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1949/04/30 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 内閣委員会 第28号
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1949/04/30 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 内閣委員会 第28号

#1
第007回国会 内閣委員会 第28号
昭和二十五年四月三十日(日曜日)
   午前十一時十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○海上保安庁法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○経済調査庁法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○大蔵省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○国土綜合開発法案(内閣送付)
○行政機関職員定員法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。
 海上保安庁法の一部を改正する法律案を議題といたします。御承知の通り本案に対しましては衆議院において修正があつたのですから、この修正点について先ず以て政府委員から説明を求めた方が便宜と思いますから、さようにいたします。
#3
○政府委員(大久保武雄君) 衆議院で御修正になりました点を申上げますと、先般来本委員会でも御説明申上げましたように、今回の海上保安庁法の改正は、中央機構並びに地方機構を改正強化をいたしまして、新らしい事態に備えるという趣旨に出発しておつたのでございます。修正頂きました点は、中央機構において一部と、地方機構において相当な部分があつたのでございます。中央機構における改正は政府の原案といたしましては、長官の下に次長が現在おりまするが、その次長の外に次長と同格の警備救難監というものを置きまして、海上の治安を維持し、船舶の救助を行う部隊の指揮をし、その運用を行うことを敏速にいたしたい、かように考えておつたのでございますが、この次長が統轄をいたしまする総務部という一般の行政並びに官房的な仕事を所掌いたしまする部は、これを長官直結にいたしました方が適当であろうという点が、中央に関する改正の一点であります。地方機構の改正の要点は、海上保安庁は従来九管区で参つたのでございまするが、今回それを六管区制度にいたしまして、大管区制の機動的運用を図りたい、かように考えまして御提案をいたしました次第でありまするが、六管区制になりますると、どうしても諸般の状況から日本海方面に管区本部を設置することができなかつた次第でございます。ところが、諸般の海上治安の面から申しましても、或いは北海道の荒海の中における遭難船の状況からいたしましても、日本海方面に管区本部がないということは甚だ不適当である。かような御見解から、現存同様舞鶴並びに新潟に管区本部をそれぞれ設置をするということに御修正になり委した。舞鶴の管区本部を従来山陰地方が広島に属しておりましたものを、密航船の移動を捕捉する関係から、鳥取県、島根県は舞鶴管区にこれを属せしめまして、一体として西方より来る対象に対する備えをした方がいいだろう。かような御見解で一部管区の所属権の修正をいたしましたような次第でございます。その外、名古屋の管区は政府案によりますると、これを近畿、舞鶴管区と合せまして一管区になつておつたのでありまするけれども、舞鶴、三重方面の伊勢湾方面の熊野灘を控えたところの遭難船、並びに最近は紀州沖を廻りまして名古屋方面に相当の密航船が入航して参ります関係もございまして、これはむしろ名古屋に従来通り管区本部を置いで所掌せしめた方が行動が敏活であるというようか関係から、一応管区は従来同様九管区にした方が適当であろうということに御決定になりましたわけであります。尚又管区本部の所在地を政府案によりますると、従来ありました管区本部のうち、新潟、舞鶴、名古屋の管区本部の所在地を、これを抹消いたしますと共に、神戸にありました管区本部はこれを大阪へ移し、門司にありました管区本部はこれを福岡に移すという原案でございましたが、政府案の趣旨としますところは、行政機関の集つておる中心に移した方が適当でふろうかと、かように考えたわけでありますが、衆議院におきましては、門司並びに神戸とも非常に重要な国際港であり、港湾としては非常に重要な條件を持つておるし、又基地としても諸設備が非常に優秀であるので、かくのごとき都市からこれを他に移動することは、苟くも海の官庁としては適当ではなかろうと、かような御見解から大阪に移しました本部は依然として神戸、福岡はこれは依然として門司ということにいたしまして、管区本部の所在地も従来同様ということに御修正を頂いた次第でございます。
 以上が海上保安庁法に対する衆議院修正案の主な点で十ございまするが、ただ最後に政府案は施行日を五月一日にいたしておりましたけれども、御審議の関係、又諸般の情勢から政府案の提出が遅れました関係上、これを一ケ月延期いたしまして六月一日実施ということに御修正になりましたわけでございます。
 以上簡單ながら衆議院の修正案に対する御説明を終ります。
#4
○竹下豐次君 管区を六つにまとめるということにつきましては政府の方では相当に御研究の上立案されたのだろうと思つておりますが、今度のこの衆議院の修正案、従来通り九つの管区にするということについては、政府の方は御同意になつたわけでございますか。それとも又対立したわけですか。
#5
○政府委員(大久保武雄君) 政府といたしましても管区本部の分け方につきましては種々研究した次第でありまして、実は六管区では若干不足であるということは私共も考えておつたのでありますけれども、何しろ六つに限定せざるを得ん諸般の関係もございまして、幾分日本海方面に手薄であるということはかねて考えておつたわけでございます。何らかこの管区本部の拔けましたのを管区本部に次ぐ機関を置いてこれを補いたい。かように政府といたしましては考えておつた次第であります。実は管区本部を置くことが全然白紙で許されるならば、衆議院の御修正のように管区本部を置くことが政府としましても異存がなかつた次第であります。
#6
○竹下豐次君 今伺いますと、何だか元の案が余り確信のない案のようにも伺えました。もう一つ私などが気になりまするのは、少し惡い観察かも知れませんですけれども、こういう問題についてはややもするというと地方的の運動が入りまして妙な結果を持ち来すというようなこともないとも限らない問題だと思います。そういうことも恐らくなかつただろうと思いますけれども、いろいろな問題で政府が情実に流れて、もつと確信のあつた案を又改めてしまうということになつちや甚だおかしなことになるということも気遣はれるわけでありますが、何だかそこの御説明が、元から確信のない案をお出しになつたように聞えますが、その点は如何でしようか。
#7
○政府委員(大久保武雄君) 海上保安庁の管区の分け方は、行政面と、それからもう一つは、海上保安庁の実際の部隊の勢力がどういうように配備され、且つ強化されて行くかということと見合いまして、おのずから考えなくちやならん問題だと考えます。実は今回九管区制度を六管区に改正いたそうといたしました際におきましても、若干時期が早くはないかという点も考えた次第でありますけれども、併し将来の船舶、船隊の強化しました曉における諸情勢も考えますると、或いはこの際若干の無理をしても、六管区制に進むということも過当であるかと決心をいたしました次第でありますけれども、現在の装備の状況におきましては、六管区制では若干不備であるということは、率直に申せば感ぜられておつた次第でございます。
#8
○竹下豐次君 私の質問は一応これで……
#9
○三好始君 衆議院の修正に関して、大体の御説明がありましたが、簡單でよく分らない点もありましたので、一、二お尋ねいたして見たいと思うのであります。一つは、中央機構の修正に関する部分でありますが、次長は長官を助けて庁務を処理するという、その庁務の中から、総務部の所掌事務を除いた理由につきまして、先程の御説明が簡單であつたので、我々納得をしかねる点があるのでありますが、改正法案の第六條によりますと、総務部において所掌する事務は、第一号から第十四号に亘る非常に広汎な事務になつております。これらを次長の長官を助ける範囲から除外するということは、一般の官庁における次長の立場等と比較いたしましても、常識的に果して適当であるかどうかについて、了解しかねる点があるのでありますが、総務部の所掌事務を第十一條の第二項から除外した理由について、もう少し詳しい事情、こういう結果が実現されることが果して適当なのかどうかということに対する御意見を承わりたいと思うのであります。
#10
○政府委員(大久保武雄君) ちよつと速記を止めて頂きます。
#11
○委員長(河井彌八君) 速記を止めて。
  〔速記中止〕
#12
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。
#13
○三好始君 次長の長官を助ける事務のうちから総務部の所掌事務を除外したことは、先程の御説明によつても私達理論的に了解するということはどうもできかねるのであります。いろいろな事情で今回それが如何ともし難い状況にあるのでありましたならば、将来の課題として十分御検討を頂きたいと思うのであります。
 それから次にもう一つお尋ねいたしたいのは、六海上保安管区が三つ殖えて九海上保安管区に増加するような修正が衆議院で加えられたのでありますが、この点について先程竹下委員よりお尋ねがありましたけれども、それに補足して一、二お伺いして見たいと思います。一つは管区本部の位置の問題でありますが、保安管区が増加したことに伴なつて、本部の位置がそれに応じて或る程度変つて来るということは了解できるのでありますが、従来位置の問題でいろいろ政治的な対立、争奪のあつたような事情も承つておりましたので、私は前回の委員会でその一つの例を挙げて政府の見解を承つたのでありますが、私達はどの位置が適当であるかについて十分な事情が分りませんので、個人的な見解をはつきり申上げることもできませんし、結論が出し、にくいのでありますが、ただこの前の御説明で、例えて申しますと、九管区では第四海上保安管区、衆議院の修正によりますと第五海上保安管区でありますが、この本部の位置が政府原案では大阪市になつておつたのが修正案では神戸市になつておる。大阪市になつたということについては、本部の位置としていろいろな事情から政府においては、これは適当だということを前回の委員会で説明されたわけであります。修正案では神戸市になつております。これは管区が九つに増したことに伴なつて理論的に神戸を適当とするようなふうに事情が変つたのかどうかということをお尋ねしたいのが一つ。
 もう一つは、これは極めて小さい問題で、或いはこういう方面の專門でない私の考えが事情を知らないところからこういう質問が起つて来るのかも分りませんが、大体海上保安庁が関係し、海上保安管区に入つておる地域に全然海のない県が入つておるわけでありますが、これは事務の処理の上から言つてどういうことになるのでしようか。それ点を併せてお伺いいたしたいのであります。
#14
○政府委員(大久保武雄君) 六管区制が九管区制になりまして、管区本部の所在地が若干移動を生じました点は、一応諸般の情勢からいたしまして本部の分け方が、大体本部の所在地はこれはもういじるまい、まあこういうことになりましたように承知いたしております次第でございます。 次に海のない県を管轄範囲の中に属さしめております理由といたしましては、海上保安庁はこの船隊を動かしまする部隊行動的な仕事と、それから一般の海事監督に関する行政も所掌いたしておるわけでございます。例えて申しますれば船舶の海上安全に必要なる検査をいたしておる、即ち造船検査や、船体、エンジンの検査をいたしておるわけであります。かような関係で、エンジン工場等が群馬県等にございますとその方もやはり舶用エンジンとして検査をいたすわけでございます。かような関係からいたしまして海のない県も所掌範囲に入つて参りますわけであります。
#15
○門屋盛一君 これはいろいろ理由をつけられるけれども、結局現在九つの管区で行われておるのに戻したという以外に修正案の理論的な根拠がないのじやないかと思うのです。それで九つが適当であつたものならば政府も初めから九つで出すべきであり、まあ関係方面の示唆があつたとしてもそこのところは少し法案の出し方として信念を欠いておる。それからこの修正案が本当に実際問題として考えた場合には、これではまだ修正が本当じやないのじやないか、本当に海上保安の目的を達する点から行きましたならば、ただ日本地図の上をずつと平均に海岸線だけで割るというようなこともできないのだし、実際の保安業務、同時に密輸等の多い関係等から行きましたならば、私はこの修正案の第七海上保安管区、原案の第六海上保安管区というものは二つに分けても、他の管区の一つ分以上の仕事があるというふうに考えるのでありますが、この点についてもう少し具体的に言いますならば門司管区、第七海上保安管区、政府案の第六海上保安管区の仕事とどこが匹敵するくらいな仕事があるか、仕事の量から行き、重要性から行きますならば、やはり第六管区では、これは長崎、佐賀、熊本で一つの管区の仕事がある、外の山口、福岡、大分、宮崎、鹿児島、或いは鹿兒島は長崎、佐賀、熊本の区域に入れても、とにかく九州のあれだけの海岸線、而も最も密輸とかいうものの多い地帶を門司に本部があつて玄海灘を視るということは実際上業務においても支障が多いのでありまして、そういうところを考えますならば、むしろその実際に適合するような修正をやるならば同じ九つというものに限定した場合には、名古屋の重要性を説かれましたけれども、これはまあ岐阜県を除きますれば……、三県になつているようですが、実際の海岸線からいきますと、愛知県と三重県だけで保安管区ができておるというような点と、それから広島管区のごときはこれによりまして瀬戸内海だけで、非常に小範囲に、而も瀬戸内海の岡山以東のものは、神戸に行くんだから、非常にこれは狭くなつておる。それで警備の関係から言いましても、むしろこれは六管区にした場合には日本海方面におかれておらないということだけが不合理であつて、日本海方面に一つの管区を殖やすということなら頷けるのですが、それに便乘して瀬戸内海関係で一つ殖やし、又太平洋岸の名古屋に殖やすということになると、それは仕事が多ければ人間を多く置けばいいというような簡單な考え方もあるかも知れません。併し海上保安の業務というものに対しては、その管区の所在地には相当機動性を持つたものを、船なり人員なりを用意する、こういう建前かち行きました場合に、管区を殖やしても用事のないところに、用事の少いところに殖やす、そうして最も用事の多い管区がやはり一管区であるために、警備が少くなるというようなことがあるのじやないか、こういう疑問を持つのですが、この点の説明を願いたい。
#16
○政府委員(大久保武雄君) 只今門屋委員の御発言の九州管区の、即ち第七管区の重要性というものは、誠にこれは大きいものがございまして、現在海上保安庁の船隊の約半数を九州に配備しておるような状況でありまして、殆んど全力を九州へ傾倒しておると言つても差支ない次第でございます。そこでこれを他の管区に比較いたしますと、相当九州のウエイトは大きいのでございます。それだけに私共の方としましては、船艇の数からいたしましても、又優秀なる船艇を配備しておる点から申しましても、全区において優なるものであります。そこで九州を又、更に割るか割らんかという点につきましては、いろいろ研究もいたしはいたしましたけれども、あの九州全域をめぐつておりますところの海上における機動的な対象の移動状態からいたしますると、却つてここは分割しない方が適当ではなかろうかという一応の結論に到達いたしておる次第でありまして、その代りに九州管内の部隊の勢力並びに地方機関を充実強化いたしまして、今後の態勢に備え得ると考えておる次第でありまして、この点は北海道につきましても九州と比較いたしますると小さいわけでございますけれども、同じことがいえるものと存じておる次第であります。
#17
○門屋盛一君 そこで分つて来ることは、非常に重要なところも機動力を保有するという意味において、管区を分けない方がいいということは今の御説明ではつきりして来ました。そうしますと、これが例えば名古屋とか広島とかいうふうに太平洋岸の本土関係で二つの管区を殖やすと、その行政機構の頭の方だけが殖えるのであつて、結局実際の活動面に必要なところの船隊とか海難救助等の人員はその割合に配属が多くないということが想像されますので、私はむしろ九州や北海道が一管区で行くものであつたならば、やはり日本海方面に一管区を殖やすというだけで、不必要じやないか。頭でつかちの動きの取れない、誰かの漫画に描いたようなものができちやつて、管区長が二人殖えるだけのもので、私は実際の活動ができないんじやないかと思う。この点率直にその事務を直接見られておる大久保長官の、右顧左眄しない答弁を願いたい。
#18
○政府委員(大久保武雄君) 海上保安庁の現在の船隊能力からいたしますと、優秀な船を一方面に集中するということになりますと、どうしても他の方面は相当弱体勢力でこれを持つて行かなければならんわけであります。かような関係からいたしまして、九州に相当強力なる部隊を集結いたしております関係上、他の海域は比較的その勢力が微弱でありまして、非常な広域を行動し得る船艇の配備が未だ整つていないわけであります。この点が私が当初に申上げました現在の段階においてはまだ六管区においては一応無理な点も考えられたと申しますのは、その点でございます。かような点からいたしまして、相当微弱な船艇で沿岸警備をいたしておりまする方面におきましては、これをいきなり非常に広い海域を分担せしめますことは、若干無理な点も出て参ります関係上、幾分これを小別けにするということも必要になる面が生じて来るわけでございます。
 尚又日本海方面を一管区制ということは、実は私共の方でも研究に上つた方式でございますが、何しろあの非常に長い海岸線を一管区にいたしますると、端から端までの連絡だけでも非常な長時間を要しまして、或る意味において却つて現在の状態におきましては、先程申しました船艇の点、船艇の性能の点、並びに海上保安庁が陸上行政も一面掌つております関係上、相互連絡というものに非常な不便の出て来るような面がおのずから起つて来る次第でありまして、かような点からでございますか、日本海二管区制になりましたようなわけであろうかと存ずる次第でございます。
 尚又海上保安庁の人員に関しまして、現場の強化という点につきましては、海上保安庁は今回定員法におきまして約六百余名の増員をいたしまするが、これは全部海上保安庁の現場職員でありまして、海上保安庁は二十五年度におきまして千トン・クラスを主力といたしました三十六隻の新巡視隊を新造する予定になつておりまして、殆んどこの要員が主力を占めておりますような次第でございまして、現場の強化につきましては強力に実施をいたして参りまして遺憾なきを期したいと考えておる次第であります。
#19
○城義臣君 いろいろと慎重な御質疑もあり、又それに関連して純理的な立場から御意見もあつたようでありますが、質疑は一応この程度で打切りを願つて討論にお入りを願いたいと思います。
#20
○委員長(河井彌八君) ちよつと、委員諸君から御質疑の出ない点を一つ私から質疑をしたいと思いますが、海上保安庁の重大なる任務は、沿岸の警備という点と、もう一つ特に大きな問題といたしましては何と言いますか、海難の救助という問題、その海難の救助の方面につきましては、これまで輝かしい歴史を持つておりまする日本水難救済会ですか、これの機能は殆んど破壊されてしまつたような実情です。従来は国で以て相当補助をいたし、援助して参つたのでありますが、これももう昨年は若干の補助はあつたようでありますが、すつかりこれはなくなつてしまつた。然るに海難の増加して来る趨勢は近来なかなか止まらないのであります。従いましてこの方面について、これが即ち海上保安庁の任務の一部門、大きな部門を民間の仕事でやつておるという実情である。その民間の有力な機関が正に壊滅せんとしておる状態であるのは、私は国家の現状にとつて非常に憂うべきことであると思う。従つて政府はこれに対して今後どういう育成の方法を探るかということは……、私は採らなければならんことであると考えますが、何故にかような状態に瀕して顧みないのであるかということもお尋ねしたいし、そうしてこれを今後どういうふうにして有力なるものに育て上げようとするのであるか、その方法等について一応説明を承つておきたいのであります。
#21
○政府委員(大久保武雄君) 只今委員長から御質疑になりました日本水難救済会の育成の強化の点でございますが、日本水難救済会が、大日本帝国水難救済会時代から非常に永い歴史を持ちまして、日本の海上における人命救助のために活躍されて来ました名誉ある歴史は、これは永く記念ざるべきものであろうと考えておる第であります。海上保安庁が創設せられましてからも、日本水難救済会の活動は、非常に困難に遭遇しながら努力をされておるわけでございまするが、最近諸般の情勢から非常に苦境に立ち至りましたことも又これ事実でございます。即ち水難救済会は相当数の船舶と人員を擁しまして、海上保安庁の手の届かない面に対しまして、この端浦の小型船舶の遭難に対する救助の手を差し伸べておつた次第でございまして、最近のこの経済界の情勢からいたしまして、船艇の維持という点につきましては、莫大な経費がかかるのでございます。これは従来寄附金によつて賄つて参つでおつたのでありますけれども、最近は更に諸般の情勢から寄附金の募集ということも困難を極めるし、一方政府の補助金は終戰まで約三万円近くの補助金を出しておりましたし、終戰後におきましても二十四年度は百万円の補助金を出したのでありますが、今回は遺憾ながらこの補助金の支出が、法を伴うという点、その他によりまして成立を見なかつたのでございます。そこで今後この日本水難救済会を育成強化いたしまして、海上における人命救助を強化いたすためには、どういたしましても若干の補助金は何とかしてこれは出すことが適当ではなかろうかというふうに私は考えておる次第でございます。この点につきまして何らか今後海上保安庁に海上災害の防止、水難救助という面につきまして法制的な面の強化をいたしまして、いずれ国会に御承認を得る機会を得たいと考えておる次第でございます。尚又海上の人命救助につきましては、国際的にライフ・セイヴィング・デイというのがイギリスにおいて創設せられまして、数十年の歴史を閲しておるわけでございますが、日本におきましても昨年以来閣議決定によりましてライフ・セイヴィングウィークというのを設定いたしまして、七月二十日の海の記念日を中心といたしまして、この人命救助運動を展開することにいたしておる次第でありまして、このライフ・セイヴィング・ウィークを中心といたしまして、今年もいろいろな募金等も強化いたしまして、水難救済会の強化に資したいと考えておる次第でございます。
 この機会に海難の状況をちよつと御参考までに申上げておきたいと存じまするが、昭和二十四年に起りました海難は、発生いたしました海難の隻数が八千二百九十九件ございます。このうちでSOSを出しますような、非常な重損に近い損害は二千五百四十三件ございます。このうちの救助率は僅かに五七%でございまして、私共はまだまだ今後救助の手を差し伸べなければならないと考えておる次第でございます。尚又この人命の救助並びに損害につきましては、起りました二十四年一年間の要救助人員八千四百十五人でありまして、そのうち救助されましたのは七千六百四十七人でありまして、このうち約三千八百余人を海上保安庁が救助いたしておりまして、人命の損害は七百六十八名に及んでおるわけであります。一年間に八百人に近い人命が失われるということは、これは由々しきことでありまして、これらの人命の救助につきましては極力努力しなければならんと考える次第であります。そこでこの海難の発生はこれを一日に割つてみますと、二時間おきに一隻の海難を起しておりまして、四時間おきに一隻がSOSを出しておりますようなわけでありまして、一日の損害は約一億円に達しようとしておるわけであります。火災の損害が三十分間おきに一件火を発しまして、その一日の損害が約六千万円と言われておりますのから比較いたしますと、海上の損害が如何にこの物的損害だけでも莫大なものであるかということは分るわけでありまして、海上保安庁といたしましては、その直営部隊を動かしまして、この損害を少なからしめるのは勿論、日本水難救済会を強化いたしまして、この救助に対しましてできるだけ一日も早く万全の措置を講じたい、かように考えておる次第でございます。
#22
○竹下豐次君 その問題に関連しまして……。補助を打切られた事情をちよつと御説明ございましたけれども、よく理解しかねましたが、もう少しいろいろ事情の詳しいことを伺いたい。若し速記に留めて惡いことでもありましたならば、速記を止めて一向差支ないのであります。
#23
○委員長(河井彌八君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#24
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。城君の御発言もありましたが、大体質問はこれで終了したと認めてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは討論に入ります。御意見のある方は御発表願います
#26
○三好始君 一、二政府に対して希望を申上げたいのであります。一つは衆議院で修正いたしました第十一條第二項の点でありますが、これは先程質疑の際に申上げましたように、次長制度を採つておる以上衆議院の修正が実現することが、海上保安庁の事務の運営上果して妥当であるかどうかについては疑問なきを得ないと存じますので、将来の機会に十分の御検討を頂きたいということが一つと、もう一つは昭和二十年から二十四年にかけて、五千四百箇余りの機雷の処理が行われたと御答弁になつておられましたが、尚多数の機雷が残つておることを承つたのであります。
 殊に瀬戸内海には一千箇の危險な機雷が残つておる。これは海上航行の安全を期する上から一日も速かに処理すべきでないかと考えられますので、海上保安庁の航路警戒所の能率を充実いたしまして、速かに処理が終るように最善の努力を拂われたい。こういう希望を付しまして本案に賛成いたします。
#27
○委員長(河井彌八君) 御発言もすでに盡きたものと認めまして、本案を採決に付します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#28
○委員長(河井彌八君) 全会一致であります。それでは本案は可決すべきものと議決せられたのであります。
 つきましては委員長の本会議における報告は委員長にお任せ願いたいと存じますが……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
 尚本案について賛成の諸君の御署名を願います。
  多数意見者署名
    伊達源一郎  竹下 豐次
    三好  始  門屋 盛一
    小杉 繁安  城  義臣
#30
○委員長(河井彌八君) 御署名漏れはございませんか……。御署漏れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#31
○委員長(河井彌八君) 次に経済調査庁法の一部を改正する法律案、これに入ろうと思いますが、時間が参りましたから、これで休憩いたしまして、一時から再会いたしたいと思います。さように願います。これより休憩いたします。
   午後零時六分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時二十五分開会
#32
○委員長(河井彌八君) これより引続いて内閣委員会を開会いたします。経済調査庁法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。本案につきましては衆議院において修正されておるのでありますから、この修正案につきまして便宜政府から説明を頂きたい、尚これに対する政府の態度を明らかにして頂きたいと思います。
#33
○政府委員(奧村重正君) 経済調査庁法の一部を改正する法律案の政府案におきましては、第一條の次に「第一條の二」といたしまして、「経済調査庁は、前條に規定する事務の外、特別調達庁及び法令による公団の業務の調査及び経理の監査を行うことができる。」こういうのに対しまして、衆議院の方で修正意見が出ました。その末尾に「但し、特別調達庁については、一年間を限り行うものとする。」ということに相成りまして、昨日可決されたわけであります。このいきさつを簡單に申上げますると、建設委員会の方から修正意見が内閣委員会の方に出まして、いろいろ御質問がございましてお答えをいたしました。その結果かように決まつたわけでございます。建設委員会の方の内閣委員会に修正意見を出されましたときの理由書には、私の記憶では、一つの行政機関が他の行政機関を監査するというふうなことは、原則的には余り適当でないように考えるというふうな御意向がございました。そういう線でこういう但書が付いたものと了解いたしております。尚その外附則の中で「経済調査庁」とありましたのを「中央経済調査庁」と改めるなど、表現上若干の修正がございました。これも同様昨日の本会議において決定になりました。
 私共の方といたしましては、特別調達庁の監査はすでに若干現行法令で以てなし得る限度において着手をいたしております。大体の見当もついておるような実情でございます。更に一年間の余裕がございますれば、相当程度その調査の目的を達するのじやなかろうかと、かように考えております。尚一年経過いたしました際に、調査が不十分というようなことになりますれば、又お願いいたしまして、いろいろ審議を願うということで差支ないのではないか、かように考えております。その他附則中の表現の修正ならば結構だと考えます。
#34
○カニエ邦彦君 今日までの委員会としての経過ですが、簡單に一つ專門員からちよつと聽かして頂きたい。
#35
○委員長(河井彌八君) カニエ邦彦君の御要求がありましたから、大体の経過を杉田專門員から説明いたさせます。
#36
○專門員(杉田正三郎君) 只今御要求のありました従来の経過でございますが、これは初めに提案の理由の御説明がありまして、それから実はこれと同時に審議いたしました経済安定本部の機構の改正の方に質問が集中して、その際にこの経済調査庁の機構について触れて御説明のあつた程度でございまして、前回にはこの経済調査庁が、只今問題となつている公団などについて、過去において調査せられたその細かい説明があつた程度でございまして、それ以上にはこちらで問題になつた点はないのであります。今までのところはそういう程度でございまして、この前木村部長から、経済調査庁が調査のために活動せられた点を詳細御説明があつたのが、前回の委員会の審査の程度でございます。この法文についてどうこうという細かい審議は実はなかつたのであります。
 それから人員の整理につきまして、一番最初のときには一応一割五分というような基準で整理が行われるのじやないかというようなお話もありましたが、併しその当時においては、まだ具体的に行政管理庁と折衝が終結に至つていないので、行政管理庁としては、その予算で決まつた枠よりも、更に整理を強化するというような意向のようだというような話で、今日別に提案になつておりまする行政機関職員定員法を見ますると、一割五分以上に人員の整理が強化せられております。相当強く整理せられているようであります。
#37
○竹下豐次君 この組織法を研究すれば分るのでありましようが、私存じませんのでちよつとお尋ねいたします。特別調達庁というのは、これは期限がついて臨時的のものなんでございましようか。
#38
○政府委員(奧村重正君) 特別調達庁自体といたしましては、期限はついておらないと承知しております。
#39
○竹下豐次君 先程の御説明を伺いますというと、一つの官庁を他の官庁が、その事務について調査したり、経理の状況を監査するというようなことは面白くないというような意見があるというようなことでありましたのですが、その点については、衆議院の方ではそういう御意見であつたかも知れませんが、政府の方ではどういうふうにお考えになつているのでございましようか。
#40
○政府委員(奧村重正君) 只今の一つの行政機関が他の行政機関を監査することが原則的に如何かと思う、こういうのは衆議院の建設委員会の修正意見の理由書に書いてあると存じておるのでありますが、実はその以前に内閣と建設両委員会の合同審査がございまして、同じような意味合での御質問がございました。私共の方といたしましては、行政機関が他の行政機関を監査するということは、これは要するに政府部内において、一つの政府機関が他の政府機関をいわゆる自己監査をする、みずから反省の資料を求めるために監査するので、これは差支ないと考えるというような答弁をいたしたのであります。又今回御審議を願つておりまする調査方の大筋を申上げますると、第一條の方で経済法令の運営に関する行政機関等の監査という表現になつております。要するに行政機関を結果的には監査するわけでございますが、それぞれの行政機関は概ねその運用の中心となりまする経済関係法令を持つておるわけであります。そこでその経済関係法令を執行するという建前から行政機関を置いた、こういうふうな仕組になつておるのであります。調査庁といたしましでは一般的な監査をするという考えではございません。いわゆる経済方面の重要なる施策の実施面を見て行く、こういう関係で今のような表現を使つたわけであります。結局、結論的に簡單に申上げますと、重要な経済施策に関する限りは、各行政機関を監査することができる、こういう原則的な建前を取つておるわけであります。ただ公団特に解散の段階に入りました公団及び特別調達庁は、その運営の中心になりまするいわゆる経済関係法令というものがないわけであります。特別調達庁について御説明申上げますると、ここはいろいろ施設をいたしました、或いは物を買いまして不用なものの売捌きをする、物を買つたり売つたりするその運営の中心になりまするいわゆる経済関係法令というものはございません。そういうことでこの改正案の実現上の技術から、第一條の二という別條を立てまして、公団と特別調達庁のみについてこの改正案を考えたわけであります。そういう意味合いで私共といたしましては、建前として行政機関の関係したものを一般的に監査し得る、こういうことで今回の法律の改正案ができておりますので、特別調達庁に関しまする限り、今のような一つの行政機関が他の行政機関を監査するということは如何かと思うという御意見には、賛成できなかつたのでございます。結局内閣委員会の方でその建設委員会の方の修正意見を受容れられまして、如何ような結論でこの但書ができましたか判明いたしませんが、経過はそういうふうになつております。
#41
○竹下豐次君 そうするとその衆議院の修正案については政府の方ではまだ同意を與えておられたいというふうに理解していいのですか。
#42
○政府委員(奧村重正君) 先刻申しましたように、経過はさようなことになつておりまするが、この結論につきましては先刻も申上げましたように、或る程度特別調達庁の監査につきましては手にかけておりませんし、一年ありますれば大体やれるのじやないか、若し残りますれば、そのときに又お願いするという考えで、これで差支ないと考えます。
#43
○竹下豐次君 先の御説明は今の御説明のように承わりました。ところが先程奧村さんの御説明はちよつと私食違いがあつたように思いますので、お尋ねしたのであります。特別調達庁が長く存続する機関である、そうして行政機関同士で監査するということはそれはよろしくない、その御観察は正しいと私自身思つております。とすれば現在までのところの一応の業務の調査、経理の監査は行われたとしても長く特別調達庁が存続する限り、やはり続いてなさらなければならない性質のものであります。その後何が起つて来るか分らないことだろうと思われます。併し何のためにここに一年の制限を付ける案に同意されたか、どうも何か問題が起つておるのだ、それだからこんな監査規定を置いたのだということでありましたならば、そのお考え方が通るかと思いますが、そうでなくして事柄の性質上、官庁同士で監査するのだという考えでこの規定がすでにある以上、長くその規定を存続して置かれるのが当り前のことじやないか。一年で切られるのはちよつとおかしいのじやないか。こういう疑問を持つわけです。
#44
○国務大臣(青木孝義君) 只今奧村次長からお答えした中で、御質問の要点と思いますが、特別調達庁は永久のものであるかどうかと、こういうことであります。これは私共の解釈といたしましては、恐らく臨時的なものだというふうに解釈をいたしておるのであります。それでもとよりこれについての年限は附してございませんけれども、その内容なり性質上から考えて見て、私共の解釈としては、これは臨時的なものだというふうに解釈をいたしておるわけです。この点さようなふうに御了解を願いたいと思います。
#45
○竹下豐次君 そうすると先程の御説明をお取消しになりまして、今大臣から御説明があつたように理解いたしますのですが、それにしても期限が附いていない限り三年置くものか五年置くものか分らない。併し臨時的の性質のものであるというふうには理解できますけれども、それにしても又一年ということになりますと、あと残りの二年なり三年なり、五年なりというものは監査する必要がないということはどこから生まれているのか。その点は如何ですか。
#46
○国務大臣(青木孝義君) これは私共も必ずしも一年でいいというふうに、はつきりとそう呑み込んでおるわけではございませんけれども、併しながら私この経済調査庁でこれを一応監査とか、或いはその他経済面で調査するということにつきましては、これは段々手が届きまする範囲の中ではその他のものにも及ぶかも知れませんし、政府自身のその考え方によつて又いろいろと今後共御審議を願わなければならんということが起つて来ると思いますが、取敢えずこの特別調達庁を調査する、監査するというような建前で参りましたので、その点では今次長からもお答えを申上げておりますように前からいろいろと調査もして参りましたし、従いまして残つておる今の調査方針に基きまして調査して参りまする期間ということになりますと、初めは実は一年というようなことを考えておつたわけではございませんけれども、そういう御意見が出て見ますると、ともかくもまあそれくらいな範囲ならば今のスタツフでやつて参りますればできるであろうということで、その修正案に対しては一応我々も納得をいたしておるわけでございます。併しながら尚又それでは足りないということになれば、更に期間を延ばして頂くというようなことをお願いするかも知れんと思いますが、まあ只今のところではそれに一応我々も賛成をいたして、了解をしておる次第でございます。
#47
○竹下豐次君 くどいようですけれども、まだ私理解ができないのですが、調査し監査を行うということは、初めからどの項目について何も監査するのだ、どういう事実が今疑問になつているから、それを調査するのだという建前でこの監査の規定が置かれておるものだとすれば、今の大臣の御説明で筋道は通ると思いますけれども、そうでなくして監査するのだ、現在起つておることについても監査するし、この後起ることについても監査するのだ、調査するのだという建前だろうと思うのですが、そうだとすると期限を切られるということは、どうしてもその理窟が通らない。若しも将来監査する必要がなく、つまり官庁同士ですつかり信頼していいのだという時期が到達することがあることを希望しますけれど、そういう考えだとすれば、一年というような、一年間行うというような書き方にしないで、何も書かなくて、むしろ逆にその必要がなくなつたときには監査は止めるのだという規定で行かなければならないので、逆な書き方じやないか。如何にも初めから調査の事項、監査の事項を仮定しておいて、もうこれは済んだから要らない、一年間くらいで片付くだろうということは、筋道が通らないのじやないかと思いますが、もう一遍一つ……
#48
○政府委員(奧村重正君) 私先刻申上げましたことの少し補足をさして頂きます。只今まで特別調達庁を監査して参りまして、この役所は先刻申上げましたように物の売り買いをいたしておりますので、その複雑な何はないと思いますが、ただ御承知のように相当沢山五十五万トンぐらいあつたと思いますが、解除物件を擁しております。それを如何ように処理いたしますか、或いは又関係方面とも繋がつておる仕事でございまするので、その間のいろいろの仕事をして参りまする仕組があるわけで、まあ第三者としてそういうものをよく研究いたしまして、或いは折衝する面があれば折衝する。或いは御相談に応ずる面があれば御相談するというようなことを中心の狙いとして今後やつて行かなければならん。つまり大体やつて見まして問題の所在が大方分つておるのであります。でこの問題さえ大体片付ければ、あとは本当の会計上の物を買いまして金を支拂つたり、売つて金を取るというふうな仕事になるのじやないかという見当がついておりますので、一年という期限になりましても、少し勉強してやりますればその間に大体何とか結論が出るのじやないか。こういう見当をつけております。
#49
○竹下豐次君 監査の必要が殆んどなくなる、業務の調査も必要が殆んどなくなるという時期には、それを廃めるということをそのときにおやりになればいいことで、一年以上に亘つてはしないのだということをここに書く必要はちつともないと思う。官庁の立場から見ればそうだろうと思います。然るにも拘わらず衆議院でこういう期限を付せなければならないという理由はどこにあるのでしようか。その点衆議院の方に説明をお願いするのが当り前かも知れませんが、あなたの方でお分りでしたら御説明を願いたい。何故一年という期限を附せなければならないか、その理由。
#50
○政府委員(奧村重正君) 先刻申上げましたようにこの建設委員会の方の修正意見の理由というのは、紙に書いたものがございまして、私もそれを読みましたものですから、先刻申上げましたようなことがその中に書いてございましたので承知いたしておりますが、最後の決りがどういう理由でございましたか、私共も御賛同があつてそれにお答えをしたというふうな経過、これ又先刻申上げた通りですが、結論についてははつきり存じ上げません。
#51
○竹下豐君 私の質問はこの程度で。
#52
○三好始君 私も実はこの点について但書の趣旨がどこにあるのかお伺いいたしたいと思つておつたところなんですが、先程来の質疑応答お聞いておりまして、最初から私そういう気持を持つておつたのでありますが、第一條の二の但書は全然無用の規定である。こういう気持がするのであります。特別調達庁が存続する以上はやはり業務の調査なり、経理の監査を行う必要が消滅するとは常識上考えられないのでありまして、若し特別調達庁が一年程度で消滅するであろうというようなことを予想した上でこういう但書がついているとすれば、これは全然無用の規定でありまして、特別調達庁がなくなれば当然にその業務の調査なり、経理の監査の必要も消滅するわけでありますから、こういう但書の必要はないのであります。そういう但書の必要はないという私の見解に対して、政府はどういうお考えなのかを承わりたいのが一つ。もう一つは衆議院の建設委員会で、こういう修正案を主張したという根拠が或いは第一條の二を規定するに当つて、特別調達庁及び法令による公団という名前が出て来た。ところが公団はともかくとして、特別調達庁というような行政機関に対して、同じ行政機関である経済調査庁が業務の調査をしたり、経理の監査を行うのは適当じやないじやないかという経済調査庁の任務に対する原則的な立場に立つての問題を考えたところが、それには第一條において特別調達庁以外の行政機関についてもその行う経済法令に関する施策の実施に対する監査その他の権限が及んでいることに留意しなかつた誤解から来ておりはしないか、行政機関相互間において調査をし、監査をするという問題が第一條の二を規正するに当つて初めて生じて来たかのような誤解に基いて但書が生まれているんじやなかろうかという気持も一応いたすのでありますが、その辺の事情に対する政府の考え方も併せて承わりたいと思います。
#53
○国務大臣(青木孝義君) これはお説のような公団の方の御質問はどうもそういう点があつたんじやないかということは何か、これは人の名前を申上げませんが、こういうものが出ると何か憲法違反じやないかとか何とかいつたようなことを最初言つたんで、ところがいろいろ研究してみると必ずしもそうじやない、別に憲法違反でも何でもないというようなことになつたんで、その経過からここへひよつこり特別調達庁というものが出ているというので、今おつしやるような誤解もその中へ入りまして、そういう御意見が出たものというふうに私も間接に聞いておるのでありますが、私としてははつきり直接に聞いておりませんから、その点確言を申上げるということにはなりませんが、そういうふうにも聞いているのであります。それからこれは私共考えましても、最初は別に一年ということは政府としては考えなかつたのでありますが、そういうふうに言われて見ますと、それではどれくらい期間がかかるだろうかということを考えて見ますと、まあ全然今まで手を着けていなかつたわけではないので、それくらいな期間で大体できるだろうというふうなことで、まあいわば妥協したというような率直に申せば形になつておるのでありますが、これは妥協と申上げた言葉が適当であるかどうか分りませんが、向うの修正をされた方の御意思も尊重いたしまして、それでそのくらいな範囲でともかくも我々の目的とする調査は一応達成されるだろうというようなことでこういうことに相成つた次第でございます。
#54
○三好始君 衆議院側の誤解に基くのではないかと思われる考え方と妥協して但書を付けることに御賛成になつたとするならば、それは政府の態度は極めて自信のない態度であつて遺憾に思うのであります。竹下委員から御発言がありましたように、特別調達庁が仮に三年、四年というふうに継続するものと仮定すれば、一年の間に今予定している特別調達庁に対する任務は終るだろうから、こういう規定も無意味でないというのだつたならば私達は経済調査庁の任務について了解しかねる問題が起つて来るのであります。これは竹下委員の御質疑と重複するようにもなりますから詳しいことは申しませんが、いずれにしましても一年間ということは何ら根拠のない規定でありまして、この但書は私といたしましては意味のない無用の規定であるという結論に到達せざるを得ないのであります。これ以上のことは幾ら繰返しても同じことになりますから中止いたしておきます。
#55
○委員長(河井彌八君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。
#57
○三好始君 長官の発言がありましたから、もう一度念のために申上げておきますが、一年間を限るという期限の付けられたことが問題なのは、こういう規定が無意味であつて、何ら理論的な根拠がない、そういう点が問題なのでありまして、こういう但書が付いておつても、実際問題としては一年の期限が来てもそのときの必要に応じて期限を延長すれば何ら弊害がないではないかということはちよつと性質の違う問題なんであります。成る程期限が来ればそれを延長することによつて実際上の弊害はないかも分りませんけれども、意味のない規定を、解釈上了解に苦しむような規定を法律の形で、国家意思として制定することが適当かどうか、こういう問題なんであります。それは法律を成立させる期間が非常に切迫した間にやらなければいけないので、十分な検討を加えないでとにかく実際上の事務の処理の上からはあとで調整する途もあるからこのままにして置こうということでは筋が通らないのじやないかと思います。理論的に無意味な規定だつたならば、これは最初から削除すべきである、こういうふうに私は感ずるのであります。長官が来られておりますから、衆議院の修正とは別な政府原案に関して一言お伺いして置きたいと思うのでありますが、経済調査庁の性格は今度の改正案によつて従来とやや異なつて来るわけであります。即ち経済調査庁が経済統制の円滑なる実施を目的として来たのが、改正案によりまして、経済法令の円滑なる運営の確保というふうに変つて参ります。これは経済統制と言えば必ずしも一時的のものとは限りませんけれども、常識的には暫定的なものと一般に考えられております。それが経済法令の円滑なる運営の確保ということに変つて来ることは、経済統制の存続する期間とは直接の関係なく、経済法令の円滑なる運営を確保するために経済調査庁は活動しなければいけないということで、いわば経済調査庁が一時的、暫定的な性質を持つた機関からやや恒久性を持つ機関に性格が変つて来るのではなかろうか。こういう印象を受けるのであります。この問題に対する長官の御意見、経済調査庁が、経済統制が一応廃止された後においても活動しなければならないような事態が予想されるかどうか、こういうことについての御意見を承つて置きたいのであります。
#58
○国務大臣(青木孝義君) 御質問誠に御尤もだと存じます。御承知の通り政府は昨年以来統制経済から自由経済へという目標で段々統制が緩和し、撤廃されて参りましたことは御承知の通りであります。そういたしますると現在のところでは御承知の通り尚統制下にあるものもございまするし、統制を解除し、緩和したものの数が非常に殖えて参りました。その経過からもこれは影響があるのでございますが、経済調査庁のようなこういう全国的に或る一つの組織を持つて、現在性格的に大分変つて来たのじやないかと言われるような意味が勿論含まれておると私は思うのであります。というのは経済法令を完全に施行して行くということのためにもこういう機関が必要でありまして、殊に統制経済から自由経済という方向に参ります移行過程におきまして、最もこの経済調査庁の行なつて参りまするような事柄は必要だと、特に又必要を認めましてこういうふうな設置法の改正と、それから経済調査庁法の一部の改正ということに相成つておりますことは大体におきましてお言葉の通りでございます。従いましてこの経済調査庁が、従来は、臨時的なものであるとか、或いは統制がある限りにおいて存在するものであるというような観念から大分変つて来たということは私共も考えておるのであります。こういう意味におきまして多少性格的に変つて来たということも言い得られると私も思うのであります。
#59
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記を止めて。
   午後二時六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時二十九分速記開始
#60
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。経済調査庁法の一部を改正する法律案につきましては本日はこの程度に止めます。
#61
○委員長(河井彌八君) それでは大蔵省設置法の一部を改正する法律案について審議を進めます。委員諸君において質疑がありますればこの際お願いいたします。
 尚、ちよつと申上げておきますが、増田官房長官が、衆議院との関係において時間が極めて苦しいようでありまするから、直に戻つて来ました場合には、国土総合開発法案の説明をちよつと挟んでそれに移りたいと思いますから御承知願つておきたいと思います。
#62
○三好始君 第三十三條の二に規定しておりまする国税庁監察官に対してお尋ねいたします。国税庁監察官は、規定を見まするということ、司法警察官に代る職務を行うようでありますが、そういう特殊の任務を持つている国税庁監察官をどういうふうに任用される予定になつておるのか、この点を伺いたいのであります。第三十三條の二の第二項によりますと、「国税庁監察官は、国税庁の職員のうちから、国税庁長官が命ずる。」ということになつておりますが、その任務の特殊性から考えまして、任用を如何にされる予定なのか、その点を伺いたいのであります。
#63
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。実は昨年六月一日に国税庁が新らしく設置されましたのでありまして、国税庁監察官は、現に国税庁の創設以来今日まで、任命を見て活動いたしておるわけであります。この度、新らしく大蔵省設置法の一部を改正いたしまして、司法警察職員の職務の一部を行うことに相成るのでございますが、実は率直に申しますと、従来も監察官というものは活動いたしておるわけであります。従いまして今回の改正によりまして、監察官の職責の重大性が一層加わるわけでございます。私共といたしましては、従来もこの国税庁監察官は、全国国税関係職員六万余人の中から、平素の勤務の状況、又素行の状況、人格その他部内におきまして識見等の点から見ましても最も適任者を厳選いたしましてこれを任命いたしておるのでございまするが、今後におきましてはこの法律によりまして、一層重要な職責を果すことに相成りまする関係もございますので、この部内職員の中職責を全うするのに最も適切な者を厳選いたしまして、国税庁長官においてこれを任命いたしたいかように考えております。
#64
○三好始君 国税庁監察官は、第三十三條の三の一項に掲げる犯罪に関する捜査等を行うわけでありますが、そういう特殊の任務を持つた監察官を任命するに当つて、先程お話にありましたような留意をされた上で任命されていることは、一応了承できるわけでありますが、任務の特殊性に鑑みまして、任用以後特別な教育なり訓練を施しているのかどうか、その辺の事情について承わりたいのであります。
#65
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。三好委員の御質問誠に適切な点を御指摘になつたのであります。実は終戦後の経済安定施策の上におきまして、徴税の確保ということが非常に重要性を持つております。これを円滑に遂行いたして参ります上におきまして、税務に従事する職員の素質の向上ということが最も緊要な事柄と存じまして、昨年六月国税庁創設以来部内職員一般につきまして、教育訓練を画期的に強化いたしておるわけであります。そのために税務講習所という機構を作りまして、これを遂行しておるわけでありますが、国税庁監察官につきましてはこれらの一般教養訓練の外に特に先程申しましたような意味におきます徳性の涵養という方面につきましても日頃非常に配慮をいたしまして、本庁直属にこれを常に招集いたしまして、しばしば訓練もいたしております。又今回新らしく所要警察職員の職務を行うことになりますれば、おのずから専門的な知識ということも必要になつて参りまするので、今後におきましては、さような専門的な問題につきましても、常に精通いたしますように訓練をして参りたい、かように存じております。
  ―――――――――――――
#66
○委員長(河井彌八君) この際お諮りいたしますが、先に申述べて置きました通り、官房長官が見えましたので、この際国土総合開発法案の提出の理由等につきまして説明を求めたいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは増田官房長官。
#68
○国務大臣(増田甲子七君) 国土総合開発法案の提案理由及びその内容の概略を御説明いたします。
 御知承の通り、我が国はその半ばに近い国土と厖大な資源を失うことになつたのでありますが、この挟隘な国土と乏しい資源によつて、現在八千万を超え且つ年に百数十万ずつも増加する人口を擁し、その生活の維持向上を図ることは、我が国にとつて最も重要且つ困難な課題となつているのであります。このような見地から、戦後の荒廃した国土の保全を図り、又国土及び資源の積極的、合理的且つ効率的な開発利用を期することは、これによつて人口収容力の増大、産業発展の基盤の育成及び地方振興を図ることと併せて、現下極めて緊要なる要請であります。併しながらそのためには、広汎な角度から詳細に検討を加えた総合的な所謂国土総合開発計画を樹立することが、特にこの種の事業のため欠くべからざる必要事と考えられるのであります。十もとより従来におきましても、経済安定本部や建設省或いはその他の各省においてそれぞれの見地から国土計画の立案に努力して参つたのでありますが、何分にも問題があらゆる部門に亘り内容が複雑多岐でありますために、国土計画の名に値する真に総合的な立案は遺憾ながら未だできていない実情にあります。
 政府は先に閣議決定により内閣に総合国土開発審議会を設置し、ここで総合開発計画について種々調査審議を願つて参つたのでありまするが、この審議会の答申に基き内閣において検討の結果、ここに国土総合開発法案を提出する運びとなつた次第であります。
 以下法案の概要につき説明いたします。
 先ずこの法律の目的とするところは、第一條に掲げておりますように、国土の自然的條件を考慮して、経済、社会、文化等に関する施策の総合的見地から国土を総合的に利用し、開発し、及び保全し、並びに産業立地の適正化を図り、併せて社会福祉の向上に資することにあるのでありますが、その目的に沿うべき国土総合開発計画は、申すまでもなく天然資源の利用、災害の防除、産業の適正な立地等の外経済、文化、厚生、観光等の各部門に亘る極めて広汎多岐な内容を持つものであります。従いましてこれらを総合して適正且つ効率的な計画の立案と言うことになりますと、現在の各省部門に跨る立案の調整につき特に愼重な配慮と長期の見通しとを必要とする次第でありまして、本法案におきまして特にそのために必要な審議機関として総理府に国土総合開発審議会を設くることといたしましたのも、当審議会をしてその任当らしめんとするためであります。審議会の組織も又そのための識見者を中心として長期の任務に適するごとく配慮いたしたつもりであります。なお本審議会の事務の運営は経済安定本部をして当らしめる考えであります。
 次に本法案においては、立案を予定しております開発計画として、国が全国の区域について作成する全国総合開発計画、都府県がその区域について作成する都府県総合開発計画、都府県が二以上の都府県の区域についてその協議によつて作成する地方総合開発計画及び都府県が内閣総理大臣の指定する区域について作成する特定地域総合開発計画の四つを掲げて居ります。本来本法案においては、国土総合開発計画は成るべくそれぞれの地域において地方公共団体を中心とする自主的、積極的な開発計画の立案に期待し、これを中央における審議会において総合調整することを骨子としておるのでありますが、その趣旨に基いて都府県総合開発計画、地方総合開発計画及び特定地域綜合計画の三つの計画につき、その立案者たる都府県がそれぞれ都府県総合開発審議会又地方総合開発審議会の調査審議を経て立案し、これを中央に持込む諸般の手続につき詳細規定いたしております。もとよりこれらは、原則として都府県の自主的な提案に待つべきものとしてこれを強制するものではありませんが、ただ特定境域総合開発計画についてはやや趣を異にしております。即ち従来においても政府は、特別の建設若くは整備を要する地域を特定地域としてその開発計画の整備と推進に努めて参つたのでありますが、この法案においても、内閣総理大臣は関係都府県の同意に基き、更に国土総合開発審議会の議を経て右のごとき特定地域を指定してその開発計画の推進を図ると共に他面これに対し国の負担金、補助金等に関する特例を設け得ることといたしております。
 最後に、先に御審議をお願いしました北海道開発法との関係でありますが、この法案では北海道開発庁によつて作成される計画と本法案による国土総合開発計画との調整は、内閣総理大臣が北海道開発庁長官及び国土総合開発審議会の意見を聞いて行うこととし、その運用に遺憾なきを期したい所存であります。
 以上提案の理由と法案の骨子を御説明申上げたのでございますが、この法案の重要性を御明察の上速かなる御審議と御賛成をお願いする次第であります。
  ―――――――――――――
#69
○委員長(河井彌八君) 国土総合開発法案につきましては只今の官房長官の説明を聞いた程度に止めておきまして、更に大蔵省設置法の一部改正案についての審議に入ります。
#70
○三好始君 三十三條の四に国税庁協議団を規定しておりますが、その協議団の行う事務なり組織はともかくといたしまして、協議団という名前そのものがどうしてこういろ名称になつたか一応お尋ねしたい。国家行政組織法第八條によりますというと、各行政機関には法律の定める所掌事務の範囲内で、特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより、審議会又は協議会及び試験所、研究所、文教施設、医疑施設その他の機関を置くことができる。こういうことになつておりましてその他の機関というふうに最後に掲げておりますので、何を置いても一応いいような建前になつておりますけれども、相当事務の内容が單なる諮問機関的のものとは異なつておる。いわゆるこの規定において国税庁協議団、どうしてこういう協議団という名前にしたのか、もう少し一般の行政機関に通常使われておるような表現の仕方をされなかつたのか、何だか直訳的なぎこちない印象を受けるのであります。一応の御説明を頂きたいと思います。
#71
○政府委員(正示啓次郎君) 只今三好委員から協議団という名称が誠に直訳的で従来の行使機構の観念から何と申しましましようか、いわば親しみも薄い表現であるというふうな御質問でございますが、私共も実はこの名称をつけるにつきましては非常に苦心をいたしましたのでございますが、結局このような名前になりました。つきましてはその経緯を簡單に申上げて御了解を頂きたいと思うのであります。御承知のように先程も申しました徴税の問題が非常に重要になつて参りまして、この国会の前の国会或いはその前におきましても、何か税務の運営を民主的に又いわば納税者の納得の行くような方法によつてやるには、何か従来いわゆる申告納税制度前におきまして、我が国に行われました所得調査委員会というような一種の納税者の代表からなりますところの団体、或いは機関を置くべきではないかというふうな御意見が国会におきましても相当有力に唱えられたように記憶いたしておるのであります。その後政府におきましても昨夏アメリカからおいでになりましたシャウプ税制調査団の御調査に際しまして、国内におきましてさような有力な御意見もあるというようなことも率直に申上げたのであります。これはすでに委員各位におかれましては、シャウプ調査団の報告において御承知の通りであろうかと思うのであります。然るところ種々さようないわゆる民主的な納税者の団体、或いは代表からなるところの機関を置くことにつきまして、その利害得失について調査団としても各方面から検討せられました結果、さような機関を置くことは今日の申告納税制度を育成強化して行く上から言うと不適当であるという結論に到達されまして、結局特別の税務官吏の中から特に異議処理のために適当ないわば協議官というものを選び出しまして、その協議官が一人ではなくて、二人以上の協議によつて異議の処理をしで参る。かような構想が勧告せられたのでございます。この勧告に対しまして政府におきましては、これを我が国の従来の慣例その他民情をも加味いたしまして、検討を加えました結果、殊に今回の税制改正を機会に各国税局及び中央国税庁に数名の協議官からなりますところの異議処理機関を置くということが、先程申しました勧告の趣旨にも沿いまするし、他面我が国の従来からの異議の処理に対するやり方を愼重にいたしまして、納税者の御納得を得る上におきましてもさようなやり方が適当ではないか、かような結論に到達いたしまして、先ず数名の協議官を置くという構想から先に自主的には決められたのでございます。そこでその数名の協議官からなるところの異議処理機関に如何なる名称を付するかということは、先程申しましたように、種々検討を加えたのであります。行政組織法におきましての考え方は、只今三好委員御指摘の通りでありまして、我々も何とか従来の行政組織法のカテゴリーに嵌まるような名前がないものかということで、種々相談もいたしたのでございまするが、どうもしつくりと嵌まるような協議会ということにいたしますると、純然たる諮問機関のような色彩が非常に強く出て参るのであります。然るところ先程申しました機能を果すというような意味におきまして、これは協議会というような名前ではどうも実質をよく表現しないのではないかというようなところから、いろいろ苦心をいたしまして、ここに提案いたしましたような協議団、誠に練れていないかも存じませんが、かような名前をつけることになつたのでありまするが、その実質は只今申しましたように、大体目下の構想では三人程度の協議官が協議をいたしましてその協議の結果によつて異議の処理に対する採決をいたす。かよう次機能をいたすものと相成るのであります。従いまして従来の各省庁、或いは会というふうな名前と多少違うのでございますが、そういう意味におきまして種々検討した結果一応協議団ということに落付いておりまするので、その経過を申上げまして御了承を頂きたいと存じておる次第であります。
#72
○三好始君 名称に関連しで国税庁協議団の組織に触れた御答弁があつたわけでありますが、只今御説明の協議団の性格は、いわば会議制の機関と了解していいわけでありますか。
#73
○政府委員(正示啓次郎君) お答えいたします。協議団はその協議官の協議によりまして、一応異議の処理に対する意見を決定いたすのでありますが、これはいわば一つの独立した行政機関ではないのでございます。一般に会議制の行政機関と申しますと、例えば証券取引委員会でございまするとか、いわゆる委員会組織がその典型的なものであるのでありますが、ここの協議団は実はこの協議団においで協議決定したところによりまして、国税局長なり国税庁長官なりが、行政官庁として納税者に対し処分をいたす、かようなことになつております。非常にその性格が従来の考え方から見ますと違うのでございますが、單なる諮問機関でもなく、又行政機関として決定いたすものでもない。いわばその中間的な性格を持ちまして、この協議団におきまして決定したところによりまして、国税局長なり国税庁長官が決定する、かような運営の仕方にいたしたいと考えておる次第でございます。
#74
○三好始君 そういたしますと、形式的には国税庁又は国税局の長が決定するのだけれども、その決定は協議団の協議した結論を動かさないでそのまま決定するというふうに了解していいのですか。
#75
○政府委員(正示啓次郎君) 運営上さように持つて参りたいと考えております。但しそのことは法律によつてさように定められでおるのではございませんで、一応運営上さように持つて行きたいと考えております。
#76
○三好始君 そういたしますと、協議団の協議が、それぞれの協議官の間で意見を異にしてまとまらない場合、これは多数決によつても決めるようになるのですが。
#77
○政府委員(正示啓次郎君) 実はこの問題については只今部内におきまして検討いたしておりまするが、大体さような構想によりまして、過半数の意見によつて決定する。御意見が三つに分れたような場合におきましては納税者の利益になる意見によつて決定する、かような大体の構想を持つているわけでありますが、これは実は私共の部内において只今研究の段階でございますので、将来この法律が御議決になりまとて公布になりました以上におきまして、それの施行は政令によりましてはつきりと決定をいたしたい。大体の構想は只今のように考えております。
#78
○竹下豐次君 今三好委員の質問に関連してちよつとお尋ねいたします。第三十二條の四の3に、「国税庁協議団の所掌事務の細目及び組織は、制令で定める。」ということになつておりますが、これは事務の細目と組織ですが、権限というようなことは何で決めることになりますか。先程の御説明によると、運営でうまくやつて行くというようなことですが、権限を決めないでそんなふうに勝手にできるものです
#79
○政府委員(正示啓次郎君) 権限につきましては、この三十三條の四の二項に、「国税庁協議団は、国税庁長官に対する内国税に関する審査の請求について、所得税法その他の法律に規定する協議を行う機関とする。」こういうふうに明記してございます。この所得税法なりその他の各税法によりまして規定をいたすことになつております。従いまして権限は法律によつて、各税法によりまし明確に規定されておるわけであります。
#80
○竹下豐次君 その点は分りますが、長官を拘束する力とかいうようなものはこれじや分りませんですね。協議団で決まつたことをそのまま長官がやるのだというような御説明でしたけれども、拘束する力ははつきり與えないでもいいのですか。それをお尋ねしたいのです。
#81
○政府委員(正示啓次郎君) その点が先程実はお答え申上げましたような運営の方式であるわけでございますが、税法の権限の範囲内におきまして協議をさせまして、その結果によつて国税局長なり国税庁長官が決定する。即ち政令によりまして行政機関を大体拘束するような運営に持つて行くつもりであります。
#82
○竹下豐次君 そうすると国税庁長官に対して、或いは総理大臣からなり、大蔵大臣からですか、協議団の決定についてはそれをそのまま尊重しろというような御命令でも指令でも出て、それによつて行動されるこういうことになるのですか。
#83
○政府委員(正示啓次郎君) 対納税者の関係につきましては先程申しました各税法によりまして異議の申請がございました場合には、国税局長なり国税庁長官は協議団の議にかけなければならない。こういう拘束を受けておるわけでございます。その議にかけましたものによつて結局決定権は局長なり長官が持つておるわけでございまして、その協議団の決定通り決定をして行くという運営をいたすわけであります。これは運営の仕方如何によりますれば協議団の決定を無視して決定するというふうなことも可能でございますが、さようにはいたさないような運営の仕方にしたい、さように考えております。
#84
○竹下豐次君 そうすると大蔵大臣なりから長官あたりに指令される。それで取扱が統一されるということになるわけですね。そうでないとまちまちになるじやないか、団の言うことを聞かないで、俺の権限だからこうしようとするときに何かはつきりした点がないというと、まちまちになりはしないかという気遣いがあります。頑張る長官だつたら……
#85
○政府委員(正示啓次郎君) これは政令によりましてはつきり決まります。そのやり方につきましてはここにございますように「細目及び組織は、政令で定める。」ということになつております。
#86
○竹下豐次君 「事務の細目」という中に入りますか、権限のことも……組織じやありませんね。「事務の細目及び組織は、政令で定める。」ということで、今お尋ねしておるような問題について政令で定めるという規定はこの條文をそのままに読んでもちよつと伺えないのですがね。事務の細目でもないし、組織でもない。
#87
○政府委員(正示啓次郎君) 一応所得税法の規定から御説明申上げた方が早いと存じます。今回改正になりました所得税法第四十九條にこういう規定がございます。国税庁長官又は国税局長は要するに異議の処理をする場合におきましては、「国税庁又は国税局に所属する協議団の協議を経なければならない。」こういう規定があるのでございます。それでこの「協議を経なければならない。」ということは法律によつてはつきりいたしておるのでございますが、その協議の結果をどうするかいうことまで法律は規定しておりませんために、これを協議団制度に関する政令というものを設けまして規定いたす。そこで先程三好委員の御質問になりましたような議決の方法等につきましても政令で決めるわけでございます。そうしまして政令の一応の構想を申しますと、協議団の協議決定したところによりまして局長なり長官が決定するということを政令によつてはつきり規定いたすわけであります。政令はそれを出しますと勿論政府機関、各機関が拘束されるわけでございますが、先程御指摘になりましたように長官なり局長なりの勝手な処分ということは許されない、こういうふうにいたして行くわけでございます。
#88
○竹下豐次君 この三十三條の四の3によりますというと、「事務の細目及び組織は、政令で定める。」ということになつておりますね、この細目ということにも当らないようだし、組織でもないのだ。これ以外のことを政令で決める。今の団の決定によつて長官が拘束されるという事柄は、事務の細目でもない、組織でもない。併しここに書いてあるのは、政令で定められるものは事務の細目と組織だけであつて、拘束するか否か政令で定めるという規定は、ここにはないのではないか。それは何で拘束するのだ。それは行政措置でこういうことに運営すると言いますけれども、運営するにしても何か根拠がなくてはまちまちになつて行く、頑張る長官などがあつたら困りはしないか、こういうことなんです。
#89
○政府委員(森永貞一郎君) ちよつと補足的に申上げますが、所得税法によりまして協議団の協議を経なければならないということだけでは国税庁長官を拘束しないということになるわけでございましようが、従つて別に何らかそういう基準みたいなものが要るのではないかという御質問の点でございますが、大体国税庁協議団の細目及び組織では恐らく入らないだろうと思います。結局運用の問題といたしまして国税庁長官が協議団を運用される場合に、協議団の意見に従つて決定して行くというように訓令なり何なりで運用して行かれる、そういつた問題になるかと存じます。
#90
○竹下豐次君 それで大蔵大臣でも指令ですか、訓令でもお出しになるのかということをさつきお尋ねしたわけで、何か基準がないと困るということをお尋ねしたわけであります。今官房長からお話のように所得税法の規定だけでは拘束する力はないだろうと思うので、訓令でもお出しになるということでありましたらそれでよろしいのでございます。それから実際そういう規定になつておつて運用しておられる先例があるのでしようね。今日まで長官を拘束するというようなことは、長官の役所あたりでもそういう先例はありませんか。今あなた方の立案されておる條文の形で事実運営をうまくやつておる先例がおありだろうと思うのですが。
#91
○政府委員(森永貞一郎君) 諮問機関でございますならば法律的には成る程拘束しないのでございますが、併し現在ございます沢山の諮問機関の場合には、大体その意見を尊重いたしまして、その通りに運用いたしておりますのが大部分の実例だと思います。但し今度の協議団の場合のように非常に具体的な問題ということになりますと、必ずしもこれにぴつたり来るような例はそう多くはないかと思います。
#92
○三好始君 これは質疑じやなくて、ちよつと今専門員と打合せておつて聞き漏らしたか分りませんが、国税庁協議団の性格と比較的よく似ておるもので、竹下委員のお尋ねになつた点に多少関連はあると思いますので、私は思い出して申上げるのですが、文部省に教育検定試験審議会というのがありますが、この審議会は教員の検定に関してやはり実質的の決定をするわけですが、形式的には文部大臣が決定するようになつておる、こういう点は非常に似ておるのであります。そういう例はあるわけです。この国税庁協議団と国税局協議団の規定の仕方についての相違があるという点で一応お尋ねいたしたいと思うのですが、弟三十三條の四の国税庁協議団を規定したところでは第二項に「所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)」こういう規定の仕方が行われております。ところが国税局協議団を規定した第三十八條の二の第二項では、他の表現は全く同じでありますが、ただ所得税法の中に何ら制定された年と法律のナンバーが入つておらないのです。なぜこういう規定の上の相違が起つて来たのか、特別に根拠があるのか。或いは別に根拠がないのか、その点を伺いたいのであります。根拠がないとすれば、規定のこういう不統一は恐らく調整して、統一して置く方が合理的ではないかと思うのですが、一応お伺いいたしたいと思います。
#93
○政府委員(森永貞一郎君) 所得税法を初めて引用いたしました第三十三條の四では、正確に法律の番号を記載いたしましたわけですが、後で出て参りましたところでは、その都度引用するのも如何かと思いますので、それを省略いたしました。そういつた便宜の問題でございます。
#94
○三好始君 これは他の場合について調べておらないので何とも言えないのでありますが、普通一つの法律、或いは法律案について、他の法律を引用する場合に、最初出て来たところへだけ法律の制定年次なり、ナンバーを附して、同一法律が次に出て来る場合は、それを省略するような例になつておるのですか。
#95
○政府委員(森永貞一郎君) 私の承知いたしますところでは、さような前例になつていると思います。
#96
○城義臣君 簡單なことですが、一つ伺つておきたいと思います。提案理由の証明の、頂きましたこの刷物の第三の理由に、地方における財務行政の円滑な遂行を図るため、財務部を財務局と改称する云々と書いてありますが、これは文字通り素直にこれを受取るべきかも知れないが、部を局と改称しなければならないという積極的な理由か何かあるのですか。
#97
○政府委員(森永貞一郎君) 昨年六月の行政機構改革で、従来の財務局が国税局と財務部の二つに分れたわけでございますが、財務部と申しますのは、御承知のように税関係を除きました大蔵省証券行政の地方機関でございまして、数府県下を総括いたしておるわけでございます。まあその意味で部という名称はどうも非常に行違いがございまして、適当でない。例えば国税局の従来の沿革もございまして、国税局の一部と間違われたり何かするというようなことが非常に頻繁で、ございまして、行政上非常な支障を来たしておつたのでございます。又財務部の仕事は、只今も申上げましたような内容の仕事でございますので、非常に重要な内容を含んでおる。人員なり或いはいわゆる格から申しましても、他の官庁における局と丁度匹敵する、乃至はそれ以上の大きな官庁でございますので、かかる実態をも考慮いたしまして、この際財務部と財務局と改称するということにいたしたような次第でございます。
#98
○城義臣君 多分あれは第五国会だつたと思いますが、じやその当時なぜ局となさらないで部となさつたのか、その後実態が変つていないとすれば、業務内容も何もそのとき以来変つていない筈です。してみるならば、今になつてそれをわざわざ局にするというのは、当時の提案の仕方がおかしかつたというようなふうに取れるのですが、その通りなんですか。
#99
○政府委員(森永貞一郎君) 当時の政府部内における認識の点もございましたでございましようし、又只今申上げましたように財務部ということで発足いたしました後におけるいろいろな混乱ということもございますわけでございますので、特にこの際財務部を財務局とお改めを願いたいということにいたしておるわけでございます。
#100
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#101
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。
 本案については大体御質疑も終了したと認められますから、討論に入ろうと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。ついては御意見のおありの方は御発言を願います。
 別に御発言がないと認めますから採決をいたします。本案に同意の諸君の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#103
○委員長(河井彌八君) 全会一致であります。つきましては本案は可決すべきものと議決せられました。
 委員長の報告は、委員長にお任せを願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(河井彌八君) 御異議ないものと認めます。
 尚賛成の諸君の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    伊達源一郎  竹下 豐次
    三好  始  門屋 盛一
    小杉 繁安  城  義臣
  ―――――――――――――
#105
○委員長(河井彌八君) これより行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、これを議題として審議に入ります……。今本多長官が衆議院の本会議に平衡交付金の問題で出るそうですが、それが済めば来るということですから、二十分ぐらい休憩しましようか。……じやとにかく四時まで休憩いたします。
   午後三時三十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時四十四分開会
#106
○委員長(河井彌八君) 本多国務大臣の都合がつきましたので、只今から引続いて委員会を開きます。
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、これを議題といたしまして御質疑を願います。
#107
○三好始君 この前次長より提案の理由の御説明がありましたが、極めて簡單な御説明に止まつておりますので、この際本多国務大臣より今回の改正法案成立の事情なりその方針等につきまして、政府の採つた態度等を先ず伺つて置きたいと思うのであります。
#108
○国務大臣(本多市郎君) 今回提案いたしておりまする定員法の改正案は、御承知のごとく昨年来経済統制の緩和撤廃等のため相当これに対応する事務の減少が考えられますので、その対応する部分の定員の縮減を行なつた次第でございます。更に一面又増員を要する面が事務の実情、或いは電気通信省におきましては、電話交換局等の落成に伴いましての増加、又国立療養所の竣工に伴いましての要員の増、或いは学校の進級、或いは地方より委管せられましたための定員の増加、又水産大学等を農林省から委管されましたための変動、さような点を主といたしておるのでありまして、今回は特に昨年度のような一般的な行政整理を企図したものではないのでございまして、真に縮減できるものを縮減し、更に止むを得ざる増員を認めるという趣旨で立案したものでございます。この定員法の改正によりまして、そういう趣旨ではございますけれども、相当数のやはり実員との相違を来たす面がございますので、その面においては実員の整理も必要とする場合を生じて来るのでございます。御承知の通り現在のところ行政機関全部では約二万五千の欠員がございます。これらの欠員について各部局ごとに今回の減少いたしますところの定員と比較勘案いたして見ますと、この定員法における昨年度との差異は僅かに一千九百六十五名の減でございますけれども、配置転換等が全面的にはできない事情がございますために、各部局ごとの実員の超過するものは四千四百くらいになる見込でございます。一方新規に定員の増加するものが一万一千くらいに上るものと考えられるのでございまして、今回の措置は只今申上げましたような趣旨からいたすのでございます。これに関連いたしまして退職手当の問題につきましても、実はこの法案には載つておりませんけれども、別途法律を制定いたしまして、昨年度の行政整理の場合適用したと同率の退職金を支給するようにいたしたいと考えております。又今回の行政整理にはこの経済統制事務の縮減という面が主とされておりますために、それぞれその整理される者もこの範囲が主として対象になることとは存じますけれども、これに対しまする審査の請求権等につきましてやはり相当数に上ることもございますので、昨年の定員法の附則通りにその配慮をいたしておる次第でございます。誠に簡單でございますが、一応今回の骨子として考ておりますところを申上げます。
#109
○三好始君 只今の御説明によりますと、今回の定員法の改正はいわゆる行政整理をするという部面から申しますというと、経済統制の撤廃に対応する整理である、こういうことでありますが、経済統制の撤廃ということはすでに事実上撤廃されたものを指すのでありますか、それとも将来撤廃が予想されるものをも考慮に入れて今回の整理を考えたものでありますか、その辺の事情を御説明願いたいと思います。
#110
○国務大臣(本多市郎君) 将来撤廃が確実と思われますものを考慮いたしまして、撤廃と申しますよりも事務量の減少が確実であるというものについては、その段階を設けましてその範囲内においては将来のことも考慮されておるのでございます。
#111
○三好始君 将来事務分量が縮小されることは確実かどうかということについては明らかに規定されて、一定の時期の後には事務そのものがこういうふうになるということが法的に確定しているもの、政府の政策として一例を申しますというと、今年の麦の供出完了後は自由販売をいたしたい、こういう希望的な政策に属するものといろいろあるわけでありまして、若し未確定の政策に属するものでありますというと主観的になりますので、その範囲を限定することは非常にむずかしいことになつて来はしないかと思うのであります。そこで将来の予想を考慮に入れて推量するということになりますというと、見解が異なるに従つて結論として出て来る整理さるべき人数は、或いは整理するのがいいかどうかということについても違つて来るというような気持がするわけであります。そこで将来の予想というものは政府の政策に属する予想をも含むのか、それともそういう未確定な要事は今回は考慮に入れておらないのか、そのどちらであるかを御説明頂きたい。
#112
○国務大臣(本多市郎君) 只今のお話は、希望的なことから定員だけを縮減する不確定の基礎の上に立つているものを含むか含まんかという御質問と思いますが、そういうものは含んでおらないと考えております。現在の状態で事務縮減が段階的に確実に減少して行くというものでございまして、現在の基礎におきまして確実性のあるものだけを縮減する、かようになつております。従つて供出完了後の麦の自由販売とか、米についても同様とか、そういうような場合における縮減というものは全然見込んでおらない。
#113
○三好始君 この定員法そのものの根本問題に触れて、定員法の規定の仕方に関してお尋ねいたしたいのですが、定員法施行後約一年を経過して、この規定の仕方そのものについて現行法のような定員法の規定の仕方が、適当かどうかについてほぼ結論を出せるような経験を積んだと思いますが、その一年間の経験に照らしで長官の御意見を承わりたい問題があるのであります。それは定員法を制定する際にすでに問題になつたわけでありますが、これを細かく規定するというと行政事務の実情に応じて弾力性のある定員の配置をすることができない。そうかと言つて省ごとの大ざつぱな定員を規定する程度では定員法を制定する意味がそれだけ稀薄になつて来る。そこでこの両者の状態から考えましてどの程度の規定を定員法でするかということが、最初の制定に当つて一応考えられた問題だと思うのであります。ところが一年間の経験を経た今日今までの施行の状態を振返つて見ますというと、すでに本委員会において臨時国会以来問題になつて来たように好ましからざる現象も起つて来たのであります。即ち農林省の定員の規定の仕方が本省と外局とに区別されて規定されておるわけでありますが、本省の定員の中に規定されておる作物報告事務所の定員を、外局である食糧庁の定員の不足を補うために不合理な仮定員の形で融通しておつた。これは或る意味からは定員の規定の仕方が細かく規定し過ぎておるというふうにも受取れる現象であります。その他いろいろ施行の経過に顧みて、将来こうした法律を定めて行く上に今のままで行くかどうかということが再検討されていい時期だと思うのでありますが、長官のこの問題に対する御意見を承わりたいと思うのであります。
#114
○国務大臣(本多市郎君) この問題は誠に御尤もな御意見であると思うのでありまして、部分的に定員の効果を挙げるためには細かく規定する方が好都合でありますし、更に又弾力的に配置をするためには各省ぐらいの大きなプール方式をとつた方がいいようにも考えられるのでございます。この点についていろいろと意見もあり、研究もいたしたのでございますが、やはり現在の段階で結論に達しましたのは電気通信省の定員等について、その特質上、特に政令を以て予算の範囲内まで増員するというような点は結論に達したのでありますが、その他の点につきましてはやはり現行法の枠を以て定めて置くことが適当であろう、従つて前年度の実員と少しく食糧事務所等において兼務をさせまして不合理に陷つた点は、定員そのものでこの際これを是正して行くと、やはりあの程度の相当の人員でもございますので、区分はして置く必要があると考えておるのでございます。
#115
○委員長(河井彌八君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#116
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。
 本日は質疑はこの程度に止めておきまして、委員会を散会いたします。
   午後四時二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   理事
           カニエ邦彦君
           門屋 盛一君
   委員
           淺岡 信夫君
           小杉 繁安君
           城  義臣君
           竹下 豐次君
           伊達源一郎君
           三好  始君
  国務大臣
           青木 孝義君
           本多 市郎君
           増田甲子七君
  政府委員
   行政管理政務次
   官       一松 政二君
   行政管理庁次長 大野木克彦君
   総理府事務官
   (行政管理庁管
   理部長)    中川  融君
   大蔵事務官
   (大臣官房長) 森永貞一郎君
   大蔵事務官
   (国税庁総務部
   長)      正示啓次郎君
   大蔵事務官
   (理財局経済課
   長)      吉田 信邦君
   海上保安庁長官 大久保武雄君
   海上保安庁次長 稻垣 次郎君
   中央経済調査庁
   次長      奧村 重正君
   経済調査官
   (中央経済調査
   庁監査部長)  木村  武君
   経済調査官
   (中央経済調査
   庁査察部長)  吉田 龍雄君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       杉田正三郎君
ソース: 国立国会図書館
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