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1979/12/04 第90回国会 参議院 参議院会議録情報 第090回国会 予算委員会 第1号
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1979/12/04 第90回国会 参議院

参議院会議録情報 第090回国会 予算委員会 第1号

#1
第090回国会 予算委員会 第1号
昭和五十四年十二月四日(火曜日)
   午前九時十分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         山内 一郎君
    理 事         亀長 友義君
    理 事         下条進一郎君
    理 事         桧垣徳太郎君
    理 事         安田 隆明君
    理 事         瀬谷 英行君
    理 事         福間 知之君
    理 事         多田 省吾君
    理 事         内藤  功君
    理 事         栗林 卓司君
                浅野  拡君
                岩動 道行君
                石破 二朗君
                上田  稔君
                小澤 太郎君
                上條 勝久君
                熊谷  弘君
                鈴木 正一君
                田代由紀男君
                玉置 和郎君
                成相 善十君
                秦野  章君
                林  ゆう君
                真鍋 賢二君
                町村 金五君
                宮田  輝君
                八木 一郎君
                山本 富雄君
                粕谷 照美君
                小柳  勇君
                対馬 孝且君
                寺田 熊雄君
                野田  哲君
                広田 幸一君
                吉田忠三郎君
                和田 静夫君
                相沢 武彦君
                太田 淳夫君
                矢追 秀彦君
                矢原 秀男君
                上田耕一郎君
                渡辺  武君
                井上  計君
                下村  泰君
                柿沢 弘治君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     和田 静夫君     野口 忠夫君
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     野口 忠夫君     和田 静夫君
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
     柿沢 弘治君     野末 陳平君
 十二月一日
    辞任         補欠選任
     下村  泰君     山田  勇君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     石破 二朗君     井上 吉夫君
     野田  哲君     佐藤 三吾君
     粕谷 照美君     大森  昭君
     矢追 秀彦君     馬場  富君
     相沢 武彦君     原田  立君
     矢原 秀男君     黒柳  明君
     渡辺  武君     橋本  敦君
     上田耕一郎君     市川 正一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 一郎君
    理 事
                亀長 友義君
                下条進一郎君
                桧垣徳太郎君
                安田 隆明君
                瀬谷 英行君
                福間 知之君
                多田 省吾君
                内藤  功君
                栗林 卓司君
    委 員
                浅野  拡君
                井上 吉夫君
                岩動 道行君
                上田  稔君
                小澤 太郎君
                上條 勝久君
                熊谷  弘君
                鈴木 正一君
                田代由紀男君
                玉置 和郎君
                成相 善十君
                秦野  章君
                林  ゆう君
                真鍋 賢二君
                町村 金五君
                宮田  輝君
                八木 一郎君
                山本 富雄君
                大森  昭君
                小柳  勇君
                佐藤 三吾君
                対馬 孝且君
                寺田 熊雄君
                広田 幸一君
                吉田忠三郎君
                和田 静夫君
                太田 淳夫君
                黒柳  明君
                馬場  富君
                原田  立君
                市川 正一君
                橋本  敦君
                井上  計君
                山田  勇君
                野末 陳平君
   国務大臣
       内閣総理大臣   大平 正芳君
       法 務 大 臣  倉石 忠雄君
       外 務 大 臣  大来佐武郎君
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       文 部 大 臣  谷垣 專一君
       厚 生 大 臣  野呂 恭一君
       農林水産大臣   武藤 嘉文君
       通商産業大臣   佐々木義武君
       運 輸 大 臣  地崎宇三郎君
       郵 政 大 臣  大西 正男君
       労 働 大 臣  藤波 孝生君
       建 設 大 臣  渡辺 栄一君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (北海道開発庁
       長官)      後藤田正晴君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       伊東 正義君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       小渕 恵三君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       宇野 宗佑君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  久保田円次君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       正示啓次郎君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       長田 裕二君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  土屋 義彦君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  園田 清充君
   政府委員
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       内閣法制局第一
       部長       味村  治君
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       総理府人事局長  亀谷 礼次君
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  伊従  寛君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  妹尾  明君
       行政管理庁行政
       管理局長     加地 夏雄君
       防衛庁参事官   佐々 淳行君
       防衛庁参事官   多田 欣二君
       防衛庁防衛局長  原   徹君
       防衛庁衛生局長  野津  聖君
       防衛庁経理局長  渡邊 伊助君
       防衛施設庁次長  古賀 速雄君
       経済企画庁調整
       局長       井川  博君
       経済企画庁物価
       局長       藤井 直樹君
       環境庁水質保全
       局長       馬場 道夫君
       法務省刑事局長  前田  宏君
       外務省アジア局
       長        柳谷 謙介君
       外務省アメリカ
       局長       中島敏次郎君
       外務省欧亜局長  武藤 利昭君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    千葉 一夫君
       外務省経済局長  手島れい志君
       外務省条約局長  伊達 宗起君
       大蔵省主計局長  田中  敬君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省関税局長  米山 武政君
       大蔵省理財局長  渡辺 喜一君
       大蔵省証券局長  吉本  宏君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆司君
       国税庁長官    磯邊 律男君
       文部大臣官房長  宮地 貫一君
       文部省初等中等
       教育局長     諸澤 正道君
       文部省学術国際
       局長       篠澤 公平君
       文部省体育局長  柳川 覺治君
       厚生大臣官房長  大和田 潔君
       厚生省環境衛生
       局長       榊  孝悌君
       厚生省社会局長  山下 眞臣君
       厚生省児童家庭
       局長       竹内 嘉巳君
       厚生省年金局長  木暮 保成君
       農林水産大臣官
       房長       渡邊 五郎君
       農林水産省構造
       改善局長     杉山 克己君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産省畜産
       局長       犬伏 孝治君
       農林水産省食品
       流通局長     森実 孝郎君
       農林水産技術会
       議事務局長    川嶋 良一君
       食糧庁長官    松本 作衞君
       林野庁長官    須藤 徹男君
       水産庁長官    今村 宣夫君
       通商産業大臣官
       房長       藤原 一郎君
       通商産業省通商
       政策局長     宮本 四郎君
       通商産業省基礎
       産業局長     大永 勇作君
       通商産業省生活
       産 業 局 長  児玉 清隆君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁石油部長    神谷 和男君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  安田 佳三君
       運輸大臣官房長  杉浦 喬也君
       運輸省鉄道監督
       局長       山地  進君
       郵政大臣官房長  小山 森也君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   寺島 角夫君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   神保 健二君
       郵政省貯金局長  河野  弘君
       郵政省人事局長  林  乙也君
       労働大臣官房長  谷口 隆志君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省住宅局長  関口  洋君
       自治大臣官房長  石見 隆三君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
       消防庁次長    鹿児島重治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部長      塩飽 得郎君
       大蔵省理財局次
       長        迫田 泰章君
       会計検査院事務
       総局第三局長   肥後 昭一君
   参考人
       日本銀行総裁   森永貞一郎君
       国際電信電話株
       式会社取締役会
       長兼社長     古池 信三君
       日本住宅公団総
       裁        澤田  悌君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
○参考人の出席要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○閉会中の委員派遣の取り扱いに関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を開会をいたします。
 まず、一言委員長就任のごあいさつを申し上げます。
 私、去る十一月十六日の本会議におきまして、皆様方の御推挙により委員長の重責を担うこととなりました。就任しましたからには厳正中立、公正無私を旨とし、本委員会の運営に当たる所存でございます。
 何とぞ皆様方の格別の御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げましてごあいさつといたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山内一郎君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
#5
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#6
○委員長(山内一郎君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。
 まず、理事会における協議決定事項について御報告をいたします。
 質疑を行うのは本日四日とすること、質疑時間総計は四百四十五分とし、各会派への割り当ては、自由民主党・自由国民会議百二十分、日本社会党百四十分、公明党七十分、日本共産党四十五分、民社党三十分、第二院クラブ及び新自由クラブそれぞれ二十分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。
 右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
#8
○委員長(山内一郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁森永貞一郎君、日本銀行副総裁前川春雄君、国際電信電話株式会社取締役会長兼社長古池信三君及び日本住宅公団総裁澤田悌君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
#11
○委員長(山内一郎君) それでは、これより順次質疑を行います。瀬谷英行君。(拍手)
#12
○瀬谷英行君 一番最初に、KDDの問題についてどのような捜査が行われているのか、その点を関係者から御報告をいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えを申し上げます。
 KDDの問題につきましては、去る十四日に、成田の税関支署長から検察庁に対しまして、社長室の関係者三名と会社それ自身に対する関税法並びに物品税法等の違反についての告発がございました。その告発を受けまして、検察、警察双方で協議の結果、お互い協力しながら捜査をするということで、今日告発案件に係る事件の内容につきまして、警視庁で防犯部が担当いたしまして鋭意捜査をし、事態の解明に努力をしておる次第でございます。
 以上でございます。
#14
○瀬谷英行君 強制捜査云々という話をお聞きいたしておるのでありますし、新聞にもそのことは出ておりますが、その点はどうなんですか。
#15
○国務大臣(後藤田正晴君) 捜査の内容についてはまだ報告を聞いておりません。
#16
○瀬谷英行君 まだ何もしていないと、こういうことですか。
#17
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほどお答えを申し上げましたように、告発を受けまして、もちろん捜査に着手をいたしておりますけれども、捜査の内容については報告を聞いていないと、こういうことでございます。
#18
○瀬谷英行君 総理はあした中国へ行かれることになっておりますが、総理訪中の目的は一体何なのか。国会は、総理の訪中のために予算委員会を中断をしているわけです。中断をしているというより、国会を中断をしたようなかっこうになります。五日から九日までが総理の訪中であるということで、予算委員会をどういうふうに開会をするか協議をいたしましたけれども、どうしても日程が一日ずつしかとれなかったわけです。総理がお帰りになった後だと、これまた十、十一と二日しか残っていない。そんなわけで、本来ならば予算委員会をもう少し日にちをとるべきところであったのを、総理訪中のために衆議院一日、参議院一日というふうに詰められたという経緯もあります。そういう経緯もございますので、明日出発をされる総理に対して、どういう目的で何をしてこようということなのか、ということをこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
#19
○国務大臣(大平正芳君) 日中両国、国交正常化以来七年有余の年月を経過いたしました。その間、条約、実務協定全部締結を終わりまして、両国の交流は年とともに頻繁になり、深くなってきておりますことでございます。
 で、私といたしましては、この機会に両国政府の首脳の間におきまして、国際情勢、二国間の問題等について隔意のないお話し合いをいたしまして一層理解を深めたいと、信頼を深めたいという念願を持って訪中すべく前々から予定を組んでおったわけでございまして、しかるところこの臨時国会とかち合いまして大変御迷惑をかけておりますることは申しわけございませんけれども、前もって予定が両国政府の間で取り決められておりましたような事情がございましたことを御了承いただきたいと思います。
 それから、第二番目の目的は、中国の現代化計画につきまして、かねがねからわが国に対しまして、経済、技術協力を求められておったわけでございます。これに対しまして、いずれ私の訪中の際に具体的な日本政府の回答をいたしたいということをかねがね先方に伝えてあったわけでございます。その現代化計画の中で八つのプロジェクトについての協力を求められましたが、政府部内におきましていろいろ検討いたしました結果、そのうちの六つにつきましてできるだけ協力いたしましょうと。その方針といたしましては、日本ばかりでなく、欧米その他と一緒になって協力をするという姿勢を堅持したいということ、ASEANその他周辺諸国に対する経済協力とのバランスを見ながらやってまいるということ、軍事協力にわたらないように配慮いたしたいという方針に基づきまして検討いたしました結果、一応の結論が出てまいりましたので、このことを先方に伝え、両国の経済協力を円滑に今後進めてまいる軌道を敷きたいと、こう考えておるわけでございます。
 そういうことが当面の私の訪中目的でございますけれども、先方に参りました際に、かねがね懸案になっておりまする文化協定というものを両外務大臣の間で取り組みますほか、先方で講演をいたしたり、あるいは中国の文化等を見学する機会を持ちたいと思っております。
#20
○瀬谷英行君 八つのプロジェクトについて求められて、六つについて協力をするというお話でございましたが、じゃ、遠慮さしてもらったのは二つということになるわけですが、その二つはどういうことなのか。それから協力の具体的な内容について、借款等の問題がございましたならば、それらの金額等についてもあわせて御報告をいただけませんか。
#21
○国務大臣(大来佐武郎君) お答え申し上げます。
 この六つにつきまして、まだ内容については先方と打ち合わせ中でございます。経済協力局長が先発いたしまして、ただいま北京で話し合いをしておる最中でございますので、これは最後的には両者の合意になりませんと確定いたしませんが、一応六つのプロジェクトの中で、中国の南の方にございます水力発電所のプロジェクト二つを落とす、残りの六つを挙げるという考え方に日本側の原案はなっておるわけでございます。
 それから、金額等につきましては、やはりこれも先方との合意が必要でございますが、初年度五百億円のプレッジという案にいたしております。
 それから、六つにつきましては、北方の秦皇島の港湾、それから秦皇島から北京への鉄道の近代化、それから山東半島の南にございます石臼所という港の建設、そこから克州という炭田地帯への鉄道の建設、それから衡陽−広州の鉄道建設の一部等が日本側としても協力しようという考えに入っておるわけでございます。一つには、これは日本にとりましても、河北の鉄道及び港湾の建設が非常に大きな石炭地帯でございますので、そこから石炭を生産して海外に輸出する、特に対日輸出が重要な仕向け先になりますが、これによりまして、日本のエネルギー対策にも資するという面があるわけでございます。
 大体のところは以上のようなところで、詳細は向こう側と合意した上でということにいたしたいと思います。
#22
○瀬谷英行君 初年度で五百億ということでございますが、結局、全体の構想としてはどの程度なのか。
 それからさっき私が質問したのは、八つのプロジェクトについて求められたけれども、六つについて協力をするという総理の御答弁がございました。それじゃ、残っている二つというのは何だったのかということも聞いているんです。そのこともあわせてお答えいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(大来佐武郎君) 最初に申し上げましたように、八つのうち南方の方の水力二つを外したわけでございます。
 それから全体の金額については、今度の考え方としては総枠方式ではございませんで、単年度まず五百億円を決めまして、それから後はそのプロジェクトの準備、調査、計画の進行状態及び日本側の全体の経済協力の規模の成り行き等を見合わせて毎年確定していくということで、全体の金額はございませんが、いまの六つのプロジェクトにつきまして中国側が計算しております現在時点での投資規模というもの、その中で現地通貨部分を差し引いて外貨に期待する分というのが現在の見積もりで大体十五億ドル程度ということになっておるわけでございます。
#24
○瀬谷英行君 総理が向こうへ行かれると、この借款のおみやげを持って行くので大変に歓迎されるとか、あるいはパンダをもらうとか、いろんな話がございます。ただ、この借款のメリット・デメリットということをいろいろ考えてみなきゃいかぬと思うんです。日本の財政状態というのはそんなに気前のいいことができる状態ではないようにわれわれは承知しております。したがって、それにもかかわらず外国に対して金を貸すといったようなことは、それ相応の理由がなきゃならぬと思うんです。パンダ一匹がえらい高い物についちまったりすると、これは問題だと思うんですね。かつて南ベトナム――いまは消えてしまいましたけれども、南ベトナムに対する賠償がニワトリ一羽が幾らにつくといったようなことがございました。結局あの当時野党の反対を押し切って行われたのでありますけれども、どぶへ金を捨てるような結果になりました。中国はよもやそんなことはあるまいとわれわれは思うのでありますけれども、しかし、事が経済的な問題であります。その辺のメリット・デメリットというものはどういうふうに計算をされているのか。また、日本の財政状態でこの程度のことは問題ないというふうに考えられるだけの根拠がどこにあるのか。また、中国側からそもそもこれはどういう要請があったことなのか。急ぐ必要があるのかどうか、そういう点もあわせてお答えをいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(大来佐武郎君) 当初は、谷牧副総理が今年の九月に日本に参りまして、当時五十五億ドルの規模のプロジェクトの借款要請があったわけでございます。その後、日本政府から現地に調査団を派遣いたしました。それから、先方からも基本建設計画の副主任謝北一という人も参りまして、相互に相談をしてだんだん詰めてまいったわけですが、一つには先方も、現地通貨分といいますか、建設コストのうちで国内費用に属する部分は自分たちで賄うということで、八つのプロジェクト全体で約三十数億ドルということを言っておったわけでございます。それをさらに日本政府内部、各省の間でいろいろ検討いたしました結果、ただいまも申しましたような六つのプロジェクトにしぼる、そうしますと、総体の規模としては十五億ドル程度というようなことになったわけでございます。
 これは日本の援助の全体から申しましても、それほどバランスを失したものではない。先ほど総理の御発言にありました三つの点に関連しますけれども、ASEANその他東南アジアとのバランスでございますが、たまたまごく最近政府で決定いたしましたインドネシアに対する今年度の借款が五百五十億円でございまして、それを下回る数字になるわけでございます。
 もう一つ、欧米との協力という点につきましては、今度の借款を、原則、アンタイドという形にいたしまして、その借款の一部が、必要があれば欧米からの資材、設備供給にも一部使えるという道を開きまして、欧米との協力という点を実現していくという考え方になっておるわけでございます。
#26
○瀬谷英行君 国際的な影響についても十分な配慮をしなければならないと思うのでありますが、たとえば東南アジア、ASEAN諸国あるいはソビエト、朝鮮、こういう国々とすればかなり神経を使うことではないかと思うんです。これらの国国に対して、十分にこれは納得を得られるようなことも配慮しておかなきゃならぬと思うのでありますが、その点の顧慮というものは行われているのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(大来佐武郎君) 東南アジア――ASEAN諸国につきましては、先週の初めにASEAN・日本経済閣僚会議がございまして、ASEAN五カ国の閣僚が出席いたしておりまして、その際、総理からも、最初のステートメントの中で、中国についての協力、これが東南アジアに対する協力に決してマイナスの影響があるものではないという旨の発言をされましたが、私どもからもいろいろな機会に概要の説明をいたしまして、大体において東南アジア諸国も、その現在の日本政府の考えておる程度の中国に対する借款であれば、自分の方にもそれほど大きな影響は出てこないだろうということについて納得を得たように思いますが、なお、この訪中が終わりました適当な機会に、担当者を東南アジアに派遣するとか、あるいは現地大使を通じて説明するということを通じて、できるだけ了解を得ておきたいと思っております。ソ連につきましても、これは大使館を通じまして概要の連絡をいたす所存でございまして、各国にできるだけ無用の疑いを招かないような手を打ってまいりたいと考えております。
#28
○瀬谷英行君 明日出発をされることでありますから、一応まず冒頭にその点をお伺いしたわけであります。
 その次に、政治姿勢の問題について、すでに代表質問から、あるいは衆議院の予算委員会等で何回も総理の答弁もお聞きいたしましたが、その答弁は、政治の空白について反省をしているというような意味の御答弁でありましたが、この政治の空白をもたらしたのはなぜかというと、解散、総選挙にあるわけであります。ところが、任期はまだあるわけです。任期がまだあるにもかかわらず九月七日に解散をしなければならなかった理由は一体何だったのか、解散の大義名分というのはあったのかどうか、この点必ずしもはっきりおっしゃっていないような気がいたしますので、この解散の理由についてお伺いをしたいと思うのであります。
#29
○国務大臣(大平正芳君) 解散の決断につきましては、総選挙を通じましても申し上げてまいったわけでございますが、前の総選挙から三年近くの時日が経過いたしたわけでございます。長い不況の谷間にあえいでおりましたけれども、経済もようやく立ち直って、回復の軌道に乗ってきたわけでございます。したがって、ここで人心を一新いたして、八〇年代に向かう新たな態勢をつくっていくということのために解散をお願いするといたしましても、国民にひどく御迷惑をかけるような時期ではないと判断したわけでございまして、私は、あの判断は間違っていなかったと、いまなお考えておる次第でございます。
#30
○瀬谷英行君 判断が間違ってなかったならば、ここへきて謝らなきゃならないことは何一つないわけですよ。ところが、結果においてはうまくいかなかった。ことしの秋というものは政治的な空白状態が続いてしまったわけです。この点について反省をしているということをおっしゃっているわけです。判断の誤りがなかったとは言えないと思うんです。三年近く経過をしているとおっしゃったけれども、四年の任期があるのに、二年を過ぎりゃ、総理あるいは総裁の都合でいつ解散をしてもいいということになるのかどうか、これは大変問題だと思うのです。いままでの解散というのは、やはり重要な問題で、たとえば不信任案が通ったとか、予算が通らなかったとか、重要な問題で国民に信を問うというときに限って解散権の行使をするというのがわれわれの常識だったんです。何となくこの辺でひとつ解散してやろうと、議席をふやしてやろうと、こういうことで軽々しく解散をやられたのでは大変迷惑な話だと思うんですね。第一、自民党の党内だって必ずしも解散について賛成であるという意見はなかったというふうにわれわれはお聞きしております。それが総理の解散権の行使でやむを得ず選挙へ飛び込んでしまったというのが実情じゃないかと思うのであります。あのような理由のない解放というのが果たして憲法上許されているのかどうか、憲法の解釈上の問題になると思うのでありますが、その点は疑義がないというふうにおっしゃるんですか。
#31
○国務大臣(大平正芳君) 憲法上私は疑義がないと確信いたしておりますが、解散権は、瀬谷さんおっしゃるように、政府の都合で乱用してはいけないことは私も重々承知いたしておるつもりでございまして、自分勝手にこの解散の決断をいたしたわけではないのでございまして、日本の政治のためにこの機会に解散をお願いすることが正しい選択であろうと私は判断いたしたわけでございます。
#32
○瀬谷英行君 総理がおっしゃった中で、三年近く経過をしたというのは、これは理由にならないですね。四年まるまるやったという例もあるんですね、三木内閣のときみたいに。
 それから不況が回復をしたとおっしゃったけれども、不況が回復したならなぜ解散しなければならないのか、これも全然理由にならない。そうすると、人心を一新するということ、人心を一新するというのは一体どういうことなのか、理由もないのに解散をするということが人心を一新をするということになりますか。さっきも私が言ったけれども、これは解散権の行使というものは軽々しくやられては困るんですよ。特に衆議院の人は、解散を叫ばれたときに解散をいやがるといったようなそぶりを見せるというとだらしがないように思われるので、余りそのことは言わない傾向があるのです。しかし、われわれは参議院だから遠慮なく言わしてもらうのでありますけれども、やはりこの解散権というものは慎重に扱わなきゃならぬと思うんです。慎重を欠いたというふうに思われませんか。
 結果としては、恐らく大平さんもこれはしまったと思われたのじゃないかと思うんです。こんなはずじゃなかったと思ったに違いないと思うのです。その点は、やはり理由がない解散をやったというところにそもそものつまずきがあったというふうに私は思うのであります。理由があるとおっしゃるならば、では人心一新ということが理由になるんですか、どうなんでしょう。
#33
○国務大臣(大平正芳君) いずれ来年の末までにはわれわれの任期が来るわけでございまして、それまでには政局の転換をいやおうなしに考えなけりゃならぬわけでございますが、来年夏は皆さんの参議院選挙、半数改選選挙が控えておるわけでございまして、どういう時点で政局の転換をつかむかということ、あなたのおっしゃるように、任期いっぱいやることも考えられるわけでございますが、これから通常国会に臨みまして、八〇年代の初年度を迎えるわけでございます。したがって、この長い通常国会に対処してまいる上におきましても、ここで人心を一新し、体制を一新いたしまして、これに対処していくということが私は正しい選択でなかろうかと考えたわけでございます。しかし、これは解散を決断するに至りました動機でございます。この動機と結果とは混同されちゃならぬと思うのでありまして、この結果につきましては国民が審判を下すわけでございまして、国民はごらんのような審判を下したわけでございまして、この審判については、私はとやかく言っちゃいけないと思うのでございまして、その結果に対しましては厳粛に受けとめて、国民の意思を体して政局の運営に当たらなければならない責任があると考えております。
#34
○瀬谷英行君 いま総理が言われた解散の動機というのは、わかりやすく言えば、いまならば解散をして選挙をやればもっと議席がよけいになるというふうに読んだからだろうと思うんです。つまり党利党略なんですね。言ってみればこれは動機がきわめて不純なんですよ。人心の一新を図ると言われたけれども、党利党略で、野党に相談したわけでも何でもないでしょう。第一、党内ですら必ずしも一致していなかった。そうすると、党利党略と言うより派利派略のようなことになってしまう。そういう動機でもって解散をやるから、まあ思惑が外れるのじゃないかと思うんです。第一、いま選挙をやればどのくらいだというふうな新聞の予想でもって選挙をやるということ自体がよくないですよ。これは競馬、競輪の予想新聞を見て一発当ててやろうというんで馬券を買う、こういう根性にやや似ているんじゃないですか。やってみたらみんな外れてしまったと、うちへ帰ったら夫婦げんかになってしまったと。それが大平、福田の紛争で国政の空白を招いた。さらにその紛争は国会へまで持ち込まれたわけです。普通ならば夫婦げんかは夫婦だけでもって処理をするんですよね。それをよそへ持ち込むべきことではない。ところが今回の場合は、一つの党から二人の候補者を立てて国会でもって決着をつけるということをやられたんです。こういうことは邪道も邪道、私は前例のないことだと思うんですよね。これは夫婦げんかのしりを町内会へ持ち込んだようなものですよ。こういうやり方が果たしていいのかどうか。動機も不純だったし、やったことも前例がない。こういうことを繰り返されては困ると思うから私はあえて繰り返して言うんだけれども、今後の解散権の行使については、今回のような説明のできないような理由で、動機で解散をするというようなことは厳に慎むべきであるということが一つ。
 それから結果が出た場合に、幾ら党内でけんかが起きようとも、これは国会の中でもって首班指名に一つの党から二人の候補者を出すというようなことはやるべきではないというふうに私は考えるのでありますが、あれば仕方がないというふうにお考えになるのかどうなのか、その点もお伺いしたいと思うんです。
#35
○国務大臣(大平正芳君) 解散権の行使はあくまで慎重でなけりゃならぬこと、仰せのとおりでございます。
 それから党内のことは党内の民主主義のルールに従いまして処理しなけりゃならぬことは申すまでもないことでございまして、私どもそういう処理の仕方をいたしたいと存じまして鋭意努力したつもりでございます。ところが、特別国会が設定され、首班指名の議題が決められたわけでございまして、党内の民主的なルールに従いまして事を処理していく時間的余裕が十分ございませんで、あのような形で収束せざるを得なかったこと、大変私も残念なことと思っておるわけでございます。こういうことは繰り返されてはならぬことでございます。この責任は、挙げて総裁である私の不明のいたすところでございまして、深く反省いたしますとともに、こういうことを繰り返さないように誓っておるつもりでございます。
#36
○瀬谷英行君 選挙を終わってからの自民党の内紛で野党はただ待たされるだけだったのでありますが、かといって、われわれが自民党の内紛に介入するわけにまいりません。したがって、これは何と言われてもどうにもならなかったわけでありますが、さらに組閣の際の人事の点でもどうも不明朗な感があったわけです。第一、文部大臣が空席のまま大平内閣は成立いたしました。空席のままでいいというポストではないと思うんですね。お役所ならば後任者が決まるまでは前任者が務めるというしきたりがあるのでありますけれども、総辞職をしてしまう、後任者が決まらないということになると、文部大臣のポストは空席になる。ところが、これは新自由クラブを何とか仲間に入れようというための一つの方便であって、言ってみれば文部大臣がえさになって新自由クラブをつろうとした。つれそうになったけれども、ついにつり損なった、逃げられてしまったと、こういうことに結果としてはなったわけでありますが、教育問題をこういうふうに一つの政争の道具に使うということは果たしてどういうものか、これはやはりまずいんじゃないでしょうか。この点国民の前にその間の事情が明らかになっているだけにごまかしがきかないと思います。教育行政の面から、今回の組閣について総理としてはどのようにお考えですか。
#37
○国務大臣(大平正芳君) 私は終始文部大臣に適任者を得たいと努力をしてまいったわけでございますが、そのために若干の時間をかしていただく間私が文相を兼摂いたしたわけでございます。文部行政は一日も後退を許されないわけでございますので、毎日私も文部省の仕事につきましては注意を怠らないで、いたすべき指示はいたしてまいったつもりでございます。
#38
○瀬谷英行君 教育問題が出たついでにお尋ねいたしますけれども、たとえば一学級四十名定員制といったような約束はできるのかどうか。これは組閣の当初にごたついただけに、文部大臣に対して、こういう問題もこの機会に教育行政とあわせてその考え方をお聞きしておきたいと思います。
#39
○国務大臣(谷垣專一君) お答えいたします。
 四十人学級定数基準の問題は、経緯のあるこれは問題でございますので、予算の時期も迫ってきておるわけでありますが、財政当局とも十分にひとつ協議をいたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#40
○瀬谷英行君 さらに組閣の、閣僚人事でもってこれまたずいぶん衆議院でも何回も問題になっておりましたけれども、果たして適材適所というふうに言えるかどうかという点で問題のある人事があったわけです。たとえば、具体的に言えば倉石法務大臣、後藤田国家公安委員長といった、一つの例であります。
 倉石さんの場合は放言が問題になったわけでありますけれども、倉石放言は初めてじゃないわけですね。前にもそういう実績があるわけです。したがって、今回は、またも出ました倉石放言ということになるわけです。それが立場が立場であるだけに大変にまずいんじゃないかと、こういう気がいたします。それから、後藤田さんの場合は、有能な方であるかもしれませんけれども、選挙違反でもかなり有名になられたわけです。こちらの方ではベテランであると、そういう方が今度は事もあろうに公安委員長。これもどうも役目柄少しまずいんじゃないかというのは、これは常識なんですよ。これは大平内閣自体の信用にかかわる問題なんです。
 いままでも何回か質問がありましたけれども、ここで私が特に問題にしなきゃならないことは、ロッキードとかグラマンとかいう問題はいま法廷で争われているときなんですよね。それで、その刑事被告人になる人が幾ら親密な人であったからといって、法務大臣がその人の無罪を願うようなことを言ってしまえば、仮に本当に取り調べの結果無罪であったとしても、無罪の判決が出たときに世間は何と思うでしょうか。ああやっぱりということになってしまうんですよ。これは大変問題なことじゃないでしょうか。あるいはまた逆に、無罪にしようと思ったけれども大臣にあんなこと言われたんじゃ無罪にするわけにいかないからといって有罪になったら、これは事志と反することになるでしょう。どっちに転んだってよくないんです、これは。どっちに転んだってよくないことをしゃべってしまって、あれは誤解を招く発言だったから気をつけますと言ったって、これは消しゴムで消すようなわけにいかないんです。
 だから、こういったような人事というのは、うっかりしてやったのか、あるいはしかるべき魂胆があってやったことなのか、総理としては一体どのように考えておられるのか、その点をお伺いしたいと思うんです。
#41
○国務大臣(大平正芳君) 魂胆があってやった人事では決してございませんで、私は各閣僚のその能力と識見、人格を信頼し、評価して御入閣をしていただいたわけでございますので、今後の行動を通じて十分ごらんいただきたいと思います。
#42
○寺田熊雄君 関連。
#43
○委員長(山内一郎君) 関連質疑を許します。寺田熊雄君。
#44
○寺田熊雄君 総理にお尋ねしますが、今国会の所信表明を承りますと、総理は、さきの総選挙において最も端的にあらわれた国民の意思は、行政における綱紀の粛正と政治における倫理の確立であったというふうに述べておられるようですね。これは間違いございませんか。
#45
○国務大臣(大平正芳君) さように受けとめております。
#46
○寺田熊雄君 行政の最高の地位にある者は総理大臣ですね。したがって、綱紀の粛正と政治倫理の確立に関しても、最も重い責任を持つ者は総理大臣であると考えますが、総理はどのようにお考えですか。
#47
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり心得ております。
#48
○寺田熊雄君 ところで、かつて行政の最高の責任者であった田中角榮元総理ですね、これが汚職事件の典型ともいうべき収賄罪で起訴せられて、現に裁判を受けているわけですね。これは綱紀粛正や政治倫理の確立に真っ向から抵触する最悪の行為をあえてしたものだと言わざるを得ないんです。これは総理もお認めになるでしょうね。
#49
○国務大臣(大平正芳君) そういう疑惑を受けて起訴されて、いま裁判にかかっておるということは非常に残念なことだと思います。
#50
○寺田熊雄君 それを、綱紀粛正を旗印にしている大平内閣にあって、検事総長を指揮して汚職を取り締まる任にある法務大臣が、たとえ個人的感想とはいえ、青天白日の身となってほしいと――これは無罪となってほしいということでしょうが、そういう発言を許したのでは、とうてい綱紀の粛正などはおぼつかないじゃないですか。総理、どんなふうにお考えですか。
#51
○国務大臣(大平正芳君) 倉石法務大臣の発言でございますけれども、この発言は、裁判の公正を疑わしめるような意図を持った発言であると私は理解していないわけでございまして、しかし、法務大臣のお立場としては、そういう発言は慎んでいただいた方がよろしいと判断いたしまして、御注意申し上げた次第でございます。
#52
○寺田熊雄君 あなたも法務大臣も、裁判に対する問題にこの結果を限局して言い抜けようとしていらっしゃるんですがね、そうじゃないんです。なるほど法務大臣といえども裁判官を指揮する権限は全然ございません。そんなことは法律を勉強した者ならもうきわめて明瞭なところで、あえてあなた方の御説明をまつまでもない。そんなことじゃない。そういう点で、私はもっとあなたに正直であってほしいと思うんですよ。あなたはクリスチャンだとおっしゃるんだから、私どもはいままであなたの正直さにずいぶん期待してまいりました。しかし、正直なクリスチャンだという印象はとうていあなたの御答弁からは受けないんですよ。キリスト教的な道徳観といいますか、そういうところから申しますと、私はもっとあなたが正直な御答弁をなさっていいと思うんです。あなた御自身で自分が正直なクリスチャンだと思っておられますか。
#53
○国務大臣(大平正芳君) 至らない私でございますけれども、そのようになりたいと念願して努力をいたしております。
#54
○寺田熊雄君 じゃ、そこでちょっと立場を変えまして、法務大臣にお尋ねいたしますが、法務大臣、あなたはことしの十一月二十日の参議院法務委員会で私の質問にお答えになりまして、ロッキード事件の徹底的な解明を求めました五十一年二月二十三日の衆参両院の決議を知らないとお答えになりましたね。これはもうごく最近のことですから、まだ御記憶になっていらっしゃるでしょう。それから、ロッキード事件の内容もよく知らないという驚くべき、聞いている者はみんな唖然としたのですが、そういう御答弁をなさいました。現時点でも同じですか。いかがです。
#55
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま御質問のこと、私はその前に、昭和五十一年の二月に私の選挙区で県会議員の補欠選挙があって行っておりまして、かぜを引きまして、強烈なぜんそくの発作と胃腸障害で病院に入って、そして二、三、四と入院しておって、たしか五月に退院しただろうと思っております。そんな関係で、あのころの、当時国会において盛んにあのロッキード事件が論議されておった、しかし、私はそういうような関係であったので、この事件をつまびらかにすることはその後忙しくてできなかったと、そういうことを率直にお答えいたしたわけであります。
#56
○寺田熊雄君 現時点はどうかと言っておる。
#57
○国務大臣(倉石忠雄君) 衆参両院の決議その他につきましては、その後事務当局からいろいろ説明を受けております。
#58
○寺田熊雄君 そうすると、現時点では衆参両院の決議も説明を受け、ロッキード事件の内容も恐らく事務当局から説明を受けていらっしゃると思うんです。そういたしますと、今後は法務大臣として、一切の私情を捨てて、ロッキード事件の公判維持に懸命な努力をしている検察官を激励することはもちろん、検事総長に対して公判維持と逆行するような指揮は絶対に行わないということをお誓いいただけますか。いかがです。
#59
○国務大臣(倉石忠雄君) 先日も法務委員会で私がお答えいたしたと記憶しておりますが、記者会見のときに、法務大臣と現に進行中の裁判とは直接関係がないがという前提を置いてわざわざ質問があったものでありますから、そのお答えについて、つい、私の長い間の国会議員の同僚として多くの人々がいろんな事件に御関係になってお気の毒だなというふうな、そういうことが先へ立ったものですから、ああいう言葉になったわけであります。しかし、そういうことのために国民の皆様方に誤解を生じたとすれば大変申しわけないことであると、こういうふうに考えておるわけであります。
#60
○寺田熊雄君 法務大臣、私のお尋ねすることをよく聞いて答えてください。あなたは前の法務委員会でも同じであったけれども、それで答えになっていないということで法務委員会が中断しましたね。私がお尋ねしているのは、法務大臣として、今後ロッキード事件に関して、私情を差しはさんで検事総長に対して――ロッキード事件の公判維持に一生懸命検察官は努力しているでしょう、そういうことに逆行するような指揮は一切いたさないということを誓っていただけるかと言ってお尋ねしているんです。端的に答えてください。
#61
○国務大臣(倉石忠雄君) 私は、日本の裁判所それから検察、これらについては全幅の信頼を置いております。私が申し上げるまでもなく、御存じのように、世界的に見ても日本の裁判、検察は非常に一般国民からも信用を受けておるので、日本の治安が安定しておる一つの力はこういうところにあると私どもは素人ながらいままでも考えておりました。法の運営につきまして、私どもが権威ある立場におる一人でありますので、いま申し上げたようなつもりで将来やってまいるつもりであります。
 それからまた、検察につきましては、検察庁法十四条、この間国会でも御意見が出ましたけれども、ああいう趣旨に沿うて検察官を指揮してまいりたいと、このように思っておるわけであります。
#62
○寺田熊雄君 法務大臣、検察庁法十四条は、具体的な事件について検事総長のみを指揮できるという規定であって、そういう精神にのっとって検事総長を指揮すると言ったって答えにならぬのですよ。ロッキード事件の徹底解明を求めた衆参両院の決議ですね、あなたはいまこれをようやく了知したとおっしゃるから、そういう趣旨に従って今後検察権の行使に協力していくというふうに、そういう趣旨だと承ってよろしいか。
#63
○国務大臣(倉石忠雄君) 議会における決議を議会人である私が尊重するのは当然なことだと自覚しております。
#64
○寺田熊雄君 これは軽々に見過ごすことのできない問題なんですね。何となれば、法務大臣は、先ほど申し上げたように、検察庁法で検事総長を指揮できる。ところが、刑事訴訟法の二百五十七条によりますと、第一審の判決あるまでは公訴の取り消しができるという規定があるわけですから、法務大臣が田中角榮氏を初めロッキード事件の被告人に対して個人感情を貫きますと、公訴の取り消しを命ずるなんということも法的には可能なんですよね。だけども、そういうようなことが日本の検察権や、あるいは裁判制度そのものを否定するような大変なことだということはあなたもお考えになるでしょう。ですから、私はあえてそのことを申し上げておるわけで、もう一遍確認しますよ、法務大臣。結局、あなたは検察権の行使に当たっても、いまの衆参両院の決議に反するような行為は一切しないということを、そういう決意であるということをいまおっしゃったんでしょうね。そう了解していいですね。
#65
○国務大臣(倉石忠雄君) 国会の決議はどこまでも尊重すべきものであると存じております。
#66
○寺田熊雄君 これは総理にも、そういうような国会の決議に反するような法務大臣の職権行使なんていうものは常識じゃ考えられないわけですが、総理としてもよくその点を考えて――そういうことは当然法務大臣限りではできないことですね、総理の了解なり指揮がなければできないんですから。総理もやはり衆参両院の国会決議、ロッキード事件の徹底解明を求めた衆参両院の決議の趣旨に沿った検察権の行使に対する指揮を法務大臣がやるという点については、十分あなたも総理としての監督権を行使していただきたい。その点お約束願えますか。
#67
○国務大臣(大平正芳君) そのように心がけてまいるつもりです。
#68
○寺田熊雄君 最後に、これは世論では、やはりただいま瀬谷議員がおっしゃったように、後藤田さんを国家公安委員長に任命したということについてはごうごうたる非難があるわけですね。何となれば、あなたは政治の倫理の確立ということをおっしゃるでしょう。ところが、買収事犯というものは、これはもう選挙違反の中でも最も悪質な腐敗行為なんですよね。コラプションと言われている。そういう政治倫理とはもう真っ向から相反するような行為を何回も重ねてきた人を国家公安委員長に任命している。そして衆参両院のロッキード事件の解明を決議したその決議の趣旨に反するような、政治倫理や綱紀の粛正に真っ向から抵触するような人をかばうような人を法務大臣に任命する。あなたの一枚看板だろうと思いますが、綱紀の粛正とか政治倫理の確立とかいうことは口ではおっしゃるけれども、あなたの政治には全然生かされてないじゃないですか。あなたのキリスト教的な道徳観なんというものはあなたの政治には全然生かされてないじゃないですか。それを私どもは問題にしているわけです。どうでしょうか。
#69
○国務大臣(大平正芳君) 各閣僚が厳しい倫理観、厳しい反省の上に立って職責を果たしていただけるものと私は確信をいたしております。
#70
○寺田熊雄君 私は、あなたが、キリスト教の道徳観で申しますと、大きな罪を決して反省していらっしゃるようには思えないんですよ。私は、やはり率直に今回の国家公安委員長の人事、法務大臣の人事が適材適所でなかったということをお認めになって、やはりこれを更迭なさることを求めたいと思うんです。いかがでしょう。
#71
○国務大臣(大平正芳君) いま申し上げましたように、お二人とも緊張した姿勢で、厳しい倫理観の上に立ってその重要な職責を果たしていただけるものと私は確信しておりますので、今後のお二人の行動を通じてごらんいただきたいと思います。
#72
○寺田熊雄君 終わります。
#73
○瀬谷英行君 本日冒頭、KDDに対する捜査についてお聞きをしたところが、ごくありふれた御答弁だったのでありますけれども、KDDの本社等に対する強制捜査等の事実はないのかどうか、これを改めてお聞きしたいと思います。
#74
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えを申し上げます。
 十時十分に私のところに報告がございました。けさ九時五十分ごろから所要の場所に対して捜索を実施中でございます。
 以上でございます。
#75
○瀬谷英行君 その内容を詳しく報告していただけませんか。
#76
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま捜索に入ったばかりでございまして、内容はいまのところ不明でございます。
#77
○瀬谷英行君 幾らいまやり玉に上げられたばかりだからといって、余りどうも要領を得ない報告では困るんですね。具体的に、どういうことで何をやっているかということがわからぬはずはないと思うし、その点、公安委員長にわからなければ担当者の方で御報告いただけませんか。
#78
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま私のところに連絡のあった点についてだけ申し上げます。
 九時五十分に捜索に着手。場所はKDD本社、佐藤室長宅、室員二名宅等、二十三カ所でございます。関税法の百十条、百十一条、百十七条違反。
 以上の報告が入ったばかりでございます。
#79
○瀬谷英行君 詳細がわかり次第、また追って御報告をいただきたいと思います。
 政治姿勢の問題でありますけれども、いま寺田委員からも質問がありましたように、やはりこれはきわめて大事な問題だと思うんですよ。特に、総理はあしたは中国に行かれる、日本の政府を代表するという資格で行かれるわけです。その場合にも、大平内閣自体が政治姿勢の点で国民に疑惑を抱かれないようにしていかなければなるまいという気がいたします。特に、いろいろ注文つければ切りがありませんけれども、こういう――いまもKDDの捜査という報告がありました。すでにロッキードだとかグラマンだとか、これらの問題については公判で訴訟が進んでいるわけなんです。それだけに国家公安委員長とか、あるいは法務大臣とか、法律上の、いわば法の番人のような立場にある人が、適材適所とは言いがたい、つまり適材適所の裏返しみたいなかっこうで、一番問題になるということは考えなきゃならぬことだと思うのですよ。御本人の気持ちとしてどうであろうと、国民がどのような印象を持つかということが大事だろうと思うのです。
 昔、徳川幕府時代は奉行というような役目がございました。今日の法務大臣や国家公安委員長と比較できるかどうかこれは疑問でありますが、しかし、こういう役目は正義の味方であるというふうに信じられておったわけですね。正義の味方であると思われていたからこそ、大岡越前守なんという人は教科書にまで載ったわけです。ところが、その奉行の役割りに当たるべき人に悪役がなったのではこれはドラマにならぬわけですな。特にこれは内閣全体の信用にかかわることなのでありますから、やはりこういう点で姿勢を正すのならば、適材適所に戻すということが行われてしかるべきではないかと思う。
 そういう点で、一たん決まった人事であるから簡単に変更するわけにはいかないし、ポストを変えるということもできないというふうにおっしゃるかもしれないけれども、ここのところはちゃんとしないと大平内閣自体がどうも足元を見られるということになると思うのでありますが、その点、総理としてはどのようにお考えになっておりますか。
#80
○国務大臣(大平正芳君) 今後における内閣の行動を通じてごらんをいただきたいと思います。また、われわれといたしましては、国民の信頼にこたえるため真剣に対処していくつもりです。
#81
○瀬谷英行君 問題は、このことばかりやっているわけにまいりませんから次に移りますけれども、しかし、言葉の上だけで、われわれの指摘に対して余りどうも十分な反省というものをうかがうわけにいかないんですよ。第一、発足の当時から非常にもめにもめてそしてでき上がってスタートしたと。ところが、閣僚人事の問題をめぐってもいろいろと指摘をされているわけなんですから、この指摘に対しては謙虚に受け入れるという態勢をとってもらわないと、幾ら言葉の上でこれからは野党側の意見を聞くとおっしゃっても信用できなくなるのですよ。
 きのうの衆議院の予算委員会では、稲葉委員から、「アーウーの粘りよっしゃに支えられ」といったような川柳の御披露がございましたけれどもね。大平内閣、いまの状態から言うと、私が言うならば、「砂浜の波打ち際にやぐら建て大きな波は平に御容赦」こういったようなところじゃないかと思うのです。大波が来れば崩れますよ。砂上の楼閣という言葉があるのです。その点を十分心して、いままでのところではあなたの御答弁はわれわれとしては十分に納得しがたいということを申し上げまして、次の問題に移りたいと思います。
 イランとアメリカがいま非常に対立をいたしておりますけれども、この紛争をどういうふうにごらんになるのか。われわれが見れば非常に危険な状態だと思うのです。ガソリンスタンドの隣でたき火をしているような危険感を感ずるのでありますけれども、総理はこの事態をどのようにごらんになりますか。
#82
○国務大臣(大平正芳君) わが国は、この両国とは友好関係を持っておるし、いろいろ相互依存関係を持っておる国といたしまして、仰せの米・イラン関係には非常に深刻な、そして重大な関心を持っております。米大使館事件にいたしましても、人道的な見地から、また国際秩序を維持するというような見地から、一日も早く人質の釈放が実現されて両国の間に友好関係が戻ってまいりますことを期待しておる次第でございます。われわれといたしましては、両国に近い関係であるだけに、何ができるか何ができないか、よく検討をいたしまして、両国に申すべきことは伝達いたしてきておるつもりでございますが、一日も早く事態の解決、収拾ということを念願し続けておるのがいまの心境でございます。
#83
○瀬谷英行君 ただ、はらはらしながらながめておるという以外に能はないとすれば、ちょっと残念な気がするのであります。イランの事態がまかり間違えば大変なことになると思うのですね。あそこで火がついてしまえばたちまち燃え上がるという状態にあるのじゃないかと思うのでありますけれども、日本とすれば、一体アメリカとイランとのこういったような対立、ちょっといままで聞いたことのないような対立なのでありますけれども、この対立に対して何ら施すすべがないのかどうか。国連での成り行きを見守る以外にないのかどうか。イランとも石油でもって関係があるしアメリカとも安保条約を結んでいるという関係があるし、どちらもともかくけんかをしてもらいたくない相手であろうというふうに総理は思っておられると思うのです。しかし、事態はきわめて深刻なんですね。そう簡単なものではないと思う。これは一体どのようなことになるのか。外務省としてはまた、どういうふうにこれを見ているのか。この点は、単なるたき火であってそのうち消えてしまうというふうに軽く見ているのか。それとも、ひょっとすると危ないということになるのか。その場合に、石油の輸入は一体どういうことになるのか、石油の価格はどういうことになるのか、日本の経済に対する影響はどうなのか。それ、全部関連をしてくると思うのでありますが、どうですか。
#84
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま御指摘の点ですが、外務省としてもいろいろな情勢、検討を続けておるわけでございまして、先ほど総理のお話もありましたが、私どもの方からもイランに対して申し入れをするという措置もとりました。アメリカとイランの対立がかなり深刻な情勢でございまして、直ちに解決に向かうということがなかなか困難だと思われますが、ただ、ごく最近の動きといたしまして、安保理事会でも取り上げられるようになりまして、この理事会で日本の西堀大使も発言をいたしておりますが、一つには、大使館を占領して大使館員を人質にとるということはやはり人道上の点あるいは国際法上の点から見て大変好ましくないことでございます。この問題と、それから石油の問題と、両者関連しておりますが、一応この問題の性質としては分けて考えていく必要があると思いますが、日本としては、いま瀬谷議員からお話のございましたように、エネルギーの確保ということはやっていかなければならない。一つには、この情勢のもとで従来メジャーを通して入ってまいりました油が相当大幅に減少をいたしております。その減少に対して、補うために直接産油国からの取引をふやす、あるいはスポット買いをふやさざるを得ない状況もございます。
 現在、私どもとしてはこの両方の当事国にできるだけ冷静に事態に対処してもらいたいという要望をしておるわけでございますが、現状のところでは武力行動が発生する可能性は少ないというふうに一応判断いたしておるわけでございます。
#85
○瀬谷英行君 武力に訴えるようなこと、可能性は少ないというふうにおっしゃっておりますけれども、こればかりは何とも言えないわけで、第一、大使館の占拠などということもこれは異例のことなんですね。しかし、理屈を言ってみても始まらないので、こういうふうに激しく対立をしている――それからイラン自体の動向をつかんでいるのかどうか。イランの石油化学等に対する投資が一体どうなるのか。この点は外務省としてはどのような情報をつかんでおるのかということもあわせてお聞かせいただきたいと思うのです。
#86
○国務大臣(大来佐武郎君) イランの政治情勢は必ずしも見通しを許さない面がございますが、外務省としては現地大使館、その他イラン、中東問題の専門家等から極力情報を取って情勢判断をいたしておるわけでございます。国内の情勢といたしましては、いろいろ閣僚の更迭等もございますけれども、それほど大きな混乱状態にあるとは見られない節がございますし、やや長期的に考えますと、イラン自体も石油の輸出が必要でございますし、経済の発展も必要でございます。現に石油化学工場の建設の継続ということをイラン側が強く要望をしておる。この事態が何らかの形で大使館人質問題が解決いたしますれば対外的な関係、イランと諸外国の関係も安定化に向かうのではないか。したがって、石油化学工場建設等も、ある時期を置けば再び開始できるのではないかと、そういう状況判断を一応いたしておるわけでございます。
#87
○瀬谷英行君 現在の日本は、石油の輸入でもって経済を支えていると言ってもいいと思うのでありますが、それだけに、石油の安定供給の道が閉ざされるということになりますと、これは一大事だろうと思うのであります。イランの情勢が最悪の状態になっても石油の供給については大丈夫であるというふうなことが言えるかどうか、その点はどうですか。
#88
○国務大臣(大来佐武郎君) この点につきましては、通産大臣からもお聞き取り願いたいと思いますが、現在最近のイランからの石油輸入依存の比率は大体八%ぐらいでございます。かつては二〇%ぐらいございましたが、従来よりはイランの石油に対する依存度は減少しております。ただ、ただいま瀬谷さんからお話がございました最悪の事態という情勢がどういうことになるのか、つまりガルフ地域全体が戦乱に巻き込まれて、そこからの石油供給がとまるということになりますと、日本の石油輸入の八割近くがあの地域から参っておるわけでございますから、これは日本の経済にとっても非常に重大な情勢が出てまいる。イランだけがストップするということになりますと、現状では八%程度ということになりますので、その発生する事態の状況によるわけでございますが、一つには、いま日本の国内に約百日分を超える備蓄ができておりますので、もし何かが発生いたしましても、比較的短い期間でございますれば備蓄の取り崩しで国内経済にそれほど激しい混乱を与えないで済むのではないか。しかし、長期にわたって戦乱に巻き込まれるということになりますと、これはやはり深刻な影響が出てまいるかと思うのでございますが、いまのところ、そこまではいくまいという判断をいたしておるわけでございます。
#89
○瀬谷英行君 それならば、どういう形でもってイランとアメリカとの問題が解決をするというのか、その辺の確証がおありなのかどうか。
 それから、通産大臣にもお伺いしたいと思いますが、あらゆる場合を想定をして石油の安定供給ということを考えておかなければならないのじゃないかというふうに思われますし、OPECの結論とその影響ということもこれはきわめて重要な問題になってくると思います。
 それから、イラン一国だけの問題ではなくて、中東諸国との外交関係ということもこれまたきわめて重要になってくると思うのでありますが、これは言葉の上だけでの美辞麗句ではもはやごまかしがきかないと思うのであります。その点はどうでしょうか。
#90
○国務大臣(大来佐武郎君) イランとアメリカの紛争がどういう形で解決するだろうか、これはなかなか見通しを立てがたいわけでございますけれども、先ほどちょっと申しましたように、一つには国際的な動き、国連の安保理事会等における動き、それからアメリカ側におきましても、これはまだはっきりわかりませんけれども、シャーの出国というような可能性も考えられるようでございますし、イラン側もとことんまで事態を持っていくということではないように見受けられる徴候もございますので、はっきりした解決の姿というのはいまだにわかりませんけれども、何らかの解決策が発見されるのではないかというふうに考えております。
#91
○国務大臣(佐々木義武君) お話のように、石油の安定供給をどういうふうに今後やるかという問題でございますけれども、いま外務大臣からお話のございましたような最悪の場合等を想定して云云ということは、私どものところではただいま考えてございません。しかし、現状のままでもそれでは安定供給がたやすくいくかと申しますと、なかなかそうはまいりませんのでございまして、いまの十−十二月、現在でございますが、七千万キロくらいの輸入は予定どおり確保できると思っておりますけれども、差し迫った来春、すなわち五十五年の一−三月の供給安定は一体どういう見通しかということになりますと、いまお話ございましたOPECの総会等ももちろんございまするが、非常に不確定な要素がたくさん出ておりまして、たとえば産油国の生産水準が変わるんじゃなかろうかとか、あるいはメジャーの政策が変わるんじゃないかとか、あるいはDDの交渉がどうなるかとか、スポットの取引量が大分ウエートがかかってくるのではないかというふうに、非常に新しい変化計数が出てきておりますので、そういう点を加味しながら想定をいたしますと、なかなかむずかしい問題でございます。しかし、いずれにいたしましても一番頼りになりますのは、何と申しましても備蓄量をわが国で百日以上いま保有しているということ、それから新しい供給源をできるだけ探し求めて、そして供給源を多角化するという方策をいま一生懸命やってとっております等等その努力を通じまして、少なくとも第四・四半期、一−三月は何とかしてこれは不安のないようにしていきたいということで懸命にいま努力中でございます。
#92
○瀬谷英行君 いずれにいたしましても、石油は井戸水をくむように使うわけにはいかなくなってきているわけです。資源としても果たしてこれは無限であるというふうに楽観していいのかどうか、もう何十年か後には枯渇するかもしれないということを考えなきゃならぬ。そうすると、新しいエネルギー資源ということを当然開発することも考えなければいかぬだろうと思うのであります。
 しかし、それにしても、当面の問題は中東諸国との友好関係であります。先般の列国議会同盟でも私は痛感したのでありますが、予算委員長と一緒に行きまして、民族問題ということの深刻さを痛感をしたわけでありますが、パレスチナとの関係等について、先般総理は一歩踏み込んだことをおっしゃっておりますけれども、イランだけでなくて中東諸国全体の信用を日本としては身につける必要があると思う。いままではどうも言葉の上だけだったような気がするのでありますが、もしも一歩踏み込んで中東諸国との友好関係を強化をするということであれば、いままでのようにアメリカの足跡をたどって進むというだけでは事が済まなくなってくる、相当距離を置かなければならぬということもあるだろうし、それからPLOの存在というものも無視できなくなってくるんではないだろうかという気がいたします。それらのパレスチナとの関係について総理としてはどのようにお考えになっておられるのか、この考え方いかんによっては、やっぱりパレスチナ諸国との関係もさらに一歩進められるのではないか。ひいては石油の安定供給にも寄与することができるのではないかというふうに思われますので、その点を総理の見解としてお伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(大平正芳君) 先ほども申し上げましたように、日本と中東諸国との間は、産油国であろうとなかろうと相互に依存関係を持っております。とりわけ産油国との間は濃密な関係があるわけでございます。したがって、この相互依存関係を堅持いたしましてわが国の国益を追求してまいらなけりゃならぬわけでございますので、日本は日本独自の立場で中東和平に対する見解をかねがねから宣明いたしておるわけでございます。これは必ずしもアメリカと軌を一にしておるものではないのでございまして、このことは瀬谷さんも御承知のことと思うのでございまして、われわれは、われわれの宣明いたしました中東政策というものを軸にいたしまして、中東諸国との間の政治関係、それから経済協力関係、通商関係、そういったものの発展に努力をしてまいるつもりでございます。この点につきましては、アメリカ側もそれなりに理解をしていただいておると思っておるわけでございます。日米の政策が必ずしも細目に至るまで一致していないことは、それぞれの置かれた立場が違うわけでございまして、その点につきましてはアメリカも理解をしておられるものと思いますし、そういう努力をわれわれはいたしてまいったつもりではございます。
#94
○瀬谷英行君 少し抽象的過ぎますが、具体的にもう少し突っ込んでお話が願えないでしょうか。
 まあアメリカと日本では石油事情は大分違うわけですね。それから特にアメリカとイランとの対立といったようなことがどこかで妥協点を見出せられればいいけれども、そうでないということになると大変日本としては苦しい立場に追い込まれる。イランだけの問題ではなくなってくる。中東の諸国がイランのまあ背景になるということもあり得るわけです。また、いままではアメリカと調子を合わせておればよかったかもしれないけれども、そうばかりは言っておれないという事態も来るかもしれませんよ。たとえばパーレビ国王の出国、メキシコが断ったと、どこも歓迎しない、じゃあ日本で引き取ってくれなどと言われたら、これは直ちにイエス、ノーか大変な問題になっちまう。こんなような抽象論ではいかないような問題に直面をすることはないのかどうかということ。
 それと、先ほども申し上げたけれども、PLOといったような存在を無視できなくなってくるんではないか。こういうパレスチナ諸国との接触を図るためにいままでより以上に具体的に踏み込んだ策を日本としてとる必要が出てこないのかどうか。その際の対米関係等も配慮して、日本は一体どうしたらいいのかということなんでありますが、その点少し踏み込んだお答えをいただけませんか。
#95
○国務大臣(大来佐武郎君) PLOとの関係につきましては、私どもの方としても従来以上に関係を密接にして出先でも連絡をとりつつあるわけでございまして、パレスチナ人を代表する者としてのPLOの地位をさらに重視するという方針で進めておるわけでございます。中東地域全般の問題について日本とアメリカの立場と相違する場合もいろいろあるわけでございますが、日本としては、とにかくあの地域の平和といいますか、安定を願うという立場でございます。また、日本は、ある意味ではクリーンハンドと申しますか、中東地域について従来余り行きがかりがございません。そういう点も一部のアラブ諸国で評価しておる。それから、従来日本がアラブの地域にいろいろな形で経済面の協力をしておる、工場の建設等に働いてまいっておりまして、私も向こうの方に旅行を数回いたしましたが、日本の技術に対する信頼感がかなり強い。いろいろな点で日本は中東地域との友好関係を増進する面での役割りがあると思いますし、日本自身のエネルギーの面その他の面での重大な影響がある地域でもございます。日本としても中東の紛争解決に少しずつ役割りをふやしていかなきゃならない。従来あの地域との関係が比較的薄かったと、石油以外に薄かったわけでございまして、これはいろいろな機会に指摘されてまいりまして、徐々に在外公館等も強化しておるわけでございます。そういう意味でアラブ諸国の――これも国によって立場がいろいろ違いがございますけれども、そういう情勢の判断に基づきまして日本が役立つ面、積極的に平和の維持の面で役立つ面にはできるだけの役割りを果たしていくべきだろうと考えておるわけでございます。
#96
○瀬谷英行君 新しいエネルギー資源をどこに求めるのか、どういうふうに開発するのか、これは日本にとってきわめて重要な問題であります。しかし、さしあたって石油は日本の死命を制するような問題でありますので、この石油の輸入あるいは備蓄、管理、販売、価格の決定、こういったようなことが全く民間企業にゆだねられているという状態でいいのかどうかという不安が出てくるわけであります。先の飛鳥田委員長の代表質問でも石油の公的規制の問題に触れられましたけれども、総理はごく簡単にその必要はまだないというか、考えておらぬというか、そういったような答弁をされましたけれども、今日これだけ重要な問題になっております石油に対して公の立場で規制が何もできないという状態のままでいいのかどうか、その辺は一体どのようにお考えになっておるのか、これをお伺いしたいと思うのです。
#97
○国務大臣(大平正芳君) 政府はどういう事態に対してどういう対応を考えるかということを常に念頭に置かなければならぬと思いまして、いまの石油事情でございますが、政府の想定では、いわば第一段階といいますか、フェーズ・ワンといいますか、いまは、いま政府がとっておるような市場原理を中心といたしました価格政策のやり方、そして便乗値上げを抑えていくということ、それから多角的に供給を確保していくというやり方で対応できるのではないかという認識を持っております。しかし、もっと厳しくなってまいりますと、相当手の込んだ行政指導を必要とする段階を考えなきゃいけない時期が来ないとも限らぬという考えを持っておりますが、いままだそういう時期でないと考えておりますが、さらにもっとシビアな事態がやってまいりますと、仰せのように、法的な強制手段を講じなければならぬ事態も、これも全然来ないという保証はないと考えておりますけれども、そういう第一段階、第二段階、第三段階というようなものを想定いたしまして考えてみますと、いまの段階は第一段階の状態であるし、それに対しまして第一段階に対応した措置で十分でないかという認識を持っておるわけでございます。それにつきましては、見解が、確かに国会を通じて皆さんの御見解を承っておりますと、若干ニュアンスが違うようでございますけれども、大きな考え方といたしましてはそういう見方をしておるわけでございます。それについては御批判もあろうかと思いますけれども、まだそういうシビアな段階とはとっていない、つまり強制手段に訴えなければならぬということは考えてないし、いまむしろそういうことをやることはかえって賢明でないのではないかというように考えておるということだけを申し上げておきます。
#98
○瀬谷英行君 いまの状態のままで便乗値上げを抑えることもできるというふうにおっしゃっておりますが、さてそれでは、石油製品の値上がりといったようなこと、あるいはまた物価全般の問題について考えなければならぬと思うのであります。いままでの御答弁を聞いておりますと、これから先インフレも、諸物価の値上がりも心配をしなくともいいような感じを受けるわけでありますが、果たして実際はどうかということになると、そう簡単なものじゃなかろうという気がいたします。経済成長率の見通し、あるいは外貨の準備、円安の影響、一体これらの問題はどうなっておるのか。昨日の予算委員会では、円安はまあこれが最低だろうと、後はそう心配しなくとも何とかなるかのようなお話が日銀総裁からございましたけれども、公定歩合の操作をしなくとも何とかなるのかどうか、その点の現状あるいは見通しといったようなことについて日銀総裁からお伺いしたいと思います。
#99
○参考人(森永貞一郎君) 初めに為替の問題でございますが、本朝は二百四十九円三十銭で寄りつきました後、ヤマニ・サウジアラビア石油相の発言等もございまして、十時過ぎでは二百四十七円九十五銭ぐらいのところに上がってまいっております。いずれにいたしましても、円安がずっと続いておるわけでございまして、そのことがいろいろな面に問題を投げかけておるわけでございますが、円安の基本的な背景といたしましては、この四カ月ばかり経常収支の赤字が毎月十億ドルを超えておるといったような状態、それと資本の流出が最近大きくなっておりまして、特に十月では二十四億ドルといったような巨額に達しましたようなこと、こういうことがどうしても為替に響くわけでございます。そのほかに、どうも日本は石油に弱いんじゃないかという思惑が大きく影響してきておるのでございまして、少し円安が増幅されておるのが現状ではないかと思っておる次第であります。今後どうなりますか、変動相場制でございますので、市場の実勢いかんでございますけれども、もし今月のOPECの会議などで極端に大幅な石油の値上げなどがなくて済むならば、経常収支の方は輸出がだんだんに持ち直してきておりますので、赤字額がだんだんに縮小していくのではないかと思っております。
 また、資本収支につきましても、先般大蔵省で資本流入の促進の措置が講ぜられましたし、また流出の方も抑制ぎみに運用せられておりますので、十月のような大幅な流出は続くまいということが考えられるわけでございまして、いまがやはり為替の問題でもピークと申しますか、ボトムと申しますか、ではないかという感じでございます。
 将来どうなるか、これは市場の情勢に聞かなければなりませんのでございますが、いまの為替相場はやはり行き過ぎだと思います。早く底値感が出てくることを期待いたしておりますし、その間、もし激動がございますれば介入を果敢に実行していくことを考えておる次第でございます。
#100
○瀬谷英行君 いまの総裁のお話をお聞きいたしましても、OPECの結論いかんで物価にどういう影響がくるかこれはわからぬ、あるいは石油大臣の発言でもって日本の為替相場が影響される、こういう状態にあることははっきりしたわけでありますが、便乗値上げ等については許さないというお話がございましたが、物価の値上げ、インフレ、こういったような事態は一番国民が恐れていることなんであります。電力、ガスあるいは灯油といったような石油製品を初めとする諸物価の値上がりというものは抑えられるのかどうか。そのためには公共料金も抑えなきゃならぬということにもなってくると思うのでありますか、その点についての大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(竹下登君) 公共料金あるいは物価全般の問題でございますから、ことによれば経済企画庁長官からお答えすべきであるかとも思いますが、私自身、財政当局から見た五十五年度予算編成に当たっての公共料金という問題に対しては、当然無関心であるはずはございません。公共料金主導型によって従来物価の上昇がもたらされてきたと、それが近時落ちつきを取り戻して、いまは傾向としては、私は公共料金というものが諸物価の後追いをしておるというふうに考えておるところであります。
 しかし、厳しい財政事情でありますだけに、五十五年度予算編成に当たっての公共料金の問題につきましては、受益者負担の原則を貫きつつ適正な査定をもって当たっていきたいと、そのように総合的には考えておるところであります。
#102
○国務大臣(正示啓次郎君) ちょっと付言させていただきますが、ことしの物価問題、これは当初の見積もりに対しまして卸売は大変ないま高騰をしておることは、瀬谷委員先ほどから御心配のとおりであります。そこで私どもとしましては、これを消費者物価へ波及させないようにあらゆる努力をいま傾倒いたしております。そして十一月二十七日には、新内閣といたしましてこの物価対策について総合的推進の基本方針を固めまして、財政、金融の問題といたしましては、ただいま大蔵大臣が申されましたように、公共事業の適正な施行、これによって物価に悪影響を与えないようにという点に非常な主眼を置いていろいろ各省庁にお願いをいたしておるわけでございます。この点については、財政の問題、金融の問題、先ほど日本銀行総裁もお触れになりましたけれども、何と言っても大きな問題は石油を初めとする海外からの輸入品の価格、それから円安、この二つが大きな要素になっておることは御指摘のとおりでございますので、この両面に大きなウエートを置きまして、いま卸売物価についてもできる限り抑えると同時に、それを消費者物価に波及させないためには、たとえば通産省において石油の元売会社について、いわゆる仕切り価格といいますか、この状況はどうなっておるか、原油の買い付けの状況から卸の段階までどういうふうな状況でやっておるか、これを非常に厳しくトレースさせまして、そしていわゆる便乗値上げ、あるいは不当な抱き合わせその他のことを行わないように、全国的に監視網をめぐらせましてやっておるわけでございます。なおまた、生鮮食料品その他につきましても、関係各省庁で輸送の問題をあわせまして、全内閣を挙げてこの物価問題に取り組んでおるわけでございまして、いまのところ四・九%という消費者物価の見通しは私どもは本年度に関する限りこれを達成できるものと考えております。また、経済成長率につきましても、おおむねいわゆる六・三%に近い成長を本年度はできると思っておりますが、問題は来年度でございまして、これはこれから予算の編成の過程において十分関係省庁と練り合わせまして、また新しい見通しを申し上げることになろうと思っております。
#103
○対馬孝且君 関連。
#104
○委員長(山内一郎君) 関連質疑を許します。対馬孝且君。
#105
○対馬孝且君 率直に申し上げまして、いま経済企画庁長官からお話がございましたが、結論的に申し上げますならば、電気料金の課題について政府はどういう態度をとるのかということが一番問題なわけです。したがって、三八・八三%北海道電力が上げる、こういう一方的な通告がなされておるわけですが、この原因を検討いたしてまいりますと、結論的にはやっぱり大きな矛盾がありますことは、為替差益の三十億を返していないんです、北海道電力だけは。八社は返したけれども。こういう問題等がはっきりしていながら、何で全国九社のうちに北電だけが上げなきゃならないのか。北海道では電気料金は上がる、ガス料金は上がる、そしてプロパンが上がるということで、全く北海道の場合は、まさに今日の段階でトリプルパンチを結果的には受ける、そういう影響が、これは道民の感情として訴えられているわけであります。したがって、その点について基本的な姿勢をひとつ通産大臣、まず冒頭お伺いいたします。
#106
○国務大臣(佐々木義武君) お説のように、北海道電力と沖繩電力が値上げの申請をしておることは事実でございます。御承知のように、電力料金の値上げに関しましては、旧来から経営の徹底した合理化、そういうものをまずやっているかどうか、これを厳密に前提条件といたしまして踏まえまして、そして物価等に対する影響等も公共料金でございますから十分配慮をいたしまして、あくまでも原価主義の原則に基づきまして、厳正に、しかも慎重に扱うつもりでございます。したがいまして、北海道電力の査定に当たりましても、真にやむを得ないものに限ってこれを認める方針で、もし不適切なものがございますれば、これは当然認めないという確固たる方針で臨みたいと思っております。
#107
○対馬孝且君 いま通産大臣のお答えですが、私はもっと心構えというよりもどういう基本的な姿勢をとるんだと――時間がないから率直に申し上げたいのでありますが、いまも具体的に申し上げましたけれども、北電の場合は円高差益が三十億、北海道道民には返していない。これが一つ。二つ目は、前は油炭格差があると、こう言っておったわけです。ところが総理、今日の段階では、油よりも石炭の方が安くなっているわけでしょう。結果的には油炭格差が一〇%石炭の方が安くなっているわけです。そういう理由からいけば、油炭格差という今日までの北電の主張からいくならば、これは値上げをするという根拠にならないのではないか。最近言いわけとして、今度は炭炭格差と言い出した。炭炭とはどういうことか。外炭と国内炭の格差と、こういう意味です。これもまず理由にならないのじゃないか。しかも経営の公開はしていない。原価の公表は、道民が要求しても公開されていない。こうなってまいりますと、結果的には北海道道民だけがまた再び、灯油、プロパン、セメントに続いて北海道価格ができ上がる。こういうことについて通産省が慎重に査定するというだけでなくて、この段階では凍結をすべきであると、こう考えますが、いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(佐々木義武君) お説ではございますけれども、いま査定中でございますから何とも申し上げられませんけれども、しかし、もし電力の安定供給というものに重大な支障を来すようなことがございますれば、これまた大変なことでございますので、先ほど申しました点、あるいはいま申しました電力そのものの安定供給という点もあわせ考えまして、厳正な判断を下したいと思っております。
#109
○対馬孝且君 もう一つこの際、この後を追って八社が四〇%から五〇%大手の関係が値上げ申請をされると言われています。そうなりますと、これは私一回この前の予算委員会で、五十一年の本委員会でもやっているのでありますが、電気料金のあり方について再検討すべき時期に来ているのではないか。それは少なくとも全国プール計算をすべきだと。時間もありませんから具体的に申し上げますならば、たとえば一般家庭用電灯、公共施設、こういう問題については全国プール制度を考えてみる、こういう検討をすべきだということを私は主張いたしたことがあります。この問題について、昨年の十月の二十一日、通産省の濃野事務次官が北海道に参りまして、記者会見の中で、とりあえず燃料問題で九電力プール制を検討してみたい、こういう記者会見をしているわけです。したがって、本質的にこれからの電力のあり方として、毎回これは二年後、一年後になったら電力が上がっていくと、こういう制度ではなくて、やっぱり全国プール方式をこの段階では検討をするということは考えられないかどうか。前は検討するということだったんだが、その結果がどうなっているか、基本的姿勢を明らかにしてもらいたい。
#110
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、九電力に日本発送電会社を分けましたその原理から申しましても、いままでの態度は、各電力会社別に原価主義に基づきまして料金を決めるという制度になっておることは御承知のとおりでございます。しかし、各電力会社の料金の差が拡大しているということはお説のように望ましくございませんから、できるだけ差が縮まって近い料金で決まるのが一番望ましいのでございますけれども、一つの電灯料金、お話にございました例をとってみましてもこの料金差はだんだん縮小してまいりまして、四十三年度の最高料金が最低料金の一・二六倍でありましたのが十年後の五十三年度には一・〇九倍というふうになって、大分この差が縮まりつつございます。でございますので、お説ではございますが、大体いまのような状況で相競いながら進めていったら一番よろしいのではないかと実は思っております。
#111
○対馬孝且君 いま現状の体制ということについてお答えがありましたが、その点検討してみたいという答弁のようでありますけれども、私は三年前に言っているわけですから、やっぱり少し政府は本腰を入れて、この際電力の一社化、九電力の一社化あるいは統合化、こういう意味での国民に対する電灯の物価上昇への影響をとめると、こういう意味でも基本的な考え方をひとつ検討してもらいたい。これは総理大臣にひとつ要望しておきます。
 それから、具体的な問題でいま一つ、北海道はもう公聴会が始まるわけです、法定公聴会が。ところが、いままでの問題点は何かといえば、法的公聴会は隠れみのになっているんです。公聴会はやりました、はい電気料金は電事審の審議会で決定しますと。決定の仕方はずさんであり、つまり形式なんです。これでは北海道道民は非常に怒り心頭に達しているわけです。二十アンペアで百八十キロワットの一般家庭で今回上がるのが千二百三十四円の大幅な値上げに通ずるわけです。
 だから、私が言いたいのは、この前もここで申し上げておりますけれども、法的公聴会以外に主要都市で国民の公聴会、あえて言うならば、民間公聴会をぜひやってもらいたいと、これが一つ。それから電事審議会、これは私に言わせればなれ合いみたいな委員会であって、労働者や消費者の代表が入っていない、これを入れるべきであると、こういう主張もいたしました。この点については前向きで検討したいというお答えでありましたが、今日の段階では、少なくとも電気事業審議会に対しましてぜひ労働者の代表、消費者の代表は入れるべきであると、この点についていかがですか。
#112
○国務大臣(佐々木義武君) まず、電気事業法に基づく公聴会のほかに、公聴会類似の説明会と申しますか、そういったものを各所でやったらどうかという御意見でございます。これは全く賛成でございます。御説のとおり相当数の地域でやるつもりで、ただいま予定しております。
 それから、電気事業審議会に労働者側の代表を入れるということは全くそのとおりでございまして、ただいま関係方面と調整中でございます。
#113
○対馬孝且君 いまのお答えで、民間公聴会を開くということと労働者の代表を入れると、こういう通産大臣の答弁ですから了といたします。
 それでは次の問題、先ほど瀬谷委員の方へのお答えがありましたが、灯油関係の問題で一、二簡潔にひとつお答え願いたいと思います。
 一つは、今日の段階では非常に悪徳商法の状態になってまいりまして、たとえば北海道の場合で具体的な例を申し上げますが、灯油の絶対量が七百十万キロリッターあると。先日も実は本会議でも通産大臣が答弁をしております。備蓄量としてある。しかも備蓄は九十一日分ある、こう答弁しています。ところが実態はどうかといいますと、二つの問題があります。一つは、悪徳商法として、灯油は売り渡してやるから、契約をするならばプロパンを買え、こういう契約をしなければ灯油は渡さない、こういう問題が出てきているわけです。もう一つは、米を買わなければ灯油を売らないとか、酒を抱き合わせなければ灯油を買えないとか、こういう悪徳商法が今日出てきております。これは不公正な取引行為、独占禁止法に私は違反すると考えるわけです。この問題に対して通産省はどう対処しているのか。
 それから、絶対量があるということを言いながら、いまだに移転者だとか新婚家庭だとか、率直に申し上げますけれども、特約店の場合でも、たとえば三〇%、五〇%より供給をしない。こういう問題について通産省としてはどう対処するのか、これをお伺いします。
#114
○国務大臣(佐々木義武君) まず、後段から申し上げますけれども、御指摘のように、新規の需要者が灯油を入手する際に大変難渋しているという話は承知してございます。したがいまして、元売会社等を通じまして極力それに対応できるようただいま指導、要請をしているところでございまして、今後ともそういう不便のないようにいたしたいと存じております。
 それから、前段の抱き合わせ問題でございますけれども、これは通産省では前からそういう不当な行為をしないようにということで、元売会社あるいは石油商業組合連合会等を通じまして指導しておるのでございますけれども、どうもそういう話がまた聞こえてきましたので、十一月十六日に重ねて通達を発しまして、そしてそういうことのないようにということで関係方面に指導している最中でございます。
 独禁法等の問題は、どうぞそちらの方からお答えを願いたいと思います。
#115
○対馬孝且君 公正取引委員長にこの関係でひとつ、今後どういう対処をしていくのか、現在どういう体制をとられているのか、簡潔にひとつお答え願います。
#116
○政府委員(橋口收君) 灯油は国民の生活にとってかけがえのない必需品でございますし、寒さに向かって消費者の要望も強い商品でございますから、こういう状況のもとにおきまして、末端の小売店が抱き合わせ販売を行うということは、端的に申しまして独占禁止法に規定する不公正な取引方法に該当するというふうに考えております。
 当委員会といたしましては、こういう情勢でもございますので、十一月の中旬に全国八地方事務所に対しまして通達を出しまして、そういう事案につきまして申告等がありましたときは機宜措置をするという体制をとっておるところでございまして、現在までにすでに四件につきまして申告がございました。それに対しまして指導いたしまして、この四件はいずれも是正をされているわけでございまして、今後ともそういう体制を強化してまいりたいというふうに考えております。
#117
○対馬孝且君 いま橋口公取委員長から、そういう取り締まりについての強化をしてまいりたいということでありますから、特にひとつ力を入れて現実に即決即断の処置をしてもらいたい、これを特に要望しておきます。
 そこで、総理にひとつちょっと最後にお伺いしますが、相変わらず灯油の値上がりについて監視体制をとっていきたいと、今後異常な事態になれば考えることもあるという答弁なんですが、どうも私は総理の感覚がずれているんじゃないか。それはどういう意味かといいますと、北海道ではドラムかん二百リッター十本から十二本使うわけですよ。たとえば年金生活者が老齢福祉年金二万円もらっている。そうすると、十本たいたとして、いま第六次の値上げがどういう金額になるかといったら、リッター当たり七十円になるんです。七十円ということは二百リッターにして一万四千円ということですよ。一万四千円を十二本使うということは、十二カ月ですから最低ですからね。老齢福祉年金者が二万円から一万四千円の灯油料金を払ったらどういうことになるんですか。これは老人に死ねということですよ、この年金生活者に。こういう認識を生むまで上がってきているんですよ。それを相変わらず総理は、先ほど異常な事態になればと言うんだけどね、異常な事態になってしまっているんですよ。私は過去六年間灯油問題やってきているんですが、この場で時の福田経済企画庁長官時代、三木内閣時代にもはっきり言ってるんですが、需要期に値上げが、上がったためしは一回もない。今回の場合需要期でありながら上がっている。需要期のさなかに上がっているんですよ。これからカラカスの総会で十二月に新たなOPECで値上げになったというのならまだわかりますよ。何も上がってないのに需要期のさなかに値上げが、六回上がった。もうすでに北海道では現にあなた共石、丸善、シェル、八円から十円の値上げをするといって通告してきておるわけです。そうするとリッター当たり七十円になるんですよ、これ。これは異常な事態と総理は受けとめていないのかどうか。したがって、私が言いたいのは、この事態でただ便乗を監視するというのではなくて、やっぱり何らかの行政指導を実施する、こういう心構えを持つ段階に来ているのではないか、こういうふうに考えますので、これは通産大臣から御答弁願って、総理からもひとつ、この意味では行政指導をせざるを得ない、すべきであるという段階に来ている、このことを総理の決断をひとつお願いしたいと思うんですが、いかがですか。
#118
○国務大臣(佐々木義武君) しばしば申し上げておりますように、原油の輸入価格が大変騰貴している最中でございまして、去年の十月、ことしを比べますと約倍になっておりますが、灯油の卸あるいは小売等は大体六割アップでございまして、上がっておることは上がっていますけれども、しかし原価、原油の輸入のアップ率から見ますと、まだそこまでは行ってないという段階でございます。お説のような標準価格ということになりますと、これは全くもう統制――価格統制の段階に入るわけでございまして、法の発動によって価格を制定していくというかっこうになってまいります。ただ先ほどもお話し申し上げましたように、いま国際的に油を入手するのには価格の問題が大変大きい要素をなしておりまして、もしそれ日本の輸入価格が低いというような状況でありますれば、メジャーから入ってくるルートがだんだん切れてきますから、大変入手が困難になるという事態になりまして、数量そのものに懸念が出てくるおそれがございます。そういうことでございますので、灯油価格に標準価格をつくるということは、国際的に見ましても非常に検討を要する事項でもございますし、特に国内の需給関係が大幅に不足するとかいう事態でもございません。需給関係は確保してございますので、それこれあわせますと、まだ私は標準価格に踏み切るのには早いのじゃなかろうかという判断をしてございます。
#119
○国務大臣(大平正芳君) いまもお話がございましたけれども、灯油対策といたしましては根本は在庫を豊富に用意すること、需要期に対しまして。九月末六百四十五万キロリッターの在庫目標でございましたが、それを若干超えた在庫が確保されたわけでございますし、十月末には七百十万キロリッターが確保されておるということでございます。したがって、需要期を控えまして、まず品物には心配ないという状況はでき上がっておると思うのでございます。
 第二の問題は価格問題でございますが、不幸にいたしましてその間原油の値上がりが続いているわけでございますが、私ども、この原油の値上がり分につきましては、われわれの努力をもってしてもこれを消すことはできない現実でございますので、これはやむを得ないといたしましても、それに便乗するような動きにつきましては厳重に監視していくという姿勢をとってきておるわけでございます。
 そういう対応の仕方で果たしていけるかいけないか、そういう事態の認識の問題だと思うのでございますけれども、いま通産省の方の認識では、まだそう対馬さんがおっしゃるような段階には来ていないのではないかという認識でございますけれども、問題は非常に重要でございますので、政府といたしましても厳重に実態を見て判断さしていただきたいと思います。
#120
○対馬孝且君 いま総理からありましたが、ひとつ現状は異常な段階だということの認識に立って、行政指導の段階に来ているということを申し上げて、私の質問を終わります。
#121
○瀬谷英行君 KDDの問題についてお伺いしたいと思うのでありますが、昨日の衆議院の予算委員会のやりとりを拝聴いたしておりますと、結論的に言うと、社会党の大出議員からかなり赤裸々にKDDのこの乱脈なやり方というものが暴露されまして、それに対して古池会長からは、前社長時代のことであるのでよくわからないと、今後の問題としては一生懸命やるという程度の話がございましたし、郵政大臣からは、いささかもう監督の範囲外であるといったような答弁がございました。これでは幾ら躍起になってやってみましても話が進まないんです。一体どうしたらいいのかということなんですね。総理はKDDの形態をこのままでいいというふうなことをおっしゃいましたけれども、会長としてはこのままの形態でも刷新ができるというふうにお考えになっていらっしゃるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#122
○参考人(古池信三君) お答えいたします。
 ただいまの株式会社という形態がいいかどうかという問題につきましては、またお尋ねがございますれば私の意見も申し述べたいと思いますが、ただいま御案内のような、非常に不祥事を起こしたということは、私自身非常に遺憾に思っております。
 なぜそういう不祥事を起こしたかということは、結局これは経営者の経営姿勢と申しましょうか、倫理観と申しましょうか、結局その人の人柄なり、あるいは考え方によって大きく左右される問題ではなかろうかと。これは組織、機構の問題も大切でありまするけれども、これを実際に運営する人の問題に結局は帰するのではなかろうかと私は考えております。
#123
○瀬谷英行君 それでは、公社公団のあり方についてまとめて質問したいと思うのでありますけれども、時間の関係で省略いたしますが、鉄建公団にいたしましても、あるいはKDDにいたしましても、なぜこういうことになったのかという、その形態のところまでさかのぼってみなきゃいかぬと思うんです。
 鉄建公団の場合は、その発足のときは、国鉄に赤字線をつくらしてはいけないから鉄建公団でもってかわりにつくらせるという話だったんです。ところが、実際に、あれは田中大蔵大臣のころだったんでありますけれども、公団の出資八十億のうち七十五億は国鉄出資である、政府出資は五億にすぎない、しかも建設するのは赤字線区である、今日こしらえているのもやっぱり赤字線区だ、でき上がった赤字は公団自身が責任を負わなくともいい、こういう形になっているんですよ。これでは財布を預かって、中に入っている銭は存分に飲んだり食ったりしてもいいよと、あとのツケはほかへ回すからと言われているようなものです。
 KDDにしたところで、これは競争相手というのはいない。飛行機で行くのなら、外国へ行く場合には日本航空だとか。ハンアメリカンだとかアエロフロートだとか、いろいろ選択の方法はあるけれども、電話かけるときはKDD以外の電話というわけにいかないです、これは。そうすると、競争相手がいないから幾らだってもうけられる、損はしないという仕組みになっているんです。仕組みになっていれば、どうしてもあんな問題が出てくると思う。
 したがって、これらの問題を解決するためには、果たしてKDDが現在のスタイルでいいのかどうか、これこそ公社公団の形をとった方がいいのではないかという問題が一つ考えられる。それから鉄建公団の場合は……
#124
○委員長(山内一郎君) 瀬谷君、時間が参りましたので簡潔に願います。
#125
○瀬谷英行君 むしろこれは国鉄がいままでやってきたことなんだから、国鉄にやらしたっていいじゃないかということにもなってくる。
 それから行政改革の問題にいたしましても、総花式に減らすということじゃなくて、内容を考えてみて、なくたって間に合うものはこれはやめていく、必要なものはむしろふやしていくということになってくると思う。総花的なやり方ではいかぬだろうという気がいたします。
 それから税収の問題についても、一般消費税の問題については選挙で審判が出ておるわけであります。したがって、これからの来年度の予算編成の方針としては、歳入を減らすのか、あるいは税収をふやすために一般消費税にかわるべき新たなる増税の方法を考えるのか、一体どちらなのか。公債を減らすのか減らさないのか、減らさないとするならばどういう方法で補てんをするのか。
 それらの点についての政府の考え方をここではっきりさせていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#126
○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問は、来年度の予算編成に当たっての基本的態度ということになろうかと思うわけであります。
 先般、いわゆる財政事情を御認識いただくために財政収支の計画を閣議で了解いたしたところでございますが、まず財政再建の第一歩といたしまして、四割にも当たりますところの国債、これをどういたしましても五十五年度予算には一兆円というものは減額したい、これが第一であります。そして第二は、出るを制するということになるわけであります。この問題につきましては、今日鋭意作業を進めつつあるところでございますが、何分にも当然増ないしは当然増的経費が多い。したがって、すべての項目にわたって峻厳な態度で臨まなければならぬ。
 なお、補助金等につきましては、先般のこれまた閣議で総理から御指示があっておりますので、年内にその整理計画もつくらなければならぬと、こういう状態であります。
 そのような考え方で予算編成を進めてみて、どうしても新たなる負担を求めなければならないと、こういうことになりました場合には、来年度におきましてはいわゆる一般消費税を用いないで再建対策を考える、こういうことはすでに決定しておるところであります。したがいまして、いま税制調査会等においていろいろ議論をいただいておるところでありますが、どのような手段で――税の公正を確保するための特別措置の洗い直しもやっておりますが、どの税目でということになりますと、今日まだお答えする状態にはないと、このような考え方であります。
#127
○国務大臣(大平正芳君) 公社公団、特殊法人に不正経理その他綱紀の紊乱事件が起こっておりますが、これにつきましては実態をきわめまして厳重な処分をいたしますと同時に、この解明を通じまして改善の方策を考えていかなければならぬと思っております。
 その場合、瀬谷さんがおっしゃるように、いまの経営形態に及ぶといいますか、経営形態を改めなければならぬという問題も出てこようかと存じておりますが、そういった点につきましては、今後実態の究明と並行いたしまして篤と考えていきたいと思います。
#128
○委員長(山内一郎君) 以上で瀬谷君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#129
○委員長(山内一郎君) 次に、上田稔君の質疑を行います。上田稔君。(拍手)
#130
○上田稔君 まず最初に、総理が所信表明演説の中におきまして、さきの総選挙に示されました国民の厳粛な審判に対しまして、党内の論議を呼んだために四十日にわたる政治の空白と国政の停滞を招いたことにつきまして、総理の国民に対する心からなるおわびの発言は、国民の皆様に十分なる御理解をいただけたことと存じます。総理の率直な謙虚な御性格、御姿勢に対しまして、好感を持って受け入れられたものと存ずる次第であります。私ども党員も、また心から反省をいたしまして、国民に対し深くおわびを申し上げるものでございます。
 さて、日銀総裁が午後はちょっともう先約があるということでございますので、ちょっと変更いたしまして、予算編成について御質問を申し上げたいと存ずるのでございます。
 予算編成に当たりましては、もう時期が大分近づいてきておるのでございますが、先般もA案、B案をおつくりをいただいてお示しをいただいておりますが、こういう予算編成に当たりまして一番やっぱり問題になるのは、景気の問題その他のいろんなことを考えていかなきゃいけないということではなかろうかと思うのですが、その景気の柱になる原油の予想でございますが、先ほど同僚の瀬谷委員から御質問がございましたが、それに対して数量については非常に見通しがしにくいと、こういうお話でございますけれども、しかし、予算編成に当たっては、やはりそういう予想を立ててやっていかなければいけないのではなかろうか。また、価格につきましても、やはり予想を立ててやっていかなければならないのではなかろうかと思うのであります。それにつきまして大体の方向をひとつお知らせをいただきたいと思うのであります。
 この数量につきましては、イランとアメリカとの問題もありますし、大変見通しはしにくいのでありますけれども、一方また、イランはわが国に対しまして、長期の協定をひとつ結ぼうじゃないかというようなことも申し出てきておると思うのであります。そして、現在十月までの輸入の量というものは大体順調に入ってきておるのではなかろうかと思うのでございますが、来年度においても異常な事態が起これば別でございますけれども、予算編成に対しては、私は通常ペースで入るというような考え方で進めていただけるんじゃなかろうかと思うのですが、その点がいかがお考えであるかということをお聞きをいたしたいと思います。
 また、価格については、どうも産油国においてでございますけれども、値上がりの方向に向かっておりますし、今後もやはり値上がりを続けていく方向にあるのではなかろうか。したがって、来年度の予算についてはどういうふうにお考えになっていかれるか、その考え方をお示しをいただきたいと存じます。大蔵大臣と通産大臣にお聞きをいたします。
#131
○国務大臣(竹下登君) 予算編成に当たって国際石油価格等の問題をいかなる形で受けとめていくかと、こういう考えをお聞きになったと思います。当然のことといたしまして、五十五年度予算編成に当たりましては経済成長率をどう見ていくか、あるいは消費者物価または卸売物価、諸般の諸指標を参考にして編成していくということは当然のことであります。したがって、卸売物価の値上げの大きな要因になっております円安と、また石油価格の上昇というものが大きな要素の一つであるということは十分承知いたしております。さらに、それが十二月十七日でございますか、OPECの総会においてさらに値上げということが行われるのではなかろうかというようは推測もあることは、もとより承知いたしております。それらの問題を総合的に勘案してどのような経済見通しにしていくかという問題につきましては、経済企画庁等を中心にいま鋭意作業を進めておる段階であると、このように御理解をいただきたいと思います。
#132
○国務大臣(佐々木義武君) 来年度の石油の状況でございますけれども、この春のサミットで決まりました五百四十万バレル・パー・デーはぜひとも確保したいということで、あらゆる方策をこれから行うつもりでございます。
 反面、価格の方は、御承知のように、この春のOPECの総会で非常な大幅な値上げをし、その後も逐次値上がりを見つつございまして、特にメジャー等の関係からスポット価格が相当上昇しておりまして、その率もふえてございますので、わが国に対する原油の輸入価格は、どうしても騰貴の傾向をたどるのじゃなかろうかというふうに見ております。
#133
○上田稔君 いまのお話で、これから予算編成に対しては決めていくんだということでありますけれども、その方向につきましては、私は異常な事態がなければ数量はおおむねことしのように順調に入ってくるのではなかろうかと、こういうことが考えられる。それで価格につきましては、いまスポットの石油の値段が相当高うございますので、そうしてまた、産油国はそういう値段の先取りをしていくというような考え方もあろうかと思われますので、やはりバレル当たり三十ドルぐらいまでは上がっていくのではなかろうかと思いますが、そういうような考え方で予算編成を考えていかれると考えてよろしゅうございますでしょうか。
#134
○国務大臣(竹下登君) 原油の価格並びに石油製品等の上昇率というものを具体的に見込んでそれを予算査定の中に織り込むことは、あるいは燃料費でございますとか、あるいは先ほど対馬委員からお話のあっておりました年金とか生活保護費とか、そういうものの中身に幾ら積み上げていきますとか、そういう作業は現実としてあるわけでありますが、いま上田委員のおっしゃった数字でもって、それを基礎として編成をいたしますという状態には今日ないということであります。
#135
○上田稔君 そうしますと、来年度の景気の動向でございますが、これは経済企画庁長官にお聞きをいたしたいと思いますが、大体この予算に対してはどういうふうにお考えになっていかれるのでございましょうか。
#136
○国務大臣(正示啓次郎君) ことしの景気の見通しについては、先ほど瀬谷委員にお答えしたとおりに、当初の見通し大体六%程度というものは達成できる見込みである。それから消費者物価についても申し上げたとおりでありますが、卸売物価とそれから国際収支、この面で非常に大きな狂いが出ておることは先ほど申し上げたとおりであります。
 さて、来年度でございますが、望ましい姿は、経済は余りぎくしゃくしたり大きな変動がないということが一番望ましいわけであることは、上田委員もすでにお考えのとおりだろうと思います。私どもその線で一生懸命努力してまいりたいと思うのでございますけれども、先ほど来御指摘のように、石油を初めとするエネルギーの見通し、またその価格、それから国際収支といろいろむずかしい不透明な要素がたくさんございまするが、これはしかし、予算を決定する段階では各省庁それぞれ最近のデータを持ち寄りまして、先ほど私は練り合わせという言葉を使いましたが、結局練り合わせて最善の見通しをつくる以外はございません。
 そこで、いまお尋ねの景気でございますけれども、御案内のように、経済社会七カ年計画では年年五・七%ぐらいの成長ということを前提にいたしておりますが、いま諸外国の状況、また国内におけるいろいろの権威のある機関からの見通しは、これより相当下回るんじゃないかというふうな見込みもございます。また財政の状況は、先般大蔵大臣からお示しの非常に苦しい状況でございます。
 そういう点から言いまして、大変来年度の経済の見通しというものはむずかしいわけでございますが、われわれとしては最善を尽くしてできるだけなだらかな経済の堅調な、堅実な成長というものを何とか確保して、また物価の安定、雇用の確保、この面に最大限度の努力を尽くしていきたいと思いますが、その最終的な決定は予算の編成を待ってお答えを申し上げたいと思います。
#137
○上田稔君 日銀総裁が午前中ということでございますので、日銀総裁にお伺いをしたいと思うのでございます。
 このいまいろいろと来年度の原油の問題、それから景気の予想、こういうことについて御説明をいただいたのでございますけれども、まあ来年度の物価は、私はやはり相当上がるのではなかろうかと思われるのであります。石油の値段が上がりますと、卸売物価というものはやはり引きずられて上がっていく。それに引きずられてやはり消費者物価も各国の例に見るごとく上がっていくのではなかろうか。そうしてまた、為替レートもこれは底だというようなお話もありましたが、石油の値段が上がると日本は弱いということから、やはりこれも円安になっていくのではなかろうかというような考えが起こるのでございます。それから赤字が、やはり国際収支が悪くなるということになるのではなかろうかと思いますが、そういうことになりますと、公定歩合はやはり引き上げということが必要になってくるのではなかろうかと思いますが、その点いかがでございましょうか。
 それからまた、私は、そういう不況に対しては、さらに後半になってくると不況になるんじゃなかろうかと思うのであります。そうすると、また公定歩合をなぶらなくちゃいけないというようなことが起こってくるのではなかろうか。そうなりますと、遅滞なくやっていただかないと大変なことになってくるのではなかろうか。それを考えますと、これは政治が、また参議院選挙もありますし、遅滞をするというようなことがあった場合におきましても、日銀は構わずにひとつ勇気を持ってこの日本の経済もリードしていただきたいと思うんですが、その点についてのお考えをいただきたいと存じます。
#138
○参考人(森永貞一郎君) いろいろと御激励をいただきましてありがとうございました。
 おっしゃるとおり、物価情勢、国際収支、為替の動向などいろいろと困難な事態が山積しておるわけでございまして、この困難な事態を切り抜けるためには金融政策の面においても今後とも万全を期さなければならないと思っておる次第でございます。
 具体的に公定歩合についてのお尋ねがございましたが、いままで警戒的観点と申しますか、物価の情勢を幾らかでも整備をいたしますために公定歩合を三回にわたって引き上げてまいったわけでございます。目下は、十一月の初めに実行いたしました公定歩合の引き上げの効果いかんを慎重に見守っておる段階でございまして、いまのところ、さらに公定歩合を引き上げるということは考えておりません。今後の経済情勢を冷静、慎重に見守ってまいりたいと思っておる次第でございます。
 景気につきましては、私どもで実施いたしておりまする短期経済観測――十一月の時点で実施いたしましたが、少なくとも年度内はいまのような情勢が続くのではないか。来年度どうなるか、その辺にもやはり石油の問題が非常に大きく影響してくるわけでございますが、その辺はまだ見通すところまで至っておりません。しかし、基本的に申しますと、今後のあらゆる経済事態の推移に即しまして、早目早目に金融政策を講じてまいりますことがやはり今後とも特に重要なことではないかと思っておる次第でございまして、今後の事態の推移を慎重に見守ってまいりたいと存じておる次第でございます。
#139
○委員長(山内一郎君) 森永参考人には御多忙中のところ御出席くださいましてまことにありがとうございました。
 なお、午後再びよろしくお願いをいたします。
 午前の質疑はこの程度にとどめます。
 午後一時から委員会を再開し、上田君の質疑を続けます。
 これにて休憩をいたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#140
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、午前に引き続き上田君の質疑を行います。上田君。
#141
○上田稔君 午前中におきまして、日銀総裁の時間の都合からいろいろ飛ばしてやらせていただきましたので、ちょっとつじつまが合わないかもしれませんが、また、経済企画庁長官のお考えになることをお聞きをしようと思ったんですが、勝手に想定をして申し上げまして大変申しわけございません。と申しますのは、実は来年度は物価が上がるかどうかということをお聞きをしようと思っておったんですが、これは上がるという想定をいたしまして公定歩合の変動についてお尋ねをしたので、ひとつ勝手に想定しましたが、経済企画庁長官のお考えをちょっとお聞きをしたいと存じます。
#142
○国務大臣(正示啓次郎君) 来年度の物価は大変いま重大な問題であることは、けさほど来のお話でもよくおわかりいただいておると思います。特にいま問題になっておりますのは、申し上げるまでもなく石油を初めとする重要な輸入品の価格、それからまた円レートの問題、こういうことが引き続いて大きなファクターでございます。そのほかに、けさほど来御議論のある、いわゆる公共料金の問題がございまして、これはただいま通産省を初め運輸省その他で、また農林水産省等でそれぞれ厳しく検討をされておることは御承知のとおりでございます。
 経済企画庁といたしましては、これらの省庁の御検討、あるいはまた、まだ出てきておらぬような問題もございますが、これから申請等がございました場合は、それについての各省庁のお考えも十分伺い、なお物価全体について、公共料金等については経営の徹底的な合理化、それからまた外的要因によって起こっておる騰貴の勢いをどうしてもある程度しのいでいただくわけにはいかぬかという点をぎりぎりまで詰めまして、これから慎重に検討していこうと思っております。
 しかし、そういうことをやりましても、本年は幸い、先ほど申し上げたように、四・九%という消費者物価、当初の見通しどおりでございますが、来年度はなかなかその程度ではおさまらないんじゃないかということを心配しながら、いま申し上げたような努力を傾倒することによりまして、特に大事なのはいわゆるサービス料、春闘等の問題でございますが、それらについては、先ほども申し上げたように、できる限りなだらかな物価、雇用、そして経済成長、こういうふうなものが実現できますように各方面の努力をこれからやっていきたい、最終的には予算の折衝の終わりました段階で私どもの見通しを申し上げることになろうと思っております。
#143
○上田稔君 ただいま物価は上がるという想定を一応考えられるおそれがあるということでお話がございましたが、さて大蔵省が閣議了解を得られまして、二つの試案を来年度予算案に対しておつくりをいただいておりますが、これは上限、下限であるというふうに先日お答えをいただいておりました。これにつきましてちょっとお伺いをしたいんですが、前回の石油ショックのときにおとりになられました、日本の国がとったやり方でございますけれども、物価の値上がりに対しまして国内の消費を抑え、つまり成長率を下げて、そうして輸出をふやして国際収支の赤字をなくして円を強くする、こういう方法をおとりになったと思うのでございますが、やはりそういう例にならって、こういう緊縮予算と言っていいんではないかと思いますが、おとりになったのではないでしょうか。この点について大蔵大臣のお考えをお願い申し上げます。
#144
○国務大臣(竹下登君) 先般閣議了解をいたしましたいわゆるフレームの問題でありますが、これは五十五年度の財政事情について、現時点でその概要を説明するために試算したものであります。したがいまして、総需要抑制期に対する政策的な考え方というよりも、現状の認識をいただくための参考となる試算であると、こういうふうに御認識いただければよくはなかろうかというふうに思っております。
#145
○上田稔君 いずれにしても、来年度は当初は緊縮予算という考え方でお組みになるのではなかろうかと思うのであります。これは物価が上がるということに対して、これを国民も非常に心配をいたしておりますので、極力抑えていただくというとは、これは当然だと思うのでございますが、来年度の後半になると、その状況がずっと続いていきますと非常な不況になるのではないか。先ほど経済企画庁長官は、ことしは六%の成長は達成できると、こういうようにお答えがありましたけれども、来年度は下回るであろうということですが、その下回り方がどの程度であるかということによってそういうことが起こるのでありますけれども、石油が三十ドルにもなるということになると非常な不況がやはり生じてくる。特に石油の値段が漸増していくというような考え方でOPECが価格を決めてまいりますと、大変な不況が来るというおそれがあるのではないかと思いますが、この点について経済企画庁長官、お願いをいたしたいと思います。
#146
○国務大臣(正示啓次郎君) いま大蔵大臣も申されましたように、財政の面では現状がなかなか厳しいということを先般フレームで示されたわけであります。そのほかに先ほど申し上げたようないろいろな要素がございますので、私どもとしては非常に経済の先行きについても警戒をしておるわけであります。物価についてはさらに一層の警戒をしておる、こういう態度でございます。しかし、いま上田委員が言われましたように、大変な不況が来るというふうに実はいまわれわれとしては予想することは、これはまた大変問題でございます。先ほど日銀総裁も申しましたように、本年度いっぱいは、個人消費また設備投資、こういうものをあらゆる方面からのデータを見ましても、順調にただいまのところは進んでおります。それで六%――六・三%でございますけれども、この程度の経済成長というものは今年度はできるという見通しを先ほど申し上げたわけであります。来年度についても、物価、原油、その他いろいろ不透明な要するに要素がございますけれども、それらをできる限りあらゆる努力をして克服することによりまして、日本経済を堅実な歩みに持っていきたい。後半非常な不景気になるというふうに私どもは悲観的には考えておらないわけで、努力の余地があると、こういうふうに考えておるわけであります。
#147
○上田稔君 もちろんその努力はしていただかなければいけないと思うのでありますが、石油が三十ドル以上に上がっていくということになると、経済成長率というものが一%ぐらいにまで下がってしまうおそれもあるんじゃなかろうかと、そういうふうに思われるのであります。そういうようなことになりますと、これはひとつ公共事業というか景気回復ということを考えていかなくちゃいけない。そうすると、その一番妙薬は公共事業と、こういうことにも相なるのではなかろうかと思うのであります。それで、前半においては、考え方としては、支出を抑えるんだから公共事業は抑えなくちゃいけないと、こういう考え方に立つ。しかし、石油の値段、OPECの各国の考え方がだんだん油を上げていくということになると、これはどうしても日本の国は不況にならざるを得なくなってくる。それをまた克服するためには公共事業を伸ばさなくちゃいけない、こういったような事態が生じてくるのではなかろうか。そういうような予想を入れて来年度五十五年度の予算というものはお組みをいただけないだろうか。そしてこの事態の推移というものをながめながら、公共事業の実施ということについては、これは政府の方で抑えていただいて、そうして予算を組んでいただくというようなことが必要ではなかろうかと思うのであります。
 特に予算は、現在では単年度予算という考え方になっております。しかし、戦前におきましては、公共事業というのは、これは長期計画のもとに予算も組まれておりまして、そして実行をしてきたものでありまして、公共事業というのはやはり長期に計画をしていくのが望ましいのではなかろうかと思うのであります。したがって、一年の間に当初予算、補正予算と、こうころころ変わるということは実に望ましくないのではなかろうかと思うのでありますが、これは大蔵大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
#148
○国務大臣(竹下登君) 公共事業等はそれぞれ長期計画に基づいてやるべきものであって、いたずらに単年度主義の中で、また需要に応じて補正予算が組まれていくというような形は好ましくないではないかと、そういう御趣旨でございますが、何分経済は生き物でございますので、あらかじめ諸般の指標を参考にしたとはいえ、長期な見通しをつけるのはなかなか困難でありますし、その中で財政の果たす役割り、あるいは民間の果たす役割り、それぞれの努力の成果が安定した経済成長につながっていくということになろうかと思うのであります。したがいまして、ことしの場合、仮に五十五年度の下半期がいま上田委員御指摘のように大変な不況になった場合、その下支えとして公共事業というようなものをあらかじめ用意しておいて、その執行を抑えておいて、適当な時期に弾力的にこれを執行すればいいではないかと、こういう御意見でございますけれども、もっと基本にさかのぼってみますと、今年度の先般閣議了解をいただきましたフレームをごらんいただきましても、いまのところまず一兆円の公債を減額するという大前提のもとに、予算編成自体の今後の見通しから申しましても、いま公共事業に積極的に投資することによって景気を下支えをするほどの財政力にもう力がなくなってしまっておる。むしろ努力しつつ健全化して、そしてその後そういう問題は力をつけるべきことであって、いまの予算編成に当たって、公共事業を景気対策の下支えとして使おうというその余力がフレームをごらんいただいても全くないと残念ながら言わなければならない。一つの考え方ではございますけれども、来年度予算の編成に当たりましては、そのような考えを貫くことはできないと、こういうふうに思います。
#149
○上田稔君 大蔵大臣のお考え、よくわかりましたが、しかし、使わなければ支出はないわけでございますので、その計画面におきましては、やはり長期計画というものが非常にふさわしいものでありますから、公共事業についてはよくお考えをいただきたいと思うのであります。俊敏をもって鳴る竹下大蔵大臣のことでございますし、また経済企画庁長官も非常に大蔵通で、財政通であらせられますので、そういう方々が寄っておつくりをいただくわけでございますので、また公共事業の内容についても建設大臣をおやりいただいたんですから、よく御存じでございますので、そういう点に思いをいたしていただきたいと存ずる次第でございます。
 そこで、この予算編成につきまして、福祉につきまして、同僚の田代議員から関連質問をお願いをしたいという申し出があります。どうぞお許しをお願いいたします。
#150
○委員長(山内一郎君) 関連質疑を許します。田代由紀男君。
#151
○田代由紀男君 社会福祉の充実につきまして関連の質問を申し上げます。
 私は、福祉国家の実現こそ今後わが国の進むべき基本的な方向であると考えるものでありますが、そのためには、老人、身体障害者、母子、児童、そしてさきの大戦で大変気の毒な目に遭いました戦没者の遺家族、戦傷病者等の社会的な弱い立場にある方々に対して手厚い配慮を行うことがまず大事であろうと考えます。
 時間がありませんので、例を二、三引きますが、たとえば老人問題にいたしましては、世界に例を見ないスピードで確実に到来しつつありますところの高齢化社会、これに対応するための老人対策をきわめて短い期間に準備をしなければならないという厳しい立場に立っております。
 また、身体障害者につきましても、身体的にハンディを負っておる障害者が住みやすい町をつくるための障害者福祉都市推進事業の拡充を図ることが必要であります。また、地域において障害者の自立を助長するための障害者デーサービス、またショートステー、これは老人に対してもデーサービス、ショートステーは言えることになりますが、そういう事業と在宅福祉サービスの強化を要請されておるところでございます。
 さらに、近年における人口の都市集中化、核家族化の進行等、児童を取り巻く生活環境の変化が激しく、次代を担う子供たちを心身ともに健全に育成するための保育所の保育予算の措置費の充実でありますとか、幼稚園、保育園の施設の充実強化でありますとか、そういうことがまだ大変欠けております。
 特に、国家保障として当然の義務でありますところの軍人、傷痍軍人等の援護の問題については、軍人恩給の改善、短期在職者の最低保障、扶助料の改善、加算減算率の撤廃、それから遺家族の公務扶助料の最低保障、これもまた大事であります。また、傷痍軍人の優遇措置につきましても、さらに処遇の充実を図るべきと考えます。
 以上のように、福祉につきましてはさらに充実すべき面がありますが、それがまた国民のコンセンサスでもあると考えます。昭和五十五年度予算編成に当たりまして、財政的観点からのみ福祉の切り捨て論が出現しておりますし、福祉、文教の「聖域にも大ナタ」というような新聞報道も出ております。こういうことに対しまして厚生大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#152
○国務大臣(野呂恭一君) お答え申し上げます。
 わが国の社会保障は、今日一応国際的に遜色のない水準に達しておるわけでございますが、御指摘のように、一方では急ぎ足にやってまいりました高齢化社会に、これはまだ経験もしない、しかも他に例を見ないものでございまして、この高齢化社会に対応する福祉行政をどう展開していくか、また一方、高齢化に伴います費用の負担の増大のもとで社会保障をどう進めていくか、これはまさにお話のとおり、国民の重大な関心事であると考えるわけでございます。したがって、国民的合意を得ながら制度の適正化、効率化を図っていく必要がございます。しかしながら、財政的見地のみが福祉の物差しであってはならないということは私も同感でございます。
 同時に、いろいろの面で御指摘がございましたが、老人とか、あるいは身体障害者など、社会的、経済的に恵まれない人々の福祉の確保はこれまたきわめて重要な課題でございまして、苦しい財政下とは言いながら、施策の重点化、効率化に工夫をこらしまして、これらの福祉行政が後退という形でなくて、より有効適切に進められることが私は大変大事であるのではないかと、かように判断をいたすわけでございます。福祉は後退は許されない。したがいまして、何とか工夫をしながら、適正に、そして国民の合意を得られるようなそういう福祉施策をより進めていかなければならないと、かように考えておる次第でございます。
#153
○田代由紀男君 次に、総理にお尋ねしますが、総理はわが国の社会保障はすでに先進国の水準に達しておると言っておられますし、今後は節度ある社会保障の施策が必要であるということを言っておられます。しかし、私が先ほども申し上げましたように、厚生大臣の答弁にもありましたように、まだ決して十分ではありません。たとえば養護老人ホームの医者の給料にしても二十三万円というような状態でありまして、在宅の病人の老人が二十九万九千人もおる、それから病院の老人が三十三万六千人もおる、こういうような老人に対しても言えることでありまして、むしろ多分に均衡を欠く面が多いわけであります。これからが内容の充実を図るべき大事なときと思いますが、総理の御所見をお伺いします。
#154
○国務大臣(大平正芳君) たびたび申し上げておりますように、わが国の社会保障の制度は、制度自体としては欧米諸国に遜色のないものになっておるものと承知いたしております。一方、わが国の高齢化が非常な速度で進行いたしておりますので、これが実現してまいりまする暁にはいまの給付水準だけでも相当大きな財政需要をもたらす、あるいは関係者の負担を来すということが予想されるわけでございます。したがって、この際、制度の合理化でございますとか、給付と負担のバランスでございますとか、そういった点につきましては、よほど慎重にこの段階から勉強して措置をしておかないといけないのではないかと、そういう問題意識を持っております。したがって、明年度の予算の編成に当たりましても、そういう考えを持って取り組んでいただいておることと存じております。これは要するに福祉問題を重視するがゆえに、そしてそれを現実に推進してまいる上におきましてそのようなことを考えておるわけでございまして、福祉についてこれをカットしていくというような考えを持ってやっておるわけでは決してございません。
#155
○田代由紀男君 なお総務長官からも恩給に対する答弁をいただきたかったのでありますが、もう時間がありませんので、これでやめます。
 ありがとうございました。
#156
○上田稔君 それでは次に、財政再建問題につきましてお伺いをいたしたいと思うのでございます。
 財政再建、これはもうどうしてもやっていただかなければいけないのでございますが、これに対していま第一に行政改革、第二は補助金の見直し、第三には優遇税制の見直し等を含む税制全般の見直しをやっていただいておるというふうにお聞きをいたしております。これは非常に大事なことでございますが、その中でひとつ一般消費税でございますけれども、都市部の住民、特に関西の商人は大変な関心を持っておるのであります。これを実施されると大変な事態が起こるんじゃないかということで非常に心配をいたしております。総理は代表質問の際におきまして、昭和五十五年度にはこれは実施しないと、こういうことを言明をしていただきました。それで非常にまあ安心をしておるのでございますが、しかし、それ以降の年度につきましては余りはっきりした明言がなかったのでございますけれども、一般の理解を十分に得ない限り実施をしない、こういうふうに理解をしてよろしいのでございましょうか。
#157
○国務大臣(竹下登君) 五十五年度の財政再建に当たっては、一般消費税が国民の皆様方にまだ完全に理解されていないという判断の上に立って、他の手法でもって再建に当たる、これは決定いたしておることであります。したがって、五十六年度以降はどうなるかと、こういうお話でございます。
 そこで、五十六年度以降、これからの大いに勉強をしなければならない課題でありますが、とにかく安定成長基調を維持していきましても、高度経済成長期のごとく大きな自然増収を期待するという状態にはなかろうと思う。そういたしますと、国民の皆さん方からのニーズの変化に応じて国政を運営していくに当たっての財政当局の果たす役割りとして、どうしても国民の理解と協力を得て、新しい国民の負担を得なければならないという結論に到達したといたしますならば、そこには当然増税という問題も避けて通るわけにはまいらないという結論になろうかと思うのであります。そのときに、国民の皆さん方に、あるいはこの国会を通じて理解を得るまず課題としては、さて直接税と間接税というものがいかなる比率においてあるべきが妥当であるか、あるいはまた所得税と消費税という対応した物の考え方もあります。さらには一般消費税と言われておる問題が、学説にも異論のあるところではございますが、これをいわゆる普通名詞としての税の学問上の言葉と理解した場合には、これを初めから否定してかかるべき課題ではない。そしてまた、いわゆる一般的消費税と個別的消費税としてこれをとらえた場合は、必ずしも普通名詞とは言えない。そういうようなことがございますので、やはり五十四年度の閣議決定によりまして、五十五年度導入を目指してもろもろの準備を行うという御答申に基づいて今日まで作業をしてきたものも、直接税、間接税と分ければ、当然間接税の分野に入るわけでございますが、ワン・オブ・ゼムとしてはその中に包含されるべきものである。したがって、いまどの税目でもって国民の理解と協力をいただくべき課題であるかとは言いがたい実情にある。さて、今度はその理解とはどうかということになりますと、これはおのずから議会制民主主義の国でございますから選挙というものも理解の大きな判断の基準にもなるだろう、あるいは国会構成のマジョリティーという問題もその基準になるだろう、そういうところでございますので、理解とはと、その理解というものの基準を、法的根拠を示せと言われるような問題でもない。そこに、総合的な国民との問答の中におのずからなる結論が出る努力をしていかなければならぬと、このように考えております。
#158
○上田稔君 五十六年度以降の問題でもございますが、この問題につきましては十分に一般国民の理解を得るということに御努力をいただきたい。理解が得られなければ実行をしていただかないというように、ひとつお願いを申し上げたいと存じます。
 それから次に、中小企業関係の政策税制についてでございますけれども、現在中小企業の倒産件数は、負債一千万円以上のものだけでも毎月千五百件以上を超えておるような状態でございますので、中小企業の安定、活力の維持、企業活力を高めるための政策税制というのが最も必要なのではなかろうかと思うのであります。この中小企業が非常に活力を失いますと、国民全体の収入増、税金の自然増ということも減ってくるというようなことも起こってまいりますので、この点についての御意見を伺いたいと思うのでございます。中小企業税制は決して不公平税制ではなくて、むしろ今後これを維持強化すべきものと思いますが、いかがでございましょうか。お願いをいたします。
#159
○国務大臣(竹下登君) いわゆる租税特別措置の整理合理化の動きの中で中小企業に対する優遇措置については不公平税制の範疇には入らないと考えるが、存続さすべきであると思うが、その答えやいかんと、こういうお尋ねであろうかと思うのであります。
 企業関係の租税特別措置につきましては、来年度税制改正におきまして抜本的な見直しを行って、その整理合理化を図っていくというのが基本的な方針であります。その整理合理化に当たりましては、現行制度を全面的に洗い直すという角度から検討をし、いま税制調査会等でも御議論をいただいておるさなかでございます。したがって、政策目的の意義が薄れたと考えられるもの、これはもちろん廃止するわけですが、その他の項目について率の縮減を図るということで現在各省庁との折衝を進めておる、こういう段階でございます。この場合、中小企業対策という見地もあろうかと考えますが、現行制度を全面的に洗い直すという角度から現在検討作業を進めておりますので、中小企業対策という言葉の中へ含まれて、それは聖域であり手をつけるべきところではない、例外である、こういう考え方は残念ながらとるわけにはまいらないと、このように思います。
#160
○上田稔君 十分に御検討中でございますので、いまの趣旨もお考えをいただいてお願いを申し上げたいと存じます。
 次に、またちょっと似たようなことになるんですが、マル優制度でございますが、サラリーマンの平均貯蓄はいま三百万円以下というふうに考えておりますが、国内の支出を増加するということが来年は必要だという――先ほどちょっと触れましたが、そういうようなことから申し上げても貯蓄を増加しなけりゃならないというのが来年の命題であると思うのであります。そういう意味におきましてマル優制度はひとつ残していただきたいというのが、これが私の考えでございます。物価高あるいは物価の値上がりでございますが、それが貯金の利率よりも上回るので、これがために目減りがするというようなことも言われておりますが、こういうようなことを考えますと、せめてマル優制度は残していただきたい。庶民の願いでございますので、この点もひとつお考えをいただきたいと存ずる次第でございます。
#161
○国務大臣(竹下登君) ただいまの問題は、一つは少額貯蓄非課税制度の問題であり、一つは金利政策の問題であります。
 少額貯蓄非課税制度というものがそれなりの社会的な意義を持っておって、これに対して、いま上田委員の御指摘のような意見があるということはもとより承知をいたしております。ただ、利子・配当所得が総合課税に移行した場合、マル優制度や郵便貯金の利子非課税制度が乱用されまして、そうして総合課税の実を上げることができなくなったとしたらこれは問題であります。マル優制度の中へ少額貯蓄という形でみんながのめり込んだといった場合には大変なことになるわけであります。したがって、これらの非課税貯蓄の管理体制についてはここで何か考えられなければならないというのが一つの、いまそれをも含めて検討を税制調査会等でしていただいておるさなかの問題であります。したがって、今後の税制調査会等の審議を踏まえてそれには対処していかなければならない課題であります。
 二番目の、いわゆる物価の上昇等が、消費者物価の上昇が定期預金金利等を超した場合における預金の目減りというものは、庶民生活の中にも、庶民感覚の中にも重大なる影響を与えるものであると、こういう御意見であります。それはそのとおりだと思うのであります。したがって、その問題につきましては、これからの推移を見なければ、たとえば前回の公定歩合の引き上げに当たりましても長期金利等が直ちにこれに連動していない、当面の間は据え置くという形でもっていま行っておる課題でございますので、預金金利の問題につきましては、まさに慎重に今後の物価動向等をも勘案の上で対処しなければならない問題である。
 以上をお答えといたします。
#162
○上田稔君 次に、国防についてお尋ねを申し上げます。
 最近の世界情勢でございますが、カンボジア問題、ベトナム・中国の関係、あるいはまた難民の問題、米国とイランの問題、それにわが国の上空には常に国籍不明機等が参りましてスクランブルが年間三百回以上というような状態にございますので、非常に国民の国防に対する意識が高まってきております。したがいまして、世論調査によりますと、自衛隊があった方がよいというのは八六%にまで達してまいりました。それから日米安保に対しても理解度がふえてまいりまして、六六%は理解を示しておるというような状態になっております。戦争を放棄しております日本におきましては、外敵に対する自衛あるいは擾乱に対する鎮圧というようなことは自衛隊に担当していただいておりまして、まだ不十分ではありますけれども種種向上を図っていただいております。しかしながら、国防にはそういう防衛と、もう一つ民防衛というのがあるのではなかろうかと思うのであります。特にその中におきまして、自衛隊のほかに、また自分の村を守る、町を守るというような、そういうことを考えなくちゃいけないんじゃないか。そういうようなことについては私申しませんが、原子爆弾というものに対する防衛、この原子爆弾を防衛するといいましても、原子爆弾に対する、何といいますか、国を守る、国土を守る、国土を守るよりもその国の国民を守る、命を守ると、こういう面においてのいろんな防衛が各国において行われておると思うのでございますが、防衛庁長官にお伺いいたしますが、諸外国の実情はどうでございましょうか。
#163
○国務大臣(久保田円次君) 民間防衛につきましては、国民の生命、財産を守る上におきまして非常に大切なことでございます。かような点からしまして、これは国民全体といたしまして、政府といたしまして大幅に考えていかなければならない。そういうふうな中に立ちまして、防衛庁といたしましては十分この民防に対しましては御協力申し上げたい、かように存ずる次第でございます。しかし、その細部にわたりましては政府委員をして答弁さしていただきます。
#164
○政府委員(原徹君) 外国の事情でございますが、私どもが得ている資料で申しますと、各国とも核に対する防護という見地で、一つはシェルターをつくったり、あるいは住民の疎開計画をつくったり、あるいはそのためのいろいろな訓練をいたしたり、それからいまの正しい知識の普及と、そういうようなことを各国ともやってございます。スイスとかオーストリーとかございますが、特にスイスは非常に数多くの、たしか四百数十万のシェルターをすでに持っておる。これは戦争中の防空ごうなども含んでおりますが、そういうことで各国とも非常に熱心にやっておるというふうに承知いたしております。
#165
○上田稔君 それで私は思うんでございますが、原子爆弾というのはもう広島型の三百倍ぐらいにいま大きくなっておるということをお聞きをいたしております。日本は戦争を放棄しておりますから日本には原爆は落ちないんだと、こういう安心感を皆持っておられるんじゃなかろうかと思いますが、もし日本に落ちることがなくて隣国に落ちたといたしましても、死の灰は日本を避けて通るということは私はないと思うのであります。あの黄塵の時期におきまして、黄塵が中国において発生をいたしますとその害は日本に及んできておるのであります。太陽が少し色が変わってしまうような状態になってしまう。家の中にもその黄塵がたまっておるのがはっきりわかるというような状態であります。したがいまして、死の灰というものは私は日本にも降る可能性が非常に大きいと思うのであります。これに対して思いをいたして、その防衛ということを考えなければいけないのではなかろうか。諸外国はもう全部その準備をしております。日本だけがもしそういうことをやらなかったら――ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、なるほど原子爆弾はやめていただかなくちゃいけない、使ってもらっては困る、そういうことは全世界に運動として起こしていただく。非常に結構だと思いますけれども、被爆国である日本、日本人は被爆したのです。そういう被爆するということがないように、その被害を除くような施設というものは、これは私は絶対に考えるべきである。それを考えるのは、やはり私は政府も責任があると思うのであります。これに対して総理大臣、お考えをひとつお伺いしたいと思うんでございますが。
#166
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘の民間防衛でございますが、先ほど防衛庁長官もお答え申し上げましたように、国民の生命、財産に直接結びつく重要な問題でございまして、政府全体として慎重に考えてまいらなければならぬわけでございます。日本の危機管理体制はあらゆる面でまだきわめて不十分でございまして、地震対策その他につきまして、いまようやく初歩的な準備が行われておる段階でございまして、広く、民間防衛という問題につきましては政府全体として慎重に検討して、取り組んでいかなければならぬ問題と考えておりますが、まだ具体的な手だてで取り組んでおるわけではございませんで、今後の検討の課題としておるわけでございます。
#167
○上田稔君 ただいま総理のお考え、これは非常に重要なことであるということでございますが、現在では担当の省もないような状態で、防衛庁が片手間に外国の本をお読みになって知識を得ておられるという程度、大変失礼でございますが、そうじゃないかと思うのであります。したがいまして、そういうことではやっぱりいけないので早く研究をしていただきたい。どういう施設をつくればいいのか。たとえば死の灰だけなら、いまある鉄筋コンクリートのビルディングの周辺にこういったようなものをつくればビルディングの二階ぐらいまでの間に避難をしてもらったらいいんだ、それにもう一つ換気施設をつくったり浄化のいろんなものをつけたりすればいいんだ、そういったようなことすら考えられるんじゃなかろうかと思うのですが、そういう研究がないためにどうしたらいいのかわからない。いまのところは何もしないで日本人は文化文化と言って騒いでおるというのではなかろうか。こういうことでは冬を迎えるキリギリスみたいなもので、そのときになったらしおれて死んでしまう、日本人種は全滅をするということになろうとも限らないのであります。したがいまして、これについては、どうぞひとつ十分の御検討をいただきたいとお願いを申し上げます。
 次に、外交でございますが、いまイランとアメリカの間につきまして非常な心配の状況が起こっておりますが、こういう非常な重要な地点に対しましては外務省の方におきましても非常に外交に力を入れていただいておりますが、私はちょっと目を変えてほかの方面をひとつ外務省に喚起いたしたいと思うのであります。
 と申しますのは、太平洋諸島の国々でございます。これは最近になりまして、太平洋の諸島国と申していいんでございましょうが、どんどんと独立をいたしております。人口は、なるほどソ連やアメリカや中国や、そういったような国々とは違って小国でございます。しかしながら、本当は日本もこの太平洋諸島国の一つであると言ってもいいのではなかろうかと思うのでございますが、そういう近親の国々でございます。そしてまた日本の国に対して非常に近親感を持っております。日本を非常に尊敬をしていただいていると言ってもいいほどの国々であります。そういう国々に対して、その国々の方々は、一つの委員会と申しますか、協議会といいますか、そういうようなものをおつくりになって、お互いに団結をしながらどういうふうにしていったらこれから伸びていけるだろうか、こういったようなことを共通にやろうかというような御相談もしておられるとお聞きをいたしております。こういうことに対して、外務省ではどうも太平洋諸島の国々に対して二つの局に分けていろいろお考えを出しておられる、対策をお立てになっておられると思えるのであります。したがいまして、二つの局に分かれておりますから、何か間にはさまった、何かこう日が当たらないような政策になっておるのじゃなかろうかと心配をいたしております。そういう国々に行ってみますと、ほとんど外務省の方々のお姿は見ない。グアムではお目にかかりますけれども、そのほかへ行きますと、ほとんどお目にかかれない、もうだれもおられないというのが実態であります。しかしながら、日本人がそれじゃ行っていないのかといいますと、日本人は大変そういう国々にもお回りになっておられます。そうして、いろんな形で御活躍もいただいております。経済的にもお働きをいただいております。そういうことに対してどうも外務省の対応がこれは少し鈍いと言うと失礼ですが、というような感じがするのであります。こういうものに対するお考えをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#168
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの御質問でございますが、確かに太平洋諸島は二つの局に分かれておりまして、一つが欧亜局、一つがアメリカ局でございますが、これには歴史的な背景もございまして、その太平洋諸島が独立するもとになりました国々の関係が残っておるように思います。しかし、いずれにしても太平洋地域はわが国に非常に近く、いろいろな歴史的な関係あるいは将来の関係もございますので、だんだんとこの太平洋諸国の独立に伴いまして私どもの方、日本側としましても関係を深めていく努力をしております。いまのところは、外交関係がございますのはパプア・ニューギニア――キリバスという新しい地域を除きましてパプア・ニューギニア、フィジー、ナウル、トンガ、西サモア、トゥヴァル、ソロモン諸島、これにそれぞれ外交関係がございまして、大使館としてはニューギニアとフィジーに設置しております。この点、将来情勢のさらに一層の変化、独立等による政治的な地位の変更が生じました場合には所掌体制についても再検討を加えてみたいと考えておるわけでございます。
#169
○上田稔君 いまのお話で、これからだんだんと強化していくということでございますけれども、グアムに行きましても非常に出先の人数も少ないし、そうして関係の島、島嶼が非常に広範囲にばらついておりますので、ほとんど目が届いておらないんじゃなかろうかと心配をいたしております。特に最近は、不良日本人と言っていいのでございましょう。非常に、日本人の中にこういう方があってはいけないんですが、そういうような島民の方々をだまして、そうして利益を得ていくというような方がふえてきておるように思うのであります。先日もポナペ島に参りましたが、ポナペ島の在留邦人の方が、不良日本人がおるので、あの方はどうも私らの目から見ていま困るんだが、あなたたち変な約束をしないでくれというようなお話が出たりしておりました。そうしたら果たせるかな、この一カ月ぐらい前でございましたか、不良日本人が退去を命ぜられたということが日本の新聞に出ましたが、そういったような不良日本人というものがどんどんふえてくるんではなかろうか。こういう者に対して外務省はひとつ十分の取り締まりというか注意を、対策を立てていただきたいと思うのですが、いかがでございましょう。
#170
○国務大臣(大来佐武郎君) 私どもの方も、読売新聞に出たポナペ島のケースがございますが、現地の総領事館を通じて調査してまいったわけでございますが、外国にある在留邦人につきましては、その国の主権のもとに居住しておりますので、これに対してわが方の在外公館が直接取り締まりをいたすわけにはいかないのでございますけれども、その在外の邦人が悪質な行為を行いますことは外交関係にもいろいろ響いてまいりますので、外務省といたしましても、関連情報の提供等、可能な範囲で先方に協力することにいたしております。なお、今後目に余るような事例が発生する場合には、関係の国内省庁等を通じまして関係方面への指導、啓発を考えるということにいたしたいと思います。
#171
○上田稔君 南方のこの島々は非常に親日的でありますし、そういう不良日本人が出没をいたしますと親日的という考え方が変わってくるおそれがある、早く手を打っていただかなければいけないのではなかろうかと思うのでありますが、いろいろ外国との問題があろうかと思います。しかし、その点をひとつ外務省に踏み切っていただいて、そういうことの対策をお進めをいただきたいと思うのであります。
 次に、文教関係についてお伺いをいたしたいと存じます。
 第一は、四十五人学級を四十人学級にするということについてでございますが、これに対して、昭和五十五年度は予算が大変苦しいと思うのでございますが、教育は将来国を背負う子供を育てる大事な問題でありますので、方針を貫いておやりをいただくように、主張していただくようにお願いをしたいと思うのであります。
 教育を徹底するためには、少数の小学級であればあるほど先生の考え方というものは児童あるいは生徒に徹底をするものであります。したがいまして、そういうことは一つ頭に入れていただいて……。
 もう一つは質の問題でございまして、これは義務教育でございますので、その先生にはどうしてもかからなければいけない、教えてもらわなければいけないということでありまして、悪い先生ならやめたというわけには子供はいかないのであります。したがいまして、この質の向上ということもひとつ十分にお図りをいただきたいと思うのですが、そういうことに対する文部大臣のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
#172
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。
 四十人学級定員標準の問題は、現在の四十五人の学級問題等と連関を持ちました、経緯を持った問題でございます。また、御承知のとおり、教育は長い目で見なければならない国家の一番大切な問題点であろうと思います。こういうことを踏んまえまして来年度のこの問題に対する対処を十分、予算の時期になっておりますので、財政当局と篤と協議をして道を開いてまいりたい、かように考えております。単にそれだけではなく、教員の質の向上、質のよい教員を養成し、また、お互いの再教育を考えていく、これは非常に大切な問題でございますので努力をしてまいりたい、かように考えております。
#173
○上田稔君 義務教育におきます教科書の無料配付をやっていただいておるのですが、それに対して貸与にしたらどうかというような御意見も出ておるようにお聞きをいたします。こういうことにつきましてはひとつ十分によく御検討をいただいて、そして義務教育でございますので、教科書はなるべく貧乏な方には配付をするというような考え方のもとにおやりをいただきたいと思うのでございます。
 さて、次に英才教育についてちょっとお聞きをいたしたいと思うのでございます。
 これはちょっと総理の御意見もお伺いしたいと思うんですが、実は日本が最近オリンピックで非常に成績が上がらない、陸上日本、水上日本と言って昔は非常に成績が上がったのに、このごろはえらい上がらないということでございます。この上がらない理由というのは、諸外国の方々は非常に英才教育を施しておられるからだと、こういうことが言われておるのでありますが、この体育の面、体育といいますか、運動の面におきましてもし劣っておりましても、日本人の生活が落ちるということもありませんし、民族が滅びるというようなことにまでつながらないと思うのでございますけれども、事科学技術ということになってまいりますと、そうは言っておれないのが私は実態ではなかろうかと思うのであります。なるほど教育は、平準化といいますか、なるべく全部のレベルを上げて、そして平等にずっと全体を上げていく、日本の教育の方針というものは大体そういうような方針でいままでずうっと進んできたのでありますけれども、私は、ここでひとつ考えなくちゃいけないのは、科学技術というものがいま出てきた。これに対して、日本人はいまここに思いをいたさないと、日本人種、貿易日本だというようなことは言っておりますけれども、その貿易が成り立たないようになってくるような時代も来るのではなかろうか。いろんな工業製品というもの、これが諸外国に劣るようなものになってしまうのじゃなかろうか。いまでも、たとえば宇宙船を宇宙に打ち上げる場合におきまして、大きなものになりますと、これは日本人の知恵では、知識では打ち上げられない。つまりブラックボックスであるというようなことが言われております。それからまた原子力発電、この場合におきましても、やはり日本人の科学の知識ではちょっと解すことができないようなものがたくさんあるということをお聞きをいたしております。そのほか、これから将来はいろいろそういうものにおいて日本人がわからないというようなものができてくるのではなかろうか。それがためには、全部を英才教育にしろと言うのではないんです。ほんのそういうことに対する優秀な頭脳を持っておる者を、大変その方には気の毒ですけれども、英才教育を施して、そうして日本の科学技術というものを伸ばしていただかなければいけないのではなかろうかと思うのでありますが、それに対するお考えをお聞かせをいただきたいと存じます。
#174
○国務大臣(谷垣專一君) 総理に対する御質問もあったようでありますが、文部関係の問題でございますので、私からお答えをさしていただきます。
 オリンピックの問題から科学技術その他の英才教育の問題を御指摘になりました。英才教育の問題は、教育の場におきましては全く古くしてしかも新しい重要な問題だと思っております。それぞれの能力に応じてひとしく教育を受ける権利があると考えておりまして、文部省の方といたしましては、最近の教育課程の基準の改善を図りました中におきましても、それぞれの成熟度に応じた教育のできるような、そういう改善、指導をいたしたいと考えておるわけであります。
 これは二つ問題があると思います。一つは、理解が不十分である、おくれたと言うと表現が悪いわけでありますが、そういう方々に対して納得のできる教育をする部門、それと能力のすぐれた方方に対してどうした教育をするか、二つ問題があると思います。しかし、いま御指摘の英才教育はもっと高度のもののような御指摘のようでございますが、これはいろいろと問題がございますしいたしまして、まだ結論に到達しておるわけではございません。ただ、教育の水準、科学技術等の基本的な教育を伸ばしていく必要があることは当然でございまして、これに対しましては努力をいたしたいと考えております。
 オリンピックの問題は少し様子が違いますけれども、しかし、やはりこういう問題につきましても幅の広い、わが国民の、何と申しますか、体力の増強、スポーツ教育の非常な普遍化、そういうものの上に国際競技におきまして能力の発揮できるような、国際間の技術の交流その他に対しましても助成等を行ってやってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#175
○上田稔君 私は、一般教育に対する方針について文句を言っておるわけではありませんので、そういうニーズからどうしてもそういったようなことを考えていかなければいけないのではなかろうか。諸外国の実例を見ましても、たとえばソ連においても中国においても、共産圏は特にそうでございますけれども、そういう英才教育を施しております。それからまた、欧州の諸国におきましてもそういったような英才教育的な考え方で教育をやっておるというのが実態であります。アメリカにおいては、英才を世界から集めるのにお金、給料を出して集めておられるから、そういうことについては必要がないと言えばそうかもしれませんが、私は、将来においては必ずそういうことが必要になると思いますので、こういう点に関してひとつ総理もお考えをいただいて、そして日本の国の将来を誤らないようにお願いを申し上げたいと存じます。
#176
○国務大臣(大平正芳君) 教育全体の機会を豊富にすること、それから全体の水準を上げることは、究極において上田さんの言われるような英才を養う基盤を造成することにつながるのではないかと思います。さらに研究の自由な雰囲気を保障すること、それから頭脳が海外に流出のやむなきに至るようなことのないように、安んじてわが国で研究に従事できるような環境を整備していくことも大事かと思うのでございまして、英才教育の周辺の環境条件を整備すること、そういうことがまず大事なのではないかと私は思います。
 英才教育自体についてどのようにポリシーを考えていくかという問題は、その次の問題として文部当局等において御検討いただかなければならぬ問題だと思っております。
#177
○上田稔君 どうもありがとうございます。いろいろ英才教育については問題がありますし、御検討をいただきたいと思う次第でございます。
 次に、先ほど日銀総裁の関係でちょっと後になってしまいましたが、行政における綱紀の粛正についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
 最近の政府部内及び政府関係機関の一部におきまして不正不当経理という事件が頻発をいたしております。総理はこれに対しまして綱紀粛正を図るためにいろんな対策をお立てをいただいておると思うのでございますが、その中におきまして、いろいろ御注意を各関係のところにお出しをいただいたり、責任者処罰をしていただいたり、それからまた、予算の再点検を図っていただいたりしておるということが新聞に出ておりますが、そのとおりでございましょうか。
#178
○国務大臣(大平正芳君) 綱紀粛正の一番もとは、御指摘にもございますように、内閣、とりわけ私を初め閣僚が一番の責任があると思うのでございます。したがって、閣僚を中心といたしまして、まず厳正な綱紀の維持に当たらなければならぬと存じます。したがって、新内閣の発足に当たりまして、綱紀粛正上心得なければならぬ具体的な指示を各閣僚にいたしまして、各省庁におきましてそれを受けて、綱紀粛正の実の上がる具体的な方法について厳重な申し合わせができ上がったわけでございまして、まず、その忠実な実行を保障してまいりたいと考えております。
 第二には、不祥事件ないし不正経理があらわになりました政府並びに政府機関に対しまして、その実態を究明いたしまして、責任ある者に対しましては厳正な処分をしなければならぬと思っております。
 それからまた、その実態の究明を通じて承知いたしましたことを踏まえて、どのように改善措置を講ずるかということがわれわれの次の課題になってくるわけでございます。したがって、予算の適正な計上、それからその適正な執行、それから勤務時間――出張でございますとか、あるいは超勤等の管理を厳重にしていかなければならぬと思います。また、そういう管理をする場合に、余り長く同一の人がやっておりますと、なれ合いになるおそれもありますので、人事の配置という点もそういう観点から考えていかなければならぬと存じておるわけでございまして、そういったことにつきましては各省庁で真剣に検討を急いでおりますし、具体的な案件について処理を急いでおるところでございます。
#179
○上田稔君 いま総理からお話がございまして、実態調査をやらしておると、また、いろいろな防止策についてお話をいただきました。ぜひともこの綱紀粛正をお図りをいただきたいと存ずるのでございます。
 そこで、その不正なる経理、こういうものについては徹底的に調査をしていただいて、そしてその不正をあばいていただいて、そしてそういうことが起こらないようにしていただく、これはもう当然のことであり、処罰もしていただかなければいけないと存じます。しかし、もう一つ不当なる経理というのがあるのではなかろうかと思うのであります。それはどういうことかと申しますと、まあ超勤が不足であって、どうしても超勤費用がもうこれでない。しかし、仕事を夜やらさなくちゃいけない、飯も食わずにやってもらっている、大変気の毒だから握り飯を出そうかというのだけれども、その正当な金がない。そういうようなことから、カラ出張というようなことでそういうものを持っていくというようなこともあったと聞いておりますし、また、組合交渉が行われておりますが、組合交渉に押されてそして約束をした、さあそれを出すところがない、どうにもしようがないからカラ出張で、あるいはカラ超勤でひとつ出そうかというようなこともあったというようなことをお聞きをいたしております。そういうようなものについてはこれは不当経理ということになるのか、また一律に渡すということがそれはまたおかしいのじゃないかというような説も出てまいりますけれども、そういうようなことについては、私は、予算経理の面においてやはりカバーをしてあげないとこれは動きがとれなくなってしまうのではなかろうかと思いますので、こういう点につきましては、御検討の際におきまして十分に思いをいたしておやりをいただきたいと存ずる次第でございます。
 次に、繊維の問題についてお伺いをいたしたいと思うのでございますが、繊維関係というのは非常に最近明るさを増してきたというふうに言われておりますが、その繊維対策と来年の見通しはいかがでございましょうか。通産大臣にお願いを申し上げます。
#180
○国務大臣(佐々木義武君) 繊維は、御承知のように、長い間不況に見舞われておりまして、政府といたしましても、金融面あるいは不況カルテル、あるいは過剰設備の整理等、各種の対策を講じました。こうした対策とか、あるいは内需の増加等が一緒になりまして、現在では生産、出荷ともお話しのように比較的順調に推移してございます。しかし、この順調な推移がそのまま続くであろうかという点に関しましては、先ほど来もお話がございました世界的なエネルギー情勢の問題とか、あるいは発展途上国からの追い上げの問題とか、内外の情勢が必ずしも楽観を許さぬ状況でございます。したがいまして、政府といたしましても、長中期の長い観点から引き続いて対策が必要だと思いまして、一つは繊維工業構造改善臨時措置法に基づく構造改善の推進とか、あるいはアパレル産業の振興とかいったようなものを進めるということ、もう一つは産地中小企業対策臨時措置法を基礎にいたしまして、繊維産地の振興対策を進めるといったようなものを中心にいたしまして今後とも進めてまいりたいと存じます。
#181
○上田稔君 繊維対策につきましては大筋においては非常におやりをいただいておるのでありますけれども、細部に至りましてはいろいろまたお願いをして直していただかなくちゃいけない点も多多あるのでございます。また、そういう点にも思いをいたしていただきまして、非常に不況になっておりました繊維でございますが、お願いを申し上げたいと存じます。
 次に、農水問題についてお伺いをいたしたいと思うのですが、特に最近の日本近海におきます外国の漁船とのトラブルが非常に起こってきております。これは、私は京都でございますので、京都の近くのことを申して大変失礼でございますけれども、京都、兵庫、福井、こういったようなところの近海にこのごろは韓国漁船がおいでになられまして、大きなトロール船を持ってまいりまして底からお魚を全部さらっていかれる。特に越前ガニというのは――委員長もそうでございますけれども、非常においしいカ二でございますが、そのカニの小さいやつが成長する場所、深さ三百五十メートルから五百メートルぐらいの間だということが言われておりますが、その地帯に大きなトロール船がお座りになっておりまして、そうしてどんどこどんどこさらっていかれるものですから、将来越前ガニはなくなるんじゃないかと、福井なんというのはもうこれからカニを食いに行けないと、こういうことになろうかと思うのであります。こういうことを考えますと、これはどうしても対策を早く立ててもらわなくちゃいけないということでわいわい言っておりますのですが、こういうことに対する対策はどういうふうにお考えになっておるかにつきまして、まず農水大臣さんにお伺いをいたします。
#182
○国務大臣(武藤嘉文君) いま御指摘のとおりでございまして、韓国漁船のトロール船が、いまお話しの京都、福井沖あるいは山陰沖、あるいは北海道沖に来て、底から全部根こそぎ持っていくというような形でやられておりまして、大変私ども遺憾に存じております。特に福井、京都の沖合いなどでは、漁業禁止期間においても、日本の漁民は全く禁止されてやっていないときに韓国の漁船が来てやる。あるいは北海道におきましてはトロール船による漁業を禁止をしておる地域に対して入り込んできてやるというようなことで、最近トラブルが起きておるわけでございます。私ども、たとえば日韓の間の漁業協議におきましてもいろいろこの問題については反省を求めておりますし、あるいはまた大使館を通じて反省を求めております。最近少し北海道につきましては多少前向きの姿勢を韓国側からも示してきておりますけれども、まだ不十分でございますので、なお一層反省を求め、何とかひとつ理解ある方向に私ども努力をいたしておるわけでございます。
#183
○上田稔君 非常にお若くて張り切りの農水大臣さんでございますので、どうぞひとつ韓国に対しましても、そういう理不尽なことは、ちょっと――まあ、育つまでに取っていってしまうというのは、これは困りますので、十分に御注意をいただいて、韓国との間は十二海里ということになっておりますけれども、百海里ぐらいまでは入っていただかないようにしてもらわないと――そんな日本で禁止している百トン以上のトロール船がのこのこお座りになるというのは、これは困りますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 次に、お米がこのごろ余って困る、消費をされないということから、非常に余って倉庫にあふれておるということでございますので、農水省としては、全体の食糧の状態というものを考えて、総合農政ということをお考えになっておるということをお聞きをいたしております。その総合農政について、その方針はどういうふうにお考えになっておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#184
○国務大臣(武藤嘉文君) 農業というものは、どこの国にとりましても、またいかなる時代においても、国民に安定して食糧を供給していくという意味においては大変大きな役割りを持っておるわけでございます。しかしながら、残念ながら、日本の農業の現状におきましては、いま御指摘のとおり、お米が大変余ってきておりまして、六百五十万トンというような大きな在庫を抱えておるわけでございます。しかし、一方、麦とか大豆という点からまいりますと、まだまだ自給率は大変低いわけでございまして、その九割以上を輸入に依存しなきゃならないという現状でございます。
 そういう点を考えますと、これからやはり需要に見合った、需要に即応したような形で農業の生産が行われることが望ましいわけでございまして、それが一つの観点と、また同時に、そういう面がなぜ起きたかと言いますと、やはりコスト的な面で国際価格との間において非常に違うということもあったのではなかろうかと私は思います。そういう面からいけば、経営規模の拡大を図っていくということも大変大切なことであろうと思いますし、あるいはまた、農業人口がやはり定着をしていただくということが大変必要ではなかろうか。そういう面において地域、特に農村地域の定着を示すための環境整備というような形、これらのものを総合的に政策を進めていくというのが私は今後の総合農政の考え方だと思います。そういうこととあわせ、より自給率を高めるという意味において、いま昭和六十五年度を目標としたいろいろの作物の自給率をどのくらいにするのか、生産をどのくらいにするのかということで、その見通し、長期の需給見通しについて農政審議会にもいろいろと御協議を願っておるわけでございまして、そういうものをできるだけ早い機会に――来年春を目指しておりますが、できるだけ早い機会にひとつつくり出していきたいと考えておるわけでございます。
#185
○上田稔君 この問題につきまして、次に私の同僚の田代議員が関連質問をしたいということでございますので、お許しのほどをお願いいたします。
#186
○委員長(山内一郎君) 関連質疑を許します。田代由紀男君。
#187
○田代由紀男君 総合農政に関連してひとつ質問をいたします。
 総理にまずお聞きいたします。総理は所信表明で「とりわけ」「三K問題を初め、既存の制度・慣行の見直しを行う」と言っておられます。また、一日の代表質問に対しまして、食糧の安定供給と地域の発展に重要な役割りを持っておる農業の将来を展望するための行政の見直しを行うと言っておられます。また、今後農業の明るい展望を開くためにも、需要に即した転換、すなわち生産調整はやむを得ない措置であると言っておられます。一方において、農業団体、農民も、米の水田利用再編対策については需給バランスをとる上からも必要な措置としており、避けて通れない問題と考えておるところであります。したがって、初年度三十九万一千ヘクタールの割り当てに対しまして、五十四年度は約一二一%の目的達成の見込みでありますが、そこまで一努力してまいりまして、その上、国家的見地から考えまして、食糧需給対策、ただいまの総合農政の上から考えまして、麦、大豆、飼料等に重点を置いて転換に血のにじむ努力をしてきたところであります。しかるに、この方針は、三カ年間を堅持すると言いながら、突然五十三万五千ヘクタールという割り当てをされまして、農民感情は全くこれになじまないというような、言うならば逆なでされたような気持ちがいたしておるわけでありまして、これでは、総理の言われる豊かでゆとりのある活力に満ちた農村を建設するためにわれわれは努力をしておりますが、多分にそれが失墜するおそれもありますのですが、総理は農業に対する行政の見直しをいかにしようとしておられるのか、また農業の基本的なあり方をどのように考えておられるのか、この点総理の御所見をお伺いしたいと思います。
#188
○国務大臣(大平正芳君) 食糧の総合的な自給力を高めてまいる、しかもそれを中核農家を中心といたしましてその生産性の向上を通じてやってまいろうということ、さらに農村がわが国社会の安定を支える基盤になる力でございまして、自然を守り社会を守り民族の苗代としての役割りを担っていただかなけりゃならぬというようなこと、そういうことはすべてわが国の農政が追求し、保障しなけりゃならない基本的な考え方だと私も思っております。
 ただ、当面、田代さんが御指摘になりましたような生産調整の計画を改定しなければならぬこと、大変残念でございますけれども、これは政府のそうした基本的な考え方とことさらに逆行するように仕組んだものでは決してないのでございまして、米の消費の拡大を通じて需給の均衡を保とうといたしましたことがなかなか思うに任せない事情にありますることを国民の多くの方も御理解をいただいておることと思うのでございます。ただ、米の生産性自体の向上も予想より高い水準を記録いたしましたこと、これも隠れもない事実でございまして、したがって、米の需給のアンバランスというものが思わざる不均衡を招いてまいったわけでございまして、こういうことは残念なことでございますけれども、精いっぱいやりました結果が依然としてそういう状態を招来いたしました以上は、それに対応して何らかの緊急な措置を講じなけりゃならぬこともまた政治の責任だろうと思うのでございまして、各界の御理解、各団体の御理解もいただきながら、この生産調整をもう一段進めさしていただくということをお願いせねばならぬような状況になったことでございますので、その点につきましては、ひとつ御理解をいただいて農業政策の基本を保持するためにも御協力を願いたいものだと思っておるわけでございまして、われわれといたしましても精力的に御懇談申し上げて一層の御理解に至りたいものと念願しております。
#189
○田代由紀男君 いまの総理のおっしゃることはよくわかりますが、総理は八〇年代は文化の時代であり、地方の時代であると言っておられます。農民は地方の時代の一つの大きい担い手であります。それゆえに農民がやっぱり安心して意欲を持って、活力に満ちた生産ができるように、今後地域農業の振興、環境整備のために御努力をいただきたいと思っております。
 次に、これに関連して消費等の拡大もまた大事でありますが、文部大臣にお聞きしますが、消費の拡大で、いま週二回学校給食をやっておるわけでありますが、それでも二万三千八百二十校、七八・三%の達成率であります。これはもっと徹底してやりまして、学童の時代から給食になれる、米飯になれるというような方向に向かって一層の努力をいただきたいものだと思いますが、文部大臣の所見をお伺いします。
#190
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。
 学校給食に米飯を入れるということは、御存じのとおり、五十一年度から五カ年計画で週二回を達成しようとしていま努力中でございます。少なくとも米飯を給食しております学校数はいま御指摘のとおりでありますが、さて週二回を達成しておる率になりますと、まだ十分にいっておりません。四四%ぐらいのところまでしかいっていないというのが現状でございます。まず、この計画を達成すること、それから地域的にはずいぶん週三回、四回とやっておる地域もございまするが、大都市においてはなかなかその普及が十分にいっていない現状でございますので、これは農林当局とも十分御相談をしながら進めてまいりたいと考えております。わが国の食生活、また食糧生産の現状から見まして、米飯を学校給食に採用し、できるだけそれをふやしていくことはごく自然な状況であろうと考えておりますので、今後ともに努力をさしていただきたい、かように考えております。
#191
○田代由紀男君 次に農林水産大臣にお伺いします。農林水産大臣がさっき総合農政は需給バランスをとる上からも非常に困難であるということを言っておられます。需給バランスの不均衡は単に米のみではなくて、牛乳、野菜、そしてただいま今日の問題としてミカン、豚肉等の問題があります。これは価格の暴落を招き、生産者は全く不安な状態にあるわけであります。ミカンで言いますと、十月以来の異常高温、異常多雨といった異常気象によって生果価格の暴落を招いたためにジュース原料が集中してまいりまして、昨年は五十五万トンであったのがことしは八十万トンになっております。大体七十五万トンぐらいが工場の能力のいっぱい限度でありますから、限度いっぱいを超すような状態であります。そこで、ミカンジュースの原料価格安定対象数量というものは、基準によりまして決められておるものは四十二万八千トンでありまして、この四十二万八千トンを八十万トンに近い数量までに早く達成してもらう、これが一つの問題点であります。それからオレンジジュースの割り当ての輸入の漸増と相まって、ミカンジュースの調整保管、これが問題になっております。いま七千五百トンの割り当てで二億でありますが、あとまだ七千五百トンで三億、合計六億の計画になっておりますが、六億ではとうていこれは追いつける問題ではありません。そこで、思い切ってこれを大幅に拡大していただきたいということをミカンジュースではお願いしたいと思います。
 また、豚価について一緒に質問しますが、豚価については、異常な安値に達しておりますが、輸入も九月現在ですでに昨年の一年分の十万トンを超えまして、また、一一二%の大きな供給の伸びに対して消費はわずかに一〇二%の伸びしかありません。そこで、生産者団体による自主調整保管もようやく始まっておりますが、十三万頭に達しております。まだ畜安法の発動が始まっておりません。これはまことに時期を失しておりまして、農民の不安と焦燥の念を深めておるような状態であります。そこで、すなわち農民が安心して意欲的に生産に取り組むことができるように長期、中期の需給見通しを立てるべきであると思っております。特にミカン、豚価に対しましては、当面の生産、流通、価格政策につきましての見通し、対策並びに長期の見通し、これについて農林水産大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#192
○国務大臣(武藤嘉文君) ミカンと豚価につきまして御指摘がございまして、私どもも農民の皆様方に対してこのような状態にあることに対しては大変遺憾に存じております。
 ミカンについては、いろいろいま御指摘がございましたけれども、どうもジュース原料価格安定措置対象の数でございますが、これはすでに契約は終わってしまっておるものでございまして、今年度においてこれを見直すということは大変むずかしいようでございます。来年度につきましては、ひとつ思い切った数量の増加ができるようにいま概算要求の中にも入れてあるようでございますので、今後財政当局と折衝した上で何とか努力をしていきたいと考えております。
 また、それ以外におきまして果汁の調整保管につきましては、ぜひ先生にもお力をいただきまして、いま農業団体といろいろ折衝しているようでございますので、より多くの調整保管が円滑にいくように御協力を願えれば、私どももまた協力させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、豚につきましては、先生御承知のとおり、最近は少し値が上がりつつあるわけでございまして、これは自主的な調整保管をやっていただいたおかげだと思っております。また、今後計画生産もおやりをいただけるということを承っておりまして、大変感謝をいたしておりますが、もちろん、そういう業者の自主的な方法だけであって、私どもが手をこまねいておっていいというものではないことはよく承知をいたしておりますが、しかし、とりあえずやはりできる限り業界においてひとつ御努力をいただき、また農民の御協力もいただいた上で、それで六百一円の安定基準価格まで達すれば非常にいいと思いますが、そういうことをやっていただいた上で、どうしてもまだそれでもいけないという場合には、私ども、いま御指摘のように、法律に基づくものも考えざるを得ないんではないかと思っておりますが、いずれにいたしましても、いまのところはもう少し様子を見させていただきたいというのが現状でございます。
#193
○田代由紀男君 ジュースとそれから買い上げの数量、これにつきましては裏年、表年のコンビでありますので、一応わかりますが、われわれ団体としては、これは隔年ごとに毎年やっていただきたいという要望があります。
 それから、豚価に対しましても、どうして畜安法を発動しないのであろうかという生産者の不安と焦燥があります。そういうところをお考えいただきまして、農民感情に即する対策をやっていただきたいと思います。
 さらにミカンについては、温州ミカンの転換促進のために優良晩柑類が必要でありまして、すなわちリンゴを救ったふじ、ナシの三水のような品種が強く望まれております。この優良晩柑の育成のための組織、人員、予算等の充実を早急に図るべきと考えますが、農林水産大臣の所信といいますか、決意をお伺いします。
#194
○国務大臣(武藤嘉文君) 晩柑につきましては、いまの温州ミカンと違いまして、まだまだ消費がいいようでございますので、いま御指摘のような点については思い切って前向きで取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。
#195
○田代由紀男君 それでは晩柑についての生産数量の限界ですが、いま六十万トン前後です。それが九十万トンが適当であるか、百万トンが適当であるか、百二十万トンが適当であるかというような数字を早く把握されまして、これが温州ミカンと同じような過剰な状態にならぬようにあらかじめ御指導をいただきたいと要望をしておきます。要望です、お願いします。
 それから次に、土地改良事業でありますが、従来の土地改良事業は、私も土地改良団体にもう三十四、五年おりまして、ずっとやってきておりますが、米作を中心とした水田利用再編土地改良事業でありまして、水田利用再編時代に入ってからの土地改良事業はそれ並みに対応はしておりますが、意識のはっきりした転換が行われていない。そこに一つの問題点があると思いますので、それを明確にすべきではないかと思いますが、大臣の所見いかがでありますか。大臣は土地改良の専門家でありますから、ひとつお答えを願います。
#196
○国務大臣(武藤嘉文君) お答えをいたします。
 私は、土地基盤の整備というものは、やはり今後ともより一層強めていかなければいけないんじゃないかと、将来のやはりコストその他の面を考えて、より生産性の高い農業に持っていくためには必要であると考えております。
 ただ、いま御指摘のように、従来はどちらかというと水田を主として考えた土地改良ではなかったかということでございますが、これも先生御承知のとおりで、この水田利用再編対策を進めまして以来、いろいろと排水対策事業につきましては、従来の灌排事業とはかわって、より補助率においても、あるいは採択基準においても取り組んでいただきやすい形で特別の事業を考えておるわけでございまして、これはやはり従来の基盤整備はそれなりに必要であるけれども、水田利用再編対策の中においては水田を中心としたという考え方だけではなくて、やはりそういう意味でより新しい観点に立っての土地基盤整備が必要であるという形で両方併用していっておるということでございますので、この方向は私はやはり望ましいのではないかと、こう考えておるわけでございます。
#197
○田代由紀男君 公共事業のうち遅々として進まないのが林道と漁港であります。この両方とも大事であります。特に山村の過疎が進んでおります現状において、林道及び作業道の整備の促進を図り、林業及び山村の基盤整備を進める必要が非常に大事である。これは山を守り、治水を進め、緑を守るために大事であると思いますが、大臣の所見をお伺いします。
#198
○国務大臣(武藤嘉文君) もう私が就任いたしましたときのごあいさつでも申し上げましたが、やはり現時点だけでなくて将来の二十年、三十年、五十年先のわれわれの子孫のためにも山を治めていくということは大変大切なことでございまして、その山の整備には当然林道の整備というものがなければこれは片手落ちになるわけでございまして、いま御指摘のような林道の整備その他につきましても十分私ども今後ともいままで以上にこれは努力をしていかなければならない。財政が非常に窮乏しておる状況でございますけれども、こういうものについてはできるだけ私ども努力をしたいと、こう考えておるわけでございます。
#199
○田代由紀男君 時間がありませんので、要望をいたしておきますが、地域林業の中核的な担い手でありますところの森林組合の作業班の具体的な育成強化方策に対しまして、大臣もうちょっと時間ありますから、御所見をお伺いします。
#200
○委員長(山内一郎君) 田代君、予定の時間過ぎました。
#201
○国務大臣(武藤嘉文君) 細かい問題でございますので、ちょっとメモを、大変恐縮でございますが、いまの担い手の問題でございますが、いわゆる就労の安定や就労条件の改善を行うための労務改善促進事業あるいは作業班員の技術の向上を図るための研修の施設などというものはいままでやってきておるわけでございますけれども、十分これらの事業につきましても今後とも前向きでより一層充実をしていくという方向で取り組んでいきたいと考えております。
#202
○田代由紀男君 以上、終わります。
#203
○委員長(山内一郎君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#204
○委員長(山内一郎君) 次に、太田淳夫君の質疑を行います。太田君。
#205
○太田淳夫君 最初に総理に、長期の政治空白を招いた責任そしてこの国民不信を招いた責任に対してどのように今後回復されようとしているのか、その政治姿勢をまずお尋ねいたします。
#206
○国務大臣(大平正芳君) かなりの政治空白を招きました責任は、申すまでもなく私の責任でございまして、内閣といたしましては、これがために生じました行政の停滞を早く取り戻さなければなりません。来るべき年への予算の編成等をできるだけ早目に達成いたしまして、国民の期待にこたえなければならぬと考えておりまするし、綱紀の粛正につきましては内閣が最重要課題として取り上げて、全力を挙げて取り組むことによってこの責任にこたえたいと考えております。
#207
○太田淳夫君 国家公安委員長にお尋ねいたしますが、午前中も同僚議員から質疑がございましたが、本日KDDの本社に対する強制捜査が踏み切られましたけれども、そのことについて御報告願いたいと思います。
#208
○国務大臣(後藤田正晴君) 午前中に簡単に御報告いたしましたが、けさの九時五十分からKDD本社十四カ所、個人の居宅等九カ所、計二十三カ所につきまして、関税法違反の容疑をもって強制捜索に踏み切って捜索をいたしておるさなかでございます。
#209
○太田淳夫君 それでは、古池参考人にお尋ねいたします。
 この強制捜査につきまして、責任者としてどのような所感をお持ちでございましょうか。
#210
○参考人(古池信三君) お答えいたします。
 そもそも成田税関の問題が起こりましたときから、私は会社の取締役会長といたしまして、非常に残念に思ってまいったのでございます。そのうちに会社の旧社長室の職員が三名並びに会社そのものも関税法違反等の容疑をもって告発を受けました。これは非常に私も残念に思っておったのですが、告発を受けた以上はいずれ捜査当局の捜査を受けるであろうということは予測をいたしておりましたが、本日、ただいま御説明のあったように、午前中に捜査当局の捜査が始まったのでございまして、まことに私としては残念なことに感じております。
#211
○太田淳夫君 参考人に重ねてお尋ねしたいと思いますが、佐藤前社長室長のことにつきまして、新聞報道等によりますと、すでにもう退院をされたというようなことも聞いておりますが、病状に
 ついてお伺いしたい。また、古池参考人が佐藤前室長に会って事情聴取をされたことがあるのかどうか。また保田参与が行方不明ということになっておりますが、その後の状況はどうでしょうか。
#212
○参考人(古池信三君) お答えいたします。
 佐藤前社長室長は、かねて――病名は痔でございますが、痔のために入院をいたして手術をいたしておりました。そのうちに気管支ぜんそくを併発いたしまして、大分長く入院をしておりましたのですが、もう大体よかろうということで先日退院をして、いま自宅で療養を続けております。先日電話で病状を尋ねましたところが、やはりまだ痔の方は完全に治らなくてときどき出血をしておる、それから気管支ぜんそくは相変わらずやはり悪いと、こういう報告を受けております。
 それから次に、私自身が佐藤前社長室長に会って事情聴取をしたかというお尋ねですが、私自身は会っておりません。すべてこれは社内における担当の常務取締役が会っていろいろと事情を聴取した次第でございます。
#213
○太田淳夫君 その常務はどなたですか。
#214
○参考人(古池信三君) それから、保田参与のことでございますが、これはこの前衆議院の逓信委員会にも出席いたしましたが、それ以来非常に精神的に衝撃を受けたと見えまして、疲労こんぱいし、後頭部が非常に痛いということを前々から申しておりましたが、三十日までは会社に出ておったのですけれども、一日から連絡がとれなくなりまして、お宅の方にいろいろ電話をしましても、奥さんもどうも行方がわからぬということで心配をしておりました。いまわれわれとしてはできるだけ連絡をとりたいと努力をしておるような次第でございます。
#215
○太田淳夫君 警察庁にお尋ねしますが、KDDの捜査に踏み切ったわけですが、今後の捜査の見通しについて……。
#216
○説明員(塩飽得郎君) KDDの捜査につきましては、本日二十三カ所の捜索に着手したばかりでございまして、今後の進展に伴いまして判断をしてまいりたいと思います。
#217
○黒柳明君 関連。
#218
○委員長(山内一郎君) 関連質疑を許します。黒柳明君。
#219
○黒柳明君 前社長の板野さんから事情聴取はしたんでしょうか。
#220
○説明員(塩飽得郎君) しておりません。
#221
○黒柳明君 してない……。
 公安委員長、会社十四カ所の場所は御報告ありましたか。どこか、十四カ所。
#222
○説明員(塩飽得郎君) 御報告してございます。
#223
○黒柳明君 教えて、十四カ所。
#224
○説明員(塩飽得郎君) 捜索個所につきましては、電信電話株式会社の本社関係といたしまして、社長室、それから役員室、秘書室、あるいは経理部の部屋、そういった各部屋合わせまして十四カ所でございます。
#225
○黒柳明君 いや、だから十四カ所、どこか答えてください。
#226
○説明員(塩飽得郎君) ただいま申し上げました社長室、役員室、秘書室、総務部、それから総務部所管のフロア、審議室、法務室、庶務部、職員部、経理部、それから文書課の部屋、それから機械室、資材部、さらに倉庫と、合計しまして十四カ所でございます。
#227
○黒柳明君 倉庫も入っているわけですね。そうすると、告発は百十条、百十一条、これは密輸禁止規定。百十七条は会社等監督責任。百十二条、ここに密輸品を――条文持っておりますが、簡単に言いますと、密輸品を保管し輸送し、そしてこれを処分、あっせんした者と、こういう条項が出ていますね。そうすると、今回の告発の条項には百十二条はなってないけれども、捜査の対象にはなっていると、こういうふうに断定してよろしゅうございますか。
#228
○説明員(塩飽得郎君) 今後の捜査の問題に絡みますので、現在着手したばかりでございますので、今後どうなるかという点につきましてはお答えを控えさしていただきます。
#229
○黒柳明君 そうじゃない、今後じゃない、今後と言っているんじゃない。百十二条には保管、輸送、それについての処分、これについての条項が入っているんですよ。倉庫というのは保管場所でしょう。保管場所を捜査したというのは百十条、十一条じゃない、十二条を規定して捜査しているんでしょう。告発になってないでしょう、百十二条は、今回。それを言っている。今後じゃない、いま捜査したことについて言っている。
#230
○説明員(塩飽得郎君) 現在捜査しておりますのが百十条、百十一条の違反の容疑ということで捜査しておりますので、百十二条の容疑は入っておりません。
#231
○黒柳明君 だから、百十条、十一条は密輸の禁止規定じゃないですか。十二条はその密輸品を保管し、輸送し、そしてそれを処分、取得した者という条項じゃないですか。そうすると、いま倉庫が捜査の対象に入っているということは、百十二条も入っていることじゃないですか。入ってませんよ、告発の中には、この条項は。だけど捜査対象になったからこそ倉庫も強制捜査しているんじゃないですか、捜査対象に。それを言っている。簡単明瞭じゃないですか。
#232
○説明員(塩飽得郎君) 繰り返すようでございますが、現在捜査しておりますのは、十月一日と十月二日の件で関税法百十条、百十一条違反、関連しまして百十七条違反ということだけでございます。
#233
○黒柳明君 同じことを三回言っている――それじゃ倉庫はどこの条項にのっとって捜査していますか、保管場所は。
#234
○説明員(塩飽得郎君) 関税法違反に関する証拠収集ということで会社の関係した部屋を捜索しておるわけでございまして、その倉庫の問題もその一部でございます。
#235
○黒柳明君 百十二条読んでごらんなさい。
#236
○政府委員(米山武政君) 関税法の問題でございますので、答弁さしていただきます。
 百十二条は――肝心のところだけでよろしゅうございますか――「百十条第一項(関税を免かれる等の罪)の犯罪に係る貨物について、情を知ってこれを運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し、又は処分の媒介若しくはあっせんをした者は、三年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」、以上でございます。
#237
○黒柳明君 だから、それを読んで、踏まえて――読むことは簡単なんだ、それを踏まえていま質問しているんですよ。それ知らなかったんでしょう。早く――時間どんどんたっちゃうよ。
#238
○説明員(塩飽得郎君) 関税法百十二条の問題につきましても承知はしております。
#239
○黒柳明君 知っている――いまの捜査については、告発の対象には条項が百十条、百十一条、百十七条でしょう。百十二条は当てはまってないでしょう。ですけれども、倉庫保管場所を捜査したということは、百十二条のことも捜査対象に踏まえてやってんだなと、この質問ですよ。だめだ委員長、これでもう五回目だ、同じことを。本当は、本来は古池さん言わなきゃならないんだ、後ろの人は関係ないのよ、この問題、一生懸命やっているんだから。前の人なんですよ、怒られなきやならないのは。後ろの人が怒られておかしいじゃない。
#240
○説明員(塩飽得郎君) 現在、容疑でやっておりますのは百十条、百十一条でございますけれども、それに関連しましてその必要な証拠を集めるために倉庫も捜査をするということでございます。
#241
○黒柳明君 だから、倉庫、いわゆる密輸品を、密輸品であるかどうかわからない、それらしきものを保管している倉庫、それを対象にして捜査したんでしょう。それは明らかに百十二条を規定しているわけじゃないんですか、百十二条「保管」について。そうでしょう。だから百十二条も、告発の条項にはなってないけれども、捜査の対象になっているからこそ、保管してある倉庫だったって強制捜査の対象にしたんじゃないですか。密輸禁止規定じゃないところの規定も捜査の対象にしてきたんじゃないですか。
 そこじゃないんだよ、私の質問の本命は。その次なんだよ。
#242
○政府委員(角田禮次郎君) 御指摘のとおり百十条、百十一条と百十二条とは罪の範囲が無論違うわけでございますけれども、百十条の「偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税の払いもどしを受けた者」に対する罪を追及するための証拠収集としても、そのものがある場所その他を必要に応じて捜査をしているということでございますから、倉庫を捜査したからといって直ちにそれが百十二条を意識して捜査をしたわけではないと、こういうふうに保安部長は答えているわけでございます。
#243
○黒柳明君 板野前社長のうちに、密輸品であるかどうかわかりませんですな、絵画等があった。板野さんもそれを保管していたと、これははっきり明言していますね。
 だれに言ったらいいんだろう。こっちに言ったら、だれに言ったらいいんだろう。だれですか、答弁の対象は。こっちかな、こっちかな、こっちかな。まずこっちに言ってみましょう。
 板野前社長宅に、密輸品であるかどうかわからないけれども、絵画等を保管していたと、こういうことを言っていますね、当人が。そうすると、これは板野さんのうちにあった絵画等について密輸品であるかということは捜査の対象にしているんですか。
#244
○説明員(塩飽得郎君) 板野前社長のことにつきましては、世上いろいろと報道されていることは承知しておりますけれども、捜査の問題として私どもは報告を受けておりません。
#245
○黒柳明君 そうすると、いま現在、板野さんについては事情聴取もしていない。板野さんのうちにあった、保管していたと当人が言っているものについても密輸品であるかどうかも全く捜査対象にしていない、そういう報告受けているんですか。おたくは知らないというだけなんですか。報告がないということはもって知らないということである。それについて聞いたんですか。それについて報告があったんですか。それともあなたがそういうことは知らないと、事実は。知らないから――捜査の対象になっているかどうかということは違うじゃないですか。知らないんじゃないですか、その事情を。いかがでしょうか。
#246
○説明員(塩飽得郎君) 板野社長の件につきましては捜査の内容としては承知しておりません。
#247
○黒柳明君 じゃ、だれかそれを知っている人を呼んでくださいよ。知っている人を呼ばなかったらだめだ。さも自分が知っているようにいま言ったじゃないですか。そんなこと審議の対象になりはしませんよ。知っている人を呼びなさい、早く。
#248
○説明員(塩飽得郎君) 先ほどからも申し上げておりますように、現在警視庁で捜査しておりますのは、関税法違反の容疑者三人の容疑事実について捜査をしているわけでございまして、その他のことにつきましては承知をしていないわけでございます。今後の捜査いかん云々はまた別の問題でございます。
#249
○黒柳明君 委員長、ちょっと時間とりなさいよ、同じことを言っている。
 いいですか、板野さんのうちに当人が保管していたという絵画等、これが密輸品の対象として捜査になっているのかどうかということをあんたは報告受けて知っているのか知らないのかと言ったら、そのことは報告受けてない、知らないということでしょう。知っている人をだから呼びなさいと、こういうことなんです。自分が知らないことをもって、それが捜査の対象になったかどうか、イエス・ノーというのは答えられないんじゃないですか。
#250
○説明員(塩飽得郎君) 現在警視庁で捜査しております内容につきましては、私どもここでそのことは承知しておりますので、そういった中にも板野社長のことは出てきておりません。したがいまして、そこまでの事実ということにつきましては、捜査の問題としては警視庁も承知していないということを理解しております。
#251
○黒柳明君 それじゃもう一回聞きますよ。承知していないということは、板野さんのうちに自分が保管していたという絵画等、これは密輸品であるかという捜査の対象になってないということですね、そう断定していいんですね。いいですか、それで。それをはっきりしてください。質問わかりますね、はっきりしてくださいよ。対象になってないんですね、密輸品であるかどうかの捜査の。重大ですよ、この答弁は。それが知らないなら知らないでいい。知らないことをあれしてちゃだめですよ、知っているようなことを言ってたんじゃ。
#252
○説明員(塩飽得郎君) 将来、先ほど言われました絵画云々の問題につきまして捜査の対象になるかならないかという問題につきましては、現在捜査を始めたばかりですので、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと思います。(「初めからそう答弁すればいいんだよ」と呼ぶ者あり)
#253
○黒柳明君 そう、だれかおっしゃったように、それでいいんだ、初めからそう答えれば。そこなの、元警視総監だからよく知っていますよ。
 そうしますと、これは当然、いまは百十条、百十一条の現行犯の密輸の条項を適用して告発する、将来は百十二条の「保管」、「運搬」あるいは「取得」等を捜査の対象にし、板野前社長の告発までも至る可能性が当然ありますね、可能性。
#254
○説明員(塩飽得郎君) ただいまの御質問の点につきましては、いまの時点では何とも申し上げようがございません。今後の捜査結果いかんによりまして判断をしたいと思います。
#255
○黒柳明君 そういうことだと思いますな、スタートですから、捜査は。ですから、私はそこのところを聞きたかったんです。
 そして、最後に、関連質問ですから、時間たちます、もう一回先ほどのことを聞きますけれども、百十二条というのは、百十条、百十一条を踏まえてじゃなくて、別の項目です。いいですね、これはもうおっしゃったとおり、別の罰則規定があるわけです。それで、十条、十一条は現行犯です、密輸品のね、禁止規定でしょう。十二条は、その密輸品を「情を知って」――まあここはちょっと問題だけれど、いまやりとりする時間ありません。いいですね。「運搬」したり「保管」したり「取得」したりしたら、これは罪になるわけでしょう。そうすると、これは明らかに板野さんにしたって、保田さんにしたって、その他の人にしましても、この百十二条を別項目として捜査対象にし、適用にする可能性はあるし、私、先ほど捜査、倉庫を対象にした、保管を対象にしたんじゃなかろうか、対象というよりも、現在捜査を意識してたんで捜査しているんじゃなかろうかと言ったのはそこにあったわけであります。それは捜査を意識してないとは言えないんじゃないですか、百十二条のその「保管」等につきまして。これは全然意識してないんだと、こうは言えないんじゃないですか。明らかに意識はしているんじゃないですか、いま現在。それはどうでしょうか。それだけ最後にお聞きしたいと思います。
#256
○説明員(塩飽得郎君) 関税法百十二条の問題につきましては、現在着手したばかりで何とも申し上げようがございませんけれども、関税法の関連した事項として可能性があるかどうか、これは今後の捜査によって判断をしたいと思います。
#257
○太田淳夫君 それでは古池参考人に再びお尋ねいたしますが、参考人はKDDの現会長、そして社長でございますし、前社長の行跡に対しては強い不満をお持ちになっていると思います。こういう事件が起きた根本的な原因というのはどこにあるのか。KDDのいままでの構造上の問題があるのじゃないかと、私たちはこのように思いますが、前社長を背任、横領等で告発されるようなそういう所存があるのか、あるいは刷新委員会でそういう点が明らかになってきているのか、その点ちょっとお尋ねいたします。
#258
○参考人(古池信三君) お答えいたします。
 会社におきましては定款によって役員の任務が決められておることは申し上げるまでもございませんが、当社の定款によりますと、社長は会社の業務を統括すると相なっております。したがって、副社長及び常務取締役は社長を補佐して業務の執行に当たる、こうなっておりますので、いわば業務執行に当たっては社長が全権を握っておるわけでございます。これは資金面におきましても人事面におきましてもさようであります。
 そこで、会社の内部の機構を簡単に申し上げますと、社長室というものがございまして、ここにおよそ人数にして七、八十人の職員がおります。ここが、以前には秘書課であるとかあるいは庶務課、総務課、その他ございましたが、ここにおいて、社長室というものを、従来は、二年ほど前までは副社長がこれを支配しておったのでありますが、その副社長がかわりました機会に、前板野社長がこの社長室の仕事を直轄に移したわけであります。したがって、社長室の権力が非常に強くなりまして、いま申したような、人事においても資金においても相当な広い範囲を独裁的に行うことができた、ここにいろいろな問題の起こる根源があったのではないかと私は考えております。
#259
○太田淳夫君 いま構造上の問題についてはお話ございましたけれども、前社長等のいろいろな背任、横領等、そういうような事実が刷新委員会で明らかになって、そして刷新委員会として告発をされるかどうか、そういう点の明らかになっている事実があるかどうか、その点の御答弁をお願いいたします。
#260
○参考人(古池信三君) お答えいたします。
 いま社内に刷新委員会をつくりまして、毎日熱心に調査検討を加えておりますが、ただいま御指摘のような、横領とかあるいは背任とかいう容疑をもって告訴できるかどうかというような段階にはまだなっておりません。
 今回、御承知のように告発を受けて捜査当局が捜査を始められましたので、今後の過程においてそういう容疑事項もあるいは明らかになるかもしれないと思いますが、そういう時点においてわれわれとしては法律的な措置は十分考えてまいりたい。しかし、いまの段階ではこれを何とも私の口から明言することはできませんので、さよう御承知をいただきたいと思います。
#261
○太田淳夫君 次に、関連しましてエネルギー庁長官、電気通信監理官にお尋ねいたしたいと思います。
 KDDの資産の隠匿あるいは巨額の交際費、そういうところは非常に国民の疑惑を招いているわけですが、この問題につきまして、やはり料金の適正利潤、この問題があるんじゃないかと思います。料金を決定するシステムに私は問題があるんじゃないかと思います。むしろ、もっと民主化をした料金決定のシステムというものをつくり上げていかなければならないんじゃないかと思います。その点に関しまして、エネルギー庁長官あるいは郵政省の方から御答弁願いたいと思います。電力料金あるいは電気料金の決定をどのようにされているか。
#262
○政府委員(森山信吾君) 電気料金の改定の申請がございますと、通産省におきましては、申請の各社からその内容につきまして詳細なヒヤリングを行うわけでございます。次いで、当該電力会社の経理及び業務の内容につきましていわゆる特別監査を行っております。また、電気事業法第百八条の規定に基づきまして、公聴会を開催いたしまして、広く一般の意見を聞くこととなっております。また、経済企画庁と協議いたしますとともに、物価安定政策会議特別部会の意見を聞くのが通例でございます。
 通産省といたしましては、この過程におきまして出されました意見を踏まえた上で、厳正かつ慎重な査定を行いまして、最終的には物価問題に関する関係閣僚会議の了承を得て後に認可をする、こういうシステムをとっております。
#263
○政府委員(寺島角夫君) お答えいたします。
 国際電気通信関係の料金につきましては、法律によりまして郵政大臣の認可料金とされておるわけでございまして、従来、認可申請を受けまして、これを認可するか、しないかという審査をして決定をいたしておるわけでございまして、その間、特に審議会とかそういったところにかけてはおらないわけでございます。これは一面、国際電気通信関係の料金につきましては、ずっとほとんどにおきまして値下げの歴史でございましたので、従来そういうことがなかったのではないかと、かように考えておるわけでございます。
#264
○太田淳夫君 国内電話料金はどうですか。
#265
○政府委員(寺島角夫君) 国内の電話料金についてのお尋ねでございますが、国内の電話料金につきましては電電公社が提供をしておるわけでございますが、この料金につきましては、その料金のうち、基本的、普遍的なものにつきましてはこれは法定料金となっております。そしてそれ以外のものにつきましては郵政大臣の認可料金であると、かような仕掛けになっております。
#266
○太田淳夫君 先ほど御答弁あったように、KDDの使用料の決定につきましてはいわゆる認可申請ですね、KDDからの認可申請と郵政大臣の認可で決まるわけです。非常にこれは民主的でないと思うわけですね。たまたま今回の値下げというのも同様に行われました。幸いそういうシステムだから簡単に値下げができた。これは幸いしたかもしれませんけれども、このKDDの使用料の問題につきましても、やはり郵政省として、あるいは電気料金あるいは国内の電話料金と同様なやはり規制があってしかるべきじゃないかと思うのですが、その点、大臣の御答弁をお伺いしたいと思います。
#267
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。
 いま国際電電の料金につきまして、これまでの認可のやり方につきましては監理官から申し上げたとおりでございます。いままではすべて料金値下げという関係で認可をいたしてきておるわけでございます。将来は、値上げ問題等がいつの日にか起こるかどうかはまだ予測を許さないわけでございますが、この料金につきましては、郵政審議会に諮問をすることも現在でも可能でございます。それは任意にできるからでございます。ですけれども、現状、この間やりましたやつもその審議会にかけずに認可をいたしたわけでございまして、将来の問題につきましては、先生御指摘のようなことを含めて検討をしてまいりたいと思います。
#268
○太田淳夫君 郵政大臣に再度お尋ねいたしますけれども、もう私どもの調査によりましても、郵政省の幹部の方がKDDの役員に天下りが二十人に及んでおります。これは特殊法人の設立の当時の民間の活力を生かすというような意義にこれは反してくるんじゃないかと思うんです。そういった意味で、これは自粛をしていかなければならない点じゃないかと思いますし、会長なりあるいは社長に民間人を迎えるような構想をやはり立てるべきじゃないかと思いますが、その点の構想はどうでしょうか。
#269
○国務大臣(大西正男君) いま御指摘の問題につきましては、五十二年十二月の閣議決定というのがございます。そこで、内外の有識者から適任者を選ぶと、こういうことが方針でございます。
#270
○太田淳夫君 いま次の会長あるいは社長についての構想はございませんか。
#271
○国務大臣(大西正男君) もう一度おっしゃってください。もう一度。
#272
○太田淳夫君 次の会長ないし社長についての構想はいまございますか。
#273
○国務大臣(大西正男君) ただいま申し上げました方針に従って考えております。
#274
○太田淳夫君 終わります。KDDの参考人の問題は終わります。
#275
○委員長(山内一郎君) 古池参考人には、御多忙中のところ、再度にわたり御出席をくださいまして、まことにありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。
#276
○太田淳夫君 じゃ、次の質問に入る前に一つ、総理にお尋ねいたしますが、先ほど、当内閣の最大課題は綱紀の粛正にあるというお話でございましたが、具体的にどのような決意を持ってみえるのか、御答弁を願いたいと思います。
#277
○国務大臣(大平正芳君) 綱紀の粛正は、まず内閣が隗より始めよで、最大の優先的な課題として取り上げて当たっておるわけでございます。各省各庁の予算の計上、執行、勤務体制の厳正な保持等を中心といたしまして十数目にわたりまして具体的な項目を指示し、これを受けて各省庁で申し合わせをいたしまして、いまこれの遵守に取りかかっておるところでございます。
#278
○太田淳夫君 総理としては真剣にこの綱紀粛正について臨む決意を固めてみえるわけですね。
#279
○国務大臣(大平正芳君) 政策も大事でございますけれども、それ以上にこの綱紀粛正の問題は最も優先すべき緊要な課題であると考えて取り組んでおります。
#280
○太田淳夫君 国民もそのことを期待しているわけでございますが、ここで一つの例を取り上げますと、私どもの調査によりまして公務員宿舎の不法占拠の実態が明らかになりましたが、これは国家公務員宿舎法によりますと、退職後の明け渡しは二十日以内、このようにされております。相当な事由がある場合でも六カ月以内には退去しなければならない、このように決められているわけです。しかし、高級公務員の方がその権勢をかさに着てここに不法に占拠しているという実態が明らかになったわけでございます。わが党としましては、綱紀の粛正あるいは国有財産の管理適正化の観点から、政府側の守秘義務の障害を排しながら、各省の協力を得てそれをここにまとめてみたわけでございます。
 最初に不法占拠している公務員の各省別の人数、そして公務員宿舎の入居状況についてお答え願いたいと思います。
#281
○国務大臣(竹下登君) 具体的な問題でございますので、事務当局から答弁をさせていただきます。
#282
○説明員(迫田泰章君) お答えいたします。
 大蔵省といたしまして管理をいたしております合同宿舎でございますが、合同宿舎について申し上げますと、猶予期間満了経過後も明け渡さない者は合計で三十二名でございます。各省別に申し上げますと、検査院一名、人事院一名、総理府一名、防衛施設庁一名、法務省一名、大蔵省七名、文部省一名、厚生省二名、農林水産省二名、通商産業省三名、運輸省六名、郵政省一名、労働省五名の計三十二名ということになっております。
#283
○太田淳夫君 いまのは大蔵省だけの数字ですね。大蔵省としては全体的にまとめてはみえませんか。
#284
○説明員(迫田泰章君) 先ほど申し上げましたのは、大蔵省が管理をする合同宿舎でございますが、そのほか各省庁が管理をする宿舎がございます。それを合計いたしますと百四名と、こういうことに相なります。
#285
○太田淳夫君 先ほどお聞きしました入居状況ですね、入居の率、入居の対象、入居希望待機数あるいは家賃について答弁してください。
#286
○説明員(迫田泰章君) 入居率等についてお答えをいたします。
 まず入居率でございますが、大蔵省が設置をすることになっておる宿舎に限って申し上げますが、五十三年六月一日現在宿舎入居率、これは宿舎戸数を職員数で割った数字でございますが、三七%、入居希望の、一応名前を待機者数と申し上げますと、二万四千人でございます。
 家賃はどうなっておるかということでございますが、宿舎使用料は、すべての公務員宿舎につきまして、国家公務員宿舎法第十五条に定められた方法で算定をされておりまして、全部の宿舎について同一でございます。算定方法は、宿舎の標準的な建設費用の債却額、修繕費、地代及び火災保険料の額を基礎といたしまして、宿舎の立地条件とか経過年数等を加味をいたしました単位面積当たりの宿舎使用料を出しまして、それに宿舎の使用面積を乗じて算出すると、こういう方法になっております。平均家賃でございますが、これはなかなかむずかしゅうございますが、一応こういう試算をいたしておりますが、現在世帯型の公務員宿舎の平均的な規模、これは大体四十七・八平米でございますが、これで都区内で新設をしたといたしますと月額一万九十円、地方の中小都市とか郡部でいたしますと六千七百四十円と、こういうことに相なっております。
#287
○太田淳夫君 非常に家賃としては安い家賃ですが、先ほど私は宿舎法の十八条について述べましたけれども、その点は間違いございませんか、一度確認しておきますが。
#288
○説明員(迫田泰章君) お答えいたします。
 退職したら、原則として二十日以内、やむを得なければ六カ月以内は認められておりますが、それを過ぎれば退去していただくと、こういうことになっております。
#289
○太田淳夫君 先ほど総数について御答弁ありましたが、不法占拠をしている各省別の人数を主なものだけ申し上げますと、大蔵省十一名、農林省は十一名、運輸省十二名、郵政省三十九名、こういう状況になるわけです。この不法占拠者の方の等級別といいますか、その実態を各省別に報告してください。
#290
○説明員(迫田泰章君) 等級別に申し上げますが、合同宿舎分、会計検査院――一等級から二等級という区分でくくってございますが、一等級ないし二等級が一人、人事院も同じく一等級ないし二等級が一人、総理府も同じ、防衛施設庁も同じ、法務省は三ないし五等級のところに一人、大蔵省は指定職一名、一ないし二等級二名、主ないし五等級四名、文部省は一ないし二等級一名、厚生省も同じでございます。それと六等級以下がもう一人います。農林水産省、指定職二名、通商産業省、指定職一名、一ないし二等級一名、主ないし五等級一名、運輸省、指定職二名、一ないし二等級三名、三ないし五等級一名、郵政省、一ないし二等級一名、労働省、一ないし二等級二名、三ないし五等級三名、以上でございます。
#291
○太田淳夫君 指定職というのは大体どのような程度の方を言うんですか。
#292
○説明員(迫田泰章君) 指定職は、大体局次長、地方支分部局の局長あたりから上が普通かと思います。
#293
○太田淳夫君 いま取り上げていますのは大蔵省の所管する合同宿舎の分だけですね。この合同宿舎に入ってみえる指定職の方、大蔵省は一名、農林水産省は二名、通産省が一名、運輸省が二名、計六名といういまお答えがございました。この人たちの一つは退官時の官職、そして二は名前、第三点は退職金、第四点は現職と、この点について御答弁願いたいと思います。
#294
○説明員(迫田泰章君) ただいま御質問のございました氏名とか退職時の役職等は人事に関する問題でございますので、大蔵省は宿舎行政を担当する立場でございますので、その立場から申し上げますとここで申し上げるのは適当でないと思いますので、差し控えさせていただきたいと思います。
#295
○太田淳夫君 しかし、おたくの方からこういう資料が出ているわけですよ。退官時の官職についてはっきりと書いてあるじゃないですか。もう一度御答弁願います。
#296
○説明員(迫田泰章君) 官職――氏名は別といたしまして、官職を申し上げますと、大蔵省税関長、農林水産省外局部長、同じく農林水産省外局次長、通商産業省付属機関審議官、運輸省外局事務局長及び事務次官。
 以上でございます。
#297
○太田淳夫君 あとの現職や退職金の点は言えないですか。じゃ、ちょっと大蔵省無理だったら各省聞きましょうか。農林水産省いかがですか。
#298
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。
 農林水産省二名、御指摘のように十一月一日現在でございます。一人は外局の次長でございます。退職手当は約三千五百万円。なお、当人は十一月六日に退去しております。もう一人は外局の部長でございます。退職手当は約二千五百万円。
 以上でございます。
#299
○太田淳夫君 郵政省どうですか。
#300
○政府委員(林乙也君) お答え申し上げます。
 郵政省の場合、元貯金局長一名でございますが、退職手当の額は三千四百六十三万円でございました。
#301
○太田淳夫君 その貯金局長さんの名前は――どなたですか。
#302
○政府委員(林乙也君) 高仲と申しております。
#303
○太田淳夫君 いまの現職は何ですか。
#304
○政府委員(林乙也君) お答え申し上げます。
 国際電信電話株式会社の取締役でございます。
#305
○太田淳夫君 高仲さんというのは、いま問題になっているKDDの重役ですね。
#306
○政府委員(林乙也君) お答え申し上げます。
 そのとおりでございます。
#307
○太田淳夫君 高仲さんは何年不法占拠しているんですか。
#308
○政府委員(林乙也君) 六カ月の猶予期間を経過いたした後、約一年でございます。
#309
○太田淳夫君 大蔵省――郵政省は名前を発表しているわけです。同じ官庁であって、他の官庁はどうして名前を発表できないんですか。
 次、運輸省。
#310
○政府委員(杉浦喬也君) 運輸省関係申し上げます。
 二名でございます。一人は退職時事務次官、中村事務次官でございます。現在は新東京国際空港公団副総裁。退職金は五千百四十八万七千九百二十円でございます。
 それから、もう一人は退職時航空事故調査委員会の事務局長、山崎と申します。現在は日本小型船舶検査機構理事でございます。退職金は二千九百八十五万円でございます。
 以上でございます。
#311
○太田淳夫君 大臣、いまの各省についてそれぞれ言うところもありましたし、言わないところもありますけれども、いま明らかになりました二名の方は、一人は事務次官であるし、一人は局長です。それぞれの各省におきまして、これはトップクラスの方ですから、総理がこの内閣で最高の課題に掲げられました綱紀粛正については、これは責任のある立場の方じゃないかと思うんですね。しかも、これだけの多額の退職金を手にしているわけですから、そういう方々が、いま答弁聞いてみますとそれぞれの特殊法人に天下っております。自分自身が、いろんな事情があるにしても不法な行為を行っている限り、これは部下を取り締まるわけにはいかないんじゃないんですか。その点、総理としてどのようにお考えになりますか。
#312
○国務大臣(大平正芳君) 全く御指摘のとおりでございまして、釈明すべきすべを存じないわけでございまして、いち早く不法な事態は矯正せにゃならぬと思いまするし、今後そのようなことにつきましては、厳重に是正の措置を講じていかにゃいかぬと思っております。
#313
○太田淳夫君 それがやはり綱紀粛正の一番のポイントになると思います。どうかいま約束されたことを間違いなく実行していただきたい、こう思います。
 また、このたびのこの捜査に関しまして、私どもはいろいろと資料を要求したわけですけれども、いま大蔵省のあの発表にありますように、われわれとしてそれは個人のプライベートな点を守る、守秘義務だということで非常な抵抗があったわけです。各官庁からいただいたこの書類にしましたって、はっきりと名前、退職時の役職、退職後の就職先と、私たちが要求をしたとおりにきちんと出してきた省は一省しかありません。あとはどんどんみんなA、B、C、Dとか、そういうことで何とかして隠そうという態度がありありと見えるわけです。こういうような不法な行為をしている人に対しましては、これは守秘義務といってもやはり不法な行為をしている人に対してはきちんとこれを明らかにするのが本当の姿じゃないかと思うんです。その点いかがですか。
#314
○国務大臣(大平正芳君) 国会の国政調査権とそれから行政府の守秘義務との間におきましては、いつも問題が起こり得るわけでございますが、これにつきましては国会の要請に応じまして、行政府も最大限の御協力を申し上げるという筋合いでまいっております。今後、一層気をつけてまいるつもりでございます。
#315
○太田淳夫君 まあ、いま総理から御答弁ありましたけれども、重ねて申し上げるようでございますが、やはりこの捜査を通しまして、私どもは違法な占拠者についての具体的な資料の提出を各省に求めました。しかし先ほど申し上げましたように、プライバシーの問題だということで十分な協力が得られませんでした。やはりそういう退職者の方々についても、あるいは現在の公務員の皆様方についても、綱紀粛正という点から国民の皆さんがやっぱり知りたいということは、これはいつでも提起できるような体制になけりゃならないと思うんです。そういう意味で情報公開法の立法も叫ばれておりますけれども、私たちもそのことを最初に要求をしていきたい。
 それから、違法な占拠者の中には本当に困っている方々もお見えになるわけです。あるいは労働争議などの関連によって論議の起こるものもあるでしょう。しかし先ほど申し上げましたように、まあ二人の例でございましたが、私どもとしてはまだまだたくさんあるわけです。こういう高級公務員の方々の違法な占拠問題とそういう困っている方やあるいは労働事情のある方々とは同一にこれは論ずるわけにはまいりませんけれども、どうか国の財産でありますこの公務員宿舎の管理というものが惰性に流されないようにしっかりと規制をしていただきたい、このことを申し上げまして情報公開法の立法の問題、そして綱紀の粛正の問題、再度御答弁願いたいと思います。
#316
○国務大臣(大平正芳君) 情報公開法の制定問題でございますが、これは本会議等を通じまして申し上げておりますように、現在の行政府がやっておりまする資料の閲覧、それから白書の発行その他の方法を通じまして、行政の実態について国民に知っていただく手だてを講じておるわけでございます。外交文書につきましては一定の期限、二十五年とか三十年とかたちました後ではこれを公開いたしまして、御承知のように戦後の、戦争直後の外交文書がいま公開されておりますことは御案内のとおりであります。で、現在、こういうことでやっておりますけれども、これではなお足らないという御認識から問題が提起されておることと思うのでございます。その場合、個人のプライバシーの問題もございましょうし、企業にとりましては企業秘密という問題がもちろんあるわけでございまして、そういうものとの兼ね合いを考えながらどのように考えてまいるか、にわかに制定の方向で踏み切りますということまで、まだ答える自信はございませんが、そういうようなことも含んだ上で検討しなければならない課題であるというように私は申し上げておるわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 それから国政調査権に対する御協力の方は、できるだけ、最大限の協力を申し上げるように努力をいたしてまいるつもりです。
#317
○太田淳夫君 それでは次の問題に入りますが、財政投融資の問題について御質問したいと思います。
 本年度の予算編成に当たりましても厳しい財政支出の見直し、これは当然迫られるわけですけれども、その場合に、第二の予算と言われております十七兆円に及ぶ財政投融資計画の再点検、これが必要ではないかと思います。もちろん税金を原資とします一般予算とはこれは当然異なります。しかし国民経済的に見ましても、そのときの政策ニーズにこたえて適切な資金配分が行われるというのは、一般会計予算も財政投融資も当然同じではないかと思うんです。しかしながら、この四、五年の間、財投計画というのは未償還額が累増傾向にあります。五十三年度末では全体の四分の一に当たる四兆八千億円にもなっておるわけですね。これは明らかに計画の失敗ではないかと思うんです。これはある民間金融機関の調査によりますと、ワースト・ナンバー・ワンというのは地域振興整備公団だ、六百億円の計画で、使ったうちで二十億円、償還率が三・三%ということが報ぜられております。こうした状態にもかかわらず、相変わらず六百億円の計画を立てられるということになりますと、これは不自然なことでありまして、国民も大きな疑惑を抱くことになります。政府はこうした状況を見て、たとえば資金を減らしていくとか、あるいは用途を変えるとか、組織の縮小とか、廃止するとか、そういうような具体的な方向にこれは検討を進めなければならないのじゃないかと思いますが、その点についていかがでございましょうか。
#318
○国務大臣(竹下登君) 財投計画というものが第二の予算である、したがってこれについては厳正に対処すべきであると、その意見は私も同感であります。
 そこで、特に御指摘になりました五十三年度財投の実行状況につきましては、確かに五十四年度への繰り越しが三兆二千四百十八億円、不用が一兆五千四百六十五億円と、例年に比して多額の繰り越し、不用が生じたことはこれは事実であります。
 その理由といたしましては、繰り越しについての三分の二以上、すなわち二兆一千六百七十七億円というものは、地方公共団体の起債が通常出納整理期間に行われるために生ずるところの、いわば構造的繰り越しとでも言える性格のものではないかと思います。これを除きますと、特に例年に比して多いというものではございません。したがって、繰り越し額の大部分は、五十四年度に入って第一・四半期中には運用済みとなっておるところであります。
 もう一つの問題につきましては、景気の進行、資金需要の喚起等に配慮して策定したところでございますけれども、不用額が例年に比して多かったというのは、内外の景気情勢の変化、金融の緩和による資金需要の落ち込み、繰り上げ償還の増加、また、住宅公団の建設計画の再検討等の事情により生じたものでありまして、やむを得ない面もあったと御了承をいただきたいと思います。
 したがって、これらの不用額は、五十四年度において活用させていただいておるわけでございますけれども、その五十四年度の財政投融資の実行状況はおおむね順調に推移しております。したがって、五十三年度のような大幅な不用を発生するようなことはないと思っております。
 さて、五十五年度の財政投融資計画の編成に当たりましては、厳しい原資事情が、委員御指摘のとおり、見込まれるところでございますが、各機関について従来の実績を洗い直しまして、事業規模、融資規模、できるだけこれを圧縮いたしまして、政策的緊要度に応じた資金の効率的、重点的配分に努めてまいりたい、このように基本的に考えております。
#319
○太田淳夫君 たとえばいまの日本開発銀行のことがいろいろと市中銀行の間でも論議になっておりますね。開発銀行はホテル銀行になったんではないかということも言われているようでございますが、これは消化率六二・四%、開発銀行のこれが消化率でございましたけれども、埼玉県の越谷のサンシティーにおきましても相当な、総事業費約百二十億円のうち六十億円の融資をしているわけです。だんだんと民間金融機関で賄える分野まで進出を始めている。そこに市中銀行との競合が起きているわけでございますけれども、そうしなければこの消化率を上げることができない。これは開銀の本来の業務目標とかけ離れてきつつあるんではないかと思うんです。かつての共和製糖事件ございましたね。あのようにその業務が拡大解釈されてまいりますと、そこに政官間の癒着が起きて、そのために黒い霧の事件が発生したと同じようなことになりはしないか。こういう危惧を私は抱くわけでございますが、開銀自身についても五十三年度六百億円、五十四年度また積み残しが残ってくると思いますが、この点についての来年の計画についてはさらにしぼって、これは厳しく見直していく必要があるんじゃないかと思いますが、その点いかがでしょう。
#320
○国務大臣(竹下登君) 委員御指摘のとおり、よく一定の制度金融の目的を達成し、新たなる融資先というようなものを、言ってみれば民間金融の分野にまで融資先を探しに歩いているんじゃないかと、こういうようなお話は私も聞いたことはございます。しかし、私はその事実は別問題といたしまして、開銀の場合政府関係金融機関として市中金融の補完、奨励を使命としておりますところから、原則として市中金融機関との協調融資によることとしておりますので、融資に当たっては常に市中金融機関との協調的関係に配慮して今日に至っておると思うわけであります。したがいまして、現状におきまして、市中金融との競合によって特に問題とされるような事例はほとんどないというふうにいま考えておりますし、他の政府機関をも含めまして、今後とも政策目的に即して適切な融資が行われるよう、厳重に監督してまいりたいと、このように考えております。
#321
○太田淳夫君 まあ時間ないのであれですが、大蔵大臣はそういうのんきなことをおっしゃっておりますが、実情は違うわけですね。私がここで財投について申し上げたいことは、来年度の財投計画につきましては、国民に必要な部分に適正な資金配分をすること、それから財投の見直しによって得られた原資を資金運用部による国債消化に振り向ければ、それだけ市中消化の軽減が図られるじゃないか、このことを申し上げるとともに、やはり国会審議の対象としてこの財投計画を提出を願いたい、このように思うわけですが、その点どうですか。
#322
○国務大臣(竹下登君) ちょっといま御質問の趣旨が定かに理解できませんでしたので、もう一度お願いいたします。
#323
○太田淳夫君 時間ないんだけど、いいですか。
 財投計画についてですね、国民に必要な部分に適正な資金配分をしろと、この財投のやはり目的というものが、高度成長時代につくられたものが大部分産業に振り向けられるのが財投計画のスタートでございましたし、今度は国民福祉の方に優先的に配分すべきじゃないか。あるいはですね、あるいは積み残し等の財投見直しによって得られた原資を、これを国債の消化に振り向ければ、市中銀行等の国債の消化、それに非常に悩んでおりますが、その軽減が図られるんじゃないか、この点の提言です。
#324
○国務大臣(竹下登君) よくわかりました。
 来年度は財投原資そのものが非常に窮屈なときでございますので、仮に、もし繰り越し等がございましたら、それは継続してその財投計画の中で消化されるものと思うのでございますが、何分根っこが非常に窮屈でございますので、それを厳正に国民のニーズに即した形で財投計画に組み込んでいきたいと。さらに、いわゆる市中消化が非常に困難になっておるから、だからそういう余裕ができれば、財投で国債の引き受けもできるではないかという御意見は、いまのところ御意見として承っておきます。
#325
○委員長(山内一郎君) 時間終了になりました。
#326
○太田淳夫君 はい。もう一問だけ、最後に。
#327
○委員長(山内一郎君) じゃ、あと一問だけ。
#328
○太田淳夫君 それでは、お許しを得まして厚生省にお尋ねいたしますが、母子保健についてですが、わが党はこの母子保健法改正につきまして国会に提案して十年になります。先般も速やかな法改正をするために、百七十万人の国民の皆さんから署名をいただいてまいりました。この母子保健法の改正を速やかに厚生省に提案したい、このように思いますが。
#329
○国務大臣(野呂恭一君) 母子保健法が制定されまして十数年を経過いたしておるわけでございます。この間、わが国の母子保健の水準は大きく改善され、向上いたしてまいったと考えておりますが、今日母子保健に係る社会環境が大きな変化をもたらしておるわけでございます。また、急速な高齢化社会への推移を勘案いたしますると、御指摘のように、現行の母子保健施策の見直しだけでなくって、高齢化社会あるいは静止人口期を迎える二十一世紀の将来に対する展望に立ちまして、新たな、より次元の高い家庭保健施策というものを速やかに樹立する必要があるかと思います。
 したがいまして、今日厚生省といたしましては、各分野の専門家の御協力を仰ぎまして、本年の六月に家庭保健基本問題検討委員会を発足させておりますので、この委員会を通しまして多角的な観点から母子保健の新しい制度、施策の検討をお願いいたしておるところでございます。なるべく早く母子保健法の改正について結論を得、その上に立って検討をいたしてまいりたいと、かように考えております。
#330
○委員長(山内一郎君) 以上で太田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#331
○委員長(山内一郎君) 次に、内藤功君の質疑を行います。内藤君。
#332
○内藤功君 まず、法務省にお伺いをしたいと思います。
 KDD事件で、本日、警視庁の捜索がございましたが、検察当局としては本件にどう対処することになるのか。また、押収物を検討して金の流れ、人の流れというものをずうっと追っていくと、単なる関税法違反だけではなくて、KDD上層部のかかわる贈収賄事件の捜査という段階にも発展すると思われますが、この点はどうなっておるか、お答えを願いたい。
#333
○政府委員(前田宏君) お尋ねの点でございますが、御質問にもございましたように、まあ今後の問題でございますので何ともお答え申しかねるわけでございますが、検察当局といたしましては、当然のことながら事態の推移に応じまして適切な対処をするものと、かように考えております。
#334
○内藤功君 かようにKDDの事件、それから鉄建公団の不正腐敗は、政官界を巻き込んだ汚職事件として発展をするという可能性を大きくしておる中で、住宅公団の会議費などを使った不正腐敗の実態が明るみに出されております。昨年の秋以来、住宅公団は一連の家賃値上げを強行しておるというときだけに、これに対する国民の激しい批判、特に団地居住者の人たちの怒りの声が起こる一のは当然だと思うのでございます。
 そこで、まず住宅公団に伺いますが、公団としては先ごろの土路という人の事件のほかに、政治家に対するパーティー券の購入、あるいは高級官僚に対する接待、こういう事件はないんですか。
#335
○参考人(澤田悌君) パーティー券の購入というのはございません。
 それから、関係官庁との儀礼的な折衝というのは、いま用意しておりませんけれども、あったことと存じます。
#336
○内藤功君 土路重昌に対する公金流用詐欺事件、これでも会議費からの不正流用というのが明らかにされておるんです。住宅公団の会議費というものがきわめて不明僚なものだということを証明していると思うんです。
 そこで、公団に聞きますが、住宅公団の会議費について当然予算科目で款項目節とあるが、この節で計上されるわけなんですが、昨五十三年度の予算の場合に、その会議費の積算内訳の金額、つまり大臣認可をとるための見積額の金額は幾らであったか、御説明願いたい。
#337
○参考人(澤田悌君) 五十三年度のいわゆる積算内訳による会議費というのは、四千七百万円でございます。
#338
○内藤功君 その四千七百万円の積算内訳が結局実際には幾ら使われたのか、すなわち決算額を明らかにされたい。
#339
○参考人(澤田悌君) 五十三年度の会議費は、四億一千百万円でございます。
#340
○内藤功君 このように積算内訳、つまり見積もり段階では会議費が四千七百万円であったところが、実際にはたった一年間で三億六千四百万円も多い九倍の四億一千百万円の会議費が支払われていたと、こういうことになります。本来、会議費としては四千七百万円で予算を組んだ。それでできるのに、ほかの予算のいわば節というところですね、印刷とか、通信とかいうものを食い物にして会議費に充てていたことになります。水増しされた三億六千四百万円というものはまさにヤミ会議費であった。こういう予算の執行はわれわれにはとうてい理解ができないんです。建設大臣、これはどういうふうに思いますか。建設大臣どうですか、監督官庁としてどうですか。
#341
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えいたします。
 私どもは御承知のような立場で指導監督をいたしますが、この内容につきましては、総裁からよくひとつお聞きをいただきたいと思います。
#342
○参考人(澤田悌君) この積算内訳というものの性格、これは一体どういうものかということを分析いたしませんと、新聞にも出ておりましたように、非常なそこに乖離があるのではないか、開差があるのではないかという疑問が起こるわけでございます。それでこのどうも積算内訳という金額、私の不十分な知識でわかりにくい点もあるのでありますが、予算の項、款項の項でございますね、の総枠を決めるため積算上経過的に必要なもののようでございます。私どもの予算は国会で御審議を受け、主務大臣の認可を受けて款項まで決められますと……
#343
○内藤功君 そういうことはわかっていますからね。どうしてそういう九倍になるのか、端的に答えてください。
#344
○参考人(澤田悌君) それで、目以下につきましては公団で自主的に実情に合わせて会議費として計上し、実行するように決められているわけでございます。
 それでこの積算内訳というのは、私も今度初めて接したわけでありますが、この十年来ほとんど一定であります。四千七百万円から四千八百万円程度、変わっておりません。それで公団で定めます目節に関する会議費というのは、その時々の実際の必要に応じてできるだけ節約はしますけれども、会議費として各部門別に定めるものでございまして、当然そこに大きい開差が出てくるものと考えられるわけであります。これはいいことではないと思っております、私今度調べてみまして。しかし、実際にはそういうことになっておるということを御理解願いたいと存ずるわけでございます。
#345
○内藤功君 聞けば聞くほどわかりませんね。われわれの調査したところから申し上げましょう。こういう九倍にも上る実際の実績ですね、三億六千万円もよけい使って、一体どこに使われているか、それは私は接待行政だと思うんです。われわれの方で調査した事実の一端を指摘しましょう。
 住宅公団に伺いますが、去年の一月三十日、大蔵省の主計局の幹部を赤坂の料亭で接待したことありませんか。あるとすればその内容。
#346
○参考人(澤田悌君) 新聞にも出ておりましたが、赤坂の料亭で住宅公団の者が接待をしたという事実がございます。
#347
○内藤功君 具体的にその金額と人数、いいですか、それから人名、会議の目的、これをひとつ述べてください。
#348
○参考人(澤田悌君) 会議の目的は事務の打ち合わせであろうと思います。人数は双方で八人出席し、支払い金額は約三十一万円というふうに聞いておるわけでございます。
#349
○内藤功君 支払い金額は、われわれの調査では三十一万一千二百円。そうしてこのうち公団が何名で、大蔵省側が何名ですか。それから、会議の目的は事務の打ち合わせといいますが、どういう事務の打ち合わせですか。
#350
○参考人(澤田悌君) 人数の内訳は半々ぐらいじゃないかと聞いておりますが、会議の目的は債券発行等もあったと思いますが、そういった事務上の打ち合わせであるように聞いておるわけでございます。
#351
○内藤功君 大蔵省側が三名、公団側が五名と、われわれはそう調査しております。この名前はどういう方ですか。
#352
○参考人(澤田悌君) 具体的に名前を申し上げるのは差し控えさしていただきたいと存じます。
#353
○内藤功君 そうすると、知っているがこの国会では答えられない、こういうやっぱり政治姿勢が一番大きな問題なんですよ。こういうことをはっきり国民の前に明らかにしなきゃ、綱紀粛正というのは成り立たないですよ。皆さん、これはやっぱりきちっといまの答弁は聞いてもらわなきゃならぬと思いますね。
 さて、その会議の目的ですが、不正確です。われわれの調べでは、政府発行保証債の打ち合わせについて、資金の調達先の生命保険会社との打ち合わせと書いてあります。占うでしょう。大蔵省じゃなくて生命保険会社と打ち合わせと、こう書いてあるはずです。どうです。
#354
○参考人(澤田悌君) その経費の支出でございますが、これは先ほど申しましたように、債券発行諸費から出ておるわけでございます。これは大蔵省との会合、そういう会合に支出しても私は差し支えないものと考えるのでありますが、御指摘のように、どうも調べてみますと、生命保険会社と
 の打ち合わせという書類になっておるようでも、実質は大蔵省との打ち合わせであった。どうしてそういうことになったのか、そういうことにする必要は私ないと思うのですが、どうしてそうなったのかよくわからないのであります。これはしかし、まことに妥当を欠く処理と申し上げざるを得ない、これについては深く反省しなければならないと私、強くそう存じておるわけでございます。
#355
○内藤功君 生命保険会社はいたんですか、いないんですか。
#356
○参考人(澤田悌君) いないようでございます。
#357
○内藤功君 こういうふうにやっておったわけですね。私どものこの調査――会計検査院に聞きますが、会計検査院はこの問題を御調査なさいましたか。この調査の結果はどうです。
#358
○説明員(肥後昭一君) ただいまの総裁の答弁のとおりでございます。調査いたしました。
#359
○内藤功君 こういうように赤坂の料亭で、しかも八人で三十一万一千二百円ということは、一人約四万円近くもの国民の血税及び公団住宅の家賃というものから出たお金を使って、これが儀礼の範囲とか社会的常識の範囲というふうにいまでも考えておられますか、総裁。
#360
○参考人(澤田悌君) まあ金額の点からいいますと、そういう打ち合わせは、もう少し節約してやった方がいいという感じがいたします。
#361
○内藤功君 もう少し節約どころじゃないですよ。これはもう大変な乱費だと言わなきゃなりません。勘定科目の説明を見ると、茶菓、弁当代ですね。茶菓子、弁当代の程度が会議費に伴うものだと普通されている。とんでもない茶菓子、弁当代だと言わなきゃなりませんね。しかもこういうものは、虚偽の公文書をつくって、それを使って金を出したという、こういう疑いさえわれわれはこれを指摘せざるを得ないと思うんです。
 大蔵省にお聞きしますが、大蔵大臣、お聞きになりまして、あなたの部下の方が接待されておる。骨の髄まで削れと言って、文教予算、福祉予算、どんどん削っていますね。削ろうとしている。しかし、これはぜい肉でしょう、こういうものは。飲み食いというのは骨の髄じゃない、ぜい肉みたいなものだ。これがこのままになっておる。こういう接待行政についてどう思われますか。これはもうきっぱり正さなきゃだめですよ。こういういいかげんなことは許されないと思うんですね。どうですか、お聞きになって。
#362
○国務大臣(竹下登君) いま仰せのことが、すなわちその後の方針として打ち出されて、たとえば儀礼的社会的常識というものの判断すら各局の総務課長にまで相談をすると、こういう方針に変わっておることでございますから、そのような形でえりを正していかなければならないというふうに思います。
#363
○内藤功君 主計局長に伺いますが、この点につきまして、部内ではどういうふうにお調べになりましたか。実相はどうですか。
#364
○政府委員(田中敬君) ただいまの住宅公団に昨年一月に接待を受けたという件につきましては、私どもその事実をまだ調べておりませんが、先般いろいろ鉄建公団問題に絡みまして各種の御指摘を受けましたことに伴いまして、大蔵省におきまして、官房長をキャップといたします特別の委員会を設けまして、鉄建問題関連の調査はいたして、内容は本院にも御報告をしたことがございます。以降、その調査を受けまして、ただいま大蔵大臣が申しましたように、大蔵省の中における今後のこのような接待に対応する規律を厳しく定めたところでございまして、ただいま御指摘の件につきましては、詳細な調査をいたしておりません。
#365
○内藤功君 すぐこれは調査をして、厳正なやはり態度を示すことを要求いたします。よろしいですか。
#366
○政府委員(田中敬君) できる限りの調査をいたしまして、厳正に処したいと存じます。
#367
○内藤功君 同様に、われわれの調査によりますと、公団の幹部は、築地のある高級料亭で頻繁にこの接待をしておる。われわれの調査がわかった後、ばったりこれはやんだという事実がある。これは住宅公団を監督すべき立場にある建設省住宅局の日本住宅公団首席監理官という人からその事実を確認しておる。これは築地の「葉茶屋」という料亭であります。あなた方、こういうものは一切ないということで逃げよう逃げようとしておりますが、総裁、これはどうですか、こういう事実はどうです。
#368
○参考人(澤田悌君) 「葉茶屋」という名前は、実は初めて伺いました。全然存じておりません。
#369
○内藤功君 われわれはこの住宅公団監督の立場にある人間から調査をしております。検査院はあわせてこの問題を調査をすることを要求します。一いかがです。
#370
○説明員(肥後昭一君) 従来会議費につきましては、余り詳細に検査する余裕がなかったのでやっておりませんでしたが、今後は会議費についても十分調査したいと思います。
#371
○内藤功君 さらに住宅公団は、マル建、マル大というこういうスタンプを押した建設省、大蔵省専用のタクシーチケット五十枚つづりのやつを建設省、大蔵省にどんどん渡しておる。必要なときだけじゃなくて、あらかじめ渡しておるんです。そして、われわれの調査によりますと、この住宅公団のハイヤー・タクシー代として月約千二百万円、年間に一億四千万円支出されておる。その半分が赤坂、銀座、新宿などの歓楽街往復に使われておる。あるタクシー会社の職員の話によりますと、十人に二人は、乗車区間が短いにもかかわらず、不正に水増しをしている。たとえば、三千円のところを五千円というふうに書かせて、そして運転手からその差額二千円を現金で受け取る、こういうことが十人に二人やられている、こういうことをわれわれは調査している。もう破廉恥きわまるものですよ。綱紀粛正もここまでくるとあきれ果てた話だ。これもひとつ会計検査院、こういういわゆる借損料といいますね、この調査もあわせて要求したい。どうですか。
#372
○説明員(肥後昭一君) 従来、国の機関の場合にはそういう点まで調査したりいたしておりましたが、公団の場合には、事業費が膨大なので、そこまで手が及ばなかったのが事実でございますが、今後は十分注意いたします。
#373
○内藤功君 最後に、重大なことは、こういう不正経理で浮かせた会議費で接待を受けた建設省幹部が、事もあろうに料亭の酒の席で公団家賃の値上げ問題を話し合っているという事実ですね。これは、十一月十七日にわれわれの調査に対しまして、建設省住宅局の公団担当の首席監理官井上さんという人がこれを認めておる。こういうふうに言っている。どう公団を持ってくるべきかとか、公団の家賃問題とか、いろんな議論がありますねと。そこで、公団家賃問題ですかと聞いたところが、いま公団は家賃問題といい建設の問題といい、いろんな問題がある。いろんな議論をしたり教わったり、こうしてみたらどうだという式のことを言ったりもしますと。こういう重大な問題を酒席でやっておるということが明らかになった。さっきの五十三年一月三十日の料亭、これは「大野」という料亭です。ここでの公団側と大蔵省側の宴会はどういう時点だったかと調べてみると、おととしの十二月に公団が家賃値上げを住民に通告しておる。昨年一月六日に公団は建設大臣に家賃値上げを承認申請をしておる。そして一月三十日にこの会合ですよ。大蔵省主計局との会合ですよ。四万円のこの会合ですね。そして、五十三年二月二十七日に建設大臣が公団家賃の値上げを承認、こういう事実経過の中で行われたということは、これは明らかにこの席上でも公団家賃問題が話されたということをわれわれは見ざるを得ない。去年九月に三十四万世帯を対象とする五千三百円の値上げ、九月には三万世帯四千二百円のアップ、そして裁判がいま起きているわけです。そういう中で行われた。この家賃の値上げは、三万世帯四千二百円で計算すると一億二千六百万円ですよ、一カ月で。これがさっきのいわゆる会議費と称する飲み食いの三億六千万円。当初の積算内訳を上回る三億六千万円のちょうど三分の一。つまり、一カ月の家賃値上げ三カ月分が飲み食いに使われておると、こういうことであります。これはもう絶対に公団の居住者の方々が許せないことであります。国民の大きなやっぱり批判をこれは受けざるを得ないと思います。私はこの点、聞いておられて総理、こういう政府の特殊法人でかようなことが行われ、しかも酒席で家賃の値上げが議論をされている、話されているということについて、綱紀粛正を言われる総理の立場から、どういうふうに思われますか。
#374
○国務大臣(大平正芳君) 綱紀粛正の立場から何とも釈明のしようもない事件だと思います。したがいまして先般、内閣の方でも公費をもっての招待、贈答等は廃止することにいたした次第でございまして、これまで長い間にわたりましてそういうことが行われておったとすれば、これは私どもが行政に対する監督の怠慢でございまして、まことに申しわけないと思いまして、今後一層えりを正さなければならぬことだと思っております。
#375
○内藤功君 これは徹底的に今後もいろいろな機会に究明をしたいと思っております。
 そこで、次に灯油価格の問題について質問したいと思います。
 衆参の本会議でずっと御答弁を聞いておりましたが、総理、通産大臣、関係閣僚は本当のいまの灯油価格の急騰の深刻な事態について認識がまことに足りない、全くないと申し上げていいと思うのであります。
 いま私どものところにいろいろな訴えがありますが、たとえば灯油、A重油の急騰で老人ホームや保育所などの社会福祉施設が非常なやはり深刻な影響を受けております。お年寄りや子供たちが本当に被害を受けている。たとえば最近、私は八王子にある養護老人ホームの「美山苑」というところを調査したのでありますが、ここの園長さんの話によりますと、大変な節約を余儀なくされておって、燃料費でお年寄り一人当たり一万円もの不足ができておる。一万五千円が食費なんだが、この食費に食い込まなければならぬという、こういう状況になっております。
 それから世田谷の特別養護老人ホーム「さつき荘」というところも調査をしたんですが、ここではおふろが二つあるうち、一つを閉鎖する。室温が二十度を切ると暖房していたのを十七、八度に落とすということまでやらなきゃならぬ。
 それから、少し遠くなって群馬県の佐波郡境町にある「つくし保育園」という九十人のゼロ歳から四歳までの子供さんを預かっているところですが、暖房費が一人当たり月百円だと。去年ドラムかん二百リッター入りで七千円であったものが、ことしの十二月から一万四千円に倍になっている、こういうところで、少なくともどんな節約をしても二十本要るというのです、ドラムかんが。しかも、朝七時から暖房をたかなければならぬ。子供にどんなに厚着をさせても二十本は必要だと。おやつ代を削るか、保母さんの高くない給与を減らすか、こういうところに追い詰められている。みんな口をそろえて言うのは、もう灯油の価格高騰でがまんの限界が来ておるという訴えですよ。本会議その他の答弁を聞きまして、まだまだ石油二法発動の時期でないというふうなことを言っておられますが、これは実態を非常に把握されていないと思うのです。通産大臣に伺いますが、こういうような事態、こういうお年寄りとか子供さんたち、この窮状に対してやっぱりあなた方はまだしばらく監視を続けるというふうなことでいいんですか。
#376
○委員長(山内一郎君) 澤田参考人には御多忙中のところ御出席くださいまして、まことにありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。
#377
○国務大臣(佐々木義武君) 灯油の小売価格でございますけれども、全国的に見ましても決して一様じゃなくて、それは取引の態様とか消費量の差とかでみんな違っております。ただ、去年の十月に比較してみますと、ことしの十月は約六四%の上昇でございます。それがいわゆる便乗値上げかといいますと、私は必ずしもそうは言えないんじゃないかと。入ってきている原油が去年の十月に比しまして倍になっておりまして、元が非常に高くなっておるわけでございますから、その倍になったのを踏んまえて、そして卸の、元売りの仕切り価格、あるいは流通段階のいろいろな販売経費、人件費等の上昇などを考えますと、六四%のアップというのは必ずしもそれは便乗値上げとは言えないんじゃないかと思います。
 ただ、おっしゃるように、六四%の値上がりというものは、これはなるほど便乗値上げでないにしても、いまおっしゃるような非常な低所得者では大変負担が重いんじゃないかと、まことに気の毒に感ずる次第でございます。
#378
○内藤功君 厚生大臣、いまのお話をお聞きになって、厚生大臣としてこういう手を打つという妙案がありますか、簡潔に。
#379
○国務大臣(野呂恭一君) 灯油の最近におきます大幅な値上げに対しまして、いろいろの福祉施設関係におきまする経費などを考え、また生活保護などのきわめて生活の中で御苦労を願っている方方に対してどういう対策を立てようとするのか、これらの施設に対する給付などはすべて生活保護受給者の生活扶助基準の中で検討されなきゃならぬと思いますが、その基準の改定に当たりましては、今後物価全体の値上げの問題の中で検討を総合的にしなきゃならぬと考えるわけでございます。今後の物価の動向に対処して、的確、機敏にこの問題に当たってまいりたいと、かように考えております。
#380
○内藤功君 これは生活保護のレベルにとどまらず、かつて物価狂乱の際のときのように、国の責任で、たとえば一時金支払いなどの方法も本当に真剣に考慮すべき時期に来ていると私は思うんです。
 さて、いま問題の便乗値上げの実態ですが、便乗値上げと言るのか言えないのか。言えるとすれば、どの程度の便乗値上げなのか。われわれは野党でありますけれども、あらゆる政府関係の資料をもとにいたしまして、ここに十二月一日に石油会社の便乗値上げの実態という数字をつくってみたんですよ。これはちょっと通産大臣見ていただきたいと思うんです。この詳細は時間の関係もありますから詳しい説明はしませんけれども、去年の十二月の石油製品の卸売価格を基準にして、ことしの一月以降一年間の石油製品の卸売の価格の各月ごとの増額分を出して、それからこれに対応する原油代金の増額分を出して、その差額を便乗値上げ分として計算するという方法をとったわけなんです。その結果、三千四百十六億円の便乗値上げがあるというのがわれわれの推定であります。ここに油種別に原油の値段と経費と、それから一番上の赤く書いてあるのが便乗値上げ分と、こういうふうにつくってみたんですが、こういうふうになっているんです。一番ひどいのはガソリンであります。灯油、ナフサなどもずっと上がっておる。こういうものについて、政府は便乗値上げというものがこれだけあるということをわれわれ野党ながら調査をしたんですが、お調べになる考えがあるのかどうか。また、われわれの出したこの資料についての御意見があるのかどうか。さっき灯油の値上がりの率は少ないと言ったけれども、これはぼくは一言だけ反論させてもらうと、灯油はもともと高いんですね。今度の値上げの前からずっと高いということを考えないといけないです。
#381
○国務大臣(佐々木義武君) 実はきのう衆議院の予算委員会でも、公明党さんの方から同じような資料が出ました。計算の仕方によりましていろんな結論が出てくるわけでございますけれども、貴党の出されましたこの資料を検討してどういうふうになっているか、私自体まだ検討しておりませんけれども、事務当局の方では検討するようでありますから、お話し申し上げたいと思います。
#382
○内藤功君 大臣が検討すると言っていますから、事務当局は結構です。
 次に、太平洋演習参加の問題について伺いたいと思います。
 太平洋演習について防衛庁長官のお考えを聞きたいと思うんですが、この演習は、私どもは、太平洋有事の際のアメリカを中心として環太平洋諸国の海軍の加わったいわゆる軍事緩衝体制の確立を目指すためのものではないか、こういうふうに思うわけであります。昨年の演習から推察するのが一番いいわけです。昨年の四月四日から一カ月間実施をされたいわゆるリムパック78という名前の演習では、四カ国の連合艦隊を編成して、米太平洋岸から、それからハワイから、それからオーストラリアから、この三方面から中部太平洋に向けて対潜作戦と、それからミサイル発射訓練を実施しながら進攻して、そしてハワイで集結をするというのが去年の演習だったと思うんです。これがまさに真相ではなかったかと思いますが、防衛庁は何もわれわれの前に議論の材料を明らかにしない。そして集団自衛権だとか、個別自衛権だとかいう議論だけやっているんです。真相をまず明らかにすることが大事ですが、そういうような演習が去年行われたんじゃありませんか。
#383
○政府委員(佐々淳行君) リムパックについて御説明申し上げます。
 リムパックというのは、昭和四十六年以来アメリカ海軍が行っております総合演習でございまして、過去六回実施されておりまして、おおむね二年に一度の頻度で行っておるところでございますが、その性格はアメリカ海軍における教育訓練のやり方といたしまして、個艦訓練、応用訓練、総合訓練の三種類がございます。この総合訓練に当たるものでございます。すなわち、個艦レベルの訓練を終え、さらに応用動作等の訓練を終えた米艦艇を第一線の艦隊に配備する前に総合的にその戦術技量の能力評定を行う訓練でございまして、アメリカ海軍といたしましては、この訓練の場に外国艦艇の参加を許しておる唯一の訓練でございます。
 このリムパックの訓練目標は、ただいま御指摘のございましたような、特定の国に対する、それに対抗するための共同防衛行動、あるいはある国が攻撃をされた場合に他の国が共同してこれの防衛に当たるというような集団的自衛権の行使を前提とした訓練ではございませんで、洋上における補給あるいは艦隊行動の訓練、さらには対空戦闘、対水上艦艇打撃戦訓練あるいは対潜水艦訓練、電子戦訓練、洋上補給等を総合して行う戦術技量向上を目的とした訓練でございまして、こういう性格の訓練であるということをまず前提として御承知おきいただきたいと存じます。
#384
○内藤功君 去年の四月六日付の各紙が報道しておりますホノルル電、これによりますと、去年の演習についてこう書いてあります。米太平洋統合軍司令部の発表によると、海、空軍部隊二万二千、航空機二百二十五機、艦船四十二隻が参加、空母を動員して対潜水艦作戦やミサイル発射訓練も行われる、そしてさっき言ったように、米本土、ハワイ、オーストラリアから艦隊出動で始まる約一カ月間の演習です。これはお認めになりますか。
 それからもう一つ、いま防衛庁の言われた技量の向上ということは、演習というものをある部分だけ見ると、それはミサイルや魚雷や、あるいは飛行機の攻撃や、それから掃海や対潜という技術、個々の技術でありますけれども、全体として見た場合のその演習の戦略的な効果、それから平時における演習の持つ政治的な効果、これを忘れちゃいかぬと思うんです。ここでことし発表されたアメリカ国防長官の一九八〇年度米軍事情勢報告というのを見ますと、「米国はこれら脅威にさらされているアジア地域に緊急軍を展開できる力を保持しており、これが実際に計画され演習に移されただけで抑止効果を生み、現実に同地域の貴重な同盟国に政治的、心理的支援を与えている。」、こういうふうに演習の政治的効果を書いているわけです。
 私は、一月に、アメリカ国防総省に行きまして、国防省の担当者に会いました。さらに有名なラロック提督にも会って、演習というものは政治的にどういうものか、軍人や制服は演習を技術の向上の面だけで言うんだけれども、政治家として見た場合の演習というのはどういうものかと聞いた場合に、これは外国に対する政治的メッセージだということを言っております。ですから、いままでの国会での議論は、大平さんも含めて、技術の向上という小さな微視的な面だけを強調している。この四カ国演習の持つ政治的な意味というものを無視していると思うのです。
 私はもうこれ以上防衛庁に聞く必要はないので、そういう政治的な意味について総理はどういうふうにお考えになるか。演習に出るのは単なる技術の向上だけというふうに見るなら、これは総理の資格はないと言わなきゃなりません。総理は、一国の安全に携わる政治家として、この演習に参加したならばアジアにおける日本周辺の軍事緊張にどういう影響を与えるであろうか、それからこの演習を見る周辺諸外国はどういう反応をするであろうか、それから同じくおれの方の演習にも来てくれという、たとえば韓国とかフィリピンとかの要求が次々に出てこないか、そういう政治的な見通しをして初めてこれはシビリアンコントロールにもなるのでありますが、そこをどういうふうに見たのか。あなたの本会議での答弁を聞いていると、技術の向上だと、兵隊さんと同じことを言っている。軍人はそうでしょう、軍人はそれでいいと思う。しかし、政治家はそうじゃないと思う。この演習に参加することはどういう意味を持つかということでなくちゃふかぬと思う。その点を伺いたい。
#385
○国務大臣(大平正芳君) 日本の防衛の基本は、たびたび申し上げておりますように、自衛力の整備と並行いたしまして、日米安保条約を誠実に守って、この条約体制の持つ抑止力というものを終始緊張した姿で保持してまいるということだと思っております。したがって、この体制の中でわが自衛隊も訓練を通じて練度の向上を常に図る用意がなければならぬわけでございます。したがって、これまでもアメリカとの演習には参加してまいったわけでございます。
 今回の場合も、その延長線上のものであると私は承知いたしております。なるほど今回は豪州とかニュージーランドが参加すると聞いておりますけれども、それは豪州やニュージーランドとアメリカとの関係でございまして、わが方との関係におきましては、安保条約を結んでおる相手国であるアメリカの演習に参加するということでございまして、従来のわれわれが参加してまいりました演習と全然性質を異にするものとは考えていないわけでございます。
#386
○内藤功君 そうすると、今度中部太平洋に仮に行くにしても、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの船や飛行機は向こうの方で演習をやっている、向こうの海面で。日本の海上自衛隊の船と飛行機はそっちには行かないで、ぽつんと離れたところで演習をやる。カナダの船が近寄ってきても、自分は関係しないという旗でも上げて知らぬ顔していればいいかということになってしまうのですね。そういうものじゃないのですね。そういう大きな合同演習の中に入っていくものだということでしょう。
 それから、いままでの延長線上にあると、あなたはどういう根拠があるかわからないが言っておられるが、ハワイでいままで日本の自衛隊が行ってやった演習というのは、海の低で沈没した潜水艦から脱出する訓練をやるとか、あるいは発射した魚雷ミサイルがどういう航跡を描いて飛んでいくかということを検査する施設がハワイにあるらしいんですね、そのために行っていたのです。今度の訓練は延長線上じゃない、異質の訓練。ここにあなたの議論の欺瞞というものが私はあると思う。
 とにかく何と言われてもわれわれの前に資料がないんだから、資料提出を要求したいと思うのです。いいですか、委員長、次のような資料を要求したい。
 まず、演習の実施期間、来年の演習、これを明らかにする。二が演習実施海面、どこの海でやるのか。三番目が参加艦船。四番目が参加航空機。五番目が参加部隊。六番目が各国の指揮官。七番目が演習全体の指揮官またはコーディネーター、調整官。八番目が演習目的。九番目が演習の想定。十番目が演練事項。少なくともこれだけを、われわれ素人だけれども、国会の前に明らかにしなければ、これはこの演習に自衛隊を出すかどらかということは決めることができない。こういうことをしないで、もしやるというなら、この演習はとりあえず中止してもらいたいと私は思う。こういう重大な問題だということを総理は知っていて言うのか、あるいは知らないで言うのかわからない。知らないで言うのならばここで改めてもらいたい。知っていて言うのならばなお改めてもらいたいと私は思うのです。
 この演習参加というのは政治的な意味を持つものであります。日本の戦前の歴史は三国軍事同盟というものが破局に陥らしめた重大な原因になっておる……
#387
○委員長(山内一郎君) 内藤君、時間になりましたから、簡単にお願いします。
#388
○内藤功君 したがって、いま外国との合同訓練に参加するかどうかということは、かような十分な政治的な配慮を持って総理なり防衛庁長官が臨まなければならぬと私は思うのです。そういう意味で、最後に、これについての総理の御見解を伺っておきたいと思うのです。これを中止しませんか。
#389
○国務大臣(大平正芳君) 防衛庁もあらゆる観点から検討いたしまして、参加しかるべしという結論を出しまして私の承認を求められたわけでございまして、私は、防衛庁を信頼いたしましてこれを認めたわけでございまして、中止するつもりはございません。
#390
○内藤功君 総理が総理の責任でやったのですね。
#391
○委員長(山内一郎君) 以上で内藤君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#392
○委員長(山内一郎君) 次に、栗林卓司君の質疑を行います。栗林君。
#393
○栗林卓司君 きょうの午前の質疑で、瀬谷委員の方からなぜこの時期に解散をしたのかというお尋ねがあり、お答えがございました。伺っていてどうも納得がいかない面があるものですから、重ねてお尋ねをしたいと思います。
 解散をした理由として、八〇年代を来年に控えて人心の一新をしたい、こう言われました。ただ、普通、この際人心の一新という言葉を使うときには、指導者がかわる、総理がかわるような場合に使うんでありまして、現に自民党の内部抗争でも人心の一新を理由にして総理・総裁が退陣を迫られたわけであります。それを御本人が言われるわけですから、非常にわかりづらい。
 重ねてお尋ねしたいのですが、総理の施政方針演説を読みますと、選挙の結果の責任をいかに処理するかについて自由民主党内に論議を招き、見解も大きく分かれたと言われておりますけれども、その分かれた見解の中で総理のおとりになったお立場というのはどういうことであったのでしょうか。
#394
○国務大臣(大平正芳君) まず、この総選挙の結果について自由民主党総裁としての政治責任を辞任することによって果たすべきか、職にとどまって公約を果たす努力を通じて責任にこたえるべきか、両方大きく見解が分かれたわけでございますが、私は後者の方をとったわけです。
#395
○栗林卓司君 繰り返しますと、自民党総裁としては去年の総裁公選で正規に選ばれた総裁である、任期は来年の十二月まである、したがって、その間というものは、反省すべきはしながらも、あくまでも責務を尽くしていくのが総裁としての責任のとり方だ、言い直しますと、こういう意味だと思うのです。
 同じことは衆議院議員でも言えるんじゃないでしょうか。正規の選挙で選ばれた、来年の十二月まで期間がある。解散というのは、四年の任期がある国会議員を途中で任期半ばにして解任することが解散の本当の意味です。ですから、総理が責任ということについてそういうお立場をおとりになる、私はその立場がないとは言いません。ただ、その立場をおとりになる人が、いや衆議院議員だけは別なんだということが言えるんだろうか。むしろ来年の十二月まで四年間の任期を全うするのが衆議院議員としての、しかも正規の選挙で選ばれた人たちの責務のとり方ではないか、こうなりませんか。
#396
○国務大臣(大平正芳君) お説のような見解もあり得ると思いますけれども、私は今朝御答弁申し上げたような選択が正しいと思ったわけです。
#397
○栗林卓司君 では、一言だけお尋ねしておきますけれども、衆議院の選挙のたびに一票入れていただく有権者の方々は、この議員は三年でやめるのかな、四年までやるのかなと、そんなことを考えて投票するだろうか。四年の任期いっぱいやってもらいたい、当然それを前提にしてそれぞれ議員というのは選ばれているもんだという事実に対してはどうお考えになりますか。
#398
○国務大臣(大平正芳君) もちろん衆議院議員の任期は四年であるということはよく心得ておるつもりでございますが、同時に、政局転換の活気を解散でつかみ得るということもまた憲法上認められておると思うんでございまして、世論の動向を見て敏感に対処せにゃなりませんし、解散権をみだりに行使してはならぬこともよく承知いたしておるつもりでございますが、そういういろいろな観点を総合判断いたしましてあのような選択を行ったことにつきましては御理解を得たいと思います。
#399
○栗林卓司君 後にずいぶんと問題を残すことであったということだけ申し上げておきたいと思います。
 問題を移しまして、これは大蔵大臣にお尋ねをしたいんですが、その前に日銀総裁からまずお尋ねをしておきたいと思います。
 五十五年度の財政事情の試算を先般の閣議で大蔵省が発表されました。内容を簡単に要約しますと、来年度の税収、すなわち国民の皆さんからいただく税金の総額は二十六兆円である。国債の発行、すなわち国の借金は十四兆二千七百億円としたい。これはことしよりも一兆円少ない。三番目は、これでは当然増経費――社会保障、恩給、教員増、育英奨学金、ベースアップ云々という、いわゆる当然増と言われているものを賄うだけでもう目いっぱいだ、どうしたらいいだろうかというのがこの財政事情の試算を出された本当のお気持ちだろうと思います。
 その点はまたお尋ねするとしまして、試算とはいえ、来年十四兆二千七百億円の公債発行を一応予定いたしますとおっしゃっているわけでありますし、ということは、ことしこの一兆円多い十五兆二千七百億円を全部発行してしまいたい、こうなるんだろうと思います。ところが、発行したいというのは片方の理屈でありまして、では金融市場あるいは物価動向等を考えて、それが果たして消化できるかという面も、これはつぶさに検討しなければいけないことだろうと思うんです。その面で、まず十四兆二千七百億あるいは十五兆二千七百億という数字のお尋ねはいたしませんけれども、いまの金融市場の動向あるいは物価動向等を考えながら、金融市場として許容し得る公債発行額というのは大体どの程度なんだろうか。ふやせるんだろうか、減らすべきだろうかという点について、日銀総裁にお尋ねしたいと思います。
#400
○参考人(森永貞一郎君) 金額でどのぐらいが適正限度かという御質問にはなかなかお答えしにくいのでございますが、本年度の十五兆二千億余りの国債消化は、そのうちのかなりの部分が市中消化ということになっておるわけでございますが、かなり難航しておることだけは事実でございます。そのことが国債市価の上にも明瞭に出ておるわけでございます。その消化の実情に基づきまして、私どもといたしましては、来年度はぜひ国債発行額をかなりの規模において減額していただきたいとお願いをしたい気持ちでございます。
 先般、国債発行等懇談会がございまして、少なくとも一兆円減額をするという基本方針をお示しに相なられ、財政の実情もつぶさに承った次第でございますが、私どもといたしましては、少なくともという点に重きを置きまして、できるだけ一兆円以上の減額をしていただくようにということをその際にもお願いをいたしたつもりでございます。いま、物価の問題が起こっておりまして、国民の脳裏には財政インフレという心配が絶えないわけでございますので、やはり国債発行額を適正な限度に――なかなか一遍には減らせませんと思いますが、減らすように努力をしていただくことを政府にも私どもとしてお願いをした次第でございました。
 もう一つ、設備投資の関連で、今後日本経済が安定的な成長を遂げまするためには、やはり設備投資がモデレートな規模で今後起こっていくことが必要でございますが、マネーサプライ・コントロールの上から申しましても、やはり国債の発行額についてだんだんに減らしていただくようにということをぜひともお願いをしたい気持ちでいっぱいでございます。
#401
○栗林卓司君 大蔵大臣にお尋ねしますけれども、総理の施政方針演説の中で、自然増収は優先的に公債の発行減額に充てると書いてあって、ことしは少なくない自然増収が見込めるようなお話でありますけれども、今年度の実際の公債発行額というのは、そうすると幾らぐらいになりそうな感じでございますか。
#402
○国務大臣(竹下登君) 今年度の自然増収見込みを一兆八千から一兆九千と、こういうふうに申し上げてきております。したがって、たとえばただいま来年度の問題につきまして御意見がありましたが、それは四兆ないし四兆五千の最高限をとったものでございますので、今年度の分も一兆九千という仮に最高限をとってやりましても、その中におきましては義務教育国庫負担の問題でございますとか、それから地方交付税の問題でございますとかがございますので、正確にたとえば一兆はできますというところまで申し上げる段階ではございません。極力公債の減額に充てるという方針であることは総理からも申されましたとおりであります。
#403
○栗林卓司君 大蔵大臣、その場合、仮に一兆減額ができたといたしまして、そうすると、この財政事情の試算というのは、実際の今年度に比べてさらに一兆減らしていこうという思想はそのまま続くわけですか。というのは、一兆減りますと今年度が十四兆二千七百億円、来年度がさらに一兆円減らして十三兆二千七百億円、こういう気持ちで考えていると受け取ってよろしいのでしょうか。
#404
○国務大臣(竹下登君) ことし、仮にもしという前提がついてはいらっしゃいますが、一兆円事実上減額ができた場合は、来年はそれをベースにさらに一兆円、十三兆二千数百億まで持っていくかという御質問でございますが、現時点におきまして私どもはそこまでの自信を持っておりません。したがって、やはり今年度の発行額の少なくとも一兆円の減額は来年度するということは至上命題としておるところであります。
#405
○栗林卓司君 そこでお尋ねしたいんですけれども、先ほど人心一新ということを総理が求められたものも、どっちかというと、例の五年間に及ぶ大変長い不況のトンネルが終わって、ようやく明るみが見えてきたことでもあり、という前のくだりがあった。それは、私はそのとおりだと思うんです。先ほど日銀総裁の言われましたように、十一月の日銀短観でも、予想外という言葉を使っててはいけないかもしれませんけれども、予想外に設備投資が堅調なんです。十一月通産省が出した資料によりましても、全く同じ答えが出ておりました。で、ことしの下期は大丈夫かなと思っていたのが、薄紙をはぐようにしてだんだんと自信を深めてきたような昨今の状況だと思うんです。したがって、五年間という非常に長い不況のトンネル、まあ全治三年間、リハビリテーション二年間というかっこうになるんですが、そのトンネルからようやく抜け出して、自律回復力をどうやら持ったらしい。この判断をするかしないかというのは、私は重要なところだと思うんです。
 そこで大蔵大臣にお尋ねをするんですが、自力回復力を民間部門がやっと持ったらしいと。いま何を私が言いたくて言っているかといいますと、今年度の公共投資といいますのは、五十三年度、対前年度伸び率が三六%、まあ前代未聞、臨時異例と言って組んだ、あのげっぷが出るほどつけた公共事業なんですよ。それでも心配で、秋に二兆五千億円、これは別な事業規模ですけれども、つけた。本当にくっつけ過ぎちゃったこの水準より今年度はさらに高い。そのときに、これを下げる勇気は政府にもなかったし、われわれにもなかった。だけど、ここまで来ると、どうやら確かなところで自律回復力が出てきたらしい。そうなると、いま持っているこの五十四年度の公共事業の水準をこのまま維持しておいていいんだろうか。それで、五十三年度の当初はげっぷが出るって言ったんですよ、みんな。その上にさらに二兆五千億を足したものを今年度はさらに数%積んだんです。多々ますます弁ずるではありますけれども、そろそろここで財政のかかわり方を変えていかなきゃいかぬ。財政の再建といいますと、特例公債、赤字公債のことが問題になるんだけれど、いま一番気にしなければいけないのは、この建設公債、公共事業のかかわりではないんだろうか。
 時間がありませんから言いたいことを言っちゃいますと、といって、そう手を引いていいというかっこうになりませんけれども、せめて五十三年度の当初ベースぐらいのところまで徐々に公共事業を落としながら、ことし一兆円の減額をして、なおかつ来年何千億円でも減額をすべきではないのか。そうしませんと、その次に不況が来たときにもう手を打てませんよ。幸いに、いま自力回復力がついたと、これをどうするかということはまた後の質問になりますけれども、公共事業についてはそういう見方で、今年度の実発行額よりも来年度はさらに、仮に数千億円でも減らしますというお立場を私は大蔵省はおとりになるべきではないのかと、こう思うんですが、いかがですか。
#406
○国務大臣(竹下登君) いまの栗林委員の御意見は傾聴に値する点は多々ございます。確かに今日上半期の決算等を見ましても、自律回復力という言葉が適切でございますか、とにかく民需を中心として拡大傾向にあることは事実でございます。そしてまた、雇用も逐次改善される方向に来ておるということも事実でございます。ただ、その後の消費者物価の値上がり等からくる影響というものが下期にどのような影響をもたらすかということについては、にわかに楽観を許す状態には必ずしもないというふうに思っておるところでございます。
 したがいまして、いわゆる公共事業が昭和五十三年度の、げっぷが出るようなという御表現をなさいましたが、いわゆる概算要求から増査定が行われたあのときの状態でもってその景気の下支えをしていく段階には、状態にはないと思います。
 それと同時に、やはり赤字をこれだけ抱えたわが国の財政が、もはや公共事業をてこにして経済の拡大を図っていくという力自体がいま大変問題――なくなっておると言っても過言ではなかろうかと。したがいまして、私ども来年度の公共事業の予算の査定に対しましては、今年度の公共事業には少なくとも抑え込まなければならない。それをさらに栗林委員のおっしゃった何千億かを抑え込んでいくというところまではまだ自信がございません。
#407
○栗林卓司君 意見だけ申し上げておきますと、来年度の先行き不安ですけれども、一つは石油の価格でございます。それから一つは石油の供給量、一つは円安、まあ大体この三つだろうと思うんですね。
 というと、石油の価格対策というのは結局物価対策ですから、これは引き締めぎみに運営せざるを得ません。石油の供給量の対策、これはもう公共事業の出る幕ではありません。公共事業だってエネルギーを食うんです。したがって、これ、全く別な話。じゃ、円安。これは二百五十円以下絶対死守、これしかない。結局それは引き締めぎみの金融政策、財政政策を伴いながら、今後輸出がどう伸びていくだろうかというパターンに恐らくなっていく。したがって、来年の先行き不安、確かにあるんだけど、それは従来とは性格というか性質が違うんじゃないだろうか。したがって、ここまで伸ばしてきた公共事業の役割りには敬意を払いながら、若干足を戻すという配慮が私はどうしても必要ではないんだろうか。重ねて申し上げた次第でございます。
 それで、時間がありませんから、先を急いで行政改革を伺いたいんですが、日銀総裁にもう一つだけお尋ねしたいんです。
 というのは、三次にわたって公定歩合をことし引き上げられました。それぞれ理由があってのことだろうと思うんですけれども、第三次の公定歩合引き上げを発表された声明文の中で、これを来年度に対する橋渡しにしたいという、非常にある意味では含蓄のある言葉を使っておられましたし、私の飛躍した言い方かもしれませんけれども、もし政府の方が早目に物価対策、あるいは非常にいま水準が高くなった公共事業に対する見直し等々に取り組んでいたとしたら、九月、十月ごろ。もしかしたら第三次の引き上げはなくて済んだんではないだろうか。その点、大変聞き方も中途半端で、時間がなくて恐縮ですけれども、よろしかったら御見解を伺いたいと思います。
#408
○参考人(森永貞一郎君) 公定歩合を引き上げまする場合には、さらに次の引き上げを予想しながら引き上げるということは避けるべきであると思います。必要な額だけはやっぱり一遍に上げた方がいいかと思うわけでございまして、したがいまして、私ども公定歩合を引き上げます場合には、相なるべくは次回の引き上げをしなくても済むような効果を上げ、経済の推移をひたすら期待すると、そういう意味で申し上げておるわけでございます。今回の引き上げの際にも、願わくはこれをもって最後の引き上げにしたいものだという気持ちを率直に申し上げましたことは御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、いまは第三次引き上げの効果がどう出るかということを慎重冷静に見きわめておるさなかでございまして、いま次の引き上げを予定するようなことは考えていないというのが率直な私どもの心境でございます。
#409
○委員長(山内一郎君) 森永参考人には、御多忙中のところを再度にわたり御出席をくださいまして、まことにありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。
#410
○栗林卓司君 行政改革について率直に行政管理庁長官にお尋ねをいたします。
 まず特殊法人ですけれども、いま聞くところによりますと、十二法人何とか減らして、いま百十一あるものを百を割りたいということをやっておいでのようでございますけれども、なぜその程度の目標で取り組んだのか、お尋ねしたいと思います。
#411
○国務大臣(宇野宗佑君) 私といたしましては、過般来、本会議等々でも申し上げておりまするとおり、百十一の特殊法人のうち、かなり大幅に減らしたい、こうしたことで、いまも鋭意その作業を続けております。同時に、これは各省大臣にもお願いをいたしまして、各省におきましても十二分にその趣旨を体して今日作業が進んでおると思いますが、今週中にはいろんな大臣にもお目にかかりまして、そして意見を交換いたしたいと思っております。
#412
○栗林卓司君 特殊法人をつくるに至ったいきさつというのは、役所の公益性、それから民間部門の効率、それをうまく組み合わせながら、効率よく公共性の高い仕事をしていこうということが本来の趣旨だったんですね。そうすると、特殊法人の役員として、まあ役所から何人選ぶか、民間に何人求めるかということは、なかなか具体的には出ないようだけど、しかし、発足の目的からすると、やっぱり半分以上は民間の人が入っていた方が本来なんじゃないかという感じがする。というのは、役所の皆さんは、それぞれ皆さん優秀ですけれども、やっぱり親方日の丸にどっぷりつかっていまして、効率ということになると、やっぱりこれは民間の人たちの方がツーカーになる。したがって、そういった人たちが半分以上、できればもう相当の部分というのが一番特殊法人をつくった趣旨に合うんだと、私はこう思うんですが、いかがですか。
#413
○国務大臣(宇野宗佑君) 過般も総理みずからそのことに触れられましたように、今回の行革においては、特に民力を培養し、そして民間の人材を登用いたしたいと、これをやはり本来の姿としてもっと大きく取り上げなくちゃいけないと、私はかように存じております。
 仰せのとおり、現在は大体四分六でございまして、民間の方が四分、そして官界出身者が六分でございますから、極力仰せの線に沿いたいと思っております。
#414
○栗林卓司君 全体通して四分六と言われちゃうと、いかにもどこでもそうかなという感じになるんですけど、百十一ある中で役員の全部が官僚OB、三十五あるんです、これは。特殊法人にしておく必要ないですよ、こんなのは。それから、全部じゃないけど、一名か二名しか民間の人を置いてない、ほとんど言うなれば官僚OBだというのが二十七。足して六十二ですよ。大まけにまけて半分以上、そこまでというと、さらに二十一ふえるんです。八十三、合計。ですから、四分六とおっしゃらないで、三十五全部官僚OBが独占しているのは、特殊法人の意味ないんですよ、これ。早速やめてもらって、本庁に吸い上げりゃいいんです、機能を。ほとんどのところがそうですよ。しかも、もし仮にこれが逆で、ほとんどが民間だとなったら特殊法人つくるもんですか。その運命に役所の人は関心がなくなっちゃう。特殊法人をつぶそう、あるいは合理化しようと思ったら、役員を全部民間にすれば一番簡単なんです。そうすると、いま私が言いました、役員ポストをOBが独占している三十五の特殊法人も含めて、これは具体的に何年以内に、しかも半分以上は当然なんだと、そういったぐあいにお変かえになるのかどうか。しかも、特殊法人といいますと、外に見せる顔がある。総裁、理事長、これは民間でやるのが本当ですよ、当然。しかるに、これが百十一ある中で九十五、八六%が官僚OBが総裁、理事長を占めている。この実態もいつまでにお直しになるんですか。
#415
○国務大臣(宇野宗佑君) いま私申し上げましたのは、総数で申し上げて、個々にはすべてデータがございますから、どこにはどうなっておるかは一切承知いたしております。
 そこで、今回の行革は三年ないし五年、これを目途として断行いたしたいと思っておりまして、ただ単に特殊法人の数減らしだけではなくして、法人そのもののやはり内容に関しましてもメスを入れる。特にいま申し上げました人事、そして内部組織あるいは業務、これらに関しましても、やはり仰せのとおりのような線でわれわれといたしましては断行いたしたいと、かように存じております。
 このプランは、大体大まかなやつは年内に策定をいたしたいと思います。そして人事等々に関しましても、ある特殊法人に関しましては、明年あるいは法案を出すことができるかもわかりませんし、物によりましてはやはり三年かかるやつもあるかもしれません。しかしながら、かつて常勤役員に関しましては、やはり縮減計画をもちまして順調にそのことも完遂したという実績がございますから、今後十二分にその面を生かしていきたいと、かように存じております。
#416
○栗林卓司君 では、地方出先機関の問題についてお尋ねしたいんですけども、これもなかなか個個に検討いたしますと、歴史もあり経過もあり、いまになってしまったら変えられるかみたいな話があってむずかしいんですが、まずこれをひとつ将来、といっても、いま長官がおっしゃっている三年から五年という期間での話なんですが、将来、この地方出先機関というものを基本的にどう位置づけていくのか。というのは通信網が発達していますね、最近は。しかも、飛行機がある、高速交通網がある、そういったときに、国が出先をそれぞれ府県に置いておく必然性というのはもうなくなったんじゃないか。片一方では総理みずから施政方針の中で、いまは地方の時代ですとおっしゃっているわけです。地方の時代ということは、地方の自治体の機能も質量ともに、まあ量と言うとあれですが、質の面でも大幅に向上していくことが期待されるし、それに対する助成政策も講じていかなきゃならぬ。といたしますると、いま何ができるかというのは答えられないとしても、三年から五年の期間の中で、最終的に地方出先機関をどこに属さして、どういったかっこうにするのか、それはあると思うんです。伺いたいと思います。
#417
○国務大臣(宇野宗佑君) 今回の行革で、やはり地方出先機関の整理ということも四本柱のうちの一本にいたしております。現在といたしましては、もう御承知のとおり、きわめて事務的な部分の機関、これに関しましては非常に大きな整理がなされておりますが、問題はやはりブロック機関であろうと、こういうふうに考えるわけでございます。仰せのとおり、もう交通も非常によくなりましたから、いままでだと近畿、東北、それぞれ、その地方に頼らなけりゃならなかったが、いまはもう町村長みずから東京へ来てしまうというふうな時代でございますから、十二分にその面におけるところの使命がどうなっておるか、多くの意見を聞きながら、これも重要な問題だと思いますから、今後強力に意見の交換を進めていって、そして最終案を得たいと、かように存じております。
#418
○栗林卓司君 いや、長官、それだめなんです。だから、いま何をどうするというのはなかなかお答えになれないでしょうけど、三年、五年、これからどうするかというのは、哲学の問題なんです。したがって答えてくれと言ったんです。地方の時代と言っているんですから。そのときに確かに要らなくなってしまったものをどこにするかということは、それはあなたの哲学の問題ですよ。それで伺ったんです。
#419
○国務大臣(宇野宗佑君) これもやはり三ないし五年という間でやっていきたいということでございます。したがいまして、現在といたしまして、やはりそれだけの使命を果たしておるやつもあろうと思います。物によって非常にこれは地方住民のためにも役立っているものもございましょうが、しかしながら、やはり私といたしましては、すでに戦後三十五年目を迎えるわけでありますから、したがって、ぜい肉と思わしきものはずたずた切らなくちゃならない、そして一九八〇年代に対して機敏な行政ができるような体制をしかなくちゃならない、そういう気持ちで今後もやはり地方問題に対して、地方出先機関に関しまして、十二分にメスを入れていきたいと、かように存ずる次第であります。
#420
○委員長(山内一郎君) 以上で栗林君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#421
○委員長(山内一郎君) 次に、山田勇君の質疑を行います。山田君。
#422
○山田勇君 総理にお尋ねいたします。
 解散、総選挙から第二次大平政権発足に至る二カ月余りに上る政治空白についての責任追及は、衆参両院の代表質問、また当予算委員会を通じて、すでに何人もの質問者が繰り返し繰り返し詰問をしてまいりましたが、この問題について総理は、異例とも言われる所信表明の冒頭で、「私の不明のいたすところ」と国民に謝罪をしましたが、この問題は謝って済むという問題じゃないということは総理もよく知っておられると思います。
 国民は長い政治空白の間いらいらし、そのいらいらも通り越して、あいた口もふさがらぬというような状態であったと思います。政党政治のもとで、同じ政党から二人の総理大臣候補者を立てて、他の党が同席する国会の場で党内の派閥抗争の決着をつけようとし、まして一部野党の票まで当て込んだ今回のやり方は、連立という大義名分があったかどうかは別といたしましても、国民の目には、権力の座にしがみつく大平総理の姿しか映りませんでした。一部のマスコミでは、票集めの買収工作の有無までささやかれ、自民党の金権体質を知る者にはそのように受け取られております。
 朝日新聞の十一月十四日の、自民党総務会の模様を報じた記事によりますと、党員の中川一郎氏が、「大平総裁が地位を利用して政策なり何なりの利益で誘導したとすれば公選法違反にならないか」と発言さえしておりますが、党内事情通の中川氏が、連立問題と政権維持をからめての疑問は、たとえ公職選挙法に抵触することはなくとも、公職の最たる総理大臣の選出が、国民の目から見ても不明朗きわまるものであることはまことに残念でなりません。このことは、単に大平政権の評価を落としたことにとどまらず、日本の議会制民主主義政治に大きな汚点を残し、国民の政治不信をますます助長したものと深く憂うるものであります。
 私は、前回の予算委員会で、大平総理の非常にすぐれた人格というものをほめたたえたつもりです。そういう総理がわれわれ国民を裏切るようなこのたびのこの行動に対しては、私も本当に腹立ちを禁じ得ないものであります。政治は一体だれのためにあるのか、何度も何度も同じことを衆参を通じて繰り返しておりますが、わかりやすく総理からもう一度、政治はだれのためにあるのかをお答えいただきたいと思います。
#423
○国務大臣(大平正芳君) 政治は、申すまでもなく国民のために、民主的なルールを踏まえてやってまいらなけりゃならない厳しい任務だと心得ております。
 私につきましての御批判を込めての御質問でございました。
 総選挙以来の長い政治的混迷でございますが、これは主として自由民主党内部の問題でございまして、自由民主党といたしましても、党内の民主的なルールに従いましてこの問題を処理せにゃいかぬとはだれも考えたことであったと思うのでございまして、そのように努めたわけでございます。本来、時間が許しますならばもう少し時間をかりまして、党内民主主義の力量においてこの問題を解決してまいるべきであったと思うのでございますけれども、特別国会が設定されて、首班指名という議題が第一の議題として取り上げられておるわけでございまして、いつまでも党内において収拾に手間取っておるわけにはまいらなくなったのでございまして、非常に残念ながら、国会を通じて決着を図らなければならぬというような大変不幸な道行きになりましたことは、返す返すも残念でございます。こういうことは繰り返してはいけないことと思うのでありまして、私が総裁として早期に収束をいたしまして、かかることのないようにすべきであったと思うのでございますが、それができなかったことは私の不明、非力のいたすところでございまして、私の全責任であると考えております。
 しからば、なぜ私が権力に執着するとまで言われてがんばったかということでございますけれども、私は総理、総裁という立場は大変――私は偉くはありませんけれども、この地位は重大だと考えておるわけでございまして、私の去就ということにつきましては、政治の立場を考えて、国民に対する責任を考えまして非常に慎重でなければならぬと、それにはそれ相当の理由がなければならぬと考えまして、私のちゃんとした腹に落ちることでなければみだりに去就を決めてはならぬと考えておりましたわけでございまして、権力に必ずしも恋々とするものでは私ございませんで、私はその重い立場というものを考えまして慎重を期したわけでございます。そのことのために大変収束が長引いたことは、繰り返して申し上げるようでございますが、私の力量の不足でございまして、これは申しわけがなかったと思います。
 第三の問題は、しかし、これは政治は国民のためでございますから、国民に行政の停滞を招きましたこと、御心配を招きましたことに対しましては、素早く態勢を整えてその停滞を取り戻していかなければならぬわけでございまして、いま精いっぱいそのことに努力をいたしておるところでございます。
#424
○山田勇君 それでは次に、財政再建の問題についてお尋ねをいたします。
 私は、いまから十一年前の初めての当予算委員会に出席しましたが、そのときの大蔵大臣でありました福田赳夫氏にきわめて単純、素朴な質問として、国民はなぜ喜んで税金を納めないのかと聞いた記憶があります。国税庁が開庁三十周年を記念して、この秋に全国の中学生から税金の標語を募集していますが、その長官賞の受賞作は「納税は小さなわが家の大きなつとめ」というのであったようですが、納税は日本国民である限り当然のこれは義務でありますが、時あたかも、来年度を財政再建元年と考えている政府といたしましては、あらゆる面から税のスムーズな徴収を図ろうとしている姿勢がうかがわれます。しかし、国民としては、航空機汚職、さらに公費天国に見られる各官庁のヤミ給与、カラ出張の続出、また不公平税制の問題、政府に対する不信感の非常に強まっています現状では、増税はおろか、納税を拒否する運動さえ起こりかねません。
 顧みますと、昭和四十八年秋の石油ショックによる異常な物価の上昇、それを鎮静させるための総需要抑制政策の結果は、景気の後退、不況、さらにその後は不況打開のための公共事業優先の投資の大型予算、すなわち大量国債の発行、つまるところ今日の財政危機に至るわけですが、財政や経済は生きたもので、そのときどきの内外の情勢によって適応した対策をとるのは当然だと私は思いますが、五十四年度末で六十兆に近い赤字を出すに及んだ政府の財政運営が、果たして国民の理解の上に立った国民本位の政治であったかどうかという点を私は総理にお尋ねいたします。
 総理、この一般消費税というのが、選挙の終了後とか選挙でない時期ならこの一般消費税は国民に御理解をいただいたと思われますか。これは私は何度も言いますように、景気打開策のために大型公共事業優先の政策をとる、それが赤字国債につながる。そのためには、しかし国民は若干の景気の上昇を見た。そのツケが結局六十兆という形で出てくる、このツケを国民のみんなで返そうじゃないかと。そういう意味の説得力というのが、あの一般消費税について、選挙の前ということのためにつぶされてしまったのか、それとも、総理が先ほどから言われるいわゆる力量の不足でこれを国民に説得することができ得なかったかという点についてお答えをいただきたいと思います。
#425
○国務大臣(大平正芳君) いまの財政危機を招きました原因といたしましては、幾つかの大きな原因が考えられます。第一に、長い間の高度成長になれまして、われわれは比較的手軽に自然増収を毎年毎年確保することができた。したがって、財政運営におきましてわれわれは厳しさを忘れかけておったのではないか。そういう緊張した姿勢で財政に望むべきであったにもかかわりませず、高度成長経済の果実というものが入ってくるものでございますので、財政運営にそういった緊張感が弛緩しておったということは大きな一つの原因であったと思うのでございますが、第二には、七〇年代に訪れましたドルショック、それから石油ショックという二つの大きな試練に遭いまして、これに対しましてわれわれは財政力を表に立てて対応してまいったわけでございまして、国民の生活、国民の経済にはできるだけ影響を与えないように財政で対応するという手法をとったわけでございまして、それにはいろいろな批判もあったと思いますけれども、それが一応奏功いたしまして、いずれの先進国にも劣らないスムーズな危機に対応ができたことでございます。それは一面において評価されるべきことであったと思いますけれども、財政が非常に大きな後遺症を身に持つということになったと思うのでございまして、そういったことが重なりまして、巨大な国債につかった国債過剰依存の財政体質を生んでしまったと思うのでございます。これはもう一度原点に返りまして再建に当たらなければならぬわけでございまして、真剣に歳入歳出全般にわたりまして、事の大小にかかわらず、全力を挙げて真剣に対処をいたしまして財政再建の実を上げていかなければならぬわけでございまして、国民はそのことを政府が前提として真剣に取り組まない限り、山田さんがおっしゃるように、国民の納税に当たりましても、そのことを潔しとしない気持ちが出てくるのは無理からぬことだと思うのでございます。とりわけ最近のように綱紀の弛緩が各機関において続発してまいるという事態はまことにゆゆしい事態だと考えておるわけでございまして、原点に返ってと申します意味は、綱紀粛正も原点に返らなければいかぬが、財政再建の緊張感もこれはやっぱり原点に返ってもう一遍やり直す必要をいま痛切に感じておりまして、そのことがない限り国民の理解は得られないのではないかということでございまして、国民の理解は、そういう原点に触れて、原点に根差したものでなければならぬと私は考えております。
#426
○山田勇君 大変よく説明していただいてよくわかるんですが、総理、一般消費税、これ以上の――私は増税論者じゃありません。国の行政一つ見ても、昔はアスファルトだけ引いたらいい、いまはガードレールをつけなけりゃいかぬ、車道つくらなきゃ、歩道橋をつくらなきゃいかぬ、財政が非常にふくらんでくる。多岐多様に分かれる。だから国家の財源もだんだん窮乏してくる。だからどっかから国家財源を捻出してくる。これは財政法として当然なことなんですが、国民が納得のいく、それには政治姿勢というのをぜひ改めた上で、国民合意の中で国家財源の捻出ということをぜひ考えていただきたいし、一般消費税というのは再び出しては、総理、いけないと私は思います。
 続いて、環境庁にお尋ねをいたします。
 合成洗剤の問題について環境庁にお尋ねをいたしますが、御承知のように、滋賀県では、ことしの九月、県議会で琵琶湖の汚染、富栄養化防止を目指して燐や窒素の流入負荷量の削減をねらった合成洗剤の販売、使用の禁止を骨子とする条例が制定されました。また、その後、この合成洗剤追放全国連絡会という各分野から集まった合成洗剤追放運動の人たちが神戸で会合を開き、次は瀬戸内海で深刻になっている赤潮対策、兵庫県にこの条例をつくるよう申し入れたりしておりますが、これは全国的に見て、この汚染の状態はどうなっているんでしょうか。また、この洗剤メーカーの反発も確かに大きいようですが、国民の健康、それと漁業の問題など、環境庁といたしましてはどう取り組んでおられるのか、長官からお尋ねしたいと思います。
#427
○国務大臣(土屋義彦君) 先生御案内のとおり、琵琶湖は千三百万人になんなんとする近畿圏の人たちのとうとい水源地でございまして、しかるに最近プランクトンが大変ふえてまいりまして、水道の水が臭くなったり、ろ過器が故障するような状態になりまして、そこで県当局におきましては、県民の理解のもとに、富栄養化の防止対策の一環といたしまして、燐を含んだ合成洗剤の使用、それから販売、贈答を禁止するような条例が制定されたようなわけでございますが、環境庁といたしましては、水質保全の見地からいたしまして大変意義があるものであると高く評価をいたしておる次第でございます。
 また、環境庁といたしましては、従来通産省並びに洗剤工業会等に対しましても、低燐化の問題、それから代替製品の開発等に対しましても強く要請してまいっておりまして、今日ほとんどの製品が燐の含有量一〇%以下になっておるような状況でございます。
 お説のとおり、最近全国の湖沼、瀬戸内海とか内海が非常に汚濁をされておりまして、そこで環境庁におきましても検討委員会を設けて、これから真剣にこの問題と取り組んでまいりたいと思っております。
 それから全国大会のお話がございましたが、人間の健康の保護、それからまた自然環境の保全、それからまた公害の未然防止を使命とするわが環境庁から見ました場合に、大変その大会は意義があるものであると、かように確信をいたしております。
#428
○山田勇君 どうもありがとうございました。環境庁の長官が本当に力強く答えていただきましたものですから、こういう運動が大きく全国的にいい意味の市民運動として広がることを期待しております。
 最後に、外務大臣にお尋ねいたします。
 カンボジア難民救済の問題です。ちょっと時間がございませんが、調査をいたしましても非常に悲惨な結果ということが出ております。大来外務大臣はアメリカのロックフェラー財団の皆さん方にも親交のある非常にりっぱな外務大臣でいらっしゃいます。
#429
○委員長(山内一郎君) 山田君、予定の時間が参りましたので簡略に願います。
#430
○山田勇君 はい。このカンボジアの難民救済についてお答えをいただいて私の質疑を終わらしていただきます。
#431
○国務大臣(大来佐武郎君) カンボジア難民の急激な増加もございまして、大変私どもも憂慮してまいりまして、先般、緒方貞子さんを団長にいたします調査団を現地に派遣し、いろいろ調査をいたしました。日本側としてどういう点でお役に立つか。お金の方はある程度政府からも出ておりますが、現地に余り日本人がいないというような点もございまして、早急に医療団の派遣を手配しております。年内に三チームぐらい参る予定になっておりますが、なお、医療カーといいますか、バスの中に医療施設、手術設備などを入れたものを送る。それから、タイ側の協力によりまして、一つ根拠地をつくりまして、そこを中心にしていまのようなモービルの医療車を回すというようなことも含めまして、早急にこの援助の充実を図っておりますが、なお一つは、こういう難民問題につきまして、政府以外にも一般の民間の盛り上がりというものが非常に重要なことかと思います。最近各方面で募金あるいは小学生の拠金等もございまして、緒方さんも約一億円ばかりのお金を――小学校から、全国から集めたお金を持っていかれて非常に現地でも感謝されたようでございますが、これはやはり政府も大いに努力しなきゃならない、同時に民間でそういうことが盛り上がってまいることが期待される。その点ではいろいろそういう望ましい、力強い動きも日本の国内に始まっておるように思います。
#432
○委員長(山内一郎君) 以上で山田君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#433
○委員長(山内一郎君) 次に、野末陳平君の質疑を行います。野末君。
#434
○野末陳平君 行政改革にはいろいろな角度からのチェックが必要だと思います。本来は役所減らし、人減らしということでしょうけれども、これは言うはやすくして行うはむずかしいわけです。しかし、金減らしの方はできると思うんですね。要するに公務員に金がかかり過ぎているというこの実態は、その気になればかなり改善されるとぼくは思うわけですね。たとえば、最近でも問題になっておりますけれども、いろいろな手当がありますね、超過勤務手当とか出張手当、それから特殊勤務手当、いろいろな手当があります。これ、どれもが非常に金を食い過ぎる。そこで役人天国というような批判が生まれるわけですね。ですから、綱紀の粛正という、これは姿勢の問題ですから、これが一番大事でありますけれども、これと同時に制度そのものにもメスを入れていくことによって金減らしをするということが非常に大切だとぼくは思うんですね、総理。
 そこで、いろいろな手当が公務員にありまして、民間に比べどうも優遇され過ぎているという気がします。その中できょうはまず、重箱のすみをつつくような小さいことかもしれませんが、持ち家ですね、公務員が家を持っている。借りているわけじゃありませんね。マイホームを持っているそういう公務員に対しても住居手当が出ているという、この辺から質疑に入りたいと思うんですね。
 先ほど公務員宿舎の問題が出まして、非常に安い家賃で入っている、しかも、やめてからもまだ居座っていると。これはもう大問題です。しかし、公務員でも民間の家に借家をしていると、こういう場合に住居手当が出るんだったらこれはうなずけるんですが、マイホームを持っていると。ですからこれは家賃を払っていない。そういう公務員がいて、ここに住居手当が出ているこの実態。人事院に聞けばわかると思いますが、一人一カ月幾らこういう意味の住居手当は支給されているか。
#435
○政府委員(長橋進君) お答えいたします。
 持ち家者に対する住居手当の額でございますが、自宅に居住いたします世帯主たる職員につきましては一カ月千円の住居手当が支給されております。ただし、新築あるいは購入いたしました住居が五年以内の場合、つまり、新築または購入した日から起算いたしまして五年を経過するまでの間は、それに千五百円加算をいたしまして、月二千五百円支給しております。
#436
○野末陳平君 一人当たりの額については少ないという見方もあるかもしれませんが、現在五十四年度で受給人数とそれから総額、これをお答えいただきたい。
#437
○政府委員(長橋進君) 自宅に係る住居手当の支給状況でございますが、五十四年度でございますと、受給者総計十五万三千六百八十二人でございます。そのうち千円受給しております者が十万一千九百三十九人、それから二千五百円口でございますが、この職員数が五万一千七百四十三人でございます。総額にいたしまして、持ち家者に対する総額は二十七億七千万円、そのうち千円口に対しましては十二億二千万円、二千五百円口でございますが、これが十五億五千万円という計算になっております。
#438
○野末陳平君 一人当たりについてよりも、この総額を聞いてみるとこれはばかにならぬ額だなと、こう思うんですが、総理、こういう手当があるということ、実態を御存じでしたか。
#439
○国務大臣(大平正芳君) 住宅手当があることは存じておりましたけれども、詳細はいま伺いました。
#440
○野末陳平君 いつからどういう理由でこの持ち家者にお金が支給されるに至ったのか、これを簡単にひとつお願いします。
#441
○政府委員(藤井貞夫君) お答えをいたします。
 公務員の給与の関係でございますが、これは基本的には、御承知のように、官民の比較をいたしまして、その較差というものを中心にして是正をするという根本方針で従来やってきております。したがいまして、給与の種類その他につきましても、民間の動向その他について大変詳細に調査をして、今日までそれに対する対処をやってきておるということでございます。
 住居手当につきましても、実はいろいろ過去の経過がございました。ところが、やはり民間におきましても持ち家対策というようなことが大変盛んであったこともございます。そういうようなこともありますし、公務員の場合で申しますと公務員住宅、それとの対比の問題もございます。そういうことを総合勘案をいたしましていまの制度をつくり上げたということが簡単に申しまして経緯でございます。
#442
○野末陳平君 公務員住宅が安過ぎるということを比較に出されるのはちょっとおかしいと思いますが、民間の問題ですね、民間の場合は確かに事業所によっては持ち家者に対しても幾らかの支給がある。これは知っております。しかし、公務員の場合は住宅資金を借りる場合でも低利の共済組合の融資などありまして、住宅事情は民間より非常に恵まれている。恵まれていると思いますよ。それは主観の相違としても、じゃ、民間企業で持ち家者に対して何がしかの住居手出を出しているというのはどのぐらいですか。
#443
○政府委員(藤井貞夫君) これは毎年給与調査の一環として大体調べておりますが、最近の調査によりますと、持ち家の社員に対して民間の企業が何らかの手当をやっておるという比率は、われわれの調査で調べましたところ八八・六%ということになっております。
#444
○野末陳平君 その数字が少しおかしいわけで、それは住居手当を支給している事業所を一〇〇とした場合の数字でしょう。いただいたこの勧告に基づいて見ると確かに八八%ぐらい支給している。ところが、その数字は住居手当を出している事業所を一〇〇としたらばそうなるということで、全民間の住居手当を出していない事業所も含めた場合はぐうっとこれは率が下がって半分以下になるんじゃないですか。
#445
○政府委員(長橋進君) 民間では住居手当を支給してる事業所が五六・九%ございます。いま総裁の述べましたのは、その支給事業所に対する割合が八八・六%でございますから、これを全部割り戻してみますと、約五〇・数%自宅に対しても支給している状況でございます。
#446
○野末陳平君 総理、大蔵大臣に特に聞いていただきたいんですが、この額は少ないじゃないか、あるいは民間でも半分こういう手当が出ているんだからいいじゃないかという見方もあると思うが、それは甘いと思うんですよ。言葉をかえれば、民間では持ち家に対する手当は半分、まだ半分しか行き渡ってないわけですね。この半分しか行き渡っていない制度を公務員に当てはめて、たとえ月に千円あるいは二千五百円の手当といえども、税金から支給するというのは過保護だと、ぼくはこういうふうに思うんですよ。ですから、この人事院の勧告が出たのは四十九年なんですが、そのころとはいろいろな事情も違ってはいるけれども、とにかく、いまむだなお金を省いて何とか安上がりの政府をという立場からして、こういう勧告はこの際撤回してもいいじゃないかとぼくは思うんですが、とりあえず人事院に聞いてみましょう。
#447
○政府委員(藤井貞夫君) これは野末さんもよく御承知でありますように、人事院の勧告というのは、毎年、民間の実態を調査をして、それとの比較においてどうすべきかということを政府並びに国会に対してお願いをいたしておるわけでございます。その場合に官民の格差というものが出ますが、その格差の中には、いま先生御指摘になりました住居手当というものも格差の中に入っておるわけです。それは要するに全体の、ことしで言えば三・七なら三・七というものの配分の問題でございます。したがいまして、これをやっぱり埋めるということは人事院としての一つの大きな使命であるというふうに考えていままでもやってまいりました。幸いにして、大体の御共感を得て今日まで来ておるものというふうに私は承知をいたしておるわけでございます。したがいまして、いまお話しになりました点は心情的にはわからない面もないではございませんが、これはやっぱり給与格差の一環でございますので、それをやめるということになれば、本俸その他に対してその分を配分する――わずかでございます。わずかでございますが、配分をするということに相なりますので、それらのやっぱり彼此総合的な勘案ということも大変重要な問題ではないかというふうに私は考えております。
#448
○野末陳平君 何か聞いていると、公務員の方がむしろ給与格差を受けていてというふうに聞こえますが、いまや民間では官民格差と言った場合に民間が差を受けている、格差を受けているというふうに受け取っていますよ。ですから、どちらの立場に立つかによって違うんですが、ぼくはやはり政治は広い層の立場に立つということになれば、この際やはり大蔵大臣にお願いしたいのは、こういう住居手当は甘い――これは二十七億円だといいますが、この節約だってばかにならない。額で言うんじゃありませんよ。しかし、筋を通すならば、民間企業にはまだ半分しか行き渡っていない。それだったら公務員だって、この程度格差を埋めるためにこれを支給するということはどうであろうかと、ぼくは少なくもおかしいと思うわけですから、まず大蔵大臣、どうですか。こんなの廃止してもいいんじゃないかと思いますが、それについて。
#449
○国務大臣(竹下登君) いま人事院総裁からお答えがございましたように、心情的には私も野末さんのお話を、言い分を聞いておりますとそんな感じもするんでございますけれども、基本的にまた私の立場から考えてみますと、人事院というものがよって立つその存在というものは、その歴史的経過からいたしますならば、まさに労働三権の一つを補完する意味において第三者機関としてできておる。そこからの勧告というものは最大限やはり尊重をすべきものではないか、このような考え方で申さざるを得ないと、このように思います。
#450
○野末陳平君 人事院にげたを預けてもらっちゃ困るんですね。心情的にわかるということは、やるべきことであるともとれるわけですよ。心情的にわかるがどうもむずかしいねなんて、そんなことはいまや通用しないと思うんですが、まあそれはそういうお答えならそれでいいでしょう。
 さて、いかにもぼくが民間の立場に立ってこの問題を追及しているようですが、実はこれは公務員の方から出ているんですよ。こういう手当はもらい過ぎでおかしい、これ、投書にあるんです、現実に。つくり話と思われるといけないから切り抜きを持ってきましたけどね、総理大臣に見てもらいたい。公務員みずからが新聞に投書をして、毎月千円の公務員の持ち家手当、少額でも確かにありがたいけれども、しかし、国家財政が破産寸前のいまですね、公務員がここまでこのようなものまでもらっていいのかどうか疑問だと、はっきり投書に書いてありますよ、これはもう間違いなく。ですから、公務員そのものもこれがいいのかという考えを持っている人はいるんですよ。ですから、ぼくは決してこれは民間の立場に立って格差があるからよくないと、そういうことを言ってるんじゃないんです。どうでしょう、総理大臣。心情的にわかるが、それ以上には一歩も進めないというんじゃもう満足できないんでね、もうちょっと積極的にどうするんだと。これはいいじゃないかというのか、それとも、ちょっとおかしいからこれは廃止の方向で検討するのか、はっきり答えてくださいよ。――書いてあるでしょう。
#451
○国務大臣(竹下登君) これは読ましていただきましたが、人事院という第三者機関のよって存立する歴史的経過というものを全く度外視して議論をするわけにはまいらないと思うのであります。ただ、この投書を見ましても、いわゆる財政再建というものが叫ばれておる今日、財政的見地からそうしたものに対してメスを入れるべきであると、こういう投書の内容でございますが、人事院勧告の問題につきましても、財政的見地から人事院勧告に完全に沿わなかったこともかつてはあったと。したがって、今回の人事院勧告の取り扱いの中に、いわゆる昇給延伸等の問題についてもひとつ閣議でこのような議論もいたしましたので、御検討をしていただきたいと、こういう検討依頼という表現が適切かどうかわかりませんが、しておるというようなところで御理解を賜りたい。素朴な野末さんの感覚に対してのお答えとしては、いささか私窮屈なお答えしているかもしれませんけれども、それがいま話し得る限界ではなかろうかというふうに思います。
#452
○野末陳平君 素朴であるのは、これは当然いま政治は素朴でなければいけないと思っているんだよ。大蔵大臣おかしいのは、その投書は財政健全化の立場でと言ってない。書いてあるよ、ちゃんとここに。「公務員の住居手当も廃止して、」といって、投書者は。だから投書者の意見は廃止なんですよ。公務員みずから言っているんです。それをあなたが少し広い立場にしてごまかしただけのことで、まあいいでしょう。
 さらに、こんな細かいことばかりやっていられないので、本来大蔵大臣に聞きたいのは、予算編成に当たって福祉とか教育までも厳しく見直すと言っているわけです。それはそれでいいでしょう。しかし、まずみずからの何といいますか、特典、特権のようなものを――既得権化している、これだって。これを見直さないというんじゃ、これはどうでしょう、役人天国に対する厳しい世論に逆行するものだと、そういうふうにぼくは思うんです。ですから、厳しい見直しを教育や福祉にはなさっているかもしれない。じゃ、その同じ厳しい見直しを、いわゆる金のかかり過ぎる公務員のこの実態については具体的にどういうふうに見直されているか、どの制度にいま見直しの検討が始められているか、具体的に言ってください。
#453
○国務大臣(竹下登君) 最近の例の一つといたしましては、人事院勧告の実施に対しまして、指定職以上は、これは延伸をしたということが一つございます。
 それから、いま検討を、さらにいわゆる官民格差の問題につきましては共済年金法を、本日でございますか、国会に提出いたしまして、御審議をいただくことによってその是正を図る一歩を示したい。こういう問題が具体的な例示できるものであろうというふうに思います。
#454
○野末陳平君 先ほども出ました例の退職金ですね。あれは高過ぎるのは、要するに肩たたきとか、その辺のことがあるからだと思いますけれども、ああいう退職金の制度、特殊法人についてはいろいろとやっておられるようですが、公務員の退職金の制度、それから手当の中でも超過勤務手当、これはまあいろいろ問題が出ましたが、あれは制度そのものにいろいろな問題がある、その甘えの構造の上に成り立ってああいうヤミ超勤とかヤミ出張など出ている面があるんですよ。ですから、そういう面もやらなきゃならない。それから給与体系そのものだって考えなきゃいけない。もっと広い意味で見直ししないと、何か総理大臣、小手先だけちょこっといじくるように感じられるんですよ。
 ですから、総理にお答えいただきたいんですが、じゃどういうふうにお考えなんでしょうね。公務員の問題にはなるべくさわらずに、補助金とか、あるいは大きな意味の行政改革とか、そういうことばかりではちょっとこれは具体性がなさ過ぎると思うんです。つまり、できるかどうかわからないんですから。もうちょっと具体的に、公務員のここがどうも民間に比べて少し甘過ぎる、あるいは金がかかり過ぎると、これにメスを入れるんだという具体的なことをもうちょっと言ってほしいですね。
#455
○国務大臣(大平正芳君) まあヤミ給与でございますとか不正経理の問題でまず最初にやらなけりゃならぬことは、適正な給与管理、勤務管理が必要だと思うのでございまして、野末さんのおっしゃるいまの制度の改正の前に、現行制度はまず適正に行われておるという状態をまず招来しないといけないわけでございまして、そういう厳正な執行を確保するようにまず努力せにゃならぬと思っております。
 それから第二の問題は、仰せのように、官民の間のバランスでございますとか、人事院制度の沿革的な問題、戦後のわれわれがとってまいりました民主的な諸制度をもう一度見直してみなけりゃならぬ時期が来ておるんじゃなかろうかという問題意識はわれわれも持っておるわけでございまして、これに対してどのように接近してまいるかでございすが、ぼつぼつそういう点につきまして改定の試みが行われつつあるわけでございますが、そういったことをさらに政治的に抜本的な姿においてやらなきゃならぬというあなたの問題の提起であろうと思いまして、それは先ほど大蔵大臣も人事院総裁も言われたように、心情的にわかると、ただ現実にどのようにそれではやってまいるかという点については手順を踏まなけりゃならぬという現実の制約を言われたと思いますけれども、しかし、困難ではございますけれども、あなたがいま志向された方向にわれわれもできるだけ道を開いて改革の手を染めていかないといけないと、そういうことをひしひしと私も感じておるわけでございまして、政府も真剣に取り組ましていただきたいと思います。
#456
○野末陳平君 じゃ、ひとつ綱紀の粛正と同時に、制度そのものの見直しも厳しくやっていただきたいと要望しておきます。
#457
○委員長(山内一郎君) 以上で野末君の質疑は終了いたしました。
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。総理大臣並びに各閣僚は御退席くださって結構でございます。
    ―――――――――――――
#458
○委員長(山内一郎君) この際、継続調査要求に関する件についてお諮りをいたします。
 予算の執行状況に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#459
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#460
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#461
○委員長(山内一郎君) 次に、閉会中の委員派遣の取り扱いに関する件についてお諮りをいたします。
 本件につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#462
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 これにて散会いたします。
   午後六時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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