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1979/02/21 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 本会議 第8号
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1979/02/21 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 本会議 第8号

#1
第091回国会 本会議 第8号
昭和五十五年二月二十一日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第七号
  昭和五十五年二月二十一日
    午後一時開議
 第一 附属機関、地方支分部局等に関する規定
    の整理等に関する法律案(第九十回国
    会、内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 附属機関、地方支分部局等に関する
  規定の整理等に関する法律案(第九十回国
  会、内閣提出)
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時九分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理等に関する法律案(第九十回国会、内閣提出)
#3
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一、附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理等に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長木野晴夫君。
    〔木野晴夫君登壇〕
#4
○木野晴夫君 ただいま議題となりました附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理等に関する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、行政の効率化等に資するため、附属機関、地方支分部局の設置等に関する関係規定の整理等を行おうとするものでありまして、その主な内容は、
 第一に、地方支分部局のうち、府県単位以下の機関については、その総称は法律で、個別の名称、位置等は政令または府・省令で定めること、
 第二に、ブロック機関の次長及び部の設置は政令で定めること、
 第三に、附属機関等のうち、同一類型に属する機関が複数設置されているものについては、機関の総称は法律で、個別の名称、位置等は府・省令で定めること
等であります。本案は、第九十回国会に提出され、今国会に継続されたものでありますが、本委員会におきましては、二月十九日、質疑、討論の後、採決いたしましたところ、本案は、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#5
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#7
○議長(灘尾弘吉君) この際、内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣後藤田正晴君。
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#8
○国務大臣(後藤田正晴君) 地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 明年度の地方税制の改正に当たりましては、現下の厳しい地方財政事情と地方税負担の現況にかんがみまして、その負担の適正合理化を図るとともに、地方税源の充実確保を図ることを基本といたしております。
 以下、その概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、地方税法の改正でございます。
 まず、低所得者層の負担の軽減を図るために、個人住民税の課税最低限を引き上げるとともに、その減収に対処するため、市町村民税の所得割の税率適用区分に所要の調整を加えることといたしております。
 次に、個人住民税均等割及び事業所税について、地方公共団体の行政サービス水準の上昇、物価の変動等を考慮して、税率の引き上げを行うことといたしております。
 また、不動産取得税、固定資産税等における非課税等の特別措置のうち、二十八項目について整理合理化を行うほか、産業用電気に係る電気税の非課税品目を二品目廃止することといたしております。
 さらに、住民負担の軽減を図るため、ガス税の免税点を引き上げるほか、地方道路財源の確保を図るため、自動車取得税の暫定税率の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、地方道路譲与税法の改正でございますが、地方交付税法における収入超過団体に係る地方道路譲与税の譲与基準を改めることといたしております。
 第三に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正でございますが、公社有資産所在市町村納付金に係る納付金算定標準額の特例について整理合理化等を図ることといたしております。
 以上の改正によりまして、明年度におきましては、個人住民税の課税最低限の引き上げ等により、九百五十四億円の減税を行う一方、市町村民税所得割の税率適用区分の調整、個人住民税均等割及び事業所税の税率の引き上げ等により、二千百二十二億円の増収が見込まれておりまするので、差し引き千百六十八億円の増収となる見込みでございます。
 以上が、地方税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
#9
○議長(灘尾弘吉君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。神沢浄君。
    〔神沢浄君登壇〕
#10
○神沢浄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になりました地方税法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係各大臣に質問をいたします。
 まず、総理にお伺いいたしたいのでありますが、総理は、地方自治に関する憲法の規定をお読みになっておられるでしょうか。私は、いままで長い間地方自治に関与してまいりましたが、地方のサイドからながめてまいりますと、どうも政府は憲法の精神を踏みにじってしまっているようにしか思えないのであります。憲法第九十二条では次のように規定をいたしております。「地方公共團體の組織及び運營に關する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と、こうなっているわけであります。そこで、「地方自治の本旨」とは大体どのようにお考えなのか、まず総理にお尋ねをいたしたいのであります。
 私は「地方自治の本旨」とは参加、分権、自治であるべきだと確信をいたしております。国家機構というものは巨大でございますから、中央の政治というものはつい国民の生活実態とは遊離しがちでありますが、地方の自治は住民の生活と直接につながっておりますから、真の政治はむしろ地方にあると私は思うのであります。そして、国の政治とは、究極するところ、国民の福祉を求めるものである以上は、地方自治こそ国政の中で第一義的に尊重されなければならないものと私は考えますが、たとえば、総理の言う田園都市構想の発想なども恐らくそこに始まっているのではないかと思うのでありまして、この点について総理の御所見を聞いておきたいと存じます。
 したがって、そのためには思い切って行政権限を国から地方に譲っていく、地方の財政を大いに強化をするという措置を講じなければ、国民のための政治は成り立ちはしない、こう思うのであります。
 しかも、いまやわが国の経済は、社会的、公共的サービスの強化拡充など、国民福祉中心の経済への転換を強く求められておるのでありまして、そのためには地方行財政の充実のいかんがキーポイントになってまいっておると思います。最近の地方の時代なる流行語も、こうした国民的な期待を反映したものであり、真に地方の時代を実現するためにも、国、自治体間の行財政制度の分権化は不可欠のものとなってきておると確信をいたすものであります。この点につきましても総理の御所見を承っておきたいと思います。
 しかるに、政府の態度は、本案の不十分なる内容に見られるがごとくに、あるいはまた交付税率の引き上げをことさらに回避をして、地方に多額の借り入れを強いている交付税の現状に見られるがごとくに、全く憲法に言う地方自治の本旨にもとると断ぜざるを得ません。(拍手)
 政府は、速やかに国の財政危機を自治体財政や住民の犠牲によって打開しようとするようなこれまでの政策を根本的に改めるべきだと思いますが、これは自治大臣の御所見をお聞きをいたしたいところであります。
 さて、この際、私は以上の見地に基づいて、次の提案を行って、総理及び大蔵大臣にそれぞれの御所信をお聞きいたしたいと存じます。
 その第一は、八〇年代は地方の時代という国民の期待にこたえて、一九八〇年度を分権自治推進の初年度と位置づけて、国、自治体間の制度改革に着手をするということであります。
 第二には、地方自治体にかかわる国の政治決定については、自治体の参加の制度的保障を図り、国、自治体間の民主的関係を確立をすることであります。
 そのためには、まず、地方財政計画の策定とか地方交付税、地方債の配分等、国、自治体間の行財政上の基本問題を協議、調整をし、地方団体にかかわる国の政策決定に自治体の参加を図るために、現行地方財政制度審議会、また地方制度調査会を統合、改組をして、国、自治体の代表から成る協議機関として地方自治委員会、これは仮称でありますが、を創設することにあると考えます。
 以上の点について、総理にお尋ねをいたす次第であります。(拍手)
 第三には、自治体財政に占める税源の割合を五〇%まで高める地方税制度改革に着手をすることだと思います。
 現状のごとくに、仕事は自治体が七〇%を担い、税源はわずかに三〇%、いわゆる三割自治では真の地方政治は確立しないと思うのであります。そのためには、所得税の一部を地方に移譲する等々を初めとして、地方税財源の強化を図るべきであると考えますが、これは大蔵大臣にお尋ねをいたすところであります。どうかはっきりした御意見をお聞かせいただきたいと存じます。
 さて、次に、私はちなみにこの際、地方制度調査会についてお尋ねをしておきたいと存じます。
 今回、私はたまたま地方制度調査会に席を連ねることになって認識いたしたところでありますが、すでに昨年までに、調査会においては第十七次の答申を終えたところであります。新しい社会経済情勢に即応した今後の地方行財政制度のあり方について、たとえば税制問題等についても相当に建設的な内容が提示をされておるものと理解をいたしておりますが、むしろ問題は、政府がほとんど実行に踏み切らないという点であります。答申の文章だけを受けて、それのみで能事足れりとしているのでは、地方制度調査会は、これは単なる季節的な行事にすぎないではないでしょうか。政府の地方自治軽視のあらわれが私はここにも存在するように思えてならないのであります。今後、政府は、地方制度調査会答申に対してどのように取り組むつもりであるのか、その所信をはっきりと承っておきたいと存じます。(拍手)これは総理並びに自治大臣にお尋ねをいたします。
 さて、次に、私は以上の見地に立って、当面の課税の適正化及び合理化について若干の問題点を指摘をして、質問いたします。
 まず、個人住民税における課税最低限についてでありますが、今回提出の法案の中で若干の引き上げが行われてはおりますが、依然として所得税のそれとは大きく格差が生じております。聞くころによりますと、所得税は標準生計費を下回らないことを基準としているにもかかわらず、個人住民税ではそれより低い生活保護基準をもってしており、しかも一前年度の基準を下回らないこととしているとのことでありますが、これはまことに納得のいきかねることであります。国民と言い、地方住民と言ったととろで生活実体は一つであります。生計費に食い込む課税は税の本質にももとると私は考えます。住民税の課税最低限を、もっと所得税のそれに近づけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。(拍手)
 しかも、本案において、夫婦子供二人の給与所得者の課税最低限を百五十八万円とするとされておりますが、すでに本年における生活保護基準は百六十二万円程度と言われておるのでありまして、いかに強弁して、住民税は前年所得によるための相違だと説明をきれても、納税者の立場からすれば、いつもその年の生活保護基準をも下回っているような事実は、はなはだ不合理を感ぜざるを得ないところであります。(拍手)
 次に、固定資産税についてでありますが、居住用資産にかかわる固定資産税については、一定規模、すなわち約二百平米くらいを妥当と考えておりますが、それまでの基礎控除ないしは免税点制度を導入いたしまして、小規模固定資産所有者の税負担を緩和すべきではないかと考えますが、これは自治大臣にお尋ねをいたします。
 次に、事業所税と事業税の問題点でありますが、事業所税については、人口三十万以上の都市にかかわらず、課税客体のあるすべての市町村におきまして創設できるものとして、その課税標準においても、今回の改正案で若干引き上げられてはおりますが、床面積にかかわる定額制を改め、物価上昇に見合ってスライド制とすべきであると思います。また、法人事業税については、経済変動に対処して税収の安定を図るため、外形標準課税とすべきだと思いますが、これも自治大臣にお尋ねをいたします。
 なお、法人事業税の外形標準課税化については、政府がさきに意図した一般消費税導入との関連において、その実現が見送られてきたものと聞いておるところでありますが、消費税導入の構想がすでに消えたとするこの際、速やかに実現を図るべきであると考えるところであります。いまなおちゅうちょしておるということは、いまだに消費税構想が消え切っていないとしているのか、その点についてはっきりとしたお答えを聞いておきたいと存じます。(拍手)
 さらに、私は、地方税財源確保の見地から、地方段階においての法人課税のあり方についてお尋ねをいたしておきたいと存じます。
 さきに政府は、五十五年度予算の編成に当たって、当初、法人税率の引き上げを意図したように聞いておりますが、財界の抵抗というか、むしろ強請に遭って、たちまち後退を余儀なくされたと言われております。いま、厳しい財政事情に立つ地方自治体においては、地方の時代と言われる今日、八〇年代を迎えて住民のニーズに対応するために、法人税率の引き上げに大きく期待を寄せていたところであるにもかかわらず、全く裏切られて終わったこととなっております。私は、この際、地方自治体の困難な財政の現状にかんがみ、政府としては、地方段階における法人課税強化の対策を進めるべきであると思うのでありますが、自治大臣はどのような具体的な構想をお持ちか、御所見をお聞きいたしたいのであります。
 さて、最後に私は、本案に関連して国庫補助金制度の問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 今日まで、国庫補助金は地方歳入中に占める割合はきわめて大きくて、地方自治体の行財政の運用を左右しておるのが現実でありますが、かつて全国的、画一的な行政が追求をされた時期、段階においては、あるいは一定の役割りを果たしてきたものとされましたが、しかし、また反面、そのことが財政中央集権化を招き、今日においては地方の分権自治を阻害していることは否めない事実だと存じます。さらに、陳情政治を助長して、民主政治の根幹をさえむしばんでおるのもまた現状であると存じます。しかも、今日は、もう全国画一的行政の時代ではすでになく、国民の価値観の変化に従い、地域の特性に応じた地方主体の行政が強く求められている現状であります。この変化に対応するためには、国主導型から地方自主型へ、補助金行政から地方一般財源強化へと転換をしなければならないと思うのでありまして、したがって、今後においては、補助金等は極力これを整理をして、必要な財源は地方一般税財源を増強することを基本として、また、補助事業についても、できるだけ地方の自主的な運用を助成する方向で、補助金制度の見直しと改善を図るべきだと考えるのでありますが、その点、総理の御所見を承ることにして私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(大平正芳君) 神沢さんの第一の御質問は、地方自治の本旨についてでございました。
 仰せのように、地方自治は参加と分権と自治が本体であって、国政においてそれが第一義的に尊重されねばならぬという御主張は、私も全く同感に存じます。したがいまして、地方公共団体の自主性、自律性を十分尊重しながら、地方自治の制度を定め、これを運営することに努力し、地方住民の福祉を国と協力して向上してまいることに、国政といたしまして重点を置いて努力してまいる所存でございます。
 第二は、国と地方自治体の間の行財政制度の分権化を進めることは不可欠な要務ではないかという御質問でございました。
 私も全くこれも同様に感じておるわけでございます。したがいまして、住民の身近なところで、住民の意思を反映しながら行われることが望ましい事務につきましては、地方公共団体の責任において行われるべきものであると考えます。このような観点に立ちまして、地方公共団体への事務の移譲、また、これに伴う財源の配分については、今後一層努力してまいりたいと思います。
 第三の問題は、国、自治体間の制度改革は、一九八〇年代を分権化、自治推進の時代としてとらえて努力すべきでないかという御趣旨の御質問でございました。
 八〇年代は地方の時代と言われております、仰せのような趣旨に従いまして、一段と分権化を進める時代にしなければならないと私も考えております。
 第四の問題は、自治委員会の創設を考えるべきでないかということでございます。
 神沢さんが仰せのような、国、自治体間の問題を調整いたす機関といたしましては自治省があるわけでございます。またいま、後でお触れになられました地方制度調査会もあるわけでございまして、私は、現在、機構上なおこれに新たなものを加える必要は感じておりませんけれども、分権化を一層進めるという意味で、自治体と既存の審議会、調査会等はそういう方向で活発に機能する必要があることを痛感いたしております。これを促進してまいりたいと考えております。
 それから、地方制度調査会は第十七次の答申を出したが、これに対してどう考えて対処していくかということでございますが、この答申事項の具体化につきましては、答申においても、特に、推進体制を整備いたしまして、速やかなその実現を図るよう要請されておりまして、行政改革につきましては、政府全体でこれに取り組んでおりますることは御案内のとおりでございます。
 なお、地方行政に関連することにつきましては、自治大臣も参加いたしました行政改革閣僚懇談会におきまして、目下これの推進に当たっておるところでございます。
 最後に、補助金制度をだんだん改めて、これを地方に対する一般財源の強化という方向に持っていくべきでないかという主張を込めての御質問でございました。
 方向といたしまして私も同感に存ずるのでございまして、そういう方向にただいま補助金の整理の段階におきましても手を染めておるわけでございますけれども、今後なお一段と強力に推進してまいるつもりでございます。(拍手)
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#12
○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。
 まず最初の質問は、不公平税制の是正、企業課税の強化など、国の財政再建のための諸対策については、自治体財政と一体のものとして推進せよ、こういう御意見を交えた御質問であります。
 国の財政と地方財政とはいわば車の両輪でありまして、財政のための諸施策を講ずるに当たりましては、常に国と地方の財政を一体のものとして推進しなければならないということはお説のとおりであります。
 五十五年度予算の編成に当たりましては、こらした観点から、歳出面においては徹底した経費の合理化を図りますとともに、歳入面におきましては負担の公平の確保の見地から、租税特別措置の思い切った縮減合理化を行うこととしたところであります。これによりまして、地方財政に対し多大の寄与が行われるものと考えるものであります。
 第二番目は、自治体財政に占める税源の割合を五〇%に高める方策についての御質問であります。
 地方財政の置かれておる状況にかんがみまして、今後、地方税においても国税におけると同様、その充実を図ることは重要な課題であると考えております。しかしながら、国と地方の財源配分のあり方につきましては、地域間の経済基盤の格差等に基づきまして税源偏在の問題地方交付税、地方譲与税制度、国庫支出金のあり方、さらには国、地方を通ずる事務配分の問題等、地方行財政制度全般のあり方と密接に関係する事柄でありますので、これらを総合的に勘案の上、慎重に検討していくべき課題であるものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#13
○国務大臣(後藤田正晴君) 私に対する御質疑にお答えをいたしたいと思います。
 第一は、国の財政危機を地方自治体財政や住民の犠牲によって打開しようとしておるではないか、この政策を改めなさい、こういう御質問でございますが、御承知のように昭和五十年度以降、国、地方を通じて財政は非常な巨額の借入金に依存をするという著しい収支不均衡の状態にございますが、国としても最大の努力を払って、財政運営に支障を生ずることがないように地方財政の歳入欠陥の完全補てんに努めておるところでございます。
 今後ともこういった点につきましては、国と地方が相協力をして、地方財政の健全化と対応力の回復に全力を挙げていく覚悟でございます。
 第二番目は、地方制度調査会の答申についてどう取り組むか、こういうことでございますが、これはただいま総理からお答えのとおりでございます。私自身も、地方制度調査会の答申を踏まえまして、地方制度の改善合理化に懸命の努力を払うつもりでございます。
 第三番目の御質問は、住民税の課税最低限は生活保護基準との調整としないで、所得税のそれに近づけるべきではないか、こういう御質疑でございますが、住民税の課税最低限の検討に当たりましては、そのときどきの国民生活の水準、納税義務者の数、地方財政の状況並びに社会保障水準等を総合的に勘案をいたしまして額を定めておるのでございます。
 この場合に、地方税の課税最低限につきましては、いわゆる地方税についての負担分任というたてまえがあるわけでございます。そういう性格があるわけでございます。そこで、所得の再配分という機能を強く持っております所得税の課税最低限とは必ずしも同一である必要はないのではないか、かように私は考えておるような次第でございます。
 しかしながら、今年度の改正におきましては、やはり低所得者の負担を軽くしなければならぬ、こういうようなたてまえから、御案内のように、百五十八万四千円までのこの最低限の引き上げを行おうとしておるわけでございますが、これによって標準世帯で、収入が六百五十三万円までの方は減額になるように措置をいたそうとしておることでございますので、それで御理解を賜りたいと思います。
 第四番目の御質問は、固定資産税に基礎控除あるいは免税点を導入をして、小規模固定資産所有者の税負担を軽くしたらどうだ、こういう御質疑でございますが、御案内のように、基礎控除というのは、所得に対して課する税目に採用されておるものでございまして、やはり物税につきましてなじみがたいということがあるわけでございます。で、現在は、小規模固定資産の所有者に対しまして免税点制度を設けておるところでございまするので、これによって私どもとしてはでき得る限りの配慮をいたしておる、かように御理解を賜りたいと思います。
 第五番目は、事業所税は課税客体のある市町村に広げる、課税標準等についても物価等とにらんで考えたらどうだ、こういうことでございますが、御案内のように、事業所税というのは、都市の環境整備のためのいわば大都市税制ということで設けられておるものでございまするので、課税客体のあるすべての市町村にこれを拡大をするということについては、この税の趣旨から見て、私は必ずしも妥当性がないのではなかろうか、かように思うわけでございます。
 また、課税標準を物価と直接結びつけてスライド制にするということについては、私は、この税制にはなじみがたいということで消極的な考え方でございますが、しかし、物価の変動等に応じましてやはり適宜な見直しは必要であろう、かように考えまして、今回の改正にもその点をお願いをいたしておるような次第でございます。
 その次は、法人事業税を外形標準課税にすべきではないか、これをちゅうちょしておるのは一般消費税が完全に消えておらぬのではないか、こういう御質疑でございましたが、この事業税の外形標準課税の導入につきましては、地方税源を安定化させるという見地から、地方団体からも強い要望もございますし、私どももそれを受けて、かねがねその主張を抱いておるのでございますけれども、税制調査会におけるこの問題並びに一般消費税についての審議の経過等を考慮いたしますというと、独自に外形標準課税を導入することにつきましては、今後の税体系全般のあり方の中で慎重に検討しなければならない、かように考えておるのでございます。
 また、いわゆる一般消費税につきましては、財政再建に関する国会の御決議があるわけでございまするので、それに従って対処してまいりたい、かように考えております。
 最後に、国は財界等の要請で法人税率の引き上げを見送ったが、地方財政の現状から、地方段階における法人課税をもう少し強化したらどうだ、こういう御質疑でございました。
 御承知のとおり、わが国の法人所得課税の実効税負担の水準、これは主要諸外国と比べて若干低くなっておることは事実でございますが、御承知のように、地方団体において、法人住民税であるとか事業税等につきまして一部超過課税をいたしておるといったようなこともございまして、私は、負担の余地がそんなにたくさんあるとは考えられませんけれども、法人住民税及び法人事業税の標準税率のみを引き上げることは、国、地方を通ずる税財源配分のあり方、今後における税体系のあり方、これらとも関連をいたしまするので、五十六年度以降の問題として、わが国の経済情勢等を十分踏まえながら、今後検討してまいりたい、かように考えておるような次第でございます。(拍手)
#14
○議長(灘尾弘吉君) 吉井光照君。
    〔吉井光照君登壇〕
#15
○吉井光照君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま趣旨説明のありました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、総理並びに関係大臣に質問するものであります。
 初めに、昭和五十五年度の経済運営と地方財政の関連についてお伺いいたします。きわめて深刻な状況に陥りつつある物価情勢に対処するために、この十八日、日銀は公定歩合を引き上げました。狂乱物価を食いとめるために金融政策を引き締めぎみに運用することは、認めるにやぶさかではありません。
 しかし、こうした反面、景気の先行きについて考えますと、不安要因が拡大されつつあることもこれまた事実であります。もし景気の後退を招くようなことがあれば、当然税収の落ち込みも予想せざるを得ませんし、財政の再建に大きな支障となるだけでなく、地方財政の運営もきわめて困難な局面に立ち至ることも当然予想されるわけであります。私は、地方税収を確保するためにも、物価の安定を図ることを大前提に、景気の持続的回復をどうしても図ることが必要であると考えるのでありますが、総理の御見解をまずお伺いしたいのであります。
 ところで、国税と地方税の比率は七対三となって、国に税源が著しく偏っておりますが、財政支出の面では逆に三対七と逆転いたしております。これは、地方自治体の事務の大半が補助事業で占められていることからも明らかなように、自治体の事務は国の枠の中に組み込まれ、自治体は補助金によってコントロールされていることを物語っているのであります。
 現在の地方財政の運営の実態は、この補助金を中心として行われているため、地方税並びに交付税は、地方自治体の一般財源であるとされているにもかかわらず、補助金の裏負担に充てられており、地方団体独自の計画に基づく事業に充当する額はきわめて少ない実情であります。これでは三割自治どころか一割自治にも満たない状態であります。
 また、現行の補助金主体の全国画一的行政は、地方自治体においては必然的に補助金のつく事業を優先するようになり、ますます中央依存の姿勢を強めております。一方、地方の時代と言われる今日、地域的特性を生かした郷土づくり、地域に根差した伝統文化を育成しようとする動きが国民の中に芽生えつつあります。
 こうしたときに、財政、行政面だけが従来と変わらない中央集権体制をとり続けていることは、余りにも時代の流れを無視したものと言わざるを得ません。そこで、現在の補助金制度を抜本的に整理合理化して、補助金を削り、自主財源である地方税の拡大を図るべきであると考えるものであります。
 総理にお伺いしますが、総理の持論である田園都市構想及び地方分権の立場から、現行の補助金制度の抜本的見直しについての決意と、具体的なプログラムを明らかにしていただきたいのであります。また、現行の三〇%台の自主財源の拡大についてどのような考えをお持ちなのか、あわせてお伺いいたします。
 さらに、自主財源の拡大は、当然事務事業の見直しがその前提とならなければならないと考えるものであります。
 昨年、地方制度調査会の今後の地方行財政制度のあり方についての答申がなされておりますが、その後すでに約半年を経過しようとしておりますが、何ら具体的取り組みがなされておりません。総理は、この答申の実現のめどをこの場で国民の前に明らかにしていただきたいのであります。
 次に、住民税についてお伺いいたします。
 住民税の課税最低限は、今回基礎控除など諸控除の引き上げで、夫婦子供二人の給与所得者の場合百五十八万四千円に改正されようとしております。しかし、一級地における標準世帯の生活保護費は、五十四年度の百五十万五千円から、五十五年度は百六十二万円となると予想されることから見ても、政府案の課税最低限は余りにも低いものと言わざるを得ません。住民の負担軽減を図るため、課税最低限を百六十二万円以上にすべきであると考えますが、御見解をお伺いしたいのであります。(拍手)
 また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額は、それぞれ二万円引き上げて二十一万円としており、特別障害者控除、老人扶養控除も、同じく二万円ずつ引き上げて二十三万円としております。障害者、寡婦等は、今日の社会において社会的弱者であり、税制面からも特別な福祉的配慮を払うのが当然であります。それにもかかわらず、今回の改正は、基礎控除等の三控除の引き上げに伴う調整的引き上げにとどまっております。したがって、こうした方々に対する税負担のあり方については、社会福祉的観点に立って、これら諸控除の引き上げはもちろん、根本的に検討すべきときに来ているのではないかと考えるものでありますが、政府の御見解を伺いたいのであります。(拍手)
 次に、電気税についてお伺いいたします。
 この四月から電気・電力料金を平均六四・四%引き上げる申請が出されております。このような大幅な電気料の引き上げは、国民生活に重大な影響を及ぼすもので、もちろん賛意をあらわすわけにはまいりません。もし電気料金が引き上げられた場合、国民は、電気料金の引き上げと電気税の実質的増税の二重の負担を負うことになります。
 そこで、お伺いしたいのでありますが、電気料金の引き上げについてはできるだけこれを低く抑えるべきは当然と考えますが、電気料金の引き上げに対する見通しと、また、料金引き上げが行われた場合、これに連動して免税点の引き上げか、税率の引き下げを行う用意があるかどうか、お尋ねをしたいのであります。
 次に、租税特別措置等についてお伺いします。
 われわれは、かねてから、国の租税特別措置等による地方税への影響の遮断及び地方税の減免措置の整理について強く主張してまいりましたが、政府の取り組み姿勢はきわめて消極的であります。この際、これらに対する総理の見解を求めるものであります。
 また、このような租税特別措置等による地方税の減免と地方税自体の減免措置は、地方自治の本旨に立ち返って考えたとき、地方の課税自主権を制約する結果となっております。地方税の減免措置は、国の法律で決めるのではなく、各地方自治体が実情に応じて、みずからの政策遂行のために自主的に行うべきであると考えますが、政府の御見解をお伺いしたいのであります。
 次に、事業所税についてでありますが、現行の事業所税の課税団体は人口三十万人以上の都市とされておりますが、これでは、県庁所在地ですら対象とならない都市も少なくありません。したがって、事業所税の課税団体の拡大に対してどのような見解をお持ちなのか、お伺いしたいのであります。
 また、課税自主権の見地からも、事業所税の課税については、それぞれの地域の実情により、地方自治体の選択に任せるべきであると考えますが、この点についての御見解もあわせてお伺いいたします。
 最後に、土地税制についてお伺いいたします。
 政府は、五十五年度税制改正におきまして、宅地供給促進という視点から、個人の長期譲渡所得課税をさらに軽減する措置を講じようとしておりますが、しかし、今日のような地価の高騰含みのときに、しかも時限をつけないこのような措置を講じてみても宅地供給の促進効果は期待できません。将来大幅な値上がりが予想される土地を対象に長期譲渡所得課税を軽減することは、その資産としての有利さを一層大きくすることになり、土地所有者はますます土地を手放そうとはしないことになるとともに、不公平税制を助長することにもなりかねません。したがって、この際、住宅事情の厳しい三大都市圏においては、宅地供給を促進するために、市街化区域内農地に対して選択的宅地並み課税制度の導入の検討を考えているかどうか、お尋ねをいたします。
 この考え方の基本は、農業経営を続けたい農地には一定期間、たとえば二十年間くらい宅地転用を禁止するかわりに宅地並み課税を行わない、しかし、宅地転用の自由を認めてほしい農家には農地の宅地並み課税を実施するというものであって、農家はこの二つのどちらかを自由に選択することができるという方式であります。このようにして市街化区域内の農地のあり方を明確にする必要があると考えます。政府の御見解をお伺いしたいのであります。
 以上で私の質問を終わりますが、政府の率直かつ明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#16
○内閣総理大臣(大平正芳君) 吉井さんの最初の御質問は、地方税収確保の見地からも、また物価安定の見地からも景気の持続的な回復が必要であると思うが、その見通しはどうかという御質問でございました。
 最近のわが国の経済でございますが、着実な拡大を続けておりまして、五十四年度の実質経済の成長率は六%程度と、おおむね政府の当初の見通しどおりになるものと見込んでおります。来年度におきましては、厳しい国際環境でございまして、景気の拡大テンポはやや緩慢なものになろうかと思いますけれども、民間の最終消費支出や企業設備投資が底がたいものがございますので、自律的拡大基調は政府の政策に誤りなければ維持できるものと思っておりまして、四・八%程度の実質成長率を確保し得るものと見ておるわけでございます。
 それから第二に、補助金制度の抜本的な見直しについての御質問でございました。
 補助金につきましては、ことしは例年にない厳しい見直しを行ったわけでございますが、その中におきまして、地方公共団体の自主性の尊重、資金の効率的使用の見地から、補助金の統合、廃止、メニュー化等に努めてまいっておりますが、今後も一層精力的にこの補助金制度の見直しには努力しなければならぬと考えております。
 それから第三の問題は、地方自主財源の拡大についてのお尋ねでございました。
 地方財政は、すでに五十年度以来、毎年度一般財源に大幅な不足を生じておりますことは御指摘のとおりでございます。地方財政がこのような財源不足の状態から脱却いたしまして、その健全性を回復し、しかも、新しい経済社会情勢に即応いたしまして、地方の自主性と自律性を生かしていくためには、仰せのように地方税、地方交付税等の自主財源の充実を図ることが必要であると私も考えております。今後、税制調査会、地方制度調査会等の御意見を承りながら、その具体化に努めてまいりたいと考えております。
 第四の問題は、租税特別措置による地方税への影響を遮断せよということでございます。
 この問題につきましては、税制調査会の答申等におきましても、これをできるだけ回避すべきであるとされておりますことは御承知のとおりであります。ただ、国の租税特別措置の中には、地方税においても同様の軽減を行うことが適当なものもございまするし、また、国の租税特別措置を地方税で回避することが課税技術上困難なものもありますることは、吉井さんも御承知のとおりでございます。これらの地方税への影響をすべて遮断するわけにはまいりませんけれども、明年度の税制改正に当たりましては、最近における国、地方の厳しい財政状況等にかんがみまして、国税、地方税を通じて租税特別措置等の見直しを行いまして、政策の必要性等を勘案しながら、できるだけ整理合理化に努めてまいるつもりであります。
 最後に、三大都市圏における宅地供給等にも関連いたしましての土地税制についてのお尋ねでございました。
 市街化区域の農地に対する固定資産税の課税の適正化措置につきましては、当面は、昭和五十六年度までは現行制度を維持することとして、五十七年度以降の取り扱いにつきましては、昨年末の税制調査会の答申等を踏まえまして、今後十分検討してまいりたいと思います。
 吉井さんのおっしゃる選択的な宅地並み課税制度につきましては、御指摘の御意見、伺いました。今後政府におきましても十分検討させていただきたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#17
○国務大臣(後藤田正晴君) 私に対する御質疑にお答えをいたしたいと思います。
 第一は、住民税の課税最低限を百六十二万円まで引き上げるようにしたらどうだ、こういうことでございますが、御案内のように、地方財政の状況はまことに厳しゅうございます。私は、一般的に、五十五年度は減税をすべきといいますか、できる年ではない、かように考えておるのでございますが、しかし、住民税につきましては、やはり御質疑にありました扶養基準の引き上げ等の問題もございますし、また同時に、低所得者層の負担軽減ということも配慮をいたしまして、課税最低限を今回百五十八万四千円に引き上げたい、こういう御提案をいたしているわけでございます。百六十二万円にしないと、都市等において扶養基準との逆転が起きるではないか、こういう御質問でございましたが、その点は、御案内のように住民税は前年度課税でございますので、御理解を賜りたいと思います。
 なお、今回の住民税改正で、先ほど言いましたように、標準世帯では六百五十二万円までの収入の方については軽減措置がとられておるのでございまするので、何といいましても、地方財政の今日の現状から見て、これ以上の軽減措置は五十五年度についてはむずかしい、かように私は考えておるわけでございます。
 それから第二番目は、障害者、老人等特別控除を引き上げて、社会福祉の観点から根本的な税負担のあり方を検討したらどうだという御質疑でございますが、今回の改正案では、老人扶養控除あるいは障害者控除、特別障害者控除、老年者控除、寡婦控除、勤労学生控除、これらすべて控除額を引き上げて、私どもとしましては、障害者あるいは老人等の社会的な弱者に対する住民税の上での配慮については、地方財政の現状から見てできる限りの措置はいたしたい、かようなことで御審議をお願いしておるような次第でございまするので、御理解を賜りたいと思います。
 第三番目の、電気料金の引き上げに関連をして免税点を引き上げたらどうだ、あるいは税率を引き下げたらどうだ、こういう御質疑でございますが、この問題は、電気料金そのものがいつごろ、またどの程度引き上げられるのか、まだ未確定な段階でございますので、確定的なお答えはできませんけれども、私は、この電気料金引き上げの状況をにらみ合わせながら、免税点については所要の見直しを検討しなければならないのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
 税率につきましては、地方財政の状況、税負担の実情等にかんがみて、これ以上引き下げるという状況にはない、私はかように考えておるわけでございます。
 第四番目は、地方税の非課税措置を整理をして、そしてこういうことは自治体みずからが決定したらどうだ、こういう御質疑でございまするが、いわゆる非課税措置を講ずべきかどうかということにつきましては、一般的に申し上げて、全国的な視野に立って一律に決めることが適当であるものがたくさんあるわけでございます。したがって、地方税法におきましてはさような規定のいたし方をしておるのでございますが、それ以外で、地方の実情に応じて税負担を軽減することがいいじゃないか、こういうような必要性のあるものについては、別途、当該地方団体の判断で、条例で課税の免除、不均一課税あるいは課税の減免、こういうようなことができるように今日税沖上なっておりまするので、私は、地方団体の課税自主権は十分に尊重せられておるのではなかろうか、かように考えておるような次第でございます。
 第五番目は、事業所税について、地方団体の課税自主権を認めて、課税団体の拡大を行え、こういう御質疑でございますが、事業所税の課税団体の範囲について、先年、人口の基準を五十万人から三十万人に引き下げる措置があったのですが、その際、税制調査会からこの御答申の際に、これ以上さらに拡大するということについてはひとつ十分慎重に対処すべきであるという御答申が一方にあるわけでございます。他方、地方交付税制度を通じまして行う財源調整の仕組み、これとの関係もあるわけでございます。そこで、当該市町村の条例によって現行の課税団体以外の市町村も事業所税を課税することができるということは、必ずしも、私は、当該市町村にとって果たして得策かどうか疑問に感じます。同時にまた、基本的にこの税制はやはり大都市税制である、こういうようなことでございまするので、私どもといたしましては、御質疑のような考え方をいま持っておらないということを御理解を賜りたいと思います。
 なお、総理に対する御質疑でございましたが、答弁漏れがあったようでございますので私からお答えいたしますが、地方制度調査会答申の実現のめどを明らかにせよ、こういうことでございました。
 御案内のように、地方制度調査会の答申は中長期にわたるものでございますから、いついつまでと言うわけにもいかぬ面が多々ございます。しかし、早急にやらなければならぬものもありまするので、順を追ってやってまいりたい、かように考えますが、いま政府は行政改革に取り組んでおりますし、その中で、とりあえず、地方事務官の制度の問題であるとか、あるいは県単位の国の出先機関、これらを地方の自治体の仕事との関連の中で解決策を講じたい、その時期は六月三十日までである、かように政府として決めておりますが、それ以外の事項につきましても、地方の行財政制度改革について、制度調査会の御意見を踏まえて順次取り組んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。(拍手)
    〔国務大臣佐々木義武君登壇〕
#18
○国務大臣(佐々木義武君) 私に対する御質問は、電気料金の値上げ申請に対して通産省はどういう対処方針で臨むか、また見通しいかんという御質問でございました。
 通産省といたしましては、電気料金の値上げについて、お話のございましたように物価、国民生活の影響について十分考慮するということはもちろんでございますけれども、同時に、電力の安定供給という観点もございまして、あくまでも経営の徹底した合理化を前提とした原価主義の原則に立ちまして、厳正かつ慎重に対処してまいりたいと考えております。
 なお、値上げ率につきましては、原価主義の原則に立って、原価の諸要素を積み上げて決定されるのでございますが、現在各要素につきまして厳正かつ慎重に審査しておるところでございますので、値上げ率の予想を申し上げる段階にはまだ至っておりません。(拍手)
#19
○議長(灘尾弘吉君) これにて質疑は終了いたしました。
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#20
○議長(灘尾弘吉君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十七分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        通商産業大臣  佐々木義武君
        自 治 大 臣 後藤田正晴君
        国 務 大 臣 宇野 宗佑君
 出席政府委員
        自治省税務局長 石原 信雄君
ソース: 国立国会図書館
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