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1979/12/06 第90回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第090回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号
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1979/12/06 第90回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第090回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号

#1
第090回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号
昭和五十四年十二月六日(木曜日)
    午後三時九分開議
 出席委員
   委員長 井上 普方君
   理事 相沢 英之君 理事 関谷 勝嗣君
   理事 野田  毅君 理事 金子 みつ君
   理事 松浦 利尚君 理事 中川 嘉美君
   理事 岩佐 恵美君 理事 中野 寛成君
      小澤  潔君    亀井 善之君
      岸田 文武君    工藤  巖君
      熊川 次男君    田名部匡省君
      牧野 隆守君    粟山  明君
      小野 信一君    武部  文君
      長田 武士君    宮地 正介君
      藤原ひろ子君    塩田  晋君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  佐々木義武君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      正示啓次郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        公正取引委員会
        事務局審査部長 妹尾  明君
        経済企画庁物価
        局長      藤井 直樹君
        経済企画庁総合
        計画局長    白井 和徳君
        資源エネルギー
        庁石油部長   神谷 和男君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 安田 佳三君
 委員外の出席者
        文部省管理局教
        育施設部指導課
        長       高野 文雄君
        厚生省社会局施
        設課長     岡光 序治君
        資源エネルギー
        庁石油部備蓄課
        長       森清 圀生君
        特別委員会第二
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質議の申し出がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。
#3
○松浦委員 それでは、最初に、経済企画庁長官から、昨日お約束をいたしました新経済七カ年計画の扱いについて最終的な御答弁をいただきたいと思います。
#4
○正示国務大臣 まず、参議院の方で少し予定よりおくれまして、申しわけございません。
 それでは、昨日の松浦委員の商工委員会における御質問についてお答え申し上げます。
 新経済社会七カ年計画は、内外諸条件の長期的展望のもとに、経済社会の変化に対応して適正な経済成長を図りつつ、完全雇用の達成、物価の安定、国民生活の充実等の目標を達成するため、一、経済各部門の不均衡の是正、二、産業構造の転換とエネルギー制約の克服、三、日本型福祉社会の実現等を目指した中長期の経済運営の基本的あり方を示したものであります。
 この基本的あり方は、中長期の経済運営に関しても十分妥当なものであり、かつこれを堅持すべきものと考えております。
 ただ、内外の経済情勢は流動的であり、かつ前途に不確実な要素も多いので、この計画に示された数値は幅を持って理解さるべきものであり、かつ毎年新しい情報に基づいて経済審議会がフォローアップを行うこととされておるのであります。
 一般消費税(仮称)については、本計画は、五十五年度に導入がある場合に備えて諸般の準備を進めるとしており、その検討を進めてきたが、国民の理解が得られていないので、政府として五十五年度の導入は行わないことといたしたのであります。
 現下の経済約会の状況を踏まえ、本年末から来年初めにかけて経済審議会においてフォローアップを行い、一月下旬を目途に報告を得ることとしたいのであります。
#5
○松浦委員 よく理解をいたしました。審議会に対して、現在に適合したフォローアップをぜひお願いいたしたいということを最後につけ加えて、次の質問に入ります。
 きょうは小野委員が中心で御質問をしていただくことになっておりますから、私は簡単に、これからの経済の見通しその他について若干大臣の御答弁をいただいておきたいと思います。
 すでに経企庁の方で主要な経済指標が出されておりますから数字的なことは申し上げる必要はないと思います。ただ問題は、この主要経済指標を見ましても、いま卸売物価が二けた台の上昇を続けておるわけでありますが、幸い消費者物価については、この卸売物価の上昇が、率直に言って生産財が主として上がっておるということもありますために、経済企画庁が言われたように当初の目標に入るという予測が立っておるようであります。
 しかし問題は、この卸売物価上昇が必ずじわじわと消費財、消費者物価指数にはね返ってくることは否定できない現実だと思います。同時に、この卸売物価の上昇原因を見てまいりますと、原油の高騰あるいは円安という問題があるわけであります。いずれもきわめて不確定要素で、見通しの立たない問題でありますけれども、最近幾らか円が持ち直したとは言われておりますものの、依然として二百四十八、九円のところを行ったり来たりしておるわけであります。通貨当局は、いずれにしても公定歩合の引き上げ等をすでに行ってきたわけでありますが、すでに日銀の方は物価対策に切りかえるということを総裁は言っておるわけであります。経済企画庁長官の個人的な判断としては、この円安、円の実力として正当なところどのあたりのレートが正しいんだというふうに考えておられるのでしょうか。
#6
○正示国務大臣 ただいま松浦委員御指摘のように、卸売物価高騰の原因は、原油を初めとする海外からの原材料の騰貴、それにいま御指摘の円安、円レートの大変な下落ということに尽きる、その二つが大きな主因になっておることは御指摘のとおりであります。私どもとしては、その二つを何とか国の全力を挙げて解決することによって、一日も早く卸売物価についても安定した状況をつくり出したい。そして、いまさしあたりとしては、せめてその卸売物価の消費者物価への波及を何とか食いとめたい。これに全力を挙げておるところであります。
 さて、円レートが一体幾らぐらいが正しいかということについてでございますが、これは申し上げるまでもなく、国の全体の経済的な力というふうなものが円の価値に表現されておるという点もありますけれども、しかしまた、日本が特に石油に弱いというふうなところから、過小評価といいますかそういう面も確かにあると思うのであります。
 そこで、大蔵省、日本銀行は先般、先月二十七日でございましたけれども、私どもが物価対策の総合的推進ということを決めましたその日に、主として資本の収支の問題に若干目を光らせるような施策を同時に決定いたしまして、いま松浦委員御指摘のように若干そういうことの効果もあらわれて、いまのところ円は二百五十円の線から若干強含みに推移しております。できれば一日も早くこれも安定してもらいたいというのが私どもの念願でありますけれども、さて一体どのくらいが本当なのかと言われましても、これは、私はもとよりでございますが、通貨当局でもなかなか言えないことだろうと思います。願わくは安定をして、国際収支、物価、そして経済の成長、雇用、そういう面に来年度の見通しをつくる時期には一つのしっかりとした見通しが立てられるようになってほしい、こういうことをいま切にこいねがっておる段階でございます。
#7
○松浦委員 予算が最終的に二十二日ごろに決まるというふうに報道されておりますけれども、恐らくその前に経済企画庁としては来年度の経済指標というのを出さざるを得ないと思うのですね。その場合に、指標は当然現在の円レートでつくり出すというのが従来の常識になっておったというふうに聞いておるのですが、来年度円が強くなる、中盤以降は逆に円高になるのじゃないかという予想をする学者あるいはそれぞれ銀行等の調査室の発表等もあるのですけれども、佐々木通産大臣は、いまの円は安過ぎる、二百二十円ぐらいじゃないだろうかということを言われたのですね、新聞を拝見したところによりますと。それはいろいろ目前にして非常に都合が悪いかもしれませんけれども、大臣の個人的な感覚としては通産大臣の発言はどういうふうに理解されますか。
#8
○正示国務大臣 通産大臣の御発言は私存じませんが、いま申し上げたようなところで、私どもとしては、一体どの程度が本当の円のあるべきレートかということはちょっと申し上げる自信がございません。ただ、いよいよ追い詰められておるわけでございます。来年度予算を編成するためには、貿易収支その他いろいろのファクターを突き合わせて経済見通しまた財政の規模というものを決めていくわけでございます。そういうときに、いままでは大体過去一カ月の円レートの実績を基礎にいたしましてつくっておるわけでございますので、将来の円レートはどうかという見込みの上にはつくらないわけでございます。
#9
○松浦委員 その見込みで云々じゃないのです。長官としてはいまの円レートは高いか安いか、恐らく安過ぎるとお考えになっておると思うのですよ、担当大臣としては。だからこそいろんな手だてを講じられるのですから、そういった意味では二百二十円ということを通産大臣が言っておられるわけですから、その点についての御感想は全くありませんか。
#10
○正示国務大臣 重ねての御質問でございますけれども、これはちょっと私としては、そういうふうないろいろの考え方がある事実はよく聞いておりますが、私の立場からどのくらいがいいとか、どのくらいにあるべきだとかと言うことはちょっと差し控えたいと思います。
#11
○松浦委員 なかなかやはりかたいですね。そういうのはある程度個人的な見解だから、われわれの参考になりますので、言っていただいて結構だと思いますが、これ以上言っても後の方に迷惑をかけますから省略いたします。
 そうすると、いずれにいたしましても今年度は確かに政府の目標の消費者物価指数の中に入りますね。ところが来年度については、どっこい非常に危険が伴うことはもう御承知のとおりです。それは、卸売物価がじわじわと消費者物価にはね返ってきますね。それと同時に竹下大蔵大臣は、公共料金の値上げについても厳正にやるとは言っておられますけれども、しかしいずれにしても受益者負担の原則というのを本会議ですでに言っておられるわけでありますから、そうしますと、大体消費者物価に占めるサービス料金関係の指数というのは三三・六%あるわけですね。そうすると、卸売物価がじわじわと来年度消費者物価にはね返ってくる。同時にサービス料金も、厳正にはされても上げるということになると、サービス料金そのものも消費者物価を押し上げる要素になってくるということになりますと、来年度の消費者物価というのは四・九には決しておさまらない、今年どおりにはおさまらない。恐らく六%近くに、あるいは油の関係いかんではそれ以上の状態が生まれてくるのじゃないかというふうに思うのですね。となってきますと、来年度の公共料金の引き上げという問題が従来いろいろとこの国会、物特でも議論されてきたのですが、場合によると現在のようにこの灯油の問題も含めて放置をする、市場原理に任せるのだという、そういうやり方で進んでおる片一方のものと、それからサービス料も厳正にやると言うけれどもゼロではない、必ず上げるという条件があるとすれば、私は相当消費者物価を押し上げる要素になるのじゃないか。しかもカラカスのOPECの会議で恐らく一割か二割か、どちらかというと私は恐らく二割近く上がるのじゃないかと思いますが、政府の願望としては原油価格一割ということが願望のようですけれども、仮に二割上がったとすればこれは大変な物価上昇になると思うのですがね。こういう問題について、物価担当大臣としては予算編成を目前にして、経済企画庁長官の発言というのが非常に重要な要素を含んでくると思うのです。本当に経済指標を今年度近く、四・九なら四・九に抑えようとする――これは恐らく無理ですから六%程度ということになるのでしょうが、あるいは五%ということになるかもしれませんが、いずれにしましても経済企画庁長官としては、どうやってこういう危機的な状態にある物価を来年度に向かって抑えようとなさるのか。口だけではなくて本当に公共料金等についても抑え切るのかどうか、そういう問題について、ひとつ国民の皆さんに不安のないように明確にお答えをいただきたいと思います。
#12
○正示国務大臣 いまお話しのように、今年いろいろ経済見通しの上で大きく狂ってきたのは卸売物価そして国際収支、こういう点にあることはお話しのとおりであります。にもかかわらず私どもは全力を尽くし、また関係各省庁の全面的な協力のもとに、先月二十七日に閣議に報告をし、これは本当に国を挙げて取り組んでおる物価対策によりまして、消費者物価は本年度に関する限り当初の目標である四・九%を何とか守り抜く、こういう決意でやっております。また経済の成長につきましても、目標の六・三あるいはそれに近いものを大体実現していけるのじゃないかと思っております。
 さて、問題は来年度でございます。来年度について、先般来私の方のいろんな資料その他を参考にしまして、マスコミの優秀な記者諸君がいろいろ観測記事を書かれたものでございますから、それについてもいろいろ御質問があったわけでございますが、実はいま申し上げたような本年度の推移をしっかりと押さえ、そして来年度に関する限りまず第一に、通産大臣もきょうおいでになっていますが、おっしゃるとおり公共料金ですね。しかしこの公共料金については、これは先ほど申し上げた物価関係の閣僚会議なり閣議では、みんなそろって物価にうんと力を入れないと大変なことになるということで、決意を新たにして取り組んでくれておるわけでございます。私どももその考えに徹しなければならぬと思っております。
 そういう見地から、いまいろいろと取りざたされておりますような引き上げの要請等についてもこれはきわめてシビアに、まず徹底した経営の合理化をやってもらおう、それからそれの国民生活、消費者に対する影響をあらゆる手段、方法を講じてできるだけ波及させないようにする、こういう心組みでいま取り組んでおる最中でございます。また、これから新しく提起される問題には取り組んでいく覚悟でございます。
 そこで、差し迫った来年度予算のときにそれじゃ経済の見通しをどうつけるか、消費者物価をどの程度見込むか、こういうふうな問題に直面をいたします。いま申し上げたような心組みで、これはもう決して安易に考えてはおりません。どこまでも経済のなだらかな成長、そして国民生活のぎしぎししない安定的な成長、こういうことで見通しをつけたいと思っておりますが、これは何分私だけの考えで決めるわけにはまいりません。財政、金融、貿易その他また生産の状況等各般にわたって、また労働関係等いろいろやるわけでございます。いま松浦委員おっしゃられましたようにサービス料といいますか賃金、これはまた大事な要素でございます。この面において、日本の最近の労使の関係がきわめて賢明な処理をしておられる、こういうことも今日の消費者物価安定の大きなファクターになっております。私は来るべきこの春闘等においても、労使の両関係者が一層の良識をもって、ひとつぜひとも雇用の問題その他に対する影響もお考えの上で物価の安定にできるだけ努めていただくような、これはもうインフレになったら本当にみんながめちゃくちゃになってしまいますから、そういうことにならぬような成果を心から祈念しておるものでありまして、いま直ちに消費者物価をどう、経済の成長をどうということを申し上げる段階ではございません。
#13
○松浦委員 それじゃ大臣、もう時間がありませんから他の方にお譲りしますが、もう問もなく経済企画庁としては来年度の経済指標は出されますですね。出されたら直ちに本委員会に御配付いただけるように処置いただけるでしょうか。委員長、御配慮いただきたいと思います。
#14
○井上委員長 わかりました。
#15
○正示国務大臣 これは、本年度の最近の状況をまず的確に見通しをつけなければなりません。そして来年度にも見通しをつけなければなりません。そういうものがはっきり決まりました節は、できるだけ早く当委員会にも参りまして御説明を申し上げたいと考えております。
#16
○松浦委員 それから、物価局長にお尋ねをしておきたいと思いますが、一つは、こういういろいろなデータがあるわけですが、そのデータが委員に全然渡っておらないのです。それで、これも新聞に発表されて、私があわてて要求してこういうデータをいただいたのです。ですから、少なくともまじめにこういった問題を議論する場合には、政府側だけがデータを持っておってわれわれの方はデータがないものだからわざわざ取り寄せてやらなければいかぬということですから、少なくともこういったことを議論する本委員会には、新聞社に発表するときにはわれわれの手元にもすでにそういう資料が渡っておるような手続はやはり経済企画庁としてぜひ御配慮をいただきたいというふうに思います。
 それからもう一つは、これからは円を防衛しなければならぬ、円安傾向に歯どめをかけなければならぬということを盛んに言うのですけれども、いま大臣にお尋ねをしましたが、それではどこのラインで、どこまで円を防衛するのかというような議論がいま言ったとおりできないわけです。政府の方は一つの目標を持って、円を防衛するラインというものに対してドル売りとか円買いとかいう操作を盛んに日銀とか通貨当局はやるのですけれども、あるいは物価抑制等もやるのですけれども、われわれの側が質問しようと思っても、ただ空念仏的に円を防衛する防衛すると言うが、どのラインが防衛ラインなのかというのが全くわからない。これは、的確にこのラインというのはいろいろな国際通貨の関係がありますから言いにくい面もあるでしょうけれども、ある程度幅を持たせて、ほぼこのあたりというような、そういう議論のできる仕組みというものをやはりぜひ経済企画庁も考えていただきたいと思うのですね。そういう議論をぜひさせていただきたいというのが二つ目。
 それから三つ目には、この前からいろいろ議論をするのですけれども、後から小野委員が灯油の問題で議論をさせていただくのですが、この灯油の問題は各県から調査結果が出ておるのです、私は一つだけここに持ってきていますが。ある県から出された調査結果、モニターが全部を調査してそしてその出されておる内容で、たとえば需給状況については、ずっと回ってみまして、軽油、A重油、灯油については仕入れ量が昨年に比べて二〇%程度少なくなっている店がありますというような報告が的確に経企なり通産に出されておるのです。ところが、こういう資料を各県別にくださいと言ったって絶対出さない。こういう資料があれば的確にわれわれは把握できるのです。ですからそういうのを、これは委員長にもお願いをするのですが、後から理事会等を通じて、来年度当委員会で議論する場合に、ぜひ委員会の仕組みとして、出せるものはやはり出していただきたいということを含めて最後にお願いをいたしまして、局長の御返事をいただいた上で次の小野委員にかわりたいと思います。
#17
○藤井(直)政府委員 資料の関係につきましてはこれからよく注意して取り扱わせていただきたいと思います。
 それから、フロート下にある円レートの動きということになりますと、どうも政府自身がある一定のラインを設けてこれに対して誘導していくというようなことを申すこともできませんし、また事実上非常に問題も多いかと思うのでございますけれども、現在の段階で言えますことは、円レートが乱高下するということに対しての適切な介入というところまでは許されているわけでございます。そういう意味で、私どもとして申し上げられる限度というのはその程度であるということを、いまのフロート下における円レートが国際的に非常に微妙な問題を持っておりますのでお許しいただきたいと思うわけでございます。
 灯油等の資料につきましても先ほどの資料とあわせてまたよく検討させていただきたいと思います。
#18
○松浦委員 じゃ、委員長の方も理事会等でぜひひとつ問題としてお取り上げいただきたいと思います。
#19
○井上委員長 かしこまりました。
#20
○松浦委員 終わります。
#21
○井上委員長 小野信一君。
#22
○小野委員 小野信一です。新人ですので親切なる答弁をまずお願い申し上げます。
 東北、北海道を中心とした寒冷地では、灯油はいまや生活必需品であります。消費支出に占める割合も、冬季間では五%前後を数えるようになりました。主食である米と同じ地位になっております。まさに公共料金的な性格を帯びてきたと言っても過言ではありません。したがって、灯油の価格の高騰は直接家庭生活を圧迫して、国民にとっては重大な関心事になっております。しかし、総理の所信表明演説を中心とした政府答弁は、一貫して、灯油価格は市場の自主性に任せている、市場原理にゆだねると従来の主張を繰り返しております。なかなか地域住民、家庭の主婦の声を取り上げる状態にはなっておらないと感じます。
 私は、改めて、政府がやらなければならないことをやらないためにコストに上棲みになっておる点を中心にして、石油政策について若干質問いたします。
 その第一は、東京サミットでわが国が約束した輸入原油二億八千百万トンは、わが国の需要から見て守れる数字なのか、それとも守らなければならない数量になっておるのか、それとも一応努力目標として設定して、政府がその目的達成のために動いておるのか、その点大臣の答弁を求めます。
#23
○佐々木国務大臣 これは、私どもは一応輸入の最上限というふうにみなして守らなければいけませんし、また守り得る数字だと思っております。
#24
○小野委員 本年度上半期に輸入した原油の数量は一億三千四百万トンになっております。もし東京サミットで約束した二億八千百万トンから差し引きますと下半期の枠残は当然一億四千七百万トンになります。そのうち十月から十二月までの分として七千万トンが確保されたと総理大臣の所信表明で明らかになっております。したがって、これはこれとして、一月から三月までの原油の確保について担当当局はどのように考えておるのか、見通しについてお聞きいたします。
#25
○神谷政府委員 御指摘のように十月−十二月七千万キロリットルの確保のめどは立っております。この数字に若干付言させていただければ七千万キロを超えるであろう。どの程度超えるかは実は締めてみませんと……。百万単位というのはかなり動きますので若干超えると考えておりますので、十−十二月は問題ございませんが、御指摘のように一−三月の輸入見通しがきわめて不透明でございまして、このくらい入るであろうということを現時点で申し上げましても余り責任のある数字とは言い得ないと思います。その理由は、マクロ的にはサウジアラビアその他クウェート等が来年どのような原油の生産計画あるいは生産水準を樹立しあるいは維持するのであるかということ、それから、メジャー経由の油の流れがどのようになっていくのか、さらには、メジャーのカットを補うDD原油の契約更新あるいはその増量というのがどの時点でどの程度確立し得るのか、この辺が現時点では全く不透明でございますので何とも申し上げられませんが、私どもといたしましては、少なくも十−十二月、現時点で見通しております七千万キロリットルを最低限一つの目標といたしまして、下回ってもこれは余り下回らぬように、できれば上積みをしていくというような観点から関係企業の努力を要請し、われわれ自身もそのような観点から政策を進めてまいりたいと考えております。
#26
○小野委員 もし十月から十二月までの七千万キロリットルの輸入が一−三月で確保できるといたしましても、七百万キロの不足が出てまいります。一日消費量が七十万キロでありますから、十日分の不足が当然出てまいります。そのほかにもし過去の実績から判断いたしますと、上半期の一・二倍、二割増が下半期の消費量になります。もし東京サミットの数字を守らないでわが国の石油需要に適応して使ってまいりますと、一・二倍、二〇%増になりますと、本年度の下半期の必要量は一億六千万キロになってまいります。したがって、一千四百万キロリットルの不足になって、二十日分ということに不足が出てまいります。したがって、いま灯油の備蓄量を中心にして三月までの石油量については心配ないというPRを政府は行っておりますけれども、いまの見通しから、答弁から考えますと、それほど楽観したものではないのじゃないか、こう考えられるわけですけれども、もしそうなった場合の対策について当局はどのように考えておるのか、お聞きいたします。
#27
○神谷政府委員 御指摘のように原油の需要に上、下、その年によりまして若干の差はございますが、下期に需要が集中する、こういう形になっておりますので、従来下期の原油調達を多目に、上期を少な目にというパターンで推移してまいりました。しかし最近のように原油の獲得が非常に困難な状況になりますと、常にまさに一年じゅう最大限の努力をしていかなければなりませんし、若干必要量に欠くると考えれば、国際的に悪影響を与えない限度においてやはりスポット等を購入して必要量は確保する必要があろうかというふうに考えております。
 ただ、供給計画におきましては、上、下のこのあたりの需要の変動も勘案いたしまして、年間二億八千万キロリットルの原油を確保すれば需給はとんとんになる、こういうことになるわけでございますので、先生御指摘のような計算の方法もあろうかと思いますが、別の観点で非常に単純な申し上げ方をいたしますと、ことしの三月末で備蓄が八十一日ございました、それからいろいろ原油の獲得努力を行い、今後も続けていくわけでございますが、もし供給計画どおり二億八千百万キロ獲得できて、供給計画どおりの需要で消費が行われれば、来年の三月末も八十一日の備蓄になるわけです。需要がそのままであって供給が二億八千百万を欠ければ、御指摘のようにその分だけ一週間分あるいは十日分と崩していかなければならないわけでございますが、他方、需要が節約の努力によりまして供給計画を若干下回れば、その分はむしろ上積みと申しますか、上方へ向かってこの数字が修正される、こういうことになっております。御承知のように上期につきましては若干供給計画よりも節約がおかげさまで進みまして、供給計画で二・三%アップ燃料消費を予定しておりましたのが、上期の実績では一・九%の増にとどまっております。下期はこれからでございますし、大事なのは下期でございますので、この下期にまさに国を挙げて、少量ずつで結構なんでございますが、節約を進めていただければ、われわれの頭で計算した数字とは異なった備蓄の結果が三月末に出てくるのではないかと思います。
 ただ、われわれ、やはり最悪の事態も勘案しなければなりませんが、先ほど申し上げましたような形で十−十二、一月の原油の獲得努力を行いました場合には、上期に予定より二百万キロリットルぐらい余分に入っておりますので、備蓄の取り崩しがそれほど多くはならぬだろうというふうに考えておりまして、十日を上回ることはないというふうに考えております。最悪の事態でもこの程度のものであればしのげるし、四月以降不需要期になりますので、事態に即した対応も可能であろうと考えておりますので、われわれは備蓄を取り崩すのが本意ではございません。節約とやはり原油獲得の努力によって、取り崩したくないと思っておりますが、しかし、いたずらな不安感と、パニックを起こすことは、それにも増して避けたいと思っておりますので、その際には備蓄の取り崩し、あるいは弾力的運用と言った方がよろしいかと思いますが、これは辞さない、こういう覚悟で、供給計画どおりの石油製品は供給するという方針を確立したものでございます。
#28
○小野委員 石油不安に対して、スポット買いの努力を第一に行う、第二に備蓄を取り崩す、こういう順序で石油対策を立てるという考え方は理解できましたけれども、いろいろ、スポット買いそれ自体が、国際的関係からいって、わが国に非難が集中しているという観点に立ちますと、これも非常にむずかしいのではないかということと、スポット買いですから、当然、原油高、非常に高いものを買わなきゃならぬということで、これまた灯油を中心とした石油製品に転嫁されるという不安を持っております。したがって、できれば備蓄を取り崩すことが先で、スポット買いが後になるというような政策はとれないものでしょうか。
#29
○神谷政府委員 私の御説明も若干舌足らずでございまして、スポット買い第一、備蓄第二というふうに申し上げたかもしれませんが、正確に申し上げますと、その前にDD原油、GG原油、直接取引の原油獲得努力、これを第一に挙げまして、これでできるだけ産油国との直接取引、メジャーのカット分を埋めていきたいと考えております。それで埋め切れない分をやむを得ず、国際的な非難を浴びないような、要するに高値買いを極力避けながら、必要最小限を確保していく。それでどうにもならぬ場合に備蓄と、こういうふうに、一、二、三と考えております。
 スポット買いにつきましては、御指摘のような問題がございます。国際的非難を浴びないために、現在でも、ロッテルダム等の国際価格よりある程度下のものでないと買わないようにと、まあ出物というのは必ずございますので、そういうものを買わせるように努力をいたしております。
 第二に、やはり何と申しましても節約が進めばそんなものを買う量がどんどん減りますので、日本が買いに行く量が減りますとロッテルダムの相場も下がりますので、できるだけ節約の努力を進めることによって、高値買いを避け、かつ国際的なスポット価格を冷やしていくような努力を国を挙げてやりたいと思っております。
 そういう努力をしてもなおかつ問題が出てきた場合に備蓄を取り崩すという考え方でございますが、これを逆にしたらという御意見も確かにございますけれども、御承知のように、イランとアメリカの経済断交とか、あるいは油には直接関係ございませんでしたけれども、サウジではいろいろな不安な動きが出たりと、こういう状況にございますので、何かあった後、要するに非常に脆弱な基盤の上に立っております原油調達源でございますので、そのための安全保障としての備蓄は、でき得れば一番最後に回したい、こういう気持ちでおります。
#30
○小野委員 DD重油、GG重油の話が出ましたので……。
 いま国民が灯油を中心にした製品の価格の高騰によって製品価格に非常に大きな疑惑を抱いております。したがって国内輸入会社に輸入価格その他のコストの発表を要求したとしても、なかなか発表してくれません。したがって、政府が介入するこれらの重油について、国民の前に価格を発表することが、国民の石油製品に対する価格の信頼感を取り戻す大きな要因になるのではないか、こう考えておるのですけれども、この価格のコストを発表する御意思はございませんか。
#31
○神谷政府委員 基本的に石油製品等も含めまして、やはりわが国の現在の社会、経済体制においては価格の形成は個々の企業の売買努力並びに市場におきます需給関係によって形成されるということが基本でございまして、そのために個別の価格には政府は介入しないというのが基本であろうと考えます。ただ、すでにしばしば御指摘を受けておりますような状況でございますので全く放任ということではございませんで、われわれ、特に元売り段階におきます価格の改定に当たりましては、改定の理由その他を聴取し必要に応じてアドバイスをするあるいは指導する、こういう方向で進んできておるわけでございまして、個々の企業の原価構成その他をすべて公表するという形まで進みますのは現在の体制そのものを完全に変えるという前提になろうかと思います。現時点では、その段階段階に応じて必要な手段を講じていくというふうに考えております。
#32
○小野委員 いま備蓄日数は百二日と聞いておりますけれども、公団が備蓄しているのは七日であります。ただ、九十七日をそのまま備蓄数量として安堵するわけにはまいらないと考えられます。したがって、ランニングストックとしていま何日分がわが国の石油需給関係を円滑に動かすために必要な数量、日数と考えておるのか発表していただきたい。
#33
○神谷政府委員 非常なむずかしい御質問でございまして、たとえばある製油所が物理的に操業を何とかやっていける備蓄がどのくらいかということとそれから社会に不安を与えないで製品の供給が円滑に行い得る備蓄がどの程度かで非常に変わってまいります。非常に俗な例を申し上げますと、あるところでいついつ製品がほしいと言って取りに行ったところが全くない、二、三日待ってくれというような状況が特に元の方で起きてまいりますと、あの製油所のものがなくなったというような状況になりますと非常に社会に不安感を与えますので、そういうことのないようにある程度持たしたいと思いますとこのレベルは相当高目のところに持ちますし、先ほど第一に例示したような形でしたらかなり低い、昔言われていましたような四十五日とかそういう数字もあると思います。したがいまして、現在私どもは気持ちとしてはマクロでやはり七十日台は切りたくないなと思っております、公団備蓄を別にいたしまして。これは全くそのときそのときの状況に応じてこの数字は変わってくると思いますが、現在はこれまで申し上げておりますように、供給は節約を前提として必要なものは円滑に供給をしていきたい、こういう前提で考えておりますので、その前提での数字と御了解いただきたいと思います。
#34
○小野委員 業界の人々の率直な話を聞きますと、やはり五十五日分は必要だろう、したがって現在百二日あったとしても使える数量というのは実際四十二日ですか、もし一月から三月までの供給分が出てまいりまして十日を取り崩すとすれば三十日程度の備蓄しか行われないということになるわけで、それほど裕福な、前途が明るい備蓄数量じゃないのじゃないか、こう考えられるのですけれども、そう考えていいものなのかどうか。
#35
○神谷政府委員 一定の備蓄水準をどういうふうに評価するかという問題は非常にむずかしいわけでございますが、現時点におきましては、しばしば私どもから御説明さしていただいておりますように、世界の原油需給は一応マクロでは何とかバランスしておる、しかし流通チャネルの乱れとタイト感といったようなものから非常なヒッチを受けておる、こういう状況でございますので、そういう状況を前提といたしますれば、現在の備蓄水準はある程度弾力的に活用できるのではないか。これが異常事態が起きまして全体的な需給が完全に不均衡になった場合におきましては、備蓄の取り崩しのみに依存したのでは、先生のおっしゃるように、そんなに日にちはもちませんので、全般的な政策とあわせながらこの備蓄を摩擦解消のために使っていく、こういうことになろうかと思います。
#36
○小野委員 備蓄問題に入りますけれども、所要原油量の一〇〇%近くを輸入しておるわけですから、国民生活、国民経済保障のためには一定数量の備蓄は当然であります。現在、OECDの加盟国の備蓄量は百十日から最高百五十日確保されたと報じられております。わが国の九十日あるいは百二日の備蓄数量も現実の問題としては余り過大ではないと考えていいのじゃないか、こう思います。ただ、この備蓄も現実の問題としては石油企業が中心になってこれを推進しておるわけですから、またこれを進めなければならないのも民間企業、やむを得ない実態ではないかと考えております。しかし、この事業は本来国家的課題でなければならないと考えます。国が主体になって資金的にも立地的にも考えなければならない問題であります。今後、この問題について大臣はどのような対処の仕方をいま考えておるのかお聞きいたします。
#37
○佐々木国務大臣 先ほど来お話がございましたように、備蓄はなるべく手をつけないで、多ければ多いほどいいわけでございますけれども、御承知のように、やっと去年石油新税をつくりまして、それが国家備蓄のもとになっていま備蓄がふえておるわけでございますので、大事にこれを使いたいというふうに考えております。
#38
○小野委員 いま石油民間企業が九十七日の備蓄をしておるわけですので、国はわずかに七日しかしておりません。しかし、これ以上の備蓄をするとすれば、やはり民間企業に努力していただかなければならないわけですけれども、当然それらの輸入原油はコスト高になってまいります。したがって、これだけ原油が高騰してまいりますと、石油製品を抑えるために備蓄は国家の任務として行う必要が出てまいってきた、こう考えるわけで、国家備蓄、公団備蓄についてどのような対策をお持ちなのか、どういう計画をお持ちなのか、資金的な面、立地的な面を含めてお聞かせ願いたい、こう思います。
#39
○神谷政府委員 御指摘のように、備蓄につきましては、民間備蓄と、さらにそれを上回るものに関しては国が直接これを備蓄すべきであるという考え方、これは大方の御意見だろうと考えております。したがいまして、まず九十日のレベルまでは民間で積み増しをする。このために必要なタンクその他の資金に関しては開銀の融資その他で援助をし、あるいは共同備蓄に関しては公団の出資等も考えておるわけでございます。ただ、これを無制限に増大させることは不可能でございますので、これを上回るものに関しては国家備蓄で対処してまいりたい、こういうことでございまして、現時点におきましては二千万キロリットルの備蓄基地を建設するための準備に差しかかっております。さらに明年度の予算におきましては、われわれはこの規模を三千万キロリットルまでアップするための調査の予算の要求もいたしておるところでございます。現在持っております七日分のタンカー備蓄はこれのつなぎと考えておりますので、陸上恒久基地ができました際はこれに移しかえるという考え方でございますので、七日分は、一千万キロリットルをいつの消費ベースでとるかは別といたしまして、将来の消費ベースでとりますと十日分以上になりますので、七日分を十日分、二十日分、三十日分というふうに引き上げて、国全体としても百二十日分ぐらいは持ちたい、こういうふうに考えております。
 当然のことながら、国家備蓄に関しましては全額国の、公団の資金でこれを行う予定でございます。
#40
○小野委員 いま民間備蓄九十日という数字が明らかになりましたけれども、この数字の根拠は何なのか、算定の基礎を発表していただきたいことと、それから昭和五十四年度、本年度の公団備蓄の陸上基地造成ですか、この作業状況がありましたら、具体的に明らかにしていただきたい。
#41
○神谷政府委員 民間九十日備蓄、これが幾日がよろしいかというのは非常にむずかしいわけでございまして、多々ますます弁ずと申しましても、なかなかそうもまいりません。基本的には、先生先ほど御指摘のような海外の備蓄状況であるとか、その他、先ほどのランニングストックがどのぐらいであるとかいうようなものを勘案しながら決めることでございますが、九十日とはっきり決めましたのは、IEAでこれだけやはり持ちましょう、こういう一応国際的約束になっておりますので、ここまではやはり民間の努力でやってもらおう、こういうことでございます。
 それから陸上の状況はどうなっておるかということでございますが、すでに本年初めに陸上四カ地点の精査を行いまして、陸上と申しましても、そのうち二つは洋上備蓄でございますが、恒久備蓄基地四カ地点の精査を行いました。候補地点は、むつ小川原、福井新港、白島、上五島――白島、上五島は洋上備蓄の候補地でございます。それらにつきまして一応の調査、さらには建設の際に必要な漁業調整等に今日まで時間を費やしてまいりましたが、むつ小川原につきましては、十月一日正式に着工地点として決定をいたし、現在用地造成中でございまして、本年度中にはタンクの発注まで持ってまいりたいと考えております。
 福井は現在漁業調整中でございます。
 上五島、白島につきましては、何分にも初めての洋上備蓄という方式でございますので、一応の調査は大学の先生あるいは専門家に集まっていただいて行いましたが、さらに慎重を期するために海底のボーリング等を補完調査として行い、運輸省その他にも技術的な調査を追加してお願いをいたしておりまして、その結果もまとまりつつございますので、現在並行して地元の漁業関係者との調整を進めつつある、こういう状況にございます。
#42
○小野委員 昭和五十四年度の石油精製業設備投資計画の総計は千三百四十六億、そのうち蓄油施設に投資される計画のものはその六四%に当たる八百五十九億円が計上されております。一方、国の五十四年度予算で石油備蓄増強対策補給金は約百五十一億円にすぎません。しかもこの特別会計の大部分は公団備蓄のためのものです。
 なお、五十五年度の予定備蓄量から見れば、五十三年度比の備蓄能力の不足は八百二十八万キロ、原油タンク能力換算で一千七十万キロです。この事実は通産当局は十分御承知のことと思います。この石油安定供給のために欠くことのできない備蓄施設の現状と備蓄数量のギャップ、要するに新しくつくらなければならない施設の容量とその対策について新年度予算にどのような要求をなしておるものか、聞かしていただきます。
#43
○森清説明員 御説明申し上げます。
 石油の備蓄施設の設置すべき必要容量と申しますものは、石油備蓄法に基づきます「石油備蓄目標」というところに出されておりまして、現在出ております石油備蓄目標では、昭和五十五年度から五十八年度までの間に、トータルにいたしまして約千五百万キロリットルの石油貯蔵施設を設置すべきものとされてございます。
 一方、これに対しまする私どもの予算措置といたしましては、五十四年度、現行の予算で概略の数字だけを申し上げますと、先ほど先生が御指摘になりました民間九十日備蓄に対しまする利子補給といたしまして、石油備蓄増強対策補給金ということで百五十一億円、それから共同備蓄会社出資金といたしまして二十三億円、公団備蓄事業出資金、これは国家備蓄の関係でございますが、三百三十八億円、それからこれは国家備蓄、タンカーをチャーターしてやっておりますいわゆるタンカー備蓄、こういうものに要する経費として出しておりまするところの公団備蓄事業費等交付金、これが四百二十五億円、さらにタンカー備蓄として公団が保有しております原油購入資金に対する利子補給としまして七十九億円、その他若干の調査費等がございます。さらに備蓄対策の特別の交付金としまして、石油貯蔵施設立地対策等交付金、これが百五十四億円、トータルとしまして千百八十七億円を石特勘定で計上負担してございます。そのほかに財投関係も、先ほど私どもの部長から御説明申し上げましたように、開銀、沖縄公庫あるいは石油公団からの直接の融資等々ございまして、相当な金額をまた財投に仰いでおります。
 以上でございます。
#44
○小野委員 確かにそのように予算には計上されておりますけれども、問題は石油計画を見ますと、要するに五十五年度の九十日を備蓄しなければならないのに対しての不足分というのは約四百万キロ、五十六年度で四百四十万キロ、五十七年度で三百九十万キロ、五十八年度で三百十万キロ、こういう計算が明らかになっておりますけれども、その予算で十分新しい備蓄する容量が確保される、こういう予算になっておるのかどうかお聞きします。
#45
○神谷政府委員 備蓄計画によりまして新たに新設をしなければならないタンク容量は、これは主として民間備蓄の関係でございますので、やはり民間の資金を主体にいたしまして、先ほど申し上げました開銀融資あるいは石油公団による共同備蓄会社に対する出資等によって、企業努力を待ちながら建設をしてもらわなければならない、こういう状況でございます。
 これにつきましてはいろいろの御意見もございますが、やはり最小限世界の国が持っている程度の九十日の備蓄というものは、石油製品のコストという形でこれは織り込まれて、関係者すべてが負担をしていく。しかし非常に急激にこれを上昇させていきますので、国として開銀融資その他によってできるだけの援助をしていく、こういう思想でございますので、やはりその必要量に応じて必要な予算はわれわれとして財投面あるいは必要な補助金面などで確保をしてまいりたいと考えております。
#46
○小野委員 次に、いま国民は灯油の価格あるいは石油製品の価格に大きな不満、非常に納得がいかない。その一つの原因に為替差損がございます。そのときどきの為替の変動によってコストが上乗せになるというのでは、まことに困った事態であります。したがって、この対策について通産なり企画庁ではどのような対策をお持ちなのか、考え方をまずお聞きいたします。
#47
○正示国務大臣 先ほど松浦委員にも申し上げましたが、私どもはどこまでも為替レートを安定的に持っていくということを目標にいたしております。それからさしあたりといたしましては急激な乱高下でございますが、これに対しては日本銀行が介入をしておるわけでございます。そういうことを努めていきまして、これから日本経済あるいは財政を含めました日本全体の対外的信用また対内的な信頼感、こういうものを確立していくということが非常に大きな政策でございますので、先般も、来年度予算には一兆円の国債発行を減らす、こういうことを大きく打ち出したわけでございます。また、行政改革を進めるとか、高度成長時代のぜい肉というか肥大した体質を思い切ってこの際縮減していく、こういうことも結局大きな意味においては円の対外的な信用を高める大きな政策であると考えております。
 松浦委員から、それじゃどのくらいにするのだという突っ込んだ御質問があったのですが、これはなかなか私が言えるものではございませんけれども、いま小野委員が御指摘になりましたように円の為替レートが低下したことが日本の卸売物価に影響しておる、現在の大体四割くらいはそういうことではないかと言われておるわけでございます。この影響を何とかして排除していくように、いま申し上げた財政、金融、産業、労働、あらゆる政策の面で努力していくように考えておるわけでございます。
#48
○小野委員 差益や差損が経済循環の中で長期的には吸収されるのが最も好ましい形だろうと思います。したがって、寡占価格が形成されておったりしてはそれが吸収されないわけです。したがって、現在の石油事情その他を考えますとその可能性は非常に小さいのではないか、私はそう考えます。したがって為替変動対策について、特に原油輸入について為替変動準備金制度あるいは為替差損益を三年間プールする制度あるいは自由化に対する差損益の調整商慣行を実行する、あるいは国が為替調整などを行う、具体的な提案がなされておりますけれども、これに対して企画庁ではどの方法が最も有効だと考え、あるいは検討した事実があるのかどうか、お聞きいたします。
#49
○神谷政府委員 為替によりまして非常に大きく影響を受けます商品の一つが原油でございますので、私どもといたしましてはいま御指摘のような問題につきましてかつて何回か検討を内部でもいたしましたし、関係者の御意見も聞いてみたわけでございます。
 実は調整金あるいは準備金といったような考え方は価格の変動をなだらかにする意味で非常によい方向を目指した考え方と思うのでございますけれども、ただ他方、いろいろなデメリットもございまして、たとえば円高になった場合に製品価格を下げないでどんどん企業の内部に積み立てていけ。それが果たして今度はいつどういうふうに取り崩されて、どういうふうに価格に還元されていったかというようなことを、公的にある程度介入しないでそれの準備金のみを設けるのはおかしいじゃないかというような意見になりますと、これはすべての国際商品に関して価格介入を行いまして、非常に硬直的な経済運営をとらざるを得ないというような考え方もございますし、またわが国のような体制で先般の円高の際の議論をいろいろ勘案いたしますと、将来のためだからといって積み立てておいて値下げしない、あるいは国民に還元しないということを国民のコンセンサスとして認めるのかどうかという点についても、まだわれわれとしては十分の確信も得られません。種々問題もございますので、一時かなり研究が進みましたが、現時点ではなかなかむずかしい、こういう考え方になっております。しかし、御指摘の問題でもございますし、われわれ非常に大きく重要な影響を受ける問題でもございますので、引き続き勉強させていただきたいと思います。
#50
○小野委員 国民にとって、コストアップによって商品価格が上がるならまだ納得しますけれども、その他の要因によって小売価格に転嫁されるということになりますとまことに不都合だと感じる以外に方法はないわけですから、それらの国民の不安に対して、あるいは納得できないことに対して政府がもう少し積極的に研究し、対策をつくるべきだという考え方をお願いしておきます。
 最後に灯油価格の問題に入ります。
 いま輸入原油の高騰によって石油製品の値上がりは大変なものであることはだれもが知っておるところです。特に灯油の値上がりは国民の大きな不満と納得できない点を如実に示しております。国民は標準価格の設定を希望しております、あるいは法律の発動を求めておりますけれども、政府は市場価格にゆだねる一本やりの答弁です。
 過去、政府が法律に基づいて石油製品価格にかかわった例としては、石油業法に基づく標準価格の設定は、昭和三十七年の十一月から四十一年の二月までと、昭和五十年十二月から五十一年の五月までと、国民生活安定緊急措置法による昭和四十九年一月から五十四年の六月までの三回になっております。現在石油事情はこの三回の例に近い状態に置かれておりますけれども、政府は法律の発動を実行する気配が全然ありません。要するに過去三回の介入によってどのようなデメリットがあったか国民の前に明らかにして――国民にとって不利な条件であるから介入しない、こう判断せざるを得ないのですけれども、過去三回の政治介入によってどのような不利益が国民経済の観点から生まれておるのか説明願います。
#51
○神谷政府委員 特にわれわれが最も身近なものとして、現在の政策を進めます際の反省材料としておりますのは前回のオイルショックでございます。このときの反省をいたしますと、一つはやはり情報の収集に十分でなかった、短期的な変動を長期的要因と見誤って右往左往した、それから海外のコストアップ要因が人為的に容易に抑え得るというふうに考えたという点など幾つかございますが、一音で申し上げますと、前回と今回で特に違っておりますのは、前回は狂乱物価の後にオイルショックが参りました。もうすでに経済は過熱いたしておりましたし、スパイラル的な物価上昇のおそれもあるところに、第二弾としてオイルショックが訪れた、こういう状況でございました。しかも初めてに近い経験でございましたので、価格をある程度人為的に抑える、こういう対策をとったわけでございますが、それによって得たいわゆる社会の混乱といったものは、後々振り返ってみまして、原油の需給その他の変動から見ますと、余りにも犠牲が大きかったのではないか。現在の時点を考えてみますと、マクロ的に世界の原油は一応均衡をしておる。しかも日本におきましては、いろいろな努力をし、やはり多く欲しいと思えば若干値は高くなりますけれども、その辺のメカニズムを活用しながら量は何とか確保できる、こういう状況にございますので、この状況のもとにおいて人為的に価格を抑制した場合に起こり得ることは、結局国内に原油が入ってこなくなって需給ギャップを人為的に広げることになり、ますます混乱が拡大するというのが第一でございます。
 第二に、特に特定商品について価格介入を行った場合には、石油製品間の需要のシフトが起こりまして、これまたその商品をめぐって非常に大きな混乱が起きる、こういうことでございますので、海外のインパクトを受けてやむを得ず上がっておる限りにおいては、やはり価格メカニズムを活用し、これは適切に反映していきながら、必要最小限度の原油を確保するという体制が最も適切と考えております。これに対処する方法としては、一にも節約、二にも節約で、高い原油を引っ張ってこなくても済むように、できるだけ需要面の吸引力を少なくするという対策をとることが、現時点では最も適切な対策と考えております。
#52
○小野委員 要するに、現在の石油製品の価格体系は法律の適用によって不自然になっておる、こう結論的に言っていいわけですか。もしそうであるとするならば、これから原油の高騰によってもたらされる新価格体系をつくり直す準備をしなければならないと思うのですけれども、それはどう判断いたしておるのですか。
#53
○神谷政府委員 価格水準の問題と価格体系の問題が二つ価格問題に関して御指摘のようにあろうかと思います。
 それで、価格水準に関しましては、われわれ元売り仕切り価格における監視というものを通じながら適切な段階にこれを抑制をしておる。要するに異常なスパイラル的な上昇を防ぐ努力をいたしております。価格体系につきましては、われわれの基本的な考え方は、石油が連産品であるという考え方から、やはり市場の需給関係によってこれを落ちつくべきところに落ちつけるということが必要であり、それに人為的に介入する場合には、先ほど申し上げましたように、特定の石油製品に異常な需要が集中をし、結果的に国内の需給関係を混乱させると思いますので、それが適切かと考えております。
 それで、その価格体系はいままで人為的にゆがめられておると考えるかどうかということに関しましては、一部、先般のオイルショックのときに灯油価格を凍結したがためにこれが人為的にゆがめられ、その後遺症によって灯油の需要が本来あるべき姿以上に上昇したという御意見があることは、われわれ十分承知しておりますが、現時点の価格体系が特に大きくゆがめられておるとは考えておりません。したがいまして、本来この価格体系も市場の実勢にゆだねるというのが一つの考え方かもしれませんけれども、現時点においてはほとんど値上げは等額方式で行われておりますので、大きく価格体系を崩すような形ではなしに進められておるというふうに了解しております。
#54
○小野委員 いま政府が価格体系に介入すると原油が入ってこない、そういう答弁がありました。十二月五日の朝日新聞によりましても、予算委員会で通産大臣は、価格統制を行うとメジャーからの供給に影響し、数量の確保に懸念があると答弁しておりますけれども、そういう事実はあるのですか。もしそういう事実があるとすれば明らかにしていただきたい。大臣、お願いします。
#55
○神谷政府委員 メジャーからの圧力がかかるという報道を私も読みましたが、正確に申し上げますと、圧力がかかるというようにはわれわれ考えておりません。圧力もなしにほかに行ってしまうと考えております。したがいまして、現時点ではメジャーからそういう圧力はかかってきておりません。
 一言で申し上げますと、メジャーは各国にアフィリエート、子会社、系列会社を持っており、調達した原油をしかるべく配分をしております。その配分の仕方としては、歴史的ベースあるいは経済的ベースというのが考えられまして、歴史的ベースは、どちらかと言えばその市場を非常に重視する場合には、一時的にやや不採算であっても、長くその市場を失わないために、かって供給しておった一定量のもの、ある程度の水準のものは供給するというのが一つの考え方でございます。経済的ベースは、やはりもうかる市場に流す。これは企業として当然の行為だろうと思いますが、そういう流れ方が一つございます。
 これがあるところでバランスしておる限りには、日本はやはり大きな市場でございますので、油は流れてくると考えておりますが、他の国との格差が余りに開けば、油はほかの方に流れていくという可能性を大臣が申し上げたわけでございまして、メジャーは、けしからぬから上げさせろとか言わぬで、黙って油の流れを変えると言った方が正確かと思います。
#56
○小野委員 社会党の政審が灯油の小売価格を算定しておりますけれども、十八リットル当たり九百八十七円、これはFOB平均十月として一バレル当たり二十一ドル四十セント、これを基礎にして小売マージン、配達料を含めて二百二円で算定いたしましても九百八十七円が適正価格ではないのか、こう計算されております。ところが、今回の値上げ以前の国内の灯油価格は、十八リットル千百円から高いとところで千二百円に設定されております。したがって、先ほど申し上げましたように、灯油は生活必需品になり公共料金的な性格を持っておる現在、単に価格体系を乱すという観点からだけで標準小売価格設定に介入しないというのは、灯油の持つ意味を十分理解しておらないのではないか、こう考えられますけれども、公正な価格あるいは流通をつくるために大臣は、長官はどのような対策をこれから当局に指示し検討するおつもりなのか、説明願います。
#57
○佐々木国務大臣 先ほど来御説明しているように、ただいまの段階で標準価格等つくりまして価格統制等に一歩踏み出すということは、その時期でもございませんし、またその必要もなかろうと思っています。先ほど説明申しましたように、国際的に非常に流通機構の変動を来たしておる最中でございますので、まず何よりも需給関係を崩さないというのがいまの日本にとって一番必要なことでございますから、その点にウエートを置きまして、まず需給関係を確保するというその第一義的な方針で進めておりますので、その面を崩すということは価格問題の将来にえらい禍根を残しますので、そういうことでただいま進めておる最中でございますから、標準価格等この際踏み切るということは考えてございません。
#58
○小野委員 価格介入はする意思がないようでありますので、国民が納得できるような方法として、現在、家庭用灯油の流通状況及び価格形勢は完全な売り手市場になり、消費者は販売店の選択の自由を完全に奪われております。自由経済が事実上停止しておる状態と考えて間違いありません。特に今回の値上げは、前日夕刻電話で通告して翌日から値上げするという、きわめて異常な事態でありまして、商慣習上も公正取引上も問題があります。特に共同購入の場合には利用者と協議して価格を決めなければなりませんから、最低一カ月以上の猶予が必要であります。こうした元売りの態度に対して納得できるような行政指導を行うべきだと考えますけれども、価格に介入しなくてもこの程度のことはできるわけですから、実施するつもりはございませんか。
#59
○神谷政府委員 元売り仕切り価格の引き上げに関しまして、できるだけ前広に連絡をすべきであろうという御意見、私もそのとおりと思うのでございますが、他方現在のように、われわれとしては供給の万全を確保するという体制で進んでおりましてもやはりタイト感はございますので、ともすれば不安感を醸成しやすいときに上げるぞ、上げるぞというようなことを余り前広に広げますと、物の流れが非常に悪くなりますので、われわれとしては余り前からそういう放送をすることは適当でないとも考えており、その点非常に苦慮しておるところでございます。
 ただ、今回比較的通報と申しますか連絡と申しますか、それが特約店等について短かったのは、私どものヒヤリングが少し時間をかけ過ぎたせいかと考えておりますが、この点、われわれとしてもできるだけじっくり聞きたいことは聞かなければならないと考えておりますので、ややショートノーティスになるようなところがあったかと思っております。今後こういう事態はできるだけ早くなくしたいと思いますが、繰り返さないように努力してみたいと思っております。
#60
○小野委員 国民に対して親切なる行政を心からお願いしておきます。
 もう一つは、気温が需要と直接連係する灯油でありますから、月ごとの前年実績主義では明らかに矛盾してまいりました。現在の在庫量から見て、月ごとの枠を取り払って、一シーズン制で実需要にこたえるというような方法をとらなければ非常に不合理が出てまいりましたけれども、このような行政指導を通産なり経済企画庁が行う意思はございませんか。
#61
○神谷政府委員 私どもといたしましては、月ごとの前年同期比でやれというような指示は実はいたしておりませんが、元売りの中にもいろいろなばらつきがございまして、原油獲得の非常に困難な元売り、これはやむを得ず生産を前年よりも若干下回って、しぼっておるようなところもございます。この種の元売りに対しましても、在庫等を使って需要期はできるだけ物を出すように指導をいたしておりますので、ユーザーの方の引きが強い場合には、月ごとに実績等をかなり厳しく言うものも出てくるかと思います。また、そうでなく、前年よりプラスアルファ生産しておるところには、その形でできるだけスムーズに出すよう指導をいたしておるところでございまして、月ごとの実績云々などというような状況が一日も早くなくなるようにしたいと考えております。
#62
○松浦委員 いまの答弁に関連して、ちょっと両大臣にお尋ねをしておきます。
 メジャー系から輸入される原油というのは、御承知のように一定の契約で入ってきますから、メジャー系列の原油価格というのは、常識的に考えて輸入されてくる価格は非常に安いです。それから、民族系は恐らくスポット買い等をしておりますから、入ってくる原油価格というのは非常に高いですね。ですから通常自由競争段階であれば、安く入った原油というのは、末端まで来た場合には安い価格で消費者に売らなければならないはずでしょう。理論的にそうでしょう。うなずいておるからそのとおりだと思うのだけれども、それが末端価格では同じように千二百円で売られておるところに問題がある。いま小野議員が指摘しておるように、自由競争でありながら末端価格は、カルテル行為が行われておるということを言うつもりはありませんけれども、何らかの形でそういうカルテル行為が行われておる。ですから民族資本ももうけるような仕組みで、高い原油を輸入してきてもなおかつ利潤が上がるように最終末端価格は決められていくのですよ。だから、メジャー系列の資本というのは莫大な利潤をアメリカ本国等に持って帰るでしょう。末端価格が同じなんだから、コストの安い原油を輸入すれば輸入するほど利潤はふえていく。だから、高い原油を輸入しておる民族系までもうかるような仕組みにしておるところに問題があるのですよ。だからみんなが高い原油を買わされるのでしょう。そういうものについて、ただ市場原理を動かしておりますということでは消費者は納得しません。
 両大臣、この問題は、これから寒さに向かってふるえておるのだから、これからも続きます。あなた、北海道などは何とドラムかん十本たくのですよ。そういう条件にある人たちのことをもっと温かく考えてもらいたい。いま小野議員がやさしく指摘しておったら、大臣は一つも答えずに部長ばかり答弁をしている。そういうことでは国民は納得しないですよ。たくさんの傍聴者もおられるのです。国民も聞いておるのです。物価担当大臣、主管である通産大臣から、こういった問題について一体どうするのかお答えいただきたい。莫大にもうけておるやつが片一方におるわけだから、そういうものを自由競争原理に任せるというのなら安く売れるはずなんです。そういう問題のどこに矛盾があって、その矛盾をどう解決しようとするのか、その点を両大臣に明確にお答えいただきたい。小野委員は今度初めての委員ですが、あなた方、議員が新人だからと思ってなめたような答弁をしておったら、おとなしい小野議員だって必ず反発しますよ。明確に答弁してください。両大臣お願いします。
#63
○神谷政府委員 その前に、まず一言御説明をさせていただきたいと思います。
 石油製品はたくさんございまして、たとえば一部ガソリン等の製品に関しましては、すでに市場メカニズムはかなり働き始めておるというふうに私どもは考えております。
 本来的に申し上げますと、ただいま松浦先生の御指摘になりました元売りの格差があった場合に市場価格はどうなるかということに関しては、経済が完全に円滑に進みますと、一物一価の原則で末端価格は当然一本になるというのが実情でございまして、そのときの水準がどの程度にあるのかというのはそのときの客観情勢によって異なってくると思っておりますが、今日、元売り価格の差が出ておりますために、われわれといたしましては、末端がどのように推移しておるかは常時ウォッチをいたしておりますけれども、末端の灯油の小売り価格は、流通形態の差によりまして通常でもある程度の分布がございます。その分布の幅が特に大きくは広がっておりませんが、分布の山がなだらかになっておる、こういうような形でございます。したがいまして、元売りの差が末端においても相互にある程度影響をしておるというのが一点。第二に、低い元売りが価格を設定することによりまして、高い元売り、あるいはその他の流通業者が十分理論的あるいは望むだけの価格形成を必ずしもなし得ないという牽制的な効果を持っておるわけでございまして、この点、一本の価格形成にはなっておらないにしても、一定の効果は価格形成に与えておるものと考えております。
#64
○佐々木国務大臣 先ほど来るる説明しておりますように、たとえますれば、今年度、五百四十万バレル・パー・デーの中で、原油とおぼしきものは四百八十万でございますけれども、メジャーの扱いとDDあるいはGGとの比率を考えますと、メジャーの方がはるかに多いわけでございます。約束どおり流すかどうか確かではございませんけれども、メジャーが系列に対して、少なくとも本年度百四十万の供給予定のところ、あるいは百万を切られるのではないかという状況に立ち至っております。系列の方に流すことも、価格いかんによりましては黙ってよその国に流れてしまうという危険性も多分にありまして、わが国といたしましては、何はともあれまず供給を確保することが最大の任務であると、いま大臣として心得ております。もし供給が不十分だということになりますと、恐らくはこの前の第一次オイルショックと同じような一つの価格的な変動を来すおそれがございますので、何はともあれ供給の確保ということに専心しているわけでございます。
 そこで、いまお話のございました民族会社と外国のメジャー系の系列会社との間に差が起きてきはしないかという話でございますけれども、その点はただいま部長からお話しございましたように、元売りで仕切る際には、コストその他を十分勘案いたしまして、間違いのないように一応の指示をしてございますので、それが末端価格に参りまして大きく狂ってくれば大変問題だと思いますけれども、小売価格、卸売価格では大きい狂いがないということで、価格統制等に踏み切るよりはまず供給を確保するという方に主力を向けるのが賢明じゃなかろうかと思っております。
#65
○正示国務大臣 物価担当の立場にございますから申し上げますが、私の方は、関係省庁、石油関係は通産省、エネルギー庁、ここで最大限度の努力をしていただく。まず原油を確保する、しかもできるだけ安い価格で入手していただくようにやっていただく、それから元売り会社が仕切り価格をした場合は、それが末端にどのくらいで行くかということをよく調査してトレースしてもらっている、それぞれの物資の所管庁で非常によくやっていただいておるから、先ほど申しましたように、消費者物価は当初の見積もりのようにいく、これが私どもの方のあれなのです。
 それから、いま小野委員がいろいろお述べになりましたような不当な取引、たとえば抱き合わせであるとかいろいろなことが起こっておるとすれば、これはいまお見えになった公正取引委員会で見張っていただく、また通産省もモニターをたくさん持っておちれて、われわれの方でも地方公共団体とも連絡をとって常に情報を集めてやっておる。それから、最終的に御心配の、そんなことを言うけれども、安いところはうんともうけるじゃないか、それには税務当局が目を光らせておりますから大丈夫でございます。
#66
○小野委員 最後に長官、いま灯油は、第六次値上げによって千三百五十円になりました。その前は、東京で千二百円、東北地方、北海道で千百円でありましたけれども、千三百円の灯油は高いのですか、安いのですか。
#67
○神谷政府委員 先ほど申し上げましたように、平常時におきましても灯油の末端価格は上下十数%の開きがあるという分布曲線であるのが通常でございます。したがいまして、中心値からかなり離れたものも流通形態その他特殊事情によって出てまいりますので、いま御指摘のような特定の価格が高いか安いかと申し上げますと、その辺を勘案して物を言わなければなりませんし、そのときの提示された数字によりまして、それはまあまあ仕方がないだろうと言いますとみんなそこへ張りついてしまいますので、私どもはその種のコメントは避けさせていただいております。
#68
○小野委員 公取の委員長もおいでになっておりますので、一物一価について、いままでの議論をお聞きになったと思いますので、御意見をお聞きいたします。
#69
○橋口政府委員 価格の問題でございますから、一物一価がいいかどうかということに一般的にお答えすることは大変むずかしいと思います。地域によって格差の出る場合もございましょうし、あるいは輸送費その他で合理的な理由によって全国的な統一価格が破れる場合もあるかと思いますが、一物一価がいいかどうかということは一概にお答えしにくいことでありますし、経済学の立場で申しますと、一物一価というのは、いわば均衡状態によって生ずる価格でございますから、そういう完全競争の状態が失われているような場におきましては必ずしも一物一価ということにはならないのが経済の実態ではないかと思います。
#70
○小野委員 灯油はいかがですか。千二百円という価格が全国的に出ておりますけれども、これに対する公取の考え方は。
#71
○橋口政府委員 特定の物資についての価格の水準につきまして、公正取引委員会として意見を申し上げる立場にはございません。
#72
○井上委員長 長田武士君。
#73
○長田委員 初めに経済運営についてお尋ねをしたいと思っております。
 昨日、七月から九月の期間における国民所得の速報が新聞紙上で発表されております。これによりますと、成長率は前期に引き続いて実質一・八%、高い水準を示しております。しかし、七月から九月期の実質の成長、中身では個人消費の伸びが前期に比べて減少しております。逆に経常海外余剰が大幅に伸びておるわけであります。輸出依存への傾斜を非常に強めておるわけでありますけれども、こうした輸出依存に対して、かつて経済摩擦の問題がございましたけれども、そういう傾向にだんだん流れていくのじゃないかという点を私は懸念いたしております。経企庁長官、どうでしょうか。
#74
○正示国務大臣 これは先ほどもお話がありましたように、最近の私の方の資料を分析されましてマスコミの優秀な記者諸君がいろいろ報道されたので、私は大変注目しておるわけでございます。いまお話しのようにだんだんと輸出力が出てきた。これは円安も響いておることは、長田委員御承知のとおりであります。ただ、いままで個人消費なり設備投資が相当高いレベルにきておるのでございます。それを前期と比較して伸びがどうだ、こう言うのでございますが、輸出の方はわりあい低い水準からある程度高まっておる、だから伸び率は高くなっておる、こういうことを優秀な記者諸君が特に大きく報道、解説されるものですから、その点が非常に注目を引いた、こういうふうに私は考えております。
 それじゃ、これからどういうふうになっていくか。国際収支改善ということは非常に大事な面でございますから、輸出もほどほどに伸びていくことは非常に結構でございます。しかし、いま長田委員が言われたように、その結果として国際摩擦を生じては本当に困るのでございます。かつての日本のいろいろの苦い経験を持っておるわけでございますから、その点については各業界ともにこれは十分体験を持っておられるだけに警戒をしていくものと思いますし、政府としても、通産当局その他でも十分配慮されまして適切な、輸出ドライブなんということにならぬような指導をしていただけるものと考えております。
#75
○長田委員 実は私、七月にアメリカを訪問しましてSTRの代表と会ってまいりました。そのときに、やはり日本に対する不信というのはそういうことが根底になっておるのですね。日本といたしましては当然石油を輸入しなくちゃならない、そういう立場でございますから、アメリカに、輸出が多少オーバードライブがかかっても理解してほしいということを私たちは主張したのですけれども、その点はなかなか理解を求められなかった、そういう経緯から私たちはちょっと懸念をいたしておるわけであります。
 それでは通産大臣にお尋ねをいたしますけれども、きょう電電公社の問題で日米政府間交渉が外務省で行われていますね。そこで、輸出依存という現状が続く限り日米間の経済摩擦というのは再燃することは当然だろうと思うのです。そこで、電電公社の資材調達問題についてもアメリカ側は繰り上げ決着を求める意向が非常に強いようなニュースが流れております。こうした状況下にありまして日米経済摩擦の再燃が懸念されておりますけれども、これに対する対応を、通産大臣どうでしょうか、お考えを……。
#76
○佐々木国務大臣 私はけさから国会に参りまして、お話しのような情報は的確にはつかんでございません。しかし、なるほど円安のさなかでございますので、対米輸出もある程度伸びつつあるのじゃなかろうかと思います。しかし、従来のような日米摩擦の起こらぬように十分注意をして、必要性があれば事前に対策を講じたいというふうに考えます。
#77
○長田委員 原油の高騰や円安傾向あるいは公共料金の値上げラッシュなどによって来年は大幅な物価高騰は避けられない状況だろうと私は考えるのです。この物価上昇を抑えるためには、政府も公定歩合の引き上げとかそういう措置をとっておるのでありますけれども、物価の先行き次第ではさらに金融、財政両面からの引き締め政策が当然必要ではなかろうかと考えております。そうしますと国内需要が不活発になるのは当然でありまして、わが国の経済は輸出依存が強まることは当然だろうと私は考えます。
 そこで政府は、国内消費が順調に伸び、あわせて物価の安定が図られるような適切な対策が早晩必要だろう、こう思いますが、長官どうでしょう。
#78
○正示国務大臣 私どもいま一番力を入れて取り組んでおる問題もやはりその点にあるわけでございます。ことしから来年にかけての物価の先行き――いままでは大体景気と物価を両にらみにしながらということを言ってきたのでありますが、第二次大平内閣の組閣に当たりまして期せずして、経済関係閣僚はみんな物価の方にどうしてもこれからウエートをかけてまいります――これは別に打ち合わせしたわけじゃないのであります。綱紀粛正とか行政機構改革は総理から特に御指示がありましたので、これはみんな心得ておりましたが、たまたま個別的に記者会見をした連中がみんなそろって、物価にこれから重点を置いてまいりますということを言ったのは、私はこの内閣の一つの大きな性格を示しておったと思うのです。いま御指摘のように、また、われわれ先ほど来松浦委員あるいは小野委員にお答えをいたしましたように、これは非常に大事な問題でございます。そこで、関係当局みんな一致してやっておる。また日本銀行は、いまお話しのように三度にわたって公定歩合の引き上げをやったわけでございますが、これも物価、いわゆるインフレマインドですね、これに水をかけた効果は非常に大きかったと思うのでございます。財政金融当局は、財政は再建の第一年度であるということで財政についても大いに健全化を図ろう、こういう心組みでおりますし、日本銀行におかれても、これからさらに円レートの問題、また国内のインフレの動向、そういう点については細心の注意を払って、政策の誤りなきように努力すると思います。私どもも、先ほど申し上げたように、内閣を挙げてこの問題に取り組んで、何とかして来年度も余りひどい消費者物価の騰貴、それの原因をつくる卸売物価の騰貴のないようにいたしますが、ことし四・九%の見通しが達成せられたからといって、そのとおりにまいるというふうには私は断言することをはばかるわけでございます。
#79
○長田委員 卸売物価の高騰や原油価格の高騰、あるいは円安による輸入価格の高騰などによって、来年一月から三月ごろは、消費者物価も現在の四%台からさらに上昇するというようなことが懸念されております。恐らく七%から八%ぐらいは行くのじゃないかというふうに懸念されておるわけであります。こうした物価上昇は直接的あるいは間接的に景気の動向を左右するものでありますし、その動向には真剣な取り組みが必要だろうと私は思うのです。
 そこで、物価情勢について何点かお尋ねしたいのであります。
 初めに、卸売物価は、本年度第二・四半期の上昇率は年率で約二一%に達しておりますが、本年度の上昇率はどのくらいになると予想されておるのか、また、予算編成中でありますが、五十五年度はどのくらいに見込まれておるのか、この二点をお答え願いたいと思います。
#80
○正示国務大臣 数字の方は、正確を期する意味で物価局長が後でお答えいたしますが、まず私の立場を申し上げますと、ことしの卸売物価は、当初の見通し、これは非常に低くて、一・六%、これにはとてもおさまらない。どうしても年率で一〇%くらいのところへ行くのじゃないか、あるいはそれを若干上回るのじゃないか、こんなような見通しをいま持っておりますが、さて、来年度はどうか。これは、先ほど来たびたび申し上げますように、来年度の経済見通し、物価水準、そういうものは予算編成過程で各省庁の持ち寄ったデータをすり合わせ、突き合わせて最終的に決めるわけでございます。私がひとりで見通しをいま申し上げる立場にはございません。
#81
○藤井(直)政府委員 ただいま先生おっしゃった数字は、ある期間の瞬間風速ではないかと思います。前年同期の比率で私ども数字の動きをよく見ておりますが、十一月中旬で見ますと一六・〇%でございます。
#82
○長田委員 消費者物価につきましては、十一月の東京区部の前年同期比の上昇率では、政府見通しの四・九%に迫る四・七%に上昇しております。本年度上期は二、三%台であったのでありますけれども、十一月から十二月には四%台となって、さらにこれが五%台になるのも時間の問題だろうと私は考えるのです。
 そこでお尋ねしたいのでありますけれども、五十四年度の消費者物価は政府の見通しの範囲内におさまるのかどうか、あるいは明年一月から三月の前年同期比の上昇率はどのくらいになるのか。長官どうでしょうか。
#83
○藤井(直)政府委員 五十四年度の状況につきましては、ただいまおっしゃったように十一月で四・七%ということになっておりますが、私どものおおよその見通しとしては、ことしの四・九%という当初の目標は達成できるのではないかと考えております。
 その次に御指摘になりました一−三月の問題でございますけれども、これは現在、ことしの実行計画、来年度の見通し等も含めて経済見通しの一環として検討しておるところでございますので、現在の段階で申し上げるような数字は持ち合わせておりません。
#84
○正示国務大臣 いま物価局長が申し上げたとおりでございますが、私どもは年度末で対前年度で消費者物価はどの程度の水準にいくかということを、先ほど来申し上げたように、大体当初の見積もりどおりの四・九%アップ、そこのところへおさめたい、そのためにあらゆる努力をしておる、こういうふうに御理解を願いたいと思います。
#85
○長田委員 非常に観測が甘いので、実は日銀の新総裁になられます前川さんが、ことしの九月二十六日に外人記者クラブの懇談におきまして、消費者物価の本年度末における上昇率を前年度比の七%と実は言っているのですね。そうしますと、日銀総裁の判断と経企庁の考えはずいぶん食い違いますね。長官どうですか。
#86
○正示国務大臣 前川副総裁の発言は私は存じ上げておりません。しかし、四・九%ということは、この間うち予算委員会、これは衆議院、参議院、日本銀行総裁もおいでになって、みんながその線で努力をしております。日本銀行も、公定歩合を三度にわたって引き上げたのもやはりその一環でございます。私どもは関係省庁を挙げて、公取、日銀、みんなが力を合わせて四・九%の確保にいま本当に努力をしておる、こういう状況でございますから、この点は間違いございません。
#87
○長田委員 それでは、本年度末までに値上げを予定しております公共料金、たばこが平均二〇%、健康保険の初診料が千円に値上げするほか、国内航空運賃、消費者米価、消費者麦価、このような値上げが入っておるのですか、入ってないのでしょうか。
#88
○藤井(直)政府委員 現在まで、公共料金につきまして、本年度の実績としては約〇・七%程度消費者物価に影響するということになっております。
 それで、現在国会に提案しておりますものといたしましては、たばこと健康保険、これがございます。それから、申請されまして現在政府で検討中のものといたしましては、電力会社の中で北海道電力、沖縄電力、それから国内航空運賃とあるわけでございますが、この辺につきましては、国会の関係のものは国会の方でどういう御審議になるのかということを待たなければなりませんし、それからその他の申請のものにつきましては、それぞれ実態に即して厳正に査定をするということになっております。
 そういうようなことの見通しもつけまして、年度中の見通しというものを確定するわけでございますが、現段階では、そういうようなことについて全くはっきりした見通しというものを立てる段階としてはまだ早いので、年末の経済見通しのときにはっきりさせたい。しかし、大ざっぱに、大まかに考えてまいりまして、四・九%という目標は達成できるのではないかということを考えております。
#89
○長田委員 そうすると、藤井物価局長、公共料金が上がっても四・九%でおさまるということなんですか、はっきり言ってくださいよ。
#90
○藤井(直)政府委員 いま申し上げました公共料金の中で、消費者物価への影響度の高いものはたばこ、健康保険等でございますが、これはある程度ことしの予算に織り込んだものでございますから、年度当初に予定をしておったわけでございます。したがって、そういうものが入りましても、四・九%は達成できるというふうに考えております。
#91
○長田委員 それでは、去る十一月三十七日に、物価問題に関する関係閣僚会議で八二項目にわたる物価対策を発表しておるわけでありますが、この対策では、経企庁が物価に重点を置いた政策を推進するという姿勢のあらわれではないかと私は思うのですが、その点は間違いありませんか。
#92
○正示国務大臣 経済企画庁だけではございませんので、通産、農林水産、その他経済閣僚で、まず物価関係の閣僚会議をいたしました。これは日本銀行、公正取引委員会もみんな参加していただいております。それから、閣議では総理以下全閣僚が決定について御協力をいただくことを確認したわけでございます。
#93
○長田委員 私は、物価にこだわる点は、公共料金の問題をこれから取り上げたいと思っておるからなんです。
 正示長官の初仕事となったこの八項目ですね、これを見てまいりますと、公共事業の抑制方針以外は二月に発表いたしました八項目とほとんど内容が変わってないのですね。非常に抽象的であります。私が特に問題としておりますのは、公共料金の値上げについてであります。公共料金の値上げは厳正に取り扱うと二月のときの対策にも発表いたしておりますが、来年の公共料金の値上げラッシュは一体どういうわけなのか、非常に私は理解に苦しんでおるのです。この点長官の御意見を……。
#94
○正示国務大臣 ちょっと、どういう点が御理解に苦しまれる点ですか。
#95
○長田委員 公共料金の値上げラッシュ。よく聞いていてください。
#96
○正示国務大臣 これは、公共料金は私の方でどうこうというふうになかなか申し上げかねるのでありまして、電力、ガスについては通産当局へ申請が出るわけでございます。現に北海道、沖縄がすでに出ておるわけでございます。やがてそのほかの電力会社、ガス会社の主なものが出てくるであろうというふうに報道されておるわけでありまして、私どもは通産省なりあるいは運輸省、郵政省その他から御協議がありました場合、これに対して対処する態度は、経営を徹底的に合理化しておられるか、そして料金引き上げの原因になったものに対して、合理化によって吸収できないのか、どうしてもカバーできないという点はどういうことか、一方において、電力、ガスについては、これはもう国民生活上欠くことのできないものであり、また経済活動の上においてもそうでございますから、そういうものを確保するという最小限度ぎりぎりの引き上げ要因はどの限度であるかということを的確に把握いたしまして、その限度にとどめていただくように関係当局に許認可に当たって大いに努力をしていただく、こういう態度でございます。
#97
○長田委員 続いてお尋ねしたいのでありますけれども、来年予算関連の公共料金であります消費者米価、それから麦価ですね、国鉄運賃、郵便料金、たばこ、加えて電気、ガス、NHK受信料、国内航空運賃等の値上げが予定されて、空前の公共料金の値上げラッシュなんですね。反面、最近の物価動向を見てまいりますと、卸売物価は年率二〇%台で高騰しておりますけれども、比較的消費者物価については安定しておる、といっても二、三%台ですから、卸売物価に比較いたしますと非常に緩やかなんですね。この原因についていろいろ調べてまいりますと、いろいろなことが考えられるわけでありますが、その中で最も大きな要因といたしまして、公共料金の値上げが少なかったことが要因だろうと私は考えるのです。
 そこで、経企庁長官にお尋ねをしたいのでありますけれども、公共料金と物価との関係についてどのように考えておられるのか。私はいままでの公共料金の値上げが消費者物価の高騰の最大の原因になっておる、そう考えておるのですが、長官、どうでしょうか。
#98
○正示国務大臣 そこのところを非常にわれわれはいま警戒しておるわけでございまして、これからだんだんと出てくるものについて、先ほど申し上げたような心組みでまずそれぞれの主管省庁でやっていただく、そしてそれを御協議いただくわれわれは、もっぱら物価対策という点を中心に考えてこれに対応していく、こういうことでございます。おっしゃるとおり、公共料金がいまメジロ押しという表現を使われておりますが、いろいろ出る動きを見せておりますが、それらについて、いま申し上げたように対応することによって、できる限り来年度も消費者物価の引き上げ要因にならないようにしたいと思っております。ただ、財政の面にまた非常に厳しい条件がございます。そこで、いわゆる三K問題、こういう問題については、これはまた財政当局及び主管のそれぞれの機関において、もうこれはやっぱり徹底的な経営合理化をやりながら、どうしても上げなければならぬものについては、御協議をいただいた上で相談に応じなければならぬというふうに考えておりますが、そこは決して安易に協議に応ずるという態度ではございません。それから何と言っても、長田委員ももうすでに御承知のとおりにサービス料、これは賃金というのは非常に大きなファクターでございますから、これらがなだらかな解決を見て、雇用問題にもいい影響を持ちながら経済が生々発展していく、堅実な歩みを続けていく、こういうことが望ましいことだと考えております。
#99
○長田委員 長官、私は公共料金が物価の引き金になっておると申し上げましたから、具体的な数字を申し上げます。よく聞いていてくださいよ。
 消費者物価指数と公共料金の指数について、昭和五十年を一〇〇といたしまして本年八月の時点で比較してまいりますと、消費者物価指数は一二六・九なんです。これに対して公共料金であります消費者米価は一三六・八、麦価は一三三・七、国鉄運賃は二〇三・七、郵便料金は一九八・三、たばこ代は一四九・〇、電気料金は一一九・六、ガス料金一二二・八、NHK受信料は一五二・七という状況なんです。したがって、公共料金指数は一五六・五となっておるわけですね。これを見てまいりますと、来年値上げ予定の電気、ガス料金を除きまして、公共料金のほとんどが消費者物価指数を上回っている現状なんです。しかも公共料金全体の指数は消費者物価指数を約三〇ポイント上回っております。このような事実は、公共料金を安易に上げてきたという一つの証拠になりませんか。
#100
○藤井(直)政府委員 ただいま御指摘になりました数字はそのとおりに私どもも承知しております。
 それで、ただ最近の公共料金、特に五十年、五十一年、五十二年くらいを見てまいりますと、石油ショックのときに狂乱物価を抑えるということで、公共料金をストップしたことがあるわけでございます。そういう関係で、公共料金の関係の事業についてはかなり大きな赤字が出てきているということがございますのと、それから当時設備投資も大分抑えましたので、サービスの提供も十分にいかない点が出てきたというようなこともあったりいたしまして、その後公共料金の調整をいたしました関係で、その年度に公共料金の値上げが相当大幅に行われました。そういう意味で、五十年基準でありますと、その関係からやや公共料金の方が値上がり率が高いわけでございますが、ちょっと年度をさかのぼって四十五年くらいから見たときには、ほぼ平均的には消費者物価と同じような動きをしているわけでございます。そういう意味で、狂乱物価を経過したということから、そういう数字が出てきております。
 もちろんもう一つの問題としては、個人サービスというものとの比較もある程度していかなければならないのではないか。それは、公共料金関係の事業がかなり個人サービスと似たような形態をとっております。人件費のウエートが高いというような面もありますので、そういうものとも比較していくのが適当ではないかなと思っておりますが、いずれにいたしましても、これからの公共料金について厳正な態度で対応していくということが私どもの基本的方針でございます。
#101
○長田委員 それではもうちょっと具体的に、公共料金の中でも特に産業活動の根幹とも言えます電気料金、この値上げについて他の製品の価格の値上げの口実を与えるようなもとでありますからお尋ねをしたいのでありますけれども、今日まで原油価格の大幅な引き上げにもかかわらず消費者物価がある程度安定してきたのは、電気料金の据え置き措置がとられたからだろうと私は考えるわけです。それだけに、伝えられるように今度は五〇%前後という話が実は出ておるのですね。この電気料金の大幅な値上げが行われた場合、産業界はもちろん、消費者物価に多大な影響を及ぼして家計を著しく圧迫することは間違いないわけであります。そこで政府は、五〇%前後に及ぶ電気料金の大幅値上げ申請が出された場合どのような対応をされるのか、ちょっとそのお考えを……。
#102
○佐々木国務大臣 ただいま御承知のように北海道と沖縄両電力会社から値上げの申請が出まして、せっかくヒヤリング等査定中でございます。それ以外の電力会社の方からはまだ申請が出ておりません。今年度いっぱい、三月末までは値上げはしないということになっておりますので、その方はもし仮に値上げということがあっても、四月に入った以後というように考えております。
 そこで、いま出ております北海道、沖縄両電力会社に対してどういう態度で通産省として臨むかということでございますけれども、お話のようにこれは波及効果といいますか影響力の大変大きい問題でございますので、私どもといたしましては厳正にしかも慎重に扱いたいと思っております。原価主義をあくまでも守りまして、そしてあらゆるファクターを厳密に審査いたしまして、特に企業努力がどれほど進められたかということを念を入れて検討をいたしたいと思っております。また電力料金の決め方は、御承知のように通産省だけで決めるものでもなし、MITIといたしましては大変丹念にと申しますか、たとえば公聴会を開くとか、あるいは公聴会以外にも説明会等を各地で開きましていろいろな方面の意見を聞くとか、あるいはこれを決める前に協議すると法に決められておるところとは協議をいたしまして、特に経済企画庁等々とは十分打ち合わせをいたしまして、そして念には念を入れて慎重に取り扱いたい、かように考えておるわけであります。
#103
○長田委員 伝えられるところによりますと、他の大手電力会社は大体五〇%前後申請するというようなうわさが出ておるわけでありますが、五〇%もし値上がりしたと仮定いたしますと、消費者物価にどのくらいの影響あると思いますか。
#104
○佐々木国務大臣 私どもは、五〇%値上げといううわさ等があるようでございますけれども、先ほど申しましたように直接申請はございませんので、まだ何とも申し上げられません。
 それから、電力料金の値上げが消費者物価あるいは卸売物価等にどれくらいの率で反映していくかという問題は大変むずかしい問題でございまして、むしろその方は経済企画庁の方にお尋ねになった方が妥当かと思います。
#105
○藤井(直)政府委員 仮に五〇%といたしますと、一%弱ではないかと思います。
#106
○長田委員 では前回、五十一年八月三十一日東京電力が二一・〇一値上げを行ったわけでありますが、この値上げを要因といたしまして翌月の消費者物価指数は前月比三%という異常な高騰が起こったわけであります。他の公共料金の値上げと重なりまして、九カ月にわたりまして連続高騰したわけですね。オイルショックによる狂乱物価がようやく鎮静化いたしまして前月比〇%台の状況であったものが、このような状況になりました。このことは、公共料金なかんずく電気料金の値上げがいかに国民生活に直接、間接的に影響があるかを物語っておると思うわけであります。したがいまして、ただいま御答弁をいただきましたように慎重な対応をすることは当然でございますけれども、現在の消費者物価の状況を考えてまいりますと、五十一年度の状況では済まされないと私は考えるのですが、この点大臣どうでしょうか。
#107
○正示国務大臣 これはもう大変重要な問題でございますから、いま通産大臣なり私の方の物価局長が答えましたとおりに、各方面からいろいろのデータを持って、最終的な態度を決定する前には十分調査をいたします。また、いま仰せのように、影響についても的確に判断いたしまして、いわゆることしの経済見通し、来年度における経済見通し、その中に物価が入ってまいりますが、そういうときにも十分考慮しながら、その線におさまるような政策をとっていきたいと考えております。
#108
○長田委員 物価の安定が必要であるということならば、現在政府が進めております公共料金の値上げラッシュについては当然強い姿勢で臨むべきだと私は思うのですね。赤字だから上げようという安易な考え方ではなくて、やはり物価対策の根幹になる政策でございますから、強い姿勢で臨むべきだと私は思うのです。長官、民間企業というのはもう損益分岐点の低下を目指して、それこそぎりぎりの線でやっているのですよ。そういう点を考えますと、この民間企業の努力から見れば、赤字だからといってほいほい値上げをすることは非常にうまくない、けしからぬと私は思うのですね。そういう意味で、ひとつ国民が納得いくような姿勢を示すべきだと私は思いますが、どうでしょうか。
#109
○正示国務大臣 大変力強い御激励を賜りまして、われわれ、これから公共料金の許認可及び政府の直接担当する問題につきましても、国民生活、消費者物価というものに対する影響を十分考慮して、ひとつぎりぎりまで厳しい姿勢を貫きたいと考えます。
#110
○長田委員 公共料金制度というのは、低廉な料金でサービスを行う、そして安定的に供給するということがその基本であります。そういう認識に立てば、公共料金の値上げの申請者に対しましては、まず国民の前に値上げが避けられない実態を素直にさらけ出す、むしろ独占企業であります電力、ガス等は経理の公開まで進めて、このような状態でございますという勇気のある態度が必要だろうと私は思うのです。そうしないと、国民の皆さんはなかなか公共料金の値上げについては納得できないんじゃないかと思いますが、再度御質問をいたします。
#111
○佐々木国務大臣 心構えといたしましては、あくまでも厳正に、慎重に扱いたいと思います。ただ、何と申しましても電力、ガス等は供給が不可能ということになりますと、また民生あるいは産業に大きい影響を及ぼすわけでございますので、その点も兼ね合わせて、供給は確保しつつ、値上げ幅は厳格にという態度で進みたいと思っております。
#112
○安田(佳)政府委員 補足して若干説明させていただきます。
 経理の公開という点につきましては、電気事業審議会の答申の中でも、できるだけ公開するようにという答申をいただいております。したがいまして、特に支障のないものはできるだけ公開するようにということで指導いたしたいと思っております。
#113
○長田委員 それでは次に、灯油の問題についてお尋ねをいたします。
 現在、家庭用灯油は生活必需品になっておりますし、この冬場を迎えてどうしても欠くことのできないものでございます。そこで、総理府の調査によりますと、十月の東京区部の小売物価統計を見てまいりますと、家庭用灯油価格は、十八リットル一かんが配達込みで千百四十九円となっております。さらに通産省のモニターの調査の全国平均でも配達込みで一千百二十六円という値段であります。また私の住んでおります東京都の練馬区において調べたのでありますけれども、配達込みで千百七十円どなっておりまして、前期需要期に比べると著しい上昇を示しておるわけであります。
 さらに全国の灯油価格について見てまいりますと、現在およそ千百円から千三百円前後となっておりまして、伝えられるところによりますと、石油元売り各社の第六次値上げも予定されておるなど、家庭用の灯油価格は今後さらに上昇するのではないかと懸念をされております。
 そこで通産大臣にお尋ねするのでありますけれども、現在、十八リットル一かんの家庭用灯油が千三百円台に迫ろうとしておるわけであります。また地域によっては千三百円を超えているところも実はあります。これは、原油の高騰を理由とした値上げ幅の完璧な先取りであり、便乗値上げと考えるわけであります。この点について政府はどのような考えを持っておるのか、現在の家庭用灯油を適正価格と認めておるのかどうか、この二点について。
#114
○佐々木国務大臣 去年の十月とことしの十月を比較いたしますと、原油の輸入価格は大体一九九%、ほぼ二倍に上がっております。反面、灯油の卸売物価あるいは小売物価、モニターの価格を見ますと、大体六〇%程度の上げ幅でございますので、原油がそういうふうに上がっておるならば、これはある程度やむを得なかろうというふうに考えます。しかし、その六〇%の平均値上げ幅をはるかに上がっておるような特別なケースがございますれば、これは許しておけませんので、常時厳重な監視を続けまして、異例な事態に対しましては、価格に対しましては、その都度これを是正するように、監視を緩めずにただいま進めておるところでございます。
#115
○長田委員 先日、新聞に灯油に関する投書が掲載されておりましたが、これは国民のほとんどが抱いておる疑念だろうと私は思うのです。
 ちょっと読んでみますと、「私が不思議に思うのは、イランとアメリカの経済戦争や、産油国が原油の値をアップすれば、われわれの生活に影響を受けることは逃れられないにしても、灯油の値が一挙に倍近くの値になることです。ガソリンも当初より高くなっていますが、倍ということはないようです。原油からとれるガソリン、灯油、軽油の精製率に変わりはないのに、灯油の値だけ急上昇するのは理解出来ません。先の物価関係閣僚会議において出された物価政策八項の中にも、灯油については、在庫目標を達したとあるのに、供給不安をかもし、いかにも品不足で値が上がるのはいたし方ないといったふん囲気で便乗値上げ、売り惜しみ、抱き合わせ販売等、不当行為がまかり通っているように思うのです。」このように投書が来ておりますね。
 通産大臣、この投書について感想をひとつ聞かしてください。
#116
○佐々木国務大臣 事実問題でございますから、石油部長から答えさせます。
#117
○神谷政府委員 御指摘のように、小売物価指数で見ますと、ガソリンのアップ率が灯油より低いというのは御指摘のとおりでございますけれども、これは、実は内容を御説明させていただきますと、小売物価指数の場合にはガソリン税込みの価格、これでアップ率をはじいておりますので、ガソリン税をはずしました石油製品の価格といたしましては、私どもが調べております限りにおきましては、ガソリンのアップ率は少なくとも灯油を下回ることはない、上回るという状況にあると思います。もちろん、先ほど御説明いたしましたが、ガソリンにつきましてはすでにかなり需給関係に変化も見られている。これは消費者の節約の結果によるものでございますけれども、そのために、価格につきましてもいろいろ需給関係を反映した微妙な動きもございますので、灯油のアップ率よりも高いというのがそのまま末端価格でいつまで続くかどうかはわかりませんが、現時点におきましては、物価指数で見る比率がそのままコストを反映した石油製品の裸の価格アップ率ではないということを御説明させていただきたいと思いますし、私どもの説明の至らないところにつきましては、今後その点等も十分機会を見つけて御説明をするようにいたしたいと思っております。
 それから、いわゆる品薄感を助長し、不安感をあおって不当な販売活動を行うという点につきましては、私どもこのようなことを極力防止するために、むしろ本需要期においては備蓄を弾力的に運用しても石油製品の供給は計画どおり行うということを繰り返し御説明しておるわけでございます。また、不当な抱き合わせ販売その他に関しましては、取扱団体あるいは元売り系列等を通じてそのようなことのないようしばしば指導をしてまいりましたし、先般は文書をもって自粛要請をいたしたところでございまして、今後、このような問題については引き続き関係方面とも協力をとりながら指導をしてまいりたいと思っております。
#118
○長田委員 通産大臣、この投書に対して御感想を聞かせてください。
#119
○佐々木国務大臣 いまのところで私一番問題だと思いますのは、そういう抱き合わせ価格等不正な価格があるやに、販売が行われているやに、ということが投書の一番主眼だと思いますけれども、そういう点は、いま部長からも申しましたように、あらゆる手段を講じましてそういうことがないように監視中でございまして、もしそういう事例がありますれば、法に照らして処断するものは処断しなければいけませんし、そういうことがないようにただいま監視中でございます。現実問題としてありましても、ごくレアケースじゃなかろうかと思いますが。
#120
○長田委員 政府といたしましては、積み増しが七百十万キロリットル灯油についてはあります、こういうふうに答弁するのですね。実際小売店へ参りますとこのような供給不安、売り惜しみというのは現実にあるのです。あるいは抱き合わせ販売と言うのですか、米を買えばどうのこうのということがあるらしいのですね。そういう不安がどうして出るのでしょうか。片方はある、片方はそういう状況で不足しておるという不安があるのですね。これは、しばしば指導しておるなんて言いましても、現実には結果に出てないのじゃないですか。
#121
○神谷政府委員 その原因は、私どもでは、やはり一−三月の原油確保問題に不透明なところがあるというのが一番の問題だろうと思いますし、それに輪をかけまして、先般のイランとアメリカの経済断交その他、やはり原油を供給いたしております中近東の情勢が必ずしも安定的な基盤の上に立っていないというところにあるのだろうと思います。しかし、中東地域が必ずしも安定的でないというのは今後永続して考えなければなりませんので、これは不時に備えて備蓄その他を行うということで対処する以外にはないと思います。問題は一−三月の不透明さをどれだけ払拭していくかということでございますが、これは無責任に大丈夫です、絶対幾ら幾ら取れますというようなことを申し上げてもかえって世の中を惑わすことになると思いますので、私どもは不透明だとは申しておりますが、しかし石油製品の供給そのものを供給計画どおり行えないほど不透明ではない。したがって、予想に若干の狂いが出ても備蓄を弾力的に取り崩して供給させるという方針をしばしば宣明しておりますので、むしろこの点を流通段階の末端あるいは需要サイドにおかれましても十分勘案して行動いただければ、現在のような状況は逐次改善していくと考えております。
#122
○長田委員 政府は、灯油価格には介入せず、石油製品の便乗値上げは排除するということを繰り返しておるわけでありますけれども、現在の灯油価格は妥当であるというような言い分のようでありますけれども、その根拠は非常に不明確だと私は思っております。
 具体的な例をこれから出すわけでありますけれども、わが党は、現在の家庭用灯油価格が果たして適正なものであるかどうか、これを試算してみました。その結果、十一月の適正価格水準は、灯油十八リットル一かん当たり九百三十円程度が適正であろうと考えております、実際は千百円か千三百円という価格なんでありますけれども。これはまさしく便乗、先取りの疑いが強い、このように考えております。この試算方法は、値上げ原油がわが国に入着をいたしまして石油製品の末端価格にはね返るまでの期間を約三カ月と実は見ております。たとえば十月中に市中に出回っている灯油は八月にわが国に入着したというふうに考えて試算したわけであります。
 八月の輸入原油に基づいて元売り仕切り価格をベースとして計算いたしますと十一月の適正な灯油価格をはじき出すことが当然できるわけでありますから、それに見合ってやってまいりますと、八月の仕切り価格はキロリットル当たり四万三百五十円、十八リットルに直しますと七百二十五円なんです。これに流通マージンを加えたものが末端価格となりますが、通産省が五十年十二月に設定した標準価格を消費者物価でスライドしました。そうしますと現在の流通マージンは二百五円と試算されます。したがって、七百二十五円に二百五円をプラスいたしますと、すなわち九百三十円が十一月時点では適正価格と試算が出ました。これについて各消費者団体等も試算をしておりますけれども、わが党の試算価格とほぼ同じであります。そこで、わが党の試算について長官どう思いますか。
#123
○佐々木国務大臣 おとといの予算委員会でございますか、公明党さんの方から試算の表が出ております。総理が検討を命ぜられましたその資料と恐らく同じ資料だろうと思いますので、検討等に関しまして事務当局から御説明させていただきます。
#124
○神谷政府委員 簡単に申し上げますと、まず通関統計というのが一定の仮定に基づいた円ベースの数字である。たとえばレートの取り方にいたしましても特定の期間のレートを適用しておる、それから、さかのぼった価格に関してこれを追加払いした場合に必ずしも反映されていない等々ございますが、やはり一つの目安であることは間違いございません。ただ問題は、ここで三カ月おくれでとったり、あるいは二カ月おくれで通関統計を使うところに一番大きな差が出てくるのではないかというふうに考えております。通関は入着いたしましてすぐ通関するわけではございませんで、やはり石油税その他をそこで払うわけでございますので、保税倉庫に入れておき、一定の期間を経て通関いたしますので、われわれが試算をする場合には、通常、従来の実績では一カ月前の通関統計とすり合わせをするというような形で作業をいたしております。
#125
○長田委員 先日の予算委員会の答弁ですと二カ月という話で私聞いておったのですけれども、仕入れ、仕出し、このルールを採用した場内でも、五十四年九月の原油の仕切り価格はキロリットル当たり四万二千三百二十六円、十八リットルに直しますと七百六十一円というふうになるのですね、二カ月にしても。これに流通マージン二百五円をプラスしても九百六十六円にしかなりません。したがって、十一月の小売価格が千百八十四円、これはちょっと高過ぎると私は思うのですが、この点はどうでしょうか。
#126
○神谷政府委員 私どもの長官が予算委員会で二見先生に答弁をされたと了解しておりますが、答弁の具体的なところは私もちょっと存じませんが、事実関係を申し上げますと、私ども、OPECの価格値上げあるいは産油国の価格値上げ、ないし船積みがあってから二カ月後まで価格に反映させないような指導をいたしております。企業によって、若干それよりおくれて反映さしておる企業もあるということでございまして、それと通関との差というのも、これは計算上なかなかむずかしいわけでございますが、おおむね一カ月前ぐらいのところになるのではないかと考えております。
 それから第二に、通関統計そのものは石油税を含んでおりませんし、それから燃費あるいはその他石油価格の上昇に伴って比例的に上がってまいりますコストを反映しておりませんので、その点に関しましては、そのまま使われるところに若干の問題があろうかと思います。
#127
○長田委員 それでは、われわれのこの試算では正確な数字じゃないというのですか。
#128
○神谷政府委員 原価の計算につきましては、各企業がおのおのその企業特有の計算方法をとっております。もちろん会計原則で許される範囲内におきまして、先入れ先出し法あるいは半期移動平均法、月次平均法、月次移動平均法、あるいは外資系に多い後入れ先出し法といったような幾つかの方法を講じておりますし、その他の細かい会計処理の点におきましても、会計原則並びに税法で許される範囲内において特徴がございますし、また減価償却費その他、企業のコストそのものも千差万別でございますので、全般的に何の原価が幾らであるかということをオフィシャルに公定するということは非常に困難でございます。したがいまして、ある数字が正しいのであるか正しいのでないかというようなことをわれわれの立場から申し上げることは非常にむずかしく、むしろある過程を置いた計算がおおむね実情に近いか近くないかという程度のことしか申し上げられないと思います。そういう面では、やや期間のとり方に実情に近いものとはずれがあるというふうに考えております。
#129
○長田委員 それでは、神谷部長、いわゆる便乗値上げか先取りの値上げかということはどこを基準に判断するのですか。
#130
○神谷政府委員 私ども、現在イラン・ショックが起きまして、その後のOPECの大幅な価格引き上げが行われまして以降、上げ幅につきまして、原油価格のコストアップ、それをはね返してのはね返りの経費のアップ等、さらに円ベースでございますので、為替の動き等をヒヤリングしながら、値上げに便乗分があるかないかというのをチェックをいたしております。その形で元売り仕切り価格が出され、さらにそれを反映して卸売物価指数等が出ておるというふうに了解をいたしております。
 したがいまして、その卸売物価指数のアップ率と末端におけるアップ率、流通経費のコストの問題等々を勘案しながら、その動き、パラレルあるいはパラレルに近い動きをしていきます動きが、異常な状態になったり、先ほど来御指摘がございましたように、価格の分布が異常な形になった場合にそれなりの対策を考える必要があろう、こういうふうに考えておりますが、現在までのところ、卸売物価指数の動きと末端の動きとの間で異常な状態というところは出ておりませんので、むしろ元売り段階における指導、並びに流通段階において地方公共団体等と協力しながら異常なケースが出た場合これをつぶしていくという監視、指導の態勢で十分であり、またその段階を越えねばならないような異常な状態になっていない、こういうふうに了解をいたしております。
#131
○長田委員 そうしますと、あなたの理論ですと、便乗値上げも先取り値上げも何も調査できないじゃありませんか。
    〔委員長退席、松浦委員長代理着席〕
#132
○神谷政府委員 まず、便乗値上げにつきましては、価格の引き上げに際してのヒヤリングを通じまして、私どもはチェックと申しますか監視、また必要に応じての指導を行っております。これで現在可能と考えております。
 それから第二に末端の問題につきましては、これは非常に複雑な流通経路をたどる商品でございますので、一義的に決めること、さらにはすべての流通段階のコストをいわゆる元売りに対してと同じような形でチェックしていくことは不可能でございますので、レベルをウオッチしながら、さらにレベルから異常に離れたものに関しては個別に事情聴取等を行い、必要な指導を行っていくということでも監視をいたしております。
 さらに、御質問を外れるかもしれませんが、監視以上のものといたしまして、やはり量を必要量出しませんと、どんなに監視をしようと指導をしようと、これは適切な価格形成はできませんので、量の確保によってできるだけ価格メカニズムの働くような状態を醸成してまいるという政策を併用いたしております。
#133
○長田委員 それでは、私の党で試算しましたこの標準価格といいますか、私たちの試算としては九百三十円、こういうふうにいま示しましたね、これは間違いだというのですか。間違いなら、正確なものを出してもらいたい。
#134
○神谷政府委員 先ほど申し上げましたように、ある価格が正しい、この価格にすべきであるというのは、公定価格その他を国が介入して設定すべき際にはやはり一定の過程を置いてでもやらざるを得ない、人工的な価格というものをつくらざるを得ないと考えておりますけれども、現時点において、私どもはこのような価格というものを設定し、公表するという意図は、繰り返し述べておりますように、ございません。
    〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕
したがって、現在は状況を監視しておるというところでございますので、しかも元売り段階においていろいろな格差がございますし、取引の流通形態あるいは地域によって末端の価格差もある段階で特定の価格にしわ寄せさせるようなことは行うべきでないと考えておりますので、特定の価格を公表し、これを指導価格とするということは差し控えておる次第でございます。
#135
○長田委員 公表できないけれども、エネ庁ではわかっているという意味ですか。
#136
○神谷政府委員 わかっておると申しますのは、各元売りがどれだけ値上げをしたかというようなこと、あるいは現在幾らで元売りから出そうとしておるかということがわかっておりまして、それが各社によって異なっており、また一定の幅を持っておりますが、それら自体がこうあるべきだ、たとえば市場メカニズムによってガソリンその他がそれより下がろうとしても、こうあるべきだというような形で出すつもりもございませんし、一定の幅の中で動いておる限りにおいて、われわれ特に一定の線にこれをそろえようという努力はいたしておりませんので、正確に申し上げれば、各社のやっておる値上げの状況は把握しておるが、通産省として一定の特定の数字は持っていないと申し上げるのが正確かと思います。
#137
○長田委員 私は具体的な試算をいたしまして提示いたしました。それに対しては、計算の基礎がそぐわないみたいな発言をしましたね、神谷さん。そうでしょう。では、そう言うからには、もっとしっかりした計算基礎を持った数字を持っているのでしょう。そんなこと言えないもの、基準がなかったならば。
#138
○神谷政府委員 正確に申し上げますと、石油業法に基づきまして各社の元売り仕切り価格というものをわれわれは報告徴収をいたしております。したがいまして、各社の実情というのを把握しております。第二に、これらの価格を変動させようと思う場合にはヒヤリングを行ってその根拠を聞いております。それから第三に、われわれは個別の会社ごとにミクロでヒヤリングをいたしておりますので、時に応じて、いろいろな方法でいろいろな試算をいたしております。それはすべて人工的な価格でございますが、それによってミクロのわれわれのチェックが余り大きくマクロの見方とかけ離れていないかどうかは、別途チェックをいたしておるわけでございますが、これはあくまでもわれわれの行政がかじが思わぬうちに大きく揺れ動いて、おかしげな方向に漂流していないかどうかをチェックする意味で行っているわけでございまして、そのチェックの際には、先ほど御説明いたしましたように、われわれは通関統計をもし使うとすれば一カ月おくれの数字を使っている、こういうことを申し上げているわけであります。
#139
○長田委員 結論から申し上げまして、そのようなあいまいな態度で私は売り惜しみとか先取りなんというのは絶対行政指導できないと思う。通産大臣、どうですか。
#140
○佐々木国務大臣 私冒頭申し上げましたように、原油の輸入価格が倍くらいに上がっておるのに小売価格あるいは卸売価格は六〇%ぐらいである。したがって、その卸売、小売価格の方は、市場の機能によって自然に決まる価格になっておりまして、ベースはあくまでも物の需給状況は心配ありませんという根底のもとに自然におさまるところへおさまるであろうということで毎日価格は決まってまいります。それは大体わかっておりますから、その価格以上に、不相応に、異常に個別の価格が上がっている場合には、これは明らかに売り惜しみその他流通行程かどこかでそういう操作が行われているに違いない、そういう点は監視の上摘発して処置します、こういうことを申し上げているのでございます。
#141
○長田委員 それでは最後に、通産大臣、現在の千二百円、千三百円の灯油の価格は便乗値上げあるいは先取りの価格ですね。これに対して明らかに行われていないと思いますかあるいは行われていると思いますか。
#142
○佐々木国務大臣 くどく申すようでございますけれども、先ほど申しましたような市場操作によりまして、市場の機能によりまして、各地区で卸売価格、小売価格、決まりますから、それが市場の目安になると思っております。
#143
○長田委員 そんなことを聞いているのじゃない。便乗値上げが行われているかいないかどうか。部長、どう、あんたの計算方法でやってみてください。
#144
○神谷政府委員 千二百円あるいは千三百円という価格につきましては、実は先ほど御指摘のように第六次と申しますか、イラン・ショック以降六回目の値上げが一部進行中でございますので、したがって、時点のとり方によって、私は、やや高目であるとか、まあまあ仕方がないとかいうようなことが言える微妙な幅ではないかというふうに考えております。特に千二百円ないし千三百円という幅で言われ、しかもこの時点で申し上げますとそういう状況の価格であろうと考えております。
#145
○長田委員 日本語でちゃんとやってもらいたいのだよ。便乗値上げが行われているか、いないか。はっきりしてもらいたい。
#146
○神谷政府委員 末端価格でございますので、はっきり申し上げますと、第二者あるいは第三者のところで売られる場合と、特定の地域で普通の小売屋さんからさらに分売して行う場合とで、価格というのはもともと一五%の差がありますので、その千三百円というのがどういう人がいつの時点で売っておるのかというのを見ませんと、しかもどういう状況のもとで売っているのかも見ないで、これは高いとか、ここまでしょうがないと言いましたら、そうじゃない人までそこまで持ってきますし、本当にそういう価格で売っている人を悪徳商人呼ばわりすることになりますので、私どもは、その辺の問題、これは少しどうかなと思う価格に関しては、モニター調査その他の指標をベースにして通産局あるいは地方公共団体の協力を得ながらまず事情聴取から始め、必要な指導を行っているところでございます。
#147
○長田委員 終わります。
#148
○井上委員長 岩佐恵美君。
#149
○岩佐委員 最近の物価高の中で、国民生活は大変深刻になっております。こういう中で電力、ガス等が上がるということで、大変な問題でございますけれども、きょうは、冬場を迎えまして、六次値上げが行われた、とりわけ国民生活にとって深刻な灯油問題にしぼって質問をしたいと思います。
 まず最初に、経企庁にお伺いしたいと思いますけれども、灯油の小売価格はここ一年で倍になっております。このように国民生活に密着した、公共性のある商品で、消費者物価が二倍以上になった、こういうものがございますでしょうか。
#150
○藤井(直)政府委員 消費者物価の中で、この十一月の東京都の区部の速報から拾ってみますと野菜類がございます。具体的にはホウレンソウ、白菜、レタス、カボチャ、レモン、こういうものが大体昨年に対して二倍程度の価格になっております。
#151
○岩佐委員 いまのいわゆる野菜類というのは季節商品でありますね。そういうものとはまた違って、いわゆる石油製品のように年間使って、しかも公共性が非常に高いというようなものについて、しかも一年間に六回も値上げが行われている。これは国民生活にとって大変深刻な状況になっているということが各地から寄せられております。
 たとえば岩手県の盛岡市にある養護老人ホームの例を申し上げたいと思いますが、これは社会福祉法人でございまして、清和荘という名前で、五十名のお年寄りの方々がおられます。灯油、A重油の昨年の費用が百八十五万七千六百八円、これは年間にですけれども、全経費の一六・七%を占めているわけです。ことし同じ数量を使うというふうに仮定しまして、去年は暖冬でしたのですけれども、ことしも同じように使うというのは多少控え目な数字だという報告ですが、そうしますと、灯油、A重油の値上げによりまして全経費に占める割合が二五・六%、三百八万一千三百三十一円というふうになりますので、大変上がってまいります。しかも、本年度、昨年よりも多少手当等がふえて、そしてそれが大体七カ月で、冬季手当などもありますので、計算すると、五十人分で四十四万百九十円ふえる。しかしこれが、今度A重油や灯油などの燃料費の値上げ、これも同じように七カ月で割ってみますと二十六万五千三百七十二円ということで、灯油、A重油だけで十七万四千八百十八円のアップになる。そして、この冬季加算も含めてそれぞれの費用がふえた分を引きますと、実際灯油、A重油の値上げ分で四万三千三百十八円のマイナスになってしまう。ですから、いろいろ補助費がふえたとしても、灯油、A重油の値上げによって五十人のお年寄りの方々が月々四万三千三百十八円の負担増になってしまう。そういうようなことが出てきているわけです。これは当然使いますそれこそ日常品ですね。ハンカチだとか、鼻紙だとか、あるいは歯ブラシだとか、歯みがきだとか、そういうものに全部しわ寄せがくる。あるいは食費にもしわ寄せがくる。そういう深刻な事態になっているわけです。
 それから、私が住んでおります日野市の例を御紹介しますと、病院あるいは小学校、中学校、ここが、灯油、A重油等が上がったことによりまして、補正予算を組まなくてはならなくなった。当初予算が全体で二千五百二十六万だったものが、補正を一千四百十九万組まなければならない。五六%のアップになるわけです。日野市の場合には補正を組んでふやしていくという点で何とか急場をしのぐという対策がとられているわけですけれども、山梨県の例というのは非常に問題だというふうに思います。甲府市の教育委員会が暖房用灯油の一〇%節約ということを言いまして、小中学校の部屋の温度を十九度から二十度に下げる、あるいは燃料日を八十五日だったものを七十五日にカットをする、そして当初予算より一千万円上回るはずのものを五百五十五万円で抑える、そういうような事例も出てきているわけです。このほかにも大学関係では暖房費の高騰ということによって研究費が減らされる、そして研究活動自体に大きな支障が出てきている、そういう深刻な事態になっておるわけでございます。こうした問題について厚生省、文部省がどういう対策をとっているのか。また予算措置をしないと大変な事態になるんではないかというふうに思われるのですが、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
#152
○岡光説明員 社会福祉施設の関係についてお答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり現在灯油を初めといたしまして石油製品の相当の値上がりがあるわけでございますが、御存じのとおり社会福祉施設の運営に当たりましては、措置費というということで人件費を初め入所者の処遇費を計上いたしまして、年度当初におきまして物価の変動とかあるいは国民生活の実態の変化、こういうふうなものを見込みましてそれぞれ改善を図っているわけでございます。
 それで現在石油製品につきましてはかなりの値上げがあるわけでございますが、それを消費者物価全体で見た場合には、これは今年度四月から十月までの動きでございますが、これを前年度に対比してみますと、当初経済見通しで見込みました物価の上昇が四・九%を見込んでおったわけでございますが、現在段階ではまだ三・四%にとどまっておりまして、したがいましてそういう四・九ないしはそれ以上の改善枠でいま見込んでおる段階でございます。現状の値上がり状況、物価の上昇状況では措置費全体の中で何とか対応できるんじゃないか、そんなふうに判断をしているところでございます。しかしながら、いま申し上げましたようないろいろな指標から考えまして今後石油価格を初めといたしましていろいろな物価が動いてまいりましょうから、その辺きわめて流動的でありますので、今後ともそういう物価動向には十分注目をして対処してまいりたい、そんなふうに考えております。
#153
○高野説明員 お答え申し上げます。
 文部省といたしましては、小中学校につきましてはこういった光熱費については市町村の負担ということになっております。これにつきましては交付税措置等で見ているわけでございますが、これについては五十四年度につきましては五十三年度に比べましてそういった総需要費は全体で九・六%のアップ、光熱水費に限りますと一五%というのを見込んでおりまして、そういった幅の中で何とかいろいろ節減対策等をとることによっておさめていただきたいというふうに考えております。なお今後の動きにつきましては、厚生省の方でおっしゃいましたように非常に大きな値上げ幅でございますので、その動向等を見ながら検討してまいりたい、そして来年度の交付税の措置等についてもそういった点を調査しながら関係省庁の方に要望してまいりたいというふうに考えております。
#154
○岩佐委員 いま文部省それから厚生省の御回答があったわけですけれども、現時点でもこの養護老人ホームの問題については措置費のアップ分を見ても、それがかなりのマイナスになるということで、いまそういう深刻な状態が寄せられているわけですし、また小中学校についても、五六%もアップということですので、早急にこの問題については対策をとっていただきたいというふうに要望しておきますし、また将来の問題については、早急にそのこととあわせてやっていただきたいと思います。
 さらにもう少し実態について述べてまいりたいと思いますけれども、灯油の販売につきまして昨年実績主義というのが非常にとられてきて、消費者は自由に買えるという状態になっていない。まさに売り手市場だということでございます。ですから値上げも非常に安易に行われやすいという状態が生まれています。とりわけ月ごとの実績主義というような元売り会社の締めつけがあって、消費者は、ことしたとえば十一月がかなり暖かかった、灯油は余り要らないんだけれども、もし来年になって昨年実績主義がまたとられるようになったら大変だ、そういうことで各家庭あるいは生活協同組合などで非常に量を多くとらなければならない実態が出てきている。きょうも岩手の方々がお見えになって言っておられるのですけれども、各家庭五かんぐらいの買い置きを迫られているというか、しなければならない状況が出てきている。これは大変危険なことですし、それからもう一方では家計負担が大変である、こういうことが言えると思うんです。
 それからまた、先ほども出ておりましたけれども、抱き合わせ販売の問題について大変泣かされた消費者、そういう苦情が寄せられております。新聞報道によれば、公取は近く地方事務所を通して関係業界に抱き合わせ販売は独禁法違反と警告する方針と、これは十一月半ば時点での新聞報道でございますけれども、そういうようなことがありますが、その点について、先ほど述べたいわゆる系列化が強まったといいますか、それと抱き合わせ販売について公取にお答えをいただきたいと思います。
#155
○橋口政府委員 灯油は生活必需品でございますし、需要期を控えて消費者として強い要望を持っている商品でございますから、そういう状況のもとにおきまして、供給不足を理由として抱き合わせ販売を行うということは、独禁法に規定します不公正な取引方法に該当するという見解を持っておるわけでございまして、すでに十一月の十九日に八つの地方事務所に対しまして、こういう問題につきましての申告がありました場合には適宜の措置をとるようにという通達をしているわけでございまして、今日までの時点におきまして、そう件数は多くございませんが、すでに四件について指導いたしておるわけでございます。灯油に抱き合わせ販売されております商品といたしましては、お米が二件、家電製品が一件、プロパンガスが一件、計四件でございました。これはいずれも指導をいたしまして是正をしておるところでございます。
 それから、実績主義のお話がございましたが、これはどの段階で実績主義が行われているかという問題もあろうかと思いますけれども、去年と同じ程度の実績以上は販売しないということだけで直ちに独禁法違反というふうにすることはむずかしいと思います。ただ、実績主義が行われる背景としましては、元売りから販売店に至るまでの流通の系列化ということが一つの背骨をなしていると思うわけでございまして、流通の系列化のメリット、デメリットにつきましてはいろいろ議論があるところでございますが、こういうような時点で考えますと、やはり系列化のデメリットというものがかなり強く出てきている。商品の需給が緩和いたしました状態のもとにおきましては、系列外に対して押しつけ販売をする、いわゆる業転玉が石油業界を妖怪のごとく彷徊したのはつい一年くらい前でございます。物資が、むしろ需給が緊張状態になりますと系列外を切り捨てるという問題が出てくるわけでございますから、流通系列化の問題は独禁法上大変むずかしい問題でございますが、法律上の見地からいま研究会等で研究をいただいているわけでございますけれども、研究の成果を待つまでもなく系列化に伴う弊害がございましたら是正するという態勢で臨んでいるわけでございます。
#156
○岩佐委員 ことしの八月十日に神谷石油部長はわが党の藤原委員への答弁の中で、監視体制のもとで便乗的と思われるような値上げが行われないようにという行政指導を行っている状況であるというふうに述べておられますが、いまもそのとおりだという理解でよろしいわけですか。
#157
○神谷政府委員 そのとおりであります。
#158
○岩佐委員 各社からヒヤリングをしているというふうに聞きますけれどもどうですか。
#159
○神谷政府委員 値上げを行おうとする場合に、事前に接触を求め、その根拠についてヒヤリングをいたしております。
#160
○岩佐委員 それはいつから、しかもどういう方法で行っているのかお答えいただきたいと思います。
#161
○神谷政府委員 ヒヤリングを始めましたのは第二回目の値上げだったと思いますので、三月末の値上げからヒヤリングを始めたというふうに了解しております。
 それから方法につきましては、先ほど御説明いたしましたように原油価格の上昇、円レートの変化、それに関連してのユーザンス金利あるいはユーザンス期間の変化等々の外的要因からくるコストアップ要因を主体にして企業の採算を向上させあるいは従来の欠損を改善するための、いわゆるこれを便乗と称するかどうかは別といたしまして、付帯的値上げを極力自制するよう指導しております。
#162
○岩佐委員 業界の方からヒヤリングというのは報告するんだと思いますけれども、だれが報告に来て、しかもそのヒヤリングの方法というのはどういう形で行われるのでしょうか。たとえば資料だとかあるいは口頭だとか、それから資料の範囲は、そういうことで伺いましたけれども、かなり膨大なものなのかどうか、その辺のことを伺いたいと思います。
#163
○神谷政府委員 企業は各元売りの担当者、その段階に応じて課長であったり部長であったり次長であったりいたしますし、場合によっては重役が出てくることもございます。私の方では流通課がもっぱらそれを担当して窓口となってヒヤリングを行っております。
 資料につきましては、必要に応じて私ども要請するケースもございます。非常に複雑な場合には若干多目の資料をお願いすることもあるし、きわめて単純な説明であり特に資料を要しない場合には少ないということで、各社あるいは各社が上げようとしておる値上げの内容によって異なってまいります。
#164
○岩佐委員 そうすると、そのヒヤリングの目的というのは便乗防止ということもかなりウエートが高いわけですね。
#165
○神谷政府委員 むしろ便乗防止を主眼としてやっております。
#166
○岩佐委員 便乗の制断基準となる場合に、各社ごとに全部計算をするのか、それともいわゆる統一基準というものを何かお持ちなのか、それをお答えいただきたいと思います。
#167
○神谷政府委員 統一基準といったようなものはございません。各社ごとの実情に応じて指導いたしております。ただ、私ども公的機関でございますので、担当官の差あるいはその日の気分で違う会社に別々の指導をしてはいけませんので、内部では意思統一をいたしております。
#168
○岩佐委員 便乗と判断された場合、どうされるのですか。
#169
○神谷政府委員 便乗といいますか言葉の定義は別といたしまして、私どもとして十分理解ができないあるいはこうした方がよりベターではないかと考える場合には、その旨の考え方を先方に述べ、先方の内部で検討した上、さらに新しい考え方での案の説明を受けておるわけでございます。
#170
○岩佐委員 ことしに入ってから幅の違いはあるにしろ六回の値上げが行われて、その場合に六回とも全社値上げを多少ずつしているというのが実態でございますけれども、私どもの判断では、たとえば日石の場合にはサウジという比較的安い原油が五〇%くらい入っているとか、あるいはモービルの場合にはガソリンの販売シェアが非常に多いですから経営内容のいい会社であるというふうな理解をしているわけですけれども、六回のうち値上げをしないというときがあったって日石やモービルはいいわけですけれども、そういうふうになぜなっていないのか、このことについてお伺いしたいと思います。
#171
○神谷政府委員 まず基本的にはOPECの価格の大幅な引き上げというのを主として契機として値上げが行われている。例外的に二回ばかりむしろ産油国のさみだれ的値上げ並びに円レートの円安進行に基づく値上げがございましたが、概して言えばOPECの、通常では考えられない異常とも思える大幅な値上げに起因した値上げでございますので、各社がほとんど同一のインパクトを受けるということで、値上げを見送るという社は出てきておりません。ただ、値上げをある一時期二段階に行った社が一社あったのみでございまして、それはその社の方針であろうかと思います。
#172
○岩佐委員 六次値上げについてすでに発表されたわけですけれども、通産省としては便乗はないんだ、適正な値上げであるのだというふうにお考えなのかどうか。
#173
○神谷政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、石油の需給がタイトと申しながら製品の中ではかなり価格メカニズムの働いておるものがございますので、こういう段階で、ある元売り会社が提示した価格というものを適正な価格である、したがってこれがいいんだというお墨つきを与えるのは私は現時点においてもなお適当でないと考えますので、適正というような申し上げ方はいたしませんが、便乗であるから何らかの法的措置あるいはそれに類した措置をとらねばならないようなものではないし、われわれの説明を伺った限りにおいてある程度原油コスト、円安等を反映した価格の引き上げであるというふうに了解しております。
#174
○岩佐委員 それではお伺いしたいと思いますが、昨年十月の原油のCIF価格が幾らであり、ことし八月のCIF価格は幾らであるというふうに計算をしておられますか。
#175
○神谷政府委員 昨年十月の通関統計に基づきます価格はドルベースでバレル当たり十三ドル七十一、CIF価格でキロリットル当たり一万六千百九十七円でございます。ことしの八月の価格はドルベースでバレル当たり二十一ドル十一、円ベースのキロリットル当たりCIF価格二万八千七百二円という通関統計になっております。
#176
○岩佐委員 私どもの試算では日銀卸売物価の価格を使わざるを得ませんので、これを使っていろいろ試算をしておりますけれども、灯油は昨年の十二月、二万八千七百八十九円でございますね。それがことしの十月には四万五千六百五十六円というふうになっております。そして、C重油の方は一方、昨年十二月、キロリットル当たり一万八千七百六十円でございますけれども、十月は二万七千二百五円。灯油は昨年十二月からことし十月まで一万六千八百六十七円上がっていて、C重油の場合には八千四百四十五円しか上がっていないという計算になります。いま言われたCIF価格で見ると原油の値上がり分一万二千五百五円ですから、そうすると、C重油は非常に原油の値上げ幅よりも低い状態になっている。これでも適正であるというふうに言えるかどうか、そういう判断をするのかどうかということを伺いたいと思います。
#177
○神谷政府委員 C重油の値上がりが灯油の値上がりより低い、あるいは先ほど御質問のございました、灯油よりも、消費者物価指数で見ると、ガソリンのアップ率が低いというような御指摘がしばしばございますので、この機会に詳しく御説明させていただきたいと思います。
 C重油の卸売価格、これは元売りないし大手特約店から電力会社あるいは鉄鋼会社等きわめて超大口のユーザーに入るものが多いわけでございますが、これらのユーザーは、運産省がこの値段と言ったからといってそのまま素直に聞きませんで、いろいろネゴがそこで行われるわけでございまして、しかも、ネゴが行われないときにおいても、電力会社等はかなりおくれて値段の決定を見ます。それまでの間は暫定価格で納入する、そして値段の決まったところでさかのぼって別途支払いを行う、こういうのが、現時点だけではございませんで、従来からの取引の態様でございます。ところが、日銀の卸売物価指数は、調査統計でございますから、この仮仕切りをそのまま正確に反映しなければいかぬということで反映いたしておりますので、そのような価格になっておるというふうにわれわれは了解をいたしております。
#178
○岩佐委員 C重油について上げ幅が少ないというそういう問題だけではなくて、昨年の十二月C重油の価格とそれから十月原油の価格差というのは二千五百六十三円、それがことしの十月には原油よりも千四百九十七円も安いというふうな問題が生じてきている。ここに非常に大きな問題があるのじゃないか。それから、ことしの十月が暫定だというのであれば、九月で見た場合、やはりC重油の価格とCIF価格を比較した場合に千五百八十九円高いというだけで、昨年の十二月の差に比べてその差が大変縮まってきているということが言えるわけで、こういう状態が通産省のいわゆる価格指導といいますか、先ほどからの価格への介入、そういう行政指導を行った結果起こってきたことだというふうに言えると思うのですけれども、その場合に、これからまさに国民には高い、そして大企業には非常に安い価格体系を通産省が奨励しているのだ、こういうふうに国民は受け取らざるを得ないと思うのですが、いかがでしょうか。
#179
○神谷政府委員 暫定価格がたまたま十月だけではございませんで、概して申し上げますと、卸売物価指数というのはおくれおくれて、常にほとんどの時期、暫定価格を含んだ指数しか出ない宿命になっております。それを価格改定をして調整金を支払いました場合に、その指数を変更いたしませんので大体この指数そのものはこういう形で低めに出るということでございまして、これは現在私どもが行っております指導でもあり、また各社もある程度自主的にやっておりますが、特別の理由のない限りにおいては等額主義で価格の引き上げを行うことが適当であろうという見解を持っております。
 引き上げを人為的にチェックする際に、等率主義と等額主義がございまして、等率主義でございますと、比較的値段の高い中間留分とかガソリンのアップ額は絶対額が高くなり、低い重油等はアップ額の絶対額が少なくなるが率は同じである、こういうことになりますし、等額主義でございますと、ほとんど値上げをそのまま同じように上乗せしていく、こういうことでございますので、私どもが現在考えております方法は等額主義ということであって、一部やはりC重油需要者等にとっては御意見のあるところではないかとすらむしろ思っておるわけでございまして、逆の指導を行っておるというようなことはゆめゆめございません。
#180
○岩佐委員 通産省が卸売物価について、いわゆる元売り仕切り価格なるものを国会にも出さなくなったし、また日銀の卸売物価統計も指数でしか出てきてないし、いまの議論というのは私たち国民にとってわかっている数字でしか言えないものですから、どうも通産省の言われることがいろいろすれ違いに終わる。つまり実数をはっきりしてくれればこうじゃないか、ああじゃないかという議論ができるわけですけれども、お互いに推定みたいな、お互いにというよりも、通産省は持っておられるけれども出さないものですから、私どもは推定で、ある資料でしか議論できない。そういう意味ですれ違いがあると思いますけれども、私どもとしては、出ている数字から見て非常に大企業優先の価格体系になっているということがはっきり言えるのではないか、このことを重ねて申し上げておきます。もしそうでないという数字をお出しいただければ、一番適切であると思います。
 それから、新聞報道によりますと、第六次値上げに当たって、通産省は灯油価格を他の油種よりも低く抑える指導をしたという報道がありますけれども、そのような指導をしたのでしょうか。
#181
○神谷政府委員 たまたま第六次値上げの時期が十二月初めにかなり多くの会社が集中いたしましたし、たまたまことしは十一月の暖冬で製品備蓄がかなり高く積まれております。一般的に製品備蓄ないし原油備蓄は価格引き上げの時期を調整するということですでに織り込まれておるわけでございますが、その中の特定商品の在庫が季節的にかなり高いという状況を勘案いたしますと、しかも先般来諸先生御指摘のように、国民生活に非常に密着した物資である、かつ値上げ幅がかなりの高さである、こういうもろもろの条件を勘案すると、在庫の量並びに在庫の評価額等を勘案して価格設定を行うことが適切であろうという指導は行いました。
#182
○岩佐委員 そうすると、他の油種よりも共石の場合には千円、それから昭石の場合には千三百円、幅を抑えておりますけれども、それは在庫の量を勘案して決めた、そういう基準であるということですか。その基準をもとにしてやったんだということですか。
#183
○神谷政府委員 各社が持っております製品のコストは、これまで各社が入手した原油の価格あるいはそれまでに行った元売り価格の設定等によって各社において異なっております。これは、各社別に独自で勘案し、各社が持っておる製品の在庫の中で、灯油が飛び抜けて高いその差額について勘案し、各社が支払う灯油備蓄のために必要な金利等を勘案して自主的に設定をさせたわけでございます。
#184
○岩佐委員 伺っていると、なかなか非常にもっともな基準があって、そして非常に複雑な計算式を経て、そして何か値上げが決まっていっているような感じを受けるわけでございますけれども、ことしに入って六次の値上げが行われているわけです。国民にはそのもっともらしい数字なりあるいはその理由なりというものが元売りからも各社からも全く発表されませんし、説明がありませんし、また通産省からもそういう説明がないというような状況で、これでは国民は本当に納得できないわけです。ぜひ各社に、自分のところはどういう計算式で、そして通産省ができないのであれば、各社に国民が納得できる数字、そういうものを明らかにさせてほしい、そういうふうに思います。いかがでしょうか。
#185
○神谷政府委員 御指摘のように、私ども現在行政指導ベースで価格の監視並びに指導を行っております。これは一対一の信頼と説得に基づいた行政を行っておりますので、私どもの知り得たものをそのまま出すわけにはまいりません。ただ、各企業がそれなりに企業の許す範囲内において求められた場合にしかるべき説明を行うということは、第一義的に企業の判断の問題でございますが、値上げに関してのPR等できるだけ適切に行うことが適当であろうと考えております。
#186
○岩佐委員 私どもの試算表につきましては、もうすでにお手元に行っていることと思います。これをさらに発展をさせまして、来年の三月まで値上げをする必要がない、むしろ便乗値上げ分を返させるべきであるというような試算をいたしております。
 まず灯油については、七百十万キロリットルの在庫がありますし、また原油が百二日分ある。それから値上げに一応私どもの試算で影響されない二カ月のラグを入れまして、それで一体三月まで在庫は幾らあるかということ、それで値上げをしないで幾らもつかという計算をしまして三月までもつというような計算を一つしております。
 それから便乗値上げについては、この計算では二百二十七億以上の灯油の便乗値上げが出ておりますけれども、これには在庫の分だとか、あるいはこれから生産されるであろう、いわゆる値上がりに影響されない在庫の分、こういうものは含まれておりませんので、それをずっと便乗値上げした分を足していきますと、九百十八億円を超すというふうになります。これは十二月、もう大分たちましたけれども、一応十二月から三月までの間に便乗値上げ分として返していくというふうにしますと、一かん百五円。十二月の卸売価格が灯油の場合には八百二十一円でございますから、百五円引けば七百十六円になる、そういう計算が成り立つし、これだけ下げられるはずであるというふうに考えているわけです。
 この私どもの試算につきましては、たとえば灯油が昨年の十二月二万八千七百八十九円であるということ自体、先ほど申し上げましたように、C重油、それから灯油と比べた場合に、灯油が高くなければならないというそういう価格体系自体を認めておりませんし、またこの二万八千七百八十九円の中には業界のいろいろなコストや何かが含まれておると思いますし、それ自体が国民に公表されているわけではない。それをやむを得ず基準ととった。ですから、そういう意味では便乗分というのは大変甘い数字で出てきているということもつけ加えておきたいと思いますけれども、もしこんな便乗分があるはずはないということであるならば、納得のいく数字を通産省から、あるいは通産省ができないのであれば、元売り各社からぜひ国民に対して行っていただきたいと思います。
#187
○神谷政府委員 共産党の計算されました数字も私ども拝見をいたしました。他党からもやはり通関統計を使ったり、あるいは他の統計指標を使って算定された数値も拝見しておりますが、これは先ほど来申し上げておりますように、いずれにいたしましても人工的な価格を人工的な統計指標を使って一定の計算式で算定したものでございますので、決め手というものはなかなかないわけでございますけれども、ただ一言申し上げれば、先ほども御説明いたしましたけれども、私どもでは通関統計ベースで見る場合には一カ月前の通関統計とのすり合わせというものを事務的に行ってきておりますし、過去に企業の価格形成あるいはコスト分析ということを平常時において行った際にも、大体その程度のタイムラグがあるというふうに考えており、これが一番大きな要因ではないかと思います。
 第二は、やはり石油と同等の比率ないしそれに準じて上がる諸コスト、それから通関統計に出てまいらないいわゆるユーザンス金利あるいはユーザンス期間の変動といったようなものが、この種の計算では反映されないということではないかというふうに考えております。
 ただ、私ども基本的には企業活動の自由ということを前提にして適正な価格形成が行われるという社会経済体制をベースにして物を考えておりまして、本来この種の介入というのはやるべきでないと思っておりますが、現時点は異常な――セミ異常な事態と思っておりますので、少なくともセミ異常な段階に必要な程度の指導と監視を行っておるところでございます。その限りにおいては、われわれは特にその次のステップに進むべき段階でないと考えております。この判断が正しいか正しくないか。これはやはり企業の決算の動向、メジャーのように何十倍もの利益を上げたりするような動きになっているかいないか、事後的に御監視、御監督いただければ幸いだと思います。
#188
○岩佐委員 諸コストの問題については、原油の製品コストに占める割合が八割であるというふうに言われている実態、あるいは先ほど来からいろいろユーザンスだとかなんとか言われていますけれども、私たちにはたとえば決済方法でもアットサイドで決済して、それで後国内金利にかえている会社もあるというふうな話もあるし、いろいろ各会社によって違うだろうと思うのです。ですから、そういうことはどうも推定できないから、やはりある数字でもってやらざるを得ないというふうに思いますし、ぜひそういう点では、何度も申し上げるようですけれども、価格というものは公表されるべきではないか、納得いくような形でしてほしいと思います。
 それから、元売り各社がずいぶんいいかげんな方法で価格を決めている。そういうような事例がありますので、ちょっと紹介をさせていただきたいと思います。これは六年前の石油業界が、石連及び元売り会社がやみカルテルを行った。刑事事件にもなっていますし、民事事件にもなっています。民事事件の中で出されました検察官の面前調書と、それから検察官が押収しました資料の一部を御紹介したいと思います。
 一つは、岡田一幸氏、これは当時は日石の常務取締役で、現在は社長になっておられるわけですけれども、四十八年八月の中間三品の値上げ、数字づくりを命令したという、そのくだりについてちょっと御紹介したいと思います。
 この値上げ額の根拠については、厳密なコスト計算をした数字に基づいて出て来たのではなく、とにかく一、〇〇〇円位はやらなければというような程度の話から自然そのように固まって来たというふうに記憶しております。それで、計算部隊の野田君にも
これは当時の計算の係の人だったわけですね、日石の販売部副部長、いまは直売部長になっておられるようですが、
 何かその線で辻つまの合うような計算をやってくれと指示した記憶
である、こういうことを言っております。
 その野田氏がその数字づくりをやったくだりがあります。
 九〇八円という数字に合わせるためのへ理屈のようなもので、たとえば、一〇−一二月については、一六三円のフレートアップ、一−三については、一七〇円の経費アップというような適当な数字を加算して辻つまを合わせただけのことでありました。
その数字について、これは検察官が札幌支店で押収した書面でございますけれども、これをちょっと見ていただきたいと思うのですけれども、小鳥のマークがここにあります。これは「アウト」、コトリ、つまりコウトリに見せてはいけないという文書でございます。そして、このページに、ページ一、ページ二のかわりに、コトリ一、コトリ二というふうになっているわけですね。ずいぶんふざけた話だし、公取がずいぶん軽く見られているのかというふうに思いますが、その中で彼の証言どおりに実際にこういう数字も出ているわけです。公取にこういうのを見せてはいけないということで資料が出ております。
 それからもう一つ、ガソリンの値上げについて丸善の泉さんという人が言っているくだりがあります。
 場合によっては一〇〇円単位で決め、業界全体が値上げを達成できる値上げ額をいくらにするか多少びくつきながら決めていたそれまでの値上げと違って、今回は大げさに言えばいくらの値上げ幅を決めてもその値上げが達成できるというムードのときでありましたので、エッソの情報もあったことから、理論的な根拠はないにしても、値上げできるときにいくらかでも多くの値上げをしておきたいという気持ちもあって、この七、〇〇〇円の案を、いわば思いつきみたいに出したのでした。すると、他の正副委員長も私と同じ感覚であったらしく、すぐに七、〇〇〇円アップが決ったのでした。斉藤さんは
というのは、これは出光の常務で、現在も常務でおられます。
 これらの話をしていた応接セットの椅子にふかぶかと腰をおろしておられたのですが、この時ガソリンのアップ幅を七、〇〇〇円にしたらどうかと私が提案し他の委員と話していたときに、カッと目を開くようにして、よし、それでいこうかと言われ、七、〇〇〇円説に賛成されたことが今でも記憶に残っております。このようにして、ガソリンの値上げ幅が六月比で一〇、〇〇〇円という大台に乗ったのです。
 これは当時のことをちょっと御紹介申し上げたわけでございますけれども、こういうふうに非常にでたらめなといいますか、元売り会社がずいぶんいいかげんな方法で価格を決めておるというような例があって、幾らきれいな言葉でいろいろ説明されても国民は納得ができない。ですから、先ほどから何度も申し上げておりますけれども、値上げを納得できるような数字、それを国民の前に明らかにすべきである、こういうふうに思います。
 改めて通産大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#189
○佐々木国務大臣 私は、先ほど部長からもお話がございましたとおり、元売りの価格を決める際には厳密に査定をいたしましてやっておるものと思っております。
#190
○岩佐委員 六回の値上げに関与している通産の行政指導というのは、まさに業界のカルテルを誘導しているというふうにしか思えないわけですけれども、この通産の行政指導というのはどういう法律に基づいてやっておられるわけですか。
#191
○神谷政府委員 通産省設置法でございます。基本的には、説得と信頼との関係に基づきまして、一対一の関係で説得をしておるということであります。
#192
○岩佐委員 以前の公正取引委員会の高橋委員長の発言をちょっと紹介したいと思うのですけれども、これは行政指導の問題についてです。これは四十九年三月十一日の予算委員会の会議録でございますけれども、ある委員の質問に対して答えている委員長の見解ですが、「やがて行なわれると予想される石油製品の値上げについて、いま公取委員長の見解としては、たとえば法律に基づいた指導、すなわち、生活関連二法と申しておりますけれども、石油関係法も含めて、この法律にある標準価格ならばいいけれども、それに基づかない、いわゆる行政指導による価格の値上げの誘導というものは、独禁法上たいへん問題がある、そのように理解してよろしゅうございますか。」それに対して高橋委員長は「全くそのとおりでございます。」こういうふうな答弁をしておられます。
 公正取引委員会に伺いたいと思いますけれども、この答弁の精神は生きておるのかどうか、そしていま申し上げたような事態についてどう見られるか、御回答いただきたいと思います。
#193
○橋口政府委員 行政指導と独禁法との関係は古くして新しい問題であるというふうに思いますが、行政指導もいろいろな内容、段階、程度がございます。その中でも価格に関する行政指導と独禁法との関係が一番問題になるのは御指摘のとおりでございます。
 ただ、当時の高橋委員長が答弁いたしておりますのは昭和四十九年三月十一日でございまして、三月十二日に政府の統一見解が出ておるわけでございまして、その統一見解によりますと、各省庁が設置法等の規定に基づきまして価格の指導をすること自体は独禁法上違反ではない。ただ、行政指導の結果として業界で共同行為を行えば、行政指導があっても違法性がなくなるものではないというのが政府の統一見解であるわけでございます。
 ただ、当時の高橋委員長が申しましたのは、行庁政の指導がございますと、ともすると業界で価格についての協定等がやりやすくなる雰囲気が生まれることを警戒しての発言でございまして、政府の統一見解が今日におきましてもわれわれの見解でございます。
 なお、ことしの八月に「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」というものを公表いたしておりますが、その中にも行政指導と独禁法との関係を明らかにいたしておるわけでございまして、「事業者団体の行為が、行政指導に係るものであっても、独占禁止法の違法行為に該当するときには、その違法性が阻却されるものではない。」というふうにうたっておりますから、昭和四十九年三月十二日の政府統一見解の精神は今日もいささかも変わっておりません。
#194
○岩佐委員 公正取引委員会は今回の石油業界の六回の値上げについて、ほぼ同じ幅で同時期に行われている、これについてはおかしいとも何とも思われないわけでしょうか、どうでしょうか。
#195
○橋口政府委員 石油価格は国民生活サイドあるいは産業活動に密接な関係がございますから、われわれとしても価格の動向につきましては常時監視を怠っておらないわけでございますが、先ほどお話にもございましたように、元売り十二社は現在裁きの庭に座しておるわけでございますから、そういう状況のもとにおいて万に一つも協定行為が行われるようなことはないというふうに信じておるわけでございますが、しかし、人間の営みでございますからどういうことが行われるかもしれないわけでございますから、そういう意味では現在も厳重な監視の体制をとっておるところでございます。
 それからもう一つ、先ほどお答えがちょっと落ちましたが、通産御当局が指導しておられることにつきましてどういうふうに考えるかということでございますが、石油部長も言われましたように、異例、緊急の事態あるいは異常、急迫した事態における価格に関する指導は、これはやむを得ないのではないかというふうに思います。ただ、指導の内容が微に入り細をうがつようなことをするのが果たしていいかどうか。ただ、指導されました価格が必ずしも実施されるとは限らないというのが、これは自由経済の実態でございますから、そういう点から申しまして、セミ緊急事態というふうにおっしゃったのは大変うまい表現ではないかと思いますが、そういう状態のもとにおける行政庁の御指導につきましては、それ自体で違法として取り上げるとかあるいは問題視するというような考え方は持っておりません。
#196
○岩佐委員 国民にとっては公正取引委員会が非常に頼りであるわけでして、セミ緊急事態か緊急事態か、あるいは通常であるかの判断というのはいろいろあると思いますけれども、いずれにしろ結果的には非常に同時期、同幅、ほぼ同じ値上げというのが行われていて、それで国民がそういう値上げの中で苦しんでいる事態というのがあるわけですから、ぜひ公取に期待をかけたいというふうに思いますし、さきの抱き合わせ販売の問題等、あわせてぜひしっかりがんばってやっていただくように強く要請しておきたいと思います。
 最後に、経済企画庁長官にお願いしたいわけですけれども、灯油など国民生活に密着した石油製品の値上げというのをやはりやめさせていくために、私どももいろいろな試算をしてみますし、消費者団体もいろいろな試算をしているわけですけれども、ぜひ国民の立場に立って物価抑制のためにしっかりとやっていただきたい、このことをお願いし、また御回答いただきたいと思います。
#197
○正示国務大臣 先ほど来、質疑応答を通じてもうはっきりいたしましたように、通産当局もセミ緊急事態という認識で大変いろいろやっておられるわけであります。また先ほどは公明党の方からも、またただいま共産党の方からも、大変な御努力によって実情についてお調べになり、一つのお考え方を示されたわけであります。これだけ大変関心が深いわけであります。
 ただ、私どもが通産省の御努力に対して強く評価しておるのは、やはり需給の適合といいますか、需要と供給、これが適合しないと本当に何ともならぬと思うのです。幸いにして、灯油については六百四十五万キロリットルの所要量に対してすでに九月末で六百六十万、十月末には七百十万、こういうふうにちゃんと用意をしておりますということをこういう機会にはっきりと国民の皆様に知悉していただきまして、売り手市場、売り手市場というふうに言われますけれども、実は需要と供給の関係から言えば、消費者が節約をしていただいて、必要最小限度のものをお求めになる場合には、そういう供給については心配のないような手当てがあるんだということを十分御認識の上、賢い消費者としての行動もお願いしたい、こういうふうに考えます。
#198
○橋口政府委員 先ほど公正取引委員会に対しまして激励のお言葉をちょうだいいたしましたので、公正取引委員会の活動につきましてごく簡単に申し上げておきたいと思います。
 石油製品の価格問題に関連をいたしまして、今日まで十数地区の販売業者らの揮発油等の石油製品の価格の値上げの実態について調査をいたしておるわけでございまして、その中で販売業者等が集まって価格引き上げを決定している疑いが濃い埼玉県の石油商業組合、大分県の石油商業組合に対しまして、それぞれことしの六月八日、五月二十五日に立ち入り検査を実施いたしておりまして、現在証拠を収集中でございまして、近く結論が出るというふうに思っております。その点だけ申し上げておきます。
#199
○井上委員長 中野寛成君。
#200
○中野(寛)委員 先ほど来の質疑応答をお聞きしながら、私はまずこう感じました。御答弁の中で、たとえば灯油の問題、石油製品の問題、その原油の輸入価格がこれだけになったにもかかわらず小売りの値段はこれだけであるから、そういう比較の仕方で答弁をされるわけであります。少々乱暴な言い方かもしれませんけれども、消費者の立場からすれば、むしろ消費者の生活実感、または同時に消費者の所得の水準、その動向と比較をしてくれ、こういう気持ちが率直な気持ちではないだろうかと思います。むしろ灯油がたとえば一・七倍に上がった、輸入価格に追いつかない数値かもしれないけれども、しかし生活の実感及び所得の動向からすればこれは大変なことであります。比較の対象を、発想の転換と言えば大げさかもしれませんけれども、むしろそういう感覚でとらまえて対応策を積極果敢にとっていただきたいというのが先ほど来の応答を聞いておっての私の率直な感じであります。とりわけ最近、食糧については今日も食管制度が生きているわけでありますが、最近の消費者の立場からすれば、食管制度も必要かもしれないけれども、それよりもいまこの事態に至っては、それこそエネ管制度の方が必要ではないかという気持ちの方がむしろ強いのではないか、このようにも思うわけであります。私はそういう立場から、それぞれ通産省も経企庁そしてまた個々具体的な事例については公取委の皆様方にぜひとも御努力をいただきたい、こういう気持ちがするわけであります。
 これからまず石油に関する問題、そして石油に関連をいたしまして経済の動向に関する見通しの問題、そういうことをお聞きしたいと思いますけれども、そのすべてが、経済の動向にしても経済の成長率にしても、そして物価の上昇率にしても、この範囲内で抑えたい、ここまでは伸ばしたい、そのような見通しを立てて、その実現のために全力を尽くしてやっていくことが政治そのものなんではないのか。輸入価格がこれだけになりました、これに比較して灯油の値段はまだこれだけですからびっくりしたことではありません、これでは国民が救われない、私は率直にそう思います。そういう意味で幾つかのことをお尋ねしたいと思います。先ほど来も触れられておりますけれども、まず石油製品の流通の問題から若干触れていきたいと思います。
 先ほど来抱き合わせ販売の問題が指摘をされました。私もその実態がいよいよ巧妙になっていることを幾つかの事例を見て痛感をするものであります。たとえば幾つかの団地で、これは決して一カ所だけではありませんが、団地の中のお米屋さん――団地に住んでいる人たちにとって一つの品物を売ってくれるお店を二カ所ないし三カ所選択できる余裕はそれほどあるものではありません。まして、先ほども指摘がされましたように前年実績主義がとられたり抱き合わせ販売が行われたりいたしますと、もういよいよ選択の余地が全くない、こう申し上げてもいいと思うのであります。私も経験したことでありますけれども、ある団地のお米屋さんがポスターを張っている。そのポスターには堂々とこう書いてある。以前から当店でお米を買ってくださっているお客様には一かん千百円でお分けをいたします、これから当店でお米を買ってくださる契約をされるお客様には千百五十円でお分けいたしましょう、そしてそのときだけの、灯油だけのお客様には千三百円と書いてある。まさしくスポット買いならば千三百円ということであります。こういう実態を先ほど来もたびたび指摘されておりますし、公取委から決意も申されましたけれども、モニターやその他からの指摘に限らず多くの事例が全国でなお存在する、このように私自身も思うわけであります。そういう意味で、抽出調査または突然――どういう実態が行われているか、全部を行うわけにいきません。担当の方々、大変御苦労ですけれども、公取委なり通産省なりが突然どこかをピックアップして具体的な調査をする、そのことが、うっかりしたことはできないぞという心理的な影響を全国のそういう業者の皆さんに与えることにつながっていく、こういうことも含めまして、より一層具体的な、前向きな方法というものは考えられないものでございましょうか。公取と通産省からお聞きしたいと思います。
#201
○橋口政府委員 抱き合わせ販売につきましての法律的な見解は、先ほどお示ししたとおりでございますが、われわれとしましては情報を欲しておるわけでございまして、全国的に張りめぐらした地方事務所の人数等から申しまして、完全な情報掌握ということはむずかしいわけでございますから、いま先生がおっしゃいましたような団地の実例等がございましたならば、情報としてぜひちょうだいしたいというふうに思っておるわけでございます。そういう点で申しますと、通産局とかあるいは都道府県庁の方が人員的にゆとりがあると思いますので、そういう方面とも連絡して、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。いずれにしましても、情報はぜひいただきたいというふうに思っております。
#202
○中野(寛)委員 ピックアップ調査はどうですか。
#203
○橋口政府委員 いま申し上げましたように、全国八地方事務所に実はわずか九十一名の人間しかおらないわけでございまして、たとえば高松のごときはわずか八名でございます。それから、仙台も九名でございます。大阪でも二十四名でございますので、現実問題として抜き打ち的な調査とかあるいは現地を歩く調査というのは、実際上困難であると思います。そういう点で申しますと、通産局なりあるいは都道府県庁の方にぜひお願いしたいという気持ちを持っております。
#204
○神谷政府委員 私どもの方でも、ある販売方法が独禁法による不公正競争になるのかどうかの判断というのは、通産局の場合は公取ほど的確に判断できないかもしれませんけれども、常識的にいって好ましくない販売方法というのはあると思いますので、そのようなものはできるだけ指導するようにいたしておりますし、すでに抱き合わせ販売その他の販売、少なくも商道徳に著しく反するような販売方法をとらないよう指導しているところでございます。
 それで、いまのピックアップ調査でございますけれども、モニター調査その他もろもろの情報から、異常な価格形成が行われておるような場合には、私ども通産局で連絡をとり、その状況を聞き、必要な指導を行っております。さらに、地方公共団体等にお願いをいたしまして、苦情処理案件を取り扱っていただいておりますが、その中には当然のことながら価格関係のものもかなり含まれておりまして、それは地方公共団体で指導もしていただきますし、必要に応じて私どもの通産局も指導を行っております。また、独禁法上問題があると思えば、当然のことながら独禁当局と連絡をしながら、通産局もやはりそれほど人数がございませんし、地方公共団体もそれほどたっぷりではございませんけれども、もろもろの官庁が協力をしながら進めていけば、一つ一つ芽を摘み取っていけるものと考えております。
#205
○中野(寛)委員 私は、ピックアップによる抜き打ち検査、これは決して大人数でなくてもできる、しかし心理的な影響をきわめて大きく与えることのできる一つの方法だと思うのです。いろいろな方法が、工夫することによって生まれてくると思います。私は、全国の皆さんから、現在の実情というもののいろいろなお声を聞かされている。そのときに、みんなで努力をしていく、また、通産省もそういう具体的な努力を前向きにしていただく、このことが、その姿勢を示すことにつながるものだ、こう考えるわけでありまして、ぜひ要望をしておきたいと思います。
 それからもう一つ、前年実績主義の問題ですが、これは流通の系列化、メリット、デメリットがあると思います。また、そのことによって、いわゆる消費者の買いだめ防止に役に立つという御意見をおっしゃる方もいらっしゃいます。しかしながら、それは先ほど申し上げたように、消費者に選択の余地を与えずに、価格をつり上げる構造としての役割りを果たすということの面でのデメリットもあると思います。私は、この問題については非常に慎重に考えなければいけないと思うのでありますけれども、このことについてはいかがお考えですか。
#206
○橋口政府委員 元売りなり中間の卸が相手方に対しまして、前年の実績以上の供給ができないということを言うこと自体で、直ちに独禁法上の問題にはならないということは、石油部長が先ほども申し上げたとおりでございますが、ただ、実績主義というような慣行が生じてきます背景にはいろいろ問題があるわけでございまして、先生がおっしゃいましたが、たとえば流通系列化の問題もあろうかと思います。したがいまして、実績主義に伴う弊害等につきましては十分監視する必要があると思っておりますが、実績主義が生じてきた根本の理由なりあるいは背景について、いま直ちに公正取引委員会で処置をとることはむずかしいのじゃないかと考えております。
#207
○中野(寛)委員 それからもう一つ。先ほど来の話で私も歯がゆく思っているのは、石油部長のお答えの中で、なかなか価格の計算の実例というものが、またやり方というものが示されない。消費者の立場から考えますと、話をする、またはこの論議をする、その共通の土俵がないくらい情けないことはないし、不安なことはない。むしろ、どういう計算の根拠に基づいてその話し合いのもとをつくっているか。先ほど来公明党さんからも、共産党さんからも、それぞれの計算のやり方に基づいて数字が示されました。しかし、それが必ずしも実態に合っていないとするならば、通産省はどういう計算の仕方をしてお出しになっているのか、これを私どもにお示しいただけませんか。
#208
○神谷政府委員 私も御指摘の点はよくわかるわけでございますが、先ほど来御説明いたしておりますように、各社別にその取得原油の構成並びに購入先、ユーザンス状況、あるいは場合によりますと頭金の支払い、さらにはスポットの購入といったようなものをヒヤリングをいたしながら設定をいたして、当否を判断し、適切な指導を行っておる、こういうことでございますので、どういう数字をつくりましても、つくった数字になってしまうということだろうと思いますし、また、一定の価格をつくって公表するということが適切かどうかに関しても、きわめて大きな疑問もございます。先ほど来、値上げを誘導するというようなお話もございましたが、私どもは公表もいたしておりませんし、誘導もいたしていない。ただ、少なくも一定の値上げを打ち出すことについて便乗がないかどうかをチェックしておる、こういう状況であり、現時点はやはりそのような状況で進めさしていただくのが適切ではないかというふうに考えております。御指摘の点については、何かいい方法はないかと、われわれも常々考えておるところでございますけれども、われわれとて理解をいただきたくないわけではございません。私は別といたしまして、担当の者は一生懸命やっておるわけでございますから、できるだけ皆さんにそれが理解していただけるような方法を今後も考えていきたいと思っております。
#209
○中野(寛)委員 一生懸命やっているという言葉だけでは、私ども個人が担当の方にお会いして、なるほど一生懸命やっている、それで納得することはできるかもしれませんが、しかしながら、すべての国民の皆さんを納得させることはできません。不可能です。むしろそれは、具体的な数字なり、または方式なり、そういうことが明らかにされる、もしくは共通の土俵の上に乗って話ができる、その素地をつくられない限り、国民の皆さんは納得しないはずです。
 先般の予算委員会でも、せっかく輸入された、それから店頭に行く、その三カ月間か二カ月間かという、その計算のあり方について大平総理が検討を約束された。先ほど通産大臣御答弁になりました。それは、いま私が御指摘を申し上げたことにそのままつながっていくはずです。決してそれは二カ月、三カ月のどっちをとるかの話ではないはずです。私はむしろ前向きに検討をされて、そしてそれを国民が、消費者が判断できる材料、根拠というものを与えていただく、そのことが何より大切だ、このように思うのです。
 ちなみに、もう一つ申し上げたいと思います。たとえば官庁の職員の皆様方、たとえば北海道等へ赴任されている皆さんには薪炭手当等が出されているかと思います。お役所自身もやはり灯油もお買いになるでありましょう。そういうときの予算の計算の根拠はどうされるのですか。いろいろな計算の出し方があるかもしれませんけれども、それは幾らの値段で買っておられるのかということさえも、むしろ国民の立場から見れば大変関心が高いのではないでしょうか。一つ一つのことをむしろ納得がいくように実例を挙げる、もしくはこういう計算の仕方でやっておりますと、数字を具体的に当てはめないまでも示し方があると思うのでありますが、いかがでございますか。
#210
○正示国務大臣 これは直接私の関係しておるところではありませんから、的確なお答えになるかどうかわかりませんが、先ほどたしか岩佐委員の御質問に対して厚生省とか文部省が言っておりましたが、大体、経済見通しの消費者物価の騰貴見通し、これを一つの参考にいたしましていろいろな手当てなんかも積算をしておるわけでございます。したがって、恐らくことしは四・九%の消費者物価の騰貴があるということを前提にして予算ははじいておる、こういうふうに考えております。
#211
○中野(寛)委員 それでは実態に合わないでしょう。それで買えなくなったら、またその都度継ぎ足すのですか。
#212
○正示国務大臣 これも先ほど厚生省や文部省が答えておりましたように、大体そういうことでやってみて、しかも消費者物価は灯油を含めて四・九%でおさまるということであれば、これは予算の範囲内でやりくりをしていただく、そういうことになるわけです。
#213
○橋口政府委員 私の所管じゃございませんが、昭和四十九年の狂乱物価の当時に、私は大蔵省の主計局長をいたしておったわけでございますけれども、先ほど厚生省なり文部省かちお答えがありましたようなケースにつきましては、補正予算なりあるいは予備費の使用によりまして措置費の改善というものをいたしております。したがいまして、ある程度価格の実勢に合わせるような措置は一般的にやることにいたしております。ただ今度のような場合は、果たしてそういうケースに該当するかどうかは今後の問題であろうと思いますが、昭和四十九年はそういう措置をとった事実がございます。
#214
○中野(寛)委員 本論から離れておりますので、これ以上深く申し上げませんけれども、実際上はこれは中央官庁だけではありません。自治体も大変困っている。これもまた、私自身も自治体の出身ですから痛感をするのでありますけれども、あらゆる方面にそういう影響を与えるということの御認識はもうお持ちだと思うのです。そういう意味での御努力をお願いしたいと思いますが、その本論のお答えがまだないのです。どうですか、そういう共通の土俵に消費者が立てるような根拠を出せませんか。
#215
○神谷政府委員 先ほど御説明いたしましたように、私どもといたしましては、通関統計をとる場合のタイムラグをこの程度にし、あるいはその他卸売物価指数、消費者物価指数等で勘案すれば、大臣もしばしば答弁させていただいておりますように、現在の灯油価格の上昇を勘案すると、現在の卸売価格あるいは末端価格が異常な狂乱的な価格ではない、少なくも法的介入を行わなければならない価格ではないというふうに判断しておりますことを御理解いただけると思います。
#216
○中野(寛)委員 なかなからちが明かない。出さないのですが、先般の大平総理の予算委員会における御発言とも相まって、前向きに検討をする御用意もしくはすでにその準備がなされているのですか。御用意がありませんですか。いかがですか。
#217
○佐々木国務大臣 誤解をいたされますと大変困るのでありますが、あのときはたしか公明党さんの方から資料を出されまして、あの席上でそれを云々するのもどうかと思いましたので、その資料を検討しましょうと、こういうことでございます。参議院でも共産党さんから同じような資料を出されましたので、私から資料に関しての検討をいたします、そういうことで、別に検討した結果、自民党としての標準価格的なものを出す、そういう約束をした覚えはもちろんございません。
#218
○中野(寛)委員 自民党に要求しているわけではありません。念のために申し上げておきます。
 政府としてむしろ国民の皆さんとともに、そしてでき得る限りの情報を公開して、ともに納得し合い、信頼し合いながらこの問題を解決していかなければならないわけでしょう。幾ら言葉で省エネルギーを唱えられたって、国民は本当に省エネルギーをやらなければいけないのかなという疑問を持てば、その政策そのものが実行に移せないわけでしょう。その納得させ得る、国民が納得し得るそういう判断材料というものをお出しになるべきだ、こう申し上げているわけであります。これ以上申し上げてもらちが明かないでしょうから申し上げませんが……。
#219
○佐々木国務大臣 失礼しました。政府でございまして、自民党と申し上げたのはいささか失言でございまして、申しわけありません。
#220
○中野(寛)委員 質問を続けます。
 なお公取委の皆さんに、先ほど来の御指摘がございましたが、せっかくの今後ともの御努力をお願い申し上げて、きょうは結構でございます。御苦労さまでございました。
 それで、いまその判断の材料の話に集中をしてしまいましたけれども、私は、先般予算委員会でもわが党の吉田委員の方から御要望を申し上げた点、御指摘申し上げたところでありますけれども、また以前に政府に対して申し入れも行っております。例の買占め売惜しみ防止措置法、これの中における特定物資としての指定が石油について必要でないのかどうか。これは今日もし必要でないとお答えになったとしたって、これから必ず必要になってくる検討課題ではないか、私はこのように思うのであります。先ほど来、どういう根拠に基づいて通産省が指導をしておるかというお尋ねがありましたけれども、むしろはっきりとしたこういう法律に基づく指定を行うことによって、そして私が一番最初に申し上げた国民の生活実感にぴったりとマッチする立場に立って、これからの指導を行う上においてこのことは避けられない、むしろ積極的に考えるべきことだと思いますが、いかがでしょうか。
#221
○神谷政府委員 売惜しみ買占め法あるいは石油需給適正化法その他もろもろの緊急関連三法の発動の問題につきましては、基本的に現在の価格上昇がOPECその他の産油国の価格引き上げという外的要因に基づいて行われておるものであって、スパイラル的な狂乱物価の状態にはないという判断が第一点。第二点に、マクロの世界の原油需給は均衡をしておるし、国内におきましても、この需要期において私どもとしては石油製品を節約を前提としての供給計画どおり供給する方針であり、供給できると考えておるというのが第二点であり、第三点といたしまして、これらをベースに置きまして、前回のオイルショックの状況と比べますと、消費者もきわめて賢明な行動をとっておるという点が第三点でございます。
 しかし、一−三月期の若干の原油獲得に対する不透明さが不安感を与えておるというこの環境というものも非常に重視しなければならないと思いますが、こういう状況のもとにおいてむしろこの種の法律を発動することは不安感をあおることになり、政府の安定供給に対する保障に対する信頼感を失わせることになりまして、狂乱的状態が消費者あるいは流通段階等で起こりますと、むしろこれらの法律によって対処し得るメリットは完全に相殺されまして、いたずらな混乱を惹起することになるというふうに考えておりますので、現段階においてはこれらを発動すべき段階とは考えられないと思います。
 ただ、御指摘のように、どういうことがいつ起こるかわかりませんので、われわれはすでにことしの初めから常にどういう状態になっても対処し得るような準備はすべて整えております。
#222
○中野(寛)委員 それでは流通関係の話をひとまずおきまして、いま御答弁の中でございましたこれからの輸入見通しのことについて若干お尋ねしたいと思います。
 下期の石油輸入の計画を一億四千八百五十万キロリッターに置いておられる。七千万はめどがついた、しかしこれは十二月までだ、こういうことであります。あとは一−三月が非常に不透明だ。その不透明の度合いはいかがなものでございますか。これはたとえば残り約七千八百万キロリーターのうちのこのくらいはいけるのだけれども、あとこのくらいが不透明になるのだというようなものがあるのですか。
#223
○神谷政府委員 実は数字合わせをいたしますと、状況が時々刻々動いておりますので後の方で修正しなければならないことになるわけでございますけれども、現時点で、上期ですでに二百万キロリットル余分に入っておりますので、まず一億四千八百万のところは一億四千六百万あれば一応供給計画どおりである。
 それから、節約がこれからどう進んでいくか。上期はかなり供給計画以下の需要でとどまりましたが、下期が節約の本命でございますので、これでどれだけ節約できるか、上期と同じように供給計画を下回る水準でいっていただければここでまた何百キロリットルかは減るわけでございます。これは不確定要素でございますので横に置きますと、一四六を半分に割れば七千三百万キロリットルずつ十−十二、一−三月でとれればよい、こういうことになるわけでございますが、十−十二は七千万は確保したと申し上げましたが、私はこれに若干の上積みがあると考えておりますので不足分はそれほど多くない。したがいまして、下期も十−十二と同じ程度入れば、私は、節約をより一層進めていただけるという確信のもとで、需給は備蓄を大きく食いつぶさないで何とかいけるのではないかと考えておりますが、上期ほどいけなくて七千万を割った場合にどうなるかということでございます。
 これはどこまで割るかというのは本当にはっきりめどがつきませんが、一言で申し上げますと、そのぶれの幅は六千万を切るであろうとかあるいはだぼだぼ余って八千万を超えるであろうというようなぶれはないだろうと思いますので、七千万を中心に何百万キロリットル下にいくか、あるいは若干上積みができるか、この辺の幅だろうと思います。したがいまして、これであれば備蓄で対処し得ると考えております。
#224
○中野(寛)委員 それではそのための努力、こう聞きましてもまた石油部長がお答えになるかもしれませんが、決して下期が終わればそれですべてができたということではありません。来年も再来年もこれからわれわれが生き続ける限り、または石油が存在する限り政府の責任において最大の努力を尽くしていかなければなりませんが、当面政府としてやっていること、そして大臣としての御決意、具体的にこれからまた恐らくIEAにも行かれてサミットの見直し等もなさるわけでございますけれども、現在の政府としての対応、御決意はいかがでございますか。
#225
○佐々木国務大臣 現在最も重要なのは何と申しましても供給安定でございます。
 次は節約でございまして、需要期を控えまして、たとえばいまアメリカなどでは油が半分ほど自給できるのに、ある州等ではほとんどまきに取りかえた。各家庭でまきをうずたかく積んで、そしてこの冬を過ごそうという程度まで各国では非常な節約を進めております。わが方も苦しい世界の現状を考えましてまず節約を、この冬場最も需要期を控えてどういうふうに国民が協力してくれるかというのが第二番目だと思います。
 三番目は、備蓄でありまして、できる限り備蓄をふやしたい。幸い、ただいま政府の備蓄の方針どおりに進んでおりますので、今後入手ができますれば備蓄をふやしたい、こういうのが現在の当面の一番大きい問題だと思います。
 しからば安定供給をするためにはどうするか。これはいろいろございますけれども、何と申しましてもDD、GG等の取引が中心になってまいりますので、相手国との協調、理解等を求める、経済外交あるいは経済協力が一番重要だと思いますので、今後はその面に大いに力を注ぎたいと考えておるわけでございます。
 もう少し中期、長期の問題に対してはどうするか。それだけではもちろんいけぬわけでございますので、石油にかわるものをどうして日本の国民の民族の英知でつくり上げていくかという点が今後の一番重要な問題でございますけれども、長くなりますから、当面の施策だけでお答えにかえたいと思います。
#226
○中野(寛)委員 その中で、もちろん石油にかわる代替エネルギーの開発等ことに積極的に進めなければなりませんし、そのことによって石油への依存率を下げること、そのことが、言うならば石油に関して言えば省エネルギーにもつながり、また価格の問題にも関係してくると思います。
 特にそのことに関連をいたしましてスポットの問題です。私は、今日の原油の値段、輸入価格について、それぞれ個々には安い原油もある、またはスポット、高い原油もあります、しかし値段としておしなべて考えるときには、そのスポットが石油の値段、また灯油の値段を上げているきわめて大きな元凶であると思いますだけに、このスポットの量をいかにして減らすか、これは日本の政府そしてまた各企業の努力にかかるところでもあろうと思います。私もことしの五月にこの物特の委員会で当時の小坂経企庁長官に聞きました。スポットの問題がむしろ日本の商社等によって行われ、むしろスポット価格そのものを引き上げる犯人の一人になっていませんかとお尋ねしたときに、まだその御心配はありませんという答えが返ってきました。しかしながら現実には五十二年度輸入量の四・八%、五十三年度四・九、五十四年度、これは上半期ですか、約五%すでにスポット買いで入っているということを聞いております。そしてまた現実にそのことがきわめて大きな国際的悪影響を与えていることも事実であると思います。それでは下半期、これからの見通し、一説には一〇%を超さざるを得ないであろうという話も聞きますが、そのことについての見通しはいかがでございますか。
#227
○神谷政府委員 御指摘のように、スポット比率をできるだけ低めることが石油製品の価格高騰を抑えることになるわけでございますが、一つの例をとりますと、十−十二月でスポット比率一一%ということでわれわれも発表しておりますし、先生も御指摘になりました。これは七千万キロリットル買って一一%、これを七千二百万、七千三百万と買えば、その二百万、三百万は現時点ではスポットで買わざるを得ない、こういうことでございますので非常に板ばさみになりますが、石油供給計画に近づいて喜べば喜ぶほどスポット比率は上がっていくというのが実情でございますので、われわれとしては極力節約をいたしまして需要を供給計画以下に抑えることが石油製品価格の高騰を抑える一つの有力な武器である、これは日本だけではできませんので、IEAその他を通じて全世界協力してやっていく必要があろうかと考えております。
 第二は、大臣が御説明いたしましたようにDD、GGのひもをつけるということでございます。これは十−十二月の時点ではしょせん無理でございまして、来年の石油生産計画あるいは輸出計画を産油国が決めます際に遅滞なく安定的な取り決めを結んでこの量をふやしていくべきだと思っておりますが、現在非常にタイトな状況でございますので、産油国との折衝は非常に厳しい条件で行われようとしております。しかしこれを何とか企業の努力でつないでDD原油をふやしてもらいたいと思っております。そういたしますれば、明年若干メジャー経由の油が減りましてもそれを相殺してスポット比率をそう上げないで済むだろうと思います。この努力がむずかしくなりますと、スポット比率は、メジャー経由が少し減りますので上がらざるを得ない、こういう状況に相なります。どうなるかという見通しは、これから企業が努力していくところでございますし、産油国もいろいろな不安定な情勢のもとで若干DD契約の交渉がおくれておりますので、一月、二月少し不安定な状況はありましても、次の不需要期までの間逐次DDのチャンネルができて、その後はスポット比率は漸減していくことを期待しております。
#228
○中野(寛)委員 肝心の石油部長に期待しておりますというお答えをいただいたのでは、これはいよいよお先真っ暗という気持ちを持ちますよ。これまで政府間の話し合いで、原油供給の確保というものも確かになされてきました。閣僚とか政府使節団が行って話もしました。そして、これだけ量を確保してきた。しかし、その見返りに向こうにどれだけのことを差し上げてきたか余りはっきりしない。量を確保したよと言って、それが結局人気取りにつながっている。しかしその実態は、価格は幾らでもという言い方をすれば言い過ぎかもしれませんが、実際は価格についてまでのきちんとした取り決めは行われないままで終わっておって、後で結果的には消費者等が大変苦しい思いをするという実態さえもあったわけです。国民生活の根源をなすものなのですから、やはり政府みずからがもっと積極的に責任を持ってこれらに対応していくことが必要なのではないでしょうか。これは、それこそ外務大臣も含めてのきわめて広範な対応が望まれることでありますけれども、私はとりわけそのことを要望したいわけであります。
 この十七日にはOPECの総会が開かれる。その一週間前、十日にはIEAへ通産大臣が御出席であります。大変国民が注目をしている二つの会議だと思います。私は、OPECにおいてどういう状態になるだろうかという見通し、またIEAに臨まれる大臣の御決意をこの機会に改めてお聞きをしておきたいと思います。
#229
○佐々木国務大臣 お話しのように、この十日にはパリでIEAの閣僚理事会がございまして、私も出席させていただく予定になっております。その議題は、八〇年の世界のエネルギーの情勢がどうなるかという見通しが一つ大きいテーマでありまして、二番目は、需要抑制措置を各国がどうしているか、日本は具体的にこれからどうするつもりかといったようなことを各国別にそれぞれディスカッションするはずでございます。三番目は石油の備蓄政策がどうなっているか、これも先ほど来いろいろとお話がございましたが、中心テーマでございます。さらに石油の市場構造の変化、対応、これはお話のようにスポット等が中心になると思いますが、きょう一日皆様に大変御議論いただいたような、そういう問題自体を、世界の最大の消費国である各国の責任閣僚が集まりまして十日から審議に入るわけでございますが、お話のように非常に重要な会議だと思っております。
 その心がけといたしましては、何と申しましてもこれからの日本は、各国との協力なしには生きていけぬことはもう明瞭でございまして、したがいまして、各消費国の皆様ともこういう機会を通じましてできるだけ協力の度合いを深めるように、それを念願といたしまして、あとは細部の交渉に入っていきたいと考えているわけでございます。
#230
○中野(寛)委員 時間が参りましたから締めくくりたいと思いますが、経企庁長官には最後までおつき合いをいただきましてありがとうございました。先日、森永日銀総裁が、OPEC総会の原油値上げ幅次第では第四次の公定歩合の引き上げもと、そこまではっきり言いませんけれども、そういう意味でOPEC総会の成り行きを注目している、そういう示唆をなさるような御発言があったように受けとめております。このことは、これからの日本の経済にとってきわめて重要な問題であると思います。もちろん、公定歩合をどうするかということを事前にお答えになるはずはありません。また、それをお答えになるようなことであってはこれは大変なことです。しかしながら、ことし四月、七月、十一月と三次にわたって公定歩合が引き上げられ、物価の先行き上昇を警戒した予防的な引き締めという性格が強かったわけでありますが、十一月のこれはまさに引き締め本番という御決意があった、このように私どもも受けとめさせていただいております。しかしながら卸売物価の騰勢、円安、そういうことがこれから消費者物価にも大きな影響を与えてくるのではないだろうか。または、原油価格の上昇がデフレ効果を早めるということにつながり、年明け早々にも日本の景気のスローダウンが大変心配をされているわけでございます。最悪のスタグフレーションの危険というものを私どもは大変心配をしながら、経企庁としての的確な見通し、そしてそれに基づいての政府の的確な対応、そのことを強く望んでやまないわけであります。
 そういうことを起点にしながら、これからの見通し、またGNPの伸び率に対する見通し。ことしは果たして政府の立てられた計画どおりに目標を達成できる御自信がおありなのか、来年はどういう見通し、目標をお立てになるおつもりなのか、そろそろ話が出てこようかと思うのでありますが、その辺のことにつきましては果たしてどうなのか。また、卸売物価や消費者物価の動向はもう言うまでもありません。これらのことにつきまして、経企庁の的確な御判断、見通しというものを承ることができれば、国民にとって、まして経済関係に携わる人たちにとってこれは大変大きな道標になると私は思うのであります。まさしく祈るような気持ちで常にみんなが、たとえば中小零細企業の皆さんも私どもの顔を見れば、まず先に聞くのはその問題であります。長官の現在の御判断をお聞かせいただければと思います。
#231
○正示国務大臣 物価問題についていろいろな角度から大変熱心に御議論いただきまして、本当にありがとうございます。
 いま中野委員が最後に御指摘の点については、先ほど来申し上げたようにいろいろ困難な事情がございまして、関係各省庁、また日本銀行、公正取引委員会においていろいろな御努力をいただいておりますが、卸売物価は大変上がっております。また円のレートは、きょうなどは円もやや強くなっておるようでございますが、しかし、これは決して楽観を許しません。そういういろいろ困難な情勢の中で、とにかく消費者物価については年度当初の見通し四・九%を本年度内は何とか守り通せる、それから経済の成長率につきましても、当初見通しの六・三%に近い目標達成ができるという見通しのもとに、私どもはいま最後の努力をいたしております。
 そういう状況でありますけれども、ただ、来年度の見通しにつきましては、事態はさらに深刻になっておることは先ほど来いろいろお話しのとおりでございます。そこで、私どもとしましても、まず景気と物価両にらみという点につきましては、もうすでにいま御指摘のように、日本銀行も三度にわたり公定歩合の引き上げを行い、日本銀行総裁がOPECの会議いかんによって四次引き上げをやるというふうなことを申すはずはございませんが、これまたマスコミの敏腕なる記者諸君の観測から来ておる一つの記事だと思います。しかし、あらゆる情勢に対応いたしまして、機動的に処していくのが金融政策の眼目でございますから、そういうことも当然日本銀行当局、大蔵当局においては考えられておると思います。といって私は、公定歩合の第四次引き上げがあるとかないとかいうことを申し上げるつもりはございませんことは、いま中野委員がすでに御指摘になったとおりであります。
 そういうわけで、あらゆる努力を傾け、特に公共料金については、通産当局あるいは郵政当局、運輸当局、それらの御協力によって厳しい内容の審査、その上でわれわれの方へ御協議があり、そしてまた、さらに各方面の御意見も十分伺ってこれに対処していく。来年度においてもできる限りなだらかな、堅実な経済の歩みを確保しながら、物価についても何とかして需要供給の適合という基本的な要件を守りながら、卸売物価についても安定の方向へ、そして消費者物価についても余り大きな狂いのないように万全の努力をいたしますが、いまここで来年度の見通しを申し上げることは、これはもう予算編成の最後の段階でなければ申し上げられないことは御承知のとおりでございますので、いましばらくお待ちをいただきたいと思うております。
#232
○中野(寛)委員 これで終わりますが、先ほど来それぞれ御指摘があり、また私自身も指摘をさせていただきました。国民の生活の立場から物事を見、それぞれの対応、判断をされる。そして目標を立てて、その目標に向かって政府が努力をするという基本的な姿勢で、石油の問題、また物価の問題にもお取り組みをいただきたいと思いますし、同時に、国民が先行きのことについてこそいま一番不安感を強くしている。そしてそのことがまたいろいろな悪影響を生み出しているわけでありますから、どうぞこれからその前向きの、的確な御判断を、まさに長官のお名前のとおり正しくお示しをいただきますように、心から御要望を申し上げまして終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#233
○井上委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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