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1979/04/22 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 本会議 第20号
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1979/04/22 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 本会議 第20号

#1
第091回国会 本会議 第20号
昭和五十五年四月二十二日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十七号
  昭和五十五年四月二十二日
    午後二時開議
 第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への
    加盟に伴う措置に関する法律及び国際開
    発協会への加盟に伴う措置に関する法律
    の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 北西太平洋における千九百八十年の日本
    国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に
    関する議定書の締結について承認を求め
    るの件
 第三 地方交付税法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行
  への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開
  発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 北西太平洋における千九百八十年の
  日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に
  関する議定書の締結について承認を求めるの
  件
 日程第三 地方交付税法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 郵便法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の
  趣旨説明及び質疑
 地崎運輸大臣の去る十八日の会議における答弁
  に関する発言
    午後二時三十四分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(灘尾弘吉君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 近藤豊君から、四月二十五日より五月十八日まで二十四日間、金子一平君から、四月二十八日より五月五日まで八日間、右いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀
  行への加盟に伴う措置に関する法律及び国
  際開発協会への加盟に伴う措置に関する法
  律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#5
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長増岡博之君。
    ―――――――――――――
    〔増岡博之君登壇〕
#6
○増岡博之君 ただいま議題となりました国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、国際通貨基金の増資について申し上げます。
 先般、同基金におきまして、世界経済の発展に応じ融資能力を拡充するため、その資金規模を五〇%増額し、約五百八十六億特別引出権とすることが合意されました。これに伴い、わが国の割り当て額も八億二千九百五十万特別引出権の増額をすることとされております。
 次に、国際復興開発銀行、すなわち世界銀行におきましても、先般、一部の加盟国の出資額につきまして、その経済力に見合った調整を行うため、合計八億七千六百十万協定ドルの特別割り当てを行うことが合意されておりますが、これによるわが国の特別割り当て額は四億協定ドルとなっております。
 また、国際開発協会は、世界銀行の姉妹機関として、貧困開発途上国に対し、緩和された条件の融資を行っておりますが、今般、本年七月以降三カ年間の融資約束に充てる資金を賄うため、総額百二十億ドルの資金補充が合意されました。これによるわが国の増資額は三千九百四十二億千六百二十二万円であります。
 本法律案は、以上の三機関に対し、ただいま申し上げました金額の範囲内において引き受け、追加出資することができることとするものであります。
 本案につきましては、審査の結果、去る十八日質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#8
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 北西太平洋における千九百八十年
  の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条
  件に関する議定書の締結について承認を求
  めるの件
#9
○議長(灘尾弘吉君) 日程第二、北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長中尾栄一君。
    ―――――――――――――
北西太平洋における千九百八十年の日本国のさ
 け・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定
 書の締結について承認を求めるの件及び同報
 告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中尾栄一君登壇〕
#10
○中尾栄一君 ただいま議題となりました北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本議定書は、本年四月二日以来モスクワにおいて、日ソ両国政府間で北西太平洋における本年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件を定めるための交渉を行ってまいりました結果、合意に達し、四月十五日にモスクワにおいて署名されたものであります。
 その内容は、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年の日本国のさけ・ますの漁獲について、漁獲量、禁漁区、漁期、議定書の規定に違反した場合の取り締まりの手続等を定めております。
 本件は、四月十八日外務委員会に付託され、同日大来外務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第三 地方交付税法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
#13
○議長(灘尾弘吉君) 日程第三、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長塩谷一夫君。
    〔塩谷一夫君登壇〕
#14
○塩谷一夫君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、地方財政の状況にかんがみ、
 第一に、昭和五十五年度分の地方交付税の総額については、現行の臨時地方特例交付金を除く法定額に、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる臨時地方特例交付金及び同特別会計における借入金を加算した額とするとともに、後年度における地方交付税の総額の確保に資するため、昭和五十五年度における借入純増加額の二分の一に相当する額を、昭和六十一年度から同七十年度までの各年度において、臨時地方特例交付金として一般会計から同特別会計に繰り入れようとするものであります。
 第二に、昭和五十五年度の普通交付税の算定方法については、教育水準の向上、社会福祉施策の充実、公園、清掃施設等住民生活に直結する公共施設の計画的な整備、過密過疎対策、消防救急対策等に要する経費、その他財源対策債等の元利償還金に要する経費等の財源の確保を図るため、関係費目の単位費用を改定する等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、三月十八日当委員会に付託され、四月一日後藤田自治大臣から提案理由の説明を聴取し、九日には参考人の意見を聴取するなど、本案を中心として地方財政全般にわたって熱心に審査を行いました。
 昨二十一日本案に対する質疑を終了しましたところ、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の四党共同提案により、地方交付税率の引き上げ、臨時地方特例交付金の増額等を内容とする修正案が提出され、小川省吾君からその趣旨説明を聴取いたしました。
 次いで、討論を行いましたところ、自由民主党を代表して大石千八君は、本案に賛成、修正案に反対、日本社会党を代表して小川省吾君、公明党・国民会議を代表して小川新一郎君、日本共産党・革新共同を代表して安藤巖君及び民社党・国民連合を代表して部谷孝之君は、それぞれ本案に反対、修正案に賛成、新自由クラブを代表して田島衞君は本案に賛成、修正案に反対の意見を述べられました。
 討論を終わり、採決を行いましたところ、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 郵便法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  の趣旨説明
#17
○議長(灘尾弘吉君) この際、内閣提出、郵便法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。郵政大臣大西正男君。
    〔国務大臣大西正男君登壇〕
#18
○国務大臣(大西正男君) 郵便法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における社会経済情勢の動向及び郵便事業の運営の現状にかんがみ、郵便事業の運営に要する財源の確保を図るため、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金の改定を行うほか、第一種郵便物等の料金の決定について臨時の特例を設けるとともに、利用者に対するサービスの改善を図る等のため、郵便法その他関係法律について所要の改正を行おうとするものであります。
 まず、郵便法の一部改正の内容について申し上げます。
 第一は、郵便料金の改定についてであります。
 郵便事業財政は、石油危機に端を発した人件費や諸物価の高騰により、昭和四十九年度以来大幅な赤字に転じ、昭和五十一年一月の料金改定によりまして好転いたしましたものの、昭和五十三年度からは、再び収入不足を生ずることとなり、昭和五十四年度末における収入不足の累計は、昭和五十年度の料金改定時と同程度になるものと見込まれております。このまま推移すれば収支の差はますます拡大し、事業財政の状況は悪化の一途をたどることとなります。
 こうした中で、昨年十月郵政審議会に対し、郵便事業財政を改善する方策について諮問いたしましたところ、同審議会から、昭和五十五年度から三年間は新たな赤字が生ずることを防ぐとともに、累積赤字についてもできるだけこれを解消していく措置をとることが必要であるとして、この際郵便料金の改定を行うことはやむを得ないものと判断するとの答申がなされました。
 今回の料金改定案は、この答申に示された料金を骨子とするものでありまして、第一種郵便物につきましては、定形二十五グラムまで五十円を六十円に、定形外五十グラムまで百円を百二十円に改め、また、第二種郵便物の通常はがきにつきましては、二十円を四十円に改めることを主な内容といたしております。
 なお、第一種郵便物のうち、郵便書簡につきましては五十円に据え置くこととし、第二種郵便物の通常はがきにつきましては、昭和五十五年度中は三十円とすることといたしております。
 第二は、第一種郵便物等の料金の決定についての特例についてであります。
 郵便の料金決定方法のあり方につきましては、かねて郵政審議会等から「現行の料金決定方法については、弾力的に対処できる方向での改善が必要である。」との趣旨の御提言をいただいていたところでありますが、その後慎重に検討いたしてまいりました結果、郵便事業財政の現状にかんがみ、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでの間、一定の範囲及び条件のもとで、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金は、郵政大臣が郵政審議会に諮問した上、省令で定めることができるものとする等の規定を設けることといたしたいとするものであります。
 第三は、利用者に対するサービスの改善を図るため、新たに郵便切手について手数料を徴して、これを他の郵便切手等と交換することができることとすること、新たに図画等を印刷した郵便はがきを発行し、一般の郵便はがきの料金額によらない額で売りさばくことができることとすること、速達小包として差し出すことができる郵便物の大きさ及び重量の制限を緩和することについての改正を行うことといたしております。
 以上のほか、郵便に関する料金を滞納した場合の延滞金、延滞利率についての規定を設けること等の内容を織り込んでおります。
 次に、お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等の発売並びに寄附金の処理に関する法律の一部改正の内容について申し上げます。
 まず、お年玉につきましては、利用者に対するサービスの改善を図るため、お年玉として贈る金品の単価の最高限度額を現行三万円から五万円に引き上げることとするとともに、お年玉として贈る金品は、簡易郵便局においても引きかえをすることができることといたしております。
 また、寄付金につきましては、その配分を受けることができる団体に、文化財の保護を行う団体及び青少年の健全な育成のための社会教育を行う団体を加えることといたしております。
 最後に、印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正の内容について申し上げます。
 これは、郵便法の一部改正の中で郵便切手の交換を行うことといたしておりますので、これにあわせまして、同様の趣旨から、収入印紙につきましても、他の収入印紙との交換ができるようにしようとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、昭和五十五年十月一日といたしております。ただし、第一種郵便物等の料金の決定の特例につきましては、昭和五十六年四月一日から施行することといたしております。
 以上、今般の法律改正の主な内容につきまして申し上げましたが、今後とも安定した郵便の送達を確保し、もって国民各位の期待にこたえる所存でございます。
 以上をもって、この法律案の趣旨の説明を終わります。(拍手)
     ――――◇―――――
 郵便法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  の趣旨説明に対する質疑
#19
○議長(灘尾弘吉君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。武部文君。
    〔武部文君登壇〕
#20
○武部文君 私は、日本社会党を代表して、ただいま郵政大臣より趣旨説明のありました郵便法等の一部を改正する法律案について、大平総理並びに関係大臣に対し、重要な問題にしぼって質問をいたします。(拍手)
 もとより、本案が国民生活に与える影響はきわめて大きなものがあり、国民は重大な関心を持っておりますので、率直明快な答弁を求めるものであります。
 まず、お尋ねいたしたいのは、最近の異常な物価情勢と公共料金との関係についてであります。
 総理は、去る一月の施政方針演説において、「物価の安定こそは、国民生活の安定の基礎をなすものである。政府は、景気、雇用の維持にも留意しながら、当面、特に物価の安定を重視して、機動的な経済運営を行ってまいる方針である。」とかたく決意を述べられました。
 しかしながら、政府は、すでに、消費者米麦価、電気ガス料金、国立大学授業料、国鉄運賃を値上げをし、そして、きょうからたばこの値上げを、また近く医療費や年金の掛金などの社会保険料の値上げをしようとしているのでありますが、昨今の物価情勢はきわめて深刻な事態を迎えておるのでありまして、昭和四十八年の石油ショック以来の異常事態と言われているのであります。
 このような背景の中で、政府は、去る三月十九日総合物価対策を発表いたしましたが、最近の卸売物価の上昇率は、年率実に二〇%をはるかに超す上昇を続けており、また消費者物価についても、民間の多くの調査機関の発表によれば、上昇率が二けた台になるのは時間の問題であると言われており、政府公約の昭和五十五年度消費者物価上昇率六・四%の達成は至難中の至難事であると言わなければなりません。かかる状況のもとにあって、政府は、なおかつ郵便料金の大幅値上げを断行しようとするのか、国民の大きな疑問とするところであります。私は、物価対策上、国民生活に重大な影響を与える公共料金の引き上げはこの際全面凍結すべきであると思いますが、この点、物価対策に苦慮する大平総理は何と理解されるか、答弁を求めるものであります。(拍手)
 さらに、経済企画庁長官に伺いたい。あなたは、さきの経済演説において、「公共料金については、経営の徹底した合理化を前提とし、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分に考慮して、厳正に取り扱う方針で臨んでいるところである」と述べられました。しかし今回、第二種郵便物のはがきが二倍の四十円に、第三種郵便物の月三回以上発行する新聞紙の基本料金は、実に二・三倍の値上げをしようとしているところであります。私は、郵便の果たす社会的、経済的、文化的な大きな役割りからしても、今後の物価動向に与える影響、とりわけ心理的な影響についてははかり知れないものがあると思いますが、代表的な公共料金である郵便料金の大幅値上げをあえて断行しようとする政府の意図は何か、明快な答弁を求めたいのであります。
 ここで特に指摘したいのは、郵便事業の独立採算制の矛盾についてであります。
 去る昭和四十六年の郵便法改正に当たり、わが党の強い反対を押し切って郵便法第三条を改正し、郵便の公共性を無視し、企業主義、独立採算至上主義を導入したことは、いまだ記憶に新しいところであります。そして、このことが今日の郵便事業の運営を硬直化し、抜き差しならぬ状態に追い込んでしまった原因であると申し上げても過言ではありません。
 政府は、郵便事業の運営については受益者負担の原則を貫くとかたくなに主張しておりますが、郵便事業は、人件費相当部分が事業支出の約九〇%を占める典型的な労働集約型の事業であります。今日の物価と賃金の関連を考慮したとき、独立採算制なるがゆえの赤字発生は当然の帰結と言わざるを得ません。
 郵便事業の収支額は、昭和五十四年度の赤字見込み額を含めて、予算不足額累計は約二千四百億となっておりますが、赤字であるから料金値上げというパターンだけの繰り返しでなく、他の要素も重要な政治課題として検討すべきものがあると考えているところでありまして、具体的に幾つか申し上げますと、現在、郵政職員は身分上は国家公務員でありますが、郵政職員の退職年金財源のうち、国庫負担分一六%及び年金額改定に伴う追加費用原資など、合わせて約九百三十億円でありますが、これらの相当額は郵政事業特別会計から支出されている現状を見るとき、常識的に考えてもこれは明らかに矛盾しており、一般会計から補てんすべきであると考えます。
 さらにまた、新聞、定期刊行物などの第三種、第四種の郵便料金は、政策料金として低廉な料金に設定されているととろでありますが、それらの財政負担については、関係政府機関の責任において支出することが当然であると考えているところであります。こうした措置をとることによって、国民、利用者の負担を軽減することが重要であります。
 以上申し上げました、独立採算制度の幾つかの矛盾について適切な措置を講ずることなしでは、事業収支の改善はとうてい望めないと思いますが、事業財政の抜本的な改善策について、大蔵大臣の答弁を求めるものであります。
 次に、多くの重大な問題を含む郵便法等改正案の内容についてであります。
 その第一は、郵便料金の法定制緩和の特例措置の問題であります。これは、第一弾の国鉄運賃第二弾のたばこ定価に次いでの、政府の一連の租税法律主義と財政民主主義に挑戦する第三弾でありまして、郵便の場合、最近の法定制緩和措置の動きに悪乗りするものであると断言せざるを得ません。課徴金、料金等の法律主義を規定する財政法第三条の解釈につきましては、国鉄運賃については、独占性の程度、たばこの定価については、嗜好品であり、国民生活上の必要性の程度が少ないなどと一方的な解釈に立っているのでありますが、それでは、この郵便料金の場合は一体何と解釈すべきでありましょうか。郵便法第五条は、郵便の独占を明確にしております。したがって、郵便料金は嗜好品であるたばこと同様に理解すべきものではないと考えるべきであります。
 私は、多様化、高度化する通信手段の中にあって、郵便の果たす役割りが変化しつつあることは理解できるところでありますが、今日においても、なお郵便は国民の基本的な通信手段であることにはいささかも変わりはありません。
 すなわち、郵便による海外文通、また、その経済、文化に果たす役割り及び郵便の持つ記録性、現物性の価値観については、いまなお通信手段の中における地位は揺るぎないものがあるのであります。
 かかる観点からしても、安易に無定見に財政法第三条を拡大解釈し、国民不在の郵便料金決定方式をとろうとする政府の政治姿勢は、郵便離れを招き、財政悪化の悪循環に陥り、伝統ある郵便事業に大きな汚点を残すのみならず、郵便制度の崩壊のおそれなしとしないのであります。総理大臣並びに郵政大臣の明確な答弁を求めたいのであります。(拍手)
 また、今回の法案では、封書及びはがきの料金決定に当たっては、構成、運営等何ら変えないで、これまでどおりの郵政審議会に諮問した上、郵政大臣が決定しようとしていることについてであります。
 御承知のとおり、各種の審議会につきましては、行政機関の隠れみの的存在であるなどと評され、問題の多いところでありまして、かねてから、われわれが再三にわたってその改善を指摘してきた郵政審議会についても、多くの利用者代表を委員として加えるべきであり、もって、開かれた審議会として十分討議をし、国民、利用者が納得できるような民主的な審議会にすべきことが先決であるにもかかわらず、ここに至っても、なお何ら改善されないまま、今度は国民の重要な通信手段である封書、はがきの料金までも、この審議会に諮問するのみで郵政大臣が一方的に決定することができるような郵便法の改正は、国民無視の政策であり、われわれは断じて認めるわけにはまいりません。郵政大臣から納得できる答弁を求めるものであります。(拍手)
 さらに、法定制に関連する問題についてであります。
 すなわち、郵便事業が代表的な国営事業であることは申すまでもありませんが、公共企業体である電電公社の電信電話料金については法定制度がとられています。政府が、このような中で郵便料金の法定制を緩和しようとする理由は一体どこにあるのか、全く理解に苦しむのであります。郵政大臣は何と説明されるか、明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 いま必要なことは、政府は今後とも一多様化、高度化する通信手段の中にあって、この郵便事業全体を見直し、その正当な位置づけを行い、新しい発想に立って将来展望を確立し、具体的対応策を国民に明示して、理解と協力を求めることがきわめて肝要であり、このことこそが郵便制度への信頼を高めるゆえんであると確信するものであります。
 いずれにしても、政府の確固たる施策が確立、明示され、利用者である国民の支持と合意が得られるまでは、郵便料金の引き上げや法定制緩和措置などは一切見送るべきであると思いますが、郵政大臣の見解をただすものであります。
 最後に、このような大幅値上げと料金の法定制緩和措置を含む郵便法等の一部改正案は、国民の政治に対する不安と不信を助長するものであると断ぜざるを得ません。わが党は本案に反対であります。
 総理、あなたは国民生活を守ると公言される以上、本案は直ちに撤回すべきであり、それが、いまあなたがとる最良の方策であるということを強く指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#21
○内閣総理大臣(大平正芳君) 武部さんの最初の御質問は、郵便料金の今回の値上げは、国民生活に与える影響が大きいので、全面凍結すべきではないかという御質問でございました。
 郵便事業財政は、御案内のように、五十四年度末におきまして、二千億円をかなり超える累積赤字を生じております。
 郵便事業につきましては、かねてからその効率化と合理化に努めてまいりましたけれども、何分労働集約性の高い事業でございますので、おのずから合理化にも限界がございまして、このまま放置しておきますと、収支の較差はますます拡大いたしまして、経営維持が困難になってくるものと思われます。
 そこで、今後とも効率化と合理化には精いっぱい努力してまいりながらも、郵便事業の運営に要する必要最小限度の財源を確保するために、物価の影響等も考えながら、やむを得ない範囲の料金改定をお願いしようとするものでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 なお、政府といたしましては、各般にわたる物価政策を総合的、機動的に推進いたしまして、五十五年度の消費者物価上昇率を政府見通しの六・四%程度にとどめるよう最善の努力を続けてまいるつもりでございます。
 第二の御質問は、今回の郵便料金の改定は、無定見に財政法を拡大解釈するおそれがあるのではないか、郵便離れ、財政悪化を通じて郵便制度の崩壊を来すおそれなしとしないが、所見はどうかという御質問でございます。
 財政法第三条は、申すまでもなく、国の独占事業の事業料金につきまして法律で定めなければならぬことを規定いたしておりますことは、御指摘をまつまでもありません。
 今回の郵便料金の決定方法の特例措置につきましては、郵便事業財政の現状にかんがみまして、法律によりまして、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでという期間を設けて、また料金改定幅の上限を法律で決めまして、厳しい要件のもとでこれを行おうとするものでございまして、財政法第三条にもとるものであるとは、われわれは考えておらないわけでございます。
 今回の改定が決して安易なものでないということを御理解いただきたいと思うのでございます。
 第三に、今回の郵便法の改正は撤回すべきであると思うが、どうかということでございますが、今回の郵便法改正案は、政府といたしまして、物価や国民生活に及ぼす影響、郵便事業みずからの経営努力などを幅広く、かつ慎重に検討を遂げた上で御提案したものでございますので、撤回の意思はございません。(拍手)
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#22
○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。
 私に対する質問は二点でございます。
 まず、公的年金制度における費用の分担につきましては、事業主及び被用者の保険料負担のほかに、年金制度をより充実、推進する立場から、国、地方公共団体等の公経済主体が一定割合の公的負担を行っているところであります。郵政省職員の年金に対する公的負担につきまして、郵政事業特別会計が負担しておりますのは、郵政事業が国の直接経営する独占事業であること、特別会計の自収自弁の性格に合致していること、また、その事業収入は公共料金としての規制を受けていること等の特別の性格から、同事業が公経済主体としての責務を負うものでありますので、妥当なものであると考えております。
 そしてまた、追加費用につきましては、昭和三十四年に新しい共済年金制度に切りかえる際、それまでの恩給公務員期間等を引き継いだことに伴います費用でありまして、本来、事業主の負担でありますので、郵政事業特別会計が負担すべきものと考えております。
 次に、二番目の問題でございますが、第三種、第四種の郵便物の料金につきましては、政策上低額の料金とされておりますが、郵便法は、これらの低料金のものも含めて、郵便料金が全体として収支相償するよう決定さるべきことを明らかにしておるところであります。
 今後とも、政策料金は全体の郵便料金の中で吸収し得る範囲内で行い、郵便事業の独立採算制を維持すべきものであると考えております。(拍手)
    〔国務大臣正示啓次郎君登壇〕
#23
○国務大臣(正示啓次郎君) 武部議員にお答えを申し上げます。
 仰せのとおり、公共料金の取り扱いにつきましては、厳しくその経営の徹底した合理化、物価及び国民生活への影響、これを考慮すべきことはもとよりであります。
 そこで、御指摘の郵便料金につきましてもこれをやったわけでありますが、一方、御承知のように、五十一年一月から改定しておりません。そこで、五十三年度以降には、単年度でも赤字が出ておるわけでございます。五十四年十二月には、御指摘のように、郵政審議会の答申もございました。私どもは、事業の徹底した合理化をやるためには、やはり最小限度にこの料金を改定いたしまして、自主的な努力ができるような励みをつけることも必要かと考えておるわけでございます。
 そこで、予算の編成に当たりましては、こういう事情を十分考え合わせまして、たとえば実施時期は、当初は七月を予定しておりましたのを十月からに繰り下げるとか、あるいははがきの料金は、一挙に倍とはせずに、五十五年度中は三十円にとどめるとか、いろいろと努力をしておるわけでござ一まして一武部議員は非常に郵便事業についてはお詳しいわけでございますから、これらの点についてよく御理解を賜りたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣大西正男君登壇〕
#24
○国務大臣(大西正男君) 武部議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、今回の郵便料金の決定方法の特別措置と財政法との関係などについてお答え申し上げます。
 財政法第三条は、国の独占事業の事業料金につきましては、法律に基づいて定めなければならないといたしておりますが、これは、あらゆる場合に法律で直接具体的金額を定めることまでを要求するものではないと解されております。
 今回の郵便料金の決定方法の特例措置は、郵便事業財政の現状にかんがみまして、法律において、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでという一定の限度を設け、また、料金の改定率が物価等の変動率を超えてはならないなどの厳しい要件を付した上で行いたいとするものでございまして、財政法第三条にもとるものではないと考えておる次第であります。
 また今回の改正は、郵便事業が今後とも安定した郵便サービスを提供していくため、健全な事業経営の確保等を図ることとするものであります。したがって、料金の決定に当たりましては、法律で定める一定の厳格な要件のもとで、郵便の需要動向等にも配意しつつ行ってまいる所存でありまして、決して安易な改定を行おうとするものではないことを御理解賜りたいと存じます。
 次に、封書とはがきの料金は、郵政大臣が郵政審議会に諮問し、これを決定することについての御意見につきましては、郵政審議会は郵政省の所掌業務に関する重要な事項を調査、審議していただくこととなっておりまして、審議会の委員は広く国民の意見が反映されるよう各界の有識者を網羅して構成され、その運営は適切かつ公正に行われているものと考えております。
 なお、今後、郵便料金の決定方法の特例措置が御承認いただけますと、郵政大臣から料金についての諮問を受ける審議会は一層重要な役割りを持つこととなりますので、委員の任命に当たりましては、今後ともさらに慎重に対処してまいりたいと考えております。
 次に、国営である郵便事業における料金の決定方法を弾力化する理由についてお答え申し上げます。
 郵便事業は国営ではございますが、企業的に経営することが要請されておりまして、これまでも法令面での弾力化、事業運営の効率化、合理化を推進してまいったところでございます。
 郵便事業といたしましては、現行経営形態のもとにおきましても、今後ともできるだけ経営の改善に努力していきたいと考えており、今回の料金決定方法の特例措置も、郵便事業財政の現状にかんがみ、このような考えに基づいて行いたいとするものであります。
 なお、郵便料金の決定が弾力的に行われることの必要性につきましては、かねて郵政審議会及び公共企業体等基本問題会議から御提言をいただいておるところでございます。
 最後に、事業の将来展望を立て、国民の理解と協力を求め、その合意が得られるまで料金の引き上げ、料金決定方法の弾力化など一切見送るべきではないかという御意見につきましては、郵便事業をめぐる社会経済環境は厳しいものがあると予想されますが、国民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、今後とも事業運営の効率化、合理化の推進に努める一方、郵便の特色を生かした需要の喚起について適切な施策を行い、国民の事業として健全な経営を確保しつつ、適正なサービスを提供してまいる所存でございます。
 現行の郵便料金は、昭和五十一年一月に改定されまして以来、今日まですでに四年以上の間据え置かれておりますが、郵便事業の運営に要する財源を確保するため、物価等への配慮をもしつつ、やむを得ない範囲の料金改定を行い、窮迫した事業財政の立て直しを図ろうとするものでございます。また、今回の郵便料金の決定方法の特例措置は、郵便事業財政の現状にかんがみ、法律において厳しい要件を付した上で行いたいとするものでございます。
 ぜひとも御理解を賜りたいと存じます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(灘尾弘吉君) 山田英介君。
    〔山田英介君登壇〕
#26
○山田英介君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま郵政大臣より趣旨説明のありました郵便法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に対し質問を行うものであります。
 一昨日から国鉄運賃が大幅値上げとなりました。また、本日からはたばこの値上げであります。消費者米麦価、電気ガス料金、国立学校の授業料の値上げ等、公共料金の引き上げがまさにメジロ押しの中で、今度は郵便料金を大幅に引き上げようとする政府の基本的思考は、政治の力をもって国民生活の向上を図ることとは全く逆の行き方を強行しようとするものであります。一体どこまで国民を苦しめれば済むというのでしょうか。
 すでに、与党内部からも、参議院選挙を前にして、これでは戦いようがないとの声すら上がっております。値上げの理由は種々挙げられるかもしれません。しかし、いかなる理由があろうとも、これは政府主導型の物価引き上げであることは間違いありません。
 ここで私が改めて指摘するまでもなく、公共料金の引き上げが物価上昇に一層の拍車をかけることは、私たちが幾度となく経験をしてきたところであり、多くの国民が苦しみ抜いてきたところであります。そのことを、総理、あなたもよく御存じのはずであります。私は、これを避ける努力があってしかるべきであると思うのでありますが、何ゆえこの当然の抑制をおやりになろうとしないのか、まず総理のお考えを伺いたいのであります。
 さて、政府は、本法案によって、国鉄運賃やたばこと同様に、郵便料金についても国会の議決を必要とせずに郵政大臣に値上げ認可の権限を与えようとしております。このような法定緩和法案を私は断じて容認するわけにはまいりません。(拍手)
 なぜなら、郵便料金は、まずその性質において税と同じものであると言えるのであります。課税については、憲法第八十四条で明確に租税法律主義が規定されております。また、財政法第三条は、「国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」とされております。しかるに、今回提出されている改正案は、こうした規定をことごとく踏み越え、立法府としての国会の地位を軽んじ、また、国会議員の審議権を縮小化しようとするものにほかなりません。郵便事業は、政府・自民党が強引に成立させた国鉄の運賃法定緩和とは条件が非常に異なるものです。すなわち、郵便事業は、全く他に競争相手のいない事業であり、国鉄と同列視することはできません。私は、法定の枠を外された国鉄が、毎年値上げを繰り返し、そのため、かえって安易な経営姿勢に流され、膨大な赤字に苦しんでいる事実を決して見過ごしてはならないと思うのであります。したがって、本法案の法定緩和は、明らかに憲法及び財政法の本旨に反するものと考え、その条項の削除を求めるものであります。総理の明確なる御見解を伺いたいのであります。(拍手)
 次に、大蔵、郵政両大臣に伺います。
 郵便法の目的は、その第一条に、「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」と定めております。郵便の使命と性格をきわめて的確に表現していると思うのでありますが、この郵便法の精神に照らしても、今回の値上げを是認するわけにはまいりません。
 それでは、今後も、この目的のとおり、郵便が低廉な情報交換手段として国民の福祉の増進に役立っていくのかと言えば、残念ながらその見通しは暗いと言わざるを得ないのであります。
 その原因は、郵政事業の独立採算制にあります。今回の値上げによって、果たして郵政事業の赤字が抜本的に解消されるのでしょうか。実際には不可能であります。五十八年度には、郵便事業の収支は再び赤字に転ずると言われております。赤字解消のため、事業の効率的運用に努めなければならないことは当然でありますが、政府が郵便事業の独立採算制を取り続ける限り、この解消は不可能であり、また、その結果、今後も、赤字解消を理由に郵便料金の断続的な値上げが行われ、郵便料金は、郵便法の目的から遠くかけ離れた高い料金として、かえって国民の福祉増進の妨げとなるおそれさえあるのであります。
 私は、郵便事業の改善のため、また郵便法の精神を維持するためにも、この際、郵政事業の独立採算制にメスを入れるべきであると考えますが、この点についての大蔵大臣並びに郵政大臣の率直な御見解を伺いたいのであります。
 次に、郵政当局の企業努力のあり方についてであります。
 郵政事業は確かに赤字であります。しかし、郵政当局が値上げを実施する前に、果たしてどれだけ赤字解消のために経営努力を重ねてきたのでしょうか。これはまことに疑問であります。長期にわたる不況の中で、民間企業は、経費の節減、経営の合理化など減量経営、体質改善に必死になって努め、今日、ようやく赤字基調からの脱却を図りつつあるのであります。郵政事業は、果たして赤字解消のため血のにじむような経営努力を行ったのでしょうか。そうした上での値上げの実施なのかどうか。国民が本当に知りたい点は、実はこのことなのであります。郵政大臣の具体的な御答弁を伺いたいと思います。
 次に、郵便事業のサービス改善と労使関係についてであります。
 郵便の遅配、誤配、滞留が一般化し、国民の郵便事業に対する不信は一向に解消されておりません。特に、遅配、欠配がひどく、送達日数の達成度は改善される方向さえ見出せない状態であります。郵便事業費の約九割が人件費であることから見てもわかるように、郵便は人力に依存せざるを得ない事業であります。それだけに、郵便事業を円滑に運用するかぎは、いわゆる人間関係であります。
 最近は、労働組合の前向きな姿勢と努力によって、労使の関係改善が図られようとしております。しかし、依然として、職場において管理職にある者と一般職員との間の相互不信が根深く残っていることも、また事実でありましょう。このことが、郵便事業の健全な運用と国民へのサービスの妨げとなってあらわれていると思うのであります。
 この際、政府並びに関係者は、労使関係改善のため誠意を持ってこれに取り組み、その円満な解決を図るべきであります。また、郵政当局は、職場における交渉ルールの明確化など、正常な業務の運行が確保できるよう、労使の信頼回復に努めることを国民に確約をすべきであると思うのでありますが、郵政大臣の御決意のほどを伺いたいのであります。
 さらに、郵便業務の円滑な運営によって、国民へのサービスの改善を図ることが必要であるとの観点から、今回の法案提出に当たってどのような施策を講じ、サービスの向上を図ろうとされるのか、この点についても大臣の御所見を伺いたいのであります。
 最後に、郵便事業における将来の展望について伺います。
 郵便事業は、郵便法第一条の目的どおり、公共の福祉増進に資するにはどのように対応すべきかという基本的な命題に直面をしております。内国郵便物の八〇%がダイレクトメールなど企業郵便であり、反面、私人間の郵便は減少する傾向にあります。これは郵便の地盤沈下の実態を示す何よりの証拠でもあります。このままでは郵便事業は、ダイレクトメールと年賀状等によってのみ維持されることになりかねないのであります。したがって、郵政当局は当面の赤字対策にのみ終始することなく、郵便事業の将来像について明らかにする必要があると考えるものでありますが、郵便事業の将来像について郵政大臣はどのような御所見をお持ちか、伺いたいのであります。
 以上、私は数点にわたり政府の見解をただしましたが、今回提出の改正案は、物価高騰の引き金となる危険な要素を持つものであり、法定緩和という国会の地位軽視、審議権縮小を内包したものであります。
 さらに、今回の郵便料金値上げは、利用者のサービス向上に何一つ貢献することのないものであることを重ねて訴えるものであります。
 わが党は、このような法律案には断固反対せざるを得ません。この際、政府が本法律案を速やかに撤回し、もって国民の期待にこたえるよう強く要求して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#27
○内閣総理大臣(大平正芳君) 山田さんは、最初に、最近の物価動向、公共料金の値上げの物価への波及等から見まして、予定している公共料金の値上げを当分見送るべきでないかという趣旨の御質問でございました。
 山田さんも御承知のとおり、今日の物価問題は海外にその原因の多くを持っておりますことは御案内のとおりでありまして、わが国が必要とする海外からの原料、材料の急激な値上がりに伴う犠牲を、物価あるいは料金の形で国民に公平に負担していただかなければならぬという問題であることも御理解をいただきたいと思うのでございまして、これを回避する道はないわけでございます。
 政府といたしましては、従来とも公共料金の設定に当たりましては、関係企業の徹底した合理化を求めながら、物価の、料金の値上げの国民生活への影響も勘案しながら、最小限度に抑えていくということに心がけてまいったわけでございまして、今日御審議をいただいておる郵便料金につきましても、こういう趣旨のもとで慎重に検討して、最小限度お願いせざるを得ないものにつきまして改定をお願いしようとするものでございますので、そういう趣旨のものとして御理解をいただきたいと考えておりまして、公共料金の値上げを見送るということは、遺憾ながら御回意いたしかねるわけでございます。
 第二の御質問は、法定緩和法案は憲法に言う租税法律主義から申しましても、また財政法に言う財政民主主義から言いましても首肯しがたいものである、国会軽視にもつながるではないかという趣旨の御質問でございました。
 今回の改正法案による郵便料金の決定方法の特例措置は、郵便事業財政の現状にかんがみまして、一定の厳格な要件を法律で定めた上で郵便料金の改定をいたそうとするものでございまして、国会で十分御審議をいただいた上で法律に基づいてなされるものでございまして、もとより国会を軽視するものでもなく、財政民主主義にもとるものでもないと私は確信いたしております。(拍手)
    〔国務大臣竹下登君登壇〕
#28
○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問は、郵政事業は独立採算制をとっているが、これを見直す必要はないか、大要このような御質問でありました。
 郵政事業は、受益者負担の原則に基づきまして、自収自弁の特別会計として従来より運営されてきたところでございます。このように収支を関連づけておきますことは、先般の郵政審議会の答申にもございますように、事業の合理化の推進、サービスの向上などへの努力を刺激する効果を生むことになるからでございます。したがいまして、事業を効率的に運営するためにも、独立採算制は、これは維持すべきものである、このように考えております。(拍手)
    〔国務大臣大西正男君登壇〕
#29
○国務大臣(大西正男君) 山田議員の御質問にお答えいたします。
 まず、郵政事業の独立採算制につきましては、郵便事業は、その運営に必要な経費は利用者が負担するという、受益者負担の原則による独立採算制を維持すべきであると考えております。
 仮に、独立採算制を崩しまして、一般会計からの繰り入れにより赤字を補てんするということになりますと、郵便の八割は企業などの差し出す業務用の通信であるという利用実態から見ましても、負担の公平を失することになると思うのでございます。
 なお、郵便法第一条の「なるべく安い料金」という規定についての御意見でございますが、これは収支を度外視してやるということを前提とするものではないと理解をいたしております。
 次に、郵政省の経営努力につきましては、郵便事業は、御承知のとおり、きわめて労働集約性の高い事業でありますので、合理化にはおのずから限界がございますが、これまでに局内作業の機械化、郵便物処理の集中化、外務作業における機動化、配達作業環境の改善等、各般にわたる効率化、合理化を図ってまいりまして、経営の改善に極力努力をしてまいったところでございます。
 また、郵便利用の増進を図り、収入を確保することも肝要であると存じまして、力を注いできておるところであります。今後とも、これらの施策の推進につきましては、なお一層努力を傾注してまいる所存であります。
 次に、労使の信頼回復にどう対応するかという御質問でございますが、郵便事業は人力に依存する度合いの高い事業でありますので、円滑な事業運営を図りますためには、安定した労使関係の確立が不可欠でございます。
 省といたしましては、このような考えのもとに、関係労働組合との間におきましても、相互の立場を十分尊重した上で、話し合いを積み重ねることによって事業に対する共通の認識を深め、労使の信頼関係を向上させるべく努力をしてきたところでありますが、今後とも労使においてさらに努力をいたしまして、国民の期待にこたえてまいりたいと存じます。
 次に、国民へのサービス改善、すなわち郵便事業の業務の正常化につきましてお答え申し上げます。
 郵便業務の円滑な運営を図り、正常な業務運行を確保することは、従来から最も力を注いでまいったところであります。
 このたび郵便法等の改正案の御審議をいただくに当たりまして、国民の皆様の郵便事業に寄せる御期待に思いを新たにいたしまして、職員の勤労意欲の一層の向上、厳正な職場規律の確保並びに労使関係の一層の安定化に努力を傾け、業務の正常運行に努めてまいる所存であります。
 最後に、郵便事業の未来像についての御質問でございますが、郵便の利用は、長期的に見ますれば、年々着実に増加をいたしておりまして、五十四年度におきましてもかなりの増加を示しております。
 これからの郵便につきましては、各分野の専門家による調査研究におきましても、郵便は現物性、記録性等の面においてすぐれた特性を持つことから、通信手段が多様化する中にありまして、なお安定的に増加、発展していくものと考えられております。
 郵便事業をめぐる社会、経済環境は厳しいものがあると予想されますが、このような郵便の特質を生かした郵便需要の喚起についてもさらに努力し、事業の健全な経営に努力してまいる所存でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(灘尾弘吉君) 塩田晋君。
    〔塩田晋君登壇〕
#31
○塩田晋君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま御説明のありました郵便法等の一部を改正する法律案について、総理大臣並びに関係各大臣に対して質問をいたします。
 この改正案の主たる目的は、郵便料金の値上げであります。第一種郵便物は五十円から六十円に、第二種郵便物は、普通はがきが二十円から四十円へと二倍にもなるという大幅な値上げであります。第三種以下につきましても、郵政審議会の答申に基づく値上げが予定されており、とりわけ第三種については、十五円が三十五円へと二倍半近くも値上げされるというものであります。
 政府は、今年度各種公共料金等の値上げを次から次へと強行しておりますが、郵便料金もその例外ではありません。今日電話が普及したとはいえ、郵便が日常生活及び企業活動において果たす役割りはなお大きく、郵便料金の値上げが一般物価、国民生活に与える影響はきわめて大きいものがあると考えます。
 大平総理大臣は、国内問題で口を開けば物価の抑制、安定を云々されますが、このような相次ぐ公共料金の大幅値上げは、まさに総理一流のしたたかさによるものか、その言行の不一致をどのように弁明されるか、まず篤とお聞かせ願いたいのであります。(拍手)
 折しも世界的なインフレ傾向の中でわが国の物価は急騰しており、二月の全国消費者物価の上昇率は、対前年同月比で八%上昇し、卸売物価に至っては二一・四%と高騰しております。年間消費者物価上昇率は、昨年度実績見込みが四・七%であるのに対し、今年度見通しでは六・四%となっていますが、現状のままではこの目標の達成は不可能と言わざるを得ません。
 経済企画庁は、予算関連公共料金が消費者物価に与える影響を〇・八%としており、郵便料金については〇.〇四%程度の影響と計算しているが、果たしてこの数値でとどまるのかどうか疑問であります。この数値には、間接的な波及効果及び心理的な波及効果をどれほど織り込んでいるのか、郵便が広く国民一般、企業等の通信手段として利用されている現状を考えた上で、値上げの深刻さをどのように受けとめ、どのような判断で物価の監督官庁として対処してこられたか、経済企画庁長官にお伺いいたします。
 ところで、電話等他の通信手段の普及により、手紙から離れる傾向が進んでおります。このときさらに郵便料金を値上げすることは、ますます国民の手紙離れを促進する結果となることは明らかであります。
 現に、前回の昭和五十一年の郵便料金値上げの際には、史上初めて値上げによる郵便物数が減少したこと、さらに、第一種郵便物についてはいまなお値上げ前の物数に回復していないことは周知の事実であります。五十一年度には、第一種について何と対前年度比一三・四%の物数減となったのであります。郵政省は、今回の値上げによる物数減を第一種について〇・三%とし、第二種については〇・六%の物数増を予想しているようでありますが、今回の第二種郵便物の上げ幅が最終的には二倍という大きなものであることを考えますと、こういった予想は甘いと言わざるを得ません。
 確かに値上げによって収益は好転するであろうけれども、根本的なところで郵便離れが起こっては、将来郵便制度そのものの存立が問われる事態となります。そうなれば、今年度八百三十二億円といった増収見込みも、三年間新たな赤字を出さないという予定も、ともに崩れてしまうのであります。さような事態を避けるためにも、事業の合理化努力をさらに強力に展開し、郵便料金値上げを抑止すべきであると考えますが、郵政大臣はどのような御認識を持ち、どのように対応しておられるのか、お尋ねいたします。
 さて、このたびの改正の第二の目的は、郵便料金の法定制を緩和することであります。すなわち、物価上昇率という一定の枠をはめつつ、あるいは郵政審議会への諮問を要するとはしつつも、やはりこれは料金の値上げを行政の側の判断に一方的にゆだねるものであります。わが党は、この料金の法定制緩和に大きな疑義を持つものであります。
 まず、公共料金に対する国会の監視を外そうとする点が問題であります。郵便料金という国民生活に広範かつ重大な影響を及ぼす問題について、行政に対する国会のコントロールをなくしようとすることは納得できません。国会の監視のもとで、郵政労使に合理化努力を求める道を閉ざしてはなりません。労使の一部がなれ合っている現状のもと、経営努力の欠如した賃金決定と安易な料金値上げの悪循環に対して、国政のメスを入れられるようにしておくこと、これが必要でございます。(拍手)
 かの国鉄の場合には、当初弾力性条項を入れるときに約束された合理化、能率化の努力がなおざりにされたまま、毎年恒例の値上げが定着してしまった感があります。その結果として、料金高騰のための利用者離れがさらに深刻化していることは、一般に周知の事実であります。法定制の緩和についてはこのような多くの問題点があると思いますが、郵政大臣の御見解をお伺いしたいのであります。
 いままで、われわれは幾度も事業の合理化、効率的な運営を訴えてまいりましたが、郵政事業においてその努力が欠如しているのではないか、こういう疑問をかねてより持っております。
 民間企業は、厳しい経済環境の中で血のにじむような思いで合理化努力を続け、自由競争のため製品値上げに頼るには限度もあり、経営の維持に必死に努めております。
 ところが、官営の事業はとかく親方日の丸的な体質に陥りやすく、効率化の努力を怠りがちであります。もちろん、郵便事業は多くの人手に頼らざるを得ず、合理化がむずかしい面のあることは承知いたしております。しかし、大量のアルバイトの出費をしながらも郵便の遅配が続出するという事態が、以前、年末などに広範に見られたことなどから、郵便事業の労使関係は一体どうなっているのか、当局側のまじめな取り組みと努力を怠っているのではないか、これが率直に言って国民の声であります。
 郵便事業における合理化は正常な労使関係なくしては不可能であります。郵政事業においても、権利のみでなく義務をわきまえ、民主的な正しい組合活動の道を着実に歩んでいる全郵政労組諸君のいることは、皆様御存じのとおりであります。他方、イデオロギー的な主張にとらわれて組合活動の本来の道を踏み外した人々のいることは、まことに遺憾であります。しかし、ことさらに正常な郵便業務を妨げるような不当な行為に対しては、郵政当局は毅然とした態度で臨むべきであります。職場の混乱による事務の停滞を一部組合に遠慮しながら放置して、国民に料金の値上げを迫るというのでは、何としても納得できません。具体的にどのような経営合理化の努力をし、その結果はどうなのか、また職場における労使関係の正常化のためにどのような努力を払われているかについて、郵政大臣にお尋ねしたいのであります。
 さらに、今回の改正案では、はがきに広告を載せ、ある程度料金を下げる措置ができるようになっておりますが、もっとほかにも改善の手段があるのではないか。
 たとえば、郵便物総数の約半数を占める料金別納・後納郵便は、一時に大量に発送される性質のものが多く、郵便事業の大事な収入源でありますが、仕分けや配達等において大きな負担となっております。この種の郵便は、法人や団体の通信や宣伝のためのものが多いのでありますが、このために一般家庭用郵便が圧迫されておってはなりません。料金別納・後納郵便については、まず第一に郵便番号の記載を義務づけるとともに、かたかなのタイプ字によるあて名書きを改めさせるようにできないか、また全物数の四%程度を占める市内特別郵便制度についても見直す時期に来たのではないかと考えますが、これらの点について郵政大臣のお考えをお聞かせ願いたい。
 最後に、今般の社公民三党と政府・自民党との予算修正交渉におきまして、四党政審・政調会長会談の合意事項として、第三種郵便料金の上げ幅は圧縮することにされたものと受け取っております。第三種郵便は、新聞学術雑誌等の配送に欠かせぬものであり、各種情報の自由な伝達の保護という観点からも、総理は、公党間の合意を尊重してこれを前向きに検討し、決着を図られる御意思がありや否や、明確なる総理の御答弁をいただきたい。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#32
○内閣総理大臣(大平正芳君) 塩田さんの最初の御質問は、今日の物価高、公共料金の値上げ自体をどう認識しておるかという意味の御質問でございました。
 先ほども山田さんにもお答え申し上げましたとおり、私は、今日の物価高は日本の経済の内部に疾患があるとは考えておりませんし、日本の経済の生産性が劣悪であるがゆえだとも考えておりませんで、多くの原因を、海外からの大幅の原材料の高騰に原因があるのであるというように見ておるわけでございます。
 石油を一例にとりましても、この一年間に二倍以上の値上げを来しておるわけでございまして、一世帯当たりの犠牲を考えてみましても、二十万円以上を超えるというような容易ならぬ事態でございます。こういった国民経済的な犠牲をどのようにして公平に分担していくかということが、今日の物価問題が持っておる一つの意義であろうと思うのであります。
 その意味におきまして、われわれといたしましては、料金でございますとか物価等の形で、この犠牲を最小限度国民に求めてまいるという道を回避することはできないのではないかと考えております。もっとも、関係企業の合理化は徹底してお願いしなければならぬと思いまするし、値上げにつきましては最小限度にとどめてまいらなければならぬことは当然でございまして、国民生活の影響等も考えながら、その時期、その幅等につきましては慎重な配慮を加えておるところでございます。
 今回の郵便料金の値上げにつきましてもそういう配慮から考えておるわけでございますので、その辺は篤と御理解をいただきたいと思います。
 第二に、今般、予算修正に絡みまして、第三種料金圧縮については、公党間の合意を尊重してこれを実行すべきでないかという趣旨の御質問でございました。
 第三種郵便物の料金につきましては、沿革的に安いとされていると承知してはおりますけれども、現下の郵便事業財政にかんがみまして、郵政審議会の御意見に沿いまして適正な水準に改めるべきものであると考えております。これにつきましては、公党間の合意に基づいて検討されるということでございますならば、その結果は尊重させていただく考えであります。(拍手)
    〔国務大臣正示啓次郎君登壇〕
#33
○国務大臣(正示啓次郎君) 塩田さんにお答え申し上げます。
 郵便料金の値上げは、きわめて大切な問題でございまして、仰せのとおり、一応消費者物価には〇・〇四、これはストレートな影響でございますが、そのほかに企業等の利用も広いものでございますから、こういう間接的な影響ということにつきましては、いろいろと研究所等で調査をいたしておりますが、いわゆる法人企業間接費調査集計結果報告、こういうものによりますと、大体売上高の約一万分の三程度の影響というふうな算定もあるように承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、きわめて大切なものでございますので、われわれとしては、企業の徹底した合理化が大前提である、こういうことで郵政当局にもお願いを申し上げ、予算のときにおきましては、実施時期についての調整、また値上げの幅につきましても、はがき等については二カ年度にわたってこれを行うというふうに、極力国民生活及び物価への影響について調整に努めたところでございますが、御案内のような郵政事業の内容でございます。また、これを立ち直らせるためには、企業の関係者にやはり責任を持っていただかなければならぬ、それには単年度の赤字、累積赤字について解消の見込みを立てるということが財政再建のためにも必要なことと考えまして、最小限度の値上げをお願いしておるところでございます。(拍手)
    〔国務大臣大西正男君登壇〕
#34
○国務大臣(大西正男君) 塩田議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、郵便物数減の予想につきましてお答えいたします。
 今回の料金改定に伴う郵便物数につきましては、過去における改定時の値上げ幅や物数動向等を考慮して慎重に予測したものでございます。
 また事業運営の効率化、合理化につきましては、さらに一層努力してまいる所存ではありますが、これらの施策をもっていたしましても、現在の逼迫した事業財政の改善を図ることは困難でありますので、郵便事業の運営に要する財源を確保するために、物価等への配慮もしつつ、やむを得ない範囲の料金改定を行おうとするものでございますので、何とぞ御理解をいただきたいと存じます。
 次に、郵便料金の決定方法の特例措置につきましては、郵便事業財政の現状にかんがみまして、法律において郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでという期間を設け、また料金の改定幅の上限を定めるなどの厳しい要件を付した上で行おうとするものでありまして、国会のコントロールを外すことになるとは考えておりません。
 また今回の改正は、郵便事業が今後とも安定した郵便サービスを提供していくため、健全な事業経営の確保等を図ることとするものであります。したがいまして、料金の決定に当たりましては、法律で定める一定の厳格な要件のもとで郵便の需要動向等にも配意し、合理化努力も尽くしつつ行ってまいる所存でありまして、決して安易な経営が許されるなどとは考えておりません。
 次に、郵便事業の合理化努力と労使関係正常化努力をいかに払っているかとの御質問でございますが、郵便事業は、御承知のとおり、きわめて労働集約性の高い事業でありますので、合理化にはおのずから限界がありますが、効率的な事業運営を図るため、これまでに局内作業の機械化、郵便物処理の集中化、外務作業における機動化、配達作業環境の改善等、各般にわたって努力してきたところでありまして、今後とも、これらの施策につきましては、なお一層推進してまいる所存でございます。
 このような合理化施策を進めていく上にも、また職員の能率の向上を図るためにも、労使が共通の認識に立ち、安定した労使関係を確立することが肝要でありまして、従来から、この点にも力を注いできたところであります。
 今後、労使関係の正常化の方向がしっかり定着することを念願しながら、一歩一歩じみちな努力を重ねてまいる所存であります。
 次に、広告はがきのほかにもっと改善の余地はないのか、そういう御質問でございますが、一時に大量に差し出される郵便物につきましては、全体の郵便物の安定した送達が確保できるよう、差し出しの際の区分、差し出し日時の調整などについて、従来から御協力をいただいておるところであり、また、郵便番号の記載につきましても、料金別納、料金後納郵便物につきまして、ほぼ一〇〇%近い御協力を得ているところであります。
 今後とも、郵便の需要の動向、利用者の利便などを踏まえ、利用者の御協力をいただきながら、円滑かつ効率的な事業の運営が図れるよう適切な施策を行ってまいりたいと考えております。
 最後に、第三種郵便物の料金を圧縮せよとの御意見につきましては、総理からすでにお答えがございましたが、私といたしましても、全く同じ考えでございます。(拍手)
#35
○議長(灘尾弘吉君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#36
○議長(灘尾弘吉君) 運輸大臣から、去る十八日の会議における答弁に関し、発言を求められております。これを許します。運輸大臣地崎宇三郎君。
    〔国務大臣地崎宇三郎君登壇〕
#37
○国務大臣(地崎宇三郎君) 去る四月十八日の当本会議における四ツ谷光子君の質疑に対する私の答弁中、「この廃止予定路線については、政令において決められるべきものでありますが、これを決める際に、地方の自治体あるいは国鉄、国等の参加いたしました協議会をつくりまして、十分地元の御意見を反映して、そして将来話し合いがつきましたら転換をしたい。」と申し上げましたが、多少説明不足の点がございましたので、再度本会議で発言をお許しいただきました。
 私の申し上げたかったのは、「この廃止予定路線については、政令で定める基準に従って決められるべきものでありますが、その決定に当たっては、関係知事の意見もお聞きすることとなっており、さらに、その転換に当たっては、地方自治体あるいは国鉄、国等の参加いたしました協議会の場も設け、十分地元の御意見を反映しつつ、最終的な転換を図りたい。」ということでございまして、地方の代替輸送機関の確保に関しては、最大の配慮をいたしてまいる所存でございますので、ぜひ御理解のほどをお願いいたします。(発言する者あり、拍手)
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#38
○議長(灘尾弘吉君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十五分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  大平 正芳君
        外務大臣臨時代
        理       伊東 正義君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        運 輸 大 臣 地崎宇三郎君
        郵 政 大 臣 大西 正男君
        自 治 大 臣 後藤田正晴君
        国 務 大 臣 正示啓次郎君
 出席政府委員
        郵政省郵務局長 守住 有信君
ソース: 国立国会図書館
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