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1949/04/19 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第27号
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1949/04/19 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第27号

#1
第007回国会 法務委員会 第27号
昭和二十五年四月十九日(水曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月十八日委員岡田宗司君辞任につ
き、その補欠として大畠農夫雄君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○裁判官の報酬等に関する件
○更生緊急保護法案(内閣提出)
○保護司法案(内閣提出)
○国籍法案(内閣提出、衆議院送付)
○国籍法の施行に伴う戸籍法の一部を
 改正する等の法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
  ―――――――――――――
   午前十一時十二分開会
#2
○委員長(伊藤修君) これより法務委員会を開会いたします。
 本日は更生緊急保護法案、保護司法案、国籍法案、国籍法の施行に伴う戸籍法の一部を改正する等の法律案、以上四案を一括議題といたします。前回に引続き質疑を継続いたします。
 この際松井君から発言を求められておりますから、これを許可いたします。
#3
○松井道夫君 最高裁判所の本間事務総長がお出でになつておられますので、裁判官の報酬等についてお尋ねしたいと思います。
 第六回国会におきまして、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案が提出されまして、これが可決せられたのでありまするが、その提出の理由によりますと、政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律(昭和二十三年法律第二百六十五号)によつて、給與基準の引上げが行われた際、裁判官についてはこれに相当する給與基準の引上げが行われないまま今日に及んでいるので、この際一部の裁判官の報酬等を増額する必要がある、そういう理由で提出せられ可決になつておるのであります。ところで今申しますように一部の裁判官これを外の表現を用いますと、要するに判事補について一般の基準に準じて増額せられたのでありまするが、判事については除外せられておるのであります。これはいわゆる六千三百円ベースの給與引上げがあつた、それに準じて判事補の報酬を上げたのでありまするから、普通であれば、判事の方もそれに準じて引上げるべきものであつたと存ずるのでありまするが、殊に裁判官については、裁判官の報酬等に関する法律第十條によりますると、一般の官吏について政府がその俸給その他の給與の額を増加し、又は特別の給與を支給するときは、最高裁判所は別に法律に定めるところにより裁判官について、一般の官吏の例に準じて報酬その他の給與の額を増加し、又は特別の給與を支給する、いわゆるスライドするといつた趣旨でこの十條というものが作られておるのでありまして、どうも判事について全面的にこの條文の適用がなかつたということは、当時のいろいろな客観的情勢によつたのでありましようけれども、判事の方からよく、これはどういうわけだということを聽かれるのでありまして、ちよつと返答に窮しておるのでありますところがそのまま現在に至りまして、二十五年度においてもそのことがないと予想されるような状況にあるわけなのであります。それでお尋ねいたしたいと思いますることは、要するに第六国会において、判事補のみについて一般官吏の給與類の増加に準じて引上をなし、判事の分は除いたという理由と、それから現在に至るも判事について一般官吏の例に準じた給與の額の増加という措置が進められておるということも聞かないのでありまするが、最高裁判所といたしましては、判事についてはいわゆるスライドしなくてもよろしい、当分現状のままでよろしいというお考であるのかどうか、それから、先程申しました裁判官の報酬等に関する法律の十條の規定と、只今申したような事態との関連をどう考えていらつしやるかということについて、お尋ねしたいと思います。
#4
○説明員(本間喜一君) 裁判官の報酬の問題は、どういう立派な裁判所ができ上るかということに関する最も重大な問題であります。その点に関して、国会の参議院法務委員会等において非常に関心を持つておられることは、又非常に御援助して頂いておることは、深く有難く思つておる次第であります。この前の第六回の国会の際に、判事の俸給は、一般官吏が六千三百円ベースになつておるのに、判事の方の報酬のベースは五千三百三十円べースになつておる、どうしても六千三百円ベースを基礎とした報酬額に直して頂くように、政府の方へ立案方を交渉したわけであります。その際において、政府の方と意見がどうしても合わないで政府の方は御承知のような、前議会に出されたような報酬額の変更だけしか立案して貰えなかつた。われわれとその六千三百円ベースを基礎とするところのスライドする報酬額について意見が違つていたわけであります。私の方はその際においては、判事の方もやはり同じくスライドして上るべきだという主張、政府の方では、それは上の方は一般官吏に準ずるべきような、上げたものはなやかち、それはスライドすべきものではないという主張であります。あの報酬に関する法律第十條の適用の問題について両方が意見の一致を見なかつたのであります。その見た限度においてだけは、政府が立案をして、この前の議会に提出下すつて、そこで御賛同を得て通過したわけであります。私の方といたしましては、只今松井委員のおつしやられたように、判事についてもやはりスライドして上るべきものだ、これはそれに該当するところの行政官の報酬がなかつたことは、これは当り前の話であつて、第二回国会においてここで非常に御丁寧に御審議下さつて一般行政官より上廻る報酬を英米の裁判官を尊重いたしますような思想に基いたものを採用いたされて、高い俸給をここで審議して頂いた、それが第二国会であります。その精神をそのままスライドして、今度の六千三百円ベースにスライドするならば、当然変つた俸給表がてこに出て来なければならんのでありますが、その点について残念ながら政付と意見を同じくすることができなかつたというような結果で、今のような俸給の現状になつているわけであります。その去年の状況は、財政関係において、ドツジ・ラインその他又いろいろな問題があつたと見えまして、やはり今議会においても同じような状況にあると思われるので、この議会において改めて同じ論争をしても同じ結果になるので、最高裁判所といたしましては、甚だ残念でありますが、現状を我慢して頂いて……決してこれが正しいことと思つておりません。どうぞ国会においてもその点について批判をお願いしたいと、こう思つておる次第であります。十條の規定は、それに該当するところの、行政官庁の同じ号俸に相当したような俸給がないとしてもやはりベースが変つたからして上げなければならんという趣旨だと私共は解釈をしております。法律の第十條の問題はどうぞ一つ特別な御関心を以て御批判を願いたいと思つております。
#5
○松井道夫君 只今の御説明で大体分りましたのですが、ただその政府の方で、今の第六国会における判事補だけを上げて、裁判官については触れなかつたという措置が、第十條に違反していないという主張であるかのごとく伺つたのでありますが、そのときに該当する俸給がなかつたとかいうようなことをちよつとおつしやつたと思いますが、どういう理由で政府の方では十條に違反していないと主張しておられるのか、その点もう一度御説明願いたいと思います。
#6
○説明員(本間喜一君) 第二国会の、その十條の規定のできる際には、判事の一番下の俸給が一万円であつた。一万冊というのは次官級の俸給で、行政官としては次官級の俸給でありまして、その次官級の俸給までしか……この六千三百円ベースによつて上つたものはそこが止りになつておるのでございます。ですから、従つて判事の方には、行政官にそれに匹敵するような号俸がなくて、従つて上らないのは当り前の話なんです。それに拘わらず政府では判事の俸給に匹敵するものはないのだからして、一般の他の行政庁において俸給が上つた場合には、こちらも上げてスライドするというように、そのスライドすべき高い俸給がないからして、それが上げられない、こういう意味のようでした。そうなつて来ると判事の俸給は永久にどんなベースになつても上りかねるというような、次官の俸給が上つて来ない限りは上つて来ないような恰好になるので、甚だ十條の解釈としては間違つていると私共は考えているのであります。然るに行政庁の方ではそういう解釈で、どうしてもそういう案は作らない、こういうことであります。甚だ間違つている解釈じやないかと思つています。こういうような十條の規定は、始め第二国会で問題になつた際に、私共の方の原案といたしましては、最高裁判所がスライドした俸給表を作るという原案を以て臨んだのでしたけれども、ここの法務委員会で、それは法律によつてということに直すのだということでありましたものですからして、この点に関しては法務委員会は特別に考えて頂いて、判事についても、五千三百円のベースが六千三百円になつていますから、それにスライドしたものに上げるように御盡力頂きたい、こう思つているのであります。若し最高裁判所がスライドした俸給を決めることになつて行けば、恐ろしくこれと違つた俸給表を決めていることになると思つております。私共の計算ではずつとこれは上つております。それも一緒に上げようという考でおります。つまり判事の一番下の俸給が行政官としては一番上の俸給であつたのです。そういうふうに政府は言いながら、他方においては一般職の十五級俸というのは、次官級の俸給でしたが、それをその後の政令によつて十五級俸を四段に分けて、最高判事の一号俸と同じような俸給を水増しして多くしている。これはどうも前に一万円と格付けされたのが、それがその当時の一万四千円に匹敵するようなふうに水増ししているのは、結局第二国会において行政官を上廻る報酬を裁判官に與えなきやいかんという精神が、ここにおいて非常に滅却させられたというような気持が私共としていたして、甚だ残念に存ずるのであります。そういう次第もありますからして、判事の方は是非一つ第二国会のあの精神をここで活かして、その点私共も徹底して判事俸給が上がるようにいたしたいと存ずるのでありますけれども、第六国会の場合と今回の場合と、政府当局の方との話合は一向進展する状況に至つていないのが現状でございます。
#7
○松井道夫君 この際法務総裁が御出席していらつしやいますから、法務総裁に御意見を伺いたいと思うのでありますが、第六国会に裁判官の報酬について一部の裁判官の報酬がいわゆる五千何百円べースから六千三百円べースの基準に基く報酬に改められたのは御承知の通りであります。ところがその際判事補についてはそのことがあつたが、判事については、そのことがなかつたのであります。ところが裁判官の報酬等に関する法律の第十條においては、裁判官の報酬は、一般の政府の職員についてベースが上つたというようなことがあれば、それに準じて法律によつて引上げるという趣旨の規定があります。われわれは勿論スライドすべきものとしてその法律を作つたわけなんです。それで私が法務総裁に伺いたいことは法務総裁としてのお立場から言つて、只今のような判事の報酬が裁判官の報酬等に関する法律に違反して引上げられておらないといつた状態についてどうお考えになつておるかということが第一にお尋ねしたいことであります。又この判事の報酬の引上については、裁判所は勿論御努力せられる意思がおありのことと存ずるのでありまするが、法務総裁としてもその点に御助力せられる意思がおありであるかどうかということを伺いたいのであります。
#8
○國務大臣(殖田俊吉君) 今お話がありました十條の解釈でありますが、政府は裁判官の報酬について、判事補を上げましてそうして判事の方を上げなかつたということは、別段この十條の精神に反すると思つていないのであります。何となれば、これは裁判官の報酬は、判事補とか判事とかいう名前ではない、裁判官全体として申している。つまり六部分の判事補の報酬と上げた。これは行政官と同じように上げたのであります。行政官の上る部分については裁判官についても上げたのであります。行政官の上らない部分については、判事もそれに相当して裁判官も上げなかつたというだけでありまして、決して行政官より裁判官を、この十條の趣旨に反して不当に待遇はしておらない。例に準じて上げて出る。例に準じなかつたと思つてなら仕方がありませんが、例に準じて上げておる。本当は財政上にもつと余裕がございますならば行政官も上げたかつたのであります。従つて行政官が上がれば当然判事、裁判官も上がるのであります。ところが行政官の高級職員は上げなかつたのです。でありまするから、六千三百円べースと申しても、実は厳格に申せば全体の官吏が六千三百円べースになつておるのではない。実際は五千三百円のもある。ただそれより以下の、一定の税度以下の官吏が六千三百円ベースになつたのであります。従つて裁判官もそれに準じまして同様の取扱をした。ただ今お話のごとく、段々行政官の方も上つて参りまして、裁判官とのこのテイフエレンスが少なくなるということもあるのであります。併しどの程度のデイフェレンスを常に探らなければならんかということは、これは私は今後も研究を要する問題であると思うのでありますが、一般行政官が特に低かつた。例えば行政官の俸給の分でありますが、特に低かつた分を何も上げてはおりません。べースを上げてはおりませんけれども、例えば今の十五級職員の分類を上げるというようなことはありまするけれども、低かつた行政官と高かつた裁判官どの比率を常に保たなければならんということもどうかと思うのであります。最高の点に至りますれば、最高裁判所の裁判官と国務大臣とは同等の取扱になつている。国務大臣は一般行政官の六千三百円べースの点からも推算いたしますと、只今の国務大臣の俸給か非常に低いのでありまして、決して六千三百円べースになつていないのであります。従つて最高裁判所の裁判官も亦決して高くはないのであります。併し上の方を抑える以上は、どうしてもそこのところに多少の歪みが出て参ります。財政の余裕ができて参りまするならば、裁判官も行政官ももつとずつと上げたいのであります。併し只今のところ財政上その余裕がありません。そこで止むを得ず上の方は抑えまして、下の方を上げるという方針になつております。その方針であるからと申して、決してこの第十條の精神を蹂躪しているということは考えておらんのであります。ただできれば将来一般的に俸給を上げたい。これは私はもう是非それに努力したいと思つております。思つておりますが、今のところこの法律解釈等によりまして、直ちに上げなければならん、それからそれは間違つているから上げる、こうは考えておらないのであります。
#9
○松井道夫君 実は大蔵大臣にも来て頂きたいと思つたのですけれども、これは主として裁判所とそれから法務総裁の御意見を伺えば大かた私には理解できると思うのでありますので、何も関係のない大蔵大臣に来て貰う必要もないと思う。ところが今のお話を承ると、以前からの俸給、或いは俸酬表を相当ひつくり返してみなければ分らんらしい。実は先程最高裁事務総長からお話がありました。ところが只今法務総裁の御意見によりますと、行政官については上の方は上げておらんのだ、下の方の行政官について六千三百円べースになつたので、時期は遅れたけれども、下の方の判事補については上げたのだと、かような御主張であるのであります。私はさよう存じておらないのであります。これは上の方の行政官についてもこのいわゆるベースは上つたと考えでおるのであります。これは御承知の六千三百七円べースになるときでありますか、前後でございまするか存じませんが、十五級というものを、これは初め十五級としておかれたのであります。そうして次官級が判事の一番下と同じようにしておられたのです。この切札である十五級を出されておる。それで最高が殆ど判事の一号級ですか、これと大差ない。裁判官が一般の行政官よりも多くなければならんという点にちよつと遠慮したといつた程度、三百八十円しか違いません。そういうものを作り出しましたのであります。そうすれば当然ベースといたしましても、又社会的の、今のこれは行政官としましては不服があるのでございましようが、裁判官は職務の責任、性質と責任といつたものから、一般の行政官よりも報酬は上じやなければならん。一般行政官の俸級よりも裁判官の方が報酬が上じやなければならんということには根本的の御不満があるかも知れないのでございますけれども、その点は別といたしまして、とにかく一応そのように決まつたのでありまするから、裁判官の報酬は多くなければならんと一応決まつたのでございまするから、そうして又その比率が、先程本間総長が述べられたように判事としての一番下の者が次官と一緒だつたということになりますれば、ところが十五級というものができて、次官の最高級のものが判事の一号と殆ど同じということに相成りますと、明かに比率が違つておるのであります。それをもし違つておらないと主張されるのは、私は法務総裁といたされまして聊か奇異の感を抱くのでありまするが、何らかまた御研究が多少お足りにならないのか、甚だ失礼な申分でありますが、さような、或いはとぼけていらつしやるのか、さよう感ずるのであります。私はこの十條の精神がやはりこの場合にも適用されなければならないと存ずるのであります。要するに行政官全般として見て給與は上つておるという場合に、やはり裁判官全体としてその程度に多少の差ができる場合もありましよう。上がつかえておるということで多少程度に差ができることもございましようが、やはりそれにスライドするということが今の十條の精神であると考えます。十五級というものがこれが新たにできたので、別にスライドしてそういうものができたんじやないから、これはスライドという、裁判官の報酬がそれに対してスライドというようなことでないと私は通らんと思います。これか訴訟事件にでもなりまして、最高裁判所の大法廷で裁判されるということになりますれば、勿論それは問題なしにスライドさせるべきだということになると私は考えます。もう一度法務総裁から御答弁を煩わしたいのです。
#10
○国務大臣(殖田俊吉君) 私は裁判官の報酬を大体行政官より高くする、併しそれを一定の、初めに決まつたあの比率で飽くまで行くべきものであるとは考えないのであります。行政官が余り低かつた、そのとき裁判官だけは……とにかく行政官も高くするのみならず、裁判官だけはせめてこの程度にして置きたいというので初めの率ができておるのであります。それに行政官が追いついて来たから、又裁判官ももう一つ先に行かなければならないと、そうは考えておらないのであります。併し精神は、裁判官は行政官より高くする、これはもう勿論であります。でありまするから行政官を、例えば次官というような非常な重要な職務にある者が非常に最下級の裁判官よりも低かつたというようなことは大体甚だおかしいのであります。裁判官は無論上げなければなりませんか、それで次官が、行政官の最高の次官が漸く追いついて来たというところで、又それに上廻りをしなければならんとも考えておらない。そうすれば恐らく最高裁判所の裁判官と然らざる裁判官との間の差はなくなつてしまいましよう。みな最高裁判所の裁判官と同じような俸給になるかも知れません。でありますから、その精神を失わない限り、そんなにむずかしく比率をお與え頂かんでもいいのじやないかと実はこう與えております。そこのところに、無論裁判官の方々から言えば、そのデイフアレンスが既得権であります。だから飽くまでそのデイフアレンスを続けで行くというような與もあるようでありますが、私共はそこまでは考えておらんのであります。
#11
○松井道夫君 只今の御説明で大体法務庁としてのお考は分りましたが、私は只今の御見解にも拘らず、これは従来の一番初めの比率を飽くまで維持しろと私も主張するわけではございませんが、併しながらやはりこの十條の精神は守らなければならない。今も法務総裁も触れられましたが、スライドすれば最高裁判所長官まで行つてしまうんじやないかというお話であつたのでありますが、でありまするから、この最高限の方は外の法律で抑えられておるわけであります。その順序を顛倒しない範囲におきましてやはりこの十條の精神を生かす余地が十分開けておるとかよう考えるのであります。そういう点について、もつと突込んだ、もつと親切味の溢れました考慮がありますならば、そういう途がおのずから開けて来る。私はその点を指摘いたしたいのであります。法務総裁並びに本間事務総長に対する私の質問はこれで終りますが、更に民間局長がお見えになつておりますから、民事局長にちよつとお尋ねしたいと思いますが、只今触れたのでありまするが、この高等裁判所の長官、この報酬はこれは抑えられておると私は存じておるのであります。それで判事の一号を相当高めまして、高等裁判所長官の報酬より勿論下でございまするが、それを一号を相当高め、それに準じまして判事の報酬を二号以下を決めるということで、法律上或は技術上別に不都合は起らないと私は考えるのでありますが、その点について技術上は可能であるかどうか。
#12
○説明員(石田和外君) 今の点にお答えいたしますが、それは何ら不都合は起きないわけであります。実はこの前の国会で、衆議院の方も法務委員会におきまして、それとほぼ似たような考から、判事の一号俸の上に特号を作つてはどうかという御研究をして頂いたことがありまして、検察官の方には、特号俸というものがあとまして、特別のものに限つて特号俸にすることができる、それと相呼応いたしまして、判事の方にも、実は現実の問題といたしましても、元大審院の部長或いは控訴院長等の方で一般の水準から相当浮き出しておられる方も十数名ございますので、せめてその人達だけを遇する方法といたしましても特号俸ということが考えられたわけであります。特号俸というものができますれば、結局今松井委員から御指摘の案とほぼ同じような考え方になるわけであります。
#13
○松井道夫君 最後に私地方によく参りますと、主として、書記官補から、どうも税務署の事務職員と比べて頗る書記官補は惡い、せめて税務署の役人位のところまで引上げて、特別の俸給にしてくれ、そういう意見があるのでありまするが、要望は非常に強いのでありますが、これは人事局長としては如何お與えになりますか。
#14
○説明員(石田和外君) 今御指摘の点は書記官補のみならず、裁判所書記官につきましてもやはり同じごとが申せるのであります。実はこの裁判所書記官及び書記官補は、裁判所書記が事務官に改められたのでありますが、裁判所書記は裁判所事務官の中から任命することになつておりますために、裁判所書記としての特殊の責任並びに職務内容というものが無視されまして、一般の事務官と同じように遇されました結果、一般の事務官と同じような待遇を受けるという形になつております。そこでその点は、裁判所書記官と書記官補の責任、職務内容から申しまして、実は裁判所といたしましては甚だ不満足な次第でありまして、何とかこれを変えて頂くというふうに考えております。できれば、国家公務員法にもございますように昭和二十六年十二月三十一日で一応裁判所の職員全部は、それまで一般職ということになつております。せめて書記官だけでも特別職ということにして頂いて、書記官に相応わしい特別の俸給の法案を作つて頂くというのが理想だろうというふうに考えております。ただの裁判所書記官並びに書記官補では聊か従来低くございましたが、それを極力高めるべく採用におきましても研修につきましてもいろいろやつております。現に裁判所書記官研修所というものができましそれに基いてやりますので、早晩内容も極めて充実されてますから、それに伴い待遇も是非考えて頂きたいというように考えております。
#15
○大野幸一君 私は法務総裁に申上げたいと思いますが、先程松井委員の賛同に関連することですが、裁判官の報酬は一般公務員べースにスライドするということの問題なのですが、これは確かに裁判官報酬を第一か第二国会のときでしたか、丁度社会党の首班内閣であつたと思うのですが、当時の鈴木法務総裁は原案として、スライドしてそれで最高裁判所が決定を自由にできる、こういう原案が参議院に回つたのです。我々はその精神には賛成であるが、併し少くとも国会の承認を得ずし当然俸給を最高裁判所が決定することは、司法と立法の限界を明らかにしないのではないかという、ただ理論的の考えからこれを修正いたしまして、国会の承認を得るという法律を決めるということになつたのでありまして、飽くまでも裁判官は公務員にスライドとするという精神を修正するつもりはないのでありまして、当時から、成る程所判官と行政官の間は、公聴会とかいろいろ意見を聞きましたが、何と言つても裁判官は余禄というものがちつともない。それは我々がいろいろ調べてみても分りますが、行政官というものは何と言つても目に見えざると言いますか、違法にあらざるまでも余禄というものが政治家と同じようにあるのであります。裁判官にはちつともそれがない。そういう意味で非常に厳格なまあ自己規律に支配されておる。こういうのでありまして、精神としては、我々としても松井委員と同様に、スライド制の精神を踏んでやつて頂かないと、折角裁判官の地位がますます向上しようとするときに、それを挫くこととなると考えますので、この点法務総裁どうお考えになりますか。もう一度私は念を押しておきたい。
#16
○國務大臣(殖田俊吉君) スライドいたしまして、そうして裁判官が行政官より上廻つた報酬を得るということなりです。それは是非そうしたいのであります。併し財政状態が許しませんので、そこで裁判官だけはスライド以上相当に、その当時の財政状態から申しますと、思いきつた待遇をしておつたのであろうと思います。そこに行政官がよちよちついて行つて、漸く近所まで来た、これを、従つて行政官が上つたから、もう一つスライドさしてそうして裁判官を一つ上げる、そういうとまで余裕があればそれは私は面白いことだと思うのであります。併しながらそれだけの余裕はないのであります。いずれ出て参りましようが、今のところはないそれで従来は行政官より非常に薄遇をされておつたが、今度次官というような大事な職務でも、それが裁判官の最下級より惡くなつたというようなことはちつと常識で考えられない。それが漸く人並になつて来たというところで、もう一つスライドする、それは少し私はスライドが過ぎやしないか、こう思うのであります。併しこれはいずれにしても、官吏の俸給は安いのでありますから、私は将来財政状態の余裕のつき次第これはべースも上げましようし、それからその両者の間の権衡とかいうようなものをもう一遍見直す必要が無論あると思うのであります。でありますけれども、今直ちに機械的にやらなければならんとは実は考えておりません。御趣旨はよく分かります。私共裁判官も非常に優秀な裁判官を確保するという意味からいたしまして、イギリス等にありますごとく、特に裁判官に非常に高い、行政官とは比べものにならん高い俸給を拂うということもいいことと思うのでありますが、併しそれについては又この裁判の機構等についても考えなければならんこともありまして、例えばイギリスのごときは、裁判官、判事が単独の裁判をすることができます。日本のごとく、複数の裁判官が会議をして裁判をするというのとは違う、これは甚だ例が惡いのでありますけれども、よく西洋の本に書いてありまするが、例えば一件の裁判をするのに、イギリスの裁判官が何万円の報酬を取る。フランスの裁判官は三人でやるから三分して、三分の一の俸給でいいのだというようなことを書いてある場合もあるのであります。私は日本の裁判制度は会議制によるのでありますから、イギリスのようなわけには行かんと思うのであります。併しながら、立派な裁判官を社会が確保するという意味から言いますというと、それは高い報酬を出すということが第一の必要な條件であります。それは、私は是非そういたしたいと考えております、財政上の余裕がつき次第、一層その点につきましては努力をしたいと考えております。ただ、只今のところそれができませんのは残念でございますが、今我慢をして頂きたい。こういうわけであります。
#17
○宮城タマヨ君 私は更生緊急保護法案について、二点ほどちよつと局長に伺いたいと思うのであります。
 この法案の第十一條の更生保護事業審議会のことでございますが、第四項のとここで「この法律に定めるもののほか、審議会の組織、所掌事務、委員その他の職員については、政令でこれを定める。」と書いてございますけれども、この審議会の審議委員の構成いたします基準がどのように定められておりますかということと、それから委員の選定は誰がするのでございましようかということ、詰り中央委員会の委員長の諮問機関でございますから、委員長がするのでございましようか、或いは法務総裁か、又他に誰がいたしますのでございましようかという点についてお伺いしたいと思います。
#18
○説明員(石田和外君) 更生保護審議会は非常に重要な機関でございます。それで、その法案が可決になり、成立いたしました曉に、十分慎重に考慮して決定いたすことになると思うのでありますが、只今一応の、中央委員会として考えておりますのは、十五人の委員にいたしまして、その中七人は関係の公務員が当る、八人は民間の方にお願いをする、大体そういうふうに考えております。まあその中に、当然中央委員会の委員長、及び事務局長、それから関係省の、例えば厚生省の社会局長とか、或いは労働関係で職業安定局長、こういうような方にお願をすることになるかと考えております。
 それから任命でございまするが、中央委員会は御承知のように外局でございまして、外局の機関は外局の長、委員会ならば委員会の長が任命権を持つておるので、中央委員会の委員長がお願をする、こういうことになると存じております。
#19
○宮城タマヨ君 その点はよく了解いたしました。それから第二点は、この十六條でございますけれども、「この法律の規定は、更生保護事業に関し労働基準法及びこれに基く命令の規定が適用されることを排除する趣旨に解してはならない。」とございます。この第五條の第三項に「中央委員会は、前項第四号及び第六号の基準を定めるに当つては、労働基準法(昭和二一十二年法律第四十九号)及びこれに基く命令の規定を尊重し、又、これに違反しないように意を用いなければならない。」とここに第五條に記されておりますのでございますが、このことから考えまして、この第十六條はあつて邪魔にならないようでございますけれども、なくてもいいのじやないか、で殊更この十六條を置いてございますが、置かなければならない点がございましようか、ちよつとお伺いします。
#20
○説明員(石田和外君) 現在ございます司法保護団体は百七十七程でございまするが、その中百程は授産施設と言いますか、作業所を持つてやつております。こういうふうになつております。それでこの法律にあります更生保護施設は法律上、全く別個の見地から認可されるものと属しまするが……新しい見地から認可されるものと存じまするが、やはり更生保護施設の中にもみずからの施設の中に作業所を持つておるような施設も相当出て来るものと考えるのでございます。さような関係で、さような作業所を持つておるような更生保護施設は当然労働基準法の規定の適用がある場合が多いのでございます。従いまして中央委員会が委員会に達します際に、その違反のないように十分考慮して、建物その他の設備の規模や構造、或いは対象者に対します教養とか、給養とか、その外の処遇の方法が労働基準法の精神を十分に尊重して違反のないようにしなければならないと三項に謳つておりまして、十六條は更にその基準以外にいろいろな場合がございまするので、いろいろな場合にこの法律の規定、この保護事業であるから、さような作業所を持つている、賃金に当るようなものを支拂つて、労働の対価を支拂つて収容しているような場合に、やはり労働基準法の適用があるのだ。こういう趣旨を念のために書いてあるというわけでございまして、必ずしもこれがなくても、当然さような労働基準法の適用のある場合、使用者と労働者という関係があれば、この規定がなくても当然に適用があるわけでございまして、ただその作業所と言いましても、保護関係があるのみで念のためにこの適期があるのだ。これを言つておるだけでありまして、或る意味から言えば重複しているということも言えるかと存じます。
#21
○宮城タマヨ君 今お話のように、いろいろな場合と言うか、その場合、例えばどういうことがございますでしようか、一例を挙げて下さい。
#22
○説明員(石田和外君) 例えば賃金支拂という場合に、全額直接渡すというようなことは労働基準法に書いてございまするが、さような細かいところまで、中央委員会の基準では、恐らく関係ないではないか、大体の労働基準法の重要な精神をまあ基準にいたしておりまするが、詳細のところまで基準にいたすということは、実際上できないのじやないか、かように考えております。
#23
○委員長(伊藤修君) 他に御質問ありませんですか。更生緊急保護法案中地方税に関する分について、地方税法第十三條十一号の事業の分について、これは名前を変える必要はないのですか。
#24
○政府委員(齋藤三郎君) 当初原案にはかような條文が出ておりましたが、地方税法の改正案が殆んどこれと同時に、或いはこれ以前に通過するものと考えまして、税法関係は税法にまとめたのがよいではないかという関係で、そちらに譲つたのでありますが、現在の状況では入れてございませんと、若し地方税法の改正が成立を見なかつたという場合に、それを見るまで地方税が掛かるということになりますので、かような規定が必要であると考えます。
#25
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑はございませんか……。ではこれを以て更生緊急保護法案及び保護司法案、この両案に対するところの質疑を終ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(伊藤修君) では質疑はこれを以て終結いたします。
 直ちに討論に入ります。
#27
○遠山丙市君 当然のことでありますが、この更生緊急保護法案に対する一部修正は、これはやらなくちやならんと思いますので、御同意を得たいと考えますが、附則第一項にあります施行期日、四月一日となつておりますが、これはまだ本案審議中にすでに一日は経過しておりますが、施行期日を「公布の日」というふうに改めなくちやならんと考えておるのであります。でありますから附則第一項の所を……これはお手許にお廻ししてございますが、附則第一項中「昭和二十五年四月一日」を「公布の日」に改める。そういう工合に修正をいたしたいと思うのであります。
 それからその次の現行地方税法の第十三條第十号によりますれば、従来司法保護事業法による司法保護事業は、地方税を免税せられておるのでありますから、司法保護事業法に代るべき本法案の更生保護事業は、当然に地方税の免除の点においてもこれを同様に取扱わるべきものであると思うのであります。で附則第六項といたしまして、現行地方税法の右に関する部分を修正をいたしたいと思うのであります故に、これはお手許に廻してありますが、第十三條第十号中「司法保護事業法(昭和十四年法律第四十二号)による司法保護事業」を「更生緊急保護法(昭和二十五年法律第 号)による更生保議事業」に改める。こういう工合に修正をいたしたいと思うのであります。
 御同意を願います。
#28
○委員長(伊藤修君) 遠山君の修正の御動議に御異議ありませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(伊藤修君) では他に御意員もなければ、これを以て討論を終結することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(伊藤修君) では討論はこれを以て終結いたします。では採決に入ることにいたします。
 先づ更生緊急保護法につきまして採決をいたしたいと存じます。只今遠山君の修正を問題に供します。この修正通りに御賛成の方は挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#31
○委員長(伊藤修君) 全会一致修正案通り決定いたします。
 修正案を除く原案全部を問題に供します。原案全部に御賛成の方の御挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#32
○委員長(伊藤修君) 全会一致原案通り可決するものと決定いたします。
  ―――――――――――――
#33
○委員長(伊藤修君) 次に保護司法案を問題に供します。原案全部を問題に供します。原案全部に御賛成の方の御挙手をお願いします。
   〔総員挙手〕
#34
○委員長(伊藤修君) 全会一致原案通り可決するものと決定いたしました。
 以上両案に対するところの本会議おけるところの委員長の口頭報告の内容については予め御了承を願つておきます。
 尚両案に対するところの御賛成の方の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    岡部  常  宮城タマヨ
    大野 幸一  小林 英三
    鈴木 安孝  遠山 丙市
    松井 道夫
#35
○委員長(伊藤修君) ではこれを以て休憩いたします。午後は一時から開会いたします。
   午後零時十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十二分開会
#36
○委員長(伊藤修君) 午前中に引続きこれより会議を開きます。
 国籍法案及び国籍法の施行に伴う戸籍法の一部を改正する等の法律案、以上両案について質疑を継続いたします。
 委員長より政府委員に国籍法案についての釈明を求める点を書面を以て申上げましたが、それに対して御釈明をお願いたしたいと思います。
#37
○政府委員(村上朝一君) 国籍法案の内容につきましては、提案理由の説明の中で申上げました外、先般逐條説明を便宜プリントにいたしてお配りいたしたのでありますが、その外に委員長から釈明を求められております点につきまして御説明申上げます。
 先ず第二條に関連してでありますが第二條の第一号の「出生の時に父が日本国民であるとき。」とあるこの「父が日本国民である」とは一体どういうことを言うのか。むしろ戸籍法の適用を受けている者、或は父が現在日本国民とされている者であるときというふうに改めてはどうかというような点であります。申すまでもなくこの第二條は出生による日本国籍取得の要件を規定したものでありまして、日本国民はどういうものであるかという定義を挙げたわけではないのであります。第一号におきまして、子の「出生の時に父が日本国民であるとき。」は子は「日本国民とする。」と規定しております。が、これは子の出生の際父が日本国民とされている者であるならば、子は出生の事実によつて当然に日本国籍を取得するという趣旨でありまして、現行法の第一條と全同趣旨であります。現行法第一條の「父カ日本人ナルトキ」というこの「日本人」とは何を言うかということは、結局現行国籍法施行の際、即ち明治三十二年施行されました当時における一般通念によつて日本人であるとされてきた者及びその後国籍法の規定によつて日本の国籍を取得した者で而も国籍法の定める国籍喪失の事由がない者を言うわけであります。
 第二号及び第三号における父又は母の日本国民たる資格についても同様であります。この子の国籍上の基礎となる父又は母の日本国民たる資格を一層明確にするために、子の出生の時に父でありますけれども、戸籍法の適用を受け戸籍に記載されるためには、先ず日本国民であるということが前提條件となるわけでありまして、これによつて日本国民の意義を明確にするというわけには参らないかと思います。又父が現在日本国民とされている者であるときと改めましても、その「日本国民」とは何を言うかという点につきましては同じ疑問が残るわけでありまして、現行法のまま踏襲いたすのが適当ではないかと考えるのであります。次に同じく第二條につきまして、この「子」というのは法律上の父子関係の子を指すのかどうかという点であります。この第一号、第二号にあります「父」という言葉は、これは法律上の父子関係にある場合を言うのでありまして、単なる事実上の父子関係を意味するのではないことは現行法とこれも全く同様であります。改正案におきましては、子の出生における父の認知に当然には戸籍得喪の効果を伴わないことといたしまして、別に簡易なる手続を必要とすることにいたしたのでありますが、認知の有無に拘らず、事実上の父の国籍に従うという趣旨ではないのであります。
 次に日本の国籍を取得したということを戸籍以外の国民登録その他の制度によつて公法上明かにすべきではないかという点であります。朝鮮人、台湾人等、いわゆる戸籍法の適用を受けないものを除きまして、日本国民はすべて戸籍に記載される建前になつておりますので、戸籍の外に別に日本国籍を有するものを登録する国民登録というような公簿を設ける必要はないのではないか、現行法と同様でよいと考えておるのであります。尚日本国民で戸籍法の適用を受けるものはすべて戸籍に記載される建前ではありますが、戸籍の記載はもとより日本国籍取得の要件ではないことは当然のことでありまして、例えば出生によつて国籍を取得した子について出生届出が怠られておる。そのためにその者が事実上戸籍に記載されていないといたしましても、これがために異国籍となることはないのであります。尚その点に関連しまして外国人である男と日本人である女との婚姻以外の子の戸籍が明かでないという御疑問もあつたようでありますが、これは第二條第三号、現行法の第三條と同趣旨でありますが、これによつて日本の国籍を有するわけであります。
 次に国籍法案は現行法通り父系主義を採つて、父が日本人であるときは子も日本人であるとする父系を優先されておるのは、男女平等の憲法の趣旨に反するのではないかという点であります。この法案におきましては、出生による国籍の取得について、現行法と同じく父系主義を原則としておるのでありますけれども、出生による国籍の取得につきましては、血統主義を採用する諸国で母系主義を原則としておるというのは一つもないのであります。父系と母系を同等に見ております例は二三ありますけれども、極めて少数であります。大多数の各国立法例は父系主義であるのであります。従つて若し父が外国人である場合に、母系主義を採つて母が日本国民であるときは子を日本国民とするというようなことにいたしますと、必ず二重国籍の状態を生ずることになるのでありまして、この二重国籍を防止するために、外国の多くの立法例に倣つて、この法案におきましても現行法の父系主義を踏襲したのであります。尚父系主義を採ることは、父としての権利或いは母としての権利に差別を設けるということを意味するのではないのであります。男女の本質的平等という憲法の趣旨に反するものではないと考えるのであります。
 次に第二條につきまして、捨子の場合、日本で生れたという立証は困難であるから、推定規定を設ける、つまり日本で発見された捨子は日本で生れたものと推定するという規定を入れるべきではないかという点であります。この改正案の第二條の第四号、現行法の第四條、これが捨子に関する規定でありますが、外国の立法例では、その国の領土内で発見された捨子は国内で生れたものと推定するという、捨子の出生地に関する推定規定を設けているものもあるのでございます。四面海に囲まれております我が国の地利的條件から考えますと、かかる推定は法律の規定を特に俟つまでもなく当然生ずるのでありまして、捨子の出生届に関する戸籍法の第五十七條の規定も、日本国内で発見された捨子は当然に日本国内で生れたものと推定する、従つてこの国籍法が補充的な原則として採つております出生地主義によりまして日本の国籍を取得するという前提に立つておるわけであります。この捨子の問題につきましても、この際現行法を改めて特に推定規定を設ける必要はないかと考えるのであります。
 次に第三條につきまして、この帰化の許可は自由裁量か法的裁量かという点であります。これも現行法におけると同様自由裁量の行為でありまして、外国人に法律上帰化の請求権を認める趣旨ではないのであります。要するに第四條乃至第七條に規定しております帰化の要件は、法務総裁の裁量権をこの限度において制限する趣旨でありまして、この要件を充たす限り帰化の請求権があるという趣旨ではないのであります。この点も現行法と同様であります。
 次に第四條でありますが、国籍離脱については、改正法は全く自由に放任しておるが、帰化については厳格主義で臨むのが相当である、又緩和主義によるのが相当であるという点であります。この点も現行法の規定をそのまま踏襲いたしたのでありまして、この際現行法の規定をより厳格にし、或いはこれを緩和する必要はないかと考えておるのであります。それから第四條の第二号でありますが、無国籍人については本国法というものがない、二十才以上で外国の国籍を有する者にとつては、その本国法によると改めるべきではないかという御疑問でありますが、無国籍人につきましては、法令の第二十七條第二項によりまして、住所地法又は居所地法が本国法とみなされるのでありまして、住所地法又は居所地法によつてそのおのおのの能力の有無が判断されるわけであります。
 次に第五條につきまして、日本国民の夫たる外国人、日本国民の妻たる外国人によつて帰化の條件が違う、居住期間に差異を設けておるのは如何なる理由であるかという点であります。一般に外国人に帰化を許すに当りましては、我が国の利益を常に考慮しなければならないのでありまして、そのためには日本に住所を持つておること、その他何らかの点において日本の国と密接な関係を持ち、或る程度日本の生活に同化しておるということが必要なわけであります。然るに現実の家庭生活を見ますと、現状の下におきましては、言語その他日常生活様式の上において、夫が妻の属する国の生活に同化する程度よりも、妻が夫の属する国の生活に同化する程度の方がより大きいことは我々の経験上明かでありますので、又他面妻に対してその意思に反して夫の国籍に従うべきことを強制すべきではありませんけれども、妻が夫と同一国籍を取得することを希望するならば、これはもとより好ましいことでありますから、差支ない限りその希望する途を開く必要がある、そうして一般に夫が妻の国籍に従うことを希望する場合よりも、妻が夫の国籍に従うことを希望する場合の方がより多いことも普通考えられるのであります。以上の日本国の利益及び夫婦相互間の通常の場合における立場を考慮いたしまして、この法案におきまして日本国民の夫たる外国人と妻たる外国人の帰化の條件に差別を設けたのであります。併しながらこれは本質的に妻を夫よりも低い地位にあるものとして、現行法のように妻の帰化の能力に法律上の差別を設けるわけではありませんので、憲法の男女平等の原則には、精神には反しないと考えるのであります。
 次に帰化の條件に関する規定をもつと整理する必要があるのではないかという御意見もあるのでありますが、この案の第五條及び第六條は、いわゆる簡易帰化に関する規定でありまして、大体におきまして現行法の九條、十條、十四條、二十五條、二十六條の規定の趣旨を踏襲したものであります。ただ現行法は第九條の規定を見ましても分りますように、規定の仕方が複雑でありまして――読みにくいのであります。現行法の以上の諸規定を整理してこの法案の五條及び六條の二ケ條にまとめたわけでありまして、むしろ現行法よりは分り易くなつたと考えておるのであります。
 次に第五條の第二号において、日本国民であつた者の子として「(養子を除く。)」としてありますが、養子を除くのはどういうわけであるかという点であります。これは国籍の得喪につきましては、養子と実子とは同一に取扱うのが適当でないのでありまして、日本国民であつた者の養子の日本に対する関係は、日本国民であつたものの実子の日本に対する関係よりも稀薄であるという考に立脚したわけであります。殊に両親たるべきものが、日本の国籍を失つた後にその養子となつた者にまでその簡易帰化を認めるということは当を得ないということであります。尚養子の簡易帰化を認めることになりますと、何らかの目的を達するための手段として縁組をするという弊害の起る可能性も考えられるわけであります。第六條第二号におきまして養子を除外し、養子につきましては別に第三号で実子と異る簡易帰化の條件を定めましたのも、第五條第二号で養子を除外したのと同様の理由でありますが、尚外国人を入夫又は養子とする場合の條件を規定しました明治六年第百三号布告改正法律の趣旨を踏襲したわけでありまして、その詳細につきましてはこの第六條第三号に関する逐條説明に記載した通りであります。
 次に第六條につきまして、日本国民の妻たる外国人に対しては、本條の第一号において簡易帰化を認めるに止め、現行法のように日本国民の妻は当然に日本国籍を取得するということは止めたわけであります。従いまして夫婦別国籍の場合を生じ得るわけでありまして、この場合の戸籍の関係についての御疑問でありますが、この場合には外国人たる配遇者の戸籍の備考欄に婚姻の事実が記載されるに止まるわけであります。これは戸籍には日本国民たるものだけが登録されるという建前から来るわけでありまして、民法及び戸籍法における夫婦同一戸籍の原則とは別個の問題となるわけであります。
 次に養親又は養子の一方が外国人である場合の戸籍の関係も夫婦の一方が外国人である場合と同様でありまして、外国人たる養親又は養子は戸籍に載るわけではなくて、單に日本国民たる当事者の一方の戸籍の備考欄にその縁組の事実が記載されるに止まるわけであります。
 次に第八條に関連しまして、アメリカに対して日本人の帰化が許される見込についての御質疑でありますが、アメリカ合衆国におきましてはアメリカ国籍法第三百三條の規定によりまして、日本人には帰化の資格が認められていないわけであります。現在アメリカでこの規定を改正して、日本人にも帰化の資格を認めるべきであるという意見が一部にあるようなことが新聞に出たことはありますけれども、一般の見込につきましては、目下のところ全く予測ができない状態なのであります。
 次に第九條に関連しまして、沖縄に住んでおる日本人の子は二重国籍になるかどうかという御疑問であります。沖縄は講和條約によつて領土の帰属が決定いたしますまでは本法にいわゆる外国には該当しないわけでありまして、沖縄に居住する日本国民の子が出生によつて二重国籍を取得するといふ問題は起きないわけであります。いわゆる沖縄人も講和條約によつて国籍の帰属がどう決められるか分りませんけれども、とにかく講和條約成立までは尚日本国民でありまして、日本の国籍を有するものと解釈いたしておるのであります。
 次にいわゆる第三国人と申しますか、朝鮮人及び台湾人のことでありますが、朝鮮人の国籍の問題も、終局的には講和條約によつて決定されるわけでありますけれども、それまでは日本の国籍を有するものと解釈いたしておるのであります。ただポツダム宣言によりまして、日本の領土から除かれることが確定的に予定されておりますのみならず、事実上外国人に準じて扱うのが相当でありますので、我が国内法のうちにおきましても、例えば外国人登録令におきましては朝鮮人及び台湾人はこの登録令の適用については外国人と見なすということになつておるのでありますけれども、国籍法の解釈といたしましては尚日本国籍を有するものと解しているわけであります。
#38
○委員長(伊藤修君) 他に御質問ありましたらこの際御質問お願いします。
#39
○松井道夫君 実はまだよく解説を逐條説明を拝見しておりませんので、拝見すればおのずから解決することになるかも知れませんけれども、二、三お尋ねしたいと思うので御質問いたします。
 日本の国籍を将来どういうふうに取得させるかということがこれは只今政府委員のお話にありましたように、相当遠い将来に関係があるという問題でありますし、日本のまあ特殊性と言いますか、地理的、歴史的、経済的、或いは政治的、あらゆる意味の特殊性というものを考慮して十分にこの方針を定めなければならん性質のものと存ずるのでありますけれども、それで政府におかれては一体どういう根本の方針で立案をせられるか。まあ例を挙げて申せば、甚だ抽象的な例を挙げて申せば、例えば人口のどうも減るような傾向にあることが望ましい場合には、例えば帰化を許可する條件などもこれは緩やかにせられてもよろしいという議論か出て来ると思います。例えばそういつたような面からもありますし、その他この立案に当つてお採りになつた方針というものはどういうものであるかそれを伺いたい。
#40
○政府委員(村上朝一君) この国籍法案は現行法を廃止して新たに単行法を制定するという形式を取つておりますけれども、主として憲法及び民法の改正に伴つて、これと憲法やら民法の明文、或いは精神と合致しない点を改めて行くというところに重点を置いて立案いたしたわけであります。将来帰化の條件を緩和すべきかどうかという点につきましては、先程申上げました通り全く現行法の主義そのまま踏襲をいたしておるわけであります。将来帰化の條件を更に厳格にし、或いは緩和する必要が生じました際には、改めて再檢討いたしたいと、かように考えるような次第でございます。
#41
○松井道夫君 御立案の方針はそれで分りましたので、私のこれからの質問は余り当らないことになるかも知れませんが、例えば日本語を或る程度理解するということが必要だと思いますが、如何でございますか。それから未成年の子供連が、お父さん、お母さんと一緒に帰化する、こういう場合はどうなりますか。
#42
○委員長(伊藤修君) 松井さん、速記の方が全然聞えないようですから、もう少し大きく願います。
#43
○政府委員(村上朝一君) 日本に帰化を許すためには、幼年者は別といたしまして、日本語ができるということがもとより望ましいわけであります。この住所の要件がございまして、大体住所の要件を満たすものは、一応日本語を理解できるのではないかと考えます。尚先程の御説明に申述べましたように、帰化を許すかどうかということは、必ずしも外国人に請求権を認める趣旨ではないという点からも、御了解願えるかと思います。それから未成年者、特に意思能力のない幼年者につきましては、第十一條におきまして、法定代理人が子に代つて申請するということで、一緒に帰化できるわけであります。
#44
○松井道夫君 第十條に国籍の離脱ということがあるのでありますが、第八條の「自己の志望によつて外国の国籍を取得したとき」という場合と、国籍の離脱という場合とは観念上どう違いますか
#45
○政府委員(村上朝一君) 第八條の場合は外国の国籍を持たない日本国民、日本の国籍だけを持つておる者がその志望によつて主として帰化する場合でありますが、自己の志望によつて外国の国籍を取得した場合におきましては当然に日本の国籍を失うというのが第八條であります。第十條の規定は、例えば血統主義を採つております日本国民が出生地主義を採つております北米、或いは南米の諸国において子を生みました場合に二重国籍になるという場合が起り得るわけであります。二重国籍になつた場合に日本の国籍を何人でも離脱することができるというのが十條の規定の趣旨であります。
#46
○松井道夫君 この十條の規定の体裁だけから言いますならば、今のような出生地主義を採つておる国で日本人が女子供を生んだと、その子供につき二重国籍が生じた場合、それを離脱する意味だということは、これだけの條文では出て参らないように見えるのですが、その点如何でしようか。
#47
○政府委員(村上朝一君) 先程のアメリカで生まれた子供の場合を申上げましたのは、例として申上げたのでありまして、第十條は、この條文にあります通り、外国の国籍と日本の国籍と両方持つておる者は、何時でも日本の国籍を放棄することができるという趣旨にんであります。憲法二十二條第二項にあります国籍離脱の自由、これを国籍法によつて明確にいたした趣旨であります。
#48
○松井道夫君 憲法第二十二條に言う国籍離脱の自由というものは、結局二重国籍の場合に、その一つの日本国籍を離脱するという意味の憲法の規定であると解釈してよろしうございますか。
#49
○政府委員(村上朝一君) 憲法の二十二條の第二項、国籍離脱の自由は、国籍不強制と申しますか、他国の国籍を持つておる者に対して、自国の国籍を強制しないという国籍法上の原則を規定したものと理解いたしておるのであります。それでなくて、外国の国籍を持たない者に対して、日本の国籍の離脱を自由に認めるといたしますと、無国籍者が生ずるわけでありまして、無籍国者の発生防止、即ち国籍の消極的抵触の防止ということは、二重国籍の発生防止と共に、各国国籍立法の共通の理想といたすところであります。わが憲法の規定も、その趣旨に解すべきものと、かように理解しておるわけであります。
#50
○松井道夫君 配付を受付けました「各国国籍法規集」という冊子を拝見いたしますると、「国籍法の抵触に付ての或る種の問題に関する條約」という條約が載つておるのですが、この條約には、恐らく日本も加盟しておることであろうと存じます。この條約によつては、今の国籍離脱の場合に、国籍離脱の方法によりて無国籍人を生ずるということを禁じられておるというようなことはございませんですか。
#51
○政府委員(村上朝一君) 一九三〇年のヘーグのいわゆる国籍條約でありますが、この九頁にありますが、わが国は一定の字句を留保いたしまして調印いたしたのでありますが、この條約は批准がありません。そういう関係になつております。この條約の前文に、第一頁にありますが、「一切の個人が一個の国籍を有すべき且一個以上を有すべからざることを国際社会の各員をして認めしむるは国際社会の一般利益なることを確信し、従つて国籍問題に於て人類の進むべき理想は無国籍の場合及二重国籍の場合を得に消滅せしむるにあることを承認し」という言葉があるのであります。この條約の精神は、この前文に現れておると考えるのであります。
#52
○松井道夫君 そうしますと、要するにこの二重国籍の場合のみ日本の国籍離脱ということをこの草案によつて認めた趣旨は、憲法の第二十二條の国籍離脱の自由の趣旨がそのような趣旨であるという見解に立たれてのことであつて、別に日本が條約上或いは国際法上の義務を象担しておるという関係ではないのである、そのように了解してよろしうございますか。要するに、政府当局が、憲法第二十二條の国籍離脱の趣旨は、二重国籍の場合に日本の国籍を離脱することを認めると、かように解釈されておるのであつて、別に條約上或いは国際法上禁じられておるといつたような根拠はないのであるというふうに承知してよろしうございますか。
#53
○政府委員(村上朝一君) その通りであります。
#54
○松井道夫君 そういうことはあつてはならんのでありまするが、例えば日本の国籍を持つておる、これはまあ以前朝鮮人であつたとか、台湾入であつたとか、そういう人が、日本の政治その他社会の圧迫のために、日本の国籍を離脱したいと、併しながら自分は今国籍は一つしかない、又いきなり他の方へ帰化する條件も備わつておらないといつたような場合に、憲法第二十二條は、或る簡易な手続で、国籍離脱ということを希望するものにそれを認めるという趣旨で全然ないということを私は簡単に言い切れないことではないかと存ずるのですが、そういう点について何かしつかりした解釈上の根拠なんかございましようか、二重国籍の場合に限り……二十二條ですね。
#55
○政府委員(村上朝一君) 憲法二十二條の第二項の字句を見ますと、今松井委員のおつしやる通りの疑問が起きる余地かあると思うのであります。ただ沿革を考えますと、曾て各国共いわゆる国籍強制主義と申しますか、一度目国の臣民となつた者は永久に臣民であるという主義を採つておつたのであります。ところがアメリカの独立いたしましたあと、そういう国籍強制主義を採られてはああいうアメリカのような国は成り立たないのであります。国籍離脱の自由、国籍の非強制というものを極力主義しまして、アメリカの憲法の改正等もあつたわけでありますが、その後世界各国共この外国の国籍を持つているものに対して、自国の国籍を強制しないという意味の国籍非強制という原則を逐次採るようになつたわけであります。わが国におきましても、明治三十二年の国籍法施行の前は国籍強制主義を採つておつたのでありますけれども、国籍法制定によりまして、先ず帰化による国籍の喪失を認め、続いて大正五年の改正におきまして、二重国籍の場合における国籍離脱の途を開いたのでありますが、かような沿革から考えましで、又先程来申上げました無国籍者の発生の防止というにとが国際立会における共通の理想であるという点に顧みまして、この憲法第二十二條第二項の国籍離脱の自由は無制限な自由、即ち無国籍である場合における離脱をも許すという点まで保障した趣旨ではないというように解釈いたしております。
#56
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑ありませんですか……では本日はこの程度にいたしまして、明日は商法の一部を改正する法律案及び株式の名義書換に関する法律案、両案のみについて審議することにいたします。
 では本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時四十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           岡部  常君
           宮城タマヨ君
   委員
           大野 幸一君
           小林 英三君
           鈴木 安孝君
           遠山 丙市君
           松井 道夫君
  国務大臣
   法 務 総 裁 殖田 俊吉君
  政府委員
   検     事
   (法制意見総務
   室第一局長)  岡咲 恕一君
   検     事
   (民事局長)  村上 朝一君
   検     事
   (中央更正保護
   委員会事務局
   長)      齋藤 三郎君
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総長)  本間 喜一君
  説明員
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局人事
   局長)     石田 和外君
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局民事
   局長)     關根 小郷君
ソース: 国立国会図書館
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