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1979/12/06 第90回国会 参議院 参議院会議録情報 第090回国会 商工委員会 第1号
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1979/12/06 第90回国会 参議院

参議院会議録情報 第090回国会 商工委員会 第1号

#1
第090回国会 商工委員会 第1号
昭和五十四年十二月六日(木曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         斎藤 十朗君
    理 事         大谷藤之助君
    理 事         大森  昭君
                岩崎 純三君
                楠  正俊君
                斎藤栄三郎君
                下条進一郎君
                中村 啓一君
                中山 太郎君
                福岡日出麿君
                真鍋 賢二君
                大塚  喬君
                小柳  勇君
                森下 昭司君
                吉田 正雄君
                中尾 辰義君
                馬場  富君
                市川 正一君
                安武 洋子君
                井上  計君
                柿沢 弘治君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     森下 昭司君     対馬 孝且君
     安武 洋子君     小笠原貞子君
     井上  計君     向井 長年君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     向井 長年君     井上  計君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 十朗君
    理 事
                中村 啓一君
                真鍋 賢二君
                大森  昭君
    委 員
                岩崎 純三君
                下条進一郎君
                福岡日出麿君
                小柳  勇君
                対馬 孝且君
                中尾 辰義君
                馬場  富君
                市川 正一君
                小笠原貞子君
                井上  計君
   国務大臣
       通商産業大臣   佐々木義武君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  劔持 浩裕君
       経済企画政務次
       官        堀内 俊夫君
       経済企画庁物価
       局長       藤井 直樹君
       通商産業政務次
       官        戸塚 進也君
       通商産業省生活
       産業局長     児玉 清隆君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁石油部長    神谷 和男君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    高瀬 郁彌君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  安田 佳三君
       特許庁審査第一
       部長       谷口 光夫君
       中小企業庁長官  左近友三郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   佐野 国臣君
       経済企画庁調整
       局審議官     廣江 運弘君
       環境庁自然保護
       局保護管理課長  田村久仁夫君
       大蔵省主税局調
       査課長      滝島 義光君
       大蔵省関税局監
       視課長      奥田 良彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○調査承認要求に関する件
○小委員会の設置に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
    ―――――――――――――
#2
○委員長(斎藤十朗君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月十五日、古賀雷四郎君及び長谷川信君が委員を辞任され、その補欠として斎藤栄三郎君及び斎藤十朗君が選任されました。
 また、昨五日、森下昭司君、安武洋子君及び井上計君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君、小笠原貞子君及び向井長年君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(斎藤十朗君) 一言ごあいさつを申し上げます。
 去る十一月十六日の本会議におきまして委員長に選任され、重責を担うことになりました。はなはだ微力ではございますが、委員各位の御協力と御鞭撻を賜り、円滑、公正な委員会運営に努めてまいりたいと存じております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
 この際、前委員長福岡日出麿君から発言を求められておりますので、これを許します。福岡日出麿君。
#4
○福岡日出麿君 前委員長といたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 昨年九月末、委員長に選任されまして自来一年有余にわたりまして、皆さんたちから多大の御厚情と御協力を賜りましてその重責を大過なく果たすことができました。ここに心から厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 現在の多難な諸情勢にあって、本委員会に課せられた使命はきわめて重大なものがあると信じます。新しい委員長のもとで当面する諸問題を解決すべく、さらに御活躍されんことを祈ってやみません。
 簡単ではございますが、これをもちまして退任のごあいさつといたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○委員長(斎藤十朗君) まず、理事の辞任及び補欠選任の件についてお諮りいたします。
 昨五日、理事大谷藤之助君から、文書をもって都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ただいまの理事の辞任の許可並びにさきの委員異動に伴い、理事に欠員が生じましたので、その補欠選任を行いたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中村啓一君及び真鍋賢二君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(斎藤十朗君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(斎藤十朗君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査の一環として、小委員十一名から成る資源エネルギー対策小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、小委員及び小委員長の選任は、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 それでは、小委員に岩崎純三君、下条進一郎君、中村啓一君、真鍋賢二君、大森昭君、小柳勇君、吉田正雄君、馬場富君、市川正一君、井上計君及び柿沢弘治君を指名いたします。
 また、小委員長に小柳勇君を指名いたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任及びその補欠選任並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(斎藤十朗君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。質疑のある方は、順次御発言願います。
#16
○岩崎純三君 私は、経済の見通し、それから石油エネルギー問題さらに中小企業倒産防止共済制度の三点についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず第一には、政府の経済見通しについて若干お伺いいたしますが、第一次オイルショック以来の厳しい経済環境の中にありましても、五十一年以降のわが国経済の成長率はおおむね五%ないし六%で安定した推移をたどり、経済のかじとりはいろいろ問題はあったかと思いますが、大筋間違いがなかった、そのように評価をいたすものであります。しかしながら、今後はさらに厳しい経済運営が予想され、大平総理大臣も所信表明で述べておられますように、これから本格的な財政再建に取り組んでいかなければなりませんし、加えてイランの政情不安等もあり、石油の供給条件は一層厳しさを増し、きわめて不透明、不安定な姿になることが予想されております。したがいまして、これまでに公表されました民間機関の五十五年度の経済成長の予測につきましては、二、三%あるいは三・八%の間ではなかろうか、このように言われております。こういう状態では、これからの倒産やら失業あるいは雇用問題等々考えますると、どうしても来年度経済の実質成長率を五%ないし六%程度に設定をいたしまして、定着をいたしておる安定成長路線を維持すべきではないかと考えるのであります。さらに、今月、OPECのカラカス総会で、石油は現在の水準に比べまして一〇%ないし二〇%の値上げ公算が大きく、原油情勢などは政府の政策努力の及ばない不確定要因を多く抱えておるところであります。
 このような困難な経済環境を背景にいたしまして、政府はことしの経済成長率をどのように見込んでおられるのか。また来年度の成長率をどの程度に設定いたそうといたしておるのか。さらに来年度の卸売物価あるいは消費者価格の動向等についても、政府の考え方をお聞かせいただきたい。
#17
○政府委員(堀内俊夫君) 岩崎委員にお答えしたいと思います。
 御案内のとおりの経済状態でございますが、本年度の成長率はおおむね政府の当初見込みどおりに落ちつくんじゃないかと、こういうふうに思っておるわけでございます。ただ、来年度の経済成長率につきましては、来年度予算と大きな影響も持ちますので、政府としては来年度の予算編成と並行して現在検討を進めているところでございます。
 物価につきましては、本年度当初見込みの前年度比四・九%程度に落ちつく見込みでございます。
#18
○岩崎純三君 次に、新経済社会七カ年計画と政府の経済見通しのかかわりについてお尋ねをいたしたいと思います。
 新経済社会七カ年計画におきましては、実質経済成長率を年平均五・七%と想定をいたしておるようでございますが、毎年の成長路線は、計画期間の前半は高く、後半は低い曲線を描いております。ただいまの経企庁の答弁によりますると、五十五年の経済成長率については予算編成と並行して考えていきたいと、ということは、現在の段階では皆目予測かつかない、このように理解せざるを得ないのであります。
 さらに一方、先ほど申し上げたように、民間の調査機関による成長率は二、三%、こういうことでございますると、政府の見通しは不透明である、民間のその成長率は低きにとらえておる、こういう状態では、七カ年の計画をとうてい軌道に乗せることはできない、こう思わざるを得ないのであります。
 そこで、七カ年計画と政府の来年の経済の見通しのかかわりをどう考えておられるのか、政府の所見をお伺いいたしたいと思います。
#19
○説明員(廣江運弘君) 新経済社会七カ年計画――中期経済計画は、あくまでも中長期の日本経済を展望いたしまして、その中におきましての経済運営の基本方針というものを示したものでございます。成長率もそういう意味でのとらえ方をしなければいけないと思っておりますが、したがいまして、各年度ごとの成長率というものにつきましては、それぞれ各年度ごとに言及しているものではございませんし、その数値自体もある幅をもって理解されるべきであるということを計画はうたっております。これに対しまして、政府経済見通しと経済運営の基本方針といいますものは、予算編成と並行いたしまして、政府の単年度の政策運営の基本的な態度を示すものでございます。成長率もそういう意味では単年度の見通しとして示されております。もちろん、エネルギー情勢とか、そのほか内外経済情勢には不確定要因が多いわけでございまして、わが国経済がその基本的な方向を誤らないためには、短期と中長期それぞれの視点を踏まえまして経済運営を行う必要性がますます強まっているものでございます。
 政府といたしましては、今後とも政府経済見通し、さらに新経済社会七カ年計画に示されました中長期の姿、短期の姿、そういったものの、基本的な方針を十分踏まえまして経済運営を行っていきたいと、かように思っております。
#20
○岩崎純三君 従来政府は、翌年度の経済成長率あるいは経済の見通し、大筋いまごろの時点になりますると明らかにすることができたかと思います。今年は来年の予算編成が非常に厳しい、そういう中でどのように設定されるのか。皆さん方の御苦労は理解できないわけではございませんけれども、国民の方々はまたぞろ不況とインフレ、いわば第二のスタグフレーションが来やしなかろうか、そうした不安な状態におるわけでございますから、一刻も早く作業を進め、国の方針を打ち出し、もって国民生活への安定を図ることができるようなお骨折りを願いたいと思います。
 次に、石油問題についてお尋ねをいたします。
 最近のわが国の原油輸入量は、通産省の資料によりますると、今年度上半期分におきまして一億三千四百十九万キロリットルで、昨年同期に比べますると六・八%の増であります。過去四年間でも最高の水準になっており、また今年度上期石油供給計画の一億三千二百二十四万キロリットル、それをも上回っており、関係業界並びに政府関係当局の努力によりまして当面の必要量は確保された、そう理解をいたすものであります。しかしながら、これからが問題であります。下期以降の見通しは一体どうなのか、イランをめぐる政情の流動化あるいはサウジアラビアの増産の取りやめ、OPEC諸国のメジャーを中心とする供給量の削減等々原油の安定供給をめぐる情勢はきわめて厳しく、またその見通しも不透明であります。現に通産省は、今年度下期につきましては石油供給計画に比べて八百五十万キロリットル程度不足を来し、一億四千万キロリットルの原油輸入にとどまると公表をいたし、不足分の備蓄の取り崩しを行う方針を決めておられるようであります。さらに、来年度は今年以上の輸入量を計画しておられるわけでございますけれども、産油国の資源政策が厳しくなっておる今日、果たして計画どおり確保できるのかどうか、今年度下期と来年度の見通しを明らかにしていただきたい。また、それを達成するためにどのような政策努力をしておるのか、これもあわせてお伺いいたしたいと思います。
 なお、今年度下期見通しの中で中間三品と言われておりまする灯油、軽油、A重油についての需給見通しもあわせお伺いします。
 さらに、上期はいま申し上げたように、必要量が確保されておる、そのように言われておりますけれども、需給バランスがよいのにどうして価格が上昇するのか、それは原油が値上がりをしたからだ、そうおっしゃるかもしれませんけれども、いま流通しておる石油は四カ月前の輸入物である、そのように承っております。そうすると、原油価格の引き上げをはるかに超えた今日の石油価格、便乗値上げすらありやしなかろうか、こう思うのでございまして、この点についても政府の考え方についてお尋ねを申し上げたい。
#21
○政府委員(森山信吾君) まず今年の下期の原油の見通しでございますが、上期につきましては、先生御指摘のとおり、計画より若干上回る形で輸入ができましたので、まあまあというところでございます。下期計画によりますと、一億四千八百万キロリッター入るべきでございまして、いまのところ下期をさらに二つに分けまして、下期の前半、つまり十月−十二月と、一月−三月に分けてみますと、十−十二は七千万キロリッターはまず確実に入ってくる、こういう見通しがついております。しかしながら、この見通しはやや低目の数字でございまして、ちょっと前に、一月近く前にエスティメートした数字でございまして、だんだんとこの数字も上昇するという傾向がございます。これは今期に限ったことではございませんで、一般的にそういう傾向をたどるものでございまして、現段階におきましては七千万キロと、こう申し上げておるわけでございますが、現実にはそれをある程度上回る形で輸入が行われるというふうに期待をいたしておるわけでございます。
 そこで、先ほど岩崎先生御指摘になりました下期八百五十万キロリッター足りなくなるんではないか、こういうことを、まあ私どもの立場といたしましてしばらく前にそういう可能性もあるということを申し上げた事実はございます。しかしながら、いま申し上げておりますように、だんだんと実績は上がってくるものでございますので、現段階におきましては八百五十万キロ不足というような事態はまずあり得ないというような感じでおります。ちなみに、上期が二百万キロリッターオーバーいたしておりますので、その分の調整をいたしましても現段階におきましても八百五十万というのは不足分がやや大き過ぎるということではないかと思うわけでございます。そこで、具体的にしからば一億四千八百万キロリッターに対してどの程度の数字になるかということになりますと、これは一月−三月をまだ完全な形で把握し切っておりませんので、これこれの数字だということを的確に申し上げる段階じゃございませんけれども、少なくとも八百五十万キロリッター足りないというようなことはまずあり得ない、こういう状況でございます。
 そこで、備蓄でございますが、現在いわゆる民間備蓄が九十五日ございます。それに加えまして国家備蓄が七日分ございますので、合計いたしますと百二日分の備蓄ということでございます。足りない原油の不足は備蓄を取り崩してでも今期の供給計画には支障を来さないというのが通産省の基本的な考え方でございますので、この点につきましては心配は要らない、こういうふうに申し上げておきたいと思うわけでございます。
 そこで、来年の見通しでございますが、東京サミットで決められておりますように輸入目標が五百四十万バレル・パー・デーということでございます。これはことしも五百四十万バレル・パー・デーでございますから、その限りにおきましてはことしの輸入量と来年の輸入量は大体まあ同等の量になる、こういう考え方を持っております。五百四十万バレル・パー・デーを年間に直しますと二億八千万キロリッターということでございます。したかいまして、昭和五十五年度におきましても私どもは二億八千万キロリッターの原油の調達をすべく最大の政策努力を傾けてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 そこで、いわゆる石油に対する不安感、これはどういうところから来ておるかということを申し上げておきたいんでございますが、いま申し上げておりますように、量といたしましての需給はバランスがとれておるわけでございますけれども、何となく石油に対する逼迫感が強い、これは私は流通形態の変更によるところが大きい、こう思っておるわけでございます。と申しますのは、従来、産油国は主としてメジャーを通じまして世界の各地に原油の供給をしておったわけでございますけれども、メジャーの依存度がだんだんと下がってまいりまして、わが国も従来はメジャーからの供給を約七割受けておったわけでございます。それが現時点におきましては五割程度にメジャーの位置が落ち込んでおるわけでございます。これを一つの例で申し上げますと、メジャーが日本のサードパーティーといいますメジャーの系列外の会社に対しまして供給いたしておりました数字が、今年の一月は百四十万バレル・パー・デーであったわけでございます。それが来年の一月になりますと四十万バレル・パー・デーになるわけでございます。百万バレル・パー・デー、カットしてまいっているわけでございます。したがいまして、百万バレル、メジャーからの供給がカットされますと、それがあたかも日本の市場から消えていくような、こういう錯覚がございまして、石油に対する不安感、逼迫感が強いのではないかと思うわけでございます。
 そこで私どもは、メジャーの供給カットを受けました百万バレルをほかの方法で、ほかの流通形態で調達しなければならないということで、まず政府間取引、GGと言っておりますが、政府間取引でその穴を埋める。それから、DDと言っておりますダイレクトディール、直接取引でございますが、これで穴を埋める、こういう政策努力をしてまいりまして、それでなおかつ不足が出ますと、やむを得ずスポット物を調達する、こういうことになるわけでございます。ことしの十−十二月で申し上げますと、スポット比率が全原油輸入量のうちの一一%ないし一二%になっておるというのが実情でございます。御参考までに、ノーマルな状態でございますと、スポット物の比率は四%ないし五%でございますから、メジャーからカットされたものをGGないしDDで調達し切れない分をスポットに頼っておる。それが従来の実績に比べまして約倍ぐらいになっておる、こういう形でございます。
 したがいまして、そこに流通形態の変更に伴います構造の変化がありますから、スポット物になりますと、どうしても価格が上昇せざるを得ないという現実がございます。現在スポット物はロッテルダム市況で大体相場がわかるわけでございますが、つい最近まで四十一ドル七十五セントというのがございました。いわゆる公示価格、公定の相場は上限が二十三・五ドルでございますから、倍近い格差があるということでございまして、これがまあ日本の原油調達に相当なインパクトを与えているということではないかと思うわけでございます。そこで、私どもはできるだけ来年度におきましてスポットの比率を下げて、政府間調達あるいはDD調達、こういったことに努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 次に中間三品の御質問ございましたが、灯油、軽油、A重油につきまして概況を申し上げます。
 まず灯油につきましては、ことしの十月末の在庫で、昨年に比べまして約五%積み増しをいたしております。昨年が六百七十七万キロリッター、ことしが七百十万キロリッターございます。五%のアップでございます。
 それから軽油につきましては、昨年の十月が百四十七万キロリッター、ことしの十月が百六十四万キロリッターでございまして一一・四%アップでございます。
 それからA重油は、昨年が二百二十一万、それから今年が二百六十二万キロリッターということでございまして一八・五%アップ。中間三品を合計いたしますと、昨年が千四十五万キロリッターに対しまして、ことしが千百三十六万キロリッターということでございまして、八・七%のアップということでございまして、生産は順調に進んでおりますし、在庫もいま申し上げたように昨年に比べまして相当大幅に積み増しをいたしておりますので、事、量に関します限り十分な手だては講じておるということが言えようかと思います。
 それから、製品の流通段階におけるタイムラグがあり過ぎて、いわゆる便乗値上げ的なものがあるんではないか、こういう御指摘でございますが、私ども通常値上げを認めますのは、原油の値上げが行われまして直ちにそれを反映さしておるわけじゃございません。諸外国でやっております実情は、こういった原油のような国際商品は原油調達の段階で値上がりをいたしますと、直ちに製品へ反映させるという手段をとっておる国々が多いわけでございますけれども、日本の場合は構造的にそういう仕組みをとっておりませんでしたので、やはりそこに一定期間置く必要があるんではないか。特に先生御指摘のように、備蓄の問題がございますので、それとの調整をいたしまして、しかるべき船積みの期間あるいは通関の期間等を合わせまして値上げの実施を認めているということでございまして、その値上げの実施を認めるに際しましては、いま申し上げましたある程度の前に調達した価格でなければいけない。そのときの金利水準等もあるいは為替レートの水準等も勘案した上で決めるということでございまして、いやしくも便乗値上げと言われることのないような十分な配慮を払っております。
 ちなみにこの十月、昨年の十月とマクロ的に比較いたしてみますと、原油の代金は九九%ほど上がっておりますが、灯油の値段はマクロ的に申し上げまして六四%の値上げでございますので、原油の値上げ代金の大分下ということになっておりますから、マクロで見る限りこれも便乗値上げはないということでございます。
 そういうような政策努力を続けることによりまして、国民の皆様方に安定した供給をさしていただきたい、こういう努力をしておるつもりでございます。
#22
○岩崎純三君 詳細な御答弁をいただきまして理解できました。さらに来年度の輸入量の見通し等についても、どうにか目安が立つのじゃなかろうか、こういう御答弁でございまして、来年度に対する大きな不安を吹き飛ばすことができまして大変ありがたい、このように思っております。
 なお、私の時間少のうございますので、これから質問申し上げる問題等については簡便にひとつ御答弁を願いたいと思います。
 ことしに入りまして原油価格の値上げは先ほどの御答弁にもございましたとおり相次いで行われ、このため国内の石油製品の価格も六回にわたって引き上げられておるようでございます。すでに円安分も加味いたしますると、原油の輸入価格は一年前に比べまして約二倍になっていやしないだろうか。さらに十二月に予定されているOPECのカラカス総会では原油がさらに引き上げられる、そういう討議が行われるということは必至の状態でございまして、まさに石油価格の上昇というものは天井知らずである、このような感じを受けるのであります。
 そこで通産省は、カラカス会議で価格問題についてはどのような結果が出ると考えておられるのか、その見通しについてお伺いをいたします。
  〔委員長退席、理事中村啓一君着席〕
 また、ただいま今年度のスポットの輸入量の問題について、特に十月から十二月期につきましては、総量の一一%ないし一二%、通常でございますと四ないし五%であるという御答弁でございますが、五十五年度のスポット物の確保について通産省はどういう方針を持っておられるのか、これをお尋ね申し上げたい。
 また、十二月十日パリで開かれる国際エネルギー会議でございますか、これには通産大臣、外務大臣お二人が出席される予定であると承っております。この会議は、一九八〇年の国別輸入目標削減がメインテーマである、このように承っております。アメリカでは一律削減を、イギリスではIEA全体の削減を主張する、そういう方針のように聞いておるわけでございますが、政府はいかなる考え方を持ってこの会合に臨もうとしておられるのか、お伺いをいたします。
#23
○政府委員(森山信吾君) まずOPECカラカス総会の見通しでございますが、これは率直に言いまして大変むずかしいと思います。いま予測することは大変困難でございます。一般的に言えますことは、価格の問題と生産調整の問題と両方あるんではないかということでございまして、御承知のとおりに最近OPECの機能が、いわゆる価格カルテルの面から生産カルテル的な面も出てまいっておりますので、この次の十二月十七日のカラカス総会でそういった二つの考え方、二つの観点からの議論が行われるんではあるまいか、こういう考え方をいたしております。もちろん価格と生産の水準とのリンクというのは大変むずかしい問題でございますので、予測することは差し控えさしていただきたいと存じます。
 第二の、スポットについてでございますが、五十五年のスポットの見通しにつきましては、私は五十五年に入りましてしばらくの間はスポット比率がさらに上昇するんではないか、こういうふうに考えております。と申しますのは、先ほどちょっと触れましたように、来年の一月になりますとメジャーのカット率が七一%になるわけでございますから、どうしても穴埋めはせざるを得ない。いわゆるGGとかDDと申しますのは一朝一夕で達成できるものでもございませんので、できるだけ早くそういうGGなりDDなりの手当てをしたいと思いますけれども、若干のタイムラグがございますから、その間スポットで穴埋めをせざるを得ないだろうと、こういう気持ちを持っております。しかしながら、若干明るい傾向は出てまいっておりますのは、先ほどお答えいたしました四十一ドル七十五セントという天井的なスポット価格が、この一週間ぐらいの間にやや軟化の兆しを始めておりますので、それが一つの明るい材料だと、こういうふうに考えております。
 それから、IEAでございますが、十二月の十日に通産大臣御出席になりまして閣僚会議があるわけでございまして、これは三つの観点から討議がなされるんではないか、こういうふうに予測いたしております。一つは、輸入枠の設定の問題でございます。それから一つは、備蓄対策――備蓄の増強対策あるいは市場対策ということでございます。それからもう一つは消費節減、こういうような三つの観点からの討議が行われるんじゃないか、こういう予測でございますが、いまのところ議題が確定いたしておりません。十二月の九日に再度準備会議を開きまして、議題の調整等を行う予定でございますので、いま私が申し上げましたのはあくまでも予測でございますが、私どもはいま申し上げた三つの観点での対応をすべく検討準備中ということでございます。
#24
○岩崎純三君 いまお伺いしますと、来年度のスポット物については輸入比率が上昇する、ただまあスポット物がいま幾分下がりぎみでございますから、そういう面ではバランスがとれるだろうということでございますけれども、スポット物が比率を占めれば占めるほど石油価格の上昇につながるわけでございますので、この点十分ひとつ配慮しながら石油問題に取り組んでいただきたいと思います。
 そのほかいろいろ来年度の予算の問題やら転換政策の問題等についてお伺いしたいと思いましたが、残された時間が少ないので先に飛ばします。
 地熱利用の問題についてお伺いいたしたいと思います。地熱の発電は現在岩手県の松川発電所、これを初めといたしまして、全国六カ所の国立国定公園内にございまして、総出力は十五万五千キロワット、さらに通産省は昭和七十年までに新たに二十カ所以上の地熱発電を建設をいたし、総出力七百万キロワット、これを計画いたしておるようでございます。しかし、この地熱発電の開発につきましては自然破壊につながるおそれがある、そういうことで国立公園内の建設には問題がある、あるいは反対である、そういう考え方が環境庁にあるやに承っております。そこで、お尋ねでございますが、大規模深部地熱の開発を可能にする探査掘削技術について、現在確立をされておるのかどうか、まずお伺いいたします。
#25
○政府委員(安田佳三君) ただいまの御指摘につきましては、まず深部地熱につきましては一応技術的に完成に近いところまで行っておると思いますが、大規模深部地熱につきましては、これはいろいろと探査掘削のための技術開発を進めてきておりますが、さらに大規模深部地熱の開発につきましての安全性及び環境保全上支障がないかという点について、さらに立証することが必要だとそういう段階にございます。
#26
○岩崎純三君 深部地熱、この開発については技術がまだ現在の段階では十分でない、このような答弁に受けとめることができたわけでございますが、そういうことでございますと、深部地熱の開発について、現在の段階では問題がある。極論すれば不可能に近い、そう思わざるを得ないのでございますが、反面いままで話し合ったように、石油を取り巻く情勢はきわめて深刻であります。将来に備えるため、そういう考え方で国定国立公園の中の有望な地熱地帯についての概査の実施につきまして、環境庁はどのように考えられておるか、お尋ねをいたします。もちろん、私は開発と自然保護の調和を前提として、こういう問題は考えなきゃならない、そういったことを私自身も持つものでございますけれども、環境庁が現在の段階において少なくとも概査の実施についてはどのような対応策を持っていらっしゃるのか、お伺いをいたします。環境庁に述べていただきたいと思います。
#27
○説明員(田村久仁夫君) お答えいたします。
 国立国定公園内におきます地熱発電所の開発につきましては、先生御承知のとおり昭和四十七年の三月十四日付で環境庁自然保護局長と通商産業省公益事業局長との了解事項に基づきまして、調整をいたしているところでございますが、ただいま御質問の全国地熱基礎調査、特に概査につきましては、この了解事項には抵触いたしておりませんし、風致上の支障も余りございませんので、昭和四十八年以来同意してきているところでございます。以上でございます。
#28
○岩崎純三君 概査については同意をしておる。通産当局では深部の開発についてはまだ技術が不十分である。深部開発について十分な技術体制が整う、そのような状況を迎えた時期においてもひとつ両庁は開発と自然保護、その調和の中で本問題を進めていただくように要望をいたしておきたいと思います。
 あと時間が五分程度になってしまいましたので、二つほどまとめてお伺いをいたしたいと思います。
 先ほどからお話にございましたとおり、石油製品は国民生活への関連性がきわめて高いものであり農業もその例外ではございません。特にビニールハウスあるいは農業用機械等、石油製品は欠かすことのできないものになっております。したがいまして、いまや日本の農業も油の上に浮いておる産業であると、こう申し上げましても差し支えのないところであろうかと思います。このために農業用石油製品の確保について特段な配慮が必要でございますが、農林省や通産省は農業用石油製品の入手難につきまして苦情処理システムをつくり、対応いたしておると言われておりますけれども、私はその組織が現段階十分に機能していない、そう指摘せざるを得ないのであります。たとえばビニールハウス等、施設園芸で使用するA重油の輸入についての見通しは、昨年同期に比べて大変な上回った状況にあるわけでございますけれども、既設の物については需給のバランスがとれておるわけでございますが、新しいビニールハウスにつきましては、前年度の実績がない、そういうことで農協等から十分な手当てがない。したがって、この新規のビニールハウスに対するA重油確保について単位農協や県の経済連中央会は、市町村並びに県を通しまして苦情処理システムを活用したい。そういう願いを込めて通産省や農林水産省に新規ハウスの必要なA重油について申請をいたした。その件数は関東地区はどうかわかりませんけれども、通産省においてはまだ、あるいは農林省においても一、二件しかない、こう言われておるわけでございますが、そうした少ない申請にもかかわらず、申請された現場に対してまだ何らの返答がない。しかも、県当局についてはきわめて厳しい、こういう返答しかない。これでは組織が機能しているとは思えませんので、ひとつこの苦情処理システムがいままでどのような活用してきたのか、あるいはこれからそうした不親切な行政に対してどう親切な行政をもって対応しようとしているのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
 さらに時間がございませんので、中小企業倒産防止共済制度の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 この制度が発足に当たりまして政府は加入目標を年間十万件想定をされております。しかし、五十四年九月末におきましては、その加入実績がわずかに一万八千三百四十五件にとどまっております。このように加入目標を大幅に下回る、これはこの制度の内容がニーズに適合しない、そう思わざるを得ないのであります。したがって、ニーズに合った法の改正が必要であろうと思いますが、改正内容についてお尋ねをいたします。
 第一は現在の掛金月額が低い、そのために共済金も最高額が一千二百万円と現実の経済情勢に照らして低額にあります。ですから、現行の最高掛金月額二万円を引き上げていただきたい。商工会議所等の要望では五万円に引き上げていただきたいという具体的な数字まで示されておるところであります。これと並行いたしまして共済金の最高貸付額の引き上げも当然必要と思われます。この件についてが一点。
 もう一点は特別前納制度、これは五十三年限りとなっておるわけでございますが、この制度を効率的に活用する、そのためにもひとつ前納制度の延長を考えられるか、あるいは制度として固定するか、お伺いをしたい。どうしてもこれがだめだというならば、掛金期間の五年間というのを短縮する用意があるかどうか、あわせてお伺いをいたします。
 三つ目の問題はちょっと欲張っておりますけれども、掛金完納後に共済金の貸し付けを受けなかった、この場合に掛金が返還されるわけでございますが、五年間据え置かれるわけでございますので金利をつけていただけないだろうか。ちょっと欲張ったお願いでございますが、お考え方を承りたいと思います。
 四番目は、事務がどうしてもおくれがちである、申し込みをしてから一カ月ぐらいかかる、相手が倒産してしまうわけでございますから、一刻も早く融資が必要であるということは加入者の願いでございますので、この事務の迅速化についてお願いします。
 以上四点で結構でございます。
#29
○政府委員(神谷和男君) 最初に農業用の石油製品の問題について御説明さしていただきます。
 まず全農組織を通じまして流れております石油製品に関しましては、全農全体といたしましての節約と新規需要に対する配分の調整等、その組織を通じて鋭意御努力を願っておるところでございますが、それ以外の直接取引あるいは特約店等を通じての取引を行っておる場合におきまして、新規需要に関して特に原油の手当てが非常に苦しい元売りの場合にはこれが非常にむずかしい、あるいは従来取引のなかったケースの場合にむずかしいという訴えがしばしばなされておることは御指摘のとおりでございまして、これらにつきましては、基本的にはその元売りに努力を要請をいたしておるところでございますが、新規、全くの新規需要等については他の元売りと通産局あるいは場合によりましては本省等を通じてあっせんの努力を行う、こういう形で一つ一つ改善をしてまいりたいと考えております。
#30
○政府委員(左近友三郎君) 倒産防止共済制度についてお答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、この制度は昨年の四月一日から発足いたしたわけでございますが、当初予想しておりました加入件数に達していないという実情でございます。これはやはり何分初めての制度でございますので、とにかく実施をして再検討しようということでやり始めましたが、この制度を実施してほとんど一年近くなりました。その間、商工会議所その他からもこの制度の改善要望はいろいろ出されております。いずれもごもっともな御意見が多いものでございますので、現在この法案を改正をいたしまして制度の内容を改定いたしたいというふうに考えておりまして、いろいろ検討中でございます。
 また、これは予算とも関連をいたしますので、来年度予算の決まるときにいろいろ折衝をして、そしてその折衝がうまく進みますればひとつ改正法を提出さしていただきたいというふうに考えております。そうして、そうすることによりまして、この制度が一般の中小企業の皆様に利用しやすいようにいたしたいというふうに考えております。
 それで、御質問の内容の中身でございますが、掛金月額がやはり御指摘のとおり二万円では低いだろうというふうにわれわれ考えておりますので、これは引き上げたいというふうに考えております。そうしてその結果、貸し付けられる共済金額も現行の一千二百万よりも相当程度高めたい。これは掛金月額を上げることによって可能でございますのでそういうことにいたしたいと思っております。
 それから、この特例前納制度でございますが、これはこの共済制度というのはやはり加入者が月々この共済金を積み立てておいて不慮の事故に備えるという制度でございますので、一括前納するということについては非常な例外措置でございまして、そういうことでございますので、法律をつくるときもいろいろ問題があったわけでございますが、この非常に緊急な時期である、倒産が頻発した時期である、かつ制度についてなかなか初めての制度であるということから、特に当初一年間だけということになったわけでございますが、これをやはり永続した制度ということは非常にむずかしいかと思います。しかし、この特例前納制度を要望される方のお考えは、いま御指摘のように、五年間たたないと満額になって千二百万円の貸し付けが受けられないということがはなはだこういう時期にまどろっこしいではないかということであろうと思います。したがいまして、先ほどの掛金月額をふやすことによりまして満額になる期間を相当程度短縮できると思います。
 たとえば一例でございますが、この掛金月額を五万円にいたしますと、現在の百二十万円にするためには二年間で可能でございます。
 そういうふうなことでございますので、この掛金月額をふやすことによって、そしてこの貸付金の満額に早くなるように考えていきたいというふうに考えております。
 それから、解約手当金の問題でございます。確かに五年間お預かりするわけでございますから金利をつけるというふうなことも考えられるわけでございますが、実はこれを金利を多少なりともつけますと、これはまた共済事業の運営上、その金利というものがなくなればそれだけやりにくくなるという点もございますが、一番大きな点は、現在掛金が税法上の恩典がございまして、掛金を支出いたしますとそれが損金算入に相なります。これはつまり貯蓄性がないという理由から損金算入になっておるわけでございまして、これが、この解約金に金利がつきますと貯蓄性の支出ということになりまして、この損金算入はできないということに税法上相なりますので、これはやはりどうも現在税法上の特典があることが相当この加入上の魅力にもなっておりますので、むしろこの税法上の特典の方をとった方がいいんではないかというふうに私たちは考えておるわけでございます。
 それから、最後の貸し付け事務の迅速化でございますが、これも御指摘のとおりでございまして、極力迅速に処理をいたしたいと思っております。現在、事業団に申請書が到着いたしますと、原則として、まず平均十五日ぐらいで処理をしてお出しするということにいたしております。ただ、いろいろ、特に処理に不備があるとかいうふうなところで若干日にちがかかっておる点がございますけれども、これはわれわれも今後事業団を督励をいたしまして、なるべく迅速に処理をしていくということに今後も心がけていきたいというふうに考えております。
#31
○対馬孝且君 四日の予算委員会におきまして、電力料金の値上げ問題、灯油問題につきまして基本的な態度につきましてお伺いをいたしましたが、時間的な余裕もありませんでしたので、これからひとつ具体的に問題を整理をして、国民の納得いくような回答をひとつぜひ誠意を持ってお答えを願いたいと思うわけです。
 まず、きょうは経済企画庁長官をお呼びをしておるんですが、まあ政務次官にかわったようでありますけれども、今回の電力料金の北海道の申請というのは三八・八三%と、まさに四〇%の非常な値上がりになっておるわけです。したがって、国民の、道民感情というのはどういうことかというと、北電というのは三十八億の為替差益を返してないんです。ほかの八電力は割引料金を昨年来返しましたけれども、北電は為替差益を返してない。しかも四〇%近くの大台の値上がり。そこへ持ってきて、今度ガス料金が四〇%上がる、それから灯油が上がってきている、北海道のプロパンがこれまた北海道価格差と称して四百五十円も値上がりしているということで、まさにダブルパンチというよりもトリプルパンチになっておるというのが北海道の道民感情の強い憤りとなっています。
 そこで、本来ならば長官にお伺いしたいんでありますが、基本的な姿勢として、電力料金を値上げする場合の物価に与える影響、それから物価に与える影響として、経済企画庁の立場で基本的にどうあるべきなのかという基本姿勢について第一点お伺いしたい。
 付随して、今回の値上がりの結果によって、北海道消費者物価にどういう影響を与えるのかということと、それから各国の――わが国の現状を私わかっていますが、各国の電力料金の値上げ状況というものは一体どういう趨勢になっているか。これは答弁長々と要りませんから、簡潔でいいからお答えを願います。
#32
○政府委員(藤井直樹君) 北海道電力の申請につきましては、現在通産省の方で検討されているわけでございます。私どもはその検討の結果につきまして、協議を受けまして対応してまいりたいと思っておりますが、ただいま御指摘の、仮に申請ベースでいった場合に消費者物価にどのくらい影響するかということは計算いたしておりますが、申請どおりとしますと〇・六%ということでございます。私どもといたしましては、当然のことですけれども、公共料金全般の取り扱いとして、厳正に対処したいということでやっておりますわけでございますが、原価の内容等について詳細な検討を加えまして適正なものにしてまいりたいと思っております。
 それで、各国の電気料金につきましてはちょっといま手元に持っておりませんので、また調べまして、後ほど御報告さしていただきたいと思います。
#33
○対馬孝且君 私、五十一年の五月十一日、本院において五十一年の電気料金値上げの際に、時の経済企画庁長官でありました福田――福田前総理が、副総理の立場で経済企画庁長官を兼務しておったんですが、お伺いしておるんでありますけれども、電気料金は各物価の中で特に最重点、最大課題として経済企画庁としては、国民に与える影響は大であるので、とにかく極力ショッキング的な方向にならないように厳密な精査をすると、そういう関係の基本方針で臨んでいきたいという答えが、時の福田経済企画庁長官の私の答えになっているのでありますが、いま物価局長のあれを聞きますと、何かこう一般論的に、ただ〇・六%の電気料金にはね返るんだというだけであって、公共料金のむしろ元締めだと、こういう認識での電力料金の値上げに対処するという姿勢に欠けているんじゃないかと、この点どうですか。
#34
○政府委員(藤井直樹君) 公共料金全般につきましての考え方を申し上げているわけですが、
  〔理事中村啓一君退席、委員長着席〕
電力等につきましてはその影響する範囲が非常に大きいと思います。そういうことから考えましても、この申請に対しては一般の料金と同じような対応をして、厳正な検討をしていくということで方向を出していきたいと思います。
#35
○対馬孝且君 そこで通産省の方に今度お伺いするわけでありますが、いま経済企画庁としては、公共料金の基礎的な電気料金の物価上昇というのは物価に与える影響は大きいと、こういう認識はいま経済企画庁の立場から言われておるのでありますが、北海道電力のこの申請を見ますと、五十三年度末で石炭火力が百十四万五千キロワット、石油火力でいくと八十五万八千キロワット、水力でいくと八十七万三千キロワットということになっている。石炭火力の構成比か、全体に占める割合としては四〇%超えているわけです。したがって、この他の電力会社に比べますと、私はこの値上げをするという根拠の中に、非常に燃料費を、相当アップ率を四一%に見ているんですけれども、これはどうも申請の態度として実態と合っていないんじゃないか。他の八電力との違いがやっぱりここにあるんじゃないか。そうすると燃料費がその最大限のウエートを占めるのですけれどもね、これについてどういうふうにお考えになっているかということをひとつまずお伺いします。
#36
○政府委員(安田佳三君) 北海道電力につきましては、石炭の需要量がほかの電力会社に比べまして非常に高いのは御指摘のとおりでございまして、石炭は五十三年度で申しますと四四%、石油は三五%というような数字になっております。したがいまして、石油の値上がりはその三五%分について響いてくるということになるわけでございますが、最近伊達火力の運用開始がありまして、石油消費量が増大いたしております。そういう点から、燃料費につきましてもやはり原価の上昇要因がございます。さらに北海道電力は、近年設備投資の拡大を行っております。したがいまして、資本費も著しく増大しております。さらに修繕費その他の諸経費も増大している、そういうような理由によりまして、今回の料金改定の申請のやむなきに至ったというふうに聞いております。
#37
○対馬孝且君 いま公益事業部長からお答えありましたけれども、問題は北電が言っている最大の理由というのは、いままで一貫してしゃべってきたことは、油炭格差ということを盛んに言ってきたわけだ。これは去年の予算作成の段階でも私携わっておりますから知っていますが、そのために油炭格差があるということで、油と石炭の格差が石炭の方が高いと、そのために何らかの補助的な政策が必要だということで、石炭交付取引補助金として十億円の金を出している。しかし今日的段階でいくと、私はちゃんと、これおたくの通産省の石炭部長、石炭課のこれ資料ですから、間違いであれば別にしても、五十四年度からいくと約一〇%これ石炭の方が安くなっているわけだ。そうでしょう。これはトン当たりにして直したとしても、これ四百七十八円ということは、割安になっているわけですよ、精密な検査をしていくと。そうなると、全体の燃料に占める割合がいま言ったように四四%だということを言っていながら、その申請額が燃料費に相当のウエートがかかっているということは、これはちょっと理屈に合わないんじゃないてすか。炭炭格差――最近になって言い方はどういうふうに変わってきておるかといったら、油炭格差ではなくて、油と石炭の格差ではなくて、今度は炭炭格差だという言い方しているわけです。炭炭格差とは何かと言えば、外国炭と国内炭の格差である。こういうふうにすりかえて変わってきているね。こういう申請の内容というものについて通産省どういうふうに受けとめているか。いま聞くと、何か北電のごもっともだというような印象を受けるんだけれども、私は北電の申請書にはなかり最近は論理的に一貫してないんじゃないかと、最初は油炭格差と言って、最近は、今度は炭炭格差に変わってきてだね、そして最後は燃料費の相当なアップがあるから値上げをせざるを得ない。こういうことではやっぱり道民感情は納得しないでしょう。この点どうなんですか。
#38
○政府委員(安田佳三君) 確かに五十三年度におきましては、先生がただいま御指摘になりましたように石油が石炭に比べまして割り安であったために油炭格差という言葉が使われてまいってきておりました。最近の状況を見ますと、石油の大幅な値上がりとそれから円高の伸展ということがございましたので、最近では先生御指摘のとおり石炭の方が石油よりも低廉になっているというのが現状でございます。その数字はいろいろの数字の取り方があろうかとも思いますが、カロリー当たりにしまして、トン当たりあるいは千円近くになっているかなという感じもいたすわけでございますが、ただ、この割り安の問題は石炭価格と石油価格との相対的な価格差が逆転したということでございまして、石炭価格自体が安くなっているわけでもございませんが、石油の分が値上がりになっているという状況は考慮に入れる必要があろうかというふうに考えております。
#39
○対馬孝且君 ですから、値上がりには原油が値上がりになったことはわかるけれども、石炭が安くなった分だけはこれからの値上がりについて当然審査の段階でここにメスを入れなければ論理的に一貫してないというんです。これは。これは通産省内部だって怒っているんだよ、はっきり言うと、御都合主義のときは、国民の血税を北電に十億もわれわれ出しているんだから、そして十億出してその見返りが、道民にすれば為替差益も北海道道民だけはびた一文受けてないんだよ。そういうことを考えていくと、私の言いたいのは石炭がそれたけ安くなった分について――これから二カ年でしょう、この電気料金というのは。これから二カ年ということの査定になるとすれば、その分だけは安くなってしかるべきだと、そういう物の考え方に立っていかないと、私は燃料アップだけを大きくとらえて、そして価格を大きく見せるというやり方は間違いではないかと、このことを指摘しているんであって、査定の段階ではそういう考え方でひとつ査定をしてもらいたいと、こう言っているわけでしょう。その点どうなんですか。
#40
○政府委員(安田佳三君) 石炭価格及び石油価格につきましては、その実態に即しまして厳正に査定してまいりたいと思っております。
#41
○対馬孝且君 それならいいです。
 次の問題として、いまもあなたがおっしゃったけれども、過去電力業界は四十九年、五十一年、二年ないし三年ごとに電力料金を値上げしているわけだ。そして、電気料金の原価主義という原則によって算定されているわけですがね、この原価の高騰についてその抑制吸収がどれだけ努力されているのかという点についてどういうふうにお考えになっているのか、それから北電自体これに対してどういう努力をしてきたのか、これちょっと聞きたいのです。あんた相当過大な設備投資していると、こう言うのだけれども、私に言わせれば、あなたの答えいかんによって反論するけれども、どれだけの具体的に企業努力なり経営努力というものが北電自体がなされてきたか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
#42
○政府委員(安田佳三君) 電気料金につきましては、電気の供給コストが増加したからといって直ちにこれを料金に転嫁できるものではございません。やはり公益事業としての性格上、コストが増加いたしますとそれを吸収すべく最大限の企業努力を払ってもらいまして、それでも完全にコストを吸収することができないという事態に至って料金改正の申請を行うということになっていると思います。この点につきましては各種経営面及び技術面等における経営努力がいかになされたかという点につきまして、さらに検討を進めてまいりたいと思います。
#43
○対馬孝且君 それでは私は具体的な例を一つここで挙げますから、厳重にひとつやってもらいたいのですが、今日の北電の設備投資が過剰になったと。過剰設備投資をした原因というのは、これは完全に誤りを犯しているのです。あえて私は具体的に言うけれども、伊達火力の問題のときには道民はこぞって反対したわけだ。ここにおりますけれども、中村先生は当時北海道の副知事でありましたからよくおわかりだと思うんでありますが、伊達火力を設置するという計画についてはこれは三年間ずれた。どうして伊達の有珠沿岸のああいう漁業地帯に火力を持っていくのかということは相当疑問があったんです。私も当時携わっておりましたからそういう消費者の立場、労働界の立場でこの問題やりましたけれども、つまりあの伊達火力の設計計画それから設備投資、この仕方には基本的に問題があったわけですよ。どうしてかと言ったら、パイプラインを通さなければならぬでしょう。当時パイプラインを通すという計画ではなかったんだ。伊達火力は、当時われわれは石炭専焼であえてやるならばこれは苫小牧に持っていくべきだ、こういう主張をしたんだけれども、強引に北電は伊達火力にやったんだ。ところが実際の実施計画から三年間ずれた。こういうむだな設備投資しておるんだよ、このやり方としては。無計画なんだよ。これはつまり住民のコンセンサスを得なかったということだと思う。こういう粗雑なきわめて、私に言わせるならば独占的な性格でこの北電の設備投資計画が行われてきたというところに今日のこの過大な設備投資になっておることが一つ。
 いま一つの問題は、何と言っても岩内原発ですよ。いまだに岩内の漁民がこれに対して合意を得ていないわけですから。ところが一たんこの共和村に買った原発用地、これすら変更せざるを得なくなったでしょう、二回目に。こういうむだな、道民から言わせるとむだな設備投資をしておるのだよ。こういう問題に対して、今度の査定に当たっては私徹底的なやっぱりメスを入れてもらわぬと道民は納得しないと思うのだ、こういうことについて。そういう問題についての過大な設備投資だから仕方がないのだという物の考え方じゃなくて、そういう無計画なずさんな道民の合意を得られないような、伊達火力にしても共和村の原発計画にしても、そういう問題が過大な設備投資のロスとなってあらわれて今日の結果を生んでいる、こういう問題の認識を通産省はどういうふうに受けとめているか、これをひとつお伺いします。
#44
○政府委員(安田佳三君) 従来北海道電力につきましては石炭火力が非常に多かったわけでございます。やはり原料源を分散化するということはそれはそれなりの一つの行き方の方法として首肯し得る面もあるのではないだろうかというふうに考えております。したがいまして、石炭火力、国内石炭を使います火力の増設につきましても、今後北海道電力はいろいろと努力をしていくというふうに聞いておりますが、一方石油につきましてもあるいは原子力につきましても、開発を進めるということも必要ではなかろうかというふうに考えております。
#45
○対馬孝且君 いや、公益事業部長ね、私の主張している点は、設備投資が過大だと、こう言っているわけですよ。その設備投資のあり方にやっぱりメスを入れなければならない。そこにやっぱり問題点があるんだということを言っているのであって、もちろん石炭を、火力発電を重点に使っていこうということは、去年も私はやっていますけれども、予算委員会でやっていますけれども、福田総理大臣は、これからの国内炭については火力発電所専焼に向けますということを言明しているんですから、総理からそういう答弁あるんですから、そういうことでなくて設備投資のあり方に問題があるんじゃないか。そういうものにやっぱりメスを入れたひとつ査定というものを行ってもらいたい、こう言っているわけですよ。
#46
○政府委員(安田佳三君) 北海道電力の設備投資につきましては、将来需要を勘案いたしまして推定いたしまして、それに対して適当な予備率を持たせた上で設備計画をつくっているところでございます。従来は、北海道は本土と隔絶されておりました関係上、相当高い供給予備率を持たなければならないという状況になっておりました。しかし最近、北本間の連携が完成いたしましたので、これはしばらくたちました将来におきましては、北海道電力の供給予備率を低めることも可能になるケースがあるのではなかろうかというふうに考えております。ただ当面、直ちにこの供給予備率を下げるというところまではまいりにくいかと思いますが、そういう将来の面も含めまして過大な設備計画にならないように、また他方においては、供給責任を果たすことができないような事態になることを避けますように、慎重に検討してまいりたいというふうに考えます。
#47
○対馬孝且君 その点にメスを入れて慎重にひとつ査定をしてもらいたいと思います。
 それから次の問題として、今回の申請を見ますと、やっぱりある程度大企業には相当の優遇をされて、一般家庭にはやっぱり犠牲をしょわせる。具体的に申し上げますとどういうことかといいますと、電灯と電力の値上げ率は二%の開きがありますね、今回は。これをそのまま認めると仮定した場合にどういうことになるかというと、私は調べてみましたが、電灯電力料金の格差は一・四五の現行が一・四七の結果的には大差の結果になる。単位比較でいくと、六円二十銭、これが八円二十七銭になるわけです。キロワット当たりの計算でいきますと。だから二円七銭というものが結果的には一般家庭の方に犠牲を強いられた、大口電力の方は軽くなる、こういう結果に今回の電力の申請がなっているわけでありまして、いままでの大口電力の格差は、産業の場合は一・九一倍。それから家庭用の場合は、逆にこれが依然として家庭用の負担が逆に二分の一ふえているという結果になるんではないか、こういう問題についてどういうふうにひとつお考えになっておるかということをお聞かせ願いたいと思うんです。こういう査定のあり方について申請に対して、このとおり査定をするという構えなのか、やっぱり家庭直撃型は最小限度にとどめて大口電力の方に均衡をとる、こういう姿勢に立つべきでないか、こう考えるんですが、いかがですか。
#48
○政府委員(安田佳三君) まず現在私ども申請を受け取りまして、査定の準備を進めておる段階でございまして、これは今後現地におきます公聴会の御意見を伺い、さらに関係方面とも折衝した上で査定の最終案を決めるということになるわけでございますが、従来から一方におきまして電気事業の健全な継続を図ることができるような点を考慮いたしますとともに、国民の方々からのできるだけ安くという要望にもできるだけおこたえするということで、この査定作業を進めてまいりたいと思うわけでございます。ただいま先生御指摘の格差につきましては、率につきましては、これは縮小いたしておるところでございますが、中の値上げの額自体をとってみますと、ちょっといま先生の御指摘の点まだよく確認いたしておりませんが、そういうケースもあろうかというふうに存ずるわけでございます。これにつきましては、私ども電灯につきましては流通部門におきます経費がかさむということと、それから需要家費がかさむということと、それから送電の長さが長いということから損失があるというふうな点から見まして、その原価から見ますと、どうしても少し割り高になろうかというふうに考えております。しかし、できるだけ電灯と電力との格差を少なくするような方向で従来関係者が考えていたと思います。現実に電灯と電力の格差につきましては少しずつではありますが、縮小の方向に向かっているというふうに考えております。
#49
○対馬孝且君 これも五十一年の値上げの際にも私はぜひこれは逆転すべきだと、こう言っているんだよ、私の主張は。むしろ家庭電力を安くして大口電力を高くする、できるだけそういう方向に縮めていくべきだと、むしろできるならば逆転をさせるのが本当だと、これがやっぱりナショナルミニマムの精神ではないかと、こういうことを申し上げたことがあるんですが、時の増田エネルギー庁長官は、そういう方向に何とかひとつ査定に当たってはこれからもそういう精神を貫いていきますと、こう言っているんだよ。ところが、どうも今日の段階になってもなお逆にこれ開いてきている。あなたがいま、これからできるだけ縮めると、こう言うんだけれどもね、私に言わせればこれ三円三十銭の差があるんですよ、大口と家庭用電力の一キロワット当たり。三円三十銭われわれ一般家庭がこれ犠牲になるわけですよ。これは何もぼくは縮まっているとは思わないんだよ、私は広がっていると見ているんですよ。あなたは縮まっていると、こう言うけれども、広がっておるよ、これ、私に言わせれば。だから、当時のエネルギー庁長官のお答えでは、何とかこの次の値上げ料金の場合については、まず電灯と電力というものは均衡させる、横並びさせる、そのくらいまでひとつ近づけるようにしたいと、こういう長官の答えがあるんだけれども、いまあなたの答えを聞くと、思い切ってそこまで踏み切っていくというような姿勢がどうもないようだね、これ。相変わらず大企業は優遇されて家庭は犠牲になる、こういうことではこれ話にならないんじゃないですか。
#50
○政府委員(安田佳三君) 私どもといたしましてはできるだけ電灯と電力との格差が縮小するように努めたいと思っております。ただし、やはりそこには原価主義という枠がございますが、その原価主義の枠内におきましてできる限りそのクォリティーの間の格差というものを縮めるよう努力してまいりたい。一例を申し上げますと、北海道電力におきましては、昭和二十六年におきましては電灯が電力の二・二八倍でございましたが、四十七年ごろになりますとこれが一・五八倍になっております。今回の申請は一・四五倍ということで、絶対額におきましてはあるいはそのとり方によって幅が大きいこともあるかもわかりませんが、率をとってみますとその格差というものは縮小の方向に向かっているというふうに考えております。
#51
○対馬孝且君 いずれにしても、結果的には今日の申請内容を私は精査したけど、結果的には三円三十銭やっぱり一般家庭に犠牲をしょわせるという結果になるんだから、これは少なくとも均衡さしてもらいたい、特にひとつ査定の段階で申し上げておきます。
 それから次の問題ですけれども、最近国際的な石油が逼迫をしているわけですから、エネルギー情勢はきわめて厳しいということは先ほども岩崎委員の御質問にもありましたが、問題はこの電気料金の三段階料金制度、それから特別料金制度というのがこれ査定の段階であるわけですが、省資源、省エネルギーの志向として料金制度の内容について私も検討してみたんですが、ことしの春の――ここに私も持っていますけれども、電気事業審議会の料金制度部会で、季節別料金制度を主体とした一層の省電力の効果を上げるための料金制度をやってはどうかと、こういう中間答申していますね。この点について、北電の場合の料金制度の内容から見まして、そういう答申に対して、北電の今回の申請との考え方について通産省はどういうふうに受けとめているのか。これが一点。
 それからもう一つは、電灯料金の三段階制。これは四十九年の料金改定以来取り入れられてきたのですけれども、今回の場合を見ますと、一番問題はここなんですよ。三段階というところ、これごまかしなんだよ。ここは慎重にやってもらいたいと思う。三段階はどういうふうになっているかというと、つまり、第一ランクとしては百二十キロワットになっているわけだ。ところが、今日電化の時代ですから、冷蔵庫を使う、テレビがある、こういう状況から、北海道の一般的な標準家庭の使用量というのはどういうことになっているかといいますと、私の調べによると大体百七十八キロワットになっているわけです。そうすると、一段階というものはこれは意味ないのだよ、第一ランクというのは。そうでしょう。第一ランクというのは百二十キロワットまででしょう。次は百二十一キロワットから二百キロワット、第三ランクは二百キロワット以上と、こうなっているのです。それによってそれぞれ料金が変わるわけですよ。そうすると、三段階制と申請はしているのだけれども、百二十キロワットの場合、現行でいくと千四百六十五円、申請額でいくと二千二十円、改定率からいくと三七・八八%、千二百六十四円ぐらい平均してこれは値上がりになる。これだけの犠牲になるのですよ。ところが、第一段階の百二十キロワットというもう家庭標準にはなってないのだよ、これ。こんなものごまかしじゃないですか、こんな標準じゃ。百二十キロワットの状態というのはもうないのだよ、北海道の道民の生活のレベルの中では。大体、最低、平均が百七十八キロワットになってしまっている。それは何ぼかあるか知らぬけれどもそんなものは話にならぬよ。こういう三段階制のあり方についてどういうふうに通産省は考えているか、この申請に対して。これをお伺いしたいと思います。
#52
○政府委員(安田佳三君) 最初にございました季節別の料金制度につきましては、これは料金制度部会の方から、これを採用するようにという答申をいただいております。それで、今回は沖繩電力の方からは季節別料金を採用する申請が出てまいっておりますが、北海道電力の場合におきましては電力使用のピークが冬になっております。夏のピークではなしに冬のピークになっております。したがいまして、そのピークの対策としてのコスト増高という観点がございませんので、北海道の場合は季節別料金の適用をしないという申請が出てまいっております。
 それから、次に三段階の逓増制の料金制度でございますが、第一段階目の区分でございます百二十キロワット時につきましては、これが適用されます電気の使用量はおおむね電灯需要の二分の一以上を占めているということか申せます。全国の平均で申しますと、五十三年度の実績で第一段の料金の適用分が五三・二%ぐらいございます。そして第二段階か二一%程度、そして第三段階の適用分が二六%程度の数字になっております。ただ、それは段階別に料金を計算するわけでございまして、平均的な使用量と申しますと、北海道においては、ちょっとただいま手元に資料を持っておりませんが、大体百二十と二百との間に平均的な使用量は参ります。しからば、この百二十キロにつきましてはこれが低過ぎるのではないかというような御意見もあろうかと思いますが、標準的な家庭におきまして生活必需的な電気使用量というものを見ますと、これは四十九年当時これが百二十キロワットアワーというふうに算定されたわけでございますが、これをいまの時点でもう一度振り返ってみますと、最近におきましては、省エネルギー型の電器機械の普及もございまして、三段階の料金制度が導入されました四十九年度当時と比べましてほとんど変わっておりませんという状況がございます。したがいまして、これは今後の査定の段階にまつわけではございますが、ただいまの段階におきましてはこの百二十キロワット時につきましては余り変更する理由はないのではなかろうかというふうに考えております。
#53
○対馬孝且君 これはそういう理由にはならないよ。それはあなたはそういう全国平均のことを言っているけれども、私、手元の北海道のこれ消費者団体で出した計算方法を全部言っているのだから。アンケートをとった結果、北海道の場合は消費者段階のあれでは百七十八だというのだ。そうすると、百七十八といったら、ないです。第一段階に該当するものがほとんどないというのだ。一〇%あるかなしたと、こういうのだ。――第一段階があって悪いと言っているのじゃないよ。第一段階ということは、当時はそういう査定はしただろうけれども、今日的段階では使用量が第二段階以上になってしまっている。それに対応した料金の体系に変わっていかなければならないのじゃないか、これを言っているわけだ。ところが、それに対して、あなたは、変更すべきでないのじゃないかと。変更しなかったらあなた犠牲がますます大きくなるのじゃないですか、率直に申し上げて。ぼくが言っているのは、予算委員会でも申し上げましたけれども、ランク別の考え方に対して、第一ランクは私は基本的には福祉型という考え方を持つべきじゃないか、第二段階というのは平均型でいい、第三段階というのは逓増型でいい、こういう考え方を取り入れる必要があるのではないか。そうしなければ、四十九年の段階と同じだと言うけれども、これは変わっているのです。北海道消費者団体もこれ公聴会に臨むに対してわざわざ電気料金についてアンケートしたのだから。それを私ここへ持ってきているのだ。あなたの言っていることは実態と合っていない。だからそういう面についてひとつ検討してもらいたい、こう言っているわけです。どうですか。
  〔委員長退席、理事中村啓一君着席〕
#54
○政府委員(安田佳三君) 先生よく御存じだと思いますが、念のため、百二十キロワット時についての取り扱いについて説明させていただきますと、仮に百七十八キロワット時が平均的な使用量の方だといたしますと、その方の百二十キロワット時までにつきましてはこれは第一段階目の料金が適用されます。そして私どもは、その分につきましては生活必需的な電気使用料がおおむねそれに見合うものと考えております。それ以上につきましては、いわばほかの人に比べまして少し最低限度以上のものだと考えまして普通の料金を適用させていただきます。そして二百キロワット時を超えたものにつきましては、これはやはりたくさん使っておるということで、限界費用を負担していただくという意味においても割り増しの料金を取っておるわけでございます。したがいまして、この百二十キロワット時、生活必需的なものにつきましてはそれぞれこれによって賄われておりまして、あとの部分につきましては、油の事情も大変苦しい折からでございますので、できるだけ小まめに電灯を消していただく等の措置を講じていただきまして、省電力ということに御協力いただきますようにこれはお願いとして申し上げたいと存じております。
#55
○対馬孝且君 いま、公益事業部長のその点はメスを入れなければだめですよ。そういう実態、世論調査というアンケート調査によって出てきているのだから、そのランクに対応した、私が言っているように第一段階は福祉型、つまりナショナルミニマムの精神を採用する、第二段階は平均型でいく、第三段階では逓増料金型でいく、こういう物の考え方にひとつ立ってもらいたい、私はこう言っているわけだ。だから、そういう見直しをしなければ北海道の生活実態に今回の電気料金というのは合わない。そのことを見直してもらいたい、こう言っているわけですよ。それが一つ。
  〔理事中村啓一君退席、委員長着席〕
 それから、二つ目の問題は、四十九年及び五十一年の料金改定の際に、生活保護世帯及び社会福祉施設に対する特別措置が講ぜられています。今回、これに対する弱者救済措置ということについて通産省はどういうふうに受けとめているか、これもあわせてお答え願います。
#56
○政府委員(安田佳三君) 料金の逓増制につきましては、この逓増制の制度は引き続き実施いたしまして、そしてできましたら、その逓増の度合いは現行よりも少し拡大するような方向を考えてまいりたいと思いますが、ただ、第三段階の料金が適用になります分野には、中小企業あるいは第三次産業等の人たちもおりまして、急激に変更するということもいかがであろうかというふうに考えますので、その辺のバランスを見ながら、少し逓増するような方向をとってまいったらどうだろうかというふうに考えます。
 それから第二点の、生活保護世帯等につきまして、何らかの措置を講ずべきではないかという御質問でございますが、私ども基本的には電気料金は電気事業法の規定に基づきまして原価主義の原則、公平の原則に基づき設定されることになっているというふうに考えております。したがいまして、ただいま先生御指摘のような社会福祉、生活保護関係につきましては、本来は財政政策その他一般的な社会福祉政策の手段により対処をすることが適当であろうというふうに考えております。
 しかしながら、四十九年と五十一年の料金改定の際におきまして、これらの需要家に対しましては、予算措置が講ぜられるまでの間の暫定措置といたしまして料金を据え置いたという経緯がございます。
 今後、公聴会におきます意見等も十分考慮いたしました上で、同様の措置を要するか否かということにつきまして、これは検討いたしたいというふうに考えております。
#57
○対馬孝且君 これは四十九年も五十一年も、五十一年の場合は六月だったけれども、五十三年の三月まで延ばしたわけですから、これは少なくともやっぱりそういういま言った生活保護世帯あるいは弱者と言われる方々に対してはそういう措置をとったんだから、これは当然その措置を採用してもらいたい。これは強く申し上げておきます。
 次の問題は電気税の問題。今回の料金改定に伴ってこういう結果になるわけですよ。電気税の場合は地方税に基づいて間接税という形で、一般家庭では一カ月の電気料金は大体二千四百円を超えた場合に、これは料金については五%換算して徴収されているわけです。そうですね。ところが、今度の場合はどういうことになるかといいますと、これは私も課税対象を調べてきましたけれども、これは十五アンペアで月百三十五キロワット、これまではいままでは非課税だったわけだ。しかし、今度の改定でいきますと、九十六キロワットになったら税金の対象になるんだよ。課税対象になるんだよ。これでは実質的には料金プラス税金の値上がりと、こういうそれこそ一般家庭にとってはダブルパンチの犠牲を強いる結果になるんじゃないですか。それについてどういうふうにお考えになってますか。
#58
○政府委員(安田佳三君) 電気は国民生活、産業活動に不可欠なエネルギーでございますので、私どもといたしましては、本来このようなエネルギーの消費に対しまして税負担を課するということは好ましくないというふうに考えておるわけでございまして、そのような観点から、現在電気税の廃止ということを要望いたしておるところでございます。
 今回、仮に料金改定が認められるということになった場合におきましては、先生御指摘のように、二千四百円の限度がより少ない電気使用料をもってその限度に達するという結果になりますし、全体の支払い額がふえる場合におきましては、税率がふえますので、私どもとしましてはこの電気税を廃止していただきたいというお願いをしております関係上、その限度額をただいま直ちに幾らにするというようなことを要望するわけにはまいりませんが、まず電気税の廃止をお願いしたいというのが第一段階、それがその後別な事態が生じましたら、いま先生の御指摘のような点を十分念頭に置きまして、関係方面と話をしてまいりたいというふうに思います。
#59
○対馬孝且君 基本的にそういう考え方をお持ちだということですから、それはそれなりにひとつ受け身の体制ではなくてひとつ積極的にやってもらいたいと、このことを特に申し上げておきます。
 それから次に、電源開発促進税、この点についてちょっとお伺いするんですが、国は電源開発の円滑を図るために、一九七四年に電源三法の一つとして電源開発促進税、これを新設しましたね。この促進税の場合は、七四年、平年度で三百億税収を上げることを前提として、税率を千キロワットにつき八十五円ということに決められているわけです。これは各電力会社の販売電力量に応じて国税として納めているわけですが、これが一定の基準に従って電源立地の地域の自治体に交付する仕組みになっておるわけです。これは間違いないと思います。そこで、この税金が当然のように料金の原価の中に組まれておって、結果的には消費者の負担になっているんではないかと、私はここが言いたいんですよ。結果的には消費者の負担になるんじゃないか。そこで、問題は地方財政の危機はピンチだということは言うまでもないんでありますが、電源開発に対する自然保護、公害問題、こういう芽を摘む手段として効果を上げるためには、いわゆる公共施設の整備の面では地方自治体に新たな格差を生み出す結果になるんではないか、こういう意味からいけば、これは廃止すべきだと、こういう考え方を持っているんですがね、いかがですか。
#60
○政府委員(安田佳三君) この電源立地につきましては、その実態を見ますと、地元にとっては雇用効果が小さくて、地元振興に寄与する度合いが少ないというようなふうに考えられておりますので、したがいまして、地域住民の理解と協力が得にくいというのが実情でございます。これを打開する見地から、先生御指摘のように、昭和四十九年に法律が制定されまして、そして販売電力量を基準といたしました税収を財源といたしまして、発電用施設が設置されます地点が属する市町村と、その周辺の市町村に交付金を交付いたしまして、そして公共用施設を整備して、地元住民の福祉の向上を図るという趣旨になっております。交付金の交付を受けない市町村との間に、公共用施設を整備する面である程度の格差が生ずるということになるわけでございますが、その公共用施設の整備促進をインセンティブといたしまして、電源立地の促進を図るというこの制度の趣旨から見まして、今後ともこの制度を拡充して、地元福祉の一層の向上に寄与してまいりたいというふうに考えておりますので、この点につきましては、ひとつ御理解いただきたいと存じます。
#61
○対馬孝且君 御理解願いたいと言うが、これは私は廃止すべきだと、こう言っているんだから、廃止すべきという姿勢でひとつ検討してもらいたい。これは強く要望しておきます。時間もありませんから。
 そこで最後に一つだけ、これはこれを踏まえてひとつ大臣に、いままでお聞きになって、いかに北電の値上げ申請というものは私に言わせればずさんであるか、大衆犠牲のやっぱり申請内容である、こういうふうに指摘せざるを得ません。中でも私はここで具体的に申し上げますが、これは消費者団体からも投書が来ておりますし、それから相当の今回電力料金値上げを発表になった後の投書としても、私のところに手紙来てます。どういうことかと言うと、こういうことです。北電は、設備の合理化などの社内努力は限界であり、このままでは設備資金調達が不可能だ、こういう理由にはなっているけれども、現在、伊達や岩内――先ほど私が申し上げましたね、伊達電力誘致の場合、岩内原発について、これは福祉という名目で各市町村に十億円の金をおろしている。言うならば、工作資金として使っているということですよ。その内容はまさにはっきり申し上げますけれども、かなりそれぞれの町の町内会のボスを連れていって、あるいは札幌の料理店へ連れていってだね、言うならば工作資金として金を使って何とか反対者を納得させる、こういうきわめて金権体質的な、私に言わせればいま問題になっている綱紀粛正のロッキードまがい的な、体質的な北電の工作資金というのがかなりある、こういうふうに実は訴えられているわけです。現実にこのその他経費というのをちょっと見てもらいたいんでありますが、その他経費にこんな莫大な金があるということは、これがごまかしなんだよ、私に言わせれば。こういう工作資金を使って原発反対、そして伊達火力の問題のときも相当な金権腐敗の体質で、各日はそれはもちろん住民工作に福祉資金として使ったと、こういう科目に当たっているけれども、内容はこういうものだということを現地の住民からこれ出ているわけだ。これで電気料金納得せいと言われたってこれは納得しないですよ。私はそういうことも姿勢を正してもらって、大臣、私はこれまで長々としゃべってきたけれども、この実態を踏まえてひとつ今回の電気料金の査定に当たっては、少なくとも道民のこういう訴えを本当にはだで受けとめてどういうふうに通産大臣としてこの査定に対処するか、考え方を最後にお伺いします。
#62
○国務大臣(佐々木義武君) 予算委員会の際もお答え申し上げましたとおり、私どもといたしましては厳正慎重に扱いたいと思っておりますので、ただいま段々の御指摘もございました。また、御希望のように公聴会のみならず北海道の各所で説明会等もいたしまして、住民の皆さんの御意見も十分拝聴するように慎重な取り進め方をただいま計画しておりますので、そういう態度で厳正に決定いたしたいと思います。
#63
○対馬孝且君 いま申し上げましたように、査定の段階では厳正公平に厳しくやるということですから、ひとつ極力値上げをする場合であっても最小限度にやっぱりとどめるべきであるし、それから一定の段階では凍結をすべきであると、こういう基本的な態度をひとつ申し上げておきます。
 次に、予算委員会でこれも灯油問題で質問しましたけれども、私はどうも納得できない点がありますので、ひとつ具体的な例で私は長官にお伺いしたいと思うんです。
 具体的な例を挙げます。わが党の試算によりますと、八百七十九億の実は便乗値上げ金が出ているわけです。どういう計算をしたかといいますと、移動平均法という灯油適正価格計算表を用いました。これは生協連もやっています。これは九月の十一日に日本生協とそれから日石との間で交渉が行われまして、そのときに、一月から十月までの元売をトータル出しましたら、三万八千四百五十七円という元売価格が出ているわけです。それから日石の計算でいきますと四万六百三十七円、こういう計算になります。わが党の計算でいきますとこれはどういうことになるかといいますと、三万九千六百六円という計算になります。これをやって月々の移動平均でとってみたんでありますが、結果的にはこれによりますと八百九十六億の大体便乗値上げが行われている、こういう試算がわが党では出ています。
 そこでお伺いするんですが、先ほども長官答えているんですが、問題は便乗値上げは監視すると、こう言うわけだ、大臣も。この間総理もそう言っている。極力ひとつ監視すると、こう言う。便乗値上げとは一体何なんだということが国民はわからない。道民はそれを聞いてくれというのだ、便乗値上げとは一体何なんだと。便乗値上げというガイドラインは一体何を通産省は言っているんだ。これがわからなければ道民はわからない。こんなことを言ったって国民はわからない。そうでしょう、便乗値上げのガイドラインとは一体何なんだと。現実にきのうのニュースでもごらんになったと思うけれども、NHK調査によるともはや今日の段階では十八リッターが七%上がっている。千二百十六円になっている。しかも、千三百円を超えた県は四十七都道府県の中で十二県にわたったと、これNHK調査で、きのうの七時のニュースで発表になっているわけですよ。だから便乗値上げとは一体何を指すのかということをまず一つお伺いしたいということと、それからもう一つ聞きたいことは、現実にこの便乗値上げによって相当額が出ているんですよ。それがいま長官のお話によるとないと言うんだけれども、ないということはどういう根拠に立っているのか、これ二つまず最初にお伺いします。
#64
○政府委員(森山信吾君) いま先生から御指摘のございました便乗値上げと思われる金額でございますが、私どもの試算といいましょうかチェックと、第三者の方々のお調べになった数字との一番大きな開きは、原油の輸入のタイミングと製品の販売のタイミングとの差ではなかろうかと思うわけでございます。原油の値段が上がって、それから買い付けをいたしまして国内に持ってきまして精製をするというのに一定の期間がかかる。これは当然一定期間かかるわけでございますけれども、国際商品でございますから、本来でございますと諸外国等は原油の値段が上がった時点におきまして製品の価格を上げるというのが通例でございます。しかしながらわが国といたしましては、いま申し上げましたように、一定の期間を置かないと値上げを認めないということで従来から対応いたしておりますから、こういう油が逼迫してきたときにおきましても、従来のパターンを取り崩すことをしちゃいけませんよと、こういう指導をしておるわけでございます。その期間と第三者の方がお調べになる期間が若干乖離がございますから、油を安く買って製品を高く売ったんじゃないかと、一カ月でも比較のずれか出ますとそういう数字が出ますので、恐らくそういう数字がはじかれたんだろうと思いますけれども、このタイミングのとり方というのは実は大変むずかしい作業でございますので、私どもの判断といたしましては、マクロ的に申し上げまして、原油の値上がり率とそれから消費者物価の値上がり率を比較してみますと、昨年の暮れに比較いたしまして原油が九〇%ほど値上がりしておりますし、それから製品の方が五十数%の値上げでございますので、その枠内には入っておるという気持ちを持っております。これはマクロの数字でございます。
 そこで、いま対馬先生が御指摘になりました便乗値上げをチェックする基準の問題でございますが、これは一つは、るる申し上げましたように、原油を幾らで買ってきたかということを十分チェックいたします。それからそのときのたとえばユーザンスの金利が幾らであるか、あるいは石油税がどうなっているか、さらには精製をするための燃費がどの程度になっておるかということを全部報告をしてもらいまして、それをチェックした上で便乗値上げであるかないかの算定をする、適正価格であるかどうかの算定をする。これが私どもが現在やっておる基準ということでございます。
#65
○対馬孝且君 長官、わが党が出した試算ありますから、やりますからひとつ精査してください。いいですね。
 そこで、こういうことですよ、むずかしいことじゃないと私は思うんですよ。いま道民なり国民が求めているのは、この冬の需要期の灯油価格が何ぼになるんだと、こう聞いているわけですよ。ところが、それを言うと、あんた方言わないわけだ。これは市場の原則に立って、需給原則に立って、まあ十分ありますから安定いたしますと、こういう抽象論でしょう。しかし、いま困っているのはどういうことかというと、北海道の場合は中小企業なんか暖房手当出しているわけですよ。ところが妥結しないわけですよ。なぜかといったら、値段が定まっていないから。そうすると、とりあえず十万――ドラムかん二百リッターを北海道の場合は十本以上使うわけですから、ドラムかん一本にしてとりあえず一万円なら一万円という回答で、中間回答で妥結しているわけだ、暖房手当が。だから、企業も困っているし消費者ももちろん困っているんだ。私言いたいのは、今需要期というのは四月末日までだから、四月末日に行政指導してもらったって困るんだよ。そんなもの、行政介入してもらったって、終わりになってから。問題は、いまの時点で出せないとするならば、私は百歩譲って、カラカスの総会が終わって一定の値段が仮に上がったとして、原油がね、十ドルなのか十五ドルなのか二十ドルなのかしらぬけれども、そういう段階でやっぱり行政介入をすると、行政的介入をして一定のやっぱりガイドラインの目安額というものは出すべきだと、こういう判断に立っているならそれでいいんですよ、私は言いたいことは。どうも、ただその市場の自由原則で価格を安定していくんだという抽象論ではわからないですよ、そんなこと言ったって、はっきり言って。ところが出先の札幌通産局のこの間消費者団体との話し合いで飯田鉱山部長はこう言っているんですよ、私の試算でいくと大体千百円前後が今需要期の大体ガイドラインだと思うと、ということは消費者も聞いているんだから。ところが、それが本州の方はさっぱりあんたこれないんです。だから、きのうの七時のテレビだって、通産省というのは一体何なんだと、通産省って省は。業界の代弁者かって私が言っているのは、この間大阪の一市民が訴えておったでしょう、きのう七時に。通産省というのはどういうところなんだと、あれは、通産省というところは業界の代弁するところかと。こういう悪口まで出るというのは、いま国民が求めていることは、ガイドラインとして幾らなんだと。私は率直に言いますよ、それじゃ、千円を目安にしてこれは青信号なのか赤信号なのか、どういうふうにお考えですか、これ答えてくださいよ。あるいはずばり言ってもらって結構ですよ。私らの試算でいくと、東京都の場合では九百四十一円六十銭だと、こういう試算は出ているんだけれども、それは別にして千円を目安にしていわゆるガイドラインとして、目安額として私は考えるべきではないかと、こう言っているわけです。これが青信号なのか赤信号なのかという通産省の受けとめ方はどうなんですかということを私は聞かしてもらいたいんです。
#66
○政府委員(森山信吾君) 信号はどっかで連携しなきゃならぬわけでございますので、私どもは信号をともすのには原油がどうなるかということで判断をせざるを得ないと、こういうことでございます。それでまあ日々刻々原油の値段が上がってきたわけでございます。いま先生御指摘のカラカスの総会が十二月十七日に行われるわけでございまして、今後の動向も大変注目をして見なきゃならぬと思うわけでございますが、そもそも私どもが灯油に関しましてとっております政策は、先生も御承知だと思いますけれども、まず量を確保するというのが最優先だというふうに考えております。つまり、世界的に石油の逼迫感が強いこの需要期におきまして、少しでも量が不足いたしますと価格メカニズム以上のものが、おそれがございますので、まず量を確保することによりまして価格を原油の動向とマッチしたいわゆる市場価格に安定させたいというのが前提でございまして、幸い量は確保し得ましたので、まず量の面は心配ないということでございます。そこで、次の対策といたしましては価格を安定させるということだと思いますが、先生御指摘の千二百円という数字も私どもも知っております。それでまあ基準から言いましてそれが赤信号なのであるかどうであるかという判断は大変むつかしいので差し控えさしていただきますけれども、少なくとも原油の値上がり率に応じた値上げでなければいけませんよという指導はいたしておりますし、それから幾ら売れるからといいまして従来の損をこの際カバーをすると、つまりいまの原価はこうですけれども、前の期にマイナスだったものをそれでカバーしようと、そういうようなものは認めませんよというような施策を講じておりますので、少し高くなっていることはこれは事実でございますが、それにプラスしていわゆる便乗的な値上げがないような価格介入はすると、これが第二の政策手段でございます。
#67
○対馬孝且君 そこで長官ね、カラカス総会に近く通産大臣もIEA会議にも行かれるわけですけれども、それに臨むに際しても大事なことは、日本国が、日本の政府が異常なやはり原油は抑えなきゃならぬと、国民の要望にこたえてやはり低い価格に安定しなきゃならぬと、そのためには政府は積極的に行政指導をとっているんだと、こういうことでなかったら、これはIEA会議に行ったって、これは通産大臣はぼくは他国より突き上げられるのではないかと思うんだよ、これ。逆に値上げは野放しにして青天井みたいにどんどん上がって野放しにしておいて、カラカス総会に行って何言うんですか通産大臣、大臣に聞くけれども。少なくとも国民生活の安定のためには量を確保することは当然だけれども、安い価格に安定させるためには、いま非常に行政指導としては国民のために安値安定価格のための行政指導には努めていますと、こういう訴えがなかったら、IEA会議に行ったってあなた日本の姿勢というのはどうなんだと聞かれた場合に、いや野放しにして上がるだけ上がっていますということじゃ、これはむしろOPEC総会のカラカス総会の値上げの理由になるんじゃないですか、これは逆に。まだ上げていってもいいなと、こうなるんじゃないですか、産油国側は。そういう論理を与えるでしょう、これ。だから、私が言いたいのは、いま国民が求めているのは、行政介入をいつの時点でするかと、もう百歩譲っていいわ、行政介入をする時期に来てるんではないかという認識なんだよ、これはもう。これは本会議を通して、予算委員会を通して全野党が全部言っているわけでしょう。だから、行政介入する時期はいつかということなんだ、ぼくの言っているのは。だから、カラカス総会が十日にあるから、十日の終わった段階でやはり政府としては行政指導、介入をせざるを得ないと、価格の行政介入をいたしますと、これならこれでいいんだよ。どうもそこらあたりがさっぱりわからないんだ、この辺がどうも。抑えています。抑えていますとか、安定させますとかと、言葉では監視監視と言っているけれども、私に言わせれば監視奨励型だよ、通産省は。監視奨励しておるようなもんだよ、これ。監視とは何ぞやと私聞きたいんだよ、これ。どこで監視するんだというんですよ。監視とは幾らかと国民が聞いてるんですから、千百円を超えたら便乗値上げとして監視するのか、千二百円ぐらいに上がったら監視なのか、こう聞いているんですからね、ここに政府が答えないという話はないんじゃないですか、これ。これはだれでも納得しないよ、こんなことを。こんな子供でもわかりやすいことをだね。だから、私はいま百歩譲って、いまここで言えないとするならば、カラカス総会が終わった段階でこの需要期といいますか、やはりこの需要期の大体原油価格が定まると、そういう問題についてばしっと答えるという姿勢が出なければだめですよ、そんなものは。
#68
○政府委員(森山信吾君) 私が先ほどお答え申し上げました量の確保最優先だと言いましたんですが、その点につきまして若干補足いたしますと、まず原油を確保しなくちゃならぬわけでございますが、その原油につきましても無制限に高値をつかんでもいいから買ってらっしゃいと、こういう指導では実はないわけでございまして、スポット物につきましてはロンドンシンジケートと言われるロッテルダム市場がございます。それの市場価格よりマイナスアルファで買ってこないといけませんよという指導をしているわけでございますから、つまりロッテルダム市況よりも上回った買い方をしますと、どんどん天井が上がっていくということでございますので、客観的に示されております市況よりも低い値段で、しかもその量を買いつけなさいと、大変むつかしい注文を業界に出しているわけでございまして、それが一つの枠だと思います。したがって、そこの範囲で買いました原油、つまり世界の市況よりも高くない、平均的な市況以下のスポット価格で買ってこられたものをベースにいたしましてつくられました原油につきまして、便乗値上げがないような動きをするという仕組みでございますから、日本の買いつけによってどんどん製品の価格が上がっていくということではまずない、こういうふうに判断いたします。
 それから、価格介入をいつするかという御指摘でございますけれども、私どもは現に、価格介入を先ほど申し上げましたような範囲でやっておりますので、これ以上に深く介入する気持ちは現在のところございません。と申しますゆえんは、やはりどうしても原油の調達ということから考えますと、価格介入をいたしましてこれを低位安定させますと、原油がよそに流れます。つまり日本に原油を持ってきて、製品が安い価格で抑えられますと、そこに利潤というものがなくなりますから、特にメジャー経由のものは日本の市場に持ってこなくなるおそれがございます。したがって、メジャーからの供給がますますカットされますと、その分をさらにまたスポットに依存せざるを得ない、こういう悪循環が始まります。スポットに依存をしますと、より依存をしますと、どうしてもスポットの価格は高いものでございますから、また原油の値段が高くなるということでございまして、ここで市場介入をすることによりまして、逆に原油代金の価格アップにつながる危険性があると、こういう判断をいたしておりますので市場介入をしていないということでございます。しかしながら、不当な便乗があることは困るということで、先ほどからるる申し上げておるような基準で十分なるウォッチをしておるという状況でございますので、よろしく御指導、御鞭撻をいただきたいと、こういうふうに思います。
#69
○対馬孝且君 長官ね、市場介入をいまの段階ではまあしないと。しからば、この灯油価格が今需要期――私が言ってるんじゃなくて国民の方から聞いているんだからね、ことしの需要期の価格というのは一体どこまで上昇するんですか、ちょっとお伺いしますよ。今需要期の灯油価格というのは十八リッター幾らになるんですか、これをちょっとお伺いします。
#70
○政府委員(森山信吾君) まあ資源エネルギー庁の長官が予測をいたしますと大変な反響を呼ぶと思いますので、せっかくの御質問でございますが、遠慮さしていただきたいと思います。あしからずお許しをいただきたいと思います。
#71
○対馬孝且君 いやいやそれだから大臣、それでは国民はわからないというのさ。どんなこと言ったって、そんなこと納得しないよ、そんなこと言ったって。ちょっと大臣、どうなんですか。大臣ね、大臣答弁する前にちょっと申し上げますよ。ちょっと待ってください。私の言うことを聞いてからひとつお答え願います。
 札幌で私は、十月に調べたんだよ、調査に行ったの。特約店ね、十二店やりました。特約店の社長がこう言うんだよ。あのね、いまドラムかん百本持ってれば――十月だよ、百本持っておれは十二月になったら六百万もうかります。ドラムかん百本持っておれば十二月越えたら六百万円もうかりますと、私のところで。これは対馬さんの言うとおりですと。しかし、これをいまここで会社名を言ってもらうと、これは私はあしたばったり倒産しますという、品どめされますから倒産させられます。これはまあ社名だけ勘弁してくれと。特約店でさえドラムかん百本あれば六百万円もうかると、そのとおりになったでしょう。これは十月十六日ですよ、私調査したのが。私一人行ったんじゃないんだから、何十人も行ってるんだから。そのときに特約店の社長が十月十六日に、十二月になったら六百万円もうかると言ったらそのとおりになっている。ちょうど十二月一日付でもって、札幌の共同購入団体――勤労協ってあるんですけれども、共同購入しているところに、リッター当たり十円、丸善、共石、シェル、まあそれによっては違うけれども、大体十円から八円の値上がりを通告した。ところが、いままでかつて、私六年間これね、まあ商工に長くおったから六年間灯油問題やっているんだけれども、需要期に上がったためしはただの一回もないんだよ、これ歴史的に調べてみたけれども。需要期に上がったというのは今回だけでしょう。六回上がっているのは。こんなばかげたことは絶対納得できないよ、ぼくに言わせたら。それ自体が私に言わせれば完全な便乗値上げだと。だから膨大な金になってくるんですよ。だから、そういうことを考えれば、私が言いたいことは、こういう実態に大臣、なっているんですよ。まして元売だったらまだもうかっているんですよ、私に言わせれば。そういう告白まで訴えられている今日の現状を踏まえた場合に、ただ便乗は監視をいたしますということだけでは、もはやなまぬるいというより、国民のもう実感というと、北海道の道民というのは本当に頭にきていますよ。もう通産省というのは業界とべったりじゃないかと、業界のもう手伝いしているだけじゃないかという、その道民がお怒りになるのは私は当然だと思うんだ、こんなことを言いたくないんだけれども。大臣、それを踏まえて、いつの時点で、カラカスならカラカス総会が終わった後には行政指導するかどうかということについては、ひとつ閣議で検討してください。これは国民の声だから。これひとつ率直に申し上げましょう。
#72
○国務大臣(佐々木義武君) 先ほど来、長官からるる申し上げましたように、政府といたしましてはまず量を確保して、第一次の石油ショックのときのような、需給が合わないためにどんどん値上げをしたといったような状態はさせないというのが根本原則でございまして、したがいまして、下手に統制に踏み込んだからにはかえって原油の価格というものを阻害するんじゃないかというおそれもございますから、大きい視野から問題を処理しつつございますので、若干のお話のような点もございますれば、実例をよく官庁等に調査させまして、それが便乗に値するものであれば取り締まりたいと思います。
#73
○対馬孝且君 この間大臣にお会いしたときに、大臣は係官を北海道に派遣すると約束したんだよ。係官来ていませんね。これはどうなんですか。だから、そういうことをやっていないからわからないんだよ。係官を派遣すると言っておいて、現実北海道へ来ていないから、そういう実態わからないんだよ。
 もう一つ言いますよ。あのね、三木内閣のときに、私は物価特別委員会で、福田経済企画庁長官――副総理兼務だったが、あのときにやっぱり物価に影響すると判断した場合には行政指導すべきだ、政府はやりますと、こういう答弁しているのですよ、これ。福田――前の総理大臣か。やっぱり物価が、国民の物価に影響があるし、不安があるということなれば、やっぱり行政指導するのが基本でありますと、基本方針ですと、これをあなた明確に当時の福田経済企画庁長官が答えている。これいつ変わったんだ、どういうことなんだ、これ。いつ行政介入を絶対しないということになっているんですか。四十九年、忘れもしない狂乱物価のときに、あんた灯油価格を標準価格を定めて、五十年には十八リットル六百三円と決まった、標準価格で。あれは行政指導して決まったんだ、行政介入して決まったんだよ。いつ政府の方針が変わったのかということをお伺いしますよ、私はそれじゃ。
#74
○政府委員(森山信吾君) まず需給のバランスが崩れた状態におきまして製品価格が上がっていくということになりますと、これは当然に介入をしなきゃならぬと、こう思うわけでございます。
 先ほど来るる申し上げておりますように、需給のバランスはとれているわけでございます。需給のバランスがとれておるときに、行政介入で価格を設定をいたしますと、その需給のバランスが逆に崩れるおそれがあるということでございますから、介入をしないということを申し上げておるわけでございまして、需給のバランスがここで狂ってくる、たとえば私どもの意図に反しまして製品の方の在庫もできませんし、生産もできないという状態で価格の値上がりがどんどん続いていくというような状態になりますれば、これは当然介入ということを考えなくちゃいかぬと思いますが、いまのところ需給バランスがとれておりますので、先ほどからるるお答えをしておるところでございます。
 そこで、対馬先生のおっしゃっておられる点も、恐らくその点にあるのじゃないか。需給のバランスか崩れたらどうするんだという御心配をしておられるんだろうと思いますので、その動向は十分にウォッチを続けてまいりたい。需給のバランスの動きにつきましては、十分なる配慮をもって監視を続けますし、また行政面の指導もしかるべくやってまいりたいと、かように考えております。
#75
○対馬孝且君 まあ時間が来ましたから、ひとつ需給のバランスが崩れたら行政指導をするという長官のお答えですからね。ひとつ少なくとも私はやっぱりこの段階では調査なさった方がいいと思う。そうしないと、やっぱり実感がわかないですよ。これあんた方こっちにいるからわからないけれども、北海道へ行ったら、これは本当、生活してもらえばよくわかるんだよ、本当に。大変ですよ、これ。ドラムかん十二本も使うんだから。本当は、稚内の果てか礼文島あたりで長官ひとつ半年ぐらい生活してみた方がよくわかるんだよ、生活の実感が。本当のことを言うけれども。それは別にして、ひとつ行政指導を、そういうことで、やっぱり行政指導をするということについてお約束できますね、そういう段階では。いま言った段階では、ひとつ行政指導をすると。
 それともう一つは、最後に、時間が来ましたからあれですけれども、係官を早急に派遣してくださいよ。これは大臣が約束したことですからね。ひとつ早急に派遣をするかしないか、これをひとつ。
#76
○政府委員(森山信吾君) 需給が著しくバランスを失しまして、問題が生ずるおそれのある場合は行政介入、行政指導を実施いたします。
 それから、係官の派遣につきましては、時期を見まして派遣をしたいと思います。
#77
○対馬孝且君 以上、終わります。
#78
○委員長(斎藤十朗君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十分まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時五十五分開会
#79
○委員長(斎藤十朗君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
#80
○中尾辰義君 午前中に大分石油の需給の見通しとかいろいろ物価問題等ございましたので、私は石油の流通問題と関連をいたしまして、公取委員長に少し独禁法の立場からお伺いをいたしたいと思います。
 公取委員会は、最近、新聞報道等も見てますが、流通対策室を設置をすると。それで、石油製品あるいは家電の流通問題にメスを入れていることにつきましては私ども承知をいたしておるわけであります。石油製品の流通につきましては、現実に多くの問題が生じておる、これはけさほどの質問でも具体的な問題でも出ておりますが、そこで、新聞報道では、石油製品については年内にも中間報告をまとめる、こういうような報告が出ておりますが、公取委員会としてどこに焦点を当てて調査をしておるのか。また、系列化の実態については、現時点でどう把握をしておるのか、まずその点からお伺いをいたします。
#81
○政府委員(橋口收君) 流通対策室が正式に発足したのはことしの十月一日でございますが、室員は総計五名で、小さな組織ではございますが、流通問題に本格的に取り組むという体制が一応整備されたわけでございまして、現在、流通対策室で調査をいたしておりますのは、家電、書籍等でございまして、いまお話がございました石油の流通問題につきましては、実は経済部が調査をいたしておるわけでございます。これは多少の経緯がございまして、昨年のいまごろはむしろ石油関連製品は過剰の状態であるわけでございまして、いわゆる業転玉という名の妖怪が石油業界を徘回するというような状態でございまして、そういう状況のもとにおいて、石油製品の流通の過程に十分解明されない点がある、こういう御指摘が各方面からあったわけでございまして、そういう角度からの調査を実は開始をいたしておるわけでございまして、いま申し上げましたように、経済部がいま調査の主体をなしておりますので、現在までに調査をいたしておりますのは、実は輸入から精製、元売までの段階でございまして、元売から供給されました石油製品が卸、小売を通じて一般消費者の手に渡る過程の調査は実はまだ着手をいたしておりません。したがいまして、いままで調査をいたしたもの、実はまだ委員会まで上がってきておらないのでございますが、海外の石油事情とかあるいは原油の輸入から精製、元売までの段階の調査でございまして、これは恐らくは十二月中に取りまとめができるというふうに考えておるわけでございまして、中尾先生のおっしゃいましたそれから先の調査はまだ実は手をつけていないというのが実情でございます。
#82
○中尾辰義君 せっかく公取委員会としてはそういうような対策を講じておるわけですから、いますでに石油が非常に高くなって灯油が高くなって流通問題等に問題があるわけですから、その辺余りのんびりしないで、ひとつ早いとここれをまとめていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。
 そこでお伺いいたしますか、石油の系列化が――これは石油だけじゃございませんか、系列化が進みますと、そこに不公正な取引が行われることになる。したがって、系列化が強化をされますと、独禁政策上大いに問題があるのじゃないか、こういうふうに私ども考えておるわけであります。特に需給が逼迫をいたしまして、石油製品について供給量、あるいは価格、あるいは販売方法などが多くの問題が出ておる。たとえば量的な面で見ますと、けさの質疑にもあった――公取委員長は午前中いらっしゃらなかったんですがね。いろいろな問題が出ておる。十月にドラムかん百本買っておくと、十二月になったら六百万円もうかるどか、そういうような非常に不自然な状態が出ておるわけです。政府は、通産省は供給の面におきましては問題はないと言いましても、実際そういうようにまた末端では灯油、軽油、A重油、こういうようなものかあるとは言っても、――現実にあるかしれませんよ、あるけれども、流通の段階でやっぱりけさほどの質問のような、あるいはそういうようなものが何らかの操作によって出ておることは事実なんです。まあ二、三カ月前は新聞等にも大々的にドラムかんを何本か林の中に隠しておいたとか、ああいうのが出ておりますがね。そこで、こういうようなことも起こっておるわけですね。こういうようなことは一体どうなのか。たとえばある元売あるいは中間卸にしろ小売屋にしろ、昨年度の取り扱い量しか出荷しないといった実績主義、これはよくありますね。昨年はおたくはこのくらいしか取ってなかったんだから、ことしももう石油もなかなか大変だからこの程度でがまんしてくれとか、あるいはまた出荷先も系列会社に限ると。うちの灯油は、うちの石油は系列以外やっちゃいけないとか、こういうような元売会社の出荷調整、あるいは系列化が一段と強まっておるように感じるわけであります。こういうようなものは明らかに不公正な取引方法である、こういうふうに考えるんですが、独禁法の立場からどういうようにお考えを持っていらっしゃるか、公取委員長にお伺いします。
#83
○政府委員(橋口收君) お尋ねがございましたのは、問題二つあると思うわけでございまして、一つは、流通の系列化一般の是非と申しますか、利害得失の問題であろうかと思います。一般的に申しまして、流通過程の系列化につきましては、評価すべき面もあるわけでございまして、流通の合理化、近代化、効率化というような面があるわけでございますが、同時にまた系列化が余りにも強く打ち出されますと、そういったものは弊害の方がむしろ看過できなくなるというのが経済の実態ではないかと思うわけでございまして、ちょうど先生がおっしゃいましたように、たとえば供給過剰の状態のもとにおいての系列化は価格の維持行為にプラスになるわけでございますし、それから需給が緊迫をいたしまして供給が不足の状態になりますと、系列外を切り捨てる、系列だけをかわいがると申しますか、培養すると申しますか、そういうことが起こってまいるわけでございますから、流通の系列化全体につきまして独禁法上どういうふうに考えるかという問題につきましては、実は独禁法研究会という法律学者と経済学者が集まっていただきました会合によりまして、現在約一年かけて検討いたしておるわけでございまして、およそ流通の系列化一般についてどういうふうに対処するかという問題につきましては、その中間方針が大体来年の三月ごろにはいただけるんじゃないかと思っておりますから、それを見て対処いたしたいと思っておるわけでございますが、しかし、そうは申しましても、おっしゃいますように現実に流通の系列化が進んで弊害が生じておるというような御指摘もいただいておるわけでありますから、たとえば自動車とか家電等につきましては、最も流通系列化に熱心な業界であるということで、まあ一例を申しますと、自動車の流通系列化の問題につきましては現在すでに指導いたしておるところでございまして、問題は石油でございます。
 石油につきましても先ほど申し上げましたように、まず基礎的な調査をいたしておるわけでございますが、そういう一般調査のかたわらにおきまして、石油の需給が逼迫するという状態を生じておりますから、決して無関心でおるわけではないわけでございまして、ただいま御指摘いただきましたような事例につきましては、私どもも承知いたしておるところもございますし、まだ十分承知していないところもあるわけでございますが、ただ、まず一般論で申し上げますと、個々の事業者が相手方を選択したりあるいは供給数量を決定すること自体、それ自体が独禁法上問題があるかと申しますと、直ちにそれだけで問題があるというふうには申し上げにくいと思うわけでありまして、これは本来事業者の自由に属すべき事項でございます。ただその場合に、たとえば元売なり中間の卸段階で協定をしまして、系列外には販売をしないとかあるいは系列と系列外では明らかに差等を設けるというような決定をいたしておりますれば、これは当然共同行為でございますから独禁法違反の疑いが出てまいります。それから個々の事業者が行います行為につきましても不当に相手方を差別する、差別的に取り扱うということがありますれば、これはやはり問題にし得るわけでございまして、不当にというのは何らの理由なくしてことさら意図的に差別して取り扱うというような状態であれば、これは法違反の疑いか出てくるわけでございまして、現に私どもで取り扱っている件数の幾つかございます。
 一例を申し上げますと、従来安いガソリン等を系列外から購入していた販売店に対しては系列が締めつけをして軽油、灯油等は販売しないというような事例も幾つか聞いております。そういうものにつきましては指導いたしておるケースもございますし、また指導によって直った例もございます。したがいまして、いまお答え申し上げましたように不当に差別をしているような事例につきましては、独禁法の適用が可能であるということで、現実にわずかのケースではございますが、指導いたしておるというのが現状でございます。
#84
○中尾辰義君 それじゃ、最初に申し上げたように実績主義ということについてはどうなんです。昨年の実績はおたくは何キロだったと、だからことしもそれ以上はだめだと。ただし、それ以上必要ならば値段が上がりますよと、こういうようなケースはどうなんです。
#85
○政府委員(橋口收君) 昨年の実績以上は供結できないということが合理的な理由があり、しかもその特定の業者に対する差別的な扱いでなければ、それ自体で独禁法違反ということはちょっとむずかしいかと思います。
 それから、いまおっしゃいましたように実績を超えた部分については高い価格を適用するという問題につきましても、価格それ自体に独禁法が有効に作用するということは本来できないことでございます。
 それから、高利潤なりあるいは暴利の取り締まりということも、実は現行独禁法ではむずかしいわけでございますから、それ自体を取り上げることはできないと思いますが、しかし、恐らくそういう行為が行われる場合には、何らかの意味で独禁法違反の疑いのある行為は伏在しているという場合が考えられますから、これはやはりケース・バイ・ケースで対処すべき問題ではないかというふうに考えます。
#86
○中尾辰義君 それならば、ある元売から最末端のガソリンスタンドあるいは小売屋さんまで中間に何段階かのところ、仲卸があるわけでありますけれどもね、これ元売が系列の販売店にうちの製品は系列以外に売っちゃいけませんよと、こういうふうに指示することはどうなんです。
#87
○政府委員(橋口收君) 実はいまおっしゃいましたようなケースというのがわれわれの耳にも入っておるわけでございまして、これはある事例で申し上げますと、新しくガソリンスタンドを開業するという場合に、いまおっしゃいましたような元売が卸を通じまして一種の開業妨害でございますけれども、ガソリンその他石油製品を供給しないというような事例がございます。したがいまして、そういう事例につきましては、これは不当に差別的な取り扱いであるということで注意いたしておるわけでございますから、たとえば元売が最高指令として系列以外に一切石油製品の販売をしないということを正式に決定しておりますれば、これは当然問題にし得るんではないかというふうに考えます。
#88
○中尾辰義君 独禁法上問題があるということは、疑いがあるとか問題があるとかこういう答弁ですけれども、これはやっぱり不公正取引ということになって明らかに独禁法に違反するんですけれども、その辺いかがでしょうか。
#89
○政府委員(橋口收君) やはり具体的なケースを十分検討して判断すべき問題でございまして、当然にストレートに違反するということはこういう席ではお答えしにくいわけでございますけれども、そういう事態は十分監視をする用意もございますし、また実際深めて適切な法の運用をしたいというふうに考えているところでございます。
#90
○中尾辰義君 それではこれもよく新聞等にも出ておるし私もよく耳にしているんですが、いわゆる抱き合わせ販売ですね、これはある米穀屋さんが、灯油を買うんでしたらお米も一緒に買ってもらわないと困りますよとこういうようなことをそういう販売行為を押しつけた場合にどうなるんでしょうか。これは独禁法上どうですか。
#91
○政府委員(橋口收君) 灯油は生活必需品であることは申すまでもないわけでございますし、また需要期を控えて一般消費者が大変強く希望している商品でございます。そういうものにつきまして供給不足を理由として他の商品と抱き合わせて販売をするということは、これは独禁法に規定する不公正な取引方法に該当するというふうに考えておるわけでございまして、利益誘導と申しますか、あるいは逆に不利益強制というふうに申し上げてもよろしいと思いますが、そういう角度から独禁法の規定に触れるというふうに考えております。
#92
○中尾辰義君 大体わかりましたけれども、これからこういうようなケースが石油需給が逼迫しますと起こり得る可能性は十分あるわけでありますから、よく早く実態調査の結論を出して改善に努力されるように希望するわけであります。委員長の決意をお伺いしまして終わりましょう。
  〔委員長退席、理事中村啓一君着席〕
#93
○政府委員(橋口收君) いま抱き合わせ販売につきまして法律上の見地からお答えをしたわけでございますけれども、現在公正取引委員会としましては、十一月の十九日に各地方事務所に通達を出しておるわけでございまして、抱き合わせ販売の実態がありました場合には適宜の措置をとるということにいたしております。現在までにすでに四件につきましてそういう事実を承知いたしまして指導いたしまして、これは全部直っておるわけでございます。ただ、前回の四十八年の石油ショック当時はこういう抱き合わせ販売のケースが実は百件を超えたわけでございまして、今日はまだ幸いにしてそういうところまでいっておりませんが、前回の経験等もございますので、十分体制を整備してそういうことが起こらないように常に注意をしてまいりたいと思っております。
 それから、石油の流通問題につきましては、先ほど来お答えしておりますように、まだ基礎的な調査の段階でございますが、さらに流通の実態を深めるような調査を計画しておるわけでございまして、流通問題全体につきまして一九八〇年代の課題としてとらえておるわけでございまして、幾つかの問題の中の重要な一つとして石油の流通問題にも取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#94
○中尾辰義君 それじゃ委員長結構です。時間がありません。あと二、三分石油問題につきましてお伺いしますが、けさほども大分質問がございましたが、当委員会に請願ということで最近の厳しい灯油の需給の情勢を反映いたしまして石油需給適正化法、国民生活安定緊急措置法、それから買い占め売り惜しみ防止法の発動を要望した請願が来ておるわけでありまして、これも委員会で検討いたしておりますけれども、まあ当局の意見もお伺いしてみようと、正式にこれは理事会でも決まっておるわけでありますので、改めてこれは通産大臣、経企庁長官にお伺いをするわけであります。私どもの考えとしては確かに量の問題は現在はある、けれども下半期の見通しはまだはっきりしない、しかし現実にコストの問題で非常にこれは国民生活を圧迫するような急激な値上がりをしておるわけでありますので、こういうような請願が来ておりますが、どういうお考えを持っていらっしゃるのか、その点をお伺いします。
#95
○政府委員(森山信吾君) まず石油需給適正化法でございますが、この法律の発動要件は、先生も御承知のとおり、同法第四条によりまして、わが国への石油の供給の大幅な不足により「国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じ、又は生ずるおそれがある場合において、その事態に対処するためこの法律に規定する措置を講ずる必要があると」内閣総理大臣が認めたときと、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、まあ三つの要件があると思います。一つは、わが国への石油の供給の大幅な不足という事態が生じておることということでございます。これはいま中尾先生御指摘になりましたように、現段階におきましては需給バランスが私どもはとれていると思っております。しからば来年の一−三月、つまり五十四年度の第四・四半期はどうなるかという御指摘でございますが、この点につきましては私どももおおよその見通しはついておりますけれども、確固たる数字を申し上げる段階に至っていないということだけでございまして、不透明さはございますけれども、おおよその見通しはつけておるつもりでございます。そこで、もし五十四年度の供給計画に比べまして乖離がありますときは、備蓄を取り崩してでも原油の調達に支障を来たさない、つまり需給関係に支障を来たさないと、こういうことを考えておりますので、まず需給適正化法の発動要件の一つは充足してないんではないかと思うわけでございます。
 それから「国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じ、又は生ずるおそれがある場合」、これが御指摘の価格の問題に該当するのではないかと思うわけでございますが、これも供給の大幅な不足によりまして、つまり需給のアンバランスによりまして価格が高騰するという場合には、この発動を考えるべきだと思うわけでございますけれども、私どもは、先ほど来申し上げておりますように、需要と供給は一応バランスがとれておりまして、その上に立った価格の変動でございますから需給アンバランスに伴う変動ではないと、こういう判断をいたしております。したがいまして、現在のところいまおっしゃいました石油関連の二法の発動をすべき時期ではないというふうに私どもは判断をしておるわけでございます。
#96
○中尾辰義君 そこで、この価格の問題がけさほどからも問題になっておりまして、いろいろ日生協初め消費者団体連合会あるいはまた各党、公明党といたしましても試算をしておるわけでありますけれども、たとえば十月現在ではわが党の試算で十八リットルで八百七十三円、日生協では八百四十円、あるいは消費者団体連合会が日石から聞いてデータでやったのがこれは九百六十二円、こういうように出ておりまして、国民としては非常に不快な念を持っておるわけですが、そこで通産省は便乗値上げありませんと、こういうことなんですけれども、そこでお伺いしたいのは元売価格というものが、たとえば八月の輸入原油で各社ありますけれども、大体標準的なコストは一体どの程度なのかですね、その辺のところはなかなかおっしゃらぬわけで、私も資料要求しても、これは出せませんという返事なんですが、その辺がわかりませんとなかなか議論にならないのでね。そうすると、通産省のおっしゃる便乗値上げはありませんということをうのみにするしかない、われわれとしても。その辺いかがですか。標準的な平均的な元売りの価格というものが八月輸入の原価でいいですよ、輸入の原油で、どの程度が妥当であるか、そういう数字出ないですか。
  〔理事中村啓一君退席、委員長着席〕
#97
○政府委員(神谷和男君) 元売各社のコストにつきましては、社によりましてかなりの差がございますし、またコスト構成につきましては、その時点時点で特に重要な原価構成要素の一つでございます原油、これの変動がことしのように著しい場合には、かなり変動をいたしておるわけでございますが、それらの差を捨象して、きわめて大ざっぱな申し上げ方を申し上げれば、去年あたりで原油の構成比がコストの七割程度ではないか、それに現時点では恐らく八割ぐらいまでいっておるというふうに考えております。それから、コスト、原油に関連して上昇する、この関連の仕方というのは非常にむずかしいわけでございますが、その種のコストがおおむね五%程度あるのではないかというふうに考えております。各時点におけるコストがどのようなものであるかというものについては、これはもう各社別、経理の内容も違っておりますし、私どもとして、平均的なコストというものは、特定の仮定を置いて、特定の人為的なものをつくらない限りございませんが、私どもが現在値上げに当たってチェックし、ヒヤリングをいたしておりますのは、むしろ原油の上昇によってどれだけコストアップになるかという観点からのチェックを行っておるわけでございます。その観点から見ますと、現時点では元売り段階においてはわれわれは十分この監視体制で対処し得るような元売仕切り価格の動きだというふうに考えております。また、マクロ的に見ましても、いろいろの検算方法がございますが、われわれとして検算をいたしまして、おおむね異常な状態の動きにはなっていないというふうに判断をしております。
#98
○中尾辰義君 あなたの答弁を聞いていますと、わかったようでようわからぬのです。わが党におきましては、たとえば、為替レートが幾ら、原油払い出し原費は幾ら幾ら、関税と石油税が幾ら、それから自家燃費のロスが幾ら、精製費販売管理費が幾ら、それに一キロ単位の金利が幾ら、それからキロ単位の利潤が幾ら、こういうことで、大体八月輸入原油分で元売の仕切り価格はキロで四万三百五十円程度、十八リットル一かんが七百二十五円、こういうような数字出ておるんですけれども、こういうようにわかりやすく説明してもらえると非常に議論になるんだけれども、そこまで、またあなたは企業秘密とおっしゃるかもしれませんので、私は二十分しかないんだ、質問時間は、後待っているんでね。後でまた資料をもらえたらひとつお願いしたい。いずれにいたしましても、ひとつこれ以上、まあそれは原油が上がったらしようがない点もありますけれども、便乗がないようにお願いしたい。これで終わります。
#99
○馬場富君 関係者に時間がございませんので、簡単にひとつ御説明願いたいと思います。
 伝統工芸産業である鹿児島県の大島紬について質問をいたしますが、この点については種々の実は国においても対策が設けられておりますけれども、いまだに韓国産大島紬の流入によりまして、非常に産地では大きな打撃を受けておる、こういうわけでございますが、この点について、韓国と日本にある二国間の協定と、昨年の日韓交渉の状況について簡単に説明していただきたいと思います。
#100
○政府委員(児玉清隆君) 日韓の取り決め上は糸とそれから織物になっておりまして、去る十月十一日に妥結いたしました五十四年度の協定におきましては、糸が三万五千五百八十俵……
#101
○馬場富君 反物だけでいいですよ、大島紬分だけ。
#102
○政府委員(児玉清隆君) 大島紬は九百五十万スクェア中の、これは絹織物ですが、そのうち三万六千五百反ということでございます。
 協定の内容としては、十月妥結いたしましたのは以上のことでございます。
 それから、若干大島紬の数量を確保するための問題につきまして、たとえば、両端を織り込みの表示にするとか、あるいは全数検査をするといった事項を強化いたしております。
#103
○馬場富君 だから、質問したい点がいろいろありますけれども、時間ございませんので、私の方で要点を言いますが、実はそういう年間二国間で三万六千反という協定が結ばれておるわけですけれども、結局、想定すると、韓国産がやはり二十万反ぐらいの生産量がある。そういう点でかなりこういういろんな秩序があったとしても、いわゆるこういう実際にはそれを上回る無秩序な輸入が一つは行われておるという点で、実は産地は非常に迷惑をしておる、こういう点でございます。こういう中で特に昨日もやはり大島紬の関係の方々の話を聞いておりますと、やはり、韓国産の無秩序な輸入というのが実は非常にこのために困り果てておる。その実例といたしまして、最近航空機による韓国旅行を兼ねた旅行者による集団的な、しかも、計画的な持ち込みが行われているという点を非常に産地では心配しておるわけです。その一つが、一グループが最近成田空港の税関で調査を受けたと聞いておるわけでございますが、大蔵省の税関の関係の方この点いかがでしようか。
#104
○説明員(奥田良彦君) お答え申し上げます。
 本年九月初旬でございましたけれども、先生おっしゃいましたように、韓国から新東京国際空港に入国いたしました旅客が、需要品といたしまして各自三反の本場大島紬という表示のあるつむぎを免税通関しようとしたものでございます。これにつきましては、持っておりますつむぎが四人ともすべて同じものであるというところに不審を抱きまして、私どもで事情を聴取いたしましたところ、韓国から日本へ運搬を頼まれて持ってきたものであって、一人の人間の依頼によるものであるということが判明いたしましたので、関税法違反の疑いがあるとして現在調査を行っておるところでございます。
#105
○馬場富君 私どもの調査によりますと、問題点は、やはり韓国旅行を利用した一部の商社が、旅行者のおみやげ品と見せかけて本場大島紬の偽造品を集団的に韓国から成田空港経由で持ち込まれた経緯があるということが非常に問題点となっておるわけですが、この点につきましてここで税関の立場からこの問題点がどのような法律の問題点があるかを御説明いただきたいと思います。
#106
○説明員(奥田良彦君) お答え申し上げます。
 まず第一に、各自の持ち込みが自分の使うものであるかどうかということがあろうかと思います。もしこれがだれかがたくさんの持ち込みができないということから、人に依頼して持ち込むものであるということになりますと、これは需要品でございませんし、そういう持ち込みの制限を免かれるために各自が持ってくるという意味で、虚偽申告に当たるんではないか、これは関税法の百十三条の二というところの違反になるんではないかというふうに考えます。それから、もし本場大島というような形で書いてございますと、これは原産地の虚偽表示であるということで関税法第七十一条の違反に該当するんではないかというふうに思います。それからさらに、もし日本で使われているような商標をそこに貼付していたりいたしますと、これは商標権の侵害ということで関税定率法二十一条の違反ということになろうかと思います。
#107
○馬場富君 それで、この中で特に大島紬の押さえられた現物を確認した産地の方の意見によれば、いわゆる明らかに目のつくところには韓国商品の織り込みが表示されておる、巻き取っていって最後の端には本場大島紬と、鹿児島と奄美の両組合が登録されておる商標表示がはっきりと出ておるという点を確認をしたと聞いておりますが、その点はいかんという点と、もう一点は、この品物はそういう点で明らかに偽造であるということと、それから人員はかなり多くの人が関係しておるようになっておるということ、その品物は全部統一した場所にみんな収集されることになっておるということですね。それで、価格についてもかなり過少な点がある。こういう点で、これを一つのグループとして、この関係の背後にはかなり大きいこういう集団的なものがあると、こういうように察知されますが、その点いかがでしょうか。
#108
○説明員(奥田良彦君) その背後関係につきましては、ただいままだ調査中でございまして、私どもとしては確たるものを持っていない段階でございます。
#109
○馬場富君 じゃあ次に、この点特許庁は、二組合の大島紬の商標登録をなさっておりますが、この点についての法的な見解をお尋ねしたいと思います。
#110
○政府委員(谷口光夫君) お答えいたします。
 現在わが国の商標法に基づきまして登録されております大島紬関係の商標は二つございまして、一つは本場奄美大島紬協同組合が持っております商標、これは地球の図形を表示したものでございます。それからもう一つは、鹿児島県織物工業協同組合が持っております。これは日の丸の旗を図形として一部に持っておりますそういう商標でございます。商標上の扱いといたしましては、これらの二つの商標と同一または類似というようなものが商標権者の許諾なしに持ち込まれるあるいはそれが販売されるというようなことになりますと、当然商標権の侵害ということになると思います。
#111
○馬場富君 この点もう一点は公取にお尋ねいたしますが、やはりこの点で不当景品類及び不当表示防止法に私は触れると思うんですが、この点どうでしょうか。
#112
○政府委員(劔持浩裕君) 御指摘のような事実があるといたしますと、不当景品類及び不当表示防止法四条三号に基づきます商品の原産国に関する不当な表示に違反するというふうに考えます。
#113
○馬場富君 以上、この問題点はいま大蔵省の方でも事実をはっきりと認めていますし、こういう状況下にあるわけでございますので、関係各省庁の一つは実態を調査し、一つは取り締まりを行っていただきたい。この点、商標権による侵害については刑法二百三十条の一つは取り締まりが適用されていると思いますが、警察庁の見解をお伺いいたします。
#114
○説明員(佐野国臣君) 私の方といたしましは、不正競争防止法なり商標法の特別規定がございます場合には、もっぱらそちらの方の適用を優先して行っております。
#115
○馬場富君 大蔵省の税関にお願いしますが、もう一点、一つはそういうような事実がはっきりしておりますし、いまKDDですね、あなたのところも取り込み中で大変でしょうけれども、これは別と言わずに、大島紬も国産ですね、伝統産業で大切ですから、この背後関係を徹底的に追及をお願いしたいと、こう思います。
 最後に通産省に。
 このような事実が一つは明白となってきているわけです。産地の方々や私どもの調査では、先ほど申しましたように、韓国産大島紬が二国間の協定があるにもかかわらず大量に生産されて、そういうようないかがわしいルートで大量に日本に輸入されておるという傾向がある、こういうふうに私たちは推定せざるを得ぬ状況にあるわけです。そういう点でこの担当である通産の見解をひとつお願いしたい。
#116
○政府委員(児玉清隆君) ただいま承りましたように、各省非常に緊密な関係にございますので、関係各省とも相談しながら解決に努力してまいりたいと、このように考えております。それから、韓国側に対しましても、やはりこちらが要請すべき措置につきましてはこれを強力に要請してまいると、そういう態度で臨みたいと思います。
#117
○馬場富君 警察にもう一点。
 こういうような事実が、一つは品物も押さえられ現場もつかまれておる状況でございますので、ひとつこの点についての取り締まりを厳重に行っていただきたいと思いますが、どうですか。
#118
○説明員(佐野国臣君) いささか蛇足めいて恐縮でございますが、私ども不正競争防止法とかあるいは商標法、いわば無体財産権の侵害事案の取り締まり件数を参考までに申し上げてみますと、たとえば五十一年では六十八件でございまして、五十二年が五十件、ところが五十三年に百十九件ということで相当検挙数が上がってございます。本年に入りましても百三、四十件というふうな件数が予想されるところでございます。最近特に国際的なブランドと申しますか、アーノルド・パーマーであるとかアディダスとかあるいはトロイとか、そういった国際的な有名品の商標法違反というふうなものが非常に目立ってきてございますので、件数も相当伸びております。また、私ども警察庁の方針といたしましても、被害の程度、規模、そういったものだとかあるいは悪性の問題とか、そういったものを勘案しながら重点的にいま検挙活動を進めておるという状況でございます。したがいまして、本年もこの検挙数は相当大幅に伸びようかと申し上げられます。
#119
○馬場富君 最後に通産大臣に。
 いまお聞きのとおりの状況で、通産省が力を入れてもらって、いま日本の伝統工芸品である大島紬がそういうふうな状況に立たされております。大臣の見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#120
○国務大臣(佐々木義武君) 先ほど担当局長からお答えいたしたとおりでございまして、私どもといたしましても伝統産業の振興あるいは育成の見地から重大な問題でございますので、善処したいと存じます。
    ―――――――――――――
#121
○委員長(斎藤十朗君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が選任されました。
    ―――――――――――――
#122
○小笠原貞子君 まず最初に、北海道電力の値上げ問題について大臣にお伺いしたいと思います。
 地域独占である電気事業というのは、公益事業としての規制を受けますし、当然その料金値上げについて政府、通産大臣は認可をなさるわけです。その認可なさる場合には、厳正でかつ慎重な査定をすると、そういう立場に立っていらっしゃると思いますが、いかがですか。簡単に、そうだ、そうじやないと簡単にお願いします。
#123
○国務大臣(佐々木義武君) そのとおりでございます。
#124
○小笠原貞子君 当然そういうお答えだと思います。ところが、そのお答えとは逆な問題が起きております。つまり、北電は申請いたしましたのが十一月十六日でございます。大臣が十一月九日に記者会見をなさっていらっしゃいます。その中にこうおっしゃっている。値上げはやむを得ないという発言をなさって、それは各新聞に出ているわけでございます。それを、新聞を読んだ北海道の人たちは、北電から申請が出ていない、当然その具体的な内容もわかっていない、それなのにやむを得ないということは一体どういうことかということなんですね。だから、当然その資料を見た上での御発言にならなければいけないのに、やむを得ないという発言は、これは大変ぐあいの悪い発言なので、いま厳正にとおっしゃったならばその発言を取り消していただきたい。そして、厳正に、慎重に審査をいたしますと、こういう立場をはっきりさせていただきたいと思います。
#125
○国務大臣(佐々木義武君) これはしばしばおしかりをこうむる点でございまして、恐縮に存じておりますが、去年のちょうどいまころ、私は自民党の資源エネルギー調査会の会長をしておりまして、たまたま北海道電力の石炭と油の格差問題で補給金を出そうという問題がございまして、自民党の各国会議員が、北海道選出の国会議員の皆さんが大変熱心な問題でございましたから、私は自民党の責任者といたしましてその問題に取っ組んでおりました。したがいまして、北海道電力の事情等は、その当時の事情でございますが、よく了承しておりましたので、就任早々でございましたから、その当時の記憶をたどってそういう発言をしたんだと思っております。しかし、いまおっしゃるように、厳正かつ慎重という規定からいたしまして、いささか軽率じゃないかというおしかりでございますので、これは訂正申し上げます。
#126
○小笠原貞子君 当然のことで、訂正していただいてありがとうございました。
 それで、いろいろ値上げの内容というのが出されているわけですけれども、その中でまず第一に内部留保の拡大という問題について具体的にお伺いしていきたいと思うんです。経営が大変苦しいからと北電は言っているわけですけれども、その一方で内部留保というのが相当積み込んでおります。五十四年三月期で対前年比で一二%ふやされて、そして総額で言いますと五百十五億内部留保になっております。
 その中でも具体的に私は退職給与引当金というものを取り出してみたわけですけれども、五十四年の九月期で二百九億八千三百万円という莫大な引当金となっております。これは税法上当然合法的だとおっしゃるかも知れないけれども、従業員の全部が一度に一遍に半分が退職するという金額を積み込んでいるという形になりますと、そういうことはもうほとんどあり得ないことだということになりますと、この二百九億八千三百万円という莫大な内部留保というのは、これは非常にわれわれとしては納得できないということがまず言えると思います。
 そこで、その中身よく調べてみました。実際に五十三年度、五十二年度どれくらい使われているかと、これまた調べてみますと、五十二年度は三十一億七千九百三十五万円です。五十三年度は三十二億五千九百九十七万円でございます。それに比べると二百九億というのがいかに大きいかというのがわかっていただけると思います。しかし、それでもちょっと一歩引き下がりまして、半分というんじゃなくて、四分の一退職したというふうな仮定をいたしますと、全従業員が六千百十一人。四分の一にしますと、千五百二十八人。この四分の一を見込んだといたしましても百五十七億三千七百二十五万円取り崩すことができるわけですね。
 さらに、このような引当金を持ちながら、今回の中身を調べていきますと、原価計算の中に百二十三億六百九十二万円の退職給与金を計上しております。これまで持ちながらまたさらにこれだけ増加計上して、そして直接料金値上げにはね返らせようということは、需要者にとってはこの値上げにはやっぱり納得できないという大きな問題になると思うんです。国民の負担を軽減させるという立場から、この問題考えなければならないんだと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#127
○政府委員(安田佳三君) ただいま先生御指摘の退職給与引当金につきましては、五十四年度中間決算におきまして、二百九億円積み立てられております。この退職給与引当金につきましては、これは労働協約に退職給与規程を定めまして、そして法人税法の限度内において積み立てておるものでございまして、その取り崩しと申しますと、使用人の退職による退職の額の支給に充てる以外、任意に取り崩しはすべきでないというような考え方であろうかと思います。
#128
○小笠原貞子君 毎回この問題が出ますと、いまおっしゃったようなお答えが出てくるわけですけれども、たとえば働いている人でも六千人の人が半分やめるなんという事実は、実際に自分の問題としては考えないわけですよね。だから、結局働いている者に不安を与えないというようなのはまさに口実にすぎないのであって、実際に六千人が全部、半数、四分の一やめるなんということはだれも考えていない。だからお答えはもう繰り返していただかないけれども、やっぱりこの問題についても、今後当然一つの問題として考えていただきたいというふうに再度要請はしておきたいと思います。
#129
○政府委員(安田佳三君) 多くの方が退職するような事態が生じないことを希望いたしますが、ただ、やはり労使関係上法定限度まで積んでおくのが適当であろうと考えておりますが、いろいろな方の御意見は伺ってみたいと存じます。
#130
○小笠原貞子君 本当にこれ大きな問題ですよ。KDDだって全部かやめるときの退職金持っているわけですよね。全部かやめるとか、半分やめるなんというのは実際には考えられないことですから。だからやっぱりこれもうちょっと真剣に今後考えていただきたいという一つの問題を提起したいと思います。
 それから次の問題は、減価償却費について伺いたいと思うんですけれども、今回の値上げも減価償却費が大きな問題になっています。つまり、資本費の問題なんですけれども、この資本費、減価償却費というものが一・七倍に申請を見ますと急増されているわけです。まず五十二年度と五十三年度の減価償却費というものは幾らに見込まれておりますか。――お伺いしようと思ったんだけれども、資料は同じですから私の方から申し上げます。五十二年度は百五十五億三千四百五十六万です。そして五十三年は百八十五億一千百八万円でございます。これは出された資料ですから、これは問題なくそのとおりになっております。そこで、五十二年から五十三年の伸び率というものを見ますと、一六%の伸びになっているわけです。ところが、今回の値上げ申請を見ますと、二年間で七百六十二億八千六百七十四万円という数字が書かれているわけです。そうしますと、これ二年間の申請ですから、一年間に直しますと、平均三百八十一億四千三百三十七万円ということになりまして、五十三年度に比しますと、百九十六億三千二百三十万円とざっと二倍という形になってくるわけです。前年は一六%だった、五十三年、五十四年という一年を見ますと、約二倍という非常に異常なアップ率になっているわけでございます。なぜこんなに急増したのかということを考えますと、いままでの償却方法が定額から一部定率法が導入されたということになっているわけですね。そうしますと、この変更、定額から定率に一部変えたということで年平均八十五億、これは二年間にしますと百七十億という増加額というふうに出てくるわけですが、これはいかかですか。
#131
○政府委員(安田佳三君) 御指摘のとおり申請におきましては定事法を一部導入いたしておりますが、これは実質的な償却不足に対処をするために、本年三月電気事業審議会の中間報告に即しましてその減価償却方法についていろいろ検討した結果の定率法の一部採用という報告を北海道電力も採用いたしまして、そして申請してきたものと思うわけでございまして、その定率法が一部入っておりますので、相当減価償却費がふえているという面はございます。
#132
○小笠原貞子君 定額を定率に一部変えただけでも、もう前に比べて倍くらいの伸びで、非常に大きな額、百七十億の増加額というふうになっているわけです。この定額法と定率法についてとやかく時間がありませんから申しませんけれども、北電の場合調べてみると、三十五年は定額と定率を使い、四十二年には定率を使い、四十九年には定額を使い、五十四年下期には一部定率と、非常にもうくるくる変わっているわけなんです。こういうふうにくるくる変わっている、簡単に変えられるということはこれは好ましいことではないと私たちは見ているわけです。そしてまさに今度値上げのその積算するために今度また一部定率を入れて、そして百七十億もの莫大な計上を試算して、そしてこれを料金というところでストレートに値上げするという、そういう原因をつくっているというふうに考えられるわけです。確かに審議会の方の答申はそういうことがあったと思いますけれども、私はいま北海道における北電の電力値上げというのがどれくらい大変な問題かということを考えれば、これはやっぱり定率に変えたということで一挙にこれだけ莫大な百七十億を積み上げて料金にはね返らせるということは、これはちょっと考えなければならないんじゃないか、これは全部一般消費者の考え方でもございます。その辺のところは御見解いかがでいらっしゃいますか。
#133
○政府委員(安田佳三君) 北海道電力におきましては、決算上の減価償却方法といたしましては途中で定額から定率、定率からまた定額へと切りかえております。最近切りかえましたのは四十八、九年のオイルショックのときに切りかえたものであります。これは石油危機を契機といたしまして、北海道電力の収支が急速に悪化したためにやむを得ずにそのときに切りかえたもので、それ以来現在まで定額法をそのまま採用しているということでございますが、その切りかえに当たりましては、本来たびたび切りかえるのは好ましくないという点はもちろんでございますが、手続をとってそういう周囲の状況に対処するためとったものであろうかと思います。なお、現在出ております定率法の一部採用の申請の取り扱いでございますが、この点につきましては、一方において電気事業審議会の中間報告を十分念頭に置きまして、また各方面からの意見も聞きまして、慎重かつ厳正に査定してまいりたいというふうに思っております。
#134
○小笠原貞子君 結論的に言えば、料金値上げをするための金額をふやすために変えたという結果的にはなるわけですね、いろいろおっしゃったけれども。いままでの御答弁を聞いてますと、本当に北電側の立場をよく御理解になっての御答弁だと承ったわけでございます。やっぱり道民の生活を守りたいという立場に立っての御検討を私は望むわけでございます。
 それでは次に、設備投資という問題について伺いたいわけですけれども、設備投資の中に常に予備率というものが含まれてまいりますけれども、北電の場合予備率は現在一六%と、こういうふうになっております。資料を見せていただきますと。ほかの八社は大体七、八%と伺っております。ほかの八社と比べますと非常に北海道は多い予備率になっているわけです。いろいろ事情がございました。しかし、今度北海道−本州連系の施設がもう動き出しましたわけでございますから、これはもう十五万キロワット、また来年六月には十五万キロワットと合わせて三十万キロワットというのが連系でできるわけでございますね。そういたしますと、いままでと状況はちょっと変わってくるのは当然だと思います。そうしますと北電として予備率はどのくらいが適当であるというふうに御判断なすっていらっしゃるのでしょうか。
#135
○政府委員(安田佳三君) 北海道電力につきましては、ただいま御指摘のように本土から隔絶していたという理由で、従来、他の電力会社と異なりまして予備率をたくさん持たなければならないという事情にございました。従来といたしましては一七、八%というものが供給予備率として必要であったのではなかろうかと思います。その他の地区におきましては一二%程度というようにも考えられます。このたび北−本間の連系設備が運用開始いたしまして、北海道電力は将来必要な予備率というものは下がってもいいということになると考えられるわけでございまして、北海道電力の長期に見ました需給計画もこれを折り込んだものというふうになろうと思います。ただし、北−本間の連系設備につきましては、御承知のようにこれは直流送電として日本初めてのものでございます。また、連系線のかなりの部分が海底ケーブルとして敷設されておりまして、非常に厳しい自然条件にさらされているという点がございます。そういうような点から見ましてやはり安全を期するためにはその運用実績を確認しながら徐々に予備率を下げていくということが、安定供給上どうしても必要と考えられるわけでございます。北海道電力のこの設備等につきましては、基本的にこのような観点から作成されているわけでございますので、いまの時点で直ちに設備の開発をスローダウンさせるということはできません。もちろん、長期的に見ましてその運用状況を見ましたら、予備率はだんだんと下げまして、一二%ぐらいまで下げることを目標といたしているところであります。
#136
○小笠原貞子君 いろいろ海底ケーブルだとか、厳しい条件というのをおっしゃったわけですけれども、確かにそういう問題はあろうかと思います。しかし、いまの技術の面で、そして本当にできないはずはないと、そうして将来的に予備率そのものはどれくらいが適当かということは、北海道電力でも一二%というふうにお出しになっていらっしゃるわけですね。それがちょっと時間が後になっていっているというところで、私の言いたいことと食い違いがきているわけでございますけれども、やっぱり私は一二%ということでこの北海道−本州の連系のこれがそんなに失敗するとか、大変だというようなことまで考えていったら何ぼでもこれふえていくわけで、私は一二%という北電が最終的に考えていらっしゃるその予備率でいいのではないか、だからその一二%の予備率というものを早くにするというふうに考えていくべきではないか。そういたしますと、北海道の計画では、北電の計画では五十六年の供給力は三百五十四万四千キロワット、予備率が一五・四%になっておりますが、これを一二%にいたしますと供給力は三百四十三万八千キロワットでいいことになるわけです。そうしますと、三百五十四万四千キロワットからいま申しました三百四十三万八千キロワットというふうに抑えていきますと、ここで十万六千キロワットというのが出てまいります。これが過大設備投資という形にもなってくる。そうしてこの形が結局料金引き上げの一つのまた要因としてつくられているのではないかと、こういうふうに考えられるわけです。そうしますと、たとえば五十五年、五十六年以降着手しようとする設備計画ですね、この設備計画を十万六千キロワット分相当縮少できるという形になってくるわけで、これをずらすこともできると。計画されている水力一カ所、火力一カ所で二百六億四千二百万円が過剰というお金の面では出てくると、こういうふうになってくるわけですね。これはやっぱり慎重に検討される一つの問題としての課題になってくるのではないかと思うわけで、私は、北電さんが言っている一二%の予備率と、これを遅くするんじゃなくて当然できるようにしてもらいたいということを申し上げたいと思うので、この点も含めて検討をしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#137
○政府委員(安田佳三君) 繰り返しになって恐縮でございますが、連系線の点につきましては、これはもう少し様子を見させていただいてから判断すべきものだというふうに考えております。それから、いまいろいろ御指摘になりました設備の点につきましては、いろいろと事情を聞いてみますと不確定な要素もいろいろございます。したがいまして、常に現状をいろいろ聞きながら判断してまいりたいと思いますので、需要、供給、予備率と、総合的な判断を今後ともいたしてまいりたいと思います。
#138
○小笠原貞子君 本当に時間がありましたら、その予備率の問題についても中身を詳しくやりたいんですけれども、ちょっと時間がございませんので一応問題点を指摘します。だから、いまおっしゃったように慎重に、そして厳正に御判断をいただきたいと思います。
 それから次に、大きな値上げの課題になっております原因、燃料費の問題についてお伺いしたいと思います。経営が苦しいと、燃料費が上がったからということを大きな原因に宣伝をされているわけですけれども、この燃料費でずうっと資料を調べてみますと、大変不思議なことが出てまいります。それは、石炭の使用量の一年分の約半分近くになると思いますが、百五十万トンという石炭の在庫がすでにございますね。この分を今回の申請の石炭消費量三百八十九万トンというものから引くことによりまして、これは百八十億六千六百二十四万円もの過大計上ということになっていると言わざるを得ないわけなんですね。つまり百五十万トンすでに在庫があるということを私ははっきりここで出したいと思うわけです。だから、この分を必要な石炭消費量から差し引くことによって、百八十億六千六百二十四万円もの過大な計上というふうに数字で出てくるわけです。まあこれを全部、在庫の百五十万トン全部ということは余りだとおっしゃるならば、大体どれくらい見たらいいですかと北電に伺いましたら、一カ月半分、約四十五万トンの在庫があればよいというようなお答えをいただいたわけです。そうしますと、その計算でも百八万トンが過大となっているという形になるわけですね。で、百二十七億五千三百万円計算上上積みをして、そして燃料費が大変だというまた値上げの一つの原因になっているというふうに分析せざるを得なかったわけですけれども、いかがですか。
#139
○政府委員(安田佳三君) 石炭の在庫は、ただいまの時点で見ますと、相当と申しますか多少と申しますか、過剰であるようでございます。また、計画といたしましてはこの在庫をだんだんと減らしていくという計画になっているようでございますが、いずれにいたしましても、燃料費等については十分その内容を見てまいりたいというふうに思っております。
#140
○小笠原貞子君 もうこれは簡単なことなんですね。すでに百五十万トン在庫分があるという形なのに、こういうふうに過大な計算で料金値上げの原因というふうに出しているということ。この問題も大きな問題ですから、十分に御検討いただきたいと思います。
 それからもう一つ不思議なんですけれども、石炭の消費量というものの数字をずっと見ますと、非常に石炭の消費量が少ないわけなんですね。五十二年の石炭の消費量実績は三百九十五万四千トン、五十三年の実績は三百七十一万七千四百九十五トンと、こうなっているわけです。今回の申請で石炭消費量は三百八十九万トンという数字になっております。これは五十二年から比べますと、今度の申請は石炭が少なくなっているわけなんです。ここで私が問題としたいのは、五十五年には苫小牧の厚真の石炭火力発電三十五万キロワットが運転されるわけでございますね。そうすると、この厚真の三十五万キロワットの火力発電が動き出すのに石炭量はふえていないということは、ここに何かあるのではないか。なぜなら、分析をして考えてみますと、石油をたくよりも石炭をたいた方が安いわけです。今日の申請でも、一キロカロリー当たり約二万五千四百円石炭の方が安い、石油の方が高いと、こう言われているわけですね。そうしますと、この石炭の消費量というものが非常に少なく見積もられている、厚真の稼働があるにもかかわらず少なく見積もられているということは、これは石炭というものを減らして高い油を使うというふうなやり方で、またこれは料金値上げの原因をつくり出しているというふうに考えざるを得ないわけなんです。厚真の火力発電が一年間稼働いたしますと石炭の消費量は百十五万トンになるわけですね。百十五万トン厚真の稼働でふえてまいります。そのかわりに高い石油の消費量が減るという形になるわけですから、そうするとその差約十億というお金が石炭を使うはずなのに石油に振りかえているということで、十億を水増ししてまた料金値上げということに原因をつくり出しているのではないか。特に石炭火力ということはいまの石炭事情などから考えまして当然これを大いに活用すべきである。しかも、石油よりも安いということになると、当然これはおかしなからくりではないかというふうに考えられるんですけれども、大臣、お聞きになっていかがお考えになりますでしょうか。
#141
○政府委員(安田佳三君) 石炭の使用量につきましては、出てまいっております予定量は御指摘のとおりでございます。価格につきましてはいろいろと計算方法があろうかと存じますが、カロリー当たりの価格で石炭と重油を比較してみまして、そして、石炭が固形であるとかその他灰捨て場が必要であるとか、そういうようなことから生じますデメリット分を差し引きますと、いろいろな計算方法はあろうかと存じますが、現在では石炭の方が安上がりになっておりまして、石炭換算にいたしますとトン当たり約千円ぐらいの価格差であろうかというふうに考えられます。したがいまして、北海道電力が電力を発生させる場合に石炭を使いますと安くなるという、そういう面は当然あろうかと思います。しかしながら、石炭につきましては炭種によりましてたとえば六千カロリーの物、五千カロリーの物等々がございますので、炭種によってそれぞれの場所に張りつけるということになろうかとも思います。また発電所の効率という点もあろうかと思います。そこで、やはり一番発電効率が上がるような方式をとることが料金面においても最も必要な点であろうかとも思いますが、その石炭、石油その他の使い方等につきましては、査定の段階におきましてさらによく検討いたしたいと思います。
#142
○小笠原貞子君 本当に、たとえばいまおっしゃったように、それぞれの石炭で一トン当たりのカロリーも違います。値段も違います。それじゃ五千カロリーの石炭を去年一年どれくらい使ったのかと、そういうふうに、このカロリーをこれくらい使ってこのカロリーをこれくらい使ったから値段はこうなりますという資料があれば、そうするとまたこっちも考えるんですよね。だからそういう資料というものを出せと言ったら一切出さないでおいて、そしてこういうふうになるんですということで押してくるからわれわれは納得いかないとこう申しているわけで、おたくの方は大変よく知っていらっしゃるようですから、あと具体的にまた資料としていただかしていただきたいと思います。よろしいですね、それは。大変わかっていま御説明になりました。北電さんのおっしゃること大変理解していらっしゃるから。
#143
○政府委員(安田佳三君) 電力会社の経営に関します資料につきましてはできるだけ公開するように私どもといたしましても努力してまいりたいと存じておりますが、ただ、個別の問題になりますとそこでやはり取引の問題等が絡んでまいりますので出せない、公開できない資料も出てこようかと存じます。
#144
○小笠原貞子君 そういうのが逃げ道というんですわ。もう全部企業秘密でございます。ちょっと取引関係上できません、それで結果的には値上げできるような要因というものを何にも具体的な資料出さないで認めろということでは、もうどうしても納得がいかないということ、また重ねて申し上げます。
 次に核燃料の問題についてまたお伺いしたいと思います。
 原子力発電の準備のためと称して、核燃料を早くから投資していますね。その金額は申請に盛り込まれているのを見ますと四百三十二億三千二百六十六万円という膨大なものになっております。この核燃料の大変な投資というものは、私は端的に言ったら必要ないと思います。少なくとも五十四年九月の中間期以降、すなわちこの値上げ期間の期間中の積み増し分というのを見ますと二百八十一億八千三百六十六万円という数字が出ております。これは当然凍結していただきたいと思うわけです。ましてや料金原価計算の中に事業報酬として八%計上されているというのは、これはもう当然出てきているわけですけれども、この事業報酬として八%計上されている金額を見ますと、これが先ほど言いました四百三十二億三千二百六十六万円掛ける八%にいたしますと、三十四億五千八百六十一万円というような莫大なまたこれ数字になってくるわけです。これはやっぱり今回の値上げ分で出てきているわけですけれども、それ以前の分を入れますと実に約五十億にも上るということになるわけなんです。こういうようなやり方は道民にとっては負担をかけるだけで、これはとても値上げの一つの理由としては認められないと、こう思うんですけれども、御見解いかがですか。
#145
○政府委員(安田佳三君) 北海道電力におきましてはまだ核燃料を使用しておりませんが、核燃料につきましてはこれを手当ていたしております。これを手当ていたしました理由といたしましては、核燃料はウランの精鉱から転換、濃縮、再転換という過程を経て燃料体として確保しなければならないのでありますので、核燃料というものは発電所の運転開始の相当前から手当てすることが必要であるという性格によるものでございます。加えまして近年原子力発電所の建設がおくれぎみとなっておりますが、それに合わせまして核燃料の供給契約の履行をそのまま延ばすということは契約上困難であるということも言われますし、また日本といたしましては、従来から核燃料の安定供給確保を図るという観点から、供給保証と引き取り保証というものを両者の性格をあわせ持ちます長期契約を中心に核燃料を確保してきております。こういうことでございますので、基本的に建設スケジュールが遅延したしないにかかわりませず、供給国の事情も考慮いたしまして契約を円滑に履行するということが日本の核燃料の安定供給確保、ひいては電気の安定供給を図る上で重要であると、そういう考え方を持っておるところでございます。
#146
○小笠原貞子君 そちらの立場ではそちらの立場なりの理由づけがきちっとできているわけですけれども、私たちとしましてはやっぱりいつ原子力発電所が共和村にできるかわかりません。そして値上げされるのは道民はいま値上げされるわけなんで、そういう説明ではこれはちょっと納得ができないということを申し上げなければならないと思うわけです。
 きょうは私は大変問題点としての幾つかを挙げました。いずれまたいろいろの資料もお出しいただくということでございますので、その資料と照らし合わせて引き続いてこの北電の問題もはっきりさせていかなければならないと思うわけです。資料というものが出されまして、これだけ計算するんでもずいぶん時間がかかるわけですよね。ところが、資料をぱっと出してきてくださればいいけれども、いろいろな理由で引き延ばされる、そして一方的な御説明だけで公聴会が開かれるということでは、やっぱりこれはわれわれとしては納得できないということを最後に申し上げておきたいと思います。それでは問題次に移します。いまの出しましたいろいろな問題点は十分に御検討いただきたいと思います。
 次に、時間もございません、プロパンについてお伺いしたいと思います。
 いわゆるプロパンについての北海道価格というものが非常にいま大きくなっております。その差というのがだんだん縮まりまして百円程度というふうに縮まってきたわけですけれども、いま全国と比べますと、四百円ないし五百円という格差が出てきております。これはせっかく縮まってきたのに、ぐっといまになって開いてきているわけなんですね。この点について通産省としては元売は北海道も本州も同じなんだというお答えなんですけれども、どうも私はその辺が信用できかねております。もし元売が同じであれば、一たん格差が縮まったのにいまのところぐっとまた開いてきたと、それじゃ、開いてくる何が原因になっているのかという点についてお伺いしたいと思います。
#147
○政府委員(神谷和男君) プロパンの末端価格が北海道におきまして他の地域より割り高になっておるという御指摘、かねがね受けておりましたので、われわれの方といたしましては元売業者に指導をし、逐次必要な報告を受けておりますが、北海道についても他の地域と同様の元売仕切り価格で販売するよう指導しておるところでございます。北海道のプロパンがなぜ高いのかということにつきましては、すでにいろいろ御説明はいたしておりますが、基本的には消費量か少ないこと並びに配達距離が長いというような流通面のコストに問題があるということでございまして、これについて従来その差が縮まりつつあったわけでございますが、御指摘のような現象が起きておるのは、価格全般が上向きになっておるという状況もございますけれども、遺憾な状態だというふうに考えておりますので、さらにその流通段階における合理化、近代化に努めてまいりたいと思っております。
#148
○小笠原貞子君 私が、またもう一度重ねて言いますけれども、元売は同じでございますよね。そして努力をしていただいた結果、北海道価格というのは百円くらいの差まで縮まったわけですよね。それ以後条件は変わってないわけです。北海道が急に広がったわけじゃなくて、北海道は北海道です。同じですよね。配達区域というのも広いというのはそのとおりです。量が本州に比べて使用量が少ないというのもいまも同じなわけですよね。だから、かつて北海道価格差というのが非常に縮まったときといまとは、いまおっしゃった原因は変わっていない、それにもかかわらずその格差というのが四百円ないし五百円に上がってきたというのには、やはりそれなりの流通経路の問題とかいろいろの問題というようなことが出てきていると思うんですね。だから、その辺のところをどうか具体的な御指導をいただきたいと思うわけですよね。せっかく百円まで縮んだんだと、大変もう期待もしていたわけです。それがまた上がっちゃったということでは、これは大変生活物資でございます。大変な苦労をせざるを得ませんので、再度プロパンの北海道価格については具体的な措置をしていただきたいと思うんですが、その御決意なども伺わせていただきたいと思います。
#149
○政府委員(神谷和男君) この差の推移を見てまいりますと、御指摘のような状況であることは否定をいたしません。原因はもろもろあろうかと思いますけれども、やはり産油国におきますLPガス価格の引き上げ、これがいろいろな段階を経て末端に波及いたしますそのスピードの差というのが一つの現象だろうというふうに考えております。現実に八月、九月、十月とまた逆の縮小の傾向もあるわけでございますが、これらの状況につきましては、ある程度の期間を見ながら、さらに個別に特に問題のあるような販売行為については、適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
#150
○小笠原貞子君 じゃ、最後、灯油だけで終わりますので、済みません、御協力をお願いします。
 灯油の問題なんですけれども、先ほどちょっと伺っておりましたけれども、非常に北海道の場合は逼迫した問題になっているわけですね。しかし、通産省はこの灯油問題に関しては、安定していると、量的に安定しているという意味だと思いますけれども、安定しているとごらんになっているのかどうか。それから、通産省に対して苦情、相談件数、十月からどのくらいになっているでしょうか。札幌通産局ではどのくらいになっているでしょうかということを、簡単に済みません、お願いします。
#151
○政府委員(神谷和男君) 灯油に関しましては、安定をしておると申しますか、われわれとしては、需給不均衡の状態にはしないという決意で業界を指導し、また流通段階を監視しておる、こういう状況でございまして、決してだぼだぼであるとは考えておりません。したがいまして、各地で若干のヒッチが起こる。若干であるかどうかは主観の問題といたしまして、ヒッチが起こってくる、これは個別につぶしてまいりたいと思っております。地方通産局全体で受け付けました十月、十一月の石油製品全般の苦情でございますが、問い合わせも含めまして、十月八百件、十一月七百件が地方通産局でございます。これはことしの春の段階では大体二千件程度のものでございまして、需要期入りとしては比較的スムーズに、これは天候にも恵まれましたが、需要期入りしたと考えております。また、灯油に具体的に関連して申し上げますと、全国の四十一市町村に協力を依頼いたしまして、行政の指針とするために、十月以降毎週市町村に寄せられている灯油の苦情並びにその処理状況について、行政上の調査協力を依頼いたしておりますが、苦情件数は十月の二週から始めましたが、十一月最終の週では十月二週に比べて約六割減で四割ということになっております。
 北海道につきましては、灯油はすでに需要期入りいたしましたがために、当初かなり高い比率を示しておりましたが、現段階ではこの期間で八六%減っておる、こういう状況でございまして、全国的には需要期入りが南におりておりますので、本州の西半分で苦情がふえておる、こういう状況と考えております。
#152
○小笠原貞子君 私どもも調査をいたしまして、北海道の主要都市九市を調べました。そうしましたら、十月で実に千百二十一件という数が出てまいりました。これは消費者センター等の数字は入っておりません。自治体で受けた数字でございます。通産省との認識の差がこの辺から出てくるのではないかなと、こう見ているわけなんですね。とりわけ最近は、量と一緒に一番大きな問題は、価格の相談、苦情というのが非常に大きな問題になってきております。量があっても高ければ、これどうにもしようがありません。たとえば、札幌では、石油、灯油とA重油のアップで、十二月議会で補正予算を組まなければならないというような状態だ。全道の各自治体も同様で、五%の節約を見ても約一億円の補正を組まなければならないと。これは教育関係費だけでございますが、福祉施設の暖房費アップも昨年に比較いたしまして大変な値上がりということになっているわけで、具体的な数字いろいろ砂川の教育関係だとか、それから伊達の老人ホームなどでも七十五万八千円の補正を出さなきゃならないというふうになってきているわけでございますね。すでに暖房日数、時間等削減して、直接お年寄りや子供の健康にかかわるというような事態にもなってきております。温度を縮めましても、障害者なんか車いすで、下の方が、主に体を置きますところは大変な温度差が出てくるということもお考えいただきたいと思うわけです。特に、年金受給者、生活保護世帯、低所得者の生活は大変な事態になっておりますので、各自治体が行ってきております福祉灯油に何らかの対策をとっていただきたい。これは自治体自身の要求でもございます。
 それから、価格について監視していきたいとおっしゃいました。その価格についての監視でございますけれども、八月の衆議院の物特の開かれましたときに、うちの藤原ひろ子議員が一体どれくらいが不当な価格と見られるかという質問に対しまして、千円はこれはちょっと高過ぎるというようなことでございましたけれども、この千円ももうすでにとっくの昔にはねているわけです。監視してくださるのは結構なんだけれども、どれを物差しにしてどれくらい上がったのを抑えなきゃならないかという御承知のように物差しがございませんね。だから監視するといってもまさに見ているだけなんですね。ああ上がった上がったという監視だけで、抑えるための具体的な措置というのが何らとられていない。
#153
○委員長(斎藤十朗君) 小笠原君、時間が参っておりますので、簡潔に願います。
#154
○小笠原貞子君 はい。そのことを申し上げまして、いまのお答えをいただきたいと思います。どうも済みません。
#155
○政府委員(神谷和男君) 福祉問題、これ全般にかかわった問題でございますが、すべての総合的な消費者物価その他に反映してまいる中で、やはり関係者一致して取り組むべき問題であろうかと思います。政策を特定の商品の価格にすべて負わせるということは私は適当ではないのではないかと考えます。
 また、監視の指標でございますが、八月のころ余り高い数字をある時点で言われましたので、それは高いですねと申し上げましたら、そこまではいいのかということで、みんなそこに張りついてしまったという苦い経験がございますので、私はその後その種のコメントも避けておりますが、ただこの時点ではモニター調査がございませんでした、私どもの。したがいまして、全くコメントをしませんのはいささかいかがかと思いましたのでコメントをいたしましたが、現時点では通産省でもモニター調査を行っておりますし、東京都その他の数字も発表されております。それらと非常にかけ離れたものに関しては、特殊な事情があるかあるいは便乗かということになると思いますので、この点については地方公共団体もいろいろ御協力をいただいておるものと了解をいたしております。
#156
○井上計君 時間がありませんし、また、大臣もお急ぎのようでありますから、中小企業対策についての大臣のお考えを最初に承りたいと思います。
 最近の特に円安傾向、さらには輸入原油の非常な値上がり等によりまして石油製品価格を初めあらゆる原料、資材が大変上がっております。したがって、ようやく不況のトンネルから抜け出しかけておる中小企業が、さらに厳しい環境に追いやられておりまして、そのためにも十月ごろから従来やや沈静化しておりました中小企業の倒産の件数かまたたいへんふえておる、こういう状況にあるわけであります。そこで大臣、御就任に当たりまして中小企業政策について、中小企業対策についてどのようなお考えをお持ちでありますか、それをぜひお伺いしたいと思いますが、私のお願いは、従来非常にこういう厳しい環境下でありますから、中小企業政策についてはきめ細かい、さらに、温かみのある中小企業対策、これらのものを推進をしていただきたい、こう考えますが、ひとつ御所見をお伺いをいたします。
#157
○国務大臣(佐々木義武君) 中小企業が日本の産業であるいは雇用等の問題で日本経済でどういう重要性を持っておるかという点は、私から申し上げるまでもなしによく御承知のとおりだと存じます。私も選挙をやっておる一員でございますので、具体的に田舎から中小企業政策というものが一体どういう実態であるかということは勉強しておるつもりでございます。
 通産省のいままでやりました政策は税制、金融を中心にしておることはもちろんでございますけれども、その他あらゆる面で相当きめ細かく政策の網を張っておるんじゃなかろうか。むしろ、他国に比して決して劣るところじゃなしに、相当精密に政策を果たしておると思っておりますし、ただお話しのように、それが温かみをもって最末端まで浸透しておるかと申しますと、必ずしもそうは言えない点もあるんじゃなかろうかと思いまして、そういう点はこれから十分気をつけていきたいというふうに考えておるのでございます。
#158
○井上計君 ありがとうございました。どうかひとつ大臣、こういう環境下でありますから、ぜひ従来以上に中小企業政策につきましては、きめ細かくまた思いやりのあるそのような各種の施策を拡充し、お立ていただきますようにお願いをいたします。どうぞもう大臣結構ですから。
 そこで、長官またお忙しい時間をお越しをいただいておりますので、中小企業庁長官にちょっとお伺いをいたしたいと思いますが、財政再建の必要性につきましては、これはもうだれも異存がないというふうに思います。ただ、そのような財政再建のための一環として、現在大蔵省では租税特別措置法の見直しが行われておるようでありますけれども、ところがこの租税特別措置法の見直しが一律に考えられておる、こういうふうな感じが各種の報道の中でも実は私はいたしておるわけであります。特に、この租税特別措置法の中での中小企業税制というのは、私は優遇税制ではないという考え方を持っております。中小企業税制は中小企業の社会的なあるいは経済的な不利を是正し、健全な成長発展のための中小企業の租税負担の適正化を図る措置として設けられておるものでありますから、一般に言われているような租税特別措置はすべて優遇税制である、あるいは不公平税制であるという考え方は私は適当でない、こういう考え方を持っておりますし、また今回大蔵省が考えておられるような廃止あるいは縮減の対象となっておる税制上の特別措置は、中小企業対策の特定の目標を達成するためにはぜひ存続をしなくてはいけない、特別立法等によって設けられた措置でありますから、これはやはり特別立法の目的を達成するまでは当然存続されるべきだという考えでおりますけれども、中小企業庁長官どうお考えでありましょうか。ひとつお考えを承りとうございます。
#159
○政府委員(左近友三郎君) この税制改正、来年度の問題につきまして、ことに租税特別措置の整理の問題につきましては、現在事務的に大蔵省と折衝を続けさせていただいておる段階でございます。したがいまして、今後われわれの方の主張を十分申し上げて、大蔵省にも理解をしていただきたいというふうにわれわれ考えておるところでございますが、いまの御質問の総じてどう考えているかということでございますが、私の方も、この租税特別措置ということで中小企業に幾つかの対策が講じられておりますが、これにつきましては、やはり一つは中小企業というのは大企業に比べまして経済的にも不利な点がいろいろございます。これは中小企業基本法にも中小企業の不利を是正するというのが一つの大きな方針になっております。したがいまして、税制面でもそういう意味において中小企業が不利な場合にそれを補正するという措置を特別措置でお願いをしておるというのがあるわけでございます。したがって、そういうものは、いまお話しのとおり、それをやめますことがかえって不公平になるんじゃないかという気を私らもいたしております。したがいまして、もちろん不公平な特別措置がありとすれば、これは是正すべきでございますが、中小企業関係のものについてはもう少し慎重に考えるべきではないかという点を考えております。
 それからまた、中小企業の近代化とかあるいは事業転換というような特別の政策目的のために、いま御指摘のありましたような特別法に基づきまして実施しておる税制がございます。そういうものについては、やはりその税制をその法律が所期しておる効果を上げるまでは実施していただきたいというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
 そういうふうな考え方を持ちまして、いま鋭意交渉しておるわけでございますので、まだどういうふうに決まったというわけでもございませんので、私どもは私どもの主張を大蔵省によくのみ込んでいただきたいというふうに考えておるところでございます。
#160
○井上計君 長官のお考え御所見を伺いまして、私も全く同感でありますから安心をいたしましたが、ぜひひとつそういうお考えで今後とも大蔵省との折衝を続けていただきまして、現在大蔵省で考えておられるような一律の見直しということについては適当でない、こういうことでひとつ強く主張していただきたいと思います。要望しておきます。どうぞ長官結構ですから。
 それでは、大蔵省からお越しいただいておりますので大蔵省にお伺いをいたしたいと思いますが、これは質問というよりむしろ私の意見が多くまじりますけれども、ひとつ御了承をいただきたいというふうに思います。
 いま大臣からもまた中小企業庁長官からも御答弁がありましたように、中小企業に対する租税特別措置法、税制措置というものは、私は不公平税制ではなくて、逆に各種の税制の中で中小企業が不利益をこうむっておる、それらのものを是正するためのいわば当然必要な措置だというふうに考えております。ところが、現在大蔵省のお考えは租税特別措置法の一括見直しということで進んでおられるようでありますけれども、そのとおりですかどうですか、それをちょっとお伺いしたいんですが。
#161
○説明員(滝島義光君) お答え申し上げます。
 先生御案内のとおり、ただいま五十五年度予算編成及び税制改正の作業の進行中でございますが、例年になく非常に厳しい条件下で作業が行われております。歳出サイドにおきまして不要不急のものを徹底的に削減する、それと同じように税制面につきましては租税特別措置、このすべての項目につきましてその整理合理化を図るという観点から仕事を進めているわけでございます。租税特別措置非常にたくさんございますが、その中でも創設以来非常に長年にわたって続けてきているもの、あるいは免税のといいますか、特別措置の恩恵の程度が税額控除とか所得控除とかいう形で非常に強度になっているもの、あるいは結果として利益調節にしか使われず、本来の政策目的達成のためには役立っていないと認められるもの等々につきましては、廃止という方針で各省と折衝しているわけであります。こうしたことに該当しないその他の特別措置、特別償却、準備金あるいは所得控除等々につきましては、その積立率の大幅縮減を図るという方針でお願いをしているわけでございます。これに対しましていま先生から、中小企業にはその負担能力という点から格別の配慮を払うべきであるという御意見をお述べになったわけでございますが、これにつきまして一つ先生に申し上げておきたいことがございます。それは法人税率でございますが、基本的に留保分については四〇%、配当分については三〇%という税率を適用しておりますが、中小企業につきましては年間七百万円までの所得につきましてこの四〇%の税率を二八に減らしております。その差は一二%ございます。それから、配当分につきましても二二に減らしております。同じく三〇と比べまして差は八でございます。このほか中小企業に対する税制を考えます場合には、個人形態で事業をなさっておられる方との負担のバランスも考えなければいけない、それからあるいは事業所得者ではなくてサラリーマンという形で所得を得ておられる方との負担のバランスも考えなければいけない。私ども先生のお話もよくわかるのでございますが、こういったほかの要因も多々あるということで、中小企業は一切別だという観点から作業ができるかというと、それはなかなかむずかしい。しかし、趣意は私どもよく体しているつもりでございます。いるつもりでございますが、現下のいろいろな情勢のもとでやはり中小企業者も全く例外ということにはできないということで考えておりますので、何とぞ御了承いただきたいと思います。
#162
○井上計君 中小企業を全く例外に考えるべきだということは決して私も申し上げませんし、またそのようなことは考えておりません。現在中小企業の指導者の人たちも、このような情勢下でありますから、中小企業だから甘えてどうとかというふうなことだけを考えておるわけでありませんけれども、しかしいま課長お答えの中にありましたけれども、不要不急のものであるとか、あるいは長年にわたってこれらのものがずっと継続されておる、余りまた実際に特別措置としての効果が薄いとかというふうなもの、いろいろあろうと思いますけれども、いま法人税のお話が出ましたけれども、私は別にきょうは時間がありませんから法人税のことまで触れるつもりはありませんでしたけれども、法人税も七百万円までの軽減税率二八%については、これはやはり各種のいろんな周囲の情勢があるわけです。ただ単に大企業あるいは七百万以上のものについて四〇%を、中小企業だから特別に軽減税率一二%で二八%にしておるんだという単純な議論ではちょっとこれは済まない問題があります。これは時間ありませんからいたしませんが、しぼって中小企業関係の租税特別措置のいまお考えの整理合理化についてだけ申し上げますと、大蔵省のお考えがわからぬわけじゃありません。しかし、やはり画一的なそのような見直しということについては、やはり中小企業政策としては大きな問題がある、このように一つ特に強く申し上げておきます。
 そこで、資料ちょっといろいろと私も、これは大蔵省からいただいたわけじゃありませんけれども、検討してみますと、中小企業関係についての整理合理化の大蔵省のお考えになっているのが廃止項目が十六項目ありますね。そのうち期限の未到来のものが九あるんですね。中には五十四年度創設されたものもあるわけですよね。それから、一律に五割カットというのが十一項目ありまして、そのうちやはり期限の未到来のものが七件あるんですね。ですから、それぞれ半分以上をこの際一律に見直しをする、カットする、廃止をするという考え方、やはりこれもおかしいというふうに思うんですね。このほかに繊維構造改善についてのやはり特別措置が廃止が二つ、五割カットが二つありますから、数から言うと相当多いですね。特に繊維構造改善の特別措置等については、全部廃止のものもカットのものも期限未到来のものですよね。だから、そういうふうなことをやはり考えていただくべきではなかろうか。私自身が全部これがもうこのまま存続すべきだと、このような廃止、五割カットはけしからぬということではありませんけれども、やはり個々によってこれは現行をずっと当面維持すべきだ、あるいはこれは廃止すべきだ、これは五割カットを若干減らして二割か程度のカットにすべきだと、いろいろあると思うんですね。だからそれらの点を特にひとつお考えをいただきたいというふうに思うんです。機械の特別償却等についても現在、中小企業、大企業含めてでありますけれども、特に中小企業の場合には固定設備等の法定耐用年数が大体平均して十一年ぐらいです。だが、実際には十一年というのはもう全く考えられない。大体五、六年ぐらいでこれを更新しなければ、ほとんど現在の市場競争の中に立ち入っていかないというふうな状態がある。それらのものを補完するためにこの特別措置で行われておるというふうなものが多いわけでありますから、ぜひそれらの点を十分勘案をしていただきまして、時間がありませんからお答え結構でありますけれども、十分ひとつ対処していただきたい。特に強く一つお願いをしておきます。
 それで時間がありませんから、ひとつもうこの特別措置の問題については以上にしておきますけれども、そこで印紙税のことについてちょっとお伺いしたいんですが、よろしいですか。印紙税のまた引き上げをいま大蔵省考えておられるということをちょっと仄聞しておるんですけれども、これはどうなんでしょうか。
#163
○説明員(滝島義光君) 先ほどの御答弁の際にも申し上げましたが、ただいま歳出面においてできるだけ削減措置を図る、それから歳入面におきましては租税特別措置の全面的な見直し、この作業を行っております。この作業を行った結果、歳入面と歳出面のつじつまが合うのか合わないのか。合わないとすれば、その幅がどのくらいになるのか、これが現在まだわからない段階でございます。どうしてもそこにすき間が生じて何らかの増税措置が必要になった場合にその幅がどうなるのか、その幅をどういう具体的な手段で埋めていくのか、これはまだ検討しておりません。そこに至る前段階の作業でいま忙殺されている次第でございます。
#164
○井上計君 つじつまを確かに合わさなくちゃいかぬでしょうけれども、じゃそこでちょっとお伺いしますけれども、租税特別措置法によって医師の優遇税制、これについては五十五年度については見直しを考えておられるのですか。
#165
○説明員(滝島義光君) 先生御承知のとおり、医師の優遇税制につきましては昭和二十九年に議員立法で創設されました。それ以降これを整理するということはわれわれ主税局の役人にとりましては悲願でございまして、二十年間努力を重ねまして五十四年度やっとこれが一部合理化ができたわけでございます。七二%から五二%とその控除率が段階的に違っておりますが、五二%というのはおおむね実態調査によりました結果出てきました実際の経費率と合っております。したがいまして、収入については社会保険診療報酬というものでガラス張りになっている。日夜全国各地の医務に従事しておられる、こういったいろいろな特殊事情を考えますと、また五十四年度に改正したばかり、しかも二十年間の作業の結果そういう御同意を得られたという背景を考えますと、これを来年度においてさらに手をつけるということはちょっと現実的ではないのではないかというふうに考えております。
#166
○井上計君 私は、きょうは医師の優遇税制を云々と言うつもりはなかったんです。ただ、課長が先ほど大蔵省としては歳入歳出のつじつまをどうやって合わすかというので大変苦労をしておると、こういうことであった。そこで、わざと実はお伺いする気になったわけですね。だから、五十四年度に改定したばかりだから、したがって五十五年度には改定をすることはできぬであろうというふうな、いま考えていないということですが、先ほども申し上げた中小企業の租税特別措置についても、五十四年度創設をした、改定したものがいっぱいあるわけですね。それも全部一律にこの際見直すと、こういうことですからね。だから、あえて申し上げると医師の優遇税制については、これをどうとかこうとかといま言いません。しかし、五十四年度に改定したから五十五年度にすぐということについては、どうも適当でないというお考えかあるなら、中小企業のこの特別措置についても、五十四年度改定、五十四年度創設というふうなものまで全部ひっくるめて一律にこのようなことについて見直しをすることはやはりおかしいと、これはこう申し上げておきます。
 そこで、印紙税のことに戻りますけれども、印紙税についても、具体的な御答弁ではありませんけれども、どうも改定をお考えになっておられるようだ。とすると、現行でもただ単に売上代金にかかる受け取りということだけで申し上げますけれども、いま百万円以下のものが百円ですね。で、あとずっと累進されておるわけですね。ところが、中小企業の使用する受け取りというのは、大体平均しますともうせいぜい十万円ですよね、平均値は。あるいはもっと低いかもしれません。だから、仮に五万円とすると、五万円のものでも百円ということですね。それが今度仮に、事実かどうか知りませんが、仄聞するように二百円になったとすると、免税点がどこにあるか知りませんけれども、十万円が二百円であって、あとそのように現行が全部倍になったとした場合に、一億円が一万円が二万円になるということになると、ますます格差が開いてくるんですね、負担率の。だから、今後の印紙税の引き上げをお考えになっておられるとすると、やはり免税点をさらに大幅に引き上げるか、あるいは百万円以下一律という免税点をさらにここにもつと区分していくか、いろんな面でやはり一律的な引き上げでなしに、こういう面についても特にひとつ御配慮をいただきたい、これを一つ要望して私の質問を終わります。ひとつお答えを願います。
#167
○説明員(滝島義光君) 先ほどお答え申し上げましたように、まだ歳入面、歳出面のつじつまが合わない場合の具体的な増税措置については検討しているわけでございませんが、先生の御要望の趣きにつきましては、担当の課長にしかと申し伝えることにいたしたいと思います。
#168
○委員長(斎藤十朗君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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