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1978/04/25 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号
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1978/04/25 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号

#1
第087回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号
昭和五十四年四月二十五日(水曜日)
   午前十時十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         塩出 啓典君
    理 事
                源田  実君
                長谷川 信君
                松前 達郎君
                藤原 房雄君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                岩上 二郎君
                熊谷  弘君
                後藤 正夫君
                永野 嚴雄君
                望月 邦夫君
                山崎 竜男君
                森下 昭司君
                吉田 正雄君
                中村 利次君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       金子 岩三君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      半澤 治雄君
       科学技術庁原子
       力局長      山野 正登君
       科学技術庁原子
       力安全局長    牧村 信之君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       原子力安全委員
       会委員長     吹田 徳雄君
       警察庁警備局警
       備課長      依田 智治君
       国土庁長官官房
       防災企画課長   柳   晃君
       消防庁地域防災
       課長       中川  登君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
 する法律の一部を改正する法律案(第八十四回
 国会内閣提出、第八十七回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 核原料物質核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続きこれより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○岩上二郎君 今回、核物質並びに原子炉の規制に関する法律の一部改正法律案を審議するに当たりまして、数点について大臣並びに関係局長に御質問を申し上げます。
 申し上げるまでもございませんが、日本の原子力行政の基本姿勢は自主・民主・公開・平和、これを基調として、さらにまた安全性確保という体制がおくればせながらとられてまいりまして、このほど安全委員会が誕生したわけでございますが、本年三月二十八日未明に起こりましたスリーマイルアイランド原子力発電所の事故に関連して安全委員会の最初の処断、これはきわめて妥当なものでありまして、その勇断を高く評価するものでございます。しかもこれが契機となりまして、従来きわめておろそかになっておりました防災対策、さらにはより安全への総点検等が実施され、今日までの国民の不信や不安を取り除くための体制へ走り出したわけでございますが、今回の事故を他山の石としまして遺憾なきを期するように御期待を申し上げる次第でございます。
 私は、何事によらず、地球上にいろいろと人類の創意工夫によりまして経済開発あるいはまた科学至上主義のもたらすメリットとデメリット、これはお互いに矛盾しながら共存するものであるという認識を持っておりますが、これが解決はきわめて至難なものでございますが、その際何よりも優先的にとらえるべきものは何かと言えば、たとえば経済開発の場合でも、土地を失いあるいは生活の変化を強いられている住民の側の手厚い対策、これが先行しなければならない。と同様に、原子力の時代を迎えた今日、やはり原子力関係者は常にこの科学至上主義を超えたいわゆる見えざる手というか、神というか、そういうものに対する恐れ、敬虔な認識を持つ、こういうことがきわめて大事なことではなかろうかと、このように思いますので、特にこの安全性や住民対策、これが優先して配慮さるべきものであると、このような認識を持っているわけであります。
 ところが、核燃料サイクルの一環として今回ようやく提起されました再処理民間工場設置の問題との関連における法律案でございますが、これは当然やはりもっと前に提起をさるべきものではなかったであろうかと、このような考えを持つと同時に、やはり環境問題、さらには廃棄物の処理問題、口から入るものを急ぐの余りおしりに詰まってしまうという、そういうふうな態度では、これはもう非常に原子力の場合には特に注意を要するものではなかろうかと、このように思うんです。ともすれば、いろいろと社会的なニードに迫られましてあせり過ぎる、開発を急ぐ、そういうことのために、この開発の裏側にひそんでいる問題提起をおろそかにしがちであるというのが一般にとられがちであるように思われてなりません。そしてその結果がかえって需要に即応できないというようなことを生みやすいわけでありまして、これはひとり原子力の問題ばかりではございません、成田空港の問題あるいは「むつ」原子力船の処置の問題その他の処理の仕方においてもそういう面がなしとしない、このように感ずるわけであります。フィンランドの原子力発電所の事故、これはきのう電気事業連の方からの御報告をいただきましたが、結果として自然放射能の一%程度のものであったという報告を受けたわけでございますが、この際、従来のように、起こり得ないとかあり得ないという、この神話というか、そういうようなものをやはりもっと厳しく分析をし、さらに国民の理解と原子力に対する認識を深める、そういう努力をしていただきたいと思うのであります。
 そういう立場から、この際原子力に対する認識を深めるため、より積極的なありのままの姿を知らせ理解してもらうための教育・広報の開拓がさらに必要であると、このように考えます。
 特にこの際つけ加えて申し上げたいことは、今回のスリーマイルアイランドの事故にかんがみまして、特に原子力に対しては、従来から言われておりますアズ・ロー・アズ・プラクチカブル、いわゆる、より低目にという、この精神を生かしていただく、そして科学はより神に接近するというか、そういうふうな姿勢に従いまして、科学技術の上からもよく言われております多重防護、ディフェンス・イン・デプスというこの設計思想、こういうふうなものをさらに深めていただいて、シビアに、教育訓練をさらに重視をしていただいて、あらゆる角度からその内容を深めていただきたいと思うのでありますが、大臣の所見をいただきたいと思います。
#4
○国務大臣(金子岩三君) ただいま岩上先生からいろいろと御所見を交えて御質問がございましたが、原子力といえば、やはりかつての戦争において原子力の恐ろしさを認識した印象が、今日まで三十数年、国民の中には一応根強い一つの感情として残っておるわけでございます。私も被爆県の長崎県でございますので、たとえてお話を申し上げると、「むつ」の問題一つを取り上げても、被爆県であるがゆえに大変な大きな騒ぎが起こったということもいい例でございます。したがって平和利用にどのように原子力が価値あるものであるかということを国民に知らせることは、もう何より今後の原子力の平和利用にとっては優先すべきであって、当然広報活動も必要でございます。
 ただ、私は、前も申し上げたとおり、科学技術庁に入りまして、科学技術がどんなものであるかということを認識なくて入って、自来いろいろと勉強してきておるその中で、むずかしい科学技術を国民に認識させるためには、何といってもやっぱり小学校から中学校――義務教育からこの教育の基本に科学技術を取り上げることが何より先決である、それがためにはやはり、ちょうど五十四年度に筑波学園で科学技術世界博覧会の計画の調査費を要求しておりましたが、これはずいぶん大蔵で抵抗がありましたけれども、大蔵を説得して予算もつけましたので、五十四年度から出発して六十年度の春から秋にかけてこの世界科学技術博覧会をひとつ実行したいという考え方に全力を挙げて取り組んでおります。それはやはり、科学技術のむずかしさをよく私は認識しまして反省するとともに、日本で科学技術がすぐれておると言われますけれども、やはりアメリカあるいはヨーロッパの先進諸国と比較するとずいぶん立ちおくれておるのでございます。やはり、国民に科学技術の何たるかを、特に科学がどのようなものであるか、資源のない、全く資源の乏しいわが国が、今後はやはり科学する力と技術によって世界の先進国にやはり追随していかなきゃならないということを考えますならば、予算もある程度、この財政困難なときに無理をして食っても、やはりこれはわが国にとっては重要ないわゆる当面の政策であるという考え方に立ってこの博覧会の実行に取り組んでおるわけでございます。
 そのような意味からして、やはり科学に非常に疎い、全く無知であると、それがために必要以上の心配をかけるということは、何といってもやはり今後の原子力の平和利用、開発に大きな支障になることでございますので、御意見のとおり、まことに私は岩上先生の御所見に全く同感でございますので、ひとつそのような御意見を尊重して、今後の原子力の平和利用、いわゆる原子力の開発に一層力を入れて邁進したい、このように考えております。
#5
○岩上二郎君 この前のスリーマイルアイランド原子力発電所の事故について科学技術庁から出された資料の中で、「トラブル」という言葉が使われておるわけですけれども、これは毎日新聞の英字新聞ですけれども、最近はこれはアクシデントと使われておりますが、最初はインシデントと、このように、事故というものは一体何なんだろうかという、文字の使い方についていささか疑問を感じまして若干調べてみたわけでございますが、事故なのか故障なのか、あるいはまた、よく使われております偶発事故、ランダムフェーラーとも言われておりますが、あるいは組織的というのか系統的というふうに言うのかよくわかりませんが、システマチックフェーラー、こういう言葉も出てきておりますし、また最近いろんな言葉の中にミスという言葉がよく一般に使われておりますが、この「トラブル」というのはそういうものを総称して言うのかどうか。初歩的な段階のものは、トラブルでありますとか、あるいは単なるミスでありますとか、しかし原子力の世界の中で、スリーマイルアイランドの事故の発生にかんがみまして、こういう初歩的なものであったかもしれない、あるいは機械のミスであったかもしれない。そういうふうなものがやはり重なり合って出てきた事故、こういうようなものを考えてみると、一体この「トラブル」というのはどういう意味なんだろうか。初歩的なミス、あるいは損耗ミスとか、さらにはポンプの故障、バルブの漏れ、あるいはまた電気回路の故障とか、あるいはPWRの燃料棒の曲がりだとか、さらにはBWRのステンレスの腐食割れ、こういうふうなものは一つの故障というのか。よく蒸気発生器の細管が故障したというふうなこともございますが、そういうふうなものはどういうふうにとらえるべきものなんだろうか。しかもまた、小さいものは報告しなくてもいい――しかし小さいものでも重なって連鎖反応を起こしたということになってまいりますと、これまた一体そういうものでいいんだろうか。そういうふうに考えてまいりますと、やはり小さいものでも大小漏らさず事業者が報告をすべきではないか。これを報告しないでおくと、新聞等からは、隠していると、このように言われるわけですね。そうなると、新聞に出れば住民の不安というものが一層かき立てられる、国会からおしかりをいただくということになると、「じゃ厳重に注意を与えます」、こういうふうな答弁がはね返ってくる。こういうふうなことの一つの繰り返しというか、悪循環というか、そういうようなものを繰り返す現実の中で「トラブル」というものを総称して言うとするならば、やはり大小を問わず報告をさせる。そしてその内容、これをやはり十分にきちんと整理をして報告をしていただくことが大事なことではなかろうか。それが新聞に書き立てられると何か恐れを感じてできるだけ隠そうという気持ちが起きるかもしれないし、またそういうことが決していい結果を生まない、住民の不安感を一層かき立ててしまうような結果を生みやすいわけでございますので、やはり報告というものは大小漏らさず報告をさせる。そしてまたその内容をはっきり区分して一般住民に知らせる。そういうふうな積極的な姿勢がこの際必要ではなかろうか、このように思うのです。やはりこの原子力基本法にありますように、公開の原則というものがあるのですから、この公開の原則をシビアに考え、そしてトラブルという用語、それからフェーラーという用語、あるいはインシデントという用語、アクシデントという用語、ミスという用語、そこらあたりをひとつ、せっかくできた安全委員会において十分に御検討おきいただくように、これはきょう御出席を要求しておりませんでしたので、安全局長の方からお伝えを願いたい、このように思います。
 それから次に本論に入ってまいりますけども、大変時間がございませんので簡単にひとつお答えを願いたいと思いますが、昨年の八月に東海再処理施設において発生した故障、そしてその故障によりまして現在試運転が中断をされているわけでございますが、今回の、トラブルというのかわかりませんけども、事故については今後の開発に貴重な教訓を与えてくれるものであろうと、このように思いますが、今日までこの事故について判明した内容とその対策について、そしてまたもう一つ、今後の見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
#6
○政府委員(牧村信之君) 最初の、原子力委員会に対します事故あるいは故障、トラブル等の使い方につきましての御指摘につきましては、安全委員会の方に御報告して先生の御期待に沿うような努力をしてまいりたいと考えております。
 それから動燃の再処理施設におきます酸回収蒸発かんの故障につきまして、いままでとりました対策、今後の見通しにつきまして御説明さしていただきます。
 先生御指摘のように、昨年の八月の二十四日でございますが、酸回収蒸発かんに故障が発生いたしまして現在試運転を中止しているところでございます。で、動燃事業団といたしましては、その後この蒸発かんの入っておりますセルあるいはセル内の機器類等の除染に鋭意努めまして、その後除染の終了後酸回収蒸発かんの上部に穴をあけましてこの蒸発かんの中の漏洩個所の発見に努めたわけでございます。それらの調査が本年三月には一応終わった次第でございます。
 その結果でございますが、従来その酸蒸発かんの加熱部のチューブに約一ミリ以下の穴があいているんではないかというような推定をしておったわけでございます。またそれも上部の管板付近であるということでございましたが、詳細調査をいたしました結果、加熱部の百八十七本ございますチューブのうち五本のチューブの上部の方の溶接部に微小なリークかあることが確認をされたわけでございます。で、このリークがいかなる理由により起きたかということの原因調査をいろいろいたしました結果、この溶接部に潜在しております傷と申しますか、欠陥がいろいろな運転途中におきまして腐食を受けまして、あるいは熱応力等を受けたものが重畳いたしまして顕在化してリークに至ったというふうに判断しております。で、検査の結果、その他の材質につきましてはほとんど大きな減肉が認められなかったという結果が出ております。したがいまして、今回の故障を起こしましたこのリークは溶接部の欠陥であったということが判明したわけでございます。
 この結果に基づきまして、動燃事業団といたしましては、故障いたしました蒸発かんを全部撤去をいたしまして新規の蒸発かんを製作することにいたしております。その際、欠陥が出ました溶接につきましては、溶接手順あるいは溶接方法の試験を事前に十分行いまして、最適な溶接方法を確立した上で蒸発かんの製作を行うということをいたすことにいたしております。で、この工事は、まず撤去の工事が必要でございますが、その撤去の工事が本年五月ごろから始まりまして来年の秋ごろには新しい蒸発かんを据えつけ試運転にもっていきたいというふうなことを予定しておるわけでございます。
 この事故の原因あるいは今後の工事の進め方につきましては科学技術庁に詳細の報告を受けております。また、その技術的な中身につきましては、安全委員会にも報告いたして、安全委員会のもとにございます核燃料安全専門審査会の専門家の意見も聞いておるところでございますが、そういうことを十分行った上、今後とも安全確保に万全を期するよう工事中といえども十分注意をして事故等が起こらないようなことを指導するつもりでございます。また、試運転に当たりましては、このような故障等あるいはこの試運転中にもいろいろトラブルが起きておりますので、そういうことを起こさせないように十分再発防止に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
#7
○岩上二郎君 それでは時間もありませんで次に進ましていただきます。
 今回、第二再処理工場の建設、運転については電力業界を中心とする民間が主体となると、こういうことになっているわけでございますが、この立地問題はきわめて困難を予想されるわけでございますが、どのような条件のところに立地を認めようとしているのか。よもや、できないために東海村にまたこの第二再処理工場を立地しようという考え方はあるまいと思いますが、そこの点についての確認をいたしたいと思いますのでお伺いします。
 なお、時間もありませんので、質問をさらに二、三点一緒に申し上げます。あわせてお答えをいただければ幸いと思いますが、第二再処理工場の計画を円滑に進めていくために資金面あるいは技術面等において国が積極的に支援していく必要があるわけでございますが、政府はどう考えているのかという御質問であります。
 それから、再処理工場の施設の安全確保に万全を期していくことは当然でありますが、各原子力発電所から再処理工場までの使用済み燃料の輸送の安全、これもきわめて大事な問題でございまして、この使用済み燃料の輸送の安全性をどのように確保していくつもりなのか、あわせて御質問を申し上げます。
 さらにもう一つ、動燃事業団の東海再処理施設の核物質の防護対策、これの現状についてどういう状態になっているか。それから再処理工場を民営化した場合における核物質防護対策に問題はないかどうか。その点についてそれぞれお答えをいただきたいと思います。
#8
○政府委員(山野正登君) まず第一の第二再処理工場の立地の御質問にお答え申し上げますが、第二再処理工場の立地につきましては、従来電力業界におきまして昭和四十九年以来しかるべき準備組織をつくりまして、いろいろな敷地の条件を考慮に入れながら図面上において調査をしてまいっているわけでございます。
 この際の立地の諸要件というものにつきまして現在電気事業連合会が考えておりますものをごく大ざっぱに申し上げますと、まず使用済み燃料の輸送に便利なところという趣旨におきまして海岸に隣接していることが望ましい、それから所要のサイトの面積は全体で二百万坪程度は必要であろうとしております。さらにこの二百万坪のうち施設用の用地としましては五十万坪程度というものを頭に置いておるようでございまして、この施設用地の中に主要なものとしましては使用済み燃料の受け入れ貯蔵施設、再処理施設、転換施設、廃棄物の処理貯蔵施設といったふうなものを置くというような構想を持っておるわけでございまして、そのような観点から図上でいろいろ諸調査を進めてきたという状況にございます。これは現在電気事業連合会の中に過去の準備組織を引き継ぎまして再処理会社の設立準備のための新しい組織ができておりますが、その組織におきましても引き続き同様の調査をいたしておりますけれども、残念ながらまだ具体的な立地地点というものをメンションするような段階に至っておりませんで、これにつきましては、ただいま御審議をいただいております本法案の成立を待ちまして具体的な選定の作業に入るというふうなことになろうかと思いますので、現在の時点におきまして具体的な地名を挙げまして候補地か候補地でないかということを申し上げる段階にはまだないというふうな状況にございます。
 それから第二点の、今後民間の再処理工場を建設するに際しまして国はどのような指導なり援助をしていくかという点でございますが、これは先生も御指摘のように、第二再処理工場建設につきましては資金面、技術面等で数々の問題があるわけでございますので、私どもは円滑にこの第二再処理工場というものが建設され運転に移行し得るようにできるだけの指導と援助とを行ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 で、いかなる具体的な施策でこれを支援していくかということにつきましては、これは新しくできます会社の要望、具体的な要望を待って決めるわけでございますが、私どもが予想いたしておりますのは、たとえば資金面の援助につきましては、日本開発銀行の融資といったふうなことを考えまして建設資金調達の円滑化を図るとか、あるいは技術面につきましては、これまで動燃が東海の再処理工場で培ってまいりました技術というものをできるだけスムーズに民間の再処理会社の方に移行させるような支援を考えるといったふうなことが必要じゃないかというふうに考えております。
#9
○政府委員(牧村信之君) お答えいたします前に、先ほどの私の答弁で動燃の再処理工場の試運転の開始を来年秋ごろと申し上げましたが、本年秋ごろの間違いでございますので訂正さしていただきます。
 それでは使用済み燃料の輸送の安全確保の問題についてからお答え申し上げますが、使用済み燃料の輸送につきましては、この輸送というものが国際的なフィールドで行われることもございまして、IAEA――国際原子力機関がこの使用済み燃料の輸送につきまして一つの規則を定めております。一九七三年に放射性物質安全輸送規則というものを定めております。世界各国ともこの輸送規則に準拠してそれぞれ国内法の整備を図って輸送の安全の確保を行っておるわけでございます。日本におきましてもこの規則をもとに原子力委員会並びに放射線審議会の審議を経ましてわが国における輸送の安全基準を制定し法制化しておるわけでございます。したがいまして、この基準にのっとって使用済み燃料の輸送も行われるわけでございます。
 先生御指摘のように、使用済み燃料の輸送の安全確保ということはきわめて大事なことでございますので、昨年の六月に原子力基本法の一部改正をお願いしたわけでございますが、この中に使用済み燃料の輸送につきまして政府の規制の強化が行われたわけでございます。その強化の中身は、法令に定められた技術上の基準に適合することについて行政庁の確認を受けなければ輸送ができないという規制の強化を行ったところでございます。
 そういう規制の強化も行いつつ輸送の安全確保を図ろうと考えておるわけでございますが、やや具体的に申し上げますと、原子炉規制法に基づきまして、輸送物につきましては科学技術庁が確認したものでなければ輸送できないようになっておるわけでございます。また、輸送におきましての荷物の積みつけ、あるいは輸送方法につきましての安全規制につきましては運輸省が行うというふうな整備をいたしております。また、実際の輸送に当たりましては都道府県公安委員会等に報告をして必要な指示を受けるというふうなことを行いまして安全対策に万全を期すような手段を講じておるところでございます。また、使用済み燃料は御存じのように海上輸送ということが非常に多いわけでございますが、使用済み燃料の専用船をつくって現在は輸送しておるわけでございますが、この輸送につきましては船舶安全法によりまして運輸省が安全規制を担当するということで実施しておるところでございます。したがいまして、このような体制によりまして今後とも使用済み燃料の輸送につきまして万全の安全確保のための措置を講じてまいりたいと考えておるところでございます。
 なお、輸送物の基準につきましては、非常に厳しい条件等を解析したり、あるいは容器の試験を実施するというようなことで、輸送中に事故を起こさないようなきわめて堅牢な厳しい容器を使用させるというようなことにつきましても基準の中に明定されておるところでございます。
 それから、東海村におきます核物質防護の現状についての御質問にお答えいたしますが、御承知のように動燃事業団の東海工場、東海施設には再処理を初めといたしましてプルトニウム燃料の加工施設等もございまして多量のプルトニウムを貯蔵あるいは使用しておるわけでございます。この核燃料物質の防護ということはきわめて重要な問題となってきているわけでございますが、動燃事業団ではすでに昭和四十八年ごろから核物質防護の重要性につきまして認識をいたしておりまして、政府といろいろ相談しつつその対策を進めてきたわけでございます。
 その進め方につきましては、これも国際原子力機関――IAEAの勧告がございまして、世界各国ともおおむねこの勧告の線でその防護対策を講じておるわけでございますが、日本におきましてもこの勧告の線を守るということでいままで努力を進めてきたわけでございます。現段階におきましては、この動燃事業団における核物質防護の措置というものは、ほぼIAEAの勧告を十分満足しておるというふうに言えるのではないかと考えておる次第でございます。
 なお、一昨年の九月に旧原子力委員会が核物質防護専門部会というものを開催しておりまして、わが国がとるべき核物質防護対策というものの一つの指針を決定しております。この指針はIAEA勧告を踏まえてのものでございまするのでほぼ同様のレベルのものでございますが、それにもおおむね満足した状態にあるということが言い得ると思います。
 それでは、具体的にどういうような防護措置をとっているかということでございますが、まず核物質が置かれておりますところの防護区域をまず設定するということでございます。その防護区域をフェンス等の障壁で十分隔離するということがまず第一点でございます。
 それから二番目に、そういう区域への人とか物あるいは車等の出入りの管理を厳重にするということが第二点でございます。
 それから第三点として、警備人を配置いたしまして構内の巡視あるいは侵入警報装置等を設けるというようなことで、外部からの侵入を防止するという措置をとっております。
 それから四番目に、核物質の使用場所を限定いたしまして厳重な管理をさせるということでございます。
 これらが施設者が実施する防護措置の主なものでございまして、異常時におきまして外部からの暴徒等の侵入に対しましての対策といたしましては、警察との直通電話等を常時設けておきまして連絡通報体制を整備していくということが最後に行われているところのことでございます。
 それから最後の御質問の再処理工場を民営化した場合にも問題はないかという御指摘でございますが、本来この核物質の防護というものは施設の性格に応じて防護対策を立てるわけでございますが、国営であろうと民営であろうと、ひとしく講じなければならないというふうな性格のものであろうかと考えておるわけでございます。これは国際的にもこういうことをしなければ、日本のような核燃料物質のほとんどを外国に頼っておる国としては一つの義務になってきておるわけでございますので、国営、民営を問わずひとしく行うというのが正しい方法であろうかというふうに考えておる次第でございますので、再処理事業を民営化に持っていった場合におきましても、動燃の再処理施設で行っていると同様に厳重な核物質防護の措置をとらなければいけないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、民営化してもそういう措置をとることによって核物質の防護上何ら問題になるということは考えていないところでございます。
#10
○岩上二郎君 第二再処理工場をよもや東海の方にということについての御答弁がなかったように見受けますので、その点について確認をしたいのでお答え願いたいということと、それから政府というか特殊法人である動燃でやられております再処理施設と、今度新しくできるであろう民間でやろうとしているこの施設について、安全規定というものについて、もしその政策の相違があれば伺っておきたい。いわゆる従来やっておりました安全規定というようなものをそのまま民間にも適用するものかどうか、いやそうではないということであるのかどうか、その相違点があればちょっと伺っておきたい。その二点だけを御質問申し上げて私の質問を終わります。
#11
○政府委員(山野正登君) 東海村地区が第二再処理工場の予定地域になるかならないかという点でございますが、これは先ほども申し上げましたように、現在電気事業連合会の中の準備組織がいろいろ図面上で調査をしておる段階でございまして、率直に申し上げまして、私ども自身との話し合いの中でも具体的な名前というものは挙げて議論をされておられないような状況でございますので、私どもも従来図面上の候補地点がどういうところであろうかということも正直のところ承知していないわけでございます。そういうふうなことでございますので、ただいまの段階で具体的な地名について、それは電力業界等が考えておられます候補の中でございますとか外でございますということを言い得る状況にもないし立場にもないという点をぜひ御理解いただきたいと思うわけでございまして、従来東海地区にいろいろな各種の原子力の研究開発施設を集中的に立地さしていただいておるという事情だけで、すぐに東海地区を最有力の候補地にしようといったふうな短絡した考え方というのは持っていないだろうというふうに私は想像いたしておりますけれども、先ほど申し上げましたような事情で、具体的な地名について御答弁申し上げるのはいましばらく時間をかしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。御了承をお願いいたします。
#12
○政府委員(牧村信之君) 現行法では、再処理事業を行えるものは動燃と原研のみになっておるわけでございますが、これを民間にも道を開くという指定制度を今回法律改正をお願いしておるわけでございますが、現在の安全規制の面におきまして国の機関、国に準ずる機関が行っておるということで、安全規制の規定ぶりは民間の事業者が行うに当たりましての規制に対しましては非常に不備な面があろうかと思いまして、実は本法案の改正に当たりましては規制の強化の改善もお願いしておるところでございます。
 具体的に中身を若干申し上げますと、指定に当たりまして厳重な安全審査をする規定を設けております。また施設検査につきましても、それを強化するという観点の改正がございます。また民間で事業を行うわけでございますので、事業の開始の届け出であるとか、使用計画の届け出であるとか、安全規制にも関連いたしまして、その規制が万全に行い得るような所要の改正を行っておるところでございます。
#13
○岩上二郎君 いまの第二再処理施設問題で、東海の問題については何かはっきりしない御答弁ございましたけれども、元来、東海村では二百十トンという処理能力しかないわけでございまして、さらに拡張してやっていくということになると、政府で言っております二百万坪、五十万坪の施設をつくる、エリアは二百万坪であるというようなことからすれば、東海地区にはもう場所があるはずがないわけです。したがって、従来この二百十トンの処理能力を持っているところの再処理施設工場について、さらに拡大するおそれはないかということを私は知事時代に何回となく質問をし、それについては「絶対ありません」というお答えがはね返ってきていることはもう数回にわたっているわけです。今回の答弁によりますと、ひょっとしてあるかもしれないというような印象を私は受けましたので、少なくともよその地域においていろいろと場所選定その他についてはお考えおきいただいているようでございますけれども、これはもう東海地区等にそういうふうな施設があってはならないわけでございますので、その点は従来の政府の姿勢をはっきりと踏襲していただくような態度で臨んでいただくことをお願いしたい。もしそうでないとえらいことになってまいりますので、その点は十分にお考えおきいただきたい。もしお答えができれば幸いですけれども、再度確認をしておきたいと思います。
#14
○政府委員(山野正登君) 現在、動燃事業団が東海に建設いたしております日量〇・七トンの再処理工場というものを拡大いたしまして、これを民営の第二再処理工場にしていくという考え方は、これはみじんもございませんで、あくまでも第二再処理工場と申しますものは、現在動燃事業団が実証試験用につくっております施設とは全く独立した別の施設として民間によって建設されていかれるべきものというふうに考えておりますので、先生がおっしゃいますように、現在の施設を増強してこれを第二再処理工場に充てるということはあり得ないと考えております。それ以外の先生の強い御要望につきましては、十分私ども胸にとどめて今後の施策に当たっていきたいというふうに考えております。
#15
○熊谷弘君 これまで当委員会で本法案について幾つかの質問が行われてきたわけですけれども、ほぼ本法案の必要性等をめぐるバックグラウンドに関する質問であったわけでありますけれども、私は本法案の内容そのものについて御質問を進めていきたいと思います。
 そこで、今回のこの法改正の眼目が、すでに岩上委員に対するお答えにもありましたように、やはり何といっても、第一にこの再処理事業の事業者の範囲の拡大であろうと思うんですけれども、そこで、この事業者の範囲を拡大するに至る前提として、再処理需要というものを長期的にどう展望しているかということが基本にあるわけです。この再処理需要というもの、わが国における再処理需要というものをどのように展望しておられるのか、その展望に立ってどうしてこの事業者の範囲を拡大したのか、こうした点についてまず基本的な考え方を伺いたいと思います。
#16
○政府委員(山野正登君) 将来、原子力発電によってどの程度の使用済み燃料が出、つまり再処理需要が出るかという点でございますが、まず前提としまして昭和六十年度の原子力発電の大きさを三千三百万キロワット、さらに六十五年度の発電規模を六千万キロワットというふうに想定いたしまして今後の再処理需要を想定いたしますと、昭和六十五年までの累積で約八千三百トンに達するというふうに考えておるわけでございます。
 この再処理需要をどのように消化していくかという点でございますが、現在動燃事業団が東海につくっております再処理工場というのは、技術の実証に加えまして、その規模におきまして所要の再処理需要も賄うという目的を持っておるわけでございますので、この東海工場の活用をもちろん考えておりますが、これに加えまして、将来第二再処理工場ができるまでの間におきましては、やむを得ず海外に再処理役務を委託するということを考えておるわけでございまして、これまでに約四千七百トンばかりの再処理を海外に委託しておるわけでございます。で、この東海の能力と海外の再処理委託両方を合算いたしますと大体八千トン弱になりまして、先ほど申し上げました需要に比べまして若干供給の方が不足ぎみといったふうな状況にあるわけでございますので、私どもとしましてはできるだけこの再処理需給のバランスを図るべく、昭和六十五年には第二再処理工場の運転開始に入りたいというふうに考えておるわけでございまして、幸いにその目標が達成できれば何とかこの再処理の需給のバランスというものは確保し得るのではないかというふうに考えております。
#17
○熊谷弘君 そこで、ちょっと話がまたわき道にそれるのですけれども、いまのお話は、前提として六十五年に六千万キロワットですか、原子力発電所が建設されるという想定に立っているわけですけれども、もう再三委員会でも各委員から質問がありましたとおり、たまたまアメリカで事故が起こった、場合によっては原子力発電所というのは燃料源として基本的には依存できないんじゃないかというような感情的な議論も一部にはあるわけです。しかし、その後いろいろ各方面からの報道として伝えられるところによると、やはり日本のエネルギー事情というのは――日本たけてはないんですけれども、とりわけ基本的に大部分の燃料資源を海外に依存する日本のエネルギー事情というのはきわめて深刻なものがあるんじゃないか。たとえば最近アメリカの上院の外交委員会で報告が出ておる、サウジの石油にはそれほど依存できないぞというような報道が伝えられておる、またIEAで消費節約というようなものを促す政策を合意された、こういうふうな報道が伝えられるわけでありますが、この二つについて通産省の方で承知している範囲でごく簡略に要点を御説明願いたい。同時に、そうした二つの報道についてどういうふうな基本的な認識を持っておられるのか、エネルギー政策を所掌している通産省としてどういうふうな考え方を持っておるのか、あわせて伺いたいと思います。
#18
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生がおっしゃいました米国上院外交委員会の報告と申しますのは、四月十五日に発表された報告書でございまして、これはただいま先生おっしゃいますように、サウジアラビアというのが全世界の石油生産の中で、一九七八年の平均で申し上げますと一三・四%という非常に大きなシェアを持っているわけでございます。このサウジアラビアの生産動向というのが今後の石油のいわゆる供給の大きな方向性をあらわすこととしてこの動向が注目されているわけでございまして、その問題についてこの報告書が今後の動向についての見通しを述べたものでございます。
 要点を申し上げますと、サウジアラビアといたしましてはかねがね――先ほど申し上げましたように、一日約八百万バレルの生産ということが維持されておりますが、それを一九八三年までに一日千六百万バレルにしようという目標が実はあったわけでございます。ところがイラン問題等々の問題がありまして、この委員会の調査によりますと、いろいろ問題が指摘されております。
 第一の問題といたしましては、このような高水準の生産は多額の追加投資を必要とするであろうし、その生産のレベルは十五年から二十年ぐらいしか続かないということであります。
 また第二の指摘事項は、個々の油田からの増産につきましては、非常にこれは技術的な問題がありまして、大量に油を生産いたしますとその歩どまりが落ちるというような性格を持っておるようでございます。
 それから第三には、サウジアラビアといたしましては強力な資源温存の考えがあるということであります。すなわちサウジアラビアの経済を保つためには約五百万バレルぐらいの生産を行っておればいいわけでありますけれども、それを超えて倍以上の生産をするというのは、いわゆる自由諸国に対する石油の供給ということになるわけでありまして、そういう世界の需給のために貢献するということも大事ではあるが、自国の経済を守るという意味もありまして、生産の目標を下げざるを得ないであろうということであります。
 それで一九七七年の十月に従来のいわゆる生産能力の増強目標を変更いたしまして、一九八六年の生産目標といたしまして千三百万バレル・パー・デーということにしたわけでございます。そういうことでいたしましても、そのような高い生産はだんだんと――十五年から二十年を経ますと減産を余儀なくされると予測されます。まあそういうことのために石油消費国は将来の石油需要の増大に見合う量を約二百万バレルばかりショートするわけでありますので、サウジの増産に期待すべきではないということを改めて警告しているのがこの報告書の要旨でございます。
 もう一つの点でございますが、これは三月の一日、二日に開催されました国際エネルギー機関の理事会におきまして、イランの情勢を背景に消費国が五%の石油消費の削減を行うということを合意いたしました。
 わが国といたしましては、IEAとの協調という従来からの基本方針に基づきまして、国民生活及び経済全般にわたる影響を最小限に食いとめるように配慮しつつ、この目標達成に最大限の努力を払う所存でございます。このため省エネルギー・省資源対策推進会議におきまして三月十五日にその推進方策を決定いたしまして、さらに四月二十日にはその周知徹底についての方策を決定したところでございます。
 まあ具体的には、暖冷房温度の調整、それからマイカーの使用の自粛のほか電力部門における石炭、LNG、それから原子力等への燃料転換等所要の措置をきめ細かく行うことによりまして約五%、石油換算約千五百万キロリットル相当の節約を図ってまいりたいと、こう考えております。
#19
○熊谷弘君 私は、あえて寄り道をしてこういう質問をした理由というのは、何か大臣によると、ファッションショーみたいなまねをしてはしゃいでいる方もいるみたいですが、今回のこのエネルギー危機の問題というのは、もちろんIEAに基づいて五%の節約をするということも大事ではあるけれども、そんなことだけではとても無理なんだと、もっとそういう基本的な認識に立っていただかなきゃいけないんで、いまの方針にもあったように、カーター新政策、エネルギー新政策なんかによると、もっと国民にぐっと訴えるものを出しているわけですね。たとえばOPECのかさから離れてエネルギーの安全保障を確立する長期的な決め手は新エネルギー技術を開発していくことだというようなことを強く出しておる。そういうものが実はわれわれにはぴっとこう来るものがない。そこら辺を本当はエネルギー政策を所掌しているところで本気になってやっていただかなきゃいけないんじゃないかということを感ずるから申し上げたわけであります。
 それでつまり、伝えられるいろいろな情報を総合勘案すれば、なまじっか、短期的に五%程度の消費節約で多少はやり切れることができるかもしれないけれども、問題はそんな短期的なものではなくてきわめて長期的な問題、構造的な問題である。それを乗り切っていくためには原子力を初めとする燃料転換というものに相当本格的に取り組んでいかなきゃいけない、それこそもう死にもの狂いで取り組んでいかなきゃいけないという感じを私どもは持つわけです。
 そういう話になりますとまた長くなりますので、私はぜひこの点を、科学技術庁にとどまらず、エネルギー庁も挙げて、それの一環として今回の法案改正があるという認識をわれわれ持っておりますので、ひとつエネルギー政策を目先の、小手先の、いかにも主婦向けにアピールするようなものにやって、小手先でやっているふりをするというやり方をそろそろ改めた方がいいんじゃないかという感じがいたしますので、要望として申し上げておきます。
 そこで法案に戻るわけでありますが、今回のこの法案の事業者の範囲の拡大の中で、動力炉・核燃料開発事業団と日本原子力研究所以外のものの場合、つまり民間でやる場合は指定ということになっている。その他の場合は、つまり動燃事業団や原研でやる場合には承認制だと、こういうことになっているわけですけれども、こういうふうに分けている理由というのを御説明願いたいと思います。
#20
○政府委員(牧村信之君) まず、指定制をとった理由について御説明さしていただきたいと思います。
 先生の御指摘の再処理事業というものはわが国の核燃料サイクルのかなめを占める事業であるわけでございます。きわめて重要な事業であろうかと考えておるところでございます。従来、民間が行います事業につきましては許可制が普通でございます。原子力発電所等は許可制でございますが、これは一定の資格さえあれば認めるというのが許可制の通常の考え方でございます。で、再処理事業につきましてはそれほど数が多くある必要はございません。したがいまして、このような重要な事業につきまして最も適切と認められるものに限ってやらせるというふうな考え方から、その業者を限定するという考え方から指定制をとらしていただいておるということでございます。
 それから動燃事業団等につきまして承認制を新たにつけ加えさしていただいた理由につきましてでございますが、本来、現行の規制法では、動燃、原研についてはすでに事業を行える者として位置づけられておるわけでございます。したがいまして、今回の改正に当たりましても指定を要しないような資格をすでに与えられておるわけでございます。しかしながら、今回の改正におきまして、動燃、原研におきましても民間と同じように安全規制を十分行わせるという考え方は同様に貫く必要があるというふうな考え方が一方ございます。それから、動燃事業団あるいは原研は国に準ずる機関としての特殊法人でございますから、たとえば民間の指定業者は平和利用の目的にかなった事業を行うかというような平和利用の担保等々の基準の審査を当然受けるわけでございますが、動燃事業団法あるいは原研法によりまして、そういうような平和利用の問題あるいは計画的な事業の遂行ということにつきましてはすでに法律で政府の監督のもとに行うということになっておりまして、そういうことも必要でございません。したがいまして、必要なのは安全を確保するという、災害の防止に支障がないことを審査するということが個々の施設について必要であろうかというふうに考えておるわけでございます。そのようなことも踏まえまして承認の制度を設けたということでございます。したがいまして、承認の際の基準としては、「災害の防止上支障がないものであること。」に限って、動燃事業団あるいは原研の施設について個々の施設の審査等を行って、基準に適合すれば承認するという形の法制度をとらしていただくように改正をお願いしておるということでございます。
#21
○熊谷弘君 いま局長のお話にもありましたように、もうすでに触れられたんですが、指定に当たって要件が四十四条の二で列記されているわけですね。「内閣総理大臣は、指定の申請があった場合においては、その申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の指定をしてはならない。」とあって、四つの項目が挙げられております。この四つの項目のうち三号と四号、つまり「その事業を適確に遂行するに足りる技術的能力及び経理的基礎」あるいは「災害の防止上支障がないものであること。」、この三号と四号というのは素人目でもすんなり頭に入るわけですけれども、一号にあります「再処理施設が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと。」、それから第二号の「その指定をすることによって原子力の開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。」というのは、二度三度読み返してみるとだんだん何かその立法趣旨がよくわからなくなる。つまり、一号について言いますと、再処理施設自体はこれは平和利用のためにつくるわけであって、プルトニウム等が運用される過程において何かおかしなことに利用されるようになるのではないかという、設置のときの話じゃなくて設置後の話じゃないかという感じがする。これを一号わざわざここに置いて「指定の基準」という形で設定した理由というのがどういうことなのか。それからその二号の、たとえば民間、ここで言いますとその第二工場、民間業界が挙げてやったその第二工場が、第二号の「原子力の開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれ」があるという場合というのは一体どういう場合か。この二号がそもそもこう設定された理由ですね、一号と二号の指定基準として設定した理由というものを、ひとつ素人にもわかりやすい形で御説明を願いたいと思います。
#22
○政府委員(牧村信之君) まず「再処理施設が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと。」、これは先生御指摘のように、わが国は基本法によりまして原子力の開発利用は平和目的に限るということが定められておるわけでございますが、この主要な施設につきましては規制法におきまして、たとえば原子力発電所におきましても同様の基準が定められておるところでございます。で、これは、「再処理施設が平和の目的以外に利用されるおそれがない」ということにつきましてはいわば明々白々なところではございますけれども、この再処理施設というのは、先ほども御説明申し上げましたように、使用済み燃料から残存するウラン並びに新しく生まれたプルトニウムを生産する工場でございます。この施設の運用を誤りますと、盗取その他によりまして、あるいはその運営によりましては外国からも非常に疑惑を招くおそれがあるわけでございます。日本はすでにNPTにも加盟しておりまして、そういうことをしないんだということを世界に宣言しておるところではございますが、こういう施設がそういう平和の目的以外に利用されるような施設であっては困るわけでございます。
 やや技術的に申し上げますと、この基準を将来でき上がりましてから運営する場合にどういうことでこれを担保していくかということになりますと、保障措置を十分実施いたしまして、そういうことが絶対あり得ないように国は監督する責任、検査する責任を持っておるわけでございます。そういうような施設でございますので、そういう施設につきましては、設置をいたしますときにそういう目的に照らした施設に十分なっておるかもあわせ審議でき得るようにしてまいりたいということがこの基準を審査いたしますときの大きな項目になってこようかと思います。
 それから「その指定をすることによって原子力の開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。」ということでございますが、これは同じように原子力発電所等にもこういう基準がございますけれども、仮に非常に過大な施設を持ちますと、これは計画的遂行に支障を来すおそれもございます。また過小の場合も同様であろうかと思います。こういうように日本の原子力開発が計画的に遂行をされるということがきわめて大事でございますので、その計画の遂行上十分マッチしたものであるかということはわが国の原子力開発上きわめて重大であろうかということを十分検討する必要があると考えたわけでございます。すなわち全体の原子力の開発の計画との整合性を図る必要があるということでございます。また、この工場からは、先ほども申し上げましたように、分離されるウラン、プルトニウムを十分計画的に使用するということがまた重要でございます。このような計画との、再処理事業との関連もまた重要な事柄であろうかと考えておるところでございまして、そのような観点からこの計画的利用についても十分審議する必要があろうかと考えておるところでございます。
#23
○熊谷弘君 本法案の改正のもう一つの大きな眼目は、再処理施設の使用前検査等、あるいは定期検査、使用計画と、こういったものの制度の新設であろうと思うわけでありますけれども、この点で、基本的に再処理工場の安全規制についての考え方というのはすでに岩上委員に対する回答でもうかがわれるわけですけれども、この使用前検査、それから定期検査、使用計画それぞれについて、定期検査と使用前検査を新たに設けた理由、それから使用計画を新たに義務づけた理由というものを説明していただきたい。
#24
○政府委員(牧村信之君) 使用前検査を設けました理由について御説明いたしますが、現行の規制法ではこの再処理施設をつくりましたときの施設が動きます前の検査は施設検査のみでございます。で、施設検査というのは、設計どおり工事が行われているかどうか、また部分的にその機械等がどういう性能があるかどうかということを検査するのが通常の検査方法でございます。しかしながら、再処理というような非常に大きな科学プラント、しかも一つの科学システムでつながった施設でございますので、個々の施設が性能がありましても、施設全体としてうまく動きませんと工場の運転も十分に行い得ませんし、また安全確保という観点からも不十分なものになろうかと考えられるところでございます。したがいまして、施設検査のみでございましたのを今回使用前検査という検査方法に変えまして、従来の施設検査に加えまして、プラントができ上がりましたときに試運転を行わせまして、そのプラントの性能を確認した上で実際の運転に入らせるという使用前検査の制度に改善いたしまして、安全確保に万全を期するということから改正をしていただきたいということでございます。
 それから定期検査を新設いたしました理由につきましても、再処理施設を認めるに当たりまして十分使用前検査を実施させるつもりではございますけれども、何分にも大量の放射性廃棄物を扱うところでございますので、その施設につきまして毎年一回法定の定期検査を設けまして、自主検査を行わせるとともに、国もこの検査に立ち会いまして施設全体の安全確保に万全を期するという考え方から設けました条項でございます。これによりまして毎年一回国が検査を行った上で再度再処理工場を運転させるというふうなことにいたしたいということでございます。
 それから使用計画の届け出の義務づけでございます。これは先ほどからも申し上げておりますように、再処理工場というのは核燃料サイクルのかなめでございまして、特にプルトニウムというものが生産されるわけでございます。したがいまして、この再処理工場における使用済み燃料の受け入れ量あるいは出てまいります製品の量、あるいは製品の払い出し等は国としても十分に把握しておく必要があろうかと考えております。これは査察を行う場合にも重要な問題でございます。また安全確保の上からの定期検査その他の安全確保の安全規制行政からも重要な情報であろうかと思っております。そういうような観点から、今回の改正で施設の使用計画というものを制度化させていただいて、その情報を十分つかんで安全規制並びに査察行政の確保ということをねらいまして法律の改正をお願いしておるところでございます。
#25
○熊谷弘君 この安全規制というものはきわめて大事な問題だと思うんですけれども、報道によりますと英国の再処理工場で、きわめて短い報道ですから具体的なことがよくわからないんですが、やはり放射能漏れがあったというようなことが伝えられるわけですけれども、この辺はどれぐらい科学技術庁は情報をつかんでおられるのか、説明をお願いしたいと思います。
#26
○政府委員(牧村信之君) 新聞報道がございまして、直ちに外務省を通じまして外交のチャンネルでいろいろ調査をいたしておるところでございますが、ただいままでに入手しました情報での概要を御説明いたしますと、三月にサイト内のボーリングをした穴から水のサンプルを採取いたしましたところ、放射能の汚染を検出したということがこの事故発見の最初でございます。で、公社が調査いたしましたところが、高放射性廃棄物を濃縮する前の廃液貯槽の建物にございます中間貯槽から漏洩があって、それが地下にしみ込んでしまったというのが実態のようでございます。この貯槽は鋼製のライニングをしたコンクリート槽のようでございますが、いろいろ調べてみますと、日本で行われておるような貯槽とはずいぶん違った、わりあい簡単なもののようでございます。しかもこれは比較的古いものであると、現在使用していない施設の中のものであるというふうなことも聞いておりますわけでございますが、この漏洩を発見いたしまして、直ちに受け槽の廃液は廃液処理工場の方へ送ってすでに空っぽにしたということで、さらにこれ以上の漏洩は起こり得ないというふうにイギリス原子力公社は言っておるようでございます。
 また、サイト外への影響でございますけれども、漏洩量がサイトの中で地下に二万ないし三万キュリー程度、また量にいたしまして約十トン程度の廃液が流されたというふうに言われておるわけでございますが、イギリスの公社ではこれが外まで影響することはまずあり得ないと言っておるようでございます。また、従業員に対しても十分影響を与えないように処理できるとしておるようでございます。
 なお、ウインズケールの再処理工場は、このトラブルと申しますか事故によりましても影響は受けていないようでございまして、再処理工場は従来どおり操業を行っているようでございます。
 なお、私どもこういうようなトラブルが東海村の再処理工場で起こるのは非常に問題でございますので、直ちにこのような貯槽の設計を確認いたしましたところが、日本の場合にはステンレスの鋼で十分溶接構造をして二重の構造の建屋に入れるなどをしておること、またこういうような受け槽につきましては、下にドリップトレーと申しますか、受けざらのようなものを必ず設けておりまして、漏洩があった場合には直ちに検出できるようになっております。また受けざらにある程度たまりますと、必ずそれを安全な貯槽等へ移送できるような装置が組み込まれておりますので、このような、たとえその受け槽からの漏れがありましても、それが環境の――外の敷地の方に漏れ出るということはまずあり得ないような構造をとらしておるということで、まあ日本では起こり得ないというふうに確信しておるところでございます。
#27
○熊谷弘君 最後に、私どもはこの法案、いまの日本のエネルギー事情から見ましても、もう可及的速やかに本院を通過してもらって成立させたいと願っているわけでありますけれども、仮にこの法案が成立いたしましても、それはまあ仏をつくってその後が問題だろうと私どもは思うわけであります。すでに政府当局の資料を拝見いたしましても、仮にこの第二処理工場をつくっていくということを考えますと、用地の確保にいたしましても、資金調達あるいは技術の蓄積、要員の訓練等々、本当に民間企業だけではなしがたいような問題がある。こうした点について国が積極的に取り組んでいただくということが、この法案ができて政策が効果的に実施されるために最も必要なことだろうと私どもは思うわけでありますけれども、この点について科学技術庁及び通産省、関係の省庁から御意見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#28
○政府委員(山野正登君) 民間の再処理工場の建設につきまして国の支援、援助がぜひとも必要であるという点は、まさに先生御指摘のとおりでございまして、私どももこの法案が成立し次第、民間としましては民間電力各社が相協力する形で準備体制を整えておるわけでございますが、これに対しまして、先方の具体的な要望に応じてできるだけの施策を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、先ほども岩上先生に御答弁申し上げましたように、資金面においてできるだけ開銀等の資金の活用を図るとか、あるいは技術面におきまして動燃工場の技術が円満にかつ円滑に技術移転するようにいろいろ配慮するとか、さらにまた立地の選定等につきましても、国として広く一般国民に対して再処理の必要性、安全性といったふうな問題について御理解をいただくようなことについての協力をすると、このように各般にわたりましてできるだけ政府としての支援、援助というものには努めていきたいというふうに考えております。
#29
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま原子力局長の方から御答弁がございましたが、それに若干追加させていただきたいと思いますが、再処理工場の建設に当たりましては、先生御指摘のとおり多額の資金の確保、それから要員の訓練というものが必要でございます。そういう意味で、この法律改正ができました暁には早速科学技術庁の方と協力いたしまして新会社の設立をさせまして、その後のいわゆる建設計画といいますか、その会社の運営の計画を立てた上で、国家としてどのような資金の援助をすべきかということが出てまいるわけでございますが、その際には財政投融資を含めまして通産省といたしましてその対策を十分とりたいと、こう思っております。
 また要員の訓練の問題につきましては、現在動力炉・核燃料事業団において行われております再処理工場の中で、民間から出向者として百五十名程度の者がもうすでに参加してその訓練に携わっておるということでもございますので、そういうような人たちを十分活用してやっていきたいと、こう考えております。
#30
○吉田正雄君 当初に吹田原子力安全委員長に対して幾つかの点でお尋ねをし、さらに今後の原子力安全行政について要望もいたしたいというふうに思っているわけです。
 当初に、三月三十日の原子力安全委員会の会議状況といいますか、内容等について若干お尋ねしたいと思うんですが、この日の委員会は午前九時半ころから午後七時半ころまで約十時間というきわめて長い時間にわたって開催をされたというふうに聞いておるわけです。そして会議の冒頭、委員長の方から次の三点について示された。そしてどれが一番好ましいか検討を要請したという報道がなされているわけですね。その三点と申しますのは、全部の原発をとめて点検させるということ、それから第二点としては、事故を起こしたPWR炉だけをとめる、第三点としては運転を続けたまま点検させる、こういう三点が委員長の方から当初に提案をされた。それをめぐって論議が行われたということが報道されているんですが、その事実はいかがでしょうか。
#31
○説明員(吹田徳雄君) 当日は、いま先生のおっしゃっておりましたような三つのことから一つを選びなさいというような提案はしておりません。で、私といたしましては、どういうことを考えればよろしいかということを議長といたしまして非常に幅広く検討するという姿勢をやはり最初から持っておりましたので、そういう中にはそういうことも含まれておりますが、三つの中から選択をするような、そういう考えは、あるいはそういう提案はいたしませんでした。ですから広い問題を委員の方に十分検討してくださいという意味の中には含まれておりますけれども、そういう三つの選択を委員会で出したことはございません。
#32
○吉田正雄君 わかりました。ただし、いま申し上げた三点が幅広く検討してほしいという中には含まれておったというふうには理解してよろしいわけですね。
#33
○説明員(吹田徳雄君) そういうはっきりしたことはございませんが、その広い範囲の中にはそうとれる言葉もございましたと思うんです。
#34
○吉田正雄君 当日の会議出席者についてお伺いいたしますけれども、安全委員は何人で、それから原子炉安全専門審査会のメンバーが何人出席をされて、それから科技庁、通産省の担当官からはどういう人たちが出席をされたのか。また、この科技庁、通産の担当官というのはこの安全委員会の当初から最後までずうっと一貫をして出席をされたのかどうかですね。まずその事実関係だけちょっとお聞きしておきます。
#35
○政府委員(牧村信之君) まず三十日の委員会の審議でございますが、出席者は吹田委員長を初め、御園生委員、内田委員、山本委員のお三方でございます。で、この会議には、先ほども先生がお話しなさいましたように原子炉安全専門審査会の委員も御同席をお願いしておったところでございます。そこで審査委員の七名の先生の御出席をいただいております。それから事務局でございますが、私ほか次長、安全課長が、これはほかの仕事等もありまして出たり入ったりはございましたが出席しております。また通産省の方からは原子力発電安全管理課長ほかの方が同様に出席して委員会の求めに応じて説明を申し上げるという形で出席をしております。
#36
○吉田正雄君 四点にわたる安全委員長談話というのが発表になっているわけてすけれども――その前に、科技庁、通産省の担当者も出席をいたしておるわけですけれども、通産省側の発言内容といいますか、主要な点はどういう発言内容が掲げてありますか、要点だけちょっとお聞かせ願いたいんです。
#37
○政府委員(牧村信之君) この委員会への出席でございますが、通産省の出席は、通常、委員会への出席は通産省も安全委員会の事務局でございますので、その一員として出席することが多いわけでございます。で、出席いたします場合には委員会の求めに応じて意見を述べる、あるいは資料を提出いたしました場合にはその御説明を申し上げて委員会の審議の参考に供するというようなことを行っておるわけでございますが、この先生御指摘の日の安全委員会の審議につきましては、この事故の起こりました経緯にかんがみまして、日本の原子力発電所の安全規制を通産省がどういうふうに個々の施設について行っておるかということについて詳しい説明を委員会から求められたわけでございます。通産省が行っております事故に関連する機器等の定検の状況とか、詳細設計の審査の状況であるとか、運転マニュアルがどうなっておるかというようなこと等につきましての説明があったはずでございます。私たまたまそのときには国会がございまして出席しておりませんでしたので、そういうふうに聞いておるところでございます。
#38
○吉田正雄君 この出席安全委員の方の中に、これは新聞報道なんですけれども、通産サイドと言ったらいいでしょうか、通産のむしろ代弁的なそういう立場で発言をしておるんではないかというふうなことが報道されておるわけですね。ですから、通産というのは推進側ですね、それから安全委員会というのはむしろそれを規制をするという立場なんです。そのための法改正まで行われたんですね。ところが、そういう安全委員会の委員としての立場よりも、むしろ通産サイドの発言というものが行われているという点では問題があるんではないかということが言われておるわけなんですけれども、そういう点では、委員長としてはそういう発言があったというふうにお感じですか、どうなんでしょう。(「委員長」と呼ぶ者あり)ちょっと待ってください、いま委員長に聞いているんですよ、事務局に聞いているんじゃない。
#39
○説明員(吹田徳雄君) 私は、そういう通産の代弁をするような委員はおりませんとお答えいたします。
#40
○吉田正雄君 委員長談話の内容について、その討議というのは委員会だけで行われたのかどうかということですね。事務局からは退席をしていただいて委員会だけ主体的に――まあ論議はあったでしょう、討議経過はあったと思うんですが、最終的な談話のまとめの段階では委員だけで論議をされたのか。そうではなくて、事務局があの談話をまとめて、こんなものではいかがでしょうかということで、委員会としてよかろうと、こういうことになったのか。その辺はどうなんでしょう。
#41
○説明員(吹田徳雄君) あれは四人の安全委員全員の合意のもとに作成いたしました。
#42
○吉田正雄君 作成したというのは、文案は事務局に任せずに委員の皆さん方でやられたと、こういうことですか。
#43
○説明員(吹田徳雄君) さようでございます。
#44
○吉田正雄君 その第二項に絡んでですけれども、この「わが国の原子力発電所では、この種の事象が本件に類する事故へ発展することはほとんどないものであることが、」云々とありまして、「確認されている。」ということが第二項であるわけですね。こういう表現、事故に対する判断ですね、判断が加わった理由というものが、大飯原発1号炉の運転停止なりというものに絡んで、やはりこういう事故判断をする必要があるんじゃないかというきわめて政治的な観点からこのことがつけ加わったというふうに一部では報道されているんですが、この点はどうなんですか。
#45
○説明員(吹田徳雄君) あの三月三十日の委員長談話は、御承知のとおり、四つから成り立っております。あの四つを全部読んでいただきますと私たち委員の真意がおわかりかと思いますが、二項だけがひとり歩きをいたしまして非常に私たちとしては遺憾だと思っておりますが、その二項は実は三と四とを誘導するための実態を述べたものでございまして、大飯1号炉はあくまでもあの三の、つまり総点検と人為ミスを少なくするための運転管理その他のあの第三項と四項を考えて、その一環として私たちは特にああいう特殊な条件のもとでどうなるかということを特別に取り上げたのでございまして、一般的にはあの第三項と四項を適用したのでございます。
#46
○吉田正雄君 もう一つ、これも報道なんですが、結局、あの委員長談話については、特にこの第二項に関してなんですけれども、これに関しては、いま私が申し上げましたようなものと関連をして、特に某委員と通産省の人たちにしてやられたと、もし欠席委員がいなかったならばこの結論というものがもうちょっと変わっておったんじゃないかと、こういう声が内部に上がっているという、内部にあるんじゃないかという報道もあるわけですね。つまり企業の味方である通産省のごり押しに安全委員会が屈服をしたという、そういうふうに評価をされても仕方がないんじゃないかという、こういうことも言われておるんですけれども、こう面と向かってお聞きをすれば、「そんなことはない」という答えが返ってくることは十分承知の上で、なおかつ私はそのことをお聞きしたいと思うのです。
#47
○説明員(吹田徳雄君) 安全委員会といたしましては、あの委員長談話の実は三と四とが非常に重要でございまして、一ではPWRの原子炉に対しては、ああいう事故というのはわれわれとしては非常に教訓として受け取るべきであるというのが一項でございまして、二は、何度も申し上げますけれども、実態を示しまして、その中でああいう安全審査とか使用前検査とか定検というのが一つの非常に重要な検査の対象でございますので、そういうのを三で十分総点検をやりなさいという、三、四を導くためのことでございまして、御懸念の通産のそういう考えは、われわれとしては全く白紙であの問題に取り組んだのでございまして、通産からどういういろいろなことがあったか――ありましても、私たちは独自の立場で科学技術的に判断をしたものでございます。
#48
○吉田正雄君 そこまでおっしゃるわけですけれども、この前も佐藤委員の方からも第二点に関してのいろんな質疑があったわけですけれども、四月十三日の安全委員会、これは十四時間というきわめて長時間の論議が行われて十四日未明にまで及んだということか報道されているわけです。時間がありませんからこの審議内容が一々どうであったかということはいまここでは省略をいたしますけれども、この三十日の委員長談話の二項の内容と関連をして、日本では起こり得ないと、心配ないんだということを盛んに科技庁、通産サイドでは言っておったわけです。ところが、この第二項と関連をした、あるいは第二項の大丈夫だと、日本では起こり得ないんだというあそこまで断定をした委員長談話から見て、今度は大飯1号の原子炉というものをとめて点検をするんだと、こういうふうに変わったわけなんですけれども、この処置というのは実質的には三十日の委員長談話第二項がちょっと言い過ぎたといいますか、余りにも断定をし過ぎたと、こういうものに対する反省というものが私は含まれでおるんじゃないかと。さらに言うならば、従来の当局は事故は日本では起こり得ないということをもう繰り返し言われてきたんですね。しかし、絶対に起こり得ないということになればその必要はないわけなんですけれども、そうではなくて、事故の可能性というのはこれはやはり否定できないという立場から大飯1号というのはとめて点検をするということになったんじゃないかと思うんですが、その点はいかがですか。
#49
○説明員(吹田徳雄君) 三月三十日の委員長談話というのは、二項はあくまでも三、四を誘導するための実態を示したものでございまして、二項だけをとってあの委員長談話を批判されますと非常に私たちの真意でございません。大飯の1号炉をとめましたのは、実は三に総点検と運転管理、つまり人為ミス、あの三十日の時点におきましては、多重防護の各防護を質量ともに健全にする必要があるので、ああいう幾つかのバリアの検査をしなさいというのが三の前半でございまして、あとは人為ミスが非常に多いということを私たちはいろんな情報からキャッチしましたので、その二つをする、そういう総点検の中で大飯の1号炉が浮かんでまいりましたので、特にああいう特殊な事情というのが、Pに非常に特別な条件を与えますとああいう事故が起こるということをわれわれは直視いたしまして、そういう意味で大飯の方は専門家の意見も十分聞きましてああいう措置をとりました。安全委員会というのは、やはり安全を十二分に考えて、そしてわが国の原子力施設の安全というのはわれわれ日本人でやはり真剣に考えてやるべきであるという基本的な姿勢を私たちはとっておりますので、手もとに十分なデーターなしに安全であると言うことはできないので、やはり通産の申し出を了承いたしましてああいう措置をとりました。
#50
○吉田正雄君 いまの委員長発言では、結局事故の可能性というのは完全には否定できないと。事故だって起こり得るという、起こり得ないために、万全を期すためにそういう措置をとったというふうないまの発言はきわめて科学的な、しかも安全をあくまでも追求をするという原子力安全委員会の態度としては私はこれは当然なことだというふうに思っているわけです。
 そこで、その安全委員会のとられた措置と関連をいたしまして、内田委員の例の一連の言動なんですが、これもこの前同僚委員の方から若干話が出たと思うんですが、米国における例の談話の正確な内容については本人に直接聞いてみないとよくわからないというふうな話がありましたけれども、二十一日帰国の夜記者会見で幾つかのまた発言をされているわけです。大分アメリカにおける談話の内容とは変わっておるわけですけれども、この中で、「人為ミスなどが重なって思わぬ方向に発展した事故だったが、わが国の原子炉でも計測系や保安規定などで改良すべき点がありそうだ」と、こういうふうに述べられておるんですね。もしこれが正しいといたしますと、やはりこの根底というか考え方の中には、あの事故というのは人為ミスの連続、重なりによって起きた事故だという、こういう人的災害といいますか、そういうものに原因を帰していこうという考え方がそこに流れておりますし、だから計測系や保安規定という操作を完全にすればいいんだと、その面での改良すべき点があるんだというふうなことで、もともと事故の原因というのが現在まだ完全にははっきりしていない、解明をされていない段階で、またこのような人的ミスの重なりというふうな、一体こういう発表というものは現段階で委員として軽率ではないかと思うんですよ。アメリカにおける発言でも、物議を醸すといいますか、問題があるということで委員会でもこの前も取り上げられたわけですけれども、帰ってきてからの発言を見ても、あくまでもこれを人為的ミスに帰そうという、こういう動きというものが非常に露骨に見えているわけですね。この点についてまだ現在真相究明中という段階でこの発言は、もしこのとおりだとしたら私は不適当だと思うんですが、これは委員長としてはどうですか。
#51
○説明員(吹田徳雄君) 内田委員は、恐らく、あの事故の中で人為ミスというのは非常に重要な役割りをしておるということを強調したんだと思いますが、それだけではないと私は考えております。
 で、私自身といたしましては、あの事故はやはり機械と人間との相互作用というところが非常に私は重要だと思います。そういう設計ミス、人為ミスと完全に分けられないところに非常に問題があったと私は考えております。
#52
○吉田正雄君 いまの委員長の考え方というのは、私はやっぱり正しいと思うんですね。人為ミスだけであの事故は起きないだろうということはもうはっきりすると思うんです。これはNRCの方でも言っておりますように設計上でもいろいろ問題があるでしょうし、操作上も確かに問題があったでしょうし、具体的に機器に故障が起きたり、機器が十分に作動しなかったということも、これはもうはっきりしている事実ですから、当初のバルブの故障が起きたということは人為ミスの以前の問題ですから、そういう点で一連のものが重なってああいう事故が起きたんだろうと思うんで、いまおっしゃったように人的の問題とその他の問題というものが重なって生じた事故だろうと。いずれにしても真相というものは今後まだ解明されるべき部分が残っておるという点で、私は委員長に要望しておきたいんですけれども、委員会というのは、これは何も安全委員会に限らず、原子力委員会でも教育委員会でも、その他の審議会というのは合議制だと思うんですよ。したがって一委員が、特に問題が重要であればあるほど、しかも真相の究明中の段階では新聞記者の求めがあったとしても軽々に断定をするような発言をすべきではない。これは国民を惑わす。惑わすことから逆に安全行政に対する不信感というものを一層増大をさせる結果になるんじゃないかと私は思うので、これは委員会の中で相互にひとつ今後のあり方については慎重を期すような委員長からもそれなりの指揮、指図というのは変でしょうけれども、それなりのやっぱり発言があってしかるべきではないかというふうに思うんですが、この点はいかがですか。
#53
○説明員(吹田徳雄君) 安全委員会は最初から合議制で大体全員一致の結論を持っておりまして、いま先生御注意の点、よくわかっておりまして、今後とも慎重に会を運営していきたいと思っております。
#54
○吉田正雄君 それからもう一つ、委員会の運営とは別に、私は委員会と事務当局との関係についても委員長に要望しておきたいと思うんですよ。と申しますのは、今日の行政全般を見た場合に、各種の委員会、審議会というものと事務当局との関係を見ますと、ややもすると事務当局に密着をした委員なり審議委員によってその当該委員会、審議会がリードされている。つまり端的に言うならば、官僚主導の委員会に陥る傾向というものが私は最近非常に強いんじゃないかと思うんです。したがって、場合によっては当然委員に報告をしなければならない重要な情報、資科というものを意図的に秘匿をする、委員をつんぼさじきにおくという事態が想定をされるし、現にあると思うんですよ。NRCの場合にもそういうことがあったということが委員によって暴露をされておりますし、そういう点で私は一、二の点について事務当局から委員会に対して情報というものが提供されておったのかどうか、次の点についてお聞きしたいと思うんですが、これはすでに新聞で報道されているんですけれども、たとえば原子力発電所の事故に関しては今回が初めてではない、炉心溶融という事故が過去何度もアメリカとカナダにおいて発生をしておったといういわゆる極秘資料というものが、四月の十二日に米下院国内問題委員会エネルギー・環境小委員会のユードル小委員長によってこのことが暴露されたということが報道されているんですね。これは事故発生後です。これはもちろんNRCの非公開会議議事録なんですけれども、これが公表されたということで、この内容は、ごらんになっていればあれですが、念のために申し上げますと、現場に急行したNRCのシステム安全部長とヘンドリー同委員長との電話での会話が収録をされている。「これまでの部分的炉心溶融の事例と状況は同じだ」と、こういうことが電話でもって行われておるということなんですね。だから初めての事故ではない、似たような事故が過去あったということがやりとりされているというものが公開されたわけですね。それから、規制委員会の以前の原子力委員会の原子炉部長はこれに関連して、「炉心の部分溶融事故はこれまでにもたびたび起きており、」と、これは一九五二年にワシントン州のハンフォード工場の原子炉とそれからカナダのある原子炉でほぼ同時期に炉心溶融事故が発生、五四年にアイダホ州アイダホフォールズの実験炉で完全溶融を実験し、六〇年にはペンシルベニアのワイツミルズの実験炉で部分溶融が起きておるし、六六年にはデトロイトのエジソン社のフェルミ原発で燃料の一部溶融事故、いずれも冷却装置の故障と、こういうことが報道されているわけですね。さらに十六日のNRCの公表報告書で、B&W社製の同型炉が他の七カ所の原発で五十七件以上の同性質の故障を起こしていると。それから、私もこの前ちょっと申し上げたと思うのですが、一九七六年のNRCのPWR、BWRの異常事象報告というものが報告されておるわけですね。こういう資料というものについては、この事故が起きる以前にも私は当然安全委員会ですから報告があったと思いますし、また事故が起きた以後においてはなおさら、いままでなかったんだとか、起き得ないなんていうことでなくて、現にこういうふうにあるわけですから、そういう点でアメリカにおけるこういう事故の詳細をいうものが委員会に報告をされたかどうか、その事実だけお聞かせ願いたいと思います。(「委員長」と呼ぶ者あり)ちょっと待ってください。私はいま委員長に聞いているんですよ。いいですか、事務当局に聞いているんじゃない。特に事務当局と委員会との関係で、私はきわめて重要な問題だと思うがゆえに委員会委員長に聞いておるんですよ。事務当局に聞く事務的な問題とか、かわって答えてもらいたいということとはこれは本質的に違う問題なんです。そういう点で私は正確に資料、情報というものが委員会に提供をされているのかどうかということで、一々細かいことは覚えておいでにならぬと思うのですが、とにかくそういう報告というものがあったのかどうか、このことをお聞きしているんですよ。
#55
○説明員(吹田徳雄君) その報告はございました。しかし非常に詳細な報告ではございませんで、それは今度のTMIの事故と直接関係しないようないろいろな原因によりまして起こったものが多いのでございますので、共通のところもございますけれども、そういうことが過去にあったということは報告を受けました。
#56
○吉田正雄君 スリーマイルと余り共通がないというふうな、ちらっといまお聞きしたと思うのですが、非常に共通部分がある、同種の事故というものがずいぶん起きておったという報告なんですよ。ですから、そういう点で事務当局の報告というのは委員会の判断というものを壊すと言っちゃなんですが、正しい判断を導き出すそういう情報提供については私はやはり欠けている面があったのではないかという感じがいたしますので、そういう点では今後やはり委員会として事務当局に対して常に正しい情報の提出というものを私は命ずる必要があるのじゃないかというふうに思うんです。これは要望になりますけれども、そういうところから私は原子力安全行政というものが事務当局によって引きずり回されるという、まさに委員会そのものの形骸化というものを恐れるわけですね。そういうことで私はこの点特に委員長として留意をしていただきたいと思うんです。
#57
○説明員(吹田徳雄君) ちょっと補足さしていただきます。
 TMIの事故に関しましては、幸いその当時田島安全委員と調査室長の佐々木室長が向こうにおりまして、TMIに関する限りは非常に十分な連絡を事務局としてはとっておったと私は考えております。
#58
○吉田正雄君 先ほどもちょっと申し上げたんですが、私はこの前の委員会でも申し上げておりますけれども、NRC発表の事故記録によりますと、一九七六年において三十五のBWR型原子力発電所において合計千二百五十三件の故障が発生をしているわけです。異常事象と呼んでいる場合もありますけれども、いずれにしても故障なんですね。そこで、いま申し上げたPWR、BWR両方が七六年に公表されているのです。これについて安全委員会に報告がありましたでしょうか。
#59
○説明員(吹田徳雄君) 詳しいことは私記憶してないんでございますけれども、アメリカでのそういう故障というのは非常に小さいものから大きいものまでございますけれども、そういうのはある程度は私たちは事務の方から聞いておりますが、詳しいことは、必要な事故にあるいは故障に対してはわれわれからもう少し詳しいデータを出すようには要請しますけれども、一々小さいことに対して詳しいデータを寄せるようには事務には申しておりません。
#60
○吉田正雄君 これは新聞報道なんですが、五年前に、御承知の新型転換炉ATRの「ふげん」ですね、「ふげん」の開発時に緊急炉心冷却装置が誤作動することがわかったということが報道されてあるのですね。それでそれの改良に着手をして間違いなく作動するようになったということで、いずれにしても五年前にその問題点というのがわかったということが報道されているんですけれども、このECCSの「ふげん」における誤作動のそういう過去の事例について、これはECCSの事故ですから、これも委員会にそういうことが過去あったという報告がなされたでしょうかどうでしょうか。
#61
○説明員(吹田徳雄君) 私はそういう記憶はございません。
#62
○吉田正雄君 それから、今月の九日付の「米国スリー・マイル・アイランド原子力発電所の事故について」という科技庁原子力安全局と通産省の資源エネルギー庁から出されたこういう資料がございます。これは御存じだろうと思うんですけれども、この中の図面なんですが、「本図は、説明のための概念図であり、細部は必ずしも正確ではない。」、こういうふうに書いてありますし、事故等についても現状では必ずしも正確でないので、後に変更があり得るという前提的なそういう注も書いてあるんですけれども、原子力安全委員会には今回のスリーマイルアイランドの原子炉の――原子炉のというよりもこの発電所の全設計図、正確な設計図が資料としては出されておりますかどうですか。
#63
○説明員(吹田徳雄君) 委員会の方には出されております。
#64
○吉田正雄君 これは何も秘密にすべき事項ではないわけなんですね。ところが原研にこの図面があると、しかし、これは公開を渋っておると、科技庁が渋っておるということが言われているんですが、渋る理由は何もないはずなんでして、この点は安全局長に聞きますが、渋っておいでになるんですか、それとも何か公表できない理由がありますか。それとも正式にそういう要求がなかったから提出をしなかったんで、要求があれば提出をするということですか、どちらですか。
#65
○政府委員(牧村信之君) B&Wの正確な設計図というものは私ども入手しているわけではございませんが、安全解析書、これは先生御指摘の原研にもあるといったものでございますけれども、そういうものは事故が起きまして直ちに私どもも国会図書館から入手しております。そういうものを専門部会等において御議論いただいておるわけでございます。また行政庁もそれを利用して日本の設計との比較をやっておるわけでございます。したがいまして、この問題、そういうような資料であれば、すでに日本におきましても国会図書館等で公開されておるものでございますので、私どもがこの資料を出す出さないというような性格のものではないものでございます。したがって、渋る渋らないというようなことはあり得ないかと考えております。
#66
○吉田正雄君 いま国会図書館の方から安全局としては手に入れたというふうなことがあったと思うんですけれども、私の方でもそのことは国会図書館の方で安全解析の――大分膨大な、千何百ぺージから成るものだと思うんですが、そのことをおっしゃっているんだろうと思うんですが、私はそのことはとにかくとしても、原研にもいま資料があるというふうにおっしゃっているんで、少なくとも安全解析が行われているわけですから、当然詳細な図面というものかあるわけですね――あるわけでしょう、その点どうなんですか。
#67
○政府委員(牧村信之君) 私どもがいろいろ安全解析を行っておる、特に通産省でございますけれども、国内の原子炉の安全をアメリカの事故の経緯に照らしていろいろ解析しておるというのが中心でございますので、ただアメリカの今回事故を起こした原子炉がどういう基本設計のもとにつくられておるかという対比のもとでそれを利用しておるという段階であると思っております。
#68
○吉田正雄君 委員長にお尋ねいたしますが、スリーマイルアイランドの事故の全容か――原因も含めてですけれども、わかるのは大体いつごろになるというふうに見込んでおいでになりますでしょうか。
#69
○説明員(吹田徳雄君) 安全委員会といたしましては、アメリカの発電所の事故の特別委員会というのを私たちの安全委員会に直属させまして来月一日からスタートいたします。現在派遣しております専門家も帰りますので、そこで十分現在まで得られたデータを解析してからその事故の全容をまとめることになろうかと思いますので、いつまでにどうということはございませんが、われわれといたしましてはできるだけ早くまず事実を、どういう事実があったかということをまずまとめて、できる範囲でそれを中間報告の形でやりたいと思いますので、期限がいつかということはちょっとここで申し上げられませんが、できるだけ早く事実をまずわれわれが知るということ、それからどこまではわかって、どこからはわからないかと、それに対する評価というのはその次になろうかと思いますので、時間的には二つに区切った方がよろしいんじゃないかと私は考えております。
#70
○吉田正雄君 通産省が沸騰水型原子炉、BWRの原子炉の立ち入り検査というものを行うということで、十八日に東電の福島第二の3号機などBWR三基、それからPWR四基の安全審査作業をすべて停止をしたと、私はこの措置というのは正しいと思うんですね。というのは、先ほども申し上げましたようにPWRについてはあれだけの大事故が起きておりますし、BWRについても先ほど申し上げましたように、現に動いている三十五の原子力発電所で千二百五十三件の事故が起きているというNRCの報告があるわけですから、これが公表されているわけです。そういう点で私は通産のとった措置は正しいと思うんですけれども、そこで私はもう一つだけお聞きしたいと思うんですけれども、BWR型において今回のような事故が全く発生しないとは断言できないと思うんですが、この点はいかがですか。(「委員長」と呼ぶ者あり)ちょっと待ってください。いま安全審査の立場から安全審査委員会の見解を聞いているわけですので。
#71
○政府委員(児玉勝臣君) 先生最初BWR型の安全審査を中止したというふうにおっしゃいましたけれども、そういう事実はございませんのでここで申し上げておきます。
#72
○説明員(吹田徳雄君) TMIのあの事故というのは非常にどちらかといいますと水位計等を通じまして、いろんな条件が重なった特殊な一つの現象、非常に貴重な現象だと考えます。しかし、あれと同じような事故がBWRに起こるかといいますと、水位計の問題が非常に重要でございますけれども、専門家の意見を聞きますと、ああいうものは構造上やはりあれと同じような事故は起こり得ないということでございまして、われわれもそういうふうに判断いたしました。
#73
○吉田正雄君 起こり得ないというのは、あのような同種の事故が起こり得ないということなんでしょうか、それともアメリカで先ほど言ったようないろんな故障があるわけですけれども、全く弁の故障から今回のPWRの事故と非常に同種の似た事故というものがBWRにおいても起きておるわけですね。きわめて重大な事故だというふうにNRCでは言っているわけです。そういうことが日本で全く発生しないというふうに断言をしてもよろしいんでしょうか。
#74
○説明員(吹田徳雄君) あの事故をどういうふうに見るかというのが非常に重要だと思います。われわれの考えといたしましては、今回の米国原発事故における重要なポイントとなりました二次給水系、加圧器を備えていないなどPWRと比較しまして構造上基本的に異なったものでありますから、TMIと同様の事故をBWRに当てはめて考えることは非常に困難でございます。しかしながら、さらに安全確保に万全を期するため早急に保安規定、運転要領等の総点検を行うべきであるということを指示しているところでございまして、その指示を踏まえて通産省は現在総点検を実施しているところでございます。これらの総点検は運転中のまま実施することは十分可能でありまして、今回の米国の事故に関連して稼働中のBWRを停止する必要があるとはいまのところ考えておりません。
#75
○吉田正雄君 時間がありませんから、これは委員長に要望しておきますけれども、私はNRCのいわゆる事故報告、公表された事故報告書というのを見る限りにおいては、PWRに起きた事故ですね、今日まで幾つかのいろんな形の事故が起きているわけです、原因別あるいはいろんな分類の仕方もあるわけですけれども、その事故の分類等とそれからBWRの事故ですね、この両方というものを比較をしてみますと、ほとんど変わりがないんですね。変わりがありませんので、これは私は安全委員会として、もう少しNRCの発表された資料について検討していただきたいと思うんです。単に事務当局サイドの、わが国においては大丈夫、わが国においては大丈夫という、そういうことでは私は決して委員会としての責務を果たしたことにならないんじゃないかということで、うのみでなくて、その点をひとつ独自に検討していただきたい、そのための資料提出を先ほど言ったように事務当局に求めていただきたいというふうに思っているんです。
 そこで、委員長に対しては、余り時間がありませんので駆け足でお聞きをいたしますけれども、御承知のように、現在東海第二発電所の原子炉設置許可処分の取り消し請求事件というものが起きておるわけです。これは従来科学技術庁――まあ原子力委員会が国という立場で科技庁が中心になってやってきたわけです。ところが法改正によって今度は通産に移管をされたわけですけれども、私は直接争訟事務を取り扱うものが通産に移管をされたとしても、事安全に関する部分については原子力安全委員会としてもダブルチェックの責任上やはり重大な関心を持ち、場合によってはこれにかかわっていかなければいけないんじゃないかと思っているんです。たとえば通産の側でちょっと行き過ぎであったとか、あるいは過ちと言いませんが、間違いといいますか、そういうふうな部分が出てきたとするならば、これは当然通産に対する申し入れ等もなされなければいけないだろうと思うんです。
 そこで、今度のスリーマイルアイランドの事故に絡みまして、通産からと思いますが、四月十九日に準備書面が水戸地裁に提出をされたわけです。これは私もほかから聞きまして、実はきのう通産の方に資料要求いたしましてこれを入手をしたわけです。この最後の第五というところに、この「原子力発電所の事故と本件安全審査との関係について」という部分があるわけですけれども、委員会としてはこの準備書面が出される段階で事前にこの内容について通産から相談がありましたでしょうかどうでしょうか。
#76
○説明員(吹田徳雄君) 全然ございません。
#77
○吉田正雄君 この安全審査は実は通産がやったのではなくて、法改正以前ですから、これは原子力委員会の安全審査会が実はこの審査を行ったわけですね、安全審査を行ったんです。したがって、争訟担当官庁が違ったとしても、当然私は、連関上、安全審査会の意見を聞いてこの準備書面というものを提出すべきではないかと思っておったんですが、全然御相談がなかったという事実がわかりましたから、それはそれで事実として受けとめておきたいと思うんですけれども、そこでこの中でどういうことが言われているかといいますと、「本件原子炉において今回の事故に類する事象が発生するおそれはない。」、「今回の事故のような事象が発生するおそれは全くないといえる。」と言って完全に否定をしているわけですね。これはもう人間のつくったものであり、人間が操作をする以上、同様事故が全く発生するおそれはないという、そういう断定こそ非科学的ではないか、また原子力行政としてはそういう断定をするところからは出てこないんで、常に万一というものを考えて安全行政というものをあるいは安全対策というものを講ずる必要があると私は思うんですけれども、このような断定については、所管官庁が違うんですけれども、これは安全委員会としてはどのようにお考えですか。
#78
○説明員(吹田徳雄君) それは行政、つまり通産の見解でございまして、ここでどうかとお聞きになりましても、私としてはお答えすることは非常に困難でございます。
#79
○吉田正雄君 それでは時間の関係がありますから、まだたくさんお聞きしたいことがあるんですけれども、最後に一つ安全委員会の運営について幾つかの点でお尋ねいたします。
 まず一点は、委員会は原子力基本法の精神から公開が原則であると思うわけです。これは各種の委員会や審議会等は公開が原則になっているわけですね。したがって、人事を取り扱う等特別の場合を除いて――公開と言っても一般の人にどうぞどうぞということではないわけでして、内容というものが秘密にされないという意味での公開ですけれども、そうあるべきだと思うんですが、どのようにお考えになっておるでしょうか、これが第一点です。
 それから第二点としては、私は自主・民主・公開というこの原子力平和利用の三原則からして、秘密会というものはとりわけこの安全行政にあってはあってはならないと思うんですね。秘密にしなきゃならぬような論議が行われること自体が問題だと思いますし、それから雲の上で、だれが発言したかもさっぱりわからぬという議論が行われていると。やはり一定の所信なり判断に基づいて発言をするならば、それこそ私は堂々と国民の前にその自分の委員会における発言というものが公表されることこそ私は委員として国民に信を負ってやるべき姿ではないかというふうに思っているわけです。したがって私は秘密会というものはあってはいけないと思うんですが、そういう秘密会というものがあるのかどうなのか、それはどういう場合なのかということと、それからもちろん委員長が委員会の司会と言ったらいいんですか、会議の進行、議長を私は当然務められていると思うわけですけれども、意見が合わない場合には多数決というふうなことが行われるのかどうなのかということと、それから議事録は私は当然作成をされておると思いますが、作成されているのかいないのか、作成をされていないとしたら、私はこれほどの手落ちはないと思うんですね。作成しないなら一体作成しない理由はどうなのか、あのときの委員会の論議がどうであったというふうなものを正確に記録としてとどめるのは、やはり議事録を作成するのが私は当然だと思うんですね。そういう点で議事録の作成がどうなっておるのかどうか。そうしていま言った委員会の内容については、公開の原則からして当然請求をされた場合には委員会の内容については公開をすべきではないか。特に秘密会にしたという場合には、秘密会にした性格なり理由なりというものを明らかにすべきではないかというふうに思っておるんですが、これらの点についてどのようにお考えになっていらっしゃるか。
 以上で質問を終わります。
#80
○説明員(吹田徳雄君) 公開でございますが、先生おっしゃるように、安全に関する限りはできるだけ公開いたしたいと思っております。しかし公開は一から百まで公開するかといいますと、やはり成果の公開というのがありますように、その過程におきましてはできるだけ委員の自由な発言があるのが好ましいと考えます。ですから安全委員会としてはできるだけその結果は公開いたしたいと思いますけれども、その議論の過程でありますと、ちょうど委員長談話に四つ書いてありましても二つだけがひとり歩きするように、その意見のどれかが非常にひとり歩きいたしますと委員会の真意が伝わりませんので、やはり委員会としてはできるだけ全員合意の結論を得ましたところで公開いたしたいと考えております。
 それで民主・自主・公開でございますが、その三原則はわれわれとしてもできる限り守っていきたいと考えております。
 議事録でございますが、委員会の議事録は作成してございます。
#81
○委員長(塩出啓典君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十五分まで休憩いたします。
   午後零時四十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十分開会
#82
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を課題とし、吉田君の質疑を続行いたします。
#83
○吉田正雄君 これから原発事故に対する防災計画について関係省庁にお尋ねをいたしたいと思うんです。
 その前に、午前中の質疑との関係で二点だけ通産にちょってお尋ねしておきたいと思うんですけれども、先ほど申し上げました東海の例の訴訟事件に関連をして、先ほど申し上げました準備書面の内容に関連をして先ほど安全委員長にお尋ねしたところ、事前に通産の方から特に連絡とか協議ということはなかったと、こういう話だったわけですけれども、私は従来の経過からすれば、所管官庁が法改正に伴って通産にかわったとしてもやはり一貫性があるわけですからね、そういう点で、いま中身のいい悪いじゃないですよ、事前にやはり科技庁というか、安全委員会に連絡をすべきではなかったかというふうに思うんですが、その点がどうかということと、それから、きのうからの報道で大飯1号の再開を決定をしたというふうになっておりますので、その点検、解析ですね、安全再評価についての結果を資料としてこれを提出をしていただきたいというふうに思いますが、よろしゅうございましょうか。
#84
○政府委員(児玉勝臣君) 先生のただいまの御質問の最初の安全委員会に東海第二の訴訟の準備書面の内容についていろいろ御意見を賜るべきではないかと、こういうお話でございましたが、現在行われております訴訟は行政訴訟でございまして、行政機関そのものが訴えられているという問題でございますので、手続の上では安全委員会にいろいろ御意見を承って行うという筋ではないと考えております。
 それから、大飯の再開について決定というようなお話でございましたが、これは別に決定もいたしておりませんし、昨日安全委員会に大飯の逃がし弁が閉まらない場合の解析、まあ要するにスリーマイルアイランドのような事故が起こったときのECCS作動の機能確認のための計算結果の説明をいたしたわけでございます。そういうことで、その計算の内容と申しますか、ということについては資料として提出したいと思います。
#85
○吉田正雄君 それからもう一点だけつけ加えてお尋ねしますが、同じく先ほど私の方で福島等のBWR三基についての安全審査をいま中止をしたというふうな新聞報道があったということについては、そういう決定はしていないと、こういう答弁だったと思うんですけれども、そうしますと私、非常に重要な問題ですから……、これは一体新聞記者が聞き間違えて書いたのか、皆さん方の発表がそういうふうに受けとめられるような発表であったのか、事が事だけにもし新聞報道が誤りなんだということになればその訂正方というのは当然申し入ればなさったんじゃないかと思うんですが、いまこれだけ重要な問題でもって論議をされているわけですから。そこはどうなんですか。
#86
○政府委員(児玉勝臣君) 別に安全審査の問題について新聞発表もいたしたことございませんし、あの記事は記者の自由取材ということであろうかと思っておりますので、当方といたしましても特にその問題について訂正を申し入れるとかというようなことは考えておりません。
#87
○吉田正雄君 それじゃまあ、記者の取材がどういうところで行われたのか、事が事だけに勝手に取材をしたんだということで済ますことのできない私は内容じゃないかというふうに思っておりますから、私なりにそれは調査をしてみたいというふうに思っておりますが、いずれにしてもいまの大飯1号の再開についても、これもどうもテレビ、新聞に出ておるというふうなことになりますと、これもテレビ局の記者あるいは新聞社の記者がそれぞれ勝手に取材をして報道をしたというふうなことになるわけですか、この問題も。
#88
○政府委員(児玉勝臣君) 当方の発表の内容については、それは一つの書き物にして渡してございますので、それ以上の類推というのはそれは記者がいろいろ取材等の印象からいろいろ書かれたものだと思います。
#89
○吉田正雄君 じゃ、その問題、それでやめます。
 それでは本題に房りまして、原子力発電所の事故に対する防災計画がどうなっておるのか、また防災計画に沿って具体的には一体今日までどのような訓練なりが行われてきたのか、そういう点についてお伺いいたしたいと思うんですが、最初に、これは国土庁になりますでしょうか、中央防災会議の組織構成についてお伺いをいたします。
 まず、「委員は、指定行政機関の長及び学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。」ということになっておりますけれども、現在はどうなっておりますか。
#90
○説明員(柳晃君) 現在は中央防災会議の委員は、会長が総理大臣でございますが、委員といたしましては、国務大臣全員と、そのほかに学識経験者といたしまして国鉄あるいは電電公社あるいはNHK、日本銀行、それから日本赤十字社のそれぞれを代表する者、総裁の五人が、合わせまして二十五人が委員になっております。
#91
○吉田正雄君 専門事項調査のため専門委員を置くことになっておるわけですけれども、現在のその専門委員はどういうふうになっておりますか。
#92
○説明員(柳晃君) 現在の中央防災会議の専門委員は約三十人任命されておりますが、それは昨年度施行されました大規模地震対策特別措置法の施行のための地域を指定したり、あるいはそこにおいて基本的な計画をつくったりするための基礎的な事項につきまして調査をお願いするための学識経験者、大学の教授等を約三十人ばかり現在は委嘱しております。
#93
○吉田正雄君 中央防災会議には事務局を設けることになっているわけですけれども、事務局構成について、事務局長がどなたでその他の職員がどうなっておるのかということと、先ほどの専門委員の名簿を資料として出していただきたいと思うんですが、よろしゅうございますか。
#94
○説明員(柳晃君) 現在事務局長は災害対策基本法の政令で指定されておりまして、国土庁の政務次官がなっております。その下に事務局の次長といたしまして国土庁の官房長と自治省消防庁の次長。それから専任の事務局というような考え方をとっておりませんで、災害対策は広く関係各省にまたがる事項でございますので、各省の局長クラスの方を局員として、あるいは課長クラスの方を主事といたしましてそれぞれ二十人あるいは四十人前後任命しておりまして、その方で運営をしておりまして、一般的な庶務、それとか連絡調整等の仕事を国土庁の方でやっております。
#95
○吉田正雄君 この十九日ですか、原子力発電所等防災対策連絡会議というものが設置をされたという報道がなされておりますけれども、もしそうだといたしますと、ただいま申し上げました連絡会議と中央防災会議との関係、それからいまの連絡会議の性格、任務、これが法的にはどこに準拠をした連絡会議なのかということを明らかにしていただきたいと思うんです。
#96
○説明員(柳晃君) ただいま先生御指摘の防災関係の連絡会議等の話は、そういうことがあるということは私ども承知しておりますが、それの担当は総理府の方でやっておりますので、私の方がお答え申し上げるよりも総理府の方からお答え申し上げた方がよりふさわしいかと存じ上げます。
#97
○吉田正雄君 総理府は呼んでおりませんが、これは科技庁の方では当然承知をされておると思うんですが、これはどうなんですか。
#98
○政府委員(牧村信之君) ただいま総理府で設けられております原子力発電所の事故に関連いたしましての各省連絡会議は、スリーマイルアイランドの原子力事故に伴いましてアメリカでも住民の避難等が行われたということにかんがみまして、わが国の防災計画におきます原子力災害に関してより効率的な体制をつくる必要があるんではないかということに関連いたしまして、総理の指示によりまして総理府に設けられたものでございまして、関係各省が総理府に集まりまして、現在この原子力災害に対する防災計画につきまして種々検討を行っておるところでございます。
#99
○吉田正雄君 この性格は総理の私的諮問機関ですか。何か法的に準拠すべき法令か何かがあるんですか、どうなんですか。
 それと、いままでの中央防災会議もこの原子力事故も含んだ防災計画というものが当然策定をされなければならないというふうに思っておりますので、それと重複をするということになるんじゃないかと、二つの会議でそれぞれ別個に行われるということになったんではぐあいが悪いんじゃないかというふうに思うんですが、その点どうなんですか。
#100
○政府委員(牧村信之君) 私どもの方は防災会議との関係はつまびらかでございませんか、いずれにいたしましても原子力災害にかかわる防災対策につきまして、関係する省庁が全部集いまして今後の対策を検討しておるということでございます。いずれこの政府間の協議の結果は当然災害対策基本法に基づきますそれぞれの関係省庁並びに地方公共団体等の防災計画等に反映されるものでございますが、その反映する前の議論をしておるというふうに解釈しておるところでございます。
#101
○吉田正雄君 ちょっとはっきりしないんですがね。ですから、この機関の法的な性格はいかかなんですか。総理大臣の私的諮問機関なのか。防災会議はれっきとした災害対策基本法に基づいて設置をされているわけですよね。ここでもって原子力災害を含んだ計画というものが立案をされるのに、また別途新たに似たような連絡会議というふうなものが法的な権限が明確でないのにつくられて、そこで論議をされたものがまた防災計画の中へ反映をされていくなんていうことになったら、一体どちらをどうとるかという問題が出てくるわけでしょう。任務、権限の問題からしても、私はこの連絡会議の性格というものをきちんと明らかにしておく必要があると思うんですよ。そこが非常に不明であいまいですから、いまお尋ねしているんです。
#102
○政府委員(牧村信之君) ただいまもお答えいたしましたように、総理府に各省の担当者が集まりまして連絡会議を開いておるわけでございまして、私どもの方からその法的な根拠がどうであるかということを申し上げる立場にはないと思いますが、実質的に原子力災害にかかわります各省庁の人間が集まりまして、いろいろな災害対策に対しての検討を行っておると、したがいまして、これらの結果が防災会議等にかける必要があるようなものが出てまいりました際には、当然先生御指摘のような防災会議にもこう持ち上がっていくことはあり得るんではなかろうかと思いますが、その辺の体制につきましては、私、責任ある立場でございませんので、私の感触を申し上げて御容赦をいただきたいと思います。
#103
○吉田正雄君 これは感触の話をいましているんじゃありませんでしてね、法的に不明確でしょう。だから、私的機関なのかあるいは国家行政組織法に基づく機関なのか、そこが明確でなければ、ここで仮に策定をしてもそれがどう法的に防災会議に反映をするのかということがあいまいになってくるわけですよね。あなたの感触だとかそんなのを聞いているんじゃないんですよ。こんな大事な問題を性格もわからなければ法的にどうなのかというそんなものが全然わからないんじゃ、これは話にならぬわけでしょう。大臣、いまお聞きになっておってどうですか。全然わからないんじゃあ困りますよ。
#104
○国務大臣(金子岩三君) 閣議に議題になりまして、総理府が中心になって各関係省庁と具体的な対策について検討を続けようということでいま検討を続けておるのでありまして、これは結局、国の災害基本法に基づいた一環でございますよ。したがって、これの統括、総括はやはり基本法に基づいた総理大臣の責任でこの対策を立てていく、こういうことになるわけです。
#105
○吉田正雄君 これは大臣、ちょっとおかしいんじゃないですか。災害対策基本法に基づいて設置をされるということになったら、この法律の第何条に基づいているんですか、これは。
#106
○国務大臣(金子岩三君) 私は法律は見ていませんから第何条かわかりませんが、ただ、このアメリカの問題が起こってから、わが国でもこの防災対策を具体的に検討を始めて、そしてまあ原子力発電所のもし事故があった場合の地域住民に安心を与えるだけの対策は早く樹立すべきだということから、それじゃ総理府で中心になって取りまとめて具体的な処置を講じようと、これは基本法に基づいたその中の原子力に対するいわゆる災害対策だと、私はこういう理解をしておるんですが、別に第何条でどう、これひっかかってどうだという理解は何も持ってないんですがね。
#107
○政府委員(牧村信之君) ちょっと私の説明が不十分な面もありましたので補足さしていただきますが、現在やっておりますのは、災害対策、特に原子力災害に対してそれぞれ関係のある省庁、これは関係ある省庁は災害対策の業務計画をそれぞれ持つことになっております。そういうような省庁か集まりまして連絡――それぞれの所掌について打ち合わせをしておるという会議でございまして、したがいまして、ただいま大臣もおっしゃいましたことではございますが、私どもがいまやっておりますのは、そういう連絡の場を設けていろいろ議論をしておるということでございます。
#108
○吉田正雄君 具体的にその内容を検討するということになれば、防災会議の中にも各省庁の局長クラス、課長クラスというものを集めて事務局というのを構成をして、れっきとした中央防災会議というものがいま設置をされておるんでしょう。そこにまた屋上屋を重ねることになるのか、並列的になるのか、何か性格があいまいもことした連絡会議というものがまた設置をされる。閣議でもって十分検討せいというのはいいんですよ。しかしそれは本来は防災会議というものがあるのですから、その防災会議の中の任務として災害対策についてやることになっておるわけですよ。この中に原子力災害が除外をされておるというならば、これはまた別の問題ですけれども、そうでなくて、原子力災害もこの災害対策基本法の中に含まれているはずなんですね。そうだとすると、いまの連絡会議というのは一体何を目的として、どういう性格で、防災会議とは一体どういう関係になるのか、きわめてあいまいだということを繰り返し言ってるんで、わからなきゃわからぬとおっしゃればいいんですよ。だれか総理府の法的専門家を呼んで聞きますというのなら、それでいいんですよ。わからぬ人に聞いたってしようがないのですよ、幾らやってみたってしようがないもの。どうなんですか。
#109
○国務大臣(金子岩三君) いま吉田先生が御指摘しておるとおりですよ。ただ、防災対策の中に原子力の防災、いわゆる災害防止の具体的なものができてないから関係省庁集まってひとつ具体案を早急につくろう。したがって具体的防災対策の作業を進めておるのが、いまこの人たちの集まっておる会議なんですよ。したがって、これに対する取り扱いはやはり災害対策基本法に基づいた、いわゆるれっきとしたものでこれはやっていくと、こういうふうに御理解をいただいていいんじゃないでしょうか。
#110
○吉田正雄君 大臣、それはそうなりませんよ。れっきとした機関がすでにあるのですよ。しかも似たようなメンバーですよ、みんな。先ほどもありますように、防災会議というのは、各国務大臣で構成をしておりますし、専門委員も設けてありますし、各省庁の局長クラスが事務局の中に全部入っているのですよね。そうでしょう。構成メンバーは同じなんですよ。何か名前だけ変えてまたやりますなんて、そんなことにならないんでしてね。だから性格があいまいならあいまいと……、それから従来の防災会議では事実上原子力災害についてはいままで具体的な論議をやってこなかったということなので、改めて防災会議で検討しなきゃならぬということは、これはみなさんどなたもその点では認識は一致していると思うのですよ。だけれども、私の聞いているのというよりも、新聞報道では、そういう新たな連絡会議というものを設置をするとなっているものですから、それが災害対策基本法上どういう性格を持ったものなのか、あるいは国家行政組織法に基づく全く新たなる組織であるのか、そういうことを聞いているんです。意図するところがどうかということは別段どうってことないのですよ。そこに疑義をはさんでいるんじゃないのです。だから、そういう法的な面で、あるいはこの法上の性格からしてきわめてあいまいで、ちょっとはっきりしないとおっしゃっていただければ、改めて総理府の方から明確な性格づけなり位置づけというものをきちんと答弁してもらいますよ。わからぬでそんないいかげんな、あいまいな答弁ばかりじゃ幾ら繰り返したってだめですよ。
#111
○国務大臣(金子岩三君) はっきりしておるのですがね。これは別ものじゃないのですよ。先ほどから申し上げておりますとおり、基本法に基づいたいわゆる具体的な対策を関係省庁の担当者が集まっていま協議を続けておる最中でありまして、これはやはりれっきとした防災対策の機関の中のいわゆる段取りづくりをしておるわけですから、別ものでも何でもないのですよ。で、新聞にどういうことを書いておったか私は見ておりませんけれども、災害基本法に基づいたれっきとしたいわゆる災害対策を具体的に立てようとしておる、こういうふうに御理解いただけばいいと思います。
#112
○吉田正雄君 これは、委員長、全然違うのですよ。さっきも聞きましたら、災害対策基本法に基づくとはおっしゃっていないですよ、国土庁の方では。そうでしょう。閣議でそういう話が出て、原子力発電所等の防災対策連絡会議というのであって、災害対策基本法に基づいてやるといったら、これは防災会議しかないのですよ。ないですよ。これは防災会議のことをおっしゃっているのですか、いまおっしゃっているのは。どっちなんですか、それをはっきりしてくださいよ。そうしたら何で名前を変えるのですか。法上のものだったら、きちっとしていますよ。中央には法上は防災会議しかないのです。
#113
○政府委員(牧村信之君) 大変誤解を招くような表現をして申しわけありませんが、私どもがやっておりますのは、単なるいわゆる関係省庁の打ち合わせ会をやっておるわけでございます。そこで、新聞等に連絡会議を設けるということが報道されたやに聞いておりますが、これはいま何にもそういうものがつくられておるわけではございません。新聞の憶測記事であろうかと思います。私どもは、原子力災害を所掌するそれぞれの役所が集まりまして、その集まるのを総理府が集めまして大臣が言われたようなことの内容の打ち合わせ会を行っておるということでございます。
#114
○吉田正雄君 それでは納得できませんね。それじゃ、この原子力災害については防災会議はどうなるのですか、これは従来任務外ですか、どうなんです。
#115
○政府委員(牧村信之君) これからの審議の進み方かとも思いますが、その成果は各省庁の防災業務計画等にも反映されますし、その方針等については必要があれば防災会議等に報告されるような段取りになることではないかと考えております。
#116
○吉田正雄君 その連絡会議がどういう仕事をやるかとか、目的は何かということを聞いているのじゃないのですよ。新たにそういうものを設けなければならぬという法的根拠がどこにあるのかということと、あわせて、いまおっしゃったように、新たに検討するそういう各省庁のあくまでも連絡だとか計画策定だとかおっしゃっているのですから、そうであるならば、防災会議との関係がどうなるのかですね。それは至って不明確ですよ。これは何時間やってみたってわからぬ方に聞いたってしようがないんでね、それをきちっとしたものを文書にして出してくださいよ。幾ら聞いたってそんなものはわかりませんよ。そんなことでやっているから、今日までこの防災計画というものが放置をされてきているのですよ。そういうことでこれは文書にして出してください。よろしいですか。
#117
○政府委員(牧村信之君) ただいま申し上げましたように、連絡会議をつくるというようなことはこの打ち合わせ会でもまだ決められても何にもしていないことでございます。いろいろな各省庁でとるべき措置等について議論をしておるわけでございますので、先生の御指摘ではございますけれども、連絡会議を設置するというようなことがまだ決まったわけでも何でもございません。もしそういうようなことが決まれば、先生御指摘のような点も踏まえての御説明をさせていただきたいと、かように考えるところでございます。
#118
○吉田正雄君 そうしたら局長のいまの答弁とさっきの大臣答弁、違うじゃないですか。何を言っていますか、あなたは。どっちが本当なんですか。大臣は閣議決定でそういうものを設けてやれということになったとおっしゃっているでしょうが。それが、そういうものを設けてなくて、ただ各省庁から関係者がそれとなしに集まって検討しているなんて、一体そんなばかな話がありますか。大臣答弁と局長答弁全然違っていますよ。
#119
○国務大臣(金子岩三君) 閣議で、災害基本法に基づいた防災対策の中に一応原子力の防災に対する項目はあるけれども、詳細な具体的なものがうたわれてない、したがって、早く関係の省庁、担当者、総理府を中心にして集まってひとつ具体的な対策を立てるべきであるというような申し合わせをいたしました。それからその後、前々閣議にも、いまこういう検討を続けておるという中間的な報告がありました。まあやがて結論が出まして、結論が出ましたならば、別な機関でこの防災対策をやろうというんでなくして、災害基本法に基づいた、いわゆる法律に基づいた防災対策をやるのでございますから、別に機関をつくるということも閣議で決めてないし、ただ具体案を各関係省庁が寄り合って練っておるということでございますから、そのようにひとつ御理解をいただければいいんじゃないかと思います。
#120
○吉田正雄君 そうすると、要するに防災会議ということですか、端的に言ったら。どういうことなんですか。
#121
○国務大臣(金子岩三君) これは防災会議に最終的にはかかって、そして具体案を決定するわけです。
#122
○吉田正雄君 防災会議に最終的にかかるということと防災会議としていまのことをやるというんじゃ意味が違うんですよね。最終的に防災会議にかかるというのはやっぱり別のそういうものがあって、そこでもって関係各省庁の関係者が集まっていろいろ論議をして、そして防災会議にかけると、こういうことでしょう。そうじゃなくて、本来は防災会議そのものが各大臣と関係各省庁の局長クラス、課長クラスというものによって全部構成されているんですよ。いまもだから当初国土庁の方に聞いたでしょう。何で改めてまた別途そんなものをつくる必要があるかというんですよ。ですから防災会議そのものが本来やるべき仕事でしょうと、こう私は聞いているんですよ。
#123
○国務大臣(金子岩三君) 防災会議にかける原案を、いわゆるなるべくきめ細かいものをつくろうということで、いま関係省庁の専門家に原案をつくらせようというように御理解いただければいいと思います。
#124
○吉田正雄君 そうすると、中央防災会議の事務局のようなことを言っているわけですか。――そうでもなさそうなんですよね。どういうことなんですか。
#125
○国務大臣(金子岩三君) 別に名前は何もつけてないんですがね。何も名称はつけてないですよ。ただきめ細かい原子力に対する防災対策を関係省庁で早くひとつ立案をしてくれと、それがまとまったら当然基本法に基づいた防災会議にかかって、これがこういう取り扱いをするというような対策が決定される、このように御理解いただけば異存はないんじゃないですか。
#126
○吉田正雄君 いまおっしゃっているその仕事をやるのが中央防災会議の事務局なんですよ。だから私は先ほどから防災会議そのものなのか、事務局なのか聞いているんですよ。ところが、違うところでやってまたかけるとおっしゃるからおかしいんじゃないかと言っているんですよ。そうであれば、別のものであるならばそれはどういう法上の権限なり根拠なりというものがあるのか、その性格はどうなのか、防災会議との関係はどうなのかということを聞いているんですよ。それは何回聞いたってわからないです。大臣、口酸っぱくおっしゃっておっても、目的とするところは、言わぬとするところはわかっているんですよ。要するに、原子力災害のことで検討しましょう、研究しましょう、それはわかりますよ。わかるんですが、そこで検討するその組織といったらいいのか、機関といったらいいのか、名前はついてなくても、これは本来防災会議でやるべきことなんですよね。また別にとおっしゃるから、これはおかしくなってくるのですね。まあこれ以上聞いても皆さんもどうもはっきりしないようですから、これは改めてどういう性格なものなのか、これは国土庁もよく聞いてください、あなたはさっき総理府とおっしゃいましたからね。どちらでもいいですよ、科技庁でも結構ですし国土庁でもいいですから、これは総理府として明らかにしてください。なぜかというと、非常にこれからこの問題というのは重要な問題になってきますので、そんなあいまいもことしたところでつくって、それがまた防災会議との関係でうやむやになっていくとか、お互いに責任のなすり合いがそこで行われるんでは困るわけですからね。そういう点でいまこの問題に関しては直接的な所管官庁はどっちなんですか、科技庁ですか、国土庁ですか。それによってそちらから責任を持って総理府へ連絡をしてもらって答えてもらう、文書で答えてもらいますから、それはっきりしてください。むだな時間とらぬようにしてください。
#127
○説明員(柳晃君) いろいろ先生からの御質問ございますが、中央防災会議で最後に仮に防災計画等に手直しをするというようなことがありましたら、そのベースに乗せるわけですが、仕事のやり方と申しますか、手順と申しますか、それにはいろいろのことがございまして、現在いろいろな災害対策について、特に原子力のような専門的、技術的にわたるようなものにつきましては、あるいはほかのものでもそうでございますが、そういったものが中央防災会議で最後締めくくりをするというものでありましても、事前に関係者が寄りまして連絡、協議するような場をいろいろのところに設けてございます。したがいまして、先ほどの連絡会議というお話はまだ政府として決まってないようでございますから、どうこうであるということは現段階では申し上げられませんが、一つの仕事の進め方、特に専門的あるいは技術的分野の大きい災害対策の進め方の一つの仕事のやり方がいろいろ検討されているというふうに御理解賜ればまことにありがたいと思います。
#128
○吉田正雄君 幾ら聞いてもわかりませんから、とにかくそれは文書にして出してください。いいですね。わかりませんよ、そんな。何回言われたって全然答弁になってないですよ。よろしいですね。大臣、とにかくそういうことで総理府の方から出してもらいますから、いいですか。
#129
○国務大臣(金子岩三君) ぼくはわかり切っておるんだけど、どうも吉田さんがわからぬので困っておるので、もっと詳しく理解がいくように、文書に書いてくれと言えば、これは所管は国土庁であろうと思いますから、国土庁でいまどういうことを協議しておる、それを総理府で取りまとめて結局災害基本法に基づいた防災対策でこれを決定していくというような筋書きですから、文書に書けと言えばそのように書いて出させるようにいたします。
#130
○吉田正雄君 それじゃ大分むだな時間費したんですが次に移ります。
 災害対策基本法に基づく防災基本計画の中には当然原子力発電所、広く言ったならば原子力施設に関する事故に関して内容が盛られていなきゃならぬと思うんですけれども、たとえば防災業務計画であるとか地域防災計画、こういうふうなものに当然入っていなきゃならぬと思うのですが、今日までの防災計画の中にはこの原発事故に関しては当然私は想定されて入っていると思うんですが、それはどうなんですか。
#131
○説明員(中川登君) 原発事故に関する地域防災計画につきましては、営業運転中の原子力発電所の所在する七県では都道府県地域防災計画において原子力災害に関する災害予防、災害応急対策及び災害復旧について具体的な計画を定めております。
#132
○吉田正雄君 それではその防災計画、資料として出していただきたいと思います。
#133
○説明員(中川登君) どの分でしょうか。
#134
○吉田正雄君 いまおっしゃった分。
#135
○説明員(中川登君) 七県分ですか。
#136
○吉田正雄君 ええ。よろしいですか。
#137
○説明員(中川登君) 原発の関係の部分でしょうか、全部でしょうか。あるいは場合によりましては国土庁の方から出していただいた方がいいかとも思いますけれども。
#138
○説明員(柳晃君) 消防庁とちょっと重複する面があろうかと思いますが、中央防災会議がつくります防災基本計画の中で災害の予防の中の部分、あるいは災害の応急対策としてこういうことを国の関係各省あるいは原子力研究所等の指定公共機関等においての防災業務計画の中に重点的に書き込めというようなことで、原子炉周辺地域の整備とか、平常時の放射線の監視の徹底とか、あるいは災害の応急対策としましては通報とか警報とか避難とか、あるいは汚染拡大の防止等の事項をうたっておりまして、それによりまして関係省庁、たとえば科学技術庁さん等におきましては防災業務計画の中でいろいろな計画をうたわれております。
 それから、さらに地方公共団体、都道府県あるいは市町村の場で都道府県防災会議あるいは市町村防災会議等かございまして、そこの場で――われわれ総称しまして地域防災計画と申し上げているんですが、そういう地域防災計画の中で災害の予防の面あるいは応急対策あるいは放射性物質による汚染状況の調査だとか、あるいは被曝者と申しますか、そういう方の救出とか、住民の避難等につきまして詳細にいろいろと計画を立てております。
#139
○吉田正雄君 今後のこともありますから、それじゃ、国土庁の方には現在の防災業務計画、それから地域防災計画ですね。それから、いま消防庁の方には七県であるというふうにおっしゃっておりますから、その資料を大至急ひとつ提出をしてもらいたいと思うんです。
 国土庁に聞きますが、原子力災害については、法上は第二条の第一号でいうところの「その他」というところにこれは当然入るというふうに思うんですが、この点は間違いないでしょう。
#140
○説明員(柳晃君) 先生のお話のように、災害の定義が災害対策基本法の二条の一号に書いてございますが、その中で、「異常な自然現象」のほかに、「政令で定める原因により生ずる被害をいう。」ということで、その政令の中に放射性物質の大量の放出というものを規定しておりますので、そういうケースに該当するものであれば災害対策基本法の中にのせるということになっております。
#141
○吉田正雄君 それじゃ、まだいろいろ法的に聞きたい面もありますが、具体的に幾つかの点でちょっと聞いてまいりたいと思うんですが、災害応急対策について、この五十四条の一項では「警報の伝達」というところがあるわけですけれども、発見者は、「市町村長又は警察官若しくは海上保安官に通報しなければならない。」というふうになっておりますけれども、この点関係機関ではどのような話し合いが今日までなされてきておるのか、具体的にはどういうふうなことをやろうというふうなことになっておるのか、この点お聞きをしたいと思うんです。
 それから、「市町村長は、地域防災計画の定めるところにより、その旨を気象庁その他の関係機関に通報しなければならない。」というふうなこともここで書かれておるわけですが、これも「市町村長」と、ここでいうところの「関係機関」というのが一体何を指しているのか、どういう通報をやるということになるのか、その点を明らかにしていただきたいということ。
 それから、「(都道府県知事の通知等)」ということで、関係機関から災害の予報もしくは通知を受けたとき、またはみずから警報したときは、「指定地方行政機関の長、指定地方公共機関、市町村長その他の関係者に対し、必要な通知又は要請をする」と、こういうふうになっておるのですけれども、これは具体的には一体何を指しておるのか、具体的な中身は何なのかということですね。
 以上、ちょっと聞かしておいていただきたいと思います。
#142
○説明員(中川登君) 災害発生時における通報連絡といたしまして、これは静岡県の場合ですけれども、災害発生の日時、災害発生の場所、災害発生の原因、それから災害発生の程度、気象状況、その他必要と認める事項を通報すると、そういうふうなことになっております。
#143
○吉田正雄君 もっと細かく聞きたいのですが、時間がありませんから次に移ります。
 「事前措置及び避難」ということで、これは五十八条になりますが、「(又市町村長の出動命令等)」というところで、災害発生のおそれのある場合、「消防機関若しくは水防団に出動の準備をさせ、若しくは出動を命じ、又は警察官若しくは海上保安官の出動を求める等災害応急対策責任者に対し、応急措置の実施に必要な準備をすることを要請し、若しくは求めなければならない。」というふうになっておりますが、防災計画のある当該市町村の計画ではこの点が盛り込まれておるのかどうなのか。具体的にはどうなっておるのかということ。
 それから、これは消防庁にお聞きいたしますが、従来、原子力災害に関し科技庁と協議をしたことがあるのかどうかですね。あったらその内容。
 それから、「出動の準備をさせ、若しくは出動を命じ、」とあるわけですけれども、原子力災害ですから、その出動に応じて具体的に行動するような、そういう原子力災害に対応できる装備というものが果たして消防団や水防団に一体あるのかどうなのかという点ですね、これをまず消防庁にお聞きをします。
#144
○説明員(中川登君) お答えいたしますけれども、計画の方はどうなっておるかということにつきましては、一応防災計画一般としてはございます。特に原子力対策としてはやっておりません。
 それから、中防との打ち合わせはちょっと記憶ございません。
 それから消防団あるいは消防組織に対する組織の点でございますけれども、これは消防団そのものについては持っておりませんけれども、県の段階において防護服その他必要な器具を持っております。
#145
○吉田正雄君 原子力災害についてのいま観点から聞いておりますから一般の防災計画があるではだめなんですよ。そうでしょう。先ほどは七県についてもいろいろ原子力災害ということでおっしゃっているわけですから、一般的な話じゃなくて、現実に原子力事故が起きた場合には放射能というものが出てくるわけですからね。そういう災害救助というふうなことにもなるわけですから、そういうものについて具体的に、ですからここに書かれておるようなことが事前に十分準備をされておるのかどうなのか。
 それから、いま県の方へ行けば何か防災服があるみたいなことをおっしゃっておりますけれども、果たして各県にありますか、それはどうなんですか。
#146
○説明員(中川登君) 現在の消防の活動につきましては、これは非常に事故が特殊な事故でございまして、そのために一応科学技術庁なり、いわゆる専門家の方の意見を聞いて、それによって行動するということになっております。
 それから防護服等の事項につきましては、一応まだ完全には調べておりませんけれども、県におきまして持っているはずでございます。
#147
○吉田正雄君 完全にそろえてないと言って、どの程度そろえてあるというのですか。これはその辺の火事で、ちょろちょろと五人や十人が防災の防火服を着て行くのと違うんですよ。これは全然質の違うものなんですよね。これは本当に各県でお持ちですか。
#148
○説明員(中川登君) 防護服といいますものよりも、むしろそのほかの計測器具でございますね、放射能があるかないかのサーべーメーター等の計測器具、こういうものを持っているようでございます。
#149
○吉田正雄君 それは私の聞いたことに対する答弁にはなっていませんよ。出動を命ぜられるというのは、原子力災害上、放射能が出たということを想定してのことですよね。そうでなきゃこれは事故とは言わぬですよ、単なる機械の故障なんかではこんなこと問題にしていないんでして、あくまでも原子力災害なんですから。
 きょうは時間がありませんから、もうちょっと次回さらに聞きますから答弁できるようにしてきてください。
 同様に、警察庁にお尋ねいたしますが、もし警察官――海上保安庁はいいですからね。警察に対して出動要請があったという場合、同様にいままで原子力発電所のある当該市町村や県知事との間に、原子力災害が起きた場合には、どういうふうなことをやるという話し合いというものが今日までなされてきておりますか。
#150
○説明員(依田智治君) 先ほど他の省庁の方から答弁がありましたように、七県につきましては原子力災害応急対策が規定されております。これをつくる段階で、まず原発事故があったときは警察官に通報する。これを受けた警察官は、それを知事等に通報するというような規定があるところもあります。また、その他市町村関係機関等と協議するという形で、応急対策をつくる段階で、私どもも各県の方でそれぞれ警察が関与しておるというように承知しております。応急対策の中にも警察官という文字が相当出てきておるところもあります。ただ、スリーマイル島の事故等に完全に直結できるほどの問題であるかどうかはあれですが、一応現時点で想定できた範囲でのものは協議したりしてやっているということでございます。
#151
○吉田正雄君 通常の地震であるとか水害であるとかというものとは全然性格が違いますので、やっぱり消防庁と同じく、そういう放射能災害に対応できる警察の防護体制から装備から、あるいは機器から、そういうものは具体的にはそろっておりますか。
#152
○説明員(依田智治君) これもスリーマイル島のような大事故は想定しておりませんで、現在、五十三年、五十四年で一応被曝防止服みたいなものは、主として燃料輸送等の安全検査というような見地から関係府県に百数十ぐらいあるという程度でございまして、それと同程度のサーべーメーターがある。そこで大規模な事故対策というものになりますと、機動隊全員が出動した場合に、避難誘導等の場合に全員が着るというようなことになりますと、全然そういうものはありませんので、今後もいろいろ各省庁との検討結果を踏まえて対策を講じていく必要があるのではないかというふうに考えております。
#153
○吉田正雄君 たとえばスリーマイルアイランドのような事故が起きた場合には、具体的に出動を命ぜられても、とてもいまそれに対応できるような装備から何から体制にはないと、こういうことですか。ありますか。
#154
○説明員(依田智治君) 結局どの程度の事故であるのか、一般の人が避難していてもそれほど体に影響ない程度の状況のところまではやられますから、そこのところは専門的なひとつ十分意見を聞いて、警察として、危ないから一切出られないということはないと思います。ただ放射能の程度が相当強いようなところは現状においては出動できないというように、ただ、周辺で相当混雑するところの交通規制とか避難誘導対策を講ずるということになると思います。
#155
○吉田正雄君 それじゃいまおっしゃったように、交通規制であるとか、ある程度の軽微の災害ならばいいけれども、やはり防護服のようなものを着なきゃならぬということになってきたら、それだけの数からしても訓練――さらには具体的には、従来の避難訓練だとか、そういう事故が発生した場合には、いままで警察としてどういう対処の仕方をするというような訓練はされましたか。
#156
○説明員(依田智治君) 一般の災害対策ではやっておりますが、原子力の災害対策訓練というのは現在までに具体的には実施しておりません。
#157
○吉田正雄君 それから六十条の「市町村長の避難の指示」ということで、このところでは立ち退きの勧告と緊急の場合の指示ということになっておるわけですけれども、状況に応じて市町村長が立き退きの勧告をやる、さらには指示をやるということになっておりますが、避難の基準というものがあるのかどうなのか。
 それから、その基準が仮にあったとした場合に、だれが立ち退きの勧告、さらには指示というふうなものを判断をして市町村長にそれを要請というか、勧告をするのか。要するに避難の基準と、だれが判断するのかということをお聞かせ願いたいと思います。
#158
○政府委員(牧村信之君) 避難の指示をいたしますのは都道府県知事がいたしますわけでございますが、その基準につきましては、放射線審議会で審議いたしました応急対策にかかわる避難基準に必要な線量が現段階で定められておりまして、全身被曝二十五レムを超えるおそれがある場合に避難をしなさいという基準はございます。しかしこの二十五レムというものも、できるだけ低い線量で、住民が被曝を受けないように低い線量にするようにという注意書きが書かれておるわけでございますが、この基準が積算線量で示されておるわけでございまして、この積算線量で示すようなやり方が今後の住民に避難を求めるようなときに一番いい方法かどうかという点につきましては、いま学者の間でもいろいろ議論があるところでございますので、それについては近く安全委員会の方でいろいろ検討を進めていこうとしている段階でございます。
#159
○吉田正雄君 二十五レムというふうなものをはかってというふうなことをおっしゃっているのですけれども、仮に大事故が起きた場合に、炉心溶融というのは、スリーマイルアイランドの場合にも燃料棒の一部溶融というのは起きているだろうということはもう想定をされているわけですけれども、本当に大事故になったら、炉心溶融は一時間もあれば十分なんですよ。したがって、具体的にその死の放射能が出て、はかってからでは遅いということにもなるわけですね。したがって、判断をして、出ないうちから避難ということになればパニックという状況が出てきますし、出てからでは遅過ぎるという、非常にむずかしいことになると思うのですよ。その辺をどのように考えておいでになるのかということと、それから、さっき、だれが判断をしてどうしてというふうなときに、何か県知事というふうなことがちょっと出たように思うのですけれども、ここで言っているのは、市町村長の権限で立ち退きの勧告とかやることになっているのですが、もう一つ聞きたいのは、「勧告」ということと「指示」というのがあるんですよね。「指示」というのは強制力を有するものなのかどうなのか。それから六十一条では、市町村長が立ち退きを指示することができないと認めるとき、または市町村長から要求があったとき、警察官または海上保安官は避難のための立ち退きを指示できる、こうなっているのですね。そうすると、市町村長の指示ではだめで、警察官または海上保安官の指示ということになってきますと、一体指示には差があるのかどうなのかということと、市町村長ができないと認める場合と、指示できるのにできないと認めて、あえて警察官や海上保安官にその指示を出してくれいというふうに要請するというのは、どういう場合を指しておるのかという点がちょっとあいまいなんですが、それはどういうことになるわけですか。
 ちょっと委員長、実は時間が参りまして、防衛庁の方からもきょう来ていただいておって、防衛庁にもいろいろお聞きをしたいというふうに思っておったんですが、当初くだらない論議で二十分も費やしちゃったものですから時間がなくなりましたので、防衛庁に関しては次回に、それから警察庁に対してもまだ質問が残っているのです。非常に重要な内容ですので、もうちょっと質問の要旨を私の方でもある程度整理できますので、あらかじめまた御通知もしておきたいと思いますが、時間が来ておりますので、防衛庁の方、せっかく来ていただいて恐縮でしたが、次回にひとつ質問を譲りたいと思いますので、そういうことで、きょうの私の質問を終わります。
#160
○藤原房雄君 午前中から午後引き続きまして、いろいろ同僚委員から質問ございましたが、私も法案に入る前にスリーマイル島発電所の被害に伴います問題について過日もいろいろ御提言を申し上げ、または質疑をいたしましたが、二、三点についてまたお聞きをしたいと思うんであります。
 先ほども同僚委員からいろいろお話ございましたが、私も過日も触れましたあの災害対策基本法にのっとってどういう対処をするかということ等についても、わが国の対処としましては、このたびのこの問題が起きたということで各省庁間のいろんな連絡会議を開いている段階のようで、具体的なものはまだ出ていないように思うわけでありますが、私も長く災害対策の委員会におりましたので、いろんな問題について過日も提言を申し上げました。
  〔委員長退席、理事松前達郎君着席〕
これはアメリカに起きたことで日本ではないんだということでなくて、ひとつ真剣に取り組んでもらいたいということを御提言申し上げましたが、過日の申し上げた点につきましては、ひとつ早急に対処をお願いしたいと思います。
 今回の事故に伴います諸問題については、NRCからの正式な報告というものがあって、この全貌というものが明らかになるんだろうと思います。そういう点ではまだ、もはや三週間経過をしたという段階でも、私どもがいろんな面で質疑をし、または検討するという段階では明らかになってない問題も多々――どっちかというと、これからということのようでございますが、今日までわかっている範囲内、そしてまたそれを他山の石として日本の国で同じことを繰り返さないことのためにどういう処置をしなければならないか、このことについては過日の委員会でも何点か申し上げたつもりであります。政府としましても、この事故にかんがみまして発電所の総点検をすべきだと、こういうことを私どもも主張いたしましたし、また安全委員会におきましても、大飯の原発1号炉の停止ということで非常に慎重に取り組んでいこう、こういう姿勢が私どももいささかながらともうかがい知ることができたわけでありますが、この原子力問題につきましては、国民の注視の中でどういう判断をし、どのように処置をするかということについては非常に注目を浴びていることでございますので、慎重な対処が必要だろう、こう思うわけであります。それて、大飯原発の停止によりまして――ほかの八基につきましては中間検査の途中でありましたからあれですが、運転中の原子力発電機をとめたということは私はそれなりに評価をするわけでありますが、
  〔理事松前達郎君退席、委員長着席〕
それに伴っていろんな角度からこれは検討したわけで、この大飯の原発1号の摸擬試験解析結果、これについてはどういう点について――まあ新聞にはいろいろなことが報じられているわけでありますけれども、何項目に分けて検討し、その結果についてはどういうことであったのか、まずこの点についてお伺いしたいと思いますが、これは通産省になりますか。
#161
○政府委員(児玉勝臣君) 大飯原発の解析の問題につきましては、原子力安全委員会にもお諮りいたしまして、今後検討すべき事項等の問題を決めた上で大飯原発をとめたわけでございまして、その問題について、いわゆるとめましたのが実は十四日になるわけでございますけれども、具体的にその検討内容を詰めましたのは原子力発電技術顧問会の先生方にお集まりいただきまして、翌十六日の午前にその方法を検討をいたしまして、それでその検討の内容といたしましては、解析条件といたしましては、第一が原子炉が定格出力で運転中に主給水ポンプが全停し、しかもその際に自動起動するよう設計された補助給水ポンプ四台が自動的には作動しない場合のプラントの過渡応答を解析するということであります。
 それから、第二には、いま申し上げたことのような二重事故の際に何らかの原因により加圧器逃がし弁が開き、かつ一次系の圧力が低下しても閉止せず、その結果加圧器逃がしタンクのラプチュアディスクが作動し、格納容器内へ一次冷却材が流出した場合のプラントの過渡応答を解析する、この二つのケースについて検討したわけでございます。
#162
○藤原房雄君 そのほかの諸問題についてもいろんな角度からこれは検討しただろうと思うんですが、新聞の報ずるところでは、資源エネルギー庁としましてはおおよそ――おおよそといいますか、大丈夫というようなことで原子力安全委員会の方へ報告をしたというふうに報じられておりますが、しかしこの解析の結果についての通産省のお考えと、これと安全管理体制全体としてのエネルギー庁としての検討結果というものはやっぱりあっただろうと思うんですけれども、その間のことについて御説明いただきたいと思います。
#163
○政府委員(児玉勝臣君) まず解析の結果について申し上げますと、先ほど申し上げました二つの解析がございましたが、その前段の解析におきまして、その結果では、主給水が全部喪失するというような場合でございますと直ちに原子炉が停止いたしまして、加圧器の圧力上昇は非常に軽微でありまして、加圧器の逃がし弁の作動設定圧力にまで到達しないでプラントは安全に停止するということであります。
 それから後段の解析におきましては、この加圧器逃がし弁が開いたまま固着して閉まらないということを仮定いたしましても、事故後三分後に上部炉心冷却装置が作動いたしまして、また十分以内に格納客器圧力「高」という信号が発信いたしまして、それにより高圧注入系が作動し炉心の健全性を損なうことなくプラントは安全に停止すると、そういうことであります。したがいまして、このECCSが作動しないというような場合には運転員が手動で操作して高圧注入系を運転するというような十分な時間的余裕もあるというようなことが明らかになったわけでございます。
 それからさらに、運転管理の体制の問題につきましては、これは資源エネルギー庁長官名によりまして、三月三十一日各電力会社にその検討を指示いたしまして、その結果を十日に報告を得まして、その後、書面の審査というか、具体的に現場の責任者からいろいろお話を聞いてそれを取りまとめている最中でございます。それで昨日安全委員会の方に中間的な報告をいたしたわけでございますが、その中にやはり大飯発電所の分も当然入っておりまして、詳しいことはちょっと一概には申し上げられませんけども、従来の方法で十分に安全が確保できる体制にはなっておるというふうに判断しておりますが、ただ、今後の問題を考えた場合に、責任体制、教育体制、それからいろんな要項の表現問題と、そういうものの修正、若干の修正はしてもらわねばならないのではないかと、こうは考えております。
#164
○藤原房雄君 技術的な問題になりますと、私どももわからないこともいろいろあるわけですが、要するに、このたびのスリーマイルの事故、これはまだ原因等については明確にNRCでも発表になっておるわけでも、調査の結果がまとまっておるわけではございませんから、今回の資源エネルギー庁の模擬試験解析というのは、要するに十分にECCS側が働くかどうか、そしてまた、いざという場合には手動でも補い得ると、こういうことでいろいろ想定される中での対処というものは十分だということなんだろうと思います。こういうことで、これで十分かどうか、今後またアメリカにおけるNRCの原因究明によります詳細な結果によってまた十分な検討も必要だろうと私は思います。
 そこはいま審議官からもお話ございましたが、いざというときには手動する時間、タイムも十分だというお話もございましたが、きょうのお話の中にもございましたけれども、やはり操作する操作員の教育訓練ということが非常に大事になってくるし、また運転要項というものについてもこれは十分に検討しなければならないことだと思います。いまもいろいろ責任体制とか教育のこととか運転要項云々のことについてはお話ございましたが、これはどちらかと言うと、今日まではこういうことについてはもう十分過ぎるほど十分だというようなわれわれに対する説明でもあり、また私どもも、そこはもう十分になっているものというふうに、どちらかと言うと考えさせられるというような感じできたわけですけれども、これを機会にひとつ徹底的にこれを検討していただきまして、少なくともこういう人為的な操作ミスといいますか、判断の誤りといいますか、責任体制の明確でないということのためのダブルミスとか、三重、四重になりますようなこんな事故を来さないように徹底するような指導強化といいますか、こういうものについては当然やっていると思いますけれども、こういう考え方で厳しくひとつやってもらいたい、こう思うんですが、どうですか。
#165
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生から御忠告いただきました件につきまして、十分肝に銘じまして今後の保安問題に対処したいと思います。
#166
○藤原房雄君 こういうことで、いま私が申し上げたことから考えまして、アメリカにおける十分な解析というのは、原因というものがまだ究明されていないわけですから、そういうことからいってこれですべてが終わったということではなくて、現時点においての諸問題についての手だてはしたということであって、これはやっぱりNRCの正式な原因究明なり、またはそれに対しての見解なりいろんなものが出てからこそ初めて安全宣言といいますか、それに基づいてのいろいろな解析結果、こういうものによって安全宣言というものが出てくるので、まだ現段階では、現在入手できる情報の中での解析結果と、こういうふうにやっぱり私どもは厳しく見るべきだと思いますが、その点はどうですか。
#167
○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃいますように、現在知り得る知見の中でのベストを尽くしているということでございます。したがいまして、また今後新しい知見が出てまいりましたら、それに合わせましてますます安全第一という観点からその対策を立てていきたい、こう考えております。
#168
○藤原房雄君 それから、この前の委員会のときにもいろいろ避難体制といいますか、災害対策という上からの話と、それからそれぞれ原発を抱えている地方自治体に専門官といいますか、そういう方々が、現実は担当の課があったとしましても専門的な方がいらっしゃらない。そういうことで常時監視する体制というものが必要ではないかということを申し上げたわけでありますが、新聞の報ずるところでは、常時監視体制で検査官を常駐させるようなことも言われておるわけですけれども、これは政府としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるんですか。
#169
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいますように、原子力発電所の安全問題というのは、単に企業者の安全ということばかりでなくて、第三者的なやはり国の監督下にあっての安全ということが期待されているということも考えておりますので、したがいまして、なるべく原子力発電所の近くに原子力発電所の内容に通じた検査官を置きまして地元の方々の安全に対する不安がないようにすると同時に、ふだんの保安体制ということについての監督、監視をするということが必要であろうかと考えております。しかしながら、この問題を具体的な制度にするまでにはまだ関係の省庁、たとえば行政管理庁とか大蔵省とかいうようなところの問題もございますし、ただいま通産省の手持ちの手勢でどの辺までできるかということをただいま検討している最中でございます。したがいまして、そういうことで早急にとり得る対策をなるべく早くやりたいと、こう考えております。
#170
○藤原房雄君 大臣、居眠りしている暇ございませんよ。いまお話ありましたように、これはやっぱり予算処置とか、それから行政全般の問題として定員増といいますか、こういうことにもつながりますので、いまこういう問題が起きたからにわかにということでなくて、これは常時今日まで叫ばれておったことですね。しかしこの事故が契機となって、いままで言われておったが、さらに大きくクローズアップしてきたということでして、これは本当ならば今日までも検討しなきゃならぬことだったんです。それが大きな日本の経済という枠組みの中で押し込められておったということで、ひとつ閣僚の一人としまして、来年度の予算では何とかなんという――それは予算措置の中ではいろんなことがあるのかもしれませんけれども、やっぱり地方自治体の方々が不安のないような、やっぱりこういう専門的な立場の方々が常時いるんだという、そしていざというときには、そういう方々の本省との連携、いろんな中できちっとした対処ができるんだという安心感というものを――まあこれ安心感たけじゃないんてすけれども、そういう体制というものは、これはぜひつくっていただきませんと、これからの原発の推進とか、現在あるものについても、これから建設についても住民の同意を得られたところについても、非常に不安があって、ぜひひとつ延期をしてもらいたい、こういうことが各地で、役所の方にも延期すべきだということでいろんな問い合わせがあったり要請があったり、そういうことについては大臣も矢面に立っていらっしゃったと思うんですけれども、これはいままでなすべきことであったが、まあ今日までのいきさつはいきさつとしまして、現時点でやっぱりこれはしっかり考えてもらわなきゃいかぬ、こういうことで、通産省の方の仕事かもしれませんが、閣僚の一人としてこれはぜひひとつ強く御意見を吐いていただいて、これはもう年度中であろうがどうであろうが、できるだけの措置はするということで強いひとつ取り組みをしてもらいたいと思います。どうですか。
#171
○国務大臣(金子岩三君) 御指摘のとおりでございまして、ただいま検討しておる具体的な問題の成案が出ましたならば、緊急なものはやはり予備費でも流用するといたしまして、それぞれやはり都道府県、関係の市町村にも予算的な措置をしなければ、ただかけ声だけでは具体的ないわゆる防災対策を効果的にやることはできないのでございますから、その点は十分考えておりますから、全力を挙げて御期待に沿うよう取り組む所存でございます。
#172
○藤原房雄君 それと、専門的な知識を持った、いま通産省の審議官がおっしゃるようにその地域の実情に合った人をということになりますから、これは当然定員増とかそういう予算措置だけでは決まらない各省とのいろんな問題もございますので、それだけにひとつ大臣にも十分にその点を監視し――監視するんじゃない、推進役の矢面に立ってひとつ閣僚の一人としてがんばってもらいたいと、こういうことを申し上げているんです。
 それと、アメリカにおきましても、アメリカの国会でも今回のことに関しまして議論がいろいろあるようでございますが、今後の原発の建設ということに対しましては、やはりより慎重にこれは取り扱わなければならぬといいますか、そういう声が非常に強いようですね。立地基準、これを厳格にして人口集中地帯から距離を離すべきだという意見が非常に多い。何項目かいろんなことがあるんですけれども、これは日本の国にとりましても非常に大事なことでして、過日も私も指摘したかどうか、こういう狭い日本の国でありますから、どうしても適地といいますか、原子力発電所の建設地域というものは限られた地域になる。同意が得られるかどうかというようないろんな諸条件の中で、御存じのとおり福島等におきましては非常に原発建設が隣接しておる。人口集中地帯からの距離ということになりますと、日本の場合も何カ所かそれに当たるようなところがあるかもしれませんが、今日まで立地基準というものについて、人口密集地帯との距離をどう定めるべきか、また原発同士がどのぐらいの距離にあるべきかということについてはいままでの考え方というのはどういうふうになっておったのですか、その辺ちょっと御説明いただきたいと思います。
#173
○政府委員(牧村信之君) 原子力発電所を建設する場合に、その立地を定めると申しますか、原子力発電所と住民との間の隔離距離がどのくらいあったらいいかというようなことの解析をするための立地基準というのが日本においてはすでに定められておるわけでございます。
 そこで、立地基準を定めるやり方でございますが、二つの特に事故想定をしておるわけでございます。一つは科学技術的にも考えられる一番大きな重大事故を考えております。また科学技術的にはほとんど考えられないような想定事故を考えております。現在の立地基準におきますと、重大事故が起きても周辺に影響を与えないように住民が居住しないような距離を確保する、それから想定事故によりまして、ある一定限度以上の影響を与えないような点につきましては低人口地帯というものを設けるようにさせておりますが、現状におきましてはこの非居住地区、低人口地帯はすべて原子力発電所のサイトの中におさまるように指導をしておるところでございます。したがいまして、安全審査におきまして考えられております原子力施設の敷地の中でただいま申し上げましたような事故が万々一起こりましても、住民にまず被害を与えないような対策がとられるようなことになっておるわけでございます。しかしながら、この立地の基準というものにつきましては、今回の事故等も参考にいたしまして、もし改める必要があればさらに検討すべき問題であろうと思っておりまして、原子力安全委員会の下に基準部会という特別な専門部会を設けておる次第でございますが、この事故の解析等が進みましていろいろな問題点ができれば、いろいろな基準に反映していく姿勢で原子力安全委員会は考えております。もし立地基準等にも及ぶような問題点があるとすれば今後の検討にゆだねたいというふうに考えておるところでございます。
 先ほど想定事故と申し上げましたが、仮想事故と訂正さしていただきます。
#174
○藤原房雄君 いま局長さんのおっしゃったお話、すなわち基準部会にかけてこの問題については検討するということですね。これは、アメリカNRCの原因究明なり全貌が明らかになった時点で、基準部会等でこの問題について解析をして、そうした上でやると、こういうことですか。
#175
○政府委員(牧村信之君) 日本の立地審査基準と申しますのは、世界的にも非常に慎重な立場で決めさせておるわけでございます。また、実行に当たりましては、低人口地帯にあるべきところを全部非居住地帯に、サイトの中に入れてしまうというような実行をやっておりますので、相当わが国の場合は安全サイドにとった基準であろうと考えておるわけでございますが、もしスリーマイルアイランドの事故の原因等の究明の過程におきまして問題点ができれば基準部会等で検討していただこうという姿勢でございます。
#176
○藤原房雄君 いま局長のお話にもございましたけれども、世界で最も厳しいということを私どもそう信じたいんですけれども、技術というものはどこまで信頼できるかということで、そういう点では、言葉じりをつかまえて云々するわけじゃないんですけれども、やっぱりこれは慎重にひとつ取り扱っていくべきだと思いますし、まあ慎重であって当然でございまして、そういう点ではひとつ慎重の上にも慎重を期していくべきだと、こう思います。そういう点では、ぜひ原子力発電所の敷地内の問題は、いまいろいろお話ございましたが、それとともに、この次の発電所とこちらの発電所とのこういう関連性といいますか、原発ラッシュとか原発銀座とか、そういう言葉が生まれるような昨今でありますれば、その発電所間の距離の問題等、そういういろいろな角度からやっぱり検討しなきゃならないだろうと思いますので、それらのこともあわせて、ひとつこの事故の教訓というものをやっぱりこういうようなところで生かしていくべきだろうと私は思います。
 それから、アメリカのいろんな議会でのお話、報ぜられるところによりますと、新しい技術が採用になったといっても、それはやっぱり危険が伴うということを念頭に置いての検討が必要なんだというようなこともいろいろ言われているようでありますが、今日まで日本の自主開発ということでそれなりの研究開発を進めてきたとは言いながら、やはりそれを過信するようなことがあってはならないだろうと思います。問題が問題、原子力発電という、放射能という問題であるだけに、技術の開発ということにつきましても、新しい技術というものにつきましても、当然これは慎重な取り扱いが必要だろうと思います。今日までも世界各国、また日本におきましても、原子力発電に対します技術の進展というものについてはそれなりの評価をしてまいりましたが、やっぱり今回の事故、現在わかっている範囲内でも機械的なミス、また人為的な問題等、複合してこういう問題が起きているわけでありますから、当然これは慎重な配慮が必要だろうと思います。こういうことで、今日までわかりました範囲内からいたしましても、スリーマイルアイランドの問題につきましても、私どもは多くの教訓を学び、そして現在日本で稼働しております原子力発電に対しましても総合的な検討をし、そしてまた同じような事故の起こらぬような対策強化が要求されると、私はこう思います。こういう点で、何点か申し上げた点についてはひとつ慎重な御配慮をしていただきたいと、こう思うんであります。
 次にお聞きしますが、いま加圧水型は八基、中間検査をしておるわけですけれども、今回のこういう事故に伴いまして、いろんな検査項目の中に、今回の事故を踏まえて検査をするということで、やはり中間検査の長期化といいますか、こういうことが考えられるだろうと思うんですけれども、どうでしょうか。
#177
○政府委員(児玉勝臣君) このたびの管理体制の点検におきまして、スリーマイルアイランドにおきます教訓を受けまして、当然その補助給水系とか加圧器逃がし弁、それから非常用炉心冷却装置、それから格納容器内部スプレー隔離弁、非常用電源と、そういうような非常用に使います非常に肝心な設備につきましては、停止しておるわけでございますので非常に詳しく点検をいたしております。したがいまして、これはもう常々定期点検の点検項目にも実は入っておるものでもございますので、特にその定期点検に入っておるものについては念入りにその点検をいたし、また、その取り扱いの仕方という問題についても、保安規定、運転要領等をもって見るということと同時に、今週実施しております監査におきましてその実行を点検したいと思います。PWRにつきましては現在定検中でございますので、監査は実際に運転開始を始める前に参りまして、その監査も実施したいと思っております。
 そういうことで、今回の監査では、先ほど先生おっしゃいましたように、その運転員のやはり心構えといいますか、運転員とそれから機械との融合といいますか、そういうものが非常に大事であると私たちも考えておりますので、単に運転要領とかいうようなものは、一つはメーカーからのいわゆる一つの運転手順というようなもので、こういうふうに機械を動かしなさいということの、機械側からの注文というふうにもとれますので、今回の監査におきましては、実際に運転する人たちのいわゆる意見をよく聞くと、そういうことで設備をかえるというようなこともあり得るのではないか。また、運転要領そのものも非常な過大な要求をしてるということがあれば、それを訂正しなければいけない。そういうことで、メーカーなりユーザーといいますか、監督者の方からの一つの要求と、それから運転員からの希望と、そういうものを両方やりまして、人と物とのいわゆる融合ということによってその間にミスがないようにいたしたい、こう考えておるわけでございます。
#178
○藤原房雄君 まあ、それによって今度のそういう検査、監査、まあいままでのチェック項目の中にも入っておることだからということですけれども、いまお話のように運転する方と機械、こういうことでやっぱり再点検なさる、こういうことで、いままでの監査、これはどこか修理をするとか、また故障があったとか、まあ故障がないにしても改善すべきだというようなことで、停止しておる期間が長期化する場合もその機械によってはあったんだろうと思いますけれども、今回こういう問題が起きて、そのためにいろんな角度から検討する、まあそれは項目の中に入っていたとしましてもやっぱり慎重を期すと、こういうことになりますと、どうしても運転休止の期間が長くなるのではないか、それがこれから夏季を迎えて電力使用の増大する季節にどういう影響を及ぼすかということを、私はそれなりに通産省としてもいろいろお考えになっていらっしゃるんだと思いますけれども、原子力発電というのは日本全体でまだ大きなウエートではないとはいいながら、原子力発電の持つ重要性ということから考えますと、これらのものの長期化というものがやはり電力需要に影響がいささかあるのではないかというように危惧しているんですけれども、それをどういうふうに試算なさっていますか。
#179
○政府委員(児玉勝臣君) 大飯発電所につきましては、一つの計算結果が出て、その対策を講ずるまでというようなことで暫定的に停止いたしておるわけでございますので、これにつきましてはその対応策が決まり次第、その手当てをした上で再度直ちに運転をさせたい、こう考えております。
 また、定期点検中のものにつきましては、ただいまちょうど最盛期でございますし、先ほど申し上げましたような点検につきましては並列的に点検もできますので、さほど定期点検の期間が延びるとは現在のところ考えておりません。したがいまして、そういうことで、私たちが考えておりますような見通しどおりまいりますれば、夏季需要についてはそう心配なくいくのではないか、こう考えております。ただ、定期点検中に発見されましたいろいろな改修箇所というものがございまして若干長引きますと、電力会社によっては非常に需給が苦しくなるということになりますけれども、いまのところ全くそういうことで需給上どうにもならないというようなことにはなっておりませんで、何とか隣接の電力会社からの応援によって賄えることも可能であるという見通しでございます。
#180
○藤原房雄君 ことしは積雪も余りなくて、水力発電ですね、こちらの方については例年より非常に少ないようでありますし、これから夏季に向けていろんなそういう積雪または雨量というものの影響というものがあるんだろうと思いますが、そこらあたりとにらみ合わせて、これから定期点検の中でどういうことが起きるのか、こういうことも予測はできないだろうと思いますが、いまの御答弁では大体支障なくやっていけるだろうということのようですが、ことしの暑さとか何か、そういうこともいろんな影響もするんだろうと思うんですけれども、需給状況についてはおおよそ支障なくやっていける、こういうふうにエネルギー庁としては考えている、こういうことですか。
#181
○政府委員(児玉勝臣君) 現在のような、私がいま申し上げたような前提におきますと大体支障なくいけるだろうと思いますが、決して楽観はできないということは申せるかと思います。
#182
○藤原房雄君 時間が参りましたのであれですが、これは通産大臣か担当の大臣がいらっしゃって私どもいろいろな角度から質疑しなきゃならないことだと思いますが、国際エネルギー機関におきまして石油によります発電所につきましては非常に厳しく規制していこうということで、原子力、また石炭火力、こういうものにウエートが置かれると、世界的にはこういうことがお互いに協議し合って進めていくような方向に聞き及んでおるわけでありますが、これはまた東京サミット等におきましてもこの問題についてはいろいろな論議があるんだろうと思います。原子力発電につきましても、それぞれの立場で非常に厳しく見る方もおりますし、私ども決して楽観して見ておるわけじゃないわけでありますが、しかしこういう諸情勢の中で、いままでのようなテンポで設置が進められるかどうかということにつきましては、これは非常にむずかしいことだろうと思います。いままでの同意を得られた地元につきましても非常な危惧を持っておる。これは市町村及び県知事さん、地方自治体の方々が直接そういう問題を投げかけられる立場の方々でありますから、慎重になるのはこれは当然だろうと思います。こういうことで、日本のエネルギー構造というものも、現在、何とかことしはしのげるといいますものの、今後のあり方としましては火力と水力と原子力、こういう今日までいろんな試算がなされてきておるわけでありますけれども、やはり原子力のウエートにつきましても、いままで想定、見通しを立てたほどのスピードではそう建設は進まない。こういうことになりますと、火力発電というものに非常にウエートを置かざるを得ないのではないか、私はそう思うわけでありますが、新聞報道ではいろんなことが言われておるわけですけれども、エネルギー庁としての考え方をちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
#183
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいますように、国際的に石油専焼火力が建設できないというような立場に追い込まれてまいりますし、そういう意味からいきまして、日本の電源開発ということも、原子力それから石炭、LNGと、そういうものにだんだんと転化していかなければならないかと思います。しかしながら、原子力についてはスリーマイルアイランドのような事故がございまして国民のコンセンサスというのはなかなか得にくいということもありますので、われわれとしては全力をふるって原子力の安全の信頼性の回復、信頼の回復を図りたいと、こう考えております。そういう意味で、従来の原子力安全に関する行政にさらに加えて、われわれもえりを正して大いに安全問題に万全を期したいと、こう考えております。そういう意味では、原子力がやはり石油代替の主流であるということについては変わりはないのではないかと思います。
 次に、石炭とLNGでございますが、これも非常に大規模な石炭火力の開発、それからLNGの開発ということになりますと、どういう地域から石炭またはLNGを導入するかということによりまして、相手の国のいわゆる開発、導入というような問題も起きますし、それから石炭については石炭によるまた公害問題ということもございますので、そういうものを乗り越えても石油代替の道を開いていかなければならないと、こう考えております。
#184
○藤原房雄君 諸問題については後日にいたしまして、法案に触れてみたいと思いますが、過日もこの法案のことについて、世界の再処理工場の状況についていろいろ御説明いただいたわけでありますが、これまでの説明の中にもございましたように、商業用と非商業用といいますか、こういうふうに分けますと、実際世界各国で商業用のべースで再処理工場が動いているというところはほとんどございません。まあ軍事用や公社、こういう形でのものが非常に多いようであります。こういうことからいきまして、民営でやることとそれから国営と、こういうことで、諸外国でもいま非常に検討といいますか、ひところ、昭和四十年代ですか、民営というものが非常に華々しく論じられて、そっちの方向に進んでおったものが、最近に至りますと民営というのはストップをしておったり、それから検討中とか申請中とか、こういう形になっておるわけで、そういう中で日本の国が他国に先駆けて、これから初めてなさろうとするわけですけれども、民営というものに道を開くということをなぜ急がなければならないか、ここらあたり非常に私は問題だろうと思うんですが、そのことに関しまして二、三お聞きしたいと思うのであります。
 一つは、今日までの各国の再処理工場の状況を見ますと、やっぱり途中でいろいろな事故があったり、そういうことで、検討とか、それから先に進まないといいますか、こういうことで民営べースというのは余り順調にスタートしてないですね。計画はあるようですけれども、いままで動いていたものは大抵ストップしたりその先やらないことにしたりというような、アメリカにおいてはそういうものが多いようなんですけれども、また、これに関しましてわが国の東海の再処理工場の事故とか、最近報じられておりますように、イギリスにおきます再処理工場の事故とか、こういうことで、私は、再処理工場というのは技術的にまだ未成熟といいますか、完成されたものになっていないと見るのが正しいのではないかというような気がしてならないのですけれども、これはまず政府の見解をひとつお尋ねしておきます。
#185
○政府委員(山野正登君) まず御質問の第一点でございますが、なぜこの際急いで民営の道を開くかという点でございますが、一つは、世界の平和利用のための再処理工場の運転状況というものを見ました際に、前回も簡単に御説明申し上げましたけれども、確かに米国におきましては、規制基準の見直しに伴う経済性の問題でございますとか、あるいは新しい技術に挑戦したための失敗とか、いろいろな原因はございましたが、結果的にそれらの平和利用に伴う再処理工場というものが運転開始に至らない非常に大きな理由というのは、現在の米国政府の核不拡散政策強化のために、商業用の再処理事業というものを期限を定めず延期したいという政府の政策に基づくものというふうに私どもは考えておるわけでございまして、ヨーロッパの方におきましては、わが国と非常に似たような資源状況、エネルギー状況にございます西独の場合を見ますと、核燃料再処理会社のカールスルーエの再処理施設というのは、これはパイロットプラントではございますが稼働いたしておりますし、また同じく原子力開発、特にプルトニウムを利用する高速増殖炉開発に熱心なフランスを見ましても、濃縮ウラン用の再処理工場というのが現在運転中でございまして、こういう意味で、確かに再処理技術というものにつきましては今後さらに改善をする余地はもちろんあるとは存じますけれども、しかし技術そのものはすでに二十年以上の実績を持っておるものでございまして、実用に耐え得ないものではないというように考えておるわけでございます。わが国におきましては、東海の工場が昨年八月以降トラブルで運転できない状況になっておるのは非常に遺憾でございますが、これは導入しました技術によりまして実証工場をつくって、この建設と運転によりまして将来第二再処理工場に活用し得る技術を蓄積していこうと、そういう趣旨で現在の工場を運転しておる次第でございまして、ただいまのトラブルというようなものもできるだけいい教訓にして生かしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 そういうふうなことで、民営に移すということと平和利用に伴う再処理事業を行うということは必ずしももちろん同じ言葉ではないわけでございまして、いま一つの御質問でございます、民営になぜ急いで移すかという点につきましては、これは原子力の平和利用を進めるに当たって、核燃料サイクルのかなめでございます再処理事業というものをできるだけ早くわが国に確立するためには、現在の東海工場に続きましては、電力も民営でやっておりますので、ぜひ広い意味の公益事業の一環としてそういう再処理事業というものを民営でやりたいと、これは官民ともにそのように考えておるわけでございますので、できるだけ早く法律的にその道を開いてその準備をさせたいという趣旨でございまして、イギリス、フランスにおきましても、これは電力が公社の形で運転されておりますので、再処理につきましても公社の形で行われておりますが、これも平和利用のための再処理事業を行っておるということでございまして、形は若干異なりますが、その内容につきましては全く同じような状況にあるということではないかと考えております。
#186
○藤原房雄君 最近イギリスの再処理工場から廃液が漏れたということで、大規模な放射能漏れがあった、こういうことで、二十二日に先月の事故が明らかになったということで報じられておるわけでありますが、このイギリスにおける再処理工場の放射能漏れについて現地から何らかの情報を入手なさっていらっしゃいますか。これはどういうことでどうだったのか、そこら辺ちょっと御説明いただきたいと思います。
#187
○政府委員(牧村信之君) 英国のウィンズケール再処理工場で放射性廃液の事故がございました状況につきまして、外務省等を通じまして入手した情報を御説明申し上げます。
 事故は三月に再処理工場の敷地内で起きております。発見は、サイト内に掘りましたサンプリング孔から水を採取して分析したところが放射能汚染を検出したという動機でこの事故を発見したようでございます。この様子は、調査の結果、高放射性廃液を濃縮する前の中間貯槽がございます建屋に、現在使用しておりませんガラス固化実験用に廃液を搬出した施設の鋼製のライニングをしました受け槽から放射性廃棄物が漏洩をしたというふうに推定しております。この事故を発見いたしまして、直ちにサイト内のサンプリング孔の水あるいは受け槽の廃液はサイト内の廃液貯槽に移送いたしまして、現在は漏れた受け槽には廃液が流入しないように処置したようでございます。したがいまして、これ以上の漏洩はないと原子力公社は言っておるようでございます。それから、サイトの周辺の他のサンプリング孔の水を分析したところが異常がなかったということが言われております。
 で、どのくらいの量の放射性廃棄物が漏れたかということにつきましては、二万ないし三万キュリーの廃液が、量にして約十トン以下と推定しておりますが漏洩したというふうに言われております。汚染した土の量は、いまのところその周辺の数百立米の土が汚染しているんではないかというふうに推定しております。
 イギリスの原子力公社は、この漏洩がどのようにして始まったのか、もっと早く検知できなかったのかというようなことでの原因の調査を現在実施しているようでございます。今回の漏洩によりまして、従業員であるとか一般公衆への危険がさらにふえるというようなことはないというふうに言っております。なお、ウィンズケールの再処理工場につきましては、これは通常どおり現在も操業を行っているということのようでございます。
 なお、先ほども御説明いたしましたが、日本の場合にはこのような貯槽、受け槽を設置する場合には二重の建屋の中にこういう槽を入れるとか、漏洩があった場合にこれが地中等へ散らばらないように必ず受け皿をつくっておる、ドリップトレーを設けておる、そういう点。また漏洩検知器を常に備えさせておるというようなことで、漏洩があってもそれが敷地外と申しますか、地中に放出されるというような設計にはなっていないのを日本の東海の再処理工場における設計で確認しております。
 以上でございます。
#188
○藤原房雄君 いま御説明ございましたが、この事故が重大事故であるのか、また初歩的な――初歩的といいますか、当初予測されるような事故であったのか、こういう事故の位置づけといいますか、こういうことになりますと、いろんな考え方があるのかもしれませんが、大きなものには発展しないという説明がいまいろいろありまして、そういう点では拡散しないということで、それなりのことはあったのかもしれませんが、しかし、それならそれなりに、こういう中間貯槽の中でこういうことが起きるということは、初歩的といいますか、もっと重要部分での問題でなかったということでは、そういう面での技術的な問題として、やっぱりこれは二十年の歴史が、実績があるとは言いながらこういう問題が起きているということとして、これは軽視できないことだと私は思うのですね。また東海村の事故にいたしましても、今日までフランスの技術ですか導入して日本独自の自主技術というものもかみ合わせてということなんでしょうけれども、試験段階ということで、非常に慎重にいろんな面から検討しておるということで時間がかかるとおっしゃればそれまでのことですけれども、やはりそういうことにかんがみまして、二十年の蓄積があるとか実績があるとかいうことの前に、いまだにまだこういう問題が続いておるということで、まだしっかり技術的に完成されたものと言えない段階ではないかというふうに考えざるを得ないんです。
 先ほど、民営か国営かということについていろいろございましたが、民営ということになりますとやっぱり商業ベースで考えなければなりません。しょっちゅうこういうことで事故があって、その事故対策なり何なりにいまだに経費をかけなければならないということになりますと、やっぱりこれは安全性という観点からしまして、最初にできる第二工場というものがこれからまだ十年近い年月がかかるということでありますから、その間にも相当技術は進むでありましょうけれども、そういうことから予測し得ない――私どもは現時点で余り憶測がましいことを言うのは適当ではないのかもしれませんが、しかし現時点で考えますと、決してこれは楽観視できるものではないと、こういうことで、民営といいましても電気事業連合会、こういうものの中で進めていくという、各電力会社の出資でやるということですけれども、いずれにしても民営ということであれば、これは経済性というものを重視せざるを得ないということになってまいりますと、現時点ではこれは一つの核サイクルの中で必要であるということは私どももわかりますが、そういう必要性だけで、技術的な面とか経済的な面とが、こういうことから言って、諸外国でいまいろいろ検討されておる段階でありながら、そこで日本の国が一歩も二歩も前に出るようなことが適当であるかどうかという、こういう非常に危惧を抱くのですが、どうですか。
#189
○政府委員(山野正登君) 第二再処理工場の建設、運転のための技術につきましては、これは先生御指摘のように従来の技術蓄積というものだけに甘んずるわけでは決してないのでございまして、今後とも安全性とか信頼性を向上する技術開発というものは引き続き続けまして、確かに民営に移してコマーシャルベースに乗らないといったふうなことでは困るわけでございますので、そういう面からもなお一層技術の蓄積を図りたいと考えておるわけでございます。
 今後のこの第二再処理工場のスケジュールを考えますと、用地の取得とか、あるいは各種設計、建設準備といったふうなことに今後さらに数年程度を要する見込みでございますので、その間、先ほども申し上げましたように、東海工場の運転を通じての技術の蓄積というものをさらに図る、また自主技術というものを私どもは中心に考えておりますけれども、それにこだわらないで海外におけるその間の技術進歩というものも十分に取り入れてまいりたい、そういうふうなことによりまして先生御懸念のようなことのないように努力したいと考えております。
#190
○藤原房雄君 第二工場というのは東海の再処理工場のおよそ七倍ですか、これぐらいの大きさになるだろうということですね、およその見当ですけれども。ですから、ただ東海の再処理工場の七倍に大きくするということだけではなくて、やっぱり技術的にはその何十倍もいろんな面で問題点が出てくるんだろうと思います。そういう点で、現在日本の国で自主開発で東海の再処理工場で蓄積された技術、こういうものと、それから諸外国の技術ということでしょうけれども、しかし何といっても運転するのは日本の技術者、技術屋さんということになりますと、当然日本の技術水準というものが高くなければなかなかこなし切っていけないということになるわけでありますから、こういうことから言いまして非常にこれは――十年先の話だということではございますが、相当な技術的な蓄積、そしてまた進歩発展というものがなければこの実現というのは非常にむずかしいことになるんじゃないかと私は思います。
 各委員からもいろんな質疑があったようではございますが、改めてこの第二工場の規模なり、また計画なりについて、それからどのぐらいの年数がかかるか、また金額的な面とか、この第二工場の計画についてひとつあらまし御説明いただきたいと思います。
#191
○政府委員(山野正登君) まず第一点の第二再処理工場の規模は現在の東海工場の七倍程度かという点でございますが、これは一日当たりの再処理量という点では、現在東海工場は〇・七トンでございますが、現在電力業界を中心に考えておりますものは一日当たり五トンでございますから、そういう意味では先生御指摘のように大体七倍程度ということは言えようかと思います。で、技術的には、確かに七倍であるからいろいろな設備の寸法を単純に七倍にすればよろしいというわけではもちろんないわけでございまして、このスケールアップに伴う新しい技術の開発の要素というものもあるわけでございますので、その点も現在関係機関においていろいろ努力をしておるというところでございます。
 それから第二再処理工場の具体的な構想につきましては、これはいずれ正式にはただいま御審議いただいております法案が成立しました段階で設立される民間の再処理会社が決めることになるわけでございますが、従来、そのための準備組織が考えております構想によりますと、規模につきましては、先ほど申し上げましたように、一日五トンの使用済み燃料を再処理するという規模、したがいまして年間二百日稼働であれば一千トンになりますし、三百日稼働の場合には千五百トンになるということでございますが、大体その程度の規模。
 それから処理方法につきましては、これは技術的な意味でございますが、湿式のピューレックス法というものを予定いたしております。それから、運転開始は昭和六十五年ごろということでございます。六十五年と申しますと、あと十年少々しかないわけでございますが、現在この民間の準備組織が調査した結論によりますと、再処理会社をつくりまして実際の再処理施設が運転を開始いたすまでに約十二年程度を必要とするというふうに考えておるようでございますので、その点からまいりますと、もはや時間的な余裕というものはないわけでございますので、そういう意味でもできるだけ本法案の早い時期の御審議並びにその成立というものをお願い申し上げたいと、こう思っておるわけでございます。
#192
○藤原房雄君 それから、これがスタートするに当たりましてもいろんな準備をするわけですが、どこが主体になって進めていくのか、また民営ということでありますけれども、どういう形になるのか、こういう今後のこれの推進母体といいますか、この中心になっていくのはどういう形で推し進めていくのか、その間のことについてちょっと……。
#193
○政府委員(山野正登君) 現在のところは電力各社が協力して準備をしておるわけでございまして、具体的には電気事業連合会の中に再処理会社の設立準備のための部屋というものを特に設けまして、そこでいろいろと諸準備を進めておるわけでございますが、この法案が成立しましていよいよ再処理会社をつくるという段階に至りましたときには、現在中心になってやっております電力会社に加えまして、化学関係の諸会社であるとかあるいは電機メーカーといったふうな幅広い関連業界というものの参加も得て、再処理会社を設立し、その設立されました再処理会社が具体的な建設準備並びに建設に入っていくということになろうかと考えております。
#194
○藤原房雄君 衆議院の科技特の委員会でいろんな審議がありましたその後で、附帯決議として、動燃事業団の技術と経験を生かしていけと、そういうあれがございましたですね。さっきも、十年あるんだから十分にその点も勘案して技術の進歩また開発、こういうことに専念していくというお話もございましたけれども、やっぱりこれは、実際タッチし、そしてまた技術を蓄積しているのは動燃事業団ということになるかもしれませんけれども、やっぱりそこに頼るだけではなくて、こういう世界的にもいろいろな問題も起きておることでもございますし、国民の関心も非常に高いだけに、技術に対してのさらに強化策といいますか、これはやっぱり考えていかなきゃならないんじゃないかと思いますけどね。ただ精神的に、抽象的に、まあこれから取り組むということだけじゃなくて、具体的に何かお考えがあったらお伺いしたいと思うんですが、どうですか。
#195
○政府委員(山野正登君) 衆議院で御審議いただきました際の附帯決議で、今後の再処理工場の建設、運転のための技術につきましては、動燃事業団において蓄積された技術と経験を十分活用するようにということがあるわけでございますが、これにつきましては、動燃事業団の再処理部門に民間各社から技術者が参加いたしておりまして、このような動燃の実際の活動に参加した技術者が現場においていろいろ技術を習得して帰るというのも一つの方法でございますし、さらに将来再処理会社が設立されました際には、動燃事業団から技術資料の移転といったふうなことに加えまして、技術者が再処理会社に指導に赴くとか、あるいは場合によっては出向するといったふうなことも含めまして、できるだけ動燃事業団で蓄積された技術というものを活用しなければならないと考えております。
 それからまた、それに加えまして、再処理会社自身、現在の準備組織もいろいろと海外の技術、特に新しい技術といったふうなものについても調査をしておるわけでございますが、これらの調査結果も生かしまして、先ほども申し上げましたように、諸外国の新しい技術進歩に基づく新技術といったふうなものも活用するということも十分に配意しなければならないというふうに考えております。
#196
○藤原房雄君 ちょっと話が前後するかもしれませんが、再処理によって有効利用ということについては私ども各サイクルの中でわかるわけですが、先ほど申し上げましたように、諸外国では国営――公社でやっておるのか多い、日本では民営でということでありますが、やっぱり民営ということになりますと経済性というものを度外視して考えるわけにはいきません。そういう点で、再処理の経済性ということについてはこれはいろんな試算があるのかと思いますけれども、これはちょっとお伺いしておきたいと思うのですが、再処理をしないでウランを使い捨てにするというのと、リサイクルで再利用するというのは、これは燃料のコストはやっぱり相当違うんだろうと思うのですけれども、やっぱりこれはそういう資源の安定、資源の確保という、有効利用ということと、民営ということから言いますと、やっぱり経済性というものも伴ってくるんだと思いますが、そういうことで再処理の経済性ということについては、いままでのいろんな政府の試算とかなんかの中ではどういうように見ていらっしゃるのか、それをちょっと御説明いただきたいと思いますが、どうですか。
#197
○政府委員(山野正登君) いま手元に細かい資料を持ち合わせませんので、私の記憶で申し上げるわけでございますが、ごくごく大ざっぱ、マクロに申し上げまして、再処理をしないでウラン資源をワンススルーで使い捨てにするという場合と、それから再処理をしましてウランとプルトニウムをリサイクルして再利用するという場合、この双方を比較してみますと、大体リサイクルをする方が一割程度安くなる、つまり経済性が高いといったふうなことが言えるのではないかと思うのでございます。で、これに類する見当でアメリカのNRCの行った調査があったと思いますが、それによりますと、これも私の記憶に頼っておりますので数値がもし間違っておりましたら後ほど訂正をさせていただきますが、再処理をし、また廃棄物を処理処分するという再処理以降のいわゆる下流部門を全部含めて、原子力発電単価の中の割合というものは大体四%程度という試算があったと記憶しておりますが、これはもちろんいろいろ前提を置いての計算結果でございますから、この四という数字自体にはそれほど深い意味はあろうとは思いませんけれども、しかしオーダーにおきましては大体そのようなものであろうというふうな見当はつくわけでございますので、再処理の費用というものがそれほど大きく発電コストに直接響くということにはなり得ない、むしろウラン資源を有効に利用することの経済効果の方が大きいということが言えようかと思います。
 それからさらに、これに関連しまして、先生御指摘のように、この経済性の問題というのはきわめて大事な問題でございますけれども、わが国の場合には、もし仮に、再処理をするということによって若干経済性が損なわれるといったふうなことを仮定いたしましても、そう簡単に再処理をしないでワンススルーに移行するということは資源面からきわめてむずかしい話でございまして、やはり国内にない輸入したウランを最大限に活用するという趣旨からは、ぜひ再処理をしてプルトニウムの再利用を図ってウランの有効活用を図るのが経済性にも増してもっと重要な問題ではないかということ、これはまあ蛇足ではございますがつけ加えさせていただきます。
#198
○藤原房雄君 おおよそのオーダーでお話ございましたが、ここで、先ほど冒頭申し上げましたけれども、国営――諸外国では公社でやっている、この理由といいますか、われわれもそこらよく調べてはおりませんが、やっぱり民営ということになりますと、採算ベースといいますか、そういうことも、資源の有効利用ということは国策的にはわかるとしましても、いかに公益事業とはいいながら、やはり採算ベースを度外視するわけにはいかないだろうと、そしてまた、それがいろんな事故を起こすということによりまして発電単価をアップする大きな要因ということになれば、これは消費者、利用者に対しては大変な負担を強いることになるわけでありますから、そこらをどう見るかということは非常にむずかしいことだと思うんですけれども、こういうことで、きょうもう時間ございませんからこれで終わりますが、その辺ひとつ民営という形で、本当に十年先の見通しの中で――十二年ですか、いいのかどうか、ここらあたり私は非常に疑義を感ずるんですけれども、最後に、大臣から一言ひとつ御答弁いただいて終わりたいと思います。
#199
○政府委員(山野正登君) ただいま先生御指摘のように、民営化しました場合のこの経済性の確保というのは確かに重要な問題でございますので、今後ともこの第二再処理工場の建設につきましては、安全の確保というものを大前提にしながら安全の確保を損なわない範囲で経済性の向上にも努めると、そのための技術開発にも努力するということは御指摘のとおりだと存じますので、そのような方法で努力をしたいと考えております。
#200
○国務大臣(金子岩三君) いろいろ御心配の点はよく私も理解できます。十年先のことでございまして、十年先にこのような準備をわが国でするために、この時点でやはり取りかからなければならないわけでございまして、いかにもいわゆる営利を目的とする、いわゆる利潤を目的とするような民営にこのような再処理工場をやらしていいだろうかというような御心配の向きもよく理解できます。それかといって、国でこれをやるとすることになりますと大変膨大な予算を政府に負担をかけることになりますので、やはりいわば受益者負担というような意味からして民営でこの計画は進めて、この管理、運営については国営でやっておるのと等しいような厳しいひとつ規制を設けていわゆる安全の確保を図る、このような考え方に立って進めたいと思います。
#201
○佐藤昭夫君 私も法案の質疑に入ります前に、スリーマイルアイランドの事故の問題でまずお尋ねをいたしたいと思いますが、具体的質問に先立って一言申し上げておきたいと思いますが、午前の吉田委員の質問に対して吹田委員長は、本日も三月三十日の談話は間違っておりませんというふうに強弁をなさっておりますけれども、これは先回私も申し上げておりましたけれども、あの翌日、あの日の晩から翌日にかけての安全委員会の議論を通して、四月の十四日、大飯の原発の停止の措置をとられました。こういう経緯から見て、事実上談話の修正はされたというふうに見るのがこれは万事に至当なところでありまして、四月十四日の決定は、私も委員会でるる申し上げておった、そういう御意見も耳を傾けていただいたものかということで適切なものとして評価をしておるわけですけれども、この十四日決定に至りました考え方というか、その基本姿勢をぜひ堅持をして今後の問題についてぜひ対処をしていただくよう、安全委員長と科学技術庁長官に重ねてまず要望をしておきたいと思います。これのお答えは要りません。
 それで具体的な質問でありますが、今回の原発事故で明らかになりました加圧器の水位計の誤った表示、ここから出発をしてECCSを手動で停止するといういわゆる操作ミスに重なっていったということでありますけれども、こういう誤った表示をするような水位計を取りつけた装置自身が不健全だという問題だろうと思うんです。操作員が水位計が高水位側に振り切れたのを見てECCSを停止をさしたわけでありますけれども、時間的経過を見ましても、NRCの四日付の発表によりますと、事故発生の二分後にECCSが作動し、さらにその二分後に加圧器の水位計が高水位側に振り切れた、その三十秒後にECCSの高圧注水系のうち一系統を停止している。ですから、こうした異常時に三十秒で運転員が判断できたというのは、そういう場合の一定のマニュアルがあったんじゃないかというふうに判断をされると思うんですけれども、アメリカへ調査団を派遣をされておる、そういう調査団の報告の中ではこの点はどうなっておるのか。
 それから、わが国の場合、現行の原子力発電所においてそういう異常時の場合のこの種のマニュアルはどういうことになっておるのか、その点をまずお尋ねします。
#202
○政府委員(牧村信之君) アメリカで調査したところによりますと、アメリカでもECCSを先生御指摘のように短時間でとめるようなマニュアルにはなってないようでございます。もちろん日本におきましては、ECCSが入りましたときに、このような簡単な判断でECCSをとめるということはないようなマニュアルになっております。
#203
○佐藤昭夫君 この問題は今後の一つの検討課題になっていくわけでありますけれども、それにつけ加えてこの機会にお尋ねをしておくわけですけれども、そういった運転員の判断ですね。これは安全審査の場合の審査項目、こうこうの場合には運転員はこうすべしという、安全審査の審査項目には当然入っていませんね。
#204
○政府委員(牧村信之君) 個々のそういう審査におきまして、運転員の問題につきましては審査の対象に入っておりません。そのような問題は保安規定の中に、安全審査の基本的な考え方を受けたその装置等の運転に必要な操業員が守るべき事柄は保安規定に定めるというような仕組みに日本においてはなっております。
#205
○佐藤昭夫君 もう一つついでにお尋ねをしておきますが、今後そういう保安規定、運転マニュアルの見直し、これもやらなくちゃならぬだろうということも、必要な場合のこの見直しをやらなくちゃならぬだろうと、今度の事故の教訓から学んで、ということがたびたび言われているわけですけれども、この運転マニュアル、私もちょっといろいろ研究をしてみたいんですけれども、資料で請求をしたらいただけますか、各原子力発電所の運転マニュアル。
#206
○政府委員(児玉勝臣君) ECCSの起動の手順について決めておりますものは保安規定、それから運転要領、それから事故時運転細則という非常に膨大なものにわたりますので、先生のいま御指摘になりました資料要求といたしましては、まず保安規定は、これは私たちの方で認可しておりますので、これはお出しすることはできます。あと運転要領等についても、このECCSの問題のところをピックアップして何か資料にしてお出しするとか、何かそういうことをすれば膨大な資料という、これはECCSの問題全部入っているわけでございますので、それでよければ……
#207
○佐藤昭夫君 そういう資料の膨大性ということでありますので、それを抜き書きしていただくという方法もありますけれども、私が見たいと、どこどこの原子力発電所のそこの保安規定なり運転要領、これを見たいというなら、その場合には見せてもらえますね、通産省のOKで。
#208
○政府委員(児玉勝臣君) それはお見せすることはやぶさかじゃございません。
#209
○佐藤昭夫君 次に、大飯の原発が四月十四日の安全委員会の結論として停止をされたわけでありますけれども、そういうことに至りましたのは、四月十一日のNRCの告示、それからウエスチングハウス社の通告、こういうものが重要な動機になったということは否めないことだと思いますけれども、そこで吹田委員長にお尋ねをいたしますが、原子力安全委員会として通産省に対して必要なこの大飯の安全性の解析について要望をされたその内容は、端的に言えばどの点を解析をせいというふうに提示をされたのかお答えを願いたい。
#210
○説明員(吹田徳雄君) 御承知のように、TMIの事故というのは補助給水系が作動しません、その上に加圧器逃がし弁が開いたままの状態でございまして、そういう状態におきまして加圧器の水位が異常を示すという、そういう現象でございまして、それからわれわれは非常にいろいろな知見を得ることができます。で、安全委員会といたしましては、この加圧器水位の問題に関しまして判断を行うには、NRCの指摘に従いましてECCSを、この前佐藤先生にもお答えしたと思いますが、われわれとしてはECCSの起動というのは原則的には自動である、しかしバックアップとしては手動を考えるというのがその本筋であろうかと思いますが、このNRCの指摘に、その当時のデータによりますと、ECCSを手動によって起動させる場合の原子炉の安全性に及ぼす影響について私たちは独自の、日本で判断するいろんなデータが不十分でございまして、したがってその判断を下すためには、やはり通産から十分なデータを提出してもらう必要があろうと、こう考えました。ですから、ああいう知見を得る裏づけとしてのやはり解析をわれわれとして持つべきであると、その上でその解析の結果と通産のそれに対する具体的な措置を踏まえた上で安全委員会は決定すべきである、そして、あの大飯の1号炉をとめるという通産の申し出を了承したのでございます。
#211
○佐藤昭夫君 続いて、四月の十四日にこのNRCの新しい告示が出されたと。これは十一日の告示のときとの違いは、ECCSを手動で動かすというのを、この水位計の信号の回路を外して圧力計の信号のみでECCSが自動的に作動するようにせよという項目が入っているということでありますが、この点について日本の安全委員会としてはどういうふうにこれを受けとめられるのか、この方向を採用するという考え方なのか。この点はどうですか。
#212
○説明員(吹田徳雄君) われわれが十四日に出しましたあの時点におきましては、先生御指摘のように手動ということでございましたので、それをわれわれは非常に重要視いたしました。その後、その六Aというレポートで、それをいま先生が御指摘のようなふうに向こうのNRCの考えによりますと、そうなっております。これらに関しましては、通産から出てまいります解析とそれに対する通産の措置をよく見てから判断いたしますが、それと並行してわれわれは他に安全委員会直属の米国事故調査特別委員会というのを一日から早速開きまして、そういう点をも十分検討いたしたい。それと同時に、通産から参ります解析データ及びその措置に関しましては、炉安審の下にございます発電炉部会でそれを十分検討する。この二つの会でいま先生の御指摘のような、そういう点をも十分検討いたしたいと考えております。
#213
○佐藤昭夫君 現行のわが国の場合は、圧力計と水位計の双方の信号でECCSが自動的に作動をすると、こういうふうな設計になっておる。これはこれなりの根拠があってこういうシステムにしているということだと思いますが、この十四日のNRCの告示で触れておる、圧力計の信号だけで作動するようにするということになりますと、これは非常に重大な設計システムの変更になる、安全審査指針にもかかわる問題になるというふうに思うんですけれども、その点はどうですか。
#214
○政府委員(牧村信之君) 安全指針にかかわるということよりも、安全指針では基本的な考え方としてECCSは自動でやることを原則とするというのが一番大事なところでございます。したがいまして、現在の安全審査を通りました大飯の緊急冷却装置の自動の条件としてまず圧力と水位計でやるということになっております。したがって、それを仮に圧力だけでやれば、そういう審査に当たりまして考えたことの変更になるわけでございます。したがって基準に違反するということではないわけでございます。しかし、いまのNRCのそういう勧告が日本で果たしてより安全を確保するという意味から許されるかどうか。これは一にただいま通産省が行っております解析の結果を踏まえて、安全委員会におきましてその下部機構の審査会等で専門の方のいろいろ御判断を願った上で安全委員会がお決めになることであろうかというふうに考えておる次第でございます。
#215
○佐藤昭夫君 吹田委員長にお尋ねいたしますが、この十四日の告示、さっき触れてますような、そういう項目が一つありますし、それからその後に続けて、加圧器の圧力が測定値に達すれば手動で、手で安全注水を開始するよう運転員に指導することと、こういう内容も入っているんじゃないかと思うんですけれども、どうしてこういう指示をNRCが出したかという、この点についてはどういう御見解ですか。
#216
○説明員(吹田徳雄君) あの時点でああいう手動をNRCが出したという真意が十分日本の安全委員会ではつかめませんでした。それで、やはりわれわれといたしましては、私たち自身がああいう科学技術的なバックデータを十分持つ必要があろうということを考えまして、通産の申し出を了承したのでございます。
#217
○佐藤昭夫君 それで、さっき局長も言われましたけれども、現にこの安全審査指針の指針集にも明記をしてますけれども、この軽水炉の安全設計の審査の場合、原則的にというか、すべての場合が自動でECCSが動くという、このことを内容としてそれを基準にしてこの安全審査をやっていくという、こういう形になっている。ですから、いま問題の緊急必要な場合手で動かすこともあり得るという、これはわが国の安全審査指針との関係でいきますと新しい内容、したがって、これをわが国の今後の原子力発電所の安全管理上の一つの方法として公式に採用するということになりますと、安全審査指針の変更を必要とする問題になってくるということですね。
#218
○政府委員(牧村信之君) 必ずしも私どもはそういうふうには考えておりません。もし仮にECCSを手動によりまして、ある条件のもとで手動を許すということを考えた場合には、安全基準の考え方からは、その手動でやることによる人為ミスが当然心配されるわけでございますが、もしそういう手動を認めた場合に、これはたとえばの話でございますが、オペレーターがたとえば十分間その手動すべきをし得なかったというような、非常に長い間それを装置しなくても原子炉の安全が十分に保たれるということが確認されておれば、ECCSといえども手動を許すことはあり得る指針になっておると私どもは考えております。しかし、その場合に人為ミスが心配されますので、+分その時間的な余裕があるということ、実際にはオペレーターが直ちにやったとしても、安全上の考え方は、そういうような時間的な余裕が十分あるということが安全解析上明らかな場合には許されることというふうに私どもは考えております。
#219
○佐藤昭夫君 しかし、それはどうしてそういうことになるんですか。この安全審査指針のこの本でいきますと、三十六ページ、指針二十八、「安全保護系の事故時の機能」ということで、「安全保護系は、事故時にあっては、直ちにこれを検知し、原子炉停止系及び工学的安全施設の作動を自動的に開始させる設計であること。」ただし、これこれの場合と、そういうようなことはどこにもついておらぬでしょう。どうしていまのような論法が出てくるんですか。
#220
○政府委員(牧村信之君) 私どもは原則としては先生おっしゃるとおりと申しておるわけでございますが、この解説書の方に手動による場合の問題点を記載してございまして、先ほど私が申し上げたような考え方において十分安全が確保できると判断される場合には、その原則を必ずしも――原則を曲げてやることはし得るような形になっておることを申し上げたわけでございます。
#221
○佐藤昭夫君 その解説書というのはどこに載っておるのですか。解説というのはこの本のどこに載っておるのですか。
#222
○政府委員(牧村信之君) これは原子炉施設安全審査指針の続編でございますが、安全評価の考え方の中に……
#223
○佐藤昭夫君 何ページですか。
#224
○政府委員(牧村信之君) 申しわけございません。先生のお手元の中にはそれはまだ収録されておりません。
#225
○佐藤昭夫君 それじゃ闇のものなの。
#226
○政府委員(牧村信之君) その中に、「事象の影響を緩和するのに必要な運転員の手動操作については、適切な時間的余裕を考慮しなければならない。」ということがございまして、考慮された場合にはそういう人間の運転員の手動操作というものも認め得るような考え方で安全審査を行っておるわけでございます。
#227
○佐藤昭夫君 私どもが知らぬ間に、五十三年九月二十九日にこういうものがつくられておるということが新たにここで言われておるわけですけれども、局長もいま言われておりますように、手で動かすというのは、当然その場合には、私も前回吹田委員長にも申し上げて吹田委員長も同感の意を示しておられたと思いますけれども、手で動かすという場合には人為的ミスを伴う場合があるという点で、その安全が完璧に全うされるということにはならないという点から言って、こういう項目を入れて、このことによってその装置の工学的安全性、設計上の安全性が完全に全うされない場合を、それを防ぐ副次的手段として手で動かす場合もあり得るという、こういう論法ですわね。ところが、これが人為的ミスを伴う場合があるという、こういうやり方で安全審査をやっていくということが果たして本当に責任を持つ安全審査たり得るかと、こういう問題だと思うんです。これはぜひ吹田安全委員長、それから当時これをお決めになったのは原子力委員会でありますけれども、その長である科学技術庁長官、この問題は私どもが納得できるようにもう一遍よく練り直してもらう必要があるというふうに思いますが、どうですか。
#228
○説明員(吹田徳雄君) おっしゃるように、原則的には自動でございます。
 それから、手動のときにはその手動がECCSの起動ということに対してどれだけのウェートがあるか、つまりそのウェートが非常に問題だと思います。ですから、私どもといたしましては原則は非常に貫きたいと考えておりますが、その手動というのは、すべての機械に手動がバックアップシステムとしてございますので、そういう意味の手動は私は設計上許されると思いますが、オペレーターに手動によっていろんな判断を強いるような手動というのは、私はECCSに関する限りはそれを除外するのが正しいんじゃないかと考えます。
#229
○佐藤昭夫君 ここの文章を読みましても、「適切な時間的余裕」という解釈によってはいろいろ幅の出てくる、そういう表現になってるわけでありますし、こうした点で、私は人為的ミスがここから発生しないとも限らない非常に重大な問題を含んだ昨年の九月の指針になっているんじゃないかというふうに思いますから、重ねていまの点、本当に国民が納得できる指針に練り直すという問題を再検討していただきたいと思うんです。
 ところで、先ほど来お話が出ております大飯の原発に関する安全性の解析、これが昨日通産省の側から原子力安全委員会に報告が出されたということでありますが、これは関西電力が行った安全性解析ですね。通産省として独自の、それをもとに独自にさらに一定の検討を加えて結論を出したものというものではありませんね。
#230
○政府委員(児玉勝臣君) 大飯の安全解析につきましては、四月の十六日の午前に通産省の原子力発電技術顧問会の先生方にお集まりいただきまして、それでどのような安全解析をさせるべきかということの非常に具体的内容の解析の、何といいますか、入力の問題、それから解析のプロセスといいますか、そういうものを決めていただきまして、それに基づいて関西電力が計算をしたものでございます。したがいまして、その計算機はもちろん関西電力を通じてやったものでございますけれども、計算の方法、それから計算の入力というのは当方で決めた方法でやったわけでございます。
#231
○佐藤昭夫君 どういう計算をやるかと、解析をやるかということについての項目と方法は技術顧問会で議論をしたけれども、出されてきたあれについてもう一遍それの点検をして安全委員会に報告をしたものではないということは、そういうことですね。
#232
○政府委員(児玉勝臣君) 出てまいりました結果につきましても原子力発電技術顧問に見ていただいて、それをまとめた上で御報告したわけでございます。
#233
○佐藤昭夫君 それはいつやったんですか。いつ、何時間ぐらいかけて、顧問会の検討は。
#234
○政府委員(児玉勝臣君) 先週の土曜日に実施しております。約三、四時間やっております。
#235
○佐藤昭夫君 私は、果たして技術――というのは前回申し上げた関西電力についてはまあいろいろ疑いを持っているんです。たとえばNRCからの、ウエスチングハウス社からのああいう通告、これが実際は入手をしておりながら、正式の文書等通知がおくれたからという理由で通産省への報告も怠っておったという、そういう問題もこの間提起をしておったわけですけれども、技術顧問会として二、三時間ぐらいの検討で本当に大丈夫という、そういう確信が持たれたのかという問題もあるわけですけれども、これをなぜ昨日の時点で記者発表したんですか。
#236
○政府委員(児玉勝臣君) きのう安全委員会に御報告申し上げたのは、大飯発電所の解析の結果が出たと、こういうふうに出ましたということを御報告したわけでありまして、その安全委員会にどういうことを報告したかということについて新聞に発表するようにという話がありましたので、ただ解析の結果だけを申し上げただけでございまして、これについてどういう判断をするかということは申し上げたわけじゃございません。
#237
○佐藤昭夫君 片一方、もう一つ、きのうの新聞記者発表の際に、各原子力発電所に対する通産省エネルギー庁としてやってきたいわゆる保安、運転管理等についての総点検中間まとめというのを発表されておりますね、これも現在もなお立ち入り検査、監査が完了しているわけではないという状況であるのに、これの中間発表もした。私が問題にしたいのは、本当に責任を持って電力会社からのいまの解析についても、それから保安、運転管理の問題についても、会社側から報告をされてきているこの問題を、行政庁としても責任を持ってその問題をよく検討しないまま、ぽっぽぽっぽと、こういう報告が上がってきましたということで新聞発表をやるというやり方というのは不見識じゃないか。何かそういうことで、それは会社側は当然、安全です、安全ですというところに力点を置いた報告を上げてくるでしょう。そういう形で何か国民の皆さん方に誤解を与えるようなことを作為的にやっているんじゃないか、その片棒を通産省が担いでおるんじゃないか、きのうの二つの記者発表をめぐっても――というふうな感を強くするわけです。
 きのう発表された大飯原発の解析の場合に使われた解析のコード、これはその電子計算機のプログラムを使ってやったと思うんですけれども、どういう解析コードですか。
#238
○政府委員(児玉勝臣君) 解析コードの名前はマーベルという名前のコードでございまして、これはいわゆるこういうような外乱の、外乱というか、外から与えられた問題について詳細なプラントの過渡現象を解析するプログラムでございます。
#239
○佐藤昭夫君 そのコードはどこのものです、ウエスチングハウス社のものですか。
#240
○政府委員(児玉勝臣君) これはウエスチングハウス社から技術導入したものでございます。
#241
○佐藤昭夫君 ですから、ますます私は心配になってくるわけです。これは安全委員会としても、安全の専門審査会で一日と四日ですか、この内容については十分な検討をやるというふうに新聞にも報道されておるわけでありますけれども、私どもとしてもいろいろその内容についてはちょっと見たいんです。これは見せてもらえますか。単に新聞発表されておるあの結論だけじゃなくて、ずっとどういう手法でどういう計算をやって、そしてこういう結論になってきたのか、その詳細内容について。
#242
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま安全委員会の方にわれわれの方の考え方を含めましてこれをお示ししたわけでございまして、そういうことでの問題が一応結論が出たところで安全委員会の方と御相談いたしましてお出しいたしたいと思います。
#243
○佐藤昭夫君 安全委員会の結論が出てから見せてもらったって、もう結論出ているんですから、その段階では意見を出してみたところで後の祭りということになるでしょう。安全委員会は安全委員会で検討なさったらいいと思います、専門審査会があるんですから。しかし、そこへいくまで私どもも何か気のつくことはないかということでいろいろ見たいわけですから見せてもらいたい。
#244
○政府委員(児玉勝臣君) これは現在安全委員会の方と一つの何といいますか、御意見を承っているというところでございますので、いずれまた改めて再度こういうことについて計算せよという御要望があればまたそれについての応用問題を解かなければなりませんので、そういうことでのいまちょうど何といいますか、会話中の問題でございますので、決着がついたところでお願いしたいと、こう考えております。
#245
○佐藤昭夫君 それなら吹田委員長に、安全委員会、安全委員会ということをしきりに通産省がおっしゃいますから、安全委員会の側は秘密にしてもらわぬと専門審査会で検討するのに困るというお考えですか。
#246
○説明員(吹田徳雄君) 通産の考え方は昨日の報告で大体その主要な点は尽くしているんじゃないか、昨日の点で、昨日までで。ですから、安全委員会といたしましては一日と四日は開くことになっておりますので、その下部組織の検討する炉安審の発電炉部会、それには十分な解析データと通産の考え方が出てくるものと思います。
#247
○佐藤昭夫君 私のお尋ねしているのは、安全専門審査会で御検討なさるのは結構なんです。それはそれでやってください。それと並行して私どももこれを見たいから、私も個人的にいろいろ知人の研究者もいますし、そういう諸君にも見てもらって、本当に果たしてこれで安全性は大丈夫かということについていろいろ見たいから安全委員会へ出された報告書を見せてもらいたいと、こう言っているんだけれども、通産省はいやちょっと困りますと言う。ですから、安全委員会の方は専門審査会でこれから検討なさる上で秘密にしておかないとぐあいが悪いのですかと、こう聞いているんです。
#248
○説明員(吹田徳雄君) これは行政の方で十分チェックしたのを安全委員会としては再チェックするという姿勢を貫きたいと思っておりますので、そのチェックした結果は恐らく行政庁の判断でどうこうされるんじゃないかと思いますが、安全委員会としてはその出てきたものに対して再チェックするという姿勢を貫きたいと思っております。
#249
○佐藤昭夫君 もう何回押し問答しても同じみたいなものでありますので、あさってまた委員会がありますから、それまでによく検討しておいてください。
 重ねて言っておきますけれども、わずか二、三時間の技術顧問団のそこの検討で、これでよろしいと、関西電力側から出たこのメソッドとその結論はこれでよろしいという、こういうやり方で本当に大丈夫だろうかというふうに私は思えて仕方がないわけです。そういう点でぜひそれを――なぜわれわれにも見せられないのかという点についてはどうしても納得できません。これだけ問題になってきているこの時点で、なおそういう態度を固執をされるということは、これはせっかく国民の信頼をひとつ回復をしようということで安全委員会がそれなりの努力をやられておる時期に、通産省のかたくなな態度によってそれがまたつぶされていくという姿になっていくわけでありますし、あさってまた聞きますから、通産省よく検討しておいてください。
 それから、続けて質問をいたしますが、本来大飯の原子力発電所がつくられる際には格納容器にアイスコンデンサーをつけてECCSにUHIという、アッパー・ヘッド・インジェクションという特別なものをつけ加えられた新型のものだということが言われておるわけでありますけれども、このテストはやったことがあるんですか。
#250
○政府委員(山野正登君) UHIについての実験につきましては原研において行ったことがございまして、昭和四十八年から原研でROSA計画というものを進めておるのでございますが、その一環としまして、昭和五十年度の末から五十一年度にかけまして炉心上部注入系、UHIに関する試験というのが行われております。この試験は冷却材の喪失事故時に原子炉圧力容器上部に設けられた炉心上部注入系からの冷却水の注入の諸条件というものが圧力容器内の温度、圧力あるいは水の流れにどのような影響を与えるかということを解析することを目的としたものであるというふうに承知しておりまして、この試験の結果、炉心上部注入系からの冷却水の注入によりまして圧力容器の上部で水蒸気が激しく凝縮する、その結果として圧力容器の上部の圧力が低下する現象があらわれまして、その場合には炉心内に上昇流が生じ、その上昇流に乗って注入水の大部分が破断ループから流出するということが判明したと言われております。
#251
○佐藤昭夫君 いまの御報告ですと、原子力研究所でそういう実験がやられてきて、その結果はうまくいったというふうに言われておるわけでありますけれども、実はこういう報告が出されておるわけですね。原子力研究所で十回の実験をやった、で、ラン六〇三という従来型のECCS、これを作動させた実験、それからラン六〇四という、従来型にこのUHIを取りつけたそういう実験、この二種類をやった。その二つの実験を比較をしてみますと、UHIを注入をした方が燃料棒の表面温度が早く上昇をするという結果が出た。こうした結果、その分析の上に立って結論的に、こういうUHIをつけた場合の方が早く温度が上昇をする。そういうことは、この実験をいよいよ実用にもっていくという大飯の原子力発電所についても起こり得る可能性があるということを指摘をしておる原子力研究所のレポートが出ているわけです。こういうレポートは御存じですか。
#252
○政府委員(児玉勝臣君) 通産省としても存じております。
#253
○佐藤昭夫君 それならばこのレポートはどういうふうに評価をされたのか。この意見は間違うておるというふうに結論を出したのはどういう理由なんですか。
#254
○政府委員(児玉勝臣君) ただいまの実験について、この大飯の問題といたしましては、先ほどの実験の条件と実際の大飯に使われておりますアッパー・ヘッド・インジェクションとの関係では若干違うのではないかというふうに考えております。一つは実験がきわめて小規模のものであるということと、それから中が非常にドライになった後アッパー・ヘッド・インジェクションが入るという時間的な違いがあるというふうに指摘しておりまして、それで、もちろんアッパー・ヘッド・インジェクションが作動するときには、実際の大飯の場合にはまだ水がございますので、その水の中にさらに水を加えるというふうな作用をいたしますので、上昇流というような現象というのは大きくないと考えておるようでございます。それで安全審査会における審査の過程には、同実験の結果やそれから三菱重工の実験結果を参考にいたしまして、それで安全審査の上では本原子炉の非常用炉心冷却系の機能及び性能はECCS評価指針を満足するというようなことでの判断をしております。
#255
○佐藤昭夫君 その評価、判断をなさったのはどこの機関ですか。
#256
○政府委員(児玉勝臣君) これは原子炉安全専門審査会でございます。
#257
○佐藤昭夫君 いま口頭でおっしゃったわけですけれども、片や原研で出されておるレポート、それといまあなたが言われた安全審査会が結論を下したそこの理由ですね、ここの要点をあしたじゅうに資料で出していただけますか。
#258
○政府委員(児玉勝臣君) 資料お出しします。ただ、期日についてはなるべく早くいたします。
#259
○佐藤昭夫君 私、いずれにしてもこの問題重大だと思いますのは、この大飯の場合にはUHIがついてますから、アメリカの原子力発電所と違って、何といいますか、二重というか三重の安全装置がついてます、大丈夫ですということが言われておる。ところが、このUHIのこれの実験が原子力研究所、いわばわが国で言えば一番そういう原子炉についての研究の最高水準が集まっておる研究所じゃないかと思うんですけれども、ここがやられた、そこの研究レポートとしてそういう非常に重大な指摘がやられておるということが、何かどうもあいまいな根拠のままこれが葬られているんじゃないか。何となれば、アメリカでも現にMOD3というUHIに関する模擬実験をいまも現在やっている段階です。果たして本当にこの安全性についての信頼がおけるかどうかということについて実験をやっておる段階だと。これをさっきの御説明によれば、それなら、その安全専門審査会は何か独自の実験をやったわけじゃありませんね。条件、パラメーターの違いがあるから、それをもってすべてを推しはかることはできないから、かわりに何か別個の実験をやって大丈夫という判断を下したわけじゃない。どうですか。
#260
○政府委員(牧村信之君) 大飯の安全審査を行いますに当たりまして、先ほど原子力局長から原研の研究の結果の概要を御説明したわけでございますが、この研究成果というものを取り入れて安全審査を行ったわけでございます。
 で、原研の上部炉心注入系の実験の研究結果は、先ほど局長から申し上げましたような結果ではございましたが、この結果につきまして、大飯1号炉の安全解析に使っております計算コードにサタンというのがございますが、これで原研のROSAIIのモデルの結果を入力いたしましていろいろ計算することができたわけでございます。その結果、計算コードが、原研の結果等も踏まえて見ますと正しいことが検証されたということを踏まえて、安全審査会は、このサタン6のコードによる大飯1号炉の安全解析というものは、上部から注入した水が炉心に到着し炉心冷却が計算できるということを確認されまして、安全審査を行って設置の許可に至ったわけでございます。したがいまして、先生の御懸念ではございますけれども、安全審査会としては、原研のこういう実験があったから自信を持って審査をし、判断し得たというふうに私ども当時の安全審査に携わった者から聞いておるところでございます。
 なお、その後も、重要な問題でございますので、アメリカでもこの関係の研究がさらに行われておることは事実でございまして、そのような研究の成果を踏まえて、大飯につきましてもそのデータを活用しておるというのが現状でございます。
#261
○佐藤昭夫君 いまあなたが言われておるのは、この原研のUHIに関する研究、これも踏まえて安全審査会としての結論を出したと。現にそういう言い方で当時のいろいろな新聞報道なんかも書いておりますわ。たとえば工業新聞五十二年四月の二十六日のなんかにはそういうふうに書いていますけれども、肝心なのは、原研のこの問題の研究についてのレポートの結論のところで、さっき私が言いましたように、危険があるということを指摘をしておる、そこの部分がネグられて、とにかく研究がやられたというその姿だけを引き継いでいる。ですから、逆に言えば、あなたもお答えになっていないように、原研の研究はだめだということで別個の、さらにどこかに委嘱をして、このUHIについての安全性の研究を、実験を別個にもう一つやって、これで大丈夫という結論で大飯に対してゴーサインを出したということではないわけですね。ですから、どうしたっていまの説明では納得できません。
 ですから、さっき言いましたように――この原研のレポートの実物はお持ちですか。審議官、実物はお持ちですか。
#262
○政府委員(児玉勝臣君) 安全審査会報告書によりますと、「日本原子力研究所東海研究所がROSA−II試験装置を用いて試験を行った結果を参考とした。」というふうに安全審査会の報告書には書いてありますので、いま先生御指摘のROSAIIにおきますこの試験の結果を十分参酌した上で御判断になったと、こういうふうに考えられます。
#263
○佐藤昭夫君 いやいや、それが疑わしいと言っているんですけれども、いま私が直接質問しましたのは、その原研レポート、この実物はお持ちですかと。いま手元に持っているかじゃなしに、ありますかと、現在保管されていますかと聞いているんです。
#264
○政府委員(児玉勝臣君) 資源エネルギー庁には保管されております。
#265
○佐藤昭夫君 それならば、そこまで言い張られますから、それもついでに資料として出してください。その原研レポート、それからこのレポートの、ここは納得しがたい、こういうパラメーターの違いがある、したがってこうしたら安全なんですというふうに判断を下した具体的根拠、こういうものを一覧表にして出してください。
#266
○政府委員(児玉勝臣君) 先生のおっしゃるようにいたしまして提出いたします。
#267
○佐藤昭夫君 吹田委員長、いろいろメモもとっていただいておる模様ですけれども、非常に重大な提起が、言うなら、そういう原子力発電についてのかなり有能な研究者が集まっています原子力研究所のそこのレポートにそういう問題が出ているということでありますので、一遍この点は安全委員会としても独自に必要な調査検討をやっていただくということでお願いをしておきたいというふうに思います。
 時間がもう余りありませんのですが、まあ、そういうことで資料が出ますので、このUHIにかかわる問題の質問はきょうこの程度で、資料をもとにしてさらに次回お尋ねをしたいというふうに思います。
 次の問題は、今回のスリーマイルアイランドのこの事故、これはまあいわば小口径の事故ですね。そういう小口径の破断事故だと思うんですけれども、現在わが国が原子炉の安全審査にやります場合の安全審査項目は、大口径の破断事故を扱っておって、小口径の破断事故は扱っておりませんね。
#268
○政府委員(牧村信之君) 安全審査におきましては、各種事故というカテゴリーでいろいろな破断の事故を想定しております。で、そのような小口径の破断もある意味では各種事故の中に加味して行われていると理解しております。
#269
○佐藤昭夫君 行われていると理解をしていますって、この安全審査指針でいけばどこに出てくるのですか。私の見る限り、この本でいきますと三百二十四ページ、ここにいわゆるWREM、ウォーター・レアクター・エバリュケーション・モデルズ、これについての検討報告書の中の一部ですけれども、「当グループ」――この研究グループですね、「当グループは、未だ小破断時について何等計算を試みておらず、またこれまで入手した限りNRCもこれを行ったという報告はない。したがって、小破断時にどのように炉をモデル化すべきかは、今の所不明である。」、こういうふうに書いていますけれども、これをお尋ねしますのは、原子炉での事故という場合に、当然大破断事故よりも小破断事故の方が度数多く発生をするだろうというこの問題が安全審査指針の上でどう具体的に扱うのかということの明記がない。いまの研究グループ報告によれば、それはもういまのところできぬことですと、だからこれは重大じゃないかということで聞いているんです。
#270
○政府委員(牧村信之君) 「軽水型動力炉の非常用炉心」……
#271
○佐藤昭夫君 何ページですか。
#272
○政府委員(牧村信之君) 「冷却系の安全評価指針」、五十五ページのところに「非常用炉心冷却系の安全評価指針」というのがございます。そこの「目的」のところでございますが、そこに「原子炉冷却材圧力バウンダリ配管の破断による冷却材の流出を考えるものとするが、事故解析では、原子炉冷却材補給系の容量を上まわることとなる口径の配管破断から、」云々となっておりまして、ここでそういう先生の御指摘のものをやるようになっておりまして、次のページの3の「解析に当たっての要求事項」、その3の1のところでございますが、ここで解析に当たって必要とされる項目が3の1の(1)に書かれておるわけでございます。
#273
○佐藤昭夫君 五十六ページ以降のどこにどう書いておるんですか。五十五ページは抽象的なことを書いておるだけで、具体的に、そういう小口径破断の場合にはこういう計算方式でやるということはどこに書いておるんですか。
#274
○政府委員(牧村信之君) 五十六ページの3の……
#275
○佐藤昭夫君 それを書いておるとすれば、さっき私が引用しました三百二十四ページのような、当研究グループはこういう小破断については何ら計算を試みておらず、いままで入手した限りNRCもこれを行ったという報告はありませんと、こういう報告がなぜ出てくるんですか。
#276
○政府委員(牧村信之君) 具体的には五十六ページの3の1の(1)にブローダウン過程の解析に当たっての要求事項の細目が書いてあるわけでございまして、現実的には安全審査では四インチまでの細管につきまして審査を行っておるところでございます。
#277
○佐藤昭夫君 納得をできません。これも、こういうことでやっておりますという具体的なことが提示できるんだったら、それも資料で出してください。で、次回の委員会で議論をいたしましょう。いずれにしましても、いろいろ挙げました、原子力発電所で頻発をするであろうこの小口径破断の方の安全審査をどういうふに扱っておるのかという問題やら、それからさっきのUHIの安全審査を実際どういうふうにやったのか、また今後やる方針なのか。それから緊急時の場合の人為ミスを伴いかねない手で動かすというこの問題が、安全審査の中でどういうふうに扱われるのかということで、私は今日までの安全審査指針そのものをいよいよ見直しをしなくちゃならぬという時期にきているんじゃないかというふうに思っています。どうか吹田委員長、いろいろまた次の委員会でも申し上げると思いますけれども、せっかくきょうはずっと聞いていただいておりましたし、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 時間がありませんので最後に一つだけ防災の関係の問題でお尋ねをしておきますが、きょうの朝日新聞でしたか、他の委員もちょっと触れておられましたが、朝日新聞の表現によりますと、二十四日ですから昨日ですね、昨日政府はこれこれのことを決めたという形で、原子力安全委員会のもとにも原子力発電所等周辺防災対策特別委員会を設置をするということになったと。で、いろんな防災の計画、緊急時の場合の専門家派遣、いろんなことをやっていくというんですけれども、実際これの審議のほどはどうかということがまず一つです。
 それからこの新聞内容によりますと、予算を必要とする計画については来年度予算に計上をするという方向で具体的な検討を煮詰めるんだという書き方になっているんですけれども、これは長官にお尋ねをします。
 現在BWR、これは運転していますね、沸騰水型は。ここはいつどんなことでこの事故が起こる危険性がないと言えない。これはいろいろな諸処置について来年の予算で予算組みますと、そういうのんびりしたことで済まぬだろう。やっぱり今回のこの事故の問題を契機に国民的にもいま大きな不安、そしてもしという場合に備えて防災対策をどうしてくれるんだという意見が非常に強まっておるという、こういう時期でありますし、ほかの原子炉施設についても、すべて同じではありますけれども、とりわけ現に運転をしておるBWRを持っておるここの地域については直ちにそういう防災上の対策、防災計画を急ぐ必要があると、これから一年がかりで検討しますという、そういう悠長なことでは国民は不安でかなわぬということかと思うんですけれども、この問題についてはどうかということについて。
#278
○国務大臣(金子岩三君) 私もその新聞を拝見いたしておりますが、来年度の予算云々ということを書かれておるのは、どこからそういう意見が出たのか知りませんが、私どもが閣議でこの問題に取り組んで緊急な対策を立てようという取り決めをしたのは、やはり県、市町村まで、末端まで財政措置が必要であるならば予備費を流用して緊急な対策を立てると、こういう考え方でおるのでございます。新聞を余り気にせぬ方がよろしいと思います。
#279
○佐藤昭夫君 いまの長官の言明、必要なことは予備費流用といういろんな方策があるということでありますけれども、それなら各行政庁当局、ここにおられるのは科技庁と通産省ですけれども、そういう見地で検討をやっているんですか。もう急ぐことはすぐにでもやらんといかぬということでやっているんですか。
#280
○国務大臣(金子岩三君) それは末端のいまの専門家の方々がいろいろ具体的なものを検討しておる、そこの中で予算的な問題までは私は考えていないだろうと思います、全く技術的な問題を検討しておるわけでございますから。やはり緊急に予算措置をしなけりゃならぬというような結論が出るのは、これはやっぱり総理府で取りまとめて、それが災害対策基本法に基づいた正式の機関に上がってきて、それから予算の取り組み方をする、こういうふうに御理解をいただいておきたいのでございます。
#281
○佐藤昭夫君 通産省どうですか。私が言っています、特に運転中のBWRがあるここの周辺の住民の皆さん方の不安にこたえるという意味で、直ちにやるべきことはやるということで作業を進行させておるのか、いつ検討の結論が出るのか、その点はどうですか。
#282
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま科学技術庁長官がお答えになったとおり、私たちとしては早急にその対策を立てるわけでございますけれども、ただ、そのお金とか人がいないのでその対策から逃げるということはしないつもりでございます。したがいまして、政府全体としてお決めになることにはまだ時間はございますけれども、しかしわれわれとしては最善の防災計画というものをつくりたいと、こう考えております。またBWRの場所ばかりでなくPWRすべての原子力発電所の立地について私たちは早急に対策を立てたいと考えております。
#283
○佐藤昭夫君 何遍聞いても抽象的なことしかお答えにならぬわけですけれども、私は行政庁が行われる作業というのはできるだけ早くという一般論だけじゃなくて、何かこれをやろうということを目標に掲げた以上は、一カ月後には結論を出そうとか、そういう目標を持っているはずでしょう。いっその結論を出す目標で作業をやっているんですか。どうですか。
#284
○政府委員(児玉勝臣君) この作業はいろんな省庁が関連しておりますので、通産省だけで処置するわけにもまいりませんので、いつまでとは私申し上げられませんが、われわれとしてはそれなりのすでに腹案は持っておる次第でございます。
#285
○佐藤昭夫君 科技庁安全局長はどうですか。
#286
○政府委員(牧村信之君) 通産省と同じ立場ではございますが、いまこの会議におきましては、現段階において政府がどういう方針で取り組んだらいいかということを緊急にまとめようとして、関係各省がどういうことをしていったらいいかということを緊急にまとめようとしておるわけでございまして、きわめて早いうちに中間段階の取りまとめをしようということにしておるところでございます。先生御指摘の予算関係につきましても、今後引き続き議論がされていくものと期待しておるところでございます。
#287
○佐藤昭夫君 最後に一言。長官、本当にいまの話を聞いておってもまことにマンマンデーな、事故の問題もそうです、それから防災対策の問題でも、この問題を具体的にこういうことでやりますということを提示しないまま、いま出ています再処理工場のこの法案のまともな審議には入れないというふうに思います。そういう意味からも、さっき長官としての基本姿勢は言われておるわけですけれども、ぜひ長官、督励をしてこの問題を急ぐということでぜひやってもらいたいと思います。
 終わります。
#288
○国務大臣(金子岩三君) 私も聞いておって、局長さんたちが歯切れの悪いことを言うものですから、ますます皆さんに不安を与えるのであって、本当に真剣に取り組んでこれをやることが今後の原子力の開発のもとであるということで、全力を挙げて閣議でやるということを決めてやっておるわけですから、下の方がこういうふうな歯切れの悪いことばかり言うものだから、皆さんにちょっと心配かけるんですが、その点はひとつ御信頼いただきたいと思います。
#289
○中村利次君 いわゆる再処理法案が本委員会に付託されましてから、私はこの法案の審議を本委員会はやっておると、こう思っています。ただ、再処理はあくまでもこれは核燃料サイクルがその前提ですよ。核燃料サイクルの前提には原子力の平和利用、エネルギー源として原子力をどう利用していくのか、私は原子力エネルギー源として利用していかなければ、特にエネルギー無資源国の日本はえらいことになるぞということを常々申し上げておるわけでありますけれども、エネルギー源としての原子力利用、これが核燃料サイクルの前提になる。エネルギー源としての原子力の利用の前提はやっぱり安全であって、日本の場合には日本の国民にやっぱり原子力がエネルギー源として奉仕をする、国民の利益にかなうというそれが前提でありますから、そこでやっぱりアメリカの原子力発電の事故なんかがありますと、その前提としていろんなやっぱり議論をしなければならないと思うんです。しかしそのもっと前提はエネルギー問題がどうなるかということがやっぱり大前提だと思いますから、私は実はきようは法案の審議をしておるつもりですが、やっぱりそのほとんどは前提問題について質問をこれからしてまいります。
 そこで、今月の五日のアメリカ時間でいえば午後九時、日本時間で言えば四月の六日ですけれども、アメリカのカーター大統領がテレビを通じて新エネルギー政策を発表したわけですが、これは限られた時間の中で私がその内容をここで言うのは時間がもったいないから省きますけれども、これは私はやっぱり米国産の原油の統制価格を引き上げていくということはアメリカのインフレに――アメリカはインフレで困っているはずだけれども、それに影響がないのかどうか、私はこれはかなり心配。それとOPECによる油の価格の引き上げ、これは六月からのやつを来月あたりやろうということですが、それに影響がないのかどうか、どういう見方をされるのかお伺いをしますのと、もう一つは、政府が最近昭和五十四年度の油の輸入量を二億九千二百万キロリッター、五十三年度に比べて七・九%の増加、こういうことを発表されているわけです。もちろんこれは備蓄の積み増しもありますけれども、しかし国際エネルギー機関で五%の節約を決めて、日本もこの五%の節約をしようと具体的な対策を講じられたばかりですね。五十三年度に比べて五十四年度は八%近い輸入量がふえるということは、私は常々申し上げておりますけれども、やっぱり世界が、特に石油の大食い国であるアメリカだとか日本なんかが石油の節約に成功するのかしないのか、石油の消費をどの程度にするのかということが世界のというか、これはOPECの原油価格の値上げに大変なかかわり合いがある、こう思うんですが、アメリカの新エネルギー政策あるいは日本の五十四年度の石油の輸入計画、そういうものからどうもインフレあるいはOPECによる原油価格の値上げに影響がないのかどうか、まずそれからお伺いします。
#290
○政府委員(児玉勝臣君) 四月五日に出されましたカーターの新エネルギー政策の発表でございますけれども、ただいま先生おっしゃいますように、国内石油の値上げの問題ということを含めまして原子力の手続の問題等々エネルギーの、石油代替関係の政策も含めまして出しております。
 で、いま先生が御指摘になりましたように、そういう油の値上げの問題ということの政策的な意味と、特に日本にはどういうような影響があるかということにつきましては、ただいまエネルギー庁の中で検討中でございますけども、先生がおっしゃるように、油の値段全体のコストが――コストといいますか、価格が上がる、そういうことの要因になることはどうも確かなようでございます。
#291
○中村利次君 これは全くエネルギー無資源国の日本政府としては、六月の末には東京において先進国首脳会議も開かれることでございますし、それにはこのエネルギー問題が大きな議題になるはずでありますので、アメリカのそういうエネルギー政策等を含めてひとつ誤りのない対応策というものを確立をしていただきたいと思います。
 なお、日本そのものがやはり五十三年度に比べて五十四年度は八%近くの輸入をする、備蓄の積み増しはあるにしても。私は、これは予算委員会でも、政府が発表した五%の石油の節約というのはかなりむずかしいんではないかと、ここでは具体的な例はまたこれも時間がもったいないですからやめますけれども、アメリカも石油の節約に失敗をする、日本も石油の節約に成功できない、したがって石油の消費量はふえる、そしてアメリカはアメリカの国産原油の価格を引き上げる、八一年の九月には国際水準に合わせると、こういうことになりますと、これはやっぱり世界的に見て容易ならざることになりかねない。きょうはここではこのことについて突っ込んで質問をしたり議論をしようとは思いませんが、ひとつ誤りのない対策を講じていただかなければ、エネルギー無資源国の日本の国民生活はかなりの影響を受ける危険性があるということを指摘しておきたいと思うんです。
 そこで、いま児玉審議官も触れられましたけれども、この新エネルギー政策には、まあ政策としては入っていないけれども、スリーマイル事故についてその対応策も発表しておりますし、それから原子力行政についても、これは審議官おっしゃったように、NRCの監視官の常駐計画を促進すると同時に、原子力発電所建設の認可期間を短縮する法案を再提出をする、こういう姿勢にあるわけですね。このことは、私はやっぱりアメリカの原子力の開発に対する姿勢を実にはっきり明確にあらわしていることにほかならないと思うんですね。
 あわせて、スリーマイル島のあの原子力発電所の事故はアメリカだけではなくて世界じゅう、特に日本の場合にはこれは大変に騒がれたし、騒がれておる。しかし、そのアメリカであの事故の後、住民投票によってやっぱり少差ではあったけれども原子力発電が賛成をされた、そういう住民投票の結果が出ておる。
 それからまた、日本でもこの間の地方選挙を通じまして、山口県の豊北町におきましては、去年の町長選挙に引き続いてこの間の町議会の選挙では、二十六人中十五人を原子力反対を唱える人たちが議席を獲得したと伝えられておるわけでありまして、こういう点は私どももやっぱり謙虚にその町民の皆さんの選択といいますか、意思表示を承るべきだと思いますが、同時に新潟県の柏崎におきましては、これはやっぱり原子力発電の促進派と反対派は促進派が圧勝しているわけでありますしね、市長選挙では。あるいは福井県の敦賀におきましては、これはもう原子力発電反対をもっぱら主張して戦われた候補者は、失礼な言い方かもしれませんけれども、泡沫候補的に一%ちょっとぐらいの得票しか取られていない。いわゆる安全性を確保した上で原子力を開発をしていこうという方が市長に選ばれたわけですね。佐世保の市長選でも、例の原子力船「むつ」の問題では、えらい大騒ぎになったように見えますけれども、やっぱり辻市長の路線を、これは佐世保に原子力船「むつ」を連れてきてSSKで修理をしようという辻市長のそういう方針を継承される方がかなりこれは圧倒的な差で当選をされておるんです。ですから安全委員長、安全委員会にしても科技庁にしても通産省にしても、アメリカだってやっぱりこういう事故かあって――日本なんかにはえらい迷惑、これはある意味ではえらい迷惑だ、迷惑ですよ。しかし、原子力の行政についてはNRCの監視官の常駐制度を促進すると同時に、原子力発電所の建設の認可期間の短縮法案を再提出をしようと、こういう姿勢。日本の政府あるいは政府機関の姿勢も、やっぱりいまの地方議会の選挙の結果をもっても、何もスリーマイルアイランドの事故によって騒がれて反対だ反対だという人たちだけの意見ではないんですよ。そういう意見なんというものは、何もスリーマイル島の事故があったから起きたんではなくて、それは地質学的に言って、原子炉工学的に言って、放射線管理の上から言っても、いままでだって絶対反対、もう原子力の開発はけしからぬ、はなはだしきに至っては電力会社が原子力発電所の建設をやめない限りは電気料金は払わないと、そういうことまで言って反対する人たちがいるわけでありますから、何もいま始まったことじゃない。そういう点については憂いはないでしょうけれども、ひとつしゃきっとした――さっき大臣から歯切れの悪い答弁についてのあれがございましたが、これはしゃきっとしてもらわなければ困る。これはひとつ大臣の御所見をまず承っておきましょう。
#292
○国務大臣(金子岩三君) 私は中村先生と全く同感でございます。ただ、積極的な推進をいたします前提にやはり安全を確保することがまず第一であるというようなことを絶えず念頭に置いて原子力行政に取り組んでいきたいのでございます。やはり住民が納得する、その納得の上で建設が促進されなければならないと思うのでございます。大前提は安全性を確立する、しかる後に原子力の研究開発は従来の考え方と何ら変わることなく積極的に推進をしたい、このような考え方でございます。
#293
○中村利次君 そこで、私は十三日の本委員会でも申し上げましたけれども、このアメリカの原子力発電の事故につきましては、これは私どもは国民の皆さんとともに事実をどう確認をするというんですか、掌握をするというんですか、繰り返しますけれども、これはあの事故を過大にはやしてもいけないけれども、過小にこれを評価してもいけない。やっぱりどうして起きて、そしてこれはどうなったのか、これがやっぱり一番私は大事なことだと思うんですね。先ほども申し上げましたけれども、この事故は日本にとってもある意味では大変に迷惑千万なことでありましたが、ある意味ではやっぱり安全性についていま大臣がおっしゃったように、私も原子力の開発はあくまでもこれは安全であるということが、安全性を大事にするということが大前提である。したがってそういう意味では、不必要なものをばかみたいにかかわり合うということは問題でありましょうけれども、安全性についての行き過ぎというのは、これは私は行き過ぎがあってもしょうがないと思う。ある程度それは認められなければならないと思いますけれども、そういう意味からしますと、この事故をきっかけにして安全性の見直し、特にアメリカで起きていますよね、パニック状態になっている。情報管理なんか全くどうにもならなかった。防災上あるいは情報管理をどうしていくか、こういう非常事態にどうするかということは、これはやっぱり安全性のより一層の追求と同時に、非常事態の情報管理等についても万全を期するような体制をとらなきゃいかぬと私は思うんですね。ですから、そういう意味ではこれは私どもにとっとはやっぱり他山の石である。これを参考にすべきは十分に参考にして、なお一段と安全性を高めて国民の皆さんの信頼を得なければならないと思うんですが、しかしそれにしましても、この事故は二次給水系の――これは事実は事実としてはっきりしておかないといけませんから、くどいぐらい申し上げますけれども、二次給水系の主給水器が停止したとき――これはこの前十三日にも申し上げましたよ――自動的に作動する補助給水器が作動しなかったことによって発生をしたわけですね。そして補助ポンプが作動しなかったその原因は、補助ポンプ及びその系統に何らかの欠陥、故障があったのではなくて、三基の補助ポンプのすべての弁が閉じられて、これらが二次給水系から遮断されておって、もし主給水器が故障すれば必然的に重大事故に発展する状態で原子炉が運転されていたという、まことにもって考えられない、そういうことが原因であったとされておるわけです。米国においても原子炉の運転管理基準にこのことは違反していると言われていますが、もう一回確認をしたいと思いますけれども、そのとおりであるかどうか、いかがでしょう。
#294
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいましたように、スリーマイルアイランドの事故の経過は、主給水ポンプの入口弁の閉鎖ということに端を発しまして、さらに補助給水ポンプが運転できなかったということが事故の拡大につながったということは、そのとおりでございます。
#295
○中村利次君 このことは、機器の故障――これはいままでも原子力のあれについてはいろいろ言われてきましたけれども、これは機器の故障、トラブルではないということはもちろんですけれども、それだけではなくて、管理上、運転操作上の人為的なミスであるともこれは言えないと思うんですけれども、いかがですか。
#296
○政府委員(児玉勝臣君) まあ人為的なミスというのには非常に幅が広いかと思いますが、一つは、人というのはミスをするものと考えなければなりませんので、そういう意味では安全規定とか要綱とか、それからまた監督者のチェックとか、そういうものが人為のミスの防止ということにつながるのかと思います。したがいまして、補助給水ポンプがスタンドバイできない状態で運転が開始されたというようなことは、とても日本ではちょっと考えられない状態だと思います。
#297
○中村利次君 そのとおりでしょう。私は人為的なミスというのは、まあ計器の誤表示もそれはあったかもしれないけれども、自動的に働いたECCSを手動で切ったとか、それからこれも十三日にも言ったんですが、加圧器の圧力逃がし弁が開いたのを、これはリモコン操作でできる弁があるんですから、それを閉じなかった。たとえばこういうのがあるいは運転操作上の人為ミスと言って言えないことはないと思いますよ。思いますけれども、とにかくメインポンプが――これは何もポンプに限りませんよ、こういう二次給水系のポンプに限らない、ほかのあらゆるものに私は適用できると思うんですが、この補助機器が作動しないんではなくて、補助機器の弁が閉じておるということは、まさにこれはその回路から遮断をされておる、ロックされておるということでしょう。そういうものが運転操作上の人為ミスと言えますか。これは私はやっぱり原子炉の管理基準といいますか、そういうもっと根本的な基準にかかわることであって、運転操作上の人為ミスとは言いがたいと思うんですが、いかがでしょう。
#298
○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃいますように、一つの管理ミスとも言えるのかもしれませんです。それからまた、そういうような管理ミスがあり人為ミスがあったとしても、その機能が失われないような施設をつくっておく。たとえば日本のように、電動ポンプの起動が始まれば電動弁が開く、そういうようなことでのやはりバックアップが必要だったんではないかというふうに思います。
#299
○中村利次君 私は日本の場合のことも伺おうと思ったんですが、いまのお答えでその必要もなくなりましたけれども、これは日米の違いがあるようであります。
 そこで、これは直接原子力安全委員長にかかわりがあるかどうかわかりませんが、いまの人為ミスか管理上のミスというのは、これはミスという範疇に入らないと、もう管理基準に違反するなんというものじゃなくて、これは私は、だからFBIが調査にまで乗り出さなきゃならないような、そういうことであったと思うんですが、これは安全委員長はどういうぐあいにお考えですか。
#300
○説明員(吹田徳雄君) 私は今度の米国の事故から学びます非常に大きな要素というのは、やはり機械と人間との相互作用がございます。その両方の、設計ミスと人為ミスをやはり大きくいたしましたのは、やはりそのお互いの相互作用のところが非常に重要であったと、そう考えております。
#301
○中村利次君 どうも御答弁が何というか、非常に差しさわりがないんですよね。私は、メインポンプがトラブルを起こした、そこでその場合には補助ポンプは起動できるような状態にあったというんなら、これはいまの安全委員長のお答えで納得します。しかし起動できる状態になかった。なかったわけですね。これはあったと言い得る者はいないと思うんですよ。そういう状態の中で原子炉を運転をしていたということにこの問題の――それがなければこの事故は全くないわけです。だから、これはもう本当に何だと言いたいが、しかし、それがあった。ある意味ではその逃がし弁があきっ放しであった、あるいは気圧計、水位計の――特にウエスチングハウス社製の場合はこれが一致しなければECCSは作動しないと言われておるわけでありますから、NRCあるいはウエスチングハウス社からの勧告だとか通告というものがいろいろあったと思う。それに対する私は日本の原子力安全委員会の対応というのは必ずしも正しかったとは思いません。これは後ほど申し上げます。大飯原子力の停止を私はこれは正しいと思いませんよ。これは後で申し上げますけれども、管理基準によるものか、あるいは運転操作上の人為ミスによるものか、あるいはそれ以前の、これはもう管理基準違反であってミスという表現は当たらないのか、そこら辺のけじめを政府はどうも非常にわけのわからないような答弁で、逃げるという表現は当たらないかもしれませんが、私に言わせると逃げられているような気がする。もっとはっきりと……。これはもうミスとかそういうもの以前の問題であって、こういうことは断じて許されることじゃないと、私はこう思うんですよ。ですから、ある意味ではアメリカの規制委員会がこれに対してどう決着をつけるのか、つけないのか、これはわかりませんが、もう一回ひとつ。
#302
○政府委員(児玉勝臣君) 今回の問題につきましては、NRCは規定違反であるということを言っておりますので、そういう意味ではいま先生かおっしゃったように全くその規定を――もともとの規定は守るものということでこれはつくられておりますので、そういう意味では運転の心得のないものといいますか、これへの以前の問題といってもいいのかもしれません。
#303
○中村利次君 幾らかそれて――だからさっきもちょっと申し上げましたけれども、日本の一部の新聞にも報道されましたし、また四月二日付のワシントンポストにも、FBIがサボタージュの可能性について調査をした、しかしいかなる確証もなかったとFBIは発表した。いかなる確証もなかった。これは英語を日本語に訳して、私は不得意ですからどういうことを意味するのかぴたっとこない面もありますけれども、しかしそれほどこれは意識的な妨害の意図はなかった、関係責任者の精神状態も正常であったというならば、とてもこれは考えられないような事故が起きた。これは安全無視の標本みたいなものですね。補助機器をロックしたままで世界的にいろいろと議論の対象になっておる原子炉を運転するなんというのは、私はとてもこれは正常な人間のやることではないと思うんですが、まあこれは日本の場合にはそういうことはないという御答弁もあっておりますから、しかし、いろんな仮定、想定の議論もございますから改めてお伺いをしますけれども、日本はこういうまあ規則違反というか、いわゆる運転管理規定、運転管理基準はこうであると決められたことに違反して運転することがあり得ますかあり得ませんか。これはそういうことがあり得はしないかという、そういう私は議論だってこれはないとは限らないと思いますから念のために伺っておきます。
#304
○政府委員(児玉勝臣君) 規定に違反して運転されるということはないと私は信じたいわけでありますが、それは人間のやることでありますので、おのおのにやはり責任体制というのがそのためにあるのではないかとも思っております。私の申し上げるのは、要するに運転に関しましては保安規定を認可しておりまして、これは社長がその全責任を負うわけでありますけれども、それをさらに所長がその一部をその発電所について分担するという形であり、さらにそこには運転要領並びに運転細則というかっこうでその責任がだんだんと下に行くわけでありまして、そういうことで節目節目のところでの責任体制が確実に機能している限り、この規則に違反して運転されるということはまずないと、こう考えております。
#305
○中村利次君 私も、日本の電気事業者はこういうことをやるということ、これは自殺行為みたいになるものですから、そういう自殺行為をやる事業者はそこで働く私自身の仲間を含めて断じてない、こういうぐあいに確認をしておりますけれどもね。そういうことがあってはいけないと思います。
 そこで、こういう質問をしておりますとまた時間がたっちゃって、この起こり得べからざるばかげた原因によって起きた次々のずっとあれをまたここで順次確認をする、確認質問をする時間がなくなりましたけれども、これはまたいずれかの機会に譲ることにいたしまして、このスリーマイル島の事故に関連をしてアメリカの規制委員会の勧告、あるいはウエスチングハウス社のいわゆる日本の加圧水型で使っておるECCSの作動について、ウエスチングハウスとそれからアメリカの規制委員会からの勧告というんだか通告というんだか、そういうのがあった。それに対する対応の仕方が、吹田原子力委員長、私は納得できない。と申しますのは、安全委員会が三月の三十日に安全委員長のあれは談話というんですか、何かコメントをされた、それを私は拝読をいたしました。それから十三日にここで安全委員長が答弁をされたことも私は伺いました。で、それは間違いではないと、私はそれを支持するということを大臣と事務局としての安全局長に、ぜひこれは吹田安全委員長にお伝えを願いたいと言った。ところが、その日から十四日の未明にかけて専門家の御意見も伺って、大飯についてどうするかということをお決めになったのが停止してのチェックである。これは、いやいやあの三十日のコメントとは違うんだよ、それはメーカーのウエスチングハウスから水位計の誤表示があり得ると、こういうのがあったから、新たな問題に対してそれなりの対応をするのは当然であると言われるんなら、私はこれは違う、そんなら何のための国民の皆さんに対する……、安全については、これはちゃんとチェックをして、そして営業運転に入ることを許可をしたわけであります。じゃあ安全について、私は毎々申し上げますけれども、これは選択であって、しからば絶対安全かと言われたら、絶対的なものはないでしょう。ラスムッセン報告にしても、原子炉炉心が溶融をして環境に放射能を流して、その結果地域住民の皆さんが放射能の影響を受ける可能性については一原子炉について十七万年に一回あるかないかという報告をしておるのです。このラスムッセン報告についてはいろんな評価がありますよ。それはデータか正確――そんな世界の原子力の平和利用というものは、そういうようなデータは取り得ないではないかという、その他いろんなあれはありますけれども、しかしそれは二年の長期間にわたって、あるいは約十億ぐらいの金をかけて、六十人という大変な専門家が検討した結果の報告ですから、私はそれなりの評価をしています。ですから、絶対というのは何事にもないんで、第一そんなことを言ったら飛行機も飛ばせないし、車も乗れないし、列車、新幹線にも乗れないし、人間外を歩けませんよ。この部屋に隕石が降ってくるその可能性は絶対ないのか、私は絶対ないと言う人は恐らくいないと思う。まあないでしょう、ないと確信をする、この程度でしょうから、そういう点について安全専門審査会の審査を経て、まだ運転に入ってから本当に幾らもたたない大飯について定検を待たないで、そういうウエスチングハウス社の指摘等によって停止、チェックをされたということは、私に言わせると、むしろ国民の皆さんは、やっぱりこれは心配があるんだ、そこに反対派の人たちはそれ見たことか、それ見たことかとたたみかけるわけでありますから、そういう点の、何というのか、確信はございませんでしたか、いかがですか。
#306
○説明員(吹田徳雄君) 十四日の委員長談話で通産の大飯1号炉を一時停止するというのを了解いたしましたのは、われわれはTMIの事故から新しい知見、つまり補助給水系が作動せずに、なおかつ、加圧器逃がし弁が開いたままの状態においてその水位が異常を示したという、こういう新しい知見が出てまいりました。で、安全委員会としては謙虚にこの知見をもとにいたしまして、それではわが国の原子力発電所を非常に安全に持っていこうとするにはどうしたらよろしいかと。そうしますとPWRの水位計の問題というのが非常に重要になってくる。それがしかもECCSの手動に関係する。ウエスチング、NRCの指示はそういう水位計が実際の状態を示さないような場合には手動によりなさいということでございます。それに関しましては残念ながらわが国には十分なデータがございません。何から何までアメリカのウエスチングとNRCの指示を待って行うというのがわれわれ安全委員会の姿勢ではございませんで、やはり日本の原子力発電所というのはわれわれの力で守るということが必要でございます。そういう意味で、この判断をするには非常に時間を急ぎますけれども、とにかく十分なデータが必要である。で、通産の方はその解析を、われわれは手動ということに非常に重点を置いたんでございますが、その解析がそのデータを見てからわれわれは判断する時間がやはり必要であろう。通産の方は大飯の1号炉をとめるというのはそういう意味からはこれは妥当であると私たちは判断いたしました。
#307
○中村利次君 安全性の上からは停止するのが妥当であると安全委員会で結論を出されたことに対して、それはとやかく言うのはあるいは素人のよけいなあれかもしれませんが、私は安全はやっぱり守らなきゃいけない。スリーマイル島のこの事故というのは、事業者にとっても、ある意味では原子力行政を行っていく政府にとっても、こんなことをやっているとこれは自殺行為だと、やってはならぬというのが前提ですからね。安全なんか少しぐらいおそれがあっても開発をやっていこうじゃないかと、そんなばかげた、そういう立場ではございませんけれども、しかし、たとえばいま委員長がおっしゃったウエスチングハウス社からは水位計が誤表示するかもしれない、したがって、これは水位計のいかんにかかわらず、圧力計の表示によって、気圧計の表示によって手動操作によるようにというあれがあったと。これはまあ安全委員会としては、手動というのは人為ミス等を誘い、手動は日本の原子力安全委員会としてはとらないという立場も、私はそれはいいとか悪いとか言いません、結構だと思うんです。賛否を私は明らかにする立場をとりません。しかしNRCは、アメリカはとめてないんですね、とめていません、ウエスチングハウス社のやつも。世界でとめたのは日本だけなんだ、そうでしょう。そのNRCは水位計をロックして、これは自動で働きます、ロックしなさい、そしてECCSが働くようにしなさいと、こういうことを言っていませんでしたか。
#308
○説明員(吹田徳雄君) 私たちが決断を下しましたその時点におきましては、手動が非常にECCSの起動に対して相当なウェートを持ってオペレーターにかかってくるであろうと、そういう判断をいたしまして、そのためにはわれわれが十分なデータを得ないと私たちの判断に迷いを生じますから、そういう判断をするために通産省の解析の申し出がございましたので、それを了承したわけでございます。
#309
○中村利次君 現在ただいま、ウエスチングハウス社製のPWR型を水位計をロックしてECCSが自動的に操作するという点についての憂えがございましょうか。その当時はそれとして、これは別問題ですが、現在ただいまはいかがでしょうか。
#310
○説明員(吹田徳雄君) おっしゃるのは、その後NRCの通達だと思いますが、つまり水位計をやめにしまして、そして圧力計だけに頼って自動化する、そういう方も確かにいいところがございますが、現在大飯にありますような水位計と圧力計との同時に指示するというのもいいところと悪いところがございます。したがって、私たち現時点では、そういう両方のことを安全委員会の下部組織でございます二つの、特別委員会と、それから再チェックいたします発電炉部会に検討してもらいたいと思っておるような次第です。
#311
○中村利次君 私もいまの委員長の御意向には必ずしも反対ではありません。これは確かに圧力計と水位計の両方が正しく作動をして、そしてそれによってECCSが作動をするということは、より一段とこれは安全性を確保する上において決して間違いではないと思います。ただ、それはあくまでも前提は計器が誤表示をしないということが前提ですからね、それについてはそれを前提として決して反対ではございません。しかし、とにかくウエスチングハウスから水位計は誤表示をすることあるべしという、これなんかも私はまことにもって、私に言わせるとあるいは言い過ぎになるかもしれませんけれども、本当に無責任千万、何たることだと思いますよ。それはB&W社のこういう水位計ではない、圧力計によってECCSが作動する、そういうタイプの原子炉が、ばかげた原因ではありましたけれども、とにかく起きた。しかし、当然ECCSは自動的に働いた、それを手動で切った、これだって私はいろいろ取り上げてやればいろんなあれがあります。しかし、とにかく働いた。しかしウエスチングハウス社の方は水位計がやっぱり一致しなければ働かないから、こういう事故があってみると、おれのところの水位計は誤表示することあるべしなんて、こんなメーカーなんてものは、本当にこれは何というんですか、少しぐらい違約金というか、罰金というか、そういうものを請求するぐらいのあれがあっていいと私は思いますよ。しかし、そういうことによって動いた日本の原子力安全委員会について私は言い分があったんです。ですから私は大飯の停止は決して正しくなかった、いまでも思っていますよ、やりようはほかにあった。しかし、まあまあいろんなデーター不足でもあったし、それはそういう結論を出したんだということに対しまして、私はこれ以上追及する意思はありませんですけれども、どうかひとつ将来にわたっては――私かこういうことをなぜ申し上げるかというと、安全についてはやはり足りないよりもやり過ぎた方が私はいいという立場をとりますから、停止に、チェックについて、本当は何も……、安全性について追求し過ぎたの、何を言うんだという考えもあると思います。しかしそのことかやっぱり――安全だ、安全だと政府も言っておる、それから安全委員会も発足したばかりで、それは安全については責任を持ってやっていくと言っておる。しかし、安全だと言っているのに、やっぱりそういう新たなあれが起きれば、安全ではないじゃないかという、そういう言い分に対する国民の反応、これは国民の皆さんなんというものは本当に原子力万般について熟知していらっしゃるわけじゃありませんから、それ見たことか、こんなものだという宣伝に対してはお弱いですよ。ですからそういう点について、安全性について、疑義がある場合ならともかく、これはもうどんなに後戻り、マイナスがあっても私は安全性の確保は優先だが、私が素人考えに考えてもその必要はなかったんじゃないか。それはアメリカだって運転をしたままでちゃんと安全性の追求は怠っていないがそれで用が足りておる。ヨーロッパにおいてはどうなんだということを考えますと、日本の場合にはまだこれから原子力の開発についてはいろいろな難問がありますだけに、ひとつ確信の裏づけを、自信の裏づけを持ったぴしっとした態度を今後私はひとつぜひ要望をしたいと思います。大変どうも失礼なことを申し上げて恐縮でございました。ありがとうございました。
 それから、きょうはまた法案ずばりのところまでいきそうにございませんけれども、やっぱり事故の環境に与えた影響、これなんかもぜひ明らかにして、それほど騒がれなければならなかったか、結果してね。それから、確かに現地では恐慌状態、パニック状態になったようであります。しかし、これはなぜか。こういうことこそは日本ではやっぱり正しい認識の上に立って正しい情報管理を誤らないで、そういう間違ったパニック状態を起こすようなことがあってはならない、そういう意味での非常事態に対する防災対策、非常事態があってはならぬけれども、そういう対策というものを怠ってはならない、誤ってはならないと思うんです。ですから、そういう意味ではこの事故の環境に与えた影響、これはもうつまびらかに、私はここで明らかにして本委員会の速記録に永久にとどめなければならないと思いますが、しかしそういうことをやってますと、時間がもうあと幾らもございません。
 それから、パニック状態が起きたということは、ペンシルベニア州の知事があらかじめこういうレベルになった場合に避難勧告をするという、はるかそれよりも低いものによって避難勧告を出さざるを得なくなったという事態もいろいろあるようです。
 しかし、私はもう最後になりましたからまとめてお伺いをいたしますけれども、このことは続いて私はずっと政府の対策をただしていきたいと思いますが、IEAが以降石油火力をつくらないという決定をしたことはこれ事実であるかどうかですね。そして、日本もこれからは石油火力はつくらないというこのIEAの取り決めに対して同調をしていこうというように報じられておりますけれども、このことが事実かどうか。
 それから、そうなりますと石油火力が今後新しく建設できない、建設はしないんだと、あるいはまたそこまでいかなくても、石油火力の建設の度合いを落としていくんだということになりますと、しからばそれに見合うものは何によって補うんだということになるんです。長期暫定見通しは、昭和六十年、六十五年まで省エネルギー分を含んでかなり細かな、私に言わせると非常にその実現は困難だと思いますけれども、そういう見通しが出されておるんです。そうなりますと、石油火力の減分ですね、減る分、それを何によって賄うのか、私は石炭の利用を積極的に進めていこうということに反対ではありません。石炭であろうとLNGであろうとあるいは地熱であろうと、その他のいろんな波力、潮力あるいは太陽熱の利用、あらゆる新エネルギーにすべて賛成。これはもうエネルギーバランスが崩れたら、どんなりっぱな政策なりりっぱなことを言っても、国民生活はもうこれはめちゃめちゃになるわけでありますから、したがってこれは全部賛成ですが、前提としては原子力は安全であるべしというものが、これは原子力をエネルギー源として選択するに足りるというか、十分な安全が確保されなければならないということが前提であると同じように、石炭についても、環境に対してどういう影響があるのか、これは現状では原子力以上に人間生活には環境に対する影響があると私は思う。しかし、環境に与える影響をどうなくして、そして人間の幸せのためにこれを利用するか。やらなきゃいけません。これは、ちりをどうするのか、あるいはNOx、SOxをどうするのか、あるいはたきがらの処理をどうするのか、これだけだってこれは大変ですよ。それから日米協力協定を結んでおる液化技術の開発、ガス化の問題もその後にあるでしょうが、こういうものの見通し、それに対する取り組みはどうなっておるのか、こういう点ですね。これはどうしてもここでわれわれは同時にこういうことをやっていきませんと、ただ単に原子力問題だけを取り上げてとやかく議論するのは私は非常に危険性があると思う。
 そこで、おしまいですからやってしまいますが、石炭対策というものは短期中期的に見て当面それほど期待の持てるようなものではないとすれば、原子力以外に何があるのか、エネルギーの裏づけとしてこれは全部われわれは取り組もう、しかし原子力をなしにした場合、原子力の開発が非常におくれた場合、その代替エネルギーがあるのかないのか、大変にたくさんの課題ですが、とりあえずその基本だけ伺って、あとはこれからの次々の質問にいたします。
#312
○政府委員(児玉勝臣君) 先生ただいまおっしゃいましたように、IEAにおきまして、三月の一日、二日とパリで会議が行われまして、その際、石油専焼火力を原則としてつくらないということ、それからエネルギーを五%節約すること等のエネルギーのいわゆる先進国間の約束事と申しますか、申し合わせをしたわけでございます。したがいまして、日本といたしましてもその線に沿いまして五十四年度の電力の施設計画というのをつくっておりますが、それによりますと、石油の専焼火力につきましては、もう石油専焼火力以外のものはつくれないという非常に立地的にむずかしいところ、さっき先生おっしゃったように灰捨て場だとか、それから揚炭場とか、そういうようなものがもはやつくり得ないところについては石油を認めるといたしまして、現在石油は六千万キロでございますけれども、それを昭和六十年には六千四百万ぐらいにする。ということはわずか四百万ぐらいの増加しか認めないというふうにしております。しかし、これは全体の電源のシェアで申しますと、五十三年度は石油に五一・七%頼っておりますけれども、六十年度ではこれで三六・二%ということで、非常に脱石油ということをねらっておるわけでございます。しかしながら、あと、ではそれの分をどこがしょうのかということになりますと、石炭におきましてはただいま四百四十一万キロの電源がございますが、これを九百九十五万キロと約倍以上にするという計画になりますし、LNGにつきましては一千三百三十六万キロのものを三千三百九十六万キロということで、これも二・五倍ぐらいの増加という非常な増加をしない限り脱石油ができない。原子力につきましては、二千九百八十八万キロという約三千万キロということで考えております。まあそういう意味では、石油の減ったシェアの分を石炭、LNG、原子力で分担しておりますが、その中での増加の最も大きいのは原子力、率といたしましてはLNGが大きいわけでございますが、まあ原子力がその石油の節約の効果という意味からいきますと、何といってもこれは原子力はベースロードに入りますので、これは単にキロワットだけのバランスだけじゃなくて、キロワットアワーのバランスの方からいきますともうちょっと大きな寄与率になるのではないかと思います。そういう意味で、原子力の開発というのは欠かせない問題であるということは言えるかと思います。
#313
○中村利次君 これは次回以降ひとつ大いにこういう大事なことは議論していきたいと思います。
#314
○委員長(塩出啓典君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会をいたします。
   午後六時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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