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1979/09/05 第88回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第088回国会 本会議 第3号
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1979/09/05 第88回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第088回国会 本会議 第3号

#1
第088回国会 本会議 第3号
昭和五十四年九月五日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三号
  昭和五十四年九月五日
   午後一時開議
 第一 医薬品副作用被害救済基金法案(内閣提
    出)
 第二 薬事法の一部を改正する法律案(内閣提
    出)
    …………………………………
  一 国務大臣の演説に対する質疑
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 医薬品副作用被害救済基金法案(内
  閣提出)
 日程第二 薬事法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 国務大臣の演説に対する質疑
    午後一時四分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 医薬品副作用被害救済基金法案(内閣提出)
 日程第二 薬事法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一、医薬品副作用被害救済基金法案、日程第二、薬事法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長森下元晴君。
    ―――――――――――――
 医薬品副作用被害救済基金法案及び同報告書
 薬事法の一部を改正する法律案及び同報告書
    ―――――――――――――
    〔森下元晴君登壇〕
#4
○森下元晴君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、医薬品副作用被害救済基金法案について申し上げます。
 本案は、医薬品の副作用による健康被害を迅速に救済するため、医薬品副作用被害救済基金を設立し、医薬品の副作用による健康被害に関して救済給付を行う等の業務を行わせようとするもので、その主な内容は、
 第一に、基金は、医薬品の副作用による健康被害の救済について学識経験を有する者が発起人となり、厚生大臣の認可を受けて設立されるものとすること、
 第二に、基金は、医薬品の副作用による疾病、廃疾または死亡につき、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料の給付を行うとともに、救済給付の支給に係る者について保健福祉事業を行うこと、
 第三に、基金が救済給付を行うに当たり、健康被害と医薬品との因果関係等専門的判定を要する事項については、必ず厚生大臣に判定を申し出るものとし、判定の申し出があったときは、厚生大臣は、中央薬事審議会の意見を聞いて、判定を行うこと、
 第四に、医薬品の製造業者等は、基金の業務に必要な経費に充てるため、基金に対し、拠出金を納付しなければならないこと、
 第五に、政府は、政令で定めるところにより、特定の医薬品の副作用による健康被害の救済を円滑に行うため特に必要があると認めた場合には、基金に対し、救済給付に要する費用の一部を補助することができること、
 第六に、基金の救済給付は、厚生大臣が告示で定める日から起算して六月を経過した日以後に使用された医薬品が原因となって同日以後に生じた健康被害について行うこと、
 第七に、スモン等の既発生薬害の救済でありまして、基金は、当分の間、従前に使用された特定の医薬品の副作用による健康被害の救済を円滑に行うことが特に必要であると認める場合には、厚生大臣の認可を受けて、次の業務を行うことができること、
 一、健康被害の救済のために必要な事業を行う者の委託を受けて、その事業を行うこと。
 二、健康被害の救済のための給付を行う者に対し、当該給付に必要な限度で資金を貸し付けること、
 第八に、政府は、貸し付けのうち、国と連帯して行われる救済給付に必要な資金の貸し付けに充てるため基金がする借入金に係る債務について保証することができること、
 第九に、この法律は、公布の日から施行すること等であります。
 本案は、去る八月三十一日付託となり、昨日の委員会において採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、薬事法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、医薬品等の有効性及び安全性の確保を図るため、医薬品等の製造承認の制度を整備するとともに、その適正な使用のための規制措置を整備しようとするもので、その主な内容は、
 第一に、本法は、医薬品等に関する事項を規制し、もって医薬品等の品質、有効性及び安全性を確保することを目的とすること、
 第二に、日本薬局方におさめられている医薬品を製造し、または輸入しようとする場合においても、原則として厚生大臣の承認を受けなければならないこととするとともに、承認審査項目として、副作用を明示し、また承認の拒否事由を明らかにすること、
 第三に、すでに承認されている医薬品と有効成分等が明らかに異なる新医薬品については、承認を受けてから原則として六年後に厚生大臣の再審査を受けなければならないこと、
 第四に、厚生大臣が中央薬事審議会の意見を聞いて公示した医薬品については、厚生大臣の再評価を受けなければならないこと、
 第五に、厚生大臣は、薬局等における医薬品の試験検査の実施方法その他薬局開設者、医薬品の製造業者、一般販売業者等がその業務に関し遵守すべき事項を定めることができること、
 第六に、医薬品等の使用の期限の表示を義務づけるとともに、一定の医薬部外品及び化粧品について成分の表示を義務づけること、
 第七に、医薬品等による保健衛生上の危害の発生または拡大を防止するために必要な場合に、販売または授与の一時停止等、厚生大臣が発する緊急命令に関する規定を新たに設けるとともに、承認の取り消し、回収等の規定の整備を行うこと、
 第八に、医薬品または医療用具の製造業者等は、薬局開設者等に対し、医薬品または医療用具の有効性及び安全性等に関し必要な情報を提供するよう努めるとともに、薬局開設者等は製造業者等が行う情報の収集に協力するよう努めること、
 第九に、承認申請資料として必要な臨床試験成績の収集を目的とする治験の依頼に関し、治験計画の事前の届け出等所要の規制を行うこと、
 第十に、一定の動物用医薬品について、食用に供される肉、乳等への残留を防止するため、使用できる対象動物、使用の時期等につき所要の使用規制を行うこと、
 第十一に、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること
等であります。
 本案は、去る八月三十一日付託となり、昨日の委員会において採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(灘尾弘吉君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑
#7
○議長(灘尾弘吉君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。下平正一君。
    〔下平正一君登壇〕
#8
○下平正一君 私は、日本社会党を代表して、大平総理の所信表明に対して質問をいたします。
 一九八〇年という時代の区切りを前にして、日本は、政治のあり方、経済の仕組み、社会の構造など、あらゆる面にわたって大きな転換を迫られております。
 すでに高度経済成長は終わりを告げ、スタグフレーションという資本主義の矛盾に直面をし、これまでの重化学工業優先、輸出依存型の日本の経済とは違った方向に政策の転換をし、新しいエネルギー政策に立脚した産業と経済の仕組みを組み立てなければ、八〇年代を生き抜くことはきわめて困難になっております。
 同時に、わが国は世界に類例を見ない速いテンポで高齢化社会を迎えようとしており、高齢者が安心できる生活基盤と生きがいを感ずる社会をつくり出すことが重要な課題となっております。
 さらに、多極化しつつある複雑な国際社会の中で、世界にすぐれた平和国家として日本の役割りを明らかにし、平等互恵、平和共存の国際環境をみずからの手でつくり上げるために、アジアと世界の平和の創出のために積極的な努力をしなければならない時代でもあります。
 政治のあり方についても、民主主義に逆行をする金権汚職が自民党政権のもとでの構造的なものであることが、グラマン、ロッキードなど相次ぐ汚職事件によって白日のもとにさらされております。(拍手)
 金主主義、すなわち金が支配する政治を改めて、真の民主主義に基づく政治を確立するため、金権腐敗政治一掃の根本的対策を明らかにし、この臨時国会では実行のスタートを切る決意を示すべきであります。
 総理の所信表明をお伺いいたしましたが、率直に言って、耳ざわりのいい美辞麗句を並べておられますけれども、国民の一番聞きたいこと、求めていることは避けており、何か隠していると言わざるを得ないのであります。(拍手)
 一九八〇年代の厳しい内外情勢に対して、「文化の時代」「日本型福祉」あるいは「田園都市国家」などと耳ざわりのいい言葉は並んでおりまするけれども、一番国民の聞きたいことは、これから中所得者、低所得者への大増税をやるのか、それとも高額所得者への不公平税制の大改革をやるのか、あるいは「日本型福祉」とは福祉は自分でやれということなのか、国の責任で生活と福祉には責任をとるという姿勢なのか、こういうことであります。
 もっとわかりやすく言えば、国民に総がまんを押しつけて、弱い者いじめの政治をするのか、不公平を是正して、真の参加と連帯の心の通う政治を実現するかという点であります。
 以下、私は、国民が深い関心を持っておりまするこれらの問題について、わが党の主張を明らかにしながら質問をいたしますので、総理、具体的に明確な御答弁をお願いをいたします。
 国民が第一に求めていることは、政治汚職の徹底解明と再発防止であります。
 さきの国会で野党が一致して要求した松野頼三元防衛庁長官の偽証告発と岸信介元首相の国会喚問を、自由民主党は、それは自民党の体質からできないと言って拒否をいたしました。これこそ自民党の金権腐敗体質をみずから暴露したものと言わざるを得ません。(拍手)
 松野元防衛庁長官は、疑惑の五億円を政治献金だと言い張っておりますが、贈った側の日商岩井の海部君は、見返りを期待して贈ったと言っております。伊藤刑事局長は国会答弁で、F4Eファントム売り込みのための政界工作であり、成功報酬であると述べ、松野氏の証言が偽証であることは明らかでございます。(拍手)
 松野元防衛庁長官の偽証告発と、岸元首相を初め関係者の国会喚問を早急に実現をして、国会の責任でその全貌を国民の前に明らかにし、国民の審判を仰ぐべきであり、これこそ汚職腐敗の根を絶つための出発点とすべきだと考えますが、大平総理の所信をお伺いいたします。(拍手)
 さらに、先国会より未処理となっておるグラマン社のF4Eファントム導入やE2C早期警戒機の自衛隊購入にまつわる疑惑の解明も徹底的に行うべきであります。
 ロッキード汚職もグラマン汚職も、すべて日本の政治家と企業が引き起こした犯罪でありながら、なぜアメリカで発覚をして日本で発覚できないのですか。汚職防止の根本対策として、国会の調査機能、チェック機能の強化充実が第一に重要な点であります。
 航空機汚職、日韓地下鉄汚職、金大中氏事件などの疑惑について、真相の重要な部分がいわゆる守秘義務を盾に国民に知らされず、政治汚職解明を阻んでいるのが現状であります。
 アメリカ議会の強力な調査権行使のように、わが国の議会の国政調査権を強化すべきであります。
 政府は、守秘義務を理由に議会の国政調査権に制限を加えるべきではありません。また、国会が院議をもって政府に公開を要求した資料は、正当な理由がある場合を除いてすべて政府は公表をすべきであります。(拍手)
 国民の知る権利を保障することこそ官僚政治と民主政治を区別する基準であり、政官財癒着の政治腐敗を一掃する基本理念であります。
 さらに、汚職の温床は政治に金がかかり過ぎることであります。今度の選挙でも、二当一落とか三当二落とかが公然と言われ、事実、自民党候補者の中には億単位の資金が投入されているとうかがわれる実態が指摘をされております。政党としても、何百億円の金が集められると聞いております。
 個人にせよ、政党にせよ、通常の手段では調達不可能な金額であり、まさにこれが金権構造汚職の温床となっております。(拍手)
 公職選挙法の改正、政治資金規正法の改正を行って、公営選挙の拡大、連座制の強化、寄付禁止の強化等々を直ちに行い、選挙浄化のための措置を講ずるべきであります。(拍手)
 わが党はすでに、汚職の徹底解明と再発防止のために政治家の資産公開や大企業の不公正の監視、贈収賄罪の法定刑の引き上げなど、具体的法案を国会に提出をいたしております。
 さらに、大平総理、あなたの先輩である三木元総理は、選挙浄化のための特別法を作成し、今国会での成立を期してあなたの決断を求めているではありませんか。
 この国会の会期は三十日であります。大平総理、あなたが本当に汚職を根絶し、政治に対する国民の信頼を取り戻す決意がおありなら、今国会でこれらの法案の成立を図るべきであります。(拍手)
 汚職にふたをして国民の信頼を回復することはできません。政治家の汚職をかばって、青少年の非行をとがめることはできません。政治家の汚職の疑惑をすべて司直の手に任せっきりにしたり、刑法上の時効をもって政治責任の免罪をするがごときは断じて許されないことであります。(拍手)
 総理、あなたは一切にふたをして、しゃにむに解散、総選挙に持っていこうとしているではありませんか。くしくも十月十二日は、ダグラス、グラマン事件にかかわる海部元日商岩井副社長被告に対する冒頭陳述の日であります。これと大平総理の解散を急ぐ異常な言動とあわせて見ると、まさに汚職、疑惑隠しの解散であるとの疑いが出てまいります。(拍手)そうだとするならば、まさにこれは解散権の乱用というよりも、解散権の私物化ではございませんか。(拍手)
 総理の見解をお伺いいたします。
 次に、財政再建と増税問題についてお伺いをいたします。
 今年度一般会計予算は、全体の四〇%を国債に依存し、国民一人当たり五十四万円もの借財を背負う事態に至っておりまするが、これは赤字国債導入以来、わが党が一貫して批判してきた財政政策を強行してきた結果であり、不公平税制を放置をして、大企業優先の景気対策をとり続けてきた自民党の失政であります。(拍手)大平総理の国民に新たな負担を求めるという勇気は多とするものでありまするが、その方向は全く間違っております。−百人十度逆を向いているものであります。
 大平総理は、増税の内容として、一般消費税の導入、年収二百万から四百万円の中低所得者への課税の強化、個人事業税の強化、マル優の廃止などを挙げて、すべて大衆課税、弱い者いじめの大幅な増税を強要しようとしているのであります。まさにこれは弱きをくじき強きを助ける政治と言わなくてはなりません。(拍手)
 特に一般消費税は、いまさら私が申し上げるまでもなく、所得が少ない人ほど税が重く、物価を大幅に引き上げ、中小企業や中小商店などの人々に重い負担をかけるものであって、悪税中の悪税でございます。
 あなたは一般消費税の導入を主張していながら、いかなる理由があるのか、一般消費税の実施はもちろん、増税の具体的中身について施政方針演説において一言も触れませんでした。しかし、一方において、あなたが先月の閣議で決めた新経済七カ年計画には、一般消費税の五十五年度実施が盛り込まれているではありませんか。また、選挙後には自民党政府による大幅な増税は避けられない情勢にあるにもかかわらず、あえてこれを明確にしなかった大平総理の態度は、国民を欺くものであり、まさに増税隠しであります。(拍手)
 また総理は、記者会見で、独身者、夫婦者、農家の税金が軽過ぎると発言しておりまするが、貧乏人は麦を食えと言ったあなたの師匠池田勇人さんの失言にもまさる、庶民の生活実態を知らないか、あるいは知っていても全くこれを無視した暴言であります。(拍手)
 私は、このような認識に基づく増税路線は不当であり、かつ不必要であって、財政の再建は別の手だてを講ずれば十分達成できると考えるものであります。
 本年度八兆円の赤字国債がありまするが、来年度からはある程度の税の自然増収があることが判明をいたしております。さらに徹底して不公平税制を改めれば相当の歳入増が具体的に見込まれるのであります。
 大口資産家に対しては、現在の税制度の枠を変えなくとも二兆六千億程度の増収は可能であります。また、大企業の二十兆円にも及ぶ種々の内部留保の一定割合に対する課税、さらには高額所得者、一定規模以上の土地所有者に対する課税の強化、大企業法人税の引き上げなどを実施すれば必要な増収は確保できるのであります。
 税の公平化、公正化を実現して財政の健全化を図るためには、弱い者からしぼり取るのではなくて、大企業、資産家、高額所得者を優遇している数多い税の特権を取り上げるという道理にかなった勇気を持つことこそいま必要であります。(拍手)総理の御所見を承りたい。
 なお、財政再建に当たっては、不要不急の経費の節減をすることはもちろん当然であります。
 たとえば、政治的利権となりやすい現在の十三兆円にも及ぶ補助金制度の政策効果の点からの抜本的見直し、全部で百八にも及ぶ公社、公団、事業団を整理統合して、さらには中央官僚の天下り人事を規制し、役員の数を減らし、高額な渡り鳥退職金の悪弊をなくすこと、大型公共投資の繰り延べ、防衛費の縮減など、数多いむだと不急の支出を削減すれば、一定期間内での財政の再建は可能であります。
 次に、今日急速に深刻化しておりまするインフレ対策についてただしたいりであります。
 大平総理は、施政方針演説の中で、景気の回復を自賛しておりました。
 なるほど、大企業はそうでしょう。ことしの九月までの大企業製造業の利益は、引き続いて史上最高の水準に達し、オイルショック前の四十八年九月よりも二二・八%も上回っていることは事実であります。
 しかし、他方においては、大企業の強引な減量経営によって雇用は一層深刻化し、不況地域の雇用不安や高齢者への犠牲はおびただしいものになっております。企業収益が増大してGNPが拡大をしても、パートや一時雇用など、不安定な雇用しか拡大をされずに、勤労者の実質所得はほとんど横ばいであります。中小企業の回復も、いまだ過去の水準に達しておりません。
 また、最近の卸売物価の高騰は著しく、八月には年率二二・四%もの上昇となっており、経済の連関からして数カ月以内に消費者物価にはね返ることは必至であり、深刻なインフレが国民生活を襲おうとしております。
 今日、最も重大な課題であるインフレ対策について、総理は所信表明で強い決意で臨んでいくと言っておりまするが、実際にはどうでしょう。実際には、全くこの逆であります。
 たとえば、大平総理は、原油価格の値上がりは市場に任せ、小売値に反映をさせ、政府は介入しないと早々と言明をいたしましたが、このあなたの発言が企業の先取り便乗値上げを助長したことは明らかな事実であります。(拍手)
 わが党が行いました適正な小売価格試算と石油一一〇番活動による実態調査では、灯油では十八リットル入り一かん約百円、ガソリンではリッター当たり十円、A重油ではキロ当たり一万円以上もする不当な値上げが行われているのであります。
 なぜこのような事態になったのか。OPEC諸国の原油値上げは六月からでありましたが、政府が、現在政府、業界が持っている八十七日分の備蓄を先に消費者に供給することを指導すれば、六月値上げが実際に末端価格に影響するのは十月か十一月となり、値上げの幅も緩やかにできたはずであります。また、業者間で取引されている業種物が価格つり上げの元凶であります。政府がやる気があるならば、法律に基づいて標準価格を設定をすれば、このような石油転がしによる値上げや売り惜しみは防止し得たはずであります。(拍手)
 さらに、便乗値上げ防止のため、わが党が実施したような価格情報を積極的に消費者に提供することが非常に有効であるにもかかわらず、政府はあえてこれを行わなかったのであります。
 総理、これがあなたの言う強い決意なのですか、何もやっていないじゃありませんか。これでは政府はまさに石油危機をみずから演出し、石油隠し、インフレを促進させた共犯者であります。(拍手)総理の明快な答弁をいただきます。
 総理の言う田園都市国家構想も、従来の自民党政府のもとで進められてきた開発同様、乱開発と地価高騰によって自然破壊、環境破壊を引き起こし、国民の期待を裏切ることは明らかであります。特に、その根本原因の一つは、生活中心の都市計画を軽視し、土地制度の欠陥を放置していることであります。
 わが党の土地調査によりますと、八〇%の人が土地制度の欠陥を指摘をし、七一%の人が地価水準の異常な高さを強調して、政府の無策と企業行動を厳しく批判しているのであります。
 地価の高騰を抑え、公共用地の拡大を図るための土地政策を確立することが、都市問題の解決と地域経済発展の必須条件であります。譲渡税緩和の政策の失敗を認め、土地は商品にあらずという原則を確立をし、企業取引よりも地域自治体、住民の土地利用計画を優先させることを、この際、明確にすべきだと思いますが、総理の所見を伺いたい。(拍手)その上に、産業や人口の都市集中を排除し、国土の均衡ある利用を実現し、住みよい地域社会を育成すべきであると考えます。
 中小企業、農業等を重視した地域産業を振興し 自治体の自主財源を拡充し、生活関連施設や公的生活保障を拡大をし、さらに地方の教育水準の向上など、中央集権、中央統制から脱皮した地方分権思想に立つ経済政策と行財政の推進こそ、本当の意味の田園都市づくりではないでしょうか。
 地域産業の振興の中軸をなす中小企業対策には、地方自治体などの研究指導体制が欠かせませんし、現在大きな問題である下請対策の強化、大企業の支配関係や不公正取引の徹底的規制は一刻の猶予も許されない状況であります。
 わが国の食糧自給率は四〇%を割りました。先進諸国にも例を見ない食糧輸入国に転落をいたしております。エネルギー問題に劣らない深刻な情勢になっております。また、農業の振興は、国土の有効利用、地域産業の振興、雇用の安定などからも不可欠であります。これまでの自民党政府の食糧輸入政策を抜本的に転換をし、農業再建、食糧自給促進のための地域農業振興計画を農政の基本に置き、少なくとも穀物自給率六〇%の達成、畜産、果樹、園芸作物を組み合わせた総合農政の確立と、特に地方市場の整備など、流通改善等を強力に推し進めなければなりません。
 土地問題の解決、中小企業の振興、農業の再建、どの一つを欠いても地域社会の発展は不可能であります。大平総理のこれらの問題に対する認識と具体策をお伺いをいたしたいと思います。(拍手)
 次に、エネルギー政策についてただしたいと思います。
 わが党は、御承知のとおり四、五年前から省エネルギーと太陽熱、地熱、水力、波力など自然エネルギーを重視をし、エネルギー開発公団の設置など、国が主導的役割りを果たすことによって、長期的には全体の三割程度をいわゆるソフトエネルギーによって国内で確保することを主張してまいりました。その間、中期的には石炭、天然ガスの活用によって輸入石油を計画的に減少することは十分可能であります。
 問題は予算と財源であります。これまで政府はこの分野を全く軽視し、ととしの予算はアメリカの十分の一以下という驚くべき低水準であります。この際、こうした分野における予算の長期的確保を図らなければならないと思います。
 御承知のとおり、現在、ガソリン税などの膨大な財源が、エネルギー効率から見るならばはるかに劣る高速道路などの建設に投入されておりまするが、ガソリン税の使途は見直すべき時期に来ていると思います。自然エネルギー開発や省エネルギー対策、エネルギー効率のよい公共輸送体系の整備にもガソリン税を振り向けるべきだと思います。
 また、政府が促進しようとしている原子力発電については、安全性に大きな欠陥があり、さきの米国の事故は、いまだ研究段階にあることを事実をもって証明をしております。仮に大量建設を強行した後、再び類似の事故が起これば、わが国の電力供給は一夜にして崩壊をすることは明らかであります。政府の方針は転換すべきであります。
 以上、明快な御答弁をお願いいたします。
 高齢化社会対策については、同僚西宮議員が詳細な質問を行いますので、私は端的に二つの点にわたってお尋ねをいたします。
 その第一は国民の不安を取り除くことであり、そのためには定年制と年金の実施を接続し、退職と同時に年金が支給されるようにしなければならないと思います。高齢者が路頭に迷うようなことだけは絶対に引き起こしてはなりません。まずこのことを大原則とすべきだと思います。
 第二は、国際的趨勢である完全週休二日制と労働時間の短縮を計画的に速やかに実施をし、定年は少なくとも六十歳まで延長することであります。これらは、高齢者の雇用の確保と生活の安定に不可欠の条件であります。
 高齢者に関しまして以上二つの点を、大平総理に受け入れる用意があるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
 次に、外交、防衛の基本姿勢についてただしたいと思います。
 わが国の国民生活と安全を守るためには、今日の国際情勢から見て、軍事力の増強や軍事同盟では達成できないことは明らかであります。
 国を守るということは、とりもなおさず国民の暮らしを守ることであります。そのためには、何よりも食糧や石油輸入等の安定的確保と自給化の促進を図ることであり、平和五原則に基づいて、積極的な平和の国際環境を創造することが不可欠の課題であります。
 大平さん、あなたは軍事力をもって石油や食糧の確保を図ることができると思っておりますか。そんなことは三歳の童子でもよく知るところであります。軍事力をもって国民生活を守る、あるいは一国の外交、防衛を論ずることは、いまや時代錯誤と言わなければなりません。非同盟、積極中立の外交方針こそ、多極化時代の国際関係に正しく対処する方針であると信じますが、この点についての総理の所見を承りたいと思います。
 最近の大平内閣は、外交よりも軍事を優先させる方向をとりつつあるのではないかと、国民は危惧と懸念を持っております。防衛庁と外務省との間の食い違いは、これを端的にあらわしております。山下防衛庁長官の韓国訪問、沖繩における大規模な米軍上陸演習と日米合同演習、さらには、防衛白書に見られるソ連の軍事的脅威の誇大な強調と仮想敵国視、実質的な五次防にかわる中期業務見積もりでの軍事力の増強計画、これらはすべて力の誇示と緊張激化の政策と言わなければなりません。
 このような大平内閣の姿勢は、一方では財政再建のために国民の犠牲を強いながら、他方では軍事の強化を進めようとするものであり、これでは、あなたの言う南北問題に対する貢献どころか、経済大国日本が、やがては軍事大国日本になるのではないかというおそれをアジアの国々に与えるだけではございませんか。(拍手)総理の所見をしかと承りたいと思います。
 大平さん、あなたが内閣を組織して、信頼と合意の政治をスローガンにして十カ月余りを経過しましたが、この間の実績を見れば、まさに、信頼と合意を踏みにじる政治であったと断ぜざるを得ません。
 すなわち、第一には、航空機汚職究明に対する一貫したあなたの消極姿勢と、国会の国政調査に対する妨害であります。
 第二には、石油価格の上昇を野放しにし、先取り値上げを助長させ、第三には、弱者をねらい撃ちにした一般消費税を初め大衆増税強行の姿勢であります。
 第四は、靖国神社公式参拝や元号法制化など、反動化路線の強行であり、第五には、日韓間の重大な問題であった金大中氏の原状回復の基本的な権利をみずから踏みつぶし、朴ファッショ政権との一体化関係を一層緊密化し、日韓軍事協力体制の強化を図っていることであります。
 第六に、安上がり政府論や福祉見直し論などを口実に、高齢化社会に逆行する福祉政策の後退であり、田園都市構想や日本型福祉社会など、耳当たりのよい、抽象的なムードによる世論操作などなど、どれ一つをとってみても、国民生活に犠牲を負わせ、国民の信頼と合意を裏切るものばかりであります。
 このような大平内閣の露骨な権力志向の政治のもとでは、八〇年代の日本は、大衆大増税の時代、福祉後退の時代、政治の腐敗と軍事大国化の時代となることを私は恐れるものであります。(拍手)
 一九八〇年代を、庶民の暮らしやお年寄りが大切にされ、格差と不公平のない人間回復の時代、教育の荒廃や金権腐敗政治を一掃して、民主主義と平和をみずからつくり出す時代とするためには、汚職隠し、増税隠し、インフレ隠しの国民に背を向けた政治を根本から改めて、国民の声、庶民の声に耳を傾ける政治でなければならないことを最後に率直に大平さんに申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(大平正芳君) 下平さんの第一の御質問は、航空機輸入に絡まる疑惑解明についてのことでございます。
 わが党並びに政府がこの問題に積極的でないという御批判でございます。下平さんも御承知のように、この問題につきましての刑事当局の刑事責任の解明は終わったわけでございますが、刑事当局の発表によりますると、あなたの言われる岸氏は全然この事件に関係がないという御報告でございます。
 松野君の証言でございますが、これは偽証罪になるかどうか、主観の絡む問題でもございますので、法務当局としては自信が持てないという報告を聞いております。
 国会がその権威において問題を究明しようとする場合におきましては、こういう事実を踏まえて、賢明な御判断をいただかなければならないと私は考えております。自民党の体質と関係のある問題ではありません。また、政府と自民党が真相の究明に不熱心であるといういわれなき誹誇は、お受けするわけにはまいりません。
 国会の調査権の発動に対しましては、従来どおり、政府はできるだけの協力をしてまいるつもりでございます。
 真相究明につきましての第二の問題は、国会が資料を政府に要求した場合におきましては、これに対して誠実に応じなければならぬという御説でございます。
 私は、これまで正当な理由がなくて資料の提出を拒んだことは全然ないことを確信をもって申し上げられます。(拍手)
 問題は、公務員の守秘義務と国政調査権との間の調和をどう図るかという問題で、下平さんも百も承知のことと思うのでございますが、この国政調査権の発動によって資料の要求がある、その資料の公開によって守られる国益と、それから守秘義務によって守られる国益との間のバランスをどのようにして保っていくかということは、お互いの問題じゃありませんか。そして、これは国会を通じまして、政府と国会が常に話し合いをしながら、そのそれぞれの立場を尊重してまいったわけでございます。今後もこの方針に変わりはありません。
 この航空機疑惑の問題に関しまして下平さんの第二の御質問は、再発防止に関した問題でございます。グラマン事件もロッキード事件も、御指摘のようにアメリカのSECの資料が発端となりまして発覚いたしましたことは事実でございます。アメリカに国籍を持つ会社でありました関係等もありましてそういうことになったと思いまするけれども、この事件を契機として、私どもは、いろいろ反省いたしまして、わが国におきましても多国籍企業のあり方についてはもっと究明しなければならないのではないかと存じまして、三木内閣以来、国連を通じまして、多国籍企業による海外の不正支払いの防止に対しましては、国際的協力を進めておりますことは下平さんも御案内のとおりであります。国内におきましても監査制度の充実など、企業の自主的な監査機能を強化する、あるいは大規模調達に関係する手続の厳正化を図るべきであるというような御提言は政府の協議会でも出ておるわけでございます。私はこの提言を尊重いたしまして、実現に尽くしてまいりたいと考えております。
 それから、下平さんが言われるところの選挙制度の見直し、金のかからない選挙制度を考えるべきでないか、寄付行為の禁止を含んで、そういうことを考えなければいけないのではないかという御指摘でございまするし、わが党におきましても、有力な先輩からそういう御提案をちょうだいいたしておりますことは私もよく承知いたしております。本件につきましては、事選挙のルールの問題でございまするので、政府がイニシアチブをとるよりは、自由民主党がまずこの問題についての検討を進めてコンセンサスを固めていくべきでなかろうかという判断から、自由民主党に検討を依頼いたしておるわけでございます。政治家の資産の公開問題とかあるいは政治倫理憲章の制定というような問題は、政府が提唱いたしますよりは国会において真剣に御検討いただかなければならないものと考え、政府の協議会もそういう趣旨の提言をよこしておりまするので、この提言がまとまり次第、正規の手続で国会に要請いたしたいと考えております。
 しかしながら、いま政府の立場でやらなければならないことは幾つかあると判断いたしておるわけでございまして、第一は、個人の政治資金の明朗化を図るべきである、その措置を具体的に講じなければならない。そのための政治資金規正法の改正、それから企業倫理の確立をする意味におきまして、先ほど申しました監査制度の強化等に絡まる商法の改正問題、それから賄賂罪の刑の引き上げでございますとか、あるいは公訴時効の延長問題、これは脱税犯も同様でございますが、その整備強化の問題は速やかに取り上げなければならないと考えておるわけでございます。政府から御提案を申し上げました場合におきましては、御協力をお願いいたしたいと思います。
 国会の解散は、民主主義の公正な活力のある運営という立場から行わるべきものでございまして、私物化すべきものではないことは私もよく承知いたしておるつもりでございます。こういう不幸な事件があるからいま解散を急ぐのであるといういわれなき誹誇は、あなたにそのままお返ししなければならぬと思います。(拍手)
 下平さんの第二の御質問は、財政再建についてでございました。
 財政が今日、非常に多くの国債につかりまして危機の状態にあることは、下平さんもよく御承知をいただいておるようでございます。問題は、これをいかにして、どういう手順で、どういう方法で再建に持っていくかということにおいて、あなたと私の見解に若干の違いがあるようでございます。
 まず第一に、自然増収でございますが、これは景気が回復いたしてまいりましたので、ことし、来年ある程度の自然増収が期待できょうかと思っておりまするけれども、これだけの財源をもって膨大な赤字国債の処理というような財政再建に役立つものとは考えていないのであります。自然増収がございましたならば、これは優先的に国債の減債に充てなければならぬということはこの間の演説でも申し上げたとおりでございますけれども、それだけで財政の再建が可能になるとは考えておりません。その点はあなたも御同感であろうと思います。
 第二の問題は、不公平税制の是正をやらなければならないのではないかということでございます。
 不公平税制というもの自体の観念をまずお互いに一致させておかなければならぬと思うのでありますが、それは主観的であってはならないのでございます。私は、特定の政策目的のために租税原則を犠牲にしておるものを不公平税制というものと承知いたしておりますが、そういうものにつきましては、皆さんすでに御承知のように、毎年毎年是正に努めてまいっておるわけでございまして、いま、そういう政策的に租税原則を犠牲にしたアイテムを全部集めましても、それを全部やめることによって浮いてくる財源は三千億にすぎないわけでございます。しかし、それをことしも、御案内のようにいろいろな御批判がありますけれども、社会保険診療報酬の課税特例を是正するとか、貸し倒れ準備金の課税を強化いたしますとか、価格変動準備金制度の改正でございますとか、いろいろやりましたことは下平さんも御承知のとおりでございます。今後も不公平税制と称するものの是正には全力を挙げてまいるつもりでございます。金額の多寡にかかわらず真剣にやらなければいかぬと考えております。
 第二は、現行税制でそれでは増収の余地があるかないかという問題でございまして、下平さんは高額所得者への課税問題を取り上げられたのでございます。
 下平さんも御承知のように、わが国の所得税法は、先進諸外国に比較いたしまして高額所得者にきわめて厳しい課税制度になっておりますことは御承知のとおりであります。また、この高額所得者は数も少のうございますけれども、われわれはここから多くの財源を期待できるとはしたがって思っておりませんけれども、最善の努力はしてまいるつもりでございます。
 大口資産家に対する課税はどうだという御指摘でございますが、この点につきましては、利子配当所得の総合所得化につきましては、いま政府の税制調査会におきまして、総合課税移行のための準備を検討願っておりますことは御案内のとおりでございまするし、ことしも、御案内のようにキャピタルゲインの課税につきましては相当の改正をやらしていただいておるわけでございます。
 あなたが言われる富裕税でございますけれども、これは毎年毎年社会党の御提議にかかっておる案件でございますけれども、執行面で種々の困難があることは、政府もよく承知いたしておりまするけれども、積極的にこれが可能かどうかの真剣な検討をいまやっておるところでございます。
 そのような措置を一方において進めながら、歳出面におきまして相当思い切った見直しを行い、行政費の節減を図らなければならぬと考えておりますが、そういうことによって浮きました財源をもっていたしましても、八兆円を超える赤字公債を整理するということにつきましては、なお十分な財源を得られるものとは考えていないのでありまして、その場合におきましては、国民の理解を得まして、新たな負担をインフレ防止のためにお願いしなければならないのではないかと考えております。
 しからば、それはどういう方法で実行するかということでございます。政府も、自由民主党も、一般消費税を実行するとは言うておりません。国民の理解が得られるならば、五十五年度から導入いたしたいという希望は申し述べたととがあります。しかし、財政再建の目的がほかの税目の増収によりまして可能であれば、私はあえて一般消費税に固執するものではないのであります。(拍手)
 この問題は、五十五年度の予算の編成におきまして具体的に答えを出す以外に道はないわけでございますので、そのときに政府がどのような答案を出すかをごらんいただいて、御批判を仰ぎたいと思います。現在の段階におきましては、財政再建というものがどういうものであるか、これにどういう手順をもって臨もうといたしておるかということを、国会を通じて国民に申し上げる段階であろうと考えておるわけでございます。
 自由民主党は、相当長期にわたって日本の政局をあずからなければならぬ立場にあると思います。(拍手)一時の人気によって言葉を左右することはできないのであります。(拍手)国民に重い責任を持っておる政党といたしましては、誠実に、具体的に事に当たらなければならぬと考えております。(拍手)下平さん並びに下平さんの属する社会党の全幅の理解と協力をお願いいたしたいと思います。
 行政整理につきまして、下平さんは、これを推進すべきであるというお立場を表明されましたことを多といたしております。私ども、これまでの経過からいたしまして、必ずしも行政整理につきまして温かい協力を社会党からお願いができておるようには思わないのであります。(拍手)しかしながら、財政再建が今日のように厳しい課題になりました以上、副委員長であるあなたからもこの問題についての推進に激励を賜りましたことを多とします。(拍手)
 三Kを初めといたしまして、われわれは、サマーレビューを通じましていま鋭意この問題に取り組んでおるわけでございます。あなたの言われる補助金につきましても、これは社会保障でございますとか、文教あるいは公共事業、あるいは農政等、国の各般の施策を実現するために必要なものでございますけれども、現下の厳しい財政事情にかんがみまして、いま、役割り、効果等を総点検を行っておりまして、御期待の方向に最善を尽くしてまいるつもりでございます。
 公団、公社、事業団の整理、合理化につきましても、これまでも一生懸命にやってまいりましたけれども、この十年間、政府の努力によりまして、この公社、公団、事業団等はその数は増加いたしておりません。しかしながら、時代に適しないもの、その役割りを終えたもの、そういったものにつきましては、厳正に実態調査をいたしまして見直しを行い、整理、合理化を進めてまいるつもりでございます。御協力をお願いいたしたいと思います。
 その次の御質問でございますが、今日の経済状況についての判断の問題でございます。
 経済は順調に、着実に立ち直ったけれども、まだ多くの問題が残されておるという私の見解でございますが、その見解はまだ甘過ぎるという御指摘でございました。
 私が申し上げたのは、いまの経済は民間の堅調な消費に支えられて、また設備投資も在庫投資も出てまいりましたし、雇用も改善の歩みをとっておりまするので、順調な回復が軌道に乗ったということは言えるのではないかと申し上げておるわけでございます。ただし、この春以来、卸売物価の上げ足、これは海外要因が多いとはいえ、この上げ足は警戒すべきものがございまするので、政府は、八項目にわたる物価政策、それから日本銀行の方も公定歩合の引き上げ等によって慎重な対応をいたしておるところでございまして、われわれは、そのために経済状況が最近安定の方向をたどっておるということを申し上げておるわけでございまして、この評価は決して自画自賛ではないと考えております。
 それから、下平さんのその次の問題は、インフレ対策に関連いたしまして石油の価格政策についてのお尋ねでございました。
 私は、原油の海外高によるコスト高を転嫁していくことは、市場の原則からいってやむを得ないといたしましても、これに便乗する値上げあるいは買い占め売り惜しみ等につきましては、断固たる措置を講ずると申し上げておるわけでございます。
 私はいま、石油価格政策につきまして政府の持っておる権能を行使してこれに介入すべき段階にあるとは思わないのであります。石油は需給の安定がとれておる以上、そんな必要はないと考えております。そういう不当な介入をやると、かえって石油の経済を乱すおそれがあると判断しておるからでございまして、私どもいま政府がとっておる政策によりまして、石油の需給は安定の方向に向っておりますることは御案内のとおりであります。しかし、一部にあなたの言われるような事実が全然ないと私は強弁するものではないのであります。そういうものにつきましてはケース・バイ・ケース、われわれの通産官庁あるいは公正取引委員会等の機能を行使いたしまして、厳重な監視を続けてまいるつもりでございます。
 次に下平さんは、土地政策についての御提言がございました。
 私は、当面の課題は、地価の安定を図り、優良低廉な住宅地の供給の促進を図ることが土地政策の基本であると考えております。このため、国土利用計画法の的確な運用、計画的宅地開発事業の促進のための措置を総合的に講じて、御期待にこたえたいと考えております。
 次に、中小企業対策についてのお尋ねがございました。
 中小企業は、量的にも質的にもわが国の経済を支える根幹でございます。しかしながら、技術力、経営力が弱うございまするので、中小企業の経営の安定のために技術開発力の強化、それから中核的な人材の養成に全力を挙げますとともに、地域産業、地域の特性、あるいは高度の技術に支えられた多彩な地域産業の育成に当たりたいと考えております。
 御指摘の下請取引の適正化あるいは中小企業に対する官需の発注の確保等につきましては、全力を挙げておるところでございます。
 次に、農業政策、食糧政策についてのお尋ねでございました。
 御指摘のように、国民に食糧を安定的に供給することは、国政の基本的な要請課題でございます。このため、政府としては国内で生産可能なものは極力国内生産で賄う方針のもとに、地域農業の振興を図って総合的に食糧自給力の向上に努めておるところでございます。
 道路整備の問題でございますが、この問題はエネルギー政策との関連におきましていま関心を呼んでおるわけでございますけれども、わが国の道路はまだ十分とは言えないのでございまして、負担と受益の関係を精細に吟味しながら道路政策は考えていくべきでございまして、ガソリン税の使途との関連におきまして、道路財源をいまにわかに変更するという考えは持っておりません。
 それから、原子力の平和利用の問題につきまして御注意をいただいたわけでございますが、石油の供給が量的にも価格的にも不安定になってまいりました今日、代替エネルギーといたしましてわれわれが信頼できるのは、目下のところ原子力と石炭でございまして、これにつきましては、信頼できるエネルギー源ではございますけれども、安全性の確保に周到な配慮を加えながら、住民の理解と協力のもとにこの開発を進めてまいりたいと考えております。
 老齢化社会に関連いたしまして、六十歳に定年を延ばし、完全週休二日制を計画的に実施せよということでございます。
 さきに政府で決めました新経済社会七カ年計画、それから第四次雇用対策基本計画におきましては、今後の高齢化社会に対処いたしまして、昭和六十年度には六十歳定年を一般化する等、高年齢者雇用対策を進めますとともに、週休二日制を含めまして企業の労働時間が欧米先進国並みの水準に近づくことができるよう、その目標の実現を積極的に図ってまいることにいたしております。
 最後に、政府の外交防衛政策についての御批判を含めての御注文をいただいたわけでございます。
 私は、あなたが御指摘のように、軍事力によってすべてができるなどという妄想を持っておるものではございません。と言って、軍事力を軽視していいとは考えていないのであります。われわれは、防衛力の整備も、安保条約の誠実な運営も、総合的な外交努力も、整然たる内政の民主的な展開も、一緒になりましてわが国の安全と名誉が守られるものと承知いたしておるわけでございまして、そういう基本の見解には毛頭変わりがないことを御理解を願いたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(灘尾弘吉君) 木野晴夫君。
    〔木野晴夫君登壇〕
#11
○木野晴夫君 私は、自由民主党を代表し、九月三日本院において行われました大平内閣総理大臣の所信表明演説に対し、若干の質問を行うものであります。
 本国会は解散国会と言われております。この会期のいずれかの時点において解散が断行せられるのであります。国民は強い関心を持って見守っております。総理の明快率直な御答弁を要求するものであります。
 まず最初にお伺いいたしたいことは、解散についてであります。
 衆議院の解散権は内閣総理大臣の最高の権限であり、最大の政治判断であります。国民は、大平内閣がなぜ国会を解散して総選挙を行うのか、また大平総理はどのような政策をもって国民に信を問わんとするのか、このことにつきまして強い関心を持っております。
 わが自由民主党は、解散、総選挙について次のように考えております。すなわち、当面する政局を安定し、この上に立って積極的な平和外交を推進し、国の安全を確保するとともに、国民生活を安定させ、希望に満ちた八〇年代の新時代を開かんとするものであります。
 しこうして、現下の政治に求められております緊急にして基本的な課題は、次の五つであります。
 すなわち、信頼と合意に基づき、清潔で公正な政治を確立することであります。
 第二は、世界的なエネルギー情勢に迅速かつ適確に対応し、インフレと失業のない安定した経済成長を定着させることであります。
 第三は、徹底した行財政の改革を推進いたしまして、国、地方を通ずる健全な財政基盤の確立を図ることであります。
 第四は、高齢化社会、国民の価値観の変化に対応いたしまして、人間性豊かな潤いのある日本型福祉社会の建設を実現することであります。
 第五は、流動し、進歩する世界の中で、日本の未来を担う創造性と活力のある青少年を育成することであります。
 わが自由民主党は、これらの政治課題を中心に政治の積極的展開を図り、八〇年代の新時代を築くとともに、無限の可能性のある二十一世紀のとびらを開くために、ここに信を国民に問うものであります。
 まずもって総理の解散、総選挙に対する基本的な考え方をお伺いいたします。
 野党の一部には、今回の総選挙は党利党略に基づくものである、疑惑隠しをするためである等々、まことに低い次元の主張を繰り返しております。現に本日行われました社会党の代表質問の中におきましても、こういったことを繰り返し述べておるのであります。
 私は、解散、総選挙という重大な政治的判断は、こういった低い次元のみで考えるべきでないものと思います。そういった考え方では二十一世紀のとびらは開かれないのであります。また、当面する問題も解決できないのであります。国民の支持も得られないものであると信じます。野党の言います疑惑隠し解散などの宣伝はためにする議論でありまして、これこそ党利党略の議論と申さねばなりません。いわゆるいわれなき誹謗でございます。重ねて総理の明快な御所信をお伺いする次第であります。
 私の質問の第一は、政治倫理の確立についてであります。
 大平内閣は成立以来、「信頼と合意」を政治信条に掲げ、全力投球してこられました。国民の大平総理に対する期待はきわめて大なるものがございます。国民の信頼と合意を得るためには、政治は何よりも清潔で公正でなければなりません。政治は倫理性がみなぎっておらなければならないのであります。したがいまして、航空機疑惑問題等はまことに残念な事件でございまして、今後再びこういったことのないようにしなければなりません。総理は、所信表明演説におきましてこれらの対策を掲げておられますが、これに対する具体的な考え方と決意のほどをお伺いいたします。
 また、選挙制度についても改正すべき点が数多くあります。金のかからない選挙、政党本位の選挙がそれであります。この点について総理の具体的な見解をお伺いいたします。
 次にお伺いいたしたい点は、公務員の綱紀の粛正であります。
 近年、公務員の汚職事件が依然として後を絶っておらないことはまことに残念でありまして、政治不信の大きな要因となっております。
 また、職員組合の一部の圧力に押されまして、いわゆるやみ給与の支給が行われておりますが、このことは、税金を納める国民の立場に立つときに、とうてい納得のできないことであります。いまこそ公務員の綱紀を粛正し、士気を高揚することが必要であります。
 また一方、私は地方に参りますと、消防団員、水防団員、保護司等福祉事業に携わるボランティアの人々等、こういった姿を見ますときに、心から感謝の念を深くいたすものであります。これらの人々の努力によって社会は支えられていることを忘れてはなりません。
 国に殉じた人やその遺族に対しましても、心からなる処遇を考えるべきであると思いますが、総理はどのように考えておられますか。
 質問の第二は、エネルギーの問題であります。
 わが国が当面している最大の課題は、このエネルギーの問題であります。
 エネルギーは言うまでもなく、経済活動の原動力であり、国民生活を支える重要な柱であります。その安定供給なくしては、国民生活も国民経済も維持できないだけではなく、国の安全も保持されないのであります。
 いまから六年前、いわゆる石油ショックによりまして、原油価格が四倍の値上がりを見せました。その結果招来いたしました不景気は、いまさら申し上げるまでもありません。国民の努力によりようやく立ち直りを見せたのでありますが、本年に入りまして、イラン動乱以来再び石油価格は高騰し、一バレル二十ドルの時代に入ってまいりました。
 しかも、今回の石油問題は世界的規模でありまして、ようやく回復を見せました世界経済を再び試練に直面させたものであります。OPECの石油攻勢は今後予断を許さないものがあります。このような世界的な石油不安に対応して、先般、東京サミットにおきまして、先進各国は、石油消費量の節約と一九八五年までの石油輸入量の削減を確約したのであります。わが国としましては、東京サミットの宣言を先進各国とともに忠実に実行することが何よりも緊要であります。
 総理は、エネルギーの中長期対策を確立し、石油の依存率をば現在の七五%から、十年後には五〇%に引き下げる目標を明らかにされました。そのためには、省エネルギーへの努力と、石油代替エネルギーの開発がきわめて大事であります。万難を排して確実に実行することを希望してやみません。
 次に、前回の石油ショックの際に見られました売り惜しみ、買いだめ、便乗値上げ等については、絶対に起こさないことが緊要であります。強い行政指導を発揮するとともに、国民に安心するよう万全の対策を講ぜられたいのであります。石油需給の状況はどうでありますか、本年の上期、下期の需給バランスはどういった情勢でありますか、備蓄の状況をあわせてお伺いするものであります。
 代替エネルギーの開発につきましてはどんな考えを持っておられますか、この場合、一番大切なことはその財源の確保であります。このことは、六年前の石油ショックに際しても論ぜられたのでありますが、予算と資金の裏づけがなかったために、成果を十分に上げることができなかったのであります。今後はこのようなことがあってはなりません。そのために総理は、リーダーシップをば発揮して、全体的な立場から財源を確保し、その目的を特定する等、適切万全な措置を講ぜられたいのであります。
 通産省の計画によりますと、一九八〇年代の末までの十一年間に、四兆円の予算を必要とすると言っております。また、五十五年度の予算には三千百億円の予算が必要と言っております。十分な財源措置を望んでやみません。
 また、原子力発電につきましては、これは今後のエネルギー問題を考えるときに、わが国が重点的に研究開発を行っていくべき分野であります。その安全性について万全を期するとともに、科学技術の振興にまつところきわめて大きなものがあります。さらにまた、核融合等の問題、大きなプロジェクトが山積しておるのであります。
 こういった問題につきまして、総理の御見解をお伺いいたします。
 質問の第三は、今後の経済運営についてであります。
 わが党は、景気の早期回復を重点に、インフレと失業のない安定した経済に定着させることを重点に置きまして経済政策の運営に当たってまいりました。その結果、ようやく景気も上昇し、設備の稼働率は八四%に上っております。新しい設備投資も見られるのであります。求人倍数も良化いたしております。税収面で見ますると、五十三年度の自然増収は予算よりも七千七百億円の増収であります。このように景気は確実に回復の軌道に乗ってきたのでありますが、今回の石油エネルギーの状態、財政事情を考えますと、今後とも景気を好調のうちに定着させるためには、さらにさらに努力が要ると思うのであります。私は、そこで、政府におきましては、自信を持って新経済社会七カ年計画を樹立し、これに向かって着実に一歩一歩進めていくことが必要であると思います。(拍手)
 経済政策は、御承知のとおり、昭和六十年までの実質経済成長率を年平均五・七%、雇用はほぼ完全雇用、消費者物価の上昇率は年五彩程度という目標の設定であります。経済は生き物であります。予測のできない状況の変化は常にあるわけであります。これに対しまして、動態的に経済をとらえ、機敏に適切に対応できるよう、政府の特段の配意をお願いいたしたいのであります。政府のこの点についての御所見をお伺いいたします。
 経済政策に関して特に申し上げたい点は物価の動向であります。これはまた国民が最も関心を抱いている点であります。御承知のとおり、卸売物価は昨年秋から上昇いたしまして、八月には前年と対比いたしますと二けた台の上昇になりました。この点は特に注意を要する点でございます。消費者物価につきましては、全般的に落ちついておりますが、石油製品については高騰の傾向がございます。石油製品の上昇は今後とも続くのではないかと思うのであります。
 このような物価の動向を見るとき、政府におきまして実効のある対策を機敏に適切に実施することが必要であります。国民に不安を起こさすことのないよう特段の御留意をお願いいたしたいのであります。(拍手)
 総理は、所信表明演説におきましても、物価対策を重視し、特に、原油価格の値上げに便乗する不公正な値上げは断じて許さないという強い決意を述べられております。国民の一番関心を抱いておる点でありますので、さらにさらに万全を期せられるよう重ねて要請するものであります。(拍手)
 質問の第四は、財政再建と行政改革についてであります。
 御承知のように、五十四年度の一般予算は三十九兆円、そのうち四割の十五兆円は国債政策に依存いたしております。年度末には、国債残高は六十兆円に達するのであります。このような大幅な国債依存財政をできるだけ速やかに健全財政に立て直すことが何よりも大事であります。安易に現状を放置しておきますと、インフレを招き、国民生活に大きな負担を強いる結果になりかねないのであります。
 財政再建の問題は避けて通れない問題であります。財政再建のための第一の柱は、景気回復基調の定着による自然増収の確保であります。第二の柱は、行政改革を初めとする経常歳出の徹底した削減であります。これらの努力を尽くした上でなお足らないときには、国民の理解を得て、初めて新たな負担をお願いすることになるものと信じます。(拍手)
 民間では、さきに申し上げましたように、苦しい試練に耐えてきたのであります。民間が厳しい決意をもって減量経営に努力していることを考えますと、国も地方もこれと同様な、これ以上の努力を払うのは当然であります。(拍手)行財政の改革の必要を痛感するものであります。
 この行政改革の問題は、言うべくして実行は決して容易ではありません。歴代内閣が常に唱えてきたところでありますが、いずれも総論賛成、各論反対でございました。私は、大平総理がこれを実現する上に何よりも必要なことは、総理がリーダーシップをば発揮して関係機関に当たられるとともに、国会におきましては、わが自由民主党はもとより、野党の諸君の理解と協力を得るよう、最大限の努力を尽くすことが必要であると思います。(拍手)
 経費節減の第二の柱は、補助金等の徹底した削減であります。五十四年度の予算におきまして、十三兆円になんなんとする補助金のうちには、すでに、総理も触れられましたように、その目的を果たしたもの、また、その効力の期待できないもの等、数多くございます。抜本的な整理合理化を行う必要があります。
 さらに、総理も言われておりますように、いわゆる三K問題、国鉄、米、健保、これにつきまして根本的な合理的な改革を行い、財政負担を軽くすることが経費節減の第三の柱であります。
 景気回復の定着、そうして自然増収を十分に見通して、これをてことして行いますとともに、経常経費の徹底した削減に努力をし、それでもなお財源の足らない場合に初めて国民の理解により新しい負担をお願いするというのが財政再建の筋であると信じます。(拍手)財政再建即増税、ないしはそれの延長の考え方、野党の人たちに多いのでございますが、これはきわめて短絡的な考え方でございまして、経済運営に責任のあるわが自由民主党のとらないところでございます。
 以上、財政再建問題に関し、総理の明快なる御答弁をお伺いいたします。
 質問の第五は、家庭基盤の充実についてであります。
 私は、いま、戦後の苦しい時代から今日に至りました過程を考えてまいりまして、あの苦しい時代、家庭によってよりどころがあったことを思い出すのでございます。総理の言われましたように、温かい家庭は日本の美風であります。これをばさらに伸ばしますように一層の努力が必要であると思うのであります。国民の大きな期待があると思うのでございます。この期待にこたえるために、国民の祝日として「家庭の日」を設けるかどうか、その御意思はございませんかどうか、お伺いいたす次第であります。
 家庭におきますこの連帯の思想は町づくりにつながるわけであります。総理の言っておられます田園都市構想につながるわけでございます。
 一言で申しまして、いまや地方の時代でございます。私は、思い切って行政権限を地方に移譲する、ないしは予算をば一定の枠をもって自由に地方、府県に使わす、そういった配慮が必要であると思いますが、総理は、その点についてどのようにお考えでございますか。
 次にお伺いいたしたいことは、国民の公共精神の涵養でございます。
 小さい国といいましても団結すれば必ず興るということわざがございます。まことにそのとおりであると思います。権利には必ず責任と義務とが伴います。いまこそ私は、社会公共精神の発揮が必要であると思うのでございます。
 さらにまた、次代を担う青少年の育成につきまして一段の努力を払うべきであると思いますが、総理のこの点についての御見解をお伺いいたします。
 最後に、私は重ねて申し上げたいことは、政局の安定でございます。
 本日、本院におきまして薬事二法が通過いたしまして、参議院に送付されることになりました。スモン患者の救済につきまして見通しを得ましたことは、私もこれを喜ぶ一人でございます。しかしながら、この法案は前の国会において通っておるべき法案でございました。あの会期末の混乱のために流れたのでございます。このことを考えますと、私はまことに残念であるのでございます。
 さらに、恩給関係法案につきましては、今日まだその見通しを得ておらないのであります。恩給関係は、生活に関係するきわめて大きな問題でございます。恩給関係者は二百五十万人おられます。しかも、老齢者が多いのでございます。私は、この法案の一日も早い成立を心から祈っておるものでございます。(拍手)わが自由民主党は、この法案の成立のために、さらにさらに全力を傾注することを申し上げますとともに、野党におかれましても、この際、反省、そうして同意されますことを心から祈ってやまないものでございます。(拍手)こういったことは二度と繰り返してはならないのであります。そのためには政局の安定が何よりも大事でございます。政局の安定、これが今回の総選挙の意義であります。
 大平総理大臣におかれましては、全党員の先頭に立って全国民に強く訴えられますことを重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
#12
○議長(灘尾弘吉君) ただいまの木野晴夫君の発言中、もし不穏当の言辞があれば、速記録を取り調べの上、適当の処置をとることといたします。
 内閣総理大臣大平正芳君。
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#13
○内閣総理大臣(大平正芳君) 木野晴夫君の御質問にお答えいたします。
 第一の御質問は、いわゆる解散についての私の考え方のお尋ねでございます。
 私は、現在、経済は着実に回復し、石油危機以後の混乱を克服することができましたが、エネルギーの制約と財政事情は一段と厳しさを加え、わが国の国際的責任も一層高まっておるように思います。一方、前回の総選挙以来、すでに三年に近い日時を経過いたしておりますので、この際、政局の一新を図り、新しい事態に対処すべしとの意見も漸次国民の理解を得られつつあるように思います。
 私としては、こうした情勢を踏まえまして、議会民主制の公正で活力のある運営を行う意味で政局問題に対処いたしてまいるつもりであります。
 第二の木野君のお尋ねは、疑惑の再発防止策に関するものでございました。
 政府といたしましては、先般来、民間の有識者の御参加も得まして、航空機疑惑問題等防止対策に関する協議会を発足させまして、なすべき具体策につきまして鋭意検討していただき、本日その提言をいただくことになっております。
 その内容としては、たとえば政治の浄化のためには、政治家個人の政治資金の明朗化を図るための政治資金規正法の見直し等、企業倫理の確保を図るためには企業の自主的監査機能の整備のための商法の改正、また、行政の公正を図るためには行政上の手続と責任の明確化を図る等、具体的な対策が取り上げられております。
 政府としては、この提言を尊重いたしまして、これについて関係省庁において早急に検討し、その処理を早急に進めてまいるつもりでございます。
 なお、賄賂罪、脱税犯等の法定刑を引き上げるための法改正等につきましては、引き続きその早期実現を図るつもりであります。
 それから、木野君のこれに関連いたしましての御質問は、選挙制度の問題でございました。
 選挙制度の問題につきましては、再発防止の観点からも、公正で金のかからない選挙を実現するために、政党本位の選挙に移行するための選挙区制のあり方、政党の位置づけ、選挙費用の政党負担、選挙運動規制、選挙公営のあり方等を検討していきたいと考えております。
 なお、これらの問題は選挙の土俵づくりとも言うべき問題でありますので、国会及び各政党との連携をとりながら対処してまいりたいと思います。
 第三の御質問は、公務員の綱紀粛正についてでございました。政府は、これまでも責任体制の整備、人事配置の適正化、服務規律の確保等に力をいたしてまいりましたけれども、今後ともあらゆる機会を通じまして、官公庁の綱紀の粛正について一層の努力をいたしますとともに、職員の士気の高揚に努めてまいるつもりでございます。
 最近、一部の地方公共団体におきまして、不適正な給与の支給等が行われた事例があったと聞いておりますが、この問題につきましては、政府としてもその是正について指導を行っておるところでございます。地方公共団体におかれましても、自主的にその改善を図っていただくことを期待いたしております。
 木野君の第四番目の御質問は、消防、水防、保護司、福祉活動等多くのボランティア活動に従事される方々に対する配慮でございます。
 この問題につきましては、表彰制度の充実でございますとか、実費弁償、災害補償制度の見直しというような点から御期待にこたえるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
 その次の御質問は、石油の価格政策についてでございました。この点は、下平議員にお答えいたしましたとおりでございますので省略をさせていただきます。
 石油の需給バランス、備蓄の状況はどうかという御質問でございました。
 本年上期の石油製品の需要は、最近におきまして節約の効果があらわれたこともあり、ほぼ当初の計画に近いものとなっております。一部流通段階での混乱はありましたけれども、全体として見れば、おおむね需給はバランスがとれておるものと考えております。下期につきましては、国際石油情勢はなお不安定要因をはらんでおるけれども、引き続き石油の消費節約の徹底を図りますとともに、石油輸入の確保に努力することによりまして需給バランスの確保は可能であると考えております。備蓄水準は、七月末現在八十六日程度でございます。
 代替エネルギーの開発の必要はよくわかるけれども、それに要する財源をどう確保するつもりかという御質問でございました。
 確かにこの財源問題は、エネルギー政策の成否を左右する大きな課題であると承知いたしております。この財源確保につきましては、官民の分担の適正化を図らねばいかぬと思いますし、受益者負担をどの程度、どのように求めるか、既存制度との関係をどう調整するか、具体的開発構想及びその開発効果等を十分踏まえながら真剣に検討してまいるところでございまして、まだ具体的にお答えできる段階ではございません。
 原子力発電の増進方策につきましては、下平議員にもお答え申し上げましたとおり、安全性に十分な配慮を加えながら、関係住民の理解を得ながら促進をしてまいりたいと考えております。
 次は、経済運営についてのお尋ねでございました。
 わが国は、市場経済、企業経済を軸といたしまして、民間経済の活力ある展開を期待しながら、経済運営は、木野君の言われますように機動的、弾力的にそれぞれの事態に対応してまいるつもりでございます。経済社会七カ年計画におきましても、そういう思想を根底に置きまして作案いたしてあるつもりでございます。
 物価政策につきましては、きめ細かく需給の安定を図り、備蓄の放出、カルテルの解除、価格面に対する監視、緊急輸入制度、公共事業の発注の調整その他万般の施策をきめ細かくやっておるわけでございまするし、金融機関におきましても節度ある融資態度を、とりわけ土地取得等につきましては求めておるところでございます。
 財政再建につきまして木野君からお示しになりました思想、手順等は、全く私と同様の考え方に立っておるものと思いまして、私も敬意を表する次第でございます。仰せのような手順に従いまして、責任ある立場で対処いたして、との目的を国民のために達成させていただかなければならぬと考えております。インフレーションというものはこわいものでございまして、何としても財政面からかような事態が生ずることのないように全力を挙げていかなければならぬと考えておりまして、御理解と御協力をお願いしてやまないところでございます。「家庭の日」を設けてはどうかということでございます。
 家庭基盤を充実してまいることは政治の一番基本にあるわけでございますが、この問題につきましては、国民世論の動向等を見守りながら検討させていただきたいと思います。
 地方公共団体に対する権限の移譲その他についてのお尋ねでございました。
 この問題につきましては、やがて地方制度調査会等から御答申もあることでございまして、地方公共団体への権限の移譲には積極的に取り組んでまいるつもりでございます。
 最後に、青少年の育成についてのお尋ねでございました。
 二十一世紀を前にいたしまして、御提言は十分傾聴させていただいたわけでございます。御指摘の方向に沿いまして政府としても十分配慮させていただくつもりでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(灘尾弘吉君) 西宮弘君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔西宮弘君登壇〕
#15
○西宮弘君 私は、日本社会党を代表して、総理の施政方針に関連して質問をいたしますが、質問に先立って、ただいま自民党の木野議員が質問中、薬事二法について事実に反して野党を誹謗したという点について、厳重に抗議を申し入れます。(拍手)
 さらに、私は、用意をいたしてまいりました質問の前に、先ほど行われました下平議員の質問の中で明確を欠きました点について、さらに総理の明確なる答弁を得たい、こういうことで一言お尋ねをいたします。
 それは一般消費税の問題であります。総理の答弁は、国民の理解を得られるならば五十五年から導入したいということを言った、すなわち、なるべくならば導入したいという希望を表明した、こういう答弁でありまするけれども、これはすでに本年の八月十日の閣議で明確に閣議決定をいたしているわけであります。その明確なる閣議決定とは、一般消費税を昭和五十五年度中に実施できるよう諸般の準備を進める、このように明確に記しているわけであります。したがって、総理が単に希望を表明したというような筋合いのものではないので、私は、この閣議決定こそが最も権威ある政府の方針だと考えるわけでございます。したがって、その点を明らかにして、あくまでもこの問題は、いま私が朗読したとおり正式に閣議で決定しておる、こういうことを明らかに答弁をしてもらいたいと思います。(拍手)
 いま私がこれから指摘をしたいと思いますのは、総理が演説の中でうたっておる「日本型福祉社会」の中身は何かという点、もう一つは、税金が国民のために役立って使われておるかどうかという、この二点であります。
 つまり、私の疑問は、「日本型福祉社会」の名のもとに福祉切り下げをねらっておるのではないかという疑問、続いて第二は、大平内閣は行政効果の判定もなしに増税に突っ込もうとしておるのではないか、この二点であります。
 ところで、総理、まずあなたは一体現在の国民生活をどのように理解し認識をしておられますか。私は、総理が演説の中でたびたび引用されましたこの新経済社会七カ年計画でありますが、これをひもといてみました。
 すると、それには、「我が国の国民生活の水準は、高度経済成長の過程で飛躍的に高まり、先進工業諸国に追いつき、また、地域間所得格差も目立って縮小した。」国民生活は豊かになり云々と記してあります。なるほど、カラーテレビその他の電気製品が普及し、あるいはマイカー、マイホームなども際立ってふえてまいりました。農村の生活状況も確かに一変をいたしました。
 しかし、この計画立案の責任者、経済企画庁の担当局長が強調しておる、ゆとり、安らぎ、潤い、生きがいなどの生活が、一体どこに発見できましょうか。地域間所得格差の縮小、すなわち都市、農村の格差の縮小でありますが、これは決して農業所得に基因をしたものではないので、農家所得の七割以上を占める農外所得、農業外の所得、すなわち、最も非人間的な出かせぎ労働等によって得られた収入によるわけであります。
 マイホームは、狭くて粗末な公共住宅、粗製乱造の民間住宅が持ち家住宅の必要を促し、その結果、住宅ローンなどの借金返済に夫婦共かせぎで生涯をかけている例が少なくないのであります。
 だから、国民大衆の生活の実態は、この七カ年計画にうたわれておる内容とはおよそかげ離れていて、むしろ国民生活は絶えず黒い影に脅かされ続けておるのであります。すなわち、健康障害、交通災害、公害や環境の破壊、労働災害、あるいは子弟の教育、卒業後の就職難ないしは相次ぐ物価の高騰、重くのしかかる税金の問題等々、数え上げれば際限はありませんが、試みに二、三の例を挙げて総理の所見をただしたいと思います。
 今回、スモン病患者のための薬事二法が成立しようとしていることはまことに結構なことでありますが、この患者たちの悲惨な境涯は察するに余りあります。その救済をみずからの手で切り開こうとして長い苦しい裁判闘争を続け、やっと勝訴の判決をかち取ると、国は直ちにこれら患者を相手にして上訴をして争うのであります。何という冷酷、無慈悲なやり方でありましょうか。国民ひとしくこの残酷きわまる政府のやり方に憤激をいたしております。すでに提訴をしてしまったものでも、メンツにとらわれずに直ちに取り下ぐべきだと思いますが、いかがですか。(拍手)
 私は、担当大臣の事務的な見解等を聞こうとは考えません。ぜひとも総理自身の次元の高い、人道的な立場の御判断を伺いたいと思います。
 次は、相次ぐ物価の高騰であります。一例を灯油の問題にとってみますと、私どもは、原油の値上げを基礎としてあらゆるファクターを加えて計算をいたしましても、今月の価格は大体八百二十六円程度であり、年末が来ても八百八十八円が妥当適正な値段だとはじいておるのであります。しかるに、八月下旬の調査で、都道府県庁の調査あるいは新聞社の調査は、いずれもともにすでに一千円を超えているものが全都道府県の半ばに達しておるのであります。それに加えて、石油元売り業者は九月からの第五次値上げを発表いたしました。まさに天井知らずの値上がりであります。農業用、漁業用のA重油等もそれに劣らず高騰いたしております。これは量においてはどうやら間に合っておるようでありますが、ただし、その特別に間に合わせてもらったものについては、例外なしに高い代金が請求されるのであります。これでも便乗値上げではないと政府は強弁するのでありましょうか。
 この非常事態に対処して、当然に石油三法を発動して、便乗値上げや、売り惜しみあるいは買い占め等を防遏すべきだと考えますが、政府の決意を承りたいと思います。
 石油の配給切符の印刷費が予算に計上されております。いずれ早晩、配給制に移行するだろうというのが関係者の一段の緊張を高めております。一体これは配給制を実施をするのかしないのか、その方針を明らかにしてもらいたいと思います。(拍手)
 物価の問題では、何といっても公共料金です。ことしに入ってから相も変わらず、国鉄を初めとして国立学校検定料、入学料、あるいは高速道路の料金、ガス、公団住宅の家賃、現金書留料、タクシー代などがすでに値上げされました。引き続いて、たばこ、健保、私鉄バス、郵便、航空運賃、トラックの運賃など、とりわけ、伝えられる郵便料金の値上げなどは、まるで庶民の心臓がとまりそうな驚くべき高率であります。あるいはそれ以外に、消費者米価はどうなるのか、これもまた一つの問題であります。さらに地方公共団体が認可権を持っておりますのがこれまたメジロ押しに控えております。
 このように公共料金を引き上げられたのでは、一波万波を呼んで国民生活は完全に破壊されてしまいます。公共料金の引き上げは絶対に回避すべきだとわれわれは考えますが、政府の決意を聞かしてください。
 次には、年金をもらえないうちに退職させられ、厚生年金が平均して月八万数千円、年金受給者の六五%を占める福祉年金など経過年金は月二万円そこそこというのでは、一体だれが安心して老後を迎えることができるでありましょうか。
 以上三つの例は、いずれも暗い影に脅かされている国民の姿であります。
 ことし一月に発表された、この「新経済社会七カ年計画の基本構想」というのには、その副題、サブタイトルとして「ゆとりと生きがいのある社会を求めて」、こういう言葉がついておったのであります。ところが、この夏出されました本物のこの七カ年計画からは、このタイトルは削除されました。つまり、この計画をやってみてもとうていゆとりや生きがいを期待できないということを、政府みずからが明確に証拠立てていると思うのであります。
 このように、国民生活はいまや個人的な努力では対応できないほど根本的にゆがめられております。このような矛盾だらけの生活の不安から逃れようとして互いに競い合わねばならないため、わが国は世界に類例のない高貯蓄型競争社会となっておるのであります。たとえば「ウサギ小屋に住む働き中毒」と海外から批評をされたり、あるいは、ベトナム難民が、日本は余りに競争が激しくて入り込む余地がないと言って日本を逃げ出そうとするのも、われわれの生活の異常な側面をついたものと考えられます。すなわち、わずかのつまずきでも、まともな暮らし人並みの暮らしができなくなり、社会から落後してしまうという不安に絶えず脅かされ、そのために他人を押しのけてでもより安全な方向を求めようとする風潮が増大し、心から憩いと潤いを楽しむことのできない競争社会となっております。大平内閣のこの七カ年計画は、落ちつきと思いやりなどをうたって「日本型福祉社会」を標傍しておりまするが、現実はまさにこのように激しい日本型競争社会であります。
 そこで、まずこのような日本型競争社会をもたらした原因は何か、次の三点を指摘せざるを得ません。
 その原因の第一は、所得、雇用、老後、医療、教育、住宅などなど、生活基盤が社会的に確保され整備されていないことであります。
 原因の第二は、これら生活基盤にかかわる制度、施設、サービスが営利本位に傾いて公的供給がこれに従属させられ、本来の公共的機能を発揮することができない点であります。
 原因の第三は、国民生活の手段としての経済、財政運営ではなく、大企業本位の経済、財政のために国民生活が利用されてきたことであります。
 以上に挙げたこの三つの点を百八十度転換させることなしに、ゆがんだ競争社会から脱出する道はありません。
 その具体的な例として、子供とお年寄りの現実の姿を見てみましょう。まず子供たちの生活を見ると、核家族化の定着、住宅事情の悪化、母親の社会、労働参加の拡大等、大平総理の言うところの自助努力によっては対応できない多くの要因によって、家庭の保育、教育の機能が著しく低下をし、狭い部屋に閉じ込められるようにして一日じゅうテレビにかじりついていて、遊びに参加できなくなってしまう子供がふえております。また、環境の破壊と汚染、交通事故の多発によって、子供たちの暮らしから健康と安全が奪われ、さらに、いわゆる地域社会の崩壊と学歴偏重の競争社会とによって、うちの子供さえよければという風潮を生み出し、地域の保育、教育の機能が全体として低下していることも見逃すことができません。
 このような状況では、家庭及び地域社会の保育、教育の機能を高めるための条件を、政策的、制度的に整備することがまず必要であります。たとえば、育児休暇制度の拡充、保育所の整備、幼稚園における保育時間の延長、臨時短期保育制度の創設、義務教育諸学校の学級定員の縮小、障害児学校への強制就学措置の撤廃などが緊要であると考えますが、大平総理の所見を伺いたいと思います。(拍手)
 また、日本では高齢化社会がいま目の前に迫っております。お年寄りの扶養については、総理は家庭の責務と言うけれども、その前に、まず雇用と年金の接続を図る計画を示すべきではありませんか。また、およそ三十六万人の寝たきり老人、六十七万人に及ぶひとり暮らしの老人に対し、介護者派遣制度や訪問医療あるいは訪問看護制度を整備する計画も、また欠かすことのできない重大なことであります。
 以上の諸点について、政府には何らの具体的な効果的な施策もないと断言せざるを得ません。もしあるならば示していただきたいと思います。(拍手)
 住民主体への道を進もうとするとき、特に社会的差別を受けてきた人々に対しては慎重でなければなりません。歴史的に見て国家権力は常に差別する側に立ってきたため、差別を克服するために必要な施策の選択は、極力差別されがちな人々自身にゆだねることが必要であります。
 次に、雇用問題もまた、大平内閣の言う自由社会の活力に期待したのでは何ら解決を見ることができないのであります。
 いま、景気は回復しつつあり、大企業は増収増益に転じましたが、減量経営という名の雇用縮小、労働強化はすでに定着をし、失業人口も変化を見ておりません。臨時雇いやパートタイマーなどの不安定な雇用を拡大するばかりであります。大平首相は、公務員の大幅な削減をうたい、あるいは農村では第二種兼業農家を農業から離脱させようとしておりますが、一体これらの人々に対する雇用の場所をどこに求めようとしているのか、全く不明であります。
 そこで、いまこそ完全週休二日制、週四十時間の労働、六十歳以下の定年制の禁止などの法制化や、社会的公共サービスなどの新しい事業の拡充によって積極的に雇用の創出が必要だと考えます。また、雇用における女性差別をなくするために、労働基準法の改悪ではなしに、母性保護の徹底を図り、婦人の働く権利と雇用の平等を保障するための男女雇用平等法の制定を図るべきだと考えますが、政府の見解はいかがですか。(拍手)
 さて、次は第二の問題、すなわち税金がこれを納めた国民のために十分役立って生かされているかどうか、言いかえれば、税金がむだに使われていないかどうかを検討したいと考えます。
 大平総理は、昭和五十五年度を初年度とする新定員削減五カ年計画の策定を表明されました。ところが、就業人口に占める公務員の割合を国際比較いたしますると、行政管理庁の調べでは、就業人口千人当たり、イギリスが二百十五人、フランスが百五十人、アメリカが百六十九人、西ドイツは百七十九人であるのに対して、わが日本は何と九十一人にすぎないのであります。行政機構が肥大化したと言えるレベルでは決してありません。これと類似をした統計は、五十二年度経済白書にも掲載されております。
 そこで、まず総理にお尋ねをしたいのは、総理が口癖のように言っておるところの行政の肥大化、非効率化とは一体何を指して言われるのですか。それよりも国民に密着するサービス事業を徹底的に拡充して、これに公務員をフルに活動さすべきであります。これこそ最も生きた予算の使い方であります。
 察するところ、政府の新定員削減五カ年計画構想は、行政効果の点検と、これに基づく改革を怠る口実ではないかと考えるのであります。いかがでしょうか。効率のよい政府を目指すには、税金が国民生活の安定と充実をもたらしているかどうか、そのような見地から行政効果を総点検することが必要であります。
 このため、私がここで提言をしたいのは、仮称ではありますが、行政効果判定委員会を各省庁単位に設置をし、毎年次それぞれの判定結果を国会と国民に報告をし、国会の審議、検討を求めるべきであります。私は、かねてから環境アセスメントの確立を主張いたしておりまするが、総理、このいわば行政アセスメントの提案について、どうお考えになりますか。(拍手)
 ところで、日本の現実には、資源や施設のむだ遣いが、したがって、予算のむだ遣いが数少なくないのであります。
 われわれの身の回りのごく身近な、卑近な例を数えただけでも、たとえば幼稚園と保育所が公立、私立合わせて三万数千ありまするが、これは上部の監督官庁が違っているというだけの理由でこの二つが競合し合って存在していることは、むしろこっけいであります。
 また今日、公共スポーツ施設は全国でわずか二万しかありませんが、小中学校や健保組合、共済組合ないしは企業の施設は七万近くに上っております。もしこれを一般国民に開放したらどんなにすばらしいでしょうか。ただ特定の少数の人々が特定の日時にだけしか使わず、あとは遊休施設となっておることは、まことにもったいないことであります。
 また、年々医師がふえておりまするが、彼らは大都会に偏在をしてしまいます。保険医による過疎地への交代勤務を制度化するなどの措置をとらない限り、せっかく医師養成のために莫大な経費を使っても、国民生活に格差、不平等をもたらすということになるだけに終わっております。
 また、狭い国土に道路予算をたっぷりつぎ込んで、その結果、道路はりっぱにできたが、日本列島がずたずたにされて、地域住民の静かな環境は破壊をされ、その上交通災害が頻発をし、さらに狭い日本にふつり合いのモータリゼーションを促進する結果、国鉄は膨大な赤字に泣いているという矛盾であります。
 あるいは山と積んだ米を遊ばせておくことも、もったいない限りであります。米づくりはまさに日本民族最大の伝統的産業だと言ってよいと思います。せっかくの生産力を持ちながら、力でこれを抑えつけるのは、全くの矛盾であり、不合理であります。国内で多方面に活用の道を探ると同時に、海外輸出を積極的に考えるべきだと考えます。もちろん、それには多くの困難が伴うことを私も十二分に承知をいたしております。しかし、ことし初めて政府はこれに手をつけたらば、政府の予想を裏切って、三倍以上の取引が成立をしたではありませんか。
 私が食糧問題で何よりも恐れるのは、日本の食糧生産が極端に低下し、外国、特にアメリカの御厄介にならなければ日本民族は生きていけないという事態に追い込まれることであります。アメリカとしては当然にそれがねらいでありましょう。なぜならば、そのような状態になりさえすれば、アメリカは日本に対してどんな無理難題でも押しつけることができるからであります。国際分業論というような名前のもとにまんまとこれに陥れられたら、それこそ重大問題であることを私は強く警告をいたしておきます。(拍手)
 このように身近な例を数点拾い上げましたが、予算のむだ遣いは数え切れません。これらを大胆に改革するためには思い切って発想の転換が必要でありますが、政府の考えはいかがですか。
 私は、この際、この税源は行政事務と一緒に思い切って地方自治体に移すべきことを強く主張いたします。なぜならば、納税者は自分の納めた税金の行方をたやすく見きわめることができるわけですから、仮に増税するにいたしましても、十分に住民の理解を得て実施をすることができるからであります。これが税の効率化と民主化を実現する道だと確信をいたします。これに対する政府の所見を伺います。
 最後に、私は、公職選挙法に関連する問題で一言お尋ねをいたします。
 すなわち、今回の総選挙が巷間伝えられるように十月七日投票となるならば、新有権者十五万人が選挙権を行使できないことになるわけであります。かかる事態がとうてい許されないことは、全く多言を要しない明々白々な事柄であります。政府は当然に世間に伝えられておるような十月七日という日を避ける措置をとるに違いないと考えまするけれども、念のためにその点を明らかにしておいていただきたいと考えます。(拍手)
 以上、幾つかの質問ないしは問題提起に対して、率直かつ明確な答弁を要求いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#16
○内閣総理大臣(大平正芳君) 西宮さんにお答えする前に、下平先生の御質問に対しまして答弁漏れがございましたので、補足をさしていただきます。
 疑惑の再発防止に関して、再発防止協議会の提言を待っておるということだが、これをどのようにこれから具体化を進めるのかということでございます。これは、私としてはこの提言を待って、これを尊重して、その中で立法手続が必要と認められるものにつきましては、速やかにそのように対処していきたいと考えます。
 それから第二は、選挙浄化に関して目下自民党でも鋭意検討中である由であるが、それらの結論をどうするかということでございますが、私としては、自民党の結論を待ちまして、前向きに取り組んでまいるつもりでございます。
 それから第三の問題は、西宮先生からも触れられた一般消費税問題でございます。下平先生は一般消費税の問題をなぜ所信表明でうたわなかったかということでございますが、これはまだ政府・与党として決定していないからでございまして、なるほど、先ほど西宮さんがおっしゃいましたように、七カ年計画の中に、一般消費税について昭和五十五年度中に実現できるよう諸般の準備を進める旨の記載がございますけれども、これは一応の準備を行うと述べたにとどまるものでございまして、この税の実現を確定的に決定したものでないことは明らかでございます。(拍手)
 西宮さんの第一の御質問は、スモン訴訟についてでございます。国は上訴を行わないで係争中のものは取り下げよという御趣旨の御要請でございます。
 スモン訴訟判決につきましては、国として承服しがたい点もあり、また今後の行政の指針を定める上におきましても、重大な意味を持つ判断が示されておりまするので、上級審の判断を受けるのが適当であると考えて控訴いたしました。しかし、国はスモン問題の深刻さについては十分認識しておるつもりでございまして、控訴とは別に今後も全力を挙げて患者の早期救済を図ってまいる所存でございます。
 それから、物価問題についてのお尋ねでございます。とりわけ灯油の物価が末端におきまして必ずしも期待どおりいってないじゃないか、石油三法を発動して抑えていくべきではないかという御質問でございました。
 私は、先ほど下平、木野両氏にお答えいたしましたとおり、石油製品の価格対策は、その需給の安定をまず図ることであると承知しております。この需給の安定が図られますならば、その上にありまして価格の安定が図られるはずでございます。そういう意味で、石油製品全体につきましてその需給の安定を図る手だてを鋭意講じておるところでございます。
 灯油につきましても、端境期を控えまして九月末の備蓄を六百四十五万キロリッター確保すべく万般の準備を整えておるところでございまして、異常な買いあさりがない以上は、私はこれで十分灯油の価格の安定は図り得ると考えておるわけでございまして、石油三法の発動というようなことは考えておりません。
 それから、公共料金が相次いで引き上げられておるということだが、これは一切回避すべきでないかという御主張でございました。われわれといたしましても、物価の抑制につきましては全力を挙げておりまするし、とりわけ政府の管理下にある公共料金につきましては抑えに抑えてきておるわけでございますが、原材料の値上がり、人件費の値上がり等でどうしてもやっていけないものにつきましては、厳重な査定を加えまして、最小限度の値上げをやらざるを得ない状況でございます事情は、西宮さんにおかれましても御理解をいただきたいと思います。
 そういうことも考慮に入れながら、四・九%の消費者物価の本年度の目標というものは何としても維持したいし、また維持できるものと私どもは考えております。
 それから、子供の問題、老人の問題につきまして、落ちつきと思いやりのある配慮がなければならないではないかという御指摘でございまして、私もそのように配慮しなければならぬと考えておるわけでございまして、また、これに伴う施設の充実につきましても極力配慮して、御期待に沿わなければならぬと考えております。とりわけ、老齢化が急速に進んでおる状況でございますが、いませっかく決めました福祉水準というものを落とすことのないように全力を挙げてこれを守り抜いていきたいと考えております。
 次は、雇用の問題につきましてお尋ねでございました。
 いまのような状況では、雇用機会の造出は必ずしも十分でないじゃないかという御指摘でございますけれども、先ほども経済の状況につきましての判断を申し上げましたとおり、雇用状況は改善を見ておるわけでございます。今年度に入りましても雇用機会は着実に増加いたしておるわけでございまして、これは、いまのような自由な経済体制のもとで、民間の活力の展開を期待しながらやってまいる経済運営が、雇用造出に私は大いに寄与しているものと考えておるわけでございまして、いまのこの仕組みで十分でなかろうという御懸念でございますけれども、そういう御懸念はないものと私は考えております。
 それから、第二に、しかしながら、行政簡素化を進めるというようなことになった場合に、雇用問題をさらに深刻にする心配はないかという御指摘でございますが、この問題につきましては、国と地方とも十分相談しながら、また各省それぞれ相談いたしながら行政の簡素化を進めてまいるつもりでございまして、御懸念のようなことのないように十分配慮してまいるつもりでございます。
 諸外国に比べまして日本の公務員の数は必ずしも多くないじゃないかという御指摘でございます。私も御指摘のとおりだと思うのでございます。さればこそ日本の税負担も諸外国に比べて少なくなっておりますことは御案内のとおりでございます。しかしながら、よそが多いから日本が多くしなければならぬという理由はないと思うのでございまして、われわれは、西宮さんも御指摘のとおり、国民の税金を最も有効に活用しなければならぬ立場にあるわけでございまして、少数精鋭の公務員陣容をもちまして行政サービスを果たしてまいることに努力しなければならないものと考えるものでございます。
 行政効果判定委員会を設けて行政効果のアセスメントを怠ることのないようにやらなければならぬじゃないか、そしてそれを国会に報告するぐらいの心構えでなければならないではないかという御指摘でございまして、もっともでございます。私は、いまの予算というものはあなたの言われる行政効果のアセスメントで、それ自体がそうであろうと思っておるわけでございまして、より厳しくこのアセスメントを徹底いたしまして、むだのない予算の編成を通じて経費の合理化に努めなければならぬと考えております。
 それから、幼稚園、保育所等の一元化と申しますか、そういうことを図ってはどうかという御意見でございました。これはもちろん地域的に偏在等の事情がございますので、両施設の関連につきましては、政府としても十分調整を図りながらその整備を進めてまいりたいと考えております。
 学校体育施設の開放等につきましては、すでに相当進んでおると思いますけれども、なお一層促進してまいりたいと考えております。
 道路予算の使い方に関連いたしまして、交通災害との関連が提起されたわけでございます。われわれといたしましても、道路は国土の均衡のある発展、豊かな地域社会の形成、流通の合理化等の観点から、大変大事な機能を持っておるものと思うわけでございますけれども、道路とか鉄道等の投資計画が競合いたす場合におきましては、可能な限り事前調整を行いまして、道路予算の使い方にむだのないように、御指摘のようにしなければならぬと考えております。
 農業についての御質問がございましたし、それに関連いたしまして過剰米の処理等についての御意見がございました。これにつきましては、われわれといたしましても極力過剰米を海外向けの援助に活用するという方向で、インドネシア、韓国、バングラデシュ等につきましても、すでに六十万トンの輸出契約をいたしておるということを御承知願いたいと思います。
 最後に、新成人約十五万人が投票権の行使ができない事情があるじゃないかということでございます。
 公職選挙法では、選挙の期日が九月十一日から十月十日までの間にある場合には、その直前に、九月一日を基準日として九月十日を登録日とするという、いわゆる定時登録が行われていることから、選挙時登録は行わないことにされております。
 これは、定時登録に直近する時期に再び選挙時登録を行うことによる選挙事務のふくそうを避けまして、選挙人名簿の正確性を保持して、また適切な選挙管理執行を確保するためにとられた措置でありますので、やむを得ないこととして御理解を賜りたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣小坂徳三郎君登壇〕
#17
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま公共料金並びに消費者物価等につきましてすでに総理から具体的に御答弁がありましたので、重複を避けたいと存じます。
 ただ、一言だけ申し上げますると、卸売物価の上昇も昨今ようやく峠に来ているという判断をいたしておりまして、今後消費者物価につきましては、四・九%をぜひ守るという決意で努力をいたしております。(拍手)
    〔国務大臣江崎真澄君登壇〕
#18
○国務大臣(江崎真澄君) お答えを申し上げます。
 これまた、総理から灯油の問題についてはすでに御説明があったとおりであります。御承知の最近の国際情勢からいって、情勢としては供給が非常にタイトぎみでありますが、政府もあらゆる努力をいたしております。また業界を懸命に督励いたしておりまして、下期の見通し等についても、大体明るい見通しが現在とれつつあります。今後五%節約を強く求めながらいけば、そんなに最需要期に向けて不自由はないというふうに考えております。
 価格の御指摘が具体的にございましたので、ちょっと念のためにつけ加えておきますが、現在、灯油十八リットル、八月には東京都の区部で、これは配達をして千四十円、これは西宮さんによると八百八十八円とかそれくらいなところが妥当だ、こうおっしゃられますが、これは昨年の暮れの七百二十七円に比べますと四三%上昇しておるわけです。ところが、現に元売り価格、この仕切り値段を見まするというと、原油価格で昨年の暮れから今日まで約四五%アップです。それから、為替レートの変化がやはり年末と今日とでは一二、三%から一五%幅で影響を与えておるわけであります。したがいまして、この仕切り価格、いわゆる宅配千四十円というものは決して不当なものではない。もちろん便乗値上げなど、売り惜しみなどについては、今後といえども、通産局はもちろんでありまするが、モニター制などを活用いたしまして十分厳重に注意をしてまいりたいと考えます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#19
○国務大臣(橋本龍太郎君) 生活基盤の充実に関しましては、先ほど総理からお答えをいたしましたので、重複を避けたいと存じます。
 また、寝たきり老人あるいはひとり暮らし老人等について、そのほかの問題はどうなのかという御指摘をいただきましたが、昨年度から在宅の寝たきり老人に対しまして保健婦を家庭に派遣をし、看護方法等を指導するような事業等も取り入れております。
 さらに、これらの施策を補完しまして、家族に過大な負担がかからないように、その環境を整えていくという観点から、既存の老人福祉施設の機能を地域に開放する形での各種の在宅老人福祉施策、たとえばショートステーあるいはデーサービス、また機能回復訓練等も実施をいたしておるところでありまして、今後ともにこうした分野には力を入れてまいりたいと存じます。
 また、西宮委員から、「日本型福祉社会」というものが逆に福祉行政の後退になるのではないかという御指摘がございましたが、私どもはそのようには考えておりません。むしろ、日本の本来持っております自立自助の精神とか、あるいは思いやりのある人間関係という伝統的な問題解決の手法というもの、これに適正な公的な福祉というものを組み合わせていくことによって、私どもは、ますますきめの細かい行政ができると考えております。むしろ、欧米に比して親と子と孫と三世代同居率のきわめて高い、また現に、世論調査の結果を見ましても、若い人々におきましても、お年寄りにおきましても三世代同居の志向の強い日本とすれば、私どもは、この特色は今後なお一層生かしていくことによって、日本におけるよりきめの細かい福祉行政ができると信じております。(拍手)
     ――――◇―――――
#20
○玉沢徳一郎君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明六日午後二時より本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されんことを望みます。
#21
○副議長(三宅正一君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(三宅正一君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十九分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  大平 正芳君
        法 務 大 臣 古井 喜實君
        外 務 大 臣 園田  直君
        大 蔵 大 臣 金子 一平君
        文 部 大 臣 内藤誉三郎君
        厚 生 大 臣 橋本龍太郎君
        農林水産大臣  渡辺美智雄君
        通商産業大臣  江崎 真澄君
        運 輸 大 臣 森山 欽司君
        郵 政 大 臣 白浜 仁吉君
        労 働 大 臣 栗原 祐幸君
        建 設 大 臣 渡海元三郎君
        自 治 大 臣 澁谷 直藏君
        国 務 大 臣 上村千一郎君
        国 務 大 臣 金井 元彦君
        国 務 大 臣 金子 岩三君
        国 務 大 臣 小坂徳三郎君
        国 務 大 臣 田中 六助君
        国 務 大 臣 中野 四郎君
        国 務 大 臣 三原 朝雄君
        国 務 大 臣 山下 元利君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 真田 秀夫君
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ソース: 国立国会図書館
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