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1978/03/29 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 逓信委員会 第5号
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1978/03/29 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 逓信委員会 第5号

#1
第087回国会 逓信委員会 第5号
昭和五十四年三月二十九日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     片山 甚市君     小谷  守君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         赤桐  操君
    理 事
                小澤 太郎君
                鈴木 省吾君
                成相 善十君
                案納  勝君
    委 員
                長田 裕二君
                郡  祐一君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                前田 勲男君
                大木 正吾君
                小谷  守君
                中野  明君
                矢原 秀男君
                沓脱タケ子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  白浜 仁吉君
   政府委員      
       郵政政務次官   亀井 久興君
       郵政大臣官房長  林  乙也君
       郵政省電波監理
       局長       平野 正雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
   説明員
       外務省アメリカ
       局安全保障課長  丹波  実君
       文部省大学局企
       画官       前畑 安宏君
   参考人
       新東京国際空港
       公団理事     角坂 仁忠君
       日本放送協会会
       長        坂本 朝一君
       日本放送協会副
       会長       藤島 克己君
       日本放送協会専
       務理事      沢村 吉克君
       日本放送協会専
       務理事      山本  博君
       日本放送協会専
       務理事      川原 正人君
       日本放送協会専
       務理事      堀 四志男君
       日本放送協会専
       務理事      中塚 昌胤君
       日本放送協会専
       務理事      橋本 忠正君
       日本放送協会理
       事        武富  明君
       日本放送協会理
       事        坂倉 孝一君
       日本放送協会経
       理局長      渡辺 伸一君
       日本放送協会総
       務室室長     片岡 俊夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(赤桐操君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、片山甚市君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(赤桐操君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○矢原秀男君 重複を避けながら質問をいたしたいと思います。
 まず、放送大学についてでございますが、放送大学学園法案が提案されております。この趣旨は、放送を通じて教育の機会を拡大することであり、これについては異論はございません。しかし、この立法化の経緯や法案の内容を見ますと、先日も中野議員も指摘をしておりましたが、多くの問題点を含んでいるように思います。そこで二、三、簡単に質問したいと思います。
 まず、放送大学ができれば、国が建設し、大部分を国の予算で賄うということになりますと、実質的には国営放送局が出現するわけであります。結果的には民放とNHKの二本立て体制が三本立てになると思いますけれども、きのうの質疑の中においては、郵政省の答弁も不明確に聞こえてまいります。
 そこで、郵政省では、放送法制上この放送大学をどのように位置づけをしているのか、これは重ねてまず御質問をしたいと思います。
#5
○政府委員(平野正雄君) 放送大学学園の位置づけの問題でございますけれども、御承知のように、現行の放送法が審議をされました段階におきまして、いわゆる全国あまねく聴視料によりまして報道機関として放送を事業とするNHK、これが放送法の中に、放送法によりまして定められたわけでございます。また、一方それに対しまして、NHKのような各種の制約を帯びることなく、広告料を一つの財源といたしまして、自由濶達な放送文化の高揚を旨とする一般放送事業者、俗に民放というように呼んでおりますけれども、このいわゆる体制が現行の放送法の中に明定されたわけでございます。
 これに対しまして、今回放送大学学園という形で、放送によりまして大学教育を行う、大学教育のみを行うという放送大学学園構想を考慮するに当たりまして、これは一般放送事業ではない、やはりNHKと同じような、法律によりまして大学教育を行う放送事業体というものを考えていこうということでございまして、昨日申し上げましたように、いわゆる従来の放送法の中におけるNHKと一般放送事業者というものに対しまして、いわゆる三番目の放送事業体と考えておるわけでございます。
#6
○矢原秀男君 といいますことは、いまの体制がいろいろいままで議論されておりますけれども、明らかに三本立てでいくと、こういうことですね。
#7
○政府委員(平野正雄君) おっしゃるとおりでございます。
#8
○矢原秀男君 この点について再確認いたしますけれども、大臣、ただいまの認識でよろしいですね。
#9
○国務大臣(白浜仁吉君) 考え方としますと、まことに御指摘のとおりで、そのように理解していただいて結構だと思います。
#10
○矢原秀男君 次に、放送大学の目的には生涯教育も含まれていると聞いております。生涯教育のための番組の中身はどのようなものになるのか、できれば具体的にお伺いをしたいと思います。
#11
○説明員(前畑安宏君) お答えをいたします。
 放送大学を設置いたします放送大学学園が、放送大学の事業といたしましての番組を放送するわけでございますが、その場合に特に生涯教育のための番組というものは想定いたしておりませんで、もっぱら放送大学による教育、その教育のための番組を放送する、このように考えておるわけでございます。その番組が受けとめる方々の立場によりまして、放送大学の学生にとってはまさに授業として受けとめられる、また一般の方々にとっては生涯教育のための番組、こういうふうな受けとめがそれぞれの立場によって行われるものであろう、こういうふうに考えます。
#12
○矢原秀男君 では、ここにおいてはNHKの教育テレビと重複する面があるのかないのか、この点、重ねて伺います。
#13
○説明員(前畑安宏君) お答えいたします。
 ただいまお答えを申し上げましたように、放送大学学園の放送は、放送大学の教育のための番組でございまして、これを放送法におきます番組の種類に即して申し上げますと、教育番組のうちの学校教育のための番組、その中のまた限られました大学教育のための番組と、こういうことでございますので、NHKの教育放送の中で行われております大学教育のための番組がございますれば、その部分とは重複があろうかと考えます。
#14
○矢原秀男君 いま御答弁いただきましたが、NHKの教育テレビ関係の番組、一部には重複があろうかとも思われると、こういうふうにいま御答弁をいただいたわけでございますが、この点については、パーセント的に大体どの程度重複をするのか、これは先のことでございますから、いろいろと論議、審議をされなくちゃなりませんけれども、その点を少しお伺いをしたいと思います。
#15
○政府委員(平野正雄君) NHKの大学レベルの教育番組の現状でございますけれども、テレビジョンにつきましては大学講座が週六時間、四・九%を占めております。またNHK文化シリーズというのがございますが、週四時間三十分、これが三・七%を占めております。それからラジオにつきましては、大学講座はございませんで、NHK文化シリーズが週六時間、四・八%を占めておるわけでございます。
 それで、先ほど文部省の方からも申されましたような、放送大学学園の放送がもっぱら放送大学の定める教育課程に準拠した放送という観点からいたしますと、果たしてこのNHKの大学レベルの教育番組がそれに当たるのかどうかという問題になろうかと思います。しかしながら、先生も御指摘のように、その間には番組問題ではございますけれども、非常にデリケートな問題が派生してくるわけでして、この放送の教育機能ということを考慮いたしました場合に、より一層の教育放送の充実を期する必要があるだろうというふうに考えるわけでございまして、この番組内容につきましては、ひとつ関係者の間で十分に調整を図っていただく必要があるんではないかというふうに考えておるところでございます。
#16
○矢原秀男君 次に、放送大学の放送に対するいわゆるパブリックコントロールについて御質問をしたいと思います。
 確かに、いまデリケートな問題というお話の中で少し出てまいりましたが、放送法の四十四条の三項というものが今後非常に大きな論議を呼ぶと思います。で、この四十四条の三項が準用されると思うわけであります。この適用項目が守られるところの制度的な保障といいますか、そういうふうなものがあるのかどうか、この点についてまず伺います。
#17
○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。
 放送大学学園法で志向いたしております大学教育のための放送というものも、放送という媒体を通しての行為に相なるわけでございまして、放送秩序の維持という観点からいたしますと、ただいま御指摘の放送法四十四条三項の番組準則、これは準用していただくという立場をとっておるわけでございます。
#18
○矢原秀男君 これは文部省も答えていただきたいと思うんですけれども、四十四条の三項の中に四点の定めているところの問題がございます。一つは「公安及び善良な風俗を害しないこと。」、二番目には「政治的に公平であること。」、三番目は「報道は事実をまげないですること。」、第四番目には「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」、この四十四条の三項のうちの四点にはこの課題があるわけでございますが、この放送大学というものが開始をされてまいりますと、二番目の「政治的に公平であること。」、四番目の「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」、この二つがいろいろ論議の焦点になろうかと思いますけれども、この点については、現時点でいかが考えていらっしゃるのか、伺います。
#19
○説明員(前畑安宏君) お答えをいたします。
 先生ただいま御指摘になりました「政治的に公平であること。」、それから「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」という問題につきましては、放送を利用して教育を行う以上、これは当然に遵守をすべきものと考えておるわけでございますが、さらに基本的に申し上げますれば、この大学ももちろん、教育基本法に従いました大学でございまして、教育基本法で定められているところによりまして、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」という規定が当然に適用されるわけでございまして、本来、大学におきましての教室における授業におきましても、政治的な公平というものは守られるべきものでございますし、また意見が対立している問題につきましては、できるだけ多くの角度から論点を明らかにするというのは、これは授業として当然のことではなかろうか、かような観点からいたしまして、この放送法の適用がありましても、さしあたって格段の問題はなかろう、このように考えている次第でございます。
#20
○矢原秀男君 この世の中は、当然のことが非常に曲げられたり、いろいろとうまくいかない、非常に多様化している社会でございますし、また、特に教育というものは、その国の将来の繁栄のためにも、自由や平等のためにも一番大事な根底でございますから、そこで私は、これらの点に関連をしながら、放送大学が数年先であったとしても、実施がですね、番組の審議会、そうして番組の基準、こういうものが設けられているのが現時点で当然だと思うわけですけれども、私の承っているところではまだ設けていないように考え、判断するわけですけれども、この点はいかがでございますか。
#21
○政府委員(平野正雄君) 番組審議会の設置及び審組基準の作成の問題についてのお尋ねかと思いますが、学問の自由を高度に保障する見地からいたしまして、先ほども申し上げましたような放送法の四十四条の三項という基本的な番組準則は準用いたしますけれども、この番組審議会の設置及び番組基準の作成につきましては、法律による義務づけと申しますよりも、大学の自主規律に待つことが適当であるというふうに判断をしたわけでございます。
#22
○矢原秀男君 この放送大学の件について、大臣の方にも確認をしておきたいと思いますけれども、ただいま申し上げた、お聞きしていただいたように、四十四条の三項のうちの四点、そのうち私は、まず二点を老婆心ながら非常に心配をしておったわけでございますが、郵政省も、文部省の方でも、その点はまあ非常に間違いないと、こういう形で検討をよくしていきたいと、こういう御答弁でございますけれども、この件について大臣の御所見を伺います。
#23
○国務大臣(白浜仁吉君) 御指摘の点につきましては、これは当然守られていくものだと、私もそういうふうに理解をいたしておるところであります。
#24
○矢原秀男君 大臣ね、守られていくものであろうということじゃなしに、あなたはやはり頂点に立つ実力大臣ではもうナンバーワンですので、人ごとのような形でお話を伺いますと私も非常に頼りなくて、その点は今後ともそういう謙虚になられずに、一つ一つきちっきちっと、大臣の立場で決意を述べていただきたいと思います。
 で、この放送大学については、きょうは問題点の指摘だけにとどめたわけでございますけれども、答弁については必ずしも私も納得はしておりません。これは後日、当該委員会においても十分審議の機会を持っていかなくてはいけないなと、私このように考えておるわけでございますが、この点、委員長もお含みいただきたいと思います。
 次に、省エネルギー対策の問題でございますが、今回の参議院の予算委員会を通しましても、イラン革命といいますか、イランの国情の政変によりまして、石油エネルギーというものからいろいろの大きな波紋が世界じゅうに及んでおります。日本も大きな消費国といたしまして、こういう問題点についてはいろんな角度で検討がされていると思います。
 そこで、大臣に伺いますけれども、いま政府が取り組んでいろ省エネルギー対策の中で郵政関係、特に深夜放送の自粛についてどのような指示、話し合いを関係者と行っておられるのか、御説明を伺いたいと思います。
#25
○国務大臣(白浜仁吉君) 御承知のとおり、三月の十五日に、省エネルギー・省資源対策推進会議が持たれまして、いわゆる五%の石油消費の削減を行うようなことが決定をされたわけでありまして、それによりまして、特に総理から各省の担当者にもその乙とが述べられまして、協力をしてもらいたいということでありますから、私ども当然政府としても、また日本国民としてでも、このことをぜひ行わなければならないということを考えているわけでありまして、いま御指摘のありましたこの放送時間の短縮と申しますか、そうした問題についてもいろいろ省においても検討をいたしまして、いま関係の各社の方にも呼びかけをいたしておるところであります。
 どういうふうな呼びかけをして、どういうふうな会議を持ってどういうふうな実効を上げるかということは、いろいろこの放送法、いろいろな言論の自由、そういうふうな問題とも絡みまして、特にこの民放においてはいろいろ長い間のお約束事といいますか、そうした問題もあろうかと思いますので慎重に事を運びたいということで、いま寄り寄り協議をいたしているところであります。近い機会にこの問題とも具体的なことを取り上げて御相談をしようとしている段階であります。
#26
○矢原秀男君 いま大臣から御報告をいただきました特に言論の自由等々については、いろいろの折衝事が重ねられる段階の中で、特にそういうことの抑圧がないようにしながら、省エネルギー対策の進行方をお願いしたいと思います。
 そこで、民放を含めて放送界全体、特に視聴者側のエネルギー使用量は現段階ではどの程度のものになるのか。まずお伺いをいたします。
#27
○政府委員(平野正雄君) ただいまのお尋ねにつきましては、推計をすることに相なるわけでございまして、現在午前零時以降において放送を実施しております放送事業者、これは約八十七社でございまして、
  〔委員長退席、理事案納勝君着席〕
その放送時間は平均一日六十分というわけでございます。したがいまして、放送時間短縮によりますエネルギー節約量を正確に把握するということはなかなかむずかしいわけでございますが、仮に昨年の六月にNHKが実施をいたしました全国視聴率調査というのがございますが、深夜帯における聴視率を前提といたしまして午前零時以降の放送をすべてやめたというふうに推計をいたしますと、その節約電力量は、送信側にいたしまして約一万三千キロワット時に相なります。受信側で推計をいたしますと約十四万五千キロワット時に相なるわけでございます。したがいまして、その合計は約十五万八千キロワット時という姿に相なります。
#28
○矢原秀男君 いま御説明をいただいたわけですけれども、やはり省エネルギー推進に当たって特に御注意もいただかなくちゃいけないことは、見る側が国民の方々でございますから、国民の協力、御理解、こういうふうなこともいろいろと進めていかなくちゃいけないと思うわけです。そういうようなことで国民への理解、協力に当たって、その前提となる説明資料、そういうふうなものを作成、研究すべきであろう、そうしてまたいろいろと、ただいま申し上げましたように、広く国民の御理解や御協力をどの程度まで、どの次元までいただくか、非常にむずかしい問題等々あろうかと思いますけれども、この点について、会長のまず御所見を伺いたいと思います。
#29
○参考人(坂本朝一君) NHKといたしましては、昭和四十九年のいわゆる石油ショックの際に、放送時間の短縮という形での処置もとりまして、その後事態は一応もとに戻りましたけれども、国民生活時間等の調査等から言って、現在のように深夜に放送するという体制をとっておらない現状でございます。ただ、事柄によりまして生命、財産に影響のある台風時における情報等の場合には随時延ばすということで、日常では御承知のように、ウイークデーは午後十一時十五分で終了いたしておりますので、現時点においてはこういう考え方でしばらく推移を見させていただきたいというふうに思っております。ただ、いろいろ今後の問題についてさらに検討するというような場合には、これまたそのときに対応して考えるべきであろうというふうに考えております。
#30
○矢原秀男君 NHKの方はいまお伺いをいたしまして理解をいたしました。冒頭には大臣の決意も伺ったわけでございますが、郵政省からもいまエネルギー量、いろいろの問題も御説明をいただいた上で、大臣、重ねて民放の方々には具体的にまた接触をされて、お話をいろいろ、意見を詰めていく、御意見を先方から聞く、こういうような日程といいますか、そういうものはいかがでございますか。
#31
○国務大臣(白浜仁吉君) これは御指摘のとおり、当然私どもとしましては、そうしたことを行って御理解を得ながら進めていただく以外にはないと考えておるところであります。特にこの閣議におきましても、どのような方法で国民の皆様方に理解をしていただくかということを、私どもの間でもいろいろ意見の交換があったわけでございますけれども、今後も同様に国民の皆様方に一般的な理解をしてもらうということと同時に、特に放送関係におきましては、御指摘のとおり、私ども十分そうしたことを考慮に入れながら会議を進めていきたい、そして理解をして、協力をしていただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#32
○矢原秀男君 じゃ、その点、よろしくお願いいたします。
 次に、子供向け番組の充実についてお伺いをしたいと思います。
 各階層において、今年は国際児童年であると、こういう立場でいろんな企画、計画、そうして子供さんの立場で物を考えていく、こういうふうな形のものが方々で検討されておるようでございます。青少年の健全な育成は国民全体の義務でもございますし、そういうようなことで、特に今年は、公共放送としてのNHKにおいても、番組編成等にはその意義を踏まえた施策をおとりになられていると思うわけでございます。具体的に以下質問を申し上げたいと思います。
 まず、文部省、お見えになっていらっしゃいますので、ちょっと先にお伺いをしたいと思いますが、NHKの子供向け番組、幼児、児童と分かれているわけですけれども、御家庭にお帰りになって、お子さんの評判、そうして文部省として、子供さんの立場でいろいろ見ておられまして、どういうお考えを持っていらっしゃるのか、まずお伺いをしてみたいと思います。
#33
○説明員(前畑安宏君) 大変恐縮でございますけれども、私、どうもそちらの方の問題を所管いたしておりませんものでございますから、答弁を差し控えさしていただきます。
#34
○矢原秀男君 じゃ、大臣、いかがでございますか。
#35
○国務大臣(白浜仁吉君) どうもむずかしい御質問でございまして、私も、どうも御質問に対して的確な御答弁ができそうにありませんので、お許しを願いたいと思います。
#36
○矢原秀男君 なかなかお忙しいようで……。
 NHKに伺いますけれども、番組編成に当たって、年代層別の編成、言いかえれば幼児向け、児童向け、学生向け等々の内容を調査、研究をなさっておられると思います。総合、教育のそれぞれのテレビ番組の中で、どのような配分で年代別番組の編成を行っておられるのか、まず伺います。
#37
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 実は、年代別に何時間ということはまだちょっと手元に正確な統計がございませんので、後刻調べた上で正確な時間数を申し上げたいと思いますが、かなりの時間をそれぞれに、かつ均等に分けているというふうに、原則としてはそういうことでやっておるわけでございます。
#38
○矢原秀男君 堀さん、特に幼児向け、児童向けの時間ですとか、そういうことではなしに、番組編成、もちろん実施されているわけですから、その間における研究の努力であるとか、そういうようなことはどうなんでしょう、調査、研究という形のものですね。
#39
○参考人(堀四志男君) 私たちといたしましては、毎年四月と十一月に、いわゆる聴視率調査ということを行っておりますが、その際にサンプルは年代別に全部とりまして行っておりまして、七歳から六十歳以上ということで七歳からとっております。したがって、それの結果については七歳から十二歳、十三歳から十九歳というふうに、男女ともそういうサンプルもございますし、さらに全国放送意向調査等におきましては、一体子供のチャンネル権というものがどういうふうに働いているかというような点も調査いたしておりますし、さらに子供向け調査といたしましては、去る昭和五十二年の十二月に、東京と盛岡の小中学生合計千七百人と、その母親千七百人を調査いたしました。さらにことしの一月末に、東京三十キロ圏内の世帯をとりましてこの種の調査を行ってございます。
 そういう意味でかなり番組担当者が子供の中に入って調査するという不断の努力もいたしておりますし、特に「中学生日記」等は、すべてその地区に実際に起こりました事件を下敷きにしてつくっている一種のドキュメンタリードラマでございますが、そういう個々の番組の努力のほかに、総括的なこういう調査もあわせて行っている次第でございます。
#40
○矢原秀男君 非常に努力をされていることがお話でうかがえるわけでございますが、一面、主観の違い等々もございますけれども、最近の子供向け番組の中で子供たちに人気のあった番組、皆様どうかわかりませんけれども、過去には私も、ときどき「チロリン村とくるみの木」とか、「ひょっこりひょうたん島」とか、子供さんの心を非常につかんだ代表的な番組ではなかったかなと、こう思い出しているわけでございます。
 そういう面から、最近少し暇を見ながら見ておりましても、ちょっと子供たちのテレビ文化に対する現在の要求度をどのようにつかんでいらっしゃるのかなと思ったわけですが、いま御報告の中でいろいろとデータをとっていらっしゃるようでございますけれども、ここで伺いたいわけですけれども、子供たちがどのような番組を、どの時間に、どの程度の視聴率で見ているのか、このもしデータがございましたら御報告をお願いしたいと思います。
#41
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、いろんな時間帯にある程度分かれているわけでございますが、主として六時から八時に至る時間を、ニュースをはさみますが、子供の時間というふうに設定を一番多くいたしまして、そこに子供向け番組をほぼ集中しているわけでございますが、この五十三年度、今年度番組改定をいたした結果、ことに七歳から十二歳、十三歳から十九歳の子供の接触率はふえまして、全体として約一四%近くふえております。
 さらに視聴率といたしましても、六時から六時半に至る視聴率が一一・五%ということで二・三%の増、それから七時半から八時に至る視聴率は一二・四%ということで、これは一・九%の増でございます。かなりの数の多くの子供さんたちがNHKにチャンネルを合わして見ていただいているという数字が結果的に出てまいっております。
#42
○矢原秀男君 お互いにこれは注意をされていらっしゃると思いますけれども、大人の立場から見た感覚ではなしに、今後は子供たちの意見、何を望んでいるか、またわれわれが留意をしていかなくてはならないことは、世界のどこの子供さんも大人も一緒でございますが、ヒューマニズムにあふれたような、真心の人間愛というものは、表現力の少ない子供さんも、私はこれはどんな大人の人でも人間である限り共通していると思います。どうか子供さんたちの意見やいろいろな中で、いま申し上げましたヒューマニズムというすばらしいものが星のごとくに輝いているようなものを、やはりいろいろと勉強しながらさらに努力をしていただきたいと思います。
 じゃ、要望で終わりまして、次に移ります。
 大臣にまず伺いますけれども、きのうからもいろいろと取り上げられておりますので重複する面があろうかと思いますが、非常に大事な問題でございますので重ねて伺うようになります。
 まず、意見書の趣旨についてでございますが、郵政大臣は意見書の中において、収支の予算、事業計画等はおおむね適当であるとしながらも、NHKに対して三点の留意事項を指摘されていらっしゃいます。その趣旨をより具体的に御説明をお願いいたします。
#43
○政府委員(平野正雄君) ただいま申されましたように、昭和五十四年度のNHK収支予算等に対する大臣の意見書、三点取り出してございます。
 まず、その第一点でございますけれども、「協会は、公共放送機関としての経営責任を全うするため、長期的展望に立って事業運営の刷新、効率化を図るとともに、国民生活に及ぼす影響を考慮し、受信料の改定を極力抑制するよう努めるべきである。」ということでございますが、近年のNHK財政につきましては、御承知のように事業収入は伸び悩みがより顕著となってまいっております反面、事業支出につきましては、相当な抑制にもかかわりませず、番組充実等のための経費は増大せざるを得ないという状況でございます。
 今後こういった傾向がさらに重なってまいりまして、一段と苦しい経営状況となることが考えられるわけでございます。この厳しい経営環境に対処してまいりますためには、何と申しましてもNHK自身が経営努力に徹するということが何より大事でございますし、さらには、企業体でございます以上、長期的展望に立った経営計画を確立をしていただきまして、この計画に沿って経営を進める、事業運営の刷新、効率化を図っていくということが最も必要であろうというふうに考えまして意見書に述べたわけでございます。
 ちょっと失礼をいたしました。訂正をお願い申し上げたいと思いますが、「記」の「1」の内容、先ほど読み上げました内容につきまして御訂正をさしていただきたいと存じますが、「協会は、長期的展望に立って、事業運営の刷新、効率化を推進し、その経営の健全化に努めるべきである。」というふうに読むべきところを、少し長く読み過ぎましたので訂正をさしていただきたいと思います。
 それから、引き続いて御説明をいたしますが、二番目といたしまして、「協会は、経営の基盤である受信料の確実な収納と経費節減の徹底を図り、支出超過額を極力減少させるように努めるべきである。」ということでございます。
 これは改めて御説明申し上げるまでもないことでございますけれども、
  〔理事案納勝君退席、委員長着席〕
協会の経営の基盤というものは、国民聴視者の受信料に大きく根拠を置いておるわけでございまして、この受信料の収納権というものも持っておるわけでございます。したがいまして、この受信料の確実な収納ということは、NHKの経営基盤を全うするためには最も重要な事項でございますし、収納が十分に行われがたいというような場合におきましては、負担の公平感を失するという重大な方向に行く可能性もございますので、そういう協会経営の基盤である受信料の確実な収納を図っていただきたいということとあわせまして、この郵政大臣の資金計画に付する意見にも述べてございますように、相当な五十四年度収支予算は支出超過を生じており、その一部を長期借入金で補てんせざるを得ないという状況にあるにかんがみまして、この予算実行の段階におきましては、鋭意経費の節減を旨としていただきたい、支出超過額を実行段階において極力減少するように、実行に当たって格段の努力をお願いしたいということでこの二番目の取り上げ方をいたしたわけでございます。
 第三番目の取り上げといたしましては、「テレビジョン放送の難視聴解消については、その対策を講ずるに当たり、従来にも増して格段の努力が必要とされるが、協会は、更に効率的にこれを実施し、その早期解消に努めるべきである。」ということでございます。
 NHKは、先生も御承知のように、永年難視聴解消を図ってまいっておりまして、これまでにかなりの解消を行ってきておりますことは事実でございます。それにもかかわらず、いまなお相当数の難視聴地域が残されておることもこれまた事実でございます。この残存難視聴地域についてしさいに状況を調べてみますと、その多くが山間部、あるいは離島等でございまして、置局、あるいは共同受信施設の設置といったものが概してむずかしくなる傾向にあるわけでございまして、放送の全国普及の使命を持つNHKとされましては、一段と創意と工夫をこらして、これら難視聴解消をさらに効率的に進め、その早期解消を求める国民の要望にできるだけこたえてもらいたいということを考えまして、その旨意見書に述べたわけでございます。
#44
○矢原秀男君 五十四年度の収支予算は赤字の編成となっておりまして、昨日から経営姿勢と財政の強化対策等々についての質疑が交わされたと思います。いずれにいたしましても、受信料の改定、視聴者の負担増、こういう図式が出てくると思うわけですけれども、経営財源が受信契約の義務制に基づいた受信料ということになりますので、視聴者にも負担増を強いることにはなろうと思います。そういうときに、NHK側で特に注意をしていかなくてはいけないことは、経営姿勢のこの効率的な経営の推進、そしてもう一つは、同時に視聴者の方々の意向というものが経営面に真心込めて反映をしていく、こういうふうな数点が、現時点までもそうですけれども、今後も重要課題で大きなテーマになろうかと思います。時間もございませんので要望に終わりますけれども、どうかいま申し上げた点につきましては、特に視聴者の方々が災害のときも、そうして日常のときも、また災害と同じような緊急、生命を非常に不安に陥れられたようなときに、確かにNHKのニュースというものは、われわれ国民のために他の機関に先がけてすばらしいものである、その中にわれわれの人命、家庭のいろいろなことを考えてくれている、こういう形の経営努力というものを関係者の方々にお願いをいたしまして、時間が参りましたのでこれで終わりたいと思います。
    ―――――――――――――
#45
○委員長(赤桐操君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、新東京国際空港公団理事角坂仁忠君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#47
○沓脱タケ子君 それでは、NHKの昭和五十四年度予算案の審議に当たりまして、若干の問題をお聞きをしておきたいと思います。
 会長の予算説明によりますと、今回、この昭和五十四年度は百五十一億七千万円の支出超過になると、それの帳じりを合わせるのに、いわゆる昭和五十二年、五十三年度の繰越金百二億円と、それから借入金の四十九億七千万円ということで収支の帳じりを合わせて、受信料の引き上げというのはやらずに据え置くことにしたと、こういうふうにお述べになっておられるわけです。そうしますと、国民、特に視聴者サイドでまず問題になるのは、それでは昭和五十五年度はどうなるのかということですが、その点についてはどうなんですか。
#48
○参考人(坂本朝一君) 先生御指摘のNHKの財政問題、これは何と申しましても、財政的安定ということを考えさせていただきませんと、やはり視聴者の御期待には沿えないというふうに考えているわけでございますが、さればといって、赤字になったからすぐ受信料を改定するというパターンにつきましてはいろいろと御指摘もいただいておりますし、われわれといたしましても検討をすべきであろうということで、五十四年度につきましては、いま申し上げましたような形での、御承認をいただくように提出した形での予算編成をしたわけでございますけれども、五十五年度以降につきましては、長期見通しの中でも触れておりますように、かなり現実的な問題として御指摘の点があろうかと思います。
 しかし、いまここで五十五年をどうこうするということを申し上げる前に、やはりいろいろな方面の御指摘やら御意見やら、さらには、当委員会における御意見等を十分検討させていただいて、さらに広範な方々の審議機関等を設けて、そして、その結論を参考にさせていただいて見通しを立てたいというふうに思っておる次第でございますので、その点はひとつ御理解を賜りたいと思う次第でございます。
#49
○沓脱タケ子君 それで、これは視聴者の国民の受信料によって経営を賄うという大原則でございますから、やりくりをするということになっても限度があるわけですね。私はそういう立場で、一つは経営の基盤を確立をしていくという点で、それでは受信料の問題についてどうしていくかということ。それからもう一つは、やはり国民の側から言いますと、電波というのは国民共有財産なんですよね。そういう立場で、国民の当然受けられるべき権利というものが保障されるというふうなこととあわせて考えていかなければならないんではないかというふうに思うわけです。
 それで、そういう特に受信料を基盤にいたしまして経営を確立していくということになりますと、一番大きな問題というのは視聴者の支持、協力が得られる関係を常に確立していくということがまず前提条件にならなければならないだろうというふうに思うんです。その大原則を貫くということが一番大事だということは、これは会長の報告されました説明の中にも明記をされておるように思いますけれども、そういった点で視聴者が、いやNHK何するものぞということになりますと、これは当然受信料の収納率にも影響してこようかと思いますし、そういう点では、絶えず視聴者の支持を得られる、あるいはもっと積極的に国民から愛されるNHKになるという道筋というものを確立するということがまず大前提ではなかろうかという考えを持っているわけです。そういう点で、そういった大原則を貫いていくために何が必要かと、そこを、方針の中ではお述べになっておられますが、簡潔にひとつお述べをいただきたいと思います。
#50
○参考人(坂本朝一君) そのことは、何といってもNHKの番組そのものが視聴者の信頼と支持を得るということになろうかと思います。ただ、先生御承知のように、なかなか現在価値観が多様化しいろいろな御要望がございますから、そうは申しましても、現実問題となりますとなかなか苦心の存するところでございますけれども、しかし、やはり眼目はそこにあるだろうと思っておる次第でございます。そのためには、視聴者の意向の吸収といういろいろなチャンネルをもって判断していかなきゃいけないだろうと。それからもう一方は、やはり御指摘のように、電波そのものが視聴者に良質な形で見られる、聞かれるという、いわゆる難視聴の解消ということがあわせて行われなければいけないんではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
#51
○沓脱タケ子君 ごく一面的にしかおっしゃっていただけなかったんですが、当然番組内容については、国民から支持される番組の内容をつくり上げていくというための努力、そのためには放送法の厳守、そういった点がきわめて重大だと思うわけです。
 それからもう一つは、いま会長もお述べになりましたように、難視聴の解消というのは非常に大きな問題だと思うんですね。電波が共通財産だということであり、受信機を置けば受信料を払うと、契約をするということの原則になっておるわけですから、それじゃ契約をしたら当然期待する電波が正常に視聴できるということが保障されなければならない。そういう点で、難視聴対策というのが非常に重大な問題だと私は思うわけです。で、政府の方でも難視聴対策を積極的にやれという点をわざわざ意見書の中で、三つの意見の一つとしてお出しになっておられるというのは、恐らくそういう点だろうと思うわけです。
 そこで、難視聴対策というものをどういうふうに見ていくかという点ですね。力点の置き方というのは非常に大事だと思うんですよ。一つは、電波の公共性という点で、国民に保障していかなきゃならぬという点で難視聴を解消していくという問題。もう一つは、受信料の収納率を引き上げていくという立場から見ましても、この点はきわめて大事だと思う。だって、今日の社会でお金を出して物を買うのに、初めから欠陥商品だとわかっていてお金を出す人はいないですよ。そういう関係から見ても、難視聴対策というのはきわめて大切だと思うわけでございます。同時に、国民的な支持を得られる、あるいは国民的な支持と協力を得ていくためには、特殊的な状況というものをできるだけ排除するということは私大事だと思うんですね、もう一つの観点では。そういう点に焦点を当てて若干お尋ねをしていきたいと、そう思っているわけです。
 難視聴の問題では、先ほど電波監理局長が御説明になりましたのは、僻地の難視聴の問題を中心にお話になられたようでございますけれども、今日難視の問題というのは、いわゆる辺境地域の問題と同時に、都市難視というのが非常に大きなウエートを占めてきているというのは、もう御承知のとおりでございます。辺地の難視というのは、これはいま五十一万世帯ぐらいですか。辺地の難視はどのくらいで、都市難視というのはどのくらいあります。
#52
○政府委員(平野正雄君) 最近の大都市におけるビルの高層化に伴いまして、建造物によるテレビ受信障害が増加をしてまいっておりますけれども、世帯数で申し上げますと、五十三年三月末現在で約五十三万世帯というふうに考えております。一方、辺地におけるテレビ難視聴につきましては、同じく五十三年三月末、NHKが約六十四万世帯、民放で約百六十二万世帯というように推定をいたしております。
#53
○沓脱タケ子君 そういう点で、料金収納の収納率の問題などを拝見いたしますと、たとえば滞納件数の中でビル陰等による受信障害というのが四万六千件、航空機騒音による受信障害が五万四千件、無理解が二十六万件ということになっているんですね。それから常時不在が五十三万ですか、約五十四万。そういうことになっているんですけれども、その点、どういう数字でこういうことになるのか、私はちょっと理解に苦しむんですが、これはNHKとしてはどういうふうにお考えになって出してきておられるんですか。たとえばビル障害で見えないから払わないという件数という形での計上されたのが四万六千ですか、その辺はどういうふうになっているんですか。「無理解」という中身がちょっとよくわからないですね。
#54
○参考人(中塚昌胤君) 私どもの集金の担当者が集金にお伺いした場合にいろんな理由で払われない。その集金に行った者が、その受信者の方からこういう理由で自分は払わないと言われた、それを集計したものでございます。
 この常時不在という方が全体の滞納契約者の中で約六〇%ございます。だから、そういう方々の中にも実際にお会いしてみた場合に、それぞれの理由で払われないという方がおっしゃるということは、可能性としてあるわけでございますので、この常時不在者六〇%の中にも、そういうビル障害、あるいは航空機騒音、そういうことを理由にして払われないという方もいらっしゃるというふうには考えております。
#55
○沓脱タケ子君 私は、この数値というのは非常に根拠の少ない数値ではないかというふうに思うんです。ですから、難視という問題を解決するということの熱意というんですか、迅速な施策というのが非常に大事であって、そういった点を確立するということを前提にして、そしてNHKの立場、あるいは受信料の重要な位置と役割りというふうなあたりを国民の中に理解を深めるということが大切ではないかと思うわけです。
 電監局長、都市難視が五十三万世帯と言われたですね。ところが、これはどこから出てきた数字かちょっとわからぬなと思いますのは、五十三年の十二月の、郵政省電波監理局で「テレビジョン放送の都市受信障害実態調査報告書」というのをいただいた。これによりますと、東京都の二十三区だけで三十七万世帯、プラス・マイナス九万一千世帯、誤差が。大阪市全域、これは大阪市域だけですね、これで十五万六千ですよ。これを合わせたら何ぼになります、五十二万六千になるんですよ、これだけで。それなら東京、大阪だけですか、都市難視というのは。そんなことないでしょう。私は実態の把握だって不正確じゃないかと思うんですが、その点、どうですか。
#56
○政府委員(平野正雄君) ただいま先生が挙げられました調査でございますけれども、これは東京二十三区及び大阪市内における受信障害の実態を把握するために、NHK及び一般放送事業者の協力を得て実施をした調査でございまして、ただいま先生が述べられました数字は、実は対策を講じてあるものも含めた数字でございます。要するに、東京及び大阪における放送の送信所、あるいは建設の状況、その他、地形等に対応いたしまして、現在これだけのいわゆる都市における難視世帯数が考えられる。で、実はその数字の内訳といたしまして、先ほど申しました対策がまだ行われていない数字が入り込んでおるわけでございますので、そういう関係でございます。
#57
○沓脱タケ子君 ちょっと、よう話わからぬのだけれども、対策をやったか、やってないか、話は別として、おたくの方の調査で、東京都二十三区と、大阪市全域で五十二万六千世帯の障害率世帯数が、障害があるということをあんたとこ調査して数字が出ているわけ。だから、対策しておるかおらないか知りませんよ。現実に視聴者には障害があるということをあなたの方の調査で出ている。だから、先ほどあなたがお述べになった都市の五十三万世帯ということになったらね、東京の二十三区と大阪市だけでしまいですがな。あとにないですかな。そんなことないでしょう。
 私は、その細かい数字をどうせよと言っているんじゃないんです。少なくとも受信料の収納率を引き上げていくというために、あるいは国民から本当に国民の協力を得られるという立場を確立していくというためには、難視聴というのはきわめて大事だ。だからその点は、そういう立場においてまず実態を明確にするということが何よりも大事だから申し上げておるんですよ。ところが、局長、けろりと五十三万世帯や言うて。私、たまたまこれ、大阪の難視の状況の問題を調査をしていてこの数字発見したんですけどね。そんなこと言うたら、東京都の二十三区と大阪市域だけで終わりですよ、電監局長の話ならね。実態が把握されているなら全国的にはどうなのか、されてないんだったらどういうふうに進めていくかというようなあたり、ちゃんとやってもらわないと困るんですね。
#58
○政府委員(平野正雄君) 都市における受信障害世帯数につきましては、五十二年度末におきまして約五十三万世帯というふうに申し上げたわけでございますが、それの内訳といたしましては、京浜地区が約二十六万世帯、それから京阪神地区が十二万世帯、その他が約十五万世帯、こういう形に相なるわけでございます。それで、この京浜地区の二十六万、京阪神地区の十二万に対応いたしました、先ほどブックレットをもってお示しいただきました数字は、これは実は今後、先生御指摘になりました受信障害解消施策をいろいろ進めてまいりますときの貴重な参考資料にいたしたいために調査をしたわけでございまして、たとえば東京について申し上げますならば、共同受信施設、あるいは高性能アンテナの設置等の受信対策を要する世帯であってすでに対策済みの世帯を含んだ数、これを障害率世帯数というふうに呼んでおりますけれども、その数が東京都二十三区約三百七十万世帯です。こういうことでございますので、したがって、その中から対策済みのものを差っ引きますと、五十二年度末にあてはめますと約二十六万世帯と、こういう数になるわけでございます。
#59
○沓脱タケ子君 ちょっとその数字さっぱりわからぬな。五十二万六千、東京都二十三区だけで三十七万世帯の障害世帯があるというのは、調査が五十三年十二月ですよ、これ。あんた五十二年の話、調査の結果で京浜地区が二十六万と言っているんでしょう。対策をしたのに障害のある世帯数はふえるんですか。話が一つもわからぬな。数字どないなっておるの。頭、単純なのか、単純計算では話がつかへんのですな。
#60
○政府委員(平野正雄君) 先ほど、ちょっと私、数字を読み違えましたけれども、先ほどブックレットでお示しになりました数字は、先ほども言いましたように、東京都二十三区で約三十七万世帯、これがすでに対策済みの世帯を含めまして、いわゆる都市障害のある数字でございます。そこから対策済みのものを消却いたしましたときにはそれよりも少ない数字、三十七万世帯よりも少ない数字が出てくるわけでございます。で、それが、年度は確かに違います。したがって「約」という表現を使わしていただいておるわけでございますけれども、それが全国五十三万世帯の中の京浜地区二十六万と申しました。東京二十三区よりも若干ふくれております。しかしながら、「約」ということで御了解を願いますと、この二十六万推定されますと、こういう形になるわけです。前後の関係はそういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#61
○沓脱タケ子君 さっぱりわからぬですな。三十七万世帯の中に、これは東京二十三区に例をとりますと、対策済みのものを含めて減ったら、今度京浜地区といったら二十三区どころじゃないですね。京浜地区全体で二十六万になったんやと。その数字というのは五十二年の数字でしょう、あなたおっしゃったのは。あなたのところのこの調査は五十三年十二月なんです。対策をしたら数字が減って出てこなければいかぬのに、膨大にふくれているということで、私はこのことを特に問題にしようと思っていなかったんだけれども、どうも御説明を伺っておると数字が合わないから、やっぱり実態の把握自体に問題があるんではないかということを考えまして特にお聞きをいたしましたので、これはどうも局長の数字の御説明については私納得しがたいですよ。
 その点で、もうこんなところで時間をとるのはいやなので、少なくとも都市難視というものについての実態把握をまず全国的に確立をしなきゃ、きちんとつかまなきゃならない。東京二十三区と大阪市域については克明な調査をされていますよ。これは私、結構だと思って拝見したんです、実際は。こういうことをやはり全国の都市難視で問題になる地域を、これは全部実態把握をまずする必要があるのではないかと思いますが、その点に限ってお答えをいただきたい。数字はもうよろしい。後でまた聞きますわ。
#62
○政府委員(平野正雄君) もう先生のおっしゃるとおりでございまして、全国的にそのような調査ができれば、私どもにとりましても非常に参考になるわけでございます。しかしながら、この調査は非常に時間と人員を食うわけでございまして、先ほども申し上げましたように、東京と大阪でやりました調査結果によりまして、東京と大阪の地形的な、あるいはビルの散在率等から見まして非常に貴重なデータが得られております。こういったものをさらに東京なり大阪で続けていくかどうかということも検討の対象にしております。続けてまいることができますならば、たとえば東京において東京タワーというものを固定したときに、どういった地域にどういうビル群が建ってくればどの程度の妨害が起きるか起きないか。そのようなことが数値化できるはずでございます。そういったところまで東京についても突っ込んでいくべきかどうかといういま目で見ております。
 したがって、先ほども先生おっしゃいましたように、全国的に調査をすることは非常に貴重な資料には相なりますけれども、私どもの難視対策のための施策にどの程度それが役に立っていくかどうかということも考慮しながら検討してまいりたいと思っております。
#63
○沓脱タケ子君 それで、実態を把握する必要があるということを特に私申し上げていますのは、わざわざ大臣の意見書で難視聴対策を積極的にやりなさいと言っているわけでしょう。そう言う限りは、郵政省としても当然のこととしてまず実態把握をし、その上で必要な施策をNHKにも求めていくと同時に、必要であれば当然郵政省としても対処しなければならない、そういうことで特にお伺いをしたわけでございます。
 そこで、大分時間をちょっと余分にとってしもうたわけですが、そういう問題が特に私大事だなと思いますのは、たとえば難視の問題というのはそう簡単に解決していないんですよね。そのことを感じているから特に申し上げているんですが、たとえば最近大阪でもこういう問題があるんですよ。
 大阪市の、市域ですが、西成区の千本南一丁目というところに朝日プラザ岸の里という十一階建てのマンションが建ったんですね。百十世帯です。これで非常に広範な被害が出てきているわけです。ところが、こういういままで全然被害がなかったのに、わずか百十世帯のマンションが建ったというだけで、広範な約千八百世帯ぐらい、二千世帯近くの難視が出てきているわけですね。そういう問題が起こって、これはNHKの方でも大阪で御調査をなさっていろいろ御指導になっているようですけれども、片がついたかというと、ついていないんですよ。
 たとえば、これは大阪の近畿本部の営業技術部の克明な調査報告書を拝見をいたしました。なかなかよく調査をなさっていらっしゃるんですがね。図面を見てみたら、いかに、しかし難視というものの被害の範囲というのは広がるものかということが非常によくわかるんですよ、この図面を見たら。(図面を示す)朝日プラザ岸の里というマンションというのは、たったこれだけですよ。これほど小さい。それで難視の状況というのはこれ、ここまで起こっているんですよね、範囲が。私もこれは調査結果を拝見してみて驚いたんです。
 そうしますと、このビルに生駒からのVHFが遮断をされる。VHFが遮断をされることによって、こっち側、これは、四、五百世帯ですよ、これが被害を受ける。ビルの反対側からは摩耶山の方からのUHFがさえぎられる。それでその影がまた起こってくる。同時にフラッターというんですか、何か映像が揺れたり重なったりというのはこんな広範囲に起こっているという状況なんです。ですから、こういう問題が起こって、地元でいままでは大変結構な娯楽機関としてテレビが愛用されていたのが見えなくなる、まともに見られなくなるということで大問題になっているわけですね。
 これは御指導なさいまして一定の対策がやられているんです。ところが、さっき見せましたこの部分だけは解決をするというわけです、この部分だけは。共同アンテナか共聴アンテナか何か知りませんけれどもつけて、ここは四月になったら工事を始めるということで、原因者の側も御了解になったんだそうですけれども、この裏側と、この広範な被害の人たちですね、いまだに片がつかぬわけですね。こういう問題、ちょっとどうするんですか。
 で、どういうことが起こってきているかというと、なぜそれじゃ残余のところの片がつかぬかいうたら、反射障害の部分の調査というのは、これは複合的なものだというふうに原因者が言い出した、反射障害については。だから、主原因はうちだけだ、うちだということは断定できないから、これは私の方で独自に調査しますと言い出したわけです。そうしたらもう片づかぬわけです、実際に。これは近畿本部で調査をされておるんですが、この反射障害については、NHKの調査ではこの原因者がはっきりつかめているのかどうかですね、まずそれを聞かしてください。
#64
○参考人(沢村吉克君) 先生の御指摘のように、大阪の朝日プラザ岸の里ビルでございますか、おっしゃったような障害が発生をいたしました。ことしの二月の五日に、発生地域の関係四町の町会長からNHKの方に電波障害の状況を調査を依頼してこられました。私の方、大阪としましては、たまたま都合がつきまして、すぐ翌日から調査にかかりました。三日ほど費やしましてこの地域の調査をいたしたわけでございます。陰の部分はもちろん、反射障害の部分につきましても、最近私の方の研究所でも開発いたしましたゴースト分析器、ゴーストアナライザーと申します最新の測定器を使いまして、明らかにこの新しい建物が原因であるということを調査したわけでございます。
 なお、このビルはことしの七月に入居できるようになるということでございまして、現在まだ建築としては完成いたしておりません。何か建設のための工事中の金網のようなものもついているそうでございますから、この反射部分につきましては、こういうものが撤去されて外装がすっかり終わった段階で、いま調査いたしましたものと若干の出入りはあろうかと思いますが、大勢には影響なかろうというふうに考えております。
#65
○沓脱タケ子君 それでね、NHKで十分調査をされて主原因が明確になっているのに、現地ではやっぱり原因者は独自に調査をするということで、言を左右にして地元とは話がついていないんですよ。こういう問題についてどうするかと。これは電監局長、大問題ですよ、こういう問題、片づいてないんだから。指導して片づけさせますか。これはどこの責任でやりますか、だれが責任を持ってこれ解決します。もうNHKは、原因はっきりしていると言うているわけです。原因者は、それははっきりせぬから私の方で独自に調査をさしてもらいますと話がついてない。こんな場合どないします。郵政省が指導せぬかったら、するところないでしょう。NHKに、原因者に文句を言いに行かせるんですか。どっちなんですか。ちょっとその見解聞かせてほしい。
#66
○政府委員(平野正雄君) この都市難視の問題につきましては、かねて先生にも申し上げておりましたように、郵政省といたしましては、地方にもございます協議会を通じまして地方公共団体が条例等をつくるような方向に協力をお願いをいたしまして、地方公共団体自身がある程度の協力をしていただけることを期待もしておったわけでございますが、一方、郵政省といたしまして、去る昭和五十一年に原因者負担主義というたてまえで、このような紛争が現地で建築主と被害を受ける側との話し合いの中で解決する場合の参考といたしまして、御承知のような指導要綱を公表をしたわけでございまして、従来実は逐次定着を見てきておる。ただ、先生が申されました遠距離のいわゆる反射障害につきましては、なかなか経費もかかるというようなことで解決していないものがあることは、実はよく承知をしておるわけです。
 ところが一方、こういう広域反射障害を含みます都市難視対策をどのように取り進めるかというときに、もう十分御承知のように、実は法的な制度が現在ないわけでございまして、郵政省といたしましては非常に重要な問題でございますので、法制度確立のための検討を鋭意取り進めておるわけでございますが、現在のところまだ法制度を確立するに至ってないわけでございまして、あくまで先ほど申しましたような地方公共団体の御協力、あるいは――と申しますのは、地方公共団体がいわゆる建築を確認いたします段階におきまして、いろいろと地域の住民との話し合い等を前提といたしまして対策をとってまいるような条例でございますとか、対策の要綱でございますとか、そういったものを持っていらっしゃる地方公共団体が百五十余りいま全国にあるわけでございまして、そういった面での御協力をお願いしながら、一方先ほど申しました指導要綱の定着を図っていく。その中で解決するようにお願いをしていく。もちろん郵政省といたしましてもこのような事態が、たとえばNHKその他から御連絡がございました場合には十分に、現在法体系はございませんけれども、国民のために協力は惜しまないつもりでおるわけでございます。
#67
○沓脱タケ子君 よけい長いこと言わはったけれども、何もないわけですな。で、あれなんですよ、わざわざ大臣が意見書の中で収納率の向上などというようなことを、あるいは難視の積極的解消などというふうなことをうたう以上は、それを郵政省がちゃんと保障してバックアップしていかないと実際はかっこうつかぬじゃないですか。法体系がありませんのでという問題、局長がわざわざおっしゃったんでそのこと聞こうと思うんですが、たとえばこの前にも、昨年でしたか、池袋のサンシャイン60の問題も私はお尋ねをいたしましたよね。あのときに法体系の問題についてもお聞きをしたんですが、それじゃ、ああいう問題が起こって大問題になったけれども、その後どうなっていますか、サンシャイン60の。十万世帯以上の被害があるということをあのときの質問のときにお伺いをしていたんですが、もうあれから、あの建物が完成してから一年半ぐらいになるでしょう。今日どの程度解決していますか。
#68
○参考人(沢村吉克君) おっしゃるように、サンシャイン60のビルによります被害世帯数、前回も御説明申し上げましたように約十万世帯ございまして、その中で近傍の乱反射の部分と、それから本当の陰になる部分、合わせまして現在までに対策を終わりましたものが一万二千でございます。陰の方につきましては逐次これを解消していくという姿勢をサンシャインの方もとっていらっしゃるようでございますが、反射の部分につきましてはたしか昨年の十月の機会かにちょっと触れたかと思いますけれども、ゴースト防止用の特殊なアンテナの開発が行われましたので、これを使いまして試験的にその効果を調べるということを含めまして五百本程度のアンテナをこの遠距離反射地域に配布をいたしました。
 いわばそれは試験を兼ねた一部の解消策にはなっていようかと思いますが、抜本的に反射地域に対してどういう施策をする、本当に取っ組むかどうかということにつきましてはいまだに解決をいたしません。われわれとしましてもできるだけ早くと思いまして申し入れをし、極力やっておりますけれども、残念ながら解決しないというのが現状でございます。
#69
○沓脱タケ子君 それで、私はやっぱり郵政省、非常に責任があると思うんですね。国会でもあれだけ問題になって、十万世帯の受信障害があると。やっと一万二千が解決をしただけだというんでしょう。それなら、京浜地区二十六万のうち、サンシャインの付近だけで八万八千あるということになるんですよ、実際ね。そういう状況というのはやっぱり依然として放置されている。
 だから、先ほど私たまたま大阪の実例を出しましたけれども、これだって後なかなか解決せぬですよ。NHKは、原因者明確だと調査の結果言うておられるんですからね。そんな地方自治体に、条例のつくってくれておるところはそこに御期待をいたしましてというような話だけしておったって話にならへんですわ。住民は難視で悩んでおるわけですよね。困っているわけです。
 そこで、局長もおっしゃったように、テレビの受信障害解消の法制化の問題というのは、昨年も私どもお伺いをいたしましたが、実際にはどうなっているんですか。郵政省は昨年の七月にテレビジョン放送の受信障害に関する調査研究会議というのを発足をさせて進めておるやに存じておりますが、これまでの論議の経過だとか、まとまった論点とか、結論がまとまる時期は一体いつなのかという点ですね。結局問題になるのは非常にはっきりしているわけでしょう。障害の基準をどうするんやと、どういうふうに認定するんかと、それで費用負担をきちんとするという問題ですね、判定をだれがするのかという三つぐらいの問題が中心的な問題であろうかと思いますけれども、どうなっているんですか。実際国民困っているんですよ。サンシャインでは約九万世帯の人たちが十分見られない。この人たち受信料納めなくたってやむを得ないですよ、欠陥商品なんだから。そういうことはどないなっているんですか、検討は。
#70
○政府委員(平野正雄君) 現在郵政省といたしましては、法制化の方向でいろいろと検討を詰めてまいっておるわけでございまして、一つには、建築基準法を改正をして、いわゆる高層建築物を建築する場合の建築主事の段階でもって対策を講じる道がないものかどうかという点につきまして、現在建設省の方といろいろ詰めの作業を行っておるわけでございます。
 現状といたしましては、建築基準法の性格からいたしまして、なじむかなじまないかの問題もさることながら、先ほど先生からも御指摘ございましたように、金の持っていき場所といいますか、対策費の持っていき場所としてどうあるべきかというような問題が一つございます。最終的に建ちました高層建築物だけが原因者として問題視されるのか、それまでにだんだんとその建ってきております高層建築物がどの程度の負担をするのかというような、たとえばそういう問題についても現在具体的な詰めを行いたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 それから一方、昨年七月に省内に学識経験者から成りますテレビジョン放送の受信障害に関する調査研究会議を設けまして、いわゆる制度的解消方策等の具体的検討をお願いをしておるわけでございますが、いまの段階では、御参加いただいております諸先生の討議が現在まだ続いておる状況でございまして、大体見通しといたしましては初夏ごろ、七月ごろには結論をお出しいただけるのではないかというような状況になっております。
 それから、前回にやはり学識経験者によります対策委員会を持っていただいたわけでございますけれども、そのときに提言としてございました、先ほど先生も御指摘になりました認定基準の問題につきましては、現在その認定基準を作成するに適した外部の団体が見つかりましたので、そちらの方に具体的な検討を依頼中、こういう状況でございます。
#71
○沓脱タケ子君 そうすると、法制化に踏み切るというのはいつごろになるんですか。
#72
○政府委員(平野正雄君) 私どもといたしましては、部内に設けました検討の結果、あるいは建設省等と行っております詰めの結果、そういったものをできるだけ早く参照しながら必要な措置を講じてまいりたいというふうに存じております。
#73
○沓脱タケ子君 それで、法律がなかなかできないんだね。去年も前服部大臣が非常に積極的な御意見を出しておられた。だけどさっぱり進んでない。それで、このトラブル、特に複合障害の責任ですね、複合障害等のトラブルの処理を一体だれがやるのかという問題ですね、サンシャインの場合なんかね。私は、こういう認定基準、あるいは判定者ですか、そういうような問題についていろいろ御検討になっておられるんだと思いますが、なかなか法制化が進まない。それじゃ、法制化までの期間をどうするのか。現にサンシャインの問題、あるいはいま私が御指摘申し上げました大阪での問題、どうします。ほっておきますのか。法制もされておりませんのでというんでほっておきますか。いま起こっている問題、いまちょっと指摘した問題、どうします。
#74
○政府委員(平野正雄君) この問題につきましては、かねてから申し上げておりますように、指導要綱にも掲げてございますけれども、当事者間で十分な話し合いを進めていただきたいというふうに考えております。
#75
○沓脱タケ子君 それで片づかぬから問題を持ち出している、わざわざね。大臣、あなたのお名前で、NHKにも経営についての意見書をわざわざ明記をされておられるわけですね、難視聴の解消に努めるという問題、あるいは経営基盤の確立のための収納率の引き上げ等の問題について。それはやっぱりそれを保証していける体制というもの、これ郵政省がきちんと責任を負うという立場で対処なさるということが何よりも必要だと思うんですが、どうですか。
#76
○国務大臣(白浜仁吉君) だれが責任を負うべきかということは、これはいろいろ問題のあるところではないかという気がいたしますが、いずれにしましても、これは黙っておける問題ではないので、いろいろ検討をしてみたいと思いますが、先ほどから局長も答弁の中で申し上げておりましたように、建設省の方とも折衝をしながら話を進めているということでありますので、また改めて私どもも取り上げて検討していきたいと考えております。
#77
○沓脱タケ子君 去年も建設省と折衝中と言ったんですよ。ちっとも前に進まない。国民は被害は毎日受けているんです。そんなのんびりしたことを言うていたら困ると思うんですが、その点は特に法制化を急ぐという問題と同時に、法制化をするまでにやはり指導要綱等についてもわざわざ出しているんだから、トラブルについての解決は郵政省が一定のそれは責任を持って協力をするというか、解決のための助力を講じなきゃならぬと思うんですがね。
 とにかく、私の方で直接責任ございませんみたいなことでは、国民は被害を受けたら被害を受けただけのことはありますよ。そんな見えへんもののテレビの受信料を払いますかいなということになるんですがな。その辺はっきりしなきゃいかぬと思うんですよ。言う以上は、意見を出す以上は、それは保障していく体制というものも責任を負うていくべきだと思うんですが、非常にその点は、私は逓信委員会へ参りまして、この種の問題について二、三回の質問をしておりますけれども、少しも前へ進まない。依然として同じような体制、これでは解決しないと思いますよ。
 NHKの予算について本当に真剣に保障していくんだと、法律どおり、放送法に明記されているとおりの体制を確立さしていくと、これを貫いていくというために必要な手だて、これはNHK自身も努力をしなきやならないと同時に、当然郵政省としてもやるべきことはやっていくと、その姿勢なしには相当な局面に来ておる中では、なかなか長期展望等々言われても解決のめどというのはそう簡単に出てきませんよ。その点で、郵政省の姿勢というのはきわめて私はお粗末だと思うんですが、確信のあるひとつ御答弁をいただきたいと思うんですがね。
#78
○国務大臣(白浜仁吉君) 確信のあるという答弁が非常にむずかしい問題ですが、いまいろいろ御意見がありますところを踏まえまして私ども検討していかなきゃならぬ。郵政省だらしないじゃないかと言われますと、まさにそのとおりでございまして、いろいろ私も就任以来どういうふうな関係にNHKとわれわれがあるんだろうかというふうなことをいろいろな人に尋ねてみてもさっぱりどうも確たる答弁が返ってこない。
 どこまでわれわれが手伝えばいいのか、手伝う権利があるのかと、そういうふうなことも非常にむずかしいところがありますので、私はそんなものを含めていまお答えしたところでございますが、改めてそういうふうなところを検討して、国民が不便を感じているということになりますと、だれが迷惑をかけているということになりますと、だれがそれを措置してやるかと、救ってやるかと、お手伝いするかということになると、いろんな問題で検討していかなきゃならぬというふうなことを考えますので、いままで電波監理局の方で一生懸命努力をしてまいっておりますが、なかなかうまい答えが出ないというふうなところもありますから、私は改めてもう一遍検討して対処していきたいというお答えをいたしたわけであります。
#79
○沓脱タケ子君 どのくらい協力していいかわからぬというお話のようでございますから、これは指摘したことについてきちんとやっていっておられるかどうかという問題もあるので、問題次に移します。
 一つは、成田空港周辺の受信障害の問題ですね。これは昨年私、十月にもこの問題についてお尋ねをいたしましたが、その後の対策の進展ぐあいでございますね。どういうふうに進んでいるのかちょっと簡単にお聞きをしたい。あのときたしかお聞きをいたしましたときには、NHK自身も、公団の方でもおっしゃっておられたのは、受信障害がシビアに見て三万。被害が、障害があろうと思えるところは、対策を要すると思えるのは九万、三万から九万の間が対策が必要だと言われていたわけですが、その後どうなっていますか。
#80
○参考人(角坂仁忠君) お答えいたします。
 昨年の十月お答えいたしましたときに、大体フラッター防止アンテナを主にお答えしたわけでございますが、あのときに一万と言いましたが、大体私ども当初に調査いたしましたのが一万三、四千でございますので、現在一万三千本のフラッター防止アンテナは完成いたしております。
 なお、その後現地に入りまして、フラッター防止アンテナではどうしようもない、いわゆる山陰という問題ございまして、これも非常にNHKの御協力を得まして調査いたしまして、五百十三戸はフラッター防止アンテナではどうしようもないということが決定いたしましたので、これにつきましては共聴アンテナという方式をとりまして、現在もうすでに地元の御協力を得たものは約十カ所程度工事に入っております。これにつきましては、どこの家とどこの家が組むとか非常にむずかしい問題ございますが、そういう御協力を得るならば大体四月中ぐらいにはこの五百十三戸を完成いたしたいと、かように思っております。
 さらに公団といたしましては、当初空港の直進下降、上昇の一定の範囲でございましたが、その後やはり周囲からもいろいろ苦情が出ますので、周囲一市二十カ町村の調査をいたしまして、約六千本程度のアンテナが必要ということで、これは一応今後、もうすでに申し込みを受け付けておりますので、この六千本につきましても申し込み次第早急に整備していきたいと、かように考えております。
#81
○沓脱タケ子君 それで、昨年聞いたときにもコースの下の被害調査ね、コースがしょっちゅう変わるので固定しておくことはできないというお話がございましたね。あれはコースの直下の被害調査はなさいましたか。
#82
○参考人(角坂仁忠君) コース直下を含めまして調査いたしております。
#83
○沓脱タケ子君 それで、これは一定の度合いで進んでおりますけどね、三万から九万と言われていて、いまのお話では大体一万三千、これはフラッター防止アンテナだけが一万三千ですか、あるいは対策済みが一万三千ですか。
#84
○参考人(角坂仁忠君) 一万三千はフラッター防止アンテナだけでございます。
#85
○沓脱タケ子君 あれだけ大問題になった成田空港周辺でも、開港後もう一年ですね、それでまだそういう状況なんですよ。だから、これは昨年のときにも私は、住民の感情もあることだから、できるだけこれは早く解決をするようにと、特に空港公団ではそのための対策費としても十分お金はありますというお話でございましたからね、早くやらせなさいということで、服部大臣でございましたが強く要請をしたんですよ。それでいまのような状態なんですね。で、これは第二次の空港拡張問題も含めてまた一定の問題が起こりつつありますけれども、せめて施策、対策でやれることぐらいは早期に解決をするというふうな構えがどうしても必要だと思うんですが、大臣、これはぜひ督励をするべきだと思いますが、どうですか。
#86
○国務大臣(白浜仁吉君) まあ成田空港のような政府機関というか、そういうふうなことでありますと、これは当然非常に話も早い、いろんなことで対策も立てやすいということになるんですが、それですら御指摘のとおり時間がかかるわけで、また、むだが起こればむだが起こったで先生方からおしかりを受けるわけでありますから、そういうような点も考慮しながら対策を立てていかなきゃならぬ。民間のことになりますと、やはりこれはいろいろなことでまた調査を厳密にして、お互いの話し合いを進めていかなきゃならぬこともありますので、私は先ほどのような御答弁を申し上げたわけでありますけれども、一生懸命私ども早急にそうした問題と取り組んで対処していきたいと考えております。
#87
○沓脱タケ子君 それでもう一つ、郵政大臣が解決のために力を尽くす必要があるという問題で、かねがね私、前大臣のころから指摘をしている問題があります。それは在日米軍の軍人、軍属、その他の家族の受信料問題なんですね。ずいぶんNHKとしては苦労をして折衝を重ねてきておられる。ところが、米軍との関係では、いわゆる地位協定の法文解釈の違いとやらいうことになって、解決が進まないということになっておったようでございますが、NHKにちょっとお聞きをしたいと思いますが、昨年私が最後に質問をしたのは十月だと思いますが、それ以後どうですか、経過は。
#88
○参考人(中塚昌胤君) 昨年の一月にこの問題が発生いたしまして、先生も御承知のように、数字の話し合いをしたわけでございますが、米軍側と全く平行線をたどって解決のめどが立たないということで、七月にこの問題について郵政省、あるいは外務省の積極的な御協力をお願いするということにいたしたわけでございますが、十月になりまして、外務省、郵政省を通じまして、米軍側が再度NHKと話し合いをしたいという意向のある旨が伝えられまして、十一月からことしの一月にかけて、四回にわたりまして、アメリカ側は日米合同委員会の事務局長のアイゼンスタイン、それからアメリカ大使館の一等書記官のフェザーストンという方で、こちら側NHKの責任者との間で四回にわたりまして話し合いをいたしました。
 で、最終的と申しますか、ことしの二月の初めに、在日米軍司令部のラビング司令官から私あてに書簡が参りまして、在日米軍当局は、米軍関係者が受信料を支払うことを禁止するいかなる通達も命令も出したことはない。それから二番目として、米軍関係者で、受信料の支払いについて支払う意思のある者がこれを支払うことは全く自由である。三番目として、米軍としては、米軍関係者は、日米地位協定第十三条により受信料を免除されているという見解であるという書簡が参りまして、米軍側としては米軍施設内への立ち入りは認められないけれども、郵便等によって請求をすることは結構であるということがわかりました。
 そこで、私どもといたしましては、これで最終的な解決というふうには思いませんけれども、NHKとしては、やはり実行上基地内に居住している者についても、従来基地外に居住している者に対しての受信契約の勧奨あるいは受信料の収納、この活動を実行的にやろうということにいたしまして、いまそれの具体的なやり方、要するに基地内居住者に対する具体的なやり方について検討いたしております。
 ただし、先ほども申し上げましたように、これで最終的に解決するとは考えられませんので、二月十日付で米軍司令官あてに、今後は米軍施設内居住者に対しても、基地外居住者同様に契約の勧奨を行うので、この旨了承されたい。それから二番目として、この問題は、日米地位協定に関する双方の解釈の相違が解消しない限り基本的解決にならないので、その点を理解し、協力してもらいたいという趣旨の返書を出した次第でございます。
 そういう線で、私どもは実行的に今後も努力を続けたいというふうに考えておりますけれども、基本的な解決には至らない。したがって、この実行上の活動についてもどの程度の効果があるかということについてはいささか懸念もございますけれども、可能な限りの努力をいたしたい、このように考えております。
#89
○沓脱タケ子君 大臣、いま経過の報告を聞かれたとおりですが、この問題はあれなんですよ、地位協定の十三条についての見解の相違なんですね。米軍は、これは租税に属するものだから払う必要はないと言っているわけです。日本政府は、租税ではない、十三条三項のいわゆる租税ではないのだということで、聴視料は当然もらうべきだということを、これは外務大臣も明確に答弁をされているわけです。
 それで、そういう国際関係で一つの協定をめぐっての解釈の違いということになった場合には、当然外交ルートで統一見解をまとめなければ、NHKだけではどうにもならないという問題をたびたび指摘しているわけです。いや、NHKにできるだけ努力させるのだというふうに従来は言ってきておられたのだけれども、昨年の十月には園田外務大臣も、これは外交ルートに乗せる以外に解決の道はないということで、日米合同委員会の下部組織の周波数分科委員会なり通信分科委員会なりにこれはかけることに異議はないというところまで言われたのですよね。言われたんだけれども、依然として片がつかない。
 それは米軍や、あるいは基地内の居住者の受信料というのは、額としてはそんなに大きくないかもしれませんよ。しかし、当然受け取るべき性格のお金であるならば、それはきちんと意思統一をさせて受け取っておる、受け取ることになったということが国民に報道された場合に、これはNHKに対する国民の支持と信頼を非常に大きく高めると思うのですよ、そういう努力までしているのかということになれば。ところが、さっきの報告でも、やっぱり地位協定の解釈については依然として平行線のままだというわけでしょう。これは私、前大臣にもたびたび申し上げたのですけれども、外務省も御理解になっておられるわけですよ。外務省来ておられますか。――ちょっとその間の事情を少し報告してください。
#90
○説明員(丹波実君) この点は、まさに先生に対しまして昨年の十月御説明申し上げたことでございますけれども、内容的にはただいまNHKの担当の方から御説明したこととダブりますので省略いたしますけれども、昨年の八月に、従来の経緯を踏まえまして、合同委員会の通信分科委員会なりあるいは周波数分科委員会の下に何かワーキンググループのようなものを設けて日米間で本件、十三条三項の解釈について話し合いたいということを申し入れたわけですが、これに対して昨年の十月に米側が、その前にもう一度NHKと話さしてくれということで話がありましたので、郵政省を通じまして、先ほどNHKの方からも御説明申し上げたように、米軍とNHKとの話し合いがことしの初めまで持たれたと、こういうことでございます。
 ただ、その話し合いの中で、米軍の方としては、NHKが実際に勧奨活動を行っていくということについては異存がないということまで一応は言ったわけなんでございますので、当面はNHKの勧奨活動を見てみようじゃないかと。その結果どうしても、もっと何かする必要があるということで郵政当局が御判断になって、外務省にお話があれば、外務省としてもまたその時点で郵政省と協議して、再び合同委員会で取り上げることを米側に要請するということは将来の問題としてはあり得ると思いますけれども、当面は郵政当局の方も勧奨活動をもうちょっと見てみたいと、こういう態度であると思います。
#91
○沓脱タケ子君 それで大臣、そういういきさつがあるわけですね。米軍の方は、NHKの勧奨活動は異議がないというふうに言ってきておると、これは新たな、ごく少々の譲歩だと思うんですね。しかし、基本的に見解は一致していない。地位協定十三条についての見解は、従来の食い違ったままだということでありますならば、これは勧奨しても成果が上がらないのは当然だと思うんですが、そういう点で、勧奨をやって、これは私は、米軍が従来の見解は間違っておったんで、当然NHKの受信料というのは支払うべきものなんだという立場をとりましたということをはっきりすれば、これはもう解決が行われると思いますが、それがやられないと片がつかないと思いますが、この点について、特に大臣に御見解をお聞きをしておきたいと思いますのは、外務省との折衝であそこまでいったと。で、あと勧奨して話にならぬという状況が生まれた場合に、大臣、この問題を本当に、日本側の地位協定の解釈の立場で解決をするために労を惜しまないでがんばっていただけるかどうか。その点、見解を聞いておきたいんです。
#92
○国務大臣(白浜仁吉君) せっかく外務省も、ここにくるまでに非常に努力をしてこられたようでありますし、NHKの方もがまんにがまんをして折衝したと思いますが、ここまできたことでございますから、私もできるだけの努力をしていきたい、そうして何らか解決の方法を見出したいと、こういうふうに考えております。
#93
○沓脱タケ子君 これは小さな問題のようですけれども、私は明確な解決をなさることが非常に国民との関係では大切な課題だというふうに思いますので、ぜひNHKとしても御努力をして続けていただきたいとお願いをしておきたいと思います。
 大体予定をいたしました時間がちょっと延びつつあるので、簡単にあと聞いておきますが、重複するところはもう割愛をいたします。
 特に私は、すでに同僚委員からも問題になりました、減免措置の問題などについての政府部内での対策というのは当然要ると思うんですね。これは、NHKが福祉の先取りをしたんだから知っちゃいないという態度を政府各省がもしおとりになっているとしたら大問題だと思いますので、この点については、郵政省としてもはっきりしてもらいたいと思うわけですが、どうですか。
#94
○政府委員(平野正雄君) この受信料免除相当額の国庫補てんの問題でございますけれども、免除対象者が支払うべき受信料を国庫から補てんするものでございますので、実質的には免除対象者に対する国からの助成ということに相なります。したがいまして、先生おっしゃいますように、福祉行政、教育行政の範疇の問題だと思いますので、郵政省といたしましても、従来から関係省庁に要請してまいっておるところでございますし、NHKに対しましても、関係省庁と十分打ち合わせるよう指導してまいっております。この態度を将来変えるつもりはございません。
#95
○沓脱タケ子君 それは、地方自治体でも、福祉対策で交通費の無料化等を実施しておりますけれども、そういう場合に、当然交通特別会計になっておるというふうな場合に、これは一般会計から補てんをするというようなことは、地方自治体等ではもうあたりまえのこととしてやられているわけです。こういうことが政府部内で行われないことの方がおかしいわけで、これは大臣ね、ぜひ実現をしてもらいたいと思います。
 というのは、NHKが十分余裕があるときですとよろしいですけれども、これはもう受信料を上げなければならぬかどうかというようなことが間もなく問題になる、あるいは本来ならことしだって問題になっているわけですよ。そういう段階のときですから、この点はひとつはっきりと政府としても態度を固めるべき時期だと思うんですが、その点どうですか、大臣。
#96
○国務大臣(白浜仁吉君) 政府部内で決めろとおっしゃられても、なかなか私一人で決めるわけではございませんから、十分話し合って努力をしていきたいと思います。
#97
○沓脱タケ子君 それは、そんな頼りないことを言うてたらなかなか詰まりませんぜ。少なくとも閣議でそういった点は明確に出して、文部省なり厚生省なりに、そういう立場を確立のできるように、当然郵政当局としては問題を提起なさるという、それは大臣自身がきちんと姿勢を固められませんと、各省はそれはまあまあよろしいがなということになりますよ、そんなもの。(笑声)そんな頼りないことを言うたら困りまっせ。
 そういうことだから、国際放送の問題でも毎々言われておりながら、依然として国庫の支出金が、やっとこれきのう聞いたら二五%になったんですか、あれだっておかしいんですよ。だって、国内のように視聴者が受信料を納めて、それで外国の人たちに、あるいは外国に行っているわが国の同胞にその情報を提供しているわけでしょう。金を払っている者が使わない放送なんですよ。実際おかしいんだよ、それは。しかも、そういう点については、国際放送については当然政府が管掌しているわけだから、これは全額といきなり言ったって全額にはならぬのでしょうけれども、これだけ状況が詰まってきている段階なんだから、こんなところは当然適当なところまで国庫がめんどうを見るというのはあたりまえのことだと思う。
 その点については、私は減免措置に対する態度も大変大臣の姿勢が弱いようでございますけれども、この点についてもその同じ姿勢では解決ができないと思いますが、ひとつ大臣ね、責任を持って、責任のあるお立場としてやっぱりはっきり態度を確立してもらいたいと思いますが、その点どうですか。もうずばりはっきり言うてください。
#98
○国務大臣(白浜仁吉君) 私は、過去のことを申し上げるつもりはございませんけれども、私は、自由民主党の中で基地対策特別委員長を長くやつ
 てまいりました。基地の中でいろいろ非常に難視聴などがございましたので、これに対応するNHKに対して、いろいろNHKで負担をしろなんのという意見が大分党内でも多かったのでございますけれども、当然これは国としてやるべきだというふうなことで、この問題は多分御迷惑をかけずにきたと思いますが、長い経緯の間に出てきている問題でございますから、私は、ここで責任を持って沓脱委員の言うように、胸をたたいてそうやりますという答えを私はするわけにはまいりませんので、どこまで努力すればいいのかもわかりませんから、私はそう申し上げたことありますが、一生懸命努力はしてみたい、そういうふうなことで御理解をいただきたいと思うのであります。
#99
○沓脱タケ子君 それじゃ、ちょっと予定した時間よりも超過しましたのでもう最後にしたいと思うのですが、私は、受信契約の収納率、特に受信料の収納率の向上ということを言うからには、政府機関ぐらいはぴっちり納めなあかんなと思うんですよ。ちょっと私が調査したところでも、農林省は八十台テレビがあるんだけれども契約しているのは五十四台、労働省は六十台のテレビがあるけれども契約しているのは三十九台、そんなことになっているんです。だから、政府機関ぐらいはぱっちりと契約をすることが必要ではなかろうかと思うわけです。
 最後に、NHKにちょっとお聞きをしておきたいと思いますのは、定年延長に関するお考え方ですね、いまNHKは五十六歳だと伺っておりますが、今日の雇用対策上の問題から、労働省等では六十歳への延長の方向で行政指導が進められているという段階でございますが、NHKの仕事の性格からいいまして、五十五、六ということになりますと働き盛り、それから能力の、脂の乗り切る段階ではなかろうかと思いますが、そういう点で、そういう人たちの能力を失うことは、ある面では大きな損失ではないかと思うんですが、定年延長について、六十歳までの延長をどういうふうにお考えになっておられるか、そのことをお聞きをしておきたいと思います。
#100
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 いま先生が御言及くださいましたように、協会の定年は現在五十五歳の満了日でございますけれども、それを五十三年、つまり本年度から在職期間を一年延長いたしまして、満五十六歳の尽きる日と、こういう状況になっております。いま御指摘がございましたけれども、定年を含みます老後の保障問題というのが、この問題全体がやはり社会的な課題となっているということは私どもも承知いたしておりますけれども、また一方、放送事業という事業そのものが、やはりいろんな創造性とか、あるいは柔軟な思考とか、あるいは若いエネルギーといったものを多分に必要とする業種でございますので、率直に申しまして、現在そういう社会的な課題というものはわかっておりますけれども、これに応じてことしやりました在職期間の延長というものをさらに延長するということは大変困難であり、現在それはやっていけない、それをやることはできないという状況にございます。
#101
○委員長(赤桐操君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十八分開会
#102
○委員長(赤桐操君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。’
#103
○木島則夫君 NHKを取り巻く情勢は依然として厳しい。ことに協会の財政基盤の確立をどうするかというこの問題は、NHK予算審議のたびごとに最重要テーマとして登場をしてきたわけでございます。現在言えることは、受信料制度というものを堅持しながら極力経営の刷新、効率化を目指す。そして、NHKに許される可能な限りの多角的方策を考えていかなければならない、こういうことのようであります。
 それじゃ、今日ただいまNHKは何をなすべきか。もちろん難視の解消、受信料収納についての国民への理解とこの収納努力、これはもちろんでございますけれど、やはり放送事業者、放送事業体であるからには、番組の充実、向上を通して国民への理解、信頼をさらに築いていかなければならない。ここにこそ凝縮さるべきであろうと思いますので、私のこれからの議論も、もちろん難視の解消、そういうことはやっていただきたいという大前提のもとに、もっぱら番組の問題に凝縮をしながら、ことにローカル放送に関心を払いながら、私は議論を進めてみたいと思います。
 ローカル問題に具体的に入る前に、私は、NHKが五十三年度にテレビ、ラジオの番組を大幅に改定をした。ことに総合テレビにおきましては、夜間帯の編成を三十九年以来という大幅な刷新を行ってきたこの問題が、一体視聴者の視聴態様にどう適合し、現在それが本当に目的を達しているか、こういうことをまず前提として伺いたいと思います。
#104
○参考人(坂本朝一君) 多少細かいことにつまきしては、担当からの御答弁をお許しいただきたいと思いますけれども、いま木島先生の第一点の大筋につきまして、五十三年度に行いましたラジオ、テレビの改定は、私としては成功したんではないだろうか。これは十一月に調査いたしました結果等を考えましてもそういうふうに評価していただけるんではないだろうか。総合テレビもさることながら、この席でも発言をお許しいただいた教育テレビの充実ということにつきましても、かなり具体的な反応をいただいたように思っておりますので、その点は御報告できるかと思いますけれども、多少詳細にわたっては掘専務からの御答弁をお許しいただきたいと思います。
#105
○参考人(堀四志男君) 五十三年度の番組改定は、御承知のとおり視聴者の意向に柔軟に対応するということを基本に置きまして、視聴好適時間の拡大及び夜間の八時までに至る子供のチャンネル権に対応するということを基本に編成をいたしました。その結果、子供の時間、あるいは子供向け番組について聴視率調査の結果等を見ましてもかなりの率の拡大を示しております。また、教育テレビについては、先ほど会長がおっしゃったとおりでございまして、その他、全般に改定の目標というものは、曲がりなりにも定着しつつあるというふうにお答えできるかと思います。
#106
○木島則夫君 五十四年度は、総合テレビについては夜間帯における娯楽番組の一部手直し、教育テレビは大型企画番組の開発などを中心とした刷新、充実が予定をされているようでございますけれど、これは実際どういうものをおやりになっていくつもりですか。余り細かくおっしゃると時間がございませんので、簡潔に、しかし、ひとつ要点だけお示しをいただきたい。
#107
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 総合テレビにおきましては、夜間、土曜日の特にプロ野球中継のある時期が非常に不安定な様相を示しておりまして、かっ現在行っておりますコメディー「公園通り」も必ずしも意図に満たない作品でございますので、あわせて一新いたしたいというふうに考えます。そして、そこには「マルコ・ポー口の冒険」というものを、コメディー「公園通り」のかわりに置きまして、夜間は大体芸能及びスポーツ特集をもって基本とし、そして、プロ野球中継というものに対しましては、もう少しいままでより柔軟な姿勢で対処して、ファンの御期待にこたえたいというふうに考えております。さらに、歌番組が二つございましたうち、一つの「ビッグショー」を取りやめまして、新たにバラエティーをするとかいうのが基本でございます。さらに、教育テレビにつきましても「インタビュールーム」等、必ずしも意に満たなかったものをやめまして、「新ニッポン日記」、外国人による日本紹介、あるいは「構成討論’79」という討論番組を新設いたしまして、御期待にこたえたいというのが、先ほど言いました大型企画のほかに準備されているものでございます。
#108
○木島則夫君 政治も地方の時代を志向をしております。NHKは、従来からローカル番組の充実を図りながら、地方文化の発展に尽くされたわけであります。尽くしてこられております。アナウンサーとか記者が、NHKの表の顔として地域の皆さんとの交流を深める一方で、地域の住民の方々と、それこそマン・ツー・マン、一対一で生の接触を図りながら、NHKへの理解と財政基盤の確立のため努力をされている。たとえば集金の方々など、厳しい環境のもとで放送事業を支えるNHKの皆さん方の御努力に対して、私は御評価を申し上げたいと思います。
 ただ、ここでローカル番組の充実ということは、ただ単に時間量をふやす問題であるとか、目先、口先だけの交流ではないはずでございます。当然、地域に根差したものでなければならない。そうでなければ、地域をよりどころとしている民放との切磋琢磨においても、これはひけをとる可能性もある。そこで、地方番組の向上、充実といいながら、ローカルの場を仮の場と考えている傾向がNHKの中にあるんじゃないだろうか。全国ネットをもってその頂点となる本部で番組の編成とか、制作実施が行われている現状からは、これはある面でやむを得ないかもしれません。むずかしいことではありますけれど、どうしても本部志向になりがちでございます。放送の本舞台は東京なんだという考え方であります。
 もっとも、政治的にも、経済的にも、文化的にも、教育的にも、東京、大阪は確かに密度が濃いかもしれない。だから、放送局に入ったら東京が上がりなんだという考え方につながる、こういう意識であります。こういう意識がありますと、地方に根差した放送局、ローカル番組は定着しないんじゃないだろうか。言うはやすく行うはむずかしいこの問題を乗り越えませんと、ローカル番組の充実とか、また地域に根差したローカル放送というものは育たないと、こう思うわけでございます。ローカル放送充実のための個々の問題、後で私、御提言を申し上げたいと思うんでございますが、その基本となる大前提でございますので、私がいま申し上げました、多少僣越、あるいはかさにがかった言い方かもしれないけれど、何か本部志向、中央集権的、こういうものがありはしないだろうか。まず、このところをきっぱり取り除いていかなければならない、そういう意味でお尋ねをした次第であります。
#109
○参考人(坂本朝一君) NHKの場合、東京が中心で全国放送をやり、それに加わってローカル放送があるという形でございますので、先生の御指摘のようなふうに、ともすればなりがちであるということは否めないかと思いますけれども、しかし、そうあってはならない。やはり全中とローカルというのは車の両輪のようなもので、それぞれがやっぱり充実する、それに携わる者の意識もそういう点に心をいたさなければならないというふうに考えておりまして、多少お言葉を返すようですけれども、ここ数年NHKの番組編成の方法論の一つとして、ローカル番組の内容について東京がとやかく言わない。
 時間の設定と、それに対する理想数と申しますか、人員とか機材とかいうのは、一貫的な経営の中である程度の制限を持たざるを得ませんけれども、具体的な中身については一切その地方の本部長なり、その地方の放送局長なりの責任においてやるということにいたしまして現在に至っておる次第でございますので、職員の人たちの個々の心情があろうかと思いますけれども、それはそれとして、かなりそういう意味ではその地方に根差す放送、ローカル番組の作成ということの意識は徹底してきているんではないだろうかというふうに思っておる次第でございます。
#110
○木島則夫君 いま会長がおっしゃいました基本的な意識、考え方は私も大賛成でございます。そこで、ローカル番組については、協会が地域の実情に応じた弾力的編成のもとでその充実を図っていくと、こういうふうにおっしゃっている。私ども地方に出向いた際に、地域住民の方々から承るNHKへの、要望の第一は、やはりローカル番組の充実、強化というお声でございます。こうした要望にこたえてつくられたのが、たしか五十一年から始まった「六・四〇」という番組だったと思います。しかし、この「六・四〇」のほかは地域住民を登場させる、いわゆる視聴者参加番組を多くした程度であって、しかも、「六・四〇」も取材とか、報道体制が十分とは言い得ない状況にあるんじゃないだろうか、これは地域の方々のお声であります。
 こういうことからNHKの番組編成は、その心はあっても依然全国向けに重点が置かれ、ローカル軽視という風潮が改められていないんじゃないだろうかというお声が入ってくるわけでございます。会長の基本精神は、私は最も尊重をいたしますが、具体的にやっぱり個々の問題がありはしないだろうか。それをもうちょっと掘り下げて伺いたい、いかがでしょう。
#111
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 ただいま先生が御言及になりましたローカルサービス、あるいはローカル放送のための体制というものを、各県それぞれ人口とか、あるいは世帯数とか、いろいろ情勢の変わる中で一体どうやっていくかということは大変むずかしい問題を含んでいるように思います。
 いま私どもが、じゃ、各局にどういう考え方で要員を配置しているかということをまず御説明をいたしたいと思うわけでございますが、われわれの考え方といたしましては二面ございまして、一つには、明らかにその地区の世帯数とか人口とかというものに左右される、たとえて言うならば、営業関係の仕事とか、あるいはいろいろそのサテ局を抱えているような、つまりサテ局によって救われている難視というものと絡んでそういう各地区の世帯数とか、あるいは、状況によってどうしても業務量が変わってくるという一面がある。そういう要素というものを加味して実は要員を配置いたしております。
 それから一方、先生がいま御指摘になりました、放送におけるサービスというものは、そういう地区の事情というもので、外的な条件で変えるというわけにはなかなかまいりません。したがいまして、そういう面は、ローカル編成という点ではほとんど各局がほぼ同一のものとしまして、そしてそういう形の中で、できるだけ各ローカルサービスを行っていく、そういう考え方に立って実は要員体制を考えているわけでございます。なお、それぞれの局で必要がありますれば、それぞれ地本なり、あるいは東京なりに支援の体制というものを組みまして必要に応じて支援をいたしたいと、これがいまわれわれが置かれております環境の中で最もいい方法だというふうに考えまして、そういう体制で実は要員を配置いたしております。そういうことで対応していっているということを御説明申し上げたいと思います。
#112
○木島則夫君 いま武富さんからお話がございましたのは、そのローカルサービスの拡充に関連する問題点として、人に関する配置ですね、私はその点でも要望を申し上げたいことは、やはり画一的な人員の配置ではなくて、その地域地域の実情に応じた適切なる人員の配置がなければ、なかなかこれからの流動する社会には対応できていかないのじゃないだろうか。これは非常に単純な例でございまして恐縮ですけれど、たとえば単純に放送要員の一人当たり人口が、たとえば鹿児島の四万二千人、これは取材陣一人当たりの要員でございますね、人口鹿児島の四万二千人、鳥取の一万一千人、何もその四万と一万と、その数字だけの問題ではないかもしれないけれど、ここに問題がありはしないだろうかとか、こういう実情に合ったやはり配置をしていただきたいということ。
 それから職種に関する問題としましては、さっき私が申し上げた「六・四〇」が定着の時期を迎えて熟練度もそれぞれ各局で加ってくるとなりますと、この単一的なニュースを並列的に並べるようなその編成の仕方から、だんだんだんだん企画度を加えた深みのある番組をつくっていかざるを得ないということになる。そうすると、フィルムまたはVTRを多用するような方向からしても、カメラマンとか編集要員の不足が恒常化してくる。こういうことも地方局の人から聞いています。しかし、NHKとしては、置かれている財政的な窮状のもとでは人員増はなかなかできない、全く不可能なことで、ここで新しいシステムの導入とか、技術革新というものを取り入れていかなければならない。
 その一つの例としてENG――エレクトロニクス・ニュース・ギャザリング、これを日本語でどう言ったらいいんでしょうか、ビデオ機材によるニュース取材システムとでも理解をさしていただいたらいいんでしょうか、こういうものの導入というものも考えなきゃならない。私の聞き及んでいるところでは、すでにアメリカを初めわが国の民放でも、このENGを導入して実用化をしている。従来のフィルム取材ですと、どうしてもフィルム経費がかさむのに反しまして、いま私が申し上げたビデオ機材によるニュース取材システムですと、後刻テープを消すことができて再使用ができるというような特質からも、アメリカでは生のリポートがこれによってふんだんにふえるとか、ドキュメンタリーの部分が非常に向上をしてくる、こういうことに威力を発揮しているとも聞いております。
 NHKでも、フィルム経費の節約とも絡みまして、早くから技術的な研究を行って、一部職制対応で、天皇訪米の際にはこういうものも使われたようでございます。NHKの厳しい財政のもとでは、増員などはとても早急に望めないとするならば、いま私が申し上げた新しいシステムの導入にもやはり迫られなければならないだろう。
 番組づくりの面から見ましても、これからのローカルニュースが、その素材をより地域の日常性の中に求めていく傾向が強くなっていくんじゃないだろうか。余りいい例ではないかもしれないけれど、たとえば買い物かごを下げた主婦がマーケットの前で何げなく交わす話が物価問題につながる、政治の問題につながる。こういう何げないものがローカルのニュースの素材としてどんどんどんどんふえてくる傾向にあるならば、やっぱりそれに敏速に、機敏に応じられるシステムというものもここで必要になってくるんじゃないだろうか。
 もちろんフィルムカメラが追及をいたしました非日常性というものは、これは絶対に必要で落とすことは私もできないと思う。狭い地域、集まり、グループの中では、しかしそうそう大きな事件とか、突発的な出来事というものは起こるものではありません。で、こうした日常性の中にこそ、ローカルニュースが成り立つ要素がますます大きくなっていく傾向にある。いま申し上げたとおりです。
 しかし、これも私が聞き及んだことでありますから真偽のほどはわかりませんが、根本的にはフィルム取材のカメラマンと、技術系のカメラマンとのいわばセクションの調整などに手間取ってなかなか前進をしていかない状況にあるんじゃないだろうか、こういうことも耳に入っております。ローカルニュース、ローカル番組拡充と密接につながるこういうシステム、こういう方向をNHKはどういうふうにお考えになり、それが本当にローカルサービスなり、これからの放送番組向上のために役立つとするならば、どんどん御採用になっていくのか、それに伴う内部の問題をどう御処理なさるのか、伺っておきたいと思います。
#113
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 先生がいま御指摘のとおりに、小型の軽量中継機材につきましては、NHKにおきましても漸次取り入れるべく準備を進めております。特にこの小型中継機材につきましては、その特性というのは現像が要らぬということ、あるいは絵を送るのに電波というもので送れるという特性がございます。そういった意味で、報道的に大変まず第一番に有効に使える手段だというふうに考えますので、その分野から入れていくべくいま部内を調整をいたしておるところでございます。
#114
○木島則夫君 私が危惧と申しますか、心配をいたしました、そういうものを導入をすることに伴う協会内部でのセクションとの調整というようなものは問題ではございませんでしょうか。意外に組織の中ではこういうものが大きな障害になりかねない、私はこう思うわけであります。
#115
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 確かにそういう問題というのは、双方のいままでの発展する過程の中にそれぞれの歴史を持っておりますし、それぞれの技術の開発の歴史を持っております。積み重ねを持っておりますので、先生の御指摘のとおりに、決して簡単なことではございませんけれども、しかし、視聴者にサービスするという、そういう一つの有効な手段が発見されましたそういう状況にございますので、とりあえず、ただいま私が申し上げましたようなニュースという面でまず取り上げていこうと、そして、それをさらに拡大をして取り入れていこうという、そういう考え方に基ずきまして、いまニュースの導入ということに着手をいたしておるという状況でございます。
#116
○木島則夫君 ひとつ、視聴者に本当の意味のサービスが速やかに、有効的にできるんだと、しなければならないという前提のもとに、内部のたとえば組織の問題、いわゆるセクションの問題なども解消されなければならない。そうしませんと、その地域に根差した民放にも切磋琢磨の問題でひけをとるとか、そういうことになったらこれはいけませんし、そういう内部の問題がローカルサービスの充実、発展のために、もしも阻害となるようなことがあってはいけないということで、多少いま微に入り細にわたってこの問題を取り上げた次第でございます。
 この機材の問題に絡んで、目まぐるしいほど新しいシステム、新しい技術革命というものが起こってきております。で、協会としましても、どの時点でどういう機材を取り上げて、これをどう配備をしていくかということは非常に私は頭の痛い問題であると思う。ましてや、窮迫した財政の中でそういうものの選択というものが非常にむずかしい。この辺の基準はどういうふうにお考えになっておりますか。そして、そのことが及ぼすローカルへの影響、これがまた取材なり、技術なり、現場に携わる人たちの士気の阻喪にもなりかねないというような問題をも想起をいたしますと、やはり相当重要な問題でございますので伺っておきたいと思います。
#117
○参考人(武富明君) お答えを申し上げます。
 何分にも大変高価な機材でございますし、これから導入をする計画というのを本年度の予算の中にも組み込んでございますが、いきなり各局にまで及ぼすというふうにはまいりません。まず地方本部から徐々に配備をいたし、そしてそれの、特に先ほど申し上げましたように、とりあえずニュース中心に使っていこうと考えているわけでございますが、それの状況その他を勘案しながら、さらにその規模を将来にわたって拡大をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#118
○木島則夫君 私の過去のささやかな経験で恐縮でございますけれど、まずもって地方本部にそういうものを配備をする。で、ある程度使う、また新しい機器ができる。そうすると、使っていたものを今度ローカル局に配備をする。ローカル局では前に来た機械にようやくなれたところにまた新しいのが来て、何だい、またこれを勉強しなきやならないのかと、上からの押しつけではないかというようなことも私のささやかな見聞として経験をしておりますので、そういうことがローカル軽視につながったり、ローカルで働く方々の意気を、士気を阻喪することのないように、ここでこそまた非常に実情に合った、ローカルを本当に温かいものとして扱った配備の方法というものも必要ではなかろうか。これはもうお答えはちょうだいしないで結構でございます。
 ところで、大電力化のローカルサービスをどうするかという問題、これは将来放送衛星ができてあまねく全国、いわゆる難視も解消されるというような将来の問題ともこれは多少絡むと思いますけれど、現時点で割り切って問題を御提起を申し上げたい。それは、大電力化のローカルサービスをどうするかということですね。特に首都圏の東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城などでは県域テレビ局もなく、ローカル放送時間は全国の県域放送局と同一の時間を一都六県で分轄をしている、分かち合っている、こういう状況ですね。したがって、何か地元の人からいうと十把一からげで、密度の薄いローカルサービスしかしてくれてないんじゃないかという、とりょうによってはそういう受け取り方もなくはない。
 人口集中地域であることを考えますと、何らかの方法でローカル時間をふやすなど、ローカルサービス強化の方法を考えなければ、こういった点でも私は問題が起こるんじゃないだろうかと。しかし、その一方で私は、やはり広域圏行政とか広域圏にわたる生活圏、そういうものが順次情報化社会のもとでできてきますと、あんまり細かくエリアを区切るということもどうかなと、私の中にも実は矛盾を含みながらこういう問題の御提起をしている。しかし、現実的には一都六県で、ほかでやっている放送時間帯を分かち合っているのじゃないかと、時間量を分かち合っているのではないかという単純な不満も起こらないではない。
 そこで、唯一のローカル放送は、FMを使ってのサービスとか、催し物の開催など、言ってみれば各局の知恵の部分で勝負をしている、ゲリラサービスと言ったらいいんでしょうかね、言葉は悪いかもしれないけれど。系統的なサービスではなくて、知恵の部分で勝負をするゲリラ的サービスというものによらざるを得ない。こういうものをもっと系統化していったらどうだろうか。もちろん地方局の自主性を尊重しなければいけないというのは、前段で会長からはっきりお示しをいただいた点でございます。県域ですね、県域地方放送局では、このところ知恵の部分で、いま言った単発的にゲリラ的なローカルサービスを行っている。たとえば、私が聞いたところでは、岡山放送局では成人の日に、岡山県教育委員会とタイアップしてコンサートを開く、これが番組と直結をする、いいことだと思いますね。こういうことを、やはり知恵の出し合いというか、知恵の部分でやっている。もう少しそれこそ中央と地方とが密に連絡をとりながら系統的なサービスができなかろうかという声を、私はたくさん聞くんでありますけれど、そういうところに抜かりはございませんでしょうか。
#119
○参考人(堀四志男君) お答えいたします。
 問題は大電力の首都圏、大阪、名古屋の問題と、さらにローカルの問題とに二つに分かれるかと思うんですが、現在、最もそういう点で東京、首都圏につきますと、ローカリティーというものが果たしてどういうものなのか、実ははっきりしない面がございます。それで、首都圏ローカルといたしまして、昨年度の番組改定から、木曜日の晩十時からだと思いますが、「ふるさとからこんばんは」という番組をあえてローカル番組として設定いたしました。それがそれなりに定着をしている段階で、したがって首都圏のローカルというものについては、まだ私たちは大いに考えなきゃいけないところがあると思うんです。
 ただ、近畿地方のローカルにつきますと、同じ大電力でもかなり違った様相を示しております。そして、強いローカリティーと、ローカル時間その他、ローカル放送に対する要求が、実は逆の形でNHK離れという形で出ているのが一番激しいのが大阪でございます。したがいまして、私たち現在一つのプロジェクトをつくりまして、大阪におけるローカル放送はいかにあるべきかということを、いろんな点から検討を開始している次第でございまして、一次、二次の案はできましたけれど、まだ最終案に至っていない状況でございます。
 それから、地方局が知恵の部分で勝負しているということでございますが、私は非常に歓迎すべきことではあるけれど、それを一体組織的、系統的にどういうバックアップの姿勢をとるべきかということについては、まずは予算面でのバックアップということをかなり組織的には行っております。すなわち、全中脱をして長時間討論その他の番組を組んだところに対する予算措置の面でやるべきで、それ以外中央から特段の指令を出すということは、地方の自発的意思を尊重するというたてまえから必ずしも適当じゃないので、現段階においては予算的措置によるバックアップ体制という状況をとるのが一番だというふうに考えております。
#120
○木島則夫君 それに関連しまして、知恵の部分で勝負をしている、それを系統的にどうバックアップするか、予算の面で大いにやっている、これからも大いにやっていただきたいと思います。その具体的な例といたしまして、たとえば地方で聞きますと、やっぱり東京のホールでやっているような番組をどんどん地方に持ってきてほしい、ブラウン管なり放送という声だけで聞いて楽しめるものも、そこで生を見ることの楽しみ、感動というものはやっぱり大きいんだという声がずいぶんあるんですね。こういう要望を反映して、地方では知恵の部分で勝負をする、そういうところへ本部から目玉商品なり、人が集められるような大きい番組をどんどんよこしてほしいというような声もあるわけでございます。
 財政が厳しい中でなかなかこれはむずかしい要求かもしれない。しかし、やはりそういう声も圧倒的に強いということも事実でございます。例を私聞いたんですけれど、この全中の派遣番組というものは、ローカル局の視聴者との結びつきというものを密にする大変いいチャンスである。しかし、「お国自慢」が終わった後、本当に人を引きつけられるような目玉番組というものが存在するんだろうか。こういうものをよく考えて、系統的に知恵の部分で勝負しているローカル局のバックアップをしてほしいと、こういう声もございます。いかがでしょうか。
#121
○参考人(堀四志男君) 「ふるさとの歌まつり」「お国自慢にしひがし」の後、そういう意味での番組はないわけですが、地方派遣につきましては、「のど自慢」を中心に、かつ文化講演会等まで含めまして、かなり年々ふやしている段階でございます。
 なお来年度からは、たとえば先ほど申し上げました土曜の芸能特集の第一弾は「北島三郎−ふるさとに歌う」という番組でございまして、各出身地に有名な歌手の方に行っていただき、そしていろんなその他の要素を加えて一つの魅力ある娯楽番組を編成するというものも一本の柱になっておりますので、決してそういうことに対してむとんちゃく、あるいは無関心ということでございません。ただ、何といたしましても、現段階では、まずはブラウン管で勝負ということで、それに集中しているわけでございます。
#122
○木島則夫君 さて、私はローカル番組充実のためにNHKに積極的にしてもらいたいこと、私見ではございましたけれど、御提言を申し上げたわけでございます。どうかひとつ積極的に取り入れていただきたい。そして、口先だけではない、目先だけではない、本当に地方に根差した放送文化というものの確立のためにがんばっていただきたい。
 さて、その地方文化への貢献ということで一つ問題提起をしてみたい。それはNHKの職員が特に専門職としての体験と知識を蓄えながら、二十五年、三十年たってNHKをおやめになりますと、ほとんどの方がその貴重な体験や知識の蓄積というものを社会に還元しないまま、何か個人の中で埋没をされてしまうんではないだろうか。もちろんこれがすべてではございませんよ。個人の生活、狭い範囲において、あるいはもっと広い範囲において活躍をされている方もたくさんあるから、私の言い方が悪いかもしれないけれど、いま言った知識と体験、これはやはり相当大きな国民的財産じゃないだろうかというふうに私は考えております。何かもったいないような気がする。ですから、地域社会にもっと還元できないだろうか。
 これからは教育、文化の時代であるとも言われているし、つまり政治もようやく地方への志向を始めた、こういうときに、もちろん従来からローカル番組、ローカル放送、地方文化の向上ということは努力をされて実績を上げられてきたんだけれど、そういう持てるNHKの何というんでしょうかね、知恵とか体験とか、放送の場で積み上げられた該博な知識、こういうものがもう少し広い意味で地方に還元できないだろうか。NHKが出資をして何か機関をつくってそこに大量に籍を設ける、こういうことはむずかしいかと思います。が、ここはやっぱり知恵をしぼりましてね、先ほどNHKの定年の問題が出てまいりました。私はいきなり定年の問題をここで御提起を申し上げる前に、これは雇用創出、中高年齢者の再就職と申しますか、社会還元と申しますか、こういう点とも絡んで、どうですか、NHKは何かお考えになっていますか。
 いい考えがあったら、どっかで金でも出してもらって、NHKをおやめになった方が私熟的な、本当にプライベートな形で話し方教室を開くとかいうんじゃなくて、やっぱりそういうものをもっと何か系統的に社会に還元できる道はないんだろうか。これはNHKと郵政大臣にも伺っておきたい問題でございます。いかがでしょう。
#123
○参考人(坂本朝一君) 大変温かい御指摘で、私も勇気づけられるわけでございますけれども、御承知のように最近NHK放送文化センターというのが東京でも誕生いたしまして、そして、もう来月から開講されるということでございますが、そういうようなことが試みられるという底には、やはり東京だけでなしに、少なくとも地方本部ぐらいまでそういう形のブランチができて、そして、いま木島先生の御指摘のようなことで、地方文化にお役に立つということが望ましいんじゃないだろうか、そんなことでむしろ積極的に、前向きに検討しようじゃないかということで、余り大ぶろしきを広げるようなことを申し上げてまた後でおしかりを受けるかもしれませんけれども、考え方としてはそういう方向で検討すべきではないだろうかというふうには考えている段階ですということだけ、とりあえずの御答弁として申し上げたいと思います。
#124
○参考人(堀四志男君) それにつけ加えて申し上げますが、いま全国都道府県三二%に達しましたが、各種教育委員会等が中心になりまして、放送を暮らしに生かそう、あるいは放送アカデミーというかっこうで、放送を基軸にいたしましていろんな集会が持たれております。それにつきましては、NHKといたしましては積極的に御協力して、かつ人の派遣その他については、特に意を用いてこれに協力しておるわけで、そういうものがさらに隆盛になるということが会長の申し上げたことと表裏になって、木島先生のおっしゃった趣旨に近づいていく道になりはしないかというふうに考えておる次第でございます。
#125
○木島則夫君 郵政大臣、いかがですか。
#126
○国務大臣(白浜仁吉君) 若い者の世代だと、こういうふうなことも言われますが、反面考えてみますと、大分人間の寿命も延びてまいりまして、いろいろな長い間の経験を生かしたことがまた後に続く世代の人たちに役に立つような、そういうようなことも大事なことだと思いますから、いま専門的に長い間、同じ仕事でいろんな経験を積んだ、そうしたことを将来のため生かしていくということの考え方としては、私どもは何によらず非常に賛成していきたいと考えております。結構なことだと思います。
#127
○木島則夫君 そういうことをひとつ周りにも輪を広げていただきたいと思いますよ、本当に。もったいないと思いますね。これは余りこういうところで言うべきことではないと思いますけれど、該博な放送の知識、放送文化の知識をお持ちになった方が退職をされると、翌日から本当に一市井人になる、それも私は御自分の選んだ人生としていいかもしれない。しかし、やはりいま言われたように寿命も長くなりましたんでね、これをできるだけ社会に還元する、それがことに地方への還元ということになれば、またまたブラウン管と同時に私は大きなコミュニケーションということになっていくんではないだろうか、この辺ひとつ知恵をしぼっていい方向を考えたいと思いますね。
 さて、そこで、ラジオの混信対策についてお話を進めてみたいと思います。わが国では、国際協定に従って昨年の十一月の二十三日を期して中波ラジオの周波数を一斉に切りかえたわけです。しかし、協定国の一部では周波数の切りかえを行っていない。このため依然としてビート混信がひどく、国際協定による周波数変更の効果を上げていないと聞いております。NHKなども被害をこうむっているその一つではないかと思いますので、まずNHKからその実情を簡単にひとつ聞かしてください。
#128
○参考人(沢村吉克君) 先生御指摘のとおり、昨年の十一月二十三日、私ども長い放送技術担当の経験の中で申しましても前代見聞の大事業であったわけでございます。と申しますのは、一夜のうちにNHKの放送局だけについて申しましても三百七局のラジオの周波数の一斉切りかえということを、幸いにして無事故に、円満に行えたということでございますが、おかげさまでその結果、混信は全般的にはかなり改善をされたわけでございますけれども、一部近隣の外国の放送局の周波数変更が、国際的に決められたとおりにまだ行われていないものがあるということでございまして、そのためにビート混信が若干残っている局がございます。
 一、二の例を挙げますと、私どもの放送局の中では、長野あるいは大分あたりは、特に夜間ひどいビート混信が残っているわけでございます。これらにつきましては郵政省にお願いをいたしまして、国際的な機関を通じましてこれの善処方を交渉していただいている次第でございます。
#129
○木島則夫君 これはもう郵政省にも特段の努力を払ってもらわなきゃいけないことなんでありますけれど、仮に各種の措置を講じてもなおビート混信が続く場合、NHK関係の中波ラジオは体系上、その中波放送の枠内で対処することにもなろうと思いますけれど、民放は一体どうするのか。たとえばFMへの移行を希望するものにはFM波の割り当てを考慮するのかどうかということです。電波監理局長、いかがですか。
#130
○政府委員(平野正雄君) 民放の局の外国波混信につきましては、NHKと同様、まず第一義的には中波独自の対策を考えたいというふうに考えておりますが、ただいま御指摘のように、混信が相当強くて将来にわたって改善が見込まれがたいというような場合には、郵政大臣の御決定にまつわけでございますけれども、別の音声媒体による放送、たとえばFMによる放送ということも考慮いたしたいというふうに考えております。
#131
○木島則夫君 さて、白浜郵政大臣は、先般当委員会で、民放FM放送の拡大については「国民の要望にこたえるべく今後とも鋭意努力をしてまいりたい」、こういう所信をお述べになっているわけでございますが、こうした中波ラジオの混信が絶えない状況のもとで、FM放送を即拡大をするということには問題はないだろうか。昨年服部郵政大臣が、ひとつ景気浮揚策のためにFM放送の拡大を行おうではないかと言って大変積極的な姿勢を示された。しかし私は、放送の波の問題ですね、電波行政というものは、景気回復とか不況対策と混同してもらってはこれは困る。やっぱり一貫した筋がなきゃいかぬと思っているわけです。
 電波は貴重な資源であることは、これはもう郵政当局が一番御存じのはずでございましょう。したがって、放送事業者や国民の中からも、中波の混信問題を差しおいてFMの新局問題に取り組むことは、公正な電波行政を目指す郵政省として手ぬかりがあるんではないかという声も出ているわけでございます。いかがでしょうか。
#132
○政府委員(平野正雄君) 民放FM放送につきましては、四十六年以来、すでに置局いたしております東京、名古屋、大阪、福岡、各地区のみでございましたが、昨年十二月、御指摘のように札幌、仙台、静岡、広島の各地区に対しまして周波数割り当てを行ったところでございます。
 今後のこのFM放送の拡充につきましては、先生御指摘のように、昨年十一月に行いました中波放送用周波数の一斉切りかえ後の混信状況等を十分に見きわめた上で、中波混信対策につきまして、ある程度の見通しを得た上で措置していく必要があるのではなかろうかというふうに考えております。
#133
○木島則夫君 私、確認さしていただきます。これは大変大事な問題です。FM放送の拡大というものは、当然いま電波監理局長がお触れになったように、中波の混信問題を解消した上で、しかも音声放送全体のビジョンを確立した上で措置すべきなんだというふうに確認してよろしゅうございますか。
#134
○政府委員(平野正雄君) できるだけ御趣旨に沿うように努力をしてまいりたいと思っております。
#135
○木島則夫君 その辺、大変大事なところなんで、「御趣旨に沿うように努力」ではなく、そういう方向をやっぱりたどらざるを得ないでしょう。いま私が言ったように、FM放送の拡大というものはやっぱり中波の混信問題を解決した上で、もう一つ音声放送全体のビジョンをどうするかという、そういうことの上に立ってやらなければどうもぐあいが悪い、私はこう言っているわけです。もう一度お答えをいただきたい。
#136
○政府委員(平野正雄君) 昨年、民放FM放送の拡充に際しまして、郵政省がとりました方針は御承知のとおりでございまして、できるだけ早く民放FMを全国各県に広げていこうということであったわけでございます。したがいまして、中波放送の混信のない県でございまして、経営が十分にやっていける、さらには既設の局との関連も非常に問題がないというようなところにつきましては、前向きに考えざるを得ないというふうに考えております。
 一方、先ほど申し上げましたように、いまだに近隣諸国において協定を遵守しないという国があるわけでございまして、これに対しましては現在鋭意、国際的な協定でございますので、協定を遵守していただくように、IFRB等を通じまして調整をしておるところでございまして、そのような状況を踏まえながら、FMにつきましてもやはり前向きに対処をしていくということが必要でございますので、中波の対応が全部済むまでFMが促進できないというふうには実は考えにくいわけでございます。
#137
○木島則夫君 現実処理問題として、そういうお答えもある程度私はわからないではありませんけれど、しかし、現実対応をする前にやらなければならないことは、中波の混信をなくすということ、それから音声放送の体系をやっぱりきちっと将来に描いて、その上でやっていただきたいということは、これはもうここで議論を蒸し返しても時間ばかりかかりますので、私の要望として申し上げておきたいと思います。
 さて、NHKと郵政省、両方に伺います。
 去年の一月十七日、東京都内でNHKの総合テレビの電波が乗っ取られました。この種の電波ジャックというものが今後起こらないという保障はあり得ない。この問題については、郵政当局でも大きな関心を持って、不法電波を監視するための対策を立てているものの、何せ広いエリアの中でありますから、こういうものを捕捉することは至難のわざであると言っていいんではないかと思うんです。この電波ジャックの問題は、昨年のたしか二月十日の決算委員会でも私が取り上げて、電波ジャックと関連をして、不法電波を発射する温床ともなっている機器類の販売などにもメスを入れるべきであるということを御指摘を申し上げたわけでございます。
 このたびNHK当局では、放送を防衛をするという見地から、民放と協議をされて電波ジャックの防止対策、また電波ジャックが発生した場合の措置などについて検討をされていると聞いております。そして、郵政省に対する要望書もお出しになったと聞いておりますけれど、どういうものをお出しになったのか、伺いたいと思います。
#138
○参考人(沢村吉克君) 電波ジャックに対しますNHKの対応策、とりあえずの対応策につきましては昨年御報告申し上げたかと思います。NHKの組織、あるいは委嘱をいたしております番組モニターその他、さらには電器小売商組合の方にもお願いをいたしまして、これの発生いたしました場合の通報・連絡体制を確立したわけでございます。
 その後最近に至りまして、先生の御指摘のように、民放との間に申し合わせができました。電波ジャックの発生についての情報を得た放送事業者は、相互に情報の交換を的確にやろうではないか、また、特に電波ジャックをされました放送機関は、その情報をより的確に、正確に確認をした上で、その同じ地域の放送局に情報を流す、またその情報を受けた放送局は協力をし合いまして、適切な方法で、どこそこのどの電波が電波ジャックを受けてますというようなことも、放送を通じて必要に応じて報道をしようというような、相互連絡並びに情報交換の申し合わせをしたわけでございます。われわれはそういうことで得ました情報は、できるだけ速やかに電波監理局の方に御連絡を申し上げまして措置をとっていただくという体制をとったわけでございます。
#139
○木島則夫君 去年の二月十日の決算委員会で私が申し上げた趣旨は、わが国の無線局は百五十万局、割り当て周波数も七千波以上に達していると。主として個人用として利用されていると思われるアマチュア局や簡易無線局が八十五万余り、全体の六〇%を超えている状況。これは電波利用の大衆化とか民主化とかいう点では確かに歓迎されるけれども、反面、電波利用の大衆化は無免許開設など不法利用、こういったものの誘因ともなるわけです。申し上げるまでもなく、警察無線を盗聴する機械、電波探知機、あるいは国内では使用が認められていない輸出用のハイパワー・CBトランシーバーなどが堂々と通信販売、あるいは店頭で白昼堂々売られている。
 しかも、法律面から見ても、無線の発信については大変厳しい制限を設けている電波法も、受信に関して言うならば、傍受してその存在もしくはその内容を漏らしたり、これを窃用してはならないとあるだけで、トランシーバーについても、アマチュア無線局、アマチュア無線などと違って資格も要らない。わりあい安い値段で買える。しかも、使えないことになっている十ワットから二十ワット以上もある輸出用ハイパワー・トランシーバーも使われている、不法電波の横行に拍車をかけている、こういう趣旨のことを申し上げたわけでございます。
 さっきも私申し上げたけれど、放送ジャックというものはこれから起こらないという保証もないわけでございます。放送ジャックを防止し、警察無線通信の盗聴とか、盗聴機器の販売等の取り締まり対策がぜひ必要。こういったことは単に電波監視体制を強化するだけでは十分ではない。だから、電波法制の見直しまで行うべきである、こういうふうに私は申し上げた。そして、服部郵政大臣も、ここにおいでの平野電波監理局長からも、これを真剣に検討することを確約をするという、こういうお約束もいただいております。が、その後どうも具体的に進展をしていないようでございます。
 今回NHK、民放連から出されました罰則強化などの要望というものも、私は放送事業者としてちょっと遅きに失したんじゃないだろうか。私はもっともっとこういう防衛体制、防衛を真剣に考えるならば、早くこういう要望もお出しになるべきだったんではないかと、こう思うわけでございます。
 それはさておき、NHK、民放連から要望、ことに罰則の強化などを含めた要望が出されている、これに郵政省はどう対応をしていくか、これは非常に大事ですよ。通産省との絡みもあります。そういう機械を差しとめてもらうと、この不況下に倒産をする企業も出てくる。それはそのほかの方法でそういうものは救えばいい。それとこれとを混同してもらっては困るということもあらかじめ申し上げておいて、確たるひとつお答えをいただきたい、もう一年たっている。
#140
○政府委員(平野正雄君) 電波ジャック等の電波妨害の防止対策という観点から、電波法など法制面の見直しについてでございますが、昨年来鋭意作業を続けてまいっておるところでございます。その中で罰則の強化の問題につきましても、法務省その他関係省庁と打ち合わせをしながら検討を進めてまいっておりますが、現段階では、この放送ジャックの場合は、刑法のいわゆる業務妨害罪の適用も可能ではないかというような意見もございました。罰則の強化ということは法制上必ずしも必要ないのではないかという点を中心にいたしまして、現在いろいろと意見を交換中という状況でございます。お言葉でもございますので、なお鋭意検討を進めて詰めてまいりたいというふうに存じております。
 なお、無線機器の販売規制の問題でございますけれども、法的規制を講ずべきかどうかという問題につきましても、昨年来検討を進めておるわけでございますけれども、個人の自由権にもかかわる、先ほど御指摘がございましたようなむずかしい問題でもございますので、なお慎重に検討をいたしたい、鋭意詰めてまいりたいというふうに存じております。
#141
○木島則夫君 放送妨害対策に関する放送局からお出しになった要望書には、現行電波法の諸規定というものは、法制化の経緯及び現状から見て、放送妨害に対して十分に対応できるものとは言い切れない。この際、放送妨害に対する法制上の整備を急がれるように要望する、はっきり放送当時者からこういう要望が出ているわけですよ。
 放送は内容、番組、編成、充実をしなければいけない。もう一方ではやっぱり非常に複雑化してきたこういうむずかしい社会の中で、ことに情報メディアの放送というものをコントロールしようとする悪質な犯罪というものは、これから私は出てくる大きな可能性を持っていると思う。こういうものを法制の面で防衛をしていくということもこれから忘れてはならないことだと思いますが、電監局長、積極的にひとつ、こう私も言ってるんだから、ちょうど一年たったのよ、あなた。もう相当前もったお答えができるはずじゃありませんか、ないですか。もう時間もありませんから、ちょっともう一回、ひとつ具体的に聞かしてちょうだい。
#142
○政府委員(平野正雄君) 先生ただいま言われましたように、電波法制の中では、送信機側に相当重点が置かれておることは御承知のとおりでございますし、また、送信機の破壊等につながる面につきましては、すでに法制上取り上げられておるわけでございます。それに対しまして、ただいま御指摘の電波ジャックという新しい事態に対応する問題となりますと、実は諸外国の例等も調べてみておるわけでございますけれども、必ずしもうまい対応方法がないというようなこともございますし、もう先生十分御承知のように、すでにございます法律とのバランス上の問題、解釈上の問題、そういった広範な関係方面との調整が必要になるわけでございますので、私ども積極的、前向きに取り組んでおるつもりでございますので、御理解を得たいと思います。
#143
○木島則夫君 あとはNHKに一言申し上げてきょうの質問を終わります。
 NHKが置かれている厳しい環境、そしてNHKに対する期待、これも非常に大きいものがあろうと思います。しかし、NHKを支える財政的基盤、これはもう予算審議の席で毎回出る最重要テーマでございます。大事だ大事だ、大変だ大変だと言っているのが現状。やっぱり私は、もうこのあたりで相当突っ込んだ解決のめどというものを立てない限り、こういうものが恒常化してしまって、それがやる気をなくさしたり、士気を阻喪をしたりするようなマンネリ化につながっていくことを大変恐れます。
 私は、前々回の予算審議のときにも申し上げたつもりですけれど、大変厳しい環境のもとに置かれているけれど、NHKが民放と二本立てで果たしているこの役割りというものは大変大きい。したがって、公共放送を意識して萎縮をしないでやっていただきたい、こういう言葉を最後に申し上げてきょうの審議を終わりたいと思います。
#144
○青島幸男君 まず、放送大学についてお尋ねをいたしますけども、当委員会でも、すでに何人かの委員の方によって問題が提起されておりますけども、放送法と学問の自由というのは、元来相入れぬものじゃないかという認識を私は持っているんですけども、その点、どううまく調整できるのか、手だてをお尋ねしたいと思います。
#145
○政府委員(平野正雄君) 放送法は、放送事業者に対しまして番組編集の自由を保障いたしておりますが、それとともに、放送事業者の自主規律により、番組内容の適正化を図りますために番組審議会の設置、あるいは番組基準の作成等を義務づけておりますほか、政治的公平の確保等、いわゆる最小限の番組準則を定めていることは、先生御承知のとおりでございます。これらのうち、番組審議会の設置及び番組基準の作成の義務づけにつきましては、学問の自由をより高度に保障する見地から、放送大学の放送に対しましては、法律による義務づけよりも、大学の自主規律に待つことが適当であろうと判断をしたわけでございます。
 この点につきましては、もう先生御承知のように、放送大学学園がつくりました大学教育のためのカリキュラムそのものが放送番組になるわけでございますので、そのようないわゆる認識をしておるわけでございます。また、政治的な公平の確保等の番組準則につきましては、放送大学学園の放送といえども一般視聴者が視聴するものでもございます以上、放送秩序全体のバランスを考慮いたしましてこれを適用することが適当であろうという判断をしたものでございます。
 このようなことからいたしまして、お尋ねの学問の自由と放送法の整合につきましては、種々措置をいたしましたが、基本的には大学の権威に裏づけられた自主規律に待つことによって十分確保されてまいるものというふうに考えておるところでございます。
#146
○青島幸男君 どうも大学教育のあり方については、私と郵政省とかなり見解が違うような気がするんですけども、自主規律でフィルターを通して同色だかわかんなくなったようなものは学問ではない、学問の自由に値しないというふうに私考えるわけですよ。
 もともと学問というのは反権力的なもんで、コペルニクスやガリレオの例を持ち出すまでもありませんけども、御用学者に卓説なしと申しますか、権力に反抗するという立場から幾つかの学説が出たりしているわけでして、少なくとも、ユニバーシティーというのは人が集まるところという意味だそうですね。そうしますと、放送大学に人が集まるというのは、スクーリングはあるんでしょうけれども、本来大学の意味というのは、ただ知識を得るということだけではなくて、強烈な個性とか、独断と偏見とかに触れまして、その中で自己研さんをしていくということが大学の意義だと私は思うんですけどね。
 そうでなければ実際大学の意味はないわけでして、そういうことの中から、私みずから自分の学生時代の生活のあり方見ると、内心じくじたるものがあるんですけども、そういう論議だとか、あるいは教授の強烈な個性とかに触れて、それに反発したり、あるいは同調したりするところから自己研さんがなされるとすれば、そういうものが大学だとすれば、放送を通じて行うというようなものの中にそれが溶け込む道理はないと私思うんですけどね。
 そもそも話の発端、当初NHKが協力をしてこの大学放送をやろうじゃないかという話もあったようですけども、結局それができなかったということは、学問の自由と、それから放送法で縛られている不偏不党の精神と、これが相入れないんじゃないか。結局はそのジレンマを解消することができなくてNHKの手を離れてしまったんだというふうに私は考えますけどね。
 大学の教育のあり方、学位を与えるまでの大学の制度というものをNHKの放送の中でやるとすれば、当然学問の自由というものとぶつかり合ってそこにジレンマが生じてくる。これが解決できないからNHKはこの問題から手を引いたと。私はもしそうだとしたらNHKの良識だと思うんです、これは。そういう意味合いの大学というものの性質から考えますと、この放送大学がその要求に果たしてこたえ得るかどうか、その点どう考えますか。
#147
○政府委員(平野正雄君) 放送大学学園の構想でございますけれども、地理的、経済的な就学上の困難を排除いたしまして、すべての人々に生涯にわたって大学教育の機会を提供するものでございます。郵政省といたしましては、この意義に着目をいたしまして、放送大学学園構想を文部省ともども推進してまいったわけでございますが、御指摘のように、放送大学学園の放送につきましても、番組準則の準用など、放送法上の最小限の制約を受けることとなるわけでございまして、これにつきましては、学問の自由、大学の自主の保障のもとに、大学の自律作用に任せることにより、私どもとしては十分調整がとられるものというふうに考えておるわけでございますし、また、先生おっしゃいますような意味におきましては、放送大学学園の教育手段といたしましては、放送だけではございませんで、教科書の配付でございますとか、スクーリングなど種々の教育手段を考えておるわけでございますので、全体として見た場合には、大学としての機能を十分発揮できるものというふうに考えるわけでございますけれども、実際にはこれから始まるわけでございますので、運用に当たりまして、立法の趣旨に即して十分な対応をとる必要はあるというふうに存じております。
#148
○青島幸男君 学園の中で学問の自由が保障されたといたしましょう。しかし、それを一たん放送に乗せて出すという段階になりますと、それはその学説だけを主張するわけにいかないわけでしょう、放送法のたてまえから。一般の方々も見るわけですから。そこから出たものを受ける立場で見ると、これは幾つものフィルターを通して、何色かわからないような見解でしかないわけでしょう。そうなると、そこから触発される学問への情熱というものはかき立てられないわけでしょう。学問というのは、私は知識を吸収することじゃなくて情熱だと思うんですけどね。スクーリングも結構だと思うんです。しかし、わが国はオーストラリアなんかと違って、いかなる僻地といえども、離島といえども、百年の伝統を持っている郵政事業というのがあるわけですから、郵政職員の誇りと情熱に支えられて百年間来ている、いかなる僻地であろうとも離島であろうとも確実に送達される、こういうシステムを利用して、通信教育でいま現に大学を行っているわけですから、これにのっとってやった方がずっといいんじゃないかという気がしますね。
 実際に聴取したとしますと、この放送を。どういうスケジュールで行われるのかよくわかりませんが、とりあえず伺ったところによりますと、午前中何時聞か放映する、お昼には、朝見られなかった人のために放映する、夜もう一度再放送を行うというようなシステムですね。そうなりますと、何時から何時に自分の取りたい科目が放送されると、そういうスケジュールをつくりまして、みずからそのスケジュールの中で決められた時間に見て、しかも、決められた場所にスクーリングで参加しなきやならないわけですね。そうなりますと、この大学で学位を与えるわけでしょう。で、この学位が世間一般にそれなりに通用するためには、かなり程度の高いものにしていかなきゃならないですね。
 そうすると、かなり程度の高いものにしていくためには、かなり厳しいスケジュールを強行することになりますね。そうなりますと、実際に働いている人たちが何時、何時に起きて何の科目をやる。これ一年のときはまだいいですよ。これ二年、三年、四年と単位をたくさん取らなきゃならないでしょう。そうすると、一年向けのもの、二年向けのもの、三年向けのもの、四年向けのものと錯綜して放映するわけですね。その中で、自分の決められた取得単位の時間をあらかじめ定めて、それに向かってねじりはち巻きで勉強して、それで、しかもスクーリングに参加しなきやならない。で、しかも非常に濃度の濃いものを要求するとすれば、かなり苛酷なものを与えることになりますね。
 現在通信教育であるならば、幾つかの本で自分の自由な時間に、自由に熟読玩味することできるわけですね。しかも、一人の教授があいまいもこたる説教をたれるんではなくて、強烈な個性に本で触れ得るわけですね。そういう情熱に触れることが知識欲の開発になったりすることにつながるんで、そこに本来の大学の意味があると思うんですよ。ただこっちからたれ流しに放送を流しておいて、さあ聞け、聞いた分だけ集まって試験しろというようなことで実際申し上げる大学、この憲法で保障された学問の自由に匹敵するような、値するような大学教育というのは行われるんですかね。その点、私は大変な疑問を持つんですけどね、どうお考えになりますか。
#149
○政府委員(平野正雄君) 先ほども申し上げましたように、この放送大学学園の教育手段といたしましては、放送媒体の特徴は十分に生かす必要はございますけれども、それだけではございませんで、いま先生がおっしゃいましたように、事前に必要な教科書も配付をすると、十分にそういったものをそしゃくした上で、いわゆる放送に接するということも考えられておるように聞いておりますし、またスクーリングというようなチャンスに、その地域、その地域における先生方にじかに接しまして、できるだけ先生が理想とされておりますような人対人の関係というようなものも取得できるようにと、それも、先ほども言いましたように、これから始まるわけでございますので、相当やはりどちらの側からも努力をしていく必要があるだろうと思います。
 また、放送媒体といたしましても、いわゆるテレビ、ラジオ一系統ということを原則的に考えておりますけれども、テレビにつきましても技術の進歩、発達によりまして、いわゆる多重放送が将来こういった目的に使えないということでもないと思います。そういった、国民の志向する方向に持っていくための相当な努力というものが確かに必要かと思いますけれども、こういった方法によって大学教育ができないというふうには実は私は考えていないわけでございます。
#150
○青島幸男君 それは補完的な役割りは果たすかもしれませんけどね。平野さんおっしゃるように教科書を配付するわけでしょう。で、それを熟読玩味すればいいというんだったら通信教育でいいじゃないですか。何でテレビを利用してやらなきゃならないのかというのが大変に疑問が残りますね。しかも思想、信条に関係ないような中等、高等教育、あるいはその基礎的な知識の分には一向に構わないわけですね。まず危険はないでしょう。しかし、いやしくも大学の学問として何かやる以上は、そこに教授の主張だとか、考え方が開陳されることは当然でしょうし、それをわざわざ放送という、だれにでも見られるシステムに訴えると。
 これは有線放送だとまた違うんですよね。同じように画像に絵が映るにしても、有線放送と電波による放送は、よくそういうたとえがありますけども、雨の水と水道の水と違うみたいなもので、雨の水は天からどこへでも降るけども、水道の水は管を引いて、水道局に金を払わないと来ないということですからね。それはかなり自由なことが中でできるかもしれません。一般のほかの方々も見えるということから制約を受けるわけでしょう。そうなると、学問の自由はいたく制約されるではないかと。
 それならむしろ通信教育で、いまあるシステムを活用するなり、何でも一千億からかかるというわけですから、それだったらそっちの方へ直接補助するとか、私学の育成に役立てるとかというふうにした方がずっと、国民の金ですからね、成果の確実に上がる方法があるんじゃないかという気がしますね。それに、いずれにしてもこれからやることなんでよくわかりませんみたいな方針で、この重大な法案を提出してくるというようなことというのは、ちょっと常識じゃ考えられないような気がするんですけどね。それで、画一化されることもこれは全く否めませんね。一つの放送をやるわけでしょう。
 いまでも私学にも国で補助をしたりしているということは、それはマスプロ教育が進んでいるとかいろいろ言われてはおりますよ。マイク使って教師が言うんだから人と人との触れ合いなんかないじゃないかとは言いますけどね、それはその学校には、その学校の伝統とスクールカラーというのが歴然としてありますね。同じ国立でも、東京と北海道では違うとか、気風が。そういう気風とか伝統とかというものはおのずと培われてくる。そういう相互の交流が新しい学問への情熱を生むというようなことを前提として考えますと、むしろ大学放送で画一化してしまった知識を画一的に流すということは、弊害こそ生むことはあっても、進展に何の役にも立たないじゃないかという気がしますけどね、その画一化なんかについてはどうお考えなんですか。
#151
○政府委員(平野正雄君) これからのことでございますからどうなるかわかりませんと申し上げているわけではございませんで、十分に詰めました上で御提案をしておるわけでございますし、今後のお互いの努力によりましてますますりっぱな放送大学事業が行えるものということを申し上げておるわけでございます。
 またこの放送大学は、学校教育法に基づきまして設置される正規の大学でございまして、これを設けました趣旨は、放送という教育機能を果たすに適しました放送を利用いたしまして、広く国民に大学教育の機会を提供するとともに、地理的、経済的理由等による就学上の困難を排除して、すべての人々に、生涯にわたって大学卒業の資格を取得できる道を開くということのためでございますので、ただいま先生がおっしゃいましたように、なるほど放送でございますから、その放送の教育的機能を十分に利用するという意味、その裏側は確かにないということは申し上げませんが、十分な利活用が従来も行われておったわけでございますし、これからも行われるはずでございます。
#152
○青島幸男君 ですからおのずと限界がありまして、そういう機能を持っているから利用しなきゃだめだという見解ではないと思うんですよ。それで、NHKさんのやっていらっしゃる放送も、大体文化教養講座程度を限度としているところに落ちつくのはその程度だと思うんです。で、一般の方々も見られますから大変に有効だとはおっしゃいますけどね、系統的に、しかも段階的に見ていかなきゃならないということになりますと、相当熱意がないと続けて見られませんね。
 一般の方々の、ただひたすらテレビを珍しがって、こうくっついていたという時期はもうすでに終わって、テレビの持っておりますその知的欲求を満たすというような教育の効果に多くの期待を寄せているということも事実でしょう。確かに関心も高まってはいますけどね、そこまで欲求が煮詰まっているとは思えませんけどね、国民的なニーズがあるというお考えで発足なすったと思いますけども、そのニーズがあるとしたらその根拠は何なんですか。
#153
○政府委員(平野正雄君) ただいまの御質問に対しましては、文部省の方で、放送大学利用希望の状況を調査いたしておるわけでございますので、文部省にお聞きいただいた方が適当かと存じますが。
#154
○青島幸男君 確かにアンケートなんかをとったりなさっているかもしれませんけどね、アンケートというのは設問によってどうにでもなるんですよね、それは御承知のことだと思いますけれども。確かに放送で大学教育を行う、きちっと聞けば学位ももらえる、どうでしょう、「いいですね、」、みなさんおっしゃるでしょうね。そういう基本的な背景とか、そういうものを前提としないで聞けば、それは確かに教育の機会を全国的に広く拡張することになるわけですから、その面だけから考えれば「否」がないのは当然なはずですよ。
 少なくとも四十何%も大学進学希望者がいる、現に行ってるという事実がありますしね。僻地にいるから、あるいは経済的な事情が許さないから、大学に行きたいけど行けないという方がおいでになることは事実です。しかし、だからといって、放送大学ができればその方たちの欲求をすべて満たすことができるかというと、弊害の方が多くて、むしろ利点が少ないんじゃないかということを、私は先ほどから申し上げているのはそのことなんですけどね。通信教育もあるんだし、補完的な役割りでしかない放送なんかで少なくとも大学教育をやろうというのはどだい無理だ。
 しかも、大学の名に値する学問の自由を保障することが放送法によってできないんだから、だから、高等学校教育程度だったらできるかもしれませんけどね、それから先で自己開発をするための手だてとしたら無理ではないかということを私は申し上げているわけですよ。国民的なニーズがどの程度あるのかということを的確に分析、調査したというようなことを聞いてないですけどね、私も。あなたは文部省に聞いてくれと言うからこれ以上お尋ねしませんけどね。こういう状態でこのまま発足していって、しかも一つ別系統の電波ができるわけですから、これは重大な問題だと思います。
 少なくとも現状、いまあるNHKの聴視料によって成り立っているこのシステムと、企業としてやっている民法と、この二つが拮抗する状態で二十何年も国民の中に定着しているわけですね。ということは、国民の中にある種のコンセンサスがあると私は認識していますね、こういうやり方がいいんじゃないかと。だからこそNHKの経営は成り立っているんじゃないですか。いろいろ不満な方もおいでになるでしょうけれども、総体としては。健全な運営が行われていると考えていいでしょう。それは国民の良識が支えていると思いますね、私は。少なくとも放送というような、国民の財産に国家権力が毛筋ほどでも影響を持たない方が望ましいというコンセンサスがあるんじゃないですか。それがNHKを支えているんだと私は思いますけどね。それは当然NHKの企業努力も、経営努力もあるでしょう。しかし、国民がそれを理解し、大多数の方が聴視料をお支払いになっている、だから成り立っているわけですね。
 そこに全く別系統のものを、しかも国家まる抱えの電波を流すという。幾ら教育に、というにしきの御旗を掲げても、これはちょっと問題が大き過ぎますね。しかも、これNHKに対する心理的な影響というものも相当大きなものだと思いますね。片一方は、民法じゃ十一時半過ぎたっておもしろいものいっぱいやってくれているよ、何局でも。今度はちゃんと聞いてれば学位もくれるという放送ができるんだって、これもただなんだって、何でNHKだけ金取るんだと、こういうことになりますわね。少なくともNHKの経営基盤にさえ悪影響を及ぼしかねないという、こういう放送大学をあえて設立するという意味は私にはよくわかりませんね。そういう心理的な影響は全くないとお考えになりますかね。
#155
○政府委員(平野正雄君) まず、先ほどお尋ねのございました放送大学に対する教育需要の予測調査結果の概要が文部省の方から手に入っておりますので御紹介を申し上げたいと存じますが、満十八歳以上の者を対象として全国から五千人を無作為に抽出をし、面接調査を行った結果、四千百五十五名から有効な回答が得られました。回収率が八三・一%ということでございます。それによりますと、放送大学の利用につきまして、放送大学で勉強したい人は全回答者の四五・五%である。その約三分の一は勉強によって単位や資格を取ることを希望しているという結果が出ております。
 なお、ただいま御質問ございました、放送大学の創設によってNHKに与える影響の問題でございますけれども、放送大学学園は全国的に大学教育を行いまして、その手段として放送業務を行うものでございますが、放送大学学園法案の策定に当たりましては、従来の経緯でございますとか、関係者の意見等を十分に踏まえた上、学園の放送内容を大学教育のための放送に限定をいたしまして、現行放送体制に及ぼす影響を最小限にとどめるよう措置をした次第でございまして、報道、教育、教養、娯楽等の総合的な番組を放送いたしますNHKの放送とはほとんど競合することはないというふうに考えるわけでございます。NHKの放送受信料制度等に及ぼす影響はほとんどないというふうに考えられますが、この点につきましてはなお今後とも十分に配意はしてまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。
#156
○青島幸男君 でき上がっちゃってから配意しても遅いんですよね。
 そういうおそれは恐らくないだろう、ないだろうみたいなことで物事が進展すると非常に楽なんですけども、必ずしもそういかないのが実情でありまして。しかも、一番私疑問に思うのは、この法案の審議の方法と成立への手続ですけどね。これは文部省が主務官庁ということになっているんで、文教委員会で論じて、その審議の経過と結果によって左右されるわけですか。放送法を変えるというようなことも附則でちょろっとやられちゃうんですね、これ。附則で放送法の重大な部分を変えられてしまうというのはどうも合点がいかないですね。しかも、その施行の期日を改めるとか、字句の訂正とか、そういう問題じゃないですね。重大な放送の根幹にわたる問題、しかも、主務官庁たる郵政省に何ら審議に参加する機会もなく、勝手に文教委で決めたらそのままいっちゃうというのは、どう考えても合点がいかないんですけども、どうですか。
#157
○政府委員(平野正雄君) 法律案の提出の問題でございますけれども、内容的に密接不可分な関係を有する場合には、それが複数の法律にわたる場合におきましても、一本の法律にまとめて提出するのが通例でございまして、今回大学教育に対する広範な国民の要請にこたえるため、放送等によって教育を行うことを目的とする特殊法人放送大学学園を設置することにいたしまして、去る二月、放送大学学園法案を国会に提出したわけでございますが、この学園が行う放送につきましては、放送法上どのように位置づけるかなど、その規律の仕方について、放送大学学園の目的なり、業務と密接不可分な関係にあるということでございますので、放送大学学園法案の附則によって放送法上の必要な手直しをすることといたしたわけでございます。よろしく御理解を願います。
#158
○青島幸男君 それはとってもおかしいですよ。そんなことで許されるんだったら委員会審議なんて要らないんじゃないですか。おかしいと思いますね。しかもそれが、先ほど申し上げましたように、期日の変更とか、字句の変更とかじゃなくて、郵政省が指導、監督しなければならない重大な電波行政の中の、しかも重大な変更を他の法案の附則として片づける、そんな無責任な話はないんじゃないかと私は思いますけどね。これ、大臣、どうなんでしょうかね。この前も、進学ローンのことでは大蔵省から煮え湯を飲まされているわけですね。その上、また今度勝手に、大臣の所管の電波の重大な変更を文教委員会で決めてくるわけですか。
#159
○国務大臣(白浜仁吉君) 国会の考え方でこれは決まる問題でございますから、審議の方法、どこで審議すべきかということは、十分本委員会の方から議会運営のそういうようなことを計らう議運かそこらに申し入れていただければ、これはどういうふうな提案をされてどういうふうに審議をされるかということが当然決まってまいると思いますので、そうしたお手続きを踏まれたらいかがかと、私はそういうふうに思います。
 いま青島委員の御発言の模様を承っておりまして、私どもも非常にこの問題は重要だと考えている一人でありますが、何しろ提案をされた関係もありまして、私どもも、政府当局としてどういうふうに運べばいいかということを、いま心配しながら見守っている状況でございますが、その点、十分御審議をいただいて、御決定をいただければというふうに考えるわけであります。
#160
○青島幸男君 ですから、私どもはこの審議に参加することができないわけですよ。たとえやっても連合審査で、連合審査には採決ないわけですからね。しっかりしていただかないと困るんですよ、大臣、これは。
 経緯を御説明しますと、最初郵政省が主導権を握っていたわけでしょう、放送大学に関しては。そのうちにNHKとやる、それはできない。先ほど私るる説明申し上げましたけども、やらなかったのはNHKの良識だと思いますよ。いつの間にか、軒先に雨宿りしていた男が土足で入り込んで飯を食っているのをぼんやり見ているようなもんですよ、これ。
 ですから、このやり方は、私はほかの委員の方々も必ず御不満と疑念をお持ちだと思いますので、一回撤回して、改めて郵政の自主的な判断に基づいて――ここのところをよく聞いてください、大臣。郵政省の自主的な独自の判断によってやるやらないが決められるような方途と、そういう見解が十分に委員会の審議とか、国民の要望とか、あるいは省の立場が明快に打ち出せるような少なくとも手だてを講じていただきたいと思いますし、そういうふうにならなければ、国民も一人として納得しないんではないかと思いますよ、私は。それがたとえどんなにいいものであっても。
 少なくとも私は、本放送大学のあり方自体には心から反対する者の一人ですけれども、その辺を明快に踏まえていただかないと、電波行政を預かる大臣としては大変うかつだったということになりかねないんで、じっくりと御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
#161
○政府委員(平野正雄君) ただいま、郵政省がこの問題につきまして関知をしない間にどんどん進んでいったというおしかりをいただいたわけでありますけれども、実はこの問題につきましては、昭和四十四年に郵政、文部両大臣の私的諮問機関といたしまして放送大学問題懇談会というのができまして、その後、郵政省と文部省が鋭意検討を重ねた結果、放送大学は正規の大学として、その設置形態は特殊法人とするのが適当であるという結論に達しまして、今回の放送大学法案の提出ということに相なったわけでございまして、郵政省といたしましても、当初からこの法案提出に至るまで十二分に検討をいたした結果、提出に至ったわけでございます。
#162
○青島幸男君 十二分に検討した結果がそういう御答弁だったら、私は絶対了承しませんけどね。いつの間にかこういうふうになって、ぐずぐず言っているうちにばっと文部省が出してしまったというかっこうですよ、平たく言えば。こんなばかにされた話はないんじゃないですか。
 時間が来ましたからこれ以上私は申し上げられないんですけれども、少なくとも電波の体系を根底から変えるようなあり方に通じるわけですから、軽々に見過ごしてしまわれないように。大臣、もう一度、これはお約束いただきたいんですけども、成立の過程への正当な介入と申しますか、きちっとした手だてで、本当に郵政省の考え方が主体的にあらわれるような方向で検討していただくということをお願いしたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#163
○国務大臣(白浜仁吉君) 提案をされたところでございますから、先ほどから申し上げますように、それぞれの委員会のお考え方もあることでございますから、議会の方で検討をしていただくのが筋ではないかと、私はそういうふうに思いますが、なお青島委員からの御発言もありますから、私どもも、私どもなりにまた検討してまいりたいと思います。
#164
○委員長(赤桐操君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#165
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認めます。
 暫時休憩をいたします。
   午後三時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時四十三分開会
#166
○委員長(赤桐操君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を問題に供します。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#168
○委員長(赤桐操君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 案納君から発言を求められておりますので、これを許します。案納君。
#169
○案納勝君 私は、ただいま承認すべきものと決定いたしました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府及び日本放送協会は、本委員会における質疑の内容を体して、公共放送の使命達成のため一層の努力をはらうこと。
  右決議する。
 以上でありますが、この決議案は、昨日来の本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて説明するまでもないと存じますので省略させていただきます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。
 以上です。
#170
○委員長(赤桐操君) ただいま案納君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#171
○委員長(赤桐操君) 全会一致と認めます。よって、案納君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、白波郵政大臣並びに坂本日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。白浜郵政大臣。
#172
○国務大臣(白浜仁吉君) 本件に関しましては、慎重なる御審議の上、ただいま御承認をいただきましたことを厚くお礼申し上げます。
 また、ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしまして、今後、放送行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#173
○委員長(赤桐操君) 坂本日本放送協会会長。
#174
○参考人(坂本朝一君) 日本放送協会昭和五十四年度収支予算、事業計画、資金計画につきまして、ただいま全会一致をもって御承認いただきまして、まことにありがたく、厚く御礼申し上げます。
 なお、この予算を執行するに当たりましては、郵政大臣の意見書並びに附帯決議、さらにこの審議の過程でいろいろ御開陳いただきました御意見を十分生かしていきたいと考えております。
 まことにありがとうございました。
#175
○委員長(赤桐操君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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