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1947/11/21 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 図書館運営委員会 第6号
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1947/11/21 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 図書館運営委員会 第6号

#1
第001回国会 図書館運営委員会 第6号
  付託事件
○國会図書館の構想並びに運営する陳
 情(第七十九号)
○國会図書館設立促進に関する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月二十一日(金曜
日)
   午後一時十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國会図書館設立促進に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(羽仁五郎君) それではこれから図書館運営委員会を開きます。去る十八日の火曜日に両院の図書館運営委員会の委員長が司令部へ出向きまして、前から期待しておりました、アドバイザーの到着のことについてお知らせを受けたわけでありますが、アメリカからアドバイザーが來月の上旬に、多分到着されるのではないかということか分りました。見える方は一人は現在のアメリカのコングレス・ライブラリーの副館長的な地位におられる、クラップという方、今一人は前にアメリカ図書館協会の会長をしておられたブラウンという方、このクラップ君は、アメリカのコングレス・ライブラリーの年報を見ますと、図書を蒐集する部の部長を、ずつとしておられたようであります。アメリカのコングレス、ライブラリーの資料蒐集の權威であられるわけてあります。こういう非常にアメリカのコングレス・ライブラリーとして優秀な方を派遣せられて、そうして國会図書館の建設に対して忠告をされようとしておることに非常に我々としては感謝の意を表したいと思うのであります。尚詳細正確のことはいずれ又報告を得次第御報告申上げたいと思つております。
 それにつきまして二つの点について御報告を申上げるわけでありますが、第一は、すでに今まで御了解を得ましたように、アドバイザーの到着と共に、我々の委員会で御討議を願つておりました館長選定の問題を進めなければならないわけでありますが、この点につきまして関係方面からも質問がありまして、参議院の図書館運営委員会は、今まで館長選定についてどういうふうなことをして來たかということに質問がありましたので、参議院の運営委員会は、委員会の皆様の御決定に從つて、参議院の成立に顧みて、可なりいろいろ困難があつても、それに対して、十分努力をするという意味において、やはり理想として最も優秀な館長を探すというために、あらゆる手段を盡すという御趣旨に則つて、いろいろ各方面の意見をも聴いて、それを参考として御討議を願う。すでに御決定になりました各方面の、その名前を擧げまして、そういう方面の参考意見を聽いて、できるならば量も理想的な、成るべく若い、そして優秀な館長を探して行きたいと、各方面からの貴重なる意見も績々到着をしておつたのでありまして、各方面からの意見を最近の機会において纏めて、それを参考として何時でも討議を進め、又その結果に到着する用意があるというふうに答えまして、了解を得ました。
 その次に、アドバイザーが到着されて、我々がどういう豫定を持つておるか、それについてどういう討議が行はれておるかということについての質問がありましたので、この点については、主としてやはり國会図書館が最高の立法者としての、國会議員の立法者のための調査の機關を完備するということにあるわけで、この問題について十分御討議をし、又意見を伺いたいというふうに思つておるわけであります。なかんずく從来日本では行政部において可なり調査機関を充実しておつたわけでありますが、立法部には十分充実しておらなかつたので、この際新たに國会図書館か出発する前に、行政部において相当用意されておるもの、そういう調査、機関、又調査の資料、文書、数字その外の資料というものに相当の援助を受けて、國会図書館が出発するということが円滑に運ばれて、非常に成績が擧がると思うし、そういう問題について我々委員会でしばしば討議せられ、從つて又アドバイザーの意見を難きたい。なお一般的に立法機関の調査機関がどういうものでなければならないか、又公開図書館の問題をどうするか、日本及び國際的な図書館の連絡の中心としての任務をどういうふうにして解決して行くかという諸問題についても討議され、そういう点について十分の経験を持つておられるアメリカのコングレス・ライフリーの専門家からはつきりした観念を得ることを非常に期待しているというふうに、答えまして、この点についても了承を得ました。参議院の図書館運営委員会か、そういう方針で今まで進んで館長選定について、又アドバイザー到着に対して只今御報告申上げましたような点で進んで來ましたことに対して、信頼と支持とを表明されましたので、この点を御報告申上げて置きたいと思うのであります。
 それから次に、本日御討議を願いたいと思いますのは、そういうふうな状態でありますので、いよいよ今まで充分お考えを頂いておりました館長の候補者について、本委員会か議長に対して報告をいたさなければならない。その館長の候補者について御討議を願いたいというふうに考えます。これにつきまして、最初に本委員会の御討議の参考としてこの前決定に從いまして各方面に問合せをいたしました。その問合せに対する答えが参つております。大体次のような方面から貴重なる意見を寄せられておりますので、それを第一に御報告申上げます。
 東京帝国大学附属図書館長高木八尺君、京都帝國大学総長鳥養利三郎君、大阪帝國大学総長今村荒男君、名古屋帝國大学附属館長杉田直樹君、東北帝国大学総長佐武安太郎君、北海道帝國大学総長伊藤誠哉君、慶應義塾大学総長潮田江次君、同図書館長野村兼太郎君、早稲田大学総長島田孝一君、同志社総長湯淺八郎君、日本大学総長異文柄君、関西大学々長岩崎卯一君、東京都立日比谷図書館長中田邦造君、京都府立図書館長西村精一君、大阪府立図書館長猪股英夫君、奈良縣天理図書館長富永牧太君、政治経済研究所、調査研究機関労働組合協議会、全日本産業別労働組合会議幹事会、日本民主々義文化連盟朝日新聞調査部長阪本泉君、讀賣新聞論説委員室、東京民報論説委員室、日本図書館協会理事長衛藤利夫君、日本統計研究所理事西澤基一君日本出版協会会長石井満君、それから新村出博士、以上の方面から貴重なる意見を寄せられております。我々委員会が意見を求めたのに対して、貴重なる意見を寄せられた以上の各方面に感謝の意を表すべきではないかと考えますのですか、この点いかがでございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#3
○徳川宗敬君 その意見を徴されたのは委員長の参考とするために、委員長の個人的な立場で意見を徴されたように、私は思つておるのでありますが、委員会として感謝の意を表するのにはまだ時期がちよつと早いのぢやないかというふうに思いますが、いかがでございますか、委員長の個人的な御禮状は、これは別問題であります。
#4
○委員長(羽仁五郎君) それでは私の名前で一應禮状を出して置きまして、又いずれ考えて頂くことにいたしまして、各方面から意見を求めたのは必ずしも私の個人的の意見でもなかつたと思うのでありますが、この研究委員会の各位の討議の御参考として求めたように了解をいたしておりますが……。
#5
○梅原眞隆君 いろいろの参考の資料を寄せられた方によく分ります。そういう方々の寄せられた内容それを人とか或は方法とかということに対して、簡単でも何かプリントか何かにして頂きまして、委員の方へでも分けて貰う。そうして頂いたらその参考の材料になりはしないかと思いますが、どうでしようか。
#6
○委員長(羽仁五郎君) その点についてこの前お諮りをいたしました時にプリントにしたりすると、或いは必要以上に外部に漏れるということがあるかも知れないので、一應私の手許で大体の輪郭を纏めて、それを御報告申し上げ、そうしてこの各方面から寄せられた意見は各委員か直接自由に御覧を頂くというふうに、大体御了解頂いております。若し差支えなければ、只今から大体纏めました内容を御報告申し上げようと思つております。
#7
○徳川宗敬君 いかがでございますか、人の名前に亙りましていかがかと思いますから、それは又別の機会に懇談の席か何かでいたしたらと思います。
#8
○委員長(羽仁五郎君) その方針について、御報告申し上げまして、そうして具体的な候補者については、やはりこの前に御討議がありまして、御了解になりましたように、具体的な人の名前に入りましたならば、公開でなく御討議を願うというように考えております。
#9
○梅原眞隆君 これはいずれにしても、参議院として纏めるということも種々の行き方がありますが、いずれにしても衆議院なりの意見をも、何か相当に斟酌しなければならん。いずれにしても館長を任命せられるのは議長であるのであるから、なにか両院の意見が素直に温健に纏めて行くというような点を十分御考慮になつて頂いて進めて頂くことを希望しております。参議院は参議院でこういうふうに決めて、こういうようなふうなことも実際問題としては、可成りどうであろうかと思う点もあるので、それで在來ずつと私が見ている空氣は、何か参議院が余りリードしているというふうに見て、そういうことに対する実際問題としての動き方が、何か意外の摩擦を起すのぢやないかということも、多少憂慮している。だからして私なども今の図書館長を選ぶような重要な問題は、慎重に、又実際そういう理論の摩擦の起らないように、こちらの方で何か纏めて、こちらはこちらでやるというふうな行き方もどうかと思いますので、その辺の逆作用は見ないように、委員長の方でよくお考えになつて頂いて、進めて頂いたらいいかと思います。
#10
○委員長(羽仁五郎君) その点につきまして御意見がありましたら……
#11
○岩本月洲君 私今日始めて出席いたしましたので、今までの行懸りを全く存じておりませんのであります。國会図書館長でありますから、やはり両院会議の上本当に人を選んで來るということか、最も大切なことだろうと思います。この人選につきましては余程愼重に慎重を重ねる必要があるのでありますから、後に禍根を残さないような選び方を特に温健に一つやつて頂きたいという希望を持つております。具体的に出しませば、一つこちらの委員長とあちらの委員長と十分に意思を通じ合わせて、できれば十分理解の上で人選の話を進めて頂くような、和やかな意味で結論を出して頂けばという念願を持つております。但し、やはり参議院の委員会では、委員私共一人々々の希望、念願その他おのおの期待を懸けて、人選についてに愼重に考えさせられるわけなんでありますから、一應委員長のお手許で参考になるべき……先刻御報告下さいました方面の参考になるようなことを、我々委員に一つなんらかの形で御発表頂きまして、そうして私共、大いにそれを参考にして、やはりこちらで一應研究討議するという必要かあろうかと思います。併し結論を急ぐということは、梅原先生のおつしやつたように、結果付けてしまいますと、又そこに思わない逆効果になつてはいけないと感じますから、併し我々に何らかの形で十分参考になる部分の資材を一應御発表して頂きたいということを希望いたして置きます。併しこれは私共特に思うのでありますが、私共立法の機関に今仕事を持つておりまする者が、空手でありますから、何らの材料も持たすに仕事をして行つているような按配でありますので、甚だこれは不安定なことなんでありますから、少くとも立法府に直説した統計、調査というようなものを本当に握られて仕事が充実しててきて行くというようにしたいと思うのでありますが、それについては一日も早く國会図書館の館長を決めて、そうして調査機関を早く運営して実を擧げて、我々立法府の者の資材をどんどん頂くようにしたいという、これは日々我々が丁度食に困るがごとく、立法府の我々の仕事の上に渇望しておることなんですから、そういう点から申しまして國会図書館運営委員の上に非常に私は大きな責任を感ずるものだと、こうひそかに思つておるのでございます。つきましては愼重を期せねばならない問題ではありまするけれども、又やたらに急ぐことは要りませんけれども、一つ成るたけ早い時期において一つ討議、研究をして纏めを付けて頂きたい。それについては、今申しましたようにどこまでも國会図書館でありますから、委員長か、御苦労でありますけれども、一つ向うの委員長と十分に提携、協調いたされまして、円満に図書館長ができまするように、それにつきましては、我々も全力を盡して見たいと考えておるのであります。
#12
○委員長(羽仁五郎君) 只今の御意見に私も全く同感でありまして、参議院の委員会は、衆議院の委員会と絶えず協力するために最大の努力をしていましたようなわけであります。その間に或いは新聞紙等において参議院の委員会と衆議院の委員会とが対立しておるように考えられる記事が載つたことがありますが、これは二院制度に基ずく兩院のそれぞれの特色によつて、この問題についても、それぞれの特色に添つた努力か行われておるということについての多少誤解もあつたのではないかと思はれますが、我々としては、やはり二院制度に基ずく参議院の職責に基すいて努力をし、且つ飽くまで衆議院の委員会と円満な協力を進めて行きたいというふうに思つておるのであります。各方面から寄せられました意見を通じて一貫して、感ぜられますことは、國会図書館に対する各方面の期待が非常に大きいということであります。第一に各方面に熱心に希望されておりますことは、新らしい國会図書館というものに、今まで日本になかつたようなその立法府の立法の綜合的な、且つ人民の生活に基ずいて建設的な調査機関を是非完成して欲しい。そうしてでき得べくんばアメリカ各州におけるコングレス・ライブラリーのようなものを作つて欲しい。そのためには、一般図書の外に官公廳の刊行物、或いは統計、外交文書、或いは國会議事録、外國の國会の議事録、その外のあらゆる資料及び地方自治体乃至地方の政治経済の資料というようなものを、できるだけ充実し、且つそういうものが民間及び官公廳方面の各團体から絶えず自働的にここに集まるような態勢を、一刻も早く整えて欲しい。それに基ずいて議院の立法の必要のために敏速な調査の結果が出るような、そういう機構を早く備えて欲しいという要望が非常に大であります。それから第二には、これは約半数の方の御意見でありますが、やはり、これが公開図書館としての機能を持つて欲しいという希望が可なり強うございます。それから第三には、やはり今まで日本になかつたような、日本國内、國際図書館関係の連絡の中心として、あらゆる図書目録を刊行する、或いは標準カードを発行させる。こういう点に関する希望も非常に大であります。それからこの図書館長に対する期待も亦実に大でありまして、大体各方面から寄せられた意見を大別しますと、第一には、やはり今まで日本の図書館の経験にも鑑みてこういう意見が出ておると思うのでありますが、どうか官僚主義的でなく館長を選定すべきであるという点。それから第二には、この創設期の國会図書館でありますので、図書館と共に献身的に働き、且つ長い間その図書館と共に成長して行くことのできるような意味で成るべく若い人を選んで欲しいという意見が各方面に強いのであります。それから第三には、文化的な識見の高い人を選んで欲しい。必ずしもいわゆる図書館人というふうに限らず、文化的な識見の高い人、そういう見地から政治的な方針を考えるという人を期待されておる。從つて第四には、図書館專門家という人達が、その下で、その監督の下に、各部において活躍されるということを考えておられる意見。それから同時に又急速にこの國会図書館の館員として活動せらるべき人達の養成機関を考えて欲しいという御希望があり、そういう意見も強いようであります。
 大体以上が國会図書館及びその館長について各方面から寄せられた御意見でありますが、尚詳細の点は各方面からの個々の意見について御覧を頂くことにいたしたいと存じます。それでその館長の具体的の問題について、これから御討議を願いたいと思いますが、ここで委員会を一應非公開にして頂いて、それから御討議を願つたらどうかというふうに考えます。
#13
○徳川宗敬君 結構と思います。
#14
○委員長(羽仁五郎君) それではこれから懇談の形で非公開にいたしたいと思いますから委員会はこれで散会いたします。
   午後一時五十分散会
 出席者は左の通り
   委員長     羽仁 五郎君
   理事
           徳川 宗敬君
   委員
           金子 洋文君
           山田 佐一君
           梅原 眞隆君
           岩本 月洲君
ソース: 国立国会図書館
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