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1949/04/30 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第35号
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1949/04/30 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第35号

#1
第007回国会 法務委員会 第35号
昭和二十五年四月三十日(日曜日)
   午後一時四十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○司法書士法案(衆議院提出)
○土地家屋調査士法案(衆議院提出)
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#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより法務委員会を開会いたします。衆議院送付の司法書士案を議題に供します。先ず提案者の提案理由と内容の御説明をお願いいたします。
#3
○衆議院議員(北川定務君) 只今上程になりました司法書士案の提案理由を説明いたします。この法律案は現行司法書士法を全面的に改正して、新憲法の原則に基き立案したものであります。以下立案の趣旨、経過及び内容を簡單に説明申し上げます。
 現行司法書士法は、今を去る三十年の昔、即ち大正八年に制定させられた古い法律であつて、その後若干の事務的修正を受けましたけれども、実質上の改正は一回もなく今日に及んでおります。顧みまするに、三十年前の代書人は、法律知識の程度も低く、訓練も十分でなかつたので、司法省や裁判所の監督や指導も嚴重にする必要があつたことと思われます。然るに新憲法施行後の今日現行司法書士法を見ますと、全面的に改正すベき必要を痛感するのであります。されば改正の必要は、司法書士の業者のみならず、朝野法曹は勿論一般需要者も齊しく認めるところであります。
 よつて衆議院法務委員会は、二月十四日司法書士に関する小委員会を作り、立案起草に当りました。この間小委員会を開くこと数回、法務庁、最高裁判所、弁護士連合会の意見はもとより、計理士会、公認会計士会、測量士会、弁理士会等広く民間の意向を徴したのであります。かくて三月十八日一応の成案を得て関係方面の了解を求め、四月二十七日了解を得て法務委員会の成案を確定し、四月二十九日衆議院本会議にてこれを可決し、本日ここに参議院に提出する次第であります。
 次に法案の内容については、現行法と比較して申上げます。
 第一に現行法によりますと、司法書士は法務局又は地方法務局の所属に属し、法務局長又は地方法務局長の監督を受けることになつております。改正法においては、全面的監督はこれを廃止し、法務局長又は地方法務局長が司法書士を認可し又は懲戒する場合に、即ち実際上の運営において監督することにいたしました。
 第二に現行法によりますと、司法書士たらんとして認可を受けなかつた場合には、その救済方法はありません。然し改正法においては、認可を与えられなかつた者は公開による聽聞を求めることができ、この公開聽聞においては、認可を与えない理由を明示しなければならぬことになつております。
 第三に、現行法によりますと、司法書士会及び同連合の規定はありませんが、改正法においては明文を以てこれらを規定しました。但し司法書士は当然に入会するのでなく、入会すると否とは、各司法書士の自由となつております。
 第四に、改正法によりますと、司法書士会を設立した場合には、その内部自治を認めますので、官庁は会則の変更を命ずることができなくなつております。
 第五に、現行法も、改正法も事務所の設置、嘱託の拒絶を禁止することや、双方嘱託を禁止することや、訴訟関与を禁止することや、秘密遵守の義務等については、大体同様であります。
 右法案の内容を説明申し上げました。
 扨てこの法案は衆議院に立案する際関係方面の了解に多くの時日を費し、参議院においては会期切迫の折、誠に恐縮でありますが、何とぞ御可決あらんことを御願いいたす次第であります。
 右提案理由を説明申し上げます。
#4
○委員長(伊藤修君) 質疑は明日にこれを継続することにいたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(伊藤修君) 次に土地家屋調査士法を議題に供します。先ず提案理由の御説明を求めます。
#6
○衆議院議員(田嶋好文君) それでは私より土地家屋調査士法の提案理由を説明させて頂きます。
 この度土地台帳法、家屋台帳法、及び不動産登記法の各一部改正によりまして、土地台帳、家屋台帳が税務署から登記所である法務局又は地方法務局に移管されることになりました。
 土地台帳、家屋台帳に記載される事項は、不動産登記の目的たる諸権利の基礎である事実関係を示すものとして、その正確性が大いに要求されているのであります。従来におきましても土地、家屋の調査、測量をいたして居りました者は、各税務署の嘱託としてこれを行い、税務署の人件費、旅費等の費用を節し、又その専門的技術を生かして土地台帳、家屋台帳への申告、図面の作成にあたつていたのでありましたが、何らその資格に関して法的根拠がなく、いかがわしい者もこの調査測量を行つていたのであります。
 この際土地台帳及び家屋台帳の登録につき必要な土地又は家屋に関する調査、測量及び申告手続が的確に行われますかどうかは、国民の権利義務に対しまして極めて重大な影響を及ぼすこととなりますため、本法よりまして土地家屋調査士の制度を新たに法制化いたすものであります。
 なおこのような制度設立につきましては、さきに昭和十六年より五回にわたり請願が提出され、その都度採沢されて、その立法化が政府当局者に要望されていたものであります。
 衆議院法務委員会におきましては、土地台帳法等の一部改正に伴いまして、この土地家屋調査士の制度の必要性を認め、土地家屋調査士法立案に関する小委員会を設け、測量士、司法書士等関係方面とも種々協議いたし成案を得た次第であります。
 次に法案の内容につきましてその大要を御説明申上げます、先ず土地家屋調査士は、その業務としまして登記所に対する、土地台帳又は家屋台帳の登録について必要な土地又は家屋に関する調査、測量又は申告手続をすることを業務といたすのでありまして、土地台帳、家屋台帳の正確性を要求する必要上、土地家屋の調査、測量は本法におきまして資格を有する土地家屋調査士でなければならないことにいたした次第でございます。この点は司法書士法におきましても考慮されているところであります。従いましてこのような業務を行います者につきましては、測量に関して十分な技能を有する者でなければなりませんので、資格要件としましては、主として測量に関する技能を有する者を有資格者とし、資格認定については、公開試験制度を採用しております。
 次に土地家屋調査士としての業務を行いますには、法務局又は地方法務局に備えた名簿に登録を受けまして、事務所を設置いたすことにしております。
 調査士は、みずからの品位保持、業務の改善進歩をはかるため調査士会及び全国の連合会を設けることができ得るようになつておりまして、各調査士は、任意にこの会に入会し得ることとなつておるのでございます。調査士は、業務の依頼に応ぜねばならず又、虚僞の調査、測量をしてはならないのでありまして、本法違反に対して法務局長又は地方法務局長より懲戒の処分を受けるのでありますが、この際当該調査士は公開による聽聞を求め得られるのであります。尚現在土地家屋に関する調査、測量、申告手続を業としております者は、昭和二十七年三月三十一日まではその業務を行うことを認められ、更に法務局、地方法務局の長の選考を受けて本法による調査士となることができるのでございます。以上法案の大要を御説明申上げた次第でございます。
 本法案は、衆議院におきまして立案に際し関係方面との折衝において時日を費しまして、参議院においては会期切迫の折誠に恐縮に存ずる次第でありますが、何卒愼重審議の上本法案を御可決下さいますようここにお願い申上げて説明を終る次第でございます。
#7
○委員長(伊藤修君) 本法案につきましてはこの程度にいたしまして、明日午前十時より質疑を継続いたしたいと存じます。
 では本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事      鬼丸 義齊君
           岡部  常君
   委員
           大野 幸一君
           鈴木 安孝君
           松井 道夫君
           松村眞一郎君
  衆議院議員
           北川 定務君
           田嶋 好文君
ソース: 国立国会図書館
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