くにさくロゴ
1978/03/29 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 予算委員会第三分科会 第2号
姉妹サイト
 
1978/03/29 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 予算委員会第三分科会 第2号

#1
第087回国会 予算委員会第三分科会 第2号
昭和五十四年三月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   分科担当委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     矢原 秀男君     桑名 義治君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     小山 一平君     大森  昭君
     吉田忠三郎君     松前 達郎君
     桑名 義治君     相沢 武彦君
     佐藤 昭夫君     立木  洋君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   主 査          井上 吉夫君
   副主査          久保  亘君
   分科担当委員
                亀長 友義君
                鈴木 正一君
                真鍋 賢二君
                山本 富雄君
                小山 一平君
                吉田忠三郎君
                相沢 武彦君
                桑名 義治君
                佐藤 昭夫君
                立木  洋君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  森山 欽司君
       建 設 大 臣  渡海元三郎君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  中野 四郎君
   政府委員
       環境庁企画調整
       局長       上村  一君
       国土庁長官官房
       長        河野 正三君
       国土庁長官官房
       会計課長     佐藤 毅三君
       国土庁計画・調
       整局長      福島 量一君
       国土庁土地局長  山岡 一男君
       国土庁水資源局
       長        北野  章君
       国土庁大都市圏
       整備局長     堺  徳吾君
       国土庁地方振興
       局長       佐藤 順一君
       運輸大臣官房長  中村 四郎君
       運輸大臣官房審
       議官       杉浦 喬也君
       運輸大臣官房会
       計課長      熊代  健君
       運輸省船舶局長  謝敷 宗登君
       運輸省港湾局長  鮫島 泰佑君
       運輸省鉄道監督
       局長       山上 孝史君
       運輸省自動車局
       長        梶原  清君
       運輸省航空局長  松本  操君
       建設大臣官房長  粟屋 敏信君
       建設大臣官房会
       計課長      永田 良雄君
       建設省計画局長  丸山 良仁君
       建設省都市局長  小林 幸雄君
       建設省河川局長  稲田  裕君
       建設省道路局長  山根  孟君
       建設省住宅局長  救仁郷 斉君
   説明員
       防衛施設庁施設
       部施設対策第一
       課長       米田 昭典君
       防衛施設庁施設
       部施設対策第二
       課長       吉住 慎吾君
       科学技術庁計画
       局計画課長    福島 公夫君
       環境庁自然保護
       局保護管理課長  中島 良吾君
       文部省学術国際
       局学術課長    植木  浩君
       通商産業省産業
       政策局産業構造
       課長       鈴木 直道君
       労働省労働基準
       局監督課長    小粥 義朗君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十四年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十四年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(井上吉夫君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、矢原秀男君が分科担当委員を辞任され、その補欠として桑名義治君が選任されました。
#3
○主査(井上吉夫君) 昭和五十四年度総予算中、国土庁及び建設省所管を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○久保亘君 最初に国土庁、これは長官にお尋ねした方がいいかと思いますが、田園都市構想というのは、これは大平政権にとって戦略なのか、計画なのか。田園都市構想というのはどういう位置づけをされているのか、その点をお尋ねしたいと思います。
#5
○国務大臣(中野四郎君) これはあくまでも構想でありますると同時に政治的理念でありまして、計画とか固まったものがまだあるというようなことば、御承知のとおり、総理みずからが明らかにしておらぬところでございます。
#6
○久保亘君 ただ、大平さんは、総裁選挙のときにお出しになりました大平正芳の政策要綱ということの中では、一つの戦略、二つの計画ということを述べておられまして、家庭基盤の充実と田園都市づくりというのは、これは二つの計画である。こういう主張をされているのでありまして、これが計画として生まれてきていないのは、まだ現在田園都市づくりといいますか、田園都市構想というのが固まった一つの理念、固まった計画としてとらえられていない、こういうことなのだろうか、疑問が残るわけですが、そういう点はいかがですか。
#7
○国務大臣(中野四郎君) お答えをいたします。
 これは最初はあの人の本を見ましても、田園都市国家構想というようなたてまえでいろいろ述べておられましたのですが、新たに政権担当されてからの国会の各委員会におきましても、本会議におきましても、諸先生のお尋ねに対しましては、あくまでも構想であって政治理念であると。したがって、将来三全総で言う定住構想の大いに参考として考えてもらいたいと、こういうようなたてまえで、そのねらいとするところはやはり過密過疎というようなものを考え、農村といわゆる町との調整をうまくとるとか、あるいは地場産業を盛んにするとか、そういうような定住構想の中より私らが高く評価しておるものは、戦後における日本の家族主義の崩壊とか、あるいは高度成長等によるところのひずみ、こういうようなものの基本的なものは家庭にあると。その家庭的なものを基盤としてひとつ考えてくれないかと。私はこれは大変いいことではないかと思いまして、定住構想の今後の計画を進める上におきましてはぜひそうありたいと、こういう考えでおりまするので、あくまでも政治理念であり、あくまでも構想であると、こういうふうに受けとめております。
#8
○久保亘君 私はそういう構想について反対をしているわけではないんですが、ただ田園都市という構想が理念という形で出されて、非常に国民の側が大平政権の誕生のときに受けとめた田園都市というものと現在ではずいぶん国民の受けとめ方というのは変わってきているのじゃないか。こういう点で、具体的にこれがどういうふうにこれから動いていくのかということで申し上げたのですが、この点についてはまた別の機会に議論をしたいと思うのですが、いま長官言われました田園都市づくりとか家庭基盤の充実というのが構想されてきたその発想の前提というのは、全国総合開発計画以来、その間には日本列島改造論を含むわけでありますが、こういうものを基調とした高度成長の時代の産業開発至上主義、これが地域社会を破壊したり、人間の連帯感を失わせたり、そういう日本社会の崩壊を導く可能性を持つに至ったということに対する大きな反省の上に生まれてきたという、この点については別に御異存はありませんか。
#9
○国務大臣(中野四郎君) いろいろ考えた上に立っては、その立場立場で相違もありまするけれども、高度成一長のひずみというものがかなり地方に悪い影響を与えたものもありまするし、いい影響を与えたものもありまするので、そういうものを勘案いたしまして、そしてこの定住構想計画推進の場合には、これを基本的な正しい方向に持っていくように努力をしたい。こういう意味で、せっかくただいまそれぞれの関係当局においてこの計画を推進中でございます。
#10
○久保亘君 実は、国土庁の計画課の方がお書きになりました定住圏は地域の総意が基本という小論がありますが、この中でも私がいま申し上げましたような立場が強調されております。私は、やっぱり田園都市構想が今日大平政権の非常に大きな政治目標といいますか、そういうものとして生まれてきた背景にあるのは、高度成長時代における産業開発至上主義のもたらした人間社会の荒廃、そういうものの反省の上にこういうものがいま非常に強く取り上げられるに至ったもの、こう考えるわけでありますが、それならば、これは担当の事務局の方で結構でございますが、三全総と田園都市構想というものの間には、矛盾という言葉が非常に極端であれば、考え方の上で調整をしなければならない点があるのかどうか、その点はいかがでしょう。
#11
○政府委員(福島量一君) 三全総と田園都市構想の関係につきましては、昨年来、内閣ともよく御相談をし、それから関係省庁とも話し合いをいたしまして、関係の十六省庁の方々にお集まり願いまして統一見解をまとめたわけでございますが、その骨子は先ほど大臣からも申し上げましたように、田園都市構想はこれからの長期にわたっての国づくり、地域社会づくりの基本的な政治理念であると。その内容としましては、いま御指摘になりましたように、戦後三十年間営々として経済の復興発展を心がけてきて、今日世界の経済大国と言われるほどの国になったわけでございますけれども、その一方で経済優先の考え方と申しますか、そういったこと、あるいは非常に合理的な計算と申しますか、考え方が非常にプリベールしたということの結果の反対としての、何といいますか、ぎすぎすした人間関係といいますか、そういったまさにいま大臣が申し上げましたような高度成長のひずみといったような社会現象をもたらした。そこで、この際、今度の案としましては、高度成長の成果というものはそれ相当のものと評価しながら、それを今後の日本の人間社会の形成にどう生かしていくかというところに焦点を当てながら政治を運営していく基本的な理念として打ち出されたものであるというふうにわれわれは考えておるわけですが、三全総におきましても、御案内のように、かつての国土計画の場合と異なりまして、経済成長が安定成長の方に転換せざるを得ないという状況、さらには資源の有限の問題、さらに、いまお話にございましたような国民の価値感の変化といったような状況を踏まえまして、人と国土との間の長期的な安定したかかわり合いをどう実現するかという視点から定住構想を中心に据えましてこれからの国土経営というものを図っていく必要があるということでございます。
 そういった意味では視点というのはかなり共通した部面があるわけでございますが、ただ、三全総は、御承知のように、基本的には国土総合開発法に基づきますところの施設計画といった性格が非常に強いものでございますから、たとえば家庭基盤の充実といったような分野についての問題の把握といったような点については、これはまあ十分立ち入っていないわけでございまして、そういった意味で、これからの定住構想を推進するに当たっては、その田園都市構想の基本的な考え方というものに照らしながら、計画の推進にきめ細かく対応するということで田園都市構想の具体化に貢献し得るんではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#12
○久保亘君 いまのお話は言外にあるものを私いろいろと考えながらお尋ねをするんですが、三全総といいますか、国土庁においても定住圏構想というのを田園都市構想を下敷きに置きながらいろいろ考えていかれる。こういうことになりますと、やっぱり従来の巨大開発のあり方、大規模プロジェクトの進め方というものについてはかなりこれからやっぱり国土庁としても見直しを迫られているのではないか。たとえて申し上げますと、鹿児島県において昭和四十六年に最初にその構想が発表されて以来、今日まで住民の間にもいろいろな意見の対立を持ちながら最終的な決定に至らないまま続いております新大隅開発構想などというのは三全総の中に言われている志布志湾工業地帯の建設ということと重なり合う、完全に一致して重なり合うというものではないのではないか。やっぱりこれから先の大型プロジェクトの進め方というものについては、開発の手法を含めて抜本的な見直しが必要となってきている。でなければ田園都市構想などというものが生まれてくるはずはない。その辺のところについては、やっぱり国土庁としてもこの大規模プロジェクトの進め方というものについてはやはりこの際相当な見直し、再検討というものが必要になってきていると、この点についてはいかがですか。
#13
○政府委員(福島量一君) かつて新全総の時代に取り上げられましたような意味での大規模プロジェクト、大規模工業基地の建設ということが国土計画の中心課題、あるいは何と申しますか、中軸となってワークするというような時代でなくなってきたということは御指摘のとおりだと思います。ただ、一方で過密過疎問題にも関連いたしまするけれども、御承知のように、わが国の基幹資源型産業と申しますのは、俗に申します太平洋ベルト地帯に立地しておる。瀬戸内海、伊勢湾、東京湾、こういったところに集中的に出ておりまして、それがその過密の大きな原因の一つにもなっている。かたがたこれから先のわが国の経済成長なり国民の生活水準の上昇ということを中に入れますと、そういった分野での産業活動もどうしても拡大せざるを得ないという場合に立地上の制限も出てくるというような問題がございます。
 一方、いまお話しになりましたような南九州でございますとか日本海沿岸とかという地帯におきましては、いろいろな歴史的、社会的あるいは自然的条件もございまして、総体的に立ちおくれがあるということも事実でございまして、最近左では非常な勢いで人口流出も進んでおるということでございまして、結局これからの国土計画の眼目といたしましては、そういった、俗に申しまするところの過密過疎というものを解消して均衡ある国土の利用を図るということが中心テーマになるわけでございまして、その際に、その地方におきまするところの稼得の場と申しますか、就業機会と申しますか、そういったものも考えるということも地域の活力を取り戻し維持する上で重要な課題であるわけでございまして、そういった各般のことを考慮に入れますると、地方における工業立地、産業の振興というのは依然として変わらない重要な課題であると思うわけでございます。ただ、その際に、かつて高度成長時代に言われましたような意味でのスケールメリットに着目したと申しますか、大きければ大きいほどいいという意味での工業基地というものが適当かどうか、それは非常に検討する必要がある。と同時に、三全総でも強調しておるわけでございますが、こういった事柄もあくまでも上からの押しつけではなくて、地域の総意選択というものを基盤においてその上で考えてまいる。地域での意思を無視した進め方というのはおよそ考えられない。同時に、特にそういった地域におきましては、環境――自然環境、歴史環境、環境問題も非常に重要でございますし、かたがた地場産業との調整の問題も多々あるわけでございますから、そういった各般のことを考慮に入れながら、地方の意思を大分尊重しながら、あるいはむしろ地方が主体的にこれに取り組むという形で産業の振興なり、地方分散を進めていくということをやるべきであるということは三全総でも明確にうたっておりますし、現にわれわれもそのような考え方で対処しているつもりでございます。
#14
○久保亘君 国土庁に対してまだもう少し、現在鹿児島が進めている「志布志港湾改訂計画」などに関連をして新大隅の問題をお尋ねしたいのでありますが、環境庁、ちょっと時間の御都合があるそうですから、環境庁の方にいまの問題に関連して先にお尋ねいたします。
 環境庁は、志布志港の新しい港湾改訂計画について、三月六日の中央港湾審議会でこのことに対する審議が行われ、了承されたと聞いておりますが、三月六日の港湾審議会に先立って、志布志港の新港湾改訂計画について運輸省ないしは建設省も入ってくるのか知りませんが、特に運輸省との間にどのような事前の協議が行われておったのか、それから、港湾審議会にはメンバーとして環境庁から御出席だと思うのでありますが、この港湾審議会において環境庁側からこの新しい港湾の計画について何らかの意見がつけられているのかどうか、その点をお尋ねいたします。
#15
○政府委員(上村一君) まず第一点のお尋ねでございますが、いまお話が出ておりましたように、五十三年の十月に鹿児島県におきまして新大隅総合開発とは別個に四十七年の末に策定されました港湾計画の改訂を考えられたわけでございます。そういった港湾計画の改訂は、去年の暮れの地方港湾審議会で審議を経て、それで中央の港湾審議会に上がってまいるわけでございますが、その改訂計画につきまして、運輸省からその計画の説明を私ども承り、環境保全上の観点からする意見を述べたのでございます。そして、三月六日に港湾審議会がございまして、港湾審議会に――環境庁は事務次官でございますが、私、かわりまして出席をいたしまして意見と要望というのを申し上げたわけでございます。
 その内容と申しますのは、かいつまんで申し上げますと、この港湾計画の改訂をめぐりまして、環境庁の方にも賛成の立場の方々、反対の立場の方々から再々陳情がございましたし、それから衆議院の委員会でも再三にわたって取り上げられた経緯の一番大きなポイントというのは、新大隅開発計画との関係であると言われたわけでございますが、鹿児島県の方からは、この計画とこの港湾計画の改訂というのは別個のものであるというふうに聞いたわけでございますし、その際、港湾審議会に出席されました鹿児島県の副知事からもそのような説明がありましたので、それを前提にして意見を述べたのでございます。その際の一番大きなポイントというのは、自然環境との関係でございまして、ことにこの地域というのは、日南海岸国定公園の一部である。ことに安楽川以南の海岸の自然景観というのは、この湾の景観を構成する重要な部分であると考えると申し上げ、今回の港湾計画の程度のものであるならば、自然景観に大きな支障を及ぼさないし、同時に、この地域の土地の利用状況なり自然環境の現況から見てやむを得ないと考えるというふうに申し上げました後、若干の注文といたしまして、一つは積極的な修景緑化ということで、単なる都市公園的な緑地ではなくて、遠くから見ても緑の色が豊かになるような修量緑化について考えてもらいたいということと、それから施設の整備に伴う自動車の交通量による交通公害関係についての配慮、それからこの湾の水質というのは、A類型の海域に属します美しい海でございますから、水質の調査、それから汚濁負荷童の変更に基づく予測というものについて配慮されたいというふうなこと等を申し上げたわけでございます。
#16
○久保亘君 いま、これは新大隅開発計画とは全く別個のものであるということで環境庁が了承されたという御意見のようでありますが、そうであるとするならば、新大隅開発計画は一応白紙還元されたという前提がなければ、新大隅開発計画というのは、今度の定例県議会においても鹿児島県知事はできるだけ速やかに新大隅開発計画を進めたいと、こう言っておられるわけです。別個のものである、確かに事業区分としては別個のものでありますが、志布志港の今度の改訂計画というのは、新大隅開発計画の中にも出ておったその一環のものなんです。だから、環境庁がそういう立場で了解されるのならば、新大隅開発計画というものは一応なくなったという前提がなければ、その新大隅開発計画の全体の中に含まれておる計画が部分的にこれは単独に港湾だけの問題であるということで処理されたからよろしいということにはならない。その上に、この港湾計画の着工というのは、去年の秋、新大隅が行き詰まった段階で突如として出てきた。宮崎県との調整とか、いろいろな問題で行き詰まっている中で、この海湾だけを切り離して、これを問題としてきたわけです。だから、そういう点については、あなた方は確かめておられるんですか。
 時間がありませんから、ついでに申し上げますけれども、新大隅の環境アセスメントについても、環境庁はこれは一切関知していない、これは県独自がおやりになったものであって、もし新大隅開発計画を実際に進められるということになるならば、環境庁はまた環境庁の責任による環境アセスメントが必要であるということを、長官も、それからあなたも述べてきておられるわけですね。そういう立場に立てば、新大隅計画の中の一部分であったこの港湾計画というものを切り離してやるということについて、環境庁はこれに対して何にも意見をお持ちにならなかったのでしょうか。
#17
○政府委員(上村一君) 新大隅計画とは別個のものであるというふうに理解をしておりますが、それによって新大隅計画が白紙になったものであるというふうなとらまえ方はしておらないわけでございます。と申しますのは、五十一年六月に第二次試案として公表になりました新大隅総合開発計画自身、鹿児島県の計画でございまして、その計画について鹿児島県自身でいまいろいろ検討されておるわけでございます。したがいまして、この港湾計画が改訂されることについて承認があったから直ちに消えてしまったものであるというふうな理解はできないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。現に、お話にもございましたように、宮崎県の方のサイドで、この計画に関連するアセスメントをやっておるというふうな話を承っておるわけでございます。
 それから新大隅総合開発計画に関連する環境アセスメントの報告書、いま御指摘になりましたように、その中に志布志港の整備も含んでおることは事実でございますが、鹿児島県が独自の立場で行われました環境アセスメントでございまして、政府機関が直接関与するには至っていない性格のものでございます。むしろ、この港湾計画の改訂に伴いますアセスメントにつきまして、私どもいろいろ話を承りながら環境庁の意見を申し上げた、こういう経過でございます。
#18
○久保亘君 その点が地元の住民でこの新大隅開発計画は環境破壊につながるということで反対の意見を持っておられる方々の立場からすると、非常にやり方が民主的でないという気持ちを持たれるわけです。新大隅開発計画も進めるのだと、港湾は別だというやり方ならば、今後部分的に抜き出して、これは、個々の港湾計画だ、これは個々の単独の埋め立て計画だということで、ずっと年次的に区分してやってくれば、でき上がってみたら新大隅開発計画が完全に終わっておったと、こういうことになれば、環境庁としては大変私は責任の重いことになると思うのですよ。だから、そういう意味では、志布志港の港湾計画が独自のものとして、新大隅と完全に切り離してやられるというならば、これは切り離されているという保証がなければ、切り離したということは、ただやる方がそう言っているだけであって、しかも言っている方は、新大隅は新大隅で進めますということを言っているわけだから、その点については、環境保全の立場から、あなた方の方に将来大きな責任が残りませんか。
#19
○政府委員(上村一君) やる方が言っておるからというお話でございますが、単なる民間の事業者が言っておるんじゃございませんで、その自治体の最高責任の立場にある知事さんがそういうことをおっしゃっており、港湾審議会にお出になりました副知事からもそういうふうな表明があったわけでございますから、環境庁としては、それを信じて物事を判断してまいるという立場をとるのは当然ではなかろうかと思うわけでございます。ただ御指摘になりましたように、この計画があって、また次の計画があって、さらにまた次の計画というのが細切れにあった場合に、結果的に環境破壊なり公害の発生につながるおそれがある場合が出てくるんではないだろうかというふうな問題の御指摘は、私もっともな点ではないかというふうに思うわけでございまして、それはその都度、これまで行われた、あるいはこれまで行われることについて了解のあった計画を踏まえながら、新たな計画について環境保全なり公害防止の面から環境庁としては慎重に意見を申し上げると、こういうような腹づもりでおるわけでございます。
#20
○久保亘君 それでは、今度はちょっと別の点をお尋ねいたしますが、この公有水面の埋め立てについては、五十ヘクタール以上の場合には埋立法に基づいて環境庁長官と主務大臣が協議をしなければならないことになっていると思うんですが、港湾審議会の一応の決定が出たとしても、今後この公有水面の埋め立てについては当然に主務大臣、これは運輸大臣になるんでしょうか、その運輸大臣から環境庁長官への協議が行われてくるものと思いますが、今後の手続は環境庁としてはどういうことになるんですか。
#21
○政府委員(上村一君) 四十八年の法律改正で、公有水面埋立法の中で、主務大臣が認可をされる際に、その「環境保全上ノ観点ヨリスル環境庁長官ノ意見ヲ求ムベシ」という規定が入ったわけでございます。この港湾計画というものは、当然のことでございますけれども、埋め立てがあるわけでございまして、港湾区域の埋め立てでございますから運輸大臣が認可される。その認可をされるに当たりまして、今度は港湾計画の埋め立てそのものについての環境保全上の意見というのを環境庁長官から申し上げるということになるわけでございます。
#22
○久保亘君 その場合には、当然環境庁としてはこの公有水面の埋め立てに伴う環境保全上の立場というものについて十分な調査が行われなければならないと思いますが、その単なる形式的な手続に終わるようなことはないんでしょうね。
#23
○政府委員(上村一君) 港湾審議会で環境庁の委員として申し上げました意見なり要望というのは、審議会の委員としての意見、要望になるわけでございますが、それについて積極的に、申し上げました実効性を担保するのが公有水面埋立法の規定であるというふうに私ども理解しておるわけでございますから、その観点から慎重に検討した上で意見を申し上げるということになるわけでございます。
#24
○久保亘君 次に、今度は国定公園の区域に入るいわゆる特別区域の埋め立て、これは公有水面ではなくて、その埋め立てがこの港湾、新しい港湾計画の中で十一ヘクタール必要となっております。それから、それに隣接する、当然この港湾の機能と関連をして進められます都市再開発地域の中に、同じ隣接する国定公園の特別区域が十二・八ヘクタール含まれております。あわせて二十三・八ヘクタールをこの特別区域を埋め立てることになるわけでありますが、この点については環境庁長官に当然四十九年の通達に基づいて県が意見を求めなければならない範囲に含まれると思うんですが、その点はいかがですか。
#25
○説明員(中島良吾君) 御説明申し上げます。
 当該国定公園で港湾計画改訂にかかわります特別地域周辺は、背後の集落地から海岸線に至ります砂浜の地帯が特別地域に指定されているわけでございます。その特別地域指定地は、総体で二十三・二ヘクタールあるわけでございます。そういう意味で、先生が申されましたような二十ヘクタールを超すものにつきましては、環境庁長官に協議をすべしという通牒が出ておるわけでございますが、この二十三・二ヘクタールの内訳でございますけれども、外港地区で、つまり四十七年に改訂されましたところが十・九でございまして、今回の港湾改訂計画の中で含まれます特別地区は十二・三でございます。かつて四十七年の特別地域の土地形状変更いたしました十・九ヘクタールと申しますのは、すでに県知事が処分をしている地域でございます。それで、今回の改訂計画に該当いたします十二・三ヘクタールは二十ヘクタール未満でございますので、局長通知の事項には該当しないというふうに考えているわけでございます。仮にこれを過去のものまで含めまして二十三・二ヘクタールという特別地域があるわけでございますので、これを考えてみますと、今回の計画それから四十七年の改訂計画で土地形状変更面積はトータルで十七・五でございます。つまり二十を下回っておりますので、過去のやつを含めましても局長通知に該当しないというふうに考えております。
#26
○久保亘君 あなた方のそういう物の考え方、いまあなたの言われた現在の港湾のところでなくて、都市再開発地域の中に含まれる部分をぼくは言うているわけです。
 それで、それはそれとしても、そういうふうに事業目的を年次ごとに区分してきたら、特別区域がずっとなし崩しに形状変更されていっても、これは環境庁としては局長通達の範囲内だから構いませんとこういうことでやられるならば、私はもう環境庁は解散された方がいいと思う。環境庁というのは本来開発のための環境破壊の許容限度を認めていくということに任務があるのではなくて、全体として積極的な環境保全の立場から開発をチェックするというところに環境庁の任務があるはずです。それならば、同じ特別区域が事業目的を変え、年次を変えて次第にあなた方が通達で出された範囲内でもって形状変更されていくものについて、これは仕方がありませんということは、私は環境行政としては全く後ろ向きだと思う。そうではなくて、やっぱり前に知事権限でやられたところがあっても、あるいは別の事業目的でやられているところがあっても、同じ特別区域を保全していくという立場に立てば、その規模がかなり合算して大規模になってくる場合には、これをチェックするという立場に立つのが環境庁の本来の任務じゃないんですか。
#27
○説明員(中島良吾君) お説ごもっともでございます。しかしながら、先ほど企画調整局長が御説明申し上げましたように、今回の港湾審議会におきまして安楽川以南につきましては非常に重要な地帯であるという表現があるわけでございます。裏返して申し上げれば、重要な地帯であるから開発は認めないといいますか、そういう方向で考えられるという地帯であるという表現があるわけでございます。したがいまして、今回の港湾改訂計画の部分であるならば、これは問題やむを得ず認めざるを得ないだろうという判断に立ったわけでございます。
 それから、国定公園と申しますのは知事の権限に属するものでございまして、国が直接これについて指揮監督する立場にはありますが、命令はできませんわけでございまして、そういう意味におきましても、安楽川以南につきましては、そういう強い姿勢で指導をしていきたいというふうに考えております。
#28
○久保亘君 あなたは命令できぬと言われたけれども、自然公園法はちゃんと国定公園の場合にも法の適用は国立公園に準ずるということになっているでしょう。そういうふうになっているので、環境庁としてはもちろん自治体の専権に属することにむやみに介入するということはよくないと思う。しかし、その自治体が非常に合法的にというか、悪く考えれば脱法的にやってくる場合には、そのことに対して行政指導の権限としてやっぱり環境庁はチェックすることが私は必要だと思うんです。あなたは私が言った意見にもっともだと、こう言われたけれども、そういう視点に立って環境庁はやってもらわぬと。いま特別重要地域に対しては開発を認めない、こういう立場を環境庁がきちんととっておられる、そのことは結構ですよ。やっぱりいまそういうような主張、立場をおとりになるような前向きの姿勢をもって環境保全ということについては努力をしてもらいたい、こう思うんです。私は、だからといって今度の志布志港湾の改訂計画について環境庁が一定の意見は述べられておるけれども、別に条件というほどのものでもない。それで、港湾審議会で了承されているということについては新大隅開発計画との関連において私は将来疑問が残ると思うんです。それで、このことは、私がいま言いましたように、なし崩し的に開発を部分的に事業目的を決めて積み重ねていくというようなやり方に対しては環境庁は厳然たる姿勢をとって、やっぱりその下敷きになっている全体計画というものに対して絶えず注目をしながら見てもらいたい。このことを強く私はあなた方に希望しておきたいと思うんですが、局長、その点はよろしいですか。
#29
○政府委員(上村一君) 自然環境の保全なり公害の防止というものは私どもの役所の一番基本になる任務でございまして、行政を運営していくに当たりましては、そういう観点を、何と申しますか、基盤にして物事を判断してまいりたい。少なくとも、いわゆるなし崩し、あるいは法律の規定から見ますとおかしいようなやり方で行われるのを黙って見ておるというようなことはすべきではないというふうに考えるわけでございます。ただ、自然環境なり公害の防止というのは非常に地域に密接な関連のある問題でございまして、環境庁長官の考え方ももちろんきわめて重要であると考えるわけでございますが、同時にその地域の環境の保全について責任を持っておられますそれぞれの自治体の首長の御意見というのも考え合わせながら仕事をしてまいらなければならないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
#30
○久保亘君 いや、ぜひ環境庁は今度の志布志港湾の改訂計画については、その点に留意をして、運輸大臣の協議に対してしっかりした立場をとってもらいたい。
 それから、新大隅に関する環境アセスメントについては、県があのアセスメントをもって一応県としては新大隅を進められるというこの考え方に立っているんだけれども、この点については環境庁自身がいままでしばしば表明をされてきたように、政府の責任によるアセスメントを行わない以上この計画を環境庁が了承するわけにはいかぬのだという立場はしっかり貫いてもらいたいと思いますが、それはよろしゅうございますか。
#31
○政府委員(上村一君) 開発事業等が行われます前のアセスメントの実施主体は、私どもの考え方から申しますと、その事業を行おうとする者ということになるわけでございます。ただ、この環境アセスメントの技術なり手法というのは比較的新しい領域に属するものでございますので、環境庁といたしましては、鹿児島県、この場合鹿児島県でございますが、御要請がございましたら積極的に協力してまいる、そういうふうに考えております。
#32
○久保亘君 これは環境庁も少し怒らにゃいかぬですよ。あなた方に何も相談せずに県だけでやって、そして私たちがその問題について環境庁に問い合わせたときには、そんなもの見たこともないという話をされたんで、それからまたしばらくして会ったときに、そういえば二、三日前に何か届いたようだというような話をされているので、そういう事業主体がやるのだと言われても、その事業主体の行う環境アセスメントについては、あなた方はやっぱり政府の責任、環境庁の責任というのはあるのだから、環境保全について、そのことについてあなた方の方から、そういうやり方じゃだめだと、あの環境アセスメントの中には問題点がいっぱいあるんです。だから、そういう問題について、あなた方はきちんとした環境行政の責任が果たせるようにしてもらいたい。そればお答えいただかなくてもいいです。
 最後に、環境庁長官がぜひ志布志の問題については、この港湾の問題も含めて、行けたら自分が行くと、行けなければしかるべき責任がある者を必ず近いうちにやりますということを私も同席したところで約束されたことがありますが、それは約束を履行されておりますか。
#33
○政府委員(上村一君) そういう話が確かにございました。その話がございました後、現地そのものにまだ私どもの方の担当と申しますか、責任のある者が行っておらないわけでございますが、ただ、長官がそういうことを申し上げました少し前に、私どもの方の担当者が現地に参っておるというふうなこともあるわけでございます。もちろん、こういった自然環境なり、あるいは公害の防止といったものというものは、単に東京で考えておるだけではなかなかその実態に即した判断ができない場合もあるわけでございますから、これからも必要な場合には現地に参って調査をすると同時に意見も聞くとかいうふうなことはやってまいりたいというふうに考えております。
#34
○久保亘君 局長ね、こういうところで、私、長官の言質をどうこうという気持ちは少しもありませんよ。しかし、あのとき住民の代表からも長官に、ぜひ長官一遍来て現地を見てくれと、そして現地住民の意見も聞いてもらいたいと、こういう要望があって、長官は行けるものなら私がぜひ行きたいと。しかし、いま非常に日程が忙しいので、近いうちに責任のある者を、たとえば局長とか、こういう人たちを必ず行くようにしますと、あなたもおられたよね、あのときに。おられたでしょう、私もおったんだから。そういうことを長官が住民に約束したことは守らにゃいかぬですよ。そういうことが守られないことによって住民の行政に対する不信というのは増幅するんです。それは私も、国会も始まったし、忙しかったことはようわかりますよ。しかし、あの約束をされてからかなりの期間があったんです。国会が再開されるまで、審議であなた方が忙しくなるまでにも時間があったんで、行こうと思えば一日あれば行ってこられるところなんですね。昔のように東海道五十三次歩いていくような時代じゃないんだからね、行こうと思えばすぐ行ける。結局、そこはやはりあなた方の住民の切実な訴えに対する熱意や誠意の問題ということになってくるんでね、これは約束を守ってもらいたい。
 それで、この国会の合い間にも時間をとることはできると思いますよ。だから、長官かあなたか、しかるべきその責任者がぜひ現地に出向いて現状も見る、それから住民の意見も聞く、そういうことを約束してもらえませんか。これは私がここでこういう無理なことを言っておるようだけれども、長官が長官の責任で住民に言われたことが果たされないということは、これは非常に重大なことなんです。そのことはどうですか。
#35
○政府委員(上村一君) 環境庁で地元の方々に長官がそういうふうなお話を申し上げたことは事実でございます、私もその場におりましたから。したがいまして、そういうことをお約束を申し上げましたことは実行するように努めてまいるのは当然ではないかというふうに考えるわけでございます。
#36
○久保亘君 ぜひそれはやってください。環境庁はいいです。どうもありがとうございました。
 それでは、時間がもうわずかしかありませんから、国土庁の方にいまの問題に関連をしてさらにお尋ねをしたいと思うんですが、国土庁としては、この新大隅開発計画と――国土庁も港湾審議会に出ておられるんだから、新大隅開発計画と志布志港の新しい計画というのは、これは全く重ならない、独自のものだという認識に立って港湾審議会には出られたんでしょうか。
#37
○政府委員(佐藤順一君) 今回の港湾計画の改訂は、地域の当面する課題でありますところの輸送量の増大、船舶のふくそう等の状況に対処するために港湾の整備を行うこと、それからまた、地域の畜産業等に直接寄与する飼料工場の早期立地の要請に対処するため用地の造成をすること、こういう観点から計画の改訂がなされたものというふうに承知をいたしております。換言いたしますと、既定の港湾計画では不十分であるという考え方からする改訂計画が立てられたものと理解しておりまして、この計画は、お話のありました新大隅開発計画案とは別個のものという認識で審議会に臨んだ次第でございます。
#38
○久保亘君 ということは、先ほどこれからの巨大開発についてはいろいろと見直しや検討をしなければならない問題が生じてきているという立場を私も申し上げましたし、また国土庁の方でもそのことを否定はなさらなかったわけであります。その新大隅開発計画の着工を急いでやりたいという主張と、それから志布志港の港湾問題は、これはいまあなたが言われたような理由づけによって、これは別個の問題だという言い方と――これは、しかしわかりにくいんじゃないんですか。この志布志港の問題というのは、これは新大隅の全体計画を見通しながらあの開発計画の中に決められていた部分なんですね。そのことをいまそういうふうな取り出し方をするというのは、国土庁としては新大隅開発計画というのは、これはやっぱりかなり考え直さにゃならぬ問題だという、そういう立場があるんですか。
 それから、私は九州地方開発審議会の委員もしておるけれども、九州地方開発審議会に、去年の秋、九州地方開発の三全総に沿う案が出されたときに、最初は志布志港の問題は入ってなかったね、国土庁から出されたとき。それば御記憶でしょう。志布志港の問題は入っておらなかったけれども、地元県から強い要請があって書き加えられた、その経緯は御承知ですか。
#39
○政府委員(佐藤順一君) まず、志布志港の港湾計画の改訂と新大隅開発計画との関係でございますが、港湾計画の改訂の作業の立案に当たりまして、私ども聞くところによりますと、技術的な見地や、あるいは費用とか工法等の面から、既定の港湾計画の区域に隣接をいたしました場所に新しい計画区域が策定されましたために、結果的に新大隅開発計画案で想定されておりましたところの埋立地の一部と重なり合うという結果を来たしたというふうに聞き、そのように認識をしておる次第でございます。
 そこで、今後の新大隅開発計画案の進め方についてはどう考えておるんだというお尋ねでございましたけれども、これについては、別個のものでございますが、別個に現在鹿児島県におきまして諸手続を進行中でございまして、一方では、現在宮崎県との間で調整中であることは御承知のとおりでありますし、また他方では、同計画案は、これから今後におきまして鹿児島県による計画決定を受けた後で関係各省庁とも十分な意見調整を行うなど、いろいろとまだこの後に手続が残されておるわけでありまして、いわばすべてはこれからと、こういう認識でございます。
 それから第三点の九州地方開発促進計画の内容でございますが、私どもはこの検討の過程におきまして志布志の問題は取り上げておったという認識でございます。
#40
○久保亘君 まあそれは余り言いますまい。しかし、私が出席した最初の九州地方開発の計画案、国土庁でまとめられて出されたものの中には、志布志港は九州の中で特別取り上げられておらなかった。そして、それはその会議の席において地元からの意見も出されてその後追加されていったという経過があること、これは事実ですよ、私出ておるのだから。しかし、そのことはそれでもいいんです。その構想の中にはあったということならば結構ですが、しかし、どう考えてもやっぱりこれからの開発というのは、中央からの、新大隅が最初に出発したころのように、上から地元に押しつけるという形じゃだめなんだと、やっぱり地元の住民の合意というものが民主的なやり方で得られなければむずかしいということを先ほど言われた、そのことは私は非常に大事なことだと思うんです。そういう意味では新大隅開発計画の突破口として、その着手の第一歩として「志布志港湾改訂計画」が生まれてきているんじゃないかという住民の疑問を解消してやる努力が中央、地方ともないといかぬ。じゃ、そのことを疑問を解いてやるということのために必要なことは、新大隅開発計画と志布志港の新計画とがこれは全く別のものであるということを説明できる根拠として何があるか、これはないと思うんだね。それがあるとするならば、一応新大隅開発計画は凍結するとか、あるいは新大隅開発計画については将来の問題として、当面新大隅開発計画を志布志湾工業地帯建設の問題として検討することは進めないと、そういうようなことがないと、これはそういうふうに幾ら力説してみたって、これは別です別ですと言ったって、同時にやっぱり進行しているんだから、だからその点についてはなかなか理解を得られない問題だと思うので、私はよく考えてもらいたい点だと思います。もう時間がほとんどありませんが、最後に、この新大隅開発計画や志布志港の新たな関連地域の進出企業について、いま県会でもいろいろと議論が行われたようでありますけれども、造船とか機械とか石油とか、あるいは食品コンビナートとか、こういうものについて国土庁でその可能性とか現状に立っての見方というものを検討されてみたことがございますか。
#41
○政府委員(佐藤順一君) 先ほども申し上げましたように、新大隅開発計画案は現在まだいろいろな手続を進められている段階でございまして、いわば計画案の段階でございます。まだ、私どもの方といたしまして、いまお話のありましたような可能性その他について具体的検討に入るということはいたしておりません。
#42
○久保亘君 そうすると、県でいろいろ説明をされているのは希望的な観測にすぎない。たとえば造船は、いまは非常に暗いけれども、これは近い機会に何とか明るい見通しが立つだろうから造船は進出の可能性があるとか、こういうことを住民に説明をされる。このことについてはやっぱり私はもっと科学的な分析というものに基づいてやらないといけないんじゃないかと、こう思うんですね。現に鹿児島県の場合には、造船の進出が予定された鹿児島湾内の大規模な埋め立て地が、造船の進出はもう向こう数年間にわたって全く見通しがないまま放置されております。そういう中で、この志布志湾に埋め立てをやれば造船企業が進出してくるだろうなんという話は、これは考えられないことなんですね。だから、そういう国の経済の情勢というものも総合的に判断をしながら、この新大隅開発計画というものに対する中央の考え方というものはしっかりやってもらいたい、こう思うんです。
 もう一つは、石油の問題を私聞いたのは、これはあなた方の所管にはならぬのかもしれぬけれども、国土庁としてはやっぱり重要なかかわりを持っていると思うんですが、石油備蓄基地として志布志湾が日本の中で最も期待される重要な地域であるというような考え方を国土庁はお持ちになったことがありますか。
#43
○政府委員(福島量一君) 石油備蓄の問題は、現下の国家的課題でありまして、担当の通産省におきましていろいろ対策に苦慮されておられる段階であると承知しております。
 志布志湾につきまして、石油備蓄基地として最適であると思うかどうかという御質問でございますが、私どもとしては、まだ石油備蓄という観点からそこまで突っ込んだ検討はしたことはございません。
#44
○桑名義治君 私は、大きく分けまして二問について質疑をしてみたいと思います。
 まず最初に、都市開発についてお尋ねをしたいわけですが、東京、大阪の既成市街地ばかりではなく、地方の大都市の既成市街地でも住宅、商店、それから工場がそれぞれ混在して、密集市街地を形成をしているわけでございますが、これらの建物を見てみますと、それぞれ老朽狭小の木造住宅が多く、住宅環境あるいは防災の面から見ましても好ましい状態にはないわけでございます。そこで、総理府が本年の三月に行いました都市再開発に関する世論調査、この結果を見ましても、過半数の人が現在住んでいる都市環境に不満を訴えている。また人口百万以上の市では半数近い四五%の人が再開発を望んでいると、こういうふうに発表をされているわけでございます。また「国土建設の現況」でも「都市機能の改善と居住環境の向上を図るための既成市街地の再開発の重要性が一層高まっている。」と、こういうふうに言われているわけでございますが、再開発事業が急ピッチで進まない理由というものがどこにあるのか、まず最初に明らかにしていただきたいと思います。
#45
○政府委員(小林幸雄君) 再開発事業はいろいろ法律に、いわゆる再開発事業のみならず住宅政策あるいは非常に極端な場合は街路事業を行う場合でも、結果として部分的な再開発というふうな形になるということも多いわけでございます。いろいろな態様がございますけれども、いわゆる再開発法に基づく再開発事業の中で地方公共団体が施行しているもの、これにつきましてここ約十年間の結果を見ますと、百七十一カ所、三百六十九ヘクタールが竣工もしくは現在進行中でございます。これは単純な累計で申し上げますと、総事業費約一兆六千億、このうち補助対象事業というのが約五千八百億、国費としまして約三千億程度のものをいままで出しております。その限りにおきましては、近々十年の新しい歴史でございますけれども、それなりの成果を上げつつあるということも申し上げられようかとは思います。しかしながら、御指摘のように、この再開発を必要とされるような場所、すなわち都市の安全性、防災性の向上あるいは良好な都市環境、生活環境の形成あるいは土地の合理的、効率的な使用というふうな面から最も必要とされるような、あるいはその必要度の高い地域ほど非常に権利関係が錯綜しておるというふうなことが一つございます。それからまた、相当巨額の資金の調達を必要とするというふうなこともございます。そんなようなことで、これは見方でございますけれども、そう高速道路をつくるような調子で一斉に展開してどんどん進むという状況にまだなっていないことは事実でございますが、問題点としましては、いま申し上げたようなところが当たるかと考えております。
#46
○桑名義治君 市街地再開発の方法としましては、第一に都市再開発法による地方公共団体等の施行による再開発事業というものがあるわけでございますが、いまの説明のとおりでございますが、駅前再開発と呼ばれるように、ほとんどが商業施設を中心としたものであって、いわゆる都市環境改善の効果というものは非常に薄いというふうに考えられるわけでございます。
 そこで、建設省でも現行の都市開発法の改正を含めて検討を進めていると、こういうふうに聞いているわけでございますが、現行の都市再開発の制度、それから手法、それから国庫補助金のあり方、こういう方面について抜本的な見直しがされると、こういうふうに期待してよろしいわけですか。
#47
○政府委員(小林幸雄君) いま申し上げましたように、非常にむずかしい問題でございますけれども、むずかしいとばかりは言っておれない差し迫った状況になっておるわけでございまして、現在住宅・都市政策推進委員会というものが省内に設けられておりますが、その中の分科会の一つに再開発問題をもっぱら討議、検討するものがございまして、ここで精力的に各局の壁を取り払って横断的に議論を進めておるところでございます。もちろん、現行の都市再開発法、これも必要とあれば検討の結果改正を行うことにやぶさかではない。あるいは現在さまざまな手法でさまざまな形で行われておりますものにつきまして、果してこのままでいいのかどうか。これは何と申しますか、公共施設をつくるという問題が一方においてございます、街路、公園等。また一つは、都市の防災性の向上というふうな、やはり公的な目的もございます。そういうふうな公的なかかわり合いの側面と、いま一つはやはり非常に都市機能の集中しておる、あるいは過去において膨大なる社会資本の蓄積が行われているという地域が多うございますので、こういうところでやはり一方においては経済原則と申しますか、市場機構と申しますか、プライスメカニズムができるだけ機能するような方向でそういうものを考えなくちゃならない。この辺の接点の問題でございますので、現行の法律のみならず、運用上行われているところの諸制度全般を含めまして抜本的に全面的に洗い直しを行いたい。必要とあれば新立法あるいは既存の法律の改正をあえて行っていきたいという方向で目下精力的に検討を進めておるところでございます。
#48
○桑名義治君 市街地の再開発の第二の方法論としまして、いわゆる都市開発資金の貸し付けという制度があるわけでございますが、残念ながら工場等の跡地の買い取りに必要な資金の貸し付けは都市開発資金の貸付けに関する法律で首都圏と近畿圏に限定をされているというのが現状でございますし、東京や大阪と同様な密集市街地を形成している地域、いわゆる北九州なんかこれに当たるわけでございますが、最近は企業が不況下の減量作戦で工場用地を手放すというような動きもございますし、北九州の特に戸畑の沖台地域には、これは中小の小さな新日鉄の下請企業というものがたくさんあるわけでございます。この付近は住工混在地帯でございまして、公害という立場からもどうしても分離をしなきゃならぬということで、北九州としては、若松の埋立地あるいはまた戸畑の元の貯炭場――貯炭場跡ですか、こういったところに工場を移転をさせようという計画がなされているわけでございます。当初予算は約五十五億、それから対象の会社は百十社、その全体の広さは七万八千平方メートルと、これだけの工場を動かしたいという計画を持って年々この対策のために苦慮をしているわけでございますが、そういったいますでに事業を実施しようとしている、こういう北九州あたりですね、こういったところにも貸し付けの枠をいま広げる必要があるんではないか。やはり都市の再開発をする場合には、そういうふうに一定限度の住民の了解をとられ得るという可能性のあるところは早急にそういう対策を立てることがやはりこういった方策を進める上においては非常に大きなメリットがあるんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございますが、この都市開発資金の貸付けに関する法律、この法律で限定をされている首都圏と近畿圏というふうに限られた枠をさらに広げる、そういう意思がないのかどうか。これをまず伺っておきたいと思います。
#49
○政府委員(小林幸雄君) 都市開発資金というのは、今後の都市の再開発あるいは都市の整備ということにつきましては非常に重要な機能を果たすと考えております。
 そこで、現行制度で果たして十分かどうかという点につきましては、全般的に先ほど申し上げましたような検討委員会の中でこの問題もやはり根本的に再検討をしているところでございます。私は、もっと開発資金の性格、対象地域等々につきまして、原則的には拡大をしていくという方向で考えるべきじゃないか。と申しますのは、先ほど申しましたような公経済と申しますか、そういうものと私経済といいますか、そういうものの接触点というような場面の都市整備、都市再開発というような問題につきましては、単に補助金を出すなんとかという意識だけじゃなくて、こういうふうなものの活用を図っていくことが基本的に必要ではないか。その辺でどんないい知恵が出せないかどうかと、こういうことだと思っております。そこで、その辺のところからいまの御指摘の問題につきましても検討を前向きで加えていきたいと思いますが、ただ、御承知のように、首都圏、近畿圏におきましては、一方において工場制限区域というふうな法律上の一つの枠が、締めつけがございまして、その締めつけに対する一つの反対給付というわけでもございませんが、そういうことで工場跡地について貸し付けの道が開かれている。そこの辺の問題はどういうふうにほかの都市について当てはめていくかということは一つの問題でございます。ただ、現行制度でも、一つの道がないわけではございません。いま福岡市と北九州市等の問題につきましては、工場の跡地を公園とか街路とか等々の都市計画施設に使うということを決めまして、都市計画決定がなされるならば、現在の都市開発資金で、いわゆる都市施設用地を対象とする貸し付けへの道が開かれております。これは全国で三十都市が対象になっております。したがって、その道はもちろん現行制度下でもあるわけでございます。しかしながら、無目的と申しますか、都市施設というふうに目的は限定されていないけれども、出てきた工場の跡地というものをとにかく地方団体が押さえておきたい、こういう点については、御指摘のような問題については同様の問題意識を私どもも持っておりますので、積極的に何とか道が開けないかという方向で検討を進めていきたいと思っております。
#50
○桑名義治君 それで都市開発の計画書が出るならば、公園その他の公共施設を建てるならばというお話でございますけれども、実際にやはり百十社に対して買収の交渉に当たるわけですから、右から左になかなかできないわけですね。それと同時に、現在買収が終わっているところの図面を見てみましたら、やはり現在では虫食いの状態でずっと買収が進んでいる。したがって、いまここでこういうふうな計画を立てるという都市計画というものはなかなかできにくいわけですね。それかといって、これを放置しておけばどういう形になるかというと、これはまた民間デベロッパーあたりが買い上げて、いろいろな市の計画にそぐわないような形で再開発がなされるというおそれだって十二分にあるわけですし、市がこういうふうに計画を立てて国から補助金を出せというわけではなくて、貸し付け制度を拡大をしろと、こういうわけですから、そういう自主的にそれぞれの市町村がやろうというのですから、したがって、この貸付制度というものはやはり拡大の方向へ早急にもっていくべきではないか。
 話によれば、建設省としては非常に前向きだけれども、大蔵省がなかなかうんと言わないという話も一部に聞くわけでございますがね、この点どうですか。大蔵省あたりに引っ張られるんじゃなくて、やはりそういうように自主的に政令指定都市あたりが、大都市がやっていこうという意思があるわけですから、これは早急に新たに拡大の方向へ改める必要があるんじゃないかというふうに考えますが、大臣としての御所見はどうですか。
#51
○国務大臣(渡海元三郎君) 実は私、きのう委員会で御質問がなかったものでございますので、たまたまその時間を利用いたしまして、江東地区、墨田地区の再開発地点の状態をつぶさに視察してまいりました。そのときに東京都の担当係官もいまの開発資金の活用ということで、木場あたりに置いていかれる地主からの土地を買い上げて、木場地区の今度つくりますモデル地区の分の大部分を公用地として取得することができたと、あれが非常に役立っておりますということを聞かされました。
 いま御指摘になったのはその点だろうと思います。御承知のとおり、近畿圏、それから首都圏におきましては、一方でいま局長が答えましたように、工場制限を加えたものでございますから、それ自体としてこの資金制度をつくり資金をそのために用意したという経過がございますので、そういった制限を持っておりません地区にまで広げることに対しましては、資金量の増加等につきまして予算折衝等で非常に困難な面もあると思いますが、現在の状態をながめまして私たちも努力いたしまして、
  〔主査退席、副主査着席〕
制限を離れての資金の活用、効用というものをよく説きまして、現在の資金の活用のための制度改正並びに資金の確保というものに努力してまいらなければならないということを痛感したような状態でございますので、今後とも努力さしていただきたいと思います。
#52
○桑名義治君 いままでの答弁を通しまして、このいわゆる都市開発資金融資制度の拡大というものがいまの段階では少し困難であるというような響きが非常に強いわけですが、そうなってまいりますと、都市開発資金の貸付けに関する法律の適用を受けられない、いわゆる工場跡地の買い上げ等については、建設省としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#53
○政府委員(小林幸雄君) 実はそういう問題いろいろございまして、現在工場跡地について貸し付けの受けられる地域につきましても、資金量の投下だとかいったような問題があるわけでございます。しかし、私どもがいま申し上げましたような検討を進めておりますので、結論が出るまでの間何にも施しようがないのか、手の打ちようがないのかという御質問だと思いますが、実は工場のあるところは大体都市計画法で工業地域とか準工地域とかいうふうな網がかぶさっているところが多いわけでございまして、そこで、跡を再び工場にするということは、大体見ますと、ないわけでございまして、マンションにしたいとかなんとかという場合が多いわけですね、民間が買う場合。したがって、その都市計画の網をきちんとした都市計画ができるまでは現行のままで変えないと、現行のままでというふうにしておくと。用途地域規制の締めつけを活用しまして、まあ凍結状態にしておくということも一つの方法でございます。これはあと買いましても工場など建てられませんので、ほかの目的で買おうとしても、これは意味がないというふうなこともありますので、まあ一〇〇%これでいけるとは言い切れませんけれども、そういうふうな方法で相当効果を上げる。しかし、これはあくまで、何といいますか、本来的な対処の仕方ではございませんので、やはり基本的にはきちんとしたその地域の都市計画を自治体がしっかりつくって、現行制度の活用で都市施設用地として貸し付けを受けることも一つの道であるし、また私どもも先ほど申しましたような姿勢で何とか知恵が出せないかということで真剣に検討を進めておりますので、両々相まってきちんとした基本的な永続的な制度というふうなものができるまでの間は、いま言ったような方法でひとつ対処してもらうというふうなことで指導をしておるわけでございます。まあ全く無為無策というわけではございません。これは自治体の当局者が都市計画法の運用をそういう点でうまくやれば相当の効果を上げるというふうに思っております。
#54
○桑名義治君 北九州の戸畑の沖台地区の工場地帯は、これはいきさつがあるわけですよ。いわゆる五市合併をする前、戸畑市と言ったわけですが、この戸畑市が、新日鉄が来てあの地域に工場を誘致をしたという、そして工場地帯としての一番最初は指定をしたという、そういういきさつがあるものですから、いまさら住宅地域の網をかぶせるということはなかなかむずかしいわけですね。おまえたちが来いと言うから来たんだと、ところが後から家が建っちゃったじゃないかというような経過があるものですから、したがって、そういう網をかぶせることも非常にむずかしい。とするならば、もうやっぱり個々に話し合いを進めながら工場をどんどんどんどん移転をさしていかなければいけないという、そういう方法をもって個々の――住工分離という施策をいま進めているわけです。したがって、このような制度を使いながら手当てをしたいというのが北九州市の考え方でもありますし、これは北九州、福岡のみならず、政令指定都市からは恐らく皆さんのところには枠の拡大をしてくれという陳情なり要請は行っていると思いますから、これは早急に積極的に大蔵省なりとも話し合いを詰めて、そういう方向へ進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それから、国道工事の促進の問題について二、三、時間がございませんので、簡単に質疑をしておきたいと思いますが、直轄国道は、いわゆる通過交通を主体とする産業道路であるとよく言われておるわけでございますが、利用の実態としては地方都市の生活基盤としての機能が非常に強く、各地で道路の早期整備の要望があるわけでございます。九州の中枢管理都市である福岡市を通過する国道についても、経済活動と都市生活の面から基幹国道の早期整備が非常に望まれているわけでございますが、福岡市を通過する国道、これの現在それぞれの進捗状況はどういうふうになっているか、まず伺っておきたいと思います。
#55
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。
 福岡市内の直轄国道でございますが、現在三号で三カ所、二百一号で一カ所、二百二号で二カ所の合計六カ所のバイパスの事業を実施中でございます。
 まず三号の香椎バイパスでございますが、すでに昭和四十五年に暫定二車線で供用開始をいたしておりまして、四車線化も大半完了している状況でございます。三号の博多バイパスでございますが、計画延長七・七キロメートルのうち、昨年の十二月に一級国道二百一号の福岡東バイパスとの交差点から西の区間二・六キロメートルにつきまして、六車線ないし四車線で供用を図ったところでございます。三号の福岡南バイパスでございますが、福岡市内分七・二キロメートルにつきましては、昨年の十一月に供用いたしました福岡空港付近の一・七キロメートルを含めまして五・五キロメートルを暫定四車線で供用を図ったところでございまして、未供用部分一・七キロを残すのみという状況になっております。
 次に、二百一号の福岡東バイパスでございますが、福岡市内分につきましては、昭和五十一年四月に暫定二車線で供用を図ったところでございまして、五十三年度末、もうすでに二日を残すのみでございますが、大体四車線化を完了する予定でございます。
 二百二号今宿バイパスの福岡市分でございますが、計画延長八・四キロメートルのうち、現在都心側から二・五キロメートルを昭和五十一年度までに四車線ないし暫定二車線で供用をいたしております。二百二号の福岡外郭環状線でございますが、計画延長十六・二キロメートルでございますが、現在のところ、区画整理事業の対応を行っているという状況でございまして、供用区間はございません。
 以上でございます。
#56
○桑名義治君 国道三号バイパス、いわゆる博多バイパスの工事がストップしているわけでございますが、この理由はどういう理由ですか。
#57
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました進捗状況にあるわけでございますが、福岡東バイパスから北九州の方に向かっての区間につきましては、現在休止をいたしておる状況でございます。この理由といたしましては、第一に本年の三月八日に北九州縦貫道が開通をいたしまして、北九州方面からの交通の転換が図られると、こういうことが第一点でございます。第二点は、五十五年度の供用を目途といたしまして、福岡高速一号線が一部区間供用をいたしますが、これへの交通の転換が見込まれる、こういったこと等から、当面事業の効率的な投資配分という観点から本区間の事業を休止することにいたしたものでございます。今後、福岡高速道路一号線の供用、現道の交通状況、他の事業中のバイパスの進捗状況等を勘案しつつ事業の進め方については検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#58
○桑名義治君 そこで、まあ全国的に交通量が大変に増加しているわけでございますが、それと同時に、大都市周辺を中心にした交通渋滞というものは非常に厳しいものがあるわけですが、交通量が交通容量を上回っている区間というものは、直轄国道の中では約四〇%がそういう状況下にあると、こういうふうに言われておるわけですが、福岡市におきましては、特に西部及び南部方面から都心方面への交通渋滞というものが非常に激化をして、その緩和のため九州の流通体系上重要路線である国道二百二号今宿バイパス及び国道三号、いわゆる福岡南バイパスの早期完成が望まれているわけでございますが、この点についての建設省の考え方を伺っておきたいと思います。
#59
○政府委員(山根孟君) ただいま御指摘のとおりでございますが、まず二百二号の今宿バイパスにつきましては、福岡市内八・四キロにつきましては、都心寄りからの事業を進めることにいたしまして、現在までに約二・五キロの区間を四車線または暫定二車線で供用済みでございます。引き続き五十四年度には、さらに市道青木−勝先、上ノ原−車ノ原線までの間、一・八キロメートルの供用を図ることにいたしておりまして、この市道を経由して二百二号の現道と結び交通量の転換を図りたい、かように考えておるところでございます。残りの四・一キロメートルの区間につきましては、昭和五十四年三月――つい最近でございますが、都市計画決定がなされたところでございまして、今後引き続き地元との協議等を進めまして整備を促進してまいりたい、かように考えておるところでございます。
 それから次に、南部の方からの集中に対応する国道三号の福岡南バイパスでございます。この福岡市内七・二キロメートルにつきましては、太宰府インターの関連もございまして、南側から都心の方向に向かいまして整備を進めてきておりまして、現在までに通称防衛道路と言っております道路から南の区間について暫定四車線で逐次供用を図ってきたところでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、この一・七キロメートルの区間が残されております。実はこの区間は家屋が密集いたしておりまして、補償物件等が七十件程度に及んでおります。用地取得がかなり問題なところでございますが、地元の皆様方の御協力を得まして第八次五カ年計画の期間内にはこの福岡南バイパス全線の供用が図れるように最善の努力をしてまいりたい、かように考えております。
#60
○佐藤昭夫君 きょうは関西学術研究都市構想の問題で幾つか御質問をいたしたいと思いますが、最近この研究都市構想をめぐって新聞でもしばしば取り上げられ、京都、大阪など自治体レベルでも、また学者、研究者の間でも賛否両論も含めて議論が起こっておるところでありますが、まず窓口の衝に当たっておる国土庁にお尋ねをしますが、今回国としても五十四年度の予算案に約千百万円の調査費が計上をされたわけですが、この構想を推進をする理由は、目的は何ですか。
#61
○政府委員(堺徳吾君) ただいま先生が御指摘ございましたように、関西の学界等が中心になりまして関西に高水準の学術研究機能を集積した都市づくりをやろうということを検討しておられまして、去る十二月でございましたか、第一次の提言をなされたことは御存じのとおりと思います。私どもは、その内容等につきましてはなお非常に検討すべきものはいろいろあると思いますし、さらにその可能性、立地条件等も含めていろいろ問題は残っておると考えておるわけでございます。しかしながら、昨年、近畿圏の基本整備計画を改定したわけでございますけれども、この計画の中でも関西の活力を高めると申しますか、関西が首都圏と並んで西日本の中心として維持していくためには、やはり産業とか文化の基礎となる学術機能の充実強化というものが必要だろうということで基本計画でもうたっておるわけでございます。一方、地元におけるそういう学者の方々の構想というものも、その趣旨としては私どもは共鳴するところがあるわけでございます。そういった観点で国土庁としても国としていかにあるべきかということを今後検討していきたい、調査していきたいということで、来年度調査費を一千万余りお願いしておるわけでございます。
#62
○佐藤昭夫君 そうしますと、いまの御説明ですと、既存の大学や研究機関が新しい研究施設をつくろうという場合に、いまのところでは用地上限界があるというので、一定の地域にそういう新設施設については集中してつくっていこうということだけでは必ずしもない、別に目的もあるんだということですか。
#63
○政府委員(堺徳吾君) おっしゃるとおり、の学術、文化の機能を高めていくということが主眼でございます。もちろん、既存のものが古くなって建てかえるというような問題もあろうかと思いますけれども、そういったことだけではなくて、むしろ地元の懇談会でもいろいろ言っておられるような趣旨、二十一世紀に向かっての新しい技術革新と申しますか、そういったものにまで触れるようなことが必要ではないだろうか。少なくとも関東における、首都圏における研究学園都市、筑波の研究学園都市のような考え方というのは関西ではちょっととれないんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
#64
○佐藤昭夫君 そうしますと、さらにお尋ねをしたいわけでありますが、この研究都市構想は、片一方、昨年の四月に発表されました近畿地域産業構造長期ビジョン、御存じと思いますけれども、これと一体どういう関係にあるのか。この長期ビジョンは、御存じのように、近畿地域産業構造懇談会と同分科会が一昨年の五月以来何回もの会合を重ねてまとめられたものでありますが、この懇談会の構成は、関経連の名誉会長を座長に七十五名の委員、そのうち大会社の社長と経済団体の役員で七十五名中五十五名を占めている、その他は大阪の通産局長、七府県の知事、五大新聞社の社長、大学教授等、この運営の幹事役、いわば事務局のような仕事を大阪通産局がやってきたという構成でこの長期ビジョンなるものがまとめられたわけですけれども、この長期ビジョンの中で、いまもちょっと言われております近畿経済の地盤沈下からの復権をどう図るかということを一番の目標に置いて四つの基本方向と六つの中核的プロジェクトというものをこの長期ビジョンの中で提言をしていると思うんです。その六つの中核的プロジェクトの中のまず第一として産学協同研究施設、この設立、そしてそのためにも近畿学術研究都市建設構想を推進をするということをうたっていると思うんです。用語として「関西」と「近畿」と用語の違いがありますけれども、これは大体同じことを考えている、指しているんだというのは自明のことだと思うんですけれども、そうしますと、いま国土庁が窓口になって調査費をつけて、ひとついろいろ検討をやっていこうという関西学術研究都市構想と、片や通産局が事務局役も務めながら財界の代表なんかをたくさん集めて相当の何回か会合を重ねてつくられてきたこの近畿地域産業構造長期ビジョン、この中で言っている近畿学術研究都市構想なるもの、これとは大体同じことを、目指す方向は同じことを目指しておるということなのか、全然違うものなのか、その点について国土庁と通産省、それぞれちょっと見解をお尋ねしたいと思います。
#65
○政府委員(堺徳吾君) 私どもが関西学術都市の構想をこれからいろいろ調査をしていこうという、先ほどから申しましたように、近畿圏の基本整備計画にのっとって進めていこうということでございます。したがいまして、産業構造の長期ビジョンとは直接的な関係はございません。ただ、この基本計画を策定するにつきましては、相当長い間地元の方々をも交えた計画部会等で検討していただきまして、その報告を受けた形で地元の意向を尊重して基本計画をつくっていくという、そういう経緯はございますけれども、直接的なつながりはございません。
#66
○説明員(鈴木直道君) 先生御指摘のとおり、昨年産業構造長期ビジョンの一環といたしまして近畿地域のビジョンを発表いたしております。私どもといたしましては、全国的な産業構造ビジョンを設定すると同時に、やはりそれぞれの地域――最近は地域の時代、こういうふうに言われておりますが、
  〔副主査退席、主査着席〕
その地域それぞれの特色を生かした産業構造があってしかるべきであろう、こういう考え方が基本でございまして、近畿圏のみならず、全国各地域におきます産業構造ビジョンというものを一昨年以来設定しているわけでございますが、近畿地域に関しましてはその一環であるわけでございます。その中で、御指摘のとおり、近畿学園研究都市建設構想というものを推進すべきであろう、こういうことを提言しているわけでございますが、これはかねてから近畿地域にございます構想をさらに一歩前進させるのが望ましいであろう、こういう考え方でございます。その中で、それを進めるに際しまして、やはり他の国の政策、総合開発計画等々の中での位置づけをさらに進めるのが望ましいであろう、こういうことも同時に指摘しているわけでございます。その方向に合った形で国土庁自身が御研究なさっておりますので、地方の考えを基礎にしておりますので、もとは同じである、こういうように考えておるわけでございます。
#67
○佐藤昭夫君 直接の関係はないけれども、目指す方向は大体似たような方向を目指しておるんだというお話でありますが、そうしますと、この長期ビジョンの中で財界の側からつくられるであろう産学協同の研究施設、こういうものについて国家資金の大幅な援助を要望するというような、こういう報告の中にも文言が出てくるわけです。私は科学技術特別委員の方にも属しておりますのであれですが、例の科学技術白書にも出てきますけれども、長期不況のもとで企業の研究投資がずっと年々低下してきているということはもう数字的に明らかだと思うんですけれども、こういう企業の研究投資の低下をカバーをするために国家資金に大幅に依存をしてこういう産学協同の研究施設をつくろうという方向が目指されていくのではないかというふうに思うんですけれども、そこにそもそもこの問題が出てきた一つのねらいがあるのかどうかという問題が一つ、それからもう一つは、この報告にも出てきますが、この産学協同のシンクタンクについてアメリカのバッテル研究所やランド研究所などをモデルとして挙げております。これらの研究所というのは、この報告にも四百六十五ページにこういう別表をつけて、この研究所はどういうことをやっているんだということを紹介をしていますが、たとえば例のマンハッタン計画――原爆製造のマンハッタン計画、それから原子力潜水艦の開発、ICBMの配置計画など軍事研究の一翼を担ってきた研究所であります。ということは、この研究都市構想の内容の一つになる産学協同研究施設なるものが軍事研究、防衛研究の内容をこの機会にひとつ持ち込んでいこうという考えのあらわれではないかというふうに私は大変危惧を持つわけです。こうした点で、いまの二つの点について通産省の見解を求めます。
#68
○説明員(鈴木直道君) この研究都市構想の基本は、近畿地域におきます経済あるいは産業の実情、あるいは現実に行われております研究開発と近畿地域におきます大学その他研究機関におきます研究と、さらには国の研究といかに協力融合さしていくかというところが一つのねらいだろうと存じます。そういう意味で、御指摘になりましたアメリカのシンクタンクをモデルにしたという点につきましては、産、学、官、これの協同のあり方、むしろ研究の方法につきまして見習うべき点があれば見習いたいということでございまして、研究の内容自身につきまして見習おうという考え方はございません。
#69
○佐藤昭夫君 しかし、ことさらこういう別表をつけて、これが一つの参考モデルになりますということで、この別表の中に、国家的プロジェクトヘの寄与は、たとえばこういうことがやられているということが掲げられておるわけですね、単なる一般的防衛研究ではないでしょう。原爆製造のマンハッタン計画あるいはICBMの配置に関するプロジェクト、あるいはまた原子力潜水艦の開発、こんなことをわざわざ別表に載せたということは、逆に言えば挑戦ではないですか。いまの段階では何も言えぬというのであれば、なぜこんなようなのをわざわざ載せたのか。これはきわめて不見識なものだというふうに言わざるを得ぬと思うんですけれども、この点について大臣の見解はどうですか。――これは通産省がまとめたものですけれどもね。この分科会は主務大臣として建設大臣、国土庁長官おられますから、閣議の一員としてこういうものがモデルとして掲げられておるということについて、私は非常に不見識なやり方ではないか。逆に、いやいやそんなこと危惧していただく必要ありませんと、わが国はその原爆の製造あるいはICBMの配置プロジェクトや原子力潜水艦の開発や、こんなようなものをいま進められようとしておる関西学術研究都市構想の中に持ち込むということはさらさら考えていませんということであれば、そういうふうに明言していただいたらいいのですが、どうですか。
#70
○国務大臣(中野四郎君) まだこの問題については全くの白紙なんですから、私の方から御質問の点について御答弁をする何ものもないと思います。
#71
○佐藤昭夫君 全く白紙ですから何も言えませんということは、依然として私のそういう危惧は残るということです。いや、そうじゃないというんでしたら、いやいやそんな御心配一切御無用でありますというふうに明言をしていただいたらいいわけですけれども、重ねてお尋ねをします。
#72
○国務大臣(中野四郎君) 全くあなたのおっしゃるとおりで、一切そういうことは私は心配ないと思っております。
#73
○佐藤昭夫君 次に、この研究都市構想のこれから内容的な検討が進められていくわけですけれども、その検討に当たっての民主的プロセスといいますか、こういった点でお尋ねをしたいと思うんですが、さっきもお話にありました関西学術研究都市調査懇談会、元京大総長の奥田東氏が座長を務められておる。ここからの第一次提言というようなものなんかも出ているわけですけれども、これが内容的な構想としての現段階では一番まとまった形のものとして出ておるということだと思いますが、これは決して関係大学や研究機関の組織的討議を集約をするというものではなくて、任意の個人の学者、専門家の集まりだということであるわけですね。問題は学術研究都市構想という、そういう名を称する限り関係をする大学や研究機関の意見を組織的に求めていくというプロセスがどうしても必要だと。私は京都でありますから、京都大学のを聞きましたところ、まだ何にもこの問題について意見はどうだという話はないということであるわけですけれども、今後この内容検討に当たって大学や各研究機関の意見を組織的に求めていくということは当然やられるはずだと思うんですけれども、その点どうですか。
#74
○政府委員(堺徳吾君) ただいま大臣が申しましたように、現在この学術研究都市構想そのものにつきましては、国土庁としてもまだ内容的には白紙の状態でございますが、これから学界あるいは地方公共団体、それから産業界等の意見を参考といたしまして、来年度以降調査を進めていきたいと。当然、先生の御指摘のような幅広く意見集約をする必要があるというふうに考えております。
#75
○佐藤昭夫君 さらにそういう大学や研究機関という組織体の意見を求める、それと同時に、専門の学者、研究者、技術者、こういう人たちの意見を広範に求めていくということも必要だと思うんです。
 この点で、日本学術会議というのがございますね。これは法的にも認知をされた、現在日本においては一番広範に専門学者を結集をしておる機関だというのが日本学術会議、ここにひとつ積極的にこの構想の内容をどういう内容にしていく必要があるのかということについて意見を求める、この問題をひとつ検討をするという点についてはどうですか。
#76
○国務大臣(中野四郎君) これはもとより各方面、しかも広範にわたってこういう問題の御意見を徴して、そうして計画を策定するというようなことになりましょうと思いまするから、御意見を十分尊重してそれぞれの措置をとる考えでおります。
#77
○佐藤昭夫君 さらにお尋ねしたいと思いますのは、こういう研究都市構想、研究都市の建設もさりながら、現在ある大学や研究機関の内容充実をまず先行させるべきではないかというのが私の意見なんです。
 御承知のように、大学のいわゆる経常研究費、年々これは対前年度伸び率は予算の上で低下をしてきていますね。あるいはオーバードクターが年年累積をして、せっかくドクターまでとった有能な人材が有効に生かされていないという現状がある。さらにまた、定員外職員が累増して、ただでさえ乏しい研究費がこのために圧迫をされておる。それから、大学なんかを見ましても、老朽校舎が相当あって、完全冷暖房ができないような施設というのも相当数に上っていると思うんです。これがいろいろな研究活動の阻害の要因になっている。
 こうした点で、文部省にお尋ねをいたしますが、私としては、まずこういう既存の大学や研究機関の充実、ここを先行させることなしに一カ所に集中をするこの研究都市構想、これが本当に実りある成果を得られるものではないというふうに思うんですけれども、この点について文部省はどういう見解ですか。
#78
○説明員(植木浩君) ただいま先生から御指摘ございましたように、学術、研究の振興というのは、わが国のいわば発展の基盤をなすものと私どもは考えております。したがいまして、いま先生御指摘がありましたような、経常研究費をさらに充実していく、あるいはいろいろな研究の組織、施設設備、そういったものを充実していく、さらに必要な研究者等の定員の確保に努める、こういった点につきましては、従来から及ばずながらいろいろ努力はいたしておりますが、今後ともさらにその努力をしてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
#79
○佐藤昭夫君 私がお尋ねしているのは、学術研究都市構想、そういう一カ所に集中してやるというそこもさりながら、まず既存の大学や研究機関の個々の充実に大いに力を入れなくちゃならぬと、そこが土台になるべきだというふうに思うんだけれども、文部省の見解はどうかと言って聞いているんです。
#80
○説明員(植木浩君) 先ほど申し上げましたように、いろいろな面で学術の振興というものは基盤的な役割りを果たすものであると、このように考えておりますので、そういった観点からぜひ今後ともその充実を図ってまいりたいと、このように思っております。
#81
○佐藤昭夫君 筑波の場合に比べまして、この関西学術研究都市構想、これは筑波の場合には、いわば国立の諸機関が、都心部の過密状況を解決をするということも一つの目的にして、あそこに集中していろいろなものをつくっておる。移転をするということに主要な目的があったわけですけれども、今度の場合はそうじゃなくて、それほど各大学なんかから、もうとても狭くて狭くてたまらぬという話がわんさと出てきてこの話が登場してきたという経過ではない。さっき長期ビジョンをつくられた懇談会の構成で、その大部分が財界の代表で占められておるということやら、この長期ビジョンの中の提言をずっと読みましても、かなり財界主導でこの問題がずっと進められていくんじゃないかという危惧を持つわけですけれども、ところで、首都圏の場合と違って、関西の場合には特に中小企業の比重が相当高いと思う。実は科学技術庁のもとでの科学技術会議が昨年の十二月二十二日に、地方における科学技術活動の推進に関する意見と、こういう報告を出されておりますけれども、すでに前の六号答申で、日本の科学技術の豊かな発展のためには、言うなら中央部における活動だけじゃなくて、地域における科学技術を大きく花開かせていく必要があるんだということを提起をしているわけですけれども、そうした点で、この関西学術研究都市構想の内容については、本当に地場産業や中小企業の発展に役立つ方向、産業の先端をねらうプロジェクトもさりながら、もっと実際に国民が求めておる地場産業、中小企業あるいは農業だとか医療の分野だとか、ここに重点を置いた構想が考えられるべきだというふうに私は思うんですけれども、科学技術庁の見解はどうですか。
#82
○説明員(福島公夫君) 先生御指摘のとおり、昨年十二月に地方における科学技術活動の推進に関する意見というのが科学技術会議の方から出されております。科学技術庁といたしますと、まだ当構想の実は詳細にわたっての御説明というのは承っていない段階ではございますけれども、当然関西という地方固有のニーズというものがあっての構想というふうに考えておりますので、この際は科学技術会議で申し述べておりますような地場産業、特に地場産業に結びついた研究開発課題に対応していくというような形でこういう学園都市というものがつくられていくべきだろうと考えておりますので、そういう方向でわれわれとしても参画し、いろいろと検討に加わってまいりたいと思っております。
#83
○佐藤昭夫君 最後にもう一言、国土庁にお尋ねをいたしますが、大体この学術研究都市構想の一番の候補地として京都府の南部地域、ここが目されておるというのは、いろいろな動きがありますけれども、大体そういう方向になっているのじゃないかと思うんですが、最近、この構想がいろいろ進められるのに応じて、全国平均よりも特にこの地価の高騰がなかなかちょっと心配な状況になってきているということであります。宅地を求めておる人々がこのことのためにいろいろ高い土地を買わなくちゃならぬと、こういうことにならぬように、地価高騰の問題について、この構想推進が原因になって地価が上がるということが断じてないような厳しいひとつ規制を国土庁として責任を持ってやってもらう必要があるというふうに思うんですが、どうですか。
#84
○政府委員(山岡一男君) 先生御案内のとおり、国土利用計画法ができております。私どもその国土利用計画法の適確な運用に努めてまいりたいとかたく考えております。現在のところでは、届け出制度が運用されておりまして、いわゆる利用目的、価格、それから周囲の公共事業の設備状況等についてのチェックを行っているわけでございますが、国土利用計画法では、さらに先生おっしゃいましたような、たとえ一平方メートルたりといえども、知事の許可がなければ取引が成立しないという意味の規制区域の制度等も準備いたしております。したがいまして、そういうふうなものの起こりやすいようなところにつきましては常時監視をするというための予算も準備をいたしておりまして、地方公共団体に常時監視をお願いしておるところでございます。必要な場合には機動的かつ効果的な指定をやるというふうに都道府県に対しても指導してまいっておるところでございます。今後、関西学術研究都市等の構想の具体化の度合いを見ながら、引き続きそういう監視を十分いたしまして万全を期してまいりたいと思っております。
 なお、御案内のとおり、特に投機的な土地取引抑制のための税制、それから融資の規制等の対策もあわせて講ずるというようなことが現在進められておりますので、私ども十分そういうふうなことにつきまして土地高騰の懸念がないように万全の努力をいたすということでございます。
#85
○佐藤昭夫君 終わります。
#86
○山本富雄君 建設省あるいは国土庁には水問題につきましてもう長い間さまざまな観点から御苦労願っておるわけでございまして、御承知のとおり、私は出身が群馬でございますから、水の問題、それまた長い間ダムの地元などにおりまして経験をしてまいりました。水問題というと、何年前になりますか、例のイザヤベンダサンというのが書きました「日本人とユダヤ人」という本がございますけれども、あの中に、日本人というのは国の安全と水はただで手に入るものだと思っている、こういう名文句がありますけれども、この水の問題、これから非常に深刻の度合いを増すだろうと思うわけでございますので、この問題にしばりまして、幾つか両大臣に質問を申し上げて、御決意のほどをお聞きしたいと、こう思うわけでございます。
 まず第一に、渇水対策でございます。昨年北九州におけるあの水不足は、もういやというほど、九州の方々だけでなしに、全国民がテレビ、新聞等で聞き知った、見知ったわけでございますけれども、ことしはとにかく全国的に水不足になるだろうと、みんなそう言っております。去年の十一月以来とにかく雪が降らない、例年の三分の一ぐらいだということでございます。群馬あたりのダムを見ますとわりあいに水がございますけれども、しかし、いずれにいたしましても深刻な渇水の状態が本年以降来るんじゃなかろうかと、こういうふうにだれしもが言うわけでございます。わが自民党は、災害対策特別委員会というのがございます、御承知のとおり。それで、関係省庁に対しまして、渇水対策を強力に行うべきだと、こういう申し入れなども三月にやっておりますが、まずこの当面する渇水問題につきまして両大臣の御所見を承りたいと思います。
#87
○政府委員(北野章君) 先般気象庁が最近の降雨状況及び見通しについて発表いたしました。先生御案内のように、日本列島は当分の間少雨傾向が続くということで、私ども水担当者は大いに関心を持っておるところでございます。最近の降雨量についてみますと、昨年九月から本年一月までの主要地域の降雨、積雪量についてみますと、平年の約六割から七割ということでございましたが、幸い二月にはかなりの降雨量がございまして、これは平年の約五割増しでございます。またダム等の貯留量につきましても、河川管理者等の御努力によりまして、一部地域を除きまして順調に増加しております。したがいまして、今年夏の水事情につきましては、今後の降雨状況によると考えられますが、今後ともダム等の貯留状況等を見守りつつ関係機関と協議して対処してまいりたいと考えております。
 水不足に対する具体的な対応策といたしましては、大別いたしまして、長期的な水需給対策、それから中期的な当面の対策、それから渇水時の緊急対策に分けられると思います。
 まず、長期的な水需給対策といたしましては、昨年八月、国土庁において長期水需給計画を策定いたしましたが、この中で、今後とも水資源開発を一層推進いたしますとともに、節水型社会の形成を図る等、総合的な水需給対策の推進の必要性を強調しておるところでございます。したがいまして、この方針にのっとり関係省庁と連携を密にし、水資源開発促進法、それから水源地域対策特別措置法等の運用を通じまして、水資源開発事業の一層の促進を図るとともに、その他必要な施策についても今後さらに検討を加えて実施してまいりたいと考えております。
 次に、当面の対策といたしましては、昨年の渇水等にかんがみまして、それぞれ関係省庁、地方公共団体でいろいろと対応されておりますが、国土庁といたしましては、節水、水使用の合理化等を推進するため、雑用水利用の促進について検討を行ってきておりまして、これの定着を図るため、新年度から広域的な雑用水利用のためのモデル計画を策定することといたしております。
 また、日本開発銀行の省資源、省エネルギー融資枠の中に、水資源有効利用を軸といたしまして、雑用水利用施設の設置事業者に対して融資を行いますとともに、雑用水利用のための汚水処理施設についても公害防止施設並みの減価償却の特例を適用するということで雑用水利用の推進を図ってまいりたいと考えております。
 それからまた、一昨年から閣議了解に基づきまして、水資源の有限性、水の貴重さ及び水資源開発の重要性につきまして国風の関心を高め、理解を深めるために、水の日、水の週間を設けまして、広くキャンペーンを展開しておりますが、ことしも地方公共団体、その他関係団体等の緊密な協力を得まして、なるべく早い時期に積極的にキャンペーンを実施してまいりたいというふうなことを考えております。
 それから最後に、渇水時における緊急対策といたしましては、それぞれの地域において、関係機関、地方公共団体等で構成されております渇水対策協議会等で、湯水の状況の把握、水の融通、取水制限等の水利調整が行われるということになりますが、国土庁といたしましても、渇水状況等の把握に努めますとともに、必要に応じて関係省庁と協議し連絡調整を図ってまいりたい、そのように考えております。
#88
○国務大臣(中野四郎君) いま詳細にわたっては当局からいろいろ御説明いたしますが、水というものに対するまず理解を全国の家庭の女性に求める必要があると思うんです。水の話をしますと、水はどこから来ますかと言えば、いや、水道のじゃ口をひねれば出てくると言うんですね、この認識では困るとし節水の過程においても、今後の水をいろいろと活用する上におきましてもですね。そういう意味で、国土庁ももう一歩ひとつ足を踏み出して、節水の面、水そのものを理解せしめるような運動を起こす必要がある。そこに水の日を決めるゆえんがあると、こんなふうにも考えておるわけでございます。
#89
○国務大臣(渡海元三郎君) 長期計画、中期計画等に分けまして、いま説明したとおりでございますが、特に昨年の北九州の湯水等にもかんがみまして、また、ことしが暖冬異変と申しますか、積雪が少なかったものでございますから、融雪量が少ないだろうという、さしあたり本年度分の警戒をもたらしておるということは、私もいまの山本委員の御発言に同感でございます。いままでのところ、各主要河川における流量は平年並みでございます。そういった状態でございますので、早目に例年に比べてダムに貯留を行い、今後の雨量によりましては、これが少なくなってまた渇水で困ることのないように、いま幸い努力しておるところでございますし、そのためには、関係各省に対しましても、雨垂の計算あるいはダムの操作、それらに万全を期しまして、今後渇水の起こらないようにできるだけ努めたいと、このように考えております。
#90
○山本富雄君 最近石油不足で、これをひとつ節約をしよう、日本は石油の資源がないんだと、予算委員会でも通産大臣が温度のことを盛んに気にしましたけれども、石油がないことは日本人みんな知っておりますけれども、水は無限のような感覚は、まだまだある。しかし、水も有限なんだと。しかも、いま水資源局長のお話のとおり、この私の手元にいただいた去年の八月の国土庁の長期計画、これで見ますと、全国的にはもう年間十五億トン足りない。特に関東、これはその中の三分の一、五億トンは足りない。こういうことがはっきりしているわけなんです。ですから、中野大臣から、水の日も決める、そして家庭の奥さんにまで呼びかけるというふうな大変適切なお話がございましたけれども、ひとつこれを実行をしていただきたい。また、実効あらしめたいというふうにお願いをする次第でございます。
 そこで、時間が余りありませんので、話を具体的に進めたいと思うんですけれども、水を節約をしていこう、いわゆる水節約型の社会というものをつくると。また建設大臣からは、ダムの操作その他をやって、そして通年的な水不足の起こらない方途を講じたい、これらはいずれも技術的な問題になるわけなんです。やっぱりいろいろ考えてみると、結果的には水源対策、水源地対策、端的に言えばダムづくりと、こういうことに結論はなるわけでございます。
 そこで、現在まで国土庁がいろいろ数字の上で検討され、建設省がこれを具体化してきている全国的なダムづくりの状況、これをひとつお聞かせを賜りたい、こう思うんです。
#91
○政府委員(稲田裕君) 昭和六十五年に向けまして、昨年八月、国土庁の方で需給の見通しを立てられたわけでございます。私どもそれを受けまして、六十五年までにダム等で水資源開発をしなければならないうちで、特に河川関係の治水事業とあわせまして、多目的ダム等でやらなければならぬものにつきまして六十五年の見通しを立てたわけでございます。それによりますと、河川から補給しなければならない量は、新たに昭和五十一年から六十五年までの間に約二百九十億トンという数字がございますが、その中で多目的ダム等でやるのは約二百六十億トンというふうに考えます。全国の計画を洗ったわけでございます。それによりますと、昭和六十五年までに約三百六十ばかりの施設を建設する必要があるというような数字を得ております。現在三百六十のダムに対しまして五十一年から五十三年度末までに約十七ダムが竣工いたします。それで来年度、約二百のダムにつきまして工事を実施するというふうな予定をいたしております。残りの約百四十につきましては、現在予備的な調査を行っておるわけでございますけれども、これにつきましても積極的に事業化を図って、合わせて約三件六十のダムを昭和六十五年までに竣工させてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにしましても、これらの事業を推進するためには、資金の確保あるいは事業執行体制の整備、いろいろ問題があるわけでございますけれども、何と申しましてもやはり水源地域の整備と、それから水没者の生活再建対策というふうな水源地域対策というのが一番重要ではなかろうかというふうに考えております。これらにつきましては、水特法あるいは基金等の活用はもちろんでございますけれども、今後ともきめの細かい対策を施しながらこれらのダムの建設を推進していきたい、かように考えておるわけでございます。
#92
○政府委員(北野章君) そこで水源地域対策でございますが、これの充実につきましては、水特法を昭和四十九年に施行いたしまして、すでに五年を経過したわけでございますが、この間三十五ダム等を指定し、二十三ダム等の水源地域計画を決定し、現在整備事業を鋭意推進しておるところでございます。
 水源地域対策の充実につきましては、積極的に努力しておるところでございますが、特に最近の情勢について申し上げますと、五十三年の六月に水特法施行令を改正いたしまして、水源地域整備事業の対象事業の追加を行っております。それから、五十四年度から水特法第九条のいわゆる国費かさ上げを適用するダムの指定基準の緩和と、それから水源地域における団体営土地改良事業と普通林道整備事業の国庫補助事業採択基準の緩和を行うことといたしております。
 また、先生御案内の基金の問題でございますが、昭和五十一年度から都府県等の設立いたします水源地域対策基金については、利根川、荒川水源地域対策基金を五十一年度に設立し、さらに五十二年度には木曽三川の水源地域対策基金が設立されております。それから新年度には淀川水系についても設立が予定されておりまして、このようなことで、ダム建設に伴う水没関係者の生活再建対策の一層の充実を図りますために上下流一体となった協力体制の確立にいま努めておるところでございます。このようなことで、今後とも水源地域対策の樹立について前向きに検討してまいりたいと考えております。
#93
○山本富雄君 いま稲田、それから北野両局長から、着々と進んでおると数字を挙げてのお話がございました。非常に結構だと思います、しかし、私が承知をしている限りでは、なかなかダムづくりはうまくいってない、九州を初めとして。
 それで、関東に話をしぼっていきたいと思うんですけれども、私自身、二十年からこのダムの問題で苦しんできた。群馬県の場合には、関東の水がめなどと言われて、ずいぶんとダムづくりにいろいろな形で協力をした、つくったダムがいまや余りメリットがない。その実情が何となく知らしめられましたために、ダムづくりは非常ないま難関にぶつかっておる。これは両大臣御承知のとおり。しかも渡海大臣は自治大臣をされて、各県の状況、特に山村地域の状況はお詳しいわけで、中野長官は地元でたしかダム問題みずから御体験があろうと思われますので、ダムづくりに関するむずかしさというのはよくおわかりだと思うんです。
 私どもの地元に、八ツ場と書きまして「やんば」と読むんですけれども、八ツ場ダムというのがありまして、これはもう三十年戦争だ、二十年戦争だと言われておるんです。衆議院でこの間山口さんがいろいろこの件に関して長官に御質問なすったようでございます。ここに議事録がございますけれども、地元は、賛成だ反対だ、条件つき賛成だ条件つき反対だというので、ごった返して今日に至っておる。山口さんは、言うなれば条件つき反対なんだ。条件が整わないから反対なんだと。私は条件つき賛成なんですよ。条件が整えばこれは前向きで国策として進めるべし、要は同じなんです、これは。要は地元民が本当に大丈夫だなという確信が得られるような、あるいは気持ちと気持ちが結びつくような具体的な施策が必要なんだ。これまた申し上げるまでもない。特に群馬県の場合、知事が中心になって、建設省じゃこれはだめだということで、いま八ツ場対策に取り組んでおります。
 そこで、念のために確認をいたしますが、昭和五十三年の七月、群馬県知事名で要望書というのが政府に出ておる。水資源対策の充実について要望書がございますね。それからまた、これを中心に盛り込んで、十二月に全国知事会がやはりこの水源地域対策確立に関する緊急要望を出しているんですね、これは両大臣とも御承知でございますね。それで、先ほど北野局長のお話のとおり、水源立法、水特法となかなかいままで苦心をしてだんだん積み上げてきた。施行令などについてもかなりの配慮がされておる。しかし、どうもあのつくられた精神をあれを読みながらつらつら考えてみますと、お役人方の苦労はよくわかりますけれども、努力をするというその努力規定なんだなという感じがしてならない。国として義務があるんだと、田地田畑、先祖伝来の墓を沈めるわけですから、あるいは観光地が沈むわけですから、温泉が沈むわけですから、努力をしましょうとか、協力をしましょうとか、指導をしましょうというふうな程度のことでは沈む方は納得をしない。また、地域に関連する方々も決してそれでは満足をしない。こういうふうに考えるわけでございまして、この八ツ場問題をどういうふうにいま――これは建設大臣にお聞きをいたします。あるいは稲田局長でも結構でございますけれども、どういうふうに受けとめて、どういうふうに群馬県の知事がいまどろをかぶってやっているものを援護射撃をしてくださるか。この要望書等を踏まえまして御答弁を賜りたい、こう思うわけです。
#94
○政府委員(稲田裕君) 先生おっしゃるように、八ツ場ダムにつきましては、水没する面積が三百二十ヘクタールと非常に大きゅうございます。また、川原湯を含む三百十三世帯というふうに多数の家屋、それから六十ヘクタールというふうな農地が水没するということになりまして、住民の生活環境と生活基盤に重大な影響を与えるということで、まだ同意をいただいていないというふうな現状でございます。これを進めるにつきましては、やはり先ほども申しましたように、水没関係者の生活再建なり、あるいは関連地域の再建というのはきわめて重要でございまして、これまで私どもは私どもなりにいろいろと検討を進めて努力をしたわけでございますが、なかなか理解を得られるというふうな状況でございませんが、なお理解を得るようにいま全力を傾注しているところでございます。
 先生おっしゃるように、群馬県当局も、今年度予算を計上していただきまして、この地域の計画の検討を行ってもらっております。なおまた、地先につきましても、ボーリング調査等の調査も最近に至りまして逐次入れるようになったというふうに聞いておるわけでございます。
 いずれにしましても、この八ツ場ダムというのは、首都圏の水のみならず、利根川の治水に非常に重要な位置を占めるダムでございます。それで、今後とも私どもとしましても、やはりいままであります水特法を必要があればそれらの広範な運用を図るとともに、また関係各省庁とも打ち合わせながらこれをやっていかなきゃならぬと思っておるわけでございますけれども、なお起業者といたしましても、やはり生活再建につきましては積極的な姿勢を示してこれからいかなきゃならないということで、来年度におきまして生活再建対策費というのをダムの事業費の中で見てもらうということにいたしまして、これに上りまして生活再建の計画をつくるなり、あるいは代替地のあっせんとか、または職業のあっせん等も起業者においてもやるということで来年度予算を計上さしていただくということの予定でおるわけでございます。今後とも、特に生活再建を中心に地域の再建を図る努力もしながら、やはり八ツ場ダムの地元の方々の御理解を得るようさらに努力を傾注したいと、かように考えております。
#95
○国務大臣(渡海元三郎君) 八ツ場ダムが利根川水系の治水また首都圏の水資源開発上非常に重要な問題であるということは、かねがね私も聞かされているところであります。実は、建設大臣に就任いたしまして、五十三年度の予算で、群馬県の県の予算として二億余りを組んでおられるということを聞きまして、これは県に組んでいただくよりも、むしろこちらでやるべきじゃないかと直感をし、聞いたんですが、こちらの調査では地元の方が受け付けていただけない、そのために県の地元としてやっていただき、御好意に甘えるということでなく、よくこちらとしてもそれなりの調査をしなければ、それに対応をしなければならないというので、いま申しました来年度予算には特に生活再建のための予算をふやしていただいたという状況でございますので、私は、群馬県を中心とします関係諸機関とも連絡をとり、十分この点の御了解を得ることによって、ぜひとも一日も早く八ツ場ダムの実現に邁進したいと、そのように考えておるような次第でございます。今後ともにひとつ御協力をお願い申し上げたいと思います。
#96
○国務大臣(中野四郎君) 貴重な質問時間ですから、率直に申し上げます。
 これは水源地と受益地との意思の疎通が根本問題です。だから、群馬県知事が非常に中に入って苦しむ気持ちはよくわかるんです。したがって、これは理屈を言っていないで、国の義務においてこの問題を解決する勇気を持たなければいかぬと思うんです。ただ知事に任せっ放しでこのままいつまでたっても、八ツ場ダムそのものでも非常に大きな支障が来ると思う。研究する余地十分ありと考えております。
#97
○山本富雄君 大変率直な御意見、建設大臣、特に中野長官からは、決意を込めて国の義務なんだと、こういう明確な御回答がありまして、恐らく地元の知事初め関係住民、これを聞けばそういうことを喜ぶわけなんです。条文上の問題いろいろあります、それは。さあ八条どうしようとか、十二条どうしようとか、いろいろあります。もちろん、その問題もあり、施行令の問題もあり、いろいろございますけれども、やっぱりこれはそう言っちゃなんですけれども、お役人のサイドだけで解決のつく問題じゃない。政治の問題、政治家の決断なんだと、そこをひとつぜひおなかに置いて、両大臣、あうんの呼吸でお進めを賜りたい。
 最後に、これは山口さんのを見て私は感じたものですから申し上げたいわけなんですけれども、八ツ場を進める場合に、いま群馬県が中に入っている。国の意図を体しながら県知事が、あるいは県の企画部長とか土木部長ががんばっておるわけですけれども、これを十分国としてフォローをしていただくわけでございますけれども、それがだんだん進んでいった場合にいよいよダム指定ということに相なるわけで、ダム指定は国土庁長官が命令を下すとこの中に書いてございますが、地元の県知事、また県知事は地元の市町村の意向を十分反映させろ、この点は山口さんが相当念を入れてお話をしているようですけれども、私はそのとおりでいいと思うんです。いいと思うんですけれども、地元の中で、先ほど申し上げたとおり、反対、賛成――絶対反対というのはほとんどなくなりました。条件つき反対と条件つき賛成。大臣、ここが非常に大事ですよ、条件つき反対と条件つき賛成というのは紙の裏表なんですから。条件が整わないから反対だ、条件が整えば賛成だと、こういうことなんです。その呼吸を十分ひとつ群馬県と取り合った上で、いいタイミングで地元住民のためになるような形で、この指定の問題については国土庁長官が十二分に御配慮の上ある時期に御決断を賜りたい。なお、そういうことができた暁には、今度は建設省がこれはバトンタッチするわけですから、いままでは建設省さんと地元住民だけでやっていたんですけれども、今度は群馬県が中に入っていますから、群馬県当局を困らせないような形でひとつ着々とお進めを賜りまするようにお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#98
○主査(井上吉夫君) 以上をもちまして国土庁及び建設省所管に関する質疑は終了いたしました。
 午後一時三十分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十五分開会
#99
○主査(井上吉夫君) ただいまから予算委員会第三分科会を再開いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、小山一平君及び佐藤昭夫君が分科担当委員を辞任され、その補欠として大森昭君及び立木洋君が選任されました。
    ―――――――――――――
#100
○主査(井上吉夫君) 昭和五十四年度総予算中、運輸省所管を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#101
○吉田忠三郎君 運輸大臣に伺いますが、輸送交通、これが大きく変わる時期というのは、いろいろ運輸交通の歴史等を見ますと、あるんですね。言葉、それは輸送革命とでも言ったらいいかね。その場合、一七七五年から一八七五年に、大体一世紀ですが、これは大臣も御案内のとおり、イギリスで鉄道が中核的に変革になりましたですな。その次、一八七五年から一九七五年の間は、第二次輸送変革と言いますか、これはアメリカですね、これは主に自動車なんですね。二十世紀から二十一世紀を迎えるわけですが、次の輸送変革と言いますか、革命と言いますかね、これは太平洋。その場合は鉄道とか自動車、そのほかいろんなものがございますが、総合的に複合的な形で変革が行われる。その太平洋というのは、中国、日本、あるいは東南アジアも含め、シベリアも含まれていると思うのですが、その場合、運輸大臣として、日本のこれからの運輸交通なり輸送ですかね、こういうものはどのように変わっていくというふうに見ているか、ひとつ御高見を拝聴したいと思うのですがね。
#102
○国務大臣(森山欽司君) あなたのように学がないものですから、そう大きな――しかもこの分野、そう長年の間詰めたわけではありませんしいたしますから、これからどう変わるか、世界的な視野で返事をしろ、こう言われましても、私にはそうあなたの御質疑に的確にお答えできる基礎というものはありませんが、わが国においては三全総で交通需要予測は、おおむね十年間の国内旅客輸送の分担率――自動車はこれまでの急速な拡大傾向を鈍化、前ほどに伸びない。しかし、ある程度増加が見込まれる。それから鉄道は当面低下するものと考えられる。新幹線というようなことで、若干のぎくしゃくはありますけれども、当面低下するものと見込まれておる。それから航空は今後かなりの増加が見込まれると、こういうふうに考えられます。これは旅客の輸送の関係で、貨物の分担率は、自動車は現状を若干上回る、鉄道は低下せざるを得ない。内航海運は拡大の方向をとるのではないか。三全総の需要予測というものによって常識的にその程度の考えはお答えできますが、それ以上の一八〇〇年代から二十一世紀に及ぶ大構想になりますと、御期待に沿えるような返事を十分に用意してもおりませんし、また、そこまで勉強も及んでないと、そういうふうに申し上げるほかないと思うんです。
#103
○吉田忠三郎君 大臣もこれは御承知おきだと思いますが、五十二年の八月に国際交通シンポジウムがございましたね。これは私も出席しておったんでありますが、そのときに、いろいろ交通輸送等々の問題、これは研究をお互いにしたわけですが、そのときの推定といいますか、予測といいますか、これは日本でとってみますると、国民の半数が中学校以上を出ている、こういうことになる。食生活もいろいろ変わってくるのでありますが、その段階では、国民が収入の五〇%を食料費の方で賄っていくというふうに世の中が変わっていくというんです。
 それはそれとして、そのことよりも国鉄の変わり方ですね。これは国鉄の総裁もおいで願っていますから、どうぞ答えていただいて結構ですが、やはりそうした変革といいますか、転換といいますか、その過程でやはり一番問題になるのは財政的な問題じゃないかというふうに私は思っているんです。その次に、これはイラン情勢等々で石油の問題、節約とか何か言っていますが、そうじゃなくて、恒久的にやっぱりエネルギーの節約という問題が第二番目に問題になるんじゃないか。それから、大庭はいろいろ労働問題を研究されて、私もある意味においては参考にして読ましていただいていますが、問題はやっぱり若年労働層というのはうんと減るんじゃないか、これは三全総の中でもそういう分析がされていますが、こういう見方はどうですか。
#104
○国務大臣(森山欽司君) 実務的には航空機がどんどん伸びていく、なかなか鉄道は、いままでの在来線はもとより、新幹線でも先行きを考えるといろいろ問題がある。ただ、大きくエネルギーと言っていいと思いますが、特に、最近の石油の状況など、四十八年の石油ショックと言われた時期、それから今日まで特に最近イランの問題が起きてから以降、最近の状況等を見ますと、いま申し上げましたような鉄道についても、そういう意味では見直したらいいのではないかという考え方があり得る。とにかく各輸送機関の特性を生かす、そして交通機関の利用者や、お客さんが自分の好みに任せてということだけでこれからいけるかどうかという問題が特に最近エネルギーの問題でこれからの大きな問題になるのではないか。しかし、目下の情勢から申しますと、先ほど申し上げましたような趨勢であり、先行きを考えると、エネルギーの問題を重視して、各輸送機関の特性と同時に、エネルギーの節約の見地からそれらの機関を見直すと同時に、お客さんの好みに、あるいは需要者の好みに任せて、そういう交通機関を利用していくということだけで済むのかどうか。バレル二ドル程度の石油が十五ドル近くにいまやなっておるのでありますから、そうして、しかも前は制限なく使えたが、これからはかなり厳しくなるのではないかという点を考えますと、安い油がふんだんに使えた時代の交通機関に対する物の考え方あるいは交通機関の利用に対する考え方と、これからの先行きを見越して考えますと、どうもいままでのようなことではやっていけないのではないかという感じを私は先行き持っている。しかし現段階は、この間、エクソンが自分の系統の会社以外のところにことしから五〇%油の供給を制限する、メジャーの一つが五〇%制約しただけで日本に対する油の供給は二%ぐらい減ると、こういうのでありますから、もし他のメジャーが同じようなことをやってくるとなれば、日本の油の供給に相当な制限があるというふうに考えなければならぬと思っておりますし、しかも値段の方も、このごろは先を見越してでありましょうが、イランの油をスポット物でバレル二十ドルで買うというようなことになってまいりますと、非常に高い油、しかも非常に窮屈な情勢になってくる。そういうときに、各輸送機関の特性についてもそれぞれ変化が起きるでありましょうし、利用者やお客さんの方も自分の好みに任せただけでこれからの交通政策を考えていくことができるかどうかということはこれからの問題点であろうと思うんです。
#105
○吉田忠三郎君 いま大臣答えられましたように、油を中心としたエネルギーの問題、これは長期的に見てそうだと思うんですよ。だから、その点は私の認識と変わっていない。
 そこで、これはいろいろな経済、産業、複合しているわけですが、交通面から見た日本の将来の問題というのは、これは幾つかあると思うんですが、一つは、今年度の場合、人口が統計で見ますと〇・九でしたか、ですから、何十年ぶりに人口の増が減ったわけではないけれども伸び率というものは低いのでありますが、しかし、二十一世紀で眺めますと、やはり日本の人口というのは、いま一億一千万が大体一億二、三千万になるのじゃないでしょうかね。だから人口増ということが考えられる。ところが一面、今度は老齢化が考えられますね。こういう点をとらえながら運輸交通あるいは輸送というものをこれは考えなければならぬわけでしょう。そういうことですね。
 それから二つ目は、これは大臣、好むと好まざるにかかわらず、あなたは余り好きでないようなことをちょこちょこ言うんですが、これはあなたの奥さんも労働省におりますが、ぼくはよく存じ上げておりますが、これはいやおうなしに、森山欽司運輸大臣、いまは運輸大臣だから面接関係ありませんが、別として、週休二日制というのは、これはこの二十一世紀の時代の中ではいやおうなしに進んでいくのじゃないですか。そうしますと、当然、国民大多数の要望、ここにも資料をちょっと、私はNHKの世論調査というやつを取ってきてあるんです。ございますが、約四二%が旅行、ハイキング、ドライブ、こういうものを希望しているんですね、希望している。だから、勢いレジャー、旅行の増加というのはふえていく傾向にあると思うんですがね、こういう点はどうお考えですか。
#106
○国務大臣(森山欽司君) 先行きの動向を考える場合に、社会の構成が大きく変わるし、特にあなたのおっしゃったような人口がある程度のところで頭打ちになるとか、それからまた急速な老齢化とか、そういう変化もありますね。それから、あなたのおっしゃるように、週休二日といいますものも、それが一つの方向であることばもう間違いありませんね。ただ、それを実際行っていくについては、この社会の動きにできるだけフリクションがないようにそういう制度を取り入れていかなきゃならない。ということは無理のないように、フリクションのないようにそういうことを取り入れていかなきゃならないということだと思います。ただ、方向としてはそういう方向はあるでしょう。したがってレジャーを楽しむということについて、先行きそういう場面が広がってくるということもそれは御説のとおりだと思いますね。
#107
○吉田忠三郎君 そこで、これから具体的にお伺いしますが、輸送機関別の輸送量というのはどうなっておりますか。これは自動車局長来ていますかな。まず自動車の関係、それから鉄道はこれは国鉄が来ておりますね、国鉄。それから海運、海運局長来ていますか、来ておらなければどなたさんでも結構です。細かなことになりますから、これは大臣一服休んでください。それから航空の関係、航空局長。たとえば、ぼくが一つ例を示しますか。自動車で言いますと、昭和四十年の場合は百四十八億六千三百万人と、こうなっていますが、これを昭和六十年までこの伸び率で伸ばしてみるんですね、そうすると、これが四百十億になる。さっき大臣といろいろ言った人口の推移とか、レジャーは国民が四二%ぐらい望んでおりますからね、そういうものをはじくとこうなる。ですから、これは五十二年度でどういうふうになっているかということです。
#108
○政府委員(杉浦喬也君) 自動車と鉄道と海運、航空、それぞれにつきまして三全総で計算をされました数字でございますが、これを一括お答え申し上げたいと思います。
 まず自動車の関係、旅客でございますが、ただいま先生おっしゃいましたように、昭和四十年度、これは百四十八億六千三百万人、輸送人員ですね。これが昭和六十年度は四百十億人、このように増加をいたします。それから、六十五年度は四百五十億人ということで、これらの対比を見ますと、これは昭和五十年度を一〇〇といたしまして、昭和六十年度、十年間で自動車は四四%ふえていると、単純平均いたしまして……
#109
○吉田忠三郎君 それは人キロの場合だよ。人キロで四八%になっているだけで、人間の数は二七六%ぐらいですよ。
#110
○政府委員(杉浦喬也君) いまの場合は輸送人員でございます。
 それから、人キロの方でございますが、自動車ば、同じようなことで昭和六十年度、これは五千八百億人キロ、それから六十五年度六千四百億人キロということで、人キロベースで六十年度を見ますと五十年度に対して約六割、それから六十五年度は七七%増、こういうことになっております。
 それから、貨物の方の自動車でございますが、昭和六十年度七十五億トン、それから……
#111
○吉田忠三郎君 貨物じゃない、人を聞いているんだ。旅客のことを聞いているんだから。
#112
○政府委員(杉浦喬也君) それから、次ば鉄道でございますけれども、昭和六十年度、輸送人員で申し上げまして百九十億人、六十五年度二百二十億人、それぞれ割合といたしまして五十年度に対しまして八%、二六%の増加を示しております。
 海運は非常にパーセンテージが低うございますので、省略をいたします。
 輸送人キロの方でございますが、鉄道は六十年度が三千八百億人キロ、それから六十五年度が四千四百億人キロ、それぞれ六十年度は五十年度に対しまして一七%及び六十五年度は五十年度に対しまして三七%の増、こういう伸びを示すことになっております。
#113
○吉田忠三郎君 飛行機はどうです、航空は。
#114
○政府委員(杉浦喬也君) 航空でございますが、航空の方は輸送人キロの方でかなりの伸びを示すことになっております。輸送人キロで見ますと、昭和六十年度が三百九十億人キロ、それから昭和六十五年度が七百四十億人キロで、それぞれ五十年度に対しまして六十年度は約二倍、それから六十五年度は三・八五倍というような伸びを示すというふうに想定をしております。
#115
○吉田忠三郎君 大体ぼくが調べたのとそう大差ない、多少あるがね。
 貨物だけね、トラックでは輸送量はどういうことになりますかな。いまの例でいいですよ、トラックだけでいいですから。
#116
○政府委員(杉浦喬也君) 自動車の関係でございますが、輸送トンと輸送トンキロで分かれますが、輸送トンキロの方で申し上げますと、自動車は昭和六十年度に二千四百億トンキロ、それから昭和六十五年度に二千九百億トンキロ、この伸びを五十年度に比較いたしますと、六十年度は一・八九倍、それから六十五年度は二・二四倍、こういう伸び率を示しております。
#117
○吉田忠三郎君 昭和六十年の場合二千四百億トンですね。これは従来から見ますと四九六%ということになるんですね、従来から見るとね。六十年度と六十五年度では、いま君が言ったとおりですよ。これは大変な輸送トンキロになるんですね。したがって、車の台数もこれは当然ふえてくると思うんですがね、その場合に今度は、いわゆるさっき冒頭触れたように、若年労働者が減っていくという傾向と関係してくるわけですね。自動車の運転手さんは、ぼくみたいに六十になってから運転やっていませんからね、トラックの運転手さんなんというものはね。そうなってまいりますと、これは総理府の統計局で私が統計を調べてきたものによりますと、大体昭和六十年度の就労人口を約二千万だというんですね。そのうちの四分の一が大体――こういういまあなた方が答えられたようなトラック輸送というものが増大するということになると、四百六十万から四百八十万人くらいがそういう運転する方だというんだな。これは統計から言っているんですよ。そうしますと、現在は運転手さんが三十万人くらいでしょう、三十万人くらいですよ。そうしますと、その中で、この四百六十万の中でトラックの運転手さんというのは大体百二十万人くらいになるだろうと、統計上の推計ではこう言っているんですからね、そうしますと、優にこの段階になりますと、昭和六十年の段階でトラックの運転手さんが数十万不足ということになる、そういう傾向になるわけでしょう。これに対して運輸行政として、運輸大臣、どうこれは政策的にお考えになっていくんですかな。
#118
○政府委員(杉浦喬也君) 先生のお調べになりました数字でございますけれども、単純にそのままの計算でまいりますとそういうようなことになるかと思いますが、ただトラックの態様によりましてもいろいろと違うわけでして、自家用トラックと営業用トラックというような関係等もございます。したがいまして、その辺の労働力の伸びにつきましてなお十分に調査をしたいと思いますが、おっしゃるような傾向は確かにあると思います。したがいまして、大変な問題であるというふうに思うわけでございまして、そうした観点からも、いわゆるマイカー、マイトラック、そうしたような動きに対応しましてこれを公共輸送の方に振り向けていくということ、これが非常に重要なポイントではなかろうか。これは労働力のみではございませんで、その他のエネルギー問題等々いろんな要因がございますから、労働力の問題からいたしましても、そうしたことが必要ではないかというふうに考えるわけでございます。
#119
○吉田忠三郎君 ですから、この三全総で御計画されたものから言って、まず一つは、いま申し上げたように、若年労働者、特にトラックの運転手さんの不足という問題が出てきますね。それと同時に、いまあなたがちょっと聞かない間に答えられましたが、問題は、冒頭に運輸大臣も申されたように、私と認識は一緒ですがね、エネルギーの問題ですな。これはやっぱり正直言って省エネルギーということに力点を置かなきゃならないんじゃないですか。時間どんどんこれはもうなくなりましてね、往復なものですから。しゃべっておる間になくなってしまいますからな。あなた方長い間答えていると時間がなくなる。大体そういう作戦でやっているんじゃないかと思うんですね。(笑声)
 ぼくの方から言いますが、これは現在消費エネルギーの率を見ますと五三・五%ですよ、運輸大臣。運輸大臣ね、これは大変なものです。そして国鉄はどうかというと、国鉄はこれは統計で見ると六・一%だわね。船舶が二二・二%、それから営業用のトラックは一八・一、自家用トラックが五三・五%。大変なこれはエネルギー消費をしていますね。ですから、これをどうこういま私が言うんじゃなくてね。こうなってまいりますと、やはり、まあ俗に言うと、総合交通体系とかなんか、いろいろこう言われていますけれども、その政策樹立が何よりもぼくは急務だと思うんですよ。
 で、運輸大臣も一生懸命勉強されておられるわけですが、これを大体私なりに分けてみますと、系統的に、人間の体を例にとってみますと、神経系統で言えば航空機とか、あるいはリニアモーター程度、こういうものは神経系統になる。それから血管系統ということで大体たとえてみますと、高速度道路であるとか、現在の国鉄であるとか地下鉄であるとか、あるいはパイプライン、船舶航路、こういうものになってくるんじゃないか。それからホルモン系統でたとえてみれば、これはやっぱり人間回復するためにはレジャーであるとかパークウエーであるとか、新幹線もある意味においては系統別に分けてみたらそうなるんじゃないかと思うんですよ、大別してみますとね。ですから、その三つに力点を置いた、運輸省とすれば私は何よりも政策樹立というのが大切じゃないかと、こう私は見ているわけです。そういう見方をすると、どうも運輸大臣ね、運輸省のやっていることはばらばら行政だ。これはばらばら。陸も鉄道も空も海もばらばらですね。そこにやっぱり総合交通体系と言われるいろいろな問題が出てきているんじゃないかと思いますが、大臣どうですか。
#120
○国務大臣(森山欽司君) 吉田さんいまおっしゃるとおり、特に人の問題に重点を置かれて言われましたが、エネルギーの問題、それから限られた空間の中で最も能率よく交通をさばいていくという問題、環境の問題、いろいろありますわな。そういうことをよく考えて、特に現在できております総合交通体系というのは昭和四十六年にできて、いま足かけ八年ですか、たっておりますから、したがって、これを見直ししなきゃならないというのは、まことに私はごもっともなことだと思うんです。特にいまいろいろお話あった中で、たとえば人員の問題などは四十六年に計画をつくるときにいろいろ御論議があったというふうに聞いております。
 エネルギーの問題は、安い油がもうふんだんに入るという条件のときで、それについてほとんど本格的な配慮というものが払われないときの計画でございますからね。したがって、この時期に総合交通体系を見直したらどうだということについて、私も閣議でそのことを発言もいたしましたし、経済企画庁長官も総合交通体系を担当しておる。これは運輸大臣が中心になってやればいいようなものではございますが、何しろ道路というものは建設省にあるわけでございますし、そのほか交通ということになれば警察の関係もありますし、地方自治体の関係等もありますからね。だから、そういう関係のところを経済企画庁の長官が中心になって見直そうじゃないかということに話を進めてもらおうということになっておりますし、経済企画庁長官も、私にはひとつそういうことで意見はどうだというふうに近く持ちかけようというふうに言っておられますから、これは先般の私の閣議の発言は逐次そういうような機運にいま向かっておるというふうに考えております。だから口先だけで申し上げるんじゃなくて、だんだんそういうふうにいま動いております。
#121
○吉田忠三郎君 それから大臣ね、最近ぼくが調べた中では、これは何と言いますか、勤労者といいますかな、自宅から会社へ通勤する場合は、バスとか市電を使った場合十五分程度というのが一番希望の多いところですな。それからマイカーは、これは大体十分くらいで行かなければこれは油が大変高いですね、そうでしょう。それに、これは車の減価償却を見ますと、えらいこれは不経済につくんだから、マイカーくらいこれは不経済なものはないです。これは道楽息子を持っているようなものですから、これは率直に言ってね、こういう状態。それから国鉄で通勤するような場合は、最長時間でも三十分程度が限度だと、こう言われていますね。だとすれば、今日的な運輸交通輸送の状況から見ますと、この通勤輸送あるいは通学輸送も含めまして、都市間の輸送を含めまして、私は、国鉄がもっともっと充実されるような、これに対応できるような、こたえられるようなことに運輸省としても政策樹立して指導監督すべきものじゃないかと、こう思うんですが、どうですか。
#122
○国務大臣(森山欽司君) その点同感です。
#123
○吉田忠三郎君 国鉄総裁どうですかな、御意見は。
#124
○説明員(高木文雄君) 私どもの役目は、以前は全国ネットワークというようなことが中心であったわけでございますけれども、いま、東京から北海道とか、大阪から鹿児島とかいうのは、実際に御利用いただいております数から見ましても、だんだん飛行機に追いつかれる、追い抜かれるという状況でございます。そのことが示しますように、そうした非常に長距離のフィールドについては私どもの役割りがだんだん減退をしてきておる。一方、また地方都市におきます通勤につきましても、どちらかといいますと、いまのところは自動車網の整備によってわれわれの役割りが減退をしておる。しかし、逆にわれわれに期待が寄せられておりますのは、中都市、大都市の通勤通学輸送というようなものでございまして、だんだん自動車ももう道路が混んでどうもならぬということもありまして、われわれに期待されるところが非常に大きいという状況になっていると認識しております。
 その意味で、大変おくればせではございますが、政府から大都市交通に関する補助金も近来いただけるようにもなりましたし、大都市の交通網整備ということをもう一段見直すつもりで取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#125
○吉田忠三郎君 時間ありませんから、次に新幹線を聞きますが、新幹線の効果――公害などと言われている面では騒音の問題がありますが、この問題は、しかし、わが国は大変に優秀な技術を持っておるわけですから、これからこの騒音対策などというものはそういうところで解決されるものだと思ってますが、大臣、実は私も鉄道建設審議会の委員なんですが、いろいろ議論をしてきたんですが、私は、この新幹線の効果というものは――金がかかるかからないは別よ、これは全然別として、今日までかなりの間の実績がありますから、それを見ますと、効果はやはり五つくらいあるような気がするんですよ。
 その一つは安全であるということ。今日まで開業以来死傷事故というものを起こしていないでしょう、これは起きていませんね。だから安全であるということが言えると思うんですね。
 それから二番目は、これは飛行機ほどにはいきませんけれども、これは時間短縮の効果というのは大きいんじゃないですか。私のところは新幹線ありませんから、行き帰りはしょっちゅう飛行機で行きますが、きょうここにおいでの国会議員さんも新幹線はみなパスで乗っておられるようですが、私は乗ったことはないんですよ、まだ。(笑声)――それは、冗談は別として、これは記録にとどめないでくださいね。こういうことで見ると、整備五線が完成される段階を推定してみますと、ぼくの算術計算でいきますと、約五億時間というような時間短縮ができますね。運輸大臣。そうして金額にこれを換算してみます、金額にね。ただいまの一時間単位当たりの労働賃金で換算してみますと一兆三千億というのがここで節約されるかっこうになるんですよね。こういう効果がある。
 それから三つ目は、大量輸送ができる、こういうことが言えると思うんですね。整備五線がいつの段階でできるかは別として、仮に五十年五月くらいまでとして積算しますと、約百三万人くらい。一日最高で百三万くらい運ばれると、こういうことになるんですね。現に五十二年二月十三日の、私の調べでございましたが、ただいまの新幹線が八億人もう達成しているんですからね。ですから、大量輸送ができるという鳳が第三番目に挙げられるんじゃないかと思うんですね。
 それから、さっき大臣もお答えになりましたが、エネルギーの面からでも大変なこれはどうでしょうか、省エネルギーという面で有利じゃないんですか。こういう効果があるんじゃないでしょうかね。私、こう見ている。
 それからもう一つは、新幹線と在来線の関係、この関係を見ますると、ちょっと先ほど触れましたように、通勤通学輸送及び貨物輸送の円滑化がここで図られていくんじゃないかと、こう見るんですがね。
 大臣、どうでしょうか。大臣でなくても、それは国鉄側でも結構ですが、私はこういうふうに見ているんですが、こういう物の見方というのは間違いかどうか、当たっているのか当たっていないのか。
#126
○政府委員(山上孝史君) ただいま先生御指摘の新幹線についての目的なり、あるいはその効果につきましては基本的には全く同感でございます。
 ただ、その後で御指摘ありました在来線との関係でございまして、たとえば並行する在来線をそのまま維持するということになりますと、これからの新幹線につきましては、いま予想される輸送需要というものは、開発効果を入れましても相当長期間にわたりましてそう多くはない需要でございます。そこで、そうなりますと、並行する在来線からお客さんが単に並行移動するというようなことが相当に予想されます。ということで、全体で言いますと、在来線の赤字、これに赤字が上乗せになる、とともに新幹線自体が相当に赤字が続くということでございますので、これに対しましては、先生の御指摘の新幹線自体の目的あるいはその開発効果等、そういうこととにらみ合わせて、やはりこれが本当に必要であるということならば、それに対しての所要の公的助成というものを考えて、しかもその助成につきましては、相当の金額になりますので、具体的な財源措置を講じて、それを前提に新幹線の整備について考えていくべきではないか、このように考えております。
#127
○吉田忠三郎君 あなたは聞かないことを答えているんだよな。ぼくは財源のことを聞いているわけじゃない。財源のことについては後で触れようと思っていたんだ。時間もあと幾らもないですから、これは改めてぼくは運輸委員会へ行きましてお伺いしたいと思うんですが、いま新幹線の効果というのは五つ挙げたんだよ、ぼくは。弊害もあるんですよ、騒音の問題は。しかし、それはわが国のこうしたものの研究というのは世界的だと思うんですよ。だから時間さえ――いま新幹線ここでやってみたって、すぐできるわけじゃない、五年か六年やっぱりかかるわけですからね。その間そういう研究をすると騒音の問題というのは解決するであろうからと、こう言っているんですが、しかし効果面をぼくは五つ挙げたんだ。これはどうなんだと、こう聞いただけなんだ。
#128
○政府委員(山上孝史君) 先ほども御答弁申し上げた中でもお答えしておりますが、基本的には先生の御指摘のとおりだと思います。
#129
○吉田忠三郎君 大臣ね、そこで、昨年の十月十九日に整備五線を鉄道建設審議会で決めましたよね。これは私も入って満場一致になったんですがね。その第一は、建設経費については国が見る。つまり国鉄の財政再建に影響させないということですね。それから、いま鉄監局長答えたように、第二番目は、これは開業しても東海道新幹線のように直ちに黒になるということにはならない、いろいろな積算をしてみますとね。その点についても国鉄財政再建に影響させないように国が見る、こういうことなんですね。それから第三は、北海道新幹線の関係になるんですが、この点はこの間大臣は、総括質問でしたかな――一般質問のときに、同僚の瀬谷君に答えられて、大変前向きな答弁がございましたから、そのことに触れませんが、問題はあの青函トンネルをどういうふうに使っていくかということが問題になるんだと思うんですね。そういう点で必要になってくるのは、いまも触れられましたが、財政的な問題もありますが、前の運輸大臣は、そのときに特別なつまり財政的な措置をとらなきゃならぬので、特別会計のようなものを具体的に進めましょうと。ところが、これは自民党のつまり総務会かどこかわかりませんが、そこでつぶされちゃったんだよ。それで、御承知のように、たったいま、今年度の予算には国鉄が五十億、鉄道建設公団五十億と、それから百億の地方債ということなんだよ。これでは去年の十月の十九日に決めました整備五線の竣工なんていうのはまるっきり考えられないですな。そこで、力のある大臣ですからね、特別な財源確保のためにどういうお考えを持っているかということをお伺いしたいですがね。
#130
○国務大臣(森山欽司君) 整備五線の問題は、昨年の閣議了解の線で政府の方針が決まったわけです。その際、問題は財源問題であったわけです。国鉄再建と財源問題、まあこの二つに配慮を払ってやっていくと、こういうことでございますね。財源の問題は、御承知のように、陸上公共輸送整備特別会計をつくって、そしてそのための新税を起こすということでやったわけでありますが、結論を得るに至らないと、まあ継続審議だというのがこれは現状でございます。私は、継続審議ということでありますから、引き続きこの問題は残っている問題であると考えますから、従来の方針に沿って昭和五十五年度予算のための財源問題の際にこの問題のために全力を尽くしたいと、そういうふうに考えておるわけであります。
#131
○吉田忠三郎君 大臣ね、これは大臣に申し上げることは釈迦に説法ですが、今年度予算をずっと大ざっぱに洗ってみたんですね。そうすると、道路関係に投資するのが五十四年度で二兆六千七百九十一億ですね。それに港湾関係については凶兆四千億、航空機関係は九百七十四億。国鉄はことし六千七百億ですか、こんな状態なんでありますね。ですから、一面、今度は国鉄は逆に公共負担で、これはどうなんでしょうかね、約七百億くらいいまだに公共負担が強いられているということですからね、これを相殺しますと、いかにわが国鉄は、いろいろな角度からいま論議されておりまするけれども、投資額が少ない。こういうことは今年度予算だけ洗ってみてもわかると思うんですね。ですから、前の運輸大臣もその特別な財政確保のためのいろんな検討を加えて努力をするということなんですから、そういうことを前提として整備五線決めたわけですからね、ぜひひとつその点で御努力願いたいと、こう私は思うんです。
 最後に、国鉄に聞きますが、総裁でもいいです。高橋さんでも結構ですがね。北海道における――ぼくは北海道ですから、国鉄の今後の問題点というのは、これはぼくなりにこう見ているんですがね。一つはこの現在線でありますけれども、対本州輸送がいままで重点でありましたね。これは改めてやっぱり道内輸送中心として、札幌を中心とした都市間輸送と通勤輸送、これに重点を置く必要があるんじゃないかというのが問題点の一つ。
 それから二つ目は、航空機との関係ですな。これは連係プレーがうまくいってない。ぼくは無意味な競争をしろということじゃないんですがね。ここに、――これは遠くて見えないと思いますがね、これ。航空機というのは大変なものなんですね、これはもう国鉄のダイヤ以上ですよ。ちょっとごらんになったらいいと思いますがね。ですから、これくらい、(資料を示す)こういう状態なんですから。これは札幌中心から東京ですな。これは札幌中心からそれぞれの道内にある十一の飛行場に飛んでいるんだ。これは大変な人数ですよ。ですから、総裁、これと連係プレーをしてやらないと私はいかないのではないかというのが問題点の第二ですよ。
 それから第三番目は、貨物輸送も漸次ふえてまいりましたが、この貨物輸送をもう一回見直して、やはり国鉄を利用できやすいような対策をやっていく必要があると思うんです。これは皆さんの方で御承知おきのとおり、貨物輸送というのは漸次上昇機運にありますな。北海道の貨物輸送が急減したというのは、これは石炭政策でこんなことになったわけでしょう。大半が石炭輸送だったわけですからね。百二十七あった石炭山がいま二十七よりないんですから、皆もう閉山になっちゃって。それが最大の原因ですからね。だとすれば、北海道の今度は道内輸送を中心的にやるということになれば、ここのところはもう一回見直して、ようやく貨物がいい傾向になってきていますから、それをやっぱり集約できるような政策を考えていいんじゃないかと、これはこう思うんですよ、第三番目。
 それから、これは新幹線の絡みでありますけれども、青函トンネルの使い方の問題ですね。いやおうなしに五十七年に青函トンネルができ上がるわけですね。きのう、おとついも、非常に順調に進んでおりまして、もう七〇%ぐらい進んでいったと、こういうことですからね。そうなりますから、このトンネルをどういうふうに使ったらいいか。私は、パイロット坑もありますし、幾つもあるわけですから、ですからこれを多目的に使ってみたらどうかなというような――これ、私見ですよ。これは私見ですが、そういうものを持っている。それから、青森と函館間の現在線のあり方について、特に貨物輸送の必要性の問題がこれは当然出てくると思いますね、出てきますね。こういう問題これはまあ皆さんの方はプロで、それで商売をしてやっているわけだから、当然これは御計画されているんだと思いますが、こうした必要性を、もう先手先手にやっぱり策というものをやっていかなきゃならぬじゃないかなというような気が私はするんです。といいましても、やはり地元には、たとえば多目的に使う場合の貨物と旅客の変動等々、これは地域経済とも非常に結びついていることであって、ですから、地域住民あるいはそこに働いている労働者がおりますからね、こうした人々のこれは合意も得なけりゃならぬ。それが非常にいままでの国鉄のやり方というのは、これは悪口じゃありませんで、たとえば――きょうは時間がありませんが、地方ローカル線の問題にしても、後手後手なんですな。やっぱり先手先手と打って、地域住民なり、あるいはその所在の市町村長なり、あるいは関係の労働者とも積極的にやっぱり合意するようにしてやらないと、後手後手に回ると、こういうことになりますから、鉄道建設審議会でもそのことが一つ条件になったわけですから、青函トンネルの活用の問題とあわせて青函の航路のあり方について早めに、そういう計画といいますか、あるいは方針といいますか、あるいは策というものを樹立してもらいたい。これが大体ぼくは北海道における今後の国鉄の問題点じゃないかなと、こう考えますが、いかがでしょう。
#132
○説明員(高木文雄君) 全く私ども考えておりますことと同じでございます。第一の札幌中心ということ、あるいは場合によりましたならば、旭川なり釧路なりを中心とした交通網整備ということをいたしたいと思っているわけでございまして、吉田先生よく御存じのとおり、最近千歳電化というようなことを始めておりますのもそういう趣旨でございますし、それから、千歳の空港と私どものレールとがすぐ近くでございますので、そこに新しい駅をつくるということも考えておりますが、そうしたことも御指摘のとおりでございます。
 それから、航空機との連係プレーということもこれは非常に大事なことでございまして、そういたしますと、結局札幌のほかに旭川、釧路といったところ、場合によりましては、さらには帯広というようなところを中心にした鉄道網の整備ということをいろいろ考えてまいりたいと思っております。
 三番目の貨物輸送は、まことにおっしゃるとおりでありまして、石炭と木材を運ぶということを中心にして、山元と、それから港に比較的設備を持っているわけでございますが、これが全く動かなくなったわけでございまして、最近はやはり北海道では量はそう多くはないにしても、たとえば農産物の内地向け輸送というようなことをもう少し貨物輸送の中心に置いてまいりたいと思います。
 青函トンネルの使い方は非常に大事なことでございますが、これは鉄道の中で旅客関係ば恐らく新幹線スタイルのものを考えることになりましょうし、そうしますと、貨物はやはり在来線の幅の狭いゲージでないといけないわけでございますので、貨物にも使うということになりました場合には、レールを三本引かなきゃならぬという問題がありまして、ここらが船でいままでどおりやりますのとどっちが有効であるかという問題で、いま比較検討中でございます。なお、場合によりましたならば、トンネルを使ってトラック輸送をするというようなことが考えられないかというようなこともいま内々検討中でございまして、いずれ案を具して運輸省と御相談をいたしたいと思っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、いま御指摘の点はまさに根本的な変革を頭に置いた施策の転換を北海道についていたしたいと思っているところでございまして、まだほんの緒につきかかったところでございますので、どうかひとついろいろ応援をしていただきたい、また、お知恵をかしていただきたいと思う次第でございます。
#133
○吉田忠三郎君 もう一点だけ、運輸大臣、最後の一点です。札幌でございますが、ある特許権を取得しておる方、これは発明された名称はタクシー料金メーターの補正機というやつなんですが、これを運輸省が権利を盗用していると、こういうことで運輸大臣あてに、これは五十四年三月二日、運輸大臣森山欽司殿と、こういう書面が出ていると思いますが、御存じですか。
#134
○国務大臣(森山欽司君) では、こちらから……。
#135
○政府委員(梶原清君) タクシーメーターの補正機につきまして、運輸大臣あてに内容証明で御照会があることは事実でございます。
#136
○吉田忠三郎君 その取り扱いは、これはどういうことになるのですか。
#137
○政府委員(梶原清君) 目下、局で検討をいたしておるわけでございますが、この問題につきましては、大都市につきましてタクシー運賃に時間、距離併用制を採用しましたのは、たしか四十五年当時だったと思います。これは外国におきましても採用されておりましたのをわが国で逐次大都市に採用してまいったわけでございます。ただ、このメーター機そのものにつきましては、確かにいまおっしゃいます方が特許権を得ておられるかと思いますけれども、私どもの運賃制度としての時間、距離併用制の採用ということと、メーター機そのものの特許権云々の話とは別問題だと理解をしておるわけでございます。したがいまして、この特許権の問題につきましては、特許法の定めるところによりまして特許庁で御処理をなさるべきものではないだろうかと、かように考えておる次第でございます。
#138
○吉田忠三郎君 考え方は――特許庁は、これは特許を出してあるというのですね。官報にこれは公報されております。運輸公報にも出ていますね。参議院議員の場合、黒住さんがこれを質問をしている資料もここにありますが、もう時間ありませんから、ぼくは言いませんが、最近この方には外国から権利譲渡の要請があるんだそうですね。ですから、そういうこともございまするから、この資料をお貸ししますから、ぜひひとつその関係者と、いまあなた答えられたことが正しいのかどうか協議をして、運輸大臣、せっかくこれは書類で出ているようです、このコピーによりますと。ですから、そういうふうな扱いをしていただくことにお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#139
○久保亘君 最初に国内の航空問題についてお尋ねいたします。
 まず最初にお聞きしたいのは、成田空港というのは国際的に見た場合には私は欠陥空港ではないかと思うのですが、それは成田空港は国内線と全く接続できないという点において非常に欠陥を持っている。その証拠に内外の要人の特別機はほとんで羽田を使う、こういうことになっておりますが、この点については運輸省としてはどのようにお考えになっておりますか。
#140
○政府委員(松本操君) お答え申し上げます。
 成田空港における国内線の接続の問題につきましては、現在、数は少のうございますけれども、札幌、名古屋、大阪、福岡に一日二便または一便の国内乗り継ぎ便を出しておるわけでございまして、これは成田の燃料事情等も勘案の上、需要に対応してこれからもふやしていくべきであろうかと思います。
 後段で御指摘のございましたVIP等が羽田を使うという点につきましては、これは私はあくまで当面の問題であろうかと思いますが、警備当局あるいは外務省の――あれは儀典関係と申すのでございましょうか、そういうところとのお話し合いの結果、専用機をもって飛来するVIP、国公賓及びこれに準ずる者で専用機をもって来る者は一応羽田で当分の間は扱うことにしたい、こういうことでございますので、通常の航空機で混乗でお見えになる方につきましては、これは開港以来成田を使うという原則で扱ってきております。いずれにしましても、国内空港との連絡の問題につきましては、今後の検討課題として改善の方向で措置をしていくべきであろう、このように考えております。
#141
○久保亘君 成田空港と国内線の接続というのは、いま言われました、ごく少数の幹線ルートだけが使われている、こういう状況でありまして、たとえば地方空港でも鹿児島空港などの場合には、成田を飛び立って鹿児島空港を経由して香港へ飛ぶ飛行機というのが現に就航しておるわけでありますが、この鹿児島と成田の間は国内線としての使用は認められていないわけであります。こういう飛行機の有効な活用というようなことは考えられないのですか。
#142
○政府委員(松本操君) いまおっしゃいました成田−鹿児島−香港というのはちょっと私いま記憶がはっきりいたしません。福岡−鹿児島−香港というのは現に飛んでおります。これは実は、まあ事務的と言えば事務的ではございますけれども、免許上の問題がございまして、国内の免許か国際の免許かというような議論が一つございます。それからもう一つは、やはり四十五年及び四十七年の閣議了解なり、あるいは大臣通達なりというもので、日本航空の飛びます空港は幹線空港と、こういうふうなまあ習いができておるわけです。ただ、その幹線空港というものを見直すべき時期ではないかという御指摘であるとすれば、私どもも同感でございます。したがって、いまおっしゃいましたような点については、いま私どもの方としては前向き、積極的に取り組んでおる段階でございますが、既存の路線との競合関係その他もございますので、そう急に結論が出るかどうかは別といたしましても、少なくとも私どもとしては前向きに問題解決に向かって取り組んでいきたい、こう考えております。
#143
○久保亘君 幹線もしくは準幹線的な扱いになれば、飛行機の有効利用というのは可能になるわけですね。
#144
○政府委員(松本操君) これは仮定の上のお答えになりますけれども、仮に鹿児島を幹線空港といたしまして、当初御質問のございましたような成田−鹿児島−香港というふうなものができたといたしまして、それを成田−鹿児島−香港という形の国際線として通しの免許にしてしまうのか、成田−鹿児島の間につきましては国内線の路線免許と併用をさせるという形にいたしまして、本筋は国際線の免許であるけれども、座席に空白、余裕のある場合には、成田−鹿児島間の国内線の旅客を搭乗せしめてもよろしいと、こういう扱いにするか、この最後のケースをとるといたしますれば、まさにいま先生おっしゃいましたように、提供座席の有効利用というふうな点において、それなりの効果が出てくる、こういうことになるわけでございますが、私が前段のお答えでいろいろ問題もございましてと申し上げましたのは、現在、東京−鹿児島間で六便−全日空五便、東亜国内一便という既存の路線がございます。鹿児島そのものが現在の時点では幹線空港というふうに認識されていない、したがいまして、日本航空自身が東京−鹿児島という路線権を持っていない、こういうふうな点がございますので、そこら辺の組み合わせ、すり合わせを踏まえた上で御指摘の方向に向かって前向きにいま研究をしておる、こういうことでございます。
#145
○久保亘君 今度は国内航空運賃の問題ですが、国内航空運賃の値上げ問題については、すでに総括質疑や一般質疑の中でもいろいろと皆さんのお尋ねがあった点でありますけれども、航空会社の方から運賃の値上げについて、運輸省に対して事前の打診や協議がすでに行われておりますか。
#146
○政府委員(松本操君) 少なくとも私は全く承知をいたしておりません。
#147
○久保亘君 ただ、航空会社の方はすでに報道機関等に対しては値上げの問題を盛んにPRを始められておるわけでありまして、この点については、大臣の方はこの値上げ問題に対しては慎重に対処をして簡単に値上げを認める意思はないというようなことをおっしゃっておったように思いますが、そのとおりに理解しておいてよろしゅうございますか。
#148
○国務大臣(森山欽司君) やはり航空運賃というのは運賃政策上大きなファクターでありますし、また、ひいては物価問題の一環とも考えられますので、その点につきましては軽々にそういうような御要望があっても結構ですと、こう申し上げるわけにはいかない問題でございます。また、航空会社自身の経営状況を見ましても、最近、きわめて快調でございますから、航空機に対する需要も非常に大きいという点等から考えまして、現在はその時期にあらずと、そういうふうに考えております。
#149
○久保亘君 じゃ、航空運賃に関連をして、数年前からジェット特別料金というのが利用者の負担になっております。これは最初のころは航空券にはジェット特別料金というのがはっきりわかるように、運賃とは別建てできちんと表示されておりました。最近はよく注意して見ないとわからないような小さな字で書かれておりまして、もういまでは一般にはジェット特別料金というのは、運賃の中だとみんなが思うようになってきているわけです。これはもともとを言いますと、ジェット特別料金というのは、航空機の特別着陸料を徴収をして、それによって騒音対策など、空港の公害防止対策に使用する目的の財源を得ると、こういうことから始まったと私は承知をいたしております。そして、本来航空会社が負担すべきものであったにもかかわらず、航空会社の経営状態からして航空会社が運輸省にこのことを陳情をいたしまして、そして運輸省としてもジェット特別料金を利用者の負担とすることを認められた。こんな経過のものでありまして、航空会社の経営が順調に行けば、当然これは利用者の負担を解除すべき性格のものであったのではないかと思うんですが、この点はいかがですか。
#150
○政府委員(松本操君) おっしゃいますように、昭和五十年に特着料というものを起こしましたときに、これは本来的にはどこが負担するということは別にしまして、コストの中に入る問題である。ですから、当時徴収しておった運賃の中に含ませるかどうかということを抜きにしまして、コストの要因だという議論がございました。これは、航空審議会の委員会においてこの議論がなされたわけでございますが、ただ、同じ路線にジェットとプロペラ機と両方が就航しているという状態がございましたこともあって、一律にコストの中に入れてその後の運賃改定に込みにしてしまいますと、非常にそこら辺がわからなくなってくるということもあって、六百円というものを特出しの形でジェット特別料金というものを上乗せしたというのが経緯でございます。当初の段階ではやはり多少の航空会社側の持ち出しがございましたけれども、その後、実は五十一年、五十二年あたりの状況を見ますと、御指摘のように、特別料で徴収いたしますものよりも特着料として払う分の方が少ない、こういう逆ざやの現象が起こってまいりました。したがって、私どもとしては、これはやはり妥当なことではない、こういうふうに考えましたので、昨年の九月に特着料の方を倍額に値上げをいたしました。その結果五十三年度、これはまだ推計でございますけれども、五十三年度におきましてはやはり逆にまた航空会社の方の持ち出しという結果になっていくであろうかと思いますが、今後の問題といたしましては、いま特記してない、あるいはかつての特記の仕方に比べて非常におかしな書き方になっているというふうな御指摘もございましたし、本来コストであるということを念頭におきながらも、この特別料金というものをどういう考え方で扱っていくかという点についてはひとつ詰めて、皆さんの納得のいくような答えを出していきたい、このように考えております。
#151
○久保亘君 これは本来特別着陸料を航空会社から徴収する目的というものがちゃんとあったはずでありまして、利用者から取ったものよりも納めるものが少なくなったから特別着陸料を上げるという発想は少しおかしい。それは非常におかしなやり方だと思う。せっかく利用者から取り立てたものは全部政府の方へ取れというような考え方なら、これは私はちょっとおかしい。特別着陸料の使用目的の金額がふえたからという理屈ならまだわかる。しかし、今度はそういうことから考えますと、この特別着陸料というのは、皆さん数字をごらんになればわかると思うんですけれども、ほとんどこれは特定の空港に全部使われておるはずです。プロペラ機なら要らないんだというんなら、特別着陸料を徴収したその財源の使途目的となっていない空港でこれを徴収するというのは非常に不合理なことだと、こう思うんですが、いかがですか。
#152
○政府委員(松本操君) まず前段の会社側が徴収する料が国に納める料を上回ってきたのでというふうに私いま言いましたのは、多少説明不足と申しますか、先生の御指摘のような御理解を得たのもやむを得なかったかと思いますが、全体としまして、空港使用料の中に着陸料と航行援助施設使用料と特着料が入っておる、こういうものがこれすべて特会の財源になるわけでございます。それを全国一律的にプールをいたしまして、それぞれ必要な個所に必要な額を投資する。でございますから、着陸料におきましても特着料におきましても、これは全部全国一律の同じ基準で徴収をする。飛行場ごとに、特にこの飛行場は金がかかった空港だからよけい取るとかいうことをいたしませんのと同様に、特着料につきましても、特にここは騒音問題で問題があるから高く取る、ここは余りないから取らないということはしていないわけでございます。その点についての御議論はあろうかと思いますが、現在の私どもの空港使用料につきましての考え方というものは、全国一律の基準ということで実は長年やってきておるわけでございます。この点につきましては、これなりに御理解をいただければと、こういうふうに思うわけでございます。
#153
○久保亘君 私は、費用のかかる空港から高く取れと言うんじゃないんです。本来そういう経費というのは国が負担すべきものであって、運賃のほかに利用者から、全然それを必要としない空港で乗りおりをする利用者から徴収するというのはおかしいではないか。プロペラ機の場合には取らない。ジェット機に乗ってきたら、そのことが全然特別着陸料の使用目的に合致しない、必要としていない空港であっても取るというのは非常に不合理なことだ。しかも、これは私間違っているかもしれませんが、このジェット特別料金に税金もまたかけられているんじゃありませんか。
#154
○政府委員(松本操君) ある空港にプロペラ機で来た場合には特着料がかからない、したがって、ジェット料金もかからない、ジェット機で来るとかかるのはおかしいのではないかという御指摘かと思いますが、これはもうすでに御案内のように、空港の騒音問題はそもそもジェット機に端を発したことでもございますので、そういう意味で、おしなべてプロペラ機からもということではなくて、問題の発端となったジェット機の離発着というところに因縁づける形で特別着陸料というものを徴収するという発想から出たわけでございます。
 後段の、六百円に対しての通行税の問題だと思いますが、これは御指摘のとおり、一律に通行税は原価をはじいた上に一割乗っかってまいりますので、結果論的には六百円というのはお客が払う料でございまして、たしかその中の六、七円前後が税金であって、五百九十何円という部分がいわゆる航空会社の方に上乗せとして入りますジェット特別料金、こういう区分けは厳密に言えばおっしゃるとおりでございます。
#155
○久保亘君 このジェット特別料金については、私は二、三年前のこの委員会でもこの問題について質問をしたことがございました。その際に、これは本来は航空会社が負担すべきものを航空会社の経営の実態その他にかんがみて利用者の負担とせざるを得ない、こういうような立場を説明されておったように記憶をするのであります、航空会社の経営状況がよくなれば運賃のほかに航空会社が、本来は特別着陸料というのは運賃の中で支払われるべきものなんです。運賃というのは人をある場所からある場所へ運ぶために必要な経費を徴収しているんですから、その飛行機が離着陸するために必要な経費というのは運賃の中で払われるべきもの、これが常識です。それを別途にまたそういう形で徴収をしているというのは、これはやっぱり理屈の通らない点もあるわけであります。その点については、いまここで、それをそれじゃ利用者からの徴収をやめるとかやめないとか、そんなことはなかなか言えぬ問題だと思いますから、きょうのをひとつ検討をしてみてください。
 なお、この特別着陸料について、外国航空会社がこの特別着陸料の支払いを拒否して訴訟を起こされておる。これはもう大部前から、この特別着陸料の徴収を始めた段階から外国航空会社がこれを拒否して、そのことで訴訟が起こっておるはずです。これは一体どういうことになっているのか。外国の航空会社は日本の空港に着陸するときに特別着陸料というものを支払っているのかどうか。それはどういうことになっておりますか。
#156
○政府委員(松本操君) おっしゃいますとおり、五十年の九月から特別着陸料を発足させましたが、十二月に外国航空会社二十六社が国を相手といたしまして支払い義務不存在の訴えというのを起こしております。この裁判に加わっておるのは二十六社でございますが、そのほかに、便乗と言うと言葉が適当でないかもしれませんけれども、五社ばかりが、裁判の当事者ではないのでございますけれども、払ってない。こういうことでございますから、三十一社が払っておりません。昨年の暮れまでに徴収さるべくして徴収されなかった特別着陸料が約七十億でございます。それに対して私どもは放置しておいたわけではございませんで、五十一年の十一月には今度は逆に支払い請求の反訴を起こしております。それと同時に、きめ細かに催告をしておるわけでございますが、裁判の方はその後七回にわたって口頭弁論が開かれまして、去る二月二十六日に結審をいたしました。四月二十三日に判決があるというふうに通告を受けております。私どもは、当然これはわれわれが勝つ、このように考えておりますが、その場合、途中で改正をしまして滞納分についての利息を上げました。一四%上げたわけでございます。ここら辺が判決で最後にどうなるかという点はいささか予断を許しませんけれども、大筋としてはわれわれは勝つと考えておりますので、勝った後には、当然のことながら、さらに強い態度で催告をしていきたい、このように考えております。
#157
○久保亘君 もしその裁判に敗訴した場合には、これは国内航空会社に対してはどういうことになりますか。
#158
○政府委員(松本操君) 御質問ではございますが、私ども負けることなどを考えてもおりませんでしたので、とっさにどうするかはちょっと用意がございません。
#159
○久保亘君 それじゃ、この問題はそれぐらいにしておきましょう。
 次に、国鉄ローカル線の問題について、これもずいぶんこれまで論議のあったところでありますが、この国鉄地方交通線問題小委員会というのは、この委員会のメンバーの中にローカル線の実態を自分でも経験した人たちというのが含まれておるんですか。
#160
○政府委員(山上孝史君) この国鉄ローカル線問題の小委員会、これのメンバーの中には実はそういう事柄につきまして政府部内で一番関心を持って所管しておられる自治省の御出身の方がお二人出ておられます。私も小委員会の審議に参画をしたことがございますが、このようなお二人の小委員の方からは地域住民の立場に立ってのいろいろ御意見がございました。
#161
○久保亘君 政府の関係者が地域住民の立場を代表しているということは、これは私はその人たちが全然知らないとは言いませんけれども、そういうことにはなかなかなりにくいのじゃないか。特に政府の部内から出られた人の場合にはやっぱりどうしても国鉄の財政上の問題、そのことに視点を置かざるを得ない。ローカル線の持っている歴史とか、ローカル線の果たしている役割りとか、そういうものを実際にいまローカル線の体験を持ちながら考えることのできる人たちというのが、なぜこういう重大な問題を決定する委員会のメンバーに加えられていないのかという点は非常に大きな疑問です。これはどういうことなんでしょうか。
#162
○政府委員(山上孝史君) この小委員会におかれましては、五十二年の一月に中間報告を出されました。その中間報告の骨子は、大体この一月末の最終報告に基本的には共通のものがございますが、その中間報告が出ましてから、その趣旨を受けまして全国の数地区に協議会をつくりまして、国鉄の地方の管理局、それから関係の地方公共団体等の方々にお集まり願って、いろいろ地域の住民の立場からの御意見というものを十分に拝聴し、それを小委員会のその後の審議に貴重な参考として提供し、御審議の重要な資料となっております。
 それからなお、これは先生もうすでに御承知だと思いますが、今回の最終報告の中でも「結語」のところで「これまでのローカル線対策が国鉄経営の改善に重点が置かれ、地域住民の足の確保について十分な配慮が足りなかった」、そのために過去において数回いろいろな提言があったけれども、挫折をしたということにつきましてこの小委員会みずからが反省をされておられるわけであります。そこで、さらにこの「結語」におきましては、先生も御指摘のように、「このたびの審議に当たっては、破局的ともいうべき状態に至っている国鉄経営の現状にかんがみ、ローカル線部門の経営改善をいかにすべきかという観点」だけじゃなくて、それとともに「国民経済的観点から地域における効率的な公共輸送サービスを確保するにはどうすればよいかという広い判断に立って」対策をまとめるべきであるということを特に強く指摘をされているわけでございます。
#163
○久保亘君 いまあなたが読み上げられたその反省、いままでの国鉄の再建策の検討に当たってその欠落していた重要な視点、そういうものの反省は必ずしも今度の答申には生きてきていない。それから各地方自治体などの意見を聴取したと言われますが、地方自治体の中でこういう答申に対して大賛成だというようなところがありましたか。
#164
○政府委員(山上孝史君) この運政審の小委員会の最終報告につきましては、このような御提案があったということはそのとおりでございますが、これを行政上いかに消化をするかということにつきましては、この報告の趣旨に沿って目下具体策について検討中でございます。いずれにいたしましても、地域住民の方々に対しまして深い利害を持つものでございますので、慎重にいまそれを検討中でございますが、その検討の過程におきましていろいろ地方公共団体の方々の御意見等を率直に承っておるわけでございます。
#165
○久保亘君 私は、地方公共団体の、特に今回ローカル線切り捨ての対象になると思われるような路線が最も多く存在をするところに住んでおりますから、少なくとも地方公共団体あたりの意見を答申に先立って求められたとすれば、この答申のような方向で地方公共団体が意見を出すところは私はなかったと思いますよ。だから、地方公共団体の意見を答申に先立って十分に聞いたと、従来のこの国鉄再建計画のつくり方について反省しなければならないという立場に立ってやったというにしては、この答申というものはそういうかっこうだけつけて、実際には全然そういう問題が生かされていないんじゃないか、こういう気がするんです。
 それでは具体的に伺いましょう。
 国鉄で、財政的にもう、とてもじゃないが運営できないという路線を地方自治体や第三セクターにこれを移管して、これが十分に運営できますという、そういう根拠はどこから出たんでしょうね。
#166
○政府委員(山上孝史君) まず先にちょっと申し上げたいと思いますのは、私がお答えしておりますのは、この運政審の小委員会の報告でこのような提案があったということを申し上げ、この小委員会として五十二年の一月の中間報告以降、地方で試験的に、試行的に協議会を幾つかつくって、それで関係の地域住民の方々の意見をいろいろ伺ったということを申し上げました。それはこの小委員会としての最終報告に参考になったということを申し上げています。さらに、この小委員会の最終報告が出ましたけれども、これを具体化することについては、この趣旨に沿って目下慎重に検討中であるということでございますので、今度は運輸省の方で、政府ベースでこれを具体化するときに、さらに関係の方々――いろいろの角度から関係のおありの方がおられるわけでありますので、適当な方法でそういう方々の御意見もよく拝聴して、それで検討を進めてまいりたい、こういうことでございますので、その点御理解を願いたいと思います。
 なお、この小委員会の報告についての御説明ということになりますが、この中でバス輸送の方が適切な路線という御指摘があります。これはコスト面からいきまして、国民経済的にバス輸送の方が安いということでありまして、本来このバス輸送の方に転換することがいわば筋論としては正しいとこの小委員会は判断されているわけです。ところが、それについてはもう先生も御承知のように、この報告書では、地元においてはいろいろな立場から、そういうことは理論的に正しくてもやはり鉄道の維持が欲しいというような場合があるわけでございます。そういう点につきましては、原則として関係都道府県の区域ごとに国の出先機関、国鉄の出先機関あるいは関係地方公共団体その他の関係者によって地域の協議会というものをつくって、それで国鉄路線にかわる適切な輸送サービス、それが当該地域においてどれが一番よろしいかということをいろいろな角度から検討していただく。その結果鉄道の方がやはりいいんだという場合には、国鉄だとできないことも、たとえば第三セクターをつくりますと、いろいろなできることも出てくるわけです。そういうようなこともありますし、そこら辺でいろいろな知恵を出していただいて、それで鉄道の維持でいくか、あるいはバス輸送にこの際かえることで御了解願うかということの選択をしていただくと、こういう提案です。しかもこれは裸でもって突っ放すのではなくて、この報告書の中にも書いてありますが、いろいろな援助措置、これが提案されております。たとえばどうしても鉄道として維持したい、それで第三セクターをつくっていくという場合には四つの提案があります。これは御承知のとおりです。ということで、行財政上いろいろな援助措置がとられるべきであるという提案です。ということでございますので、小委員会の報告としては、これはこれなりに相当に知恵を出しているという評価はできると思います。いずれにしましても、これは報告書の提案でありますので、これをいかに具体化するかというのは、この趣旨に沿って目下検討中ということでございます。
#167
○久保亘君 これは答申にすぎないと言われればそれまでなんだけれども、こういう答申が出されることによって運輸政策審議会が一つの方向を持てばその方向で動き始める可能性は非常に強いわけだから、だから、いまのうちにきちんとしておかにゃいかぬわけです。先ほどは特別着陸料に見合うジェット料金は、これは全国一律に負担するのが当然だという御意見であった。ところが、今度はこういうローカル線の問題になると、本来大衆の足というのは国の責任で確保せにゃならぬ問題なんだけれども、おまえのところは今度は赤字だからそこの自治体でやれと、それで自治体がやるのに困ったら運賃割り増しで高う取れと、こういう話になってくるとずいぶん不合理なんだわね。そのジェット料金は、たとえば鹿児傷空港などにはこれは特別着陸料は一銭も使わぬのだけれども、おまえのところもジェット機を使っておるんだからこれは平等に負担してくれと。しかしローカル線になると、これはもう国鉄の財政上の足手まといだから、もしやるのなら、これはおまえのところで負担してやれと、こんな話は運輸政策として私は非常に一貫性がない不合理なものだと思うんですよ。そう思いませんか。
#168
○政府委員(山上孝史君) この小委員会の提案として御説明申し上げますと、これは久保先生御承知のとおり、この中でさっきちょっと申し上げましたが、四つの援助措置を提案しておられます。特に財政上の措置といたしましては、いわゆる転換補助金、それから欠損についての国からの補助金、この二つは非常に大きなものです。しかもこれは法律改正を要しますが、これを仮に実行するとすれば、国鉄法を改正いたしまして、当該の施設を無償でもって当該の第三セクターの方に貸したり、あるいは譲渡するというようなことも考えたらどうかと、こう言っております。しかもこの五十四年度のいま御審議をいただいております予算案におきましては、国鉄への一般会計からの助成の中で一千億円、これがこの地方交通線対策として計上されております。これは対前年で、これも先生御承知だと思いますが、五割以上の増です。このようなことで、一般会計としても非常に配慮しているということは御理解願いたいと思います。
#169
○久保亘君 いや、努力されていることはよくわかるんですよ。それで、いろいろローカル線について高い関心を持ってどうするかという問題がいま運輸政策上の非常に重要な課題になってきているということはいくわかっています。わかっているから、それにこの答申が今度は出てきたわけだから、そういう方向で行くと一体どうなるんだろうかと。これはいま地方議会でも皆問題になっておるんです。それで、その中でやっぱり自治体の負担や地元住民の負担で問題を解決しようというやり方は、これはローカル線対策としては邪道だと、こういう意見が強いわけです。大臣は、これは本委員会の方の席でも、このことについて非常に理解のある発言をされておりますが、いずれにせよ、このローカル線の問題を解決していく場合に、特定のその地域の住民あるいはその地域の自治体にその負担をかぶせていくというようなやり方はとるべきではない。こういうことについては大臣、どういうお考えをお持ちでしょうか。
#170
○国務大臣(森山欽司君) 私はこの答申案を拝見いたしまして、これを読んで総論で賛成する方もありますし、また総論で賛成しない人もあります。いずれにしても国鉄の経営の現状というものは、助成前の赤字が一兆二千億円にもなっておる、背に腹はかえられぬ、このままほうっておくわけにいかぬということでありますが、ただ具体的な問題になってまいりますと、なかなかまとまりかねるような面もいろいろあるわけでありますから、今回せっかく御答申をいただいていることでありますから、その答申の線に沿って検討するということで、他のいろいろ――この問題は国鉄だけの努力をもってしても解決し得ない問題と、それから国鉄の努力で解決し得る問題と二つに分けることができるわけでありますから、その国鉄の努力をもってしても解決し得ない問題としてこれを取り上げる際のその取り上げ方について、ほかにもいろいろな問題がありますから、ほかの問題と一緒にこの問題の結論をつけていかなきゃいかぬ、せっかく御答申をいただいたことであるから、答申の趣旨はできるだけ尊重して進めにゃならぬと、そういうふうにいまは考えておるわけであります。この問題だけやっておりましてほかの大事な本論に入れないようでは困ると思いまして、したがって、答申の線に沿って検討するということでありまして、他の審議会の答申のように答申の趣旨を尊重して、あすにもこれを具体化するというような表現を用いなかったのは、そういう理由でございます。
#171
○久保亘君 大臣ね、あなたが言われた意味とは違うかもしれぬけれども、本論ということになれば、この国鉄ローカル線というか、大衆輸送機関というのは、民衆の輸送機関、交通機関というのは、少なくともいま政府が主唱している田園都市構想とか、定住圏構想とか、こういうものの上に立てばこれは動脈なんです。それでその動脈を切っておいて定住圏構想も田園都市構想もくそもないと私は思う。だから、少なくともこれを地元住民が希望してバス路線とかえるとか、そういう問題は部分的には起こってくるかもしれぬけれども、しかし、その地元が将来を展望しながら、いまは過疎線で非常に赤字になる線であっても、その田園都市構想に裏打ちされる定住圏構想というものをつくっていく場合には、これはどうしても必要な動脈なんだという認識に立っていかないと、私は、定住圏構想などというのは、国土庁が言っておることと、国鉄の再建策の答申の中でローカル線を切っていくことと非常に矛盾すると思うんですね。こういう点については大臣はどうお考えになりますか。
#172
○国務大臣(森山欽司君) いまお話のありました定住圏構想、三全総、その交通体系整備について「地域の特性に応じたきめ細かな交通政策をとる」と、そして「輸送密度の低い地域にあっては、地域の実情に応じた新しい交通体系の整備を図ることとし、鉄道輸送からバス輸送等道路輸送への切換えを検討する」など「交通におけるナショナルミニマムの確保に努める」ということを言っておりまして、定住圏構想というものも、鉄道をやめる場合もあることすらそれは否定はしてないと私は思うんです。ですから、今度の小委員会の意見というものを、これは地域住民のことを考えない意見であると一概に私は言い切ることはできないと思うんです。審議の経過等については、先ほど来の御意見がいろいろございましたけれども、私は結論は必ずしもその線から離れたものだとは思っておりませんけれども、しかし、実際にはこの処置については、現実的なできるだけ血の通った措置を講じていかなきゃならない。そういうときの考え方としましては、やはり国土のつり合いのとれた発展とか地域的格差の是正とか、そういうような意味で考え得る限りのことを考えてこの問題に対処していかなきゃいけないのではないかと思っております。しかし、非常に抽象的な御返事のようでありますけれども、このローカル線の問題は避けては通れない問題でありますから、この問題をわれわれはギブアップしたわけではないので、しかし、あの答申のままそれをやろうというようなことではないと。それじゃどうなんだということを聞かれれば、目下検討中であり考慮中であるということであります。
#173
○久保亘君 いま問題となってきました過疎地域のローカル線の問題というのは、これはもとをただせばやっぱり国の中央集中的ないろいろな政策、そういうものに起因するものもあったわけで、その責任を全部その自治体や地域に住んでいる住民におっかぶせる、こういうことで問題を解決するということは正しくない。私は、大臣がいまその点で非常に配慮のある発言をされたと思っておりますから、せっかく御検討中ですから、それじゃこの答申について、私が意見を申し上げましたようなことを念頭に置かれて、今後検討されるように希望をいたしておきます。
 時間がもう一、二分になりました。最後に、三月六日の中央港湾審議会で志布志港の新改訂計画についてすでに了承をされて運輸大臣に答申があったのかと思いますが、今後この答申を受けて運輸大臣はどういう手続を踏んでいかれるのか、環境庁との関係などについての問題を含めてひとつ御説明をいただきたいのが一つ。
 それから、中央港湾審議会において、この港湾の新しい計画についていろいろ今後配慮すべき問題点などについて各省庁その他から意見が出されておれば、その内容を御説明をいただきたいと思います。
#174
○政府委員(鮫島泰佑君) 第一点でございますけれども、きわめて簡単に申し上げますと、九日の日に港湾審議会から御答申をいただいております。それで現在公示のための仕事をやっておりまして、近いうちに公示がなされると思います。これが公示されますと、ここで港湾計画が決定したというふうにお考えいただいて結構かと思います。
 それから第二点目でございますが、これも簡単に申し上げますと、計画部会の席上で環境庁の方から御発言がございました。それを簡単に申し上げますと、それ以前に、私ども事務当局といたしまして、環境庁にいろいろ説明をしていたわけでございますけれども、それを踏まえまして、環境庁の方から、いまの計画部会の場におきまして、修景の緑化を十分に行うように、それから海域の水質基準、これを守るように、それから自動車の交通公害がないように防止に留意をするように、それから最後に環境の監視に今後十分留意するようにというような御発言がございまして、それに対しまして港湾管理者の方から、それぞれにつきましてそのようにやっていきたいという発言があったわけでございます。そういうようなものを踏まえまして、原案のとおり適当であるという決議がなされたわけでございますけれども、いまのようなことが計画部会の中で発言がございましたわけでございまして、今後の実施に当たりまして、環境庁から言われたこと、それに対して港湾管理者が答えたというものを十分に守りながら当然進めていかれるものだと考えております。
#175
○久保亘君 一つ確認しておきますが、公示をされれば公示期間を過ぎて、公示をされて全部決定になると、こういうことでありましたけれども、今度は実際に着工に先立って、公有水面埋め立てについて主務大臣の運輸大臣は環境庁長官との協議の手続が残っておりますね。
#176
○政府委員(鮫島泰佑君) いまお答えいたしましたのは港湾計画全般でございまして、たとえば防波堤をつくるとか、いろいろなものがこの港湾計画の内容にございます。その一つといたしまして公有水面の埋め立てがございます。これは運輸大臣の認可を要するということで、その段階では認可の申請が出てまいります。これは恐らく規模からいいまして、運輸大臣は環境庁長官の意見を聞いて処理することになる事案だと思っております。
#177
○久保亘君 時間が来ました。終わります。
#178
○立木洋君 造船不況の問題についてお尋ねしたいんですが、造船の過剰設備、これを処理する上でいろいろ深刻な事態があるようでございますけれども、その処理の方法として、先般通過しました特定船舶製造業安定事業協会法、俗に買い上げ法と言われていますけれども、これの実施状況、申請を希望された事業主がどの程度あるのか、その実施状況についてお尋ねしたいんです。
#179
○政府委員(謝敷宗登君) 現在、安定事業協会が業務を行っておりますが、協会自身、先生御承知のように、昨年の十二月十二日に設立登記されまして、その後、業務実施計画とか業務方法書等の整備を鋭意進めてまいりまして、造船施設の買い上げに関心を有する造船所からヒヤリング等事前調査を実施しております。それで諸準備もほぼ整いましたので、現在では買い上げの申請があればいつでも受理できる体制になっております。現在まで買い上げについて協会に打診してまいったものは十社前後というふうに聞いております。
#180
○立木洋君 報道等ではこの買い上げ法の第一号に函館ドックがなるんではないかというふうなことが言われておりますが、先日も函館ドックの問題では大臣にお話しを申し上げていろいろ御検討いただき、その後のお話では大分御努力をいただいたというふうなことでありますが、その点で若干お尋ねしておきたいんですが、函館では、御承知のように、三十万トンと、それから八万五千トンですかの船台があるわけですが、たとえば八万五千トンを廃棄して、そして三十万トンが買い上げされる。そうした場合に八万五千トンの一部を五千トン未満の船台にして復活することが可能なのかどうなのか、その点はいかがでしょうか。
#181
○政府委員(謝敷宗登君) 函館ドックの再建に当たりましては、かなりの負債額を持っておりますので、ドック側の希望といたしましては、現在持っております施設を安定協会に売却して、その資金を返済の一部に充てるという計画のように聞いております。その際に、安定協会事業法によりますと、特定船舶製造業であります五千トン以上の船台または造船施設を全部売却しないと買い上げられないという形になっております。したがいまして、函館ドックのいまの計画では五千トン以上の二つの船台を売却しまして、その後五千トン以下の船台を新しくつくって、それによって残りの再建計画の仕事量確保の一助にするという計画のように聞いております。いま私新しくと申し上げましたが、場合によっては現在持っております船台の一部を利用するということに実際的にはなるかどうか問題はございますが、この点は申請が出た時点で検討してまいりたいと思っております。
#182
○立木洋君 そうすると、私は富士銀行にも行ってお話も聞きましたし、それからドックに行って会社側の意向も聞いたり、労働組合等の話なんかも聞いてまいったんですが、現在存在しておる八万五千トンの船台、これをすでに廃止の届けをされて、そして買い上げを行われるのが三十万トン。ですから、事実上その一部が五千トン未満の船台として存在するというふうに事実上なっても、それは運用上問題ないんでしょうか。
#183
○政府委員(謝敷宗登君) 特定船舶製造業安定事業協会法の趣旨は五千総トン以上の特定船舶製造業の処理を円滑にするということでございますので、五千トン以上のものが全廃されればいいというふうに考えております。したがいまして、あと五千トン以下の造船船台なりドックなりを新設する、あるいはあとを利用して新設するというような場合に、問題としては五千トン以下のところで需給バランスがどうであろうかという問題と、それからもう一つは、それがぜひ函館ドックの再建のために必要であるというようなことを勘案して検討されるべき問題だと、こう考えております。
#184
○立木洋君 法案の内容はある程度私も知っているつもりなんですが、ただ問題になりますのは、先ほど申しました、かつての船台であった一部が事実上使われるというふうなことになっても、それは運用上の問題としては問題ないということでよろしいんですね。
#185
○政府委員(謝敷宗登君) 形式的には五千トン以上の船台を全廃したということになるので、後は新規に施設の許可をする条件に合っているかどうかという問題になろうと思います。
#186
○立木洋君 それで、買い上げされた土地、設備、これがどういうふうになるのかという点は、ドックの関係者にしても地元の住民たちにしても非常に注目をしておるところなんですが、当然地元市民の多くの納得が得られる好ましい形で問題が処理されていかれるだろうというふうに考えているんですが、その点はいかがでしょうか。
#187
○政府委員(謝敷宗登君) この安定協会法そのものが造船施設の円滑な処理ということでございますので、基本的には買い上げました施設はしかるべき期間に処理をするというのがたてまえでございます。したがいまして、協会法なり、あるいは協会の予算の考え方というのは、しかるべき時期に土地及び施設について売れるものは売っていくという考え方でございます。
#188
○立木洋君 それで、若干さかのぼってお尋ねすることになるわけですが、この函館の三十万トンドックの大型設備を許可されたのがいつの時期なのか、それで完成したのがいつの時期だったんでしょうか。
#189
○政府委員(謝敷宗登君) 時期の点については、いま手元に何月という資料を持ってきておりませんが、四十五年、四十六年の答申を受けて造船施設を需要に合わせて拡大した時期でございまして、私の記憶では比較的その時期の遅い時期であったかと考えております。もし資料がありましたらまたお答えいたします。
#190
○立木洋君 前回、事務当局の方にお尋ねしたのでは、何か四十七年の一月十四日というふうに聞いたんですが――四十七年の一月十四日。
#191
○政府委員(謝敷宗登君) 二つありまして、三号の方が四十七年、それから四号の方が四十九年ということでございます。
#192
○立木洋君 会社でお尋ねしてきたんですが、この設備費ですね、これがざっと大体二百億円かけてきたと。でき上がったときは、御承知のように、オイルショックの真っ最中であって、完成後たった三杯しか事実上建造しないで、今日買い上げというふうなことになっているわけで、これは大変問題ではないだろうかというふうな気がしたんですが、この四十五年三月の海造審の答申はどのような内容だったのか。特に十万トン以上の設備についての指針がどうであったのか、その点お尋ねしたいんですが。
#193
○政府委員(謝敷宗登君) 昭和四十五年の三月に海運造船合理化審議会が今後の造船施設の整備のあり方で答申をしております。このときの考え方は、世界的に物資の流動は着実に増加しており、船舶の需要は拡大の一途をたどっているということでございまして、私どもとしてはこれまでつくってまいりました計算プログラムによりまして、世界の物資の流動、海上荷動き、それから、それを物資別に分けて、かつ地域別に分けて、それぞれの量を出しまして、それに合った船型ということで、船型別に船腹の需給関係を見ております。それによりまして、あとスクラップその他を勘案して船型別にやったわけでございますが、このときの答申によりますと、十万トン以上の建造能力は当時四百十万トンでございますが、これを七百十七万トンに上げるべきである、こういう答申でございます。
#194
○立木洋君 いま、当時の答申では超大型船の建造施設の整備を重点的に行う必要があるという趣旨だったと思うんですが、特に十万総トン以上の超大型船建造施設については今後著しく増大が見込まれる、だから、これについては積極的にやる必要があるという趣旨だったと思うんですが、これが四十七年の十二月、OECDの造船部会のサブグループで五十年の需要の見直しを行ったわけですが、当時運輸省の見通しとしては一千七百五十万総トンの案が出されて、一方、造船工業会の算定によりますと、二千百六十万総トン。大幅な食い違いとなって調整に難航を余儀なくされたというふうに当時新聞で報道されておったんですが、結局運輸省の方もいろいろと事情があってか、現在の一千九百万総トンというふうな設備をつくることになったというのが当時の状況のように聞いておるわけですが、それは間違いなかった経過でしょうか。
#195
○政府委員(謝敷宗登君) ちょっとその点はつまびらかではございませんが、当時の状況を考えますと、その次にもう一つ、海運造船合理化審議会の答申が四十六年の六月に出ております。この当時は、四十五年の答申の線を上回って、非常に旺盛な建造需要があった時期でございます。そこで、四十五年の答申のラインよりも上回って建造施設をつくる必要があるんじゃないかと。ただ、その場合に、需給を見ながらやっていくというような答申でございます。
 当時の事情を申し上げますと、たとえば非常に船価が暴騰に近いような高騰をしたり、あるいは船の種類なり船の大きさを何も予定せずにその船台を予約するとか、こういった異常状態があったわけでございまして、その状態を私どもとしては見ながら、実際に船がとれまして、その船のかなりのまとまった船がとれた場合に、その船価をもって場合によっては船台の施設の施設費を回収できるというような見込み等も立てながら、片方で四分の一のスクラップをかげながら近代化を進めたというのが当時の実情かと思います。
#196
○立木洋君 大臣、お聞きのように、四十五年の答申のときには、大型船の建造、これを積極的に進めようということで、さらに四十七年十二月、その見直しがなされながらも一千九百万総トンというふうな状況になって、それで十万総トンですか、以上の建造が大手のところでは大分積極的にやられた。そういうふうな事情の中で、函館ドックの三十万トンドック設備の建造ということも運輸省が認可をして事実上進められたという経過だったと思うんですが、これを今日の事態から見てどうこうと言うのはあれですが、しかし、いま考えてみますと、やっぱり、こうした設備の拡張を考える場合の造船業界その他世界の景気の動向等等から見て、非常に無謀だったんではないかというふうな、無謀という言葉が適切かどうかは別としまして、いわゆる計画的にやっぱりやられていなかったと、こういう点でも当然運輸省としての監督行政の責任ということも考えられなければならないんだろうというふうに思うんですが、その当時は大臣は運輸大臣じゃございませんけれども、いま振り返って、その当時の事情をどのようにお考えでしょうか。
#197
○政府委員(謝敷宗登君) その前にちょっと事実関係だけ簡単に。
 確かに、現状は当時の見通しと当たってないわけでございますから、その意味においては間違っていたということになります。ただ、私どもいろいろ電算機のプログラムでこういう需要を予測しますときは、残念ながら、ほかの手法もそうでございますが、前数年間のデータを使いまして、それに事情変更等を入れながらやっていくわけでございまして、たとえば一例を申し上げますと、一九六六年から七六年までの海上の油の荷動き量をとってみますと、年率七・二%ぐらいでございます。それから、貨物の、乾貨物といいますか、ドライカーゴーの海上荷動き量をとってみますと、六八年から七五年でございますが、これは五・五%になっております。これが現在七六年から八〇年の最近見直しをしましたものによりますと、七六年から八〇年の間で平均年率三・二%ないし四・二%、油がそうでございます。それから貨物が三・六から四・〇と、こういうふうに変わったことは事実でございます。これをたとえば五年複利で見通しの差を足し算をしてみますと、油で七・二%、それからそれが三・二%に仮に落ちたといたしますと、五年間で〇・二四五の差が出てくる。ドライカーゴーで同様にしますと〇・一一四の差が出てまいりまして、これをタンカーの船腹量に直しますと、一億五千万トンとしますと約三千六再七十五万トン、こういったけたの数字が変わってくるわけでございます。そこで、私ども現在、違いましたから、その点についてはまことに、何といいますか、違ったということは率直に認めますが、当時、四十六年なり四十五年の見通し、あるいは実際に四十六、七年の船台あるいは船の需要の動きははるかにそれを上回っていたような状態でございました。
#198
○国務大臣(森山欽司君) いまお話しいたしましたように、実際の需要と現実に必要な量の差が非常に大きかったと。新規受注量というのは年を追って減少して、昭和五十三年では三百万総トン程度に落ち込んだ。これは一ころの十分の一ぐらいになっておるわけで、このごろは一千万トン、九百万トンぐらいの設備能力があるところへ三百万トン程度しかないわけですから、十分の一ぐらいのところに落ち込んだと。そういう意味では、造船と実際の船の需要との当時の見通し、今日の修正見通しを上回るような設備があったということは事実でございましょう。しかし、いま立木さんもお話しのように、その当時のことはそうは問わないけれどもと、こうおっしゃるわけでありますが、とにかく深刻な不況に直面をしておって、地域経済とか雇用面とか、国民経済全体に及ぼす影響がきわめて大きいということを十分認識をいたしまして、全力を挙げていま対策を講じておる。
 先般、函館ドックの社長さんでしたかね、が来られましていろいろお話がありました。この函館造船所の大型新造ドックを安定協会に売却すると。これはまさに経営者としては断腸の思いであろうと思いますが、事業規模を縮小して経営内容の改善を図る、そういう方針から言うと背に腹はかえられない。ともかく、やめる人たちのための必要な退職金を準備しなきゃならない、退職金は特定不況産業信用基金の保証によって一部調達をする。それだけでは足りませんから、したがって、早くとにかく安定協会に買い上げてもらいたい、こういうお話であります。ですから、あるいは立木委員がおっしゃったか、船舶局長が話しましたか、いずれにしましても、安定協会で一番初めの初仕事に近い仕事になると思いますが、そういう地元事情を参酌をいたしましてこの問題の処理に当たってまいりたいと、こういうふうに思っておる次第であります。
#199
○立木洋君 先ほど言いましたのは、そういう経過の中で、それはもう神様でないから一〇〇%見通しが当たるなんということはあり得ないでしょうけれども、しかし、そういう経過を踏まえてやっぱり今日の時点で責任ある行政指導をやっていくということが私は非常に大切ではないかと思うんですね。函館ドックはこの間行って見てみましたけれども、これだけが買い上げられるんですね。これは大変なんですよ。その全部を見てきましたけれども、これを大臣ちょっと……。
#200
○国務大臣(森山欽司君) それは拝見しました。この間社長さんから伺いましたので、あなたの御心配になっておられる以上に当事者は深刻の様子でした。しかし、早くとにかく買ってくださいと、こういうことでありますから、できるだけ早くそういう仕事を進めたいと、こう思っております。
#201
○立木洋君 それで、その大型建造船の施設をつくったために、一方では利息と借入金の返済額が雪だるま式にどんどんふえたわけですね。それで離職者が千三百人から近い離職者の状態が出てきた。その設備拡張のために見てみますと、一つは、五十年の三月期には一年間で支払い利息が四十三億円、借入返済金が百六十五億円、合計二百八億円、設備費以上のものを金融機関に払っているというふうな状態が出てきたわけですね。この間富士銀行は融資のシェアを拡大して、そして四十七年九月期には融資の比率を全体の九・六%から五十年の三月期には一二%、五十三年の三月期には二一%、百九十九億というふうに激増して、そういう点での富士銀行の問題としても考える必要があるんではないだろうかというふうに思うわけですが、一方、労働者は千二百六十五人以上にわたる事実上の人員削減という状態が生じて、かつて六千人いたと言われる下請工が現在半分以下しか存在しない。労働条件も極度に切り下げられているわけで、人件費も五十年三月期の八十八億から五十一年三月期には四十八億と、五十二年の三月期には今度四十五億円と、大変な減少なわけです。これは見通しの問題があったと、あるいはなかなか十分に察知できなかったというふうなこともあるわけでしょうが、しかし、このような労働者にとっては全く責任のない問題で、これ以上どんどん人減らしをやって過酷な労働条件を押しつけるというふうなことはやるべきではないというふうに私たちは考えるわけです。先日も富士銀行に参りまして、そうして金融機関が合理化を条件として融資するというふうなことは改めてほしいという趣旨のことをお話をしてきましたし、会社に対してもそのような同様の趣旨のことを申し伝えてきたんですが、当然運輸省としてもこうした方向で今後十分に努力していっていただけるものだというふうに考えますが、その点についてのお考えをお尋ねしたいと思います。
#202
○国務大臣(森山欽司君) 先ほど申し上げましたように、造船工業は全体として非常にむずかしい時期にあるわけです。函館ドックは佐世保重工とともに非常に注目の的でありまして、いろいろ見ますと、それはまさに血のにじみ出るような当面の処理状況でありますから、確かに前のことを考えれば苦しいでありましょう。しかし、中手十二社平均に比べてみますと、函館ドックの場合、やはり並の処理状況になっているように思います。それほど全体的に苦しいということでありまして、これの当面の不況の処理をあるがままに放置しておけば、これは算を乱して大変な事態になる。その一産業のみならず地域に及ぼす影響、そこに働いている従業員の人たち、そういうことについての事態を少しでもよく収拾するために、こういうむずかしい事態であるけれども、われわれは微力を尽くしておるわけでございますから、どうか御了解を願いたいと思います。
 先般、院内でわれわれ社長にお会いしまして、非常に深刻でございましたが、そのお気持ちは察するに余りあるというふうに思っておりますし、立木委員の御質疑を通じてもそのことはよくわかりますが、一生懸命やっておりますから、どうかひとつ御支援を願いたいと、こう思います。
#203
○立木洋君 大臣御存じだろうと思いますけれども、労働者の状態から申しますと、ベースアップ、定期昇給は全く見送りになりました。それから基本給が六・五%カットされまして、ボーナスについても、夏がカットされ、冬は一人平均再建協力金ということで十五万円出たそうでありますが、これは五十二年度の一人平均年収を見てみますと二百七十四万円、これが五十三年度には一人平均二百十三万円、事実上二二・四%大幅にダウンするというふうな状態で、労働者の生活というのは大変なことになっているわけですが、さらには、千三百人近い人々が事実上職を失って、その職の問題についても大きな問題になっております。このことは、あわせて、今後函館ドックの問題に関してもそういうしわ寄せをさらに強めるというふうな形でない方向で、できるだけ努力をしていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思うんです。
 それで、運輸省では五十二年に時間外労働を減らすべきであるというふうに行政指導をしているはずだと思うんですが、その状況は現在でも変わりないのかどうなのか、その点はいかがでしょうか。
#204
○政府委員(謝敷宗登君) 最初に、需給ギャップが非常に大きいということで操業調整を始めましたが、そのときに、こういう状態でございますから、残業という形でなくて、できるだけ雇用に配慮して、残業を減らしてでもみんなが仕事があるようにというような趣旨で、勧告のときに私の名で関係各社に御連絡、希望を申し上げてあります。
#205
○立木洋君 現在でもそうですね。
#206
○政府委員(謝敷宗登君) 現在でも同じです。
#207
○立木洋君 この間、それで現地に行っていろいろ聞いてきたんですが、そうしますと、多数の人員整理を行った後、いままで以上にやっぱり時間外労働がふえている。たとえば外業という職場があるんですが、これは五十二年の十二月から五十三年の十二月の一年間の平均残業が七十時間、月にしますとざっと五時間か六時間だと思うんですが、ところが、ことしの二月から三月にかけては月平均五十時間から六十時間ぐらいになっていると思うんですが、そういう事情については御承知なのか。こういうことを調査をされてきちっと御指導願いたいと思うんですが。
#208
○政府委員(謝敷宗登君) いま先生御指摘の数字についてはつまびらかにしておりませんが、たしか昨年の六月だと思いますが、新しい経営陣になりまして、希望退職で一回、二回とやってまいっているわけですから、その間に配置の適正化とか組織がえとか、こういった問題が起こっております。それからまた、修繕の場合にはどうしてもいわゆる時間外というようなこともやらざるを得ない状況になってまいります。そういう意味で、人を必要以上に減らして残業時間をふやしたというようなことではないかと思いますが、私どもの基本的な考え方は前と変わっておりません。
#209
○立木洋君 事情を調べて御指導願いたいと思うんですが、さらに、今回組合と取り決めている時間外労働の制限時間、これは以前は四十時間だったわけですが、これを二十時間上回る残業を事実上会社側から提案がなされてその実施に入っているわけですね。それで会社側の理由は、三十万トン設備を売却するため四月の十日ごろまでに移転をしなければならない、そういう事情がある。だから無理に残業をしなければならないんだというふうな事情を言っているわけですが、買い上げ契約した後も、その設備等々が一定期間、たとえば仮に数カ月間か半年間かそれを利用するというふうな猶予を与えられないものなのかどうなのか、その点はいかがでしょうか。
#210
○政府委員(謝敷宗登君) 基本的には、私どもはその施設の買い上げを行うわけでございますから、安定協会が買い上げを行うわけですから、その時点から先は売れるものは売っていくという形にならざるを得ないと思います。
 それで、現在会社の方は、四月ないし五月を目標にして資金繰りの上から売却をしたいというふうなことで、私どもは、現在受注しております船の工期から見て、その時点であれば無理がなく買い上げができるものというふうに聞いておりました。そこで、それが六月でなければいけないのか、それが両方――資金繰りの面と、それから船の竣工の面と両方から考えなきゃならぬ問題だと思っています。
 買い上げた後、リースの考え方がございますが、これは買い上げの資金そのものは開銀及び一般市中銀行から借り入れてくるわけですが、それの後で、元利の償還につきましては、残存事業者からの納付金なり、あるいは国の予算が一部使われるということでございますので、基本的には円滑に処理をするというのが前提でございますから、買い上げられた相手の会社に造船のためにそれをリースするということは考えておりません。
#211
○立木洋君 次に、労働省にお尋ねしたいんですが、今日、こういういまの函館ドックの問題で、人員の削減等々がなされていろいろ問題が出てきているわけですが、先日会社側からの案として出されました勤怠管理基準によりますと、その第二条の五項目目に、「年次有給休暇を六カ月以内に使い果たし、その結果として自己欠勤を余儀なくされた者」を勤怠不良者として規定し、懲戒処分にまでなる仕組みになっているわけですね。これは案ですよ、会社側が提起した案です。これは労基法の三十九条、「使用者は、」「有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。」ということが述べられてあるわけですが、こういうふうな内容というのは、やはりこの労基法に抵触することになるのではないでしょうか。
#212
○説明員(小粥義朗君) 先生いま御指摘の点につきまして、詳細は私もまだ承知いたしていなかったわけでございますが、いまのお話の中で、六カ月以内に使い果たして、あとの休みを言うならば欠勤ということで処理をしたというお話のように承ったわけでございますが、基準法所定の年休を全部与えているのであれば、それは六カ月以内であっても、あるいは一年以内であっても、とにかく請求に対して年休を付与しているのであれば、これは基準法違反ということにはならないわけでございます。法定の年休日数以上の欠勤をしたことを会社内部でどう評価するかというのは、これは労使の問題として議論のあるところであろうかと思いますが、年休それ自体の付与の仕方としては必ずしも基準法違反にはならないと思っています。
#213
○立木洋君 同じ案の中に、これは第二条の二項と三項に述べられてあるわけですが、「本人の不注意により遅刻した」数が一定になると、というふうな形で、ここでは、「正当な理由なく、あるいは本人の不注意により遅刻し、その回数が六労働日に二回以上のもの又は二十三労働日に四回以上のもの」、まあ一週間に二回、一カ月に四回ということだろうと思うんですが、この不注意という問題ですね、考え方、これはいろいろなケースがあり得るだろうと思うんですね。本人がそういうふうにしようと思ってなったということではなくて、突然の交通事故等々あるいは交通の渋滞等等でおくれたというふうなこともあるでしょうし、また、この三項目目では、一カ月において事故欠勤が三日以上に及ぶ者というふうなことが書かれているわけですが、ここでのあれによりますと、必ず診断書を提出するというふうな契約になっているわけですが、しかし、三日以上という、三日間という場合、かぜを引いたけども、病院に行くまでもないというふうな場合で、診断書が提出されないような場合でも事故欠勤というふうに判断されるようなこともあり、これらの問題を通じて解雇に結びつけていくようなおそれもあるのではないかというふうに考えられるわけですね。そして、最後に出されているのでは、上記の処分が決定した場合は社内に周知することができるというふうな形で、掲示板等々で名前を張り出すというふうなことも行われるケースも考えられるわけで、こういう点はいろいろ人権上の問題もあるでしょうし、この不注意あるいは事故欠勤等々の内容もいろいろな方法で解釈され得る可能性もあるわけですから、ここらあたりは調査をして適切に指導していただきたい、先ほどのこの有給休暇の問題もあわせて調査をし検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#214
○説明員(小粥義朗君) 事故欠勤にたとえば年休を使ってやった場合に、それを不利益扱いをするということになりますと、年休行使に対する不利益取り扱いということで基準法上の問題も出てまいろうかと存じます。いま御指摘の点だけで直ちに基準法に触れるという形にはなかなかなりにくいかと思いますけれども、いずれにしましても、実態は私どもまだ承知いたしておりませんでしたので、よく調査をいたしたいと思います。
#215
○立木洋君 時間が来ましたからいいです。もうこれ以上お尋ねできないから。
#216
○主査(井上吉夫君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉田忠三郎君及び桑名義治君が分科担当委員を辞任され、その補欠として松前達郎君及び相沢武彦君が選任されました。
#217
○相沢武彦君 最初に、千歳空港の国際化問題につきましてお尋ねします。
 日本の国際旅客は年々増加の一途をたどっておりまして、運輸省が試算した数字でも昭和六十年度には二千七百万人、現在の約二・七倍の旅客が見込まれていると聞いています。ところが、この増加する国際旅客に対して日本の航空ネットワーク形成というのは、東京以南に国際空港が集中しておりまして、北の方は新潟のみでございます。そこでお伺いしますが、新潟と北海道と、このパスポート発行状況を比較すると一体どうなっているんでしょう。昭和五十三年一月から十二月現在でひとつお答えください。
#218
○政府委員(松本操君) 新潟と北海道でのパスポートの数というのは、実はちょっと私手元の数字を持っておりませんですが、
  〔主査退席、山本富雄君着席〕
五十二年の日本人の出国実績で見ました場合に、北海道が七万人でございまして、大体二・二%、それから青森、岩手、宮城、秋田の東北六県のうち四県の数字しかいま手元に持っておりませんが、この四県で見ますと八万人、約二・五%という程度の数字ではないかと思います。
#219
○相沢武彦君 外務省の旅券課で調べますと、新潟が二万五千件で北海道は五万三千件ということで、新潟の二倍以上となっています。地域的偏在をなくするという意味からも、ぜひこの北海道――まあ千歳が北海道の玄関ですし、千歳国際空港の実現が望まれるわけですが、ことしの七月から検疫体制もとられると言われていますので、今後千歳空港国際化の見通し、これについて運輸省としてはどのように考えておられるか。
#220
○政府委員(松本操君) 現在、千歳空港は防衛庁の管理空港でもございますので、いわゆる国際空港として具備すべき要件というものの中で、現時点で千歳空港が持っておりますものは、国際民間航空機関、つまりICAOの登録があるわけですが、これに対して国際空港の代替空港としての登録がなされております。ただ、それに対しまして出入国港の指定というのが出入国管理令で行われるわけでございますが、これは指定がなされておりますけれども、検疫機構上の指定の方はこの七月から検疫法に基づく指定が行われるというふうに私ども聞いております。それ以外に税関空港の指定あるいは動植物検疫の指定等については、現時点ではその予定はないように聞いております。ただ、実際問題といたしましては、これらの問題について周辺の港湾等から関係職員の派遣を求めるということは可能のようでございます。現実に年に何回かはチャーター便の運航等に対して、そのような手段による千歳空港の活用ということは図られておるように承知をいたしております。
#221
○相沢武彦君 五十三年六月に北海道でまとめ上げた千歳空港からの海外渡航数予測によりますと、北海道と東北四県、青森、秋田、岩手、宮城からの海外旅行者というのは、昭和六十年で五十八万三千人が見込まれていると。そうしますと、昭和五十一年実績の約四・一八倍だという試算が出ているんですが、私もこの過去の伸び率から考えまして、この程度の旅客数というのは当然見込めると思うんですが、運輸省としてのこの予測についての見解を伺いたいことと、あわせて、この予測データから考えても早い時期に千歳空港の国際化というものは必要祝されると思うんですが、
  〔主査代理山本富雄君退席、主査着席〕
これについてお考えを伺いたい。
#222
○政府委員(松本操君) 昭和五十二年度の日本人出国実績が全国で三百十五万でございます。一方、それに対して昭和六十年度の日本人海外旅行者の推定でございますが九百五十万というふうな数字を私ども聞き及んでおります。したがいまして、このうちのどの程度が北海道地区から出るかという予測はなかなかむずかしゅうございますけれども、しかし、わが国の国際航空旅客というものは着実な伸びを示してきておりますし、地域的に見ました場合にも、わざわざ成田あるいは大阪、そういったような既存の国際空港まで来ることなしに、地元に最寄りの空港から出国したいという希望も強まっていることも承知をしております。したがって、千歳空港の国際線的な使用のありようというものにつきましては、国際需要の動向とか、先ほど御質問にもございましたCIQ関係の整備の整いようというふうなものの兼ね合いもございますので、簡単にはお答えを申し上げにくいのではございますけれども、そういうふうなものをよくにらまえまして、地元の方の要望あるいは第三国からの希望に対応できるような形で逐次整備を進めていくという方向で進んでいくべきであろうかと思いますし、また、そういったような方向で関係の向きともいろいろと折に触れて協議をしておると、こういう状態でございます。
#223
○相沢武彦君 昨年の十一月に日本航空から運輸省に対して地方空港発の定期国際線の開設要望というのが出されていますが、その骨子の中心は、いま御説明されたように、新東京や大阪の両国際空港を利用する、地方からの利用客の時間と運賃のロスをなくしてほしい、それから同時に、深夜便禁止など発着制限のある両空港への集中を避けるためにも、地方幹線空港への分散を図ってはどうかと、こういう内容だと思うんですね。まあ五十四年度中に実現したいということで具体的に八路線挙げているんですが、運輸省としてはこの要望についてどういうようにいま検討を進められているんでしょうか。
#224
○政府委員(松本操君) 昨年十一月に、いま御質問ございました八路線についての要望が日本航空から出ておるのは承知をいたしておりますが、まだ具体的な申請という形には実はなっておりません。
 そこで、国際空港化という問題を論じます場合に、私ども二つに分けて考えなきゃいけないんじゃないかと思っておりますが、一つは前段で私が御返事申し上げましたように、海外旅行者がわざわざ他の遠隔地空港に行かないでも、最寄りの空港から出かけられるようにするための、つまりチャーター便を出国あるいは入国させる。これも出国の場合にはわりあい容易でございますが、入国の場合にCIQ関係のいろいろな手続がございます。まずもってそういう点についての整備というところに当面の力をいたさなきゃいけないのじゃないか。
 次に、定期便の発着するいわゆる定期の国際空港というのが次の段階にあろうかと思いますが、これはいま御質問のございました日航の要望にかかる八路線につきましても、実は相手国との間に二国間協定ができております。その二国間協定の中に新たに路線権の設定の可能な地点として追加をしてまいりませんと、定期便を飛ばすということができないわけでございます。そこで、当方の希望ももとより、相手国との間にやはりその点意見の一致を見ませんと、定期便を就航させるということにつきましてはいろいろと問題があるわけでございますが、しかし、地元のそういった海外志向というふうなものが強くなり、あるいは当該空港を中心といたします周辺地域において相当の市場活動というものを持つようになってまいりますれば、相手国としてもそこに定期の路線を持ちたいという当然強い希望も出てこようかと思います。両々相まった形で国際化という方向に進むべきではなかろうか。したがって、御質問のございました八路線についての運輸省の当面の考え方といたしましては、地元の御要望等も十分に参考としながら、相手国がこちらの希望しますような地点に対して路線を設定する意向があるのかないかというふうな点をまずできれば航空企業間で相談をさせるとかというふうな手順を踏みながら次のステップへ進んでいくようにしたい、こう考えます。
#225
○相沢武彦君 大臣、ちょっとお伺いしますが、大臣は千歳空港を何回か御利用されたことがあると思うんですが、いかがですか、されていますか。されていましたら御感想をお聞きしたいし、それから年々増加の一途をたどっている北海道、それから東北を含めますと、かなりな国際の旅行客もふえてますので、千歳空港の早期国際化について大臣から御見解をひとつお願いしたいと思います。
#226
○国務大臣(森山欽司君) 私は二、三回おりたことがあります。
 北海道に国際空港が欲しいと、当面千歳を国際空港へという話は、先ほど航空局長が言いましたとおりの方向で、ひとつできるだけ早く進めていくと、こういうふうに考えたらどうでしょう。基本的には異存はありません。
#227
○相沢武彦君 次に、新千歳空港建設に伴う空港ターミナルビルの建設事業についてお伺いをしたいんですが、今後の見通しとして、新千歳空港のターミナルビル着工及び完成の時期はいつごろと見込んでるんでしょうか。
#228
○政府委員(松本操君) 全体に新千歳空港の建設工事自身が多少当初の予定からおくれておるということもございまして、本新千歳空港のターミナルビルにつきましては、建設の実施主体がどこになるのか、現在のターミナルビル会社がそのまま引き継いでいくのかどうか、あるいはそこに多少資本の入れかえ等が行われるのかどうかというふうな点についての具体的な詰め、あるいは具体的な計画等がまだ決定されるに至っておりません。しかし、用地の買収は大分進んできておりますので、今後エプロンなり、あるいは滑走路なりというふうな基本施設の工事が進むにつれまして、関係機関との間で十分相談をしながら、まずターミナールビルの管理主体がどこになるのかということを決めまして、そこが具体的な設計に入りながら工事を進めていくということになろうかと思います。ちなみに、ターミナルビルはどの空港でもそうでございますけれども、地元資本等を主体といたします民間会社が行うのが通例でございますので、新千歳の場合にも恐らくこれと同等の形として成り立っていくのではないかと、このように考えております。
#229
○相沢武彦君 現在の千歳空港ターミナルビルにはテナントとして何店営業しているのか、運輸省、御存じでしょうか。御存じだとすれば、そのうち地元千歳市の商工業者が何%入っているか。それからまた、成田にある新東京国際空港ターミナルビルには何店舗テナントがあって、そのうち地元業者が何%なのか、おわかりでしたら数字で挙げてください。
#230
○政府委員(松本操君) 千歳空港の現ターミナルビルに出店しております――店舗の数でいきますと、とりようでいろいろ複雑でございますので、業者の数で調べましたんですが、二十七でございます。そのうち千歳市の、狭い千歳市だけに限りますと十業者、それから札幌、苫小牧まで入れますと十九でございます。二十七のうち十九程度であろうかと思います。それから、成田の方につきましては、同じような数え方をいたしますと、百十一業者が出ておりまして、地元というものを空港関係の市町村あるいはそこの出身者というふうにして勘定いたしますと四十四業者。したがって、比率で申し上げますと、千歳ターミナルの場合には約七〇%、成田の場合が約四〇%、これがテナントの中の地元関連業者と、こういうことであろうかと思います。
#231
○相沢武彦君 成田の場合吾店舖で、ほとんど地元企業だというように聞いたことがあるんですが、あれでしょうか、これは狭い地域の成田市に限ったのか、それともその周辺というような、そういうふうな区分けでお調べになったんでしょうか。
#232
○政府委員(松本操君) 成田につきましては、ただいまお答え申し上げましたように、非常に狭い地域に限りませんで、かつて成田に在住した人で、土地を売って現在は東京にお住まいという方をも含めまして成田地元関連のという意味で四十四というふうにお答えしたわけでございます。
#233
○相沢武彦君 新千歳のターミナルビルが将来建設されるとして、このテナントについて、千歳市民としても騒音など、特にあそこは防衛庁との併設で使っていまして、防音工事対策も進んではいますけれども、その他公害についてかなり影響もあるんですが、まあ住民参加の市民空港という立場で、地元企業の要請も強いんで、新千歳空港のターミナルビル完成のときにはこの地元業者のテナント優先、これを配慮すべきじゃないかと思いますけれども、これについて運輸省としてはどういうようなお考えを持っているでしょうか。
#234
○政府委員(松本操君) 先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、一般的に申しますと、ターミナルビルは民間企業になるわけでございます。したがって、私どもの方としましては、テナントの方からは空港管理規則に基づく届け出があるだけということになるわけではございますけれども、しかし、そういうしゃくし定規なことではございませんで、おっしゃるようなラインでの運輸省としてできるだけの努力はしていくべきであろうかと思います。ちなみに、現在のターミナルビル会社を見てみますと、地方公共団体あるいは北海道の一般経済界、こういうものが株主としては実は七八、九%に及んでおる、いわば地元の産業として成り立っておるわけでございますので、そういう意味において千歳市、それから空港が非常に新千歳は南の方へぶら下がってまいりますので、むしろ千歳市よりは苫小牧の方に近くなっているということもございますので、千歳市のほかに苫小牧市、それから経済圏として札幌市ぐらいのところまでを入れまして、現実は先ほどお答えしましたように七〇%前後でございますが、これをどうしろこうしろと具体的に運輸省から指図をするのもいかがかとは思いますけれども、折に触れて御趣旨のような点については運輸省としてもいろいろと配慮をしていくというふうなことは心がけてまいりたい、こう考えております。
#235
○相沢武彦君 次に、千歳空港における着陸料の収入の問題なんですが、運輸省から、四十九年分から年度別に収入がどのくらいあるのか報告していただきたいと思います。
#236
○政府委員(松本操君) 着陸料を分けまして、着陸料と特別着陸料とになるわけでございますが、合計しましてお答え申し上げますと、四十九年度五億七千百万円、五十年度が十三億四百万円、五十一年が二十億八千六百万円、五十二年度が二十六億三千百万円、こういうことでございます。
#237
○相沢武彦君 千歳飛行場は防衛庁所管の飛行場のため、運輸省から着陸料収入のいま報告があった、相当な金額なんですけれども、これが千歳市には還元されていないんじゃないかと思うんですが、そこで、防衛庁から千歳市に対してはどんな種類の還元策があり、金額が幾らなのか、昭和四十九年以降、これも年度別に示していただきたいと思います。
 それから、その金額をたとえば、隣接の恵庭市と比較してみると、その差額はどれぐらいになっているのか。
#238
○説明員(米田昭典君) 防衛施設庁では、従来から千歳飛行場周辺につきましては、生活環境整備法に基づきまして周辺対策を実施しております。
 それの内容でございますが、テレビの共同受信施設の設置等の障害防止事業、それから学校、病院等の騒音防止事業、住宅防音事業、それから公民館の設置とか、あるいは体育館等の民生安定事業、道路の改修事業、それから騒音地区の家屋の移転措置、緑地の整備事業、さらに調整交付金の交付事業等、鋭意実施しておるところでございます。
 それらの周辺対策の金額でございますが、過去五年間を総額を申し上げますと、昭和四十九年度は十六億三百万、五十年度は二十億八百万、五十一年度は二十二億八千七百万、五十二年度は三十二億三千万、五十三年度は、見込み額でございますが、五十一億八千五百万という状況になっております。
#239
○相沢武彦君 千歳との比較はわかりますか。
#240
○説明員(米田昭典君) いまのが千歳の過去五年の実施額でございます。
#241
○相沢武彦君 恵庭との比較で。
#242
○説明員(米田昭典君) 恵庭との比較は、これはいまの対策事業全般につきましては現在手持ちに資料がございませんがい調整交付金につきましては、申し上げますと、四十九年度につきましては千歳市が千七百六十六万三千円、恵庭市が七百三十三万四千円。五十年度が千歳市が九千四百七十五万四千円、恵庭市が一億十万二千円。五十一年度が千歳市が一億六千六百八十七万二千円、恵庭市が一億四千三百十九万七千円。それから五十二年度が千歳市が一億九千百五十五万八千円、恵庭市が一億七千三百六十六万三千円。五十三年度は、見込みでございますが、千歳市が二億一千七百九十四万一千円、恵庭市が一億九千九百九十七万七千円となっております。五十四年度は未定でございます。
 一つ数字を訂正さしていただきますが、五十一年度の恵庭市の分は、一億四千三百万と申しましたが、一億四千八言十九万七千円でございます。
#243
○相沢武彦君 運輸省にお伺いしますけれども、防衛庁所管の飛行場のために、この運輸省として収入のあったこの着陸料の還元というのは、制度的に法的にできないことなんでしょうか。それとも何か別な点で地元に対する還元がされているものなんでしょうか、その点いかがですか。
#244
○政府委員(松本操君) 御質問の地元に対する還元という御趣旨がちょっと私わかりにくい面もございますが、着陸料として収受いたしました金額は特別会計の中に入りまして、たとえて申しますならば、五十二年度二十億、五十三年度約二十七億という、こういったような空港の整備事業費等の財源として使われておるわけでございます。
 そこで、先ほどの御質問にございました空港周辺の対策、とりわけ騒音対策といったようなものにつきましては、これは空港の設置管理者がこれを行うということで終始してきておるわけでございますので、千歳空港が防衛庁の空港であります関係上、そういったたぐいの措置につきましては防衛庁の方でいろいろとお願いをしておるということでございますが、民航部分に関しまして、たとえばエプロンの補修その他を含め、あるいは現在進行中でございます新千歳空港の建設というふうな部分の財源としては、この空港で上げたものがこの空港へという形ではございませんので、財源的にはプール制をとっております。明白にリンクさせてということではございませんけれども、収受いたしました着陸料等はそういった方面に使われておる、こういうふうに御理解いただければよろしいかと思います。
#245
○相沢武彦君 千歳市の一般住宅に対する防音工事についてお尋ねしておきたいと思うんですが、千歳市の一般住宅防音工事は、五十四年度も防衛庁予算で、実施されていますけれども、防衛庁の防音工事予算は平均一世帯当たり平均費用として幾らになっておるんでしょうか。
#246
○説明員(吉住慎吾君) 五十四年度の予算の単価でございますか。
#247
○相沢武彦君 平均一世帯当たりの平均費用。
#248
○説明員(吉住慎吾君) これは私ども防衛庁としましては、来年度の住宅防音の対策の内容でございますけれども、運輸省と違いまして防衛庁の関係は、軍事用の航空機の特性とか申しまして、音源対策が非常にむずかしいという観点から、限度があるという観点から、住宅防音対象戸数が非常に大きいわけでございます。したがいまして、来年度につきましても、運輸省とちょっと違うわけでございますけれども、運輸省の方は全室防音ということもちょっとお聞きしておりますけれども、当面、私どもとしては、一室、二室の防音工事をできるだけ多く実施することを目標としております。したがいまして、来年度の一世帯当たりの平均費用単価を申しますと、いま申しました一室、二室に限りまして申しますと、百八十二万円というふうになっております。なお、私どもも全室防音については、来年度も試行という形で積極的にやった上で、今後対策として適切な措置をとっていきたいというように考えておりますけれども、いま申されました質問の内容につきましては百八十二万円ということでございます。
#249
○相沢武彦君 運輸省にお伺いしますけれども、運輸省が行う防音工事の五十四年度予算は、一世帯当たり平均費用は幾らになっているんでしょう。
#250
○政府委員(松本操君) 運輸省の方といたしましては、五十四年度からいわゆる全室防音と言われている方式をとろう、こういうことにいたしております。したがいまして、一つの平均単価でございますから、でこぼこがあるものをならしてでございますが、新規にこれから民防を行おうというものにつきましては、一世帯大体三百六十万円程度、それからすでに一室、二軍の風防を終わりましたものに対する追加的な工事というものにつきましては三百万円程度というものを平均的な値、こう見込んで計算をしておるわけです。
#251
○相沢武彦君 防衛庁の場合、この工事予算が平均一世帯当たり平均費用で百八十万円、それから運輸省が五十四年度から行う防音工事の平均費用が三百六十万、かなりこれで開きがあることになるわけですけれども、千歳市民にとりますと、運輸省からの防音工事費用というのは、飛行場の主管官庁が防衛庁だということで、法の運用から外れて恩恵に浴さないと。しかし、騒音は東京−千歳間のドル箱路線としてかなりの騒音公害を受けながら協力していくと。防音工事費用というのは運輸省と比較して非常に格差があるという、これは単純な話ですけれども、そういう実情にあるわけで、そうしますと、直接騒音を受けている市民にとっては、まあ非常に不公平だ、不当に扱われていると、こういう感情的なものが出てくるんですけれども、この是正策を防衛庁としてはどう考えられるのか。それから、そういう実情について運輸省としてもお考えになったことがあるかどうか。また、これについて協議をされたことがあるのかどうか。今後こういった点について協議してやっぱり是正策を検討してほしいと思うんですけれども、その御用意があるかどうかをお伺いしておきたいと思うんですが。
#252
○政府委員(松本操君) 私の方から先にお答え申し上げますと、先ほど来御答弁申し上げましたように、設置管理者が防衛庁でございますので、周辺対策等は防衛庁がおやりになっておる。もちろん、そのほかに相当数の民航機が飛んでおるわけでございますから、民航機の騒音も一緒になっておることは事実でございます。ただ、これはどっちの飛行機の音というふうに分けて措置しているわけではございませんで、全部ミックスした形での騒音対策という意味において、防衛庁がまとめておやりになる。その単価は確かに五十四年度で比較いたしますと、先ほど御答弁申し上げましたように、私どもの方が部屋数をふやすことに一足早く踏み切れました関係もあって差が出ておるわけでございますが、五十三年度までの分でございますと、別にでこぼこが目立つような形にはなっていないわけでございます。
 それからまた、私どもの行います騒音防止その他の対策というのは、通称騒防法と言われる法律に基づいておる。防衛庁のおやりになるのは追って詳しく御説明があると思いますが、別の体系になるわけでございますので、多少内容が違うようでございます。ですから、私どもの方のはきわめて騒音に密接、密着した周辺対策というふうなところの範囲を出ないのでございますけれども、防衛庁の方はややその点味わいを異にしておるようでございます。したがって、相互にそこら辺のところの調整をとる、あるいは是正策はないかということでございますが、私どもとしては、お互いに飛行機の飛び方について相談し合い、あるいはコンターがばらばらの形にならないように計算しやすくまとまった形になるようにというふうな点の御相談もしておりますし、取り扱い便数については、防衛庁の空港でもございますので、防衛庁の御要望に応じながら便数を調整するということもいたしております。したがって、その間の連絡調整はある程度してきておるつもりでございます。
 さらに防衛庁の方は、先ほど御答弁もございましたが、今後の問題としていろいろと試行等もおやりになっておるようでございますし、さらにはまた冒頭先生の御質問にもございました新千歳空港という問題もございますので、そういうふうな点を含めまして、騒音問題の大幅な解決ができるように、私どもとしてもできる限りの分野においての協力、努力はしてまいりたいと、こう考えております。
#253
○説明員(吉住慎吾君) 防衛庁としましては、学校とか病院等の先ほど申しましたような防音工事の助成を初めとしまして、現在防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づきまして、航空機騒音問題に対して種々の細かい周辺対策をやってきておるわけでございます。この対策の一環としまして先ほど話に出ております住宅防音をやっているわけでございますけれども、何しろ防衛庁の飛行場と申しますか、飛行機というものにつきましては、民間の飛行場、飛行機と違いまして、エンジンの音をしぼるというような音源対策だとか、あるいは運航対策が非常に限度があるということでございます。したがいまして、その住宅防音等の対象区域を縮小していくということは非常にむずかしいわけでございまして、そういう意味から防音工事等を行いますところの対象民間戸数が非常に膨大だということを先ほども申しましたけれども、そういう観点から運輸省の行われた対策に比べて若干おくれております、住宅防音の実施数等におきましても。私どもとしましては、そういう現状でございますので、当面来年度のことも先ほど申しましたけれども、一室ないし二室をまず重点的に実施しまして、できるだけその多くの戸数を処理し、いわゆる静かな部屋を一つでも二つでも皆さん方に何とかしていってみたいというのを目標にしております。したがいまして、そういう意味におきまして、おくれているところでございますけれども、全室防音につきましては、いま航空局長からお話がありましたように、来年度におきましては試験的に実施を全飛行場に実施しまして、その結果を踏まえまして今後また適切な処置をしていきたいと思っておりますので、そういう方針で処理したいと思っております。
#254
○相沢武彦君 結構です。
#255
○主査(井上吉夫君) 以上をもちまして運輸省所管に関する質疑は終了いたしました。
 明日は午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト