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1979/04/17 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 本会議 第18号
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1979/04/17 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 本会議 第18号

#1
第091回国会 本会議 第18号
昭和五十五年四月十七日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十五号
  昭和五十五年四月十七日
    午後二時開議
 第一 行政書士法の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
 第二 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)
 第四 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
 第五 船舶のトン数の測度に関する法律案(内閣提出)
 第六 民法及び家事審判法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第七 日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件
 第八 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 第九 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 第十 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件
 第十一 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件
 第十二 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件
 第十三 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 第十四 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 第十五 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 第十六 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日程第一 行政書士法の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
 日程第二 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
 日程第五 船舶のトン数の測度に関する法律案(内閣提出)
 日程第六 民法及び家事審判法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件
 日程第八 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第九 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第十 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件
 日程第十一 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件
 日程第十二 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件
 日程第十三 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第十四 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第十五 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第十六 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後二時五分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
#3
○議長(灘尾弘吉君) お諮りいたします。
 内閣から、日本放送協会経営委員会委員に阿部英一君、佐方信博君、田中眞一郎君、田村祐造君及び西村俊一君を任命したいので、本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
#5
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 行政書士法の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
#7
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一、行政書士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。地方行政委員長塩谷一夫君。
    ―――――――――――――
 行政書士法の一部を改正する法律案
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔塩谷一夫君登壇〕
#8
○塩谷一夫君 ただいま議題となりました行政書士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本案は、行政書士の業務の実態にかんがみ、行政書士の業務に書類提出手続の代行業務及び書類の作成について相談に応ずる業務を加えることとともに、行政書士の業務と社会保険労務士の業務との調整を図るほか、経済情勢の変動等にかんがみ、罰金及び過料の金額を引き上げることとするものであります。
 本案は、四月八日地方行政委員会において、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定いたしたものであります。
 何とぞ、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#11
○議長(灘尾弘吉君) 日程第二、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長木野晴夫君。
    ―――――――――――――
 恩給法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔木野晴夫君登壇〕
#12
○木野晴夫君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近の経済情勢にかんがみ、恩給年額を増額するとともに、戦没者等の遺族、傷病者及び老齢者の処遇の改善を図るほか、旧軍人等の加算年の減算制の緩和等の措置を講じ、恩給受給者に対する処遇の充実を図ろうとするものであります。
 本案は、二月十五日本委員会に付託され、三月二十五日提案理由の説明を聴取、審査を行い、四月八日質疑を終了いたしましたところ、自由民主党・自由国民会議の唐沢俊二郎君から、施行期日に関する修正案が提出せられ、趣旨説明の後、採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第三 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)
#15
○議長(灘尾弘吉君) 日程第三、昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長増岡博之君。
    ―――――――――――――
 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔増岡博之君登壇〕
#16
○増岡博之君 ただいま議題となりました昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、昭和五十五年度の租税収入の動向等にかんがみ、同年度の財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活と国民経済の安定に資するため、昭和五十五年度の特例措置として、財政法第四条第一項ただし書きの規定により発行する公債のほか、一般会計において特例公債を発行することができることとしようとするもので、その内容を申し上げますと、
 まず第一に、昭和五十五年度の一般会計歳出の財源に充てるため、予算をもって、国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債を発行することができることといたしております。
 第二に、特例公債の発行は、昭和五十六年六月三十日まで行うことができることとし、同年四月一日以降に発行される特例公債に係る収入は、昭和五十五年度所属の歳入とすることといたしております。
 第三に、この法律の規定に基づく公債の発行限度額について国会の議決を経ようとするときは、その公債の償還の計画を国会に提出しなければならないことといたしております。
 第四に、この法律に基づいて発行される公債については、償還のための起債は行わないものといたしております。
 本案につきましては、参考人を招致してその意見を聴取する等、慎重に審査を行い、四月九日質疑を終了いたしましたところ、稲村利幸君外三名から、自由民主党・自由国民会議提案に係る、施行期日を「公布の日」に改めることとする修正案が提出されました。
 次いで、原案及び修正案を一括して討論を行った後、採決いたしました結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しましては、附帯決議が付せられましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(灘尾弘吉君) 討論の通告があります。これを許します。島田琢郎君。
    〔島田琢郎君登壇〕
#18
○島田琢郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま採決に付されようとしている昭和五十五年度に発行される特例公債の法律案に、反対の立場から討論をいたします。(拍手)
 この法律案が提案されて以来、わが党は、まず、本会議において総理や関係閣僚に対し、国民本位の財政再建の緊急性を強調しつつ、幾つかの問題点を指摘し、かつ、わが党の日本経済の改造計画に基づく具体的な財政再建案を提示し、政府の決断を迫ってまいりました。
 さらに、委員会における質疑を通しては、巨額の国債発行のもたらす危険性、とりわけ国民生活防衛の立場から、政府の姿勢を厳しく追及をしてまいりましたが、政府は「財政再建元年の前夜」などと言葉をもてあそび、注意深く耳を傾ける国民に、何ら納得できるような具体的な方向を明示することなく終始してきた態度は、断じて容認することができません。(拍手)
 申すまでもなく、わが国の財政は健全化のかけ声をよそに悪化の一途をたどり、国債の依存度は、アメリカ五・五%、イギリス一〇・六%、西ドイツ一一・五%、フランス五・二%で、その合計額は六百億ドルと、日本の三三・五%、六百三十億ドルは、四カ国の合計額に比べて依然けた外れに高いのであります。ちなみに、昭和五十五年度末には国債発行残高は七十兆数千億ともなり、地方債を合わせるとおおよそ百兆円となって、国債に抱かれた財政というよりは、国債にのみ込まれた財政からことしもまた脱皮できない状態にあることは、何人も否定し得ないところであります。
 わが党は、あらゆる機会を通じ、国民生活を守る立場から、こうした破局的状況に立ち至る前に財政立て直しを図るべきであるとして、そのための具体的な提案をし続けてまいりましたが、政府は一顧だにせず、財政再建に積極的に取り組もうとする姿勢に欠け、その結果が重税、高負担、福祉の後退や弱者切り捨てとして、大事な国民生活を破壊する方向へと突き進んできたのであります。政府は、その責任の重大さとその罪まさに万死に値することを知るべきであります。
 この際、数点を挙げて、反対の理由を明確にしたいと思います。
 まず、その第一は、いま、国民の中には、財政再建の名のもとに増税や公共料金などの値上げによる生活破壊がさらに進むのではないかという、不安と危惧の念が依然消えておりません。そればかりか、卸売物価指数はまさに暴騰の様相を深め、航空運賃、電気・ガス料金、国鉄運賃、たばこなどなど、公共料金を初め諸物価の値上げはメジロ押しで、まさにラッシュ状態であります。これに財政インフレが加わればと考えますときに、まさに鳥はだ立つ思いがするのは当然でありましょう。この財政インフレを回避する具体策がなきに等しく、対策は常に後手後手となっており、むしろインフレを助長しようとしているとさえ言えるのであります。
 第二の問題点は、サラ金財政に陥った政府の現状の事態認識の乏しさと甘さが随所に見られることであります。
 財政収支試算は常に機械的で数字合わせにすぎず、明確な、責任ある財政再建計画をつくるべきであるとのわが党の主張に対しても、技術的に困難であるとか作業量が膨大であるなどと理屈を並べて、積極的にやろうとする姿勢が全くありません。一般の国民の立場から言えば、金を借りるときは、決まって、やれ担保があるか、保証人がどうだと、簡単に借りられないばかりか、必ず償還計画あるいは再建計画の提出を求められるのが金融の常識だと言われております。さらに、中小零細企業の駆け込み金融の道さえ閉ざされている中で、国だけは無担保、無保証、無条件で借りられるということで、果たして国民は納得するでありましょうか。ましてや、公債は租税の先取りであり、その負担は一般国民、そしてその子孫に及ぶものでありますから、わかりやすく財政再建計画や償還計画を国民に示すことは、政府の最低限度の責任ではありませんか。(拍手)
 また、財政危機は単なる財政上の問題だけではないのでありまして、経済政策の構造的な大胆な発想の転換が必要であることもわれわれは強く指摘してまいりましたが、貧困な増税と福祉切り捨ての発想から政府は依然脱却しようとしていないというのは、きわめて遺憾であり、むしろこれは怠慢でさえあります。(拍手)
 第三の点は、大量国債の発行が、民間金融、特に中小企業や庶民金融に及ぼす影響についてであります。
 申すまでもなく、公債は資本の蓄積を阻害し、やがて重圧となって、中小零細企業や一般大衆にかかり、その結果、労働力が市場にあふれ、労賃の低下を招くこととなり、資本による労働力の搾取となってあらわれてくるものであります。つまり、大量の国債発行は、財政の健全化を阻害するばかりではなくて、民主化に反し、国民に後代にわたってはかり知れない負担を課することになるのでありますから、その発行された国債管理に細心の注意が払われなければならないのは、また至極当然のことであります。
 しかし、政府の国債管理対策はおざなりと言わざるを得ません。すでに市場の需給バランスは崩れていることによって明らかであります。そして、それは国債の消化がスムーズにいっていないという点にあらわれております。国債価格の暴落はとどまるところを知らず、東京証券取引所は、売り手一色で買い手なし、開店休業のありさまであり、大量の国債を抱えた金融、証券業界は、評価損や売却損を出し、とうとう自殺者まで出しているではありませんか。
 とりわけ六・一国債の流通価格は、大変な額面割れであります。サラリーマンが血と汗の代償としてもらった退職金で、勧められるままに買った額面百円の六・一国債が七十円や七十五円と言われ、それでもいいから引き取ってくれと言っても、勧めた当の証券会社でさえ引き取りを渋るとなれば、政府を詐欺罪で訴えたくなろうというものではありませんか。まさに国債残酷物語と言うべきであります。(拍手)そして、いやでもあの紙くず同然となった戦後国債をわれわれは思い出さずにはおられません。
 私は、総理に警告しておきます、歴史はよみがえる、過去を忘れる者は再びこれを繰り返すということを。
 ところで、政府は、昭和五十四年度の国債発行額は、十五兆二千七百億の当初計画より一兆八千億ほど減額になると発表しておりますが、それは、勤労国民の努力による税の自然増収や経常費の不用額などで埋め合わせることによるものであって、政府みずからの努力の結果ではないのであります。言ってみれば、神風が吹いて助けられたようなものであります。ことしまた神風が吹くという保証はどこにもありません。それどころか、インフレと不況の深まりは、それを全く不可能にするでありましょう。そしてそれは、大手都市銀行が決算方法を変えて国債暴落の帳じり合わせをしたり、大蔵省が市場メカニズムへの人為的介入によって、市場にだぶつく巨額な国債管理に場当たり的な、その場しのぎの対策に終始している限り、来年度、史上最高の国債が市場に投げ出されることになり、また、銀行や証券会社の引受能力がすでに限界に達していることや、都銀の場合など、国債の引受割当額が預金の伸びを上回って、国債が資金繰りを圧迫し、その結果、新国債を買うために、すでに持っている国債を売却しなければならなくなり、国債市況は悪化し、やがて国民にツケとなってくるこの悪循環は、依然続くでありましょう。
 この際、昭和五十九年度で赤字国債ゼロを目指すためには、わが党が主張している不公平税制と財政支出の両面にわたる大胆な財政改革を行い、勇断を持って、来年度国債は、そうした改革の中から最低でも二兆円減額を絶対要件とする決意を示されることを、私は、この際、政府に強調しておきたいと思います。(拍手)
 さらにつけ加えて言えば、さきの所得税法及び租税特別措置法の改正に当たって、国民の強く求めた不公平税制の是正や、わが党が具体的に提案している増税の手法を拒否し続けている限り、国債の増発、増加は避けられないでありましょう。とりわけ不公平税制の是正はおおむね完了したなどとする姿勢は、国民の不満と不信を深めるだけであり、むしろ国民の要求を拒否したものとして絶対容認できないものであります。(拍手)
 最後に、なりふり構わぬ国債の増発によって、国債の発行残高は現在でも五十六兆円をはるかに超え、それは一万円札を横に並べると地球と月を一往復半するほどのものであり、国民一人当たりが五十万円以上の借金をしょっていることになるこの現実は、国民にとってきわめて重大なことであります。
 現に、国債消化政策は家計に強い影響を及ぼしつつあります。決定的な国民生活破壊の元凶とさえなりかねません。五次にわたる公定歩合の引き上げの際、国債の発行金利を抑えるために、預貯金金利の上げ幅を公定歩合の半分以下と抑え込んだのでありますから、片っ方で国債の借金をしょいながら、なけなしの貯金の金利は低く抑えられるでは国民はたまったものではありません。往復びんたを食らっているようなものであります。
 いま私が一番心配していることは、国民の政治に対する不信であります。ロッキード事件、ダグラス問題、そうして今度の浜幸賭博事件と、偶然であるとしても、余りにも符合し過ぎる……
#19
○議長(灘尾弘吉君) 島田君、島田君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#20
○島田琢郎君(続) 五億円単位の金がいとも簡単に動かされている。このような麻痺しきった金銭感覚で財政再建が一体できるとお考えでありますか。しかも、そうした事態に、責任ある総理が超寡黙で、アーウーばかりでは、政治を信頼してくれ、財政再建に協力してくれなどと幾ら言ったって理解できるはずがないのであります。
 総理は、もっと……
#21
○議長(灘尾弘吉君) 島田君、島田君、申し合わせの時間が過ぎましたから、簡単に願います。
#22
○島田琢郎君(続) 口も目も大きくあけて、大きな声で国民が納得できるように具体的に説明すべきであることを私は率直に提言し、反対討論を終えるものであります。(拍手)
#23
○議長(灘尾弘吉君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#24
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#25
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第四 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
#26
○議長(灘尾弘吉君) 日程第四、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。逓信委員長小林進君。
    ―――――――――――――
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小林進君登壇〕
#27
○小林進君 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本件は、日本放送協会の昭和五十五年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。
 まず、収支予算について申し上げます。
 受信料の月額については、協会の最近の経営状況及び今後の見通し等にかんがみ、財政基盤の安定を図るためこれを改定することにしております。
 その内容は、本土においては、普通契約を四百二十円から五百二十円に、カラー契約を七百十円から八百八十円に、また、沖縄においては、普通契約を三百三十円から四百十円に、カラー契約を六百十円から七百六十円に、それぞれ二四%値上げしようとするものであります。
 これらの改定により、受信料収入は二千七百三十一億七千万円となり、これにその他の収入を含めて、事業収入の合計は二千七百八十九億二千万円となっております。
 これに対し、事業支出は二千五百四十二億六千万円であり、その結果、事業収支差金は二百四十六億六千万円を予定しております。
 また、資本収支は、収入支出とも四百二十億円を予定しており、このうち、中継局等の建設、設備の整備等のための建設費は二百四十億円を計上しております。
 次に、事業計画については、難視聴解消のための中継局等の建設、視聴者の意向に応じた放送番組の提供、視聴者の生活実態に即した営業活動による受信料収納の確保等の諸施策を実施することとし、これらの実施に当たっては、極力合理的、効率的運営に努力することとしております。
 最後に、資金計画については、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てております。
 なお、本件には、協会の五十五年度収支予算等は、「おおむね適当と認める。」との郵政大臣の意見が付されております。
 また、本件が五十五年度の事業開始日である四月一日までに国会の承認を得られませんでしたので、協会は、現在、放送法第三十七条の二の規定に基づき、郵政大臣の許可を得て、三十日間の暫定収支予算等により、その業務を実施しております。
 本件は、去る三月十七日逓信委員会に付託され、委員会においては、同十九日大西郵政大臣から提案理由の説明を、また、日本放送協会当局からも説明を聴取した後、質疑に入り、参考人を招致するなど、慎重な審議を行い、四月十日質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。なお、採決の際、日本共産党・革新共同所属委員は退席されておりますことを申し添えます。
 また、本件に対し、放送の不偏不党と表現の自由の確保、難視聴対策の効率的推進、企業努力の徹底、今後の受信料改定の抑制及び経営委員会の運営の周知などを内容とする附帯決議を付したことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#29
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第五 船舶のトン数の測度に関する法律案(内閣提出)
#30
○議長(灘尾弘吉君) 日程第五、船舶のトン数の測度に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。運輸委員長古屋亨君。
    ―――――――――――――
 船舶のトン数の測度に関する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔古屋亨君登壇〕
#31
○古屋亨君 ただいま議題となりました船舶のトン数の測度に関する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 船舶のトン数の測度に関しては、従来国際的に統一された基準がなく、海事諸法令の適用に当たって国際間の統一性が確保できない状況となっていたため、昭和四十四年六月、政府間海事協議機関において千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約が採択されました。
 本案は、本条約をわが国において実施し、あわせてわが国における海事に関する制度の適正な運営を確保するため、トン数の測度の基準を全面的に改正するとともに、国際航海に従事する船舶について、そのトン数を証明する制度を新たに設けるなど、船舶のトン数の測度に関する国内法制の整備を図ろうとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、船舶の大きさ等をあらわす指標として国際総トン数、総トン数、純トン数及び載貨重量トン数を定め、その測度の基準を整備すること、
 第二に、国際航海に従事する日本船舶について、国際トン数証書等の交付に関する規定を整備すること、
 第三に、この法律は条約が日本国について効力を生ずる日から施行することとし、現行の船舶積量測度法はこれを廃止することとするとともに、現存日本船舶については、一定の場合を除き従前の例によることといたしております。
 本案は、去る三月十七日本委員会に付託され、同月十九日地埼運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、四月一日、八日、十五日質疑を行い、同月十六日採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し、「トン数の測度基準の変更に伴い、船内の居住設備や作業環境が悪化することのないよう、所要の措置を考慮すべきである。」旨の附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第六 民法及び家事審判法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#34
○議長(灘尾弘吉君) 日程第六、民法及び家事審判法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長木村武千代君。
    ―――――――――――――
 民法及び家事審判法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔木村武千代君登壇〕
#35
○木村武千代君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近の家族関係の実態等にかんがみ、配偶者の相続分の引き上げ、寄与分制度の新設等を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、子及び配偶者が相続人であるときは、子及び配偶者の相続分はおのおの二分の一に、配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は三分の二、直系尊属の相続分は三分の一に、配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は四分の三、兄弟姉妹の相続分は四分の一にそれぞれ改めるものとすること、
 第二に、兄弟姉妹を代襲して相続人となる者は、兄弟姉妹の子に限るものとすること、
 第三に、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした相続人は、遺産の分割において、相当額の財産を取得できるものとすること、
 第四に、兄弟姉妹以外の相続人の遺留分は、直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の財産の三分の一、その他の場合には、被相続人の財産の二分の一とすること、
 第五に、家事審判事件につき、審判前の保全処分に執行力を付与し、遺産分割等の審判事件については、審判に先立って遺産の換価を命ずることができるものとすること、
 第六に、配偶者が取得した財産のうち、遺産額の二分の一までは相続税を課さないものとすること
等であります。
 委員会においては、三月十八日提案理由の説明を聴取し、自来、参考人の意見を聴取する等、慎重審査を行い、昨十六日質疑を終了し、直ちに採決を行ったところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#36
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第七 日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件
 日程第八 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第九 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第十 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件
 日程第十一 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件
 日程第十二 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件
 日程第十三 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第十四 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第十五 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
#38
○議長(灘尾弘吉君) 日程第七、日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日程第八、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、日程第九、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、日程第十、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件、日程第十一、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件、日程第十二、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件、日程第十三、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第十四、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結についての承認を求めるの件、日程第十五、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結についての承認を求めるの件、右九件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長中尾栄一君。
    ―――――――――――――
 日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件及び同報告書
 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中尾栄一君登壇〕
#39
○中尾栄一君 ただいま議題となりました九件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、アルゼンチンとの間の文化協定は、学者交換等の人物交流及び両国の文化的諸団体の間の協力の奨励、文化面における種々の便宜供与等を規定しております。
 次に、ハンガリー及びポーランドとの間の租税条約は、いずれも事業所得についての課税方法、船舶または航空機の運用によって生ずる所得についての免税措置、配当、利子及び工業的使用料等についての課税率等について規定しております。
 次に、菌寄託ブダペスト条約は、微生物に係る特許出願につき、出願人の負担を軽減するために作成されたものでありまして、一定の要件を満たした微生物の寄託機関を国際寄託当局とし、締約国はいずれかの国際寄託当局に対して行った微生物の寄託を自国における特許手続上承認すること等を規定しております。
 次に、野生動植物取引規制条約は、野生動植物が人間の開発活動により、その生息域を狭められ、絶滅のおそれが生じているため、これらの野生動植物を国際取引の規制という面から保護することを目的としたものでありまして、特に厳重な規制が必要とされる種については、商業的目的のために輸入等を行うことを禁止することを主な内容としております。
 なお、政府は、条約の締結に際し、附属書1に掲げる「ながすくじら」「じゃこうじか」「あおうみがめ」「たいまい」「ひめうみがめ」「いりえわに」「インドおおとかげ」「あかおおとかげ」「さばくおおとかげ」の九つの種について留保を付することを予定しております。
 次に、野生動植物取引規制条約改正は、野生動植物取引規制条約の事務局の運営、経費等を確保をするための改正であります。
 次に、日伊租税条約改正議定書は、イタリアが昭和四十九年一月に所得税制度の改正を行ったことに伴う改正でありまして、イタリア側の一般対象税目をイタリアの新税制に合わせて個人所得税、法人所得税及び地方所得税とすること、旧税制下の税目別に定めていたイタリアにおける二重課税の排除方法に関する規定を、新税制に合わせて一本化するとともに、税額控除の控除限度額を拡大すること等を規定しております。
 次に、日英租税条約改正議定書は、イギリスが昭和四十八年四月から配当に対する課税方法を大幅に変更したことに伴う改正でありまして、イギリス側の対象税目に新たに開発用地税及び石油収入税を加えるとともに、わが国の法人等がイギリスに投資したことによって受領する配当に関して、イギリスの投資家と同様のタックス・クレジットが認められること等について規定しております。
 次に、フィリピンとの間の租税条約は、事業所得についての課税方法、船舶または航空機の運用によって生ずる所得についての課税率、配当、利子及び無体財産権等についての課税率等について規定しております。
 以上九件中、アルゼンチンとの文化協定及び相続条約五件は三月十七日本委員会に付託され、三月二十八日政府から提案理由の説明を聴取し、他の三件は三月三十一日付託され、四月二日提案理由の説明を聴取し、四月四日九件の質疑に入りましたが、その詳細は会議録により御了承を願います。
 かくて、昨十六日質疑を終了し、採決を行いました結果、アルゼンチンとの文化協定、ハンガリー及びポーランドとの租税条約、菌寄託ブダペスト条約、野生動植物取引規制条約及び同改正は全会一致をもって、イタリア、イギリス及びフィリピンとの租税条約は多数をもって、いずれも承認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#40
○議長(灘尾弘吉君) これより採決に入ります。
 まず、日程第七ないし第十二の六件を一括して採決いたします。
 六件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、六件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。
 次に、日程第十三ないし第十五の三件を一括して採決いたします。
 三件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#42
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第十六 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#43
○議長(灘尾弘吉君) 日程第十六、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文教委員長谷川和穗君。
    ―――――――――――――
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔谷川和穗君登壇〕
#44
○谷川和穗君 ただいま議題となりました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案について、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、教育に関する条件の一層の充実を図るため、公立の小中学校、高等学校及び特殊教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準について、昭和五十五年度から計画的に改善を行い、特に小中学校の四十人学級を実現する等の措置を講ずることにより、学校教育の水準の向上を図ろうとするものであります。
 その主な内容の第一は、公立義務教育諸学校についての改善であります。
 すなわち、その一は、小中学校の一学級の児童、生徒数の標準を現行四十五人から四十人に改めること等であります。
 その二は、小中学校の教頭定数及び小学校の専科教員数を充実し、中学校の免許外教科担当教員の解消を進めること等であります。
 その三は、養護教員、学校栄養職員及び事務職員の配置基準を改善することであります。
 このほか、特殊教育諸学校小中学部について、所要の改善を行うことといたしております。
 第二は、公立高等学校等についての改善であります。
 すなわち、その一は、高等学校の教頭定数及び職業教育担当教員数を充実するとともに、習熟度別学級編制に伴う教員を加配すること等であります。
 その二は、特殊教育諸学校高等部の学級編制及び教職員定数の標準について所要の改善を行うことといたしております。
 第三は、この法律は、昭和五十五年四月一日から施行することになっておりますが、これらの改善の実施に当たっては、昭和六十五年度までの間は、今後の児童、生徒数の推移等を考慮し、漸次本改正に基づく新しい標準に近づける措置を講ずることといたしております。
 本委員会におきましては、三月二十八日政府より提案理由の説明を聴取し、昨十六日質疑を終了しましたところ、深谷隆司君外二名から、施行期日を公布の日に改め、これに伴い必要な措置を講ずることを内容とする自由民主党・自由国民会議、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案に係る修正案が、中西績介君外三名から、学級編制及び教職員定数の標準の改善計画を九カ年に短縮すること等を内容とする日本社会党の提案に係る修正案が、また、山原健二郎君外二名から、高等学校についても四十人学級の実現を図るとともに、その他の改善を行い、これらの改善計画は五カ年間とすること等を内容とする日本共産党・革新共同の提案に係る修正案がそれぞれ提出されました。
 なお、山原健二郎君外二名提出の修正案については、谷垣文部大臣より、政府としては賛成しがたい旨の内閣の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、山原健二郎君外二名提出の修正案及び中西績介君外三名提出の修正案は、いずれも賛成少数をもって否決されましたが、深谷隆司君外二名提出の修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案の審査に関連して、学級編制及び教職員定数改善計画促進に関する件について決議を行ったことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#45
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#46
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#47
○議長(灘尾弘吉君) この際、内閣提出、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣長田裕二君。
    〔国務大臣長田裕二君登壇〕
#48
○国務大臣(長田裕二君) 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 わが国における原子力船開発につきましては、昭和三十八年、日本原子力船開発事業団を設立し、原子力第一船「むつ」の開発を進めてまいりましたが、昭和四十九年九月の放射線漏れの発生等の事情により、その開発計画は大幅に遅延しております。このため、わが国の原子力船に関する技術は、すでに原子力船の建造、運航の経験を有する米国、西ドイツ等の先進諸外国に比べ、かなりおくれた段階にあると考えられます。
 政府は、このような情勢にかんがみ、わが国における今後の原子力船に関する研究開発の進め方について改めて検討を加えました結果、エネルギー資源に乏しく、かつ世界有数の造船、海運国であるわが国としては、海運の分野におけるエネルギー供給の多様化及び安定化を図る見地から、長期的な観点に立って原子力船に関する技術を着実に蓄積していくことが必要であるとの結論に達しました。すなわち、「むつ」については、所要の修理、点検を完了した上で実験航海等を実施し、実験船として最大限の活用を図ることとし、さらに、「むつ」開発の成果を踏まえつつ、将来における原子力船の経済性、信頼性の向上を目指した研究開発を推進する必要があると判断した次第であります。
 このためには、現在の日本原子力船開発事業団に所要の研究開発機能を付与し、「むつ」の開発を引き続き進めるとともに、原子力船の開発に必要な研究を行う機関に改組することが適当であると考えております。
 現行の日本原子力船開発事業団法は、昭和五十五年十一月三十日までに廃止するものとされておりますが、これは、同事業団法改正の政府原案が昭和五十二年の第八十二回国会において一部修正の上議決されたものであります。その修正の趣旨は、日本原子力船開発事業団が原子力船についての研究開発機関に移行するための必要な措置として、同事業団法の廃止するものとされる期限を前述の期日まで延長するというものでありまして、今回の日本原子力船開発事業団の改組は、この修正の趣旨にも沿うものであると考えております。
 本法律案は、以上のような判断から、現在の日本原子力船開発事業団を改組し、従来の「むつ」開発業務に加えて、原子力船の開発に必要な研究業務を行う日本原子力船研究開発事業団とするものであります。
 なお、本法律案におきましては、現行の日本原子力船開発事業団法の廃止に関する規定を改正し、政府の行政改革計画に沿って、昭和六十年三月三十一日までに日本原子力船研究開発事業団を他の原子力関係機関と統合するものとし、このために必要な措置を講ずるものとする旨定めることとしております。
 以上が、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#49
○議長(灘尾弘吉君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。上坂昇君。
    〔上坂昇君登壇〕
#50
○上坂昇君 上坂昇であります。
 日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました日本原子力船開発事業団法の一部改正案について、総理及び科学技術庁長官に質問をいたします。
 かつてないエネルギー危機が叫ばれているとき、ここ一年を前後して、エネルギー及び世界の科学技術を揺さぶる大事故が発生をいたしました。
 その一つは、昨年三月二十八日に起きたスリーマイルアイランド原発二号炉のメルトダウン寸前の事故であり、もう一つは、ことし三月二十七日、百四十名に及ぶ技術者と労働者の生命を一瞬にして奪った北海油田における大型リグの転覆事故であります。
 前者につきましては、日本ではこのような事故は起こり得ないなどと日本の政府筋がどう強弁しようとも、安全性の神話はすでに崩れましたし、原発の恐ろしさに対する不安と衝撃は、広く国民の間に広がったことを否定することはできないのであります。
 北海に浮かぶホテルとして、従事者の信頼と快適な生活を保障していたはずの大型リグの転覆倒壊は、海洋という大自然の前にもろくも崩れ去った近代科学技術の問題点を浮き彫りにしたものと言わざるを得ません。私は、以上の二つの大事故を念頭に置きつつ、次の事項についてただしたいと存じます。
 まず第一に、原子力船開発の基本的あり方についてであります。
 原子力船第一船と言われる「むつ」の開発は、まさにつまずきの連続であったと言うほかはありません。
 昭和三十八年六月の事業団法の施行と開発事業団設立後の原子力船開発の計画は、その第一段階にすでに暗礁に乗り上げたのであります。それは、第一船を海洋観測船として船体と原子炉をワンセットにした船炉一体方式による競争入札に、指名大手造船七社が一社も応札せず、契約は不成立に終わったことであります。原因は、産業界の協力が弱かったことと建造予算の少ないことだと見られます。
 原子力委員会及び事業団は、政府の安上がり行政に同調し、第一次計画に再検討を加え、ヘリコプター搭載の取りやめ、二次遮蔽構造及び格納容器構造の検討、制御棒の材質変更等、原子炉仕様の変更を行うとともに、実験船として、随意契約により、船体を石川島播磨重工、原子炉を三菱原子力工業に分離発注いたしたのであります。ところが、この計画の再検討を行った個所に事故が発生したのでありますから問題であります。結局、安全性を無視した原子力行政と安上がり技術開発の推進という基本的なあり方に誤りがあったことを指摘せざるを得ないのであります。(拍手)
 この基本的な誤りは、定係港決定までの地元との交渉から、決定後の諸問題の発生、さらに、原発立地に常に見られる、金による懐柔説得工作となり、それが、各地の公害や放射能被害に目覚めた地元住民の反感を誘うことになりました。
 その結果、船体の引き渡し、原子炉収納、そして、燃料装荷後の母港係留に対する定係港返上の動きを誘発し、むつ湾内における出力試験の拒否となり、「むつ」は二年間の定係港くぎづけとなったのであります。
 昭和四十九年八月二十六日、しびれを切らした「むつ」関係者は、湾岸漁民の四百余隻の漁船を動員したむつ湾出港阻止闘争の中を強行出港し、下北半島東北八百キロメートルの海域で二十八日原子炉に火をともしましたが、四日後の九月一日、熱出力三万六千キロワットのわずか一・二%の出力段階で、〇・二ミリレントゲンの放射線漏れの事故となったのであります。
 その後、洋上漂流実に五十日、永遠の漂流物化する寸前で、いわゆるむつ市における四者協定の締結が行われ、ようやく十月十五日大湊港に帰港できたのでありますが、この一連の経過は、原子力行政そのものの問題点を浮き彫りにするものであります。
 さきに指摘をいたしました基本的な姿勢と取り組みについて、政府の反省を求めつつ、総理大臣の見解をただしたいのであります。
 次に、定係港に関する問題であります。
 昭和四十九年十月十四日締結の四者協定の一及び二項に基づき、四十九年十一月一日から定係港の撤去作業が開始され、陸上施設の一部は撤去、一部は現地凍結となり、「むつ」自体も大湊港を離れ、現在佐世保港につながれています。舶用炉の設置許可につきましては、原子炉等規制法第二十四条の許可基準が適用され、陸上の付帯施設を持つ港が定係港と認められるのでありますから、設備と港は表裏一体のものであって、定係港は原子炉設置に欠くことのできない要件であると思います。
 現在の「むつ」は、すでに陸上施設も定係港も持っていないのでありますから、当然、新たに設備と定係港を決め、原子炉設置の許可申請をし直しすることが必要であります。「むつ」の現状のままでは新しい定係港の選定作業はむずかしいから、まず修理を先行させるというような事業団のやり方は、原子炉等規制法に違反する行為になると考えますが、どうでしょうか。科学技術庁長官の答弁を求めます。
 第三に、「むつ」の修理に関してであります。
 昭和五十三年十月十六日締結の「原子力船むつの佐世保港における修理に関する合意書」の第一項には、「締結者である科学技術庁長官と事業団理事長は、「むつ」の新定係港を早期に決定するものとし、「むつ」の佐世保港入港を待たずに新定係港の選定のため努力するものとする」とありますが、すでに入港している事実についてはどう解釈すべきでありましょうか。私は、この項の意味するところは、新定係港を選定した後でないと修理には入らないということだと解しますが、いかがでしょうか。
 さらに、最近、佐世保重工と「むつ」改修についての合意ができた旨伝えられておりますが、これは一体どういうことですか、お伺いをいたします。
 この協定書の二項では、「むつ」の修理期間を約三年としておりますが、締結以来すでに一年半の月日が流れております。残り一年半の短い期間では改修はとうてい不可能だと思うのであります。仮に修理に入るにいたしましても、短期間では突貫工事となり、そのしわ寄せは労働者がこうむるのであります。
 元来、舶用炉は、小型とはいえコンパクトにつくられているものでありますから、遮蔽装置の完璧が要求されるのであります。圧力容器の上ぶたを取らないまま放射線漏洩個所の補強を主とする工事は、かなりの難工事と言われております。上下の漏洩個所の同時並行的作業や突貫工事による夜間作業の連続などを予想すると、労働災害の発生が懸念されます。また、無理な工程によれば、肝心の遮蔽装備そのものに再び欠陥が生じ、同じような事故につながるおそれなしとしません。
 これらの諸点について、科学技術庁長官の答弁を求めるものであります。
 また、遮蔽装置及びその周辺部の補強あるいは部分的取りかえを行うに要する資材の重量は数百トンに及ぶと言われておりますが、舶用炉は元来船体の仕様に合わせて設計、製造されているものでありますから、船体はそのままで原子炉や格納容器だけが非常に重くなったり態様が変わったりした場合、船体の重心の移動その他の変化が起こり、それが航行の不安定につながり、洋上実験にも困難を来すことになりはしないか、北海油田の大事故にかんがみ、大きく危惧されるところであります。
 「むつ」改修につきましては、疑問とするものが非常に多いのであります。私は、まず原子力船の研究体制を固めてから対処すべきであるという考えに立ちますが、科学技術庁長官の所見を伺いたいと存じます。(拍手)
 第四に、遮蔽以外の個所の安全点検についてであります。
 「むつ」の事故については、主にストリーミング現象が対象とされておりますが、果たしてそれだけなのでしょうか。
 私たち日本社会党は、圧力容器内にも故障が生じているのではないかと憂慮しているのであります。燃料体を取り囲む一次冷却水の中に、すでに補給水より濃度の高いセシウム137が検出され、そればかりではなく、ガンマ線による核種分析で、マンガン54、コバルト58及び60等の放射能も存在することが確認されています。これらの発生原因の調査も必要でありますし、また、放射能の存在量を推定するイオン交換樹脂中の捕捉放射能についても、当然検討の対象にすべきであります。
 さらに、「むつ」の燃料棒は、ほとんど使われていないから健全であると政府は申しているのでありますが、「むつ」の原子炉に採用されている燃料棒の被覆管は、ジルカロイ製ではなくて、現在の炉では使われていないステンレス製であることも、燃料棒損傷の疑いを大きくさせるものであります。
 以上の理由から、「むつ」の原子炉については、一時的糊塗で済ましてはならず、徹底的な安全点検を行うことが必要であると思うのでありますが、長田長官の考えをお示しいただきたいのであります。(拍手)
 第五に、原子力船の実用化についてであります。
 原子力船は、本来、原子力潜水艦の技術開発に伴って発展してきたものでありますが、「むつ」の建造に当たり、国産技術を採用したのも、つまりは外国の軍事秘密を念頭に置いたからではないでしょうか。原発のように、外国の研究成果や実証資料に頼れないため、基礎的調査研究、さらに経験不足のまま開発に取り組んだところに問題があったと言わざるを得ません。
 諸外国の原子力船は、ソ連を除き、経済性や環境問題、さらに海運業の現状等から、ほとんど実用に供されてはいません。私は、商用原子力船は今世紀には間に合うものではない、二十一世紀のものである、したがって、開発に焦る必要は全くない、こう認識しているのでありますが、どうでしょうか。長田長官の見解を承りたいのであります。
 最後に、法案の内容について触れながら、政府の考えをただしたいと存じます。
 今回の政府提出案は、一口に言ってごまかしであります。その理由は、開発事業団の名称と、第一条の目的に「研究」という文字を挿入し、第二十三条の業務の範囲で、第一号から第六号までの順序を入れかえただけのものでありまして、法の中身は全く変わっていないのであります。結局は、あくまでも現在の事業団を存続させるために提案されたものにすぎません。今日までの原子力船開発の基本的あり方にも、また、その体制にも何らの反省を持っていないということは、まことに遺憾であります。
 よって、日本社会党は、日本原子力船開発事業団法及び日本原子力研究所法の一部改正案をすでに今国会に提出し、原子力船開発の抜本的改革を図ろうといたしております。内容の詳しい説明は省きますが、わが党提出改正案を十分に検討するとともに、政府は、世界の商用原子力船の将来を正しく把握し、長期的視点に立って、この際、開発事業団を廃止するとともに、「むつ」の原子炉を原子力研究所に移して、基礎的な研究体制を固め、将来に備えるべきであると考えるのでありますが、これについて大平総理大臣の見解をただしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#51
○内閣総理大臣(大平正芳君) 上坂さんの私に対する第一の御質問は、原子力船「むつ」問題の経過を踏まえて、政府の原子力行政について反省を求められるとともに、今後の原子力行政の基本的姿勢についてのお尋ねでございました。
 わが国のエネルギーの安定的な供給源の確保をする上におきまして、原子力は石油代替エネルギーとして最も信頼性の高いものでございまして、その開発利用に当たりましては、従来から安全確保を前提といたしまして、その推進に努めてきたところでございます。
 特に、御指摘にもございましたが、原子力船「むつ」問題を契機にいたしまして、原子力行政体制の根本的な見直しを行いまして、原子力安全委員会を発足させ、安全規制行政の充実強化を図ってまいったところでございます。
 原子力の開発利用の推進に当たりましては、今後とも仰せのように、安全確保に万全を期しまして、国民の一層の理解と協力を得られますよう最大限の努力を傾けてまいるつもりでございます。
 第二の御質問は、原子力船「むつ」をどのように今後活用するつもりかという点についてのお尋ねであったと思います。
 政府は、「むつ」につきましては、今後の原子力船の研究開発に役立てるため、修理、点検を終えました後は、実験船として活用してまいる方針でございまして、その方針に沿いまして、今度の法律案もできて、御審議をお願いしておるところでございます。
 また、引き続き「むつ」の開発を進めますとともに、広く原子力船の開発に必要な研究もあわせて行うことといたしておりますので、社会党の御提言とはやや違った選択をいたしておることにつきまして、御理解をお願いいたしたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣長田裕二君登壇〕
#52
○国務大臣(長田裕二君) お答えいたします。
 まず、定係港の原子炉等規制法上の取り扱いについての御質問でございますが、大湊港の付帯陸上施設の機能の一部が現在停止しておりますことは、御指摘のとおりでございます。
 ただ、原子力船「むつ」は、原子炉等規制法上の所要の手続きを経た上で、修理が完了するまで原子炉を冷態停止の状態に維持することとしておりますので、大湊港の付帯陸上施設の機能が一部停止の状態にありましても、安全上の問題が生ずることはないと考えております。
 また、新定係港につきましては、その決定を急ぐ必要がありますことは、政府としても十分認識しておりますが、日本原子力船開発事業団がこれまでに実施してまいりました調査を踏まえ、できるだけ早く地元との折衝を開始する考えであります。
 なお、おくれております「むつ」の修理に早急に着手する必要がございますので、新定係港が決定するまでの間におきましても、修理を行うことが必要であると考えております。
 次に、佐世保におきます修理の問題についてでございますが、去る四月二日、関係方面の御努力もありまして、佐世保重工との間で基本的な了解に達し、「むつ」の修理について佐世保重工の協力が得られる見通しとなりました。今後、事業団が進めております施行業者との契約折衝を急がせ、できるだけ早く工事に着手させるとともに、工事の効率的実施等によりまして工事期間の短縮を図り、地元とお約束した期限を守るべく最大限の努力を払うよう事業団を指導しているところでございます。また、工事に伴う安全性の確保につきましても、万遺漏なきを期するよう事業団を指導してまいります。
 「むつ」の遮蔽改修に伴う船体に与える影響について御質問がございましたが、この件につきましては、すでに安全審査で十分検討されておりまして、遮蔽改修に伴う重量の増加が船体の復原性等に悪影響を及ぼさないことが確認されております。
 また、燃料体等圧力容器内部にもふぐあいがあるのではないかとの御指摘でございますが、原子炉内の一次冷却水中の放射能測定によりまして、燃料体等に異常が発生しているおそれはないことを確認している次第でございます。
 次に、原子力船の実用化時期の見通しと今後の原子力船研究開発の進め方についてでございますが、原子力船の実用化時期に関しましては、昨年十二月に報告書を取りまとめました原子力委員会の原子力船研究開発専門部会の検討結果によりますと、二十一世紀に入るころには、欧米諸国において原子力商船の導入が相当進んでいる可能性があると予想されております。
 このような状況に対応して、エネルギー資源に乏しく、かつ四方を海に囲まれたわが国としましては、海運の分野におけるエネルギー源の多様化を図るために、長期的な観点に立って原子力船に関する技術を着実に蓄積していくことが必要であると考えております。
 このような観点に立ちまして、引き続き「むつ」の開発を進め、あわせて舶用原子炉の改良等に関する研究を進めていくことが必要であると考えた次第でございます。
 最後に、政府提出の改正法案につきまして問題点の御指摘がありましたが、政府といたしましては、以上のような考え方から、日本原子力船開発事業団を日本原子力船研究開発事業団に改組し、「むつ」の開発に加え、舶用原子炉の改良等、広く原子力船の開発に必要な研究業務を行うことを明確にするため、本法律案の御審議をお願いしているところでございます。
 以上、お答え申し上げました。(拍手)
#53
○議長(灘尾弘吉君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#54
○議長(灘尾弘吉君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣 大平 正芳君
        法務大臣 倉石 忠雄君
        外務大臣 大来佐武郎君
        大蔵大臣 竹下  登君
        文部大臣 谷垣 専一君
        運輸大臣 地崎宇三郎君
        郵政大臣 大西 正男君
        自治大臣 後藤田正晴君
        国務大臣 小渕 恵三君
        国務大臣 長田 裕二君
 出席政府委員
        科学技術庁原子力局長 石渡 鷹雄君
ソース: 国立国会図書館
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