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1979/09/07 第88回国会 参議院 参議院会議録情報 第088回国会 内閣委員会 第2号
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1979/09/07 第88回国会 参議院

参議院会議録情報 第088回国会 内閣委員会 第2号

#1
第088回国会 内閣委員会 第2号
昭和五十四年九月七日(金曜日)
   午後二時二十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月七日
    辞任         補欠選任
     斎藤栄三郎君     降矢 敬雄君
     中西 一郎君     高平 公友君
     長谷川 信君     塚田十一郎君
     堀江 正夫君     竹内  潔君
     源田  実君     浅野  拡君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桧垣徳太郎君
    理 事
                岡田  広君
                林  ゆう君
                山崎  昇君
                向井 長年君
    委 員
                浅野  拡君
                高平 公友君
                竹内  潔君
                塚田十一郎君
                林  寛子君
                原 文兵衛君
                降矢 敬雄君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                村田 秀三君
                和泉 照雄君
                山中 郁子君
                森田 重郎君
                秦   豊君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  橋本龍太郎君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長  三原 朝雄君
       官)
   政府委員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       給与局長     角野幸三郎君
       総理府総務副長
       官        住  栄作君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    小野佐千夫君
       総理府人事局長  菅野 弘夫君
       総理府恩給局長  小熊 鐵雄君
       厚生省援護局長  松田  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、中西一郎君、斎藤栄三郎君、堀江正夫君及び長谷川信君が委員を辞任され、その補欠として高平公友君、降矢敬雄君、竹内潔君及び塚田十一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(桧垣徳太郎君) 恩給法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。三原総理府総務長官。
#4
○国務大臣(三原朝雄君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近の経済情勢にかんがみ、恩給年額を増額するとともに、戦没者等の遺族、傷病者及び老齢者の処遇の改善を図るほか、旧軍人等の加算年の恩給年額計算への算入要件の緩和等の措置を講じ、恩給受給者に対する処遇の一層の充実を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
 これは、昭和五十三年度における公務員給与の改善を基礎として、昭和五十四年四月から、恩給年額を増額しようとするものであります。また、公務関係扶助料の最低保障額、傷病恩給の基本年額等につき、同年六月からさらに特別の増額を行い、公務扶助料については遺族加算を含み年額九十九万円を保障することといたしております。
 その第二点は、普通恩給等の最低保障の改善であります。
 これは、昭和五十四年四月から、長期在職の老齢者の普通恩給の最低保障額を六十四万七千円に引き上げる等、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額を引き上げるほか、同年六月から、六十歳以上の者または寡婦加算の対象となる子を有する妻に支給する普通扶助料の最低保障額について特段の措置を講ずるとともに、さらに同年十月から、普通扶助料の最低保障に係る年齢制限を廃止しようとするものであります。
 その第三点は、寡婦加算及び遺族加算の増額であります。
 これは、普通扶助料を受ける妻に係る寡婦加算及び公務関係扶助料を受ける者に係る遺族加算の額を引き上げようとするものであります。
 その第四点は、旧軍人等の加算年の年額計算への算入要件の緩和であります。
 これは、旧軍人等の加算年を普通恩給の年額計算の基礎在職年に算入する場合における年齢要件を緩和し、六十歳以上六十五歳未満の者についてもこの算入措置を及ぼそうとするものであります。
 その第五点は、介護を要する重症者に対する特別加給の増額であります。
 これは、第二項症以上の増加恩給または特例傷病恩給受給者に給する特別加給の年額を十八万円に引き上げようとするものであります。
 その第六点は、八十歳以上の高齢者に対する算出率の特例措置の改善であります。
 これは、八十歳以上の者に給する普通恩給または扶助料については、その算出率の特例措置における三百分の二に係る年数の上限である十三年を廃止しようとするものであります。
 以上のほか、扶養加給の増額、短期在職の旧軍人等に対する仮定俸給の改善、旧海軍の特務士官及び准士官の仮定俸給の改善、代用教員期間の通算等所要の改善を行うこととしております。
 なお、以上の措置については、公務員給与の改善に伴う恩給年額及び扶養加給の増額並びに普通恩給の最低保障額の増額は昭和五十四年四月から、その他の改善措置は同年六月から、ただし、普通扶助料の最低保障に係る年齢制限の廃止、旧海軍の特務士官及び准士官の仮定俸給の改善、旧軍人等の加算年の年額計算への算入要件の緩和及び代用教員期間の通算については同年十月から、それぞれ実施することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案は、前国会に提案した内容を変更することなく提案するものであります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(桧垣徳太郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○野田哲君 まず厚生大臣に伺いますが、本委員会ではここ数年来、旧日赤の従軍看護婦の措置について検討し、一定の前進を見たところでありますけれども、恩給年金、共済年金を通じて陸海軍の従軍看護婦の措置が欠落をしているという問題が、いま関係者の方から政府並びに国会に向けて要望が出ているわけでありますが、まず伺いたいのは、この旧陸海軍の従軍看護婦、現在生存者どのぐらいおられるか。その実態を把握しておられればお伺いいたしたいと思います。
#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 援護局長から……。
#8
○政府委員(松田正君) 私どもの推定では大体二万三千人程度ではないかという推定をいたしております。
#9
○野田哲君 関係者からいま出されているこの従軍期間の問題についての年金の措置、補償措置等について、一体いま厚生省なりあるいは総理府としては、この問題についてどういうふうな見解をお持ちなのか、これをまず伺いたいと思います。
#10
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、旧陸海軍従軍看護婦の処遇につきましては、昭和五十四年度に措置いたしました旧日本赤十字社救護看護婦に対する処遇と関連したものとして解決すべきものと今日までお答えを申し上げ、重要な課題として考えてまいっておるところでございます。
 しかし、旧陸海軍従軍看護婦個々の戦地等における勤務記録など、処遇するために必要な資料は旧日本赤十字社救護看護婦の場合に比べ不十分であるので、直ちに旧日本赤十字社救護看護婦に対する処遇と同様な措置をとることが困難な事情にございます。
 そこで総理府といたしましては、厚生省が行っておられます旧陸海軍従軍看護婦に関する実態調査の結果をまちまして、関係各省と十分協議の上、誠意をもって対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#11
○野田哲君 厚生省の方では、その従軍記録等については記録は正確なものはないんですか。これから調査されるんですか。その点いかがですか。
#12
○国務大臣(橋本龍太郎君) 旧陸海軍看護婦の方方の問題につきましては、従来から御論議のあることは私も承知をいたしております。ただ、種々の事情から、また陸軍、海軍それぞれの勤務態様の違い等々もありまして、的確な資料が非常に乏しいという状況でありまして、現在まで厚生省の保有しております資料ではその実態を明らかにするにはきわめて不十分な状態であります。
 そこで厚生省としては、明年度この実態調査を行い、総理府のその後の施策に資するように努めたいと考えております。
 調査の具体的な方法については今後関係各省庁とも御相談をし、また現在ある程度組織化されてお互いの消息を把握しておられる方々もあるわけでありますから、そうした方々にも御相談をしながら決めてまいりたいと考えておりますけれども、基本的には旧陸海軍従軍看護婦の方々に調査票を配付して、外地勤務を中心とする個人ごとの履歴を調査をするというような形式になろうかと考えております。
#13
○野田哲君 もう相当高齢に達しておられると思いますし、それから従軍ということによって婚期を逸しておられる、一人でいま余生を送っておられると、こういうような実態もかなりあるんじゃないかと思いますので、これはぜひひとつ早急にその実態を把握をされて、厚生省、総理府が中心になって早急に要望されておることについて適切な措置がとられるようにぜひお願いを申し上げておきたいと思います。
 厚生大臣、もう結構でございますから。ありがとうございました。
#14
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもとしては最善を尽くしてその調査をできるだけ早く完了し、総理府の方の作業に資したいと、そのように考えております。
#15
○委員長(桧垣徳太郎君) 厚生大臣もう結構です。
#16
○野田哲君 この恩給年額の引き上げ改善措置の前提となっている人事院の勧告について伺いたいと思います。
 ことしの勧告の問題については、先ほど本会議におきまして総務長官からの見解が述べられたわけでありますけれども、もうひとつ歯切れがまだよくない、あいまいさが残っていると思うんです。
 そこで、人事院にまず伺いたいと思いますが、いままでの勧告で十年前まで実施時期が年度の途中から行われる、こういう形でかなり削減をしていった経過があるわけでありますが、その実施時期は年度ごとにどういうふうな削減をされていったのか、十年前のことですから、これを簡単に要点だけ述べていただきたいと思います。
#17
○政府委員(角野幸三郎君) 勧告の実施時期の問題でございます。人事院が勧告の中で五月実施ということを初めて明示いたしましたのは昭和三十五年でございます。それで自来、昭和四十五年がいわば五月実施に対する完全実施の年でございます。したがって、その前年であります四十四年までが実施時期問題があった年と、こういうことに相なります。三十五年から四十四年まで、ちょうど十年間でございます。それで、これを年別に申し上げますと、昭和三十五年に五月実施を明示いたしまして実施はその当年の十月と、こういうことに相なっておりまして、三十五年、六年、七年、八年、引き続いてこの四年間はいずれも五月勧告十月実施と、こういう関係でございます。それから明けまして三十九年、この三十九年に一カ月動きまして九月実施に相なっております。それで、三十九、四十、四十一の三年間はいずれも五月実施の勧告で、実施は九月に実施されたというのがこれで三年続いてございます。それからその次の四十二年からは一カ月ずつ手前の方に実施時期が早くなっておりまして、四十二年は八月から、四十三年は七月から、それから四十四年は六月からと、毎年一カ月ずつ手前の方に来てまいりまして、それで四十五年に五月勧告に対する五月実施、そういう完全実施の年でございます。
 以上でございます。
#18
○野田哲君 人事院の勧告というのは、いわゆる格差方式という形がとられておりますね。民間給与の実態調査を行ってその格差を解消していく、こういう形の勧告になっているわけですけれども、これは実施時期を勧告どおりに行わないということは、つまり年間をならしていけば、勧告をした格差の解消が完全に図られない。率について年度の途中から、九月とか七月とかやられていっても、年間をならすとこの率は下がって格差の解消にはなっていない。こういう理屈になるんじゃないかと思うんですが、その点の見解はいかがですか。
#19
○政府委員(角野幸三郎君) 私どもが官民格差を出しますときには、民間の企業で四月という時点で調査をいたしておりますし、あるいは遡及改定分を加える場合にも四月にさかのぼって実施するというところで、それの高さを調査いたしまして継ぎ足すと、こういうことをやっております関係上、データは四月という時点で幾ら上がると、こういう結びつきになってございます。したがって、実施時期が年度の、あるいは年の中の途中に動いたりいたしますと、年間の民間と実質的に均衡いたしますという面から言えばその分が足りない、こういうことに相なります。
#20
○野田哲君 総裁に伺いたいと思うんですが、八月十日の勧告を行われたわけですが、これは当然人事院としては、先ほど局長から説明があったように、格差解消という立場に立っての勧告でありますから、当然本年についても、これを勧告どおり実施すべきだということでの勧告であろうと思うんですが、人事院の総裁としては、政府並びに国会に勧告を行われた立場からこれについてどう
 いうふうにお考えですか。
#21
○政府委員(藤井貞夫君) まさしくいま野田委員がおっしゃった、そのとおりであります。いまも給与局長の方からもお話がございましたが、現在四月時点で調査をして、しかも四月時点から完全実施ということになりましたのは四十七年でございますので、すでにこれも定着し、完熟をした制度であるというふうに私たちは理解しております。また、そうでなければ労働基本権の代償機能としての人事院の使命というものは全うできないものであるという強い確信を持っております。
#22
○野田哲君 総理府の人事局長に伺いますが、この人事院の勧告問題について、先ほどの本会議でもちょっと私触れたんですが、ILOの場で公務員のスト権を禁止をしていることに対する代償機能としての人事院の勧告がどのように取り扱われているか、今後どう政府は取り扱うか、こういうことで、公務員の権利問題でのILOでの議論に関連をして、政府としてはILOの場でもこの勧告の取り扱いに対する方針について報告をしていると思うんですが、どういう報告をされておりますか。
#23
○政府委員(菅野弘夫君) お答えを申し上げます。
 人事院の給与の勧告権というものは、先ほどもお話がございましたように、公務員の労働基本権の制約に対します代償措置であるということでございますので、そういう立場からILOの場におきましても、日本政府といたしましては、そういう人事院の勧告機能というものは昭和四十五年以来完全に実施されておりまして、十分な代償措置が形式的にもあるいは実質的にも十分整備をされているという趣旨のお答えをいたしております。
#24
○野田哲君 総務長官に伺いたいと思いますが、先ほど本会議で一定の見解は出されたわけですが、先ほど来のそれぞれの説明でも明らかなように、まず人事院の勧告という制度からして、そしてそれが格差解消方式、格差を解消するという立場に立っての勧告であって、これを実施時期を途中からということで取り扱うということは、これは格差解消方式にならないということ、そして国際的にも政府はこの人事院勧告の取り扱いについてはいわゆる完全実施、こういう立場を表明をされているわけであります。そして昭和四十四年十一月十一日の佐藤内閣の声明、こういう点からしても、今日巷間伝えられるような実施時期を値切るというような措置はあるべきはずはない。もしそんなことがことしまた行われるとすれば、これは国内的にも国際的にも大変な不信行為であるし、勧告制度というものを根本的に覆すことの措置だと、こういうふうに私は思うんですけれども、重ねて総務長官にこの問題についての見解を伺いたいと思うんです。
#25
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、野田議員のただいまの御意見、全く私は同じ考えに立っておるものでございます。したがって、人事院の勧告が出ました際に、これを従来どおり誠意をもって尊重いたしますということを、声明を当時出したのでございます。したがいまして、いま申されたような実施時期を云々するというようなことも毛頭総務長官としては考えておりません。したがって、いま私は、人事局長初め関係省庁の局長クラスにおいて鋭意――本会議でも申し上げましたように、国民の理解と協力を得るためにも諸般の事項について検討をいたしておることは承知をいたしておりますけれども、それに対しましても数次にわたってできるだけ早く結論を出してほしいという要請もしてまいっておるところでございます。したがって、私どもといたしましては、先ほどの御意見を踏まえながら従来どおりの人事院の勧告は尊重して誠意をもってこれに対処するという方針のもとに今後も進めてまいりたい、そう考えておるところでございます。
#26
○野田哲君 そう考えておりながらどうして今日まで政府の態度が決まらないんですか。その決まらない理由を具体的に説明してもらいたいと思います。
#27
○国務大臣(三原朝雄君) きわめて総括的に申し上げました、本会議におきましても。非常に財政の厳しいときでございます、納税者である国民の理解と協力を得る諸準備も必要であろうというようなところから諸般の事情の検討を広く慎重にやっておるわけでございますので、したがって、私といたしましては、あくまでもやはり実施時期をずらすとか、あるいは金額に云々するとかいうようなことはやるべきでないということを絶えず指示をしてまいっておるところでございます。そういう点でございますので、私はそういう方針に沿って鋭意検討を進めておるものと思っておりますので、なお一層、いま野田議員の御指摘の点につきましては、今後に対しましても改めて指示をして早く結論を出すように、諸般の事情等の調査検討を進めて結論を出すように督促をいたしたいと思っております。それに基づいて閣議に、関係閣僚協議会にかけて私からいま申し上げたような考えのもとにここでも誠意をもって対処してまいる考えでおるわけでございます。
#28
○野田哲君 きょうはまあここでは大蔵大臣の出席がないので、公務員の人事管理を担当している総務長官に別の問題で伺いたいと思うんですけれども、恩給法がきのう、きょうと生活関連法案ということで急遽審議を進めることになったわけでありますが、恩給法を改正をして恩給年金額の改善を行う、三・六%の改善を図るという措置をとることになれば、当然この旧法による文官の恩給年金と関連をして国家公務員の共済年金についても同様の措置をとらなければならないはずなんです。それは制度的にそうなっているわけであります。したがって、当然共済年金の三・六%の引き上げ、これも同様に法改正の措置をとっていくというのが私は当然の措置だと思うんです。総務長官、この点いかがですか。
#29
○国務大臣(三原朝雄君) できますれば、いま御意見のような措置に出ることが適当であろうと私も考えておるところでございます。
#30
○山崎昇君 本来なら私はこの恩給、それから年金、それから公務員給与に関連して相当時間もらいたいという気持ち持っていましたが、こういう事態でありますからそれらはやめますが、いま野田君から質問しておりますように、第一に総務長官の答弁ずうっと聞いておりまして、私なりに確認をするとすれば、公務員の給与改定については総務長官といたしましては完全実施するつもりですと、そういうふうに私は確認をしておきたいと思うんですが、ずばり、いろんなことをあなた検討されると思うんだが、あなた自身としてはやりますと、こういう考えだというふうに理解をしておきたいと思うんですが、どうですか。
#31
○国務大臣(三原朝雄君) 御意見のような私は考えでおるわけでございます。
#32
○山崎昇君 それから、せっかく人事院来てますから、給与局長に一点だけ聞いておきますが、ことしの勧告見て、たくさんの問題点ありますが、民間もあるいは公労協も総じて上向きの状態にあるときに公務員の給与改定だけが昨年より落ちる。なるほど金額で百円ばかり高くなったんですが、その理由が私どもも検討してみていますが、なかなかわからぬ点が多い。かいつまんで人事院の見解だけこの一点聞いておきます。
#33
○政府委員(角野幸三郎君) 現在やっております勧告の方式といいますか、それの引き上げ率の基礎にいたしております官民給与の格差のとらえ方の問題でございます。これは本格差と、それから積み残しと俗に言っておりますが、支払いには及んでいないけれども、春闘が妥結いたしまして高さが決まっておって、四月にさかのぼって実施することがわかっておるものを積み上げて計算している部分でございます。その二つの部分を合わせたものが本年でございますとそれが全体の三・七と、こういう引き上げ率になります。この本格差の方の部分でございますが、これはいわば概算と精算というような俗な言い方でございますがその精算部分に当たりまして、去年調査いたしまして後一年間の、去年からことしに至ります一年分のいわば精算した結果の水準の高さを合わせるという部分に相なっておりまして、したがって、この部分だけは前年の残りをはらんでおるというのがこの計算の仕方の仕組みの中でございます。したがいまして、昨年の勧告のこの本格差の部分は、おととしのいわば秋とか冬のおととしの勧告に入らなかった部分が去年のそこに入ってきておるわけでございまして、春闘相場で一般に申し上げましても、おととしは八・八という高さの春闘のそういう年でございまして、去年は五・九、大体六で本年と同じでございます。したがいまして、去年のその本格差にはことしと違った意味でおととしのその大きな部分の残りが入っておるということでことしよりは高めであったと、こういうふうに私どもは検討いたしております。
#34
○山崎昇君 結構です、もう。
 総務長官に、私ここに原稿、本当は恩給につきましても相当技術論を含めて聞きたいことたくさんありますが、大筋二点にとめておきたいと思います。
 一点は、今度の恩給法の改正案見まして、実施の期日が四月もあれば六月もあれば十月もある、少しばらばらの気がいたします。したがって、今後これらの施行期日というものを一本化できないだろうか。公務員給与が曲がりなりにも四月実施でさかのぼって改定されているわけですから、したがって、一年おくれにもあるわけなんで、そういう意味で言うならば、それに合わせて四月実施なら四月実施に一本化できないだろうか。それは今後ひとつ検討してほしいと思うのですが、それがまず第一点。
 それから第二点は、この従来人事院勧告に基礎を置いて恩給額の改定をずっとやってきました。皆さんも御案内のとおり、いままではこの人事院勧告が必ず問題になりましたのは、上に厚くて下に薄いとか、あるいは下に多少めんどうを見たが上の方に少しどうかだとか、あるいは中だるみで真ん中どうだとか、こういう言葉を使われて俸給表というのが今日まで多少調整をされてきておりました。しかし、最近のこの人事院勧告を見ますと、必ずしも上に厚くて下に薄いとか、率だけで申し上げますというとそうなっておらない。そういう点等を判断をしながら恩給法によります仮定号俸というのを私ども見ておりますと、やはり少し問題があるんではないだろうかという気がいたします。
 それはどういうことかというと、たとえば一般的でありますが、兵の仮定俸給を見ますというと、二十一号俸で年額七十九万四千八百円になる、月に直しましてこれが六万六千二百三十三円ぐらいになるわけです。ところが、公務員の高卒ですから十八歳、行政(一)表の初任給を見ましても七万四千四百円になる。あるいは公務員のうちで低いと言われる行政(二)の五等級見ましても月額六万七千円ぐらいになる。言うならばこういうものより低い仮定号俸があって、それに基づいてこの恩給が算定されるということについて私は少し問題を含んでいるんではないか。ただ恩給の場合には最低保障額制度がありますから、現実的にはこれより上回ったものを支給されているのは現実でありますけれども、そういう意味で言うならば当然仮定号俸というのを再検討すべきではないんだろうか。なぜかというと、公務員の給与にリンクしてやっているわけでありますから、そういう点が一体総理府で今後検討されるのかどうか、その点きょうは二点だけ聞いておきたいと思います。
#35
○政府委員(小熊鐵雄君) お答えいたします。
 まず第一点の実施時期について四月、六月、十月といろんなものがあるのは不都合ではないかという御質問かと思いますが、確かに私ども事務的に申し上げてもこれは一本化した方がはるかに事務的にはいいわけでございますが、ただ何分にも決まった財源の中でいろんな改善をやっていきたい。たとえばいま恩給受給者が約二百四十万いるわけですが、仮にこの方々に一人年間千円、月額にして八十三円三十銭ですか、こういった支給をするにしましても二十四億という金がかかる、その中でいかに改善をよりよく盛り込んでいくかということにつきましては、やはり財源との関係等も勘案しまして、あるものは六月に実施するというような仕組みにいたしておるわけでございます。ただ実質価値を維持するためのベースアップ、これについては四月に実施すると、こういう形でやっておるわけでございます。
 それから第二点の兵の仮定俸給でございますが、これは確かに戦前に比べまして、戦後二十八年に軍人恩給が復活いたしましたとき、その当時のいろんな社会情勢あるいは経済情勢、そういったものから兵の仮定俸給というものをかなり低く抑えたという事実は確かにございますし、その後いろいろ改善はいたしてまいったわけでございますが、なお低い位置にあるというのは先生おっしゃるとおりでございます。ただ恩給の性格から言って必ずしも社会保障的な意味を持たせることはどうかという議論もあるわけでございますが、余りにも低い恩給というものもいかがかということで、先生おっしゃったとおり最低保障額、これを決めておるわけでございまして、仮にいま支給されます最低保障額、これを仮定俸給に直しますといまの行(一)の五等級八号俸くらいに相当する金額になるはずでございます。これが最低としていま保障されておるわけでございます。ただ、先生おっしゃられたように恩給計算の基本でございますから、仮定俸給については今後とも検討してまいりたいと、このように考えております。
#36
○山崎昇君 検討すると言うんですからいいんですが、いまの制度がそういうリンク制度になってますから、ですから、基礎というのはやっぱりきちんとしておかなければいけません。
 ただ、いまのところさっき申し上げましたように最低保障というかっこうでは五等級の八号ですか、そこら辺が平均になっておりますが、実際はやっぱり不合理になっているというところ。それから第一点で言いました実施期日についてはあなた方も不合理だと思っている。ただ、財政上しようがないんだという見解のようでありますが、それだけではやっぱり済まされない問題を含んでおると思いますから、その点は総務長官におかれてもひとつ十分検討願っておきたいと思うんです。
 それから私は、この委員会で、恩給によります遺族扶助料の問題と共済年金の遺族年金との関係で是正をすべきだという提起をしまして、恩給局の方で五十三年度、今度のやつに二点ばかり改善をされております。引き続き恐らく来年度も改善するんだと思うんですが、やはり恩給法をずっと見るというと、かなり矛盾もありますし、不合理の点たくさんありますから、また後日私はそれらの点については詳細述べたいと思っておりますが、いずれにいたしましても専門はあなた方ですから、十分ひとつ実務的にも検討されて、そういう点のないようにお願いしておきたいし、最終的には総務長官の決意を聞いて私の質問を終えておきたいと思います。
#37
○国務大臣(三原朝雄君) 貴重な御意見と思いまして、十分ひとつ検討を進めさしていただきます。
#38
○和泉照雄君 まず私は、恩給局長に、今回恩給の年額計算の基礎となる仮定俸給の引き上げについてお尋ねをいたします。
 言うまでもなく、恩給の年額の増額は、昭和五十一年度から公務員給与の改善率に合わせて引き上げられてきており、本年も、五十三年度の人事院勧告によるベースアップを行政職俸給表の(一)についてその改善傾向を分析した結果を用いて実施していると、このようになっておりますが、そこでまず、改善傾向の分析結果と、その結果をどのように運用をして恩給年額を増額しようとしているのか説明を願いたいと思います。
#39
○政府委員(小熊鐵雄君) 口で御説明するのはなかなかむずかしいんでございますが、公務員の給与、これを――まあいろいろな手法はあるんですが、回帰分析いたしまして、回帰直線に直しまして、恩給としての上薄下厚といいますか、なるべく下の方に厚く、上の方に薄いというような傾向の直線に直しまして、これをそれぞれの仮定俸給の号俸に当てはめていくと、こういうやり方でございまして、その結果といたしまして、先ほど話がありましたように、平均いたしますと三・六%でございますが、兵の改善が三・九%になると、そういった方式をとっておるわけでございます。
#40
○和泉照雄君 いまおっしゃったとおり、仮定俸給の改善内容を見ますと、三・一八%から三・九六%ですか、こういうふうに内容を見ますと上薄下厚と、こういうふうな傾向にあることは事実のようでありますが、しかしながら、仮定俸給の見直しの基礎となる昭和五十三年度の人事院勧告では行政職(一)の平均ベースアップの率は三・六%、同様に恩給の仮定俸給についても三・六%の平均改善率をとっておりますが、そこで、これらのアップ率と消費者物価の上昇との関連についてお尋ねいたしますが、人事院は、昨年の給与勧告を提出するに当たって同年四月に民間給与実態調査を実施しましたが、給与勧告のいま一つの要件として物価の動向を挙げております。総理府統計局によると、五十三年の四月の消費者物価の動向は、前年同月比が全国で三・九%、東京都の区部で四・五%の上昇率となっておるようでございますが、このようにアップ率よりも物価の上昇率の方が高くなっておるようであります。したがって、この場合、人事院の給与の勧告、恩給についても、物価上昇率と改善率のギャップ、これを何らかの形で埋めるような措置をとるのが当然恩給法第二条ノ二に指摘されておることでもございますが、これはどのようなかっこうでおとりになっておりますか。
#41
○政府委員(小熊鐵雄君) 先生御承知のように、恩給の仮定俸給の改善、従来からいろんな方式をとってまいりました。物価をとっておったこともありますし、物価と給与改善を込みにしてとっておったこともあります。しかし、ここ数年来公務員給与のアップ率をとっておるわけでございますが、これは公務員給与の改善というのがかつて公務員であった恩給受給者の改善を考えるのに最も適当ではないかということでございますが、なお過去数年とってみまして、仮に平均しますと、はるかに公務員の給与改善率の方が高い時期が長うございました。こういったベースアップの改善を行う指標としてことしは物価が高いから物価、ことしは給与が高いから給与ということが果たしていかがなものかと、やはり長い目で見ていかなければならないのじゃないかと考えておるわけでございます。したがって、明年度もまた公務員給与というものをベースにして考えていきたいと、このように思っております。
#42
○和泉照雄君 次は、公務関係の扶助料のアップについてお尋ねをいたしますが、五十四年の四月分以降兵の仮定俸給の引き上げに準じて三・九六%、六月分以降さらに特別の引き上げとして八万二千円が加算をされ、それによって遺族加算を加えて年額九十九万円、月額にして八万二千五百円を支給すると、このようになっておるようでございますが、そこで六月分以降八万二千円の特別な上積み分がかなり政治的な配慮であるようでございますが、聞くところによりますと、恩給関係団体では昭和五十四年度の恩給改善要求として、月額十万円の実現を運動目標としていたということのようでございますが、そうなりますと、五十五年度の予算要求に当たっても関係団体は当然この運動を持続してくると、こういうことが考えられるわけでございますが、総理府としては五十五年度の予算要求に当たって五十二年度、五十三年度の政治的配慮の実績を踏まえてどのような姿勢で財政当局に臨もうとされるのか、その辺のところをお知らせ願いたいと思います。
#43
○政府委員(小熊鐵雄君) 先生御指摘のように、遺族の団体といたしましては年額十万という要求が出ております。ただ、この公務扶助料関係の予算というのは非常に人数が多いということもございまして、非常な莫大な金額を必要としておるわけでございます。
 それで、五十四年度につきましては、昨年、月額七万一千円を八万二千五百円、一万一千五百円の上積みを行ったわけでございます。まあ明年度につきましてもきわめて財政情勢厳しいということもございまして、私ども事務的には同じぐらいの程度上げるのが精いっぱいではないかという感じでございますが、十万円に幾らかでも早く近づきたいという団体の要望もございますので、明年度予算といたしましては八万二千五百円にさらに一万二千円の上積み、つまり九万四千五百円、こういった金額で要求いたしたいと、このように考えておるわけでございます。
#44
○和泉照雄君 次に、旧海軍の特務士官等の仮定俸給についてお尋ねをいたします。
 これまで在職中の特務士官の俸給は、在職期間が長期であったために、同一階級の一般士官よりも高額であったにもかかわらず、仮定俸給上の取り扱いはこれを区別をしないで、同一階級同額とされておったようであります。この不合理な取り扱いを是正するために今回の法案改正となったのでございますが、この問題は昭和四十三年三月の恩給審議会答申でも一応否定的な意見が述べられるなど、長期間放置をされておったわけでございますが、そこで今日までこの不合理な措置をそのままにしてきた理由について、さらに今回の是正措置によって過去のこれらの方々の不利益分も含めて完全に是正をされたのかどうか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
#45
○政府委員(小熊鐵雄君) いまの特務士官、准士官の処遇改善の問題でございますが、先生御承知のように、軍人恩給につきましてはもうこれは恩給始まってから一階級一恩給という制度でずっときておるわけでございます。これは昔も特務士官、准士官という制度はあったわけでございますが、しかしやはり一応一階級一恩給ということできておったわけでございます。
 ただ、いろいろ実態等見ますと、先生申されますように、確かに実際の俸給といいますか、これはかつて兵学校あるいは機関学校上がりの将校よりも特務士官、准士官の方が高かったという事実もございますし、それにさらに陸軍等に比べまして准士官、特務士官になるのに相当長年月必要だったというような事実もございまして、いろいろ検討した結果、准士官及び少尉については三号俸アップ、それから中尉、大尉については二号俸アップ、こういう措置をとったわけでございます。ただ、何にしましても准士官の号俸を三号上げますと少尉と同じになります。また少尉の号俸を三号上げますと中尉と一号違いということになります。もうこれは恐らくぎりぎりのアップじゃないかというように私ども考えております。
 ただ、先ほど話の出ました最低保障額でございますが、これが非常に高くなっておりますので、仮に上げましても、勤務年数のきわめて短い方、こういった方はそういった最低保障の中に入ってしまう。ですから実際何号俸か上げても金額は変わらないという方もあるわけでございます。大体いま准士官から大尉までの長期在職の方、約三万人あると思います。もちろんこれらの方の中でいわゆる特務といわれる方がどのぐらいあるかはちょっとわかりませんが、約三万人ありまして、そのうちこういった最低保障に入ってしまわない、実質、給与が増額される方、これは約半分、約一万五千人ぐらいございます。いま申し上げましたようにこの改善措置というのは上の階級を越して改善するというわけにまいりませんので、そういった意味からもこれはぎりぎりの私ども改善ではないかというように考えておるわけでございます。
    ―――――――――――――
#46
○委員長(桧垣徳太郎君) 委員の異動について御報告いたします。
 源田実君が委員を辞任され、その補欠として浅野拡君が選任されました。
    ―――――――――――――
#47
○和泉照雄君 恩給法案の質疑の中でいつも毎回問題になるのは旧軍人の一時恩給の問題でございますが、この問題で問題点の一つとして挙げられておるのは、一時恩給は普通恩給に比べて非常に恩給の額が低いんじゃないかと、こういうことが挙げられておるわけでございますけれども、まず三原総務長官にお尋ねをいたしますが、この一時恩給について普通恩給と比べて非常に安いということについての率直な御感想といいますか、それについてお述べ願いたいと思います。
#48
○政府委員(小熊鐵雄君) いまの一時恩給の話でございますが、まず事実について申し上げますと、いまの一時恩給というのは昭和二十八年当時の仮定俸給を使って計算しておるわけでございます。それで三年以上の方に現在は兵、下士官を問わず二十八年のベースで出しておるわけでございます。したがいまして、兵の場合、兵で実在職年三年という場合一万五千百五十円、きわめて低い額でございますが、これを支給するに至りました経過等から考えますと、恩給制度そのものとしては相当長期間勤めた方に恩給が出るわけでございますが、ただ三年間といえども非常に苦労された方に対して国の微意をあらわしてもらいたい、感謝の気持ちをあらわしてもらいたい。こういう御要望がありまして、二十八年ベースの金額で計算するということになったわけですが、この二十八年ベースといいますのは下士官の一時恩給、これが二十八年復活当時出まして、そのベースを横にらみしながら決めたという経過がございますので、確かに先生おっしゃるように非常に低い金額とは思いますが、いま申し上げましたような国の感謝の微意をあらわすと、言うなれば感謝状のかわりであるというような気持ちで差し上げておるわけでございます。
#49
○和泉照雄君 いまおっしゃったとおり、一時恩給は旧軍人の場合実在職三年以上で最短恩給年限の十二年に達しない――兵の場合ですね――そういうような方が対象となっておるようでありますが、しかし旧軍人恩給法が明治九年に制定された当時は最短恩給年限は十一年だったようであります。昭和八年に従軍期間が十二年に延長され、それを境に十二年未満は一時扱いとなったと、こういうような経緯があるようでございますが、そこで、政府は、戦地抑留加算などを含めても十二年未満になっておる旧軍人の実態をどの程度把握をしていらっしゃるのか、その把握の実態とあわせて、先ほど質問をした長官のこの一時恩給に対するお考えについてひとつ表明を願いたいと思います。
#50
○政府委員(小熊鐵雄君) 軍人の過去の経歴につきましては、陸軍については現在各都道府県で保管しておりますいろんな軍歴簿があるわけでございます。また海軍に関しては厚生省の援護局で保管しておるわけでございまして、私どものところでは全然そういった資料もございませんし、実態の把握というには至ってないわけでございますが、ただ、恩給制度がずっと昔から先生おっしゃるような十二年以上というようなことで支給されておりますので、それ未満の方分についての実態というのはなかなか把握するのにはむずかしいんじゃないかというように思うわけでございます。
#51
○国務大臣(三原朝雄君) ただいまの一時恩給の趣旨については、局長がお答えをいたしましたとおりでございますが、なお、これについて仮定俸給のベースを再検討するということについては、私どもも非常に少額であるというところで検討してまいったことは事実でございますが、しかし、当時一般国民が戦中に苦労されたその御労苦等も勘案をしてまいりますれば、さて、そういう短期にお務めを願った方々に対する一時恩給を再検討して増額することが果たして国民の方々に御了承を願えるだろうかどうかというようなことも勘案せざるを得なかったということでございますが、しかし、この点についてはそうした広い視野からもいま慎重に検討をなお続けておるところでございます。御了承願いたいと思います。
#52
○和泉照雄君 現在一時恩給の格差是正促進協議会という、こういう団体が結成をされて、一時恩給を是正しようという運動が行われておるようであります。そこで、この団体の代表者が、昨年の九月十四日、当時の稻村総務長官に実情を訴えたところが、前長官は代表者に、皆さんの気持ちはよくわかる、もう少し時間をかしてほしいと言ったと新聞報道は伝えているようでございますが、この点に関して三原長官はどのように前長官から申し送りをされており、さらに劣悪な一時恩給を、特に召集を受けた方々が多いという観点から、先ほどの御答弁も了承はできないわけではないわけでございますけれども、もう少しそこの金額の是正ということは前向きでおやりになった方がいいんじゃないかと思いますが、この点についての御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#53
○国務大臣(三原朝雄君) ベースのアップをいたしたいという気持ちは皆持っておるわけでございますけれども、一般国民の方が戦中非常な御労苦をなさったというそうした国民の方々の御事情等も勘案をせなきゃならぬというよなこともございまして、もう少しひとつ掘り下げて検討を進めてまいりたいということでおるわけでございます。全くこれをもうだめだというようなことでは考えておりません。そういう点で、稻村長官がそういうお答えをなさったということ、私どもも御心情の事情はいま団体の方から受けておることもよく承知をいたしておるわけでございますし、稻村長官がお答えになったことも、その事情は私どももわかるわけでございますが、検討いたしてまいりますれば、一般国民とのそうした心情というようなものも総合的にあわせて考えながら、もう少しひとつ掘り下げて検討をしてみる必要がある。ただ、財政的に大きな財政を要するという財政問題ばかりでなく、私は国民全体の御理解を受ける、そういう立場からもあわせて検討を要する問題であろうということで研究をいたしておるところでございます。
#54
○和泉照雄君 最後にお尋ねをしたいことは、総務長官でございますが、三原長官は、さきに新聞の報ずるところによりますと、戦後三十四年を経過をしておるので、ここらあたりで戦後の未処理の問題を整理をした方がいいんじゃないかということで、たとえて言いますと、戦後ソ連抑留者の補償の問題とか、あるいは先ほどお話がありました陸海軍の看護婦さんの問題とか、いろいろな問題を調査をして結末をつけた方がいいのじゃないかというお考えのようで、この処理方を指示をされたということが報じられておりますが、この辺の事情について、それから将来の考え方についても御答弁願いたいと思います。
#55
○国務大臣(三原朝雄君) 実は、戦後処理と一括して言えるかどうかわかりませんけれども、シベリア抑留者の問題でございますとか、あるいはいま御提示なさいました問題等もあるわけでございます。それから国内における戦災者の問題とか、あるいは在外資産の問題、それも法人資産、個人資産等を挙げてまいりますればいま十幾つの団体からの要請を受けておるわけでございます。ただ、これを私はごもっともでございます、何とか検討いたしますというようなことだけでは済まされない問題ではないか、したがって、戦後三十四年もたちました今日におきましては、その一つ一つについて十分誠意を持った、あるいは専門家、あるいは御経験者とかいうような学者、そういう方々において御検討をしていただくこともどうだろうかな、そうして、やはり誠意のある方々によって御決定を、一つの方針を定めていただいてお答えをするというような、対処してまいるというようなことが必要ではなかろうかという私は考え方を持っておるわけでございます。それを庁内幹部会に提示をいたしておるわけでございますが、いまそういう立場で庁内の担当者において検討をいたしておる段階でございます。
#56
○山中郁子君 恩給法等の一部改正に関しまして、初めに最低保障の問題についてお伺いをいたします。
 これは恩給局の調査によりましても、短期在職者の普通恩給受給額が年間十万から二十万未満の方たちが三八%、二十万から三十万未満が四四・六%ということで、この両者で全体の八割を占めております。ですから、最低保障については額の引き上げと同時に適用の対象の拡大ですね、枠を拡大するということを検討しなければならない問題ではないかと私どもは考えておりますけれども、たとえば、適用年齢六十五歳というものの引き下げとか、それから短期在職者の実在職九年以上という年限についての引き下げを図る、そうしなければ実際最低保障があってもこの最低保障の対象にならない層がたくさん数が多くて、その方たちが本当に少ない額しか受け取れないという事態になっておりますので、これの見直しですね、そういう方向での見直しをなさる御意向があるかどうか、検討なさる御用意があるかどうか、初めにお伺いいたします。
#57
○政府委員(小熊鐵雄君) ただいま普通恩給の最低保障額、これの適用年齢を六十五歳から引き下げたらどうかと、それから短期の在職年についてもう少しこれも下げたらどうかという趣旨の御質問かと思いますが、適用年齢――これは別に六十五歳以下の方が最低保障を適用されてないというわけじゃなくて、割り落としがされておるだけでございます。それで、まあこの最低保障制度というのを恩給に取り入れたというのが、先ほどもちょっと申し上げましたが、普通の計算でいっては余りにも低いので、これを引き上げるということでやっておるわけでございます。全く恩給としては異例の措置と申し上げてもいいんじゃないかと思います。それで、現在のいろんな他の年金その他の状況、均衡等を見ましても、現在の六十五歳区分、これを引き下げるということはいかがかというように考えております。
 ただ、いまの在職年区分と申しますか、本来なら恩給は兵の場合十二年以上あるいは准士官以上十三年以上という方に出るわけでございますが、御承知のように加算年という制度がございまして、実在職年に加算年を加えて十二年以上あるいは十三年以上の方に恩給が出ておるわけでございます。ただ、この実在職年の差、三年から十二年以上まであるわけでございますが、これを一括するというのは必ずしも実質的な公平を保つという意味では妥当じゃないんじゃないかということで、まあ長期といいますか、十二年以上あるいは十三年以上に匹敵するような方、この方にはまた特段の率で差し上げるということで九年以上という区分を入れておるわけでございます。したがって、九年以上の方には七五%、九年未満の方には五〇%ということになっておるわけでございます。ただ、最近もこの三年から九年までという区分が余りにも大き過ぎないかと、もう少し中間区分というものを考えてもいいんじゃないかという声もありまして、そういったことについて検討いたしておるわけでございます。
#58
○山中郁子君 全体として必ずしも検討がなされようというふうになっていない面もありますけれども、実際の普通恩給受給者、普通恩給受給額の分布に照らしますと、ぜひともそうした点での検討をしていただきたいということを重ねて要望しておきます。
 二点目に扶助料の給付水準の問題なんですけれども、これは昨年の恩給法の成立に際しての――請願で採択もされておりますけれども、給付水準を八〇%にするという問題ですね、これは恩給局の方では手当その他で七〇%に達しているという御説明もあるんですけれども、ごく最近の社保審の厚生年金部会での遺族年金の意見書に関係すると、これもやはり七割ということになっておりまして、やはり時代の趨勢というか、世界的な方向でもありますし、ぜひとも八〇%という請願の採択された趣旨を目指してこれも積極的な御検討をいただく必要があるのではないかと思っておりますけれども、いかがでしょうか。何か大変時間が短く限られておりますので簡単に答弁をお願いいたします。
#59
○政府委員(小熊鐵雄君) これも先生御指摘のように、五十一年以降給付水準の引き上げについていろいろ苦慮しておるところでございまして、今度の五十四年の改正ではまさに七二・数%になっておるわけでございます。しかし、御指摘の点もございますので、今後ともこの引き上げについては検討してまいりたい、このように考えております。
#60
○山中郁子君 次に加算年改定の問題なんですけれども、これは厚生省にお伺いすることになると存じますけれども、今年度から六十歳に引き下げられるということもあるんですが、これも先ほど恩給局の調査――普通恩給受給者生活状況調査報告というものが出ておりまして、その中でも、受給者の意見や要望の中で、加算事務処理の促進を求める声が大変切実な問題として高いわけですね。ひどいときですと一年以上二年もかかるというようなケースもありますので、この点は当然促進をしていくということに改善をなさるわけだと思いますけれども、具体的に実効のある手だてを御検討いただかなければならないと思っておりますが、御意見を聞かせてください。
#61
○政府委員(小熊鐵雄君) 加算年改定につきましては請求改定でございまして、この請求は、まず都道府県に出まして、それから厚生省に参って、それで私どものところに来ると、こういう仕組みになっておるわけでございます。都道府県の段階でも最近いろんな若い職員が多いというようなこともございまして、なかなか――たとえば、あの一等兵と二等兵とどっちが上だったのかとか、曹長と軍曹とはどちらが上かといったこともわからないような若い方が多いわけでございまして、その辺の訓練は必要かと思います。私どもも、年一回各都道府県からそういった職員を集めましていろいろ研修もいたしておるところでございますが、そういった人員の問題もございますし、それから、何分にも非常に古い資料によっておる。なくなってしまった、あるいは焼けてしまった資料といったようなものもございまして、これらについてはまたいろんな部隊の行動その他を追跡してそろえていかなきゃならぬと、こういうようなこともございまして、物にもよると思いますが、先生おっしゃるとおり非常に長くかかるものもあるわけでございます。これらも厚生省ともいろいろ緊密な連絡を取り合って迅速に処理するように進めたいというように考えております。
#62
○山中郁子君 厚生省いかがですか。
#63
○政府委員(松田正君) 恩給事務の処理につきましてはいま恩給局の方からお話があったとおりでございまして、県の方それから私どもも、今後できるだけ明確なものにつきましては手続の省略等改善の措置を講ずるとともに、今後事務処理の迅速化につきましては十分に検討したいと考えておる次第でございます。
#64
○山中郁子君 次に、国会でも私どもも努力をしてまいりました旧日赤従軍看護婦の方々の問題について、慰労金という形で一定の前進を見たことは私どもも多とするところですけれども、恩給制度を準用し兵に準ずる処遇を行うということになっているにもかかわらず、内容的には大変問題があって相当かけ離れたものになっているという点がございます。たとえば、兵に準ずる処遇ということになっているけれども、兵の恩給に比べると慰労金の年額が十万から最高三十万というようにかなり不利になっていますね。これらの根拠がどうして出されたのかということについての問題点を少し全体として私も伺っておきたいし、と思っているんですが、きょうは何分にも時間が足りませんのでそれは別な機会に譲るといたしますが、そういう状況で出発をしておりますから、今後の問題がやはりより公正な形に近づくように努力をすることはすぐにでも必要な問題だと思いますので、その一つとして、恩給制度では恩給年額が毎年スライドにより改善されています、これを、恩給制度に準ずるという精神に基づくならば、基本的な点については当然慰労金支給の場合でもスライドの問題が考えられてしかるべきだと思っていますけれども、来年度以降のスライドによる増額についてはどのようなお考えに立っていらっしゃるか、お伺いをいたします。
#65
○政府委員(小野佐千夫君) お答えいたします。
 日赤の救護看護婦に支給いたします慰労給付金の額につきましては、日本赤十字社においてその措置の運用の推移等を見ながら慎重に検討するということに相なっております。先生も御案内のように、この措置は、第一回目の支給が本年の十二月に予定されておりますので、この支給の実態を見定めた上でさらに検討をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#66
○山中郁子君 そうしますと、ちょっと重ねて伺いますけれども、恩給法の場合のスライドという考え方は当然恩給に準ずるという問題ですから考えている問題であると理解をしてよろしいですか、ということが一つです。
 それから、関連をいたしまして、同じく、やはり恩給では遺族の方への扶助料というものが支給されていますね、この問題につきましても、慰労金については全く考慮されていないんだけれども、当然恩給に準ずるという立場から言えば、このことも含めて公正な水準に近づけるための一つの具体的な問題として考えてしかるべき問題だと思っておりますので、あわせて御答弁をいただきたい。
#67
○政府委員(小野佐千夫君) お答えいたします。
 第一点のスライドの問題でございますけれども、日本赤十字社におきましてはこの措置の運用の推移を見ながら慎重に検討してまいりたいという立場をとっておるわけでございます。
 それから、遺族に処遇すべきではないかという第二点でございますが、この日赤の看護婦の方々に対する慰労金でございますが、これは、女性の身でありながら赤紙召集を受けて戦地等または戦後の抑留期間で長い間御苦労いただいたことに対して支給いたします慰労給付金という性格でございまして、御労苦された御本人にこれは報いるものであるという考え方に立っておりますので、遺族の方にはこの措置を及ぼさないという立場をとっているところでございます。
#68
○山中郁子君 総務長官にちょっと御意見というか、お考えを伺っておきたいんですけど、いまの点は具体的には日赤がということになりますけれどもね、考え方としてこれをつくってきた経過から言って、政府のそれに対する考え方というのは私十分ここでお示しいただいてしかるべきだと思いますので、ぜひともそこのところを考え方として兵に準ずるというものとして発足している以上は、今後の問題として政府としても前向きに対処をしていただかなければならないと思っておりますので、ぜひとも総務長官の御意見をお伺いをしておきたいと思います。
#69
○国務大臣(三原朝雄君) 兵に準ずるというスタートにおきまする精神についてお触れになりましたが、ただこれが日赤の取り扱いというようなことになっておるような事情もございますので、いま申されました御意見等を踏まえてひとつ検討さしていただきたいと思います。ここで率直に私が即答できない事情もございますので、検討さしていただいて、後日正式に御回答さしていただきたいと思います。
#70
○山中郁子君 最後に、この日赤の旧従軍看護婦の方たちとの関連で、旧陸海軍従軍看護婦の問題が起こってきております。私もこれは該当者の皆さん、それからまた総務長官にも直接要望も申し上げました。それで、概算要求で調査費が実現するという方向で総理府がお考えだということになっておりますけれども、またこの調査ということをして、そしてまたその調査をしてからと、先ほどの質疑の中でもなかなか調査が大変なんだと、実態を把握するのが大変なんだというお話がありました。そういうことではまた何年も先になるというようなことになりかねませんので、総務長官もそういうお考えをすでに述べておられますように、やはり全く何の差別をする根拠がないわけですね、実態的には。ですから、調査は調査としてもちろんそういう形で進めていかなきゃいけないけれども、わかっている範囲から並行して実施も踏み切っていくという方向で対処をされていかないとおくれるばかりだと思っておりますので、そこのところをぜひそうした積極的な立場で取り組んでいただきたいし、そのお考えをお示しいただきたいということと、もう一つは具体的な調査ということをおっしゃっておりますけれども、その調査というのは、何をどういう内容でどういう段取りで調査される予定なのかということを、これは厚生省にあわせてお伺いをしておきます。
#71
○政府委員(小野佐千夫君) お答えいたします。
 陸海軍の従軍看護婦の方々につきまして、日赤の看護婦の方々と同様の処遇措置をとるためには、陸海軍の看護婦の方々の個々の勤務実態を明らかにする必要がどうしてもございます。このために厚生省の方で調査をやっていただいておるわけでございますが、総理府といたしましては、日赤の場合もそうでございますが、全体の調査が終わった段階で処遇措置に踏み切りたいと、このように考えております。処遇の均衡を保つというような観点からもこのようにしてまいりたいというのが現在の考え方でございます。
#72
○政府委員(松田正君) 旧陸海軍の看護婦さんの実情の調査につきましては、まずその概数を把握することが必要でございます。先ほど約二万三千名と申し上げましたけれども、そういった概数をまず都道府県を通じまして予備的な調査を実施をいたしまして、どの程度現在の旧陸海軍の看護婦さんがおられるかの概数を把握をいたしまして、それに基づきましてそれぞれ個々の方々に調査票をお配りをいたしまして、それによりましてその方々の勤務地あるいはそれぞれの病院の所在地あるいは当該施設におきます勤務あるいは戦地あるいは内地の別、そういった方法を個々の方々につきまして調査をいたしたいと考えております。したがいまして、記録も現在のところ定かでございませんので、できるだけ精密に調査をいたしたい、かように考えております。
#73
○山中郁子君 どのくらいの期間……。
#74
○政府委員(松田正君) これは概算要求をいたしました段階でございますので、まだその調査の期間あるいは内容等につきましては成案を得ておりませんけれども、調査をする時点につきましては、五十五年度できるだけ早期に調査をいたしたい、かように考えております。
#75
○委員長(桧垣徳太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。
 野田君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。
 野田君から修正案の趣旨説明を願います。野田君。
#77
○野田哲君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正案文はお手元に配付しておりますので、朗読は省略させていただき、その要旨を申し上げます。
 本修正案の内容は、国家公務員共済組合法等の規定に基づき支給されている各共済組合からの既裁定年金の額を恩給法等の改正内容に準じて引き上げるとともに、恩給法の改正内容に準じた所要の改善措置を講じようとするものであります。
 御案内のように、政府は、今期国会におきましても前国会に引き続き、退職年金等の支給開始年齢の引き上げ等を内容とした共済年金制度の改正措置と既裁定年金額の引き上げ措置とを抱き合わせにした各種共済組合法の改正法案を提出しております。
 言うまでもなく、現職者を対象とした共済年金制度の改正問題と退職者を対象とした既裁定年金額の引き上げ措置とは、全然異なる次元の問題であるにもかかわらず、政府がこのような形式をとったそのねらいは、当面緊急の改善措置に便乗して恒久制度の改悪を図ろうとするものであります。したがって、本来別々に議論すべき事柄であり、それぞれ別個の改正法案として提出し、法案審議を行うべき筋のものであります。
 いわゆる共済年金制度懇談会におきましても、共済年金制度の改正については十分な検討を行ってから改正法案を提出すべきであるという組合側委員の意見があったにもかかわらずこれを無視して、政府は一括して各種共済組合法の改正法案を提出したのであります。
 このような経緯にかんがみましても、この際、恩給受給者の処遇改善とともに、既裁定年金額を引き上げて経済的弱者たる共済年金受給者の生活を安定させることが必要であります。
 以上が修正案の内容及び提出の理由であります。
 何とぞ委員各位の御賛成により可決されますようお願い申し上げます。
#78
○委員長(桧垣徳太郎君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより恩給法等の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず、野田君提出の修正案を問題に供します。
 野田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#79
○委員長(桧垣徳太郎君) 少数と認めます。よって、野田君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(桧垣徳太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、林君から発言を求められておりますので、これを許します。林君。
#81
○林ゆう君 私は、ただいま可決されました恩給法等の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、新自由クラブ、社会民主連合共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 まず、附帯決議案を朗読いたします。
   恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、速やかに検討の上善処すべきである。
 一、恩給の改定実施時期については、現職公務員の給与改定時期を考慮し、均衡を失しないよう配慮すること。
 一、恩給の最低保障額については、引き続きその引上げ等その改善を図ること。
 一、扶助料の給付水準については、さらにその改善を図ること。
 一、旧軍人と一般文官との間の仮定俸給年額の格付是正を行うこと。
 一、加算年の事務処理については、速やかに措置できるよう特段の配慮を行うこと。
 一、戦地勤務に服した旧陸海軍看護婦については、旧日赤救護看護婦と同様の措置を講ずること。
 一、恩給受給者に対する老齢福祉年金の支給制限を撤廃すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#82
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいま林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(桧垣徳太郎君) 全会一致と認めます。よって、林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、三原総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。三原総務長官。
#84
○国務大臣(三原朝雄君) ただいま御決議になりました事項につきましては、御趣旨を体し、十分検討してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
#85
○委員長(桧垣徳太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後三時五十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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