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1978/05/30 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 物価等対策特別委員会 第4号
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1978/05/30 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 物価等対策特別委員会 第4号

#1
第087回国会 物価等対策特別委員会 第4号
昭和五十四年五月三十日(水曜日)
   午後一時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     渡部 通子君     相沢 武彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         夏目 忠雄君
    理 事
                斎藤栄三郎君
                鈴木 正一君
                高杉 廸忠君
                桑名 義治君
                木島 則夫君
    委 員
                衛藤征士郎君
                山東 昭子君
                下条進一郎君
                世耕 政隆君
                藤井 裕久君
                真鍋 賢二君
                大森  昭君
                田中寿美子君
                相沢 武彦君
                下田 京子君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       小坂徳三郎君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局審査部長  妹尾  明君
       経済企画庁調整
       局審議官     廣江 運弘君
       経済企画庁物価
       局長       藤井 直樹君
       経済企画庁総合
       計画局長     喜多村治雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       国土庁土地局土
       地利用調整課長  下  壮而君
       国土庁土地局地
       価調査課長    久保木哲彦君
       大蔵省理財局国
       債課長      北村 恭二君
       資源エネルギー
       庁長官官房国際
       資源課長     沢田  仁君
       資源エネルギー
       庁石油部流通課
       長        竹内 征司君
       建設省都市局区
       画整理課長    和田 祐之君
   参考人
       日本銀行理事   中川 幸次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (当面の物価等対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(夏目忠雄君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十九日、渡部通子君が委員を辞任され、その補欠として相沢武彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(夏目忠雄君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 日本専売公社法等の一部を改正する法律案について、大蔵委員会に対し、連合審査会の開会を申入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(夏目忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(夏目忠雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(夏目忠雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 当面の物価等対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、参考人として、日本銀行理事中川幸次君の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(夏目忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(夏目忠雄君) 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○大森昭君 限られた時間の中での質問でありますから、まず総論的にちょっと見解をただしたいんでありますが、いずれにしても、きょうの本会議で総理自身が、物価についてはもうまさに警戒の段階だという、まあ認められた発言をされておりますが、どうも私どもがいろいろ資料を見ますと、時期的に多少ずれていますが、総理府の統計局ですか、こういうものを見ましても、簡単に短く、一口で言うととにかく収入はふえている、名目も、実質も。そして、消費支出の方は物価が安定をしておって、そういう意味では実質賃金は上回っているとか、それからもっと内容を調べていきますと、エンゲル係数で国際的水準から見ればそう日本の生活は苦しくない、一口で言いますとね、ちょっと暴論でありますけれども。そういうようなことがいままでしばしば統計上出てくるんであります。
 どうも私不思議でしようがないんでありますが、これまた、企画庁の物価局がとっている調査ありますね、これを見ますと、これはいずれにしても国民の関心は一番物価にあって、しかも、日本の政策の中で物価政策が一番おくれているというような意味合いの調査結果が出ている。これはまさに物価指数と実感が合わないということが今日の大多数の意見じゃないかと思っているのでありますが、また、それをずっと調べていきますと、物価局長が書かれたのかどうかわかりませんが、「物価への理解を深めるために」という中にまたそのことが書いてあるわけですね。物価指数と実感が合わないのはなぜかということで三項目程度書いてありますが、私は、まず理論的にと言いますか、言われることを全部否定するわけじゃないんでありますが、少し物のとらえ方が、初めからどうも統計のあり方――統計を基礎に政府側は行政を行っておる、国民の側はまさに実感に伴って、物価が高いと言われておる。この辺のかみ合わせを一致しないでこれを議論しておりましても、与えられた時間の中でいろいろ質疑をする、答弁をするということで委員会は終わっていくんだろうと思うのでありますが、まず、その辺の物価指数と、まさに国民全体とは言いませんが、大部分の方々が今日の物価の実感と合っていないということが、単に生活水準の向上による支出が増加をしておることだとか、あるいは消費のレベルアップをしているということだとか、あるいはとかく物が値上がったら、その部分だけ見ているから何か物価が上がったんだというようなことだけで、本当に統計上あらわれてきているように物価というものは安定しているのかどうか、この辺のところを少しかみ合わせてお互いに議論しないと、これからのまさに危険状態と言うよりか、もうインフレ段階に突入しているというふうに私は理解をいたしますが、その対応策がおくれるんじゃないかと思うんでありますが、その辺はどうでしょうかね、総論的に。
#10
○国務大臣(小坂徳三郎君) 現在あります諸種の統計と生活実感の段差と申しましょうか、それはわれわれ自身も常に感じているところでありますが、しかし、現在の物価指数のとり方そのものは、専門的に後ほど物価局長からお答え申し上げますが、やはり、世界的に決められた一つのルールの中で、同じようなウエートで同じような品目を集めて集計をしておるわけでありますから、そのもの自体が必ずしも間違っているとも言い切れない。ただ、生活実感の中で、やはり物価高という印象は四十八年以降のあの猛烈なインフレ、それが一つの土台になってずっと来ているわけでありますから、そうした意味において、一種の高値安定状態であると思うんでありますがその中で、特に国民生活の中に根差しておる一つの物価高の印象というものは、やっぱり食料品、食料費が高いということ。それから最近は特に学校の教育関係の費用が非常に高くなっているということ。また、もう一つは、住宅関係で、住んでみている実感としての環境に対する感覚が必ずしも満足でない。たとえば、住居が非常に狭いとか、あるいは騒音があるとか、公害があるとかというようなこと。そうしたような生活実感、それがやはり一つの物価感につながっておるんだと思うのであります。
 私は、いま委員の御指摘になりました点を詰めて話すということは非常に大事なことだと思うのでありまして、われわれは、あくまでも統計資料だけに基づいての答弁をしていてもこれは何の進歩もない。また逆に、生活実感だけの問題をいたしましても、これはまた政策的にどうした反映もないということでありまして、御指摘のとおり、やはりこの物価問題は今日の最大の問題でございますので、ぜひ、そうした意味において、われわれも各委員からのいろいろな御示唆に対しては十分承って、それを行政的に生かすということをひとつ努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
#11
○政府委員(藤井直樹君) 現在の消費者物価指数の作成の仕方でございますけれども、家計指数を分析いたしまして、消費者が購入する中でウエートの非常に高いもの、さらには品目の動きに対して代表性があるもの、さらには、どの地域においても継続的に購入できるというようなものを選びまして、現在、四百八十五品目について価格の調査をいたしまして、そしてその動きを加重平均したものでございます。
 それで、世の中の流れに従いまして暮らしの内容も変わるということでございますので、五年に一遍、その内容をチェックいたしまして、品目の追加なり削除をするとか、それから家計支出の中に占めるウエートも変わってまいりますので、その加重平均をするときのウエートの変更をいたしますとか、そういうような形でやっているわけでございますが、この辺については、統計審議会等の議も経まして国際的な比較にもたえられるように十分念査されたものとして現在やっているわけでございまして、一応その計数の面から物価の動きをとらえるということとして見ますれば、いまの消費者物価指数というものがやはり現在考えられるものとしては一番適切なものじゃないかと思っております。
 それで、実感との関係について、先ほどお取り上げになりました「物価レポート」の中でも言っておりますが、そこで言っておりますことは、日ごろ消費者がよく買う物の値段がやはり消費者の頭の中に残っているとか、それから最近値上がりした物の印象が強いとか、さらには、もっと言いますれば、生活水準がだんだん上がってきて同じような物でも高級な物に移っていく、その価格が上がっていくことが反映されるとか、いろいろあるわけでございます。しかし、そういうこともございますけれども、私どもの方としては、この指数の動きと同時に、消費者の実感というものの動き、そういうものについては、十分注意して、物価対策を進める際にそれを考えてやっていきたいと考えておるわけでございます。
#12
○大森昭君 経済の仕組み、物価の取り扱いというのはそう簡単なものじゃありませんから、大変御苦労されているんだろうと思うのでありますが、いま長官からも言われましたように、たとえば教育費の問題だとか、土地の問題だとかというのは、十八世紀のエンゲルの話を引用したって、十八世紀にはこんな教育費を払っていたわけではないでしょうし、土地も、これはいまの日本が置かれているような状態でないわけでありますから、何か新しい、生活の豊かさについて、やはり一つのものをつくり上げて、統計なら統計をつくるという発想を転換をしていきませんと、どうも、いつも統計と実感と合わないということになるんじゃないかと思います。
 しかしいずれにしても、きょうの日銀の発表によりましても、これは数字的に、私が言うまでもなく卸売物価は大変な高騰をしておりまして、まさに一口で言いますと、狂乱物価の前夜を思わせるような卸売物価の上昇になっていると思いますが、一体、このことについて、政府としてはどのように理解をしておって、また、この卸売物価の上昇についてどのような対策を立てようとしているのか。各品目いろいろありますから、上がっているのもあるし下がっているのもあれば、横ばいのやつもありますが、主として木材だとか石油などについては、高騰しておりますが、何らかの対策というものはお持ちになっておりますか。
#13
○国務大臣(小坂徳三郎君) 卸売物価の現在の上昇は、われわれはまず第一に、一番大きな原因としては円安、それから石油価格の上昇、それと中ソ国境紛争に端を発しました、何と申しましょうか、全世界に波及しました一次産品の上昇、これが今日の卸売物価上昇の分析の結果では、五割ないし六割がそういう原因である。あとの残りが国内的要因。これも御承知のように、だんだんと景気が少しよくなっております。それが定着しつつありますから、そうした面での上昇というものが考えられているわけです。
 われわれは、このような外的な要因に対してどう処置するかということにつきましては、やはり、なかなかこれに対しての手が打ちづらいのは御理解いただけると思います。しかし、全く手を打たないわけではないので、先般来一番われわれが強調いたしましたことは、そのような原因で上がっているとしましても、やはりいまの物価を安定させるということが、日本の現状にとりまして非常に重要なことなんであるから、そうしてまた一方においては、景気をある程度維持して、その中で失業の改善を図っていくということ、これは至上命題であるのだから、そういう意味において、やはり物価の上昇ということが、ただ外的要因あるいは内部の需給の強含みということだけで価格が上がっていくのを放置することはできないのであって、むしろ、そのために特にわれわれはいま要望していることは、生産性を向上して、そうした外的要因によって上がっておる原材料資材の価格上昇を、コストになるべくはね返らせないようにするという努力を要請しておることが一点。
 もう一点は、やはりこうした情勢を踏まえて便乗値上げということが非常に多いわけでありますが、その便乗値上げに対しては特段にそれを自制してもらうというようなことを中心に施策を進めておるわけであります。もちろん一面におきましては、石油が上がったから政府が価格に介入したらどうだという御意見もたまに出ておりますけれども、しかし現状の中で政府が価格に介入するということは、むしろ異常にこれは混乱を招くものであるし、またそのような現段階でもないという認識を持っておりますが、いずれにいたしましても、いまは物価の動向については監視をしていくということ、そしてまたある場合には生産性向上あるいは供給力が不足するという、そうしたことに対しては独禁法の活用を大いに進めてまいって、便乗というものに対してもそれぞれ対応していくというような方向が一つあると思います。
 もう一つは、そうしたことが経済界に起こり得るような条件の一つとしては、やはり金融の非常な緩慢な状態だと思うのでありまして、そうした状態に対応して先般、日銀は公定歩合の引き上げをいたしたわけでありますが、これは直接に物価を下げるということよりも、そうした便乗であるとかあるいは生産性向上という意欲を価格に転嫁していこうというような動きに対しての一種のインフレ心理を中断したいという意図でやったことでございますが、そのような方向等をとりながら、現実においては十分に流通部門そして製造部門から流れていく流れをフォローして需給関係を明確にし、そして価格の動向についても常に重要物資については監視をしていくと、そのような体制をしくことにいたして、本年の二月の二十六日以来、また四月の五日に重ねて会合を、物価担当官会議を開きまして、こうした対応をいま進めているところであります。
#14
○大森昭君 言われることは理解できますが、しかし、いずれにしても卸売物価の高騰はこれ消費者物価にはね返ってくると思うんですね。ということになりますと、いま総論的なお話よくわかるんでありますが、少なくとも尋常一様な従来の対策であっては、これはなかなか容易にこの物価上昇を鎮静化するということはできないと思いますので、そこで物価担当官会議というお話がありましたけれども、もう少し高い次元で、いま長官が言われますように、金融の問題から円安、円高、いろんなそういう関係やらという総体的な立場で、この危機的段階について政府は、もう少し決意というものは特段ないのでありますか。
#15
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま申し上げましたような物価担当官会議は、それぞれ各省庁、日銀、公取を全部含めての組織でございまして、そこに参加する人々はいわゆる各省の代表でございまして、そのような場において、一品目ずつそれぞれの事態に対して担当者が報告をし、それに対する対策を同時に協議するという形で進めておるわけでございますが、私は現時点の中では、むしろそうした努力と一緒に、先般経済界の首脳者とも会談をしまして、生産性向上とあるいはまた便乗値上げをぜひとも防遏するという政府の決意を伝えて協力を要請をいたしたわけでございまして、こうした事態の中で、今後もうしばらく推移を見てもいいのではないかというふうにも思うわけでございます。ただ、手ぬるい対策ではないかという御指摘だと思いますが、現時点におきましては、この程度の対策をこまめに早手回しに着実に打っていくということが、やはり物価の安定には一番私はいい方法ではないかと考えておるわけでございます。
#16
○大森昭君 政府の経済の見通しの中での消費者物価は四・九ですね。そうしますと、仮に四・九が六になるとか七になるとかという状況じゃないんじゃないかと思うのであります。少なくとも二けたになるでしょうし、その二けたもいまの状態でいけば二〇%前後をいくんじゃないかという状態だとすれば、もう少し、四・九という経済見通しのこの見通しのまずさとは言いません、その当時そういうことでいろいろ検討して経済見通し立てたんだと思うのでありますが、しかしこれをはるかに上回るという段階の中では、その都度その都度の物価の上昇に見合っての対応策というよりかも、もう少し長期的に、いまの状態でいった場合に、大変政府の経済見通しと狂ってくるという状態の中では、先にやはり対策を立てるということが、新たな角度であっていいんじゃないかと思うんですが、一体この卸売物価と消費者物価の兼ね合いですね、どうもこれも聞くところによりますと、卸売物価は大変高騰しているけれども、そう消費者物価にはね返らないんじゃないかというような説もあるようでありますが、この辺の関係はどういうふうに判断されておりますか。
#17
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員の仰せられたとおり、私はやはり消費者物価に卸売物価が影響することは、相当タイムラグがあると考えております。特にまた、消費者物価自体も、季節商品であるとかサービスであるとか、そうした卸売物価とは直接関係のないものが、相当に消費者物価においては影響力を持っておる関係もございまして、したがいまして相当のタイムラグがあると考えているわけでございます。しかし、長期的に見る場合にはこの影響は必ず受けるであろうということはもちろん予測しておるわけでございますが、現状の中においての四・九%の本年度の消費者物価の上昇というものについては、まだ私らはそれを改定しなければならぬであろうという予測も、また具体的な数値も持っておらないわけでありまして、もしもそうした事態が起こる可能性というものを考える場合には、異常なインフレ心理がさらに社会的にびまんするというようなことでもない限りは、起こり得ないのではないかと思いますし、またこの四・九%というものを大台としまして、われわれとしましては全力を挙げて消費者物価の上昇を、この程度に食いとめる努力を今後続けてまいりたいというふうに思っております。
#18
○大森昭君 少し見解が違うようでありますが、いずれにいたしましても、少し各論に入りたいと思いますが、昨日の新聞によりますと、公取の石油の問題でありますが、やみカルテルをやったんではないかというような新聞報道がありますが、通産省は、これは新聞記事でありますから、そのとおり言ったかどうかというのは別でありますが、多少やむを得ないんじゃないかというような少し業者側に立ったような記事が載っておりましたけれども、いずれにいたしましても、小さいときから物事をきちっと対処いたしませんと、どうもああいう見解が出されるということは、暗に石油の問題について値上がりすることもやむを得ないなんというのは、いま長官が言われたように、四・九%を見直しをしないという根拠の中に、世上そういうインフレ的な動向が出れば別だけれどもというお話がありましたけれども、どうもああいう通産省の見解などが出されることは非常に問題じゃないかというふうに思います。いずれにしましても新聞記事でありますからよくわかりませんが、一体、公取は今日のこのようなもろもろの物価上昇の中で、とりわけ石油について関心を持たれて対処したんだろうと思うのでありますが、実際の中身というのはどういうふうになっていますか。
#19
○政府委員(妹尾明君) 本年の三月ごろから、主としてガソリンの関係でございますけれども、値上げの動きがございまして、これにつきまして各地で消費者等から値上げの仕方がおかしいんではないかと、独禁法違反のカルテルがあるんではないかと、こういう情報といいますか、報告が多数参っておるわけでございます。それで、私どもといたしましては、そういった報告、情報がありました地域につきまして値上げの実情はどうなっているのかと、果たしてそこに人為的な一斉値上げがあったのかどうかということを、現在かなり多数の地域で調査をいたしております。
 それから、特に大分県の石油商業組合の関係につきましては、値上げの問題のほかに、値上げに関連しましてしばしば起きる問題ではございますけれども、お客の取り合いをやってはならないと、こういう方針を出しまして、これに反するときには制裁措置をとるというふうな動きもございましたので、この大分の組合の関係につきましては、独禁法の四十六条に基づきまして立ち入り検査を行いまして、本格的な調査に入っております。先週二十五日に立ち入り検査を行いまして、調査を始めております。
#20
○大森昭君 そうすると、明らかにあれですか、いまの公取の調査の中ではやみカルテルで実施をしているということまで突きとめられたわけですか。
#21
○政府委員(妹尾明君) もちろん調査に入りますからには、一応そういう疑いがあるということで入ったわけでございますけれども、本当にあったかどうかは調べてみませんと、ちょっといまの段階でははっきり申し上げかねると。果たしてそういう事実があったのかどうかを今後立ち入り検査をいたしました結果に基づきまして、るる事情等を十分聞きまして詰めてまいると、こういうことでございます。
#22
○大森昭君 そうすると、いまの状態ではまだ結論が出ていない、調査中だと、こういうわけですね。私はこういうものというのはそんなに時間がかからぬと思いますので、だから、なるたけ早いうちにやりませんと、これは三月の話でしょう、いまのあなたのお話は。もうすでに、聞くところによれば、これまた五月の段階でもあったという話も聞いておりますし、そういう意味合いでは公取の方々もなかなかそう定員がたくさんあるわけじゃないんでしょうけれども、とにかくもう国民全体にかかわる物価の問題であります。とりわけ、長官も言われましたように、原油の値上げというのはもうもろもろの物価に大きく影響いたしますから、早急にひとつ結論を出していただいて、監視体制をより強化をしていただきたいと思うんでありますが、そのほかに、これから公取として、いわゆる八項目だったですか、前に経済企画庁が出した。これに基づく、もろもろのことで何か具体的にこれから物価の上昇に見合って処理をする方針というのはあるんですか。
#23
○政府委員(妹尾明君) 最近の状況は、先ほど来いろいろ先生御指摘のような値上げの気運といいますか、OPECによる原油の値上げ等に始まりまして、原油の供給不足等も絡みまして非常に値上げ要因がたくさんあるという状況でございまして、値上げそのものはこれは独禁法とは直接関係ないんでございますけれども、その値上げの要因のある背景のもとで、便乗してといいますか、違法なカルテル等によりましてこれを消費者等に不当に転嫁する、こういうことが起こる危険性も同時に出てきておるんではなかろうかと、そういうふうな見方もできるわけでございまして、当方といたしましては、特にいろいろそういった値上げに関連しまして心配の持たれる分野につきましては、便乗的なカルテル行為が行われないよう価格の動向、需給の動向等につきまして十分注意し、監視してまいりたいとこのように考えております。
#24
○大森昭君 いずれにいたしましても、私どもは狂乱物価で一度経験をしているわけでありますから、同じことを繰り返すということは能のない話であります。そういう意味では、いまお話がありましたように、公取の任務というのは非常に重大でありますから、どうかひとつぴしぴしやっていただいて、少なくとも事実がわかれば、そういうことについての破棄勧告を行ったり、ひとつ十分監視体制を強めていただきたいと思います。
 そこで、公取はそういうことなんでありますが、経済企画庁としても、先ほど言いましたように物価対策の八項目を決めているわけでありますが、石油以外について、いま経済企画庁としては、これに類するような、やみカルテルに類するようなことについての監視というのはどういうふうになっておりますか。
#25
○政府委員(藤井直樹君) この八項目のトップにございます重要な物資についての価格の監視でございますが、これにつきましては、現在のところ都道府県の方にお願いをしているものが生活必需品について四十六品目ほどございます。それから、国民経済上重要な産業資材等については通産省、さらに建設資材等については建設省がそれぞれ流通業者に対する問い合せ等も含めまして毎月の動きを監視しているわけでございますが、ただいまのところ、いまおっしゃったようなやみカルテル的な動きで価格が動いているということについての情報を把握しているということはございません。
#26
○大森昭君 公取の方、結構です。どうもありがとうございました。
 石油とこれはまた匹敵するようなんでありますが、土地問題ですね。せんだってECのレポートで、ウサギ小屋だと言われて大変憤慨している人もいるようでありますが、正直に言いますと、ウサギ小屋というのは少しちょっと言い過ぎでありますけれども、まあそれに似たと言うとこれまた怒られるかもわかりませんが、とにかく全体ではありませんが、いま、いずれにいたしましても土地の政策の中で個人が、いわゆる勤労者が家を持つということはこれは容易なことじゃありません。そういう意味合いで、また最近この土地が急激に暴騰しております。土地の政策というのは、高度成長の時代からいろんなことを税制の問題から行われてきているわけでありますが、一体今日のこの土地政策について、どのような対処の仕方をしているのか。聞くところによりますと、いろいろ法案を通したり、いろんなことを対策は立てているけれども、十分にそれに即応して実施をしていないというような話も一部聞くわけでありますけれども、このような土地事情であっては、当然これは住宅事情というのは庶民のものになりません。もう良質な住宅なんてとても確保できませんということで、一体最近の地価の動向を見て、どのような具体的な方針を推進しているのか、答弁していただきたいのですけれども。
#27
○説明員(久保木哲彦君) お答え申し上げます。
 まず最初に、最近の地価の動向について申し上げたいと思いますけれども、昭和五十四年のこの四月一日に地価公示が行われましたが、これは昨年の五十三年一月からことしの一月にかけての一カ年間の地価の傾向、これをまとめたものでございます。これによりますと、全国では五・二%の上昇ということで、全体的に見ますと、おおむね安定的と言えるかと思うのでございますけれども、これは地目別あるいは地域別にはいろいろ差がございまして、工業地などでは二・七%、商業地でも三・一%といったような上昇率でございましたのに対しまして、住宅地は六・五%、こういうことでございました。特に、三大圏の住宅地では八・一%というような上昇となっておりまして、強含みの傾向というものが見られるわけでございます。まあこういう傾向を持っておりますけれども、三大圏の住宅地につきましても、価格水準がやや上位のもの、たとえば東京で申し上げますと、十キロから十五キロ圏、価格で平米当たり十四万円といったようなところで一番上昇率が高うございまして、九・六%というようなことでございました。総じて、東京圏では五キロから三十キロ圏がまあ平均を上回る上昇率というような傾向になってございます。
 こういう傾向がございますけれども、こういう住宅地についての上昇率が高いという原因につきましては、まず、交通体系の整備が行われる。いろいろ地下鉄の相互乗り入れが行われる、あるいは公共事業として道路等が整備されるといったようなことがございまして、宅地としての利便性、快適性、こういう効用が増大するといった面もございます。この点は一般の物価と少し違う傾向ではないかというふうに考えております。まあしかしながら、最大の要因といたしましては、この大都市の都心に近い地域で住宅地の需要が旺盛でございまして、それに対しまして供給が不足するというような事態がございます。これが最も大きな要因ではないかというふうに考えておるわけでございます。しかし、昭和四十八年ごろの地価高騰時、このころは二〇%から三〇%といったような年間上昇率がございまして、全地域、全地目について値上がりを示した時期でございますけれども、こういうような時期のような情勢、すなわち投機的な取引が非常に行われた、こういうような徴候はございませんで、いまの宅地需要というものは、実需に伴う取引というふうに考えているわけでございます。
 こういうような情勢でございますので、これを踏まえた地価対策というものが必要になってくるわけでございますが、そこで、地価対策の何といいましても課題というのは、一番の問題は、四十七、八年当時のような投機的取引が行われるということになりますと、これは地価の高騰というものにつながってまいります。したがって、これを排除するということがまず第一に必要でございます。それとあわせまして、住宅地の需要に対して供給が不足しているということを、いま地価値上がりの要因として挙げましたけれども、これに対する対策としては、住宅地の供給というものが必要であるということになってくるわけでございます。こういうような、投機的取引あるいは住宅需給のギャップというものを埋める、こういう施策というものを展開する必要があるわけでございますので、国土利用計画法の適確な運用ということを行いまして、投機的な取引、あるいは地価の高騰を排除するということ。あるいは、税制もいろいろ整備がされておりまして、個人の土地譲渡所得課税制度、あるいは法人の土地譲渡益重課制度、あるいは特別土地保有税制度等、いろいろな税制がございますので、こういったものによる投機的な土地取引の抑制も図っていくというような施策を講じているわけであります。また最近では、土地関連の融資、これが少し問題であるというような指摘がございまして、不要不急な土地関連融資についての抑制、こういうものについても、大蔵省の方でいろいろ御努力をお願いしているというようなことでございます。
 それから、宅地供給が一番大事な点でございますけれども、これにつきましては、計画的な宅地開発を行っていく、あるいは市街地の再開発事業を促進するというようなことが必要でございますので、それについての、財政上あるいは金融上の措置、こういったものについての拡充強化を図っておるわけでございます。住宅宅地関連の公共施設の整備、これが非常に高水準のものが要求されるということで、デベロッパー等の負担が増大しております。こういうようなことにかんがみまして、国庫補助、これを六百億円本年度の予算で措置をする、あるいは住宅金融公庫の融資の拡大を行うといったような施策も講じているわけでございます。そのほか、宅地供給という点から見ますと、都市計画法の線引きの見直しをするということによって、市街化区域の拡大を図るということも大事でございまして、そういった面の対策。あるいは土地税制、これは投機的取引を抑制するような土地税制になっておりますけれども、優良な宅地供給につながるものについては穴をあけて、これに対しては適正な税率にしていくといったような改正を行っているわけでございます。
 こういったような総合的な施策を講ずることによりまして、地価の安定を図っていくということが必要ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#28
○大森昭君 冒頭申し上げましたように、統計上のお話をいたしましたけれどもね、実感と統計の。全国平均で五・二%といったって、全国平均なんてのは何の意味もないんですよ。そうでしょう。で、いまあなたの話だと、また、仮に東京の十キロないし十五キロ圏内ですか、九・六%。どういう統計をとって、どういう数字ではじいてるのかわかりませんがね。現にこの間、伊奈の問題見てごらんなさい。伊奈町の一つの例見たって、あれだけの高騰してるでしょう。確かにあそこはいま言われたように交通の関係が一部含まれてるのかもわかりませんよ。しかし、いま東京だとか大阪の人たちがいかに持ち家が少なくて、住宅困窮者が多いわけだから、全国平均で五・二%だ、五・三%だとかというような数字でもって土地の政策なんかをやられておったんでは、これは国民というのはとてもじゃないですけれど納得いたしませんよ。納得じゃなくてどうにもなりませんよ、これ。ですから、そういう全国平均よりかも、むしろそういう東京近郊、あるいは大阪、最も持ち家が少なくて、もう借家人、アパート暮らしの人が多いわけでしょう。そういう人たちについて一体重点的にどのような施策をしていくかと。
 それで、いまあなたいろんなことを言われました、総論を。しかし、結局のところ結論は供給不足なんですよ。そうでしょう。それは、需要と供給の関係で世の中動いてるんだから、供給不足になれば物が高くなるのあたりまえですよ、ということなら、国土庁も要らなきゃ、経済企画庁も要らないんですよ。そこで、いまあなたが総論的に言われたやつについてここで一々、まあ国土利用法が適確に、適正に運用されてるとかされてないとか、あるいは税制上の問題がどうだとか言う時間がないから各項目には移りませんがね。しかし、少なくとも、今日置かれておる石油の問題、土地の問題というのは二本柱ですからね、もう少し即決、英断をもって対応策を立てていかないと、とてもじゃないけれども、あなたのお話で九・六%上がってるといっても、上がった価格に対して住宅買う人ってのは二千万も三千万もあるんじゃないんですよ、これ。そうでしょう。住宅金融公庫から金借りるでしょう、利息が幾らついて、幾ら払うんですか。そうすれば、実質的に、あなたの数字で九・六%といってもね、それだけの所得というのはふえてないんでしょう。その上にまた金利を負担するんでしょう。大変なものなんですよ。ですから、そういう意味からいけば、まあなかなか日本の国土というのは諸外国の例と比較をして広くありませんから、それはきわめてむずかしいところもあろうかと思いますけれども、とにかく、こういう形で土地の価格が上がっていくということは、これは勤労意欲をなくしますよ、正直言って。何といったって住まいが確立されなければ人間というのは落ちつかないんですから、これ。
 そういう意味からいきますと、きょうは時間がありませんが、もう少し大胆に土地の問題について対処していただきたいし、各項目に移りませんが、一体伊奈町の問題ですね、あれについて国土庁は調査をされて、あの問題から何か教訓といいますか、いろいろ対応策というもめはお考えになったんですか。
#29
○説明員(下壮而君) 伊奈町の問題につきましては、昨年の秋に例の新交通システムと称しておりますが、上越新幹線の建設に関連をいたしまして、上越新幹線の両側にガイドウエーバスというものを伊奈町から大宮まで走らせるという構想が発表されまして以来、私ども県と密接に連携をとりながら実態の把握と申しますか、事態の監視を行ってまいってきたわけでございます。そのために、特にあそこにつきましては私ども一般に国土利用計画法の規制区域制度の発動ということに関連をいたしまして規制区域指定事前詳細調査、つまり要注意であると認められる地域につきまして特別の調査を実施いたしまして、事態の監視を行っておるわけでございます。その新交通システムの発表前までは、伊奈町につきましてはその対象に含めておらなかったわけでございますけれども、その発表をきっかけといたしましてその対象に含めまして、さらに一般の地区よりも濃密に地点等もふやしまして埼玉県におきましてその調査を実施していただいておるわけでございます。いままでのところ、伊奈町につきましては区画整理が済んだところがございまして、そういうところでの地価が、区画整理が済んで土地条件がよくなったということを反映いたしまして、若干上昇しておりますが、伊奈町全般につきまして地価が異常に高騰しておりますとか、あるいはこの規制区域制度発動の前提になります投機的な取引が行われておる、集中して行われておるというような気配はなかったわけでございます。
 で、先日新聞紙上に伊奈町北部土地区画整理組合の行いました土地区画整理事業の保留地の処分をめぐりまして非常に入札者が多数集まって、また値段が高いものが出たという記事が出たわけでございますが、これにつきましても、私ども埼玉県を通じていろいろ実態を把握したわけでございます。これはこの区画整理組合の行います保留地処分、今回が四回目でございまして、前三回の売却に当たりましては、いずれも入札方式でやったわけでございますけれども、値段は予定価格とほぼ一致しておる、余り高い値段は出なかった。さらに売れ残りが相当出ておると、そういう経緯がございまして、区画整理組合の方で、そういう前に売れ残りが出たという経緯を考えまして、今回は最後の処分でございますので売れ残りが出ないようにということで、たとえば広告等を相当念入りにやったというようなことが影響して非常に多数の入札者が参加された、それによりまして、入札でございますので、そのときの何と申しますか、雰囲気にあおられたと申しますか、そういう事態も率直に申しましてあったようでございまして、ああいう値段が出たわけでございます。また一部に、ある大手のプレハブ会社の社員が社員名でもって一人数区画を買うというような事実もあったようでございます。そういうような要因が重なりましたいわば特殊な事情が重なってああいう結果になったというふうに、私どもも埼玉県も理解しておるわけでございまして、いま直ちにあの事態をもってあそこで投機的な取引が盛んに行われておる、あるいは行われる兆しがあるというふうにはどうも考えられないというのが、埼玉県及び私どものこれは実態を検討いたしました上でのただいまのところの見方でございます。
 ただ、いずれにいたしましても、ああいう事態から見ましても、この伊奈町の地域が非常に警戒を要する事態にあるということはもう確かでございますので、私どもさらにその監視を強めまして、事態の推移によりまして時を失することなく機動的、効果的にその規制区域の指定を必要に応じて行うという基本的考え方、これにつきましては、この実際の発動に当たりますのは埼玉県知事さんが判断されるわけでございますけれども、埼玉県の畑知事さんも私どもも基本的な考え方は同じくしておりますので、今後連携を密にとりまして対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#30
○大森昭君 私も伊奈町に行っていませんから、あなたのお話を信用いたしますが、いずれにいたしましても、何か特異な例ということではないんじゃないかというふうに理解するのでありますが、いまあなたのお話では特異な例だということですがね、いずれにいたしましても、ああいう形で新聞報道されますと、大体伊奈町で幾らぐらいなら、わが住んでいるところは幾らぐらいになっているだろうとか、いろいろなことがこれはもう波及することが大きいわけでありますから、どうかひとつ特異な例なら個別的な解決をしていただくわけでありますが、私は風潮として、どうも土地対策というのは、いまあなたが言われるように特異なことじゃなくて、全体的にそういう風潮になっているのじゃないかということを感じますので、よろしくひとつお願いをしておきたいと思います。
 次の問題に入りますが、長官、せんだってまでは何を言われてもとにかく消費者物価を安定をしてということを言われておったわけですがね、いろいろ考えてみますと、そういう消費者物価が安定をしているというのは、公共料金が比較的値上がりしないときは消費者物価が値上がりをしないんじゃないかという感じをするのでありますが、どうも今年度はせんだっての国鉄料金、これはもう法定緩和をいたしまして四回も値上がりして、場所によっては私鉄よりかも倍の料金を払わなければいけないというようなことだとか、いろいろ言われていますが、たばこ、健保、大学、入学料、高速道路、タクシー、いろいろメジロ押しにこの公共料金が値上げされるような状況下にありますが、どうも私どもの調べではこの公共料金だけでも一・五%程度消費者物価にはね返るんじゃないかということが言われておるのでありますが、一体いまそれぞれ値上げしようという問題は、消費者物価にどのぐらいはね返りが来るのでありますか。
#31
○国務大臣(小坂徳三郎君) 政府で今年度の消費者物価に対するこれらの公共料金の値上げの影響度は、いま委員がお示しになりましたように、年度で一・五%程度というふうに見ております。これが押し上げ要因になるというふうに見ています。それからまた国鉄運賃、米価、たばこ、それと、これはまだあれでございますが診察料、こうしたもので〇・八程度、それから電気、ガス代の先般の円高差益還元が四月から元へ戻りましたので、その影響が〇・一、その他地方的ないろいろの値上げも公共的なものがあるのではないか、そうしたものを概算しまして〇・六、合計一・五というふうに計算いたしております。
#32
○大森昭君 少し長官は楽観論ですからすれ違うところもあるのでありますが、どうも私どもの見方からすると、消費者物価が政府見通しよりかもう大幅に値上がりするんじゃないかという状態の中で、この時期に一・五%もはね返るような公共料金の引き上げというのは少し差し控える方がいいんじゃないかというふうに思います。しかし、政府で決めたことですから長官はここでそれは取りやめますということは言えないと思いますが、とにかく現時点を少し厳しく見るか甘く見るかで対応策が違ってくると思うんでありますが、そのことはそのことといたしまして、どうもタイミング的に余りいい時期じゃないんじゃないかということを感じます。
 とりわけひとつ私は国鉄料金の法定緩和の問題と並びまして、たばこも値上げと同時にこれまたやりますね。こういうかっこうでやってきますと、仮に郵便料金の問題なんかも郵政省は考えるでしょうし、大体公共料金の問題を国会の審議の場で一々ああでもない、こうでもないやるのはかなわないから国鉄料金、たばこ、そういうふうに次々この法定制の緩和を打ち出してくるんじゃないかと思うんですが、そうなってきますとこれはやはり経済企画庁という立場で少なくとも暮らしを守って物価を下げてという、財政をいかに民主的に運用していくかという意味合いからいっても非常に何か逆行するような感じがするんでありますが、国鉄、たばこに並んで波及しませんか、これは。
#33
○政府委員(藤井直樹君) 国鉄の方の法定制緩和に引き続いて、たばこについても現在審議をいただいておるわけですけれども、私の感じとすればやはり国鉄は国鉄、専売公社は専売公社でそれぞれ独自の理由に基づいて行われているのではないかと思われます。
 たばこについては、専売納付金とか地方たばこ消費税というようないわゆる納付金関係の問題がございまして、納付金の率を法定化するということがかねてから議論になっていた。それが一体たばこの中で、その売り上げの中で税負担がどのくらいあるのだとかということも一切わからないじゃないか。また黒字になったときに、企業経営上の問題として出てきたものはどういうものかということもわからないというようなことがありまして、そういう点でいわば納付金率を法定化することによって明確化しようと、そういうことになりますと逆に言いますと、原価が非常に上がってきてどうも吸収できないという場合には、専売公社も赤字になってしまうということになるわけでございます。そういう納付金率の法定化との関連で、そういう赤字になったときに一定の限度を設けて厳格な法律要件のもとに、またさらに一定の最高限度も置いて、そして値上げをするということができるようにというのが現在の提案されている法定制緩和の内容かと思うんでございますけれども、そういうことでございますといたしますと、それぞれみんな違う理由によるわけでございまして、これが順次波及していくということではなかろうと思っております。
#34
○大森昭君 いや、きょうはたばこの連合審査をやっているわけじゃないから、いま局長が言うような理由だと思うんですが、しかし各省がみんなそういういろんな理由をつくるんですよ、正直に言って。それは独立採算制でいまやっておる官庁はみんな理由をつけてますよ。しかし、いま局長が言われるように、だからといって法定制の緩和を次々に認めていったんでは、一体この物価の問題で公共料金の役割りは一体何かという位置づけから、やはり問題をとらえていただきませんと、それは正直言って先ほども長官ちょっと言われましたけれども、物価対策というのはいろんな視点でこれやらなきゃいけないということを言われているんですが、しかし部分じゃないでしょう。これは公共料金というのはさっきも言ったように一・五だというんでしょう。四・九に対して一・五ですよ。そういう比重の強い、度合いの強いものは法定緩和で各省の理由がいろいろあるからということで、法定緩和をしておったのでは物価対策の基本が崩れますよ、きょうはこれ以上議論は私しませんが。
 ですから、いまそう波及はしないのじゃないかというお話でありますが、私は少なくとも三公社五現業といいますか、多くの企業の中で国鉄を突破口にして専売公社、いろいろ出てくるというような感じいたします。どうかひとつきょうは御答弁求めませんが、公共料金が一体消費者物価にあるいは卸売物価にどういう形ではね返るかということは、私は少なくともそう一つの細かい問題じゃないというふうに理解いたしますので、どうかひとつ今後の問題として十分検討していただきたいと思います。
 そこでもう一つ、どうもきょうは統計の話ばっかりして申しわけないんですが、私どものところに輸入品の価格動向調査というのをいつも届けていただいているんでありますが、これの出発点が五十一年の十二月ですね。そうしますと大体一ドル二百九十円から二百九十五円ぐらいのときの基準ですね、この価格動向調査の出発点は。それからずっと下がりまして百九十円、百八十円、百七十円までいってややいま二百十四円ぐらいですか、こういう形描いていますが、そういう調査をしているから、どうも経済企画庁は少し物価の動向に甘いんじゃないかとは言いません。言っておいて言いませんというのは失礼ですけれども、こういう価格動向調査もやっぱり新たな角度で調査をしませんと、相当な方がやはりあれには努力されているんでしょうし、お金もかかっているんでしょうから、一つの例でありますが、こういう価格動向調査の基点なんかも、こういう経済情勢あるいはもろもろの物価の上昇傾向の中では視点を変えてやるということはどんなものでしょう。
#35
○政府委員(藤井直樹君) 輸入品価格動向調査は現在も十二回やっておりますが、いまおっしゃいましたように基点が五十一年十二月でございます。それから大分円高が進んでまた円安になっていますけれども、当時二百九十円程度のものから見ますると、かなり円高ということになっております。そういうことから見ると、やはり輸入品価格というものが当時に比べて非常に低位に、安い価格で入ってきているということでございますから、そういう意味で現在いろいろ円の動きについては、円安傾向も出ておりますが、そういう価格の動向についてのフォローは続けていった方がいいのではないかと思っております。ただ毎月やりましたのは実は去年の秋ごろ非常に円高が進んだときに、その情勢に対して非常にきっちりしたフォローをしておこうということでやったわけでございますけれども、最近の動向等から見ますと、調査はいたしましても公表するというようなことについては、多少期間を置いた方がいいのではないかと思っております。
 それからいまおっしゃいました途中の基準時点の問題については、実は去年の秋ごろから毎月調査をしておりますので、そのデータをうまく使うことによりましてその後の動きもフォローできますので、そういう形でこれからもその形の動きをまとめていきたいと思っております。
 さらに一般的に先ほども申し上げましたけれども、生活必需物資等につきましてはいろんな角度から監視を続けておりますので、そういう意味で相当網羅的にいろいろな物資の価格の動きについてはこれを把握していくことができるということでございまして、今後ともそういう態勢をとってまいりたいと思っております。
#36
○大森昭君 いずれにしても大変御苦労していただいておると思いますが、とにかくあらゆる文献を見ましてもとりわけ東京、とにかく世界一高いわけですな、もう数字の上からいきますと。そういう意味合いからいきますと、相当これはいままでやってこられた政策の中で視点を変えて対策を立てていただきませんと、まあ国民全体はそれはグアムへ行ってみたり、ハワイへ行ってみたり、たまに海外旅行をしているかもわかりませんが、ですからそういうことはよく実感的にはわからないんでしょうけれども、とにかく、海外旅行をされて、海外の事情の明るい方で日本が、とりわけ東京が物価が安いなんと言う者はないんでありまして、どうかひとつそういう意味合いで、これは最後の質問というよりかも長官にお願いをするわけでありますが、現状のような状態の中では、いずれにしても国民の暮らしがよくなるということは言えません。確かに少しずつはよくなっておるかもわかりませんけれども、しかし、少なくともヨーロッパ並みといいますか、いわゆる社会資本の充実しているところ、してないところ、いろいろありますけれども、このような形では満足しておりません。どうかひとつ、各品目別に私はことさら申し上げませんが、世界の水準の中で、とりわけ東京が一番高くて一番住みづらいなんということが文献にしょっちゅう出てくるようなことは日本の恥でありますから、十分ひとつ対応策を立てていただくことをお願いをいたしまして質問を終わります。
#37
○相沢武彦君 私、灯油の問題で若干お尋ねをしておきたいと思いますが、その前に、わが国の石油情勢について三点、ちょっと確認しておきたいと思います。
 一つは、メジャーの対日輸出量削減がどうなっているのか。それから第二点目が、石油市況のうち、スポット価格の動向はどうなっているか。三点目が、アメリカの石油買い増し政策への変動について御説明をいただきたいと思います。
#38
○説明員(竹内征司君) ただいまのメジャーの対日輸出量削減の動向に関しましてでございますが、御承知のとおり、昨年末来のイラン情勢がございまして、一時六百万バレル・パー・デー近くを生産しておりましたイランの生産がストップをするというふうな状況になりまして、世界の原油市況、原油供給というのは非常にタイトな圧迫された状況になったわけでございます。その後イランの生産が相当回復してまいりましたが、イランが生産ストップしているその間、増産しておりましたサウジアラビアその他の諸国におきます増産分が、これがもとへ戻されたというふうな状況でございまして、依然として世界的に見ますと原油状況は非常に厳しい状況にある。こういう状況でございますが、まあこういう状況を背景といたしまして各メジャーにおきましても、相次いで供給削減通告というのがわが国に対してもなされておる、こういう状況でございます。
 これはどの程度の削減であるかということにつきましては、個別のメジャー、それぞれによりましていろいろ異なるわけでございますが、一−三月期で見ますと、これは船積みベースでございますが、わが国の当初契約量の約一五%程度が削減されてございます。しかしながら、この一五%程度削減に対しまして、わが国の石油会社も種々原油の獲得努力というのをやっておるわけでございまして、この削減分をDD、あるいは政策原油とそういったほかのルートから原油を調達する、こういう努力を重ねておりまして、全体といたしまして、一−三月期におきましては七%程度減ったという状況でございます。こういう状況は四−六月期につきましてもさらに強くなっておりまして、メジャーの削減政策というのが強化されてきてございます。それで、現在この削減というのが仮にその通告どおり実施されるといたしますと、大体メジャー平均で、当初予定量の二〇%程度の減少になるんではないかと、こういうふうに見込んでおるわけでございます。
 これが現在の状況でございます。
#39
○説明員(沢田仁君) スポットの価格の動向について御報告いたします。
 石油の値段にはスポットマーケットの値段とそれから契約によります公式販売価格と二手ございます。ここ最近のスポット価格の動きを申しますと、イランの政変が起こりました去年の十月あたりから公式販売価格を上回るスポットの値段がつくようになってまいりまして、イランの事件が深まりますにつれましてだんだん漸増をしてきたわけでございます。そういたしまして、今年になりまして二月の初めでございますけれども、スポットの値段が例のアラビアン・ライトという標準物の油種につきましてバレル当たり二十ドルを超えるところへ突入してまいりまして、さらにこれが二月には一つのピークを打ちまして二十四ドル弱のところまで上ってきたわけでございます。ところが三月に入りまして、三月の五日でございますけれども、イランが輸出を再開したわけでございまして、それに応じまして若干スポットの価格の方も緩んでまいりました。二十ドル台ではございましたけれども、一ドルないし二ドル下がる状況が見られておったわけでございますが、また、この四月の終わりから特に今月に入りましてスポットの値段が急上昇してまいりました。最近では、新聞でも伝えますように三十ドルを超える三十五ドルという報道もございますけれども、ロッテルダム市場におきまして非常に高値のスポットがついております。
 その理由はいろいろあると思われますけれども、ひとつ考えられますのは、この四月からサウジアラビアが生産量を日産百万バレルほど落とす政策に出てきたわけでございます。一−三は九百五十万バレル・パー・デーと、一日当たり九百五十万バレルの生産水準でございましたところ、この四月に入りましてサウジアラビアが百万バレル減らして八百五十万バレルということになって、全体として、やはり石油、原油の需給関係がきつうございまして、そういったものを反映していわゆるスポット市場がはね上がったんじゃなかろうかと思っております。
#40
○相沢武彦君 いまおっしゃった石油に関する国際情勢から見て日本の原油輸入量の確保についてなんですけれども、本年度それから来年度以降について、通産当局としてはどういう見通しを立てているんでしょう。
#41
○説明員(竹内征司君) 先ほど御説明いたしましたような非常に原油の確保難ということがございます。それからメジャーが供給削減している。それにかわりましてDD等を強化しているわけでございますが、御承知のとおりイランのDD、直接取り扱い原油、これは一旦契約したあるいは契約寸前まで行ったのでございますが、その後二度にわたる削減を受けておる、こういうふうな状況でございまして、そのほか、スポット市場、これにつきましても非常に量が不足している、そういうふうなことで原油の手当てというのは非常にむずかしい場面に直面しておるわけでございます。
 しかしながら、現在時点、五月十日時点でございますが、わが国の四−六月の輸入見通し、これは私どもの方で調べましたところでは、大体六千五百万キロリットル程度は確保できるというふうに考えてございます。それからそれ以降、七月以降の情勢につきましては、これは今後の国際石油情勢がどういうふうに変化していくか、あるいは価格動向がどういうふうになっていくか、こういうことがいろいろございまして、そういうふうな需給動向あるいは価格動向等に留意しつつやらねばならないわけでございますが、五十四年度の原油輸入必要量というのを確保するために、今後とも原油獲得努力というのを続けてまいりたいと思っておる次第でございます。現在の情勢の不確かさ、不安定さ、これが相当程度続くんではないか、こういうふうに予想されますために、現時点におきまして、来年度以降明確に、どういうふうになるかというのは非常に予測困難でございます。
 いずれにいたしましても、そういう事態の動向に素早く対処しつつ、わが国の必要原油量の確保という点につきまして最大限の努力を払っていきたい、こう考えております。
#42
○相沢武彦君 七月以降は、この価格動向その他でどういうような情勢になるか、非常に微妙なところがあると思うんですけれども、石油業法によって、今年度の石油供給計画の中で、灯油については昨年度に比較して七・四%増というように聞いていたんですが、この七・四%増というのは間違いなく確保されるんでしょうか。
#43
○説明員(竹内征司君) 本年度の供給計画におきましては、原油の輸入量を大体二億九千二百万キロリットル、こういうふうに見込んでございます。こういう原油の状況のもとにおきまして、灯油につきましても、これは非常に民生物資として重要である、こういう観点から最大限の努力をいたしまして確保したいと、こう考えておるわけでございます。
 しかしながら先生御承知のとおり、灯油につきましては、これは入ってくる油の質、それによりまして異なるわけでございますが、比較的灯油の取りやすい軽質原油というものにつきましては、これは世界的に非常に少なくなっている、あるいは価格が高くなっている、こういうふうな状況でございます。また、国によりましては軽質原油と重質原油を抱き合わせて取らせる、あるいは取らせようとさせる、そういうふうな国々もございまして、非常に、質的にもこういう軽質あるいは白い方の油を取るというのは大変むずかしい情勢にあるわけでございますが、私どもといたしましては、現在の状況のもとにおきましてはこの七・四%の需要増に対処する、耐える灯油量の確保というのは可能であると、こう考えておるわけでございます。ただし、これでもやはり灯油の量というのは非常に窮屈でございまして、その間いろんな節約施策、五%節約ということで各種の施策を国民の皆様方にお願いしておるわけでございますが、そういう節約策につきまして、国民各位の御理解と御協力を得て灯油量の需給のバランスというのをとってまいりたい、こう考えておる次第でございます。
#44
○相沢武彦君 最近、西日本の方で灯油の消費量というのは非常に伸びてきているようなんですね。これはFF暖房器というものが電機店や燃料店の成長製品といいますか、大変一般家庭に普及してきまして、それにしたがって灯油の消費量というものは従来よりも著しく伸びてきていると思うんですが、この七・四%増でことしの冬全国的な需要量を賄い切れる、こういうように政府としては自信持って言えますか。
#45
○説明員(竹内征司君) 私どもの方で予測いたします場合に、そういう需要の、機器の伸び、これも従来の傾向等々からはじきまして、そこから積み上げて計算しておりまして、それから気温等も考えてございます。したがいまして、平常の気温におきまして従来どおり予想されたような機器の普及状況、そういうふうな状況のもとにおいては、現在の石油状況に大きな変化がない限り、こういう七・四%の需要に対する供給、これは確保できると見てございます。
#46
○相沢武彦君 ところで灯油の価格の問題なんですけれども、従来から行政指導によってやってきた価格据え置き、これは凍結を解除されましたですね。今月十五日に行われた月例の経済報告閣僚会議で物価対策を徹底しようと確認した閣議の直後に、通産大臣が記者会見で、灯油の価格据え置き措置は廃止するんだと、こういうふうに表明されて、いかにもちぐはぐな感を与えたんですが、そういうように灯油価格抑制解除を打ち出さなければならなかった積極的な理由というものは、通産サイドとしてはいろいろあると思うんですけれども、どうおっしゃっても、消費者サイドから見て納得がいかないんですよ。大変内閣の物価対策は不統一でちぐはぐだ、こういう指摘は免れないと思うんですが、これについてどういうふうに受けとめられますか。
#47
○説明員(竹内征司君) 先ほどからの御説明もございましたように、原油の価格というのが、最近非常に上昇しておるわけでございます。で、私どもは、石油の安定供給を確保せぬといかぬ、こういう観点からやはり、こういう原油価格の上昇というのは、市場等を通りまして石油製品価格に転稼されるということが必要であると考えておるわけでございますが、従来、家庭用以外の石油製品につきましては原油価格の上昇等、あるいは円安等に対処いたしまして、三月と五月に二回価格の引き上げをやったわけでございますが、その間、この家庭用灯油につきましては需要期中は据え置く、こういう元売各社の姿勢のもとに実施してきておったわけでございますが、これにつきましては、今需要期も終わりましたので、その需要期が終わりましたら通常の価格システムによってやっていく。これは従来からそういう政策をとっているわけでございますが、そういうシステムに持っていくことが必要ではないか、こういうふうに考えた次第でございます。
 で、灯油価格を非常に低く抑えておくというのは、これはほかの部門からの需要のシフト、あるいは燃料油種を振りかえるとか、そういうふうな点がございまして、やはり需給の均衡を保っていくというためには他の類似油種並みの省コストあるいは需給関係を適切に反映したその価格体系形成ということが必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#48
○相沢武彦君 物価担当の経済企画庁長官は、同日に通産大臣が記者会見でそういう発表をされるということは事前に打ち合わせ済みだったんですか。あるいはそうでないとするならば、この通産大臣の発表について、経済企画庁長官としてはどういうようにお考えでございますか。
#49
○国務大臣(小坂徳三郎君) 実は通産大臣からそっと耳打ちがございましたので、連絡がございました。しかし、そのときにわれわれ話し合いましたことは、やはり、灯油価格を非需要期にこういうような措置をとるということは従来の慣行であるから、その慣行をここで一応やりたいと思うということでありまして、もちろんわれわれは、その直前においても、物価の安定のためにこれから全力を挙げて対処しようではないかということを閣議においても話し合い、決定をしておるわけでありますが、それと、この灯油をここで自由化と申しますか、そうしたことを一応とるということは、単純なそのような従来の慣行をここでやるというふうにお互いに理解し合っておるわけでございます。その際にわれわれとしましては、灯油は特に東北地方並びに北海道においては非常に重要な物資であって、これは生活上の米にも等しいくらいのウエートがあるということはお互いに認識をし合っておるわけでありますから、そうした意味におきまして、特にこうした地方における問題がいわゆる原油価格の上昇以上の形で便乗されるとか、あるいはまた生産者側においては、そうした原油価格の上昇以上に生産性を上げて、これを吸収する努力を当然払ってもらうということを理解し合って、こうして進もうではないかというふうにしたわけでございます。特にわれわれとしましては、灯油価格を野方図にするなんていうことは全く考えておらないことでありますし、また同時に、この灯油価格につきましては、このような形ではございますけれども、重要物資といたしまして、また生活必要物資といたしまして、厳重な監視体制をしいておるわけでございますので、そのような方向の中で暴騰したりあるいはまた消費者に非常な迷惑をかけるようなことはさせない、起こさないというふうに対処してまいるつもりであります。
#50
○相沢武彦君 民生用灯油は他の油と比較して非常に安い、そういうためにだんだん自動車用燃料とかその他業務用の灯油に混入して使われてきたということで、どうも灯油の確保というものが心配になってきたということは考えられるんですけれども、規制する方法は別にいろいろあると思うんですよ、その辺を。安いから大量に使われるんだと。それで価格を上げることによって消費の節約を図るとか、バランス図る、こういうことなら、いま盛んに言われている省エネルギー対策なんていうのは、すべての国民生活に必要な石油製品を大幅に値上げすれば、もうそれで事足りるというような安易な方法じゃないかと、こういう指摘を国民から受けたって言いわけがつかないと思うんですよね、大臣。特に日本の場合は南の温暖地から東北、北海道の寒冷地まで大変気温の差があるわけですから、そういった点で寒冷地向け、あるいは特に低所得階層、こういったところへの価格対策というものを講じて、それで特に三〇%なんて上がれば非常に家庭生活に響くわけですから、そういうようにきめ細かい対策を講じて一十分に講じた後でどうしても凍結を解除しなきゃならないのだと、ここまでそれに対する対応策は政府としても努力をしましたと、こういうふうにやってから消費者の皆さん方に御理解を願う、あるいは協力を求めるということならば、まだ話はわかるんですね。そういう対策も講じないで、いきなり凍結解除というのはいかにも政府としては無策に過ぎるんじゃないかと、こう思うんですよ。大臣いかがでしょうか。
#51
○国務大臣(小坂徳三郎君) 灯油問題につきましては、多少いわゆる家庭用の燃料以外に、安いから他の方面に相当流れておるということはわれわれも聞かされておるわけでありますが、今度の措置によりまして、現状においてはほとんど家庭用灯油が四月からは需要がないわけでございますので、先ほど説明が少し乏しかったと思いますので、ちょっと補足さしていただきますが、四月から需要がないので、需要期までは大体その監視体制その他というものは従来はわりあいに緩やかな形で見ておる、もちろん石油もたくさんございましたから、そういう状態であったんで、そうしたような慣行で、今度通産大臣がそのようなことを一応発表するということを私らは了承したんでございますが、その自後の問題につきまして、やはりいまのような価格情勢あるいは石油情勢でございますので、灯油の状態につきましては、こうした一様なことをいたしましても、監視体制だけは、不需要期においても特に強く通産省及び地方通産局を通じましてその動向を厳重に監視をしてまいるということを進めておるわけでございます。
 なお、価格が上がれば他に流れるということがなくなるかどうかということにつきましても、これは考え方でございまして、一つのポリシーになると思いますが、高い物を使ったら損だから使わないというやり方と、高くても使った方が得だというのと両方ありますから、その高くても使った方が得だというような、いわゆる灯油の一種の本来的な、われわれが価格を抑え込んだというのは家庭用灯油を守りたいわけでありますから、そうした目的と逸脱する方向に行く場合には十分行政指導をやってもらうというふうに考えております。
#52
○相沢武彦君 大臣、ちょっとお尋ねしますけれども、この五月の季節で北海道の温度と東京の温度と、どれぐらい違うかおわかりでしょうか。
#53
○国務大臣(小坂徳三郎君) 実は不敏にして存じませんが、まだ恐らく旭川以北はたいておると思います。
#54
○相沢武彦君 きのう五月二十九日ですけれども旭川、網走あたりですとまだ五度なんですね。東京で二十七度、大変な差があるわけですよ。それで、いま大臣おっしゃったように、九月へ入りますとそろそろたくところもありますし、大体平均して十月でしょう。そして翌年の五月からまた寒いところは六月、真夏でも朝晩冷え込めばたかなきゃならないというところもあります。そういうわけで、特に東北、北海道の場合は本州と違って、今日現在、なお灯油の需要期なんですね。そういった事情も考慮しないで安易な政策をぽっぽ打ち出されますと、非常に寒冷地の住民生活というのは脅かされるわけですね。灯油は今後二段階で上げるんだとか何とかいうのを言っていますけれども、三〇%ぐらい大幅な値上げをされると家計はもう大変ですよ。それから、もうすでにいずれ上がるんだからということで、すでに上げているところもありますけれども、売り惜しみが発生して、なかなか注文しても買えないという深刻な灯油戦争といいますか、こういう状況が起きてて、そのことについては、もうすでに新聞等で報道されていますので、あなたたちも読んだと思うんですけれども、通産省はこういう混乱を、あるいは売り惜しみというような事態を全く予測しないでこういうことを勝手に発表するんですかね。もう少し事前の対策を講じてからやるべきではなかったんですか。
#55
○説明員(竹内征司君) 石油製品の値段につきましては、先ほど説明いたしましたように過去二回三月と五月、上がったということでございまして、その間、灯油の価格につきましては据え置きでまいったと、こういうふうな情勢にあったわけでございますが、やはり先ほど大臣からも説明ありましたように、日本全体として見ますと、灯油の需要期というのは大体十月から三月が最盛期でございますが、四月以降につきましてはどちらかといいますと、貯油の季節に入っていく、灯油を夏場のシーズンとしてためていって、翌期のシーズンに間に合わせるようにしていく、こういうふうな時期に入ってくるわけでございます。もちろん、先生御指摘のとおり北海道、東北の一部におきまして、四月以降におきましても気温が非常に低いと、こういう状況にあるわけでございまして、そういうふうな点を勘案いたしまして、従来から五月末ごろをもって需要期の終わりとする慣行になっておるわけでございますが、そういうふうな状況でございますので、わが方といたしましても、灯油を来シーズンに備えてこれからの季節、本格的にためていただかなきゃいかぬ、それで来期の供給量に問題なくしていく、先ほど御説明いたしました七%の灯油の供給確保という点につきましても、当然この間に灯油の貯油というのがなされるものと、こういうふうな前提のもとでいろいろはじいておるわけでございまして、やはりそういうふうな貯油の点、そういうところに大きな影響を与えるような政策は非常にわれわれとしても翌期に問題を持ち越すようなことで、問題があるんじゃないかと、こういうふうに考えまして、従来どおり、シーズンが終わりまして、価格解除ということをやったわけでございます。
 もちろん、今後の問題につきまして、混乱が起きていいとこういうことではございません。わが方といたしましても、五月に入りまして北海道、東北の一部におきまして、非常に寒いところがあったと、こういう事実がございます。したがいまして、そういう際に元売各社を呼びまして、特約店等にもこういう混乱のないように十分対処してもらいたいということでいろいろ指導してまいったわけでございますが、それからいろんな個別ケースがございましたら、それに応じまして臨機応変の体制をとっていくと、こういうことで、できるだけ混乱を避けるということで対処をしてまいっておるわけでございます。
#56
○相沢武彦君 大臣、先ほど監視機構を強化して物価面への悪影響をできるだけ食いとめるんだと、こういうお話でしたけれども、灯油の流通段階でもうすでに便乗値上げが行われているかいないかについての調査されているんでしょうか、これが一つ。
 それから、きのうの衆議院での物特委で、価格の急上昇があった場合は見逃さないと、こう述べられましたね。これは急上昇があった場合は何らかの処置を講ずるんだということを示唆していると思うんですけれども、急上昇というのは一体どれぐらいの上げ幅のことをお考えなのか、これ第二点にお答えください。
 それから、見逃さないと言う以上、必要な処置を講じられると、当然こう国民は受けとめると思うんですが、どんな具体的な処置を講ぜられると考えておられるのか、この三点をお答えください、大臣から。
#57
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま、灯油のみならず石油関連製品につきましては非常にわれわれも神経を使っておるところであります。特にこの三月のOPECの値上げというものが、大体山元から出しましたのが六月には入ってくるわけでございますから、その以前に値上げをしたいというような要請が盛んに石油会社からありました。しかし、われわれはそれは絶対だめだということで、結局さみだれ式でありますけれども、最近になりましてからそのような動きが具体化しているわけでありますが、これは六月以降の入荷というものを確認してからの問題であるということに業界も一応了解をしたと私は思っておりますが、しかし、その上げ幅その他につきましては、特に急上昇と申しましたのは、やはりわれわれが原油価格が現実に上がったもの以上の場合、そしてまた同時にそれが工業生産のいわゆるクラッキング等のプロセスを経て、そして当然連産品でございますからいろいろに分かれておるわけですが、その価格配分、コスト配分というものが適正であろうと今日までわれわれが把握しておりまする能率、それをはるかに超えたような場合、それをしかも一種の元売の圧力によって小売販売店に押しつけてくるような実態、いろいろなものを踏まえて私は急上昇ということを申したわけですが、このような事態につきましては十分監視をして、そのような事態の起こらないように努力をするということを申したことが一つと、もう一つは、見逃さないと申しましたことは、そういう事態が起こった場合にはそれ相応の措置を関連企業にもいたしますし、あるいはまた、それがカルテル的な、あるいは独禁法に抵触するような事態であるならば、当然これは公取等によってその事態の究明に当たってもらうということ等も含めまして、全般的に価格の安定、上昇の幅をできるだけ抑えるということに協力をしてもらいたいという意味であります。
#58
○相沢武彦君 いまお話しのように、灯油の価格ができる限り現状維持できるように、またどうしても上げざるを得ない場合も上げ幅を極力抑えるように経済企画庁としては取り組んでいただきたいと思います。
 それから量の面なんですけれども、一般消費者のみに消費抑制を押しつける行き方、これ何とか考え直してほしいんですよ。ビル暖房、それから業務用の厨房燃料ですね、これ相当最近使われてきておるんですけれども、こういった点の規制なんかも、もう少し考えた方がいいんじゃないかと思うんですよ。民生用灯油の統計なんですけれども、民生用と言いながらビル暖房も入ってますね、統計の中に。これは、民生用は純粋の家庭の灯油消費、こういうふうに区分をはっきり分けてくださいよ、紛らわしくなるんだから。そして価格についても業務用と一般家庭用と区分をするというような工夫もできるんじゃないかと思うんですよ。家庭用の場合は全然これはもう価格を上げられればそのまま家計の支出で出ちゃうわけですから。業務用の場合はある程度の努力によってそれを何とか消化させるという方法も講じられると思うんですけれども、家庭用暖房上がったらそのまま家計直撃されるわけですから、そこのところ十分考慮をしていただきたいと思います。
 その点について答弁いただいて私の質問を終わります。
#59
○説明員(竹内征司君) ただいま先生御指摘のとおり、灯油節約におきましては、大口消費者にいろいろ節約していただくという点は非常に重要と私ども考えてございます。それで一般消費者、これはもちろんやっていただかぬといかぬわけでございますが、特に大口消費者に対しましてはどの程度――すでにもう関係団体、関係業界等を通じましてお願いしているところなんでございますが、これがどの程度実行されているかということを四半期ごとに把握するなど、その実態の把握に努めまして、それでその節減の効果というのを特にその大口の方はよく見てまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 それから統計の点に関しまして申しますと、大口業務用につきましては別途分かれておるわけでございますが、小口部門、これにつきましては、たとえばクリーニング屋さんとか散髪屋さんが営業用に使いますというふうな点でございます。これは通常の小口販売店から参るものでございますから、この統計の仕分けというのは非常にむずかしいわけでございますが、統計として把握できるかどうかという点は別といたしまして、私ども別途その辺の実態は十分把握するように今後努力してまいりたい、こう考えております。
#60
○桑名義治君 私は、最初に卸売物価の上昇についてお伺いをしてみたいと思います。
 この問題につきましては私は四月二十五日の委員会のときにもお尋ねをしたわけでございますが、それを受けてさらに、情勢もずいぶん変わっておりますので、本日またここでこの問題を取り上げていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
 最近の卸売物価の状況を見てみますと、昨年の十一月からすでに六カ月も連騰が続いているわけでございます。この六カ月間だけで上昇率が四・九%に達しているわけでございまして、これを年率に直せば一〇%の上昇になる。また四月の月間上昇率が一・七%。この上昇率は、日銀が公定歩合を〇・七五%引き上げる時点で予想していた上昇率の一・五%をすでに上回っているというのが実情であるわけでございますが、この月間上昇率の一・七%を今度は年率に換算してみますと二二・四%。こういう数値というものは、狂乱物価と言われた四十九年の二月以降の高い上昇率になっているわけでございまして、最近の卸売物価の上昇についてはどういうふうな認識を大臣は持っておられるのか、まず伺っておきたいと思います。
#61
○国務大臣(小坂徳三郎君) 卸売物価の上昇の実数につきましては、ただいま委員の仰せられたことであると思います。ただ認識でございますが、やはりこうした上昇の一番大きな原因が、海外要因と申しましょうか、そうしたもの、これは繰り返し申し上げますが、一次産品の上昇とか石油価格の引き上げとか、あるいは円安というようなことも複合的な影響だと思いますが、それとともに、それによって起こっておるのが大体全体の六割近くである。さらに国内につきましても、御承知のように最近はだんだんと国内経済も回復をいたしておりますし、設備投資も進み、また個人消費等も順調に伸びております。生産もまた順調に伸びつつありますが、このような情勢の中で、たとえば電力料金が三月で特別料金の打ち切りがあるとか、あるいはまた輸入されたものの原材料を、中間素材を使ってのコストの上昇とか、そうしたことで国内要因が大体半分ぐらいと見ておるわけであります。
 そのような事態の中で、実は一カ月一・七というのはきわめて高い上昇率であって、われわれこの時点で、やはり卸売物価については厳重な警戒をする水準についに達しちゃったという認識を持っておりまして、われわれは今年度の経済計画を立案する時点から、やはり物価がどうしても問題になるだろうという予測を立てておりましたが、二月の時点でわれわれは物価に相当ウエートを置かなくてはならぬという決意をいたしましたのは、先ほど来も御質問ございました東京、大阪、名古屋等の土地の、住宅地の上昇であります。このことをきっかけにして、さらにもう一つには通貨流通量が一二%を超すような、M2が一二%超すような状態等々配慮しまして、やはりこれは物価に対して相当早目早目に手を打たぬといかぬということから対策を打ち始めておったわけでありますが、いかんせん、この海外要因がこう急激にいろいろに来るとは予測をしなかった。またそれに一番最初に上がったのは、中国がベトナムを攻撃したことによって起こった世界的な一次産品の上昇でありまして、これが一番直撃的に日本の物価にはまずパンチを与えたということであります。
 いずれにいたしましても、そのような原因等々はいろいろ考えられますが、やはりこの物価政策のためには、まず産業界あるいは経済界自体がこうした事態を踏まえて生産性を向上してもらって、そうしてコストの中での上昇要因をなるべく消す努力をしてもらうこと、それから二番目にはやはり便乗値上げ等については一切これを行わない理性的な行動をお願いするということ、そうしたようなことで物価の上昇の足取りは、先ほど来申し上げているように政府の各機関で調査し、追跡をしておるわけであります。それとともに、生産性向上ということのほかにやはり生産余力のあるものであって非常に上昇したものについては生産を再開してもらうなり、増産してもらうなり、そのような措置を通産省を通じて呼びかける等々いろいろの手を使ってきておるのでありますが、この少なくとも四月の時点においては相当な上げ幅の上昇になってしまう、非常に遺憾だと思うのであります。しかし、この五月の上旬は別としまして、中旬には昨日の日銀の調査でも大分その上昇率が鈍化をしておると思います。問題は、この五月が際立って一カ月の上昇が鈍化するということはまだ期待できませんが、その後の情勢というものにわれわれは期待をいたしているわけであります。
 もう一つは卸売物価から消費者物価への転移をなるべく遅くするということ、これについては、先ほど来種々御説明申し上げたような行政的な運営の中で、ぜひやっていきたいということを考えておるわけでございまして、ただ問題は、六月の末にあるOPECが果たして言われるような石油の価格の再引き上げをやるのかやらないのか。ちょうどサミットの二日前の会合でございますから、その辺でどうOPECが動くのか予測がつきません。しかし、この六月のOPECの価格改定というものがもし行われるとするならば、やはりその影響というものは少なくとも八月、九月の時点において再び卸売物価に相当の影響を持つであろうし、あるいはもっとその前にインフレ的なマインドに火をつけるかもしれない。非常にわれわれはこの六月の時点を重視して、それに政策を集中していこうというふうに考えておるわけであります。
#62
○桑名義治君 そこで昨年の十一月からことしの四月までの六カ月間の卸売物価の上昇の寄与度ですか、これはおたくの方から出された資料でございますが、上昇率が四・九%のうち二・九%が海外要因で二・〇%が国内要因、こういうような資料をいただいているわけでございます。しかしながら、こういった姿を見てみますと、はっきりと輸入インフレの性格が非常に強いというふうに言われるわけでございますが、月別の寄与度を見てみますと、国内需要の寄与度が次第に高まっておりまして、このお話はいま大臣からも少しお話が出ておりましたが、四月は海外要因の〇・八%に対して国内要因は〇・九%、こういうふうになってまいりますと、現在の卸売物価のいわゆる寄与度というものは、国内要因がもうすでに四月度においては上になっていると、こういうふうな事柄になっておるわけでございますが、これはすでに輸入原材料の上昇がいわゆる国内の二次製品の上昇に波及をしているということを示しているというふうに思われるわけでございますが、この点については経企庁としてはどのようにお考えでございますか。
#63
○政府委員(藤井直樹君) いまおっしゃいましたように、要因別に見ますと、海外要因のウエートが最近国内要因のウエートの方に移ってきているということでございますが、実際問題といたしましてその国内要因の中でこれを分けてみますと、最初は素原材料が上がってきたわけです。それが十一月ころから非常に輸入品を中心にしてまいったわけですけれども、それが二月ぐらいから製品原材料が上がってまいりました。製品原材料の上昇率は二月から四月までかなり高まっております。それが国内要因を高めた理由かと思うのでございます。ただ、国内要因というときに、たとえば木材が上がって合板価格が上がるというときには、これは国内要因とカウントしておりますが、海外要因といいますか、輸入品価格が加工過程を経て国内品に波及していく過程で、これはすべて国内要因とカウントするためにそうなるわけですけれども、そういうものと純然たる国内的要因で上がってきているものと二つあると思います。
 ただいまのところでは海外品が上がって国内品が上がってくるというのは主として製品原材料ということでございます。それで消費財というのは、その次の段階にありますけれども、消費財の方は余り値動きがない。ただ、石油製品の中でもわりに加工段階の早いガソリンとか、それから木材製品とか、そういうものについては消費財が上がってきておりますが、現在のところ全体としての消費財の動きは、製品原材料に見るような動きではございません。そういう意味で、だんだん素原材料から製品原材料、消費財へと来るわけですけれども、いまのところは製品原材料の値上がりが一番大きい、そういう状況でございます。
#64
○桑名義治君 そこでこういったいわゆるインフレ要因が非常に上昇してきたと。したがって、これを何とかしなければならないというわけでございますが、大臣の御答弁の中にもございましたけれども、いわゆる国内の生産を拡大をしながらコストダウンして物価の上昇を抑えていくという、この一面もお話しになったわけでございます。
 日銀の方どうも御苦労さんでございます。きょう日銀からも見えていらっしゃいますが、実はきょうの朝刊の中に日銀の総裁の大阪での発言がサンケイ等については一面トップ記事で出ておるわけでございます。この記事を読んでみますと、前年同期比で三・二%のすでに上昇を卸売物価はしていると、こういうお話でございます。そして全体の見出しとして大きな文字として書かれておる事柄は、「卸売物価は五月に続いて六月も沈静する気配がない。欧米でもインフレ傾向が強まっているが、こんごはエネルギーの節約だけでなく、総需要管理の適切な運用が不可欠になってきた」と、いわゆる総需要抑制という方向性を示唆されているようにも思われるわけでございますが、こういった立場から考えますと、いまの大臣の御答弁と少しくニュアンスが違うような気がするわけでございますが、その点については、日銀としてはどのようにお考えになっていらっしゃるわけですか。
#65
○参考人(中川幸次君) 総裁がきのう関西の方に参りまして記者会見あるいは講演した記事がけさの新聞に出ていると思います。ただ、いろいろな新聞を比較してごらんいただければおわかりかと思いますが、各紙ニュアンスがそれぞれかなり違いがございまして、まだ総裁が帰ってまいりませんので正確なところは直接聞いておりませんが、私どもが承知いたしておりますところでは、サンケイ新聞が出しているような形で総裁が言われたんではなさそうに思います。私どもといたしましては、先ほど来お話が出ておりますように、卸売物価が四月非常に上がる、その予測できた段階で公定歩合を予防的に引き上げて、消費者物価にできるだけ波及しないようにするために措置をとったわけでございますが、その時点でもやはり五月、六月はある程度石油高値の第一次あるいは第二次追加値上げがございました。その高値の石油あるいはそれが国内に波及してある程度値上がりがあるだろうというふうにそのときも思っておったわけであります。五月は中旬までの実績が出て、いま大臣が言われましたように、中旬が〇・二、上旬が〇・六だったと思いますが、それで仮に下旬が横ばいといたしましても一%をかなり上回る水準に五月はなるわけでございます。六月のところはまだ私ども正確な情報はつかんでおりません。これからどういうふうに企業が行動するかによってもかなり変わってきますので、的確な推測はまだいたしかねます。しかし、いまの勢いがあれば、まあ六月ぐらいまでは石油値上がりを中心にした、それが国内への波及である程度の値上がりは続くかもしれないというふうに心配しておるわけであります。
 それで、先ほど企画庁長官も言われましたように、仮に六月に石油値上げがあるとまた非常に困るということを心配しておるわけでありますが、私ども日本銀行の立場といたしましては、こういうふうな値上がり要因がある程度あるところへ、金融面から見てそういう物価上昇を加速するようなことをしては絶対ならないと、そういうことから、金融がいまの状態では、これまで緩和政策をずっと続けてきたこともございまして、やや緩みぎみでございまして、マネーサプライの方もいまの景気、物価という観点から見ればやや過剰ではないかという感じから少し引き締めて、いわゆるインフレマインドが高まると申しますか、拡大するということを防いで、できるだけそういう輸入面からくるインフレ要因を波及させないようにしようという趣旨でやっておるものでございます。現実にどうなりますか、私どもとしては非常に注目しているところでございますが、いまのところはその程度の見通ししか持っておりません。
#66
○桑名義治君 そこで長官にお尋ねをしたいわけでございますが、この卸売物価の問題につきまして前回の委員会、四月二十五日に小坂長官に質問をした際に、長官はこの卸売物価の問題に対しては三つのタイプがある。すなわち十二月、一月ごろは上がっていったけれども最近は落ちているもの、あるいはずっと上がりっ放しのもの、また石油製品のように今後上がることが予想されるものと、それぞれ三つのタイプに分けてきめ細かく対策を立て、値上がりの牽引車となるようなものを抑えていくようにしたいと、こういうふうに御答弁になっていらっしゃるわけでございますが、この問題について今後どのような対策をお考えになっていらっしゃるのか、御答弁を願いたいと思います。
#67
○政府委員(藤井直樹君) 最近の卸売物価を品目別に見たところでは、ただいまおっしゃったようにいろいろなタイプがございます。そこで、当然そういうタイプに応じた対策というものは必要ですが、わりに早く値上がりした部分に属するものとしては、たとえば建設資材がございますが、建設資材等については公共事業の執行を従来の促進型から自然体にするというようなことは、当然これは効果が出てまいると思います。当面の問題はやはり二月ぐらいから上がってまいりましたいわゆる石油製品ではないかと思いますので、石油製品につきましては、特に元売企業が値上げを打ち出すときに通産省が内容をチェックするというようなことをしておりますし、また末端の小売価格についても店頭で毎週調査をするということもいたしております。さらには、文書で石油精製企業に対して便乗値上げとか不当な値上げをしないようにという要請をしているわけでございまして、やはりそういう意味で石油製品について当面最も関心を持っていく必要があろうと思いますが、そういうことでそれぞれのグループに対応した適切な対策をとっていくということが、これからの物価対策の重要なポイントではなかろうかというふうに思っております。
#68
○桑名義治君 この物価問題については大変むずかしい問題でございまして、これという決め手はなかなか見つからないのかもしれませんが、その中で卸売物価の上昇要因のうちにいわゆる海外要因、その海外要因の中でも為替問題が、いわゆる円レートの問題が非常に大きな要因になっているというふうに思われるわけでございますし、またそういうふうに認識するのは一つの見方でもあろうとも思います。最近は為替要因によるものの方が卸売物価の上昇に対する寄与度が非常に高いというふうに認識をされているわけでございますが、このことは最近の為替レートのいわゆる円安が卸売物価上昇の大きな要因になっていることを示していることだろうと思います。そこでこの為替レートの安定対策について、日銀としては今後どのようにお考えになっていらっしゃるのかお聞かせ願いたいと思います。
#69
○参考人(中川幸次君) ただいまお話しのように、為替相場がこれまで特に十一月から急速に円安になりましたことが、卸売物価が今日こういうふうに上がっている非常に大きな原因であると私どもも思っております。一応、私どもは卸売物価を算定いたしますときに、円安でどれだけ卸売物価が上がったかということを個々の商品について計算しているわけでありますが、それによりますと、十一月から四月までの五カ月間で一・五%卸売物価を押し上げるという要因、四・九のうち一・五%押し上げるということになっております。もっとも昨年の十月までは非常に円高が続きまして、その結果卸売物価が非常に安定し、鎮静するという状況になりまして、全体としても前年比で十月は四%下にあるという水準にあったわけでございますけれども、その後の円安で非常にまた卸売物価を今度押し上げるという要因になっておるわけでございます。
 為替相場、私がただいま出てまいりますときの市場の相場はちょうど二百二十二円でございまして、若干円安になっております。この背景としては、先生も御承知のようにいろいろのことが言われておりますが、要は日米双方の国際収支がアメリカの方は赤字が減る、日本の方は黒字が急速に減って、最近では三月、四月を見ますと、経常収支で季節調整いたしまして赤字になっております。四月は特に五億ドルの赤字になっております。それに加えまして、長期資本が大量に流出しておるということが市場におきますドルと円との需給関係でドルが非常に強いという、そういうふうな地合いを生んでいる基本的な原因でございます。それに加えまして、石油の供給削減とか値上がりというニュースが出るたびに、日本としては石油に弱いというふうにみんな思われておりますので、それが円安に作用を及ぼしているわけでございます。こういうふうなことから申しまして、なかなかいますぐ為替の安定化というのはむずかしいと申しますか、どちらかと言えば円安に傾きかげんなことはやむを得ないところかと思いますが、しかし、いまお話がございましたように、円が安くなれば非常に物価に悪い影響がございますので、私どもとしてはできるだけ円が安定するように努めているところであります。
 昨年の十一月から日、米、独、スイスの四カ国で協調介入をいたしました。それからお互いに、いろんな為替相場の変動に非常に大きな影響を及ぼすような基礎的諸条件の、たとえばインフレーションとか国際収支とか、そういうものをお互いに改善しようというふうに約束しておるわけでございますが、そういうふうなことは一朝一夕にはなかなか達成しかねておりまして、為替相場はやはりある程度そういう状態、いろいろなニュース、あるいは需給関係等によって動かざるを得ない現在の環境でございまして、なかなかすぐにこれが非常に安定した状態になるというのはむずかしい環境にあるかと思います。
#70
○桑名義治君 いまの御答弁は大変に御親切な御答弁であったわけでございますが、実際は為替の安定策というものは現実的には持ち合わせがないという結論になるような気がしてしようがないわけです。
 そこで、大平総理が日米首脳会談で、極端な円安は世界経済の均衡に有害であるので、各国協力して抑えたい、こういうふうに発言をし、またワシントンでのナショナルプレスクラブでの記者会見では、円相場は一ドル二百円前後が望ましいので、各国の通貨当局と協力して為替相場、円安定に努めると、こういうふうに述べられておるわけでございます。しかし最近の為替相場を見ると、まだ円安が続いているようでございます。いまのお話にもありましたように、出てこられるときは二百二十二円になったというお話でございます。
 そこで、先般の公定歩合を引き上げるに当たりまして、日銀筋関係者の中では、本当の措置というものは為替相場の面にも安定的な効果を持つ、公定歩合を引き上げることは。そういう意味の発言をなさっているわけでございます。それと同時に、昨日総裁がお話しになったというこの記事によりますと、「総需要管理」という言葉がありますし、また今後の金融政策については、七月から九月の窓口規制はきつくなることがあっても緩むことはないと、こう発言なさっているようでもございます。そういった立場から私たち考えますと、いまここで公定歩合を再び引き上げる必要があるのではないかと、こういう見方もできるわけでございますし、また日銀としても、そういうふうにお考えになっていらっしゃるのではないかというふうにも読み取れるわけでございますけれども、公定歩合の再引き上げの問題についてはどのようにお考えでございますか。
#71
○参考人(中川幸次君) 公定歩合の再引き上げは、目下のところ全く考えておりません。
 もちろん金利政策というのは、先生御承知のように、やはりそのときどきの情勢に応じまして弾力的、機動的に運営するということが本来あるべきところだと思いますが、私どもは四月十七日公定歩合を〇・七五%引き上げました。そのときの効果がいまのところはまだ目に見えて出てきておるわけではございませんけれども、金利政策というのは、特に予防的な意味でそういうふうな措置をとりましたときには、どちらかといえば軽い措置でございまして、その意味で公定歩合を引き上げてあすからというふうな影響はなかなか出てきにくい性質のものでございます。たとえば一つ例を挙げますと、公定歩合が十七日に引き上げられまして、市中貸出金利は五月二十日からプライムレートが〇・七五、同じ幅引き上げられました。その結果、四月におきます全国銀行の貸出平均金利は、それまでずっと下がり続けておりましたのが〇・〇二と、まだ非常に小幅の水準でございますが、反転いたしまして引き上げられました。同時に私どもは四−六の窓口指導につきましてかなりシビアな線を打ち出しております。そういうふうなこととあわせまして、金融は非常にこれまで緩んでおりました状態がだんだん正常なかっこう、あるいは幾らか少し引き締まりぎみのかっこうにだんだん移っていくと思います。それに従いまして、いろいろな効果が出てくることを私どもとしては期待しているのでございまして、いますぐにそういう効果が出ないから次にというふうなことは、いまのところ全く考えておりません。
#72
○桑名義治君 時間が非常に少ないものですから思うにまかせませんが、卸売物価の問題はこの程度にしまして、ちょっと余った時間、わずかでございますが、消費者物価の問題について少しお尋ねしておきたいと思います。
 これも先日の委員会で質問をした問題でございますが、八項目の中で一番問題なのは、石油製品の便乗値上げに対する監視、これは先ほどからの御答弁の中にもございましたが、これが確実に行われているのかどうかという点についてはまだまだ大きな疑問が残るわけでございます。先日の委員会の中で私具体的に地方のガソリンの問題について、地方ではすでに便乗値上げと思われる事態が発生をしている、これを具体的にお話し申し上げたわけでございますが、この点について前回の委員会の質疑の中で大臣は、事実であれば調査して必要な処置をとると、こういうふうに御答弁願ったわけでございますが、その後の調査の結果では、どういう結果が出ているのでございましょうか、またその結果についてどういうふうな手を打たれたのでございましょうか、御答弁を願いたいと思います。
#73
○政府委員(藤井直樹君) 石油製品の価格につきましては毎週全国的に調査を続けているわけでございます。先日御指摘になりました件につきまして、供給削減の問題があったわけでございますが、これにつきましては通産省の方で、調査しましたわけですけれども、全体としてガソリンの需給関係は引き締まりぎみにございますけれども、一部そういうところがございますが、全体として不足するという状況ではないということでございます。また個々の問題につきましては、従来から安定的な取引関係を持っていたところにつきましては、そういうような供給削減という事例がほとんどない。というのは、そういうことがあれば役所の方で当事者からよく事情を聞いて個別的に処理をするということでございますが、また現に解決をしているところがございます。
 また価格については、先ほど申し上げましたように、毎週調査をいたしているわけでございますが、それにつきましては、問題が出ればその都度対応していくということでございまして、当庁としても、先ほど来申し上げておりますように、石油製品の価格、監視について特に徹底した調査を行いたいと思っておるわけでございます。
 それで、北九州とか福岡についても、私どもの関係しております物価安定対策事業というのがございますが、それで照会もしておりますが、ほかの地域に比べてみて特に異常であるという現象は見られていないというふうな結果を得ております。
#74
○桑名義治君 最近の新聞紙上では、そういうふうに生産制限等のいろいろな問題、あるいは便乗値上げ等の問題、あるいは公取に引っかかるのではないかというようなそういう疑いがあるということまでも新聞では報道されておるわけでございますし、実際に個々に当たってみますと、前回の委員会で私が御質問申し上げたような事例はもうすでに出ているということは事実なんでございます。そういったことから徹底した強力な監視体制をしいて、さらに適切な処置をとっていただきたいことをお願いをしておきたいと思います。
 それから先ほどの質疑の中でも出ておったわけですが、いわゆる四・九%の卸売物価の上昇の中で公共料金の値上げが一・五、この比重を占めるというお話があったわけでございます。そこで公共料金については、経営の徹底した合理化を前提とし、物価の国民生活に及ぼす影響を十分に考慮して、厳正に取り扱わなければならないわけでございますが、国鉄の値上げの後にも高速道路の値上げ、たばこ料金の値上げ、大学授業料あるいは健保、タクシー、こういうふうにメジロ押しに値上げが予定されているわけでございますが、経企庁としては所管の省から協議を受けて、それをどういうふうに査定をなさろうとしておられるか、まずはお尋ねをしておきたいと思います。
#75
○政府委員(藤井直樹君) 問題の案件によって違いますけれども、共通して言えますことは、当然のことですが各企業体の経営状況、そしてその引き上げを必要とする事情等については、詳細にその原価の内容に立ち入って審議をしておるわけでございます。それで私どもの話をしているのと同時に、一方で物価安定政策会議に特別部会が設けられておりますので、たとえば国鉄等につきましては、その部会の御意見を伺いながら、そしてそれをまた国鉄の場合でございますれば運輸審議会という機関がございますので、それに対してもその意見を申し入れるというようなことで、行政的にもまたそういう物価安定政策会議という場での御意見を伺いながら、両面相まって公共料金の改定に対処していくという状況でございます。
#76
○桑名義治君 いずれにしましても、この問題については役所の性格上、国民が非常に期待をしている官庁でございますので強力に取り組んでいただきたいと思います。
 それから、卸売物価の上昇問題と並びまして、インフレマインドを増幅さしている問題として国債の消化難が大きな問題となっているのでございますが、最近のマネーサプライの増加要因のうち、国債、これは公共債を含めてでございますが、どのくらいの割合を占めているのか、日銀の方にお答え願いたいと思います。
#77
○参考人(中川幸次君) 最近のマネーサプライ、まあマネーサプライと申しますときは比較的広義の、広い意味でのマネーサプライの平均残高の前年比ということで言うことが普通でございますが、ただ、要因別にどういうものがふえたかと見ますときには平均残高でなくて、その末残しかわからないので、その点御容赦をお願いしたいと思いますが、そのマネーサプライが大体一二%強ふえております中で、国債は最近四・四%の寄与度でございます。これは一−三月でございます。三月だけとりますと五・四%の寄与度となっております。これが昨年の一−三月あたりでは、国債は二・七%でございまして、一月だけをとりますと、五十三年の一月の場合にはそれが二・二でございまして、そのほかに公社、公団債あるいは地方公共団体向けの貸し出しというものもマネーサプライの押し上げ要因になっているわけでありますが、公社、公団債の方はウエートは少のうございまして、去年の一−三月あたりは〇・三%マネーサプライを押し上げる要因になっておりましたのが、ことしの一−三月では〇・四、余り寄与度はそう高くなっておりません。
 地方公共団体向けに対しましては、貸し出しと地方債と両方ございますが、昨年の一−三月が大体一%の寄与度でございました。いまも一%の寄与度ということになっております。
#78
○桑名義治君 時間が参りましたので、この一、二問で終わりたいと思いますが、大蔵省見えておりますか。
 国債の消化難につきまして、先般大蔵省が管理総合政策を発表しました。その内容を見ますと、一つにシンジケート団が引き受ける予定の十年物国債を一兆円減らして資金運用部で引き受けると。二、それから六年から七年債などの発行により全発行額のうちの十年物長期国債の割合を六割程度に圧縮することなど、七項目からなっているわけでございますが、これを発表した後も国債の市況の暴落は続いているわけでございますが、この実状がどういうふうになっているのか、御説明願いたいと思います。
#79
○説明員(北村恭二君) 国債を取り巻く環境が、先生御指摘のとおり最近きわめて厳しいものになっているわけでございますが、これまでも国債の種類あるいは発行方式を多様化いたしますとか、あるいは流通市場の拡大、安定化等を図るというようなことでいろいろと努力を重ねてきているところでございます。
 去る五月七日、当面の国債管理政策といたしまして、発行面、流通面にわたりまして七項目の施策を決定いたしました。現在その着実な具体化に努力をしているところでございます。その一環といたしまして、昨日も国債整理基金による三千億の国債の買い入れということをオファーしたところでございまして、その他いろいろな各当面の管理政策の具体的な課題があるわけでございますが、その適切な運営に努めることによりまして国債の市況が安定化し、今後の国債が円滑に消化できるように努めてまいりたいと考えております。
#80
○桑名義治君 国債の問題でございますが、市況の買い支えについては現在市中に累積する国債残高が四十兆円とも、超えるとも言われておるわけでございますが、こういう国債の多量のいわゆる累積の中で暴落時の買い支えは不可能と、こういうふうに言われているわけでございますが、これについてはどういうふうにお考えになっておられますか。
 また、国債消化対策の根本は、いわゆる発行総量を減らすということになるわけでございますが、最近景気の一時回復により租税の自然増加も相当あるようでございますので、こういったお金を全額国債の減額に充てるべきだと、こういうふうな主張も言われておるわけでございますが、この点についてはどのようにお考えになっておられますか。
#81
○説明員(北村恭二君) 国債の大量発行のもとで非常に国債残高が急増しておりまして、今後の経済金融情勢の推移によりまして国債の市場価格ということがいろいろ変動することが予想されるわけでございまして、私どもといたしまして、十分公社債市場の拡大、安定化ということに配慮してまいりたいと思います。国債の円滑な消化に努めてまいりたいと思っておりますが、国債の価格を市場の実勢と離れたところに支持するといったような国債の買い入れということは、私どもとしては適当じゃないというふうに考えております。
#82
○桑名義治君 時間がきましたので最後に大臣にお尋ねをしておきたいと思うのですが、いろいろと限られた短い時間の中で卸売物価の上昇問題あるいは消費者物価の問題あるいはマネーサプライの問題、こういった問題を一つずつ取り上げてみますと、いわゆるインフレマインドというのは非常に高いというふうに言わざるを得ないわけでございます。いずれにしましても、こういった状況の中で、いまから先も石油値上げの問題がまだ非常に心配になるわけでございますし、公共料金の値上げ等もまだメジロ押しに控えているわけでございますし、そういった中で物価を抑えていくということは非常にむずかしい問題だとは思います。いままでの施策の中に加えて、新たな視点に立ってこの物価対策に最大の努力を払われんことを最後に要望をして終わりたいと思います。
#83
○下田京子君 まず最初にお尋ねしたい点は、他の委員からも御指摘がございましたけれども、最近の物価動向の中で卸売物価指数、これを見ますと、大変ここ四月まで六カ月間連続高騰という状況を続けているわけですね。四月前月比で一・七%で、これは年率換算いたしますと二二・四%ということで大変な急上昇率ということになると思うのです。同時に、この卸売物価が消費者物価にどういうふうに影響するかということで皆さん心配されているわけなんですけれども、三月の場合は〇・八%程度でしたけれども、これが四月になりますと、総理府統計局の五月二十五日に出されております四月分の消費者物価指数を見ましても、これが一・四%ということになっております。これはやはり年率換算ということにしまして、このままのような状況が続けば、実に一六・八%というふうなことが出てきまして、かつての四十八年当時のあの狂乱物価のときに次ぐような年率換算率になるんではないかというふうに見られるわけですね。こういう点を全体としては、総理府統計局の方でもあるいは経済企画庁においても、消費者物価は引き続き落ちついた動きを示している、また二%台で落ちついた動きをしているというふうな評価をしているわけなんですけれども、私はこの受けとめ方というのは大変やっぱり楽観的な点があるんではないだろうか、もっと厳しい側面というものを据えて、そしてすでにいままで八項目等いろいろ物価対策やられてきておるわけですけれども、事態に対応した施策がいまもう考えられてしかるべきだというふうな認識を持っているわけなんですけれども、この点大臣いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの御指摘につきまして、私別に異論があるわけじゃございません。もちろん消費者物価の動向につきましては、これをなるべく卸売物価の動向から切り離したい、また切り離さなければならないということで行政的な努力を続けておることを御理解願いたいと思います。
 それから第二点でございますが、一カ月の上昇率を年率に換算していくというやり方は、私はいささかこれは経済の実態にそぐわないものであるとかねがね考えております。ただいま委員の仰せられたことを申しているのではございません。新聞紙上において二二%であるとか何とかということをぱっと出していくということは、非常に私はむしろおかしなことであると思うんでございます。事実、一つ円高とか円安ということをとりましても、これはきわめて相対的な問題でございますから、絶対値がどうであるということではない、ドルに対しての円の相対的な価値評価であるわけでありますから、よしんばそれが、現時点で円安になったということは確かに現実としてありますが、それでは年間にそれをすぐ引き伸ばして、今後もこの傾向がさらに拡大するであろうという予測をすることも私は危険な予測ではないかと思うんでございます。いま委員から、私らが大変楽観的ではないかという御意見がございましたが、われわれも楽観的ではないつもりでおりますけれども、委員の仰せられたことは十分考慮にとめて、今後は努力してまいりたいと、そのように思います。
#85
○下田京子君 その月一カ月だけとったものをそれを即年率換算ということについては意見が違うというふうなことの御指摘ですけれども、いずれ楽観的であるという指摘については総合的に対応していきたいということだったわけですが、具体的に物価対策ということで政府はいままで八項目等いろいろやられてきたわけですが、何といいましても、他の委員からも繰り返し御指摘がありますけれども、やはり政府が責任を持って対策をとれる第一のものは、公共料金の値上げをいかに抑えていくかということがまず必要な手だてではないだろうかと思うわけです。
 あえてお尋ねするわけですけれども、政府がことしになってから軒並みずっと、消費者米価を初めとしていま審議中のたばこやらあるいは健保やらいろいろあるわけですけれども、これらをざっと、個々の家庭にどのような形で波及を及ぼすと考えられているのか、改めてお聞きしたいと思います。
#86
○政府委員(藤井直樹君) 公共料金の引き上げが消費者物価を引き上げる、押し上げる度合いでございますが、全体としては五十四年度一・五%程度ぐらいになるのではないか、このうち政府の予算関係その他で見ております国鉄とかたばことか健康保険、そういうものを含めますと全体で〇・八、そして電力料金の〇・一、その他についてはこれはなかなか積算などができる筋合いのものではございませんけれども、過去の傾向等から見て〇・六%というふうに見まして、全体一・五%というふうに言っているわけでございまして、家計に対しての影響とすれば大体その程度のものが家計支出の増加になって出てくるということではないかと思います。
#87
○下田京子君 いろいろ含めて一・五%程度の影響だというふうに見ているということなんですが、具体的に一般家庭が、一体一世帯当たり平均どのぐらいの負担増になるかということでは試算したのがございますか。
#88
○政府委員(藤井直樹君) ちょっといま数字調べておりますので、すぐに。――月収二十万というのが大体いまの平均として出てまいるわけでございますけれども、一・五%の上昇ということになりますれば、月間三千円ぐらいの負担増になります。
#89
○下田京子君 二十万月収で一カ月三千円程度だというふうな試算結果を公表されておりましたが、日本生協連が試算しました結果、これは月収はちょっと高く二十七万の家庭、四十歳台の御夫婦で高校生と中学生の四人家族の場合を見まして、消費者米価からたばこから国鉄運賃から授業料等々もあるわけですけれども、それらを含めまして一世帯当たりで年間十二万三千円というふうな負担増になる、こういう調査結果が出ておるわけです。いわゆるこういう形で公共料金の値上げが即家庭にはね返ってきている、これは平均的な数字ですね。こういうものを、本当に物価を安定させようということでしたらば多少抑えていくということを何よりもしなければならないと思うんです。それをあえて審議をしていま進行しているということについては、個々のそれぞれの省庁、あるいは国会ですと委員会の審議等があるわけなんですけれども、少なくとも担当大臣なり担当者は、こういったものについて具体的な手が打てるように、やはり取り組む姿勢が必要ではないかと思うわけなんですが。
#90
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまお示しになりました生協試算、実はきょう午前中この話をわれわれはいたしたわけでありまして、このような計算上の相違点について、よくわれわれの方の統計とすり合わせをしようじゃないかという話であるわけでございます。
  〔委員長退席、理事鈴木正一君着席〕
しかし、いずれにいたしましても公共料金は家計の支出を増加することは具体的な事実でありまして、われわれとしましては、この公共料金の引き上げについてはなるべくこれを切り下げていきたいという強い要望を持って対処しているわけでありますけれども、しかし公共料金の場合にやっぱり一番大きなネックは、何と申しましても財政上の運営との関連でありまして、そうしたより大きな一般的な問題と消費者の利益というもののすり合わせをどこでなすべきか、われわれは全力を挙げてゼロということを主張するのは当然でありますが、同時にやはり財政上の要求というものはこれを無視できない。
 たとえば国鉄の運賃の値上げ、一体これは何だということになりますると、やはりこの運賃の値上げについてわれわれはゼロということを言いましても、しかし国鉄自体の再建とか、あるいは運営とか、あるいはそれに対する国家財政の補助であるとか、そうした面から考えるとゼロではできないというような具体的な問題にぶつかります。少し時間をいただいて御説明申しますと、今度の国鉄運賃につきましては四月一日から八%以上のいわゆる引き上げを要求されてきたわけでありますが、われわれとしましてはこれをまず予算段階で五十日延期してもらいました。その結果今日の値上がりを、五十日延期したことによって約二百八十億円程度の利用者の負担を軽減したということが第一であります。第二には近距離の値上げにつきましてでありますが、これは八十円から百円に上げる、民鉄に比べりゃ非常に高い。これに対して大いに反論いたしたわけでありますが、これを八十円を九十円に、十円下げるということをいたしましても約五十億円の収入減がある、これはとても国鉄としては耐え切れないというようなことから、結局それはのまざるを得なかったという事態もあります。しかし、その後の検討の中で、百キロ、二百キロに対してはいわゆる往復割引というようなことをやろうというようなことで、多少でも近距離に対しての配慮をするというふうに落ちついた。
 それからもう一つは、学割ですか、これを三・五%に引き下げようという話でありましたが反対して、結局これを一・五%ですか、引き上げて二%に圧縮、そしてこれを国民にお願いをするというような等々のことをいたしておるわけでありまして、決して言うなりに出すわけではないわけでございます。
 それともう一つは、この六月に国鉄の再建計画、きわめてきちんとした再建計画を出してほしいということを決めておりまして、国鉄当局また運輸省もその方向で、再建計画を六月末までに提出をするということになっておるわけでございます。そうしたことによってこれから後の国鉄運賃の引き上げという問題がもっと国民にわかりやすい形、また上がっても仕方がないなというような事態、そしてまた現実には上げない方がよろしいのでありますから、上げない努力というものを国鉄当局の方に要請する等々のことを踏まえての今度の運賃改定でございまして、われわれといたしましてはもちろん不満足でありますけれども、そのような形での影響をなるべく引き下げていくというようなことに努力をいたしておるわけでございまして、消費者米価につきましても同じような配慮と努力をいたしまして、同時にまた麦の価格を上げないということもいたしたわけでありまして、そのようなことで生活への影響をできるだけ少なくするという努力をいたしておりますし、また今後もそうした姿勢を決して崩すものでないということを申し上げておきたいと思います。
#91
○下田京子君 国鉄論議をいま私はするつもりは毛頭ありませんが、国鉄を例にとって、五十日間値上げ延長したこと等々お話があったわけなんですけれども、一定の、それなりに若干期間等のあるいは値上げ幅の考慮というものはあっても、その公共料金がどんどん上がってきている。しかも、それが国民の生活に大変な影響を与えているというふうなことは事実であります。ですから、財政再建問題等も含めてそれは根本的な見直しを迫られるところなんですけれども、私はいまあえて出されたので、それじゃいま議論になっておりますたばこだとかあるいは健康保険、こういったものについては担当大臣としては、具体的にいまの国鉄問題と同じような形で、どういうふうなかっこうで対応しようとしているのか、簡単にひとつ基本的なところをお聞かせください。
#92
○政府委員(藤井直樹君) 健康保険につきましては、これは医療保険制度全般の問題として議論されていかなければならないのでございますけれども、いま提案しております健康保険法の改正におきましては、被保険者とそれから扶養者との医療給付の格差を是正する、給付率を同じにするということ、同時に、それに伴いまして医療費のうち薬剤費についての二分の一の負担を患者にしていただくということ、それから初診時とか入院時負担の金額の単価を上げていく、そういうようなことで制度全体が改正されるということの法案になっているわけですけれども、現状におきましては政管健保の赤字額が千六百億円ほどある。そういうものを漸次改善をして、そして医療給付の改善を図っていきたいということから行われるわけでございますが、それに伴いまして、たとえば薬剤費負担等が出てまいりますと、これが消費者物価に影響してくるということでございまして、全体としてその健康保険法の改正によりまして消費者物価が約〇・三%ほど上がるのではないか、そういうふうに予測をしておりまして、先ほど申し上げました一・五%の中にはその〇・三を織り込んでおります。
#93
○下田京子君 いま審議になっているその実態を聞いたんではなくて、値上げをしないという方向でどういう対応を考えているかという質問をしたつもりでしたが、時間もありませんから、いずれ公共料金が大変消費者物価に対しての寄与度を見ると年々高まっているということを改めて御認識いただきたいわけです。五十四年度で政府は四・九%程度の上昇率だと、こう言っているわけですね。
  〔理事鈴木正一君退席、委員長着席〕
これはその寄与度を見ると二五・三%ということで、実に四十九年当時にあの大変な物価狂乱と言われたときでさえ一一・六%だったわけです。それが年々上がってきていて、非常に公共料金のいわゆる消費者物価上昇率に対する寄与度が何と二五・三%にもなるということが明らかであるわけです。この点をやっぱりしっかり据えていただかなければなりませんから、その点からしてこの公共料金の値上げをいかにして抑えるかという具体策が必要ではないかと思うんです。これは国民的な大きな共通した感情にもなっています。
 時事通信社で三月の十一日世論調査をやりました。ことしの予算と含めてどういうふうな考え方をしているかということなんですけれども、全国で成人男女二千人を対象にして予算、物価への影響などを聞いたわけですが、一番やっぱり出されたのが公共料金値上げなどによる物価の先行きを憂慮する意見が最も多かったということなんです。具体的に申しますと、便乗値上げなど憂慮するということで、「公共料金が口火となって、「便乗値上げが広まるおそれがある」とみる向きは三五・一%」ということになっております。それから同時に「ガソリン、医療費、入学金など公共料金の値上げについて、「国民生活が圧迫される」とこたえた人は三八・七%」大変高いわけです。それで最後に、どういったものを政府に望むかということで、物価政策の問題で具体的に聞いたらば、「公共料金の値上げを取りやめてほしい」これが実に四八・一%になっているわけなんです。そして「公共料金の値上げ幅を圧縮してほしい」こう答えたのが二二・一%、いずれにしても公共料金の抑制希望ということが実に七割近い結果が出たわけであります。これが国民の共通した感情でありますんで、やはりいま議論になっておりますこの公共料金の値上げ、しかも政府の責任においてこれを抑えることができるというものでありますから、基本的な財政の立て直しという立場に立って、私はこの公共料金の値上げを抑えてくださいということを要望しておきたいと思います。
 それで次に移りますけれども、同時にやはりいま議論になっております一般消費税の問題なんですけれども、きょう実は五十二年の決算について参議院本会議の中で質問等あって、それに大蔵大臣が答えていたことは、一般消費税というものは物価とは別個に考えてもらいたいんで、これはあくまでも税の中での対応なんだと、こんなお話をされております。しかし一方で、ことしの二月十六日の衆議院予算委員会等では、うちの同僚委員に対して、一般消費税を仮に五%導入とした場合には、専門筋に計算させた結果で二・五%の影響が出ると、はっきりこのようにも答えられているわけなんです。これは大臣といたしましては、この一般消費税の導入方向、これがいかに国民にあるいは物価上昇に影響を与えると見ているのか、改めてこれをお聞きしたいと思います。
#94
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は一般消費税というものがまだ検討の段階であるという考えでございます。
 もちろん、現在の財政事情等を見ますると、これにはやはりいろいろな面での努力をしなければなりません。政府の経費の節減も必要でありますし、あるいはまたその他の予算の支出についても思い切った削減をして、そして現在の財政危機に対応しなきゃならないということが一番基本的な状態でありまして、そうしたような努力をした結果において、なおかつ財政上の問題点が大幅にまだ改善されないというような事態が明確になってから考えるべきものではないかと思っておるわけであります。
 それからもう一つは、この消費税が何%の税率になるのかということについては全くわれわれ政府内部では十分検討したことがございません。したがいまして、またその物価への影響についてもわれわれとしましてはそれを計算したことはございません。
#95
○下田京子君 いまの御答弁は同じ政府部内でどういうことになりますでしょうか。これは二月十六日の衆議院予算委員会の中で金子大蔵大臣が、専門家に計算させた結果、一般消費税率五%とした場合には二・五%の物価への影響が出るとはっきりこう答弁されているんです。
#96
○国務大臣(小坂徳三郎君) もちろんそういうお答えになったことは私も委員会で聞いておりました。
#97
○下田京子君 すると、これはあくまでも金子大蔵大臣がある専門家に頼んで計算した結果であって、果たして五%で二・五%の物価への影響が出るかどうかも含めて定かではないし、同時に税率そのものについても議論が一度もされたことがないとおっしゃるんでしょうか。
#98
○国務大臣(小坂徳三郎君) 一般消費税の問題につきましては、党においてこれを五十五年度中にやれるような準備をしようという決定があったわけでありますが、その詳細につきましては、もちろん現在は試案の段階であるというふうに私は思っております。
#99
○下田京子君 試案の段階であることと、先ほど大臣御答弁になった政府部内での議論がなされてないということとはこれはちょっと矛盾することではありませんか。
#100
○国務大臣(小坂徳三郎君) 別に矛盾するとは思いません。
#101
○下田京子君 試案であるけれども、それはやはり議論をしているということですか。
#102
○国務大臣(小坂徳三郎君) 一つの税収に対する方法論の問題でありますから、これは担当の部局において考えておるというふうに理解しております。
#103
○下田京子君 方法論として議論がされている。で、それの基本になったのがやはり一般消費税特別部会報告の、税制調査会で出されたそれをたたき台にしておやりになっているんだと思うのですけれども、としますとこの中に具体的なことで一つ聞きたいんですけれども、「学校教育・社会福祉事業」という項目がございまして、「学校が行う教育及び社会福祉事業のうち特に政策的配慮をすべき必要性の高いものについては、諸外国においても非課税措置が講じられていることをも考慮し非課税としてよいと思われる。」こういう一応の報告が出ているわけなんですけれども、その試案の段階での議論の中でもこの方向で進めているというふうに理解してよろしいでしょうか。
#104
○国務大臣(小坂徳三郎君) そうした具体的な内容につきまして、私はまだ議論を庁内においてもしたことはございません。
#105
○下田京子君 具体的な議論を物価の責任者である大臣がまだされてないということなので、あえて具体的に事例を出しまして、検討をしまた私たちの要望にこたえていただきたいと思うんですけれども、一つは保育料の問題なんです。いま言った社会福祉事業の中に含まれておりますけれども、保育料については措置費の徴収基準というものが厚生省から出されます。そしてその徴収基準額に基づいて各自治体が保育料を決めることになるわけなんですが、あくまでも徴収基準が基本になるということがございまして、各自治体では国の基準どおりにはしないでいろいろ苦労されておるところもあるんですが、この国の徴収基準額そのものが年々大変上がっているというのが実態なんです。五十四年度もついせんだって改正されまして、六月から各自治体でこの徴収基準額に基づいて保育料の値上げ改定措置がいま考えられているんです。簡単に申しますと、この徴収基準額によりますと、A、B階層とCが三階層で、D階層が十二階層まで分かれるというような状況になっております。それでC階層――これは市町村、県民税のみで均等割りの、Cの一階層なんですが、五十三年度で一カ月は三歳未満児のお子さんが四千五十円でした。それがことし、五十四年の基準になりますと実に五千四百五十円ということで、三四%のアップになります。金額にして千四百円です。こういう状況でDの十二階層になりますと、保育単価といいますが、保育をしていく上で必要な人件費と運営費すべて含めたものを子供一人頭に割ったそのお金が、そっくり父母の負担になるということで、何と五万五千二百四十円という保育料金になります。これは子供を持つ母親は、全国的にいま子供の非行化問題等々、あわせて幼児期の教育とあるいは保育問題、そこの中でのこういった措置費の引き上げ、保育料へのはね返りということで大変苦労しております。
 ですから、あえて私はここで要望しておきたいのは、いま具体的なところまで進んでいないということなんですけれども、こういう形で基準額そのものも引き上がる、それがなおかつ一般消費税等も含まれるというふうなことになったらば一体どういうことになるんだろうか、大変なことになると思うんです。しかも、政府は物価安定策だと称しまして八項目のいろんなことをおやりになってきたその中の一つに、地方公共団体における物価対策についても国と同様の方針でもって留意してやるようにということで要請しているわけですね。そう言いつつ、一方で個々の省庁にまたがるけれども、保育料等こうしたものが基準額そのもので引き上げられているということを改めて御認識いただいて、ぜひ対応方いただきたいということを要望しておきますので、一言大臣から感想と御意見を聞かせていただきたいと思います。
#106
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの御意見はよく承りました。
#107
○下田京子君 次にお尋ねしたいのは、本日他の委員からも御指摘がございましたが、特に石油製品の問題の中での灯油に限ってお聞きしたいんですが、大変原油の確保がむずかしくなってきている。しかし、灯油の量の確保等は十分できるようにこれからも努力していきたいし、当初見込んだ七・四%増程度の量的確保は可能である、こういうお話があったわけなんですけれども、いま現実に品不足ですね、あるいは品不足を理由にした形での便乗値上げのようなそういう傾向が起きているという、相次いでの訴えが私どものところに来ておりますし、私たちも調査した結果そのことが判明しているんですけれども、そういう御認識に立っていらっしゃるでしょうか。
#108
○説明員(竹内征司君) ただいまの灯油の問題でございますが、本年度の石油供給計画に立てております七・四%の灯油の供給に関しまして、これは現在の石油情勢その他に変化がなければそういうことが可能であろうと、こういうふうに見ておるわけでございますが、しかしながら、この需要そのものが節約を織り込んだ数字でございますので、いずれにしても需給のバランスをとるためには節約が前提である、こういうふうに私どもは考え、またそれでないと需給のバランスがとれないんではないかと、こう思っておるわけでございます。それで全国的な灯油の需給関係につきましては、大体十月から三月ぐらいまでが需要の盛んな時期でございまして、四月以降になりますと需要よりも翌シーズンに備えての貯油が行われる、そういう循環になっておりまして、四月以降九月ごろまで貯油をいっぱいためて、それで来シーズンの十月以降の需要期におきまして、その貯油を徐々に吐き出しながら需要期における全体の需給バランスをとるというのが、これが灯油の消費パターンなわけでございます。
 しかしながら、最近の灯油の需要を見ておりますと、四月から五月におきまして非常に旺盛なものがございまして、販売量等も前年度よりも五%前後ふえておるわけでございます、これは全国ベースでございますが。そういうふうな状況の中で流通在庫につきまして十分な、少なくとも前年同期よりも在庫が伸びていない、こういうふうな情勢でございますので、私どもはやはり灯油の、本年度いっぱいの灯油の全体の需給を考えていきます上におきましては、現段階におきましてやはり貯油の推進ということも非常に重要なことではないかと、こう考えておるわけでございまして、石油元売会社におきましてもそういう指針のもとでいろいろと計画的に、余り需要の集中が起きないようにしておる、こういうふうな態度でございます。
 しかしながら、現実の石油の取引におきましては、通常の安定的な取引のあれと、いわゆるスポット物からの供給というのがございます。そういうふうなスポット物につきましては、これは需給が非常に緩んでおるとき、昨年度のような需給が緩んでおるようなときにはかなり出回るわけでございますが、かつまた安い、こういうメリットがあるわけでございますが、こういうものにつきましてはややタイトになってきますと姿を消す、こういう傾向がございまして、そういうスポット物に依存しておる分野という、あるいは取引というのは、今回のような場合に非常に厳しい状況に置かれていくと、こういうふうな状況であるわけでございますが、私どもは通常安定的な供給量につきましては十分確保されておる。それからその他のものにつきましては、これは非常に個々の実態を調査して実態に合わせてやる、こういうことが必要かと思いますので、ケース・バイ・ケースでよく実情を調べまして対処していくというのが現在の状況でございます。
#109
○下田京子君 スポット買いの方ではいろいろと量確保の問題も出ていることはわかるということで、あとはケース・バイ・ケースでというふうなお話が延々とされましたが、私は具体的に全国各地で量の確保、それに合ったあるいは便乗値上げ等の傾向が出ているか出ていないか、それをつかんでいるかどうか、それだけちょっと聞かしてください。簡単で結構です。
#110
○説明員(竹内征司君) 私どもの方に持ち込まれました案件でいろいろ調査いたしまして、通常の安定的な供給取引におきましてこれが削減を受けたというふうなケースにつきましては、大きく削減を受けたと、こういう話につきましては私ども事実聞いておりません。ある一部におきまして、話の行き違い等々によりましていろいろな事態が生じたということはございますが、これは両者がその後よく話し合うということによりまして事実上の解決をいたしておる、こういうふうな状況でございます。
#111
○下田京子君 ちょっと御認識が大変あいまいで、しかもちょっと甘いんじゃないかと思うんです。日本生協連で五月二十九日にまとめて私のところに――きのうですか、届けていただきました。それから具体的に各地にお尋ねもしました。あるいは訴えられました。その結果をお話ししますと、四月になると需要期じゃないと、こうおっしゃっていますが、先ほど他の委員からもございましたように、北海道でしたら、きのうですよ、まだ五度というようなところがあるんだという中で、北海道の市民生協が訴えてきているのは、正式な値上げ通告は来てないけれども、量がきわめて少ない、そして小売店はタンクを見て全然ない家に少し入れる程度というふうな状況が出ているし、五月二十日時点で打ち切らざるを得なかった実態も出た。それから東北なんですけれども、これは秋田県の場合、五月時点ですでにエッソ、モービル系ですけれども、昨年実績比で四〇%カット、こういうふうに出されてきております。それから山形県の鶴岡生協ですが、これは出光系です。五月二十四日に特約店から通告がございまして、六月一日よりリッター当たり四円二十銭値上げしたい、さらに六月の中旬には四円程度、量については昨年実績比で二五%カット、こう言っています。それから私が住んでいます福島県で特に寒い地方と言われている会津若松市、ここは出光系です。五月は昨年実績で一〇%カットです。しかしこれは交渉の中で昨年実績は確保したそうです。六月にはそれでも一〇%をカットせざるを得ない、価格についてはまだ何ともない。それから県南の方にあります白河というところですが、これは丸善系です。五月には一〇%カットです。これも交渉で何とか確保、六月からやはり同じように一〇%カットが出てきて、値上げの方は六月一日から九円八十銭リッター当たり値上げ通告というものが出てきています。以下全国各地の状況を調べたんですけれども、売り惜しみ的な傾向が全国一斉にあらわれている、これが一点です。
 それから同時に先ほどの指摘の中にありましたように、六月になったらば値上げということもあってでしょうけれども、それを値上げがされるまでは量を出し惜しみしているという状況も出ている。それから値上げの地域が各地ばらばらですけれども、もうすでに便乗値上げ的な傾向も出ている、これは生協連で調べた結果です。私たちがその裏づけとしてお聞きした点でもあります。それからさらにお手紙での訴えなんですが、これは秋田県です。秋田県で新日本婦人の会という婦人の団体があります。これは契約でいろいろと取引されているようなんですが、幾つかお名前ずっとあるんですけれども、際立ったところだけ二社ほど御報告しますと、一つは日鉱石油というところですけれども、五月二十日から二十四日までの価格は二十リッター八百円だそうです。ただしかし、量の方がなかなか思うようにいかないで、もうこれからは買いに来ても物は売れないよと、こういうことを言い渡された。ただし、六月一日になれば灯油が入りますので宅配ができそうです。しかしそのときの価格は二十リッター当たり九百四十円になる予定ですので御承知おきください、こう言われているのです、現実に。それから日通商事というところですが、これは十八リットルを一かんで売っているそうなんですけれども、七百二十円だそうです。共同購入をずっとしてきたそうです。スタンドに来れば一かん限りお売りいたしますと、こういうふうに言っていると、これが実態なんです。そして、全国各地の生協連、ここに直接は弘前大学の消費生活協同組合のものを持ってまいりましたが、「家庭用灯油の大幅便乗値上げに反対し、量確保を求める決議」というものが相次いで出されているんです。これが実態であります。こういう実態を踏まえてまず実態の調査、的確なそういう把握をしていただきたいと思うのですけれども、よろしいでしょうか。
#112
○説明員(竹内征司君) 全般的な傾向といたしましては、先ほど説明いたしましたように、灯油の出荷量というのは前年度比五ないし六%ということで十分確保しておるつもりでございますが、個々の取引につきましては前年度実績、いろいろの考え方があるわけでございますが、その中には先ほど申しましたスポット物の入っておるのと入ってないのと、これがいろいろあるわけでございまして、これは個々の取引に沿いまして実態をよく調査をしないとわからぬわけでございますが、私どもの方に持ち込まれました案件につきましては、その辺のところはよく調査してみまして、実際上の安定的な取引であった部分の供給につきまして、これは今後も十分考えていかねばならぬと、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ、こういうふうな状況で灯油の全体の需給状況、灯油だけにも限りませんが、そういうふうな厳しい状況でございますので、非常に増分を多くするとか、そういうふうな点につきましては、増量の部分につきましてはこれは実態に即して非常に慎重に検討していかねばならぬというふうに考えておるわけでございます。
 それから値段の点でございますが、ただいま挙げられました値段、よくわからない点もあるわけでございますが、すでに他の石油製品につきましては三月と五月に二度値上げしてございます。その間、灯油につきましてはこれが民生用であるというふうな点を考えまして据え置きというふうな方針をとっておるわけでございますが、それが需要期が終わりましたら通常の他の石油製品と同様のあれになるということでございまして、その辺のキロリッター当たり四千円ないし五千円というのは、これは需要期が終わりましたら当然もとに戻るだろうと、こういうふうに考えております。
#113
○下田京子君 実態の把握をしてくださるんでしょうか、どうなんでしょうか。それだけ御答弁いただければよろしいんです。
#114
○説明員(竹内征司君) 私どもの方に持ち込まれました案件、たとえますと弘前市民生協とか、あるいは青森生協連、そういうふうなところにつきましては実態を調査いたしまして前年度の実績等の確保を図る、あるいはその他必要性に応じて確保を図るということで両者、この場合は生協でございますが、生協と元売もしくは特約店が話し合って、私ども仲立ちをして解決していこうというふうに、個別ケースに応じまして十分解決するよう図っていきたいと思っております。
#115
○下田京子君 個別ケースに応じてこれからもおやりいただくというお話ですけれども、全国的な実態の把握ということもやはりいま大変必要ではないかと思うのです。といいますのは、六月から一斉灯油の値上げという状況が出てきていると思うのですが、いわゆる需要期でないときにばんと上げておいて、それで必要な秋口になってもう絶対これは買わざるを得ないといったときには値が上がっていたという状況がつくり出されてしまうと思うのですね。その点で六月からの灯油の値上げ状況、どのようになっているか、つかんでいる範囲でお聞かせください。
#116
○説明員(竹内征司君) 六月からの灯油の値段につきましては、私ども聞いておる範囲内におきましては、過去三月及び五月、これはOPECの五%の値上げ、これは一月にOPECが値上げされたわけでございますが一そのOPECの五%の値上げ、それからその後サーチャージ分として相当の金額が上がっております。これは個々の原油によって違うわけでございますが、大体高いところでは二ドル前後のところもございます。それの分がよけいにプラスされておる、こういう原油価格の上昇がございます。それから円安というふうな事態もございます。そういうふうなコスト要因というのを反映いたしまして三月と五月に値上げしておるわけでございますが、灯油につきましてはそれらが抑えられておるということで、これにつきましては、各社によりましていろいろ違うわけでございますが、大体四千円から五千円くらい、これが需要期が終われば通常の値段になるということになろうかと思います。
 なお、四月一日にもOPECが値上げしておるわけでございますが、これにつきましてはどういうふうな幅になるのか、この辺につきましてはまだ正式に聞いておりません。
#117
○下田京子君 これは大臣にお答えいただきたいんですけれども、いま私実情をお話し申し上げました。それはまた個々によっていろいろとこれから御調査いただくとしますが、確かに一つは量が思うように家庭に行き渡らないという実態が出ているんですね。それから値上げ問題等も出ているんで、五月の二日付の日刊燃料油脂新聞によりますと、「出そろった元売二次値上げ」ということで、具体的にお名前申し上げますと、幾つかたくさんありますけれども、六月に予定しているところでは日本石油、シェル石油、それからモービル石油、それから三井石販等がずっと出ております。こういう状況で、先ほど来からいろいろと議論になっておりまして、大臣も今後の状況が国際的な動きとも兼ね備えて見ていかなければならないと、こうおっしゃっていまして必ずしも断定的なお話はしてないんですが、とすれば、四十九年当時の経験を踏まえておくれることがないようにぜひ、一つは緊急石油対策本部を設置するとか、あるいは価格抑制のための緊急対策の実施をするだとかいうことで価格の調査をしたり、あるいは末端の監視体制も行き届くように指導をいただきたい、こう思います。
 それから――ちょうど私四十八分て時間になっちゃったんですよ――もう一点あえてこれはまとめて質問しますのでお答えいただければと思うんですが、先ほどから議論になっておりましたやはり土地価格のことなんですけれども、細かいこと申し上げません。埼玉県の伊奈町のことで、これは実際に現地の方々からの訴えもありまして、私どもも調べたんですけれども、五月十三日に一般競争入札によって行った土地区画整理後の保留地の五十三区画に対して複数落札者が九名おったそうです。その内訳は四区画というのが二名、それから三区画というのが四名、二区画が三名というふうなことで、計二十六区画が複数落札者に落ちたという実態が明らかになっております。これに当たりまして地元埼玉県にあっては、これから具体的な土地区画整理事業の保留地が適正に処分されるような指導要綱をつくりたいという話もしておるようですが、その指導要綱の中にはお一人一区画ということだとか、あるいは最高価格を決めておくとか、限度額を決めておくとか、そういう具体的な手を打ちたいと、こういう話なので、せんだって建設省等で通達等も出されておりますけれども、実態を見て、より積極的な形で対応した指導がなされるように、これは希望しておきたいと思います。
 ひとつまとめて恐縮なんですが、御答弁いただければと思います。
#118
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの石油関連の、特に灯油関係もそうでありますが、こうした問題に対しましては、われわれも非常に関心を持っておりますし、またこの状況いかんが万般に、いろいろと消費者物価等にも大きな影響を持つと考えておりまして、御指摘のような方向の中で努力をさらに続けてまいりたいと思っております。まあ、特にこれは、やや政府自体としてはあれと思いますけれども、末端の監視機構というものについて、これは特に私は関心を持っておりまして、ぜひこうした面においての活発な活動と情報の伝達ということがスムーズに行われることを非常に期待をいたしております。
 また、きょうも午前中の話し合いであったんでありますが、特に消費者の方々が直接そうした事態に直面したときには、できるだけ情報をわれわれの方にどんどん送っていただきたいということもお願いをいたしております。また一方、特に経済界の方々には、先ほど来申し上げているような生産性向上によるコストアップの抑止だとか便上値上げの排除とか、そうしたことについて、従来にもまさった関心と協力をひとつ要請をいたすということ等々を積み上げまして、物価の安定に今後も努力をいたしたいと思っております。
 なお、埼玉県の伊奈町の問題につきましては、建設省来てますか。――建設省からお答えいたさせます。
#119
○説明員(和田祐之君) 土地区画整理事業の保留地といいますのは、その施行地域内の地権者が土地の一部を出し合いまして、区画整理事業の事業費の一部または全部に充てるというものでございまして、市町村等公共団体が施行者の場合には、その保留地の処分方法というのは公共団体の条例で決めます施行規程というので決めるようになっております。それから組合の場合には、地権者全員の総会で決めるということになっておるわけでございますが、そういう事情でございまして、一概にはどういう方法でなければならぬというきめつけがちょっとできないわけでございます。
 で、過去どうであったかと申しますと、国土利用計画法施行以前には、全部これは一般競争入札という実態だったわけでございます。これに対しまして、国土利用計画法の施行の前後は、昭和五十年の初めに、私ども建設省の都市局といたしましては、全国の都市計画主管課長会議及び全国の、これは都道府県の土地区画整理事業の担当者会議で、国土利用計画法の趣旨からして、その法の趣旨が土地の価格の著しい高騰を招かない――を防ぐという趣旨に照らしまして、その保留地の処分方法が、競争入札方法というのはどうも適当ではないと。で、法の趣旨に沿って公開抽せん方式など、地価の著しい高騰を招かない方法によっていただきたいという旨を指導してまいったわけでございます。
 今回の伊奈町のことで、この指導が徹底していなかったということ、それから非常に特殊な要因あるいは事情というのがあったわけでございますが、そういったようなことによって伊奈町の例のような不測の事態を生ずる可能性もあり得るということがわかりましたので、改めて五月二十一日付で、先ほど申し上げましたような趣旨の指導徹底方を各都道府県に通達したわけでございますが、今後ともこういった趣旨での指導を続けてまいりたいと思います。
#120
○木島則夫君 消費者基本法が制定をされたその施行の日を記念して「消費者の日」というものが設定をされているわけですけれど、ちょうど物特委員会の開会のきょうがその「消費者の日」でございまして、したがって、ひとつ都市出身の長官といたしましては、消費者のお立場に立って率直な大胆なお答えをちょうだいをしたいと思います。
 依然として私は、牛肉の高値の問題についての御提言を申し上げたい。
 実は前回のこの委員会でも、牛肉が大変高いということについては長官も御同意をお持ちでございます。価格が高い原因については、これはもう生産の零細性、あるいは需給の逼迫等の幾つかの要因が挙げられておりますけれど、特に問題なのは、市場メカニズムが一切働かないというところに問題があるようでございます。特にそれは、輸入牛肉の流通について当てはまる問題でございます。消費者は、安い輸入牛肉に二五%の関税と、約六百円の調整金を課して、国内時価に見合うよう高くつり上げ、国内市場に放出をしている現行の価格安定制度に大きな不満を持っているわけでございます。現在、御承知のようにこの調整金は約四百億円にも達し、これが主に生産農家の保護に使われていることは御承知でございます。使い道については、相当広範囲にわたっており、借金の、つまり生産農家の借金の返済の利子補給であるとか、また牛肉以外の畜産振興にも使われておりまして、どうも消費者のニーズからはほど遠いところにある、こういう感は否めないわけでございます。
 そこで、後で私どもが考えております不足払い制度についての御提言を申し上げる前提としまして、こういうことを企画庁にお伺いをしたい。――これは大まかで結構でございます。
 企画庁としては、現在の牛肉の価格がもっと下がれば需要がふえるんだということは、これはお認めになるわけでしょうか。安くなれば肉を食べる人がもっともっと現在よりもふえるんだということは、当然お認めになるわけでございましょうか。
#121
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員の仰せられるように、牛肉価格が安くなれば当然ふえるし、その安さによっては爆発的にふえるんではないかと思います。
#122
○木島則夫君 そうですが、まあほんとはそうなってほしいんでございますけれど、そこに一気にいかないところに実は大きな問題がございます。私はやはり長官と同じように、潜在需要というものは相当あるはずでございますけれど、さっき申し上げた現在の価格安定制度というものがこれを封殺をしている。もちろん、これは日本の農業政策の基本につながる問題でございますから、ただ価格が高い、安いという単純な問題としてとらえられないことも私は承知の上で発言を申し上げているわけでございます。
 そこで、私どもはこういう御提言を申し上げてきたつもりでございます。国内生産者の所得を保証しつつ、消費者により安い牛肉を供給するために、調整金を財源としまして、不足払い制度の導入を図っていただいたらどうかということでございます。この不足払い制度の導入は、国内市場価格を引き下げることが前提であることは言うまでもございません。国内市場価格の引き下げによりまして、生産者保証価格を下回った場合、その差額を価格差補給金として、さっき申し上げている調整金から生産者に支払おうというものでございます。市場価格の低下によって国内需要は相当量伸びることが予想されるし、また長官もこうおっしゃった。これに伴い輸入量が増加するため、調整金が大きくなり、さらに国内市場価格を引き下げることができる、こういうふうに私どもは考えております。国内保証価格は、これは大まかに言いまして、地代とか資本利子とか、適正利潤を含む平均生産費をもって設定をいたします。ただ、国内牛肉の品質は、和牛とか、乳牡牛とか、あるいは乳廃牛がございますので三種類、こういう種類がございますので、この三種類にそれぞれ設定をしていかなければいけない。
 一番大きな問題は、どの時点で不足払いをするかということでございますけれど、牛肉の流通は大変複雑でございますけれど、屠畜場を通過する時点でこの牛肉の品種とか重量とか、それから出荷者名を記した証明書を発行することにすれば、不足払いの支払いは可能ではないだろうかというふうに考えております。牛肉の持つ特性のため、牛乳と違って、不足払いの技術的な困難さというものはこれはもう私どもも十分承知をしておりますけれど、これは決して不可能なことではないと思うわけでございます。
 以上、大変大まかでございますけれど、私どもが考えてまいりました牛肉の不足払い制度でございますこの一つ一つについていま即座にお答えをいただきたいなどということではございません。牛肉をより安く、消費者の立場に立って供給をするという長官のお立場、経企庁のお立場に立ちましてどう御評価をいただくかということをまず伺っておきたいと思います。いかがでございましょうか。
#123
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま木島委員からのこの不足払い制につきましてはきわめて具体的な内容のある御提案、承りました。現状においてまだ内部においても十分検討いたしておりませんので、前向きにひとつ検討させていただきたいと思います。
 その前にやはり牛肉の供給を増加するという観点と、特に物価の重点が食料品にあるというわれわれの考え方に立ちまして農林水産省ともよく連絡をしながら、近年輸入枠の増大を積極的に図っておるわけでございまして、輸入牛肉をふやすことによって、逐次国内の生産者との関連を緩和して改善をしていくという方向を一方においてはとっておるわけでございますから、そうした観点とともにぜひ検討をいたしたいと思います。
#124
○木島則夫君 大変前向きなお言葉をちょうだいしてありがたいわけでございます。農林水産省にこういう問題を私どもずいぶん御提言を申し上げてきたんですけれど、お立場があるんでしょうか、百年河清を待つと言っては失礼ですけれど、なかなかガードがかたいんですね。ですから、ひとつ消費者のお立場に立つ長官からも大いにアプローチをしていただきたいということを私からも切にお願い申し上げたいと思います。
 そこで長官、ひとつ下馬生協つまり世田谷区下馬にございますこの下馬生協が行っております産地直輸入――産直によって牛肉か大変安くなっているという例がございます。これはもう申し上げるまでもなく長官のおひざ元でございますから、すでにお耳に入っているかとは思いますけれど、ひとつ私のレポートを聞いていただきたいと思います。
 これは下馬生協の牛肉産直の実例でございます。生協規模約一万五千人のものでございます。牛肉の産直を始めたきっかけは、これはもう牛肉が余りにも高過ぎるという生協員の実感でございます。主婦の実感から始まったわけでございます。百グラム約千円もするようないい牛肉はとてもとても一般家庭では手に入らない、何とかならないものか、生協として対策を練っていた折に、宮城県から岩手の短角牛を試食をしてもらいたいという話がきたそうでございます。五十一年春のことでございます。この岩手の短角牛は草食、草を中心に肥育をされているため、和牛の代表である黒毛和種というものに比べて脂肪の入りが悪い、肉が若干かたいんじゃないかという想像もされていたそうでございますが、組合員の試食の結果、決して味の点で問題はないということで意見が一致して、昭和五十一年預託肥育を決定して五百万円の出資でこの短角牛三十頭を購入したのがそもそもの始まりであったということです。この岩手の短角牛は市場においてどうかといいますと、安く買いたたかれているのが実情だそうです。というのはこの牛肉の取引はサシ、つまり脂の入りが依然として価格形成の基準になっているからで、競りは一見合理的に見えるけれど、消費者サイドから見ると合理性に欠ける、こういううらみがあるということであります。現存の牛肉の取引の実情では価格形成は大変不安定、需給関係によっていては価格の乱高下も防ぎ切れない。生産者も投機的であれば、また消費者もコストがわからず、流通の不明朗な実態と相まって投機的にならざるを得ない。食料品の価格形成が果たしてこういうものによって決まっていいのかという大きな疑問がここに生まれてくるわけでございます。仮に生産費を計算をして適正な利潤を見つけ、つけ加えた安定価格で消費者が購入できるようになれば、これはもう生産者にとっても消費者にとっても納得のいく合理的な価格形成ができるはずでございます。さらにこの下馬生協では五千万円をかけてミートセンター、屠畜場をつくりまして枝肉から部分肉から精肉にして生協員に配分することにした、大変安くいま売っておりますね。百グラム相当いい肉で二百五十円、したがって、市場の三〇%から四〇%も安いということであります。
 さてそこで、こういう実験を通して生協員、つまり主婦たちは経済の末端は消費者が支えている、消費者サイドからの積極的なアプローチこそ市場機構の改革に道を開くという確信を得たそうでございます。この人たちはこのほか、牛肉に関する知識を広げるためにパンフレットの作成であるとか、学習会であるとか、料理講習会を通じて消費者の啓蒙を続けている。何にもわからないところから出発をして、いまや大変なつまり権威をお持ちになっている、こういう例を私は御紹介をし、下馬生協のこういう産直に対しまして、主として既成ルートの食肉関係者からはいろんなやはりそねみとか、いやみとか批判が寄せられていることはこれは私は当然で、むしろそういうものがあることはこの生協が育てた産直というものが、確実なルートを持つようになってきたという一方の証左ではないかというふうにも私は見るわけでございます。
 農林水産省は初め、こういう態度、こういう行き方に対してはやや冷ややかではあったけれど、五十三年度の予算で産直ルート援助の予算が事業団から生協連合会に四億一千万円おりておりますね。そしてそのうちいま私が申し上げた下馬生協には三百万円おりています。これは格段な進歩であると思います。いろんな話を聞いてきたんですけれど、牧草地が余りないために飼育を預託をしましてもその牧草地を転々とせざるを得ない、大変な手間と経費がかかる、これはもう当然であろうと思います。そして下馬生協の三年間に及ぶ実験を通しまして多くの問題点と牛肉行政の改革すべき点が指摘をされています。これは一生協の問題ではなくて、消費者の共通の願いであり、私は共通の御指摘であるというふうに受け取らしていただきたい。
 そこで、以下五点について問題点が浮かんでまいりました。一つは、従来の肉牛生産はさっきから申し上げているように、サシの入りが、つまり脂身というんでしょうか、霜降りとでもいうんでしょうか、このサシの入りがいい高級和牛肉中心の取引である市場を反映しまして、飼料効果の悪い濃厚飼料を多く与える肥育形態をとっている。これは消費者の間でも疑問が持たれてくるのは当然だと思いますね。日本では霜降り肉が診重されまして、濃厚飼料はたくさん食べさせる、時によってはビールも飲ませる、マッサージもさせるというようなことですね。これはもう高くなるのは私はあたりまえだと思う。これは消費者の間で疑問が持たれてくるのは当然でございます。そこで、その消費者の側に立つてさっき私が申し上げた岩手の短角牛であるとか、乳牡牛のような大衆肉中心の格付けとか、価格形成に転換するよう経企庁として御指導がいただけないだろうかというのが第一点でございます。いかがでございましょうか。
#125
○政府委員(藤井直樹君) 確かに日本の高級肉というのが異常にいわゆるサシの部分も含めて高いということは御指摘のとおりでございまして、私どもとしても最近の食生活から見てもかつてのような高級肉ではなくて、そういう大衆肉的なもので十分嗜好にこたえ得るというふうに思うわけでございますが、そういう意味からいいますと、やはり牛肉の各部分についてのいわゆる部位でございますね、部位別に物を考えていくということが必要ではないかと思います。そういうことからいまとっている対策としては部分肉市場というものをつくって、その中で部位別に価格を明らかにしていくということが第一点と、それからそういう部位別に調理をするということについての指導を十分しなきゃならないということが一つ。それからさらに、部位の中でも低級な部分等についても十分これは食用に供し得るわけですから、そういうものを利用するというようなことなどを含めて、消費者の需要に応じていく必要があろうということで、先ほど申し上げました繰り返しになりますけれども、部分肉センターとか、それからことしからは産地消費者に、加工施設を設けまして低級の部位肉も食べられるような、そしてまたくず肉なども有効利用できるような施設もつくるような予算もつけております。そういう対策をいろいろとって、新しい形での食肉の供給体制といいますか、そういうものをつくることが非常に重要だと思っております。
#126
○木島則夫君 いま局長のお答えの中でも触れておられた問題でございますけれど、二番目に、店頭において牛肉の品種、それから格づけ、いまお触れになりました部位、つまりヒレとかロースとかというこの部位、こういうものを明らかに示していただいて、適正な価格であるかどうか、これはもうはっきりと消費者の立場でわかるように御指導いただきたいということですね、二番目に。いかがでしょうか。
#127
○政府委員(藤井直樹君) いままでのような上、中、下というようなことでなくて、部位別にやはり表示をしていくということをできるだけ小売店に対して指導していくという必要は私どももよく感じております。その点については、農林水産省もすでに始めておるわけでございますけれども、今後ともよく連絡してやっていきたいと思います。
#128
○木島則夫君 いま局長おっしゃった上、中、下というのはまことに抽象的ですよ、これは。もう実にあいまいとしていてわからない。したがって、やっぱり消費者の立場に立って、これはどこの部分、どこの部分、どこの部分、それがまた消費者啓蒙につながっていくわけですから、ひとつ積極的にこれはアプローチをしていただきたいと思いますね。
 三番目。チルドビーフについては、需要が強いために利権物資化しているというのが大方の見方でございます。下馬生協のように、販売とか仕入れの仕組み、価格、利潤の算定などがはっきりしている、つまり明朗な団体を中心に実需者割り当て、これはもう専門的なお立場でおわかりと思いますけれど、随意契約とか、いままでのいろんないきさつから、何となくその肉が分けられているというようなあいまいもことしたものでない実需者割り当てを考えるべきではないか。特にチルドビーフ、フローズンビーフは一般の流通ルートに乗りますと、品質とか価格をチェックするシステムがございませんので、一般国産牛肉と区別がつきにくい、こういう点もはっきりさしていっていただきたい、メスを入れていっていただきたいということであります。いかがでしょうか。
#129
○政府委員(藤井直樹君) チルドの割り当て団体は四団体ございますが、これはみんな加工業者とか小売業者とか卸売業者、いわゆる実需者でございますので、そういう指名された団体に対して、現在競争入札をやっておりますが、こういう体制を維持して、できるだけ実需者に円滑にチルド牛肉が流れるという方向でやっていく必要があると思いますし、現にそうやっているところでございます。
#130
○木島則夫君 これもひとつよく監視をしていただきたいと思いますね。この流通機構は大変複雑なんですよ、牛肉の場合に。うっかりこの中へ踏み込みますと、ある記者がある本を書いて消されるんじゃないかと言われるような、どうもそういう世界でもあるらしい。したがって、この辺はやはりきちっと監視をしていただきたいと思うわけでございます。
 それから四番目に、現在輸入牛肉の三分の一は指定店に配分されまして、農林水産省の指導を受けまして売り価を指定され、表示の義務を負っているわけです。現在、約七万店の小売店のうち指定店は約二千店であると聞いておりますけれど、この認可の枠を広げていってもらいたいという希望がやっぱり消費者からは出ております。この点は、これからどういう行政指導をおとりになるのか。
#131
○政府委員(藤井直樹君) チルド牛肉の指定店扱いにつきましては、五十二年の七月までは八百店、輸入牛肉をともかく低廉に供給するためには、やはり指定店という制度を設けて、その中で価格も十分守られる形で、小売目安価格を守られる形で売られるようにということで私どももこの拡大に努力したわけですが、現在では二千三百店になっている。かなりふえたという状況でございます。そういう意味で、指定店数の拡大の方は一応軌道に乗ったと思っておりますが、こういう指定店を通ずる量ができるだけふえていくようにということも含めて指定店制度というものを拡充していくように、これからも努力したいと思っております。
#132
○木島則夫君 これは、二千店が二千三百店、大いに結構だと思います。ただ、指定店というその肩書きだけでなくて、これは内容も、やはり名実ともに充実をしていっていただきたいということ、これはとても大事だと思いますね。あそこへ行けばチルドビーフがきちっとして店頭にあって目につきやすい、価格もはっきりしているというようなことであるならば、その指定店というものを広げる意味でも、私はこれから重要なポイントになっていくだろうと思うわけでございます。
 それから五番目に、牛肉の生産、流通を改善していく上で、いま私が取り上げました下馬の生協の実験はきわめて貴重であると思いますね。政府当局も、実績のあるモデル店には積極的な援助をしていただきたいというのはお願いでございますけれども、どうでしょうか。
#133
○政府委員(藤井直樹君) 先ほどから御説明いただいております下馬生協は、まさに、その生協が産直事業を営む先駆者だったわけですけれども、その状況等を見まして、政府としても少し助成したらいいのではないかということで、畜産振興事業団の差益の活用の中で、生協の産地との連携事業に対して積極的に助成していこうということにいたしておりまして、先ほどおっしゃったような形でやっておりますが、その中に下馬生協も入っているわけでございます。全国で約五百五十店ほどいま補助対象になっておりますけれども、やはりできるだけ流通過程を簡略化した形で消費者に牛肉を提供するという意味で、きわめて有効な小売業の流通改善の対策だと思いますので、これからも大いに努力していきたいと思います。
#134
○木島則夫君 ついでに、局長に一言伺っておきたいんでございますけれども、畜産振興事業団の調整金が、いま約四百億保留されているということでございます。この使い道について、もちろん生産農家の保護ということが大前提になっていることは私は大いに結構でございますけれども、一気に、私どもが御提言申し上げた不足払い制度に全部これを充てなさいと言う前に、まだまだ私は牛肉以外の豚とか、鶏とか、そういうものにもこの資金が使われているというようなことでなしに、やはりもっと、何というか、消費者に直結したような形での使われ方を私はぜひ望みたいわけですね。経企庁としてどうでしょうか。
 これは、私は調べたわけではございませんから、いま、ある新聞の報道によればというクレジットをつけます。生産農家の結婚資金にこの調整金が使われたというような記事も前に拝見をいたしました。こうなるとますます消費者サイドからは手の届かないところで、こういう調整金が使われているということでございます。局長、どうでしょうか、この点は。
#135
○政府委員(藤井直樹君) 畜産振興事業団の差益について、生産者側向けに使われることであれば、それが生産の合理化等で、これも消費者に戻ってくるということは考えてもいいと思うんです。しかし、そうでなくてダイレクトに消費者対策に使うということももちろん必要なものですから、これは、一昨年からの円高対策の中で特に取り上げて推進してきたことでございまして、たとえば東京でございますけれども、朝市をつくって、共同仕入れを小売業者がするという形で流通マージンを減らすというふうなことにも使っておりますし、それから小売店が毎週市価の二割引で一回ずつ安売りをするというふうな事業にも使っているわけでございまして、漸次その幅を広げておりますけれども、おっしゃるように、これを消費者対策に使うということについてはさらに努力をしたいと思います。ただ、この事業団の金の使い方というのは、これは政府機関でございますので、会計検査院もきっちり見ておりますので、その点は不当な支出にならないように、十分そこのところは管理されており、チェックされておるということはございますので、ただいまおっしゃったようなところにどう使われたかということについては、なお私どもとしてもよく調べてみますけれども、そういうことができない仕組みになっているということをひとつ申し添えておきます。
#136
○木島則夫君 長官、きょうはさっきも申し上げましたように「消費者の日」でございます。私どもが牛肉が高いということはこの委員会でも言い続けてまいりました。牛肉をより安く提供する、消費者の立場に立ってより安く提供するための方法論として、不足払い制度というものを御提示を申し上げたわけでございます。これが一番いいんで、これでなければだめだなんということではないわけであります。一つの方法論として申し上げたわけでございます。さっき長官が検討をいたしましょうという前向きのお言葉がございましたので、ひとつこういうものをよりどころに、よりどころというか、たたき台にしていただきまして、大いに政府部内でも御議論をいただきたい。そして、もし牛肉が安くなれば、長官のお言葉私は肝に銘じておきます、爆発的な需要が起こるという、これはやっぱり私は大きく期待を申し上げたい。それをどうやって、じゃ爆発的な需要を喚起をするかという方法論について、ひとつ大いに政府部内でも長官御議論をいただきたい、このことを要望を申し上げたいと思いますが、最後にもう一言ひとつ長官から前向きのお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#137
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま木島委員からの大変に私は示唆に富んだ種々の御提案、御提言をいただきまして感謝いたしております。私も牛肉が高いということがすべての物価に対する不信感につながっていると思うのであります。そうした意味で、庁内におきましても先般来いろいろと、どうしたら安くなるんだということを累次協議をし検討もし、しておりますが、なかなか思うように進んでおりません。これにはやはり、長い歴史的ないろいろ問題があるということでありますが、先般、そうしたことを踏まえて、今年度の肉の価格の安定帯と申しましょうか、それを据え置いたということなども、これは近来にない農林水産省の英断であったと皆さんが評価されているようでございますが、しかし安定帯を据え置くということでなしに、さらに安くすることがわれわれとしましての一つの願いでございますので、いまお示しいただきました五つの点につきましては、それぞれ政府の今日までの施策の中に一部は実現しあるいは一部は実施されないというようないろんなものもございますが、もう一回これをひとつ承ったことをベースにして、よく庁内でも検討してみたいというふうに思います。
 また、繰り返して申し上げますが、不足払い制度につきましては、これはなかなかの問題があると私は直感的に考えますが、しかし御提案の御趣旨はきわめて現在にとりましては有益なものであると考えまして、検討させていただきたいと思います。
#138
○委員長(夏目忠雄君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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