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1979/09/06 第88回国会 参議院 参議院会議録情報 第088回国会 社会労働委員会 第1号
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1979/09/06 第88回国会 参議院

参議院会議録情報 第088回国会 社会労働委員会 第1号

#1
第088回国会 社会労働委員会 第1号
昭和五十四年九月六日(木曜日)
   午後二時一分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         久保  亘君
    理 事         遠藤 政夫君
    理 事         斎藤 十朗君
    理 事         片山 甚市君
    理 事         小平 芳平君
                石本  茂君
                上原 正吉君
                亀長 友義君
                田代由紀男君
                竹内  潔君
                玉置 和郎君
                福島 茂夫君
                森下  泰君
                高杉 廸忠君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                渡部 通子君
                小笠原貞子君
                柄谷 道一君
                下村  泰君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月六日
    辞任         補欠選任
     亀長 友義君     北  修二君
     福島 茂夫君     伊江 朝雄君
     小笠原貞子君     神谷信之助君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保  亘君
    理 事
                遠藤 政夫君
                斎藤 十朗君
                片山 甚市君
                小平 芳平君
    委 員
                伊江 朝雄君
                石本  茂君
                上原 正吉君
                北  修二君
                田代由紀男君
                竹内  潔君
                森下  泰君
                高杉 廸忠君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                渡部 通子君
                神谷信之助君
                柄谷 道一君
                下村  泰君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  橋本龍太郎君
   政府委員
       大蔵省主計局次
       長        禿河 徹映君
       厚生大臣官房長  大和田 潔君
       厚生省医務局長  佐分利輝彦君
       厚生省薬務局長  中野 徹雄君
       厚生省保険局長  石野 清治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       農林水産大臣官
       房審議官     井上 喜一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○医薬品副作用被害救済基金法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○薬事法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○年金改悪阻止等に関する請願(第二号外三件)
○全日本鍼灸マッサージ師会の法人認可に関する
 請願(第一二号)
○国民健康保険組合療養給付費補助金の増率等に
 関する請願(第一三号)
○国の保育予算の大幅増額等に関する請願(第一
 八号外四件)
○医療保険制度と建設国民健康保険組合の改善に
 関する請願(第三三号)
○「黒い雨」降雨地域全域を原爆医療法による被
 爆者健康診断の対象地域指定等に関する請願
 (第三四号)
○労働基準法改悪反対等に関する請願(第三六号
 外一五件)
○民間保育事業振興に関する請願(第五五号)
○原子爆弾被爆者等の援護法制定に関する請願
 (第五六号)
○公立保育所の増設等に関する請願(第六四号外
 一件)
○積雪寒冷地の季節労働者に対する失業給付の九
 十日支給等に関する請願(第九四号外二件)
○積雪寒冷地の季節労働者に対する失業給付の九
 十日支給に関する請願(第九七号外二件)
○積雪寒冷地冬期雇用促進給付金制度の延長に関
 する請願(第一〇〇号)
○重度戦傷病者と家族の援護に関する請願(第一
 〇四号外一件)
○一般戦災死没者の遺族援護に関する請願(第一
 〇六号)
○栄養士法一部改正に関する請願(第一〇七号)
○重度戦傷病者に対する処遇改善に関する請願
 (第一一〇号)
○薬事法の一部を改正する法律案及び医薬品副作
 用被害救済基金法案成立に関する請願(第一三
 五号外一〇件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保亘君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして一言ごあいさつを申し上げます。
 私は、去る六月十四日の議院の会議におきまして、社会労働委員長に選任されました。
 社会福祉、労働問題などの重要な諸問題を所管する本委員会の使命はいよいよ重大であろうと思います。委員長といたしまして、その重責を痛感いたしております。
 今後は、理事を初め委員の皆様方の御支援、御鞭撻を賜り、この重責を果たしてまいりたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 簡単でございますが、就任に当たりましてごあいさつを申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久保亘君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(久保亘君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を行うこととし、これら二件の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(久保亘君) 次に、医薬品副作用被害救済基金法案及び薬事法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題といたします。
 まず、両案について政府より趣旨説明を聴取いたします。橋本厚生大臣。
#8
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました医薬品副作用被害救済基金法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 医薬品は、今日、医療上必要不可欠なものとして国民の生命、健康の保持及び増進に大きく貢献しているところでありますが、他方、このような医薬品の副作用による健康被害の発生もまた、近年見逃すことのできない問題となっております。
 これら医薬品の副作用による健康被害対策の基本は、その発生防止にあることは申すまでもありません。このため、国は、医薬品の承認審査の厳格化、医薬品副作用情報収集体制の整備、既承認医薬品の安全性及び有効性の再評価など各般の対策を進めてまいったところであり、また今般、この観点から、これまでの行政の実績を踏まえて薬事法改正の実現を図りたいと考えているところであります。
 しかしながら、医薬品の特殊性から、現在の医学薬学の水準によっては医薬品の副作用による健康被害の発生を完全に防止することはむずかしいこともまた事実であります。これらの健康被害については、現行法制度のもとでは、その救済を円滑に図ることが困難である場合が多いことから、その救済のための制度を一刻も早く確立することが社会的に強く要請されているところであります。本法案は、この要請にこたえるため、医薬品の副作用による健康被害に関し所要の給付等を行うことを業務とする医薬品副作用被害救済基金を設立することとするものであり、御承知のように、第八十七回国会において御審議を煩わしたのでありますが、審議未了となったものであります。今回は、第八十七回国会での御審議の経過を十分に尊重し、修正点を全面的に加えて、再度、御審議を煩わしたいと考え、この法案を提出した次第であります。
 以下この法案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、医薬品副作用被害救済基金は、医薬品の副作用による健康被害の救済について学識経験を有する者が発起人となり、厚生大臣の認可を受けて設立することとしております。
 第二に、医薬品副作用被害救済基金は、医薬品の副作用による疾病、廃疾または死亡につき、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料の給付を行うこととしております。
 第三に、医薬品副作用被害救済基金がこれらの給付を行うに当たり、医薬品と健康被害との因果関係など専門的判定を要する事項については、同基金の申し出により、厚生大臣が中央薬事審議会の意見を聞いて判定を行うこととしております。
 第四に、医薬品副作用被害救済基金は、厚生大臣の承認を受けて、医療費、障害年金、遺族年金などの救済給付の支給に係る者について保健福祉事業を行うこととしております。
 第五に、医薬品の製造業者及び輸入販売業者は、医薬品副作用被害救済基金の業務に要する費用に充てるため、同基金に対し、拠出金を納付しなければならないこととしております。
 第六に、特定の医薬品の副作用による健康被害の救済を円滑に行うため特に必要があると認めた場合における医薬品副作用被害救済基金に対する政府の補助その他同基金に対する監督命令など、所要の規定を設けることとしております。
 第七に、この法律は、公布の日から施行することとしており、救済給付は、医薬品副作用被害救済基金の設立の日以降において厚生大臣が告示で定める日から起算して六カ月を経過した日以降の医薬品の使用により生じた健康被害について行うとしております。
 以上のほか、医薬品副作用被害救済基金は、当分の間、従前に使用された特定の医薬品の副作用による健康被害の救済を円滑に行うことが特に必要であると認めた場合には、厚生大臣の認可を受けて、健康被害の救済のための給付を行う者に対し、その給付に必要な限度で資金を貸し付けることができるなど、同基金の行う業務の特例等について所要の規定を設けることとしております。
 以上が、この法案の提案の理由及び内容の概要であります。
 次に、ただいま議題となりました薬事法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現行薬事法は、占領下において制定された旧薬事法を昭和三十五年に全面的に改めて制定されたものであり、以降ほとんど改正が行われずに今日に至っております。
 しかしながら、医薬品を取り巻く環境は、この間に大きく変化してきており、特に昭和三十六年に発生したサリドマイド事件は、世界的に大きな衝撃を与え、医薬品の有効性と安全性の確保が、各国薬事行政の最重要課題として改めて深く認識されるに至ったわけであります。
 このような状況に対し、諸外国においては、薬事法の改正を行い、各種の対策を講じてきたところでありますが、わが国においては、新薬承認の厳格化など主として行政指導により各般の施策を積極的に展開してきたところであります。
 今回の改正は、これまでの行政指導による施策の実績を踏まえて、さらにその徹底を図ることを主眼とするものであり、したがって、医薬品等の有効性及び安全性の確保がその中心課題となっております。本法案は、御承知のように、第八十七回国会において御審議を煩わしたのでありますが、審議未了となったものであります。今回は、第八十七回国会での御審議の経過を十分に尊重し、修正点を全面的に加えて、再度、御審議を煩わしたいと考え、この法案を提出した次第であります。
 以下、この法案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、薬事法は、医薬品等に関する事項を規制し、もって医薬品等の品質、有効性及び安全性を確保することを目的とすることとしております。
 第二に、日本薬局方におさめられている医薬品についても、原則としてその製造または輸入を承認にかからしめること、承認拒否事由を明示することなど医薬品等の承認に関する規定を整備することとしております。
 第三に、すでに承認されている医薬品と有効成分などが明らかに異なる新医薬品については、承認を受けた後原則として六年後に、厚生大臣の再審査を受けなければならないこととするとともに、この間、当該医薬品の使用の成績などに関する調査を行い、その結果を厚生大臣に報告しなければならないこととしております。
 第四に、厚生大臣が中央薬事審議会の意見を聞いて公示した医薬品については、厚生大臣の再評価を受けなければならないこととしております。
 第五に、厚生大臣は、薬局等における医薬品の試験検査の実施方法その他薬局開設者、医薬品の製造業者、一般販売業者等がその業務に関し遵守すべき事項を厚生省令で定めることができることとしております。
 第六に、医薬品等の使用の期限の表示、一定の成分を含有する化粧品及び医薬部外品の成分の表示など医薬品等の表示に関し所要の規制を行うこととしております。
 第七に、医薬品による保健衛生上の危害の発生または拡大を防止するために必要な場合に厚生大臣が発する緊急命令に関する規定を新たに設けるとともに、承認の取り消し、回収などの規定の整備を行うこととしております。
 第八に、医薬品または医療用具の製造業者、卸売一般販売業者等は、薬局、病院等の開設者または医師、薬剤師等の医薬関係者に対し、医薬品または医療用具の有効性及び安全性等に関し必要な情報の提供に努めることとするとともに、薬局開設者などは製造業者などが行う情報の収集に協力するよう努めることとしております。
 第九に、承認申請資料として必要な臨床試験成績の収集を目的とする治験の依頼に関し、治験計画の事前の届け出など所要の規制を行うこととしております。
 第十に、一定の動物用医薬品について、食用に供される肉、乳等への残留を防止する観点から、使用できる対象動物、使用の時期などにつき所要の使用規制を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、また、この法律の施行に伴い所要の経過措置を設けることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(久保亘君) 以上をもって両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより両案の質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○片山甚市君 去る第八十七回国会で、六月五日、衆議院社労委員会における村山富市代議士の厚生大臣に対する質疑応答について、この第八十八回国会でも内容として御確認をいただけますか。まずお答え願いたい。
#11
○国務大臣(橋本龍太郎君) 衆議院におきましての村山委員の御質問に対する私の答えの確認は、そのまま確認をいたします。
#12
○片山甚市君 それに基づきまして質疑を行いたいと存じます。
 大平総理の所信表明演説に対する代表質問が行われているさなかでありますし、そういうさなかにかかわらず薬事二法について本委員会が審議をするということについては、非常の事態だと存じますし、今日までこの参議院では薬事二法についての審議が尽くされておりません。諸般のことを考えますと非常に残念でありますけれども、許された時間において端的に質問申し上げますから、誠実をもって明確にお答えを願いたいと思うのです。
 まず第一に、大平総理の所信表明演説について、私たちは全く評価の余地なしという各方面の声を聞きます。一口に言って今日までの政治責任をとることではなくて、逆に一般消費税、増税を行うことを隠し、不誠実または説得力のない、彼が言う愚直でなく、こうかつだと思うし、傲慢だと思われます。日本型福祉国家を自指す大平総理は、なぜこのことについて言及をしなかったんでしょうか。経済、財政破綻のツケをすべて福祉切り捨てと増税でつじつまを合わそうとしているものであって、このことについては、厚生大臣は、見ておられてどのようにお考えになるか。閣僚でありますから、言葉は十分でございませんでしょうが、私たちとしてはこの大平総理の演説に対して、至って遺憾だと思います。
 特に、厚生省の昭和五十五年度の概計要求を見ますと、大蔵省が決めました九・八%という枠の中に忠実に従っていると見られます。たとえば国際児童年、また八一年の国際障害者年に対する積極的な取り組みがそれには見当たりません。もっと真剣な問題の提起が厚生大臣の方からあってよいのではないか。こういうような立場から大平総理のいわゆる日本型福祉というものについては、福祉切り捨て、こういうことにつながると思いますが、大臣の御所信をお聞きいたしたいと存じます。
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変むずかしいお尋ねでありますけれども、私なりにお答えをしてみたいと思います。
 私は、総理の申しております日本型の福祉社会と申しますものは、日本人の持つ自立自助の精神また、思いやりのある人間関係あるいは相互扶助の精神といった伝統的な問題解決の仕組みというものを尊重しながら、これに適正な公的福祉というものを組み合わせて、活力のある社会の実現を目指すべきであるという、その理念を申し上げておるものと理解をいたしております。その限りにおきまして、福祉施策の推進というものにつきましては、私どもも従来から国民の需要に応じ、きめ細かな配慮をしてきたわけでありますが、今後におきましても、お年寄りあるいは障害を持たれる方々を初めとして、社会的あるいは経済的にハンディキャップがある方々に対する施策については、重点的かつ効率的に推進をしていく姿勢には変わりはございません。
 なお、日本型福祉社会というものを考えます場合に、私は一つの特色があると考えております。それは、欧米諸国に比べ、いわゆる親と子と孫との三世代同居の志向というものが非常に高いという事実でありまして、現実にも六十五歳以上の方方の七割以上は現在も三世代同居の姿を持っておられるわけでありますし、また、世論調査の結果等を見ましても、お年寄りにしても若い方にしても、やはり七〇%以上の方々が三世代同居の姿というものを希望しておられる。こういう点は私は、むしろ日本の社会保障あるいは福祉行政を考える上において、欧米の対策とはおのずから異なるポイントとしてきわめて重視すべきものであると考えておりまして、こういう点は私は、お年寄りの孤独感というものを防ぐというだけにおいてでもむしろ推進していくべきことである、そのように考えております。
 また、いま概算要求のシーリングについてお触れをいただきましたが、私ども厚生省の立場から申しますならば、それは概算要求の枠はもちろん多いにこしたことはございません。ただ、福祉年金等の国会修正に伴います平年度化分が加算をされておりますために、厚生省自身の概算要求枠というものは、閣議で決められました各省庁の平均に比べまして余力を持っておりまして、一一一・六%の枠内での要求をいたしております。その中において私どもとしては最善を尽くしておるつもりでありますが、これはむしろ今後の予算編成においてそれをどこまで実現できるかということで、事実をもってお答えする以外にない、そのように思っております。
#14
○片山甚市君 国際児童年あるいは国際障害者年を迎えるに当たって積極的な取り組みを願いたい、こう言っておりますから、もう一度お答えを願うとまた時間が足りなくなる、こういう仕組みですからやめておきます。
 さて、薬事二法の成立とは、薬害根絶の一里塚であると理解をします。その内容の充実を図るとともに、実は医療過誤や脱税と営利事業化した医師への不信解消のため、医療制度全般にメスを入れるところの対策が今日十分とは言えないと思いますが、厚生大臣はいかがでございましょうか。
 また、今日までの原告全面勝利という冷厳なスモン判決のすべてに対し控訴しておりますが、製薬、国に対しての不信は助長されておる。少なくとも国は薬害根絶、医療荒廃解消に対する決意のあかしとして、この法律が成立したら直ちに控訴を取り下げるという態度をおとり願いたい。
 この二つをまず大臣からお聞きいたします。
#15
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま御指摘がありましたように、医薬品の副作用被害の未然防止、また、これにもかかわらず発生する被害の迅速な救済というものを図ってまいります上で、今回の薬事二法の成立というものが持つ意義というものは大変大きなものがあると考えております。それだけに、これを契機にして今後とも一層医薬品の有効性、安全性の確保のための施策を貫いてまいりたい、そのように考えております。
 また、御指摘のように、医療の原点というものが患者と医師との間の信頼に基づく人間関係にあります以上、厚生省としては、その原点を確認しながら現代の医学に照らして適正な医療が行われるように努めてまいらなければなりません。これまでも努力をしてきたつもりでありますが、今後ともそうした点についての努力を重ね、医療が営利主義に走っているというような御批判を受けないような努力をしてまいりたいと存じます。
 スモン訴訟判決について、これは確かに現在、地裁段階におきまして国及び製薬企業は連続して敗訴を重ねておりますし、その限りにおいて片山委員の御指摘のとおりであります。ただ、主として薬事法上の国の責任のあり方についての論議、また今後の行政の指針を定める上においても重大な意義を持つ判断というものが示されておりますだけに、関係省庁と十分な協議の上で上級審の判断を受けることが適当と考えて今日控訴をいたしております。
 この控訴の問題、法律上の論点の問題とは別に、このスモン問題の早期解決というものには、院の御協力をもいただきながら、私どもなりに全力を尽くしてまいりましたが、今日まで賜りました院の御協力にこの機会にお礼を申し上げますと同時に、この薬事二法の成立というものにかかる患者の早期救済の重みというものをもぜひ御理解を賜り、今後ともの御協力を賜りたい、そのように考えております。
#16
○片山甚市君 私は、関係各省庁と相談をしてやらなければ控訴取り下げをできない、またその他の事情がある、こういうことについては納得はいたしませんが、さて、薬事二法審議に関連して、それでは、スモン被害者団体との交渉の進捗状況と大体その内容について簡略に――後から安恒委員の方からスモンのことについては詳しくお聞きをするだろうと思いますから、私は、どういうことでこれを成立させればスモン患者は納得するのかどうか、これを聞きたいのであります。薬務局長はよく忍耐に忍耐を重ねて頭を下げっ放しでよくやったんですから、ひとつきちんとした簡単な答えで、もう大丈夫ですとか、大丈夫でありません、大変ですとか、どちらか返事してください。
#17
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。
 本年六月以降、先生御指摘のとおりに各地裁におけるところの判決が数次にわたって出たわけでございますが、この間私どもといたしましては、患者団体との協議を厚生省をはさんで製薬企業との連携もとれるように努力をいたしてまいりました。いままでのところ、たとえば健康管理手当についての六月の民間側からの回答等、金銭的条件に関する問題はほぼ煮詰まったか、あるいは見通しがついたかという状況のところまできております。
 現在、実はここ二週間ばかりの間、連日連夜のように交渉、折衝が続いているわけでございますが、これは主として国及び製薬三社と個々の和解に応ぜられる患者さんの間に締結されるべき和解調書の文言表現の問題をずっと詰めてまいっておるわけでございます。実は、ここ数日間も深夜にわたりまして患者の方やあるいはその代理の方との交渉が続けられておりますが、徐々に双方の見解が同一の方向に向かって、いわば何と申しますか収斂しつつあるというふうに理解をいたしておりまして、私どもといたしましては、今後非常に短期間のうちにこの和解調書の文言表現等については詰め得るものというふうに理解をいたしております。この文言が詰められれば、この和解調書に従って全国的に――既和解者と別のグループの方々がいろいろおられるわけでございますが、一斉に和解への踏み切りが可能になるものというふうに考えておりまして、これは近い将来のうちに片づけたい、また片づける見通しも十分あるというふうに考えておるところでございます。
#18
○片山甚市君 それでは、スモン患者の皆さんとの間には和解あるいは十分に納得していただけるような状態がいまでき始めておる、またできた、こういうように理解をしてよろしゅうございますね。
#19
○政府委員(中野徹雄君) 金銭的な問題についてはほぼ煮詰まったか、また煮詰まる方角でございますし、和解調書につきましても、関係者の非常な御努力によりまして、近い将来に文言表現について合意に達し得る状態にあるというふうに考えます。
#20
○片山甚市君 それはまた安恒委員の方から詳しいことを聞くと思いますから、このぐらいにします。
 薬害救済に必要な資金を貸し付けることに当たり、政府の債務保証をすることになっておりますが、スモン被害者団体との交渉の中で厚生大臣は、介護手当等について五十五年度予算では対応するという御意向をとられておりますが、概算要求策定段階ではどのように配慮されておるか、こういうことについてまずお伺いいたします。
#21
○政府委員(中野徹雄君) 先般、最後の判決と言われました前橋判決の直後におきまして、大臣と患者の方々との接触があったわけでございますが、その際にスモン患者の方々から、現在、会社負担で行われることになっております介護手当につきまして、その介護手当が及ばない範囲の重症者の方々についての介護手当の御要望が出たわけでございます。
 これに対しまして大臣から、スモン患者の介護の問題という観点から、問題に真剣に取り組みたいという御答弁があったわけでございますが、来年度のこれらの問題をも含めました恒久対策のスモン関連予算は、現在のスモン問題のなお流動的な状況にかんがみまして、実は概算要求そのものを現在さらに状況とにらみ合わせにおいて検討中でございます。これはある時期に十分練った上でこの恒久対策関連の予算を大蔵省に提出をするということになろうかと思いますし、また、そのような形で現在煮詰めつつあるということについては、大蔵省にも御了解を求めてある点でございます。
#22
○片山甚市君 それでは、資金貸し付けに当たり、どのような範囲で政府保証をするのか、政府保証の一般的な考え方とあわせて説明されたい。
 また、薬事法上の国の責任を認めながら、恒久対策を除外するということにはならないと思いますが、いかがでしょう。
 いま厚生省の方から言われたように、大蔵省として本日おいで願っておるんでありますが、恒久対策についても当然その円滑な実施が図られる財源確保について万全の措置を講じられるものと思いますが、大蔵省の御見解、厚生省のもう一度の御見解を願いたいと思います。
 厚生省として具体的なことを聞きたいのは、さきの国会には、今国会中にも恒久対策の内容について詰めるよう鋭意努力しておりますと、これは六月の五日の日に話をしておることです。こういうような土壇場にならなければなかなか詰めてこないということについて、日本人の癖でありましょうが、大変残念であります。ですから、いま大蔵省としてそれについてのいわゆる財源的な措置についての保証を求めたいと思いますが、いかがですか。
#23
○政府委員(中野徹雄君) まず、先生御指摘の資金の借り入れについての保証の問題でございますが、これは本来、スモン訴訟の判決をごらんいただいてもそうでございますし、また和解調書、すでに千四百名を超える和解が成立いたしておりますが、これらの方々の和解調書にも明らかなように、国と製薬会社はいわば判決の上では連帯責任を認めるという判決が出ておりますし、この判決を国としては控訴はいたしておるわけでございますが、和解調書上やはり国と連帯してこの患者の方々の損害をてん補するというたてまえになっております。
 国と製薬会社との内部関係におきましては、製薬会社が三分の二の負担、国が三分の一の内部関係としての負担をいたしておりまして、これはほぼその前に発生をいたしましたサリドマイド事件におけるところの費用負担の前例にならう形になっております。このような形におきまして三分の二の費用を製薬会社が負担します場合に、サリドマイドと違いましてスモンの場合にはその患者の数が御承知のように非常に多いということもございまして、非常に膨大な金額に相なるわけでございます。そのような国と連帯して行うべき民間会社の所要資金が巨額にのぼるという観点から、そこの部分につきまして、政府の保証のもとに資金を新しく設けられます基金が借り入れをいたしまして、これを救済を行う製薬会社に貸し付ける、かようなたてまえになっておるわけでございます。
 それから、いわゆる恒久対策につきましては、おおむね基本的に従前の理解といたしましては、たとえば健康管理手当等直接の金員の支給に絡まる問題につきましては、国の立場といたしましては、財政法上の制約等の観点から民間に負担をしていただきまして、一方、行政施策面で吸収し得るものを恒久対策の中身として国は従前考えてまいったという経緯がございます。たとえば、スモンの治療方法の研究であるとか、あるいはそのための必要な医療施設、病床等の整備、あるいは従前から行ってまいりました公費負担によりますところの難病治療対策のたとえばはり、きゅう、マッサージ等の上積み等の問題がもっぱら国が負担をしてまいったという形になっております。
 今後の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、実は大蔵省の御了解も得まして、現在これを煮詰め中であるということでございまして、まだその具体的な中身について大蔵省と御相談を申し上げる段階に至っておりません。その点につきましては、実は先ほどから御説明いたしておりますように、患者の方々との折衝というものは六月以降ずっと今日まで直接の和解問題、恒久対策と申しますよりも和解の問題に実は全精力を費やして両当事者が折衝を続けてきたということがございまして、恒久対策問題がいわばその峠を越した後の問題になるという見通しでございますので、私どもといたしましても、その点は大蔵省の御理解をいただきまして、その問題の煮詰めをさらに今後いたしたい、かようなことで大蔵省の御理解をいただいているというのが現状でございます。
#24
○政府委員(禿河徹映君) スモン患者の方々に対しますいわゆる恒久対策につきましては、ただいま薬務局長の方から御答弁ございましたとおり、一般の福祉施策として国がなし得る事柄につきましてはすでに実施いたしておるところでございますけれども、今後とも私どもといたしましては厚生省の方とよく相談をいたしまして、その対策の円滑な実施が図られますよう努めてまいりたい、かように考えております。
#25
○片山甚市君 大蔵省はこういうときには金の出し惜しみをしないように。ロッキードやグラマンには金を出し惜しみをせずにどんどん出すくせに、こういうことになりましたら厚生省をいじめるのがあなたの仕事、こういうことにならぬように気をつけてください。気をつける程度で役に立ちませんけれども、まず申し上げておきます。きょうは御放免と、こういうことで後は質問しませんから、お帰りください。
 実は約七項目について質問いたしますから、一括丁寧に答えてほしいと思います。
 無過失責任の採用について、今後どのように具体的検討を進めていくのか。公害立法や自賠法等については無過失責任の補償が採用されておりますが、薬害に対する賠償責任の明確化とともに、万全の制度確立のためにいかにあるべきか、その方策を示してもらいたい。
 二つ目に、被害者の救済には判定が迅速かつ適正でなければならないと思いますが、どの程度の日時を要し、いかなる認定の基準によるのか。本法の目的に背かない運用をどのように約束できるのか。
 三つ目、本来、救済対象に制限を設けるべきものでないと考えるが、「がんその他の特殊疾病」とは具体的に何と何で、その選定基準をわかりやすく示してもらいたい。また、これはたとえ治験薬といえども、医師の判断及び薬効を認め製造した国、製薬企業に、対象外であることを理由に安易な免責を認めるわけにはいかないと思うが、どうか。
 四、給付水準とは、真に被害者救済の目的を達し得るものでなければならないが、どうか。水準の設定に当たっては、当然被害者の生活実態などその被害状況を十分に把握しているのかどうか。私はなされていないと聞いておるんです。これらの調査が速やかになされ、その後において給付内容、額等改善されるべきものの再検討をすべきではないか。
 五つ目に、国庫補助についての規定はきわめて不明確であります。特定の薬品の副作用、被害救済について、第四十二条ですが、特に必要と認める場合の基準を過去の事例を引用して示してもらいたい。また、一部補助をする根拠、補助率についても示してもらいたい。
 六つ目に、福岡地裁判決以来、国は投薬証明のない患者についても東京地裁方式による和解に応ずる方針とのことでありますが、投薬証明がないため提訴を見送っている多くの患者に対し、今後具体的な対応策はどうするのか。
 七番目に、既発生被害で本法の救済対象となるものは何と何が考えられるか。その際、制約となるのは何か。この問題を真剣に取り上げることこそが真にすべての薬害絶滅のあかしをしておると考えるのでありますが、以上簡単に申し上げたのは、後に薬事法の質問をしたいので、このあたりで七つの項目について簡略に明快にお答えを願いたいと思います。
#26
○政府委員(中野徹雄君) 私ども今回の薬事法の改正を準備いたします際に、いわゆる製造物責任あるいは製造者の無過失責任論というものも導入すべきかどうかについて、私どもなりに検討をいたしたところでございます。
 全世界的にその種の立法、厳密に先生御指摘のと必ずしも一致しない面もございますが、唯一の例が西ドイツの現行一九七六年の薬事法に、一種の製造物責任、限定された形でございますが、製造物責任論が導入されていることと承知しているわけでございます。もちろん、この公害等の一定の基本原則、汚染者負担原則等の基本原則に従う場合の製造者責任あるいは汚染者責任と異なりまして、現在の医薬品あるいはたとえば食品あるいは家庭用品等について、その製造物責任を導入すべきかどうかということは、結局一つの非常に重大な民事責任全体のいわば重要な変更になるという点にかんがみまして、私どもといたしましてはさしあたり無過失責任の原則のもとに、お手元の救済制度というようなものを用意をするという第一段のいわば立法作業を進めたというところでございます。今後製造物責任論の導入いかんということにつきましては、先ほど申し上げましたように、食品あるいはその他の家庭用品等とも十分にらみ合わせをいたさなければなりませんし、また、民法上の原則の大変更にも通ずるということで、この世界的な趨勢をも踏まえながら十分に検討してまいりたいというのが私どもの立場でございます。
 それから、副作用被害の判定についてどの程度の日時を要し、あるいはまたどのような基準によって行うのかという御質問でございますが、私ども副作用被害の判定につきましては、すでに医薬品の副作用についてのある種の医薬品とある種の副作用の対応関係というようなものは、副作用報告によって相当量の情報が集積されているというふうに考えております。したがいまして、その既存の、いわば既知の副作用被害というようなものの分類を行い、また、その一定の基準を作成することは比較的短時日の間にこの準備作業を完了し、それについて被害者側からの申請があれば、これに対して行政的に可及的に速やかな短時間の間に対応し得る自信は持っておるわけでございます。そのためには、実際にこの基金の業務の開始前におきまして、中央薬事審議会に新設されますところの判定部会において十分この種副作用についての事前検討を行いまして、申請に際しましては、短時日の間にこの救済が実施されるように最大限努力をいたしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
 それから、救済制度から除外する医薬品はどのようなものかという御質問でございまして、これにつきましては、医薬品の中にはいわばその有効性と副作用が何と申しますか、専門家の表現によりますと、ほぼそれが非常に近接をしているという特殊な医薬品がございます。これは御承知のように制がん剤等につきましては、健康な細胞とがん細胞を選択的に攻撃をするというようなことが不可能なために、制がん剤そのものが健康な細胞そのものに対しても有害な作用を及ぼす。もちろん制がん剤の中にも免疫療法剤のようにそのような作用のないものもございますけれども、特定な制がん剤についてはそういうものがございます。
 それから、いわば免疫抑制剤、自己免疫疾患等についての免疫抑制剤のようなものがございまして、このようなものを使いますれば、当然人間の免疫能力が抑制されるわけでございますから、たとえば細菌感染症について非常にその免疫力が下がるというふうな、いわば有効性とその副作用が五〇、五〇ぐらいの近さで接近している薬をどうしても使わざるを得ないという場合がございます。そのような場合につきましては、本来その薬の特殊性にかんがみまして、この救済対象からはずさざるを得ないという判断をいたしておるわけでございますが、このような薬、こういうふうな除外医薬品は明確にやむを得ない事由ということで除外をするということで、事前にどのような種類の薬を除外例とするかについては、十分専門家の御検討を煩わしまして、なるたけそれを狭い範囲のものにするという方向で検討をいたしてまいりたい、かように考えております。
 それから、治験薬についてどうするんだという、こういう御質問でございますが、この医薬品の副作用被害の救済法案は、いわば医薬品としての正規の製造承認を受け、また、製造許可を受けて発売しているものについての話でございまして、治験薬については、治験薬段階はいわば製薬メーカーの責任においてこの有効性を、あるいはその安全性をテストしているという段階のものが治験薬でございます。したがいまして、治験薬段階のリスクは、挙げていわばこの正規の製造承認前において行う企業の責任のもとでの活動であるというふうに考えられますので、私どもといたしましては、この治験の依頼についての規制を新しく改正案に盛り込んでおりますので、この治験についての規制の中で、そのような場合において十分な補償が治験薬に伴う事故例に対して行われるよう、これを治験の依頼そのものを規制することによって、治験を受ける方々の人権の尊重、人権の確保ということに万全の態勢を敷いてまいりたい、かように考えておるところでございます。
 救済給付の水準につきましては、もちろん先生御指摘のとおりに、医薬品の副作用による健康被害を受けた方々の、たとえば実態調査等についての完璧な資料が現在ございません。これにつきましては、現在のところ救済給付の水準は、制度的にほぼその趣旨として非常に類似したと申しますか、性格上同様なものと考えるところの予防接種事故に関する救済給付の水準を現在想定しておりますが、これは最終的には政令事項でございますので、なお先生御指摘のような問題も十分踏まえまして、最終的にはその救済の給付水準を決めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
 それから、給付費に対する国庫補助でございますが、この規定につきましては、衆議院段階での修正が行われて、それが原案等に組み込まれまして、現在御審議を煩わしておるところでございますが、従前の例等で考えますと、大規模な医薬品の副作用事故が発生した場合、たとえばサリドマイド、スモンがその例でございますが、これについては現に三分の一の国の負担が現実に行われておるところでございます。
 それ以外にいかなる場合に国庫補助を行うのかということにつきましては、先生御承知のとおりに、実はこの国庫補助を行うべしとする意見、それから一般的な国庫補助はなじまないのではないかというふうな意見も、両々関係者の間には行われておるところでございます。しかしながら、いずれにいたしましても私どもの立場といたしましては、基本的に、企業の拠出によるところの救済給付を実施をいたします際に、それがその企業との負担の関係において円滑に行われるように、円滑に行われるためには、その限度においていかなる国庫補助が必要なのかという観点から、この問題については、現在具体的にその補助率、あるいはその補助を行うべき場合は明確に確定をいたしておりませんが、今後速やかに、この基金発足の状況に即しましてこの国庫補助の規定についての煮詰めを行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 その次に、投薬証明のない患者の方々についての御質問でございますが、これについては、実は当院におきましても御質問に対しまして、この投薬証明書がないという理由のもとで患者の救済が、たとえば投薬証明書のある方との間で不公平がある、差別があるというようなことは許さるべきものではないという立場から、公平に平等に救済が行われるべきものだという厚生省側の見解はすでに御説明をいたしたところでございます。
 ただ、この場合におきまして実は非常にむずかしい問題が幾つか絡んでおりまして、しからばその財源分担をどうするか、あるいはその財源分担を確定します際に、私ども裁判所の御意見をひとつ踏まえて、それを何と申しますか、手順の一つに組み込んでこの問題を処理をしたいということで、御承知のように東京地裁にこの案件の処理についての判断を請うたわけでございますが、なかなかその問題の複雑さ、むずかしさというようなことからいたしまして、現時点においては残念ながらまだ東京地裁からの判断をいただいておりません。しかしながら、これは重大な問題でありますので、われわれとしては再三にわたって東京地裁との接触を続けているわけでございまして、現時点におきましては、非常に近い将来に東京地裁の判断がいただけるものというふうにわれわれは考えております。
 いずれにいたしましても、他の患者の方々との公平の確保という観点からいたしまして、われわれの目指しております全国的な早期解決ということの中にこの問題が置き去りにされることのないように、万全の準備、努力を払ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
 最後に、先生の御質問の中の、既発生薬害にスモン以外のものがいかなるものが含まれ得るのか、また、含まれるとすれば一体それはどのような条件のもとにおいてであるかということでございますが……
#27
○委員長(久保亘君) 簡単に。
#28
○政府委員(中野徹雄君) はい。
 これは具体的な例として、含まれる可能性があるというふうに判断されるものは、たとえばクロロキンがございます。クロロキンについては、患者総数が現在大体百名ぐらいのものでございまして、これらについて被害者あるいは製薬企業との間で現在一部和解が成立しておりますが、全般的な和解の成立の見通しが出てまいりますれば、このクロロキンにつきましてもスモン同様に、この基金法の附則によるところの救済対象に含まれ得るものと、かように考えております。
#29
○片山甚市君 御答弁を一方的にいただいて、再質疑をしたいところでありますが、私からもう一度念を押しておきますのですが、投薬証明がないため提訴を見送っている多くの患者に対して、今後具体的な対応策をきちんとしてもらいたい。これをもう一度申し上げておきます。やらないと言ったんじゃないんですが、あなたは、親切に言わなけりゃ後ろにおる傍聴者の人にも申しわけないと思ってわかるように言いよると思いますが、私が質問しておるのは、もう禅問答みたいにやってもらって結構なんです、よくわかっとるんですから。ですから、いま申しましたように、政府あるいは製薬会社の責任を感ずるというならば、先ほど大蔵省も、歯切れのよくない言葉でありましたけれども、あなたの言うことについては聞くと言っておるんですから、十分に厚生大臣もがんばっていただいて、期待にこたえてもらいたい。
 そこで、薬事法の一部改正についてお聞きをいたします。
 医薬品が国民医療に果たす役割りは重大な役割りを持っておると思います。今後も薬事制度のいわゆる基本的な改善方策というものを確立すべきだと考えるのでありますが、それはどういうことかといいますと、先ほど申しましたように、消費者保護の立場から製造物責任導入について総合的検討の必要性があると考える。もう一度、それでよろしゅうございますか。
#30
○政府委員(中野徹雄君) 私どもは、薬事法の今回の改正はいわば当面緊急と考えられることについて、短時間の間に準備できるものを盛り込んだという判断でございまして、当然今後の薬事法のさらに改善、充実に努めてまいらなければならないと考えておりますし、その中には、先生御指摘のような問題が当然に含まれているというふうに考えます。
#31
○片山甚市君 そこで、中央薬事審議会――中薬審についてですが、判定機能が今回付加されるようにしておるんですが、それについては不信と不安を抱く多くの意見がございます。と申しますのは、中薬審が認めた薬によって被害を受けたのに、その中薬審が救済などをするというのは、どろぼうになわをなわしてどろぼうをつかまえさせるようなものであって、信用ができないと思います。これらの不信を除くためには、どうしても組織、人員の強化、また組織を変える等、その判定部門の委員の常勤化、事務局の拡充等、具体的に、いままでのような中薬審でない形のものを望んでおるんですが、そのようになされましょうか。それは厚生大臣、考え方としてまずお答えを願いたい。
#32
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは、この副作用被害と医薬品の因果関係等の判断に当たり、中央薬事審議会に新たに判定部会を設けるわけでありまして、これは新薬の承認審査を行う部門とは分離して判定業務を専門に行わせるわけでありますので、公正な判定を行うのに支障がないような機構になると思っております。
 ただ御指摘のように、組織の充実とかあるいは委員の増員というような機能の強化というものは当然必要でありますから、そういう努力は鋭意いたしたい、そのように考えております。
#33
○片山甚市君 製造承認、再審査、再評価の資料は公表された学術文献によるといいますが、審査の内容が、いかに広く国民が理解し得るようなものとするかということについては必要なことだと思いますので、そのようなための具体策がございましょうか。これが一つであります。
 二つ目に、有効性、安全性に関する製造業者等の情報収集、提供等の業務の確実な履行、医療機関における情報活動の強化及び製造業者等の情報収集への積極的協力について十分指導を行う必要があると思いますが、どのように厚生省としては指導するおつもりであるか。
 また、情報センター機能の整備についてでございますが、具体的にどのような構想を持っておられるか。
 これらは、単なる流通過程のプロパーの問題として済まされないと思います。製造業者から医療機関または薬剤販売業者への情報伝達の意図的な間違い、あるいは単なるミスであっても、結果はすべて消費者である患者に薬害を起こさせるということでありますから、これに対しては厳しい罰則規定を設けるべきだと思いますが、いかがでしょう。
#34
○政府委員(中野徹雄君) 医薬品の製造承認に当たりましての、いわばデータ公開の原則というのが一般論としてよく議論されるところでございます。われわれといたしましては、この医薬品の製造承認に伴うところのデータ公開の原則は、逆にいわば審議会において審議されるべき資料が、すべて公開された学術文献によるものしか審査対象にしないという形で、トランスパイアリングと申しますか、そのデータの公開原則を現在確保しているということでございますが、一方におきまして、この審査過程においていろいろ出ましたところの有益な、医薬品の使用上参考にすべきいわば審議経過等の問題につきましては、私どもは今後添付文書の改善問題と、その医薬品情報としての添付文書の内容充実問題というものが一つの大きな課題でございますので、この審査過程におけるところの判断を含めまして、これをいかに添付文書に盛り込み、これを臨床医家に伝達をしていくかという方向で十分工夫をしてまいりたいというふうにいま考えておるところでございます。
 それから次に、医薬品の有効性、安全性に関する情報の収集、提供等については、御承知のように、お手元の法案にこの収集の義務あるいはそこに対する協力関係の規定がすでに盛り込まれておりますが、この報告の実行性を担保するということが一つの重大な問題であろうかと思います。そこで、この報告の実行性を担保するということにつきまして、それについて、たとえばそれを怠った場合等につきまして何らかの罰則規定が必要ではないかという意見もございました。そこで私どもといたしましては、これを担保するために、一応現在の立場といたしましては、報告聴取命令権がございまして、この命令権の発動の中にこの副作用の情報を一般的に盛り込みまして、この新しい規定によりまして一般的にそのような情報収集の実行性を担保しようということで、この法案立案の際に、法制局との協議もそのようなことで終えているところでございます。必要に応じてその厚生大臣のいわば命令権を一般的に省令で発動いたしまして、情報収集の実行性を担保したいというのが私どもの考え方でございます。
 それから、罰則はこの命令条項の発動によりまして、たしか六十九条だと思いましたが、直接にその罰則が働くように規定ができる、かように考えております。
#35
○片山甚市君 情報センター。
#36
○政府委員(中野徹雄君) プロパーの問題でございますが、確かに現在プロパーの問題につきましては、国によりましては、たとえば西ドイツの薬事法におきましてはプロパーの資格そのものを法律で直接に規制をするというようなことをやっております。他の国々におきましては、主としてプロパーについての業界側の公の自主規制が行われているところでございまして、私どもとしては第一段階といたしまして、ドイツを除く欧米諸国に見られるような業界の自主規制について、実は業界に対して明確な要請をいたしたわけでございます。この業界側の厚生省の要請に対する回答が、一応六月時点で、医薬情報担当者の教育研修要綱、さらに医薬情報担当者の教育研修カリキュラムというふうな形で提示されておりまして、私どもとしては一応それを拝見いたしました場合に、現在の業界の御努力としては一応できるだけのことをやっていただいたというふうに考えておりまして、この実施状況を見定めながら、もしもさらにプロパー規制というようなものを強めていく必要があるならば、第二段階の問題として法制上も検討を加えてまいりたい、かように考えております。
 情報センターの問題でございますが、実は医薬品の副作用情報は現在のところ厚生省に収集をされまして、この副作用情報がいわば医療の現場に対していろんな形でのフィードバックはすでに行われております。
 また、WHOのモニタリングセンターとの連携の副作用情報の収集、あるいはその世界的な伝達のルートもすでについておるわけでございます。さらにこれに加えまして、先生御指摘のような情報センター構想を現在具体的に練っている段階でございまして、現在すでに医薬情報センター、JAPICと称せられる公益法人が薬務局所管のもとに置いてございますが、このJAPICに医薬品情報のデータバンクとしての機能を整備させ、これを医療機関全体に対する医療情報のネットワークに乗せるという形で医薬品情報のいわば集約、その現場へのフィードバックという構想を現在練っております。
 また、これにつきましては、五十五年度予算の中身として――これはもちろん一気にできる話ではございませんので、その整備段階からの作業が十分にあるわけで、非常に膨大な作業がございますが、たとえば情報のインプットのための準備というようなことも含めまして、現在先生御指摘のような情報センター構想は、すでに行政的な検討から実施の段階に、着手の段階に進みつつあるというふうに御報告をいたしておきたいと思います。
#37
○片山甚市君 添付文書等の使用や取り扱い上の注意についてはいまお聞きをして、より間違いのないようにする、こういうことでありますから、再評価の終わった医薬品の表示についていえば、その効能、効果の立証の程度も含めわかりやすくしてもらいたい、まず申し上げておきます。
 そこで、治験薬のことで先ほどお話がありました。改正薬事法第八十条の二の、治験に当たって、臨床試験の依頼をする場合の遵守基準には、治験を実際に行う医療機関の責任者に対し、患者の人権擁護の立場から被験者の同意の原則、被害を受けた場合の適切な補償措置の規定は当然設けられておる、こういうように先ほどおっしゃったと思いますから、そのように間違いございませんか、これは。
 その次にお伺いします。
 医薬品販売に当たっては、深い専門知識を持って販売活動に従事すべき必要があろうと思います。先ほどからお話をいただいています学術情報宣伝員、プロパーと称する販売従事者は全国で約三万人いるといわれていますが、この人たちは、いま局長も言われたように民間に全部ゆだねています。この人たちの資質の向上がこれからいわゆる薬害を防いでいくのに非常に大きな役割りだろう。このためには、公的規制を含めた対策を速やかに確立をすべきだと考えます。公的規制ということは、公的にいろんないわゆる助力をして、企業だけに任さないでやっていくということを考えてもらいたい。これが一つです。
 二つ目に、医薬品の有効性、安全性の審査は、実験過程での適正さが保証されねば意味がございません。いわゆるGLP、医薬品の開発に伴う試験の実施に関する基準ですが、作成の検討の中で、各専門分野の知識、技能をどのように生かした基準となるのか、考え方を示してもらいたい。これが一つであります。
 そこで、医薬部外品の誤った使用方法による事故例や化粧品による被害が多発しております。消費者の不安が高まっているとき、製造業者の姿勢は、特に安全性に対する製造業者の姿勢というものを見ると、特にイメージ商品化されておる化粧品被害などに対しては、消費者への正しい知識の普及と過大広告などの規制を、罰則、補償の強化というようなことについて国民の不安を払拭する、いわゆる正しい知識の普及と過大広告をやめさせて規制をしていく、そういうことについては罰則、規制を設けるというようなことで、これは医薬部外品のことでありますが、お聞きをしたい。
 少し並べ過ぎましたけれども、お答えを願いたいんです。
#38
○政府委員(中野徹雄君) まず第一に、GLPのその前段の、プロパーの規制問題についてでございますが、先ほど御説明いたしましたように、プロパーの研修問題、その資格認定等の問題につきましては、現段階では何と申しますか、業界の公的な、オープンな自主規制というものを要望いたしまして、これに対して業界のいわば厚生省の要請に対する答えがすでに、先ほど申しましたように六月時点で寄せられているわけでございます。その実施状況をにらみ合わせまして、今後の問題として何と申しますか、西ドイツ方式におけるような直接の法律による規制等の必要が認められるというような状況に相なりますれば、その段階でさらに具体案を検討していきたいというのが現在の時点のわれわれの姿勢でございまして、これにつきましては、十分先生の御指摘の趣旨を踏まえて今後対処してまいりたい、かように考えております。
 いわゆるGLP問題でございますが、これはいわば薬の製造、開発の過程におきます動物実験段階の問題でございますが、この動物実験のやり方あるいはその動物実験の結果の評価等につきましては、諸外国におきましても、いわゆるGLPという基準でございますか、このやり方あるいは評価の仕方についての基準を策定しようという動きが、諸外国でぼつぼつ散見されているところでございます。このこと自身は、非常に重大な問題でもございますので、私どもといたしましても、実は昭和五十三年度から――昨年度でございますが、五十三年度から三年計画でわが国における動物実験の基準についての調査、検討を現在進めておるところでございます。この検討結果がまとまりますれば、速やかに動物実験についての規制について、たとえば新薬の製造承認に当たって具備されるべき動物実験のデータの基準という形でこれを実施に移してまいりたい、かように考えておりまして、これは諸外国の作業の進捗状況等をにらみ合わせまして、速やかにこれを実現していきたいと考えております。
 部外品、化粧品あるいはこれらについての誇大広告の規制とか正しい知識の普及ということについての御質問でございますが、従前から承認されました用法とか用量とか効能、効果を基準にして、虚偽もしくは誇大と判断されるような広告については従前から取り締ってきたわけでございますが、またさらに一般の化粧品につきましても、いわゆるイメージ商品という御指摘がございましたが、その点はまことに私どもも同感てございまして、本来の化粧品の使用目的と申しますか、そういうものを逸脱して誇大な広告が行われるということについては、今後ともに全力を挙げて取り締まってまいりたい、かように考えております。
 こういう規制の傍ら、この使用に伴うところのいわば副作用という言葉が当たるかどうか、事故例等につきましては、その情報の収集にすでに手がけておりますし、そのような情報をベースにいたしまして正しい使い方についての知識の普及に努めてまいりたい、かように考えております。
 なお、つけ加えますれば、部外品については、実は先生の御懸念のような広告等が最近見出された例がございまして、このような広告についても関係業者に厳重な警告を発しまして、これを全面的に訂正させたという実例がございます。これは具体的にはウエーブ剤、毛髪の染料でございますが、これが問題になりまして、これについては訂正の指導をいたしまして、すでにこれが行われております。
#39
○片山甚市君 時間が参りましたから、簡単に二つだけ、いわゆる医薬分業について推進をしてもらいたいことと、前に安恒委員の方からも言われた薬価基準と実勢価格との乖離の問題、これを明確に直してもらわなきゃならぬ。難病やがんの対策についての究明については、やはり治療薬の開発も欠かせないけれども、人道的見地から、いかに商業ベースでもうけるかというんじゃなくて、国の大きな力でこれをやってもらいたい、こういうことをまずお願いをしておきたいと思うんです。
 そういうことで、実はペットが飼われておる。また豚や鶏が飼われておるんですが、これは農水の方にお聞きするんですが、動物用医薬品の使用基準を設けることは国民の食生活の安全を確保するために必要でありますが、どのような基準で、何を規定しようとするのか、また、これが遵守される保証はどのような体制によってとられておるのか、こういうことについてお聞きをして、私の質問を終わります。
#40
○説明員(井上喜一君) 動物医薬品の使用基準につきましては、動物医薬品が畜産物等に残留いたしました場合に、その畜産物が食品衛生法に基づきます規格基準等に抵触する、違反するというようなおそれのあります医薬品につきまして、そうした医薬品の種類ごとに、使用することができます対象動物の範囲でありますとか、あるいは対象動物に使用する場合の用法あるいは用量、あるいは動物に使用してはならない期間などにつきまして定める予定でございます。この使用基準につきましては、都道府県なりあるいは関係団体につきまして十分趣旨を徹底いたしますとともに、具体的には全国二百二カ所に実は家畜保健衛生所というのが設置してございますが、そこにおります薬事監視員等を通じまして十分その遵守を監視指導してまいる考えでございます。
 なお、先生御案内かと思いますけれども、家畜に使います医薬品につきましては、その大部分が獣医師が使い方を指示する医薬品に指定しておるわけでございますので、獣医師等関係者に対しましても十分指導いたしまして、遵守方の周知徹底を図ってまいる、こういう考え方でございます。
    ―――――――――――――
#41
○委員長(久保亘君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、亀長友義君及び福島茂夫君が委員を辞任され、その補欠として北修二君及び伊江朝雄君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#42
○委員長(久保亘君) 質疑を続けます。
#43
○安恒良一君 薬事二法問題については、私どもの片山理事からすでに詳細に聞かれましたし、やりとりを聞いておりまして大分不十分な点があると思います。しかし、時間がございませんので、追ってこれらはこの二法が成立をし、行政の場において、実行の段階においてさらにいろいろ御質問をしたり御要望申し上げたいと思います。そこで私は、この法案と非常に関係のありますところのスモン問題の全面解決に問題をしぼってこれから質問をしたいと思います。
 御承知のように九つの判決、国並びに製薬会社が全面的敗訴しました。それを受けてスモン問題の速やかな全面解決のためにスモンの会全国連絡協議会、いわゆるス全協及びこれに加入する各地のスモンの会並びに各地の弁護団と国、日本チバガイギー株式会社、武田薬品工業、田辺製薬株式会社との間の直接交渉が行われています。また、第一グループ原告スモン連絡協議会、スモン訴訟東京第二グループ原告団と国並びに関係三社は東京地裁の可部裁定を中心に和解が進められています。すでに可部裁定が出されて約二年になりますが、その間、いわゆる可部裁定の中の重要項目の一つであります恒久対策についてもいろいろ当事者間の協議が進められているところであります。
 率直に言って私は、現厚生大臣、中野薬務局長、連日連夜のように誠心誠意努力されている点については敬意を表するものであります。しかしながら、一つにはいわゆる田辺という製薬会社、かなり私から言わせると頑迷固陋であります。田辺という製薬会社のこういう態度並びに前国会におきまして薬事二法といわゆるたばこ値上げ法案が絡められた、こういう政府・自民党のやり方、こういう中で今日まで全体が解決をしてない点を非常に遺憾に実は考えるところであります。そこで、早期解決のために次のことについて大臣に御質問をし、お約束をいただきたいと思います。
 まず、すでに現在の交渉の問題点については片山理事の質問の中で明らかになりましたから、ダブリを避けます。そこで、率直に言って薬事二法は本日当委員会、そして明日の本院の本会議において私は成立するものだと考えます。その場合、直接交渉の日時については私は、少なくとも現厚生大臣の任期中にぜひやってもらいたい。それはなぜかというと、もちろん総選挙がどうも十七日告示、次の投票七日と、こういうふうに言われてます。大臣はその間大臣でありますが、大臣みずからも総選挙でお忙しいと思います。率直なことを言いますとお忙しいと思います。そこで私は、いま直接交渉が進められていますが、できれば九月十四日中に、直接交渉の解決のための調印が関係当事者において行われることを強く希望します。厚生大臣の決意のほどをこの点についてまずお伺いしたい。
#44
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま安恒委員から御指摘がありましたような経過の中で、私ども明日本院でこの法二法が成立することを心から願っております。
 同時に、いま御指摘のありましたように、何とかこれが早く解決をしなければならない問題でありますだけに、十四日の調印というものをめどにして私ども全力を挙げて努力したい、そのように考えております。よろしく御協力のほどをお願いをいたします。
#45
○安恒良一君 もちろん、大臣から十四日をめどに調印にこぎつけたいということでありまして、この間総評の福田生活局長立ち会いのもとに進められておりますし、率直に言って私も同僚からミスタースモンというあだ名をつけられるほど横からいろいろお手伝いは申し上げているつもりであります。そこでぜひ、もう一遍重ねて申し上げておきますが、総選挙に入る前にすべてが調印ができるように、一段の御努力をこの際お願いをしておきます。
 そこで、二、三の問題点についてお聞きをします。
 第一点は、健康管理手当の上積みについてであります。
 スモン患者全員の皆さんが、統一要求ということで五万円以上というのが出されました。その結果、いろいろ御努力を願いました結果、会社負担として三万円の支給が決まったことは御承知のとおりであります。ところが、健康管理手当には国は現在のところ一銭もこれはお金を出していないのであります。一方、御承知のように、解決のための一時金については、いまの答弁にもありますように国は三分の一を負担しているのであります。この点から考えましても、私は健康管理手当に国が財政支出をしないということは納得ができません。したがって、健康管理手当の上積みを行うべきであるというふうに考えます。厚生大臣としては、国が五十五年度の予算でいま予算化を進めているようでありますが、この中でひとつ全力を挙げてもらいたい、こういうふうに私は考えます。この点についてお約束いただければ非常に結構だと思いますが、どうでしょうか。
#46
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、公式にお答えをしますとなれば、財政法上の制約もありまして国が負担をすることについては種々問題があり、きわめて困難だということを申し上げざるを得ません。ただ、個人的に私もどうも納得がいかない部分が確かにあるわけでありまして、それを他の方々に申し上げたこともございます。それだけに、私自身としてはこの問題については今後も検討させていただきたいという気持ちでおるということでお許しをいただきたいと思います。
#47
○安恒良一君 私は、毎回申し上げますが、解決一時金は三分の一国が持つ、これは国の責任。ところが、健康管理手当に国が責任がないということはあり得ないんです、これは。でありますから、どうか、重ねて強調しておきますが、五十五年度の予算化の中でこれが実現できるように大臣並びに局長以下努力をしてもらいたいと思います。
 次に、今度は重症者の介護手当についてであります。
 重症者の介護手当につきましても、直接交渉の中で厚生大臣から一定の考え方が前向きに示されています。そこで私は、本法案が成立をいたしまして基金が発足をいたしましたならば、直ちに超超重症者、超重症者以外の重症者に対して三万円の介護手当を支給してもらいたいと考えています。金額について大臣がすぐここで明示ができないかもわかりませんが、直接交渉の大臣答弁等を考えまして、この点に関しましては、ひとつ大臣、実現についてお約束をいただきたい、こう思います。
#48
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘のように、私はス全協の代表の方々とのお話し合いの際に、御要望のありました介護手当に関し、今後介護の問題として真剣に取り組みたいということを申し上げました。私は、自分で申し上げたことでありますし、それに対しては全力を挙げて努力をいたしたい、そのように思います。
#49
○安恒良一君 次に、死亡弔慰金についてであります。
 スモン患者の中には御不幸にしてすでにお亡くなりになった人々があります。そこで、ス全協の皆さん方を中心に患者の皆さんから、死亡者一人当たり金百万円の死亡弔慰金を支払うように要求が出されております。そして、すでに直接交渉の中で、この点については解決のめどがついたと、中野さんも金銭的なものはすでに煮詰まったと、こうおっしゃっています。そういうことでありますので、どうか大臣、この点につきましても、確実に死亡弔慰金が支払われるようにしてもらいたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。よいでしょうね。
#50
○国務大臣(橋本龍太郎君) 患者の方々の御要望は十分理解をいたしておるつもりであります。これらの御要望につきましては、これを踏まえ関係製薬会社と十分協議をいたしたい、そのように思います。
#51
○安恒良一君 第五点は、投薬証明のない者の取り扱いについてであります。この点についても、いま片山理事から若干の御質問がありましたが、私は重ねて中身を明らかにしてもらいたいと思います。
 投薬証明のないスモン患者については、ス全協、弁護団、国、製薬関係三社との間の議事録確認事項があります。ですから私は、その議事録確認に基づいて、まずスモンの認定を速やかに行ってもらいたい。そして、スモン患者として鑑定された場合は投薬証明のある者との差別がなく、これは金額的にも時期も含みますが、支給できるようにしていただきたいと思いますが、大臣、この点はいいでしょうね。
#52
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、投薬証明があるなしにかかわらず、スモンの患者さんである場合にこれを差別するということができないのは当然のことだと私も存じます。ただ、そこで私どもが苦慮いたしておりますのは、これをどうすればルールに乗るかという点でありまして、従来から東京地裁にそれについての可部和解の延長線上の御判断ということでその御意見を求めておりました。これもその方法について苦慮した結果の手法でありますが、幸いいまずいぶんその作業が進展をしておると聞いておりますので、これが明らかになった時点で私は方針を立てたいと思います。しかし、これを放置することができないということは当然であります。
#53
○安恒良一君 東京地裁に判断を求められているということは聞いておりますが、もうこれも非常に長い時間かかっております。そして、調印ができたならば、具体的に投薬証明のない方について話し合いを進めなきゃなりません。その意味からいって、一段と東京地裁に督促をされると同時に、私は明確に申し上げているわけですね。投薬証明のない方を解決するのは国と製薬三社の責任だと思う。そこで、皆さんが設けられたところのいわゆる鑑定団があるわけですから、そこの鑑定をまず受ける。受けて、スモン患者というふうに認定されたら、これはもう投薬証明のあるなしにかかわらずに同等に扱うということは当然のことだと思うのです。これは衆議院の段階においても同僚委員から言われていることでありますから、こういう点については私は、この投薬証明のない人の取り扱いという問題が解決しない限り全体の解決はあり得ないと思いますから、重ねて申し上げておきますが、その点についてはひとつ、すでに衆議院段階における答弁、また片山理事に対する御答弁、さらに私の質問を踏まえて全面的の解決の努力をしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#54
○国務大臣(橋本龍太郎君) 全力を挙げて努力いたします。
#55
○安恒良一君 次に、解決促進について少しさらにお聞きをしておきたいと思いますが、現在の直接交渉は、十四日を目標に調印ができるように努力する、こういうお約束をいただきました一この点は私は一番はっきりしたことだと思って、大変前向きな答えだと思うのです。
 そこで、その後もそれが調印が終わったからといってすぐ解決できるわけじゃないわけですね。各地裁ごとにおいて和解という手続の方法で進めなければなりません。そのためには私は、これも五十四年七月二十六日に行われました直接交渉の中で、年内全面解決の実現を目指す協議に関する確認事項というものがございます。私は、国並びに三社が誠実に速やかにこの確認事項に基づいて金銭が支払われるようにしていただきたいとまず考えます。
 そこで、これからのことでありますが、本法案が本委員会で通過後もまずその進行状況を国会に、本委員会に報告をしてもらいたい、こういうふうに考えます。これが第一点。
 なお、念のために申し上げておきたいと思いますが、大臣や関係者の皆さん方のそういう御努力にもかかわらず、万が一進展しないという場合があった場合は、本法案が成立をしておりましても、私たちは関係会社の社長を場合によれば本委員会に喚問をしなければならないというふうに考えます。しかし私は、そういう事態にならないことを心から強く希望いたしますが、いずれにいたしましても、年内に全面解決ができますように全力を挙げていただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
#56
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは本当にこの二法が明日成立をすることを心から願っておりますと同時に、いま申し上げましたように十四日をめどに全面的にこの解決に努力をいたしたいと存じます。
 それを前提として、その後における進捗状況につきましては、そうした機会があれば極力御指摘のようにいたしたいと存じます。これは、私が首になりましても後任にも必ずちゃんと申し伝えるようにいたしますから。
#57
○安恒良一君 大臣はなかなかベテランですから、首になられないのじゃないかと思いますけれども、それはひとつ、万が一そういうことがあったら申し伝えをお願いをしておきます。
 そこで、国の今度は最終的恒久対策についてお聞きしておきたいのですが、健康管理手当とか介護手当とか、それから死亡一時金とか年金問題とか、こういうことについてはいろいろいま御答弁を願いました。ところが、スモン患者の救済というのは、それだけで終わりということでありません。御承知のように、ス全協、第一、第二それぞれのグループから、たとえば専門病院の設定の問題等を初めとする日常的な恒久対策についていろんな要求が出ていることは大臣御承知だと思います。でありますから、私は本法案が成立いたしましても、これらの関係者との間に十分こういう問題についても御協議をいただきまして、これまたいま五十五年度予算が編成期でございますので、五十五年度予算の中に片山理事からも御発言がありましたように、ぜひ予算化をしていただきたいと思いますが、この点について大臣のお考えをお聞かせを願いたいと思います。
#58
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般、患者の方々の代表とお目にかかりましたとき、安恒委員もたしか同席されたんではないかと思いますが、そういう趣旨の御要望がありまして、極力私どもはそういうふうに努力をしますというお答えを申し上げました。その姿勢を変えるつもりはございません。
#59
○安恒良一君 以上でスモン問題の問題点についての質問が終わりました。
 私は、いま本委員会で大臣が明らかにされましたことについて、全力を挙げてその実現に、まず私は、スモン問題が全面解決するということが、本委員会で成立いたしました薬事二法、こういうものが今後円滑にやはり運営される保証だ、こう思います。そういう意味からぜひ御努力をお願いをしておきたいと思います。
 そこで、薬事二法との関係で一点だけ質問をしておきたいと思うのですが、実はこの薬効表示に対する日医の要求に対して、厚生大臣のいわゆる武見さんに対する回答書。こういうのを見て実はびっくりしているわけです。びっくりしている内容はどういうことかというと、いままでの薬効表示について薬理作用等の記載が不十分であった、だから、今後はそういうものも書こうと。このことについては私はびっくりするわけじゃないのですが、その前段が気に入らないのです。どういうことが書いてあるかというと、薬効表示については、医学と医師の立場が全く無視をされ、製薬企業の資料のみによる病名決定で用途が規定されたことは誤りでありましたと、こうなっているわけです。断定をされておる。
 それというのは、薬事審議会の中には医学部関係の教授も多数おいでになる。薬学部御出身の教授も多数おいでになります。その方々が薬について、いわゆるこれはどのような病気の治療に効くのか、こういうことで医学、薬学の立場から十分な御審議を願っている、こう思っています。でありますから、私たちは今度薬事二法の成立に当たって、さらに薬事審議会の中身の改組、充実をお願いしているわけですね。ところが、この厚生大臣の答弁書によりますと、医学が全く無視をされてということになると、いまの薬事審議会を疑いたくなります、率直なこと言って。またこの文章は、恐らく保険局長やら薬務局長はあんまり知らないで大臣がつくられたんじゃないかなという気がするわけです。知っておってもしつくっておったら、これはいずれ両局長を厳しく糾明しなければならないと思うんであります。
 そこで私は、もう時間がありません。四十三分までということですから、これで大臣や両局長と一問一答を繰り返す時間がありませんから、この点だけお願いしておきたい。なぜかというと、大臣も八月二十九日にこの文書を出したばっかりですから、ここでまたいろんな発言をすれば武見さんからまた大反撃を食らう、こういうことにもなりかねないと思いますので、いずれにしてもこの大臣の私が読んだ項の見解は全く間違いであります。そこで、いずれこれは総選挙が終わった後の当委員会において、私はこの問題について厳しく御意見を承りたいと思います。私はこれ全く間違いだと思いますから、十分な検討をしていただきたい。
 それはなぜかというと、私は、いままでのものにプラスして薬理作用というものをこの際は内容を掲示したい、こういうことについては否定しているものじゃありません。しかし、その前のところの、少なくともこんなことを言われて薬事審議会の先生方が薬事審議会に踏みとどまっているのがおかしいくらいだ。ばかにするなと怒らなきゃいかぬ、薬事審議会が。そういう点について御検討をぜひお願いをしておきたいと思います。その点について大臣の考え方をひとつ明確にしてください。
#60
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私は、両局と相談をしないで出したつもりはございませんけれども、文書を出した責任者は私でありますから、御批判があれば、これは私が受けなければなりません。ただ、この問題は薬務局、保険局の両方にまたがる種々の問題を含んでおりますだけに、次回当委員会で御論議をいただくということでありますならば、それまでに十分なお検討しておきたいと思います。
#61
○安恒良一君 率直に言っていま少し突っ込みたいんですが、薬事二法問題その他で連日頭を痛められ、総選挙も控えている厚生大臣ですから、きょうはここのところはこれぐらいにしておきますが、本当に真剣にもう一遍十分な御検討をぜひお願いをしておきたいと思います。
 以上をもって終わります。
#62
○小平芳平君 私も公明党といたしましても、ただいま議題となっております薬事二法の一日も早い成立を期待するとともに、いまお話が出ておりましたところのスモンの解決につきましては、それこそ一日も一刻も早く全面解決ができるようにということを期待しているわけであります。
 厚生大臣も、それからまた薬務局長もすでに相当長い年月になりますけれども、一生懸命取り組んでこられましたことを大変御苦労と思っているわけであります。
 そこで、この二法案がきょう、あすに成立した場合の段取りについても、いまお話がありましたが、やはり早く、たとえば年内くらいにどうというような見通しができるかどうか、そういうような点について。
 それから、五十五年度予算に対しては具体的にどういう項目を要求なされていられるか。これらの点についてお尋ねをしたい。
#63
○政府委員(中野徹雄君) いわゆる年内解決の見通しについてでございますが、その前提となります和解調書の文面表現につきましては、現在ここ連日連夜のように詰めが行われております。先ほど大臣から安恒委員の御質問に対してお答え申し上げましたように、法律成立後非常に近い時期に、いかなる和解調書をもって和解を行うかについての合意を最終的に取りつけたいという段取りになるわけでございますが、その後いかなる経緯をたどるかと申しますと、先生御承知のとおりに、キノホルムによるところのスモン患者であるということの鑑定の問題がございます。この鑑定が二十三の裁判所において進行状況が実は必ずしも同様ではなく、たとえばカルテの提出であるとか、あるいは本人尋問調書の作成等をめぐってなかなか進行しなかったという事実がございます。これを一挙に解決しますためには、いわば鑑定という方法によるところのスモン患者の認定を早急に進めなければならないという問題がございまして、これが七月時点におきまして、患者さん方のグループとの間にこの鑑定を迅速化をするという観点からのお話し合いをしまして、その一定の方法についての合意を見たところでございます。それに基づきまして、現在続々と鑑定に付されるべき資料が提出されつつあるという段階でございます。
 これらの鑑定が進行いたしますれば、さらにまた個別の和解調書の文案が確定いたしますれば、これをまって和解の最終的な調書の調印が行われまして、それによりまして最終的に和解金の支払いが行われるという段取りになるわけでございますが、一方基金が成立をいたしますと、田辺製薬株式会社につきましては、先生あるいは御承知かと思いますが、すでに百億を相当上回る和解金及び裁判上の仮執行の執行を受けておりまして、この和解を成就させますためには、お手元の法案によりますところの救済基金による資金の借り入れ、それを田辺製薬株式会社に貸し付けてこの和解金の支払いを円滑に行わしめるという事務的な手続がございます。それらをあわせまして、私どもといたしましては最大限に多数の患者の方々を年内、つまり年の瀬を越さないうちに実際の和解金の支払いが行われるように努力をしたい、かように考えておるのが現在の段取りでございます。
#64
○小平芳平君 そういうように進むことを強く希望いたします。
 それから、安恒委員から御指摘がありました恒久対策について、五十五年度予算にどういう要求をなされたか、基本的な考え方は先ほどお話にありましたのでよろしいわけですが、今後ともやはり恒久対策としてのいろんな項目があるわけですから、国が積極的に進めていこうという取り組みかどうか。その場合の予算要求されたことについてもお答えをいただきたい。
#65
○政府委員(中野徹雄君) 失礼をいたしました。お答えを申し上げます。
 スモン患者の方々に対するいわゆる恒久対策につきましては、民間分としてはすでに介護手当が支給されております。それからさらに引き続きまして、当委員会において御説明しましたような民間負担によるところの健康管理手当の支給がすでに約束されておるということがございます。
 しからば、国の立場においていかなることを恒久対策の中身に織り込むかという点でございますが、本年度につきましては、まず第一に、スモン治療研究施設の整備と申しますか、専門病床と申しますか、専門施設と申しますか、これの予算がすでにことしは計上されております。さらにスモンのいわば発生機序あるいはその治療の研究も例年三千万円程度の予算でありましたものが本年度は一億に増加をいたしまして、東洋医学系統の研究者の方々も含めましてこの研究が現在鋭意進められているという状況にございます。
 それから、先ほどの治療研究施設の中身といたしまして、病床の整備もすでに予算化をされまして、具体的な例といたしましては、国立療養所に付設をいたします専門病床をつくるという建設事業が本年度内に行われることになっております。さらに、はり、きゅう、マッサージのいわば特定疾患、いわゆる難病対策の上積み事項もすでに実施に移されております。それから世帯更生資金の貸し付けであるとか、あるいは身体障害者福祉法によるところの補装具の交付等が、現在五十四年度にすでに行われておるところでございますが、来年度予算といたしましては、これらの事項をさらに充実前進せしめるという以外に、恒久対策として国の受け持つべきものがいかがなものであるかということにつきまして、実は現在事務的には十分検討を進めておる段階でございます。
 これは、先ほど大臣からの御発言にもございましたように、現在の和解に向けての交渉が一段落をしますれば、さらにその患者の方々の実際のニード等に照らし合わせまして御相談もしながらこの予算というようなものを詰めていって、これを概算要求として追加提出をしたいというふうに考えておりまして、この概算要求を追加提出をするという点については、先ほど御説明しましたように、大蔵省にもすでに御了承を求めてあるわけでございます。したがいまして、大きな柱といたしましては、本年度の予算において現実に実行されているものにさらに検討、あるいは協議を経た新しい項目を追加されたものが概算要求の追加提出事項になって、予算編成の際に政府部内協議を終えまして、最終的に中身を固めていくというふうに御理解をいただきたい。
#66
○小平芳平君 次に、先ほどお話がありました投薬証明のない方に対する措置は、お話がありましたので了解いたしました。そのほかに、訴訟には参加してないけれども難病指定を受けている。難病の指定を受けて医療費の公費負担を受けていられる方、こうした方に対するこれからの扱いはどうなりますか。
 それから、その難病指定も受けてないけれども、要するに、いままではこれという手続は何もしてなかったけれども、スモンらしい、投薬証明というような証明はないけれども、自分の過去の病歴の上から見てどうも自分はスモンではないかと思うというような方はこれからどういうふうなことになるか。
 以上の二点についてお話をいただきたい。
#67
○政府委員(中野徹雄君) 実はスモン研究調査協議会の結論によりましても、スモン患者全体の中にいわば非キノホルムスモンと申しますか、さらに言葉を正確に言えば、過去においてキノホルムの服用のない患者さん、つまり、スモンというのはもともと先生御指摘のとおりに症候群でございますから、特定薬物に結びつかない症候群としてのものもあるわけでございます。
 問題は、そのキノホルムによるスモンであるというのをいかに鑑定するか、それをまたいかに立証するかという問題がございまして、これは非常にむずかしい問題でございますが、私どもは現段階といたしましては、現在提訴されている方々の取り扱い、さらにはその投薬証明書の得られなかった方々の取り扱いというようなものが明確に確定いたしますれば、現在のところの国及び被告三社の方針は法的に決着をつけるというたてまえをとっておりますので、これはやはり手続的には提訴をしていただいて、それに対する迅速な和解手続ということで事柄を処理するという以外に、現在のところは方法はないのではなかろうかというふうに考えております。
 しかしながら、今後の実際上の問題といたしまして、そのような未提訴患者の方々に対して、手続的には裁判上の和解ということになろうかと思いますが、どのようにこのスモンとの、現在の進行中の事態との関連づけをしていくかということにつきましては、正直申し上げまして、現段階ではまだそこに頭が十分回らないということでございまして、筋といたしますれば、訴訟上の和解以外には方法はないと思いますが、それをどのような段取りで進めていくかということについては、今後なお事態のいわば落着と申しますか、進行の状況を見定めてわれわれとしても十分考えてまいりたい、かように考えております。
#68
○小平芳平君 従来の厚生省の御発言は、必ずしも提訴は必要ないというふうなことも言われたように記憶するんですが、いずれにしてもいまの段階で、明らかなはっきりした段取りがついてないわけでありますから、引き続き御検討をいただきたいと思います。
 次に、薬事法の一部改正についてですが、第一条が改正になる。医薬品の「品質、有効性及び安全性を確保すること」、これは法律の目的がこういうことになるということであります。とともに、この法律の目的は「品質、有効性及び安全性を確保すること」が目的でありますが、その責務は国及び製薬業者にあるわけでしょう。いかがですか。
#69
○政府委員(中野徹雄君) 当然の御指摘でございまして、国は国としてお手元にありますような改正後の薬事法の規定を、法の目的に照らしまして適正かつ厳格に施行することによって、いわば行政上の責任において、行政府の責任において医薬品の安全性、有効性あるいは品質の確保に最大限の努力を払う責任がある、これがまず第一でございます。
 第二に、やはり直接の事故の製造者のその製造物の責任と申しますか、直接対価を得て、また営利行為として医薬品あるいはその他のものを製造販売する、さらには、その流通をつかさどるところの関係業者の方々が医薬品の安全性、有効性、その品質の確保についてより直接的な責任があるというふうに、その責任の性質をわれわれとしてはやや分けて考えておりますが、いずれにせよ先生の御指摘のように、両者が責任を負うということについては、何ら異論はないところでございます。
#70
○小平芳平君 よくその御答弁で御趣旨はわかります。
 よく中野局長はいままでも、救済と法的責任は別だというたてまえから、このスモン問題の救済には国は努力をいたします、しかし法的には控訴して争わないわけにいかないんだということを繰り返してきたわけであります。今回の改正によれば、そういう点でも法的責任が明確になるわけでしょうか。要するに、もう今回の改正が成立すれば、いま局長が御説明の有効性及び安全性を確保するということが国の責務として明確になれば、これからは控訴して争う必要がなくなるということですか。
#71
○政府委員(中野徹雄君) 私どもは、国の行政的責務というようなことが今回の法律による明確な根拠づけによりまして従前の薬事法と違った形で明確にされ、国の責任が、つまりその意味におきまして行政上の責任が加重されると申しましょうか、厳格化されると申しましょうか、それはもう明瞭であろうかと思います。
 ただし、私どもがスモンのケースにつきまして控訴しておりますゆえんのものは、そういう薬事法に伴うところの、薬事法の規定によるところの行政上の責任が、不法行為責任とかあるいは国家賠償責任に結びつくものであるかどうかということをいわば争っておるわけでございまして、この点は諸外国の立法におきましても、非常に厳格な規制をしているがゆえに、また厳格な規制が行われている場合において、法制上も厳格であるという場合において、直接国の責任を問うているケースはないわけでございます。そこで、薬事法をめぐる、あるいは新しい薬事法をめぐる国の国家賠償責任あるいは不法行為責任というようなものは、結局のところ現在行われておりますスモンその他の薬害訴訟がございますが、こういうものについて一体、厳格な薬事法の運用上、国の責任が民事上あるいは国家賠償法上の責任に結びつくかどうかということにつきましては、行政府としてはそれはいま結びつかないという見解を持っておりますが、これについては最終的には司法的な判断をまたなければ、そこの点の明確な回答は得られないのではなかろうかというふうに考えております。
 ちなみに、繰り返すようでございますが、行政府が一般的にこういう医薬品について直接にその賠償責任を負わされるというケースは、先進国においては見当たりません。そのような条件も踏まえまして私どもとしては、この不法行為責任論や国家賠償責任論について法理論の上において争っているということで御理解をいただきたいと思います。
#72
○小平芳平君 そうしますと、依然として控訴して争うことに法理論上は変わりはないということですか。
#73
○政府委員(中野徹雄君) これはよく御理解をいただきたい点でございますが、私どもはサリドマイド及びスモンの両ケースにつきましては、この製造承認をつかさどるところの国の責任というものを行政的な面からとらえまして、その事件を国としては、端的に申せば知らぬ顔できないんだという意味におきまして、サリドマイドについてもスモンについてもそういう意味での救済責任を明確に認め、それに基づいて国庫金を支出してこの事態の解決に当たっているところでございます。
 それと、こういう薬事法上の規制に伴う国の何と申しますか、民事上あるいは国家賠償法上の責任論というものは区別して考えるというのが国の立場でございまして、この点は繰り返しになりますが、スモン患者の方々の救済責任を負うという点は一方において明確であり、一方においてこの国家賠償法上の責任論については、私どもの立場におきましては、現在それは行政府の立場において承服しがたい面があるということもあわせて御理解をいただかなければならない。これはわれわれとしては非常につらい立場でございますが、行政府の見解は現在時点においてはそういうことでございます。
#74
○小平芳平君 その点は、以前もずいぶんこの委員会でやりとりをいたしましたので繰り返しません。また、先ほどの製造物責任、無過失責任については御答弁がありましたので繰り返しません。
 次にお尋ねしたいことは、この流通産業者の責任は問われないのかどうか、これはいかがでしょう。
#75
○政府委員(中野徹雄君) もちろん流通過程におきまして、たとえば管理等の問題からその医薬品について、いわば変質をするとか異物が混入するという際には、当然流通段階における責任は生ずると思います。
 ただ、現在までの訴訟においてその問題がどういうふうに理解をされているかということでございますが、念のためつけ加えますと、従前までのスモン判決におきましては、これは判決について例を申し上げますが、最近の大阪の判決におきましては、田辺製薬株式会社が製造いたしました原末を小分けをいたしまして、小分けというのは、たとえば非常に大きいかんの中に入っているものを買って、それを小さいびんに詰め直して売るという、薬事法上は小分け製造という観念がございますが、これはある意味では流通に非常に近い形態のものだと思います。その小分け製造は薬事法上は製造というふうに観念をされておりまして、これは大阪の地裁の判決においては、製造業者と同じ責任を判決上は認定をされているわけでございます。しかしながら、そういう小分け製造以外の単純なる流通がどうであるかということにつきましては、これはたとえばチバガイギーが輸入をいたしましたものを武田薬品が総販売元になっているという形のものがございまして、これはこれでまた判決で製造業者と同じ扱いを受けているということもございます。
 ただ、一般論として申せば私は、単純なる流通過程における責任というのは、やはり流通過程において異物が混入する等の問題が事故を起こした場合に限定されるのではなかろうかというふうに考えております。
#76
○小平芳平君 次に、キノホルム事件は既発の副作用被害として救済されるということで、先ほどの御答弁では、同じようにどういう事件が救済されるのかという質問に対して、局長は、クロロキン事件がそうであろうというふうに答弁をしておられたように伺いましたが、この点はキノホルム以外の薬害事件で対象になるものはどういうふうに考えておられるか。
#77
○政府委員(中野徹雄君) 実は薬害訴訟事件は非常にいろんな種類のものがございます。しかし、現実に訴訟になっているケースが非常に少ないとかというようなものもございまして、たとえばストマイ、これについては一件でございますが、やや大きい規模の薬害事件で今後残ったものとして考えますと、たとえばコラルジルによるところの肝臓障害は、これはすでに裁判所による和解の勧告が行われまして、決着への見通しがつきつつある段階でございます。やや中規模と申しますか、先ほど申しました百人程度の原告の方々を抱えた薬害事件、薬害訴訟というのは、国も被害にしたという意味でございますが、これはクロロキンというケースがあることは御承知のとおりでございます。
 それ以外に、薬害と申しますよりも、主として医療過誤に絡まる問題として認識されておりますものに大腿四頭筋の問題もあるわけでございますが、純粋の薬害事件ということにしぼりますと、クロロキンがちょうどこの既発薬害としての取り扱いにいわばなじみ得るケースだというふうに考えます。
 ただし、御承知のように、今回の基金法の附則によります規定は、現実には当事者間のいわば和解による解決という雰囲気が当事者間に受け入れられまして、その和解を現実にいかに実行していくかという過程においてこの附則の付帯事業が生き得るわけでございますから、その点から考えますと、クロロキンについては双方和解というふうな雰囲気がいまだ醸成されておりません。これには今後の推移も、それが和解による解決になじむ方向に事態が推移するかどうかは、実はいまの時点では明確でないわけでございます。私が先ほど片山委員の御質問にお答えしましたのは、クロロキンがそのような方角に動いた場合には、この附則によるところの救済事業になじみ得るという意味で申し上げたわけでございます。
#78
○小平芳平君 そういう御趣旨でなり得る事件はほかにありますか。
#79
○政府委員(中野徹雄君) 私の承知しております範囲内ではクロロキンが一応考え得るケースで、それ以外にこれに非常になじみ得るという感じのものは少ないのではないかと思います。
#80
○小平芳平君 ストマイはどうでしょうか。
#81
○政府委員(中野徹雄君) ストマイにつきましては、私どもは承知しておりますケースとしましては一ケースでございまして、これは原告側の言っておられることは医療面の、たとえばストマイの使用に当たりまして、よく先生御承知のとおりに聴力計を使用しまして、その聴力の変化をしさいに測定をしながらストマイを使うべきであった、その聴力測定が行われていなかったといいますか、というふうな面で、医師との間ではすでにそのケースについては和解が成立しておるわけでございます。
 一方、製薬会社を被告とした面がまだ継続しているものが一件あるということでございまして、これは件数もごく限定されたものでございますので、私としては、現状としてこのストマイ事件がこれに乗るという見通しはないのではなかろうかというふうに考えております。
#82
○小平芳平君 提訴されたものは件数は少なくても、明らかにこの医薬品によってこういう副作用があるということがわかっている場合に、この救済制度に乗るわけですか、乗らないわけですか。
 私がお尋ねしたい点は、先ほどの御答弁で、判定につきましても判定部会が設けられ、速やかに判定ができるはずだという答弁がありましたが、その場合に、運用面では副作用によるいろんな疾病、廃疾または死亡というような例があり得る、そういう薬は現時点でわかっているものがあるわけでしょう。そういうものは件数の多い少ないにかかわらず、これから発生した場合には対象になるのかどうかということ。
#83
○政府委員(中野徹雄君) 私、大変誤解をいたしておりまして失礼申し上げました。私が先ほど申し上げましたのは既発薬害に関してでございまして、今後の薬害に関しては先生のおっしゃるとおりでございます。
#84
○小平芳平君 そうしますと、今後の薬害に関しては、キノホルムはまあ使用しませんけれども、とにかく今後の薬害は、副作用による被害者が一人でも二人でも発生したということがあったらば、判定部会へ申し出があったならば、人数の多い少ないにかかわらず、確かにその薬を飲んだということがわかれば救済の給付を受けるようになるということですか。
#85
○政府委員(中野徹雄君) そのとおりでございます。ただ、先生のお手持ちの条文にございますように、適正な使用目的に従って適正に使用された、つまり医師による薬のたとえば誤用とか、そういう問題は省きますが、薬の側に原因のある副作用については先生のおっしゃるとおりでございます。
#86
○小平芳平君 そうしますと、いまスモンの場合のような、初めは原因不明と言われていたわけですから。どういう段階でこれからは救済がなされるか、そういう点はいかがでしょう。恐らくこんなにスモンのように長い間の裁判を経なくて救済がなされるための制度だろうと思うんですが、どういう段階で考えられますか。
#87
○政府委員(中野徹雄君) 先生御承知のとおりに、スモンに関して申しますればこれは非常に異例な、恐らく今後このようなことはあり得ないケースだと存じますが、昭和四十五年に因果関係についての報告が出たわけでございます。このように原因不明の、副作用というようなことに、薬との関係に全く見当がつかないという状況はさておきまして、私どもの承知しております範囲内では、非常に多くの文献に、もうすでに特定薬物との一般因果関係を有している副作用というものは、豊富な知識の蓄積がございますから、これはそういう副作用のすでに蓄積された学術的な情報によりまして薬物との特定の因果関係を判定部会で御判断をいただく。それによって早急に救済を行うという趣旨でございまして、これらについては各種の薬物と各種の副作用の対応関係というのはすでに現時点においては相当の知識の蓄積がございます。この知識の蓄積に基づきまして早急に判定を行うということでございまして、全く従前見当もついてないものということになりますと、判断に多少の時間を要することがあることは否定できませんが、すでにもう副作用情報というのは膨大な蓄積がございますので、これは先生御指摘のようなケースも含めまして、迅速な解決が図り得るものというふうに考えておるわけでございます。
#88
○小平芳平君 局長がいま言われた「使用目的に従い適正に使用」ということですが、これは素人が適正使用という判断をしてもそれはだめだ、医師の指示に基づいて薬を飲んだ場合は目的に従い適正に使用されたんだということになるわけですか。要するに、医師の判断ということがそこにもう動かしがたい基準になるわけですか。
#89
○政府委員(中野徹雄君) これは一般論として申しますと、たとえば一般薬については添付資料記載のいろいろな注意事項がございますが、これを全く無視して、たとえば気違いのように薬をたくさんに飲んだというふうなケースは、これは適正使用に入らないと思います。しかし、一般常識の範囲内において、一般常識人に期待し得る大衆薬の使い方ということであれば、これは適正な目的に従って適正に使用されたというふうに考えてよろしいかと思います。
 それからさらに、医家によるところの投薬につきましては、これはその投薬が一般的な医学常識あるいは能書記載の事項等に照らして誤りのないものであるということであれば、これはもう救済対象になるということでございまして、結局特例的なケースとして、いわば医師の責任とされる場合は、これは医師の医薬品についての誤用とか、あるいは何と申しますか、オーバードーセージといいますか、過大な量の使用とか、そういう医師側に責任があるものについては医師側に対する責任問題として処理されるべきである、こういう考え方でございます。
#90
○小平芳平君 それから、誤用の場合は救済対象にならない、その辺の判定ですね、結局。その辺の判定に問題が起きはしないかどうか。
 それから、一般的に言いまして、局長は先ほどのお話でも、国がそういう国家賠償のような形で救済する制度は先進国にはないというふうな、表現はちょっと違うかもしれませんが、お話をなさっておられますが、こんな大きなスモンというような大被害がほかの国に発生した例があるのかどうか。サリドマイドの場合は、これはもう何カ国かに発生した例と思いますが、この日本の国で発生したスモンのようなこうした、副作用というふうに厚生省は言われますが、こういう薬害の例があるのかどうか、それはいかがでしょう。
#91
○政府委員(中野徹雄君) 前段の御質問につきましては、結局判定部会におきまして、たとえば日本の医療の現在の平均的レベルにおいて医師の責任に帰すべきものかどうかというようなことについて、実際の日本の医療の現状に応じて判断をさるべきものだというふうに考えております。
 それで、たとえばある種の薬物を使用しました場合に、それに対するショック等に対する対応手段というようなものは、非常に大きな病院であれば万全の応需体制が確立し得るけれども、非常に忙しい形で働いておられる臨床医の方々が、たとえば急患に応じて診断をしたという場合は、おのずから医師の責任というものもレベルが違うんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。これはしかしながら、現実の日本の医療の実態に即した判断ということに相なりますので、判定部会にはこれは当然にそういう臨床家の、臨床の実情に詳しい方々に入っていただきまして、その判断の誤りなきを期したいというふうに考えております。
 それから、第二の方のスモンのような事件が他国にあったかという御質問でございますが、不幸にして私は、これほど規模の大きい副作用事件については、他国において生じたという事例は存じません。これは非常に不幸なことであったというふうに考えております。
#92
○小平芳平君 厚生大臣に伺いますが、そういう事件が不幸にして起きたというふうに局長が言われますし、大変これは不幸な事件であったわけですが、大臣としまして、今後どう対処すべきかという点についてお考えを伺って終わりたいと思います。
#93
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日本は大変不幸にして、前回薬事法を改正した直後にサリドマイド事件に遭遇をいたしました。そして、そのサリドマイド事件のダメージから立ち直らない状態の中で、いま局長から申しましたように、他国に例を見ないスモンという非常に大きな医薬品の副作用による健康被害者を多発させてしまったわけであります。こうした過去の不幸な副作用被害の反省の上に立ち、私どもは今回この二法の御審議を願っておるわけであります。明日、この二法が成立をさせていただけることを前提にして物を申させていただきますならば、私どもはこの法改正というものを契機として、なお一層医薬品の安全確保のための努力というものを続けていかなければならぬと考えております。これは本当に私どもにとって不幸なことでありましたし、また、わが国の薬務行政として取り返しのつかない大きなダメージでありましただけに、この二法の改正を契機としてあらゆる諸施策を通じて安全確保に努力をしていかなければならぬ、そのように考えております。
#94
○神谷信之助君 スモン問題も今日まで、とりわけ患者の皆さん方の血のにじむような長い闘いの中で、やっと最終的な一応の段階を迎えることになりました。もちろん全面的な解決はまだ今後に残されておるわけでありますが、私どもも今日までその早期かつ全面的な解決のために努力をしてまいりました。そして、一日も早い被害者の救済が実現をするようにいまもなお希望すると同時に、これが薬害の全面的な根絶へ向けての第一歩となることを心から期待をするものであります。
 そこで私は、今日の段階において改めて製薬企業及び国がとるべき基本的態度についてまずお伺いしたいと思うんです。
 いまさら申し上げるまでもなく、スモン患者の皆さん方の口に言うこともできないような、本当に長い苦しみの連続、これは多くを述べる必要もないと思うんです。先般の京都の判決の中でも、それぞれの原告の患者の状態について、判決書の中で具体的に指摘をしております。たとえば、木村のぶさんについては、昭和四十一年六月末ごろから両下肢しびれの感が発現をし、そして脱力感、それから下肢運動障害、そういう症状を訴えて、そして三年後に病苦のうちにみずから命を断つに至ったという事態も述べられておりますし、あるいは上条茂登子さんについても、「年若くして罹患し、一生を廃人として送らねばならない。母は四六時中附添い、父は勤務のため、弟は幼少から放置されたまま、家族が団らんすることは今後も全く見込みがない。家庭はなきに等しい。」と認定をしているわけであります。このように多くのスモン病患者の皆さんが、またその家族の皆さんが大変な被害を受けられまして、その原因についても、九つの判決いずれも製薬企業と国の責任を認めているところであります。
 そこで、そういう状況の中で薬事法の改正法案が提案をされておりますが、ところで、その目的についてその有効性及び安全性についての規定が挿入されたのでありますが、これは私どもも一定の前進だというように評価をするわけです。ところが、国と企業の責任と義務について明確な規定がありません。私は、これほど大きな被害を与えたこの事実から照らしてみましても、再び薬害を起こさないためにも、国と企業の責任を明確にするということが必要ではないかと思うんです。したがって、いまの段階でこの点を挿入せよと言っても無理があるでしょうが、将来、大臣としてこの点の明文化について努力をすべきだと思うんですが、その点の見解と、今後この法律の運用に当たって、国と企業の責任と義務について具体的にどのように対処されようとするのか、この点をまずお伺いしたいと思います。
#95
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは、過ぐる国会におきましての御論議というものを踏まえて、再びいまこの法律案の御審議を願ってきております。その中で、いま御指摘のように、私どもは第一条の目的を変更したわけでありますが、そこから先国と企業の責任の明確化と言われましても、営利を目的とする民間企業の商行為と、その安全性及び有効性を確認する国の責任とはおのずから違うところがあると考えております。
#96
○神谷信之助君 営利を追求する企業と、そして国の果たすべき役割り、責任とはおのずから違うというふうにおっしゃるわけですが、それだからこそ逆に今回の問題で非常に重要なのは、これは京都判決で次のように言っております。「このような結果をもたらした原因が、国民の生命・健康・生活を無視した被告会社らの利潤追求行為にあり、これに追随した被告国のきわめてなおざりな薬事行政にあったことは明白である。」これは京都判決だけでありませんが、多くの判決でそのことが指摘をされております。これは私はきわめて重大だというように思います。
 ですから、ここで有効性と安全性についての規定が入りました。しかし、有効性と安全性とをバランスをもってそのことを併記するだけでは、国民の一つしかない生命を守ることはできないわけです。有効性と安全性とどちらをとるかといえば、断固として安全性が重視されなければならぬわけでしょう。有効性があるからといって危険なものをそのまま野放しにすることは許されない。したがって、その点での国の責任あるいは企業の責任それぞれあるわけで、こういった非常にあいまいな点が、私は、真に今日までのスモンの患者の皆さんの長い闘いのその苦労に報いる政府あるいは政治の立場じゃないか、こういうふうに思うんですが、この点もう一度明らかにしていただきたいと思います。
#97
○国務大臣(橋本龍太郎君) スモンに限定してのお話でありますならば、私どもは、患者の方々に対しいま早期解決のための努力をいたしておるところでありますから、これまた別の御論議をすべきところだと思います。
 ただ、御承知のように、法律がすべてのものにかかっていくものの条文とすれば、これは私から申し上げるまでもなく、薬の中には副作用のあることを承知でありながら、延命効果を考えれば使わなければならない種類の薬というものも存在をいたします。がんその他においてそういうものがあることは御承知のとおりであります。そうした事態を踏まえますとき、私は、衆議院におかれまして各党が御相談の上でおまとめになりました条文について否やを差しはさむつもりはございません。
#98
○神谷信之助君 時間がありませんから、この問題だけで議論するわけにいきませんが、確かに副作用を前提として薬が存在をするのはたくさんあります。したがって、それが生命に危険を起こさないように、また副作用が健康を害さないように、それについて使用の一定の制限をするわけでしょう。問題は、今回のやつはそういった点についての十分な措置がされていないし、しかも、そういう事実がたくさんあらわれてきても敏速な措置がとられなかったこと、ここに非常に大きな被害をつくった原因があるわけです。だから、こういう教訓に学んで、私は、これから将来にわたって薬害を根絶する立場から、厳格な規定を要求しておきたいというように思うんです。
 もう一つ同様の問題が基金法案の問題でもあると思うんです。この法案自身は一定の評価はできるんですけれども、しかし、やはり恩恵的な救済の域を脱し切れていないといううらみを残しています。この点では、衆議院の社労委員会で、附帯決議の第一項で、本救済制度に無過失責任を導入することについて今後とも検討することということが全会一致で規定をされております。したがって、この点を明文化する方向で検討する必要あるというように考えますが、いかがですか。
#99
○国務大臣(橋本龍太郎君) 民法上の非常に大きな原則の変更として無過失賠償責任を採用するかしないかは、これは法制上全体にかかる問題でありまして、また、私どもだけで軽々にいま判断をすることはできません。本法制定をいたします段階におきましても、そうした観点からの論議をなし、検討をしたことも事実でありますが、結果的に、被害を受けられた患者の方々の迅速な救済というものを前提にする限り、こうした制度が最も実態に即したものということで考えておる次第であります。
#100
○神谷信之助君 民法上の問題と民事責任一般に波及する点を言われているわけですけれども、この点はいままでの議論でもありましたように、公害法その他多くの法律でそういう措置もできているわけでありますから、これは検討をしつつあるようですから、十分ひとつこの点は将来の問題として私は検討することを要求をしておきたいと思います。
 続いてお伺いしますが、先ほども京都判決を引用いたしましたけれども、すなわち被告会社らの利潤追求行為、そうしてそれに追随した国のきわめてなおざりな薬事行政、これが判決の中で指摘をされております。私はこれは重大な指摘だというように思うんです。
 そこで、今回の二つの法案の作成過程を見てみますと、薬事関係の企業の意見はしばしばお聞きになっているけれども、患者の団体の皆さんやあるいは日弁連の皆さん、こういった関係者の方々の意見を求めるということもなさっておりません。したがって、関係者の中からは、厚生省が企業との癒着をしているんではないかというそしり、これが起こってきているのもやむを得ないというように思うんです。私は、こういう態度が、あるいは日本の厚生行政の中におけるこういう態度が、今日まで二十年間にわたってキノホルムによる薬害を野放しにし、そしてスモン患者の皆さんがやむにやまれずこの八年間法廷闘争を展開をせざるを得ないそういう事態を引き起こした根本原因の一つだというように思うんです。こういった問題について大臣としてどうお考えになり、今後どのように改める御意思があるか、改善をする御意思があるか、その点についてお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、昨年十二月俯伏厚生大臣を拝命しまして、それ以前の立法の準備過程でどのような作業があったかは存じませんが、私は、厚生省として全力を尽くして最大限努力をした結果のものを国会に御審議を願ったと信じております。そうして、その上でまた国会における御論議というものを踏まえ、先ほど神谷さんは足りないとおっしゃいましたが、共産党さんの御賛成もいただいて衆議院で全会一致法案を通過させて、そのポイントをそのままに直させていただいて今回御審議をいただいておるという経過でございます。
#102
○神谷信之助君 これは、今度の改正は従前に比べれば改善です。だから、先ほども言ったようにわれわれ一応の評価をしているわけなんです。だから、一定の評価の上で衆議院段階でも賛成をしたわけで、本日の委員会でもそういう態度をとるでありましょう。ただ問題は、それでもう十分だと言っているんじゃない。その不十分な点について私が指摘をしているわけですから、その点は誤解のないようにしていただきたいと思うんです。
 そこで、いま申し上げましたのは、いま見えておるス全協の皆さんや日弁連の皆さんにも、この法案作成の過程で厚生省から意見を求められたことが一度でもありますかということを聞きました。そうしたら、一度もありません、ないけれども、自分の方からは意見は出しました、求められたことはありません。ところが、厚生省の方は、企業の方には積極的に求めておられます。こういう態度が国民の側から見たら一体どう見えるか、そのことを指摘をしている。そういう態度が今日まで長期にわたってスモン患者の皆さんに、あるいはその御家族の皆さんに言うことのできないようなひどい痛苦を与えたんだということを指摘をしているわけですから、誤解のないようにしていただきたいと思うんです。
 最後に、もう時間がありませんから、お伺いしますが、先ほども申し上げましたように、これでスモンのすべての問題が解決したのではありません。少なくとも残された問題として一つは、すべての患者に対する救済の問題、二つは恒久的な補償対策が残されております。そこで、先ほどから同僚委員の質問の中で投薬証明のない患者の救済の問題、あるいは重症者に対する介護手当の問題、それから健康管理手当についての国の支出による上積みの問題、こういった問題についてすでに大臣の方から、あるいは中野局長の方からも見解が表明されております。私どももこれらの問題は、ぜひ大臣なり局長の答弁に基づいてそれを早急に実現するように要望しておきたいと思うんです。
 そこで、二つお伺いしますが、一つは治療方法の開発及びそれに対する医療保障について積極的に努力すべきだと思うんですが、この点具体的にはどうお考えかという点と、それからもう一つは、七月の三日にス全協が国がとるべき恒久対策に関する予算要求書を提出をされております。これについても、一度に全部一切解決するというのは、来年度に解決するというのはきわめて困難でしょうが、誠実に協議をして、可能なものから来年度予算にも実現をしていくという点での努力を要請をしたいと思います。
 以上、二点について最後にお答えをいただいて私の質問を終わりたいと思います。
#103
○政府委員(中野徹雄君) 治療方法の問題につきましては、先生御承知のとおりに、不幸にして現在時点までは非常に効果的な形でのスモン症候群に対する手当ては、いまのところは定説としてはないわけでございます。しかしながら、一部には有力な意見として東洋医学系統の治療方法が有効であるという考え方もございまして、そのようなものを踏まえまして本年度、先ほど御説明いたしましたように、治療の方法の確立の研究に資金を大幅に増額をいたしまして努力をしているところでございまして、その研究成果がおさめられれば、これを何らかの形においてスモン患者の方々の苦痛の軽減なり治療に役立てていきたいということは、もう先生の御指摘のとおりでございます。
 それからまた、患者の方々から寄せられておりますところの恒久対策についての御要望につきましては、できる限りの努力をしてその実現方に配意をしてまいりたい、かように考えております。
#104
○委員長(久保亘君) よろしいですか、大臣、いいですね。
#105
○柄谷道一君 私に与えられました質問時間は二十分でございますので、すでに各委員の質問されましたことはなるべく重複を避けつつ数点について御質問いたしたいと思いますが、私からも、九月十四日のスモン問題に関する調印、さらに五十五年度予算に対する必要措置等につきましては、大臣答弁にもございましたけれども、誠心誠意これに尽力されるように、まず冒頭強く要請をいたしておきたいと存じます。
 まず、基本問題についてお伺いいたしますが、最近における医学、医術の進歩と医薬品の開発が国民の生命と健康を守るために大きく寄与してきたことは認めます。しかし反面、医薬品の副作用によって健康が破壊されてきた事実も直視しなければなりません。病気を治そうとして服用した薬が取り返しのつかない薬害を引き起こすとするならば、それは目的と結果が正反対となる悲劇でございます。薬害ほど理不尽で悲惨なことはないと私も思います。
 現在、医薬品の製造許可制度など、消極的秩序維持行政とも言える薬事行政の欠陥、製薬会社に対する不信、さらに過剰投薬など、薬づけ医療に対する医師への信頼の低下などが問題とされております。医師と医薬品に対する信頼が失われるとすれば、わが国の医療は根底から崩壊しかねません。したがって、医薬品の安全性、有効性の確保、未然防止体制の強化、倫理性の高い医療とそれに対応する医療経済の形成は最も重要な政治課題であろうと思います。
 これに対する所見をお伺いいたしますとともに、あわせて、医薬品はもろ刃の剣であり、多かれ少なかれ副作用は避けられないという一種の天災論に近いような考え方がいまなお一般的でありますけれども、一方では、国、製薬企業、医療機関等が高度の注意義務を尽くせば、ほとんどの場合において予見と予防が可能であるという指摘もございます。結局、この認識の差が制度の性格、内容、財源負担等の差を生ずる根源であろうと思うのでございます。
 私は、今回の救済制度は前者の前提に立つものではございますけれども、むしろ重要なことは、薬害の予見と予防であり、医学、薬学等あらゆる英知と良識をかけて薬害の再発を防止するため、国が諸施策を強化充実させることこそ前提とされなければならないと思うのでございます。万が一にも安易に救済制度に頼ることがあってはならないと指摘せざるを得ないのでございますが、まず大臣の基本的所見についてお伺いいたします。
#106
○国務大臣(橋本龍太郎君) 最初に、御要望のありました患者の方々といままでお話し合いをしてまいりました中身について、私どもは全力を挙げて努力します、ということをまずお答えを申し上げます。
 また、医薬品の有効性及び安全性の確保というものが薬務行政の上で最大の課題として、従来から種々の施策を講ずることにより対応してきたわけでありますけれども、これが行政措置によってきたという弱味は確かにございました。それだけに、今般薬事法の改正によりまして、これらを法律上の制度として明確化するという手段に私どもは出ると同時に、これを強化する方針をとったわけでございます。
 しかし、それにもかかわらず、医薬品の特性からして不可避な避けがたい副作用というものがこれは発生し得るわけでありまして、こういうものを考えてまいりますと、薬事法の改正と同時に、医薬品の副作用被害救済制度というものを創設しなければならないということから、今般基金法をも提案をさしていただきました。これはある意味では車の両輪のようなものでありまして、この二つの法案をあわせて成立をさせていただき、そこに盛り込まれた手段、方法というものを最大限に駆使して医薬品の安全性と有効性の確保というものを全力を挙げて私どもは確保してまいりたい、そのように思います。
 そこで、御指摘を受けた二つ目のポイントでありますけれども、確かに医薬品というものが有効性と安全性のバランスの上に立っておるものであることは御承知のとおりであります。その中で、やはり副作用の予見というものについては、科学技術の水準からいって一定の限界があることも事実でありますし、また、社会生活上必要不可欠のものであることも間違いありません。そこで、確かに本制度自身は、医薬品の適正な使用にもかかわらず避けがたい医薬品による副作用被害というものの発生に対応するために、この制度を構築したことは事実であります。しかし、それに安易に頼るようなことがあってはならないという御指摘はそのとおりでありまして、最大限度高度の注意を払い、努力をした上で、なおかつ避けがたい医薬品の副作用というものに対応する制度にしていかなければならない、それは御指摘のとおりだと私も存じます。
#107
○柄谷道一君 ただいまの大臣の答弁を受けまして、薬事法一部改正について具体的に数点お伺いしたいと思います。
 まず、医薬品に対する国のチェック機構についてであります。
 医薬品に対する製造の承認、新医薬品等の再審査、医薬品の再評価などは申請資料に基づく書面審査だけではなくて、国の機関による独自のチェック機構の整備充実とあわせて当面の措置として早急にGLP、すなわち適正動物試験規範を施行するなど、国の責任というものを強化していく必要があるのではないか。また、医薬品について科学的審議を行う唯一の機関として中央薬事審議会がありますが、その現在の機構は十分とは言いがたいと思います。そのために独自の事務局と情報センターを設けること、審議内容や情報を公開すること、国立衛生試験所、国立大学など他の関連機関との有効的連携を強化すること、国立医薬品研究施設を設置することなど、前向きの検討を行う必要があると私は考えます。
 また、医薬品の情報の収集と提供に関する国の責任についてでございますが、製薬メーカー、医療機関に限らず、市民レベルからの副作用情報をいかに活用していくかについて検討する必要があるのではないか。情報の収集、評価、伝達の中核として情報センターを拡充する、こういう構想の前進が必要ではないか。
 また、一九七五年の世界医師会総会で採択されましたヘルシンキ宣言によりまして、施設内審査を経ない臨床研究の報告は発表を受け入れてはならないとされております。とするならば、第三者を含む施設内審査委員会の設置や治験薬による被験者の健康被害の救済制度などについても、この際検討を進める必要があると思うのでございます。
 また、医師が患者に対し投薬、注射を行う場合、効能、副作用等その医薬品の安全性と有効性について情報を提供、説明することを義務づけることも必要ではないかと私は考えます。
 また、薬害防止に関する医師の責任について、意識的か無意識的かは別として、余り取り上げられておりません。しかし、四月十四日から五日間京都国際会館で開かれました薬害防止のための京都国際会議で西ドイツのレンツ博士は「医師は副作用に対して常に批判的態度を忘れず、副作用と知った時は口をつぐんではならない」、「もし医師がそうした姿勢を常に保っていたなら、サリドマイドもスモンも防げた」であろうとさえ断言されております。
 この国際会議に参加いたしました朝日新聞の富永記者は、こうした国際会議の雰囲気をとらまえて、これまで国や製薬会社の陰に隠れがちであった医師の薬害に対する責任がクローズアップされたのがこの会議の特色である、と報道いたしております。私は、このように単に薬害の再発を防止するという場合、国がこれから取り上げていかなければならない課題は、本法成立を一つの契機としてまさに無限の広がりを持っていると思うのでございます。これらの施策に十分な対策を講じ得るか否かが、いま大臣の申されました、全力を挙げて薬害の再発防止に尽くさねばならぬというその意思の反映としてこれが裏づけされなければならない、こう思うのでございますが、これらの問題に対する大臣の所見をお伺いいたします。
#108
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大半の問題点の御指摘につきましては、私は柄谷委員の御指摘のとおりであると思います。
 ただ、国の機関ということにお触れになりましたが、私は、国の機関という点でありますと、これは必ずしも見解を一つにいたしません。と申しますのは、たとえば英国におけるハンティントン研究所の例をとるまでもなく、民間における研究機関を活用することによってより効果の上がる場合も私はあろうかと思います。必ずしも国の研究機関というものに限定されることはどうか、この点は一つ見解を異にする。
 またもう一点、医師あるいは看護婦が患者に投薬あるいは注射をする場合に、その医薬品についての効果、効能また副作用等について知らせることを義務づけると言われました点、これは疾病の内容によっては、患者にその効果、効能を知らせることによって病気の種類を知らせてしまう、それは必ずしもいいことばかりだとは私は思いません。ですから、その点の義務づけという二点につきましては、私は柄谷委員と見解を異にいたします。しかし、その他のポイントについては基本的に柄谷委員の御指摘はそのとおりであると思いますし、ことに最終的に引用されました四月の薬害防止のための京都国際会議におけるレンツ博士の言葉というものは、私は、やはり私どもとして十分に今後ともに念頭に置いて行政を進めるべきものであると思います。
#109
○柄谷道一君 時間が限られておりますので、薬害再発防止のための具体的施策はいかにあるべきか。大部分御賛同されましたけれども、二点見解を異にするという御指摘がございました。これは大臣が再び厚生大臣になられるかどうか、そこらは不確定要因でございますけれども、改めてこれらの問題につきましては、本委員会の場を離れてやはり野党といたしましても議を重ね、この薬事法一部改正が真に実りある措置として生きていくように、これからも議論を引き続けてまいりたいと思います。きょうのところはそれぐらいの段階で、問題指摘にだけとどめておきます。
 次に、薬害救済基金法案について御質問をいたしますが、本法案は政省令の委任事項がきわめて多うございます。私がこれを読み上げると時間がないので申し上げませんけれども、重要な問題点だと思われる点だけでも、八点ほど行政サイドの裁量部分となっております。これらはすべて制度の運用に関して非常に重要な位置づけを持つものでございまして、その内容について時間の関係から一々確認いたしかねますけれども、これらの委任事項をどのようなプロセスで具体的に決定されようとするのか、その点を一点お伺いしたいこと。
 次に、救済制度を公正かつ円滑に運営していくためには、判定部門の充実が不可欠でございます。このため中央薬事審議会判定部門の委員の常勤化、事務局の増員など、その組織、人員の拡充を図ることが不可欠であろうと思います。こういうことなくしては公正な認定及び個別救済の迅速化は図り得られないのではないか、こう思うのでございますが、いかがでございますか。
#110
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。
 確かにこの基金法につきましては、事柄が非常に専門技術的事項にわたる面が多いために、政省令への委任事項が多い異例な法案であることは事実でございます。私どもも当然法律面で明らかにし得るものについては最大限努力したつもりでございますが、なお残りました政省令への委任事項につきましては、これは公式に中央薬事審議会への諮問を経まして、オープンな形で御審議を願いまして適正な結論を得ていきたい、かように考えております。
 それから、さらに判定をめぐるいわば体制の充実強化につきましては、柄谷委員の御指摘のとおりでございまして、私どももスタッフの充実を含めまして、また多数の関係委員の確保の問題も含めまして、来年度予算に、あるいは来年度の定員にわたる問題もございますが、最大限の努力をいたしたいと考えております。
#111
○柄谷道一君 最後に大臣にお伺いいたしますが、わが国には二千五百を超える製薬会社が現存いたしております。しかし、今回の薬事法の改正によってGMP、すなわち製造設備と品質管理基準が強化されます。また、救済基金法によって拠出金の負担が義務づけられます。また、製造許可や販売許可の両面にわたって一段と厳しい基準が設けられることは当然でございます。また、そうしなければ薬害の再発を防止することは不可能であろうと思います。しかし、このことは一つ運用を誤りますと新製品の開発や技術の発展が阻害されるおそれも含んでいるわけでございます。私はこうした面を考えるならば、今日までの消極的秩序維持薬事行政、はなはだ失礼でございますが、監視行政という域から一歩進んで産業政策の拡充、中小製薬メーカーの近代化と協業化に対する施策の強化もしくは助成などの政策的配慮、こういういわゆる質の充実というものが相まちつつ本両法案を制定する趣旨が生かされてくるのではなかろうか、こう思うのでございます。この点に対する大臣の所信をお伺いいたしまして、はなはだ時間が短いために意を尽くし得ませんでしたけれども、私の質問を終わります。
#112
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう柄谷委員がよく御承知のとおり、医薬品というものが、非常に厳格な意味でも生命関連の商品でありますから、GMPの強化あるいは製造承認の厳格化、また基金法による拠出金の負担等によって製薬企業の負担がある程度増大するということは、私は製薬企業の社会的責務として受忍されるべきことであると基本的に考えております。
 現在、医薬品産業そのものは上場企業を初めとして、いわゆる好調業種といわれておりますが、確かに今後医薬品産業というものをめぐる社会的な、あるいは経済的な環境というものが厳しくなってまいるわけでありますから、このまま好調が続くとはそれは必ずしも期待はできません。ただ、確かに医薬品産業そのものが衰微してしまい、日本人の必要とする医薬品が海外にのみ頼らなければならなくなるような状態というものは、これは国民医療にとってもきわめて不幸なことでありますから、確かに医薬品産業の健全な発展というものを確保するために、中小企業対策を初めとする各般の施策が必要になる場面というものもあろうと思います。そうした点につきましては、私ども今後準備を進めて努力をしたいと考えております。
 なお、いま例示で挙げられました新薬開発につきましては、これは確かに非常に営利的な採算に乗りにくい、しかし、国民医療の上にきわめて大切なものというものがあるわけでありまして、これが国民の健康という点から考えましても必要不可決でありますために、今年度から新たに新薬開発研究に対する補助を御承知のとおり開始したわけであります。同時に新薬開発推進会議を設置して、新薬開発を推進するための総合的な方策についても現在検討を行っております。いまの御指摘のような点は私どもも今後気をつけてまいりたい、そのように考えます。しかしやはり、その責任範囲に対する努力というものは、私は製薬企業としては受忍していただかなければならぬ部分が相当程度あるということも事実だ、そのように思います。
#113
○下村泰君 私も二十分ですが、五分にいたしました。少しでも早くこの審議を終了すべきだと思いました。患者の方々も待っていらっしゃいます。ですから、短い方がいいと思いました。
 ただ一言、二言言わせていただきますが、先ほど厚生大臣も、日本型福祉社会というような言葉を使っていらっしゃいました。ところが、いまこの法案を通すためのもろもろの諸先生方のお話を伺っておりますと、一体日本型福祉社会という、たとえばこういった薬害の問題を一つ取り上げましても、亡くなる方がばたばたいる。しかも長い間苦しんでいらっしゃる。こういう問題を法廷に取り出して、法廷の裁決が下らなければ厚生省も腰を上げないのか。それじゃ日本型福祉社会というのはどういうところにあるのかなと疑問を持ちたくなる。
 それからもう一つは、厚生大臣といえば一億一千万分の一なんです。二人いないんですよ。一人しかいない。その一人の厚生大臣が一億一千万の人間の健康をつかさどる元締めとするならば、一億一千万人の中にこういった状態になった人がいるならば、少しでも耳を傾けてあげなければならないのが大臣のお務めじゃないかと思うんです。それが今日までこんなに長くなるということは一体どういうことなのかという、非常に私は素朴な疑問を持つんです。そして一般国民の方は病気になる。医療費を払いながら、へたするとモルモット化される。で、苦しまなければならない。この問題が起きると、いつまでたっても解決がつかない。こういう問題、厚生大臣個人としてあるいは橋本龍太郎という個人としてどういうふうにお感じになりますか、伺わしてください。
#114
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私個人でお答えをするのが的確かどうかわかりませんが、私どもが少なくとも過去の薬事行政におきましてサリドマイド事件、これは日本だけではございませんでしたが、こうした不幸な事件を体験し、その打撃のさめやらない間に、今度は日本だけの大きな副作用事故としてのスモンというものを抱えるに至りました。この点について私どもとしては本当に恥ずかしいと思います。
 ただ、私から過去の厚生大臣の分についてお答えをすることはお許しをいただきたいと思うんです。少なくとも私ども現在、厚生省挙げてこの問題の全面的な解決というものに努力をいたしておるわけでありますし、またこうした事態が、これは再びあってはなりません。あってはなりませんけれども、医薬品というものの持つ副作用という一つの宿命的なもの、その時点の科学の水準で予知し得ないかもしれないそうした事故に対応するために、そしていまスモンの患者さんを初め、他の薬害によって健康被害を受けられた方々が、法廷のみしかそれに対して訴える場のない状態というものを何とかしたいということから、救済基金制度というものをいま御審議をいただいておるんだということも御理解をいただきたいと思います。
#115
○下村泰君 もう一つだけお伺いします。
 それならば、なぜああいう控訴を、上告するのか、これもわからない理由の一つです。それは厚生省にも厚生省なりの言い分があるでしょうけども。五十四年八月の十七日、サンケイ新聞に、「日本医師会が効能表示改革へ 病名方式やめ薬理方式」。大体厚生省は業者と密着し過ぎる、おれたちのことは何にも考えてない、ふざけるな、こういう御意見ですね。そして八月二十二日になりましたら文書をもって厚生省に通知。今度は八月の三十日、読売新聞、これを見ますと、今度は、いままでのやり方は大変悪かった、厚生大臣が、これから医師会のおっしゃるとおりにやりましょう、こういうふうになる。もし、こういうふうになって医師の判断によってこれからはいろいろ薬理方式でやるとして、もしこれでこのような事件が続発していった場合には、これはだれが責任を持つんですか。そこのところを伺いたいんです。
#116
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどその問題については安恒委員からも御指摘があり、いずれ時間を改めて本委員会で御論議を願うということでありました。そして私からも、その時点までになお十分検討したいということを申し上げております。ただ、端的にその部分だけをお尋ねになりますならば、それだけ医師の責任が重くなるということだけは間違いがない事実であります。
#117
○下村泰君 終わります。
#118
○委員長(久保亘君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(久保亘君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより両案に対する討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べいただきます。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 まず、医薬品副作用被害救済基金法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。
#121
○片山甚市君 ただいま可決されました医薬品副作用被害救済基金法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   医薬品副作用被害救済基金法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項につき格段の努力を払うべきである。
 一、医薬品の特殊性を十分考慮しつつ、本救済制度に無過失責任を導入することについて、今後とも検討を続けること。
 二、中央薬事審議会の判定部門については、機構の充実を図り、救済対象被害の判定が迅速かつ適正に行われ、被害者が不利にならないよう特に留意すること。
   なお、委員の構成については、医学、薬学の専門家のほか法律の専門家を加える等公正な判定が行われるよう配慮すること。
   また、判定については、主治医の積極的協力が得られるよう関係団体等に対し、本制度の趣旨の徹底を図ること。
 三、救済対象から除外されるがんその他の特殊疾病に使用される医薬品の範囲については、真にやむを得ざるもののみに限定するものとすること。
 四、救済給付の給付水準については、被害者の実情に即し、また他の諸制度も勘案し、その改善が図られるよう配慮すること。
 五、国は、救済基金の安定した運営が行われるよう、国庫補助その他につき適切な措置を講ずること。
 六、スモン患者を早急に救済するため、鑑定の迅速化を図り、一時金の支払い等を速やかに実施するとともに、投薬証明書のないスモン患者についても同様の対応策を早急に具体化し、さらに恒久対策を充実すること等によりスモン問題の全面解決を図ること。
 七、既発生被害の救済に関する事業については、これが円滑に行われるよう、金融面その他につき適切な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上であります。
#122
○委員長(久保亘君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定しました。
 ただいまの決議に対し、橋本厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本厚生大臣。
#124
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重して努力をいたす所存でございます。
#125
○委員長(久保亘君) 次に、薬事法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。
 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。
#127
○片山甚市君 ただいま可決されました薬事法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   薬事法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき格段の努力を払うべきである。
 一、医薬品等の安全性の確保につき重大な責務を有する国、製造業者等は、本法の目的達成のために最善の努力を払うとともに、薬事制度については副作用による被害についてのいわゆる製造物責任導入の問題等を含め、今後も引き続き各般の問題点につき検討を行い、その基本的な改善方策の確立を図るよう配慮すること。
 二、中央薬事審議会の組織、人員の強化充実を図り、その運営が適切に行われるよう配慮すること。
 三、製造承認、再審査及び再評価の資料は、公表学術文献によるとの原則をさらに徹底させ、審査の内容が広く理解されるよう努めること。
 四、医薬品の製造業者等の行う有効性及び安全性に関する情報の収集、提供、報告の業務の確実な履行、医療機関における情報活動の強化及び製造業者等の情報収集に対する積極的な協力の確保について十分な指導を行うこと。
   また、国の副作用情報活動を強化するとともに、公私の情報活動のシステム化を促進し、その中核となる情報センター機能の確立を図ること。
 五、添付文書等の記載、特に使用及び取り扱い上の注意については、十分指導を行い、記載方法の明確化を図ること。
   また、再評価の終了した医薬品の効能、効果の表示については、当該効能、効果の立証の程度をも含めることについて検討すること。
 六、治験において、臨床試験の依頼をする場合の遵守基準には、被験者の同意を原則とし、被害発生時の補償措置を確立する等を含め、被験者の人権等について十分配慮すること。
 七、いわゆるプロパーの資質の向上、活動の適正化を図るため、資格制度等そのあり方について、早急に具体策を確立すること。
 八、医薬品の開発に伴う試験の実施に関する基準(GLP)の検討を進め、その制定を促進すること。
   なお、この基準においては、医学、薬学のほか、獣医学等の専門分野においても専門家の知識技能が生かされるよう、それぞれの果たす役割りの明確化につき配慮すること。
 九、医薬部外品及び化粧品の表示に関し記載が必要な成分に係る厚生大臣の指定に当たっては、適正な使用が図られるよう厳正を期すこと。
   また、医薬部外品の適正な使用について関係業界を十分に指導するとともに、一般消費者に対する正確な知識の普及に努めること。
   さらに、化粧品の分類、広告のあり方について安全性の見地から検討し、改善を図ること。
 十、医薬分業の計画的推進、薬価基準の一層の適正化、難病治療薬等の新薬開発の積極的推進等に努めること。
 十一、製薬企業、特に中小零細企業の近代化の促進に配慮するとともに、中小卸売業、小売販売業の自主的な近代化、協業化が促進されるよう、医薬品の流通機構の改善を図ること。
 十二、動物用医薬品の使用基準が、厳格に遵守されるための必要な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上であります。
#128
○委員長(久保亘君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本厚生大臣。
#130
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、努力をいたす所存であります。
#131
○委員長(久保亘君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#133
○委員長(久保亘君) 次に、請願の審査を行います。
 第二号年金改悪阻止等に関する請願外五十五件を議題といたします。
 本委員会に付託されております五十六件の請願につきましては、理事会において協議の結果、第一三号国民健康保険組合療養給付費補助金の増率に関する請願外十二件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二号年金改悪阻止等に関する請願外四十二件は保留することに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#136
○委員長(久保亘君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査につきましては、閉会の場合においてもなお調査を継続することとし、これら二件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び提出の時期につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#139
○委員長(久保亘君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 閉会の場合における委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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