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1978/04/13 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第7号
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1978/04/13 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第7号

#1
第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第7号
昭和五十四年四月十三日(金曜日)
   午前十時二十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         塩出 啓典君
    理 事
                源田  実君
                長谷川 信君
                藤原 房雄君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                岩上 二郎君
                熊谷  弘君
                後藤 正夫君
                望月 邦夫君
                吉田 正雄君
                中村 利次君
                柿沢 弘治君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       金子 岩三君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      半澤 治雄君
       科学技術庁原子
       力局長      山野 正登君
       科学技術庁原子
       力安全局長    牧村 信之君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       原子力安全委員
       会委員長     吹田 徳雄君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電安全審
       査課長      逢坂 国一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
 する法律の一部を改正する法律案(第八十四回
 国会内閣提出、第八十七回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○吉田正雄君 きのうの夕刊とけさの朝刊で例のアメリカのスリーマイルアイランドの原子力発電所の事故に関連をして、アメリカ原子力規制委員会が日本における加圧水型の原子炉に対しても事故発生のおそれがあるんではないかという警告を行ったということと、メーカーでありますウエスチングハウス社の方からも操業者に対して取り扱い等について通告がなされたという報道がなされておるわけです。そして、これをめぐりましてきのうから原子力安全委員会あるいは通産当局との間でこの問題についていろいろ討議が行われておるという報道がなされておるわけです。私は非常に重要な問題だと思いますので、当初にこの点について通産当局それから科学技術庁、それから原子力安全委員会の見解なりそういうものについて幾つかの点でお尋ねをいたしたいと思うわけです。
 そこで、まずお聞きをしたいんですけれども、NRCの発表の内容と電力会社への通告の内容は新聞報道どおりであるのかどうかですね、まず、この点から最初に明らかにしていただきたいと思うんです。
#4
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生御指摘の加圧器の水位計の問題につきまして米国原子力規制委員会から予備通知書が出されております。
 その概要を申し上げますと、
  スリーマイル島原子力発電所2号機は、給水喪失の過渡変化が運転誤操作と重なって引き起こされた一連の事象の結果、重大な炉心損傷を経験した。加圧器の水位指示が誤った原子炉冷却材水位の推定を与え、これが事故の一因となったことが明らかとなっている。
  ウエスチングハウス社設計の一部のプラントについては、加圧器圧力「低」及び加圧器水位「低」の両信号の一致が安全注入系を起動するのに必要とされること。またさらに、加圧器の小破断の予備解析によれば、加圧器圧力が減少し続ける際にも加圧器水位の指示は高く保たれ得ることが明らかとなった。こういった場合、安全注入は自動的には起こらず、運転操作員が水位計を信用したとすると誤った操作が引き起こされる可能性がある。一九七九年四月七日ウエスチングハウス社は、安全注入起動にこの二つの信号が必要なプラントの所有者に対し、加圧器圧力が安全注入系起動設定点以上に低下したときには、運転操作員が手動で安全注入系を起動するようアドバイスした。
 概要こういうような内容のものが出されております。
 それから、ウエスチングハウス社におきましても、そのユーザーに対しましてリコメンデーションが出されておりますが、その中におきまして、一つは加圧器の圧力は運転状態の重要なパラメーターをも含めて慎重に監視すること。それから第二が特に加圧器の圧力がECCS作動開始圧力の設定値より下がった場合にはECCSを手動で起動することという二点について強くリコメンドしております。
#5
○吉田正雄君 科学技術庁の方にも同様なものが入っているわけですね。
#6
○政府委員(牧村信之君) おっしゃるとおりでございます。
#7
○吉田正雄君 この指摘がされる前に、通産あるいは科学技術庁として、原子力安全委員会としては、いま指摘をされたような問題点がいままでわかっておったのかどうか、簡潔にまず答えてください。わかっておったかどうか。
#8
○政府委員(児玉勝臣君) スリーマイルアイランドの原子力発電所の事故の経過の中におきましてこの問題が指摘されておることは知っております。
#9
○吉田正雄君 私が尋ねたのとちょっと違うと思うんですけれども、いままで通産や科学技術庁として、今日までいろんな場における言明の中では、日本においてはアメリカのような事故発生のおそれはないと――これは後ほど吹田委員長の三月三十日付の談話でも若干触れたいと思っておるんですけれども、おそれはないと。しかもその理由として、この前私が聞いたときも、メーカーが違うという話もあったわけですね。したがって、皆さん方いままでは日本における原子力発電所、加圧型についてはそういう心配はないんじゃないかということをおっしゃっておったわけです。だから、アメリカの事故の中でそういうのがわかったではなくて、日本におけるPWR型原子炉のいまの指摘をされたことについて承知をされておったのかどうかということを聞いているんですよ。それとも、そういうことは、今日いまこのNRCやウエスチングハウス社から通告があるまではわからなかったのかどうかということを聞いているんですよ。
#10
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生のおっしゃいました加圧器水位計のいわゆる指示が、逃がし安全弁が連続して噴いたような場合には非常に不安定な指示をするということについてはわれわれとしては予測し得なかった点であろうと思います。
#11
○吉田正雄君 そうすると、そういうことに気がつかなかったということになりますと、日本においては、もし通告がなければ事故が起きるまではそういうものが出てくるかどうかわからないということにつながるんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。
#12
○政府委員(児玉勝臣君) 逃がし弁が作動して閉まらないという場合には、そういう水位計が非常に不安定な状況になるということについては私たちも予測しておりませんでした。
#13
○吉田正雄君 そういたしますと、三月三十日の安全委員長談話というのは、これは私は大変問題があると思うんですよ。きょう安全委員長を呼ぶことは午前中の段階ではできないと思うんですけれども、これは私大臣もよく聞いておいていただきたいと思うんです。この三月三十日の談話というのは、皆さんも御承知のように、スリーマイルアイランド2号機の事故の詳細は現時点で明らかでないので、正確な情報の入手に努め、詳細な検討を進めるというのが第一項で述べてあるわけです。現在わからないというんですよ。わかっていないということを言いながら、第二項ではどういうことを述べているかというとこれとは全く矛盾をしているんです。第二項で、「わが国の原子力発電所では、この種の事象が本件に類する事故へ発展することはほとんどないものであることが確認をされている。」という、こんなばかな話はないと思うんですよ。事故の原因もわからない、そういう中で、わが国では起こらないということが確認をされているなんという、こんな談話というのはまさに非科学的なんですよ。しかも、いま起こり得ないという非常な確信を持ってきたにもかかわらず、アメリカ原子力規制委員会とそれからメーカーであるウエスチングハウス社から、いや、実は事故につながるおそれがあるという、いまおっしゃったような指摘というものがなされたわけでしょう。そういう点で、私はこの三月三十日の原子力安全委員長の談話というものはいま申し上げましたようにきわめて非科学的であると同時に、単なる非科学的というよりもきわめて不見識な発言であるというふうに断ぜざるを得ないと思うんですよ。いま指摘されているんですからね。この点で一体大臣はどういうふうにお考えになりますか。(「委員長」と呼ぶ者あり)ちょっと待ってください。いま原子力安全委員会の委員長の発言に関して聞いているんですよ。通産に聞いているんじゃないですよ。どうなんですか、大臣。
#14
○国務大臣(金子岩三君) 安全委員会の委員長の談話の件は、安全委員会は、御承知のとおり国会の承認を得て総理大臣が任命したいわゆる原子力の安全をいかにして確保するかという最高の方針を決める機関でございまして、科学技術庁はその事務局的役割りを果たしておるわけでございまして、その談話が適当であったかどうかという判断は、私から私見を申し上げて皆さんの前に意見を述べることは適当でないと思うのでございます。
#15
○吉田正雄君 安全行政といいますか、原子力行政の最高の責任者である科学技術庁長官が、安全委員長のこの談話について批判をするのは適当でないということなんですけれども、結局大臣としても確信が持てないからそうおっしゃるんですよ。そうでしょう。行政の最高責任者として、政府の責任者として、最終的にやっぱり責任を負うのは政府なんですから、そういう点で安全委員長の談話というものがやっぱり的を外れたものであったり、それたものであったり、適切でないということになれば、これは当然政府としてその談話についてまた何らかのコメントがなければいかぬでしょうし、私は率直に言っていまの大臣のその答弁というのは、どう言っていいかわからぬという、これはもう自信のなさのあらわれだと思うんですよ。ここで大臣をいじめてみてもしようがないと思うんですけれども、本来は安全委員長に直接聞きたいところなんですけれどもね。
 ただ、私はここで一番強調いたしたいと思いますのは、四月三日の日に日本社会党の飛鳥田委員長名をもって大平総理大臣に対して申し入れを行ったわけです。これは科学技術庁長官と通産大臣を通じてですからおわかりになっているはずなんですけれども、この内容というのは、原子力発電所の即時運転中止とそれから総点検など真相の究明と国民への公開というふうな四点にわたる申し入れなんです。その後の事態の進展とそれから事故の内容、原因が判明をするにつれて政府が申し入れを即時受け入れる必要性というものが私はますます強まってきておると思うんですね。ところが、政府、原子力委員会及び安全委員会は、従来から一貫して原子炉の安全性、信頼性を強調し、そのPRこそが原子力行政の使命であるかのように振る舞ってきたと言っても私は過言でないと思うんです。つまり、いまだその原子炉は研究開発途上のものであり、設計、建設、運転上のあらゆる面においてその持つ危険性を十分に検討し、安全性の確保には最大細心の注意と配慮を払うことが必要であったにもかかわらず、安全性のPRに狂奔をした原子力行政のあり方そのものが私はアメリカ、日本を問わず今日の事故の基本的要因をなしておるんではないかというふうに思うわけです。したがって、日本においても――これは何もアメリカに限ったことではなく、あすにでも同様の事故が発生するおそれ、危険性というものが私は十分にあると思うんですね。そういう点で、かつて「むつ」の問題がありましたけれども、いまだ本当に日本における安全行政というものが真剣な反省がなされておるというふうには私は考えられないんですよ。しかも安全委員会が分離をされたその法改正の趣旨というものも、今度の一連の原子力安全委員会なりあるいは通産省の態度の中にはそういうものが認められない。それが最も私は端的にあらわれたのがこの三月三十日の原子力安全委員会の委員長談話だろうと思うんですね。全く事故の内容もわからない、詳細不明なのにもかかわらず、日本の原子炉においては絶対あり得ないとか、事故の起こることは心配ないなどというきわめて政治的な観点からの談話だろうと私は思っているんです。
 いま通産の児玉審議官の方からはそういうことは予測されなかったという率直なあれがあったと思うんですけれども、そこでもう一点お聞きしますが、「わからなかった」で済むと思いますか。皆さんはいままで、「事故は起きない、安全である」という、目前に事故をしながらも「日本の場合には安全だ、安全だ」とおっしゃっておったんですよね。ところが、そのわずか数日後にはいま言ったようにNRCとウエスチングハウス社からそういう警告なり通報というものが来ておるわけですよね。そういう点で私は、そういうものがなかったら、もし事故が起きたらどうなっておるのかということを考えると大変だと思うんです。
 そこで、最終的に解明できる詳細な資料というのはいつごろ入手できるというふうにお思いになるんですか。まずそこからお聞かせください。
#16
○政府委員(児玉勝臣君) ウエスチングハウスからのリコメンデーションに対しまして、通産省、いたしましては、大飯1号機のいわゆる加圧器の水位計というものの誤差、それからそういうときにはどれくらいの問題が起こるのかということについて一応の検討はしております。それで、加圧器の水位計というのはもともと静圧力といいますか、静止した状態での水の高さをはかる方法でございますが、やはり加圧器の中でいろいろ蒸発等々の現象もございますので、それに耐え得るだけの水位計の性能を持っております。そういうことで、今度ウエスチングハウスが指摘した水位計の誤差というのは一体どういうような水位計を示しているのか、そういう大きな誤差を生ずる可能性のある水位計があるという意味ではないかと私たちは思っております。それで大飯の場合には、そういうことでそう大きな誤差をまず生ずることはないだろうとわれわれは信じておりますが、しかし、今度の事故の場合にわれわれが予測したことよりももっと違った現象がありまして、そういう現象の場合には非常に不安定な指示をするということを指摘しているのかもしれないと、そういうふうにわれわれとしては非常に問題を謙虚に受けとめまして、われわれの持っている水位計の性能を信じてはおりますけれども、さらにその上に検討を加えなければならないというふうに考えております。
 それで、先ほど先生の、逃がし弁がとまらないというときの問題でございますけれども、その元弁に電動元弁というのがございまして、それを操作員が閉めるということは現在の運転要領の中にも決められておりまして、当然加圧器が壊れた場合には逃がし弁が作動して、閉まらない場合にはその電動元弁を閉めるということが当然の操作となっておりますので、したがって、安全委員長のお言葉のように非常にこういう問題は起こりにくいということの根拠になっているということを補足さしていただきたいと思います。
#17
○吉田正雄君 質問していないことには答えないでください、いまそこまで聞いてないんですよ。安全弁のことまで聞いていません。
#18
○政府委員(児玉勝臣君) それで、ウエスチングハウスのいわゆる検討の内容、それからそのリコメンデーションの裏づけになる根拠ということについては、いまのところまだ入手しておりませんので、早々入手されるものと思っております。
#19
○吉田正雄君 いまの審議官の発言の中にもまたもや出ているんですよね。いいですか、私はいま弁の具体的な事故の問題についてもこれから後聞いていきたいと思っているんですけれども、まだ詳細はっきりしていない、事故のおそれがあると指摘をされておりながら予測できなかったとおっしゃっているんでしょう。予測できないものがまた何で事故が心配ないというふうに思われるのですか。きわめて独断的なんですよね。
 そこで、この委員長談話の第二項のところで、「わが国の原子力発電所では、この種の事象が」云々ということで、「事故に発展することはないということが確認をされている」となっておるのですが、ここで言っている「発電所」とは加圧水型原子炉を指すのか、それともすべてのわが国の原子炉を指しているのか、これはどういうことなんですか、この二項で言っている「原子力発電所では、」というのは。
#20
○政府委員(牧村信之君) ここに申し上げておりますのは、わが国の軽水炉全般を安全委員会としては見直したわけでございますが、中心の検討の対象になりましたのは、米国の原子炉事故を起こしました炉型が加圧水型でございますので、加圧水型を主として対象に議論がされたことは事実でございます。
#21
○吉田正雄君 そうすると、現にアメリカで加圧水型の原子炉が事故を起こしたわけですから、したがって、NRCから警告が発せられた今日でも、日本ではこの第二項に書いてあるように今後日本では絶対安心だ、大丈夫であるということなんですか、それとも今後事故は起こり得る可能性というのはあるというふうにお考えなんですか、どちらなんですか。
#22
○政府委員(牧村信之君) ここで安全委員会がこういう御結論を出されましたのは、日本の原子力発電所におきまして政府並びに設置者が安全のためのいかなる措置を講じておるかということにつきまして、アメリカの事故の原因になりました二次系のポンプの不作動につきまして、その不作動に当たりまして原子炉がどういうような状況になるか、いままでの安全審査あるいは詳細設計における審査、工事中の検査、性能試験中の検査並びに原子力発電所が自主的に行っております検査等の実態を踏まえまして、日本におきましては仮に二次系のメーンポンプが不作動になったということに当たりましても、必ず日本におきましてはその補助系が働き得る機構になっておる、一例で申し上げますとそういうことでございます。で、その働き得る設計になっておることを検査でも確認しておりますし、電力会社の自主的な検査が一定期間にわたって運転中といえどもいろいろ検査がされておるということを考えますと、アメリカにおきますような事象に大きく発展することはまずあり得ないであろうという実態を安全委員会が御認識になられまして、しかし、今度の事故が、この検討しておりますときにも、いろいろな人為的なミス、あるいは日本では考えられない設計になっているらしいということもほぼ判明しておりましたので、そういうことを踏まえますと、特に人為的なミスにつきましては、これは絶対にあってはならないという趣旨でこの第三項にございます通産省あるいは電力メーカー、電力等が行います検査を厳重に行うこと、並びに人為的のミスをなくすために保安規定であるとか運転要領とか運転中の監視の実施を十分にするための総点検を行政庁にお願いした、指示したということでございまして、その二の認識のもとに三の重要性を強調しておるというふうに安全委員会ではおとりになっておるところでございます。
 なお、この事故は、先生御指摘のように、まだいろいろな原因の究明が――事故の発端はわかっておりましても、たとえば人為ミスと申しましてもそのオペレーターが、あるいはオペレーターを指導しております上の方がどうしてそういう操作をしたかということにつきましてはわかっていない面もございます。そういうものは非常に今後の安全規制上にも参考になるということで、この四項におきまして、その資料等を早急に入手するというようなことを含めて原子力安全委員会では安全専門審査会におきまして審査、審議をさせるというふうな方針を出したわけでございます。したがいまして、現在安全委員会としては米国に数名の専門家を派遣いたしましてその原因調査をやっておるわけでございます。その状況を踏まえつつわが国の今後の安全規制にどう改善していったらいいかということを慎重に審議しようというのが安全委員会の考えておるところでございます。その一端をここに委員長談話として発表されたものと考えておる次第でございます。
#23
○吉田正雄君 いまの説明では全然納得できないんですよね。いまの内容は、全く何か不安を解消するために、原因も真相も明らかでない段階で単に安全だ安全だというPRをしているにすぎない。
 そこで、日本のPWR型のこのウエスチングハウス社の原子炉の国産化の割合はどうなっておろか。それから、指摘をされた、NRCとウエスチングハウス社からこうやっていま通報があった部分のところは、これは国産されたものなんですか、型式が違うんですか。それはどうなっているんですか。
#24
○政府委員(児玉勝臣君) 国産化につきましては、当初は国産化率は非常に低かったわけでございますけれども、最近は、たとえば関西電力の美浜の3号のようなものですと国産化率は九三%ぐらいになっております。しかしながら大飯の1号機は六七%ということでございます。
 それで、加圧器そのものについてはちょっと……恐らく国産であろうと思いますが、はっきりメーカーわかりませんのでお答えしかねますが、計器につきましてはこれは輸入の計器でございます。それで、スリーマイルアイランドの計器は何を使っておるかということについては存じません。
#25
○吉田正雄君 いま計器は国産でないとおっしゃったんですが、国産でなくてウエスチングハウス社そのものなのかどうかは別にして、基本設計から何から全部ウエスチングハウスのものでしょう。したがって、ウエスチングハウスとして、そういうおそれがあるということで、取り扱いについてもこのような取り扱いが望ましいということを言ってきておるわけなんですね。日本独自の設計でやったものではないし、日本独自の国産化はいま九十何%とか六十何%とかおっしゃっておりますけれど、これはウエスチングハウスの製品そのものと考えていいわけでしょう。全く独自のものですか、そうじゃないんでしょう、どうなんですか。何か聞いておると、日本だけ独自に何かやっているような印象を国民に与えるような説明になりがちなんですよ。それはどうなんです。
#26
○政府委員(児玉勝臣君) オリジナルはもちろんウエスチングハウスでございます。しかし加工それから据えつけ、そういうものについては国内でやっておるという部分が非常にふえております。それからこの水位計はこれは単品として輸入したものでございますので、これは外国の製品でございます。
#27
○吉田正雄君 言い方が少しずつ――まあきょうの場合ということでなくて、全体を通じて従来から少しずつ違っているんじゃないかと私は思うんですが、まだ主張されるんですか。というのは、炉型の違いとかメーカーの違いによって日本の場合には事故は起きないんだということを皆さん主張されたことあるんですよね。いまでもそういうふうに思っておいでになりますか。たとえば、この加圧水型の場合には、アメリカの場合にはこれはB&W社のものであるし、日本の場合にはウエスチングハウス社のものだから心配がないというふうな趣旨のことをこの前おっしゃっているんですよね。いまでもそのようにお考えなんですか。
#28
○政府委員(児玉勝臣君) 私たちはこの問題について起こる可能性はほとんどないというような表現をとっておりますけれども、それはB&Wとそれからウエスチングハウス社の相違ということだけを申し上げておるわけじゃ毛頭ございません。これはやはり日本の国において――ウエスチングハウスのオリジナルのものでございますけども、輸入いたしまして建設をした経験が二十年ありますし、運転した経験が十年ありますし、そういう意味で安全というものをわれわれはわれわれなりに理解してやってまいっております。そういう意味で、日本の国民の安全というのは日本の国民が理解をしてそれを行うということが基本なのでありまして、単にそのメーカーの違いということを申し上げているわけじゃなくて、中の仕組みなり安全の内容についてそういう可能性はないだろうということを申し上げているわけでございます。
#29
○吉田正雄君 私は、「だろう」という推定で安全性の問題は考えるべきじゃないと思うんですよ、それは。皆さんが従来おっしゃってきたのは、炉型の違いだとかメーカーの違いなんということで主張されたんじやなくて、現に起きていないからということ、起きていないということを皆さん方は、まあラスムッセン報告等と合わせながら安全性のよりどころとされてきたわけですよ。現に起きたわけでしょう。現に起きておるんですから、日本においてはアメリカと違って大丈夫だというその違いというのはどこにあるんですか。日本では起きないという、皆さん方が確信持って言えるだけのものは一体何にあるんですか。オリジナルはアメリカですと、それからメーターについては輸入をしておりますと――いま一番問題になっておるこの圧力計なりあるいは水準計ですか、こういうものが一致をしない場合が出てくるという点でのことも言われているわけですよね。安全性の根拠というものがちっとも明確でない。日本独自ですと言って何が独自なんですか。どういう点で独自なんですかね。そういうものも何ら明らかにされていないで、ただ安全だ安全だと。だから、たとえば自動車にたとえるならば、乗用車は事故を起こさぬけれどもライトバンは起こすとか、そんなことにはならぬと私は思うし、日産なら大丈夫だけれどもトヨタなら事故を起こすなんという、こんなことにならぬと思うんですよ。一定の基準というものによって行われるわけでしょう。基本設計にしろ、さらには安全審査のあり方、さらには使用前検査あるいは定期検査、これは日本とアメリカでは――アメリカでは事故が起きるようなそういう甘いものだということなんですか。そんなことはないと思うんですよね。だから私は、アメリカでは起きるだろうけれども日本では起きないんだという、そういう起きない根拠というものがちっとも明確にされてないということを言っているんですよ。この安全性の問題は「だろう」では困るんです。アメリカだっていままで「だろう」で言ってきたんですよ。
 もうちょっと突っ込んで聞きますと、アメリカでは従来から事故は起きるだろうというふうにNRCは考えておいでになりましたか、日本と違って。事故は起きるだろうというふうにNRCは考えておいでになったか、それとも日本と同じくアメリカにおいても事故は起きないというふうに従来は主張されてきたと思うんですが、その点はどうですか。
#30
○政府委員(児玉勝臣君) NRCが従来どういうような考え方にあったのかというのは、これは絶対安全という――一〇〇%というようなことは毛頭なくって、それを一〇〇%に近づけるということについて設備とそれから運転の上で考えるという立場をとっていたと思います。またわれわれもそういう立場で安全を確保するということでございます。
 先生が先ほどおっしゃいました日本の原子炉の問題が、今度起きたスリーマイルアイランドの問題とどういう点において異なり、どういう点について起こる可能性がないと言っているのかということについてお答えしたいと思います。
 一つは給水喪失の起こった時点で補助給水系統が二系統ともバルブが閉められていたという問題がございます。これにつきましては、わが国の加圧水炉の場合には、原子炉を臨界する前に補助給水ポンプは二台以上が運転可能であることを確認するよう保安規定で定められておりますし、また点検した後はバルブが必ず「開」状態で施錠されるということになっております。また異常が発生いたしまして電動補助給水ポンプが起動いたしますと、自動的に補助給水ポンプの前にある出口弁の電動弁があくということになっておりまして、運転員が誤って閉めてあったとしても給水が行われるという点がB&Wの場合と違うわけでございます。
 それから加圧器の逃がし弁の問題でございますが、これも開いて作動レベルより圧力が低下しても閉まらなかったという問題があります。これにつきましては、B&W型は電磁先駆弁というのを使っておりまして、日本の場合には空気弁を使っております。空気弁というのは火力発電所等非常に長い間の運転経験を持っておりますので、そのような、構造が簡単で作動の信頼ができるものを使っておるということでありますし、またこれは空気圧によって閉めることもできるわけであります。また実際にこの逃がし弁がだめになった場合には、それは電磁の元弁を閉めるということになるわけでございます。
 それから三番目に、加圧器の急速な圧力降下に伴いまして、水位の指示が実際よりも高くあるごとく指示しております。それがいわゆる高圧注水系を早目に停止させたという問題を引き起こしたわけでございますけれども、この問題についても現在どれくらいの水量が加圧器から出たかということの解析がよくわかっておりませんので、この水位計の指示というのがどの程度の誤差を生じたのか、向こうの情報がよくわかりません。しかし、日本の加圧器型の原子炉についております水位計につきましては、相当変動がありましても、その水位の低下は計算誤差の範囲内にほとんど入る程度になっておりますので、そういう誤差というのはないのではないかと思いますし、またECCRというのは、日本の場合には、入れましたら炉の状態が安定するまで、それから低圧ポンプが注入されるまでの間はとめてはならないということになっております。したがいまして、途中でECCSを切るということはないわけであります。
 次に、四番目でございますが、高圧注入系の起動によりまして格納容器が隔離されなかった、そのために弁から放出された高い放射性の水が移送ポンプの自動起動によりまして格納容器外へ移されてしまった。その水が補助建屋の放射性廃棄物処理系に入りまして、そこから床にこぼれたり、また敷地外へ放射性ガスとして放出されたと、そういうことがございました。日本の場合ですと、ECCS系が作動することと、それから格納容器の中の圧力が高くなる、その二つの信号のどちらかが発信されますと、格納容器の内外にあります隔離弁は一斉に遮断されることになりましてこの移送ポンプも自動起動できなくなります。そういうことで格納容器の中に放射性のものを閉じ込めるということが完了するわけでございますけれども、B&Wの場合には格納容器の隔離というのが格納容器内の圧力が高くなったときだけの信号で作動するというふうになっておりますので、こういうような自動起動ということが行われたのではないかと思います。したがいまして日本の場合にはこのようなことはないと言えると思います。
 大体主な点はこういうことの指摘を一応いたしましたので、ほとんど日本の原子炉においてはスリーマイルアイランドと同じような事故は起こらない、起こりがたいと、そう申し上げているわけでございます。
#31
○吉田正雄君 スリーマイルアイランドの場合もNRCは事故は起きないと言ってきたんですよ、大丈夫だと言ってきたんです。ちょうどいまあなたが言ったように大丈夫、大丈夫という言い方をやってきて、そしてあれだけの大事故を起こしたわけですね。
 ところで、スリーマイルアイランドの1号機でも過去に事故があったんですけれども、この2号機の故障について、三月二十八日の大事故になる以前に幾つかのものがNRCに報告をされておりますけれども、これについては御存じですか。
#32
○政府委員(牧村信之君) この正確な情報はいまのところ把握していないわけでございますが、正確な情報と申しますのは、NRCを通じてとっていないということでございますが、現在、安全委員会の内田委員を初めといたしまして安全審査の専門家四名が現地に行っておりますので、その情報を今後調査していただくことにしておるところでございます。最近入りましたNRCの報告では、十二月中に試運転の段階におきまして何回かのトラブルがあったこと、そのあったことだけは確認しておるところでございます。
#33
○吉田正雄君 私どもが聞いているところでは、この2号機の場合は七八年の三月に臨界を達成をしておるわけです。ところが、七八年の四月にすでに五個の圧力バルブが閉まらなくなって原子炉というものが緊急停止をしておるということが言われておるわけですね。それから八月にも炉の緊急停止、これは二次冷却系の欠陥というものが露呈をしておるということなんです。それから十一月に入りまして、同じく二次冷却系回路が緊急停止をして、そしてECCSの作動を要求する別の緊急停止というものを誘発しておる。さらに十二月に入って、いまおっしゃったように運転員の誤操作によってバルブの一つが開かれておって、同じくECCSの作動を要求する緊急事態というものを誘発しておるということが言われておるわけですね。とにかく昨年一年間でNRCの調査委員会が八回の運転員のミスを発見しておるということが言われておるわけです。ことしに入ってからもあるわけです。何回かあるわけですよ。こういう事故に対して、例のUCS――憂慮する科学者同盟が、事故発生の危険が大きいと考えられるアメリカの原子炉十六基のリストをNRCに提出をして、運転の即時中止を要求しているのは皆さんも御承知のとおりだと思うんですね。この中にはスリーマイルアイランドの一、2号機というものが含まれておるわけです。かつてNRCの安全担当技官をやっておった憂慮する科学者同盟――UCSのロバート・ポラードが、これは一刻の猶予も許されないんだということでもってその運転中止を要求しているわけですね。ちょうどこの間事故が起きたときに、このポラードとそれからNRCのハロルド・デントン部長がテレビで対談しておりましたね。たしかあれはNHKだったと思うんですけれども、そこでもってやっぱり指摘をしているわけですよね。そういう事故の危険性があるということを前から言ってきているじゃないかということを言っているんですが、このデントン部長は、いやそんなことはなかったというふうな言い逃れに終始をし、それから今後の見通しについても非常に強硬な態度を示しておったのは、皆さんもあのテレビをごらんになった方はおわかりだと思うんですけれども、そういう指摘というものがなされてきたわけなんですね。しかしこのデントン部長を中心とする一まあこの方が中心だろうと思うんですが、NRCはこのUCSの要求に対しては、むしろUCS側に判断の誤りがあるんだということで、名指しをされた原子炉の閉鎖要求については応じなかったわけですね。ところが御承知のようにこれだけの事故が起きたわけです。したがって、いま通産の担当者が、アメリカでは起きても日本では大丈夫だという、そういう理論にはならないんですよ。いま長々と述べられたのは事故の経過なんでして、それについてはもういろいろアメリカ原子力産業会議からの報告も入っておりますしね。日本の原産会議でも、それについての経過とか原因というのをずっと書いた新聞を出しておりますね。それと大体似たようなことをいまおっしゃっているわけですよ。しかし、この中からは日本の原子炉が事故を起こさないなんという保証には全然なってないし、いまだにまだ不明確な部分があるんですよ。
 そこで私は聞きたいんですがもう時間の関係もありますから、ずばりひとつ聞いておきたいと思うんですけれども、事故の内容については原因についてはこれからまだお聞きしますけれども、いまこれだけNRCとウエスチングハウス社の方から警告なり通報が来ておるという段階で、なおかつ通産としてはこの大飯の1号機について相も変わらず運転続行すべきだという考え方なのかどうなのか。それともそうではなくて、本当に安全性という立場から運転を中止をして、いま指摘をされた点について徹底的に調査をやっていくんだという、慎重なといいますか、私は当然だと思うんですけれども、そういう方針で行かれようとするのか、そうでなくて、電力需給という関係からあくまでもそれを優先をさせて、とにかく事故が起きるまではやっちゃえという、そういうことなのか、一体どちらなんですかね。
 それからもう一つ、私は科学技術庁に聞きたいと思うんですが、原子力安全局長にお聞きをいたしますが、私はこれは大変な問題だと思いまして、どうもこの科学技術庁原子力安全局というのは通産の出先機関ではないか、斜め下だということがよく言われているわけですね。分離をしてしまったらますますどうも影が薄くなってきているような原子力安全委員会じゃないかと思うんです。そういう点で私はこれだけアメリカで明確に大事故が起き、しかも日本のこの加圧水型の原子炉についても、NRCさらにはメーカーから、問題がある、場合によっては事故につながるおそれがあるという指摘がなされておる。こういう段階で当然原子炉をとめて徹底的に私はこの調査点検をすべきだというふうに思うんですが、それぞれ通産と科技庁のいまの態度なり考え方というものをお聞かせください。
#34
○政府委員(児玉勝臣君) NRCからの勧告並びにウエスチングハウスからのリコメンデーションにつきましては、スリーマイルアイランドの事故の背景からそれが発せられたというバックグラウンドを考えまして、そういうウエスチングハウス社からのリコメンデーションによりまして、関西電力から、加圧器逃がし弁が開いて閉まらないような事態が生じ、かつ万一電動元弁が閉まらない事態が生じた場合には、加圧器圧力検出器の指示によりECCSを手動で作動させるよう発電所長に指示したという報告がございました。このような問題につきましては、その詳細な内容を早急に当省として検討する必要があると思っております。しかしながら、今回の問題といたしましては、安全確保に万全を期するという観点から見て、補足的といいますか、次善の策といいますか、そういう自動起動をさらに補完するという意味で手動で作動させるという意味でございますので、そういう処置は妥当なものと考えますし、さらに現在実施しております総点検の中で十分検討したいと考えております。この件につきましては、原子力安全委員会の方に、そういうことでやっておりますということについて御報告申し上げておりまして、いずれまたその点については御指示があるのではないかと思っております。
#35
○政府委員(牧村信之君) ウエスチングハウスのECCSの稼働に当たりましての条件に、従来の自動起動の方式に加えて、手動の方式を採用することのウエスチングハウス社から各ユーザーに対するリコメンデーション並びにNRCのそれに対する見解等も現在の段階で安全委員会は入手しておるところでございます。で、この問題につきましては、私からただいま安全委員会の見解を申し上げるわけにはまいりませんけれども、非常にこの加圧器の過渡的な状態における特殊な状態におけるECCSの稼働というふうな問題にある面ではしぼられるわけでございます。そういう点で、いま通産省からお話がございましたようなことも安全委員会としてはその報告を受けて、実は本日この問題につきまして午前午後にわたりまして、まず原子力研究所のこちらの方の研究者の方を午前中お呼びしましていろいろ事実関係を確認しつつ、午後の原子炉安全専門審査会の中に設けられましたスリーマイルアイランドの原子炉事故に対処するための特別部会でさらに専門家の意見を求めつつ安全委員会としてこの件につきまして判断をしたいというのが現状でございますので、その結論につきましてはまだ出ていないという状況でございます。
#36
○吉田正雄君 私はいまの通産の考え方には反対なんですよ。アメリカのいまのスリーマイルアイランドの事故もそうなんです。この憂慮する科学者同盟や、この憂慮する科学者同盟だけでなくて、さらにもう一つ原発を考える環境保護連合というペンシルベニア州の反原発運動グループがあるんです、ECNPですけれども、この団体でも、実は昨年来、この安全審査の再評価と、さらに同炉の危険評価が厳密になされないまま運転が認可されたことは法違反だということで、再審査の結果が出るまで運転中止という異議申し立てまでやっておるんですけれども、ちょうどいまの通産と同じ論法でもって、心配はないということでけられてきたわけです。ところが指摘どおりの事故が起きたでしょう。こうやって現に起きたんですよ。一体この責任はだれがとるかということなんですね。本当に皆さん安全だったら、立地条件も問題ないだろうし、防災計画も必要ないだろうし、避難計画も必要ないんですよ、本当に安全なら。ところが、現に起きてるんですから、安全には念には念を入れ、どんなに念を入れたって念の入れ過ぎということは絶対あり得ない。一体いまとめられない理由は何なのかということなんですよね。何でいまとめられないんですか。それだけ指摘をされているんですから、いまここでとめて徹底した再点検をやることが何で悪いんですか。それこそ本当に安全性を重視をするという立場じゃないんですかね。幾ら皆さんが口先で安全だ安全だ言ってみたって、国民は安全だなんて思っていませんよ、現に起きたんですから。そういう点で、このとめられない理由、とめて再点検できない理由は一体何なのかということと、それから防災計画、避難計画はできておりますか。もし事故が発生したら――いまあり得るんですからね。このNRCのスリーマイルアイランドのこの中間報告に対しても、アクシデントとは書いてないですよね。ここに書いてあるのはスリーマイルアイランドのインシデントと書いてあるわけでしょう。起こり得る、考え得る事故ということで書いてあるわけですよね。だからいつ起きるかもわからないんだ、あり得ると言っているんですよ、こういう事故というのは。あり得るとNRCが言っているのに、皆さんはあり得ない、あり得ないと言っているんですから、これほど危険な考え方はないでしょう。
 そういう点で、もう一回言いますが、何で運転を中止をして再点検ができないのかということと、それからもし事故が起きた場合、一体責任がどうなるのかということなんですよね。責任が負えますか。仮定の事実じゃないですよ、現にアメリカでは起きているんですからね。ということと、防災計画、避難計画はできておりますか。いや事故が起きないんだからそんなものは必要ないとおっしゃるんですか、どちらなんですか。
#37
○政府委員(児玉勝臣君) 今回のウエスチングハウス社の勧告と申しますのは、運転操作上についての注意事項でございますので、発電所をとめる必要はないと、こう考えております。
 それから事故の問題につきましては、これは法律の定めるところ、それからおのおのの職責において責任をとるということは当然であろうかと思います。
 それから災害対策につきましては、災害対策基本法に基づきましてその企業者の行う義務、それから地方公共団体が行う義務というのが定められておりまして、そういう点について応急対策がとられるということになっております。
 まあしかし、先生が御指摘になられておるのは、そういう計画が本当に自治体的にあって動くのかという御指摘であろうかと思いますが、そういう点についてはなお地方公共団体との実態に合わせての問題についての詰め、それから国としてのやはり各省庁間の連帯の詰めと、それから今回の米国の事故の実態との反省の詰めというようなことがまだ考えられておりますので、早急にその点について検討を進めたいと、こう考えております。
#38
○吉田正雄君 とにかくいまの答弁では納得できないんですけれども、まあそうやって皆さん方が言い張っておいでになるわけですから、これはしようがないと思うんですけれども、長官、事故が起きてからでは遅過ぎるんですよね。アメリカの場合にはあれだけ広大な地域なんです。あれだけ広大な地域で、あの原子力発電所の周辺の人口というものを考えた場合には日本とは比較にならないんですね。日本の場合にはきわめて稠密なんですよ。したがって、もしあの事故が起きたらこれはもう大変な事態になると思うんです。予想以上の私はパニック状況というものも出てくると思うんです。ところが防災計画なりいろんな意味での避難計画なりにしても、今日までほとんどそれは確立をされてきておらないし、訓練も行われてきておらないわけですよね。そういうことをやること自体が原子力、原子炉に対する国民の不安感もあおるんだという意味で、そういうものはできるだけつくらないできた、国民にまたそういう不出を与えないという、こういうことできたと思うんですけれども、現にこういう事故が起きたわけ広すね。そういう点で従来のような、ふたを閉めるというやり方というものは絶対許されないと思うんです。
 きょう時間がありませんので、実はこの防災計画等についてもいろいろ聞いておるんです。たとえばチャイナ・シンドロームというあの映画がありますけれども、ああいう事態というものが私は当然出てくるんじゃないかと思う。さらに細菌戦を想定しての、これも同じくテレビ映画でも私ちょっと見たんですけれども、軍隊でもって町を全部隔離してしまうという、最後にはその住民というものを全部軍隊が射殺をするという、そういうきわめて恐ろしい映画なんですよ。まあ日本ではそんなことは考えられないというふうにお考えになるかしりませんが、しかし現実に事故が起きた場合に住民を隔離するということは考えられないことじやないと思うんですね。また私が聞いているところでは、そのおそれというものがあり、そういう計画が具体的に検討されておるとも聞いておるんです。そういう点で私は大変なことになっていくんじゃないかというふうに思うんで、単に――最近こういうことが言われてますね、物理学者の間では原子力ばかという言葉が最近どうもはやってるらしいんですけれども、非常にちっちゃな狭いところの安全技術のことでもって首を突っ込んでおって、本当に原子力の持っている意味というものを知らない、そういう原子力ばかという言葉が最近大分はやっているらしいんですよ。そういう点で、私はいまの原子力行政のあり方を見ていますと、まさにそれを地でいっているような恐ろしさを感ずるんですけれども、そういう点で、やっぱり長官、これだけの事故が起きておるわけですから、当然国民に本当に責任を負うという立場からは、どんなに安全性に力を入れてもこれで十分だということはないと思うんですよね。そういう点では長官としては、いま問題になっておるんですから、この原子炉というのはとにかく一たんとめまして徹底したやっぱり点検というものをやる必要があるんじゃないか。それが電力の需給に私は最優先すると思うんですよ。この点についてのまず大臣の見解を聞かしてください。
#39
○国務大臣(金子岩三君) 御心配の点はよく理解できるところでございます。ただいまお尋ねになりました、いまの動いておる同型の一基ですか、それを直ちにとめて総点検すべきじゃないかという御指摘でございますが、そのことについてはいま、昨夜からきょうにかけてずっと安全委員会で検討を続けておるんじゃないでしょうか。大体きょういっぱいにはそういったことに対する安全委員会の一つの結論か見解が私は出てくると思います。やはり安全委員会の御意見を尊重して処置をすべきである、このように考えております。
#40
○吉田正雄君 安全委員会の答申なり考え方を尊重されるということはいいことだと思うんですよ。しかし安全委員会は安全委員会であると同時に、やっぱり科学技術庁というのは原子力行政の責任を負っている所管官庁ですし、科技庁長官というのは原子力委員長も兼ねておるわけですし、そういう点では、総理大臣が最高責任者でありますが、直接的な責任者としては、やっぱり科技庁長官だと私は思うんです、この安全行政に関してはですよ。そういう観点から、足を引っ張るんじゃなくて、原子力安全委員会の仮に答申をさらにより慎重にしたっていいんじゃないかという意味で私は申し上げているんですよ。だからどういう結論がきょうの安全委員会で出るかわかりませんが、私はさらにそれに輪をかけた慎重さ、安全を求めるという措置を政府としてとって決して悪いことではないんじゃないかという意味で申し上げているんでして、そういう観点から長官はどのようにお考えになりますかと、こう聞いているんですよ。尊重するなと言ってるんじゃないですよ。尊重、結構ですよ。尊重の上にさらに政府として、より慎重に安全行政に力を入れたらどうですかと、そういう観点から、私はやっぱり炉というものをとめて再点検をやったらどうですかと、こういうことを申し上げているんですよ。これがやはり本当に国民の不安を解消する唯一最善の道ではないか。現に運転をやり、いろんな学者の間にもまだ安全性に疑問があるという指摘もされている中で、それにこたえるためにも私はそういう道を選ぶのが一番いいんじゃないかと思っているんで申し上げているんですが、その点はどうなんですか、重ねてお聞きします。
#41
○国務大臣(金子岩三君) 御指摘の点は全く理解できます。いままでの原子力行政がこのたびの事故によって大変な打撃を受けることは――もう受けていることは事実でございますから、いま当面あと一基残っておる同型の原子炉をとめるかとめないかという問題に限って私にお尋ねになれば、これは私はやっぱり安全委員会の意見を尊重して結論を出したいと思うのでございますが、いまの御指摘をされて強調されておる、念には念を入れろ、安全委員会の結論にもっと輪をかけて慎重に原子力行政をやるべきじゃないかというような御指摘ですから、私はその点は同感であります。よく御意見を尊重して取り組んでいきたいと思います。
#42
○吉田正雄君 その点、ぜひそういう方向で対処していただきたいと思うんです。
 それで、実はつけ加えていまの事故に関連をして、これもけさの新聞報道ですから真相ははっきりいたしませんが、きのう、土光経団連会長が総理と科技庁長官を別個に訪ねて、そして今回の事故に関連をして、国産技術というものをこれから尊重していくべきだというふうな見地から、今後の原子力開発の進め方について、CANDU炉の導入等、そういう回りくどいことはやめて、直接的に軽水炉から高速増殖炉に結びつけるべきではないかという申し入れがなされて、これについては科技庁長官も同感であるというふうな、同意をされたというふうな記事が載っておるわけですけれども、CANDU炉の導入をめぐっては、これはもうここ二、三年来、御承知のように通産と科技庁との間で必ずしも意見の一致しなかった問題なんでして、この委員会でもこの問題、若干取り上げてきたわけですけれども、これはきのうの経団連会長との中ではそういうことが話し合われたと思いますが、どういう内容だったんですか。同席された人はどういう方たちで、経団連側からはどういう人たちで、それから科技庁側からはどなたで、それから総理との場合には、私は通産側からだれか同席されたかどうかわかりませんが、その辺は通産側から、わかっておったら、同席者はだれで、どういう話が行われたのか、時間がありませんから簡単に答えていただきたいと思います。
 それからCANDU炉の導入をめぐっては、つい先般も答申といいますか、あれは何懇談会でしたかの中では、否定も肯定もしないという、両方の顔を立てたような内容になっておったと思うんですが、そうではなくて、今回は新聞報道のように、明確にCANDU炉というものについてはこれはもう考えないということなのかどうなのか。その辺も答えられたらひとつ答えていただきたいと思うんです。
#43
○政府委員(山野正登君) まず先生御指摘の第一点、自主技術の重要性という点につきましては、これは原子力基本法にも示されておるところでございまして、私ども常日ごろから最も力点を置いている点でございます。
 また、今般のCANDU炉の導入問題につきましても、自主技術の重要性というものは絶えず検討の一つの大きな要素として頭に置きながら新型動力炉開発懇談会におきましても検討されてきておると思いますし、また現在原子力委員会で本件を検討中でございますが、その際にもその点を十分に顧慮しておられるというふうに考えております。
 昨日の件でございますが、これは土光経団連会長が官邸のお帰りの途中と存じますが、わが方の大臣室にお越しになりまして、ただいま御指摘の自主技術の重要性等、あるいはまたこれに関連しましてCANDU炉の導入問題等につきまして大臣と御懇談になったということがございますが、その際は私が同席をいたしておりました。
 この経団連土光会長の御意向といったふうなものも十分に原子力委員会の場に反映いたしまして、今後原子力委員会がCANDU炉の扱いというものにつきまして慎重に審議をして返答を出すと、このような運びになろうかと考えております。
#44
○吉田正雄君 通産の方は首相とのあれはわかりませんか。
#45
○政府委員(児玉勝臣君) 土光会長が総理にお会いになったときに通産省の者が立ち会ったかどうか私存じ上げません。
#46
○吉田正雄君 わからなければ仕方がないんですが、通産としてはいまでもCANDU炉の導入については今後も推進をするという考え方ですか。
#47
○政府委員(児玉勝臣君) CANDU炉の取り扱いにつきましては、原子力委員会の御意向待ちということでございます。
#48
○吉田正雄君 時間がなくなってまいりましたので、実は先ほど長々と説明をいただいた原子炉の事故原因と経過について、これから時間の許す限りお聞きをしてまいりたいと思うんです。
 その前に、実はアメリカの原子力発電所における異常事象というものについて皆さんいろんな言い方されます、アクシデントだ、いやトラブルだ、いろんな言い方がありますが、簡単に言って故障でいいと思いますね。その中には事故と言っていいものも相当あると思うんですけれども、それについてNRCの方から発表されておりますが、これらの内容ですね、これは正式にNRCの方から発表になっておるわけですからつかんでおいでになると思うんですが、この点について皆さん方が主張されてきた炉型の違いであるとか、メーカーの違いというふうなことを前にもおっしゃっておったんですが、私は炉型の違いであるとか、あるいはメーカーの違いというふうなものにはもう関係なく異常事象、故障というものが多発をしておるという点をまず指摘をしたいと思うんですが、この点について皆さん方、つい最近のNRCの発表されたBWRあるいはPWRのこの異常事象についての資料というものはお持ちだろうと思うんですけれども、これはお持ちですね。
#49
○政府委員(牧村信之君) ただいま手元に私は持ってきておりません。ただし、情報につきましては、日米間におきます規制情報交換の取り決め等によりまして随時米国の事情が入ってきておるところでございます。
#50
○吉田正雄君 私のところにもある程度の資料はありますが、皆さん方のところにも入っているはずなんですよ。入っているはずですから、その資料については改めて提出をしていただきたいと思うんですが、よろしゅうございますか。――毎年NRCの方からは原子炉の異常事象について報告が各電力会社からの報告に基づいて取りまとめられて、これが発表になっておるわけですよ。ですから、ここ最近の二、三年の資料というものを整理をして提出をしていただきたいということなんですが、それはよろしゅうございますか。
#51
○政府委員(牧村信之君) アメリカではいろいろNRCで要約したもの、リスト等も別のルートでもわれわれ入手してございますので、まとめたものをお出しいたしたいと思います。
#52
○吉田正雄君 私はそこでいま簡単に指摘をしておきたいと思うんですけれども、たとえば一九七六年におけるBWRあるいはPWRの異常事象というものを見ますというと、BWRの場合、三十五の発電所からの報告では千二百五十三件あるんですね。それからPWRの場合ですと六十三の発電所から千二百六十四件という報告がなされておるわけです。つまりBWRもPWRもほとんど件数はほぼ同様であるということで、どちらの炉が多いのか少ないのか、この前の皆さん方の説明ですと、日本の場合には沸騰水型のものが多いのでこちらは加圧水型に対して事故は少ないんだというふうな、故障は少ないというふうな言い方も若干皆さんはされておるようなんですけれども、実はPWRの異常事象の傾向というものとBWRを比較した場合にはほぼ同様なんですけれども、件数から言いますと異常事象の頻度というものはBWRがPWRの約一・五倍になっておるということでして、したがって沸騰水型の方が異常事象というものはPWRに対して少ないという考え方は、実際のこの報告の中からはそれは逆であるということがはっきり言えるわけです。
 それからメーカーの違いということを盛んに言われておりますけれども、これも七六年のこの報告を見ますというと、いま事故を起こしましたB&W社のスリーマイルアイランドの1号機の場合には運転年数二・五年で四十三件になっているわけですね。ところがウエスチングハウス社の例のミシガン州にありますクック1号機の場合は運転年数一・九年で六十四件ということですから、ウエスチングハウス社の方が事故は少ないんじゃないか、故障は少ないんじゃないかという皆さん方のメーカーによる違いというのは、むしろウエスチングハウス社のこの方の件数が多いということで、一基ずつの比較ではこれはどうということも言えませんけれども、とにかくこれはNRCの一定の基準をパスをしてつくられたものであるだけに、ちょうどさっき日産とトヨタどちらが事故が多いか、故障が多いかなんというのは余り比較にならぬと、メーカーの違いなんというのは余り問題にならぬとということを申し上げたように、私はメーカーの違いというのはそう故障そのものに影響は与えていないというのがこの統計上はっきりいたしておると思うんです。
 それから、このBWRもPWRの場合も系統別異常事象というものを見ますと、どちらの場合も原子炉保護系とか主冷却系あるいは給水系とかですね、そういうふうなものに集中をいたしておるということが言えるわけですし、さらに、原因別分類というところを見ましても、固有の故障あるいは設計のミス、保守のミス、管理ミスというふうなものが上位を占めているんですね。これはどちらの場合もですね。したがって、これだけ多数の異常事象というものがNRCによって発表されておるわけですから、事故はあり得ないとか、私は通産当局や科技庁当局のそういう考え方というのは非常に甘いんじゃないかというふうに思うわけです。
 そしてさらに、ここから出てくるのは新しいプラントほど故障が少ないのかというとそうではなくて、新しい場合でも出力が大きいものほど非常に故障の数が多いということなんですね。これらを考えますと、新旧とかということでなくて、やはりいま原因別でも述べましたように、固有の故障あるいは設計のミスというものが非常にパーセンテージが多いわけですけれども、まだまだ原子炉というものは研究段階にあるものであって完成されたものじゃない、いつ故障さらに故障から事故へつながっていくかわからないという、まだまだ研究段階だということがNRCの異常事象取りまとめのこの報告書を見ても明らかなんですね。そういう点で先ほど来皆さん方が繰り返されております安全だ安全だという何ら根拠のない、国民を納得させ得ない抽象的な安全性、信頼性の強調というものは、ますます国民というものを不安に駆り立てていく結果になるんじゃないか。国民を不安に駆り立てるというよりも、そういう姿勢の中からは本当に安全性を確保するそういう方途というものが見出し得ないんじゃないか。とにかくその場を糊塗していく、メンツにかけても何が何でもこの開発というものを強行していくという、そちらの方へ走る危険性というものを私は感じてならないわけです。そういう点でこのアメリカの異常事象の報告というものについて、もう少し皆さん方の方でも検討されて今後の行政にぜひ生かしていただきたいと思うんです。
 そこで、だんだん時間がなくなってきたんですが、具体的に入りたいと思うんですが、時間がありませんから次回また二十五日、二十七日の委員会で、それまでには皆さん方の方もさらにより詳細な資料というものが入手をされると思いますので、それらも含めて真相の究明、原因の究明にやっぱり全力を挙げていく必要があるんじゃないかというふうに思っておるわけです。
 そこでまあ時間が来るまでちょっとお尋ねをいたしますけれども、皆さん方からいただいた「原子力発電所の事故について」というこの中に説明があるわけですね。これを順を追ってお聞きをしてまいりたいと思うんですけれども、(1)の「三月二十八日午前四時頃、二次給水系のトラブルにより、蒸気発生器に二次冷却水を送る主給水ポンプが停止し、タービンが停止」をした、こういうふうになっておるわけですね。この二次給水系のトラブル、これは原産の原因の中では、二次給水系のトラブルということで、「空気溝内の水蒸気が原因で空気作動弁が故障」したんだと、それによって蒸気発生器に二次冷却水を送る主給水ポンプが停止してタービンが停止したと、こういうふうになっているんですけれども、一体この二次給水系のトラブルというのは何を指しておるんですか。それから主給水ポンプが停止をした、何で停止をしたのか、その原因は何ですか。まずそれをお聞かせ願いたいと思います。
#53
○政府委員(児玉勝臣君) 一次給水系のトラブルの原因でございますけれども、これについてはいまのところまだ定かでございません。ただいま先生おっしゃいますように、空気制御系のトラブルによりまして、その空気弁が閉まったという説もございます。その辺はいまのところ明らかでございません。
 それから二次給水ポンプの、主給水ポンプでございますけれども、これの停止の原因もはっきりわかっておりません。ただ、日本の場合ですと流量がなくなってまいります。後ろの弁がとまりましたんで、流量「低」ということで自動停止することは十分考えられると思っております。
#54
○吉田正雄君 次に、自動的に作動するはずの補助給水系がなぜ作動しなかったのかどうかですね。それを聞かせてください。
#55
○政府委員(児玉勝臣君) このNRCの発表によりますと、補助給水系統は二系統ともバルブが閉められていたというふうな発表がございます。そうしてその補足としまして、定期点検時にそのポンプの点検をしたときに閉めたそのままにしてあったのではないかというように聞いております。
#56
○吉田正雄君 よく共倒れ事故とかあるいは共通要因現象というふうなことが言われると思うんですけれども、さっきもちょっと話が出たと思うんですが、「蒸気発生器の二次側の水が乾き切ったため蒸気の流れがなくなり、タービンが停止した。」と、これは原産会議の方のあれには書いてあるんですがね、そうしてこの現象は正常なんですね、タービン停止の直接的な原因、ここまでの説明はわかるんですよ。「蒸気発生器の二次側の水が乾ききったため蒸気の流れがなくなり、タービンが停止した。」、これは当然なんですね、この現象は正常なんです、これはあたりまえな話なんですよ。その場合、蒸気発生器内の圧力と温度というのは普通はどうなっておるんですか、ちょっと言っている意味わかりませんですが。
#57
○政府委員(児玉勝臣君) 二次系の給水がとまりまして、二次系の冷却がなくなるということになりますと、温度は高くなりまして蒸気になり、水位が低下してしまうという状況になるわけです。
#58
○吉田正雄君 それでいまの点に関連してですけど、二次冷却水の完全停止というこの重大な事態というのは、予備も含めた主冷却ポンプ及び補助ポンプのすべての作動を不能にしたいわゆる共倒れ故障なんですね、これによって発生したと考えられるわけですよ。もし、それが伝えられるような空気作動弁の故障だとすると、これはめったに起こり得ない故障だということは言えないわけですね。常に起こり得る可能性というものがあるわけですよね、それは。その点についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#59
○政府委員(児玉勝臣君) 空気制御系の事故というのはフィルターなどの不良によりましては起こり得る事故であろうかと思います。しかしながら、その空気弁の操作の一つの仕組みといたしまして、二次給水系の給水ポンプの弁が閉まりますと、補助給水系の空気弁は現状維持という信号を出すようになっております。したがいまして、弁はそのままの状態におく。それで運転開始のときには弁を開くということになっておりますので、この補助給水系の方の空気弁は開いたままの状態になります。それから補助給水系の電動弁につきましては、先ほど申し上げましたようにモーターが回転してポンプに圧力が出るとともに弁も電動で開きますので、補助給水ポンプ系といたしましては空気弁で動きますタービンポンプも、それからモーターで注入いたしますときの電磁弁もともに機能ができるというふうに日本の場合にはなっております。
#60
○吉田正雄君 すぐ日本の場合にはなっていると言って、日本の場合は果たしてそうなるかどうか、事故が、故障が起きてみなけりゃわからないのです。
 そこでお尋ねしますけれども、この二番目のところで、「加圧器の圧力逃がし弁が開き、また、原子炉も停止。」とあるのですけれども、これは二番目というのは私順序としては三番目と入れかわると思うのですけれども、この加圧器の逃がし弁が開いたままで閉じなかったことについて、一連の経過の中で重要な故障というふうに発表されているのですけれども、しかし逃がし弁の不動作というのは、これまでの運転経験からも百回の開閉当たり一回程度は起こるとされておるものなんですね。だから決して珍しい故障じゃないのです。こういうことは確率論からいったって、いま言ったように百回に一回くらい起こる可能性というのはあるのですよ。だから、その故障から事故に連なっていくという危険性というのは常に存在しているわけです。だから決して珍しい故障じゃないのだということを、この点をきちんと踏まえておく必要があると思いますし、また逃がし弁が閉じなかったことがその後の事態を重大にした主要原因というふうには考えられないのですよ。逃がし弁は後になってまた作動するわけですけれども、それまで作動しなかったというのは作動しないだけの圧力というものがそこにあったから元へ戻らない、開きっ放しになる状態だったからそれは閉じなかったということなんであって、そのもの自体が重大な事態を起こした主要な原因というふうには私は考えられないというふうに思うのですが、その点はどうなんでしょうか。
#61
○政府委員(児玉勝臣君) 逃がし弁が開きますと、これは炉の中の圧力がすぐに下がります。そういう意味で、またその後の状況を見ましても、炉の中の圧力は運転圧力より相当下がったという状況も見られますので、逃がし弁の規定圧力以上のものが噴出し続けたというのはちょっと理解しがたい点がございます。
 それから加圧器の逃がし弁が、これは隔離されたというのが二時間二十分後ということになっておりますけれども、これも元弁を恐らく閉めたのではないかということで、元弁、これは電磁元弁でございますが、それを閉めるチャンスというのはこれは当初からあったのではないかと私たちは想像しております。
#62
○吉田正雄君 時間がありませんから次回に譲りますが、もうちょっと……。
 きょういただいた「原子力発電所の事故について」というこの資料ですけれども、「事故経過の概要」となって非常にここに簡単に書いてあるのですよ。経過と原因らしきものというものがごっちゃになってここに書かれておりますけれども、この書き方というのはまさに頭初に書いてあるように、詳細な情報というものが入ってないからいずれ修正されますと書いてありますように、これを見たのではちょっとよくわからないのですよ。むしろ詳しく書いてあるのが、この原子力産業新聞の四月五日の九百七十一号、ここのところに経過と原因というのが皆さんからいただいた資料よりもこちらの方が詳しく書いてあるのです。したがって、もう少しわかりがいいような資料というものをつくって出していただきたいと思うのです。それに基づいて質問をしたいと思うのです。おたくの方からいただいた資料では言っている意味がちょっとわからぬ部分もありまして、これは質問がちょっとできにくい部分があるのですよね。原産会議の方の新聞ですと、ここではこの点はどうなのかということが質問できますし、それからここの点が不明だとか、いろいろわかるわけなんですよね。そういう点でもうちょっと整理をしたものを出していただきたいと思うのです。それによってさらに質問を続けていきたいというふうに思っております。
 それからもう一つ、私はこれは直接聞いたんですけれども、いまアメリカのNRCがこの事故についてどの程度本当の資料というものを公表するかについてはどうも疑問があるという現地の学者からのあれも私ども聞いております。そういうことで国会から調査団を出すというのも非常に意義があるんじゃないかというふうに思っておりますが、私は特にここで要望しておきたいのは、事故の真相とか原因の究明、原因についてはこれはもう隠すことなく国民の前に明らかにすべきである。つまり当委員会に隠さないで全部出していただきたいというふうに思うのです。何でそういうことをくどく申し上げるかといいますと、実は放射能の問題についても当局が発表した中では非常に落とされている部分もあるのですよね。たとえば民間防衛当局が一時間当たり千二百ミリレムの放出があったというふうなことが報告されているんですけれども、そういうものがいつのまにか途中で消えてなくなっているというふうなことがあるわけですね。そして、このほかに川を通じてたまった汚染水というものを希釈して流しておるということが言われているわけです。ですから、この批判家の科学者は政府は情報を隠しているというふうに批判をしておりまして、汚染した土地と水は依然としてハリスバーグと、それから川の下流チェサピーク湾までの地域の住民に非常な危険をもたらしているというふうに言っているわけです。これはK・Z・モーガンがそういうことを言っているわけですよ。さらにスタングラスによりますというと、政府がいま出している数値は少な過ぎる。四分の一の燃料棒が破損あるいは溶融をしている状況の中では相当の汚染になるはずであって、今後がんの発生等非常に重大な影響というものが今後出てくるであろう、こういうことを言っているわけですね。そういう点で、私は政府としては本当につかんだものを――都合の悪いところを隠す、どうも今後の原子力開発にとってマイナスになると思われるような、そういう資料はどうしてもとかく隠しがちなものなんですが、そうでなくて全部ここへ出していただきたいということと、それから審議との関係なんですけれども、たとえば二十五日にやるというふうな場合、こちらの資料請求がおくれる場合、あるいはそういう資料があったということを気がつかない場合もあるんですけれども、前日や二日ぐらい前にいただいても、それを十分検討してこの場でもって審議をしていくというには時間的に不足をするわけですね。そんなこともありますから、少なくとも皆さん方の方で記者クラブに接せられるような態度でわれわれにも接していただきたい。一々資料請求をしなけりゃ出さない。何回も私は言っているんですけれども、言ってもなかなか時間がかかる。その他の省庁と比較をした場合にははっきり言って一番遅いのが科技庁です。これも大臣にはこの前も言ったんですよね。一番遅いですよ。親切なところは、こういう資料がありますと言って持ってきてくれます、こちらから請求しなくても関連委員会の資料は。ああそうか、こういう資料があるのかと言って私どもは気がつくんですよ。ところが科技庁の場合には、われわれの方から一々こういう資料ということを言わないといただけないということですので、もう少し親切にしていただきたいという要望を申し上げて、私のきょうの質問を終わります。
#63
○委員長(塩出啓典君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩をいたします。
   午後零時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十一分開会
#64
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○藤原房雄君 午前中も同僚委員からいろいろお話がございましたが、私もこの規制法に入る前に、今回起きましたアメリカにおきまするスリーマイル島原発事故につきまして二、三の問題についてただしたいと思います。
 最初に、午前中にも指摘があったのですが、間もなくといいますか、わずかな時間ですが、後から参るようでございますけれども、原子力安全委員会の委員長のこの発言というのは非常に大きな意味を持つことだと思います。一つは、住民に不安を与えないという、不安感を除去するといいますか、不安を与えないような一面の考え方と、それから事実は事実として明確にしなきゃならないという、この二面性がありまして、それをどう判断するかというのは非常にむずかしいことだろうと思います。今日までは、この原子力問題につきましては、どちらかと言うと、その事柄の性質上、実態といいますか、こういう事故等の場合にはいろいろ正確な報道がなされないといいますか、電力会社で事故があってもその報告が非常におくれておるということがしばしば指摘されておりまして、これは会社の報告がおくれたということは怠慢ということなのか、また事故の問題にもよるんですけれども、しかし、あらゆる事故につきまして正確に報告を受ける、また事故のあったことについてはそれぞれの関係のところにやはりきちっと正確に報道する、そして安全を主張する以前に、やはり事実は事実として正確に報道されているんだということの信頼性ということの方が非常に重要だろうと私は思うんです。これは私も長く災害対策の方をやっておりましたが、災害対策にいたしましても、正確な情報のないために多くの人たちが非常に戸惑いを起こしておる。それは長良川のときにもやはり住民には非常な不安を与えたということと、また今度の大震災対策という、大きな震災の場合にはどうするかということについてもこの情報のあり方等については多くの論議を呼んだところであります。確かに真実をそのまま伝えて実際そういう当事者でもない方々の不安をかき立てるようなあり方ではならないだろうと思いますけれども、しかし事の性質上、それは的確な指示を出さなきやならない場合もあるだろうと思います。こういういろんな非常にむずかしい問題であることは事実だと思いますけれども、このたびの原子力安全委員長の談話というのは、私ども三十日ですか委員会がありましたときも、NRCの正確な情報が入らない今日では事実についてはほんのわずかしか知り得ない、そういう中では私どもの質疑というものは十分なものができないのではないか、いろいろな報道はありますけれども、この報道をそのままにうのみするということはできないということで、十三日の委員会には相当な情報もキャッチできるだろうと、こういうことであったわけですが、当委員会においてそのような慎重な態度であったにもかかわらず三十日の口に談話を発表ということで、これは意図といいますか、そこらあたりはたださなきやならないだろうと思うんですけれども、こういうことについてはもう少し慎重な配慮がなければならないと思うんです。私ども当委員会として、この問題について真剣に討議するわれわれにさえも、NRCの正確な情報によらなければと、こう言っている段階で、事故原因を初めといたしまして諸問題についての明確な情報の入手がない段階ではと、こう言っておる一方で原子力安全委員長のこういう発言というのは非常に私はこれは問題だろうと思うんです。こういうことについて、午前中もちょっとお話ありましたんですが、私もやっぱりこれは指摘せざるを得ないことでございまして、科技庁としては、これは大臣を初め、こういう問題については、今後こんなことが起こり得てはならぬだろうと思いますけれども、今回のこの問題についてはどう考えていらっしゃるかということと、また今後のこういう国内での事故――こんなことは望ましいことでは決してありませんけれども、たとえば大きな事故でないといたしましても事故が起きたことについて、また外国におきまする問題につきましても、安心感を与えようという意図がかえって疑義を深めるという逆効果になるようなことにつきましてはもっと慎重でなければならぬ、こういうことについて、今回のこの談話と今後に対しての対処といいますか、こういう問題について大臣及び局長さん、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、まずその点をお伺いしたいと思います。
#66
○政府委員(牧村信之君) ただいまの御指摘でございますが、安全委員会の委員長が三十日に早々とこういうことを出すのは不適切でなかったかという御指摘でございますが、安全委員会といたしましては、アメリカの事故が起きました際、この問題につきましてはわが国に与える影響というのは非常に大きなものがあるであろう、また日本の安全規制を考える上でも非常に重大な問題ととらまえてその対処をいろいろ検討をしてきたわけでございます。
 そこで、この談話を出すに至りました安全委員会の先生方のお考えとしては、日本の発電所の安全規制というのは日本で行う、自信を持って行うということがきわめて大事であるというお考えのもとに、このような事故が発生いたしました点につきまして、科学技術的に可能な限り速やかにその時点における考え方を発表していくことが安全委員会の姿勢を示す非常に重要な責任であろうというふうなお考えのもとに、いろいろと御指摘がございましたけれども、その当時までに得られておりましたデータ、特にアメリカ原子力委員会からの情報をもとにいたしまして、このような事故の形というのはそのときすでに――いまでも変わりはないわけでございますけれども、二次系の給水ポンプが停止いたしまして、しかも当然タービンが停止し原子炉がスクラムされまして、その上、補助系の給水系が働かなかったというようなことを契機にいたしまして事故が一次系の方に及んでいったという事故の態様につきましてはほぼ明らかになっておったわけでございます。しからば日本の現在稼働しておる原子炉あるいは定検中の原子炉ももちろんでございますけれども、日本の原子炉でこういうような、最初のトラブルがアメリカで伝えられるような事故につながるものであろうかということを非常に心配したわけでございます。そこで、いろいろと議論し、通産省等におきます検査あるいは電力会社における検査、あるいは運転マニュアルというものを詳細に再チェックいたしまして、日本ではこういう事象というものがアメリカのような大きな事故につながることはまずあり得ないという自信を持った実態を踏まえまして、しかしこの原子炉事故は今後の日本の安全確保のためにきわめて重要な教訓になるということも踏まえつつ、いま何をすべきかということを早急に行政庁に指示すべきであるということを非常に強く意識されまして、わが国の原子力発電につきましていろいろな検査を十分に実施させるほか、この事故が人為的なミスも相当重なっておるということでございましたので、徹底的に保安規定であるとか運転要領、運転中の監視の実施あるいは教育訓練というものをさらに充実させる必要があるということをまず指摘したところでございます。
 また、この事故の最終的な結論は、結論が出ますのは非常に長くなるかもしれませんけれども、できるだけその経過におけるデータも的確に把握して、それに対して日本の規制業務に反映するところをできるだけ適確にやっていきたいということで、早々と審議する機関の設置の決定を行うとともに、アメリカへ専門家を派遣してそのデータの入手を早くするという方針を打ち出したところでございまして、世間的にいろいろ早々と安全宣言をしたといわれておるところではございますけれども、安全委員会の真意はむしろ積極的にこの教訓を生かそうではないかと、しかし日本の現状というものも踏まえてこの教訓を生かしていくという姿勢をお出しいただいたと考えておるところでございます。
 ただいま先生からのその他の事故に対するいろいろな今後の考え方につきましては、先生御指摘のとおりであろうかと思います。私どもは、こういう事故、あるいはこのような大きな事故でなくても適確に電気事業者等から報告を受けまして、報告を受けるだけではなくて、その起きた時点で確実にその対策を立てて、一歩一歩安全の確保のより充実を図っていくというふうな姿勢で臨んでいくべきだと思いますし、安全委員会の考え方もまさにそういうことにあろうかと考えておるところでございます。
#67
○藤原房雄君 一歩一歩安全を確認していくということは、これは当然なことですが、今回こういう事故が起きたということで、事故に対処して臨機応変の処置がとられなければならない、そういう中でのことでありますから、常日ごろ心がけなければならないということと、こういう突発事故が起きたときにはどう対処するかということとは、これは別に考えなければならないことだと思うんです。三十日の段階ではまだこの二項目にありますように、「本事故は二次系給水ポンプ一台停止、タービン停止を発端として生じた事故と判断されるが、」云々とありますが、その後いろんな人為的なこと等も含めまして考えられるいろんなことが発表になっているわけでありますし、また昨日ですか、NRCからも加圧水型炉については見直さなければならない、水圧計とか圧力計、そういうものにも問題があるのじゃないかということも含めて、電力会社にはそれに対しての勧告がなされているようでありますが、しかし科技庁といたしましてもこういうことがNRCから出た以上はやっぱりこれは慎重に――慎重といいますか、最大の問題としてとらまえなければならないのじゃないかと思います。午前中もいろんなお話ございましたけれども、日本は諸外国よりも非常に厳重な安全審査、また使用前の検査とか定期検査とかこういうものをやっておるという、先ほどいろいろ通産省の方も強調なさっておりましたが、しかしアメリカの原子力規制委員会で、たとえウエスチングハウスの作ったものといえども非常に問題があるんだという指摘があった以上は、これはやはり科技庁としてはこれは重大なこととして受けとめていただいて、そうした上で対処というものは考えなければならぬと思いますが、いずれにしましても、何かあったらすぐとめてしまえということだけを私は強調するわけじゃないんですけれども、事柄の性質上、やはりこれは早急な対処が必要ではないか。きょうの委員会においてはそこらあたりのことがいろんな論議がなされているんだと思いますけれども、科技庁としては、こういうNRCからの報告もこれありで、この加圧水型については停止をして検査をしたいと思うけれどもどうかと、この委員会の方に判断をゆだねるというような、こういう積極的な姿勢が私はあっていいんじゃないかと思うんです。何か向こうの方から来るのを待っているみたいなんで非常に消極的だというふうに私は考えざるを得ないんですが、どうですか。
#68
○政府委員(牧村信之君) 先ほども御答弁申し上げましたが、今回の事故に関連いたしまして安全委員会は科学技術庁並びに通産省に対して現在運転中あるいは定検中のすべての原子炉の再点検を命じておるところでございます。現在その総点検をやっておるわけでございますが、アメリカのNRCにおきましても先般来事故を起こしました同じ型式のB&W社の原子炉について総点検を指示しております。その中に主要な数カ所の今回の事故原因になりました点につきましても指示をしておるところでございますが、その指示を見ますと、幸いすでに日本では十分対策が整えられておるものが大部分でございます。日本の場合におきましては今回の事故を非常に重大な教訓と受けとめて、それ以上の万全を期するためにいま科学技術庁並びに通産省が総点検を実施しておるという段階にある次第でございます。
 で、先生御指摘のウエスチングハウスの加圧器の水位計に関連いたしましてのECCSの手動の問題でございますが、現在の考え方は、原理的にはECCSが原子炉圧力の圧力「低」並びに水位の「低」を、一定の「低」を示しますと自動的に働く仕組みになっておるわけでございます。今回のスリーマイルアイランドの原子炉事故の経緯におきまして、ECCSは順調に作動したわけでございますが、圧力逃がし弁が開きっ放しになってしまったために、その間の原子炉の運転が非常に不安定になっておるときに、水位計が非常に乱れた値を、むしろ実際の水位よりも高い値を示す現象があらわれたわけでございます。NRCの今回の指示と申しますのは、そういうような圧力計の加圧器におきますそういうような過渡期の現象において、場合によってはECCSの作動が的確に行われないおそれがある、的確に行われないというのは、ある時間のおくれでしか操作できない、ある程度時間おくれが生じるということを意味しておりまして、そのバックアップに、ある特定の事象が原子炉運転に起きたときに手動をバックアップシステムとして考えたらいいんではないかという提案だと解釈しておるわけでございます。
 これにつきましては、通産省におきましてもこの問題について検討をしておるわけでございますが、私ども安全委員会の事務局としても、この問題がスリーマイルアイランドのケースにおいて、原子炉の運転の過渡期に出てきたことにつきましてはかねてから着目しておりまして、その検討を依頼しておったところがNRC並びにウエスチングハウスの発表があったわけでございまして、早急にその対応をする必要があるということで、昨日来安全委員会で集中的にこの問題を議論しておるところでございます。その過程におきましては、通産当局の現在の技術的な考え方も伺っておりますが、本日専門家の意見を聴取しつつ、午後には安全専門審査会に設けました対策特別部会において専門家の間でなお御議論をいただいて慎重に結論を出そうという御方針で安全委員会が審議されておるわけでございます。したがいまして安全委員会の審議はきわめて技術的に判断する審議に志向しておりますので、先生の御指摘ではございますけれども、行政庁が意図的にそれをリードするようなことをすることはいかがなものかと思うわけでございますし、私、事務局員の一員としましては、できるだけ専門家の御審議の結果を安全委員会が取りまとめられまして、その結論に従って行政庁がその対応をしていただくというのが、いま考えられる一番いい方法ではないかというふうに考えておるところでございます。
#69
○藤原房雄君 機械的なといいますか、今回の事故の中で考えなければならないことは、人為的な面、こういうことも非常に大きな要因になっているわけでありますが、いままで日本の原子力発電所でもそれぞれ事故はいろいろな形で起きておるわけですが、この事故を見ますと、やっぱり誤操作とか誤作動とか、こういうことによる事故というのは、相当という言葉は当たらないかもしれませんが、やっぱりあるわけですね。五十二年の十二月、関西電力の高浜発電所2号炉で制御用電源回路の誤操作により原子炉停止、それから五十三年二月、日本原子力発電敦賀発電所で原子炉圧力検出器の誤作動により原子炉が停止という、ちょっと見たところでこういうものがあります。そのほかずっと前の方から調べますと大分あるわけですが、機械的な設計上の問題ということも、これは非常に重要な問題として私どもも見なきゃならぬと思いますが、非常に専門的なことになりますと、そこまでの十分な知識がなければ私ども云々することはできないのかもしれませんが、この誤操作とか誤作動とかという問題については、これは内容的にやっぱり厳しく究明されなければならないことだろうと思います。いま申し上げたこの二点については、どういうことであったのか、そしてまたどういう対処をしたのか、その間のことについて御説明をいただきたいと思います。いま申し上げた五十二年の高浜の、それから五十三年の敦賀の誤作動ですね。
#70
○説明員(逢坂国一君) 資料が手元にございませんので細かい点はわからないのでございますが、記憶でお答えいたしますと、一つは関西電力の例でございますが、これは1号と2号がございまして、それで1号の電源回路だったと思いますが、一台がとまっておりまして、その電源の操作をする場合に、誤って隣の方のパネルの方を切ったということで、そのために停止したという例でございます。
 それから敦賀発電所の原子炉の停止でございますが、これは作業の足場の関係の取り外しのパイプなどを運んでおりましたときに圧力管の関係の回路にぶつけたということで振動を起こしまして、そのために誤動作をして停止したというようなことでございます。詳しくはちょっと手元にございませんので、この程度で御説明とさせていただきます。
#71
○藤原房雄君 事前に申し上げなかったのであれですが、いずれにしましてもこういうことが、これは大きな事故につながらずに、すぐその場で原子炉が停止ということで終わっているわけでありますが、こういうのが幾つか重なりますと、このたびのような大きな事故につながらないとは言えないだろうと思います。
 そういう点で、私の言いたいのは、非常に原子力発電の安全ということを強調していらっしゃる反面では、こういう初歩的といいますか、人為的な事故も決して皆無ではないということでして、こういう問題については、ひとつ十分な対処をしなければならないだろう。やっぱり先ほど局長のお話にもございましたが、運転員の訓練といいますか、いろんな情勢の中で的確な判断をする、そういう有能な方がいらっしゃらないと、どうしても一つ二つの誤った操作が大きな事故につながる可能性が出てくるのではないか、こう思うんです。そういうことから、発電所の監視体制といいますか、それぞれの発電所にはまあ専門家の方々がいらっしゃるんだろうと思いますけれども、何人で、何直で、どうなっているかという、そういう中でやっぱりこういう主要部分について責任ある人がきちっと――ここらあたりについてはアメリカでも今度は専門官を派遣するようにするとか、いろんな論議があるようですけれども、わが国におきましても決して見過ごしにはできない重大な問題だろうと私は思いますが、こういうことに対しての一人一人の訓練ということも大事でしょうけれども、その運転期間中のそこに携わる中で、そういう的確な判断をもって処置をする、そういうきちっとした体制というものが確立されなければ、日本でも決して対岸の火として見ていることはできないだろうと思うんですが、どうですか。
#72
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいますように、運転員の保安に対するウエートの大きさというのは先生御指摘のとおりだと思います。幾らりっぱな設備がありましてもそれを取り扱う運転体制、管理体制が十分でございませんといろいろトラブルが生ずることはおっしゃるとおりであります。わが国におきましてもただいま総点検の一環として保安規定の内容につきまして見直しをしておりますが、その保安規定の中におきましてその運転体制並びに運転員の教育という問題について再検討しておりますので、まあそういう中で十分な検討をするつもりでございます。
#73
○藤原房雄君 要するに、まあこれをいろんな角度から検討しなきゃならぬと思いますが、吉田委員も言っておりましたように、私どもにもまだ判断する資料が十分でないという面もございますし、そういう点で個々の問題についてはまた後日聞きたいと思いますが、まあ何といっても現在わかり得る範囲内で科技庁がどういう対策を講じたかという、とにかく現状として把握した範囲内で最大限これだけはしなきゃならぬ、こういう対処をしなければならないという、同じ轍を踏むようなことのないような施策が大事だろうと思います。そういう点では三月三十一日、原子力安全局長の名前で「原子炉施設の管理体制の再点検について」というものが出されているようでありますが、この四つの項目について、どういう意図のもとにこういうものが――まあ趣旨といいますか、詳しい一つ一つのことはよろしいんですけれども、こういうことを主眼としてということで四つの項目について御説明いただきたいと思います。
#74
○政府委員(牧村信之君) 今回の米国スリーマイルアイランドの事故は、原子力発電所ではございますけれども、科学技術庁が所管しております試験研究炉あるいは開発段階の炉におきましても、今回の事故が人為的なミス等も大いに重なり合いまして大きな事故に発展していったということの認識のもとに、安全委員会の要請を受けまして、まず保安規定並びに運転要領がどのくらい遵守去れておるかということ。
 それから原子炉施設の運転遵守あるいは点検等の事項について、保安規定で定められておることについての、あるいは運転要領に定められておることにつきまして、それが十分行われているかどうかを調べた上で、それらの見直しの検討を命じております。
 また、今回の事故が異常時に運転員のミスがあるというふうに考えられておるわけでございますので、異常時の運転員がとるべき措置につきまして、本当に教育訓練等が行き渡っておって、そういう緊急時に運転者がその対応をとれるかどうかをその現状を調べ、不十分であれば再教育するということにつきまして早急に調べてほしいということ。
 それから四番目には、異常時の連絡体制が十分周知されているかどうか。これは異常時は特に監督官庁であります科学技術庁であるとか市町村あるいは県への連絡が十分でないと非常に混乱を起こすことになるわけでございますので、規制法に基づく連絡の体制網あるいは災害対策基本法に基づく市町村への連絡網につきまして、十分整備されているかどうかということにつきまして調査を命じておるところでございます。
#75
○藤原房雄君 ここで感じますのは、こういう結果については科技庁が報告を受けるということになっておるわけですが、何も電力会社またそれぞれの企業に対して疑いの眼を持って見るわけじゃございませんが、いろいろ報道されておりますように、こういう体制というのは非常にずさんといいますか、なっていないという、いろんな問題があるぞということが、よく今日までトラブルが起きなかったというようなことまで言われておるんです。言われておりますが、アメリカのNRCというのは二千五百人ぐらいですか、相当なスタッフを持って、今回の問題の処理にいたしましても、またいろんなことについてもなさっておるようですが、日本の科学技術庁、まあこういう専門的な方が何百人もいらっしゃるとは聞いておりませんし、安全審査委員会にいたしましても、特別な委嘱をなさった方々が中心になっていらっしゃるということで、アメリカのNRCの体制と日本の現状と比べますと、非常に体制的には弱いのじゃないか。まあ人数が多い少ないということだけで――まあそれも非常に大きな問題だろうと思いますけれども、そういう専門家の方々が非常に少ない。まあアメリカのようなこういう事故が起きたら日本の国の場合は一体どういう対処をされたんだろうかという、本当にぞっとするような気持ちがするわけであります。
 まあそういうことで、先ほどもお話しのように、こういうことについて報告をしなさいという形のものがどっちかというと多いわけなんですが、これからまたいろんな計画がありそれが進むということであるならば、やっぱり相当な体制というものも相整えないと、どんなに担当者の方々が安全性を強調いたしましても、原子力発電そのものとしてはまだまだ完全なものではないわけであります。いろんなことが積み重なって、また経験を踏まえながら進んでいくんだろうと思います。まあそういう中で、このアメリカの原子力規制委員会と同じものとは言いませんけれども、やっぱり日本の公取ぐらいの強い体制で物事を進めるような体制をつくらなきゃあ、これはちょっと大変だなと思うんですね。それで、保安規定とか運転要領を遵守するなんていうことは、これはもう当然してなければならぬわけでありまして、そういうふうになってるかどうかということを担当官の方々がやっぱり抽出調査なり何なりでそういう現状というものを指摘をするような形でないと、なっているかどうか報告しなさいという姿勢でこれからもいくということだと、大臣、私は非常に不安を感ずるし、今日までいろんな試行錯誤してきたと思いますが、ここにまいりましたらやはり公取のような強い立場でいろんな問題を指摘をし、そして改善をしていくというような体制が必要じゃないかと私は思うんですが、どうですか。
#76
○政府委員(牧村信之君) 日本の安全規制の体制が、先般の規制行政の一貫化ということで、実用発電炉は通産省に、開発段階の炉は科学技術庁というふうなことで責任の一貫化を行ったわけでございまして、それぞれの役所でこれから先生御指摘のような安全規制の確保のための体制を整備していく必要があることは御指摘のとおりでございます。NRCがアメリカの一つの集中的に安全規制を行う行政委員会として持っておるのに比べ、日本の体制がただいま申し上げましたようなことで、制度の違いがあるわけでございますので、一概にその差を論じるわけにはいきませんけれども、いずれにしても総勢二千数百名という、二千七百名強の人員を抱えておる規制局があるわけでございます。このうち原子炉の安全規制を担当しておりますのは数百人でございまして、現在稼働中あるいは建設中の一基当たりの検査官等の数から言いますと、計算によりましては日本とアメリカとほとんど同じようなことも言えるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたような総合的に二千数百人を擁している一つの大きなパワーを持った機関であることは否めない事実であろうと思います。
 したがいまして、私どもは私どもなりの体制におきまして、御指摘のような点を踏まえてこれから充実していかなければならないかと考えております。
 なお、先般私ども並びに通産省が総点検を各事業者に指示しておるわけでございますが、これはこの点検を命じまして、みずから事業者にその改善策を出させておるわけでございますが、これらの結果を行政庁が検討いたしまして、場合によりましてはそれを改善させる、あるいは当然検査官等が現地に参りましてその実行状況等を見るというふうな作業がこれに引き継がれていくものと、私ども科学技術庁はそうするつもりでございますし、通産省も当然そうすることであろうかと思います。
 また、これらの結果につきましては安全委員会にも逐次報告いたしましてその意見を求めつつ、さらに検討を加える必要があるものは修正していくという姿勢で今後臨みたいと考えておるところでございます。
#77
○藤原房雄君 体制を強化していこうということについては科技庁でもいろいろお考えになっていらっしゃるということで、それはもう当然のことだと思います。今日までは計画があり、最近特に発電所の稼働するものがだんだん基数がふえておる、そういう中での対応というのはやっぱりそういう状況に応じて進めていかなければならないと思います。
 そこで問題になるのはやっぱり定員。総定員法とかそういう定員の問題で、なかなかこれはそうは考えておりましても現在の枠の中で体制強化というのは非常にむずかしい。ここはやっぱり大臣に閣僚の一人として、こういう時代の推移の中で強くいろいろな角度から検討いたしまして、アメリカは軍事的な問題もありますから多くのスタッフが必要だということも感じるかもしれませんが、いまの局長のお話のように、やっぱり強力な体制をしいていくのが時代の推移としてこれは当然のことだと思います。大臣にもこういう問題について庁内でも御検討いただいて相当強力にやっぱり御発言いただきませんと、言葉だけあって実行がなかなか進まないという、こういうことに私はなるんじゃないかと思います。今回のことを一つの大きな反省の材料として、今後のこういうあり方をどうするかということで、大臣にひとつ強く取り組んでいただきたい大事な一つの問題だろうと私思いますが、どうですか。
#78
○国務大臣(金子岩三君) このたびのアメリカの原子力発電所事故によって、いままで原子力行政で考えていなかったような大きな私はショックを受けておると思うわけです。したがって、いま藤原先生が強調なされておりますようにいわゆる安全対策、いわゆる原子力の推進はやはりその前提に安全対策が確立されなきゃならないわけでございますから、その安全対策のために、あるいは万が一の場合の防災対策のためにやはり陣容を整備して強化を図れというような御指摘だと思いますので、それは全く同感でございます。できるだけのひとつ努力をいたしまして御要望の線に沿っていきたいと考えております。
#79
○藤原房雄君 それから、これも閣議でいろいろ御検討があったのか、大臣から指示があったのか、報ずるところによりますと防災基本法、この中には明確に原子力の問題についてはないわけですが、今回それは指摘されまして検討せよということでありますが、現行法の中でできるのか、また新しいものをつくらなければならないのかということですが、これはいろいろ各省庁でそれぞれ検討し、総理府が担当するだろうと思いますけれども、これはわれわれは報道しか聞いておりませんが、現状はどうなんですか大臣。
#80
○国務大臣(金子岩三君) 先般も申し上げたと思いますが、この問題についてこれは災害、いわゆる防災基本法はありますけれども、放射能、放射線に対する防災対策、いわゆるアメリカのあのような事故の例等を考えた場合、もっと具体的な対策が必要であるということを先々般の閣議で総理から発言がありまして、総理府が中心になって関係省庁が鋭意その検討を続けておるのでございます。一昨日、通産の児玉審議官あるいは科学技術庁の安全局長等にその取り扱いを現在どの程度進めておるかをお聞きしたのですが、鋭意関係省庁で担当者が集まりまして、早急にひとつその対策の具体的な結論を出したいということで検討を続けておる最中でございます。
#81
○藤原房雄君 通産の方ではどうですか。
#82
○政府委員(児玉勝臣君) ただいまの科学技術庁長官の方からお答えがありましたとおり、関係のある省庁挙げてこの問題にただいま取り組んでおるところでございまして、先日も科学技術庁と原子力施設の体制の問題について協議しております。特にこの問題で問題になっておる点としていまわれわれとして考えなきゃならないと思っておりますのは、防災計画の発動をだれがするかということでありまして、その点について、単なる原子力発電所の所長がいよいよ防災計画の発動をしてくださいと言っただけで済むのかどうか、国としてどういうような認知の仕方をするのか、そういうようなところの防災計画のスタートをだれが認知するのか、責任をとるのか、そういう問題が一番問題でありまして、それをまず詰めまして、そして全体的な各所管官庁の防災計画が活動を始める、そういうふうにしたいと思っております。そういうふうなことで、ただいま鋭意検討しておるということを申し上げます。
#83
○藤原房雄君 今日まで、過大な不安を与えてはならないということで、どちらかというと、防災問題については、これは会社とか地方自治体とか、そういうところでは個々には体制は整っておるのかもしれませんけれども、災害対策基本法をもとにしまして避難訓練等をやるような、そういう形のものはいままではなかったわけですね。これは大地震のときも、いまお話しありましたように、発令をだれがするかとか、どの時点でとか、震災等に対しましてはパニック状態の起きないようにということで非常に配慮しなきゃならない問題があります。しかし、そういうことを人心に大きな不安を与えてはならないということで見過していいことでは決してないわけなんで、やっぱり常日ごろの訓練とか、予行演習といいますか、そういうものは非常に大事なことだろうと思います。今日までも避難訓練というのは、津波とか地震とかいろんなことでそれぞれ市町村ではいろいろなことをしておるわけですが、津波の常襲地帯等につきましては、市町村でそれぞれ訓練をしたりなんかして、それが実際的には非常に大きな効果を生んだという例も前に私ども実際見ておるわけでありますが、私がくどくど申し上げるまでもなく、日本は非常に狭いところに過密といいますか、非常に原子力発電所が集中的になっておるということからいたしまして、一たび起きたときには非常に大きな問題になるだろう。それはこれからどういう形にもっていくかということはよく検討しなきゃならないことだと思いますけれども、避難訓練等についても、地域住民に十分な理解と認識の上に立ってそういうこともあわせ考えていかなければならないのではないか。不安感を与えるということで避けて通れることではないと私は考えておるんですけれども、こういうこと等も含めて、今後のこの防災体制というか、こういうことについても十分に検討をしていただきたいものだと思いますが、いかがですか。
#84
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生のおっしゃいますとおり、住民の本当に頼りになる防災計画、また防災業務計画と実効の上がる防災処置がとれますように心してこれから検討をいたしたいと思います。そういう上において地方の方々の理解と協力が得られるものと信じております。
#85
○藤原房雄君 それから、原子力発電所はどちらかというと都市の真ん中にあるわけじゃございませんで、やっぱり町村――町とか村とかというところにあるわけですが、これは会社が何かあったときに責任を持って対処するということは当然として、また科技庁の指導を受けながらいろんな問題については対処するのは当然としまして、やっぱり地方自治体にもそれ相応の専門官というのはなければならないだろうと思います。私ども各地を回りまして、やっぱり形だけはあっても、それ相応の知識を持った専門官、ふさわしい人であるかどうか、私どもも一人一人聞いたわけではございませんけれども、そこまでの体制というのはなかなかないみたいですね。科技庁の分野でないのかもしれませんけれども、大臣ひとつ――これは原子力行政の推進をしていく立場にあります国務大臣として、科技庁の立場としてのことと、またその周辺町村に対する対策といいますか、また住民対策とか、こういう総合的な立場に立って国務大臣という立場でもお考えいただかなければならないと思うのですけれども、そういうことについても十分この際ひとつ検討し、そしてまた足りないところについては改善をしていく、こういうことで積極的に取り組んでいくべきだと思いますが、どうですか。
#86
○国務大臣(金子岩三君) 御指摘のとおりでありまして、国の基本的な方針はもちろんですけれども、やっぱり自治体にある程度の力を入れてもらわなければならぬわけでございまして、自治体に力を入れてもらうためにはやはりそれぞれに応分の財政的な支援も中央で取り計らわなければならない。そこまで考えまして、やはり今後の原子力の推進には、どうしても設置をする地域住民の安心をいかにして求めるかということでございますので、それがためには当然万々が一の場合の防災対策、これには今後はひとつ全力を挙げて取り組みたい。
 それから専門家をやはり地方にも派遣すべきではないかという御意見も私はまことに適切な御意見だと思います。今後大いにひとつ検討を続けたいと思います。
#87
○藤原房雄君 資源エネルギー庁ですね、四月六日に全国の原発の関連の十五道府県ですか、道府県の担当官を緊急に集めて、国内の原発総点検などの方針をいろいろ説明し、また住民に対する不安を取り除くということのために各県にいろいろ要望をなさったということが報じられておりますけれども、これは住民に対しての対処として当然のことだと思いますが、どういうことを各道府県に説明し、また要望なさったのですか。
#88
○政府委員(児玉勝臣君) 四月六日に原子力発電所関連の十四の道府県とそれから十の市町村に対しまして、その担当課長を招集いたしまして会誌を持ったわけでございます。
 内容といたしましては、本件事故の概要と、それから当省のとった処置、これは三月三十一日付で資源エネルギー庁長官名で各電力会社に対しまして、原子炉の運転管理、それから運転員の教育を見直すという意味の内容の通達を出しまして、それでその総点検の一部とするということとしたわけでございます。
 それで、いずれいろいろな情報がわかりましてはっきりした段階でさらにいろいろな処置をとるべきものでございますけれども、とりあえずそういう処置をとったということの内容の説明をいたしまして、さらに資源エネルギー庁といたしまして、今回の事故については謙虚にかつ冷静に受けとめてその安全のますますの確立ということを図ります、しかしながら、日本全体のエネルギー事情としては、やはり原子力の開発ということが不可欠の問題であるので、各都道府県に対して原子力発電の開発ということについて十分な御配慮と御協力をいただきたい、そういうような内容のことを申し上げたわけでございます。
#89
○藤原房雄君 私の担当の時間もわずかになりましたが、冒頭にもちょっと申し上げたんですが、住民に不安を与えてはならないということは、これは過剰な、過大な不安を与えるということは十分に配慮しなければならないことだろうと思いますが、そういう大義名分のもとで今日までいろんなこういう防災体制とか、当然しなければならないようなことでもなかなかスムーズにできなかった。過日アメリカから帰った田島さんのお話を聞きましても、やっぱり軍事的な体制のもとで、原爆または原子力というものに対しての認識を持っておるアメリカ人でも、やっぱりこういう避難というときには非常にパニックの状態が起きて、日本でもしこういうことが起きたらどうなるかという警告を発しているようでありますが、まあそれは先ほど来いろいろ申し上げて、これから御検討いただき、具体的なものに早速ひとつ進めていただかなければならぬと思いますが、そういうこと。
 もう一つは、事故の速やかな報告、そしてまた、それに対しての科技庁としての対処、通産省と両方のですね、こういうことが大事になってくるなと思うのですが、今日まで私ずっと見ますと、事故があっても電力会社からスムーズに事故の報告が来てないということがしばしば指摘されておりました。ひどいのは、美浜原発で燃料棒の折損事故が三年余りも隠されておったなんということが言われておるわけでありますが、私どもは何かあったときにはやっぱり政府機関の発表というものに対しては非常に信頼を置く、その信頼を失われるようになったらもう終わりです。それだけにこういう問題については厳正公平にきちっと対処しているという常日ごろの信頼感というものが大事になってくるだろうと思います。今日までも、いま申し上げた美浜のこと等、そのほか非常に事故の報告が遅かったり、後になってわかったり、事故隠しといいますか、それから楽観的な見解とか、こういうこともしばしば問題になっておるわけですが、こういうことはひとつ厳重にこれを機会にと言って、これはもう当然いままでもしていなきゃならぬことでありますが、関係者に対しまして、こういうことのないようにしなきゃならぬ、こういうように、これは毎回強調していることでありますけれども、これを契機にさらにひとつ……。こういう問題についての対処というものについて科技庁としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、また、これからどういうふうにしてこういう問題については取り組んでいこうとなさるのか、これはひとつしっかりしていただきませんと、住民に対して不安感を除去するとうまいこと言っても信頼関係はなかなか生まれてこないだろう、信頼のないところにはパニックを引き起こすような人心の動揺というものをますます拡大するということで、こういうことの一つ一つの積み重ねが常日ごろからなされなきやならないということで私は申し上げているわけでありますが、どうですか。
#90
○政府委員(牧村信之君) 科学技術庁の関係につきましては、先生の御指摘のとおりのお考えを踏まえて、ささいなものにつきましても今後とも――いままでも努力してきておりますが、今後とも事故、トラブル等を発表し、その原因を追求し、その対策についても周知を――皆様に発表して御理解を得ていく、そういう安全を積み重ねて、安全確保の姿勢を示して国民の理解を得ていきたいというふうに考えておるところでございます。
 また私どもただいま安全委員会の事務局をやっておりますが、たとえば通産省の関連する事業所の事故故障、あるいは私どもの所管する再処理施設その他の事故故障等につきましては、その起きました時点でできるだけ早く安全委員会にも報告して、その指示を受けつつそれに対処していくということにいたしておりまして、最近では、安全委員会発足後それほどたってはおりませんが、逐次その体制が整備されていっておるものと考えておる次第でございます。
#91
○藤原房雄君 時間も参りましてこれで終わりますが、法案審議ということで本当は法案に入りたいのでございますが、時間もございませんから、最後に、先ほど来からいろいろ申し上げておりますように、事故を通しての機械的な、また人為的なこういう問題に対処しての対策と、また日本の国では非常におくれていると言われる防災面の問題について早急な対策と、また対処を強力にひとつ進めてもらいたい。過日も地方自治体の方々のいろんなお話があったようでございますが、この防災体制につきましても国の方の取り組みは非常に弱いのじゃないか。きちっとした一つの指示というものをいただいて、そうした中で、実際一番中心になるのは県段階だろうと思うのでありますけれども、国はそういう面では指導監督というか、そういう立場になるのかもしれませんが、現場で一番混乱を起こして住民のために苦労するのは地方自治体ということで、国が強力な施策をいたしませんと、また一つの方針というものをきちっと定めませんと、地方自治体が勝手に何かするというわけにもいきません。そういうことで、この防災体制、また先ほど来のお話の中にもございましたいろんな体制をひとつ早急に確立して、われわれとしまして最大の今回のことに対しての対処をしていくべきだということを先ほど来申し上げておるわけでありますから、ひとつ大臣私が先ほど来申し上げたことを総括して御意見、御所見をお伺いして私は終わりたいと思います。
#92
○国務大臣(金子岩三君) 大変適切な御提言をいただきましたので、これからいままで考えておったことよりもっと原子力行政について念を入れて慎重にひとつ取り組みたい。御提言に対しましては、できるだけひとつ御要望なり御提言に沿うよう努力をいたします。
#93
○佐藤昭夫君 それでは私も法案に入ります前に、スリーマイルアイランドの事故からどういう教訓をくみ取るかという問題で幾つかお尋ねをいたしたいと思いますが、特に吹田原子力安全委員長に、いろいろ御多忙な、安全委員会としての御協議の中をたって御出席をいただいたことに感謝をいたしたいと思いますが、お忙しい中でありますので、吹田委員長にまず二つ三つ若干の時間お尋ねをいたしたいというふうに思います。
 昨日来、安全委員会としてきょうにかけて連日の御協議をなさっておるわけでありますが、昨夜の記者会見で、いわゆるECCS、これの作動については自動化が当然原則であるべきだという発言をなさっている報道が幾つかの新聞に出ているわけですけど、企業側及び通産省も先ほど来の同僚委員の質問に対して同様の見解の模様でありますけれども、万が一のECCSが考えておるとおり動かない場合には手で動かすということで事故防止の措置をとるんだという見解が言われておるわけですけれども、このような、手動による手段ということでは、これまた操作ミスというものは完璧に避け得られるものではないという点で、言ってみれば、操作ミスがあろうとも機器による完全な自動的チェックが行われるという、これが本来の最も近代的な機器ということではないかというふうに思うわけですけれども、報道されております昨夜の記者会見で御発言をなさった模様のそのこととかかわって、まず委員長のその点での御見解を伺いたいと思います。
#94
○説明員(吹田徳雄君) お尋ねの件はいろいろ重要な点を含んでいると思います。で、自動的に入るのが実はそういう事故の発生したときに人為的なミスを少なくするためにも非常に重要でございます。ですから原則的には自動化をしておく方がよろしいんです。ただそのパックアップシステムといたしまして、やはり最後の時間的余裕が持てるような現象の場合には手動によってやると、ですから、自動化を原則といたしますが、そういう時間的な余裕がある場合は手動でやるというようなシステムも考えられます。しかし、ただいまそういう点に関しましても専門家を集めて実は討論しておるところでございまして、われわれといたしましては、そういう専門家の意見も十分入れまして結論を出したいと考えております。
#95
○佐藤昭夫君 そうしますと、いまの御意見から言って、原子炉の安全審査指針というのは、たとえばこのECCSの問題について言えば、すわというときにはそれが正確に自動的にきちっとできるという、そのことが万全に全うされているかどうかという、これが安全審査指針の中でもきちっと確認できるというシステムになっていなくちゃならぬということでございますね。
#96
○説明員(吹田徳雄君) はい。自動的にそういうシステムが入りますというのが原則でございまして、どういう状態のときにそういうものが入るか、どういうシステムにすれば適確にその現象に対応して自動的にいくかということは審査の時期におきまして十分検討はされております。しかしバックアップとして手動の方法も考えられる、そういうことでございます。
#97
○佐藤昭夫君 次の御質問は、実は午前中からも、特にウエスチングハウス社製によるわが国でも多く採用されておる原子炉の安全性をめぐる十一日のNRCの勧告をめぐっていろいろ議論があり、そことの関係で三月三十日、吹田委員長が原子力安全委員会を代表して行われました談話をめぐっていろいろ議論があったことはお耳に達しているやに思います。あの時点では、文書でも配付をされておりますが、「NRCのこれ迄の発表によれば」云々、「わが国の原子力発電所では、この種の事象が本件に類する事故へ発展することはほとんどないものであることが、」幾つかの安全審査や諸検査で確認をされていると、こういう談話になっているわけですけれども、今日時点でもう一遍振り返ってよく考えてみたときに、あの談話というのは一体正確な談話なのかということのいろいろ議論があったわけですけれども、私もあれは科学的な検討に基づいて正確に出された談話ではないと、余りにも性急に三月三十日という時点で、片や第一項、第二項では、まだ十分な情報、知見が得られていない、引き続き調査団もアメリカへ送って十分な調査をやり、わが国としても特別部会も設置をして検討もやるんだということを言いながら、まあまあわが国の原子力発電所はそういう不安はありませんというのは、これは非常に科学に背く談話じゃないかというふうに私も思いますし、特に原子力安全委員会が設置をされました設置の経緯というのが、御存じの原子力基本法の法改正の根本精神、安全委員会というものを設置をすることによって国民の皆さん、わが国の原子力開発については安全が全うされますよという、ここの言われてきた基本精神に照らして非常に軽率ではないかというふうに私思うわけですけれども、そのことのお尋ねをする前に、もう一つお尋ねしたいのは、「いわんや」という問題ですが、この四月十日に内田委員が、いまアメリカへ行っておられますけれども、内田談話ということで報道が行われているわけです。もうよく内容は御存じと思いますけれども、今回の事故というのは原子力発電所の設計基準には問題がなく、操作ミスによるものだ、わが国の場合には原子力発電所の運転操作についてはよくよく注意をしていることでもあるし、したがって日本では設計基準、運転、保安規定の再検討をする必要はないという、こういう要旨の内田談話なるものが出されておるわけですけれども、これは内容的に見ても、それからまた片やアメリカへ調査に行って、その調査を日本へ持って帰ってきて特別部会で十分検討を練るという上で、わが国としてのどういう教訓を引き出すかという手続上の問題からいっても、非常にこれは逸脱をした談話じゃないかというふうに思うんですけれども、原子力安全委員会としてこの談話をどういうふうに見ておられるのか、こういうものは片や新聞でかなり報道されておりますから、この内田談話というのは、これは正確じゃないということで、こういうものは取り消すということを御確認をいただく必要があるだろうというふうに思いますが、その点についてどうですか。
#98
○説明員(吹田徳雄君) まず最初の原子力安全委員会委員長談話について私の考えを申し述べさしていただきます。
 資料の十四ページにございますように、この委員会委員長の談話というのは四つから成っておりまして、第一は、この事故をわれわれは非常に重要視しておりまして、特に軽水炉が定着しようという時期、そういう時期に日本のように国土の狭いところでああいう事故がもしも起こったといたしますと、これは大変だということ。それでこういう事故を日本では絶対に起こしてはならないという考え、最初に私受けました。
 で、そういう基本的な考えから、二は、それではいろいろ情報がございまして、三十日の情報の中にはいろいろございまして、私が最初に気がつきましたのは、非常に数値的な、つまり定量的なデータというのは、それはわれわれはこの時点では条件がはっきりしておりませんので信用しない。しかし、そのいろんな情報の中から、私たち――安全委員会というのは、御承知のようにこれは学者の集団でございます。もしも研究の経験がございませんでしたならば、そういう雑音に等しい情報の中から正しい情報を恐らく聞き分けることはできなかったと思います。私自身にいたしましても、三十年ぐらいの研究生活から得ました一つの非常に重要なことは研究の方法論でございまして、それは非常に特殊な現象から非常に普遍的なものを導くということでございます。それはたとえば、日本のある研究室で、ある実験をいたしましても、それが一般、普遍化されなければ人類のために全然貢献することができません。で、私たちはアメリカに起きました非常に特殊な、しかも非常に重要な、いわば世界的な実験から、われわれはそういう雑音の中から非常に確からしい信号を二つピックアップしたのでございます。
 その一つは、あの事故が二次側の冷却系統の方からとにかくスタートしたというのは、その当時のいろんな情報から最も確からしい一つでございます。
 それからもう一つは、それが次々と進行いたしますシークェンスを見てまいりますと、そこにはわれわれの考えられない機械的ミス以上の人為的なミスが存在するという、その二つでございます。
 それで、われわれはいま日本で国民の安全を守るために一体何をなすべきかといいますと、その正しいと思われる信号によってわれわれがなし得ることをいまなさねばならないと実は思ったのでございます。それは安全委員会に課せられた非常に重要な責務でありまして、企画、審議、決定する三つの権限が与えられております。
 そこで、まずその二は、どういう審査をやり、どういう使用前検査をやり、どういう定期検査をやって、しかもああいうふうに二次のところから事故の発端があるという、そういう非常に種となるところだけを押さえまして、それでは日本の審査からずっと追ってまいりました現実の炉を考えてみますというと、ああいう事故に到達するには非常に狭い道を通らなければ、ほとんど不可能に近い道を通らなければああいう結果にならないということを私たちは試行実験でまず確かめました。それがつまり二のそういう実証を、つまり実態を書きまして、実は私たちがねらいましたのは三でございまして、われわれがいま直ちになし得るのは、それは通産に対しまして、原子力発電所の――ごらんくださいますとわかりますように、単にPではございませんで、原子力発電所のそういういろんな設計ミスあるいは多重防護の方から考えますと、いろいろな段階における検査を十分にやりなさいと、そうしてその報告をできるだけ早く安全委員会に持ってきなさい。
 で、二は、先ほど言いました正しいと思われる信号の二でございますが、人為的ミスをできるだけ少なくするためには、そこに書いてありますように、「保安規定、運転要領、運転中の監視」、そういうものをいま直ちに早急に検討するように、やはり通産に指示すべきであるという、実はその三のことを誘導するための二でございまして、ところが遺憾なことに二の方がひとり歩きしてしまいまして、私たちの三の真意が伝わっていないのははなはだ残念でございますが、その後のアメリカのいろいろな事象の中で、このわが国の規制政策の上でカバーできないような事象が起こったならば、私はこれ以外に直ちに手を打つはずだろうと思います。つまり三は、そういう総点検と、人為ミスをできるだけ私たちは、減らそうといたしました。
 四は、しかし片一方、それは非常に応急的なものでございまして、詳細なデータが入らないままに、私たちは日本の原子炉のリスクをそのままにしておくことはできませんので、早急にそういう手を打つと同時に、詳細なデータを得るために四の措置をとりました。つまり専門家を派遣して、その正しいであろうという信号をできるだけたくさん得ます。それと同時に、私たちは国内の全頭脳を動員いたしまして、それをわが国の安全規制に反映せなければなりません。そういう二つの目的がございましたのが四でございまして、全体を読んでいただきますと、私たちは非常にあわてふためいて何かこういう声明を出したように思いますけれども、私たち四人は、先ほど申しましたように、研究と、これまで何十年もやってまいりましたそういう経験をもとにいたしましてこういう談話を出したのでございます。
 それからもう一つございますが、内田委員の発言でございますが、実はあの新聞のとおりでございますと、私驚きまして、早速電話で真意を確かめたのでございますが、その後私に来ましたメモを見ますというと、それは新聞発表のメモではございませんが、彼はいろいろな条件のもとでというような表現ございまして、あれは自分の真意ではなさそうだという印象を得ておりますが、まだ詳細なことはその後連絡がございませんので、彼が帰ってきましてからよく真意を確かめたいと思います。
#99
○佐藤昭夫君 吹田委員長との時間の約束がございますので、私は気にしながら詳細な御答弁いただいたわけですけれども、もう一つだけ重ねてお尋ねをしておきますが、内田談話の関係についてはわかりました。
 それで問題は、この三十日の委員長談話の第二項ですね、ここの点について、いろいろ検討の熟慮の末のこういう文章だということではありますけれども、さっき冒頭に御質問いたしましたように、わが国の安全審査では、これはいままでの一貫した説明、たとえばECCSは必ず万が一の場合にはちゃんと自動的に働きますという説明が一貫してやられてきたんだけれども、今回このNRCのああいう勧告によって働かない場合もあり得るということになってきたというこの時点で、そういう新しいこの知見が得られたという、こういう時点で、わが国の原子力発電所は大丈夫ですよというこの三十日の談話第二項、これはやはりちょっと適切さを欠くんじゃないですか。
#100
○説明員(吹田徳雄君) 二は、「本事故は二次系給水ポンプ一台」これこれこれと書いてございます。それが発端として事故に発展したという、そういう二次から発展してこういう事故になるかという事象を追ってみましたら、安全審査とか使用前検査とか、そういうふうなことを十分にやっておけばほとんどそういうことは起こらないという、つまり実態を述べましたので、これが全部行われておりますと非常にそういう確率は少ないのでございますけれども、われわれが考えたのは、しかし、事故が起こっていることを考えますと、そういうことだけに頼ることはできない。それで、何をわれわれがいまやって、詳細なデータを待った方がいいんだというのが三でございまして、つまり多重の防護をしておけばほとんど起こらないと、ああいう二次系のクーリングシステムからは進展――あるところでストップしてしまうという、そういうことを述べまして、そして三に移っていったわけでございます。
#101
○佐藤昭夫君 もう時間ありませんからあれですけれども、この文章もそうですし、それから、いま委員長の御説明も、今度のアメリカの事故はこれこれが原因である。ここでは「判断されるが、」という表現が使われていますけれども、これこれの事件であるとすれば、わが国の場合大丈夫であるということで、事故原因というのがいまいろいろ次々新しく提起をされてきているわけですね。こういう状況で、原子力安全委員会の、本当に国民の信頼のもとに新しく発足をした安全委員会がその任務をどう全うしていくかという点で余り固執をされますと……、というのは、従来わが国の原子力行政は大きな国民的不信があった。これを回復するために新しい機構をつくるんですということでつくられた安全委員会が、一つの考え方を固執をしているためにまた新たな国民的不信を安全委員会という原子力行政に一層巻き起こすということになりかねない非常にいま国民が見守っておる時期ですから、余り一つの考え方を固執なさらないように、きょうせっかく、幸い安全委員会もやっておられますから、ぜひ私の指摘をしております意味をよくひとつ受けとっていただいて、この三十日談話については御検討願いたいということを重ねて申し上げておきますけれども、もう委員長、お引き取りいただいて結構です。
 それでは続いて当局側に質問をいたしますが、もう話のついででありますので通産省にお尋ねをいたしますが、午前中の質疑でも出ておりましたし、新聞の報道にもありますが、すでにウエスチングハウス社が、この社の製品による原子炉を導入をしている幾つかの電力会社に、さっきから出ておる問題ですね、それについての通知をやっているということになっているわけですけれども、この問題は通産省の方はいつ知りましたか。
#102
○政府委員(児玉勝臣君) 昨日のお昼ごろ関西電力の方からの通知で知りました。
#103
○佐藤昭夫君 私が知り得ておる報道では、ウエスチングハウス社の方は、各電力会社に対して四月の七日にそういう通知をやっているというふうに確認をしているんですが、その点どうですか。
#104
○政府委員(児玉勝臣君) 先生のおっしゃいますような情報を一部新聞で私見まして、それで、その点について関西電力にその真偽のほどを問いただしたわけでございますけれども、関西電力については、十一日の日に入手をいたし、明くる日の十二日に当局にその会社の対策とあわせて持ってきたということの弁明を聞いております。
#105
○佐藤昭夫君 四国電力、九州電力はどうですか。
#106
○政府委員(児玉勝臣君) ウエスチングハウスのリコメンデーションはウエスチングハウスから直接炉を買っております関西電力だけに通知がありまして、四国電力、九州電力は、これは三菱重工のものでございますので通知はございませんでした。
#107
○佐藤昭夫君 私は、ウエスチングハウス社が通知を行ったのは四月の七日というふうに聞いております。
 で、さっき藤原さんが事故隠しのことに少し触れておられましたけれども、またもや四月の七日にこの通知を受けながら、新聞で昨日の夕刊から大きく取り上げられてきておりますから、こういう段階でやっと通産省の方に電力会社からの報告が上がると、こういうことになっているんじゃないですか。
#108
○政府委員(児玉勝臣君) 先ほどちょっと御説明が不十分だったかと思いますが、関西電力のただいままでの弁明によりますと、四月七日は口頭で米国内のみについての発表であったと、具体的には、文書では十日に海外に対して発送されたと、こういうふうに聞いております。
 なお、この問題について通産省といたしましても非常に重大視しておりまして、ただいま先生がおっしゃったようなことがもし事実であって、こういう重要な情報を知り得たにもかかわらず、当方に対してそういうような報告がなかったということは非常に遺憾でございますので、近く責任者を呼びましてその辺の弁明を十分聞き、かつよく注意したいと思っております。
#109
○佐藤昭夫君 やっぱりそうじゃないですか。関西電力の支社員というのはちゃんとアメリカにもいるでしょう。ですから、口頭にしろ何にしろ、その話というのはアメリカで十分察知をしている。しかし形式上アメリカからの、このウエスチングハウスからの文書通知が着いたというのは十一日だという形式の問題に過ぎない。これだけこの問題をめぐって国民的ないま心配が大きく巻き起こっているときに、とにかく耳にはさんだこと、そのことをすぐ通産省とも連絡をとって、わが国の電力会社としてはどう対応するのかということをとって当然しかるべき。またもやここで事故隠しじゃないかと、原子力機器のすきあらば欠陥隠しをやろうと、こういう姿勢が電力会社の側に出ているんじゃないか、そして依然としてそういう姿勢をまた通産省が追認をしておるんじゃないかというふうに強く思わざるを得ぬわけです。
 そこで、先ほど吹田委員長に対する冒頭の質問で触れておりましたECCS、これは本来、万が一の事故が起こった場合には自動的にその作動が行われるべきものだというものであって、したがって、あなたが先ほど来の同僚委員の質問に対して言われておる、会社側もこういうふうに言っていますし通産省もこう思いますという、それが考えておるとおり動かないという場合には手動でいくということでこの事故を防ぐというこのやり方。しかし、どうですか、お尋ねをするのですが、自動的にちゃんとそれがチェックをされるというこのシステムと、手で動かすという場合にはまた人為的ミスは起こり得るわけですね、操作ミスは起こり得るわけですね。どっちが望ましいんですか。
#110
○政府委員(児玉勝臣君) 今回のウエスチングハウスからのいわゆる勧告と申しますのは、まず、いろいろな前段となる事故、いわゆる加圧器逃がし弁が作動しないような、作動して締まらないような、そういう小破断事故のときの状況でございますので、その事故が生じましてからしばらくの時間がたっておるということが一つ考えられるかと思いますし、さらに、そのときの圧力の設定値、それから水位の低下の設定値と両方がある設定値を超えるといいますか、超えませんとその作動がしないというシステムであるのに対して、圧力の設定値だけでECCSを手動で動かせと、こういう意味であります。
 それで現在、加圧器から圧力が落ちますと、まず圧力「低」という警報が出まして、それからさらに下がりますと、今度炉のいわゆるスクラムの警報が出ます。もちろん非常に大きな音がいたします。それから次に、水位「低」または圧力「低」のどちらかの設定値を超えますと大きな赤ランプがつきまして、それで、その後もう一つの方の設定値が超えますと、そこで自動的にECCSが入る、そういうふうになっておりますので、勤務員がそういう事故が発生した後、原子炉のスクラムの時点並びに加圧器の圧力低下の時点というのは十分とらえられる、人間として普通の勤務をしておれば十分配電盤の前で判断できる問題であるというふうに解釈しております。したがいまして今度の指示も、いろいろな手段を講じつつ、その中に一つ次善の策として手動を認める、そういうことでございます。
#111
○政府委員(牧村信之君) ちょっと補足させていただきたいと思いますが、安全審査の考え方でございますが、原則としては確かに先生のおっしゃるとおりでございますが、それらの定められた自動起動によるECCSの発動がない場合には直ちに手動により起動させることが必要な条件になっております。そういうことでございますので、原則ではございませんが、非常冷却系の動作が万が一条件設定されたときに動かないような場合には直ちに手動で起動しなければいけないような審査の結果を受けた保安規定等もあることをちょっと補足させて説明させていただきます。
#112
○佐藤昭夫君 ちょっと大変なことが言われ始めているんですけれども、いままで公表をされております安全審査指針に、ECCSが動かぬ場合には手動でチェックするというふうに明文化をされた指針として発表されていますか。そうじゃないでしょう。安全審査指針というのはECCSはこういうことの危険が起こった場合には必ず自動的にちゃんとそこでチェックができますという、こういう万全な安全管理体制、管理システムになっているんですというふうに書いているでしょう。どうですか。
#113
○政府委員(牧村信之君) ただいま私申し上げましたように、原則としては先生のおっしゃるとおりでございます。また基準も当然そういうことでなければいかぬわけでございますが、万々一の異常時の措置としては、当然手動が許されなければならないものとされておるわけでございます。
#114
○佐藤昭夫君 NRCの勧告を大きなよりどころにして非常時の場合手で動かすという次善の策をとるんですと言うんですけれども、このNRCの言っているのは、いまある原子力発電所を直ちに全部ぶち壊してしまってもう一遍機械からつくり直す、こういうようなことが直ちにできないから、いまの段階での次善策によってECCSのそういうオートマチック機能について、ちょっと疑わしさが出ているこの段階で、事故防止の次善策として手で動かすということも各電力会社はお考えくださいよ、こういうことを言っているにすぎない問題ですよ。
 そこで、だからそのことを理由にして、大丈夫ですと言うのは、繰り返し言っているんですけれども、手で動かす繰作というのはまた新たなる操作ミスを呼ぶでしょう。万全にとめられますか、手で動かすというやり方で。新しい操作ミスが発生する可能性があるでしょう、手で動かす場合。いやいや絶対にありませんというふうに言い切れますか。だから、万全にチェックシステムをつくろうと思えば、自動的にちゃんとそれがチェックされるというシステムになっていなければならぬのでしょう、本来的に。どうなんですか。
#115
○政府委員(牧村信之君) 私がただいま申し上げましたのは、今回のウエスチングハウスの勧告についての扱いを、ここにそういうことで書いてあるからそのやり方がいいかどうかということを申し上げておるのではなくて、安全審査等を行い、また、それを受けての電力会社一般の保安規定等で手動というものが全く許されていないかどうかということにつきましては、万々一自動のECCSの作動が行われなかったような場合には直ちに手動で安全を確保するという操作が残されておるという一般的なことを申し上げておるわけでございます。
 で、ウエスチングハウスの問題につきましては、先ほどからも御説明申し上げておりますが、現在安全委員会の方におきまして、この特殊なケースにおきますウエスチングハウスの提案が果たして日本の安全の確保というものの考え方に十分技術的に安全サイドで行い得るかどうか等々の技術的な内容についての検討をいま安全委員会が専門家を交えて検討しておるところでございまして、その結論につきましては、私もここにおりますので、現在検討中であろうと思いますけれども、経過についてはまだつまびらかにしないところでございます。
#116
○佐藤昭夫君 そこで、いま御質問をしていることとも関係をしてきますけれども、他の委員からもこもごも出ておりましたが、わが国の特にPWRの関係の原子力発電所の総点検をする、ただ問題は、現在稼働中のあれについては運転をさせたままの点検でいきますというここの問題をめぐって、それで果たしていまの国民のこの不安にこたえられる対処と言えるかというところがいろいろ出ているわけですけれども、総点検と言われていますけれども、この総点検の内容は何々なんですか。運転中で原子炉そのものの点検はやれますか。通産省どうですか。
#117
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま総点検と申し上げましたのは、三月の三十日に資源エネルギー庁長官名で出しました通達に基づくいわゆる調査のことを言っているわけでございます。
 それで通産省といたしましては、今回の事故の原因が明確になった段階におきましていかなる処置をとるべきかということについて最終的に判断するわけでございますけれども、原子力発電所の安全確保にさらに万全を期するという意味で「保安規定及び運転要領の遵守状況」、それから「原子炉施設の運転、巡視及び点検等に関する事項についての保安規定及び運転要領の見直し」、それから「異常時の運転員等のとるべき処置についての教育・訓練」、それから「異常時の連絡体制」、そういう四項目についてただいま点検をしておるわけでございます。したがいまして、その後に、引き続きましていろいろな処置を、情報によって得られましたら、それについて行うということにしております。したがいまして、現在までにいろいろと行いました点検については、原子力発電所そのものの設備についての機能、これは動いているとまっているにかかわらず、その空気制御系の点検、それから一次冷却ポンプの点検、それから補助給水系の点検ということは直ちにやらせております。
 それで、ただいま運転中のものについては、すべてその補助給水系の点検並びにECCSの作動試験を全部やらせておりまして、それについての結果もすべて良好ということでございますので、その運転を続行させておるわけでございます。さらに、ウエスチングハウス社からのいわゆる勧告によりまして、そういう運転操作をした方が好ましいという提言でございますので、その状況においてさらに運転させると、そういう考え方でございます。
#118
○佐藤昭夫君 いまの御説明でも、現在直ちに行う点検というのは、炉自体の点検というよりは、運転管理についての保安、運転にかかわる点検をやるんだということにすぎないということであります。それがいまこれだけ不安が大きく巻き起こっておる、この国民の声にこたえる道かという点は、もはや問題は明白だと思うんです。原因がはっきりした段階で、いわゆる炉自体の総点検もやるというわけですね。
 そこで、先ほど来お話が出ておりますように、きょうの安全委員会で、現在の運転中の炉自身をとめて、総点検にいよいよ入るかどうかということをきょうも協議をしておられる模様だということでありますから、科学技術庁長官、ぜひお願いをしたいと思うんですけれども、さっきから一つの例として、ECCSが動かぬ、動かぬ場合に手でこれをチェックするというやり方では、それで果たして安全性の万全が期し得るか、そういうやり方では新しい操作ミスも発生の可能性があるじゃないかということで、別にいま一つ動いているのをとめてみてエネルギー事情が、もう大変な経済混乱が起こるというような、そんなことではないでしょう。せっかく法改正までやって新しく発足をしたわが国の原子力行政に国民の信頼をどうつくっていくかという点で、せめて一つぐらいですから、いま動いているものについてとめて総点検をやるという基本姿勢をはっきり確立していただきたいというふうに思うのですが、どうですか。
#119
○国務大臣(金子岩三君) いま鋭意安全委員会で検討を続けておりますので、安全委員会においてそのような結論が出たら当然停止をする、そうして総点検をするということにしたいと思います。安全委員会のいわゆる結論を待っておるということで、通産省ともこれは相談せにゃいかぬことですが、安全委員会の結論を待って、委員会の結論を尊重して取り組みたい、このように考えております。
#120
○佐藤昭夫君 どうも長官の姿勢として、本当にこれだけの議論を先ほど来やってきておるのに、どうも姿勢が弱いという感じがするわけですけれども、ちょっと時間の関係がありますので、次の問題に移りますが、いろいろ言われております原子炉の操作上のいわば運転マニュアルと言いますか、これのいろいろ見直しをやっていくということはたびたび言われておるわけですけれども、問題は、機械自体の安全システムはこれは大丈夫、操作上のミス、人為的ミスにすぎないという、こういう考え方がいままでたびたび言われておった。しかしそれが十一日のNRCのああいう勧告に基づいて当局側にもいまは大変な一つの衝撃を与えているわけでしょう。だからこそ、きのうの晩から連続をして安全委員会としてもいろいろな議論がなされておるということで、いままでの安全審査指針についても幾つかもう一遍よく検討をしてみるべき問題がないかという段階へ来ていると思うのですけれども、それで、かつて、これも新聞にちょっと出ておりましたけれども、アメリカの今回の事故をめぐって、最終的にはその危機は回避をされましたけれども、炉心が溶融をするという、この危険というのがいろいろ新聞にも報道されているわけですが、これを万全に防止をするための安全のチェック機構、これはいまの日本の安全審査指針の中にきちっと入っていますか。新聞報道では日本の場合にはそれがないと、安全審査の項目としてはないというふうに報道されている。どうですか。
#121
○政府委員(牧村信之君) 現在の安全審査におきましては、いろいろな事故を想定しておるわけでございます。その中で、私ども各種事故という呼び方をしておりますが、たとえばアメリカにおきまして、二次系のポンプがとまり、その補助系が動かなかったというような、たとえばそういうようなケースがどこまでその先一次系に及ぼすかというようなことを、これは例示でございますから、安全審査でとっております例示とちょっと違いますけれども、若干わかりやすく申し上げますとそういうことでございますが、そのときにECCSが十分働くかというようなことも含めまして、また燃料が規定された千二百度以上の温度に達しない、そういうようなことを含めて、各種事故につきましては、すべて安全系の作動によって防止できるということが確認されなければ、評価されなければ原子炉を許可しないというたてまえをとっておるわけでございます。
 それから、それよりも非常に大きな事故につきましては、科学技術的にも考えられないけれども、大口径破断をして老化現象が起きるとか、あるいは全然仮想的な事故も想定いたしまして、その際、当然出てまいります放射性物質が敷地外の住民に影響を与える度合いを評価いたしまして、影響を与えない広さの敷地を確保させるというようなことで安全審査をしておるわけでございます。
 で、先生御指摘の今回の事故につきましては、いろいろな私どもの考えております安全の確保の仕組みときわめて違う現象が起きております。最終的にはECCSが働いておるのにもかかわらず、格納容器に漏れ出した一次冷却水を隣の補助建屋に移送してしまったと。で、われわれの確認しておる安全審査のときの考え方、またそれに対する実際の措置につきましても、日本の場合にはECCSが作動しておるときには絶対に格納容器は閉鎖されまして外に一次冷却水などが移送されないようなシステムになっている、そういうふうになってなければ、確認されていなければ運転が許可されないようなたてまえになっておると、その辺の違い等が実は出てきております。その辺が私ども、アメリカでどうして同じような安全フィロソフィーでやっておりまして今回のような事故を起こすような−私どもとすれば幾つかの人為的なミスと思われるようなものも含めまして、きわめてアメリカの状態が疑問であるわけでございます。たとえば私どもがいま一生懸命調べようとしておりますのは、人為的なミスと言われますけれども、現場で働いていた人がどういうことを意図してああいうことになったかということ、その原因を追求しませんと本当の事故の原因の解析ができないわけでございますので、その辺、実はこれから直ちにやれることはどんどんやっていくし、時間をかけて判明することはそれも待って、安全審査その他安全基準あるいは保安規定の改革であるとか、安全規制のすべてのことにこれを反映していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 で、今回の事故が、そういうようなECCSを何らかの理由で途中でとめてしまった。これは日本の安全確保の上ではECCSが入りますととめてはいけないことになっておるわけでございますけれども、これをアメリカではとめてしまった。そういうような事象が重なって、まあ俗な言葉で言いますと、ある時期、原子炉の中が空だきになって、一説によりますと四分の一程度の燃料が破損する原因の操作が行われております。そういう点、私どもこういうような事象につきましてその原因等を詳細にチェックした段階で、安全審査あるいは安全審査を行う基準等にこれを反映していくべきであろうというふうな考え方で、先ほどからも安全委員会の委員長談話にもあります四の安全審査会の特別な部会をつくったということを申し上げておるわけでございます。なお、この特別部会は、近々もう少し広げた部会にしてそれに対処しようとしておる段階でございます。
#122
○佐藤昭夫君 結局言われておることは、起こり得べからざる事故が起こったと、それは恐らく人為的ミスによるものではないかというふうに思っている、しかし念には念を入れる意味で安全審査基準の見直しもやる必要があるかどうか目下検討中だと、こういうことが長々と言われたということかと思いますけれども、単純に、起こり得ない事故が起こったのは人為的ミスだという単純論法ですべて人為的ミスに集約をしていくというやり方をしたら、本当に今度はわが国で大変なことが起こるという問題でありますしね。
 同様の角度から聞くわけですが、このアメリカの事故では水素ガスが滞って爆発を起こし、格納容器が壊れる危険というのもいろいろ指摘をされておったということですが、アメリカのTMI事故における格納容器の耐圧設計強度ですね、これとわが国のPWR、ウエスチングハウス社製のこれの耐圧設計強度、これは対比してどういうことになっていますか。
#123
○政府委員(児玉勝臣君) 格納容器の耐圧の問題でございますけれども、スリーマイルアイランドの格納容器は四・二キロメートル・パー・スクエアセンチでございます。
#124
○佐藤昭夫君 気圧でしょう。
#125
○政府委員(児玉勝臣君) ゲージ圧力でございます。
 それから大飯の方は〇・八四気圧でございます。したがいまして、これの一・二五倍の耐圧試験に合格しなければなりませんので、恐らくこれの一.二五倍には合格しているので、その気圧には耐えられるというふうに考えられます。ただ……。
#126
○佐藤昭夫君 どうしてそういうことになるんですか。片や四・二でしょう。
#127
○政府委員(児玉勝臣君) 四・二です。
#128
○佐藤昭夫君 アメリカでは四・二気圧。にもかかわらず爆発をするのではないかという心配がいろいろ巻き起こっておったわけでしょう。わが国の場合はそれよりもぐっと低いじゃないですか、耐圧強度は。
#129
○政府委員(児玉勝臣君) 爆発の問題、この格納容器の中での耐圧に耐えられないほどの爆発が起きるというふうには私たちは考えておりませんが、ローカル的には爆発が起こるということで、そのローカル的な爆発にはもう十分これには耐えられたということでもありますし、また大飯の1、2号は、これはアイスコンデンサー方式をとっておりまして、中の圧力を急激に氷によって冷やす、そういう方法でございますので、格納容器の諸圧力を低くとっておるということでございます。
#130
○佐藤昭夫君 あんまりそういう人をだますような話をしたらいけませんよ。アメリカでは四・二気圧のそういう耐圧強度で、しかし、にもかかわらず爆発、重大なひび割れ、こういうことが起こるんじゃないかということが大きく騒がれておった。日本の原子炉の耐圧強度というのは、それに比べるとうんと少ない、小さいということで、同じような心配があるんじゃないか、そういう点で、その点でも構造上、設計上の見直しを考えてみる必要があるのじゃないかという問題を指摘をしているわけで、いまの説明というのは全然説明になっていないです。
 そういうことで、この安全審査の指針、いまの問題も含めて、すべて人為的ミスだということでそこへ集約をしていくというやり方は、これはもう事ここまで来ている段階では、論法として絶対に通らないということで、きょうやられておる安全委員会を新しい出発点にしながら、どうやってわが国の原子力発電所の安全を確保するかという見地からの徹底的なひとつ見直しをやっていただきたいというふうに思うんです。
 大分時間が経過をしましたので次の問題へ移りますが、原子力発電所の事故に伴う防災計画の問題で私も幾つかお尋ねをしたいと思いますが、少し問題を具体的にするために、もしも、たとえば東海の原子力発電所の2号炉、ここの発電量ですね、百十万キロワットという最大の規模ということになっているわけですけれども、この発電所の核燃料の装荷量、そして最大燃焼をした場合には炉心にどれくらいの放射性物質が出るのか、そしてその放射性物質のうち揮発性の放射性物質はどんな種類でどれくらいの量かという点についてはどうですか。
#131
○政府委員(児玉勝臣君) 原電の東海第二の装荷量はウラン量で百四十二トンでございます。それで百八十日間運転いたしまして、運転した直後に燃料体中に内蔵されている放射能は約十の十乗キュリーと計算されます。
#132
○佐藤昭夫君 で、その中の揮発性のもの。
#133
○政府委員(児玉勝臣君) 揮発性の物質は沃素、希ガスでございますが、それが全体で十数%程度あるわけでございます。
#134
○佐藤昭夫君 そうしますと、いまの東海の原子力発電所の2号炉で事故が起こったと、で、格納容器にひびが入って揮発性の放射性物質が漏れたと、そういう場合に一体何キュリーぐらいの放射性物質が――たとえば一%漏れたとして、何キュリーぐらいのものが出てくることになるんですか。
#135
○政府委員(児玉勝臣君) 一%といたしまして揮発性物質は一・七の十の七乗キュリーぐらいだと思います。
#136
○佐藤昭夫君 ちょっと聞こえにくかったんですが。
#137
○政府委員(児玉勝臣君) 一・七の十の七乗キュリーぐらいだろうと思います。それは前提といたしましては、燃料体中の十の十乗キュリーの総量から揮発性の放射性物質の割合を一七%と考えまして、それの一%が外へ出るというふうに勘定いたしましてこういたしました。
#138
○佐藤昭夫君 そうしますと、風が吹いているとしますね、風速五メートルぐらいのそよ風が吹いているというふうにした場合に、いま言われておるような一・七の十の七乗、千七百万キュリーですか、これが漏れ出す、で、五メートルのそよ風に流される、そういう場合に、たとえばいまの東海から流されていくということになりますと、大体六時間で東京へ、それから福井での原発でそういう事故が起こった場合には四時間ぐらいで京都へというぐらいの計算になりますね。通産省の方で、そういう事故が起こった場合に、どの程度の速さでどの程度の範囲に放射性物質が流れていくかという計算をなさったことはありますか。
#139
○政府委員(児玉勝臣君) 安全審査の場合に平常時被曝として、その風向と風速の関係はやっております。
#140
○佐藤昭夫君 いま私が一つの例として挙げております東海の原子力発電所がいま言ったような事故を起こした場合、たとえば何時間ぐらいで放射性物質が東京に達するか、計算は出ていますか。
#141
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生の御質問の件については、なかなかこれはむずかしい前提がたくさんありますし、当方もこういう計算もしたことございませんのでお答えできません。
#142
○佐藤昭夫君 放射性物質には揮発性のものと非揮発性のものといろいろありますね。しかし、揮発性のものについてはどれくらいで広がっていくかということは、これは単純に大体推定できる問題でしょう。それほどむずかしい計算をやらなくちゃ推定ができないという問題ではないでしょう。
#143
○政府委員(児玉勝臣君) 先ほどのお話のように、原子炉の中にあるキュリー数という問題と外へ出てくる放射性物質との関係の間には格納容器もございますし、いろいろな安全のフィルター等もございまして、まずそういう一%という想定そのものがどういうものかと思いますし、また個々の沃素または希ガスが時間とともにどんどん減衰してまいりますので、そういう時間的なファクターを全部含めた上でさらにその拡散の問題を入れていろいろ計算しなければなりませんので、ちょっとここではすぐにお答えできかねるわけでございます。
#144
○佐藤昭夫君 私がなぜあえてこの問題を出したかといいますと、実は衆議院の委員会でも議論に出た模様ですけれども、もういまから二十年近く前ですけれども、原子力発電所が事故を起こした場合の一つの推計をやっておる報告書が出ているわけですね。それによりますと、二百キロの範囲内、被害額三十八兆円に及ぶという報告書が出ているわけですけれども、これについて当局側は、いろいろそれの計算方式の違いもあると、もう古い古い時期のものだということで否定をしてみたり、さらにいろいろ調べてみますと、この報告書が余りにも国民にショックを与えるということで当時政治的に葬られたといういきさつもあるということですけれども、そうならそうで、私が一例として挙げているわけですけれども、東海の原子力発電所なりあるいは福井・敦賀の原子力発電所なり、そこでこの程度の事故が起こった場合、そしてわかりやすくするために揮発性の放射性物質がこの程度漏れたと、こういう場合にどういうふうに一体被害が及ぶのか、それに伴って防災計画をどういうふうに考えるか、何時間後には避難命令、何時間後には注意警報、こういうものを出す必要があるのかという防災計画をつくるいわば一番基本になる問題でしょう。こうした問題をどうしても考えてもらう必要があるというふうに思うんですが、どうですか。
#145
○政府委員(牧村信之君) 先ほどからのお話でございますが、現在、先生おっしゃいますような大量の放射性希ガス等が原子炉から漏れ出した場合の影響の調査、これについて勉強していないことは事実でございます。私ども、このスリーマイルアイランドの原子力発電所の事故の経験に踏まえて、現在、これから災害時における対策のあり方というものを関係各省と協議しつつ検討してまいることとしておるわけでございますが、その際に、当然住民の避難等の基準、その他の必要なものを見直してまいりまして、この防災対策が実際に稼働できるようなワーカブルなものにしなければいけないと考えております。その際に、確かに先生御指摘のような、放射性物質があるサイトで大量に放出されたときにどういうような気象条件であればどういうふうに分布していくかというようなことの手法の開発が必要であろうと考えておるところでございます。これらにつきましては、アメリカなどでも最近相当やられておるというふうな話も聞いておりますので、早急にそういう点も調べた上で、たとえば原子力研究所等にお願いいたしまして、災害対策を進めていく上の一つの重要な指標になろうかと思いますので、今後その研究の進め方等について検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#146
○佐藤昭夫君 もう時間が来ましたからあれですけれども、いまぜひ検討の課題には挙げていきたいということを言われているわけですけれども、まさしくこの程度の原子力発電所の事故が起こった場合にどういうふうに被害が広がるのかという、これが防災計画の、言うなら基礎になる問題ですから、いろいろ出されておる報告書や意見、どうだこうだと批判だけしているのではなくて、やはり本当にいよいよ防災計画、本腰を入れてつくりますということであれば、どうしてもそれはやってもらう必要があるというふうに思うわけですけれども、そのことも含めまして、いま関係省庁の間でやられておる防災計画の具体化、一つは、四月の三日、閣議でやらぬといかぬということになったのがどう進行しているのか。以来もうこれで十日たっているわけですけれども、直ちに措置をしたことは何か。それから、防災計画の内容として検討課題に上しておる問題は何か。いつごろ結論を得べく作業をやるつもりなのか。こうした点、最後に質問いたします。
#147
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘のように、総理の指示がございまして、総理府に各省連絡会議ができたわけでございます。早速の第一回の会議は行われまして、どういうことが問題になるかということについて、いろいろな各省の間の話し合いがございまして、いろいろ現在の災害基本法に基づく骨組みは一応できておるわけでございますが、問題は、それが放射線という特殊なものであるためになかなかワーカブルではないというようなことが議論になりまして、通産省と私どもの方で、これに対しての問題点を整理した上で第二回の会合を開こうではないかということで、現在両省庁の間でその会議に出す問題点を集約しました資料を作成中という段階でございます。
 それから、一方、原子力安全委員会の方におきましても、この災害対策につきまして非常に関心がお高うございます。私どもといたしましては、関係各省が行う際の技術的な基準等につきましては安全委員会でぜひ御議論いただきたいというふうに考えておるところでございまして、近く安全委員会の方でこの問題を議論いたします防災対策に必要な技術的ないろいろな問題についてのことを検討する専門部会を設置する予定になっております。
 それからもう一点、しかし、非常に長くこういうものをかけてはいけないわけでございますので、できるだけ早く検討を進めていきたいというふうに考えております。まだ関係各省との間に十分な了解がとれておるわけではございませんけれども、いま直ちにやるべきこととしては、必ずしもワーカブルではございませんけれども、一部の市町村には災害対策基本法に基づく防災業務計画が定められてない市町村がまだございます。こういうようなところは現在の仕組みによる防災業務計画を至急つくっていただくようにいたしたらどうかというようなことも含めまして、いろいろ現在通産省と私どもの方で具体的な問題点を煮詰めておるというのが現段階でございます。その際、私ども科学技術庁におきましては、放射線の障害の防止という所掌を持っておりますので、今後その面から都道府県等が行います防災業務計画を支援してまいるというふうなつもりで対処していくつもりでございます。
#148
○中村利次君 スリーマイルアイランドの原子炉事故で、前回の三十日の委員会のときには、これは私は全く――全くと言っていいほど正確な情報がわからなかったわけでして、正確な事実を――こういうことはやっぱり事実に基づいていろいろ問題を考えませんと、私はやっぱりこれは事実どおりの扱いでないと、それを過大に扱ってもいけないし、過小に扱ってもいけないと思います。ですから、正確な事実をできるだけ早く入手していただきたいということを要望したつもりです。きょう現在、かなり私はこれは新聞報道等によって、これも切り抜いてみましたし、あるいは科技庁、通産省等にこの資料を要求をして、きょうもいただいたこういうもの、それからまあ、きわめてささやかではありますけれども、その他のいろいろな情報源というものを総合して比較して判断をしてみますと、これは全く私は、果たしてこの事故の問題が正確に取り上げられておるんであろうかという疑問をまず非常に強く感じます。今日ただいまの時点で問題になっておりますのは、アメリカの原子力規制委員会が予備報告書というんですか、通知書ですか、これは新聞にそういう訳になっておるようでありますから、私も予備通知書としますが、これも私はずうっとこうずいぶん読んでみた。しかし正直言って、何だ、アメリカのNRCはいまごろこんなことを言っているのかという、ほとんどがそういう感じですが、これは政府はどうですか、本当にそんなことは当たりまえの話で、日本の場合にはやっているというのがほとんどだと思うんですけれども……。
#149
○政府委員(児玉勝臣君) NRCの勧告でございますけども、第一回目は四月の二日に、B&W社製の七つの発電所につきまして総点検を指示しておるわけでございます。その内容は、簡単に申し上げますと、過渡状態及び事故に対処するための運転手順の要求される処置についてレビューをすること。それから第二が……。
#150
○中村利次君 いや、それは結構です。余り詳しく……時間が非常に短いですから。
#151
○政府委員(児玉勝臣君) はい。
 それから後は、格納容器の隔離の問題、これはECCSのときには隔離するようにすること。それから、緊急給水バルブは「開」であることを確認すること等々、保守、検査手順の見直しを必要に応じて行えというのが非常に多くの項目にわたって入っております。そういうようなものは、ただいま先生おっしゃいましたように、現在わが国で行っております総点検の中でもうすでに行っているばかりでなく、すでに運転要領の中に取り込まれているものが大部分であるわけでございます。
 それからさらに四月十日にも全軽水炉施設者に対しまして、スリーマイルアイランドの事故で明らかとなった運転上及びシステム上の問題の見直しについて予備通告をしております。これが先ほどのECCS手動の追加と、こういう意味でございます。
#152
○中村利次君 私も本当に不勉強で、アメリカはこの程度しかやってないのかという非常に意外な感じがしますがね。その最初のときに、スリーマイルアイランド原子力発電所2号機では給水喪失の過渡現象に始まり、明らかに操作上の誤りが複合した一連の事象から起こった重大な炉心損傷を経験したと、こう言っておる。何も日本人が仮想事故を……、アメリカの原子力規制委員会がはっきりと給水喪失の過渡現象に始まり――これはまあ平ったく言えば、二次給水系のメインポンプが故障して、それに始まって後は明らかに操作上の誤りが複合した一連の現象から起こった重大な炉心損傷云々と、ですから、いま審議官がおっしゃったように、たとえばずっとごてごてといっぱい書いてありますけれども、加圧器水位レベルと加圧器圧力は一致して原子炉冷却系への安全注入が自動的に開始する加圧水型原子炉施設については、水位レベル表示が手動セットポイントに下がっても下がらなくっても、加圧器圧力は圧力表示が注入の手動セットポイントに達した場合は、手動で安全注入を始動するようオペレーターに指示すること。これはいままでもいろいろ答弁されている、そういうことが指摘されているんですよね。ですから、ECCSが自動だとか手動だとかいろいろな議論をしてみても、これも審議官おっしゃったように、ウエスチングハウスから加圧計あるいは水位計ですか、なんかは同様に作動しない、表示しないような場合があるとか、あるいは誤表示――誤って表示する場合もあるとか、そういうことがあるのかないのかわかりませんけれども、それはあるという想定のもとにこういうことを言っているでしょう、規制委員会が。そうなりますと、どうなんですか、これは、バブコック製のものはちょっと違いますよね。ちょっと違うけれども、この事故のためにこういうものが出たはずなんだけれども、あわせて、ちょっとこのシステムの違うウエスチングハウス社製の原子炉も手動で入れろということを言っているんですか、これはどういうぐあいに受け取るべきでしょう。
#153
○政府委員(児玉勝臣君) スリーマイルアイランドの事故はB&W社のもので起こったわけでございますけれども、加圧器における現象は、これはPWR型と共通の現象であると、こういうふうに言っておられておるようでございます。したがいまして、ウエスチングハウス社のものにおきましてもそういうような事象が起こる可能性があるということを指摘しているわけでございます。
#154
○中村利次君 この圧力計と水位計が何か誤って表示することがあり得るとかなんとか、そういうことはどうことを言っているんですか。
#155
○政府委員(児玉勝臣君) 水位計の方が誤指示をする可能性があるということを言っておるわけでございます。これは加圧器の逃がし弁から蒸気が非常に急速に大量に出るという状態になりますと、加圧器の中が沸騰状態になりまして水面の状況が非常にはっきりしなくなりますし、そういうことで加圧器の構造の上からいきまして、加圧器の、何と言いますか標準の水位の方も若干変動が起きて、その標準の水位と、それから加圧器の方の水位と比較したところで水位を検出するということになっておりますので、その標準の水位の変動と誤差とそれから加圧器の内部の水位そのものの過渡現象の状態と両方あわせまして水位計が非常に誤差しやすい、水がなくてもあるかのように水位を上目に出す可能性がある。そういうことでございます。
#156
○中村利次君 これは確かに今度そうなったようですね。そうなったようですから、その体験に基づいてこういう勧告というか注意が出たんでしょうけれども、そうなりますと、これはもう明らかにやっぱり運転操作にかかわる問題ですね。安全性とはまさにこれはもう関係ない。だから仮に、乱暴な設定のようですけれども、手動でやろうと自動でやろうと、ECCSが働けばいいわけですな、どうですか。
#157
○政府委員(児玉勝臣君) ECCSが設定値を超えたときに機能すればいいわけでございます。
#158
○中村利次君 それで私不思議なのは、何だか今度のこの事故ではこれは働いたんでしょう自動的に、そうじゃないですか。
#159
○政府委員(児玉勝臣君) ECCSは動きました。
#160
○中村利次君 動いたわけですね。自動的に作動したのを手動で切ったと、これは間違いありませんね。
#161
○政府委員(児玉勝臣君) 手動で切ったわけでございます。
#162
○中村利次君 だから、こういうあれは出てくるわけでしょう。
 そこで、初めから今度はいきますけれども、やっぱり今度のこの事故が非常に仮想事故的に私は受け取られているんではないかと思いますのは、発表をされておりますように、この二次給水系のポンプが故障してトラブルがあって、原因はわかってますかわかってませんか、さっきのあれでははっきりしないということのようですから、これはやっぱり原因もはっきりされるべきだと思いますが、いまはっきりしてないならば……、そのトラブルで問題なのは補助ポンプが弁が閉じていて動かなかったというんですけれども、それから、先ほど伺っておりますと、これは定期点検であるという答弁だったようですが、この2号炉というのは去年の十二月に運開をしたわけでしょう。それを定期点検をなぜしなきゃいけないのか、それが一つ。
 それから、日本の場合には原子炉を運転しながら補助機器をすべて停止をするなんという、そんなばかげたことは考えられないのではなくて、やってはいけないことになっておるはずだけれども、そういう点どうですか。アメリカはそういうことをしていいのかどうか。日本の場合はそういうことができるのかどうか。私の承知するところではできない。補助機器をストップして使えない状態のもとで原子炉の運転はできないと承知をしておりますけれども、どうですか。
#163
○政府委員(児玉勝臣君) スリーマイルアイランドの発電所の補助給水系につきましては、NRCの発表によりますと、二系統ごとバルブが閉まっておったと。それで、公式発表じゃございませんけれども、その点検は二週間前の定期点検でそれを実施したというのが、正規な公表ではございませんけれども、入った情報によればそういうことになっております。
 それから、日本の場合でございますと、発電所が動きますときにはまずそのバルブが「開」であること、それから補助給水ポンプが二台以上起動可能であること、そういう条件が整ったところで臨界になりまして、その後運転を開始するということになっています。運転開始した後、定期的に必ず一カ月に一回起動試験をいたします。それで、なお内部の点検を行う場合にはその三台のうち二台が必ずスタンドバイしているということが条件で、しかもその定期点検の期間は、ちょっといま忘れましたが、二週間か何週間か何日か、その期間を限って点検を許すということにしております。
#164
○中村利次君 ですからね、それから先はまさにこれは日本の場合には仮想なんですよね。とにかくメーンポンプにトラブルがあれば必ず起動をする補助ポンプを三台持っておるわけでありますから、それは必ず起動するように点検を怠らないけれども、それは一台以上の点検はやっちゃいかぬ、二台はいつでも起動できるような状態に置かなければ原子炉の運転はできないということになっておるわけでありますから、したがって私は、審議官には前回の委員会では大変失礼したんですが、あなたが多分起こり得べからざる事故と、こうおっしゃったと思いますけれども、私はその当時どういうことでこういう事故が起きたんだかわからなかったものだから、起こったんだから起こり得べからざるではなくて、起こってはならない事故と、多分余計な訂正をして失礼をしましたが、確かに、そうなりますと日本の場合これから先はこれは起こり得ない、考えられない、だからまさにこれは仮想事故でありまして、ところがアメリカでは起こった。起こった原因は何かと言えば、いま言うように、日本では絶対に補助ポンプが正しく起動できる状態になければ運転してはならない原子炉を運転していた。それから非常にミステリーじみているんですが、後のECCSの手動停止にしても、それからこの加圧の逃がし弁にしても、あるいはこの一次冷却水のポンプの停止にしても、これはずうっと詰めていきますと、本当にミステリーじみたあれがあるんだが、まず第一発日にこの補助ポンプの弁が閉じていた。それからミステリーじみているのは、そこに何かコントロールルームに閉じている表示があって、そしてこれは「開」にしなきゃいけないという注意書きまであったんだけれども閉じていたという、これは本当かうそか、そういう情報というのはありませんか。
#165
○政府委員(児玉勝臣君) ただいまおっしゃったような情報を公式的には受けておりません。しかし日本の発電所に置きかえて考えますと、当然この補助給水ポンプ系の表示というのは制御盤には表示されるはずでございます。また当方の運転要領の中にも、水が外へ出ない、たとえば空気弁がとまってしまった場合には手動であけろということになっておりますので、そういうような操作ができるようにできているんではないかと、こう思っております。
#166
○中村利次君 ですから私は不思議でしょうがない。私は原子炉の問題については当事者としていろんな交渉を体験してきていますから、それは補助ポンプが起動するかしないか中央操作室でそんなものわからないはずはないんですね。そうするとアメリカの原子炉の運転操作は、補助ポンプが起動しない状態であっても運転できるということになっているんですか。
#167
○政府委員(児玉勝臣君) はっきりとそのテクニカルスペックについて情報が入っておりませんけれども、NRCの話ですと規則違反であるということを言っております。
#168
○中村利次君 まさに規則違反ではこれは済まされないような、そういう重大な規則違反をやって、この電力会社がアメリカでどういう処分を受けるのかしれませんけれども、まさにこれは私としてはもう考えられないような、極端に言えば気違いではなかろうかと思うぐらい、そういうことが起こって、そういうのがきっかけになってこういう重大事故が起きているということを私どもはやっぱりはっきり認識をしませんと、それから先のやつも、いかにも起こりそうだ、起こりそうだという仮想事故をかつぎ出して議論をしていたんではどうしようもない。しかし、であってもアメリカではそういうばかげたことをやっていて起こったんですから。
 それからその次に、私の承知するところでは、たとえばアメリカのように補助ポンプも起動しないでそれでタービンがストップしちゃったと、原子炉もとまったと、こういうことになっておるわけでありますHけれども、私の承知するところでは、こういう事態になれば、タービンがとまる前に原子炉がとまると認識をするんですが、その点は日本の場合はどうですか。
#169
○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃるとおり、まず原子炉がとまりそれからタービンがとまるようになっております。
#170
○中村利次君 そうですね。そういう設計になっているはずですね。それは間違いありませんね。もう一回確認します。
#171
○政府委員(児玉勝臣君) 間違いありません。
#172
○中村利次君 これもやっぱり日本でこういう事故が起きる場合にはどうなるんだという心配の場合には重大な要因として私はやっぱり確認しておく必要があると思うんですね。これは、ですからまるで違います。
 それから、圧力逃がし弁の弁が開きっぱなしだったというのは、私は全くこれはミステリーみたいなもので、わが国の場合では、私の承知するところでは、これはさっき御答弁の中にちょっとありましたね、リモートコントロールできる主弁があって、それをリモコンで閉ずるんだと、私もそういうぐあいに承知をしておりますから、圧力逃がし弁が開きっぱなしで、そして圧力器の中の圧力が下がって、水位が下がってECCSが働くという、こういう事態にはなり得ないと、こう思うんですが、いかがですか。
#173
○政府委員(児玉勝臣君) 第一には、逃がし弁が作動いたしまして規定値になりまして閉まれば、先生おっしゃるとおり水位が完全に下まで下がるということはないかと思います。たとえ下がりましても、もとにございます元弁を、電磁型でございますが、それを操作すれば大量に加圧器から蒸気が抜けていくということは防止できるかと思います。
#174
○中村利次君 そのとおりだと承知をしておるんですが、そうしますとこの場合、これはもう仮定ですよね。何かこの事故の場合の運転員というのは、もしアメリカの設計が日本と同じように、やっぱりメーンバルブをリモコン操作できるということになっておって、それをしなかったということになれば、この運転員は素人ではないかという失礼な考え方さえ出るんですけれども、そういう点はどうでしょう。アメリカはどうなっているんですかな、わかりませんか。
#175
○政府委員(児玉勝臣君) 確かな情報じゃございませんが、ただスリーマイルアイランドの図面を見た上では、どうも元弁があるようでございます。また元弁は操作できるかっこうになっております。
#176
○中村利次君 どうも、だんだんとそういうぐあいにしていくと、まだ後にもたくさんありますけれども、何か何新聞だったか知りませんけれども、四日か五日の新聞に謀略説というようなのがちょっと載ったんですが、どう考えてみても考えられないようなものがずっと重なっていってこの大騒ぎになった。それから、たとえば知事の非難勧告にしても、あらかじめ決められた環境への放射線の放出よりもはるかに低い時点で、とにかく知事がもう避難勧告をしなければどうにもならなかった、てんやわんやになったということも伺っておるんですけれども、まことにこれはずっと考えてみるとミステリーじみているというか、謀略じみているというか、そういう感じがするんです。何新聞だったかは――きょう新聞の切り抜き帳を私は部屋に置いてきましたからあれですけれども、そういう情報は科技庁、通産省はお持ちでございませんか。
#177
○政府委員(牧村信之君) その疑いで御調査したという話は聞いておりますが、そういうようなことはなかったというふうに承っております。
#178
○中村利次君 これもこの圧力逃がし弁の、何というか、かぎといいますか、これも私には大変に理解しにくいところですね。
 次に、それからECCSが働いたんですが――いや、働いたかどうか、働いたというお答え、働いたという資料になっていますがね。それを手動でとめたと、これは私は、ここへ括弧して書いてあるこの理由では納得できません。さっき読んでいたんですがね、これは変です。次の一次冷却水ポンプの停止も、こんなばかげた一すべてがやっぱり中央操作室には警告を含めて表示されますよね。こういうことが果たしてあり得るかと思うんですよ。まさにこれは私は納得できませんが、これはどうですか。この手動でとめたという点について理由は何とお考えですか。調査されたところではこの括弧のあれなんでしょうけれどもね。
#179
○政府委員(児玉勝臣君) ECCSを手動でとめたというのは、このプリントをつくったころには、こういう情報で類推したわけでございますけれども、その後の情報では加圧器の水位計が誤動作しておりまして、水位が非常に上昇したようなかっこうで表示していた、それを見ましてECCSを手動で切った方が適切なのではないかと、こういうふうに運転員が判断したのではないかと思われます。日本の場合ですと、ECCSはこれは自動的にもちろんこれは入りますが、その後は低圧の給水ポンプが入るような条件がつくられるか、または原子炉の状況が非常に安定して、しかも一次冷却水ポンプで十分その冷却が行われておるという状況、すなわち圧力逃がし弁が当然閉まっていなければならないわけでありますけれども、そういう状況下においてECCSを切る。これもまた一担当員が切るわけじゃありませんで、責任ある運転係長または運転課長、それから所長と、そういうような者の指令によってECCSは切るということになっております。
 それから一次冷却水のポンプの停止でございますけれども、これもどういう……、確かに振動が出てきて、運転そのものが危ぶまれるという事態があったのかもしれません。その辺の状況はつまびらかじゃございませんが、何しろ一次冷却水ポンプというのは、これはこういうようなPWRの問題では蒸気発生器でもって熱を取るというのが現在やっている作業の中の一番重要なところでございますので、ちょっと一次冷却水ポンプをとめるというのも非常に疑問視される点でございます。
#180
○中村利次君 これは原子炉がとまれば一次冷却水がとまるのは当然でしょう。何だかどうも、どう考えてもあり得べからざることが次々と何だか起こってきているわけでありまして、それがやっぱり規制委員会の、明らかに操作上の誤りが複合した一連の事象から起こった重大な炉心損傷と、こういう表現になっておると思うんですね。ですから、私どもはやっぱりこういうのが果たして現実に日本の原子炉で起こり得る事故なのかどうかということをもう一回点検して――そういう点で、何かどうも政府の姿勢がやっぱりしっかりしてないんじゃないか。事実は事実ですからね。だから何も私は政府に高姿勢になれとは言いません。謙虚なのは結構、それから慎重なのも結構です。しかし、過ぎたるは及ばざるがごとしと言いますから、いろいろなエネルギー事情から考えて、原子力の平和利用に支障があったら、いつも申し上げるように、日本人の国民生活にこれはもう間違いもなく支障があるわけでありますから、私は正しい姿勢をとってもらわなきゃ困ると思うんですよ。
 そういう意味で、まだあと幾らか時間があるんですから、大臣にお尋ねしたいんですがね、ついでですから。何かこれも新聞報道で私はちらっと見たんですけれども、これは予算委員会で、原子炉の定検について欧米とわが国との違いそのときも私は、安全というのはやってやり過ぎるということはないんだから、これは非常に結構、安全は徹底的に追求しなきゃいけないけれども、しかし過ぎたるは及ばざるがごとしと、ここでも……。ですから、欧米に比べてばか長い定検の期間とそれからそのやり方、これは安全は期間が長ければいい、あるいはその内容が日本の方が欧米に比べていいと、こういうものだけではないんですよ。安全面から考えても、やっぱり作業員のトータル・マン・レムの増加問題なんかは、これは明らかに定検のやり方によって違うわけでありますから、安全というものはやっぱり総合バランスの上に原子力の安全はいかにあるべきかということが決められませんと、一面から、原子炉攻撃の立場からのみこの原子力の平和利用の安全性は追求されるべきものじゃないんです。ですから、そういう意味からしますと、定検のやり方、期間等については当然これは安全追求の上からいっても見直すべきである。これは、天谷長官が「検討します」というお答えだった。ところがこの間大臣は、いや、そういう意向があるようだけれども、いまのままでいいんだというようなコメントをされましたか、どうですか。
#181
○国務大臣(金子岩三君) 私はそういうコメントはいたしておりません。科学技術庁に入った当時、まあ西ドイツの例を挙げると、大体四十日から四十五日で定期検は終わる。日本の場合三カ月かかるというんで、それを聞きまして、とにかく必要以上の――過ぎたるは及ばざるがごとしで、必要以上の時間をかけて定期検をやることはまことに不経済ではないかなということで、これをぎりぎりに短縮して完璧を期するということで検査をした場合どのくらいでできるだろうかと言ったら、四十五日ぐらいで検査ができるというような資料をつくって、私はいただきました。
#182
○中村利次君 どうもこれは失礼しました。誤解でございました。
 これは私は、短くすべきであるとか、長くすべきであるとかという議論はきわめて無意味であって、中身と期間というものはこれは連動しておるわけですから、ただ原子力の安全性というのが、とにかく、何というんだか、いろんなばかげたことまでやって長くやっていいというものではなくて、作業員等の安全性等も含めて総合的な手法と期間が定められるべきである。だから、結果として私はもう少しこれは短縮できると思っていますけれども、それでわかりました。
 そこで、質問を続けますけれども、まあきわめて納得はできませんが、加圧器の圧力の逃がし弁があきっ放しであったために――これは後で閉じたということになっていますがね、あったために逃がしタンクにこれから漏れた蒸気がたまったわけですな。そしてこれが格納容器内にあふれ出たものを補助建屋に移送ポンプで送っている、くみ出しているんですよね。これも私はもう全く納得できない。私の承知するところでは、日本ではそういうことはできないことになっているはずです。くみ出しちゃいけない、くみ出すことはだめだ、できない、やらない。いかがですか。
#183
○政府委員(児玉勝臣君) 移送ポンプが事故後数分後に自動起動いたしまして、いま先生おっしゃったように、放射性の水を補助建屋に送り込んだということは、記録の上からいってどうもはっきりしておるようでございます。
 それで、日本の場合ですと、原子炉格納容器隔離というのが、ECCSが働いたときと、それから原子炉格納容器内の圧力「高」という二つの信号によって、どちらかの信号によって移送ポンプのバルブが両方閉まりまして、格納容器内のあらゆる、そういう貫通した部分の弁も全部遮断されまして密閉された格好でECCSが注入されるということで、放射性のものは外に出ないように考えております。ところがスリーマイルアイランドの発電所のシークェンスでは、原子炉格納容器内圧力「高」というときだけ移送ポンプがとまる、要するに原子炉格納容器の隔離が行われる、そういうことになっておりますので、日本ではこういうようなことにはまずならないのではないかというふうに思います。
#184
○中村利次君 この補助ポンプが起動しなかったことから先のあれは、本当に何だかこういうことを聞くのがばかげているような感じもしますけれども、やっぱりこれはアメリカでは起きているわけでありますから、比較をしませんと、日本で起こり得るかどうかという、それが大事だと思いますから、まあばかげたことをやっておるんだけれども、いまおっしゃったように、日本の場合には弁が閉じて補助建屋にはくみ出せないようになっておるということですね、そういう設計になっておる。
 それからもう一つは、その理由が、これはまあいいとか悪いとかいうことは言えないでしょうけれども、水浸しになるから――それは設計の違いもあり運転操作の違いも日米ではありましょうから、水浸しになるから移送ポンプが自動的に働いたとなっておるようでありますけれども、私の承知するところでは、わが国の場合は、こういうケースの場合水浸しにならない設計になっておるはずですけれども、いかがですか。
#185
○政府委員(児玉勝臣君) ECCSの水が破断の穴から出てまいりまして、それで格納容器の中にたまるということは、これはスリーマイルアイランドの場合も日本の場合も同じでございますが、日本の場合ですと、タンクの約千四自トンが全部注入されたといたしましても水面の高さはそれほど高くならず、重要な計器、たとえば加圧器水位計とか圧力計とか、そういうような安全系のものは九メートル以上のところについておりますので、十分そういうコントロール機能が水侵しになって使えなくなるということはいまのところないかと考えております。
#186
○中村利次君 そこのところをもう少し詳しく。
 まず、高さが、位置が違うんでしょう。それからもう一つは、カバーされていませんか、日本の場合には設計上カバーがついていませんか。
#187
○政府委員(児玉勝臣君) 機器の配置そのものが、先生おっしゃいますように高く配置しております。それから機器にもカバーはついております。
#188
○中村利次君 わかりました。
 こういう点も私のやっぱり認識どおりで、まるでアメリカと日本の場合には設計そのものが違っているはずですよね。
 ですから、私は総合しまして、初めからおしまいまで何でこういうことがアメリカの場合には起きたのか。それから、このトラブルの発端になった二次給水系のメーンポンプのトラブルがあったにもかかわらず、補助ポンプが起動をしなかったというところからずっと一つ一つこう日米比較をして、法的な制約あるいは操作規定、まあまあいろんなものをこう比較して、アメリカ側が……私はどうも不勉強で全くわからなかったものですから、勉強していなかったものですから、大変に何というか奇異な感じでいっぱいなんです。ですから、どうしても私はミステリーじみて納得をできない点を先ほどから何点か申し上げましたが、一つは、アメリカ側に正確な情報を求められる場合、そういう点を含めて、アメリカはどうなっておるのか、そういう点をぜひひとつ明らかにしてほしいと思いますけれども、いかがでしょう。
#189
○政府委員(牧村信之君) 現在、安全委員会といたしまして、内田安全委員がワシントン並びに現地の視察等を含めまして行っておりまして情報収集に当たっておるわけでございますが、そのほか安全審査の先生四人、それぞれ専門分野を選定いたしまして、いらしていただいています。また、必要に応じてなおそのほか三名の先生がいつでも待機しておるというような状態で情報収集に努めておるところでございます。また、行政庁の方といたしましては、通産省並びに科学技術庁の職員が一名、情報収集の先生方のお手伝いを兼ねて現地に派遣されておるところでございます。またワシントン大使館におきましてアメリカ駐在の二名の科学技術アタッシェが全面的にこの情報収集に、バックアップしていただいております。したがいまして、そのような情報の収集が逐次蓄えられつつあるという状況にございますので、そのような情報につきまして取りまとめて、委員会の専門部会において検討するほか、取りまとめの上逐次公表をできるものからしでいきたい、かように考えておるところでございます。
#190
○中村利次君 もう時間がなくなりそうでありますので、これで最後にしますけれども、規制委員会の警告書というんだか報告書というんだか予備通知書というんだか、こういう点についても本当に何か日米の比較をして、何ということであろうかということがたくさんありますから、これを明らかにしたいとも思いますが、とにかく、より一段と正確な情報というか、事実を政府の方でもとっていただいて、こういうことは本当にやっぱり過大でも過小でもなく、正しく国民の皆さんとともに国会も確認をする努力をしなきゃいかぬと思うんですよ。
 そういう意味で――これでおしまいにしまして次に譲りますけれども、私はいままで申し上げてまいりましたような理由で、原子力安全委員長の三月三十日に発表された談話、これに対しては批判がございますが、私はこれはもっともであると思いますから、そういうのもいるということをひとつ大臣も原子力安全局長も安全委員長にお伝え下さい。これはけしからぬという意見もあるけれども当然であると、支持するという意見もあるということを正しくひとつお伝えください。これで終わります。
#191
○柿沢弘治君 それでは、スリーマイルの事故についてはいろいろと質疑があったと思いますので、私は法案の質問をいたしたいと思います。
 まあ事故に関しましては、事実をとにかくできるだけ詳細に検討していただいて冷静な議論をすることが必要だと思いますが、ただ一つだけ注文をつけておきたいと思いますのは、たとえ不利な情報があっても決してうやむやにしないといいますか、そういう意味であくまでも三原則の公開といいますか、今後の安全性の審査についてもその方針は貫いていく。美浜のときに発表がおくれた云々という議論がありましたけれども、そういう形で原子力行政、安全行政についていやしくも国民の批判を招かないような公正な態度をとるということだけぜひお考え方を、決意を聞いておきたいと思います。
#192
○政府委員(牧村信之君) 原子力の安全を確保し、その上で国民の理解をいただいて進めていくというためには、ただいま先生が御指摘になった大変貴重な御意見は常々守っていかなければならないと考えておりますので、私ども先生の御趣旨に沿って進んでまいりたいというふうに考えております。
#193
○柿沢弘治君 それではこの核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、まずこの法律改正の趣旨を伺いたいと思いますが、全体のわが国の再処理需給の見通しに関しまして、科学技術庁からいただいた資料でございますと、一九九三年ごろになると千五百トン以上の再処理の需要が出てくる。それに対して、現在の動燃の工場並びに海外委託だけでは十分に対処できないという説明がございますけれども、この再処理の需要見通しといいますか、これは何に基づいて立てているわけでしょうか。
#194
○政府委員(山野正登君) ただいま原子力委員会の長期計画で示しております昭和六十年度に三千三百万キロワット、昭和六十五年度に約六千万キロワットという原子力発電の規模を頭に描きましてこの再処理需要を算定しているわけです。
#195
○柿沢弘治君 しかし、その後の状況を見ますと、この六十五年六千万キロワットという原子力発電の規模というものが実現できるんだろうか、その点に関して私ども疑問に思うわけですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。もう少しその意味でこの需要見通しというものが落ちてくるということが想定されるわけですが、そんな傾向になっているんじゃないですか。
#196
○政府委員(山野正登君) 御指摘の再処理需給関係でございますが、先ほど申し上げましたような前提で考えますと、昭和六十五年までの再処理需要の累積総量というのは約八千三百トンになるわけでございます。これに対しまして供給側を考えてみますと、現在動燃事業団が東海村に建設を終了して試運転をいたしております再処理工場、これの供給量とそれから当面の需要を賄いますために英仏両国に委託をいたしておりますが、そういったふうなものを合算しますとほぼ八千三百トンに見合うわけでございますが、厳密な計算値で申しますと六十五年の時点で数百トン、これは試算によりますと四百トンばかり不足を来すというふうな状況にございます。
 そこで、いま先生御指摘のように、六十五年度六千万キロワットといったふうなことがもし若干おくれるというふうに仮定いたしましても、再処理需給上はそれほど供給量が余ってしまうといったふうなことはなり得ないということが一つと、いま一つは、この再処理工場の建設期間というのは、電力業界等がこれまでに調査しました結論によりますと、大体十二年あるいはそれ以上の年月を要するというふうに言っておるわけでございますので、今後この法案を御承認いただきまして再処理会社を設立して設立準備に入るということを考えますと、昭和六十五年度の運転開始ということはなかなかむずかしいわけでございます。そういう意味で、できるだけ早い機会にいま提案申し上げております法案の御承認をいただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#197
○柿沢弘治君 この需給見通しについては、いずれにせよ見直す時期が来るんじゃないだろうか。そうしますと、この第二工場の規模というものについて現在のような見通しでいいのかどうかという点が問題になってこようかと思うわけです。しかし、その辺との絡みですけれども、いま十二年ぐらいかかるというお話がありましたが、この原子力研究開発利用長期計画によりますと、第二工場については「昭和六十五年頃の運転開始を目途に、速やかに建設に着手することが必要である。」と書いてありますが、どうもこの点については六十五年というのは無理だということで、この長期計画からはもうすでにおくれているというふうに見ていらっしゃるわけですか。
#198
○政府委員(山野正登君) 私どもは六十五年の運転開始ということを頭に置いてその長計もつくったつもりでございまして、いまのところこの法案の御承認を今国会でちょうだいできれば何とか確保できるというふうに考えております。
#199
○柿沢弘治君 そうすると、先ほどの六十五年で六千万キロワットの原子力発電規模というものが達成されなかったとしても、第二再処理工場の建設がおくれるから、まあそうオーバーキャパシティーにならないだろうという御説明と矛盾することにならないですか。
#200
○政府委員(山野正登君) 私が申し上げておりますのは、できるだけ法案を早く御承認いただきたいという趣旨でリードタイムが長いということを申し上げたわけでございますが、需給関係だけに着目して申し上げると、先ほども御説明しましたように、昭和六十五年時点で計算値によりますと四百トンばかりの不足を来すわけでございます。しかも、これは再処理工場と申しますのは、運転開始をしまして直ちに千五百トンなら千五百トンというフルキャパシティーを発揮できるものじゃないわけでございまして、どうしても立ち上がりの処理量が非常に少ないわけでございます。そういったふうなことを考えますと、当初第二再処理工場というものは、搬入されました使用済み燃料というものをかなりな期間貯蔵ポンドの中に貯蔵して、そして調整しながら再処理をしていくといったふうなことも必要かと考えるわけでございまして、先生御指摘のように直ちにオーバーキャパシティーになるといったふうなことにはならないというふうに考えております。
#201
○柿沢弘治君 その辺についていろいろ問題があるような気がするわけですけれども、次の問題としましては、第二再処理工場の建設が必要だ、原子力研究開発長期計画の中で、「第二再処理工場は、本格的な商業施設として、その建設・運転は、民間が行う」というふうに書いてあるわけですけれども、動燃にさらに第二工場を建設するという考え方はなぜこの場合とれなかったのか、その点についてちょっとお聞きいたします。
#202
○政府委員(山野正登君) ただいまは研究開発段階の延長でございますので、引き続き動燃で再処理事業というものをやっておるわけでございますが、先生御承知のとおり、わが国におきましては私企業体制というのが基本でございます。私企業で行い得ないものに限って政府ないしは政府機関がこれをやっておるわけでございますので、民間の活力を活用するという意味からも、技術が確立されました後は民間にバトンタッチをしたいというふうに考えておるわけでございます。アメリカとか西独の例を見ましても、電力は民営で行われておるわけでございまして、再処理事業というのも民営で行われるといったふうな形になっておりますので、わが国も民営で行われております電力事業の一環としまして民営で行うということは妥当なことじゃないかというふうに考えております。
#203
○柿沢弘治君 そうしますと、動燃は研究開発段階だからという御趣旨でございますが、そうなりますとその研究開発段階を過ぎて第二処理工場が稼働されるようになりましたら、動燃の部分についても民間にある意味では開放するといいますか、民営化するということも当然考えなきゃいけないわけですが、それは検討されているわけですか。
#204
○政府委員(山野正登君) ただいま動燃の工場と申しますのはいわば実証工場でございまして、日量〇・七トン程度の規模しかないわけでございます。で、この工場を使いまして今後ある程度の再処理需要量を賄いながら、なお引き続き新しい技術の研究開発ということを続けてまいるつもりでおるわけでございますので、恐らく今後この技術の改善といったふうな意味におきまして、動燃再処理工場の耐用年数の間ぐらいは引き続き研究開発要素を持ったものとして動燃事業団が運転していくことになるのじゃないかというふうに考えておりますが、これはまだまだ遠い将来も含めての話でございますので、いまその辺まで確定しておるという事情にはございません。
#205
○柿沢弘治君 それから、この法案に関連してのタイミングの問題ですけれども、日米交渉との関係でございますが、五十二年九月の日米交渉の中では、この再処理工場については動燃の稼働の規模を決め、そして第二再処理工場については、二年間新しい再処理工場について主要な措置をとることを見合わせるという一項目があるわけですけれども、この法案を改正する、そして会社の設立、立地の選定等をすることはこの「主要な措置」に含まれないということを御説明いただいているわけですが、どういう根拠で「主要な措置」に含まれないというふうに解釈をしているわけでしょうか、合意文書その他があるわけでしょうか。
#206
○政府委員(山野正登君) 一昨年日米間でこの再処理につきましての協議をしましたときには、東海の再処理工場の運転につきまして協議をしたのでございますが、その際わが国の原子力平和利用の将来の展望、その中には御指摘の第二再処理工場の建設等も含めましていろいろ意見の交換をしたわけでございます。その成果を共同声明の形で決定したわけでございまして、その共同声明の中に「日本国及び合衆国は、上記の期間中」、これは二年間でございますが、「プルトニウム分離のための新たな再処理施設に関する主要な措置はとらないとの意図を有する。」ということを確認したわけでございまして、この「主要な措置」という言葉を選ぶに当たりまして日米間でいろいろ話し合いをしまして、そのときの双方の了解、理解によりますと、「主要な措置」の意味するものというのは、再処理工場の建設を行うといったふうなことを「主要な措置」と表現しておるわけでございまして、その際に具体的に、法律の改正をすることとか、あるいは再処理会社を設立することとか、さらに設立された再処理会社が立地地点の選定を行うといったふうなことは「主要な措置」には入りませんねということを日本側から先方に確認をいたして、先方もそのとおりの理解でよろしかろうということになっております。この点につきましては特に議事録等を残していませんけれども、両方の出席当事者の明瞭な確認があるということでございます。
#207
○柿沢弘治君 どうもその辺が日米交渉の内側といいますか、内幕の話ですから私どもよくわかりませんが、建設は行わない、しかし建設の準備は進めてもよろしいということですと、じゃ全部――立地の選定をして会社を設立して、さて建設にかかるというときにノーと言われたら一体どうなるのでしょう。
#208
○政府委員(山野正登君) 先ほども私部分的に読み上げましたように、「上記の期間中」ということでございまして、昨年の九月から二年間は「主要な措置はとらない」という趣旨でございまして、三年目以降のことは何らこの声明では触れていないということでございます。
#209
○柿沢弘治君 三年目以降触れていないということは三年目以降は自由になるということですか。
#210
○政府委員(山野正登君) 日米間には日米原子力協定がございまして、これはまたただいま改正の話し合いを進めておるところでございますが、現行どおりの協定に従いますと、米国から輸入しました濃縮ウランの再処理をする場合には日米間で共同決定が要るということになっているわけでございます。したがいまして、将来この東海工場以外の新たな再処理工場におきまして現在の協定どおりが適用される、しかもその際米国産の濃縮ウランを再処理するという場合におきましては、米国とわが国との間に共同決定が必要だということになるわけでございますから、そういう意味におきまして第二再処理工場を三年目以降いかに進めていくかということにつきましては、絶えず日米間で話し合いをして双方の理解を深めながら進めていく必要はあろうかと思います。と申しますのは、工場をつくりました後で日米間の共同決定が整わないといったふうな事態に落ち込むというのは私どもまことに遺憾なことでございますので、事前にそのあたりの理解は十分に得た上で仕事は進めていかなければならないというふうに考えております。
#211
○柿沢弘治君 ということは、つまり二年たった後自由ではないということでございますね。ですから、また日米で話し合いをして合意を得ない限り建設計画もしくはその選定した立地が使われないということになる可能性もあるわけです。その意味で、現在この法案を急いでいらっしゃるわけですけれども、その法案が成立をして会社の設立行為が行われ、そして土地が選定されるという場合に、やはり再処理工場の規模その他が念頭にあって行われなければ、絵にかいたもちといいますか、抽象的な会社の設立は意味がないと思うわけですね、それから工場の規模に応じた立地の選定でなければならないと思うわけですけれども、その場合に、青写真なしで会社の設立もしくは立地の選定をされようとしているわけですか。
#212
○政府委員(山野正登君) まず一つは、わが国が第二再処理工場を建設します際に、第二再処理工場の建設自体には協定上米国との間に事前同意を得るといったふうな手続は何ら必要はないわけでございます。先ほど申し上げましたように、将来の共同決定をいたします伏線としまして、事前にそれに関連した工場の建設といったふうなことにつきましても米側の理解を求めておく方が好ましいだろうということを申し上げたわけでございますので、その点を補足しておきます。
 それから立地を選定しますに当たりまして、工場の青写真というものを頭に置かずに選定するのかという点でございますが、これは当然工場の規模並びに立地要件といったふうなものを具体的に頭に置きながら選定は進めるわけでございまして、ただいま産業界において考えられておりますものというのは、大体一日当たり五トン程度の再処理能力を持った再処理工場をつくろうといったふうなことで計画をしておられるわけでございます。これは昭和六十五年当時の再処理需要にも見合うというものでございまして、全くそのような青写真もなしに立地の選定だけを進めておるというわけではございません。
#213
○柿沢弘治君 いまの一日五トンの再処理工場の規模で、現在の価格でどのぐらいの資金が必要になるのですか。
#214
○政府委員(山野正登君) これは恐らく立地の選定に二年ないし三年かかり、その後安全審査を受け建設に入るわけでございますので、具体的な建設の作業というのは相当先でございます。そういう意味で、現在的確な建設資金というものを御提示できる段階にはまだないわけでございまして、きわめて大ざっぱな見当でございますが、現在言われておりますのは大体いま日量五トンの規模で申しまして四千億円前後といったふうな数字も言われておりますが、これは先ほど申し上げましたように、かなり無責任な数字でございますが、大体その程度のオーダーの資金は必要じゃないかと考えております。
#215
○柿沢弘治君 まあラフな数字ということですけれども、しかし四千億の投資ということですから、それが将来の、これは出資者がどこになるのか、電力会社ということですけれども、かなりの負担になると思うのです。そうした建設計画なり会社の設立というものが、こうした日米交渉の将来についてあいまいなままでスタートするということに懸念はないんでしょうか。その点に関連して五十二年九月に第三次交渉の合意があったわけですけれども、二年の期間ということになっているわけで、二年の期間は五十四年九月――ことしの九月に来るわけですね。そうすると、もう間もなくということになるわけですけれども、その再交渉の準備といいますか、下話というものはもう進んでいると考えられるわけですが、その辺はどうなんでしょう。
#216
○政府委員(山野正登君) 三年目以降の日米間の話し合いにつきましては、ことしの秋を目指していずれは決めなければいけませんが、現在のところまだ日米間で日取り等は未定でございます。近い将来そのような話し合いを始める必要があろうかと考えております。
#217
○柿沢弘治君 そうなりますと、いずれにせよ、早急にといいますか、再交渉の話し合いが進むわけですから、それを待って会社の設立その他を進めるということでもそんなに大きなタイムラグというのはないんじゃないでしょうか。
#218
○政府委員(山野正登君) 今後ございます三年目以降の運転についての日米協議と申しますのは、あくまでも動燃事業団の東海再処理工場の運転に関する日米間の協議でございまして、ただいま御審議をお願いしております法案の直接対象に考えております第二再処理工場の運転ということとは無縁のものでございます。
 そこで、第二再処理工場についての日米間の話し合いと申しますのは、一昨年東海工場の運転に関しましての話し合いの際に話題に上ったわけでございますので、恐らく今後とも機会あるごとに日米間で話題に上るとは思いますが、これにつきましては、現在先生も御承知のような国際核燃料サイクル評価計画の場で、わが国の主張というのも十分に主張しながら多国間の協議を進めておるわけでございまして、その場にもわが方はモデルケースとしまして、先ほど申し上げました程度の再処理工場の規模というものを検討の材料に提出しておるわけでございまして、あらゆる機会をとらえましてわが国の考え方、主張というものを米国を含めて関係国によく理解してもらうように進めておる、こういう状況でございます。
#219
○柿沢弘治君 そうすると、この科学技術庁からいただいた資料なんですけれども、「INFCEの期間中、」――つまりここでは五十五年二月までの予定と書いてありますが――までは主要なメジャームーブズは行わない旨合意していると書いてございますし、その説明の方では「二年間、新しい再処理工場について主要な措置をとることを見合わせる。」、こう書かれているわけですね。二年間というと、五十四年の九月までですし、INFCEの合意といいますか、ができるまでということになると、来年の二月までの予定ということでございますが、これはとにかくINFCEの話し合いが終わるまでということなんですか、どっちなんですか。二年間なんですか、それともINFCEの期間中ということなんですか。
#220
○政府委員(山野正登君) もともとこの日米共同声明で二年間という期間を限りましたのは、当時INFCEの期間が二年間であるということに合わせて二年間としたものでございまして、この日米共同決定の有効期限と申しますのは本年の九月までの二年間でございます。この共同声明、共同決定をしました時点におきましては、INFCEの期限も同じく本年の九月までであったわけでございますが、その後INFCEの方は約半年間期限を延長しまして明年の二月になったということで、期限の最後の時点が若干ずれたわけでございます。このINFCEの期限が来年の二月になったということに伴って日米間の共同決定の期限も来年の二月にしたかと一そうではないわけでございまして、日米共同決定の方は本年の九月までということで、現状どおりでございます。
#221
○柿沢弘治君 そうすると、縛られているのはいつまでなんですか。
#222
○政府委員(山野正登君) 本年の九月でございます。
#223
○柿沢弘治君 そうすると、INFCEの結論が出るか出ないかということとは切り離して考えて、ことしの九月を過ぎればこの「主要な措置をとることを見合わせる。」という条項は解除されるというふうに考えてよろしいわけですね。
#224
○政府委員(山野正登君) ことしの九月に期限が参るわけでございますので、それ以前に日米間の話し合いをしなければならないわけでございますが、新しく日米間で話し合いをして、次の決定が行われるまでは従来どおり主要な措置はとらない。話が非常に混乱しますのは、当時INFCEの期間と共同決定の期間というのは全く同じであったわけでございます。というのは、二年たてばINFCEの結論も出るであろう、そのINFCEの結論も参考にしながら三年目以降の運転を決めましょうという理解があったわけでございますので、そういう事情にあるわけでございますが、現在のまままいりました場合には、ことしの九月以降の運転につきまして話し合いをするということになれば、当然それまでの一NFCEの検討の経過における成果ですね、最終結論でないまでも、それまでの検討の成果といったふうなものを十分に頭に置きながら話し合いをするといったふうなことになろうかと思います。
#225
○柿沢弘治君 どうもちょっと、よくわかったようなわからないような御説明なんですが、私どももこの法案の改正の趣旨に基本的に反対ではありませんけれども、ただ、どうしてもいまの段階でやらなければならないのかどうかという点について、もう少し明確な考え方をお聞きをしたいと思ったわけです。その意味ではそのINFCEの合意の結論の出方、もしくは日米交渉のこの再交渉との関連というものがこの法案の成立時期もしくは会社の設立時期と微妙に影響をしてくるんじゃないだろうかという点が知りたかったわけでございます。どうもいまの局長の御説明で十分納得はできませんけれども、時間の制約もありますので、もう少し後ほど勉強させてもらいます。
 別の問題に移りますが、この法案の中で、民間の再処理会社をつくるということを言っておりますが、たとえばこの法案が今国会で成立した場合、再処理会社の設立というのはいつごろを予定されているのか、その設立の準備状況をお聞きしたいと思います。その場合の出資先、出資比率その他どんなことが計画されているんですか。
#226
○政府委員(山野正登君) ただいまこの民間における再処理会社の準備につきましては、昭和四十九年に濃縮・再処理準備会というものが業界にできまして、そこで従来は進めておったわけでございますが、最近に至りまして電気事業連合会の中に再処理会社の準備室といったふうなものをつくりまして、その場がこの準備作業を引き継いでおります。
 で、従来やっておりますこの準備の内容と申しますのは、図上におきまして新しいこの再処理会社の立地候補地点の選定をするとか、あるいは再処理技術についての調査研究をするといったふうなことをいたしておるわけでございまして、まだ具体的な立地地点についての調査といったふうなことには手を触れておりません。この準備組織の名前は再処理会社設立事務室というものでございます。
 それから出資の問題でございますが、これは今後再処理会社をつくる際には電力業界のみならず、これに化学業界、電機メーカー等幅広い業界が協力してこの会社をつくるといったふうなことになろうかと思いますが、現在の時点におきましてはそれらの出資比率といったふうなものはまだ未定でございます。
#227
○柿沢弘治君 電源開発株式会社が原子力発電に進出をするという話もありますけれども、その場合には出資対象に含めることになるわけですか。
#228
○政府委員(山野正登君) これは私の決めることでもございませんし、まだ全く未定の問題でございます。
#229
○柿沢弘治君 現在の再処理工場については、再処理工場もしくは再処理の技術というものについて見ますと、外国の再処理工場の例を見ても稼働状況も必ずしもいいとは言えない。わが国の動燃の再処理施設についても昨年夏以来故障でストップしているという状態でございます。こんな状態で第二再処理工場に進むだけの技術的な基盤というものが確立されているのかどうか、まだこの再処理技術については新技術の開発とかその他可能性があるのかどうか。その点、もう現在の技術は一応確立しているんだ、現在の稼働状況がよくないのは、そういう基本的な技術ではなくて、周辺的な問題だというふうにお考えなのかどうか、その点に少し疑問があるわけですけれども、どうなんでしょうか。
#230
○政府委員(山野正登君) 世界的に再処理工場の稼働状況を見ますと、米国におきましては新しい野心的な技術を採用したためにつまずいたものとか、あるいは事故で休止をしているもの、さらに計画途中で計画を放棄したものといったふうないろいろなものがあるわけでございますが、いずれもカーター大統領の、当面民間における再処理事業というものは延期をするという政策が打ち出されまして以降、再開のめどはないわけでございます。一方、ヨーロッパにおきましては、イギリス、フランスにおきまして現在も再処理工場は動いておりますし、それから西独におきましてもパイロットプラントが動いているわけでございます。この再処理の技術というのは、すでに英仏等におきまして二十年の歴史があるわけでございますから、そういう意味では十分に実用の域に達しておると思われるわけでございます。
 で、わが国におきましては、動燃の再処理工場におきまして、ただいま残念ながら昨年八月以来トラブルがありまして運転を停止しておるわけでございますが、これはわが国が初めて国内に建設をしました工場でございまして、日本に新しい再処理技術を蓄積いたしますため、また習得いたしますためにつくったものでございますので、英仏のごとくまだ十分なる経験もないわけでございますから、今度この再処理工場の運転によりまして技術を蓄積しまして、この自主技術を中心にし、その間また海外等において新しい技術等があればこれももちろん取り入れまして第二再処理工場に生かしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 そういう意味で、現在、この濃縮ウランの使用済み燃料に使われております再処理方法というのはピューレックス法と言われるものでございますが、これは実用の域に達しておると言い得ると思いますが、しかし当然、技術でございますから今後とも改善の余地はあるわけでございます。また、現在INFCEの場で行われておりますように、核不拡散によりかなった方法という新しい技術の開発というのも続けられてまいろうかと思いますので、そういう意味で、よりいい技術、より安全な技術、より核不拡散に適した技術の開発というものは今後ともあり得ると考えております。
#231
○柿沢弘治君 再処理工場を民営の形で行う場合に、疑問といいますか、懸念が出てくるのは、再処理工場の安全確保だと思います。再処理工場の安全確保のためにどのような措置を講ずることになっているのか。
 それから、もう一つやはり懸念されるのは、廃棄物、特に高レベル放射性廃棄物の処理処分についてどのような施策が考えられるのか。その点についてはいやしくも国民に不安を与えないだけの原子力行政上の規制が行われるというふうに考えていいのかどうか。その二点お聞きをして、きょう私の質問は終わりたいと思います。
#232
○政府委員(牧村信之君) 再処理工場の建設・運転に当たりまして、この再処理というものは、使用済み燃料の中に含まれる大量の放射性物質も同時に処理するわけでございますので、その安全の確保というものはきわめて重要であると思っております。
 このような第二工場に対しまして、現在の動燃の再処理工場の技術を利用いたしまして、わが国においても技術的にはその安全確保の技術が確立されるものと考えておるところでございますが、法規制面の観点から申しますと、今回お願いしております法改正におきまして厳重な審査をする制度を導入していきたいということを考えておるわけでございます。法律的には「事業の指定」という方法をとるわけでございますが、この「事業の指定」というのは、原子炉の設置許可のようにいろいろな事業者がいつでも持ってこられる形ではございませんで、最も適切と認められるものに限定してその事業を指定していくという方式をとり、その指定を行う際に厳重な安全審査を行うという体制をとってまいりたいということを考えておることがまず第一点でございます。
 それから、従来の動燃の施設につきましても規制法によりまして種々の法規制をしておるところでございますけれども、若干その方式を改善いたしまして、施設の工事と性能について使用開始前に十分検査をするという方式を、特に性能検査を新しく設けておるところでございます。「使用前検査」というものを新設したということでございます。
 それからもう一点は、毎年一回定期的に施設の性能を確認するための定期検査の制度を整備して、国が行う安全規制をさらに強化して行ってまいりたいということを考えております。
 このような規制の強化によりまして、行政庁の行います安全審査あるいは規制の中身につきましては、原子炉と同様に安全委員会のダブルチェックを受けるというシステムを採用いたしまして再処理施設の安全の万全を期してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
#233
○政府委員(山野正登君) 廃棄物の処理処分の関係でございますが、これは再処理工場からは高レベルの廃棄物が出るわけでございますが、現在、動燃並びに原研におきまして研究開発を進めておるわけでございます。この原研、動燃の研究開発に加えまして、海外における研究開発の成果というものも踏まえて今後の技術を確立していきたいというふうに考えておるわけでございますが、この今後の方向につきましては、すでに昭和五十一年であったかと存じますが、原子力委員会が長期的な見通しというものを決めておりまして、今後十年ぐらいで処理についての技術の実証を行い、六十年代において処分についての実証を行うといったふうな長期的な方向も出しておられますので、これに沿って今後鋭意進めてまいりたいというふうに考えております。
#234
○委員長(塩出啓典君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会をいたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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