の設置されているものについては、原則として五年間に、府県単位機関を廃止するものとする。」そして「なお、これに伴い、特に必要がある場合には、特定の現地的事務を処理する機関を所要の地に配置する。」と、ただし書きみたいなのがありますが、こういうのがありまして、それに基づいて十二月二十二日のこれだけやりますという閣議報告、この中に、行政管理庁の府県単位の行政監察局と並んで大蔵省関係としては、「財務部を昭和四十六年度に廃止し、所要の現地事務処理機関を配置する。」そして「昭和四十六年度以降五年間以内に、財務局および財務部の出張所の約四割を整理統合する。」と、これは閣議決定に基づいて一回計画したものなんです。こういうのは一体どうして消えてしまうのか。閣議決定というのはそんなに権威のないものなのかと思って少し唖然としているのですけれども、その後全然音さたもない、どうしましたという結末をつけたということも聞かない。これでは本当に仕方がないと思うのです。
 時間が参りましたからやめますが、こういう面について、六月に結論をお出しになるということであれば大いに期待をしておりますから、ひとつ御努力をいただきたい。お願いをして質問を終わります。
#125
○塩谷委員長 田島衛君。
#126
○田島委員 大蔵大臣、五時までということでありましたが、もしそうだとすると私は、委員長と発言を求めてそれで終わりになってしまうのですけれども、どのくらい時間をいただけるか、それを伺わないと、質問の内容を変更すべきか、順序を変えるべきかわからないのですが、ひとつその辺から大臣、率直なところ時間を聞かしてください。
#127
○竹下国務大臣 五時からイラン関係の会議がございますが、私、こちらへ出かけるのに当たりまして、私の所掌分野というのは大体決まっておりますので、会議は開いておっていただきたい、委員会終了次第参ります、このように答えてありますので、お約束した時間だけは務めます。
#128
○田島委員 そこで早速、それではお伺いをさしていただきたいと思います。
 物事、そのことが実現できるかできないかということを前提に聞いたり答えたりすると、どうも食い違いが出てまいります。なかなか意見が一致しない面があるものですから、とりあえずはそれがいいことだとしても、では、すぐやれというような形ではなくて、実行するとかしないとかということはおいて、まずその前に前提として、お互いの意見の一致をぜひ見たいということで聞いてみたいと思うのです。
 それはまず一つには、納税者というのは税金を納める以上必ず反対給付を求める、反対給付を全然考えずに税金を納める者はないことは当然なんです。
 そこで、一つの例を東京都の都民の立場にとり、昭和五十二年度に例をとってみますと、都民一人当たりの負担額というのは五十九万七千八百円で、全国一位なんですね。同じ時点での全国平均というのは二十四万一千九百円。今度は実質的な配分といいますか、これは地方自治体に配分になった一切の税財源でありますから、必ずしもそれが反対給付だとは言えない。国でやってくださる仕事の中にも反対給付的なものがあるわけですけれども、一応のめどを地方団体に配付された実質的な配分の金額で見てみますと、その還元額というのは都民一人当たり二十一万一千三百円、これは全国三十四位、しかも出した税額の三五・三%に当たるわけなんです。では、全国の平均の方はどうかというと、一人当たり二十一万七千六百円で、自分で出した税金の九〇%を還元されているということになるわけなんです。こういう点を見ますと、東京都民としては大変納得のいかないような数字であるということが考えられるわけです。
 それから今度もう一つ、税財源の問題を取り上げて考えてみますと、現行の税財源の配分をこれも昭和五十二年度の決算で見てみますと、最終的に地方団体に与えられた財源というのが税総額の八〇%、そして国の方へ残されたものが二〇%。ところが租税徴収の段階では、その八〇%を実際に使ったところの地方税の方は徴収が三七・四%、国の方が六二・六%。この数字を見るとどう考えても、やはり結果的にそうなるならば、国、地方の税財源の配分というのはもう一回、慎重に検討され直していいのじゃないかということが考えられるわけです。
 その次に、地方交付税制度の現状についてでありますが、このことについては先ほど来、他の質疑者からもたびたびの御意見が出ておりますからしつこくは申し上げませんけれども、いま申し上げた東京都が府県段階における不交付団体の唯一の例。しかし、どう考えても、交付団体と不交付団体というのは、不交付団体が少なくとも三分の一ぐらいなければ、交付税法そのものの法の目的、それから地方の財政制度というものは考えられないのじゃないかという気がするわけです。そして、さらに申し上げますと、その唯一の例外であるところの東京都は御承知のとおり、毎年赤字財政、実質赤字財政であります。だけれども、不交付団体ということのために、富裕団体の大変名誉をちょうだいして、その名誉のおかげで三種目にわたる、交付されないだけじゃなくてその上に減額財政調整、財調の不利を受けているということがあるわけです。
 この東京都の立場で、本当に不交付団体として妥当なのかということを、たとえば基準財政需要額等の単位額等突き詰めていってやって、もしそれ、東京都のためにあるいは幸いになるかどうかわかりませんけれども、東京都も交付団体になったとすると、まさに不交付団体は府県段階では一つもなくなってしまう。こうなったら、地方交付税法もそれから地方税財政制度も、これはもう抜本的に考え直されなければ、漫画みたいなものになってくるだろうと思うのです。
 そういうことを考えてみたときにもう一つ、先ほどのたびたび議論のありました地方交付税法六条の三の二項、これは法律としてちゃんとそういうふうに決めてあるわけなんで、たとえばそのほかにどのような財政事情があろうとも何しようとも、もし財政事情のあるために法が、法の条文に規定したとおり守られぬというなら、その法律を変えなければうそだと思うのです。変えずにおいてほかの、たとえば大臣言われるように財政事情がこうだから制度の抜本的な見直しも交付税率を上げることもむずかしいというのは、ちょっと筋が通らないではないかと思うのですが、こういう点、一通り申し上げましたけれども、いま申し上げましたような諸点の中で、それはおまえの考え違うぞというところがありましたら、御指摘をいただきたい。
#129
○竹下国務大臣 これはやはり一つは、納税者の反対給付あるいは富の再配分とかいろいろな議論がございましょう。これに対しましては、とにかく地方税の税源が大都市に集中しておる、これは実態、事実でございますね。したがって、たとえば私の出身県のようなところは、これは本当に政治家として恥じ入るぐらい担税力がない。そうなった場合に、そこにおのずから財政調整措置としての交付税制度というものがあって、したがって納めた税金がそのまま受益者に――そのままというか、できるだけ可能な限り多くのものが返されてくるという実態には、結論から言ってならないのはやむを得ぬではなかろうか、この点だけは私もそう思うのであります。
 他の点につきまして、東京都の場合等考えてみますと、私はいままでの都政のあり方をとやかく申す考えはございません、それはそれなりの都民の選択によってそうした状態が存在しておったわけでございますから。しかしながら、いまいろいろな角度でずいぶん財政再建に取り組んでいらっしゃる。われわれも財政再建の参考にするためにお聞きするときに、本当に驚くほど――驚くほどという表現は適切でないかもしれませんが、目を見張るようなそういう姿勢をお伺いすることは確かにできておると私は思います。したがって、五十五年度の予算編成に当たりましても東京都の問題につきましては、四党の都議会の議員の方が、与党四党とでも申しましょうか、いらっしゃいまして、私どももそれに対して時間を割いてかなり突っ込んだ議論を行ったというところであります。ただ、現実問題としてさればと言ってみますときに、最初申しましたいわゆる富の再配分というものが国全体の立場に立って行われていかなければならぬということは、やむを得ないことではなかろうかというふうに思います。
#130
○田島委員 大臣おっしゃるとおり、確かに税金を出したからその何%はどこもかしこも平均に反対給付ということは無理なことだし、そこにはやはり地方団体は地方団体、国は国なりの大所高所に立ってのいろいろな施策、行政があるわけですから、余裕というものは持たなければならぬことはわかりますけれども、私自身都議会に身を置いたことがあるのですが、東京都の行財政そのものの中にも大変まずいところがある。内部努力をいま一生懸命やっておることは私も大変結構なことだと思っておるわけですけれども、いま東京都が一生懸命内部努力にがんばって、同時にまた、財政再建のために知恵をしぼっている、汗を流しているということも、東京都が府県段階での唯一の不交付団体として大変不利な立場にあることの追い詰められた一つの動きだと思うのです。
 したがって、ちょっと言い方を間違えると語弊を生むかもしれませんけれども、必ずしも東京都と同じような立場で言うわけではありませんけれども、先ほどちょっと途中で申し上げたように、やはり不交付団体をある程度の数をつくることは、地方交付税制度、地方財政制度を健全化するためにも必ずプラスになるのじゃないかと思うのです。交付されている立場よりも交付されない立場をつくることの方が、そこにお互いの努力が生まれてくる可能性が出てくるのじゃないかと思う。そういう形をつくるためには、いやでも税財源の再配分といいますかこれを考えないと、いつまでたっても府県段階での不交付団体は東京都ただ一カ所、こうなってしまう。そこらのところを大臣に、いますぐとは言わぬけれども、方向としてお考えをいただけないかどうかということ。
 それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、それについてはお答えがなかったからあるいは私の意見に同調していただいたのかなと思いますが、たびたび議論になる六条の三の二項の、つまりこのような状態が続いたら制度の抜本的見直しかしからずんば税率を上げろということになっておることについて、国の財政からいって、それは気持ちはわかるけれどもなかなかできぬというお答えがずっと続いておったようですけれども、法律がそこにある以上は、その法律の条文を妥当なように変えるかしからずんばその法律の条文に沿ったような実行をするか、どっちかでなければおかしいと思うわけであります。そのためには、はっきり申し上げて地方自治体そのものの中にも、完全に現在行財政のあり方がベター、ベストだとはいえない、まだまだ内部努力もしなければならぬし、最小の経費で最大の効果を上げようという基本原則からすれば逸脱した団体だって少なくないと思うわけでありますから、そういう団体みずからの努力も懸命に求めなければならぬ、これは自治省の仕事だと思いますけれども、その反面、同時に大蔵当局としては、税率を上げるかあるいは税財源の配分をもう一回考え直すことによって不交付団体をふやしていく、ふやすことによって、その不交付団体の扱いになったところの団体自体の努力と国の方の配慮と両面で財政の立て直し、再建を考えていくしかないんじゃないかな、こう思うわけであります。
 時間がなくてまことに残念なんですけれども、もう一回申し上げまして、自治省は自治省自体として、地方団体みずからの姿勢といいますか、本当に最小の経費で最大の効果を上げるために取り組んでおるのかどうか、もう一回行財政の見直しをし、内部努力をし直すということにおいてこの努力をさせなければならぬし、また、そういう監督も一生懸命やらなければならぬと思います。そればかりじゃなくて、大蔵当局としても、現状のままではまさに地方交付税法なんというのは、あってなき形骸化されたものだと言われてもやむを得ないと思うのですけれども、それを救うためには、やはり大蔵当局の勇気ある良識ある決断、それによって、いますぐ大幅にどうということはないけれども、交付税率を上げて何とか一時の救済策をとるとか、あるいは抜本的に税財源の配分をもう一回再検討するとかということが必要だと思うのですが、お答えをいただきたいと思います。
#131
○竹下国務大臣 いろいろ御意見を交えての御提案でございますが、私は実際問題として現在、地方税の財源の配分の再検討という問題は、いろいろな歴史的経過の中でなかなかむずかしい問題だと率直に思います。
 そこで、不交付団体、本来ならば地方自治体それぞれがそれなりの、近いところほどよく見えるという物の考え方からして、できるだけ自主財源を持って地方自治の本旨に当たられるのが好ましい姿だと思います。しかしそれにしては、余りにも富そのものが今日見ましてもアンバランスではなかろうか。一人当たり県民所得を見てみても大変なアンバランスがある。そういうところに、真ん中で見詰めておるものがなくてはならぬというその調和が、いわば現行制度ではなかろうかというふうに思うのであります。したがって、作為的に不交付団体をふやしていくという物の考え方には、私はにわかに賛成しかねるような感じがいたしております。
 それからまた、地方交付税の問題でございますが、私も実はこういうお答えは余りしたがらないわけでございますけれども、御案内のように六条の三の二項ということできょうも厳しい御議論をいただいておりましたが、地方財政もしくは地方行政に係る制度の改正または率の変更というその前段を見ますと、「総額を増額する特例措置を講ずるとともにこれに伴う借入金の将来の償還額の一部を一般会計において負担する旨を決定化することもまた、ここにいう地方行財政制度の改正に該当するものと解される。」一応それなりの法制局見解もあるわけでございますので、まるきり違法行為を行っておるというふうには私は思っておりません。しかし現実問題として、地方自治の本旨がもっと貫かれるような形の中で、国、地方を問わず、この財政再建というものに構えていかなければならないもろもろの課題があるだろうというふうに理解をいたしております。ただ、私は役所におった経験がないものですから専門的な言葉などに非常に欠ける点があろうと思いますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
#132
○田島委員 時間がありませんので、二点だけ最後に……。
 先ほど大臣、作為的に不交付団体をつくることは感心しないということですが、私も別に、不交付団体を作為的につくるという意味のとり方ですけれども、税財源の配分を考え直して与えれば、これは作為的でなくたってひとりでに不交付団体はできてくると思うのですよ。私はそういう意味で言っておることで、その点、誤解のないようにしていただきたいと思うことと、それから、いまの法六条の三の二項の問題ですが、確かに見解というものはある、それからまた、行政実例なんというものがありますけれども、それはしょせん、やはり法そのものの条文には対抗し得ないと思うわけです。裁判でもやって判例でも出れば別ですけれども、判例でも出ない限りは、やはり法の本文、条文を尊重すべきものだという立場からすればお考えいただくべきものだと思いますが、それ以上もうお答えは求めません、これで質疑を終わります。どうもありがとうございました。
#133
○塩谷委員長 次回は、明十五日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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