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1979/03/18 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 本会議 第11号
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1979/03/18 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 本会議 第11号

#1
第091回国会 本会議 第11号
昭和五十五年三月十八日(火曜日)
    ―――――――――――――
  昭和五十五年三月十八日
    午後二時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 国会法の一部を改正する法律案(議院運営委員
  長提出)
 後藤田自治大臣の昭和五十五年度地方財政計画
  についての発言及び地方交付税法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質
  疑
    午後二時四分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(灘尾弘吉君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 沢田広君から、海外旅行のため、三月二十五日から四月六日まで十三日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
#5
○玉沢徳一郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、議院運営委員長提出、国会法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#6
○議長(灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 国会法の一部を改正する法律案(議院運営委
  員長提出)
#8
○議長(灘尾弘吉君) 国会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長亀岡高夫君。
    〔亀岡高夫君登壇〕
#9
○亀岡高夫君 ただいま議題となりました国会法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、現行の常任委員会の名称と数は、国会法第四十一条において、両院に共通なものとして規定されております。
 今回の改正は、これを衆議院、参議院別個に規定し、本院につきましては、従来の十六常任委員会に科学技術委員会及び環境委員会を加えて十八の常任委員会とし、参議院につきましては、従来どおり十六の常任委員会とするものであります。
 常任委員会の名称と数は、国会の組織と運営の基本にかかわる事項でありますので、今回の改正においても国会法で規定することといたしました。
 なお、参議院におきましては、現在、同院改革協議会において、新しい参議院のあり方が各党で検討されており、その協議の結論に基づいて、将来、国会法の改正が必要になりました際には、衆議院としても全面的に協力いたすことを議院運営委員会理事会におきまして申し合わせているところであります。
 本院においては、科学技術及び環境の両委員会は、従来それぞれ特別委員会として設置されてまいりましたが、両委員会の常任委員会への移行については、議会制度に関する協議会、国会法改正等に関する小委員会などを中心に鋭意協議を続けてまいりました。
 本改正案については、参議院とも協議の上、各党の合意を得、本日の議院運営委員会において全会一致をもって成案を決定したものであります。
 なお、本改正案は、第九十二回国会の召集日から施行することとなっております。
 何とぞ、議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(昭和五十五年度地方財政計画について)及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#12
○議長(灘尾弘吉君) この際、昭和五十五年度地方財政計画についての発言及び内閣提出、地方交付税法の一部を改正する法律案についての趣旨の説明を求めます。自治大臣後藤田正晴君。
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#13
○国務大臣(後藤田正晴君) 昭和五十五年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明を申し上げます。
 昭和五十五年度の地方財政につきましては、昭和五十四年度に引き続いて厳しい状況にありますが、おおむね国と同一の基調により、現下の社会経済情勢の推移に適切に対応しながら、財政の健全化を促進することを目途として、歳入面におきましては、住民負担の合理化にも配慮しながら、既存税制における地方税源の充実を図る等、収入の確保を図るとともに、昭和五十四年度に引き続き見込まれる巨額の財源不足につきましては、これを完全に補てんする等、地方財源の確保を図る一方、歳出面におきましては、経費全般について徹底した節減合理化を行うという抑制的な基調のもとで、住民生活に直結した社会資本の整備を図るために必要な地方単独事業の規模の確保に配意する等、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度のある財政運営を行うことを基本といたしております。
 昭和五十五年度の地方財政計画は、こういった考え方を基本として策定をいたしておりますが、以下、その策定方針について申し上げます。
 第一に、現下の厳しい地方財政の状況等にかんがみまして、個人住民税の各種所得控除を引き上げるとともに、その減収に対処するため、所得割の税率適用区分に所要の調整を加えるほか、事業所税及び個人住民税均等割の税率を引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化を行って、自動車取得税の暫定税率の適用期限を延長し、ガス税の免税点を引き上げるなど、地方税源の充実と地方税負担の適正合理化を図ることといたしております。
 第二に、地方財源の不足に対処して、地方財政の運営に支障が生ずることのないようにするために、昭和五十五年度の地方財源不足見込み額二兆五百五十億円につきましては、地方交付税の増額と建設地方債の増発によって完全に補てんすることといたしております。
 なお、建設地方債の増発は、昭和五十四年度よりは六千百億円の縮減を図っております。
 また、地方債資金対策として、政府資金及び公営企業金融公庫資金の増額を図ることにいたしております。
 第三に、抑制的基調のもとにおきましても、地域住民の福祉、教育の充実及び住民生活に直結した社会資本の計画的整備等を図るための諸施策を実施することといたしております。このため、生活関連施設等の計画的な整備の推進を図るために、地方単独事業の所要額を確保するとともに、社会福祉施策、教育振興対策等の一層の充実を図ることとし、また、過疎地域に対する財政措置等を充実することといたしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るために、国庫補助負担基準の改善を図り、あわせて年度途中における事情の変化に弾力的に対応し得るよう配慮するほか、地方財政計画の算定内容について所要の是正措置を講ずることといたしております。
 以上の方針のもとに、昭和五十五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は四十一兆六千四百二十六億円となり、前年度に比べまして二兆八千四百十二億円、七・三%の増加と相なっております。
 以上が、昭和五十五年度の地方財政計画の概要でございます。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、昭和五十五年度分の地方交付税の総額は、既定の地方交付税額に臨時地方特例交付金三千七百九十五億円と、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金八千九百五十億円とを加算することといたしました結果、八兆七百七十五億円となり、前年度当初に対し三千八百八十億円、五%の増加と相なっております。
 また、後年度における地方交付税の総額の確保に資するため、地方交付税法附則第八条の三第一項の規定に基づきまして、昭和五十五年度における借入純増加額の二分の一に相当する額三千七百七億五千万円を、昭和六十一年度から昭和七十年度までの各年度において、臨時地方特例交付金として当該各年度の地方交付税の総額に加算することといたしております。
 次に、昭和五十五年度の普通交付税の算定に当たりましては、地方財政計画の策定方針に即応して、教育水準の向上、社会福祉施策の充実、公共施設の計画的整備等に要する経費の財源を充実するほか、財源対策債の減少に伴い必要となる投資的経費を基準財政需要額に算入するため、単位費用の改定等を行うことといたしております。
 以上が、昭和五十五年度の地方財政計画の概要並びに地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(昭和五十五年度地方財政計画について)及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#14
○議長(灘尾弘吉君) ただいまの地方財政計画についての発言及び趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。加藤万吉君。
    〔加藤万吉君登壇〕
#15
○加藤万吉君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十五年度地方財政計画並びに地方交付税法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 私は、八〇年代が地方の時代と言われながら、その初年度の政府の所信が相も変わらぬ五十四年度地方財政対策の数字の入れかえであり、交付税法改正の提案理由もここ数年続いてきた説明の焼き直しで、地方の時代をつくろうとする情熱と計画の片りんすら見出せないことに、むなしさを通り越して、憤りすら覚えるのであります。
 総理、地方の時代とは、国民の自治権を拡大し、それに必要な分権と参加を保障することです。いま直接国民と接触をしている地方公共団体は、この地方財政計画を手にしたとき、赤字財政からの解放と財政の弾力的な運用によって住民生活のニーズにこたえられる条件が具体化をされ、保障されていると受けとめるでしょうか。
 地方自治の新たなあり方と改革については、総理が答申を求めている地方制度調査会が第十七次にわたって行っており、それは、戦後三十年を経過をした地方公共団体の行政能力の充実と、これを基礎に、その権限と責任において実施でき得る条件を踏んまえての答申であります。にもかかわらず、行政事務、交付金、補助金、起債の権限等、今回の地財計画もまた、その事務と権限を中央省庁の手元に留保する発想であり、数次にわたる答申も一向に具体化されていないのであります。
 私は、答申の具体化のため、内閣にその推進態勢の確立の機構をつくることが先決であり、実現の第一歩であると思います。総理今回提案の地方財政計画のどこに数次にわたる答申の具体化が見出せますか。また、その推進態勢の具体化をどのようにお考えですか。もしその具体化がなければ、かかる調査会の存在も無意味と思いますが、いかがですか。総理の御答弁を願いたいと思います。
 さて、今回の地財計画によれば、国の公共事業抑制政策により、その事業費は八兆円余りで、前年度比二・二%の増、事業規模ではマイナスであります。一方、地方団体の単独事業は三兆円余、七・五%の伸びで、一六・五%という地方税の大幅な伸びを見込んだ計画であります。自治体の単独事業を拡大することは賛成でありますけれども、今回の地方財政計画において政府がとった措置は、必ずしも手放しで喜べないのであります。
 なぜなら、政府は法人税の増税など、財政再建について何ら具体策を講ずることなく、もっぱら歳出削減と国民負担の増大を図り、公共事業の伸びをゼロベースにした分だけ地方自治体の単独事業を増大させ、国の景気政策を自治体に肩がわりをさせているからであり、本来の自治体単独事業とは言えないからであります。自治大臣の考えをお伺いいたしたいと存じます。
 今回の地方財政計画によれば、その起債充当率を七五%とし、財源対策費の減額分六千百億円については、地方交付税の基準財政需要額に引き戻しをしております。このような措置は、財源対策上では自治体に何ら不利益とならないように見えますが、地方財政対策の計画性という点では大きな問題があると言わなければなりません。すなわち、起債充当率を七五%に落とした結果による自治体の激変については、どのような緩和措置を講じょうといたしているのでございましょうか。いまだに十分な説明が明らかにされておりません。
 また、昭和五十年度以来、地方交付税の基準財政需要額の算定から追い出しておきながら、なぜ今回一気に六千百億円を学校、清掃を中心に交付税に引き戻さなければならなかったのか。自治体の計画的財政運営を保障するどころか、逆に阻害をすることになるのではありませんか。大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
 私は、国の財政政策によって、その都度計画変更を余儀なくされるこの弊害を取り除くには、国が計画する道路整備、下水道整備あるいは河川整備等の大型プロジェクトの年次計画の作成の段階に、地方団体と長期的事業計画の意見の一致を求める機会を与え、地方団体に急激な反動を与えないようにすべきだと思いますが、総理に、この調整機関を設置するお考えがあるかどうか、所見をお伺いいたしたいと思います。
 いま、ほとんどの地方団体において何らかの行政改革が自主的に行われ、また実行に移されていることは御承知のとおりであります。
 この地方公共団体相互間の改革で最大の阻害要因は、国と地方団体との関係であります。特に、国の法律上排除できないもの、国の出先機関との関係で二重行政、二重監督にわたるもの、国庫支出金や三兆二千億円を超える補助、負担金等の財政支出で金縛りに遭い、分権が不可能なもの等々であり、各地方団体の改革も、この限界と壁の中に模索を続けているのであります。
 政府は、広島や神奈川の各県を初め、この努力を続けている地方団体に対し、アドバイスをするという姿勢だけではなくして、進んで法律上の問題点、行財政の再配分と機能分担の明確化等、積極的に推進を促すため、自治省内での検討と、調査機関を設置されるべきだと思いますが、自治大臣の御答弁をいただきたいと思います。
 さらに、大臣は、財政の再建を人減らし、歳出減らしをもって臨むお考えのようですが、いずれも現在の枠組みの中での発想であり、それは中央集権の官僚機構を強め、住民の必要とする要請には背を向ける結果を招き、きわめて憂慮すべき政治姿勢と言わなければなりません。地方債現債高二十九兆円弱、公債費は財政計画七・三%の伸びに対して一六・六%で三兆円弱、交付税特別会計の借入金と財源対策債は合わせて十三兆七千億円を超えるというこの財政構造にメスを入れるべきではないですか。
 今回もまた交付税の一部を改正する法律案が提案をされましたが、交付税の本旨が財源保障の機能を長期的な観点から果たすことであることは論を待ちません。
 先般本院を通過いたしました法律案のごとく、本来五十四年度に配分をされる交付税を国が勝手に年度間調整を行い、五十五年度に繰り越すごときは、国の赤字国債はこれによって減債になるものの、地方はその資金運用の幅を狭められ、このようなことは交付税法を大きくゆがめるものであり、便宜主義もはなはだしいと断ぜざるを得ません。
 この際、交付税財政制度の全面的な再検討を行い、本法そのものの改正、すなわち、法六条三第二項の定めによって、交付税率の引き上げを含めて提案がされるべきであります。
 現に地方団体への交付税実額は、三二%を大きく上回っているではありませんか。本件は重要な問題でありますから、総理から御答弁をいただきたいと思います。
 今回、政府は、義務教育四十人学級制度を十二年間で行うことを政策決定をし、その後、わが党初め野党の要求を取り入れて、三年後これを見直すことを決定いたしました。
 しかも、この政策決定は、いずれも自治大臣と大蔵大臣とで取り交わした財源不足額二兆五百五十億円の合意の決定を見た後であります。政府は、当面需要額の算入によってその財政需要を満たすとお考えのようですが、これは明らかに学級制度の改正であり、教職員定数八万一千余人、四十人学級に伴う校舎の増築等、必要な需要を満たすために、制度改正に伴う交付税率の改正を直ちに行うべきであると思いますが、どのような時期に、どのような改正を行おうとされますか、自治大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 自主財源を確保するため、各地方団体は、血のにじむような努力を続けていることは大臣御承知のとおりであります。
 三島市の光ケ丘団地約一千戸が、合成洗剤を粉石けんに変えることによって処理能力七八%アップをし、処理場増設に必要な財源を他に振り向け、弾力性を持ったことや、最近とみに拡大しつつある粗大ごみは、その処理費が各都市の財政支出の五%以上を占めるため、これを削減するために、市民の参加の中で空きかんや空きびん、新聞紙を分類し、資源化し、経費の経済効果を三分の一も生み出し、一万二千トンのうち五千トンを再生資源化しつつある例が藤沢市や沼津市等に見られます。しかし、私は、これを手放しで喜ぶわけにはいかないのであります。
 これら最終処理は、地方公共団体がいやおうなく負担をせざるを得ない状況に追い込まれた結果であり、本来企業側にその負担を問うべきではないでしょうか。合成洗剤使用禁止を初め、その発生源でこれをとどめることができますならば、下水道処理を初め、地方団体はその事業費の負担をどのくらい軽くすることができるかわかりません。
 乳製品に対する回収義務のように、ウイスキーびん、清涼飲料水の空きかん、それは粗大ごみの四〇%を占めるものでありますが、この回収を企業が何らかの方法で行うよう位置づけることによって、その処理に伴う地方団体の財政負担を軽くし、民生安定のための一般財源を確保することができるのであります。
 大臣、このような提案をお考えになりませんか。合成洗剤追放の条例制定を初め、これら地方団体の動向について、大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
 問題は、地方の赤字財政からの脱却は、単に人減らしを基軸にし、行政経費何%削減という安易な一律方式によるものではなくして、いままで述べてきたように、旧来の枠組みにとらわれることなく、税財源再配分と改革から始まり、国の責任において、可能な条件をきめ細かく提案し、具体化することにあると思います。
 問題は、政府及び関係各省大臣の地方行財政改革に対する発想の転換を行うことであり、この実行を強く要請をして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#16
○内閣総理大臣(大平正芳君) 加藤さんの最初の御質問は、地方財政計画のどこに地方の時代にふさわしい情熱と計画が読み取れることができるかという意味の御質問でございました。
 昭和五十五年度の地方財政計画は、歳入面におきましては、地方税、地方交付税等の一般財源の充実を図ることとし、歳出面におきましては、経費全般にわたって抑制的な基調を貫く中で、住民生活に身近な社会資本の整備を進めて、地方の自主性と自律性に基づく地方財政の運営に支障が生じないように配慮いたしてございます。そういった点から御理解をいただきたいと思います。
 第二の御質問は、地方制度調査会の第十七次の答申の実現はどういう推進機構を構えてやろうとしておるのかという御質問でございました。
 この地方制度調査会の御答申の実現は、もとより政府全体がこれに当たらなければなりませんけれども、地方行政に関連することにつきましては、自治大臣の参加いたしまする行政改革の閣僚懇談会を通じて、その推進を図ってまいりたいと考えております。
 第三の御質問は、国の計画する大型プロジェクトの策定に当たりましては、地方自治団体に参加を求めるべきではないかという御趣旨の御質問でございました。
 政府といたしましても、この計画策定に当たりましては、審議会に地方公共団体の代表者の御参加をお願いするように努めておるわけでございます。たとえば本四連絡架橋のプロジェクトにおきましては、管理委員会七名のうち三名は、出資地方公共団体の推薦する方をお願いするようにいたしておりますことからも御理解をいただきたいと思うのでございます。今後とも国と地方公共団体が協力して、円滑な事業の推進が図られるように、その意思の疎通を十分図ってまいりたいと考えております。
 地方財政の再建と四十人学級の改正等もございまする関係もあり、交付税率改正を含む交付税法の改正を考えるべきでないかという意味の御質問でございました。
 巨額の国債を発行いたしておりまする中央の財政の事情を勘案いたしますならば、この機会に交付税率を改正するということは至難のわざであると私は考えております。
 御心配の四十人学級等に関連する財政計画につきましては、所要の財源措置を講じてまいるつもりにしておるわけでございます。しかし、仰せのように、地方税、地方交付税等による自主財源の充実が必要であることは、加藤さんの仰せのとおりでございまして、今後政府としては、税制調査会、地方制度調査会等の御意見を承りながら、その具体的な方策について十分検討を進めてまいりたいと考えております。
 その他の事項につきましては、自治大臣からお答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#17
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えをいたします。
 第一の御質問は、公共事業の圧縮は地方の単独事業にしわ寄せをせられておる、しかも起債充当率を七五%に引き下げておる、このことは一般財源を圧迫しておるではないか、これはどう考えるのだ、こういう御質疑でございますが、地方の単独事業は、申すまでもなく、住民生活に直結をした社会資本の計画的な整備を推進するという重要な役割りを担っておるわけでございます。そこで、その特性を考えまして、地方の自主性と自律性に基づく生活関連施設等の整備が推進できまするように、五十五年度の地方財政計画において所要の規模を確保したものでございます。決して、国の公共事業の肩がわりで地方単独事業をふやしたというような事実はございません。私どもは、逆に、地方自治の推進と財政の健全化の第一歩である、こういうことで、単独事業の増強と起債充当率の引き下げを図ったものでございまするので、この点御理解を賜りたいと思います。
 第二番目の御質疑は、地方団体の自主的行政改革を進めるために、自治省は、法律の改正、補助金、負担金の地方への移譲のための検討、調査の機関を設けるべきではないのか、こういう御質疑でございますが、地方団体の行政改革を効果的に行うためには、国と地方との間の事務の配分、補助金、負担金制度等の改善が必要であることは申し上げるまでもございません。これらにつきましては、政府といたしましても、昨年暮れの閣議決定に基づきまして漸次実施に移そうとしておるところでございますが、自治省といたしましては、地方六団体あるいは直接地方公共団体の御意向等も聞きながら推進を図っておるのでございまして、今後とも地方の考えを十分行政改革の上に反映するように努力をいたすつもりでございます。
 なおまた、御質疑の中に、四十人学級の点に触れられまして、交付税と地方財政措置はどうなっているんだ、こういう御意見でございました。
 御案内のように、予算編成の際には、その過程におきましてはいろいろな流動的な要素があるわけでございます。そこで、予算編成を担当するものとしましては、そういった流動的な情勢に対応できるように、一定のゆとりの財源を持って対応しておるのでございます。これは、国といえども、あるいは地方の財政計画といえども同じである、私はかように考えております。そこで、今日のこの四十人学級という問題もまさに流動的な要素の一つであったわけでございまするので、それが確定した段階におきまして、財政計画においても五十五年度十分対応できるような措置をいたしておるつもりでございます。
 その次の御質問は、合成洗剤の追放、粗大ごみの資源化等、地方自治体の努力をどのように評価をしておるのか、また空きかんであるとか空きびんの回収について企業負担を行わせて、最終処理を自治体に任せるべきではないのじゃないか、これについてどう考えるか、こういうことでございますが、合成洗剤の使用の制限、粗大ごみの資源化等について、地方公共団体が地域の実情に即してそれなりに努力をして、ごみや下水処理について、費用の削減等によって減量経営に非常に努力をしておられる、そうして効果を上げていらっしゃることについては十分評価をいたしておるところでございます。空きかん、空きびんの回収の問題につきましては、これは本来所管省庁において御検討いただかなければならぬ問題であると考えておりますけれども、地方公共団体にとってもきわめて重要な問題でございまするので、自治省といたしましても、その対策等について十分御相談にも応じ、御協力も申し上げていきたい、かように考えております。
 次に、行政改革を人減らしと一律行政費削減等という安易な方法でやるべきではない、それで、財源の再配分であるとか行政事務法の改正等、広範な施策の中で再建の道を見出すべきである、こういう御意見でございますが、御案内のように、今日、行政改革は、私どもとしては国、地方を通ずる最重要な課題であると心得ております。その推進に当たりましては、まず徹底的な事務事業の見直しを行って、そして組織、機構の簡素化、定員管理の適正化を行って行政経費の効率化の実を上げる、これが肝心であろうと考えております。
 政府といたしましてはこういった観点に立って今日行政改革と取り組んでいるところでございますが、自治省といたしましては、この際、多年の懸案である国と地方の事務の再配分及びこれに伴う財源配分等について適切な改善が図られまするように、一層努力を積み重ねてまいりたいと考えております。
 申し上げるまでもなく、今日の厳しい状況でございまするので、地方団体みずからも一層の努力が払われるように各地方団体の今後における一層のお取り組みを私どもとしても期待をいたしており、自治省としてはそういった地方団体の御努力に対して十分協力をしてやってまいりたい、かように考えておるような次第でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
#18
○議長(灘尾弘吉君) 木内良明君。
    〔木内良明君登壇〕
#19
○木内良明君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま趣旨説明のありました地方交付税法の一部を改正する法律案並びに昭和五十五年度地方財政計画について、総理並びに関係大臣に質問するものであります。
 昭和五十五年度の地方財政計画によると、その規模は四十一兆六千四百二十六億円で、十年ぶりに国の一般会計予算を下回っており、また、対前年度伸び率も昭和三十一年以来の低さという圧縮型の財政計画となっております。
 しかし、その内容を見ると、地方債発行は前年度より九・七%の減となっているものの、その額は四兆四千億円の巨額となっております。また、歳出面における借金返済に要する公債費は三兆円を超え、歳出に占める構成比も五十四年度の六・八%から七・四%に上昇しております。
 しかも一、先日自治省から出された地方財政収支試算によると、地方債は毎年五・八%の伸びが見込まれており、また公債費は毎年一五・六%ずつ増加し、六十年度にはその額は実に六兆三千七百億円と見込まれております。今後とも地方財政の借金体質は相当長く続くことが予想されております。
 そこで、このような借金体質の改善と財政再建についてどう対処するのか、具体的に伺いたいのであります。
 また、このような借金体質を脱皮し、財政再建を行うためには、地方団体自体も効率的執行などに努めることを怠ってはならないことは当然でありますが、これには限界があります。究極的には、国と地方との事務、財源の再配分が必要となるのでありますが、当面、交付税率の引き上げを行うべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 わが党は、これまで景気の持続的回復による自然増収の確保を図ることを中心に、不公平税制の是正、既存税制の見直し、行政改革や補助金の整理合理化を進めることにより、財政の立て直しを図るべきであると主張しております。こうした考えに立って中期の地方財政計画を策定すべきと考えますが、この点についての御見解を伺いたいのであります。
 さて、地方財政計画は、基本的には国の経済見通しに立脚して策定されるものであり、したがって、国の経済見通しに狂いが生ずるならば、地方財政計画も修正されなければならないことになります。
 そこで、地方財政計画の前提となる五十五年度の経済運営についてお尋ねをいたします。
 政府は五十五年度の実質成長率を四.八%と見込んでおりますが、民間研究機関のきわめて厳しい経済見通し等を勘案すると、私は、政府見通しの四・八%成長率の達成は決して容易ではないと考えるのであります。まずこの点について総理の御見解をお伺いしたいのであります。
 現在の状況から見ても、景気を持続し、政府の経済見通しを達成するためには、何よりも物価の安定が前提となります。二月の東京都区部の消費者物価指数は前年同月比七・六%も上昇しており、卸売物価においては前年同月比二一・四%も上昇し、第一次石油危機の際の狂乱物価の上昇率に近づきつつあるのが現状であります。政府は、最近の消費者物価、卸売物価の動向と先行きをどのように認識しておられるのか、また、政府は、この十九日には物価総合対策を発表する方針のようでありますが、その内容と期待できる効果についてお伺いしたいと思うのであります。
 さらに、政府の五十五年度消費者物価上昇見込み六・四%の達成はできるのかどうか、できるとすれば、その根拠をこの際明確にしていただきたいのであります。
 景気の後退と物価の高騰は、いやおうなしに地方財政計画に盛られた地方交付税、地方税などの歳入に大きな影響を及ぼすことは必至であります。こうした事態に陥らないよう政府に適切な対処を強く要求するものでありますが、総理の所信を伺っておきたいと思います。
 なお、予算修正に関し、公明、社会、民社三党と自民党が合意した電気税の免税点の引き上げはどのくらいにするのか。また、それに伴う地方税収の減収補てんについて政府の速やかな措置を求めるものでありますが、明確なる答弁をお願いいたします。
 ところで、八〇年代は地方の時代と言われておりますが、今後は、各地域の特性に基づく地域づくりの推進と自治の一層の発展を図るため、新たな視点から現行制度について根本的な見直しをすべきときでもあると考えるものであります。
 そこで、新しい時代の認識と今後の地方のあり方についてお伺いをしたい。
 戦後、地方自治が発足して今日まで三十五年を経過しようとしておりますが、この間、昭和二十年代の経済復興の時代、その後、三十年代後半以降においては、経済の対外競争力の強化等、生産力の拡大が国策となり、ひたむきに高度経済成長路線を推進し、地方制度についても国主導型の制度、政策が推し進められてまいりました。
 その結果、過疎、過密などの国土整備の不均衡が生じ、道路、下水を初めとした生活環境は悪化し、その解決は著しく立ちおくれているのが現状であり、その是正はかねてから強く望まれているところであります。
 また、憲法が明記する民主主義は、その基盤を地方自治の確立に置いておりますが、こうした立場から、八〇年代は真の地方自治の発展の上からも重要なときであると考えるものであります。
 その意味から、地方の時代とは、これまでの国主導の行政姿勢から、地方が責任を持って自主的に行政運営を推進することができるように改革することが基本でなければならないと考えるものであります。総理は、かねがね田園都市構想あるいは地方分権化を唱えておられますが、まず総理の描いておられる地方の時代、地方分権のあり方をどのように認識し、どのように実現されようとしているのか、具体的に示していただきたいのであります。
 次に、自治体の事務の大半を占める機関委任事務の現状あるいは補助金が主体となっている現行の行財政制度についてであります。
 昨年秋、地方制度調査会から、事務、財源の再配分、補助金の整理合理化等についての答申がなされております。総理はこの答申をどのように評価され、地方自治の本旨との関係において現行の行財政制度をどのように改革しようと考えておられるのか、率直な見解を伺いたいのであります。
 その具体的実施については、私は、現在の行政改革閣僚懇談会ではその対応は不可能ではないかと思うものでありますが、この際、地方自治体が要望する全般的な改革案を含めて、これまでの国主導の改革ではなく、地方の考えも入れた改革本部を別途に設置すべきであると考えますが、これに対する御見解を伺いたいのであります。
 次に、国庫補助金制度の問題についてお伺いいたします。
 国庫補助金制度は、地方自治体の自主的財政運営を妨げ、財政の効率的運用と行政の簡素合理化を阻害するものとして、抜本的改革を要求してまいりました。
 したがいまして、補助金はできるだけ整理し、必要な財源は地方の一般財源を増強することを基本として改革を進め、補助事業のあり方も地方の自主的行財政運営を助長する方向で改革を図っていくべきであると考えるものであります。
 こうした観点に立って、当面、補助金については総合化、メニュー化を図るべきでありますが、この点に対する見解をお聞きいたします。
 さらに、超過負担の問題についてお伺いいたします。
 現行の補助金制度のもとにおける超過負担は、国と地方との財政秩序を乱すとともに、地方財政を圧迫するものであります。政府においては、超過負担についてこれまで毎年若干の解消措置を図っておりますが、五十五年度も国費ベースで百七十三億円の解消措置を講じているにすぎず、十分な措置とはとうてい考えられません。
 今後の物価上昇を考えたときに、現行の予算単価では超過負担はさらに増大するものと考えるものでありますが、新たな超過負担が生じないように、今後さらに検討すべきであります。国、地方の意見が異なり、超過負担の解消措置の推進に困難を来している現状からも、この際、国、地方間の意見調整のための機関を設けて積極的に解消を図るべきでありますが、総理の御見解をお伺いいたします。
 最後に、地方自治体の重要な役割りの一つである福祉について政府の姿勢をお伺いしたいと思います。
 政府は、これまでも一財源難を理由に福祉の削減を打ち出しておりますが、福祉政策は金があるからやり、ないからやらないというような場当たり的な対策ではなく、基本計画を樹立し、計画的に実施すべきものであります。
 わが党は、すでに福祉計画トータルプランを策定して、福祉のナショナルミニマムを設定しておりますが、政府においても、福祉ミニマムの設定及び福祉計画を樹立すべきであると思います。
 また、全国的レベルを維持するもの以外は、直接に住民生活に接してその実態を掌握している地方自治体に任せた方が、より効率的かつ充実した福祉政策が実施できると私は考えるものであり、施策とその財源等を地方に移すべきであると考えるわけであります。この点についてもあわせてお伺いしたいのであります。
 以上、地方行財政に関する基本的事項並びに当面実施すべき問題についてお伺いいたしました。政府の率直な見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#20
○内閣総理大臣(大平正芳君) 最初の御質問は、わが国の来年度の経済情勢について政府はどう見ておるか、四・八%という実質成長率は確保できるかというお尋ねでございました。
 わが国の経済は、厳しい国際環境のもとでありますけれども、景気の拡大テンポはやや緩慢になったといえども手がたく進行しておると判断いたしております。民間の消費支出は堅調でございますし、また、民間の設備投資も底がたいものがございます。輸出も堅実な増加の経過をたどっておりますので、自律的な拡大基調を維持いたしまして、四・八%の実質成長率の確保は可能であるとわれわれは考えております。
 第二に、物価をどう見ておるかということでございます。今年度は消費者物価が落ちついておる中で、卸売物価が上昇のテンポを速めておるわけでございますが、来年度は、この卸売物価が消費者物価にだんだんと波及してまいることをわれわれは警戒しなければならぬと思いますし、一部野菜価格の急騰等もございまして、物価の動向につきましては、御指摘のように一層の警戒を強めなければならぬと考えております。
 そこで、政府といたしましては、財政金融政策の慎重な運営、便乗値上げ防止のための調査、監視機能の充実等を基本といたしました総合的な物価対策を明日にも決定いたしまして、その着実な推進に当たる決意をいたしておるわけでございます。
 第二の御質問は、昭和五十五年度の消費者物価上昇見込み六・四%の達成は可能かということでございました。
 五十五年度の消費者物価につきましては、いま申し上げましたように、春野菜の出回りとともに野菜の異常高値の是正がまずなされねばなりません。一方、卸売物価上昇の影響や公共料金改定の影響が出てくることを考えますと、五十四年度消費者物価の実績見込みが四・七%程度に抑えられることに比較いたしまして、五十五年度は、この六・四%の達成にはよほど努力をしなければならぬと考えておるわけでございます。したがいまして、いま申し上げましたように、緊急に総合的な物価政策を発動いたしまして、機動的に、総合的に、かつ積極的な物価政策を着実に実行いたしまして、物価を抑えてかからなければならぬと思っております。われわれの努力いかんによりまして六・四%の達成は不可能ではないと考えております。
 第三の御質問は、地方の時代、地方分権のあり方をどう認識し、これをどのように実現していくつもりかという御質問でございました。
 私は田園都市構想を提唱いたしておりますが、これはそれぞれの地域の独立性と個性を生かしながら、均衡のある、しかも多彩な国土の形成を図ろうとするものでございまして、この構想に照らしまして、現在やっておるもろもろの施策をもう一度見直してみつつあるところでございます。
 もちろん、この実行に当たりましては、過度の中央集権はこれを排しなければなりません。地方公共団体が主体となって、イニシアチブをとって地域社会をつくるという地方分権の方向をとっていかなければならぬと考えておりまして、国、地方を通ずる行財政の見直し、財政制度の見直し、地方公共団体の自主性、自律性の強化ということが、これを実現する場合におきましてわれわれが追求しなければならない道標でございまして、鋭意この方向で努力をしてまいるつもりでございます。
 地方制度調査会の答申をどう評価し、行財政制度をどのように改革するかという御質問でございました。
 地方制度調査会は、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化、地方分権の推進など、当面並びに中長期の展望に立ちまして御答申をいただいたわけでございまして、この御答申はきわめて時宜を得たものと考えております。
 さしあたっては、行政改革におきまして、政府全体として、この趣旨を体して、答申の趣旨の実現に努力しなければならぬと考えております。先ほど加藤議員にもお答え申し上げましたように、自治大臣も御参加いただいた行政改革閣僚懇談会等を通じましてその推進に当たりたいと考えております。
 木内さんのおっしゃるように、改革本部をいまにわかに設置するという計画はございませんけれども、現行の行政改革閣僚懇談会を通じまして極力その実現に努力してまいる所存でございます。
 その次には、補助金の整理合理化を推進しろということでございました。
 政府も、御案内のように、明年度の予算の編成に当たりまして、仰せのような補助金の整理に取り組みまして、千六百六十七億というかつてない整理の実績を上げたことでございまして、その点は評価していただきたいと思うのでございますが、なお、過日の社、公、民三党からのお申し出もございまして、補助金の整理合理化には一層新たな決意をもって、また、サマーレビューを構えて推進しなければならぬと考えておるわけでございます。
 最後に、超過負担の解消についての考えを述べろということでございます。
 従来、超過負担につきましては、超過負担を解消する対象項目につきまして事前に十分の調査を遂げまして、この解消への財源を逐次つけてまいって、この解消に努めてきたことは事実でございます。相当実績を上げ得たと思うわけでございますけれども、なお一層、超過負担の解消には、中央、地方を通じまして努力をしてまいりたいと考えておるわけでございまして、御鞭撻を願いたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#21
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えを申し上げます。
 御質疑の第一点は、昭和五十五年度地方財政計画によれば、圧縮型の財政計画となっておるけれども、地方債の依存度が依然として高い、歳出面でも公債費が上昇しておる、こういった借金体質の改善と具体的な財政再建策はどうだ、こういうお尋ねでございますが、五十五年度の地方財政計画につきましては、財政の健全化を促進をするということを目途といたしまして、まず第一は、経費全般につきまして徹底した節減合理化を行うという、圧縮型の基調のもとに策定をいたしました。第二番目には、地方税、地方交付税等の一般財源の充実をできる限り図っていくということ。第三番目は、いわゆる財源対策債の縮減を図っていく、そして地方債依存度の改善を図ってまいりたい。かようなたてまえで、地方財政計画を策定をいたしました。しかしながら、地方財政は依然として借金依存の状況にあることには変わりはございません。
 そこで、その健全化を促進するためには、まず、何といいましても、基本的には経済の安定的成長を図って税収の安定的な増加を確保するということ、同時にまた、国、地方を通じまして、経費の徹底的な縮減合理化に努めるということ、特にまた、今日地方の時代と言われておるのでございまするので、地方税あるいは地方交付税等のいわゆる一般財源の増強を図る必要がある、かように考えておりますが、この点につきましては、地方制度調査会なりその他各方面の御意見を承りまして、地方分権の推進、その裏づけという意味合いからの地方財源の充実強化のために一層の努力を積み重ねてまいりたい、かように考えている次第でございます。
 第二番目は、地方団体の借金体質を脱皮するために、国と地方の事務、財源等の再配分が必要となるのだけれども、当面は何といっても交付税率を上げたらどうだ、こういう御意見でございますが、何よりもまず、財政健全化のためには財政基盤を強化することが必要であることは言うまでもございません。そういったことで、一般財源の充実が第一だと考えますが、そこで、五十五年度におきましても地方交付税率の引き上げということを検討いたしたのでございますが、御案内のような国の財政状況でもございます。また、経済の状況も変化がきわめて著しいといったようなことでございますので、こういった際に恒久的な交付税率の引き上げということは困難であろう、こう判断をいたしまして、この交付税率の引き上げにかわる措置といたしまして、昭和五十三年度に制度的におつくりをいただきましたところの交付税特会の借入金による地方財源の充実、つまり、この制度によって借入金の二分の一は将来国庫に負担をしてもらう、こういう制度によって本年度、五十五年度の地方財政の財源不足を補うという措置をとったのでございます。
 なおまた、地方の時代にふさわしいような税源の充実強化が必要であるということについては、先ほどの御質問項目でお答えをいたしたとおりでございますが、こういった点につきましては、何といいましてもいま急にというわけには実際はまいりません。そこで、中長期の課題として取り組んでまいりたい、かように考える次第でございます。
 第三番目は、木内先生の党では、景気の持続的回復による自然増収の確保を中心として、不公平税制の是正、既存税制の見直し、行政改革や補助金の整理合理化によって財政立て直しを主張しているのだが、このような考え方に立った中期の地方財政計画を策定したらどうだ、こういうことでございますが、地方財政の立て直し方策についての基本的な御意見には私は賛成でございます。そのとおりだと心得ておるのでございます。ただ、地方団体、御案内のように三千数百の団体がございます。それの財政の集合体でございますので、これを積み上げた形で具体的に政策を織り込んだ中期の財政計画をどのように策定するのか、なかなか困難な課題であると考えておりますが、国において中期計画の策定の研究が行われておるということを伺っておりまするので、これが公にいたされました段階において、さらに、地方団体につきましてもその内容等を十分見きわめながら対応策を検討してまいりたい、かように考えます。
 その次は、景気の後退、物価高騰が地財計画に盛られた地方交付税あるいは地方税などの歳入に影響を及ぼすこととなるので、これに影響を及ぼさないような適切な対策を講じたらどうだという御意見がございましたが、地方税、地方交付税等の歳入は、当然これは景気の動向と密接不可分の関係にございます。そこで、地方財政計画で見込まれました歳入が確保されるためには、何といいましても、政府の経済見通し、これに即した適切な経済運営が図られることが基本であるということは申し上げるまでもございません。
 五十五年度の財政計画に計上しました地方税なりあるいは地方交付税等の歳入、これは政府の経済見通しを基礎といたしまして、最近までの収入状況等を勘案して見積もったものでございまするので、政府の適切な景気対策等の実施と相まって確保をせられるもの、かように私は考えておるような次第でございます。
 その次は、電気税の免税点の引き上げの見通しはどうだ、こういうことでございましたが、御案内のように、まだ電気料金の引き上げ額が決定をいたしておりません段階でございまするので、具体的な数字を申し上げるわけにいきませんけれども、私の基本的な考え方は、現行の電気税の制度のもとで免税点以下の非課税世帯になっておる方が、今回の電気料金の値上げによって課税世帯になるといったようなことのないような十分な配慮をいたしたい。
 なおまた、こういった点については四党間の申し合わせもあるようでございまするので、政府といたしましても各党間の申し合わせに対しては誠意をもって対処をいたしたい、かように考えておるような次第でございます。
 最後に、福祉の関係について、ナショナルミニマムの設定等福祉計画の基本計画の策定、樹立をするとともに、全国レベルを維持するもの以外の福祉政策は地方団体に任せて、その施策と財源を地方に移すべきである、こういう御意見でございましたが、御案内のような今日、高齢化の社会を迎えて、国民生活における社会保障の役割りは今後一層重要になってくると思います。一方、高齢化に伴って、社会保障のための給付費の一層の増大も見込まれます。このため、今後、社会保障の推進に当たりましては、各種施策の有機的な連携を図るなど、施策の体系化、効率化等を進めるとともに、給付と負担の両面にわたって社会的な公平を図っていく必要があると考えております。
 こういった意味合いから、社会保障が長期的、安定的に機能していくためには、今後の社会保障のあり方について国民の合意を得るよう、長期的展望を明らかにしていくよう、政府としては努力をしていくつもりでございます。
 なお、福祉政策については、全国的レベルを維持すべき事柄も多いのですけれども、地方の実情に即した行政運営の推進に配慮をするとともに、これに対応するような地方財源の充実にも今後努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○議長(灘尾弘吉君) 藤田スミ君。
    〔藤田スミ君登壇〕
#23
○藤田スミ君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、五十五年度地方財政計画及び地方交付税の一部改正について総理並びに関係大臣にお尋ねをいたします。
    〔議長退席、副議長着席〕
 今年度の地方財政計画は、財政の簡素化、効率化を口実に、人件費の大幅削減と福祉の切り捨て、さらには各種使用料、手数料の大幅引き上げなど、新たな犠牲と負担を住民に強制しているところに最大の特徴があります。
 五十年度以降、地方財政は年々膨大な財源不足を生じ、深刻な財政危機に陥ってまいりました。しかし、政府は、この事態に対して何ら有効な手を打たず、借金政策の押しつけを強制してきたのであります。そうした中でも、革新自治体を先頭に、多くの自治体は、深刻な不況、相次ぐ倒産によって生ずる生活破壊から、住民の営業と暮らしを守るためにさまざまの援助策を講じつつ、住民福祉の水準を維持するために必死の努力を重ねてまいりました。ところが、こうした自治体の懸命の努力をも押しつぶしてしまおうとするのが今年度地方財政計画であります。
 まず、五十五年度の地方財政規模は前年度に比べてわずか七・三%しかふえておらず、これは実に二十四年ぶりの低い伸び率となっております。その結果、財政規模は十年ぶりに国家予算を下回り、戦後三番目の緊縮型計画となっているのであります。これは、従来から政府が、景気刺激策として地方財政にも適用してきた膨張型財政を一転して引き締め、人件費の伸び率を不当に低く抑え込むなど、きわめて意図的な圧縮型計画と言わざるを得ません。
 とりわけ不可解なことは、当初三兆五千億円と見込まれていた地方財源不足額が、予算編成の最終段階で一挙に二兆五百五十億円に圧縮され、見直されたことであります。これは政府が一方的に自治体に減量経営を押しつけ、交付税を低く抑えるための政治的操作ではなかったのか、自治大臣に明確で納得のいく御答弁を求めます。(拍手)
 本来、地方自治体の任務は、住民の福祉と暮らしを守ることにあります。わが党は、この立場から、政府がそのときどきの景気対策によって、地方財政の規模を膨張させたり圧縮したりすることに強く反対してまいりました。なぜならば、こうしたやり方は政府の大企業本位の政策に地方自治体を協力させるものであり、自治体の自主的、計画的な財政運営に重大な支障をもたらすからであります。
 総理大臣にお伺いいたします。地方財政計画をそのときどきの景気対策のてことして使うやり方は、憲法に定める地方自治の本旨に反するものであり、改めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 また、財政計画では、全般的な経費縮減の中で、借金の元利払いに要する公債費だけが大幅に伸びております。これは明らかに、六年連続二兆円を超える財源不足の補てんと景気刺激策として増発された地方債の償還が今日重くのしかかってきているからであり、従来からわが党が警告してきたところであります。
 さらに、歳入における地方債収入と公債費を比較してみますと、公債費は地方債収入の実に六九・五%を占めています。このことはまさに、今日、自治体財政が過去の借金の元利払いのために、また新たな借金を重ねるサラ金まがいの状況に陥っていることを明白に物語るものであります。
 たとえば、大阪の高槻市、交野市では、人口急増の結果、小中学校等の建設に追われ、そのために公債費率が異常に高まってしまいました。このため、両市は自治省から新規起債による事業の差しとめ処分まで受けるに至り、交野市では五十五年度の元利払いが前年度より二〇%もふえ、市民の要求に新たにこたえる予算枠はわずか三十万円であったという、まことに深刻な事態となっているのであります。
 こうした人口急増市町村の財政破綻を、果たしてそれら自治体の責任と言えるでしょうか。今日の自治体の苦境は、政府が進めてきた大企業本位の高度成長政策のひずみであり、その責任は挙げて政府にあると言わざるを得ません。(拍手)
 総理は、国家財政だけでなく、地方財政まで破綻に追いやった責任を一体どのように受けとめておられるのか。また、このように政府の政策によってもたらされた人口急増対策に苦しむ市町村に対し、公債率二〇%という起債制限の枠に特例を設けて救済措置を講ずべきであると考えますが、いかがでしょうか。御答弁を求めます。
 第二に、この地方財政計画と自治省の指導等によって推進されている自治体の減量経営並びに住民負担の問題についてお伺いいたします。
 地方財政計画では、自治体の固有の財源である地方交付税は、前年度に比べてわずか五%の伸びしかありません。こうした減量経営の押しつけによって、住民サービス、福祉、教育に使われる一般行政費は、前年度の伸び率一一・七%から七・八%へと抑えられております。とりわけ自治体独自の福祉施策は、前年の伸び率一二・三%に対し、今年度はわずか八・三%という伸びにとどまっているのであります。
 こうした福祉関係予算の削減が、総理の言われる自助による日本型福祉社会を目指す政策の具体化なのでありましょうか。総理の明快な答弁を求めるものであります。(拍手)
 続いて、住民負担の強化についてであります。
 計画では、使用料及び手数料は、歳入合計の伸び率に比べ、実に二倍以上の一五・一%を見込み、住民税の均等割も、都道府県と市町村を合わせて三二%と大幅にふやされています。いま各地の自治体では、この地方財政計画に基づく指導を受けて、福祉切り捨て、住民負担の強化が進められております。
 たとえば、東京都では都営住宅家賃の三四%の値上げを初め、都立高校授業料の三年連続引き上げなど三十二件、合計二百億円に上る値上げ額となっています。が、一方、ゼロ歳児保育への補助の削減やお年寄りのバスの一部有料化などに見られるように、福祉の後退が進められています。また、大阪府でも、五十五年度予算案に見られるように、公立高校の建設抑制を初め、教育、福祉など、府民生活に密着した行政サービスを切り下げ、他方、公共料金の引き上げは実に六十一件に上っているのであります。
 いま自治省の指導を受けて、四十一の都道府県で一斉に公立高校の授業料値上げが行われ、特に十二都道県においては、自治省が示した新基準、月額五千六百円と決めるなど、物価高に苦しむ住民の暮らしに、電気、ガス及び国の公共料金引き上げと相まって手痛い打撃を与えていくことは言うまでもありません。
 自治省は、こうした公共料金の値上げについては、あくまでもガイドラインを示したものにすぎないとしています。しかし、交付税措置の算定に新基準を組み込み、この指導に従わない自治体には交付税が削減される仕組みとなっている以上、住民への負担増を自治体に強制していることは明らかではないでしょうか。(拍手)このような財政統制を行うべきではないと考えますが、自治大臣の御答弁を求めます。
 さらに、自治省は、五十五年度の地方財政対策を財政再建元年であると自賛しています。けれども、これは将来、国民への大増税を前提としたものであることは、地方財政収支試算でも明らかであります。すなわち、さきに発表された地方財政収支試算によれば、向こう四年間、新規増税だけでも二兆七千億円、累積額では実に七兆一千億円に上る大増税が予定されているのであります。これに国税での累積十五兆二千億円の増税を加えると、実に国民一人当たり二十万円、四人家族で八十万円の負担増を国民に押しつけるものであり、断じて許すことのできないものであります。(拍手)
 総理にお伺いいたします。
 将来の地方財政再建に当たって、一般消費税を地方福祉税などと名称を変えて持ち出してくることはないとお約束できるかどうか、明確に御答弁をお願いいたします。
 さらに、行政改革と関連する国と地方の関係の問題であります。
 真の地方自治確立のためには、交付税率の引き上げ、地方税源の充実、補助金制度の抜本的見直しや機関委任事務の再配分問題など、抜本的な対策を講ずべきであります。
 これらの問題については、すでに地方制度調査会の答申などで繰り返し指摘され、また、全国地方自治体の一致した要求として叫ばれてきたものであります。
 総理にお伺いいたします。
 まず、縦割り行政、二重行政と批判の強い現行の補助金制度を抜本的に見直すことが必要であります。これを福祉補助金、教育補助金というように、地方自治体が自由に裁量できる総合補助金制度に改めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。さらに、地方自治権を侵害している機関委任事務制度は、原則として廃止するべきであります。住民に身近な事務は地方自治体に任せるという原則に立って、国と地方の事務と権限の再配分を行うべきであると考えます。総理の責任ある御答弁を求めます。
 最後に、この際、高校建設問題についてお尋ねをいたします。
 高校進学率が九四%に上り、高校はまさに準義務教育化しております。希望するすべての生徒に高校教育を保障することは、国の重要な責務であり、そのためには、国が高校建設に対する十分な補助を行うべきであります。
 そこで、総理並びに文部大臣にお伺いいたします。
 五十五年度で期限切れとなる高校新増設に対する国庫補助を五十六年度以降も継続すべきであると考えますが、いかがでしょうか。明確に御答弁をお願いいたします。
 日本共産党・革新共同は、現在の深刻な地方財政の危機を打開するとともに、地方自治権の復権と拡充を目指し、引き続き奮闘することを申し述べまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#24
○内閣総理大臣(大平正芳君) 藤田さんの第一の御質問は、地方財政計画を政府の経済政策のてことして使ってはいけないのではないかという御指摘でございました。
 政府といたしましては、地方財政が国民経済において果たす役割りの重要性を考えまして、地方財政と国の財政との整合性を保つことに留意いたしておるつもりでございまして、地方財政を国の政策のてこにするなどという考えはみじんも持っておりません。
 第二に、中央、地方を通じて財政が危機を迎えておるけれども、その責任をどう受けとめておるかという御質問でございました。
 今日の財政危機は、中央、地方を通じまして、オイルショック以後の経済環境の激変に伴う経済並びに国民生活を守る意味におきまして、財政が出動いたしまして、その危機を救ったことから発しておるわけでございまして、財政の出動によってこの事態を収拾する道を選択いたしました私どもの政策は誤りではなかったと考えております。しかしながら、財政状態をこのまま置いておくということはできませんので、できるだけ早く再建の方途を講じなければならぬということで、ことしから財政再建にかかっておるわけでございます。
 第三の御質問は、財政再建のために福祉政策が犠牲になっておるのではないかという御指摘でございます。
 これはたびたび本院におきましても申し上げておるとおり、一般に財政規模そのものを抑えてまいりましたし、一般行政費は五・一%程度の増加にとどめたけれども、中央財政におきまして福祉を七・七%確保いたしておるところからごらんいただけますように、福祉政策というのは、こういう困難なときにおきましても、政府はできる限り財源を確保するように努力しておることは評価していただきたいと思うのでございます。
 それから第四番目に、地方財政再建財源につきまして、どういうことを考えておるかということでございました。
 財政再建は中央、地方を通じての緊急の課題でございまして、そのためにはひとり歳入ばかりでなく、歳出も全体にわたりまして見直す必要があると考えておりまして、今後、歳入歳出を通ずる財政構造の健全化を具体的にいかに進めていくかにつきまして、広く各界各層の御意見を伺いながら検討して、妥当な結論を出したいと考えております。
 次には、補助金制度についてのお尋ねでございました。個別的な補助金制度を改めまして、福祉とか教育とかいう大枠の総合補助金制に改めるべきではないかということでございました。
 国と地方との行政事務の配分にもこの問題は関連してまいりまするし、特定の政策を実現するための補助金制度本来の意味から申しましても、直ちに仰せのような総合補助制をとるわけにはいかないと考えております。しかしながら、補助金の整理合理化につきましては、一段と力を入れてまいるつもりでございます。
 その次には、機関委任事務は原則として廃止して、住民に身近な事務は自治体に任せるべきではないかというお尋ねでございました。
 わが国の健全な発展のためには、地域の特性を生かした主体性のある地域づくりを進めることが必要であると私も考えております。そのためには、住民の身近なところで住民の意思を反映しながら行われる行政事務は、地方公共団体にやっていただくことが適当であろうと、原則的にはそう考えております。
 このような観点に立ちまして、御指摘にもございましたが、地方制度調査会の御答申も踏まえまして、地方公共団体への事務移譲及びこれに伴う財源配分等につきましては、鋭意これを推進してまいるつもりでございます。
 最後に、高校建設のお尋ねでございましたが、これは文部大臣からお答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#25
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えをいたします。
 第一点は、地方財源不足額を当初要求より少額にしたのは、交付税を政治的に下げたのではないのかと、こういう御質疑でございましたが、五十五年度の地方財政の収支見通しの作業につきましては、五十五年度の経済運営及び税制改正の方向が定まりまして、国の五十五年度の予算及び五十四年度の補正予算の編成作業が煮詰まるに従いまして、地方財政の姿も明らかとなって、最終的に二兆五百五十億円の財源不足、こういう額が見込まれることになったものでございます。御指摘のように特別な操作をしたものではございません。その点は御理解をしておいていただきたいと思います。
 第二番目は、人口急増市町村の起債制限二〇%、これの救済措置を講じたらどうだ、こういう御意見でございますが、各地方団体の財政の健全性を確保をしたいということから、地方債の元利償還金が一定の割合を超して過大になっておる団体につきましては、一部の地方債の発行を制限いたしております。五十四年度で見ますというと、これに該当する団体、全国で九市町村でございます。人口急増市町村はそのうちの二つでございます。
 この二つの市について見ますというと、それぞれ固有の、特有の事情があるようでございます。そこで、地方債の制限を受けるに至ったのでございますが、従来から関係の府県を通じまして、当該団体の実態に即応した適切な財政指導を行っております。また、必要な制限外の地方債の資金、これにつきましては、政府資金を優先配分をするというようなこともいたしておりますが、今後とも、これらの団体に対しましては十分指導、連絡等にも配意をしてまいりたい、かように考えておるような次第でございます。
 三番目は、地方財政計画の中では、一般行政費の伸び率を抑えて自治体の福祉費の伸びを低くしておる、これが一体日本型の福祉社会かと、こういった厳しい御意見でございましたが、私どもの地方財政計画では、財政の健全化を進めるという意味合いで、歳出全般について抑制型に組んでおることはしばしばお答えをいたしておるとおりでございます。一般行政費につきましても、その一環として節減合理化を行ったのでございますけれども、地方団体が実施をする福祉施策等につきましては、自主的にその推進が図られまするように、福祉経費等については他の経費に比べて手厚く、われわれといたしましては配慮をいたしておるつもりでございまするので、御理解を賜りたいと思います。
 最後は、使用料、手数料の新基準を交付税の算定に組み込むのは、地方自治に対する国の財政統制ではないのか、これは改めたらどうだ、こういう御質疑でございますが、五十五年度の地方財政計画について見ますというと、一例として高等学校の授業料を考えてみますというと、国立学校の授業料の引き上げが行われたということに対応いたしまして、受益者から適正な負担を求める、こういう趣旨で、公立の高等学校の授業料についても、学年進行による引き上げ措置を講ずることにいたしております。そこで、そうなれば、地方交付税の算定においても引き上げ措置を前提として計算をする、そして財源措置を講ずる、こういうことは、私は当然のことではなかろうかな、かように考えるわけでございます。もちろん、地方交付税の性格がございまするので、具体的な授業料の改定につきましては、地方団体が自主的に判断をなさって一向に差し支えないものでございます。私どもとしては、国による財政統制であるというふうには考えておりません。
 なおまた、御質疑の中に、増税額が何兆円とかという御意見がございましたが、これは少し私どもと見解を異にいたしております。そんな増税を図っておるのではございません。恐らくや、御質疑の中の数字は、増税額でなくて自然増収の額ではなかろうかな、かように考える次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣谷垣專一君登壇〕
#26
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。
 私に対します御質疑は、人口急増地帯の高校の新増設建物に対します国庫補助の問題でありますが、御存じのとおりに、公立高校の建物の新増設につきましては、地方債、地方交付税で財源措置がなされてきたところでありますが、五十一年度からは、高校生が急増しておる都道府県に対しまして、五カ年の計画で、時限的な特例措置として国の補助を行ってまいりました。
 五十五年度予算におきましても、急増都道府県におきまして五十五年度に完了すると見込まれる建物を対象として補助を行い、必要な予算額約二百十九億円を計上しておるところであります。
 五十六年度以降の取り扱いにつきましては、実情を篤と十分に調査をいたしまして、今後慎重に検討いたしたい、かように考えておるところであります。
    ―――――――――――――
#27
○副議長(岡田春夫君) 永江一仁君。
    〔永江一仁君登壇〕
#28
○永江一仁君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました昭和五十五年度地方財政計画並びに地方交付税法の一部を改正する法律案について、総理大臣並びに関係各大臣に対して質問をいたします。
 地方財政計画によりますと、昭和五十五年度においては二兆五百五十億円の財源不足が見込まれており、しかも、本来五十六年度において使用すべきである五十四年度交付税自然増収分を差し引けば、昭和五十五年度地方財源不足額は、実に二兆七千億円にも達しようとするものであります。
 全国三千三百に及ぶ地方自治体は、昭和五十年度から連続して六年間もの深刻な財政危機に見舞われることとなったのであり、このような事態となった基本的原因は、経済の構造的変化を背景とした低成長時代を迎えたにもかかわらず、それに対応する国、地方に共通する財政計画の策定を怠り、自主財源の少ない地方に多大の借金財政を強いてきたことにあります。これをいたずらに放置し続けてきた政府・自民党の責任は、まことに重大だと言わなければなりません。(拍手)
 ちなみに、今回の財源不足額二兆五百五十億円は、地方交付税の増額一兆二百五十億円と建設地方債の増発一兆三百億円で賄うという、過去五年間と全く同じパターンであり、依然として数字の小手先操作でつじつまを合わせ、現状を糊塗しているにすぎません。地方交付税法六条の三第二項には、地方財政が引き続き財源不足となれば、地方行財政制度の抜本改革もしくは地方交付税率を引き上げるよう義務づけております。これは、地方財政を将来ともに安定させる恒久的措置の必要性を認めたものであり、今回の政府案のように、一時しのぎの策だけで事足れりというのでは、明らかに条文を歪曲解釈したものと言わざるを得ません。(拍手)すでに破綻に瀕した地方財政好転のため、自治省がかねて主張していたような地方交付税率の四〇%への引き上げは、焦眉の急であると思うのでありますが、まず、これに対する総理の御見解をお尋ねしたいのであります。
 しかも、この二兆五百五十億円という不足額にも問題があるわけでありまして、昭和五十四年度、昨年十月の時点での地方財政収支試算による昭和五十五年度の財源不足額は、三兆七千九百億円と政府みずから見込んでいたのでありますから、一兆七千三百五十億円が圧縮されたわけであります。
 国の予算編成の苦しさはわからぬものではありませんが、何ら地方の声を聞かず、大蔵大臣と自治大臣との協議のみによって地方団体の予算規模が圧縮されるのは、地方自治そのものを踏みにじる姿と言わなければなりません。(拍手)財源不足額を一方的に圧縮する過程において、自治大臣はどのように地方の声をくみ取る努力をしてきたのか、お答えいただきたいのであります。
 また、この財政収支試算によりますと、昭和五十四年度時点において、すでに二十五兆九千億円に達している地方債残高が、六十年度においては、何と五三%増の三十九兆六千億円にも上っており、しかも、これに不可避となっております財源対策債を加えますならば、残高はさらに膨大なものとなることは論をまちません。これでは、地方自治体に対して、いたずらに建設事業費を中心とした地方債を押しつけ、後年度のツケをさらに過大なものとして地方財政を圧迫することは必至であり、まさに本末転倒の議論であると言わざるを得ないのであります。(拍手)列島改造予算と言われた四十八年度のように、たっぷり公共事業をつけたものの、結局は一三%もの使い残しを出した前例があることを、この際特に想起すべきであります。
 大蔵大臣、あなたはこの地方財政収支試算において、地方自治体がこれを遂行していくに可能なだけの地方債を消化する能力があると本当に考えておられるのかどうか。また、仮に順調に消化ができるとしても、起債がどんどん認められるからといって、安易に建設事業を進めた場合に、その償還あるいは建築物の維持管理などの面について、いわゆるランニングコストとして財政の将来に禍根を残すことは必至であると考えますが、この点についての大臣の御見解をお尋ねしたいのであります。(拍手)
 また、地方債資金を円滑に消化できるようにするためにも、地方からの要望の強い公営企業金融公庫を地方団体金融公庫に改組し、安定的かつ良質な資金を供給すべきであると思うのでありますが、これに対して自治大臣はどう考えておられるのか、お教え願いたいのであります。
 次の問題は、この地方財政収支試算は、国、地方の税源配分の割合には変更がないことを前提として試算されたものでありますが、その場その場の応急措置を今後五年間にもわたって続けていくという、地方財政の現状を見捨てた後ろ向きの措置にすぎないと言わざるを得ないのであります。なぜなら、今日、税金の取り立てにおいて、国が七割、地方三割にしておきながら、仕事は地方に七割、国が三割という実態を放置したままでは、地方自治への将来の展望は全く開かれないばかりか、地方財政危機を打開する何らの手がかりも得られないものと断ぜざるを得ないからであります。地方財政の中期的見通しは、まず地方行財政制度の抜本改革にあるべきであり、この際、所得税、専売納付金などを中心に、国と地方との配分割合を少なくとも五〇対五〇とするよう、地方自主税源の強化を図るべきであると考えるのでありますが、総理の真摯な御答弁を要求するものであります。(拍手)
 八〇年代は地方の時代と言われております。高度成長優先、産業優先の立場から行われてきた極度な中央集権体制への反省が生まれ、これからは分権と自治を確立し、独自性と主体性を生かした地域社会の建設を行っていかなければならない、そういう機運が出てきたのであります。
 大平総理、あなたは、表面的にはこれらの動きに便乗して、口では田園都市構想を唱え、地域社会の魅力ある発展を政策の重要な柱の一つとされております。しかし、地方の時代と言いながら、この地方財政計画を見る限り、財政面では何らの裏づけもされておらず、地域の要請に何らこたえ得るものでないことを指摘せざるを得ません。
 政府は、五十五年度予算において補助金の整理合理化を検討され、その成果を声高にアピールされておりますが、ここでお願いしたいことは、補助金の整理合理化は財政再建に必要不可欠な見直しであることはもちろんでありますが、何よりもまず、自治体の物別陳情合戦に拍車をかけ、事務手続を複雑にし、過大な超過負担により自治体財政を圧迫するとともに、自主的な行政運営をも大きく阻害することとなっている補助金行政の弊害を断ち切ることこそを最大のねらいとしなければなりません。(拍手)
 翻って、来年度政府が実施しようとする補助金の整理合理化案を見るに、額の少ないことはもちろん、この視点からの改革案は皆無であるとしか言いようがないのであります。
 大平総理にお尋ねいたします。
 民社党は、従来から、自治の成長を阻害し、中央依存の風潮を助長し、国による画一的な行政を地方自治体に強要している国庫補助金のうち、少なくとも普通建設事業費にかかわる補助負担金分を第二交付税として地方に一括交付すべきであると主張しておりますが、これについての総理の御見解をお伺いしたいのであります。
 次に、地方超過負担の問題についてであります。
 御承知のように、補助単価が実施単価より低い単価差、基準面積が実態に比較して低い数量差、あるいは対象範囲が実際に比較して限定されている対象差などのため、地方自治体は国庫補助負担額以上の経費負担を負い、本来ならあり得るはずのない過大な超過負担を強いられております。地方超過負担の解消のために、五十五年度においてどういう措置をとられるおつもりなのか、自治大臣にお伺いしたいのであります。
 この問題について、具体的に一、二お尋ねいたしますが、今日、幼稚園教育というものがほとんど義務教育化している現状から、その経費も巨額となって、地方財政を圧迫しております。そこで、学園数、園児数及び学級数を測定単位とする費目の新設、園舎の建設費等の事業費補正により、経費の充実強化を図ってほしいという悲鳴に似た叫びが各地方自治体から上がっておりますが、いかがお考えでありますか、お聞かせいただきたいのであります。
 現状においては義務教育にあらずというだけでは納得できないのでありまして、国民の実体感と制度のずれを埋めることこそが、国民にこたえる政治であると言わなければなりません。
 さらに、もう一点は、同一市域内における人口移動による人口急増地域、すなわち同じ市におけるドーナツ化現象による小中学校の義務教育施設の新設のため、その用地費を初め膨大な費用を要し、それが地方財政を圧迫する大きな要因となっております。現状においては市町村全体での人口増しか認められておりませんが、よりきめの細かい考察が必要であると考えますが、いかがお考えであるか、お答え願いたいのであります。
 最後に、地方自治体における行政改革についてお尋ねいたします。
 現在、国、地方を通ずる行政改革の断行が緊急の課題となっております。特に公務の能率化と公務員の綱紀粛正が強く叫ばれている中で、住民の目を隠れて支給される地方自治体のやみ給与が、昨年夏、千葉県銚子市で発覚したのをきっかけに、根拠のない超勤手当、常識外れの特別昇給、架空の研修費など、さまざまなからくりが各地の地方自治体で次々と明るみに出ております。また自治省が昨年末に調査されました汚職事件調査によりますと、昭和五十三年度において、自治体汚職が百三十二団体で発覚、その関係職員が二百八十八人にも及び、団体、件数、関係職員ともに前年度を上回り、職員数では約四分の一も増加をしております。まことに憂慮すべき事態であり、地方自治体自身もえりを正して行財政の改革に取り組んでいかなければならないのでありますが、このような自治体に対してどのような指導をされていくおつもりなのか、自治大臣のお考えを明らかにされたいのであります。
 以上、五十五年度地方財政に関する幾つかの問題につき質問をいたしましたが、関係諸大臣の明確なる御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#29
○内閣総理大臣(大平正芳君) 永江さんの最初の御質問は、地方財政の危機打開のためには、交付税率を四〇%に引き上げる必要があるのではないかという御趣旨のものでございました。
 交付税率の引き上げにつきましては、国家財政がこのような苦しい状況でございます以上、大変困難であると思いますけれども、地方財政の財源不足額につきましては、地方財政の重要性にかんがみましてこれを完全に補てんいたしまして、地方財政の運営に支障を来すことのないように措置いたしておるところでございます。
 しかしながら、地方財政が今日のような財源不足の状況から脱却いたしまして、その健全性を回復するためには、御指摘の趣旨に沿いまして、地方税、地方交付税等自主財源の充実を図ることが必要であると考えます。このことにつきましては、今後、税制調査会、地方制度調査会等の御答申の趣旨を体して、具体的な方策について十分検討していきたいと考えております。
 第二の問題は、地方自主税源の強化のためには、所得税、専売納付金などを中心に、国と地方の財源配分割合を少なくとも五〇対五〇にするように配慮すべきではないかということでございます。
 地方団体が自主独立の精神に基づきまして、みずからの責任においてその役割りを十分果たしていくためには、自主税源の充実を図ることが必要であることは仰せのとおりと心得ております。しかし、直ちに五〇対五〇の原則でこれに対応するということには、にわかに賛成いたしかねるわけでございます。何となれば、国と地方の間の税源配分は、国、地方を通ずる事務配分や税源偏在の調整問題と深くかかわりを持っておりますことは、永江さんも御承知のとおりでございます。したがって、この問題につきましては、先ほども申しましたように、地方制度調査会、税制調査会等の御審議を煩わしながら、地方税源の充実強化に努力していきたいと考えます。
 第三の問題は、補助金の制度の改善のやり方といたしまして、これを第二交付税として一括交付するというような方法が望ましいのではないかという意味の御質問でございました。
 永江さんの御主張になりますように、国による画一的な行政は、私もまたこれを改善していく必要を痛感しておるものでございますが、これは、補助金制度の趣旨から申しましても、また、行政事務の配分問題から申しましても問題のあることでございますので、国庫補助金制度の改善、合理化につきましては、第二交付金というような一括した整理の方向をとるということには、にわかに賛成いたしかねますけれども、そういう補助金の合理化、改善につきましては、鋭意積極的な推進を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
#30
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えをいたします。
 まず、第一の御質疑は、五十四年度の地方財政収支試算における五十五年度の財源不足額が三兆七千九百億となっておったが、五十五年度の財政措置では二兆五百五十億円に圧縮されておる、自治省は大蔵省との協議に当たって地方の声をどこまで聞いてこういった数字を煮詰めていったのか、こういう御質疑でございます。
 このような結果になりましたのは、一つは、歳出について国の予算同様全般的に抑制的な基調を貫いたということ、第二番目は、景気の実勢に対応いたしまして、地方税及び国税三税の三二%の地方交付税において大幅な増加が見込めたということ、第三番目は、五十四年度補正予算に係る地方交付税増加額の大部分を五十五年度に加算する措置を行った、こういった理由によりまして、二兆五百五十億の財源不足ということに数字的に煮詰まったのでございます。
 なおまた、地方財政収支試算でございますが、これは新経済七カ年計画の基本構想に示されました諸指標を前提として、さらに一定の前提を置いた経済の推移を想定をしてつくられておるものでございますので、その想定と現実の経済、財政の動きの間に差が生じるのは、これはある程度やむを得ないというふうに考えられるわけでございます。
 また、五十五年度の地方財政措置に関しましては、地方制度調査会長の意見であるとか、地方財政審議会の意見あるいは地方六団体あるいは地方団体直接にいろいろ御要望等も承りまして、地方税源の充実、交付税総額の確保、それから財源対策債の縮減、住民に直結をした社会資本整備のための地方単独事業の規模の確保等を実現をするとともに、その結果につきましても、地方六団体に御説明をし、御理解と納得を得るようにいたしておるような次第でございます。
 それから、第二番目の御質疑は、起債の増発によって安易な建設事業を進めると、その償還であるとかあるいは維持管理のために将来に財政上の禍根を残すのではないか、これについての見解はどうだ、こういう御意見でございましたが、これはお説のような心配がございます。
 そこで、五十五年度を財政再建の第一歩と私どもは心得まして、その健全化を促進するために、五十五年度の地方財政対策に当たりましては、地方税あるいは地方交付税等の一般財源の増強を図りながら、財源対策債については前年度より六千百億円の縮減を図る、かような処置をとったわけでございます。
 ただ、御承知のように、地方財政、依然として大幅な収支不均衡が続いております。このような状態からできるだけ早く脱却をして、地方財政の健全化を図るというためには、何といいましても一般財源の充実強化、こういったことが必要であると考えておるわけでございます。
 なおまた、償還費等につきましては、毎年度の地方財政計画で所要額を計上いたしまして、地方財政の運営には支障が生ずることのないように対処をいたしておるものでございます。また、維持管理費等管理的経費の増加をもたらすような施設に係る建設事業を行う場合には、後年度の財政負担がどうなるかといったようなことも十分検討をしていただくように指導もいたしておるような次第でございます。
 第三番目は、公営企業金融公庫を地方団体金融公庫に改組して、良質な地方債資金が地方に渡っていくようにしたらどうだ、こういう御意見でございます。
 この問題は、実は五十二年度から論議がございました。それで、五十三年度から、地方団体金融公庫、つまり一般的な広がりということはできておりませんけれども、公営企業以外の事業、すなわち普通会計の事業でございます道路あるいは河川等の整備事業を公庫の貸付対象に加えた措置を講じたのでございますが、今後とも、やはりこういった地方債の良質資金を獲得するということは大変重要なことでございまするので、そういった点には十分配慮して、引き続きこういった問題については検討を続けてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 それから、第四番目は、超過負担の解消の措置はどうするのだ、こういう御質疑でございます。
 これはもちろん財政秩序を乱すもとになっております。そこで、四十三年以来、自治省といたしましては、関係省庁とともに実態調査をしながら、毎年毎年この解消措置を講じておるのでございます。五十五年度も、警察施設の補助金であるとか社会福祉の施設であるとかあるいは職業訓練施設であるとか、こういうものについては是正措置をいたしました。同時にまた、生活保護指導の関係職員の給与費等についても改善措置を講じておるのでございます。ことしは総額、事業費で二百四十三億の改善措置を講じておるということを御報告を申し上げておきたいと思います。
 なおまた、幼稚園についても義務教育化されておるのだから小中学校並みの財政措置を講じろ、こういうことでございますが、今日幼稚園は就学率が六四%でございます。そこで、いまの段階では義務教育化しているとは私どもは考えておりませんけれども、幼児教育に対する社会的な要請が大変強い、こういうことでございまするので、私どもといたしましては、国庫補助金のほか地方債あるいは交付税等を通じてできる限りの財源措置を講じてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 最後に、やみ給与、地方自治体の汚職の増加が見られるが、これらに対してどう自治省は指導するのだ、こういうことでございますが、最近一部の団体でやみ給与等が明るみに出て、このこと自体、地方自治そのものに対する信頼感を揺るがすというような問題でございまするので、私どもとしては重要な問題として受けとめております。また、こういったことは、本来行政サービスに回す金がそれ以外の人件費等になるわけでございまするので、財政状況の厳しい今日、さらにまた財政秩序という面からも許されない、かように考えております。
 自治省といたしましては、昨年八月、やみ給与、空出張等の根絶を図ってもらいたいということで各地方団体に通達もし、各地方団体それぞれに措置をとっていただくようなことにいたしておるわけでございます。今後とも、さらに、こういった面については十分地方団体と相ともに努力をしてまいりたい。
 また、自治体関係の汚職事案でございますけれども、これは、究極的には職員個人個人の倫理観といいますか、それに待つ以外実は方法がありません。しかしながら、自治省といたしましては、こういった地方団体の汚職事件の中身、それからそれの防止のためにとった措置、そういった具体的な事例に即しまして、その都度地方団体に資料をお渡しをして注意を喚起し、同時にまた、職員研修等の際に十分ひとつ指導していただきたい、こういうことをやると同時に、やはりこういった問題については組織、機構についての相互牽制、こういったような組織の見直しあるいは人事管理の適正化、こういう点についても十分配意をしてもらいたいということで、今日一生懸命に努力をいたしておりますが、事柄はきわめて重要な問題でございまするので、私どもとしても一層の努力をいたしたい、かように考えているような次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#31
○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。
 私に対する御質問は、地方財政収支試算によれば、地方債の残高は膨大なものである、地方公共団体にこれだけの地方債を消化する能力があるか、こういう御質問でございます。
 確かに、地方財政収支試算によりますれば、御指摘のとおり、地方債残高は、昭和五十五年度二十八兆九千億円から、昭和六十年度には三十九兆六千億円に達すると見込まれております。地方財政収支試算は、自治省が一定の仮定を置いて試算したものでありまして、地方債の残高が現実にどのように推移するかにつきましてはなかなか予測が困難でありますが、現下の国、地方を通ずる異常な財政状況を考えますと、国が特例公債をも含む巨額の国債に依存していること等に対応して、地方におかれても、投資的経費の財源確保につきましては、建設地方債の活用をお願いすべきものであると考えております。したがいまして、お説のごとく、今後地方債残高が増加することは十分に考えられることであると思っております。
 そこで、地方債の発行が地方財政に与える影響につきましては、地方債依存度は、国の国債依存度と比較いたしますとまだかなり低くあります。また、地方債の元利償還に必要な経費は、すべて地方財政計画に計上いたしまして、地方財政全体として必要な財源手当てを講ずることになっておりますので、現状において地方債の発行が地方財政の運営を圧迫しているということは、必ずしも考えておりません。
 なお、政府としましては、従来から、一般市町村のいわゆる財源対策債につきましては原則として全額政府資金で引き受けることとしておりますほか、縁故債の消化につきましても配意しておるところでありまして、今後とも、地方債の円滑な消化につきましては十分配意してまいりたいと考えております。
 以上をお答えといたします。(拍手)
#32
○副議長(岡田春夫君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#33
○副議長(岡田春夫君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        文 部 大 臣 谷垣 專一君
        自 治 大 臣 後藤田正晴君
 出席政府委員
        自治省財政局長 土屋 佳照君
ソース: 国立国会図書館
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