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1978/03/30 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 予算委員会第二分科会 第3号
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1978/03/30 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 予算委員会第二分科会 第3号

#1
第087回国会 予算委員会第二分科会 第3号
昭和五十四年三月三十日(金曜日)
   午後一時二十六分開会
    ―――――――――――――
   分科担当委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     塩出 啓典君     矢追 秀彦君
     内藤  功君     神谷信之助君
     田渕 哲也君     栗林 卓司君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   主 査          瀬谷 英行君
   副主査          下条進一郎君
   分科担当委員
                成相 善十君
                林  ゆう君
                吉田忠三郎君
                矢追 秀彦君
                神谷信之助君
                栗林 卓司君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  金子 一平君
   政府委員
       大蔵大臣官房会
       計課長      篠原 忠良君
       大蔵大臣官房審
       議官       伊豫田敏雄君
       大蔵大臣官房審
       議官       福田 幸弘君
       大蔵省主計局次
       長        禿河 徹映君
       大蔵省主計局次
       長        吉野 良彦君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省理財局次
       長        吉本  宏君
       大蔵省理財局次
       長        迫田 泰章君
       大蔵省銀行局長  徳田 博美君
       国税庁次長    米山 武政君
   説明員
       資源エネルギー
       庁石油部計画課
       長        箕輪  哲君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十四年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十四年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(瀬谷英行君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、塩出啓典君、内藤功君及び田渕哲也君が分科担当委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君、神谷信之助君及び栗林卓司君が分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(瀬谷英行君) 昭和五十四年度総予算中、大蔵省所管を議題といたします。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
 ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#4
○主査(瀬谷英行君) 速記起こしてください。
#5
○吉田忠三郎君 大蔵大臣、去る二十四日にも一般質問でいろいろ国債のことを聞きましたが、時間がございませんでしたので、多少積み残した点を二、三お伺いしたいと思うんですが、その第一は、長期国債の金利の上げ方が決まったわけですね。これによっていろいろ、この間も答弁されましたが、やはり国債の消化の問題が一番私は問題だと思うんです。大蔵大臣、大蔵省でも、これはどのようにそのことによって消化に作用するのか、この点をちょっと聞かしていただきたいと思うんですが。その意味は、まあ今度の場合実勢を尊重したと、こう言っているわけですね。ですから、そうだとすれば金利改定など、さらに発行条件の弾力化が一段と進んでくるんじゃないかというような気がするわけです。こういう点答えていただきたいと思うんですが。
#6
○国務大臣(金子一平君) 一月の初めから国債市況が軟化しておりますけれども、こういう状況で大量国債を円滑に消化してまいりますためには、どうしても市場の基調を十分に尊重して発行条件を適宜適切に決定してまいりますことが必要でございまして、三月債から御承知のとおり発行条件の引き上げを行った次第でございますが、国債市況の軟化については、金融市場で特に今日資金需要が出てきたといった基調的な変化があるとは私ども考えておりません。むしろ先行きの金利全般の引き上げを見込んだ心理的要素によって流通利回りが上昇している面が多分にあると考えておる次第でございます。で、今日の段階では、私どもとしましては、景気政策の観点から、当面長期金利全般の引き上げを必要とするような状況にはないと考えておりまして、しばしば委員会でも申し上げておりますとおり、このスタンスは政府、日銀の一致した見解でございます。金利全面改定というような現在の市場における心理的な要因が払拭されれば、今回の発行条件引き上げで国債の円滑な消化が期待できると私どもは考えておる次第でございますけれども、まあきのう、おとといあたりのところはまだ六・一債が――これだけじゃございません、債券、金融債全般にわたって一時的な値崩れが続いておるというのが現実の状況でございます。
#7
○吉田忠三郎君 大臣、国債の発行の量とか種類ですが、これは長期もの、中期もの、短期もの、これはございますが、いまお答えになった点では余り心配していないようでありますが、私は場合によっては弾力的に変えていく必要があるんじゃないかと思うんですが、種類とか、それから発行する量、その辺はどうお考えになっていますか。
#8
○国務大臣(金子一平君) まあ十年ものでないと償還にこれまた大変厄介な問題が出るわけでございますけれども、やっぱり市場が何を欲しておるかという点は十分私どもとしては考えていかなきゃいかぬと存じております。そういう意味で二年もの、四年もの、ことし相当ふやすようなことをしておるわけでございますが、まあ十分市場の動きを見ながら、場合によっては少し中期物を期の途中でふやすというようなことも、あるいは考えてもいいんじゃないかと思っておるんでございますが、いずれにいたしましても、これはもう少し先にいって全体の計画を立てることでございますので、そこら辺は今後も十分御意見を尊重してやってまいりたいと考えております。
#9
○吉田忠三郎君 大変結構ですが、来年度の国債のうち、これは公募入札されまするものは、いろいろの資料を見ますると二兆七千億くらいになっているんですね。ですから、いまのお答えのようなことになっていきますと、場合によっては年度途中でこの分をふやしていくというような工夫だって必要ではないかという感じがするんですが、いかがでしょうか。
#10
○政府委員(吉本宏君) 中期債につきましては、五十三年度に、今年度に初めて一兆円の中期債を公募で発行することとしたわけでございます。四回にわたって公募をしたわけでございますが、これはおおむね成功したというふうに考えているわけでございます。来年度は十五兆二千七百億という国債の消化をしなきゃいかぬ、そういうことで公募入札額を一兆七千億ふやしまして二兆七千億ということにしたわけでございます。特に三年債だけでなしに、四年債あるいは六年債を同時に発行するということにしたわけでございます。ただ、これ二兆七千億ということになりますと、大体月々二千億ないし三千億の公募をしなきゃいかぬと、こういうことになりますので、四月以降早速この公募をいたすわけでございますが、その状況等もにらみまして、今後この額を増額できるかどうかということにつきまして、さらに慎重に検討していきたい、このように考えております。
#11
○吉田忠三郎君 その次、大臣、流通の面で一つ聞いておきますが、きょうぼくは本会議でも若干こう、流通面は触れませんでしたが、国債大量発行についてのインフレとかなんか、この間来議論してきましたが、それは別にいたしまして、いやおうなしに大量の債券発行時代というものを迎えたような気がしますね、これは事のよしあしは別といたしまして。そうなりますと、先ほども申し上げましたが、その消化ということが大変な重要なポイントになるわけでございますから、したがってそういうものの公社債の一これは国債だけじゃありませんから、ですから、公社債流通市場など大体伺ってみますと、完全に整備されているというようなことにはなっていないんじゃないですか。ですから、やっぱりこういう市場の整備が急がれるんじゃないでしょうか。これはどうでしょう。
#12
○国務大臣(金子一平君) 四月からの、そういう意味で東京、大阪、名古屋の証券市場で国債を上場することにいたします。これは、現在は店頭売買だけでございますけれども、取引の厚みを増すとかいうような意味で三市場にとりあえず上場することにいたします。
 それからもう一つ、これいま資料手元にございませんから、多少数字記憶違いがあるかもしれませんけれども、新年度の資金需給の見通しを私ども立てておりますところでは、金融機関の資金の増加分ですけれども、本年度に比べると新年度は三十六、七兆ということで、大体四兆円前後の預金金融債がふえる見込みでございます。それで民間の貸し出し、まだこれ動き出しておりませんけれども、相当動き出したといたしましても、本年度二十兆五千億くらいのものが二十二兆円前後になるんじゃなかろうか。残りの公共債の実質負担分は、本年度が十一兆八千億くらいのものが、十四兆円ぐらいは、これは地方債も含めてですが、公共債に回ることになるというような一応の私ども仮の計算をしておるわけでございまして、特に先ほど御指摘のございました長期債の増加分は一兆円ふえるわけです。シンジケート団に対する引き受けは。本年度に比べると新年度は一兆円ふえるんですから、その分は優にいまの金融部門の資金増で賄えるんじゃなかろうかと。言われているようなクラウディングアウトが早く来れば、これはむしろ民間企業の立て直しということで好ましいことでございますから、むしろこれは国債発行を減らせるかもしれませんが、そういう状況にいつなるかどうか、これはもう少し慎重に見通さなきゃいかぬと考えておる次第でございます。
#13
○吉田忠三郎君 わかりました。
 それから、二十四日の一般質問でございましたが、大臣から、消化促進のために窓販に触れたわけですね。そのときの御答弁の一説には、一刻も早く結論を出したいと、窓販について。そういう意味のお答えがございました。私どもも窓販をやらなければなかなか容易に消化などできるものじゃないんじゃないかというような気がするものですから、特に関心を持って私は、福間君に対する答弁を聞いておりましたが。
 さて、そういうことをやりますれば、この間も私が聞きましたが、この決定についても大変もたもたしたんですね。業界筋との話し合いに時間がかかりましたね。
#14
○国務大臣(金子一平君) いえ、まだ決定するところまで行っておりません。
#15
○吉田忠三郎君 ですから、この窓販やった場合に、当然競合してまいりますのは、どうなんでしょうか、証券界との関係がいやおうなしに出てくるんじゃないでしょうか。この場合、いろんな意見があったんであろうが、私は、そういう業界と、たとえば銀行の窓販をやった場合に、そこでいろんな論争というものがまたより激化してくるんじゃないか、こういう気がしてならないわけですよ。ですから、この調整を一体やっぱりどうするかということが問題点になるであろうし、それから一刻も早く結論を出したいと、こう言っている。一刻も早く出したいというのは一秒後も一刻ですね。しかしそんな短絡的に単純に考えられるものではないけれども、大体おおむねいつごろまでにそういう結論を出したいということなのか、これをお聞かせ願えればと、こう思っているんです。
#16
○国務大臣(金子一平君) 銀行の窓販の問題は、これもう大変こじれておりまして、御承知のとおり証券業界と銀行の間、完全に意見が対立いたしております。私どもも半月や一月で結論が出せる問題ではないと考えております。ただ、こういうふうに国債の大量発行というものを考えていかなけりゃいかぬときに、余り分野争いしておったんでは困りますから、ぜひひとつ御協力いただけませんかということで、私自身直接関係業界にもお願いをしてみて、早急に結論が出せるように持っていきたいという気持ちをこの前率直に申し上げ、森永日銀総裁も、それはまあぜひ必要なことだと考えておるとおっしゃっていただいたんですけれども、これは吉田さん百も御承知のとおり、大変いろんな意見がそれぞれの業界にございまして、きょう、あすすぐというわけにはまいらぬと思います。極力とにかく努力をいたさなけりゃいかぬと考えておる次第でございます。
#17
○吉田忠三郎君 次に、きょうもちょっと本会議で私は反対討論をした中で触れましたが、貸し倒れ引当金のことなんですよ。多少政府・大蔵当局が手を打ったことについては、私これはやっぱり認めなけりゃならぬと思いますよ。ですけれども、中身をずっと洗ってみますと、一番大きな銀行関係、金融機関ですね、この関係、それから保険関係の貸し倒れ引当金の率だけは下げてないんですね。ですから、その理由一つと、それから実際にいま申し上げた金融機関が貸し倒れた率というものと、それから準備金の引当金の率ですね。私も調べてここに持っていますが、大変な開きなんです。ですから、その点を明らかにしていただくと同時に、一体いまの金融機関にあれだけの貸し倒れの引当金というものをそのまま手直ししないでおくということがいいのかどうかということなんですが、この点大臣どうですか。
#18
○政府委員(伊豫田敏雄君) 金融・保険業の貸し倒れ引当金の繰り入れ率につきましては、今回金融機関以外のものにつきまして、昭和三十九年以来の改正ということで、約二割方引き下げております。お話のございましたように……
#19
○吉田忠三郎君 それは二割下げたことは、いま終わったばかりの本会議でぼくが言ってあるんだから、ぼくは認めるといま言っているんだよ。しかしこの金融機関について、これは五十二年に君たちは、知っているとおり改定しただけなんだから、そうでしょう。そういうあなた方逃げ口上を知っていることをちゃんとこっちは調べて聞いているんだよ。そういう逃げ口上じゃなくて、建設的に、前向きに、お互いにこれはこう座って話しているんだから。
#20
○政府委員(伊豫田敏雄君) 金融機関につきましては、最近累次の引き下げを行っておりまして、特に昭和五十二年度におきまして千分の八から千分の五へと四割程度引き下げたばかりでございます。それからまた、金融機関の中におきましては、その際の経過期間の期間中のところもございまして、現段階では据え置くといたしまして、今後の貸し倒れの発生状況の推移等を見守りながら検討を続けてまいりたいと、このように考えております。
 いま先生のおっしゃいました金融・保険業についての実際の貸し倒れの状況でございますが、これは税務資料からのサンプル調査でございますが、金融・保険業につきましては〇・一%という数字が出ておりまして、先生が御指摘になります現在の金融・保険業の〇・五%という金額でございますが、率と比較いたしましてその格差が異常に大きいではないか、こういう御指摘かと思いますが、他の業種とのバランス等を見ましても、特にそれが著しく全体のバランスを失しているとは考えない、こういうことで、今回金融機関につきましては、以上申し上げましたことを全部あわせまして据え置きとさせていただく、このように考えた次第でございます。
#21
○吉田忠三郎君 大体そんな答えしか出てこないだろうとぼくは思って聞いているんですが。
 どうですか大臣、一般消費税、大変熱心に大臣初め大蔵省も考えてやっているんですが、それとの一そればかりじゃございませんけれども、税制そのものも幾つか不公正な税制が現存していますね。ですから、そういうもの等々見て、やはり世間並みに見合いをとらなけりゃならぬじゃないですか。ですから私は提言しますが、大蔵大臣、いま言ったような答えではなかなか国民納得しませんから、一遍というわけにまいりませんから、年次計画立てまして、大体五カ年計画くらい立てまして、やっぱり現行制度というものは洗い直して、具体的には二分の一くらいにぼくは下げたっていいんじゃないかと。現実にいまの実損と引当金の差というものは余りにもひどいですから。どのくらいの差になっているか明らかにしてみてくれませんか。大変な差なんですよ。だから、そこまでぼくは言いたくないから、思い切って年次計画立てまして、それで二分の一くらい減らしたっていいんじゃないかと、こう思っているんですが、大蔵大臣。
#22
○国務大臣(金子一平君) 金融・保険業の方は一番最初に手をつけまして、何カ年間の年次計画でやっておりまして、まだ計画期間中のものもあるわけでございます。それで、大体いまのところ各業態とのバランスがそろい出したところだというふうにわれわれは考えておるわけでございますけれども、しかし御指摘のような実際のものとの乖離幅がある程度あるものにつきましては、今後も見直しやっていかねばいかぬと思っておりますので、そこらはひとつ実態に即したようにこれからも検討を続けるということで、いつまでに何を片づけますというお約束をすぐできる段階ではございませんけれども、私どもとしてはなるべく実態に近いところに持っていきたいという気持ちば強いわけでございます。
#23
○吉田忠三郎君 役人の答えは検討。大臣も、やや前向きの答弁ですね。やや実際に近いものと、こう言ってますから、それはそれとして。
 同時に大臣、退職給与引当金ですね。これも大変、企業それぞれに蓄積になっていることはぼくが言うまでもなく大臣の方で把握しているわけですね。こういう問題とか、それから準備金の関係もございますね。これだってそれに類似するものですよ。ですから、いまぼくが引当金だけを言ったわけでございますが、それとあわせてこれは大きな検討課題にしていいんじゃないでしょうか。
#24
○政府委員(伊豫田敏雄君) 各種の準備金、それから各種の準備金とはまた若干性格が違いますが、法人税法の仕組みといたしまして、退職給与引当金あるいは貸し倒れ引当金、特に後者につきましては、その組み入れ率が適正であるかどうかにつきましては常時検討をしていくべきものと考えておりますが、退職給与引当金につきましては、その性格が負債性引当金ということになっておりまして、これを引き当てることはやはり法人税法のたてまえからいたしましても期間損益の計算、課税所得の計算のどこに将来支払うべき退職給与の金額を配付していくかというふうな問題にもつながりますので、単に金額が大きい小さいだけでは処理できない問題を含んでおります。そういう点も含めまして、現在退職給与引当金につきましては、最終的に支払う額の二分の一の金額ということで長い間積んできておりますような経緯もございますので、これについては若干また貸し倒れ引当金のような性格のものをどのように評価をするかという問題とは別途の問題を含んでいるということも御承知おき願いたいと考えております。
#25
○吉田忠三郎君 そんなものは承知しているんだよ。しているから二分の一のところはぼくと見解は異にしてないのだ。長年これはかかっているのですから。なおかついま君が説明するように幾つかの問題点あることもぼくは承知していますよ。だけれども、一般消費税等々、きょうも大臣答えられているように、総理大臣も答えられた、大変な、ぼくらから見ると何かしら一方にこだわったようなことを言って、国民に説明しているのだけれどもわかりにくい。この問題だって、そういう問題があるならばすべてのやっぱり税制というものは、税の公平負担の原則に立って、これは国民にわかりやすく説明しなきゃならぬでしょう。非常にむずかしいことがありますからと、ここでそういう答えだけじゃいかぬじゃないですか。こういう機会を通して国民にもう少しその点はわかりやすく説明していくという姿勢でなければ、これはいかぬと思うのですよ。なぜぼくはこういうことを言うかというと、一般納税者たる国民は、企業に対して優遇税って一体何だと、これを一番先に言いますよ。金融機関に対しては、いま言ったように貸し倒れ引当金を一番先に挙げますよ。それから利子の配当の優遇税、これだって三つ目に挙げますね。しかも国民はそれほど数字に疎くないのですよ。それほどものわからないわけじゃないのですよ。全部知っているのだから。これをトータルしてみるとどうなんですか。たとえば一般に言われる資産所得の優遇税分だけで八千億というものが浮いてくるんじゃないですか。そういうものだってちゃんと国民の側は知っているわけですから、たとえばこういう計算で今年試算してみなさい。一兆八千億というものは出てくるわけだよ。だから、それはあなたのおっしゃっていることもぼくはわからないわけじゃないが、もっとやっぱりこういう点を、不公正税制の最たるものなんだから、医者の診療報酬に対する税金だけじゃないのだよ。ですから、こういうものをやっぱり洗い直していって、その上に立ってなおかつ一般消費税というなら、それは国民は理解もするかもわかりませんよ。だから、その兼ね合いでぼくは聞いているのですから、もうちょっと、何といいますか、ただ単に検討――どうも国会の答弁というのは検討して善処しますなんてよくこういう答えが出てくるんですが、さっぱりその後進まないというのが、大蔵で言えばこの税制の問題だとぼくは思うのですが、どうですか大臣。
#26
○国務大臣(金子一平君) 引当金はこれまた吉田さん百も御承知でおっしゃっていることでございますが、不公平税制の項目ではないと私ども考えておるわけでございまして、企業会計原則に基づく制度でございますから、それはそれなりの意義を持ち、効用を果たしてきておると思いますけれども、繰入率自体をどうするかということは、これはやはりある程度実態に即したものにしなきゃいかぬと考えております。そういう意味での検討はこれからもやっていかなければいかぬし、これは大蔵省だけでできることでありませんで、関係方面とも十分連絡をとりながら実態に近いものに極力近づけるようにこれからも努力してまいるつもりでおります。
#27
○吉田忠三郎君 これは私は金子大蔵大臣大いに期待したいんですが、積極的に努力をして、その努力をした跡がやっぱり国民の目の前にわかるようになっていかないと、努力しますとか調査研究、善処しますなどということではなかなか一般消費税という段階になりますと、はいそうですかと、きょうも私は本会議で申し上げましたが、そういうことにならないということだけは強く申し上げて、努力することについて期待をしておきたいとこう思うのです。
 それから、一般消費税の問題が大変問題になってきました。そこで、中小企業の企業者の負担が増大していくことははっきりしていますね、何%になるかは別として。この税金を何%かけるのかによってもまた変わってきますが、一応大蔵省がいま宣伝したり喧伝していますものから見ますとどうなんでしょう、小売業者にどのくらいはね返りがあると試算していますか。
#28
○国務大臣(金子一平君) 小売業者に五%の税率で掛けますと、消費者物価全体には半分の二・五%くらいということはたびたび申し上げておる次第でございまして、そういう意味での、これは全般におけるはね返りが小売業者にも当然かかってくると思いますが、納税義務者としての小売業者につきましては、私ども二千万円までは免税しようということになりますから、そういう意味で手間は非常に省けますから格別の負担はないわけでございます。それから二千万円から四千万円までのものは軽減税率を掛けることにしております。大体、二千万円以下の納税義務者というのは課税対象になりそうな全事業者の三分の二と私どもは考えておるわけでございまして、特に零細企業、中小の小の方は必ずしも世間で言われるような大きな負担、手間はかけないで済むのじゃないか、またかけちゃいかぬと私ども考えてやっておるわけでございます。
#29
○吉田忠三郎君 大臣はこれを執行したいという側に立っていますから、私はこれはやるべきじゃないとこう思っていますから、そこのところは大変な食い違いがあるわけですが、しかしまじめな物の考え方としてながめてみますと、大臣どうでしょうか、大臣おっしゃるようになるだろうか。たとえば物価に対してどのくらい上昇するか、経企庁では〇・〇四とかと言っていましたが、そのポイントのことは別といたしまして、物価にはね返ることは間違いございませんね。それからこれは、一般論的に言うと、大衆負担になることは間違いございませんね。それから中小企業など零細企業も含めまして、記帳の事務に全然影響しないということはないのでありまして、中小零細企業はその面だけで大変負担になるわけで、そこのところは大臣と私はなかなか意見の一致しないところではないかと思うが、大臣、たとえばこれは私の試算では、小売の場合売上額が三千万円の場合は四ポイントだけ転嫁したという場合は、負担額は百九万円になるという計算が出てくるんです。だから大蔵省は、この辺、小売に対してどういう試算をしたかということ、これちょっと聞かせていただきたいと思うのです。それから卸売の場合はどうなのかということ、この点どうでしょうか。
#30
○国務大臣(金子一平君) 物価に対するはね返りと申しましても、これはきわめて中立的なもので、一遍こっきりのものと私どもは考えておる次第でございまして、毎年毎年上がる筋のものではないということが一つでございます。
 それからいま、小売の方は平均して百九万円ぐらいの負担増になるぞというお話でございますが、どういう御計算いただきましたか、これまた各方面でいろんな試算がございますので、そういう点は事務当局としても十分詰めてお答えをせにゃいかぬ問題でございますから、詳細また伺わせていただきたいと思うのでございますけれども、記帳の問題にお触れになりましたから申し上げておきたいのでございますが、二千万円なり四千万円以下の小売業、卸業――小売業はこれは非課税なり軽減税率を適用いたしますけれども、大体今度の一般消費税を導入いたしましたときの申告納税の方法は、所得税なり法人税の申告納税と同じやり方をとっておりまして、原則的には売り上げから仕入れを控除した差額に五%なら五%という税率を掛けてはじき出されるというきわめて簡単な課税方式――非課税のものは外してですよ、食料品なんか別ですから。それだけのことでございますので、納税者としては、ヨーロッパでやっておるような付加価値税方式ならこれは大変な厄介な手間をかけることでございますけれども、特に日本ではそういうことを大中の業者の皆さんにお願いすることは無理だという判断のもとに、いま申しましたような簡単な課税方式をとった次第でございます。その点につきましてなお事務当局から詳しくちょっと補足をいたさせます。
#31
○政府委員(福田幸弘君) いま御指摘の計数でございますけれども、小売業の場合に売上高千七百六十四万で二%という転嫁不足という数字は承知しております。それからまた推計で三千万、四ポイントという数字かと思いますが、この辺私の誤解かもしれませんが、そういう転嫁不足の問題であろうと思います。この問題の考え方は確かにいろいろあろうかと思いますが、われわれもまだ計数を前提にいろいろ詰める点がありますので具体的な数字でそれの比較ができませんけれども、考え方として申し上げますと、税率の半分程度が消費者物価に影響するということをまずわれわれ考えておりますけれども、その辺が、前提の消費者物価への影響ということのところで、他の物品税との調整という点がはっきりしていない点が前提の違いにあろうかと思います。
 それから、投資財控除ということをこれはやるわけでございますが、投資財控除をやらないで物価への影響を考えますと半分以上に出てくるというような点で、物価の影響の違いがまずあるような気がします。それで、売り上げにつきましてはデフレ効果によって税率分までは上がらないというような計算をしながら、一方におきまして、仕入れ価格の方は税率分だけ上がっておるという計算ではないかと思います。そうしますと、ここで転嫁不足というような自己負担がふえる。要するに、仕入れの方では高く入ってきて、売る方では、消費者物価への影響の違いの問題もございますけれども、そのままに転嫁し切れないという種のことが問題として一つあると思うのです。やはり仕入れの方でそういうふうに入ってきておれば、売りの方でも転嫁がいくということも一つまた考え方としてあると思います。これも今後検討したいと思っています。
 そういうことと、あとは、さき大臣申し上げましたけれども、二千万というところで線を引くことについてはいろいろ議論がございました。もっと低い方がいいという議論と、もっと高い方がいいという議論と。これは競争条件の問題だと思うのです。競争条件のところの問題として考えますと、まず一つは、先ほどのように、二千万円で外しますと全事業者の三分の二が外れると。非常に、下の方にたくさん零細企業がおるわけでございますね。一方において売り上げの方のシェアは大きくないという日本の零細の実態だと思うのです。で、二千万のところで線を引きますと三から四%ぐらいしか売り上げとしては落ちないのです。そういうことで考えますと、多くの人を外しましても売り上げの方ではそれほど落ちない。これは税収にもそれほど響かないということでもあるわけですけれども。そうしますと、これは競争条件に影響が余りないというふうな見方も同時にできると思うのです。多くの人を外しながら競争条件には余り影響ないということは、また別の言い方をしますと、免税業者の市場シェアがそういうふうに売り上げの面では小さいものですから、そういうことでいきますと、市場価格、マーケットプライスの決まり方は、大部分を制しておる零細でないところの力で値段が決まっていく。そうしますと、そういう免税業者という看板を出しているわけではございませんし、そういうふうに大部分の力関係は零細以外にあるということになりますと、価格がそこで決まりますと、外される免税業者の方はこれはその分利益が自分の付加価値についてはかかりませんから、それだけ相対的に有利になる。仕入れの方には税金かかっていますが、自分の付加価値にはかかりませんから。そうして、売る方の値段はマーケットプライスのマジョリティーで決まりますから、そういう意味で相対的に有利であるということは間違いない〜思うのです。大きな百貨店とかマーケットの方は免税点を下げろということをおっしゃるわけです。というのは、競争条件が攪乱されるから。しかし外されることを零細業者の実態から考えると、やはり余り下に抑えるのは問題ですから、二千万というようなところで外しますとその方々が有利になることは間違いないと思うのですね。ある意味では零細対策がここで行われているというふうに政策的に割り切っていいと思うのです。理屈からいけば、ヨーロッパみたいに、英国は五百万ぐらいですか、あと、フランスあたりだったら二、三百万ですから、もう本当のアルバイトみたいなものを外すという、執行面からだけ外しておるわけです。ですから、ここは日本の零細の実態から二千万、これはわりあい高い数字、しかしこれはマーケットプライスには影響しない。しかし多くの数の方がここで相対的な有利な立場に立つということからいきますと、この二千万を外しておるということは、私は有利であるということは否めないと思います。
 それから、先ほどのこの手続面の問題、落とされた方はもうそれでいいんですが、あと残られた方でまだ小さい方、そこを四千万という二倍のところに線を引きまして、そこに対しましては簡易課税方式ということで売上額かその仕入れ額だけわかればいいというようなやり方で、しかもそれが売り上げか仕入れかは大体おわかりになっておると思うんですが、それがまた所得税負担に影響することのないように、そしてそれを簡易な帳簿で見れるようにするというふうなことを考えたいと思うんです。これは英、独、仏全部やっておりまして、これは中小零細のための対策であるというふうに考えられております。それと、先ほどのように四千万までは税率が徐々に上がっていきますので、そういう意味で負担も軽減されると、したがってこの対策はむしろ中小零細に対しては有利に働くというふうにわれわれは考えます。しかしおっしゃるような転嫁力不足とかいう問題、そういうふうな問題が同時にございますので、それをやはり上回るメリットを免税点及びその他の限界控除、それからいまの簡易課税方式ということで特に力を入れたつもりでおります。
 それから、ちょっと長くなりますけれども、インボイス方式をとってないということでございます。これは事務的にそういうふうに煩瑣な手続を避けたということと同時に、ヨーロッパの場合、インボイス方式だものですから、たとえばデパートに零細業者が納入しようとしますと、デパートの方はインボイスがついてない仕入れですとその税額が引けないわけです。したがって零細から仕入れをしたがらない。したがって零細業者はむしろ登録業者になりたがってくるわけです。そういうことで、零細業者を外したメリットがあらわれないんですけれども、今度はインボイスをとっていませんから、仕入れる方はどこから仕入れましてもその仕入れに対しましては、たとえば五%の税金が入っておるという扱いで引けますので、そういう意味で取引の中途に入ってきましてもはじき出されることのない、ヨーロッパみたいなインボイスのために後で、取り戻し効果とわれわれ言うんですが、そういうことのないように外された零細業者の有利な立場がそのまま続くようにということまで考えておるわけでございます。
#32
○吉田忠三郎君 大蔵省の説明は説明なりに私ども理解できないわけじゃない、それは理解するということは賛成するという意味じゃなくて、まじめな議論をする態度から理解するということになるんですが。
 これは小売それから卸売業、製造業、サービス業、それぞれやっぱり違ってくるわけですね。これ私は私なりに、でたらめに積算してみたわけではなくて、使ったデータは個人企業経済調査年報ですね、これは一九七七年度版でございますが、総理府の統計局なんですね。この第一表の営業状況というものから一つとってみたんです。第二表の方の産業特殊中分類別の営業状況、この二つをとって、そして細かな数字ありますが、たとえば製造業であれば一から9まで、それから小売業、飲食店、サービス、旅館及びその他の宿、洗たくから理容、浴場業まで入った細かな、老眼鏡をかけないとぼくは見えないぐらいの、これをデータに使ったんですが。ですから、全くぼくは反対の立場をとっていますから、反対せんがためのデータでこういうものを使ったということではないんで、この点は理解していただきたいと思いますが、しかしそのとり方によってはいろいろあるわけですから、それはいま答えられたようなとり方もあるであろうが、これは追って、私は時間がありませんから、大蔵委員会でもう少し詰めた議論をしたいと思うんです。大蔵省がいま答えられたようなものを出すもとになる資料、積算されたデータがあると思うんですね、それなども資料として大臣’私どもに提示していただきたいと思うんですが、どうでしょう。
#33
○政府委員(福田幸弘君) いまの数字はいろんなおっしゃるような細かな数字になっておると思うんですが、むしろ考え方の問題が大きいと思います。そこで売上高が、小売と卸と製造とございまして、あと転嫁不足が小売と卸、製造でそれぞれ違うというふうなことで、製造の場合でも千五百万で一%、この辺は転嫁不足が生ずるということの考え方のところがやはり差があるかと思います。ですから、計数的にそこで転嫁不足が生ずるというふうに考えるかどうかの問題であろうかと思います。
 それからもう一つ、これは御意見違うところかと思いますけれども、これはちょっと話が違ってくるかと思うんですが、所得税の増税というふうな問題との比較になりましても、このデフレ効果という問題は同じ問題になってきますし、特に法人税でこれ上げますと、ここで企業への影響は、もろに企業自体の負担になってきますので、これはちょっとわきにそれて失礼なんでございますけれども、企業への負担という点からいけば、転嫁を予定した税金の間接税の方がむしろ比較的には自分の負担という意味では相対的に有利であろうという感じもございます。
 ちょっと話だけ……。
#34
○吉田忠三郎君 時間はまだ大分あるんだけれども、私の所用の関係で間に合わなくなるので、最後に一問だけ金利のことで聞いておきたいと思うんです。
 この間も質問しまして、中小企業に対する中小公庫であるとか国民金融公庫、俗に政府三庫と言いますが、そう言われておる機関、それから商工中金もそうでありますが、多少この金利下げましたけれども、まだやっぱり金利が高い。そのことをいま答え求めようとしているわけじゃないのですよ。そこはいいんですが、一番問題になるのは、これは銀行局長、これも非常にむずかしい問題だと思いますが、昭和四十九年から五十年ころに借りた金ですね、このころの金、当時金利が高かったわけでしょう、いまは下がっています。これ実態を調べてみますと、約一〇%から一二%ぐらいになっているわけですよ。もうさなきだに中小零細企業というのは大変ですわね、金融そのものもそうだし、金利負担というのは大変ですから。これは大企業だってある意味においてはそういうことが言えると思うんですが、しかし大企業にはやっぱり金利は非常に安い金利になっていますね。これはそのことをいいとか悪いとか言いませんが、なっているんですね。だから、せめてやっぱり私は中小零細企業の、最前申し上げた時期の金利は大企業並みぐらいにしないと、せっかくこの四年間も五年間も不況、いろんな苦労をされまして、倒産免れてきたわけです。その一面は当然行政の皆さんの目に見えない御努力あるいは助成もあったと思う。そのことはそのこととして私認めますけれども、どう考えてみても、私もいま中小企業の、皆さんの指導受けまして、多少団体を組織して指導もしてみていますが、何としても四十九年から五十年くらいの間の融資を受けたものに対する金利負担というようなものについては理解できないし、納得できないし、これでは大変だというふうに思うんですが、銀行局長どうですか。
#35
○政府委員(徳田博美君) 確かに先生御指摘のとおりでございまして、四十九年ごろにはまあ九・九%というような金利が中小三機関では出ていたわけでございます。この貸し出しが依然としてまだ残っている部分があるわけでございまして、先生御指摘のとおり、まだこの八・二%を超える金利が中小三機関で五十三年十一月末で二二%残っているわけでございますが、これにつきましては、これはもう先生十分御承知のことと思いますけれども、不況産業に属する赤字企業については引き下げを行っているわけでございます。それ以外のものについても引き下げを行ったらどうかというお気持ちは非常によくわかるんでございますけれども、それ以外につきまして全部引き下げを行いますと財政負担もかなりになりますし、黒字の企業にまで財政負担をあえてして下げるのがどうかという問題もございます。それからまあ金融引き締めのときには高い金利で余りまあ借りていただきたくないときに、なおそれでもいいというんでお借りになったような金利が後になって下がってしまうというんでは、今度は金融引き締め策としての効果がどうかという問題もございまして、この点はまあそういう関係がございまして、非常に引き下げにくい面があるわけでございます。ただこれも、この前お答え申し上げましたけれども、個々の企業で非常に経理が苦しいとか、あるいはいま金利負担が大変だということで、経理がたとえば赤字になっているというような場合には、たとえ不況業種に属さない企業につきましても、個々に御相談申し上げて条件改定をやらしていただきたい、このように考えておりますので、その点をひとつ中小企業の方も十分御利用なさっていただいたらよろしいんではないか、このように考えております。
#36
○吉田忠三郎君 それは銀行局長、銀行局長が答えればそういうことになるだろうな。しかしこの四十九年、五十年といったら、これはオイルショックのさなかでしょう。本来、中小零細企業といえども金融的な力さえあれば自己資金使った方が利潤コストが高まっていくわけですから一番いいんですが、それでもいいから貸してくれと言うんだから貸したと、こういうことじゃなくて、それをやらなければあの混乱期乗り越えていけないもんだから、金利高いのを百も承知でやはり借りてやっていると、こういうことでしょう。だから、利潤上がって黒字出しているところは、これはまあ別といたしましても、大半はどうですか、中小零細企業はこの時期どうですか、オイルショックのときとそれ以降のこの四年間の不況の間に黒字決算しているところは余りないんじゃないですか。あったらぼくはこういう問題あなたに聞きませんが、もうちょっとぼくは工夫してみる必要があるんじゃないかと思うんですが。
#37
○政府委員(徳田博美君) ただいま九・九%と申し上げましたのは民間の長期ブライムの最高でございまして、中小三機関は最高九・四でございましたけれども、まあいずれにしてもそのときに、確かにそのときそのときの資金繰りでどうしてもやむを得ず借りたという企業も、中小企業でございますから、かなりあったと思います。その場合に、いま先生御指摘のように、現在そのために経理が赤字になっているというような場合につきましては、先ほど申し上げましたように、この点につきまして中小三機関にも弾力的に対処するように再三いろいろ示達してございますので、本当に赤字の企業であれば金利の低減であるとか、あるいは返済の猶予であるとか、そういうもので対処していきたいと、このように考えております。
#38
○吉田忠三郎君 銀行局長、大いにそれでやっていただきたいと思うんです。ところが、どこの金融機関だって、特に政府三庫といえども、赤字が出ておるやつを、今度は金利どころか、運転資金にしても、あるいは設備資金にしても、とても君んところ赤字だからそれはあかんということで、条件満たないと、こういうイタチごっこのような状態ですから。実際、あなた、大蔵省の局長室におって机上でこうやってるようなものじゃないですよ。金利負担との関係は。いわんや、市中銀行、都市銀行等々では、もうはるかに政府三軍から見ると悪い条件になってるわけですよ。ですから、もうちょっと実態を把握をして、この間も聞いたように、中小企業というのは、まあこの間ちょっと経済企画庁では数間違ってぼくに答弁しておりましたが、いずれにしても生産は五三%くらいになっておるでしょう、わが国の産業生産の中で。欠くべからざる企業だと思いますよ、産業構造の中では。ですから、そういう点をも考えつつもうちょっと血の通ったような温かい具体的なぼくは手だてをする必要があると思いますよ。答えはいまここでもらおうとしませんが、まだ消費税の問題等もありますから、大蔵委員会でぼくはもうちょっと、その実態をここに調べてありますから、その実態を申し上げながら、あなた方に御検討を求めていきたいと思います。
 以上で終わります。
#39
○主査(瀬谷英行君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#40
○主査(瀬谷英行君) それでは速記を起こしてください。
#41
○矢追秀彦君 最初に、質問通告をしていない問題で恐縮ですが、まあけさの報道によりますと、西ドイツが公定歩合を一%上げるということになっておりますが、まあこれはインフレに対する警戒ということで公定歩合を上げたと、こういうことでございます。で、まあ私はきのうの朝もこの分科会で卸売物価の上昇、また消費者物価、特に製品がいろいろ上がっておる、その中にかなり買い占め、売り惜しみが実際問題として出てきておると、これはまた昨日の午後の大蔵委員会におきまして総理に対しても質問をいたしましたが、私はすぐ金融の引き締めをやることがいまいいのかどうかという点については、景気は回復しつつあるというものの、まだ資金需要としてはそう出てきていないように私は思います。したがって直ちに引き締め、西ドイツが上げたから、だから日本も物価ということを考えて早急に締めた方がいいということには、ちょっと私はまだためらいを感じておるわけですが、まあ大臣または銀行局長お残りいただいて恐縮ですが、どのようにお考えになっていますか。
#42
○政府委員(徳田博美君) 西独はいままで非常に公定歩合が低かったわけでございまして、三%でございましたが、今度四%に引き上げたわけでございます。もちろん西独の引き上げにはそれなりの経済的なあるいは金融的な背景があったと思いますが、ただ日本の場合には、これもかねがね申し上げておりますように、金融面では確かにM2の上昇は一二%台で昨年六月以来推移しておりますけれども、そのM2のマネーフローの増勢と申しますのは、昨年は対前月比一・三%ぐらいの増勢もあったときもあったわけでございますけれども、現在はそれほどこのまま一二%台を突破して一三%台になるというような情勢では必ずしもないわけでございまして、一二%のむしろ低い方で推移するというような情勢にもあるわけでございます。
 また物価にいたしましても、確かに卸売物価はここ数カ月来上昇を続けているわけでございますが、その内容を分析いたしますと、必ずしも国内要因あるいは金融面の要因によるものばかりではないわけでございまして、やはりこの際は景気回復に向かっている経済全体の体調を維持すると同時に、しかし物価の動向にも非常に警戒を払いながら、いわば警戒中立的な形で金融政策を維持するのが適当ではないか、このように考えているわけでございまして、具体的に、これは日本銀行のことでございますが、公定歩合であるとかその他の施策をやるような時期ではないと、そのように考えております。
#43
○矢追秀彦君 この間から予算委員会の議論等を聞いておりますと、私、率直な感じで、あるいは当たっていないかもわかりませんが、日銀の方はかなり物価に対する警戒心が大変強い。したがって金融面の窓口規制を初めとしたいわゆる引き締め政策をかなり積極的な姿勢でやろうとしておる。しかし大蔵省の方はまだそこまでには至っていない。何か少しずれがあるような感じを受けるんですが、この点大蔵大臣いかがですか。
#44
○国務大臣(金子一平君) 最近の状況につきましては、日本銀行と私どもとの間に認識の相違はございません。ただ、基本的な考え方として私ども念頭に置いておりますのは、たとえば石油ショック時代の当時の国内、国外の情勢といまと大分違っておるわけです。国内の経済情勢から言いましたら、当時は列島総改造というか、大変な人気をあおっておる時代でございました。今日はまだ、むしろもっと積極的に民間投資が出てくれぬかということで私どもは待望し、期待をしているような段階でございまして、ようやく民間の動意が少しずつ出始めたかなというような感じのときでございます。また海外の経済情勢について見ましても、まあ西独等多少伸びてきておりますけれども、ヨーロッパ全体が。アメリカは下期少し下降期に入るんじゃないかというような動きも出ておるような状況でございまして、一部、もちろん委員会で御指摘になっておりますような卸売物価の相当な騰勢は見られますけれども、これがまだ消費者物価にとても連動するようなところまではいっておりません。もう少し民間の活力がもりもりと動き出すまではいまの低金利政策を維持していいじゃないか。ただ、きのうも矢追先生御指摘になっておりますように、二次製品にいろいろ波及してくるなんということになると、これは大変なことでありますから、やはりそういう場合には適切な、この前のような後追い政策じゃなくて、先手、先手と打っていく機動的な対策は政府、日銀としてもこれは十分必要だと考えておるわけでございまして、そういう手段の一つとして、日銀当局としては窓口規制をやろうということを決意されております。これはわれわれは、それはそれで相当の効果を上げていただけると期待しておるわけでございますけれども、しかしプライムレートを上げる、長期金利を上げるという段階はまだ考える必要ないんじゃないか、こういうことでございます。
#45
○矢追秀彦君 私もいますぐプライムレートを上げろと言っているわけじゃないんで、いま土地に対してはかなり窓口規制等やられるということになっておりますが、きのうから言っております、資金がある程度あると何らかの形で借りておいて、それをいわゆる買い占めに投資をしていくという、この点は私は防止をしてもらいたいと思うんですが、銀行局長、これはできますかね。私のところへもある人から来まして、この間相談あったんですけれども、私はこんなことはけしからぬから、そんなことはだめだと言ったんですけれども、実は塗料の買い占めをやりたい、一億円ぐらい金欲しいんだと。どこか融資の世話してくれぬかと言うのだね。ちょっとお門違いじゃないかと。おれが買い占めのお先棒を担いで政府機関なり銀行なりに口きいたら一体どんなことになるんだと。そんなものはだめだと言って門前払いを食らわしたんですが、そんなことを現実に悪徳業者というのは考えておるわけですね。そういう場合に、果たして銀行の窓口で、これは買い占めに使われそうだと、やれ在庫調整とかなんとかいう美名に隠れて、そういうことが見破れればいいんですけれども、その点がわからなかった場合、また前回のオイルショックがあるだけに悪徳業者というのは相当また知恵を働かして先々手を打ってきていることは事実なんですね。そういう点で局長いかがですか、そういった点の規制というのはできますか。
#46
○政府委員(徳田博美君) 企業の場合には全体の資金繰りの中で、いま先生も御指摘のようないろいろな商行為をやるわけでございまして、したがって銀行と申しますか、金融機関の窓口だけでそれを把握し、それを抑制するということはかなり困難ではあると思いますけれども、しかし御承知のとおり、今度は日本銀行による窓口指導につきましても前年同期比一〇%を若干超える削減をしたわけでございまして、そういう意味で金融機関の窓口における貸し出し態度もこれからはかなり変わってくることが期待されるわけでございます。したがいまして当然いままでと違いまして、窓口における審査面もそのような面、投機的な、あるいは不要不急のような資金につきましては、当然これを窓口において抑制するということは考えられるわけでございまして、量的にそのような面で規制いたしますとともに、今後とも金融機関に対しましては、物価騰貴あるいは土地投機を誘発するような融資をすることのないように十分に指導はしてまいりたいと思っております。
#47
○国務大臣(金子一平君) 簡単に金融の規制だけではいまの問題片づかぬと思うんです。きょうも通産大臣本会議で申しておったかと思うんですが、本朝の閣議でも通産本省と地方通産局とがタイアップいたしまして、いまの買い占めその他の動きが出るような気配がありましたならば、それは機を逸せず対策をとるし、それから各業界に厳重な警告を発するようにいたしますということで、通産省は通産省なりに、経企庁は経企庁なりにいろいろ対策を講ずるということを言っておりますけれども、御指摘の点は大変大事なこれからの政策として重点的にやっていかなきゃいかぬことでございますから、私どもも政府全体としてこの問題は十分注意をしてまいりたいと考えております。
#48
○矢追秀彦君 ぜひ、実際もう始まっておりますので、先手を打っていただきたいと思います。
 次に、税収の見込みについてお尋ねをいたします。
 租税、印紙収入が秋口からかなりふえてまいりまして、月を追って前年度比伸び率が高まっております。その結果、累計収入歩合も、五月分税収の年度所得区分を改正しないこととした場合で前年水準を上回ってきております。秋口までの歳入欠陥が大変心配されたときとは打って変わった状況になっておるわけですが、この好調な税収の推移はどこに原因があると見られておりますか。
#49
○政府委員(高橋元君) いまお話のございましたように、一月末までの税収の実績は、昨年の進捗歩合を一ポイント上回っております。昨年が七八・四でございましたが、本年の一月末でそれに対する進捗歩合は七九・四でございます。いまもお話がございましたように、昨年の秋ごろまでは相当予算を下回った進捗を続けてきたわけでございますけれども、十月ごろから法人税が前年に比べて伸び率が好調になってまいりまして、予算額を上回るというようなことが大体予想できるような状況になったということでございます。
 その原因でございますけれども、税目別に見ますと、法人税収の好調ということが申し上げられると思います。これは昨年に比べて、再び進捗歩合で申し上げますと三・四ポイント上回っております。それで法人税収の基調が秋から変わってまいったということは、一つには景気が上向いてまいったと申すんですか、法人の収益が好調に転じてまいったということでございますので、中間納付の税額に比べて確定申告税額がふえますので、したがってその入ってまいります申告税額という意味で伸びが出てくるということが一つあります。しかしながら全体として法人の収益状況がよくなってまいったということも事実でございまして、まあ減収増益と申しますか、売り上げの伸びがそれほど大きくないのに円高による原材料コストが下がってまいるとか、企業側が減量経営をしていくとか、それから金利負担が軽減されると、こういったことから法人税収が好調になったということがその原因であろうと思います。ただそれが、先ほども申し上げました中間納付の税額が少なかったために確定申告の場合の税額が多くなったということがございますので、これがどれだけ今後の水準として予測できるかという問題が一つ残っておるように思います。
 後は消費、なかんずく自動車の出荷が非常に好調でございますので、物品税収がかなり前年を上回っておりまして、一月末で申し上げますと、進捗率で六・二ポイント上回っております。比較的金額の小さい税目では有価証券取引税が証券市場の好調に支えられて、これはもう前年の六割増しぐらいの勢いで入ってきておると、こういうことが言えると思います。
#50
○矢追秀彦君 五十四年度の税の説明によりますと、五十三年度補正後の租税、印紙収入は二十一兆一千五百億円となっております。すでに一月分までの収納が十五兆一千八百五十八億円で、残りの月が前年並みとして四兆円、さらに五月分税収二兆円を合わせて六兆円入り、五十三年度は十分見込み額を達成できると、こういうことになるかと思いますが、自然増収はどれだけ出ると予想できますか。
#51
○政府委員(高橋元君) 大変むずかしい御質問でございます。
 現在の大ざっぱな感じは、先ほども申し上げたことでございますけれども、補正後の予算額を上回るであろうというふうな考え方を持っております。しかし三月の十五日までが期限でございました確定申告の税収がどれだけになったか、その中に土地の譲渡等が主たる原因になりますが、譲渡所得分がどれだけ入っておるか、この辺が不確定要因として一つ大きく言えると思うんでございます。この結果はまだ私どもとしても集計もできておりませんといいますか、まだ情報が集まってきておらない状況でございます。
 それから、十二月決算以後三月決算までの法人税収、とりわけて大きな税収のウェートを占めております三月決算分の五月税収、これが経常利益の伸びが民間の調査機関によっていろいろな数字が出ておりまして、ほぼ前年を一割のオーダーで上回っておるということでは一致しておりますけれども、予測がまちまちでございますし、昨年の五十二年度は景況が悪かったものでございますから、企業が決算利益を出すために資産処分益を計上したというようなことがございまして、今期では恐らく特別利益を計上するということがないんであろうというふうに予想されておりますので、そういうこともございまして、今後の決算に基づく法人税収の収納の見込みというのはなかなか立てがたい、いろいろな計算をやってみまして、数字ができないことはないんでございますけれども、いまの段階で、私ども補正後予算額を上回るであろうという大ざっぱな感じ以上にいかほどであるかということを申し上げるのはお許しいただきたいというふうに思います。
#52
○矢追秀彦君 私は、三千億ぐらいいくんじゃないかと思っておりますが、いま発表できないということですから次の問題に入ります。
 五十三年度は十三カ月税収で十二カ月税収に調整した場合、五十三年度補正後は十九兆千三百六十億円、十二カ月で見た場合の自然増収、これはどれぐらいになりますか。
#53
○政府委員(高橋元君) 一月までに十五兆一千八百五十八億収納いたしました。それから二月から四月までが、昨年の税収の収納実績が三兆七千四百二十一億でございます。これ二つを足しますと十八兆九千三百億弱ということになりまして、十九兆一千三百億という本年の十二カ月分の税収よりは二千億ばかり下回るという状況でございます。
 先ほど申し上げましたように二、三、四月、法人で申しますと十二月、一月、二月決算の法人税収、それから三月の申告所得税はほとんど即納分はございませんでしょうが、大きくないんでございましょうけれども、その辺の見通しがつきませんと、十二カ月分としても幾ら上回るということを申し上げるのはちょっとこの席でお許しいただきたいと思います。
#54
○矢追秀彦君 五十一年以降の租税、印紙収入のGNPに対する割合を算出をしてみたのですが、租税、印紙収入が五十一年で九・一%、五十二年で九・一%、五十三年補正後十二カ月で九・〇%、所得税は同様に三・六、三・四、三・六と、このように各年を追ってなっております。それから法人税は二・八、二・九、二・七%と、こうなっておるわけでして、この中で法人税の好調を反映して五十三年度の二・七%というのはもう少し上がるのではないかと、このように思うわけですが、大蔵省としてはどのように見ておられますか。
#55
○政府委員(高橋元君) 法人税が補正後予算額を上回るであろうということは私どももほぼ確かであろうと思っております。一月末の進捗割合で前年度比、さっきの繰り返しになりますが、三・四上回っておりますので、これから先も大体上回っていくであろうということは言えると思います。
 五月分の取り込みをいたしました法人税を外しまして、十二カ月分の法人税収が最終的にどうなるかということについては、繰り返しになりますけれども、不確定要因が多くて計数的に申し上げられないと思いますが、五十二年度の名目GNPがことしの経済見通しの実績見込みのように二百十一兆八千億という想定を置きますと、法人税収の名目GNPに対する比率も若干上がるという理屈になるんだと思います。しかしながらさっき申し上げますように、法人税収が十二カ月分で幾らになるかということもよくわかりませんし、またそのGNPが幾らになるかということもはっきりしません。二・七を上回る可能性はあろうと思いますけれども、それを数字的にお示しすることはいまの段階では私どもにはちょっとその能力がないわけでございます。
#56
○矢追秀彦君 五十四年度の税収見込みですが、五十三年度実績の見込みが基準になってできてくるわけですが、夏までの税収の推移から今度の税収見込みというのはわからないわけじゃないんですが、ちょっと五十四年度の見込みは、予算編成時のときまでの状況であればある程度はしようがないかなとも思いますが、すでに秋口から上がってきておる景気の回復基調から見て、もう少し上げておいてもよかったんじゃないかと思う。少し見込みとしては低過ぎたのではないかと、こう思うんですが、この点はいかがですか。
#57
○政府委員(高橋元君) よく御指摘をいただいておりますが、五十四年度の見込みのGNPに対する租税の弾性値が〇・八程度でございまして、非常に低いんではないか、したがって最近の景況からしますともう少し五十四年度の税収の見込みが可能であったんではないかということでございます。そういうお尋ねであろうと思います。
 それで、私どもいろいろな角度からマクロ的にも推計もいたしますし、各税日ごとに要素を積み上げて推計もいたしておりまして、税収予算の中でお示しいたしております税収額は、各税日ごとに算定の基礎になります要素を積み上げて、経済見通しとの突合を図った上で出しておるわけでございます。したがって法人税について申しますと鉱工業生産指数、それから為替要因を若干調整いたしました卸売物価、それからいわゆる所得率と申しますか、企業の収益率の変化率、こういうようなものを使いまして算出をいたすわけでございます。
 経済見通しがどういうふうに変化するか、現実に達成される五十四年度の経済がどのようなものになるかということでございましょうけれども、そこが五十四年度現在の政府見通しと同じベースを基礎にいたします限り、法人税収につきまして私どもはいま国会に予算でお出しをいたしておりますその税収を上回るという要因があると判断することは大変むずかしいんじゃないかと思うんです。
 先ほども申し上げたことでございますけれども、法人税が九月ごろからかなり好調になってまいりましたけれども、この中には中間の確定申告のずれと申しますか、そういう要因もございます。年度を通じて見るとそこは一緒になりますから、下半期分はそうでございませんけれども、上半期分には、ことにそういう要因が多いということもございますので、今後とも法人の収益状況が現在の法人税収を生み出すほどの力を持ち続けるかどうかという見通しの問題もございまして、まあいまの御指摘の点よくわかるわけでございますけれども、私どもとしては適正な見積もりという形で御審議をいただいておるものということでございます。また五十四年度の予算編成のような御承知のような状況でございましたので、税収をあるいは下目に見積もってというような余地は全くなかったわけでございまして、経済見通しに沿ってできる限りの税収を出して、国債発行額をできるだけ減らすと、こういう方針で予算の見積もりも作成をさせていただいておった次第であります。
#58
○矢追秀彦君 いまいろいろおっしゃった点私全然理解しないわけではないんですが、五十四年度税収の対GNPは租税、印紙収入で九・三%、所得税で三・六%、法人税で二・八%となりまして、所得税は五十三年度補正後十二カ月並み、法人税は〇・一ポイントアップ、こういうことになるわけですね。対GNP比〇・一%当たり約三千億の税収に相当するわけですから、そうしますと、最近の法人税収の好調な伸びから見ましても、やっぱり五十四年度はもうちょっと見込みがふえるのではないかと、まあこう思うわけですが、これはいまさつきいろいろ出ておりますので、あえてこれに対しての答弁は伺いませんが、さらに所得税は一月分発表時で収入歩合は十二月対比七三・六%と前年水準に戻っております。五十三年度の所得税は当初に比べ補正後において三千億円、これは特別減税分、減額をしてGNP対比三・六%、こうなっておりますが、当初見込みは確実と見られるわけです。当初のGNP対比は三・八%ですから五十四年度も同じ三・八%だとすると、あと六千億ふえると、こういう計算になるわけですね。こういう仮定といいますか、計算してみたんですが、これに対してはどうお考えになりますか。
#59
○政府委員(高橋元君) 所得税についてのお尋ねでございます。五十三年度の源泉所得税は一月末で前年の収納割合をかなり下回っております。マイナス二・五%ということでございます。申告所得税は一月末でプラス四・〇となっておりますけれども、これは中間の税でございますから確定申告で清算をされてしまいますので、申告所得税が前年を上回っているから所得税収が本年度全体といたしまして予算額を上回るかどうかということは材料にはならないように思います。そこで、源泉のつまり給与と利子、配当でございますけれども、所得税収が進捗率から見まして予算額を下回る勢いにあるということは原因が二つあると思います。一つは給与の伸びが余り大きくなかったということでございます。もう一つは、このところ昨年、一昨年と行われました金利の引き下げの影響が出てまいりまして、利子所得の減少ということがあるわけでございます。その二つの要因で源泉所得税収は予算額を下回ることになるというふうに思います。ことに五十四年度となりますと、過去の預金金利の引き下げの影響がかなり大きく出てまいるということが予想されるわけでございます。それから雇用者所得、これは全体として人員で一%、それから一人当たり雇用者所得で五・九という形で見込んでおることは御高承のとおりでございますけれども、そういう形で雇用者所得の伸びも低いものでございますから、五十四年度の所得税収についていま仰せのような大きな伸びがあろうというふうには私どもには考えられないわけで、今後の賃金なり金利の動きによりますが、金利はほとんど過去の金利が利子所得になって出てまいりますから、こちらの方には余り期待が持てないというふうに思います。
#60
○矢追秀彦君 いま局長はそう言われますが、私いま申し上げたような計算でやったわけですから、ここまでは仮にいかない、いろんな今後の要素はわかりませんけれども、単純計算するとここまで来る、だから見通しとしては低かったんじゃないかと、こういうふうに言っておるわけですが、その次に弾性値を算出いたしますと、所得税は一・〇一となって、国民所得の伸びしか税収がふえない。しかしことしは特別減税もまた物価調整減税もないわけですから、わが国の税の累進構造、ビルトイン・スタビライザーはかなり効き目がいいと、これは大蔵省自身もおっしゃっておるわけですので、そういうことから考えても、私は所得税がもうちょっとふえるのではないか、こう考えるんですが、いかがですか。
#61
○政府委員(高橋元君) 繰り返すようで恐縮でございますけれども、金利の低下の影響が五十四年度に出てまいります。したがって源泉所得税の伸びが悪いということを申し上げました。その点を補正をいたしますと、〇・八と申し上げています全体の税収の弾性値はそれよりはかなり高く、〇・九ぐらいになるかと思いますが、かなり高く出てまいります。それで、雇用者所得の伸び等を仮定のものを入れてやってみますと、所得税の税収見積もりの弾性値はそういう要因をかぶっておりますから低く出ておりますけれども、見積もりとして特に低く見ておるというふうには私どもは考えておらないわけでございます。法人税にいたしましても、所得税にいたしましても、税収という面ではかなり基幹的な大きな税金でございますから、経済見通しの諸元を使いまして、私どもは非常に無理のないところと申しますか、かなり妥当な線を出しておるというふうに思いますけれども、今後の経済情勢の推移によりまして、経済見通しで見込んでおります経済成長のあり方よりも変わってまいります場合に、そこには上にいけば確かにいま委員から御指摘のように自然増収というものも出てまいると思いますけれども、六月になりませんと五十四年税収というのは実はわからないわけでございます。六月以降来年の五月までの税収の足取りを見ながら、また経済の推移を見ながら今後のことは考えていくということであろうかと思います。
#62
○矢追秀彦君 低目に見ていないと言われておりますが、大蔵大臣、私いろいろいま議論いたしましたように、何か過去の大量の歳入欠陥がありましたので、そういった点で見通しが、仮に欠陥の方にいくと大変まずいと、ふえる分には結構だと、そういう意識が大変強く働いて最初から低目にしておくと、こういうふうな大平さん独特の手がたいやり方というような気がしないでもないわけですけれども、余りこれ低目、低目に見て、当初で大量の国債発行があるし、結局実績の決算処理において国債発行の減額、国債発行の縮減や財源のやりくりを図っていくと、こうなりますと財政民主主義の上からいってちょっと不明朗になりはせぬかと、こう私は思いますので、こういった質問をしてきたわけですが、あくまでも当初の予算編成時における経済見通し、そしてその計算ではやはり低目でないと、こう言われると思いますけれども、私はちょっと低過ぎたんじゃないかと、こう思うんですが、いかがですか。
#63
○国務大臣(金子一平君) 何とか正確な数字を出したいということで大蔵省毎年毎年努力してまいりましたが、石油ショック後毎年二兆円、三兆円というような歳入欠陥を出したことは御承知のとおりでございます。だからといって、次年度の予算編成のときに少し見積もりを低く抑えたということは決してないんでございまして、当時の経済情勢からいって、この三月に史上最高の決算になるなんということはだれも考えなかったことですから、ここのところとにかく去年あたりからの予算編成、予算編成と申しますか、刺激的な予算を組んだり、補正を組んだりした効果が少しずつ出てきたということでございまして、どうやら歳入欠陥を出さぬで済ませそうだなあという安堵感をいま覚えている程度でございます。どの程度出るかわかりませんが、決して矢追さんのおっしゃるように、低目低目というような気持ちで毛頭やっておるわけではございませんことをつけ加えて申し上げておきます。
#64
○矢追秀彦君 もう時間がなくなってきましたので、次の問題――また改めて次の何かの機会に譲りたいと思いますので、大まかに簡単に質問をしたいと思います。
 五十四年度の財投原資のうち、資金運用部資金は十五兆千六百六十七億円、そのうち回収金及びその他が五兆三千百六十七億円、これ従来に比べて、大変金額が大きくなっております。回収金が三兆九千四百六十四億円、当初ベースで前年比五三・八%ふえて、四十八年度の三四・七%以来最高の伸びとなっております。財投全体の原資に占める割合も四十九年度の一五・三%から二一・五%へと上昇をしておりますが、この五十四年度回収金をこのように大変伸ばされた原因は何か。今後資金運用部の回収金がこういう数字で伸びていくのか。それから私四十八年からずっと当初と実績をとってみましたが、当初ベースと実績に大きな乖離があるわけです。四十八年度では一兆二千七百九十四億円が六千二百七十二億円、ちょっと飛ばしまして、五十一年度は一兆八千百九十億円が二兆五千六百四十九億円、五十二年度が一兆九千九百六十億円が三兆二千百九十三億円と当初と実績の差が非常にひどいわけです。これがどういうところにあるのか。それから五十二年度の資金運用部資金の繰り越しが二兆一千八百億円と、五十一年度の一兆四千六百九十一億円に比べて異常に繰り越しが大きい。これが、その回収金が異常にふえたことと関係があるのかどうか、そういった点時間がありませんので、この程度にきょうはいたしますが、この回収金についてちょっと私、説明がまだまだ足りないのじゃないかと思いますので、そういった点も含めまして御答弁いただきたいと思います。
#65
○政府委員(吉本宏君) 資金運用部資金は、現在財政投融資計画やあるいは国債の引き受けという形で運用されておりますことは矢追委員御承知のとおりでございますが、これは長期運用法に基づきまして国会の議決もいただいておるわけでございます。ところが、最近、特に五十一年度以降、地方財政対策といたしまして、交付税特別会計に対する貸し付けというものが、これは形は年度越しの短期ということで貸し付けが行われるようになっています。最近の数字を申し上げますと、本年度は二兆二千億円、昨年度が一兆五千百四十億円、こういうような数字になっております。そこで、こういう財政投融資以外の運用に対して若干の資金の留保をしなきゃいかぬ、こういうことでございまして、この五十三年度におきましては資金運用部の回収金の一部をこういう交付税特別会計に対する貸し付けのために留保をしておったわけでございます。
 ところが、五十四年度におきましては、郵便貯金や厚生年金あるいは国民年金の原資の伸びが多くを期待できない、そういう中にありまして資金運用部は財政投融資計画、さらに国債の一兆五千億円の引き受け、こういった資金需要にこたえていかなければならない。こういうことで、五十四年度におきましては、資金運用部の回収金を目いっぱい見込みまして、この長期運用資金の充当に充てたわけでございます。こういうことで、結果的に五十二年度と五十三年度を比較した場合におきまして、この回収金の伸び率がかなり高くなった、こういうことでございます。
 で、基本的には回収金の当初計画と実績との乖離――差は、いわゆる繰り上げ償還とか、あるいは見込みを上回る回収金があった、こういうことでございますが、最近の五十二年度並びに五十三年度の回収金の当初並びに実績の乖離は、そういったやや特殊な原因に基づいておるということを御理解いただきたいと思います。
 それから次に、五十二年度の資金運用部資金の繰り越しが二兆一千八百億円ということで、かなり多かったではないか、また五十一年度の一兆四千六百九十一億円に比べて非常に大きくなったのは、回収金がふえたことと関係があるかと、こういう御指摘でございますが、これは関係はございません。二兆一千八百億円ということで、このうち地方団体に対する貸し付けが一兆三千九億円、その他政府関係機関等に対する貸し付けの繰り越しが八千七百九十一億円、こういうことになっておりますが、これは五十三年度初めに金利の全面的な改定が予定されておりまして、これはいわゆるその金利の引き下げでございます。そういったことで、金利が下がってから借りようということで、五十一年度、五十二年度におきまして、特に地方団体に対する貸し付けの繰り越しが非常に多かった、こういうことでございます。これは五十三年度に入りまして、四月ないし五月におきまして地方債の消化はほとんど行われておりまして、繰り越しが消えておる、こういう実態でございます。
#66
○矢追秀彦君 この回収金の中には、貸出金が満期となって戻ってくる、いわゆる純然たる回収金だけなのか、あるいはその各機関の不用額等も入ってきているのか、そのどちらですか。
#67
○政府委員(吉本宏君) ここに申します回収金はいわゆる貸出対象機関からの回収金だけでございます。したがいまして不用額等は入っておりません。
#68
○矢追秀彦君 いま言われたように、各機関の不用額が入ってないとしますと、財投原資の国会に提示してある資料の資金運用部資金の中では、どの項目に入るのですか。
#69
○政府委員(吉本宏君) 五十四年度におきましては、先ほど申し上げましたように資金が非常に窮迫いたしまして、その資金手当てにいろんな方法を考えたわけでございますが、特に五十三年度に発生を予定しております回収金約一兆円につきまして、これを五十四年度の長期運用計画の原資に充当しております。これはどこに入っているかと申し上げますと、資金運用部資金の、言うなればその他の欄に入っておる、こういうふうに御理解いただきたいと思います。したがいましてその他の中には、回収金とその他の預託金並びに前年度の不用額の持ち越し、こういったものが含まれているということでございます。
#70
○矢追秀彦君 これは大臣、最後に御検討いただきたいんですが、いまその他に入っておるということですが、もう少し、いまのようなごっちゃではなくて、回収金というのも、こういうふうな巨額の金額になってきておりますので、ゆるがせにできないと思いますから、やはり私たちが見てわかるように、もう少しこのその他の中ではっきりしていただきたいと思うんですが、その点だけ伺って終わります。
#71
○国務大臣(金子一平君) よくおわかりいただけるように何らかの工夫ができないか検討させます。
#72
○主査(瀬谷英行君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#73
○主査(瀬谷英行君) 速記をつけてください。
 質問を続けます。
#74
○神谷信之助君 ここ数年来、ロッキード事件、ソウル地下鉄、それにダグラス・グラマン事件などなど世界企業の冠たるべき日本の代表的な大企業が、国際舞台で目的のためには手段を選ばないというようなそういう企業姿勢、あるいは行動、振る舞いが問題となっていることは御承知のとおりだと思うのです。これらの大企業の姿勢は国内でも横行している氷山の一角だと私は思うのです。そこで私は、これらの事件でも問題になっているリベートと、それから政治家への裏献金などの大企業が使途を明らかにしない支出、いわゆる使途不明金の問題についてまずお伺いしたいと思うのです。
 そこでまず最初に、資本金一億円以上の大企業の使途不明金が四十八年から最近まで各年度ごとでどのぐらい明らかになっているのか、それから調査企業数も含めてお伺いしたいというように思います。
#75
○政府委員(米山武政君) 年度別の数字をまずお答えいたします。
 まず四十八事務年度でございますが、調査件数は千三百七十九法人、使途不明金として私どもが把握したのが二百五十六億円、四十九事務年度は千百四十九法人、二百九億円、五十事務年度は千七十一法人、二百三十六億円、五十一事務年度は千八十七法人、二百九十五億円、五十二事務年度は九百四十法人、二百四十二億円でございます。
#76
○神谷信之助君 一億円以上の大企業というと一万四千社を超えるというように思いますが、そうしますと大体これで四十八年度からいいましても、同じ企業もあるでしょうが、総計にしても約五千社の調査ということですから、実際は千二、三百億の使途不明金ですね、合計は。そうするとこれのざっと三倍ぐらいになる使途不明金が五年間で出ているということになりますと、四千億円以上実際にはあったのではないかということにも考えられますが、この点いかがでしょうか。
#77
○政府委員(米山武政君) いま先生ちょっとお断りいたしますが、ただいまのは全調査法人の数ではございませんで、調査したうちの使途不明金があった法人数でございます。
#78
○神谷信之助君 調査件数はもっと多いわけ……。
#79
○政府委員(米山武政君) 調査件数を申し上げますと、四十八年度が五千六百八十件、四十九年度が六千六十七件、五十年度が五千五百四十九件、五十一年度が四千四百六十六件、五十二年度が四千二百九十五件でございます。
#80
○神谷信之助君 そうすると、大体二百数十億毎年出ているようですから、使途不明金が。調査したのが四、五千の範囲といいますと、これの三倍ということになりますね。そういうふうに大体考えていい。まあ七百億前後ということになるのですね。
#81
○政府委員(米山武政君) ただいま申し上げましたのは、私ども調査する場合には、やはり問題がありそうなものを特に調査いたしますので、そのまま伸ばした数字がそう推定できると、こういうことにはならないと思います。
#82
○神谷信之助君 そこで、いずれにしても年間怪しげなものを四、五千件調べてみて二百数十億の使途不明金がどうしても出てきているわけです。大臣、こういう問題についてこういう事態があってもよいのか悪いのか率直なお答えをいただきたい。
#83
○国務大臣(金子一平君) これは私どもとしましては、使途については課税の適正上、とにかくとことんまで追及をさせますけれども、やはり検察的にやっておるわけじゃございませんので、どうしても向こうで黙秘権を行使されれば、やはり使途不明金として税金だけはちょうだいしますよということにならざるを得ぬと思います。
#84
○神谷信之助君 よいものではないですね、やっぱり使途を明らかにされなければならぬわけでしょう。
#85
○国務大臣(金子一平君) できるだけ私どもとしては努力をしております。
#86
○神谷信之助君 ですから明らかにしていかなければなりませんから、当然そういうものを、使途不明金というものをなくしていく措置を政府としてもとらなければならぬと思うのです。ところが例年ずっと見ても同じように二百数十億というのが続きますから。その点で余り効果が上がっていないという点、ちょっと納得がいかぬわけです。
 そこで、大体そういう大企業ですから公認会計士さんもおられるだろうし、監査の手続なんかもちゃんとしているだろう。零細な業者の皆さんですと、つけ落ちもあったりするでしょうし、いろいろあるだろうけれども、あるいは忘れたりするということもあるだろうけれども、大企業の経理ならば、本来なら使途不明金というようなものは出っこないようにも思うのですが、その点はどうなんでしょうか。
#87
○政府委員(米山武政君) いまの御指摘のように、私どもこれできるだけ解明に努力し、法人側にもそれに協力するようにいたしております。ただ、どうしてもやはり解明できない、法人としても仕事取引上どうしてもこれだけは御勘弁いただきたいというふうなケースもあるわけでございまして、こうした場合にはやはり私どもとしてはこの損金性を立証できないということで法人税を課し、特に大部分に対しまして重加算税というものを課している状況でございます。もちろん大臣お答えのように使途不明金というのはあってはならないと思いますので、今後ともひとつできるだけこれをなくなすように解明に努めたいと思っております。
#88
○神谷信之助君 努力をされているようですけれども、大体、解明率それからその解明された中での内訳の傾向、それから特に支払い相手として明らかになっているので目立つのは一体どういうものでしょう。
#89
○政府委員(米山武政君) 大体私ども、ここ数年の実績を見ますと、この使途不脚を発見した中でとことん追及した結果、解明ができたものは約一割でございます。それからその解明した使途の内訳と申しますのはリベートの手数料とか、あるいは交際費というふうなものに充てられるものが多うございます。
#90
○神谷信之助君 大体、解明率が一〇%程度というのではちょっと優秀な人材が集まっている大蔵省にしても落第生じゃないかなという気もするのですが。
 そこで、解明できなかった使途不明金、これは一体どういう傾向のものとして考えたらいいでしょうか。解明されたものとは考えることはできないというのですね。
#91
○政府委員(米山武政君) 解明できないわけでございますので、これが正確にどちらに向けられていると推定するのはなかなかむずかしゅうございますが、大体、いま申しましたように、リベートとか交際費というものに充てられた部分は相当あるのではないかと思われます。
#92
○神谷信之助君 その中で不正申告とか、あるいは脱税なんかも発見をされたと思いますが、その点はいかがかと。その際、表の帳簿だけの不正といいますか、それだけではなしに、いわゆる簿外資金なんかも見つけ出しておられるのではないかと思いますが、その辺の実態はどういう状況でしょうか。
#93
○政府委員(米山武政君) いまちょっと、使途不明金の中でどういう手口でそれをどういうふうにして発見したかということの数字を持っておりませんが、やる場合には、完全に簿外にしてしまっている場合、あるいは架空の経費を立てて落としている場合というような手口が多うございます。
#94
○神谷信之助君 「税経通信」というのに、国税庁の調査課長の五味さんが「海外取引と税務上の諸問題」というのを書いておられるのですね。それを見せてもらいますと、この点では、使途不明金については重加算をしたりいろいろなことをやっておられるとしても、実際には真実の所得者には税金はかからぬということになりますから、課税の公平を期しがたいということで、これは何としても解明していかなければいかぬということを主張なさっています。
 そこで、書かれているのですと、フランスでは、使途不明支出金の取り扱いについて、支払い者である法人が受領者の氏名を明らかにしない場合には、法人の所得の計算上損金に算入できないのみならず、その支払い額については個人所得税をその最高税率、フランスの場合六〇%で当該支払い法人に支払わせると。しかも支払ったこの個人所得税も使途不明支出金として取り扱うと。したがって一千フランの使途不明金が出てきますと、法人の支払う個人所得税の額は等比級数的に累乗されて、千五百フラン徴収する、こういうやり方をフランスではやっている、こういうのですね。それからアメリカでも、コミッションの取り扱いは日本よりも格段に厳しいと。特に外国政府の職員等に対する支出金は、税務処理上すべて非合法と見られるというので、その損金性が否定されているという措置もやられているのですが、日本の大企業はいま国際的にもどんどん進出をして海外取引が非常に多くなってきておるのですが、ですから、この点大臣、いまちょっと御紹介をしたのですが、使途不明金に対して、日本のようなやり方ですと、結局使途不明金で支払い先を言わないと。それに重加算をかけられてもそれでもまだメリットがあるということで、一割ぐらいしか解明できない。あと九割は、結局人には言えないような、表にはできないような金の使い方をしている。そしてその金をもらった人に対しては税金はかからない、課税の公正が妨げられている。こういう状況ですから、日本でもこのフランスのやり方――これがいいかどうか知りませんが、これを取り入れれば、日本の場合個人の最高税率七五%までかけるということになりますから、こうなるとこれはもうメリットも大分少なくなってくることも考えられますね。これが最善かどうかは別にしても、こういった方法についてもひとつ検討されたらいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
#95
○政府委員(高橋元君) 現在の扱いは、国税庁からもお答えがありましたように、法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないものは損金に見ない、つまりそういうものは利益処分であるとして法人税を課しております。利益処分としての性格に従って、たとえばそれが賞与であれば賞与として所得税を取りましょうし、配当とみなすべきものであれば配当として課税をいたすということであろうと思います。ただ、いま仰せのありますのは、どうしてもだれに渡したか相手の名前を言わないという場合には認定賞与として取り扱うことを法律をもって強制的に決めたらどうかという御提案かと思います。つまり、それがフランスのように、だれかの個人に帰属したものとして、それは会社が賞与を払ったものである、だれに払ったかわからないですけれどももらった人の所得税であるというふうに考えて、それを支出法人の段階で法人に所得税をかけてしまおう、そういう法制を考えてはどうか、こういう御指摘だと思いますが……
#96
○神谷信之助君 フランスはやっているようですね。
#97
○政府委員(高橋元君) 私どももこれは実は各国の税制をいろいろ見ておりましても一番わからない部面でございまして、フランスにそのような制度があるようでございますけれども、だれに渡したか相手の名前を言えばこれはそういう場合には経費性を認めますと。それからアメリカのように、違法なブライブと申しますか、賄賂でございますね、そういうものを払った場合には、それは相手の名前を言おうが言うまいがみんなかけてしまおうという、二つのタイプがあると思います。これはいまの繰り返しになりますけれども、なかなか各国の税制の中で、法律をもって書いてない面が多いものでございますから、一番わかりにくい種目で、いろいろ検討せよというお話で私どもも検討を進めてみていきたいとは思っておりますけれども、企業のモラルを税制だけで維持していくということこれまた大変むずかしいことでございまして、
  〔主査退席、副主査着席〕
企業がモラルに従って経営を行っていくように、それはそれとしての業法と申しますか、また法律以前の企業経営者の倫理意識というものがなければならぬと思います。思いますが、課税の公平という面からその点についてさらに私どもとしては各国の法制も調べましてそのよって来るところもよく追跡をして検討を進めていきたいというふうに考えます。
#98
○神谷信之助君 大臣、いまもおっしゃいましたけれども、私は、日本の腐敗構造の一つの土壌になっているわけですから、たとえば税務署に対する国民の見方というのは、小さな業者の皆さんでも、ちょっとつけ忘れたりなんかしますと根掘り葉掘り聞かれて、それこそふうふうはあはあ言っているわけですよ。そういう国民の立場から言うと、使途不明金なんといって重加算税かけられてもけろっとして払うようなそういう大企業に対して、やっぱり甘いではないかというのが国民感情としては率直なところです。ですから、この点で具体的に今後どういう方法、方策をもって進んでいこうとされるか。この辺も含めてちょっと大臣の方からこの問題最後でお答えいただきたいと思うのですが。
#99
○国務大臣(金子一平君) 各国の立法例、いま主税局長が申しておりますように、前からいろいろ調べてはおるのですが、実行でやっておるところもあるものですから全部つかんでないわけですが、これは、考え方によっては相当、課税の公平というか、課税に対する信頼感を回復するためにはある程度切り込まなければいかぬ面かもしれません。そういう点につきましてはこれからもしっかりひとつ検討いたします。
#100
○神谷信之助君 これはひとつ汚職腐敗の防止策の一つとしてせっかく検討していただきたいというように思います。
 次の問題に移っていきたいというように思うんです。
 それは大阪国税局長と解同中央本部及び大企連との確認事項の問題です。
 私は、納税の義務は憲法に定められているところの、すべての国民に課せられた義務でありますが、これは課税の公平を前提としなければならぬというように思うのです。ところが、現状では必ずしも課税が公平に行われていない。その一つの問題として、解放同盟あるいは東京都同和企業連合会、略称東企連と言いますが、あるいは大阪府同和地区企業連合会、略称大企連等に加盟をする者あるいは加入者に対する課税問題があるわけです。
 そこでお尋ねいたしますが、大企連等は、昭和四十三年一月三十日以降大阪国税局長と解同中央本部及び大企連との確認事項なるいわゆる七項目確認事項、これを発表しております。この問題はしばしば国会でも取り上げられておりますから御存じだと思うのですが、同時にまた、東企連等は、昭和四十六年十二月十四日東京国税局と解同関東ブロック及び東企連との確認事項なるいわゆる八項目確認事項、これを発表しております。
 最初の質問は、国税庁はこれを確認事項としてお認めになっているのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#101
○政府委員(米山武政君) 同和問題は御承知のようになかなかむずかしい問題でございまして、四十年に出されました同対審の答申にも、やはり社会的経済的いろいろむずかしい問題がある、したがって、現在のこの同和問題というのは解決には早急な解決が要る、これは国の責務であるし、また同時に国民的課題でもあると、こういうふうに述べられているわけでございまして、私どももこの趣旨を十分くみまして、この同和関係の問題につきましてはきめ細かい配慮をしているわけでございます。
 いま委員おっしゃられましたこの大阪国税局長と解同中央本部及び大企連との確認事項というものも、これは確認事項と言われておるものがあります。ただ、これは私どもはいま申しましたような趣旨で、同和関係の方の要請とか陳情とかそういうものを受けとめましていまの趣旨に基づきましてきめ細かくやっていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。この確認事項と申しますのは、いま申しましたようなその要請とか陳情というものを整理したものでございまして、これにつきまして私どもはこれを実行するとかそういう約束をしたものではございません。これは整理したものでございます。
#102
○神谷信之助君 もう一度確認しますが、確認しているものでもなければ約束したものでもないというように理解していいんですね。それでいいですね。
#103
○政府委員(米山武政君) 私どもはこれは、これを確認したものでも、これについてこれは約束事項としてこのまま実行すると、こういうことを相手に約束したこともございませんので。
#104
○神谷信之助君 私はそれは当然だと思うんですよね。この七項目あるいは八項目の内容というのは、これは課税の公平あるいは課税の法律主義といいますか、これから言っても内容自身そう約束できるものでもなければ確認できるものでもないというようなものです。たとえば第二項には、「同和対策控除の必要性を認め、租税特別措置法の法制化に努める。その間の処置として、局長権限による内部通達によってそれにあてる。」と、これは税法で定めていない同和対策控除なるものを事実上認めるということになりますから、この租税法律主義を否定するものだということになります。
 それから第三項は、「企業連が指導し、企業連を窓口として提出される白、青色をとわず自主申告については全面的にこれを認める。ただし内容調査の必要ある場合には企業連を通じ企業連と協力して調査にあたる。」と、これは言葉をかえて言いますと、企業連加入者の申告についてはすべてこれを認めよと、申告是認の扱いをせよと、修正申告とか更正決定等の必要がある場合には企業連と協力してやると、企業連の協力がなければ調査はするなということになるわけで、これは特定の団体、個人に対する優遇措置で、大蔵省当局が公平かつ公正なものとしている税法をみずから否定をするということになる内容だと思うんです。
 第四項は、「同和事業については課税対象としない。」と、これも第三項と同じく公平税制をみずから不公平な税制にするというのに等しい内容だと思います。
 さらに第五項は、「国税局に同和対策室を設置する。出来るまでの措置として担当は総務部長、窓口は総務課長とする。」ということで、これも五十年三月のわが党の東中議員が質問して指摘したように、大蔵省の組織規程から見ても問題があるというように思うんです。
 それから第六項は、「国税部内全職員に対し、同和問題研修会を行う。この際、講師については府同室及び解放同盟と相談して行う。」これは、全体の奉仕者であって公平な行政を進めるべき公務員に特定の思想を押しつけるようになり、大問題だと私は思います。
 このように考えるんですが、ところが相手の方は確認事項だと言って現行の税務体系全体を覆し、あるいは租税法律主義を否定するようなことになるのをじゃんじゃん宣伝をしているわけですね、そういうように言っています。これそのままにしておいていいのかどうか、この点いかがですか。長官は来ていないのね。
#105
○政府委員(米山武政君) ただいま申しましたように、この確認事項といわれるものは、解放同盟の方々が要望され、その事項を整理したものと、こういうふうに私どもは理解しておりまして、これに対して双方で文書を交換したとか署名押印したというようなものではございません。ただ、この内容につきましては、先ほど申しましたように、やはりこの同和問題というのは非常に深刻な重大な社会問題であるし、この問題についてはやはりこの解決は国の責務でもあり、また国民的課題である、こういう認識を私どもとしては深く持っているわけでございます。したがいましてもちろん税法の範囲内におきましてできるだけその方向でその実情を深く理解し、できるだけ要望に沿うように税法の許す範囲内で助力すると、こういうつもりで運用しているわけでございます。
#106
○神谷信之助君 その歴史的にも長い間そういういわれなき差別のために苦しんでこられた方々が未解放部落の方々ですよ。それを差別をなくするために、だからといっていわゆる大企連なり東企連に加盟している人々、しかもその加盟している人がすべてがすべて未解放部落の出身者かどうかというのは明確でないわけです。国税当局も御存じないし税務署も知りません。そうでない人もおられる場合もある。それに対して差別をなくするためには一定の配慮をしなきゃならぬ、一定の配慮をするということはどういうことかと言うと、税金をまけてやるということ、あるいは申告税を認めてやるということ、そういうことではかえって私は、差別をますます助長することになるんですよしだから、国民として当然払うべき税金は払うと、それから軽減すべきものは軽減すると、こういうのをやっぱり厳正にやるというのがあたりまえであって、いままでの、部落の人だからといって特別にその人の言い分を聞かないとかどうとかいうのは間違いだけれども、当然課税すべきものは課税するのはあたりまえなんだから、私はそういうように思うんですが、何か配慮せにゃいかぬ配慮せにゃいかぬと言って、実際にはこの項目が実際に行われておるというようなことをいまの言葉の端々にうかがうんですけれども、その点はどうですか。
#107
○政府委員(米山武政君) 昭和四十五年二月十日に国税庁長官通達がありまして、同和地区納税者に対しましては、今後とも実情に即した課税を行うように配慮すること、こういう通達を出しております。この趣旨は、やはり同和問題というのは先ほど申しましたように非常にむずかしい問題であるし、また同和地区というのはいろいろの特別の問題がある、そういうことをよく頭に置いてきめ細かい配慮をしていけ、こういうことでございまして、もちろん税法の定める範囲内であるということは、これは当然であると思います。
#108
○神谷信之助君 それではお尋ねしますが、昨年の十二月二十二日に大阪国税局で管内の総務課長あるいは総務課長補佐の会議が開かれたと思いますが、それは事実でしょうか。
#109
○政府委員(米山武政君) 五十三年十二月二十二日に総務課長会議とその総務課長補佐を集めた会議を行っております。
#110
○神谷信之助君 で、その会議は五十三年の確定申告を前にした重要な会議だったと思いますが、どういうような目的でどのような内容の会議だったのか、主要な点だけでいいですから、簡単に御説明いただきたいと思います。
#111
○政府委員(米山武政君) これは例年二回開催する定例の会議でございまして、総務関係の事務についての連絡調整を行うということを目的とする会議でございまして、特に特別の問題だけを重点に扱った会議ではございません。
#112
○神谷信之助君 同和問題も出たんじゃないですか。
#113
○政府委員(米山武政君) 議題には同和問題は入っておりません。ただ、局長、総務部長の訓示等におきまして、特に大阪国税局管内は非常にそういう問題が重要な問題、ウエートを占めておりますので、一般的な訓示の中に触れている程度でございます。
#114
○神谷信之助君 その会議の内容の一部を記したメモのコピーを私は持っているんですが、それによりますと、総務部長が冒頭、職場管理、職場のかなめとして第一線の意見を聞かせてもらいたいということで始めて、提起を幾つかの問題なさいました。その一つとして、同和問題が取り上げられています。それは、総務部長は同和関係の課税については七項目ルールに従って取り扱っていくと述べているんです。メモにも七項目、そう書いているんです。さらに、総務課長は窓口として論議を起こさないように、そういう指示もしています。ですから、先ほどからこの確認事項は、確認もしておらなければ約束をもしておらないんだと、そうして同和問題のそういうむずかしい状況をよく考えて実情に即した課税を行うように配慮ぜいというので、特別な扱いを別にするわけではありませんというようにおっしゃっているけれども、現実の正規の会議では総務部長の方からは七項目ルールに従って取り扱っていくと、総務課長は窓口なんだと、論議にならぬように、問題起こさぬようにうまくやれという指示をなさっているんですよ。そうしますと、現実には七項目が職場で生きているということになるわけでしょう、いかがですか。
#115
○政府委員(米山武政君) 先ほど申し上げましたように、七項目というのは私どもがこれを実行することを約束したことはございません。ただ、やはり同和問題というのは非常に重要な問題であり、取り扱いにいろいろ慎重を期さなきゃいけない、こういう問題でありますので、そういったことを、七項目という要請があるということを頭に置いてこの問題に取り組むようにと、こういう趣旨を申したものだと思います。七項目をそのまま実施するように指示したというようなものではありません。
#116
○神谷信之助君 七項目ルールに従って取り扱っていくようにというんです、ルールです。もうルール化されているんですよ。
#117
○政府委員(米山武政君) 七項目を実施するというルールがあるとは私ども聞いておりません。総務部長がそのときにどういう言葉を使ったか私ども細かな、要旨しか私どもは連絡を受けておりませんので、具体的にどういう言葉を使ったかわかりませんが、国税庁、国税局、税務署がこの問題に取り組むに当たりましては、先ほどからるる申しておりますように、やはり同和問題というのは非常にむずかしい微妙な問題であるから、よく納税者の要望というのは頭に置いてやるようにと、こういう趣旨のことを常々申してあるわけでございます。七項目ルールをやれと、こういうふうな指示をしたことは一度もございません。
#118
○神谷信之助君 これはなんでしょう、大企連で全部申告集めて持っていくんでしょう、一括して。
#119
○政府委員(米山武政君) 現状は全部かどうかわかりませんが、相当数の物を国税局の方にまとめて出してくるのが現状でございます。
#120
○神谷信之助君 ですから、そういうやり方で特別な扱いをして配慮しなさいということで、結局は全部そのまま認めるというような状況が生まれているというのがいまだに続いているというのが私どもの調査をした内容です。
 で、そこでいま総務部長がどう言ったのかという点も調査を直ちにしてもらって納得いく説明をしてもらいたいし、それほどまでにおっしゃるならば、これは確認事項、一方的に確認をしたんだ、したんだと言っているわけですから、そういう確認事項を確認もしていないし約束もしておらないとおっしゃるならばはっきりそのことをおっしゃって、そうしてそのことを取り消すと、確認事項でも、確認もしていないのに確認事項とおっしゃるのは困るということをはっきりすべきだと思うんですけれども、いかがですか。
#121
○政府委員(米山武政君) 先ほど申しましたように、やはり非常に重要な問題であり、早急にこういう問題についてこういう事態が解消することが望ましいということでございますので、私どもとしましてはこういう納税者の言い分というのはよく聞きまして、税法の認める範囲内でできるだけのきめ細かい配慮をしていくと、こういうことでございまして、向こう側が要請したものをこれを取り下げろとかなんとかというのは適当ではないと思います。
#122
○神谷信之助君 大臣、これやっぱり不明朗なんですよ、確認もしてない、約束もしてないと言いながら、向こうは確認事項だ、確認しちゃったんだと、こう言っている。そして申告は実際一括して国税局へ持っていく、そして特別扱いをする。七項目ルール、先ほど読み上げましたようにもうまさに税法もくそもなしですよ。そういう同和の特別控除も、法制化されていないのにもかかわらずそれをちゃんとやりなさいと、ちゃんと認めると、全面的にとにかく申告したやつは文句言うなということまで確認事項の中に入っている。それを、いやそんな確認もしていない、約束もしていないと言いながら、それは公表もしなければ相手に対して取り消しも要求しない。そうすると一般の国民は、税務署というのはやっぱりああいう力の強いところ、暴力的なところにはもうふるえ上がって何にもよう手つけぬのかと、私ら小さいところばっかりぎゃあぎゃあ言うと、こうなるんですよ。実際なっているんだよ。最近の大企業なんかの使途不明金の問題と同じで、私はこれははっきりさせなきゃいかぬと思うんですよ。この点ひとつ大臣のちょっと見解をお聞きしておきたいと思うんです。
#123
○国務大臣(金子一平君) 次長の申し上げているようなことで今日まで推移しておると思うんでありますが、そのポイントは御承知のとおりの実態でございますので、実情に即するような課税をということでいままでやってきたと思うんでございますが、いろいろ御指摘の点もありますし、十分これから検討させます。
#124
○神谷信之助君 もう時間ですので、せっかく理財局の方から来てもらってますが、最後に一問だけちょっとお願いしておきたいと思います。
 問題は、国有財産である島根県の浜田市黒川町の土地の使用の問題です。現在ここは浜田自動車協会、社団法人ですが、これが大蔵省から有償貸与されていると。現在自動車教習所として使用されています。この点は財務局もよく知っておられるわけですが、もともと浜田市が財務局から借りていたものであり、いろんな経過で現在のような形になっているんです。ところで、いま市の方は五十七年国体を控えてここを都市計画に基づく公園として、国体のときにはサブグラウンドに使いたいというような希望で四十八年ごろからですか、いろいろ折衝が始まっているんですが、ところがなかなか代替地の問題等でまだ話がつかない。市の方も、市長さんの意見も、何とか代替地が見つかれば、あるいは金で解決のいく、若干適正な金が必要ならば出してもいいんだけれどもというお気持ちを持っておられるんですけれども、この点、国の財産ですから例の国有財産法二十四条、一遍も使われていないという伝家の宝刀を抜くまでもなく話がうまくまとまるようにひとつ大蔵省も努力してもらいたい。ですから、有償貸与の契約も一年ごとのいま更新になって、そういう状態ですから、やっておられるようですから、現地の松江財務局あたりも中へ入ってもらって何とか話がうまくまとまるように努力をしてもらいたいという点ですが、いかがでしょうか。
#125
○政府委員(迫田泰章君) いまおっしゃった土地について市の方が購入したいという話で協会と市の方でいろいろ折衝しておるという話は聞いておるわけでございますが、いま先生がおっしゃいましたように、協会の方に国が正規の手続を経て貸しておるわけでございまして、協会の方もその使用目的に従って使っておるということでございますので、二十四条でなかなか契約解除というわけにはいかないと思うんでございます。ですから、基本的には市と協会の方が精力的に話を詰めて円満な解決を図られるということをわれわれとしては望んでおるわけでございまして、それが解決いたしますれば、市の計画に従ってその当該本地は処分をしたいと、こういうふうに考えております。
#126
○神谷信之助君 ひとつまとまるように間に入ってやってほしいと、知恵をかしてやってほしいというふうによろしく頼みます。
 じゃ、終わります。
#127
○副主査(下条進一郎君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#128
○副主査(下条進一郎君) 速記を起こして。
#129
○栗林卓司君 時間も限られておりますので、財政金融政策について若干一、二お尋ねをしたいと思うんですが、きょうの新聞によりますと、東京サミットの内容が報道されておりまして、五つの項目に分かれて、それぞれ去年のボンサミットで確約をしたことのレビューをすると、また差し迫った目の前の問題について協議をしよう、さらに中、長期の問題について相談をしよう、おおむねこういう内容で相談するということが整理をされたようでありますけれども、さしあたって当面の問題として取り組む一つに、ことしの成長率とか、あるいはインフレ率であるとか等々ということが入っているんですが、従来の常識ですと、そのようなものは国の主権に属することであって、はたがとかくのことを言うのはどうであろうかという議論があったんですが、今日サミットが求められている理由というのは、そういう本来内政に属する事項、いわば人の米びつに手を突っ込みながら相談をしていく時代になってしまったんだということを前向きに受けとめながら議論していくと、こういうことだろうと思うんですが、その点のお考えいかがでしょうか。
#130
○国務大臣(金子一平君) お答えします。
 まだその点につきましては具体的な報告は私ども受けておりません。成長率をどう見るか、国際収支はもう当然これは問題にしましょうけれども、ただ御承知のとおり、IMFでは案外各国のその経済成長率なんかもう少し厳しく見直そうじゃないかというような意見が出ておるというふうに私どもは報告を受けておるのでありますが、サミットでそこまでやるかどうかはわかりません。
 それから、日米間の今日までのいろんな話し合いでは、私どもブルメンソールやらオーエンなんかと会っておりますけれども、もう経済成長率の問題はよくわかったと。ただアメリカの立法府の方がどうもなかなか文句をつけてやかましいことを言うけれども、要はその当面の国際収支の日本の黒字をどうしてくれるかということが問題だけなんで、今日国債は十五兆二千六百億という英、米、独、仏よりも多額の国債を一遍に日本が出して、内需主導型にして努力をしているというのは十分高く評価しておるということを言っておりますから、まあ成長率を何%にしなきゃいかぬというようなことを議題にするとは私どもは全然考えておりません。
#131
○栗林卓司君 それ自体を議題にするかどうかということではなくて、成長率もその中の一つとしてなるかもしれないし、どちらにしても各国が他国のことに首を突っ込みながら相談をしていく国際関係に相なったということだろうと思うんです。まず……。
#132
○国務大臣(金子一平君) それは今後の世界経済全体の動きがどうなるかを、日本は日本の立場で、西ドイツは西ドイツの立場で、われわれの方はこうなるぞというようなことを言って、ああそうかという、大体そうなると世界経済の今後の見通しはこうだなという意味の成長率の問題は報告があるかもしれません、それぞれの国から。しかし内容をどうするかというようなことはまだ具体的に話が煮詰まっているわけではございませんので、第二回の準備会議が近くパリかどっかで行われるはずになっておりますが、そういったところでどういう取り上げ方をするかの話し合いが行われると考えております。
#133
○栗林卓司君 はい結構です。別に成長率のことをいま伺おうということで、この前段の質問をしているわけではないんです。
 そこで、お尋ねしたいのは、同じきょうの新聞で西ドイツが公定歩合一%引き上げて三%から四%にしたと、こう報道しているわけですが、この点についての御見解はいかがですか。
#134
○国務大臣(金子一平君) まあ最近西ドイツも大分景気がこう過熱ぎみで、その点を考慮しての引き上げだと思います。特に、先ほども話が出ておりましたけれども、公定歩合わりと低く決めておりましたから、ある程度引き上げざるを得なかったということだろうと考えております。この点につきましては、銀行局長からさらに答えて……
#135
○栗林卓司君 結構です。
 いま言われたことだと思うんですけれど、で、実際には物価がだんだん上がってきたと、石油事情もこれあり、したがって金融引き締めに転換をしたということだと思いますし、同様趣旨の転回というのは、ことしの一月向こうの金融の責任者が発表して、国際的な波紋を呼んだということもあるわけですね。
 それはまあそれとして、昨今の物価というのはまことに目が離せなくなってきたわけですね。西ドイツのそういう対応を片目でにらみながら、物価に対してしからばどういうスタンスで取り組まれるかを伺いたい。
#136
○国務大臣(金子一平君) まあ予算編成の当時と違いまして、あの当時はどちらかといえば景気と財政の再建というような点に重点を、両にらみのことということでいっておりましたが、このごろは少し物価の動きにやはりある程度重点を置いて考えなきゃあいかぬのじゃないかと。特に数日前に行われましたOPECの原油の値上げがこれからどうなるか。相当やはり大きく影響するかどうか。今回の決定だけならば、すでに企画庁や通産省からの発表で御承知のとおり、卸売物価の消費者物価に及ぼす影響はまあOI一%程度でございますし、国内経済に及ぼす影響としましても五億ドルぐらいの国際収支の赤、GNPに及ぼす影響も〇・〇五%ですか、〇・一%足らずというようなことを言っておりますから、まあこれは大した影響はこの限りではないと考えておりますが、六月の総会でサーチャージがどういうふうに決まるのか、その動きにつきましては私どもも十分考えていかなきゃいかぬと思っておりますし、同時にまた、最近の海外市況の値上がりに伴いまして、相当卸売物価を引き上げる要因になってきておる、それがひいて二次製品にどの程度の影響を及ぼすか、こういう点につきましては、今後私どもも十分注意をし警戒を払っていかなきゃいかぬと。
 まあそれに対応する私どもの対策といたしましては、金融、財政上の対策をどうとるかということでございますけれども、まあ日銀はもうすでに窓口規制を強化していくぞという御決定に相なりました。しかし金融政策全体としては景気のことも考えなきゃいけませんので、やっとまあ民間の活力が出かかったところでございますんで、ここで水をぶっかけたんじゃアブハチ取らずになりますから、いまの金利の姿勢だけは続けなきゃいかぬと、こういう考え方を持っております。しかしまあこれからの動きいかんによっては、
  〔副主査退席、主査着席〕
機動的な対策をとってまいりたい。それから財政面でも、公共事業の執行をどうするかということですが、これは予算通ってから各省と相談して方針を決めることでございますけども、去年みたいな前倒しの姿勢はとる必要がなかろう、そんなふうに判断している次第でございます。
#137
○栗林卓司君 それで、一つ気になることがあるんですが、まあOPECの六月総会以降といったところ、これはまた後で御見解をより詳しくお聞きしたいと思いますが、いずれにしても、物価が非常に心配になってまいりまして、OPEC系統から上がってくる、海外市況も上がる、しかも円安まで加わって相当の値上げ圧力ではあるまいかと。そこで日銀もたまりかねて窓口規制だけでもどうしようかということになっているわけです。そうすると、日本政府の姿勢はやはり再び金融引き締め気配に移行するんだろうかという印象をややもすると海外に与えるわけです。六月の東京サミットを控えましてそういう印象を与えることがあって一そういう印象を与えることは一面正しいんですよ、当然のことながら。正しいんだけれども、ではアメリカがそれをどうとるだろうかということも一つ考えに置かなきゃいかぬのじゃないか。で、申し上げているのは、ブルメンソールなんか来ましたね。そこで七%のかさ上げを言いながら帰っていったわけですが、どうも聞こえてくるところによると、一番心配しているのは、下期に金融引き締め、財政引き締めをしないだろうかという日本政府の対応が一番気になるということのようなんです。西ドイツが公定歩合を引き上げた。したがって引き締めに転換した。で波紋を呼んでいるんですが、どうも西ドイツの場合と日本の場合ですと、同じ金融引き締め、財政の引き締めでも与える国際的なインパクトが違う、なぜなんだろうかということなんです。で、考えをしゃべってしまいますと、連中が書いている筋立てというのはこういうことじゃないかと思うんです。原油代が上がるし、物価上昇で引き締めをとるということになると、それを日本の企業がどうやって受けとめるか。そこで問題になるのが実は体質問題だろうと思うんです。で、彼らが言っているのは、日本の企業というのは間接金融方式である。終身雇用制である。これはどういう意味かというと、損益分岐点が高いという意味なんですね。損益分岐点が高いからしたがって減産にたえられない。そうすると引き締めは即輸出に直結をする、それが一番困るのだと、こういうどうも筋立てのようなんです。この間のジョーンズリポートもそうですし、その前の、去年の秋に出たソロモン報告もそうですし、それから去年の六月にやった日米財界人会議で、カーターの経済顧問をやっているクラインというペンシルバニア大学経済学教授ですが、それがぺ−パーを出したんですが、一貫して言っているのは結局そこなんです。したがって貯蓄率が高いことも気になって仕方がない、云々しかじかと、独特の日本に対して愁訴を含めた攻撃をかけてくるんですが、確かに従前の例ですと、金融引き締め、経済の引き締めというのは即輸出に直結をしてきた。今度もそうならないかというと、やはり私は直結すると思うんですよ。円安ですよ。しかも間接金融方式。資本費が、利子支払いが高い。しかもレイオフはできない。当然のこととして、企業が存するためには輸出ドライブでも何でもかけて守らなきゃいかぬということに入ってくる。そうしてしまった場合に出てくるインパクトなんです。だから、ぼくらは今度の東京サミットというのは、そこで問題があるのではなくて、そこで年末をおもんぱかって議論を恐らくされるんじゃないかという気がして仕方がない。で、まさにそのとおりに年末にかけて金融引き締めにいよいよ移行しなきゃいかぬというようなことになって、輸出ドライブがかかってくると、それはカーター政権にとっては大統領選挙を前にしてのど元にあいくちを突きつけられたような気持ちがするんじゃないか、非常に日米の経済関係がそこで緊迫せざるを得ないということを実は私思うんですが、そこで御意見伺いたいんですけれども、そういったことを踏まえながら、いまの心配される物価に対してどういうスタンスをとるかというのはことしは非常に重要な政策選択じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#138
○国務大臣(金子一平君) 日本銀行は、警戒中立型の引き締め策というか、窓口規制をこういう際だからとりたいということを言っております。私はそれはそれなりに評価してしかるべきだと思うんです。しかし長期金利を引き上げるとかプライムレートを上げるとか、そういうような金利政策を含めての金融政策の切りかえをやる時期ではないと私どもは判断し、日本銀行も同じ考え方をとっております。それは基本的には、さっきもちょっと触れましたように、国の内外の経済事情が、かつてのときの石油ショック当時の情勢と全然違っておりますね。列島改造で日本じゅうがわいていたころと、やっと少し民間に活力が出かかった今日とは、資金需要その他についても全然違いますし、まあ下期、為替レートが安くなってどんどん輸出が伸びはせぬかということも一部に言われていることは事実でございますけれども、アメリカの一体景気下降が予想されるようなことにあるいはなるんじゃないかという考え方もございまして、それほど輸出は伸びないんじゃないかという見方もあるわけでございまして、私どもはそこら辺の判断、大変むずかしいと思っております。しかし内需主導型でいかないと、これは日本としては各国から袋だたきになりますから、私どもも政策の基本は今後も内需を中心に伸ばしていくと。余りよそさまの国に迷惑をかけるようなことはすべきじゃないというふうに考えておりますので、この姿勢だけは今後も極力続けていきたいという考え方でございます。
#139
○栗林卓司君 それは全くそのとおりで同感なんですが、ただ、そこでやっぱりつらいのは、なおかつ物価問題がございまして、この間のOPECの臨時総会でアラビアン・ライトに換算して一四・五%の値上げをしたと、そこにまた追加のものが国によっては加わるかもしらぬという状況でございますね。そこで、ごく大まかに一五、六%の値上がりということを考えますと、この上げ幅というのは優に投機を誘う上がり幅ではないのだろうかという点についてはどうお考えになりますか。
#140
○国務大臣(金子一平君) ちょっと失礼。一五、六%というのは油の……。
#141
○栗林卓司君 油のことです。
#142
○国務大臣(金子一平君) 油の話で……。
#143
○栗林卓司君 ええ。ですから、上がり方が急なものですから、ということは優に投機を誘い得る。というのは、銀行から借金したって在庫積んでも結構ペイするというぐらいの上げ幅だという意味で、投機が心配になりはしないか。
#144
○国務大臣(金子一平君) その点につきましてきょうも閣議で企画庁長官あるいは通産大臣からも発言がございまして、むやみに高値の物を買いあさって、それが国内の価格にはね返ることのないように厳にいま警告を発しているところです。自分たちとしては業界で無理にスポット物の高いのをどうこうするというようなことのないように極力いま努力をしておりますし、ランニングストックも相当あるわけですね。まあ値上げの日本の物価に及ぼす影響というのは相当後ずれて入ってくるわけでございます。一時的な投機にさえ走ってくれなければ経済全体としてはうまくいくはずであることを期待をしておるんだということを繰り返して言っておりましたが、われわれもそうあらんことを望んでいる次第でございます。
#145
○栗林卓司君 そこで、過剰流動性が今日存在するかどうかという話にまた戻ってくるわけですね。それは、マネーサプライを見ますと少しいまじり上がってまいりまして、日銀総裁は心配だとこうおっしゃっているわけですが、これだけの公共投資を何年もにわたってまいてきたんですから、相当資金は潤沢になっているだろうと想像して普通だと思うんです。で、資金はある、しかも投機に誘う要因が、いまたまたま一五、六%の値上がりだけを申し上げたんですが、大臣もおっしゃったように、六月以降の石油事情の見通しですね、これを一体どう見ているか。お立場から言いづらい面もあろうかと思いますけれども、どういう感触で見ておられますか。
#146
○説明員(箕輪哲君) 六月以降の世界の原油事情でございますけれども、これはイランが御存じのように現在二百五十万ないし三百五十万増産しております。それからそのほかの産油国が増産しておったのが能力いっぱいであれば、それが続けられるかどうかというのは実は不安定であろうと思います。年間通じましてイランが二百五十万ないし三百万の生産を上げておれば大体、これは消費国一般の見方でございますけれども、年間通じまして二百万バレル・パー・デーぐらいの不足はあるかもしらぬ。ただし自由圏の原油生産量と申しますのは御存じのとおり五千万バレルぐらいでございますので吸収し得ないものではない。したがって順調にいけばタイト気味に推移するだろうというのが大方の見方であろうと思いますし、私どものいままで得ている情報では、不透明な点はもちろんございます、不透明な点はもちろんございますけれども、タイト気味には推移するけれども、異常な危機的な不足という状態にはならないだろうというふうに考えております。
#147
○栗林卓司君 お話ですけれども、これは楽観的に見る場合と悲観的に見る場合と見解が違うんですけれども、ただこわいのは、イラン政権の安定度に対して否定的に見る見方が国際的に強いことですね。しかも暮れから冬にかけていわば石油需要期に入ってくる。それとバザルガン政権の不安定度と掛け合わした場合に、非常にリスキーだけれどもプロフィッタブルなことになるんだろうか、一発かけてみてもという雰囲気を醸成する可能性というのは十二分にある。そう見ておかないと間違うと思う。また当日本政府としてイラン政権の今後についてなぞとても言えた義理はないから御答弁求めませんけれども、投機を誘う余地というのは私は十二分にある。それと本当は、いまの過剰流動性と言われているもの、実態よくわかりませんが、急速に吸い上げておきたいと思うのが普通でしょうし、そうなれば敢然と金融引き締めに走るんだけれども、そうすると主としてアメリカを中心にした反発が非常に強い。これはもろにくると思う。するとにっちもさっちもいかない。まあどうしたもんだろうかというのが、私はことしの財政運営ではなかろうかと思えて仕方がないんです。したがってスタンスとしては、慎重に見守りますというのがいま正解なんですが、それだけでいいんだろうか。
 そこで、時間もありませんのではしょりながら伺うわけですけれども、金融政策の面でちょっと手足を縛られてしまった感じがないでもない。そこで、物価対策として何をすべきか。で、大臣にお尋ねするんですけれども、やはり競争政策を思い切って取り入れていくのがいまの一番必要なことじゃないか。しかもこれはサミットを初めとして日本が求められていることですね。これまではなかなか、総論賛成各論反対みたいなことでできなかったけれども、いまの物価事情、しかも将来非常に見通しが、少なくも短期的には立ちづらい中で、ある経済の仕組みとして物価を適正水準に抑えるようなものをどうやってつくっていくかというと、いま以上に競争政策を徹底させることじゃないかと思う。しかもこれをやって、国際的なインパクトどころか、やっと日本気がついたかぐらいの話で、むしろ評価を高めるかもしらぬ。したがって金利の自由化問題にしても、あるいは外銀の取り扱い問題にしても、大蔵の管轄で言えば、ここで思い切って取り組んでおくことが、結局ほかの分野の自由化政策、回復政策も促すことになるし、それがことしの、いま取り得る一番ベストの物価対策だと私思えてならないんですが、時間も参りましたので御見解だけ伺って終わりたいと思います。
#148
○国務大臣(金子一平君) お話の点、全く同感なんです。そういう方向でやっておるわけですが、先ほどのように静観しているだけではないんですよ。後手後手に回らぬように、とにかく今度は先手先手と打っていかにゃいかぬという気持ちでやっております。ただ、先の見通しはこれはなかなかむずかしいもんですから、そこの判断をどうするか。まあ部内でもいろいろ議論を詰めてもらっておる段階ですが、まあ必要な措置だけはひとつ今度はしっかりやっていくつもりでおります。
#149
○主査(瀬谷英行君) 以上をもちまして大蔵省所管に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、通商産業省、経済企画庁、防衛庁、外務省及び大蔵省所管に対する質疑は終了いたしました。
 以上で本分科会の審査を終了いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○主査(瀬谷英行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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