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1979/12/07 第90回国会 参議院 参議院会議録情報 第090回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
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1979/12/07 第90回国会 参議院

参議院会議録情報 第090回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号

#1
第090回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
昭和五十四年十二月七日(金曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         塩出 啓典君
    理 事
                熊谷  弘君
                源田  実君
                藤原 房雄君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                永野 嚴雄君
                望月 邦夫君
                山崎 竜男君
                大木 正吾君
                吉田 正雄君
                中村 利次君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       長田 裕二君
   政府委員
       科学技術庁計画
       局長       園山 重道君
       科学技術庁研究
       調整局長     勝谷  保君
       科学技術庁原子
       力局長      石渡 鷹雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    牧村 信之君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       原子力安全委員
       会委員長     吹田 徳雄君
       科学技術庁原子
       力安全局次長   宮本 二郎君
       労働省労働基準
       局安全衛生部労
       働衛生課長    林部  弘君
   参考人
       日本原子力研究
       所理事長     村田  浩君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
    ―――――――――――――
#2
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、日本原子力研究所理事長村田浩君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(塩出啓典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(塩出啓典君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○吉田正雄君 当初に、先月の二十六日に開催されました原子力安全委員会と日本学術会議の共催によりますTMI原発事故に関するシンポジウムについて若干お尋ねをいたしたいと思います。
 原子力安全委員会というか科技庁の学術会議との窓口はどこの課になっておったのでしょうか。
#6
○政府委員(牧村信之君) 原子力安全局の原子力安全課の中に安全調査室がございますが、そこが事務的な窓口になっております。
#7
○吉田正雄君 このシンポジウムの性格ですね。目的は開催要綱に書いてありますけれども、性格はどういう性格なのか。ちょっと抽象的でわからないと思いますから、もうちょっと申し上げますと、この中央公聴会の開催をもって、たとえば今後の原子力発電所の許認可に当たって事前の地方における通産省あるいは安全委員会等の主宰する公聴会ですね、地方公聴会、これとの関係がどういうものであるのか。このシンポジウムの開催をもって地方公聴会においてはもう安全性の論議であるとか学術的な論議はやる必要がないというふうな、そういうふうな性格になったりそういう位置づけとか連関ということになると、これは大変問題があるのじゃないかと思いますので、これは安全委員長からひとつお答え願いたいと思います。
#8
○説明員(吹田徳雄君) ただいま先生の申されましたような中央公聴会とか地方の公聴会というのは、安全委員会発足以来考えておりません。この間行いました学術シンポジウムというのは、専門家による学術的な討論会でございまして、それは直接行政目的に結びついてはおりません。行政のいろいろなことを具体的に行います場合の学問的な一般的な事柄でございます。したがって、直接地方で行います原子力施設特有のあるいは固有の問題に関しまして私たちが行おうとしております公開ヒヤリングとは性格的に違っております。
#9
○吉田正雄君 私も当日このシンポジウムを傍聴さしていただいたのですけれども、その際、このシンポジウムの性格をめぐって参加者の間からどういう性格のものであるか明らかにせよということが盛んに言われたわけですね。これに対しては、主宰者側から特にその場における答弁というのはなされなかったということなんですが、公開シンポジウムであるのかどうなのかということが執拗に聞かれたわけなんですが、この点はいかがなんですか。
#10
○政府委員(牧村信之君) この点に関しましては、原子力安全委員会としては、学術会議と共催し今回のシンポジウムを行うに当たりまして、ただいま委員長が申しましたように性格を明らかにして対処してきたつもりでございますけれども、当日、先生御指摘のような御意見を持った方がおられたことは事実でございます。しかしながら、考え方としては専門家による討論の場であるということにいささかも考え方に変わりはないわけでございますので、今回のシンポジウムというものはそういう点において御理解賜りたいというふうに考えておるところでございます。
#11
○吉田正雄君 いまのは答弁になっていないですよ、専門家による討論というのは結構なんですけれども。だから、公開であるか非公開なのか、そこの性格を明らかにせよという質問なんですね。参加者の中から。いまの答弁では、単なる専門家による討論ということであって、公開か非公開かという質問には答えていないわけですよ。どっちなんですか。
#12
○政府委員(牧村信之君) 今回のシンポジウムは学術会議と安全委員会が共催したわけでございますが、このシンポジウムに参画される方は学術会議に登録しております学協会にすべて門戸を開いたものでございまして、その会員の方が参画されることについてお申し出を受けて、会場の都合もございますので抽せんによって参加者を決めたということでございますし、また、その開催に当たりましては報道機関の方々にも御参画をいただくというようなこと、あるいはその結果につきましては、かねてから申し上げております開催の要領にもうたってございますように、その結果を公刊するという立場で臨んでおりますので、通常の学術的なシンポジウムにおける公開性は十分確保できておるものと考えておるところでございます。
#13
○吉田正雄君 参加者をどういう範囲にしぼるかということを聞いているのじゃないですよ。シンポジウムの性格そのものが公開なのか非公開なのかということを聞いているのですよ。どんなに公開のものであっても会場に限りがあれば入場者の数というものを制限しなきゃならぬということになれば、当然そこに制限というのは出てくるでしょう。しかし、そのシンポジウムが公開の性格のものであるのか、そうではなくて参加者による非公開の討論になるのか。マスコミに発表して討論の成果については公表すると言っても、そのことは即公開には連なっていかないわけです。一定の判断のもとにしぼって公開するということだってあるわけですから、そういう点でこのシンポジウムそのものの性格というものが公開なのか非公開なのか、あるいはどういう性格なものなのかを明らかにしていただきたいということで、何も参加者をどれにしぼったなんということを聞いているのじゃないですよ。
#14
○政府委員(牧村信之君) 私どもは、ただいま申し上げましたように、公開のシンポジウムであると考えております。すなわち、学術会議に所属しております学協会、これは会員数約四十万人おられるわけでございますけれども、こういう学協会に呼びかけて参加をお願いしたということでございますので、その選定の仕方については、先生御指摘のように、会場の都合等で人数を制限せざるを得ない、したがって公平な抽せんによって御参加をお願いする人を選んだことは事実でございますけれども、十分公開のシンポジウムであるというふうに考えておるところでございます。
#15
○吉田正雄君 そうすると、公開のシンポジウムであるということになると、いま局長の答弁の中では記者クラブの皆さんにも参加をしていただきましたと、こういうことになっておるわけですね。国会議員の場合はどうなんですか。
#16
○政府委員(牧村信之君) 実は、このシンポジウムを開催するに当たりまして、当初予定していた会場から断られたという経緯がございまして、関係者の方々をどのくらい呼べるかということにつきましてなかなか決まらなかった経緯もございます。最終的には、国会の先生方にも特に科学技術特別委員会の関係の先生はお呼びしようということで最終的に両者の意見がまとまりまして御参加方をお願いしたところでございます。
#17
○吉田正雄君 その国会議員の関係委員会の皆さんに参加をしていただく、参加というのは傍聴だと思うのですが、それはいつ決められたのですか。どうだれとだれの相談によって決められたのですか、それは。
#18
○政府委員(牧村信之君) 今回のシンポジウムを開催するに当たりましては、原子力安全委員会と学術会議の方との間の連絡会議を持つことにいたしておりまして、それらの先生の間で種々な開催に当たっての手続その他を御議論いただいたわけでございます。日にちはちょっと覚えておりませんが、先生御指摘の国会の先生方をお呼びする点については、ぎりぎり二日ぐらい前ではなかったかと思いますが、こういう方針で御参加をお願いしようということが決まったかと思っております。
#19
○吉田正雄君 その案内状というのはいつ発送されたのです。案内状は出されたのですか出されないのですか。
#20
○政府委員(牧村信之君) 二十二日にお呼びすることが決まりまして、御案内を申し上げたのが二十四日でございます。先ほどの答弁を訂正させていただきます。
#21
○吉田正雄君 どういう範囲に案内を出されたのですか。
#22
○政府委員(牧村信之君) 人数に非常に制限がございましたので、科技特の理事の先生方に御案内申し上げるということでお願いしたところでございます。
#23
○吉田正雄君 科技特の理事に案内を出されたのですか。
#24
○政府委員(牧村信之君) ちょっと訂正させていただきます。十二名の枠を考えまして、科技特の先生を中心といたしまして、学術会議の先生が直接お願いに上がった。したがいまして、先ほど理事と申し上げましたけれども、それは訂正させていただきます。
#25
○吉田正雄君 はっきりしてくださいよ。学術会議と安全委員会の両者で協議をして決めたのでしょう。案内先がどこか、発送先がどこかわからぬなんて、そんなあいまいな答弁がありますか。特定されているはずですよ。ちゃんとはっきりしてくださいよ。
#26
○説明員(宮本二郎君) 御答弁申し上げます。
 先ほど局長が答弁いたしましたように、人数が最後まで非常にしぼられまして、お呼びできるかどうかなかなかわからなかった状況でございました。したがいまして、最終段階の二十二日になりまして国会の先生方を十二名の限度内でお呼びできそうである、こういうことになりまして、御案内の手続や何かなかなかとれない。したがいまして、学術会議の方の先生が手分けいたしまして各党にお出向きになり、十二名の範囲内でとにかく御出席のある方のお名前を聞いてきます、こういうことになった次第でございます。したがいまして、お名前が決まりました段階で二十四日に急遽案内状にお名前を入れまして御出席の方に御通知を申し上げる、こういう手続をとった、こういうことでございます。
#27
○吉田正雄君 だから、どういう方に案内状を出したのですか。特定されているでしょう、ずっと言ってください、十二名ですから。どこへ案内を出したのですか、十二名の名前を挙げてください。
#28
○説明員(宮本二郎君) 十二名の枠ということで学術会議の先生がお出向きになりまして、学術会議の方からこういう方に御案内状を出していただきたいと、こういうことで二十四日までに間に合いまして御連絡いただきましたのは吉田先生とたしか佐藤昭夫先生をはがきに書きまして、その前までは手続できる限りはいたしましょう、こういうことでいたしたと思っております。
#29
○吉田正雄君 全然違っておりますよ、いまの答弁では。違うじゃないですか。たとえば佐藤理事はここにおりませんけれども、佐藤理事のところになんか直接行っておりませんよ。書記局あてに行っているのですよね。そんないいかげんな答弁はしないでください。
 ぼくは、安全委員長それから大臣に聞いておいてもらいたいんですけれども、非常にけしからんですよ、これは。私が公開シンポジウムかどうかということを聞いているというのは、これだけ重要な安全論議をやる学術シンポジウムだと銘を打っておきながら、しかも重要な国会の担当委員会の委員、国会議員の参加があって当然なんです。ところが、私が聞く限りにおいては、安全委員会は国会議員の参加については最後まで反対した。いいですか。反対したのですよ。しかし、学術会議の方からの強い要請で、国会議員の皆さんについても、確かに人数の制限があるでしょうが、少なくとも科学技術振興対策特別委員会の委員の皆さんは優先して希望者には入っていただこうではないかという学術会議のそういう強い要請があって、最終的には科学技術庁も折れたということで、最終的にはそういうことで話がまとまったのです。これは間違いのないことだ、私は責任者から聞いているのですから。いいですか。そして、いまの話ですと、そういう両者の話し合いというので二十二日に十二名にしぼって招待をしましょうということになった。ということは二十二日なんですね。ところが、二十四日の日、土曜日です――もう翌日が日曜日、二十六日が月曜日なんだ。土曜日の日に、社会党の飛鳥田委員長名で今回のシンポジウムに対する公開質問状を安全委員長あてと学術会議会長あてに出したわけです。その回答を持って安全課長が私のところへ見えたわけです。いいですか。そのときに私は聞いたんです。国会議員はどうなりましたかと聞いた。そしたら、会場が狭いので国会議員の皆さん方は残念ですけれども今度は招待できませんという答弁だったんですよ、二十四日ですよ。いいですか。その直後に学術会議の代表の方がまた見えたわけです。そして、いまの話ですと、二十二日に両者で合意に達して国会議員の皆さんを招待することになったんだと。いまの科学技術庁の答弁というのは全くおかしい、全然話が違っておりますということで、見えた代表がすぐ事務局へ電話を入れたのですよね。入れたら、直ちに安全委員会の方から、先ほどの私の申し上げたことは間違っておりましたと。間違うわけないですよ、これは。担当課長がどうして間違うのですか。見え透いているのですよね。いいですか。だから、一体どこへ案内状を出したのか。いいかげんな答弁をやってもらっちゃ困るのですよ。だから、私が当初に聞いたように、公開シンポジウムなのかどうか、人数はしぼられるにしても一体どういうところへ案内状を出したのかということなんですよ。そこまでうそをつかなきゃならないこのシンポジウムの性格というのは一体何なんですか。まあここで時間がないですから論議してもしようがないですけれども、安全委員長、よく聞いておいていただきたいのですよ。そういう運営をするわけですから、原子力行政が信用されるわけないですよ。私は全然信用していません、あんなもの。大臣も聞いておいていただきたいですよ。
 いま私は共産党の佐藤理事にも聞いたんです。一体いつ案内が行ったんですかと聞いたら、二十四日じゃないですね。いまさらここでもってくどくど言ってもしようがないです。過ぎたることなんですけれども、とにかく安全委員長と大臣は事務当局のこういうやり方というものを、まだ後でいろいろ問題がありますけれども、よく頭に入れておいていただきたいと思うのですよ。それで、国民に向かって原子力行政を安全行政を信頼せよと言ったって、国会議員からして信用できないものが何で国民が信用できますか。そういう卑劣なことをやっているのですよね、これは事実なんですから。安全委員長、どういうふうにお考えになりますか。――安全委員長に聞いているんですよ。事務当局じゃないです、これは。安全委員会の責任で開催しているのですよ。いま私の言っていることは事実なんですからね。
#30
○説明員(吹田徳雄君) 私、そういう事情は全然聞いていませんでしたので、いま初めて聞くことでございます。これは学術会議と安全委員会との共催でございますので、両方が話し合ってそういうことになったものと思いますけれども、いまお聞きして初めてわかりました。
#31
○吉田正雄君 それから今度の公開シンポジウムのもう一つ、予算はどこからどのようにして支出されるのか、学術会議との一体経費分担がどうなっているのか、これをお聞かせください。
#32
○政府委員(牧村信之君) 今回の学術シンポジウムの運営に当たりまして必要な経費につきましては、かねてから安全委員会は学術シンポジウムを開催したいということで予算等についても大蔵省に御説明し、その査定を受けておるところでございますが、積算上はそういうことで学術シンポジウムのための経費として計上されておるわけでございます。
 当庁のその関係経費の分担でございますけれども、私どもの方は、当日の会場管理のほか、会場借料、シンポジウム運営に必要な経費を分担することにしております。それから学術会議の方におきましても、会場管理のため、あるいはシンポジウム開催に至るまでの労務提供を分担していただいております。
#33
○吉田正雄君 予算についてもいろいろ疑点があるのですよね。疑点がありますけれども、きょうは時間の関係もありますからこれ以上は聞きません。いまの説明だけは聞いておきます。
 次に、新任大臣、特によく聞いておいていただきたいのですけれども、きょう私が申し上げることは四回目なんです。歴代大臣に向かって同じことをきょうで四回目繰り返すわけです。これは安全委員長もよく聞いておいていただきたい。安全委員会なりあるいは原子力委員会なりあるいは科学技術庁として公開される資料については、どういうところへまず配付をされるのか。配付先は、通常の定期的なものであるとか、あるいは臨時の事故等が発生した場合の記者クラブに配付をする資料であるとか、そういう資料の配付先というのがまずどうなっているのか。このことをまず当初に明らかにしていただきたい。
#34
○政府委員(牧村信之君) 事故等の資料につきましてどういうふうな配付をするかということでございますが、特定なところへここに必ずこう送るというルールは別にございませんが、私どもの方の態度は、当然記者クラブにこの中身をわかっていただくのに必要な資料を添えて御説明をするのがたとえば事故等に対しましてはまず第一義でございます。それからそれらの安全委員会に出されました資料につきましては、私どもの方の組織といたしまして原子力局に調査国協課というのがございますが、そこへ提供いたしまして、科学技術庁の公開資料室というところに一般の方々が閲覧できるような制度を設けておりますので、そこへ提供をする。それから案件によりましては当然御関係のところへ御説明に行くというような形になろうかと思っております。
#35
○吉田正雄君 関係の中には、この委員会の国会議員は入っておりませんか入っておるんですか、どっちなんです。
#36
○政府委員(牧村信之君) 当然、当委員会あるいは衆議院の科技特の先生方は原子力の安全問題に深い関心をお持ちでございますので、必要なものにつきましては資料等を携えて御説明に伺うということをいたしておりまして、先生御指摘のように当然入っておるものと考えております。
#37
○吉田正雄君 当然入っているものが入っていないじゃないですか。これは安全委員長も大臣もよく聞いておいてくださいよ。私は、前のときには、少なくとも記者クラブ並みの取り扱いはこの科技特の委員会の国会議員に対してはやっていただきたいということを言ったわけです。やりますということだったんです。定期刊行物しかりです。学術会議にも行っている。いろいろな関係方面に配付をされておる。ところが、肝心なこの科技特の委員のところに配付をされていない。そして、記者クラブなり新聞報道によってそういうものが出たということが私たちがわかって資料請求をするわけですよ。その資料請求についても、とにかく迅速に配付をされることがきわめてまれです。たとえばスリーマイルアイランドの安全委員会のあの報告書についてもしかりです。もうすでに配付をして手持ちがありませんので増刷中でございますから、増刷し次第、国会議員、関係議員には配付をしますと、こういう答弁なんですよね。これはもう前から私は四回目ですよ、きょう言うとおり。四回にわたって、当該委員会の議員には最優先すべきだと、はっきり言って。法案の審議のときだけ資料配付をして法案さえ通していただけばいい。政府の下部機関ではないわけです、この国会というのは。いまさら憲法論議をやる必要もないと思うのですけれども、国権の最高機関であり、立法府でしょう。その立法府の当該委員会に当然配付をしなければならないそういう資料というものが配付をされない。請求をしなければ配付をしない。こんなことで一体論議ができるのですか。四回目ですよ、四回目、きょうで。しかも、すでに配付しますということを何回も確認してきているわけだ。何回確認してもきちっと配付をされない。私は、この委員会で、まず少なくとも定期刊行物、あるいは記者クラブに配付する資料、その他公開される資料については当該委員会の委員にはこれを配付すべきだという委員会としての決議をやってもらいたいと思っているのです。あたりまえの話ですよ、これは。
 もう一回お聞きします。大臣ね、当該委員会の委員に、公開される資料というのは私は優先的に配付をされるべきだと思うのですが、いかがですか。
#38
○国務大臣(長田裕二君) 委員会におかれまして配付すべきものとお決めになりましたもの、並びに私どもの科学技術庁がお約束を申し上げたもの等につきましての配付につきましては、今後さらに十分気をつけてまいるつもりでございます。
#39
○吉田正雄君 大臣ね、配付をすべきものというものはどういうふうに限定されていますか。私は、少なくとも単に部内で討議中の資料については、これは一々公表する必要はないと思うのですよ。しかし、単なる部内の検討でなくて、部内の討議が終わって正式にまとめられた資料については、現に公開して配付をしているのです、いろいろなところへ。その配付先の中にこの当該委員会が入っていないということがおかしいということを言っているのですよ。むずかしい話をしているのじゃないですよ。そういうことでどういうふうにお考えですかと聞いているのです。
#40
○国務大臣(長田裕二君) そのようなものにつきまして十分気をつけてまいります。
#41
○吉田正雄君 気をつけていくということは、当然、私どもが前から配付をせよ、配付をするということになっているのですから、要するに実行していただきたいということなんですよ。一々の請求を待たずして配付していただきたいということなんです。これはどうですか。
#42
○国務大臣(長田裕二君) かねがねお約束申し上げているもの、あるいはただいまの御趣旨のもの等につきまして、かねがねお約束を申しておるものにつきましては当然のことでございます。御趣旨のものにつきましても極力そのように配付をいたすようにこれから配意してまいります。
#43
○吉田正雄君 それじゃ、いまの大臣答弁は、私は、事務当局の皆さんもおいでになっているわけですから、今回で四回目ですから、確実にひとつ実行していただきたいと思うのです。
 次に、最近一連の原子力発電所における事故というものが出ておるわけですね。私は、当初に安全委員長にお伺いしたいと思うのですけれども、三月二十八日のスリーマイルアイランド原発事故後わずか三日後に安全委員会が安全宣言をされたわけですね。私たちにすれば、まだ事故進行中の段階で日本においてはあのような事故が起きないというふうな安全宣言自身が軽率ではないかというふうな御意見も申し上げたわけですよね。その後の状況を見ますと、私たちが心配したとおり次から次へと起きてはならない事故というものが起きてきているわけです。とりわけ、科技庁なり安全委員会なり電力会社が言ってきた理由、つまり、ああいうお粗末な人為ミスは日本ではないのだというふうな言い方や、あるいは炉の形が違う、あるいはメーカーが違う、だから日本ではああいうお粗末な事故は起きないのだというふうなことを繰り返しおっしゃってきたわけですね。これは各電力会社が出したいろいろな資料にもいま申し上げたようなことが全部書いてあるわけです。しかし、その後のわが国における一連の原発事故というものを見ますと、今度のアメリカにおける大統領調査委員会でいみじくも指摘をしておりますように、単なる運転員のミスではない。まさに、よって来るべき原因というのは、NRCあるいは原子力産業界、電力会社を含めた全体の人的要因というものによって起きておるということが指摘されておるわけですし、安全行政に対するNRCの安易な取り組み、しかも産業界と癒着した形でのきわめて不完全な安全審査、そういうものにこの事故の真の原因があるのだということが厳しく指摘されておるわけです。まさにNRCの今日までのあり方なんというのは完膚なきまでに批判されているわけですね。ごらんになって御承知のとおりです。
 そういう点で、私は、いままでの日本における原子力行政というもの、安全行政というものを見ると、大統領調査委員会の指摘はまさに日本の原子力行政そのものにも一〇〇%当てはまるものではないかというふうに思っているわけです。そういうことで、私は、吹田委員長のあの大統領調査委員会報告に対する受けとめ方なり、どのような見解をお持ちなのかというそういう大局的な考え方を当初にお聞きしたいと思うのです。
#44
○説明員(吹田徳雄君) ケメニー委員会は私たちにとっても非常に参考にすることがございます。しかし、あれはアメリカの委員会でございまして、それは日本にとりまして非常に参考になりますが、これをすぐに日本に持ってきてあれを実行すればよろしいという結論にはなりません。その一つは、たとえばNRCに対する非常にいろいろな厳しい批判が載っております。わが国の安全委員会というのは、御承知のように昨年からスタートいたしました。そのもとは「むつ」のああいう事件でございまして、どちらかといいますと、TMIの非常に小型なものがすでに日本では経験されておる、見方によりますとそう言うこともできます。その結果生まれてきましたのが、国会で決めていただきましてわれわれが任命されたのは、実は国会でそういう線で通産は発電炉について一貫性を持たす、同時に私たちはダブルチェックのシステムをやろうという、そういうことをお決めになったのでございまして、その線に沿いまして安全委員会は今日まで忠実に歩んできたつもりでございます。ですから、ケメニー委員会から吸収できるものはわれわれとしてはできるだけ吸収いたしたいと思いますし、すでに安全委員会としてはTMIの事故を教訓にいたしまして五十二項目をすでに提示しておりまして、すでに実行しているものもありますし、たとえば安全研究のように非常に時間のかかるもの、そういういろいろな分類をいたしまして、早速吸収できるものは日本でも吸収しているところでございます。
#45
○吉田正雄君 原子力安全委員会の報告書も私は読ましていただきました。確かに五十二項目指摘をしてあるわけですね。しかし、非常に歯切れの悪い指摘なんですね、今後検討する必要があるのではないかとか。しかし、その表現はとにかくとして、あの五十二項目というものが必要であるという観点から出されていることは間違いないと思うのですね、検討事項であれ何であれ。あのことを具体的に実施していくということになれば、私は当然現在の運転というものを一時停止して徹底的に改善をすべき点、そういうものに直ちに取り組んでいく必要があるのではないかという感じがするのですね。そういう点で、一体五十二項目というのは単に文書として出したというのか、そうではなくてあの五十二項目のうちとりあえずどこに重点を置いて直ちにその改善に取り組むべきだというそういうことが余りはっきりしていないのですよ。
 私は、いまの大統領委員会報告と関連をさして、あの安全委員会自身の五十二項目と今度の大統領委員会報告とをあわせて見て、今後直ちに安全行政に生かすべきものは一体何と何なのか、そういう検討をされたのか。されたとしたら、どういう点か、そしてそれは通産やあるいは電力会社や原子力産業界に対して具体的にどのような改善措置に関する勧告なり指導というものを安全委員会として行われたのか。今日までの取り組みについてもう少し具体的にお話をしていただきたいと思うのです。
#46
○政府委員(牧村信之君) 五十二項目の取り扱いにつきましては、TMIの調査特別委員会からああいう報告書で出されたわけでございますが、これを受けられまして安全委員会としては直ちに関連する事項につきまして他の下部機構でございます安全審査会あるいは基準専門部会等々にこの具体的な考え方の検討を命じておるところでございます。いまそれらの関係部会が鋭意検討を進めておりまして、できるだけ早い機会にできるものから結論を出していただくようにということでお願いしておりまして、これらが逐次安全委員会に上がってくることになっております。上がってき次第、そういうものを安全規制行政に反映していこうという姿勢で対処しておるところでございます。
#47
○吉田正雄君 大統領委員会報告ですね、それから五十二項目、実は項目を追ってお聞きしたいんです。しかし、ここは安全技術に関するその点にしぼっての専門委員会でもありませんし、いま非常に時間も限られておりますから、さらに私はそれは次回に回したいと思うのですが、高浜二号炉の事故について私はもうちょっとお尋ねしたいと思うのですが、いろいろ新聞でも報道されておりますし、私も現地の皆さんと一緒に通産の方へもお伺いをしていろいろお聞きしたのですが、通産へお伺いしたときにはさっぱり要領を得ない回答なんです、まだ検討中であるとか調査中である、一体真の原因がどこにあったのかはっきりしないということで。時間がありませんので、何が原因であったのかということと、一体今後どういう改善をすることによってあの種の事故というものが防止できるのかどうなのか、この点についてまず通産当局の見解、調査結果をお聞きをしたいということと、それから通産から安全委員会に対して文書で報告が出されておるわけですね。その報告に対する安全委員会の措置というのか、そういうものがどういうものであったのか、これもどうも余りはっきりしない。新聞報道以外には余りはっきりしていないということですから、その点について安全委員会のとられた措置についてお聞かせを願いたいと思うのです。
#48
○政府委員(児玉勝臣君) 高浜二号機の一次冷却水漏れの事故でございますが、その事故の原因といたしましては、本来ステンレス製の栓をすべき温度測定用のプラグにつきまして、それを誤って銅合金製の栓を取りつけたということでございます。
 このような作業及び材料ミスというのがどうして起こったのかということでございますが、第一が作業工程管理の不備、それから品質管理の不備という二つに分かれるかと思います。具体的に申し上げますと、作業計画書を作成しないでこの作業は実は実施されたということがございます。また、作業員が現場に参りましてその作業性の観点から温度検出器取りつけの位置を独自の判断で変更したということがわかっております。そういう意味で、作業工程管理といいますか、作業管理が不十分であったということが言えるかと思います。また、その作業員が持ってまいりました工具箱の中にその銅合金製の栓が混入していたということでありまして、また工具箱の点検、それからそういう栓の払い出し、それから納入のいわゆる管理というのが不十分であったということが指摘されると思います。それからまた、作業が終わった後の温度検出器の作業そのもの、それから請負が行いました作業そのものに関するいわゆる検査ということがまだ十分なされていない。
 そういうことで、幾つかのチェックのチャンスを逸したかっこうになっておりまして、そういう意味では、非常に単純な作業ミスというふうには言われておりますけれども、私たちとしては決してそういうふうにはとっておりませんで、重大な品質管理の不備とそれから作業工程の不備ということが指摘されると思っております。
 そういう意味で、十一月十五日に通産大臣から関西電力社長あてに厳重な注意文書を出しまして、これに対する対応策ということを求めたわけでございます。それで十二月の一日に関西電力の社長から通産大臣あてにその返答が参りまして、今後こういうようなミスがないように全社を挙げて品質管理、工程管理に取り組むということがありまして、具体的には品質保証関係のいわゆる担当課長を二人配置する。それから保安規定の下位規定といたしまして原子力発電所の保修にかかわる品質管理要綱を新たに定める。それから実際の資材だな、それから工具箱の保管管理を物理的にもちゃんとしたものにします。そういうことでありますし、さらに今後の品質管理の改善という意味で、本社内にプロジェクトチームを設けて品質保証のあり方を継続的に検討していくということであります。そういうことで、品質管理並びに工程管理についての今後の作業の手続の進め方につきまして大幅な改善の提案がございまして、われわれといたしまして中身を審査した上でそれを了承したわけでございます。
 さらに、そういうような問題が単に文書で書かれただけでは意味がございませんので、私たちといたしましては、現在高浜二号機につきまして、その申し出た内容が本当に実行されつつあるかどうかということの検証と、それから定期点検中に実施されました同類の工事が十五ヵ所ございますが、そこが実際にどうなっているかということと、それから今回事故を起こしましたその栓の作業そのものがどうなっておるかということについての立入検査をしておりまして、その立入検査後に高浜二号機の運転という問題について考慮したいと、こう考えております。この点につきましても、検査の結果につきましてはまた安全委員会の方に御報告して御了承を求めようと、こう考えております。
#49
○政府委員(牧村信之君) 本件につきましての安全委員会のとられた措置等につきましてお答えいたします。
 まず、漏洩事故がございまして、直ちにその漏洩の発生した理由等につきまして通産省から報告を受けたところでございます。その中身が仕様以外の部品が使われたということでございましたので、安全委員会といたしましては、高浜二号に限らず、その他のすべての原子炉で同種の栓が使われていないことを確認してほしいということを通産省に申し入れしておるわけでございます。これにつきましては、通産省にその他の原子炉すべてについてこういう仕様以外の部品が使われていないことを確認していただいたところでございます。それがまず第一点でございます。
 それから長期的な対策として、ただいま通産省の方からもございましたけれども、これは原子炉の建設、運転あるいは保守、点検に当たりましてきわめて重要な品質保証の問題にかかわる事柄でございましたので、安全委員会としては、品質保証をいかに確保するかという体制につきまして通産省として抜本的な施策を講じてほしいということを指摘したところでございます。
 ただいま通産省から御答弁ございましたように、関西電力につきましては所要の措置をとり改善策を講じさせたところでございますけれども、私どもの立場としては、関西電力のみならず、他の原子力発電所を所有する電力会社あるいは関係メーカーが十分な品質保証体制をとり得るような体制を検討してほしいということを念願しておるわけでございますが、その点につきましては、通産省としても、この品質保証活動をさらによりよくする、レベルアップするための対策検討会を設置されるということも御報告をいただいておりますので、それを了承しておるところでございます。
 なお、先ほども通産省から話がございましたが、高浜発電所につきましては、さらに近く行われる点検結果をあわせて報告を受け、これを検討するという体制で臨んでおるところでございます。
#50
○政府委員(児玉勝臣君) 先ほどの答弁の中で定期点検中に実施した件数が十五件と申し上げましたが、二十五件の誤りでございますので訂正させていただききたいと思います。
#51
○吉田正雄君 いま通産の方からおっしゃったことは、もうこれはTMI事故の際にも指摘をされてきたことなんでして、もっともなことなんですよ。しかし、そのもっともなことがやはり起きておるんですね。私はやはりTMI事故の教訓が十分生かされてはおらなかったと思っているんですよ。だから、私は、さっき安全委員長の答弁の中でちょっと気にかかったというのは、あの大統領委員会報告というのはアメリカの国内の問題だというふうな言い方がちらっとあったような気がしましてね。私はアメリカの原発も日本の原発も本質的にはちっとも変わっていない。輸入品なんですよ、技術も。だから、最近は国産化率が高まったといっても、本質的にはアメリカの原発も日本の原発も変わっていないわけです。ですから、アメリカにおける事故、アメリカにおけるいろいろな状況というものは日本にとってはまさに教訓そのものなんですね。そういう点で私はTMI事故というものを軽視し過ぎたんじゃないか。その結果としてTMI後ずいぶん多くの事故、故障というものが起きているわけですね。
 私はもうちょっとそこのところを聞きたいのですけれども、確かに作業工程というものがあらかじめ立てられていなかった、さらにはこの部品の管理、点検というものが行われておらなかった、修理後のさらにチェックというものが行われておらなかった等いろいろなことが言われておるわけです。しかし、ステンレス製のネジ――盲栓とそれから銅合金というのは見たらすぐわかるはずなんですね。私はここにやはり事故の恐ろしさ、うっかり見過ごす人間の盲点といいますか、そういう単純ミスというのがTMIの場合もそうだし、今回もそうだと思うのですけれども、いろいろな識者が指摘をしているように、単純ミスほど発見しづらくてこわいものはないんだということが指摘をされているのですけれども、これはステンレス製のものと銅合金のものでは区別がつかないのですか、色から何からして。私は区別はつくと思っているのですが、その点がどうだったのか。これは何もその職員の責任だと私は言っているのじゃないんですよ、いま指摘をされた全体の中に責任があるわけですから。そのことが一点。
 もう一つ、あれだけ八十トンもの一次冷却水が漏れたわけです。TMIの場合はあれが補助建屋へ行って、そして環境に出ていったということで大騒ぎになったわけです。まあ今回は余り環境には出なかったと言われているのですけれども、しかし、その修理は、どなたがどのような状況下においてその破損をした盲栓を修理をしたのか、この辺がどうもはっきりしないのですよね。そういう点で労働者被曝というのがあったのかなかったのか。それから周囲の環境への放射漏れは余り心配ないとおっしゃっているのですけれども、私はそんなに簡単に片づけていい問題なのかどうかという気がするのですが、その辺どうなっているのか、ちょっとお聞かせ願いたい。
#52
○政府委員(児玉勝臣君) 最初の銅合金製のプラグとそれからステンレス製のプラグは見分けがつかないかという御質問でございますが、実際に私も現物を見てみたわけでございますが、確かに正常な状態でしかも両方持ちますと、完全にそれは銅合金製の方が軽くて、しかも色も黄金色をしておりますので、見分けはつくわけでございます。しかし、実際に工具箱の中に入っていること自身が問題でありますし、それから本来そういう作業をするような示達がないにもかかわらずやったということがまず問題なんでございますが、本人が防護服を着たかっこうで実際の指の感覚が作業衣の上からといいますか手袋の上から感ずるというかっこうの状況でどういうふうにそれを感じたかというのもわかりませんし、また作業環境の照明というのがどういうような問題があって黄金色と銀色とが見分けがつかないのかどうかということも実はわからぬわけでございますが、非常に思い込んで作業をしてしまったということはどうも確かのようでございます。そういう意味で重さとかいうようなことが問題なので、まあ大きさが合うということがやはり大きな問題であったかと思っております。
 そういう意味で、先ほどちょっと申し忘れたわけでございますけれども、この八分の三インチのプラグを使っているところというのは五十ヵ所くらいございますが、空気制御系の方に主に使われておりますので、空気制御系の方は銅合金でいいので、その銅合金とステンレスの使う口径を変えてしまう、そしてもうステンレスのいわゆる八分の三インチのプラグは使わないということに今度いたしたいと、こう考えております。そういうことで、作業のいろいろなミスの中の一つということでございますが、そういう作業があり得ないように根絶しようというふうに考えております。
 それからもう一つ、漏れ出しましたのは推定で約八十トンでございますが、これは発生したのが十一月の三日でございますので、その一週間後に報告を安全委員会にいたしました後、その作業それから対応について御了承を受けた後、格納容器の中にたまりました水は廃液ホールドアップタンクの方に全部流しております。ですけれども、その現場は現在監査を受けるためにそのまま保存しておりますので作業しておりません。したがいまして、いまのところ従業員に対する被曝ということはないと聞いております。
#53
○吉田正雄君 これはある週刊誌で報道しているんですけれども、「国の定期検査で、盲栓の一つ一つまでいちいちチェックできないということはわからないではないが、半年たらずのうちに、部品関係の材質ミスが何度も繰り返されるようでは、地元県としては見過ごすわけにはいかない。」といって福井県の河野浩・原子力安全対策課長が述べているんですね。何回も今日まで繰り返されてきていると言うのですよ、このわずか半年間の間に。これはどういうことなんですか。しかも県に対する報告が直ちになされていないということでも非常に不満であるということを漏らしているのですね。この辺、一体どうなっておったのですかね。
#54
○政府委員(児玉勝臣君) 福井県の方々が、それからまた課長さんが、そういうようなお気持ちになるのは十分われわれも推察できるところでありまして、監督省といたしまして本当に申しわけないと思っております。
 本件にかかわる問題以外にも、品質管理問題につきましてその作業の始まる前に十分な方針を聞くということが従来欠けておりましたので、今後は定期点検に入る前に、従来の運転状況から今後どういうような作業を行い、それからどういうような方法で行うかということの問題についてもう少し厳重に点検すべきであるというふうに思っております。それで、検査官立ち会いの回数とかそれから個所数というのは非常に限られておりますので、いま通産省としてやっておりますのは、中央機器のいわゆる機能試験の問題と、それから部分測――大きなバルブの分解点検の問題ということで、非常に限られた点だけにしぼられておりますので、細かい点につきましては、これはそういう品質管理体制、それから保守の問題にゆだねられておりまして、これはいわゆる電力会社の自主保安体制の一環の中で十分こなさなければならないというふうに思っております。しかしながら、今回の事故を契機に、第三者機関といいますか、そういう検査機関というものの手をかりて、やはりもっと充実した検査機構というものを考えなきゃいけないのではないか、こう考えております。
#55
○吉田正雄君 もう一点だけお聞きしたいのですけれども、何で銅合金のものが入っておったのかという紛れ込んだずっと経過については調査されて結果は出ておりますか。どこからどういうふうに紛れ込んできたのか。
#56
○政府委員(児玉勝臣君) この銅合金がどうして紛れ込んだかという問題につきましては大分厳重にその経緯について調べたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、部品のいわゆる移動に関する記録、要するに保管に関する台帳の記録というのが非常に不十分でございまして、どういうふうにその銅合金製のプラグが移動したかということがよくわからぬわけでございます。まず関西電力といたしましては建設時以降はその八分の三インチの黄銅製の栓を購入していないわけでありまして、しかしながら下請企業は数回購入しているということがわかっております。それから関西電力所有の工具箱の中にボルト、ナットと一緒に栓が入っているということは、これは特別の工具箱の点検を命じまして、その中に一体どういうものが何以下が幾つ入っていたかというのを全部調べ上げたのでございますが、その中には大分ほかの工具箱にもボルト、ナットが入っておりまして、この作業員のものの中に入っていたということは十分考えられるかと思います。それから下請企業におきまして栓の戻し入れ管理が不十分でありますので、つまり要するに何個か予備を持っていって作業いたしまして、その後余った栓をどういうふうにしたかということがはっきりしておりません。そういうことで完全に戻入されたかどうかということについての記録がありませんので、工事用の残材というのが工具箱の中に入っていたということも考えられるわけでございます。
 そういうことで、確証を持ってこういう経緯で入ったということは申し上げられませんが、いま申し上げられますような推計のもとでいきますと、恐らく工事用の残材というのが入っていたのではないかというふうに考えられるわけでございます。
#57
○吉田正雄君 いまの答弁を聞いていますと、なぜそうなったのかということがまだ的確に把握されていないということで、今後もその体制が改められるまでの間また同じような事故が繰り返されないとも限らぬわけですね、いまの答弁を聞いていますとね。
 それはそれとして、もっとほかにも重要なことをお聞きしたいことがありますので、この問題はこの程度にしたいと思うのですが、実はいまの高浜二号の資源エネルギー庁から出されているこの文書が、十一月五日付、十二日付、それから十五日付と三つあるのですけれども、やっときのうこれを持ってきてもらったのですよね。ずいぶん前から催促しておってやっと出てきたのですよ。だから、政府委員室を通じてやって、まだかまだかと言って、やっとこれがきのう来たのです。まだ来たからいいです。科学庁の方なんというのはなかなか来ない。委員会のあれに間に合わないことがよくありまして、そういう点でも国会審議がなかなか思うようにいかない。余り新聞記事だけでこうだああだ言ってもしょうがないですから、私どもとすれば正確な――正確なというよりも、当局の一応正式なそういうものについていろいろ聞きたいと思うのですけれどもね。私はけさ帰ってきたものですから、きのう持ってきてもらったってこれはもう見ようがないですよ。いまここへ来る前に初めてこれを見たのですけれどもね。
 そういうことで、これはさっきの資料のあの問題に追加しますけれども、もう出ている文書なんですから、こんなものは資料請求したら即日でも持ってきてもらいたいですよね。一週間たったって来ない。これじゃもう話になりません。
 もう一つ、玄海事故がまた逃がし弁の問題が出たわけですね。これもまさにTMIと同じ。原因はなんですかね、これは。
#58
○政府委員(児玉勝臣君) 玄海発電所におきましては、一次冷却材ポンプの軸のシール部の不調個所がございまして、これはシール個所に水圧をかけているわけでございますが、そこから漏れ出る水の量がだんだんと増加しつつあるという状況がありまして、それを調整するために一時原子炉の圧力を二キロばかり上げますとまたその漏れの量が減るということもございまして、十二月の三日にその加圧器のヒーターを使いまして圧力を上げたわけでございます。それで百五十七キロから百五十九キロまで二キロ上げまして、そしてそのシール部の部分の圧力を加えるということが行われたわけでございまして、その効果が出まして冷却材ポンプの軸のシール部のいわゆる漏れというのは減ったわけでございますけれども、その折に加圧器逃がし弁が噴きまして、これが三秒開閉作動したということがわかったわけでございます。出たその蒸気、水は〇・三七トンでございまして、そういうことで逃がし弁のうち一つが誤作動したということがわかったわけでございます。それで、その弁がさらにどうも漏れておるようだということで直ちに元弁を閉止いたしまして、そしてもう一つの調整逃がし弁を生かしたまま運転を行っていたわけでございます。
 そういうことで、なぜその弁が閉まらなくなったかといいますか、この漏洩がまだ続いているかということについては、これは分解なり点検をしないとちょっとはっきりわかりませんが、現象としてはそういう事象になっておるわけでございます。
#59
○吉田正雄君 原因がわからぬままに運転を継続していくということになるとこれは大変だと思うのでして、私はやっぱり徹底的な調査をやるべきだと思うのですよ。その点はどういうふうにお考えになっていますか。
#60
○政府委員(児玉勝臣君) 私たちといたしましても、ただいま私が一連の操作を申し上げましたけれども、逃がし弁というのが二基ございまして、一基ぐあいが悪くなったときにはその元弁を閉止しましてもう一つの逃がし弁を生かしながら運転を続けてよろしいという運転要領になっておりますので、別段この運転の仕方には差し支えないわけでございますが、ただいま先生おっしゃいますように、本件加圧器逃がし弁に関連する問題でございまして、また、これは本来運転調整機能上のいわゆる弁ということで安全系とは違っておるわけでございますけれども、しかし、TMI以降はこの加圧器逃がし弁についても安全系の中身として考えるべきではないかという判断も出ております。そういうことで、この逃がし弁というものに重要な関心を払っておるときでございますので、その原因を直ちに調べるということで近々停止いたしましてその故障の逃がし弁の状況を調べる、またそれを復旧いたしまして機能が回復した完全な状況でまた運転をするということにしたいということで九州電力から申し出がありましたので、それを了承したわけでございます。
#61
○吉田正雄君 逃がし弁が二つあって一つがいま言ったような状況だということですけれども、この二つの逃がし弁というのは全く構造も材質も同じものなんでしょう。違うんですか。どうなんですか。
#62
○政府委員(児玉勝臣君) 両方とも同じ構造のものでございます。
#63
○吉田正雄君 そうすると、一つがいま言ったような故障を起こしている状況の中では、もう一つもいつどのような故障を起こすかわからぬわけですよね。ですから、そのうちに停止をしてではなくて、私はやはり早急にというよりも直ちに停止をして原因を徹底的に明らかにすべきだと思うのですね。全く私はスリーマイルアイランドのと似たような状況だと思いますからね、状況によってはまた。そういうことで、私は直ちに停止、点検の措置をとるべきだと思うのです。そういう点では安全委員会としてはどうなんですか、このいまの玄海の事故に対する見解は。
#64
○説明員(吹田徳雄君) 安全委員会といたしましては、このトラブルを非常に重要視いたしました。それはやはりTMI事故の教訓をわれわれとしては真剣にわが国の原子力施設の安全向上にできるところがら持っていく義務がございますので、昨晩もそういうことで、先ほど通産の方からお話がありましたように、可及的速やかにこれを徹底的にその原因を追求すると同時に、どういうところを今後考えていけばよろしいかということを通産の方から聞くことになっております。
#65
○吉田正雄君 通産にお聞きしますが、そのうちというのはいつなんですか。さっき何かそのうちというふうなあれがあったのですが、私は直ちに停止をしてやるべきだと思うのですよ。
#66
○政府委員(児玉勝臣君) 吉田先生おっしゃいますように、スリーマイルには関連ございますけれども、スリーマイルと同じような状況ということとはちょっとほど遠いのではないかと私たちは思っております。というのは、元栓を閉めるというような操作がちゃんと行われております。したがいまして、いまは全然その漏れもございませんし、それから圧力制御につきましても、加圧器のヒーター、スプレーはいま健全に動いております。そういうことで運転上の圧力制御というのは完全に保たれておるという状況下にございます。また、非常の場合の圧力上昇に関しましては、安全弁が二個ございましてそれが保護をするということからいきまして、私たちとしては直ちにとめなければならないような状態にあるとは思っておりませんので、先ほど近いうちにと申し上げたのでございます。まあ私たちの感じでは、これは発電所がとまることによりますたき増しの問題もございます。どこの火力発電所にその負荷を移行させるかということもありますし、油の調達の問題もございますし、等々ございまして、そういうようなことの整い次第というふうにわれわれとしては考えております。したがいまして、はっきり申し上げられませんけれども、約一週間以内ぐらいにはとめられるのではないかと、こう考えております。
#67
○吉田正雄君 私は、この安全問題というのは、どれほど深刻に受けとめ、十分過ぎると思われる、そういう対応をしていかなきゃならぬと思っているのですよね。いや、TMIとは少し違うとか、予備があるからいいとか、元栓があるからいいとかいっても、共倒れ現象というのが次から次へと出る場合もありますし、残りの弁についてもいつそういう状況にならぬとも限らないわけですからね。そういうことで、私は慎重の上にも慎重を期してやるべきじゃないかというふうに思いますから、この点はとにかく強く要望しておきます。
 次に、私は福島の問題について少しお聞きをしたいと思っているのです。福島原発のあの第一号炉については、従来もずいぶんといろいろな事故、故障、とりわけ給水ノズルのひび割れ等、深刻な事態というものがいままで何回かあったわけです。たとえば四十九年の九月に一次冷却水の再循環パイプのひび割れが起きておりますし、五十年の二月に緊急炉心冷却装置のスプレー配管のひび割れというものが見つかっておるわけですし、さらに制御棒駆動水戻しのノズルのひび割れ、さらに一次給水ノズルのひび割れというものが見つかっているわけですね。このノズルのひび割れの場合には、四本のうち二本にひび割れが発見されておるわけですね。Aノズルで五本、Cノズル三本の計八本なんですね。しかも、Aノズルで一番長い傷というのが百二十ミリ、Cノズルでは六十ミリということが言われておりますし、ひびの深さが二十五ミリ、ステンレスを貫通して本体の炭素鋼にまで及んでいるということが言われてきたわけですね。ところが、これは通産の気づくのが一番遅くて、電力会社、東電はGEからの連絡によってわかったということがいま言われているわけですけれども、これは削り取ればそれでいいという安易なことでこの前のときには済ましてきたのではないかと思うのですが、GEの場合には今日まで十一基給水ノズルスパージャーの取りかえまで行うというふうな大修理も幾つか行われておるということを聞いておるわけです。
 そこで、近く福島の第一が定期検査に入る。もう入ったかどうか、ちょっと私聞いておらないのですが、この定期検査はいつから入るのですか。まず、そこからお聞かせください。
#68
○政府委員(児玉勝臣君) 本日から定期検査に入ります。
#69
○吉田正雄君 ですから、私はこの委員会をもう少し早く開いてもらいたいと思ってこの前委員会でやったのですが、反対の意見もあってきょうまで延びてきたのですけれどもね。きょうから入ったわけですか。そうすると、時間がありませんから端的に聞きますけれども、この定期検査に際して行う修理はどことどこが予定をされておりますか。
#70
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいました応力腐食割れ対策工事が主でございまして、原子炉再循環系ライザー管の取りかえ、それから原子炉浄化系配管の取りかえを考えております。それ以外に給水ノズルの点検ということを計画しております。
#71
○吉田正雄君 例のノズルのひび割れですけれども、これは中の水の温度と、それから冷却水が水に戻されて戻ってきたものとの温度差というのが大体約百度あるわけですね。その温度差による応力によるひび割れというものと、さらには原子炉を起動したり停止したりというものに伴う応力ひび割れと、この二つが私は重なってきてこのステンレスのノズルコーナーのひび割れというものも出てきているのじゃないかというふうに思うのですね。もし原因がそうだといたしますと、これは本質的な問題になってくるわけでして、大変な事態になるのじゃないか。単にひび割れを削り取ってしまえばいいなどというものじゃないと思うのですね。しかも、これは外部からでは見えないわけです。そういう点で、このスパ一ジャーのところまでずっと影響が及んでいって、スパージャーの取りかえも場合によっては必要ではないかというふうに深刻に指摘をしている人もおるのですね。その点についてはどうなんですか。
#72
○政府委員(児玉勝臣君) SCC問題というのは非常に重要なしかも大変な問題だということは、それは深刻にわれわれも受けとめております。
 それで、具体的にこの制御棒駆動のところの駆動水のところのいわゆるひび割れ対策ということにつきましては、戻る水とそれから入る水とのいわゆる温度差、いま先生おっしゃったように温度差が非常に高いので、今度はリターンしないように、その戻る水がリターンしない方法に今度変えまして、その温度差が出ないように考えたい、こう思っております。
 それから給水ノズルの問題につきましては、これは給水ノズルとサーマルスリーブの間隙から流入した低い温度の給水とそれから原子炉のいわゆる高温水とが混合する際に生ずる温度変化というふうに考えられますので、この再発防止のために給水ノズルとサーマルスリーブの間隙がない新型スパージャーに取りかえたいと、こう考えております。
#73
○吉田正雄君 大体わかってきたのですけれども、ある本では、これはこういうことを指摘してあるのですね。いま直接ということでなくて、大体この問題にも関連していると思うんですけれども、原子力発電所の場合には数多くの実証されない理論の上に立って設計され運転されておるということが言われているわけですね。したがって「ある種の安全装置は、コンピュータ・モデルによる頼りない試験結果に基づいてつくられている。」ということがずっと指摘されておって、修理がむずかしくなってきた場合、「必要な修理の一部をしないですませるという手を考えだした。」というのですよね。「コンピュータ計算によって、あるパイプやその他の部品はかならずしも必要ない。という結論を出すのである。こういう操作を、技術者たちは、“フィックス”(fix)と呼んでいる。」というのですよね。ということで、この前の修理点検の際も、ひび割れを削ればいいんだと。原因が徹底して突き詰められていない、明らかにされていないということで、ひびさえ削ってしまえばいいという、こういう修理でもって済ましてきた。これは福島一号だけではないのですね。玄海もありますし、その他にもあるのですね。ひび割れは全部削ることによって済ましてきた。ところが、本質的には、いま言ったように水の温度差とかあるいはいろいろなこの原子炉の構造そのものから来る避けることのできないひび割れではないかということが指摘をされているのですね。そのことによっていつか大事故が起きるのじゃないか。大破断という――大破断までいかなくても、小破断ということが心配されるということで、パイプ一本取りかえるのでも実は大変な問題があるわけです。
 そこで、私はいま言ったような点で徹底した点検と修理というものを行ってもらいたいと思うのですが、あわせてさらに、これはアメリカの場合ですけれども、実は例のハドソン河畔のインディアン・ポイントー号で一本のパイプの故障を直すために原子炉が六ヵ月停止された。資格を持った溶接技士が千七百人も動員されたというわけです。しかも、作業時間というのが一、二分から二、三分という短時間で行われている。私が言いたいのは、このアメリカの例で言いたいのではなくて、実は福島の原子炉についても今日まで定期検査や修理で非常に多くの労働者が動員されているわけです。とりわけ一番危険なその管理区域における、炉心等における作業というものが、専門の技術家ではなくて、まさに渡り鳥と呼ばれる、原発ジプシーと呼ばれる多くの下請労働者によって今日まで賄われてきた。おまえはあそこへ行ってこのネジをこういうふうにやってこい、これをこういうふうにやれということで二分、三分という限定された時間でもって全部行ってくる。だから、一回の定期検査で今日では四千人、五千人という人員を必要としているわけですよ。アメリカからまで持ってきましたね、この前福島の場合には。非常に知られては困る部分の修理についてはアメリカの技術者まで連れてきて修理をやっているということも明らかになっているわけですね。
 そこで、私は、今度の福島の定期検査について、これは単なる定期検査ではなくて相当危険な修理が行われる。いまも話があったとおりです。きわめて危険な修理というものが行われているわけです。その労働者被曝について一体どのようなことを考えておいでになるのかということで実はお聞きいたしたいのです。時間がありませんので端的に答えていってください。先回の定期検査の際に動員された人たちの労働者の数は何人だったですか。
#74
○政府委員(児玉勝臣君) 福島一号だけの数字はちょっとございませんで、福島第一全体で申し上げたいと思いますが、参加いたしました従業員の数は一万四百九十六名でございます。
#75
○吉田正雄君 通産や科技庁が発表しておる被曝実績というこの一覧表なんですけれども、これもやっと間に合って来たんですよ。よく見てないのですけれども、実は合計の数字では実態は出てこないんですよね。私が一番聞きたいのは、いま福島第一全体で一万四百九十六人だとおっしゃったのですけれども、福島の一号炉で何人か、具体的にいかないと、合計でもってみんなぼやかされちゃうのですよ。平均被曝線量は幾らですでは困っちゃうのです。最も被曝を受けた最高の被曝線量がどれだけかという数字が明らかでなければ、平均でみんな薄めてしまって、大したことはない、合計で一万人・レムであるとか平均すれば〇・何レムであるというふうなことで、みんなすべてがごまかされていくわけですね。そういうことで自殺者が出たり、現に死んだ人間までが出ておってもみんな抑えられていくという、こういう深刻な状況、これは大臣も安全委員長もよく聞いておいていただきたいと思うのですね。これは通産の仕事だけじゃないのですよ。安全委員会は、この被曝問題の安全性の問題というのも安全委員会の重要な主管業務ですから、私は安全委員長に聞いておいていただきたいと思う。
 いま各炉の人数がわからぬじゃ困るのですね。これだけ大事な問題ですよ。その程度の集計しかやっていないということになったら大変ですしね。しかし、それしかないと言うのですからね。ないことはないと思うのですがね。合計が出るということは、もとがあったから合計して数字が出てきているのですからね。
 その次に、先回の定期検査、それかは修理の際における最高の被曝線量は、この福島第一の一号炉ではどれだけありますか。
#76
○政府委員(児玉勝臣君) いまどれくらいの量が最高かというのは、ちょっと手元にございませんのでお答えできませんが、三レム以上四レム未満というものが三十六名、その一万四百九十六名のうち三十六名おります。
#77
○吉田正雄君 そういう数字は全然――全然とは言いませんけれども、余り意味がないです。合計では余り意味ないのですよ。というのは、電力会社の職員や――大臣、委員長、聞いてください。電力会社の職員であるとかメーカーの職員というのは、そういう一番危険なところに入らないのですよ。だから、電力会社の皆さんが安全だ安全だと言うのは、自分たちがそういう危険な仕事をしないからです。原発ジプシーと言われる、渡り鳥と言われる人たちが一番危険なところへ入っていくのですよ。あの宇宙服を着せられて。そして、二分でやってこい、三分でやってこいということで入っていくわけですよ。それを全部平均で、動員された何千人で割っちゃうものですから平均が幾ら。確かにこの統計の中では何レムから何レムという区分もありますけれども、本当に深刻な下請労働者のは、これは余り入っていない。この統計には非常に問題がある。
 それから次に、それでは一年当たり一原子炉当たりはどれくらいに抑えることにしているのですか。国際的にはどうなっておりますか。
#78
○政府委員(児玉勝臣君) 国際的には三ヵ月三レムということで、これは日本の国の法令にも定まっておるところでございます。いま先生おっしゃいました表で申し上げますと、五十三年の数字で申し上げまして、原子炉基数二十一基ございまして、平均被曝線量は〇・三九でございます。したがいまして、〇・二レムということで概略の数字が出ておるかと思います。
#79
○吉田正雄君 時間がありませんから、私がこれから言うのは資料として出してください、次の委員会でやりますから。
 非常に深刻なんですよ、これは。いま定期検査にもうきょうから入ったとおっしゃっていますからね。じゃ、どういう作業でどのような許容量を設定しているのか、作業内容ごとにそれが明らかになるように資料を提出していただきたい。多分定めていないのじゃないかと思うのですよね。定めてあったら、どういう管理区域のどういう作業内容では許容量はどれまでにしてあるかという、本来これがなきゃ意味がないのですよ。ないから、渡り鳥労働者と言われる人たちが一番危険なところへ入っていくのだ。許容量をはるかに超えているのですよ、私たちの調査では。死んでいる人が出ていることも事実なんだ。電力会社は家族のところへ金を出して口封じをやっている、そういう事実も私たちのところに来ているのですよね。そういうことで、作業時間も含めてどういう管理区域内、たとえば原子炉のこういうところでは作業時間がどれだけ、許容量はどれだけ、それから一日当たり、一週間当たり、いま三ヵ月で三レムであるとか五レムであるというふうないろいろな言い方がありますけれども、はっきりしていかないと困るのですね。そういうことで、そこのところをきちんとして出していただきたいと思うのです。
 これだけはわかるでしょう。一日当たり幾らなんですか。炉内の作業は、一日当たりは許容量はどれだけに設定されてありますか。
#80
○政府委員(児玉勝臣君) 法令上は、そういう一日当たりの許容量というのは別に決めておりません。それで、各電力会社の現場におきまして一応の目安として考えておりますのが百ミリレムでございます。
#81
○吉田正雄君 最近、定期検査や修理の際における人員がとても賄い切れない。この信懲性は、私も直接本人に会っているわけじゃありませんからわかりませんけれども、最近は労働者の確保に非常に苦労して、刑務所から出てきた人をどんどん連れていくという話を聞いているのですよ。いいですか。その辺の山谷だとか釜ヶ崎ではありませんけれども、お兄さん、こういういい仕事がありますよ、一日わずか何分で何万円ですよというふうな言い方で、そういう人までいま動員しているという話を聞いているのです。それは事実であることは間違いないです。そういうことで、いま一日当たり百ミリレムとおっしゃっていましたね。百ミリレムでおさまっていないですね。おさまっておりませんよ。基準がないわけじゃないと思うのですが、あるのですかないんですか。時間がありませんから、まずそれから聞かしてください。いま、作業場所ごとの一時間当たりとか一日当たりあるいは一週間当たりの許容量がどういうふうになっているかというそういう綿密な基準というものが設けられてあるのかないのか。あるとすれば、それを改悪をする動きというものがあるのじゃないかということも聞いておるのです。その点どうですか。
#82
○政府委員(児玉勝臣君) 法定上ないということは先ほど申し上げましたが、実際の作業に当たりましては、その作業の内容とそれから作業者のいわゆる被曝との関係の計画、これは管理区域内におきます作業では必ず実施しなければならない問題でございます。そこでの被曝計画をつくりまして、それで何人ぐらいの従事者によって行うかということが考えられるわけでございますが、その場合に、一人当たりの許容量というのが幾らかというのをそのときどきで決めているわけじゃございませんで、先ほど申し上げましたように、各発電所におきまして一日当たり百ミリレムというのを目安として考えておるわけでございます。
#83
○吉田正雄君 時間がありませんから、それじゃ、先ほど言った資料ね、もう少し言いますと、いままでの被曝実態をいま言った管理区域ごとにどういうふうになってきたのか、その基準とそれから被曝実態、これを明確にしていただきたいということと、その際における電力会社やメーカーの職員と、それからいわゆる下請、孫請とずっとあるわけですよ。俗に言う原発ジプシーと言われるような本当の下請労働者。組合もない、管理もほとんどされていない。皆さんのあの中央の登録センターなんというものは、あんなものほとんど機能していないですよね。管理がきわめてずさんだ。そういうことで、わかるだけの資料は全部出していただきたいと思うのです。私の方へは、実は氏名を明らかにすると自分の仕事がこれからできなくなるということで、名前は明かさないでくれということでいろいろ来ているわけですよ。いいですか。その一部は堀江さんがみずから自分でもって労働者になって本も書かれておりますから、実態というのはある程度あの本に出ていますよ。出ていますけれども、本当に、今日原子炉の定期検査や修理をやる際の下請労働者の実態というのは実に悲惨なんですね。まさにみずからの命と引きかえにあの作業をやっているのですよ。その実態を安全委員会や通産省や電力会社の幹部、メーカーの幹部は本当に知っているか。本当に安全だと言うのなら、今度、修理の際に、点検の際に、私も入りますから、安全委員長、大臣も一緒に私とあの中に入ってみませんか。入る勇気のある人は私はいないと思いますよ。一番安全だと言う人間が一番そういうときになったら入らぬと思う。非常にいま深刻なんです。
 そういうことで、私がいま言った資料は、これは早急に出していただきたい。私は、次回の委員会でこれをもう少し掘り下げてやりますから。私が聞いているところでは、きょうからの定期検査、この被曝線量の基準については大幅に緩められて行われているのじゃないか、そういうことが言われているのですよね。逆に言うと、いままでの基準では労働者の数が足りない。やれないんですよ、はっきり言って。やれないから、どんどん人間をふやさなきゃならない。ふやすことができないから許容線量というものを大幅に引き上げていく。いま百ミリレムとおっしゃったのですけれども、もう場合によっては十倍の一レムということまで考えられているのじゃないかといううわさすら飛んでいるのですよ。皆さんの手元にあるのじゃないですか、そういう計画というのが。計画がありますかないですか、それだけ最後に聞かせてください。
#84
○政府委員(児玉勝臣君) 一日の被曝線量をふやすというような計画は、聞いたこともわれわれも考えたこともございません。
#85
○吉田正雄君 本当ですか。事実が出たらどうしますか。
#86
○政府委員(児玉勝臣君) 私はまだ聞いたことも、また私自身も考えたことはございません。
#87
○秦豊君 まず、質問順位の繰り上げにお力添えを賜りまして、ありがとうございました。
 長田新長官は、いまから私が申し上げることをとりわけ的確にお受けとめを願いたい、後ほどあなたにぜひ伺いたいこともありますから。
 いま吉田さんがお触れになったのは、まさに下請労働者にとりわけ深刻な状態であらわれている被曝問題です。私は、三十分しかありませんから、この問題に集中します。答弁はだらだらしないような配慮を特にお願いしておきたいと思います。
 まず、新長官、私のこの問題についてのとらえ方なんですが、近代科学の最先端と言われている原発の作業現場が、実は前近代的な労働条件、観点を変えれば人権問題とさえ言われるようなずさんな管理体制で放置されている。先ほどから言われていますように、必ずしも皆さんのチェック体制は厳密ではない、放置されている、こういう私は認識を持って御質問をしたいと思うんです。その大きな踏み台としては、たとえばフリーライターの堀江さんの書かれた本がありますね。まさに吉田氏が言った「原発ジプシー」というそのものずばりのタイトルの本なんだが、恐らく皆さんも一通りは披見されたのではないかと思いますし、また、資源エネルギー庁から新たに出された被曝実態、こういうデータを踏まえて質問します。
 そこで、いま二万五千から三万の下請労働者が原発の第一線労働現場を支えています。ところが、資源エネルギー庁のデータによると、七八年度の働く人々の被曝は一万三千二百一人・レム、こうなっていますから、七七年に比べると実に六二%もふえているわけですね。このことをまず伺っておきたいんだけれども、つまり、稼働を始めたないし稼働している原子炉が二十一基とふえたんだ、稼働している原子炉がふえたんだから当然被曝の数量がトータルで多くなったんだと、こういうふうに皆さんは説明をされるかもしれないけれども、私はそうではない。むしろ原子炉の老朽化、無理な稼働、無理な運転、そして放射能管理体制の欠陥の反映だと私は考えている。まずその点について伺っておきたい。
#88
○政府委員(児玉勝臣君) 五十三年度の被曝が非常にふえましたのは、主に先ほどお話が出ましたSCC対策によりましてBWR型の発電所の工事というのが多く行われたということでございます。
#89
○秦豊君 この場合、問題は幾つかあると思うんですが、児玉さんも正直に確かにB型沸騰水型に問題が多いということは老朽化している、この問題を踏まえていると思うんですね。
 それからもう一つは、社員と下請の比率を比べてみますと、社員の被曝は全体の六%弱なんですね。残りは当然九四%だ、それが全部下請。タコ部屋ですよ、これはあえて言えば。
 そこで、私は、具体的に堀江さんの著作から、抽象論をやってもしようがないから具体的に一つ一つ聞いていきますが、たとえばホール・ボデー・カウンター、WBC、これはもちろん言うまでもなくガンマ線しかはかれませんわな。ところが、実際にどういう状態ではかられているかというと、内部被曝を本来測定するものなんだけれども、測定値が高そうだなと思ったら作業員にシャワーをとらせるんですよ。シャワーをとりなさい、丹念にシャワーをとりなさい、そうしておいて値を下げて、数値を下げたなと思ったらカウンターにかかる、美浜原発の場合はこういうことをしょっちゅうやっている、一例を挙げれば。こういう記述があるんだが、そういう実態の把握はされていますか、あなた方は。
#90
○政府委員(児玉勝臣君) 具体的に私たち把握しておりませんけれども、いま先生おっしゃいましたように、汚染されておる個所がわかりますと、それをシャワーで洗ってその除染した効果を碓認するということは通常行われていると思います。
#91
○秦豊君 まず生のデータをつかむためにはシャワーを浴びる前の測定、それからシャワーを浴びた後の測定、これは当然じゃないですか。
#92
○政府委員(児玉勝臣君) 当然シャワーを浴びる前にはかっておると私は思っております。
#93
○秦豊君 それが行われていない。児玉さんも皆さんも、吉田さんの指摘じゃないが、一度、科技特から行ったりするとお座敷しか回れないから、抜き打ちで一緒に歩きましょうよ、大名旅行じゃなくて。そんな答弁をしていたらすぐ現場からひっくり返される。たとえば福島第一原発の場合には、この著作の百四十四ページによると、Aという同じ人物が同じときに同じ作業をしてそれでカウンターにかかったら、こんな幅でばらつきで数値が違っている。同じ現場ですよ、同じ時間ですよ。つまり、WBCが十全に機能していない、故障するなら故障しっ放し、こういう実態が報告されているんですよ。これは一々聞いても、いいえ、そんなはずはありません、いいえ、完璧です、いいえ、われわれはやっています、こういう答弁しか返ってこないと思うんだ。これはむしろ堀江さんが七ヵ月間働いてみずから体をさらして体験をつづった生々しい迫力のあるものですよ。ぜひ一読をお勧めしたいと思いますが、参考人にお呼びして――皆さんはどうせ幾十質問をぶっつけても、いいえ、いいえ、いいえ、そんなはずはない、表現がオーバーだとおっしゃるだろうから、一遍参考人にお呼びしたい、皆さんのお力添えを賜って理事会の決定を得て。そう思いますよ。
 それで、こういう問題はどうなんですか。たとえばサーベーメーターというのを使う、当然。ところが、係員が放管者が現場現場にいないものだから、作業員が下請の人々が一人一人が手に持ってチェックするわけですね、勝手に。ところが、手の届かぬところははかれない、自分は。それから測定器は一秒間に三センチメートルぐらい緩やかに動かさなければ正確にチェックできないのに、まあまあそういうことはめんどうくさいからやらない。そういう状態が放置されている。それからハンド・フット・モニターの場合でも、ばらつきが福島第一の場合特に強い。ポケット線量計でも、ちょっとショックを与えるとすぐ針がだめになりますわな。ところが、首からひもでぶら下げているから防護服に固定しないから故障と結びつきやすいとか、あなた方が机の上で考えていたりペーパープランでは想像もつかないようなことを全部やっている。それからアラームメーターというのがあるんだけれども、せっかくあるんだけれども、故障が余りにも多い。セットしておいた限界値を超えても音が出ない。警告音が出ない。しかし、限界値を超して作業をすると、今度は逆にそこにおる作業員が叱責を食らって始末書を出さなきゃいかぬ。だから、勢い限界値以下でございましたと架空の報告書を福島第一の場合などはしばしば提出を要求している。こういうことなんですね。
 こういう私がいまちょっと簡単に挙げただけの生々しい現場の状態について、皆さんはどういうお答えが可能なんですか。
#94
○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃるような状態が現場で行われているというお話でございます。私も先生おっしゃるように現場でもって実際に働いたわけでもございませんし、その実態ということについて十分な認識を持っているとは思いませんが、法令の定めるということでいきますと、電離放射線障害防止規則ということで、その電力会社自身がそこで働く放射線業務従事者に関する、いまおっしゃった機器が不十分であるか、それからやり方がどうかという問題についての責任がそこに負わされておるというわけであります。したがいまして、いまおっしゃったような問題があるとすれば、そこの被曝管理の責任者の管理が十分でないということでもございますので、実態を把握しました上で、そういう管理が十分行き届くように指導したい、こう考えております。
#95
○秦豊君 じゃ、こういう実態は御存じですか。たとえば汚染許容量ですね、さっきから論議されていますけれども。これは原発ごとに違うんですよ、長官。ばらつきがあるんですよ。御随意にと電力会社によって違う。統一基準があるのかなとだれでも思いますよね。ところが違う。どこがどう違うかと言うと、美浜と福島第一なんか違うんですよ。だから、西と東は違う、やり方が。非常に分権的なの。ということは、あなた方の管理体制がルーズということですよ。つまり、その週の汚染線量の総量がさっきからお話があったように三百ミリレムを超しちゃいかぬと、これはまあ一応の定め。ところが、敦賀の場合なんかは、一週間の線量の集計を始める日にちは決まっていて、その日を超したら御破算で計算する。そろばんじゃないが、ゼロからまた再スタート。これは何回繰り返しても絶対基準内におさまるのはあたりまえなんですよ。こんなことを平気でやっている。だから、美浜とか福島第一方式でカウントすると許容量を超えるんだが、敦賀ではそれは全部いつまでたっても三百ミリレム以下というリポートしか表には出てこない、こういう仕組みになっているんですよ。これは御存じですか。
#96
○政府委員(児玉勝臣君) 先ほど申し上げましたように、私の手元にあるこの調査では、被曝管理の目安線量というのは各社とも百ミリレムでございます。それで、一週間当たりの線量といたしましては三百ミリレムということで、四国電力だけが二百五十ミリレムという方法をとっております。先生先ほどおっしゃいましたように、三ヵ月ごとに繰り返すというお話でございますが、これは一方では一年間に五レムということで決まっておりますので、三ヵ月置きに更新するということとは別に一年間の許容量の管理ということもやっておるわけでございます。
#97
○秦豊君 それからこれは一回後で提案しますが、長官にも答えてもらいたいと思うんだが、たとえば単に汚染の測定ばかりじゃなくて、汚染された工具がありますわな。これなんかも、その堀江氏の記述によりますと、汚染工具が汚染管理区域外につまり汚染されたままの状態で持ち出されていることをしばしば目撃し、それをぴたんと書いています。彼は書きとめています。だから、管理区域外はおろか、町中にそれが持ち出されたケースが、福島第一の場合、敦賀の場合、二回記述されています。これは、だから、一人一人の作業員の汚染量のチェック体制はおろか、工具にまでこのルーズさが及んでいる。恐るべき状態だと私は思うんですがね。あの敦賀、福島、いやしくもこれに該当したと記述されているという当該の放管責任者を呼んでも、皆さんの前へ行くと、いえ、とんでもない記述で迷惑をしておりますと言うに決まっておるんだけれども、一度呼び出すなり派遣するなりして、この放射能管理体制、汚染管理体制、これを厳重にこの際特にチェックしてみませんか。思い切ってどうです、長官。
#98
○国務大臣(長田裕二君) ただいままでの御紹介ないし御指摘の点には私ども相当傾聴しなければならない点が多々あると存じますので、関係者ともよく相談をいたしましてその安全確保の面につきまして研究をしてまいりたいと、そのように考えております。
#99
○秦豊君 たとえば、こういうこともついでに改善してもらいたい。放射線管理教育、いわゆる放管教育、現場でどういうふうに教育しているかなと言いましたら、八ミリフィルムを下請労働者の方をホールに集めまして簡単な映写機で放映するわけです。四十分ほどで終わるそうなんですが、これは原発よいとこみたいな感じだと。つまり、いかに安全でいかにスマートで清潔でもうあらゆることが十全だということの、もちろん高い金を出したPRフィルムだから、それをこう見せる。そして、ある一種の虚像を与えるわけですね。そして、おまけに、作業中不明の点があったら現場の元請会社の放射線管理者の指示に従うように、わからぬところはどんどん遠慮しないで聞きなさいと、こう言うんだけれども、現場に放管責任者がおったためしがない。だから、まるでもう本当のモルモット的に、吉田さんの話じゃないが、一番危険な個所には情け無用に、ろくな教育も知識も情報も与えない、そういう下請労働者の人をどんどんほうり込んでいる。社員の人の声を聞いてみるといい。私たちだったら絶対に拒否すると、そういうことは。だから六%で済んでいるんですよ。九四%のしわ寄せされている人の身になってもらいたい。だから、一回、この放射能管理教育それからチェックの問題を含めて全部この際稼働している原発現場の安全管理再点検、定期検査じゃなくて基礎的なやつ、日常的なやつ、これを断然として厳しく行うと約束を長田新長官にしてもらいたい。どうですか。
#100
○政府委員(牧村信之君) 科学技術庁は個々の原子力発電所の放射線管理の監督というものは行っていないところでございますので、ただいま先生の御指摘の点につきましては通産省とよく相談して対処してまいりたいと考えるところでございます。
 なお、この際つけ加えさしていただきたいと思いますけれども、私どもは、特に下請の従業者の方々がいろいろな現場を渡り歩くことが当然あるわけでございますので、その点に関しましては、被曝の中央登録制度をつくっておりまして、本年度からそれが機能を果たすようになってきております。最近、昨年度において、電力会社において働かれた方が法定値を超えるような被曝があるということは非常に問題でございますので点検をさせましたところ、幸いにして年間五レムを超える方はないということでございます。個々については先生御指摘のいろいろな問題あろうかと思いますが、幸いにしてそういう線で十分おさまっておるということは確認しておるところでございます。
#101
○秦豊君 労働省、お見えですか。――この堀江氏の指摘に対しまして必ずしも行政が一〇〇%動いていないんじゃなくて、一応対応の姿勢をちょっと見せているんだな。つまり、福島労働基準局富岡労基署ですか、この責任者の方が堀江さんからぜひ詳しくもう一回事情を伺いたいという申し入れをしているぐらいだから、一応関心は芽生えているようである、対応としては。そこで、私が申し上げた――これは時間がないから幾十というデータを三つか四つにはしょったんですけれども、私自身のこの指摘に対して、あなた方は実際に下請労働者を管理する責任の衝にあられるわけだから、どういう把握をしておられて、私の指摘した事実関係の一つ一つに照合すると切りがないけれども、どういうふうな受けとめ方をしましたか。これが非常に過剰な指摘、実態を超えている、非常にずさんだとおっしゃりたいかどうか、答えてください。
#102
○説明員(林部弘君) いま先生の御質問にどういう形でお答えするかでございますが、私も実はこの「原発ジプシー」という本をまだ全部完読いたしておりません。ただ、週刊誌の方で見まして、その中でどうも三点を堀江さんが御指摘になっておりますが、一つは管理区域外の労働関係の問題、これは放射線に関する障害防止規則ではなくて一般の安全衛生の問題になるわけでございますが、それと管理区域の問題と、もう一つは事故隠しをしているのじゃないかと。私どもは、一番急ぐ問題として、現実に事故隠しというようなことをやっていたのかどうか、その点について早速どういうことになっているかということを現地の確認をいたしましたら、この件につきましては報告を受けておりまして、確かにこの方がマンホールの中に墜落して肋骨骨折を起こしたという事故があったという事実は確認をいたしております。この事故につきましては、当然事業者は法令の定めるところによって死傷病報告を出さなければいけないということになっているわけでございますが、その報告を出していなかったということに該当いたしますので、監督者の立場としてはその死傷病報告が未提出であったということについてはしかるべく措置をとるということで準備をしておる、その余の実際の被曝管理がどうであるかということにつきましては、先ほど先生の御指摘のあったような事実があるかどうかということにつきましては、これは監督の立場では先ほど実際に原発側からのお答えがありました以上のことは私どもとしては確認できないわけでございますから、その点につきましては、私どもの確認できた範囲で現在までわかっているところでは、事故の報告が未提出であったという実態があったということは事実でございますが、その他被曝管理については、私どもの確認できる範囲では先生のおっしゃるような事実があったかどうかということははっきりはわからないということでございます。
#103
○秦豊君 それから長田長官、これは外部被曝とか内部被曝ね、内部被曝のチェック体制にも大変問題があるわけですよ。ということは、一体皆さんの行政の中に、じゃ伺いますけれども、内部被曝をチェックする基準、これがありますか、統一基準が。
#104
○政府委員(牧村信之君) ただいまのところは内部被曝につきましても被曝の線量の中に評価するように指導しておるところでございますけれども、厳密に基準というものが示されていないことは事実でございます。
#105
○政府委員(児玉勝臣君) 法令上の基準はございませんが、わが国の各電力会社では一応統一的な基準といたしまして、評価レベルといたしまして三ヵ月三十ミリレムということを設けてやっております。
#106
○秦豊君 つまり、言いかえれば、局長ね、電力会社任せということになるわけですね。そうでしょう。言い過ぎじゃないですね。こんなのは鉄建公団の内部の不正を鉄建公団の内部調査に任せると同じなんですよ。だめなんです、そんな。そういう体制がだめなんです。なぜ基準をつくらないか。だから、中国電力、敦賀、東電、みんなばらばら。だから、一定の現場では問題になることが別なところでは問題にならない。これは、長官、許されませんよ。何かと言えば通達行政、何かと言えば行政指導をする官庁にしては、電力会社の立場を尊重し過ぎる。ずさんきわまると私は思う。内部被曝の基準をつくったらどうですか。つくらねばならない。私はこういう主張なんだが、どう思われます。時間がかかってもつくるべきじゃないですか。
#107
○政府委員(牧村信之君) この点につきましては、安全委員会ともよくお諮りいたしまして今後検討さしていただきたいと考えます。
#108
○秦豊君 まあそういう姿勢のようだから、それは具体的に検討というのは立ちどまっているということじゃないかというふうに理解しますから、ゆっくりでいいから歩いてください。歩かれる場合に、私提案ですけれども、さっきも吉田さんがちらっと言っておったようだが、ぼうっとしたトータルなデータは内部被曝のチェックに役に立ちません。だから、内部被曝の場合だったら、全身データを一括してなさるのじゃなくて。それは必ず逃げ道が多くなってチェックできません。ずさんです。だから、臓器ごとに、たとえば骨髄であればストロンチウム、それから沃素の場合は甲状腺と、これはおのずからもうはっきりしているわけですから、だから西ドイツやアメリカがすでになしたものが日本の今日の科学技術行政でなし得ないはずはないと思うから、あるいはコバルトは肺につきやすいなどということも証明されているから、臓器ごとの内部被曝チェックのための基準をつくってもらえますね。
#109
○政府委員(牧村信之君) 御指摘のような点につきまして内部被曝を考えるときには、その放射性核種によりまして当然影響するところの一番大きいところの影響を評価しなければいかぬわけでございますので、当然そういう検討項目の中に入るべきことだと考えます。ただ、現在の原子力発電所の作業におきましては、先ほども通産省から説明がございましたような内規によりまして、これは電力会社にすべてに統一した内規によってやらしておるわけでございます。どういうような核種が内部被曝するかということについてはエリアモニターその他で確認しておるわけでございますので、現在のところ、たとえばプルトニウムとかそういうようなものがない場合には、これはホール・ボデー・カウンターで十分はかれるということで、電力会社がいまそういう点で内部被曝を測定しておるわけでございます。作業の内容によりまして、毎月はかる、あるいはその作業ごとにはかるというのを決めさせてやっておるところでございます。決して内部被曝を基準的なものがないからといって電力会社側がやっていないということではなかろうかと思います。先生の御指摘もございますので、この点につきましては今後も十分検討さしていただいてさらに体制の整備を図っていくよう検討を進めたいと思います。
#110
○秦豊君 これは国際機関のデータが蓄積されていますから、ぜひとも参考にしてください。
 それからいまあなたはそういうざっとした答弁をされたが、中央登録センターなんというのに特定の個人が行ってデータを求めた場合、堀江氏の場合ですが、コピーをとってもらったんだが、たとえば、あなたが言っているように機能していないんですよ。内部被曝をWBCではかったと。これは日にちははっきり言ってくれるんだが、何ミリレムとか、これは全然記録されない。よく聞いてみると、データが末端の営業所任せであったりして、あるいは原発現場であったりして、中央に集計されるシステムと、チェックがまた甘いものだから、書きようがないんです、実は。だから空欄になっている。お見せしますがね、後で。何年何月だけ。WBCのチェックを受けました、これだけ。結果はどう、全然ない。どうなんですかと聞いたら、口を濁して、プライバシーに関するからお教えできないと。本人が聞きに行ってそうなんですよ。だから、あなたが言われているように、登録センターつくりました、もう大丈夫なんということは毛頭ないんだということをぜひとも銘記されたいし、そういう観点に立って、これは最後の質問になりますけれども、長田新長官ね、もうきょうは駆け足でいかざるを得なかったから一つ一つじっくりはできませんでしたけれども、改めて次の委員会でも取り上げたいと思います。全体を通じて、たとえば日本弁護士連合会などはこう言っていますね。ぼくたちだけじゃないですよ。第二十二回の日弁連主催人権擁護大会というのが過日行われたわけですが、もう御高承のとおり、原発の安全管理全体は末端の下請労働者にいくほどずさんきわまりないと。これは野党じゃないですね。日弁連というやや公正な客観的な第三者機関とも言うべきものがこういう認識に到達して、近くかなり膨大なリポートを世に問います。だから、こういう声は、下請労働者に猛烈に濃縮されていくずさんな放管体制というものは、今日もうゆるがせにできなくなっている。焦眉の急です。そういう問題で、ぜひとも新長官として、私の提案を含めて、重ねてどういうふうにこれから対処されていかれるおつもりなのかを念のために伺っておいて質問を終わりたいと思います。
#111
○国務大臣(長田裕二君) 先ほども申し上げましたように、幾多の重要な問題点を御指摘になりました。それらにつきまして、いま私は具体的にどうするということを申し上げるまでに立ち至っておりませんが、原子力安全委員会を初め関係方面の意見なども聞きまして妥当な適切な道を探ってまいりたいと、そのように考えております。
#112
○委員長(塩出啓典君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十一分開会
#113
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#114
○藤原房雄君 午前中に引き続きまして質疑をしたいと思いますが、特別国会、また今回の臨時国会と、時間も非常に限られておりますので、また限られた中ではございますが非常に多範な問題もございまして質疑をするわけでございますが、新しい大臣を迎えまして、逼迫するエネルギー問題を中心といたしまして将来大きな役割りを担わなければならない科学技術の振興対策を担当なさることになりました新大臣の、今後の長官としての国務大臣としての基本的な考え方、長期エネルギー見通しの問題や、また原子力発電につきましても山積する問題が続発いたしておるわけでございますが、そういう問題等を含めまして冒頭に大臣の基本的な考え方をお伺いしたいと思うのであります。
#115
○国務大臣(長田裕二君) ただいま藤原委員御指摘のとおり、科学技術は人類が今日まで発展してまいりました原動力でございますし、私どもが今日相当高度の文明を享受しておれますのも、ひとえに科学技術の発達のたまものだと思っております。特にエネルギー問題、今日今後のエネルギー問題のことを考えますと、原子力を初めとして科学技術の発展に依存しなければならない面が多々ございます。
 わが国は、御承知のように国土も狭く、自給できる資源もきわめて乏しいと申さなければなりません。この国土におきまして、われわれ一億一千数百万の国民がこれから相当の生活を維持してまいるにつきましては、科学技術を相当発達させ、これと結びつきました高度の産業を発達させて自分の生きる道を得ると同時に、世界の人類に貢献していく道、そういう面から見ましても、特にその面につきましては委員御所見のとおり相当力を入れてまいらなければならないと思っているところでございまして、私どもはこのような基本認識に立ちまして、今後日本の科学技術の発展につきまして、長期的、総合的な観点から特に努力をしてまいらなければと、そのように考えている次第でございます。
#116
○藤原房雄君 科学技術庁の分野というのは、非常に先行的といいますか大事な部門でございます。また、多方面にわたっておりますので、その一つ一つについての考え方を問いただす時間もございませんが、何といってもいま緊急課題は、お話しございましたエネルギーを中心といたしまして、与えられた時間でいろいろ政府の考え方をただしてまいりたいと思います。
 サミットの合意がございまして、八月の末に総合エネルギー調査会でまとめました長期エネルギー需給暫定見通しの中間報告が出ておりますが、過日の代表質問におきましてわが党の相沢議員からも質問がございましたが、この見通しによりますと、六十五年度におきまして、代替エネルギーまた新エネルギーというものに相当に大きなウエートをかけている、こういう見通しになっておるわけですね。こういう改定を余儀なくされた事情、背景というものは私どももよくわかるわけでございますが、このエネルギー問題につきましては、そう早急にこの計画が実施できるしろものではない。それだけの技術的な蓄積、こういうものがなければならぬわけでありますから、代替エネルギー、新エネルギーが供給全体の五〇%というような計画はできても、実現ということは非常にむずかしいのではないか。また、これを達成するということになりますと、相当な予算なり、またこれに対する政府の総力を挙げた体制がなければこの実現は非常にむずかしいのではないか。総理も、非常な困難な面はあるけれども達成に全力を挙げると、こういう答弁であったのでありますけれども、通産省としては、この長期エネルギー需給暫定見通しの問題につきまして、代替エネルギー、新エネルギーの供給を大きく伸ばした、こういう問題につきましてどういう見通しを持っていらっしゃるのか、まずこの辺からお聞きしたいと思うのであります。
#117
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生がおっしゃいますように、これからのエネルギー問題を考えますときに、まず石油供給面におきます制約の強まりに対処しながら国民経済及び国民生活の維持発展を図らなければならない。その基礎となるエネルギーの供給安定の確保ということが非常に重要な意味を持つわけでございまして、特にいま先生御指摘のとおり、従来の長期需給見通しの中で大きく変わっておりますのが新エネルギーに依存する分野が非常に高まっておるという点でございます。
 幾つかの特徴がございますが、一つは省エネルギーの問題、一つは原子力、それから海外石炭の開発、LNGの開発というような特徴がございますし、さらにこの計画は、輸入石油を昭和六十年から三億六千六百万キロリットルということで、六十五年、七十年も頭打ちという想定をしております。そういうことで、国際約束のもとに日本の国のエネルギーの安定供給を図るというためには、新エネルギーの開発ということが不可欠であるわけでございます。
 それで、昭和六十五年におきましては、新エネルギーについては全体のエネルギーの五・五%に相当いたします三千八百五十万キロリットルを調達するという計画になっておるわけでございますけれども、その中でサンシャイン計画で現在実施中のプロジェクトによりましてどれだけのものがサポートできるかと申しますと、四・八%の三千三百三十万キロリットル相当分のエネルギーを賄いたいと、こう考えておるわけでございます。内容といたしましては、太陽エネルギーのいわゆるソーラーハウスとか、それから地熱エネルギーとか、石炭エネルギーの液化またはガス化というようなもので賄っていきたいと、こう考えております。
 いずれにいたしましても、大きな問題はまず開発資金の問題でございます。そういうことで、その資金の調達ということについて非常に苦慮しているといいますか、新たなる構想を持って臨みたいと、こう考えております。
#118
○藤原房雄君 必要量といいますか、国民生活の安定と経済の成長、いままでのような高度成長というわけにはいかないと思いますが、国民生活を維持し発展させるという必要性の上からは、われわれはこれは十分にわかるわけでありますが、しかし世界を取り巻く経済情勢というのは非常に厳しい環境の中にあることは言うまでもないことだと思います。そういう中で、いまお話しございましたように、計画は計画といたしましても、開発資金の調達というのは非常に大きな問題であるというお話でございますが、これは私どもも同様にこの問題を指摘せざるを得ないと思います。
 新長官、これは国務大臣といたしまして、新しいエネルギーへの期待に対する研究費、今回予算編成段階に差しかかっておるわけでありますが、非常に厳しい財政事情の中にありながら、しかし国民生活を守る上に非常に重要なウエートを持つ新エネルギーの開発その他に対する開発研究費といいますか、またそれを推し進めていくための予算措置というものは非常に重要になってくると思いますが、これは科学技術という立場から、そしてまた国務大臣という立場から、この問題についてはひとつ積極的な姿勢をお持ちだろうと私は思うのですけれども、この辺のことについてちょっとお伺いしておきたいと思います。
#119
○国務大臣(長田裕二君) 仰せのように、昭和五十五年度予算は、財政当局は財政再建元年なんということを申しまして非常に厳しい態度を持しているように思われますが、私ども、関係各省、各機関ともよく共同いたしまして、特にこれからの日本にとりましてきわめて重要な科学技術の研究開発関係につきまして極力努力をしてまいる所存でございます。
#120
○藤原房雄君 いまお話しございましたが、具体的には数字となって予算には計上されてまいりますし、また、そういう抽象論では済まない現実的な問題がもう間もなく目の前に迫っておるわけでございます。時間もありませんから一つ一つのことについてお聞きする時間もございませんが、新たな決意でその地位につかれました大臣には、日本の国力の大きな柱であります新しいエネルギー問題につきましてひとつ精力的に取り組んでいただきたいことを要望いたしておきます。
 次は、代替エネルギーの中心は、中心といいますか、大きなウエートを占めるのは、やっぱり原子力発電だろうと思います。しかしながら、この原子力発電は、午前中も質疑がございましたように、最近は事故が多発をいたしておりまして、法律に基づいて報告された事故についての資料をいただきましたが、その後も、昨日ですか、昨日また玄海で事故が起きた。いずれも、こういう事故の一つ一つについて私ども指摘をしたいわけでありますが、時間もございませんので、また詳細のことについては後日といたしましても、こういう事故が起きますと、おしなべて電力会社の方々、当事者は、微々たる事故であるということや、それほど大きな問題にすることはないというコメントが必ず載せられておる。しかしながら、実態はそんな軽薄なものではないということで、だんだん内容が明らかになるに従ってこれはもう重大な事故として考えなきゃならぬということが言われるわけであります。今回まで、スリーマイルの事故発生以来いろいろな角度から論議もされてまいりましたし、今日までもこの問題についての対処といいますか個々の問題についてはいろいろな対策が講じられてきたのだろうと思いますけれども、あるいはその発電所にあるものがほかの同じ型のものにも同じようにということで行政指導といいますか行政上から厳しくチェックをする、そういうことについてはある程度なされてきているようでありますが、しかし、ほうっておけない大きな問題もたくさんございまして、特に、最近、部品管理とかシステムの問題等についての手順等について、これは行政としては大枠を決めるということであって、やっぱり電力会社が自分のところの仕事なんだから自分のところできちっと安全な管理体制というものをつくるという、こういうことがいままでの行政としてやってこられたようでありますが、やはりダブルチェックという上からも、電力会社は電力会社として、それはもう自分のところで事故が起きたらこれは大変なことですから完全な体制を考えてやっているかもしれませんが、しかし行政としてはさらにまた厳しくこれを見ていくような体制をどうしてもやっぱりつくるべきじゃないか。そういうことで、いまこそ行政が強力なこの問題についていろいろな対処をしなければならない、こういうことを大いに検討しなけりゃならないときではないかと思います。
 地方自治体の方々といろいろお話をしますと、原発の事故が起きますと、これは国が設置のときから許認可すべての権限がございまして、事故の報告等、地方自治体におきましてはこれは直接の責任がないということで事故は後から知らされる。また、議会におきましては、その原発のすぐそばに住民がいるということで議会でも非常に大きな問題になるわけでありますが、この問題に対して何をどうするという権限が与えられておるわけじゃございませんで、地方自治体としてはいずれも大変な苦慮をしておるのが現状でありまして、お話しする方々いずれも、この事故の内容というものについての的確な情報と、それに対するやはり政府として二度と同じ事故の起きないような体制を確立するということで、地方自治体としましても大変な国に対する要望といいますか、こういうものが強いようであります。そして、そういうものが確立されていませんと、住民、地方自治体、こういうものの国に対しての不信感というものがだんだん大きくなってまいりますと、この原子力推進、原子力の安全運転ということも非常におぼつかなくなってくるのではないかと思います。私ども公明党といたしましても、原子力発電所が現在のものが完全なものとは決して思っておりません。まだ試験的な段階といいますか、実証的なものとしてはまだまだ問題が多い。そういうことだけにやはり地域住民との合意というもの、そしてまた技術的な解明というものをやっぱり厳しく見ていかなきゃならないと思うわけでありますが、そういう点でこの事故に対処する政府の姿勢というものも、こういう事故に対してこういたしましたということだけじゃなくして、もっと抜本的に今日起きております事故に対処いたしまして政府としても取り組んでいく厳しい姿勢というものがなければならないと思います。具体的には、やはり国民の、住民の大きな信頼性を得るために、一つ一つの事故に対して総力を挙げて信頼を回復する、そういう対処というものを十分に考慮すべきだと、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
#121
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま事故に対応する国の姿勢につきまして藤原先生から御意見を賜りましたが、まさにそのとおりであると、私どもも全く同意見でございます。そういう意味におきまして、さらに国自身大いに戒めまして事故の再発の防止に努めたいと思います。個々の事故につきましては個々の対象、それからそれに類似のものがありましたら、それに関連してほかの発電所に関する点検をするというようなことで、一つの教訓を大きく生かすということで今後も取り組んでいきたいと、こう考えております。
 また、先生が先ほど仰せられましたように、安全問題は国の全責任ということでやっておるわけでございますけれども、実際に発電所が動く場合には、その地元の住民の方々の理解と協力なくして存在し得ないわけでありますので、そういう意味で大きな力を持ちます県または村のいわゆる行政機関に対しても十分な情報を送らなければならないということを痛切に感じておるわけでございます。
 そういうことで、今回の事故におきましても連絡、通報がおくれたということで非常に不信感を抱かせるようなこともございましたので、今後そのようなことのないように具体的な処置として実は約束させたことがございます。
 それは、一つは、事故発生直後の第一報というのは、これは事故の報告を速やかに行うために現時点において把握されている現象、要するに何月何日何時に何が起こったかということだけでもまず報告する。それは時間は問わない。要するになるべく早くということにいたしたいと思っております。それで、その後の報告につきましては、プラントの状況とか、人身事故があったかどうかとか、環境への影響の有無とか、原因と応急対策及び復旧はどうするかというようなことは、逐次判明し次第的確に連絡させるということでありますが、そのときに次の連絡の時刻を予告させるということで、次は何時何分に次の第二報を送りますというふうにいたしまして、的確にその情報が流れるようにすることが大事ではないかと思います。
 何しろ、いままでの情報の問題といたしましては、各県、町村におきまして第一報が入りますと、すぐにその続報がどうかということを問いかけるわけでございますが、現場は非常に混乱しておりますので、そのときに次々といろいろどうかどうかと聞かれても、実ははっきりした情報がつかめないし、またそのときにある程度の推定でしゃべったということがこれまた後でうそをついたとか誤報だとかという話の発端にもなっておりますので、ちゃんとその次のたとえば二十分後なら二十分後の報告ということで、ちゃんとした信頼性のある報告が的確にできるようにさせたい。そういうことを今後させるようにいたしまして、都道府県関係、それからそれを通じまして各市町村の住民の方々に正確な情報が流れて正確な判断がしていただけるように努力したいと、こう考えております。
#122
○藤原房雄君 この報告体制の強化ということと、それから午前中の質疑の中にもございましたが、事故が起きた、その事故に対処して実は材質が問題だったと、こういうことでそれは取りかえる、こういうミスであったという、また、同じような型の発電所につきましてはこういうように通達しました、そういうことで来ているわけでありますが、やっぱり地方自治体の責任ある立場の方々のお話を聞きますと、事故の起きたものに対してそれに対処したということであれば、それはそれなりの意味があるわけでありますが、原子力という特殊性の中からいたしまして、ちょっと事故がありましたので手直しいたしましたということでは済まない。どうしても住民の信頼性とか、また原子力に対する安全性をより信頼していただくという、こういう上からも、やっぱりいまお話しありましたことも含めまして、国家的なプロジェクトといいますか、このたびのアメリカの調査委員会の報告を見ましても、原子力というものは安全ではないんだという前提の上に立って物を考えるという、こういう基本的なものがあるわけですが、決して原子力を軽んじているということではないのですけれども、実際そこに住まう方々や、それから住民と住民に対応しなきゃならない地方自治体の方々からいたしますと、この事故に対してはこういうことをしたということだけでは済まない。やっぱり国家的な重大問題として一つ一つを真剣に取り組んでおる、同じことについては二度と同じ事故が起きないんだという、こういうこと、信頼されるようなシステムというか、こういうものが必要だろうと思います。いま御答弁ありましたことも含めまして、ひとつ積極的な、この後の安全性というものについての取り組み、また事故に対する対処、住民に対する不安解消、こういうことも含めまして、また緊急避難体制問題につきましても間もなくできることになっておるようでありますが、そういう一つ一つの問題をひとつ住民の納得いく、こういう形で進めてもらいたいものだと思います。
 時間もございませんから次に参りますが、昨年の十月、原子力委員会がやっておりましたものを、ダブルチェックという上から言いまして原子力安全委員会というものを設けるべきだということで、ことしでちょうど一年を経過したわけであります。このときもいろいろな論議がございましたが、確かにこの原子力安全委員会という私どもは行政委員会というもっと強力なものにすべきだということを主張いたしましたが、政府から出されたものは八条機関ということでございました。しかし、この原子力安全委員会もこの一年間およそ六十回にわたりますいろいろな審議をしたということで、これはこれなりの成果があったろうと思います。そして、スリーマイル島のあの事故がありましてから、同じ型の原子炉についてもこれは厳重に見るべきだということで、稼働しておりました原子炉をとめて検査をするという、こういうこともしたわけでありまして、私どもはそれなりの評価はいたすわけでありますが、やはり一年経過してみますと、そしてまた、アメリカにおきますこの調査委員会のいろいろな報告等見るにつけましても、より行政委員会的な強いものにして独自の体制でもっていくような、こういうものが私どもはどうしても必要ではなかろうかと思うわけであります。原子力安全委員会ができてから一年、長々御答弁は要りませんが、一年間なしてきたこと、その評価、そしてまた、より強力な原子力安全委員会の組織のあり方ということについての私どもの考え方についてどうお考えになっていらっしゃるか、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
#123
○政府委員(牧村信之君) 安全委員会は、先生御指摘のように、約一年を経過したわけでございます。最初の半年は新しい体制に対処するためのいろいろな諸準備をしておったところへ、ことしの三月末のアメリカの事故が起こったわけでございます。その後、この事故に対応する日本の規制のあり方ということにつきまして非常に多忙をきわめておる段階でございます。幸いにいたしまして、安全委員会の下に設けました調査特別委員会が技術的に見ましてアメリカの事故を参考にすべき事項の指摘もしていただいたところでございまして、その指摘について現在さらにそれにどう対応するかということでの調査審議、専門の部会あるいは安全審査会等で検討を進めておるという段階にあるわけでございます。
 先生御指摘のように、安全委員会の役割りは、行政庁が行いました審査等につきましてダブルチェックをするというもう一つの重要な役割りを持っておるわけでございますが、先生御指摘のたとえば国内で起きました事故等につきましては、通産省から報告を受け、審議をし、必要があれば通産省に指示をするというふうな立場で運営を重ねてきておるところでございます。したがいまして、これからも同じような姿勢で日本の原子炉の安全確保により万全を期するという対策につきまして鋭意努力を進めていくという考えで対処しておるところでございます。
#124
○藤原房雄君 陣容からいたしまして、そしてまた権限とかいろいろな問題からいたしまして、何でもアメリカのそのままということを私は言うわけじゃありませんが、原子力の安全性ということが非常に国民の関心事であり、そしてまた現在の大きな課題である中で昨年できた、一年顧みましてそれなりの成果は評価をいたすといたしましても、やはりもっと強力なものとして、一年間で六十回から審議する会議が開かれるということは相当なことでございまして、あのスリーマイル島の事件がありまして相当なこの問題の対処の仕方については論議がされたわけでありますけれども、その後も事故は決して減ってはいないわけであります。単純ミスと言えば単純と言えるかもしれませんが、しかしそれは決して単純と見過ごされない事故がやはり起きておるという、こういうことから、私どもはもっと強力な機関に原子力安全委員会というものを持っていく必要性があるのではないか、あるのではないかというより、あると私どもは認識をいたしております。いずれにしましても、今後、こう言っている間にも事故が起きているという現状でございまして、この対処に対しましてはひとつ精力的な取り組みを要望しておきたいと思います。ぜひひとつ、これは大臣にも御検討といいますか、今後の原子力行政のあり方の大事な柱として厳しくひとつ見ていただきたいと思います。
 次は、午前中もいろいろお話しございましたが、最近、原子力発電所で働く方々の問題が大きくクローズアップをされております。私もいままでも発電所で働いている方々とお会いしていろいろなお話は聞いておりました。それが断片的ではなくして体系的に一つの事実として発表されたということで私どもも非常に関心を持っておるわけであります。これは秦先生もいろいろ触れておりましたが、やはり職員と請負業者の間には大きな差異がございまして、これはどういう事業でもそうでございますが、炭鉱爆発等におきましても、炭鉱の現場で一番危険な仕事をしているのは下請の方々でございまして、また原子力発電所につきましてもやっぱり請負の業者の方々が非常に悲惨な危険なところで仕事をし、その下請の方々、請負の方々、最も厳しくチェックをされなきやならないはずのこの方々が、非常にずさんな労働条件の中に置かれておるというこういうことに対しまして、私どももいまさらながら驚いておるわけであります。いままで私どもの見聞きしておりましたことが体系的に一つの事実としてクローズアップされたということで、これはやはりただこういうことがあったということで見過ごされることではございませんで、私どものいままで見聞きしてきたこととあわせまして、是が非でも原子力を取り巻く従業員また請負業者、働いていらっしゃる方々の立場に立って、生命にかかわる問題であるだけに厳しいチェックをしていかなけりゃならないと思うのでありますが、まず基本的な考え方として大臣は午前中も質疑がございましたから大体おわかりになっていただけると思いますけれども、こういう請負業者の方々に対しての対処、こういうことについての御決意といいますかお考えを冒頭にお聞きしておきたいと思います。
#125
○国務大臣(長田裕二君) 原子力発電を行っております企業の職員等に対する施策などにつきましては、当庁の関係法律あるいは労働安全衛生法等の観点からもいろいろな措置がなされておったわけでございますが、午前中の御審議におきましても、余りそういう面で予想をしておらないと申しますか、その枠の中で十分とらえ切れない面におきますいろいろな問題の御指摘がございまして、そういう面につきましては、今後、原子力安全委員会を中心とし、関係各省あるいは関係事業者等をも込めましてよく検討をし、適切な対応をしてまいる必要、そういう部面につきまして十分な検討を重ね、実態の究明とともに必要な措置を考究してまいりたいと、そのように考えております。
#126
○藤原房雄君 建設のときはいいわけですが、これが稼働して定期点検ということになりますとまた起きてくるわけでありますが、何点かあるわけですが、重複を避けまして、私は私なりにいままで調査をしましたことをもとにしてお尋ねしますが、定期点検のときには年に一度ということでどうしても仕事が集中して行われる、こういうことで、働く方々は地元の病院に行って検査をしなけりゃならぬわけですね。放射線作業従事者健康診断判定基準によりまして一人一人にそういう検査項目がございまして、それに合うかどうかということで。こういうことで実際これは地元で見ますと、地元の病院でたくさんの方々がいらっしゃるわけでありますから間に合わない、こういうことでどうしてもずさんになる面が非常に出てくるという、これは地元の方々がよく言われておる。これはどうしてもしなけりゃならない仕事、そういうことのためにそれだけの従業員の方々を必要とするわけでありまして、この従業員の方々の一人一人の健康診断をする必要性に迫られるわけでありますけれども、これが地元の病院等では、あの記述の中にもございますけれども、やっぱり数値が高いとかなんかのときに的確でない場面が出てきておるようでありますが、どうしてもそれはずさんになりがちである、こういうことも一つは十分に考えなければならないことだと思います。
 それから初めてこういう作業に従事する方々に対しまして、作業員がどうすればいいかということでいろいろ質問をしたり相談する、こういうことに対しての的確な、これはまあ形の上ではできておるのかもしれませんけれども、実際それに受け答えをして的確な指導をする、そういう人と時間、こういうものが非常に少ないということが言われておるわけであります。みずから放射能の高い作業現場に携わる方々が、十分な知識もなく、ベルトコンベヤーで八ミリを見せられて、そしてその中に入っていかなけりゃならぬというような、こういうことじゃなくて、やはりスケジュール的に、まあ時間的な制約はもちろんあるのかもしれませんけれども、一番最先端で仕事をする当事者が十分にわきまえていなければならないことについてはやっぱり時間をかけてしなきゃならぬだろうと思います。
 それから検査する病院も、地元の方々が地元の病院でもし事故があるということで仕事につけないという不安といいますか、そういうことで、ほかの病院で検査をするというようなこういうことも往々にしてあり得ることだということでありまして、従業員に対する健康診断、これは法に定めるところによりましてこのようにやっておりますということでありますが、現実はなかなか健康診断を受けるという一つを見ましてもむずかしい問題が地元においてはあるようでありまして、これは職員とまた請負業者との間で、請負業者には請負業者の安全心得とかいろいろなことが明示されておるわけでありますけれども、科技庁としましてはその請負業者までの責任があるかどうか。しかし、原子力に携わるというこういう問題におきましてはやっぱり個々の問題についても厳しくチェックをする必要があるのではないかと私は思うのであります。
 こういう地元の問題等につきまして、いままでそういう報告またはそういうことについての認識はどういうふうにお持ちになっていらっしゃるか、今後についての考え方等についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、ちょっとお聞きしたいと思いますが。
#127
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生お話しのように、定期点検時には特に原子炉の内部に管理区域において働く人の数がふえるというわけでございまして、その際、所定の手続によりまして被曝管理の上に必要な健康診断なり、それから内部での測定とか、そういうような管理が全部行われておるわけでありますが、従業員それから請負業者の方々の別にかかわらず、その管理区域内で働く方々については皆公平にかつ平等にその管理が行われるということになっておるわけでありまして、これは設置者のいわゆる責任におきまして放射線の管理責任者を置きまして、その者がすべて従業員それから請負の従業員ともどもすべて記録し、それをチェックするということにしております。したがいまして、特に従業員それから請負業者についてその測定なりやり方に不公平ということはまずないと思われますが、もし先生がおっしゃるようなことで問題があるといたしますと非常に重大な問題でございますので、今後十分に立入検査等におきましてその辺の状況がちゃんと行われておるかどうかをよくチェックしたいと、こう考えております。
#128
○藤原房雄君 さっき申し上げたように、定期検査のときに集中的に仕事をするということで問題になるわけですが、被曝管理につきましてはそれぞれ法の定めるところによって許容線量というのがあるわけでございますが、どうしても作業の内容によっては一日当たりの高被曝、たくさんの被曝を受けなきゃならないような作業現場もあるわけでありまして、年間で一年三レムというこういうふうになっておるわけですけれども、定期点検のときには点検要員としてそういうところで仕事をしなきゃならぬ、そういう人たちが問題になるわけですね。しかも、低レベルのところですと、年間を通じて一年三レムということで、まあ年間三百日稼働で一日十ミリレムとか、そういうことで案外低レベルのところについてはそれなりの管理は行き届いておるかもしれませんが、そういう定期点検で点検要員として高被曝、高い被曝を受ける、そういう作業現場の方々について非常に問題があるということでありまして、いま設置者の責任で管理者がということでありますが、それはそれとして、抜き打ち検査といいますか、立入検査といいますか、そういうことでチェックをして、こういう実態というものにつきましても、やっぱり人命にかかわる問題である以上、真剣な取り組みが必要ではないかと思います。必要であると思いますし、ぜひこれはひとつ通産省も真剣に取り組んでいただきたいものだと思います。
 おしなべて作業と設備の問題で、まあ管理区域内としては汚染区域とか、通風とか、熱さ、それから安全性とか、作業員の指導、設備の改善、こういうことが問題になるのだと思います。作業服も私服で作業をする、実際もう熱くて仕事ができないというような現状のところもございますが、今日これだけの科学の発達した時代でもありますから、そういう悪条件の中の作業に携わるところにつきましては、やっぱり人が作業する以上は、それなりの労働条件、可能な条件はつくってあげなければならないだろうと思います。
 こういうことを一つ一つ考えますと、現在言われておりますことは、通風の悪さとか熱さとか、こういうことで、一応安全心得、安全の基準がありましても、それを守り得ないような労働条件で仕事をさせられるということですと、どうしてもこれは完全なものができないのではないか。こういうことで、安全教育とか健康管理とか防災訓練とか、こういう一つ一つの問題について、これは今後定期点検という限られた時間の中で作業する、そこに一人の人間が作業しておるのだという考えの上に立って、作業とそれから設備状況、こういうものについてひとつ総点検をしてこういう問題についての対処を厳重になすべきである。放射線そのものについての被曝管理と被曝の問題につきましては、人体と放射線という非常にむずかしい問題がありますけれども、現在国際的な一つの目安ができている以上、それを守るという上に立ってこの労働者の労働環境というものをぜひひとつ厳重にチェックをしていただきたいと思います。これは長々しいお話は要りませんので、ぜひひとつ、これは通産省が主体になるのだろうと思いますけれども、国務大臣としての、人命にかかわる問題でもございますので、長田長官もひとつ心していただきたいと思っております。
 時間もございませんので次に移りますが、科学技術の非常に広範な問題についてきょうは申し述べる時間もございませんが、宇宙開発、海洋開発、その一つ一つどれ一つをとりましても非常に重要な問題でありますが、人命ということから申しまして、豪雪、雪害による事故というのも毎年起きておりまして、五十一年から五十二年の雪の非常に多かったときでありますけれども、五十一年の十二月から五十二年の三月、非常に豪雪、雪害の多かったときでございますが、雪国で死者百名を超す、それから負傷者も七百名を超す、家屋全壊が百三十、こういう非常に大きな被害を伴ったところがございまして、この豪雪対策ということも非常に大事なことであろうと思います。
 個々の問題については、宇宙開発や、また海洋開発等については今日までもいろいろお話ししたこともございますので、科学技術庁にございます国立防災センター、ここでいろいろこの雪害問題については研究をしているようでありますが、現在、雪につきましては長岡とそれから新庄、ここでやっているわけですが、雪というのは御存じのとおり雪質というのがございまして、新潟、山形、それからまた青森の方へ行きますと、また北海道のようなところになりますと、雪質もまた違ってまいりまして、それの対処というものも、またなだれとかいろいろな諸現象というのは変わってくるのだと思います。こういうことで非常にむずかしい問題があって、何といいましても、わずかの間に百名からの被害者が出るというこういうこと等を考えますと、これもまた科学技術庁としても放置できない大事な問題の一つだろうと思います。私は、それぞれの役所でいろいろ研究をしておるようでありますけれども、やっぱり科学技術庁が防災センターが中心となりまして雪害問題についてひとつ真剣な取り組みをいただきたいものだと思います。去年ですか、新庄の施設を私ども委員会として視察をいたしましたが、わずかの人間で十分な図書もない、文献も十分でないという中で一生懸命従業員の方が働いていらっしゃいましたが、ぜひこれは科学技術庁として、雪国のこういう悪条件克服のために、しかも人命が奪われるという非常に問題の起きております雪害問題について、これまた真剣な取り組みをいただきたい。特に、いま予算の大事な編成期になっておりますので、新大臣、ぜひこの問題についての真剣にお取り組みの決意をお伺いしたいと思うのであります。
#129
○国務大臣(長田裕二君) わが国の国土の半分が積雪地帯であり、また最近生活様式の高度化に伴いまして雪害の防止がそこに住む住民の切実な問題となっているということは私ども深く認識しているところでございます。科学技術庁といたしましては、従来からただいまお話しのように雪害防止研究を防災研究の重要な柱として推進してまいっているところでございますけれども、今後とも国民生活に密着した雪害防止に重点を置きまして、その一層の推進を図っていく所存でございます。
 ただいま御指摘の国立防災科学技術センターにおきます雪害研究なども、すでに相当いままでの経過も経ているところでございますが、新年度におきますいろいろな計画もございます。また、特定重要総合研究の問題としてもなだれ災害発生予測手法に関する研究などもその対象といたしておりまして、これからもそういう面の予算化とその実行につきまして大いに努力をしてまいらなければと思っているところでございます。
#130
○佐藤昭夫君 日本原子力研究所の理事長さんに参考人としてお願いをしておきましたので、昨日行われました原子力研究所の核融合研究施設の起工式をめぐる問題についてまず質問をいたしたいと思います。
 昨日行われましたこの起工式について地元の「いはらき」新聞等の報道もありますが、何名招待をして実際の参加者どれくらいあったのか、どういう規模の起工式であったのか、まずお尋ねします。
#131
○参考人(村田浩君) 原研理事長の村田でございます。
 ただいま御質問の、昨日私どもで挙行いたしました核融合研究施設起工式の招待者数の御質問でございますが、私どもが招待状を差し上げたのは約五百名でございます。実際に御出席された人は、現在最終的に集計しておるところでありますが、約三百名余りであったかと思います。
#132
○佐藤昭夫君 その約五百名の招待をされた顔ぶれの中には国会議員、県会議員、町村長なども入っているという報道でありますが、一番重要な今後のこの核融合研究をどう正しく発展させるかという立場からの原子力研究所におけるこの核融合研究開発に心血を注ぎ従事をなさっている方々、こういう方々はきのうのこの集まりには何人ぐらいの参加ですか。
#133
○参考人(村田浩君) 所内の研究者は別といたしまして、所外から大学あるいは……
#134
○佐藤昭夫君 所内を聞いているんです。
#135
○参考人(村田浩君) 所内の数字はちょっと手元に持っておりませんので後ほど調べて御報告いたしますが、所外からは約二十数名御招待し、実際に御出席なされたのは六名であったかと思います。
#136
○佐藤昭夫君 細かい数字はいいんですけれども、所内はどれぐらいですか、感じは。
#137
○参考人(村田浩君) 方針といたしまして、所内からは、これは日常業務を研究開発について行っておりますし、核融合ばかりではなく原子炉の安全性試験研究から放射線関係の研究まで行っておりますので、研究者の代表として部長あるいは部長相当の方に出席してもらうようにいたしました。その関係は約六十四名、六十数名であったと思います。
#138
○佐藤昭夫君 しからば一遍招待をなさったリストと実際に出席をなさったリストを資料としてひとつお示しをいただきたいというふうに思うのでありますが、私が伺っているところでは、この原研における核融合研究に従事をなさっている研究者の方々約百八十人、そのうち三人ぐらいの参加しかなかったというふうに伺っているんです。ですから、これは一遍事実を明らかにするという意味でも招待者リスト、実際の参加者リスト、これを資料として提示をいただきたいというふうに思うのですけれども。
 もう一つお尋ねをいたしますが、国会議員、政府関係者、これはだれだれを招待をし、どなたが出席をなさったか、記憶の範囲内で結構です。
#139
○参考人(村田浩君) 今回の起工式は、私ども原子力研究所としてかねて念願でありました核融合の研究を今後進めていきますために、東海研の外に新たに用地を取得して、ここでいよいよJT60などの施設をつくってまいろう、こういうことになりましたについて最初のくわ入れ式を行った次第でございますので、この起工式の御招待の中心は地元関係に置いたわけでございまして、したがって地元関係が約三百六十名、それからただいま御指摘の国会議員あるいはその他の方が中央関係で約百三十名ばかり御招待しております。
#140
○佐藤昭夫君 それで、科技庁長官も御出席なさっているとの報道でありますけれども、もう少し国会議員、政府関係者の出席者の顔ぶれをちょっと申していただけませんか。
#141
○参考人(村田浩君) ここに正式のリストを持っておりませんが、私の昨日の記憶で申し上げることでお許しいただきたいのでありますが、国会議員の先生では地元選出の国会議員として塚原俊平先生が出ておられました。
#142
○佐藤昭夫君 きのうの夕刻以前の時点でしたけれども、私のこの質問の関係で招待者、出席者のリストを当日きょう資料として持参をして参考人として御出席願うようにしておいたんですが、そのことは伝わっていませんか。
#143
○参考人(村田浩君) 聞きませんでした。
#144
○佐藤昭夫君 聞いていない。そうしたら、それはぜひひとつリストにして御提出いただけますね。よろしいですね。
#145
○参考人(村田浩君) 後ほど……。
#146
○佐藤昭夫君 起工式の後、祝賀会が開かれているという報道ですけれども、その総費用は幾らぐらいですか。
#147
○参考人(村田浩君) 起工式の式典の済みました後、約一時間ばかり祝賀会を開きましたが、その際に、時間がちょうどお昼でもございましたので、簡単な弁当その他を提供しまして祝賀並びに懇親を行いました。そのときの費用は約二百二十万ぐらいであったと聞いております。
#148
○佐藤昭夫君 私が伺っているところでは、約千七百万というふうに伺っているんですけれども、いまの御答弁は間違いじゃありませんか。
#149
○参考人(村田浩君) もちろんただいま申し上げたのは祝賀会そのものの費用でございまして、祝賀あるいは式典を行います会場の設営等に一番費用がかかったわけでございます。御案内のとおり、今回の起工式は、このたび私の地元から入手いたしました向山工業団地、総面積百六十ヘクタールのうち約五十七ヘクタールを今回までに入手しておりますが、その中心部において会場を設置しましてそして行いました。御案内のとおり、あそこは木もございません原っぱでございまして、足場も非常に悪いところでございますが、そういう場所へ、せっかくの機会でございますから関係者にお集まりいただくために進入の道路をある程度簡易に設けるとか、あるいは会場として雨天等も考えましてテントを張るとか、こういうようなことでの費用が相当かかっておるわけであります。
#150
○佐藤昭夫君 ですから、先ほどいわゆる弁当代として二百万程度という言われ方をしておりますけれども、文字どおりの起工式関係費用とそれから祝賀会関係費用と大きく二つに分けたら、どういう数字の関係になりますか。
#151
○参考人(村田浩君) そのような分類をちょっといたしておりませんので即答いたしかねますが、いわゆる会場自身の設営費は、この式典場及び祝賀会場合わせて約七百万ぐらいでございます。
#152
○佐藤昭夫君 祝賀会が……
#153
○参考人(村田浩君) 設備の設営費が。設備自身の費用。
#154
○佐藤昭夫君 そうしますと、合わせますと約九百万ということですか。
#155
○参考人(村田浩君) その両者で申し上げますと、そのとおりであります。
#156
○佐藤昭夫君 実はずいぶん細かいことをいろいろお尋ねをした模様でありますけれども、招待者並びに出席者のリストについては後から資料で提示をいただくということで、それを拝見すれば私の疑問が一層はっきりするのですけれども、ずいぶん肝いりで宣伝をされておる核融合の研究開発といいながら、実際は、昨日行われておるくわ入れあるいは起工式、これが肝心の核融合研究に従事なさる人たちがむしろ中心から外されている、こういう起工式になっているのではないかという疑問が一つ。
 それからもう一つは、ただいまの御説明によりますと、いわゆる祝賀会、これに約九百万金がかかっているということであります。実際に参加をなさったのは約三百人でありますから、そうしますと、一人当たりにいたしますと三万円ぐらいの費用をかけてきのうの起工式が行われておるということになっていると思うのです。
 そこで、長官にお尋ねをするわけでありますけれども、今日、言うまでもない鉄建、KDDの問題に端を発しまして、特殊法人あるいは事業団のあり方の問題についていま大きな国民的批判の的になっている。政府としても、総理を先頭にして国費の乱費にならないように厳重な点検をやっていく必要があるんだということが本会議の中でも各委員会の中でも共通して強調されておると思うのでありますけれども、こういう起工式の姿ですね、長官も御参加になった模様でありますけれども、こういう姿についてどういうふうにお考えになるのか。私としては、やはり今日の状況から見て決して好ましい姿とは言えない、起工式のためにこれだけのお金を使ってやるやり方というのは好ましいやり方じゃないというふうに思うのですけれども、どういう見解でしょうか。
#157
○国務大臣(長田裕二君) きのう茨城県那珂町におきまして原研のJT60関係の研究施設の建設が開始されましたが、これはわが国の今後のエネルギー問題につきまして非常に重要な役割りを占めます核融合研究の進展にとりましては非常に大きな意義があったというふうに思うわけでございます。
 それの式典のことでございますが、このような意義を持ちます施設の建設につきましていろいろと協力をされました地元の方々あるいは関係の深い方が一堂に会しまして施設の建設が順調に進むように祈念をする趣旨でとり行われたというふうに思います。
 私も、きのう、実はかねて希望しておりました日本原子力研究所、それから動力炉・核燃料開発事業団への視察をも兼ねまして出席をしたわけでございます。余りに多額の経費を要するような起工式を行うことは当然慎むべきだと考えますが、きのうの式典につきましては、相当寒い季節、あるいは雨が降るかもわからぬというようなことから、私ども参りましても結果的には暖かい快晴の日和のもとで行われましたけれども、相当しっかりしたテントが張られたり、あるいはぬかるみになるような原野ですからそこにベニヤ板が張られたとか、そういうような、全部じゃありませんが、一部に張られたとか、いろいろなことを込めまして先ほど理事長が申し上げたような経費になったと思うわけでございますけれども、ここのたとえば宴会等、私は間もなく余り長くおらずに実は報道関係の方との会見の方に参りましたのですが、社会通念上そう常軌を逸したような、ちょっといまの時勢を考えましても許されないほどのものであったという印象はただいまのところ持っておらないわけでございますが、しかしせっかくのお話もございますし、また綱紀粛正に努めるべきことはそのお話のとおりでございます。今後ともそのような面の運行につきましてはさらに私どもも十分の配慮をしてまいりたいと、そのように考えている次第でございます。
#158
○佐藤昭夫君 せっかくのお話でありますから綱紀粛正には努めますというふうに言われていますけれども、しかし社会常識的範囲内だということがまくら言葉で言われておる。果たしてそうだろうか。私は、言われておる合計九百万、いろいろな会場設営のために七百万、弁当程度二百万と言われておるこのことについて、果たしてそうだろうかという疑問があるのです。私が聞いているあれでは千七百万ぐらいかかっているというふうに聞いているので、この点はさらにいろいろ調べてみたらはっきりする問題だと思うのですけれども、理事長さんが言われたお昼弁当程度ですということで招待者五百人、参加者三百人、この弁当程度で二百万かかるということになったら、割り算したらどういうことになるか。弁当といったら常識的な値段がありますね。ということで、いまの長官の社会常識の範囲内だという――あなたは御参加なさったから言いにくい点があるかしりませんけれども、しかし参加したかしないかということは別にして、社会常識の範囲内程度のことというふうに御理解になるのか。ということになりますと、これが社会常識として今後とも続いていくということになりますから、もう一遍はっきりお答えいただきましょうか。
#159
○国務大臣(長田裕二君) どうも金額との関係、その積算のことなどにつきましては、私もどうも深い認識を持っておりませんので……
#160
○佐藤昭夫君 いや、先ほど来聞いて、数字をはっきりさせて聞いたのです、これは。
#161
○国務大臣(長田裕二君) 参りましての会場の設営とかそれからパーティーなんかの内容などにつきまして、非常に豪華過ぎるとか大変行き過ぎだというような印象まではただいままでのところ持っておらないと、そういうことを申しましたわけで、その経費の積算等につきましては、いま私がどの部分にどうかかったのがおかしいとかというところまで経費との関連でいま申し上げているわけではございませんので、会場で行われました実態のことを申し上げた次第でございます。
#162
○佐藤昭夫君 長官は、実際に参加をして感じた感触、ムードとしてはそれほど豪華なものだというふうに感じたわけではありませんという、それはよろしいですよ。先ほど理事長さんが答弁をなさったその範囲内でも、お昼弁当程度と称しながら二百万かかっていますと言うのでしょう、弁当として。それで招待者五百人、実際の参加者三百人、弁当程度が二百万かかっているということは社会常識程度のお昼飯ですか。大臣の社会常識の弁当の常識はそういう常識だということであれば別問題ですけれどもね。
#163
○国務大臣(長田裕二君) 酒とかビールとかなんかも入っておりまして、それがどの程度あって出てきているのか、そこらも私よく存じませんので、経費との兼ね合いにおきましての評価は私はただいま申し上げるべきデータを十分持ち合わせておりません。どういう面にどういうふうにかかっているのかというようなこと、もともとそういうことに余り得手ではございませんし、私は……
#164
○佐藤昭夫君 得手、不得手の問題じゃないのです、大臣。
#165
○国務大臣(長田裕二君) 感じた現場での印象といいますか、そういうものを申し上げたわけでございます。
#166
○佐藤昭夫君 御指摘の点もあり、いろいろ綱紀粛正を図らなくちゃならぬとは思いますというふうにはおっしゃっていますからということであれですけれども、理事長さんが答弁なさった数字に照らしても、私が作文で数字申し上げているのじゃないのですから。ということで、素直にいわゆる弁当程度だという言い方で三百人ぐらいの参加者で約二百万かかっていると。これはどう見たって社会常識の範囲内というふうには言えないと思うのですよ。理事長さん、原研の研究者や職員の方が、この企画について、かねがね国費節約が言われている折から、もう少し検討した方がいいのじゃないかという意見の表示がありましたね。ところが、それは問答無用だと言わんばかりに一蹴をされたということになっている模様ですけれども、原子力研究所としてのさまざまな諸行事が今後もあろうかと思いますけれども、国費が約九三%ぐらい原子力研究所の総予算の中で占めている。こういう点で政府としても大いに指導をする必要がある。実際の企画の当の責任者である原子力研究所の理事長として、こういう問題のあり方について今後は改善をするということについての御意思はありませんか。
#167
○参考人(村田浩君) 先ほど私が申し上げました数字で若干正確を欠いておった点があるかと思いますが、五百名招待状を出して約三百名見えたというのは、もちろんこれは所外の人でありまして、先ほど御指摘のありました所内からの参加、これは実行委員関係を含めまして約百名が入っておりませんが、その祝賀会にはこれらの人全部が参加しておりますから、実際は約四百名の人が参加しているわけであります。この食事代を約二百万と申し上げましたのは、大ざっぱに分けますとお弁当が約百万、それから飲み物等が約百万ということでございまして、さらにここはそこまでそういった飲食物を運搬しなければならない場所でございまして、そこへこのような飲食物を包装して運んでくる、そういうようなものを含めて二百万と申し上げているわけで、大ざっぱに申しまして一人当たり約五千円ぐらいの費用がかかったと思っております。この費用が社会的常識から見ましてどのようなものかという点になろうかと思いますが、私どもの趣旨としましては、ここの用地を決定しますまでに実に私どもが考えましてから約六年の歳月を要しておりますが、その間いろいろ地元と御相談申し上げ、やりとりもございまして、ようやく去る十月一日に購入の契約が成立した。この購入申し入れを正式に行いましたのも、たしか昨年の七月の二十二日でございましたから、それだけ核融合の計画をおくらせないようにこれからがんばっていかなくちゃならぬわけでございますが、そういった際に何をおきましても、核融合の研究も原子力の一環でございまして、地元との協力関係、協調関係ということを考えましたときに、古来からの伝統でございます新しい用地への建設のくわ入れ式というようなところに地元の方になるべくたくさん参加していただいて、そして今後のさらに御協力にも大いに尽くしていただきたいというような私どものお願いの意味も込めましたものとして考えましたときに、この程度のことはした方がいいのではないかというようなことからただいまのような計画になったものと御了解いただきたいわけであります。
 したがいまして、御質問のございました、今後同様な式典あるいは祝賀会が行われるという場合のことでございますけれども、それはやはりそういった式典あるいは祝賀会というものの性格、趣旨というものを十分考えて、しかもなおこういう時勢でございますから、できるだけ簡素、節約ということを考えながらやってまいりたいということであろうかと思います。
#168
○佐藤昭夫君 なお尋ねたい点もございますけれども、時間の関係もありますし、また次回なり別途の方法でいろいろお尋ねをいたしたいと思います。どうも、参考人の方……。
 それじゃ、次の問題に移りますけれども、きょうもお話が出ております十月二十六日に開かれましたTMI原発事故シンポジウムと日本学術会議に関する問題について幾つかお尋ねをいたしたいと思いますが、言うまでもありませんが、日本学術会議は国民の負託を受けて選挙によって民主的に会員が選ばれております学者、研究者の法的にも認知をされた最高機関であるということは言うまでもないと思いますが、わが国の科学技術施策の発展のためにどうやってこの学者、研究者の結集機関であります学術会議の意見を有効にくみ上げていくかということが非常に大切だと思うのですけれども、そこで、科学技術に関する問題について言えば、科技庁といいますか政府として近年どういう内容の一体諮問を政府、閣議を通してやっているか、何か事例があれば言っていただきたいと思います。
#169
○政府委員(園山重道君) お答えいたします。
 学術会議に対します諮問でございますが、学術会議ができました昭和二十四年から相当たくさんの諮問が出されております。最近の例で申し上げますと、本年四月に文部大臣から昭和五十四年度民間学術団体補助金の交付についてという諮問が出されておりまして、六月に答申が出されていると承知しております。
#170
○佐藤昭夫君 科学技術庁が中心になって行った諮問というものは何か近年ありますか。
#171
○政府委員(園山重道君) 最近におきましては近年ほとんど文部省関係でございまして、科技庁で出したものは五十年以降ないと承知しております。
#172
○佐藤昭夫君 私は、過日十一月の二十六日行われた日本学術会議と原子力安全委員会共同主催の学術シンポジウム、これは私も午後一定時間吉田さんなんかと一緒に参加させていただいたわけですけれども、それなりに画期的な試みであり、内容的にはずいぶん有益な討論が行われた、そういうシンポジウムであったというふうに思っているのですけれども、いま答弁を求めますと、科技庁が中心になりながら日本学術会議に日本の科学技術の発展のために積極的な意見、提言を求める諮問を行ったということは最近ほとんどないということですけれども、果たしてそれならば諮問をすべき問題は全くないのか。そうじゃないと思うのです。いろいろ現在学者、研究者の英知を集めてどうやって一層の科学技術の発展をつくり上げていくかということで研究をしなくちゃならぬ問題というのは多々あるだろう。ところが、いま聞いてみますと、近年はほとんどない、科技庁サイドの問題はないと。どうもこの日本学術会議というものを軽視なさっているのじゃないかと、こういう気持ちを強く持たざるを得ないわけであります。
 そこで長官にお尋ねをいたしますが、実は、長官、新しく就任をされましたので、私が国会へ出てまいりましてから科学技術庁長官はこれであなたで四人目になるだけですけれども、新しい長官が委員会に出席されるたびに私はくどいように尋ねているのですけれども、科学技術行政の発展のために日本学術会議というものをどういうふうに一体お考えになっているのかということを毎回尋ねているわけです。とかく、かつての、どなたと申しませんけれども、ある時期のある長官は、あれは学者の一部の集まりだという発言をなさって、私は委員会で大問題にした時期があるわけですけれども、学術会議というのは法的にも認知をされた、そして選挙によって代表者が選ばれておると、こういうわが国の学者、研究者の総結集の最高の場だ。ですから、どうやって学者、研究者の英知を集めるかという点ではそことよく協議をし合い、またいろいろな意見を求めるということで最もふさわしい組織じゃないかというふうに思っているのですけれども、その点についての基本的な見解を科技庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。
#173
○国務大臣(長田裕二君) 日本学術会議は、私から申し上げるまでもなく、日本学術会議法に基づいて設置せられ、日本の科学技術につきまして非常に大きな役割りを与えられている重要な機関だと、そのように考えております。
#174
○佐藤昭夫君 いまの御答弁のそういう立場に沿って過日の原発問題についてのシンポジウムも行われたわけですけれども、今後ともひとつその精神で学術会議というものを位置づけをしていただき、どうやって日本の科学技術の発展のために有効な意見をくみ取るかということで心がけていただきたいというふうに思うわけです。
 そこで、いま触れました、私も出席をさせていただいた十一月二十六日の原発問題のシンポジウムでありますけれども、その中でいわゆる事故情報の収集、そこから教訓をくみ取ってどうやってわが国の原子力発電の安全技術のレベルアップを図っていくかということについての、何といいますか情報センター、この問題が議論に出、出席をされた六名のパネラーの方がすべてそのことが今日急務だということを強調されておったということがあります。この問題は私も当委員会でいままでも何回かこの情報センターの確立というのが今日急務だということを申し上げてきた経過もあります。それから日本学術会議としては、一昨年の暮れだったと思うのですけれども、学術会議としてこういう情報収集センターを設立をする必要があるということを政府に対してつとに勧告をしてきているという経過がある。こういう立場から言って、ぜひともこの問題について科技庁長官として、また安全委員会として、前向き方向での検討をぜひ開始をしていただく必要があるだろうというふうに思うわけですけれども、その点どうでしょうか。
#175
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘の学術シンポジウムにおきまして、六名のパネラーの方が、若干のニュアンスの違いはございますけれども、原子炉等の事故のデータを学術的に使い得るようなものとして整理収集し、それを公開することが非常に大切なことであるということを御議論なさったわけでございます。今回の学術シンポジウムは、学術会議と共催するに当たりまして、ここで出た議論を直ちに行政措置に反映するものではないということで定義づけておるわけでございますが、このような貴重な御意見に対してはやはり今後の安全委員会のいろいろ重要な検討事項の一つとして認識して取り上げていくべき問題であろうというふうにお考えになっておられるところでございます。ただ、この事故の情報につきましては、安全委員会に報告される都度記者発表をすると同時に原子力委員会の月報にも資科を掲載しておる、また科学技術庁内の公開資料室に置くというような措置もすでにとっておるところでございます。
 また先生御指摘の、昨年学術会議が事故情報の公開機関の設立を呼びかけて勧告をなさっておられるわけでございますが、現在どういうような仕組みでやればよろしいかということにつきましては、安全委員会の下に設けております原子力施設等安全研究専門部会の一つの検討項目として議論が進められておるところでございます。
#176
○佐藤昭夫君 基本的方向として貴重な意見として受けとめ、前向きで必要なセクションでこの検討をやっていきたいという御答弁は、それはそれとしてぜひそういう方向で進めていただきたいというふうに思うわけですけれども、ちょっとお話の中にありました、たとえば資料室で公示をしているとか、月報に載せているとか、これは現にこの間の二十六日の、吹田委員長も局長も皆さん同席をなさっていましたけれども、あの中でも、たとえば大阪大学の石谷教授ですか、直接この発言をされておったように、実際にあの程度のものを見たのでは細かい内容がわからない、本当に実際に調べようと思えばアメリカから直接資料を取り寄せてやらないと役に立たぬのだということを実際にこの研究にタッチをしておられる専門家がほとんど共通してこの発言をされておるということでありますし、アメリカの場合では、毎年「ニュークリアセーフティー」という雑誌が定期的に発表をされている。ここに全部収録をされるという形で、これを日本の学者、研究者も活用しているという現実でありますし、今回の問題のケメニー委員会、これもこれでもまだ不十分だ、もっと充実をした情報収集の体制を確立をする必要があるということを、NRC自身も言っている、あるいはケメニー委員会も言っている。これに比べてみたら日本の場合ははるかにおくれておるということは明らかな事実であります。とにかく専門学者であるその人たちが口をそろえて今日強調しておるこの問題について、ぜひ予算上の制約はあっても何とかそれをひとつ総意を生かしてそれを突破して実現に向けて積極的な努力をやっていただくという点で、特に安全委員長、吹田委員長の御所見をお伺いいたしたいと思います。
#177
○説明員(吹田徳雄君) 私も、かねがね原子力関係の事故とか故障とかというものに対するデータをわれわれの手でやはり整理してこれを有効に次の安全性の向上に使えるようなトータルなシステムをつくるべきであると前々から考えております。この間のパネラーの御意見を承りますと、それぞれのパネラーがそれぞれの立場でちょっと違うニュアンスのことを言っておられまして、私としてはやはり全体として日本に定着するようなトータルシステムを専門部会で真剣に検討してもらう必要があろうかと実は考えております。
#178
○佐藤昭夫君 さらにもう一つ、この日本の科学技術行政の発展のために今後とも学術会議の意見をどう積極的にくみ上げていくかという問題といたしまして、前の基本法改正のあの段階で私もこの委員会で意見を述べておったわけですけれども、原子力関係の諸人事ですね、たとえば炉安審とか、通産で言えば技術顧問団とか、この人事についても、これはもう言うまでもありませんけれども、とかく政府の施策に賛同する人たちに偏っているのではないかという批判が強い。こういう中でもっと広範な意見をどうくみ上げるのか、こういう見地からこういう人事の問題についても学術会議の意見をくみ取るべきではないかということを提唱してまいりましたし、それからいま問題になっております科学万博、もちろんこれはまだ立地をどうするかというその段階ではあろうかと思いますけれども、いよいよ将来これが具体的な内容検討の段階へ来るような時期には、本当にこの科学技術博覧会という名にふさわしいそういうものをどうするかということで、こうした問題についても学術会議の意見を聞くとか等々、たとえばということで例を出すわけですけれども、こうした問題についてぜひ前向きの対処を学術会議との関係において行っていただきたいというふうに思うのですが、どうでしょうか。
#179
○政府委員(牧村信之君) 安全審査会等にいろいろな分野の専門家の先生方をお願いしておるわけでございますが、私どもとしては、中立的でしかも安全について専門的な立場から、場合によりましたら政策的あるいは技術的な判断を行い得る人にいろいろお願いする必要があると考えておるところでございます。
 また、そのようなことでございますので、人選等に当たりましてこういう人はどうかというような御意見があります場合には、それは幅広くお伺いいたしたいということを考えております。最終的には、安全委員会の専門委員あるいは審査委員でございますので、安全委員会が御決定になり発会の手続をとるということになるわけでございますので、御意見を承る姿勢は私ども常々持っておるつもりでございます。
#180
○政府委員(園山重道君) 国際科学技術博覧会のお話が出ましたので、その件につきましてお答え申し上げますが……
#181
○佐藤昭夫君 時間がありませんから、私の質問している点だけでいいです。
#182
○政府委員(園山重道君) わかりました。先生御指摘のように、具体的な詰めというのはこれからの段階でございますが、これはやはり国民的行事といたしたいと思っておりますので、できるだけ広く国民の各界各層から御意見をいただくということに努めていきたいと、このように考えております。
#183
○佐藤昭夫君 いまのあなたの最後の御答弁の、できるだけ各界各層からと言ったって、科学技術博覧会ですから、やっぱりその当の専門家の集まりである学術会議の方々の意見をどう聞くかという、ここに焦点を当てて聞いているのですから、ということでひとつぜひ対処をしてやってもらいたいわけです。
 時間がありませんし、きょうは新しい大臣にかわりましてからのわが参議院としては初の委員会ですので、かなり基本的な問題をお聞きをしたんですが、あと大飯原発に関する問題で少しお尋ねをしておきたいと思います。
 それで、例のアメリカのスリーマイル事故、それに端を発して大飯一号炉の二ヵ月停止をやった、そして安全解析。その安全解析の内容をめぐって前国会でさまざま私も意見を述べてまいりました。このことは本日は繰り返しませんけれども、ともかく六月十三日運転の再開というところへ行ったのですが、ところがその後新たなるトラブルが続出して十月の十三日から予定よりも定期点検を繰り上げて定検に入っていると、こういう状況になっているのですけれども、このトラブル――質問をしてお答えをいただきますと時間かかりますので、そういうことをちょっと省略いたしますけれども、私の記憶しているあれでも七月十四日の原子炉のトリップ、それから九月二十九日の体積制御タンクからの放射性ガス漏れ、それから十月の九日の余熱除去ポンプの羽根、これが損傷をする、それからさらに十月の九日、これは発表を伏せておったという例の問題もありますけれども、蓄圧注入系から瑚酸水一トンが漏れた、主なものだけでもこれだけ続出しているということですけれども、そこで問題は、これらのケースというのはいわゆる定期点検項目ではひっかからなかった、発見できなかったものが、その後トラブルということで新たに発見されてきたという項目じゃないかというふうに思うのですけれども、その点どうですか。
#184
○政府委員(児玉勝臣君) 大飯発電所が六月の十四日運転開始して以来、いま先生おっしゃったようにいろいろなトラブルが起こったわけでございますけれども、この点につきましては定期点検のときには機能試験は全部やっておりますし、そういう点においては問題ない。ほとんどの問題がこれがその後の保守の問題でもありますし、また、ブルドン管の問題は、これは製作時のミスがこの時点に発覚したということでもありますし、また、余熱除去ポンプの回転翼はめ込みの部分、これも実は製作時の十分な設計余裕がなかった、製作余裕がなかったということのあらわれでありまして、定期点検のときにチェックできる範疇のものではないのではないか、こういうふうに思っております。
#185
○佐藤昭夫君 そういたしますと、定期点検のときにはパスをしていた、チェックの対象項目には入っていなかった、それが新たにその後トラブルとして発見をされた、こういうのが続出している。大飯だけじゃない、ほかの原発でも似たようなことが起こっているということから、いわゆる定期点検項目についてのもう一回全面的な見直しをぜひやる必要があるのじゃないかということが各界から言われていると思うのです。その点について、通産省と安全委員会でどういう定期点検項目について見直しをやる必要があるというふうにお考えになっているのか。その点どうですか。
#186
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃった点につきましては、製作時から、製作時の納入のときの品質管理の問題と、それからその後運転しながらの保守に関する品質管理というふうに分けられるのではないかと思っております。そういうことで、製作時の品質管理におきましても、今後単なるスペックの中にもこの機械がどういうような品質管理のもとに製作されるかということについて十分な詰めができるように工事計画認可において審査いたしたいと思っております。
 それからいま先生御指摘の定期点検の問題につきましても、現在定期点検項目の見直しをしております。それで、まだ案ができ上がった状態ではございませんけれども、従来の検査項目より倍または二倍半ぐらいにその検査項目を上げまして、それで従来の会社に任せておりましたいろいろな自主保安体制下のいわゆる検査というものについても十分目が届くようにいたしたいと、こう考えております。
#187
○政府委員(牧村信之君) TMIの事故の教訓を生かしまして、安全委員会では原子炉の審査指針あるいは基準から運転管理の関係、あるいは防災関係、安全研究関係を含めまして全体で約五十二項目の検討事項の指摘を受けております。その中に、運転管理関係として、保守時における点検頻度等をどう考えたらいいかとか、プラントの運転管理体制についてどういうふうにしたらいいかということについての宿題が出されておりまして、それらの宿題につきまして、原子力安全委員会の下部機関でございます関係する専門部会あるいは原子炉安全専門審査会におきましていま検討が進められておるところでございます。通産省のお答えがありましたようなことも、TMIがらみにつきましてはこちらに御報告いただいて安全委員会としての考え方をまとめていくというようなことで作業を進めていきたいと、このように考えておるところでございます。
#188
○佐藤昭夫君 ちょっと、私、三時から議運委員会がありますので、もう少しお尋ねをしたいのですが終わらざるを得ませんけれども、いまの御答弁で定期点検項目についてのかなり広範囲の見直しをやるということではありますけれども、ぜひそれを現在時点で見直し、結論には至ってなくても見直しの必要を感じておる諸問題というものを一遍一覧表にして提示をしていただきたいと思うんです。このことをぜひ申し上げますのは、にもかかわらず、また新たなるトラブル事故が起こって、あの当時は何にも気がついてませんでしたけれどもまたこんな思わざることが起こりました、これがずっと積年続いているわけですね。そういうことが積み重なっているというこの状況をどうしても改めなくちゃいかぬ。逆に言えば、今度こういう定期点検についての見直しをして、また何かが起こったという場合には、一体それについてはどこの責任になるのか。企業の責任になるのか、直接の点検管理の指導をした通産の責任になるのか、あるいは安全委員会の責任になるのか、その責任も含めて問題を明確にする必要があるということを最後に強く申しまして、その資料の提出をお願いをして、私の質問を終わっておきたいと思います。
#189
○政府委員(児玉勝臣君) 先生ただいまの申された資料につきましては早速提出したいと思います。
#190
○中村利次君 安全委員会と学術会議の共催で開催をされましたシンポジウムの問題につきましても、これは行政懇で提起をされたシンポジウムあるいは公開ヒヤリング等の問題等も含めて、私は明確にしなければならない点が、私の立場から明らかにしたい点がありますし、また午前中から原子力発電所のトラブルあるいは被曝等についての問題が提起されておりますから、こういう点についても私の立場からの質疑をしたいと思います。
 ちょうどタイミング的に言って、私どもが安全性の確保を前提として立地問題等を含めて原子力の問題に積極的に取り組まなければならぬ、やっぱりエネルギー源を選択する場合、いろいろなものを総合的に考えて原子力を否定できない、これがやっぱり主力であるという立場をとるのは、エネルギー全体的な見通しとそれに対する対応を誤ってはならぬというのがあくまでこの前提にあるわけでありますから、これは国民的課題だと私は思いますし、したがって、そういう意味から言いますと、タイミング的に言って、あと十日ばかりすると輸出国機構のカラカス会議があり、その前に国際エネルギー機関の会合も開かれると言われているわけでありますから、エネルギー資源の上で資源小国じゃなくて無資源国のわが国がエネルギー対策を誤っちゃったらこれはすべてがめちゃめちゃになるわけでありますので、これはやっぱり石油を量の上でどう確保するかだとか、代替エネルギーだとか新エネルギーをどう開発するかだとか、あるいは石油の価格問題にどう有効な対応をするのかという、いろいろな課題を含めて対策を誤っちゃならぬと思うのですよ。そういう意味で、私はこれはいままでもたびたび政府の関係の方たちに本委員会においても申し上げてきておりますけれども、私は、目先、中期的に見て、量の問題もありますけれども、量よりも石油はむしろ価格に大変なこれは問題がある。非常に単純な計算をしましても、何か、きのうだかおとといだかの報道によりますと、スポット価格が四十ドルを割ったということが伝えられておりますけれども、とにかく四十一ドル台から四十五ドルぐらいまでいったと言われていたわけですね。そうすると、DD買いその他メジャーから来るあれもございます。いろいろなものを含めて大体バレル当たり二十ドルぐらい高いスポット買いを、全輸入量のほとんど一一%ぐらいをそこで買っておる。こんなのを計算しますと、これはその差額分だけで年間一兆円ぐらい、四十億ドルぐらいの外貨が出ていくということになりますから、量は確保しなきゃならないが手段を選ばないで確保していいのかということになりますと、これは大変国際収支問題を含めて問題がある。そこで、そいつに対応するには、やっぱり石油の大食い国のアメリカや日本が省石油にどれほどの意欲を燃やしてどれほどの実効を上げ得るか。そこにはやっぱり日本がぴしっとしたことをやってアメリカに対しても呼びかける。今度のIEAの会合ではむしろ日本がそういう意味での主導権をとるぐらいでないと、アメリカなんかは何だかんだえらい騒ぎやってみたってエネルギー資源大国ですから、これは仮に大変なことになったってまだしのぎようがある。日本の場合には一発でおしまいですからね。そういう点について、いろいろな問題を含めて、たとえば石油の備蓄が百二日になっておる。こういう石油価格が異常高になった。それからなおこの異常高は続きそうである。それから量の問題も、必ずしも私はそれほど先ほど申し上げましたように目先や中期的には心配はしないけれども、これも楽観すべきものではないわけでありますから、量、価格ともにいろいろ問題のある中で備蓄を百二日にふやされたという点については敬意を表しますよ。しかし、後でツケが回ってくるようなそういうやり方であっては困るわけでありますから、そういう点について、ひとまずまことに恐縮ですが、大変広範囲なあれですけれどもお答えをいただきたいと思います。
#191
○政府委員(児玉勝臣君) いま先生お話しのありました件は、まさに、今度の十二月十日に行われますIEAの閣僚理事会におきまして非常に各国とも関心を持っている事項でございます。すなわち、今度最も大きな議題となりますのは、一九八〇年の油の量をどうするかという問題が恐らく討議される主題になるかと思います。これは要するに、イラン情勢の見通しから、一九八〇年というのは、量につきましては実は六月末のサミットにおきまして各国の輸入量というのは決めたわけでございますけれども、その輸入量を確保するということは非常にむずかしいのではないかと、こういう提案が出ております。これはアメリカとイギリスからおのおの提案が出ておりまして、たとえば一〇%一律カットしたらどうかとか等々の案が出ておりますが、そういう問題につきまして、各国ともその油の依存率というのが違いますので、同じ一〇%カットでも、いま先生おっしゃったように非常に日本はダイレクトに響きますが、アメリカなり、それからフランスなりイギリスなりという、ある程度油以外のもので維持しているところについてはそのショックが少ない、たとえばECという一本でやっているような場合にはさらに少ないと、こういうこともありまして、その辺が恐らく議論になるのであろうと思います。
 それから第二番目の問題はスポット買いの制限ということで、いま先生まさにおっしゃったようにスポット買いがやはり油の値段を引き上げる先兵というかっこうになっておりまして、先ほど一バレル当たり四十ドルの大台を切ったという情報もありますが、その後また三十九ドル台に落ちておるという状況でございます。要するに四十ドル台を切るのはもう時間の問題というようなことでありまして、そのスポット値段に引きずられまして長期契約の油の値段も上がるということは必然的な従来の傾向でございます。そういうことでなるべく高い値段のスポットは買わないようにということが恐らく次の話題となって出ると思います。
 それから三番目でございますが、これも各国とも備蓄が進んでおりまして、さらにその各国の備蓄の奨励に応じまして国内のいわゆる民間の備蓄がふえておるということに各国間とも非常に関心を持ち始めまして、ある企業だけが非常に大量に備蓄する、要するに買い占めするというような状況にならないように国がどういうふうに管理するかという問題と、それから民間に一生懸命備蓄させるということで国の費用をたとえば出すとか、それから国がそれを管理するとかということで国同士のいわゆる買い占め競争が行われないように考えなきゃいかぬというようなことでの先進国間の協議が行われるわけであります。そういうことで、まさに先生いまおっしゃったことは、世界各国、それに日本も当然でございますが、非常に関心を持っている問題を御指摘いただいたというふうに思っております。
 それで、八月の末に長期エネルギー需給暫定見通しというのを出したわけでございますが、これもサミットにおきます国際約束をいかに守るか、それを国内的な計画に移してみるとどういうものかというのがこの計画になろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、暫定見通しの特徴というのは、第一には省エネルギー率が非常に過大と申しますか非常に大きいウエートで示されているということ、それから油の輸入量が、六十年の三億六千六百万キロリットルを頭打ちといたしまして後年度以降それ以上ふやさないということが入っております。それで、あと増加する需要を賄うものといたしましては原子力、それから石炭、特にこれは海外石炭でございますが、それからLNGというものに依存するというかっこうになっております。
 それから最も大きい特徴というのは、従来はいろいろな種類のエネルギーの開発の目標というものを一応掲げてはおりますけれども、その目標が達成されないときには何とか油の増量輸入ということで急場をしのいでおったわけでございますけれども、今後はそれができないということでございます。したがいまして、おのおのターゲットが達成されない場合にはまさに需要を切る、要するに国民経済の発展を縮小するということ以外にないというのが、これが計画見通しとなっております。これは見通しといいますよりは、まさに計画ということで考えなきゃいけないわけであります。そういう意味で大きい話でいきますと、いわゆる国家存亡の問題としてこのエネルギーの拡大のための原子力開発とか海外石炭の開発とかLNGの開発とか、それから新エネルギーの開発、そういうものがあすの日本を背負う大きな力になりますし、これがうまくいかない場合には後世に高度文明の発展の礎を残すことができないということがここにあるわけでございます。
 そういう意味で、非常にせっぱ詰まった計画ということで、通産省といたしましても代替エネルギー特別会計等をいま大蔵省に要求しておりますけれども、大蔵省との線ができましたらまた国会にお願いしなきゃならない問題であろうかと思いますが、大変な決意でひとつ臨まなければならないという状況かと思います。
#192
○中村利次君 いま審議官のお答えをいただいたとおり、私も本当にこれは深刻に考えているのです、何も深刻がっちゃったってしょうがないけれども。本当にエネルギー対策を誤っちゃったら、とにかくいまおっしゃったように、私は暫定見通し、これは五十二年の六月のやつを八月の末に見直しされたわけでありますけれども、これを見ても本当に緊張感を持つよりも深刻なんですね。それで三億六千六百万キロリッターの石油を前提として、その後を石炭だとかLNGだとか原子力だとか新エネルギーというものを当てはめられたのではないかと思うほど非常にどうもむずかしいんですな。たとえば原子力の三千万キロ、これはだめですよ。とにかく、あと昭和六十一年の三月までに六年とちょっとしかないわけでありますから。いま着工しあるいは準備をしておる、そして順調にいけば六十一年の三月までに営業運転に入れるというのはいまはっきりしているわけでありますから、二千八百万キロ足らずと。ところが、それも立地問題その他これは揺さぶられ揺さぶられて、それで政府の役割りがどうあるべきか、これは地方公共団体の行政指導を含め、あるいは私がいつも指摘しますように、きわめてややっこしい申請の簡素化等有効な対策等を含めてばっちりやって二千八百万キロ弱。もしこの揺さぶられ方にどうも幾らか影響されそうであるということになると二千五百万キロワットも達成できないかもしれないという。これは決して深刻がって言うのではなくて、現実がそうでありますから。だとしますと、そこの空き家になる分をどうするのか。石油で埋めることができるのか。あるいは石炭にしましても、これは五十二年の六月の暫定見通しは一億二百万トンだったと思いますけれども、一億百万トンになっておりますが、一般炭二千二百万トンですね。やっぱり約一千万キロワット程度の石炭火力をたかせよう。これは毎々申し上げますように――こんなことを言っていると時間がなくなってしまいますからもうやめますけれども、これは石炭をたくということは、私に言わせると、石炭はこれから大事なエネルギー源、これはどうしても日本は石炭の二千万トン出炭体制というのを、官民のあらゆる努力を結集しても二千万トン出炭体制を維持できるかどうか、これが心配なぐらいでありますから海外炭に依存せざるを得ない。これはいろいろな問題がある。これを原料炭として用いるにしても、あるいは燃料炭として用いるにしても、もうそれは環境に与える影響なんというものは、現在の技術水準では、これはいろいろな比較の仕方がありますけれども、原子力以上の問題がある。ですから、こいつを技術開発を続けながら、あるいは資金を投入しながら環境に影響を与えないようなクリーンエネルギーになるようにこれはやっていかなきゃならぬ。ですから、私は、石炭は貴重な将来の期待しなければならないエネルギー源だと思いますだけに、軽々な扱いというものはこれは慎んでいかなきゃならぬと思うのですよ。そういう意味で、たとえば発電所でたく石炭を、国内一般炭の七百万トンと二千二百万トン、そのうちの二千万トン以上を発電所でたこうというのでありましようけれども、これは恐らく大変にむずかしかろう、脱硝、脱硫、集じん、それから灰捨て場から貯炭設備、そういうものをも総合的に考えた場合。それで穴があく分も、これも石油の輸入積み増しができるのかどうか。その場合、果たして価格に与える影響はどうだろうか。これはいまですらどうもべらぼうに高い、倍近いスポット価格で輸入量の一一%も買わなきゃならないような状態でありますから、ほかのあいたエネルギーを石油に上乗せするなんということになったら、量の問題だけじゃなくてOPECの値上げ攻勢にはずみをつけるようなものでありまして、まことにゆゆしき問題だと思うのです。LNGの二千九百万トンにしても、あるいは新エネルギーのおのおのにしても、どの一つをとっても容易ではない。それからこれはやっぱり審議官が指摘をされました省エネルギー一二・一%、石油換算八千万キロリットルにしても、まことにこれは容易ならざるわざです。だから、こういう深刻な問題の中から、原子力を、これは現実に千三百万キロ弱の出力をすでに原子力は軽水炉によって運転しておるわけでありますから、こういうものの安全性を強めながらどうこれを国民生活に生かしていくかということが、当然これは私は論議の対象でなければならない。そういう意味で、もう時間が大変過ぎてしまいましたから、それじゃ審議官のお答えはこの次の機会にいただくことにいたしまして、問題提起だけを、非常にくどいようですが、大体認識は同じようですけれども、私はきわめて深刻なだけに通産省・資源エネルギー庁に。あるいはエネルギー開発資金調達の問題にしても、もう石油について二兆八千億を超える課税が行われておるわけでありまして、これは大蔵省、大蔵大臣のあれにもかかわることでありますけれども、私はこの見直しは避けることはできないと思う。これだけ石油が上がり、そしてエネルギー問題がこれほど深刻なときに、油に二兆八千億以上の課税をしてなお巨額に達するエネルギー開発資金の調達を、何億のエネルギー上乗せを――これはおやめになったようでありますけれども考えるということになると全くこれはゆゆしき大問題でございますから、こういう問題を含めて問題提起をして、ぜひ期待をいたしますから、誤りのないエネルギー対策を確立していただきたいと思います。
 そこで、本来ならば安全委員長に御出席をお願いすべきところでありますけれども、これは形式の問題ではなくて、実質的には牧村安全局長が事務局の責任者として十分に御承知であろうと思いますからお尋ねいたしますけれども、私はスリーマイルアイランドの原子力発電所の事故については、本委員会でも何回もこれは取り上げて、私は私なりのあの事故に対する認識、それからそれに対する安全委員会あるいは日本国政府の対応というものにつきましては批判を交えて問題を取り上げてまいりました。だから、そういう意味からしますと、このスリーマイルアイランド発電所の事故の提起した諸問題に関する学術シンポジウムを開くことの是非については別の角度から私は意見を持っています。しかし、お尋ねをしたいと思いますのは、これは行政懇が提起をしたいわゆるシンポジウムあるいは公開ヒヤリング、そういうものに応じてお開きになったものかどうか、いかがでしょうか。
#193
○政府委員(牧村信之君) 先般開催いたしました学術シンポジウムは、先生御指摘の行政懇の提言の中にございます、専門家によるシンポジウムというのを開くべきであるという提言がなされております、それにのっとって安全委員会が行ったものでございます。全く同じ考え方のものでございます。
#194
○中村利次君 私はいろいろな原子力の平和利用について安全委員会と日本学術会議が共催で有効なシンポジウムを開かれるという点については賛成です。しかし、賛成の立場からしても、シンポジウムにしてもあるいは公開ヒヤリングにしても、基本法の審議のときに、私は現状では有効な公開ヒヤリングなんかできっこありませんよと有澤会長にも私はそういう意見を含めて質問をいたしましたよ。それは前の原子力委員会で要綱をつくって福島でもう実験済みである。新潟県の柏崎で実験済みである。公聴会をやるべきであるという人たちがやっぱり妨害、粉砕に回ったわけでありますから、柏崎ではついにこれはできなかった。そのことがこのシンポジウムでも、これは中村個人に対して案内が来たのではなくて党レベルで来ましたから、私は本当はこれは出席したかったんだがどうしても行けなかったら、テレビで見たのですけれども、えらいどうも乱闘というのですか、何というのですか、テレビで見ている限りではえらいどうも好ましくないトラブルが起きた。これはどういう理由だとお考えですか。これは私はやっぱり主宰者であろうと、あるいはその妨害をした側であろうと、何であろうと、とにかく双方に理由はあると思います。理由はあると思いますが、客観的にあそこでああいうトラブルを起こした人たちはどういう言い分を言っているのか、念のために承りたいと思います。
#195
○政府委員(牧村信之君) 当日午前中、先生御指摘のように一部の方の妨害と申しますかで議場がある程度混乱したことは事実でございます。まず最初の混乱は、入場をさせないような動きをした方が一部におられて一般の方がなかなか入場できなかったということがございましたが、定刻近くになりまして職員等が道をあける努力をいたしまして入場が開始されたわけでございますが、その反対されておった方々も定刻を過ぎまして今度は会場に入ってこられたわけでございます。これは学協会の会員の方々でございますし、入場券をお持ちの方々であったわけでございます。会議が始まりますと、今度は場内でビラを配る、あるいは不規則発言をするというようなことが行われたわけでございます。その際いろいろなもみ合いがあったことも事実でございますが、座長の指名で退場をお命じになられたのを受けて、私ども場内整理をしております科学技術庁の職員並びに学術会議事務局の職員がそれらの方に御退席願ったという一幕がございまして、それらが報道機関によってテレビ等に放映されたということでございます。したがいまして、お昼ちょっと前、十一時過ぎからはきわめて平静になってまいりまして、午後は全くそういう動きもなく平静にシンポジウムは行われたと思っております。
 何分にも、今回のシンポジウムに呼びかけましたのは学術会議に登録しております学協会の方々に呼びかけて、その中から抽せんで、会場の人数制限等もございましたので五百名の方をお呼びしたわけでございます。したがって、それらの方々の中にはいろいろな原子力に対しての御意見を持っておられる方が当然出席しておったわけでございますが、その中の一部の方が開催させないというような考え方、あるいは議場に入りまして議事を妨害するというようなことがあったのはきわめて遺憾であったと思っております。それらの方々がおっしゃられております主な点は、私どもはこの学術シンポジウムというものは学協会の方から公平に抽せんしてパネルディスカッション方式で行ったものでございまして、通常よく学会等が行う手法でやったわけでございます。しかしながら、それらの方々の一部には、地元の方を入れていないではないかというようなこと等を言われて、これは決して公開のシンポジウムではないというようなことをおっしゃられたことがございます。それからもう一点は、学術会議の姿勢を非常に問う方が一部あったように覚えております。これは原子力安全委員会と共催にしたことについて、学術会議は本来中立的な立場でなくちゃいけないのに原子力開発に加担したというふうにおとりの方が一部ございましたようでございます。そういうような方が学術会議側に対しましていろいろ議場で不規則発言をなさったというようなことがあったわけでございます。
#196
○中村利次君 だから、私はいままでも毎々申し上げてきたのですけれども、やっぱり反対だ、もうどんなことをしても反対だという方たちは、これはやっぱりどんなことをしたって反対するのですよ。伺いますと、学協会の中から公正に抽せんをして、会場の都合等もあり五百名選んだその中の一部の方たちが開催を阻止しようとされたということでありまして、座長のあれによってごくきわめて数人の方たちに外に出ていただいたら全く平静にシンポジウムは行われた、こういうことになりますと、五百人の中のわずか数人が実力行使をして妨害をし、あるいはよくあの人たちが言う粉砕をしようとしたということになるのですけれども、これはそのとおりに受け取ってよろしいですか。
#197
○政府委員(牧村信之君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#198
○中村利次君 それからそのシンポジウムに伊方あるいは柏崎の――伊方の場合には反対訴訟団というのですかね、柏崎からも原子力反対派の方たちがその会場に入らせろと言って来ておられたということを聞いているのですけれども、これは事実ですか。
#199
○政府委員(牧村信之君) そういうような方々が一部来られたことは事実でございます。
#200
○中村利次君 ですから、これは安全局長の御答弁にもございましたように、こういう学術シンポジウムに専門家が集まって、それを民主的に専門家の中で公平に抽せんをして、専門家が集まって専門的な立場でシンポジウムをしよう、こういうものに一般の住民の参加、一般国民の参加なんというものは全くこれは考えられないことですよね。私は前々から本委員会においてもそのことを主張してきたのですよ。そういう安全性その他について専門的な議論の場に公開だ公開だと言って一般の人がどんどん入ろうったって、そんなものはとにかくしようがないんだ。むしろ地元の方たちは、地元の環境問題その他を含めて地元の利害について、それは体制さえあれば公聴会、公開ヒヤリングをやって、そういう場で地元の方たちの意向をどう織り込み尊重していくのか。専門的な議論の場は専門家によってやる。あたりまえだと私も思うのですよ。ところが、そうじゃなくて、そういう場にやっぱり公開だ公開だと言って地元から大挙して押しかけて、そしてそれを入れなければ開催を妨害しようとする。これはまさに私は自分たちの意向が通らなければ暴力を用いてでもこれを妨害をするというあれからいけば、本当に成田の管制塔に乱入して器具をぶち壊したあの発想とどこが異なるんだということになるわけでありまして、それでそのことは全国各地の、原子力サイトだけではありません。話し合いだ、申し入れをする、会ってみればつるし上げですからね、これは。だから、そういうことを繰り返していて、そして冒頭私が申し上げましたようにエネルギー事情はまことに深刻である。そういうもので妨害されて正しいエネルギーの開発というものがおくれていくということになりますとこれはゆゆしい大問題ですけれども、どうもそういう点に対する対応の仕方というのが私は非常に心配なんです。今度のシンポジウムは幸いにして五百人の中のわずか数人だったようでございますから、これは妨害行為をしようとしても、あの人たちの言う粉砕をしようとしても、むしろ民主的に排除されて事なきを得たということになると思うのですけれども、行政懇のもう一つの公開ヒヤリングは通産省もあるいは安全委員会も――安全委員会というか、当時は科技庁も公開ヒヤリングはやりますやりますとおっしゃっていたけれども、本当に私がいま言うようにこれは同じですよ。話し合いと称して会ってみればつるし上げをする。そして乱暴ろうぜき。原子力じゃないけれども、石川県の七尾なんか重軽傷者まで出した。こんなのが民主的な手段、方法と言えますか。そういうものに対して有効的な対応策をお持ちですか。私はやっぱり心配だからお伺いをします。
#201
○政府委員(牧村信之君) 先生の御指摘の点で有効という意味で考えますと、ちょっと筋違いなお答えになるかとも思いますけれども、私どもは、安全委員会の考え方は、これから新増設される原子炉の審査を進めるに当たりまして地元の住民の方の御参加をいただいた公開ヒヤリングをこれからぜひやっていきたいという考え方には変わりはないわけでございます。そのためには、できるだけ平静に住民の御意見を聞けるような場を何とかつくりたいというふうに考えておるわけでございます。それに対する先生の御懸念の的確なあれはないかもしれませんけれども、そのやる努力を重ねていくということで定着化を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#202
○中村利次君 結構です。それは政府としてはあるいは安全委員会としてはそういう姿勢で取り組まれるのはまことに結構なことでございますから、それは私はとやかくは申し上げません。ただ、すでにその公開ヒヤリングについて粉砕の動きがあるという点についてはお聞きになっておりますか、お聞きになっておりませんか。
#203
○政府委員(牧村信之君) 新聞で福島についてそのような動きがあるということは知っております。
#204
○中村利次君 そこで、私はそういう動きがあるということを承知をされて、なおかつ公開ヒヤリングを何としても定着さしたい、これはきわめて崇高でございまして、私は本当に皮肉じゃなく敬意を表します。そして、ぜひともそういう体制になってほしい、そういうものが定着してほしいと思います。しかし、遺憾ながら、それはやっぱり粉砕だとかなんとかいう表現にあらわれておりますように、手段を選ばないでとにかくいろんなことが行われるわけでありますから、私は安全局長のそういう崇高な使命感に対しては敬意を表しますけれども、実際問題としてはこれはかなりむずかしかろう、シャッポを脱がざるを得なくなるのではないかという見通ししか持てません。その場合、これからが大事ですけれども、これは通産省にしてもダブルチェックの前提に立つわけでありますから、その場合、通産省も安全委員会もとにかく公開ヒヤリングについては失敗した、誠心誠意努力をしたけれどもついにどうにもならなかった、いわゆる粉砕をされた、その場合、この認可の前提条件として事業者がやっぱり説明会をやって、これは事実上の公聴会みたいなものをやって、そういうものを前提としてそいつをつけていらっしゃいよと、こういう逃げ道があってはだめですよ、これは。どうですか。そういうことによって、何というのですかね、これは結果して騒ぎ回り粉砕しようとする人たちの意図に全くはまり込むわけになるわけでありますから。妨害をしよう、促進をさせまいとしてそういう方たちはいろいろな手段を尽くして揺さぶるわけでありますから。それは自分たちは誠意を尽くしたがどうにもならぬ。だったら、設置責任者の事業者がわれわれが失敗したのをおやりなさい、これじゃいわゆる妨害派の意図に全く政府みずからがはまることであって、原子力の昭和六十年三千万キロの開発という看板をかけることに対しては何ともはやこれはお粗末であり責任のあるやり方ではない。そういうものによって許認可の遅延は断じて起こり得ないと、こういうことは言えますか。これは児玉審議官と安全委員会、双方でひとつお答えをいただきたいと思います。
#205
○政府委員(児玉勝臣君) 通産省といたしましては、第一次公開ヒヤリングをやるということで、これは電源開発調整審議会にその地点を提出する前に行う公開ヒヤリングを企画しておりますけれども、いまおっしゃったように、われわれのヒヤリングができないためにそれを電力会社に押しつけるというようなことは一切私たちは考えておりません。
#206
○政府委員(牧村信之君) 私どもの安全委員会のお考えも、ただいま通産省が御説明したと全く同じでございます。しかしながら、こういう制度で反対される方の意見も聞きつつ、あるいは地元の方の率直な心配あるいは意見、こういうものをぜひ審査に反映したいというのが安全委員会の気持ちでございますので、その辺をよく了解してもらうような努力が今後必要であろうというふうに考えております。
#207
○中村利次君 まことにごりっぱで、本当にそれには私は全くとやかくは申し上げませんよ。しかし、現状ではシンポジウムが妨害されて、その方たちはやっぱり会場の外に出ていただかなければシンポジウムができなかったという実態もこれは客観的事実として、願望は別にしてそういう実態もあるわけでありますから、ひとつせっかくの御検討を期待いたします。
 それで、何回でも繰り返して申し上げますけれども、安全委員会にしても、あるいは政府にしても、国民に対する安全委員会、政府の責任においてやっぱり物を処していかなければならないわけでありますから、だから意図されることと違うことがあってもみずからの責任において処理をすべきことを誤らないように、ひとつぜひこれはくどく注文をしておきます。今後もそういう課題はずうっと続いてあるわけでありますから、その都度私は申し上げていきたいと思います。
 次に、もう時間が大変短くなりましたけれども、高浜あるいは福島、美浜、玄海等の問題が出ましたから、私はこれらの問題についても別の角度から。総体的に言えると思いますのは、いわゆる下請作業員の被曝問題、これは総体的に言えることだと思いますけれども、私はやっぱり水面下の議論を幾らしてみたってこれは実りあるものにはならないと思う。だから、これは確かにトータル・マン・レムがふえつつあるという事実は、いままでも本委員会に私はこれはそういうことを指摘してきました。それで、それに対する対策というものも考えなきゃならぬ、これは対策はないわけじゃありませんから、ということも申し上げてきました。そこで、やっぱりトータル・マン・レムがふえつつあるという事実にどう対応するのか。特に何か社員作業員とそれから下請作業員が、えらい下請はタコ部屋みたいな劣悪条件下なんて、私が承知しておるところではそんなことはありません。同じ地点において社員もあるいは下請作業員も作業をしておるはずでありますけれども、それは私は被曝線量が違うのはあたりまえだと思う。同じ場所ではあっても、作業の時間、それから作業の質、全く同じ場所にいて同じ仕事をやるわけじゃないわけでありますから、それは監督する者と実際に作業をする者とは被曝線量に若干の差があるなんというのは、私に言わせればこれは当然である。そこで、私は何かもぐり込んで内部告発みたいだか、暴露みたいだか、そういういわゆる被曝対策ということではなくて――だから私はそういうものに対して一々反論をしようと思えば幾らでもできますよ。しかし、そういう無理なことをやったってしょうがないのだから、やはり下請作業員に許容線量を超える――これは水面上ではそういうものはありませんということになっておる。しかし、あるのだと言う人たちがいるわけでありますから、あるのだったら、そういうものをどう明らかにし、そういうものにどう対策をするか。あたりまえでしょう、これは。あるのだ、あるのだ、だから放射能管理はでたらめだ、だからけしからぬ。それでは先ほどのシンポジウムに対する殴り込み、妨害と同じように、原子力の開発を揺さぶるために、やめさせるための手段としてこの被曝線量の問題を取り上げて揺さぶる。そうではなくて、やっぱり立法府も、行政府も、あるいは専門家も、とにかく下請作業員の中にそういうものがあるのだったら、そいつを明らかにして対応する。私は、放射線の管理手張なんか調べてみても、これに重大な欠陥があるとは思いませんよ。だから、欠陥があるとお考えになるのだったら、お考えになる人が、ここはこういうように改めてそして常にぱちっとわかるようにすべきであるという、そういう議論があってしかるべきだと思いますよね。ですから、そういう点についてどうですか。放射能管理について、現在ただいまいろんなことが言われておるけれども、当面こういうぐあいに改めるということじゃなくても改善をしたいというようなものがありますか。あったらお知らせを願いたい。
#208
○政府委員(児玉勝臣君) 先ほど来作業員の被曝管理の問題についていろいろ御指摘がございまして、私たちの方の手元の情報ではそういうような問題はいまのところないと私たちも認識しておりますけれども、そのような御指摘がある以上、私たちとしてもこの際その実態をよく調査したいと思っております。その上で具体的にどういう対策が必要なのか対策を立てたいと、こう考えております。
#209
○中村利次君 調査も大いに結構。しかし、これは私は一貫してそう思うのだけれども、揺さぶられて、それに周章ろうばいして調査する、調査する、それだけ大変なロスです、これは。大平内閣は、とにかくむだなことをしない、有効で安上がりな内閣をつくるというのが、これがキャッチフレーズのはずでありますから、私はその調査を否定はしません。これは必要な調査はやるべきである。しかし、何か揺さぶられて、それに踊らされてむだなそういういろいろな作業なんというものを御自分たちもおやりになる必要はない、あるいは事業者に対してもそういうものを求める必要はない。これはひとつはっきりしておいてくださいよ、そうでなければ困りますから。
 それから時間がだんだんなくなってきましたから、その被曝問題について、一日百ミリレム、週三百ミリレムとかなんとかいう議論も伺いましたけれども、ちょっと私が気づきましたのは、各電力間でこれがばらばらであってでたらめである、どうも私はこういう発想がわからないのだな。国際的許容線量というのは年間五レムでしょう。何か違いますか。
#210
○政府委員(牧村信之君) 御指摘のとおりでございますが、三ヵ月三レムで年間では五レムということで規制されておるわけでございます。
#211
○中村利次君 いや、ですから、わが国の規制法に基づく定めもそうなっているでしょう。そうすれば、これは筋目からいきますと、三ヵ月三レムということは、これは許容量としては瞬間被曝が三レムであってもその定めからいけば問題にはならない。しかしながら、より低くあるいはより安全にというそういう立場から労使の間で年間五レムのものを三レムに決めたり、あるいは一日百ミリレムに決めたり、週三百ミリレムに決めたりしておるのであって、それが二百五十ミリレムであろうと三百ミリレムであろうと、何らこれはとやかく指摘すべき対象にはならないと思うのだけれども、いかがですか。
#212
○政府委員(牧村信之君) 先生おっしゃるとおり、電力会社等が自分のところの作業員の方々の被曝量をできるだけ減らすという観点から、年間三レムあるいは一日百ミリレム、一週間に先生御指摘の数値のものというような運用をしておることは事実でございます。これは当然、先ほど申し上げました三ヵ月三レム、年間五レムを下回った数値でおやりになっておるわけでございますので、会社によりまして若干その数値が違うということは当然あろうかと思っております。
#213
○中村利次君 国際放射線防護委員会というのは、これは国際的に権威のあるものであり、そこで定められたものに従って各国が被曝線量を定めておると思うのですけれども、日本の場合もしたがってその規制法でやっぱりそれを受けた定め方をしておると、私はこういうぐあいに受け取っておるのです。したがって、これは権威のあるものである、こう受け取っておるのですが、いかがですか。
#214
○政府委員(牧村信之君) 日本を初め世界各国がICRPの勧告に沿ってそれぞれの国内法でICRPが出した数値を採用しておるというのが現状でございます。したがって、ICRPというのは非常に古くから放射線と人間の関係につきましての権威ある学会でございますので、先生御指摘のとおりだと思います。
#215
○中村利次君 やっぱり国際的にそうやられておるし、したがって、一日百ミリレムであろうと百五十ミリレムであろうと、週に二百五十ミリレムであろうと三百ミリレムであろうと五百ミリレムであろうと、これは国際的にあるいは国内的に定められておるのは三ヵ月三千ミリレム、その範囲内でより低くより安全を追求しようという立場で各事業者が決めているものが、いかにも放射線管理がでたらめであるという認識であっては発想の原点がそもそも違う。ですから、私は安全委員会にも求めたいと思うのですが、そういう点ははっきりして、いわれなき攻撃に対してはやっぱりはっきり物を言う体制を私はとってもらわなきゃ困ると思いますよ。私が言っていることが誤りであるならば、御指摘をいただきたいと思います。時間が参りましたから、あとのいろいろな課題についてはまた次の委員会に譲ります。
#216
○委員長(塩出啓典君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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