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1979/05/08 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第20号
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1979/05/08 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第20号

#1
第091回国会 地方行政委員会 第20号
昭和五十五年五月八日(木曜日)
   午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 塩谷 一夫君
   理事 石川 要三君 理事 大石 千八君
   理事 中村 弘海君 理事 松野 幸泰君
   理事 小川 省吾君 理事 神沢  浄君
   理事 小濱 新次君 理事 三谷 秀治君
      池田  淳君    小澤  潔君
      亀井 静香君    亀井 善之君
      岸田 文武君    北口  博君
      工藤  巖君    熊川 次男君
      椎名 素夫君    丹羽 雄哉君
      井岡 大治君    加藤 万吉君
      小川新一郎君    斎藤  実君
      吉井 光照君    安藤  巖君
      河村  勝君    田島  衞君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   後藤田正晴君
 出席政府委員
        警察庁長官   山本 鎮彦君
        警察庁長官官房
        長       山田 英雄君
        警察庁刑事局保
        安部長     塩飽 得郎君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  佐野 国臣君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月八日
 辞任         補欠選任
  亀井 善之君     熊川 次男君
  田島  衞君     山口 敏夫君
同日
 辞任         補欠選任
  熊川 次男君     亀井 善之君
  山口 敏夫君     田島  衞君
    ―――――――――――――
四月二十八日
 緊急時における重度重複身体障害者の避難体制
 確立等に関する請願(上坂昇君紹介)(第四九七
 八号)
 小規模住宅用地に対する固定資産税及び都市計
 画税の据え置きに関する請願(工藤晃君紹介)
 (第五〇三〇号)
 同(工藤晃君紹介)(第五〇四五号)
 ハイヤー、タクシー等に対する警察行政改善等
 に関する請願(岩垂寿喜男君紹介)(第五〇四一
 号)
 同(新盛辰雄君紹介)(第五〇四二号)
 同(関晴正君紹介)(第五〇四三号)
 同(山口鶴男君紹介)(第五〇四四号)
五月二日
 ハイヤー、タクシー等に対する警察行政改善等
 に関する請願(小川省吾君紹介)(第五一一八号)
 同(木間章君紹介)(第五一一九号)
 同(新村勝雄君紹介)(第五一二〇号)
 同(久保三郎君紹介)(第五一九三号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第五一九四号)
 同(柴田健治君紹介)(第五一九五号)
 重度重複身体障害者に対する地方行政改善に関
 する請願(安田修三君紹介)(第五一九六号)
同月六日
 小規模住宅用地の固定資産税、都市計画税免税
 等に関する請願(三谷秀治君紹介)(第五二八四
 号)
 小規模住宅用地に対する固定資産税及び都市計
 画税の据え置きに関する請願(高沢寅男君紹介)
 (第五三七八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第五二号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○塩谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小澤潔君。
#3
○小澤(潔)委員 私は、ただいま議題となっております銃刀法、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして質問をいたしたいと思います。
 まず、私の手元に、今回の銃刀法改正に関しまして、日本銃砲スポーツ団体協議会その他から陳情書が来ております。恐らく同僚議員のところにも来ておることと思いますが、読んでみると、なるほどとうなずける個所が少なくないのであります。陳情書に書かれている内容には、今回の法改正にくみ上げられなかったことが多いと考えますが、警察庁は今回の法改正に当たっては、各団体の統合機関である日本銃砲スポーツ団体協議会のようなところとあらかじめ話し合い、理解の度を深める努力をしたかどうか、まずもってお伺いをいたしておきます。
#4
○塩飽政府委員 ただいま御指摘の陳情書なりそういった御意見というのは、私どもの方にも参っているものと内容は同じだと思いますが、そういったものが出るまでに、実は昨年、大阪でああいう痛ましい事件がありました後に、いろいろ各界で議論が起こりました。その中でも、いまの銃刀法の許可の基準を見直すべきではないかとかいろいろな御意見を承ったわけですが、そういったことから制度の見直しをしたわけですが、その過程で業界の方からもいろいろと意見を伺っておりますし、またこの法改正の案をつくる過程でも、こういった内容についてどうであろうかというふうなことは意見を聞いております。内容についても、業者並びにその愛好者団体の御意向というものがどの辺にあるかということについても十分承知をしております。
#5
○小澤(潔)委員 そしてまた、質問を始める前にちょっとお伺いしたい点は、まず、警察庁が銃についての認識がどうであるか、これを伺っておきたいのですが、銃は必要なものであるかどうか、また不必要なものであるか。
 そして先般も、五月連休の五月二日には、神奈川県平塚信用金庫須賀支店で猟銃の事件がございました。新聞を見ますと、内容がよくわかりませんので、このときの銃は何番の銃で、何号の弾を使用したのかどうか、こういった点もわかればお聞きをしたいと思います。また、五月五日には警察官のピストル盗難事件、こういったことも相次いでおるようですが、戦後のこういった猟銃による事件の件数、お巡りさんの盗難の件数、こういった点わかれば、ここ十年ぐらいでも結構ですからお聞かせいただきたいと思いますが、まずもって、五月五日のピストル事件の方は結構ですから、猟銃の件の信用金庫の内容がわかりましたら、お聞かせをいただきたいと存じます。
#6
○塩飽政府委員 平塚の事件については、これは捜査の担当でいま鋭意捜査していると思いますが、この使われた銃につきましては、詳細はまだ十分わかりません。猟銃であるということは推定しておりますが、恐らく十二番ぐらいの標準型の銃ではないかというふうに考えております。
#7
○小澤(潔)委員 銃の認識については……。
#8
○塩飽政府委員 銃砲の問題につきましては現在、スポーツあるいは趣味としてこれは社会的に効用を果たしているという点については、私どもも十分認識をしているつもりでございます。それなりの効用はあると思いますし、また愛好者も、それにつきましては熱心に取り組んでおられるということもわかっておるわけですが、ただ、銃砲が本来的に危険なものであるということから、一般的には銃砲の所持は禁止をされているわけでございます。その中で、社会的に有用性のあるものについては、この有用性という問題とそれから危険性という問題とを比較考量し、そのバランスの上に立ちながら対応を決めておるわけでございまして、一定の要件を定めて禁止を解除するということになっているわけでございます。
 ただ、最近の治安情勢あるいは社会情勢からしまして、従来より銃砲については厳しい方向で臨むべきではないか、こういう御意見も強いし、私どももそういう感じといいますか、まさにそのとおりであるということで対処してまいるつもりでございます。
#9
○小澤(潔)委員 私もこの銃刀法は、銃刀に関する危険予防を目的とするものであるから、危険性については言うまでもないと思います。ただ、銃が狩猟において、クレー射撃において、またライフル射撃において、社会的にも国際的にも非常に有用なスポーツの道具だと私は解釈をしておりますので、その点を申し述べておきたいと存じます。
 質問に入りますが、まず、銃そのものはあくまでスポーツの道具なのであって、凶器とするかしないかは人である。特に凶器とする人間は、梅川のようにごくまれな特殊な人間なのであります。一般はそうではないということをまず前提として置くことが必要でありましょう。つまり、特殊をもって一般を律してはいけないということであります。凶器を凶器とするかしないかは人である。だから所持許可の基準については原則として対人許可制なのであります。
 ところで、岐阜県警が昨年七月に発表した猟銃対策強化要綱によれば、銃は生活必需品としての性格はほとんどないという言い方をしておるのであります。生活必需品ではない、不急不要のものである、したがって簡単に許可をするなという三段論法であるが、ここでは銃をスポーツの道具としては見ていない。なべかまと一緒のレベルで考えているのであります。後進国の発想というか、戦争中の耐乏生活の発想というか、こういう発想では銃砲所持者の反発を買うのは当然だと思いますが、このことについてどう考えるか、お伺いをいたします。岐阜県警の猟銃対策強化要綱については後で触れたいと思います。
#10
○塩飽政府委員 銃砲が先ほども申し上げましたように、スポーツとしてあるいはまた狩猟その他有用なものである、社会的に効用を持っておることについては申し上げたとおりで、私どももそのつもりでおります。なべかまと同じようなもの、その程度のものであるかどうかという点は、危険物という点で大変慎重に扱わなければならないものと思いますし、レジャーなり社会生活の中でこうした趣味の問題は大変大事な問題であると思っておりますので、なべかまとの比較につきましてはいろいろと御意見があろうかと思いますが、やはりそれなりの効用を果たしているものだと認識をしております。
#11
○小澤(潔)委員 法の規制にはやはり節度が必要であろうと思います。銃刀法の第一条には「この法律は、銃砲、刀剣類等の所持に関する危害予防上必要な規制について定めるものとする。」とあって、銃砲所持者自身はもちろんでありますが、一般国民とかかわり合う点は危害予防をどうするかというまさにその一点であり、規制はそれを超える必要もないし、他の部分に広がる必要もないわけであります。
 また、「銃砲、刀剣類等の所持に関する」ということであって、火薬類等に関する法律は、火薬類取締法というものが現にあるわけであります。火薬類取締法の目的、第一条には、「この法律は、火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取扱を規制することにより、火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする。」とあって、火薬類については別途ちゃんと合理的に考えられた法律があるのであるから、銃刀法の改正は節度を守って、火薬類取締法の領域にまで足を踏み込まないよう厳に注意をされたいと思います。また、火薬類取締法で言っていることと矛盾したり抵触したりしないよう厳に注意されたいわけでございます。そんなことはあり得ないことではありますが、老婆心ながら申し上げておいたところでございます。いかがでしょうか。
#12
○塩飽政府委員 火薬類の問題につきましては、実砲あるいは空砲などについてはすべて火薬類取締法とそれに基づきます政令で決められております。また、一部が総理府令で行われているところでございますが、製造、販売、貯蔵に関しましての許可あるいは行政上の監督権限は、通産大臣あるいは都道府県知事にございます。ただ、譲り受け、譲り渡し、それから輸入あるいは消費の許可の権限につきましては、都道府県公安委員会に属しているわけでございまして、いまのところ、この法体系を変更しなければならないとは考えておらない次第でございます。御趣旨を十分に体してまいりたいと思います。
#13
○小澤(潔)委員 次に、岐阜県警の猟銃対策強化要綱についてお伺いいたしたいと思います。
 ここに岐阜県警察報、例規編第九号というものがあります。昨年の七月六日付で岐阜県警本部長から県下の各警察署長その他に対して、銃刀法行政に関する訓令を発しているわけでありますが、この内容について、特に許可の基準についてどのような評価を下しているか伺いたい。参議院地方行政委員会で神谷議員の質問に対して佐野保安課長は、強化要綱が出た時点において一歩進んでよい着眼があったかに思うというような答弁をしているわけであるが、いまも同じ考えであるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
#14
○塩飽政府委員 岐阜の強化要綱につきましては、これは許可の欠格事由の有無を審査するに当たっての要領を定めたものでございます。当時、例の大阪の梅川事件がありました直後でございまして、あの当時においていち早く審査の着眼点を整理したという点ではそれなりの評価はされると思うわけでございますが、ただ、すべての申請者につきまして一律に詳細な調査をすることになるようなその仕組みにつきましては、検討すべき点があるというふうに私ども考えております。また、それについての御批判もあることも承知をしております。いずれまたこれらの点につきましては、見直しをして指導してまいりたいと思っております。
#15
○小澤(潔)委員 参議院の神谷議員に対しての発言は、同じですか。
#16
○佐野説明員 当時私が申し上げたのでございますが、もう一遍ちょっと読んでみますと、「まあ六号の解釈として、危険性の徴憑を当時まだ全国的にはあの程度に、何といいましょうか、整理されておらなかった段階では、比較的進んでおった整理の仕方をしておったかなという感じは持っておりました。」要するに、危険性の徴憑としてはどんなものがあるのだ、そういう整理の仕方としては、私どもも気のつかなかった点も実はあったことは間違いございませんものですから、その面だけについていえば、ただいま部長が申し上げたような点もございますし、私も現在はそういう認識を持っています。ただ問題は、例の調査の対象の問題とか、どこまで調べていくとか、プライバシーの問題とか、人権上の問題とかいうことについては、すぐその後にも書いてございますが、いろいろな問題があるという御説明をしたわけでございます。
#17
○小澤(潔)委員 わかりました。
 許可基準の問題に入りたいと思います。
 岐阜県警の猟銃対策強化要綱については、佐野課長の肯定的評価は訂正してもらわなければ困ると思います。佐野課長の評価は、役人が役人を評価する目であって、役人という世界を離れた外の世界では全く通用しないのであります。もちろん私は、岐阜県警の猟銃による犯罪防止をどうしたら全うできるか、その熱意にまでは敬意を表しますが、敬意は熱意までで、それから後は余りにも勇み足や踏み出しが多過ぎます。猟銃による犯罪防止をどうするかということに熱心な余り、銃刀法の範囲を超えて人権やプライバシーの保護が無視されております。岐阜県下における猟銃所持者、また新たに銃砲を所持しようとする者を、まるで犯罪予備軍扱いにしている感じすらあるわけであります。このことは、全猟の岐阜県副支部長正村孝雄氏が現地の声として「全猟」一月号に切切と訴えているので、ぜひ目を通してほしいと存じます。
 要綱によれば、人的欠格事由を審査するに当たって、同居の親族、職場の同僚、同業者、仕事仲間、近隣居住者の中に申請者の銃所持について反対の意見がある者は、欠格者とみなすというような表現でありますが、職場の同僚にせよ、同業者にせよ、この競争社会にあっては当然、ライバルという関係にあろうと思います。そういう人間に聞いて回るということ自体おかしい。その中で反対者がいたら許可しないというのでは、少し乱暴にすぎないか。
 また、虞犯性ある者が欠格者だというのは一般論としては正しいが、虞犯性をチェックする項目として、収入はどのくらいあるか、資産はどのくらいあるか、債務はあるか、事業経営の内容はどの程度か、夫婦仲がいいか悪いか、まあいろいろありますが、家族仲はどうかとか、近所づき合い、親戚づき合いに義理は欠いているかいないか、職場での勤務状態はどうかというようなことを、外勤の警察官がさきに述べたようなところを回って聞き込み調査をするというのであります。これはだれがどう考えてみましても、だれが聞いても行き過ぎというよりほかございません。
 収入や資産については、必要なとき調べるのは税務署の役目であろう。普通事業経営の内容に関心を寄せるのは取引先であると思います。債務はあるか、ローンで住宅を建てたりローンで子供を進学させたりしている人間は山ほどいるわけであります。夫婦仲がいいか悪いか、これこそ他人にわかることではない。本人にだってわからないかもしれない。それを他人ならともかく警察がおせっかいをやくというのは、一体どういうことなのか。酒は飲むか、どの程度飲むか。ギャンブルはやるか、マージャンをときどきやる人間も競馬が好きな人間も、これでは全部ふるいにかけられるのであります。大抵の人間につけようと思えば簡単に難癖がつけられると思います。こういう行政では国と国民の間がしっくりいくわけはないと思います。
 そこで、このような岐阜県警のような許可基準は即刻改める必要があると思うが、どう考えるか、お答えをいただきたいと思います。
#18
○塩飽政府委員 岐阜県警の問題でございますけれども、許可をする場合一般的には、許可の申請書などの記載内容に疑わしい点があるとか、あるいは、申請書の内容から五条一項六号その他の欠格条件に該当するおそれがある場合には、やはり欠格条件に全く該当しないだろうという人とは多少、調査の内容についても違ってくると思いますが、ただいま御指摘のように岐阜の要綱につきましては、すべての申請者を一律に扱うという点その他検討すべき点も幾つかございます。そういったことで、この法改正を契機に見直しをしてまいりたい、そして、そのプライバシーの侵害云々というふうな疑問点、問題点が起こらないように対処してまいりたいと思います。
#19
○小澤(潔)委員 そうしますと、行き過ぎであるということは認めておるわけですか。
#20
○塩飽政府委員 岐阜の問題につきましては、その検討すべき項目が全部網羅されているという感じでございまして、それがそっくりそのまま適用されるというふうな点が誤解を招いたんだろうと思うのでございます。そこら辺で若干誤解を招いた点という点は、私ども反省しておりますし、今後よく指導してまいりたいと思います。
#21
○小澤(潔)委員 次に、審査は一カ月以内にしていただきたいということであります。警察の銃刀法行政、その中でも、許可基準の運用については各県ごとにまちまちだというのが現状であります。許可の申請をなるべく受け付けないようにしている警察があるとも聞いておりますし、また、受け付けてから審査に要する期間が一カ月、二カ月、三カ月、ひどいところでは半年もかかる県があるそうでございます。これでは、行政の怠慢と言われても弁解の余地がないと思います。許可するものは許可する、許可しないものは許可しないと、一カ月以内に処理するよう望むものであります。
 そこで改正案第五条、「又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合においては、許可をしてはならない。」という法案であるが、これはこれでまことに結構であります。ただし、重要な事項、重要な事実と言われても、一般に何が重要なのか判断しかねると思うので、それらをはっきり明文化し、しかも、各県ごとに勝手な解釈ができないように国において一定の書式をぴしっとつくることが必要であると思いますが、どうでしょう。
#22
○塩飽政府委員 まず、御質問の第一点の許可の審査期間の問題がございます。これにつきましてはいろいろな角度から、申請者の危険性でありますとか用途目的のあるなし、そういった判断材料を集める必要があるわけでございまして、中には、どうしても長期にわたって調査を必要とする場合も出てくるわけですが、欠格条件などにつきまして該当する疑いのないような者、そういった者についてはできるだけ早い機会、御指摘のとおり一カ月ぐらいを目途としてなるべく早く許可が出せるように十分配慮してまいりたいと思います。
 それから、重要事項の問題でございますが、重要な事項あるいは重要な事実という点につきましては、一つは、虚偽の記載あるいは不記載といいますか、そういうものがあると許可の審査が大変困難となります。それからまた、審査に当たりましてその判断を誤らせるような事項というものがございますから、そういった点が重要な事項あるいは事実ということになろうかと思います。たとえて申しますと、改正法の四条の二の一項一号から三号までに掲げる事項であるとか、それからそれ以外に、総理府令で明確に詳しく規定をするつもりでおります。たとえて言いますと、許可申請書中の本籍、出生地、職業あるいは同居の親族に関する事項、あるいは、診断書とか用途目的を証する書類、保管の状況に関する書類、前科前歴に関する事項も含んだ経歴書などの主要な事項というものが該当するということでございまして、いずれ総理府令で明らかに書き込んでまいりたいと思います。
#23
○小澤(潔)委員 同じく第五条の許可の基準に関して、不法所持者の欠格期間を五年とすることには異論はございません。しかし、銃砲または刀剣類の所持の許可の取り消し処分後の欠格期間を従来の三年から一律五年に引き上げることについては、検討の余地があるように思われますが、いかがでしょうか。
 銃の取り消し処分後一律に五年の欠格期間では気の毒であるという実例を、これから申し上げてみたいと思います。猟好きの御隠居さんが東京から伊豆半島に移転をいたしました。住民登録は移しましたが、ガンロッカーの引っ越しだけがおくれました。そのとき警察官が立ち入り調査をしましたら、銃が布団の下に保管されてあったということで、保管義務違反に問われて取り消し処分を受けまして、三年間所持できなくなったのでございます。その御隠居さんは、静岡県警はこりごりだというので三年後また東京に戻って、東京で改めて所持許可をもらったというわけでございますが、こういう人まで新法によれば、銃の不法所持者と一緒に五年間の欠格期間ではいささかきつ過ぎると思うが、いかがでしょうか。
 また、銃に覆いをかけないで道路を横切ったため銃の取り消し処分を受けた例は、過去に枚挙にいとまがございません。私もよく知っているところですが、これまた新法によれば五年の欠格期間となるわけで、銃の不法所持、これはほとんど暴力団員によるものでございますが、こういった暴力団と同じではいかがであろうかと思うわけであります。お答えをいただきたいと思います。
 また一例を挙げれば、甲という人物が適法に銃砲の所持許可を与えられ、銃を所持していました。そこへ五条一項六号の「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」、つまり要注意の親族が転がり込んできた場合、その時点で甲は所持許可の取り消し処分を受けるわけでございますが、この場合にもこの要注意の人物が死亡したとか他所へ出ていったとかによって同居の親族による人的欠格事由が消滅したとき、この場合甲は、自分自身健全な社会人であるにもかかわらず、いわば災難のようなことで取り消し処分を受け、その後、欠格事由が消滅しても五年間は所持許可を受けられないことになりますが、不法所持の五年間と同じ扱いでいいものであるかどうか、これもお答えをいただきたいと存じます。形式犯とも言えるような銃刀法や火薬類取締法違反でも、いま申し上げたような例でも即五年の欠格期間ということになるわけでありますが、法の運用に当たってはこの点、格別の配慮が必要であると思われますが、いかがなものでございましょう。
 ついでにもう一つ例を挙げてみたいと思います。所持許可の実際的運営についてですが、群馬県の甲という人物が昭和五十年秋、狩猟免状を取って初めて狩猟者となりました。ところが翌年一月中旬、社寺の近くで発砲したかどにより銃砲の所持を取り消されたのであります。三年たって昨年改めて申請したところ、もう一年待てと言われ、今年また申請しましたが、申請を受け付けてもらえない。この人物は犯罪等とかかわり合いのない健全なサラリーマンであるが、こういう扱いは全国的に非常に多い。これは群馬県伊勢崎警察の例でありますが、こういう苦情のないようにもやってもらいたいわけであります。お答えいただきたいと思います。
#24
○塩飽政府委員 行政処分後の欠格期間を三年から五年に上げたという問題でございますが、まず、銃砲の所持許可を取り消されて、三年たった後にまた同じように許可申請をして許可を受けた者が、法令違反をして再度許可を取り消されたという例もございます。それからまた、犯罪白書等によりましても、一つの犯罪を犯した者が次に同じように犯罪を犯すまでの期間というものがありますが、それが一般に長くなっているという傾向があるということもございます。それからまた、銃砲の所持許可の取り消し処分を受ける者は比較的悪質な者であるという、悪質性の問題もあるわけでございまして、そういったような前提に立ちまして許可の基準を厳しくする一環として、従来の三年から五年としたわけでございます。ただ問題は、取り消しの問題ですけれども、欠格期間になります前に取り消しということがございますが、これは全部を取り消すわけではございません。昨年の例を見ましても、銃刀法違反の検挙件数自体は全部で一万一千件ばかりございます。ただその中で、現実に取り消しを受けました者は七百四十六人おります。したがいまして、一部悪質ということで取り消されたというふうに私どもは認識をしておるわけでございます。
 ただ、御指摘の幾つかの例につきましては、個別的ないろいろな判断でそういう処置がとられたと思うのですが、過酷と言われないようそういうことにならないように注意してまいりたいとは思います。ただ、たとえば親族が転がり込んできたような場合に、同居の親族について問題がある、そのときどうするかという点を例に挙げますと、たとえば銃は自宅に保管をしないで保管業者に保管するという方法もございます。ですから、それをしておいて、親族がどこかへ行かれたらまた自宅へ保管するという手も考えられないではないわけでございまして、その辺は個別的な問題としていろいろ検討をしてみたいと思います。
 それからまた、群馬の例につきましても、同じくどういういきさつで許可にならなかったか、個別な判断を見てみませんとわかりませんけれども、著しく過酷だとかあるいは不公平だというふうなことを言われないように指導してまいりたいと思います。
#25
○小澤(潔)委員 ただいまの群馬の例なんかは、法はできておって法どおりいかない。人間も不適格者ではない、こういった場合、当然昨年取れるわけですね。それがことしになってもまだ取れないというのですから、ひとつこの辺の行政指導をよろしくお願いをいたしたいと思います。
 次に、改正案第五条の二、凶悪な前科、前歴者に十年間許可を与えないというものでありますが、この場合十年間では短過ぎないかと思うわけであります。この改正案によれば、「違法な行為をした日から起算して十年を経過していない者」には許可をしてはならないというわけでありますが、三年間刑に服したとすれば、犯罪を犯した日から起算するのでありますから、残りは七年であります。十年、十年といいますが、実際は七年と考えた方がよろしいと思います。
 前に述べましたように、取り消し処分後の五年間は、取り消された日から起算するものでありますし、不法所持等で罰金以上の刑に処せられた者は、刑の執行を終わってからの五年であります。それらとわずか二年の差しかないのは不均衡であるから、これはでき得れば、刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して十年と改めたらいかがであろうと思います。そうすれば、少なくとも十年以上の期間が確保できることになるわけであります。ひとつこの点についてお願いいたします。
#26
○塩飽政府委員 凶悪な罪を犯した者についての欠格条件の問題でございますが、一つは、殺人などの政令で定める凶悪な罪を犯した場合には、犯行の日から十年間は五条の二第二項第二号の新設条項の欠格条件が適用されます。また、それによりまして罰金以上の刑を受けたということになりますと、その刑の終わった日から五年間は五条一項五号の二の欠格条件が適用されるということになりますが、さらに、殺人罪のような特に凶悪な罪を犯した者につきましては、五条一項六号の従来の欠格条件の適用ということが考えられるわけでございまして、十年を経過しておりましても必ずしもそれだけで直ちに許可が与えられるということにはならないわけでございます。
#27
○小澤(潔)委員 ただいまの十年は短過ぎるのではないかという点は、私たちの考えは、もう凶悪な前科の人に対しては一生銃は持たせるべきではないと思うのです。そういった人がまた持てるようになるとどうしてもやりがちである、こういうのも歴史が示していると思うのです。やはりいろいろな観点、法律もむずかしいと思うのですが、こういった十年以上ということ、凶悪犯人にはもう一生持たせない、私はそう感じておりますので、その点要望にとどめておきたいと存じます。
 次に、第九条の六、備付け銃制度についてお伺いをいたしたいと思います。ライフルの教習射撃に的をしぼって質問いたしたいと思います。
 「教習射撃場を設置する者は、射撃教習の用途に供するため必要な猟銃でその構造及び機能が政令で定める基準に適合するものを当該教習射撃場に備え付けて置かなければならない。」とありますが、そもそもライフルの教習射撃場というものはいま全国に幾つあるか、その設置者の内訳はどうなっているか、国(防衛庁関係)や地方自治体が設置者の場合、簡単に備付け銃制度を導入してくれるかどうか、見通しを伺いたいと存じます。
 さらに、第九条の七、「備付け銃の管理は、教習射撃場を管理する者が行う。」ことになっておりますが、管理するというからには管理者が常駐することが必要条件とされると思います。そこで現在、管理者の常駐するライフル教習射撃場は全国で幾つありますか。
 また、第九条の七の二項、「教習射撃場を管理する者は、備付け銃を総理府令で定める基準に適合する設備及び方法により保管しなければならない。」とありますが、管理者の常駐しない射撃場では一体保管の責任をだれが持つのか、現実に運用がうまくいくのかどうか、非常に危惧するわけであります。
 また、教習射撃制度は昭和五十三年の法改正により導入された制度で、実際の運用は昭和五十四年から始まったのであるから、まだ一年らちょっとしか経過していないわけでございますが、いままでにライフルの教習射撃を受けた人はどのくらいあるのか、備付け銃制度をぜひとも導入しなければならぬという逼迫した事情、必然性が見出せないのでありますが、あるとすればそれは何か。ライフル射撃に限ってよろしいと思いますので、お答えいただきたいと存じます。
#28
○塩飽政府委員 まず、ライフル教習射撃場の数でございますが、四月二十日現在の報告によりますと、ライフル教習射撃場は全国で二十三カ所でございます。それから設置者の内容でございますが、設置者につきましてはそのうち、公共団体が設置しているものが十カ所ございます。また、管理者の常駐するものはその中で三カ所になっております。
 管理者の問題でございますが、法令上は射撃場に常駐して直接射撃場を管理し得る者が管理者であるということになっているわけですが、こういった趣旨からしますと、名目上の管理者とそれから実際に実質的に管理をしておるあるいは銃の指導をしているという人と一致しているかどうかという点が一つ問題になろうかと思います。私どもはたとえば公共団体が設置したようなライフル教習射撃場につきまして、地元のライフル協会とかそういうところに委託をして、契約に基づいて協会の仕事として管理をし教習をしているというところがあるように思いますが、そういった場合に、実際に管理をする方と、それから名目上の管理者というのがあるいは役員の方であるとかいうふうなことで、分かれていることがあるのではないかという感じがいたします。そういった場合には銃刀法上の問題からは、協会の中の地位いかんということは余り関係ございません。したがいまして、実際に管理をできる人が管理者になっていただければよろしいわけですから、そこら辺の点は実情に合わせて、管理者の管理がえをするなり適切な人を管理者としてお願いするというふうなことで、かなり運用の面で実態に即した運用ができるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
 それからまた、備付け銃の導入の見通しでございますが、これは公営であるか私営であるかに関係なく、その経費については利用者負担という原則で措置されると思われます。国については、ちょっとむずかしいのではないかという感じがいたしております。
 それから、備付け銃制度を採用した理由でございますが、これは一つは、教習中である、その場合の知識あるいは技能が十分でない、そういった者の危害予防上の見地から各人の所持を認めない。また、教習に合格するかどうか、実はまだわからない段階でございます。そういう段階では、自分の銃は必要ないのではないか。また、教習した後の考査というものは、できるだけ同一の条件で行う方が公正を期する上で合理的ではないか。また、基本的には必要のない銃というのは少しでも減らしたいというふうなことがございまして、この備付け銃の制度というものを改正案の中に盛り込んだわけでございます。
#29
○小澤(潔)委員 私個人の見解といたしましては、散弾銃の射場、ライフル銃の射場ともに備付け銃制度を導入することに決して反対ではございませんが、今回警察庁で考えられたものとは内容が違うのであります。私は将来、欠格者を除くだれもが入場できて、射撃指導員の指導のもとに簡単に撃ってみることができる、確実な操作が覚えられるというような普及の仕方が好ましいと考えるのであります。そして、そういうことがわが国のクレー射撃、ライフル射撃の底辺の拡大充実に役立つわけでありますが、オリンピックや国体の種目になっているりっぱなスポーツであるクレー射撃やライフル射撃に対して、今回の改正案による備付け銃制度はむしろ足を引っ張ることになりはしないかと危惧するものであります。お伺いいたしたいと思います。
#30
○塩飽政府委員 備付け銃制度につきまして、クレー射撃あるいはライフルの問題がございますが、ライフルにつきましても、教習を受けようとする多くの人に対しまして危害防止に役立つとかいう意味がございまして、備付け銃の制度を導入したからといって一概にスポーツ振興上障害になるというふうには考えられませんし、私どもも毛頭そのつもりはございません。ですから、特にオリンピックとかいろいろな国際競技で優秀な選手がたくさん出るということについては、これはまた好ましいことだと思いますが、ライフルの射撃に至る過程で、選手の皆さん方の場合はそれ以前に、エアライフルですか、空気銃などでかなり訓練を積んできた人もたくさんおられるようですから、また、協会の方で訓練もされているというふうなことがありますので、教習という点も確かに問題になりますが、場合によりましては検定制度で直接公安委員会の検定を受けるということでも解決といいますか、また道はあると思います。その検定の問題につきましては、検定のときに事前に試射をする弾の数をふやすとか、あるいは、その際の注意事項をいろいろと指導するとかいうふうな点で、運用上で検定が余り負担にならないような方法というものも現実的な解決方策としてはあるように思います。そういったことで、スポーツ振興という観点に毛頭妨げになるようなつもりは持っておりません。
#31
○小澤(潔)委員 次に、銃砲の保管。第十条の三の二項、「保管は、総理府令で定める基準に適合する設備及び方法により行わなければならない。」ということに関して、総理府令の内容をいかようなものとするか、お考えがあればお示し願いたい。なお、これは狩猟者四十五万人すべての者にかかわる問題でありますので、総理府令を詰めるときには環境庁ともよく相談してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#32
○塩飽政府委員 保管基準につきましては、法文上明確化を図るということにしている次第でございまして、簡単に申し上げますと、金属製ロッカーその他堅固な構造を有する設備というのが第一点。それから、この設備に容易に破壊できない錠を備えていること、あるいは鎖などによって銃砲を堅固に固定できること、また容易に持ち運びできないものであること、あるいは床や柱に固定されているものであること、こういったことを基準にするように考えて検討しておる最中でございます。また、保管の方法としましても、確実に施錠すること、あるいは専用に用いて他の物を入れないということも考えておりまして、たくさんの人が保管庫を持っているわけでございますから、そういった点も十分考慮して環境庁その他関係の向きとも十分相談をした上で決めてまいりたいと思います。
#33
○小澤(潔)委員 改正案第十条の五の二、三、・四、五項についてお伺いいたします。「盗難の防止その他危害予防上その保管の状況を調査する必要があると認めるとき」ということがありますが、運用に当たっては、人権を侵したり住居の平安を侵したりすることのないよう極力慎重にしなければならないと思うが、そこで、「立ち入る場合においては、あらかじめその旨を関係者に通告しなければならない。」ということは反面、関係者の承諾を得るということであるかどうか。また、関係者が承諾しなかった場合どのような罰則があるのか。十万円以下の罰金という規定だったと思うが、正当な理由があって承諾しない場合どう対処するのか、お答えをいただきたいと思います。
#34
○塩飽政府委員 立ち入りにつきましては、承諾があるということが原則でございます。正当な理由があって承諾されないような場合は、これは当然のことでございますが、日時を変更して行うということになると思います。ただ、正当な理由がないと思われるにかかわらず立ち入りを拒んだ場合には、立ち入ることはできないこととなるわけでございまして、拒んだ者に対してはお説のとおり、罰則が適用されることになるわけでございます。
#35
○小澤(潔)委員 保管の委託をもっと活用していただきたいと思います。第十条の七に「保管を委託することができる」となっておりますが、この制度をもっと活用すれば、先ほど私が第五条の許可の基準のところで不合理性を指摘した事例、適法に銃を所持、保管する人のところへ要注意の親族が同居するようになって、所持許可を取り消されるというような気の毒なケースも救済されるのではないかと思います。つまり、要注意の同居親族があらわれた時点で、警察が保管の委託をアドバイスする。それに応じなければいたし方ございませんが、それに従えば、銃砲の所持許可は取り消さなくてもよいことになるわけで、そういう親切な行政指導を今後望むものであります。お答え願いたいと思います。
#36
○塩飽政府委員 保管委託制度につきましてはもともと、単に法令違反があったからといって取り消しを行うということではなくて、御指摘のような保管委託制度というものを総合的に運用することによりまして、適切な行政処分その他の運用に努めてまいる所存でございまして、御指摘のとおりだと思います。
#37
○小澤(潔)委員 改正案第十一条五項の三年以上用途に供していないと認める猟銃または空気銃の許可の取り消しについてであります。先ほど来の論議につながるのでありますが、病気や長期出張は別として、他の事情で三年間猟銃を用途目的のために使用しなかった、それで取り消されたという場合、次にどうしても所持許可が得たいと思う者に対しても五年間の欠格期間は働くのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#38
○塩飽政府委員 許可された用途目的に供しない、いわゆる眠り銃の取り消し処分でございますが、これは所持者の危険性を理由に行うものではないわけでございまして、所持者の危険性に着目した欠格期間というものは適用されないことになるわけでございます。したがいまして、取り消し処分を受けた者が再び用途目的を明らかにして新しく申請手続をしてきた場合には、欠格事由がなければ所持許可がされることになるわけでございます。
#39
○小澤(潔)委員 時間が大分たちましたので、これから後は総括的な質問をしたいと思いますが、まず備付け銃制度についてであります。本来の施設の設置者、管理者と別に、教習射撃に限定して、管理事務の代行できる人間を明確に総理府令の中にうたってほしい、これが第一点でございます。
 項目が八つ、九つになりますので、ひとつ御答弁の際、漏れがないようにお願いいたしたいと思います。
 二番目に、所持許可基準の原則が対人許可制である以上、つまりこの人間には持たせてもよろしいとした以上、その人間が必要とする銃砲について、意味なく丁数の制限をすることはやめるべきであります。もちろん不必要の銃の申請は断るべきであるが、必要、不必要の物差しは警察側にあるというよりはむしろ、申請者側にあると考えるべきであります。銃の種類とそれぞれの用途について、私は狩猟者、射撃愛好家としてよく知っているつもりですが、二丁以上はいかぬとか三丁までに制限するなどというのは今後改めるべきであります。
 次に、技能検定制度、教習射撃制度をつくった以上、それを担保するものとして国は、少なくとも各都道府県に一つ以上のクレー射撃場、ライフル射撃場をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 四番目、立入検査について、にせ警察官というおそれは始終あるのでありますから、調査は必ず二人以上でやること。そのうちの一人は、猟友会なり全日本狩猟倶楽部なり射撃協会の役員というようなことにしたらどうでしょうか。また調査に当たっては、署長名の調査票のようなものを用意する考えはないか。
 第五点、眠り銃の問題についてであります。三年間用途目的のために使用しないときということであれば、使用の実績調査は三年目の更新のときだけやればいいのではないか。これが現在は、毎年の検査に調査票に書き込ませることになっておりますが、事務の簡素化からいきましても、更新時にチェックをすれば済むと思いますが、どうでしょうか。
 次に、銃砲刀剣類所持許可証の様式を小型にしてほしいということであります。前回の法改正に伴い、許可証の大きさが外国旅行の際の旅券ほどの大きさになったのでありますが、狩猟用の衣服のポケットは小さいので、それ以前と同じようなものにしてほしいと思います。狩猟中所持することが義務づけられている許可証は、容易にポケットに入るものとすべきであろうと思いますが、いかがなものでしょうか。
 次に七番目、文化財的なものについてであります。三年以上用途に供しないいわゆる眠り銃は所持許可が取り消されるわけでございますが、眠り銃ばかりでなく遺品として残された銃にも、外国ならば当然珍重するであろうような美術的あるいは歴史的価値の非常に高いものがあるはずであります。狩猟民族であろうがなかろうが、それらは文化的物差しによって保存される必要があろうと考えます。保存に当たっては撃針を抜くとか、または銃身をろうづけにするとか、機関部に手を加えるとか、何らかの方法があろうと思います。どれもこれも同じ扱いでたたきつぶしてしまうというのではいかにも惜しいが、こういうことについて従来、検討したことがありますかどうか、お答えいただきたいわけであります。
 次に、自動車の運転免許について酒気帯び運転が厳しく禁じられていることは、免許証を持たない人間にとってもいまや常識であります。承知して飲ませたら、飲ませた方も罰せられるわけであります。銃砲を扱う場合の酒気帯びを禁止する意向はあるかどうか。私はすべきであると思うが、この点についてもお伺いをいたします。例を一つ挙げてみましょう。昨年の秋、大阪の茨木市で酒を飲んで銃を発射し、自分の犬を撃ち殺した例なども、酒気帯びでなかったらあるいは事件は生じなかったかもしれません。法令に盛り込みにくいのであれば、せめて通達によって指導することについてはいかがなものでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#40
○塩飽政府委員 まず、射撃場の管理者の問題でございますが、管理者につきましては、管理者の代行者を置くということは、射撃場管理の責任の所在というものが不明確になり、好ましくないと考えておるわけでございますが、先ほど申しましたように、管理者必ずしもある協会の役員とか幹部の方である必要はないわけでございます。適当な方がおられれば、現実に管理できる方を指定していただければそれで結構でございますから、その辺で管理者の見直しあるいは選任を適切にしていただくということで、あるいはまた、備付け銃の保管方法などにつきましても関係者と十分協議してまいるということで、現実的な運用ができるのではないかと思います。その点は十分注意してまいりたいと思います。
 それから、銃砲の所持丁数の問題でございますが、もともと用途目的の明確なものに許可されるものでございまして、あくまで個別的な必要性で決められるものであるわけでして、各人ごとの所有数というのは一律に決めることはなじまないというふうに考えております。
 それから、三番目の教習射撃場の設置の問題でございますが、現在の利用状況、あるいは民間あるいは公営の射撃場の設置状況からしまして、それで十分対処されているのではないか。したがいまして、国がみずから設置するという必要性の問題につきましては、警察の立場からはにわかに結論は出しにくい点がございます。
 それから、立入検査に伴うにせ警察官の問題でございますが、これは立ち入るときの事前通告の励行もございますし、身分証明書の提示義務というのがございます。これは提示をすることになっておりますから、そういった点で十分措置できると思います。ただこの点、実際に当たって遺憾のないように指導してまいりたいと思います。
 次に、眠り銃の調査の時期でございますが、所持の必要性のなくなったものについては早期に排除すべきものというふうに考えているわけでございまして、更新の時期に限らず措置できることとしておくべきであろうかというふうに考えております。
 それから次に、所持許可証の問題ですが、現在の大きさはもともと、正確かつ詳細に記載できるように適切なサイズとして決められているわけでございまして、御承知のとおり縦十五センチ、横九センチ程度で、必ずしも不便とは思っておりませんでしたが、ただいま御指摘のような御意見がございますとすれば、そういったことを念頭に置きまして早急に検討してまいりたいと思います。
 それから、文化財的に貴重な銃や財産上高価な銃の問題でございますが、もともと銃砲の所持というのは、狩猟、標的射撃、それから有害鳥獣駆除などの用途に供するという目的がある場合に許可されることになっているわけでございます。したがいまして、こういった用途目的のないもの、たとえばただ持っているだけというふうな銃は、いわゆる眠り銃と言わざるを得ないわけであります。ただ、公立の博物館の展示品のように、公衆の観覧の用に供するという方法もございます。また、美術品あるいは骨とう品として価値のある火なわ銃のような古式銃は、教育委員会の登録を受けて個人で持つことができるわけでございます。ただ、現実の運用としまして取り消し処分につきましては、所持者の職業でありますとか業務の関連もあると思いますし、また、数丁所持している場合、交代で銃を使うということもあるように思います。あるいは、保管の状況もあると思いますし、また、たとえば分解をして保管をするというふうなこと、そういったことを総合的に判断をいたしまして、弾力的に運用してまいりたいと思います。
 最後に酒の問題でございますが、酒癖が悪くて粗暴な言動や異常な言動のある者がもしいたとしますと、それは現行の五条一項六号の「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」ということで、欠格要件に該当するという方法がございます。したがいまして、五条一項六号の絡みで、酒癖の悪い者というものを別の欠格条項として規定するまでもなく、適切な運用ができるのではないかというふうに考えております。
#41
○小澤(潔)委員 そうしますと、文化財的なものについては、撃針を抜くとか銃身をろうづけにするとかというようなことになれば持てることになるかどうか、その点もう一回お願いいたします。
#42
○塩飽政府委員 御指摘の点は、ケース・バイ・ケースで運用上考慮する余地はあると思います。
#43
○小澤(潔)委員 ケース・バイ・ケースということで、私もぜひそのようにしていただきたい、かように考えます。
 時間が大分近くなりました。終わりに、審議会また銃砲スポーツ安全協会についてひとつお伺いをいたしたいと思います。私は長年狩猟や射撃をたしなんできております。現に東京都猟友会長の職務をやっておるわけですが、その立場から申し上げたいと思うのです。
 広く会議を興し、万機公論に決すべし、これはまさに民主主義の基本であろうと思います。警察庁といたしましては諮問機関として、他の省庁に行われているような審議会を設置する考えはないかどうか。審議会制度を導入すれば、民意の吸収もしやすくなるであろうし、重要な課題について十分な時間をかけて検討することができるわけであります。開かれた警察というイメージにもつながると思いますが、どうお考えでしょう。
 また、銃砲所持の危険防止、犯罪予防については、法律上の規制、行政面からの指導だけでは一方通行、片側通行だと考えます。たとえば銃砲スポーツ安全協会のようなものがあって、銃砲所持者自身の自覚を高め、相互に啓発し合う機関が必要だと思うが、どうでしょう。現実にその必要があるから警察署ごとに安全協会ができつつあるわけでありますが、警察庁としてどうお考えでございましょうか。
#44
○塩飽政府委員 審議会の問題につきましてですが、審議会といいましても、法的な位置づけとか構成、あるいは業務量などからつくる必要性など、慎重に検討すべき問題が多いと思います。したがいまして、当面設置の考えは持っておりませんが、広く意見を聞くということについては御趣旨のとおりだと思います。
 また、銃砲スポーツ安全協会、こういった問題につきましては、十分検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#45
○小澤(潔)委員 ただいまは審議会は持つ考えはない、こうお話しでございましたが、改正を一昨年やってまたここでやり、また来年やるようでは、やはり権威にかかわる点も出てくるわけであります。広く会議を興し、万機公論に決すべしではございませんが、やはりつくった方がよろしいと思うのです。最後に長官の見解をお聞きいたしたいと存じます。
#46
○山本(鎮)政府委員 ただいまお話がございましたように、法律の改正に当たっては、それに関連する方々の御意見、そういうものを十分しんしゃくしてやらなければならないわけでございまして、日ごろからそういう意味において、審議会という名前をとるかとらないか別として、いろいろな方の御意見を聞きながらこの法のこれからの運営に努めていきたい、このように考えております。
#47
○小澤(潔)委員 ありがとうございました。終わります。
#48
○塩谷委員長 神沢浄君。
#49
○神沢委員 私はまず、長官に第一に伺っておきたいと思うのですが、この法案を調べるに当たって感じましたことは、これは大体参議院が先議ですから、もう参議院の論議の中でもってかなり十分に尽くされておるように思います。その会議録などを読んでみましても、確かに国民の生命、財産を守っていくために、銃砲による犯罪を減らしていかなければならぬ、取り締まっていかなければならぬという警察当局の考え方というものは、十分理解ができるわけであります。したがって、この法案に対する考え方等について、大綱の上でもって私ども異論があるはずはありません。しかしまた一面から考えると、憲法第三十五条で保障される国民の自由、人権の問題、行き過ぎますと抵触が生じます。そういうふうな点でいろいろな御意見もあるところだ、こう受けとめるわけでございます。したがって、この法成立の後におきましては私は運用の面では、仮にも国民の人権を侵すような行き過ぎなどがあってはならない、こう考えるわけでございます。したがってそういう点について、今後の運用の上でもって長官、どうお考えになっておるかという点をまず伺っておきたいと思います。
#50
○山本(鎮)政府委員 銃砲はきわめて危険な面がございますので、これの取り締まりに当たっては最近の治安情勢も考えまして、厳正にやっていきたいと考えておりますが、この法律の具体的運用に当たって、たとえば欠格事項の審査の調査あるいは立ち入りの調査というのは、えてしてプライバシーの侵害になるおそれもございますので、その方法なり時期なりというものは十分考えて、この法律の運用に当たって、いやしくも人権侵害、プライバシー侵害というそしりのないように引き締めて運用に当たっていきたいと考えております。
#51
○神沢委員 続けてお伺いしておきたいところでございますが、いろいろ関係者の皆さんの御意見などを承ってみますと、さきの小澤議員の御質問の中でもちょっと触れられていたわけでありますが、四年間で三回も改正をするということは、警察当局としてもちょっと不見識に過ぎるではないかというような意見などもございます。たまたま発生した例の梅川事件を契機にして、かつての豊臣秀吉の刀狩りではないけれども、ともかく銃を減らしてしまおうという意図が介在をして、こういう法案が出てきたのではないかなどという意見すらもあるわけでございます。結局、そういう点から考えますと、この法案の制定につきましても、どうも関係者の理解が十分得られていなかったのじゃないかということが私は感じられてならないところでございます。
 したがいまして、これからの運用の上においては、そういう理解が十分得られないようではうまくないと思いますので、関係者の意向などはできる限りくみ上げていく、尊重していく、そして、行き過ぎだとか勇み足だとかいうことが起こり得ないようにしていかなければならぬのじゃないかというふうなことを、実は私は痛感をさせられているところでありまして、この点、重ねて長官に伺っておきたいと思います。
#52
○山本(鎮)政府委員 この法律の運用に当たっては、関係者の方々の御意見を十分聞きながら適正に努めていきたいし、また、そういう御批判を受ければ、是正すべき点は是正するという姿勢でこれから進んでいきたいと考えております。
#53
○神沢委員 これは部長さんで結構ですけれども、それに関連して、これからいよいよこれを施行していく上においては、施行令なり規則なりが制定されていくのだろうと思いますが、そういう際にはいま申し上げたように、関係者の意向なども十分徴してかかるというふうな御用意を持たれておるかどうか、その点ひとつ……。
#54
○塩飽政府委員 この改正案が御議決いただきまして現実に施行されましたら、その過程、さらに運用に当たりまして関係者と十分相談をしながら、現実的な運用が図られるように注意してまいりたいと思います。
#55
○神沢委員 私も所持許可の基準の整備の点について伺っておきたい点が一つあるのです。さきの小澤議員がこの点では、岐阜県警などの例の問題を挙げられてかなり論及されていた点でありますが、確かに府県ばらばらということは、同じ国民の立場でもって、A県に住んでおればかなり緩やかでB県に住んでおればきわめて厳格だというのもおかしな話だと思いますので、これはやはり統一的な基準といいますか、準拠すべきものが必要じゃないか、そういうものがあって初めて、ばらばらな行政の欠陥が解消できるのじゃないかというようなことを感じたわけでありますけれども、国が統一基準というようなものを決めて各県に指導されるというようなお考えをお持ちかどうかという点を伺っておきたいと思います。
#56
○塩飽政府委員 許可の基準についてですが、これは法律上その範囲が示されているわけでございます。
 御質問の趣旨は、その基準の中で、いわゆる五条一項六号の欠格条項に該当するかどうかの判断であろうかと思います。この六号に該当するかどうかの判断につきましてはもともと、虞犯性でありますとか人格的な危険性の認定という事柄でございまして、事柄の性質上、法令の形式による画一的な基準になじまない向きがかなりございます。たとえば認定権者による弾力的な運用の余地を残した方がむしろ的確な運用ができるのではないか、あるいはまた、細かい点について立法技術的に書き切れるかどうかという点もございます。ただ、御指摘のとおり各県まちまちでは困るわけでございますから、情勢の変化あるいは国会の御議論なども踏まえまして、総理府令で書くかどうかは別としましても、いずれにせよ何らかの形で、現行の基準を見直しまして、統一的な運用ができるように適切な基準をつくるようにして努力してまいる所存でございます。
#57
○神沢委員 関連しての問題ですけれども、関係者のお話などを聞きながら感じたことの一つですけれども、手続の中に診断書を付することになっているのだそうですが、診断書は、内科の先生のところへ行っても書いてくれるし産婦人科の先生のところへ行っても書いてもらえるしというような実態だそうでありまして、私はそういう話を聞いているうちに、それは何か手続上の形式として備えられればというところで終わってしまっていて、診断書の内容の信憑性が果たしてあるのかどうなのかという点を感じさせられました。中身に入って考えますと、診断書のいかんによっては、精神病歴なりあるいは麻薬中毒の関係なりに及んで、そのことがやがては犯罪につながっていくようなことにもなりかねない重大な内容でもあると思われますので、診断書は犯罪防止のために本当に役に立っていくような信憑性の高いものでなければならぬのじゃないか。については、たとえば指定医制というようなものも考えてみたらどうなのかな――これは素人判断ですよ、私は銃砲なんかについては全然門外の立場ですけれども、素人判断としてそういうようなことをちょっと感じましたが、御見解があったら承りたいと思います。
#58
○塩飽政府委員 診断書につきましては、銃を所持しようとする本人が麻薬や覚せい剤の中毒者であるかないかなどの専門的な意見は、公安委員会が判断する材料としてぜひとも必要であると思うわけですが、ただ信憑性の問題につきましては、一応お医者さんというからには専門的な教育を受けているわけでございますから、その医師の診断書である以上は、相当の信頼を置いて評価をしているわけでございます。ただ、専門医でない者からの診断書で不審なもの、あるいは、もう少し調べた方がいいのではないかという場合につきましては御指摘のような、医師を指定しましてもう一度精密な診察を受けさせるというような方法も現実にはとっているようでございます。大変むずかしい問題でございまして、これはやはり将来の研究課題の一つだと感じてはおります。
#59
○神沢委員 次に、不法所持ないしは取り消し処分後の欠格の期間が三年から五年に延長されるということです。いろいろ御意見もあるところでありますが、それに対しまして、三年以上の刑を受けた凶悪犯に対しては十年というわけですね。私どもの素人判断によりますと、何かどうも少し矛盾しているのではないか。たとえば取り消し処分なんという場合、私もこれは一つの例があるのですが、私の知人が、私どもは山梨ですが、車で長野の方へ狩猟に出まして、何か腹痛を覚えたものでトイレを借りたいということで車をとめて、そして近所に家はないかということでもって探している間、その車の中に銃が入ったり弾が入ったりしていたわけですが、それでいま取り消し処分を受けております。昨年だかの例ですが、それもやはり五年ということになるわけでしょう、取り消し処分を受けてから五年ということになるわけです。凶悪犯も十年でいいということについては、私など素人なりに何か矛盾を感じざるを得ません。そこで、私はその中から問題を二つ提起したいと思います。
 一つは、私がいま申し上げた例の私の知人ですけれども、それはもう大変善良な人物なんですよ。不注意だったからやむを得なかったということではありますが、そういう善良な人物などまで一律的にこの法によりますと五年間の欠格期間を命じられなければならぬ。一方においては凶悪犯も十年で済むということですから、もう少しいまの欠格五年の問題については、実態に即しての何か弾力的な運用というようなものが考えられないかどうか、これが一つの問題点です。
 それからもう一つは、これは凶悪犯に対しては何で十年ということに決めたのかという点です。これをひとつ伺いたいと思います。
#60
○塩飽政府委員 まず、最初の取り消しされてから後の欠格期間五年の問題でございますが、これはもともと取り消しという行政処分につきましては、法違反があれば一律にこれを行政処分に付するというわけではございません。実際に内容を審査しまして、違反の軽重、それから行為の危険性ということに着目をして行っているわけでございまして、いわばこの段階で悪質であるかどうかという情状の問題まで含めまして振り分けができると思います。したがいまして、行政処分に問われますのは元来、実質的に危険だと考えられるようないわば悪質なものであるという点で、三年が五年ということの均衡を保つことができると思います。それからまた累犯、悪質犯といいますか再犯を繰り返す、そういった期間が長期化する傾向もございます。それから、行政処分を一回受けてから四年から五年たってまた違反をしている者がある、そういう実例もありますし、さらにまた、この銃砲の規制を厳しくしなければいかぬではないか、管理をもっとしっかりしよう、そういうふうな意見もありまして、そういったことから三年を五年というふうに延ばしたわけでございます。
 それから、御質問の凶悪犯人については十年間持たせないという問題でございますが、なぜ十年かという点は実は、かなり議論をしたわけでございます。
    〔委員長退席、松野委員長代理着席〕
それで一つは、こういった凶悪犯が大阪の梅川事件のように九年七カ月たって許可を受けたという問題。それからまた、再犯者が十年たってもどうも再び同じような罪を犯す性質というのは消えないのではないかというふうなデータがございましたし、それから、それではさらに何年延ばしたらいいかという問題もあります。意見を言う人は、一生持たせないのはどうだろう、生涯だめだ、これはまた法の規定としまして、死ぬまでだめだという規定が法律の制度上なじまないという点がございますし、そうなりますと、十年以上ということになるとあとはもう永久論しかございません。そういったことと、それからまた、前科の期間がございます。何事もなく十年過ぎれば前科が消えてしまうという刑法上の問題もございまして、法律で書くとしたらば最大限十年、これでかなり一律に悪質なものはカットできるであろうということで決めた次第でございます。
#61
○神沢委員 次に、いわゆる射撃場における教習用の銃の備付け制度の問題ですが、これも関係者の皆さんの意見をたたいてみますと、なかなかいろいろあります。確かに私も疑問に感じてならないのは、一つには、仮免制度というのが五十三年十二月から施行されたというのですか、ですから、まだ一年余りくらいのものでありまして、その間に別に仮免の制度そのものが見直されなければならないような、たとえばそれを理由としての犯罪が生じているとかいうようなことはないようですね。仮免制度はなかなかスムーズに運用されてきているというふうに言われているわけです。であるにもかかわらず、ここでまたせっかくつくってまだ一年半とはたっていないような仮免の制度をやめて、そして備付け制度になぜ変えなければならないか、確かにこの点はちょっとわかりかねるのですよ。その点から伺いたいと思います。
#62
○塩飽政府委員 御指摘の仮免の制度が今回、備付け銃の制度ということに変わっておるわけですが、一番の変化は、本許可をもらうまでは自分の銃を所持しないということでございます。そのほかの手続は、現行の制度、仮許可の手続から本許可に移る手続とほとんど変わりません。仮許可が資格の認定という形で変わっただけで、欠格条項その他についても全く同じでございますから、そういう意味では一番の変化は、自分の銃を最初から持てないということになるわけでございます。
 ただ、これにいたしましたのは、やはり基本的には、本来銃は危険物である、だから必要のない銃はなるべく持たさない、所持させないということが、犯罪の予防上あるいは事故の防止上ベターであるということが基本的にあるわけでございます。それからそのほか、まだ仮免といいますか、実際に免許を持つ前ですから、技能的にもあるいはその銃の操作、あるいはまた保管の問題その他にしましても、やはり未熟な点があろうかと思います。一般的にはそうだと思うわけですが、そうしますと、なるべくそういったことも持たせない方が安全である。それからまた、仮に実際仮免といいますか資格の認定でやりましても、最終的に全員が本免許というところまではまずいっておりません。中には途中でやめる人もおりますし、最後までやり通せない人もたまにあるようでございますから、したがってそういうことから、ある意味では検定にしましてもあるいは教習射撃にしましても、本許可をもらうまではやはり備えつけた銃でやることが、一つは公平でもあるし、また、安全上もベターであろうというふうなことで、備付け銃の制度ということを改正案の中に盛り込んでいるわけでございます。
#63
○神沢委員 それとまた逆からの意見などもありまして、どうせ銃を所持をして狩猟であろうと射撃であろうとやるわけですから、早くから自分の銃になれさせるというようなことの方がまた二面的には非常に有効ではないかというような意見などもあります。しかし、時間の関係もありますから、その点はそこでおきます。
 そこで、この備付け制度について、実はさっきも申し上げたように、私は山梨ですけれども関係の人にちょっと尋ねてみたのですが、私の県の場合、何か射場が六つあるようです。その六カ所のうちで、管理人が常駐しておるのは県営が一カ所だけで、あとの五カ所というのは管理人の常駐制はとられていないわけです。そうしますと大体、射場なんというところは町の真ん中にあるわけではなくて、大概もう集落を外れたところ、人家などはないようなところにあるわけですね。ここへ銃の備えつけをする。そうすると、管理人はいない、環境はもうほとんど人家もないような場所。ということになりますと今度は、その備えつけた銃の保管上の問題というのなんかも非常に重大になってくる。たとえば盗難の問題一つ取り上げてみましても、それは容易に盗むことができるような状況になります。そうなりますと、備え付け制度ということに変われば、やはり管理人常駐制というものをとらせなければならないようなことになるわけですか、その点をお伺いいたします。
#64
○塩飽政府委員 管理人は、実際に教習射撃をやっている場合には、これは常駐して指導しあるいは管理してもらわなければなりませんけれども、ただ問題は、その備付け銃を置く場所の問題ですが、これは確かにおっしゃる点の心配はございます。それで、人里を離れて管理人も何もいない、そういうところへ銃だけ置いておくと、これはおっしゃるとおり大変危険が多いわけですから、私どもは保管を実際にやる場所につきましては、その管理をする人が自分のところへ置いておいてもいいだろうと思います。ですからその辺は、設置者あるいは管理者、その人たちのあるいは自宅なり事務所なり一番安全なところということで、そこら辺は管理する、保管する場所は弾力的に決めてまいりたい、これはケース・バイ・ケースで決めればよろしいかと思います。
#65
○神沢委員 同時に、銃を備えつけるということになると、これは相当な経費も要しますね。前の質問者への御答弁を聞いておると、それは利用者の負担を原則にする、こういうようなことを言われております。ところが、関係者のお話など聞いてみますと、しかく簡単にはいかない。これはやはり経費の問題というのが相当の事柄になるようです。と同時に、こういう極端な意見なども出ております。今度は仮に管理人の立場からいたしましても、そんな人里離れたようなところで、盗難でも生じたような場合には責任はしょわなければならぬし、危険も伴うしということになれば、もう射場などの許可を返上しちゃった方がいいくらいに思うというような意見などもありました。そういうようなことになると、これは仮にその目的が警察当局ができるだけ銃などを減らそうというようなところにあるとすれば、当局の目的には相当合致するかもしれぬけれども、一方においては、冒頭申し上げたようにいわゆる利用者、国民にとりましては、非常に抑圧をされなければならぬわけでありまして、そういうような点からいって私は、やはりこの法律を施行していくからには、しっかりした管理人の常駐制もとらせるべきであるし、また、危険など感じないようなそれなりの設備というものもさせるべきであるし、それには、利用者負担などということではとてもこれは済みませんから、やはりこの法施行については国は何がしそういう方面への考慮をすべきだというふうに感じたわけでありますが、その点についてはいかがでしょうか。
#66
○塩飽政府委員 備付け銃の問題と管理者の問題でございますが、確かにおっしゃるように、管理者がその管理者としての責任問題あるいはその保管をする場所、人里離れたところへ保管するのかどうかという問題、それからまた保管設備の問題も御指摘のとおりあると思います。その辺につきましては、管理する側に過度の負担がいかないように、現実の運用の面で十分考慮してまいりたいというふうに考えております。また一つの便法としましても、教習射撃以外に検定を受けるということも可能でございます。その辺の問題も含めまして、特にライフルの射撃についてが一番問題だという感じがいたします。そこら辺で、ライフル愛好者の皆さんとかいろいろな方ともよく相談をし、御意見を伺いながら運用に努めてまいりたいと思います。
 ただ、どうしてもその費用の負担云々ということになりますと、国がということにもまいらないように思いますし、やはり受益者負担という形で措置をする以外にはちょっとむずかしかろうと思います。
#67
○神沢委員 いま御答弁の中でもってライフルに触れられましたからお尋ねをするわけなんですが、ライフルの場合は、私の聞いたところによりますと、これはもう射場もそれに適当する大規模射場でなくちゃならぬ。何か私の県の場合なんかでは、県営が一つ相当するというようなことのようです。全国的にも二十何カ所というようなことで、その中には、自衛隊の射場などを使わしてもらっておるとか、あとはほとんどこれは公営の射場のようですが、ここへこの法によって備付け制を実施しようと思いましても、これはたとえば自衛隊の射場でもってそんなことを応じてくれるかどうかわかりませんし、恐らく応じてくれないでしょう。それから公営の場合などにおきましても、これは恐らく県で言えば、設置者が知事でもって、管理者というのは所管の部課長か何かになっているんじゃないですか、そして、いわゆる実際の管理人というのが決められておるというような状況だと思われますが、そうなりますと、やはりこれはそんなやっかいなことをというようなことになりますと、公営の場合ではあるいは受けないかもしれません。
 そこで、ライフルの関係の皆さん方の要望といたしまして、言うなればライフル射撃に関することのみについて、銃の備えつけから管理からというようなものを代行をできるような、それについてのみの代行制というか、こういうようなことが運用上やってもらえないかどうか、こういう意見が非常に強いですよ。私どもお話を聞いておって、そのような方法でもとらない限りは、これはライフル関係の方たちについてはよほど門が狭いものになってしまうんじゃないかという点は確かにあると思います。そういう点での御意向はいかがですか。
#68
○塩飽政府委員 ライフルの問題ですが、確かにライフルの射撃教習を受ける人は年間、数も少ないしいろいろ問題があろうかと思いますが、公営の教習射撃場、ライフルにつきましては全国で二十三カ所中十カ所でございますが、たとえば知事が設置者になっておりましても管理者は、ライフル協会の役員の方が管理者になっている例がほとんどでございます。ですから、県の職員が管理者というのはたしかなかったように思います。
 それで、ライフルについて管理者の代行制度の問題でございますが、教習をやる場合は、管理者が現実に駐在をして、そこで管理してもらわなければならない一わけですから、そうしますと、管理の代行というのはどこまでの代行なんだろうという問題が一つあります。そういう点が一つと、それから銃の保管ということにつきましては、これは管理者がやるということですから、その保管をする管理者はどういう人を選べばいいんだろうという点でかなり運用上幅があると思います。ですから、余り役員でトップの方が管理者、こうなりますと、いろいろとまた動きが大変動きにくかったりするかもしれませんが、実際に銃の射撃場の管理をやり、現実に運営している人が管理者ということであれば、代行とまでいかなくてもそれはそれで可能ではないか。それから備え付け銃の問題につきましても、これは受益者負担ということはやむを得ないと思いますが、所有権はだれにあるかということはこれは別の問題でございます。したがいまして、そこら辺でまた現実的な解決の仕方があるんではないかというふうな感じもいたします。そういったことも含めまして、特にライフルはいろいろと御意見を承っておりますので、運用に当たっては十分御意見も聞いた上で対処してまいりたいと思います。
#69
○神沢委員 自衛隊の射場の場合なんかは、これは管理人が協会の役員なり何なりの人というわけにはまいらぬでしょう。そういうような場合には結局、銃の備えつけも不可能になるしというようなことでもって、今度射場を借りて利用できないということになってしまうと思うのですけれども、そういうような点での便宜的対応というようなものをお考えになっていますか。
#70
○佐野説明員 自衛隊の施設につきましては本来、これは自衛隊法の問題になり固有財産法の問題だろうと思いますが、それぞれの行政目的に応じてもっぱら使用されておる、それを他の目的のためにどの程度までお貸しできるかというふうな問題になりますとせいぜいそこを指定射撃場に指定しておいて、皆さんが訓練に来るというふうな場面でお貸しするというところが一つの線だろうと思いますが、今度は教習射撃場という新たな指定を受けて、自前でいろいろな修了証明書を出しましょうとか、あるいはいま言った備え付け銃の問題とか、一種独自の権能を発揮するというようなことになりますと、これはそもそも向こうの隊法なりあるいは国有財産法の枠の中でどこまで許容するかという先決問題がまず一つあろうかと思いますし、私の方の銃刀法だけの問題で言えば、そういった権原の問題さえ解決するならば、いかようにでも指定はいたし得る仕組みにはなってございます。したがって、基本的にはあくまで自衛隊法の方で、そういった特別な管理権の移譲といいましょうか、その範囲がどこまでできまるのかというふうな問題として、私どももしかるべく検討の中に、もし必要があれば十分そういった点についての橋渡しなどはいたす覚悟はいたしてございます。
#71
○神沢委員 幾度も申し上げるように、素人ですから大変初歩的なことをお尋ねしますが、射場でもって射撃の教習を受ける、あるいは教習でなくともそこで射撃を行うという場合の火薬は、これは射場で入手するようなことになっているわけですか、それとも火薬は持っていくのですか。
#72
○佐野説明員 火薬の購入につきましては、銃刀法の枠の中で格別な規定はございませんものですから、許可証を持った人が適宜自分で選定する、あるいは、資格証明などを持って買える方が自分の判断でしかるべきところへ行って購入するという仕組みになってございます。
#73
○神沢委員 その火薬の問題ですけれども、何か制限があって、そして購入できる。その購入したものは、これは使い切らなければ本人が持っておるのですか。
#74
○佐野説明員 専門的な言葉で申し上げますと、狩猟などの用途のために購入して、しかし残しましたというふうな場合には、その用途目的がなくなってから一年間は保管しておいてもいいというふうになってございます。したがって、その次の時期にまた狩猟をやるということになりますと、残ったのは逐次、保管は法令上は認められるというふうな仕組みでは一応、自己管理というものが――もちろん一定の数量の制限がございますけれども、自分が保管管理できるという仕組みになってございます。
#75
○神沢委員 何か取り締まる量は、銃砲だけでなしに火薬との関連というようなものもあるように思いますけれども、時間もありませんから、進みます。
 次に、これは立入検査などを含むところの銃砲の保管の規制の強化の点ですが、ここでお聞きしておきたいのは、素人ですから、銃砲の保管というものの定義はどういうことになっておるのですか。
#76
○佐野説明員 一番典型的な例といたしましては、自分が直接支配下にその銃を置いておくということが一番基本的な事柄であろうと考えております。
#77
○神沢委員 自分の支配下に置いておくということが原則というのか、その支配下に置いておくについて、たとえば自分の家に置いておく場合には、何かさっきもちょっと前の御質問の中で出ておったようですけれども、堅固な保管の設備に施錠をしてということを言っておられましたね。そういうものがきちっと決まっておって、それに違背する場合には保管の規制違反だということになるわけですか。
#78
○塩飽政府委員 銃砲の保管につきましては、法令上は十条の三に、一つは、「自ら保管しなければならない。」という規定がございますし、それから、「保管は、堅固な保管設備に施錠して行なわなければならない。」こう書いてございます。またもう一つは、「保管に係る銃砲に適合する実包、空包又は金属性弾丸を当該銃砲とともに保管してはならない。」一緒に入れてはならない、これが原則になっております。
#79
○神沢委員 そうすると、立ち入りまでして検査をしようとする目的は、その堅固な保管設備の態様と同時に、扱いの状況ということになるわけですか。
#80
○塩飽政府委員 御指摘のとおり、法令に定められた堅固な設備に施錠して保管されているかどうかという点を見るというのが目的になります。
#81
○神沢委員 ちなみにお尋ねするのですけれども、狩猟に出かけて旅館に宿泊することがありますね。これはそこへ着くまではさっきおっしゃったとおり、自分の支配下に置くということになるでしょう。しかし宿泊の場合は、そういう堅固な保管施設を持ち歩くということも実情にはそぐわぬでしょう。そうすると、旅館、ホテルで宿泊中の場合はどういうようなことになりますかね、しっかり握っていなければならぬということになるのでしょうか。
#82
○佐野説明員 そのような特殊な場合には、十条の三の二項におきましても、「ただし、狩猟のため総理府令で定める基準に適合する保管設備がない場所に宿泊する場合その他正当な理由がある場合は、この限りでない。」ということで、そういう臨時特殊な場合については、保管基準の、また総理府令の定めがダイレクトには働いてまいらないという形にしております。
#83
○神沢委員 立入検査の問題に移りますが、これは関係者の間でも非常に議論のあるところだと思います。参議院の論議の跡を拝見をしましても、大変論議の集中したところのように思うのです。
 そこで、ちょっとお尋ねしたいのは、わが国におけるところの民主的な人権尊重の法体系の一角が、ここから突き崩されていくようなことがあってはならぬということが非常に心配されておるようですよ。それは私なども同感です。そこで、何かほかにもこういう例がありますかね。
#84
○佐野説明員 私いま頭の中にあるのでは、消防法の問題であるとか自然公園法とか、あるいはほかに――いますぐ手元に出せますが、五つ六つはすぐ出てくるような立入検査の先例はございます。
#85
○神沢委員 時間もなくなってきてしまったから、端的なお尋ねに変えたいと思います。
 この点については、参議院でもかなりの論議が行われて、附帯決議がされているわけですね。それを見ますと、「猟銃の保管場所に対する立入検査等の権限の行使については、明確な基準に基づき運用し、関係者の承諾、四十八時間以前の通告、日出から日没までの時間内を原則とする等、私生活の平穏を害することのないよう特に慎重を期すること。」こうなっておりまして、これは私、大変結構だと思うのです。これに対して参議院において恐らく当局としては、このことに誠意対応することをおっしゃられているだろうと思います。
 そこで、この明確な基準といいましても、これはどういうものだか読んだだけではちょっとわかりません。それから、関係者の承諾という点につきましても、それでは承諾をしなければどうなるのかという点も、これを読んだだけではちょっとわかりません。それから、四十八時間以前の通告、日の出から日没までの時間内、これはいいわけですが、しかし、ただ附帯決議の文章だけで終わってしまったのでは困るわけでありまして、したがって、これに対応して誠意を持ってやっていただくということになれば、いまの明確な基準にしてもそうですが、施行令なり規則なりというものの上ではっきりしていただかなければならぬことではないか、こう考えますが、その点はいかがですか。
#86
○塩飽政府委員 立ち入りの問題につきましては、またいろいろと議論がなされたところでございますが、御指摘のように、個人の住居に立ち入るわけでございますから、相手方の承諾のある場合、あるいは四十八時間以前の通告その他について原則とするということがございますが、そういった具体的な問題につきまして明確にするという意味で、総理府令で決めるということでいま準備をしております。
#87
○神沢委員 総理府令ですか。
#88
○塩飽政府委員 さようでございます。
#89
○神沢委員 本会議の時間の関係もありますから、私の時間はまだ多少あるようですが、協力したいと思います。そこで、最後に一つだけ伺って終わります。
 それは眠り銃の問題です。さっきも質問者が触れておられましたが、確かに私の知人なんかもサンプル銃を持っておる。あるいは、これはもう美術品的な、骨とう品的なものかもしれませんけれども、そういうようなものを所持をされておる人もあります。あるいは、世間には通じないかもしれぬけれども、いまは亡いけれども親しい先輩から譲り受けて持っておるものだとか、実用には供してないわけですがそういうような例もあります。今度この法案の審議に当たって、これは別に射撃用じゃないわけだから、さっき御説明ありましたように、いわば射撃のためとか狩猟のためとかあるいは害鳥、害獣の駆除のためとかということにはならないわけでありますけれども、しかし、その所持者本人からしてみるとそれなりの沿革、歴史の中で、これはどうしても保持していたいというようなものがあるわけですね。私はこれは考えてやってもいいんじゃないかと思うのです。そういうようなものに対しては、ただこの法による一律的な対応じゃなくて、何か考えてやっていただく必要があるのじゃないか、その点をひとつ伺っておきたいと思います。
#90
○塩飽政府委員 眠り銃につきましては、その目的が危害防止あるいは犯罪の予防というふうな趣旨で、必要のない銃は一丁でも減らしたいということで取り消すことができることにしておるわけでございますが、いろいろとケース・バイ・ケースの事情があると思います。そういったことから、個別的な事情も考慮しまして弾力的に運用していくように研究をしてまいりたいと思います。
#91
○神沢委員 弾力的ということは大変都合のいい言葉であれですけれども、それで結構ですが、しかし、やはり何かそういうような立場の人たちが安心できるような明確な方針というものを示してもらう必要があると思うのです。そうせぬと、うっかり外へ出すと警察の方に何か言われてしまうんじゃないかというようなことで心配している向きも多い、これは事実あります。その点をひとつお願いしておきます。
 終わります。
#92
○松野委員長代理 午後一時三十分から再開することとし、休憩いたします。
    午後零時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十三分開議
#93
○松野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。小川新一郎君。
#94
○小川(新)委員 銃刀法、また銃砲という中での砲、これは何ミリから言うのですか。
#95
○佐野説明員 口径二十ミリからでございます。
#96
○小川(新)委員 二十ミリから砲と言うのですね。それは自衛隊が言っている機銃とはまた違うのですか。銃という感覚とはまた違うのですね。
#97
○佐野説明員 御指摘のとおりです。
#98
○小川(新)委員 わかりました。それはまずはっきりさしておきたいと思います。
 長官、これはちょっとお聞き苦しいと思いますけれども、本件が委員会で審議中、まことに遺憾な大阪府警の四条畷署の中野派出所で起きた拳銃盗難事件、これは最初の新聞報道によりますと不可抗力の盗難事件であるというふうになっておりましたけれども、居眠り中である、とられた巡査長が居眠りをしておったというような報道がありますが、これはどっちが事実なんですか。
#99
○山田(英)政府委員 お答えいたします。
 御指摘の事案は、五月五日の午前一時半ごろ起きた事案でございますが、経過をかいつまんで申し上げますと、大阪府の四条畷署の警ら一係の宮城正末巡査長、五十三歳、これが四条畷警察署の中野派出所におきまして当夜、勤務についておったわけでございますが、夜の十一時半から一時半までの間が休憩の時間という指定でございました。本人は、十二時ごろまで派出所の公廨で仕事をしておりまして、十二時に裏の休憩室、六畳間でございますが、そこに入りまして休憩に入ったようでございます。当初は制服を着たまま横になりまして、拳銃が着装されております帯革を外して自分の体の横の畳の上に置いて新聞を読んでおったようでございます。その間、ただいまお尋ねのございましたうとうととした居眠り状態があったようでございます。
 そこで、本人の申し立てによりますと、一時と一時半ごろ二度にわたって派出所の裏側で不審な物音を聞いた。そこで宮城巡査長は、二度にわたって、派出所の建物を出まして裏側に回りまして検索をしておるわけでございます。特に不審の点はなかったということで二度とも、そのまま休憩室にまた戻っておるわけでございますが、二度目に戻りましたときに、帯革に装着したまま置いてあった拳銃、無線機、手錠等が帯革ごと盗まれておったのを発見いたしまして、届け出たという経緯でございます。
#100
○小川(新)委員 職務中いろいろな勤務状態で、警察官が過労になっているのではないのですか。私どもは、第一線警察官がもしも過労になって非常にそういった事故を起こすようなことがあってはならないと憂慮しております。
 そこで、こういったいままで警察で盗難があった拳銃等で、いまだに紛失されたままになっておる事例というのはどれくらいあるのでしょうか。
#101
○山田(英)政府委員 拳銃の盗難事故と申しますのは、昭和四十一年以降のデータで見ますと、十件発生しておりまして十一丁盗難に遭っておりますが、その十一丁のうち、今回の分を含めて三丁がいまだ未発見になっております。
#102
○小川(新)委員 警察でも御心配だと思いますけれども、これが犯罪に使われたという映画が「野良犬」という黒澤明の映画がございましたけれども、これは早急に二次犯罪に結びつかない手当てをしていらっしゃると思いますが、いかがでございますか。
#103
○山田(英)政府委員 今回の四条畷署で発生しました拳銃盗難事件につきましても、大変重大な事件であると考えておりまして、大阪府警におきましても、事件認知後、直らに四条畷警察署に四条畷警察署中野派出所拳銃盗難事件捜査本部を設置いたしまして、発生現場周辺の聞き込み、検索はもとより、二次的犯罪の予防が第一義だと考えておりまして、厳重な警戒を行っております。また、警察庁におきましても六日、全国の警察に対しまして、関係情報の収集など捜査の強化、あわせて銀行等金融機関に対する警戒の強化等について指示をいたしたところでございまして、ただいま警察の総力を挙げて事件の早期解決に当たっているところでございます。
#104
○小川(新)委員 最近の銃器使用犯罪の傾向というものは非常に巧妙になりつつあります。暴力団または未組織暴力団、また予備軍と言われている連中が犯罪を起こすよりも、警察にまだ一度も検挙されてない、そういった犯罪者の複雑ないろいろな社会情勢の中で起きている犯罪が非常に多いと思います。特にクリスマスツリー爆弾事件の犯人熊谷、これは埼玉県で改造拳銃の密造によって逮捕されたのでありますが、これらの事件、また極左、極右、こういった左、右の暴力団や過激派に使われております銃器使用犯罪というものはどういう傾向をたどり、どういうふうな姿になっていまあらわれつつあるのか、簡単で結構でございますから……。
#105
○塩飽政府委員 極左暴力集団につきましての銃砲使用犯罪について申し上げますと、一つは、昭和四十五年十二月十八日に警視庁の志村警察署上赤塚派出所襲撃事件というのがございました。また、四十六年の二月ですが、栃木県の真岡におきます銃砲店の猟銃強奪事件、さらには、いわゆる浅間山荘事件というのが四十七年二月十九日に発生しております。ここでは、真岡でとられた猟銃が発砲されたということで、まことに大きな事件であったわけですが、最近では、川崎市内の極左暴力集団の被疑者が自室で改造ライフル銃と実包を隠匿して所持していたのを発見、押収した事件というのが、五十二年十一月にございました。また、いま御指摘のいわゆる黒ヘル鎌田グループの熊谷信幹が先般、検挙されたわけでございます。
 これらの銃砲を使用した極左の事件につきましては、関係警察の捜査で犯人は全部検挙してございます。全部でそういった関係の事件は四十五年以降大体六件ばかり発生しております。
#106
○小川(新)委員 そこで、先ほどお尋ねしました警察官が紛失した拳銃等による犯罪の事例はどれくらいあるのですか。それと、逮捕し、押収されたという経緯は、そういう事件があってなったのか、それとも、家宅捜索や暴力団の捜索等々によって発見されたのか。また、それによって民間人に殺傷を与えた事例があるのかどうか。
#107
○山田(英)政府委員 先ほどお答えいたしました四十一年以降の十件の盗難につきまして、発見の経緯でございますが、犯罪に使われました結果発見いたしましたのは三件ございます。これは強盗事件で使用されたケース、それからいわゆる韓国の文世光事件で使用されたケース、殺人未遂事件で使用されたケースでございます。その結果被害を受けたというケースは、これらのケースについては、文世光事件を除いてはないと承知しております。
#108
○小川(新)委員 そうすると、四十一年以降十件のうち三件ですから約三〇%、これが犯罪に使われ、そして摘発を受け回収された。ところが、まだ未回収が三丁あり、非常に危険な状態の中で今回また事件が起きた。これはひとつ厳重に警察当局も、民間の銃砲刀剣の取り締まり、またその法改正も結構でございますけれども、二十万人を超える警察官の扱う拳銃については、組織が大きいだけに御心配のことも多々あると思います。しかし、二重、三量のチェック及び保管についての注意喚起というものは当然なさねばならない。それでこそ初めて民間のわれわれが、警察のいろいろ指示される法律を改正する問題についていくのでありますから、その点まず長官、御決意をひとつ……。
#109
○山本(鎮)政府委員 今回の大阪における拳銃の盗難事件は非常に残念でありまして、われわれ日ごろから、拳銃は警察官の職務執行の命のようなものでございますので、ぜひこれの管理、それから技術、これを使用する場合のいろいろな条件、これらのものは最初の警察学校に入ったときから教育を重ねておりますし、それから、勤務についても厳重に日ごろ指導しておるわけでございますが、そういう中において、まだいろいろと取り調べ中でございますけれども、ちょっとした不注意でああいう結果になってまことに残念だと思います。再びこういうことのないように厳重に戒めていきたい、このように考えております。
#110
○小川(新)委員 警察官も人の子でございますから、いろいろ悩みもございますでしょうけれども、これを使って自殺をしたり、いろいろな事件が報道されておりますことは、まことに遺憾でございますので、くれぐれもひとつ厳重によろしくお願いしたいと思います。
 そこで逆に、この銃器によって警察官が殉職したりけがをしたり、また、逆の面で非常にまじめに戦ってお亡くなりになったりおけがをなさったりして、家族の状態などもいろいろわれわれとしても配慮しなければならぬ。私たちは警察側を責めるばかりでなく、また、警察官が尽くしてくれた、そういったけがもしくは殉職なさった数、これはどれくらいありますか。
#111
○山田(英)政府委員 警察官の殉職及び公務上の負傷者の数でございますが、最近三年間だけについて見ましても、昭和五十二年度では殉職二十七名、公務上の負傷七千百四十八名、五十三年度は殉職二十七名、負傷七千百五十三名、五十四年度は殉職二十八名、負傷七千三百八十三名を数えております。
 その中で、御質問にございました銃砲または刀剣類によりまして殉職、負傷いたしました警察官の数は、五十二年度は、殉職は刀剣類によりまして一名、負傷は銃器によるもの四名、刀剣類によるもの二十二名でございます。五十三年度は、銃器によります殉職二名、負傷は銃器によりますもの三名、刀剣類によりますもの十九名でございます。五十四年度は、刀剣類により殉職いたしました者が一名、負傷は銃器によるもの二名、刀剣類によるもの二十九名でございます。
 これらの殉職者並びに負傷者に対しましては、地方公務員災害補償法によりましてそれぞれ補償が行われておるわけでございます。内容としましては、遺族補償、年金または一時金で出されておりますし、あるいは葬祭補償、あるいは福祉施設としての遺族に対する特別給付金、あるいは壮烈な殉職を遂げた場合の表彰に基づきます総理大臣特別ほう賞金、警察庁長官賞じゅつ金、都道府県の賞じゅつ金等がそれぞれ支給されておるわけでございます。
#112
○小川(新)委員 現在暴力団と称される組織に所有されていると思われる拳銃、猟銃、刀剣で警察でつかんでいる実態を、発表できればしていただきたいのです。
#113
○塩飽政府委員 一つは、猟銃につきましては、これは暴力団とわかれば許可いたしません。したがいまして、正式な許可銃はあるはずがないわけでございます。ですから、暴力団が持っているとすれば、それは何らかの不法な手段で入手したのであろう。それから、拳銃についてももちろんそういう意味で、不正な手段でしか入手する方法はございません。したがいまして、検挙した件数ではある程度数字はわかりますけれども、現在どれくらいあるかということにつきましては、ちょっと推定の数字はございません。
#114
○小川(新)委員 香港ルートとかフィリピンルートとかベイルートルートとか、麻薬、拳銃その他国内で非合法に売りさばく密輸の中に、新聞にはいろいろと報道されております、電話帳の中をくりぬいて拳銃が入っていたり。特に香港ルートとかフィリピンルートで、過去に暴力団に流れたと思われる銃器の数はどれくらいですか。
#115
○塩飽政府委員 密輸入されたと見られる拳銃の押収丁数、拳銃はほとんど暴力団だと思いますが、この押収丁数は、昭和五十三年の数字、ちょっと古い数字でございますが、一年間で四百二十三丁ございます。そのうちで、暴力団から押収したものが三百八十一丁、これは密輸入された拳銃の数でございます。
#116
○小川(新)委員 もう少し新しいもの、昭和五十四年度大量にフィリピンから輸入された拳銃の数は、摘発及びその犯罪者の逮捕に伴うところの自供の中でどのようにつかんでいらっしゃるか。そして、現地に特捜班といいますか警察から派遣をして、現地の密売ルートの本拠を調査したりたたいたりすることはないのですか。
#117
○塩飽政府委員 先ほど拳銃の押収状況の中で五十三年の数字を申し上げましたが、五十四年につきましては、これは押収した数でございますから全体で九百八十一丁ございますが、そのうち、真正拳銃が四百九十八丁、それから改造拳銃が四百八十三丁という数字になっております。それから拳銃の密輸入事件の検挙状況につきましては、五十四年は、検挙件数が三十件で、押収丁数が四十六丁でございます。
 それで、御指摘のありました海外へ捜査官を派遣しての問題でございますけれども、御指摘のとおりフィリピンルートあるいは香港その他東南アジア、またはその他の国から密輸入するというケースが間々見られるわけでございますが、先般もフィリピンに捜査員を派遣して向こうと連絡しながら、これは覚せい剤の捜査を兼ねたりして派遣して捜査することはございますし、日ごろからICPOのルートなどを通じましてできるだけ連絡を密にして捜査をするようにしております。
#118
○小川(新)委員 そういう背景の中で、銃砲刀剣のこの法案の改正が昭和五十一年、モデルガンを主体として行われた。そして五十三年に改正され、また今回五十五年。一年置きずつにこうして銃砲刀剣の改正法案を行いながら治安の維持、そういった面をやるのでございますけれども、先ほどからお話があるように、犯罪の面だけを強調して、片面の国民の娯楽だとかスポーツだとかそういった面を今度侵していくようなことがあると、いろいろと民主主義の中で問題が起きてきます。そこで、先ほどからいろいろと御質問があったように、警察だけでこれを図るのではなくて、民間諸団体、猟友会だとか銃砲火薬を扱って営業なさっているお店の方々だとか、われわれから言えばそういう関係のプロですね、専門家、こういう方々の御意見を聞き、また、それなりの参考的な意見もしくは方法について警察が協力を求めない限り、法の運用と法律だけで取り締まりをやろうとしても、これはもう浜の真砂が尽きないように永遠に続いていく問題なんです。これは明らかに人間の両面というのは悪と善があるように、その運用を誤れば悪になり運用を正せば善になる、こういった両面のやいばを扱うことにこの問題の法案があるのですから、当然協力を求めなければならぬ。
 そこで、それに対しての答弁は先ほど伺っておりましたから、あえてお尋ねいたしませんけれども、たとえば全国組織としてのこういう業界または団体の組織、交通安全協会とか防犯協会とかというような協力団体の外郭団体がないと交通にしても防犯にしても思った成果が出ませんから、この銃砲刀剣のそういった取り締まり及び運用については、銃砲安全協会なるものをつくってその協会と警察官と協力し運用していく。そうすれば、民主的ないろいろな意見が集約され、法改正のときにもお互いにトラブルや摩擦のないスムーズな法改正ができるのではないか、私こう思っておりますが、この銃砲安全協会を設立する考えはございませんか。
#119
○塩飽政府委員 銃砲の問題につきましてはただいま御指摘のとおり、業界の方やあるいは趣味でスポーツとしてやっておられる方と十分に事前の意思を疎通し連絡をしながらということは当然のことでございますが、特にただいま御指摘のような安全ということで銃砲安全協会のようなものをつくってはどうかという御意見につきましては、これは十分私ども検討させていただきたいと思います。現在、県単位でこういう趣旨でできているところは四カ所ぐらいあるそうでございます。それからまた、地区単位のものも若干あるように思います。そういったことをよく調べまして、今後何らかの方策がとれるかどうか研究させていただきたいと思います。
#120
○小川(新)委員 これも先ほどの質問に出ておりました許可の日数の問題でございますけれども、これは人口急増地帯とか農村地帯とか過疎地帯とか交通の不便なところとか、それから、銃砲刀剣の店を持っておるところとかその府県によって特に猟のあるような場所は、いろいろな被害が出たり問題が出れば厳しくなる、当然のことだと思います。そういうばらつきのないような通達は行うかどうか。これは申請してからの許可日数の問題、先ほど出ましたですね。一カ月以内というのが六カ月もかかってみたりいろいろな事例がございますが、それは全国統一した何か通達か指導というものは出されるのですか。
#121
○塩飽政府委員 銃刀法の許可の問題その他でかなり時間のかかっている向きも御指摘も受けました。なるべく早く、先ほどお答えいたしましたように、一カ月をめどにしてやれるようにというふうなことで全国的にそういった面からもばらつきのないように、許可に要する日数、その辺の問題も含めまして指導をする方針を決めて、通達その他で流したいと思います。
#122
○小川(新)委員 先ほども御質問の中に、岐阜県警の猟銃対策強化要綱についての御質問がるるありました。私も聞いておりまして、なるほどと思うところがございます。
 そこで、これは何も揚げ足を取ったり小さいことで議論しているわけじゃないのですけれども、参議院で御質問に対して佐野保安課長さんがお答えになっております。許可の基準について定めた岐阜県警の猟銃対策強化要綱での欠格要因として、先ほどるるありました収入調査だとか資産の調査だとか、生活程度、金銭に関する生活態度だとか、ギャンブルの癖があるのかないのか、家庭内に不和があるとかないとか、職場における人間関係、近隣とのつき合い等々、非常に憲法に抵触するような基本的人権また個人の秘密に関するそういった問題に触れるようなことで、この質問に対して佐野課長が答えておりますことは、「比較的進んでおった整理の仕方をしておったかなという感じは持っておりました。」とか「その時点においては確かに一歩進んで、比較的早目にいい着眼があったかとは思っております。」という御答弁がございます。
 先ほどの答弁では大分後退なさっておりますけれども、これは議事録に載っておることを私、引用したので、別にここでいいとか悪いとかどうのこうの言う気はございませんけれども、こういった憲法に抵触するような調査の仕方を一歩進んだいい着眼点だ、こういう姿勢は、やはりそれなりのニュアンスの入った考え方が法案に盛り込まれてくるおそれがあります。それで先ほどの御答弁になったと思いますけれども、これは御訂正なさいますか、それともこのままでよろしいでしょうか。
#123
○佐野説明員 それは言葉が足りなかった点はその次の御答弁あたりで、許可基準の問題とか調査範囲というものは最近の国会の審議の状況などをも踏まえましてというふうなことで、当然御審議の経過なりそういったものに乗っかった上で私どももそういった方向を踏んでまいりたいという趣旨も御説明したやに記憶はしておりますが、もし御記憶でございませんでしたら、そういうことで御承知おきいただきたいと思います。
#124
○小川(新)委員 私は一つだけ切り文でそこだけ言うと、さもさもあなたがそういうことを賛成したかに思いますけれども、その後にちゃんとあなたなりの御訂正のあることも知りておりますが、その面が後々いろいろと議論の対象になってはという、親心と言ってはあれですけれども配慮と申しますか、そこで、この衆議院の委員会の中であなたの考えが明確になっておりますから、これ以上何も私は責め立てる気はありませんけれども、そういう点はひとつ十分御配慮していただかないと、これはやはり権力で何でもやれば物事は解決するのだという発想や着想というものはとかくいろいろな問題を惹起しますから、そこでこういった問題が起きないような社会にしていくところに政治や文化や宗教や哲学があるわけです。
 そういうきれいごとだけでは世の中が進まないところに警察権力の介入というか、そういったまた警察官の御努力というもの、先ほど私が聞いた犠牲者を伴う高価な代償を払った中で、民主主義のまた平和国家の安定というものに代償を払っているのだということは私たち野党もよく知っております ただ何でもなくこういう問題が出てきたのではない、そういうものが出る限りはこれだけの犠牲が出ているのだ、これだけの警察官のとうとい血も流れておる、そして多くの大衆の血も流れたという発想はよくわかります。それと、先ほども冒頭自民党の方が御質問になったように、スポーツでありまた健全な狩猟である、そういった面を忘れられたところに問題が出るということも、私の質問の中からおくみ取りをいただきたい。
 そこで、細かいことでございますけれども、先ほどの銃砲所持許可も運転免許証もその更新はいずれも三年である。鉄砲と自動車とを比べる方がちょっとおかしいのですけれども、運転免許を取る前に自動車を買える。しかし銃の場合は、運転免許証とは違ってその所持をする場合には、危険を伴うから講習を受け、また、所持許可を完璧にするため資格を洗い直し、その人間の持つ適格要件を厳重にチェックして、なおかつ、これでもまだ不安だというところに今回の法改正があって、それが民間諸団体や関係団体との話の中から、まだまだ欠格的な問題があるからわれわれがこの委員会で質問しているわけでございますから、そのいろいろとしている中で、三年がいきなり五年になってしまうようなことがどうなのかとか、または、その許可証を持ってないときに、いきなりもう次には持てないのだというような、ほんの形式的な過ち、形式的な欠陥を本質的な欠陥と混同するような改正というものは、いろいろ国民から反発を買いますから、その辺の弾力的な運用というものは指導の中で的確にできるのですか。
#125
○塩飽政府委員 許可を受けた者が何らかの理由で取り消しを受ける、その欠格期間の問題も絡んで少し過酷ではないかという議論も承りました。違反を行った者が全部一律に行政処分が行われるかどうかという点が一つ前提としてございます。したがいまして、取り消す場合の判断が一つございますし、それから、欠格期間が三年から五年になった理由につきましては、これはやはり一たん許可を得て取り消したその者がまた許可をもらって三年たたないうちにまたやってしまったとか、そういういろいろな実例から考えまして五年というふうに延ばしてあるわけでございまして、運用の面で一応、一律に処分するかどうかとか、内容をよく個別に審査してやるとか、いろいろ運用の面では考慮する必要があろうかと思います。
#126
○小川(新)委員 それはぜひ法の運用について、これからいろいろとお扱いの苦慮があると思いますけれども、お願いします。
 そこで、銃器を使った殺人、強盗事件の前歴者で現在、銃砲の所持を許可されている者の数はつかんでおられますか。
#127
○塩飽政府委員 現在猟銃の所持許可を受けている者の中に御指摘のように、暴力的な不法行為の前科前歴がありながら許可された者がおるのは事実でございます。ただ、許可の時点ではすでに犯行の時点から相当な期間が経過している者がほとんどでございまして、若干数字を申し上げますと、銃砲を使用した殺人、強盗の前歴者が七名おります。それから、殺人、強盗の前歴者というだけで銃砲云々というのを除きますと、総数は三百六十八名ということになっております。
#128
○小川(新)委員 いま私が聞いたのは、銃器を使ったものと分けたわけです。殺人、強盗の銃器を使わないものも含めれば、殺人、強盗の前歴者というのは非常に多くなってまいりますが、これは刀とか棒だとか石だとか鉄パイプだとかこういったもの、銃器専門に使って犯したのはいま聞きましたからわかりますが、そういうのと分けて……。
#129
○塩飽政府委員 銃砲所持許可中いわゆる暴力的不法行為前歴者ということですが、銃砲を使って暴力的不法行為を犯した者という数字でいままとめてございますが、それが三十三人おりました。それから刀剣類を使った者が百二名、刃物を使った者が三百四十五人、それからその他の凶器というのが五百八十六人、凶器があるかどうかわからないというのが三百三十八人、そういった数字がございます。
#130
○小川(新)委員 今回の法律改正は、これから持とうとする者に対し非常に厳しいですが、いままで、いま言ったように分けて銃器だ刀剣だ、何名だというとこれだけの方が持っていらっしゃる。私は犯罪を犯した方がいつまでも一般社会人に復帰できない、それだけの資格も持てないなどというような、そんな残酷な物の発想で言っているのではありませんけれども、先ほどの御質問の御説明を聞いていますと、再犯を犯す者は十年ぐらいたつとまたやるのだというような例を挙げられておりました。そこで後から質問する十年という問題が出てくるのですけれども、それは三年ごとの許可の更新時に本当にチェックできないのかできるのか。できないとするならば、これは大変なことになりますね。だから、つかんでいればいいのですね、はっきり言って。そして、それに対して家宅捜索だとか何だとかというならまだ話はまだわかるけれども、そうでない一般も含めてということで、いまいろいろ質問の中で問題があるのですから、その辺どうですか。
    〔松野委員長代理退席、委員長着席〕
#131
○塩飽政府委員 先ほど暴力的不法行為を犯した前歴者の数字を申し上げましたけれども、この辺も昨年、銃砲の許可を持っている者、これは五十数万人おるわけでございますが、それを総ざらいして調べてみたわけです。その結果ああいう数字になったわけでございまして、これから先もたとえば更新の機会にその人に関するデータ、その辺でこういった欠格要件に該当するということを見つけましたならば、これは更新時に欠格要件に該当するということで排除をできるわけでございまして、そういった手段も講じることになろうかと思います。
#132
○小川(新)委員 改正法案第五条の二の二項第二号によりますと、欠格事由となる凶悪犯の前歴の内容を「人の生命又は身体を害する罪その他の凶悪な罪(死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たるものに限る。)で政令で定めるものに当たる違法な行為」にしぼった理由は何かということですが、三年未満の刑を受けたる者はどうなるのか、銃砲、刀剣類または刃物以外のものを使用した一般的な暴力的不法行為者は対象にならないのかなるのか、また、暴力的不法行為以外の刑罰に対してこの法の精神が不当に適用されることはあるのかないのか、以上三点。
#133
○塩飽政府委員 御指摘の第五条の二の二項の第二号に「銃砲、刀剣類又は第二十二条に規定する刃物を使用して、」云々とございます。それで、これに当たります場合、こういった行為を犯した者は十年間許可しない。ただ、これに刃物等を使用しない場合、これは例がいろいろあると思いますが、一つは、従来の規定である五条一項六号の規定に該当するかどうかということで判断をする方法がございます。
 それからまた、新しい条文で第五条の一項の五の二でございますが、この新しく設けました規定、すなわち五条の二の第二項の二号にあるようなそういう凶悪な罪を犯して罰金以上の刑に処せられた者は、刑の執行が終わった場合それから五年を経過していない者には許可しないということで、いろいろな点からしぼりをかけておるわけでございます。
#134
○小川(新)委員 それは今後はどうなるかということですね、この法のあれはどう生きるかということ。
#135
○塩飽政府委員 これは更新のときにまた判断をいたしまして、欠格条項に該当するということであればその時点で許可をしないということになると思います。
#136
○小川(新)委員 いずれにしても、三年ごとの更新のときに厳重なチェックが必要となりますが、そこで今度、第十条の五第二項及び第三項の立入検査、これも先ほど質問がありましたけれども、都道府県公安委員会は、「盗難の防止その他危害予防上その保管の状況を調査する必要があると認めるときは、その必要な限度において、警察職員に、当該猟銃の保管場所に立ち入り、検査させ、又は関係者に質問させることができる。」となっておりますが、ここが問題になるわけですね、これは先ほどから言っている。これは恣意的な警察権力の介入にならないかという疑問が出てくるわけです。
 それはなぜかといいますと、憲法第三十五条では、住居の侵入、捜索、押収に対する保障というところでは、「何人も、その住居・書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三條の場合を除いては、正當な理由に基いて發せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。捜索又は押収は、權限を有する司法官憲が發する各別の令状により、これを行ふ。」ことが明文で定められておりますが、正規の手続を踏み、何の不適格事項も持っていない全く健康な一般国民、市民が、銃器を持っているというだけで居住権の外に置かれ、令状なくして犯罪捜査以上のことができるようにすることは、時代に逆行する面があるのではないかという声も上がっていますね、これは。そうすると、猟銃を持ったということで憲法第三十五条を超える扱いを受けるということは、健康的な人がスポーツもしくは狩猟に使うものがそれほど危険視されるのかというふうにわれわれは理解するわけでございます。
 そこでそれについて私は、そういう立入検査をされるようなときは先ほど私が提案した、交通安全協会とか犯罪予防協会と同じようにそういった方々、このリーダーになる方々は人格も社会的な面もまた御商売の面からいっても専門家でございますから、そういう方々が、おまえのところの扱いはどうなんだこうなんだということがわかることによってそれが警察との連携を保てば、あえてそういった捜索もしくは調査に立ち入らなくてもいいのじゃないか、この辺のところはどうなんでしょうか。
#137
○塩飽政府委員 立ち入りの問題につきましては御指摘のとおり、いろいろ考慮しなければならない問題がございます。一つの射撃に関する協会に入っていて、その人たちがお互いに保管の問題、銃砲の管理の問題、そういうことについて指導し相談をするという、これはそれなりに結構だと思いますが、今回お願いしておりますこの立ち入りの問題につきましては、これは公安委員会が猟銃の保管の状況を調査するために必要だということでございまして、いわゆる行政調査でございますから、司法上の観点から行います捜査上の適正手続について決めた憲法三十五条の規定は直接関係いたしませんけれども、しかし住居に立ち入るということで、十分その趣旨を尊重して行わなければならないと思うわけでございます。
 ただ、立ち入って、いろいろ保管上の問題とか指示したりあるいは保管上の措置をいろいろ命ずることが書いてございます。また、それがないと実際の保管が厳正にいきかねる向きがございますので、そういったことから、民間の人とどうかという話につきましてはちょっと、別の問題、指導の問題といいますかあるいは自律的な作用といいますか、そういったところで議論になろうかと思いまして、立ち入りはこれはこれなりに相当厳重な縛りがかかっておりますから、その辺はいまの時代でも決しておかしくはないと私どもは考えております。
#138
○小川(新)委員 この立ち入り権については参議院でも相当白熱した議論があったやに聞いておりますし、先ほどの御質問者の中にも出ておりますね。これは本当に人権の問題、プライバシーの問題、憲法三十五条の基本的問題に抵触する問題でございますから大変なんですが、私は違った面から危惧を抱いておりますことは、こういうちらしが八王子警察から「お知らせ」として出ております。
  三月一一日世田谷区内の猟銃所持者宅に警察官を装った二人連の男が訪れ応対した家族に対し「お宅の旦那さんは猟銃を持っていますね」等と質問した。不審を感じた家族が「警察に連絡する」と言ったところ二人連は慌てて立ち去った、という事案が発生しています。
  次のことに注意して銃を騙し取られたり盗難にかかったりしないようにして下さい。
     記
 一 私服の警察官については、警察手帳等により身分を確認して下さい。
 二 警察では銃の保管をしていませんので銃を渡さないで下さい。
 三 銃の保管庫は確実に施錠し、他人に開けて見せたり、しないで下さい。
 四 警察官を装うなどの不審者についてはすぐ警察に連絡して下さい。
    昭和五五年三月
             八 王 子 警察署
             八王子銃砲安全協会こういう今度は立ち入り権を利用した――そういった法律ができたことによって、それが周知されてくることによって、銃を扱っていらっしゃる、持っていらっしゃる方々にも今度は何の不安、不審感も出てこない。警察官は立ち入りしてくるのだ、検査をされるのだ。いままではそういうことがないから不審を感じた。それこそにせ、それこそ非合法の手段によって手に入れなければ猟銃や拳銃の手に入らない暴力団や極左グループに銃を売却したり渡す連中は、そういう非合法な手段を講じて銃器をだまし取ったりしますね工たまたま御主人がそのときにいればいいですよ。娘さんだとかおばあちゃんだとかおじいちゃんだとか奥さんだとかお手伝いざんだとか使用人だとかじゃ全くわからない。警察手帳のようなものをさっと見せられたら、一般の人はもう驚いて、さささっとやられてしまうおそれが出てくる。そういうことがもう現実に出てきた。
 だからこういった問題こそ、たとえばこの八王子の銃砲安全協会のような民間団体、そういった安全に銃が確保され、また施錠され、保管されているかどうかということの危惧を警察がお持ちになってそういった調査、立ち入りに入られるのであれば、それが事前にわかるようになっていればいいことであって、それを私どもはさっきから言っているわけなんです。こういう事件が出てきたらどうなるのです。これは出ないとはだれも断言できませんよ、これは大変なことになりますよ。
#139
○塩飽政府委員 八王子のにせ警官ですか、その話をいまちょっと伺いましてびっくりしておるわけですが、確かに御指摘のとおり、にせものが横行して、もし万が一不正に銃が危険な人物に渡るということがあればこれは大問題でございます。そういう意味で、これは防がなければならないわけですが、防ぐ方法としましては、立ち入りにつきましては一つは、事前に通告するということにしております。四十八時間以前に事前通告をする。それから立ち入る場合には、警察官である身分を示す証明書を持っておりますから、それを示すというふうなことでこれはカバーできるのではないかと思いますが、なお、実際立ち入る場合に当たりましてどうすれば不安なく立ち入れるか、その辺の現実の問題は十分検討してまいりたいと思います。
#140
○小川(新)委員 隣近所へお巡りさんが来てある家へ入っていったら、何か悪いことでもしたんじゃなかろうかなんて、それだけだってみんな――交番のお巡りさんが大きな厚い住居調査のあれで戸別訪問をなさることもございますけれども、これは事実上、普通余りいい感触じゃないのですよ。そこで、そういった問題は厳重にしませんと、大変なことになるという老婆心から私は申し上げております。
 そこで、改正案では「関係者に質問させることができる。」とありますが、先ほど関係者の問題も、商売がたきだとかいろいろなことがあっていい情報ばかり入れてくれませんね、関係者に聞くということは。そこで、そういう同居者やアパートの管理人や近所の人たちを想定するのであれば、人間関係を悪くするおそれがあるということは先ほどの質問にもありましたが、私は一歩突っ込んで、所持者本人に改めるべきではなかろうか。所持者本人に聞くのが一番いいのですね。本人がうそをつくかつかないか、それはもうそこまでいってしまったら、銃を持つ資格がない。どうでしょうか。
#141
○塩飽政府委員 立ち入りの場合の関係者としましては私ども考えておりますのは、まず、猟銃を持っている所持者本人、それからあとは、一緒に住んで同居している人というところを考えておりまして、近所の人とかあるいはアパートの管理人、そこら辺は考えていないわけでございます。ですから、本人に聞くか同居している人に聞くということでございますから、それほど問題はないのではないかと思っております。
#142
○小川(新)委員 それをひとつ厳重に守っていただきたいと思います。
 それで、改正案の「必要があると認めるとき」というのを、明白な危険性ありと認めるときと書きかえられないかどうか。二番目は、定期検査に正当な理由なくして出頭しない等の場合は、公安委員会の発行する立入検査証並びに警察職員たる身分の証明書を提示して調査することができると明文化すべきではないかと思いますが、この二点についてはいかがでございましょう。
#143
○塩飽政府委員 立入検査をする場合につきましては、法文上は「盗難の防止その他危害予防上その保管の状況を調査する必要があると認めるとき」とされているわけでありますが、その内容としましては、御指摘のありました場合以外にも考えられるわけでございまして、その中には明文化になじまないものもあろうかと思います。したがいまして、現行の表現の方がいいのではないか。
 それからまた、身分証明書の提示義務につきましては、法文上の要件とされているわけでございまして、ここら辺も原案でよろしいんではないかと私どもは考えております。
#144
○小川(新)委員 時間がありませんから、ちょっと飛ばします。
 立入検査は個人の私宅に対して行うことが多いと思いますけれども、工場などに保管している場合もあるでしょうし、会社、事務所、そういうところもあると思いますが、その乱用を防ぐため、関係者の承諾、四十八時間前の事前通告、日の出から日没時の時間に限るなどと総理府令などで明文化した方がいいんではないかと思います。夜中に来られたり、明け方のよく暴力団を家宅捜索するような暁の襲撃などということはしないように明文化すべきではないでしょうか。
#145
○塩飽政府委員 御指摘のとおり、立入検査に伴うそういった乱用を防ぐため、いろいろ条件がございますから、それは総理府令で決めてまいりたいと思います。
#146
○小川(新)委員 あと、改正案の第十条の三第二項、「総理府令で定める基準に適合する設備及び方法により行わなければならない。」となっている中に、盗難防止のためにガンロッカーを二重のかぎにするとか、引き金ロックにするとか薬室ロックにするなどいろんな考えがありますが、そういうことは具体的に総理府令の中の案として考えられているかどうか、この問題が一点でございます。
 第二点は、射撃教習用途の備付け制度につきましてはもう質問がありました。これはもう皆さんよく御存じだから私、余り言いませんけれども、ライフル射撃場の場合はクレー射撃と異なり、人数も年間二百人ぐらいしかいないということでございます。備付け銃の保管設備を整えなければならないが、一体だれがこれを設置するのか。警察では、地方公共団体の備付け銃に対する予算措置は考えているのかどうか。教習射撃場一カ所三丁、大口径、小口径、スタンダード、フリーライフルで、装備全体では二百万円を超えると言われておりますが、受益者負担にたえられないのではないか、ライフルの場合は。こういった細かい点で恐縮でございますが、御答弁をお願いしたいと思います。
#147
○塩飽政府委員 個人が保管する場合のロッカーにつきましては、これは総理府令で具体的に決めるように作業を進めております。内容としましては、堅固なロッカーに入れるとか、あるいはかぎが確実にかかるとか、あるいは鎖で銃を固定するとか、そういったことを決めてまいりたいと思います。
 それから、たとえばライフル射撃場の場合の教習射撃場になった場合の銃の保管の問題、備付け銃の問題でございますけれども、これは保管設備を設けるのは設置者としての任務ということになっているわけでございますが、経費につきましてはあくまで利用者負担という原則に立たざるを得ないと思います。また、ライフルの数につきましても、これは法上は、大口径を持とうとするあるいは小口径を持とうとする、いろいろな人がいましても、これはたとえば小口径で講習を受けるということも別に妨げはないわけでございますから、最小限度の丁数で足りるのではないか。経費についてもなるべく過大な負担のかからないような方法というものを、実際に運用する場合にはお互いに考えてまいりたいというふうに思っております。
#148
○小川(新)委員 指定射撃場の管理者、県の体育課長などがなっているのですけれども、今回の法改正によって、負担が重いのにさらに銃を備えつけて、そして銃の保管まで義務づけられることになりますと、現在全国で二十五カ所ですか二十三カ所ですか先ほどございましたが、その教習射撃場でさえ今後激減するおそれがあるのではないか。そんなのやめちゃおう、そんなやかましいことを言ってとてもたえられない、責任問題まで波及してくる、そういう教習場がどんどん減っちゃって、これは銃を扱う関係者にとっては死活問題になってくるとも言われておりますが、その辺の管理者の責任問題やそういった負担の問題等はどうお考えになっているのか、そして、それが減らないような方策はどう講じられるのか。
#149
○塩飽政府委員 ライフルの教習射撃場は全国で二十三カ所ということになっておりまして、特にその中でも公的な機関が設けているところ、設置者が知事さんという場合も見受けられます。そういった場合の管理者の問題ですが、管理者はおおむねライフル協会の方、幹部の方がなっておられる例が多いように思います。
 そこで、管理者の責任問題に絡んで過大の負担がかかるということかもわかりませんが、実際にその教習をやり射撃をやる場合に管理をする人はどなたかおられるわけで、必ずしもその協会の最高の責任者、役員の方である必要はないわけでございます。したがいまして、銃に詳しく、しかも教習にもしょっちゅう出てこれる、また管理するのに一番適当だという人を選んでいただいて、その人が管理をするというふうな方法がとれるのではないかと思いますし、また、保管の問題につきましても、これは人里離れたところへ堅固なものすごい保管設備をつくって保管をするというふうなことまでも要求をするつもりはございません、またそれは余り現実的とは言えないものですから。ですから管理者が、あるいは自宅へ持って帰って自宅の堅固なロッカーに入れておくということも運用上可能でございます。したがいまして、その辺は実際に備えつける時点でいろいろとまた相談をして、運用の面でなるべく過度の負担のかからないような方法というものを考えてまいりたいと思います。
#150
○小川(新)委員 いまちょっと気になることを聞いたのですが、管理者がその預かり銃、備付け銃を自宅へ持っていって管理してもいいのですか、いいのですね。そういう場合に、おまえ自宅へ持っていっちゃったから、こっちが厳重だったからと、後でいろいろごたごたが起きる例はないのですか。火事に遭ったり盗難に遭ったり、こっちの方がよっぽど安全だったのになぜ持っていったんだと言ったら、不完全な状態でもうとても責任を負い切れないからそっちへ持っていっちゃったということで、警察からおしかりや罰を受けるようなことはないのでしょうか。
#151
○塩飽政府委員 管理、保管をする場合の基準がございますから、その基準に従って正確に保管していれば、それはもう責任はその時点で終了すると思います。
#152
○小川(新)委員 第十一条五項の眠り銃についてでございますけれども、これは許可を取り消すことができる、つまり、引き続き三年以上使用していない、受けたものを使っていないいわゆる眠り銃ですが、それを取り消すことができるようになると、その基準及びその理由は何か。毎年の銃砲検査を行うのはいいのですけれども、もっと簡素化して、眠り銃かどうかの調査や今後使う意思があるのかないのかというような詳細な個人調査はやめて、銃と所持者の確認だけで相当の効果があるのではないでしょうか。
 それから、眠り銃と言われるものの中には、由緒ある銃、歴史的に貴重な重要な銃、美術的に重要な銃などがありますが、これらの文化財的な貴重な銃まで一掃してしまうのは、銃砲史の上から見ても文化の上から見ても、かけがえのない財産の放棄につながってまいりますけれども、これはどうお考えになっておりますか。引き続き三年以上使用されなくても、これらの銃についての救済措置というものを当然認めるべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
#153
○塩飽政府委員 眠り銃の取り消しの問題につきましては、許可された用途に供さないまま長期間保管されているだけのものにつきましては、盗まれる問題あるいは犯罪の予防上きわめて問題が多いということで、これは取り消したいということでございますが、毎年の検査で云々ということにつきましては、眠り銃排除の適切な運用を期するということにつきましては、法十三条の規定による検査の際に眠り銃であるかどうかの認定ができるとしておくことが、一番効果的だと思うわけでございます。それから眠り銃であるかどうかという認定は、これは銃砲所持許可証の確認と密接に関連しているわけでございまして、これも同一の機会にあわせて行った方が効率的である、合理的であるというふうに思います。
 それから、眠り銃の中にいわゆる由緒のある銃、歴史的に大変重要な銃というのも確かにございますが、これにつきましては現行法上は、歴史的あるいは美術的に価値のある銃砲につきましては、その文化的な価値を認めて保護、活用するという社会的な要請にこたえるという意味で、文化庁長官の登録を受けて所持することができるという道が開かれてはおります。また、公立の博物館の展示品のように公衆の観覧の用に供するという道もございます。なお、これらの要件に合致しないものにつきましては、今回の改正で眠り銃となるわけでございますが、そうした歴史的または美術的に価値があると客観的に認められる銃で保管等が万全で危害予防上全く問題がないと認められる場合には、これは弾力的な運用と申しますか、ケース・バイ・ケースで判断をしてまいりたいと思います。
#154
○小川(新)委員 最後にひとつ御要望を申し上げておきますが、長官、私どもはこの法案に対しては賛成いたしますが、種々問題点を洗い直してこの委員会を通じて、これに関係する五十万人からの国民の側に立った発言、またそれを扱う側の業者、またそれを取り締まらなければならない警察側の立場、それをるる三段階に分けて私は簡単ではございますが、まあ不完全ながら申し述べたつもりでございます。そこで、法の運用に当たってはあくまでも、権力を持ち力のある者がどうしても先行してまいりますので、そういった面を十二分に御注意なされ、なおかつ、この運用に当たっては弾力的に解釈すべきところは解釈をし、そして、総理府令並びに施行令、これからの法の運用についてひとつ御配慮をいただきたい、私どもはあなた方の提出した法案に賛成をいたしますが、そういう面をひとつ最後に御決意を聞いて、私の質問を終わらせていただきます。
#155
○山本(鎮)政府委員 ただいまいろいろと御親切な御指摘がございまして、われわれとしては、ただいまの御趣旨を体してこれから法の運用について万全の措置をとって、国民の期待に沿った法律の運用をいたしたい、こういうつもりでございます。
#156
○小川(新)委員 終わります。
#157
○塩谷委員長 安藤巖君。
#158
○安藤委員 参議院でもいろいろ議論がされましたし、きょうも午前中からずっといろいろ議論がなされてまいりましたのですが、一部重複するところがあるかもしれませんが、できるだけ重複しないようにお尋ねをしたいと思います。
 そこで、午前中も議論があったのですが、この法案の改正案を作成するについて、五十一年のときそれから五十三年のときと比べて関係団体、これは御承知のように日本銃砲スポーツ団体協議会というのがあるわけで、その中にライフル射撃協会とかクレー射撃協会とか猟友会とかいろいろな団体が加盟しておるのですが、こういう団体の人たちの意向を十分お聞きになったのかどうか。その関係について、議論になっております備付け銃の問題とかあるいは仮免許制度がなくなった問題とか等々でいろいろ不満な意見があるのですよ。だから、その辺について十分御意見をお聞きになったかどうか、まずお伺いしたいと思います。
#159
○塩飽政府委員 今回の法改正に当たりましては、いま御指摘の射撃団体あるいは狩猟団体、業界などにも構想や骨子を説明いたしまして、それから御意見も十分伺ったわけでございます。最近における銃砲使用犯罪の情勢でありますとか、それから、昨年の国会審議の経緯もございますし、またさらには、参議院の決算委員会でも銃刀法の見直しという問題で警告決議もちょうだいしたわけでございます。さらには、マスコミ各紙の論調もございますし、いろいろなところの御意見を伺って、その上で改正案としてまとめたわけでございまして、一応各団体、射撃の関係者の意見は聞いておるつもりでございます。ただ、改正案をまとめる過程での各方面からの意見としましては実は、銃を所持していない立場の方の意見と銃を持っている立場の御意見と、これはかなり食い違いがあるわけでございます。しかし、これはやはり銃を持っている方の立場というものも十分に考慮しなければならないわけでございますから、そういった点を踏まえた上でわれわれとしては、これがベストであるというふうなことで法案をつくり、御審議をいただいているということでございます。
#160
○安藤委員 いろいろ意見を承ったというお話でございますけれども、大分不満があるのですね。これまでいろいろ議論がなされてきておりますけれども、今後の運営の問題についても、そういう関係団体の方の協力も相当得なければならぬことも出てくるのじゃないかと思います。だからそういう点について、いまはもう法案としてつくられて出されてきておりますから過去の問題になりますけれども、いろいろ不満があるようですから、今後運用の面に当たっては十分配慮していただきたいということをまず要望しておきたいと思います。
 そこで、銃砲の所持許可申請書を必要事項を記載して出すわけですが、許可になった場合はもちろんいいのですけれども、不許可になった場合は、不許可にするという一つの行政処分になると思うのですが、こうこうこういう理由であなたは不許可になったのだという理由は書くのですか。
#161
○佐野説明員 一般的には許可の欠格条項の第何条の何号に一応該当いたしまして許可をいたしませんという、概括的な不許可の通知はいたしております。
#162
○安藤委員 ということをお尋ねするのは、一つの例として申し上げるわけなんですが、重要な事項あるいは重要な事実について記載漏れがあった場合は許可してはならないというふうに今度なっているわけですね。その重要な事実、事項に住所歴なんかも入るのかどうか。どうですか。
#163
○塩飽政府委員 住所歴も入ります。
#164
○安藤委員 ところがいまのお話だと、不許可になったのは、概括的に第何条第何項に該当するからということだけであって、住所歴が十分書いてなかったからだということは本人にはわからないわけ。そう転々と住所を変わる人もないかもしれませんが、やはり転勤の都合等々である、あるいは、学生でライフル射撃をしたいということを希望している人がおって、学生ですから下宿を転々とする場合だってあり得るわけですね。そういう場合に、短期間おった住所あるいは下宿先等々ついうっかり忘れた、故意によってそこを書かなかったというのではなくて、つい書き漏らしたというような場合なんかもやはり不許可ということになるのかどうか、あるいは、提出されていろいろ調査した結果、どうも一つ漏れているようだ、だからここのところを一つ漏れているから訂正して出したらどうかというような扱いをしてもらえるのかどうか、そういう点はどうでしょう。
#165
○佐野説明員 公安委員会の許可するかしないかの判断に重大な影響を及ぼすような住居歴の問題でありますとか前科前歴の問題は、一応重要な事項というふうに解釈いたしてございます。ただ、この場合の不許可処分の性格でございますが、実態的には不許可にしたからということで、今度それがまた原因で例の欠格期間として、要するに行政処分としてだめになったから数年間欠格条項がかぶっていく、そういうリンクのいたし方はしてございません。したがって、不許可処分にはいたしますが、本人がまた補正して改めて新規の手続によって出てくるものについては、それはそれで受け付けて処理する、そういう仕組みになっております。
#166
○安藤委員 その関連でちょっと細かい話ですが、たまたま住所歴を一つ書き漏らした。住所歴は非常に重要だとおっしゃるのですが、私は重要なのかどうか本当はよくわかりません、疑問を持ちますよ。住所をどこか一カ所抜かしたのが重要なことになるのかどうか、実は疑問を持つのですが、まあ許可を受けた。ところがその後、一つ抜けていることがわかったということになった場合は、これは取り消しになるのか、そして、取り消しになると五条の一項四号で五年間はね返ってくるのか、その点はどうですか。
#167
○佐野説明員 いわゆる虚偽の記載というふうに見れるものがございますれば、それはその限りにおいて取り消しということになります。それから、うっかり忘れというふうな問題に関しては、実体的に許可の判断に影響がなかったようなものであれば、これは補正とかという問題なしで一応そのままの許可が有効という場面もあろうかと思います。
#168
○安藤委員 そうすると、実質的にはほかの犯罪との関連の有無というようなことによって運用をしていただけるということですね。そうでないと、取り消しになって五年間かぶってくるということになると、これは酷に過ぎるのじゃないかと思うわけですね。
 それから、参議院の地方行政委員会でいろいろな議論がなされたのですが、三月十八日に保安部長さんの答弁で、重要な事項、重要な事実の中には検挙経歴も入れるつもりだという御答弁があるわけですが、検挙される事案の内容にもいろいろあるわけです。たとえば交通違反とか、それでも罰金刑以上がありますからね。それから、選挙違反あるいは食管法違反とか、これは私ども考えてみても、銃砲の所持を許可するかどうかという問題とそう関係がないのじゃないかという気がするのですけれども、こういう検挙歴もやはり入るのかどうか。いかがですか。
#169
○塩飽政府委員 犯罪の検挙歴につきましては、重要事項に当たると考えられるわけでございますが、たとえば道路交通法違反の中でも反則行為に係るもの、これは当たらないと思います。しかし、罰金の場合は当たるというふうに考えております。たとえば道交法違反の場合でも、暴走族で集団で走ったとかあるいはいわゆるひき逃げというものも入ってまいりますが、許可するかしないかの判断のときに重要な要素になり得る問題でございます。そういう意味で、罰金以上のものは一応入れております。
#170
○安藤委員 そうしますと、許可するかどうかの判断をする一つの材料としてそういうものを重要な事項として記入してもらうけれども、交通事犯とか選挙違反とか――交通事犯でも、先ほどおっしゃったような暴走族云々ということ以外の交通事犯、しかも過失によるというような場合は不許可の対象にしないというふうに運用することも考えているのだ、こういうことになりますか。
#171
○塩飽政府委員 これは不許可にするかしないか、許可してもいいかどうかという判断の一つの要素でございますから、たとえ前歴がありましても許可をする場面はございます。
#172
○安藤委員 そうしますと、許可を受けた後で、所持をするようになってからですが、そういう直接銃砲の所持と関係がないと思われる先ほど言いましたような事案で検挙されるということになった場合も、すぐ取り消しの対象になるわけですか。
#173
○佐野説明員 消極に解しております。
#174
○安藤委員 消極ということは、そのことが直ちに取り消しの対象になるわけではないということですね。
 それから、岐阜の県警のいろいろな基準の問題については、もう議論がなされましたし、参議院でもいろいろ議論をされておりますので、その問題は、全然それは問題にならないから触れないのじゃなくて、大いに問題であると思いますけれども、重複を避けまして私は省略をします。
 しかし、それとよく似たのがあるのです。ここにあるのは日本銃砲商業協同組合が昨年の六月の末に、その組合に加盟している銃砲を扱っているお店屋さんにアンケートを求めたものですが、全部は言いませんけれども、「所持許可申請が受理されなかった事例」として、岐阜県警の場合とよく似たところもあるのですが、夫婦げんか、これは東京と岐阜にあるというのです。どの程度かわかりませんよ、わかりませんけれども、とにかく許可申請を出した人が夫婦げんかをよくやるというのでしょうね。あるいは夫婦げんかが好きだというのか私、知りませんけれども、夫婦円満の秘訣は夫婦げんかをやった方がいいくらいに私は思っているのですが、受理されなかった事例として夫婦げんかが出てきているのです。あるいは、息子の高校時代、だからちょっと前だろうと思うのですが、その同級生に不良グループがあるということで不許可になった。それから、親と同居中でも独身者は申請を受理せず、これは愛知県である。こうなりますと、許可されない、申請も受理もされないという範囲が相当拡大されて、夫婦の問題までいろいろ対象になる。これは岐阜の県警のあれの中にもあったと思うのですが、こういうようなことでは大変だと思うのですね。
 こういうものはもちろん重要事項にならない、重要な事実にもならぬと思うのですが、こういうようなものも重要事項の中に入れるおつもりなんですか。
#175
○塩飽政府委員 ただいまお話のありました夫婦げんかとかあるいは昔高校生に不良グループがいたとかこの辺の問題は、重要事項というよりはむしろ、五条一項六号の欠格条項に当たるかどうかという判断の問題の一つの要素だろうと思います。しかし、ただ夫婦げんかしたからといって許可しないというのは恐らく余りないのではないかと思います。私の記憶している限りでは一つの例として、夫婦げんかで有名な御夫婦が銃の許可を取り消されたことはございますが、これは、許可を持っていて、夫婦げんかの最中に銃を取り出しまして、自分の奥さんに銃を突きつけて脅迫をしたという具体的な事件がありました。これは同じ夫婦げんかでもきわめて危ないものですから、取り消しました。ですから、よくやる夫婦げんか程度のことで果たして欠格条項に該当するかどうかというのは、それだけでは判断はむずかしかろうと思います。しかし事柄としては、夫婦げんかあるいは子供の交友関係という中で、これはきわめて危ないという要素も場合によってはあり得るのではないか、そういう意味でのことだろうと解釈をしております。
#176
○安藤委員 そうしますと、これは重要事項あるいは重要事実の中に、夫婦げんかをしますかとか、あるいはしばしばしますかとか、月に何回ぐらいしますかとか、こういうような記入の仕方になるのですかね。そして、そういう記入があると、果たしてそれが本当なのかどうか、夫婦げんかの中身はどういうのか、態様はどうなのか、こういうことまで隣近所に聞いて回るということになりますか。
#177
○塩飽政府委員 ただいま御指摘のような事柄につきましては、申請書の中にいろいろ記入する欄がございますから、その辺の書き方の問題だろうと思います。余り極端なものについては書くことはないと思いますが、その辺で少し整理をして、様式のつくり方あるいは申告の仕方をこれから決めてまいりたいと思います。
#178
○安藤委員 国民の基本的な人権、プライバシーの侵害にわたらないように、そういうことは十分配慮していただきたいと思うのです。
 それから、これは午前中にも話が出ておったのですが、このアンケートの結果によりましても、各都道府県によってそれぞれ受理する、しないの基準がまちまちになっているわけです。だから、そういうことのないようにこれは要望をさせていただきます。
 それから、これもちょっと午前中話が出たのですけれども、予備銃あるいは同種のもの以外に、たとえば大口径にしてもライフルの場合、反動の強い銃あるいは反動の弱い銃、これは風の強いときに撃つとか、風の弱いときはこれを使うとか、小口径にしても、先ほど話が出たフリースタイルとかスタンダードとか、さらにエアライフル、空気銃、これはいつも練習するときには必要だというようなことがあって、一人複数、聞くところによりますと最低四丁は要るのだという話なんですよ。ところが、いまのアンケートの中にもあるのですが、三丁目は受理しない、これは相当の県であるのです。それから、同時二丁の申請は受理しない、同種目二丁目の申請は受理しない、こういうようなことが事実行われているというのですが、この複数の所持の許可をするという点についてはどうなんですかね。具体的にあるいは合理的に必要と認められる範囲は、今度の改正案に適合する範囲内でやはり認めていくべきではないかと思うのです。丁数が多いのはだめだ、三丁以上はだめだということになってはいけないと思うのですが、どうでしょうか。
#179
○塩飽政府委員 銃砲の所持許可につきましては、銃を使用する目的が明らかであるものについて行われるわけでありまして、何丁持つかというのはあくまで個人的な事情によるものですから、何丁でなければならないということは決められないのではないかと思います。これは個人的な事情で許可をする、必要があり持つ資格があればそのまま許可になるということだと思います。
#180
○安藤委員 ということは、あなたは二丁でいいじゃないかというようなことはしないということですね。必要に応じて必要なだけの丁数は――何十丁というとちょっと違うかもわかりませんがね、あるいは十数丁というのはどうかと思いますが、最低四丁は必要だという話ですから、その辺のところは、いま御答弁いただいたような方向でやっていただきたいと思います。
 それから、立入検査の問題を私もお尋ねしたいと思うのですが、私は憲法三十五条違反の疑いが濃いのじゃないかと実は思っているのです。それと、警職法の関係、警職法の六条で、天災、事変など急を要する避難、それからまさに行われようとする犯罪の予防、これは非常に危険が切迫しているというような場合に、警察官が立ち入っていろいろ行動することができる。その中にも、生命、身体、財産に対する危害が切迫した場合とか、危害予防とか損害拡大を防ぐためとか被害者を救助するためだとか、こういうようないろいろなしぼりをかけて、そういう限度において立ち入ることができるとしっかりしぼりがかけられているわけですよ。それからすると、いろいろ議論がありましたようなことで立入検査をされるわけですが、このしぼりもないというのは、私はこれは相当大きな問題ではないかという疑問があります。
 ところが、それを言いましても、先ほど御答弁なさったような御答弁しかなされないのじゃないかという気がしますのであれですが、これは立入検査をして調書か何かをとるのですか。
#181
○塩飽政府委員 立ち入りまして、銃の保管状況を見せていただき、また必要があれば家の人に質問することはありますが、別に調書その他というところまでは考えておりません。ただ、立ち入った結果どういうところに直すべき点があるかとかその辺は、保管命令とか措置命令というのがございますから、これはまた何らかの方式で相手に伝えるということはあります。
#182
○安藤委員 そうしますと、立入検査をした警察職員が、こういう状況であったということを恐らく上司に報告されると思うのですね。あるいは、ここのところをこういうふうに直した方がいいというふうに指導をしたということも報告されると思うのです。それは本人の確認なしで、署に帰られてから、あるいはその現場でお書きになって持って帰るというだけで、別に調書をとるということはない、こういうことなんですね。
#183
○塩飽政府委員 現実にどういうふうな手続でやるかということは現在、検討中でございますけれども、たとえば一つの方法としましては、いろいろ調べたことでチェックしますから、チェックした結果はあるいはその場で本人にお渡ししてもいいという場合もあり得ると思いますし、その辺は、立ち入られた側の御納得のいくような方法というものを具体的に考えてまいりたいと思います。
#184
○安藤委員 そこで、立入検査の場合の問題で、先ほどにせ警官の話が出ました。先ほどお話に出た「お知らせ」は私もコピーを持っておりますけれども、この場合は、家族の人が不審に思って未然に防ぐことができたわけですね。ところが、そうでない場合もあり得るのではないかと思うのです。保安部長さんは先ほどから、身分証明書をちゃんと提示するから、あるいは警察手帳を提示するからというふうにおっしゃるのですが、そういう警察手帳なるものは一般の国民は余り見たことがないのですよ。だから、これはことしの一月八日の読売新聞に出ているのですが、「ニセ刑事「原田」」というのがおって、警察手帳をちゃんとつくって、お金をだまし取ったというようなことがあるわけなんです。余り見たことのないものをさっと見せられると、ああそうかなと思ってしまうのですよ。
 警察職員の人は証明書あるいは警察官の人は警察手帳、それを提示なさるというのはもちろんやっていただく必要があると思うのですが、そういう保管の場所を立ち入って見てもらう、ここに錠がかけてありますと見てもらうわけでしょう。それがにせものだったらとんでもないことになるわけですね。だから、にせものではない、これは間違いないということを、本人もしくは家族の人たちにしっかり確認させるということが必要だと思うのですが、いまのところ、手帳、身分証明書を見せるということ以外には考えておられないのですか。
#185
○塩飽政府委員 具体的にどうするかという最終的な方針、対策というものにつきましては、これからまたいろいろ検討しなければいけないと思いますが、現在頭の中にありましたのは、警察手帳あるいは警察職員の証明書を持っていますから、立ち入るときにこれを提示して立ち入るということになりますので、この点でチェックできると思います。ただお説のとおり、普通の人は余り見たことがないと思いますから、その辺は場合によっては、銃を保管して持っている方に、立ち入るときはこういうふうにして行きますということで、立ち入りの手続あるいは立ち入りの方法、そういったものをあらかじめ事前に知らせておくということも一つの方法だと思いますし、それから、立ち入る場合には四十八時間以前にあらかじめ通告をして行く、こういうことがございますから、そうすれば今度は、立ち入られる側からの確認ということも場合によってはあり得ると思います。その辺は、不安のないような方法はどうしたらいいかということにつきましては、銃を持っておられる方との話し合いという点もあると思いますから、具体的にはこれから検討してみたいと思います。
#186
○安藤委員 これは午前中に自民党の小澤委員がお尋ねになったのですが、猟友会とか射撃協会あるいはライフル協会とか、その立入検査を受ける人が所属している協会、団体の役員の人なんかに同行してもらう、それだったらこれは間違いないと思うのですね。だから、そういうような方法をやはり考えていただく必要があるのじゃないかと思うのですよ。さらに、これは一つの案としてどうかと思うのですが、自分の判こをついた許可申請書を出してありますからそのコピーを持って来るとか、そういうようなことをやはり考えていただきたいと思うのです。
 いま申し上げた前者の方などというものは、これからその協会とかそういう関係団体に運用の面においてやはり協力してもらう、意見も聞いていくのだというようなお話がありましたね、それを私の方も要望しておるわけですけれども、こういうようなときにこそやはり動いてもらったらどうかと思うのですが、どうなんでしょうか。
#187
○塩飽政府委員 先ほどもお答えしたかと思いますが、猟友会とかいろいろな団体の方がおられまして、警察の銃砲行政についてはいろいろと御協力いただいておるわけですから、そういう面では、銃砲を持っておる方の指導という意味でいろいろ情報を伝える、あるいは指導していただくという点は結構だと思うのですが、立ち入りの場合、これは銃の保管についてぜひ見たいということで警察職員が立ち入る問題でございますから、そのときに全く民間の方が御一緒ということは、ちょっといま私どもは考えていないわけでございます。ですから場合によっては、日ごろの指導とか、あるいは、何か先ほどからも話が出ておりました安全協会的なものをつくってお互いにチェックするというふうな、そららの方の場合の問題になるかとも思いますが、立ち入り自体につきましては、民間の方と一緒にこの法律に基づく立ち入りということは、ちょっと無理ではないかという気がしております。
#188
○安藤委員 この法律に基づく立ち入りになるのですけれども、実際の運用面でもしこれを間違えたら大変なことになりますから、そういうことをおもんぱかって私は言うておるし、ほかの委員の人たちも提言をしておられるのじゃないかと思うのですよ。だからそういう意味で、余りかた苦しく考えないで運用していただけたらいいのじゃないかと思うのです。とにかく証明書だけで十分だということではなくて、いまのことも含めて一遍考えていただきたいと思います。
 それから、備付け銃の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 先ほどから議論になっておりますけれども、クレーとライフルの射撃場の数なんかは、ライフルが二十三カ所ですか、非常に少ないというお話ですが、これは私がいただいた教習射撃場の数、それから設置者、所在地、管理者の一覧表があるのですが、この中でもライフルが少なくて、クレーと比べるとライフルの方が公営、設置者が県知事というのがわりと多いのですね。こういうのが現状で、今度は設置者が教習用の銃を備えつけなければならない、こういうふうに改正案ではうたってあるわけです。
 そうすると、設置者が備えつけて――この一覧表を見ますと、いままで管理は必ずしも県の職員ではなくて、協会の社員とか協会の常任理事とかという方が管理者になっておられるわけですね。ところが県知事が設置者、その設置者が銃を備えつけなければならぬということになると、参議院では保安部長さんは、教習用に使う銃は一丁ぐらいで足りる射撃場が多いのじゃないかというようなことを答弁しておられるようなんです。しかし、先ほども言いましたように教習するについては、実際に使うのでも最低四丁は要るのですから、同じ種類のものばかり教習する人ばかりならいいのですが、そうでない以上、何種類かの銃を備えつけておかなければならぬと思うのです。
 そういう点で、これは大変な経費がかかるというので、公営の教習射撃場などは、こういうような法律ができれば、経費増ということから見て指定射撃場も返上というふうにならざるを得ぬ、こういう話が出ているというのです。だから、その点を協会の人たちも非常に心配しているわけです。そうなると、教習する場がなくなりますから、技量をみがく、そして国体あるいはオリンピックに出ていこうというような技量をみがく機会も少なくなってくる、これはやはり問題だと思うのです。そういうもう返上するというような動きがあるという話は聞いておりませんか。
#189
○塩飽政府委員 備付け銃の問題につきましては、教習射撃場に備えつけるという意味で、散弾銃、クレー射撃よりライフルがかなり大変なんだという話は耳にしております。ただ結局は、その備えつける場合にどういう方法で銃を買ってきて備えつけるかという問題は、やはり受益者負担ということが原則になるわけですけれども、備えつける銃の一つはその所有権の問題、だれの銃であるか、これは備付け銃とは切り離されておりますから、この点は最低限の銃を備えつけるということで、実際の場合にはいろいろな運用の仕方があろうかと思います。それからまた、管理者の問題につきましても、管理する責任の問題あるいは保管の問題、どうするのだということもありますが、これはまた管理についてのいろいろな運用上の問題ということで、かなり考えられる余地があると思います。
 それからもう一つ、教習射撃をやってそれで許可をもらうという方法と検定の問題がございます。いま大部分はライフル射撃をやるまでに、選手の人ですとエアライフルなどでかなり訓練をしたりして銃の扱いという基礎ができております。ですから、その方たちでしたら検定を受ける場合も、そんなにむずかしい試験をやる必要はないのでありまして、基礎が正しく行えればいいということですから、検定でカバーできる部分も大分あるのではないかという気がしております。そのあたりの運用上の問題はまた、ライフルの関係者その他ともよく相談をして決めてまいりたいと思います。
#190
○安藤委員 その運用上の問題について、これからちょっとお尋ねをしていきたいと思うのです。
 いまおっしゃったように検定を受ける、それはいろいろ基礎訓練をしておられるからとおっしゃるのですが、その基礎訓練をするのにやはり教習が必要なのではないかと思うのです。だから、保安部長さんの話はちょっと早過ぎるのではないかと思うのです。
 その前に、一つ念を押しておきたいのですが、午前中からずっと議論をされてきた中で、大体そうだろうと私も思っておるのですが、先ほど設置者が県知事という場合に、この法が改正された後にも、この指定射撃場の管理者は県の職員でなくても、ライフル射撃協会あるいは猟友会等々の会員、そういう管理等についてよく知識を持っている人が適任だろうというお話がありましたけれども、県の職員でなくてもそういう人でも管理者ということになり得るのかどうか。
#191
○塩飽政府委員 県の知事が設置した射撃場でありましても、管理者はどういう人でなければいけないという点はございません。それはできます。
#192
○安藤委員 そこで参議院の附帯決議、これは六項まであったと思うのですが、そのうちの五項の後段の方に、「猟銃の備付け、」これは備付け銃のことだと思うのですが、「管理、保管などにおいて、実情に即し対処すること。」とあるのです。もちろんこの附帯決議に対しては大臣は、尊重をしますということになっておる一わけですが、具体的にどういうふうに附帯決議に沿って運用をしていくことを考えておられるか、まずお尋ねします。
#193
○塩飽政府委員 ライフル教習射撃場の実態を見ますと、昨年一年間で教習人員が十人以下というところが大部分のようでございます。あるいはまた、全く教習が行われなかったというところも相当ございまして、射撃場が必要であるかどうかという点も一つは問題になるかとも思います。そこら辺の実態も踏まえまして、射撃教習だけではなくて、先ほど申しました技能検定の活用といいますか、技能検定でカバーできるのではないか。
 あるいは、管理者の選任につきまして、たとえ知事が設置者でありましても、管理の方は協会の幹部がやっているところもございます。その辺の管理をする人の選び方で、事実上管理ができてしかも銃の保管もできる銃の知識のある人、こういう人がおられればそういう適当な方で、必ずしも知事がどうであるということは関係ございません。そういう意味での管理者の選任のやり方それから運用の見直しなど、そういった点を今後指導してまいりたいと考えております。
 それから、備付け銃の保管管理の問題につきましても、これもたびたび言われていることでございますが、人里離れた山の中でどうかとかそういう立地条件もございますから、そういう立地条件、あるいは、宿直員がいる、いない、そういう管理体制の問題もございますから、その辺でも負担が過重にならないような方法というものを、具体的な射撃場に即して指導し考えてまいりたいと思っております。
#194
○安藤委員 そこで、参議院での保安部長さんの答弁にもありましたし、きょうの午前中からこれまでの質疑に対する答弁にもございましたけれども、保管の関係は、設置者と管理者はまた別、そして備付け銃の所有権と設置者の所有権とはまた別ですね。それで、管理者となった人の所有と保管は一致しなければいかぬのかどうか。管理者は自分の所持する銃を保管するのか、そしてそれを備付け銃にするのかという点はどうですか。
#195
○塩飽政府委員 その場合、管理者が全く人の銃を預かるというときは、保管業者として届け出る。保管業者としての許可がない場合は、これはちょっと他人の銃を勝手に預かるというわけにはいかないと思います。
#196
○安藤委員 射撃場の備付け銃は管理責任者が保管することになると思うのですが、その射撃場が山中にある場合は、そんなところに置いておいたらかえって危険だから、自分の家へ持って帰って保管することもあり得るんだ、こういうふうにおっしゃったですね。そうなると、こういうことは考えられませんか。備付け銃の関係は保管者のものでなくても、これはたしか九条の何とかという規定に従って保管しておけばいいわけですね。となると、設置者は射撃場に教習用の銃を備えつけなければならぬといういまの改正案の規定は、教習射撃をするときにその銃がそこに備えつけてあればいいということになるわけですか。そうでないと、保管者は自分の家で保管しておって、教習射撃をするときに持ってくることになるわけですから。
#197
○塩飽政府委員 射撃場に銃を備えつけるという意味の問題でございますけれども、これは備付け銃として公安委員会に届け出ることになっていますから、そういう意味で、銃が指定されて事実上その銃が使われるということであればよろしいと考えます。ただ保管の場所につきましては、たとえば管理者が保管業者である場合もあるでしょうし、管理者が事実上所有権を持っている場合もあるでしょうしいろいろなケースがあると思いますから、ただ管理に最も適当な場所に保管するということになろうかと思います。
#198
○安藤委員 そうしますと、知事が設置者、そして、管理者がライフル協会なら協会の銃の知識に詳しい人ということになって、その銃の所持者はライフル協会に加盟しておる所持の許可を受けた人、そして、その銃を教習用の銃というふうに公安委員会に指定をしてもらって、それを教習射撃するときに備えつける、こういうことでもいいわけですか。
#199
○塩飽政府委員 それで結構でございます。
#200
○安藤委員 そうしますと、協会に加入している人の銃をそのときに持っていってやる、終わればまた持って帰る、保管はその協会の銃に詳しい人がやる、あえて射撃場に常時備えつけておかなくてもいいということが一点と、それから保管は別の場所でもいい、保管者の所持する銃でなくてもいい、こういうことになるわけですね。ただこの銃で教習するということを公安委員会で指定されればいいということになれば、公営の場合に、その射撃場でライフル協会に加盟している人の銃を、この人は自分が所持の許可を受けていますから、先ほどの厳重な保管に従って保管しておくわけですよ。そして、それが教習射撃場の銃というふうに何丁か指定される、一丁でもいいし、二丁でもいい、三丁でもいい、それを持っていって、協会の会員が教習射撃場でちゃんと管理をする、そしてまた保管する、こういうようなかっこうがとれるわけですね。
#201
○佐野説明員 スタートの場面はいま御指摘のとおりにできます。ただそうする場合には、一つの銃が二つの用途にまたがりますので、そのかわり各人の所持許可の方は一応消えるという形になります。要するに教習場備付け銃という性格に転化したら今度は、使ってまた持って帰って家に置いておくときも、これは教習場用の銃ということで置いておかなければならぬということで、自分が狩猟にも兼用できるという性格のものではなくなります。
#202
○安藤委員 そうすると、そういうふうに教習射撃用の銃というふうに指定してもらって、そこにいわば供出したかっこうになって、もう一つ銃が要りますということで申請すれば、また許可を得ることもできる、こういうことになると思いますが、念のために……。
#203
○佐野説明員 そういう届け出なりがあれば、その銃はいわば教習場の財産、あるいは置かれている場所は、教習場のいわば付帯施設的な物の考え方で管理者なり役員のお宅に保管が行われている。したがって場合によっては、例の立ち入りの問題、要するに教習場に立ち入るというふうな場合、これまたいろいろ解釈を詰めなければならぬと思いますが、そういう場合には、そちらの自宅の方に教習用の銃の立ち入りということも考えられようかと思っております。ですから、そういう問題さえ乗り越えられれば、いまの問題は解決しようかと思います。
#204
○安藤委員 もう一つ、今度は仮免許というのがなくなったのですが、教習中の人は教習射撃場へ行っても、そこに火薬がなかったら撃てないわけです。いままでは仮免許があって、それに基づいて公安委員長から火薬譲受許可証というのをもらうのでしょう。それで火薬を買って、そして射撃場へ行ってやれた。今度は仮免許の制度がないものですから、教習中の人はどういうような手段で火薬を手に入れることになりますか。
#205
○佐野説明員 教習を受ける場合には銃を結局また教習場で所持するわけですから、その所持にふさわしい人間かどうかの資格認定証というふうなものを一応発給することを考えております。言うなれば、これがかつての仮許可証にかわるべきものだろうと思いますが、それを提示して火薬の入手を図るという形になろうかと思います。
#206
○安藤委員 これは念のためにお尋ねしたいのですが、改正案の中に認定証を交付するというのがありますね。その認定証を公安委員長に提示をすれば、それに基づいて火薬譲受許可証が交付されて、それによって町の銃砲店で買える、これは間違いないですね。
#207
○佐野説明員 御指摘のとおりでございます。
#208
○安藤委員 その関係でもう一つだけお尋ねするのですが、教習射撃場にその火薬を販売する場所あるいは火薬を保管する場所をそれぞれ設けるというようなことはあえてとらない、こういうことになりますか。
#209
○佐野説明員 法体系上、私の方はあくまで銃刀法の問題が規制対象になりますので、火薬の問題は火取法なりそちらの系列の問題になろうかと思います。
#210
○安藤委員 それでは別の話ですが、先ほども議論がありましたけれども、民間の一般国民の銃砲の所持については、これは過ちのないようにきっちりやっていただくということは私も賛成ですし、それに厳しく措置をしていただくということにこの法案はなっておるわけですが、取り締まる側の警察官の拳銃の問題についてお尋ねしたいと思います。
 ごく最近の五日未明の大阪府の四条畷市の事件については、先ほどお話がございまして、その後の捜査の状況等はお聞きしたとおりですからお尋ねいたしません。中身についても、先ほど保安部長さんが答弁されたとおりにお聞きをしておきますが、そうなりますと、この警官がうたた寝をしている間に拳銃を盗まれた可能性が濃いわけですね。一時と一時半に一応見回ったけれども、その前にうたた寝をしている畳の上の横に帯革にはめた拳銃をそのまま置いておいて、最初の見回りに行くときにあったかどうか、それから二回目の見回りに行くときにあったのかどうかということも、どうも確認していないようなんですね、先ほどの御答弁からしましてもげそうなると、拳銃の扱い方、休憩で仮眠中拳銃はどうすることになっておるのですか。
#211
○山田(英)政府委員 拳銃の保管につきましては、全国的に国家公安委員会規則をもって警察官けん銃警棒等使用および取扱い規範というもので定めておりまして、その中では、いまお尋ねの点に関しましては、「けん銃等を放置し、盗まれ、遺失しまたは奪取されることのないようにすること。」ということで一般的に義務づけております。大阪府警察の場合につきましても、本部長訓令で取扱規程を定めておりまして、「拳銃を携帯しない場合には必ず保管箱に格納し、確実に施錠すること。」というふうに定めております。他の府県警察においても同様でございます。
 そこで、今回の盗難被害に遭いました宮城巡査長の場合を見ますと、派出所内で休憩中に不審な物音を聞いて、これを確認するため外へ出た、その場合に、拳銃を休憩室の畳の上に置いたままにしてあったことは間違いないと思います、とられたのでございますから。そうした場合、やはりいま申し上げました規定に基づいて、拳銃を携帯するかないしは保管箱に格納することが妥当な措置であったと思います。それを適切な措置を欠いたことは間違いないわけでございます。それから、制服のまま横になって休憩したわけでございますが、これはもともと急訴事件等に即応できるようにという配慮が現場の警察官にはあるわけでございまして、その限りでは携帯の一環として認められるケースもあると思いますが、新聞を読みながらうとうととしたという状態があるようでございます。これは拳銃を自分の体から離す以上は、そうした状態が見込まれるならば、この場合もやはり保管箱に格納することが妥当であって、その間において適切な措置を欠いた義務違反があると考えております。
#212
○安藤委員 そこで、これはごく最近のことですけれどもこういうようなことが起こった、拳銃の取り扱いについての基本的な原則あるいはその扱い方ですかに反したことをやってこういうようなことになったわけですが、もうこういうようなことを二度と起こさないようにしてもらう必要ももちろんあるのですけれども、この事件が起きた、だから二度と繰り返さないということで各県警に対して、自治体警察に対して警察庁の方から、この事件後特別な指示をお出しになったということがございますか。
#213
○山田(英)政府委員 先ほど御答弁しましたように、拳銃の保管については常に徹底を期しております。一般の職場教養におきましても学校教養におきましても、繰り返し繰り返し反復指示しておるわけでございます。今回大変残念な事態が起きました。ただいま捜査中でございます。この事態の全容を解明し、問題点を抽出して、全国警察に重ねて教訓材料として指示、徹底いたしたいと考えております。
#214
○安藤委員 事実をもっと捜査をしてそれからというお話ですが、きょうにもあすにもまた起こるかもわからないですよね。またまねする人だって出てくるかもしれないのですよ。だから、これはすぐ出すべきだと思うのです、こういうことで事実起こっているのですから。常日ごろ反復して教育してやっているからとおっしゃるのですが、にもかかわらず、こうやって起こっているのです。だから早速、二度とこういうようなことが起こらないように、緊急にもっと厳しい通達を出す必要があるのじゃないですか。まだ出してないというのはどうかしていると思いますよ。
 そして、これはちょっと前ですが、ことしの四月二十四日、大分県玖珠郡というのですか、交通機動隊長がピストルで自殺しているのです。自殺した拳銃は一度は保管庫へ返したわけですね。それを、新聞の記事によるのですが、拳銃を調べたいので保管庫のかぎを貸してほしい、警務係長にそう言って出してもらってそれで自殺したというのです。これはこれから勤務につくというようなとき以外ですね。こういうときにも、簡単に保管庫から出して渡すということになっているのかどうか、この場合はそういう扱い規定違反とかあるいはずさんな扱い方があったのかどうかという点はどうなんですか。
#215
○山田(英)政府委員 先ほどの答弁申し上げた点、ちょっと先に補足させていただきますが、保管取り扱いについては常日ごろから常に徹底しておりますので、この事件につきましても、新しい教訓を見出しがてらまた徹底いたしたいと申し上げたのですが、先ほど御答弁した捜査指示に関連いたしまして、全国にその保管の徹底についての注意喚起はいたしておりますので、補足させていただきます。
 それから、ただいまの大分県における交通機動隊長の拳銃自殺事件に関連しての取り扱いの問題でございますが、これは四月二十三日の四時ごろにその交通機動隊の安東警部という大隊長が、拳銃の取扱責任者の代理者である玖珠警察署の警務係長のところへ来まして、着色拳銃のことで調べたい、そこで拳銃保管室のかぎを貸してもらいたいと申し出て、かぎを受け取って保管室に入りまして、二、三分後にかぎを警務係長に返還した。その後、出勤してきました隊員が、大隊長席の後方にうつ伏せに倒れて、右手に拳銃を握って右側頭部を撃ち死亡している安東隊長を発見したというケースでございます。
 この取り扱いにつきましては、正規の保管室に正規の取扱責任者の代理者である者の許可を得て正規の職務に当たる事実を申し出て入っておるわけでございます。入ったときにその自己の貸与に係る拳銃で自殺するという意図を持っておったと思いますが、この取扱責任者の代理者である警務係長としては、そういう申し出に対して保管室のかぎを与え、それをまた二、三分後に受領しておりますから、保管取り扱い上の問題は十分に注意は尽くされておったとわれわれ見ております。
 ただこの警部は、五十二年十月に不眠症にかかって入院したことがございます。その後、完全に治っておったというふうにわれわれ内部では認めておったわけですが、生きる自信を失ったというような遺書を残しております。発作的な自殺であったと思いますが、むしろどちらかといえば、そうした個人の悩み事というものを職場内部でいろいろ相談にあずかって防止すべきではなかったかという観点の反省事項を感じておるわけでございます。
#216
○安藤委員 いろいろ扱いの規定についてはいまおっしゃったようなことかもしれません。しかし、不眠症にかかっておられたということになると、やはりこれは何らかの形でいまおっしゃったようにいろいろ相談し合ってというようなことが必要だったかもしれません。ところが、今回の岐阜県警の問題にしてもいろいろ、猟銃にしてもライフル銃にしても銃砲の所持許可を得ようとする人に対して、その夫婦の仲はどうのこうのとか、交友関係はどうのこうのとか、それから診断書を持ってこい、精神科とかどうのこうのとすっかりお調べになって、ちょっとでもこれはおかしいと思ったら不許可になさるわけなんです。そういうことからすると、不眠症にかかっておったということが後からわかった、これはやはりそういうような人に拳銃を持たせるわけですから一番危険なことではないかと思うのです。だから、警察官の拳銃の所持の問題についても、やはりその辺もきちっと配慮してやっていただきたい、そして、扱いについては厳重に指示をしていただきたいと思うのです。その点について長官から一言答えていただいて、質問を終わりたいと思います。
#217
○山本(鎮)政府委員 警察官の拳銃の管理についていろいろ御指摘を受けたわけでございますが、最も重要な武器である拳銃については、常日ごろからやかましく指導、通達、監察等をいたしておるわけでございますが、またこのような不祥事件ができて、非常に反省をいたしております。再びこのようなことのないようにさらに戒めていきたいというつもりでございます。
#218
○安藤委員 終わります。
#219
○塩谷委員長 河村勝君。
#220
○河村委員 最初に、いま質問の中で大分明らかになってきたライフル射撃場の取り扱いについてお尋ねをいたします。大分お答えの中身が変わってきて、私の聞いている限りにおいては、一体それで法律をいじらなくてもいいのかなという感じがするくらいでありますが、それをもう少し確認をいたします。
 新法の九条の六で、教習射撃場を設置する者は、射撃教習の用途に供するため必要な猟銃を備えつけておかなければならない、設置者が備えつけるというのが法律の条文ですね。そして九条の七で、「備付け銃の管理は、教習射撃場を管理する者が行う。」ということになっております。ところが、いまだんだんと話の中身が変わってきまして、設置者が備えつけるということになっているけれども、運用によってそうでなくて教習射撃場を管理する者が備えつけてもよろしい。その教習場を管理する者というのは、公共団体がやっている場合には、必ずしも公共団体そのものではなくて、ライフル協会その他適当な人間が施設の管理者になって、それで自分の持っている銃を教習場に備えつければよろしい。さっきの答弁を要約するとそういうことになると思いますが、それでよろしゅうございますか。
#221
○佐野説明員 教習場に銃を一番最初置いておきますという置く権能の面で着眼して、いわば設置という銃を備えつけるという点、これは確かに設置者の権能になっております。設置されて備えつけられているものを常時管理あるいは維持保管、そういった実態的な意味で管理を行うべき者は管理者であるという関係にあろうかと思います。
#222
○河村委員 そうすると、また話が戻ってきてしまうので、実際公の施設を設置した者が銃を備えるということはむずかしかろうからさっきは、実際ライフル協会の役員が自分の銃を持ってきてそれを教習用に使って、それでそれを家へ持って帰って保管して教習のときに持ってきて使ってもよろしい、こういう答弁でしたね。そうであれば、銃の備付け者というのは施設の管理者になっている人でしょう、そういうことになるわけですね。それでもやはりもとの権限は設置者にあるからこの法律の運用でよろしい、こういうことですか。
#223
○佐野説明員 備えつけられる前の段階では、だれがその鉄砲を持ってくるかは、その備えつけの権限者である設置者になろうかと思います。したがって、管理者がもし自分の銃を提供されるという場合でもそこには一つ省略があろうかと思います。管理者が銃を備えつけたというよりも、管理者が設置者にまず提供して、その提供したことによってその銃が備えつけられた状態が生まれ、その備えつけられた状態での今度は現実的な管理というものは管理者がまたやるわけでございますから、手続的には一応省略あるいは何本かの紆余曲折が御説明としては省かれておったという状況だと思います。
#224
○河村委員 ずいぶん無理な解釈だな。そういうのを法匪的解釈と言うのです。それくらいなら法を修正した方がいいでしょう、施設の管理者が備えつけてもよろしいと。そうするのが本当だね。いまの解釈は、私はいろんな法律を扱ってきて、これほどこじつけの多い解釈というのは余り聞いたことがない。それでよろしいのかな。
#225
○佐野説明員 射撃場を経営する場合に設置者がその銃をどこから持ってくるかということは、何ら格別の制限はないわけでございますから、そのいわば備付け銃を入手してくる先を、いわゆる管理者のところから持ってきてもいいわけでございます。ただこの管理者というのは、何も管理者たる立場で提供しているわけではございませんで、一般に銃の所持者として、貸すという場面もございましょうし売るという場面もある。そういう意味で、とにかく設置者の方にもし使用権限が移れば、それは設置者が備付け銃を備えたという状態、これは私は当然のことかと思います。あるいは、いまのを管理者でなしに、一般の販売店からの場合と置きかえてもおかしくございませんし、あるいは、一般の個人売買で銃を買ってそこに備えつけるということと全く同じように私は考えております。
#226
○河村委員 紆余曲折を経たような解釈で、本当は無理だと思うけれども、言って言えないことはないというぐらいのところだな。まあしかし、これから法律案をもう一遍修正するのは煩わしいから、その解釈を確定するなら私も、本当は納得しがたいところだけれども納得してもよろしい。
 もう一つ問題がある。自衛隊の射撃場の場合だ。いまの一つの擬制的解釈を肯定するにしても、自衛隊の射撃場の場合には、これは教習射撃用につくったわけではなくて、自衛隊そのものの訓練のためにつくった射撃場を民間のそういう教習場に提供しているわけですね。その場合、一体施設の管理をライフル協会等にやらせることができるのか。できますか。
#227
○佐野説明員 自衛隊法あるいは国有財産法、概括してながめた範囲では、いわば隊の行政目的と申しますかそういう目的というふうに読むには、私どもよそから見ての解釈でございますので恐縮でございますが、ちょっと読み切れないのではないか。本来の隊務のために使用するという関係でなしによそのために貸すということになりますと、おのずから制限がございまして、いわばわが方の銃刀法の規制をいろいろとかぶるような場面に対しての提供行為というふうなものが、いまの国有財産法なり自衛隊法の財産管理として許されるかどうか、私の個人的な感覚からしますと相当疑問があるというふうに判断いたしております。
#228
○河村委員 外から見ようと中から見ようと、法律の解釈は一緒でね、どう読んでも自衛隊の射撃場、これの施設の管理者が民間の人間が当たるということはできませんね。これは自衛隊が持っているものであっても専門に民間の射撃場に使うものであれば、これは可能でしょうけれども、そういうものはないはずだね。
 そうすると、自衛隊の射撃場というのはいま幾つあるのです、民間に提供しているのは。私の聞いた範囲では、ライフル射撃場の半分くらいが自衛隊のものであると聞いたけれども、私も確たるところは知らない。一体幾つくらいあるのです。
#229
○塩飽政府委員 いま数は調べますけれども、自衛隊の射撃場で、いわゆる教習射撃場と指定射撃場がございますが、指定はあると思います。教習射撃場は、これはないはずでございます。
#230
○河村委員 指定射撃場ならどう変わります、
#231
○塩飽政府委員 これはいわゆる標的射撃をやる場合に、指定射撃場でないと民間の方は撃てません。したがってそういう意味で、指定した場所でないと射撃場としては利用できないわけですが、ただ今度は教習射撃場になりますと、教習証明書というのを発行して、それで本許可を受けられるという手続になります。それから、教習射撃場の場合に備付け銃の問題が出てまいりますから、そういう意味で、指定と教習とが違う実益がございます。
#232
○河村委員 そうすると、自衛隊の射撃場が現実にはライフルの教習に使われているわけだ。指定射撃場であってもそこに先生がついていてやるわけだけれども、それはそうすると、従前どおりやれるということなんですか、どうなんですか。
#233
○塩飽政府委員 これは教習射撃とそれから射撃の訓練と分けて考えますと、教習射撃として備付け銃で一定の資格を得る、本許可をもらうという意味での教習射撃はやれませんけれども、しかし指定射撃場ですから、そこでライフル射撃の訓練、いわゆる選手たちの射撃訓練、これは自衛隊と話し合えばできると思います。
#234
○河村委員 そうすると結論的に言って、自衛隊の射撃場を民間が使う場合には、従来と全く変わらない取り扱いによって使用が可能である、そう言ってよろしいのですか。
#235
○佐野説明員 一般の指定射撃場として使う分には従来と格別差なしでも私は法律的解釈上、支障はないんじゃないかというふうに考えております。ところが、いま部長が申し上げましたように、教習射撃場という形で使うということになりますと、これは管理権の問題に相当いろいろな影響が出てまいりますので、非常に障害があるんじゃないかという気がいたしております。現にまた、いま調査した範囲では、一般の指定射撃場としては七カ所ほどライフルのために指定は行われておりますが、やはり教習射撃場としてはゼロでございます。
#236
○河村委員 いまライフル協会で非常に問題にしているのは要するに、従来の射撃場が実際機能しなくなってしまうというところに大分問題があったわけだから、民間の公共団体のつくっているものが、いま言ったような擬制的解釈で何とかいままでどおり使えるというのであるならば、また同時に、自衛隊の方のものも従前と取り扱いが変わらないということなら、それでよろしいのです。だから、それだけ私は確認をしておきたいと思います。実際私は本当を言えば、そんなにむずかしい解釈、擬制的解釈をしないで、施設の管理者あるいは教習射撃の責任者というようなものを別に決めることができるようにして、それでその人が管理の責任を負うというようにした方が本当は常識に合うと思う。
 どうもさっきから、この法律をつくる前に射撃協会、狩猟団体その他の団体から意見を聴取したとおっしゃっている、法案についても骨子については意見を聞いたと言っておられるけれども、しかしこの問題や、それから、本許可を得なければ銃砲が買えないという問題が銃砲販売業者の間で非常にアンバランスが生じるということで問題になって、参議院でも附帯決議ができたわけだけれども、こうした問題も本当は実態を調べればすぐわかるはずだ。だから、骨子について意見を聞いたとは言っているけれども、本当は余り意見を聞いてやったのじゃないのじゃないですか。私はこの種の問題は、やはり非常に専門的な問題ですから、警察官だってそれはピストルを皆持っておるけれども、一般的なこういうものの専門家というのはそういるわけじゃないのだから、専門的な実態を聞いてからやるのが本当であって、今後は、こういう場合にはもっとそんな偏見を持たないで、法案をつくる際には実態をよく調べるために意見を聞く、そういうふうにすべきだと思うが、一体どうですか。
#237
○塩飽政府委員 実態をよく調べ、意見を聞くということについては、まさしくそのとおりだと思います。私もその法案をつくる前にいろいろと意見を聞いたつもりでありますし、また、係の方にも専門の銃器担当の者もおりますし、また日ごろから常に接触をしておりますから、そういう意味で意見をお聞きしておるわけでございますけれども、今後とも御指摘のとおり、また十分な意見を聞きまして運用上誤りのないようにしたいと思います。
#238
○河村委員 きょうはずっといろいろな質疑を聞いておりまして、銃砲類というのは確かに非常な危険性を持つものであるけれども、スポーツあるいは趣味としてそういう社会的効用は十分に認めるという発言はあるけれども、どうも一貫して流れる思想は、銃砲類の数を減らして、これを数さえ少なくすれば犯罪も減るというような感じで、とにかく何でもかんでも抑えてやろうという発想が私は非常に強いような気がしてならない。だけれども、犯罪防止ということは非常に大切なことだけれども、それによって別の法益を侵すようなことがあってはならない。この場合でいけば、社会的な効用を阻害してもいけないし、いわんや人権を阻害するような結果になったのではこれは本末転倒になってくるのであって、その点を、法律そのものももちろんだけれども、運用についても厳に心してやらなければならない。そういう原則に立ってやらないと、もうすでにいろいろな問題が起きつつあるわけですね。その点を十分あるいは十分以上に配慮してやるべきだと思うが、その点の考え方をまず長官に伺っておきましょう。
#239
○山本(鎮)政府委員 われわれとしては別に、銃がふえるのを抑制するというつもりじゃないのでありまして、しかるべき社会的な用途があれば、これは危険性との相対的関係において許可をしていくということでございます。
 また、この法律の運用に当たって先ほども申し上げましたように、いろいろな許可に対する要件の審査とかあるいは立入検査、そういうようなものの関係がプライバシーを侵害するおそれもあるということはおっしゃるとおりでございますので、この点運用においては十分注意して、国会の審議も通じていろいろと御指摘になった点も含めて、この法律の運用にはそういう点を含めて間違いのないしっかりした効果を上げるように運用していきたい、このように考えております。
#240
○河村委員 今度の法律で、過去の凶悪犯罪等のあった者に対する所持の制限のような新しい条項をつくったこと、それから立入検査権の新設というようなものをやって、これがいろいろ問題になるわけなんですけれども、特に許可の申請に対する欠格条件ですね、この中にやはり依然として五条の一項の六号ですね、この「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」という一般的な条項、これが残っている。これの運用いかんによっていろいろな問題が生じてくるわけですよ。だから、やはりこういう一般的な、運用によってどうにでも解釈できる条項というのは極力減らす方が本当なんですよ。こういうものがあるのなら本当は、こういう具体的な条項を新しくつくる必要がないとも言えるくらいなんだ。だから、あなた方この法律をつくる際には当然、過去の銃器を使用した犯罪の実績があるわけですから、それを分析して、その中で落ちがあったらそれを押さえるような法律をつくる、そういう考えでなければならないと思うのですけれども、一体それを本当にやっているのかどうかということを私は心配をするわけです。だから、一般条項を残すというのは余り自信がない証拠の裏返しみたいなものであって、本当に押さえるべきところが押さえられれば、一般条項はなくした方がよろしい。
 使用犯罪の状況調べというのが、地方行政委員会の調査室でつくった資料と国家公安委員会でつくったものと私らが持っている資料で二種類ありまして、それは総合計が一致しているから内容は同じだと思うのだけれども、調査室の資料を見ると、銃器使用犯罪の中で暴力団の占めるウエートがきわめて高いわけですね。昭和五十三年の例を見ても、殺人が六十八のうち五十八が暴力団、強盗は比較的少ない、半分以下だけれども、凶器準備集合罪は一〇〇%、傷害も二十八のうち十八、恐喝は二十一のうち二十、とにかく圧倒的多数が暴力団でしょう。そうすると、暴力団の持っている銃砲類というのは、先ほどの御答弁によれば、正当に入手したものは一つもないはずだ、こういう答弁でしたね。そうなると、この法律をどう改正をしても、圧倒的多数を占める暴力団の犯罪に対してはこの法律は何も効き目がないわけだ、そういうことですね。
#241
○塩飽政府委員 暴力団につきましては、取り締まりの最重点として暴力団の銃器を一つでも検挙しようということで、努力しておりますが、この法律の改正の関連と申しますと、たとえば保管の問題。この保管がいいかげんであったために、銃がとられた、そのとられた銃が流れ流れて暴力団に渡る、それからまた、非常にルーズな扱いでいいかげんな人に渡したために、その人が借金のカタに暴力団にその銃を取られてしまったとか、そういう事例もないわけでございませんので、その辺で銃の管理というものを厳正にして、本当にふさわしい人に持ってもらうということにすることによって、一丁でも暴力団に銃器が渡らないようなことができるであろう、少しでも前進であるというふうに考えておるわけですけれども、これからも大いにまた暴力団の取り締まり、その辺につきましては努力をしてまいるつもりでございます。
#242
○河村委員 それは、関係が全然ないかと言えば、多少あるでしょうよ。だけれども、まず主たる効果は全くない。実際持っている銃砲類がことごとく不法所持であることが間違いないのなら、立入検査は別段新しい法律がなくたって、そういうものを捜査することができるはずだ。
 一体なぜ暴力団の銃砲類というのはもっと徹底的に洗い出してなくすことができないのですか。そっちの方が私は警察でやる一番大事なことだと思うけれども、そのできない理由というのは一体何ですか。
#243
○塩飽政府委員 暴力団につきましては、常時少しでもすきがあればということで、専従の捜査員を置いて捜査しておるわけでございまして、これは相手方との力関係、それから、相手方が秘匿しておりますからその辺との知恵比べであるし、ある意味ではこちらの努力の問題にもなるわけですけれども、大体が暴力団が持っていますのは拳銃が大部分でございます。ほかには、猟銃もあるかとも思いますけれども、そういった意味で、これは暴力団なりにガードを固めているというか、そういう問題がございますので、こちらとしては、もう鋭意努力して一件でも検挙するということを続ける以外には方法はないと思ってがんばっておるわけでございます。
#244
○河村委員 その点は、本法の審議とは直接関係がないから、きょうは一応そのくらいにしておきます。
 それならば、この犯罪の分析の中で、構成要素というのは一体どういうふうになっているのか。過去の犯罪経験者の犯したものは幾らか、保管が悪くて盗まれた銃が使用されたというのは幾らか、精神病等で発作的にやったものが幾らか、他人の銃を使ったものは幾らか、そうした分析は当然してあるのでしょうね。
#245
○塩飽政府委員 ただいま数字を調べて御返事いたします。
#246
○河村委員 たとえば過失犯みたいな誤射、誤殺というものは、この法律でも縛りようがない。それから、他人の銃を使ったもの、これも縛りようがない。そうでしょう。過去の犯罪経験のある者を取り締まる、これはよろしいでしょう。それから、精神病の発作や何かで犯罪を犯した者、こういう者も審査の対象にしてもいいでしょう。そうすると、直接具体的にこいつを調べれば危ないか危なくないか判断できるというものはそう幾つもないはずであって、むやみとそう前のいろいろな事例に見られるような詳細な調査をやらなくたって、過去の犯罪事例を分析すれば、残りはそうはないはずだと思うんだけれども、一体いま私が挙げたような事例以外で銃器を使って殺人や強盗を行ったという例が幾つかあるのですか。
#247
○塩飽政府委員 とりあえず御説明したいと思いますが、たとえば盗難銃が犯罪に使われた事例としては、最近の事例は四件ございます。たとえば山形で、盗んだ散弾銃を突きつけて女性ドライバーを監禁したとかいう事件がございまして、そういった例が四十四年以後最近までの間に四件発生をしております。なお、五十四年における猟銃等の盗難事件そのものは、五十丁盗難に遭っておりますが、そのうちで、現実に犯罪に使用されたものが三丁でございます。
#248
○佐野説明員 それからなお、御参考になろうかと思います数字で申し上げますと、暴力的違法行為前歴者で猟銃使用犯罪者、これについて昭和五・十二年から五十四年を調べてみましたら二十二名ございました。その二十二名のうち、いわゆる前歴から十年以内に犯行をやった者が十四人で、六四%に当たっております。それから、十年以上経過してからそういった犯罪を行ったというのは一応八人で、率から言えば三六%というふうな数字も承知してございます。
#249
○河村委員 こういうのは、資料を出されるならば、事件の内容がどういう種類のものがあるんだ、だからこの法律の具体的な条項では取り締まりが不可能だから、なお一般的な条項ですくわなければならないのが残るんだ、そういう説明の仕方をしなかったら、そういう自由裁量の余地を残すということはよくないことだ。どうしてもなければならない場合のみこういう自由裁量は残すべきものだ。そういうものでしょう。だから私は、新しい法律によってカバーできるものが幾ら、どう法律をつくってもカバーできないものがこれだけ、どういう自由裁量条項を残してもできないもの、そのほか何か自由裁量条項がなければどうしてもすくえないものがこれだけあるというような説明が本来要るべきものだと思うのですね。そういうものがないから、なかなか納得しがたい内容なんですよ。
 だから一面では、本当は非常にきつくしてもいいものもあるんだ。過去の犯罪経験者に対する規定などは、犯罪行為があってから十年以内に限定しているわけでしょう、欠格条項としては。しかし、前科の抹消と平仄を合わせたというお話だったけれども、前科というのは裁判が終わってからの話だ。刑が確定してからの話です。ところが、犯罪行為からということになると、それよりはずっと短いわけですね。だから何も十年に合わせる必要はない。おまけに、前科を抹消するということは、いつまでも前科者でおいてはいけないというだけのことであって、普通持ってはいけないことになっておる銃砲をそのまま持たせないでおくということは別段、前科者扱いをしているということにはならないわけだ、その限りにおいては。だから私は、これは十年で抑える必要は毛頭ない、そういう凶悪犯罪者に対しては一生持たせない、それが本当だと思う。
 いまのあなたの説明からしましても、過去の犯罪者の中で、二十二人中十四人が十年以内で、八人が十年以上というのでしょう。そういう分析があるのならば、なぜ十年というような制限を置くのですか。これはもっと長くするなり、場合によったら永久でもいいじゃないですか。これは基本的人権を害することでもなし、こういう面はきつくしてし過ぎることはないと私は思う。いかがですか。
#250
○塩飽政府委員 欠格事項のそういった凶悪な犯罪を犯した者の欠格年数を一体幾らにするかという議論の中で、永久論というのも確かに出てまいりました。一生持たすべきではない、そういう議論もございました。あるいはまた、十年のあれでは長過ぎる、いろいろな意見がございましたけれども、やはり前科の問題もありますし、それから、再犯に至るまでの年数というものが大体十年ぐらいはどうも消えないのではないか、危険性というものはなくならないというふうなデータもございましたり、そういったものから十年というふうに決めて欠格条項としたわけでございます。確かに強い意見としては、持たすべきではないんだ、過去にそういう凶悪な犯罪を犯した者、たとえばああいう梅川のような者は一生直らないのじゃないかということでしたけれども、しかしそれは、法律で書き込む期間として、さて、死ぬまでだめだということが規定としてなじむかどうかという議論も出てまいりまして、それで一応十年ということで線を引いたわけでございます。
#251
○河村委員 少なくとも裁判に要する時間ぐらいはプラスしたらいいんですよ、前科抹消と平仄を合わせるにしたって。最高裁で刑が確定するまでは五年ぐらいはかかるんだから、だから十五年にすれば、分析からいっても大体カバーできるでしょう。直すのが本当だと思う。
 もう一つ、銃砲類だけの犯罪に限定をして、他の手段による犯罪者を除いたのはどういうわけですか。
#252
○佐野説明員 先ほどの点についてまた繰り返してお話し申し上げることになろうかと思いますが、要するに、一生論の議論でもし始末するということになりますと当然、凶悪な犯罪の罪種というものはせいぜい強盗か殺人あたりまでを一つの限度にしなければならないんじゃないか。傷害とか暴行というものは外してしまうという大方の御意見も出るんじゃないか。そういう形で厳しくするのと、それから、少々手口なり激情犯といいますか粗暴性というものに注目しまして、多少抑える時期は短くても、罪種別には類似のグループをむしろ広く集めるというやり方もあるんじゃないかという判断もあったわけでございます。そして現在では、銃砲だとか刀剣類とかいわば凶器的なものという、手口なり犯罪態様のいわば共通性とでもいいますか手口の類似性といいますか、むしろそういったものでくくって、多少罪種の幅は広げるかわりに、しかし排除する期間というものはある程度十年で切ってもやむを得ないというふうな一つの判断もございましたということを、つけ加えておきたいと思います。
#253
○河村委員 それはそうかもしれないけれども、銃砲刀剣類の中には二十二条で、刃渡り何寸以上の刃物というものが入っているわけでしょう。刃渡り何寸かの刃物と鉄パイプと一体どっちが凶器性があるのですか。
#254
○佐野説明員 これは結局ケースごとによって、使い方によって、一概にどちらとも言いかねる問題じゃないかと思います。ただ私の方は、こういった銃砲なり刀剣なり刃物の違反を取り締まるという立場から、いわばそういったものの使用の情勢を法的にはつかむべき立場におりますし、許認可、取り締まりという観点で十分その実態も掌握できる。したがって、十年、二十年、場合によってはそういうふうに時期が古くなりますと本来、そういった過去の経緯というものはなかなかほかの要素を取り入れた場合にはつかみにくい問題がございますが、銃砲であるとか刀剣の問題あるいは刃物の問題といういわば銃刀法の枠の中で私ども始末する分については、十分と申しますか、ある程度責任が持ち得るという問題で一つにはそこで区切った。ただし、実際のパイプでの凶悪性といった場合どうかといったら、これは個別の問題としては、それは刃物で凶悪なものもございましょうし、パイプのものでも凶悪なものもあるということになると思います。
 ただ、いずれにしても類型化するについては、パイプで殴った、石で殴った、あるいはダイナマイトを使ったというふうなものは、手口の共通性とか類似性、そういった共通性の問題というふうなくくり方なりがいささか明確を欠く部分が出るんじゃないかという感じがいたしております。ですから、パイプで凶悪な犯罪をやったというやつは、先生の方から言えばけしからぬ話かもしれませんが、結局また、五条一項六号の包括条項の中でその危険性を具体的に見ていくというふうな方法を考えております。
#255
○河村委員 包括条項を引っ張り出すのならば、いままでだって何でもできたわけだ。新しいこういうわざわざ目的別、項目別の規定をつくる必要はないわけだ。項目別の規定をつくったからには、逆にそこで制限されると考えるのが本当だ。ここで十年以内と決めたけれども、十年を超えた者は包括条項で悪いやつはやりますというのではつくる意味がない。所持許可の欠格条項は凶悪性というものにねらいがあるのであって、何を使ったかは関係ないので、これは銃刀法の中で考える理由は全くない。小さいときには銃はなかなかないから、子供のときにはあり合わせのバットで親を殴り殺したという凶悪性は、何を使おうと全く関係ない。これは入れない方がおかしいのですよ。
 だからこの法律は、本当は時間があれば直したいところばかりだ。こういうところはうんと強くしたらよろしいので、逆に包括条項は使わないで済むようにした方が基本的人権阻害の要因にはならない。そういうものですよ。十年と決めたけれども、それ以上の者で悪いやつは包括条項でいけばいいのだなんというさっきの答弁は、答弁としてはもってのほかだと私は思う。それならばこっちの方ですくう。現に犯罪分析から言ったって、三十何%は十年以上というのは出ているじゃないですか。分析上、三分の一はとにかくほかの道具を使ってやっておるわけだから、少なくとも殺人とかなんとかいうものに対しては、もっと期間を延ばしてそっちで処理をしていくというのが、法治国家の正しいやり方であって、包括条項は適用すべきじゃないですよ。
 そこで、許可、不許可の審査については申請書記載事項を総理府令で決めるということになっておりますね。だから逆に、総理府令で定める事項だけは申請書に書かなければならない、その点だけ制限的に調査するのだ、そうすることがこれからの問題を避ける最も有効な方法だと私は思うが、それでよろしいか。その中にまた包括条項を入れたら同じことですよ。
#256
○塩飽政府委員 審査する場合の調査項目につきましては、先ほどからいろいろと御意見をちょうだいいたしております。そういったことで、プライバシーにわたる問題といったことのないように項目については、限定をするといいますか十分吟味をいたしまして、ただいま御指摘の御趣旨を体しまして、総理府令の中の書き方について十分検討してまいりたいと思います。
#257
○河村委員 だから、総理府令に書いた項目以外は調査の対象にはしない、それはよろしいですね。
#258
○塩飽政府委員 これは欠格事項の審査の問題ですから、項目としてはできるだけ限定してしぼりたいと思います。ただ、それ以外のものについては調査をしないで済むかといいますと、これは項目の立て方の問題で、ケース・バイ・ケースで、あるいは場合によってはさらに調査をする必要がある項目が出てくるかもわかりません。その辺はよく研究し検討してまいりたいと思います。
#259
○河村委員 だけれども、それで私はさっき犯罪の分析の中身を聞きたかったのです。ところが、それの資料がないというので聞けなかったのは非常に残念なんです。どういう原因によって犯罪が起こされているかというのは、分析結果によって大体網羅されるわけだ。そうすれば、それ以外の包括条項はまず要らなくなるはずだ。どうしても必要なら非常に限定的な――限定的な包括条項というのもおかしいけれども、そういうものにしなければならないはずだ。現にさっきから岐阜県の例が出ていましょう。それは微に入り細をうがつ、あんな調査をされたらたまらないですよ。初めから犯罪人扱いだ。そういうことを防ぐためにも私はそうすべきだと思う。できないことはないと思うが、どうですか。
#260
○塩飽政府委員 できるだけ実態に合うように、調査項目は限定をするように研究してみたいと思います。たとえば激情性がある者とか、あるいはこの中にも精神病関係の診断書が入っていますけれども、そういった幾つかの要素にはある程度は分けられると思いますから、そのあたりで、どういった点で規定すれば入るかということはなおよく研究したいと思います。
#261
○河村委員 現に問題になっているのは、さっきも質問がありました申請が受理されなかった事例としての夫婦げんかだとか独身で部屋住みの者はだめだとかなんとかというのは、私の調べたところによれば、一回受理されて審査の段階じゃなくて、窓口で断られた例なんですね。日本銃砲商業協同組合というのが五十四年六月現在で調べたという資料をさっきの質問ではとったらしいのですが、交通違反とか交通事故、夫婦げんかだとか三丁目、四丁目の申請はいけないとか、独身者の申請は受理しないとか、いずれも受理をして後でだめですと言ったのではなくて、初めから受理しない事例があるというのです。そういう事実を御承知ですか。
#262
○塩飽政府委員 ただいま御指摘の点については、事実関係としてはまだ承知しておりませんけれども、余り極端な例は、ちょっと不思議な感じがいたします。何かほかにまた別な原因があってその中の要素となって不許可にしたのか、実際にどういういきさつでそうなったのか、その辺はよく調べてみないとわからないと思いますので、これからもよく注意してみたいと思います。
#263
○河村委員 少なくとも窓口で初めから審査もしませんというのは乱暴過ぎる。記載事項に誤りがあったり抜けがあって、それを補充して出しなさいというのなら別だけれども、どんな理由があるにせよ、受理もしないで窓口でけ飛ばすというのは全く理由がない。だから、手続に誤りがなければ少なくとも受理をして、実際、審査にも長くかかるのがあるようで、半年くらいかかる例が幾つもあるようだけれども、できる限り速やかに審査を終了する、そのくらいのことは約束できるでしょうね、いかがですか。
#264
○塩飽政府委員 御指摘の趣旨を踏まえまして、審査につきましてもできるだけ早く、先ほども御答弁しましたように、一カ月くらいをめどにして許可できるものはできるというようにしてまいりたいと思います。
#265
○河村委員 それと、この種のものは末端に任せておきますと岐阜県の例のように、全体としてとにかく厳しく取り扱うという方針が警察庁にある限りは、末端にいけばいくほどとにかくしゃにむに縛ってやろうという空気になるのは当然のことで、ほっておけばどうしてもこうなるのですよ。だから、総理府令で決める調査項目で完全にカバーできない場合であっても各県に任せないで、少なくとも警察庁として統一基準をつくる、こういう方向でやりなさいというようなものは私は当然つくるべきだと思うが、いかがですか。
#266
○塩飽政府委員 許可の審査の基準その他これは各県にアンバランスのないように、また行き過ぎのないように警察庁の方で、統一的な指導方針といいますかそういうものをつくって、各県に指示してまいりたいと思います。
#267
○河村委員 さっき眠り銃の問題が議論されておりますが、病気、長期出張等だけではなくて、いわゆる由緒ある銃、名銃に類するもの、これは文化庁の指定等のないものについても、安全が確認をされるようなものであれば弾力的に運用して所持を認めるという答弁がありましたが、何でも弾力的運用じゃよくわからないのだけれども、安全が確認されたらというのは、具体的に言うと一体どういうことになるのですか。
#268
○塩飽政府委員 たとえて申し上げますと、保管業者に保管を委託をしている場合、これは業者は専門的な立場で十分な保管設備を持っておりますから、これは安全であろうと思います。それから、撃針を取り外すとか内部の構造の問題、これは銃の機能が即座に果たせないような形で置いておけばこれは安全でありますから、そういった便法もあろうかと思います。
#269
○河村委員 大体わかりました。少し無理な解釈もあるようですけれども、この際一応認めることにしたいと思います。
 そこで私はもう一つ、こういう所持の許可を厳重にするということももちろん必要なことではあるけれども、一方で、こういう犯罪に対処する警察側の対処の仕方、これをここらでもう一遍考えるべきではないか。人命の尊重というのは大切なことかもしれないけれども、どうもいままでは簡単に言えば、凶悪犯罪人の命と正しい人間の生命とを同じに扱って、それで極力荒っぽいことは避けるというのが従来の方針のようで、それが私はむしろ犠牲者を多くして、逆に必要以上に銃砲の所持をこわがるという原因になっているのじゃないかと思うくらいですよ。だから私は、この辺でもう少し警察側も方針を改めたらいいと思うのです、そう憶病にならないで。
 たとえば梅川事件でも、私も当時の記憶がはっきりしせんけれども、最初に飛び込んでいった殉職をした警部補は、入っていって拳銃で威嚇射撃をやった、そのとき犯人は、弾がなくなって銃に弾を装てん中であったというような情報を当時私は聞いた記憶がある。だからそのときに射殺しておけば、事件も一遍に片づいたし、人質も何でもない。それであのときには、警察官は殉職者が二名ですかの犠牲を出しているわけでしょう。浅間山荘事件でも同じだ。実際は狙撃をして犯人だけを殺す機会というのはずいぶんあったはずだと私は思う。そのために犠牲者を何人か出していますね。
 諸外国は、銃砲については歴史的に非常に長く習熟をしているから、両方の側でなれているということは言えるかもしれないが、所持等についてはわりと寛大なかわりに、犯罪を犯した場合にはそういう犯罪人は、もう片っ端から殺してしまうというふうな方法をとっていますね。日本も、むやみと何でもかんでも銃の所持を抑えるのではなくて、いまや銃砲類というものも、オリンピックの近代五種というような一番有力な種目の内容にもなっておる、その他オリンピック種目もたくさんあるというような時期でしょう、だから、いろいろなレジャー、スポーツというのが拡大をしていくことは望ましいことではあるのですから、そっちの方を余りにも神経質に抑えるのではなくて、一方で逆に、こういうものを使った凶悪犯人に対しては思い切った対抗措置に出るというふうに警察もこの辺でもって転換をしたらどうか、それが私は本当であろうと思っておりますが、いかがですか。
#270
○塩飽政府委員 犯人逮捕あるいは制圧するときの銃器の使い方の問題ですけれども、これは日本的な社会事情というのも背景にあるわけでございまして、一概にヨーロッパ、アメリカスタイルにはいかないと思いますけれども、銃を使うべきときにはこれは当然使うべきでありますから、そういった点は、日ごろの教養なり訓練なりそういうところで十分対処してまいりたいと思います。特に大阪の梅川の事件、三菱銀行のあの痛ましい事件を契機に銀行強盗というのがかなり次々と発生したりしまして、ああいった事件は一つの大変貴重な経験と教訓でございますから、その辺についてどういうふうに対処したらいいかということは、その後も内部でも大変研究し議論しておりますし、こういったことを訓練なり今後の方針に生かしていかなければいけないというふうに考えております。御指摘の点は、十分参考にさせていただきまして、なおかつ適正な執行をするということに努力してまいりたいと思います。
#271
○河村委員 最後に、立入検査がさっきから問題になっておるのですが、確かににせ警察官みたいのが入ってきて問題を起こす例が現にあるわけですから、これは本当に厳重にしなければならないし、身分証明書といっても結局、警察手帳になってしまうのでしょう。警察手帳なんというのは本当にわかりはしないので、この辺からちょっと黒いのをのぞかせば、大体みんなああそうかと思ってやられてしまう。だから、それではやっぱり問題が多いのであって、四十八時間前に事前通知をやるというお話でしたね、この四十八時間前の通知というのは、これは電話か何かでやるつもりなんですか。これをそうではなくて、所轄の警察署長の公文書を送達するなりあるいは持っていくなりする。そうすれば、そこまではにせ警察官もできまいから、そういう方法をとるということは約束できませんか。
#272
○塩飽政府委員 事前の通知の問題でございますけれども、確かに御指摘のようににせ警官が出るということ、これは大変困った問題でございますから、これは事前の通知の方法につきましては、ただいま御指摘のような書類で通知をするか、あるいははがきで出すか、あるいは電話か、いろいろな方法があろうかと思うのですが、どういう方法が一番いいのか研究してみます。ただ、先ほどもちょっと話が出ていたかと思いますけれども、制服の警察官が何か書類を持っていってびっくりされてもまたいけないということもありますし、その辺の市民感情の問題も考えまして、確認できる方法と一番いいのは何かということを検討して実施をしたいと思います。
#273
○河村委員 電話だけではだめですね、電話なら、これはにせ警察官でも何でもできることなんで、何でもないことですから。とにかく、はがきも通常のただ行きます程度ではなくて、警察署長の判こぐらいちゃんとついた厳かなやつを出すというようなことをやってほしいと思います。
 終わります。
#274
○塩谷委員長 田島衞君。
#275
○田島委員 たくさんの委員の方々からすでに広範囲にわたって質問が出ておりますから、極力重複を避けながら要点だけをお伺いをしてみたいと思いますけれども、具体的な質問に入る前に申し上げたいことでありますが、いまの日本における警察の立場というのは非常に貴重な立場でありまして、言うならば自由と民主主義、まさにあり余るほどの時代だと思うのですけれども、そんな中に、やはり生命の危険というものを常に感じながらやっておる数少ない貴重な職業の立場の人たちだと思うのです。そんな警察であるにもかかわらず、じゃあその警察に対して国民、住民は非常に親近感を持っているか、平素感謝しているかというと、そうじゃなくてアレルギーを持っている。なければ困るということは知っておるんだけれども、警察が好きかというと、どっちかというと何となく好きでないような感情を持つ。そういう実情の中にあるだけに、今度の銃刀法の一部改正案も、せっかく一部改正によって銃砲等の規制を厳しくして、それによる犯罪を予防しようという、よかれかしと思ってやることが、また新しい警察アレルギーを生むようなことになったのでは、まことに提案者側も残念だろうし、審議するわれわれも残念だ、こういうふうに思うわけでありまして、そのような立場から思い切って、余り遠慮せぬで、数点にわたって伺ってみたいと思うわけであります。
 まず、その一つでありますけれども、先ほど来もお話が出ておりますが、結論的に言って、所持許可基準の強化、これはそれなりにいいと思うのですけれども、現実に銃砲の所持者の数の多寡とその銃砲等による犯罪の発生の数とは正比例しないと私は思うのです。問題は、過去の銃砲等によるところの重大犯罪の発生の事実とその種別を厳密に分類することによって、どこにどう手を入れたら適切な改善ができるかということをやはり考えるべきではなかろうか、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、まず具体的な第一点として、これは提案者側の方で出された資料の中からとったものですけれども、銃器使用犯罪の各国の比較がありますが、およそ国民の各家庭例外なしに銃砲を所持していると考えられるスイスでは、どのような銃砲による犯罪が起きている実態があるか調べたことがあるかどうか。――なければ結構です、急に聞いたことですから。
#276
○佐野説明員 ちょっと手元にございませんし、早急にはお知らせできないかと思っております。
#277
○田島委員 貴重な参考だと思うから、ぜひお調べをいただきたいと思うのですけれども、スイスぐらい多量の銃砲等が各家庭に保持されている国はないが、あそこぐらい銃砲による事故の起きてないところはないはずです。とすると、銃砲所持者の数が多いから事故が起きるんじゃなくて、やはり別な事由がどこかにあるはずではなかろうか、これが一つ考えられること、今後の参考にぜひ勉強していただきたいと思うのです。
 今回出された資料の中で一つの参考は、アメリカが殺人の発生件数のうちの六二・五%が銃器使用である、それから強盗が四一・六%、傷害が二三・二%とある。このことは、アメリカが銃砲の所持が自由であるということにも多少影響ないとは言えませんけれども、アメリカの国民のあり方といいますか、それと治安状況、これが非常に関係あるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでありまして、私は銃砲等による事故というのは、必ずしも銃砲の所持者が多いから起きると考えたら間違いだ、そういう考え方で銃砲等によるところの事故の抑圧を考えていくと、むしろ少しレールからそれてしまうんじゃないかと思うのですけれども、その点、お考えいかがでしょうか。
#278
○塩飽政府委員 御指摘のとおりだと思います。銃砲を持っている人が犯罪率が高いかどうかというと、これは別問題でございます。ただ問題は、銃砲が悪用されたときの被害の影響が余りにも大きいということで、そういったことから、銃砲は場合によってはある面では一つの危険物であるというふうな立場で規制が加えられているということが実態だと思います。
#279
○田島委員 それから、これも提出された資料の中からとったことでありますが、銃器使用犯罪の統計表が第二表にありますけれども、それを見ると、先ほどもどなたかからも言われたことではありますけれども、暴力団関係者によるものが非常に多い。ということは、銃器等の所持、保管その他の規制についてもどこに重点を注ぐべきか。余り銃砲等によるところの犯罪ということを考えて一般善良な所持者にも同じような規制の厳しさを向けると、そこに必ず反発が起きてくる。この点はやはり考えていかなければいけないことではないかなと思うわけです。
 たとえば銃器使用犯罪の状況の表の中で、四十九年の例が、総数二百五十四件のうち百七十五件が暴力団関係、それから一番最近の五十三年で言うと、二百三十三件のうち百七十九件が暴力団関係の数です。そうすると、暴力団関係者の数の増減によって総数の増減が動いているわけですね。ほとんど正比例している。そうしたら、この規制の焦点というのは、暴力団関係にぴしっと矢を向けていけば相当の効果が上がる。それを同じように一般の善良な国民というか住民の所持者に必要以上の規制を厳しくすることは、益なくしてむしろ反発を招くことではないか、それを心配するわけなんですけれども、その点、全然私の考えが違うかどうか、率直にどうぞ聞かしてください。
#280
○佐野説明員 固まった結論的なものじゃございませんけれども、立法の過程などにおきまして、新しい欠格条項、たとえば銃砲刀剣類、刃物を使っての暴力行為というようなもの、これなどは最も暴力団が現実的には行っている犯罪であるという問題、そういうことからしますと、現在の五条一項六号の概括条項を使うには、やはりこれは暴力団の認定という問題でまた非常にむずかしい問題がございますけれども、新たな欠格条項で比較的暴力団に適用するにふさわしいような適用要件を定めたということでは、暴力団対策についても何がしかの寄与があるんじゃないかというふうなことを念頭に置いてはおります。
#281
○田島委員 必ずしも私の考えるところ、言うところ一〇〇%そのとおりだとは私自身も思いませんけれども、数字というのは大変正直なものですから、その正直な数字の中から、どこに重点を置けば一番効果があって、そして一番よけいな摩擦を起こさずに済むかということについて、今後運用の面でもぜひひとつ御検討をいただきたいと思うわけです。
 それから次に、同じく銃器類を使用しての殺人、強盗等の暴力犯あるいは不法行為の中身についての資料から私らの方でむしろ学ばせてもらっているところですけれども、銃刀類を使用しての殺人とか強盗、暴力行為、不法行為等は四百八十件、それに対して、全く凶器を使用しない暴力、不法行為が三千七百六十一件ある、これはまことに興味ある数字でありまして、すぐ手を振り上げたりなんかする、すぐ暴力的に出てくるところの人間の中には意外と、おれは物は持たないんだというプライドを持っておる者もいるのですね。ふだんすぐ何だと言って余り元気よくやらぬ者の方が物を持ちやすい。われわれの若いころからの経験でも、ときどきけんかぐらいやったことがありますけれども、大体物を持つ相手というのは、もう本当に頼りない、こんなの相手にならぬだろうというのが多い。しっかりしていそうなのは物を持たぬでやってくる。この数字もまことにおもしろいことでして、全く凶器を使用しない暴力行為、不法行為が三千七百六十一件、それに対して、銃刀類、凶器類を使っての殺人、強盗等の暴力行為、不法行為が四百八十件という御説明が参議院の質疑の際にあったわけですね。
 これからしてみると、たとえば銃砲の所持許可をするための事前の審査等で、先ほど来それも大分問題になっていますけれども、これは過去に暴力行為をやったことがあるとかなんとかということは、余り参考にならぬじゃないかなという気もしないではないわけです。それは暴力行為なんて一度もやったことがない温厚な人が一番結構ですけれども、若気の至りで何だと手を振り上げることもあるでしょうし、取っ組み合いすることもあるでしょうし、力余ってぶん殴ったのが少しけがをさせたということもあるでしょうし、だからといって、こんなのに鉄砲を持たせたら必ず悪いことをするだろうと考えることは、いささか考え過ぎではなかろうか。
 人間の心理というのは意外なもので、物を持つことは絶対いやだ、おれはそんな物を持ってなんてやらぬ、素手でやるんだというのが意外と多いのですね。それでむしろ、ふだん暴力行為なんて簡単にやらないような者がすぐ何か凶器を持つということを考えてみると、先ほど来の御説明の中にある所持許可の審査の際の当局の態度というものについては、法は法として、運用について相当慎重に考えられる必要があるのではなかろうか、こう思うのですが、いかがでしょう。
#282
○塩飽政府委員 欠格条項の問題の中で、過去の前科前歴というものをどの程度判断して将来の危険性というものを推測できるかという問題でございますが、これにつきましては従来のデータからしても、過去に凶悪な罪を犯した者が、十年くらいの間はやはり危険性が残っている、これは大阪のああいった事件の例を見たり、そのほか他の事件の分析その他からそういうデータもございます。そういった意味で、過去に凶悪犯罪を犯した者というのは、一定の線を引かざるを得ないということもありまして、一つの欠格条項というのを決めているわけでございます。ただ、世の中が大変精密になりまして、本当に危険な人間を十分に合理的に選別できるような新たな手段が発見できれば、またそのときに欠格条項については、精密な分析ということは可能であろうと思いますが、いまはまだその段階には至っていないということではなかろうかと思います。
#283
○田島委員 いま申し上げたような趣旨に関連して、先ほども私の前に民社党の河村先生からもその意見が出たようですが、いまだかつて暴力行為なるものは何もやっていない、前歴はない、けれども、その可能性は明らかにあると考えられる人たちがこの社会におると思うのです。たとえばひそかに鉄パイプか何か用意して、折あらば違う派閥のところへ殴り込みをかけてパイプで殴り殺そうなんという手合いがたくさんいるわけです。統計からしたらむしろ、銃砲等により人を殺傷したりしているよりは明らかに多いと思うのです。そういう連中は、絶対鉄パイプ専門で銃砲等は持たない趣味かというと、そうではなくて、持てないから持たないので、持たしたら大変危険な存在だと思うのですが、そういう面についての所持許可を審査する際の配慮というのはどのようにされておりましょうか。
#284
○塩飽政府委員 ただいま御指摘のように、鉄パイプを振り回すといった行動を現にとっている、あるいはとろうとしているということがわかれば、五条一項六号の規定によって公共の安全を害するおそれのある人間ということで、これは六号の欠格条項ということで銃砲の許可はしないことが可能でございます。したがいまして、その辺はよく見ていれば、そういった人間が入り込むことは妨げると思います。
#285
○田島委員 お答えのとおり可能でしょうけれども、私が言うのは可能だという消極的なことではなくて、もっと積極的にその点について考えを置かれているかどうかということが聞きたいわけです。
#286
○塩飽政府委員 おっしゃるとおり、たとえば極左の連中にそういった銃が渡るということは大問題でございますから、その点は、こういったグループあるいはまた暴力をふるいそうな者には絶対に渡らないように厳重に努力をしております。
#287
○田島委員 それから今度は、いままではあんまり厳しくしないようにという意見を言ったのですが、逆に、これも河村先生の意見と重複するかもしれませんが、相手によっては、その欠格事項によってはこれではまだ緩過ぎるのではないか。たとえば欠格期間の延長、三年から五年という延長がありますけれども、三年で悪くて五年でいいという、そこらのところはまことにわれわれの理解しにくいところです。
 それから同時に、銃砲刀剣類を使用して重大犯罪をやった者に対しては十年ということですが、確かに十年というのには先ほど御説明のような理由があるのでしょうが、そういう人にたとえ十年たとうと何年たとうと、果たして持たせなければならぬ必要があるのだろうか、絶対に持たせなくていいのじゃないか、こう思うのですけれども、その点はやはり十年たったら持てるようにしなければいかぬのかどうか。
#288
○塩飽政府委員 欠格期間を凶悪な事件を起こした者について十年と一律に切っておるわけでございますから、その点では見方によっては、問答無用で一律に切るわけですから、これはやはりかなり厳しいという意見も出てこようかと思います。また反面、一生持たせない方がいいのだという意見も当然出てくると思いますが、法律の制度上としては、最大限規定しまして十年ということになっておるわけでございます。
 ただ、十年たってから後はさあ、どうなんだということになりますと、これは旧法からもあります五条一項六号の包括的な規定で、公共の安全を害するおそれがある相当な理由があるということは、これは期限に関係なく常に働いておりますから、十年たった後でも、やはりどうも本人にその不審な点がある、欠格条項に該当するのではないかということであれば、許可をしない状態というのは続くわけでございますから、その点の手当てが残っております。
#289
○田島委員 そうすると、「起算して十年を経過していない者には、猟銃の所持の許可をしてはならないものとする。」ということは、実質的には申請を受け付けないんだというふうに受け取って理解してよろしいかどうか。つまり、その間はもう許可申請をする資格はないんだ、申請したからといって、それから後は許可するとは限りませんよ、むしろ許可しないことの方が可能性が多い、こう考えてよろしいでしょうか。
#290
○塩飽政府委員 十年以内であれば、これはもう許可してはならないという規定でございますから、これは申請がありましても許可になりません。ただ、十年たってから後のことは、凶悪な罪を犯したその罪の内容、それからその後の状態、それから反省の度合い、改悛の情とかいろいろな要素を考えて、今度は五条一項六号の規定に該当するかどうかとか、そういう点の判断が加わりますから、それでなおかつ、改悛の情もないしこれはとてもだめだということになれば、許可をしない状態はその後も続くことになります。
#291
○田島委員 御説明の意味わかりますけれども、私はやはり厳しくするところはうんと厳しくする、だれが考えてもそれはもっともだなと思うようなことは、やはりうんと厳しくしてしまった方がいい。とすれば、この銃砲刀剣類を使用して重大犯罪を犯した者については、絶対二度と許可しないという考え方の方が正しいのじゃないかと思いますので、その運用については十分御検討をいただきたいと思います。
 さてそこで、同じ銃砲刀剣類を使用しての一定の違法行為の中でですけれども、「政令で定めるものに当たる違法な行為」という行為は大体どんなものか、ちょっと説明をしていただきたいと思います。
#292
○佐野説明員 刑の量で申し上げますと、暴行は二年でございますが、傷害罪では三年になっております。そういった傷害罪の線あたりを下限に置きまして、それ以上のいわば有形力の行使を構成要件にしたような犯罪。なお具体的に申し上げますと、騒擾だとか殺人だとか強盗とか、それから強姦と申しますか、それからあと逮捕監禁あるいは強制わいせつ、そういったどちらかといいますと粗暴的な色彩の強い犯罪、これは指定を予定いたしてございます。
#293
○田島委員 今度は、これも今度の一部改正で盛んに質疑の対象になっていることですけれども、射撃教習用途の猟銃の備付け制度に関係してですが、この銃の備えつけということがそれほど必要だと考えられる根拠として、たとえば従来のような制度であったためにこのような事犯が起きた、これを備えつけにすればそういう事犯はなくなるであろうというようなことが相当広範囲にたびたびあれば、何人もこれについて、ああ、やむを得ない、こう言うだろうと思うのですよ。ところが、それらしいというか、別にいままでのやり方であっても大して支障はなかった、にもかかわらず今回、また改めて備えつけというような制度の義務づけられが出てきたということになると、なぜなんだ、何かそこには裏があるのじゃなかろうかというようなこともやはり考えられるし、同時にまた、そのことによって先ほど来議論があったように、クレーの方はいいですけれども、何か救済措置が参議院の方の附帯決議で何とか考えられたようですが、ライフルの方は、今後の射撃教習には大変支障を来すということは、いままでの質疑の中でも明らかになったことだと思うのですけれども、そこまで支障があることも承知の上でしかもなお備付け制度を求めようとする、それほどに何か支障があったのかどうか、その点ちょっと聞かしてください。
#294
○塩飽政府委員 従来の仮許可制度のときに、仮許可の段階での事故というのは報告されたものはございません。ただ、その備付け銃にしました理由はたびたび御説明しておりますように、必要ない銃は一丁でもない方がいいというふうなこと、あるいは、腕の十分でない者が銃を保管しあるいは持ち歩く、そして取り扱うということで事故の原因にもなるのではないかとか、あるいはまた、その教習で考査をやる場合にもやはり同じ条件でやるのが合理的ではないかとか、そういったことで、将来起こり得べき事故の問題あるいは犯罪に悪用される問題、そういったことも考えまして、なおかつ、一般的に社会的な世論としましても、銃器というものに対する関心が高まったこと、それから、やはりできるだけ不要な銃というものはなくしていきたいという意見も確かにございました。そういうようなことで、備付け銃という制度を制定したということでございます。
#295
○田島委員 もちろん当局としては、よかれかしと思ってこの改正案をつくられたことだろうと思いますけれども、先ほど来私、申し上げておるように、それによってよほど間違いない実際の効果を期待できる、そして恐らくそれについては何人も、それはそうした方がいいだろうなと理解するだろう、こういうことの場合には、そういう新しい法律規則で義務づけをしてもだれも抵抗を感じないのですよ。多少不便になってもそれはしようがないよ、こう思うのです。ところが現実には、別にそのことの制度の中で特別な支障は起きていない。しかも全体的な統計から見ても、銃砲等によるところの犯罪というのは、どんどんふえているのじゃなくて、皆さんの努力のおかげで抑圧されて徐々には少なくなっている。これが反対にどんどんふえているんだということになれば相当神経質に、あれもこれもきつくしろ、こういうことになるけれども、そうじゃなくてだんだん少なくなってきておるわけですね。
 少なくなってきているというような全体的な傾向の中で、しかも従来の制度の中でも別にさして支障がなかったにもかかわらず、今度の制度によると、特にライフル関係なんか相当の支障が出てくる。しかも備えつけ銃というものは、ないものはまた新しく買わなければならぬ。鉄砲屋の肩持ちするわけじゃないでしょうけれども、何かよけいなことをやるのじゃないか、こういうふうな誤解を生みがちだと思うし、これは余り上等な改正だとは考えられないのですけれども、その点、どうしてもそれをやらないと将来困るだろうという何か理由があるのでしょうか。別にそのことについて私、反対するということじゃありませんけれども、やっぱり事実は事実で明らかにしておきたい、こう思うわけなんです。
#296
○塩飽政府委員 事件に悪用されるあるいは事故の防止ということからしますと、やはり備付け銃の制度というのが私どもにしましては、これは望ましい制度ではないかというふうに考えております。
#297
○田島委員 そういうふうに考えられてやることですから、私もそれ以上は申し上げませんが、率直に結論としては、射撃教習用途の猟銃の備付け制度を新しく義務化するということは、今度の改正案としては余り賛成できることではない。それによるところの実際の効果というのはほとんど出なくて、むしろそれによるところの不満があちこちに出てくる、そのマイナスの方が多いのじゃないか、こういうふうに思うということだけを申し上げておきます。
 それから次に今度は、銃砲の保管についての規制の強化に関連してでありますけれども、これも一つの数字にあらわれた資料を見ますと、まことにおもしろい資料が出ているのですね。猟銃の盗難時の保管状況、昭和五十四年中のものですけれども、被害時の状況として、自宅ガンロッカーに施錠して保管中というのが盗難の事故が一番多いのですね。自宅ガンロッカーにちゃんと施錠して保管してあったものが二十三丁やられちゃっている。それで、同じ自宅ガンロッカーに錠をかけないで保管したものが六丁しかやられてない。まことにこれは皮肉なのか偶然なのかわかりませんけれども、そのほか、自宅家屋内に放置してほっぽり出してあったわけですね、それも六丁しかやられてない。自動車の座席、トランク等、これも相当ひどいですけれども、それでも十一丁しかやられてない。
 ということは、ここに鉄砲がありますよとわざわざ明示すること自体が余り賢いやり方じゃないのじゃないか。むしろ各人がよその外の人にはだれにもわからぬように保管しなさいよと言って自由に最善の保管方法を求めて、特に指定してこういうものに入れてこうしてああしてなんてしない方が万全ではなかろうか。なまじこれはガンロッカーでございます、この中に入っていますなんて言うから、もうどこも探さずに一目散にそこへ行って、それを壊すなり何なりして持っていっちゃう。とすれば、今度の総理府令によるところがどういう具体的なあれになるかわかりませんけれども、従来の実際の盗難の実情からすると、下手な保管についての規制をすることはかえって盗難を誘発するおそれがありはせぬか。現に五十四年中の数字は、まことに偶然か皮肉か知らぬけれども、そうしなさいと言っている自宅ガンロッカーに施錠して保管中が、盗難事故の約四六%を占めて二十三丁やられちゃっている。このことについてどうでしょう。
#298
○塩飽政府委員 盗難に遭ったときにどういう状態であったかということにつきましては、銃を所持している人の大部分の方は、ロッカーの中へかぎをかけて入れていると思います。大多数の人が厳重に保管をしていると思うのです。したがいまして、そちらの方が割合で多いために、同じ盗難に遭ってもやはりかぎをかけていたのにとられたという方が数字的に多くなったのかもしれません。その辺は、何%が実際にガンロッカーに入れて云々という実態がまだよくわかっておりません、五十何万人おられますから。その辺の保管状態が必ずしも正確につかみにくい点があります。
 しかし、かぎをかけていてそれで盗難に遭ったということになりますと、一つは、ロッカーの強度の問題があると思います。それからまた、たとえかぎを破られても、それでは銃はとられないで済むという方法はないかという問題もありますから、その辺も考えた上、また、現在あるそのロッカーと余りかけ離れたことを考えてもまた実態的ではございませんので、適当といいますか、十分効果のある保管の基準というものを考えていくつもりでおります。それからまた、ロッカーの問題にしましても保管の問題にしましても、やはり盗難ということは重大なことでございますから、その辺で、大多数の人は厳重に保管しておりますが、中にはそういった自動車の中へ放置というのも見られると思います。
#299
○田島委員 私が申し上げたのは、自動車の中へ放置していたのもあったということを言っているのでなくて、むしろその方が盗難に遭った鉄砲の数としては少ないということ、言うならば、取り締まりの立場からとんでもないやつだとしからなければならぬような方法にしておった方がむしろとられなくて、こうしておかなければいけませんよといった方法でやった方がとられちゃったというところに、まことに数字というものは皮肉なものが出てくるものでして、一般の窃盗だってそうだと思うのですけれども、財布や何か貴重品は必ずたんすのこういう引き出しに入れておきなさいよなんと言ったら、どこも探さぬでいきなりそこへばんと行ってそのたんすをあけてとってきますよ。むしろ各人に任せてそれぞれの知恵でどこへしまってやろうかとやった方が、あちこち探さなければ見つからないのです。
 そうしてみると、なまじ保管のあり方について、こういう場所にこういう方法でこうやってとやったら、まるでとってやろうかなと思う者に、いきなりこういう場所を探して、こういう錠をかってあるからそれを壊せるようなものを用意していってやればとれるぞ、こういうことになっちゃうのじゃないかと思うのですよ。だから、もちろん法は法として、五十四年中にこういうまことに皮肉な数字が出ているのですから、この法がいよいよ施行されるようになったら、その後においての数字の出方によっては考え方を改められた方がよろしい。むしろ余り役所流にこういう場所へこういう方法で保管しなさいなどと言わずに、各人一番いい知恵をしぼってだれにもわからぬようなところへ絶対とられないようにしまいなさい、そのかわり、とられたらとられた人には相当の罰、たとえばもう二度と許可しませんとか、向こう何年間許可しませんと言った方がよほど効果があると私は思うのです、それは賛成していただけなければやむを得ませんけれども。
 次に今度は、これも問題点の一つ、立入検査ですけれども、「危害予防上その保管の状況を調査する必要があると認めるときは、その必要な限度において、警察職員に、当該猟銃の保管場所に立ち入り、検査させ、又は関係者に質問させることができる。」ものとする、第十条の五ですけれども、これはあくまでもやはり取り締まり側の認定ですね。検査してもらう方がぜひ必要だから検査してくださいと言うのじゃなくて、必要があると認めるのはあくまでも警察側、それから、その必要な限度というのも恐らく警察側が認定をするのだと思うのですけれども、どういう場合に必要と認めるのか、それから、その必要な限度とはどのような限度を言うのか。この点は、これも皆さんから言われたことですけれども、できるだけ具体的に、と言ったって何から何まで事細かに書くわけにはいきませんけれども、できるだけ具体的に書くことによって摩擦を防ぐことができる。たとえば一方は、いやそう認めたから検査するんだ、いやそれは行き過ぎじゃないかというような議論も、ある程度具体的にこういう場合にこうですよと決めておけば、両方が承知していることですから大分摩擦の度合いが減ってくると思うのですけれども、これは何らか別な細則といいますか規則等で細かく決めることを考えておられるのか、それとも、この抽象的なままなのか、その点ちょっと聞かせていただきたいと思います。
#300
○塩飽政府委員 立ち入りの問題につきましては、できるだけ総理府令の中で明確に書き込んでいきたいと思います。ただ、実際の運用に当たりましては、いろいろまた細かい点も指導しなければならないと思いますから、さらに十分検討しまして、通達その他そういった点も含めて、内容について十分研究してまいるつもりでおります。
#301
○田島委員 試みにお聞きすることですけれども、たとえばこの立入検査については、正当な理由がなくてこれを拒むと罰金十万円ですか、具体的な金額はどうでも罰則がある。もし正当な理由があると考えて拒否したにもかかわらず、それは正当な理由と認めないということで警察官が立入検査を強行した。強行した結果、そこに大変プライバシーの問題等を傷つけた結果になった。いやそれは申しわけなかった、確かにこれは悪かったとわびただけで済むのか。片一方は、正当な理由と認められずに拒否すれば、罰則があって罰金を取られる、片一方は、いや済みませんでしたと謝ったら済むのか、その辺のところはどうでしょう。
#302
○塩飽政府委員 立ち入りにつきましては、これは相手の承諾というのが前提になっておりますから、相手が断れば強行して立ち入るということはできません。そのかわり、正当な理由がなかったということで、後で罰金を取られるということはあろうかと思います。
#303
○田島委員 それは断れば強いてということはしないのでしょうけれども、そのかわり断った場合には、正当な理由がなければ罰金ということになるでしょう。その正当な理由とは何人が正当であるかどうかを認定するか、それは当然、拒絶した側じゃなくて警察側だと思うのですよ。そうしたら、たとえ本人は絶対正当な理由だと思っても、警察側がそれは正当な理由だと認めないと言ったら罰金。それじゃかなわぬと思って、正当な理由があると思うけれども、じゃあやむを得ない、どうぞ入って見てくださいと言ったときに、家庭内のプライバシーの何かの問題があった、大変いやな思いをした、またさせた、警察官もそれは現実に入ってみて認めた。では、その場合に、警察側の行き過ぎ、落ち度に対してはどのような救済措置があるのか。
 往々にして警察側の方は、いやそれはごめんなさいで済んでしまうのですよね。ところが住民側の方はなかなかそうは済まない。このことは、やはり一般の善良な国民、住民に警察アレルギーというものを持たしている、ごく小さな一部分ですけれども、やはり一つの部分なんですね。だから、やはりよほどこの点は気をつけていただかなければいかぬと思うのですけれども、この正当な理由というものを正当であるかどうかを認定するのは、何人がどこでいつ認定するのか、聞かせてくだざい。
#304
○塩飽政府委員 その立ち入りについて正当な理由があるかどうか、これは立ち入られる方が主張されることですから、まず立ち入られる方が、これこれの理由で入ってもらいたくないと言うことはあろうかと思います。またそれに対して、それはおかしい、こう言ってみましても、これは相手が立ち入ってはならない、こういうことですから、強制的に入ることはできません。ただ、相手方の言い分に対して、これはおかしいではないかという判断は警察側がいたしますけれども、一つは、社会通念に従って、言うなれば常識的に判断してなるほどということがなければぐあい悪かろうと思いますし、また、最終的に意見が食い違った場合、これはまた罰金を取られる取られないの問題が出てまいりますから、法廷で争う、裁判ということになろうかと思います。
#305
○田島委員 そこで、先ほども保管とその盗難についての件で申し上げたように、意外と従来の法が求めたいわゆるガンロッカーにちゃんと施錠して保管しておった場合が一番盗難に遭った銃の数が多い、そういう事実からしても、保管の態様というものについて警察官が立入検査までして、そんな抵抗を排除してみんなにいやな思いをさせて、そういうことが大体困るのだよなということをしてまでやるほどの効果が果たしてあるのかどうか。私は従来の銃の保管とその盗難の実績等から考えてみると、余り立入検査等をしばしば行うということはむしろとるべきことではないのじゃないか、そういう制度は制度として、極力それはやらない方がいいのではなかろうか、こういうふうに思うのです。
 と言って、銃砲等の所持、保管が自由勝手にされていいということではありませんけれども、そうではなくて、立入検査をやることによって果たしてどれだけの効果があるだろうか。それよりもむしろ、銃というものは大変危険なものだから、各人がそれぞれ最善の注意を払って最善の方法で保管をしなさいよ、その保管について余りうるさいことは言わない、そのかわり、それが盗難に遭ったり、それから間違った方法で使われたりした場合には、その保管の方法が悪かったのだから、その責任はとってもらいますよという形の方が、各人が一生懸命保管に注意をする、そして事故を起こさぬようにする、そして警察は、よけいなところに入っていってよけいな議論をしないでも済むのではなかろうか、こう私は思うのです。そうやってくれと言うわけにはいかぬと思いますけれども、この法の運用については極力、そのような考え方も参考にしていただけるかどうか。
#306
○塩飽政府委員 立ち入りの実際の運用の問題は、御指摘のとおりの面があろうかと思います。実際に法律に立ち入り権が規定されておりましても、立ち入らないで済むならそれにこしたことはないのでして、大多数の皆さんが保管を厳格にやっていただける、また、保管庫その他についても安心であるということであれば、これは立ち入る必要はございません。ただ場合によっては、近所に盗難事件が頻発してどうもおかしいとか、あるいは、風評としてあそこの家の保管がどうもおかしい、何か具体的などうしても立ち入らないと確認できないようなそういう状態があったときに、通告をして立ち入るということになろうかと思いますので、のべつ幕なしに立ち入って、しかも私生活の場でございますから、国民との間がおかしくなるというふうなことは、極力避けてまいりたいと思います。
#307
○田島委員 以上、大体今度の一部改正の中の要点について、率直な私の意見を申し上げながら質疑をしてきたわけでありますが、もう一回振り返ってまとめてみますと、法律を改正するには当然ねらいがある。そのねらいは、提案理由の説明の中にも言われておるように、最近の猟銃等を使っての金融機関などの強盗問題などがあるわけですけれども、そういう「最近における猟銃を使用した犯罪及び猟銃または空気銃に起因する事故の実情にかんがみ、猟銃の所持の許可の基準を整備し、銃砲の保管に関する規制を強化するとともに猟銃等の所持の許可の取り消し事由を整備し、あわせて射撃教習の用途に供する猟銃の備付け制度を新設すること等をその内容とする」、こうあるわけですが、最近の銃砲等を使用した犯罪は、年を追って減ってはおってもふえてはいない。これは警察当局の大変な御努力のたまものだと思いますけれども、だんだんふえて困っている状況ではなくてむしろ、その効果が上がって徐々に減ってきていること。それから、いままで個々の問題について挙げてきたように、保管が悪いから、そのために銃砲による事故がどんどん多発したことはない。それから教習用の銃が備えつけてなかったから、事故がしばしば起きたという事例もない。盗難は、ガンロッカーにかぎをかけて置いておいたものが一番むしろとられてしまった。そういうような幾つかの数字であらわれた現実の事実からすると、果たして今回の銃刀法の一部改正のねらいは本当に効果を上げることができるかという疑問をもし持つものがおったとしても、それは必ずしも無理ではないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。
 それから、同じ猟銃等の中でもライフル、散弾銃、空気銃、こうある。それがほとんどみんな一緒くたに考えられているけれども、従来、ライフルで起きた事故はどういう事故、散弾銃で起きた事故はどういう事故、空気銃で起きた事故はどう・いう事故でどのぐらいの件数、それから盗難に遭ったものも、どの銃がどういう状況でどの程度やられたか、それで見ると、事故を起こした数でも一番多いし、盗難の数でも多いし、事故の重大性からいっても散弾銃なんです。これは皆さんのつくった資料から見て私がちゃんと引っ張り出した結論です。ところが、特別に散弾銃についてどうというのではなくて、空気銃など大した殺傷能力もないのにむしろ同じにされて、むずかしいことを言われている。それからライフルはライフルで、国際的な競技の一つになっているにもかかわらず、その前途に暗雲を感ずるような規制を受ける。むしろ散弾銃なら散弾銃が起こした事故、盗難、その盗難はなぜ起きたか、そういうことにもっとびしびし矢を向けて取り締まりをやっていった方が効果が上がるのじゃなかろうか。
 そういうようなことどもを率直に考えますので、以上申し上げました点等を参考にしていただきまして、今後の法の運用には十分慎重を期せられるように希望して、質問を終わります。
#308
○塩谷委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#309
○塩谷委員長 この際、本案に対し、三谷秀治君から修正案が提出されております。
 修正案の提出者から、趣旨の説明を聴取いたします。三谷秀治君。
    ―――――――――――――
銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#310
○三谷委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対して、射撃教習用途の猟銃の備付け制度並びに銃砲の保管に関する規制の強化の改正部分の削除を求める修正案を提出するものであります。
 今回の改正案は、凶悪犯罪を犯した前歴者に銃の所持の許可を与えるべきではないという国民世論を背景に提出されたものであり、その部分の改正点は当然賛成できるが、その他の改正点で健全なスポーツ愛好家に対してまで必要以上の規制が加えられる危惧が生じております。
 その第一は、備付け銃の問題であります。
 この改正部分は、昭和五十三年の法改正によって導入された仮許可制度をわずか二年間の運用で廃止するものでありますが、仮許可制度による事故は一件も起きておらないと聞いております。
 しかも、銃の愛好家にとって、自己の銃で教習を受け、分解、組み立て、点検などの復習をすることは、銃の安全操作を主とする教習の目的に合致するものであり、ことにライフル銃の場合は、使用者個々人によって銃のバランスや照準が異なり、その調整が重要な要素となっており、画一的な備え銃では真の教習はむずかしいと言われております。
 さらに、教習射撃場に銃の備えつけを義務づけることは、保管庫の設置、管理体制の確立など新たに多額の費用を要するため、必要な教習射撃場さえも廃止に追い込むことになりかねません。
 特に教習射撃を国や地方自治体の設置する指定射撃場に頼っているライフル射撃の場合は、一層困難が加わります。国や地方自治体が銃の備えつけや管理体制をつくらない限り、教習射撃をする場の大半を失うことになります。このことは、自治体に対しても新たな財政負担を強いることにもなります。
 第二は、銃の保管状況を点検するための警察職員の立ち入りの問題であります。
 銃の保管については、厳重になされるべきは当然であります。
 本改正案でも、盗難防止のために新たに総理府令で保管の基準を決めるなど、いままで以上に厳しい措置がとられることになっております。
 今回の改正案はそれに加えて、保管場所への警察職員の立入検査などを一定の条件のもとで認めるものとなっております。銃の保管場所の多くが個人の住居、事務所などといった現状から見れば、こうした立ち入りを認めることは、憲法三十五条、警職法六条の規定に抵触する疑いがあります。
 保管基準の整備、保管状況の確認を目的とする立入検査でありますなら、現行法の報告聴取の規定及び検査の規定を厳正に運用すれば十分実効が上がるものであります。
 以上が修正案の提案理由であります。
 何とぞ慎重審議の上、御賛同賜るようお願いいたします。(拍手)
#311
○塩谷委員長 以上で修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 本修正案については別に発言の申し出もありません。
    ―――――――――――――
#312
○塩谷委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論を行うのでありますが、別に討論の申し出もありません。
 これより採決いたします。
 まず、三谷秀治君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#313
○塩谷委員長 起立少数。よって、三谷秀治君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#314
○塩谷委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#315
○塩谷委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、大石千八君、小川省吾君、小濱新次君、三谷秀治君、河村勝君及び田島衞君から、六党共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、本動議の提出者から趣旨の説明を求めます。大石千八君。
#316
○大石委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同、民社党・国民連合及び新自由クラブの六党を代表し、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。
   銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、次の諸点に留意し、その実効に遺憾なきを期すべきである。
 一、暴力団に対する取締りを一層徹底し、銃器使用犯罪の絶滅のため万全の対策を講ずること。
 二、銃砲による危害を防止し、公共の安全を確保するため、猟銃用火薬類の不正流出防止の徹底を期すること。
 三、射撃教習を受ける資格の認定及び銃砲刀剣類の所持許可の審査に当たっては、統一的な運用を図るとともに、その際に行う調査については、必要な限度を超えないよう指導すること。
 四、猟銃の保管場所に対する立入検査等の権限の行使については、関係者の承諾、四十八時間以前の通告、日出から日没までの時間内を原則とする等の明確な基準に基づき運用し、私生活の平穏を害することのないよう特に慎重を期すること。
 五、射撃教習に用いる猟銃の備付け制度の実施に当たっては、資格認定の申請の際に、許可を得た後所持することを予定する猟銃を特定し、その入手についての譲渡承諾等の内容を記載した書面を添付させるなど、銃砲販売業者間の公平に十分配慮すること。
 六、教習射撃場の管理の方法、備付け銃の保管等については、その実情に即し適切に対処すること。
 七、いわゆる眠り銃の許可取消しについて、病気、長期出張などやむを得ない理由がある場合には、弾力的な運用がなされるよう配慮すること。
 右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
#317
○塩谷委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 これより採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#318
○塩谷委員長 起立総員。よって、大石千八君外五名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、後藤田国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#319
○後藤田国務大臣 ただいま銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について慎重御審議の結果、採決をいただきましてありがとうございます。
 ただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、法律を運用してまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
#320
○塩谷委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#321
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#322
○塩谷委員長 次回は、明九日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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