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1978/03/30 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
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1978/03/30 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号

#1
第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
昭和五十四年三月三十日(金曜日)
   午後一時三十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         塩出 啓典君
    理 事
                源田  実君
                長谷川 信君
                松前 達郎君
                藤原 房雄君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                岩上 二郎君
                熊谷  弘君
                永野 嚴雄君
                望月 邦夫君
                吉田 正雄君
                中村 利次君
                柿沢 弘治君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       金子 岩三君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      半澤 治雄君
       科学技術庁計画
       局長       大澤 弘之君
       科学技術庁原子
       力局長      山野 正登君
       科学技術庁原子
       力安全局長    牧村 信之君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       外務省国際連合
       局科学課長    久米 邦貞君
       文部省初等中等
       教育局中学校教
       育課長      垂木 祐三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
 する法律の一部を改正する法律案(第八十四回
 国会内閣提出、第八十七回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は去る十六日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○熊谷弘君 今回の法律改正が再処理を民間にまで広げていくということが中心点だと思うんですけれども、本問題に入る前に、私は日本のエネルギー政策における原子力の位置づけというものを前提として御質問を申し上げたいと思うわけでありますが、実は、私ども自由民主党石油問題調査会、長官もお見えでございますが、元科学技術庁長官の佐々木義武先生を含めて、昨年の八月に私ども中東へ参りました。そのとき大変印象の深い議論をサウジアラビアのヤマニ石油大臣から伺ったわけであります。それはどういうことかといいますと、日本の皆さんは石油問題の中心というのがよくわかっていないようだ、CIAレポートにも出ているように、一九八五年というころが一つの転換点になりまして、石油は早晩物理的に需給関係が逼迫するということではなくて、経済的に逼迫することになるであろう、しかもその石油の供給地というのはサウジアラビア湾岸にあります数カ国に限られてくる、そのわずかの数カ国の国にたくさんの国が依存をするようになる、アメリカもソ連も早晩そうした国に石油を依存せざるを得ないような事態が来るんだ、価格の面で言うと、恐らく一九八五年というのが一つの大きなターニングポイントになりであろうというような指摘をしておったわけであります。そこで、その後御存じのようにイランの問題が起こってまいりました。そして伝えられるところによりますと、ロンドンでヤマニ石油大臣は、これは予算委員会での参考人の方の発言があったわけでありますけれども、この一九八五年という時点というのはもっとずっと近くになるかもしれない、われわれが想像していたよりもエネルギー問題の危険な状態というのはずっと早い時期にやってくるのではないだろうかということをヤマニさんが指摘しておったと言われておるわけでございます。
 そこで、私は、まず何と言いましても石油の情勢というものがエネルギー問題を考える場合にポイントだと思うんですけれども、現在のこの石油情勢というものはどういう展開になっておるのか、この点をごく簡単に、エネルギー庁の方お見えでしょうか、お見えにならなければ科学技術庁の方でも、現在把握しておられる範囲内で御回答をお願いしたいと思います。
#4
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま石油の情勢についての問題について御質問ございましたのでお答えいたしますが、御案内のとおり、昨年の暮れにイランの動乱が起きまして、それ以来日本といたしまして約一七%依存しておりますイランからの供給がとだえたわけでございます。またそれと同時に、中東の政情が不安になりまして、サウジアラビア等々の産油国におきましての生産に関する減退と申しますか、それに加えまして、またOPECが最近十数%の値上げを決める。そういうようなことで、物理的な供給の減退と、それから価格の高騰ということが次第にわが国の産業といいますか経済にも響いてくる状況になってきたわけでございます。ただいま三月の末で備蓄といたしましては八十日前後のものがございますけれども、しかしこれは消費国間のおのおのの備蓄の増強というたてまえから、これに安易に手をつけるということなく、生産国に対するバーゲニングパワーとして消費国間でその備蓄を有効に使わなければならないというようなことになっております。
 それで、今後油のいわゆる端境期に入るわけでございまして、この際にどれだけの備蓄が増強できるかということが非常に重要なことでもありますし、秋からの需要期にどういうような態勢ができるかということでありまして、非常に前途多難と申しますか油断のできない状況にあるわけでございます。
#5
○熊谷弘君 実はいま御質問を申し上げた観点、よく私の質問の趣旨がわからなかったかもしれませんけれども、この問題をやっておりますと何時間かかっても議論が果てませんので、私自身の意見を申し上げておきますと、ごくきわめて数少ない国に石油の供給先が限られてくる。一方、ソ連を含めて消費国というのが非常にたくさんある。しかもそういう状況の中で対立――いまのお話を伺っておりますと、恐らく児玉さんのお話の前提にはOPECあるいは供給国のカルテルに対して消費国、特に西側の消費国が団結することによって拮抗しようという前提があるように私は思うんですけれども、実はこのゲームのプレーヤーというのは、そういう西欧先進諸国とOPEC、中東諸国だけの対立じゃなくて、ソ連というプレーヤーが入ってきているということが大変意味があるわけで、どうしても西側だけが団結したところで相対的な需給関係からくる値段の高騰というのは避けがたいのじゃないか、そういう感じを持っているわけです。
 そういう立場からいたしますと、どうしても代替エネルギーというようなものを相当日本なりあるいはその他の諸国なりが個々別々に、あるいは共同をして開発をしていくということをいたしませんと、仮に量的に供給問題を解決いたしましても、値段、価格の問題においては実は禁止的な値段になるようなおそれすらある。
 そこで、その代替エネルギーが将来の日本のエネルギーの全体の需給の見通しの中でどういうものが予定されておって、それは一体どのくらいに現実的にエネルギーの供給源として、またどの程度依存できるものなのかということの展望がなければ私は最後の原子力のエネルギー全体における位置づけというものは出てこないような感じがするわけです。
 そこで、いろいろ言われておりますサンシャイン計画などというようなものもあるし、あるいは核融合もあれば増殖炉もある。いろいろなエネルギー源というものが期待されていると思うんですけれども、そうした代替エネルギー源、石油以外の石炭を含めた代替エネルギー源が一体今後どのくらいの期間にどういう形で登場してくるのか、この点をひとつ御意見を伺いたいと思います。
#6
○政府委員(児玉勝臣君) 総合エネルギー調査会の需給部会で想定いたしました点で申し上げますと、水力が代替エネルギーとしてさらに開発しなければならないということでございます。これは小水力の再開発ということも含めまして水力の見直しということが必要であろうかと思いますが、そういう意味で、五十二年度二千六百十万キロワットの水力を六十年度には四千百万キロワットにいたしまして増強するという計画でございます。
 それから地熱につきましては、五十二年度十一万八千キロワットでございますが、これに対して六十年には百万キロワットということにいたしたいと思っております。ただし、これは相当国立公園内にその包蔵熱量の地点がございますので、そういう景観等の関係また環境問題等の関係がございまして、なかなか予断を許さない問題がございます。
 それから原子力につきましては、ちょっとこれはデータが古いわけでございますが、五十二年八百一万キロワットのものが六十年には三千三百万という計画で進んでおります。
 それからLNGでございますが、これが五十二年度には八百三十九万トン輸入しております。これを六十年度には三千万トンに拡大するという計画でございます。
 それから石炭につきましては、国内炭は現在千九百七十二万トン使用しておりますが、六十年には大体横ばいといたしまして二千万トンを確保したいと、こう考えております。輸入石炭につきましては、現在、五十二年度に五千八百三十万トンでございますが、これを一億二百万トンというようなことで拡大したいと、こう考えております。したがいまして、輸入石油は五十二年度七四.四%であるものを六十年度には六五・五%にまで引き下げたいと、そういう計画でおるわけでございます。
#7
○熊谷弘君 大体いまおっしゃられたような総合エネルギー調査会の需給部会での見通しというものについて私自身もデータをいただいているわけですけれども、私が伺いたかったのは、昨年アメリカのシュレシンジャー・エネルギー庁長官が来られた。日米間で将来の新エネルギー技術についてのさまざまな交渉、討論があったわけです。それの一部の成果は五十四年度予算におきまして幾つかの項目の中で生かされているわけですけれども、そうした予算の編成その他の中に前提としてあった議論というのは、いま児玉さんのおっしゃられたような平板な議論ではなくて、つまり石油が経済的にどのくらい依存できるだろうか、せいぜい三十年ぐらい――もちろん物理的にはあるけれども、需給関係は見合うけれども、三十年ぐらいしか経済的には持たないんじゃないだろうか。そうすると、その先のエネルギーをどうするんだ、こういう議論があった。で、日本の場合は核融合だとか増殖炉だとか、そういうものにしたい、しかしそれはなかなか二十年や三十年で実現できるような技術だとは思われない、恐らくもっと先のことになるだろう、太陽エネルギーは幾らうまくいったとしてもいまの石油に依存しているようなエネルギー源としてそれほど大きなものは見込めない、そうすると、石油が経済的にエネルギー源としてやれる時期から新エネルギー技術が確立するまでの間というものを一体どうつないでいくんだという議論が実は前提としてあるわけですね。アメリカは総体的に石炭をたくさん持ってますから、日本にも、石炭を使えばいいじゃないか、それがOPECの価格つり上げの対抗措置にもなるじゃないか、こういう議論をしておる。それは一面の事実だと思うんですが、私はなおそういうものをいろいろやってみても、やはり原子力というものが相当程度発電その他のエネルギー源としてワークしませんと、日本のエネルギー供給源としてのいろいろなものを考えた場合に非常に脆弱なものになるんじゃないかという感じを持っておるわけであります。したがって、さまざまの仮定やそういうものをおいて、そして数字のつじつま合わせをして何%どうのというような議論ではなくして、もっと基本的にエネルギーをどういう形で調達していくのか、これは国の安全の問題であり発展の問題に直接つながる問題でありますから、私はそこの基本的な枠組みについてお考えを伺いたかったわけでありますけれども、ひとつ長官にいまのような議論を――事務方としては児玉さんのおっしゃられるような議論にならざるを得ない、相当枝葉をちょん切ってやるような議論はなかなかできないと思うんですけれども、長官、国務大臣でもあるわけでありますから、大平内閣としてこの原子力というものをエネルギー政策の中でどういうふうに位置づけられておるのか、そして、それをどういうふうに持っていこうとしておるのか、基本的な考え方について長官の御意見を伺いたいわけであります。
#8
○国務大臣(金子岩三君) 熊谷先生の私見を交えてのいろいろな御質問でございます。大体私も全く同感でございます。将来の日本のエネルギーを何によって代替していくかというと、やっぱり原子力に頼る以外にないんじゃないかと、このように考えております。したがって、原子力を、これによって石油の代替に充てるとするならば、やはり前提に絶対安全だと、一〇〇%ということは不可能でしょうけれども、やはり原子力発電の安全を積極的に確立して、しかる後に原子力発電の推進をやるべきだと、このように考えております。
 いま御承知のとおり、大体十九基ですか、一千二百数十万キロワットの発電をしておりますが、六十年あるいは六十五年の目標は三千万、三千二百万、三千三百万、あるいは六十五年には六千万キロワットと、こういう一応の目安をつけて計画を立案しておるのでございますから、大きな狂いがないように、まあ三十年先本当に石油がなくなった場合は、私どもの理想とすることは、やはり電力は全部原子力で賄うんだというようなところまでひとつ開発していきたいというのが私の基本的な石油代替に対する考え方でございます。
#9
○熊谷弘君 そこで、原子力というものが日本のエネルギーの問題を考えるときに大変重要な問題だという認識を持っておられることを伺ったわけでありますけれども、そういう日本に対して、実はカーター政権成立後アメリカが新しい原子力政策というものを提示してきた。その事前の動きというのはすでにフォード政権時代に動きがあったわけでありますけれども、このいわゆるカーター政権の新しい原子力政策、その後いろいろなリアクションがあって、動きがあって、最近はいろいろ変わってきているようですけれども、最初に出されたカーター政権の原子力政策とはどんなものであったのか、外務省の担当者の方お越しいただいているんでしょうか――御説明をお願いいたします。
#10
○説明員(久米邦貞君) 米国政府が石油代替エネルギーといたしまして、米国政府も原子力につきましてはその重要性というものは十分認識しておると承知しております。ただ、原子力につきましては、これを野放図に、野放しに利用した場合に、たとえそれが平和目的のための利用でございましても、平和目的以外の目的に転用される可能性が非常に大きいわけでございまして、そういう見地からアメリカ政府、特にカーター政権になりまして、こういったいわゆる核拡散の危険を防止するためにやはり十分な国際的な措置がとられなければいけないということを強く主張してまいったわけでございます。この問題は一昨年のロンドンの首脳会談でも取り上げられまして、アメリカの主張はそういうことだったわけでございますけれども、この問題につきましては、とにかく国際的な制度のもとで、あるいはどういう技術的な改善を加えながら原子力の平和利用を進めていくかということについてまず国際的に検討してみようではないかということで、一昨年のサミットを契機といたしまして国際核燃料サイクル評価といういわゆるINFCEと言っておりますけれども、それの検討が始まったわけでございます。この検討は来年の二月まで続けられることになっておりますが、御質問の点のアメリカ政府の立場というのもこのINFCEの検討を待ってこの問題を考えるということでございます。
#11
○熊谷弘君 確認になるかもしれませんけれども、七七年の四月七日に出されたカーター新原子力政策ぺ−パーというものの内容を見ますと、使用済み燃料の再処理あるいは高速増殖炉の開発、その他のプルトニウム利用、こういった点を含めてすべてこれを抑制していこうということではなかったんじゃないですか、いかがでしょうか。
#12
○説明員(久米邦貞君) 御指摘のとおり、核不拡散法に見られますアメリカの基本的な立場は、いまおっしゃったような高速増殖炉あるいはプルトニウムの利用、再処理という問題は、原子力の平和利用のサイクルの中で特に平和目的以外の目的に転用されやすい非常に危険の多い過程でございますので、その辺についてはできるだけこれが拡散しないようにというのが当初のアメリカの考え方であったことは事実でございますけれども、それらの点につきましては、先ほど申しましたとおり、まず国際的に十分な検討を行った上で検討をしていこうというのが現在進められておりますINFCEの作業の目的でございます。
#13
○熊谷弘君 いや、私の伺っておるのはそういう言葉のあやでなくて、カーター大統領がはっきりと最初に決意をしたのは、そうした再処理であるとか増殖炉の開発であるとかプルトニウム利用みたいなものはともかく原則的に認めない、アメリカの中にでも認めていきたくないということですから、ましてをや、アメリカ以外の日本、ドイツ等を含めた国に認めていきたくなかったわけですね。当然ドイツその他がこれに対して注文をつける、反論をするという形をとった。いろいろな形で交渉が行われて、アメリカもそれに対してだんだん譲歩をする、意見にも耳を傾けようと、こういうふうになってきたということだったろうと思うんです。
 私が問題をはっきりしておきたいのは、アメリカは非常に明確な意思を持っておるし、でき得れば、抵抗がなければそういう方向にいきたい、原子力平和利用の基本的なポイントである使用済み燃料の再処理の問題にしても、それから増殖炉開発の問題にしても、でき得ればアメリカ以外の国が手をつけてくるということは好ましくない、イギリスやフランスはウエポンカントリーですからしようがないんでしょうけれども、私は日本、ドイツを含めてなるべく広げていきたくないということであろうと思うんです。そういうふうにいわばすでに核を持ち、それから原子力平和利用を非常に活発に行っている国が、日本のような後を追っかけてくる国が出てくることに対して決して好ましい感情を持っていないし、でき得れば最小限に抑えていきたいという気持ちを持っているんだろうと思うんですけれども、これに対して日本やドイツは、とりわけわが日本は一体どういうふうな基本的な考え方に立ってどういう場でどういう主張をしてきたのか、この点を承知している範囲で御説明をお願いしたい。
#14
○政府委員(山野正登君) 先生御指摘のように、五十二年の四月にカーター大統領は、これは米国の国内政策でございますけれども、商業的な再処理とプルトニウムのリサイクルというものを期限を定めず延期するということ、それからFBRの開発計画の変更とその商業化の延期ということを柱とした新しい政策を発表したわけでございます。これはあくまでも延期ということでございまして、永久にやらないという趣旨ではないのでございますが、何にしましても当面やらないということでございます。当然、米国としましては、このアメリカの国内政策にほかの先進諸国も追随してくれるということを期待しておったとは思いますけれども、これはあくまでも国内政策でございまして、これを強制しようという姿勢ではなかったと思うのでございます。また、各国エネルギー事情は異なるわけでございますので強制できるとも考えていなかったと思います。ただ、わが国のような立場にある国々としましては、原子力の平和利用と申しますのは、核不拡散条約にもございますように、これは締約国が平等に行う権利を持っておる基本的な権原でございまして、そういう意味で、エネルギー資源に乏しいわが国としては核不拡散政策――米国の政策も当然源は核不拡散強化という政策でございますが、そういうものには前向きに協力はいたしますが、だからといって原子力の平和利用というものが不当に妨げられてはならない、核不拡散に協力しながらも平和利用を進めていきたい、これがわが国の本件についての基本的姿勢でございます。
#15
○熊谷弘君 そもそも今回の法律改正の目的である再処理の民間への一部開放ということ、この法律改正案ですら、これは科学技術庁で今回のこの法案改正のためにつくられた資料の中でもはっきりしていますように、今回の法律改正まではアメリカは認めるけれども、それ以上のメジャームーブというんですかね、主要な措置はとらないということを約束させられているわけですよね。これを一つとりましても非常に抑圧的に行動していこうということははっきりしているわけで、私は後ほど伺いますけれども、この点の認識というものは甘く見ない方がいいんじゃないかという感じがするわけです。ですから、日本が仮に原子力というものの位置づけというものがエネルギーの全体の政策の中で非常に大きいとすれば相当の外交的な努力というものをしていかなきゃいけないし、またそのためにはただ単に声高に話しをするということではなくして、日本の国内の体制あるいは国内での世論への説得というようなものを含めて努力もしなきゃいけない。
 同時にまた、これは外務省の課長さんお見えになっておられますからぜひ注文をつけておきたいわけでありますけれども、私どもが承知する範囲だけでもアメリカの議会その他にはいろんな動きがある。他方アメリカの産業界の中にはまたカーターさんの新原子力政策についていろいろな意見もある。こういうものを的確にとらえてやはり日本の利益というものを明確にねばり強くいろんな層、いろんな形で訴えていく、理解を求めていくという姿勢が私は必要だと思うんです。ただ単にカーターさんのやつを国内向けには非常にトーンダウンした形で公表をし、そして向こうアメリカに向かっては唯々諾々とするというようなことでやったんでは私は問題があると思いますから、この点をぜひこれは要望をしておきたいと思います。
 そこで、問題を移したいと思うんですけれども、今回の場合、再処理――現在はすでに東海村に動燃の施設があると伺っておるわけですけれども、第二再処理工場をつくっていこうということのようでございますけれども、話を戻しまして、一体この核燃料の再処理というものは全体の核燃料サイクルの中でどういう点で重要性があるのか。それから、これを動燃以外に民間にまで開放していくという意味は、この時点でそういうことをやろうとする意義というのは一体どこにあるのか、この二つについて御説明をお願いしたいと思います。
#16
○政府委員(山野正登君) まず再処理の必要性でございますが、わが国におきましてはウランといえども国内にはきわめてその資源量が乏しいわけでございますので、原子力発電を進めるに際しましてもウランそのものは海外から輸入せざるを得ないわけでございますが、この輸入したものは極力有効に活用する必要があるわけでございます。そういう意味で使用済み燃料の中にできております新しい燃料であるプルトニウム、また使い残されておりますウランというものを再利用することがぜひとも必要なわけでございますので、そういう意味で燃料サイクルの中で再処理と申しますのは、燃料サイクルのかなめとも言うべきものであろうかと考えておるわけでございまして、今後わが国が原子力の平和利用を進めるに際しましては、再処理というステップは必要不可欠であるというふうに考えておるわけでございます。
 今回法改正をお願いして民間に再処理工場建設の道を開くことの必要性でございますが、これにつきましては先生御承知のように、わが国の電力事業というものは民営でやっておるわけでございますし、わが国におきましては万やむを得ざる場合のほか民営企業というものが基本的な形態でございますので、今後この燃料サイクルというものが商業化される暁には当然再処理といえども民営企業でやりたいというのが私ども並びに産業界の強い希望でございます。
 で、今後の再処理の需給関係を考えてみますと、現在海外に再処理の委託契約をいたしておりますもの、それから現在量はわずかでございますが、東海の再処理工場で今後再処理されますもの、そういったふうなものを考えますと大体昭和六十五年ぐらいまでの再処理需要量というものは賄い得ると考えておりますので、それ以降のものにつきましてぜひ商業ベースの再処理工場において再処理を実施してまいりたいというふうに考えております。それを考えますと、リードタイムから申しましてそろそろ具体的な準備に着手いたしませんと昭和六十五年の運転開始ということは不可能になるわけでございますので、そういう意味でこの時点におきまして規制法を改正いたしまして民間に再処理の道を開こうとした次第でございます。
#17
○熊谷弘君 再処理の問題に限らず、原子力につきましてはもともと安全の問題というのが大変、わが国が原爆経験者であるというだけではなくて、外国を含めて安全の問題というのは非常に国民にとって関心の高い問題だろうと思うんです。
 昨日、報道によりますとアメリカで大変大きな事故が起こったということでございますけれども、この核の再処理の問題、特に民間に開放していくということになりますと、とりわけ安全確保の問題についてどういう手を打とうとしているのか、どういう心構えでやろうとしているのかということについて心配になるわけですけれども、この点についてはどんなふうにお考えなんでしょうか。
#18
○政府委員(牧村信之君) 規制法の改正をお願いしておるわけでございますが、その中にただいま原子力局長から御説明申し上げました民営化の問題が一つございますが、そのほかに重要な問題といたしまして再処理事業の規制の強化のことの法律の改正をお願いしておるわけでございます。この改正案におきましては、民間の再処理事業者が再処理を行いたい場合に資格を持った特定の者に事業指定をする規定並びに従来も再処理事業につきまして規制の条項があるわけでございますが、それに加えまして運転を開始する前に十分な使用前検査をさせるような規定を設けること、それから一定期間――一年に一遍でございますか、定期検査を義務づけるというような規定の強化を図っておるわけでございます。
 このような規制の強化を図ることと、先生御指摘のように再処理は非常に大量な放射性廃棄物を再処理に伴いまして処理するわけでございますので、私どもといたしましてはこの規制の強化を踏まえ、また先般御改正いただきました規制の一貫化関係で安全委員会を設置さしていただきましたので、安全委員会の行政庁の行う審査のダブルチェック、あるいは運転段階におきましても重要な事項につきまして再チェックをいただくというような厳重な安全規制体制のもとにこの事業を、規制を進めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#19
○熊谷弘君 今回というかアメリカでああいうふうな事故が起こってみますと、とりわけまたこれを奇貨としていろいろな宣伝も出てくるわけでありまして、ぜひともひとつこの安全確保の問題について十分な手を打つと同時に、この安全確保の問題は同時に心理学の問題でもありますから、そうした点についても十分な配慮をお願いをしたいと思うわけであります。
 いま一つ、この安全の問題なんですけれども、私どもアメリカの文献あるいはジャーナリズムに出た報道等を見ますと、核の問題の際に大変関心が高いのは、ただ単に技術的に安全であるかどうかということだけではなくて、外側からこれを――よく原子爆弾がなくなったとかいろいろな議論が言われるように、フィジカルプロテクションの問題というのが大変関心が高いように見受けられるわけであります。また原子力発電所全体についてもそうですけれども、スペイン等で過激派が建設途上の原子力発電所にダイナマイトを仕掛けたとかいうふうな報道も伝えられる。
 まず、私伺いたいのは、一つはアメリカにおける核ジャック議論ですね、それは具体的な根拠に基づいてああいう形での反応が出ているのかどうか、そういう核ジャックについてあるいはフィジカルポロテクションについてアメリカはあるいはヨーロッパはどういう手を打とうとしているのか、どういう手を打っているのか。
 そして、また同時に、最後に、日本はこの種のフィジカルプロテクションの問題についてどういう取り組みをしておるのか、こうした点について御質問をしたいと思います。
#20
○政府委員(牧村信之君) 近年核不拡散のための措置として、従来は、先生御存じのように、保障措置制度によりまして施設等の核燃料の動きを厳重に計量管理する、これを国際的な査察のもとに行うことによって核不拡散をしようという体制で進んできておったわけでございますが、近年におきます核物質の盗取等のおそれというのが世界各国で認識されるようになってきております。また先生御指摘のように、暴徒等が原子力施設に対して危害を加えるおそれも非常に出てきておるわけでございます。そのようなことを背景にいたしまして、核物質の防護をめぐる国際的な考え方というのは最近とみに強くなってきていることは事実でございます。
 最近の動きを申し上げますと、先進各国で特に核燃料物質等を輸出する国々が集まりまして、核燃料物質等を輸出する場合には、供給国はその受ける国が十分な核物質の防護をしなければ輸出すべきではないということを国際的に合意しております。またその防護の仕方につきましては、かねてから国際原子力機関、IAEAがこの防護のあり方につきまして勧告をしておるわけでございますが、そのレベルを守ることを義務づけるようになってきておるところでございます。したがいまして、またその上には、最近ではすでに一AEAにおきまして三回――だったと思いますが――にわたりまして、これを国際条約をつくって各国がそれを守るように義務づけようではないかという動きも出てきておるわけでございます。
 そのような国際的な情勢を背景にいたしますと、私ども日本の現状を考えました場合に、ほとんどすべての核燃料物質を海外から期待しておるわけでございます。これを平和利用に徹して原子力の平和目的のための利用をしようとする場合には、国際的にもこの核物質防護をするということは義務づけられてきておると考えざるを得ないわけであります。したがいまして、そういう点を背景にいたしまして、わが国におきましてもIAEAの基準とほぼ同様のレベルで現在核物質の防護をやっておるわけでございます。これは施設者のみの努力ではできませんので、関係省庁あるいは特には公安当局の御協力もいただきまして万全を期していかなければならない問題であると、かように考えておるところでございます。
#21
○吉田正雄君 原子炉等規制法の改正案に非常に大きな関係を持ってくるわけなんですけれども、昨日の新聞報道で、一昨二十八日にペンシルベニア州のスリーマイルアイランドで原子力発電所の重大事故というものが発生したという報道がなされたわけです。私どもも新聞報道以外詳細な内容というのはわかっていないわけです。しかし情報能力を誇る原子力委員会、科学技術庁、さらには通産、外務というところではもう十分に現地の情報なり事故の実態というものについての調査が進んでおるというふうに思っておるわけです。私は非常に重大な問題だと思うわけです。それはなぜ重大かということを言いますと、単に石油危機という点で原子力が必要だという以上に、いままで絶対安全だと一まあ絶対という言葉はなかなかお使いになりませんでしたけれども、とにかく大丈夫、大丈夫の一点張りで原子力行政というものを推し進めてきたわけですね。二重三重に安全装置が施されておりますと、こういうことを繰り返し政府は強調してきたわけです。ですから政府の従来主張してきた、繰り返してきたそういう宣伝からすれば、今度のこの重大事故というのは考えられないことなんです。しかし、現実に考えられない事故というものが起きたわけですね。まあ幸い暴走事故にまで至らなかったという点ではこれは不幸中の幸いだというふうに思いますけれども、これは私は単にアメリカの事故ということでなくて、原子力発電そのものについて基本的にもう一回安全性というものがいま問い直されているんではないかというふうに思うわけです。そういう点で、私は従来政府がとってきた安易な態度というのはこの際真剣に反省をする必要があるんじゃないか。「むつ」問題しかり、美浜の事故の問題しかりですね。美浜の場合なんかというのは三年も四年も事故をひた隠しにしてきた、むしろ企業と一体になってひた隠しにしてきたということがもう明らかになっているわけですね。今度の、新聞報道ですからわかりませんが、当初は電力会社自体が大したことはないということで報道しておったわけです。ところが、州当局と原子力規制委員会のその後の調査で、大したことではないではなくて、きわめて重大な事故だということが次第に明らかになってきたわけですね。そういう点でこれから具体的にお聞きをしたいと思うんです。したがって、政府としては現在わかる範囲内では隠すんではなくて明らかにしていただきたいというふうに思うわけです。
 まず最初に、この発電所の企業体といいますか、経営者はだれであって、また日常のこの運転責任ですね、これはどの企業が負っているのかということです。つまり日常の運営責任者がだれになっておるのかということと、その運営責任者は従来どの程度の実績を持ってきておるのかということをまず当初にお聞きをしたいと思うんです。逐次細かく聞いていきますので聞いた点だけ答えてください。必要でないこと余り長々しゃべってもらうと時間がありませんから。
#22
○政府委員(児玉勝臣君) スリーマイルアイランド原子力発電所の経営者はだれかということでございますが、これは三社の共同経営になっておりまして、一つはメトロポリタン・エジソン社、一つはジャージー・セントラル・パワー・アンド・ライト社です。それからもう一つはペンシルベニア・エレクトリック社、この三社で共同経営ということになっておりまして、実際に運転しておりましたのはメトロポリタン・工ジソン社が運転をしておったわけでございます。
#23
○吉田正雄君 これもまあ報道されているからわかっているんですが、一応お聞きしますが、原子炉の型式と認可出力、それから運転開始日、それからメーカー、それと、もしこれが伝えられているようにバブコック・アンド・ウイルコックス社のものであるとすると、ウエスチングハウスのものとどういう点が違うのか、違いがもしあったらその違いを明らかにしてもらいたいと思います。
#24
○政府委員(児玉勝臣君) 原子炉の型式はPWR型、すなわち加圧水型でございます。それで出力は九十五万九千キロワット、一九七八年の十二月に運転開始しております。
 メーカーはバブコック・アンド・ウイルコックス社でございまして、ウエスチングハウス社との違いというのは、大きな点は蒸気発生器の設計が異なるということでありますし、また、一次冷却材ポンプがウエスチングハウスの場合にはループ当たり一基でございますが、バブコックにつきましては一ループ当たり二基ということになっております。それから二次系の給水の設計につきましても、ウエスチングハウスについては主給水、補助給水が同一ラインで蒸気発生器に入っておりますけれども、バブコックの方につきましては別ラインで蒸気発生器に入っておるタイプになっております。
#25
○吉田正雄君 事故発生日時と、それから事故の通報が州当局や原子力規制委員会に対して行われたのは何時ごろなのか。それから報告の内容、電力会社の報告の内容がどうであったのかということをお聞かせ願いたいんです。
#26
○政府委員(牧村信之君) 発生日時は、私ども調べましたところ三月二十八日午前四時ごろでございます。で、州当局等に報告されたのが、NRCに報告されましたのが七時四十五分ごろであるというふうに聞いておりまして、その間三時間半ぐらいのタイムラグがあったと聞いております。
#27
○吉田正雄君 それから、いろいろ報道されておりますが、電力会社からの報告の内容はどうなっていたんですか。
#28
○政府委員(牧村信之君) その点の詳細はつかんでおりません。
#29
○吉田正雄君 詳細はつかんでいないといって……、じゃ、州当局やNRCの事故調査は現に行われているわけですね。
#30
○政府委員(牧村信之君) NRCを中心にいたしまして事故調査が行われているわけでございます。
#31
○吉田正雄君 中間的な調査結果も入手されておらないんですか。
#32
○政府委員(牧村信之君) NRCが大体毎日報告――外にステートメントを出しておりますのでそれについてフォローをしております。
#33
○吉田正雄君 電力会社がどういう報告をやったかわからないというのは、報道によれば、NRCのスポークスマンの発表でも、電力会社はこういう報告をしておりますということが出ておるのに、それ全然わかってないわけですか。
#34
○政府委員(牧村信之君) その三時間半おくれで会社がどういうふうな報告をNRCにしたかはつかんでおりません。
#35
○吉田正雄君 皆さんは新聞報道はごらんになりましたか。
#36
○政府委員(牧村信之君) はい、読んでおります。
#37
○吉田正雄君 そうすると、事故の個所と事故の原因はどのように考えておいでになりますか。
#38
○政府委員(児玉勝臣君) NRCからの最初の科学技術庁の方への電報といいますか、通知から情報が始まったわけでございますけれども、その後のいろいろな情報を総合いたしまして、私たちの方でいまのところキャッチしている点を申し上げたいと思います。
 これは何も外電だけをじゃなくて、外電から類推した点がございますが、一つは給水系のポリシングシステムというところでの作業をしているうちに何かしらの事故によりまして二次主給水ポンプがとまったということであります。それに従いましてタービンも同時にとまりまして、そして、それによって、従来でございますと補助給水ポンプが作動するわけでございますけれども、その補助給水ポンプが作動しなかったと、したがって、二次側の熱交換がうまくいかなくなりまして、そのために一次側の冷却材の圧力が高くなり温度が高くなったと、こういう状況になりまして、そのために一次側の加圧器についております逃がし安全弁一個とそれから安全弁二個があるわけでございますが、しかし、それがどういうふうに動いたか私わかりませんが、恐らくその三つが作動したのであろうと、ここは類推でございます。それで、その逃がし弁と安全弁が作動いたしまして加圧器の逃がしタンクの方にその蒸気を回したわけでございますけれども、一つのか二つのいわゆる弁が恐らく閉まらなかったのではなかろうかと思います。それでその弁が閉まらなかったためにどんどん蒸気が出ましてその逃がしタンクがいっぱいになりまして、それでその逃がしタンクにはラプチュアディスクという、圧力が高まりますと割れるおさらがついておるわけでありますが、それが恐らく割れたんであろう。それが割れて蒸気が格納容器の中に充満したというか放出した。したがいまして炉水の圧力それから水位がともに下がるという状況下におきまして、後、ECCSが作動したのではないかと。手動で入れたという情報もございますので、この辺よくわかりませんけれども、ECCSが作動いたしまして、そしてその燃料の冷却を行ったと。その間にどれくらい、どういうような事象があったか、ちょっと私たちも想像がつきません。その間において恐らく燃料の破損というものが行われまして、その燃料破損による放射性物が含まれた水が格納容器内に流れ出たと、そういうことだと思います。それで、一つの情報によりますと、そのECCSを途中でとめたという情報も実はございますが、明らかでございません。そういうことで、現在の情報ですと炉心の一次冷却の温度は百四十度Cであるそうでございます。それで、これはECCSの高圧ポンプ糸と、それからSGの、蒸気発生器の一基とを併用いたしまして炉水温度の低下に努めておるということでございます。それで、従来ですと八十度ぐらいまでに温度を下げるわけでありますが、それまでにはまだ大分時間がかかりそうであるというようなところが現在入手した情報から類推してつくったシナリオでございます。
#39
○吉田正雄君 その入手された情報というのは、どこから入手されたんですか。
#40
○政府委員(児玉勝臣君) これはメーカー筋からとった情報でございます。NRCと、それから電力会社等がアメリカに問い合わせまして得た情報を総合して私申し上げたんでございます。
#41
○吉田正雄君 私は、いまの答弁というのは非常にあいまいだと思うんですよ。科学技術庁の方はNRCと連絡をとっているけれども、まだいまのところそういうものは入ってないというふうな言い方だし、それから通産の方ではNRCと電力会社とメーカーと三者の、何かごっちゃにしたものを総合して推測すればというふうな、きわめてあいまいなんですよね。これだけ重大な事故が発生をして、これこそまた新聞報道によれば、科学技術庁や通産は挙げて、スタッフを総動員をして情報の収集に当たっておると言う。外務省にも今度は原子力担当の審議官ですか、何かそれもできているわけでしょう。これは外務省を通じてでも、これだけの重大な問題ですから、皆さん方は当然正確な情報を収集する大きな使命を持っているわけですよ、責任を負っているわけでしょう。ところが新聞記事以上に出ないというよりも、むしろ新聞記事よりもいまの説明の方が中途半端で非常に少ない。新聞記事の何分の一かという量でしかないんですよ、いまの説明は。そんな情報収集ありますかね。これで科学技術庁は安全行政を担当するという、一国の政府としてこんな程度の情報収集能力でいいんでしょうかね。大臣どうお思いになりますか、こんな程度の情報収集能力で。
#42
○政府委員(牧村信之君) 私は、先ほどメーカーがNRCにどういう報告をしたかは情報をつかんでいないと申し上げたのでございまして、NRCがどのようなステートメント等を出しておるかということにつきましては可能な限り現在資料を収集中でございます。ただいま通産省の児玉審議官が話しました内容、ほとんどはNRCからつかんだものと私どもは判断しておるわけでございます。
 そこで、新聞等の問題に御言及なさったわけでございますが、アメリカのNRCでも、新聞報道には非常に憶測の記事があって困っておるというようなことが議会でのNRCの発言にもあるわけでございますが、ただいま児玉審議官の大体の事故の様子はこういうような状況で起こったんであろうということにつきましては、これはNRCがいま考えておりますことに若干の推測を加えたものというふうに考えておりまして、必ずしも私どもがつかんでおる情報と通産省がつかんでおる情報に違いがあるわけではございません。それぞれ入手しました情報につきまして、常に情報を交換いたしましてその場その場の判断をするように努力しておるところでございます。
#43
○吉田正雄君 もう一回お尋ねしますが、通産も科技庁もこの事故を重大視しておいでになりますか、それとも、ああ事故が起きたという程度なんですか。どういう判断ですか。
#44
○政府委員(児玉勝臣君) 重大な事故が発生したと、非常に保安行政上問題であるというふうに考えております。
#45
○吉田正雄君 科技庁の方。
#46
○政府委員(牧村信之君) 同様でございまして、この事故はまだ原因が必ずしもすべて明らかになっているわけではございませんけれども、私どものつかんだ情報の中で、この原子力発電所で起きたいろいろなトラブル、事故の中でも最も大きなものであると考えておりますし、この事故は相当重要な意味合いを持っておるものと考えておるところでございます。
#47
○吉田正雄君 それだけ重大事故であるというふうに皆さん方が判断をされ、しかも今後の日本の原子力行政のあり方や、あるいは原子力発電の促進そのものについて大きな影響を及ぼす事故なんですよね。それだけに現地へ当然だれか派遣されたと思うんですが、それはどうなんですか。単に新聞報道だとか、どこかから情報が自然に伝わってくるのを待っているということでなくて、ワシントンですかニューヨークですかわかりませんが、政府関係機関の方から当然NRCそのもの、あるいは電力会社とも連絡はとっているでしょうが、当然現地へも派遣をされていると私は思うんですが、それはどうなんですか。
#48
○政府委員(牧村信之君) たまたま原子力安全委員が、委員会が発足しまして安全委員のうちの一名が当庁職員随行いたしましてワシントンにNRCを訪問する予定をしておりました時期にこの事故が起きまして、アメリカの二十九日並びに三十日に安全委員がNRCを訪問いたしまして、この事故につきまして詳細に早急に資料を提供してほしいという要請もいたしております。また、その私どもの方の職員はしばらくワシントンにとどまりまして、外務省、日本の大使館の科学アタッシェと協力いたしまして情報の入手に努力する予定をしておるわけでございます。しかし、何分にもNRC自身がこの事故の詳細な原因等を完全につかみ切っていない状況でございますので、先生、非常にわれわれの情報が少ないとおしかりでございますけれども、可能な限りその努力をしておる最中でございます。
#49
○吉田正雄君 児玉審議官の一部推測というか総合判断といいますか、という説明は大体NRCのスポークスマンが言ったのとほぼ同じなんですよね。ただ、肝心なところが抜けておるんですよ、説明の中に。この点はどういうふうにお考えになっているんですか。要するに圧力逃がし弁あるいは安全弁が作動したということ。ところが、その後も蒸気が逃げていくということがあって、したがって冷却水がどんどん減少していくということで、二十トン程度冷却水というものが喪失をしたということで、炉心の上部が露出をして被覆管が破壊をし、そして燃料棒の一部というものが溶融したんではないかということなんですね。さらに事故発生と同時に制御棒というものを入れたけれども、その制御棒というものも炉心に落っこちたというおそれが十分にあるんじゃないかということが言われておるんですが、その点はどうなんですか。
#50
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生のおっしゃいました炉心が露出したという情報はまだ私たち知っておりません。
 それから、これは事故と同時にすぐに制御棒を挿入いたしました。したがいまして、燃料がいわゆる溶融するようないわゆる核反応が続いて起こっていたとはとても考えられませんので、溶融ということはちょっとわれわれとしては考えられないんでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、ECCSが入るまでの間にどういうような操作が行われたかということについては不明でございますので、その間においていろいろな条件によって燃料の被覆管が破損するということはあったかもしれないと、そういうふうに考えております。
#51
○吉田正雄君 それは私はおかしいと思うんですよ。というのは、汚染の状況、放射能の漏れた状況というものを判断をすると、単にいまの蒸気に放射能が一部入ったという程度のものではないと。これもNRCのスポークスマンの報道の言い方ということで、例の遮蔽容器ですね、一・二メートルの遮蔽壁を透過をして一キロメートル四方に放射能というものが拡散をしたというので、単にこの電力会社が大丈夫だと、大したことはないという――蒸気の中に一部入ったなんということてはこんなことは考えられないということなんですよね。したがって、制御棒が炉心に落ちて、そして――緊急冷却装置については確かに作動したのか、手動で入れたのか、入れたけれども早くまた切ったのかというのは、これは確かに言い方とか報道もまちまちなんですよね。報道はまちまちですが、しかし、漏れた放射能の状況というものを考えれば、いま皆さん方が、言ったように非常に重大な事故であって、そんな軽いものではないし、透過をしているということはほぼNRCでは認めているわけでしょう。その点はどうなんですか。だって、現に入れないわけでしょう、その中には。
#52
○政府委員(牧村信之君) 児玉審議官の、先生ただいま御指摘の点に対しての若干の補足をさせていただきますが、つい最近、せんだって入りました情報の中にその点につきましてNRCの見解が言われております。これは米国の下院でNRCがその事故について報告をしたものでございますが、この中で、先ほどの燃料の破損等に絡まる問題でございますが、放射能の露出と申しますか、格納容器の中の放射線の量等から推察いたしまして、燃料につきましてはクラッドの破損はあるんではないかと。ただ、経験的に言って炉心の溶融はないと予想しているということをNRCが言っております。また、主として外部で測定されております放射線のあるいは放射能レベルの点につきましては、現時点におきましてコンテナの天井部で一時間当たり三千レントゲン程度であると、それから建屋内のオペレーティングデッキというところにおいては十レントゲン・アワーということのようでございます。サイトの境界では二十ミリレム・アワーとなっているそうでございます。このサイト外では相当低い値なので、NRCでは住民に対する放射能の影響はほとんどないというふうに判断しておるようでございます。
#53
○吉田正雄君 私は炉心が溶融したとは言ってないんですよね。制御棒それから被覆管というものが破損をして、燃料棒というものが一部溶融しているんじゃないか、そうでなければこれだけの放射能というのは出てこない。いまもおっしゃったように三千レントゲン、一部の報道では四千レントゲンですよね。これは三千レントゲンとか四千レントゲンといったら致死量の七倍から八倍という大変な放射能なんですよね。だから燃料棒の溶融というのは当然ある、そうでなければこれだけの放射能というのは出てこないわけですね。その点はどう判断されているのですか、当然燃料棒というのはもう溶融していると思うでしょう。
#54
○政府委員(牧村信之君) NRCの判断は、燃料の破損はあったかもしれないと、しかし経験的に炉心溶融はないであろうというのがNRCの判断のようでございます。
#55
○吉田正雄君 炉心が溶融したといったらこれはもう最大事故ですからこれは大変なことになっているわけですよね。そこまでいかなかったのは私は不幸中の幸いだということをさっきも、当初に申し上げたとおりなんです。
 そこで、どうも皆さんある程度わかっているんだけれども、何か隠しておいでになるような感じがしてならぬのですよ、これは。
 じゃあもう一点聞きますけれども、新聞報道そのものというのは、さっきも何か新聞報道があっちこっちから小耳にはさんできたのを書くんで困るのだというような言い方がちょっとありましたね。それはNRCのスポークスマンの言として、どうも新聞報道というのは筆が走り過ぎるとかというふうな言い方があったんですけれども、しかし、常識的に考えれば私は報道の方がまさに実態をついているという感じがするんですよ。そうすると、皆さんその報道をお読みになっているわけですから、報道で誤りだと思われるのはどこですか。これは国民みんな読んでいるんですよね。国民は朝日から読売から各地方紙から全部読んでいますから。皆さん方の判断であの報道の中でここが間違いだと、こういうことになったんじゃ困る、国民に必要以上の不安感を与えるという部分があったら指摘をしてください。
#56
○政府委員(牧村信之君) 私どもがその報道に誇張があるとかなんとかを申し上げておるのではなくて、先ほど申し上げましたのは、NRCの担当官がそういう陳述をしたという報告を御紹介申し上げたところでございます。それで個々の事故の状況につきまして、どれが正しくてどれが誤りであったかということを、いまの段階でNRC自身もこういう状況であるという統一の見解を出していない段階でございますので、それを申し上げる時期ではまだないというふうに考えております。しかしながら、報道の中には若干相異なる現象、あるAの現象があったときにはBの現象が出るはずがないと思われるようなものが、両方起こったような感じのところもないわけではございませんけれども、いずれにしても正確な情報がまだ完全にっかめてないわけでございますので、新聞等の報道がどれが正確でどれが間違いだというようなことを申し上げる時期ではなかろうというふうに考えておるところでございます。
#57
○吉田正雄君 核燃料が一部破損をした、破損という言い方も、溶融も破損の中に入るわけですけれども、それがなければあれだけの放射能というのは出ない。これはもうはっきりしていると思うんですよ。したがって、核物質そのものの放射能によって一・二メートルの遮蔽壁というものを透過をして放射能というものが漏れたと考えるのが私は当たっているんじゃないかというふうに思うんですが、いまのところ詳しい報告がないということなんですけれども、現状における判断をもう一回聞きますと、緊争冷却装置というのが一体作動したのか作動しなかったのかどうか、どういうふうに判断されているのか。それから制御棒自身も溶融をして、全部とは言いませんが、炉心に落ちた。さらに燃料棒被覆管というものがある程度破損というかして、燃料棒も相当溶融したのではないかというふうに思われるんですが、その点についてはどういうふうにお考えになっているのか。それからいま言った格納器内の放射能というものが、いま言ったように三千レントゲンとか、四千レントゲンというものすごいものです。中へ入れないわけですよね。したがって原因がはっきりつかめないということなんでしょうけれども、遮蔽壁を透過をした、貫徹をしたというのはいま言ったように燃料棒の溶融というものによるものだと思うんですが、その辺はどういうふうに考えておいでになるのか。
 それからまだ聞きませんでしたが、拡散の範囲がどの程度になっているのか、放射能の拡散がどの範囲に及んでおるのかということと、それから従業員被曝が、これははっきりしないんですが、直接その周辺に作業当時、事故当時おったのは五十人くらいという言い方もあれば、いや五百人の従業員全体に、それは事故後みんな駆けつけたということなのか、従業員の被曝者の被曝状況というのがどういうことになっておるのか。さらには住民への影響というのがいまのところどうなのか、この辺はちょっとわからぬかもわかりませんが、従業員被曝というものについてはそれなりの報道がされておるわけですから、この点がどうなっておるのか。時間がありませんから、もうちょっといろいろ聞きたいのですが、きょうはとりあえずこれだけをお聞きをいたしておきます。
#58
○政府委員(牧村信之君) まず制御棒の駆動でございますが、これが私どものつかんでおるNRCの情報では、安全注入信号が働きまして自動作動をしたというふうに聞いております。その後約五分後に、運転員は通常の運転圧力に下がった、近づいたというふうに判断して、手作動で停止したという情報をつかんでおりますが、その後また注入をしておるという説もございまして、その辺はまだ完全に確認をできません。それから制御棒につきましては、当然正常に作動いたしましてスクラムされたというふうに聞いております。
 それから、この放射線が外部に出た問題につきましては、なおいろいろな調査が必要でございますが、聞くところによりますと、冷却水が弁を通じて炉心内に出たわけでございますが、それが通常は冷却水を貯蔵するサンプにたまるわけでございますが、そのサンプから外の補助建屋の方にございます処理系の方に自動的にくみ出したということが言われておりまして、そこで容器外に出まして、そこから希ガス等が出ておりまして環境に放出されておると推察されるわけであります。したがいまして、この原子炉周辺で、先ほど私が放射線の量というものを申し上げましたが、原子炉の建屋のそばの放射線の量と申しますのは、主として格納容器内に放出されました冷却水に含まれておる放射能が持っておりますガンマ線が外に透過して出てくるダイレクトラジエーションが中心でございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、若干のリーク並びに冷却水を容器の外の補助建屋の方に移送させた関係で、そこから出る希ガス等が環境の方に出ておって、約二十数キロ外のところで平常値よりも若干高い放射線量の測定が行われているようでございます。
 それから従業員の被曝でございますが、私どもがつかみました情報では、約八人の従業員が二分の一ないし一レムの作業中の被曝を受けておるというふうに聞いております。
#59
○吉田正雄君 時間が来たからやめますけれども、私はきょうの通産の答弁もそれから科技庁の答弁もきわめて不満なんですよね。これだけの重大事故――私はやっぱり重大だと思っているんですがね。これだけの重大事故が発生しておるのに、いま程度の説明では、これは当初に言ったような情報収集能力はきわめてない。あるいは、ある程度そこに何か隠匿されて政治的な配慮から、発表したのではこれは今後の国内の原子力発電の推進にとってどうもいい影響が出そうもないという政治的な判断で過小評価というか、必要以上にこれを重く見ないという、そういうものがあるんじゃないかという感じがするんですよ。そうでなかったら、真剣に考えておられるのだったら、私は顔色からしたってもうちょっと真剣さがあってしかるべきだと思うんだけれども、必ずしもそうでもなさそうですしね。顔色で判断するわけじゃないんですが、本来ならばもうちょっとこの問題、報告があっていいと思うんです。しかし幾ら言ってみたって、現につかんでないということですからこれでやめますが、十三日の日に委員会が予定をされておりますから、こういう問題がなおざりにされる中で再処理工場、再処理工場と幾ら言ってみたって国民はだれも信用しませんよ、これは。再処理工場というものは事故が起きた場合には原子炉以上に大変な事態を招くわけですからね。そういう点で、原因もわからない、安全対策も確立されていないという中で再処理工場を急ぐ必要は一体どこにあるのかと言わざるを得ないわけですね。そういう点で、次回には、まだわかりませんなんという答弁にならぬように、きちんと私はつかんでもらいたいと思うんですよ。これは大臣には、毎回そうなんですがね、大臣ももうちょっと少しその辺しゃんとしていただいて……。
#60
○国務大臣(金子岩三君) 私はいま吉田さんからしゃんとしていろと言われたが、私は大いにしゃんとしておるんですが、なかなかきのうのことですから――きょうは必ずお尋ねがあるということで情報収集を一生懸命やったらしいんですよね。決して情報を隠蔽しておるようなことはございません、私の見るところは。それで次の十三日までには十日ばかりありますから、大体いろいろこちらからも、先ほども申し上げていましたとおり、安全委員会の田島さんがちょうど向こうに視察に出かけておりましたので、安全室長もそれに随行して行っておるんですから、この方も公館にも協力してもらって一生懸命調査をいたしておるのでございます。なお、きょう安全委員会をやっていますので、その結論によっては専門家を早急に派遣して、本当に事故の原因をひとつ究明しなければ、今後原子力発電所を大いに開発躍進させたいということを、先ほど私は熊谷さんにも申し上げておりましたから、その前提はやはり何といっても、一〇〇%はこれはなかなか容易ではありませんけれども、九九%の安全は確立したいという考え方ですから、それがためにはやっぱりこのような故障が起こったときにやはり一つ一つ原因を的確に把握して初めて安全性が確立されていくのでございますから、徹底的に私の方ではこの原因を究明するようなつもりでおりますので、その点は決してのんべんだらりとしておるというようにお考えではなくて、真剣に取り組んでおる。特にこういう法案を御審議いただくときでございますから、これが言いがかりでいろいろ暇が要っても私も困るので、できたら皆さんに御安心なさって、法案も早く上げていただきたいと思うので、一生懸命ひとつ鋭意努力をいたしますので御協力願います。
#61
○吉田正雄君 もし国会として調査団を派遣するというふうなことになったら、これはこのいまの事故だけではないんですけれどもね、その他いろいろ関連してアメリカの原子力推進をめぐっては各州でずいぶん反対も出てきている。反対決議、賛否の投票をやっているところもあるわけですね。時間があれば聞きたかったんですが、それらも含めて、たとえば国会で調査団を派遣するというふうなことになれば政府としてはそれに全面的に協力をされますか。
#62
○国務大臣(金子岩三君) それはもう当然なことで、やっぱり私どもは国会で与野党問わず全幅的な御理解をいただいてこの原子力発電の開発躍進を図ろうとしておるわけですから、皆さん方が納得のいくまでひとつ十分御調査なさっていただくことは国会の問題ですから、いかようにでもそのようにお決まりになれば役所としては御協力申し上げます。
#63
○藤原房雄君 過日当委員会におきまして趣旨説明がございまして、きょうから核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案、この法案の審議ということになっておるわけでありますが、ただいまも同僚委員からいろいろ御指摘がございましたように、余りにも大きなといいますか、いままで憂慮されておりました問題が、わが国ではないとはいたしましても、問題が起きた、事故が起きたということで、私はやはりこの問題について、先ほどいろいろな角度からお話ございましたんですが、二、三点政府の考え方を聞きたいと思います。
 最初に、私どもは新聞、テレビ、そういう報道機関によります情報というものがまず目に耳に飛び込んでくるわけでありますが、それは各新聞社等もそれぞれ現地に特派員がいらっしゃって、そちらの方へ飛んで行くということで、速報性とかそういう問題では報道陣の方が速いのかもしれません。先ほどの同僚委員に対する答弁をお聞きしておりましても、正確な情報という、そういう言葉は非常に大事なことで、科学技術を預かる皆さん方としては正確でなきゃならぬのは当然でありますけれども、それにしましても非常にわずかの情報しかないということで、これは二十八日ですか、もう二日たっておるわけでありますから、現地におきましては実態の把握というものは相当なされているだろうと思うんです。日本の国でも各地で相当な数の原子炉の建設がなされているわけでありますから、そういう中でだれしもがアメリカのこのたびの事故というものに対しては深い関心を持っており、それが即また自分のところにどういう災いといいますか、影響があるのかという、こういう考え方を持つのは当然なことだろうと思います。
 それで、先ほども概括的なお話があったんですが、他国にこういう事件が、問題が起きてその情報を収集しようというときには、これは科学技術庁には限らないのかもしれません、今回は科学技術庁、通産省、それぞれ担当になっているわけでありますが、どういうルートでそういう正確な情報を入手するようになっておるんですか。これはアメリカにあります日本の大使館を通じてという外交ルートもあるだろうと思いますし、またエネルギー省に対して直接ということもあるだろうし、いろんなことがあるんだろうと思うんですが、今日まで入手なさった正確な情報というのは一体どういうルートで入った情報なのか、この問題についてひとつ明確にしていただきたいと思います。
#64
○政府委員(牧村信之君) 本件の事故につきましては、事業者が当然その原因究明をやっておると思いますが、NRCの担当官が参りまして、現地でその原因究明等を進めておるわけでございます。したがいまして、正確な情報というものは、私どもといたしましてはアメリカの原子力規制委員会に集まっておると判断しておるわけでございます。したがいまして、私どもはこの情報を入手するに当たりましては、アメリカのNRCの情報を基本として考えておるわけでございます。
 入手の仕方といたしましては、当然でございますが、ワシントン駐在の日本大使館を通じまして外交ルートによって入手するのが常道であろうと思っております。
 そのほかにもう一点は、日本とアメリカの間に規制情報の交換につきまして取り決めがございます。そのルートでアメリカのNRCから直接入手する方法がございます。
 このような方法を通じまして情報入手に努力しておりますけれども、実は大使館を通じて、あるいは日米規制情報交換によりまして在日の大使館を通じてくる情報が間々おくれることがございますので、その辺につきましては現地で入手した情報を、場合によりましては民間の輸送手段に頼りまして直接送ってもらうというようなことも含めて、できるだけ迅速な情報の入手を図っておるのが現在の段階でございます。
#65
○藤原房雄君 先ほどの答弁にもございましたが、ちょうど田島原子力安全委員が、またそれに職員の方が一緒に同行なさっていらっしゃるということで、この際ひとつ、向こうにいらっしゃるわけですから、実態の調査を依頼するということですが、NRCの調査に基づいて発表したものが逐次科学技術庁なり通産省の方に情報が入ってくるということでありますれば、これはそれなりのその調査の結果が逐次滞りなく入ってくるんだろうと思います。これは相当調査の結果に基づいてということですから、新聞情報とか、また現地の状況に対しての報道とは少しのずれといいますか、おくれはあるかもしれませんが、科学的なNRCで的確につかんだ情報ということでは、それなりの信頼性はあるかもしれません。しかし、ちょうど原子力安全委員会の方がアメリカにいらっしゃるということでありますが、今回のこの事故は先ほども非常に重大に受けとめておるというお話でございましたが、これはこの全貌がわかってどういう結果になるか。しかし、現在わかっている範囲内にしましてもこれは非常に重大な事故であったと私どもは認識をいたしております。事によってはこれはやっぱり私も国会としましても当委員会といたしましても、このまま、こういうことがあったんだということで済まされないことではないかというふうに考えるわけであります。そういうことで、これからの情報の収集ということもございますが、やはり専門官のこれは――原子力安全委員会がきょう開かれて、その結果によってというお話もございましたが、安全委員会もさることながら、当局としてもやっぱりそれ相当の方々を派遣なさるようなことにしなければならないのではないか、また私どもも私どもの立場でまたどうするかということも、これは真剣に考えなきゃならないんではないか。こういうことで、このたびの事故に対してどういう対処をするかという、こういう判断を得るためには、一刻も早くこの実態というものを知らなきゃならないということであります。こういうことで、できるだけひとつ新しい情報の収集に全力を尽くしていただきたい。そしてまた、私どもがそれに対してどう対処するかという判断のできるように通産省または科技庁としては取り組んでいただきたい。また役所としましても、今度の問題については重大視いたしまして、それ相応の対策、これはもう派遣ということ等もあわせて、ちょうど向こうに職員が行っておりましたんでということでなくて――そういう方がどういう方か私どもよく知りませんが、やはり今度のこの事故に即応して、この実態についても明快に解明できるような体制、こういうものを早急に考えるべきだと思いますが、いかがですか。
#66
○政府委員(牧村信之君) 私ども科学技術庁におきましては、今回の法改正で行政の一貫化が行われたわけでございますので、先ほど大臣も申し上げましたが、安全委員会の事務局としてこの問題に万全の体制をとらなくちゃいけないということで、現在、本日安全委員会が午前から打ち合わせ会、午後から臨時委員会を開くと、また審査会の主要メンバーにも御参集願いまして安全委員会と合同でこの問題の議論をしていただくというようなことで、これからのこの問題に対する対処につきまして真剣に検討しておるところでございます。そのためにも的確な情報が現段階では全く不足しておることは事実でございます。そういうこともございまして、本日安全委員会でも専門家を派遣することにつきましてもあわせて御検討をいただくようにお願いしておるところでございます。
 ただ、何分にも現在、現地に、ワシントンに田島先生がいらしていただいておりますが、田島先生は放射線の方の専門家でございまして、原子炉の安全問題と申しますか、機器的な安全というような方面では御専門であるわけではございませんので、今後それぞれの専門の方を――どのようなタイミングでアメリカの状況なりNRCの見解なりをつかまえればいいのか、そういうような問題点を頭に置きつつ、必要があれば専門家を派遣したいというふうに考えておるところでございます。
 ただ、何分にも現在はアメリカからのこれは担当者の電話で聞いたところでございますが、NRC自身も非常に混乱している面もあるようでございまして、的確な情報として外に出せるものはいまの段階で非常に限られております。また先ほども御説明したところでございますが、コンテナの中が非常に放射線のレベルが高いものですから中には入れない、あるいはサンプリングもできないというような状況でございますので、それらの結論をNRCが出すタイミング等も考えまして専門家を派遣しなければならないというふうなことを考えておるところでございます。また、通産省の方におきましても当然この情報の入手ということは非常に努力されておるわけでございまして、科学技術庁と共同でいまやっておるところでございます。それで、安全委員会等でそういう調査の人を出すような場合には、私ども行政庁の人間もあるいは行っていただくというようなこともあわせ考えつつ、先生の御指摘に対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#67
○藤原房雄君 まあ確かにこの調査というのは非常に制約がありますから、こっちから専門家が現地に乗り込んでいって独自に調査という、こういうことじゃないわけでありますからいろんな制約はあるかと思いますけれども、事故の発生当時から、その調査の段階から、最終的な結果を導き出すその作業過程の中でやっぱりこちらの権威ある方がそれに携わって、まあ向こうのNRCの報告を疑うわけじゃありませんけれども、それに携わっておったんだということでより信頼性を深めるということもまた大事なことだろうと思うわけであります。
 原因調査とまた環境影響調査、こういうことについてはこれからのいろんな情報をもとにして私もまたいろいろお尋ねしたいと思いますが、いま一番私どももこれは機構上の問題としてどうかといういろんな疑義を持っておるわけですが、それは先ほどの報告の中でまだこの正確な情報はないということでありますから、それは後日に譲るといたしまして、人的被害、それから環境に対する汚染、こういうことについてさっきもちょっとお話ありましたけれども、現在までの報告のあった分について、状況、それから住民の避難等についてはどういう対処があったのか、この辺も含めてちょっと御報告いただきたいと思います。
#68
○政府委員(牧村信之君) まず放射線関係の点について御説明いたします。
 格納容器の中でございますが、ここは非常に放射能が高うございまして三千レントゲン・アワーぐらいの高放射能になっておるようでございます、新聞等によりますと、一説では四千レントゲンという話もあるわけでございます、それから屋内のオペレーティングデッキでございますが、これは十レントゲン・アワー程度のようでございます。それからサイト境界では二十ミリレム・アワーとなっておるようでございます。それから周辺はほとんど低い値で住民等に与える影響はほとんどないというふうにNRCは述べておりますが、また別の情報によりますと、発電所から二マイルほど離れました空港のそばで十二ミリレントゲン・アワーを示しておるというデータも入手してきております。で、これらのレベルは、アメリカの環境庁が防護活動を勧告しておる千ミリレントゲンというそのレベルをはるかに下回っておるということで、住民に対する影響はないという判断のもとに防護の活動等は行われていないというふうに聞いております。
 それから従業員に対しましては、オペレーターでございます八名の従業者が二分の一ないし一レムの放射線の被曝を作業中に受けたと見積っておるようでございます。これはアメリカも日本と同じで年間被曝の制限は五レムでございますので、その中に十分入っておるというふうな報告がございます。
#69
○藤原房雄君 日本にも、ここの会社のものではございませんけれども、同じような型のものがあるわけでございますから、日本のものはこのたびの事故を起こした型とは機構上は違うのかもしれませんけれども、しかし、今回のこの一次冷却水におけるこういう事故、それに連動して大事を引き起こすという、こういう心配はないとは決して言えないと思います。こういうことで、今回のこの事故を通して日本の国にあります同じ型のものについてはやっぱりこれは徹底的に検討する、こういう必要があるんじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
#70
○政府委員(児玉勝臣君) 事故の原因が明確になった時点で最終的な判断をすべきであると思いますけれども、いま先生おっしゃいましたように、現時点ですでに疑いが持たれる点がなきにしもあらずでございますので、そういう点につきましては早速各電力会社にその点検を命じようというふうに考えております。ということは、一つはこの事故の原因であります給水系の問題でございまして、ポンプ並びにその予備のポンプが起動しなかったというような点につきまして、給水系の点検という問題について、これは常時点検を行うわけでございますけれども、その点検の仕方ということについて再点検と申しますか、そのやり方についての――やっている最中にたとえば予備のポンプを分解中に主ポンプが故障になるというようなことになりますと、まさに手のつけられないことになりますので、そういう点予備のポンプの台数にもよりますが、予備のポンプが三台日本の場合にはございますが、三台ともたとえば点検してしまうというようなことのないように、まさかそういうことはないと思いますが、再度この点よく調べてやりたいと思います。
 それからさらに、作業員の手違いというのが、はっきりあるとは指摘されておりませんけれども、われわれの感ずるところどうもあるようにも考えられますので、私たちが現在考えております事故対処のマニュアルの再点検、それとその徹底ということについて早速着手したいと、こう考えております。
#71
○藤原房雄君 厳しく言えば、こういう事故が起きたときには、これはほかの施設と違って原子力発電については非常に厳しくしなきゃならぬということで、今日までもいろんな議論がされておるわけですが、まあ同型のものについてはやっぱり運転を中止してまでも点検をしなきゃならぬという、そういう厳しくおっしゃる方々もいらっしゃるわけです。私どももやっぱり機構上これが同じような型であるということであれば厳しく見なきゃならないだろうという感じもします。
 これはアメリカで事故を起こしたのと――日本ではウエスチングハウスとか三菱重工のものだということですけれども、機構の上では大きな差異があるのですかどうですか。まあ内部のことについては私ども専門的なことはよくわかりませんけれども、このたび事故を起こした給水系統の状況ですね、アメリカのこのたび事故を起こした型のものと日本でいま使用されているものと相違があるかどうか、そういう点はどうなんですか。
#72
○政府委員(児玉勝臣君) バブコック・アンド・ウィルコックス社というウエスチングハウス社の設計のものとの相違は、一つは蒸気発生器のタイプがバブコック型が直管式にやるのに対し、ウェスチング型がU型ということが大きく違いますが、それ以外の一次系の給水の仕方、それから二次系の給水の方法というのが若干異なります。したがいまして、その辺のマニュアルといいますか、操作の仕方ということが若干違うのではないかというふうに思いますけれども、何といいますか、安全に関する思想は同じであろうというふうに考えております。
#73
○藤原房雄君 こういう系統のそれぞれの作動のあり方というのは定期検査で検査するわけでしょう。今度の事故はいろんな情報が言われておりますけれども、給水系統にどうも一次冷却水のところに十分な作動がなかったんじゃないかということが主な原因のようにも言われているわけですけれども、こういうことで、日本にありますもので現在稼動しているもの、また建設中のもの等で心配ございませんか。
#74
○政府委員(児玉勝臣君) 情報が判明次第当方といたしまして技術的にチェックすべき点につきましては、現在定期点検中のものもございますので、その点検の項目に加えまして特に点検いたしたいと思います。
 先ほど先生おっしゃいましたような加圧器の逃がし弁につきましては、これは定期点検におきまして全数検査することになっておりますので、当然検査中でございます。
#75
○藤原房雄君 そのほかいろいろお聞きしたいこともございますが、じゃあ正確な情報が入りました時点でまた続きをするといたしまして、もう時間も幾らもございませんので、ちょっと法案に関連する問題として非常に概括的ではございますが、一、二点ちょっとお尋ねしたいと思います。
 その一つは、今度規制法で提案理由の説明にもいろいろ述べておりますが、核燃料サイクルの確立の重要性というか、こういうことが強調されているわけです。核燃料の有効利用ということについても私どももそれば当然のことだろうと思いますが、ウラン資源というものは正確に、私どももいろいろな機関で発表しているのはそれなりに見ておるわけですけれども、科学技術庁なり通産省としてはウラン資源というのは大体現在どういうように把握していらっしゃるのか、埋蔵量とか、それから現在の発電所の使用の中でどのぐらい可採埋蔵量とともに使用できるのかという、こういうことで公の場できちっとしたものをまずお聞きしたいと思いますが、どうですか。
#76
○政府委員(山野正登君) OECDのNEAの数字でございますが、これによりますれば、確認埋蔵量で申し上げまして、一ポンド当たり八十ドルまでのもので見ますと大体百六十五万トンでございます。それから、推定埋蔵量で申しますと百五十一万トンでございまして、両方合計しますと大体三百万トンでございますが、これは世界的にいろいろな調査が行われておりまして、マクロに見ますと大体三百万トンから四百万トンというあたりが常識的な数字というふうにいわれておるわけでございます。
#77
○藤原房雄君 わが国の埋蔵量についてはどうですか。
#78
○政府委員(山野正登君) 先ほど申し上げました一ポンド当たりと申しましたのは、一キログラム当たりの間違いでございますので訂正いたします。
 で、わが国につきましては、現在確認されておりますのが七千七百トンでございまして、きわめて微々たるものでございます。
#79
○藤原房雄君 このウラン資源も決して無限ではないということで、特にわが国についてはやはり埋蔵量が非常に少ないということでありますから、限られたウラン資源を有効に利用するということの必要性というのはそれなりに私どもも理解するわけであります。
 ところで、提案理由の説明の中にも再三行数多く述べておりますけれども、わが国の再処理需要に適確に対処していくために、今後動燃事業団における技術と経験の蓄積の上に立って新たな再処理施設の建設を進めていかなきゃならないということが述べられておるんですが、ところが現実、世界における商業用民間再処理工場の操業状態、また日本における東海村の再処理工場の現状、こういうものを見ますと、これは確かに今後この法案が通りましていざ取りかかるというのに十年、十何年かかるという先のことかもしれませんけれども、現在やっぱりある程度の見通しなり、そしてまた技術的な面についてこれがきちっと確立されたもの――これはきちっとと言ったって一〇〇%というわけにいかないいろんな問題はあるかもしれません。しかし、それは本質的なものということではなくて今後の技術開発によってやっぱりある程度の見通しも立つということならばいざ知らず、世界の商業民間再処理工場の稼働の状況を見ましても決して芳しくないし、わが国のものについても現在ずっととまって、ことしの九月、十月ごろまで作業にとりかからにゃならぬという現状であるという非常にお寒い状態だと私どもは見ておるわけです。
 いろいろお聞きしたいんですけれども、最初に世界の現況、日本の東海村の現状、これをちょっと御説明をいただきたいと思います。
#80
○政府委員(山野正登君) ただいま世界の商業ベースの再処理工場の稼働の状況でございますが、まず米国におきましてはこれは技術的あるいは経済的、さらには政府の核不拡散政策の関連からいずれも現在は稼働していないのでございますが、まず一つはニュークリア・フュエル・サービス社がつくっておりますニュークリア・フュエル・サービシズ・プラントという工場でございますが、これは一九七二年までは運転をいたしましたが、その後、拡張改良工事をするために許可申請を出しておりましたところ、一九七六年に断念いたしております。これは理由としましては、規制基準の見直しに伴いまして経費が高騰するということを理由にいたしまして計画を放棄したということのようでございます。
 第二は、ゼネラル・エレクトリックス社のミッドウェスト・フュエル・リカバリー・プラントでございますが、これは一九七四年に技術的な理由によりまして運転の申請の取り下げをいたしております。この理由としましては、これはまだ確立されていない、未確立の半乾式法の採用というのが技術的な失敗の原因であるというふうに言われておりまして、今後は貯蔵施設として使用を検討しておるという状況でございます。
 第三は、アライド・ゼネラル・ニュークリア・サービス社のバーンウェル・ニュークリア.・・プラントでございまして、これは工場は建設をほほ完了したところであったわけでございますが、GESMOの結果待ちということで運転許可取得の手続を凍結中でございます。これは恐らく米国の核不拡散政策から申しまして当面運転の予定はないというように考えております。
 それから第四番目はエクソン・ニュークリア社のエクソン・リカバリー・プラントでございまして、これは建設操業の許可をNRCに申請中でございますが、本件も核不拡散政策の関連があり、計画は中断するものというふうに考えられるわけでございまして、以上、米国はいずれも技術的な理由あるいは核不拡散政策上の理由から運転する見込みというものはないわけでございます。
 一方、ヨーロッパに目を転じますと、英国は英国の核燃料公社のウィンズケール工場におきまして現在天然ウラン用の再処理工場が操業中でございます。それから濃縮ウラン用のものは停止いたしておりますが、新しく一九八七年を目標にいたしまして、年間千二百トンの工場を稼働させるという計画を持っております。
 それからフランスでございますが、フランスの核燃料公社のラアーグ工場におきまして現在天然ウラン用、濃縮ウラン用ともに操業中でございます。特に濃縮ウラン用のものにつきましては、今後一九八五年を目標にいたしまして年間八百トンの工場をさらに稼働させる計画であるというふうに聞いております。
 それから西独でございますが、西独におきましては核燃料再処理会社のカールスルーエの再処理施設におきまして、これはパイロットプラントでございますが、年間四十トンの規模で運転が行われております。将来さらに年間千五百トン程度の容量を持った再処理工場というものを一九九〇年ごろの操業を目指して建設をする計画があるというふうに聞いております。
 これが世界の現状でございまして、非常にマクロに見ますと米国は停止しておりますが、ヨーロッパにおきましては運転されているものがあるという状況でございます。
 それからわが国の東海再処理工場でございますが、これは先生御指摘のように、現在トラブルがございまして運転を停止いたしておりまして、本年の秋ごろまでに修復いたしまして再び試運転に入ることを予定いたしておりますが、この東海工場と申しますのはあくまでも技術を実証し、技術を習得するための実証工場でございまして、いわゆる商業ベースの工場とは違うわけでございますので、私どもはむしろこの再処理工場で蓄積された経験あるいは得られた経験、これはトラブル等に伴って得られた経験も含めまして技術の習得と技術の確立に努めて、この技術を活用しまして将来の第二再処理工場に生かしたい、このように考えておるわけでございます。
#81
○藤原房雄君 各国それぞれいろいろな事情があるようでございます。それはアメリカの政策ということもあり、しかし技術的な問題もずいぶん絡んでおるようでございますし、東海村のことにいたしましても、これは実証工場ということで、いろんな技術と経験を重ねていくという、そういうことの上に立って東海村ではやっておるということは私どもも十分わかっているわけですが、しかし、そういう中ですからトラブルが起きてもこれは当然なんだというふうに見るのか。まあ相当な自信があってこれは建設されたはずでありますから、そういう中でトラブルがあったということについては、やっぱり徹底した究明とともに、それをさらに克服していくための技術開発、こういうことが必要なんだと思いますが、いずれにしましても、再処理工場につきましては、世界各国それぞれいろんな問題を抱えながら、それを乗り越えようということでいろんな努力を重ねているという、しかもその中にはまだまだいろんな問題が横たわっていると、このように判断せざるを得ないんですが、通産省、科学技術庁、この再処理工場については、現在、現時点で技術が技術的に確立しているというふうにとっていらっしゃるのか、まだまだこれは未開発の問題未解決の問題があり、まずこれから切り開かなければならない問題があるんだと、しかし将来の日本のこの核燃料サイクルという、こういう中で今度の法案が重要なんだというふうにおとりになっていらっしゃるのか、その辺はどうですか。
#82
○政府委員(山野正登君) 先ほど申し上げましたように、ヨーロッパ諸国でも動いておりますし、わが国もようやく実証工場の運転を開始したわけでございますが、歴史的に見ますと、この再処理技術というのはすでに二十年ぐらいの歴史を持っておるものでございまして、そういう意味で大ざっぱに申し上げれば、すでにこの再処理技術というものは実用の域に達しておるものであるというのが私どもの理解でございます。ただこれは、先生御指摘のように、実用ということと円熟した技術というのはまた別のことかと考えますが、今後さらに安全問題あるいは核不拡散問題というもめを頭に置きながら、改善の余地はあろうかと思いますので、そういったふうな努力というものは今後とも引き続き続けてまいりたいというふうに考えております。
#83
○藤原房雄君 もう時間ですからこれで終わりますが、大臣ぜひ前段の情報収集について、来るのを待っているというのじゃなくて、積極的にひとつ取り組む、専門の立場の方の派遣ということも。それから今回のことはそれぞれ関係者に相当に大きなショックを与えておる。住民運動、今日まで裁判、伊方やなんかであります。そういうこと等におきましても、私ども非常にいままでの判決やそのほかのいろいろな資料の中で重要視をいたしているわけでありますが、早急なひとつ調査の結果と、三原則にのっとります公開、こういうことで対応していただきたいと思いますが、いかがですか。
#84
○国務大臣(金子岩三君) 先ほども吉田先生に申し上げましたとおり、私どもはアメリカのこの事故ですね、故障ですか、を大変重視をしておりますので、やはり徹底的な原因を究明して、ひとつ再びこういう事故を起こさないようにいたしたいと、こういう考え方でございます。
 それから、この同じ型の原子炉が日本でいま八つ稼働しておるのでございますが、そのうち七つは定期検査中でございますので、停止して検査をやっておる最中なんでございますから、徹底的に究明ができましたならば、手直しするものは大いに手直しをして完璧を期してやりたい、一基はいま動き出したばかりでございますから、まあひとつこの休んでおる七つから完璧を期していきたい、こういう考え方でございます。
 どうかこのたび御審議をいただいておりますこの法案も、やはりわが国としてはこれに頼って、エネルギー、石油初めすべての代替にしたいと、こういう考え方でございますので御理解をもって早急にひとつこの法案を上げていただくようにこの機会にお願いを申し上げます。
#85
○佐藤昭夫君 同僚委員からもアメリカのスリーマイルアイランドの原子力発電所の事故の問題についていろいろ出ておりますが、私も少しお尋ねをいたしたいと思います。
 いずれにいたしましても、現時点で外電によれば、核燃料棒内の死の灰が漏れ出して一次冷却水を汚染をし、これが格納容器の内部に流出をし、その一部が施設の外まで大きく広がったというふうに伝えられているわけですが、特に重大な問題は、二重三重に設けられていた安全装置がすべて満足に働かなかったということであって、その安全装置の中心である、炉心が溶けるという最悪事態に備えての例のECCSが全く機能を果たさなかったというここの問題があるわけですが、これは今日まで政府としてもまた電力会社の宣伝としても、こういう何重もの安全装置で守られているから原子力発電所は絶対安全ですというこの宣伝が、事実をもって覆されてきているという否定することのできない厳粛な問題が今日出てきたということだと思うんです。
 それでまずお尋ねをいたしますが、政府としては、この種の事故というのは、まあときにはあるかもわからぬというふうに思っていたのか、今回こういう問題が起こって、予想せざる事故が起こったというふうに考えているのか、その点はどうですか。
#86
○政府委員(児玉勝臣君) 今回の事故につきましては、これは各種事故の一つということで、その逃がし安全弁が働く場合の事故の想定ということは考えておったわけでございますけれども、コンテナの外へ流れ出すということは、これは普通そういうコンテナの中に放射性の溶液が漏れた場合には、補助系のドレーンのポンプはこれは自動的にとまるわけでございまして、これは手動でいたさない限りそのコンテナの外には出ないことになっておるわけでございまして、これがどうして出たのかというところが非常に問題視しておるわけでございます。ただ、普通のタービンのトリップといいますか、タービンがとまった場合、一〇〇%のロードで運転しておりますときに突然タービンがとまると、そういう場合におきましては、この逃がし安全弁は吹かないということで技術的な対応をしておったわけでございます。しかしながらいろいろな事故が起こって、一次側で高圧力または温度が上昇した場合には逃がし安全弁を使うということは、一応の工学的な対応としては考えておったわけでございます。
#87
○佐藤昭夫君 いわばいまの御説明でも、起こり得ないはずの問題というふうに考えていた、いわばそういう原子力発電所の安全性についての神話的確信、これが今回の事故によって、実はそういう絶対的安全性というものが保証されるものではないということが露呈をしたということでありますが、この問題のアメリカの原子力発電所は操業を始めて三カ月後の発電所ですね。その点どうですか。
#88
○政府委員(児玉勝臣君) そのとおりでございます。
#89
○佐藤昭夫君 実はそうした点にも今度の事故の各界に与えておる衝撃というのは非常に重大な問題があるというふうに思うんです。大体この事故の与えておる被害なりそこで働いている人たちに対する被曝の状況なり、それから肝心の事故の原因、こういった点についてはまだ詳細が把握できていない、括弧つきの外電を通しての報道をされておる内容が、先ほど来同僚委員のいろんな質疑の中で、おおよそ現在伝えられておるこの報道がいろいろ答弁をされておるというふうに思いますので、それはさして繰り返しませんけれども、念のために一つだけお尋ねをしておきますが、二次系のポンプの故障がこれが一次冷却系の破損、炉心に影響を及ぼすと、こういう問題についていままでの安全審査の上ではどういう判断、評価をしているんですか。
#90
○政府委員(牧村信之君) 安全審査におきましては、審査に当たっての各種の事故、それから重大事故、仮想事故と、こういうようなものを想定してこの安全に対する配慮を払っておるわけでございまして、この種の事故につきましては各種事故としてこのものずばりのものを想定するわけではございませんけれども、二次給水系のポンプのトラブル等を想定した場合の炉心への影響等につきましての安全審査が行われておるところでございます。ただ、仮想重大事故等によりましてそれよりもさらに大きなロス・オブ・クーラントの想定によりましても、日本の場合にはサイトの外には炉心の影響を与えないというふうなことが十分確保できるというふうに審査いたしまして許可をしておるところでございます。
 私ども、なお非常に疑問に思っておりますところは、この事故におきまして、先ほども通産省の方から御説明がありましたように、容器内に出ました冷却水を何ゆえに外のタンクにポンプアップしたかということ。この外に出したために、そこの中に入っております希ガス等が外部に出ていったというようなことでの放射能の分散が、散逸が行われておるところがこの事故のまだ理由がわかっていない大きなところでございます。そのような点、そのほかいろいろバックアップ装置の補助のポンプなども何らかの理由で動かなかったというふうなことがいろいろ重なっておるようでございますので、その辺の事故の真相の究明された見解がぜひ欲しいわけでございます。
 この辺につきましては現在米国の原子力規制委員会が担当者を派遣いたしまして現地で種々調査中であるということでございますので、その辺の調査結果をぜひ早く入手したいものと考えております。その入手次第、われわれとしては安全委員会に諮りまして対応策を考え、今後の規制の万全の実施に役立てていきたい、このように考えておるところでございます。
#91
○佐藤昭夫君 いまの一例でも、これまた起こるはずがないというふうに確信をしておったその問題が重大な事故として露呈をしてきているという一つの例かと思うんですけれども、そうした点で私ども共産党としてはかねてから、原子力発電というのはまだまだ技術的に未確立な問題で、安全性においても経済性においても決して実証済みの炉ではないと、そうした点で技術的にアメリカに依存をし、安全性を無視した安易な原子力開発政策、これについては改めるべきだ、今日の政府自民党がとっています安易な原子力発電開発政策の根本的な見直しを主張してきたわけですけれども、こうした点で、先ほど来の質疑の中で、原子力安全委員会としてもひとつ事態の究明を徹底的にやろうという方向で検討を始めておるんだというお話でありますが、現地調査団、原子力安全委員会を含む専門家による現地調査団、これはいつごろ派遣される予定ですか。
#92
○政府委員(牧村信之君) 本日の、ただいま開催しております安全委員会におきまして、どういうタイミングでどういう専門の方を送るかということにつきまして検討をしていただいておるところでございます。また、派遣の仕方につきましてどういうふうにするかを含めまして検討を進めていただいておるところでございます。おおよその結論は本日の委員会が終了いたしますと出るものと考えておりますけれども、私ども事務局といたしましては早急に専門家を派遣してNRCの行った詳細な調査結果というものが的確に判断できるような形で専門家にそれをつかんできてもらって今後の対策に資したいというふうに考えておるところでございます。
#93
○佐藤昭夫君 早急に派遣をするということで、もちろんその言葉どおりの早急にということかと思いますけれども、大体のめどとしていつごろということはまだ案としてないんですか。
#94
○政府委員(牧村信之君) 事務局としてはそういうものをむしろお出ししないで、専門の原子力安全委員の方々並びに審査会の先生の方々の御意見を徴しつつ専門家の派遣のあり方を検討していただくというふうな態度できょうお願いしておるわけでございます。
#95
○佐藤昭夫君 私ども国会の方としても、実はきょうの委員会の始まります前の理事会で私の方からも少し意見を出しまして、委員会終了後理事会で御相談をすることになっているんですが、国会としてもひとつ責任を持って被害の実情と原因の究明についていろいろ必要な調査をやろうという目的での国会調査団の派遣を御相談をすることにしているわけですけれども、同時に実際の行政上の責任を持つ政府として、大臣、いろいろ派遣メンバーの都合に合わせて日程を決めていくというこういうやり方じゃなくて、いっときも早く現地調査を派遣をするということでぜひ考えてもらう必要があるというふうに思いますことが一つと、それから、政府として派遣をした調査団の調査に基づく今回起こった事故の原因についての分析、今後わが国の原子力行政にとってどこを教訓にすべきか、こういう問題について政府が構成をします専門家を含む調査団、ここでよく検討をやってもらうということももちろん大事ですけれども、その結果については公表をして、わが国は世界的にも有数のたくさんの原子力専門家もおられますから、そういう広範な学者に意見を求めて、果たしてこれで大丈夫かという形で徹底したこの原因究明をやる、こういう基本態度で臨んでいただきたいと思うんですけれども、この二点、大臣どうでしょう。
#96
○政府委員(牧村信之君) 若干細かいことにつきまして、私から先に答弁させていただきます。
 この先生御指摘のこちらの派遣者の都合で決まるというふうなことの御疑念に対しては、むしろそうではございませんで、いままで集めましたデータでこういう点がぜひ確認したいというようなことも含めて、調査目的も十分議論した上で一番適当な方を派遣させるべきでないかと考えます。また、この派遣いたします場合にも、現在NRCがこの炉の原因究明を現地において盛んにやっておるわけでございまして、そのNRCの受け入れのタイミングも考えなくちゃいけないというようなことも考えまして、その最も効率的な専門家の派遣を考えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#97
○国務大臣(金子岩三君) この調査団を派遣する手順につきましては、いま政府委員が御説明申し上げたとおりでございます。いずれにしましても、今度の事故を私どもは非常に関心を持って重要視しておりますので、ひとつぜひ徹底的な原因究明をやりたいと思います。そして、これからの原子力発電の開発のその前提の安全性を確立するためにひとつ万全の対策を立てていきたい、そういう所存でございます。
#98
○佐藤昭夫君 ちょっと私聞き漏らしたのかもしれませんけれども、もう一つ私がお尋ねをしております政府が派遣をする調査団による事故の究明、原因の分析、これと同時にその結果については広く公表をして、専門学者の意見も広く聞いて、衆知を集めて今後のわが国としての万全の対策をつくっていくという、この点についてどうですか。
#99
○国務大臣(金子岩三君) 御提言、御要望には十分こたえていきたいと思います。
#100
○佐藤昭夫君 それからもう一つ、これもまあさっきの御質問で出ていた問題ですけれども、わが国にはPWRが八基あるわけでありますし、これを機会にわが国の原子力発電所の安全性についての全面的な見直しをやるという、この問題を本当に力を入れて徹底した総点検をやるという問題について重ねてお尋ねをいたします。
#101
○政府委員(児玉勝臣君) ただいまわかっている情報につきましても十分、現在停止中の発電所並びに運転中の発電所について再確認をさせるということが一つと、それからさらに、ただいま先生おっしゃいましたように、調査団を出しまして、その事故の原因が明確になりました場合には、その時点におきましてさらに完全なチェックを行わせるようにいたしたいと思っております。
#102
○佐藤昭夫君 それと、これを機会にもう一つお聞きをしておきたいわけでありますが、もう二週間ほど前になるんでしょうか、同じアメリカのNRCがアメリカの東海岸の五つの原発についての耐震設計上重大な問題がありそうだということで原子力発電所の停止命令を出して、耐震設計上の安全性問題について根本的な見直しをやるという決定通知を出しているわけですけれども、これについての詳細な資料を日本の政府は入手をしていますか。
#103
○政府委員(牧村信之君) 先生ただいま御指摘のアメリカの原子力規制委員会が五基の原子炉に対して運転停止命令を出したという点でございますが、これは三月十三日に先生御指摘のような五基の発電用原子炉の運転停止命令を出しております。これは原子炉の配管の耐震強度上に疑義があるという理由から出されたものでございます。
 で、この出された背景でございますけれども、原子炉配管の耐震強度に使っております計算コードの使用のミスから出たものでございます。このコードを使用いたしましたストーン・アンド・ウェブスター社という建設会社でございますが、この会社がそういうような計算をした上で耐震に必要な構造強度等をそれによりまして計算しまして設計施工をしたということでございます。その一つの炉にそういう誤りがございましたので、この会社の製作いたしましたそのほか四基の原子炉の運転停止命令も含めて出したわけでございます。しかし調べましたところ、この会社の設計の原子炉は現在日本には一基も来ておりません。また、この会社が使いました計算コードは米国以外では用いられておりません。日本では日本独自の設計コードによりまして耐震構造の必要強度を計算し、それで施工しておるということが判明しております。しかしながら、このようなことがアメリカにおきまして発見されたわけでございますので、わが国において、アメリカがどういうふうなことでこういうことになったかということにつきましては、詳細を調査していただくように日米の規制情報交換の協定のルートを通じまして、いまその報告をいただくようにアメリカに要請しておるところでございます。
#104
○佐藤昭夫君 一つは、一日も早く正式にこのアメリカのNRCの問題の分析と結論、これを正確に入手をして厳密な検討をやるという問題と、それからいまのお話によりますと、まあおおよそのところでわが国の場合耐震設計上の手法が違うから、まあまあ大丈夫でしょうというふうな判断を下されておる模様ですけれども、これまた何か事が起こったときにさあ大変ということになりかねない危惧を私は含んでおると思うんです。そうした点でぜひ現在の政府が委嘱をしております関係学者だけではなくて、もっと広範な専門家に広く供して十分英知を集めて安全性に万全を期していく、こういう方法を講ずべきだというふうに思いますが、どうですか。
#105
○政府委員(牧村信之君) 私、先ほど申し上げました日本の基準というものは、日本の地盤の特殊性から非常に世界的にも一番厳しい基準で行われるようにしておるわけでございますので、米国の基準よりもさらに厳しいということは間違いないところであろうかと思います。で、その基準につきましてはすでに公表されておるところでございまして、わが国ではそういう基準におきまして計算が行われておるということはすでに公表されておるわけでございます。
#106
○佐藤昭夫君 どうもそういう日本の場合には確信がありますということでがんばってますけれども、果たしてそれで大丈夫かというのが今度の事故の問題でも露呈をしているわけでしょう。もう繰り返しませんけれども、本当にもっと広範な学者の、専門家の英知を結集をするということで耐震設計上の安全性の問題についても念には念を入れて検討をやっていくということを強く主張をしておきたいと思います。
 大臣に最後にお尋ねをしておきますが、六月の二十八、二十九の東京サミットで日本の側から今後の国際的なエネルギー対策、そこを目指して原子力発電所の世界的な一層の推進、増発、これを日本の側として提案をしていくやに伝えられておるわけですけれども、今日の、きょう大きな問題になっていますこのアメリカで起こってきておるこういう事故、こういうことに直面をして、もう原子力発電所は安全性がはっきり確立をされた、そういう大丈夫な技術だと、こういう前提に立ってどんどん原子力発電所を世界的に推進をしようというこの安易な提案については、現時点については慎重に考えるべきだというふうに思うんですけれども、その点どうですか。
#107
○国務大臣(金子岩三君) お尋ねのサミットに日本側からただいま御指摘になったような提案をするということは、私は承知いたしておりません。
#108
○佐藤昭夫君 それでは、原子力発電所の事故にかかわる問題については以上にいたしまして、いずれにしても徹底した事故の原因究明、それに基づくわが国の原子力発電所についての全面的な総点検、これを本当に本腰を入れてやるという問題を重ねて強調をしまして次の問題に移りたいと思います。
 実は私は何回か当委員会においても、日本の将来、科学技術の豊かなつり合いのとれた発展のためには、今日政府が進めていますような原子力とか宇宙とか海洋とか、こういう大型プロジェクト研究だけではなくて、もっと基礎になる基礎的な科学研究、ここを重視をしていく必要があるんだということを何回かこの委員会でも強調してきたわけでありますが、同様の趣旨から、さらにもっと進んで言えば、科学技術発展の一番の基礎、そのすそ野とも言うべき初等中等教育の段階における理科教育の充実をどう図るのかということが重要だというのは論をまたないと思います。こうした点で、実は昭和五十四年度の予算案が近々その賛否含めて決着が図られると、こういう局面を迎えておりますので、この機会に理科教育に関する予算案に関して特にきょう文部省に出席をお願いをしておりますので、若干の質問をいたしたいと思うんであります。
 ところで、まず科学技術庁長官に最初にお尋ねをいたしたいと思うんですけれども、いま申しましたような趣旨、すなわち日本の科学技術の豊かな発展のためにその基礎、すそ野とも言うべき理科教育のどうこの充実策をとるかということが非常に重要な問題だというふうに思うんですが、この点の基本的な見解をまず、この委員会に大臣として御出席なのは長官だけでありますので、特にその点、まずお尋ねをしたいと思います。
#109
○国務大臣(金子岩三君) 御指摘は全く私も同感でございます。私どもでさえ国会に二十年余りいまして科学技術が何たるかは余り存じませんで、この役所に入りまして痛感いたしましたことは、やはり小中学校の生徒の時代からわが国ではもっと科学技術が何たるかをひとつ認識を深めさせる必要がある。それは教育に入る問題でございますが、そういう考え方から少し時間がかかりますけれどもいろいろ私の考え方を申し上げますと、ちょうど予算の時期でございまして、筑波研究学園に科学技術博覧会の計画で予算、調査費の要求をしておりましたので、私はこんな問題はちょっと二、三年かかるんじゃないかなと、大臣も二、三人かわってからじゃないとできないのじゃないかなと、こう思って、その話を局長にしておったのでございますけれども、いろいろずっと勉強しておる間に、やはりこの計画を早く実行に移しまして小中学校の生徒から――いわゆる計画は三千六百万人と、こういう計画でございますので、こういう方々に科学技術の認識を高めていくことが何よりも手っ取り早い、この博覧会によってやることが一番手順、手だてとしては手っ取り早いのじゃないかということで、この予算の獲得に努力をしたのでございます。
 自来、予算はつきましたので、その後はそれぞれ実行に移すために閣議の了承をとり、世界万国博覧会の事務局に許可の申請をする。許可がありましたら実行の閣議決定をやって、五十五年度からは公共事業等も含めたひとつ概算要求をいたしたい、こういう考え方で促進をいたしておるわけでございます。
#110
○佐藤昭夫君 私がお尋ねもしていない科学技術博覧会のことまで引き合いに出して御答弁なさっているわけですけれども、その問題については私は若干の意見があるんです。しかし、私がお尋ねをしました科学技術の豊かな発展のために、そのすそ野とも言うべき理科教育の充実を図るというこの部分については同感の意を表明をされておる。そのことはひとつまあ確認をしておきたいというふうに思いますが、その上で、しからばということで文部省に以下お尋ねをするわけですが、五十四年度の予算案を見ますと、理科教育に対する国の補助金が対前年伸び率ゼロになっているんです。文部省予算は相当伸びている、全体として。その中で、理科教育の国の補助費というのが対前年伸び率ゼロになっている。物価が上昇をしますから、このことは実質的に対前年減額になるという、こういう形になっているというふうに思うのです。なぜこういうことになっておるのか、その理由をお聞かせ願いたい。
#111
○説明員(垂木祐三君) 理科教育がきわめて重要なことにつきましては御指摘のとおりでございますし、文部省といたしましても、教育内容の改定に当たりましては常々理科教育の充実に努めておるところでございます。理科教育の円滑な実施のために御承知のとおり理科教育振興法というのがございますし、そのほか予算措置をもちまして理科教育の設備の充実に努めてまいっておるわけでございます。
 この理科教育の設備の充実につきましては、学習の内容と密接に関連をいたしますもので、それぞれ学習指導要領の改定に即しまして設備の基準の改定を図っておるわけでございます。特に理科教育に関連いたします小学校、中学校の設備の充実の問題につきましては、学習指導要領が実施になりました小学校につきましては昭和四十六年度から、中学校につきましては昭和四十七年度からそれぞれ年次計画をもって実施してきておるところでございます。
 ところが御承知のとおり、最近新しい学習指導要領の改定が告示になりまして、これは小学校につきましては昭和五十五年度から、中学校につきましては五十六年度から実施すると、こういうような事態になっておるわけでございます。したがいまして、文部省といたしましては、現在の基準をこの新しい学習指導要領の実施、小学校につきましては昭和五十五年、中学校につきましては昭和五十六年、それぞれの新しい学習指導要領に沿うように現在基準の改定に入っておる段階でございます。したがいまして、そのようなこともございまして、五十三年度に比べまして、五十四年度の額は一応前年度同額というようなことで、この七年計画が済みました五十三年あるいは五十四年度につきましてはまだ充足していない部分を充実していきたいと、こういうような趣旨もございまして、実は前年度と同額というふうになっておるわけでございます。
#112
○佐藤昭夫君 いまの御説明によりますと、七カ年計画で小学校については設備充実の計画が昭和五十二年で終わると、中学校は五十三年で終わると、だからことしはあとの多少充足の足らぬ部分の補充をやるんですと。しかし、高等学校は五十四年ですね、計画は。ところが、中身を聞いてみますと、小学校、中学校、高校、どれも全部伸び率ゼロなんだということが、高等学校については対前年実質ダウン、これで一体計画がそのとおりいくのかという疑問は依然として残るわけでありますし、それからもう少し詳細な予算の説明書をいただきましたら、設備に対する国の補助費だけじゃなくて、いろんな野外観察の調査に関するものとか、理科教育等担当教員研修用設備とか、とにかくおしなべてすべての項目、予算上のすべての項目が対前年伸び率ゼロ、だから七カ年計画が完了をするそこの部分について少し予算上のそういう考慮がやられておるんだという、こういうことには必ずしもなっていない、しかも昨年の夏の文部省の概算要求では三〇%増の要求をした。これが全部ぶった切られてゼロになってると、こういう実情にあるそうですから、どう見たってこれは当初文部省が考えておった理科教育充実のためにはこういうことが必要だろうというふうに思っておった、これにそごが起こってくることは明らかだというふうに思うんですけれども、それでもいや大丈夫ですというふうに言い張るんですか。
#113
○説明員(垂木祐三君) その点につきましては実は佐藤委員御指摘のとおりでございまして、特に御承知のとおり最近は非常に物価の上昇というようなことも見られるわけでございまして、文部省が予定したほど現実の問題といたしまして充実していないのは私どもの方も大変遺憾に思っておるわけでございます。したがいまして、今後ともこの予算の増額につきましては十分努力をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#114
○佐藤昭夫君 もう時間ありませんので、もうあと一言だけお尋ねをしておきたいというふうに思うんですが、理振法という理科教育振興のために特別にいろんな国の補助を出して、ひとつこの理科教育の充実のための手当てをやっていこうという法律がつくられて二十五年を数えておるわけです。ところが、現在この法律に基づく小学校、中学校、高校における設備の充足率はどこまでいっているのかという数字をひとつ示してほしいというふうに思うんです。
 そのことと、それから子供たちにいろんな理科の実験をやらせる専用の実験室――専用ですよ。多くの場合には、私聞いている話では、家庭科の実習室と理科の実験室とが一緒になっておると、共用だと。まあ早い話がいろんな食べ物をつくる、料理をやる実習の部屋、片一方で劇薬を含む薬品を使う部屋、これが一緒になっている。こういうことで本当に万全の教育ができるかと。ところが学校の中ではこういうのが多い、共用が。専用の理科実験室というようなものは一体率としてどれぐらいあるのか、それを一遍ちょっと聞かしてほしいんです。
#115
○説明員(垂木祐三君) 二点お尋ねがございました。
 第一点につきましては、理科設備の充実の状況がどうなっておるかと、こういうことでございます。昭和二十九年に理科教育振興法が制定になりまして、それ以後二十五年たっておるわけでございますが、その間に三度ほど基準の改定をいたしてございます。したがいまして、基準の改定をいたすたびに少しずつ到達の目標というものが高くなっておるわけでございますが、それはさておくといたしまして、現在の国庫補助をいたします場合の理科設備の基準に対します充実の問題でございますが、この設備の基準といたしましては、文部省の考え方といたしまして、学習指導要領に示されております理科教育の内容を十分完全に実施できるようにというようなことで、これは学校の規模の区分もございますが、かなりいろいろ細かいところまで基準をつくっておるわけでございます。したがいまして、従来からの考え方といたしまして、その基準の七〇%までを先ほど申しましたような七年計画をもって実は充実をいたしたいと、こういうようなことで努力をいたしておるわけでございます。
 そこで、現在の昭和五十三年度末の一応の推定といたしまして、理科設備の充実につきまして申しますと、おおよそ小学校につきましては六五%、中学校につきましては五六%、高等学校につきましてはおおむね四五%程度、こういうようなことになろうかと思っております。
 それから第二点のお尋ねといたしましては、専用の理科教室の保有の状況のお尋ねがございました。この理科教室の保有数につきましては、五十三年五月一日現在で一応市町村からの報告を集めておるわけでございますが、それを見ますと、小学校では全国で二万四千三百四十二校ございます。そのうち専用の理科教室といたしましては二万二千二百十四教室、単純にこれを学校の数で割りますと大体九一%の割合というようなことになろうかと思います。それから中学校につきましては約一万校ございまして、理科教室は一万四千五百九十教室ほどございます。したがいまして、学校数に対する教室数の割合を単純に出しますと一四六%、こういうような数字になっております。
#116
○佐藤昭夫君 理科教育充実のためにいろいろ強化を図るべき課題というのは私はほかにもたくさんあると思うんですが、時間の関係できょうは三つの問題だけ指摘をしているわけですけれども、この席にも文教委員長の望月さんいらっしゃいますけれども、理科教育振興法を制定して二十五年たちながら、文部省が定めておる最低これくらいの理科の設備は各学校に必要だという、これが二十五年たちながらこれの充足率が小学校六五%、中学校五六、高等学校四五というんでしょう。非常にお寒い状態じゃないか。
 それから専用の実験室、さっき数字を申されましたけれども、ちょっと私はそれに疑問があるんです。いまおっしゃったこの数字の中には、私がさっき言いました家庭科と共用になっておる部分が区分されてない数字だというふうに思うんです。大臣、さっき基本理念をお尋ねをしました。ところが、実際の理科教育の現状はどうかという点でもっと考えなくちゃならぬ問題があるんじゃないかということで、予算の大詰めを迎えてきておるわけでありますけれども、今後の予算執行上の問題なんかも含めて、きょうは、長官、特に閣僚の一員として私は強く要望をしておきたいわけでありますけれども、こうした問題についてどうしても事態の改善を図る必要があるんじゃないかということを強く主張もし、その点の答弁を求めて私の質問を終わります。
#117
○国務大臣(金子岩三君) 佐藤先生の御指摘、全く同感でございます。よく文部大臣にもお話をして、ひとつ来年度は前年の伸びを見るようにお願いをしたいと思います。
#118
○佐藤昭夫君 終わります。
#119
○中村利次君 私もアメリカの原子力発電所の事故について――これは質問になりますかとうですかね。実は私は、きのう、きょうの新聞にこのことが報道されまして、きょうの科技特では恐らくかなりこれは質疑の対象になるであろうから、原子力の積極的な推進論者である私にとっては、科技庁も通産省もこれは顔色もさえないだろうし、大分周章ろうばいされておるんじゃないかと思ったんですが、実は顔色も平常どおりのようでありますし、ろうばいの気配も見えませんのでいささか安心をしたわけですけれども、と申しますのは、やっぱり日本のいまの軽水炉は自主技術の開発によるものでありませんから、どうも同型炉がアメリカあたりでトラブルがあると、一ころまでは大変に顔色もさえなくなるし、対応に大変お困りになって、私の目からすれば周章ろうばいのように見えた時期があったような気がします。恐らく政府の方で、いやそんなことないんだよとこうおっしゃるかもしれませんけれども、私の目にはそういう気配が感じられましたが、きょうのお顔色と平常状態であるということは、やっぱり東海に十六万六千キロの東海1号が営業運転に入ってから十三年目に入って、かなり導入された技術ではあってもそれを消化されてきた結果がそう大して動揺する必要もない状態になったんじゃないかと思って私喜んでいるわけですけれども、先ほどから聞いておりますと、私は、正しい、的確な情報をとるという点についても、先ほどから御答弁を伺った限りでは、まことにこれはそれ以外にはあるまいと思うんですね。どうも何かありますと物すごく騒ぎ回ってあれする――これは何も原子力に限りません。ところが、もう私は、今度の場合でも、当事者は、発電所側においてもアメリカの規制委員会なんかでも、どうなんだ、どうなんだといって騒ぎ回られちゃって迷惑千万だと思うんですね。そして、しからばこれからの再びこういう事故を起こしちゃならぬという立場に立った対策にどうプラスするかといったら、私に言わせるとこれはもうちっともプラスにならない。だから、これはあり得べからざる事故と何かおっしゃったような気がしますが、私はあり得べからざる事故ではなくて、あってはならない事故があったと思うんですけれども、これはやっぱり冷静に、正しい情報と正しい対策が不可欠だと思うんですけれども、先ほどからの御答弁を聞いていて私はつけ加えて聞く必要もないとは思いますけれども、そういういわゆる正確な情報をとって正しい対応をしてもらわなければならないという立場からいって、もう一回。ルートはもうはっきりしていると思うんですよ、どういうルートを通じてどういうことを情報としておとりになって、それから専門家の派遣を含めてどういう対応をなさろうとしていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#120
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘のとおり、正確な情報をとって対応を考えることが一番大事なことであるというふうに私ども思っておるわけでございます。その場合に、正確な情報がどんな意味を持っておるのかということをNRCの究明後、物によりましては究明後専門家が行ってよく伺ってくるということが日本で対策を考える上できわめて大事なことであるというふうに考えておるわけでございます。したがって、現段階はなお原因が不明確な点が非常に多いとNRC自身も言っておるわけでございます。したがって、現時点で大量の人間を送り込みましても、NRCがそれに対応してくれるかどうかこれはきわめて疑問でございます。したがって、その相手方ともよく連絡をとりながら、いまの時点ではどういう点を調べてくる、どういう項目を調べてくる人がいいかということも含めて検討しなくちゃいけないのじゃないか、その辺の対応の仕方につきまして本日安全委員会でいろいろ御議論いただいて、その方針のもとに私どもは人選等もいたし、アメリカに専門家の派遣を考えてまいりたいということを申し上げているところでございます。
#121
○中村利次君 これはもっともだと思いますよ。確かに規制情報交換の取り決め等によっても当然正しい情報というか、資料等も含めてそういうものを提供してくることは間違いないでしょうから、対象としてはこれは規制委員会を対象とする方が一番正しいと思いますよ。ですから、きょう安全委員会を開いてそういう対応を相談されようというのでしたら――先ほどからお見かけをしておりますと皆さん非常にお疲れのようですな。これはやっぱり顔色は平常状態でまあ心配する必要もないようですが、かなりやっぱりお疲れになるほどの御心配があったようでありますから、私も質問はむしろ切り上げて、そういう対策をやっていただいた方が原子力の積極的推進論者としては一番正しい対応の仕方だと思いますからもうやめてもいいんです。
 ただ、私はまた憎まれ口をたたくようですけれども、とにかくこういうことがありますともう原子力の行政がすくんじまうという、これは断じて許されませんから。それから、確かにアメリカではこの事故等によって原子力の促進にあるいは支障があるかもしれない。一九八五年二億キロワットの原子力開発というのはアメリカのあれになっておりますけれども、これはしかし、カーター大統領の核政策等とも絡めてあるいは影響があるかもしれない。しかし、エネルギー資源大国のアメリカと全くの無資源国の日本とは事情が違いますから、だからやっぱりエネルギー政策、正しいエネルギー対策を持たないで経済政策を論ずる資格はないんです、国民生活の安定を論ずる資格はないんですよ。それはマイナス成長でいいんだ、雇用不安なんかどうでもいいんだ、そういうことが前提なら、これはあなた原子力発電絶対容認すべきではない。私も推論者であって、これ絶対安全というのは、安全というのはこれはもう前提条件ですからね。だからそういうことでいきますと、本当に日本で、私は何回繰り返しても同じだけれども、エネ調の長期見通しでずうっとチェックをしていって、これは石炭問題だってLNGだって、それから地熱だって、いろんな代替エネルギーをあれしてみて、一九八〇年代あるいは九〇年代でもいいと思うんです、今世紀末あたりまでにかけて原子力以外に、やっぱり代替エネルギーとして日本で地熱がかわり得るか、かわり得ません。石炭がかわり得るか、かわり得るけれども、原子力以上に環境問題がこれはあるわけでありますから、石炭をどんどん原料炭としてたく、灯油をみんな禁止して石炭をストーブにはたかせる、発電所も全部石炭、そうなればこれはもう灰捨て場から脱硫、脱硝、そんなことでどえらいことになるわけでありますからね。だからひとつ、こういうことで、質問にはなりませんけれども、本当に科技庁も通産省も、何か私は、この間の予算委員会で定検について、欧米の倍くらいの定検期間――安全についてはやり過ぎるということはありませんから結構。しかし、やっぱり必要を超えた、限度を超えたそういう設定等がトータルマンレムの増加につながり、それから操業度の低下につながる、安全性については関係のないようなところまで……、過ぎたるは及ばざるがごとしという姿勢を批判をしておるわけでありますから、こういうことでひとつふらふらとしないで、きょうはうんと対策会議をおやりになって、そしてよくお休みになって、顔色もよくしてがんばってくださいよ。これで私はもうきょうは終わります。
#122
○国務大臣(金子岩三君) 大変説得力のある御意見でございまして、安全委員会の事務局長をこの牧村局長がしておるわけでございますから、向こうに早く行きたいということでそれでしりをもじもじ動かしておるわけでございますから、少しでも早く切り上げていただくと大変助かると思います。
 それで、私どもは、他に同型のものが八基日本で動いておりまして、このような事故はまだ出していないわけでございますから、そう別に恐れおののくようなそういう感じは持たないわけでございます。ただ、こういう事故があったんで、これはやっぱり徹底的に原因を究明しておくことが今後の原子力発電の飛躍を図るために、やはり国民特に関係地域住民の理解と同意を得るために大事な手段だという考え方で徹底究明もやろうとしておるのでございますから、どうかひとつ、これまで以上に中村先生のしりたたきをひとえにお願いを申し上げて御答弁にかえたいと思います。
#123
○委員長(塩出啓典君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会をいたします。
   午後四時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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