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1978/05/08 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 運輸委員会 第6号
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1978/05/08 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 運輸委員会 第6号

#1
第087回国会 運輸委員会 第6号
昭和五十四年五月八日(火曜日)
   午後二時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月七日
    辞任         補欠選任
     穐山  篤君     上田  哲君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     上田  哲君     穐山  篤君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          三木 忠雄君
    理 事
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                青木 薪次君
                太田 淳夫君
   委 員
                伊江 朝雄君
                石破 二朗君
                江藤  智君
                佐藤 信二君
                高平 公友君
                山本 富雄君
                穐山  篤君
                瀬谷 英行君
                広田 幸一君
                田代富士男君
                内藤  功君
                柳澤 錬造君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  森山 欽司君
   政府委員
       運輸大臣官房長  中村 四郎君
       運輸省海運局長  真島  健君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   参考人
       日本船主協会会
       長        永井 典彦君
       日本造船工業会
       会長       真藤  恒君
       全日本海員組合
       組合長      村上 行示君
       一橋大学教授   地田 知平君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本船主協会会長永井典彦君、日本造船工業会会長真藤恒君、全日本海員組合組合長村上行示君、一橋大学教授地田知平君、以上四名の方々を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(三木忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(三木忠雄君) 外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。森山運輸大臣。
#5
○国務大臣(森山欽司君) ただいま議題となりました外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 わが国外航海運は、貿易物資の安定輸送をその使命としており、貿易物資の輸出入に多くを依存しているわが国経済にとりまして、きわめて重要な役割りを担っております。
 このような使命を果たすため、外航海運企業は、これまで外航船舶の整備に努めてまいりましたが、最近における日本船の国際競争力の著しい低下に伴い、海運企業が日本船を建造する意欲は乏しくなっており、運航コストの低廉な外国用船へ依存する度合いを年々高めつつあるのが実情であります。
 このまま推移した場合、外航海運がこれまでその中核としてまいりました日本船の維持確保はますます困難となり、貿易物資の安定輸送を確保する上で、憂慮すべき事態に直面することが予想されるのであります。
 このような事態を回避するため、利子補給制度の復活、拡充を図り、国際競争力のある日本船の建造体制を改善、強化しようとするのがこの法律案の趣旨であります。
 なお、この措置により新船建造が促進されることは、未曾有の不況に直面しております造船業にとりましても、造船需要の確保を通じて、経営の安定化に資するところ大なるものがあると思うのであります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、外航船舶の建造融資について政府が金融機関と利子補給契約を結ぶことができる期限は昭和五十年三月三十一日までとなっておりますが、今回、昭和五十四年度以降の三カ年度において新たに政府が利子補給契約を結ぶことができることとし、このため、この期限を昭和五十七年三月三十一日までと改めることにいたしております。
 第二に、昭和五十四年度以降において新たに締結する利子補給契約に係る利子補給率は、日本開発銀行の融資については当該融資の利率と二・五五%との差の範囲内において、また、一般金融機関の融資については市中の最優遇金利と三・六%との差の範囲内において、それぞれ定めるよう規定を改めることといたしております。
 第三に、個々の利子補給契約による利子補給金の総額を計算する場合の基礎となる日本開発銀行の融資の償還条件につきまして、新しい利子補給契約の場合、船舶の種類のいかんを問わず、一律に元本三年間据え置き十年間半年賦均等償還とすることといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成をいただきますようお願いを申し上げます。
#6
○委員長(三木忠雄君) 次に、参考人から意見を聴取いたします。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、お忙しいところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。本日は、本案について忌憚のない御意見を賜りまして今後の審査の参考にいたしたいと存じておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 議事の都合上、御意見をお述べ願う時間はお一人十五分程度にお願いをいたしたいと存じます。なお、参考人の御意見陳述の後で各委員から質疑がございますので、お答えいただきたいと存じます。
 それでは、これより順次御意見をお述べ願います。まず、永井参考人からお願いをいたします。
#7
○参考人(永井典彦君) 日本船主協会の会長をいたしております永井でございます。
 わが国海運の育成強化につきましては、かねがね一方ならぬ御指導、御高配をいただきまして厚く御礼申し上げます。
 本日は、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案について意見を申し述べよとのことでございますので、御趣旨に沿って私の考えを申し述べさしていただきます。
 まず本論に入ります前に、海運不況及び海運界の現況について若干申し述べさせていただきます。
 御高承のとおり、外航海運界は目下非常な不況下にあります。その原因は、石油危機後の世界経済の停滞により、世界の海上荷動きが伸び悩む一方、危機以前に発注された大量の船舶が相次ぎ就航してきたため、船腹需給のバランスが大きく崩れ、いまだその調整がつかないことにあります。このため運賃不況は、タンカー関係については昨年後半久しぶりに若干の動きがあらわれましたが、これはOPECの原油価格引き上げを見込んだ駆け込み買いを背景とした一時的な船腹手当てによるものであったので、イランの政情不安による原油生産の減少等で再び低落し、一部期近の特殊な契約を別とすれば、ワールドスケール二、三〇程度が基調となっております。四十八年の好況時には大型タンカーで最高ペルシャ湾からヨーロッパでワールドスケール四一〇を記録したことを考えれば、いかに市況が深刻であるか御理解いただけるかと思います。
 また、不定期船市況も、昨年穀物を中心とした荷動きにより一時ミニブーム的状況を呈しましたが、USガルフから日本穀物成約運賃は十五、六ドル程度と、これまた四十八年当時の三十六ドルの半分以下になっております。また、この低水準の運賃市況は、タンカーにおいて約六年間、一般不定期船において約五年間の長期に及んでおります。
 こうした中で、市況に影響の大きい鉄鋼の生産上昇が望まれるところでありますが、いまだ需要は伸び悩んでおり、原材料輸入は停滞している一方、鉄鋼原料専用船の運賃積み荷保証の契約切れが続出しており、その再積み荷保証契約も期待薄にて、昭和五十四年度中にはさらに追い打ち的に、中核六社だけをとってみても、約三十隻二百万重量トンが契約切れのいわゆるフリー船となる見込みであります。
 また、これまで比較的安定していた定期船、コンテナ船部門も、円高その他輸出環境の悪化に加え、東欧圏諸国、発展途上国海運の進出などによりまして、定期船、コンテナ船積み輸出貨物が減少しており、大方の航路で二、三割方積み荷率が悪化し、自動車専用船部門も五十三年後半になって北米向けを中心に自動車の輸出が減退しており、船腹は過剰ぎみで先行き不安が懸念されるところであります。このように各部門ともきわめて厳しい状況でございますので、海運企業の経営はいよいよ深刻な状況となってきております。
 ところで、今後の見通しでありますが、先ほど申し上げました船腹過剰状況は、今後若干の経済成長を見込んでも早急に改善される見込みはなく、世界の一般情勢も、微妙な国際通貨情勢に加えて、イランの政情不安や中越紛争に伴う国際間緊張等、きわめて流動的であります。さらにエネルギー情勢も予断を許さず、OPECの原油価格の引き上げ等明るい材料は見当たりませんので、本格的市況回復にはさらに三年ないし四年を要すると考えております。
 さて、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案について、私の考えを申し述べさせていただきます。
 御高承のとおり、昭和五十三年半ばの日本商船隊の中における日本船外航船腹量は約三千三百万総トンでありますが、ここで御注目いただきたいことは、程度の差こそあれ、年々拡張を続けてきた日本船が、一昨年より減少に転じ、昨年は一昨年に比し、隻数で三十隻、総トンで約七十万総トン減少いたしましたことであります。一方、こうした日本船の伸び悩みや減少に反し、外国用船がふえ、五十二年半ばにおいては二千九百万総トン強、五十三年半ばには三千二百三十万総トンに達しました。その結果、わが国商船隊の中に占める外国用船の割合は、四十四年にはわずか一六%でありましたが、五十二年では四六%、五十三年では約五〇%となっております。
 御参考までにここ五カ年間の計画造船制度による日本船の建造量を見ますと、四十九年度では百九十四万総トン、五十年度では九十四万総トン、五十一年度では十六万総トン、五十二年度では二十六万総トンであり、五十三年度、すなわち第三十四次を見ても約三十万総トンと、四十九年度の六分の一にも達しておりません。その背景には、海運不況の影響で船舶建造の必要性が薄いこともありますが、主な理由は、ここ数年来船員費を初めとする諸経費の上昇により日本船の国際競争力が大幅に低下し、日本船に日本人船員を配乗して保有、運航することが経済的に困難となり、コストが低廉な仕組み船を含む外国用船に依存する傾向が高まったからであります。好況期には国際競争力の強弱は利幅の差で済みますが、不況期にはこれが航路の存廃、企業の存亡にかかわる致命的な要素となってあらわれてまいります。その上、海運においては、好況期は常につかの間であり、海運企業はその間の長期にわたる不況に耐えねばならない宿命を負っております。
 しかしながら、新造船建造に対する需要がないかというと、そうではありません。老朽船との代替を主体に、航路維持のためある程度の新造船は常に必要なわけですが、日本船が極端に国際競争力を欠いているので、一言にして言えば、船は必要だが日本国籍船はつくりがたい現況であり、これはいい悪いの問題ではなく、海運会社が私企業である以上、自然とそうなっていかざるを得ないということであります。
 以上のごとく情勢はきわめて厳しいのですが、私は日本船は多面的な意義を有するので、これ以上日本船比率を下げねばならないような事態を何とか回避して、日本船員の乗った日本船を日本商船隊の中核に据えていかねばならないと考えております。
 貿易を国是とするわが国の経済、社会においては、日本海運は海上輸送の大動脈を担当する基幹産業であると考えておりますが、この中において日本船は、まず第一に、日本商船隊の中核としての重要な使命と意義を果たしております。その第二といたしましては、安定輸送の意義であります。計画造船制度により建造された船は、長期にわたり安定的にかつ比較的低廉に必要物資の輸送を担当してまいりました。その第三は、万一の場合においてもわが国が必要とする物資の輸送を担当する経済的安全保障の意義であります。その第四の意義は、雇用安定の意義であります。わが国には技量優秀な約四万人の外航海運船員がおりますが、この職域を極力確保するとともに、その技量を保存することもまた重要であります。その第五には、わが国周辺の海域における海上安全の確保と環境保全でありますが、この面で日本船が果たす意義も無視できません。なお諸外国においては、経済的意義に加え、国防上の観点からも自国海運を保持していく考え方があると理解しております。
 いずれにいたしましても、諸外国では、海運へ直接または造船を通じて間接の建造助成と税制面における保護措置がとられている例が多く見られ、たとえばソ連船、すなわち資本費面、船員費面等において、自国海軍と揮然一体となって自由主義圏海運秩序の混乱要因となっているソ連海運は別格といたしましても、イギリス、アメリカ、西独、フランス、ノルウェー等の諸国は、建造助成や融資に対する政府保証の措置をとり、自国商船隊の保護育成を図っていると理解しております。
 さて、先ほど、日本の外航船腹は三千三百万総トンと申し上げましたが、私は将来とも最低限度この程度の規模の日本船を日本商船隊の中核として維持していきたいと考えております。そのためには、今後とも逐年老朽化する船舶を新しい技術を取り入れた近代船に代替建造していく必要があり、またLNG輸送等新しい分野において日本船を建造していく必要があります。いかに不況下であれ、船舶の代替が進められなければ、商船隊の規模は縮小、老朽化する一方であります。したがって、これを可能とするために、日本船を建造、維持し得る体制を整備して、船主の新造船建造意欲を喚起していただくことがぜひとも必要であると考えております。
 このような観点から、利子補給の復活を初め、財政融資比率の引き上げなど、このたび御審議いただいている外航船舶の緊急整備措置は、国際競争力の欠如にあえぐ日本海運にとって、内容的にどれ一つ欠けてもうまくいかないものと考えております。
 さて、いま一つの国際競争力回復の柱は、船員費の合理化であります。船員費上昇の原因は、船員賃金水準がわが国賃金労働者のそれと同様に、経済の高度成長を背景としてかなりの上昇を示しているのに加え、週休二日制の実施に伴う代償休暇など労働条件改善に伴って予備員の必要数がふえ、さらには海外売船等により余剰船員が増加したことにあります。これに追い打ちをかけたかっこうになっておりますのが円高であります。
 船員費の合理化は、第一義的にわれわれ海運労使自身の問題でありますので、われわれといたしましては、かねがねこのような船員費の圧縮を図るべく、労使の話し合いを鋭意詰めつつ、乗り組み定員の合理化、予備員率の引き下げを図るとともに、高度合理化船の建造、船内就労体制の見直しにより、時代の要請に即応した新船員制度の樹立に取り組んでいるところであります。
 以上るる申し述べてまいりましたが、われわれといたしましては、速やかに不況を克服し、かつ一刻も早く日本船の国際競争力を回復し、わが国海運に課せられた使命を遂行したいと考えておりますので、諸先生方、今後一層の御支援、御鞭撻をお願いいたします。
 私の説明を終えるに当たり、このような海運企業の現況にかんがみ、今回の法律案については一日も早く成立させていただくことを心よりお願い申し上げます。
 終わります。ありがとうございました。
#8
○委員長(三木忠雄君) ありがとうございました。
 次に、真藤参考人にお願いたします。
#9
○参考人(真藤恒君) 造船工業会の会長の真藤でございます。
 まず最初に、この間から造船が非常に悪くなりまして、いろいろお願いをしました一連の造船関係の助成法案その他お聞き入れいただきまして、まことにありがたく御礼申し上げます。
 そういうことで、一応この造船の不況対策及び当面の需要喚起ということについていろいろやっていただきましたが、現在、いま船主協会の方からお話がありましたように、海運造船まだ不況の中にございまして、はかばかしいマーケットの回復はしておりません。ただこういうふうになりましたので、われわれ同業者皆、ピークのときの造船の操業度の三分の一に落としまして、生産制限を厳しく運輸大臣の指導のもとにやっておりまして、ようやく一ころのような過当競争の場からは幾らか逃れることができまして、いわゆるオーダリーマーケティングができる形になりつつあるところでございます。しかしながら、現状におきましてはこの三分の一近くに落としました操業度を、オーダリーマーケティングで五十四年度、五十五年度の前半を操業していくのがやっとかっとだという、まだ少し足らぬぎみだという状態でございます。かてて加えまして、今日われわれの頭痛の種になっておりますのは、さっきお話が出ましたように、世界的な不安定な石油の需要供給のために、従来余り船数のございませんでした六万トンないし八万トンぐらいのタンカーがごくわずかに出ておりますのを受注しておりましていま申し上げたような状態になっておりますが、このマーケットも少し長い目で見ますとそう長く続きそうにはございません。
 それで私ども、御存じのように、こういう状態になりましたために同業者全部いろんな労務対策をやりまして、三分の一に落とした操業度に見合うだけの人数にわれわれの組織の中の人間の数を、社内で横異動したりあるいは特別希望退職を募ったりいろんなことをいたしまして減らしたんでございますけれども、この減らして残った人間をなおつないでいくというのがいま申しましたようにかつかつの状態でございますので、今後ともこのいま御審議いただいておる計画造船の利子補給の問題をぜひ実現さしていただかなければ、さらに第二段の人員の縮小ということをやらざるを得ない状態におるのが現実の姿でございます。
 そのほかに、なおぜひお願いいたさなければならぬことは、国有の船舶、たとえば海上保安庁あるいは防衛庁、その他地方自治体に相当船齢の古い船をまだ御使用中でございますので、こういうものをぜひこの次の予算の御編成のときに、代替建造なり何なりに特段の御配慮をいただきまして、われわれ業者の努力で縮小いたしました最小限度の造船部隊の人間の保持ということができるようにお願いいたしたい、お願いしなきゃならぬという状態でございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 簡単でございますが、全体の概況を申し上げました。
#10
○委員長(三木忠雄君) ありがとうございました。
 次に、村上参考人にお願いいたします。
#11
○参考人(村上行示君) 全日本海員組合の組合長をしております村上であります。
 私は、海で働く船員の立場からこの改正法案に対する意見を申し上げます。この法案の趣旨は、利子補給制度の復活、拡充によりまして日本船の建造を図ろうとするものであると説明されておりますので、その限りにおいて私はこれに賛成するものであります。
 御承知のとおり、太平洋戦争におきまして壊滅した日本海運を再建するためには、国の財政資金投入による計画造船が大いに力を発揮したのでありますが、これは日本経済と国民生活発展のために海運は必要不可欠であるとの基本認識があったからであると思います。今日、構造不況と言われる中で日本の海運はその存続が危ぶまれておりますが、日本海運が必要不可欠であるという基本認識につきましては大きな変化はないというふうに考えております。先ごろの運輸省の海運造船合理化審議会の中間取りまとめにおきましても、日本海運の意義というものが再確認されておるのであります。
 そこで、厳しい国際競争にさらされておる日本海運を維持し発展させるためには、資本費の安い船をつくるという政策は当面の急務であろうかと思います。先進海運国におきましてもいずれも手厚い海運政策を実施しておるのであります。したがって、私はこの法案に賛成するものでありますが、同時にこの政策を効果あらしめるために、二、三の希望を申し上げておきたいと思います。
 その一つは、仕組み船の規制ということであります。せっかく日本船建造の道をつけていただきましても、仕組み船に対し何らの規制措置も考えないというのであれば、果たして海運政策として成果が上がるのか、私ははなはだ疑問であると思います。海造審の中間取りまとめの中でも、過度の外国用船がないよう指導を強化すると述べておりますけれども、単なる指導ぐらいでは歯どめはできないということが過去の実績で証明されておると思います。東大の名誉教授脇村義太郎先生は、海造審の席上次のように述べておられます。
 海運集約体制の欠陥は、外国用船についての規制がなかったことである、今日の日本海運の危機は用船の失敗にある、スエズブームの後で船主は苦い経験をしたので、よもや失敗を繰り返すことはあるまいと思って集約のときに外国用船についての規制を設けなかったけれども、船主はあの失敗をまた繰り返した、このように批判しておられるのであります。
 申すまでもなく、仕組み船というのは船籍を外国に置いて、脱税と安全法規無視と低賃金によって利益を上げようとする国際道義に反する慣行であり、海難の多発や海洋汚染によって批判されておるのであります。このような不公正競争を放置し、ある意味では奨励しておいて、日本船を建造すると言っても、それは大きな矛盾に突き当たると思うのであります。したがって、日本船建造の道をつけると同時に仕組み船の規制が必要であります。
 次に、もう一つの希望を申し上げますが、今次国会に上程見送りとなりました海上運送法の一部改正案でありますが、これをぜひ早急に取り上げていただきたいと思います。発展途上国海運並びに東欧圏海運に対して何らかの対策が必要なことは世界の先進海運国の認めるところでありまして、日本海運存続のため海上運送法の改正は急務であると考えます。聞くところによりますと、外務省と運輸省の意見調整に手間取って今国会は間に合わなかったということでありますが、日本商船隊の維持、発展のため、世界一の海運国らしく、もっと積極的な対応を希望するものであります。
 最後に、船員の雇用安定について希望を申し上げます。外航船主と全日本海運組合は船員の雇用安定について次のような確認を取り結んでおります。
 今後の海運政策については、国民経済及び国民生活に必要な安定輸送力と日本船員の雇用安定を確保するため、適正規模の日本船舶を保有する長期的、計画的な政策を求めることを基調とする。
 すなわち、海運労使はこの基調に従って労使協議会で具体的な雇用安定対策に取り組んできたのでありますが、この協議が必ずしも円滑に行われず、新造船の建造が低下をし、一方では仕組み船が増大をして日本船員の職場が縮小してまいりました。数字的に申し上げますと、外航二船主団体で昭和四十八年一月の所有船舶数九百七十六隻、船員数四万七千名であったものが、本年一月では六百九十四隻、船員数三万九千名になっております。つまり、この六年間で二百八十二隻の船舶が減少しております。これは二九%の減になります。船員の方は八千名の減少で、これは一七%の減になります。
 このような減少は労使確認に違反する事態でありますが、組合としてはやむを得ず関連職域への出向や外国船への混合乗船にも協力してまいりました。海造審の中間取りまとめの中では、船員の予備員率は七三%にも達していると述べておりますが、これは船主が新造船や代船なしに海外売船を行ったため予備員率が高くなったわけでありまして、しかしこれらの予備員も遊んでいるというわけではなくて、それぞれ社外出向や外国船への混乗で働いておるのであります。したがって、現実には海造審で指摘されておるような高い予備員率とはなっていないのであります。
 なお、外国船への混乗といいますのは、簡単なよりでありまして実は多くの問題を含んでおるのであります。職員を派遣して部員は発展途上国船員という場合が多いのでありますが、風俗、習慣の異なる途上国船員を指導して安全運航を図ることは大変むずかしいことであります。しかし、私たちは生き残るためにこの苦難の道を受け入れておるのであります。それは日本海運が基幹産業として位置づけられ、日本船員による日本船という本隊が存続するということを信じているからであります。この本隊がなくなって外国船への混乗ばかりということになれば、やがて船員のなり手はなくなると思います。海洋国家日本は一定の日本船が必要であり、日本船員の雇用不安は一時的なもので、必ずや雇用安定は得られると私たちは確信をしております。この確信の方向へ国の海運政策は進められねばならない、その第一歩がこの改正法案である、このような理解のもとに私はこの法案に賛成の意見を申し上げます。
 なお、御参考までに一、二の数字を申し上げておきたいと思いますが、先進海運国の行っておる船員費の助成についてでありますが、アメリカでは運航差額補助という形で船員費の約六〇%相当を補助をしております。スウェーデンでは船員に対する特別税制という形でこれは船員賃金の約三〇%に相当しております。イギリスでは税金について本国を三十日以上離れておる船員については二五%の割り戻し金がございます。一年以上本国不在の場合には一〇〇%免税になっております。
 それから、次に海難の発生についてでありますが、この十年間の統計につきまして日本船と便宜置籍船の比率を見ますと、日本船一に対して便宜置籍船の海難は八・三、つまり八・三倍の海難を便宜置籍船は起こしておるということが数字的に明らかになっております。
 また、海洋汚染の問題でありますが、日本船と外国船の油汚染発生率は、日本船を一とした場合外国船は七六に当たっております。このことは何を物語っておるかといいますと一年間約三万トンの油のかたまり、油塊で、やがて外国船ばかりになっていけば日本の近海は汚染をされてしまうということを物語っておるのであります。
 以上で私の意見を終わります。
#12
○委員長(三木忠雄君) ありがとうございました。
 次に、地田参考人にお願いいたします。
#13
○参考人(地田知平君) 私、一橋大学の地田と申します。
 いままで海運、造船及び船員組合の方々からそれぞれ詳しいお話がございましたので、私はその点をいささか略させていただきまして、話が抽象的になるかもわかりませんけれども、利子補給法のわれわれの理解する意味での理論づけということを申し上げたいと思うんであります。
 それで、海運不況についてはただいま永井さんの方から非常に詳しいお話がございましたので繰り返す必要がないと思いますが、ここで私が申し上げておきたいことは、この不況の中にいろいろな世界海運について変化が起きているということを申し上げます。その変化と申しますのは、いろいろもうすでに御承知のことと思いますので繰り返しませんけれども、国際情勢が非常に大きな変化をしてきているということでございます。
 もう一点、日本の海運の場合について言いますと、そういう環境の変化のほかにいま一つよく言われますよりに、そしていまもそれぞれの参考人の方からお話がありましたように、日本船の構造的な弱点と申しますか、俗に国際競争力がなくなったという表現でもって言われておりますが、この点については、国際競争力についてはすぐ後でもって申し上げますが、とにかく、そういう構造的な弱点がはっきりと出てきたということでございます。そして、その結果、先ほどからもお話がありますように、日本船が少なくとも絶対量では昭和五十二年ぐらいから減少してきております。そのために、日本船に対して日本の国が期待している役割りというものが十分に果たされなくなるおそれがあるという結果になっているわけでございます。
 そこで、私は日本の海運業自体としてもそうでありますけれども、日本の政府として、政策の目標は結局この国際環境にどういうふうに対応していくかということ、それといま一つは日本船の国際競争力を確保するということに尽きるかと思うのであります。その場合の日本政府のかかわり方ということについては後でまた幾らか抽象的に申し上げたいと思いますが、ともあれ目標はそこに当面置かれなければならないだろうというふうに考えております。
 構造的な弱点は、ということは、先ほどもお話ししましたよりに、俗に国際競争力の喪失ということでもって言われておりますけれども、国際競争力というのは非常にあいまいな表現でございまして、一体国際競争力というのは何かということになりますと、わけのわからないものでございます。一言で言って、私は市場に企業が生き残れる力、それが国際競争力であるというふうに考えております。したがいまして、市場の状況が悪くなり、不景気が訪れますと、その市場に生き残る力の弱いものから次第に脱落をしていくということになるわけでございまして、その意味では、今日この日本のいわゆる国際競争力というものが露呈してきましたのは、やはり過去にないような海運不況の結果であるというふうに考え、そして、国際競争力というものをいかなる場合にも維持するということは、結局どんな不況のもとでも生き残れるような力を培養するということに尽きると思うのであります。
 そこで、国際競争力と言われるものの中身について少し申し上げておきたいと思うのでございますが、これは御承知のように、企業というのは総力でもって競争を営なんでいるわけでございますから、したがいまして、その中には経営者の経営能力というものもありましょうし、あるいはまたそれをバックアップするいろいろな機関の助力というものもあるかとも思うんでありますけれども、その中の一つの重要な要素は、これはコストであるというふうに考えることができます。これは一般の産業の場合と全く私は同じことだろうというふうに理解しております。
 しかしながら、海運の場合には国際競争の対象となりますようなコストというのは、フルコスト、つまりコスト全体が対象になるわけではございません。そのうち国際的に優劣を決めるのは国際的に違うような費用だけでございます。
 話がいささか抽象的でございますけれども、一例を挙げますと、燃料費というものは、これは船が運航するためにぜひ必要なわけでございますけれども、この燃料費はどの国の船でもある港でもって補給すれば大体価格は同じことでございます。もちろん、企業によって買い付けの仕方が違いますから幾らかの差はありますが、しかしながら、国際競争力を決定的に左右するようなコストではございません。
 そこで、国際競争力の中でもって一番重要なものは何かと申しますと、これは海運業における慣習的な費用分類によりますと、船費というふうに言われているものでございます。この船費というのは要するに船を持ち、そしてその船を運航可能な状態に置くために必要とする費用でございます。その中には減価償却費も入りますし、あるいはまた金利も入ります。それから修繕費も入りますし、船員費も入りますし、あるいは保険料も入ると。いろいろ費用項目がございますけれども、その中でもって特に国際的に違うコストといいますと、結局は資本費と船員費の問題に帰着すると思うのであります。
 そこで、ここまで申し上げると大体国際競争力というものを回復する方策というのはこれはもう方向がはっきりすると思われる。それは一つは資本費をなるべく安くつける、いま一つは船員費をなるべく安くつけるということでございます。
 それからもう一つ考えられますのは、船員費と資本費というのは、ある意味では相関関係と申しますか−相関関係というのはちょっと言葉が悪いんですけれども、お互いに関連がある項目でございまして、これは一般の産業の場合においても全く同じでございますけれども、資本の費用に対して船員、労働力の費用、つまり賃金――あるいは賃金という言葉は適当でございませんでもって船員費というふうに申し上げております、あるいは労務費というふうに申し上げておりますけれども、その労務費が資本コストに比べて割り高になりますと、なるべく労働力を少なく使って資本を多くするような生産の仕方に改めていくのが普通でございます。これも一種の構造変革と考えて差し支えございません。その意味では日本の海運業はすでにかなり前からそういうことに着手しております。それを一言でもって表現いたしますと、資本集約的な船になるべく集中していくということでございます。
 資本集約的な船と申しますのは、具体的に申し上げますと、たとえばコンテナ船であるとかあるいは大型の貨物船であるとか、あるいはまたLNG船であるとか、あるいはまた同じ形の船であってもなるべく労働力を少なく使うようなそういう船ということになるわけでございます。こういうものに改めていくということが考えられるわけでございます。
 要するに、私が申し上げたいことは、国際競争力をつけていくためには、一つには資本費というものを安くすることが必要であろう、いま一つは労務費というものを安くすることが必要であろう。この労務費というのは賃金という意味では決してございません。賃金は実は労務費の一部でございまして、それ以外にたくさんの付帯費用がかかっているわけでございますけれども、その全体を含めた上でもって安くするということでございます。そしていま一つは、なるべく資本集約的な船を持つように構造的に変えていくという、そういう三つの方法が考えられるわけでございます。
 そのうち、先ほども申し上げましたように、すでに資本集約的な船の建造というのはかなり進んでおります。また将来もこういう船の建造に重点を置いていかなければならないということも、将来の資本費あるいは船員費のあり方から言って当然だろうというふうに思われます。
 いま一点は船員費の問題でございますけれども、この主要な部分は労使間の交渉によって決まる性質のものでございます。外部から特にそれに対して手を加えなければいけないという性質のものではございません。むしろ、苦難の道はあったにしましても、それによって打開していくことが、それが将来の労使間の健全な発達にとって望ましいことであり、かつまた企業の健全な発達にとって望ましいことであると私は考えます。その結果、残るところはやはり資本費の減少ということになるわけでございます。
 そこで、私は本日の議題というふうに承っております利子補給につきましては、これはやはり資本費を引き下げるという意味を持つという点で日本船を維持する上で非常に重要であり、かつまた国際的な競争力を維持する上でもって重要な方策と考えているわけでございます。
 もう一点、利子補給について申し上げたいと思うのでございますが、先ほどどなたかから、いわゆる仕組み船という問題がございました。仕組み船についてはここでもって詳しく申し上げる必要がございませんけれども、実は仕組み船をチェックする一つの方法として資本費を引き下げるという政策は考えられるということ、これは比較的注目されていないんですけれども、そういう効果があるということを一つ申し上げておきたいと思うんであります。
 そこで最後に、一体政府は利子補給でもって足りるかということについて申し上げておきたいと思うんでございます。で、もちろん政府の仕事としては、先ほど申し上げましたように、新しい国際環境に対応するような方策を考えるということも、これも政府が指導的な立場をとらなければならないと思います。しかしながら、私は政府というのは、国際競争力を培養するということが必要であるならば、それの条件づくりをすることにとどめるべきである。それ以上政府の企業に対する干渉は、とりわけ海運業のように非常に経営の上でもって弾力性とそれから機動性を必要とするような産業では、むしろ政府の干渉というのは有害であって益はないものと確信しております。その意味で、当面は主要な一つの政策の柱としてはこれが考えられる。繰り返して申し上げますけれども、主要な一つの柱としては、利子補給というものが考えられるというふうに思うのでございます。
 私、非常に話が抽象的でもっておわかりにくかった点もあるかと思いますけれども、時間の制約もございますので、また御質問でもあれば詳しく申し上げたいと思います。
 以上でございます。
#14
○委員長(三木忠雄君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終了いたしました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#15
○青木薪次君 永井会長にお伺いいたしたいと思うんでありますが、時間がございませんから、ひとつ端的に結論を申し上げていただいた方がいいと思うんであります。
 今回の利子補給によるものを含めて計画造船が七十万トンと三十万トンと、こういう区切りになっているわけで、合計百万トンでありますけれども、業界として、先ほども言われましたように、なかなかこの計画造船の実態が予定されたよりも実際はいままでのデータで少なくなっていると、こういう中にあるわけでありますが、今回の利子補給によって相当な建造意欲が出てくるのかどうなのか、この点もひとつ端的にお伺いいたしたいと思います。
 それから、さらに永井さんにお伺いいたしたいと思いますのは、純増分として、あなたのお話を前にちょっと読んだことがあるわけでありますが、欧州航路のコンテナ化によるものの二隻のほかは老朽船の代替建造だというように言われたのを覚えているんでありますが、これはたとえばいま村上組合長さんのおっしゃったように、たとえば二十五人乗り、これは最低だと思うんでありますが、二十五人乗りの船が十八人になりますならば、かえって予備員がふえるんですね。日本の船を何としてもふやすということが必要なんでありまして、外国用船をつぶして日本船をふやすということでないと、実はいけないと思うんであります。そういう意味で、海造審の答申を踏まえて長期的抜本的なものを急ぐべきだと思うんでありますが、この点について御意見をお伺いいたしたいと思います。
 それから、村上参考人にお伺いいたしたいと思うのでありますが、船員費を中心とするコスト増が日本船の国際競争力低下の原因と言われているんでありますけれども、海運対策部会の小委員会の報告書では「船員費を極力低減する。」というように言われているんでありますが、そうすると予備員と乗り組み定員数のあり方などを含めまして必要措置を労使間で協議するにしても、大変な−昭和四十四年当時には四二、三%であったのが、今日、昭和五十二年度ではもうすでに七三%ぐらいに予備員率がなってきているということになりますと、これは大変な事態になると思うんでありますが、労使間で具体化する決意といいますか、その点を村上参考人と永井会長にもこのことをひとつ触れていただきたい。
 それから、地田先生にお伺いいたしたいと思うんでありますが、船員費の低減についていまお話がありましたし、資本費についてはこの利子補給で相当下げることができる。船員費の問題は、これはもう労使間に介入することは問題であるけれども、小委員会の報告では、「これを可能とするための船員政策上の諸対策が講ぜられることが必要」だとしているんであります。今回の利子補給法は、小委員会の報告に言う資本費の低減を満足させるだけのものであっていいのかどうなのかという点についても、船員費との関連でひとつ波及効果をさしていく。船員費だけの低減というような問題等について、ある意味で非常に予備員がふえてきて問題なので、その方向で船員の雇用といりような問題を含めた中で救済する方向にこれもいかなきゃいけないというように考えているんでありますが、その点についての御意見をお伺いいたしたいと、こう思っているんであります。以上です。
#16
○参考人(永井典彦君) 青木先生の御質問にお答えいたします。
 まず、今回の措置によって建造意欲が沸くかどうかという御質問に対する当方の考え方でございますが、新しい船をつくる場合には、その船が国際競争力を持った船であるかどうかということがまずわれわれ私企業の立場において検討する最初の基本的なポイントでございます。今回の措置が実現されましたならば、先ほど地田先生のおっしゃったように、いわゆる船員費と資本費両方の問題点につきまして、資本費の方では何とか他の外国のコストと競争できる範囲にまで下がってくる。あとは船員費の問題でございますが、これも現在の情勢に合わして労使間で鋭意打ち合わせをしておりますので、何とか結論が出るということを希望しておりますので、そうした場合には国際競争力を持った船が今回の措置によってつくれると存じますので、そういたしますと建造意欲は相当沸き上がってくるものと確信しております。具体的に何トンぐらい出るかということは非常にむずかしい御質問でございまして、いまはっきりわかりませんが、少なくとも七十万トン以上のものは出るんではないかと、個人的に私はそう思います。
 二番目の御質問の老朽船の代替建造その他でございますが、今度つくります船がいわゆる合理化船となりまして、現在三十人前後乗っております船が、十八人といくかどうかわかりませんが、十八人前後にまで乗組員の数が減少できる船ができるといたしますと、その船の競争力というものは相当強化されます。あとは予備員費の問題がございますが、それも打ち合わせの結果ある程度の理解を得られまして、ある程度の予備員の減少が図れるといたしますと、船員費全体のコスト減になり、その船の競争力が出てまいりますので、そうなりますと、いわゆるいま外国用船をしている船を、いわゆる仕組み船の船を買い戻しまして、それに日本船員を乗せて日本船にするということも将来出てまいるとわれわれは確信しております。
 以上でございます。
#17
○参考人(村上行示君) 現在労使間で政策協議会を設けまして、雇用安定を中心にいま労働条件の見直し等にも取り組んでおります。長期的には船員制度の抜本的な改革を行うという方向で対処をしてまいりたいというふうに考えております。
#18
○参考人(地田知平君) 私に与えられました御質問は、一つは資本費の減少だけでよいかということと、それから雇用の問題をどうするのかと、こういう御質問であったと思うんですが、前者につきましては、私ちょっと先ほど申し忘れましたけれども、海造審の小委員会報告にもありますように、資本費だけあるいは船員費だけというやり方ではとても国際競争力はつかないのではないかということであると。私、これは数字は大変あいまいなんですけれども、頭の中にある範囲内のことで、間違っているかもわかりませんが、そううんと大きな間違いはないんではないかと思うんですが、大体船員費が、船の種類等々によっても違いますけれども、先ほど申し上げました船費の一五%ぐらいを占めているんではないだろうか。資本費は二〇%ということでございます。その程度じゃないかというふうに思うんです。そうしますと、仮に資本費を一〇%下げたところでもって全体の船費のうちでは二%、そして二〇%下げたところでもって四%、あるいは三〇%下げて六%と、こういうことでございます。ところが現在問題になっています、そして国際競争の上でもってコストの下限と申しますか、運賃がその水準で決まっているような船とのコストの違いは大体三対一ということになっておるというふうに聞いておりますが、もしもそれが真実であるとするならば、この船員費を五%に数字の上では下げなければいけないことになろうかと思います。しかしながら、私先ほど申し上げましたように、国際競争力というのは費用だけで決まるものではありませんでもって、そのほか経営能力その他がいろいろありますから、必ずしもここまで下げなければいけないということは申しません。もっと高くてもいいと思うんですけれども、しかしながら、資本費だけ、船員費だけではとうていコストの上での国際競争力を回復することには十分でないということは言えると思うんです。
 それから、第二番目の雇用の問題でございますけれども、これはただいま労使間の交渉が続いているというように私承知しておりますので、余りこの点について申し上げたいとは思わないんですけれども、やはり基本的には労使の努力ということがあるだろうと思うわけです。
 そのほか、また必要とあれば国の助力が必要だろうというふうには思いますが、ただ、私いろいろなところでもって陸上産業等を見てみますと、不況になりますと労使両方、一方的に利益になるような解決策というのはあり得ない。どうやって損を少なくするかということが問題だろうと思うんです。つまり使用者側にしても労働者側にしても、どうやって損を少なくするかということに私は尽きるんではないかというふうに思うんですが、これはあるいは間違っているかもわかりませんけれども、一応私の現在考えているところを申し上げて、ただいま労使の交渉が続いておりますので、その点御勘弁願いたいと思います。
 以上でございます。
#19
○穐山篤君 最初、永井参考人にお伺いするわけです。
 先ほどもお話があった問題に関連をするわけですが、これから利子補給をして造船に当たるという問題が片方であるわけです。しかし、政策的に言うと仕組み船を買い戻すという問題もあるわけですね。すでに、輸出入銀行の緊急外貨貸し付けの数字を見てみますと、三十隻前後ぐらいの分量の金が準備されているというふうに見ているわけです。
 そうしますと、まあ解体の問題もありますけれども、利子補給をして造船をする造船計画と、国のその買い戻しの仕組み船との展望というものを十分に持たないと、また似たような問題が起きるわけですが、永井参考人及び真藤参考人に、その辺の、ここ一、二年展望してみてどういうふうにお考えになっているのかということをまず最初にお伺いをします。
 それから、仕組み船の、あるいは便宜置籍船のお話が繰り返しあるわけですが、先ほどの運輸大臣の提案理由は、私は少しこれは説明が十分でなかったと見るわけですが、国際競争力が落ちてきたから外国用船に依存する度合いが強くなったというふうに説明をされていますけれども、歴史的に、あるいは数字を具体的に見ると、まあそこは資本主義の商売ですから、もうかる方に手をつけるということで、仕組み船あるいは便宜置籍船に政策の重点を全部かけて、それで国際競争力というものをみずからが落としていったというふうに、数字を具体的に見れば、年度ごとに追ってみればそういうふうに見えるわけです。その意味で言うと、船主協会も相当の責任を負わなきゃならないと思うんですね。責任をどうこうという議論をするつもりはありませんけれども、かようになった一部は負っていただかなきゃならぬ問題だというふうに思うわけです。
 それから当然仕組み船、まあ用船の問題について、相当規制をこれから国際的に提案をしていかなければ、ますます日本海運としては国際競争力を弱めてしまう。いまのようなやり方をしておりますと、国際競争力よりも便宜置籍あるいは用船との関係で、これまた数字を見ればはっきりしますけれども、用船との関係で国際競争力が落ちているわけです。皆さん方が発行されております本をしばしば読んでみますと、日本の船員費三に対して用船の方は一だというふうに言われているわけです。その三には、皆さん方も重要なかかわり合いがあったわけですから、この便宜置籍船、用船の問題について、安全の問題あるいは海上の環境保全というふうな広い分野から言ってみて、この辺で十分反省をして、国際的な何か問題の提起をしてしかるべきではないだろうか。これは日本ですからこういう議論が行われているわけですが、アメリカなりイギリスなりその他で同じような状況になれば、また相手の国から同じような問題提起がされるのは当然だと思うわけですね。そのことについてのお考えを伺います。
 それから、村上参考人にお伺いするわけですが、国会としてはいろいろな状況を考えまして、去年、おととし、いろいろな雇用に関します法律、政策というものをつくったわけですね。一例ですけれども、例の雇用センターというようなものもあるわけです。これは海員組合だけの問題ではない。総合的な協力によって雇用の拡大というものを図るわけですが、国会がいろいろな法律をつくったにもかかわらず、数字の上では余り前向きの雇用というふうな状況になっていないんですが、海員組合からながめられて、雇用の問題についてもう少しこういう点を考えてくれるならば促進がされるであろうとか、あるいは知恵がわくのではないだろうかというふうな御意見があれば、ひとつお伺いをしたいというふうに思います。
 それから、地田先生にお伺いをしますが、政府としてやるべきことは、まあ余り具体的なことに手を出さずに環境整備に十分配慮したらいいのではないかというお説があったわけですが、その一つの方法として造船の場合に利子補給というのも一つの方法だろうというふうなお話がありましたが、先生が専門的な分野から考えてみまして、環境整備上特に国会として考えなければならない主要な問題点といいますか、特徴点というものについてもし具体的な御意見をお持ちであれば、ひとつ教えていただきたい。
 以上です。
#20
○参考人(永井典彦君) 穐山先生の御質問、私に対しては三つあったと了解いたします。
 最初の御質問は、新造船並びに仕組み船の買い戻し等の将来の展望はどうだろうかというお話でございますが、仕組み船と申しましてもいろいろ種類がございまして、外国の船会社と仕組んでいる船がございます。そういう船は当方の意思だけでは買い戻しができません。それからまた、その仕組み船に対して金融をしております金融機関の了解もありますし、それから、それに現在乗っております船員の雇用契約というものもございまして、仕組み船を日本の都合のためにどんどんどんどんすべてのものをキャンセルして買い戻すということはなかなか困難でございまして、一応の仕組み船の買い戻しには限度がございます。したがいまして、今後はある程度新造船によりまして代替建造をやっていかざるを得ないのじゃないかというふうに私は考えております。
 それから二番目の国際競争力の低下は、むしろ仕組み船をやったから競争力が低下したのじゃないか、それに対して船主協会も責任を負えというお話と存じます。
 われわれが国際海運のもとで営業しておりますときに一番必要なのは、すなわち非常に抽象的な言葉でございますが、いわゆる国際競争力でございます。一番端的に申し上げますと、一つの船の運航コストというものがまず最初の国際競争力になってくるわけでございまして、その一つの船の−運航コストが外国の船の運航コストと比べて非常に高い場合には、その船は国際競争力がないということが断言できるわけでございます。すなわち運賃というものは世界共通の一本の運賃でございますので、一つの運賃に対してコストの高い船と安い船とが競争いたします場合には、当然高い船は負けるというのは自明の理でございます。いままでの日本海運におきましては、いろんな理由によりまして日本船の一船当たりのコストが非常に高くなってまいりまして、国際競争力がなくなってまいりましたので、いわゆる仕組み船をいたしましてコストの安い船をまぜて使いまして、一つの会社の全体のフリートのコストをアベレージダウンしてやったという意味もございます。したがいまして、仕組み船をやったから国際競争力がかえって逆に低下したのではないかというのは、必ずしもそうではないと私は考えております。
 それから、国際的に提議をしたらどうかという御趣旨がちょっと私にはよくわからなかったのでございますが、要するに、われわれといたしましては世界の海運の秩序がいま非常に乱れつつあります。したがいまして、その秩序を取り返して健全な世界海運というものをつくり上げるためには現状のままではまいりませんので、何か一つ秩序をつくり上げる基盤となる考え方をつくり上げる必要があるというふうにわれわれ考えております。たとえば、現在マニラのUNCTADで論議されると思います同盟行動憲章というものを日本が批准いたしまして、一日も早く世界の定期航路の一つの基準というふうな意味の国際条約にできれば、これも世界海運の秩序を回復する一助になるんではないかと思いますので、そういう意味におきます国際的な日本の主導というものは今後とも重要でございますし、それを心がけて動いているつもりでございます。
 以上でございます。
#21
○参考人(真藤恒君) まことに失礼でございますが、私に対する御質問のポイントをちょっと了解し損ないましたので、お差し支えなければもう一遍繰り返していただきたいと思います。
#22
○穐山篤君 簡単に申し上げますと、国の政策としては仕組み船の買い戻しという問題があるわけです。船舶を日本の国籍にし、それから日本船員を配乗するという問題も片方あるわけですね。片方では造船をする。その造船に対して利子の補給を行う。日本の船舶量全体から言えば、ある意味で言えば矛盾をする問題です。できるだけ調整をしよう、集約をしようというときに、国の政策と皆さんの政策がここでぶつかり合いになるもので、仕組み船の買い戻しのこれからの展望と、これからの造船の計画との調整はどういうふうになされるのか、そういう問題です。
#23
○参考人(真藤恒君) わかりました。
 私どもの立場から申し上げますと、仕組み船でありましても、実質は日本の海運の経営能力の中で動いているものでございます。たとえそれをお買い戻しになりましても、それが日本の海運全体の経営能力の邪魔になるというものじゃないというふうに考えますので、一向差し支えないと考えます。
#24
○参考人(村上行示君) 一昨年議員立法の形で船待法を制定していただきまして感謝をしております。余り成果が上がっていないじゃないかということでございますけれども、これは外国船主からいろいろ引き合いはたくさん来ておるわけでありますけれども、安売りをしたんでは何をしておるかわからぬことになりますので、やはり適正な労働条件で紹介をしていきたいということで、日本船員の優秀性というものが認められて漸次外国船主に対する紹介もふえていくというふうに思っております。
 なお、特に部員を教育をいたしまして免状を取らせて外国船に乗せるということが、部員が余っている現状から考えまして非常に必要でありまして、そういう意味でいま教育という面についていろいろ努力をしております。そういう点につきまして、またいろいろ国の御理解も仰ぎたいというふうに考えております。
#25
○参考人(地田知平君) 政府のなすべきことということでございますが、先ほど申し上げましたように、一つはやはり国際問題にどうやって対処していくか。日本の海運業の維持のためにどうやって対処していくかということが非常に大きな重点だろうと思います。そのほか、海運造船審議会の小委員会報告にもありますように、税制の問題もあろうかと思います。さらに各種の法律、とりわけ労働法制について、やはり事情に合うように、そのときどきの状況を考慮した上でもって整備していく必要があろうかというふうに思います。
 以上でございます。
#26
○瀬谷英行君 村上参考人に一つお伺いをしたいのですが、仕組み船の規制を希望されておりましたけれども、これを奨励をしてきたじゃないかというお話がございました。一体奨励をしたのはだれなのか、これを規制をするとすればどこが規制をしなければならないのかという問題。それから海上運送法改正についての希望を述べられましたが、どういう方向でもって具体的にどういうふうにしてほしいというふうに希望されておるのか。その点をお伺いしたいと思います。
#27
○参考人(村上行示君) 仕組み船の規制につきましては、やはり政府が一定の考え方で船主を指導すべきであろうというふうに考えます。奨励といいますのは、やはり船主が仕組み船をつくるという方向を黙認をしてきたということがやはりとりもなおさず一つの奨励の形になってきたんではないかというふうに思っておるわけであります。
 それから、海上運送法の改正につきましては、いまUNCTADの場でいろいろ論議をされておりますが、そういう方向で日本国としても対応を考えてもらいたいというふうに思っております。
#28
○太田淳夫君 それでは永井参考人に質問させていただきますが、衆議院においても参考人として御出席をされましてそのときに御意見を開陳されていらっしゃいますが、船主協会では、本当のことを言うと実は日本船をつくりたくないと、こういう意味のことも御発言があったように聞いておりますが、これは利子補給をやってもやはり外国用船をつくっていきたいと、こういうお考えかどうか、ひとつお聞きしたいと思います。
 それから二点目は、船腹過剰ということですが、その実態はどのような実態でございますか、また、いつごろこれはバランスするものと考えられるのか、あるいはそのバランスする船腹量というのは一体どの程度の量を考えてみえるかということです。
 それから三点目は、海造審の海運対策部会小委員会ではこういうような意見を述べておるわけですが、「今後長期にわたる日本の外航海運のあり方を明らかにするためには、従来のごとく、極力多くの日本船を建造しこれを保持していかなければならないという考え方を再検討し、何らかの新しい見地に立ってこれを判断する必要がある」と、こういうふうに述べているわけですが、これに対してどのようにお考えになられるか、その点をお聞きしたいと思います。
 それから、先ほどから国際競争力の回復ということがいろいろと議題になっておりますが、この利子補給をすることによって国際競争力の回復ということが言われておりますが、利子補給をして安い船をつくりそのコストを下げるのか、それとも、船員コストが高いと言われておりますが、それによってこの穴埋めをするという考えなのか、その辺の点をお聞きしたいと思います。
 次に、村上参考人にお聞きしたいことは、日本船のコストのうち外国船に比較して著しく不利である船員費を極力低減する、このため、予備員あるいは乗り組み定員数のあり方などを含めた対策がこれは必要であるという御意見もあるわけですが、この点についての考え方、また対策があったらお聞きしたいと思います。
 地田参考人につきましては、いま同僚議員から御質問があった点と重なりますが、国際情勢の変化ということが非常にこの日本の海運業界にとりましても将来を展望する際におきましても大きな意味がございますが、中東紛争等の問題の影響等もありますが、先生の今後の国際情勢の見通しについてちょっとお尋ねしたいと思います。
 それから、永井参考人にもう一点だけお聞きしたいんですが、ソ連及び東欧圏あるいは発展途上国の海運が最近やはり日本の海運にとりまして非常に大きな影響を与えておると、こういうことでございますが、この影響、具体的な例がありましたらお願いしたい、対策に対する御要望がありましたらお聞きしたいと思います。
 以上です。
#29
○参考人(永井典彦君) 太田先生の御質問に対してお答えいたします。
 日本船をつくりたくないという断定的な表現で申し上げたわけじゃないと思いますが、利子補給ができる前の情勢では日本船をつくるのに非常に困難であるという状態でございました。このたび利子補給制度が実現されるといたしましたならば、少なくとも資本費の面においては諸外国と、若干まだ不十分とは思いますが、ひけをとらない程度の助成になるわけでございますので、あとは船員費の問題につきまして、組合と協力いたしまして、うんと国際競争のできる船ができ上がると存じますので、今後は新造船ができるようにがんばっていきたいと存じます。
 それから、二番目の御質問の船腹過剰の状態でございますが、たとえばタンカーは昨年末の状況では全世界で約三億五千万重量トンございました。それに対しまして実際必要とする量は二億六千万トンでございますので、九千万トン、約一億トンが過剰になっております。また、タンカー以外のいわゆるドライカーゴー貨物船の分野におきましても、同じく五十三年末の状況では一億四千万トンぐらいあるのでございますが、実際に必要の量は一億一千万トンぐらいでございますから、これまた三千万トンぐらい余剰になっております。この解消は今後三年ないし四年は、私、不可能ではないかというふうに個人的には思っております。
 それから、この利子補給が実現されたならば、それによって得た助成金を船員費の穴埋めに使うのかというお話でございましたが、そういう意図は毛頭持っておりません。すなわち、利子補給だけでは国際競争力はまだ確保できない、利子補給と同時に船員費の合理化を図りまして、そのある程度の実現ができましたならば初めて船の建造が可能となるのでございますので、その場合には補給金額を船員費の方に回すということなしに船がつくれるというふうに私は考えております。
 それからその次の御質問を聞き漏らしましたのでちょっと飛ばさしていただきますが、ソ連船、発展途上国の海運の状況でございますが、ソ連船はいわゆる国営海運でございまして、コストがあってなきがごとき状況でございます。そのソ連船が全世界にわたりまして定期航路に進出してまいりました。ある航路におきましては運賃を同盟のレートの四〇%近く下げて営業をやっておりまして、全荷動きの一五%ぐらいをソ連船が確保しているというところがたくさんございます。これに対しまして先進海運諸国――日本も含めましてでございますが、共同いたしまして対抗策を考えているわけでございますが、何分強力なソ連の国営海運でございますので、なかなか適確な対抗手段が現在のところなくて、われわれとしては悩んでいる次第でございます。
 それから、発展途上国の方の海運の活動はまたソ連とはちょっと異質でございまして、すなわち、発展途上国におきましては、その国の外貨獲得とかその国の国威の宣揚のために海運を持つという考えが非常に濃厚でございまして、それでそういう国々が船を持っております。これに対しましてそういう国々は非常に強力に援助いたしまして、たとえばその国に輸出入される品物の五〇%、少なくとも五〇%はその自国の海運によらなきゃいけないというようなことを法規制いたしまして、積み荷のコントロールをするというようなことをやっております。これに対しまして、発展途上国に対する問題につきましては一昨年でございましたか、対抗法を立法していただきまして、こういう国に対しては日本としても同じような手段を講じてそういう国に対して対抗策をとるという法律ができております。ただ、ソ連に対してはできていないわけでございますが、ソ連それから発展途上国ひっくるめまして、今度海上運送法の改正という形で対抗をすることができるような法改正を.していただきたいというふうに実は考えておったわけでございます。
 と申しますのは、現在UNCTADで討議されております同盟行動憲章――同盟というのは運賃同盟でございますが、運賃同盟の行動憲章が批准されまして、国際条約になりますと、これによりまして同盟に入っております定期航路の船々は非常にいろいろな規制を受けるわけでございます。それに対しまして同盟に入ってない船が自由奔放に、勝手気ままな営業をするということは明らかに不公平でございますので、その場合には同盟に入っていない船、それがソ連船であろうと発展途上国の船であろうと、全部ひっくるめまして、そういう船をある程度の規制下に置くということが海上運送法の改正によってできるようにしていただきたいというのがわれわれの希望でございます。
 以上でございます。
#30
○参考人(村上行示君) 船員のコストということ、日本船のコストということがよく言われるわけでありますけれども、私どもまあ経済性というものを無視することができませんので、必要なやはり就労体制や船員制度の合理化ということには取り組んでおりますけれども、まあ発展途上国の船員との人員比較等でコスト論を言われても、それはもう、そういうことは真っ当な議論じゃないというふうに私ども考えているわけであります。
 それから、船員の予備員の増加でありますけれども、これも先ほど申し上げましたように、まあ新しい船をつくらずに海外売船をしたために職場が減少して、予備員がふえたわけでありまして、そこでまあ、そういう人も別に現在遊ばしておるわけじゃありませんで、それぞれいろんな形で働いておるわけでありますから、そういう点についてはやはり職域の確保という面で対応を考えていく必要があるというふうに思っております。
 なお、まあコスト、コストと言われますけれども、日本船と外国船の比較をした場合、やはり先ほど申し上げましたように、海難の問題なり海洋汚染の問題なり、そういう問題を考えた場合、やはり日本船員の有用性というものがあるんではないか、これは明確にコストの上では出てこないかもしれませんけれども、そういう点をもっとやっぱり考えてもらいたいというふうに思っております。
#31
○参考人(地田知平君) 私に対する御質問は、国際情勢一般の変化ということではないというふうに理解しておりますし、また、世界情勢一般の変化でありますならばもっと適当な方がおられると思いますので、そこに譲りまして、海運についての関連でもって申し上げますと、私、これも私なりの判断ですけれども、国際的にいま一番問題なのはやはり南北問題だろうと思うんです。その影響の一環としてやっぱり海運の南北問題ということが考えられる。先ほど例にお挙げになりました中東情勢も、広い意味ではやっぱり南北、南の国が抱える政治情勢のあらわれと考えて差し支えないと思うんですけれども、まあそういうことから考えますと、一体海運の国際情勢、これは結局南北問題を中心にしてきわめて大きな展開を遂げていくであろうというふうに思われます。で、まあ一言申し上げるとそれで尽きると思うんですけれども、ただ問題は、日本全体としての南北問題に対する中で海運をどういうふうに位置づけていくかということが非常に大きな問題だろうというふうに思いますけれども、ただ南北問題の一般について、あるいは海運における南北問題についての将来の展望ということになりますと、非常に不確定要素が多いので、いますぐここでもって明確にどうということは言えないと思いますが、その点御了承願いたいと思います。
 以上でございます。
#32
○内藤功君 村上参考人にまずお伺いをします。
 いわゆる高度合理化船あるいはまあ超合理化船と言われておりますものがどういうふうなものになるか、いろいろと議論がありますが、二十六人の人間を十八人で運用するということが言われておる。現在のまあ雇用不安が増大をしておるという中で、またいろんな海難事故が頻発しておるという状況の中で、海員組合の委員長としての村上参考人がこの点についてどういうお考えをお持ちかということをまず一点お聞きしたいと思います。
 それから二点目は、技術革新に伴う部員の再教育というものが現状におきましてどのように進められておるかという進みぐあいですね、特にこの中年あるいはまあ中高年と言ってもいいですが、中高年の方々の再教育というのは非常な困難があると思われますが、この点はいかがでありましょうか。
 三点目は、現行船員法の七十条、甲板部員の定数問題、これについてのお考えがございましたらお話しを願いたい。
 永井参考人に一点お伺いいたします。
 先ほどから御議論のありました仕組み船、チャーターバック船など、便宜置籍船あるいはマルシップの問題、規制せよという意見も相当強く言われております。このまま放置してよいというふうにはならぬと思うんですが、この規制論についての永井さんのお考え、特に何らの規制も要らないと、何らの規制も不要だと、こう言われるのかそうではないのかという点についてお伺いしたい。
 以上です。
#33
○参考人(村上行示君) 船舶の就労体制の合理化につきましては、やはり現行の法体系の中で考える場合には、現行の法律を守るような形の定員が必要でありまして、安全と労働時間の確保という形で対応していかなければならぬというふうに思いますけれども、将来的にはやはり船員制度全般の改革という中でこういう問題にも取り組んでいきたいというふうに考えております。
 それから技術革新に伴う部員の教育問題につきましては、いろいろむつかしい点もございますけれども、現在やはり日本の船員は大変優秀でありまして、大半がやはり海員学校を卒業しておるという形で、基礎的な教養も持っておりますので、いろいろな再教育の場を提供すれば、非常に希望者も多くて効果も上がっておるというふうに考えております。
 それから船員法七十条につきましては、この船員法という法律自身が、一九四六年の国際条約に基づいてできております非常に古い形の法律でありまして、この七十条だけにこだわるんではなくて、やはり船員法全体をもっといまの新しい国際条約に合致するような方向に変えていくと、そういう中で船員の労働時間の問題、休暇の問題、そういう問題にも取り組んでいく必要があるんじゃないかと、そういう労働時間、休暇との関連で定員の問題も決まってくるというふうに思っております。
#34
○参考人(永井典彦君) いま内藤先生の御質問の中に、仕組み船、チャーターバック船、便宜置籍船、マルシップというふうにおっしゃいましたのでございますが、これは若干おのおの性質が違うものを持っているわけでございます。いわゆる便宜置籍船といいますのは、日本以外の国たとえばギリシャとかアメリカ、そういうところが純然たる経済的な目的のために、非常に質の悪い船を、たとえばリベリア、パナマ籍にしてそれを運航するというような傾向が便宜置籍船には多いのでございまして、これに対しましては、非常に航海にも危険を伴いますし、いろんな海上汚染問題その他もございますので、そういう意味の便宜置籍船に対しましてはある程度の規制というものが私は必要でないかと存じます。ただし、仕組み船と申しますのは、建造の段階から日本の船主が日本の造船所とよく打ち合わせをいたしまして、目を光らせておりますので、それほど、いわゆるサブスタンダードといいますか、クラスの低い船は通常ございません。したがいまして、先ほど申し上げましたいわゆる便宜置籍船というようなものが持っております非常に危ないものはこの仕組み船には私はないと確信しているわけでございます。そういう意味においては、便宜置籍船と仕組み船とはちょっと違うんでございますが、これを規制するということについては、どうして各船主が仕組み船に走ったのか、チャーターバックをしなけりゃならなくなったのかという原因、この原因を解消いたしましたならばひとりでに仕組み船というものはなくなっていくものであろうと存じます。したがいまして、その原因を解消せずして仕組み船をすることだけを法律その他でがっちり規制するということは非常に困難でありますし、またそれは得策ではないと私は考えております。
 以上でございます。
#35
○内藤功君 いまの村上さんのお答えの中で、中高年の問題にお答えがまだ出ていないように思うんですが、さっきのお答えの中に含まれているという御趣旨なら私はそれでよろしいんですが、特にございましたら再度伺いたい。
#36
○参考人(村上行示君) 中高年の再教育ということも大変むずかしい問題でありますけれども、これは海員資格を取らせる方向なり、あるいは技能資格を取らせる方向なり、いろんな形で資格を取らせる教育をして、それぞれこれからの職域確保に伴う働く場を見つけていきたいというふうに考えているわけであります。
#37
○柳澤錬造君 永井参考人にお尋ねしてまいります。
 一番目は、先ほども外国用船が五〇%がらみふえてきている、だが日本商船三千三百万トンは確保していきたいんだという御意見がありました。この資料で見ましても、昭和四十八年から五十三年のこの五年間の推移、これを見ますと、日本商船隊そのものは千六百九十八万総トンふえているわけです。しかし、その中で内訳を見れば、日本船はわずかに二百四十一万トン、外国用船が千四百五十八万トン、外国用船の方が六倍の割合でふえてきているわけなんですが、先ほども三千三百万総トンは確保したいと言っているけれども、こういうような情勢で果たしてそれができるんかどうだろうか。私が心配しますのは、いまのような状態でいったならば日本海運というものはアメリカ海運の二の舞になってしまいはせぬかという危惧なんです。その辺についてどういうお考えを持っているかということが一番目の質問です。
 それから二番目は、昨年の秋ごろから国際的に係船が大分減ってきました。タンカーの方もカーゴーの方もです。この辺はこれで定着をしていくのか、それともまた変化が起きるのか。その辺についてどういう見通しをお持ちかということが二番目です。
 それから三点目は、まあ実質的には日本が世界一の海運国であるはずです。ところが、世界一の海運国であるにもかかわらず客船というものは一杯も持っていないんですが、客船をお持ちになって運航するというお考えはないのかあるのか。その三点御質問いたします。
#38
○参考人(永井典彦君) 確かに柳澤先生の御指摘のとおり、四十八年から五十三年にかけまして日本の国旗を上げた日本船の増加率は非常に少なく、外国用船がふえてまいりました。その結果、日本商船隊の外国用船に占める割合が五〇%弱になっちゃったというわけでございます。これは確かにいま先生もおっしゃいましたように、このままどんどんまいりますと日本国籍船が減りまして外国用船ばかしになってしまうということになりますと、日本の経済、安全保障の意味におきましても非常にこれは危ない状況になってまいりますので、われわれの方といたしましては、できるだけ今後日本船を確保いたしまして、少なくとも三千三百万トンぐらいは確保いたしまして、日本商船隊の中で外国用船――この外国用船というのは、どうしてもやっぱり荷動きに変動がございますので、そのバッファーとして必要でございますので、ゼロというわけにはまいりませんが、外国用船の比率を下げまして日本船を維持していきたいと考えております。日本の国はアメリカのように自給自足できる国ではございません。食糧さえも外国から船によって運んでこなきゃならない国でございますので、そういう意味におきまして、日本船の意義と責任をわれわれは十分に自覚しておりますので、今後ともそういうおそれがないように努力していきたいと考えております。
 それから係船が減る状況は、確かに減っているわけでございます。しかし、なぜ減るのかということがちょっとわれわれにもよくわからない。すなわち、マクロに見ました船腹の需給状況は、先ほど申し上げましたようにタンカーで約一億トン余っている、それから一般の貨物船で約三千万トン余っている。タンカーで三割、一般貨物船で二割余っているわけでございますので、こういう状況の中で係船が減ってくるというのはちょっとわからないのでございますが、ただ、一億トン余っている、三千万トン余っているというのは全くマクロの観察でございまして、いろいろ船型によりまして違ったマーケットが形成されておりますので、そのおのおのの違ったマーケットの中で非常に船の不足している部分がある。たまたまその船型の船が係船されておる、それを解除するというようなことによって係船が減ってきているんじゃないか。それからまた長いこと係船いたしますと船の傷みがひどくなりまして、将来それを金をかけてまた運航できるようにするということは非常に経済的に困難になりますので、適当なところで係船をスクラップにする、そういうふうなことで係船が減ってきているんじゃないかというふうに思います。原因が、実はいま申し上げましたようにはっきりいたしませんので、その見通しも実ははっきりしないのでございますが、海運不況が続きましても係船の量は大体現在程度で、余りふえもしないけれども、徐々に減っていく形じゃないかというふうに推察いたします。これは全くわからないんで、推察でございます。
 それから、確かに先生の御指摘のとおり日本は世界一の海運国でございますか、客船は非常に少ないわけでございます。一隻もないというお話でございますか、実はまことに恐縮でございますか、私の大阪商船三井船舶の子会社の商船三井客船というところで約一万トンの「にっぽん丸」という純客船を一隻持っております。ただ、これは現在総理府の「青年の船」等にお使い願っておりまして、ほとんどいわゆるそういう団体客でございます。先生のおっしゃる客船というのは、いわゆるクルージングといいますか、船の旅を楽しむためのそういう目的のための客船というふうに了解いたしますんでございますか、この「にっぽん丸」も、たとえば青年の船の間に若干余裕かございますと、一般のお客さんを募りまして一週間ぐらいのクルージングをやっておりますが、そのときは相当皆さん乗ってこられます。私も一度それに乗船したことがございますか、非常に乗船された皆様は船の旅をエンジョイされまして、いわゆる海事思想の普及という意味においては非常に効果のあるものだというふうに考えております。また、青少年がそれに乗りまして外国へ行きまして、外国の風俗、習慣を見るということも青少年にとりましては非常にいいことだと思いますので、そういう意味においては客船というものは一隻では足りないんじゃないかと思いますが、ただ、客船となりますと一万トンの船で約八、九十人の船員が乗るわけでございます。八、九十人の船員の人件費その他を考えてまいりますとなかなかこれがペイいたしませんので、私の方といたしましても一隻だけではこなし切れませんのでもう一隻と思っておりますが、なかなかこれがうまくいかない。そういう意味におきまして、青少年の教育、それから海事思想の普及のために客船というものはぜひつくらせていただけるような措置を講じていただきたいというふうにお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
#39
○山田勇君 地田先生にお尋ねいたしますが、先日、先生は運輸省広報誌のトランスポートの三月号で、「運輸白書を読んで」と題しまして、海運、造船の問題点を論評されておりますか、その締めくくりの部分で、先ほど同僚議員か質疑なさいました南北問題、それから発展途上国やまた東欧圏の海運進出など、これまでの秩序に対する挑戦の形で問題か起きているというふうに書いておられます。その秩序の問題ですか、新しい秩序の中でこれから物事は考えていかなければいけないというふうに書いておられますが、その新しい秩序、まあその内容はまだ判然としないかというふうに先生は書いておられるんですか、今後の「世界経済の新しい秩序」をどのように予測されておりますか。それか第一点。
 それから、東欧圏の海運問題は大変な深刻な問題でありますが、自国関係航路など、三国間航路にまで大幅に進出し、自由競争の原則から外れ、予算を度外視したような海運政策で、わが国を初め先進国の商船隊の活動の場を徐々に侵犯していますが、海運、貿易立国のわが国といたしまして、不況と相まって、私はこれは重大な問題であると思います。国としてこれからどのような解決策を先生はお考えでしょうか。この二点と、永井参考人にお尋ねいたします。
 いま柳澤先生かおっしゃったように、商船のことでございます。私ら子供の時分には「ぶらじる丸」だとか「新田丸」だとかいうふうなものが港々に入れば大挙して学校から見学に行ったりして、いわゆる海運国日本の国民として誇れるようなりっぱな豪華客船などがありましたし、そういうものが広く大きく世界にPRをしたと私は思います。そういういろいろな世界情勢の変化の中で、民間船といいますか、そういう船がどんどんなくなっていってしまったというところに私は問題かあろうと思います。先ほど来船員の雇用の問題だとかコストの問題など言われておりますか、ここらで、一社でできなければ、先ほど言ったように、大きく全部か集まって、何か世界に誇れるようなそういう船を一隻おつくりになるということなどは今後ともお考えにならないのでしょうか。たとえば瀬戸内海航路の関西汽船の新造船をもうこの間見てまいりました。これはすばらしい船です。これは乗るのを非常に楽しみにしております。そういうふうなものですから、その点もう一度何かそういう船をつくっていただきたいと私は思うのですか、その辺の御意見を伺いたいと思います。
#40
○参考人(地田知平君) 第一点の南北問題を中心とする新しい秩序がどうだろうかということでございますが、この海運の問題というのは、海運だけか動いておるわけではございませんで、やはり世界の大きな流れの中で動いておる。その場合に一番参考になるのは私は貿易の問題たろうと思うんです。いま、御存じのように、貿易は非常に保護主義か台頭しまして、その意味では不自由になってきていると思うのです。これは戦前もそういう状態を繰り返しておりましたので、私はやはり一応海運の場合でも不自由になる傾向というのは避けられないのではないだろうか、そうしてちょうど貿易が同じように不自由がきわまった結果、相互に不利益であるということを悟って初めてまた自由に戻るというような形をとるのではないかというふうに思われるのであります。
 それで、海運の場合について申し上げますと、やはり秩序というのは、どうも戦前では非常に悪い保護政策として非難されておりました、自国船優先主義と申しますか、あるいはまた国旗差別と申しますか、そういう政策かかなりこれからも進展するのではないだろうか、その場合に、やはり日本としてはそれにどういうふうに対応しながら日本の海運を維持していくかということが一つ問題だろうと思うのですが、私、読んでいただいて大変光栄なんですけれども、その中でも書きましたように、ちょっとはっきりした見通しというのはなかなかむずかしいということだけを最後に申し上げておきます。
 それから、ソ連の問題、共産圏の問題なんですけれども、御存じのように、やはり非常に、跳梁という言葉か適当かどうかわかりませんが、既存の海運国に対して挑戦しているということは事実だろうと思うのです。コストが無視されているかどうかはちょっと私たちはよくわかりませんけれども、ただ言えることは、ソ連の国としてはそれなりの合理性は持っているだろう、つまり安くてもあるいはコストを無視しても、全体として利益になるからこういうことをやっているんだろうというふうに考えることはできると思うのです。
 そして、もう一つ問題点は、ソ連の海運業というのか、たしか定期船の場合について言いますと海運同盟には入っていないように思うのです。その入っていないということは、要するに入れば競争に負ける能力しか持っていないということだろうと思うのです。しかしながら、その定期船同盟憲章でも明らかに国際的に認められましたように、同盟というものを中心として将来の海運秩序というものを考える。もちろん既存の同盟とは大分違いますし、また先ほど申し上げました幾らかの不自由さというのは加わっていますけれども、その中で考えていくとしますと、やはりソ連の海運業に対しては国として何とか適切な措置というものを講ずる必要がある、少なくとも同盟に入るように仕向ける必要があるのではないかというふうに思っております。
 以上です。
#41
○参考人(永井典彦君) われわれとしては客船を持ちたいという気持ちはいまだに変わっておりません。と申しますのは、客船の意義と申しますか、効用といいますか、先ほど申し上げましたように、大変な海事思想の普及にもなりますし、青少年の教育にもなる、それからまた老後の慰安にもなるという意味で、いろんな意味におきまして非常に有意義な船でございますので、客船を運営いたしたいという気持ちは依然として変わっておりません。かつて運輸省におきましても、太平洋客船建造のために調査費の予算がついたことがあったというふうに記憶しておりますか、何分、運航するに当たりましては異常にコストがかかりますので、相当の国家補助が必要となり、また建造費も、まあ二万トンぐらいの豪華客船になりますともう二百億円以上という非常に膨大な金になりますので、なかなか普通のベースで運航することは不可能であるということで取りやめになったというふうに記憶しておりますが、非常に有意義でありますので、ぜひこれはつくれるような時代が早く来ることを希望しております。問題は、客船を運航する、ことにその乗組員の場合は、一つの一種独特の技術がございまして、普通の貨物船の乗組員がすぐ客船に乗り込んでうまくいくというものではございません。その乗組員の技術を、これまた非常に平叙なことになりまして恐縮でございますが、昔の移民船からの伝統を生かしたいと、残したいと思いまして、それと、「にっぽん丸」を損をしながら運航しながら客船運航の技術を残しているわけでございますので、それがまだ残し切れる間に豪華な客船をつくらせていただきたいと考えております。
#42
○委員長(三木忠雄君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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