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1949/05/02 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第37号
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1949/05/02 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 法務委員会 第37号

#1
第007回国会 法務委員会 第37号
昭和二十五年五月二日(火曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月一日委員鈴木安孝君辞任につき、
その補欠として今泉政喜君を議長にお
いて指命した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○商法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○調査報告書に関する件
○株式の名義書換に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   午前十一時二十四分開会
#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより法務委員会を開きます。
 この商法の一部を改正する法律案を議題に供します。前回に引続き質疑を継続いたします。……別に御質問がなければ質疑はこれを以て終局することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(伊藤修君) それでは質議はこれを以て終局いたします。直ちに討論に入ります。
#4
○松井道夫君 画期的な商法の一部改正案が、本日を以て、いよいよその審議の最終段階に入つたわけなんでありまするが、この際政府当局に望みたいことは、本法の公布後極力周知徹底に努力せられんことであります。折角画期的進歩的な法律ができましても、周知徹底の努力が足りませんとその妙用を発揮することができないのであります。殊にその周知徹底のための費用を惜しみましてその結果を得ないというようなことでは誠に遺憾に堪えないことでありまするから、周知徹底の費用を予算に組みます際にも十分その点を留意して遺憾のないことを希望いたしたいと思うのであります。
 次に私は本案に対しまして一部修正の動議を提出したいと思います。その内容を申上げます。
   商法の一部を改正する法律案に対する一部修正案
  商法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  目次の改正規定中『「第三款 監査役」を「第三款 会計監査役」に、』を削る。
  第百七十條第一項の改正規定中『、「監査役」を「会計監査役」に』を削る。
  第百八十三條の改正規定を削る。
  第百八十四條の改正規定中『中「監査役」を「会計監査役」に、同條』を削る。
  第百八十八條第二項第七号の改正規定中「会計監査役」を「監査役」に改める。
  第百九十五條の改正規定を削る。
  第二百二條第二項の改正規定中『「前項の」に』の下に『、「二十円」を「五百円」に』を加える。
  第二百三十八條の改正規定を削る。
  『「第三款 監査役」を「第三款 会計監査役」に改める。』を削る。
  第二百七十三條の改正規定中『「監査役」を「会計監査役」に、』を削る。
  第二百七十四條の改正規定中「会計監査役」を「監査役」に改める。
  第二百七十五條及び第二百七十六條第一項の改正規定中『「監査役」を「会計監査役」に、』を削る。
  第二百七十七條の改正規定中「会計監査役」を「監査役」に改める。
  第二百七十八條の改正規定を削る。
  第二百八十條の改正規定中「会計監査役」を「監査役」に改める。
  第二百八十一條、第二百八十二條第一項及び第二百八十四條の改正規定を削る。
  第二百九十三條ノ五第二項の改正規定中「会計監査役」を「監査役」に改める。
  第三百二十四條第一項の改正規定中「第三百四十三條第一項乃至第四項」を「第三百四十三條」に改める。
  第三百四十三條第一項の改正規定中「出席シタル株主ノ議決権ノ三分ノ二以上ニシテ且発行済株式ノ総数ノ過半数」を「発行済株式ノ総数ノ過半数ニ当ル株式ヲ有スル株主出席シ其ノ議決権ノ三分ノ二以上」に改め、同條第二項から第五項までの改正規定を削る。
  第三百四十五條第二項の改正規定中「出席シタル株主ノ議決権ノ三分ノ二以上ニシテ且其ノ種類ノ発行済株式の総数ノ過半数」を「其ノ種類ノ発行済株式ノ総数ノ過半数ニ当ル株式ヲ有スル株主出席シ其ノ議決権ノ三分ノ二以上」に改める。
  第三百八十六條及び第三百八十八條第二項の改正規定を削る。
  第三百八十九條の改正規定中『「監査役」を「会計監査役」に、』及び『、同條第五号中「監査役」を「会計監査役」に改め』を削る。
  第三百九十條の改正規定中『第一項中「監査役」を「会計監査役」に改め、同條』を削る。
  第四百二十條の改正規定を削る。
  第四百五十三條の改正規定中『中「監査役」を「会計監査役」に、同條』を削る。
  第四百五十四條の改正規定を削る。
  第四百八十六條の改正規定中『「監査役」を「会計監査役」に、』を削る。
  第四百九十二條の次に次の一條を加える。
 第四百九十二條の二 発起人、取締役又はハ株式会社ノ第二百五十八條第二項若ハ第二百七十條第一項ノ職務代行者が会社が発行スル株式ノ総数ヲ超エテ株式ヲ発行シタトキハ五年以下ノ徴役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス
  第四百九十八條の改正規定中『「監査役」を「会計監査役」に、』を削る。
  附則第一項を次のように改める。
 1 この法律は、昭和二十六年七月一日から施行する。
  附則に次の一項を加える。
 4 この法律施行前に成立した株式会社が既に発行した株式及びこの法律施行後発行する額面株式については、第二百二條第二項の改正規定にかかわらず、改正前の同條同項の規定を適用する。
 以上でありまするが、大体の修正の部分は、すでに現在までの審議によりまして、その内容理由等を御了承頂けると存ずるのでありまするが、特に重要の点について一応触れて見ますると、先ず第一点が第二百二條第二項中の二十円を五百円に改めるという点であります。これは現在額面株式の最低限が二十円となつておる。ところがこれは現在の経済事情と比べれば甚だしく低額である。それを五百円に改めるということであります。このために将来成立する会社は過小な額面のために生ずる諸種の煩瑣、或いは費用を免かれることができると考えます。
 次に改正の原案におきましては、会計監査役という制度を設けたのでありまするが、公聽会その他におきまして業務監督ができまする現行の制度がよろしいという意見が多数あつたのであります。それがこの会計監査役という名前にいたしますると、会計の事務員と同じようなものじやないかというような印象を與えまして、有能な人を招くことができない、それを監査役に修正いたしまして、従来のようにやはり十分力のある人にやつて頂く、而も会計を通じて業務の監査もできるのでありまするから、その点で一般の要望に或る程度、応えることができると思うのであります。
 次に最も問題になつておりました三百四十三條の特剔抉議でありまするが、原案は「出席シタル株主ノ議決権ノ三分ノ二以上ニシテ且発行済株式ノ総数ノ過半数」ということになつておりました、これに対しましては、経済界では殆ど一致してその條件の緩和を求めておつたのでありまして、費用の点から、手数の点から、これは経済界にとりましては相当大きな問題であつたのであります。それを発行済株式の総数の過半数に当る株式を有する株主出席し、その議決権の三分の二以上ということにその議決方法を改めたいのであります。これによりまして七割五分以上も出席しなければこの原案のごとき決議をすることができないという状況でありましたのを、過半数の株式を有する株主が出席すればできるということに相成るのであります。この点も経済界の要望に応えまして、これが通りまするならば、聊か委員長以下の御努力が実を結んだということに相成るかと存ずるのであります。
 それからこの四百九十二條の二という規定を新設いたしまして、発起人、取締役等が会社が発行する株式の総数を超えて株式を発行し、その間それを不正の目的或は自分の利益を過当に図るというようなことを実行いたしまするのを防ぎまするために、かかる行為に対しましては罰則を設けてそれを防遏いたすということにいたしたいのであります。かかる規定がありますれば、発起人、取締役がオーバー・イシユーをすることを防ぎまして、今の新株発行の無效の訴えという点と関連いたしまして、一般経済界に対する安心を與えることになると思いますので、不正を防遏することに相成ると思つておるのであります。以上が私の修正案の主要な点でありまするが、その他の部分につきましてはそれで適切なものであると確信いたしておりまするので、何とぞ御賛成をお願いいたします。
#5
○大野幸一君 私は発議員が動議として提出せられました修正案の動議に賛成いたす次第であります。
#6
○委員長(伊藤修君) それでは討論はこれを以て終局することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(伊藤修君) それでは討論はこれを以て終局いたします。直ちに採決をいたします。
 先ず松井委員より提案にかかるところの修正案を問題に供します。修正案全部に御賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#8
○委員長(伊藤修君) 全会一致修正案通り決定いたします。
 次に修正を除くところの原案全部を問題に供します。原案全部について御賛成の方の御挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#9
○委員長(伊藤修君) 全会一致原案通り可決すべきものと決定いたします。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容については予め御了承を御願いいたします。
 多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   大野 幸一  羽仁 五郎
   今泉 政喜  松井 道夫
   岡部  常  小林 英三
  ―――――――――――――
#10
○委員長(伊藤修君) では次に検察及び裁判の運営に関する調査を議題に供します。本調査は御承知の通り司法制度に関する事項及び新刑事訴訟法の運営に関する事項並に青少年犯罪に関する事項及び五井産業に関する事項等を今日まで調査して参つたのでありますが、先に申しました三事項につきましては、未だ調査がその中途でありますし、五井産業につきましても全部完了するに至りませんので、ここに中間報告をいたしたいと存じます。お手許に差上げましたところの中間報告書を御承認願いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#11
○小林英三君 これは今私は初めてちよつと読んだのですけれども、この中間報告の件に関しまして、非常にこの記述の上に、表現の上に非常にまずい点か沢山あると思います。で私はもう一遍よく調査しました上でこれを承認いたしたいと思います。今これを直ぐこのまま承認することは非常に無理があります。これは五井産業事件というものは單なる検察及び裁判の運営に関する調査の問題ではなくして、いわゆる国民の疑惑を招いてをる問題でありますから、それをエクセントリツクに疑惑をそのまま認めるということは非常に困るので、こういうことこそ、私はこの法務委員会において十分に審査をして、そうして国民の疑惑を解かなくてはならん、こういう如何に中間報告でありましても、その点に対して公正なる中間報告でありたいと思う、この点からいたしまして、今これを頂戴して直ぐさま認めるということは、これはちよつと読んで見ましたけれども、非常に私は表現の上にまずい点があると思います。晝からのときに私はこれを申上げたい、余りに軽卒なことを申上げることはどうかと思います。
#12
○委員長(伊藤修君) 文字の表現の上においてはどうかと存じますが、内容につきましては極力事実そのままを摘出いたしまして、いわゆる中間報告でありますから、多くの判断がなされていない部分も沢山あると思います。
#13
○小林英三君 いやこれはちよつと委員長お尋ねしますが、この中間報告は文書でなさるのですか。本会議でなさるのですか。
#14
○委員長(伊藤修君) いいえ文書で、委員長におきまして今日までの模様を報告しなくちやなりませんのですから、その意味において……。
#15
○小林英三君 それでは尚更この問題は、まだ時間もあることでありますから……。
#16
○委員長(伊藤修君) まだ結論に到達しておりませんから本会議にかけるということは止めたいと存じます。
#17
○小林英三君 中間報告にいたしましても、表現の上で非常にまずい点があると思います。今私ちよつと見ただけでありますから、ここで即決をしないで、もう少し時間を置いて頂きたい。
#18
○大野幸一君 これは私も要旨だけを今拜見いたしたのですが、これは一応承認するかしないかということより外にないと思うのです。
#19
○委員長(伊藤修君) そうです。
#20
○大野幸一君 これは議論しかかつたら、恐らく自由党の人では、どんなにしてもこれは満足が行かないだろうと思いますから、ここで一つこれによつての賛否でも決して頂きたい。中間報告しろということは、自由党からでも要求があつた場合こういうふうに私は取計らつたらどうか。
#21
○小林英三君 これを中間報告なさるということは、一応私は反対するものではありません。ただ中間報告にいたしましても、いろいろこの問題は社会の疑惑を招いてをる問題が沢山ある。例えば政界の大物がこうしたとかああしたとかいう問題につきましては、これは現在のそれらの政府の要人に対する、與党であらうが、或いは野党であろうが、いずれの立場におりましても、これはもう公平な判断によつて中間報告をしなくちやならんと思うのです。中間報告は中間報告でありましても、或いは本報告は本報告でありましても、この問題は私達非常に表現の上におきましても愼重を期さなくちやならん。これが我々の法務委員会の今までの長日月を費やして証人を喚問し、或いは調査したゆえんなんであります。今ここでこれを承認しろといつてもそれは無理だ。二、三時間の余裕を見て貰わんと……これは重大なる問題ですよ。
#22
○委員長(伊藤修君) 小林さんの御指摘の分はいわゆる要旨の第五でありますね。
#23
○羽仁五郎君 只今小林委員からの御発言は誠に御尤もでもあるんですが、若し小林委員の方からこの字句の表現等について不満であるということについて御発言があるということになると、実は私としても今度は別の意味から実は非常に不満なんです。委員会の委員のそれぞれの意見としては、ここにまとめられたような趣旨について、今お話のように、その字句とか、或いは場合によつては字句に止まらないというような点について、それぞれ多少の意見の相違があるかと思うのですが、併しこれをここで討論をしておることよりも、中間報告として一応ここにまとめられたようなものを承認することにせられたらどうかと思うんですが。
#24
○小林英三君 委員長。
#25
○羽仁五郎君 いや発言中です。五井産業については只今小林委員の発言しておられるようなこともありますが、併し最近政府なり、或いは警察関係なり、或いはその他社会の重大なる責任を帶びておる人々の間に不正事件が続発しておるということは、これは各位のよく御承知のところであります。これに対しては国内及び国際的に鋭い批判がなされておるのであつて、例えて申せばこの四月二十二日の読売新聞は、その社説において、「断じて綱紀を粛正すべし」という表題を掲げて、その社説の中に次のようなことを言つております。これは読売新聞の社説ですが、「フハイせる権力はもはや人民の敵であり、もし政府がこれを是正し得ないとすれば革命によつてこれを粛正するよりしかたがない。」ということを読売新聞がその社説で言つておるのであります。読売新聞は最近相当穏和ないわゆる穏健中正の立場を取つておる、その読売新聞がこうも極言せざるを得ないということは、こういうような事件に対する輿論の批判というものを端的に現はしているのじやないかと思う。そういう意味でこの五井産業事件を中心とする本委員会の調査が、この際今ここにまとめられておるような程度においてでも中間報告をされることが必要じやないかと考えるのです。どうか只今申上げましたような意味において、我々としてもこの今まとめられた中間報告に対して多少の意見がありますが、ここでその意見を開陳することを差控えて、その中間報告として一応これを承認して委員長から議長に報告して頂いたらどうかと思う。
#26
○小林英三君 羽仁君のおつしやることはちよつとおかしいんじやないかと思う。私が言うのは今これを初めて見たんです。これは委員長が中間報告するのでありますけれども、これは取りも直さず我々委員会が報告するのである。それを我々はそのまま読まずに内容も知らずにこれだけの大事件をそのまま承認するということは考えなくちやならん。ここで今初めて、二、三頁読んだだけです。それですからもう少し時間を與えて下さいというのは当然であります。我々はこれを通さんというのじやありませんよ。
#27
○羽仁五郎君 私はこの委員会に早くから出席しまして、この間皆さんのお集りになる間相当の時間があつたのでこれをすでに熟読したのであります。
#28
○小林英三君 それではなんですか。これをすつかり皆さんが最初から御覧になつているのですか。
#29
○委員長(伊藤修君) そうです。
#30
○小林英三君 私は今来まして、今拜見したものです。今これは議題になつておるのですが、今までは商法の一部改正法律案をやつておられたわけでしよう。今初めてこれが議題になつているのですから、私は申上げておるのであります。
#31
○委員長(伊藤修君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#32
○委員長(伊藤修君) 速記を始めて……。
 それではこれにて休憩いたします。
   午後零時二分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十六分開会
#33
○委員長(伊藤修君) では午前に引続き開会いたします。
 では中間報告についての御意見をお述べ願います。
#34
○小林英三君 午前中のこの中間報告につきまして承認を、求めるの件について、我々は一応これを検討してみたいと、こういうので多少の時間を頂戴したのであります。この中で特に私共がどうかと思いますることがあるのでございます。これはこの発表の際に訂正をして頂いたらどうかと思う節があるのです。その第一点といたしましては、頁がありませんからちよつと困るのですが……。
#35
○委員長(伊藤修君) 何の項目とおつしやつて頂けば結構であります。何枚目とおつしやつて頂きたい。
#36
○小林英三君 初めから十一枚目ですな。十一枚目のA、B、C、十一枚目のAの中に、「佐藤が福田篤泰代議士に対し、昭和二十二年中二回に金十万円宛、昭和二十三年二月十三日に現金二十万円及び小切手三十万円をいずれも政治資金等として贈り、小切手は吉田茂氏祕書蜂谷照雄氏に渡され、荻外莊の費用として費消されたことが認められるが、吉田氏がこれを聞知していたという証拠はない。」こういうことがあります。
 それからそのCの中に「佐藤が渡邊良夫氏の依頼で昭和二十二年九月か十月頃金二十万円、昭和二十二年募金十万円、昭和二十三年六、七月頃、金十万円を岡崎英城、丹羽喬四郎に贈つていることは明らかであるが、その金の使途について増田甲子七氏の政治資金として同氏に渡されたということは佐藤調書の外確証がない。」云々、こういうことがあるのであります。ところが一方におきまして、報告の要旨の一番最初の三枚目の、報告の要旨の第五であります。第五を拜見いたしますというと、「政界の要職に在る者が警察ボスと称せられる人物であり、現に刑事被告人である佐藤昇から政治献金を受けたことは明白な事実で」云々とこうあるのであります。先程申上げましたA、Cの内容につきましては、これは我々も全然異論がないわけではございませんが、この書いてあることについては或る程度までは認められるのでありますが、報告書の第五にあります「政界の要職に在る者」ということと関連いたしまして、「政界の要職に在る者」というのは何を指さすか分りませんが、私はこの表現だけでは、いわゆる新聞紙上におきまして五井産業事件において、現在の吉田内閣の吉田総理であるとか、或いは増田官房長官であるとかいうような、いわゆる「政界の要職」という文字は大物を連想させるという憂いがあると思う。それが明らかにここに政治献金を受けたことは明白な事実であるというふうに表現しております。政界の要職ということは吉田、増田さんを指したものではないと考えますが、併しこれは即国民大衆に対しましてはそれであるかのごとくに誤まり信ぜられるというように考えられますから、この表現はまずいと思います。若しこれが吉田、増田を指しているのであるとしますと、これは明白な事実であるということが間違つているということになる。この点はそういうことは正しい表現と言いますか、誤らせないような表現によつてこれを中間報告をする必要がある、こういうふうに先ず第一に考えます。
#37
○遠山丙市君 ちよつとそれに附加えて……。今の問題ですが、一口に申しますと十一枚目のAというところにあります問題は、吉田茂氏に対しましては全然証拠はない、こう書いてある。Cのところではただ増田氏の件に触れておりますが、これはただに佐藤調書のみに謳つている、こういうふうになつている。そうして見ると、一方においては全然証拠がない、片一方は沢山のいろいろの証人の証言中認められる事実なく、而もただに調書の中に増田氏云々ということだけがある。この二つのことで直ぐ冒頭の今言う第五に現わしております「政界の要職」ということは吉田並びに増田両氏を指さすものと思いますが、これは「政界の要職」ということを御訂正願つて、外には幾多の名前が挙つていることでありますから、はつきり福田、渡辺、誰々、こういう工合に名前を書いて現わして貰うことが一番適当であると思います。どうもAとCから出て来た結論としては、第五の「政界の要職」というところには、結び付きが誠に無理なように思いますので、委員諸君の十分なる御検討を願つて御了承を得たいと思うのであります。
#38
○小林英三君 それから私は調査結果の要旨の中の第二でありますが、第二のいわゆる「佐藤及び伊藤が自発的且つ任意に供述した事項を録取したものとして信用すべきものと認める。その理由次のごとし。」ということで理由が沢山挙げているのであります。これはいろいろ証人を訊問いたしまして、両方の証人が場合によりましては反対的な答えをしているのであります。併し例えば(1)に述べてあること、或いは(2)に述べてあることというようなものは、一方取調べを受けた佐藤だとか、或いは伊藤等の陳述によりますと、たしかに長い日時の間におきまして人権蹂躙に関するような、夜遅くまで或いは大勢で以て圧力を加えてやつたということはたしかに言つておるのです。それがここでは理由としてはつきりと(1)におきましても「取調べに際し、拷問、強要、誘導訊問、深更に及ぶ取調、長時間に亘る取調、」というような不当なものは認められない。(2)におきましては、「両名共肉体的精神的な異常はなかつたものと認められる」というふうに書いてあるのでありますが、こういう点が我々としては、少し最後には反駁が書いてありますけれども、ここで直ちに即断をするということはどうかと思う点が沢山あるのであります。先ず一番重要な問題といたしましては、私が申上げ、遠山委員が申上げました報告の要旨の第五の問題、これははつきりと表現を変えて頂きたいと思うのであります。
#39
○委員長(伊藤修君) 以上二点ですか。御意見はあとでどなたかお述べ願うことにいたしまして、第二の点は、これは係の検察官及び係の各刑事、巡査の担当者全部專門員の方で調べました。それから尚拘置間の出入簿等も全部取寄せております。ここにも書いてありますごとく專門員の方で六十三名調べております。これはこれらの事情によつてはこう認定せざるを得ないという結果からこういう表現をいたした次第であります。
 第一の点は、これは要職にあるということは御説のごとく或いは吉田、増田氏を指すというふうにもお考えになるかも分りませんが、その他渡辺、或いは福田というような皆政界の要職にある人、政府の要職にあるという人で政界の要職にある人、こういう人を一括して個々に名前を挙げずに表現いたした次第であります。
#40
○小林英三君 これは私が最初申述べましたように五井産業事件というものは、これは一般の国民ばかりでなしに、相当インテリ階級の方もその内容を誤まり伝えられたり、誤信をしておるという点が沢山ある。苟くも我々は検察並びに裁判の適正なる運営を調査したのでありますから、こういう法務委員会でこそ是非ともはつきりと、そういう点は国民大衆の疑惑を解くという任務がある、それにも拘わらず我々みずからが考えましても「政界の要職に在る者」ということは、新聞その他の記事を通じて連想いたしますと、そこに吉田、増田氏が明らかに政治献金を受けたのであるというふうに書くことは非常に困つたものであります。この点はいろいろな表現方法があると思いますが、先ず一つの手段といたしましては、先程遠山委員の言われたことも結構であります。或いは政界人である福田篤泰君、或いは渡辺君、吉田君というようにはつきりすることも結構であります。
#41
○委員長(伊藤修君) 御意見はありませんか。
#42
○大野幸一君 私は先ず第一に最初小林委員の指摘されるこの「佐藤が福田篤泰代議士に対し」云々から「吉田茂氏がこれを聞知した証拠はない」こういうことの結論を得たことに対しては大いに不満であります。我々は今吉田氏を裁判しておるというのではありません。裁判をし、これに刑罰を科せるときには証拠というものが必要であるのであります。裁判以外に我々の常識として社会の経験法則によつてこれを判断して国民に我々の意思表示をするというのは、吉田氏を刑罰に処するというのではないから、強ち証拠はなくてもいいと思うのであります。我々は証拠に基かずしても我々が内心こういうことが、考えるべきであることが妥当であるということを結論に得れば、これは勇敢に発表しなければならないと思います。そこでこの文章がややもすれば吉田氏が聞知していたという証拠はないから知らなかつただろうという結論が出るとするならば、それは事実に違うと我々は解釈するのであります。あの前取調べの証拠からしてその証拠は証言となつて速記録に残されたもの以外から我々はその真相を判断しなければならないのであります。私はこの前の委員会でも言いましたが、決して証言にごまかされてはいけないのである。これが即ち我々が直接に証人と相対峙して調べるゆえんのものであつて、この点については裁判でも同じであります。記録即ち間接記録よりは、直接尋問することにおいてその結果と相反する結論はいつでも出て来ると思います。我々は飽くまで聰明でなければならないという意味はそういう意味でありまして、大体吉田茂氏の口座に金が入つておつて、その小切手を出すときには吉田茂氏が判を捺して署名をして出している。こういうような事実或いは又これを自由党との関係において証言しておりまするけれども、荻外莊の費用は一ケ月十万円。当座の費用が要るのならば十万円という金がどこからでも工面して来ればいいのであつて、三十万円が口座に入れられておるという事実から吉田茂氏が如何に総理大臣であろうが我々国民の代表として吉田茂氏が知つていたということは証拠がなくても断言できる筈である。この意味において私は小林委員の意見については反対であります。増田氏に至つてはやや不満でありますけれども、佐藤調書にある増田献金の疑いを抹消することはできない、こういう結論がありますので、この点については疑いを存しつつ先ず肯定と解釈して私は異議はないのであります。従つてそういうことを考えるならば、報告の要旨第五はむしろ遠慮し過ぎたるところの文章であつて、その足りないものを感ずるのでありますから、私は小林委員の御意見には反対であります。こう申上げます。
#43
○遠山丙市君 この第五の「政界の要職」の所ですね。大体言い盡されたようでありますが、「政界の要職に在る者が」とこうここで区切つてあります。それから「警察ボスと称せられる人物であり、現に刑事被告人である佐藤昇から政治献金を受けたことは明白な事実で、」とこう抑えておる。そうしてこの政界の要職に在る者がこういうようなよくない人間から献金を受けたことは明白である。こういう工合に抑えているところから見まして、どうしても「政界の要職」という所は、人によつては狙いはそれは吉田、増田であろうと思いますが、そういう工合に盛つて貰うことは非常に無理なやり方です。私が先程申上げたように、私の個人の考えといたしましては、福田篤泰代議士とか渡辺代議士という名前を現わすことは、実際は嫌なことでありますけれども、これはしようがない。もうはつきりしておる。ともかく金を取上げておるのでありますから、これはどんどんここへ現わして貰つてよろしい。その他到る所に各警察官の名前をどんどん挙げておられるところから見て、何も遠慮することは私はないと思う。それでありますので、はつきりその名前を挙げて、そういう警察ボスと称せられる人物と組んでこれこれのことをしたことは明白であるということにして貰うということが私はどうも一番正しいように思われるのであります。ただ要職ということは、これはどう考えてみても一代議士とか何とかが要職とは一般人は見ないであろうと思います。代議士中においても最も上位の者を指差しておるものである。こう考えておりますので、この結び付の点は誤解を招く慮れもありますので、是非ともここの所は御訂正を願つて置きたいと思います。その他の点は然るべく……。
#44
○羽仁五郎君 私は参議院法務委員会が検察及び警察の行政について調査を行うという場合について国会として考えなければならぬことは、必ずしもつまり私は刑法上の罪にならなければ何も反省することはないのだという考え方はとるべきじやないかと思うのであります。これは世論もすでにそういうことをしばしば強調しておりますし、刑法の罪にさえならなければどういうことをやつてもいいというような考え方が、日本の政界の重要な人々の間にある間は、日本の民主主義というものは到底建設することはできない。これはまだ今問題になつているような方々についてはここで証人として喚問とか証言を求めたわけではありませんが、吉田茂或いは増田甲子七というような方々が、その点についてどうお考えになつているかということは、この委員会ではまだ証言を得ていないのですが、併しその方々のこの問題に対する態度例えば先月二十三日分日本タイムスの社説に指摘されておつたように吉田首相が新聞記者との会見において公判がこれを決定する、自分は別に責任を感じないというような態度、これは決していわゆる世論を満足させるまえんじやないと思う。又我々参議院の法務委員会もその世論の期待に応えるためには、そういう政界の重要な責任の地位にある人が刑事上の犯罪にならなければ、一向平気なんだ、いわゆる昔のどなたでしたか言われたように蛙の面に水をかけたようなものだという考え方であるということは、私は国内的にも国際的にも非常な失望を買うのではないかと思います。現にたとえ噂話にせよ、トルーマンだとか、或いはアットリーだとか、アチソンだとか、そういうような人は、そういう疑いとかああいう噂話さえ若しされたならば、そういう方々は直ちに政治的責任をとるだろうと思う。それが今日国際的なモラルのレベルだと思うのです。私はこの際今問題になつておられるような関係の方々が、どうか日本の政治上のモラルのレベルを高くするという意味からいろいろ苦慮されておるというふうに固く信ずるので、この中間報告としては、今起草されておるこのままの形で以て承認せられることが私は最小限だと思う。で若しこれについて議論するとすれば、やはり私はさつきもあれしているような相当報告書が刑事的な観点からのみ書かれていることは非常に不満でありまして、この政治道徳という点からもつと問題にして頂かなければならないというふうに考えるのですが、中間報告のことではあるし、この現在ここに提出されておるような形で承認せられるならば、それについては異議はない。併し若し先程から発言がありますような意味でこれを訂正するというならば、私はむしろ国民の期待に副う意味においてはこの政治道徳の点についても相当我々のこの調査の間に得たるところの結果というものをここに現わして頂きたいと思うのです。それでさつき小林委員も、今日相当のインテリ階級まで事件を誤解しているというふうに言われましたが、私は特にどういうことを指されるかということは大体お察しがつくように思うのですが、必ずしもつまり今申上げたような意味でこの刑法上の罪にならなければ、それは何にもその人々はみずから反省する必要がないんだというお考えでおられるのじや勿論ないと私は信ずるのです。若しそういうようなことであるとすれば、大体ここにまとめられたような形でこの中間報告がなされることを希望いたします。
#45
○岡部常君 私は羽仁委員の言われる政治道徳の方面にまでかけて云々ということに純理としては反対ではございませんけれども、この委員会の従前のやり方から判断いたしまして、そこまで拡げることは如何かと思うのです。従前においてもそういうふうに拡げれば拡げられないこともなかつたかも知れませんが、努めて法務委員会の調べとしては、裁判を極く限極された範囲に調査の手を進めておつたように考えますので、やはりこの事案につきましてもそれを主眼にして調査したのが私は本当だと思うのです。それでこの字句の点につきましては、そういう観点からいたして、先程遠山委員がおつしやつた説に賛成いたしまして、要職云々というような強い表現を用いない方が当法務委員会の調査の趣旨に合致するものと私は考えます。
#46
○大野幸一君 そうすると、国民が最も知りたいという、いわゆる政界の大物に対する判断を当委員会は逃げてしまつたことになるが、この点についてのお考えはどうだろう。
#47
○岡部常君 私は決して逃げたことにはならないと思います。それ以上は大きく世の中の批判を受けることは我々の真劔なる調査の結果を見て批判を待つてもいいと思います。
#48
○羽仁五郎君 只今の御言葉は私の申上げた点を少し補足する必要を感ずるのですが、私は若しも今なされてここに提出されておる報告書の中で、さつきから御議論になつておるような、刑事上の証拠がないのならば、そういうものは全然問題にならないのだというお考えがあるとすれば、それに対しては私はこの政治道徳の問題を問題にしなければならんのじやないかというのです。ですから確実な証拠と、いわゆる刑法上の証拠というものはないが、併しそういうものに対して、みずから反省せられるということがあるというお考えだろうと私は信ずるので、この報告書の中で政治道徳の問題を問題にするという必要はない。それは差控えるというふうに考えるのですが、併し若しそうでないと、その刑法上の問題でなければその重要な要職にある方々が、日本を内外に向つて代表せられるような方々がそれだけの高い政治上のモラルをお持ちになることを期待しないという態度をこの委員会がおとりになるというならば、それには反対だというのでありまして、この中でやはりさつき大野委員から言われたように、社会の常識として、丁度この間我々がここでこの委員会で調べたように、当時いわゆる財政上に非常に苦境に立つておられたときに、俄かに三十万円という金が銀行の口座に入つて来たんですから、あれはあの頃としては非常に大きな事件だつたろうと思います。従つてこれを聞知しないという証拠がない。聞知していたという証拠がないというふうにこの報告書に書かれていることは、私共全く理解できない。むしろ聞知しないという証拠はなかつた。恐らくは聞知されたんじやないだろうか。ですから今岡部委員のおつしやるように、従来の法務委員会の慣例ということもありますし……、尤も従来こういう問題がこの委員会に出た場合と、今の場合と違うと思いますが、併し大体そうだとすればむしろこの結論は改めて聞知しないということはない。聞知していたという証拠はないということは、即ち政治的な責任、政治道徳というものを我々の委員会では全然問題にしない。政治道徳はどうでもいいんだというふうな態度をとるのじやないかという誤詳を受ける。そういう意味であります。私はこの報告書の中で政治道徳の問題を追及すべきだと申上げているのではないのです。政治道徳の問題はどうでもいいのだというような態度は是非とらないようにして頂きたい。
#49
○大野幸一君 私は今羽仁委員の意見からヒントを得たのですが、成る程Aの説明で、これは証拠が必要なりという証拠法則を無視したる結論である、この原案は。何故かというと自己の小切手口座、預金口座に他人名義の小切手が振込まれていたという事実があれば、それは当人が承知したという推定を受けることはこれは当り前であります。これが若し裁判官であつたならば、反証のなき限り調べ方がいいとは言えないという結論に到達するのであります。証拠がなければ認められないということは、証拠法則、反証の法則を無視したる結論である。従つて羽仁委員の言われたことは法律的詳釈と言われたけれども、私は裁判所の法則から言うところの論理といえば、成る程羽仁委員の言う通り知らなかつたという証拠はないというならば別ですが、知つたという証拠もないということは、前の証拠、立証責任を本末転倒した結論であるということ、従つて最前から私はこのA自身について非常に不満であるということを申上げております。
#50
○委員長(伊藤修君) Aの問題は認められるというところで一遍切つてましつてそうしてこれに対して吉田氏が知らないと、知らなかつたという証拠は、知つたという証拠はないとこういつたのでありまして、反対に書いてもいい、お説のように書いた表現としては同じことですね。認められると言つて先に前段で決めておる。
#51
○大野幸一君 それならば……。
#52
○委員長(伊藤修君) 吉田さんが知つておつたかどうかという積極的な証拠はない、いわゆる積極的証拠はない、こういう意味なんです。
#53
○大野幸一君 然らば吉田さんが聞知したということは疑うに十分であるということ、この結論がなければ荻外莊の費用として費消されたことが認められる、併し吉田さんが聞知した証拠はないというと吉田さんは知らなかつたようにとれる、そうでないのです。これは聰明な吉田さんが、これを知らなかつたなんとは考えられない。そこで私は若しこういう文章ならばその後で附加えて貰いたい。「証拠はないが、併し疑いは十分である」と。このくらいのことは当然なことだと思う。
#54
○遠山丙市君 今の大野委員の御言葉ですが、「荻外莊の費用として費消されたことが認められる」と、こう断じてある。そうして次に証拠の関係で吉田さんを外しておる。ここでありますが、大野さんの先程のお話でも一先ず推定は受けている、推定は受けている、反対の証拠がなければ覆えせないのだ。ところが小切手の関係、荻外莊に入つた関係、吉田さんの口座に入つた関係ということは幾多の証人によつて明らかである。それは明らかでありまするけれども、今まで喚びました証人の証言によりますと、誰一人として吉田さんが承知しておつたと言う者は誰もない。でありまするから、私はこの書き方はやや不服でありまするけれども、大野君の御意見を考えて見ても、この推定を覆えす証言がないのですから、私はこれで差支ないと思う。但しこのAの言葉から最初の冒頭の大きく書いてある第五の要職云々ということには今の段階では結び付かん。将来吉田さんとか、増田さんをお喚びになつて、そうしていよいよおかしいということになつて来れば、或いはどうか知れませんけれども、今までの中間報告の、今までの審理からはこの要職はどうしても出て来ん。こう思うので申上げる。
#55
○羽仁五郎君 今大野委員から御発言があつたのですが、私の申上げたのは、政党の総裁が政党の全責任を負つて行くということはこれは非常な大変なことだろうと思うのですが、併しまあ国際的な例を見ても、その政党の総裁が相当にしつかりした人であれば一々知らなくてもそうおかしな金が入つて来るということはないと思う。又その総裁を助けておられるその政党のそれぞれの方々も総裁のそうした高い政治道徳というものをよく了知しておられれば怪しげな人から巨額の金を貰うということはあり得ない、日本では大体そういう偉い人は自分の知らないことは俺は責任を負わないというように、そうして責任を下へ下へと押付ける癖がある。現に昨年ですか、下山事件なんかの場合でも僕は本当にそれに対して最高の責任を国民に対して負わなければならない運輸相が一言もその責任を感じておられる言葉を聞かなかつた。これは日本で非常に私は惡い風だと思う。下の方の人だけが問題になつて、上の方の人は知らないと言つていつも逃げる。これは僕は日本の過去の政治道徳を端的に現わしておると思う。民主主義が成立すると同時に私は今後できるだけ一刻も早くそういうことから脱却して、もつと最高の責任を負う人はそういう点において明らかな態度をとつて、そうしてどうか今後はそういうことはないようにということを希う意味から、私は今のAのところで、吉田茂氏がこれを聞知していないという論拠はないというふうになすべきである、従つて又一般のところの報告の要旨というところにおいても、私は政界の要職にある人が刑法に触れない、触れないことは平気なんだという考えでない方向に進んで頂きたい、ここに積極的に政治道徳の問題を追求する意見はありませんけれども、併し政治道徳の問題はどうでもいいんだという態度をこの委員会がおとりになることには、私は飽くまでこれは反対なんです。
#56
○委員長(伊藤修君) ちよつとお断りして置きますけれども、起草の過程におきましては、ここに原稿がありますが、Aの末尾のところですが、吉田茂氏がこれを了知し得る事情にあると察せられるも、同氏が聞知していたという積極的証拠はない、こうあつたやつを、そういうふうに緩和して摩擦を多少とも避ける意味において、表現を緩和したのですから、その点は十分一つ御了承願つて置きたいと思うのです。大野さんのお説のごとき表現は原案起草の当時においては、そういうふうに表現しておつたのですが、その表現を多少とも緩めるという意味において只今の原案のごとく出したのであります。趣旨はそういうような趣旨です。
#57
○大野幸一君 それを報告されて初めて納得できたのです。その報告の原案の趣旨から、第五というものができたという意味に詳釈すれば、私はこの原案に賛成します。
#58
○委員長(伊藤修君) 第五項の冒頭の表現というのは含みのある表現であることは皆さん御了承のことです。今日の段階においては、それが積極的にある、而してそれが検察及び裁判の運営の方に禍を及ぼしているという積極的な証拠を見出すことはできない、中途にあるのであるのですから、従つて中間報告としては、この程度の表現以外にはないのじやないか、お説のごとく、或いはそういう点において、積極的にむしろ削つてしまつた方がいいという御説も考えられますが、この起草の過程においては、すべての証言、及び文書から演繹して参りまして、こういう表現を用いるのが、この段階においては適当であると考えて、この原案を提出いたした次第であります。
#59
○小林英三君 第五のまあ今の大野委員から或いは羽仁委員からいろいろ御説がありましたけれども、いずれの御説にいたしましても、第二行目の政治献金を受けたことは明白な事実であるということは、これはどうも私はこういう中間報告をすることはよろしくないと思います。はつきりと断定して明白な事実であるというのは……。
#60
○委員長(伊藤修君) 私は明白であることは疑いないと思うのですね。これは当委員会においても、政治献金というのは受取つたと言つているし、やつたとも言つているんですから……。
#61
○小林英三君 それは、要職にある……。
#62
○委員長(伊藤修君) あなたのおつしやるのは、吉田さんに増田さんのことをおつしやるならば……。或いは別ですけれども、その他の政治献金というものがなされたということは事実です。
#63
○小林英三君 今の委員長のおつしやる通りであれば、私は政界の要職という言葉ですね。これが世間を惑わかす基になるのですね。先程遠山委員が申し上げたように、岡部委員がおつしやつたように、はつきりとここで名前を挙げて、政界人の一人である、政界人である誰それということの方が法務委員会としては適当な表現だと思う。
#64
○大野幸一君 私はその点は反対です。大体日本人は事大主義で、総理大臣や官房長官は偉い人のように思つて、その人の名を言うことは遠慮して、一代議士に対しては、名前を出してもいい、そんな理論は成立たない、人権はすべて平等である。政界の要職といつてぼかすということも私はどうかと思うのですが、まあこれは遠慮したと見て私は了詳するのであつて、そんな偉い人のことだから国民は偉い人に対してはやり切れないといつても、我々は総理大臣と雖も、我々国民の代表者として批判する上においては、その上位にある国会は総理大臣を批判するについては最も責任のある機関である。この機関において批判する、真実を発表するのは何ら差支ない。それを総理大臣に遠慮するように思われるのは心外だ。これは代議士と雖も総理大臣と雖も平等に取扱うことを希望するのです。
#65
○小林英三君 今の私の発言に対して、大野君の言つたことに対して誤詳があると思うから……。私は総理大臣だから、官房長官だから、政界の要職にあるから遠慮するというのではない。ちつともそういう意思はない。明白でないものを明白なる事実であるということはいかぬという。それから明白なる事実は福田代議士であり、或いは渡邊良夫君はそれは明白に貰つておる。明白なる事実に対して総理大臣と雖、誰と雖も遠慮するのぢやない。それは誤解のないように……。
#66
○遠山丙市君 後の二行目の文句は佐藤昇から政治献金を受けたことは明白な事案であるとこういう断定をしておりますから、その前に政界の要職ということが頭にくつついておるのを見ると、十一枚目にあります点等から考えて見て、どうも結び付きが惡い。だから明白な事実として見ると明白なることをやつたのは誰だ、この明白なる事実がぼけて来るから初めの方もぼけて来るのでいいのですが、後がはつきりしておりますものですから、そこのところだけ御考慮願いたいとこういうのでございます。
#67
○羽仁五郎君 私はこの委員会がですね、今の政界の要職におられる方々、この方々に対しては私としては平素は非常に尊敬をしております。現在と雖も非常に同情をしておるのですが、そういう方々を救うために参議院の法務委員会なり、法務委員会の権威なりを失つてしまうということになつちやならないと思うのです。いわゆる免かれて恥なしというような批判を我々は受けるようなことはあつてはならん。で国会の権威が失墜してしまえば民主主義は全くなくなつてしまうので、而も政界の要職にあられる方々に向つて、一言でも言い得るのは国会あるのみです。これはなかなかまだ日本の警察乃至検察、裁判においてそういう政界の要職にある方々に向つて容易にそういうことがやれるものではない。それだけに重大な責任を国会が受けており、その国会に国民が負託した重大の責任というものを法務委員会がやはり分担しなければならないので、その意味において今小林委員、遠山委員のおつしやるような意味において、この政界の要職に在る者という表現を緩和するということに私は反対なんです。明白な事実ということがないじやないかと言われますが、併し我々が得た証言では、佐藤昇という方を吉田茂氏が饗応しておられる。これは吉田氏は御承知のように参議院に出席を求めても御出席にならない方です。我々が大磯に伺つたつて必ずや饗応を受けるということはないだろうと思う。そういう方が、いわゆる容易に人に面会をされない傲岸不遜とまで言われるような方が、佐藤昇という方を饗応しておられる。労働組合に向つて不逞のやからと言われる方が、わざわざ食事を出してもてなしておられるというようなことはこれは明白な事実である。それで社会的な常識を以て言えばその間に何の関係もない、何の関係もなければ誰でも来る者は拒まず、去る者は追わずというような御平常であるならばそう考えてもよいのですが、御平常から考えればそうでない。そういう意味において私はそういうような事実は全然ないという考え方はどうも納得できない。
#68
○小林英三君 今羽仁君のおつしやつた大磯の家に連れて行つて佐藤を饗応したという問題は、これは私はこの席上でそれははつきり弁駁するだけの自信を持つておりますけれどもそこまで触れたくないと思う。ただ私は幾ら国権の最高機関であるところの我々国会の法務委員会と雖も、明白の事実でない、はつきりしないものを明白な事実があるということはできないと思う。そこで問題は要職という問題でありますので、政界の要職ということになりますと、今までの従来の経過からいたしますと、国民がそこに吉田、或いは増田という連想をする。そういうように思わせるということはよろしくないからはつきりしたい。こういうのであります。それを誤解のないようにお願いいたします。
#69
○大野幸一君 政界の要職というのが、私はとにかく国民がどういうふうに参議院法務委員会が判断するかということになるのであつて、第一項から第七項に至るまで、警視庁のことについては触れておりますけれども、総理大臣のことについては触れなかつたものと、こう思われてはいかんし、国民の期待に応えなければいけないのであります。こういう意味で、どんな場合でも、吉田、増田に対しては明らかに今度は批判して行くことがよろしい。これについての論争ならば或いは少数意見でもよろしいし、発表して参ります。この二人のことに対する判断をせずして、中間報告をするということは反対であります。従つて政界の要職にという文字を削るということは、そういうことを削るということは、この国民の期待するところに応えないことになるから、この点は絶対に反対をいたすわけであります。
#70
○委員長(伊藤修君) 速記を中止して下さい。
   午後二時四十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時十四分速記開始
#71
○委員長(伊藤修君) 速記を始めて。それではいろいろ御意見がありましたですが、第五の「政界の要職に在る者が」という文字を「政界に在る者が」と訂正し、調査結果の要旨中の三の佐藤昇事件の項中、(6)のAの末尾の「吉田茂氏がこれを聞知していたという証拠はない」この文句を、吉田茂氏がこれを了知し得る事情にあると察せらるるも、同氏が聞知していたという積極的証拠はない、こういうように修正することにいたして、本中間報告について御承認をお願いいたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○羽仁五郎君 多数の方であれば止むを得ないんですが、この報告書の中に可なりいわゆる第一線にある方々に対しては忌憚なく批判をしてあるのに、そういう方々に対して、最高の責任を負うべき方々に対して、委員会が十分はつきりした態度をとらないという誤解を受けることは国会の権威のために非常に歎くべきである。国会こそ政界の要職にある方々に向つて批判し、反省を求める殆んど唯一のものでありますので、私はこの第五の「政界の要職に在る」という要職という字を取るのには飽くまで反対であります。
#73
○委員長(伊藤修君) ではそのことを除いての全部については御賛成を願えるわけですね。
#74
○羽仁五郎君 はあ。
#75
○委員長(伊藤修君) 中間報告については御承認願うことに御異議ざいませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。調査報告書に対して御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   遠山 丙市  松井 道夫
   今泉 政喜  小林 英三
   大畠農夫雄  大野 幸一
   岡部  常
#77
○委員長(伊藤修君) 次に株式名義書換に関する法律案を議題に供します。前回に引続いて審議を継続いたします。
#78
○大野幸一君 質疑をいたします。改正商法施行に先だつて本法を現行商法の特例として特に実施しなければならない格別の理由があるでしようか。たしかに改正商法は来年の七月一日を以て施行されるのであるに拘わらず、本法は直ちに実施しなければならんという理由を聞きたいわけであります。
#79
○政府委員(伊原隆君) 御説明申上げます。この点に関しましては前二回の御審議の際たびたび申上げたところでありますが、只今お示しの通り改正商法は来年の七月一日から施行に相成るわけでございますが、改正商法施行前に早くこの法律を施行いたさなければならないという理由につきましては、御存じの通り株式の名義書換が現在におきましては二三ケ月、相当の期間を要する次第でございますから、すでに会社におきまして配当を復活いたしますものも相当に多くなつて参りました際に、できるだけ株式の名義書換を簡易化いたしまして、株主の利便を図るということは是非とも必要であると思います。尚改正商法におきましては、株主名簿の複本の制度がございますが、今回の提案におきましては、簡易なる株式移転簿という制度も設けてございます。これらの各種の点に鑑みまして、この際是非とも会社とそれから、大体これは信託会社が株式の名義書換、代理人になつて貰えると思うのでありますが、他の契約によりまして株式の名義書換が簡易、迅速に行われます途をこの法律によつてできるだけ早い機会に開いて頂くということが、是非とも必要であると存じましてこの法案をお願い申上げておるわけであります。尚商法等の関係につきましては、いろいろ御質疑がございましたが、明年七月に商法が改正になりまする前、商法との関係につきまして調整を要する点がございましたならば十分に調整をいたすということにつきましては、法務庁等と十分に打合せ済みに相成つております。
#80
○大野幸一君 この法案は商法改正案と同時にこれは提案されたのですか、どうですか。
#81
○政府委員(伊原隆君) この法案は商法改正案と同時に提案をしたかというお示しでございますが、さようでございます。
#82
○大野幸一君 当委員会は遺憾ながらこれはまだ公聽会においてよく聽いていないので、これはいろいろな方面において特別の会社の特権を有することになるので、公聽会をやる必要は政府としてはないと思いますか。
#83
○政府委員(伊原隆君) この法案につきましては、極めて技術的な法案でございます。たまたまここに信託協会の方も、それから証券調整協議会の方も見えておりますが、相当長期間に亘りまして民間の方との間にも練りました問題と思います。従いましてそれは公聽会にかけて頂くという程の問題ではないように私共存じております。これはこの委員会にかけて頂きましてから大体すでに二十日間程になつておるように存じております。
#84
○小林英三君 この法案が若し法律になりました場合、証券業者というものはどういう影響を受けますか。又証券業者はこの法案の通過ということに対しまして、相当期待を持つて、希望しておりますか。そういう点どうですか。
#85
○政府委員(伊原隆君) 只今申上げましたように名義書換が非常に時間がかかりましたり、現状におきましては困難な点が、株式が円滑に移動流通いたします上には相当の支障になつておるのでございます。この法案ができまして、そうして名義書換が簡易迅速に行われ得る途が開きますということは、証券の流通がそれだけよくなることでございますから、私共承知いたします限りでは、証券業者の方々も期待いたしておられる。こういうふうに私の方は信じております。
#86
○大野幸一君 この法案が実施されて、どのくらいの代理業者が、どんなふうで発足するという、政府の見込はどうでしようか。
#87
○政府委員(伊原隆君) 先程申上げましたようにこの法案が御制定願えますならば、恐らく信託会社又は銀行等がその仕事を始めて頂けるのではないかと思うのでございます。で、この法案は決して代理業を強制するものではございませんので、こういう簡易なる名義書換をなし得る名義書代代理人という制度の途を開きましたわけでございますので、事業会社等、例えば信託会社との間の契約によりまして、相当程度活用されるのではないかというふうに私共は期待をいたします。尚アメリカ等でも前からこういう制度になつておるようでございまして、非常に便利な制度であるというふうに考えております。
#88
○大野幸一君 アメリカでそうなつておるという話ですが、株式移転簿による名義書換の制度ということになるわけですね。そのアメリカの一つの資料を出して貰いたいのですが、出ておりますか。
#89
○政府委員(伊原隆君) 米国における制度につきましては、相当詳しいものを御提出いたしてございます。
#90
○委員長(伊藤修君) 名簿移転による制度の資料は出ておりますか。
#91
○政府委員(伊原隆君) 株式移転名簿のことではございませんので、アメリカのいわゆるトランス・エイジェントの資料が出ておるわけでございます。
#92
○大野幸一君 各信託会社の意見書というようなものが出ておりますか。
#93
○政府委員(伊原隆君) 意見書というふうなものではございませんですが、信託協会の総会等におきましての御意見、その他によつて、しばしばこの点には言及しておられます。丁度こちらにも見えております。
#94
○大野幸一君 いや、我々のところへ資料として貰つておるか。あなた方聞いてもこれは何もならん。
#95
○政府委員(伊原隆君) 国会の方にはお出しはしていないかと存じます。
#96
○大野幸一君 株式移転簿による名義書換の実際の取扱はどういうことになるか、一つ説明して頂きたい。
#97
○政府委員(吉田信邦君) お答え申上げます。複本によります場合におきましては、この法案によりますれば名義だけ書換代理人のところに複本を設ける場合もあり、又支店その他に設ける場合もございます。一番徹底したものが考えられますのは、会社が従来株式課というものを設けて、そこであらゆる株式事務をやつております。併しこの株式課の仕事は、会社の営業面とは可なり切離された独自の技術的の仕事でございますので、会社の組織の上から言つても、とかく継子扱いになつたり、又技術的な手数がかつたりして、会社としても非常に余計な経費がかかつておるという事情がございますので、こういうようなことから名義書換代理人ができますれば、或る会社では全面的に名義書換代理人に委任するというような形で、会社の株式課というような組織を省いて、そういう專業者に委せる、而もその專業者では技術的に法律的に非常に研究して能率的に安いコストで株式の名義書換を代行するということになると考えられるのであります。又株式移転簿の問題でございますが、現在の株主数は各社とも相当多数を抱えております。大きな会社ではなかなか容易にこの株式の株主名簿の複本を備え付けるということは、経済的にも時間的にも相当の日数、或いは経費を要することと考えられます。そういうふうな点におきましては、むしろ簡易な株式移転簿というようなものを設けることによりまして、そこで比較的簡単に名義書換を行われ得るものと考えられます。ただその方式といたしましては、この法律も別に規定はいたしておりません。又従来の株式名義の書換につきましても、印鑑簿による照合という問題は、別に法律の規定ではなくして、商慣習によつておのずからでき上つて来ておるものでございますから、従つてこの株式移転簿の問題につきましても、商慣習というものが漸次開かれるものと考えられます。むしろ法律といたしましては、今までそういう途が開かれなかつた、商慣習の成立の余地が與えられていなかつたために、アメリカその他のような比較的簡易な、迅速な名義書換制度ができなかつたのを改めまして、そういう途を開くということに重点が置かれたわけであります。
#98
○委員長(伊藤修君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#99
○委員長(伊藤修君) 速記を始めて下さい。
#100
○小林英三君 これはこの法律が若し何ですか、参議院のこの時間的に不可能というような場合が起つたらどういう不便が起つて来ますか。
#101
○政府委員(伊原隆君) この法律は只今も縷々申述べましたように、実は株式の移転ということが簡易、迅速に行われるようにできるだけ早い機会にそういう途を開きたいという法令でございますので、来年の七月に商法ができますまでの間、そういう制度ができませんで、現在のように二、三ケ月も株式の移転がかかるという状態でございます。一方この法律を通して頂きました場合に何か弊害があるかという点につきましては、株式の名義書換が簡易、迅速に行われる途を開くだけでございましたら、何にも強制はいたしません、そういう途を開いて頂くことは、一刻も早い方がよいのではないかということを私共確信いたしております。
 尚今日法務委員会におきまして御多用のところにこういう法律が出て参りまして、非常に恐縮でございますが、前にも先程申しましたように二十日程前にもこちらの委員会にお世話になつております。二回も御審議を願つたようなわけであります。
#102
○小林英三君 それから今まで会社の株式課等でやつた書換の仕事を極めて簡易、迅速にやるというので、こういう代理業制度ができるわけであります。その代理業ができますと、どういうような手段によつて簡易、迅速に今までよりなるわけですか。会社が今までの株式課に人間を沢山廻せば、簡易、迅速に行くということもあると思います。代理業によつてどういうようにそこで簡易、迅速に行われて参りますか、お伺いします。
#103
○政府委員(吉田信邦君) 先ず第一にこういう仕事を各会社が別々にやつておりますと、名義書換の請求がありますのは、大体事業年度の終了の時分、いわゆる配当の決まる時分に集中したり、或いは増資のときに集中したりということで、時期的に仕事に非常に大きな波が参ります。従つて各社として不要な人間を相当多く抱えなければならないし、又そういうときには非常に仕事が重なるということになるわけでございます。これに対しまして各会社を受持つ名義書換代理人ができますれば、いわば事業年度が三月、四月、五月というふうにそれぞれ違う会社を幾つか持つということによりまして、人繰りの上から言つても無駄がない、而して仕事の上でも経験に富んで参りますから、技術的に非常に迅速になる。それ以上に一番大きな点は、現在株式名義書換は本社でしか行われておりませんから、そこまで一々郵送しなければ名義書換ができませんでした。郵送いたしますと、その間五日或いは一週間、長い場合には一月とか二月株式が止まつてしまうわけであります。そういうことのために、売つたり買つたりする機会を失う場合も多うございます。又この郵送科にいたしましても馬鹿になりませんので、現在の五十円の券面金額でありますが、配達証明で出しますと八十三円であります。株一枚配達証明で出すと八十三円かかる。一株券ということはございませんが、若しそういう株券がございますれば、名義書換をやるのは全く不経済であるということになつて参ります。又上場株なんか取引の多い株についてはこういう制度が進むことによりまして、一々本社まで手紙で名義書換に送るというような手数を省いて、取引所のある場所で、その場で名義書換ができるという制度になりますれば、株式の取引の便宜の上にもこの上ないものがあるのじやないか、こういうように考えるのであります。
#104
○小林英三君 これは代理業というものは、許可する数は、この資格に合致すれば幾らでも許可するのか。それから代理業というものは、一つの会社について一軒ずつ受持つのでありますか。或いは多数の会社を一つの代理業が持つのか、或いは一つの代理業がどの会社でも受持つことができるのか、そういうことについて伺いたい。
#105
○政府委員(伊原隆君) 代理業につきましては、第五條にございますように、登録制度でございまして、一切の資格要件を備えております場合におきましては、如何なる会社でも代理業を営むことができるわけであります。併し実際におきましては、恐らくは信託会社等が兼業する場合が多いのではないか、こう考えております。
 それから第二のお尋ねでございますが、普通の場合、その取引所の所在地等にこういう機関ができまして、沢山の会社をその機関が受持つということになるというふうに、そういうふうに考えております。むしろ一つの名義書換代理人が沢山の会社の名義書換を受持つということになるのではないかと考えております。
#106
○小林英三君 そうしますと、登録しますのは、或る一つの代理業が甲会社、乙会社、丙会社というように決めてしまえば、その決めた会社以外の名義書換ということも、その代理業ができますか。
#107
○政府委員(伊原隆君) お示しの通りでございまして、名義書換代理業を営む登録をいたしまして、例えば或る信託会社がそういう登録をいたします場合には、甲、乙、丙いろいろな会社と名義書換代理人との間に契約を結びまして、その名義書換代理人に、その会社としては株式の名義書換を委託するということになつております。出て来た……或る会社が沢山受け持ちます方が勿論経済的に参ると思います。これが勿論頼む会社と頼まれる会社との間の自由なる契約でございまして、実際に自分の会社でやるより安く、且つ便利だろうというふうな場合におきましては、相当利用者が殖えるというふうに期待しておるわけでございます。
#108
○小林英三君 そうしますというと、中央部にそういう取引所のあるところは結構ですが、地方の株の売買、株を購入した人が名義書換をやろうというときにはやはりその取引所のあるところまで持つて来てその代理業に頼む、こういうわけですね。支店でも作るのですか、そういうときには。
#109
○政府委員(伊藤修君) その名義書換代理業というものが段々に始まりまして、この制度は非常に便利であるということに相成りますと、先ず私共の想像では取引所の所在地にできると思つておりまするが、尚地方で相当取引所の所在地でなくても相当の株式の名義書換が行われるようなところがありますれば、そういうところにも名義書換代理人が仕事をするというふうになるのじやないかと思つております。
#110
○小林英三君 それから今度は安く、非常にこの書換料が安くなるということなんですが、大体これが法律ができますというと、大体どのぐらいでやるということに決まつておりますか。
#111
○政府委員(伊原隆君) それは只今申上げましたように会社間の契約でございますが、只今の実情では会社側の所要経費が租税負担とか、減価償却費とか諸掛費を除きまして、人件費とか物件費だけで株券一枚当り四十円前後を要する。それから尚その外に郵便で株主が送るというふうな場合になりますと、書留配達で送達いたしまして、百二十一円かかるというふうなことでありますので、これは專門的に名義書換代理業ができました場合には、当然もつと安く行くというふうに考えております。そうすると会社といたしましてはそれを使うようになるだろうと考えております。
#112
○小林英三君 それからこのこういうような代理業が沢山出て参りますというと、現在のこの株式会社が株式課において名義書換をやつておりましても、いろいろこの株券の偽造であるとか、或いはいろいろな犯罪が横行するのでありますが、こういう代理業が登録によつて沢山できるというような場合におきまして、実際面としてそういうような犯罪が前以てそれを発見されないというような欠点はないでしようか、代理業によつてやることによつてやることによつて。
#113
○政府委員(吉田信邦君) 代理業によつてやることによりまして、直接には必ずしも起らないのじやないか。殊に又複本で参ります場合には大体起らないようでありますが、株式移転簿によります場合につきましては、若干の疑問がなきにしもあらずでございますが、併しこういう新らしい制度ができるに伴いまして、米国の例等を見ますると、いろいろと補助的な機構が多少出て来る、例えば向うのサインの保証にいたしましても、証券取引所、或いは有力証券会社、或いは取引銀行というようなものがサインの保証をするというような形でこれの確認の慣習ができ上ることになつて参るのであります。そういつた慣習の成立と相俟ちまして、この代理業ができたことによつて特に取引が円満になるのではなかろうかと思うのであります。
#114
○小林英三君 それからこの何ですか。一つの代理業がいろいろな会社と契約をする、そうするとその代理業に契約した会社は、今度株式課を設けずにやつて行くのでしようか。或いは代理業は代理業として、名義書換の代理業をやる会社は会社として株式課を置いてやつて行くということもあり得るのですか。
#115
○政府委員(吉田信邦君) それは二つの場合があると考えられます。株式課を置きまして名義書換の書換事務だけを代理させるという方式もございます。それから同時に一般に株主名簿、株式の名義書換だけの問題ではない、更に配当金の問題、或いは株主総会の招集の通知というような、従来株式課でやつておる一切の仕事を代理するというような場合もあり得るかと思います。で、この法律では両方なし得るように案を作つている次第でございます。
#116
○小林英三君 一般の株の売り買いをしておる人に対して、甲ならば甲、乙ならば乙会社はどういう代理会社によつて委託しておるのだということを公知せしめる方法はどうやつておるのでございますか。
#117
○政府委員(吉田信邦君) 公知の方法といたしましては、向うでは株券の券面に一々名義書換代理人の名前を入れるような慣習になつておりますが、併しこれは向うの制度では名義書換の都度一々新券を発券するというような形になつております関係からして、当然のことと思いますが、日本の場合にはそういうふうには行き得ないと思います。従つて、証券取引所その他の取引が行われる場所に、それぞれの名簿が備えられて、そうして甲会社の名義書換代理人は何々銀行だというようなことが明かにせられることになると思います。
#118
○小林英三君 それからこの資格ですね、代理業の資格というのは百万円以上の会社と書いてあるのですが、我々が例えば株を売つて名義書換をするというような場合におきまして、どうも相当の値段のつく株券を書留郵便その他の方法によつて郵送してやるという場合には、今までの会社でありますというと、いずれも資本金の大きな会社の株券を得て取得するわけですけれども、現在の百万円ぐらいな会社で果してこれを利用する人が安心してそれらの何万、何十万というような株券を郵送して、地方におる人が郵送して委託するというようなことになりますか。気分になりますか。
#119
○政府委員(吉田信邦君) この点は現在の金融機関に対しまする資本金の制限は、これは物価に対して多少遅れ気味かとも存じますが、銀行百万円、信託会社百万円、貯蓄銀行が五十万円、無盡会社が十万円というような形にもなつております関係から、余り高いことをつけるのも、営業の自由の制限というような意味から言つて、採れんところだというような意味で、百万円ということで置かれたわけでございますが、実際問題といたしましては、相当に施設も必要でございますし、又、資本金によりまして、信用もいろいろ違つて参る。ただこの問題は株式を発行する会社が相手方と契約をするわけでございますから、資本金その他においても、相当信用の置けるところが選ばれるのじやなかろうか。むしろこの資本金百万円というのは本当の最低限度というような意味で置かれたものと存じます。
#120
○小林英三君 そうすると一つの、甲ならば甲会社が代理業の二軒にも三軒にも自分の株券の書換の委託をする場合もあることも考えられますが、そういう場合におきまして、やはりこの需要家としては同じ会社の委託をしておる代理業に対しても信用のある方面に集中するということがあり得るのですか。
#121
○政府委員(吉田信邦君) 実際問題としましては、一つ会社が頼むのに、例えば東京ならば東京で三軒頼むというようなことになりますと、一々報告を受けたり、それから名簿を整理したりする上から言つて却つて繁雑になると思います。実際問題としては一ケ所ということが原則になると思います。ただ地域的に、例えば大阪には支店がないというような名義書換代理人の場合には大阪に別に会社を頼むというようなことがあるのではないかと考えます。
#122
○小林英三君 それからこのアメリカでやつているそうでありますが、これを若し、この法律を実施することになつて代理人ができることになりますと、すでにアメリカあたりから一つの指導するような方でも来て、一時も早くやらせるような方法でもあるのですか。
#123
○政府委員(吉田信邦君) 別に今そう具体的なものはございませんですが、今各信託会社におかれましても、向うの制度について非常に研究しておられますし、又司令部関係の担当官の方も、それらの信託会社の方々に、この問題につきましてできるだけ詳しく実情を示すというような態度でやつておられると思います。
#124
○大野幸一君 この法案はこれは大蔵省で起草されたのですか。
#125
○政府委員(伊原隆君) この法案は大蔵省が起案いたしましたが、勿論商法との関係もございまするし、十分法務庁とお打合せの上、実際は共同製作をいたしたというふうな実情にございます。くどいようでございますが、この法案はこういう株式の名義書換代理業という簡單な、且つ円滑に株式の移転ができる制度を、この法律によつて開いて頂こうということでございまして、これを強制するとか何とかいうことは全然ございません。世間で利用することを期待いたしまして、こういう制度が一日も早く行い得る途を開いて頂きたい、こういう趣旨のものでございます。
#126
○大野幸一君 衆議院は法務委員会でやつたのですか。
#127
○政府委員(伊原隆君) 衆議院は大蔵委員会で可決して頂きました。まあくどいようになりますが、各会派全会一致で討論も御賛成を頂いたようなわけでございます。
#128
○大野幸一君 それは法務委員会と合同審査をやつたのですか。それは事情は分りませんか。
#129
○政府委員(伊原隆君) その辺の事情は存じませんが、議院運営委員会で大蔵委員ということになつたものと存じております。
#130
○大野幸一君 先程小林委員の言われました株式移転簿でやることになりますと、どうもそこに犯罪が起きる、二重発行、或いは又偽造の株券が流通しても知らないでいるというようなことはありませんか。
#131
○政府委員(吉田信邦君) 二重発行…。
#132
○大野幸一君 いや、二重発行じやありません、偽造の……。そこでこちらで偽造されるときには本社と違つて発見が困難じやないか。
#133
○政府委員(吉田信邦君) その点は若干ございますが、それ以上に経費の点とか、或いは人員その他で有利ではないか。それと同時にその点につきましては、どういう場合にどういう程度で確認するかというようなことは、それぞれ会社と発行人との間で契約で成立つわけでございまして、会社側においても損にならないような契約をいたしてございましようし、又発行人の方としてもそういう意味で万全を期すると存じますので、むしろその点は、当初はそういつた偽造や何か起つた場合にどうするかということも想定することも考えて見たのでございますが、むしろそういつた点は商慣習等に委せた方がいいのじやないかということになつたわけであります。
#134
○大野幸一君 印鑑の照合というのですね。その照合はどういうふうにするのですか、名義書換代理人が数ケ所にあつた場合に。
#135
○政府委員(吉田信邦君) 名義書換に際しまして、従来の正本一本でやつております場合には、大体御承知のように取得したときには株券の券面には印鑑を捺さないで、譲渡しのときだけ印鑑を捺すというような慣習になつているかと存じます。これが株式移転簿で取引されるということになります場合には、その株券につきましてはやはり取得の際に取得者の印鑑が押捺される。それと同時にその株券が譲渡された際にも捺されるというような形で、取得のときの券面に示される印鑑、それから譲渡の際の印鑑とが照合せられるというような形で行われるものと考えます。
#136
○大野幸一君 又別の話になりますが、我々は衆議院の法務委員会でこれを審査をしているならば、今日ここで終了してもいいのですが、どうもこういう事柄は元来法務庁で、改正商法と一緒に法務庁で立案してやつて呉れるべきものだと私はすつかりそう思つていたのですが、他の委員会でこういう法案をやられて、それで我々の参議院だけこれでやつて、あと一瀉千里にやるということは非常に危険だと思います。その点について法務庁、来ていらつしやるならば法務庁の方はどう思われるのですか。
#137
○政府委員(岡咲恕一君) この法律案は大蔵省で御立案になりまして、国会に御提案になりましたのですが、私共の方にも御連絡がありまして、主要な点につきましては二、三御意見申上げたわけでございます。改正商法におきまして名義書換代理人の制度を採用いたすという原則をとりますると、名義書換代理人の行います事務が極めて重要であるし、代理人が不用意に、或いは不法に名義書換を行うということになりますると、証券の信用、流通を害することが甚だしいのでございまして、名義書換代理人に対しまして、適当なる監督規定を規定するということは当面の急務であるように考えているわけでございます。
 大蔵省の案を拜見いたしますると、証券取引委員会が監督機関になりまして、登録だとか或いは資格につきまして相当嚴格なる制限を置いておられる。これはこういう定め方をせられるならば商法実施の曉には試に運用に遺憾なきを期することができるだろう。こういう意味におきまして、私共はこの法律の本旨には全く賛成を申上げる次第でございます。
 それで問題になりまするのは、株式移転簿による名義書換の制度でございまするが、この点は現行商法下における制度といたしますと、多少行過ぎではないか。現行商法の下におきましても、又改正法におきましても、株主名簿というものが会社に対する関係におきまして、非常に重要な役割を持つている。その株主名簿に代りまして株式移転簿というものが名義書換の上に一つの作用を持つのでありまして、この移転簿というものはどういうふうな一体形式になるものか。その株式移転簿と株式名簿との関連がどうかということが多少気になつたのでございますが、十一條の五号におきまして、株式移転簿に名義書換の記載をいたしましたときには遅滞なく、株主名簿の上に記載をする。而もこの記載を怠るならばそれに対して罰則が課せられるというふうな関係にもなつておりまするし、本来名義書換代理人の効用は、信託会社或いは銀行の裏付といたしまして名義書換を行わしめる。言い換えれば名義書換の裏付といたしまして銀行なり信託会社の署名があると、認証があるということに非常に意味があるのでございまして、銀行の信用を担保にして名義書換を行なつている。若しその銀行なり信託会社が不当な、或いは不法に名義書換をいたしました際に、譲受人なり或いは名義書換関係者は、その銀行或いは信託会社に対して正当に損害賠償の請求をなし得るということがありますので、実は印鑑の照合ということが現実におきましてなかなか十分に行われておりませんし、むしろ銀行、信託会社の信用の下に名義書換を行わせるという一つの制度が合理的ではないかというふうに考えまして、実は現行法の下で考えますると、多少無理がございまするし、今この規定を審さは拜見いたしますると、こういう規定も置くべきであつた、ああいうふうにすべきであつたという点が多少はございますけれども、それらの方向としてはこれでよろしいのではないかというふうに考えまして、法務府としてはこの案の成立を期待しておるわけでございます。我々は名義書換に伴いまして、登録期間という制度も同時に併せて考えて頂きますならば尚結構であつたかと思いまするが、大蔵省におかれましては、商法施行までにはその点を十分検討して、商法施行と同時にこの法律案を更に改正するという意図もあるように伺うのでございますので、それを期待いたしまして、法務府といたしましてもこの法律案の成立することを御願いいたす次第でございます。
#138
○大野幸一君 罰則ですが、十八條の三万以下の過料とあるのですが、これは少し安過ぎるのではないでしようか。今までといろいろ比較いたしまして、改正商法は三十万円、旧法が五千円、罰金等臨時措置法の例によれば、二十五万円くらいが適当となる。こういうように考えるのですが、三万円ということは、こうしたものを犯すときは大抵意慾犯ですからむしろ罰金犯と思うが、過料になつておりますけれどもこれが少し安過ぎる、寛大過ぎると思うのですが、この点法務庁はどういうふうに考えられるか。
#139
○政府委員(岡咲恕一君) この罰則は現行商法との均衡を考えられまして三万円とされたわけでございまして、改正商法が施行になります際には当然改正商法の金額にまで増加される予定でありますので、現行商法の下ではこの程度で止むを得ないかと考えます。
#140
○大野幸一君 そこでどうも私は、やはり商法の大改正があつたから商法改正と同時に施行されて心機一転にやられる方がいいと思うのですが、この点についてはどうしてもこれは今やらなければならん、今やらなければならんようには考えられないのだが、法務庁どうですか、あなたの方が商法改正をやつているのですが……。
#141
○委員長(伊藤修君) 商法改正が通つたからといつて余り無責任では困るというのですね。
#142
○政府委員(伊原隆君) これは法務庁の方からもお答えがあるかと思いますが、私の御説明が或いは足りなかつたかと思いますが、元来商法でやつて頂く点が多いことは縷々御指摘の通りでございます。ただこういう制度を何分にも現在の株式市場の情勢その他を考えましても、又産業が長期資本を調達いたしますのには、どうしても自己資本による、そういうふうな場合には株式の移転が円滑であることが必要でもありまするし、又いわゆる株式の民主化という問題につきましても、株式の名義書換が三ケ月も四ケ月もかかるという現状では、如何にも民主化の阻害にもなりまするし、又現在までは御存じのように多くの大きな会社は特別経理会社となつておりましてその配当にも制約があつたのでありまするが、この特別経理会社の方も殆んど全部完了いたしまして、各会社とも配当を復活して株式が利潤証券たるの地位を回復しつつある際でございます。従いまして一刻も早くこういう制度を実施し得る制度を開いて頂きたい。そういうことにつきましては、私共産業資金の供給というふうな点から考えましても、強くお願い申上げたいとこう考えておる次第であります。
#143
○大野幸一君 記名社債について、どうしてこれと同じような方法が考えられなかつたのですか。
#144
○政府委員(吉田信邦君) 社債につきましては、現在の段階におきましては、まだ大衆化しておるという段階に達しておりません。そして社債の殆んど九割九分までは金融機関という関係になつております。又取所引も取扱つておりません。従つて順次取引所で社債を取扱うという状況になり、又大衆の手にも渡るようになれば、同様に考えて行きたいと考えておる次第でございます。
#145
○大野幸一君 大会社では株式課というものがあつて名義書換する際に職員でやつておるわけですが、名義書換代理人というものにこれを依頼してしまうというと、名義書換の費用というか、そういうようなものはどつちにしても同じように考えられるのであつて、やつぱりそこでも人件費が要るのではないか、コストの関係においては別に御存じないと思うのですが、その点はどうですか。
#146
○政府委員(吉田信邦君) その点につきましては先程もちよつと申上げましたように、一つの会社でやつておりますと、決算期それから増資というような時期は決まつております。従つて株式課のいろいろの仕事の状況を拜見して見ますと、非常に波が多いのでございまして、名義書換件数なども決算期の直前一ケ月に殆んど固つておるというような状況でございまして、その都度臨時雇を入れたり何かしてその不熟練な者に取扱わせるというようなことになつております。これが一つの代理人で数社受持つ、或いは数十社を受持つということになりますと、その繁閑期を調節いたしまして、三月四日なり三月五日というふうに、決算期を種々の会社を持つというようなことをいたしますれば、その間の能率が非常に上るのではなかろうか、そういつた方面から、又その法律の研究にいたしましても、株式課の権限で相当法律的に研究しておられますが、そうしたものにつきましては專門家がそこにおればできるということで、会社の組織としては順次簡單になつて行くのではなかろうかというふうに考えられるわけであります。
#147
○大野幸一君 これによつて株主はどうですか、従来よりは経費は加重されるようなことはないのか、そのお見込ですね。
#148
○政府委員(吉田信邦君) 従来、現在のところでは株主から直接名義書換に対して徴します費用は、安いところで一円、高いところで三円ぐらいであります。
#149
○大野幸一君 一株ですか。
#150
○政府委員(吉田信邦君) 一株です。一枚でございます。この経費は実際株式の名義書換に要する経費の九牛の一毛にも当らないもので、大会社を幾つか調べて見ましたが一枚当り最低二十円、最高六、七十円要しておるようであります。そして全部これは会社負担になるわけです。この名義書換料というものを取りますことは、これは必ずしも常則ではございませんで、むしろ会社の経費負担が軽くなることによりまして、或いは場合によつてはこういうた名義書換料を株式から一々徴するということもしないで済むようになるかも知れません。更に一番大きい点は配達の問題でございまして、当事者間におきましては郵送いたします。先程も申上げましたように配達証明片道八十三円かかるというような状況でございますので、少数の株数を扱う場合は、遠くのところは名義書換不能というような状況になるのでございますが、これが所在地においてなし得ることになれば、そういつた郵送料というような経費は省けることになると思います。
#151
○大野幸一君 そうすると、委託会社と会社との間に料金関係を決済するということでございますか。
#152
○政府委員(吉田信邦君) そうでございます。
#153
○大野幸一君 株主は拂わないのですか。
#154
○政府委員(吉田信邦君) 株主からは現在一円乃至三円取つておりますが、この程度のものは或る程度続くかも知れません。又非常に会社の考え方によつては、その方面のコストを下げて、これを株主によつてはお断りするということもできるかと思いますが、それらの点は法律上は直接に規定はいたしておりません。
#155
○大野幸一君 現在株主変更の実際の状況は証券業者を介するものと、証券業者によらず名義書換をするものとが、どのくらいの割合になつておりますか。
#156
○政府委員(吉田信邦君) 現在その数字は直接にはございません。私共で大体調べて見ますと、証券業者を通じての取引が主でございまして……。
#157
○大野幸一君 そういうのは統計とかそういうものが大きな会社に対して資料として出ていないのですか。
#158
○委員長(伊藤修君) 出ておりません。
#159
○大野幸一君 出ていないのですか。それじやよろしいです。第六條の、虚偽の誓約書に対してこれは罰金が科されていないようですが、六條の二項ですが、最後に、その誓約書面を添附しなければならない。誓約だから一つの宣誓、誓約でこれに対して違反の制裁がないようですが、これはどういうわけですか。
#160
○政府委員(吉田信邦君) 十五條で、「左の各号に掲げる場合には、名義書換代理人の登録を取り消さなければならない。」ということになつておりまして、ここでこの三号で……。
#161
○大野幸一君 一項の四。
#162
○政府委員(伊原隆君) ちよつと取調べますから直ぐに……。
#163
○大野幸一君 次に第七條ですが、証券取引委員会は登録申請書を受理した日から三十日以内に登録し、申請人はその旨通知を受けた日から三十日以内に登録手数料を納付する。手数料を納付した日から業務を営むことになるのですが、これでは登録と営業開始とが一致せず、理論的に矛盾するように考えられますのですが、この点はどういう見解ですか。
#164
○政府委員(伊原隆君) 今のお尋ねは第八條で、第一項で遅滞なく登録通知する点と、三十日以内に納付する点でございますか。
#165
○大野幸一君 そうです。
#166
○政府委員(伊原隆君) ちよつと御質問の御趣旨が……、これでいいんじやないかと私共思つておりますが、御趣旨の点はどういう点でございましようか。
#167
○大野幸一君 これは登録とそれから登録手数料を納める日とが一致しないわけなんですが、そんなことをしなければならないという理由がどこにあつたか、こういう意味なんです。登録してから開業するまでですね、普通の場合は登録すれば直ぐその日から開業できるということになる、一般には……。それを区別したのはどういうわけですか。
#168
○政府委員(伊原隆君) 只今の御趣旨は普通の場合登録したら直ぐに営業を開始するのが当然ではないかというお尋ねでございますが、普通の場合に、そういう場合におきましては登録手数料は登録の際に登録手数料を納めなければ登録しないような制度になつております。然るにこの法令におきましては登録者は先ず登録をいたしまして、登録後三十日以内に手数料を納めればいいということに相成つておりまするので、登録手数料を納めてから開業するとこういうふうにいたした次第であります。
#169
○大野幸一君 そういうことになつておるのですが、もつと早く開業させるようにすればこの期間というものは必要ないんじやないかと、こういう意味なんです。
#170
○政府委員(伊原隆君) 御意見のような建て方も勿論御尤もでございますが、これは登録の手数料を三十日以内に納めさせようとこういう制度にいたしたものでございますから、その手数料を納めたときからとこういうふうに考えましたわけでございます。
#171
○大野幸一君 八條の登録手数料ですね、これは三千円ですが、これは会社が営業を開始するのに登録するのであつて、もう少し取つてもいいように考えられるのですが、例えばわれわれが弁護士に登録するに三千円納めるとこういうようなことになつておる。これは営業じやなくてもそういうことになつておる。それからお医者さんとか、獣医師でも三千円、少しどうも大蔵省は自分の方の味方の場合には少し安くしたので……。
#172
○政府委員(吉田信邦君) 別にそういうわけじやございません。登録業者は別に制度的なのもございませんで、実費弁償という意味で、外の場合に比べましても登録開始の手数としては三千円程度という程度に考えたわけであります。
 尚先程お話がございましたこの六條関係の罰則でございますが、六條につきましては直接罰則はございませんが、九條におきまして、九條の二行目に「登録申請書若しくはその添附書類のうちに重要な実事について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。」ということで、虚偽の申請をした場合には登録を先ず拒否するわけでございます。それでそのときに発見されないで、後に至つてその虚偽である事実が発見されましたときには、十五條の第一項第四号に「名義書換代理人が掲出した登銀申請書若しくはその添附書類のうちに重要な事実について虚偽の記載があつたこと又は重要な事実の記載が欠けていたことが判明した場合」にはこの登録を取消すということになりまして、罰則以上にもう営業権そのものを奪うということになつて参るわけでございます。それで更にこれらの取消し、或いは拒否に拘わらず商売を続行するといたしましたならば、これは無登録営業ということで第十七條の罰則が科せられると考えられます。
#173
○大野幸一君 九條の欠格事由に禁治産者、準禁治産者を入れられなかつたわけですね、それはどういうわけですか。四の場合「破産者で復権を得ないもの」とこうありますが、禁治産者とか準禁治産者、こういう者は……。
#174
○政府委員(吉田信邦君) これは会社でございますからその意味で破産者とか……。
#175
○大野幸一君 そうですか。第九條の二項で聽聞のため申請者の出頭を求める場合に、出頭しなかつたときほどうなるのですか。
#176
○政府委員(伊原隆君) これは出頭の機会を與えまして聽聞をするわけでございますので、参りませんでしたらそれまでであります。
#177
○大野幸一君 先程ここに私は会社ばかりと考えておつたが、そうすると五に「禁こ以上又は」とこういうふうに書いてあるのですね、会社が禁錮に処せられることではないので、これはさつき私の言つたことの答弁で第九條の禁治産者、準禁治産者を欠格條項に入れなかつたのは、会社だからということで私は納得したが、ところがそうなれば……。
#178
○政府委員(吉田信邦君) この四号、五号は役員についての規定でございます。一号から三号までは会社の登録申請者のものでございます。そうして又禁治産者等が役員になる場合も原則としては考えられませんので、これだけを規定したのです。
#179
○大野幸一君 それはおかしいですね。
#180
○委員長(伊藤修君) そんな無茶なことを言つては困る、一時的に逃れるようなことは……。
#181
○政府委員(伊原隆君) 第九條を御覧になりますと、第一号から第三号までの一に該当する申請者の役員のうち四号又は五号に該当する者があるのです。例えば信託会社の役員の、五号の中には禁錮云々の者あるときには、登録を拒否するとこういうことでございます。第三條はこの名義書換代理業は会社が営むということに相成つております点は先程申上げた通りであります。ただそれなら役員の中に今の準禁治産者があるとか、禁治産者があればどうかということでございますが、これはそういうお説もあり得ると思いますが私共はそういうものは役員の中にいないのじやないかというふうに考えて落しているようなわけでございます。或いは御指摘の点が御尤もな点かと存じますけれども、積極的に役員、会社を縛るものでございますので、役員が四号、五号というふうなひどい者はないというふうに考えたわけでございます。
#182
○大野幸一君 これはそういうことが非常に困るので、百万円としても、どうせこれは今までの会社と密接な人達がやるので、そこでいわゆるロボツトとして禁治産者、準禁治産者のような者を役員に出すということは、むしろ外の会社より余計ある。こういう事務的な一つの繁がりだけあれば会社設立ができて、そうしてその会社の事務というのは大した事務ではないので、むしろ外の会社よりはそういう人の役員に就任する機会が多いように思うのですね。だからそういうことではこれはまだどうもいろいろの場合を想像して綿密に立法したとは考えられないのです。その点はどうですか。
#183
○政府委員(伊原隆君) 或いはそれは御説の点が御尤もと存じますけれども、私共立案の当時は、第四号、第五号程度のものがつまり重い、つまり準禁治産者とか何とかいうものより重い者が申請者の役員である場合に、それを拒否すればいいと考えておつたわけでございます。
 そもそもこの制度は先程来申上げますように、相当の信用のある者がやるということに実際はなりまして、信託会社等がやつて行かれるのであり、又信用のある者であつてこそ産業会社もその方等と契約をいたすという実情に相成りますので、これを決して強制するわけでもなければ、こういう途を開いたわけで、一つの商売の途を開いただけでございますので、その間おのずから識者がそれを選んで行くと思います。そうしてそういうような欠点のあるようなところは実際上はないというふうに思います。お示しの点はそういうことも考えられると思います。
#184
○大野幸一君 先程質問が前後しましたが、聽聞をして、来なければそれまでだと、こういうのですが、これは恐らくその場合には登録を拒否することが当然できるものだと解釈するのですが、それはどういう考えですか。若しそうでなければ、ここに明文を作る必要があると思うのですが。
#185
○政府委員(伊原隆君) 御質問の通りだと思います。
#186
○大野幸一君 第十條、会社の支店においても株主の名義書換を行うことができることを規定しておるのですが、そういうような立法例がありますでしようか。
#187
○政府委員(吉田信邦君) お答え申上げます。今アメリカの制度においては、支店で名義書換をするというものはございませんで、專ら名義書換代理人でやつております。併しわが国の実情は、逸早く向うのように行くとは考えられませんので、現在といたしましては、会社の中で支店で以て取次をやつたところも事実上幾つかございます。正式の名義書換はいたしませんが、例えば大阪の支店で以て東京へ株券の名義書換をして送る手続をするということは、現在も相当頻繁に行われつつあると思います。これらの会社等の場合におきましては、支店で差当りやれるということが株主の利便に資するところが大であろうと思つておる次第でございます。
#188
○大野幸一君 そうしてこれは商法二百六十三條第一項の規定を排除して、株主名簿を支店又は名義書換代理人のところに置くことができることにしておるのですが、少くとも株主名簿原本は会社本店に置くのが妥当ではないでしようか。
#189
○政府委員(吉田信邦君) その点につきましては会社の実情等によりまして、殊に最近非常に会社の事務所も不足な折柄でありまして、事実上本社と申しましても東京都内幾つにも分れておるように、そうして株式課だけは全然離れた所でやつておつたりというような形である場合もございますし、又取引の大小によりましてそういうようなことも或る程度考えられて然るべきではないか、勿論これは原則ではございますが、どうしても必要な場合にはそういうことも認められて然るべきではないかというふうに考えておる次第であります。
#190
○大野幸一君 十一條について、株式移転簿の構想、並びに株主名簿複本の意義、その内容の相違、こういうものに対する御見解を伺いたい。
#191
○政府委員(吉田信邦君) 株主名簿の複本の場合におきましては、株主名簿と全然同一のものでなければならない筈でございますが、御承知のように現在非常に株式が民主化されまして、多いところでは日発なんかの場合には十数万人、その他の会社でも五万人、七万人という株主を抱えておる会社は数多くあります。これらの会社の株主名簿は厖大なものでありまして、この部屋一杯になるくらいの株主名簿を抱えておるような状態でございます。理想的に申せば、複本が全部備わつた名義書換代理人というものが理想的でございます。又アメリカのように非常に技術が発達して参りまして、又事務経費が機械的に安くできるような、一時に何十枚のタイプが打たれて、それが各名義書換人に通知されて、各代理人の株主名簿の敷理ができるというところまで発達して参りますれば、その方法が一番確実であり、理想的であると考えられるのでありますが、現在の日本の実情におきましては、そこまでいたしますと非常に経費がかかり過ぎまして、そうして実効が殆んど挙り得ない。従いまして一方においては、株式の名義書換を簡易迅速に行いたいという要請と、実際の事業の経費という面から言つて、余り経費がかかり過ぎて実行できないということが絡み合いまして、又現在のような株式の名義書換の困難な状況ができ上つておると考えます。その複本を置くことに比べますれば、多少不安なきにしもあらずでありますが、その万全を期しまして、先程お話がありましたような規定を設けまして、そうして且つ又発行会社と代理人との双務契約を結ぶということによりまして、先程お話申上げたような簡易な方法で、券面上に捺された二つの印鑑を照合する、或いは金融機関、銀行、証券取引所等の印鑑の証明というような形で簡易に名義書換が行われるというところに、株式移転簿の意義があるのです。
#192
○大野幸一君 移転簿と株主名簿複本との関係……。
#193
○政府委員(吉田信邦君) 複本は株主名簿の全く写しであります。移転簿の場合におきましては、その名義書換代理人の店で取扱われた株式だけの移転の実績を明瞭ならしむるものでありますが、尚事故株があつた場合には一々記載して置けといういろいろの問題はございますが、そうして移転の事実があつた、移転を確認しましたものだけを記載するというのであります。
#194
○大野幸一君 十一條の四項に「株式移転簿には、株式の取得者の氏名及び住所の外、取得した株券の番号、株主名簿に記載されている前名義人の氏名及び名義書換の年月日を記載しなければならない。」この前名義人というのは、株式名義書換を請求した、請求者のことですか。
#195
○政府委員(吉田信邦君) 売つた人のことでございます。私が買受けたとすれば、私に売つて呉れた人であります。
#196
○大野幸一君 請求者というのは、これは買つた人が普通請求者になるわけですね。
#197
○政府委員(吉田信邦君) さようでございます。
#198
○大野幸一君 これはそうすると、株券によつてのみ判断する外ないですね。
#199
○政府委員(吉田信邦君) さようでございます。そこで先程申上げましたように、券面の上における署名或いは印鑑でございますね。それに署名というようなことが伴つて来なければいけないというふうに考えておるのであります。
#200
○大野幸一君 それに株券の種類を記載する必要はないのですか。例えば郵船株とか普通株とかいうようなことは記載して置かなくてもいいのですか。それは株式移転簿は別々になつておるのですね。
#201
○政府委員(吉田信邦君) その点は番号で……。
#202
○大野幸一君 ああ番号で……。
#203
○政府委員(吉田信邦君) 株券の番号によりまして株の性質を分けて……。
#204
○大野幸一君 次は十六条……。
#205
○委員長(伊藤修君) 記号と番号と……。記が区別になる、番号は区別にならない。
#206
○大野幸一君 記号というのは「い」号とか「ろ」号ですか。
#207
○委員長(伊藤修君) それによつて種類が分れておる。
#208
○大野幸一君 十六条の第一項第一号「名義書換代理業を廃止した場合」及び第二号「解散した場合」届出がなくて登録を抹消するときには、九條第二項又は第三項の聽聞を行わねばならんことになるが、その必要があるのか、どういう意味ですか。
#209
○政府委員(吉田信邦君) あの抹消の際に聽聞を要するかということでございますか。
#210
○大野幸一君 聽聞を行わなければならないものかということです。
#211
○政府委員(吉田信邦君) 十三條の一項又は二項による廃業又は解散の場合には、当人から届出て来るものでございますから、聽聞の規定は直接必要ないというふうに考えた次第であります。
#212
○大野幸一君 そうするとこれは準用するという意味は、この場合は必要ないということですか。
#213
○政府委員(吉田信邦君) 名義書換代理人を解散した場合、これは通常ならば聽聞を要するわけでございますが、この十三條一項又は二項の規定による届出がありました場合には、これは必要ない。要するに事実上廃業しておるらしい、何もやつてないじやないかという場合には、それを確かめた上で聽聞をした上で登録を抹消する、併し自分からもう私やめましたと言つて届出た場合には聽聞は必要ないだろう、そういう考えであります。
#214
○委員長(伊藤修君) 小林さんありませんか。
#215
○小林英三君 成るたけ一つ上げてやろうじやありませんか。
#216
○委員長(伊藤修君) 大蔵の方から合同審査の申入れがありますから、その点木内君と相談して見ます。
#217
○小林英三君 やりますか。
#218
○委員長(伊藤修君) 到底やると言つても不可能なことですから、一遍木内君と相談いたします。
 それではこの程度にして休憩いたします。
   午後四時四十分休憩
   ―――――・―――――
   午後十一時五十六分開会
#219
○委員長(伊藤修君) 只今より法務委員会を再開いたします。松井道夫君より文書を以て理事辞任の申出がございましたが、許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(伊藤修君) 御異議ないと認めます。つきましては、この際理事の補欠互選を行いたいと思いますが…。
#221
○大野幸一君 理事の補欠互選は、成規の手続を省略して、委員長において御指名あらんことの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#222
○委員長(伊藤修君) 大野君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#223
○委員長(伊藤修君) 御異議ないと認めます。理事に宮城タマヨ君を指名いたします。
 第七回国会開会中は、長日月に亘り、連日御審議を賜わり、殊に国政調査においては、一方ならぬ御努力と御協力を賜わり且つ、画期的な商法改正においても、非常なる御協力により、少くとも、現日本経済界に対して、大きな寄與をするところの修正をなし得、ここに成立せしめたる等多大な功績を残して、本日ここに終了することに至りましたることに対しては、ひとえに委員各位のご協力の賜と存じ、深甚なる敬意と感謝の意を表する次第であります。
第七回国会終了に当り、一言御挨拶申上げ、皆様の御健康を祈る次第であります。
 ではこれを以て散会いたします。
   午後十一時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           岡部  常君
           松井 道夫君
   委員
           大野 幸一君
           大畠農夫雄君
           今泉 政喜君
           小林 英三君
           遠山 丙市君
           羽仁 五郎君
  政府委員
   法制意見長官  佐藤 達夫君
   検     事
   (法制意見第一
   局長)     岡咲 恕一君
   大蔵政務次官  水田三喜男君
   大蔵事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
   大蔵事務官
   (理財経済課
   長)      吉田 信邦君
ソース: 国立国会図書館
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