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1949/04/15 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第26号
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1949/04/15 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第26号

#1
第007回国会 法務委員会 第26号
昭和二十五年四月十五日(土曜日)
   午前十時四十七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月十四日委員石原幹市郎君辞任につ
き、その補欠として鈴木安孝君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
○更生緊急保護法案(内閣提出)
○保護司法案(内閣提出)
○民事訴訟法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) これより法務委員会を開きます。
 本日は更生緊急保護法案、保護司法案、株式の名義書換に関する法律案、民事訴訟法の一部を改正する法律案、矯正保護作業の運営及び利用に関する法律案、国籍法案、国籍法の施行に伴う戸籍法の一部を改正する等の法律案、土地台帳法等の一部を改正する法律案、以上一括して議題に供します。前会に引続きまして質疑を継続いたします。
#3
○深川タマヱ君 法務総裁に対しまして検察の運営に関する二つの御質問を申上げます。
 その先ず第一番は、勾留の濫用による人権蹂躪についてでございます。刑事訴訟法第二百八条第一項によりますと、「勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない」と規定しております。而してその第二項には止むを得ない事由がある場合に限りまして、更に十日以内の延長が認められております。即ち検察官の勾留期間は原則といたしまして十日以内に決め、真に止むを得ない場合に限つて更に十日以内の延長を認めておるのでございます。然るに、最近における検察官による勾留の実情は、この第二項を濫用しまして、どんな事件でも一度勾留すれば二十日間は当然勾留する権利があるがごとく、取扱われておるようでございます。即ち同条に規定されておる止む得ない事由があるときは、という制限は、全く無視されておるようでございます。かくては、第一項の「検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない」という人権擁護の重大なる規定はあつてなきがごとくであり、かくては人権上由々しき問題であると考えます。止むを得ない事由がないにも拘わらず、勾留期間を更に十日間平気で延長するがごときは、法律を無視するばかりでなく、これこそ勾留の濫用による人権蹂躪であると断ぜざるを得ないのでございます。御参考までに一例を挙げて見ます。詳細に記述した本人の上申書を御参考までに提出しておきますから、御覧願いたいと存じますが、今その要点を申上げますと、新聞にも出ました通り、あの例の太陽クラブの事件でございますが、櫻井馨というものが石野や春日井というもの担がれまして、社長に祭り上げられ、本社の事務所を提供させられるなど、利用せられておりましたが、櫻井を担いだ石野などが社金を勝手に使用したため、詐欺容疑で取調を受けたのでございますが、櫻井本人としましては、債権者から預かつた金は一銭も不法領得していないばかりでなく、逆に数十万円を負担させられるという大変な迷惑を蒙つておるのでございます。従つて詐欺も横領をないことは、会社の帳薄や出金伝票などによりまして明白であるにも拘わらず、三月五日逮捕され、検事勾留十日に処せられましたが、検事の事実に関する取調は一回もなく、更に十日間延長せられましたが、その間にも検事の取調は全然なく、丸二十日目に告訴人の代理人である自由法曹団の今野弁護士が突如として現われまして、示談に応じなかつたならば起訴されるかも知れんという圧迫の下に、不本意な示談を強いられ、三月二十五日に処分保留のまま釈放されたという事実がございます。これは初めの勾留そのものが先ず問題でございますが、勾留期間中何らかの取調らしい調べもなく、最初の十日を徒過し、何ら止むを得ないの事由があるとも思われないのにも拘わらず、更に勾留期間の延長をいたしております。かようなことは現在日常茶飯事に行われているように聞いております。旧法時代におきましては、行政執行法を悪用いたしまして、検束のむし返しをなし、何十日、何ヶ月でも警察の留置場に放り込んでおくという、ひどい人権蹂躪が行われていたことは、かくれもない公然の事実でございまして、当然のこととして何人も疑わなかつたところでございます。今回刑事訴訟が改正されまして、再びこのようなことが起らぬよう、人権尊重に関する二百八条の規定ができたわけでございますが、再びこの規定が無視蹂躪されておるようでございます。かような法律無視の人権蹂躪が行われないよう、法務総裁の適切なる御指示と、御監督をお願いいたしたいというのが、第一の質問の要旨でございます。
 第二番目を簡単にここに申し添えます。第二番目の御質問は、検察庁が示談に関與することは極力避けて頂きたいということでございます。被疑者を強権を以て勾留して置いて、示談に応じなければ起訴になるかも知れんという、重大なる脅威の下に行われるような示談は、公正を欠く場合が多いと存じます。先程の太陽クラブの事件の例によりましても、社長の櫻井は自分では一銭も着服していないのに、道義上の責任を感じて、昨年十一月十六日全債権者の代表者十名との間に、櫻井氏の所有する家屋、即ち太陽クラブの事務所に使用していた家屋、時価百万円以上のものを全部提供する約束をいたし、如何なる事由に基くとも廃棄せざることを固く約束していたにも拘わらず、勾留の切れる最後の日に、山梨検事のところに突如現われた自由法曹団の今野弁護士との間に、前の示談を全然無視して告訴をした一部債権者だけとの間に再び示談を強要されております。これは告訴をしなかつた者に対しては非常に不公平であり、本人も前の示談が無視せられたこと、及び全員との示談でなく、一部告訴人だけとの間の示談につき、甚だ不満を持つており、客観的に見ても誠に不合理と思われます。検察庁における示談、特に勾留されている者、勾留されている被疑者との示談は、事実上強制的なものとなり、その内容も無理を生ずる場合が多く、且つ検察庁を利用して示談を強要する場合もありますので、余程慎重にして頂くよう、検察官に御注意願いたいのであります。以上二つの御質問に対しまして、法務総裁の御所見をお伺いいたします。
#4
○国務大臣(殖田俊吉君) お話のような事実につきましては、私は実はまだ報告を持つておらんのでありますが、先ずその第一の逮捕とか勾留とかいうようなことは、人身に対しまする最も大きな制限でありますから、これはその運用につきまして最も慎重に取扱わなければならんことは申すまでもないのでありまして、お話のごとくんば、誠にこれは不都合なことであると考えているのであります。十分これらの点につきましては今後とも注意をいたしまして、苟くも濫用に亘るようなことのないように気をつけたいと考えております。具体的な問題につきましては事務当局もおりまするから、もつと或いは詳しいお答えができるかも知れません。お聴き取りを願いたいと思います。又後の示談の問題でありまするけれども、検察官と申しますものは、証拠と情状を十分に調べまして、起訴事件を起訴にするか、不起訴にするかということを決定するのが職分でありまするから、示談に関與するということは、これは最も避くベきことであると思います。但し場合によりまして、示談ができれば起訴を猶予してやれるというような場合はなきにしもあらずでありまするけれども、かような場合でありましても苟くも示談を強制するというような疑いを受けるようなことは、最も愼しむべきことであろうと考えております。これらの点につきまして、よく今後もいろいろな事件について問題が起り得るでありましようが、さような過ちがないように十分注意をいたしたいと思います。又今お話の事件につきましては、よく取調べまして間違いのないようにいたしたいと、こう考えております。
#5
○政府委員(高橋一郎君) 勾留権の濫用を避けなければならないということは、もう申すまでもないことでございます。只今お尋ねの刑事訴訟法第二百八條の第二項によりまして、十日間の勾留期間を更に十日まで延ばすことができるわけでありますが、その点がどのように実際上運用されておりますかを見ますると、只今手許にあります資料はちよつと古いのでありますけれども、昨年の七月の末に検察官の手許に未済として勾留されておつた被疑者の数が、全国で七千三十一名でございまして、その中で十日以内のものが六千三百三十五名、十日以上二十日以内というものが六百九十六名あつたのであります。大体九割は十日以内、二十日以内十日以上になりましたのは一割程度でございます。その後も大体こういういつた運用状況になつておると考えますので、第二項はそれ程一般的に申しますると、濫用されているというふうにはいえないのではないかというふうに考えておるのであります。
 それから第二の示談の点につきましては、総裁が先程答弁いたされました通りでありますが、尚補足いたしますというと、この証拠関係なんかを十分に調べ切らないで、果して犯罪になるかどうか分らんというような段階で、これは犯罪になつて、起訴されるかも知れないぞというようなことで示談を勧めますことは、これが最もよくないことであるというように考えております。それでそういうときに絶対に示談なんかに関與するなどということは勿論でありますし、そういうことを勧告することもこれは避くべき問題であるというふうに考えます。ただ非常に明白な事件でありまして、非常に起訴になるか、不起訴になるか境目である。示談ができればこの際勘弁してやることができるというような場合に、急いでそれを起訴しますということは、却つて本人のためにもならない場合がございますので、こういう場合にはこういうことだけを決めて、若干の日時を猶予するというようなこともあるわけであります。そういうような場合におきましても、示談の内容に立ち入るとか。或いは強制的にそれをやらせるといつたようなことは、お話のように無理が行くことがあり得ると考えますので、十分そういう点は注意いたしたいというふうに考えております。
 それから例にお挙げになりました事件の関係でございますが、私もこれは昨日上申書を拜見いたしまして、尚主任検事に聞いて見た程度でございますが、事件はいわゆるとり混み詐欺というような種類の事件でございまして、捜査には相当これは暇のかかる複雑な事件であります。これについて二十日間の勾留を受けておるのでありますが、その間に検事の取調べは二、三回ありましたようで、本人の方としては甚だ待ち遠しく思つたことのように思います。ただこの種の事件は、本人だけを調べているわけには行きませんで、勾留と同時に中野警察署の方に指揮いたしまして、被害者その他の関係人なんかをどんどん調べさしておつたのであります。実際に記録を持つて私のところに主任検事が参つたのでありますけれども、一日置き、二日置きというふうに追送記録が参つております。そういつたようなものや、或いは証拠に取りました帳簿などといつたようなものを点検いたしまして、捜査しておつたのでありまして、決して無意味に勾留しておつたというわけではないようであります。
 それからこの示談の点でありますが、この示談につきましては、主任検事はこの事件が明らかに詐欺罪に該当するというふうに考えて、且つ証拠もはつきりありましたので、社長の桜井と申す人と副社長の石野という人と、その二人と、それから告訴人側との間に示談ができるのを待つておつたようであります。それは勾留して待つておつたというのではなくして、その過程において示談ができれば、処分の労も相当考えてよいというふうに考えておつたようであります。この会社に対して債権のあります債権者、この中で告訴しておりますのは全部ではございませんけれども、示談は債権者全員を代表してやるというようなことになつているようであります。ただ本件はもう少し手際よく調べることができなかつたか、特に社長の桜井という人と、副社長の石野との間に仲間割れができておりまして、事件が甚だ複雑なものになつておりますものでありますから、逮捕の時期でありますとか、それから仮に逮捕してからの捜査にしましても、もつと手際よく調べることができるのじやなかつたかというような問題は残ると思います。実情を聞いて見ますと、東京の地方検察庁が大変今事務などが輻湊しておりまして、主任検事はまだ若い人でありますけれども、この事件を調べる傍ら、毎日三十人ぐらいの人を調べておつたようであります。別の事件がありまして……。そういうようなところにもいろいろ事務上の無理があつたと思います。その手際の点を余り責めることはできない。結局検察庁の組織というものをだんだんに整理いたしまして、全体としてかような不満をできるだけなくするというふうに持つて参りたいというように考えております。
#6
○委員長(伊藤修君) 何か……。
#7
○政府委員(齋藤三郎君) 前回鬼丸委員から、保護司法案の第四條にございます欠格條項の第三号の、「日本国憲法の施行の日以後において日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壞することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」という條項がございますが、こういう規定をなぜ置いたのか、又かようなものをして該当するものと認定するのは誰がやるのかという御質問がございました。答弁を留保いたしましたのでこの際申上げて置きます。
 申上げるまでもなく、国民の総意の下でできました日本国憲法、及びそれに基いてできておりまする政府を非合法の圧力を以て破壞するというような行為は許されない行為だと存じまするし、殊に国民の信託によつて国政に当る公務員がさようなことをすることは許されないと存ずるのであります。保護司法案によりまする保護司は、国家公務員法の適用はない。併しながら、法令により公務に従事する一種特別職のような公務員であると存じますので、かような一種の公務員がさような政党又は団体を結成し、又は加入することを望ましくないというふうに考えまして、かような規定を考えた次第でございます。尚、その認定ということにつきましては、かように該当いたしますると、第十二條にございまするように、委嘱権者でございまする中央委員会の委員長がこれを解嘱するということになるのでございまして、結局この法律の運用の範囲においてこれを認定する者は中央委員会の委員長であると存ずるのであります。勿論かような非常にむずかしい認定問題でございまするので、解嘱に当りましては、当該保護司に解嘱の理由を説明し、且つ十分の弁明を聴くようにいたし、万全を期するように考えて規定してございます。
#8
○委員長(伊藤修君) 何か鬼丸さんのそのときの御質問の趣旨を伺つておりますと、破壞することを主張する政党、そういうものはあり得ないじやないか。形式的においては皆正しい主義、政策、綱領を全部掲げておつて、そういうようなことの主義、綱領を掲げる政党というものはおよそ想像できないのじやないか。そのようなものがあるか。そういうものは今後もあり得ないと考えるが、それは実質面を指すのか、それは形式面のみを掲げておるのかというような趣旨の御質問になつたように思いますが、その点を……。
#9
○政府委員(齋藤三郎君) 主張する政党が勿論現在はないものと私は考えます。ただ主張するということは必ずしも政党綱領に掲げるということだけではなくして、実際の行動その他、全般の活動全体から見て認定されるので、将来全然ないということはないのではないかと、かように考えます。
#10
○委員長(伊藤修君) ではその綱領になくてもその活動においてそういう実質的のものが現れて参るならば、そういうものはこの通りということになるわけですね。
#11
○政府委員(齋藤三郎君) 只今の御意見の通りに考えます。
#12
○政府委員(伊藤修君) 宮城さん何かこの保護司法案に……。
#13
○宮城タマヨ君 齋藤局長が見えておりますから、ちよつとお伺いいたしますが、現在この今度保護司となりましたのでございますが、その保護司の中で全国を通じまして、女の保護司と男の保護司との割合がお分りになつておりましようか。大体でよろしゆうございます。
#14
○政府委員(齋藤三郎君) 只今数字を持つておりませんのですが、成人、大人のお世話を願いまする現在の保護委員さんには少ないと存じます。併し少年の方を担当して頂いておりまする保護委員さんには相当あるようでございます。名古屋におきましては、女の保護委員さんだけの会があるということも聞いておりまして、確たる数字は現在持ち合しておりませんが、これは直ぐ調べると分りますので、又調べまして申上げたいと存じます。
#15
○宮城タマヨ君 大体どのくらいの割合に女の人を入れようというような御案はございませんでございますか。
#16
○政府委員(齋藤三郎君) 現在何割をこういう御婦人にお願いするということまでは考えておりませんが、少年関係については相当入つて頂いて結構だろう。又その方が望ましいというふうに考えております。つい先日長野の保護委員の常務委員の会合がございましてそれに参りましたが、三十名ぐらいの常務委員の方がお集りのときに、一割、四名ぐらいいらつしやいました。お話を聞きますると、お話された方は二人でございましたが、二人とも少年を担当しておられまして、非常に御熱心のように承つて参りました。少年の問題を担当して頂く保護委員の方に、保護司の方には相当そういう理解のある熱心な婦人の保護委員に、保護をお願いするということが非常に効果もあるように考えておりまして、併しなかなか御婦人でやつて頂くという方は少ないのでございまして、私共の今の気持ではそういう方がおありならば、できるだけお願いしたい、かように考えております。
#17
○宮城タマヨ君 地方を歩いて見ますと、まあ全体でもございませんけれども、女の保護司の方は熱心で、そうしてそのお話も大抵保護観察についてのいろいろの研究、それから苦心談が多うございますけれども、男の保護司の方が第一番におつしやることは、どうしても手当が少ないとか、旅費をもう少し予算に組んで呉れないかといつたようなことが口の先に出ますことを伺いましても、まあそれも無理のないことで、私はもつと予算を増して頂いて十分な旅費を差上げて、できるならば十分な手当もして欲しいと願いますけれども、でも、ただそれだけのことを伺いましても、やつぱり御婦人の方が非常にこの事業に熱心だということには間違いないと思つております。それでございますから、人がございますならばできるだけ御婦人の方を沢山、そうして半分ぐらいを御婦人を以てというくらいな意気込で当局にやつて頂きたいということをお願い申上げて置きます。
#18
○政府委員(齋藤三郎君) 御意見の通りに考えておりまして、さように努力いたしたいと存じます。
#19
○委員長(伊藤修君) 更生保護事業というものは、自由事業にしておるのですか、免許主義を取つておるのですか。どちらが今一体基本的な観念ですか。
#20
○政府委員(齋藤三郎君) 更生緊急保護法によります更生保護会は、第五條におきまして、認可を得て初めて本法の適用を受ける。そうしてそれは委託された場合に費用を国費で出す。かように構成いたしております。
#21
○委員長(伊藤修君) 認可のないものはこの更生保護事業と言わないのですね。
#22
○政府委員(齋藤三郎君) 認可のないものは本法にいう更生保護事業ではない。そうして第九條の三項で、認可を受けないで更生保護事業を営むものが、その事業に関して営利を図つたり若しくは対象者の処分について不当の行為をしたときは、中央委員会がそのものに対して、その営んでおる更生保護事業を営むことを制限し、又は停止を命ずることができる。そうしてその制限をしたり停止を命じまして、それの言うことを肯かんで更にその事業を続けた。結局その制限か停止の命令に違反したという場合に初めて罰則がかかるように規定してございます。
#23
○委員長(伊藤修君) その不当の概念は。
#24
○政府委員(齋藤三郎君) 結局無免許でやることだけでは、別に罰則その他のことはございませんで、認可なしでやつて、実質的に不当の行為があつたときに始めて制限、停止を命ずる。
#25
○委員長(伊藤修君) その不当という概念は……。
#26
○政府委員(齋藤三郎君) これは営利を図り、或いは不当の処遇ということでございまして、結局常識で判断するということになるかと思いますが、ただ問題が問題でございますので、この更生保護審議会というものにかけまして、その意見を聽いてまあ愼重を期して不当であるかどうかということを決める。こういう構想でございます。
#27
○委員長(伊藤修君) その種のものに罰則を以て臨むということはどうですかね。
#28
○政府委員(齋藤三郎君) 認可なしでやつたからといつても、この行為自体は非常にいいことでありますから、勿論罰則をつけることは不当かと思いますが、こういう美名の下でやるということは望ましくないというような考え方で現行の司法保護事業法においても同様に規定いたしております。その考えを蹈襲いたしたといいますか、やはりその考えがよかろうという考え方で、認可なしでやるだけでなしに、認可をして更に実質的に不当の行為をしたという場合に制限、停止の命令をかける、その違反の場合に初めて罰則をかけるというのがむしろ当然のことではないかと、かように考えております。
#29
○委員長(伊藤修君) 十一條の建前からいつてその不当のことが入るのですが、ただ不当なことがあつたら制限をする、その制限に従わないということだけでこの罰則が成立するのじやないのですか。あなたの御説明のように不当のことが遡つてこの條件になるのですかね。この処罰の條件になるのですかね。
#30
○政府委員(齋藤三郎君) 第九條第三項に規定する制限命令に違反したことでございまするから、制限命令に違反すれば直ちに罰則の適用を受けるわけでありまするが、結果的には結局不当の行為がなければ制限をし停止もいたしませんので、御説明申上げたのは少し行過ぎたように申上げたように思いますが、お説の通りであります。
#31
○委員長(伊藤修君) 将来はこういう免許のないこの種事業団体というもののできることを望むのですか。そういうものは黙認して行くということですか、御方針は。又そういうものに対するところの何らかの手当規定を置くというお考えもないですか。
#32
○政府委員(池田浩三君) これは、こういう仕事の実情実態を申上げますと、よく分つて参ると思いますが、こういう仕事は初から、この法律に保護会といつたようながつちりした組織を作つてから始めようというのは、これは準備の非常に整つた場合でございまして、多くの事例を見ますと、篤志家が、或いは集団が、或いは外の社会事業がその一部門として二、三人の人の面倒を見ている。そうして段々やつて行つて非常に巧く行くようになつたら、これを保護組織に一つ組もうという段階にあるわけです。この法律はそういつた更生保護組織が沢山できて来る、そうして健全に発達して行くということをこの法律全体が望んでおりますが、今申しましたような段階のものを、これを認可を受けていないから、そういう仕事はいけませんとこう言つて止めてしまいますと、結局将来は立派なものに育つて行く更生保護会の芽を摘んでしもうといつたことになりますので、健全な芽はやはりこれを默認というような形になる。法律の上はとにかくこういう状態を許されるという形を置いてそれを育てて行こう。併しその芽が不健全な、結局不当な行為とか、営利を図るといつたような事実がございますと、そういつたような不健全な要素が出て来たときには摘み取ろうというような考え方から、こういう段階を設けたわけでございます。
#33
○委員長(伊藤修君) 現在法人でやつておるものは相当あるのですか。法人でない、いわゆる個人でやつておるもので法務庁で分つておるもの、お分りになつたらお廳かせ願いたい。
#34
○政府委員(齋藤三郎君) 実際に動いておると認められます団体は百七十七ございまするが、そのうち社団法人が五でございます。それから財団法人が九十三、組合が四十九、個人経営が二十九という形になつております。財団法人が一番過半数を占めております。
#35
○委員長(伊藤修君) 個人経営は割合少ない……。
#36
○政府委員(池田浩三君) そうでございます。
#37
○委員長(伊藤修君) この予算はどのくらいお組みになつておりますか。
#38
○政府委員(池田浩三君) 更生緊急保護法関係につきましては、団体の補助金、これが九百二十四万円、それから委託費千四百十一万二千ございますが、この外にこの厚生保護会関係の監督事務に要します役所の費用も、人件費、設備費、調度費、文具など若干ございまして、その合計は役二千六百万、これぐらいな予算でございます。予算としてはこれは一年分としては非常に少いのでございます。
#39
○委員長(伊藤修君) 二千六百万のうちで実際に被保護者の方に賄われる、使われるというものはどのくらいになりますか。
#40
○政府委員(池田浩三君) 委託費千四百万。
#41
○委員長(伊藤修君) それだけですか。
#42
○政府委員(池田浩三君) それと補助金の九百二十四万円。
#43
○委員長(伊藤修君) 二千万円ばかりですね。僅かなものですね。
#44
○政府委員(池田浩三君) このうち委託の方はこれで足りないので、まあこの條文の費用支給の十二條の一項の関係のうちの費用のところでございます。これは国の支弁、国の責任という形でこの更生保護法の形に組んでおりまして、費用は国の支弁といたしておりまして、一応事務費の形を取つておりますので、又実績を見まして次の手立てをしよう、こういう心組みでおります。
#45
○委員長(伊藤修君) この法案によると、厚生保護を受ける期間は身体の拘束を解かれて後六ヶ月以内となつているのですが、委託を受けて本人を収容した地方公共団体又は更生保護会は六ヶ月を経過した後は尚保護を必要と認めるときでもこれを退去せしめなければならない。又犯罪者予防更生法の第四十條によつて収容した場合の期間はどうですか、そういう場合は。
#46
○政府委員(齋藤三郎君) 昭和二十三年度の統計で大変古いのでございますが、その一年間に収容して解除した人の数が四千六百何十人という数になつております。その統計によりますと、その八四%は六ヶ月未満ということになつております。それから六ヶ月という期間を置きましたのは、この国家の保護というのは、まあ一様に行かなけけばいけない、それで満期釈放とか起訴猶予という者は、罪を犯したにせよ、満期の場合は責任を全部果したのである。それから起訴猶予の場合は検事の嫌疑だけであるから、かような人を犯罪者としていつまで遇するというのは面白くない。それで一番保護の必要があり、それから又再犯の率を調べましても六ヶ月未満というのが非常に多うございます。それで大体六ヶ月程度は刑事政策的な面も加味して一つ法律で保護しよう、それ以上は生活保護法で一般の人と同じように保護をして行こう、こういうような考えでいたしたのであります。それで只今御指摘の六ヶ月以上になつた場合に退去させるかということでございますが、これは本人がどうしても行くところがない、是非置いて呉れというものを、これは更生保護事業を営む社会事業家が恐らく追出すことはなかろう。併し建前ではそれが国家が更生保護法によつてはもう保護しない、金はやらない、生活保護法の方で一つ金を貰つて、この法律外に任意的にまあ一つ置かれるという場合があるのではないかというふうに考えております。別にこちらから退去させなければならないということは毛頭考えておりません。
#47
○委員長(伊藤修君) そえすると改めてそれから又収容するということはいかないのですか。
#48
○政府委員(齋藤三郎君) それは厚生省とのいろいろな話合をし、六ヶ月程度は保護法で、身体拘束解除後、六ヶ月はそういつた刑事政策的な面をこちらで重く見てやる。それ以上は生活保護法で一つ一般の人と同じように国家が保護する、こういう建前で厚生省と話合もされて、そういうような事情でございますので、更生保護事業家が六ヶ月経つたら出ろということは毛頭いと思います。
#49
○委員長(伊藤修君) 犯罪者予防更生法第四十條によつて収容した場合の期間は。
#50
○政府委員(齋藤三郎君) これは仮釈放期間中は、本来ならば刑務所に入つておらなければならない期間でございますから、残刑期間は十分行届いた保護監察をやるというわけでございますから、これはもう残刑と仮釈放の期間中は、いつでも必要に応じて更生保護会に頼むものであります。
#51
○委員長(伊藤修君) そうすると六ヶ月という制限はないのですか。
#52
○政府委員(齋藤三郎君) ございません。
#53
○委員長(伊藤修君) ないのですね。
#54
○政府委員(齋藤三郎君) はあ。
#55
○委員長(伊藤修君) それは法文の趣旨から出ておりますか。
#56
○政府委員(齋藤三郎君) これは犯罪者予防更生法から出ております。
#57
○委員長(伊藤修君) これは、犯罪者予防更生法の話が出ましたが、この第四十條の応急の救護との違いはどういう点にあるのですか。犯罪者予防更生法の第四十條の応急の救護ということと本法との差ですね。
#58
○政府委員(齋藤三郎君) 我々は殆んど同じである、別段変りはない、その場合において宿舎がない者に宿舎だけを與えしめる場合がございますし、全然収入がないという場合は、国費で衣食住全部を保護してやるという場合もございます。或いは病気の場合は医者の治療を受けさせる、或いは国へ帰る人があつて、旅費がないという場合には旅費をやるといつた形で、いろいろありますが、内容は殆んど変らないのでございます。
#59
○委員長(伊藤修君) 殊に本法の場合は犯罪者予防更正法第四十條に入る内容は殊んど変りはないと、こういうことですか。
#60
○政府委員(齋藤三郎君) そうでございます。
#61
○委員長(伊藤修君) 厚生保護事業審議会は本法の第十一條第十一項の規定によると、中央委員会の委員長の諮問機関のごとく解せられるのですが、併し同條の第三項及び第十五條の規定によると法務総裁の諮問機関のごとくも解せられるのですが、性格というかどちらが一体諮問機関であるのかそのことをはつきりしておいて頂きたい。
#62
○政府委員(齋藤三郎君) 十一條の中央委員会の委員長の諮問に応じて云々と書いてございますが、これは厚生保護事業審議会の主たる性格が、主たる目的が、中央委員会の委員長の諮問機関ということでございまして、付け足りとしまして法務総裁が場合によつてそういうお尋ねのようなこともあると考えております。
#63
○委員長(伊藤修君) 法務総裁からもできるわけですね、その諮問機関は。
#64
○政府委員(齋藤三郎君) できる場合があるわけであります。
#65
○委員長(伊藤修君) 直接にですね。
#66
○政府委員(齋藤三郎君) そうです。
#67
○委員長(伊藤修君) その諮問機関の性格とか、組織とか、委員の構成とかいうものはどういうふうにお考えになつておられますか。
#68
○政府委員(齋藤三郎君) 広く関係のある各方面の権威者の御意見を伺うというつもりでございまして、現在中央委員会で試み的にいろいろ研究いたしております案によりますると、会長が中央委員会委員長、中央委員会の委員一名、事務局長、それから法務総裁、官房長、行政長官、厚生省社会局長、労働省職業安定局長、国家警察本部次長、更生保護事業の民間代表並びに民間学識経験者、この民間学識経験者の中には弁護士会の代表をお願いしたい、さような考えであります。
#69
○委員長(伊藤修君) 何名くらいですか。
#70
○政府委員(齋藤三郎君) 全部で十五名でございます。五十名中七名が役所で八名が民間です。
#71
○委員長(伊藤修君) 民間の中に弁護士が三人入るわけですね、三名見ているのですか、一名ですか。
#72
○政府委員(齋藤三郎君) そこまでは聴いておりませんです。
#73
○委員長(伊藤修君) 東京は三名見ないというとうるさいですね。これは先日お尋ねになつたかもしれないが、従来の保護司というものと一遍切り換えるわけですか。
#74
○政府委員(齋藤三郎君) その通りでございます。経過規定が置いてございませんので、この法律施行と同時に、旧来の司法保護は一遍自然解嘱になります。そうしてすぐに委嘱しなければならん、かように考えております。
#75
○委員長(伊藤修君) 新しい法律に基く司法保護委員の選考委員会にかけて、それによつて決定するわけですね。
#76
○政府委員(齋藤三郎君) そうでございます。
#77
○宮城タマヨ君 この保護司法案でございますが、欠格條項の第四條の第二項の「禁こ以上の刑に処せられた者」とございますが、従来は何犯かあつたような人が更生して罪亡ぼしにこの仕事をしようというような者も、中に、少数ではございますけれどもあつたように思いますけれども、この條項が変つたというところに何か困るような点がございますのでしようか。
#78
○政府委員(齋藤三郎君) 「禁こ以上の刑に処せられた者」と書いてございますが、解釈といたしまして従来の解嘱令で復権になつた者は当然禁錮以上の刑に処せられたという事実もなくなる。そういう法律上の事実もなくなつておると考えておりまして、ここに復権せられた者ということを入れればはつきりするのでございますが、さような規定を入れますると、従来の法律の適用が解かれて復権した人は全部駄目だという反対解釈も起る虞れもございますので、復権になつた人は当然この欠格條項には当嵌まらない、かように解釈いたしております。
#79
○宮城タマヨ君 分りました。
#80
○岡部常君 更生緊急保護法案第十條の「地方公共団体」というのはどういうことを予想しておるのでございますか、大体決まつておりますか、又厚生省などの了解は得ておられるのでしようか、それについて……。
#81
○政府委員(池田浩三君) この十條に「地方公共団体は、更年保護事業を営むことができる。」こういうふうな建前をとつてあるだけのことでございまして、現在のところまだどこの都府県、どこの市にこれをやつて行こうというようなところまでは具体化しておりません。実はこの問題は、これは地方公共団体が自治法によります自治権の一つの作用として、こういつた仕事も当然していいことだろうと思うのでございますが、実際には財政の余裕の面やらいろいろと地方公共団体側の費用がございますので、この法律では地方公共団体はこういうものをやらなければいけないといつた命令的なものは規定しないで、その当該都府県なり、市町村なりでこういう仕事に非常に理解のある人が多くなつて、そうして地方財政にも裕りができたときに、これは是非一つやろうといつた空気ができましたならば、そういうところには届出制だけで簡単にこういう仕事をやつて頂ける建前を踏んでおるわけであります。こういう含みだけのことなのでございます。
#82
○岡部常君 それでは自然に発生するのをお待ちになるような考えでございますけれども、或いは又更に、何か新しいそういう目的に適う団体のできることを、何か助成するとかいうようなお考えはお持ちになりませんか。
#83
○政府委員(池田浩三君) 只今の御質問の問題につきましては、この法律といたしましては、地方公共団体でこういう事業をやつて頂くことを希望しておるという建前をとつております。一つの勧奨そういうことをやりいいように仕向けるといつた一つの方法としては、十二條の一項の委託支弁、こういう制度をとつております。この法律によりますと、三條によりまして更生保護は一応国の責任でやるのだとしておりますけれども、更生保護の内容によつては、言い換えますと、これは収容を伴なう更生保護の場合でございますが、そういつた場合には国が直接やろうと思つても、現在国立の更生保護施設というものを持ちませんので、将来或いはできて来るかも知れませんが、現在持つておりませんので、そういつた場合にはこれを委託するという制度を三條に設けておりますが、その委託先を地方公共団体と、更生保護会とに限つておる。で、さような委託先に現実にケースを委託いたしました場合には、十二條の一項によりましてその費用を国で支弁する、こういう建前をとつて費用がとにかくその事業を営むために、地方公共団体へ必要なだけ流れて行く、こういう建前をとつているわけでございます。
#84
○委員長(伊藤修君) この施行期日は勿論四月一日からとなつておりますが、公布の日からというのでよろしいのですね。政府の御意見なり一つ伺いたい。
#85
○政府委員(齋藤三郎君) さようでございます。
#86
○委員長(伊藤修君) 別に両案に対する御質問ありませんですか。どうぞ、よろしうございますか……。それでは有難うございました。
#87
○委員長(伊藤修君) 民事訴訟事件の上告の実情をお述べ願いたいと存じます。
#88
○説明員(関根小郷君) 訴訟事件の全般的な最高裁判所におきまする概況を申上げますと、大体これは最高裁判所のみならず、全般のことから一応申上げた方がお分り易いかと思いますので申上げますと、大体昭和三十年、戰前におきまする全国の民事訴訟事件が約八十万件近くでございました。それが戰時中になりまして、三十万件に激減しております。それが又終戦後平和時代になりまして、六七十万件に更に殖えつつあるという情勢でありまして、これが又最高裁判所におきまして、事件が従つて殖えつつあるということになります。それで最高裁判所の事件といたしましては、民刑併せまして大体四千五百件、昨年度一年におきます審理の総件数が四千五百件、そのうち刑事が四千件、民事が約五百件ございました、そのうち既裁の分が約三千七百五十件、一ヶ月に平均いたしまして三百件既裁となつております。これは判事が十五人しかおりませんものが、一箇月三百件以上を処理するということは、非常に繁激なわけでございまして、身体の方にも影響があるくらいでございます。そして内訳を申しますと大体刑事が三千五百件、民事が二百五十件、これは一年の既裁件数でございます。そういたしまして、未裁事件はどうなりますかと申しますと、約千九百件ございます。これは実昨年末の未裁事件でございます。そういたしまして刑事の方が千五百件、民事の方が大体四百件近くございます。刑事の方は古い刑事訴訟法時代の事件が大部分でございまして、これが今後増加するよりも、減りつつあるという情勢でございます。民事の方はどうなりますかと申しますと、先程申上げました戦後の民事事件の増加の趨勢と照し合しまして、段々殖えつつありまして、今後は恐らく民事と刑事が逆の立場になるのではないかということが予想されるわれでございます。従つてどうしても民事の上告事件というものがこれから殖えるということを考えますと、何とか民事の上告事件の調整をしなくてはならんというわけでございまして、その方法が何とか早急に講ぜられなければ、最高裁判所の事件が負担過重になりまして、国民の権利保護が全うされないということになろうかと思うわけでございます。大体民事の事件の概況は以上の通りでございます。
#89
○委員長(伊藤修君) 最高裁判所の裁判官の司法行政事務に対する御職務の実情をお述べ願つておきたいと思います。
#90
○説明員(関根小郷君) 最高裁判所におきまする司法行政の実情を申上げますと、先般こちらの委員会から御調査がございまして、書面で御回答をしてございますと思いますが、それを簡単に要約して申上げますと、現在最高裁判所の司法行政事務は簡達に申しますと、ルールを制定する仕事と、それから一般の司法行政権これは人事、経理、裁判所の仕事をするにつきましての人的、物的の用意をするといつた広い意味の司法行政権、この二通りございまして、それをどういうことで賄つて行くかと申しますと、裁判官会議で会議体で決定するわけでございます。それで会議体で決定いたしますが、その下に事務総局というような行政機構、ピラミツド型の組織体がございまして、ここに事務総長、各局長、課長以下相当な機構を持つております。そうしてピラミツド型の組織体でございますので、いわゆる行政機構として只今申上げました司法行政事務の準備をいたしまして、準備ができ上りますと、それを裁判官会議に提案いたしまして、裁判官会議で決定するわけでございます。この裁判官会議を経ていたします仕事が相当多いのではないかという御疑問があろうかと思いますけれども、これは実際を申上げますと、一週間に一度しか裁判官会議は開かれないというのが原則でございまして、随時その外に要求のある場合には開ける、大体におきまして一週間に一度、而もその開かれました一日の中にも裁判官会議を開かれております時間を申しましても平均三時間前後にしか亘らないわけでございまして、結局一般の方々がお考えになつておりまするよりは、司法行政事務に費す時間というのは極く少ないわけでございまして、その他は先程申上げました、いわゆる訴訟事件の処理に忙殺されておるわけでございます。従つて裁判時の訴訟事件の処理と申しますと、結局会議と判決を書くこと、この二つの事務で殆んど最高裁判事裁判官の大部分の仕事はそれに費されておるわけでございます。それで司法行政事務につきましても、或いは忙しい場合には、それを特に裁判官のうちの或る少数の方に委任するという方法も取られておりまして、例えば人事の問題などにつきまして、特に人事委員を設けまして、そのために幾分はその方々、委員になられた方々が時間を使うということがございますが、大体のところは、事務総局で案を作りまして、それを採用するかどうかというだけの決定をするということでございます。
 大体以上でございます。
#91
○委員長(伊藤修君) 何か他の法案について御質問ありませんですか。では本日はこれ以て散会することにいたします。
   午後零時二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鬼丸 義齊君
           岡部  常君
           宮城タマヨ君
   委員
           鈴木 安孝君
           深川タマヱ君
           松村眞一郎君
  国務大臣
   法 務 総 裁 殖田 俊吉君
  政府委員
   検     事
   (検務局長)  高橋 一郎君
   検     事
   (中央更生保護
   委員会事務局
   長)      齋藤 三郎君
   検     事
   (中央更生保護
   委員会事務局少
   年部長)    池田 浩三君
  説明員
   最高裁判所長官
   理者
   (事務総局民事
   局長)     関根 小郷君
ソース: 国立国会図書館
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