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1949/03/03 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 内閣委員会 第7号
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1949/03/03 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 内閣委員会 第7号

#1
第007回国会 内閣委員会 第7号
昭和二十五年三月三日(金曜日)
   午後二時四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○文部省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
○法務府設置法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) それではこれより内閣委員会を開会いたします。先ず文部省設置法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。
#3
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 只今議題となりました文部省設置法の一部を改正する法律案の提案理旧について、御説明申し上げます。
 御承知のように、新らしい文部省は昨年六月から発足いたしましていまだ一年も経過しないのでありますが、その後の状勢によ。まして今回左の二点について改革を必要とするに至つたのであります。
 即ち第一は、政府全体の方針にも基くのでありますか、各種審議会の整理統合を行おうという点であります。現在、文部省設置法によりますと、二十四の各種審議会が設けられておりますが、類似のもの等をこの際整理統合いたしまして十八にいたしたいと考えた次第であります。勿論御承知の、ごとく、文部省の審議会は、それぞれ相当の活動をいたしておるのでありますから、このように整理統合いたしましても、その機能は従来通り十分に発揮できるように措置いたすつもりでございます。
 第二は、文部省教育施設部出張所を廃止しようという点であります。御承知のごとく、文部省教育施設部出張所ば、教育、学術、文化の物資の需給調整を行うとともに、国立学校の営繕工事の実施、指導等をつかさどるために、昭和二十二年以降全国八箇所に設けられたのでありますが、その後物資統制の大幅の縦波あるいは地方分権の進展等の状勢の変化もございますので、この際本出張所を廃止しようとした次第であります。
 以上がこの法案の提案理由の骨子であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたします。
#4
○政府委員(森田孝君) 只今の法律案の提案理由の大要につきまして大臣から御説明がありましたが、私から尚若干の補足説明を申上げたいと思うのであります。
 最初に先ず本旨の審議会の整理統合の問題でありますが、政府の方針によりまして今回各種審議会の整理統合をいたすに当りまして、文部省の関係の審議会につきましては、第一番に教育課程審議会と職業教育及び職業指導審議会の二つを統合いたしまして、教育課程審議会といたすことにいたしたいと思うのであります。職業教育及び職業指導につきましては、教科目の一つといたしまして、例えば社会科のごとく他の教科目とも非常な関連を持つております関係上、教科課程全般の審議を併せ審議することが都合がよいと考えましたので、今回このような措置をいたしたいと思うのであります。
 第二番目は、教職員養成審議会と教員検定審査会を統一したいと思うのであります。教員検定審査会は教職員免許法によりまして暫定的に設けられたものでありますが、この教員の検定も又教職員養成と同様に、教員の補給の問題を主として取扱うべき問題でありまするので、この両者を合一して考える方が都合がよいと思つたのであります。
 第三番目は、社会教育審議会と青少年教育審議会、及び労働者教育審議会の三つの審議会を合一いたしまして、社会教育審議会といたしたいと思うのであります。青少年教育は主として青少年団体の問題、或いは又青少年の不良化防止及び教護、並びに児童文化その他児童等の学校外の生活に属する教育のことを指しているのでありますが、かかる青少年教育に関しましては、一面社会教育全般と関連を持つております。又労働者教育審議会において取扱いますところの労働者の一般的教養を高める問題は、これ又社会教育全般とも関連を持つものでありますので、この三者を統合いたしまして社会教育審議会といたしたいと思うのであります。
 第四番目は、国語審議会とローマ字調査審議会の二つを統合する問題であります。ローマ字調査審議会の目的は、ローマ字による国語の書き表し方に関する事項を調査審議することになつておりますが、これ又国語全般の問題とも関連をいたしますので、両者を統合して一つの国語審議会といたしたいと思うのであります。
 最後は教科用図書審議会と教科用図書検定調査会の両者を併せまして、教科用図書検定審議会といたしたいと思うのであります。教科用図書審議会は教科書制度の全般的改正を審議いたして参つたのでありますが、最近に至りましてこれらの制度もほぼ完成の域になつて参つたのであります。この制度の改善に伴いまして検定教科書が教科書の中心を占めることになつたのでありますが、従いまして今後は教科用図書検定に関する調査が中心の問題となるのであります。従いまして新らしく両者を統食いたしました審議会は、教科用図書検定審議会といたしまして検定を中心にいたしまして、更に附随的に起ります教科用図書全般に関する問題を審議する審議会といたしたいと思うのであります。
 これらの審議会は以上申上げましたようにそれぞれ整理統合をいたしましたのでありますが、この整理統合をいたしました後におきましても、分科審議会を設けましてそれぞれ従来の機能の運営に遺憾なきを期して参りたいと考えておるのであります。
 第二番目には文部省教育施設部出張所の廃止であります。現在この出張所の事務の過半を占めております国立学校の建築工事の設計、現場監督に関する事務などのために、すでに明治三十三年以来全国の主要国立学校に建築出張所が設けられておつたのでありまして、終戦後臨時物資需給調整法に難く物資に関する事務の激増に伴いまして、両者の事務を一元的に処理せしめるために、先程も御説明がありましたように、昭和二十二年六月文部省教育施設局出張所として発足をいたしたのであります。昨年文部省設置法が制定せられまして、この教育施設局出張所は教育施設部出張所と名前を改めたのでありますが、その後物資に廃する事務亀城少いたしましたので、今回この出張所を廃止することにいたしたのであります。併しながらこの出張所の廃止は、物資関係事務につきましては当然のことでありますけれども、国立学校の建築工事につきましては、公共事業の増加に伴いましてその事務は少しも減少いたしませんので、技術職員を全国の主要国立大学数ヶ所に長期出張などの形式で派遣いたしまして、建築工事の遺憾なきを期して参りたいと考えておるのであります。
 以上簡単でありますが補足的に御説明申上げた次第であります。
#5
○委員長(河井彌八君) 委員諸君より御質疑がありますればこの際願います。
#6
○堀眞琴君 只今文部大臣から設置法の一部を改正する法案の御説明があり、又政府委員の方からその補足的な説明があつたのでありまするが、先ず第一点の整理統合される各種審議会のことでありますが、文部省設置法の第十三条に設けられておる学校その他の機関の外に、二十四条で以て文部省の中に審議会の名前の付かないものが挙げられておるのでありまするが、この二十四条によりまするというと審議会の数は二十二にしかなつておらんのであります。ところが文部大臣の説明によりまするというと二十四の各種審議が設けられております。文部省設置法によつて二十の各種審議会が設けられておると、こういうことになつておるのでありまするが、只今御配付頂きました文部省におかれる審議会等の一覧表を見ますと、確かに二十田になつておるのであります。ところでこの二十四のあとの四つの分、二十四条に挙げられていない審議会、例えば教員検定審査会とか、ローマ字調査審議会、それから教科書出版資格審査会、教科用図書検定調査会ですか、この四つのものは外の別の法律によつて規定されておるものでありましようか。この文部省設置法の二十四条には載つておらんのでありまするから、その根拠をちよつとお尋ねいたしたいと思います。
#7
○政府委員(森田孝君) 今の四つの審議会は附則の第十六損に載つております。文部省設置法附則第十六項に載つております。
#8
○三好始君 各省に設けられております沢山の審議会の中には、殆んど一年近くの間に一回か二回か審議会を開いておらないような例もあるのでありますが、只今の御説明によりますと、文部省に設けら別ております審議会は粗当活動いたしておるようなお話でありまして、配付になつております資料には審議会の分科会なり、委員数などの説明が出ておりますが、活動状況について資料が出ておりませんので、文部省に設けられております各種審議会の活動状況について一応どの程度の会議を開いておるか、どういうふうに活動しておるかについて御説明を願いたいと思うのでありますが、若し相当時間がかかりまして却つて資料の御提出を願つた方がいいようでありましたら次回でも結構だと思います。
#9
○政府委員(森田孝君) 一々御説明申上げてもよろしいですが、二十四の審議会全般につきまして時間がかかりますので、後程資料を以て提出いたします。但しちよつと附加えて申上げて置きますが、各種審議会におきましては最低一年に三回、大きい審議会で三回、総会が三回というのがありますが、各分科会の活動は毎月一回とか或いは多いのは毎月三回、四回というような活動をいたしておるようであります。
#10
○三好始君 審議会を整理統合してもその機能を従来通り十分発揮できるよう措置するつもりであるというような御説明でありましたが、その措置というのはどういうことをお考えになつておるのか、大体の内容についてお伺いいたしたいと思います。
#11
○政府委員(森田孝君) 先程補足説明において申上げましたように、各審議会にはそれぞれ分科審議会というものを設けまして、そうして各特殊部門につきましては、この分科審議会において詳細な審議を遂げた上におきまして原案を作りまして、それを審議会の総会の決定によつて最後の案を決めるということにいたしておるのでありまして、従いましてその分科審議会の活動を盛んならしめることによりまして、先程申上げましたような機能の運営上遺憾のなきを期して参りたいと思つておるわけであります。
#12
○三好始君 文部省教育施設部出張所の廃止がこの法案の一つの内容をなしておるわけでありますが、出張所の廃止によつてこの事務に従事しておつた人員の関係はどうなるかの点についてお尋ねいたしたいと思うのでありまするが、出張所の仕事は大別して資材関係と国立学校の建築関係の二つに分れておるようでありまして、物資の需給調整関係は事務は減少して来ましたので、それが今回の廃止の一つの根拠になつたかと思うのでありまするが、営繕関係は少しも減つておらないだけでなく、却つて増すというような御説明もあつたかと思うのでありますが、それを今回の改正によつて結局全国の主要国立大学数箇所に長期出張の形式で職員を派遣する、こういうことでやつて行こうとしているようであります。従来出張所の職員として従事しておつた人が、どの程度の人数であつたかということと、長期出張の形式で主要国立大学数箇所に派遣される予定の人員がどの程度になるのか、このことについて先ずお伺いいたしたいと思います。
#13
○政府委員(森田孝君) 出張所の総定員は官五十一人であります。このうちで資材関係を取扱つております人員は総員で六十一人であります。従いまして営繕関係の仕事を取扱います数が九十人あります。この六十一人を今回削減いたしまして九十人はそのまま残して参りたいと思うのであります。そうして今後、現在出張所が八つありますがその八つのおのおのの地区に、それぞれ国立の学校を持つているのでありまして、その国立の学校にこれら九十人の長期出張員を、それぞれの出張所が現存しておりますままの数字で置きまして、そうして従来通り仕事の継続をさして参りたいと思うのであります。
#14
○三好始君 長期出張ということになりますと、出張旅費とか手当とかいう関係はどうなりますか。
#15
○政府委員(森田孝君) 先程長期出張と申上げましたが、さような今お説の通り旅費その他の関係において却つて費用が嵩んで来る虞れもありまするので、でき得れば各大学に駐在する職員ということにいたしまして、その出張旅費その他の費用の嵩まないような手段を研究中であります。この点は人事院或いは又行政管理庁なりその他関係官庁とも協議をいたさなければなりませんので、我々の方といたしましては現在のところ長期出張の形しかないのでありますけれども、でき得る限り費用を節約する関係上、駐在員の形で置けないかということを研究をいたしておるのであります。
#16
○三好始君 そうしますと、先程附属説明の中に出ました長期出張の形式ということを御訂正になるわけでありましようか。
#17
○政府委員(森田孝君) 先程の速記録を御覧になつたら分ると思うのでありますが、長期出張等の形式でということで、長期出張と限らないように申上げたつもりであります。
#18
○梅津錦一君 この営繕の問題は、とかく建設省との関係が非常に複雑になつて来ると思うのですけれども、この場合も文部省一本立てで行きますか、それとも建設省との連関性を持つて行くのかということをこの際はつきりして置きたいのですけれども、その点をお伺いします。
#19
○政府委員(森田孝君) この前の教育委員会法に関連いたしまして建設省との間で問題になりました点は、公立の学校に関することでありまする国立学校に関する営繕工事は建設省の方と何らの摩擦なく文部省直轄の下にやることは、文部省設置法においても規定せられておるわけであります。
#20
○梅津錦一君 やはりこの行政整理も直接響いて来て、六十一名の資材課の職員が整理されることにたると思うのですが、この配置転換に対して文部省としては資材関係の関係者がどういうふうに配置転換されるか、それとも退職を余儀なくされるか、この点お聞きしたいのですが……
#21
○政府委員(森田孝君) 六十一人の削減につきましては、現在一月二十日以後におきまして欠員補充を禁止して参つておるのであります。従いまして現在統計的に数学的には各出張所からは報告に接しませんので明らかでありませんが、現在においてはすでに数名の欠員が生じておると考えるのであります。私共の出張所長からの報告によりますと、各大学の要員或いは又地方庁の要員にいたしまして、それぞれ或る程度は現地において職場の転換ができ得る可能性があるようでもります。従いまして本省の欠員の中へ若干これらのものが転換して参るものも生ずると思いますが、恐らく去年の行政整理と同じように、三月の末日を以て全部一齊に廃止することになるのではなく、成る程度期間を区切りまして漸次減ずることになると思うのでありますが、それによ。て無理なく消化できることど考えております。
#22
○三好始君 今の御説明は、欠員のあるところで補充するという形では定員法改正問題とは直接の関係のない問題なのでありますが、六十一人現実に物資関係の事務を執つておつた者がその事務がなくなつて来るというと、他の省の例から考えましても、定員の削減ということで定員法改正の問題に触れて来るのでは凄いかと思うのでありますが、この点はどういう予定になつておりますか。
#23
○政府委員(森田孝君) 定員法につきましては目下御承知の通り、行政管理庁において御研究中のことと思うのでありますが、文部省におきましても行政管理庁と十分に連絡を取りまして、定員法の改正について協議いたしつつあるのであります。
#24
○三好始君 本日は第一回でありますから他に御質疑がなければ、この法案はこの程度にしたら如何でしようか。
#25
○委員長(河井彌八君) ちよつと一つお尋ねしますが、経費のことですけれども経費の節減の方は……
#26
○政府委員(森田孝君) 経費の関係につきましては、この定員の削減に関しましては、勿論予算においてすでに削減を見ておるのであります。その他の尚残ります指定生産資材、或いは指定配給物資などの業務につきましては、本省にこれを全部繰上げまして本省においてこれを行うように予算の転換を行なつておるのであります。
#27
○委員長(河井彌八君) それでは御異議がなければ、文部省設置法の一部を改正する法律案についての審査は本日はこの程度に止めますが……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
#29
○委員長(河井彌八君) 続いて法務府設置法の一部を改正する法案の予備審査を行います。この法律を議題といたします。
#30
○政府委員(牧野寛索君) 法務府設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨を御説明申し上げます。
 一昨年二月に発足いたしました法務庁は、御承知のごとく昨年六月一日より機構を整備すると共に名称を法務府と改め、以来約八箇月を経過したのでありますが、その間の新たな事情の発生によりまして若干その組織及び所管事務の分配に変更を加える等の必要が生じましたので、ここに本法案を提出いたした次第であります。その改正の要点は大別して五点でありまして、以下順次簡単に御説明いたしますとその第一は、第九条すなわち法務総裁官房の所掌事務に関する規定を一部改めようとするものでありまして弁護士法の改正に伴い弁護士及び弁護士会に関する事項とあるのを削りますと共に、規定の内容を一、二整理いたしたのであります。
 次は、法務府の附属機関として新たに検察研究所を設置せんとするものであります。御承知のごとく、昨年一月より施行されました新刑事訴訟法は、長年にわたつて行われて参りましたわが国の大陸法系の刑事手続に一大変革を加え、英米法流の訴訟形態を多分に採入れたものでありまして、その結果、検察官の職務の内容、殊に公判の段階におけるそれは、従来に比して格段の重要性と困難性とを加えるに至つたのであります。しかるに従来の手続に慣れた現在の検察官は注系を異にする新手続に全く習熟せず、これがためその職務の遂行に種々遺憾な点を生じつつある実情にありますので、ここに全国の検察官を逐次中央に招集の公訴維持活動を中心とする検察事務の高度の学理及び技術の研究を行わせる施設として検察研究所を設置いたそうとするものでありまして、第十条の二の規定がそれであります。
 第三の改正点は、従来地方法務局においては法務局と異なり、訟務及び人権擁護に関する事務は取扱わぬ建前になつておりましたが、これらの事務の増加に伴い、これを地方法務局にも取扱わせることが実情に合致いたしますので、第十三条の二及び別表三の一部をそのように改正せんとするものでありまして、これにより法務局と地方法務局との間には所掌事務の広さにおいて相違がなく、ただ前者は後者に対し指揮監督をする関係にある点において差異があることとなるわけであります。
 次に第四は、検察研究所の設置、法務局の拡充等に伴い、第十七条の規定を改め、検事をもつて充て得る職員の数を増加しようとするものであります。
 第五は、別表の改正であります。そのうち別表二の改正は、政府の審議会整理の方針に即応いたしまして、司法保護事業審議会及び法務連絡協議会を廃止いたすと共に弁護士漢の改正に伴い弁護士審査会に関する規定を削除するものであり、別表四の改正は、従来いずれも刑務支所でおりました施設をこの際刑務所に昇格せしめんとするものてありまして、福井及び福島の二箇所は、一府県に少くとも一個の刑務所を設置する方針に基き、又釧路につきましても一つの県に相当する広い地域に本所が存在いたしませんので、同じような考えに基き、それぞれこれを昇格させようとするものであり、麓は九州における唯一の女子刑務所である特殊性とその施設の充実に鑑み、これを刑務本所たらしめようとするものであります。
 以上甚だ簡単でありますが本法案提案の趣旨を御説明申上げた次第であります。
 なにとぞよろしくお願いいたします。
#31
○委員長(河井彌八君) 御質疑がありますればこの際お願いいたします。
#32
○三好始君 この改正案の恐らく一番大きい問題は、検察研究所の新設でないかと思うのでありますが、検察研究所の内部組織は法務府令でこれを定めるということになつておるのでありますが、どういう組織、どの程度の定員が予定されておりますか、そのことについて一応の御説明を伺いたいと思うのであります。
#33
○政府委員(野木新一君) では私から只今の御質問に対して御説明申上げます。検察研究所の内部組織を中心にいたしましてややそれよりも広い範囲に説明が亘るかも知れませんが、一応検察研究所に関する総括的な御説明をついでに申上げたいと思います。
 先ず検察研究所を設置しました理由といたしましては、先程の提案理由にも説明してありましたように、新憲法の制定及びこれに伴う新刑事訴訟法の施行が、非常な急激な変化を刑事手続にもたらしまして、その結果検察官は改めて自分の地位と責任とを認識して、その責任を果すためには、新らしく実務上の技術を体得することが必要となつたわけでありまして、こういう点がら設置しなければならないということになつたのでありますが、その措置といたしましては先ずこの研究所の巨的はすべての検察官に対して一応ゼミナール、その他自分から研究する方法により検察官の地位と責任に関する認識を深めて且つ実務上の枝術を高揚させる、こういうような訓練をしようということであります。そうしてこの研究所の職員といたしましては、来年度の予算に計上して一応大蔵当局から認められましたものは、検事は六名、事務官が十大名、翻訳及び通訳の者が八名、その他の雇傭員が十三名合計四十三名、こういうことになつております。
 尚この研究所の予算といたしましては二千百万円来年度認められてはります。尚この予算にには建築費はこの外に別に七百五十万円程度認められております。
 尚法務府令で定める内部組織の細かい点に至りましては、終局的に確定しておる訳ではありませんが、今一応の心組といたしましては、先ず所長を置き、そうして次長、次長のところに別に検事四名の人が研究官ということになりまして、研究官を配し、その下に事務部局といたしまして総務課、翻訳語、資料課の三課を置きたい、一応そんな試みであります。
 この研究官と申しますのは先程申しました検事六名の中から当るわけであります。その一入は所長、一人は次長あと四名は研究官ということに一応予定しているわけであります。この研究官はいわゆる教授とか講師とかいうのと違いましてここの研究では上から教え込むということではなくて、研究官として各地から集めました検察官に混つて一緒に研究してリードして行く、そういう組織と方法を採つてやろうという試みであります。即ち研究官ほ各地から召集した研究員に混つて、それを上から教えるということでなく、共に討論して共にリードして行くということであります。問この外に講師といたしまして随時裁判官、検察官、弁護士及び内外の学者等の中から適当な人を選んで依頼してやつて行こう、そうして研究の実施でありますが、正式の発足は勿論法務庁設置法の改正後、即ち来年の四月からやるわけでありますが、鍵は先般新聞にもちよつと出ておりましたが、準備的に試みに今若干中央に望めて一度研修を始めまして、つい今日か明日頃第一回が終るようなことになつております。それには検事正が二、三名加わつておるような杉で、約二週間の予定で今度の試みのやつをやつて見たわけであります。来年正式に発足がたしましても大体一回に検事三十人ぐらいずつ、会期は二週間ぐらい一月に一回ぐらいずつやりまして、そうして行きますと、大体二年間で凡そ全県下に一人渡るというような計画を一応立てております。差当りの二年間は只今申上げましたような方法で実施して行こう、それから後のことは、又その運用の経過その他を参酌して考えて行こうということになつております。研究の差当りの基本目標といたしましては、新制度の下における検察官の地位と責任とを深く自覚させようということを目標にいたしまして、技術的には第一審の公判事務の研究及び証拠の法則と実際、そういう点を差当りは重点としてやつて行きたい、そういうように、思つているわけであります。
 そうしてこれらの点が旧刑事訴訟法に比較いたしまして、新刑事訴訟法は英米的の要素を採入れて、又この点がうまく行かなければ、新刑事訴訟法も死文となるような関係になりますので、差当りここに重点を覆いて研究して行きたい、そういう次第であります。概略は只今御説明申上げまもたようなわけでありますが、尚詳細は御質問によつてお答えいたしたいと思います。
#34
○三好始君 検察研究所について一応お尋ねいたそうと思つておつえことを大体御説明頂きましたので、ほぼ分つたわけでありますが、この研究所での研究は全国の検察官に及ぼす予定のようでありますが、それは義務として研究をさせるということになるわけでありますか、その点をちよつとお伺いしたいと思います。
#35
○政府委員(野木新一君) 義務として研究をさせるかどうかという、そういう強いところまではまだはつきりしておりません。考えておりませんが、大体こつちで一応研究員の割当をしまして、その人に命じますから、大体命ぜられた人が特に病気とか何とかいうことでない限りは断らすに出て来て研究する、そういうように運用上は大体義務的になるのではないかと存じます。
#36
○堀眞琴君 検察研究所の内部組織とその主なる仕事については今の御説明で分つたのでありますが、別に法務府には法務府研修所というのがある、そうしてやはり同じように検察官、検察事務官、法務府事務官、その他法務総裁所部の職員に対して職務上必要な訓練を与える、こういうようなことを法務府設置法第十一条に規定して、法務府研修所というものができておつて、同じような訓練をやるように見えるのでありますが、この法務府研修所とそれから新たに設けようとする検察研究所との違い、関係というものはどういうものですか、それをお尋ねしたい。
#37
○政府委員(野木新一君) 誠に御尤もな御質疑であります。その点は検察研究所を設けようとした際に一番問題になつた点でありまして、私共といたしましてもいろいろ研究して見たところであります。そうして結論といたしましては、法務府研修所と、この案にございますように検察研究所と分けて設置することになつたわけであります。
 その理由といたしましては、法務府研修所の方は、検察官も含んでおりますが、検察事務官その他一般の法務府の職員に対して一般的の教養、普遍的と申しましようか、普通の法的知識を教授するものであります。即ち教えるという方のものでありまして、その方法はいわゆる教官というものを設けまして、修習生を集めてそれに教えるという方法であります。ところが検察研究所の方は、それよりも一層高度の研究をさせよう、対象も検察官のみで非常に高度の併発をさせよう、そうしてその方法も教えるとかいう方法でなくて、そこで研究練磨するという方法、いわゆるゼミナール式の方法を採つて行きたいという方法の差異があるわけであります。そうして検察研究所のできましたのは新刑訴に魂を入れる、折角人権を保障する立派な刑訴ができましても、その運用の中枢に当る検察官が尚頭が昔のままであり、その法的知識も昔のものであるとすれば、結局段段元に戻つてしまつて旧態依然となるという心配がありますので、この際特に重点を置いて、検察官の頭を入れ替え新らしい知識を吹き込もうというのでありますので、今言つたように方法も貧的も違いますから、やはりこれを分離して出発した方が、本来の目的を十分達するためにはよいのではないか。これを一緒にしてしまうと、どうもあぶはち取らずになりまして、検察官を新刑訴のために教育するという点が非常にぼやけてしまつて、所期の耳的を達することができなくなるのではないかということを考えたわけであります。併しこれが先程申上げましたように、二年程やりまして一通り訓練を済ませて、その後のことはどうするかという問題になりますと、これは或いは両者の統合ということも当然問題になつて来て、そのときにはそのときの情勢に応じて十分考え得られるのではないかと思つておりますが、差当つては検察官を新刑訴のために訓練する、そこに大きな目的を置きまして、この別個の施設にした方がよいのではないか、そういう考えから出発して来たわけであります。
#38
○堀眞琴君 只今の御説明で両者の関係は一応はつきりしましたが、そうしますと丁度大学に大学院が設置され、そうして大学においては一般学生に対して教授が知識を与える、大学院においてはゼミナール式に高度の研究をやる。ああいう形と私は同じようになるのではないかと思いますが、先程三好君の義務的に検察官に教育をやるかという質問に対しての答弁によつては、必ずしも義務的でないというふりに伺つたのでありますが、若しそうとするならば研修所の方に特別のゼミナール式の施設を設けまして、そこで検察官に対する高度の研究を行わせるということの方が、ゼミナールという形から申しましても私は十分整うのではないかというように考えますが、その点は如何ですか。
#39
○政府委員(野木新一君) 研修所の方は既設の設備と教官なども既存の人がありますので、それをてのままそこに何か附加するとなると、どうしても何と申しましようか、今までの研修所のやり方とか、そのレベルとか、その雰囲気とか、そういうものに支配されまして、新らしくこの際大いに検察官の頭を切替えようという意気込と目的と少し実際問題としてそぐわないのではないか。それよりも本当の重点は、その新刑訴実施のための検察官の研究という点にありますから、そこだけを見つめて専らそこに力を集中してやるためには、やはり新らしく組織を作つた方がよいのではないか。これが先程申しましたように二年くらい経つた後は、これは或いは統合ということを考えてもよいかも知れませんが、差当つてはとにかくここに重点を置いて新刑訴のために検察官を訓練して行くというためには、やはり新らしい組織を作り新らしい精神でやつた方がよいのではないか、そういうことに慎重工夫して立案したわけであります。
#40
○堀眞琴君 只今の御説明、私はその意気込や目的の点からいつで確かにそういう点もあると思います。併し研修所の中にそういう特別な研究所を設けまして、大学における大学院のような形を持ちましても、それがために既存の施設乃至雰囲気によつて支配されるということはないと思うのであります。現に大学の中に附置されておる大学院におきましても、必ずしもその大学を支配しておる空気とそれから大学院においてゼミナールで研究を続けられる形とは、必ずしも私は同じではないとこういう工合に見ることができるのです。従つて研修所の中に検察官の研究のためのゼミナールをむしろこの際拡充するような方法で、建物は七百五十万円ですか、七百五十万円を取つてありますからして、研修所も同時にその費用で拡充すると共に、検察研究所というようなものでなくて、研修所の中に検察官の特別な研究機関を附置する、こういう形を取つた方が非常に能率も上るのではないか。お話によるとゼミナール式で教官がいてこれを教えるのではなくて、ときには講師を委嘱することがあるが、併しそれは主眼ではなくて、ここに来た検察官自身が自分で研究するのだ、そういうお話でありますが、併しその研究をするためには資料も必要でありまするし、研修所には恐らく相当の資料が集まつておると思いますが、新たにその資料を集めるよりもその資料を利用し、更にこれに豊富な資料を加えるということによつて研修所自身の方の研究も十分に行うことができると思うし、又その従来の資料を利用することによつて、検察官の研究も又十分になるのではないか。新たにこれを設けるということになりますと、資料も二重に備えなければならない。こういうような不便も私はそこに出て来ると思う。こういうような意味でもう一つその点についてはどういうお考えか、お伺いしたいと思います。
#41
○政府委員(牧野寛索君) 只今の堀委員のおつしやることば非常に御尤もでございまして、実はそういう検察研究やりたいという考えも持つておつたのでございましたが、実はこの検察研究所を作るまでのいきさつをちよつと御説明申上げて御了解を得たいと存じますが、実は衆議院の法務委員会が非常に骨を折りまして、法務府の中に犯罪科学研究所を設置いたすべきであるどいうような、衆議院の法務委員会の意見がありまして、大蔵省とも交渉をいたしましてその予算を獲得して呉れたのでありました。ところが関係方面に行きますと、国警本部に犯罪科学研究所というものがあるから、法務府の中に犯罪科学研究所を新たに設けるというようなことば摩擦を起す嫌いがあるから、これを他に変えろ、こういうような意見がありまして、そうしてそのためにいろいろ研究した結果、やはり新刑事訴訟法に即応したところの研究を、検事の再訓練をやるというようなことから、この検察研究所というものを考えまして、そうして関係方面の了解を得たのであります。それ最初から発足するところの関係が違つておりまして、そのために予算もすべての根本問題も違つておつたために、こういような関係に法律を別にしな、ければならん立場になつたのでありますが、理想からいたしましては、やはりこれは一緒にしてやつた方がいいじやないかというような議論が相当強いのであります。ただそうしたところの今までのいきさつの上から行きまして、予算の関係その他から別々になつたものでありますが、やはり理想といたしましては、この法務府の研究所というものを拡充いたしまして、それで大学院大学というようなふうにした方が、名称等も或いはもつと改めてやつた方がいいのではないかというような意見もあるのでございます。それで今後におきましても堀委員のおつしやる通り十分我々といたしましても参考といたしまして、今後更にこうした理想のために進んで行きたいと存じております。
#42
○堀眞琴君 只今の政府次官のお話、大体了解したのでありますが、理想としてやはり法務府研修所を拡充し、その中に検察官を訓練するための研究機関を設ける方がいいというお話であります、が、そうしますといろいろないきさつもありましようが、併しこの際やはり理想とお認めになつているのですから、ここで一つ政務次官並びに法務総裁の方で、この理想の案の方に近付けてこの法案を修正されるようなことには参らんのでありましようか。その点もう一つ。
#43
○政府委員(牧野寛索君) 実はこの問題につきましては、やはりいろいろ内部的、と申しましても法務府自体の問題ではないけれども、了解を得るところの予算の関係が違つていたもので、自然こういうような検察研究所というようなことで、改めて関係方面の了解を得た関係上、今すぐこれを直すということは、これは向うの関係から行きましても困難な状態に入なつておるのであります。最初から法務府の研究所を拡充して、そのいうものを設置するというところに持つて行つて予算を取れたならばよかつたのでありますが、その後において犯罪科学研究所というものを作るということにして、そうしてそれを改める、こういうふうに改めたいという形で似てやつたために、それに漸く了解を得た関係からいつて、今それを一緒にしてということは、これはちよつと困難でありますので、やがてはそうしたように今後改めて行きたいと思つておりますが、この際はどうかこの程度にしてその案を認めて頂きたい、御了解を得たいと享ずるのですが……。
#44
○竹下豐次君 この提案理由の御説明の第五別表二の改正のところですね、「政府の審議会整理の方針に即応いたしまして、司法保護事業審議会及び法務連絡協議会を廃止いたすとともに」これはなんですか、この審議会と協議会というのは、何か外の所に合せられたということになるのですか、もう必要がないからやめてしまうということになるのでございますか。
#45
○政府委員(野木新一君) 司法保護事業審議会、これは一旦司法保護事業法から落しますが、司法保護事業法は今度改正になりまして、そちらの方で別の使命を持つた委員会ができることになります、それで一旦ここでは落ちるわけであります。そうしてこの法務連絡協議会は一応全然廃止しようというものであります。
#46
○竹下豐次君 只今審議会の方は別に使命を持つ審議会ができる予定であるというお話ですが、そうすると別な使命を持つというならば、この保護事業の審議会とは別な使命ですから、もうこの審議会は要らんからやめる、こういうことになるのでございますか。
#47
○政府委員(野木新一君) この司法保護法の方に規定してあるような審議会は、もう一応要らないということであります。
#48
○竹下豐次君 要らなくなつた理由は……それの河か外にこれを包含するような審議会ができるというならば、そつちに仕事が移るからというふうに解釈できますけれども、新たにできるものは外に使命を持つたものだとすれば、もう不必要になつた、それだからやめるのだというふうに理解すべきじやないかと思うのですが、そうじやないですか。
#49
○厨房委員(野木新一君) 司法保護事業審議会は司法保護事業法によつて法務総裁の諮問機関のようなつておるわけでありますので、諮問機関として司法保護事業審議会は必要ない。今度の司法保護事業法が廃止されまして、別にこれに代るような法律が今立案されておるわけであります。
#50
○竹下豐次君 代るものが……そうすると使命が全く違つた審議会じやないですか。
#51
○政府委員(野木新一君) 諮問機関的のものでなくなる形になるものと記憶しております。
#52
○竹下豐次君 使命が違つたどいう御説明ですから、全く別なものと思いましたので……そうじやない、この使命を達成するために必要な機関が別にできるということになるわけですね。
#53
○政府委員(野木新一君) 諮盟機関というのではなくなるのでありますが、そうでない意味で移り替るわけですから大きく言えば代るような機関になるわけです、大まかに言えば……
#54
○竹下豐次君 そうしますと、こういうふうに理解していいですね。今まで諮問機関であつたもんがもう少し強力な審議会というものができる、そうしてそこで今日までの諮問機関で取扱つておつたような事項を取扱わせることになる準備を今しておるから、それでやめる……
#55
○政府委員(野木新一君) 大体さようでざいます。
#56
○竹下豐次君 そうすると、次の法務連絡協議会というのもやはりそういうことになるのですか。
#57
○政府委員(野木新一君) これはこの際一応協議会としてはやめまして、これに代るようなことは差当つて考えておりません。ただ実際の事務の連絡で差当りやつて行きたいというふうに考えております。
#58
○委員長(河井彌八君) 如何ですか、今日は予備審査でありますからこの程度に止めておきまして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(河井彌八君) じやさように決します。そうすると、次回はいずれお知らせいたします。これで散会いたします。
   午後三時六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   委員
           梅津 錦一君
           小杉 繁安君
           竹下 豐次君
           町村 敬貴君
           堀  眞琴君
           三好  始君
 国務大臣
   文 部 大 臣 高瀬荘太郎君
 政府委員
   行政管理庁次長 大野木克彦君
   総理府事務官
   (行政管理庁管
   理部長)    中川  融君
   法務政務次官  牧野 寛索君
   検     事
   (法政意見総務
   室第四局長)  野木 新一君
   文部事務官
   (大臣官房総務
   課長)     森田  孝君
ソース: 国立国会図書館
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