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1978/03/01 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 建設委員会 第3号
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1978/03/01 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 建設委員会 第3号

#1
第087回国会 建設委員会 第3号
昭和五十四年三月一日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月一日
    辞任         補欠選任
     降矢 敬義君     藤川 一秋君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         浜本 万三君
    理 事
                土屋 義彦君
                堀内 俊夫君
                増岡 康治君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                遠藤  要君
                上條 勝久君
                降矢 敬義君
                内田 善利君
                桑名 義治君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
   国務大臣
       建 設 大 臣  渡海元三郎君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  中野 四郎君
   政府委員
       国土庁長官官房
       長        河野 正三君
       国土庁計画・調
       整局長      福島 量一君
       国土庁土地局長  山岡 一男君
       国土庁水資源局
       長        北野  章君
       国土庁大都市圏
       整備局長     堺  徳吾君
       国土庁地方振興
       局長       佐藤 順一君
       建設大臣官房長  粟屋 敏信君
       建設省計画局長  丸山 良仁君
       建設省都市局長  小林 幸雄君
       建設省河川局長  稲田  裕君
       建設省道路局長  山根  孟君
       建設省住宅局長  救仁郷 斉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    水野  勝君
       大蔵省理財局特
       別財産課長    高橋 公男君
       自治大臣官房地
       域政策課長    末吉 興一君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        澤田  悌君
       日本住宅公団理
       事        澤田 光英君
       日本住宅公団理
       事        有賀虎之進君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (建設行政及び国土行政の基本施策に関する
 件)
 (建設省及び国土庁関係予算に関する件)
 (既存の建築物の防災対策に関する件)
 (日本住宅公団家賃値上げに関する件)
 (福岡市周辺における水不足問題と水資源の開
 発に関する件)
 (田園都市構想・定住構想等地域整備に関する
 件)
 (筑波学園都市への移転に伴う跡地利用に関す
 る件)
 (住宅宅地問題に関する件)
 (道路整備問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(浜本万三君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本住宅公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(浜本万三君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。
 これより、建設行政及び国土行政の基本施策並びに建設省及び国土庁関係予算について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○茜ケ久保重光君 少し建設大臣、国土庁長官に御質問をしたいと思います。
 具体的な質問に入る前に、私常日ごろ考えていることをちょっと申し上げて両大臣の御所見を拝聴したいと思っております。
 直接はこれから質問するもろもろの問題と関係ないようでありますが、政治的には非常に関係が深いと思うことであります。と申しますのは、大臣の任期です。大体最近の内閣の大臣の任期は一年前後のようであります。先般異例として三年というのがありましたが、これは異例です。大体は一年。一年の任期で果たしてそのそれぞれの担当されている膨大な行政の運営がスムーズにいくかどうかということを非常に危惧するものであります。まあソ連のイシコフ漁業相とかあるいは外務大臣みたいな何十年とは申しませんが。私自身は、長い間政治に関与しておって、もちろん私どもは大臣にもなりませんし、なる機会もありませんけれども、少し日本の大臣の任期は短か過ぎるんじゃないかという気がするのであります。これは大平君に聞くのがあるいは妥当だろうと思いますけれども、きょうの渡海、中野両大臣は大平君に匹敵する、いや大平君よりももっと政治的にはすばらしい大臣でありますから、ひとつそういうことを踏まえてお尋ねするわけです。と申しますのは、せっかく大臣になっていただいて、いろいろと政治の運営に当たっていただくのでありますが、一年という期間ではどうにもならぬのではなかろうか。もちろんすばらしい何か特殊な方は別として、一般の方はそうじゃないかと思う。日本は官僚の国だと言われております。官僚諸君が日本の政治をあるいは行政を牛耳っておる。これは私は、官僚諸君が悪いという意味ではなくて、官僚諸君は少なくとも何十年その仕事に従事をしている、みんなエキスパートであります。しかも、チームワークも持っている。この諸君がいわゆる各省庁に根強いものを持っている。その点が悪いとかいいとかじゃなくて、具体的にそうである。その中に大臣が、いわゆる素人の方が多いんですが、おりていってやられても、なかなか思うようにいかぬと思う。二年三年四年とじっくり構えて、やはりそういった官僚諸君のいいところをどんどん駆使するような状態になって初めて私はすばらしい政治が生まれるんじゃないかと、こう思うのであります。残念ながら日本では、内閣が変わる、総理大臣が二年ですから、せめて二年でもやれればいいのに、一年交代させる。これは党内事情等もいろいろありましょう。しかし私はそれでは日本の政治は発展しないと思うんですね。保守革新を問わず、これはそうであります。やはりじっくりと大臣の部屋の中に腰を据えて、ひとつ政治力を発揮して優秀な官僚諸君を駆使して国民のための政治を運営してもらいたいと、こう非常に念願しているわけですね。これは実際はそうじゃない。そこでこれは私聞いても、両大臣とも大体返ってくる答弁は同じだと思うし、私が大体考えることであろうと思うけれども、政治家はやはりどこかふん切っていかなければ、いまのまま惰性でいったら、日本の政治はそれは進展しない。ということは、やはり一億国民がいろいろな意味でその被害に遭うわけですから、ひとつ渡海、中野両大臣が思い切って、ほかの大臣がどうであろうとも、ひとつ建設行政と国土行政に政治精力を傾注してやっていこうという心構えがあろうかと思うのであります。そういった意味で、これから御質問申し上げるもろもろの問題が、大臣がどんどんかわりますから、この大臣がこういう答弁をして約束する、すぐかわる、また違ってくる、こうなんです。大体一年といいますと一国会です、大臣の在任は。すると、せっかく在任中の国会で御検討申し上げ、大臣のいろいろな御答弁を伺っても、それがおかわりになると――本当は変わらぬわけですが、いままでの歴史を見るとみんな変わっておる、大臣がかわると。前の大臣の言ったことは次の大臣やはりお逃げになることが多いんですね。そういう意味で、せめて三年か四年大臣がお座りいただいて、やはり前の国会で約束した事項が次の国会では何とか具体化するようなことがなければ、私どもが何回質問しても何回お願いしても同じこと。したがって会議録を見ますと、同じ問題が各議会でやられている。これじゃいかぬと思うんですね。そういう意味で、渡海、中野両大臣、ひとつそのくらいのお気持ちで、これはまた大平君が二年でかわるかどうか知りませんが、まあしかし大平総理二年あるんですから、せめて四年五年と言いませんから、二年間大平内閣のある間は、現在の大臣がかわらずにやるんだと、そういう一つの何か例をこの辺でつくっていただいたら大変よろしいんじゃないかと、こう思うんですが、まあ御答弁がなければないで結構。私もひとつ、いろんな問題があるよ、これだけではありません、たくさんの問題はあるけれども、端的にいま一つの問題を提起したわけです。ひとつこの点に対してお二方の御決意と御信念のほどをお伺いして質問に入っていきたいと思います。
#6
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいまの御意見、私も同感に感ずるところは多いのでございます。しかし、いま申されたようにせめて現総理の間は、大臣も総理と同じように責任を果たしていけと、期間も同じにと、こういうことでございますが、これは総理の持っておられる権限のものでございまして、むしろ茜ケ久保先生の御意見に共鳴するところ多いのでございますが、この点は自分自身が当事者でございますから、ひとつ差し控えさしていただきたいと存じます。しかし、現実に合わして前大臣の言われたことを踏まえながら行政の継続性を持っていく。これは大臣になった者の私がやらねばならぬことでございますし、努めである。いまのような政党内閣でございますから、党の政策を大きく逸脱するということもありませんから、その点において一貫性を持っておりますけれども、具体的に個々の行政の面におきましても前大臣のことは、常に継続性を踏まえながら処置しなければならないことであると思います。
 そうすると、大臣はかわるけれども官僚はかわらない。長い間やっておる。そのためにむしろ大臣がわずかな期間入っていても官僚政治と申しますか、官僚の者にむしろ大臣の方が引きずられるというふうな形、こういうこともあり得るのじゃないかと思いますが、私も不肖ながらも理事者をやってまいったのでございます。そうして議員になったときに一番最初に感じましたのは、理事者は理事者としてのやっぱり考えがある。しかしながら、一番必要なことは、議員は、私は率直に国民の意思を国民の感覚において受け取る発言、むしろ素人の方がよいのだという感じがしたのでございまして、自分、が自治大臣をやらしていただいたときもむしろ専門的なことよりも、専門的なことは役人がよく承知をしておりますけれども、またそれなりに専門的であるがためにかえって外部からの率直な意見が入ってこないと申しますか、一方的な考え方がなきにしもあらず、その点を大臣は庶民の感覚で一般国民が素直に受けておる感覚で行政を指導していくということが議院内閣としての大臣に課せられた大きな任務であるということを痛感したことがございました。いまお話しの点は数多く私も同感の意を表するものでございますが、現在の状態におきましてそれらの点を踏まえながら悪い点はできるだけ是正し、よき点は伸していくという意味で、大臣である間の職責を全うさしていただきたいと思いますので、御忠告としてありがたく承っておきたいと思います。
#7
○国務大臣(中野四郎君) さすがは御見識ある御発言でありまして、本当に一年ぐらいの任期でここでお答えしたことがすらすらと成り立つというようなことはなかなかむずかしいことです。しかしこの短い期間でもこれというポイントだけを必ずこれを一つ芽生え出していくということに熱意を込めて、幸い行政機構は相当しっかりしておるんですから根さえおろしてやればだんだん芽が出てきます。それが実ってくるというような、そういう心がけで、短いか長いかしれませんが与えられた任務の間に一つ二つと積み上げて物にしていきたい。お約束したことをしっかり成長さしていきたい、こういう腹構えで就任をさしていただいております。どうぞよろしく御指導、御鞭撻をお願いいたします。
#8
○茜ケ久保重光君 この発言について別に私は論争するつもりはもちろんありません。渡海大臣も国土庁長官もよく存じ上げた仲ですから気安い気持ちで申し上げたわけです。しかし私はやっぱりこれは大事なことだと思うんですよ。というのは後ろに座っている官僚諸君もやっぱり私はかなり心してもらわぬといかぬと思うんです。やはり官僚の中にはなわ張りもあるしいろいろなことがあります。そのことはやはり私は常に国民の立場を忘れないであってほしい。国民のためになるかならぬかがいろいろな場合のポイントだと思うんです。いわゆるそのことが私は官僚諸君の中に常に頭にあればいま渡海大臣がおっしゃったように、国民のいろいろなものを身に受けてとおっしゃったがそのとおりだと思うんですね。官僚諸君も直接に国民とは接触しないけれども、やはり国民が何を期待し、このことが国民に対してどういう結果をもたらすかということを常に念頭においてもらえば私は間違ったことは起こらぬと思うんです。そういったことがあれば大臣のいまおっしゃる任期は短くとも、大臣の情熱なり精神面が私は素直に政治あるいは行政の中に進展していこうかと思うんですね。これは私はここでどう申し上げたからといって任期が延びるわけじゃありませんし、それはもうわかっておりますけれども、しかしやはり一応私どもはそういう心構えとそういうものを持ちながら政治に関与しなければならぬということを私今度の御質問申し上げるためにいろいろ調べてみますとつくづく感じたわけです。身にしみて感じましたからいま冒頭にこのことを申し上げておいたわけです。いま申し上げたことを踏まえながらよろしくお願いしたいと思います。
 それでは具体的な質問に入りますが、最初に既存の特殊建築物に対する防災対策ですね、これなんかいい例ですね。おっしゃるとおり大臣が十人ぐらい関連している。それぞれ大臣は調べてみますとこうしますよこうしますよと過去におっしゃっている。十人もおっしゃいながらついにできなかったですね、できない。そして今度はいよいよ行政指導にということでやってきたわけです。これも私どもの立場からするといろいろ問題があるんでありますけれども、まあこの問題についてとやかく言っている時間もありませんから、それはそれとして、やはり行政指導なさるならなさるで、やはり最初つくられた法律の案の精神がどこまでも生かされて、法律的なものでなくても生かされて運営されるということでなけりやならぬと思うんですね。したがいまして、いまからこれ質問しますが、建設大臣、いわゆる行政指導に――私も反対です、これは。社会党としては反対であります。反対でありますけれども、一応皆さん方がそうお決めになってこれを遂行されようとしていらっしゃる。したがいまして、いま申しますように大分変わってまいっておりますし、あるいは緩くもなっております。しかし、いま言ったようにそれはそれとして、最初いわゆるあの大きな災害を起こした時点、たしかあれは大阪の場合にはちょうど自治大臣だったと思うんですが、私もちょうど建設委員をしていまして現地へ行ったんですが、あれからまた大洋デパートがありましたし、非常に大きな災害がありまして、政府としてもこれはいかぬということでずいぶん思い切った処置をされようとなさったのがあの法律案だと思うんですね。したがいまして、あのときのいわゆる初心が生かされるような行政指導をしていただく御決意があるかどうか、それを伺っておいて質問に入りたいと思うが、いま言ったそのいわゆる法律案の精神なりいろんなものを生かして行政指導するというひとつ御決意があるかどうかをお聞きしておきたいと思います。
#9
○国務大臣(渡海元三郎君) いま茜ケ久保先生から申されましたように、大阪の千日前のビルの百名余りに上る犠牲者を出したときは、私翌日早速現場に参りまして視察をし、雑居ビルのあり方はいけないということを感じたんでございます。その後、そういったこともございましたので、この法律の委員会における審議、また行政当局等のとっておられる姿を関心を持ってながめておったんでございます。たまたま責任ある大臣という立場を与えられまして、この問題の処理の、解決をせなければならぬという部署につかされましたんで、よく事務当局から今日までの経過その他も聞かしていただき、前大臣当時から、学識経験者あるいは関係各省それから関係業界代表の方々から成る懇談会等によってこれに対する対処の方法を進められてきておるということをつぶさに聞かしていただき、またその懇談会が中心となって実際に処置しなければならないビルそのものを具体的にほとんど全部にわたって調査もしたということを聞かされ、その懇談会の結果が、技術的見地からもまたきめ細かいそれぞれのやり方が必要であるということで、むしろ法的規制で強制といいますか促進を図るよりも、きめ細かい行政指導をもって堅実に実施していくということがよかろうという意見であるということが聞かされましたので私も踏み切ったのでございますが、いま御質問のありましたように、私は、要はきめ細かい行政指導をやることによって実行に移すことだと、事を仕上げることであると、今後の行政指導を法律があろうがなかろうが要は実行さすんだという決意のもとで行政指導ということに踏み切らしていただいた次第でございまして、なお今日までの詳細の経緯その他につきましては事務当局から述べさしていただいて結構だと思いますが、私自身は必ず実行するんだという決意に燃えて今回の所信表明の中で行政指導ということで入れさしていただいたという次第でございますので、御了解をお願いしたいと思っております。
#10
○政府委員(救仁郷斉君) ただいま大臣からお答え申しましたが、なおちょっと補足さしていただきます。
 昭和五十二年八月以来、先ほど大臣申しました懇談会を設けまして技術基準の検討を行ってまいりました。昨年の六月、おおむねの技術基準を作成いたしました。それが実際の建物に適用した場合にどういうふうな結果になり、それが具体的に実施できるかどうかという検証をするために、すべての建築物につきまして調査を行いました。その結果、私どもは、実際の現在もうすでにある建物というのは千差万別でございます。したがいまして、いろんな方法で安全を確保するということは、一律の技術基準ではなかなかむずかしいという判断をしたわけでございます。したがいまして、最小の費用で最大の効果を上げるためには、立法措置によって一律に基準でやった方がいいのか、あるいは限られた建物でございますのできめ細かく行政指導でいった方がいいかという判断をしたわけでございますが、結論的にはただいま大臣からお答え申し上げましたように行政指導できめ細かくやった方がより効果が上がるというような判断に立ちまして、それに必要な改修費用等につきまして助成措置等を強化することによって十分所期の目的を達し得るという確信を得ましたので、そういうことに踏み切らしていただきたいということでございます。
#11
○茜ケ久保重光君 局長ね、それはまあ説明はいいんだが、巷間、最初のときは改築その他やると全部で二千億ぐらいかかるということだったな。それが今度は行政指導になると何かかなり金額が減っているんだな。ということで、業界その他の圧力で建設省が行政指導に踏み切ったんじゃないかという、これはまあぼくも勘ぐりたい気持ちがあるんだが、ぼくが勘ぐる前に一般にそういったことが言われているわけだな。まあまさか勘ぐってみてもそうであろうとは思わないけれども、やはり世間一般がそう勘ぐるということに対してはこれはやはり明快な解明をしないといけないと思うんです。これは今後ともまた問題が起こった場合にいろいろと出てまいりますね。したがって、いまあなたのおっしゃった――まあ大臣の御所信はこれはもうもちろん結構です。それはそうでなくちゃならぬと思います。しかし事務当局としての局長の答弁はもうちょっとそういう面を明快にしていただきたいと、こう思うんです。
#12
○政府委員(救仁郷斉君) 御指摘のとおり、最初の建築基準法の改正案を御提出したときは、私ども大体改修費用二千数百億というように踏んでおりました。これは建築基準法の目的が――当然いろんな目的があるわけでございますが、防災に関しましては人命及び財産の保護を行うという目的で構成されております。したがいまして、人命だけでなくて、たとえば火災が起こりましたときに建物が全部燃え広がらないようにとかいろんな規定がございます。そういったものまで遡及適用によって防災的に安全にしようという目的を持っておりましたが、確かに委員会におきます、国会におきます審議などでもその辺をいろいろ御審議いただきました。私どもはやはり既存の建物を安全にするという目的からいたしまして、やはり人命の安全の確保ということに焦点をしぼるべきではないかというような観点に立ちまして、その後特別措置法案等の検討をいたしました過程で、この二千数百億から、特別措置法案の検討に入りましたときには、人命の安全に焦点をしぼった結果約八百二十億という概算をいたしておりました。その後、先ほど申し上げました懇談会によってよりきめ細かい新技術基準の検討を行いまして、それを実際の建物にアプライするというようなことをいたしました結果、今回の調査ではこれが五百十億というような結果になったわけでございます。
#13
○茜ケ久保重光君 大物もたくさんありますけれども、やっぱり最近大物はわりあい減りましたね。ところが小さい雑居ビル、これは最近また頻繁に起こっていますがね。あれは具体的に実際に既存の建物に手を加えて人命あるいは火災等防ぎ得る可能性はあるんですか。たくさんありますね。見るとね、本当にこれは何というかよくそういうことが起こらずにもっているもんだと感心するようなものがたくさんあるんですけれども、だからあなた方の行政指導で無数にある雑居ビルのそういった面を防げることができるという確信をお持ちですか。
#14
○政府委員(救仁郷斉君) 御指摘のとおり、大規模な建物につきましてはそれぞれ管理面あるいは防災施設の面、最近はとみに私どもやはり改善されているというふうに思っております。しかし、御指摘のように中小の雑居ビル、これは非常に問題がございます。第一に問題がございますのは、雑居ビルでございますので、各階の入っておられるお店と申しますか、そういうものの管理が当然違います。したがいまして、上の方が営業をしているのに下の方はもう営業をやめているというようなケースもございます。それから、そういったときに下の方の人がいないところから火が出たときに一体上の方にどういうふうな通知が行けるのかというそういったような問題もございます。またそういった中小の雑居ビルでございますので、したがって店がかわる、あるいは店を改装するというようなことがしょっちゅう行われます。そういったことからいたしまして、私どもは非常に危ないという感じを持っております。
 私どももそういった御指摘を受けまして、今回こういった大規模な特殊建築物の安全対策とあわせて中小の雑居ビルにつきましても、これはとても全部ではございませんが、抽出的に調べてみますといろんな問題が起こってまいります。特に私ども一番痛感しておりますのは、少なくとも現在あるたとえば段階なりあるいは避難のための窓なり、そういったものが完全に維持管理されていないという問題がまず最大の問題ではないかというように考えております。この問題は、建築物の物的な面を所管しております私ども建設省だけの問題でなくて、むしろ管理面を主として担当していただいております消防当局、これと一緒になってやっていかなければならない問題があろうかと思います。そういった意味で、今回こういった大規模な特殊建築物と同時に、中小の雑居ビルにつきましても消防当局と緊密な連絡をとって管理改善というような面について行政指導を強化してまいりたいというように考えております。
#15
○茜ケ久保重光君 まだいろいろ問題がありますが、こればかりににもかかっておれませんので次に移りますが、大臣やっぱりいま言ったように、最近の情勢では大建築物はいろんな意味でかなり神経を使っておりますし、管理等もやっております。いま申しました中小ビル、これはやっぱり一番問題だと思うんです。これのひとつあなたのおっしゃったきめ細かい目の行き届いた行政指導をしていただいて、ひとつ次々にそういう災害が起こらぬような指導をぜひ徹底していただきたい。これを御要望申し上げて、答弁は……。
 次に住宅公団総裁、大分総裁も苦労されているようですが、値上げから今日まで。先般も私どものところにも大分関係者が陳情に見えましたが、ごく最近の値上げ反対の諸君との話し合いについて御説明願います。
#16
○参考人(澤田悌君) 御承知のように昨年九月一日に改定を実施いたしたわけでございます。実施以前も実施以後も、いろんな機会に居住者あるいは居住者団体の方々と各種の話し合いをいたしてまいったわけでありますが、その一環といたしまして、昨年暮れいわゆる自治協の方からの話し合いの申し出に応じまして、十二月、一月五回にわたり話し合いをいたした次第でございます。ただ、その際も、公団といたしましては、今度の家賃改定は手続を尽くし、大臣の承認を得て実施いたしたもので、われわれもその内容はきわめて妥当なものと考えておりますので、その内容自体について実施以後に改正とか緩和ということはもういたす余地はない、できないということと、それからその話し合いといいましても、自治協という任意団体が住宅公団の運営なりに介入するというようなことは筋が違う、この二つの点を明確にいたしましてお話し合いをしたような次第でございます。
 その際自治協の方からは十項目ほどにわたる御要望が出てまいったのですが、何分それが従来いろいろ手を尽くして御説明申し上げたものでもありかつただいま申しました二つの基本的考え方に抵触するような問題でもありますので、数回精力的にお話し合いをしましたけれども、それについての具体的な進展は見られず、これ以上、もうすでに実施いたしてからでも六カ月を経過いたしておりますが、その当時ももう六カ月近かったわけでありますから、これ以上同じことを繰り返しておっても問題が進展いたしません。改定家賃を納めないで現家賃で納めている方が一月末現在ではなお三〇%台ございます。逐次減ってはきたんですが、なお三〇%台。そういうことで、どうしても納めていただけない方には、今後もいろいろ督促その他手を尽くしますが、すでに六カ月をたったいまといたしましてはやはり法的手続によって措置をせざるを得ないと、こういう段階に立ち至っておる次第でございまして、最近の話し合いの模様はそういうことで一応打ち切られておるというのが現状でございます。
#17
○茜ケ久保重光君 現状はそうでしょうが、総裁ね、これはあなたの持ち味も大きいわけですから、まあ建設大臣のおっしゃったきめ細かなということはなかなかいかぬにしても常住に、常日ごろにおける居住者とあなた方とのコミュニケーションというか、あるいはまあ接触というか、こういうことは非常に私は不足しているんじゃないかと思うんですがね。いわゆる今度の問題が起こったのももちろんそれは一部にはいろんなものもありましょうけども、やはり、こういろいろと聞いてみますと、いきなり抜き打ち的に、一方的にその家賃の値上げを通告した。これはあなた方の立場にすれば、何十万というんでありますから、それに一々こういう事情で値上げしますとかいうことは言えないにしても、何かもっと居住者と住宅公団との滑らかな接触の仕方があるんじゃないかと私は思うんですね、常日ごろ。だけど、こうして問題がこじれますとこれはどうにもなりません。いま申しますようにもちろん中にはこれはもう何が何でも反対、もう絶対家賃の値上げは一銭もまかりならぬという人もありますけども、また多くの方々は決して値上げそのものに反対ではないと、もちろん、いまの家賃も一般から見ると安いしこれは上げるのもやむを得ぬだろうと。しかし、何かしらこう強圧的な感じさえ受ける、家賃の値上げの通告に対して。どうも割り切れぬというようなことでいわゆる反対の立場に立っている方もかなりな数あるようでありますね。いまのその家賃紛争には間に合わぬかもしれぬけども、そういうことがやはりこの家賃紛争の一つの大きなウエートを占めているとなりますと、仮に今度の問題一応解決しましても、また次の家賃値上げに対してもまた起こると、悪循環が私はあり得ると思うんですね。したがって、これを、今回の問題を契機に、公団側、もちろん公団の職員の人数にも制限があろうし、なかなか容易でないと思うけども、また、あなたが私的な諮問機関を設けていろいろと話し合いをされているように、各団地におけるいろんな方々の、何というか、話し合いの機会を、家賃値上げとかいうことでなくて、公団住宅の運営に対していま自治協があなたがたに申し出ているようなことでなくって、もっとフリーなしかも緩やかなその話し合いをする機関という、機関と言わんでも、そういう場があれば私は大変いいんじゃないかとこう思うんでありますが、今度の問題は問題として、将来そういうふうなことを何かお考えになっていることはありませんか。やはりいままでどおりの方針といままでどおりのやり方で今後ともあなた方の公団住宅に対して対処していかれるお気持ちか、この辺いかがですか。
#18
○参考人(澤田悌君) おっしゃいます御趣旨私よくわかるのでございます。私よく申すんですが、入居者の方々は公団の大切なお客さんでございます。その間に常に温い意思の疎通、理解があるということはこれは最も大事なことでございます。公団は、今度の家賃改定につきましても決して一方的とか抜き打ちとかいう気持ちは毛頭ないのでありまして、いろいろ手を尽くして御理解をいただくように努力はいたしております。従来もいろんな機会に懇談の場を持ちまして、それから自治協議会とは定期的にお話し合いもしておくというようなことに努めておるわけでございますが、御趣旨のように、今後こういう家賃問題があろうとなかろうとそういう居住者の方々との理解を深める努力をしていくということについては全くそのとおり考えております。私かねがね、こういう大きい組織には総裁の私的諮問機関のようなものがあって広く各方面の方々の意見を聞いて公団運営に資するというようなことが必要じゃないかという考えを持っておりましたが、まだ成案はございませんけれども、今後そういう仕組みも考えて、よく居住者とそれから大家である公団と理解を一層深めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#19
○茜ケ久保重光君 これは大変なことですね、決してあなたが言うておられるんじゃなくて、あれだけの貸し家を持って、やはりこれはだれも値上げはいやに決まっていますから――この間もたくさん陳情に見えた方々に私ははっきり言ったんですが、値上げに絶対反対じゃいかぬとぼくは言うんですね。やっぱし、いまできる家は公団だけじゃなくって、公営住宅もあるし市営住宅もあるけども、聞くと十何年も値上げをしないで今度初めて上がったということもおっしゃるから、私は値上げそのものに反対ということは言えないと。やはり実情に応じて値上げもあり得るだろうと。したがって、そのときにたくさん見えた方々が、私ども、いま言ったように絶対反対とは言っていませんと、やはり値上げもこれはやむを得ぬと思っています、と。しかし、と言って、しかしがついて、いま言ったように強圧的だとか一方的だとかおっしゃる。これは値上げ反対のいい理由でしょうがね。しかし、私がいろいろ心配しているのは、いま言ったように、今度の問題は、まあ一応これが裁判で決まるか何で決まるか、一応決着つくでしょう、時間的に見ましても。しかし決着した後にまた問題を残して次々にもうあらゆる問題で裁判裁判でいくようではこれはやはり公団としては私は問題だと思いますね。特にいま申し上げた、これは総裁の諮問機関だけじゃなくって、各現地におけるいわゆるこれはあなた方の経営に参加するとかあるいは運営に何かするとかいうことでなく、そんな固いものじゃなくって、いわゆる何か隣近所のおばあちゃんたちが集まってお茶菓子つまみながらお茶を飲みながら話し合うようなそういう気分の場を居住者と持つことが必要じゃないかと。あなたの私的な諮問機関を持つことも大事だし、むしろそういった現場におけるそういう一つの場をつくることも必要じゃないかと。これは言うはやすくて行うことはかたいと思いますけれども、しかしやはり努力をする必要はあろうと思うんですね。そういう面を御検討いただいて、そしてあの辺の公団の居住者が公団に対して感謝するまでいかぬにしても、公団住宅に住まえてよかったと思うようなやはり環境と雰囲気をつくるための努力をしていただくことが必要じゃないかと、官庁じゃないんだから、公団は。どうもやはり公団の職員の中には、古い人たちは官庁から横滑りしている人ずいぶん多いんでしょうが、しかしその末端で御苦労いただく方は初めから公団に入られた方たちでしょうから官庁的な気分はないと思うんですね。そういう御努力もあわせて、いまあなたのおっしゃった、あなたの私的諮問機関をつくることも考えておるとおっしゃられた、それとあわせて――これは大変なことだと思うんです、全国にね、大変無数にありますから。あるけど、しかし、放っておきやまた裁判、裁判で永久に公団はこれはもうたな子さんとけんかしなくちゃならぬ。これじゃあもうまずいですから、そんなことのないための御努力をひとつされる――まあしますというここで御答弁がなくても、これ御検討いただけるぐらいのことはあってもいいんじゃないかと思うんですが、いかがでございましょう。
#20
○参考人(澤田悌君) 先ほども申しましたように、御趣旨まことにごもっともと思います。公団も居住者との理解を深めるためにいろんな形で努力をいたしております。本社では、先ほど申しましたような理事協議会を定期的にやっていろんな希望や要求をもうずっと前から聞いておる。そういう会合も持っておりますし、支社におきましても、いろんな接触をしております。それから各団地の事務所、これはもうそこの自治会といろんな細かいことについて意見を聞いたり希望を聞いたりしながらやっていかないとなかなか事が進まない。一生懸命、まあ皆さんには御不満があるかもしれませんが、きめ細かいそういう努力はいたしております。今後新たにどういう方法がいいか、どういうふうにしたら一層なごやかな団地づくりができるか、そういうことについては一層研究し努力を続けてまいりたいと、かように考える次第でございます。
#21
○茜ケ久保重光君 何か総裁は、去る衆議院の建設委員会で、いろいろどうも大臣の承認を受けてから一年もたつんで、このままではいかぬから、もう断固裁判でやるというようなことをおっしゃっているんですが、それはまあ裁判をされるかされないかということは、これは御自由でありますけれども、私どもとすれば、できるだけ話し合いがよかろうと思っておったんでありますが、何かその後の新聞を見ますと、公団の居住者、関係者も、何かもう話をやめて法廷で決着をつけるんだと、こういうことになったようでありますが、これはまあいよいよ最後の解決策になっているようでありますが、裁判をされてどういう結果が出るか、これはまあ裁判所の判断でございますが、仮に公団側が勝訴したといたしまして、まあ形の上では家賃問題が決着したようなことになりますけれども、先ほど指摘したように、そのことを契機に今度また公団といわゆる入居者との間にさらに埋めることのできないようなみぞができて、いろんな意味で公団の運営にはかり知れない支障を来たすんではなかろうかという危惧を持つわけです。当然総裁は、裁判をされるというのならば裁判決着後のことについてもいろいろとお考えがあろうかと思っておりますが、これは負けたらまた大変なことでありますけれども、まああなたも裁判をするという以上はお勝ちになるというお気持ちであろうと思います。いま言ったように、仮に公団側が勝たれたとしまして、その後のいわゆる居住者と公団との関係がどのようになるという想定をされ、それに対してどういうふうな御処置をして公団としてスムーズな進行を図ろうとお考えになっているか、その点のことをひとつお聞きしたい。
#22
○参考人(澤田悌君) こういう家賃問題などが訴訟の場に上るというようなことは私どもも決していいこととは思いません。できれば最後の最後まで避けたいというのは当然でございます。しかしながら、これは普通の訴訟と違いまして、家賃を上げようということに対していやだという場合に、最後には法の定めるところによりまして裁判所の判断を仰ぐと、こういう手続でございますから、それでどちらになりますにしても、これは民間の家賃についてもよくある事例でございます。それに従っていくというのが当然のなにで、余りそこを強く、むずかしく考える必要はないんじゃないかという気も私個人としてはいたすのでありますが、いずれにしても好ましいことではないので、全くやむを得ざる最後の方法としていたすのでございますから、それによってどういう判断が示されようと、それに従って、おっしゃるような禍根を残さないように、その後の十分な努力をいたしてまいりたいと考える次第でございます。
#23
○茜ケ久保重光君 まあそういう御答弁しかなかろうとは思いますが、まあしかし、裁判をされるにしても、やはり何らかの形で入居者とのこの接触の面だけは持続されることが望ましいし、いま言ったようなことを全部考えまして、いわゆる、もう裁判に勝ったんだからもうおまえはこのことに従えということでなくて、まあぜひ今後ともいわゆる居住者の皆さんとあらゆる努力を重ねて、その裁判をもうやるとおっしゃるならやむを得ません。やるなとはもちろん申しませんが、と同時に、やはり一方では、居住者との接触をぜひ続けていただきたい。そして裁判がどうなったにしても、結果が出た際に、本当の、どうにもならぬ状態をつくるということじゃなくて、これはぜひ努力してもらいたいと思うんですね。
 そこで大臣、いま聞いておられるとおりでありますが、これはもうあなたも御承知だと思います。それから私どもも、せっかく国があれだけの力と金を使って公団をつくって、住宅不足の急場をどうやらしのいでこられたんですが、それがやはりそういう悪い面が出てきていますわね。これは私は決して総裁の責任とは申しません。あなたの責任とは申しませんけれども、やはり公団の運営に何か欠けるところがあったんじゃないかと、こうも思うわけですね。いまそもそも、必ずしも公団だけの責任とは言いませんが、やはりしかし、こういったことが起こった以上は、何かやはりいままでの運営に欠陥があったんじゃなかろうか。コミュニケーションがなかったとか、いわゆるいろんな努力が足りなかったとか、官僚的な運営だったとかいうような、これはいろいろありましょう。したがいまして、いま申しますように、裁判をしまして勝ったとしましても、後にまた大きな禍根を残すようでは大変でございますから、この辺のところはひとつ大臣配慮をされて適切なひとつ御指導をお願いしたいと思うんですよ。でないと、せっかくの国の膨大な予算を使い、りっぱなものをつくったことが、ほかの今度はまたいわゆる借家関係にもいい影響を与えませんから、ただ単に公団だけじゃないと思うんですね。その点で、ひとつこれに対する建設大臣の御所信の一端をここで拝聴したいと思うんですが。
#24
○国務大臣(渡海元三郎君) 私、着任と同時にいままでの経過等聞きまして、すでに九月から値上げを実施するということをやっておりましたが、まだ現実におきまして反対運動があるということを聞かされました。しかし九月に値上げやりますときにも、これは十分国会の委員会等の皆様方の御意見等も聞かしていただいてやったんですが、それがまあ住居者に通じていないというふうな面もありましたんですが、現実には反対者が相当あるという姿でございます。着任と同時に法的処置をやるんかということを聞かされたんでございますが、それはもう最後の手段であると、あくまでも話し合いで進めてもらいたいということで、公団総裁来ていただきまして、篤と話し、できるだけ最後の最後まで話し合いで進めていってもらいたいということを申し述べまして、昨年の十二月からまあ自治協の方も話し合いに入るというふうな姿になりましたので、これは話し合いのもとに円満に解決できると、こう喜んでおったんでございますが、まあその後の経過、自治協の代表幹部、大きな組織でございますから、そこに至らずに終わっております。しかし、自治協の中でも九州地区のようにいままでの態度を話し合いの結果に基づいてやめるというふうな姿も出てまいりました。しかし、一方におきましてはまだかたくなに阻止されておる面もございます。しかし、それだからといって、延々日を延ばすわけにはいかないと、最後は決めなくてはいけない点があると、その時期ももうすでに限界に来ておるんじゃないかというふうないま気持ちで、この問題の処理に当たっておるんでございますが、いまの御要望よく承知の上、十分善処をさしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
#25
○茜ケ久保重光君 これは総裁、まあよく、何というんですか、心してそういうふうにしてもらいたい。
 次に、最近の公団の住宅が、何とか三つのことでいわれていますね、よく。家賃が高い、部屋が狭い、そして遠くなっている。これはまあ現在の土地事情等からなかなかやむを得ない点もありましょうが、昨年七月の時点で三万九千七百戸という膨大な空き家があるということは、この委員会でもたびたび問題になっております。まあ、その解消について努力する、努力するという、まあそのたびのお話があるんですが、果たして今日まで約八カ月を過ぎておりますが、その後この高い、狭い、遠いということなどで空き家になっているのが三万九千七百戸という、これは空き家が一体どういうふうな努力をされてどうなっているか、それをひとつ状態をお聞かせください。
#26
○参考人(澤田悌君) いわゆる未入居の状態の問題での御質問でございますが、昨年の十二月末現在の数字を申しますと、募集をいたしましたがあいておるというのが一万四百二十九戸でございます。それから募集に至らないで、いろんな理由で関連公共事業ができないとか、ここは募集してもちょっと無理だと、いろんなことでいわゆる保守管理をいたしております戸数が二万八千十七戸、合計十二月末で三万八千四百四十六戸あるわけでございます。
 公団はこの問題を解決いたしますためにいろんな措置、努力をいたしてまいったのでありますが、その第一はまず何といっても居住者に魅力のあるものでなければならない。できるだけ広くそれからできるだけ近いところで、しかも、できるだけ安いと、先ほどお挙げになりましたその三つの逆をいく努力が中心でございます。居住者に魅力のある住宅への改善というのを中心にいろんな努力をいたしております。
 それから家賃とか分譲代金の支払い方法の改善などをいたしまして、たとえば、一部の最近供給した住宅で家賃の高いのはその引き下げを行いました。あるいは交通機関の整備でございますとか、入居基準の緩和でありますとか、さらに広報活動や募集体制の強化、それから、仕掛かり中の住宅がございます。これはたくさんあったわけでありますが、それを全面的な見直しをいたしまして、それができ上がるときには居住者の希望に沿えるような形になるような、これは大変な作業でございましたが、一年間以上かかって見直しをいたしました。
 それから個別の販売対策についての努力等、各般の応急あるいは恒久対策を講じまして、その結果私が見ておりましても、かなりの需要を喚起して入居の促進が図られた。空き家問題はもうこれ以上増加するということはまずない、徐々に好転する兆しを見せ始めた、かように存じております。一時四万戸をちょっと出たのでありますが、先ほど申しましたように十二月には三万八千戸台になりました。この年度末にはもう少し下がるかと実は期待をいたしておるような次第でございます。今後もこれらの対策をさらに推進いたしまして、問題の改善に努力を続けたいと存じておる次第でございます。
#27
○茜ケ久保重光君 これはいまの住宅事情の中で、こういうような空き家というのは、いまだに入り手にはいろんな悪条件があろうかと思うんですが、これはまた端的に言えば、その責任も追及したいのでありますけども、まあこうしてできてきたものに対していまさらとやかく言いませんが、今後はこういうことがないようにこれは努力しなくちゃいかぬし、このものもこれはかなりの大きな金を使っているんですから、ひとつぜひ一日も早い解消方について、やはりこれは不断の努力が必要だと思いますね。これは当然なさっているでしょうが、しかし、なさっている以上にさらに大きな努力をしてもらいたいと思います。
 さらにこれは会計検査院からも指摘されたのでありますが、あなた方がお持ちになっている遊休未利用地、特に市街化調整区域にある千六百ヘクタール、大変なものでありますが、これがこういうたくさんな未利用地を持っていらっしゃるんですが、一方では住宅不足、しかも、いま言ったように遠いというようなために入り手がないという、一方に市街化調整区域ですね、こういう大きな空き地が放置されておる。これは開発が困難だということだけでなくて、何かまだほかにあなた方が買い急いだとか、あるいは何か余り調査をしないで買ってしまったというようないろんな原因もあろうかと思うのでありますが、この千六百ヘクタールについて現在どうなっているか。また、近い将来にどういうふうにされる予定であるかお伺いしたいと思います。
#28
○参考人(澤田悌君) 昭和五十年の会計検査院の決算検査報告におきまして指摘された長期未利用地、いわゆる長期未利用地の件は御指摘のとおりでございまして、二十二地区約千五百八十九ヘクタールに及んで買ったのであります。この多くは昭和四十八、九年日本じゅうが非常に土地問題で沸騰しておるときに買収したものが多いのでございますが、ああいうときでございますからある程度は無理からぬことでもございますが、買い急いだというような批判も受けておることも事実でございます。しかし、公団といたしましては土地がなければ使命達成ができませんので、ああいう状況の中である程度買い急いだのもまたやむを得ないという点もあろうかと思いますが、その未利用地になっておる理由を一つ一つ調べてみますと、一番多いのはやはり市街化区域に編入されておらない。そういう期待のもとに買ったけれども、その後状況が変わってなかなか動かないというような理由が多いようでございます。その他いろんな道路の問題河川の問題あるいは上下水道の問題等いろんな関連公共施設の問題もあって未利用のまま残っておる、遺憾な状況であったわけでございます。二十二地区ございますが、その後、公団もこの問題に真剣に取り組みまして問題解消に努力をいたしましたのでありました。特に、関連の地方公共団体等といろんな問題で話し合いを進めました。現在のところその二地区はもう処理が決まっております。それから、その他八地区につきまして関連公共施設整備の隘路が徐々に打開されたものもあります。市街化区域に編入されたものもございます。事業着手のめどが合計十地区についてはついてまいりました。これは非常な前進であると思っておるわけでございます。十地区約七百十三ヘクタールでございます。ただし、その他の十二地区がまだ残っておるわけでございまして、これを市街化区域に編入してもらう、あるいは道路、上下水道等の施設の整備等の隘路の打開を図りますために、今後も建設省の御指導を受け、地方公共団体と精力的に協議を進め、最善の努力を続けてまいりたい、かように考えておるわけでございまして、この問題も先ほどの空き家の問題と同様に少しずつではありますが、いい方へ前進しておると申してもいいかと存ずる次第でございます。
#29
○茜ケ久保重光君 住宅問題いろいろありますが、一応この辺で打ち切りまして、次に、田園都市構想と定住圏構想についてちょっとお伺いしたいと思います。
 大平総理は、大平総理の何か施政方針の目玉的な構想として、施政方針演説でも「都市の持つ高い生産性、良質な情報と、民族の苗代とも言うべき田園の持つ豊かな自然、潤いのある人間関係とを結合させ、健康でゆとりのある田園都市づくりの構想を進めてまいりたい」と、大変耳ざわりのいいことをおっしゃっているわけですね。これは大平総理のいわゆる目玉商品的なお考えのようでありますが、政府はさきに三全総いわゆる第三次全国総合開発計画の定住圏構想というものを出しておる。この田園都市構想とは矛盾はしないのだと、いわゆるそういった統一見解を表明されていらっしゃいますね。これはただ単に時の権力者によって呼び名が変わったのであるというのかどうか、その辺のところをひとつ国土庁長官に御見解を承りたいと、こう思うんであります。
#30
○国務大臣(中野四郎君) 定住構想につきましては、もう先生すでに御承知のとおり、そのねらいとするところは地方公共団体が主体的になってその地域の特性を生かしながら総合的居住環境を整備するのが基本である。そこで定住構想と田園都市構想とどこが違うのだと、矛盾をしないかというお説でありまするが、最近になってこの田園都市構想というものは大分新聞その他で取り上げられましてクローズアップされてきましたが、これは大平総理がまだ総理に着任しない前からずっとあの人の履歴と称する本も読んでみますと、田園都市国家構想というような考えを持っておられる。これを端的に申し上げますれば、高度成長の時代のひずみを直して低成長時代にふさわしい自然と人間の調和のとれた特に家庭を基盤とした生活圏をつくるようにという政治理念であるということをしばしば表明されております。したがって、国土庁といたしましては、三全総の定住構想、これと軌を一にするものだと受けとめております。むしろこの定住構想よりも一段と彫りを深めたものと、こういうふうに受けとめまして、田園都市構想の目指す地域づくりに当たって、その基盤を計画的に整備する役割りを担うものだと、こういう考え方で対処しておる次第であります。
#31
○茜ケ久保重光君 きょうは、そういうことでひとつ国土庁で大平構想の具現について精いっぱいひとつがんばってください。
 次に、また同じ三全総で国土庁はいま言った定住圏構想を提唱され、自治省はすでに三百二十九カ所の広域市町村圏構想を、さらに建設省は百六十八カ所の地方生活圏構想というものを出しておられる。さらにまた農林水産省も農村地域定住促進構想を持っておられる。これらの構想を基本的には定住圏構想に基づいて施策を調整し実施していこうとされていると思うのだが、現在、政策理念だと言われているいまのいわゆる田園都市構想をどのような方向づけされるのか。このことはさておいて、それぞれの各省の持つ生活圏構想を定住圏構想に一本化する方向であるのか、あるいはまた、各省ごとのいわゆるそれぞれのセクションでこれを別々に遂行されるのか、これはひとつ国土庁の計画・整備局長にお答えを願いたい。
#32
○政府委員(福島量一君) ただいま先生御指摘になりました幾つかの圏域の問題でございますが、それぞれ若干目的、性格を異にするわけでございます。広域市町村圏は御案内のように、自治省の所管に属するものでございまして、関係の複数市町村が集まりましてその事務の共同管理、共同処理をするための機構になっておりまして、自治法上の協議会ないしは一部事務組合という組織でもってこれに当たっておる。かなりのものが特別地方公共団体と申しますか、それに当たるものも多いというふうに聞いておるわけです。
 一方、地方生活圏は建設省の所管でございまして、道路整備等建設省の所管に属する事業を実施する上での計画圏域である。したがいまして、ある程度の広がりを必要とするということから、先ほどお話に出ましたように、広域市町村圏よりは数は少ない、大体半分ぐらい。場所によっては全く一致する圏域もございますが、ところによっては広域市町村圏を二ないし三合わせたような圏域になっておるという事情でございます。
 農林水産省等その他の各省におきましてもいろいろな施策を講ずる場として以上の代表的な二つの例ほどのあれもございませんが、それぞれ圏域を想定して事に当たっておるという事情にございます。
 広域市町村圏も建設省の地方生活圏も十年前の新全総のときにモータリゼーションの進展によって生活領域が広がるということを想定しまして、広域的な圏域行政を展開する必要があるということを提唱したわけですが、それとの関連においてそれぞれつくられたものでございまして、十年来の実は実績を持っておるというものでございます。
 一方、今度私どもと申しますか、三全総で提唱いたしました定住圏と申しますのは、これからの生活圏のあり方として総合的居住環境を整備するための各般の施策を総合的、計画的に実施する必要がある。そういう考え方に基づいてまあ提唱したものでございますが、そういった考え方からいたしますと、その各省各庁のそういった施策の展開の場としての圏域ができれば統一された形であることが望ましいということが言えるわけです。これは御指摘のように、一本化ということが望ましいということは一つあるわけですが、この場合考えなければなりませんことは、一つはまあ圏域のあり方という問題につきましては、そこでどのような施策を講じ、あるいはどのような事業を施行しようとするのか、その目的によりまして圏域というのは多少多様性と申しますか、広がりを異にしたりするということは考えなくちゃいかぬ。
 それからもう一つは、やはり地方自治体が主体的に取り組んでいただくことになるわけですけれども、その地方のそれぞれの地域の自然的条件あるいは歴史的、社会的条件ということによってもたらされるところのまとまりというものを欠いては、これはまあ圏域としての意味がないわけですから、そういうこともあるわけです。したがって、定住圏で総合的、計画的に実施する場としては、先ほど申し上げましたように各省各庁の施策ができれば統一、一本化された形であることが望ましいということを申し上げましたけれども、しからばと言って、いま申し上げたような二つの要因等を考えますと、これを機械的に統一する、一本化するということが本来のそれぞれの施策の展開の場として適当かどうかという点については、また一概にそうも言い切れない面も実はあるわけでございます。
 そこで国土庁といたしましては、来年度モデル定住圏というための施策を講ずることにいたしまして、各県に大体一つの圏域ぐらい選んでもらって、これからの定住圏整備のあり方というものを実地に即して、あるいは地域の実情に応じた形でどう進めていくかということについての検討も重ね、かつ整備も進めていきたいというふうに思っておるわけでございますが、その過程でいま申し上げました各省庁の圏域の問題につきましても、どういう形でおさめられるものかということについても、具体的、即地的な検討を重ねてまいりたい。できれば、そこまでいくかどうかわかりませんが、地域の実情に応じてある程度の類型的な判断基準と申しますか、そういうものが得られればこれにこしたことはないというようなことで、モデル定住圏の整備というものを進める過程で、いま問題になりましたような各省の圏域の調整と申しますか、そういうものをやっていきたいと思っておる次第でございます。
#33
○茜ケ久保重光君 大分詳しい説明してもらったけれども、結論は、結局一本化するのかしないのか、この点をひとつ、どっちなんですか。
#34
○政府委員(福島量一君) モデル定住圏の整備につきましては、ちょうど一カ月前になりますが、二月一日に関係の十六省庁にお集まり願いまして、各省庁協力してこれに当たるという申し合わせをいただきました。したがって、自治省の広域市町村圏につきましても、それから建設省の地方生活圏につきましても、モデル定住圏の整備の検討の過程において検討しよう。ただ先ほど申し上げましたように、しゃにむに一本化することが問題の解決に役立つということは一概に言い切れない面もあるわけでございます。
#35
○茜ケ久保重光君 だからどっちなんだ、一本化するのかしないのかということを聞いている。
#36
○政府委員(福島量一君) 一本化したいと思いますが、することが適当でない場合もあり得るということで対処してまいりたいということであります。
#37
○国務大臣(中野四郎君) せんじ詰めますと、ばらばらじゃ一体どこを向いていくんだかわからぬじゃないかと、したがって内閣が中心になりまして先日二月一日でございましたか、十六省庁の局長みんな集めまして、そしていろいろと相談した結果、先ほど御説明申し上げましたように田園都市構想と定住構想とは軌を同じうしたものだ、したがってこの問題は国土庁がイニシアチブをとって、そして十六省庁がこれに協力をしてその計画推進にいそしめと、こういうことに決まっておる、こういう意味でございます。
#38
○茜ケ久保重光君 わかりました。それならいいんです。
 次に、昭和五十三年度の公共事業の執行についてちょっとお伺いいたします。
 答弁はひとつ簡単に願います。いろいろ御説明したいでしょうけれども、その辺はひとつどうぞよくお考えになって……。
 五十三年度予算は、五十二年度第二次補正を含めていわゆる十五カ月予算と称し、投資的経費の大幅な増大により公共事業に重点を置く景気回復志向型の予算を編成されました。また、政府は前半期に七五%の発注契約をすると、こういう決定をされて予算執行に当たられたわけですね。公共事業費の四〇%程度を担当する建設省は、直轄、補助事業、関係公団事業とも鋭意努力してその遂行に当たったと言われるが、そのような執行実態となっているのかどうか、また、景気浮揚に対する波及効果はどの程度と見ているのか、さらに、五十四年度予算の執行についてはどのように取り組もうとされているのか。そこの点を担当官から伺いたい。
#39
○政府委員(粟屋敏信君) 五十三年度予算の性格につきましては、いま先生お話しのとおりでございまして、その公共投資の景気回復における重要性にかんがみまして、建設省といたしましては総力を挙げてその早期発注に努めてまいったところでございます。政府全体では、上半期七三%の目標でございますが、建設省といたしましては、七〇・七%を目標としておりまして、実績といたしましては七三・八%と、目標を三・一%上回る実績を上げたところでございます。
 なお、一月末の補正予算を含めました契約実績を見てまいりますと、昨年度が八五・六%でございますけれども、五十三年度は八六・四%と昨年の実績を上回る成果を上げておるところでございます。そういう意味で、契約実績はきわめて順調であるし、年度内には一〇〇%近い契約実績を上げるものと考えております。
 なお、公共事業の波及効果の問題でございますけれども、五十三年度予算は、景気を早期に回復させる、波及効果を期待をして前倒しをやるということでございましたが、昨年の当初におきましては、やはり在庫調整の過程がございまして、必ずしも景気は好転の兆しを見せておりませんでしたけれども、次第に公共事業の前倒しの波及効果があらわれてまいりまして、昨年の六月ごろからは建設資材部門に在庫積み増しとか設備投資の動きが出てまいりましたし、十月ごろからは一般機械、鉄鋼等製造業全般に同様の傾向が出てまいったわけでございます。また、消費支出につきましても、昨年秋以降着実な伸びを見せるなど、公共投資の波及効果は経済全般に及んできておると考えております。
 なお、五十三年度の成長率見込みでございますけれども、七%の目標は、海外経済余剰の落ち込み等によって達成できませんでしたけれども、公共投資の波及効果によります内需の拡大によりまして、かなりの実績を上げるものと考えております。
 なお、五十四年度の公共事業の施行の方針でございますけれども、これを前倒しするかどうかにつきましては、今後の経済情勢とかあるいは建設資材、労務の動向等を見ながら、年度当初までに決めることになっておりますが、建設省といたしましては、やはり来年度の経済においても公共投資の占める役割りは大きいという認識を持ちまして、早期発注の事前準備を進めておるところでございまして、年度を通じて切れ目のない公共事業の施行が行われるように準備を進めておるところでございます。
#40
○茜ケ久保重光君 次に、治水、道路、公園、住宅建設等各分野にわたって公共事業を遂行をする上で、用地の確保が先行することは申すまでもありません。従来公共用地は、先行取得制度をして大体の用地確保が行われているとは思うのでありますが、一部地域によっては用地の確保難ということから、事業の停滞が出るのではないかと心配されているものもあります。本年度事業の実施に当たって、どの程度の公共用地が使用され、また買収見通しはどの程度か、また、五十四年度事業の執行に当たって支障を来たすことにならないか、こういった点を計画局長から端的に御答弁をいただきます。
#41
○政府委員(丸山良仁君) まず五十三年度の着工に必要な用地量でございますが、直轄で千七百七十二ヘクタール、補助で五千八百五十ヘクタール、公団関係で二千四百三十一ヘクタール、これを合わせまして一万五十三ヘクタール、約一万ヘクタールでございます。この中には市町村工事が除かれておりますが、これは推計で約二千ヘクタールと見込まれますから、全体で一万二千ヘクタール程度だと予想されるわけでございます。
 これに対しまして本年度買収予定の用地は、直轄で二千六百ヘクタール余り、補助で八千四百ヘクタール余り、公団で三千ヘクタール余りで、一万四千ヘクタールぐらいを買収する予定になっております。したがいましていま先生おっしゃられましたように、個々の事業につきましては、用地取得難で停滞しているというものも見られますけれども、全体として見ますと、用地の関係で工事が停滞しているということはございません。
 なお、五十四年度の見通しでございますが、ことしから来年度に持ち越して使える用地が、直轄、補助、公団関係を合わせまして八千三百ヘクタール持っております。これに対しまして来年度の必要の用地量は一万六百ヘクタールと見込まれておりますが、これには市町村の補助事業は外れておりますから、これが約二千ヘクタールと見込まれますから、おおむね一万三千ヘクタールぐらいの土地が必要ではないか、このように考えられるわけでございまして、半分以上の土地はすでに買収済みである、こういうことでございます。
 なお、来年度の買収予定は、全体で一万六千ヘクタールぐらいでございます。
#42
○茜ケ久保重光君 大体順調にいっているようですが、こういった公共用地の買収によって、地価の高騰に拍車をかけるようでは困るんだな。そういった点はどういうふうな対処をされ、また具体的にそういった事実はなかったかどうか、ちょっとお伺いしたいと思うんです。
#43
○政府委員(丸山良仁君) 公共用地の買収につきましては、地価公示法によりまして地価公示価格に準じて買う、こういうことになっております。これが実態がどうなっているかと申しますと、われわれが約一万件の買収について見ました場合に、この地価公示価格を基準にして二〇%以上ぐらいは余裕を見ているわけでございますが、これを超えているものが八十件程度ということでございまして、大体地価公示価格を基準にして買って
 いると言えるのではないかと思います。したがいまして、この公共事業をやることによりまして用地の値上がりを助長しているということはないとわれわれは考えているわけでございます。
#44
○茜ケ久保重光君 そういう答弁だと思うんですが、公団あたりはかなり無理をしている面があるんだな。たとえば道路公団等の高速自動車道の用地買収はかなり無理しているんですよ。公示価格どころじゃない。私の近くにも関越道路で関越道路御殿なんというのがずうっと建っているわけだ。これはすばらしい、えらいぐあいで。こういう点もやっぱり指導してもらわぬといかぬと思うんだな。御留意願いますね。
 次に、四十年代を通じて増加し続けてきた宅地供給は、四十七年をピークにして減少傾向にあります。昭和五十一年度には一万二百ヘクタールの水準にとどまり、なお地域別な供給量では大都市圏での停滞が目立っていると言われております。この傾向は大体現在でもそう変わらないと思うのでありますが、昭和五十一年度発足の第三期住宅建設五カ年計画での宅地必要量六万六千ヘクタール、さらには第三次全国総合開発計画での昭和六十年までの十カ年間における必要量十二万八千ヘクタール、同六十五年まで十五カ年間における必要量十九万ヘクタールの試算値は、その確保がきわめて容易でないと考えるが、国土庁長官、その所信の中で「宅地供給の促進を主眼とした適正な土地利用を促進するため、国土利用計画を基本として各都道府県の土地利用基本計画の見直しを進めるとともに、国土利用計画法の的確な運用と土地利用転換の適切な誘導を図ってまいりたい」「また、優良住宅地の供給につきましては、以上のほか、計画的な宅地開発についての財政上、金融上の措置、都市計画法の線引きの見直し、土地税制の所要の手直し等の施策が講ぜられることとなっております。」と述べていらっしゃる。まあ、大変きれいな表現ではとてもこの優良宅地の確保は困難であろうと思うんであります。この宅地供給の減少と特徴傾向をどのように見ておられるか、端的なひとつ御所見を長官、そして土地局長にお伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(中野四郎君) 当面の土地対策の課題は、地価の安定と宅地供給を促進することでございます。それから、最近の新規宅地の供給は、いま先生御指摘のとおり、昭和四十七年度をピークに年々減少の傾向にあります。五十一年度には全国で約一万二百ヘクタール、五十二年度には約九千三百ヘクタールとなっております。大変減ってきております。これは第三次全国総合開発計画、五十一年から六十年までに大体十二万八千ヘクタールぐらいを必要といたしますから、一年に割りますと一万三千ヘクタールぐらいのものでございます。それから、第三期の住宅建設の五カ年計画等で、これは五十一年から五十五年までですから五カ年の計画でありますが、やはり六万六千ヘクタールですから、これだけ要るといたしまするとやっぱり年一万三千ヘクタール。それから見ますと大変減っております。それだけのものを必要とされておりまするから、どうしても宅地供給量を下回っておりまするから、このような状況にかんがみまして優良な宅地供給の促進を図るために、計画的な宅地開発の推進のため財政上、金融上の措置の拡充を図っていくと、あるいは都市計画法の線引きの見直し、これはやはり考えなければならぬことであります。または、土地税制の所要の手直しをする、こういう施策が総合的に講じられることになっておりまするが、また、宅地供給の促進のためにも地価の安定は必要でありますので、引き続き国土利用計画法の的確な運用を行うとともに、いやしくも投機的な土地取引のことによって高騰するようなことがあってはなりませんので、この抑制のためにも土地税制の基本的な枠組みを維持していく、つまり短期重課等の問題は維持していく、そうしてこれらの諸施策によりまして地価の安定と宅地供給の安定確保が図られるものと私らは考えて、いまこれに推進をしておる次第でございます。
#46
○茜ケ久保重光君 最近ちょっと地価が上がっておりますね。それについて政府は、金融機関に対していわゆる土地買収、特に大型の土地買収資金はなるたけ貸さないようにという指導をしているようでありますが、ところが、今度は最近、去る二十一日ですが、大蔵省は全国の各金融機関に対して、金融機関自身の店舗用地確保に当たって、特に都市部において都市部のしかも中心地に無理をして買い入れをしている、このことは非常に、それでなくとも地価の高騰を招来しているのに金融機関自身がそういうことを無理をしていると、したがって、そういうことのないようにという通達を出しているわけでありますね。これは私はやはりちょっと大変な問題だと思うのであります、このことは。一般の土地業者には土地を無理に買わぬように金を貸すなと言っておきながら、金融機関自体が自分の店舗確保に無理をしている。これは事実であるからこういう通達が出たものと思うのですが、これは大臣でなくても結構なんですが、担当局長で結構ですが、こういう事実がこれはあったからこういう通達が出たと思うのですが、その事例を御承知ならばひとつお伺いしたいと思うんですが。
#47
○政府委員(山岡一男君) 細目につきましてよく承知いたしておりませんが、最近志木の駅の前に某銀行が駐車場用地といたしまして六十坪ぐらいの土地を買いました。ところが、それが地価公示と基準地価格等から著しく乖離をしておるということで、市等も問題にいたしまして銀行に注意をしたそうでございますが、その件が大蔵省の方にも耳に入りまして、銀行というのはとかくそういうふうな場所を選びまして特定の場所を買い進むという傾向があると従来言われておりましたので、その一件の事例によりましてでも直ちに全部に予防的な通達を出したいということでございまして、そういうような通達が二十一日に出されたということでございます。
#48
○茜ケ久保重光君 これはひとつぜひそういうことのないように、これは大蔵省だけでなくて、ひとつ土地と重大な関係にある建設省や国土庁でもぜひ御勧奨をいただいて、今後そういうことのないようにひとつお願いいたしたいと思います。
 最後に水問題について一、二点お伺いします。
 昨年八月には国土庁が長期水需給計画を策定され、また十一月には建設省が昭和六十五年度までの長期的な水資源開発計画を取りまとめられました。それによると六十五年までに三百五十八カ所のダムを建設し完成させ水の確保が必要であるとおっしゃっている、それを実行するとしてもなお南関東、近畿、九州北部地区等では水不足が出る地域があると言われている。長期展望に立って事業を実施することは重要なことでありますが、そうあるべきであると同時に、この長期目標は余りにも膨大な事業量になっているんじゃないか。したがって、その遂行はまことに容易じゃないんじゃないかと思うんですね。それをまあどの程度実行できるのか、また、どこまでやれるのか、ひとつ端的にその点についての御所見を承りたいと思います。
#49
○政府委員(稲田裕君) お尋ねの三百五十八カ所のダムでございますが、このダムの計画を立てましたのは、いま先生御指摘のように八月につくりました国土庁の六十五年の水需要の見通しに立ちまして、それの需要に対応するためのダムの中で一応可能性のあるダムというのを拾い上げたものが三百五十八でございます。これは昭和五十一年度以降六十五年までに完成を要するというダムの数でございまして、現在までに、五十三年度末までにそのうち十七カ所が完成するわけでございます。したがいまして、現在五十四年度で工事実施を予定しておりますのが約二百ダムでございます。それから、今後新たに工事に着手していかなければならない施設というのが残りの約百四十施設ということになるわけでございます。その現在着工しております二百施設につきましてはおおむね昭和六十年前後を目途に竣工いたしたいと、かように考えておるわけでございますけれども、新たに今後着工いたします百四十ダムにつきましては、六十五年までの間に、いろんな問題はあろうかと思いますが、国土庁の見通し等を受けましてこの建設に努力をしなきゃならないだろうというふうに考えておるわけでございます。
 もちろんこの事業を推進するためには、建設資金の問題であるとかあるいは事業執行体制の充実等に取り組んでまいることはもちろんでございますけれども、なかんずく水源地域の整備と水没者の生活再建というふうな水源地域対策が重要であるというふうに考えておるわけでございまして、これらのきめ細かい対応を図りながら事業の竣工を図りたいというふうに考えておるわけでございます。
#50
○政府委員(北野章君) ただいま建設省の方から供給の見通しについての話がございましたが、私どもが策定いたしました長期水需給計画は、長期的な水資源の開発、保全、利用に関して今後の基本的な方向を明らかにしたものでございまして、その需要の想定に当たりましては、第三次全国総合開発に示されました定住人口、それから工業出荷額等をもととして、さらに水を使用する側の節水及び水利用の合理化と申しますか、そういった努力を期待して見込んでおりまして、いわゆる節水型社会の形成を目指すことを前提としておりますので、需要の想定は妥当なものであると考えております。
 それから、供給量の推計に当たりましては、ただいま建設省から答弁がございましたが、それぞれ事業を所管しております関係省庁の協力を得まして、それぞれの事業計画に基づきまして供給の見通しを立てたものでございます。したがいまして、この計画を見通しどおり達成するためには、特にわれわれといたしましては、関係省庁と連携を密にいたしまして、水源地域対策等を促進し、地元関係者の理解と協力を得て事業の円滑な推進に努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
#51
○茜ケ久保重光君 十二時に終わりますので、答弁はひとつそのつもりでお願いします。
 これは最後ですけれども、水問題はたくさんありますけれども、これはまた後日ゆっくりひとつやらしてもらいます。
 一月二十五日に東京地裁は、多摩川水害訴訟で原告勝ちましたね。これは控訴したでしょう、建設省は。これはけしからぬと思うのだが、それは別として、さらにまた加治川の水害の判決、それから大東水害等というのがあります。これはみんな河川問題についての裁判所の判決が出ております。こういうことを見て、河川管理についていろいろと問題あるわけですが、国として河川改修を含めた総合的な国土保全策はダイナミックに推進することは必要なんですが、こういったことを踏まえて、河川管理を徹底するために建設大臣はどのようなひとつお考えであるか、また、河川局長は河川管理に対してどういうふうな視野を持っておられるか、これはもう短かい言葉でひとつお答えを願います。
#52
○国務大臣(渡海元三郎君) 国民を水害から守って生命財産を守るという行政上の責任、まことに重大なるものがあると考えております。今回の判決文にもそのことをうかがいとるのでございます。私たちは被害者の方にはできる限りの救済措置というもの、その当時にどの程度をやったか、あるいは今後どうやっておるかということもつぶさに聞かしていただきました。ただあの中で、判決文を私二回ぐらい読んだのでございますが、道路のような人工公物に対する責任と、自然的現象であるところの自然公物に対する責任、これが余りにも河川管理として区別されずに絶対の責任を要求されておるような判決になっておりましたので、この点はなお控訴いたしまして、裁判の結果を、判断を仰ぎたいと思って上訴さしていただいたのでございますので、御了承賜りたいと思います。
 なお、河川の重要性にかんがみまして、本年度の予算におきましても、建設省全部の伸び率の中で治水関係を多くさしていただきましたし、また、新経済七カ年計画の中の二百四十兆の計画の中で、いま検討を願っておりますが、この分におきましても治水関係をできるだけ取らしていただきまして、現在おくれております河川管理に十全を期していきたいと、このように考えております。
#53
○政府委員(稲田裕君) 多摩川訴訟等いろいろ敗訴している水害訴訟がございます。河川管理の問題につきまして種々の見解が裁判所からも示されておるわけでございます。ただいま私どもの方の河川の担当しております整備状況でございますけれども、大規模な河川につきましては、五カ年当初で五二%程度の成立になっております。中小の河川につきましては、時間雨量五十ミリに対しまして一四%程度というふうな成立でございまして、まだまだ基本的な河川の整備を一層に進めなければならぬというのが一番の基本ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 なお、各年度の事業の執行に当たりまして、危険な個所あるいは重要な個所等、特に事業効率の高いところからこれは手当てしていくのが当然であります。さらにまた、その日ごろの河川の維持管理等につきましても十分の配慮をして、できるだけ水害の少ないように効率的な河川の事業費の運用をしたいと、かように考えておるわけでございます。
#54
○委員長(浜本万三君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#55
○委員長(浜本万三君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#56
○内田善利君 大臣の所信表明の中で、私は時間の関係で水に関する問題についてだけ質問したいと思います。
 実は、私は福岡市内に住んでいるわけですが、いまだに給水制限が行われております。夜の十二時から六時まではじゃ口をひねっても水は出てこない。一番ひどかったのは、午後の三時から午後の九時までしか水が出ない、そういう非常に厳しい条件下に私どもは住んでおったわけですが、福岡市民の皆さんも非常によく耐えられて水の節約ということに非常に協力した、私は住民の、福岡市民のこういった姿勢については、まだまだ日本の住民の皆さんはこういう問題については耐えていける、そういうふうに強く感じたわけですが、非常に節水についても強力な姿で混乱もそう見られない、そういう姿でございました。いまだにその給水制限が解かれない状態でございますが、私はこれはやはり政治の責任だと、こう思いました。やはり十年先、二十年先を先取りした行政がなされなければ苦しむのは住民である、こういうふうに強く感じておるわけですが、したがいまして、水の問題に限ってきょうは質問したいと、そのように思います。
 所信表明の中で、水に関して第一番目は治水対策の推進、第二番目は水資源の開発を挙げておられるわけですが、まず最初に治水対策についてお伺いしたいと、このように思います。治水対策が非常に達成率といいますか、低いわけですが、水害に対する安全度が非常に低いということ、それから治水機能の低下、特に高度経済成長過程の中から、開発が進行したために保水、留水、そういう機能が低下したということを感ずるわけですが、第一次治水事業五カ年計画が昭和三十五年にスタートして今日までまいりまして、今年度推進中の第五次五カ年計画に入っているわけですけれども、この成果を、達成状況それと今後の対策についてまずお伺いしたいと思います。
#57
○政府委員(稲田裕君) 第一次五カ年計画から今次の第五次五カ年計画まで五次の治水事業の中期計画を消化したわけでございます。第一次の五カ年計画は三十五年から三十九年までということで、投資規模が四千億でございます。第二次の五カ年計画は昭和四十年から四十二年の計画になっておりまして、一兆一千億という投資規模になっております。第三次の五カ年計画は四十三年から四十七年の計画でございまして、投資規模は二兆五百億円でございます。第四次の五カ年計画は昭和四十七年から五十一年でございまして、投資規模が四兆五百億円。現在やっております第五次の五カ年計画が昭和五十二年から五十六年でございまして、総投資規模は七兆六千三百億円というふうになっております。
 それぞれの五カ年計画の達成状況でございますけれども、ただいま申し上げました投資規模の中には地方単独費、災害関連費等も入っておりますが、それらを除きまして国の直轄並びに補助の事業として実施しましたものにつきましては、第一次におきましては一一八%ということになっております。第二次は五カ年終結を待たず三カ年で第三次にわたっておりますけれども、一応計画額に対しましては三年で一〇五%ということになっております。第三次の五カ年計画は四年目で第四次にかわっておるわけでございますけれども、計画に対して九七%ということになっております。第四次の五カ年計画は九五%というふうになっておるわけでございます。それで、第一次の五カ年計画の初年度に当たる昭和三十五年から昭和五十三年に至ります十九年間の年度別の計画額と申しますか、各五カ年計画で考えました平均伸び等で試算したものでございますけれども、その合計額は六兆五千八百億円程度になっておるわけでございますが、これに対しまして同期間内の累計の実施額は六兆八千四百億円余となっておりまして、ほぼ金額面では一〇〇%程度であるということになっておるわけでございます。
#58
○内田善利君 単年度ではそういうふうになるかもしれませんが、整備率としては非常に低いわけですね。これは道路整備などに比較して治水投資といいますか、これが総体的に低いということなんですが、道路の方は第八次五カ年計画で二十八兆五千億円、河川の方では第五次計画で七兆六千三百億円と、四分の一ぐらいなんですね。これは端的には言えないかもしれませんが、総体的に低いのじゃないか。もう少し治水対策、国土保全施策といいますか、軽視されておるというふうに思うわけですが、その達成率の低くなっているのはどういうわけなのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
#59
○国務大臣(渡海元三郎君) 治水事業が国民の生命財産を守る重要なることであるということは、いま内田委員御指摘のとおりでございまして、現在わが国の国土の状態をながめまして、その整備のためには重点的に促進を図ってまいらなければならないと私自身も考えております。ただ、いま御指摘されましたように、高度経済成長期におきまして道路投資額が急激に増大いたしましたので、治水事業に比べまして道路と治水との間の格差がついてきたということは御指摘のとおりでございますが、数次にわたる五カ年計画によりまして治水の方に対しましてもこれを充実させていっておるのはいま述べたとおりでございます。五十四年度の予算におきましても、事業費にいたしまして、建設省の平均の伸び率は二二%でございますが、道路は一九%、これに対しまして河川は二三%という姿でございまして、道路に対する比率というものの、治水面における増額を図ってまいります。
 また、ただいま審議が進んでおります新経済七カ年計画におきましても、大体公共事業二百四十兆でございますが、この中におきまして治水事業を最重点的に取り上げて建設省といたしましては要求をし御審議を賜っておるようなところでございます。そのような状況でございますが、なおその整備水準は十分なものでないことはいま内田委員御指摘のとおりでございますので、今後とも治水施設の整備に一層の促進を図る必要があることでございますので、長期計画あるいは予算の面におきまして治水投資の拡大に努めてまいりたい、このように考えております。
#60
○内田善利君 現行の第五次五カ年計画が三年目に入ろうとしているわけですけれども、この計画の重点的なといいますか、焦点となっているものは何でしょうか。
#61
○政府委員(稲田裕君) 第五次五カ年計画で実施しております治水事業の中で、治水の中身といたしましては河川事業、ダム、砂防事業というふうに大きく三つの事業に分類されておるわけでございます。
 河川事業では、重点的にやっておりますのは、もちろん基幹となる大河川の改修、それから生活に密接な関連がございます中小河川の改修の促進、とりわけ都市周辺部におきます治水というのが先生御指摘のように最近の都市開発に伴いまして総体的に安全度が低下しているという問題がございますので、この都市部の周辺部の河川につきましては特に重点的にその促進を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それからダムにつきましては、水資源の開発とあわせまして治水効果を発揮するものでございますけれども、特に水需要の逼迫等々にかんがみまして当五カ年計画では在来の五カ年計画よりもシェアをふやしまして、これにつきましても、ダムにつきましては一般的に重点的配賦をしまして促進を図りたいということになっております。
 それから、砂防につきましては、これは特に水害と申しましても人命の損傷を招く災害が多いわけでございますので、人命尊重の立場からも砂防事業並びにこの中で地すべり対策事業等につきまして重点的に施行しているというのが今次五カ年計画の重点的な項目でございます。
#62
○内田善利君 その進捗状況ですね、特に五十四年度の中で新規事業として総合治水対策特定河川事業というのが挙げられておりますね。これはどういうものなのか。事業の概要、それから補助内容など説明お願いしたいと思います。
#63
○政府委員(稲田裕君) ただいま御説明しましたように、都市化の著しい河川流域では、河川の整備の促進にもかかわりませずやはり浸水被害の増大しているというのが現状でございます。これは主として、低地部への都市の進出及び河川の流域での開発等による洪水流出の増大に起因しておるものでございます。このような状況に対処し、かつまた今後必要とされる開発等を推進するためには、都市河川の整備の一層推進を図ることは非常に重要になっておるわけでございます。それにしましても、それとともに流域におきます保水あるいは遊水の機能を積極的に確保するというふうな対策等も組み合わして実施するというのが総合治水対策の考え方でございます。
 こういうふうな観点に立ちまして、来年度から、流域における開発の進度と治水施設整備の進度とが著しく整合を欠いているというふうな流域を対象にいたしまして、総合治水対策として治水施設の整備を計画的に推進するということで、現在一応の目標といたしておりますのは時間雨量五十ミリに対しましておおむね十年程度で緊急計画的に整備を図るということを目標としておるわけでございますが、そのために総合治水対策特定河川事業制度というのを来年度から実施するように考えておるわけでございます。この事業によりまして流域の開発と調整をとりながら、その治水整備の計画的整備を図っていきたいということでございまして、来年度一応予定しておりますのは、在来六河川につきましてこういう考え方で実質的に施行しておったわけでございますが、新たに三河川を入れまして九河川につきまして事業の実施をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#64
○内田善利君 非常にいいことずくめのようですが、住宅建設、それから周辺整備などいま言われました河川整備の整合性の問題ですね、それから、河川周辺の土地利用の権利関係の調整、こういった具体的に多くのネックがあると思うんですが、これは建設省内だけでも河川局だけでなくて他の部局との調整も必要でありましょうし、また農林省とか自治省とか、その他の官庁との調整も必要になってきますが、具体的にこういった面についてはどのように進めていかれるのかですね。
#65
○政府委員(稲田裕君) 先生御指摘されましたように、確かに流域の開発整備等の整合性を図るためにはいろんな各所掌、所管事業との調整が必要であるわけでございまして、私どもとしましてはこの総合治水の対策を進めるために省内に各局から出ました協議会を設置いたしております。この協議会で特定河川につきまして全般的な建設省所管の事業につきまして調整を図りながら方向づけをしていくということをやっておるわけでございます。さらに、その下部の組織といたしまして、この各河川流域ごとにやはり同じような協議会を設立すべく現在準備会をやっておる段階でございまして、関係市町村の方々とか、地元の方々を入れましてこの準備会におきまして現在どういうふうな方向でその流域を処理すべきかというふうな問題につきまして打ち合わせをしておるというふうな段階でございます。
#66
○内田善利君 他の省庁との関係はどうなんですか。
#67
○政府委員(稲田裕君) 他の省庁との関係につきましては、ただいま申し上げましたように、地元の準備会ということで地元の地方公共団体等も入っていただいておりますので、それらの方々の意見等も通じながら調整できるもんじゃなかろうかというふうに考えておりますけれども、なお、必要があって準備会等で問題点が上がってきますれば、直接的にも他省庁間との調整等にも、私の方としてもまた働きかけていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#68
○内田善利君 次に、水資源の開発、すなわちダムなどの建設について伺いたいと思いますが、先ほども質問があっておりましたけれども、建設省は昨年末昭和六十五年の水供給に備えたダムの建設計画を発表しているわけですが、暖冬異変あるいはその他の要因でわが国の水の需給の逼迫は避けられないと、そういうことで水資源の開発を大幅に促進するということで、建設省は六十五年までに三百五十八カ所つくる計画を発表しておりますが、先ほどの答弁によりますと、二百カ所が六十年度までに完成する、あと百四十を六十五年度までですかにやっていくんだという答弁だったと思いますが、いままでもそうでしたですけれども、ダムの開発条件というのは非常に悪くなっているのじゃないか、そのように思いますが、この目標達成というのは百四十ということになりますと、非常に困難ではないかと思うんですが、この点は端的に言って、先ほどは可能なような答弁だったと思いますけれども、適地がだんだん減ってくるということ、それから建設費用も昭和六十五年となりますと相当増大することなどが考えられるわけですが、それと地元との話し合いといったことで非常に困難になるんじゃないかと思いますが、これが果たして可能なのかどうかということについて、まずお聞きしたいと思います。
#69
○政府委員(稲田裕君) 先ほども御答弁申し上げましたように、現在仕事をしておりますのは二百施設でございます。それで百四十の残りにつきましては、逐次繰り入れながらやっていくわけでございまして、それらも合わせまして六十五年に三百六十カ所程度竣工したいということでございますが、先生御指摘のように適地が減ってきておるというふうな問題も確かにあるわけでございますが、現在三百五十八カ所につきましては、私ども一応は各地点地点につきまして検討いたしまして、ダムの建設の可能性につきましては検討した結果でございますが、それにいたしましてもこれだけのダムを六十五年までにつくるためには御指摘の建設資金の問題であるとか、あるいはまた事業執行体制の充実というのは相当の決心を持ってやらなければならないというふうに考えておるわけでございます。
 それとともに、先ほども御説明申し上げましたが、やはり何と申しましても水没関係者の方々に対する対策というのが、ダムの建設をスムーズに進めていく上で一番重要ではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、この対策につきましてもなおきめの細かい処置をとっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#70
○内田善利君 急ぐ余りあるいは地元の意見との調整がなかなかできない、そういったことで適してないようなところにダムをつくったんでは、まあ福岡の場合で言いますと、江川ダムのようなところは、今度は降ったから大丈夫かなと思っても給水能力が非常に弱いと、こういうことではせっかくダムをつくっても住民の期待にこたえられない、そういう面が出てくると思いますし、いつも問題になるのは、先ほども答弁でありましたが、受益地域との利害――意見の調整ですね。これはひとつ慎重にやっていかないと、ダムの建設の場合にはここが一番ネックじゃないかと思うんですが、この調整についてどのようにお考えになるのか、これは大臣にお聞きしたいと思うんですが。
#71
○政府委員(稲田裕君) ダム開発に伴う特にいま上下流問題の地元の調整というのは一番むずかしい問題でございます。何と申しましてもやっぱり上下流の皆さん方に建設の意味、目的等を十分御理解願うというのが一番重要じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございますけれども、これらの調整につきましては法的にもいろいろなものを考えられておるわけでございまして、水特法等につきましても上下流の調整問題というのが出ておるわけでございます。特に水源地域と受益地域の負担調整等につきましては、水特法の十二条あるいは施行令の九条等によりまして関係当事者間において受益の程度その他の事情を勘案して負担の公平が図られるようにしろというふうなことがうたわれておりまして、これらにつきましてやはり建設省としましても事業の所管者といたしまして十分地域の整備並びに受益地域と水源地域との調整ということが円滑にいきますように努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#72
○内田善利君 水源地域の関係住民へのダム建設の場合の補償なんですけれども、現行の補助制度は金銭補償が原則になっておるわけですね。代替地の確保あるいは生活再建の補助などが非常にされにくい。またダム関係地域の面的な整備開発という点でも問題があると考えるわけですが、今回の所信表明の中で生活再建対策費を設けるということなんですけれども、これは具体的にどういうものなのかお答え願いたいと思います。
 それから、水特法の見直しなどについても、知事会等では陳情が出ておるようですが、建設省は現状をどう分析、把握しておられるかお聞きしたいと思います。
#73
○政府委員(北野章君) それでは、水特法の見直しについての国土庁の見解についてまずお答えいたします。
 水特法は施行されましてからちょうど五年をたちまして、現在この法律に基づきまして三十四ダムと一つの湖沼水位調節施設、これは霞ケ浦でございますが、指定いたしまして、このうち十八ダムと霞ケ浦につきまして水源地域整備計画を決定いたしまして整備事業を進めておるところでございます。そういう現状でございますが、この水源地域対策に対する期待と関心が特に水源を持っておる関係の地方公共団体から出てまいりまして、それが御指摘の全国知事会あるいは全国市町村会からの要望、提案という形となってあらわれてきておるわけでございます。これにつきましては、関係省庁と協議会というものがございまして、いろいろ水特法の運用上の改善の問題、充実強化の問題について検討を重ねてきておりますが、それの一つの成果といたしまして、昨年の六月に水特法の施行令の第二条を改正いたしまして、水源地域整備計画のメニューの追加を行ってまいったところでございます。
 それからまた、新年度からは水特法第九条第一項にかかわるいわゆるかさ上げダムの指定基準の緩和につきましても、従来水没する住宅の数を二百戸としておりましたが、これを百五十戸に下げると、それから水没する農地の面積については二百ヘクタールでございましたが、これを百五十ヘクタールに下げるというふうなことで、いわゆるかさ上げダムの対象ダムの数が従来考えておりましたものの約二倍にふえるというふうな見通しになっております。それからまた、水源地域整備事業について地元の負担の軽減を図るということで、国庫補助事業の採択基準を緩和してくれという要望が出ておりましたが、これにつきましても、たとえば土地改良事業のうち団体営灌排事業あるいは同圃場整備事業あるいは農道整備事業、そういったものにつきまして従来の基準を大幅に緩和するというふうなことで、内容の充実が逐次図られてまいっております。それからなお、新年度にはそういった水源地対策を一層円滑に実施するために、既設ダムと今後建設を予定されておるダムについての水源地域の実態の調査をやってみたいというふうに考えておりまして、それらの状況を踏まえて今後対応を考えてまいりたいと考えておる次第でございます。
#74
○政府委員(稲田裕君) 水没関係者の補償に当たりましては、その個所、個所の実態に即しましていろいろな配慮をしておるわけでございます。まあ、いま水資源局長からも御説明しましたように、水特法の活用とか、あるいは基金の活用等によりまして生活再建対策に努めておるわけでございますけれども、さらにこれを積極的に進めるという意味で、五十四年度から直轄ダムにつきまして生活再建対策費というのを設けまして、生活再建計画あるいは代替地のあっせんとか生活再建相談とかいうふうな、あるいはまた職業のあっせんとかいうふうな点につきまして積極的に起業者としても努力してまいりたいということで進んでおるわけでございます。
#75
○内田善利君 時間の関係でこの程度にとどめますが、次に、九州で筑後川それから川内川、こういう大きな一級河川があるわけですけれども、これは二つともいわゆる問題河川でありますが、本年度に予定されておる施設整備の事業概況、これを簡単に説明願いたいと思います。
#76
○政府委員(稲田裕君) まず、川内川について御説明申し上げます。
 川内川の改修につきましては、昭和六年から直轄事業ということで逐次実施を図ってきておりまして、途中時点におきまして昭和十八年の洪水にかんがみて直轄の区域延長をした、あるいはさらには、四十四年以降計画高水流量程度の出水が頻発しましたので流量改定等も行いながら、現計画七千トンという事業計画を決定して事業の促進を図っておるわけでございますけれども、当面の改修の目標といたしましては、戦後最大の洪水を安全に流下させるということを目標にいたしまして進めておるわけでございます。先生御存じのように、川内川と申しますのは非常に長い川で、途中に狭窄部等もある川でございます。上、中、下流部をうまくバランスをとりながら改修を進めるというのが一番重要でなかろうかというふうに考えておるわけでございますが、狭窄部の拡幅を主体とした事業の実施をしておるところでございます。今後もこういう方針で事業の促進を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、筑後川につきましても直轄工事として古くから手がけておるわけでございまして、洪水調節のダム等も入れましてなおまださらに上流のダム群の調査等も行っておるわけでございますけれども、河道の改修につきましては来年度も今年度よりも事業費を大幅に伸ばしまして事業の促進を図りたいと思うわけでございますが、特に重点的に考えておりますのは、筑後川の改修の中では原鶴の分水路、それから桂川の水門等を促進するとともに、築堤護岸の促進を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#77
○内田善利君 五十四年度の新規事業の総合治水対策特定河川事業ですね、これは対象になりますか。
#78
○政府委員(稲田裕君) 筑後川の流域につきましては、現在の特定河川の制度には若干なじまないのではないかというふうに考えております。特に都市化の著しい河川を対象に取り上げたいということでございますので、現在筑後川につきましてはいまのところ対象というふうには考えておりませんが、今後のまた都市化の状況等によりまして検討していく問題ではなかろうかというふうに考えております。
#79
○内田善利君 川内川はどうですか。
#80
○政府委員(稲田裕君) 川内川も同様でございます。
#81
○内田善利君 最後に、先ほども質問あっていたようですけれども、一言お聞きしたいと思いますが、多摩川水害裁判なんですけれども、建設省が河川の安全管理には限界があると、多摩川水害は予測不可能であったという理由で控訴されているわけですが、今後の課題として、安全管理の限界というのはどこに置くのか、予測不可能というのはだれが予測するのか、そうした河川管理の基本原則は何なのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#82
○政府委員(稲田裕君) 予測の可能、不可能といりのは非常にむずかしい問題ではなかろうかと思います。多摩川の件につきましては、私どもの控訴いたしましたのは、多摩川判決が、河川というものが自然公物ということで生成的にも自然的に発生したものでございますし、対象も自然現象ということになっておりまして、ある程度やはり道路と違った管理の限界があるというふうに私ども考えておりますので、この点と、もう一つはいま先生がおっしゃいました予測という問題につきまして当判決につきまして控訴したわけでございます。私ども予測というのはいろんな考え方があろうかと思いますけれども、やはり私ども河川管理を担当している者としまして、最善の努力を払いながらまあ日常河川の管理をしておるわけでございます。その河川管理者が十分の注意を払って予測できなかったというものに対しましては、やはりまあこれは思わないような外力が加わったということに対しましてはやはり管理の責任限界を超えているんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
#83
○桑名義治君 大臣の所信表明に対する質問に先駆けまして、前国会から長く問題になっておりましたいわゆるビル防災法の問題について概略的に質問をしておきたいと思います。この問題はまた当局からいろいろと種々説明を受けながら、その中で細かい点についてはまた質疑を続行すべきではなかろうかと思うわけでございます。
 そこで、ビル防災法が制定をされるという話が持ち上がりまして、まあ大変な年月を経ているわけでございますが、今回はいよいよ行政指導になると、すると、こういうふうに言われているわけでございますが、その経過についての御報告を願いたいと思います。
#84
○政府委員(救仁郷斉君) 御承知のように、建築基準法の改正として提出いたしまして以来、もうすでに足かけ五年になるわけでございますが、その後昭和五十年八月以来学識経験者、関係行政機関、関係業界団体等の代表から成ります既存建築物避難施設整備対策懇談会というものを設けまして、そこで鋭意検討を続けてまいりました。懇談会におきまして昨年の六月ほぼ技術基準の成案を得まして、それを実際の建物に適用した場合に円滑に実施できるかどうかという検証を行いますために二千棟を超える対象建築物につきまして悉皆のケーススタディーを行ったわけでございます。その結果、やはり既存の建物でございますために建物の使い方あるいは構造あるいは設備というものが千差万別でございます。そういった千差万別のものをいかに安全に改修していくかということは、もちろん基本的には原案としてつくりました技術基準がほぼ原則的には適用できるわけでございますが、ただ個々の細かい改修工事の実施に当たりましては非常に千差万別の対応が必要だということがわかったわけでございます。まあそういったことから、むしろ法令に基づきます一律的な基準でやるよりも、むしろケース・バイ・ケースで判断してきめ細かい行政指導をした方がいいんではないかという判断のもとに、まあ行政指導ということに踏み切らせていただきたいというように考えている次第でございます。
#85
○桑名義治君 概略的な経過はいまお尋ねしたとおりでございますが、いわゆる法制化した場合と、それから行政指導の場合と、メリットとデメリットはどういうふうにお考えですか。
#86
○政府委員(救仁郷斉君) これはもう当然のことでございますが、法制化した場合のメリットは当然強制力を完全に持ち得るということでございます。一方行政指導の場合には、もちろん納得ずくでいろいろ行政指導を強力にするわけでございますが、一〇〇%という保証がないという点でございます。ただ、まあこれはそういった行政指導を細かくいたしますとともに金融助成等を行うことによってまあ私どもはほとんど十分達成できると考えておりますが、まあ最終的な段階では基準法の十条の活用ということも考えざるを得ないんではないかというように考えております。
 それから、法制化したときのまあデメリットと申しますか、先ほど御説明申し上げましたように、やはり法律で定めますと、やはり技術基準を政令等で定めるということに相なろうかと思います。もちろん、その政令等の技術基準におきましてはいろんなただし書き的なものは当然入れるといたしましても、どうしてもやはり一律的な技術基準の適用ということになりがちだということでございます。ところが、先ほども御説明申し上げましたように、実際の建物というのは使われ方もいろいろ千差万別でございまして、ちょうど人間の体の病気を治すのに、同じ病気でございましてもやはり診断によっていろんな方法があり得るということでございまして、そういった柔軟な、最小の費用で最大の効果を上げる対策をとるには行政指導の方が向いているんではないかと、まあ大まかに申しますとそういったことがメリット、デメリットだというように考えられます。
#87
○桑名義治君 いまの説明でございますが、法制化された場合には、いわゆる行政上の不履行の場合にはそれは強制力を伴うと、それから一定の基準が明確化されるという、こういう利点があるわけでございますが、行政化された場合に、実際には基準法上のいわゆる罰則規定がどれほど生かされていくかというところにもまた一つの問題点があるのではないか、まあこういうふうに思うわけでございます。
 そこで、先ほどからも質疑の中にもありましたが、業界の圧力に屈したんではないかという見方、それからいわゆる千日前ビルの火災のとき、あるいは熊本の大洋デパートの火災のとき、こういったときには世論は沸騰したわけでございます。これを何とか法制化して、こういう雑居ビル的なもの、あるいはああいうふうに不特定多数の人が行き来するような建物については、これは何とか改正をしていかなければならない、また建設省関係もそういう必要性というものを十二分に認識をされておったのではないかと思います。また世論としましても、あるいはマスコミの対応としても、それを早急にせよという、そういう論調が華々しく世間をにぎわしたわけでございます。その後行政指導という形で今回は発表されたわけでございますが、まあ見方ではございますけれども、世論の沸騰したのを少し静かにおさまるまで待って、そこでひとつ行政指導の方法を考える方が利得じゃないか、スムーズにいくんじゃないか、まあこういうふうな思惑があったんではなかろうかということさえもうわさされてるわけでございますが、まあよもやそういうことはなかろうと、こういうふうに思うんですけれども、そういった世論が依然としてあるということを踏まえながら今回の行政指導に踏み切ったのかどうか、そしてまたそういう世論を完全に説得できるだけの説得力のある行政指導の中身であるかどうか、そこら辺の御確信を伺っておきたいと思います。
#88
○政府委員(救仁郷斉君) 最初法案として提出いたしました場合に、まあ世論も非常に強く、あるいは、先生御指摘のように、業界の一部に反対があったことも事実でございます。私どもはやはりそういったことを受けまして、懇談会の場で私どもの考えを十分理解していただいたと考えておりますし、まあ技術基準につきましては、先ほども茜ケ久保先生にお答え申し上げましたように、結局人命と財産の保護という当初の原案から、人命の保護に焦点をしぼったということでございます。まあこれはある意味では基準の後退と言われても仕方はないかと思いますが、私どもはやはり現段階で人命が一番大切であるという見地から、人命にしぼって技術基準を練り上げたということでございます。その結果、私どもは現在もうすでに業界団体においてはコンセンサスが完全に得られたという確信を持っております。そういったことから、私どもは、先ほど申し上げましたように、これが実行ができるという確信を持った次第でございます。
#89
○桑名義治君 関係者の間ではある程度のいわゆるコンセンサスは得られたということは言えるかもしれません。だけども、こういった一般の住民の方々が果たしてどれほど認識を深めてるかということについては、これは私は大きなまだ疑問が残っているんじゃないかと思います。そこら辺を考え合わせながら、この問題とさらに取り組んでいただきたいと思います。
 それからもう一点は、既存のいわゆる雑居ビルとかそういう危険性のあるビルでございますが、これのいままでの行政指導がなされてない一面もまだたくさんあります。そういったものに対する行政指導もさることながら、今後幾多の、それこそ先ほどからの御説明がございますように、千差万別ないわゆるビルが今後建っていくわけでございますが、この一つ一つをどのようにチェックしていくか、ここら辺がまた一つの大きな問題になるところではなかろうかと、こういうふうに思うわけですが、それに対する対応をどのようにお考えですか。
#90
○政府委員(救仁郷斉君) 新しく建つ雑居ビル等につきましては、これは建築確認、竣工検査等を通じまして、あるいは消防当局との緊密な連絡のもとに行政指導といいますか、法の適正な運用を努めておりますので、私どもは、これから新しく建てられるものについては相当厳正な執行ができておりますし、今後ともそういうことで十分やっていけるというように考えております。
 ただ問題は、先ほども申し上げましたように、雑居ビルはどうしても一遍建てられた後でしょっちゅう改装が行われるという問題がございます。これが非常に私どもの頭を悩ませている問題でございまして、これはしょっちゅうの常時の監視体制というものをやはり強化いたしますとともに、そういったビル等のいわゆる改装をする専門の工事業者がございますが、そういう団体を通じての常日ごろのいろんな啓蒙活動というものを通じまして適正な執行が図られるように努力してまいりたいと考えております。
#91
○桑名義治君 この問題についてもう一点だけお尋ねしておきたいわけでございますが、いわゆる今後できる雑多な雑居ビルでございますが、一応建築基準法上にのっとってつくったんだから今後の新しい行政指導上の問題は予算の関係上どうしてもできないと、こうやって拒否する場合はどういうふうになるわけですか。
#92
○政府委員(救仁郷斉君) 新しくつくられました雑居ビルにつきましては、これは現に法の適用がございます。したがいまして、もしつくられている過程あるいはつくられた後での改装によりまして建築基準法に違反するような個所があったといたしますと、これは建築基準法の九条の違反是正命令が出せることになります。
#93
○桑名義治君 いずれにしましても、この問題は細かくまた後で議論をしたいと思います。
 次に、住宅公団にお伺いをしたいわけですが、これも先ほどから議論が続けられているわけでございますが、九月一日から三十六万三千世帯を対象に家賃が値上げをされたわけでございますが、これは値上げ前の家賃、いわゆる不払い者ですね。その後どのくらいになっているのか、まずお尋ねしておきたいと思います。
#94
○参考人(澤田悌君) 家賃改定は、お話のように九月一日に実施いたしたのでありますが、こういう一斉改定というような家賃問題でございますので、この性質上どうしても反対者がある程度出てくるということは私も予想いたしたところでございます。一斉に全部一時に新家賃に移っていただくというのはなかなかむずかしい面があるわけでございます。それで昨年九月には、対象戸数に対して五七%の反対者といいますか、現家賃で納めた方があったわけでございます。しかし、実施前あるいは実施後も私どもこの改定の趣旨の御理解を得るために各般の努力をいたしまして、徐々にそれが深まってまいりまして逐月反対者が減少いたしました。この一月分の納入では現家賃で納めた人は三〇%台、三九%に減少いたしておるのが現状でございます。
#95
○桑名義治君 この問題につきまして一時公団と自治協議会側との話し合いのムードが非常に見られたというふうに報道されたわけでございますが、その後また再びお互いに裁判で争うというような、そういうような事柄が表に出てきているようでございますが、これまでの経過と今後の対応策について伺っておきたいと思います。
#96
○参考人(澤田悌君) 公団は常々居住者の方々と機会あるごとにいろいろ御意見や要望等を伺って接触を深めようと努力いたしておるわけでありまして、今度の家賃改定問題にもその努力を続けております。それで、十一月末ごろでございましたか、問題を解決の方向でひとつ改めて話し合いをしたいというような自治協の意向もありまして、私どももこれに積極的に応じて、いまお話しのように十二月から一月にかけて五回にわたって話し合いをいたしたのでございます。ちょっと加えて申しますと、十二月十二日、それから十九日、二十七日、それから一月の十二日と二十五日ということになっておりまして、その最初の二回には私も会合に出ましていろいろ話し合いをしたのであります。
 この際、その自治協からいわゆる十項目にわたる要望が提出されたのであります。それを中心にいろいろとお話をいたしました。ただ、何分にもその内容を見ますと、従来から何度も懇談の場でお聞きもし、その趣旨にはどうも沿いかねる旨の公団の考え方を説明済みの事項が多うございます。特に、今回の家賃改定との関係ある項目につきましては、その内容について、私どもは基本的な考え方として今度の家賃改定の内容についてはもう実施済みのものだ、一切変更する考えはないということ、また、自治協という任意団体がいろんな形で公団の業務運営や経営について介入するような、そういう意味での協議とか決定ということはできないということ、その二つの点を基本的な姿勢としてお話ししてあるわけでありますが、その十項目の要望について見ますと、どうも公団の考え方と違うものとなっておりますので、先ほど申しました一月二十五日の会合におきましては最終的に公団の考え方をお話しいたしまして、これで十分に説明尽くしておる、これ以上同じやりとりを続けてもいたずらに時間を空費するだけだということで、この件に関してこれ以上繰り返して話しするということは一応打ち切りというような形になった次第でございます。
 それで、先ほど申しましたように、改定家賃をお支払いにならない方に対しましては今後とも支払い督促などの対策を進めることといたしておりますが、何分すでに家賃改定の実施後六カ月を経ておる、これ以上放置することはまことに適当でございません。どうしても支払っていただけない方々にはやむを得ない、訴訟による解決に踏み切らざるを得ない、こういうのが現状でございます。
 それで、先ほどお話ございましたが、自治協の方でも何か訴訟を提起するというようなお話、これはどういう趣旨か実は私どもまだよく理解しかねておるのでございます。その検討はこれからいたさなきゃなりませんけれども、どうも趣旨がよくわからないという状況でございます。
#97
○桑名義治君 経過についてはわかったわけでございますが、しかしながら、現在のトラブルが裁判で決着をつけるにしてもこれは非常に長い月日を要するわけでございますし、たとえ決着がついたとしてもまたそこに大きなお互いに意思の疎通を欠くことにもなるわけでございます。公団側としましては、ことしは、四十八年度のいわゆる管理開始された団地の家賃値上げが予想をされているわけでございます。もうこれは既定の事実として把握した方がいいんじゃないかと思いますが、そうなってまいりますと、前の問題が、トラブルが片づかないままに、四十八年度管理開始された団地の値上げ問題はこれまた行き詰まるんではないかというふうに考えられるわけでございますが、そういったことを踏まえながら、公団側としてはこの四十八年度管理開始された団地のいわゆる家賃値上げの時期は大体いつをめどにし、どういう状況になればいわゆるこの値上げ問題を通告しようとお考えになっているのか、その点を伺っておいてこの問題は打ち切りにしたいと思います。
#98
○参考人(有賀虎之進君) ただいまお尋ねの四十八年度に管理開始したものにつきましては、先生いまおっしゃられましたように、本年五十四年度になりましたらば、従来から御説明してまいりましたように、基本的にはいままでのと同じでございますので、私ども家賃のいわゆる不均衡是正という考え方でもって継続してやりたいと考えておる次第でございます。
 ただいま、具体的には実際の計算とかいろんな作業等をやっている最中でございまして、いままでのものと同様に建設大臣に承認の申請をいたしまして、承認をいただきまして実施することとなると思いますが、基本的には、何といいますか、四十七年度までのものと同様な時期を選んでやりたいというふうに考えている次第でございます。
 なお、先ほど来お話ございましたように、現在四十七年度までのものにつきまして、いろんな状況にあるけれどもどうだというお話でございましたけれども、私ども先ほど来総裁からお話し申し上げているとおり、すでに家賃の値上げの通知をいたしましてから一年、実施になりましてから六カ月という日時を経過しておりますし、またその間、私どもとしてはできる限りのことをやってきたという経緯から見まして、これらの問題につきまして近いうちにその処理方法といいますか、最終的な方法を決断いたしまして、その上でもって四十八年度の分の値上げに入りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#99
○桑名義治君 時期は確定できないだろうと思いますが、いずれにしましても前回の問題を解決なくして後者の方に移っていくということは、非常に問題がさらに大きくなり、あるいはまた根強いものになっていくおそれも十二分にありますので、そういう客観情勢というものをにらみ合わせながら、この問題には対応をしていただきたいと、こういうふうに思います。
 そこで、大臣の所信表明に対する質問に移りたいと思いますが、国土庁長官あるいは建設大臣、この両大臣の所信表明のどこを見ましても、田園都市構想という言葉が出てきてないように感ずるわけでございますが、これはどういうことを意味しているのでございましょうか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
#100
○国務大臣(中野四郎君) 最近マスコミ、国会等におきまして、いろいろとこの田園都市構想の問題について御発言があります。現段階におきまして、党におきましてもこの田園都市構想の問題について、ただいま鋭意検討のさなかでございます。したがって、所信表明の中に田園都市構想というものがなかったのではなかろうかと思います。
#101
○桑名義治君 私は、総理大臣がいわゆるその施政方針のときに、これ大変に強調なさったわけですね。それと同時に、総裁の選挙のときにもこれが大平さんのメーンだったと思うんですね。そうすると、現内閣は田園都市構想というものが一つの目玉であると、こういうふうに国民の皆様方は認識なさっていらっしゃると思うんです。その中で特に関係の深い国土庁長官のいわゆる所信表明の中に一言も出てきていないということは、私は大きな疑問を寄せるわけでございますし、また田園都市構想は架空の論理である、そしてひとつのロマンを追った言葉のあやであると、こういうふうな断定をしたくなるわけでございますが、その点どうでございましょうか。
#102
○国務大臣(中野四郎君) 総理の国会における答弁もしばしば出ておりまするように、ひとつの政治理念であって、将来のいわゆる地方定住圏等の構想を考える場合にこの考えを基盤として大いによりよい方向に進んでもらいたいと、こういう発言をしておられるのでありまするから、空想というより、まあかなり政治理念の高い構想であるというふうに私らはとって、今日三全総の定住圏構想の中にこれを組み入れて、さらに計画を推進をしていきたい、こういうふうに考えておるのであります。
#103
○桑名義治君 とするならば、いろいろな、いわゆるこの所信表明というのは今年度におけるひとつの構想が述べられるわけですね。そして予算書にはそれが具体的な、いわゆる予算の裏づけができるわけです。理念的なものであるとするならば、しょせんはこの上に理念としてうたってしかるべきじゃないかと思うんです。その理念としてもこの上にうたわれなかったということは、いわゆるこの田園都市構想については皆さん方まだまだ本当のものが固まっていない、それと同時にまだ模索のときである、こういうふうに私は断定せざるを得なくなる。もう少し勘ぐった悪い言い方をすれば、あれは総理の理想であって、おれたちはいままでずっと長い間施策をして、三全総もあれば広域市町村圏もあればいろいろな施策が述べられているんだから、だからそれを推進をすれば、もうそれで足りるんだと、ただ理論的なもの、耳に非常に新しい、耳に聞きざわりのいいものを打ち出しただけだ、ひとつの理念なんだというふうな軽い受けとめ方をなさっているんじゃなかろうかと、こういうふうに思うんですがね、どうですか。
#104
○国務大臣(中野四郎君) そういう意味ではないんですがね。もう少し深刻に受けとめているんですよ。
#105
○桑名義治君 深刻なら出ますよ。
#106
○国務大臣(中野四郎君) まあ率直に申し上げて、定住構想は重ねてとうとい質問時間の中で重複しますから、申し上げずともおわかりのとおりだと思いまするが、ただ最近のあらゆる国会の御質問の中で大平総理は、高度成長時代のあのひずみをばどうしてもこの安定成長時代にふさわしいような方法で直していかなければならぬ。そうして自然環境と人間生活との調和のとれた、特に家庭を基盤とした生活圏を推進したい。そこで結局三全総の、いわゆる何と申しますかね、大平さんは近ごろこの田園都市構想を提唱されたものではないのでありまして、新全総の時分、四十四年の後でありましたが、五十年近くに発行されておりまするあの本を見ましても、中に田園都市国家構想というようなものを発表しておられるのであります。したがって、そういう考え方から新しく三全総ができて、定住構想と大体軌を同じゅうするものだというふうにお話をなすっていらっしゃいまするから、われわれはさらに一段と彫りの深いものだという感覚でこれを受けとめて、そして定住圏構想の中にこれを基盤として入れて、今後の計画を推進していきたいと、こういう考えでおるわけなんです。
#107
○桑名義治君 語るに落ちたりということになるんじゃないかと思う。大平さんは最近言ったんじゃなくて長い前からの主張だったとおっしゃるんでしょう。そして、しかも、今度大平さんが大臣になられた、しかも大臣になられてからはこれを表に出されたと言うならば、大臣はそれを受けてこの中にきちっとのせて、そして、三全総との関係や市町村圏との関係やそういうものを明らかにしながらことしはこうやっていきますよというのが私は大臣の所信表明だろうと思うんですがね。だから、私不思議でしようがないわけですよ。こんな議論ばかりしておったんじゃ前に進みませんから次に進みたいと思いますけれども、そういったところに現在の国土庁のいわゆる姿勢というものが私はうかがわれるのじゃないかと、こういうことをまずもって指摘をしておきたいと思います。
 先ほどから、いわゆる農村と都市のかかわり合いとかあるいは非常に住みやすい環境づくりだとか、あるいは高度成長のひずみを直すんだとか、そのために三全総というのができたんじゃないんですか、三全総というのはもともとが。いまさらそう言われることそのものがかえって私は奇異に感ずるわけです。国民もあるいは地方自治体もそういったことからむしろ私は混乱を起こしているんじゃないかと、こういうふうに思わざるを得ないわけでございます。そういった立場から定住構想と田園都市構想、この関係性がどういうふうになっているのか、あるいはまた三全総と今回の田園都市構想というものの関連はどういうふうな関連を持っておるのか。建設省は建設省でまた違う物の言い方をなさっているわけでございますね。いわゆるモデル、地方生活圏総合整備事業と、こういうふうなことを言われておりますし、それから、自治省は自治省でこれは広域市町村圏ということを言われている。そうすると、定住構想というものが一県一地区になっている。ところが、市町村圏というものはそういうものでなくて、地域地域に、一県には地域地域によっていわゆる広域市町村圏というものはたくさんある。そうしますと、この二つのつながりというものはどういうふうなつながりを持っているのか、そこら辺がどうも納得しがたいわけでございまするけれども、そこら辺についての御説明を願っておきたいと思います。
#108
○政府委員(福島量一君) 田園都市構想と定住構想、三全総との関係は、先ほど大臣が申し上げたとおりでございますが、田園都市構想は今後の長期にわたっての国づくり、地域づくりの道しるべともなるべき政治理念であるというふうにわれわれは考えておりまして、三全総はあるいは三全総の柱である定住構想は、その地域づくりに当たって基盤を計画的に整備する役割りを担うものであると、このように理解をしているわけでございます。
 それで、昨年来私どもは三全総の推進につきまして関係省庁間での連絡協調体制をとるべく種々調整を図ってまいったわけでございますが、昨年末第一回、それから本年の二月一日になって正式に固まったわけでございますが、以上申し上げたような考え方のもとに、内閣を含めまして関係の十六省庁が一体となって定住構想推進連絡会議を設ける。その会議の中で相互の連絡調整を図りながら政府一体となって定住構想の推進を進めてまいろうということを決めたわけでございます。
 それで、いまお話の中に出てまいりました地方生活圏あるいは広域市町村圏ないしは定住圏との関連につきましては、午前中にもお答え申し上げたところでございますけれども、来年度われわれの方で予定しておりますところの俗にモデル定住圏――予算上の名前は地方定住圏となっておりますが、モデル定住圏を各県に一圏域程度選定いたしまして、その中で地域の圏域整備というものをどういうふうに進めていったらいいのか、またその際におきまするところのいろんな地域のまとまりの問題とかあるいは各省施策の調整の問題を具体的にどう図っていったらいいかというようなことの検証を図りながら整備を進めるということを考えておるわけでございまして、各種の行政の目的に沿った圏域の広がりの問題というのはさまざまなところがあるわけでございますが、私どもの考えておりますのは定住圏というものをいわば各種の圏域行政の中の最大公約数的な基磯的な圏域として位置づけて、できるだけ一本化していきたい、しかしすべての施策の対象となるべき圏域を機械的に、定住圏なら定住圏という一つの圏域にまとめるということについてはそれぞれ利害得失も絡まることでございますから、先ほど申し上げたような意味で最大公約数的なものとして考えていきたい。その点につきましては、いまお挙げになりました自治省も建設省も、モデル定住圏の整備の過程で十分相互に調整をし、検討してまいろうということの合意はできておるわけでございますから、いまから観念的に一本化ということでなくて、具体的に地域の実情に応じた調整というものを考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#109
○桑名義治君 あなたのおっしゃることも一応わかるわけですよ。だけれども、問題はその実施機関はどこになるのかということなんですね。それと意思決定をするのはどこなのかということなんです。おたくの方の構想の中では、恐らくその意思決定というものは各市町村の地元の意見を最大限にいわゆる活用していきたいというお考えもあるのではないかと思うんです。そうしますと、自治省は自治省なりに、先ほど申し上げましたように広域市町村圏というものをつくるように推進をしていると、建設省は建設省あるいは三全総という絡みもある。そういういろいろな絡みの中で地方自治体はどういうふうに選択し、大体どういう方向で地域の開発のために立案すべきかというこういう疑問が残っているわけです。メニューはたくさんあっても、実際にはそのメニューのつながりがはっきりとしたつながり、いわゆるはっきりとした一元化、これがないとかえって混乱をするおそれが十二分に起こるのじゃないかと。現実にマスコミあたりで県知事さんあたりの発言をずっと載せられておりますけれども、その中にも、もと自治省におられた県知事さんでさえも、メニューがたくさんあって混乱を起こすばかりだと、こういうふうな発言が報道をされているわけであります。だからあなたのおっしゃることもわかりますけれども、まず第一にやっていかなきゃならない問題は、いわゆるこういったさまざまな施策、メニューの一元化をまず図って、それから地方の意思を問うという方向の方がむしろ筋ではなかろうか。そうしないとまた進みませんよ。個々に別々に出てきても調整する、また個々に別々にいろいろな問題が出てきて調整する、大変な問題だろうと思うんですが、その点はどのようにお考えですか。
#110
○政府委員(福島量一君) 地方で圏域を設定し、その整備を図っていくというのが地方が主体的に取り組んでいただくという基本方針でございまして、具体的には知事が関係の市町村長と協議をして――モデル定住圏の場合でございますが、協議をして圏域を選定し、そして計画をつくっていただくと、その計画については国土庁の別途計上されておりまする計画策定補助で補助するという仕組みになっておるわけでございます。
 それで、御承知のように定住圏という考え方は、三全総の中では全国的な規模で、大都市も含めまして全国に二百ないし三百を想定するということになっておるわけでございまして、考え方としては全国オールオーバーに定住圏が設定されるということを想定しているわけでございます。数の問題、二百ないし三百はまた別でございますが、一応の想定としては二百ないし三百ということで、全国一円にわたって、大都市も含めて定住圏が形成されるということを想定しておる。ただ現実の問題といたしまして、全国に一挙動で定住圏を全部整備するということになりますと、いろいろその地域の実情なり何なりからして問題も生じかねないし、塾度等もいろいろございますから、そこで来年度は地方の定住というものを促進するというのについて最もふさわしいと思われる圏域を選んで、そこをモデル定住圏として取り上げて、そして定住圏の整備に絡まるもろもろの問題について検討を加えかつ整備を進めていこうというのが定住圏整備であるわけです。
 いまお話しになりました広域市町村圏なり地方生活圏というのは、実はこの二つは前々からあったわけでございまして、午前中にも申し上げましたけれども、広域市町村圏というのは市町村の事務の共同処理機構としてやる。一方地方生活圏は建設省の所管の、たとえば道路等の事業を実施する上での計画上の圏域としてあるわけでございますから、それはそれとして、特に相互に矛盾もなくいままで行われてきたわけでございます。ただ、定住圏ということになりますと、ある意味では、先ほど申し上げましたように、最大公約数的な圏域でありたい、各般の施策を総合的、計画的に行う場としたいという考え方でございますから、そういった意味ではいま申し上げたような圏域ができれば足並みをそろえて一本化になることが望ましい。しかし、一層具体的に取り行いますのは、来年度については先ほど申し上げたモデル定住圏でございますから、その他の地域につきましては依然として地方生活圏なり広域市町村圏ということで当面対処してもらうということもあるわけでございまして、それで、午前中にも申し上げましたけれども、四十幾つになりますか、各県のモデル定住圏の中でそういった圏域の取り扱いも含めて調整もし、地域の実情に応じて、できれば類型的な判断と申しますか、かくかくしかじかの条件のところでは一本化できるけれども、かくかくしかじかの条件のところではちょっと無理かなと、どうするかというようなことも詰めていきたい。というのが、実は来年度のモデル定住圏を行う一つの目的でもあると考えておるわけでございまして、具体的な問題としては、地方の知事さんか関係の市町村長さんと集まっていろいろ協議される、そのときにどういう形に落ちつくかということも大きく影響される問題であろうかと思います。
#111
○桑名義治君 私は、この混乱が起こっておる最大の原因は、いわゆる大平ビジョンがまだ明確でないというところにやっぱり一番大きなポイントがあるんじゃないかと思います。それと、一方、中央官庁もそれぞれの一つの計画を持っておった、しかもその計画はもうすでに推進されている、そういう段階の中で新しいものがまた出てきにというところにふくそうしたいわゆる大きな原因があるのではないか。またこう言えば皆さん方にしかられるかもしれませんが、いわゆるなわ張り意識というものが大きく邪魔をしていくのではなかろうかと、こういうふうに思います。したがって、五十四年度の調査、それからモデル地区の指定、これは各省もうお考えはまとまったわけですか。各省ばらばらなんですか、それとももう一歩化されておりますか。
#112
○政府委員(福島量一君) モデル定住圏の圏域につきましては、先ほど申し上げましたような、抽象的ではございますけれども、ある一定のポテンシャルを持った、そうして都市と農村を一体としてとらえて、地域整備を図るにふさわしい地域を選ぶという原則的な考え方につきましては各省了解しております。ただ、それを受けて県知事さんが関係市町村長の方々と集まって、具体的にどういう圏域を選定されるか、それは地方の主体的な判断の問題でございまして、関係省庁はそれについてつべこべ言わない、いわば地方の知事さんに任せるということになっておりますから、そしてそこに出てきたものについては、その圏域については、関係の各省が共同して調査もし、必要な助言も行うという体制をとるということは、先ほどの十六省庁の連絡会議で決まっております。したがいまして、事モデル定住圏に関しましては、関係各省の足並みがそろっておるというふうに申し上げて過言ではないというふうに考えております。
#113
○桑名義治君 では、自治省あるいは建設省にお尋ねをしますが、従来からあるいわゆる広域圏計画、この概要と進捗状況、それから定住構想あるいは田園都市構想、これとのかかわり合いをどのようにいわゆる整理を現実になさっているのか、その点について具体的にお示し願いたいと思います。
#114
○政府委員(丸山良仁君) 建設省では昭和四十四年度以来、大都市圏と沖繩を除きます地域につきまして百六十八の地方生活圏を指定いたしまして、四十八年度から四十カ所につきまして特別に上積みの予算をつけまして、その整備の促進を図ってきたところでございます。ただし、まだ四十カ所につきまして全部所期の目的を達しているという段階ではないわけでございます。しかしながら、いまお話のありましたように、定住圏構想が出てまいりましたから、建設省といたしましては目的とするところは同じでございますから、国土庁を中心に現在の地方生活圏の圏域につきましても大体われわれの考えといたしましては目的が同じでございますから、定住圏構想に基づく定住圏と一致するのではないかと、おおむねは一致するのではないかと、このように考えておりますが、うちのつくりました百六十八の圏域は建設省の施設についてだけつくったものでございますから、あるいは食い違うところもあると存じます。その辺は今後国土庁と十分調整いたしまして、なるべく一本化が図られるような状況に持っていきたい、このように考えます。
#115
○説明員(末吉興一君) お答えさしていただきます。
 広域市町村圏事業につきましては、昭和四十五年から五十二年度までの事業実績でございますが、約三兆八千七百億ばかりの事業を実は実施してまいっております。ちなみに、五十二年度の事業費の実績額は八千八百億になっている。このうちの内訳といいますか、概要の主なものを紹介しますと、道路整備事業が約六〇%、それから環境衛生施設が一五%、それから教育、文化、体育施設等が七%、現実に三百二十九の圏域で関係市町村数で約九〇%、二千八百九十二の市町村で現実に広域市町村を超える広域市町村圏事業が実際行われております。自治省としましては、田園都市構想に基づく定住構想、それに基づきまして私どもも都市と農村の一体整備ということについては全くその趣旨にかなうものだと思っておりますので、全国的には広域市町村圏事業をさらに充実するとともに、先ほど国土庁長官から御説明がありましたように、モデル定住圏につきましては関係各省と足並みをそろえまして一緒にやっていくように決定をしておりますので、その線に従って今後とも進めてまいりたいと思います。
#116
○桑名義治君 いずれにしましても、現在行われているいわゆる先ほどからお話しになっておる広域市町村圏あるいは建設省関係のやっぱり同じように広域的ないわゆる構想、こういった問題がもうすでに推進をされているわけでございますし、それぞれのセクトにこだわっておったんじゃこの構想はこれはもう画餅に帰してしまう、こういうふうに思わざるを得ないのであります。
 そこでお尋ねでございますが、推進調査費が今回いわゆる国土庁に三億円ついておりますが、実際にどのような調査が予定されているのか、また各省庁のいわゆる定住構想がらみの調査費はどのような計上になっているのか、あるいはそういったものと国土庁の調査との関連がどういうふうになっているのか、この点について伺っておきたいと思います。
#117
○政府委員(福島量一君) 定住構想推進調査費というのは、新たに三億円国土庁に計上することになりました。この調査費につきましては、先ほど来お話に出てまいりましたように、田園都市構想に照らしながら三全総の定住構想を政府一体となって推進するための調査費でございまして、関係省庁の分も合わせまして国土庁に一括計上されたものでございます。この調査費の使い方につきましては、計上されたところの国土庁だけではなくて、関係の省庁にも必要に応じて移しかえができるということになっておりまして、政府全体としてどういう調査を進めるか、それから、それについて関係省庁がどの分野をどういうふうに受け持つかといったようなことを先ほどの会議で御討議願いまして、その上で予算の適正な執行を図ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 いまどのような調査項目を予定しているか、その金額はどうかということにつきましては、関係省庁にいま話をいたしましてそれぞれどんな構想をお持ちか、調査のための構想、それに必要な経費はどのぐらいかというようなことについていま問い合わせをしておりまして、多分三億円では賄い切れないような答えになるかと思いますが、それらを見た上でそれぞれ相談もしながら最終決定に持ち込みたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#118
○桑名義治君 そこで、先ほどから申し上げておりますように、こういった構想を実現をするためには、どうしても地域住民の同意が必要である。同時にそこに主体性がなければならない。同時に地方自治権の確立、それから地方財政の確立というものがこれが不可欠になるわけでございます。そこで、いわゆる地方自治体が独自に活動し得るようにするためには、これは地方財政というもののみならず、いわゆる地方の行財政の、これやっぱり当然ある程度の見直し、修正が必要になってくるんじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点について自治省並びに国土庁はどうお考えでございますか。
#119
○国務大臣(中野四郎君) もとより地方公共団体が主体でありまするから、住民の自発的な創意が基盤でありまするから、この地域社会づくりに当たっては、地方公共団体や住民の積極的な取り組みが重要であります。定住構想の推進に当たりましては、住民の創意と努力を基盤とし、地方公共団体が主体的に取り組むのは当然であります。いまお尋ねのこの国、地方を通ずる適切な機能分担のあり方に配慮して、行政事務の配分とか許認可権限あるいは財源配分のあり方等についてどうするんだ、ただいませっかくこれは鋭意検討中でございます。御趣旨に沿うような道を開くのは当然のことであると考えております。
#120
○説明員(末吉興一君) 個性のある豊かな地域づくりを行いますには、当然地方公共団体がおっしゃるように自主的、主体的に取り組んでいく必要があるものと考えておりますので、まあそのためには、地方への行財政、地方行財政の充実、移譲といいますか、そういうものを、国、地方を通ずる行財政制度の見直しにつきましては、いま国土庁長官言われましたようにぜひ見直してまいりたいと自治省の方でも考えております。
 それから、各種住民の意思を反映したような計画にすべきであるというふうなお尋ねでございますが、私の方も御指摘のように地域住民を含めまして地域の創意が反映した計画になるように自治省としても指導してまいりたいと考えております。
#121
○桑名義治君 大変に御答弁は前向きの御答弁ではございますが、たびたびこういう構想が打ち出されたときには、このいわゆる事務の再配分もしくは財の再配分というものが問題になってくる。ところが、ほとんどがこれが手つかずのままに走ってしまう。これは渡海大臣が自治大臣のときに私はやっぱり衆議院に委員会におりましたから、ある程度の、もう十分にそのことについては認識をなさっておられると思いますけれども、しかし、いままでの話の中では、これは十二分に配慮すると、こういうふうにおっしゃっておられますが、現実問題これ本当にできるんですか、実際。じゃ現実問題として大体どういうところを手をつければいいというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#122
○国務大臣(中野四郎君) まあ権限を分けるといいましても、何と申しまするか、きわめて手近な問題、許可権とかあるいはいろいろなものをばまず徐々に地方に移譲していく、財源等の問題もそれにふさわしいような措置をとっていく。地方分権という言葉にはいろいろ強い言葉ときわめて消極的な言葉とありまするけれども、直ちに分権をどんどん行っていくというにあらずして、逐次それぞれにふさわしいような措置をとっていくという考え方でおるのでありまして、決して言葉だけでその場を濁すというようなことはあり得ないことでございますので御了承願います。
#123
○桑名義治君 財政問題はどうなんですか。
#124
○政府委員(福島量一君) 三全総におきましては、これからの地方の基盤整備の問題と関連いたしまして、地方行財政の充実が急務であるということを訴えておりまして、その観点におきまして、先ほど大臣が申し上げましたような国と地方との事務の再配分の問題とか許認可権限とかあるいは財源の調整についての検討の必要を訴えておるところでございます。それで、この問題は国土庁だけの見解でもとより事が足りるものでございませんで、長い間の懸案でもございますし、きわめて内容が複雑な問題でもございますから、政府が一体となってこれに当たるということになろうかと思います。総理の田園都市構想の中でもいま言われたような趣旨のことが述べられておるものとわれわれは受けとめておるわけでございますが、それらの問題も含めていま総理の私的諮問機関でございますところでもいろいろ検討を重ねておるようでございますし、いずれにしてもこれからの大きな課題として受けとめて、関係各省一体となって検討に当たるべき問題だと思います。
 具体的に財政、財源問題をどうするかという点については私の立場ではにわかにお答え申し上げかねる点があることを御了承願いたいと思います。
#125
○桑名義治君 先ほどの最初の答弁と具体的に少し詰めてくるとだんだん弱くなるんですな。これがいわゆる実態なんですよ、いままでの。そこら辺が明快にいわゆる改革されない限りは、これはまたまたいわゆるメニューを打ち出しただけに終わるおそれが十二分にあるんじゃないか、こういうふうに思いますので、両大臣にはこの問題については真剣に取り組んで、現実の問題としてこれ形づくらなければ意味がないわけですから、その点をひとつ御配慮願いたいと思います。それと同時に、両大臣の所信表明の中に、いわゆる定住圏構想が打ち出された一つの背景として、大都市にやっぱり人口が集中している、いわゆる過密状態にある、これをひとつ是正しようではないか、分散化を図ろうではないかと、こういう意味合いが含まれていることだろうと思います。そういったことから首都機能の適正配置、首都改造計画の策定、こういった問題でここで提起されていると思いますし、あるいはまた「今後も都市化の傾向が全国的に進展し、近い将来全人口の約七割が都市に定住するものと予想されます。」というふうにこれうたい上げておられますけれども、その主たるものは東京を中心にしたいわゆる大都市圏、それからまた名古屋、大阪、こういったところを中心にした大都市圏、ここら辺の改造をしない限りは実際の全国的に見た場合にはこのいわゆる田園都市構想というものはこれはもう完全に失敗に終わるというふうに考えざるを得ないわけでございますが、これはまた考え方によっては、そういう都市ができればまた大都市のそういった過密状態が地方に分散される、こういったところにもまた一つの発想があるかとも思いますが、しかしいずれにしましても、こういった大都市をどういうふうに改造していくかという、こういうところにも視点を向けなければならない、こういうふうに思うわけでございますが、その点についてはどのようなお考えを持っていらっしゃるか、両大臣にお聞きをしておきたいと思います。
#126
○国務大臣(中野四郎君) 首都東京の過密を解消して国土の均衡ある利用を図りまするには、中枢の管理機能の集中の要因となっている首都機能の移転です。この分散を図ることが新しい時代に向けての国土総合開発の重要な課題であると考えておりますが、しかしながら、首都機能の移転はわが国の社会全般にわたってきわめて大きな影響を与えるものであるので慎重に検討を進める必要があると存じます。国土庁としましては、昭和五十四年度から着手する首都改造計画策定調査検討の過程で真剣に取り組んでまいりたいと存じております。
#127
○国務大臣(渡海元三郎君) 人口の七割が都市圏に住むということを所信表明の中で入れさしていただきましたが、それは全国いま六百四十九ですかの市と呼ばれるもの、この中にはいわゆる大都市から人口三万足らずの市まであるということが実態でございますが、とにかく市と呼ばれる地域に住む者が大体七割になるであろうと、こういうふうなつもりで書かしていただきましたので、ひとつ御承知賜りたいと思います。まあ現在、いまこの中には大都市圏から地方へ持っていくということが底意にある、事実そのとおりでございます。またそうでなければならぬと思っております。まあ傾向といたしましてこのごろはUターンと申しますか、ふるさとへ帰っていくというふうな人口がふえつつあるということはよき傾向であろうと思います。そのために私たちは魅力ある地方都市というものを建設していかなければなりませんが、同時に、いま御指摘でございました大都市圏の再開発ということも、これは直ちに実施していかなければならない緊急な措置であろうと思います。このために、わずかな地区でございますが、新たな事業として東京、名古屋、大阪、この三つで都市の再開発のモデル地区をつくらしていただいて事業に着手さしていただくということにいたしました。また、省内にもそのことを踏まえまして住宅都市対策の特別の委員会をつくって具体的にこれを進めていくためにはどういう課題があるかということをいま省内に委員会をつくって研究をさしていただいて、都市再開発のためのひとつ強力なる施策を打ち出していくようにせっかく努力さしていただいておるのでございます。
#128
○桑名義治君 いずれにしましても、こういった大都市、超過密地域というのは一朝一夕にでき上がったわけではございませんで、建設省としてもあるいは国土庁としてもいろいろといままでお考えになっておられたことだろうと思います。それと同時に、計画もいろいろとつくられたんじゃないかと思います。その一環としていわゆる学園都市ができ上がったんだろうと、これも一環としてとらえることはできますけれども、しかし、これを完全にまず東京から手をつけるとするならば、やはり官庁の分散化というものは、これはもうそういう関連のいわゆる施設の分散化から進めていかなければ不可能だろうというふうに思います。まあ、いずれにしましても、この問題は非常に重要な問題でございますので、今後とも強力ないわゆる体制でもって取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。
 もう時間がわずかになってしまいましたので、通告をしておったすべての質問はできないと思いますが、それは御了承願いたいと思います。
 まあ残された時間の中ではございますが、宅地の値上げ問題について少々お尋ねをしておきたいと思いますが、国土庁が一月の三十一日、地価の動向調査を発表なさったわけでございますが、これはもう数字でも明らかになっておりますように、大都市圏では異常ないわゆる値上がりが起こっているわけでございますが、この主たる原因はどこにあるというふうに認識をなさっておられますか。
#129
○政府委員(山岡一男君) 土地の値段につきましては、個別の要因、社会的要因、それぞれいろいろございまして決まるわけでございますが、地価の値上がりにつきまして類型別に考えてみますと、おおむね三つに分類できると思います。一つは、需要に対して供給が足らない、いわゆる需給ギャップの問題でございます。一つは、投機的な土地取引が進む。そういたしますと、買い進み等転々売買が起こりましてその間に値上がりが生ずる。三番目は、周辺に駅ができましたり、りっぱな道路ができる。また新しい店舗が増設される等々の周辺地域の開発によります効用の増でございます。以上三つが主な地価上昇の原因であろうかと考えております。
 最近の地価上昇の傾向の中で、いま先生おっしゃいましたように、オールジャパンでは、この間の中間調査によりますと五・一%ということでございましたけれども、実際の五・一%になりました主因は、商業地、それから工業用地等は二・数%という上昇でございました。一番大きなのは住宅地の値上がり、その中でも特に大都市圏におきます住宅地の値上がりというのが最大の原因でございます。その場合の大都市圏におきます住宅地の値上がりの要因は何かと言いますと、ただいま申し上げました三点のうち、効用増によるもの、それから需給ギャップによるもの、この二つが主因をなしておるというふうに考えておる次第でございます。
#130
○桑名義治君 また、この土地の値上がりにつきましては、一つは、土地譲渡所得税を緩和をするというところにもまた一つの大きな問題が出てきているのではないかというふうに言われているわけです。この問題につきましては大蔵省はすでに土地融資の自粛要請あるいは不動産、建設の二業種に限って報告書の提出を求めていると。それと同時に、土地譲渡所得税に対しては、これは反対という意見を述べたと、こういうふうに言われているわけですが、大蔵省当局としてはどういうふうにお考えになっておられますか、この問題については。
#131
○説明員(水野勝君) 今国会に御提案申し上げております土地税制の先生の御指摘の緩和という点でございますけれども、私ども公的な土地取得、それから一団としての優良な住宅地の供給につながる譲渡所得、この面につきましては限定的に負担の緩和をいたしてございますけれども、既存のいろんな諸措置、短期の譲渡所得に対しますところの重課制度、法人重課制度、こういったものにつきましては現行のままといたしておりますので、今回の改正が地価に対しまして悪い影響があるというふうには私ども考えておらないわけでございます。
#132
○桑名義治君 もう時間が来ましたので、この議論はもうこの程度で終わりますけれども、いずれにしても一番最初のこの土地譲渡所得税のいわゆる緩和というのは、いわゆる土地をどうやって確保させるか、どうやって土地を持っておる人に吐き出させるか、そこら辺に重点があったと思いますけれども、もうしかし、こういった土地の値上がりを誘発をしてきますと、これ一つの要因だろうというふうにとらえざるを得ないわけでございます。そうなってしまいますと、いわゆる二千万円必要だったからたとえば百坪売ろうと思ったところが、それをまた七十坪でもうこれは間に合うようになったと、いわゆる売り控えをする。もう少し待てば税金もう少し安くなるんじゃないかという、そういう心理的な影響が大きく響いていったのではなかろうかというようなそういう憶測もされているわけでございますが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。
#133
○政府委員(丸山良仁君) いま先生の申されたような説をなす方もおられますけれども、われわれとしてはそういう考え方はとっていないわけでございます。まあこの税制の緩和によりましてどの程度土地が出てくるかということは大変むずかしい問題でございますけれども、過去の例について見ますと、先生御承知のように、昭和四十九年と五十年とが二〇%の分離比例課税であったわけでございます。それが五十一年からは四分の三のいわゆる総合課税になったわけでございますが、この四十九年と五十年の二カ年分の長期譲渡所得の金額は両方合わせまして四兆四千億でございます。これが五十一年、五十二年の二カ年分では三兆に落ちております。もちろん税制改正だけで土地の取引が全部言えるわけではございませんで、そのときの経済情勢であるとか、あるいは金融情勢であるとか、あるいは地価の動向等によって変わるわけでございますが、これは非常に有力な一つの資料ではないかとわれわれは考えているわけでございまして、今回の税制改正によって土地は出てくるという確信を持っているわけでございます。
#134
○桑名義治君 もう時間が参りましたのでこれで終わりにいたしたいと思いますが、いずれにしましても、土地税制を緩和しても、地主には都市周辺の土地は、株を買うよりも、ダイヤモンドを買うよりも、その他の宝石を買うよりも、一番のこれは資産なんだというような物の考え方がある間は、私はこの土地問題は片づかない、こういうふうに断ぜざるを得ないわけでございます。そういった意味から考えますと、いまこそ私は良質の賃貸住宅をたくさんつくりまして、そして若い方々が家を建てなくてもこういう良質なアパートであるならばわれわれは当分これはがまんすることができるという意識をつくり上げていくことの方がまず先決ではなかろうか。そうなりますと、土地というものが、いわゆる土地の流動が少しずつ緩んでまいりますと、欲望がなくなりますと緩んでまいりますから、これは需要と供給の関係ですから、したがってそういったいわゆるムードをつくり上げていくことも一つの大きな大切な事柄であろう、こういうふうに考えるわけでございます。いずれにしましても、狭い土地、領土でございますので、この土地問題というのは非常に重要な問題でございます。そういった意味からも、今後あらゆる面から検討に検討を重ね、強力な施策を講ぜられんことをお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#135
○上田耕一郎君 私は、ビル防災問題と公団住宅の家賃問題それから筑波土地問題、時間がありましたら定住圏問題にも触れて質問さしていただきたいと思います。
 ビル防災問題、先ほども取り上げられましたが、この対策要綱を拝見しますと、一つの新しい点として中小の雑居ビル対策が入っていて、これそのものはよいことだと思うんですけれども、雑居ビル問題を私も取り上げてまいりましたので、この対策の中に、中小雑居ビルについては地方自治体と消防機関と協力して報告をさせるし、査察もするということが書いてあると同時に、「構造上の改善措置に関しては、」「弾力的な指導指針を作成」すると、そうなっておりますが、これはどういう指導指針をいつごろまでにどうやってつくろうとしているのか、まずお伺いします。
#136
○政府委員(救仁郷斉君) 先ほどもお答え申し上げましたように、雑居ビルにつきましては、抽出ではございますが、全国的な一斉調査をいたしております。その結果わかりましたのが、非常に先ほど申し上げましたように管理が悪いということでございます。それから、その管理面と同時にやはり施設の不備という問題もございます。ただ問題は、雑居ビルは、先ほど申し上げましたように、大型のいわゆる大規模の特殊建築物、これは雑多とは申しながら、百貨店なら百貨店、劇場なら劇場という一つの使い方のパターンがございます。ところが、雑居ビルになりますと、これはもうそういったパターンすらない非常に多種多様ないろんな使われ方がされております。したがいまして、それに統一的な一つの基準をつくるということは、努力しようとしましたが、非常に無理があるということがわかりました。私どもとしましては、これはやはりケース・バイ・ケースの指導をやらざるを得ないんじゃないかというような考えに立っているわけでございます。したがいまして、ここに書いてございますように、指針を示すという意味は、全国幾つかのモデルをとりまして、そしてこういったケースではこういった方法で直すのが最適だといういわゆるケーススタディーをたくさんやりまして、そのケーススタディーの結果を地方公共団体に流し、そして地方公共団体はいろんなそういったケーススタディーを参考にしながら現実の指導をしていくというような形にしたいというように考えております。これにつきましては、すでにケーススタディーも昨年行ったわけでございますから、今回通達を近く出すと同時に、できるだけ早くそういった昨年のケーススタディーの結果をまとめまして、それを添えて地方公共団体の指導の指針にいたしたいというように考えております。
#137
○上田耕一郎君 特殊建築物についてですが、これは何回もこの委員会でも取り上げてまいりましたが、昨年五月三十日に私質問したとき、救仁郷さんは二千四百棟すべてについてオールスタディーやると、ケーススタディーだけでなくて、そう言われたんですけれども、その結果を待ってくれと答弁されたんですが、このオールスタディーはまとまった結果が出たんですか。その結果を国会に、この委員会に提出することができますか。
#138
○政府委員(救仁郷斉君) 調査結果につきましては、すべて対象にして調査を完了しております。したがいまして、いろんな分析なり統計をいたしておりますので、必要があれば御提出できると思います。
#139
○上田耕一郎君 それでは内訳その他もぜひみたいので提出してほしいと思います。
 それで、一番のこの問題の中心問題は人命尊重優先なのか、それとも費用の軽減ですね、これが優先なのかということなんですね。これをずうっとわれわれここでも討議してきた。衆議院の建設委員会、二月十四日のを見ますと、救仁郷さんはこう答えてるんですね、このケーススタディについて。「昨年六月以来、対象建築物につきまして具体的にこれを適用した場合に円滑な改修が可能かどうかという検証をいたしてきたわけでございます。」。つまり、こういう今度の技術基準でやった改修で人間が助かるのかということじゃなくて、円滑な改修が可能かどうかと、こういう答弁してるんですけれども、これを中心におやりになってるんですか。人命問題の検証はどうなってるんですか。
#140
○政府委員(救仁郷斉君) 今回ケーススタディの基磯になりました技術指針、これは先ほども申し上げましたように、人命の安全を確保するということを最大の目的としてつくられた技術指針でございます。したがって、そういった技術指針に基づいてやれば、これはもう人命の安全は確保できるわけでございます。ただ、そこで私御答弁申し上げました円滑な改修ができるかどうかという意味は、たとえば先ほど申し上げましたように、人命の安全を確保するための改修方法というのは必ずしも一つではございません。たとえば階段を増設する、階段を改修する方法、あるいはその階段を改修するよりも屋外階段を増設した方がむしろ安全になるという問題、あるいは隣のビルとの渡り廊下をつけた方がより安全になると、そういう問題、そしてそれはどちらがそのビルにとって使い方等を考えてベターな方法かと、いろんな改修方法があるわけでございます。そういったものを含めまして、その基準に従ってどういうようなやり方をした方が一番ベターかどうかというような検討を行ったわけでございます。
#141
○上田耕一郎君 ですから、人命尊重という点でずうっと後退が行われているということをずっと私問題にしてきたんですね。建築基準法の改正をしようというあのときに、遡及適用するというときには、たとえば竪穴対策で全部煙感知器の連動シャッターにするということになっていたのに、その次五十二年度の特別措置法の際には、これが熱感知器ですね、熱感で結構だということに一回後退したわけでしょう。今度の技術基準については、これ五月三十日に私やったんですけれども、今度は戸川理論による避難計算に合致しさえすれば、スプリンクラーがあろうがなかろうがもう一切竪穴対策何もしないでいいということにしちゃったわけですね。これはものすごい後退だと、これで人命救えるのかということを私は質問したわけです。その技術基準がそのまま今度採用されて対策として出てきてしまったわけですね。
 それで、具体的に質問しますけれども、竪穴対策をやらなければならなかった特別建築物の中でこの全館避難計算式に合致したので全部セーフになってしまったということで改修が不必要になった建物ですね、これが一体どのぐらいあるのか。全体では何か九百六十棟、もう一切改修しなくてよくなったということだそうですけれども、竪穴対策で不必要になったものは幾むねありますか。
#142
○政府委員(救仁郷斉君) 数字的にははっきりした数字は申し上げられませんが、おおむね九百棟のほとんど大部分が対象になるんではないかというように考えられます。
#143
○上田耕一郎君 もう皆さん御存じのようにビル火事で一番死ぬのはこの竪穴問題なんです、煙がずっと上がってきて。ところが対象の二千二百六十むねの中で九百六十むね、つまり基準を下げたためにもう一切改修要らなくなっちゃったと。九百六十むねのほとんどが竪穴だといういま御答弁なんですね。それで私は非常に危険なものを感じるんです。人間一人死ねば、いまたとえばお金の計算をしても五千万円や六千万円の補償しなきゃならないのですよ。それを、こういう竪穴対策やらないでいいということに建設省が主導権をとってこういうものをしてしまって、もし人間が死んだときだれが責任とるのかということでお金にはかえられない大問題だと思うんですけれども、朝日新聞が二月十四日付でこの問題報道して、「基準に〃しり抜け〃」という大きな記事を書いて、具体的にここに書いてある。朝日の記事引用しますと、「六分以内に、屋内の全員が屋外に退去できると計算できれば、現状でもかまわない」、何もしないでいいということですね。スプリンクラーがあろうがなかろうが。屋外へ六分以内の避難計算は成立しないが、最寄りの階段に六分以内で逃げることができれば竪穴区画対策は階段だけでいいと。これで朝日はこれはしり抜けにならぬかというので疑問を提示した。私は今度の対策についてお伺いしたいのですけれども、これ見ますと全館避難計算式が成立する場合はスプリンクラーがあろうがなかろうが措置を要しないとなっている。その次に全館避難計算式が成立しない場合で、つまり階別の避難計算式が成立する場合、スプリンクラーがないケースを見ますと、(3)の2の措置をとればいいということになっている。つまり、階段の措置ですね。階段の防火対策、「階段の防火・防煙措置、」スプリンクラーがない場合、これを見ますと――ちょっと文章見てください、救仁郷さん。この技術的基準の三ページ、(3)の2ですね。ここに(イ)(ロ)(ハ)(ニ)とあるんですね。つまり、スプリンクラーがない建物で全館避難計算式は成り立たないけれども、階別の避難計算式は成り立つ場合。つまり全部は六分以内に逃げられないんですよ。しかし、最寄りの階段なら六分以内に逃げられるという、しかしスプリンクラーはないという、きわめて危ない建物です。ここでやらなきゃならないものとして(イ)(ロ)(ハ)(ニ)とありますけれども、この(イ)(ロ)(ハ)(ニ)のうちの全部をやるんじゃなくてどれかやりゃいいんでしょう。ちょっとそれをお伺いしたい。
#144
○政府委員(救仁郷斉君) お答えいたします。
 ちょっとその前に記事の内容につきまして御説明申し上げたいと思いますが……
#145
○上田耕一郎君 いや、いいですいいです。時間が余りないんで私の聞きたいことを答えてください、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)のうち。
#146
○政府委員(救仁郷斉君) いずれかでいいわけでございます。
#147
○上田耕一郎君 そうしますと、この(ロ)の「既存の防火戸が設置されていない場合には網入りガラス等の不燃材料による間仕切りを設ける。」ことと、これでいいんですね。つまりスプリンクラーもない、防火戸もない。そういう建物ですよ。全館避難計算式も当てはまらぬと。まことに危ないんだ。とにかくぼっと燃え出して警報が鳴ってから六分以内にようやく階段まで行けるというその階段に煙が立ち込めていたら死ぬわけですよ。それで防火戸がない。網入りガラスなどの不燃材料による間仕切りを設ければいいというんです。いまの建築基準法ではこの網入りガラス戸ではだめだということになってるんです。コンクリートでやらなきゃならぬということになっている。それを五十二年度の特別措置法では網入りガラス戸に下げたですよね。それを今度はこういうところまで下げてしまって、こんなに危ないことで人命の保障ができると、人命尊重優先だと救二郷さん自信持って答えられますか。
#148
○政府委員(救仁郷斉君) 私どもいろんなケーススタディの結果、一番危ないものでも大体十五分あれば避難できるというように考えております。したがいまして、私どもはこういったいろんな対策をする中でとにかく十五分間もてばいいというような考えで、その間少なくとも先生おっしゃいましたように煙だけはその間防がなければならないと。火に対しては十五分程度の耐火――耐火といいますか、もつだけの規格があればいいというようなことを考えたわけでございます。
#149
○上田耕一郎君 それは戸川理論の計算式合わぬですよ。あれは九分なんで、最初の三分で警報でしょう。残りは六分しかない。十五分と違うじゃないですか。
#150
○政府委員(救仁郷斉君) そうではございませんで、九分九分、最初の初動の三分を引きまして六分で避難できれば先ほど先生御指摘のように煙の対策も要らないということでございます。ところがそれができない場合には少なくとも十五分程度煙と火を防ぐだけの設備を設けてほしいというのがこの規定の趣旨でございます。
#151
○上田耕一郎君 その計算で議論していても時間がたちますけれども、とにかく大変危ないと。大臣よくこれ認識しておいていただきたい。大臣まだこういう細かいことまでは御存じないでしょう。こういう細かいことが人間の命を救えるか救えないかということにかかわるのですね。一分、二分のおくれがようやく階段まで六分でたどりついても竪穴対策何もできてない、防火戸もない網入りガラス戸しかないというようなビルですね。こういうものを皆さん方許したのですよ。それで九百六十むねが何の措置も要らなくなった。費用を見ますと昭和五十一年の最初の改正のときには全部で二千六百億円費用が要ったはずなんですね。それから三年たっていますからインフレでもう少し上っているでしょうけれども、今度は五百十億円で済んでしまう。だから費用は、つまり約五分の一になったわけですね。それだけ業界は負担が要らなくなった。二千六百億円負担しなければならぬというので猛烈な反対運動やってうまく成功しまして五百億円で済んでしまった。スプリンクラー関係で、消防法関係でもうすでにやってあるので新たな支出は百六十億円だという答弁を救仁郷さんは衆議院の建設委員会でおやりになっている。業界は今度のこの対策のおかげで出さなければいかぬ金は、新たに出すべき金は百六十億で済むのですね。三年前は二千六百億出さなければならぬと思ってはらはらしていたが、ついに百六十億で済んでしまった。そういう内容の驚くべき対策だということですね。これは私こういう点指摘しましても責任者としての救仁郷さんはいろいろ言い抜けをなさるでしょうけれども、問題は言い抜けで済まない。今後火事が起きた場合に建設省の責任が問われるということ。もしこういう後退に後退を重ねた結果、もし人間の命が失われたら。その点をよく認識していただきたい。われわれ国会議員としてもこの問題これだけ追及してまいりましたので、今後もその責任を追及したいと思うのです。問題はそういう内容の後退が次々と行われただけでなくて、今度法律でなくて行政指導にしてしまったという問題ですね。これはやっぱり私は見のがすことのできない大問題だと思う。渡海大臣は消防法改正の必要を生み出した四十七、四十八年のビル火災のとき自治大臣なさっておられたというのでこの問題よく御存じだと思うのですけれども、行政指導の方が法律より効果が上がるということを救仁郷さんいろいろ強弁されますけれども、これはどう考えても成り立たぬ話だと思うのですね。消防法の改正による遡及適用でも、法律があったからようやくここまできているわけです。しかし目標年度よりはまだおくれている点も生まれているわけでしょう。もし法律がなかったらなかなか進まないと思うのですね。今度法律の点を聞かれると、建築基準法第十条で非常に保安上危ない場合にという第十条を活用するというふうに言われるのだけれども、法律に違反しているからといって強く詰めれるわけでしょう。すると法律違反じゃないわけです。行政指導のわけですね。それで十条の規定を活用するというのでも、これは本当に実効が上がるのかどうか。はなはだおかしいと思う。ですから今度は大臣にまじめにお答えいただきたいんだけれども、法律よりも行政指導の方が効果があると本当に大臣お思いなのかどうかこの点をお伺いしたい。
#152
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいまビル防災につきまして、私自身大手前のときに翌日すぐ現地へ飛んでまいりまして、まだ全部整理もできてないときに現場を見てまいったものでございます。その後、いわゆる雑居ビルと言われるものも東京都内で視察をしてまいりまして、その必要性を痛感したものでございます。ただ法律をつくるにしましても、技術基準と申しますか、政令にゆだねられるであろうものがなかなか的確につかめるかどうか、その点一件一件調査いたしました行政指導が最も的確に行われさえすれば、その方が的確にいけるとこう考えまして踏み切ったのでございますが、踏み切るためには強制力はないが、行政指導では必ず実行さしていくと常々事務当局に向かいまして、もし行政指導であるからと言うてそれをやらないものがあったら知らしてくれと、私は、これだけは行政指導がすぐに実行に移せるように措置をしていただきたいということをくれぐれも事務当局に申しておりますので、強制力がないという点はいま上田委員御指摘のとおりでございますが、行政指導で実効を上げるという点に対しましては重要なる問題でございますので、今後も全力を挙げて努力いたしたいと、このように考えております。
#153
○上田耕一郎君 さらに重大問題は、経過考えてみますと、建築審議会答申が四十九年一月二十八日にあって、法改正の閣議決定が四十九年三月八日にあって、七十二国会に改正案が出たわけですね。そのとき遡及適用について削除という問題が出てきまして、五月二十一日に遡及適用を削除して修正可決されましたけれども、衆議院の建設委員会で附帯決議全会一致で行われているんです。「すみやかに有効適切な法制を整備する等、」というふうに法律化するという附帯決議が衆議院建設委員会満場一致で、これ本会議にかかっているんです。本会議が、削除した修正案ですから、本会議通過した際も委員長報告でちゃんとこの附帯決議は本会議で報告されているわけです。それで本会議で可決されている。参議院に回ってきたときに、参議院は審議の冒頭、当時の竹田委員長が、この問題でやっぱり強化は焦眉の急だ、政府としては次期国会に必要な法律案について提案する用意があるのかということを聞き、中馬国務大臣が次の国会に必ず法案を提案するというふうに答えているわけです。そういう経過があるわけです。そうしますと、衆議院で国権の最高機関としての国会で附帯決議案があり、本会議で報告され可決され、参議院の建設委員会でも委員長の発言それから建設大臣の答弁があった。約束ですよね、それに対していつの間にか行政指導に変えられちゃったわけです。国会の意思が踏みにじられている。ところが、あなたは先ほどの所信表明でそういうことに一切触れないで「きめ細かな行政指導を行うことにより所期の防災目的を達成することができる見通しを得ましたので、」と、それだけ言われている。この経過を見て国会の全体の総意を行政府として踏みにじってどう思われますか。
#154
○国務大臣(渡海元三郎君) 衆議院の方の委員会におきましてもその点を指摘されまして、所信表明の中に言葉が足りなかったという点は率直におわびいたしました。もう少し言葉をいままでの経過等にかんがみ、こうやるべきであるがということをなおその後の懇談会等で調査した結果の意見に基づいて今回こうさしていただきますというふうな書き方にしなかったという点に対しては率直に私は謝らしていただいた次第でございますが、経過はよく知っておりますが、前大臣のときに懇談会をつくっていただいて関係各省庁、学識経験者、業界代表等が集まられまして、十分討議された結果が行政指導でやる方が効果があるという意見でございましたので、私、今回行政措置でお願いいたしたいと、こういうことにさしていただいたような次第でございます。
#155
○上田耕一郎君 私はこの問題、考えれば考えるほどやっぱり重大問題だと思うんですね。法案が出てこないんだからきょう一般質問でこういう質問をして、大臣も所信表明で触れられたので私たちこう質問しておりますけれども、国会の決議が踏みにじられたまま、法律を提案するという約束が宙に消えちゃっているわけですね。私はこれは非常に国会の意思、総意をやっぱり踏みにじられた重大問題としてこの当建設委員会としても経過を見て、ぜひ理事会で協議していただきたいというように思いますが、委員長に取り計らい方をお願いいたします。
#156
○委員長(浜本万三君) 上田さんの提案につきましては、また理事会で相談をいたしまして決めたいと思います。
#157
○上田耕一郎君 それで、大臣、いま懇談会のことを言われましたけれども、私は実はこの懇談会に大問題があると思うんですね。つまり審議会や何かで出てきてそこでやるというのじゃなくて、懇談会をやったと、救仁郷さんはこれ十分なコンセンサスがあったあったということを盛んに言われるでしょう。十分なコンセンサスが問題なんですよ、一番負担を受ける関係業界団体というのが入っているんだから。関係業界団体とコンセンサスを求めようとしますと、一番負担の少ないところへ行くわけですよ。この人たちが納得いかなきゃ懇談会の技術基準お受けにならないのだから、そういうやり方で一番被害を受けると思い込んでいてそれで大圧力団体が、特にデパート業界すごかったですね。それがちゃんと入っているわけだ、この懇談会に、関係業界団体に。ここと十分なコンセンサスというと一番低いところに決まっちゃうんです、一番低いところに。犠牲にされるのは国民なんです。ところがこの関係団体には学識経験者、建築消防関係者、関係業界団体、関係金融機関、関係官公庁で火事になったら死ななきゃならぬかもしれぬ一般の国民の代表者は入っていないわけですね。それで関係業界団体まで含めてコンセンサスと、こういうやり方が私は全くこういうところに追い込んでしまったやり方だと思うんです。ひとつ救仁郷さんにお伺いしますけれども、この関係業界団体というのは任意団体ですか。
#158
○政府委員(救仁郷斉君) 任意団体か認可法人か、そこまでは私も全部は知りませんが、ほとんど私は認可法人だというように理解しております。
 ただいま、上田先生御指摘のとおり、懇談会で結局業界に引きずられたのじゃないかというような御指摘でございますが、私どもはやはり人命の安全ということに関しましては十分業界団体に理解を願い、むしろ私の方からこういう目的でやるのだということを説得したつもりでございます。また業界団体も当初からそう全体が反対ということでなくて、部分的な技術の基準、たとえば廊下の非常用照明の問題で、たまたま何と申しますか、廊下のすみの一部だけが足らない場合にどうするんだとか、そういった非常に細かい疑点が出されました。それに一つ一つ答えていったというような問題がございました。そういった問題を踏まえまして、むしろ私どもが業界に御理解を願ったというように御理解いただきたいと思います。
#159
○上田耕一郎君 私は、業界団体に、その懇談会をつくるという形で業界団体との十分なコンセンサスを求めようとした結果、中身についても人命にかかわる重大な後退が生まれ、手続についても、法制化でなしに行政指導というあいまいなものになってしまったということでしかないだろうという確信をこの問題を質問すればするほど深めざるを得ない、こう思います。
 次に、住宅公団の値上げ問題に入りたいと思います。もう経過は先ほど総裁からもお話がありました。大臣も、たとえば去年の十二月二十一日に自治協とこの問題でお会いになったときに、今度の公団とあなた方との話し合いについて総裁から報告を受けている、総裁も腹を割って話し合う気でいる、そのつもりでやっていくだろうから進めてくださいと、そういう発言をされたと私ども聞いておりますが、この話し合いが不調に終わって、結局家賃の値上げ問題については裁判になったということについて私ども非常に残念に思いますけれども、大臣どう思われますか。公団家賃問題。――大臣にお聞きしているんです、この話し合い問題。
#160
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま裁判になったと、こう言っておられますが……。
#161
○上田耕一郎君 裁判の方向に――話し合いが不調に終わったことを残念に思われるかどうかという点。
#162
○国務大臣(渡海元三郎君) 最後まで誠意を持って話し合っていただきたいと、こういうことで私その方針をいまも何といいますか、居住者の自治協ですかにもお話し申し上げたとおりでございます。また、自治協の中にもその点を了としていただいて、いままでのような態度を捨てられた、そうして支払いしていただけるようになったたとえば福岡地区の問題、そういったところもあらわれたと聞いております。しかしながら、大きな団体でございますから、地区全部がそういった方向に進まずに今日に至っておるという姿でございますが、裁判になったというお話でございましたが、これは自治協が裁判に訴えてというふうなことを言っておられるということも聞いておりますが、私の方といたしましては、あくまでも話し合いを進めていくつもりでございますが、それにはおのずから限界がある、最後のときには裁判に訴えざるを得ない。このように私自身考えておるような次第でございます。
#163
○上田耕一郎君 大臣としては話し合いをあくまでやろうとお考えになっているという御発言、非常に大事な御発言だと思います。
 私この話し合いをやっぱり国民も非常に注視し、新聞その他も非常に歓迎を表明した話し合いが五回で不調になったという点非常に残念に思いまして、自治協の発表した資料で話し合いの経過が非常に詳しく載っておりますので、私自身調べました。大臣ごらんになっていらっしゃらないと思うので、ちょっとお渡しいたします。――この資料にほとんど、恐らく速記録じゃないでしょうけれども、非常に詳細な経過があります。私これを全部調べまして非常に驚いたことは、全部で五回やっているんですけれども、三回目は自治協の方が十項目の中身について説明している回ですね。一回、二回は総裁がお出になっている。四回、五回は総裁がお出にならないで、いわば実務者側がお出になった。最初の二回と後の二回はこれまるで同じ話し合いかと思うぐらい違うんですね。これは総裁をほめるわけじゃないけれども、最初の二回はまことに平和的で、なるほどこれなら話し合いまとまるだろうとみんなが思うような、自治協自身も思ったような、新聞記者もそう思ったようなこれは中身ですよ。ところが四回、五回のいわゆる実務協議と申しますものは、これはまるで北風が吹いているような話し合いでして、五回目にもう公団側は話し合い打ち切りと、四回目からそういうことを言っておりますけれども、話し合い打ち切る、もう話すことないということで終わりになっているんですね。私はこれ非常にこの二つ、最初の二回と後の二回が余りに違うので驚きました。恐らく総裁自身も本当は後の方にお出になった方がよかったんじゃないかというように思いますけれども。
 幾つかポイントについてだけ質問したいと思います。総裁がお出になった最初の二回は非常によかった――よかったというか、非常にというか、そういう希望を持たせる会議だったと思いますけれども、それについての問題点もやはりあると思うんですね。これはきょうの委員会でも何回も総裁おっしゃっているけれども、二つ前提があると、一つは家賃改定内容は変更できない、もう一つは任意団体の自治協が公団の運営その他に介入することはこれはだめだと、この二つが前提だということを何回も繰り返しきょうもおっしゃった。この二回の話し合いもやっぱりそのことを常に言われているんですね。しかし、私は実はそこに問題があると思うんです。なぜかと言いますと、家賃の改定内容を変更できない、それから介入させる余地ないという問題実はここに問題があるんですよ。
 公団としては、いままでの法律や制度に縛られてその枠の中で考えるでしょう。しかし、制度や枠がいまや問題になっているわけですよ。それは公団の例の高、遠、狭のあの問題を見ても、空き屋住宅が何万戸も出た例を見ましても、いままでの制度ややり方、それから家賃の個別原価方式も、あなた方自身がプール制的なものを導入せざるを得ないようないろいろ破綻が生まれているわけですね。だから、日本の公共住宅どうしようかと、家賃の方式そのものをどうすればいいかというような根本問題がいまや問題になっているわけです。制度や法律が最初はうまく機能していたのにだんだん矛盾が発展してきますと、それを直すべく運動が起きるわけです。自治協の運動というのはまさに私はそういうものだったと思うんですね。そういう大きな運動が起きたからこそ、住宅問題、家賃問題に関心が集まっているわけだから、そういう役割りを演じているんですね。だから、あの自治協の運動というのは、公団の担当者側にとってみれば、家賃を値上げしたのに払ってくれぬというので、その面では対立したかもしれないけれども、総裁を含めて公団の方々もいまの制度と法律のある意味では犠牲者という面もあるんですよ、あなた方も苦しまれているんだから。そういうものを、大きな社会的な運動が起き、住民の運動が起きて政治問題化し、社会問題化して、じゃあみんなで知恵を集めてどうしようかと、この制度をこう改善しようじゃないか、法律をどう直そうじゃないかということになるはずのものだと思うんですね。そういう意味では住民運動を絶対敵視すべきでなくて、国民自身の非常に大事な運動として、それが問題を前進させるエネルギーとして見なければならぬ。それをあなた方は窓口の担当者として、絶対この枠以外にありませんと、家賃内容については一切話せないと、それから公団の運営には一切介入させません、これが前提ですということをやっていたら、これは制度は改善できないですよ。もちろん話し合いとしては、あなた方は改定内容はというふうに言われるでしょう、これは動かせないと。しかし、運動している側は、そこが問題なんだからそこを直してほしいと、だからそこでぶつかるわけですよ。ぶつかるところを話し合って、じゃあ将来こういうふうに直さなければならぬと、制度にも問題があると、この点についてはひとつ国家に政府にあるいは世論に訴えようじゃないかということをもし公団と自治協が一致点ができたら、これで社会は前進するんですから、だから私はその問題をそういうふうにやっぱり、皆さん方はある面では対立者だけれども、全体としては日本の行き詰まっている住宅問題、この制度の問題を突破する大きな担い手が住民運動なんだという見方で住民の運動を見なければならぬ、そういうふうに思うんですけれども、総裁いかがでしょうか。
#164
○参考人(澤田悌君) 五回の話し合い、前半と後半大変ニュアンスが違うというところからお話がございました。最初の私が出ましたときには自治協の方は、先ほども申しましたが、前向きで問題を解決する方向で話し合いをしたいと、これは反対者がそう言ってアプローチすることは大変結構なことでございまして、私の方も積極的にそれに応じたわけでございますが、そのときに私が申しましたことは、事態はきわめて厳しい、九月に実施され、すでに過半数はそれに理解を示して新家賃で払った、その人たちはむしろ自分たち払った者が損をしやしないかというような危惧の念すら持って事態を見守っているという状況でございます、ですからここで話し合いをする基本は、いま上田先生、その基本がけしからぬというお話でございますけれども、すでに一定の手続を経、国会でも御審議をいただき大臣の承認を得て実施した内容そのものは変更の余地はない、このことをひとつ腹に置いて話し合いに臨んでいただきたい。それから、協議とか決定とかいうことのやり方にも関係いたしますが、公団の運営の内容その他に自治協が介入するというような形での話し合い、それはその余地はないので、そこも十分腹に置いて、そしてその上でこの今回の家賃改定の内容そのものについてよく話し合ってもらいたいということを私が出席した会合では申しました。それに対して自治協の方からは、いわゆる十項目にわたる細目の要望を提出され、最後の二回はその前提のもとに十分話し合ってもらいたいということでございますから、後の二回が非常に厳しくなったのは、これはある意味じゃ当然だと私は考えます。それでいろんな、その中にもあるいはそれ以外の自治協の意見の中にも、いま先生御指摘のような、大きく言えば国の住宅政策なり建設行政なり公団の運営なり、国民としてあるいは居住者としていろいろ御希望があるでしょう。しかし、それはそれとして、今回のこういう手続をもって、手数を尽くして実施されたこの案そのものを、これを、大きい建設行政なり制度の根本が改まらなければこれはのめないというような姿勢では一歩も前進しない、そこのところを私は強調するわけでございまして、今後この問題が片づいて、いろんな問題について話し合うというようなことを拒否するつもりもございませんし、自治協の存在というものも一応私ども認めて話し相手にしておるわけで、ですから、そういう大きいことが進まなけりゃこのささやかな家賃改定すらのめないという姿勢はいただけない、それで打ち切ったと、こういうことでございまして、その辺をひとつ御理解願いたいと思うわけでございます。
#165
○上田耕一郎君 それでね、後の二回のことをちょっと言いますとね、たとえば最初のときには、総裁は本当に誠意と勇気と愛情を持ってやりたいということも言われましたね。それから、話し合いで解決しましょうということを最後には発言されておられますね。それから、たな子じゃなくてお客さんとして大事にしたいということも言われている。お互いに困難を越えてやろうじゃないかということまで言われている。ところが、後の二回のときに、第三回目には十項目についての答弁がありました。この回答は、一々きょう時間がないから読み上げません。これぜひ大臣もね、救仁郷さんも恐らくこの記録をお読みになっていらっしゃらないと思うんで見ていただきたいんですが、すべてノーですよ。私たちもあのとき第三回目があった後、自治協の方々からゼロ回答だったという話を聞いたんです。どうだったと言ったらゼロ回答と言う。これは自治協の人たちの評価かと思ったら、何と第五回目には公団側自身がはっきりそう言っているんですよ。一月二十五日最後の会、松浦管理部長、公団は一月十二日にすべてノーとの返事をしている――公団が認めているんですよ、十項目すべてノーだと。ところが総裁自身は最初の日に、あなた方の提案にも多々聞くべきところがあると言われているんだから――ところが、公団側が自分ですべてノーだということを確認するような返事を第四回目にやっているんです。われわれはすべてノーの返事をしている、これで自治協との話し合いは打ち切りたいと考えていると言うんですよ。そういう驚くべき返事ですよ、この十項目というのは。もう一切ノーですよ。全部ノーの返事をして、それで自治協側は当然これはおかしいじゃないか、総裁の話と違うじゃないかと言って言いましたら、それで一々例を挙げると、あれは総裁としてある意味でまくら言葉で使った言葉だと。まくら言葉ですよ、あなたが言われたのは。こういう返事をしている。それから、ある意味では皆さんは、不正確な発言をしたことになる、不正確な発言を聞かれたんだ。新聞が話し合い解決と書いたのは、あれは全部誇大な報道で迷惑していると言っているんです。だから総裁が一回二回でまじめにやろうと言ったことをまくら言葉だと、不正確な言葉だということで事務当局がその後ひっくり返すような、そういう交渉を四回、五回はやっているんです。これはぽくはやっぱり自治協としてももう怒るのあたりまえだと思うんですね。一回、二回総裁がああいうことを言われたのをまじめに受け取って、皆さん運動をやっている方々だから相手を信頼したいんだ、誠意と勇気と愛情を持ってなんという、こういうふうに言っておった。愛情というのは七千円頭打ちにしたことですと言っている。それ以外に愛情はないと、もう全部出し尽くしましたと、そういう返事をして、これは私はどうもこの記録を読むとまさに打ち切ろうと、怒らせようと――挑発ですね。もう運動をして、全国の自治協があれだけ運動をやって大変なエネルギーをつぎ込んで現行払い運動を組織して、それをとにかく怒らせて打ち切らして裁判に持ち込ませようという、全く計画的な挑発です。ぜひ記録を私は読んでいただきたいと思うんです。驚くべき内容です。それで、もう打ち切るというのは公団側から言い出したんですからね。それでしかもそういうやり方をとっているというこの不誠実さは、公団側が全住宅にまいた――これ話し合い中ですよ、「居住者の皆様へ」というビラをまた出しているんですね。全住宅に回した。これは全く――これも私は挑発だと思うんです。「家賃改定の内容は、一切変更いたしません。」と書いて、その次、「居住者団体が介入する余地はありません。」と書いて、こういうことを書いているのだな。「最近、公団が居住者団体と、新らたに特別な話し合いをはじめたかのように伝えられておりますが、これは、先に述べましたように、従来から行っています懇談の機会に、自由な意見の交換を行っているもので、新らたに特別な話し合いをはじめたとか、家賃改定の内容等について協議しようというものではありません。」と、後半はいいとしても、新たに特別な話し合いを始めたものではありませんというのです。それで最後は、「万一お支払いいただけない方には、訴訟でもって解決することになります。」これは交渉でも第三回目に自治協側持ち出していますけれども、せっかく総裁と話し合いをやって解決しようとしているのにこういうビラをまくとは何事だと言っていますけれどもね。私はこれも当然だと思うんです。ひとつ総裁、こういうビラを話し合い中にまけというのがあなたの指示ですか。それから、四回、五回の公団側の発言は、これ全部総裁とも打ち合わせの上やっているんだと、全部意思統一した発言だということを発言しているけれども、総裁、全部こういう指示――まくら言葉だったと言えとかということまであなたがおやりになっているんですか、この点をお伺いします。
#166
○参考人(澤田悌君) このいま御指摘のビラですね、これは一月二十五日以後に実際出たんじゃないかと思いますが。
#167
○上田耕一郎君 十二月二十七日の第三回目に問題になっていますからね、十二月中にまかれ始めたのです。
#168
○参考人(澤田悌君) 何遍も出ておりますからね、どのビラがどうか、私記憶がありません。自治協のいろんなそういう記録も相当程度玉虫色にごらんになっておるようでありますが、そのとおりとも受け取りかねる点も多いのでありますが、その話し合いの中で自治協が配りましたビラ、あるいは二月八日でございましたか国会に請願をされたようですが、そのときのビラ等を見ますと、これが先生がおっしゃるまことにそのとおり挑発的なことが書かれておりますが、私ども自治協の反対運動にはずいぶん、余り愉快でない思いを重ねてきましたけれども、こちらはまあ御理解を得て円満に実施したいと思うものですからいろいろ腐心はいたしました。ああいうビラが出ますと、先ほど申しましたような過半数のそのすでにお支払いになった方々からどういうことかといういろんな問い合わせや不安の訴えが参るわけでございまして、そういうことに対する私どもの方の姿勢の示し方もございますので、決して好ましくないことをやり合うという意味ではございませんけれども、やむを得ずああいうチラシを配って誤解のないようにしていきたいと努めてきたようなわけでございます。
 それからもう一つ、最後、後のときにという二回の会合の事務的な公団の姿勢は私の指図かというようなお話でございますが、私はとにかく具体的な十項目について、それからその他の要望もあるかもしれません、よく話し合いまして、そのときにしかし腹にしっかり双方が置いておかなければならぬことはこれですよと先ほどの二つの原則を申したわけでございます。その原則によって話し合いをしておりますと、恐らく、これは介入じゃないか、これは内容の変更じゃないか、このことはもうあたりまえのことで、議論する問題でもないじゃないか、そういうように一つ一つ問題が詰まったのではないかと思います。ですから、ある意味ではゼロ回答だというように実際のところなっているのかもしれませんけれども、お互いに誠意を尽くして前向きで話し合おう、そして、とにかくこのいまある家賃改定、その内容が変更されるということはないのだ、そこのところをよくかみ分けて一歩前進しようじゃないか、そういう姿勢で検討しなさいと私は申しておりますわけでございます。それが結局同じことの繰り返しになっては前進がありませんから、打ち切られた、こういう形になっているのが実際でございますので、その辺は御理解を願いたいと思います。
#169
○上田耕一郎君 そうしますと、オールノーの回答をしろというふうに具体的に指示されたわけじゃないんですね。
#170
○参考人(澤田悌君) 先ほどの繰り返しになりますが、事ここに至っては非常に解決は厳しい。それで、少なくともこの二つはお互いに腹に置いて、何か改定の内容に変更を加えて獲得しなければ引けないとか、そういうことでは問題は解決しませんよと、だからそのことを腹に置いて、もう腹を割ってお話ししなさい、こういうことでございますが、事柄がああいう十項目あって、事務的にやり合いますから、お話しのようなやりとり、厳しいやりとりあるいは不愉快なやりとりというようなことがあったかとも思いますけれども、われわれはゼロ回答をしろというような前提で問題を考えているわけではないのでありまして、基本的な問題を外してはいけない、それはお互いに正しいことではないんだと、こういう姿勢でございます。
#171
○上田耕一郎君 それでは、なるほどね、ぼくは総裁の言うことを信じたいと思いますね。どうも経過見ると、そうだろうという感じがします。
 一つ具体的な問題で言いますと、総裁の最初の十二月十二日の御発言の中で、こういう点があるんですね。「今後のルールをつくるうえで、みんなの意見を聞いて案をつくることが大事だということは、今度の経験は非常に参考になる、さらに進めて、確定し、実施する前に話し合いをし、意見をかわす手続が必要だと痛感している。その辺をみんなで立ち止まって考えてみる必要がある。」と言われています。これは、つまり今度の家賃改定の問題じゃなくて、今後ですよ、今後。今度の経験でこれだけ大問題になったので、今後は家賃をまた値上げしようとするときに、確定する前にやっぱり話し合いをして意見をかわす必要があるんだということを言われておる。さらにこういう発言をされているんですね。「従来の自治協との定期的な話し合いを、もう少しはっきりしたものに認めては、これは重要なことで、いま(事務当局に)検討を命じている。協議、決定の機関ではないが、工夫している所である。」という御発言もあります。これは十二月十九日の二回目の御発言。つまり総裁は、今度の経験から、今回の家賃改定についてはもう動かせないと言われながら、この大きな経験をしたので、今後は決める前に話し合いが必要だと、自治協との話し合いも、いままでよりももっとはっきりしたものにしたい、定期的な話し合いを。つまりもっと前進させようということで、事務当局に検討させているという御発言なんですよ。これは、ぼくは非常に前向きの発言だと思う。自治協もこれは非常に高く評価して、今後の家賃値上げ、家賃値上げというか、家賃決定の民主的なルールづくりをこれでつくれるかもしれぬという希望を持って話し合いに入ったと思うんですね。
 ところが事務当局の答弁は、もう一切そういうものはないんです。私的な諮問機関には住民代表は入れませんと、入れないんですよ。だから、住民代表との話し合いは何もないという返事です。自治協との話し合いはいままで十年やってきたけれども、それで十分だと思いますと、何らの工夫もしないで、十分だという返事をやっていますよ。ぼくは恐らく総裁も先ほど大臣にお渡しした資料お読みになっていらっしゃらないと思うので、ぜひ自治協からいただいて読んでみていただきたいと思うんですがね。総裁はその二つの前提で前向きにやれという指示をなさったのに、それから民主的ルールづくりについても、自治協との話し合いをさらに一歩進めようという発言をなさっておられるのに、事務当局は完全にオールノー回答ですよ。いままでで十分だと、話し合いには住民代表は入れないと、全部この問題でもノーです。明らかに総裁発言と全く違う返事をしているんですね。これはぼくはそういう点で非常に重要な問題だと思うんですけれども、しかし済んだ、死児のよわいを数えてもどうにもならない。家賃改定問題については、どうやら公団側も裁判を最後の手段として考える、それから自治協側も単位自治体で代表を選んで裁判に訴えるということを先日決めましたので、今回の改定問題については結局裁判に任かされる。これは私は本当は政治の責任としても非常に残念なことだと思うんですね。裁判に正しかったかどうかを任そうというのですから、それは政治の責任放棄だと思うんですけれども、事ここに至ってはやむを得ないかもしれません。この裁判は恐らくかなり歴史的な意味を持つ内容になるだろうと思います。それはそれとして、今後どうするかということで、今後この家賃の値上げ問題やっぱりインフレが続けばまた起きることもあり得るわけだ。やっぱり事務当局の答弁にありますよ、家賃の再値上げはもちろんやりますという答弁。これもオールノー回答の一つとしてありますけれども、今後そういう問題が起きたときに、これだけの大きな経験をした後で、自治協としても、また公団としても建設省としても国民としても、もっと民主的なルールをしてほしい、ルールをつくり上げたい。参議院の建設委員会の七項目の要望の最後にも「民主的な配慮」ということを要望してあるわけなので、先ほど大臣も話し合いを望むという態度を述べられました。総裁も今後一切話し合いに応じないということではないということを述べられました。修繕要求の問題とかいろいろな話し合いがありますけれども、その話し合いの一つに、総裁が第一回目、第二回目の話で述べられた今後のルールづくりですね。それから自治協との話し合いをもう一歩進めたいということをぜひ真剣に――これはまだ裁判になってないわけですから、ぜひ真剣にやるようにしていただきたいと、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
#172
○参考人(澤田悌君) その民主的ルールというと、大変抽象的で、どういうものか内容がきわめて不明確になると思います。特に家賃値上げ反対を主たる目的として発足した自治協の要求でありますから、その内容がなおさらつかみにくいのでありますけれども、いまの公団家賃の改定のルールというのは、公団法体系及びそれと関連して借家法に一つの手続のルールは決まっておるわけでございます。しかも建設大臣の諮問機関でありまする住宅宅地審議会の答申、一定期間ごとに見直せ、社会的不公正の是正に努めろといったような趣旨の答申を踏まえて今度は行われたわけでありまして、私はこれは一つのルールであろうと思うのであります。今後再び一斉値上げというようなことが必要となった場合に、それではどういうことにするか、これは大臣の方の問題でもありまするが、公団としても一般の意見をよく聞くという手を尽くすことはこれは必要なことであろう。そういうときに、私が申しました一つの試案として、これは私が前に公取におりましたときも私的諮問機関というのがございました。あれはなかなか有効だと思いましたが、そういうものを考えてはどうかというようなことも考えております。
 それから、それに居住者代表を入れないのはけしからぬといったようなお話がございますが、これはもう少し広い高い程度の諮問、意見を各方面から伺うということであって、居住者代表との話は従来から続けてきておる懇談会、これをもう少し工夫を加えるか何らかの形で続けていって、日常いろいろな意見を聞くというようなこともこれも私は差し支えないものだと思っております。
 ただ、一言つけ加えて申し上げたいのはそういうことが具体的にならぬと今度の家賃改定はのめないというような反対運動を続けるというような、そういう姿勢では一歩も前進しない。今度のは改定そのものの内容、手続を尽くし、内容そのものも二十年以上に一遍としてはきわめて妥当な値上げでありますから、これについてはこれとしてよく考えてほしい。そうして基本的な問題や大きい政治に関係するような問題、これは先にいろいろ工夫するところがあろうじゃないかというふうに私は個人としては思うわけでございます。
 いろいろと自治協の資料、先ほど申しましたが、決して難癖つけるわけじゃありませんけれども、自治協なりの玉虫色の見方もございますから、その辺も私どもは腹に置いた上でいろいろ考えておる次第でございます。
#173
○上田耕一郎君 自治協がこれまでも変動部分についてはもちろん話し合いできると言われておるし、今度も四月からは値上げ部分を認めるわけじゃないけれども、支払おうという態度も決めておるわけですね。ちゃんと理性のある方々の運動であるわけです。もちろんわれわれも自治協の運動に批判点があれば率直にも申しますし、これだけの大きな運動を踏まえていま言われたような方向でぜひやっていただきたい。民主的なルールづくりについてもその話し合いの中で総裁の言われたことを具体的なお考えを述べればいいわけで、自治協側もあれば出すでしょうしね。そういうことでやはり問題の一歩一歩の前進的な解決をぜひお願いしたい、この点を再度お願いしまして次の問題に移りたいと思います。どうもありがとうございました。
 時間が大分なくなったので、筑波跡地問題、ひとつ駆け足でやりますので、ちょっと委員長少しお許しいただきたいと思います。
 筑波跡地、東京は三十六カ所、百四十七ヘクタールあるんですね。日比谷公園九つ分あるくらい、一等地であります。これは首都圏整備の観点からも非常に大事な問題だと思うんですけれども、筑波跡地の東京都分の利用について国土庁としての基本的な考え方をまず簡潔にお伺いしたいと思います。
#174
○国務大臣(中野四郎君) 筑波研究学園都市の建設は首都の過密対策として政府が多大な努力をして進めている事業でありますが、その跡地については国土庁としては現在の首都において防災対策、再開発等都市環境の改善が重要な課題でありますので、この方向に沿った利用が望ましいと考えております。
#175
○上田耕一郎君 その際そういう方向で、過密問題解決という方向でこれを利用しようという際、やはり自治体の意向、それから地元住民の意向をぜひ尊重すべきであろうと思いますけれども、国土庁のお考え、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#176
○国務大臣(中野四郎君) この問題につきましては、昨年の国有財産中央審議会で筑波移転跡地小委員会が取りまとめました試案があります。この趣旨を考慮したものと私は思っております。
#177
○上田耕一郎君 昨年の十一月九日に国有財産中央審議会が大蔵省としての中間案と申しますか、試案を発表されたわけですね。これが地元要求と一致しているものもあるんですけれども、大きくかけ離れていて、先ほど大臣の言われた過密の解消とか防災、この見地に反するものもやっぱり少なくないように思うんです。私やっぱり住民運動も区も区議会も一生懸命取り上げてきた一つの例として文京区の東京教育大の跡地問題、これをひとつ具体的に取り上げたいのです。これは試案ではこういうふうに書かれておりますね、「本地は、避難場所の指定を受けているので、大部分は公園として利用することとし、」そのあと一部を体育館、それから世界柔道センター、それから筑波大附属小の拡張用地、筑波大教育学部用地として利用するというふうになっています。大部分は公園というのですね。六・四ヘクタールありますけれども、少なくとも七、八割は公園になるような感じがちょっと文章読むとするんですよ。ところが実際に調べてみますとまるで違うんだな。これは教育大跡地の南側には徳永直の「太陽のない街」で書かれた有名な零細の印刷工場がずっとありまして、五百七十八工場あるんです、非常に小さな、ほとんど木造地帯です。そばに植物園があるんですけれども、植物園細長いために避難広場に指定されていないのです。だからどうしても過密の避難広場の中小の木造印刷工場が六百近くあるところの避難跡地として教育大跡地がぜひ欲しいという場所なんですね。ところが大部分を公園にしたいと言われても、この大蔵省案にも占春園は現状のまま保存するとありますけれども、占春園というのはいま公園にあるわけです。これは現状のまま保存すると。これはしかし段差が十四メートルもありまして傾斜地でこれは避難広場にならないのでいまでも避難地に指定されていないのですよ、占春園というのは。そうしますとここに地図私持っておりますけれども、ここの一角には筑波小学校ができちゃうんですね。すると北半分――図の上の半分が避難地につくられるのだけれども、講道館の柔道センターがここにできちゃうんです。体育館ができる、教育大の大学院大学と言われるところがここにできると結局避難広場になるのは全体の六分の一なんですね。一ヘクタールちょっとです、六・四ヘクタールのうちの。下の方は全部低地でこれは占春園で避難広場ではない。そうしますと全体の六分の一しか避難広場にならない。これではもう避難広場の役を果たさないというので住民はいま十万余の署名を集めました。それから先日区議会で十二月の八日に全会一致で試案に反対、白紙撤回決議、区も一致しているのですね。こういう状況なんですけれども、ひとつ大蔵省側の見解をお伺いしたいと思います。
#178
○説明員(高橋公男君) いま先生から筑波跡地の転用方針について国土庁の方に御質問がありまして、続いて文京区にあります旧東京教育大本部の跡地の利用についての御質問がありました。転用方針につきましては国土庁の御説明のとおりでありますが、若干補足させていただきますと、筑波移転跡地小委員会におきましては各跡地の利用方針について個々に検討する前に基本方針を検討いたしております。まだこれはいずれ答申としていただく予定でおりますが、まだ最終的なものにはなっておりませんけれども、いままで合意されたところをかいつまんで申し上げますと三つ大きな方針がございます。
 第一に筑波移転の趣旨にかんがみ、過密解消のため都市の防災性の向上や生活環境の改善のために活用することを基本とする。したがって空地を確保するために公園、緑地、避難広場等への転用を主眼としつつ、現在及び将来の都市計画に適合した用途への転用を積極的に推進するというのが第一でございます。
 それから二番目に、大規模都市に真にふさわしくかつ緊要性の認められる都市施設及び文化施設等にも進んで転用を図るということでございます。
 それから三番目に、これはちょっと御質問の趣旨と直接関係しませんが、跡地周辺における将来の都市の姿が確定しがたい場合には将来の都市構造の変化に伴う社会的需要に弾力的に対処するため当該跡地の処理を留保する。この場合において暫定的な使用を妨げるものではない。
 以上三つの基本的な方針を立てております。
 そこで、文教区の教育大本部の跡地の利用の問題でございますが、先生がいま御指摘のとおり試案におきましては大部分を避難広場を兼ねた公園として利用すると、こういうことをうたっております。それでこれはまだ利用計画の大綱についての小委員会の試案の段階でございますから、詳細に、この試案に盛られた施設をどこにどういうふうに配置するとかどのくらいの面積にするという詳細な検討は行われておりませんけれども、私ども事務局といたしまして、この試案の趣旨を踏まえ、かっこの試案の中において認められている施設を事務局の立場でいろいろな前提を置きましてごく大ざっぱに試算をいたしますと、大体、占春園を含めましてですけれども、公園としては七割ぐらい利用することになると思います。それから二割が、これは現在の筑波大学が全部筑波の方へ移転するわけですけれども、各種の付属学校が都内にたくさん残ります。そういうものを統括する学校教育部というようなものを残す必要があるということで、現在の筑波大学がいま申しましたようなものも含めて二割ぐらい使用すると。それから一割ぐらいを御指摘の講道館に使用を認める。こんな面積の感じではなかろうかと、これは事務局のいろいろな前提を置いてでの試算でございます。
 それから、筑波大学に一部使わせるというのは先ほど申し上げましたような必要性によるものでございます。その必要性が小委員会において認められたということでございます。
 それから講道館についてでございますが、これは先ほど申し上げました基本方針によりますと、二番目の必要な都市施設、文化施設等というのに該当するという考え方でございます。なお若干補足いたしますと、講道館につきましては、その事業目的が柔道の振興を通じて青少年の心身の健全な発達と国際親善に寄与するということであり、またわが国の柔道スポーツ振興の中心的存在であるということが認められたこと、それから利用要望面積はその一部、先ほど申し上げましたように約一〇%程度ということで、全体として公園として利用するに当たって特に支障がないと認められたこと、それから利用要望のあった講道館、これは世界柔道センターを建てようという計画でございますが、その配置を適切にすれば、本跡地の大部分を避難場所を兼ねた公園として利用する場合に必安となる防火壁となり得るものであるということ、それから災害時には避難者の収容施設ともなり得る施設であるということ等が考慮されて小委員会において認められたものでございます。以上です。
#179
○委員長(浜本万三君) あなたの希望時間を相当越えていますから。
#180
○上田耕一郎君 はい、わかりました。もう一問で。もう時間がなくなりましたのであれですが、占春園というのは先ほど言いましたように避難施設としては使えないと、避難地に指定されてないということだけ指摘しておきたい。それで、いまの文京だけじゃなくて、世田谷、渋谷、目黒、板橋、新宿などで、区、区議会、住民一致でいろんな反対運動が起きているけれども、最後に、当然地元からこういう違った意見が出された場合、これを今後どのように処理していこうとしているのか、そのことだけお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#181
○説明員(高橋公男君) 今後の方針でございますか、現在はこの小委員会の試案を各地元の地方公共団体に提示をいたしましてその意見を求めているところでございます。小委員会の委員各位におかれましては、これは基本的に国有地であるということなんですけれども、国有地であるといっても地元がその土地利用について強硬に反対した場合にはなかなかうまくいかないということもよく認識されておりまして、そういうことで現在地元の意見を伺っているわけです。今後の処理の問題ですけれども、各地元地方公共団体から意見が出そろった段階におきまして、私ども事務当局といたしましては、これを全部そろえて地元の趣旨をよく小委員会に御報告をする、小委員会としてはその地元意見を踏まえてさらに試案を検討すると、こういう段取りになっております。
#182
○上條勝久君 私は大臣の所信表明に関連しながら若干の提言を含めましてお尋ねをしてまいりたいと思います。ただ先ほど茜ケ久保委員、内田委員から御質問がありました点につきましては重複を避けて、最後でありますからなるたけ手持ちの時間以内で終わりたいと存じますので、簡潔にお答えをちょうだいいたしたいと思います。
 三全総計画に基づく定住圏構想並びに自治省の広域市町村圏計画、さらには建設省の地方生活圏構想、これらの関係につきましては、いま申し上げましたとおりお二方の御質問にもございましたからお答えをいただきません。なおまたモデル定住圏構想についても、たしか桑名委員から御発言があったと思いますからこれも省略をいたしたいと思います。
 そこで、重なるかもしれませんけれどもこの際伺っておきたいと思いますが、総理が言っておりまする田園都市構想というものは、非常にわかりやすいといいますか、正直言って国民のこれに対する関心は私はかなり高いものがあると私自身は受けとめておるのでございます。そこで、この計画策定官庁として、この総理の政策理念である田園都市構想と先ほど申し上げましたそれぞれの構想をどのようにとらえていらっしゃって、そしてそれらをどう調和していくというお考えであるか、重なるかもしれませんがこの点だけお答えをちょうだいいたしておきたいと思います。
#183
○国務大臣(中野四郎君) 御承知のように、第三次全国総合開発計画の定住構想は住みよい居住環境を全国にわたってつくり上げていこうとするものでありますが、また総理の提唱をされておる田園都市構想は、都市の高い生産性と田園のゆとりとを高次に結びつけて、潤いのある地域社会の形成を目指す地域づくり、国づくりの基本理念を示されたものと理解しております。したがって両者は矛盾するものではなく、定住構想を推進することによって田園都市構想の具体化に貢献できるものと考えております。
 そうしてこれが一本化してこの構想を計画化し推進するにはどういうような方法でいくかというお話でございますが、本年二月一日に十六省庁の責任者が集まりまして、そうしてお互いに話し合った結果、これは国土庁がイニシアチブをとって、そしてこれを具体的に推進していく、いわゆる定住構想、定住圏というものをば構成していくということに努めることに決定をいたしまして、その方向でただいませっかく努力を進めておる最中でございます。
#184
○上條勝久君 どうかひとついまお話しの基本に立って、国土庁で関係省庁ともうきわめて密接な御連携のもとに御推進を賜りたいと、かように切にお願いを申し上げる次第でございます。
 次に住宅政策の問題は、これは皆さんから御発言もありまするとおり、私は、日本が福祉国家にまあなりかけておるかなっておるか知りませんが、その中でこの問題はやっぱり非常に大事な問題である。国民福祉の中でもやはり一番高い位置づけをして取り組んでいただかなきゃならぬ問題であると思っておりまするが、この住宅政策が来年度予算等の中身を見ましてもいろいろ多岐にわたっておる、これまたやむを得ないと存じます。しかし、私はやはりこの政策の根幹を、年収三百万か、さらに足らざる程度の人たちが中堅であろうと思うのでありますが、とにかくそれらを含めた勤労者なりあるいはサラリーマン向けの持ち家政策並びに一般の勤労者なりサラリーマンが本当に自分の実収入と照らしてはいれる程度の賃貸住宅をつくることに私はやっぱり最重点を置いて、そして重点的な住宅政策を御推進いただくことが国民多数の気持ちではないかと、かように思います。きのうの新聞を見ましても空き家が多いと言われておりますが、それは家が余って空き家があるんじゃなくて、やはりいま申し上げましたそれらの関係から勘案をしてなかなかはいりにくいというようなことからの空き家であると理解をいたしております。その点についていま申し上げましたような考え方で今後住宅政策を御推進いただく用意があるかどうかお伺いをいたしたいと思います。
#185
○政府委員(救仁郷斉君) 先生御承知のように、最近私どもとしてはまだ不十分だとは言いながら、昭和三十年代あるいは四十年代の当初に比べますと、住宅の居住水準というものもずいぶん改善されてきております。そして、いま本当に住宅を求めている階層というものがだんだん下の方にシフトしてきております。現在住宅金融公庫の個人住宅の申し込み者の平均所得がもうすでに三百万を切っております。それから、住宅公団の賃貸住宅にお入りになる方々も大体三百万を切った階層が中心になっているというような現状でございます。したがいまして、私どもは、やはり先生の御指摘のとおり、そういった階層が現在の住宅政策の中心課題だということを認識しておりまして、たとえば住宅金融公庫の貸出額の増額とか、あるいはことしやっていただきました償還期限の延長とか、あるいは住宅公団の家賃だとか、そういったものをそういう階層に合わせられるように今後とも努力してまいりたいというように考えております。
#186
○上條勝久君 どうかひとつそういうことで真剣に取り組んでいただきたい。私どもも周囲を見回しましても、いま住まっておる人で部屋数が少ないからもっと広げようとか、あるいは百坪ぐらいの土地でも買って家でもつくろうかという人たちの私は住宅対策は先刻申し上げましたような方々の住宅がおおむね行き渡った時点で考えていいんじゃないかということを極端に考える一人でございます。
 そこで私は、これは私自身整理しておるわけではございませんから、その点はお許しをいただかなけりゃなりませんが、一つの考え方として申し上げてみたいと思います。先ほどの桑名先生の意見とちょっと食い違うのでありますが、賃貸住宅の考え方については全く同感でございます。この私の近所でも百坪の敷地に対してこれを四つに区切って家を建てまして、そして、これ建蔽率なんか違反じゃないかと思って調べてみますると、ちゃんとやっぱり建蔽率には適合しておるから許可を与えて家を建てておるようであります。さて、これが売れるかなと思ってずっと見守っておりますると、三カ月ぐらいしたら、やはりそれがそれぞれ売れて、状況と言えば、結局家の周りが三尺ぐらいずつずっとあいておって、小さい小型の乗用車が一つ入れば木一本植えられぬというような建物なんですね。したがって、こういう状況がこのまま放置しておいて、その結果は本当に言われておるようなスラム街が形成されることになりかねない。さて、それをそんなら何か規制するような措置がいまの世の中で果たしてできるのかなということになれば、なかなかむずかしい問題ではないかと思います。
 そこで、一つの考え方でありますが、いま私のやはり近辺の人でかなりの俸給をもらっておる幹部ですが、中央線沿線にせめて七十坪から百坪の土地を求めたい、どうしてもなければ四、五十坪でもいいということで探して歩いても、坪百万以下の土地を容易に見つけることはできないということで非常に困っておって、たまたま適当なうちが見つかって、普通の評価から言えば倍ぐらいに相当する宅地でありまするが、それを無理して買ったというような話もございまするし、ましていわんや、やっぱり国民の気持ちとしては、自分の持ち家を持ちたいというのは、これはやっぱり私は国民の偽らざる気持ちじゃないかと、こう判断いたします。もとより経済的に見れば、賃貸住宅が経済的か、持ち家が経済的か、これはありましょう。ありましょうが、それはその人によって違うと思います。
 そこで、なぜそういう土地が手に入らないかと言えば、ここが先ほどの桑名先生の考え方とちょっと食い違うのでありまするが、実際に、仮にこの土地ならだれが見たって大体坪二十万ぐらいが適当である、あるいはまた、役所方面からの鑑定基準等から照らしましてもそれ言える。しかし、実際に二十万で仮に私が土地を持っておって譲渡した場合、実際手に入るのは、まあ譲渡税であるとか、あるいは手数料とか、お礼とか、いろいろ加算いたしますると、実際は十万ぐらいで売ったことにしかならぬと。そうなりますると、やはり地主が売らないという気持ちも、これやっぱりわからぬじゃないような気がしてまいるのであります。したがって、それはやはりいま申し上げましたところによりますると思うのですが、先ほどの御指摘のような逆の面もあろうかと思うが、私は若干考え方が違う。
 そこで、このまま放置しておいても、そういう過小敷地を規制することができないのだというのならば、最善の道を考えなきゃならぬ。それには、三十坪がいいか、四十坪がいいかわかりません。わかりませんが、その辺の土地を、宅地を最低限として、そして、五十坪がいいか、六十坪がいいかわかりませんが、それを上限とすると、そして、建築の認可を与える際に、その認可ごとにいわゆる建蔽率の規制をする。もちろん用途地域等の問題も勘案しながらそれは決めていかなきゃならぬでしょうが、そうして、たとえれば三十坪の土地なら十五坪の建物しか建てられぬということになると五〇%の制限。それらの土地を都市計画的手法をもって、そして一つの町づくりを考えていくということになれば、小さいながらもある程度そのまま放置するよりも前進的な町ができるのじゃないかと。むろんその中には大きな敷地もまぜ合わせて設計できればなお結構であろう、こう思うわけでございます。
 したがって、そういうような考え方に立って、これは一つの考え方でありますから、そのものずばりそうしてという意味ではありません。一つの考え方に立って、そして、今後宅地問題が解決しなければ家は建たぬわけでありますから、いまも若干それに似通った考え方が打ち出されておりまするけれども、さらにそういう点も含めて、もとよりこれは財政当局の抵抗は大いにあるでしょう、大いにございましょうけれども、それは何が日本の政策として大事であるかと、税を負担しておる国民の立場に立った場合に、何が政策として大事であるかということになれば、私は財政当局といえども余り財政上の、これはまあ国の財政ですから、その枠をどうこうということはなかなかむずかしい問題でありましょうけど、その枠内においても重点施策として考えていかなきゃならぬ。そういうふうに思うわけでございますが、それらについてどうお考えになっておるか伺っておきたいと思います。
#187
○政府委員(救仁郷斉君) 最近ミニ開発の問題は、これは非常に大きな問題でございます。先生御指摘のように、ミニ開発はいろんな業者がやるから悪いんだというような言い方もございますが、やはり基本的には先生先ほど御指摘になりました、現在新たに住宅を求める階層の所得と、それから現在の高地価、この関係のひずみが生じたものだというように認識しております。
 したがいまして、先生御指摘のように、これを全面的な禁止というような形で解決することはなかなか困難でございます。したがいまして、この対策としては、各種の総合的な誘導対策によって解決していかなければならないというようなことが必要だというように考えております。
 先生の御提案の、いわゆるナショナルミニマムとしての最低の敷地を標準として、そういった敷地に対して譲渡所得税、そういった敷地をお譲りになる方の譲渡所得税の減税によって土地の供給をふやすとともに、そういった減税の裏として価格を引き下げる、そして、片一方ではそういった建蔽率の強化等によって環境を担保するというような、そういう一連の施策をとったらどうかというような御提案だと承っておりますが、これは先生も御指摘のように、税制上のたてまえなり、あるいは税制上の実務的な問題、あるいは全体の、国の財政の問題、いろんな問題があろうかと思いますが、私どもは非常に貴重な御意見と承っておりますし、真剣に検討させていただきたいというように考えております。
#188
○上條勝久君 それで、そういうことで進めていただいていいと思いますが、その場合に、お買いになったけれども、住金の宅地を含めた思い切った償還期限の延長、あるいはまた金利対策、これもまあ一連のものに加えてもらって前向きに御検討をいただきたい。
 さらに関連しまして、今日下、日本の木材が非常に需要が底を突いておるという状況で、田舎を回ってみますると、まあ十分角材として建築材に使えるような間伐材も、これを運び出しても日当にならないということで、切り捨て御免の状況で放置をされておる、こういう状況でございます。
 ところが、この木材の利用を考えますと、いま御承知のとおり、昔はこの建設事業、工事等に対しましてもいろいろ木材を利用いたしましたが、御承知のとおり今日ではもっと何といいますか、合理的な方向に変えられておる。したがって、木造住宅にこれを利用するということが私は需要の一つの大きな場であるというふうに理解をいたしておるのでございます。
 そこでまた、建物も先ほど上田先生御指摘の、いろいろこの人命の問題あるいは災害の問題等のことも関連をいたしますけれども、それらについては適切な設計をするなり、指導をするということで対処しなければなりませんが、お話はビルの場合が中心でありました。それはありまするが、やはり木造住宅をつくるという声は国民の中に私は高い、こう理解をいたします。
 そこで、いま申し上げました木材の問題といい、また国民の木造住宅建設をしたいという声は高いと、これに対してどう推進していくおつもりであるか、いまのお気持ちだけで結構ですから考え方を聞かしていただきたい。
#189
○政府委員(救仁郷斉君) 木造住宅は住宅の建設戸数の中の最近でも六割以上を占めております。また木造住宅では平米当たり〇・二八四立米の木材を使用しておりますし、またプレハブとかあるいはブロック造においてもその半分ぐらいの木材を使用しております。またマンション等の中高層の住宅につきましてもやはり中は木造でございますので、相当木材のお世話になっております。そういったことから住宅にとって木材というものは切り離せませんし、また日本の木材の全使用量の中で製材を見てみますと、住宅が約半分を占めております。それから合板につていは約四割を住宅が使っているというような状態でございまして、いわゆる木材と住宅の関係というのは切って切り離せない問題がございます。
 そういった観点から私どもも林野庁ともしょっちゅう打ち合わせているわけでございますが、やはり国民の需要動向等も勘案しながら、やはり木造住宅の推進を図っていかなければならないということで、従来おくれておりました木造の在来工法の開発あるいは木造住宅の建設の担い手でございます小規模な建築をやっておられます工務店の万々の技術の向上とかあるいは経営の合理化とか、そのための研修とか、そういったものを進めているわけでございまして、来年度の予算におきましても一億円の予算を計上させていただきました。今後大いに拡充強化してまいりたいというよりに考えております。
#190
○上條勝久君 次に、道路政策についてちょっとお尋ねをしてみたいんですが、いま、午前中は水の問題が非常に論議されましたが、これはもうその御意見がありましたから私は省略をいたします。
 時間の関係で一級国道だけに例をとってお尋ねをし、私のまた意見も申し上げていきたいと思いますが、現在全国的な主要道路、幹線道路が老化現象というより、むしろ動派硬化現象を起こしておるというふうにさえ私は理解をし、とらえておる一人でございます。そこで、現在で当面改修をしなきゃならぬあるいはまたバイパスをつくって国民の交通の便を開いていかなきゃならぬという個所が同じ一級国道の路線の中でもたくさんあって、当面する五カ年計画とは別に考えまして、なかなかこれらの個所を取り上げて早急に措置するということはいまの道路に配分される予算だけではなかなか容易なことではないと私は思います。そこで財源についてもいろいろ考えていかなきゃならぬでしょうが、それはそれといたしまして、何か手はないかと。これは私自身現地において感じたことでありますが、たとえば直轄工事、直轄事業でやる個所と、それから公団等でやり得る個所が関連して連携してある場所がかなりあると思うわけでございまして、そのような場合は、いまもそうなさっていらっしゃることは百も承知をいたしておりますが、さらにそのやり方を直轄事業と公団事業とを完全にミックスして、組み合わせて、全国的にそういうことのできる個所等を速やかに御調査を願い、そしてそういう問題を解決していただく、ということは道路公団等でやりまする場合は御承知のとおりこれは将来長い目で見れば返ってくるものでございますが、直轄事業の場合は限られた予算でやっていかなきゃならぬ。私は、いまのままでいけば当面する五カ年計画を当該年度該当額をすべて消化してまいるということすら精いっぱいではなかろうかと、こういう感じがするわけでありますから、それらも考えますときに、いま申し上げましたそういう個所があるならば、これは両方抱き合わせで改修なり改築を進めてまいるということになりますと、一つのトンネルだけを同じバイパスの個所で公団なら公団にやってもらうことになりますればかなり経費も浮いてくる。浮いてきたものでは直轄分の延長を延ばしていくというようなことが私は可能であろうと、こう考えるわけであります。したがって、これを政策としてひとつ全面的に御検討をいただいて、そして、財源的に行き詰まっておる対策の一助にされるお考えはないか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
#191
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、もとの一級国道を中心といたしました幹線国道、これらを中心に建設大臣の直接の管理区間として管理をいたしておるわけでございますが、その約四割に当たります七千二百四十キロばかりが通常朝夕のピーク時を中心に渋滞をしております。さらにまた一日じゅう渋滞が繰り返されているというところが三千二百九十キロメートルに及んでおると、こういう状況でございます。私ども第八次道路整備五カ年計画を立案するに際しまして、先生いままさに御指摘になりました日本道路公団の一般有料道路事業と直轄のバイパスとどううまく結びをつけて混雑解消、あるいは都市を貫通しておりますこの部分の環境改善、交通安全に寄与するかと、こういう観点からいろいろ検討をいたして計画を立案をしたわけでございますが、やはり有料道路事業には償還主義、便益主義といったような一つの枠組みがありまして、また一方有料道路事業もその主たる原資は財政投融資資金であり、かつその利子を利用者が建設費、維持管理費等とともに返していかなきゃいかぬと、こういう制約もあるわけでございます。やはり有料道路事業としてなじむ区間、これは沿道の土地利用の状況その他いろいろあるわけでございます、そういったこと、諸状況ありますが、これはやはりこれを組み合わせてやっていかなければならないというぐあいに考えておりまして、現実には、一号の掛川バイパスあるいは十六号の八王子バイパス等、こういった方法で実は事業の進捗を図っておるところでございます。また五十四年度には九号の老ノ坂−亀岡バイパス、また先だって問題になりました十号の椎田バイパス等につきましては新たに有料道路事業として事業化をさせていただく予定を実は考えております。こんな考え方で、今後とも直轄事業と有料道路事業との組み合わせによってバイパス事業の建設の促進を図ってまいりたい。この先生の御提案をさらに拡張をいたしましていろいろな問題をどう解決しながら進めていくかという点についてはさらに検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#192
○上條勝久君 それで、そういうことでお進めをいただきたいと思いますが、その場合に、お話にもありましたように、地方では、地方国道等であれば市街地の中とかそういうところは該当いたしましょうが、その他のところではこれはなかなか該当はないでしょう。したがって、大都市であれば幾らもバイパス、すべてバイパスならざるバイパスはないわけでございます、すべてバイパスと言えると思いまするから、都市部をひとつ重点にして何かやっぱり考えていきませんと、大蔵省議が閣議決定に優先するようなこともありますまいけれども、まあ実際問題としてなかなか容易ではありませんので、十分ひとつそういう方向でお進めを願いたい、御検討いただきたいと思います。そのときに地元関係の住民の皆さん方に対しては、直接なりあるいは県市町村等を通じましてどこまでもコンセンサスを得ることに努力をいただくことは当然でございます。
 それから、いま構造不況都市ということ、これはいわゆる世の中で言われておる言葉でありますが、構造不況都市対策、これは先般の国会で通産省で書かれた法案が通ってまあ一助になるということは私も思いまするが、より大事なことは、やはりそういう都市に対しまして公共事業を特別に配分をいただいて活発な公共事業を展開していただくということが雇用対策にもまた景気の浮揚にも直接つながると私は思います。そういう意味で来年はどうなさるか、恐らく全体の予算の中で大臣の御判断でそういう都市に対しては、ことしもやっていただいたようでありまするから、特別な御配慮がいただけるという期待をいたしますけれども、また反面、そのためにほかの個所の予算が縮小されるということになりますとこれまた全体としてのバランスを欠こうかと思いますから、将来の問題としては、できますればひとつこの問題について――いつまで不況が続くか、一日も早く不況がなくなった方が望ましいわけでありまするけれども、考え方としては、別枠としてひとつ御確保いただいて、これについては直接の御関係はありますまいが、国土庁長官にも御留意を賜りまして、そしてひとつ建設大臣、閣議等の御発言によって、将来なおその必要があるようでありますれば御検討、御配慮をいただきたいというふうに存じます。これは私の要望として申し上げておきたいと存じます。
 最後に地震予知の問題、これ私は非常に関心が深い男でございまして、災害なんかの場合にもたびたび発言をさしていただいておるわけでありますが、やっぱりこの問題は、大もとを言えばわれわれの体にたとえますると、建設省の国土地理院でおやりになっておる地震予知のための地殻変動調査のための測量、これをやはり全国的に五年周期ぐらいで繰り返しながらやることによって、まあわれわれのドック入りの役目を果たすことができると。そしてそのドックに行って検査を受けた結果ここが危ないということになれば、疫のおそれがあればその疫の個所を今度の制度で国土庁長官が御指定になって、そしてそこに集中的な精密検査に相当する手当てをしてまいると、これが私は非常に必要であるということで熱心にお願いをしてまいったのでありまするが、十二分とは言えませんけれども、おかげをもって来年度は思い切った経費が計上されておるようでございまして、この点に対してはこの席を借りて私は敬意を表しておきたいと存じますが、どうかひとつ、今後ともそういうことで全国の身体検査が行き渡るように、行き渡りませんと効果が少ないわけでありますから、どうかひとつ御推進をいただいていきたい。
 なおまた関連して、これは総論でなくて恐縮ですけれども、ついででありますから、お願いをしておきたいのは、いま行政部費の枠内なんですね、御承知のとおり。ところが、行政部費というのはなかなか予算が取りにくい。しかしこの測量事業というのはすべての公共事業の大もとになっておるわけでありまするので、何とか財政当局を口説いて、私もサイドで口説きますが、そして公共事業調査費に組みかえられぬかどうか、これが一点。
 さらに単価が非常に安いんです。具体的に申し上げてどうかと思いまするが、ほかのそれぞれの工事単価等はおおむね実施単価に近づきつつあるということは言えると思うんです。ところが、これだけはまだ三、四〇%の開きがあるということでありますから、せっかく思い切ってつけていただいて、予算面から見れば相当な点がかせげることになりますけれども、実際的には非常に少ない。そういうことでありまするので、この単価改定も含めまして、この問題には将来とも大事なことでありますから、私は、あんまり票には影響ない仕事でありますが、非常に大事なことでありますから、どうかひとつこの上とも御推進をいただきたいということを心からお願いいたしまして、私の質問を終らしていただきます。
 ありがとうございました。
#193
○委員長(浜本万三君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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