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1978/03/29 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 予算委員会第一分科会 第2号
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1978/03/29 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 予算委員会第一分科会 第2号

#1
第087回国会 予算委員会第一分科会 第2号
昭和五十四年三月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   分科担当委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     和田 静夫君     片山 甚市君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   主 査          糸山英太郎君
   副主査          熊谷  弘君
   分科担当委員
                浅野  拡君
                岩動 道行君
                石破 二朗君
                上條 勝久君
                広田 幸一君
                和田 静夫君
                和泉 照雄君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       三原 朝雄君
       国務大臣
       (行政管理庁長
       官)       金井 元彦君
   政府委員
       人事院事務総局
       任用局長     長橋  進君
       人事院事務総局
       給与局長     角野幸三郎君
       人事院事務総局
       職員局長     金井 八郎君
       内閣総理大臣官
       房会計課長兼内
       閣参事官     京須  実君
       内閣総理大臣官
       房広報室長兼内
       閣官房内閣広報
       室長       小玉 正任君
       内閣総理大臣官
       房同和対策室長  黒川  弘君
       内閣総理大臣官
       房総務審議官   大濱 忠志君
       総理府人事局長  菅野 弘夫君
       行政管理庁長官
       官房会計課長   田代 文俊君
       行政管理庁行政
       管理局長     加地 夏雄君
       行政管理庁行政
       監察局長     佐倉  尚君
   事務局側
       事務総長     植木 正張君
       人事課長事務取
       扱        宮崎 義夫君
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       内閣参事官    栗林 貞一君
       人事院事務総局
       職員局審議官   山本 信一君
       法務省人権擁護
       局調査課長    中津川 彰君
       大蔵大臣官房企
       画官       熊沢 二郎君
       大蔵省主計局給
       与課長      日吉  章君
       大蔵省主計局主
       計官       川崎 正道君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十四年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十四年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(糸山英太郎君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。
 昭和五十四年度総予算中、皇室費及び国会所管を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○和田静夫君 まず、定員増の問題についてお伺いをいたします。
 定員増については、昨年、一昨年と新規増はゼロの状態が続いた。で、毎年のように分科会でこの問題に対す姿勢を問題にしてきたんですが、一向に前進が見られない。事務総長は、昨年の分科会で、純増をとっていきたいという、かなり強い姿勢を明らかにしているわけですが、五十四年度予算でどう措置されましたか。
#4
○事務総長(植木正張君) 新規増の要求といたしましては、全部で十三名の要求をいたしました。その結果は、係長一名が純増ということでございます。これは、ただいま本館地下に大蔵省の印刷局の国会分工場というのがございます。これが衆議院の新しい事務局庁舎に移転をいたしますので、それに関しての必要な要員として一人純増が認められたということでございます。
#5
○和田静夫君 当局の要求が十三名で、答弁があったように結局一名になったと。これは国会職員組合の職場要求の積み重ねである約三百名という要求から見ると、はるかに少ない。予算要求方針との兼ね合いでしぼりにしぼった数字が十三名ということになったんだろうと思うんですが、それだけに、この要求をされた十三名というのはぜひとも確保するように期待をされていました。しかし、結果はそういう形でありますので、ここで次年度以降の取り組みに対する決意をひとつ承っておきます。
#6
○事務総長(植木正張君) 五十五年度の要求の問題につきましては、ただいままだはっきりとしたあれを持っておりませんが、一つの見通しといたしましては、新規の機構の拡充とか、あるいは新規の施設の建設というような問題がございません。したがいまして、新規増の要因としましては、従来も何度もいたしておりますいわゆる一般的な事務量の増加という範囲を出ないような気がいたしております。その辺を踏まえて、今後どういう形で要求をするかを検討させていただきたいと思っております。
#7
○和田静夫君 ともあれ、職場要求とは非常にかけ離れていますし、国会における新規事業というのは何かと言えば、やっぱり国民が国政に期待をするところのものにこたえていくということでありますから、それらに対応できるところの職員構成というものは、事務局側でも計画的にやられましてね、それが結実をする努力を続けてもらいたいと思うんです。
 で大蔵省に尋ねますが、いまも言ったように、国政調査活動をより実効あるものにする、そういうような観点から言うと、これを補佐する事務局の体制の充実というものは、われわれの側から見ても期して待つべきものがあるわけであります。それなのに事務局の定員が二年連続新規増はゼロであったし、新年度に向かってはわずかに一名である。この際、この基準の査定方針をちょっと説明してもらいたいんですが。
#8
○説明員(川崎正道君) 国会の予算につきましては、先生御承知のように、定員にいたしましても経費にいたしましても、事前によく国会の当局の方から御説明を聞き、かつまた、大蔵の方からも財政事情、定員事情を御説明しながら、御了解を得たところで予算編成をしているところでございます。その五十四年度の定員につきましても、従前どおり十分に国会の当局の御説明を聞き、その上で一般行政官庁の定員事情の厳しさ、そういうものも御説明しながら御了解を得たところで予算編成をしたという次第でございます。
#9
○和田静夫君 これは例年のことでありますが、いまお述べになりませんでしたけれども、国会というところは行政官庁と違いましてね、新規の事業というのはなかなかない。認識の違いでありますけれどもね。したがって、この人員増については単なる事務量の増大だけでは認められないという今日までの大蔵省の方針、これはどうも私は論理は必ずしも十分じゃないと思っているんですね。例年そのことは申し上げてきました。国会活動が活発化するのは、民意の反映という、そういう意味での国民の声からして当然であります。そのために国会事務局の事務量が増大するというのは、これは必然でありましてね、その辺に対応するところの人員構成というものはやっぱりもう少し論理的に考えて、いや論理的というか、実態的に考えてみる必要があるだろう、そういうふうに思うんです。いわば他省庁で言う新規事業に匹敵するものがそういう意味での事務量の増大であるというふうに考えますと、そういう国会の特殊性から来た要求というものに対してもう少し大蔵省は謙虚であってしかるべきだろう。これは、余りその辺のところが実態とかけ離れますと、国会軽視という非難が起きてもむべなるかなという感じがするわけでありまして、そういう意味での大蔵の答弁をもう一遍求めておきたいと思うんです。
#10
○説明員(川崎正道君) いま先生おっしゃいました点は、われわれの方でも十分に配意しておりまして、先ほどは純増で一名ということでございましたけれども、実は十三名の新規の御要求に対しまして、いろいろ国会当局と十分に打ち合わせいたしまして、新規の増員としては六名実は認めておるわけでございます。ただ、その一方で、先生も御承知のように、行政官庁は第四次定員削減ということで各省定員削減をしておるわけでございます。で、国会につきましては、先生もいまお話がございましたように、定員削減はかかっておりませんけれども、各行政官庁とのバランスを考慮して自主的に定員削減をしていただいておるわけでございます。その定員削減がことしは五名ございまして、差し引き一名の純増ということになっておりまして、われわれの方でも十分に国会の事務局の方から御説明を伺いまして、国会の特殊事情を考慮いたしまして、それに必要な新規の増員といたしましては六名を見ておるわけでございます。ただ、いまも申し上げましたように、各行政官庁が定員削減をしておるということ等考慮して自主的に削減をしていただいた結果、純増が一と、こういうことになっておると、こういう次第でございます。
#11
○和田静夫君 事務当局に対して次年度以降の定員増というものについての努力というものを十分に求めておきたいと思うんですが、欠員ですね、欠員の補充について、定員の増が十分確保されない上に欠員がそのまま放置をされるということであってはいけないわけでありますから、欠員の補充というのは何といっても速やかに行うべきであると、ある意味ではぼくは年度途中でも大胆に行うぐらいのことがあってしかるべきだと思うんですが、現在どのくらいの欠員がいて、これらの補充についての対策をどういうふうにお考えになっているか。
#12
○事務総長(植木正張君) 欠員が生じました中で、いわゆる現業部門、たとえば労務職員とか自動車運転手、こういうものは直ちに補充をいたします。
 問題は、一般事務職員、警務の衛視、速記者でございますが、一般職員につきましては、これは秋に大学の新卒の厳正な試験をいたしまして、優秀な人材を採るという方針でやっております。それから議警も、同じように高校の新卒者で若手のいい人を、これも試験で採る。速記は、御存じのように養成所を卒業いたしました者を採る。したがいまして、ここらにつきましては毎年四月一日にまとめて採用する。現場部門はその都度採用する。こういう方針でやっております。
#13
○和田静夫君 現行は。現在。
#14
○事務総長(植木正張君) 本年採用予定は、一般の大卒の事務職員の十五人、衛視四人、速記は四月に研修生として四人を採用する予定にしております。大卒のうち一、二辞退がございまして、その分が若干欠員となる、あとは全部埋まると、こういう状況でございます。
#15
○和田静夫君 将来に向かっての人的配置、特に幹部職員の養成などということを頭に描きながら欠員問題に対する対処などということは、当然これは人事行政上起こることでしょう。そのことまで私は否定をしようと思いませんけれども、いま言われるように、採用予定があって、しかも大卒で二名なり三名なりが来そうもない、それが次年度まで繰り越されていくと、そういう人事の運営というのはやっぱり好ましいことじゃないと思うんですよね。その辺の補充というようなものはどういうふうにお考えになりますか。
#16
○事務総長(植木正張君) これは、試験をいたしましたときに、補欠要員と申しますか、そういうのを準備してやるのが一番望ましいと思うんです。ただ、実際問題として、試験を受けられた方がいつまでも参議院の補欠要員ということで身分がはっきりしないということも本人にとって非常に気の毒なことで、ある時点で割り切らざるを得ません。その割り切りました後で、非常に本院で採りたいと思うような優秀な学生がほかに行ってしまうという現象が出まして、ここいらはもう一工夫確かに必要なことでございますが、従来は、ある時点でそれをきちっと締め切って、そういう学生が出れば、これはやむを得ないと――まあ一名ないし二名の問題でございますが、そういうことでやっておりますが、これからその辺はもう少し検討させていただきたいと思います。
#17
○和田静夫君 次に、非常勤職員手当の使途方法でありますが、この五十四年度予算で対前年度比九百五十万円の増ですね。約三千八百万円ついています。これは、単価アップなどの当然増を除くと、ざっと五百万ぐらいになるだろうと思うんですが、この五百万円ぐらいの新規の増を含んで、かつての臨時職員に――何回か論議をしてきましたが、ああいうような形でもって使われていくというようなことは許されないと思うんです。またそんなこともないと思うんですけれども、そういうことはないでしょうね。これ明らかにしてもらいたいと思います。
#18
○事務総長(植木正張君) かつての臨時職員制度と申しますのは、一応臨時職員で採りまして、欠員が出ますと選考でその臨時職員の中から正職員に入れていくというやり方をしておりました。そういうやり方が非常に問題になりましたのは、初任給の決定に当たって、ストレートに入った職員と臨時を経た職員との間に給与の不均衡が生ずる、これが相当重要な問題になりまして、この是正に数年かかったわけでございます。したがいまして、現在では一般の事務職は正規の一括した試験で採ります。したがいまして、臨時で採って選考で入れるというような方式は、いまはとっておりませんし、今後もとる気持ちはございません。
#19
○和田静夫君 したがって、いま私が指摘をしましたように、この非常勤職員手当の使い方というので、かつてのようなわだちは踏まないと、そう確認しておいてよろしいですか。
#20
○事務総長(植木正張君) この手当の使い方につきまして基本的に考えておりますことは、会館の警備職員とかあるいは宿舎の警備とか、いわゆる、現在もとっておりますが、職員を退職しましてさらに再就職というような方、そういうふうな面で使いまして、そこで浮いた人をこちらで使うと、こういう方式をいま考えております。まだ具体的にどこへどうということは決めておりません。
#21
○和田静夫君 次に、定員増と定員削減との関係でありますが、先ほども大蔵省からお話がありましたように、国会は行政官庁で行われている定員削減計画には一切拘束をされない。ところが、最近当局の大蔵折衝を見ていると、さっきも話がありましたように、実質的には六の増であって、しかし内部努力で五やってもらって、結果的にはプラス一なんだという、そういうふうに、語るに落ちちゃったわけですがね。そういう意味ではやっぱり拘束をされているのではないだろうかという感じがするんです。一方では国会の特殊事情というものを新規事業というような形でもって否定的に見る、一方では行政官庁が行っているところの削減計画をそのまま横すべりで受け入れる、こういう形では、もうどちらも浮かぶ瀬がないということになりますからね。この辺でひとつ論理の問題としてはっきりしておきたいのは、行政庁の定員削減には拘束をされないといういままでの確認、これはあなたが事務総長になられてからもそのとおりであると、こういうふうに確認しておいていいですね。
#22
○事務総長(植木正張君) お説のとおりでございます。
#23
○和田静夫君 機構改革問題に入りますが、定員増問題については総長にも国民の信託にこたえる事務局の確立のために十分努力をしていただきたいと申し上げておきますが、昨年の分科会で、事務局の全組織の見直しをして大蔵に対する人員増の論理的、科学的な明確な根拠にしたいと、まあ総長発言されているわけですね。五十四年度予算案というのは、この見直しの上に立って要求をされたと認識をしていいわけですか。
#24
○事務総長(植木正張君) 昨年その方針でおりましたが、実はこの機構の見直しの問題に意外に時間がかかりまして、現在もまだそれが全部でき上がるという段階にいっておりません。したがいまして、昨年の新規増はこういう根拠に基づいていたしたわけではございません。本年は、できましたらこの組織全体の見直しをし、これは当然議運の理事会に事前に御了承を得なきゃいかぬと思っておりますが、そういう段階を経まして、分課規程の改正が固まりましたら、早速七月ごろをめどに人員の異動その他の処理をいたしまして、八月概算要求に備えて進めたいと、いまそういう計画でございます。
#25
○和田静夫君 あなたの権限であるとかないとかということは別問題にしまして、参議院が独自に発足をさせました改革のための協議会、これは各党の思惑がいろいろありますから、論議は論議として長くあの協議会というのは続いていくだろうと思う。したがって、議長がどういう考え方をどういう時点でまとめるかというのはかなり時間がかかる問題でしょう。しかし、全く純粋に総長、事務当局者たちが院の運営を考えながら事務局機構というものを見直しをするということは、それは発展的な一つの構想として私は不可能なことではないと思う。大胆にそういうものをぶつけながら、院の協議会がまたそれに対応するということも相互補完的に必要なことなんだろう。そういうふうに考えてきますと、もう少し速度を早めてあなたの方の仕事をされてもよいんだと思うんですが、それはどうですか。
#26
○事務総長(植木正張君) 実は一点申し落としたんでございますが、今回の組織の見直しをいたしております中に、調査室関係は除外してございます。これは、いま先生おっしゃったように、改革協議会で委員会の組織その他の問題が議論されております。また、各会派からの御要望で調査機能の拡充という問題も出ております。したがいまして、調査室関係の問題はそちらの方の御議論の進展を見ながら考えるということで、今回の問題には除外してございます。
 それから、ただいま鋭意作業をいたしておりますが、各課の所掌事務の細部につきまして、意外に、どの課の所管にすべきかとか、いろいろ細かいめんどうな問題がたくさんございまして進捗いたしませんが、できるだけ今後それを早くまとめたいというふうに考えております。
#27
○和田静夫君 事務局機構の改革というのは私たち議員にとっても非常に関心のあるところであります。したがって、現時点でもう少し構想的に具体的に何か話ができることがあれば、無理にとは言いませんが、発表してもらえれば……。
#28
○事務総長(植木正張君) 具体的な一つの考え方としましては、各部に対する課の配分をもう少し整合性を持ったものにするということが一つでございます。それからもう一つは、現状の課の事務の実態を見まして、それの統合整理あるいは新設という問題がございます。それからいま一つは、それに伴う各課の具体的な事務の範囲を明確化いたしまして、それに対して適正人員をいかに配置するかというような問題がございます。特に今回一つ大きな問題として考えておりますのは、議員関係のいろんな事務がございます。こういうようなものはいままで各課に分かれておりますが、この際一つの課に全部統合したらどうかというような構想を持っております。
#29
○和田静夫君 機構改革というのは、どこの行政官庁でもそうでありますが、部課の統廃合だとか、あるいは既存の人的配置の異動であるとか、そういうことがずっとつきまとうわけであります。そのときに、やっぱり働いている者の側から考えてみれば、たとえば業務量がどうなるだろうかとか、あるいは過重労働に陥らないだろうかとか、いろいろの不安というものは当然これまた起こることでありますから、そういう労働強化などを懸念されることは排除をされていく、絶対そういうことは起こり得ない一それは常識的なことでありますが、それは確認しておいてよろしいですね。
#30
○事務総長(植木正張君) その点、私ども一番念頭に置いて今後人員配置その他を処理しなきゃいけないと思っております。実は、組合の方にも、こういう作業を始めるので組合としてその問題についていろいろ意見があれば申し入れをいつでも聞くというふうにも言ってございます。この結果につきましては、当然各職員に、あるいは組合を通じての周知徹底方を図って、切りかえの混乱がないようにしなきゃいかぬと、そういうふうに思っております。
#31
○和田静夫君 よりよい機構がつくられる、それは何人も否定はいたしません。あるいは、それに伴って立法府としてあるべき事務局が確立をされる、それはわれわれの側にとっても大変望ましいことである。その改革によって職員に混乱と不安を起こすことがあってはならない。そういうことはあり得ないと答弁があった。もしそんなことが起こり得れば逆にマイナスに作用いたしますから、十分に配慮をしていただきたいところですが、そういう不安を取り除くためには、やっぱり早期に、原案の原案とでもいいますか、たたき台になるものをやっぱり職員組合側にも提示をしながらお互い協議をしていくということが望ましい。議院運営委員会との関係というのは必然的に事務総長なりの頭の中には先行的にお考えになることでありましょうけれども、それらとの調整というものは、やろうと思えばできることでありますから、やっぱり当事者間の合意というものが一つは前提に立っておるということが議運で論議する場合だってやりやすいわけですから、そういう意味も含んで、職員に素案を示し、そして理解と協力を求めていく、そういう態度をとり続けてもらいたいと思いますが、よろしいでしょうか。
#32
○事務総長(植木正張君) 率直に申しまして、まだ私どもの作業が若干流動的なところがございます。これがある程度固まりました時点では、早速その内容もよく説明して、理解と協力を得るように努力をいたしたいと思います。
#33
○和田静夫君 次に、行(二)表の撤廃問題について伺いますが、差別の根源であると言われるこの行(二)表の撤廃は、これは職員の皆さんにとっては悲願でもあるし、私は、国会事務局が持っている性格からいっても、論理的に行(二)表の適用というのはこれはやっぱり誤っているんじゃないかということは、つとに指摘をしてきたところであります。行(二)から行(一)へ向かっていく、そういう移行について、移行が始まってすぐの昭和四十二年から、もう三年と言わずにこれ解消したい――これは衆参両院の総長が異口同音に答えられたことで、これは御存じのとおりであります。そういうふうに約束をされましたけれども、五十四年度の予算書では行(二)定数が十とあるわけですね。過去の経過についてはお互い熟知しているところでありますから、そのことをいまここで、時間もありますから、説明をくどくどと求めたりはしませんが、いまだにこの行(二)定数が存在している理由ですね。逆の意味から言ってみれば、なぜ撤廃し切らぬのだろうかということについて、ちょっと御説明願いたい。
#34
○事務総長(植木正張君) これは、一つは、この撤廃問題は衆議院、図書館、三者歩調をそろえて始めたわけでございます。それが現在は参議院のみということでございます。ここに一つ問題があろうかと思います。いま一つの問題は、撤廃した場合に、しからば行(二)にいた全員の処遇をどうするのか、昇格基準その他をどうするのか、あるいは初任給をどうするのか、そこらが現実問題として非常にむずかしい問題がございまして、その点についての一つの確たる方針というのがなかなか立てにくいということが第二の原因になっております。
#35
○和田静夫君 皆さん方の方で何遍か、行(二)の定数を残しておく理由として、初任給並びに中途採用者の格付けの有利性などということをずっと主張されてきた経過がありますがね。ところが、いまも総長お話しのとおり、参議院だけしか残っていない状態になっている今日になってみますと、私は、給与面の有利性というのはやっぱり最初のうちだけであって、そしてたとえば初級と保手の生涯賃金を比較すると、十四年ぐらいでもって逆転をしてしまうなどというようなことからいって、そこのところはもうやっぱり論理的に破産をしてしまったんだろう。そういった状態を考えますと、初任給の時点だけを問題にするということは意味がない。で、しょせん逆転をするわけですから、やはり総長、差別を放置をしないという、そういう基本こそがやっぱりいま必要なんだと思うんです。そういう意味で、国会職員になじまない行(二)の採用というのはもうやめるべきだ。もうどうですか、この辺でおやめになったら。
#36
○事務総長(植木正張君) 確かに給料表が違っているというのをそういうふうに受けとめられるということは私どもよくわかります。またもう一方、しからば全部行(一)に統合しました場合に、一般の事務職その他に比して昇格基準その他を全部一緒に適用して運用する、これも事実問題としては非常にある面では不合理な面がある。われわれはそれは不合理だと思いますが、その基準表で若干のおくれとか、そういう運用をした場合、される側から見れば、これも一つ非常に不満といいますか、そういう問題が起こります。したがいまして、それが相互が納得いくような一つの基準表をつくるかということ、しかし、この基準表をつくる場合に、行(二)に準拠したような基準表にすれば実際の意味はございませんし、行(一)に近くすれば、これまた先ほど申したような問題が起きます。実は、その後の基準その他についてずいぶん検討も何年かいたしたんでございますが、現実問題としてこれは非常にむずかしいというのが現状でございます。したがいまして、いまは、行(二)を横にらみしながらできるだけ運用基準で改善をし、しかも、それは行(二)の給料表でなくて行(一)の給料表を使ってやっているということが実態でございます。
#37
○和田静夫君 公務員賃金、特に給与表のあり方というものの論理をここでいまやりとりしようと思いませんし、少なくとも国会職員の俸給表のあり方についての物の考え方の基本というのは、もうあんまり差がないと思うんです、行(二)表がなじまないということはこれはもうお互い一致していることですから。したがって、なじまないならなじまないという、そういう基底というものを大切にしながら、あと運用の部分について労使間において、といいますか、当局と職員組合との関係においていろいろのことが問題として起こるというのは、これはどこの社会でもあり得ることですから、労働条件の問題として、そういう形のものは話し合いの中で解決をされていく、そういう姿勢が必要でしてね。いま総長が言われるように、行(二)という俸給表そのままに置いといて、それを横でにらみながら、それとの対応において、行(一)を精神として生かしながら運用を考えるということになりますと、やっぱり、ある行(二)というものが基底になりますから、そこのところで不満は残りますね。その辺の解消の努力はやっぱり鋭意やっていただきたいと思います。
#38
○事務総長(植木正張君) もうその点の根本は、初任給を有利に行(二)でとりまして移行をできるだけ矛盾しないで早くする、こういう問題だろうと思います。いま運転手は半年でございます。その他も移行を順次早めておりまして、いま用員が約四、五年で移るという形でございます。まあ今後そこらをもう少し早く移せることが可能かどうか、検討いたしたいと思います。
#39
○和田静夫君 そこで、その過員は現在何人になりますか。
#40
○事務総長(植木正張君) 現在定数上の過負は六人でございます。内訳を申し上げますと、電話交換手は二名欠員がございます。運転手が二人、保手が一人、用員が五人、実際はその三職種で八人が過員になっております。
#41
○和田静夫君 これは、四十九年の分科会でしたか、五十年にはこの過員をなくするという約束になっているんですね。で、過員の解消というのはこの行(二)の撤廃の精神に近づくわけですから、速やかにやるべきです。七月のこの昇格期には過員はともかく全部なくすると、そういう努力をされますか。
#42
○事務総長(植木正張君) 実は、この過員状況がどうなるか、二、三年先までの推移を見てみたわけでございます。ことしの七月時点では過員が四人ということになります。と申しますのは、去年七月からことしの六月までに新規採用した者がございます。したがいまして、そこいらが移行時期にまだまいりませんものですから、どうしても過員が出てくる。この過員を解消するということは、言いかえれば、新規に行(二)で採用した場合に、定数をオーバーしたら、オーバーした古い人を直ちに行(一)に移すと、こういう手段しかないと思います。しかし、この方法をとりますと、欠員を補充した場合にしかそういう現象が起こらないとすれば、仮に早く欠員が補充された場合には早く行(一)に行く方も出れば、欠員の補充がなかなかないときには行(二)に長くとどまらなきゃならぬというような現象も起きてまいります。で、移行の問題は、各人がそれぞれ基準の年数をきちっと持って移行して、その間に不公平がないということが最大の要点だろうと思います。そういう面から見ますと、新規に行(二)で採る限り、時には過員が出てくるという現象は避けられないのじゃないかと思います。
 ちなみに申し上げますと、五十五年の時点では過員が二人になります。しかし、五十六年になりますと、退職者の補充をいたしますので、また七名程度の過員という見通しでございます。
#43
○和田静夫君 次に、技術職の枠の撤廃問題ですが、これも、当初移行中とりあえずの段階として技術職枠を設ける、こういう説明でずっと来たわけですね。で、四十年の二百四名から十名に定員が減った、こういう現在ですね。移行中のこのとりあえずの措置は終わったと考えるべきであろう。で、そういう意味で、枠は撤廃ができるわけですね。
#44
○事務総長(植木正張君) 確かに、先生がおっしゃいましたように、この枠を設けました理由は、移行を鮮明に、しかもスムーズに早くしょうという根拠で設けました。その限りで言いましたら、この枠の存在というのはいまもう必要はないように思います。しかし一方、移行後の技術職員の処遇改善という問題がその後起きてまいりまして、現実問題として一番顕著なあらわれとしましては、運転手が運転手のままで四等級に昇格できると、これはまさしく処遇改善でございます。これは、仮に一般の方に入っておったとすれば、四等級といいますのは係長あるいは課長補佐の職でございますから、そういうポスト増という形で定数をとって改善を加えざるを得ない。しかし、これは現に運転をしておる人にとっては不可能なことでございます。そういうことができたということは、言いかえれば、技術職の枠の中の処遇改善ということであったために可能であったと、そういうふうに考えております。したがいまして、現在ではまだ運転手の四等級への処遇改善は今後相当しなきゃならぬと思います。将来は、労務職のあるいは六等、五等への処遇改善という問題も当然起きてくる問題でございます。そこいらの問題を処理するためには、むしろ技術職の枠があった方がわれわれはやりやすいというふうに考えております。
#45
○和田静夫君 そこのところは若干意見を異にするところでして、先ほども基本の問題で申し上げましたように、技術職枠がある限り、たとえば行(一)に移行はしたが結果的には行(二)表を横目でにらむと、こういう見合い運用がされるということにならざるを得ないわけですね。技術職枠は定数として四等級から七等級まである。ありますが、これは行(二)表の特一等級以下に対応した等級である。そうすると、行(一)表に移行しても、ある意味では何ら現状では処遇は変わらない。行(一)表の技術職枠をなくしてしまって、そうして行(一)表の一般職員と同じ運用をする、これは当然そうすべきではないかと思うんですよ、それは。そういう検討をされませんか。
#46
○事務総長(植木正張君) 問題は、ポストがなくて五等級、四等級というものを行(一)の定数上設定が可能かという問題だろうと思います。これは、いまの考え方から言えば、そういうものはあり得ないわけでございます。したがいまして、もし行(一)へ統合すれば、普通の運転業務を日常されている方でも係長とかいうようなポストを、何と申しますか、仮定して設定するといいますか、そのような問題が起きてくると思います。もう一つは、そういうような現象になりますと、これはいわゆる事務職のポストの問題、事務職の昇格の問題との競合関係が出てまいります。ここらの問題を考えますと、ちょっと軽々に行(一)に移してしまってその中の運用で処理するということは、全体的に相当大きな混乱が起きるんじゃないかというふうに考えております。
#47
○和田静夫君 一般行政官庁が採用をしているようないわゆる給与支弁論理などというものを頭に描いておいて、そうして国会職員に対応するとすると、いま総長が言われるような形に当然なろうと思います。そこのところは、改革をしようということですから、いわゆる国会職員、国会全体の事務局の運営にふさわしいそういう賃金体系なり、あるいは給与の支給の運用なり賃金の運用なりというもの、そういう新しい発想というものがぼくはあってしかるべきだと思うんですよ。若い総長が生まれてすでに一年、そういうひとつ新鮮な感覚で大胆にやっぱりこういう面での改革というものも行われて私はしかるべきだろうと、余り古いものに拘泥をしていくばかりが能でありませんから、あなたのもとにおいて新しい運営と新しい賃金理論、いわゆるここの実態に対応する賃金理論というものが生み出されてもしかるべきである、そういう意味で私は提言をしているわけですから。
#48
○事務総長(植木正張君) おっしゃるとおり、現在の制度のもとでの問題点を申し上げたわけでございます。先生のお話の点は私もよく理解できますので、これは実現するかどうかわかりませんが、ひとつその面の研究といいますか、検討をこれからしてみたいと思います。
#49
○和田静夫君 もし現状では技術職枠をなくせないと、いまの言うことを肯定をするということにしてみて、そういうことならば、過去に専門職が、上は三等級だったですかね、三等級でしかなかった。それがいまでは一等級までの定数がついて、そういう意味では改善が図られているということになりますか。それにならって、技術職枠にも二、三等級をつくってよいのではないだろうか。特に技術三等級について自動車課の運転手の待遇、処遇ですね。これは処遇改善としては強力に要求してきた経過がありますね。要求が起こって、要求があった。そういう経過がありますが、それにもかかわらず、なかなか実現しないわけです。技術四等級の定数がいま二十九にまでなっておる。そうすると、こういう大幅にふえた昨今の状態を考えてみますと、そろそろ技術三等級の実現を図る時期に私は来ているのではないだろうか。衆議院ではことしの概算要求に出したと聞きましたがね。衆参足並みをそろえて、そういう意味では、要求を実現をするところに来ているのではないだろうか。これは総長、どうお考えになります。
#50
○事務総長(植木正張君) 率直に申し上げまして、いま私どもは五等から四等へ上がる定数を一人でも多く取るということで、それに主力を注いでおるわけでございます。それから、現在の四等に移りました運転手の給与の実態を見ますと、あと数年であるいは四等のまた特号に入るというような現象が見られます。したがいまして、そのような時点になりました場合には、あるいはそういう方法もひとつまた新しい問題として提起しなければならぬのじゃないかと思いますが、少なくともいまの状態では、早急に処理をしなければならぬというよりも、むしろ四等級の拡充の方に力を注ぎたいと考えております。
 いま一つの考え方は、今後こういう運転手で四等まで行ったような方は、将来なるべく事務職の方に転用いたしまして、事務職としての将来の昇格という面もひとつ考えてみたいと。現に、一、二今回も運転手から事務職に移すという方法をとっております。
#51
○和田静夫君 自動車課の運転手の処遇改善ですがね。現在運転手の四分の一が五等級にいる。そして五等級在級の二十四名全員が二けた号俸の低い昇給間差のところにいる。さらに不利な昇格を繰り返す十四号以上の高位号俸に十六名がいる。これはきわめて劣悪な待遇状況であると言ってよいと思うのです。このまま放置をされるということは余りにもひどいという感じがいたしますね。将来希望を持てないようなこういう状態を改善をしないで、運転手に時には夜遅く、あるいは朝早い、そういう過酷な労働を強いながら、一方では今日社会的な要求として安全運転が求められる。そういうことになりますと、これはもう片手落ちだと言わざるを得なくなります。自動車課の処遇改善について、以上のような事情を考えながらどういう改善をお図りになりますか。
#52
○事務総長(植木正張君) ちょっと技術的な問題として人事課長からお答えさせていただきたいと存じます。
#53
○参事(宮崎義夫君) 運転手の処遇の先年の御意向でございますけれども、私たちの方で、処遇改善の精神にのっとりまして、五十年以降大体、経験年数、在級両面がございますけれども、経験年数の短縮、一年ずつの短縮ということで六等級の経験年数の扱い方を考えて処理いたしておりますが、それと同時に、場合によっては五十二年の場合には在級年数等も措置する等。したがって、六等級でそういう基準の改正をいたしますから、必然的に五等級等上位等級についてもその影響を十分受けるという形になって、処遇改善を行ってきているというのが現状でございます。
#54
○和田静夫君 やはりもう少し、何と申しますかな、スピーディーに運転手の待遇改善というものに力を入れるということがどうしても必要だと思うんですね。そういう意味で、意見だけ述べておきますけれども、先ほど来申し上げたことを十分くみ取っていただいて善処をしていただきたいと思います。よろしいですか。
#55
○事務総長(植木正張君) 承知いたしました。
#56
○和田静夫君 速記職ですが、速記職の問題を取り上げるに当たって、改めて速記職給料表とその運用の実態についての検討をしてみました。幾つかの点がありますので、まとめて改善方の要望をしておきます。
 初めに一等級ですが、この問題については当分科会でも私は再三取り上げてまいりました。そして、ようやく昭和四十八年になって六号延伸という措置がとられました。その結果、一等級は、従来からあった二十号の後に六号、ちょうどしっぽのような形でくっつけられているという、給料表としてはきわめて異例な形になっていると思うんですね。私は当時の分科会でも指摘をいたしましたが、この措置というのは速記職給料表の耐用年数を延ばしたという、そういう点で評価はいたします。必ずしも私の要望した抜本改善には、だからといってなったということを意味するのではありません。したがって、近い将来この延伸の措置が本当に抜本改善につながるように引き続き検討を要望しておきましたが、あれから六年たった。その六年たった現在も、実は残念ながら当時のままの姿なんですね。当時のままの姿で放置されているということを今回検討してみまして、いわゆる抜本改善の趣旨が生かされていないということになるわけですが、その辺は何か理由がありましたか。
#57
○事務総長(植木正張君) この一等級の号俸を延ばしまして、その号俸の最高金額が行(一)一等級の半ばにまで及ぶように俸給を積み上げた、これでここをずっと歩いていってもらうというのが当初の考え方でございました。しかし、一方、速記職といたしましては、そういう問題以前から行(一)二等級への昇格の道が開かれておりました。したがいまして、現在も過去のそういう行(一)二等級への昇格の道を一等級を長く歩ませることで閉ざすということはしておりません。したがいまして、いまの問題としましては、一等級の号俸の延伸の問題よりも、前任者が歩いたような年次で行(一)二等級に昇格していく、これがいま主力になっております。そのような関係がございまして、いま一等級のこの改善という問題は具体的に必要性といいますか、その問題が提起されておらないわけでございます。
#58
○和田静夫君 この速記職の給料表の運用の問題でありますが、いまの現行についてわからぬわけじゃありませんけれども、一等級の高位在級者に対して順次行(一)表へ移行させる、そういう措置が行われているわけですが、この措置というのは、本来一般職のラインになじまない、そういう速記職員の待遇改善策として、事務総長の指定する数人の者には行(一)――課長相当の待遇を与えるという、そういう措置が以前から行われておる。その流れとして今日もこういう運用が行われているわけなんですが、その実態を見ますと、せっかく行(一)に移行をしてもすぐマル特になるわけでしょう。マル特になってしまって、二年に一度四千円ばかりの昇給だと。いわば最近はやりの窓際族的なそういう扱いをされているのが現状なんですね。そういう意味では大変気の毒だと思うんですよ。
 私は、先ほど申まししたように、四十八年の措置についてはそれなりに評価をいたしていますし、このいまの行(一)移行の定数についても毎年順次ふやしているという点においては、当局の速記職員に対する配慮というのはそれは十分に評価をいたします。しかし、それにもかかわらず、現状というのは速記の職員にとって余りにも厳しいのではないだろうかと、まあ考えられます。もしこのまま放置をいたしますと、百五十人の速記職員のうちにある管理職ポストに座る六人を除いたあとの者は、先ほど指摘した一等級のいわゆるしっぽの部分を歩いて終わってしまうことになる。あるいは仮に行(一)に移行いたしましても、退職するまでにマル特扱いという、まことに希望のない姿になってしまう。それがまあ速記職のいわゆる給料表におけるところの歩みになるだろうと思うんですね。これらの現状を考えますと、私は、このマル特職員に昇格の道を開くとともに、一等級についても、四十八年の延伸措置が本当の意味での抜本改善につながるといいますかね、そういう何らかの措置、まあそういう措置が必要になる、必要であろう、そういうようにまあ思うんです。さきに行われました衆議院の分科会でも、私どもの高沢議員からそういう指摘をいたしましてね、衆議院の事務総長も検討を約していますよ。ここのところを改めて、植木事務総長もやっぱり再検討されることが必要だろう、そう思うんですが……。
#59
○事務総長(植木正張君) 御指摘のような状況を打開するということの一番端的な問題は、速記の給料表にもう一本立てると、こういうことになろうかと思います。その問題はわれわれも前からいろいろ検討いたしました。速記の職場内部でもその問題で種々検討がなされておると聞いています。問題は、その一本立てる給料表がいかなる形であるかということに尽きるかと思います。現在の速記の一等級の最高号俸の本俸を見ましても、これはすでにいわゆる行(一)二等級の最高を超えております。一等級の九号ぐらいのところまでいっているんです。結局、これを改善するとすれば、行(一)の一等級に非常に似た給料表を一本立てなければ解決しないと、こういうことになります。これは御存じのように、行(一)一等級というのは、課長−課長の中でも先任課長のポストでございます。それと、記録部内でも速記から課長に昇格しておる人たち、これも二等から歩いていくわけでございます、そこらの兼ね合いがございまして、非常に困難な問題であるというふうに考えております。まあ現段階では実はこの程度しかお答えができないということでございます。
#60
○和田静夫君 私も、あなたの立場からすれば、いまはその程度の答弁しかできないんだろうと実は思うんですがね。しかし、一般職のランクアップの実態やら、あるいはこの速記職の人員構成の実態について考えてみますとね、私がいま指摘をしたまでもなく、これはあなた方の方がよく御存じではありますが、近い将来においてはやっぱり何らかの改善策を講ずるということが、これはやっぱりあなた方の職責だと思うんです。そういう意味で深く指摘をしておきますがね。再検討と申しますか、検討を進められますか。
#61
○事務総長(植木正張君) 現実には、行(一)二等級の定数の拡大の方向というのが一つございます。これは、従来速記の一等級、二等級の処遇改善の問題につきましては大蔵当局に大変理解をいただきまして、相当実現しておる現状にございます。まあ今後行(一)の二等級につきましても、その定数の問題は大蔵当局の十分の理解を得てその道をやる、それをやりながら、いま先生のおっしゃった問題につきましては、職場の考え方などもよく聞きまして、われわれも検討いたしたいと思います。
#62
○和田静夫君 ここのところは、私は、こんな分科会であれやこれややりとりするよりも、もう少し現実速記職の諸君がつくっている職員組合に代表されるところの要望というものを十分に日常的に聞いて、そして話し合いを煮詰めて改善をされることが好ましいと思うんです。そういう立場をとり続けていただきたいと思います。
 次に、議警職表について伺いますが、過去の分科会において、行(一)表で行なわれているワンランクアップを議警職にも導入すべきであると指摘をしてきました。しかし、当局は、執行職的なものであるということで、同一学歴同一年数ならばむしろ有利であると主張をされてきたわけです。議警職表は公安職(一)表に準拠しているために、上位等級になるほど頭打ちの傾向になっていますね。昇任昇格においても、職務上の職階制ともう一つ行政職階というものが並列して制度化されている。そういうために、この行(一)職表と比較して著しい格差があるわけなんですね。たとえば、行(一)のこの昇格実態と比較をしてみますと、行(一)四等級はこの職務表では議警一等級に相当するわけですけれども、議警一等級と行(一)初級の四等級昇格年数を比べてみますと、四年五カ月差がついていますよ。行(一)初級は四等級まで十七年三カ月、議警は二十一年八カ月なんですね。こういうような不当な差を放置しておくというのは、この四表間の均衡から言っても私は問題だろうと思うんです。議警職表の抜本的な処遇改善が図られてしかるべきだと思うんですが、総長の見解を求めます。
#63
○事務総長(植木正張君) 執行職としての形でなかなか昇進がむつかしいというのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、われわれが公安の給料表に議警を準拠させております理由も、公安の給料表では各等級の号俸を非常に長くして、ずっとそれが使えて、金額的には行(一)と余り不足がないような、そういう形の給料表でございます。したがいまして、われわれも、現在の議警職に対しては公安準拠の給料表が適当ではないか、しかも、その中で公安よりも若干有利な改善をした給料表としてございます。
 それからワンランクアップの問題でございますが、実は、この問題は議警の昇進の道を開く一つの方法としまして、たとえば衛視班長の中で係長になった者については一つ上の等級に上がり得ると、それから衛視副長でも課長補佐の職についた者については一つ上の等級に上がり得ると、こういう措置をワンランクアップの問題が起こる以前から実施しております。問題は、衛視長になりました者の特一等級への昇格の問題、それから衛視副長中の一等級への昇格の問題、この二つが現在のところネックになっております。これは、いわゆる運用上の定数の枠を拡大して処理する以外には、あとは新陳代謝を待つだけと、こういう形でございますので、われわれといたしましては、この辺のやはり定数、予算上の定数あるいは運用上の定数の拡大ということで今後対処していかざるを得ない、また、そう努力したいということでございます。
#64
○和田静夫君 特一等級の定数確保に話を進めますが、議警職特一等級から行(一)二等級へ毎年一人ずつながら定数移行が図られている点というのは、これは一歩前進と言えましょう。しかし、この行(一)二等級へは特一等級より切り上げて移行しているわけですが、現在の特一等級定数が実質隔年に一つだということでは、これは数年後には定数がなくなってしまう。特一等級の定数の確保のために何らかの打開策を講ずることをお考えですか。
#65
○事務総長(植木正張君) この点につきましては、昨年の予算交渉のときに大蔵当局によく事情を説明いたしました。結論は、直ちにここの定数がふえるということになりませんでしたが、今後その問題については十分――これは一つの形の問題もございますので、この定数をふやしていくということは今後しなければならぬと思っております。
#66
○和田静夫君 衛視の人員増についてですが、一昨年の分科会で、衆議院と基本的には差が大き過ぎると答弁されていますね。しかも、当初差の理由が不明のままなんですね、これ。当初差の理由が不明であるにもかかわらず、昨年ことしと衛視の人員数についてゼロ査定に甘んじている。これはどうも理解できないわけですよ。なぜ衆議院との差を少しでも埋めようとされないのか。これは当局の明確な答弁をお伺いするとともに、来年から差を埋める努力をされますか。
#67
○事務総長(植木正張君) 過去のいろいろな差はございますが、当面われわれがぜひ必要だと思っておりますのは、事務局庁舎の警備の関係での二名の衛視でございます。ただ、率直に申し上げまして、いわゆる純増でぜひ実現したいということでございまして、いわゆる定員削減関係でそれがふえるということは事務職が減るということでございまして、われわれ非常につらいところでございます。したがいまして、何とか純増で欲しいということで、いま努力しておるところでございます。
#68
○和田静夫君 当初差の理由というのは何か、おわかりになりましたか。
#69
○事務総長(植木正張君) これは衆議院との見合いで、新規にふえるときに、昭和三十五年とか四十年のころでございますが、その見合いでふえなかったということがございます。それから、出発時に二十二の差があった。この両方の原因でいま相当な差があるわけでございます。
#70
○和田静夫君 大蔵省ね、衆参これ、当初差があるわけですよね。これは当初差そのものが私は不合理だろうと思うんですが、この当初差の不合理な状態が起きた理由は何ですか、これ。
#71
○説明員(川崎正道君) 衆議院参議院ともどもに事務量を見ながら査定をして定員は決めております。したがいまして、今日の情勢におきまして衆議院に幾ら、参議院に幾らという形で考えておりまして、それぞれの事務量に見合った形で定員は決めております。
#72
○和田静夫君 二十二名差というのは、総長、どんな論理的根拠があるんですか。
#73
○事務総長(植木正張君) これは私は、確かなあれではございませんが、われわれとしては衆議院と同数であるべきであるという理論は、警備範囲の問題から言っております。また、衆議院においてはむしろ参議院よりも人数が必要であるという理論は、対象とする議員の方の数が違う、一番素朴な議論はここいらから出発しておると理解しております。
#74
○和田静夫君 いやいや、その出発点はわかっているんですよ。それで、参議院の側が二十二名差に甘んじなきゃならなかったというところに落ち込んでいるのはなぜですか。力関係ですか。いわゆる予算要求の能力差ですか。
#75
○事務総長(植木正張君) 実は、私もその辺が明快にどういう結論でそうなったかということを承知しておりません。ただ、途中において差ができた問題としましては、やはりこちらとしては衛視も要るけれどもほかの職員も要るというような問題で差がついてきたということを知っております。
#76
○和田静夫君 もし、たとえば参議院の議長以下の大蔵省に対する圧力差が当初差を生み、そしてその当初差の不合理な状態が今日まで放置をされているとするならば、それは事務当局の皆さん方を私、批判をしようとは一向に思わないんで、われわれを含んで、衛視の当初差の格差埋めのためにもっと努力しなければなりませんから、その辺のところはあなた方の方で意見があればもっと率直に述べてもらう方がいいだろうと思う。何もあなた方の折衝の範疇の中だけで……。どうも私は不合理だと思うのですがね。そして、理由もどうもつまびらかでないようだ、いまいろいろのことを言われますけれども。理由もつまびらかでないものをこのまま見逃しておくわけにはどうもいかぬという感じがするんですが、もう一言だけ。
#77
○事務総長(植木正張君) 実は、こういう衆議院との差につきましては、衛視あるいは速記、いろいろございます。したがいまして、われわれの基本的な姿勢としましては、過去のそういう差ということもあることは認めますけれども、現状においてわれわれが、必ずしも衆議院との差ということでなしに、われわれ自身としてどれだけの適正人員があればいいかということの交渉でいまやっておるということで、ただ差があるからその差を埋めろという単純な議論では、これは大蔵当局の御理解がなかなか得られないと、そう考えております。
#78
○和田静夫君 最後ですが、昨年の十月十七日の大蔵委員会で、銀行法の改正の中で私と村山大蔵大臣との論議を通じて、金融機関職員の週休二日制というものが日程に上ることになってまいりました。この衆参の予算委員会を通じても、それぞれ新しい大蔵大臣との間で確認がされてきました。そうしますと、日程的に言えば、大体六、七月ごろの作業を終えながら原案が作成をされていって、今年末十二月通常国会、まあ恐らく来年二月段階には銀行法が週休二日制について一定の方向を明確にするはずです。しかし、その銀行法原案はそういう形で明確になってくるでありましょうが、同時に、金融関係三法も同じような形をとるでしょうが、その前提になるものは、ある意味では国家公務員の週休二日制の問題が前提になるし、地方公務員の週休二日制が問題になるし、それと同じような立場における国会職員の週休二日制が問題になるだろう。この辺について、参議院の事務当局における週休二日制問題というのはどういうふうに……。もう試行の過程というのはずっと終わったわけですから、実践をされますか。
#79
○事務総長(植木正張君) 私どもは、基本的には週休二日制は人事院で定められる方式と全く同じ方式で実施したいと、そういうふうに考えております。したがいまして、先般の試行の場合でも、衆議院においては閉会中に実施して開会中は実施しないという方法をとりましたが、私どもは、議運の理事会の御了承を得まして、開会中であっても実施するということで、全く人事院と同じ方式で実施いたしました。
#80
○和田静夫君 そうすると、一般職公務員が週休二日制について完全実施に踏み切れば、開会中閉会中を問わず、それとの対応において全く同一の実施を行うと、こういうふうに理解してよろしいですね。
#81
○事務総長(植木正張君) さようでございます。
#82
○和田静夫君 時期についても同様ですね。
#83
○事務総長(植木正張君) これも、人事院でいつから実施することに決定いたしますか、現在わかりませんが、人事院が実施を決定いたしました時期と同じに実施したいと思っております。
#84
○和田静夫君 最後ですが、外国公館への職員の派遣というものをもう少し増大をする、増量をする、多方面に派遣をする、そういうことを事務当局で考えてみてもいいと思うのです、私は。シカゴかどこかにちょっぴりいると。しかも、議会制度とは余り関係のないようなところにいると。たとえば大胆に、ワシントンならワシントンに一人いるか、あるいはロンドンに一人いるとか、あるいはEC議会が広範に動き出している世情の中において、日本の国会が世界の議会制度から全く学ぶべきものがないということは言えないわけでありますから、そういう要所要所に事務職員が事務局の中から公館要員として配置をされるという努力があってしかるべきだと思います。今日までそういうような形での外務省との折衝をされたり、あるいは予算要求をされたり、あるいはそういう発想をお持ちになったりということはありますか。
#85
○事務総長(植木正張君) 現在、シカゴの総領事館に一人私どもの職員が参っております。外務省と折衝いたしましたときに、私どもとしてはワシントンあるいはニューヨークを希望いたしました。しかし、先方の館員の事情でやむを得ずシカゴということで、われわれもちょっとシカゴというのは余り満足した形でおるわけではございません。今後定期的にそういう交流で職員を出すということはぜひやってまいりたいと思います。問題は、語学の問題とか、いろいろこちらの出す職員の条件もございますので、今後そういう面から言えば、むしろいまの職員のそういう面の訓練といいますか、研修といいますか、そういうこともあわせてやっていきたいと考えております。
#86
○和田静夫君 何か唐突のような質問の形になりましたが、私は、もう少し各国の議会の運営そのものが学べるというような主要な公館に皆さん方の中からお出ましになる、そういうことを求められてしかるべきだと思うんです。それで、われわれがそのために外務省なりあるいは大蔵省なりに折衝をするということが必要であれば喜んでやりますからね。シカゴにいることがむだだとは習い夜ぜんけれどもね。やはりそれぞれのポストが配置をされたところでも活用され、またわれわれも、そこに配置をされた方々の調査なり日常の勤務の中から十分に学びとれるというような対応がなければいかないわけですから、そういう視点に立った努力というのを専務総長ぜひやってください。よろしいですか。
#87
○事務総長(植木正張君) 全く私どもが考えて期待しておりましたと同じことを先生から御指摘を受けました。この点は何とか実現を今後もしていきたいと思っております。
#88
○主査(糸山英太郎君) 以上をもって和田静夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、和泉照雄君の質疑を行います。
#89
○和泉照雄君 私は、まず調査室の拡充強化について質問をいたします。
 最近における保革伯仲を背景として、国会議員の国政調査活動が活発化しておるのは御承知のとおりでございますが、この国政調査活動をより一層充実したものにするためには、各常任委員会調査室の拡充強化が不可欠でございます。そのためには調査員の処遇改善を図らなければならないのも自明の理でございますが、そういう観点でまず伺いたいのは、具体的には、管理職でない一等級調査員の実現でございます。現在の調査室の状態は、室長を含め八名から九名前後の小人数の調査員で調査業務が賄われております。その中で、各調査員がスタッフとしておのおのの調査業務を担当しておるわけでございますが、ですから、本来管理能力よりもむしろ調査研究能力が望まれるわけであります。二十年以上調査員をしていて、それぞれの分野で幅広い知識を身につけ、議員のレファレンスに的確に答えられるように常に努力している調査員が、たとえ主任調査員にならなくとも、二等級で頭打ちということのないように処遇を改善するのが肝要ではないかと思います。総長も、昨年の分科会で、いわゆる平一等級の調査員の実現に努力すると、このように答弁をしておられるようでございますが、五十四年度予算では特別委員会に上席調査員が認められております。まず、この上席調査員なるものの誕生した経緯と、今後の運用についてはいかなる御所見をお持ちか、お伺いをいたします。
#90
○事務総長(植木正張君) 来年度予算でつきます上席調査員と申しますのは、特別委員会の調査に当たるための上席調査員でございます。現在私どもは、特別委員会の調査は、物価と航空機は独立の調査室を持っております。その他の特別委員会につきましては、関係の調査室が協力して分担するという形になっております。したがいまして、特別委員会の上席調査員をどの特別委員会に配置するか、あるいはどういう適格者を持ってくるかということは今後十分検討いたしまして実施したいと考えております。
#91
○和泉照雄君 いまの御答弁からしますと、上席調査員は新たな管理職層をつくるということになりますと、去年の答弁からしますと、「私どもとしては、今後ともできれば現在の調査員のままで一等級に行ける道、これを開くべく今後も努力したいというふうに考えております。」という御答弁からすると、非常に昨年の答弁の趣旨と反しておるように考えるわけでございます。と同時に、調査業務のライン化につながるというふうにも考えます。スタッフ的な要素の強い調査業務になじまないものになっていくのではないかと心配するわけでございますが、このような懸念に対してはどのような御見解をお持ちでしょうか。
#92
○事務総長(植木正張君) 上席調査員はまさしく特別委員会の調査員でございまして、先生のおっしゃっております一等級の調査員は常任委員会の役付でない平の調査員の中から一等級の調査員をつくっていくという問題で、一応別個の問題と私ども考えております。したがいまして、本年度の予算要求におきましても、一等級の調査員の要求というものとこの上席調査員の要求というものは二本建でいたしております。ただ、残念ながら、一等級調査員というのは実現を見ませんでしたが、今後もこの実現ということは要求してまいる予定でおります。
#93
○和泉照雄君 じゃ、上席調査員は五十五年度以降も――五十四年度は特別委員会の方が設置されておりますが、今後は常任のそういう委員会の方も含めてふやしていくという、そういうような要求をされるおつもりなんですか。
#94
○事務総長(植木正張君) さようでございます。
#95
○和泉照雄君 そうしますと、やはり平一等級の要望というのはまだ、実現をしておらないわけでございますが、この要望も続けて五十五年度――本年度はそれが実現しておりませんけれども、五十五年度から、ずっと続けていかれるおつもりでしょうか。
#96
○事務総長(植木正張君) さようでございます。
#97
○和泉照雄君 そうしますと、やがては、当局の根強いそういう陳情等によりまして、平一等級の調査員ができると思いますが、そのときには、管理職等のポストであるという一等級の上席調査員との関係というものはどのような展望を持っておられるか、将来の問題としてですね。
#98
○事務総長(植木正張君) 上席調査員は特別委員会の関係の調査員の中の一番スタッフ的な上席の者というふうに考えております。一等級の調査員は、これは常任委員会におけるスタッフ的な調査員と考えております。もちろん、この両方の相互の交流とか、そういうような問題は将来当然起きてくると思いますが、いずれにしましても、両方ができました場合に、特別委員会と常任委員会を分けて、これをきちっと処理していくということになろうかと思います。
#99
○和泉照雄君 いまの答弁で、上席調査員というのはもう今年の予算で特別委員会に一応設置されるということになりますが、将来常任委員会に設置をされるというようなことも考えられるんじゃないかというような想定からしますと、主任調査員との関連性というのはどういうふうに考えていけばいいのか、将来の問題でございますけれども、一応お聞かせ願いたいと思います。
#100
○事務総長(植木正張君) このいわゆる上席調査員とか一等調査員というのは、私どもあくまでもスタッフの問題として考えておりまして、ラインの問題としてはいまのところ受けとめておりません。ただ、問題は、現在特別委員会、独立の特別委員会の室長というのは常任委員会の主任調査員クラスが担当しております。したがいまして、将来特別委員会の調査室長が専門員になるというような事態になってまいりますと、この上席調査員というのがライン的な主任調査員ということに変わってくるということはあり得るかもしれません。しかし、現状におきましては、いずれもスタッフ的なものとして考えております。
#101
○和泉照雄君 上席調査員というのは、先ほどもお話がありましたとおり、やはり管理職層をつくられたことには間違いないんでしょう。
#102
○事務総長(植木正張君) どうも失礼いたしました。上席調査員というのは特別委員会のスタッフでなくて、ラインの管理職ということで、私ちょっとそこを取り違えておりました。
#103
○和泉照雄君 そうなりますと、数の少ない室長とか上席調査員ということは、この調査室はスタッフ的な色彩が強いんですから、そういうことで管理職をふやしたということだけでは国政調査の強化ということに私はつながらないと思うんですが、保革伯仲下で非常に活動が活発な中で、そういうようなことを考えますときに、ただ管理職をつくって、それでスタッフ的なそういうような業務の中の強化ということと両方考えてみたときに、強化にはつながらないと、こういうようなふうに思うんですが、総長の御見解はいかがですか。
#104
○事務総長(植木正張君) 私どもの考えております上席調査員あるいは現在います主任調査員、これは一つはラインの形をしておりますが、実際の職務の形を見ますと、ただラインとしての仕事だけでなしに、調査員としての仕事もあわせてやっておるわけでございます。したがいまして、こういうラインがふえたから必ずしも調査能力のプラスにならないとは考えておりません。むしろ、こういう上席調査員としてふさわしい優秀な人材が就任することによって、調査能力の方も相当な飛躍が期待できるというふうに考えております。
#105
○和泉照雄君 次は、特別委員会の調査室の人員増加についてお尋ねをいたしますが、昨年もこの問題については質疑をいたしたわけでございますが、改善をされる気配は全然見せていないわけでございます。特にロッキードは航空機輸入に関する調査特別委員会と名称を変えました。調査員は兼務が多くて、かつ、兼務とはいってもほとんど常任委員会の原調査室にロッキードの問題の特別委員会は戻っておったのが実態でございますが、今回グラマン問題等に関連をして、再び特別委員会調査室に詰めることになったために、当該の原調査室では手不足に悩んでいるのが実態でございます。派遣された調査員自身も、かけ持ちというきわめて不安定な状態で両方の仕事をするという労働過重を強いられているのが実態でございます。この兼務調査員が現在七名にも上っております。五十四年度予算では常任委員会に一名の増員が認められたものの、これは焼け石に水の状態でございます。大蔵省は新規事業の場合には定員増を認めるということですから、特別委員会の調査室の新設時に純増で手当てをすべきものであったはずでございますが、本来兼務で対処すべきものではないと私は思います。したがって、このような常置化されている特別委員会には、各常任委員会から派遣という形をとってあらゆる方面で労働過重を強いることのないように、特別委員会にも十分な定数を確保するように努力すべきではないかと思いますが、今後この問題についてどのような改善を図っていくつもりか、総長の御見解をお伺いします。
#106
○事務総長(植木正張君) 調査員の数が全体的に少ない、もっと増員が欲しいということは私ども真剣にそう考えております。問題は、参議院におきましては、原則は特別委員会の調査は関係する常任委員会の調査室が担当するということになっております。そういう場合に、増員を必要とするのは常任委員会の調査員でございます。したがいまして、いま確かに二つの独立した調査室をつくって、各調査室から人間を抜いております。兼務の職員はその特別委員会だけの仕事をする体制で、自己の所属する常任委員会の仕事はしないということでやっております。それだけに、抜かれた調査室が手不足になるという現実も確かにございます。したがいまして、私どもとしては、特別委員会の調査員の増員ということもさることながら、常任委員会全体の調査員の増員、基本的にはそういう線で今後努力していかなければならぬと、そういうふうに思っております。
#107
○和泉照雄君 その理由はよく理解はできますけれども、現実に非常に活発にいろいろ調査活動しておるそういう特別委員会あたりはやはり増員をして、積極的なそういう調査活動が推進できるようにするのが私は大事じゃないかと思うんですが、そういう意味から、今後はやはり増員の方を極力進めていくのが当然だと思いますが、いかがでしょうか。
#108
○事務総長(植木正張君) 仰せのとおりでございます。われわれもその方向で努力をいたしたいと思います。
#109
○和泉照雄君 次は、女性の仕事の見直しと職域の拡大についてお尋ねをします。
 国政調査活動に直接的に携わっている部署、たとえば委員部とか調査室等には、補助的業務を除いては、女性は、調査員に一人おられるようでございますが、ほとんどいないというのが実態でございます。立法府である当院は、議員により依頼された国民各層の問題を直接的に取り扱う場であり、両性の参加による業務遂行は絶対に必要でございます。同時に、男女の平等は国際的趨勢にあり、一九七五年の国際婦人年に当院で男女平等の決議をし、七六年に政府が作成した国内行動計画は、他省庁に先駆けても積極的に実施、実行しなければならない立場にあるわけでございます。
 このような基本的な考え方に立って、現在の女子職員の業務の見直し、拡大、そのための指導訓練をどのようにしておられるか。さらにまた、現在の採用の問題を中心にお伺いをいたしますが、まず、この問題の女子職員が補助的業務しか与えられていないことに対して、一昨年の分科会でも当時の人事課長が、女子のやれる職場があればこれから改善してみたいと約束をしておられますが、この職域の拡充、見直しについて総長はどのように考えていらっしゃいますか。
#110
○事務総長(植木正張君) 女子で一番問題になりますのは、女子が五等級の係長という責任のあるポストについたときに一体具体的にどういう事務をさせるかという問題でございます。したがいまして、現在の方針といたしましては、そういう女子を適材適所的に課の配置転換をいたしまして、そこで十分にそういう事務に習熟し、練達の士になっていただくという方針をいまとりつつあるところでございます。
#111
○和泉照雄君 具体的にいろいろおとりになりますけれども、あなたたちトップがそういうようなことをお考えになっても、中間層がやはり意識の変革がないと非常な障害になるという点もあるわけでございますが、この中間層の意識を、現状のままの進展が見られないという状態をどういうようにして打開していかれるつもりか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
#112
○事務総長(植木正張君) これは、いま先生がおっしゃっておられますのは、たとえば、そういう女子の配属を受けた課の課長、あるいはその女子を使う立場にある課長補佐、そういうところの意識の問題であろうと思います。そういう点につきましては、女子がそういう職場に配置がえになりましたときに、私どもあるいは人事課長の方から、当該責任者に対しては十分に指導、養成をするようにということは常々申しておるところでございます。今後もそういう面で、そういう課長あるいは課長補佐の方の認識を十分持ってもらうような努力は続けていくつもりでございます。
#113
○和泉照雄君 職域の拡大の一つの方法として、たとえば仕事に必要な会計とか共済関係あるいは語学といった研修にも女性が積極的に参加できる状況をつくり出すことも大事じゃないかと思いますが、その辺のことはいかがお考えでしょうか。
#114
○事務総長(植木正張君) 大変数は少のうございますが、過去に統計研修所の統計研修、あるいは人事院職員局で行います秘書業務研修、あるいは民間団体で行っております語学研修、こういうところに女子職員を研修に出した前例がございます。したがいまして、今後こういう研修の機会にはそういう女子職員もどんどん出すようにいたしてまいりたいと思っております。問題は、私どもの女子職員の現況を申しますと、五等係長あるいは四等係長に昇進いたしましたときはもはや相当な年齢になっておりまして、四十歳ないし五十歳ということでございます。したがいまして、そういう方たちが研修に果しておいでになる意欲があるかどうかということも、われわれも一面考えなければいかぬというふうに考えております。
#115
○和泉照雄君 次は、採用試験の問題でございますが、現在の当院の行政職の採用は、大学卒は男子のみで、女子は短大卒以下のみ採用という形態をとっているようでございますが、大学卒女子は募集をしないで、各種試験も男女別に行われております。この採用差別は身分的な差別にも直結するものであり、許さるべきではございません。先ほども述べましたが、国会の業務上、立法府という立場からも、この採用差別はなくさなければならないと思います。当局はよく、女性にふさわしい仕事がない、こういうふうに言い逃れをされますが、これは、先ほども言ったように、職域の拡大をすれば済むし、実際問題として女性に男性がいまやっている仕事ができないということはないし、たとえば社労とか文教の調査室には女性の調査員も必要ではないかと思います。これはほんの一例でございますが、このように、探せば幾らでもあるのではないかと思うのでございます。そういうことから、現在の採用における男女差別を撤廃をして、大卒試験に女性にも門戸を開放していただくことを確約をしていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
#116
○事務総長(植木正張君) いずれか将来においては、そういうことも具体的問題として考えなければならぬと実は思っております。しかし、現状におきましては、たとえて申し上げますと、六等以下の一般の事務職員の場合、現在百七十三名のうち女子が百四名を占めております。また、中心となって働きます係長クラスを見ました場合でも、百五十四人のうち女子が七十人と半数を占めております。したがいまして、このような現状のときにおいては、われわれとしては若い男子の職員をもっとふやしたいという考え方を非常に強く持っておりますものですから、現在のようなやり方をしております。
 で、先生がおっしゃいますように、確かに社労の委員会あるいは文教委員会、女子として相当な知識を持っている職員を配置して十分働き得る場所というのはあると思います。何せ、いまはそのような状態でおりますものですから、鋭意男子の職員の増加ということを心がけざるを得ないというのが現状でございます。
#117
○和泉照雄君 この問題は、決算委員会、内閣委員会等でも、審議会等の婦人の方々の参加というようなこと等も含めまして、国際婦人年ということもありまして、非常に問題になりました。そういうことからも、男女平等という立場から、やはり才能のある方には門戸を開いてあげるということは積極的に考えるべきじゃないか。男子の方のそういう職域の拡充強化ということとあわせて、女子の方もそういうふうにやるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#118
○事務総長(植木正張君) お考え方としては非常に私もわかるんでございますが、私どものいまの考えとしましては、事務局の職員構成の現状、それから先ほど申し上げましたように、四十、五十歳になっておる係長クラスの女子の事務の面の活用と、実はこういうところが精いっぱいでございまして、その問題にいますぐ踏み切るという考えまでには至っておりません。
#119
○和泉照雄君 次に、用務課に在職する労務職員の処遇改善についてお伺いをいたします。
 昨年この分科会で同僚の矢原議員が、この用務課の職員の劣悪な処遇実態を指摘をして、速やかに改善を図るとともに五等級昇格の促進を要求しましたところ、総長は、将来には全員五等級に処遇改善で上がれるように検討していきたい、特に指摘をされたような低給料でないように改善の努力をしたい、このように改善の努力を約束をされましたが、その後一年、昇格を含め、どのような改善を行われたのか。職場からは依然として処遇改善の声が強いようでございますが、明快な御答弁をお願いいたしたいと思います。
#120
○事務総長(植木正張君) 昨年私が申し上げましたことは、労務職にある方でも、最終的に退職されますような時点では、一応皆さん五等級に昇格をしておられるという形が望ましいということを申し上げたわけでございます。
 御存じのように、現在の労務職につきましては、やはり作業主任というものから五等級に上がっていくという形がございます。作業主任と申しますのは、その下に組長が何人かつきまして、その下にさらに組員がついている一つの組織の現場の責任者でございます。したがいまして、現在の状況から申し上げますれば、作業主任にならなければ五等級に行けない、一方、作業主任はそんなに数をふやすわけにいかぬと、こういう問題がございます。昨年以降いろいろ検討いたしまして、ただいままでにはその作業主任のうちの一人を五等級に昇格させたというのが、非常に数は少ないのでございますが、改善の実績でございます。
 今後の考え方といたしましては、やはり作業主任にならなくても何らかの方法で五等級に上がっていくということを将来考えなければいかぬのではないか、ただ、現実問題といたしましては、その必要性が出てくるのはもう少し先の問題として考えていいのじゃないかと、そういうふうに考えております。
#121
○和泉照雄君 答弁を見ますと、非常にデリケートな言い回しでございますけれども、「全員に大ぜいいくというような形にはいまなっておりません」、ただし「その辺は将来の検討事項として」、全員がいけるように検討事項として十分検討してまいりたいと、こういうことですから、全員が五等級になるように将来検討をすると、実現に努力をするというふうに解釈してよろしいんですね。
#122
○事務総長(植木正張君) その点が、先ほど申し上げましたように、作業主任にならなければ五等級にいけないということでございますと、作業主任にならない方は五等級にならないで退職という現象が起きるわけでございます。私の申し上げておりますのは、そういう場合でも最終的には五等級に何らかの方法でいける方途を検討したいと、こういうことでございます。
#123
○和泉照雄君 一般事務職員に比べて、先ほどの労務職を初め、保手、運転手等の技術系の職員の処遇はかなりおくれているのが実態のようでございます。当該職場ではかなりの不満があるようでございます。技術職の行(一)採用、運転手は四等級昇格、労務職の五等級昇格促進など、職員の要求をよく聞いて、この七月には一層の努力、改善をして当局の責任を果たす必要があると思いますが、このまま劣悪な状態で放置するということは管理者の責任ではないかと思いますが、その辺のところの御見解はいかがでしょう。
#124
○事務総長(植木正張君) われわれはこの問題を放置しておるわけではございませんで、何らかの処遇改善ということは、現行の制度あるいはわれわれの運用の基準の中で少しでも改善を図っていこうということで努力をいたしておるのでございます。要は、この処遇改善の一番の問題は、前の人に実施をしたことが後の人に実施できないとか、実施の時期が延びるとか、こういうことが非常に問題になるわけでございます。したがいまして、そういう改善をする場合には、人的構成あるいは長期的展望等、そういうようなことも十分考慮しながらやらざるを得ません。ことしも七月にまた昇格期が来るわけでございますから、そういうことを念頭に考えながら、改善の余地があるかどうか、検討をいたしてまいりたいと思います。
#125
○和泉照雄君 最後に、先ほどもございましたが、公務員の週休二日制について、人事院並びに事務総長の見解を伺いたいと思います。
 近年、日本人は働き過ぎると世界的に各国から批判を受けておるところでございますが、また最近は、大平総理の週休二日制について前向きに検討せよという指示もあって、さきの政府の省エネルギー・省資源対策推進会議では、省エネルギー、雇用機会の拡大の点からも公務員の週休二日制の実施を積極的に推進すべしと、この意見が強かったようでございますが、週休二日制について人事院並びに事務総長のお考えを伺って、質問を終わりたいと思います。
#126
○政府委員(金井八郎君) 昨今、雇用の拡大ないしは省エネルギーの観点から、週休二日制の推進につきまして動きがございますことは御指摘のとおりでございます。ただ、公務の場合は、国民生活に密着いたしました職種ないしは特殊な部門というものが数多くございまして、また、行政サービスの急激な変化というものも避けながら週休二日制を導入しなければならないという特殊な困難な条件というものがございます。そういうことで、これらの問題を十分に解明して、その対応策を検討しながら週休二日制を導入する必要があるというふうに考えまして、再度の試行をお願いし、いま二回目の試行が終わろうとしておるわけでございます。その試行の結果をとにかく見ましてから今後の方向というものを判断するということになろうかと思います。
 ただ、考えますに、週休二日制はいわば世界の大勢でもございますし、人事院が調査対象としております民間企業におきましても約七割に達しておる、いわば週休二日制が定着しつつある状況でございます。まあそういう状況を踏まえまして、人事院といたしましてはできるだけ早い機会に週休二日制の具体化を図りたいということで、現在鋭意検討をしておるところでございます。
#127
○事務総長(植木正張君) 参議院におきましては、週休二日制の問題は、人事院で定められた試行方式をそのとおり受けて実施をいたしたわけでございます。今後も、週休二日制について人事院がお決めになった方針あるいは方式によって、われわれも実施いたしてまいりたいと、そう考えております。
#128
○主査(糸山英太郎君) 以上をもって和泉照雄君の質疑は終了いたしました。
 ほかに御発言もないようですので、皇室費及び国会所管に関する質疑は、これをもって終了したものと認めます。
 それでは、午後一時から分科会を再開することとしまして、これにて休憩いたします。
   午前十一時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#129
○主査(糸山英太郎君) ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。
 昭和五十四年度総予算中、内閣、総理府本府及び沖繩開発庁所管を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#130
○広田幸一君 私は同和問題一本にしぼってお尋ねをいたしますが、まず長官にお尋ねしますけれども、御案内のように同和対策特別措置法が三年間延長になったわけでありますけれども、この三年間の延長というのはいろんな意味で意義があると思うんです。で、これから同和事業を推進していただくに当たって、総理府総務長官としての責任もあると思います。そういった意味で、この三年間の意義について長官の方から承りたい。
#131
○国務大臣(三原朝雄君) 御指摘の三年間延長の問題でございますが、何年間延長すべきかというような問題について非常な論議が経過的にはあったことでございますが、しかし、実際問題として、今日までやってまいりました同和対策事業、それなりの成果はおさめてまいりましたけれども、過去の実績を顧み、また現在、将来を展望してまいりますと、幾多の問題を残しておる。そこで、まあ最終的に三年間を延長して対処してまいろうということに相なったことは御承知のとおりでございます。
 そこで、その際に具体的な内容として論議がございましたのは、この時点に立って見ますと、まず残事業がどのくらい見込まれるかというような問題が第一点になろうかと思うのでございます。
 それから、この心理的、心情的な差別、まあ言いかえますならば、国民皆さんに御理解を願ってまいらねばならぬわけでございまするが、そういう点がやはりなかなかそこまで行ってないという、啓蒙運動の点でも問題を抱えておるというような一つの問題があったと思うわけでございます。
 それから、過去の運営面から検討してまいりますと、現行法の特別措置法のもとでこの運営が効率的に運営できるかどうかというような問題が論議をされ、とりあえずは現行法でやってみるが、やはりその状況いかんによっては法の改正まで考えざるを得ないというようなことが私は今回延長の意義であり責任であろうと受けとめておるわけでございます。
#132
○広田幸一君 いま長官の方から三つに分けてお話があったんですけれども、私がこの問題をあえて長官に御質問を申し上げましたのは、私の部落の実態を見る状況の判断としまして、十年間で確かに一定の前進はあったと私も評価するわけですけれども、しかし、まだまだ相当な残事業が残っておると、こういうふうに思うわけでありまして、あの三年間延長になった時点で、まあ私どもとしても少なくとも五年は要るだろうと、こういうふうに思っておったんですけれども、いろんな政治的な含み等もあって三年間でおさまったわけですけれども、しかし、いま私たちが調べております数字をもってしましても、長官がおっしゃった趣旨はよくわかるわけですけれども、実際、残事業が三年間でできるだろうかという、そういう不安な気持ちがあるわけでございますので、そこらを特に私は聞きたかったわけでありますが、そこでお尋ねをいたしますけれども、総理府の方で残事業を現在どの程度見積もっておられるか。まあ解放同盟とかあるいは自治体等からの報告もあると思いますけれども、大体どの程度御掌握になっていらっしゃるか、そのことをお聞きをしたいと思います。
#133
○政府委員(黒川弘君) 昭和五十年におきまして全国同和地区調査を実施したわけでございますが、その調査の中で、昭和五十年度以降、これは当時見込まれておりました法律が切れますところの五十四年度以降も含むという前提でございますが、そういう前提を立てまして、各自治体においてどのくらいの事業量が計画されているかという調査を実施したわけでございます。当時、事業費にいたしまして約一兆二千億円、国費にいたしまして約七千六百億円という事業量を把握したわけでございますが、その後五十年度から五十三年度まで予算で措置いたしました対応する部分を差し引きますと、昭和五十四年度以降、国費にいたしまして約三千二百億円という事業量が見込まれているわけでございます。ただし、いま申し上げましたように、この三千二百億円の数字の意味は、その後におきます物価等の変動の要素は含んでおりませんので、この分は当然考慮に入れなければならないということでございますが、政府として調査に基づいて把握しております数字は、ただいま申し上げたとおりでございます。
#134
○広田幸一君 同盟の方はどのくらいの報告が出ていますか、解放同盟の方は。それから自治体の方ですね、自治体の方はいまおっしゃった一兆二千億ですか。
#135
○政府委員(黒川弘君) 政府が行いました調査のほかに全国市長会が昭和五十二年に調査を実施しているわけでございますが、これは対象が同和地区を有する市に限られているわけでございますけれども、その調査におきましては、事業費といたしまして約一兆二千億という数字を把握したというふうに伺っております。ただ、この一兆二千億の対象でございますが、これはいわゆる単独事業も含んでおりまして、その点が政府が実施いたしました調査と違う点でございますし、それから、申し上げましたように、町村関係の数字は含んでいないということでございますので、なかなか一概に評価がむずかしいわけでございますが、一つの実績として、調査されました実績を政府としても受けとめまして、これは何らかの意味で参考にさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
 なお、解放同盟におかれましては、いまの市長会の調査をもとにし、なおそのほかいろいろな推計を交えまして、しかも、いわゆる物的事業のみならず、物的事業以外の事業も含んで約五兆六千億というような数字を発表されているというふうに思うわけでございますが、これもいろいろな前提が絡む問題でございますので、一つの調査といたしましては評価いたしますけれども、なかなか政府が把握いたしました事業量との比較がむずかしいので、その点に留意いたしまして、これからの検討材料であるというふうに考えている次第でございます。
#136
○広田幸一君 いまお聞きしました数字を見ましても、国費が三千二百億、それから市長会の報告が単独分が含まれておるにしても一兆二千億、それから解放同盟が五兆六千億、これはいろんなのも含んでおるようでありますが、いずれにいたしましても相当な開きがあるわけでございますが、この開きをどういうふうにして調整するかということは確かに国としても大変な作業だろうと私は思うんですが、どういうのを基準にして調整をこれからされるのか。やっぱり出発点が非常に大切でございまして、出発の時点で双方の間に非常に開きがあって理解が得られないということになると、これから事業を進めるに当たって問題が出てくると思いますので、そういった意味ではやっぱり出発点の調整というものをお互いが把握し理解するということが大切だと思いますので、そういう意味でこの開きをどういうふうなことを基準にして調整をしていかれるか。
#137
○政府委員(黒川弘君) 前回法律の延長が議論されたときに問題になりましたのも、いわゆる残事業の把握をどうするかということでございまして、これは先ほど申し上げました政府の把握によります約三千二百億円という数字でございますが、国庫補助事業を基盤に置きまして把握しているわけでございますが、この数字につきましても、昭和五十年におきまして調査いたしましたその時点以降推移がございまして、昭和五十年当時、いわゆる同和地区対象地域ということで報告されませんでした地域について、いわゆる追加報告の形で上がってまいったものもございますが、これに絡む数字はこの中に含まれていないわけでございます。そのほかに、昭和五十年当時報告をされましたその時点以降におきまして何らかの事情の変更がありまして、事業量自体も若干の相違が生じているというふうな事態も考えられるわけでございますが、このことにつきましては、各事業所管省におきまして、当該府県からの事情聴取ということを中心にいたしまして実態の把握に努めてまいりたいというように考えておる次第でございます。
#138
○広田幸一君 これは衆議院の予算委員会でもいろいろと論議があったようでありますけれども、五十年度の調査をもとにしてやるということでございますけれども、われわれが考えまして、実態をより正確に把握するというためには、やはり延長になった五十四年から改めて調査をすると、こういうことが一番いいんじゃないかというふうに思うわけですけれども、総理府の方の予算としては百数十万円が一応調整のようなかっこうで出ておるようでありまして、各省庁の分は既存の経費の中から出すと、こういうふうに御答弁をなさっておるようでありますけれども、それでは少し正確な調査ができない、やはり何ぼかの予算をつけて調査をするということがいいではないかと、こういうふうに私思いますので、再度そういった意味の要望を含めて御質問申し上げたいと思います。
#139
○国務大臣(三原朝雄君) ただいま御指摘の点でございますが、先ほど来政府委員からも申し上げましたように、現実の問題として地域の新しい追加も出てまいる、それから事業面におきましても五十年度調査をいたしました当時からずいぶん幅も拡大してきた、その間に市長会の――これは単独事業も入りますけれども、市長会からも出てきた、同和の組織からも上がっておるというようなことでございます。したがいまして、この延長の時期にどう対処するかということは大きな実は問題であるわけでございまするが、五十年に実施いたしましたような大々的な調査ということはいまのところは考えておりません。しかし、五十年の際に実施いたしましたものに新地域をどうプラスしていくか、あるいは各方面からの要請が出ております事業を、国でやるべきものと単独で地方公共団体がおやりになるものというようなものをとにかくとりあえず五十年のものを基礎にして整理をしてみようというわけで、いま関係事業省庁の間に連絡会議を絶えず開きまして整理をいたしております。そして各事業省庁が現地との連絡を県あたりと事情聴取をしたりして整理をいたしておりますほかに、なおそれが解明できないようなところには、いま言われましたわずかな予算でございますけれども、総理府は総理府で出ますし、また関係省庁もその既存の経費の中で現地において調査をする、そういうことで、とにかくそういう整理をしてみてくれ、それによってなおかつ把握ができないという場合には考えねばならぬと思いまするが、現在のところでは、五十年を基礎にし、それに新しくしたものを付加いたしまして整理をして、とりあえず実態把握というようなものをやってみようではないかということで現在進めておる状態であるわけでございます。その結果によって、また御意見等も踏まえて対処せなければならぬかなと思うわけでございます。
#140
○広田幸一君 そうしますと、長官、私先ほど申し上げましたように、三年間ではとうてい残事業ができない。といいますのは、私たちがそういった部落を回ってみまして、確かによくなっておる。ところが、よくなっていないところの部落の方がたくさんあるものですから、ですから、十年間でこれだけしかできぬのに、三年間になったらその倍以上もあるように、私はそういう感じを受けるわけですよ。ですから、大変な無理であろうというので、いままでの私たちの掌握しておるところでは、とにかく三年間でやるんだというふうに聞いておるもんですから、いま長官がおっしゃったように、一生懸命に三年間やってみてなおかつできない場合には、その時点でまたいろいろと判断をする、こういう御答弁でございますから、引き続いて残った事業というものは将来も推進をしてやっていけるものだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#141
○国務大臣(三原朝雄君) 御指摘のように、私はきわめて重要な政策でございますし、これが事業が実体的に残っておるのをここでどうするということにはならぬと思いまするので、それはもちろんいまから実態の把握もいたしますが、また、精力的に事業も推進していって、三年の少し事前において、どう対処するかということを決めねばならぬ。それは現在のような形でするかどうかというようなものを広く含めて私は処置するときがあるのではなかろうか、そう判断をいたしておるところでございます。
#142
○広田幸一君 よくわかりました。
 そこで、これは私の取り越し苦労かもしれませんけれども、国の財政も大変窮屈にだんだんとなっていくと思うんです。そういう意味で、そういう過程におきまして財源問題でいろいろ財政当局の方から、そう言うけれども実際はできないのだというふうな話も将来は起こり縛る可能性があると私は思うんですが、そこで長官に、そうは言ってもやっぱりこの問題はこういう意味で非常に重要性を持つんだ、こういうことを大いに主張してもらわなければならぬわけですけれども、その場合の基調といいますか、物差しといいますか、そういうことについて、長官としてこの同和対策問題について基本的にどういう考え方で臨もうとされておるのか、ちょっと質問がばあっとしておりますけれども、そういう基調的なものをお聞かせをいただきたいと思うのです。まあ物差しでございますね。
#143
○国務大臣(三原朝雄君) 先ほども申し上げましたように、私はこの同和対策事業というのはきわめて重要な政府の施策であると思うのでございます。したがいまして、この延長されました三年の期間においてできるだけひとつ御要望に沿う線を達成をいたしたいという努力はいたさねばならぬと思いまするが、しかし、いま申されましたように限時的な立法でございまするから、その時点でどうだというそのときの姿勢を示せということでございますが、私は、やはり重要な政策である以上、財政が不如意だからということでは相済まぬ問題であると思うわけでございます。しかし、これをいまのような実施の方法でいくのか、あるいは一般の公共事業的なものに織り込んでいくのかというようなこと、私はそれはちょっと言い過ぎた発言でもございまするけれども、いずれにいたしましても、この問題はやはり最後まで処理をしていかぬばならぬ、達成していかねばならぬ私は構えで進むべきである、そういう考え方でおるわけでございます。
#144
○広田幸一君 三原長官が、三年延長するときにその委員会で非常にそういった意味の主張をされたということを私も仄聞をしておりまして、いまの答弁、非常に結構だと思うんですけれども、私は長官がずっとそうした長官でおられるかどうか別としまして、やっぱりこういう物の考え方があるようにも思うのです。昔よりも同和部落に行っても非常によくなった、いわゆるベターだと、まあこの程度でしんぼうせよというふうな考え方は私は間違いだと思っておるわけです。
 ちょっと時間がかかりますけれども、私も部落の実態をいろいろ見まして、いろんなことが言えると思います。それは、私は医療問題に非常に関心を持っておるわけですけれども、医療問題も非常に供給体制が不十分でございまして、非常に病人が多い。地区の調査によりましても、寿命が全国平均よりも低いというようなところが事実上ございます。それから、労働にしましてもやっぱり重労働でございまして、労働時間というものは非常に長い。そのことは保育所に行ってみまして、保育所が年中無休といいますか、いつも預かっておる、こういうふうなことを見ましても、やっぱり同和部落というものはよくなったとはいいながら一般のそれに比べまして非常に悪い、こういうふうに私は見てとっておるわけであります。
 それから、最近の雇用の問題につきましても、非常にみんなが悪いわけですけれども、特に同和の場合は、一般の場合に比べまして私の調べたところでも五倍から六倍就職がむずかしい。しかも、就職をしましてもパートであるとかあるいは臨時であるとか、非常に不安定な職業についていらっしゃる方々が多いわけですね。私は、そういうことを見ますと、確かに昔よりよくなったけれども、まだまだ比べれば相当な開きがある。そういう開きというものを少なくとも全国というか、一般の水準まで持っていくという、そういう考え方でもってこの同和事業に進まないと、財政的な面ではこうだああだという話が出てきた場合には、まあ過去六千億円の金がかかっておるんだから、また今度かけるというのは大変だからということで財政面で押しまくられるということになると、いわゆる弱い人たちを守っていくという、社会的な不公平をなくするというそういう運動から離れてくる。総務長官にえらい釈迦に説法な話でございますけれども、そういう考え方を私は将来一つの基本としてやっぱり持ち続けていただかなければならない、こういう意味で申し上げたわけでございまして、そういうことで長官もやっていただけると、こういうふうに確認をいたしたいと思います。
 そこで次は、先ほども自治体からの報告の問題がちょっとあったんですけれども、附帯決議の自治体の負担軽減はどのように考えておられるか。確かに先ほどございましたように、自治体は単独事業としてかなりのものを出しておるわけでありますが、この十年間の――まあ法によりますと三分の二を国が負担をするということになってはおるわけですけれども、現実にはかなり地方自治体の持ち出しというか、負担分が多いようでありますが、そういうこともあって附帯決議にあのようなことが出ておると思うのでありますが、この辺の把握と将来の問題はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。
#145
○国務大臣(三原朝雄君) 紋切り型の答弁は私はできるだけ避けたいと思います。
 いま申されましたように、予算的には国が行います事業については三分の二の補助をいたしておりますし、また起債も決定をいたしますれば十分つけるということは約束してきております。年々の予算におきましても、他の国の事業の平均値よりもずっと高い率の予算を増加さして年々きておるところでございます。また事業面におきましても、いままでこれだけであったぞというような決めたことを新しく拡大してもまいっておるわけでございます。しかし、先ほども政府委員が触れましたように、単独事業というようなものも、やはり現地からの強い要請があり、先ほども申されましたように生活環境の格差があるものですから、そういうことで市町村長さん方に強い要請をする、そういうことで、無理な単独事業というようなことでやられることが結局財政に大きくのしかかってくるというふうな実態を、私も、私の郷土に非常にそういう運動が強く展開されておるものですから、よく承知をいたしておるわけでございます。そういうような実態もあることを承知をいたしておりまするので、しかし、地方財政に大きな負担をかけておるということは否めない事実でございますから、先般も、四、五日前でございましたが、全国から各県の担当者会議をいたしまして、自治省から財政課長も来ていただいて、いろいろ意見交換をし審議を願ったわけでございますが、今後とも関係省庁並びに地元府県とも連絡をいたしまして、地方財政負担をどう対処するかということについては、これからひとつ詰めてまいらねばならぬと考えておるところでございます。
#146
○広田幸一君 長官のおっしゃった意味、よくわかるんですけれども、私のちょっと調べたところでは、十年間に三分の二の国の負担が実際は三六%になっておると、こういうふうに聞いておるわけでございますし、この数字は自治省の方から言っておるわけですから間違いない数字であろうと思うんですけれども、そこで、長官、いまそういったあれはわかるんですけれども、自治体は、いま長官がおっしゃいましたように、直接住民とのつながりがあるわけですから、どうしても首長も実態を見ればやってやらなければならぬし、また住民からも強い要求があるわけですから、勢い単独ということがどうしても出てくると思うんです。
 で、見直しといいますか、基準の見直しをしていくという、そういうことがいま長官がおっしゃった言葉の中にあると思うのですけれども、いままで一定の基準というものがあると思うのですが、そういう基準の見直しをやっぱりやっていかなければ、抽象的に言ってもなかなかむずかしいではないかと、こういうふうに思うのでありますが、その基準の見直しですね、ここを単独にし、これを国庫負担にすると、そこらのことをもっと詳しく実情をお聞かせいただきたい。
#147
○政府委員(黒川弘君) 国庫補助対象事業の拡大ないしは補助基準の改善につきましては毎年努力をいたしまして改善を図っているところでございますが、いま御指摘のような問題もございますので、十分念頭に置きまして、さらに一層この国庫補助基準の改善あるいは国庫補助事業対象の拡大という、この点につきましては努力してまいりたいと考えております。
#148
○広田幸一君 これは先ほど各自治体からも強い要求があっておるようでありますし、地方自治体も財政で非常に苦労をしておるわけですから、ひとついまの答弁のあった線で、一層の要望にこたえてもらうようにお願いをしておきたいと思います。
 次は、いわゆる地名総鑑の問題について、法務省の方もお見えになっておると思いますし、総務長官も含めて私はこれを質問を申し上げたいと思いますが、すでに判明をいたしましてから三年数カ月経過しておるわけでありますけれども、どうもいまだ根本的な解消がされていない、解決がされていないと、こういうふうに思うわけでありますし、それから法務省の方から聞きましたこの数年間のいわゆる差別問題の事件の取り扱い件数が、この地名総鑑が出た五十年から急速にふえておると、そういう事実から見ますと、緊急に早くこの問題を解決をしてあげなければ部落の皆さんに対しても申しわけないと、こういうふうに思うのでありますけれども、なぜこんなにもたついておるのか。いろんな事情もあろうと思うのですが、そこらのことも含めて、将来の問題も含めて御説明を願いたいと思います。それは長官からでもあれですし、法務省の方からでも事実問題として御報告願いたいと思います。
#149
○国務大臣(三原朝雄君) 法務省からまず……。
#150
○説明員(中津川彰君) 法務省の同和対策に関する役割りというものは、いわゆる心理的差別の解消でございます。したがって、その心理的差別の解消の点からこの地名総鑑等に対処してきてまいっているわけでございますが、このいわゆる地名総鑑が発覚してから法務省が対処してきた方針、あるいは実際にやってきたことというものは、管下の法務局の人権擁護担当職員及び人権擁護委員を叱咤激励いたしまして、この種事件の解明――なお、この解明といいましても、刑事事件と違いまして、こういう地名総鑑が出るに至った原因、あるいはその心理的な問題の点のどこを啓発したらいいかという点についての解明でございますけれども、その点でいろいろ努力してまいってきているわけでございます。
 五十年十一月から第一の図書が発覚し、それから第八は五十三年五月に一応発覚しているわけでございますけれども、その間にわれわれとしては誠心誠意努力してきております。なお第八が出た際には、大阪を中心といたしまして、地方自治体の協力のもとに、また各関係省庁の協力のもとに、それに対応するような差別を売る者を発見したらすぐ法務局に一一〇番してもらいたいというようなポスターを掲示するとか、あるいはNHK、民間放送等を通じてスポットを流すというような臨機な対処をしてきておるわけでございます。今後ともこの種事件については積極的に対処していくつもりでございますし、またわれわれはその覚悟でおります。
 以上です。
  〔主査退席、副主査着席〕
#151
○広田幸一君 いまの報告では私はやっぱりいけないと思うんですよ。これほどの事件でございますから、法的な規制がなぜできないのかというところに問題があるわけでして、なぜ法的な規制ができないのか、そういうところを説明をしてもらわないと、いまそういう実態を調査をして、あれば啓発をするということでなくて、なぜこういうような人間の人権を無視した、しかも金もうけのためにやられておるこういう問題がなぜ法規制によって取り締まることができないのか、そこのところを説明してもらわないとわからないです。
#152
○説明員(中津川彰君) この点で、いま先生の御指摘の地名総鑑との関係における法規制ということでございますけれども、法務省といたしましては、地名総鑑の類似の、もし法規制をするとするならば罰則を伴うことも一応考えなければいけないというようなことで検討してきているわけでございます。この問題点がどこにあるのかということで、確かに理論的に考えますと、こういう差別を売る者に対して罰するのは簡単ではないかというふうに、あるいは表現の自由の枠外ではないかというふうにお考えに、またわれわれもすぐそのことはわかるんでございますけれども、いざこれを立法的にどうするかということになりますと、非常に問題があるわけでございます。それは釈迦に説法かもわかりませんけれども、憲法二十一条に言論、出版の自由というのが基本的人権の、民主主義の基本であるということで規定されている。それとの関係におきまして、最高裁判所の判例におきましても、この二十一条との関係の合理性の基準というものが最高裁で、これは昭和四十九年でございますけれども明確にうたわれております。これとの関係でこの地名総鑑類似のこういう図書の関係が規制できるかという点で、現在いろいろ検討をしているわけでございます。法律というものは、いざつくる場合にはいろいろな観点から検討を加えませんと、後になりまして法律はひとり歩きをするということがありますので、憲法二十一条との関係で非常に微妙な問題があるということで、現在検討を重ねているということで御承知おき願いたいと思います。
#153
○広田幸一君 二つに分けまして、確かにこれは人権の侵害ですから憲法に違反するわけですね。その意味では違反するわけでしょう。ただ、いまおっしゃったように、一方においては言論、出版の自由という問題があるので、ですからそちらの方にひっかかる、これをどういうふうにして調整するかというところに問題がある、こういうことですね。
 その言論、出版の自由というのは、私もそう法律的には詳しくないわけですけれども、一般的にはこれを法でもって規制するということは違憲になることは当然でありますけれども、しかし公共の福祉、こういうことにかかわるこの差別的な行為というものはそれなりにやっぱり規制される、こういうふうに最高裁の判例もあるし、憲法学者もそのように言っているように私は聞いておるわけですね。ですから、その辺ではっきりと判断をして、やればできるではないかというふうに私は判断するんですが、その点いかがですか。
#154
○説明員(中津川彰君) これは、憲法には他に刑罰を科する場合には構成要件の規定、いわゆる罪刑法定主義ということの関係がまた憲法上の要請であるわけでございます。そうしますと、構成要件の中にどのようにこれを、いわゆる地名総鑑、同和地区ということをうたっても構成要件にどういうふうにそれを明確にするのかということが非常に問題でございます。たとえば差別の目的ということをうたったといたしましても、差別の目的というのがどういうこと――われわれはまあわかるわけですけれども、これがまたいろいろな考え方によりましてはこれがどういうことかということで、いろんな疑問、また考え方が出てくる。それから営利の目的ということにとらえてみましても、これはわれわれは地名総鑑ということを考えるから、あれを売る者ということですぐびんとくるわけですけれども、知らない者が見ますと、営利の目的ということになりますと、民間運動団体が出しているいろんな雑誌に同和地区の名前が出ている、これも営利の目的で出していることは――その解消という目的もありますけれども、本を売っているということになれば、これは営利の目的というふうにも解釈できるというようなことで、その辺のことをどうするのか。それから、同和地区といいましてもそれをどういうふうにして認定するのか、いわゆる同和地区ということで皆さんが理解できるのかどうかという問題をこれを法律的にとらえると非常にむずかしくなるということがあるわけでございまして、私たちとしてはその辺を何とかうまくできないものかということで現在検討しているということでございます。
#155
○国務大臣(三原朝雄君) いま法務省からお答えを申し上げましたように、まだ最終的な結論は出しておりません。出しておりませんが、あらゆる角度から検討を、関係省庁が法務省の求めによって何回も集まりましてこのことを検討いたしております。しかしそういう法の規制ということは、それはそれとして勉強してもらうといたしまして、しかし実際上そうしたことを一日も早くなくすることが必要でございまするので、そういう話し合いの都度具体的にその運動展開の方を強力に進めるということも警察初め各事業省庁集まって、具体的にそういうものを一日も早くなくしていくという努力と並行しながら検討さしていただいておるということでございまするので、御了承願いたいと思うのでございます。
#156
○広田幸一君 私は、法務省の方の答弁は、非常に事務的にやりにくい問題があると。私は専門家じゃないからわかりませんが、あるでしょう。ただ、法務省というのは人権を擁護するというので大きな責任があるわけでして、そういう法律上のいろんな問題は別として、差別をされておる地域の皆さんにとっては、何をしてくれておるだろうか、何のために政府があるのか、何のために法務省があるのかという、それは出てくるですよ。ですから、そういう本当にその人たちの立場に立って物事をやっぱり進めていかないと、私は非常に気の毒だと思うんですよ。結婚の問題にしましても就職の問題にしましても差別を受けておるわけですよね。中には、青年男女の中ではそういう差別問題で死んだという例も多々あるわけでしょう。だからやっぱりそういう人たちをどう守っていくかという立場に立って問題をやっぱり努力して、関係のところにもどんどん連絡をとって、早急にこれを整備できるような形にしてもらわなければならない、私はそう思います。
 総務長官、そういうことでございまして、いま話を聞きますと各省とも再々連絡をとって、どうするかということで努力されておるようでありますから、いずれにしましても、いま申し上げましたように、何も社会的な罪のない人たちにそういうものを出してそして制裁を加える、そのことによって苦しんでおる多くの皆さんを守っていく、私は本当に大切なことだと思いますので、ひとつその点についてよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 総務長官、まあ一生懸命やるということですけれども、そういう政府がやっぱりいままでこういうことについて国民に向かって、地名総鑑というようなものが出ておる、これはこういう内容であってまことにけしからない、そういうことを国民に声明するかアピールする、そういうことがいままであったでしょうか。私はやっぱりそういうものがひとつの政府の方法として、国の方針として出されると非常にまた効き目があると思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#157
○国務大臣(三原朝雄君) あの事態が起こりました際に、早速そういうことを国民に対して呼びかけたわけでございます。
#158
○広田幸一君 効果がない、効果が。
#159
○国務大臣(三原朝雄君) それである程度の効果を上げたと思うわけでございまするけれども、なお一層、そういう事態が今後とも出てくるというようなことがございますれば改めて対処せねばならぬかなと考えておるところでございます。
#160
○広田幸一君 私は、そういう書物を出す側にももちろん責任があるわけですけれども、それを目的買いをする側にもやっぱり私は責任があると思うんですが、それで、これは私の聞いておるところでは、大きい企業では人事部がそういう名簿を持っておって、人を採用するときの確認の材料にしておるというふうに聞いておるわけですし、中小企業なんかでも、個人でもそういうものを持っておるというようなことを聞いておるわけでございます。
 私は、これは一つの経験でございますけれども、私の地元で約三千名を雇用しておる大きな民間の会社があるわけです。この問題が出まして関係者の間に非常に話し合いを、当初は非常に関係があったんですけれども、だんだんと話し合いをしまして、今日ではその会社に同和部落の人たちがたくさん採用されて、きわめていい環境になっておるわけですね。やっぱり災いを転じて福となすといいますか、そういうふうな私は事実を見ておるわけでございまして、そういうふうな企業に対する啓蒙、理解を求めるということも私は一つの方法ではないかと、こういうふうに思うわけでございまして、そこらのところもひとつ留意していただきまして、総理府の方で一層の御努力をお願いを申し上げたいと思います。
 そこで、もう一つ、これは衆議院の段階でも問題になったようでありますけれども、その地名総鑑を出す、作製をして売るのが、何ですか、興信所、それから何か探偵社ですか、そういうのがあるそうですけれども、これも何か取り締まる制度というもの、法律というものもないようでありますけれども、しかしやっぱりそこらにも話をして協力を求めるとか、あるいは何か認可制にするとか、登録制にするとか、そのようなことが話し合いをされて、法務省あるいは総理府の方で御検討になっておるというふうに聞いておりますけれども、経過はどういうふうになっておりますか。
#161
○政府委員(黒川弘君) 興信所につきましてはただいまのところいわゆる所管省庁も明確になっていないところでございますが、同和問題に関する差別事件等に絡みまして何らかの措置を考えるべきではないかという御指摘が前からあるわけでございます。実はこの問題につきましても、興信所の扱う業務は必ずしもこの関係だけではないわけでございまして、検討いたしますと非常に広い立場に立って検討する必要があるのではないかということでございまして、私のところでは同和問題に絡んでの会議をしばしば開催しているわけでございますが、その会議の何回かの折にこの話を検討しておるわけでございますけれども、なかなか具体的な方策としてどういう方策が考えられるのか、まだ煮詰まった段階には至っていないわけでございます。
#162
○広田幸一君 総務長官、この地名総鑑の取り扱いの問題と、いまのそういうものを出しておるところの取り締まりというか、理解、協力を求めるという点については、一体いつごろを目標にして、結論が出るにしても一つの決着、めどを、関係者がまあまあここまでやってもらえたんだというそういうことの確認というか、そういう理解ができる時期というものはどの辺に置いておられましょうか。
#163
○国務大臣(三原朝雄君) いま御指摘の法によります規制はできないかという問題、それからそれを取り扱っております興信所とか探偵社等に対するまた規制の問題等について、先ほども申しましたように何回も検討は進めておるわけでございますが、したがっていつごろにはそれがはっきりして、一つの方針ぐらいはできないかということでございますが、貴重な御意見でもございます。速やかにひとつある時点ではこの程度のものでどうだというようなところまで持っていっていただくように、連絡会議に私から申し入れをいたしたいと思う次第でございます。
#164
○広田幸一君 総務長官、さっきおっしゃいました各省との連絡をとるというのは、たとえば法務省、それから文部省、労働省、そういうようなところと連絡をとりながらやっていく、こういうことでございます。
#165
○国務大臣(三原朝雄君) そうでございます、通産などを入れまして。
#166
○広田幸一君 通産もね。
 それで、私は念を押して、意味を強める意味で申し上げたいんですけれども、衆議院の段階におきましてわが党の矢山委員が予算委員会でそれぞれの大臣に質問をされております、この問題について。これをちょっと拾ってみたんですけれども、三原長官は、同和問題というのは何と申しましても憲法が保障する基本的人権にかかわるきわめて重要な問題である、こうおっしゃっておるわけです。それから金子大蔵大臣は、いろんな施設で全国平均とはまだ格差があるが今後もできるだけ努力を重ねてまいります、それから澁谷自治大臣は、関係省庁が本当に一体となって力を合わせて国民的課題である同和問題の解決に真剣に取り組んでいかねばならない、それから古井法務大臣は、人権尊重、社会正義、そういう考え方から人権侵犯事件に対応してまいります、内藤文部大臣は、基本的人権の尊重ということを教育の中心にして指導してまいります、それから栗原労働大臣は、同和地区住民の就職の機会均等を確保する、こういうふうにそれぞれ答弁をされておるのでございまして、私は、いま長官がおっしゃったわけですから、こういうことでそれなりに決意というか、考え方が、心情が述べられておるわけですから、ひとつ私もこのことを拾って長官に再度申し上げますので、関係大臣等とも早急にいまおっしゃったような意味でひとつ早い時期に結論を出していただくようにお願いを申し上げる次第であります。
 そこで最後に、附帯決議にもなっておりますけれども、今後の啓発の問題でございますけれども、やっぱりこうした差別の事件が起こっておるわけでありますし、これから啓発運動を具体的にどのように進めていかれるのか、過去現在を振り返ってみて、今後の問題として御答弁願いたい。
#167
○政府委員(黒川弘君) 附帯決議にもうたわれております啓発活動につきましては、申すまでもなくきわめて重要な問題でございます。政府といたしましては、関係者の間で緊密な連携をとりつつ、都府県に委託いたしまして、テレビ、新聞、ラジオ等講演会の実施、パンフレットの作成等の手段によって啓発活動を図ってまいっておるわけでございまして、予算面におきましても毎年その額を増額し、充実を図っているわけでございます。今後一層都府県との連絡を緊密にし、また啓発活動の方法についても工夫をこらし、積極的な展開を図ってまいりたいと考えております。
#168
○広田幸一君 先ほどもちょっと触れたんですけれども、これは法務省の方の資料でございますけれども、
  〔副主査退席、主査着席〕
この差別事件の発生件数を申し上げますと、四十八年が三十八件、四十九年が三十五件、五十年が九十九件、そして五十一年がそれの倍以上の二百二十六件、それから五十二年が百四十五件で、非常に伸びておるわけでありますね。ですから、私はこの事件の発生ということとそれから地名総鑑ということとは無関係ではない、そういうふうにこの表を見て私判断をするわけでございまして、ですからより一層に啓蒙活動というものが進められなければならないと思います。
 そこで、いま室長がおっしゃいましたが、少し私はそういうことでは手ぬるいと、こういうふうに思うわけでございますが、これは総理府にお伺いしますけれども、国もそうですが、地方公共団体で人権擁護思想の普及高揚、同和対策に対する差別撤廃の啓発活動を目的とした何かそういうような組織がありましょうか。
#169
○政府委員(黒川弘君) ただいまの掌握している範囲では、お答えできるようなものがあるという認識はちょっと持っておりません。
#170
○広田幸一君 私の調べましたところ、たとえば文部省が主管しておる社団法人部落問題研究所等もございますけれども、これは同和問題に関する学術的な調査研究でございまして、いわゆる積極的な一般に啓蒙するというようなものではない、こういうふうに思っておるわけですから、いま室長がおっしゃったようなことが実態であろうと思います、運動体というものはございますけれども。
 それで、実は総理府の方はそういうことを掌握しておられるかどうか知りませんが、最近地域によりまして人権啓発協議会というようなものを自治体も入って関係者も集まってだんだんと進めておるところが私の調査でも五、六件あるわけでございます。ですから、それを国にいまそういうものを検討してみたらどうかということを実は申し上げたいんですけれども、まあいますぐということにならぬと思うんですけれども、そういう動きが全国的に最近起きておるということをひとつ御認識いただいて調査を願って、そして国としても、ひとつ国全体としてそういうものはできないものであろうかというようなことについてひとつ御検討、御研究をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#171
○政府委員(黒川弘君) 国におきましては、必ずしも啓発だけを目的にした機関ではございませんが、同和対策協議会が設けられておりまして、この場所を通じまして民間の方の経験を吸収して効率的な同和啓発活動の展開を従来も図ってきているわけでございまして、将来ともこの線はさらに拡充いたしまして対処してまいりたいと思いますし、ただいま先生に教えていただきました地方の動きでございますが、どういう形で参考にできるか、ひとつ調べてみたいと思います。
#172
○広田幸一君 室長がおっしゃった同和対策協議会というのは、いわゆる同和対策の政策を進めていく方針についてそういう団体の意見を聞くという諮問機関的なものでございますから、常時そういうものはないわけですから、やはり私が申し上げたような意味の日常的な啓発活動の一つの機関というものは私はやっぱり考えてみる一つのことだと思っておりますので、ひとつそのことを含めて研究をお願いをしたいと思います。そういうふうに研究する、ひとつ検討してみるというふうなことで御答弁願えませんか。
#173
○国務大臣(三原朝雄君) 先ほど政府委員からも申しましたが、中央にはいま協議会がございますが、県市町村には同和対策担当がおりまして、それを中心にしてそうした事業の推進なり啓蒙運動をやっておることは事実でございますが、なおそれを少し、その運用あるいは将来に向かって日常のそうした問題を、国民の意見等も吸収するというようなことで、そうした会議体をつくってはどうだという御意見でございますが、ひとつ検討を進めさしていただきたいと思います。
#174
○広田幸一君 大体これで私質問を終わろうと思いますけれども、長官にも申し上げたんですけれども、要は、私は同和部落の人たちの生活の実態というものはやっぱり一般の人たちの生活水準よりもかなり低い、そういうひとつ現実の上に立って同和の部落の皆さんのために一層の御努力をお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#175
○主査(糸山英太郎君) 以上をもって広田幸一君の質疑は終了いたしました。
 次に、和泉照雄君の質疑を行います。
#176
○和泉照雄君 私は、前回決算委員会で国家公務員の退職の実態、民間企業の定年の実態をお伺いをいたしまして、本日はこれを踏まえまして、国家公務員の定年制についてお伺いをいたします。
 前回の決算委員会でお聞かせ願ったところによりますと、国家公務員の勧奨退職の形式は各省庁ばらばらで、年齢としては行政職(一)が五十八歳から六十歳まで、行政(二)が六十三歳から六十五歳ということでございました。また、労働省にお伺いした民間企業の定年制の実態は、五十五歳が全企業の四一・三%で、六十歳が三三・七%ということでございました。そこで、現時点の民間企業と国家公務員の退職年齢を比較してみましても、国家公務員が退職年齢では民間より年齢が高く、また各省庁退職のあり方が統一されていないようであります。こうしたことから、国民の間でも公務員にも定年制を望む声が強いと思われますが、総理府が行いました昭和五十年六月の世論調査では、前回の四十八年八月と比較してどのような結果になっているのか、お伺いしたいと思います。
#177
○政府委員(菅野弘夫君) 昭和四十八年のときと五十年のとき、広報室がやったわけでございますが、四十八年のときは定年制のことだけではございませんで、公務員に関する世論調査ということで、もっと全般にわたっておりまして、五十年のときには定年制だけの世論調査でございます。
 いま先生御指摘の点は、その定年制に対する国民の世論調査の結果だと存じますが、概略申しますと、四十八年では約五〇%、それから五十年では約六〇%の方々が公務員には定年制を設ける必要があるというふうにいたしております。不必要とする方の数字も申し上げますと、四十八年では二五%、五十年では減りまして二〇%ということになっております。
#178
○和泉照雄君 また、五十年の世論調査の結果では、定年制は何歳ぐらいまで設定すべきかというそのトータルはどういうふうに出ていますか。
#179
○政府委員(菅野弘夫君) 年齢の決め方に対するこの結果でございますけれども、民間会社の定年年齢と同じぐらいにするのがよかろうというのが非常に多い数字で六八%出ておりまして、それをさらに具体的な数字で出しますと六十歳ぐらいというのが四六%、五十五歳というのが二一%、それから五十七、八歳というのが一五%、そのほか数字が散らばっております。
#180
○和泉照雄君 長官にお伺いしますが、いま申されたこの世論調査の結果をどのように受けとめて定年制については御見解をお持ちか。
 また、五十年の六月と思いましたが、それからもう四年もたっておりますが、この件についての世論調査はその間行われてないわけですが、近く行われる予定があるかどうかお伺いします。
#181
○国務大臣(三原朝雄君) 定年制の問題は公務員の身分保障にかかわる重要な問題でございます。しかし、一昨年の十二月に政府といたしましてはこれを実施する、導入するという方針で進んでまいっておるような方針でございますから、現在のところ人事院に対しまして、これが問題について実は意見を求めておるところでございます。その意見を踏まえまして、私ども民間との問題等も勘案をしながら、経済社会の状態等を踏まえて対処してまいりたい、そういう方針でおるわけでございます。
 それから世論調査の点につきましては、五十年にいたしまして、その後経済社会の状態も変動してまいっておりますし、昨年の十一月に実はこれが実施をいたしました。ただいまその集計を、もうほとんど集計ができる段階になっておるわけでございまして、いまその詰めをいたしておる。近く公表するような事態になろうかと思うわけでございます。
#182
○和泉照雄君 いま御答弁で、政府の方はもう決めておる、こういうようなことでございましたが、また、国家公務員の当事者としてはどういうようなふうに考えているかという世論調査の結果も出ておるようでございますが、五十二年の秋に調費をした国家公務員の労働組合連合会の結果でございますが、それによると定年制反対が四〇・四%、賛成というのが三九・九%でもう相半ばするような状態でございますので、これは人事院の勧告を受けたら早急におやりになるという、そういうふうに私どもは受けとめてよろしいでしょうか。
#183
○国務大臣(三原朝雄君) 大体方向としては人事院の意見がまいりますれば早急に実施する方向でいくのではないかと判断をいたしておるところでございます。
#184
○和泉照雄君 人事院の方にお尋ねをいたしますが、去る三月三日の衆議院予算委員会で藤井総裁は、定年制について「この問題は恐らく総理府に対する正式の回答とならぬで、問題が問題でございますので、国会並びに内閣に対する勧告というかっこうをとらざるを得ないということになるのではないかと思います。」と答弁をされておりますが、内閣と国会に勧告をされるのか、お伺いいたします。また時期としては給与勧告と同時に行うつもりでいらっしゃるのか、あわせてお伺いいたします。
#185
○政府委員(長橋進君) 定年制についての人事院が公式に意見を表明する場合の方法とそれから時期のお尋ねでございますが、去る国会におきまして総裁が大変問題が重要でございますので国会と内閣に対して何らかの意見表明するということも考えられている趣旨の答弁がございましたけれども、どういう形式によりまして人事院の意見を公式に表明するかという方法につきましては目下検討しておりまして、いまこの段階でこういう形式ということはちょっと申し上げかねますけれども、大変重要な問題でございますので、やはり人事院として適切な公式見解の表明方法というものを検討しておるところでございます。
 それから時期についてでございますけれども、昨年の二月三日に総務長官から検討依頼の文書をちょうだいいたしましてから鋭意検討を続けておるところでございます。ただ、若干いろいろ事務的にもまだ集計しなければならぬものがございますので、いまの段階ではまだ作業が終わっておりませんのでいつごろということは申し上げかねますけれども、結論が出次第早急に公式に見解を表明したいというふうに考えております。
#186
○和泉照雄君 ですから、時期は給与勧告をされる八月ですね。およそその時期だと考えてよろしいかということでございますが、その点はいかがですか。
#187
○政府委員(長橋進君) 再度のお尋ねでございますけれども、早い時期にとにかく公式に見解を表明したいということで、いま一生懸命作業中でございます。
#188
○和泉照雄君 人事院にお尋ねをしますが、行政職(一)と行政職(二)では定年退職年齢も調べたところでは大分違うようでございますが、行政職(一)の場合は大体五十八歳前後のようであります。行政職(二)の場合は六十三歳から六十五歳、このようになっておるようでございますが、現在このような開きがあるわけでございますが、定年制の導入をする場合に一律に定年を考えていられるのか。また、それぞれの定年をこの現状に応じて考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#189
○政府委員(長橋進君) 年齢につきましてもただいまいろいろ検討しておる段階でございますので、何歳ということをちょっと申し上げる段階でございませんけれども、御指摘のように公務員の職種の中にはいろいろな職種もございますし、したがいましてまた実際の退職年齢につきましてもいろいろバラエティーがございます。したがいましてそういったような事情につきましても十分配慮を加えました上で年齢を決めたいというふうに考えております。
#190
○和泉照雄君 さらに、国立大学教授とか、あるいは判事、検事、自衛官、会計検査院検査官、公正取引委員会の委員は現在定年制があるわけでありますが、これとの関連は、国家公務員の定年制との関連ですが、これはどのように考えたらよろしいでしょう。
#191
○政府委員(長橋進君) 御指摘のような官職につきましては、すでに現在定年制というものが施行されておりまして、また年齢につきましてもいろいろございます。ただ、ただいまお挙げいただきました職種につきましては、たとえば会計検査院の検査官でございますとか、公取の委員長、委員のような特別職ということもございます。さらに自衛官という特別な職務あるいは教育公務員のように教育公務員特例法でいろいろ特例を受けている者もございます。私どもはそういった特別の官職についての現行の定年年齢あるいは定年制度、そういったものにつきましても十分念頭には置いておりますけれども、一応人事院としましては一般の国家公務員を中心的にとらえまして定年制というものを考えてまいりたい、このように考えております。
#192
○和泉照雄君 定年制の年齢については先ほど御答弁がありましたけれども、この世論調査でも大体六十歳ということを国民の方々は一応考えておるようでございますが、最近出されました「時の動き」という「政府の窓」四月一日に栗原労働大臣の対談が載っておりますが、これを見ましたら「定年延長といっても当面六十歳ですからね。」、こういうような発言があるんですが、六十歳というふうに閣僚がこういう場で発言をしておられますが、この六十歳ぐらいと考えてよろしいかどうか。
#193
○政府委員(長橋進君) いろいろ高齢化が進んでおりまして、官民を問わずその定年制の問題が大変重大な課題ということもございまして、それぞれの方がそれぞれの識見に基づきましていろいろ御意見を言われていることと思いますが、私どもやはり職員にとりましては身分保障上も大変重大なことでもございますので、したがいまして現在の国家公務員の職員の年齢構成でございますけれども、その実態は一体どうなっておるのか、あるいは高齢者の退職者の実態でございますけれども、それもどういう状況にあるか、あるいは民間では一体どういう傾向にあるかなどなど総合的につかまえまして、そして適当な、適切な年齢というものを考えたいというふうに思っております。
#194
○和泉照雄君 これはやはり年齢に関連をするわけでございますけれども、国家公務員の定年制を考える場合、今国会に国家公務員の共済年金の支給開始年齢を五十五歳から六十歳に引き上げる、こういう法律案が提出をされておるわけでございますが、定年制がこれと歩調を合わせておるように考えるのは自然の成り行きじゃないかと思うわけでございますけれども、この共済年金の年齢の引き上げと定年制の年齢との関連というのはどのように考えたらよろしいのか。私は、どうしても六十歳ぐらいが適当ではないかということがこの法案の一つの方向を示唆しておるような感じがするんですが、いかがでしょうか。
#195
○政府委員(長橋進君) 職員について考えますと、定年した後の生活ということがどういうことになるのか大変大切なことでございます。したがいまして、年金の支給開始年齢がどうなるかということにつきましては私どもも重大な関心を持って注目しておるところでございます。
 お尋ねのその年金の支給開始年齢と定年制の年齢ということでございますけれども、確かに関連する問題でございますけれども、しかしまた定年制ということになりますと、単に年金という観点からだけではなくて、やはり公務員制度の中の一つの制度として定着させるということも考えなければなりませんので、年金の支給開始年齢ということについても十分念頭に置きながら、総合的に適切な年齢というものを考えたいというふうに思っております。
#196
○和泉照雄君 最近の新聞報道によりますと、人事院の方にお尋ねしますが、「国家公務員の定年制導入についての基本方針を固めた。」として大きな活字で定年を六十歳として、ことしの夏にも提言する、このようにありまして、そしてまた文章を見てみますと、具体的にその骨子も報道されているようでございますが、これは事実でしょうか。
 また、定年制を採用した場合、昇給延伸という措置がいまとられておりますが、こういうような措置は依然としておとりになるつもりなんでしょうか。
#197
○政府委員(長橋進君) ただいまお尋ねの前半部分についてお答えいたします。あと後半部分は担当の局長が来ておりますので。
 日経の記事でございますけれども、私ども公的に記者と会見をしてそういうようなことを申し上げた事実はございません。したがいまして、あるいは総裁もお答えになったことがあるかと思いますけれども、記者の独自の取材活動、それにそれぞれの推測というものを交えてお書きになったのではなかろうかというふうに考えております。
#198
○政府委員(角野幸三郎君) お尋ねの定年制とそれから昨年私どもで勧告に際しまして問題提起をいたしました高齢者の給与問題との関係でございます。実は昨年その高齢者についての給与問題を提起いたしましたのは、ここ数年非常に安定的な成長期に入りまして、賃金問題も水準問題というよりもどちらかといいますと配分に重点がいく傾向にございます。で、配分と申しますといろんなポイントがございますが、やはり現在の民間一般にもそうでございますけれども、企業の中の年齢別配分というのが非常に目立っておりまして、それを公務員のいまの実態と比べてみました場合に、若年層、二、三十歳代のところは非常に民間の方が高いけれども、高齢者、少なくとも五十歳から上ぐらいになりますと公務員の方が高い、逆較差になっておる。これはやはりこういう配分が非常に目立つ時代になってきますれば、その辺は整合的にしなければならないということで問題提起した次第でございます。
 それで、いまお尋ねの定年制との関係でございますが、これは定年年齢を何歳に持っていくかということと関係はございます。それで、もちろん定年が設定されまして、その年齢以上につきましては昇給ということももともと問題になりませんので、それは関係がなくなるとは思いますけれども、いま申しましたように、実際問題として五十歳ぐらいからは逆較差になっているというような現実を踏まえてみますれば、やはりその配分問題としてのその問題というのは、昨年私どもが問題提起しましたそのものとして今後もある、そういうふうに考えておりまして、したがって昨年は昇給停止を含むそういう問題について早急に検討するということを申しておりますが、今年現在の時点でも引き続きましてできるだけ早急に結論を出したいと思いまして、やっておる最中でございます。
#199
○和泉照雄君 次は、週休二日制についてお尋ねをいたします。
 国家公務員の週休二日制については、まず昭和五十一年十月から五十二年九月までの一カ年間初めての試行が行われ、次いで五十三年四月から五十四年三月までの一カ年間再試行が行われているわけでございます。人事院のこれまでの手順から言えば、再試行の結果を各省庁から取り寄せて問題点を洗い出し、八月の人事院勧告に織り込み、これを受けてさらに政府の週休二日制・定年制延長問題関係閣僚懇談会で決定されるようになっております。最近の省エネルギー対策の一環として週休二日制が問題となっているときでもありますので、できるだけ早く勧告なり意見の申し出をすべきだと思いますが、今後の手順を含めて人事院総裁の見解をお聞かせ願いたいと思います。
#200
○説明員(山本信一君) 公務員の週休二日制につきましては、先生いまお話しのように、第二回目の試行を行っておるわけでございます。で、今後の手順といたしましては、各省にその試行結果の状況につきまして報告を求めるわけでございますが、試行が今月いっぱいで終わりますので、その実施状況につきましては、やはり相当な日時が要るのではなかろうかと思います。二カ月ぐらいは要るのではなかろうかと思いますが、その報告を受けまして、その後わが方でその内容につきまして検討いたしまして、その試行結果を分析し、その他諸般の情勢を考慮しながら次の段階を進めていく、こういうことになるわけでございまして、日時的に申しますならば、やはり一応その検討結果のめどが出るのは勧告時の八月ごろが一つの目安ではなかろうか、かように考えておるわけであります。
#201
○和泉照雄君 昨日報道もされましたOPECの原油の値上げ等にも絡みまして、いよいよ省エネルギーという問題から、総理が言われたことは強く推進をしていかなければならぬという、そういうふうな立場から、やはりこれは早急にやらなければならない問題ではないかという受けとめは、以前よりはより強くしていらっしゃいますか。その点はいかがですか。
#202
○説明員(山本信一君) 先ほど申し上げましたように、やはり私どもの手順といたしましては、試行の結果を見てということが一応の手順でございますので、いま申し上げましたような時期にはなろうかと思いますけれども、先生おっしゃるように私どもとしては鋭意早急にその結論が出るよう進めてまいりたいと、かように考えております。
#203
○和泉照雄君 報道によりますと、三月上旬の国際エネルギー機関理事会で加盟各国が合意した五%石油節約を達成するための具体策を政府の省エネルギー・省資源対策推進会議で決めたと言われ、年間千五百万キロリットル以上の石油を節約することになったことは承知のとおりでございます。ところで、この省エネルギー・省資源対策推進会議で公務員の週休二日制が石油節約の見地から論議をされ、労働、通産、外務など大半の省庁が賛意を表したのに、大蔵省だけが予算や定員の増大に通ずるという理由でいわば孤独な抵抗を示したと言われておりますが、大蔵省としては、この国家公務員の週休二日制については一体どのようなお考えを持っておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#204
○説明員(熊沢二郎君) ただいま公務員の週休二日制試行につきまして省エネルギー・省資源対策推進会議におきまして大蔵省が抵抗を示したのではないかというお尋ねでございますけれども、この問題につきまして大蔵省は、公務員の週休二日制につきましては民間におきます週休二日制の施行の状況、あるいは国民の世論の動向、あるいはまた行政経費節減の要請といったような問題にも十分考慮を払う必要があるであろうと、したがいまして、省エネルギーの観点からだけでこの問題を論議していいものかどうかというふうに考えておるわけでございます。もちろん省エネルギーが重要でないとか週休二日制が省エネルギーに無関係であると、こういうことを申しているわけではございませんけれども、公務員の週休二日制につきましてはほかにも基本的に重要な問題があると。その問題につきましては、政府もかねてから週休二日制関係省庁連絡会議といったような場におきまして問題を十分検討しており、またこれからも検討することになっておる問題でございますので、そういった場を通じまして、そういう基本的な重要な関連します問題を考慮しながら慎重に検討しなければならない問題であろうと、こういうことを申したのでございまして、いまの段階で週休二日制推進に絶対反対するんだとか、そういうことを申したわけではございませんので、よろしく御了承いただきたいと思います。
#205
○和泉照雄君 確かに中小企業の多い日本では、公務員の週休二日制の実施には国民的合意が得られるかということやら、銀行とかあるいは郵便局、農協などの金融機関をどうするかという問題、こういう問題はありますが、民間企業ではすでに七〇%が普及されている状態でもあります。国家公務員の場合も、最初の試行には法務省、公安調査庁あるいは厚生省の病院などでは参加しなかったものが再試行の段階では全官庁、全職種が参加しているとも聞いております。このように、問題はあろうけれども、雇用機会の拡大のためにも、また石油節約のためにも、いまが週休二日制の完全実施に踏み切るいわば千載一遇のチャンスではないか、このように考えるわけでございますが、国家公務員の週休二日制の実施にいろいろの方式もあろうと思いますが、定員増や金がかかると大蔵省は反対しているようでございますが、一体どれほどの定員増あるいはお金がかかると、このように試算をしておられるのですか。
#206
○説明員(熊沢二郎君) 公務員の週休二日制のために定員増あるいは予算がどのくらいかかるかというお尋ねかと思いますけれども、公務員の週休二日制と予算、定員の問題につきましては私ども次のように考えておりまして、これは第一回目の試行が始まりました昭和五十一年の人事院総裁が内閣の官房長官にあてました書簡、これに基づきまして第一回目の試行が始まったわけでございますけれども、そこの中におきましても、将来週休二日制を実施することとなった場合においても、全体として定員、予算の増高を招かないよう配慮する必要があると、こう述べられております。さらに、五十三年の第二回目の試行を促す書簡の中におきましても同様の趣旨が述べられておるのでございます。
 私どもといたしましても、公務員の週休二日制をもし実施するということになりましたといたしましても、予算、定員の増高は招かぬように必要な処置を講ずるべきではないか、こういう考え方でおるわけでございます。また、現在試行が行われているわけでございますけれども、その試行におきましても現行の定員、予算の範囲内で試行してみまして果たしてどういう問題が生じるのか、その問題を解決するためにはどのような対処をしたらいいのか、こういうことを調査研究しようということでやっておるわけでございまして、したがいまして、ただいま第二回の試行が終わろうとしておるところでございます。各省それぞれ事務の合理化、人員配置の変更等を通じて事務処理方法の改善、こういったような努力を通じまして何とか事務合理化の努力を進めておられることと思いますけれども、そういった試行の結果を十分に検討をいたしまして、今後の週休二日制の進め方というものを考えていくべき問題であろうと、かように考えておるわけでございます。
#207
○和泉照雄君 いままでの質疑の中で、人事院の方も二回の試行によっていろいろ整理をされて、そして早い機会に、まあ私の感触としては大体八月ごろ勧告をされるんじゃなかろうかと思うわけでございますが、その前提としては、行政サービスの低下ということがあってはならないし、しかしまた反面、省エネルギー対策という立場からも早急にやらなければならない問題もいろいろあろうかと思いますけれども、実際この週休二日制をやろうとした場合、どういうような方式でおやりになるのが一番効果的だとお思いになるか。たとえば省エネルギーの場合では、第一、土曜日あたりはもう完全な閉鎖といいますか、そういうようなことでおやりになった方が省エネルギー対策上は大事じゃないかと、こういうふうに思うわけでございますが、そこらあたりはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#208
○説明員(山本信一君) 公務員に週休二日制を導入するに際しましては、先生おっしゃいますように行政サービスの低下のないよう配慮すべきでございまして、公務の中にはいろいろと国民生活に重大な影響のあるような部門を多種多様に抱えております。そこで、トライアルにおきましては、試行におきましては四週につき一回の土曜日を交代で休むといったような形、パターンで試行を二回続けてやったわけでございます。したがいまして、最近閉庁方式とか、あるいは省エネルギーの問題に関連していろいろ議論はございますけれども、私どもといたしましてはこの試行の結果を踏まえた上でいろいろ検討してみたいと、かように考えておるわけでございます。
#209
○和泉照雄君 これで質問を終わりますが、私が質問した問題は定年制の問題と週休二日という非常に大事な問題でございますので、前向きにひとつ検討してやっていただきたいということを特に要請して、質問を終わります。
#210
○主査(糸山英太郎君) 以上をもって和泉照雄君の質疑は終了いたしました。
 ほかに御発言もないようですので、内閣、総理府本府及び沖繩開発庁所管に関する質疑はこれをもって終了したものと認めます。
    ―――――――――――――
#211
○主査(糸山英太郎君) 次に、昭和五十四年度総予算中、行政管理庁所管を議題といたします。
 それでは、これより質疑を行います。和泉照雄君。
#212
○和泉照雄君 行政改革の問題について質問をいたしますが、政府はこれまで行政改革の推進ということで何回となく閣議決定などをなされて、姿勢だけ行政改革を断行されたようになりまして今日に至っているようでございますが、私は昭和五十二年十二月二十三日に閣議決定された行政改革の推進について質問をいたしたいと思います。「当面する厳しい内外の諸情勢にかんがみ、行政の合理化、効率化を図るため、差し当たり下記の措置を講ずるものとする。」ということで、第一に「行政機構」、第二に「定員管理等」、第三に「特殊法人」、第四に「、審議会等」、第五に「補助金等」、第六「行政事務」、第七「地方事務官制度」、第八「地方公共団体に対する要請」から成るものでございますが、私は、本日は第三の「特殊法人」の項で若干質問したいと思います。
 まず、特殊法人の整理合理化の問題についてお伺いをいたしますが、「昭和五十年十二月三十一日閣議了解「特殊法人の整理合理化について」において検討対象とされた十八特殊法人のうち措置済みのもの等を除き、以下のとおり措置する。」と、このようになっておりますが、どのような措置をとられたのか、それぞれの特殊法人について説明をしていただきたいと思います。
#213
○政府委員(加地夏雄君) 特殊法人の整理合理化につきまして、御指摘のように一昨年の十二月末に閣議決定をいたしましたが、さらにこの一月の十六日に、その閣議決定に加えまして新たにまた簡素効率化の計画を決めたわけでございますが、御質問の五十年、五十二年の状況についての御報告を申し上げたいと思いますが、特殊法人の合理化につきましては、一つは、古くは四十年代からいろいろな整理合理化を進めてまいりましたけれども、最近では五十年に特殊法人全体の見直しをやりまして、その中で十八法人につきまして整理合理化の計画を立てたわけでございます。その後五十二年の末にさらに三法人を追加いたしまして、二十一法人についての整理合理化計画を立てたわけでございます。その中で五つの特殊法人につきましては廃止を決めたわけでございまして、そのうちすでに廃止になっておりますのは二法人でございますし、今後三法人については具体的に廃止の検討を重ねていくということでございます。それ以外の法人につきましては、それぞれの法人の業務内容を洗いまして、その法人の事業部門の縮小でございますとかあるいは組織、定員の縮減と、こういうことを順次やっていくということで、現在着々とその実施をやっておるわけでございます。全体の状況はそういう状況でございます。
#214
○和泉照雄君 この昭和五十年の十二月三十一日の、先ほど質問しました残っておる八法人ですか、これのそのとき決めたことがどのようになされておるか。たとえて言いますと、オリンピック記念青少年総合センター、これは「昭和五十三年度中に廃止し、文部省直轄の社会教育施設とする。」と、こういうように決めてあるのが、実際のところはこれはできておりませんね。そういうことの事情をずうっと説明してもらいたいんです。
#215
○政府委員(加地夏雄君) その個々の進捗状況を申し上げますと、まず廃止する特殊法人五つの中にいま御指摘のオリンピック記念青少年総合センターも入っておるわけでございますが、これにつきましては、御承知のように、実は昨年通常国会に法案を提出いたしまして現在国会で御審議をいただいているという状況でございます。それから外貿埠頭公団、これは京浜と阪神でございますが、これを廃止をいたしまして、その業務をそれぞれ所在地の港湾管理者に移管をするという方針でございます。これにつきましては現在その移管のための諸条件を整備をするということでございまして、関係各省と鋭意詰めておる段階でございまして、いずれこの閣議決定の趣旨に沿って廃止に持っていきたいというふうに現在努力中でございます。
 それから本州四国連絡橋公団でございますが、これにつきましては、閣議決定の中でもそれぞれの現地事務所の中で合理化をやるとかあるいは職員の適正配置を行うということで、これは現在実施中でございます。五十三年度におきましては垂水の工事事務所とかあるいは今治の工事事務所につきまして組織の簡素化を図っている、並びに定員も落としているという状況でございます。
 それから学校給食会、これにつきましては、業務の中に小麦粉の取り扱いをやっておるわでございますが、ここ二年ほど前から米飯給食に入りまして、米の取り扱いもやっておりますし、その意味で小麦粉の取り扱いの関係の業務が減少しておりますので、それについての合理化を現にやっているということでございます。
 それから東北開発株式会社でございますが、この東北開発株式会社につきましては、御案内のように法律で五十年の存続期限が付されているわけでございますけれども、実は相当の累積赤字がございまして、閣議決定でも合理化努力をやって累積赤字を減らしていく、その減らした上で廃止あるいは民間への改組でございますが、改組を前提に目下累積赤字の解消に努めておるという状況でございます。
 それから中小企業投資育成株式会社でございますが、これは東京と名古魔、大阪、三つでございますけれども、ここには国が中小企業金融公庫を通じまして出資をいたしております。その出資分につきまして、その株式の消却、つまり民間ベース、民間に株式の引き受けをお願いしまして、極力国の出資分を消却をしていくということで、現在着実にそれをやっておるわけでございまして、最終的には全体の資本金の一%ぐらいまでに消却をしたい、こういう目標で現在努力中でございます。
 それから沖繩電力でございますが、これは御承知のように沖繩復帰の際の特別な事情で特殊法人として沖繩電力株式会社をつくったわけでありますけれども、これは本土の九電力と同じようにいずれは民営移行をさせたい、こういうことで、現在はそういった民営移行を前提に組織の合理化を図っているという状況でございます。
 それから漁業共済基金でございますが、この漁業共済基金につきましては、閣議決定の中で、現在漁業関係につきましては漁船保険とかあるいは漁業共済、それから任意共済と三つの部門がございまして、これは国会の農林水産委員会でも、こういった漁業関係の三つの共済保険制度を統合してはどうかと、こういう附帯決議がございます。それに沿いまして、現在この三つの合理化、事業の共同化、これを何と申しますか、実験的にそういった事務の共同化をやっておるわけでありますけれども、これは三年間をめどにそういったものをやって、いずれはそういった制度そのものの一元化ということとあわせてあり方を検討したい、こういうことでございます。
 その他の法人、先ほど申し上げましたように十八法人のほかに三つ追加した法人として、申し上げますと、一つは住宅公団と宅地開発公団の宅地開発部門につきまして、住宅公団の宅地開発部門を宅開公団に移したらどうか、こういう問題でございますが、閣議決定にございますように、そういう移管のための諸条件の整備を図った上で住宅公団の宅地開発部門を宅地開発公団に移すという方針でございますので、現在条件の整備その他で関係各省といろいろ協議を続けている段階でございます。
 それから国際協力事業団でございますが、これにつきましては、すでにこの国際協力事業団の中の移住部門について相当に業務量が落ちておりますので、その組織なり定員の縮減を図るということで、これは五十三年度、五十四年度引き続いて組織の縮小あるいは定員の縮減を図っているところでございます。
 以上でございます。
#216
○和泉照雄君 いま答弁された十カ所の中で、この閣議決定されたその方針どおりまだ実を結んでないところが端的に言って何カ所ありますか。
#217
○政府委員(加地夏雄君) 先ほど御説明申し上げましたように、廃止をする方針が決まっておりますのは五つでございますが、そのうち現実に廃止させられておるものがもう二つでございまして、残りの三つのうちの一つがオリンピック記念青少年総合センターでございます。それから埠頭公団につきましては、先ほど御説明申し上げたように、現在関係各省と条件整備についての協議を進めておるという状況であります。そういう意味ではまだ廃止という形になっておりませんが、私どもは極力そういう関係省庁との話を詰めまして実現をしていきたいというふうに思っております。
 それ以外の先ほど申し上げました全体としての事業量に見合って組織なり定員の縮減を図る部分については、着実にやっておるわけでございます。
#218
○和泉照雄君 「十八法人のうち次の二法人については、引き続き検討を行うこととしている。」と、こういうように記載をされている二法人がございますが、すなわち糖価安定事業団及び日本硫安輸出株式会社、この二つを指摘しているわけでございますが、これはどのような検討をされておるか。
#219
○政府委員(加地夏雄君) いま先生御指摘のように、五十二年の閣議決定と五十年のときの閣議決定と若干変わっておるわけでございまして、五十年の特殊法人十八法人の整理のときの閣議決定では、たとえば糖価安定事業団につきましては、国際糖価の動向を見ながら、糖価安定事業そのものあるいは運営についての検討の一環としてそのあり方を検討すると、こういうふうになっておったわけでございますが、五十二年の閣議決定では引き続き検討すると、こういう形になったわけでございます。
 一方、もう一つの硫安輸出株式会社につきましても、五十年の際は、「五十三年度末までに、国内農業及び肥料工業への影響等を総合的に勘案しつつ、その廃止の可否について検討する。」という五十年の閣議決定が、五十二年の際には「引き続き検討」、こういうふうになったわけでございます。
 そこら辺の事情を若干、話が非常に細かくなりまして恐縮でございますが、事情を申し上げたいと思いますが、御案内のように糖価安定事業団あるいは硫安輸出株式会社の場合は、砂糖とかあるいは肥料の需給とかあるいは価格の安定とか、そういうものを図るために設立されたものでございます。五十年の特殊法人の整理の際は、御案内のようにオイルショック後のああいう異常な状態の中で、糖価安定事業団が糖価安定機能を働かすといういわば機能を喪失するような状況にあったわけでございます。なぜかと申しますと、これは非常に技術的な問題になりますけれども、ある一定の幅で需給関係を調整し、価格の安定を図るということであるわけでありますけれども、国際糖価が異常に上ったためにそういう機能を発揮できなかったという状況でございました。五十二年の際の時点にまいりますと、そういった国際糖価の異常高も非常に安定をしてまいりまして、いわば何と申しますか、糖価安定事業団の本来の機能が発揮できる状態になったわけでございます。もともとそういった価格安定機能というものを、国民生活の面あるいは生産者の保護、農家の保護とか、そういう面からいきまして、そういった一方において商品が非常に国際価格に影響されると、こういう状況でもございますので、五十二年の際にはそういう状況を十分見ながら引き続いて検討していきたいと、こういうふうに変更をしたわけでございます。
 一方硫安輸出株式会社につきましては、これも非常に慢性的な供給過剰の状態が続いておりまして、五十年当時におきましてはそういう機能が果たして必要であるのかどうかという問題もあったわけでございますが、その後御承知のように需給関係が非常に安定といいますか、非常に需給関係が緩んでおりますし、一方その目的としている価格の安定という面から見ますと、やはりそういった状況を十分考えなくちゃいけないという状況に現在なっておりますのと、それから一方硫安関係につきましては構造不況業種ということで、業界全体のあり方を、硫安業界のあり方そのものをどう持っていくかと、こういうふうな問題が実は大きな問題になってまいったのです。しかもこの硫安輸出株式会社の設置のための法律は御案内のように五年間の期限つきでございまして、その期限が実はこの六月にまいるわけでございます。構造不況業種に指定をいたしまして構造改善をやっていくという状況でございまして、さらにとりあえず五年間この存続をお願いをするということで現在国会に御提案、御審議をいただいているような状況でございますので、そういう状況を見ながら、今後そのあり方については検討していきたいと、こういう趣旨で、引き続き検討するというふうにしたわけでございます。
#220
○和泉照雄君 次にお尋ねしたいことは、特殊法人の役員の選考問題についてでございますが、「公庫公団等特殊法人の役員の選考に当たっては、広く各界有識者の中から適任者を人選するとの見地から、今後、特に次の事項に留意するものとする。」ということで五項目にわたっていろいろうたってあるわけでございますが、この項目ごとに、現状はどのようになっておるか説明願いたいと思います。
#221
○説明員(栗林貞一君) 特殊法人の役員の選考につきましては、五十二年の十二月の閣議決定の一環として決められたわけでございます。いま先生おっしゃいましたように五項目にわたって留意事項が決められております。順次御説明さしていただきます。ただ、この取り扱いにつきましては、この閣議決定の中にございますように、「四月一日以降役員に就任する者について運用する」ということになっておるわけでございますが、大体五十四年の一月一日ごろを基準にとりまして、数字で私ども把握しているものは数字でお答えしたいと思います。
 最初に、第一の柱でございますが、「特殊法人の業務内容を勘案し、民間からの登用を積極的に推進すること。」という第一項目につきましては、国家公務員から特殊法人の役員に就任いたしました者と、それ以外の民間とかあるいはその他法人部内含めましてその他のところから役員に就任された方というふうな数字で把握してみますと、五十四年の一月一日現在では、国家公務員から直接特殊法人の役員に就任した人は三百二十四人、特殊法人の常勤役員というのは七百九十七人いますので、そのうち三百二十四人、約四割でございます。それから民間法人部内その他、その他と申しますのは大学の教授とかいうようなところから就任された方は、合わせまして四百七十三人でございます。ただ、この四百七十三人の中には、国家公務員を退職してから民間などに行っておりまして、それから公団とかそういった特殊法人の役員になったという人もおります。それも五年、十年とたってから役員になったという人もおります。それが大体百六十五人ほど、百六十五人入っていることも念のためつけ加えさしていただきます。そういったかっこうで、現状としてはそうでございますが、できるだけ閣議決定の線に沿ってやらしていただいておるわけでございます。
 それから第二番目に、「国家公務員出身者から選考する場合は、関係省庁の職員にとらわれず、広く各省庁から適任者を選考すること。」ということでございますが、私ども内閣官房としてこの閣議決定に基づいて具体的な役員の選考について協議を受けるわけでございますが、その際当然こういったことを考慮しながら各省と話し合いをしております。基本的には最初のところに、閣議決定に書いてございますように、「適任者を人選する」ということでございまして、そういった点からやっておりますが、結果といたしまして、大体の傾向を申し上げますと、特殊法人の業務というのは国の業務と関連しておりますために、その特定の法人の役員としての適任者を求めた場合に、関連省庁の経験が豊かで知識を持っているという人が選ばれる場合がほかの場合よりもある程度多いということはこれは避けられない場合も多いわけでございまして、また、それはそういった法人の業務を適正に行っていく、効率的に行っていくという観点から、それから同時に人材を有効に活用するという両方の観点から望ましい場合もあるわけでございます。したがって、そういうところを総合的に見た上で選考いたしますので、各省同じようにというようなわけにはまいらない場合がございます。ただ、それが関係省庁からの安易な天下り人事というようなふうにならないように十分気をつけてまいっておるところでございます。
 それから第三番目に、「特殊法人相互間のたらい回し的異動は、原則として行わない」ということでございますが、この趣旨も、安易な人事上の都合による特殊法人相互間の役員の異動は差し控えるということが趣旨でございますが、現実の姿を申し上げますと、五十四年の一月一日現在、先ほど申し上げました常勤役員七百九十七人のうち、いわゆるここに書いてあるようなたらい回し的と申しますか、ある特殊法人の役員から他の特殊法人の役員に移りまして、いまそこにおられる方、これは三十六人でございます。パーセンテージにいたしまして四・五%ということで、確かに例外的にはそういうことがございますけれども、閣議決定の原則として行わないという趣旨は十分行われているのではないかというふうに考えております。
 次に、第四番目でございますが、「高齢者の起用は努めて避けること。」ということでございます。「役員の在任は、原則として、六十五歳に達するまでとすること。」、ただし書きがございまして、総裁、理事長あるいは副総裁、副理事長といった方は、これは豊富な経験、知識といったものが必要であるというふうな観点から、特別の事情がある場合には原則として七十歳に達するまでということになっているわけでございますが、六十五歳以上の常勤役員の方をやはりことしの一月一日現在で見てみますと、六十七人でございます。全体の常勤役員総数の八・四%でございます。これは六十五歳以上でございますので、この閣議決定にありますような七十歳という基準がもう一つ、例外的な基準ではありますけれども、あるわけでございますが、そういったものも込みにして六十七人、八・四%というふうな数字でございます。
 それから最後に長期留任の問題でございますが、これは長期留任は原則として避けるということで、その在職期間はおおむね六年を限度とする。それから、総裁、副総裁などの職にある方で特別の事情がある場合は、これは先ほどの高齢者の場合と同じような趣旨で、原則として八年を限度とするというふうなことになっておるわけでございますが、これにつきまして同じように七年以上というふうに切ってみますと、五十四年の一月一日現在で八十八人、全体の一一%というふうな数字になっております。これも八年という基準もございますけれども、そういうものも込みにした数字でそのような数字になっておりまして、私ども、協議を受けるに当たっては、閣議決定の趣旨を十分踏まえて各省と個別的に、相当厳しい姿勢で個々に話し合いをしつつやっているところでございます。
#222
○和泉照雄君 では、特殊法人の役員の給与、退職金制度の問題については現実どのように改定をされてきたか、この点についてお述べください。
#223
○説明員(日吉章君) 特殊法人の役員の給与と退職金でございますが、これにつきましては、先生がお挙げになられました閣議決定の趣旨に基づきまして適正化を図ってきておるところでございますが、具体的に申し上げますと、まず役員の給与でございますが、これにつきましては、国家公務員の指定職なりあるいは特別職の給与というふうなもの等を勘案いたしながら改定してきているわけでございますが、五十二年度におきましては、これらの国家公務員の指定職や特別職の給与改定率よりも低いところに改定をいたしております。また、五十三年度におきましてはこれら指定職や特別職の給与が改定されませんでしたものでございますので、同じく特殊法人の役員の給与も給与改定を見送っているところでございます。
 次に、退職手当でございますが、これにつきましては、従来は在職期間の一カ月につきまして俸給月額の百分の四十五という率で支給をしてきておったわけでございますけれども、人事院にお願いをいたしまして民間企業の役員の退職金の支給の状況をお調べいただきました。それによりますと大体百分の三十七、八程度であるということでございましたから、これを勘案いたしまして、従来の百分の四十五を二割カットいたしまして、昨年四月一日から百分の三十六というふうに二割カットいたしまして実施されているところでございます。
#224
○和泉照雄君 特殊法人の役員の選考の問題とかあるいは給与、退職金制度の問題等は明らかに制度的な欠陥があるということで今日いろいろと問題を問われておるところでございますが、もっとも大蔵省としては給与にしても退職金にしても、その額については適当と判断をされておられるようでございますけれども、行管長官として、この問題に行政監察をなさる意向はないかどうか、その辺のところの御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#225
○国務大臣(金井元彦君) 特殊法人の役員の待遇等につきましては、ただいま政府委員の方から御説明を申し上げたような経過で、またそういう内容でございます。これが決定をいたしましたのが一昨年の暮れの閣議決定に基づきましてただいまそれを実行をいたしておる。ただ、幾つかの例を挙げられまして、最近の特殊法人の役員がよ過ぎるんじゃないかというふうな意味の御発言が間々、あるいは間々というよりも今国会においてはかなり出たように思うんでございます。そこで、私どもといたしましては、この閣議決定に基づいて決めたときにはかなりいろんな点をしんしゃくをし、また資料に基づいて決められたものでありますので、そう不当なものとは思っておりませんけれども、しかし時世がだんだん厳しくなっておりまして、そういう点の御批判もある次第でございますので、この点につきましてはまたひとつよく検討してみたらいかがかと、これは特に監察をいたさない、もう基準が決まっておりますので、それが適当かどうかということの判方の問題になろうかと、かように考えております。
#226
○和泉照雄君 現在、いまおっしゃったとおり、特殊法人の問題で大きいもの、最大の関心の強いものは役員の給与、退職金の問題であり、それも民間の人を登用すればそれほど問題はないと思うのでございますけれども、閣議決定をしながら、先ほどの答弁にもありましたとおり約四割の方々が天下っておったり、あるいはまたたらい回しも若干あるようでございます。特に渡り鳥人事というようなこういう繰り返しが世間の批判を受けているわけでございますので、内部登用ができないほど人材がおらないのかどうか、今後内部登用について積極的に推進をしていくべきであると、このように思うんですが、長官の御所見はいかがですか。
#227
○国務大臣(金井元彦君) お説のように内部から登用するという道は、私は傾向としてだんだん強くなってくるんじゃないかと、かように考えております。
 なおまた、渡り鳥というふうなことを言われるような個々の事例につきましては、今後原則を守ることにおいて厳正にこれを実行していくということを励行すべきであると、かように考えております。
#228
○主査(糸山英太郎君) 以上をもって和泉照雄君の質疑は終了いたしました。
 他に御発言もないようですので、行政管理庁所管に関する質疑はこれをもって終了したものと認めます。
 明日は午後一時三十分から分科会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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