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1978/01/23 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
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1978/01/23 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号

#1
第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
昭和五十四年一月二十三日(火曜日)
   午前十一時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十六日
    辞任         補欠選任
     村田 秀三君     大木 正吾君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 房雄君
    委員長         塩出 啓典君
    理 事         源田  実君
                長谷川 信君
                松前 達郎君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                岩上 二郎君
                熊谷  弘君
                後藤 正夫君
                永野 嚴雄君
                望月 邦夫君
                山崎 竜男君
                大木 正吾君
                森下 昭司君
                吉田 正雄君
                中村 利次君
                柿沢 弘治君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       金子 岩三君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      半澤 治雄君
       科学技術庁計画
       局長       大澤 弘之君
       科学技術庁原子
       力局長      山野 正登君
       科学技術庁原子
       力安全局長    牧村 信之君
       厚生省環境衛生
       局長       山中  和君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
   参考人
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  中村 康治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事辞任の件
○特別委員長の辞任及び補欠選任の件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (原子力行政に関する件)
 (原子力の安全性に関する件)
 (エネルギー問題に関する件)
 (核燃料再処理工場における事故に関する件)
 (放射線照射食品に関する件)
 (原子力船「むつ」に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤原房雄君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月二十六日、村田秀三君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(藤原房雄君) この際お諮りいたします。
 塩出啓典君から、文書をもって、都合により理事を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤原房雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
  〔委員長退席、理事源田実君着席〕
#5
○理事(源田実君) 委員長辞任の件についてお諮りいたします。
 ただいま藤原委員長から、文書をもって、都合により委員長を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○理事(源田実君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 つきましては、この際、委員長の補欠選任を行います。
 選任の方法はいかがいたしましょうか。
#7
○長谷川信君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。
#8
○理事(源田実君) ただいまの長谷川君の動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○理事(源田実君) 御異議ないと認めます。
 それでは、委員長に塩出啓典君を指名いたします。
    ―――――――――――――
  〔塩出啓典君委員長席に着く〕
#10
○委員長(塩出啓典君) この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいま皆様方の御推挙によりまして、本特別委員会の委員長に選任されました。微力ではございますが、皆様方の御指導、御協力を賜りまして重責を全うしてまいりたいと存じますので、どうかよろしくお願いいたします。(拍手)
 藤原房雄君から発言を求められております。藤原房雄君。
#11
○藤原房雄君 一言ごあいさつを申し上げます。
 私、委員長在任中、おかげさまで大過なくその職責を果たすことができましたことは、皆様方の絶大なる御支援と御協力のたまものと深く感謝申し上げる次第でございます。ここに厚く御礼を申し上げます。
 まことに簡単でございますが、委員長辞任のごあいさつにさしていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○委員長(塩出啓典君) ただいま私が委員長に選任されましたため、理事が一名欠員となりましたので、この際理事の補欠選任を行います。
 理事の選任は、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(塩出啓典君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に藤原房雄君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(塩出啓典君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に動力炉・核燃料開発事業団理事中村康治君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(塩出啓典君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ―――――――――――――
#16
○委員長(塩出啓典君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#17
○吉田正雄君 科技庁並びに通産省に対して――科技庁というのは原子力安全委員会を含むわけですが――二点についてお尋ねをいたしたいと思うんです。
 第一点は、柏崎原子力発電所の建設がただいま行われております。ところで、一昨年九月一日に総理大臣の認可がなされたわけですが、その後建設が進むに従いまして、用地内にきわめて危険な活断層が新たに発見をされたわけです。この点についてまずお尋ねをいたしたいと思いますけれども、これはどちらの所管になりますでしょうか。
#18
○説明員(児玉勝臣君) ただいまの敷地内からの断層が発見されたという点につきまして御答弁したいと思います。
 通産省といたしましては、許可を一昨年の九月一日にいたしました後、申請書が出されまして、これは電気事業法の四十一条に基づきます工事計画の認可申請でございますが、その後その審査をしております。その途中におきまして、いま先生がおっしゃいましたような小断層が発見されたことはわれわれも知っております。そういう意味での検討を加えまして、四十一条の認可を五十三年の十一月四日におろしておりまして、十二月一日から実際の掘削が始まったという状況にございます。
#19
○吉田正雄君 この新たな断層の位置ですね、それがどこにあるのか。またその断層の長さですね。この断層の性格、性質についてどのように把握をしておられますか、お聞かせ願いたいと思うんです。
#20
○説明員(児玉勝臣君) この断層につきましては、安全審査の時点におきまして敷地内に中央断層それから青山断層という二つの断層の露頭がございまして、そういう意味で安全審査のときにすでに御審査をいただいておりまして、それはいわゆる原子炉を設置する岩盤に達するものでないということの判定を一応いただいてやっておるわけでございます。今回、整地に際しまして表土をはいだわけでございますが、その中から出て来た断層につきましても、大体その中央断層と似たような状況にございまして、原子炉を設置する岩盤に達するような大きな断層ではないというふうにわれわれ判定しております。
#21
○吉田正雄君 いまのこの断層ですね、これはいつごろ発見されたんですか。
#22
○説明員(児玉勝臣君) 五十三年の八月九日に東京電力から報告を受けております。
#23
○吉田正雄君 この報告の内容ですね、いま八月に受けたというふうにおっしゃっておるんですけれども、実は七月ころからダイヤコンサルタントに依頼をしてこの露頭の調査あるいはボーリング等行っておるわけですし、さらに十月から十一月にかけて日本物理探鉱が弾性波速度測定というものを実施をいたしておるわけですね。この点については御承知ですか。
#24
○説明員(児玉勝臣君) ダイヤコンサルタントを使いまして、いわゆる小断層についての調査、すなわち断層のスケッチそれからそのトレンチ追跡をやらせたということは聞いております。
 それから物理探鉱につきましては、これは小断層の探査とは別に行っておるといいますか、2号、3号機関係の調査ということで、これは弾性波探査を行っておるわけでございますけれども、これはこの小断層の問題とは別にやっておるというふうに聞いております。
#25
○吉田正雄君 私どもの方の調査では、新たに発見をされたこの断層というのは、炉心から南東約三百五十メートルというきわめて近接をしたところに発見をされておるわけです。これはアメリカの場合ですと、こういう断層というものが炉心のこれほどの近くに発見をされた場合には建設が認められないという例があるわけなんですけれども、そういう点で、いまの説明ではきわめて私は不十分だと思うんですね。
 それで私どもの方では、この写真もございますけれども、これを見ますというと、断層が、新砂丘における断層の、これはまあ、ずれと言ったらいいんでしょうか、そういうものと、それから古砂丘、いわゆる番神砂丘あるいは安田層、西山層というぐあいにずうっと切っておるわけですね。しかも、新砂丘においては約二十センチ、ところがさらに下へ行くに従って六十センチあるいは一メートル、さらに安田層の段階に至っては、それから西山層のところでは七メートルという断層が生じているわけですね。で、東電の現地の住民に対する説明では単なる地すべりという言い方をやっておりますけれども、地すべりでこのような断層が生じないというのはこれはもう地質学的あるいは地形学的に明らかなことなんですよね。しかも、こういうぐあいに断層が二十センチから逐次六十センチになり一メートルになりということはこれは周期性というものを示しておるというのがもう学問上は定説になっておるわけなんですね。そういう点で、この新たなる断層というものはきわめて私は重大な発見ではないかというふうに思うんです。しかも、これはちょっと名前は出せないんですが、実は県の担当者でも、もし指摘をされているような断層があるとするとこれは大変な事態になるのではないかということを担当者が実は述べておるわけですね。
 したがって、いま通産の方では、弾性波速度試験というのはいまの断層について行ったんではなくて、2号機、3号機を建設するための地盤調査であるというふうな説明が行われたと思うんですけれども、私はこれはもう大変な言い逃れではないか、詭弁ではないかというふうに思うんですよ。これはもう近く私ども現地へ行ってみたいと思っておるんですけれども、現地では作業をやっておる人たちが、まあ豆腐のようなものであると、地盤がきわめて悪いということは工事関係者がひとしく認めているところなんですよね。1号機の建設がまだ終わらない先から、2号機、3号機の地盤検査のために行っている弾性波試験ですなんていうのはだれが考えたって通らない話なんですよね。そういう点で、そういう説明自体が住民にとってはますます住民を小ばかにした説明であるというふうに受けとめられておって、より明確な再調査を通産、国の責任で行うべきではないかというのが強い希望なんですね。
 そういう点で、いままでダイヤコンサルタントが行った調査の諸結果、あるいはいま2号機、3号機のための予備調査とおっしゃった十月から十一月にかけての日本物理探鉱の実施した弾性波速度試験調査、その他これに関連する調査報告書というものが東電から全部出されておると思うんですが、出されておりますか。
#26
○説明員(児玉勝臣君) ダイヤエンジニアリングのいわゆるトレンチ調査の結果につきましては私たちの手元にございますが、弾性波試験の方は手元にはございません。
#27
○吉田正雄君 その資料ですね、いま少なくとも通産の方に出されておる資料を提出をしていただきたいと思うんですが、これはよろしゅうございますか。
#28
○説明員(児玉勝臣君) 先生の御趣旨に沿うように資料を整えたいと思います。
#29
○吉田正雄君 それからもう一つお聞きしたいのは、その東電の報告に対しては通産独自として現地調査は行われましたか。
#30
○説明員(児玉勝臣君) 現地は見ております。
 それで、先ほど先生がおっしゃいました問題について若干答えさせていただきたいと思いますが、通産省といたしまして、この問題を決して軽視しているわけじゃございませんで、この問題についてはどういうような断層というふうに判定すべきであるかということについて当庁内の専門家を入れましてやっておるわけでございますが、この先生の御指摘の断層といいますのは、海岸線に対して直角の方向に走っておりまして、この地域の主要な構造線方向と――構造線方向は海岸と並行している方向でございますけれども、それとは大きく異なりますためにこれはまず構造性のものとは考えられないというふうに考えております。これは、いわゆる安全審査のときにいろいろ問題のありました中央断層と似た様相を呈しておるということでございます。それからもう一つは、走向が湾曲しておりまして谷川に向かう正断層、要するに谷川に向かって断層が起こっておるということで、これはダイヤエンジニアリングがやりましたいわゆるトレンチの結果、断層に沿ってずっと地すべりが、地すべりといいますか、谷川に沿ってその断層があるということでありますので、これは非常に地すべりの特徴とよく似ておるということから、これはそう――本来原子炉というのは地下四十メートルのところにあります西山層という岩盤に設置するわけでございますので、その西山層まで達するような大きな構造的なものではないというふうに判定しておるわけでございます。
 さらに、十二月一日から炉心の本格掘削が始まったわけでございますけれども、それが終わりますのが五十五年の六月ということになりますが、そのときにはその炉心全体、地下四十メートルに至るまで全部掘削いたしますので、炉心とその断層といまみなされておりますものとの関係というのはすべて明らかになる、その上で検査をいたしまして、その断層がその地盤に対してどのような問題を持つのかということが明らかになりますので、その時点でわれわれとしても最終決断をするということにいたしたいと思っております。
#31
○吉田正雄君 通産の方でも現地へ入って調査をされたということなんですが、それはいつごろどういう方が入られたんですか。
#32
○説明員(児玉勝臣君) 五十三年十一月一日に原子力発電安全課長が現地に入っております。
#33
○吉田正雄君 そうすると、その十一月一日にその原子力発電安全課長が入られて現地の実態を見られて、そしてその後庁内で、東電から出された資料等、地質学あるいは地形学的に専門家による検討というものはどのようになされたんですか。
#34
○説明員(児玉勝臣君) 八月に報告がありまして以来、もうすでにそういう検討はしておったわけでございまして、十一月一日には最終的にその現地の調査を責任者が行ったということでございます。一日から始めたというわけじゃございません。
#35
○吉田正雄君 先ほどもちょっと話がありましたように、通産としてはこの断層が危険なものであるかどうかの最終判断というのはまだ下してはいないわけですね。
#36
○説明員(児玉勝臣君) 先ほど申し上げましたように、四十一条の工事計画認可を修正するようなそういう問題ではないと、いずれそれは四十一条の認可の後にまいります竣工検査といいますか――竣工といいますか、その工事中検査において逐次明らかになっていくものでございますので、そういうところの表土をはぎ、逐次掘っていく過程におきまして、その問題がだんだん解明されていくということでございますので、いますぐに何か手当てをすると、また四十一条の認可について修正を加えるという問題ではないと、それは一応まとまった意見として考えております。
#37
○吉田正雄君 私は、その考え方というのがきわめて危険な考え方ではないかというふうに思っておるんです。一昨年九月一日の総理大臣認可が出た以前の、いわゆる安全審査会による審査段階では、この断層というのはわからなかったんですよ。つまり審査時においては審査の対象にはなっておらなかったんですね。その後この新たなる断層というものがわかってきたのが昨年の大体七月ころからなんですね。そして東電としてダイヤコンサルタントに依頼をして露頭の調査から、いろんな調査を行っておるわけなんですよね。たまたま私どもの方でもこのダイヤコンサルタントの調査員が現地で調査をやっている状況というものもわかっておりますし、その時点におけるこの断層を示す状況写真というものも私どもの方では全部あるわけなんですね。したがいまして、いま通産当局がおっしゃるように、大したものではないという、そういう安易な判断を示すことができないきわめて私どもとしては重要な、危険な断層であって再審査の対象になり得べき断層であるというふうに思っておるんですよね。ですから通産当局として本当に心配のない断層であるということであるならば、少なくとも現地の住民に対して、その疑問に積極的に答える、そういう場というものが設けられなければならないわけですよ。単に一方的に大丈夫だ大丈夫だと言ってみても大丈夫の根拠が何ら明らかにされていない。これは新潟県議会の九月県議会においても地元県会議員の質問に対して県知事は、「国が大丈夫だと言っているから大丈夫だ」の一点張りなんですよね。そういうことなんですよ、これは。住民にすれば、国が大丈夫だと言っているだけであって何が大丈夫なのかさっぱり明らかでない。その質問に対して現地の東電側も住民を十分納得させ得る答弁はしていないんです。こんなことで私は原子炉建設というものが強行されていくところに原子力行政に対する住民の不信というものがますます強まってくると思うんですね。だから皆さん方はこの立地条件とかあるいは住民のコンセンサスを得る努力というものを今後やっていくんだと、表面的にはそういうきれいごとをおっしゃっているんですけれども、現地にこういう問題が出た場合に住民の要求にどう積極的にこたえているのかということになりますと、全くそういう住民の疑問に対しては単に大丈夫であるとか、まあ言い逃れしか行っていないということで、ますます不信がつのっておるんですよ、これが実態なんですね。そういう点で本当に皆さん方の方で確信があり安全性に自信があるならば、この断層をめぐって地元住民の質問に積極的に答える場所というものを設定をされるべきだと思うんですが、その点はどうなんですか。
#38
○説明員(児玉勝臣君) まあ先生のいまおっしゃった問題について、一つは事実を明らかにするという問題がやっぱり大事なんではないかと思うわけでございます。まあそういう意味で、現在その状況から判断して、さらに工事を進めることによっていわゆる電気事業法の四十三条に基づきます使用前検査の際に、原子炉建屋底面及びその周辺の基盤についての破砕帯とか断層の有無というのがすべて洗い出しされまして、そこにおいて初めて実際の実証をするというのが最終的に住民の皆さんにも明らかになる問題じゃないかと私はひとつ考えております。それで現在の状況で、これは原子炉の炉心を避けているということはもういまのトレンチの結果から見ましても十分わかっておりますので、そういうような話につきましては、現在工事の事業の主体者である東京電力から地元に対して十分なる説明をさせるということかと思います。
#39
○吉田正雄君 いま東電から地元住民に対して十分説明をさせるとおっしゃっておるんですけれども、地元住民に対して東電側としては十分その疑問に答えていないんですよ。答えていないものですから、私どもは昨年の暮れに現地調査をしたいということで東電に申し入れをしたんです。ところが東電の側では、私どもが希望した十二月の二十一日の調査日ではぐあいが悪い。ぐあいの悪いという理由というのが明確でなかったわけです。そして三十九日過ぎならばよろしい、あるいは正月に入ったら結構ですということで、私どもの調査を延期してもらいたいという理由というのは、そこに働いている人たちができるだけ金をよけいふところに入れて郷里へ帰りたいんだと、だからできるだけ働いてもらうためにいま行ってもらっても困るというのが一つと、とにかく理由にならぬ理由だったんですよ。私どもとしては、何か都合の悪いことがあるので二十五日以降ならいいという東電側の話だろうというふうに推測をしておったわけです。見せてはぐあいの悪いものがあるのじゃないか。しかもいま皆さんも現地へおいでになっておわかりだろうと思うんですが、当時の、写真を撮っておったときの断層が露呈をしておるときの状況から、ここへ例の草の種子の吹きつけを行って、いまみんな緑にずうっと吹きつけをやっちゃったり、至るところで目隠しをして見えないようにしておるわけですよね。その写真も撮ってあるわけです。だから、とにかく住民が見て納得できる状況じゃない。常に疑わしいものを全部目隠しをしていく。積極的に疑わしいものに答えていくという姿勢が東電側には全然ないわけなんですよね。そしてなぜ二十一日の私どもの調査日というものを断ったのかということがその後はっきりしたんですけれども、これは後ほど質問をいたしますが、実はその翌日に県知事によって突如として公有水面埋め立てに関する公示が行われて、そして事前の何ら審査もなくて柏崎市議会においてその日のうちに賛成の強行決議が行われた。しかも前日から機動隊が二個小隊も待機をする。市会議員には事前に何ら示されておらなかったんですよね、そういう話というものが。こういうことが二十二日に行われたんです。
 ですからいま東電が行っている原発建設のいろんなやり方というものを見ておりますというと、とにかく住民の指摘というものに対してはすべて目をつむる、あるいは調査要求に対してもその調査を受け入れない。そして公有水面の埋め立てについても一方的に突如として公示を行い、議決を行う。事前の住民の意見聴取という三週間の期間も無視をして、とにかく力ずくでもって押しまくっていくという、そういうことが行われておるんですね。こういうやり方というものはとうてい認めることができないわけですよ。
 そういう点で私は、皆さん方の方でこの断層が本当に心配がないものであるとするならば、これは共同でもって調査をすべきだし、またその資料についても共同で検討すべきだと思うんですよね。一方的に大丈夫一方的に大丈夫、ちっとも大丈夫でないものを大丈夫大丈夫と言う、そういう強権的なやり方、このことが私は原子力行政に対する国民の不信を買ってきたやっぱり最大の理由だと思うんですよね。そういう点で私は、この法改正もあって、できるだけ地域住民の意見というものを取り入れていくということも見解として明らかにされているわけですし、法の趣旨も私はそうだと思うんですね。そういう点で前から異議申し立てが住民からなされておるんですよね。そしてその異議申し立てについても、現地住民としてはできるだけ現地で説明会を開いて住民の質問、疑問に答えてもらいたいということを繰り返し言ってきているわけですよね。これに対しても積極的に、いままでは科技庁、今度は通産になるわけですが、何ら答えていないんですよね。
 そういう点で、この問題についていま申し上げたような観点から積極的に住民に対して疑問に答える場を設定する用意があるのかどうか。これは何も東電でなくたって、通産が国の責任においても当然それは私は答えていくべきだと思うんですね。その点はどうなんですか。東電にもやらせる、通産としても地域住民に積極的に答えていくという、そういう姿勢があるのかどうか、まずお聞きしたいと思うんです。
#40
○説明員(児玉勝臣君) いま先生おっしゃいますように、国の行政というのがやはり国民から理解されなければなりませんので、そういう意味ではその現地の問題の第一の責任者たる事業者がそれを負うということであるし、また必要に応じて行政官もその説明に立ち会うということがやっぱり大事なことではないかと思います。
#41
○吉田正雄君 大事なことじゃないかと思うということで、さっぱりその後がはっきりしないんですよね。端的に答えてくださいよ。地元住民の疑問を解明せいという、そういうものに対して積極的にそういう場所というものを設定される意思があるのかどうかですね。その点明確に答えてくださいよ、抽象的な答弁じゃなくて。
#42
○説明員(児玉勝臣君) 先生の御質問といいますか、そういう住民の不安に対していろいろ答えるという原則については私も全く同意見でございます。ただ方法につきましては、これは相手もありますし、それから当方の準備の問題もありますし、それから東電、事業体の対応の問題もありますし、そういう点を勘案いたしましてどういう方法をとるかを検討さしていただきたいと、こう思います。
#43
○吉田正雄君 そうすると、検討さしてもらいたいということですから、地域住民側とその点についても十分接触をされて、そしてその設定をしていくということについてはやぶさかでないわけですね。
#44
○説明員(児玉勝臣君) こういう安全性に関する問題点の解明につきましては積極的に私たちとしても対応していきたい、こう考えております。
#45
○吉田正雄君 それじゃ地盤の問題ですね、時間もありませんから、いまここで学問的な面で断層がどうだこうだということをやる時間もありませんから、それはそういう場で十分住民の疑問に答えてもらうということで、ぜひ解明をしていただきたいというふうに思っているわけです。
 なお、さっきの資料に関連をして、ダイヤコンサルタントが行った一連の調査と、それからボーリングも行っているわけですね、したがってそのボーリング調査の結果の資料、さらに先ほど申し上げました弾性波速度試験を行っておりますから、その弾性波試験の資料も、これは東電から当然私は通産が提出をさせて、通産独自の立場でも検討すべき問題だと思いますし、それから当然この科学技術委員会にも、資料請求があれば当然開かれた原子力行政としてこの資料提出をしていただきたいと思うんですよ。そういう点で出し得る――秘密というのはあるはずはないわけですからね、そういう点で資料というものをひとつ提出をしていただきたい。委員会というよりは私個人ということで結構なんですが、できるだけ資料を提出していただきたいと思うんですが、これは東電側にも要請をしていただきたいと思いますが、これはなぜこうくどく申し上げるかといいますと、野党であるとか、あの議員はどうも原発に反対をしているらしいからそういう議員には資料を出さぬという、そういう姿勢が見えてならないんですよ、これは。そんなことで一体国会の審議ができるかどうかということなんですね。本当に安全審査をやる、安全性というものを確認をしていくというこの間の原子力基本法の改正の趣旨からしても、積極的に資料というものを出して疑惑、疑問に答えていくという姿勢でなければいけないのに、何かあれは野党であるからとか、どうも反対する立場からではないかと、そういう者に対しては資料というのはできるだけ出さぬことにしよう、こういう姿勢がうかがえてならない。これは従来の科技庁にも終始どうもそういう姿勢が見られて私はたびたび苦情を申し上げたんですけれども、たとえば先般の例の昨年四月二十六日のアメリカの下院政府活動委員会報告第二十三報告をとってみても、科技庁にその資料の問題を問い合わしても、ああでもない、こうでもないと言って大変すったもんだやったことがあるんですよね。これは牧村局長も御存じのとおりです。ところが外務省に資料提出を要請をしたら即日持ってきてくれているんですよ、それを。そういう点でも外務省と科技庁の姿勢にも大きな差がある。もう科技庁というのは常に何かぐあいの悪いものはふたを閉めていくという、これはもう大臣も私はよく聞いていてもらいたいと思うんですけれども、そういう秘密主義ですから、秘密にすべき資料でないものを秘密にしたがる非常に悪いくせがあるんですよね。そういう点で私は新大臣にもその点を要望しておきたと思うんです。局長の前の答弁では積極的に資料は提出いたしますという答弁をいただいているんですが、いざになると答弁とは全く違って、ああでもない、こうでもないという理由をつけては引き延ばしが行われているということなんで、この東電側の調査資料についてもそういう点で通産、よろしゅうございますか。
#46
○説明員(児玉勝臣君) 今回の小断層の問題につきましてはダイヤエンジニアリングが行いましたトレンチの調査だけでございます。したがいまして、今回の調査の問題についてはこのエンジニアリングがやりましたトレンチにかかわる資料ということで御了解いただきたいと思います。
#47
○吉田正雄君 その点もいまの答弁ちょっと納得できないんですよ。いいですか、東電側が現地の住民にちょっと説明したところでは、いま申し上げましたように、炉心の南東約三百五十メートル、建屋からは約二百五、六十メートルというところに直角に、海岸線に向かって直角に断層が走っておりますということを言っているわけですよね。そして、ボーリングはほぼそれに沿って行われておるというふうに私どもは思っておるんです。ですから、2号機、3号機の建設のための予備測地であるとか地質調査、予備調査というふうに私どもは受け取っていないんですよ。仮にそうだとしても、そのボーリングの調査のその資料というものを出してもらいたいと思うんですよ。それが果たして2号機、3号機の予備調査なのか、あるいはいまの新たなる断層の調査のためのボーリングであるのかどうか、資料提出してもらえば私どもわかるわけですよね。現に行っておることは間違いないですよ。そういう点で通産としてもその資料提出を東電に求めて、ぜひ出してもらいたいと思うんです。これ、よろしゅうございますか。行っていないんじゃないんですよ、行っているんですよ。
#48
○説明員(児玉勝臣君) 今度の小断層につきましては、この小断層調査のためのボーリングというのはいたしておりません。
 それから、弾性波試験は先ほど申し上げましたように、この小断層というのは非常に地表の問題でございますし、これは弾性波試験というのは岩盤の方の地質調査ということをやっておりますので、小断層の問題ということにはかかわりが少ないのではないかと思います。
 それで、弾性波の試験の方というのは、これは東京電力のいわゆる社内資料ということでとっておる資料でございますし、小断層の方は、これはわれわれの行いました四十一条の工認に基づいての状況変化がどうであるかという追跡調査の上で私たちとしても行う義務があるとしてやっておる問題でございますので、今回につきましては小断層の判定ということについて必要な情報というふうにお願いしたいと思うわけでございます。
#49
○吉田正雄君 ちょっとおかしいことをおっしゃると思うのですよ。原子炉を建設する地質調査の中には当然地盤調査が行われているわけですよ。地盤が健康であるかどうか、きわめて重大な問題ですよ、その地盤の上に原子炉が建つわけですからね。したがって、その地盤の調査のものについては断層と余り関係がないからその資料は提出する必要がないんじゃないかと、また、皆さん方の審査、調査の対象にならないんじゃないかとちょっと受け取れるような発言がいまあったんですが、とんでもない話ですよ。そういう認識だから大変だと言うんですよ、私は。地盤が健康であるかどうか、地盤の実態というものをこれこそまさに十分調査をしなきゃならぬのに、その地盤がどうなっているかというのは東電の社内資料だからそれはどうでもいいなんというそんなばかな答弁ありますか。
#50
○説明員(児玉勝臣君) いま1号炉の地盤がどうかという問題じゃありませんで、、2号、3号という増設分の層に連続します地盤の調査を行っておるわけでございまして、私たちの方の1号機の問題は、これは安全審査のときにそういう弾性波試験の結果をもちまして十分に安全であるという結論をいただきまして、許可の上で現在工事認可を行っておるわけでございます。そういう点で誤解のないようにひとつお願いしたいと思います。
#51
○吉田正雄君 だから、私が先ほどから申し上げておりますように、2号機、3号機という説明はされておりますけれども、ボーリングを行っている場所というのはいまの1号機のすぐ近くでしょう、わずか二、三百メートルしか離れていないところですよ、それは。2号機だって3号機だっていいじゃないですか、全く近接をしている地盤でしょう。しかも、それが断層が新たに発見をされた断層に沿ってその近くで掘られておるわけですから、そういう点でこの1号炉にもきわめて重大な関係があるわけですよ。わずか二、三百メートルですよ。だから、この断層の性格によっては、アメリカの場合だったら建設中止だって再審査の結果出てくる可能性だってあるんですよ、これは。そういう点で非常に日本の場合には甘いですよ、そういう点での審査が甘いんですよ。だから、現に行っている調査なんですから、資料提出して何が悪いんですか。それが2号機の予備調査であろうと何であろうと1号機に関連しているんですよ、これは。いまの地盤、断層に関連をしているんですから出してくださいと言っているんですよ。何が出せないのですか。何か出せないほかの理由があるのですか。そういう秘密主義だからいけないんですよ。心配なかったら出すと言えばいいじゃないですか。
#52
○説明員(児玉勝臣君) ただいま私が申し上げているのは、小断層の調査ということでありますので、小断層というのは、その近くにもちろんボーリングを幾つかやっておりますので、そのボーリングにはその小断層というのはひっかかっていないわけでありまして、そういうボーリングの結果からは小断層の御検討はできないのではないかと、まあ先回りしてちょっと申し上げたわけでございます。ですから、小断層のために、小断層のところに新たにボーリングの調査というのはいまのところしておりませんので、その小断層を検討するためのボーリングの資料というのは私たち持ち合わせていないわけでございます。
#53
○吉田正雄君 小断層と決めつけておること自体が大問題ですよ。いいですか、先ほどから言っているように、私どもの現在少なくとも入手し得る資料によっても、皆さん方が小断層と決めつけるには皆さん方の説明では不十分だと言っているんですよ。私どもはみずからボーリングをやる力はないからボーリングやっておりませんよ、しかも東電の用地ですから。しかし、少なくとも東電側が七月から開始をした、ダイヤエンジニアリングに依頼をした、その時点での露頭、その当時の少なくとも出ておる部分についてのいろんな写真、これから判断をすると明らかに断層ですよ。これは少なくとも地質、地形を知っている方ならこれはもう地すべりだとは言わない。これは東電も認めておるし、皆も認めておると思う。小断層であるか、きわめて危険な断層であるかはこれからが問題なんですよ。それを皆さんもう当初から小断層であると決めつけておるわけですよ。しかし、私たちが数人の学者にこの写真を示して見解を問うたところでは、そんな小断層だというふうに断定できる内容ではないということなんですよね。だからこれを現地住民が重視をしているわけですよ。そういう点で、皆さん方が心配ないんだったら私どもが言っている資料を全部出してください。本当にどうか私どもの立場でもこれを検討したいということで言っているんですから、何でその資料が出せないんですか。協力できないんですか。小断層であるかどうか、そんな一方的な断定をあなたに聞いているんではないんです。小断層であるかどうか私どもは出された資料に基づいて改めて検討いたしますよ。そういう独断がよくないということを言っているんですよ。説明にならぬでしょう、単に小断層だ、小断層だなんて。私どものところでは、他の学者にも二、三当たって聞いているんですよ。小断層で、そんなものは軽視できるなんて一言も言ってないです。どうなんですか。
#54
○説明員(児玉勝臣君) 当方といたしましても、これは技術的な検討を加えてある程度の知見のもとに小断層と、要するに今度の1号機のいわゆる建設にかかわる安全性の問題としてどれだけのかかわり合いがあるかということについて一応検討しておるわけでありまして、先ほど申し上げましたように炉心からはずれておりますし、それから、そういうような断層と1号機の基盤との関係というのは、これから掘削をいたしましてすべて明らかになってくるということでございますので、そういう意味で、われわれとしてはまずそれ以外の、たとえば安全審査のときに問題になりました中央断層と言われたものとほぼ似たようなものであるので、そういうものの解明というのは、逐次掘削が進みまして、地下四十メートルのところまで掘削が進んだ時点であらゆるのり面にすべてそういう問題が出てまいりますので、それがどういうふうな判定をするかということが一番大事なところなんではないかと思っております。
 ですから、そういう意味で、国としては逐次ステップ・バイ・ステップで安全というのを確実に担保していくというやり方をしておりますので、今回の小断層というのも、それも現在われわれが判定しておる小断層ということでありまして、いずれそれがどういう時点で、どういうかっこうで完全に小断層と結論づけられるかというのは、時間とともに解明されていくと、こう考えております。
 ですから、いま先生おっしゃったように、現時点でもって表層数メートルのところでの断層で何かを判定をするというようなものとなれば、現在持っている資料以外にございませんので、それで、その御質問の解明になる資料を整えまして差し上げたいと、こう思っております。
#55
○吉田正雄君 私の質問が悪いのか、あなたの答弁というのは聞かない答弁をやっているんですよ。あなたが小断層であるか、どういう判断をしたかは、その判断の根拠を示せということをいま言っているわけじゃないでしょう。そういう学問的な論争はここでは時間がないからやりませんと言っているんですよ。とにかく現に得られている資料は全部提出をしてくれませんかと言っているんですよ。それに対してちっとも答えてないじゃないですか。1号機だとか2号機は関係ない。現にある資料を全部出してくださいと言っているんですよ。それがなぜ出せないんですか。むしろ出せない根拠を言うんならいいですよ。指摘をされているのは小断層です、小断層ですというもう繰り返しでしょう。ちっとも小断層の理論的根拠なんかないわけです。だからその資料を出してくださいと言っているんですよ。それどうなんですか。
#56
○説明員(児玉勝臣君) 先ほど来、現存問題になっています問題の解明のために必要な資料を整えてお出ししますと申し上げておるつもりでございます。
#57
○吉田正雄君 だから、その必要な資料という見解がさっき違ったでしょう。違いましたから、私は関連すると思われるから、すべての資料、現にある資料は全部出してくださいと、こう言っているんです。それはよろしいですか。
#58
○説明員(児玉勝臣君) 関連する資料につきましては、先生と御相談いたしまして、納得のいくような資料をお出ししたいと思っています。
#59
○吉田正雄君 当初からそう一言答えてもらえば余分な論争をやる必要がなかったんですよ。
 その次、第二点といたしまして、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、実は十二月の二十二日の午前九時に、突如として新潟県知事名で、県の河川課それから柏崎土木出張事務所同時に公示をされたわけです。いま申し上げました柏崎原発のいわゆる公有水面埋め立てについての公示が行われて、同時に県報でも告示をされたわけです。そしてその日の柏崎市議会において議運が十時に開会をされて、そしてここで市長の方から、冒頭この公有水面の埋め立てについて賛成の議決をしてほしいと、そういう取り計らいをしてもらいたいということを議運に諮られたんです。突然ですから議運は紛糾をして、議運は結論が出ずまとまらなかったわけです。そして午後一時半ころ議長職権で本会議が開催をされて、そして十五時ちょっと過ぎに社会党、共産党、公明党が退場する中で、三十四人の市会議員中残った二十三人が賛成の意思表示をやって議決をされたんです。したがって、事前に何らの説明がなかったし、提案時に配付をされた文書というのは、わら半紙半分の紙に簡単なスケッチがなされておる一片の紙切れしか議員には配付をされなかった。ですから、中身は何にもわからぬうちに、とにかく事前の根回しが何かあったんでしょうけれども、多くの議員は寝耳に水ですけれども、とにかくあっという間に強行採決でもってこれが議決をされたんです。法的にもきわめて違法と言わざるを得ないですね。事前の手続きが何らなされておらないということなんです。こういうことは通産としては御存じですか。
#60
○説明員(児玉勝臣君) 当方といたしましては、年明けていまのようなお話を伺ったわけでございます。
#61
○吉田正雄君 通産が年明けてからそういうことをお聞きになったということになると、通産の情報機能というのはどうかしているんじゃないかと私は思うんですね、皮肉でなくて。私が先ほど申し上げましたように十二月二十一日に社会党として現地に調査に赴きたいと言ったら、二十五日以後にしてくださいという、いろんな理屈にならない理由が東電側から述べられたんですよ。ところがたまたま県議会の段階でもこの公有水面に若干触れるような質問が行われたわけですね。そして翌日の二十二日に強行採決された、県知事の一方的な告示が行われたということなんですが、県議会における社会党県会議員の質問で、県当局は、実はこの公示が事前に漏れたんではないかという、うろたえの態度があって、これは私どもがほかから聞いた情報では、県庁の中の関係する職員が事前に漏らしたんではないかというふうな見方をして、警察が関係職員の二、三の人間に対して何か尾行するような、そういう状況というものがあったということを聞いておるんですよ。
 それから市議会の場合には、柏崎市議会では二十二日、特定の議員は知っておったんでしょうけれども、ほとんどの議員は知らなかった。いきなり二十二日突如として出されたわけですけれども、実は助役がどういうことを言っておるかと言いますというと、十二月二十一日、つまり前日の夜機動隊に協力要請を出したということをこれは明言をしているんですよ。全然市議会の議員にも知らされないで、そしてすべてのおぜん立てを整えておいて、そして一挙にぱっと県の公示、それから柏崎市議会の賛成議決を行うというこういうような手の込んだお芝居をやっておるのに、通産がきわめて、立地という問題については地元住民の今後は意見を重視をしなきゃいけない、協力を得なきゃならぬということをこの法改正の立場から繰り返し言ってきておるにもかかわらず、通産が一月に入ってからようやくこの事実を知りましたなんて、そんなとぼけた答弁で地元住民が納得すると思いますか。
 それで、これはたまたま私の質問の方で建設の方に事前の連絡をしておらなかったものですから、けさ連絡をしたんですが、緊急であって建設省側としては担当者がここに出席できないので御容赦願いたいという話があったわけです。けさの話ですから私の方でもやむを得ないということで了承をいたしたんですけれども、まずお聞きをしたいのは、建設省、通産の間で公有水面埋め立てをめぐって事前に何らの話し合いがなかったんですか。
#62
○説明員(児玉勝臣君) 今回の問題については何ら連絡はございません。
#63
○吉田正雄君 そういう行政でよろしいとお思いになりますか。
#64
○説明員(児玉勝臣君) 今回の問題は、建設省といたしましても権限が知事になっておりますので、こういう問題について建設省としても通産省と事前に何か相談すると、そういうようなことは恐らくなかったんではないかと、こう思います。
#65
○吉田正雄君 通産としては、知事との間にはそういう公有水面埋め立てについては何ら事前の連絡とか協議とか、現地住民の意向がどうであるとか、そういうことは何ら準備されなかったんですか。準備されないとしたらきわめて私は手落ちだと思うんですよ、それは。その点どうなんですか。
#66
○説明員(児玉勝臣君) 公有水面埋め立ては、先ほど申し上げましたように知事の権限でありますので、知事の行います行政について当方から何も言っておりません。
#67
○吉田正雄君 原子力行政をあずかる国の責任という観点から考えても、公有水面の埋め立ての権限を所管官庁である建設省が知事に委任をしたとしても、これだけ問題の原子力発電の建設をめぐっての公有水面の埋め立てでしょう、それを事前に何ら国とその出先の県、市との間に連絡がなくて一方的にこういうものが強行されるなんということが一体あってよろしいんですか、どうなんですか。
#68
○説明員(児玉勝臣君) 県、市にはもちろんその円滑な電源立地ができるように御協力をお願いはしておりますけれども、いつどういう方法でいろんな手続を進めていただくかということについては、私たちの方としては特に申し上げていることではありませんし、また筋合いでもないと、こう考えております。
#69
○吉田正雄君 そういういまの答弁を聞くと、今後の日本の原子力行政というのはますます私は困難に陥ると思うんですよ。なぜかというと、このいまの公有水面埋め立てをめぐるこの土地はいま係争中なんです。荒浜村民、昔の荒浜村の村民の共有地である。かつては牧口さんという方の個人名義で土地台帳に登記をされておった。こういうことで、県や市が言うこの土地の所有をめぐっては現在係争中なんですよね。その係争中であるこの土地を一方的に公有水面として埋め立てるということはだれが考えたって常識に反しておりますよね。現に地裁でもって争っているわけですよ、この所有をめぐって。そういう係争中であるということは御存じなんでしょう。どうなんですか。
#70
○説明員(児玉勝臣君) 係争中であることは知っております。
#71
○吉田正雄君 係争中であることを承知をされながら公有水面をこれを今度は埋め立てる、係争の土地をめぐって埋め立てるというんですから十分事前に連絡をしておくべきでしょう、それは。この公有水面埋め立てをめぐってまた一方的に公示をして、一方的に柏崎市議会で数を頼んで議決をしたということ自体が今後ますます柏崎原発の建設をきわめて困難にするだけなんですよね、これは。そういう点で、一体この原子力行政――あれだけ、昨年法改正をめぐって原子力行政のあり方というものが問われておりながら、またもこういう地元との間に重大な紛争を起こすような行政の進め方というものが一体あっていいというふうにお考えなんですか。あっていいとはおっしゃらぬでしょう。しかし、現に全然知らなかったと言う。これはうかつでは済まされない問題ですよね。この点についてはどうお考えになっているんですか。
#72
○説明員(児玉勝臣君) いま先生おっしゃいますように、そういうような行政の一つの手続をめぐりまして先生おっしゃるような問題があったとすれば非常に不幸なことではありますし、また望ましいことではないと私も考えます。まあしかし、その公有水面の埋め立ての方法とか係争中の問題について通産省がどういうふうに指導するかということについては、若干その権限も違いますし、もっぱら地元の対応ということで県知事または市長の要するに対応ということにお任せする以外にないのではないかと思っております。そういう意味で、なるべく平和裏にいろいろ問題が解決されることが最も望ましいということについては先生と同意見でございます。
#73
○吉田正雄君 私はその答弁にはきわめて不満ですよ。なぜかというと、科技庁もそうですけど、認可さえしたら後のことは知っちゃいないという態度がそこには見えますよね。認可さえしたらスムーズにいきますか、それは。あれほど立地条件だとか地域住民の理解とか協力とかいうことを口先だけはおっしゃっておりながら、あとのことは所管が違うんだから、それは建設省だと、もう県知事に認可権が委譲されているんだから、委任されているんだからもう通産としては余りそれはかかわり合いがありませんと、そんな態度で一体これからの原子力行政がスムーズにいくというふうにお思いになっておりますか。もう時間がありませんからいまここでこれ以上あなたに聞いてもしようがない。残念ながらきょうは建設省が見えておりませんのであれなんですが、建設省と協議をして以下の点について見解を文書で出してください、私に。
 この公有水面埋め立ての共有地、これはだれの一体所有か。もし、柏崎市の市有地だとするならばその法的根拠は何か。
 さらに、地元でのやりとりの中では時効取得というふうな言い方もされておるようですけれども、時効取得と言うからには裁判所の判断がなければいけないと思うんです。ところが現在係争中なんですよ。その係争中であって時効取得であるかどうかわからない、判断が下っていないというそういう段階で、一方的に公有水面であるから建設をやっていくんだというそのこと自体が違法行為ではないかと思うんですよ。だから、思うのは――私のいま見解を述べているんですけれども、いずれにしても、いま言ったような共有地はだれの所有なのか、市有地だとするとその根拠は何かということを文書でもって私の方へ資料として出していただきたいと思うんです。
 それからさらに、県が公示をしたんですけれども、市議会ではちょうどこの半びらの紙にスケッチを簡単にかいて、これが埋め立てされる土地ですということをぱっとスケッチしただけのものしか配ってないんですよ。県の方は、公示に当たって分厚い東電側から出されたいろんな地図とそれから文書もついております。ところが、それは市議会議員には配られていない。審議をする議員には全然配られておりません。したがって、県が公示に当たって閲覧用の書類と地図というものを出しておるわけですから、それも私に資料として提出をしていただきたいと思います。これは建設でなくてもこれは同じ政府という立場で必要なわけですから、これをぜひ出していただきたいと思いますが、これは閲覧されているんですから秘密でも何でもないですよ、よろしゅうございますか、資料要求。
#74
○説明員(児玉勝臣君) ただいま先生の提出要求のありました問題につきましては、建設省並びに県と相談いたしまして提出いたします。
#75
○吉田正雄君 それでは最後に、実は予定をしておらなかったんですが、ここ二、三日来の新聞で原子力開発をめぐりまして幾つかの報道がなされております。したがって、その点について限られた時間ですが、基本的な見解というものをお伺いをいたしたいと思いますから、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思うんです。
 まず一つは、「ウラン濃縮の制度的整備」と題する米国政府のINFCE濃縮作業部会に提出された論文が一月六日に日本政府に送付をされてきたと、こういう報道がなされておりますが、これは間違いございませんか。もし間違いなかったらその報告書を資料として提出をしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか、これが第一点です。
 それから第二点は、まあこれに関連をして、動燃事業団の開発した例の遠心分離機は設計上は何%まで濃縮可能なものであるのか、それから実際はどの程度まで濃縮が可能なのかどうか、これをお答えをいただきたいと思うんです。
 それから、わが国のいま人形峠でもってパイロット建設をやっておりますが、この七千台の遠心分離機、うち一千台がことし七月から運転を開始するということで、五十六年度中に全機が操業して六十年度の初めには商業用工場というものを建設をして国内で必要とする濃縮ウランの二分の一から三分の一をここでつくっていこうという計画があるわけですね。それはどうでもいいんですが、これを進めるに当たって、再処理の問題では日米協議の中でいろいろ話し合われたんですが、この遠心分離機の濃縮については日米間で事前にどのような話し合いがなされたのかどうかという点です。
 それから、これはもういまの遠心分離機の濃縮の機能といいますか、それにも関連をするんですけれども、私はアメリカのカーター政権のとっております核不拡散政策というのは、これは正しいと思うわけです。そういたしますというと、核防条約やアメリカの核不拡散政策にもかかわらず、現実には核拡散のきわめて危険な状況というものがいま起きておりますし、すでにイランあるいは南アさらには最近では韓国、台湾が核武装に向かってもういまばく進をしておるということが言われるわけですね。そういう点で私は基本的にこの濃縮作業というものが各国でそれぞれ行われるならば、核拡散の危険な状況というものはますます広がるというその指摘は正しいと思うんです。これについて日本政府としてはどのように考えられるのかということです。
 それから、ラスムッセン報告に対するアメリカ原子力規制委員会が今度はハロルド・ルイス・カリフォルニア大の教授に委託をした報告書を、これは資料としていただきましたけれども、これについて原子力委員会あるいは安全委員会としてはどのような見解をお持ちなのか、まだ発表されたばっかりですから、ただいま検討中であるならば検討中であると、その点をお聞かせを願いたいと思うんです。
 以上で私の質問を終わります。
#76
○政府委員(山野正登君) まず御質問の第一点でございますが、INFCE作業に対します米国のレポートがわが方に送られてきたかどうかという点につきましては、私どもの方に送られてまいっております。しかしながら、御承知のように、このINFCEの作業と申しますのは、各国が今後原子力平和利用を進めるに当たりまして、核不拡散と平和利用を両立させるためにはどうしたらよろしいかということを一般論としていろいろ検討しておる場でございまして、現在各国から出されておるペーパーと申しますのは、米国のものも含めまして、その検討の場で審議の用に供するために用意されたものでございまして、現在の時点で送られてきたものを直ちに公表するということは、これは国際信義の上からも適当でないと考えますので、米側の資料をそのまま先生の方に御提出するということは不可能かと存じます。
 それから、第二点の動燃事業団のウラン濃縮工場でございますが、これは遠心分離法による濃縮でございますから、どこまで濃縮できるかという点につきましては、原理上は、遠心分離機の濃縮の原理によりまして相当高濃縮までいくわけでございますが、現在の設計と申しますのは設計上三・二%というものを考えておりまするので、わが国はもっぱら軽水炉に使用いたします燃料というものの確保が目的でございますので、それ以外のものを現在必要としておるわけではないわけでございますので、今後ともその設計目標値に向かっての運転を続けるということであろうかと存じます。
 それから、現在岡山県の人形峠に建設を進めておりますパイロットプラントでございますが、本件につきましては、再処理のごとく日米原子力協定によりまして日米間の話し合いというものが特に義務づけられておるわけではございませんので、先般の東海再処理の日米交渉のごとき日米間の話し合いというものは持たれておりません。
 それから、第四点の米国の言っておる核不拡散政策という御指摘の点でございますが、この核不拡散というものがきわめて重要であるという認識は、これは米国のみならずわが国を含めまして関係国一様に持っておる認識でございまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、INFCEそのものが不拡散と平和利用の両立を求める作業でございますから、そういう点におきましてはわが国といえども全く米国と意見を同じくするものでございます。
 で、今後濃縮工場というものが世界的に見まして各原子力発電国がおのおの自前の工場を持つように無制限に広がっていくかどうかという点でございますが、これは国々における原子力発電規模によりまして、採算ベースに乗るかどうかといったふうな問題もございましょうし、それから、もともとこの濃縮技術というのはきわめて高度な技術を要するものでございますので、関係の国々が自前の技術で容易にできるというものでもございません。そういったふうな観点から各国競って自前の工場をつくるという方向に走るという即断をするのは適当でないかというふうに考えております。それで、これにつきましては、INFCEの場におきまして、濃縮についてはどのような保障措置が適当か、どのような改善を行えばよろしいかといったふうなこともあわせ行っておるわけでございまして、今後多国間あるいは単独の濃縮工場というものにつきまして十分な保障措置を講じながら、つまり核の不拡散というものを担保しながらこの作業を進めていくという方向の会議が行われておるという状況でございます。
 以上、四点につきまして御答弁申し上げます。
#77
○政府委員(牧村信之君) 最後のラスムッセン報告の問題についてお答えいたします。
 私ども、このラスムッセン報告というものにつきまして過去からいろいろ検討を加えてきておるわけでございますが、今回、先生御指摘のように、ルイス報告あるいはNRCのステートメントが最近出されたわけでございます。こういうような原子炉の安全性につきましてその潜在的なリスクにつきまして確率論的に評価するということは、基本的にはきわめて有意義であると考えておるわけでございます。今後もその考え方は変わらないわけでございますけれども、従来からラスムッセンの報告というものがまだ完全なものでないというような御批判は各界から出されておったわけでございます。したがいまして、わが国の安全審査における災害の評価におきましては、いろいろ特に仮想事故であるとか、重大事故というアメリカとも違う手法で事故想定をし、そのうえで安全の確保を図るという審査が行われておりまして、このラスムッセン報告そのものを直に審査に使っておるわけではございません。したがいまして、このラスムッセン報告あるいはそれに対する批判につきましての報告書、NRCのステートメントによりまして当面のわが国の安全審査に影響を与えるものではないというふうに考えておるわけでございます。今回のルイス報告あるいはNRCの声明につきましては、今後原子力委員会あるいは安全委員会におきましてもいろいろな検討をしなければいけない問題であるという認識は持っておりまして、すでにルイス報告につきましては若干の検討を加えてきておるところでございます。こういうような問題につきましては、実は原子力研究所におきましてわが国独自のこういうリスクの評価の仕方というような調査研究を実施をお願いしております。そういうような研究の中に今回の指摘された問題等を大いに加味して、わが国においての確率論的な評価方法を検討していくべきことではないか、このように考えておるところでございます。
#78
○藤原房雄君 限られた時間でございます。当面する諸問題について二、三お伺いをしたいと思います。
 大臣も新しく御就任になられて今度の予算編成にお取り組みになられて、本来ならばこの予算を中心にしましていろいろ政府の考え方等をただしてまいりたいと思うわけでありますが、予算問題につきましては後日ということにいたしまして、当面科学技術庁関係に関します、またエネルギー問題につきまして最近いろいろな問題が起きておりますので、それらのことに関しまして、限られた時間ではございますが、御質疑を申し上げたいと思います。
 最初に、昨年原子力基本法の改正がございまして、これはいままでの原子力基本法の成立以来初めてのことでございます。今日までわが国のとってまいりました原子力行政に対してのいろんな批判もあり、また反省もあり、それらのものを踏まえて、行政上また今日まで論議されてきたことを踏まえての改正がなされたわけでありますが、それだけに国会におきましても当委員会におきましても相当な角度から論議がされたわけであります。私は、これらの論議を踏まえて法改正とともに科学技術庁及び通産省、運輸省それぞれの立場でこの問題については真剣な取り組みがなされているだろうと思うんでありますが、成立法案のその後のどういう処置をとったかということについて、当委員会での真剣な討議を踏まえまして、その経過等また今後の考え方等についてお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 原子力基本法の改正問題については、一つは原子力安全委員会の新設、これは昨年の十月四日に施行されているわけであります。また、安全行政の一貫化、この問題につきましては本年の一月四日施行ということになります。改正法の施行状況とその概要について御説明をいただきたいと思います。
#79
○政府委員(牧村信之君) 先生御存じのように、昨年七月五日に基本法の改正法が公布されまして、十月には安全委員会が発足いたしました。それから一月四日に規制の一貫化の措置が完了したところでございます。
 安全委員会につきましては、新しい体制で五名の先生方の発令が行われ、自来精力的に新しい体制に取り組むために下部組織でございます原子炉安全専門審査会あるいは核燃料安全専門審査会、その他常設の専門部会の設置のための諸準備をいたしまして、安全審査会につきましては、この一月委員の発令も終わりまして第一回の会合が持たれたところでございます。その他専門部会につきましては現在発令の手続中でございまして、近く発令が完了し次第、所掌の専門部会を動かして原子炉の安全体制の確立のために各種の審議を行っていくという考え方で仕事が進められております。
 一方、十月四日に安全規制の体制の一貫化につきましては必要な政府政令等の整備が完了いたしまして、事務の引き継ぎも行って一貫化の体制に完全に移行したという状況にございます。
 したがいまして、科学技術庁を含めまして通産省、運輸省とも新しい担当分野に沿って規制業務に遺漏ないようにこれからやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#80
○藤原房雄君 いろんな論議の中でありましたように、ひとつ厳正に実施をしまた進めていくということで今後のあり方につきましては要望いたしておきたいと思いますが、また安全委員会のことでございますが、この審議の中で、最終的にいろんな問題については附帯決議でこれらの問題について要約しまして、政府に対して今後のあり方としましての要約がなされたわけでありますが、この中で、安全委員会を補佐するところのスタッフの充実強化、このことが附帯決議の中に盛られておりますが、この附帯決議を受けてどのように対処をなさっていらっしゃるのか、この辺についてちょっと御説明いただきたいと思います。
#81
○政府委員(牧村信之君) スタッフの確保につきましては、昨年度の予算で原子力安全局の中ではございますが、原子力安全調査室というものの設置が認められたわけでございます。五十二年度の予算定員は十一名でございます。安全室長の下に審査等を担当いたします安全調査管理官――管理職でございますが、管理職をヘッドにいたしまして安全調査官六名、そのほか安全委員会の事務的な所掌を、庶務等をいたします係、補佐等が三名という体制で発足したわけでございます。で、その強化につきましても、五十三年度は――失礼いたしました、先ほど五十二年と申し上げましたのは五十三年度でございます。五十四年度予算におきましてもその増員を要求しておりましたが、一名の増が認められたところでございます。で、この調査室の人員がこれで完全であるかどうかという点につきましては、なお私どもは引き続き増加してまいりたいと思っておりますが、五十四年度につきましては定員一名の増加が予算原案で認められておるところでございます。
#82
○藤原房雄君 まあ大臣も原子力行政にこれから携わるわけでありますから、今日までいろんな論議のありましたこと、そしてまた慎重な上に慎重でなけりゃならないということの上に立ちまして、過日の質疑を踏まえての今後の体制の整備、こういう中にいま一つずつ申し上げたことがあるわけでありますけれども、ぜひひとつ今後の取り組みとしましては大臣もひとつ政治生命をかけてその充実強化に当たっていただきたい、このことを要望いたしたいと思うのであります。
 次にお伺いしたいのは、安全行政の一貫化ということで、科技庁、通産省、それから運輸省の機構改革、これが行われたわけでありますけれども、この体制はどういうふうになっているかということや、もう一つは、原子炉安全専門審査会それから原子力発電技術顧問会、こういうものについての拡充強化ということもずいぶん論議になりまして、この問題についても政府としては積極的に取り組んでいく、こういう姿勢が見られるわけでありますけれども、新しい年度を迎えましてこういう問題についてはどのようになっておるのか、この点についても御説明いただきたいと思うのです。
#83
○政府委員(牧村信之君) 原子炉安全専門審査会並びに核燃料安全専門審査会の設立につきましては先ほど御報告いたしましたが、この国会の審議の過程におきまして行政庁の先生方とダブっておる点の不備を指摘されたわけでございます。したがいまして、今回発足いたしました両安全専門審査会の先生方は行政庁の顧問会とダブった方が一人もおりません。それから安全専門審査会には従来行政庁の役人が出ておりましたが、これも今回のダブルチェックを行うという趣旨から外されておりまして、すべて学識経験者により構成されておるところでございます。
 その人数につきましても定員的に四十名でございます。しかしながら、現在発令いたしましたのは、全員を発令しておりませんが、原子炉につきましては三十九名、核燃料安全専門審査会につきましては三十三名の方にお願いいたしております。で、なお余裕がございまして、これは緊急な審議事項等ができた際に逐次増強していきたいと、定員まで増強していきたいと考えておるところでございます。
 それから、今回の一貫化によりまして科学技術庁も研究開発段階の原子炉の安全審査につきまして責任を持って審査をすることになっております。で、その対策といたしまして、従来通産省にございましたような技術顧問制度を設けまして、安全審査の先生方とは違う専門家の先生方にいろいろ御相談しながら行政庁の安全審査を自信を持って進めていけるような体制をとらしていただいておるところでございます。
#84
○説明員(児玉勝臣君) 通産省の方の体制強化について御説明さしていただきたいと思います。
 先ほど安全局長が申されましたように、通産省といたしましては実用発電用原子炉につきまして通産省において今度一貫の規制をするということに相なったわけでございます。それに伴いまして、当省といたしましては従来原子力安全課という一課で規制を行っておりましたけれども、今度二課体制ということで原子力発電安全審査課それから原子力発電安全管理課と、二課の体制をしいております。それからこれに伴いまして人員を十三名増員をしております。二課合わせまして総勢五十名ということになったわけでございます。それから原子力安全審査課に統括安全審査官、従来一人でおりましたけれども、これを四名ということで三名増員いたしまして安全審査に遺漏なきを期しております。さらに原子力発電技術顧問会、従来電気事業法に基づきます工事認可の審査ということにいろいろ技術的なアドバイスをしていただいたわけでございますけれども、その技術顧問も、従来二十七名でございましたものを六十三名ということで大量に増強いたしまして、内部におきましても基本設計に関する顧問会、それから運転管理に関する顧問会、それから建築地盤に関する顧問会、三つの顧問会を発足させております。
 以上、こういうことで体制が一月四日から発足しております。
#85
○藤原房雄君 いま御報告がありましたように、体制としてはおおよそ形が整えられたといいますか、スタッフや体制、行政上の問題については人員不足があったりいろいろあろうかと思いますけれども、そういう中で、今後、よりこの原子力行政というものについての国民のコンセンサスを得るための地道な話し合い、そしてまた行政上ダブルチェックということからいきましても、こういう体制が特に強化されたわけでありますが、こういうことで、行政の簡素化という厳しい中でこの度はこういう形が整えられたということでありますから、今後の原子力行政の機能の上で体制がより力を発揮しなければ何にもならぬということであります。
 こういうことで、大臣は、まずこういう新しい体制のもとにスタートをした科学技術庁の国務大臣という、責任者という立場に立って今後お進みになるわけでありますので、この行政上の問題については特にひとつ円滑な、そしてまた先ほど来いろんなお話ございましたように、これを行政が十分な機能の発揮できるようにひとつ十分に見守っていかなければならないと私は思うんです。
 そういうことで、この行政のこういう形、体制が確立された段階での今後に対する大臣の決意といいますか、はっきりとした確信のほどをお聞きしたいと思うんですが、いかがですか。
#86
○国務大臣(金子岩三君) 藤原先生のいまの質疑をお聞きしていまして、御心配なさっておることは私もともに心配をしておることでありまして、大変この役所に入ってみまして一番むずかしい点は、やはり科学技術庁がやっております行政そのものにいろいろ通産とのつながり、非常に密着したつながりがありまして、責任の所在までいろいろと分析していくと、むずかしい役所だなということを痛感いたしておるわけでございます。法改正によっていろいろ、いま局長から御説明がありましたが、スタッフもより強化されていっているようでございます。したがって、私もこの科学技術庁の国家的な使命が、大変重大な役割りを果たさなければならないということを、いままで違った場所ばかり歩いていたものですから、ことさら私は責任を非常に痛感しておるのでございます。できるだけひとつすっきりした形で効率を上げるような科学技術庁の行政の姿をこれからひとつつくり上げていきたいという所存でございます。
 先生方が、ぼくよりもずいぶん勉強されて長年この科学技術の振興に取り組んでいらした先生方ばかりでございますが、大いにひとつ私にいろいろと御鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げまして答弁にかえたいと思います。
#87
○藤原房雄君 大臣の所信等についてはまた後日聞くことになっておりますし、お願いはお願いとしてまた後日いろいろなお話し合いをするとしまして、非常に厳しい環境の中でこの科学技術の振興、まあ科学技術というと当委員会では原子力の方が非常にウエートが大きくなっておるわけでありますけれども、その原子力行政についての責任者ということでございますので、大臣もひとつ決意を新たにお取り組みいただきたい。
 さらに、「むつ」問題については、地元のこととして大臣も大変に御案じいただき、住民の声と国がなさんとする施策、そういう中で今日までいろいろな体験をなさっていらっしゃったんだろうと思います。そういうことで、原子力行政というのは形だけ整ってそれでいいということではございませんで、そこにはまだまだ国民の合意を得るためにはむずかしい諸問題があるということで、みずからいろいろな体験をなさった中からひとつ真剣なお取り組みをいただきたい、こう思うんです。
 以前のいろんな当委員会での法案審議、また委員会での審議の中でございましたが、「むつ」問題ですね、この問題についても相当な長時間いろいろな論議がございましたが、原子力船事業団法の改正に関しまして、一昨年の改正で同法の存続期間、事業団が研究開発機関に移行するための準備期間として五十五年十一月末日までとするということになっているわけでありまして、この「むつ」の行方というものも、国の今日までの施策というものに対しましていろいろな論議があって、そして改正がなされ、そしてまたさらに「むつ」がどこへ行くのかということが非常な注目を浴びておる今日、私ども公明党としましては、これだけの国家的事業としてやってきたものを無にするというよりも研究開発機関という形で進めるべきではないかという、こういうことを主張してまいったわけでありますが、今回の法案の提出状況を見ますと、これを原子力船事業団の研究機関移行という、こういうことに対しての法案の準備、こういうものがどういうふうになっているのか、ちょっと私どもにはわからないんでありますが、これは進行状況はどうなっているかということや、またこれについての結論――結論といいますかこの法改正というものは今国会で提出されるのか。また、されないとすれば、今後どういうふうに考えておるのか。この問題についてはどうでしょうか。
#88
○政府委員(山野正登君) 本件につきましては、かねて当委員会でもいろいろ御審議いただいておったわけでございまして、ただいま藤原先生から御指摘ございましたように、将来、現在の事業団を開発研究機関に移行をするための準備の作業というのを私ども部内で進めておったわけでございます。
 従来進めております作業と申しますのは、現在の事業団を研究もあわせ行う研究開発機関にするわけですが、その際の研究業務の内容はどうあるべきであろうか。また組織、体制といったふうなものはどうあるべきか。さらに、ほかの研究機関との関連といったふうなものはどのような区分にしたらよろしいであろうかという点等につきまして、政府部内、関係省庁とも検討を鋭意進めてまいったのでございます。
 現在までのところ、私どもとしてはある程度煮詰まってまいったと考えておりますけれども、なおこの研究課題につきまして、さらにまた他機関との業務の関係につきまして、いま少し詰めるべき余地というのが取り残されておるということと、御承知のように昨年新しい原子力委員会と安全委員会の新体制が発足したわけでございますが、その際原子力委員会の方にも新しい委員が着任されまして、この新しい組織におかれましてさらに本件をいま一度、たとえば原子力船の専門部会のようなものを設置して、その場でしさいに検討をしたいという御意向もございまして、私ども当初の予定では何とかこの通常国会に御提案申し上げたいと考えておったわけでございますが、以上申し上げましたような理由によりまして、今回の通常国会は見送りまして、この先できるだけ近い国会に御提案申し上げたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#89
○藤原房雄君 時間もありませんので先へ進みますが、多くの審議の中からいろいろな方向性というのは衆参両院で出されているわけでありますし、それに対してのいろいろな問題点があることは百も承知でありますけれども、その審議を十分に踏まえた上での行政当局としての強力なその推進また反映、こういうことを強く訴えておきたいと思うんです。
 原子力船の行方についても、私どもも十分な今後に対しての考え方等いろいろな角度から検討いたしておりますけれども、行政当局につきましても、時間が一応制約があるといいますか、タイムリミットというのはある程度あるわけでありますから、十分な審議をし、十分な合意の得られるような時間というものを十分に考慮した上でやっぱり決定すべきものは決定するということで進めていただきたいもの土だと思うんです。
 時間がありませんから次の問題に移るわけでありますが、いまイランの政変によりまして、イランの原油生産削減状況というものが大きな問題になっているわけであります。これは科学技術庁というよりも通産省のことになるのかもしれませんが、エネルギー全体ということから私どもも十分に認識しなければならぬ問題、まあ断片的には新聞や報道でなされているわけでありますけれども、やはり政府の基本的な考え方というものを明確にしておきたいと、こう思うわけであります。
 過日、資源エネルギー庁で「イランの原油生産削減の影響とその対応について」という発表をなさったようでありますが、今日まではさほど目標値も落ち込まずに輸入できたようでありますけれども、これから一−三月期、これから原油輸入の見通し、これは一体どういうふうになるのか。それから、いまイランの生産の削減の分についてはサウジその他の増産態勢である程度カバーしているということでありますけれども、それにも限界があろうかと思いますので、そういうこと等もあわせて今後の石油の、原油の輸入の見通し等について、まあ詳細でなくても結構です、時間がありませんから粗々で結構ですが、御説明いただきたいと思います。
#90
○説明員(児玉勝臣君) 中東をめぐります石油の問題は、いま先生がおっしゃいましたように、非常に危機をはらんでおりまして、日本への石油供給についてのイランの位置づけというのは御承知のとおり約一割未満でございますけれども、しかしそこの生産というのが落ち込むことは、長期的な観点からいきまして非常に日本の石油供給上大きな問題になるという認識のもとに、この間エネルギー庁の見解が出されたわけでございます。イランの情勢の分析にはいろいろございまして、非常に長期にわたって回復しないであろうという見解もありますし、また二月になれば回復するのではないかと、そこのところは諸説紛々としておりまして、どれをとるというわけにもまいりません。そういうことよりは、イランの生産減を他の国に生産を回す、シフトする、そういうようなことで、またそのイランのような情勢がサウジアラビア等の方に飛び火することがないようにしなければいけませんし、もしサウジアラビアに同じような問題が起こったとすれば非常に日本の国としてはこの前のオイルショックを上回る大変な問題になるわけでございます。そういう意味で中東情勢というものを非常にわれわれとしては関心を持ってみておるということでありますし、またその問題いかんによりましては現在備蓄している問題についても若干手をつけていくということ、さらに省エネルギーについてもっと国民の理解を得て強調していくという次々と手を打っていかなければならないのではないか、こう考えておる情勢でございます。
#91
○藤原房雄君 見通しというのは相手のあることですから、なかなかむずかしい問題があろうかと思いますが、これは単に一時的なことではなくして、やはり不断の、技術的なこととかなんとかですとあれですが、政治情勢の変化ということでありますから、これは簡単に解決するものではないだろうと思います。私はそういうことについてはいろいろこれから論議しなきゃならないし、考えなきゃならぬことだと思いますが、四十八年にあの石油危機があったときに、エネルギーだけではなくて日本経済全体が、それから国民の心理的にも大きな物心両面にわたっての混乱があったわけでありますが、あれを踏まえて今日あるわけで、こういう中で、四十八年のあのオイルショックのときに行政府として、立法府としてどういう対応の仕方をしたのか。それでそういう経験がありながら、そしてまたそのうち省エネルギーということについてもずいぶん論じられておるんですが、こういう窮迫した状況にないとなかなか物事というのは真剣に取り組みはなされない。こういうことで、四十八年のあの危機を過ぎた今日はややこういうことについては、論議はあるとしても、非常に緊迫感をもって感ぜられない。非常に社会的には影響の大きいことですから、余りにも窮迫した状況を押しつけるようなこういう論調もどうかと思いますし、余り楽観的なことを国民に訴える一わけにもいかないということで、やっぱり常日ごろの着実な省エネルギーを初めとする国民に対する呼びかけ、こういうものが大事なことだろうと思います。いままで科学技術庁、通産省、こういうことについて全然無能であったとは、何の手段も講じなかったとは私は言いませんけれども、石油問題については埋蔵量の限界、そしてまた輸入量にも、われわれが考えるような経済成長に伴ってそういつまでも無限に輸入量がふえるというわけにはいかないということで、今日までもいろいろな論議があったわけであります。こういうことで、政府でも閣議で電力の節約ということについていろいろお決めになったようでありますけれども、これは決して一時的なこととするのじゃなくて、またイラン問題があって初めて思い出したようにこういうことをしたというのじゃなくて、もっと地についた着実な、省エネルギーの研究開発ということも大事なことですが、常日ごろから国民に呼びかけるという、こういうことも恐らく強制力が伴うか伴わないか、どういう問題が起きてくるんだとなると非常にむずかしいことだと思いますけれども、常日ごろからの対策が必要ではないかと思うんです。四十八年のあのときにはいろんな法律が制定されたわけでありますけれども、このたびの場合にはそういうものが発動されるかどうかということは、今後また推移を見なきゃならないんだろうと思いますけれども、今後の対応については情勢の変化も勘案しなきゃならぬと思いますが、それはそれとして、基本的にエネルギーに対してやっぱり厳しい、石油そのものは戦略商品という、こういう観点から非常に厳しい見方の上に立って対処をしなきゃならぬだろうと思います。こういうことで閣議でこのたびのお話のあったことは当然のこととして、今後さらに恒常的な、危機があって初めて何かをするというんじゃなくて、常日ごろからの対応策というものをできる問題について、危機が過ぎたらもう野放しになるというのじゃなくて進めていくような考え方をぜひひとつ持っていただきたいと思うんですが、どうでしょう、大臣。大臣でなくてもいいけれども。
#92
○国務大臣(金子岩三君) 大変適切な御意見でございまして、けさ閣議で、御承知のとおり二月一日を省エネルギーの日にしまして、二月を月間に決めましたが、この前四十八年のあのオイルショックのときにもやっぱり同じようなことを決めておるんですが、あれをいつ解除したのかだれもわからないわけです。そのままずうっとやはり省エネルギーに政府はちゃんとしたやはり強力な指導をしていかなければならなかったことであって、この点は大変反省せなきゃならない点でございます。
 そこで、日本人は足元に火がつかなければぴんとこない人間性が非常に強いんでございまして、政策としてもやはりそれなりにその民族のその姿勢に合った政策を続けておるんでしょうが、いまの中東の情勢がどのように好転しようとやがては油はなくなる、三十年使えば原油はなくなるんだということになっておるわけでございますから、わが国のような全く資源の乏しいんじゃなくして資源を持たない国でございますから、特にエネルギー資源としてはやはり石油にかわるものは原子力の研究開発をやはり強化して、早く原子力によるいわゆる電力供給に移行すべきである。このような観点から科学技術庁は、特に予算の面でも技術の面でも非常に積極的に取り組んでます。いま千百五十万キロワット、いわゆる日本の電力需要の一〇%を原子力発電で供給しておりますが、いま建設中のものが完成すると大体二千七、八百万キロワットの供給ができるような計算になっておりますから、あの一応の年次計画で六十五年に日本の電力需要の三分の一は完全に果たせるんじゃないか。ただ、やはり立地の問題が一番先決でございますから、その立地を推進するためにはやはり安全性の確立が何より緊急な課題でありますので、法改正を行われて安全局ができ安全委員会ができたのもそれがゆえでございますので、積極的にこの委員会とこの局は、やはり先ほど「むつ」の話が出ましたが、「むつ」にしましても同じでございまして、安全が一〇〇%確立されたならば住民は別に立地にさほど抵抗はないのじゃないかというような考え方をいたしておりますので、これからはひとつ早く安全性の確保を一〇〇%確立して国民に理解を求め御協力を求め、そしてやはり油にかわるエネルギーを原子力の研究開発でひとつ補っていきたいと、私はそういう考え方で一生懸命予算の時期にも取り組んで、いろいろと予算を確保してまいりました。
#93
○藤原房雄君 時間もございませんので最後になりますが、石油にかわるエネルギーとして原子力をということでありますが、原子力もいまいろいろな問題を抱えておりますので、そう急速にこれに依存するというわけにいきませんで、やっぱりいろいろな、現在ありますものを集約していかなければならないだろうと思います。去年ですか、この国際エネルギー機関で石油火力発電所の新規建設を禁止する方針を決めたということでありますが、こういうことで石炭というものが、石炭火力というものが見直されるという。ところが国内の石炭、これは当委員会が適当であるかどうか別といたしまして、二百万トン体制を維持していこうということでありますけれども、現実はそこまでいっていないのが現状で、さらにまた円高で石炭がどんどん安くなる。こういうことで国内石炭の生産というものが会社によって生産調整しなければならぬじゃないかという、こういう話も去年の暮れあったという現状でございますが、こういうことから、少なくとも国内エネルギーというものについて石炭というものについてもそれなりのウエートというものを、もっとやっぱり国が最大限見ていかなければならないのではないかと思います。こういうことで石炭に対する見直しということもこれ十分また検討しなければならぬと思います。
 まあ、こういうことで、エネルギー問題については世界情勢の変化に伴って右に左に非常に揺れ動きの大きいもののようでありますが、やっぱり国内でできるものについて国内エネルギーというものを大事にするということで、これは通産省、科学技術庁ともに真剣にいま取り組んでいただきたいと思うんです。
 それと、あの科学技術博が六十年ですか、見られているわけでありますが、これもことし調査費がついたということで、私ども国会におきましても議員連盟をつくって推進しようということでありますが、地元でも大いに期待をして、ただしこれは関連事業引っくるめますと一兆円近いということで大変な事業になるわけでありますが、大臣が御就任なさって、ぜひひとつしっかり科学技術博というものが開催されてりっぱに成功する、こういう基盤をおつくりいただきたいものだと思うのです。日本にとりましても非常に意義のあることだろうと思います。
 こういうことで、石炭の今後の見直しということと、それから科学技術博、これに対する大臣の決意、簡単で結構です、お聞きして終わりたいと思います。
#94
○国務大臣(金子岩三君) 石炭は通産の関係でございますけれども、通産大臣にもよくひとつ御相談をして、藤原先生の御意見のあるところをよく伝えたいと思います。
 世界科学技術博覧会、私は初めて科学技術庁に入りまして局長からその説明を聞いて、こんなものは三年ぐらいやらぬと予算はつかないのじゃないかなということで取り組んだわけでございます。地元はもちろん、国会の先生方も四百十名超党派で促進議員連盟をつくっていただきまして、船田先生が先頭に立っていただく、こういう態勢でありましたので、学界も財界も政界も挙げてやはり科学技術の今後の日本の運命を決めるというような大変なやっぱり御認識の上に立って、何よりもこの企てを実行に移すことが一番手っ取り早い、私自身も科学技術が何たるかも余り知らなくて役所に入りまして、やっぱりこういうものをつくって六カ月で四千万人でも五千万人でも小学校の生徒からひとつ見せてやることが日本の科学技術の振興には何よりも手っ取り早いという考え方で、大蔵はずいぶん渋りまして、一兆二千億の金が要るわけですから、名前だけを変えてくれというずいぶん最後まで抵抗がありましたけれども、額は減らしても名前は変えないということで、とうとう額は千二百万の調査費でしたが、それを六百万円にまけて、そして名前だけは一応生かして、いよいよこれから取り組んで、来月はできましたら閣議の了解を得て世界万国博覧会の事務局に申し入れをいたしたい、このように積極的に促進することに努力をいたしております。御了承御協力をお願いいたします。
#95
○委員長(塩出啓典君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#96
○委員長(塩出啓典君) 速記を起こして。
#97
○説明員(児玉勝臣君) ちょっといまの問題について訂正をさせていただきたいのですが……。
 先ほど、日本の輸入に対する影響のパーセンテージといたしまして約一〇%と申し上げましたが、これを一八%ということで訂正させていただきたいと思います。
#98
○佐藤昭夫君 金子さんが新大臣になられて初めての委員会ですので、実は今後の科学技術行政についての大臣の基本姿勢について幾つかお尋ねをしたいという予定をしておったんですけれども、質問の持ち時間がずいぶん減りましたので、そういった点はすべて次回に譲りたいと思います。御了解をいただきたいと思います。
 まず、動燃の再処理工場の事故の問題についてお尋ねをいたしますが、昨年の八月の二十四日、再処理工場の酸回収蒸気かんの加熱蒸気パイプに放射能が漏れて、以降運転が停止をしている。修理を目指して除染中と、こういう段階にあることは御存じのとおりでありますが、そのさなかに、さらに十二月の一日に問題のセルで酸欠事故が発生をして職員二名が倒れるという事態が起こっています。そのうち一名は単に酸欠だけではなくて放射能の被曝も受けたという報道でありますが、まずこの後者の酸欠事故の問題について、詳しい内容は時間がむだですから、どうしてこういうことが起こったのか、その原因を簡明に答えていただきたい。
#99
○参考人(中村康治君) 再処理担当理事の中村でございます。お尋ねの問題をお答えいたします。
 問題の事故は昨五十三年十一月三十日午後二時半ごろ発生いたしました。セル内の空間線量率の測定のために、その前から取りつけてございました計測器を取り外すという作業をやっておりまして、現場に配置してございました放射線管理第二課の職員が意識不明になりました。これをそのセルの中の上の踊り場で監視しておりました化学処理第二課の作業員が直ちに発見いたしまして、セルの外でその後の作業のために待機しておりました仲間に連絡いたしました。それでこの救出作業に当たりましたが、結果的には両名とも救出されまして、酸素吸入あるいは人工呼吸を行った結果、短時間の意識不明ということで両名とも元気を回復いたしました。この救出の緊急作業の過程で、この二名及びそのほかの救援に携わりました五名に身体汚染があることが鼻のふき取り検査と申しますか、で判明いたしました。そこでさらに精密な全身カウンターの検査を行いましたところ、二名に有意な読み取り値を検出いたしました。そのうち一名はもうすでに翌日になりますと検出できない程度に下がっておりますが、もう一名の者について、肺での沈着ということで計算いたしますと、三カ月で〇・三レム、年間で〇・七レムというふうに推定されます。これはICRP、国際基準なんかで勧告されている肺の年間許容値の約二十分の一でございました。また、短時間とはいいながらこの意識不明を経た者について、事業所に勤務の医師並びに専門の病院で脳波検査をいたしましたところ、いずれも異状を認めないという報告でございました。
 先生の御指示もございますので、途中少し省きまして、なぜこういうことが起こったかということについて御説明をいたします。
 その前に、先生御指摘の八月二十四日に酸回収蒸発かんに欠陥が発生いたしまして、蒸気凝縮水に放射能を検出いたしました。実はこういうことがございまして、それのセルの中での非破壊検査及びその後の口を開いて開口検査をするつもりでございますが、その結果がまだ現在出ておりませんが、そういうセル内の作業をするために、このセルの中に作業をする者に余分な被曝を受けさせたくはないということで、このセルの中のいろいろな機器のいわゆる除染という作業をやっておりました。その作業をやる一方、それが果たして計算値だけであるかどうかということで、いわゆる定置――底に置いた状態での空間線量率の測定というものをやっておったわけでございます。
 この事故の結果、労働基準監督署及び警察でいろいろ御調査をいただきました。もちろん科学技術庁原子力安全局の方でも御調査をいただきました。その結果、労基署の方から今後の安全対策のために指導票をちょうだいいたしましたが、一方、所内の検討といたしまして、今回の事故は幸いにして重大な結果ではございませんけれども、問題の性質上これはかなり私ども反省しなければならぬということでございまして、いろいろ調査委員会を設けて調査いたしますと同時に、関係者に対して所内規則に基づく懲戒処分及び今後の作業のための組織がえ、新しい人員配置という一連の措置をとることにいたしました。
 こういう体制、組織の改善のほかに、今後この種類の作業をするについて、いわゆる一般安全についても全面的に見直すと同時に、万一の場合の救急器具そのほかもさらに一段と整備するように配慮したつもりでございます。
 以上でございます。
#100
○佐藤昭夫君 概要の御説明があったわけですけれども、結局、いわば酸欠が起こったのは、問題のセルの底のところに炭酸ガスがたまっておったということですね。常識的に言って炭酸ガスは空気より重い。だからそれがたまるということはこれは常識的にも予想されること。予知をされること。にもかかわらずなぜそういうことが起こるのかという、ここがそういう動燃の施設の安全管理上の問題として重大問題である。しかも一九七二年に、これは動燃だけではありませんけれども、数々の諸施設での安全確保の上から、労働安全衛生法に基づいての酸素欠乏症防止規則というものも制定をされて万全を期そうという、国としてもまた各事業所としてもそういう取り組みが進んでおるというさなかにこういう問題が動燃で再び惹起をしているということですが、それでどうですか、直接の責任者である動燃、また指導官庁である科学技術庁として、さっき責任者の処分をやったとかそれから安全管理体制についての一層万全を期すいろんな措置を講じておるというんですけれども、今後このようなこと――というのは、再々起こりますからなおあえて聞くんですけれども、もう二度と起こらないということ、その保証はあると、二度と起こらぬということを明言できますか。
#101
○政府委員(牧村信之君) 大変厳しい御指摘ではございますが、先ほど動燃の担当理事から御説明申し上げましたように、動燃といたしまして今回の事故につきまして非常に反省しております。所内の体制も大いに整備してやっていきたいということでの報告をもらっておるわけでございます。したがいまして、私どもとしてはこのような同様な事故が二度と起こらないように厳重に指導監督をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
#102
○佐藤昭夫君 それでは昨年の八月の蒸気管の事故の原因の問題についてお尋ねをしたいと思うんですが、これも時間の節約上、ちょっと私が疑問に思ってる点を先に申し上げますけれども、本来、放射性の廃液を加熱をする高圧の蒸気パイプの中に、それよりも圧力の低い廃液、これが流れ込むということは、圧力の低いのが高いところへ流れ込むということは、これは物理的、原理的に考えられないこと、ところがなぜそういうことが起こるのかというのは、こういうことが起こるような何か設計そのものの上原理的ミスがあるんじゃないかという問題。
 それから、パイプにピンホールがあったということが言われておるわけですけれども、そういう場合にパイプの材質そのものに不良があるのか、あるいは腐食をしたのか。ところが、実際に運転開始して一年もたつかたたぬかのこういう間に腐食が起こるということになったら、一体これは耐用年数はどうなるのかという点で非常に疑問を持たざるを得ない。この動燃からいただいております「動燃十年史」という分厚い本の中の、さっきから繰っておるんですけれども、三百九十五ページにも出てきますけれども、こういう「腐食に対する信頼度が最も重要で、十五〜三十年のメインテナンスフリーが要求される。」という角度で工事をやってきたんですということを書いたり、にもかかわらず、一年たったかたたない間にこういうことが起こるのはなぜか、こういう点についての一体究明はどうなっていますか。
#103
○参考人(中村康治君) 幾つかの御質問をちょうだいいたしました。先ほどもちょっと申し上げましたように、現在まだ問題の蒸発かんの直接触れた非破壊検査及び口を開いてみての中の検査はやっておりませんので、いま申し上げることは諸般のデータから見た推定ということでまず御了解いただきます。
 最初にお話のございましたこの蒸発かんに八月にいわゆる欠陥を発生いたしましたが、その現象として、高圧の蒸気側に圧力の低い方の廃液がなぜ出てきたのかという御質問と了解いたしますが、実は私どもホットテストではずっと連続の作業ではございませんです。いわゆる私どもキャンペーンと申していますが、ある作業をやって、それからその間のデータをとる。あるいはいろんな安全評価、事前に安全審査でお願いした話とどうなっているかという一連の解析をやって、また次のキャンペーンに入るというような繰り返しをやってまいりました。この八月二十四日の状態は、その一連のホット試験計画が進行いたしまして、最後の総合試験をやっている最中でございました。最後の総合試験を前半と後半ということに分けまして、実は前半はBWRの燃料を処理いたします。後半はPWRの燃料の処理をいたします。したがって、燃料集合体の大きさ、形が少しく違いますので、いわゆる勇断で燃料部分を切るという操作がございますが、その一連のジグを交換しなければなりません。そういう中間の状態で、したがってその期間は廃液は出てまいりません。そういうので、この蒸発かんを実際は運転してない、ある短期間ですが運転してないという状況がございました。そこで、一時停止の状態で廃液がこの欠陥からしみ出して外を汚していたんであろう考えます。そして、この蒸発かんの運転再開に伴って、外から供給している蒸気の凝縮水に汚染を発見した、そういう経過でございました。
 第二の御質問、そういうのが一年足らずで欠陥を生ずるというのは、先生もおっしゃっておられるように、材質そのものが不良かあるいは腐食かということはいま現在明快にわかっておりません。しかしながら先生も御指摘のように、私どもといたしましてはこれについて相当――仮に腐食であるとしても腐食しろに対しての配慮をした設計をとっていたつもりでございます。それにもかかわらず、一年そこそこ、実際累積運転時間で考えますと約三年にわたっておりますけれども、その間にこういう事態が発生したという理由については繰り返し申しているようにいま明快に申し上げるわけにまいりませんが、運転状況そのほか処理液あるいは煮詰められた液の不純物を分析する、そういうことを続けてやっています。そういったこと、及びやや類似した蒸発かんを私ども持っておりますが、それを検査した結果から考えますと、どうもこの蒸発かんの動かし方、操作の仕方に配慮が欠けておる面があったかもしれないというふうにいま考えております。いずれにいたしましても蒸発かんの中の検査を来月中に何とか実施したいと思っておりますので、いまのところ推定だけのお話でございます。
#104
○佐藤昭夫君 そうしますと、八月の事故の原因究明の結論はいつ出るのですか、来月中ぐらいに出るというのですか。
#105
○参考人(中村康治君) いまいろいろ御説明いたしましたように、諸般の情勢、状況及び海外の同種のものの調査をいたしまして、九割方腐食による問題であろうといまは推定しております。それを蒸発かんの内部を検査してということで、それが究極的に証明されるのが来月の後半末になると考えております。
#106
○佐藤昭夫君 それで原因がまだはっきり究明し切れていないという段階にあるわけですけれども、ところが伝え聞く話では、大体パイプの部分取りかえ、部分補修、これでひとつはやっていこうかという想定に基づいてすでにフランスとも言われたりドイツとも言われたり、そこへ代替品の注文をやっておるということですけれども、ところがフランスにその代替品の注文をしたところもう在庫品ありませんと言われた。よく調べてみると、フランスでラアーグ再処理工場でこれを使ったのだけれども故障を起こしたということで、事実上これはだめだということで、フランスにはもう在庫品がないのだということにもなる。こういうものを日本の東海の再処理工場に使っておるということさえ明らかになってきておるという話があるんですけれども、その代替品の注文をめぐる問題も含めてどういう動きをしておるんですか、それは。
#107
○参考人(中村康治君) そういう話があるやにも私も承っておりますが、実は私どもフランスだけでなくドイツ、ベルギー、アメリカ、関連の施設がございます。その関係のところの調査もいたしましたが、現在のところ、この濃度が高くて温度が高い硝酸を蒸発処理をするその材料としては高クロム、高ニッケル、極低炭素のオースチナイトステンレス鋼を使うということは世界の共通の認識として最善の選択だと私ども考えております。
 それから第二におっしゃいましたラアーグという再処理工場でございますが、ここで使ってだめであったという事実はないと私ども、私自身も参りましたが了解しております。ただ、いま申し上げましたように、高クロム、高ニッケル、極低炭素のステンレス鋼というと、いわゆる市場マーケットが非常に少ないものでございまして、したがって、これは特注品ということで製作にかからなければなりません。私どもの施設は先生も御承知のように、フランスの技術の援助を受けておりますが、そのルートから入手を検討いたしましたところ、そういう特注品であるということで納期がいますぐに間に合わなかったというだけでございまして、この材料がだめであるという証明はどこにもないと了解しております。
#108
○佐藤昭夫君 どうも合点いかぬ点がたくさんあるんですけれども時間がありませんので、私ここで質問点だけ出しておきますので、ひとつ責任を持って回答を寄せていただきたいと思いますが、さっきも触れてましたが、一つは、この八月のパイプ事故の原因が現時点ではどこまで究明できているのかという問題が一つ。それから二つ目に、ピンホール事故との関係で代替品の注文をしておるというわけですけれども、問題のフランスのウラナス65、これはフランスの再処理工場でこれを使ってやっていたけれども運転中止に至って現在はこれでは役に立たないということで在庫品がないというふうに言われているんだけれども、一体そこをめぐる事実はどうなのかという問題と、それから西ドイツのドイチェ・メタル社に代替品を現在予備注文しておるというふうに聞くわけですけれども、日本にもメーカーの中でこういう高性能のこれらのものを開発をしておる実績もあるわけですけれども、本当に自主技術を大切にしていくという観点から、そこらの問題についてどう総合的に検討しているのかという問題ですね。ここらの問題について、ちょっと質問だけ出しておきますので、ぜひ私の方に回答を寄せていただきたいと思うのです。
 なお、質問いたしたいと思いますのは、いずれにしてもこれらの事故によって再処理工場の操業は停止をしている。いつ操業再開できるかまだ見通しもはっきりしていないということなんですけれども、大体操業停止によってどれぐらいの損害が起こっておるのか、損害の額の見積もり。それから御存じのとおり、五十二年八月の日米再処理交渉のあすこでの合意事項として二年間に九十九トンの再処理をやるというこの暁、どういう工法をとっていくか、それについては再協議と、こういうことになっているんですけれども、これはだれが見たって九十九トンというのは無理だろうということですけれども、その見通しと、それからことしの夏に予定をされる再協議というこれについてまた新たな困難が起こってくるのじゃないかというふうに当然予想をされると思うのですけれども、ここらについて政府交渉の問題ですから、政府側としてはどういう見解を持っているのかという点についてお答えいただきたいと思います。
#109
○政府委員(山野正登君) ただいま最後に質問されました今後の日米再処理交渉に対して本件がどのような関連を持つであろうかという点でございますが、これは、現在までに動燃事業団の再処理工場で再処理いたしました累積の処理量というのは十九トンでございますから、日米共同決定いたしております九十九トンのごく一部にしか当たらないわけでございます。そういうことで、きわめて率直に申し上げまして二年間で九十九トンの再処理量をこなすということはこれは遺憾ながら不可能であるというふうに考えておるわけでございます。そういう意味で、ことしの九月以降の動燃再処理工場の運転につきまして、日米間での再処理交渉をするに際しましてはこの積み残した量をどう扱うかという問題は出てこようかと思います。ただ、この日米再処理交渉と申しますのは、これは先生御承知のとおり、現在ございます日米原子力協定の八条C項によりまして、同じく同協定の十一条に規定されております保障措置というものが効果的に行われ得るかどうかという点につきまして両国間で共同決定をするものでございまして、そういう観点から見ますと、今回のトラブルというものは直ちに八条C項の判断基準に影響するものではないというふうに言い得ると思うのでございます。つまり、結論としまして、量的にはもちろんきわめて深いつながりが今後の交渉にはございますけれども、共同決定をいたします判断の基準と申しますか、視点と申しますか、そういう点につきましてはこのトラブル自体は直接の関係はないというふうに考えております。
#110
○佐藤昭夫君 ずいぶん楽観的な見方をされておりますけれども、いわば、日本の原子力行政が自主技術の蓄積もないまま背伸びをしてあることを追い求めて、そうして背伸びの結果足元から欠陥が暴露してきておる。こういう状況で、本当に迫力のある日本の立場に立ったそういう交渉の力は私は出てこぬと思うのです。
 それで、次の問題にもう移りますのでちょっとはしょらざるを得ぬわけですけれども、長官、ずっとお聞きいただいておって、鳴り物入りで宣伝をしてきた再処理工場の施設の中で、そこに働いておる労働者やあるいは国民の安全上も、常識的に起こらないような事故が、起こるはずのないような事故が起こっておる。それから一年もたたぬ間に重大事故、しかもそれが原因がいまだにはっきりしないという事故が起こって運転停止という状況になっていると。こういう状況で本当に日本の科学技術、原子力行政の正常な発展というものがあるのか。もう一遍原点に返って足元をよく見て、どうやって順調な日本の原子力行政の発展をつくり上げていくかということについてどうしても考えてもらう必要があるというふうに私は思うのです。きょうはこの問題を材料に言ったわけですけれども、これは「むつ」の問題にしても、もうすべての問題がそうだと思うのです。ということで、次回以降の委員会で逐次申し上げますけれども、特にその点は長官に申し上げておきたいと思います。
 それから、その損害額ちょっと質問の答弁漏れですけれども、そんなもの計算したことがないというのだったら……。
#111
○参考人(中村康治君) 私どもの施設の通常状態における工場維持費、それから御承知のように大蔵大臣保証による借入金を持っております。したがって金利の負担がございます。これをいろいろ合わせますと一月当たり約四億円ということになります。で、先ほど来御説明いたしましたように、いつ運転再開になるかということはいまちょっと明言しかねますので、合計幾らだということはいま回答を避けさしていただきたいと思います。
#112
○佐藤昭夫君 それでは次に、放射線照射食品に関する問題について幾つかお尋ねをしたいと思いますが、放射性同位元素や放射線による食品に照射を行っていろいろ利用していくということが、農業、医学、工業の分野も含めていろいろ今日全体的に前進をしてきておると思うのですけれども、昭和四十二年原子力委員会が特定総合研究として食品照射研究開発基本計画というものを策定をして以来いろんな研究が進められながら、昭和四十七年、七品目のうちまずバレイショが許可になってきた。バレイショが昭和四十九年の一月から実際にそれが実施に移されておる。その他の品目については、その後五十三年に原子力委員会は遺伝的安全性に関する研究を追加をしていく必要があろうというこういう見地に立ってさらに研究を延長をしているということで、タマネギは五十三年まで、米、小麦は五十四年まで、ソーセージ、水産練り製品は五十五年までということになっておるわけでありますが、そこで問題は他の六品目、いま挙げました六品圏については遺伝的安全性試験を追加をしたんだけれども、バレイショについてはもうそれは必要ないということで見切り発車というか、実施にもう先行しているということになっておるこの理上申は何ですか。
#113
○委員長(塩出啓典君) 中村参考人には御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきましてありがとうございました。御退席いただいて結構です。
#114
○政府委員(山野正登君) ただいまのバレイショについて、遺伝的安全性の試験をなぜしないかという御指摘でございますが、実はバレイショの遺伝的安全性試験につきましては、わが国を初めとしまして二十四カ国が参加しております国際食品昭射協力計画というのがあるのでございますが、この中で昭和四十八年にカナダにおいて実施されております。この共同研究の結果、その安全性が確認されておるというわけでございまして、バレイショにつきましては、遺伝的な安全性試験というものを全くしないでそのまま安全であるというふうに断定したものではないということでございまして、このような国際協力による研究成果もあわせ考えて判定されたものだというふうに考えております。
#115
○佐藤昭夫君 しかし、その国際共同研究というのはバレイショだけに限定してやっているわけじゃない、他の品目についてもやっているわけですね。そういう状況でわが国ではバレイショを除く他の六品目については、特に遺伝的安全性の特別の研究をさらに追加をする必要があろうという原子力委員会の判断でやってきておるということで、慎重さを期するという意味でバレイショについてもそういう措置をやるということについて一遍原子力委員会として検討してみる必要があるのじゃないかという点について重ねてお尋ねをしたいということと、それからちょうど二月から春にかけての時期というのは端境期でもあるわけですけれども、そういう加工食品も含めて放射線照射をしたいろんな食品が店頭に出るわけですけれども、そういう放射線照射を行った表示を、店頭に出す食品についてそういう表示を行う必要があるというふうに私は思うのですけれども、その点の見解はどうですか。
#116
○政府委員(山野正登君) まず第一の国際協力によって研究成果は出ておるが、これを重ねて国内でやることはどうであろうかという点でございますが、こういう照射食品についての食用に供してよろしいかどうかという判断というのは、食品衛生調査会の意見を聞いて厚生大臣が判断しておられるわけでございまして、この食品衛生調査会といったふうな権威ある機関におきまして現在の判断というものは行われておるわけでございますので、そういうふうな機関の意見も聞きまして、今後そのような必要があるかどうかというのは検討しなければならないわけでございますが、現在のところはすでに先ほど申し上げましたような国際食品照射協力事業の一環として終了しておりますので、改めてわが国として再度行う必要はないという結論であるというふうに伺っております。
#117
○政府委員(山中和君) 後半の表示の問題につきましてお答えします。
 現在、照射しましたジャガイモは容器包装ということですが、具体的にはダンボールに入れて出回るわけでございます。ダンボールにつきましては、これは放射線を照射したものであるという表示をすることを義務づけております。これの意味は、放射線を再照射しないということが加工基準の一つになっておりますので、再照射を防止するためにこれを義務づけておるわけでございます。それで、適法に十五キロラドで照射されたバレイショ及びその加工品につきましては、食品衛生上有害ではないということで食品衛生調査会の答申を得ましてこれを許可しておるわけでございますので、店頭でばら売りをされているバレイショ等につきましては表示を義務づける必要はないとわれわれは考えております。
#118
○佐藤昭夫君 しかし、いまも言われておるように、梱包の段階というのは卸の段階ですわね。その段階ではこの表示をつけておるということであれば、店頭で小売をする段階についても、国民の安全を保護をするという立場で、特にいま消費者団体から表示をつけようという要求が出ておるということもよくよく御存じでしょう。だから、そういう点でぜひこの点についてもう一遍そういう要望にも沿って検討していただきたいというふうに思うんです。
 それから、もう時間がありませんから先に進みますけれども、昨年の九月に大きな問題になりましたベビーフードの中に放射線照射野菜が含まれておるということで、マスコミでも大きな問題になったということは御承知のとおりであろうと思うわけですけれども、これが四年間にわたってラジエ工業ですか、そこがやっておるということを監督官庁としてよく知らなかったという大変遺憾な事態が暴露をされたということですけれども、放射線障害防止法という法律に基づいて立入検査権というのも監督庁にはあるわけですけれども、それをいままでやったことがあるのかどうかですね、そういう点どうですか。
#119
○政府委員(牧村信之君) このラジエ工業の施設に対します放線線障害防止法の立入検査は四十八年に行っております。また、この事件が新聞に報道されました直後に科学技術庁の検査官が立入調査をいたしております。
#120
○佐藤昭夫君 だから、そのときに発見できなかったということですね、四十八年の段階で。で、実際これ私聞いておるあれでは、こういう放射線を使用しておる事業所の数は現在約四千。で、それの立入検査等を任務としております検査官は二十名。そうしますと四千事業所をこの二十名で扱っていくということでいきますと、この原子力白書によりますと、立入検査の実施状況というのは大体年間四百カ所だということでありますから、四千カ所をやるのに十年かかるという非常に体制上の不備があるんじゃないかという点がこの点でも露呈をしておると思うんですけれども、これを機会に本当に国民の不安にこたえ、国民のそういう食品の安全を守る、こういう見地から特にベビーフード、発育期の子供の問題でもありますし、抵抗力の弱い子供の安全を特別にそうした点での管理、検査の体制の特段の強化を図る必要があるだろうというふうに思うんですけれども、その点はどうですか。
#121
○政府委員(山中和君) 先ほどのラジエ工業の監視の問題につきましては、厚生省の食品衛生関係につきましても私ども責任がございますので、ちょっと補足させていただきます。
 食品衛生法は、大体この法律を関係者で守るという合意の上で成り立っておる法律でございます。食品は元来安全なものでございますから、加工や保存基準を皆で合意を得ているわけでございます。で、現在約六千五百人の衛生監視員というのが全国で監視をしているわけでございます。で、このラジエ工業も照射ということで一つに入っております。ただ、この場合は、実はラジエ工業自体が、これを粉末食品には照射をしてはいけないと、ジャガイモ以外はいけないんだということを承知の上でやったいわば犯罪行為なわけでございます。したがいまして、これは監視では発見できなかったわけでございます。しかし、科学技術庁ともいろいろその後相談をいたしまして、実は通知を出しまして、今後被曝の状態とか線量とかそういうことだけじゃなくて、被曝をする内容物を確認するということを今後いたすことにいたしました。それと科学技術庁の監視員と同時に監視をすると、一諸に行くというような共同体制をとってこれに対処することといたしております。
#122
○佐藤昭夫君 要望をしておきたいんですけれども、これらのべビーフードに使われる食品材料について、前段で申し上げておった六品目食品について遺伝的安全性の特別のいろんな研究について追加をいまやっているという同様の見地から、特にこの発育途上の子供の健康の問題という観点から、ベビーフードに関するこの問題についても一遍そういう研究をやるということをぜひ科学技術庁と厚生省の間でひとつ相談してほしいというふうに思うんですが、その点どうですか。
#123
○政府委員(山中和君) 今回ベビーフードの照射事件がございましたが、これは食品衛生法上の違反であるということでその回収を命じて全部回収をしたわけでございます。
    〔委員長退席、理事藤原房雄君着席〕
これが身体上の健康上の影響があるかどうかという問題はこの事件とはまた別な観点でございまして、実は昨年九月二十五日にこれに関する専門家を集めまして専門家会議をしてもらいまして、健康に対する影響について論議をしていただいたわけでございます。
 その結論としまして、一つはベビーフード、まあ乾燥野菜でございますが、コバルト60によって、コバルト60――ガンマ線でございますが、ガンマ線照射によって食品が放射化される恐れはないということが一つ。
 それから、第二にこのような食品は乾燥食品であったということで生鮮食品に比べて食品に変化が生じにくいということ。実はそのガンマ線に対しますデータは非常に多くございまして、比較的影響を受けやすいのは不飽和脂肪酸や核酸などでございまして、野菜に限らず乾燥品というのは影響を受けにくい。
 それから、第三番目にバレイショやタマネギ等の食品に関する従来の知見が大分たまっております。これは三千キロラド付近でのデータは非常に多くたまっておりまして、現在までの研究で有害化の問題がないということ。
 それから、第四番目に諸外国における具体例でございますが、まあ国際的にもIAEA、WHO、FAO、そういうところでバレイショ、タマネギは各国で許可をされているということ。それから、そのほかソ連、ブルガリア等でいろいろな半製品とか、あるいは調味料等の許可がされていること。あるいは英国や西独では病人食に対してこれの照射が許可されているということ。こういう総合的な判断から……
#124
○佐藤昭夫君 結論だけ。
#125
○政府委員(山中和君) 問題がないということで、現在試験をさらに進めるという必要はないということで結論を得ておりますので、現在はそういう考えでおります。
#126
○佐藤昭夫君 済みません。あと一つだけ。
 いまの答弁はちょっと納得できませんが、もう時間ないから終わって、あと「むつ」の問題について一つだけ、ちょっと時間を超えてますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 言うまでもなく、青森県との四者協定、それから長崎における五者協定、ここでもう速やかに新母港、新定係港を決めるという政府の公約になっておるわけですけれども、この新母港確定の作業がどう進行をしておるのか。たまたま昨年の十二月五日の毎日新聞に、私出身は京都でありますから、京都の舞鶴を含めて十二カ所を原子力船事業団と科学技術庁でリストアップして検討に入っておる、一月から早々に具体的な現地折衝に入ると、こう書いておるのですけれども、あの段階で担当官の方に聞いたら、事実無根でございますと言っているんですけれども、きょうは正式の委員会でありますので、もう一遍改めて尋ねますけれども、事態はどう進行しているのか、あの毎日新聞記事の真偽はどうかという点だけお尋ねいたします。
#127
○政府委員(山野正登君) ただいま「むつ」の新定係港の選定作業につきましては、日本原子力船開発事業団におきまし選定の方針を取りまとめまして、目下のところ全国的に机上調査を進めておる段階でございます。今後、机上調査というものを早急に進めまして、その結果適当と考えられる地点、これは従来地元等から誘致等のお申し出のある地点も含むわけでございますが、そういう地点について現地調査というものを進めてまいりたいと考えております。
 昨年、一部の報道に十二カ所の候補地を決定したといったふうな報道がございますが、あの時点におきましてこの候補地点というものを十二に限定したという事実はございません。また、現在もこの調査対象というのは複数港ございますが、何カ所にしぼるというふうな作業ではございませんで、現在まだ広く調査を進めておるという段階でございます。
#128
○中村利次君 大臣が就任されて初めての委員会ですが、私も大臣の基本姿勢についてお伺いをしようと思いましたけれども、科学技術の振興開発というのは、これはきわめて多様多岐にわたっておりまして、宇宙開発から海洋開発、それからエネルギー問題でも原子力に限らず地熱、風力、潮力、太陽熱、いろいろなあれがありますけれども、しかしまあ世界的に一致しておるのは、やっぱり一九八〇年代から九〇年代にかけてのエネルギー問題――先進国の首脳会議をやってもこの問題は必ずついておる課題でありますし、福田内閣では私はかなりこれは積極的に取り上げられたと思いますが、看板はでかかったけれども中身については私はいつも申し上げてまいりましたように、私に言わせると必ずしも十分ではなかった――これは十分にしてもらわなければいけないと思いますが、そういう意味では潮力、風力、地熱等は、これは今世紀のエネルギー源として多くを望むことは私はこれはなかなかむずかしいと思いますから、現実的な原子力について、まあ今世紀と言わなくても、当面のエネルギー事情とそれから原子力の研究開発についてだけ、ひとつ大臣の御所見を承りたいと思います。
#129
○国務大臣(金子岩三君) ただいま中村先生のお尋ねですが、やはりエネルギー問題をわが国で解決するには御承知のとおり当面やはり原子力の研究開発が一番中心になっていくものと考えております。現在世界でアメリカが一番で日本が二番目の原子力による電力供給をやっておるわけでございます。一千百五十万キロワットでございます。いま建設中と計画中のもので大体二千七百万キロワットあるわけでございます。昭和六十年に三千三百万キロワット、昭和六十五年には六千万キロワット、こういう計画で大体六十五年までのいわゆるウラン資源も確保ができておるようでございます。もっとも、輸送も便利がいいし、燃料の保存も、いろいろ問題がありますけれども、やはり非常に少量、軽量で安上がりの処置ができる、こういうことを考えますと、いろいろ原子力の平和利用については、先ほどから動燃の問題でいろんな事故がありまして、佐藤先生といろいろ質疑が交わされておりました。あのようなことを考えますと、大変これ問題はまだ山積しておるわけでございます、大変心配事が山積しておりますけれども、まあやはり世界の科学技術の進歩によってこの原子力の安全性の確立は私はやがて確立できるのではないかと。まあ世界が国際的にやはり技術協力をやって、わが国ばかりではなくしてあらゆる国がやはり今後のエネルギーには悩み続けなければならないわけでございますから、人類の頭脳の力によって原子力の平和利用が一〇〇%安全が確立されることを期待して、今後はやはりこの研究開発に取り組むことがわが国としては、特に資源は何もないのでございますから、いろいろ先ほど石炭の火力発電利用も出ておりましたが、昔の六千万トンの時代がいま二千万トン辛うじて国産の石炭があるんでございますが、そういういろんな角度から考えまして、やはり原子力の研究開発を国はやはり重要政策として今後取り組んでいくことが何より大事である、このように考えております。
#130
○中村利次君 私は原子力の安全はすでに確立をされておると思うんですよ。だから原子力は実用化時代を迎えておると、こういうことになるわけですから。これは安全性が確立をされていなければ実用化すべきではないと私は思いますよ。たとえば環境問題にしても安全問題にしても、人類の生命と健康に重大な影響があるかもしれないという、そういうものを持ちながら開発されるということはこれは許されないことであって、これは、あくまでもこの原子炉がすでに実用段階にあるということは安全性についてはすでにもう確立をされておると、こういう解釈を私はしているんですよ。しかしながら、とにかく大臣もおっしゃいましたけれども、対策促進ケースで昭和六十年三千三百万キロワット、六十五年六千万キロ、いままでずいぶん下方修正をやってきました。三千三百万キロだって六千万キロが四千八百万キロになり三千三百万キロというぐあいに下方修正をされてきたんですけれども、私に言わせますと、その対策促進ケースの三千三百万キロですら達成の見通しがあるのか、これはもう本委員会その他で私はいままでも何回も何回も指摘をしてきましたよ。これは大臣に就任されたばかり――先ほどから御答弁を聞いていますと大変率直な答弁をされておりますので、大臣に就任されたばかりなのにこういうことを質問するのが当を得ているかどうかあれですけれども、どうですか、やっぱりその対策促進ケース三千三百万キロワットというのが果たして達成できるのかどうか、私は大変疑問がある。これは暫定見通しそのもの、省エネルギーにしても――時間が余りありませんから余りしゃべっておられませんが、先ほど藤原委員の方から質問があった、イランの政情によって通産省が、政府がですか、省エネルギーの具体策を発表した、結構です。これはもう歓迎しますよ。しかし、藤原委員がおっしゃったように、何かこう石油ショックがあればあわてて何かやる、イランに事件が起きればあわてて対策を講ずる。そうじゃなくって、政府は言っておるんですから、この世界のエネルギー事情、石油バランスがどうなるであろうと。だからこそ暫定見通しというものも立てているんですから。そして昭和六十年一〇・八、石油換算八千万キロリッターの省エネルギーというものを出しているんですからね。ところが私どもに言わせますとその裏づけはないじゃないかということを言ってきたんだけれども、イランがああなるとあわててお出しになる。これはもう歓迎をしますけれども、それではいかぬと。それと同じように、原子力の開発にしましても、大臣は安全性について国民の御理解が得られれば促進するだろうと、それはそのとおりです。しかし、安全性の理解が得られないように抵抗をする勢力もあるのですよ。たとえば原子力発電所は原子力爆弾と同じように危険があるとか、それは私はその文書を持っていますがね。広島、長崎の悲劇を繰り返すなという反対宣伝がある。だから、そういう事実無根の宣伝をしていわゆる原子力の開発を阻止しようという動きもあることはこれは間違いないでしょう。温排水で魚がおかしくなっちまうような宣伝だとかね。原子力だけの問題ではありませんけれども、超高圧の送電線が通るとその下は草木も生えない――事実あるんです、そういうあれが。ですから、そういうものに対して国民の皆さんに安全性について御安心を願うようなそういう努力をすると同時に、そういう事実無根の宣伝に対してどう対応するか、これもまた大変に大きな課題ですけれども、いかがでしょう、あんまりそういうことに対して答弁することがむずかしいんでしたら結構です。
#131
○政府委員(山野正登君) 中村先生御指摘のように、今後昭和六十年度に三千三百万キロワットの目標を達成するということは並み大抵のことではないというふうに私ども考えておるわけでございまして、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、現在建設中のもの並びに計画中のものを含めましてほぼ二千八百万キロワットのものは確保し得る見通しはあるわけでございますが、三千三百万キロワットにはさらにあと五百万キロワットというものにつきまして、具体的な地点につきましてできるだけ早い機会に電調審の決定を見なければならないわけでございますが、それは並み大抵の努力ではできないと思っております。ただ、これは私どもは、先ほども御指摘がありましたように、ただ安易に目標を下方修正すればそれで足りるという問題ではございませんで、御指摘のように将来のエネルギー問題を解決しますためには、何が何でもこの目標は達成しようということで関係省庁協力し、政府を挙げて努力をしておるという状況でございます。
 いま御指摘のような安全性について反対の立場にある方々に対してどのような方策があるであろうかという点でございますが、これはかねて行政懇等でも指摘されておるものでございますが、たとえば立地の推進の過程におきまして公開のヒヤリングを行いますとか、あるいは過去この委員会でもいろいろ議論いただきましたが、公開シンポジウムを行うといったふうなことで、この反対の立場にある方々とそうでない立場の者とが一堂に会しまして十分に議論を尽くして、その議論をそこに参会した聴衆の方々にも十分聞いていただく、それを聞いた結果、皆様方の御判断として、なるほど原子力は安全なものであるなという御理解が得られるように努力していくということも一つの方策ではないかというふうに考えておるわけでございまして、現在、私ども並びに原子力委員会、原子力安全委員会におきましても、その辺の御検討をしておるわけでございます。
 そういったふうな各種の施策を講じまして、冒頭に申し上げました、非常に困難ではございますが、三千三百万キロワット、さらには六十五年度におきます六千万キロワットという目標値というものを達成してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#132
○中村利次君 私は繰り返しますけれども、人間の生命、健康に重大な問題があるようなものは、もう断じてこれは開発すべきではない、このことははっきりしていますからね。
 そこで、いま局長の御答弁の中にもございました公開ヒヤリングの問題ですけれども、私は本当に環境上、安全上疑義があってそれが解明されないとすれば、解明するまで時間がかかってもこれはやっぱり、たとえば原子炉の設置等も見合わせるべきだと思いますよ。しかし、たとえば、これは行政懇でもその公開ヒヤリングの問題が提起されて、そして先般の基本法の審議を通じて通産省も科技庁も公開ヒヤリングを実施いたしますという御答弁であったと思いますね。そこで、私は参考人としていらした有澤先生にも――公開ヒヤリングに反対する者はだれもいないんですよ、これは私も大賛成だ。しかし、原子力委員会が公聴会を制度としてお持ちになって福島で始められた、要綱をつくって。ところが、福島でどういうことになったのか。柏崎ではついにこれはもうできなかったわけでしょう。だから原子力委員会が公聴会の制度を運用上おつくりになったけれども福島だけでおしまいになった。そういう現状において、果たして公開ヒヤリングがスムーズに開かれて、そうしてそのことが環境安全問題の疑問に答えられるのかどうか。私は環境安全を徹底的に追及していく方法はいろんな方法があると思う、これは本委員会でも前でも議論になったんですから。そのことを有澤先生にお伺いをいたしました。これは速記録を見ていただけば有澤先生がどういう答弁をされているかわかりますよ。それをきのう、第一次公開ヒヤリングをこれは環境調査で通産省が行って、第二次公開ヒヤリングを安全審査を原子力安全委員会でやるんだと、こういうことがけさの新聞に載っておりますけれども、そのとおりですか。
#133
○説明員(児玉勝臣君) 公開ヒヤリングを通産省が主宰で電源開発調整審議会の前に実施するということを昨日決めたわけでございます。
#134
○中村利次君 科技庁の方はどうですか。
#135
○政府委員(牧村信之君) 安全委員会はかねてから国会でも御質問があってお答えしておりますが、第二次の公開ヒヤリングの実施をしたいということで現在検討中でございます。この公開ヒヤリングにつきましては、中村先生の御指摘ではございますが、安全委員会としてはぜひやりたいという気持ちで進めております。しかし、地元との話し合いその他が必要なものでございますが、可能な限り新たに設置されるものにつきまして、第二次の公開ヒヤリングを安全委員会主宰で説明者は行政庁をして行わせることという形の公聴会を考えておりますけれども、この公開ヒヤリングをぜひ実施したいものであるというふうに考えておるところでございます。
#136
○中村利次君 これは通産省だとかあるいは原子力安全委員会あたりが公開ヒヤリングを実施するということをお決めになり、そういう姿勢をおとりになるのは私はある意味では当然だと思う。しかし、くどいぐらい申し上げますけれども、原子力委員会が――あんまりそう遠い過去じゃないでしょう、ほんのこの間ですよ、福島と柏崎ですから――公聴会をおやりになったんです。これも私はそのときも現状で公聴会を開くことが原則は賛成だけれども、果たして地域住民の皆さんの不安を解消、解決できるような公聴会が開かれるのかと、そういうことはとにかく非常にむずかしいんではないか。だから公聴会の拙速主義は慎むべきではないか、原則は賛成だが慎重に扱うべきではないかということを最後まで言ったんだが、これはおやりになって福島でかなり騒乱状態になって、それから新潟ではどうなったんですか、新潟ではどうなりましたか。
#137
○政府委員(牧村信之君) 新潟につきましては開催する方向で地元の県市と御相談して、その準備を進めたところではございますけれども、最終的には県知事から現地において公聴会を開く情勢にないということでお断りの要請がございまして、公聴会は実施されなかったわけでございます。しかしながら、当時の上原子力委員会としては文書によりまして地域住民の方の意見を提出をお願いいたしまして、それに対して文書でお答えするという公聴会にかわる方法を行いまして、その意見を原子力安全審査に反映させてきたわけでございます。
#138
○中村利次君 これはおっしゃるとおり、知事が公聴会を開ける状態にないということで、おっしゃったとおり文書によるあれになったわけですね、意見の聴取に。それから原子力基本法が改善をされて、安全委員会が発足し、まあ原子力行政は一段と強化されたと私は評価をしましょう。そのことが果たして、わずかの期間に公開ヒヤリングを、地域、地元の住民の皆さんに環境安全について本当に開いてよかったというような、そういうものになるような状況の変化があったとお考えになるのかどうか。これはあったという御答弁はうそにもできません。できませんから、そこでいいです。私はこれは開かれるのは、私も何も通産省や原子力安全委員会がお開きになるというのを開くなというわけにはいきませんから、ただ成功されることを祈りますけれども、これはもうぜひ条件を整備して、これが地域住民の皆さんにとってもプラスになるようなものにしていかなきゃいけませんが、私は現状ではそれは無理だと思うんですよ。その場合、元へ戻りまして、三千三百万キロの達成というのはきわめてむずかしかろうという点については科技庁も一致しているわけでありますから、その場合、私は、原子力行政を前進させようとして基本法の一部改正を行った。そうして何とかひとつ御理解を得ようというその一つの手段、方法として公開ヒヤリングをおやりになろうとしておる。それが昭和六十年三千三百万キロの対策促進ケース実現のブレーキになって足引っ張りになるようなことがあっては断じてならぬということになるわけですよ。だから原点に返って、繰り返しますが、その安全について、環境について憂いがあるんだったら開発しなきゃいい。はっきりしてます、これは。しかし、いままでいろいろなことがあったけれども、あったけれども、原子炉を設置して人間の生命あるいは健康に重大な影響を与えるようなそういうことはないわけですから、だから政府も私は確信を持って安全性については大丈夫だということで開発を進められようとしておるんだと思う。その場合、政府がお開きになる公開ヒヤリングが正しい開発の足を引っ張るような結果になってゴーサインが非常に出しにくくなるとか、いままでの各サイトでのいろいろないきさつを考えてごらんなさいよ。足を引っ張ろう、ブレーキをかけようという、そういうものがいっぱいあった。だから政府みずからが原子力行政を前進させようというためにつくった基本法の改定によって自縄自縛になるような、そういうことをお考えにはなってないだろうけれども、現実問題としてそういうことになったとすれば、これはどうなりますか。これは通産省と科技庁双方に聞きたいと思いますが、どういう責任をおとりになるのか、あるいはそれに対してどう対処されるのか、伺っておきたいと思う。
#139
○政府委員(牧村信之君) 私ども公開ヒヤリングを実施したいと思っておりますことは、現在建設されております軽水型の原子炉は実用段階に入っておるという認識にあることは事実でございます。しかしながら、一方におきまして規制をいたします際の規制基準をさらに整備していく必要があると考えておりますが、そういう問題に対しましては安全研究を推進しておることも事実でございます。そういうものを努力をすることによりまして、現在の軽水炉の安全性をさらに高めていく努力が必要であると思っておるわけでございます。
 公開ヒヤリングの方につきましては、それぞれの軽水炉が建設されますサイトごとのやはり問題があるわけでございます。サイトの地盤の状況によりましては、その建屋の設計等も変わってくるわけでございます。そういうような、地域に着目いたしましたその原子炉の安全性について、地元の方々が御疑問を持っておるというような際に、対話の形式を入れて公開ヒヤリングを実施したいと、そのやり方につきましては、一般環境問題については一次の安全審査で主としてやっていただきまして、原子炉の安全にかかわるものにつきましては第二次の安全委員会が行う公開ヒヤリングでやっていこうということでございます。私どもは、こういうことを積み重ねることによって地域住民の方々の御理解を得て、開発が同じことであれば促進されていくような基盤になっていくことが望ましいと考えておるわけでございまして、できるだけそういう新しい制度を定着化させつつ進めていきたいものだと考えておる次第でございます。したがいまして、先生御指摘のように、万一開かれない場合もあるいはこれから出てこようかとも思いますけれども、私どもの姿勢といたしましては、原則としてやっていくんだという姿勢で関係者の方々と協議してまいりたいと、かように思っております。したがって、いまの段階で阻害される要因があるから消極的になるというのは、姿勢の問題として誤りではないかというふうに考えておる次第でございます。
#140
○中村利次君 これは私は前々からそう言っているんですが、専門的な安全問題について、私はもうこれはかなり専門的な立場で議論をしなければこんなことはなかなか理解はむずかしいと思いますよ。確かにある。それは放射線について、あるいは工学的に、あるいは地質的にいろんな疑問はあるでしょう。これはあって当然でしょう。だからそういうものを出してやっぱりいろいろ議論をして、安全か安全でないのかということをやるのは、素人ではなくって、これはやっぱり専門家を、国民があの人たちがやってこういう答えが出たのならばという専門家がやっぱり中央レベルでやって、そしてそいつを公表をすると、私は背からそれを言っているんだけれども、ところが今度、これは事実かどうか知りませんけれども、新聞によりますと、そのサイトの町村に居住している人及びその隣接町村の人ということになりますと、私はやっぱりそれに対しては異議が必ず出てくると思う。私はいま言うように、放射線の問題について放射線をまるっきり知らない人が議論をしてみたって大した意味はない、あるいは工学的ないろんな問題についてまるで素人がやってみたって全然意義はないわけじゃなかろうけれども、まあ大した決め手にはなるまい。地質にしてもそうですよ。そう思うから、仮におやりになる場合、要綱はそれに反対はしませんけれども、徹底反対という意見も私はあると思う。そのときにやり方についてもう初めからぶつかるんですよ、これは。ですから、そういうことを十分ひとつ覚悟をされて……。
 それから安全局長の御答弁で私はまあよしとしてもいいと思うけれども、何というんだか、やっぱりいろんなものに左右をされて原子力行政が後戻りするような結果になるとすると、あなたたちはこれは国民に対して本当に責任が持てないし、そういう政府だったら私は、これは本当にもう取っかえてもらわなきやならぬと思うんですよ。ですから、そういう意味で環境にしろ安全にしろ大事な問題ですから、まあそれで公開ヒヤリングをおやりになるということを決定されたんならば、それが成功することを祈ります。祈りますが、少なくともいままでのこの実績に照らして、いろんなことがありますから、そのことによって原子力行政なりあるいは原子炉設置を後ろに引っ張るようなことはしないという、そういう不退転のものがやっぱりありませんと、何かどうもあっち向いては妥協し、こっち向いては妥協しして、しっちゃかめっちゃかになっちゃって、さっぱりその重大なエネルギー問題にかかわる原子力の正常な開発が進まないということになると、私はこれは重大な責任になると思う。この点については、それじゃ最後に大臣の御答弁いただいたところで私はこれで終わります。
 なお、申し上げておきますが、これは、きょうは質問もしませんけれども、いままで科技庁原子力委員会は、軽水炉からFBR、ATR、敦賀のあれもありますけれども、そこへ――まあエネルギーはこれは多様化の方向でいかなきゃいけません、それはもうそういう点で私も賛成だが、CANDU炉の導入がエネルギーの即多様化だとは思わない。そこで、私は政府がひとつ一体になってこういう問題にはやっぱり取り組んでいただかなければ困ると思うんですよ。私は私なりの所信を持っております。それからいささかの勉強をしておるつもりですから、これはひとつ今後の動向いかんでは徹底的に私は政府の姿勢なり所信をお伺いをしなきゃなりませんけれども、これは本日は保留しておきます。
 先ほどの質問について大臣の御答弁をいただいて終わります。
#141
○国務大臣(金子岩三君) いろいろ御意見を拝聴いたしまして、中村先生のお考え方、言わんとするところはよく私も理解できております。それで、できるだけ関係の地域住民の理解を得ようとして努力を続けていくことは、やっぱり私は必要じゃないかと思うわけですね。実際、いままで原子力発電所で事故があったということは、あれは一つもないわけでございます。まあいわば一〇〇%安全性は確保されていると言っても差し支えないかもしれませんけれども、やはり万が一、万々が一という心配をしまして、絶えずひとつ安全性を研究していくと。これはもう世界のいずれの国もやはりその点は力を入れておるわけでございますから、そうしていきながらやはり地域住民に理解と御協力を求めるという行き方で目標のいわゆる原子力の建設に邁進したいと思います。
 最後に、不退転の決意でやれと言うから、そのとおり私は不退転の決意で進めたいと思います。ひとついろいろと御指導をお願いしたいと思います。
#142
○政府委員(牧村信之君) ちょっと先ほどの説明の補足をさせていただきますが、安全委員会で現在検討しておりますのに、公開ヒヤリングの問題は先ほど御説明したとおりでございますが、一般的な原子炉の安全性につきましての議論が必要であるという御主張もございましたわけでございますが、安全委員会としては、その問題につきましては公開シンポジウムを専門家の間で行いたいという計画を別に持っておりまして、この公開シンポジウムにおきましては、一般的に原子炉、原子力共通の問題につきまして専門家の間で議論を闘わしていただくというふうな施策をぜひ行いたいということで現在検討中でございます。
 したがいまして、地元で行います公開ヒヤリングは、先ほども申し上げましたけれども、そこに建てられる原子炉の固有の安全性、こういうものについて主題をしぼりまして行いたいということで、現在安全委員会におきましては第二次の公開ヒヤリングのやり方についていろいろと検討を進めておるという状況にあることを補足させていただきたいと思います。
#143
○理事(藤原房雄君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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