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1949/04/04 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 懲罰委員会 第3号
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1949/04/04 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 懲罰委員会 第3号

#1
第007回国会 懲罰委員会 第3号
昭和二十五年四月四日(火曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月三十一日委員鈴木安孝君辞任につ
き、その補欠として團伊能君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○議員小川友三君の懲罰事犯の件
  ―――――――――――――
   午後二時四十五分開会
#2
○委員長(太田敏兄君) これより懲罰委員会を開会いたします。本日の委員会に付託すべき案件は、議員小川友三君の懲罰事犯に関する件であります。本日の本会議におきまして、議長は、議員小川友三君が昭和二十五年度一般会計予算三件の審議に際し、会議の基本的原則を無視して、委員会における表決及び本会議における討論と相反する表決を本会議において行うと共に、この間極めてまじめさを欠く発言をなしたことは、議員の体面を汚した行動と認め、これを懲罰事犯として本委員会に付託されたものであります。尚これにつきまして、本会議散会後、議長は委員長に対して、次のような申入れがございましたことを御報告申上げます。
 昨日來の議運で決定したことは、昨日の本会議における小川友三君の言動に関し、これを懲罰事犯として議長より懲罰委員会に付託すること、及びこの事件に関し裏面で何か工作が行われたのではないか、このバツクグラウンドについて検討して貰いたいということでありました。というのは、小川君が予算委員会で反対の討論表決をなし、更に本会議で反対の討論の通告を行なつたのに拘わらず、討論に際しては賛否を明らかにせられたいとの議長の勧告を無視して、賛否を表明せず、休憩後の本会議において反対の意思を表明したのに拘わらず、実際の記名投票に際しては白票を投じた事実、これは何が彼の意思をかように豹変させたか、その裏面に何らかの工策が行われたのではないかとの疑を挾む余地があると思われる。若しありとすれば容易ならぬことである。この点をも含んで審議して貰いたいとのことでありました、更にもう一点、この事件は成るべく早く片附けて貰いたいことも申添えて置きます。かような申入がでございました、そこで先ずお諮りしたいことは、本件審議の方法についてでございまするが、第一は、本人召喚の件であります。これは本日同議員は登院いたしておりませんので、正式に参議院規則第二百三十九条によりまして、議長を経て行うということに御異議でございませんか……ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
#3
○委員長(太田敏兄君) 速記を始めて……
 只今島清君から委員外議員として発言の要求がございますが、これを許可して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(太田敏兄君) それじや島君。
#5
○委員外議員(島清君) 只今委員長から本人を召喚すべきや否やという御提議があつたようでございますが、私は小川君が懲罰に付されております事由というものは、別に本人を召喚をして聞かなければならないというような問題ではなくして、明確になつておる問題だと思うのです。ですから運営委員会におきまするところの要望等もあるようでございまするからして、この明確になつた事実によりまして、懲罰委員会としての態度を御決定になつた方がよろしいと思う、こう思うのです。
#6
○松井道夫君 本件は相当重大な事案でありまして、その意味は、除名すべしというような強硬な意見も出ており、結果が重大であるという意味において相当重大な事案であります。それで本人に一応弁明の機会を与えることが相当であると考えられますので、正式に召喚するか否かは別として、とにかく本人に出頭して貰つて弁明を聞く、旁々、只今委員長から述べられたような議院運営委員会の希望もありますので、その際その点についても委員から当つて見るといつた取扱が相当ではないかと思います。
#7
○岡部常君 先程島議員から御提案の件は、いわば起訴状に現れているものに限局するか、或いは希望条件も入れて審議するか、そのいずれかに委員会の態度を決めろということと私判断いたしましたが、島さん如何ですか、そうなんですか。
#8
○委員外議員(島清君) その通りです。
#9
○岡部常君 先ずその点をお諮り下さつたらいいと思います。
#10
○委員長(太田敏兄君) 只今岡部委員から御発言がございました、議長から委員長に対する申入れの件につきまして、本委員会の審議といたしまして、この申入れに対してどうするかということを先ず決めたいと思いまするので、この問題に対して御意見ございますれば……
#11
○松井道夫君 その点については、私は元來委員会として取上げることについては反対の意見を持つているのであります。何となれば、本委員会に下された事案は、先程議長が宣告されたあの事案であるからであります。それで運営委員会の希望は、これを正式に委員会で取上げることは困難であります。それで只今島議員から述べられたように、一切さようなところに触れないで、急速に本委員会の使命を果たすということが本來望ましいのでありまするが、議運の希望も無下に退けるにはやや惜しいような尤もな意味合いもありまするので、先程申しましたように、一応本人に弁明の機会を与え、その際委員から只今議運の希望の点にも触れるという方法が一番いいのではないか、かように考えるのであります。元來議運の希望のような点は、一応本事案の動機として必要があれば委員会としても取上げていいことである。併しながらこの事案としては必要がない。これは島さんの意見と同様なのでありますが、それで急速な終局を要請されておりますので、委員がその点について触れるにつきましても、これは結果が得られないということで、時間をうんと費やして遅くなるということには反対でございまするが、或る程度その点に触れますことには、議運の希望もありまするし、強いて反対は私はいたさない。まあその辺が適当な取扱いじやないかと思うのであります。
#12
○松下松治郎君 昨日の小川君の行動は非常に不明朗であり、我々常識を以て判断することができぬという昨日の行動で、松井さんの御意見もありますが、一応背後関係に相当の魔の手でも延びておらなかつたならば、議員としてああいう行動は絶対に取れないというように私は考えておりますので、一応これを徹底的に一遍究明するということが、懲罰委員としての重大な使命だと思います。将來大きな禍根を残しますから、私はそういう意味において小川君を一つ召喚をするというようにやつて頂きたいと思います。
#13
○前之園喜一郎君 私は遅刻して出ましたので、これまでどういう審議が行われておるのかよく分からぬのでありますが、只今御発言がありましたように、この問題はむしろ私は背後関係に重大な感心を持つておる。小川君が予算委員会においても、長い時間に亘つて反対の討論をやつた。それに又本会議においても反対の討論をやつておるのですが、それにも拘わらず白票を投じたということについて、議場の内外においていろいろな相当信ずべき噂さが流布されておる。それ故に私は議院運営委員会においても、この背後関係を十分に調査すべきであるという発言がなされて、これが全会一致で可決せられて、議長がそのことを本委員会に要望されておる。即ち議院運営委員会においてもこれを非常に重大視しておる。議長もそれを尤もだと言つて本委員会にそのことを申入れておられる。或いはこれはいろいろな機会において問題になると思うのですが、委員会として私はその点を明確にしなければ、小川問題の結論は出ないと思う。ですから、私はやはり背後関係を十分に究明すべきであるという只今の御意見に賛成であります。
#14
○委員長(太田敏兄君) 外に御意見は……
#15
○岡部常君 私は外の観点から、やはりこれは軽卒に判断ができませんから、やはり本人を喚問することが必要だと思います。
#16
○委員長(太田敏兄君) 岡部さんの御意見、やはり背後関係について……
#17
○岡部常君 いや、そういうことまでは私は触れませんで、慎重に調査する必要があると思います。殊に場合によつては精神状態なども、これは審査する必要があると思います。
#18
○前之園喜一郎君 重ねて発言いたしますが、背後関係を調査するということは、これはもう参議院の要望なんです。議院運営委員会において全会一致で可決されております。議長はそのことを申入れておるのでありますから、これを調べるところの私は義務があると思う。どうしてもこれは徹底的に調べなきやならんと思うのですが、本人をお呼びになることは勿論でありますが、私はその前に、議長にここにお出で願つて、議院運営委員会におけるいわゆる背後関係というものは、どういうものが考えられておるかということについて、一応お話を承わることがいいのじやないかと思います。それについていろいろな点において私は議長に質問したいことも多いのですが、議長の一つ御出席を一応要望いたします。
#19
○松井道夫君 私は先程も述べましたが、本件の審議については、要するにあの昨日の議場の小川氏の行動が、果たして懲罰に値するかどうか、如何なる点を懲罰に付するかどうかということを審議すれば足るので、而も外の事案と違つて、この事案はそれだけで必要にして十分であると考えております。急速に、そう時間をかけないで結論に達し得るのであると考えておるものであります。今の背後関係云々のことは、これは議運では成る程そういう全会一致になつたでございましよう。併しながら懲罰事案として取扱うには、それは希望として尊重しなければなりませんが、やはり大筋は懲罰委員会の必要というところからいかなければならんと存ずるのであります。それで先程申しましたように、動機として、当然触れてよろしいような点は、これは触れて私はよろしいと考える。先ずそれもこの事案としては果して必要であるかどうか私は疑問視するのでありますが、併し立入つて、いろいろ外の証人を呼んだりなどいたしまして、そういうことに立入ることについては、私は反対せざるを得ないのであります。ただ小川氏を弁明の機会を与える意味をも含めまして召喚するということについては、強いて反対いたしません。私は先程、召喚であるか否かは別問題だと申したのでありますが、いろいろ御意見を伺いまして、議運の希望も尊重する意味におきまして、委員長の可否を問われた今の正式に召喚するという件については、強いて反対いたしません。但しそれに沒頭いたしまして、丁度衆議院の考査委員会のような工合に、こういうことは考査委員会というようなものがあれば、仮に前之園委員の言われるようなことがあれば、考査委員会でやればいい。敢て懲罰委員会がその付託されたその事案からつき離れまして、そつちの方へ沒頭するということは、頗る懲罰委員会の立場として望ましくない。将來も非常に惡い例を残すことになりはしないかと思うのであります。こういうものは、必要があれば考査委員会でも何でも作つて、究明するならば究明すべきことである。或いはその際黄白が動いたということならば、これは犯罪でありますからして、そういつた方面の問題になるべきことであつて、懲罰の委員会としては、そう深入りすることには反対であります。
#20
○前之園喜一郎君 私は全く松井さんの意見と反対であります。これは本委員会に付託された本筋を究明するために、小川君がどういう心境の変化によつて白票を投じたかという根本の問題を突かなければ、この委員会の結論は出ないのです。ですから白票を投じたというその背後関係があるならば、これを明確にしなければならん。小川君を呼ぶことは無論のこと、これに関係した者、或いはこれを知つておる者、すべての者の証言なり陳述なりを聞いて明確にすることが、本委員会の使命を達成するゆえんじやないかと思う。ですから私はやはりこの問題を非常に重大視しておる。私だけではない。恐らく公平に考える人はそういうことを思つておると思います。ですから小川君を先ず一応お呼びになることはいいが、更にこれに関連して相当な調査をお進めになることを強く要望するのであります。
#21
○委員長(太田敏兄君) 松井さんにお伺いしますが、松井さんの今の御発言は、やはりこの議長から委員長に申出がありましたような件もですか。件も含めてやるということには強いて御反対ではないのですか。
#22
○松井道夫君 要するに委員会としては動機を確かめる程度で取上げて頂くことには反対しないわけです。ただ委員として他の委員がその立場からいろいろ突込んで深くお聞きになる。これにも反対はいたしません。結構です。ですから要するに、只今の問題の結論から言いますと、小川議員に正式に召喚状と言いますか、召喚をするということには賛成いたします。強いて反対いたしません。
#23
○委員長(太田敏兄君) こういう要望があつたことも、やはり真相を十分究明して呉れという意味なんだから、大体の意見は……別に問題はありませんな。
#24
○松井道夫君 只今誤解しておりましたが、今問題となつておる点は、今その希望を取上げるか否かということが問題になつておるのですか。
#25
○委員長(太田敏兄君) ええ。
#26
○松井道夫君 その件については先程申上げましたように、委員会としては動機を確かめるということにして置きたいし、委員の方がその立場から突込んで聞かれるということには一向異存はないのです。その程度のこの議運の希望を実現したらいいと思います。更に蛇足を加えますと、そのために多くの証人を呼んだり何かして、結末が遅れるということには反対いたします。そこまで立入つて委員会として取上げるということには反対であるということを申上げます。
#27
○前之園喜一郎君 私は松井さんの意見と反対であります。むしろ背後関係を突くということは、本問題を究明する本筋である。それを内容とした要求である。こういうふうに考えます。ですからこれは当然背後関係を十分に調査しなければならん。我々に付議されたところの本筋にそれは含まつておるのである。こういうふうに考える。
#28
○委員長(太田敏兄君) この委員会に付託されました小川友三君の懲罰事犯を究明し、その真相を明らかにするための手段として、背後関係も十分調べる必要があると、こういうことになるのですか。
#29
○前之園喜一郎君 それは丁度付議された内容に含まつておると、こういう意味であります。
#30
○委員長(太田敏兄君) それをどこまで背後関係を究明して行くか。又どういう範囲にまで証人の喚問を及ぼすかということは、これは審査の過程においてその都度御相談申上げて、誰と誰を証人に呼ぶか。そうして更に真相を究明するということにすればいいと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)
#31
○前之園喜一郎君 ただそこに議論が起れば、どういう趣旨において喚問するかということをはつきりお決めになることもいいと思います。
#32
○委員長(太田敏兄君) ではその問題はその程度でよろしうございますか……ではその意味で小川議員を正式に召喚するということに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(太田敏兄君) ではそのように……
#34
○前之園喜一郎君 議長もその前にお呼びを願いたい。あとはどういう人でも……
#35
○委員長(太田敏兄君) それから前之園さんから御発言の、議長を御出席願うという件は、これは後程議長と連絡しまして御報告いたします。
#36
○前之園喜一郎君 はあ。
#37
○委員長(太田敏兄君) ちよつと速記を止めて。
   午後三時十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時三十四分速記開始
#38
○委員長(太田敏兄君) 速記を始めて……
#39
○議長(佐藤尚武君) この度、小川友三君の件につきまして、懲罰委員会の審査に付託することになりました。委員諸君のお手数を煩わすことになりましたのは恐縮でございますけれども、御存じの通りのような事件が発生いたしましたので、議長からの付託としまして、この委員会にお願いするわけですが、それにつきまして、私はこの委員会に付託する前に、議院運営委員会に私が付託事項を付議いたしまして、委員会の意向を聞いたのでございます。その議院運営委員会の会議におきまして、今朝、私が本会議で以て宣告いたしましたその案を了承すると共に、懲罰委員会に対しては、この事件の背後関係をも併せて審議して頂くように希望するということが、附加わつたのであります。その意味は、小川君が予算委員会においても、又本会議の討論に際しましても、議題となつておつた予算関係の問題について、反対の通告をして、予算委員会においてはすでにその意思表示をなし、且つ又本会議においては、討論に際して反対の通告をしておつたに拘わらず、議長から賛否の意見を問われても、その意思を明らかにしなかつたし、休憩後の本会議において、再び賛否の意思を表明するようにと議長から忠告したのによつて、初めて反対の意思表示をした。そこまではよいのでありまするが、その反対の意思表示をしたに拘わらず、いよいよ投票になつて見れば、白票を投じたという事実がありまして、つまり表決若しくは討論に際して反対の意思を表明したその時刻から、白票を投ずるに至つたその間に、どういうわけで心理的の変化を來したかというその事情、並びにそういう心理的変化を來したという裏面には、何らかの工作が第三者から加わつたのではなかろうかという疑念が多分にある。そういう点について、この懲罰委員会において十分に御審議をして下さるようにお願いしたいと、こういうのが運営委員会の意向でございました。先程懲罰委員長に対しまして、私からその運営委員会の意向を附加えて本件の審議をお願いしたような次第でございます。私から御説明を申上げる点はその程度でございます。
#40
○前之園喜一郎君 只今の議長の御説明で大体分りました。運営委員会においてその背後関係を調べるという要望は、全会一致の要望であつたのかどうかという点が一つと、議長が最初はこの点をお考えになつておらなかつたのに、運営委員会のその要望によつて、背後関係を調べなければならんというふうにお考えになりましたのですね。そのお気持等について一つお話を願いたいと思います。
#41
○議長(佐藤尚武君) 今御指摘になりました二点につきまして、第一点は、議院運営委員会のこれは総意でございます。議院運営委員会の意向としてお伝えするわけでございます。第二点につきましては、最初私がそういうところまで考えていなかつたのに、運営委員会から、こういう希望があつたから、私が附加えてこの点をこの委員会に、その事情をも併せて付託したかどうかという御質問であつたと思いますが、それは正にその通りでございます。議長の耳には背後関係云々のことが一つも入つておらなかつたのでありますが、運営委員会においては、数名の議員諸君からそういう問題が提供されまして、そうしてそういう疑いが濃厚であるから、これを併せて懲罰委員会に付議して貰いたいという希望が述べられ、そうして運営委員会がこれを取上げたということでありまして、それを私は併せて懲罰委員会に付託するからということを運営委員会で申述べて、そうして只今御説明申上げたような形式を以て委員会にお願いをしたということになつております。
#42
○前之園喜一郎君 そうすると、結局運営委員会の総意によつて、背後関係を調べるようにというそのことを了承なすつて、議長の意見として本委員会に御付託になつたわけでありますか。
#43
○議長(佐藤尚武君) 正にその通りでございます。
#44
○前之園喜一郎君 議長は最初この問題を背後関係までお考えになつておらなかつたということは、今お話の通りなのでございまして、運営委員会の総意によつてこの問題は取上げて、本委員会に併せて付託されたというふうにお気持ちが決まりましたのは、やはり議長においても、何か知らんこの背後に運営委員会で言うような、第三者の圧力が加わつておるという疑があるのじやないかというふうにお考えになつたわけですね。そうだと思いますが。
#45
○議長(佐藤尚武君) その点は今以て私はそういう事実があつたということを聞いてもおりませんし、私が自発的にそういう疑を持つたということも現在までございませんです。今も申述べました通りに、運営委員会の意向として私がこれを了承し、そうしてこれを当委員会に付託したということでありまして、そういう事実があつたかなかつたかということは、この懲罰委員会において、果してお調べになることであるか、或いは又その事実を探求されるというようなことは、一切この委員会にお任せするわけでありまして、私といたしまして、その事件を併せて懲罰委員会に付託する際におきましても、私個人としましては、そういう疑惑を持つておるというわけではございません。その点御了承願いたいと思います。
#46
○前之園喜一郎君 そうすると、こういうふうに承つて置いてよろしうございますか。運営委員会の総意でそういうことが決められた、そうして併せて付託するようにという要望があつたので自分は付託したんだが、当時運営委員会の総意が、何かの疑惑があるということは当時も自分は考えていなかつたということになるわけですか、成る程運営委員会がそういうことがあるのだからというから、或いは何かあるかも知らんとお考えになつて御付託になつたのですか、そうでないと、どうも筋が通らないように考えるのですが、その点一つ。
#47
○議長(佐藤尚武君) いや、今御指摘の通りであります。私は疑を現在までも持つていないと申しますのは、何ら聞込みが私としてはなかつたからであります。運営委員会の諸君にはいろいろなことがあつた模様であります。從いまして今お話になつたような、そういうこともあるのかどうかという点は疑問としております。私自身もでありまするからして、この懲罰委員会でその点お取上げになるかどうか存じませんけれども、若し取上げられるとしましたならば、お調べを願つてその点もはつきりさして頂きたい、こういうふうに考えるのであります。
#48
○前之園喜一郎君 当時何らの疑を持つていなかつたが、運営委員会がそういう疑を持つておる、それならば、そういう疑もあり得るかも知れないから附加えて付託しよう、こういうことになるのですね。
#49
○議長(佐藤尚武君) 正にその通りでございます。
#50
○前之園喜一郎君 只今議長の御発言の中に、この委員会がその問題を取上げるならばという御発言があつたのです。それはちよつとよく分り兼ねるのですが、本委員会は、議長の付託によつて本日本会において付託された御報告があり、そうしてその御発言以外に、背後関係も併せて調査するようにということを附加えて要求されたのですが、それが付託の内容になつておると私は考えるのでありますが、その点如何でしよう。
#51
○議長(佐藤尚武君) 私はこの懲罰委員会の自主的な立場を尊重しまして、この懲罰委員会がお取上げになるならば云々と申上げましたような次第であります。懲罰委員会に付しました理由は、あの宣告文が基礎でございます。本会においてなした宣告文が基礎でございます。それに附帯して今のような背後関係云々ということに関しての御審議、御調査をお願いしているわけであります。それは本会議においてなしたところのあの宣言には書いてございません。併せてそれをお願いするということを、これは口頭で以て御説明申上げるようにという、これも運営委員会の依頼に基いて私はやるわけであります。果して背後関係まで懲罰委員会が調査さるべきものかどうかということについて、これは私自身の考えでは勿論ありませんが、この懲罰委員会自体において決定さるべき問題じやなかろうかと、こういう意見もありましたけれども、私は若し懲罰委員会にお取上げになるならばということを附加えたのであります。それ以外に別段にあるというわけじやありません。
#52
○前之園喜一郎君 どうもはつきりしないのですが、議院運営委員会の依頼によつてこれを附加えたという御発言ですが、そうであるとすると非常に違うと思うのですが。
#53
○議長(佐藤尚武君) いや、依頼によつてという言葉が或いは惡かつたかも知れません。そういうことも併せて懲罰委員会の議に付して呉れと、こういう依頼の決議でございます。それを私はその決議に基づいて懲罰委員会の方に審査を委託した、こういうことであります。
#54
○前之園喜一郎君 そういたしますと、議院運営委員会の総意があつて、そういう要望があり、同時に議長は運営委員会の総意をお認めになつて、議長としてもこの背後関係を併せて調査するようにというので御付託になつた、こういうふうにはつきり了承してよろしうございますか。
#55
○議長(佐藤尚武君) よろしうございます。
#56
○前之園喜一郎君 そういたしますと、運営委員会並びに議長の要望というものは、本委員会に背後関係を調べるようにということを強く御要望になるわけであります。議院運営委員会としては全会一致でこれを決議したということと、議長のお気持ちとしては運営委員会で言うならば、懲罰委員会で調べて呉れという強い要望を持出されたというように了承してよろしうございますか。
#57
○議長(佐藤尚武君) ちよつと聞えかねましたが……
#58
○前之園喜一郎君 運営委員会において全会一致で背後関係を調べることを要望し、議長はそれを了承された。それは当然だとして当委員会に付託をされたのですか。当委員会においてその問題を強く一つ調べて貰いたい、調べるようにというお気持ちはあるわけですね。
#59
○議長(佐藤尚武君) 正にその通りでございます。
#60
○前之園喜一郎君 それからもう少し、甚だ立入つたことをお聞きするのですが、これはまあ大変失礼になるかも知れませんが、お許し願いたいと思います。本会議における小川議員の醜態はご覧の通りであります。結局こういうようなことになつているわけなんですが、小川君が白票を投票するに至りました心境の変化というものを、議長は彼の投票前に感知されたようなことはなかつたか。若しあつたら一つお教え願いたいと思います。
#61
○議長(佐藤尚武君) 私は全然そういうことを感知した事実はございません。
#62
○前之園喜一郎君 そうでございますか、よろしうございます。
#63
○松井道夫君 只今前之園議員から、大分立入つてお尋ねがありまして、それに対してお答えがあつたわけなんですが、どうも私から見てはつきりいたしませんので、同じような問題で甚だ恐縮なんですが、お答えを願います。付託ということでございまするが、私は実は議長からのお話を伺う前は、付託、即ちこの懲罰委員会で審議することに義務付けられておる案件は、先程本会議で御宣告になつたあの事項、ここに書面で書いてあるのですが、この事項に限るものであると存じておつたのであります。ところが只今議長の仰せを伺いますと、その外に小川友三君がああいう行動に出るに至つた、いわゆる背後関係というもの、それをも付託したと仰せられた。即ちその部分も懲罰委員会における懲罰の事犯として義務付けられておるというように承つたのであります。私は付託という意味をさように義務付けられるという意味に解しておるのであります。果して懲罰委員会が懲罰事犯として審議を義務付けられておるのは、議長の本会議で述べられたその外に、本会議で宣告はされなかつたけれども、その背後関係で何かしら懲罰に値するものがある。その部分と、その二つを義務付けられておる、審議の対象とされたという意味ですか。
#64
○議長(佐藤尚武君) 実際は、今松井委員の言われたごとくであると思います。と申しますのは、本会議におきまする宣告、あれははつきりした問題でありまして、これは懲罰委員会において審議して頂きたい問題であります。と同時に、あの宣告文のうちに書いてはございませんが、今申しあげました通りに、運営委員会の決議として取上げられた問題であり、それを議長がお取次ぎをすると申しますか、お取次ぎと申しますと、ちよつと違いますが、私からそれを運営委員会の全会一致の意向を取上げまして、そうしてそれを併せて懲罰委員会に審査付託ということにお願いするのでございまするからして、そういう意味でお取上げ下さるようにお願いする次第であります。懲罰委員会として義務付けられることであるかどうかということは、それは私からかれこれ申しあげる次第ではございませんけれども、今申しあげましたような意味で審査に付託したということに御了解を願いたいと思うのであります。
#65
○松井道夫君 更に重ねてお尋ねいたしますが、私は議院運営委員会の背後関係云々というものは、これは議院運営委員会のそのときの審議の模様は分かりませんが、何かはつきりした具体的の事実が出ておつて、或いはその疑いが濃厚で、それが懲罰事犯として取上げられるべきものであるならば、それは別個の懲罰事犯として成立する、さよう考えます。ところが、その具体的事実なるものが、例えば院外における行動であるとか、或いは贈収賄罪であるとか、さような形でありまするならば、背後関係という言葉はさような意味にちよつと解され易いのでありますが、それは懲罰事犯に適しないものと、当懲罰委員会で懲罰権の範囲について調査いたしました報告書を御覧下さると分かるのですが、そういうことに相成つております。私は議院運営委員会でそういう結論に達せられたという意味は、要するに小川友三氏がこういう懲罰事犯を起した動機乃至は事情を詳細調べて貰いたいという意味にとつておつたのであります。その背後に、乃至はその事情に懲罰事犯があるから、それを懲罰事犯として取上げて貰いたいという趣旨には解しておらない。それはそういう議運の結論というものを聞きまして後もさように解しておつた。只今議長が來られて述べられる少し前までさように考えておつたのであります。ところが只今の議長のお話によると、どうもそこのところがまだはつきりしないのでありまするが、本件の懲罰事犯に至る経路において別個の懲罰事犯があるから、或いはある疑いが濃厚だから、それを懲罰事犯として審議しろ、かよう仰せられるのか、或いは本件の懲罰事犯の経路、事情というものを詳細に調べて貰いたい、そういう意味なのか、要するに事情、動機を調べる、別に懲罰事犯として訴追するのではないけれども調べて呉れ、こういう趣旨なのか、その辺どうなんでございましようか。実際そうでないとすれば、宣告のときにそれをやはりおつしやる筋合ではないかと私考えられますので、重ねて恐縮でありますが……
#66
○議長(佐藤尚武君) 今の御質問は御尤もだと思います。懲罰事犯としてこの委員会に移したのは、宣告の文章そのものでございます。運営委員会において審議の結果、裏面工作云々の問題について疑が濃厚でがあるから、これも併せて懲罰委員会に付託して審査をして貰うということは、それはそういう事実があつたかないか、而して小川議員が、先刻も申述べました通りに、反対の意思の表示と実際の投票との間において、どうしてああいうふうな心理的変化が起つたのか、それはその間裏面工作があつたのではないかというような問題についてもお調べを願つて、そうしてそれが懲罰さるべき事犯であるということが判明しましたならば、そのときに懲罰委員会としては適当にその事実に基いて処理をして頂く、こういうのが本会の審査付託の要旨であると私は考えております。
#67
○前之園喜一郎君 繰返して議長から御説明があつたように、背後関係を調べるということも付託の内容であるということが明瞭になつて來ておるのですが、私はこの程度で議長の御説明はいいものと考えております。
#68
○委員長(太田敏兄君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#69
○委員長(太田敏兄君) 速記を始めて下さい。
#70
○前之園喜一郎君 今速記を離れていろいろと討論された点について、非常に今の議長の説明と食違つた点があるように考えております。速記に明らかになつておるので、本日の議長の説明の速記並びにその背後関係を調べるに至りました議院運営委員会の速記を明日お示し願いたい。
#71
○委員長(太田敏兄君) 明日午前中に開く予定ですから、それまでに取寄せることにいたします。外に御希望はありませんか。
#72
○岡部常君 私は小川君を召喚することが先ず第1だと思います。それを決定して今日はこの程度で打切つて頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#73
○委員長(太田敏兄君) 先程御承認を得まして、明日十時に小川君を召喚するように手続きいたしました。尚只今御注文がありました議運の速記録等は、それまでに取寄せることにいたします。
#74
○前之園喜一郎君 小川君は病気で入院しているそうだというようなことですが、そういう工合ならば、臨床尋問するとか、どうとかいうことになると思います。
#75
○委員長(太田敏兄君) 何かあとから返事があるだろうかと思いますから、その様子によりまして、適宜臨床尋問するとか、何とかいう方法もあるかと思います。
#76
○前之園喜一郎君 そういう方法を強力にお進め願います。
#77
○遠山丙市君 ちよつとそれに関連して申して置きたいと思うのであります。昨日私が帰りぎわに、えらい乱闘があつて、小川君が怪我したというようなことをちよつと聞いたのです。どんなことか知らんと思つて私見舞旁々寄つて見たのです。私の通り道ですから……何か叩き付けられて殴られたんだというので、医者を呼んだりして騒いでおりましたが、私はどの程度怪我したか、どうも裸になつて見せて貰うわけには行きませんから、私は惡いと思つて帰りました。そうして帰りにあそこの事務員が告訴手続をやるということを言つておりましたから、そうでございますか、どうだ、どの程度の怪我ですかと言つたら、私にはよく分かりませんが、二階でお寝みでございます、何人も面会謝絶でございますということでございました。それで併し余程重大かどうか、まさか死んでおるわけでもあるまいから、私が行つて見てやろうというので、何か嫌がつておつたのですが、私は上つて行きました。上つて行きまして、どうだ、えらい怪我したかのごとき話だが、どうなつたんだと言つたら、いやいやえらい目に遭つた、今日は時刻も遅いし、又告訴することにしましたから、よろしくお願いします。ああそうでございますかと言つて、私は十分くらいおりまして帰つて來ました。とにかく何だか怪我しておるらしいのでありますが、実際の病気は私見ておりませんから分りませんけれども、そういうようなことで、恐らく今日も休むのではないかと思いますが、併し明日あたり出られる状況かどうかということは、私も医者でないから分りません。恐らく直ぐは困難ではないかと思うのであります。事情はそうであります。以上申しあげて置きます。
#78
○委員長(太田敏兄君) それじやこの程度にして本日は散会してよろしゆうございますか。
#79
○委員外委員(島清君) 只今遠山委員から発言をされたのは非常に意味あると思うのです。私は小川君のことであるからして、或いは仮病も使うだろうし、又そういうことはやりかねないと思うのでありまするが、遠山委員が何か知らん……委員会の方で当の小川君を喚問するということになりますると、何か言外にそれはお止めになつた方がよくはないかという意味のことを言つておられる。それこそ我々が……いわゆる議長の言われた背後関係を調べて貰いたいということについて、松井君は非常な疑義を持つておられましたが、ここにおいて松井君の疑義も解明したと私は思う。そういうところは皆の委員がその背後関係として調査したい。なぜならば私達は知つております。彼が自動車に乘つて大急ぎで……あの背信行為をなしたあとに、自動車に乘つて逃げたそうだということは、そのときに承つております。今日になりまして、彼が仮病を使つて面会も謝絶だというようなら、入院をしているとするならば、私達はこれを本当に取上げて背後関係を究明しなければならんと、私はそう思う、ですから何か知らん遠山委員は、頼まれてお越しになつたかどうか知りませんが……そこで遠山委員の発言があるからというので、私達は明日の喚問を中止するようなことがあつてはいかぬと思う。或いは小川君が入院していようと、すまいと、それは構わずに、やつぱり委員会は最初の決定通り喚問をされるように進めて頂きたい、私はそう思う。
#80
○委員長(太田敏兄君) ちよつと島さんにお答えしますが、喚問手続はいたしましたから……
#81
○遠山丙市君 何と申上げてよいか、実に奇怪千万な御発言で、どういうつもりでそういう御発言をなされたか了解に苦しむのでありますが、私は今あとから來ましてよく分からなかつたのでありますが、ちよつと事情を係の人から聞きましたから、そういう話が出ておるならば、お話しようというので申上げたのです。私は何も小川君を呼んで貰うことに反対しておる者でもなし、又呼ぶことについて疑義を挾む者でも決してないのであります。そうい工合に頭から曲解して、苟くも我々は裁判官でありますから、そういうようなお考えでなしに、一つどんどんお進め願つて、背後関係であろうと何であろうとよくお調べになつて、そうして皆の納得の行くような宣告をして貰うということが一番よいことであります。私の発言は何もこれを阻止するとか何かじやない、これだけはよく御了承を得たと思うのですけれども、ちよつと少し角度の違う方面から、何か私の腹でも黒いようなことを言われるので、誠に迷惑しております。そういうようなことは更に御心配なく、どんどん所定の手続で御進行なすつて異議もありません重ねて申上げます。
#82
○委員外議員(島清君) 委員会は速記が付いておりまして、今委員会を開いているわけでございまして、私が聞いたところによりますと、今遠山氏の発言は、私の解釈したような解釈以外でないと、別段取上げてここで発言されるようなことでないと私は思つたのです。若しそういうことをおつしやつて、何か速記録にでも残して置かれて置かなければならんというような御事情の間柄か知らんと思つて、そこで私は申上げたのであつて、そうでなかつたとするならば、私はただうつかりあなたがお話をされたのだという意味において了解しておいてよろしいと思います。
#83
○前之園喜一郎君 私は遠山さんとは同職でもあり、遠山さんが非常に立派な方だということを信じております。が併し遠山さんと小川さんは御懇意の仲ではないかと思うのです。これは風聞ですから分かりませんが、昨日小川君が二回目の登壇をいたしまして、本予算案には反対だと言つて壇を降り、自分の席に戻るときに、何か手を握り合つたとか何とかいうことを言う人もある。これは或いは嘘か本当か分かりませんが、とにかく御懇意の間柄のようにもとれるわけです。そういうことがあつたとすれば……併し仮にそういうことがあつても、遠山さんがこの委員会に見えて不公平な裁きをなさらぬでおるということを不思議に思います。そういうことも聞きましたので、御参考までにお話し申上げて置きます。
#84
○委員長(太田敏兄君) 外に御発言ございませんか……それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     太田 敏兄君
   理事
           遠山 丙市君
           松井 道夫君
   委員
           松下松治郎君
          前之園喜一郎君
           岡部  常君
           渡邊 甚吉君
  委員外議員
           島   清君
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   議長      佐藤 尚武君
ソース: 国立国会図書館
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