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1978/05/29 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 商工委員会資源エネルギー対策小委員会 第1号
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1978/05/29 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 商工委員会資源エネルギー対策小委員会 第1号

#1
第087回国会 商工委員会資源エネルギー対策小委員会 第1号
昭和五十四年五月二十九日(火曜日)
   午後一時七分開会
    ―――――――――――――
 昭和五十三年十二月二十二日商工委員長におい
 て、本小委員を左のとおり指名した。
                大谷藤之助君
                古賀雷四郎君
                下条進一郎君
                中村 啓一君
                大森  昭君
                小柳  勇君
                浜本 万三君
                馬場  富君
                安武 洋子君
                井上  計君
                柿沢 弘治君
 同日商工委員長は左の者を小委員長に指名し
 た。
                小柳  勇君
    ―――――――――――――
   小委員の異動
 十二月二十二日
    辞任          大森  昭君
 十二月二十六日
    辞任          浜本 万三君
 二月二十二日
    辞任          中村 啓一君
 三月二十七日
    辞任          下条進一郎君
 四月九日
    辞任          井上  計君
 四月二十五日
    辞任          柿沢 弘治君
 五月十八日
    辞任          馬場  富君
 五月二十一日
    辞任          安武 洋子君
 五月二十八日
    補欠選任        下条進一郎君
    補欠選任        中村 啓一君
    補欠選任        阿具根 登君
    補欠選任        大森  昭君
    補欠選任        馬場  富君
    補欠選任        下田 京子君
    補欠選任        柄谷 道一君
    補欠選任        柿沢 弘治君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     中村 啓一君     岩崎 純三君
     下条進一郎君     長谷川 信君
     馬場  富君     藤原 房雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    小委員長        小柳  勇君
    小委員
                岩崎 純三君
                古賀雷四郎君
                長谷川 信君
                阿具根 登君
                大森  昭君
                馬場  富君
                藤原 房雄君
                下田 京子君
                柄谷 道一君
                柿沢 弘治君
   政府委員
       通商産業省立地
       公害局長    伊勢谷三樹郎君
       資源エネルギー
       庁長官      天谷 直弘君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  豊島  格君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第一課長    加藤  晶君
       通商産業大臣官
       房参事官     石川  丘君
   参考人
       三菱石炭鉱業株
       式会社常務取締
       役        吉田 俊郎君
       日本炭鉱労働組
       合事務局次長   古賀 徳継君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱における災
 害に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○藤枝市におけるガス漏出事故に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小委員長(小柳勇君) ただいまから資源エネルギー対策小委員会を開会いたします。
 小委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、欠員中の小委員の補欠として、下条進一郎君、中村啓一君、阿具根登君、大森昭君、馬場富君、下田京子君、柄谷道一君及び柿沢弘治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○小委員長(小柳勇君) 三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱における災害に関する件を議題といたします。
 先般、本件の実情調査のため、商工委員会が行いました派遣につきまして、私から報告いたします。
 三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱の災害に関する委員派遣について御報告申し上げます。
 派遣委員は中村委員、丸谷委員、藤原委員、下田委員、井上委員及び私の六名で期間は去る五月二十一日から二日間で、同社南大夕張鉱業所を訪問し、まず災害による犠牲者に対し黙祷をささげ、負傷者を病院に見舞った後、札幌鉱山保安監督局、会社及び労働組合からそれぞれ災害の実情を聴取し、質疑を行いました。
 今回の災害の概況は、鉱山保安監督局及び会社の説明によれば次のとおりであります。
 五月十五日二十一時ごろ、南大夕張坑一卸七片下層上段払担当係員から通風の逆流を察知した旨の通報が坑外の中央管制室にあったため、各作業所へ異常の有無を連絡、確認したところ、坑口より約四千メートルの地点の六片下層第二ガス抜卸周辺の応答がなく、異常事態が発生したことが確認されました。
 このため、報告を受けた保安統括者は直ちに状況の調査と、罹災者の救出を命じ、救護隊を招集しました。なお、会社側の説明によれば砿務課長以下数名、人数は未確認であります。数名が同僚救出の目的で簡易酸素マスクをつけて事故現場に急行し、負傷者二名を救出するとともに、一名の遺体を収容し、なお、行方不明者が五名いることが確認されました。
 事故はガス突出による炭層の崩落であり、湧出ガスの排除作業を進めながら、行方不明者の救出に当たっていたところ、ガス突出から四時間後の十六日一時ごろ、ガス抜卸近くに待機していた救護隊から当該卸で圧風と炭じんの発生があった旨の報告があり、保安統括者は再度異常事態が発生したものと判断して、第二次救護隊を編成して罹災者の救出を命じました。救護隊は六時二十分までに十名を救出しましたが、十名はすでに死亡しており、九時二十分までに坑口に収容しました。
 この第二次災害はガス爆発、燃焼によるものと思われます。
 また、第一次災害による行方不明者は崩落炭の中に埋没しているものと判断して救出に努めた結果、十八日二十一時五十分までに全員遺体で収容されました。
 このように、今回の災害はガス突出による炭層崩落の第一次災害の救護活動中に、突出したガスが爆発、燃焼して救護隊に多くの死傷者が出るという痛ましいもので、特に大きな第二次災害を伴ったことが問題であります。
 また、負傷者のうち一名が現地調査後の去る二十三日に死亡された旨の報に接し、今回の災害が十七名のとうとい犠牲を出すに至ったことはまことに残念であります。
 また、負傷者は一次災害が三名、二次災害九名の合わせて十二名であります。
 災害の詳しい原因は関係者において現在調査中でありますが、速やかに事故原因の究明が行われることが望まれます。
 特に、ガス抜きが十分であったのかどうか、爆発、燃焼を起こした火源の究明、また、救護隊が入坑するに際し、十分に安全が確認されていたのかどうか、救護隊員の装備は状況に適応した完全なものであったのかどうか、検討される必要があります。
 ことに、大きな二次災害を招来した点については、その原因であるガスの爆発、燃焼は現場に火源が存在しないということから関係者も予期していなかったようでありますが、二次災害防止のためには慎重な上にも慎重な措置をとることが大切であり、現場のガス濃度に危険はないのかどうかという点を初め、事前に安全確認の手段を尽くすことが必要であると思います。
 今回の災害の原因となったガス突出のメカニズムは、いまだ明らかではないと言われますが、その解明のための研究の推進並びにそれに対応した対策の確立を早急に図る必要があります。
 最近の採炭は深部に移行しておりますが、これに伴って災害の発生の危険性が高まっており、実情に即した保安対策の確立が必要であります。
 さらに、災害によって殉職された方々の遺族に対する補償対策は現在、所管庁において検討されておりますが、万全な措置がとられるよう現行制度の運用について配慮が望まれるところであります。
 また、負傷者については十分な加療とともに、休業補償などできるだけの措置が講じられる必要があります。
 なお、現地では、南大夕張地区で過去に同種のガス突出事故がなかったかどうか、救護隊は坑内のガス濃度に十分留意して入坑したのかどうか、ガス抜きボーリングが十分ではなかったのではないか、エアブラスターの使用方法、安全性について問題がなかったかなどの点について関係者に質疑を行いました。
 また、現地における主な要望は、一、原因の徹底的究明と救護隊の装備及び救出活動の見直しに努めること。二、遺族補償、負傷者に対する医療体制の確立などに万全を期すること。三、一元的な保安監督体制を確立すること。四、保安監督員制度の見直し、保安責任体制の明確化などを図ること。五、実験炭鉱の設定や技術開発センターの設置などにより、深部開発の保安技術の向上を図ること。六、保安対策費を大幅に増額すること。七、常設の救護体制を確立することなどであります。
 報告を終わるに当たって、今回の不幸な災害によってとうとい犠牲となった方々の御冥福を謹んでお祈りし、御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、負傷者の方々の一日も早い御回復を願うものであります。
 また、災害の復旧が速やかに行われるよう、関係方面の一層の御尽力を期待します。
 なお、今回の実情調査に当たっての関係者の御協力に対し、感謝の意を表して、私の報告を終わります。
 以上、御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○小委員長(小柳勇君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本災害の調査のため、本日、参考人として三菱石炭鉱業株式会社常務取締役吉田俊郎君及び日本炭鉱労働組合事務局次長古賀徳継君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○小委員長(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○小委員長(小柳勇君) 次に、藤枝市におけるガスの漏出事故に関する件を議題といたします。
 本件について政府から報告を求めます。天谷資源エネルギー庁長官。
#7
○政府委員(天谷直弘君) 去る五月二十日、静岡県藤枝市において発生いたしましたガス事故について御報告いたします。
 藤枝市には、東海都市ガス株式会社がガスを供給しており、五十四年四月現在の同社の需要家件数は約二万九千件、うち藤枝市約一万一千件、従業員は九十五名でございます。
 ガス事故の起こりました場所は、藤枝市前島一丁目千六十一番地の道路、藤枝駅前でございます。
 まず被害状況でございますが、事故時には亡くなられた方が九名、中毒にかかられた方二十六名で、そのうち五名の方が病院に入院されました。入院されていた方のうち一名が二十三日亡くなられましたので、この事故で亡くなられた方は合計十名になりました。なお、二十八日十七時現在入院中の方は二名でございます。
 このような大きな事故が発生しましたことにつきましては、ガス事業の安全性を監督する者として、まことに残念であり、亡くなられた方の御冥福を心からお祈り申し上げます。
 次にガス事故の経緯について御説明いたします。
 五月二十日十三時三十分ごろ東海都市ガス株式会社にガス臭いとの通報があり、当該会社の職員が調査いたしましたが、異常を発見できませんでした。その後、再度通報があり、再調査の結果同十七時三十分ごろにガス漏れの事実を確認いたしました。
 東海都市ガス株式会社は、直ちに緊急出動体制をしき、周辺住民への安全周知、ガス漏れ個所の把握、復旧等に努め、二十一日零時二十分ごろに仮復旧し、同三時ごろに本復旧を完了いたしました。
 なお、原因につきましては、現在、関係当局によって調査中でございますが、本年二月から三月にかけて行われました下水道工事に起因すると思われる地盤沈下によって低圧本管が折損し、漏洩したガスが被害者宅へ流れたものと推定されます。
 通商産業省といたしましては、二十一日早朝、ガス保安課職員ら三名を、さらに二十二日に職員一名を現地に派遣し、ガス漏洩通報受付後の処理体制、ガス漏洩検査の実施状況、他工事による事故防止体制等について調査を行いました。
 二十三日には、全ガス事業者に対し昭和五十三年四月以降に施工を完了した他工事についての工事現場におけるガス漏洩検査の実施等を指示したところであります。
 なお、二十四日から二十五日にかけて、ガス事業法第四十七条の規定に基づき、東京通商産業局ガス保安課長ほか五名が東海都市ガス株式会社に対し保安規程の遵守状況等の調査のため、立入検査を実施いたしました。
 今後は、これら立入検査等の結果を十分踏まえまして、このようなガス事故を起こさないよう、通産省としては保安面における監督指導を強化してまいる所存でございます。
#8
○小委員長(小柳勇君) 以上で政府の報告は終了いたしました。
 これより両件を便宜、一括し、質疑を行います。
 この際、参考人の方々に一言あいさつを申し上げます。
 本日は、皆様には御多忙中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。このたびの災害の重大性にかんがみ、今後、かかる事故が起きぬようその原因及び対策について、委員各位の質疑にお答え願いたいと存じます。
 質疑のある方は順次、御発言願います。
#9
○阿具根登君 まず参考人の方、御苦労さまです。
 まず、通産省の方にお尋ねいたしますが、事故が発生したのは十五日の午後九時ごろ、そしてそれが保安監督局に連絡されたのが十時四十四分、それから局長以下九名の方が現場に急行されたと。そうすると、現場に何時ごろお着きになったか、お知らせ願いたいと思います。
#10
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 監督官が現場に到着いたしましたのはおおむね十二時ごろでございます。
#11
○阿具根登君 そうすると、第二次災害が一時だから、約一時間前に監督官は現場に到着されたと。その際はすでに救護隊は中に入っておったものと思います。その際の坑内の状況はどうであったか。まずガス突出であることは確実なようでございますが、その後には相当なガスが残っておるはず。ならば、救護隊に対してどういう指示をされたか、これからお伺いしていきます。
#12
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 十二時に監督官が現場に到着いたしました後、会社側から状況の説明が始まりましたのが十二時半ごろからでございます。所要時間は約二十分間ぐらいという報告を私は受けておるわけでございます。このような説明の中で、起きました事故後におきます救護のあり方ということについては、説明がなかったと私どもは監督官から聞いておるわけでございます。したがいまして、第二次の事故が起きました一時までの時点におきまして、坑内においてどのような人が入っていたか、あるいは恐らく一時現在坑内においてどのような二次災害が起こっていたかという事実を、全く把握することができなかった状態にあったというふうに私どもは報告を受けております。
#13
○阿具根登君 十時四十四分に連絡を受けて、それから緊急集合をかけて札幌から夕張まで行かれたと。そうなると、どんなに時間を短く見てもおっしゃるとおりの時間で、恐らく二次災害には間に合わなかったであろう。私もこれについてはそうであろうと思うんです。
 そうしますと、会社側にお尋ねいたしますが、一次災害で八人のうち一人が脱出して五名が行方不明になり、一名が遺体で一名が重傷だと、こういうことがあった。とするならば、相当なガスが起こっておったはず。さらに私が一番疑問に思いますのは、伊勢谷局長の報告でも、会社の報告でも、見てますと、この一次災害の発生した直後、一応一卸の七片におった係員が異常に気づき中央に連絡をしたと、こういうことになっておるわけです。私が知る範囲内では、南大夕張は非常にガスの多いところである、だからそれに対しては万全な策を講じられておる、圧搾空気で採炭をやっておられる、そういうのにまして集中監視システムですか、こういうのもとっておられる。その器機が作動する前に人が通報した。これは坑外におっていながら、どこにガスがどのくらい出たということは測定のできる器械のはずです。私はそう思うんです。聞いたところによれば、〇・一五の場合はベルが鳴る、〇・二%になったら退避の赤ランプがつくと、こういうことまで聞いております。さすがにガスが多い炭鉱だから、最新式の保安装置をされておると思って安心しておったわけです。ところが、その器械が作動する前に人がすでに通知をした。と同時に器械が作動し出したと、極端に言えば。そうすると、器械というものは信用ならないようになってくる。何ぼ迅速にやっても器械に勝つわけがないと私は思うんです。そこはどういうふうになっておるか、会社にひとつ御説明願いたいと思います。
#14
○参考人(吉田俊郎君) お答え申し上げます。
 南大夕張は他鉱に先駆けまして集中監視装置を導入いたしまして、これによりましてガス状況の監視、その他のいろんな項目ございますが、そういうものをやっておるわけでございます。当日は、二十一時でございますが、やはりこの管制室においてガスが出たということをキャッチしております。ただ、非常にこれが判断がおくれましたことは、この第二ガス抜き卸でもって実際はガスが出たんでございますが、その周辺の切り羽の、それ以外の切り羽におきましてもやはりガスが、そのショックだろうと思いますが、ふえております。そういう関係でほかの切り羽の方も表示が出たわけでございます。それから、当時このガス抜き卸以外に七片という、これは採炭切り羽が手前にございますが、それの人気サイドのいわゆる沿層掘進がかかっておりました。これは払いの人気サイドの沿層掘進でございますので、特に当日はガス抜きボーリングを実施しておったわけでございますので、管理者は管制室の主任にこの個所を特に厳重に警戒しろというような指示をいたしております。そういう状況の中で管制室の中の表示が作動いたしました。管制主任は、直ちにそれは表示されたわけでございますが、そういうふうなことを念頭にあったんでございますので、それからその表示と同時に七片払いの担当係員からすかさず通気が逆流したと、それから異常な山鳴りが深の方で発生したと、そういう報告が無線ですかさず入っております。したがいまして、入っておりました管制主任は七片が異常があったんではなかろうかと、そういうふうに思いまして、特に七片関係を重点的にまず調べてございます。と申しますのは、七片関係にはコンベア関係のかなりの電気設備が入っております。そういうことで、もし七片関係に異常が、大きなガス突出とかそういうのがあった場合には、当然電源遮断が管制室でできるわけでございますが、やはり通気が逆流するというようなことになりますとこれは大変なことでございますので、やはり一番人気サイドを最重点に監視、警告、それを発するというのが常道でございますが、この点を特に集中してやりまして、やったために第二ガス抜き卸の発見というのが最終的におくれたんでなかろうかというふうに考えております。
#15
○阿具根登君 大きな図面がないからちょっとわかりにくいんですけれどもね、それを知らした係員は七片ですな、いまおっしゃったように。そうすると、災害の起きた現場は六片ですな。
#16
○参考人(吉田俊郎君) はいそうです。六片から七片に近づいてきて……
#17
○阿具根登君 六片から七片に。これはまだしかし通過してないんですな。そうすると、逆の方に私はその状況が一番わかったはずだと思うんだが、それが七片の方でわかってきたというのに少し疑問を持つのと、一次災害で亡くなった方が相当上部の方で一人が重傷、森川さんですか、一人の阿部さんが死亡されておる、現場から相当離れておるんですね。これは事故を受けてからここまでやっとこさ逃げていったのか、逃げるとしてもこれは卸ですから、どのくらいの傾斜がついておりますか、相当の傾斜がついていっておると思うんです。それで大部分の方は、ガス抜き座の五、六番、七、八番の間かでほとんど亡くなっておられる。相当な開きがある、距離があるが、これはどういうふうに解釈されますか。
#18
○参考人(吉田俊郎君) まず七片の方で異常を察知したという点でございますが、これは七片の方の払いの係員が、やはり深の方からそういう異常音が察知されたというふうなことを言っておりまして、かなり深の七片坑道と第二ガス抜き卸が上から下がってきております、その間が約百メーターぐらい間隔がございますが、やはりあの程度の大きなガス突出がありますと、当然七片あたりでは察知できると、聞こえるというふうに考えられます。
 それから、かなり上部の方で犠牲者が出ておるという点につきましては、六片からのガス抜き卸が五片からずっと坑道がつながっておりまして、当時このガス抜き卸内で係員以下六名の方が働いておりまして、それからその上の方に、卸から上部の方に三名の材料運搬の方が働いておったわけでございます。それで、そのガス突出のために上の方に働いておりました三人の方がガスを吸いまして一人が窒息死しておる、そういう状況でございます。ですから、この方は恐らく卸内から逃げたというふうなことではございません。上で仕事をやっておった方でございます。それから卸内では係員以下六名が入っておりましたが、一人の方は卸の延び先ではなくして途中におりましたので、この方はいわゆる救急マニホードというそういう設備が途中にずっとございますが、それから坑道、石炭を運搬するための一型コンベヤーの排気のモーター、そういうエアモーターのところに入りまして、エアを、圧気を吸ってガスを吸わないでいた、そういうふうな状況で助かっております。
 以上でございます。
#19
○小委員長(小柳勇君) ちょっとお待ちください。何か会社側で大きな図面でもお持ちでございませんか。ありましたらちょっとそこに張ってもらいましょう。
#20
○参考人(吉田俊郎君) ちょっとこういう図面で。
#21
○小委員長(小柳勇君) はい、わかりました。
#22
○阿具根登君 それから、その七片の問題はわかりましたが、二次災害のときも第二救護班が連絡をしているんですね、第二救護班が。だから、私の考えでは現場近くに計測器がありますね、十七の。ここにこういう器械があるのに、二次災害のときも第二救護隊がこれはおかしいといって連絡をしております。それで、いずれも器械じゃなくて人が連絡をしておると、ここに非常に私は疑問を持つわけです。
 それからもう一つは、ガス抜き座の二、そこに第二班は大体待機しておったんでしょう。そして、そのすぐ前で死亡者が出ておる、御処野さんというのですか。だから、第一救護班は二十名ですか、第一に入ったのは。その装備がどうなっておったか、器械はそのときガスはどのくらい測定しておったか、それは記録があるはずですが、教えてもらいたいと思います。
#23
○参考人(吉田俊郎君) 先生の御質問の二次災害が発生したときの感知状況でございますが、これはガス抜き卸の中に切り羽から約十メーター上にガスを検知するガス自動検知部が配置されております。これが管制室に通じているわけでございますが、これがガス突出と同時に埋没されております。突出したんです。それでもう音信不通になったようでございます。したがいまして、この系統のガス状況というのは、どうしても今度は干渉計でもって現場において測定をしなければいけないというふうな状況になっております。しかし、一酸化炭素の自動計測装置はこれよりももう少し上部に、これが現場でございますが、ちょうどこの付近に計測装置があったのがこれが死んでしまったということなんです。それから、この上に大体全般的なCOの計測装置が配置されておりますが、これは第二次災害が発生した直後、高濃度のCOを感知しております。これでもって爆発が発生したということは確認されておりますが、しかし、当時この救出作業の予備隊がこの坑道にいたわけでございます。それですかさず、それからこの上の方にも一部観測員がおりました、そういう点ですぐにこの爆発と同時にこの気流を測定したわけでございます。それをすぐに誘導無線で入れた、こういう状況でございます。
#24
○阿具根登君 突出した粉じんで埋まったということはわかります。そういうことはあると思います。
 そこで、これは古賀参考人にお尋ねいたしますが、ガス抜き座が一、二、三、四、五、六、七、八と、こうありますが、一と三の距離、二と四の距離は大体何メーターなんですか。
#25
○参考人(古賀徳継君) ガス抜き座は先生がいまおっしゃいましたように合計八までございます。それぞれのガス抜きの規格はその山によって異なりますけれども、この山の場合には約一から三の間、これが五十メーター間隔にほぼなっております。そういうことです。
#26
○阿具根登君 五十メーター間隔。
 もう一つお伺いします。このガス抜き座から先進ボーリングをやっているはずです。先進ボーリングは何メーター掘っているか、何本入れているか、それからガス抜きはどういう状態でやっておるか、これも古賀参考人にお尋ねいたします。
#27
○参考人(古賀徳継君) 現地の報告でございますから間違いないと思いますけれども、それぞれ規格がございまして、その規格によりますと、保安計画では先行ガス抜きボーリングの場合には六十メーターというのが一番長いわけです。そしてそれを基本にいたしまして二本先進ボーリングをやりまして、それでガスを確認する。同時にそのガス抜きをいたしますために、平常は二本その引っ立ての先に向けまして、切り羽の先に向けまして二本のガス抜きをやる。それから、ここは地山でございますから四方が炭層になっておりますので、この右の方のガス抜きボーリング座からは今度は右の方の地山に向けまして約五度間隔ぐらいでずっとボーリングの穴の向きを振ります。分けまして、そしてこれが大体この図面によりますと十二本になっています。
#28
○阿具根登君 いま古賀参考人から説明がありましたように、吉田参考人に質問いたしますが、これは保安規程で恐らく確認してやられると思うんですが、先進ボーリング、これ何メーター掘っておりますか。
#29
○参考人(吉田俊郎君) お答え申し上げます。
 この第二ガス抜き卸のガス抜きでございますが、先進方向に両サイドからそれぞれ二本ずつまず先進ボーリングを打ちまして、それからさらに両サイドに二本ずつガス抜きボーリングを入れる、これが保安規程で定められた規格でございますが、このガス抜き卸は実際に先進ボーリングとガス抜きボーリングを兼ねまして十本以上やってまいっております。それで、これがその卸のガス抜きの状況でございますが、上から逐次掘進が下がってまいりまして、現在この位置にあったわけでございますが、この七座と八座、これには進行方向に四本の規程に対しましてこちらに十本、こちらに十一本、これだけ入れまして坑道を包んでしまいましてその中に掘進を入れる、そういうふうに強化をいたしておったわけでございます。それから、これは特にこの掘進のためのガス抜きではございませんが、この坑道の両わき、できるだけ広い方向にさらにガス抜きボーリングを扇状に入れてまいりましてガスを抜いておりますが、これはこの掘進のためではなくして、こちらに採炭切り羽がございまして、その採炭切り羽がこちらに進行してまいります。その採炭切り羽にガスが出ないように安全を図るためにできるだけこういうガス抜き坑道を利用いたしまして扇状に、もちろんこちらもございますが、そういうような方向で打ってまいりまして万全を期しておった次第でございます。
#30
○阿具根登君 そうだろうと思うんです。それで伊勢谷局長にお尋ねいたしますが、そうするとガス抜き座から次のガス抜き座まで五十メーター、先進ボーリングは六十メーター要る。そのほかにガス抜きを扇型に全部やって坑道を中心に進んでいく。そのとおりいっておったらガスは完全に抜けておるはずなんですよ。しかし、坑内の実情ですからなかなかそうもいかぬでしょうが、これがいろいろはさみがあったり岩が出たりする場合はきわめてボーリングはむずかしいんですよ。しかし、地山だとなればそんなむずかしいことはないと思うんです。それが、この現場を図面で見てみますと第七、第八からこの線で行くならばわずか二十メーター足らずのところで突出しておるんです。そうすると、そのボーリングやられておったかどうかですね。六十メーター先まで調べていく、その間は扇の目のようにガス抜きをつくっていく。それが五十メーターどころかこの図面でなら二十メーターないでしょう。二十メーターないところでガスが突出しておる。そうなってくると、ボーリングよりも坑道掘進の方が進んでおったんじゃないか、ガス抜き坑道の方が。そう考えないと。そうでなくてさえも完全でないことはわかりますよ、ガスがどこにあるかわからぬのですから。しかし、わずかガス抜き座から二十メーター足らずのところで突出が起きたということになってきますとね、ボーリング本当にやっておっただろうか、ガス抜き本当にやっておっただろうかと、こう疑わざるを得ないんですが、これいかがでしょうか。
#31
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) まず第一は、このガス突出が起きました現場でございますが、この突出によりまして約四百トンぐらいの石炭が噴出をしておりまして、これの取り明けをすることが第一であるということで、私どもは会社の方にこの取り明けを大至急やるように命令をしておるということでございます。したがいまして、その取り明けが完了しました後におきまして、ただいま先生がおっしゃったような意味の調査が開始される、したがって現在状態においては確認ができないということをお答え申し上げます。
 なおかつ、もう一つ先生に申し上げたいことは、いま先生のおっしゃったことは恐らく第七または第八のボーリング座から六十メーターのボーリングをやっておるから、したがって引っ立て面で突出が起きるのはおかしいではないかというふうにおっしゃったわけです。事実はこの恐らく引っ立て面からさらにやっぱり六十メーター先までボーリングをやっておるわけでございます。したがって、その六十メーターのボーリングよりあるいはちょっと先のところに、これは一つの想定でございますが、もしガス溜、ガスのたまり場があるといたしますれば、それが引っ立て面より六十メーター先よりももうちょっと深いところということになりますると、ボーリング座からのボーリングをやっておっても、なおかつそのガス溜というものは発見できないという可能性はあるわけでございます。それがこの採掘に当たりましてエアブラスターをかけたときに何らかのかっこうでクラックができれば、そのちょっと遠方にあったガス溜からガスが突出するという可能性はあり得る、ただしこれはあくまでも想定でございますから、事実かどうかは調べなければわかりませんが、これだけのボーリングをやりましても完全な予知ということはあるいはできない場合もあるという意味合いを込めましてお答えを申し上げます。
#32
○阿具根登君 これは坑内でございますからね、どれだけ整備をやってもこれで完全だということはないんです。しかし、ガス突出によって石炭の粉じんが、粉炭ですね、これが山をなした、大体これ四十メーターと聞いております。そうすると六十メーターまでボーリングやっておらにゃならぬ。その前に四十メーターの突出で粉炭の山ができたと。恐らくここで亡くなっておられます五名の方は窒息死だとぼくは思うんです。そうすると、完全ではないとは言いながら一応は保安規程で決められたことは守ってきておった、六十メーター以上のところにガスの圧縮されたやつがあってそれが突出してきたと、そこまで考えればこれはまた大変な問題になってくるわけですね。どうしても、私がこの図面で見る限りでは、その先進ボーリングを本当に六十メーターまで掘っておったのであろうかと。それでさっきから言うように、岩があったりはさみがあったりすればなかなかあのボーリングというのはむずかしいんです。しかし、これが地山でずっと両方とも炭の中を掘っていっておる、そうしてガス抜き、切り羽をつくっておる、こうなっておると私は思うんです。そうすると相当なガスはこれで吸収されねばならぬ、ここに非常な疑問を持っておりますが、まだ取り明けが済んでおらないとするなら、憶測だけで物を言うわけにいきませんから、しかし、それはひとつ頭に置いて取り明けをやっていただきたい。そうしませんと、今後の保安対策上ですね、このままの保安規程でいいかどうかということを私たちは調べてみなければならない、こういうように思うわけです。
 それから、もう一つの疑問は、これも坑内ですから、いろんな状況があります。しかし、第一次救護隊が二十名入って、新聞では保安装備が完全じゃなかったということも言われておるし、またある新聞では、同僚が目の前に倒れておる。早く助けるために行った人が、素人ならいざ知らず、私が知っておる範囲内でも恐らく南夕張では最優秀の保安技術者だったと私は思うんです。また、組合の幹部も行っておりますが、これは生産部長。まあそういう専門家であるがゆえに救出を急いだんじゃなかろうか、こういう懸念も一つある。しかし、会社の報告では、この装備は軽便なやつではあるけれどもしておったと、またしておるのが当然だと思うんです。しかし、その二十名のうちですね、十名が死亡されたと。十名の方は死亡されておらないと、重傷です。そこに一つ疑問があるわけなんです。同じような装備をして同じところに行っておる、ですね、そしてこの方々はほとんど一酸化炭素、これは爆発。そうすると、さっき一次の方は、吉田参考人が言われましたように、はるかかなたにおっても一酸化炭素を吸って死んでおられると。それよりもうんと前に全部おるわけです、二十人。今度は完全な一酸化炭素、爆発しておる。それはどういう状況であるか、これは吉田参考人からお答え願えますか。
#33
○参考人(吉田俊郎君) お答え申し上げます。
 その第二次災害が起きまして、まあ当時二十名が卸内に入っておったんでございますが、まあどういう形で死亡、重傷というのが分かれたのかという御質問だと思いますが、実は私どももその点非常に疑問に感じておりますが、ただ今回の爆発は、まあ一応爆発には間違いございませんが、非常に小規模のですね、まあガス燃焼に若干の爆発が伴ったというふうなことであろうと思います。これは、実際現場を調査した結果、ほとんど傷んでおりません、坑道が。そういう中で発生いたしたわけでございまして、ただその卸の先にいました救護隊員が、これは五名のうち四名が自力で脱出しております。まあこれは小規模な燃焼程度でございましたので、マスクもかぶっておりましたので、一酸化炭素を吸わないで脱出できたということになったわけでございますが、それ以外の方方のうち、その救護隊のすぐ後ろにいた五名の方が助かっております。これは重傷でございますが。この方がいたところはわりあいに卸の底の方でございまして、これはまあ本当に私の推測でございますが、燃焼した後やはり一酸化炭素が出ますが、その後やはりガスがどんどん突出しておりますので、した後でございますので、ガスが湧出しておるわけでございます。そういったCOを含まない高濃度のメタンガスが出てまいりまして、COというのは、卸でございますので、逐次上の方にどんどんガスでもって押し出されていきまして、上の方にいってしまった。したがいまして、卸の方にいた重傷者は、余りCOを吸わないで、そうしておったんじゃないかというふうに考えられます。
 それから、中央部にいた方が死亡しておるわけでございますが、この方がおりましたところはわりあいに馬の背といいまして、斜坑が一定の傾斜で真っすぐ入っていないで、多少やはり炭層の傾斜に沿って入っておりますので、馬の背部分があります。その部分にいた者がやはりショックでもってですね、ある程度の飛ばされるか何か、そういうことがあったんだろうと思いますが、そういうふうなところでもって、しかもかなり上部でございますので、やはりCO関係がずっと下から流れていった、それを吸ったんではなかろうかと、そういうふうな、これは全く私の個人的な推測でございますが、というふうに考えられます。
 それからもう一つの点でございますが、深の方にいた者は、当時、調べてみますと、爆発のために圧気バルブから取り出しておりますエアのゴムホース、その取りつけのバルブが破損いたしまして、圧気管から漏れております。約四人の者でございますか、そこにじっとしておりますですね、そしてその圧気管から漏れたエアを吸っておった形跡がございます。そういった点でCOをやはり吸わないで済んだんではなかろうかというふうに思われます。
 それでは、まあ装備の違いでございますが、一応第一次ガス突出のガスの排除が終わりまして、救出作業とガスの排除をするために当時一番最初に進入した者は、このライフゼムという酸素を供給する呼吸器、それからマインゼムという酸素をやはりこれも供給する簡易酸素マスクでございますが、これをいずれも着装いたしまして、そして卸の中に進入しております。この点、新聞報道は全然素面で何も着装しないで入ったというふうな報道をされておりますが、これは事実に反しております。
 一番最初進入する場合には、ガスが多うございます。それで、このようにガス突出をした場合には、やはり自力でもって脱出するためにこういう簡易酸素マスクを、これは組合と協議をいたしまして、各個所に配置をいたしております。そのライフゼムが坑内で、全坑で三十個、それからこのマインゼムが百五十個、これは主要個所にそれぞれ数個ずつ配置しております。いざ爆発とか自然発火とか、そういう場合にはこれは問題でございますが、単純なるガス突出の場合は一刻も早く人命を救出しようと、そういう考えから、これは時間がたつと窒息しちゃいますので、早くやはり救出しようと、そのためにこういう脱出用あるいは初期の救出用に、このマインゼム、ライフゼムをそれぞれ配置しておったわけでございます。
 それで、当時最初に入りました救出班、これは救護隊でございません、救出班でございますが、その方はいずれもこれを着装いたしましてすぐに入りまして、先ほど申しましたように、途中でもって逃げおくれて退避しておった者を救出いたしております。それをやはりこの予備に持っていきましたマインゼムを本人に着装させまして、そして卸から引き揚げております。そういうふうに人命救助をしておるわけでございます。
 こういうものが終わりました後ですね、さらに卸の中の風管通気設備、これがございますが、それもやはりすぐに簡単に復旧させまして、風が全部通るようになりました。それで、突出をいたしましたガスが排除されまして、あとこういうものをつけないで活動できるような態勢になりましたので、当時罹災した方はこれを着装しないで後方でもって、ガスの比較的少ないところでもって仕事をしておったわけです。それで、あと今度は延び先、五名の行方不明者がおるであろうというふうに想定いたしました延び先、これは突出炭で埋まっております。そこは依然としてやはり延び先でございますので高濃度のガスが出ております。これに対しましては、救護隊が完全に着装いたしまして、そして最前線でもってそのガスの排除作業、これを実施中であったわけでございます。
#34
○阿具根登君 まあいずれにしても結果論で両方物言うんですからね、断定はできないんです。しかし、いまの説明聞いておっても、私の常識で言うならば救護班が先に入るべきであって、それから救出班がついていかねばならぬ。救出班が行って、その後に救護班が行くというのは逆じゃないかと私は思うんです。そういう突出した後です、ガスがあることはわかっているんです。それに救出班だと、これは決死隊ですよ、それは。その前にちゃんと訓練された救護隊が各山におるはずです。その救護隊が先に完全武装して入っていって、そして救護に当たる。その後に救出班がついていって、それをどんどん救出していくというのが私は順序じゃないかと、こう思うんです。
 それからもう一つは、その第二次罹災者の方々、まあ検定器は埋もれてしまったならそれはやむを得ぬとしまして、検定器は持っているんでしょう、各個人が。
#35
○参考人(吉田俊郎君) はい。
#36
○阿具根登君 そうすると、その方々は全部専門家だから、ガスの濃度がどのくらいになったら一番危ないということは御存じのはずなんですね。大体四%から九%が一番爆発点なんですよ。これは常識なんです。それにいかに小爆発だといえ、一酸化炭素があれだけ出た以上はこれは爆発しておるはずです。火の流れは皆見ている。それはついても何もおらぬから、それは確かに一瞬の間に火が走ったと、これは推測できます。そういう検定器にガスはあらわれておらなかったのか、助かった方々にまだ聞くわけにはいかぬでしょうけれども。
 それから、これはまだわからぬとおっしゃると思うんですが、どんなにガスがそういう爆発状態にあっても、火源がなかったら火はつかないんです。火があったとしなければならぬ。あったならばどういう憶測ができるか、推測ができるか、これをひとつお聞きいたします。
 さらに伊勢谷局長にお願いいたしますが、私の持ち時間がもう大体切れまして、あとは今度は鉱害のガスの方にいきますけれども、こういうようにいま私聞いただけでも本当に局部のところ、専門的にいまお聞きしたわけなんです。まだ、常識的に全般的にいろいろ聞けば、これは時間が五十分や一時間ではとても聞けるものじゃありませんから、もうほんのその焦点だけ合わせていまお聞きしたわけですが、それだけの設備をしておってもこういう事故がある。しかも、炭鉱というのは、いま石炭を見直すとかなんとかいわれておりますけれども、非常な苦境にあるんです。もう政府の援助なしには炭鉱はやっていけないんです。それはそうでしょう、オーストラリアの石炭と日本の石炭と比べたら、トン当たり九千円も違うんです。そうしますと、これは相当やっぱり労使とも苦労されておると思うんです。なら、こういうのを契機にひとつ、これは屋上屋になるかもしれませんけれども、保安センターというようなものでも専門的につくって、国が金を出して、そして再研究していくと、こういうような考えは間違いでしょうか。
 そういう感じを、いま聞いた範囲内におきましても、これだけ完備されておる、ガスが一番多いんだということをみんな知っている。だからこそガスに対する、まあ何回も言いますように完全ということでなくても、そこまでの設備をされておっても、こういう災害が起きてきたということになれば、これが大体七百メーター近くですな、下。そうすると、もう大体どこでも千メーターぐらいのところを掘っておれば、相当突出ガスのおそれはどの山にもあるとみなさねばならぬ。なら、それに対する研究センターというんですか、そういうものでもつくって、より保安の強化をするんだと、こういうようなことは考えられないか。
 以上三点をひとつ三人の方々に御質問いたしまして、石炭に対する質問は終わります。
#37
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 確かに人命に関係いたします保安の技術の問題といいますのは、やってやり過ぎることはないというのは先生のおっしゃっておる前提でございましょうが、ただ、私どもの体制といたしましては、まず第一には国の研究所として公害資源研究所というのを持っております。これが一つと、それから法人といたしまして石炭技術研究所というのを一つ持っております。これは東京にあるわけでございます。このほか五十一年の五月にこの件に関する答申がございまして、その答申に基づきまして、九州、北海道に技術研究センターというのを実はすでにつくっておるわけでございます。そういうような各機関に対しまして、国は直接研究費を使い、または委託をするというようなことで研究を進めておるわけでございます。特に最近の採炭が深部に移行いたしまして、地圧、それから温度というような問題におきまして、自然条件が非常に厳しくなっているわけでございますから、そういうことに対応する技術開発ということにつきましても、国は積極的に予算措置をとっておるわけでございます。
 また、この救護の問題につきましても、このようなセンターにおきまして常時訓練をするというようなことで、少なくとも考えられる可能な限りのシステムとその措置をとり続けてきておるということでございます。そういう意味合いにおきまして、特にさらに重ねて新しいそういうシステムをつくる必要があるかどうかという点は、もう一度慎重に考え直してはみますものの、現在のシステムで私は十分であろうと、したがってこれからはさらにこの研究開発のために、より豊かな予算をとって、その研究開発をもっと積極的に進めるという措置をとる方がより効果的ではないかというのが私の考え方でございます。
#38
○参考人(吉田俊郎君) ただいまの先生の、救護活動の方法、救護隊を先に入れるべきじゃなかろうかという御質問に対しまして、まあこういうふうな事故が発生した場合、これは事故の性格、内容によってそれぞれ異なりますが、やはり安全を確認いたしまして、早く生存者がいる場合にはそれを救出したいというふうな気持ちがございます。それで今回の場合には、私どもは単に、規模は大きいがガス突出であるというふうに一応判断したわけでございます。
 それで、これはやはり前にも例がございますが、上り掘進をやっておりまして、炭壁がガスのために若干崩壊いたしました。そのときに、先山が崩壊した炭壁のために足をとられまして逃げることができなかったわけでございます。それで後山が――これはもう数年前の四十七年ごろの事故でございますが、後山は上から下まで脱出したんでございますが、先山がやはり上でオーイオーイと叫んでおりましたので、後山が先山を救出に上がったわけでございます。そのときにやはりガスを吸いまして窒息したというような事故がございました。この事故にかんがみまして、私どもやはりガスが突出した場合には早く救出する体制をとろうということで、先ほど申しましたようなマインゼム、ライフゼムというものをかなりたくさん坑内に入れまして、これを使用する訓練を絶えずしておったわけでございます。それで、今回の場合もこれは第一回目は爆発でございません。ガス突出でございまして、高濃度のガスだけが出たわけでございます。それに対しまして、このCOマスクを装着いたしまして、そして進入をいたしまして、すぐに救出したわけでございます。これは長時間使うものでございませんので、短時間に引き揚げました。しかも一名それによって救出いたしております。その後いよいよ五名の行方不明者が延び先におるということで、これに対する本格的な救出作業、それを図ることにしたわけでございますが、そのためには、本格的な救護隊というものを入れまして、そして先頭に入れて、そしてやったわけでございます。それまでは私はそのやり方というのはそう大きな間違いないんじゃなかろうかというふうにいまも実は思っているわけでございますが、残念ながらフラッシュがあったということで、その火源というものにつきまして、いろいろ私どももまた監督御当局も現在御調査中と思いますが、南大夕張は、こういったガス突出があった場合にえてして発破を使っておりますと火源が残るというような懸念もございます。またその卸坑道の中に電気設備を配置しておりますと、それによるスパークとかそういったものによりまして爆発する、そういう全国の炭鉱の過去の例もございますので、そういったことのないように、まず火源のないような掘進方式をとろうということで、御承知のとおり圧気動のエアモーター、コンベヤー関係、それから破砕機といたしましてエアブラスターという、日本では唯一のそういった安全な装置を配置いたしまして実施しておったわけでございます。そういうことで、このガス突出をいたしました後、火源というものはあり得ないと、残るのは自然発火でございますが、これは全くやっておりません。そういうことで、私どもは現地を判断したわけでございますが、その結果、四時間にわたりまして何ら異常なくこの救出活動が続けられております。その後四時間後にそういうふうな状況が、フラッシュが出たわけでございまして、このときには延び先において救護隊が本格的な救出作業を実施中であったわけでございます。それでこの火源の推計でございますが、いま申しましたように電気品あるいは発破というものが使われておりませんので、全くいまのところ私どももこの究明に困惑しておるような状況でございます。現在延び先の取り明けを鋭意実施中でございますが、そういった点を十分待ちまして慎重に検討をいたしまして、究明いたしまして、対策を図っていきたいとさよう考えておる次第でございます。
#39
○参考人(古賀徳継君) 先生の御質問三、四点ばかりございますから、総括的に申し上げますが、まず冒頭にいま吉田参考人から言われましたことの中で、炭労としてあるいは現地の労働組合とも打ち合わせた上でのことですけれども、若干見方といいますか、見解が異なる点がありますことについて冒頭申し上げておきたいと思います。
 まず第一点は、救護隊の活動ということであります。九時ごろに災害が発生したと。そして救護隊の招集が一時間以上、約一時間二十分ですか、一時間十五分という時間を要しておるわけです。その間に対策本部が設置され、そして保安統括者から適切な指示が行われておるわけですが、これから先は若干亡くなった方にむちを打つようなことにもなりますけれども、この際原因を究明するためにはっきりしなければならない点があるわけですから申し上げますと、ただいま吉田参考人は適切ではなかったかというふうに言われております、いわゆる今野課長代理以下三名の方が二十二時四十分に斉藤砿務課長から進入を命ぜられて、そして卸口の手前でいわゆるライフゼムとマインゼム、この簡易救命器を持って進入しているということです。
 救護隊が招集されたということは、異常な事態の発生ということが前提であろう。第一の探検を行うのは何をしていてもやっぱり救護隊がしなければならなかったんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。救護隊は完全着装ということです。もし考えられるとすれば、約百メーター近くの下の方に小畑さんという人が生存しておった、助けてくれと、うめき声が聞こえるということで四人ほどが入ったのかもしれません。それは救護隊としてはやむを得ぬ、実にわれわれ労働者からすれば一人でも多く助け出したいという心情からすればもう察するに余りありますけれども、その初動の行動が果たして十分だったのかどうかということについては、今後十分考えていかなければならない点だろうと、こういうふうに一点は考えております。
 第二点の第二次災害における処置の仕方であります。これを残念ながら指摘しなければなりませんが、それは救護隊が招集されましてから斉藤課長が入って行っておるわけですけれども、二十三時四十分に救護隊の第二班が入坑しておりますが、その前にもう第一班は二十三時三十五分にガス抜き卸、いわゆる当該現場の百五十メーター位置に到着したわけです。このときに斉藤課長――亡くなっておりますから申しわけないんですが、斉藤課長がやはりマインゼムとライフゼムを装置したまま、斉藤課長とほか何名かが今度は一番奥のところに行って探検をしております。これは通常救護隊がやるべき作業ではないか、いわゆる探検活動というのはあくまでも救護隊がやるべきじゃないかと、こういうふうに考えられますが、残念ながら簡易救命器を持って探検に入った。その結果、卸口のガス量が一七%、卸内百六十メーター手前は二五%、奥部では四五%のガスがあるという報告を司令室に斉藤課長は行っておるわけです。そのときには素面の皆さんが入っております、同時に。したがって、もし適切な対策がとれたとすれば、救護隊以外の者は出なさい、安全な個所に行きなさいということが言えなかったのかどうかということが考えられますと残念でなりません。そういうことがありまして、まことに救護隊の処置が、勇気を持って行わなければならないというのが救護隊の任務でありますけれども、その辺の判断が、ガスの状態を前提としながらも、おれの山は火源がないということがなかったのかどうかということが、これまた推定ですけれども思われてならないということを申し上げておきたいと思います。
 次に、火源の問題ですが、この火源の場合に、いま吉田参考人が言われましたように、ここは全く電気製品、いわゆる電気というものは一切ございません。それから火薬というものが使われておりませんから、この二つは完全に火源ではないというふうに思わなければなりません。では何かということになりますと、いわゆる坑内に入ってきます場合に必ず着装するキャップランプの電池がございます。この電池が一つ。それからもう一つは静電気現象、もう一つに摩擦による火花、こういうものが考えられますけれども、残念ながら取り明けがまだ完全に終わっていません。きょうじゅうに終わるんじゃないかと思いますけれども、取り明け後の状態をつぶさに調査してみなければこれはわかりませんし、必要な品物は全部警察の方に押収されておりますから、したがって私どもの手の及ぶところがまだございませんから、その辺ではいろいろ推定はできますけれども、いま断定的にこうであろうということは申し上げかねるということをお答えしておきたいと思います。
 最後に、いわゆる研究開発センターの関係ですが、先生もいま言われましたとおり、炭労としてはほとんどの山が深部に入っております。この山もつい二、三年前はまだ浅いところでしたが、逐次六百から七百、八百、千というふうに入っていかざるを得ない山なんでございますが、そういう深部に移行していくということを前提にして考えますと、地圧、盤圧、ガス、あらゆるものが今日までに常識的にはそうではないというものが出てくる可能性が多分にございます。したがって、炭労としては開発センター、特に、保安流通を開発するためにセンターをつくってほしいというのはここ十年ほど叫び続けておることですが、先ほど伊勢谷局長が言われておりますように、公資研あるいは石炭技研あるいは技術研究センター、各大学というところでそれぞれやっておるから十分であろうというのが、今日までの当局とわれわれの関係における平行線の状態です。でき得れば、いわゆるガス突出、ガス爆発のメカニズムがまだ十分に解明されていないというふうに先ほどの報告書の中にもございましたけれども、そのメカニズムを解明するということに対して炭鉱労働者は一〇〇%以上の期待と、早くやってほしいという希望を切実に持っております。したがって、そういうものが何とか実現できる方向に進んでもらえば、炭鉱労働者はもっともっと期待と展望を持って働くことができるだろうということを申し添えておきたいと思います。
#40
○下田京子君 南大夕張の災害の質問に入るに当たりまして、まず、私は今回党独自で、あるいはまた委員の一メンバーとして現地にうかがいまして、炭鉱災害というのがこんなに悲惨なものかということでもって驚いた次第であります。罹災者の家族の方々、遺族の方々が朝元気にお弁当を持って出かけていったお父ちゃんがもう帰らないかと思うとくやしくてならないと、それから同じ働く労働者の方が、いつ今度は自分の番になるかということで、いままで安全だと、よい山だと、そしてすぐれた装備があると、近代的な設備を誇っているそういう山で起こった事故、特に、その救助に入った第二次災害、これが大きかったということで大変関係者がショックを抱いておるわけです。私はこうした悲惨な事故が根絶できることを心から願って以下幾つか質問をしたいと思うんですけど、まず、事実関係についてお尋ねしたいんですけれども、吉田参考人、マニホードの中で死亡者が出ているというお話を私ども聞いております。事実はどうだったでしょうか。
#41
○小委員長(小柳勇君) ちょっと参考人に、議員、この前調査に行っていますし、持ち時間が少ないものですから、その時間でいま質問していますから、なるべく要点を短かくお願いいたします。
#42
○参考人(吉田俊郎君) はい。そのような事実はございません。むしろ、私どもが調べた結果では、ガス突出によりまして途中におりました小畑君が、エアモーターの排気を吸って救出を待っておった、それを酸素マスクを装着いたしまして進入した救出班が発見いたしまして、それを直ちにマニホードに通じまして、そしてそこに安全なような状態にさせて、それからその簡易マスクを装着させて救出したと、そういう事実でございます。
#43
○下田京子君 古賀参考人、待避の状況というか、待避個所ですね、マニホードを含めた、これは十分であったかどうかという点での御認識いかがでしょうか。
#44
○参考人(古賀徳継君) 簡単にお答えをいたします。
 当鉱のこのガス突出現場警戒区域といいますか、こういうところにおける保安の設備というものは法規どおり行われておると認識しております。たとえば、マニホードのことでいま先生言われましたけれども、三十メーターおきに六人のマニホードを置いておりますし、その中間中間に、いざという場合のことがございますから十五メーター間隔ですね、二口のマニホードを置くということでございます。そして、エアブラタスーを発射する際に、本来ならばこれは発破規程以下でもいいんじゃないかというふうに判断はされますけれども、当鉱の場合はマニホードであっても、発破をすると同じような待避の仕方をするということで、三十メーター手前に待避いたしまして、そこでエアプラスターの発射をするということになっておりましたが、残念ながら、今回の災害を考えてみますと、その辺ももう少し検討してみたいという考え方はあります。
#45
○下田京子君 吉田参考人にお尋ねしたいんですが、事故が起きた五月十五日、一番方の入坑時からのガスの濃度はどういう状況だったか、それが一点。
 それから、先ほども他の委員に御説明があったようですけれども、救護隊ではなくて救出隊という言葉を使っているようですが、砿務課長の斉藤課長初め数人入っていった、その救出隊がお入りになったときの、ガスが少なくなったのでと、こう言われていますが、その救出に向かう際の坑口あるいは坑内においての刻々のガス濃度がどういう状況だったか、知り得る範囲で簡単に御説明いただきたいと思います。
#46
○参考人(吉田俊郎君) 当該現場の一番方からの当時のガス濃度につきましては、比較的卸掘進は、先ほど申しましたように、かなりのガス抜きをやってまいりましたので、ガス状況は順調、順調といいますかトラブルなく、〇・九%、一%以下の状況で推移いたしまして作業中でございました。
 それから、救出時のガス状況でございますが、いわゆる救出班が入りましたときのガス状況でございますが、これは先ほど申しましたように、卸内に設定しておりましたガス検知器が吹き飛ばされて埋没しておりますので送信いたしておりません。したがいまして、救出班が自分の持っておる検定器でもってガスを調査しておりまして、これにつきましては、ほとんどその救出に活躍したのは法定係員でガス干渉計を持っております、その干渉計でもって各人測定をいたしまして、そして救出活動に支障があるかどうかということを判定しながら私は作業をしたものというふうに確信いたしております。しかし、ガス突出した直後、付近におりました者がはかった、最初の阿部さんという人を救出したときにはかりましたときのガス状況は四五%。一番最初に、これは二十二時二十三分でございますが、先ほども申しました卸から外におりました材料運搬を担当しておりました阿部さんがガスを吸って倒れておりました。それを荒木係員というのが救出したのでございますが、そのときのガスの状況は、卸口で四五%ということが確認されております。
 以上です。
#47
○下田京子君 さらに、斉藤課長が入坑時に救出を進めているわけですから、外部と連絡をとりつつ進まれているわけでしょう、で、外部で待機しているいわゆる救護隊の中で知り得たガス濃度の推移がどうだったか、もう一編尋ねておきたいと思います。
#48
○参考人(吉田俊郎君) 最初四〇%という報告をしまして、その後救出班が現場に入りまして、当時は酸素マスクを着装しておったんでございますが、その後、通気卸の中に風管が入っておりますが、その風管が突出炭によりまして埋まっておりました、それを直しまして通気を改善いたしました結果、約一五%から二〇%ぐらいというような報告が来ております。
#49
○下田京子君 古賀参考人にお尋ねしたいんですけれども、ガス濃度がどういう状況だったかということでは、救出に入る過程で皆さんの方ではどういうふうにつかんでおられるか、もしおわかりでしたら簡単にひとつお願いします。
#50
○参考人(古賀徳継君) いわゆる当該個所以外のところはほとんどまず平常になっておるわけですけれども、当該個所はいま吉田参考人も言われましたように、最初のガスの報告は二十二時二十三分に荒木係員がその卸の入り口ですね、卸の入り口で四五%、その次に二十二時四十分に先ほども申し上げました今野課長代理一行四名がマインゼムでガス抜き卸に向かったときには、いわゆる中の方はメタンは一二%ぐらい、こういう報告になっております。そして、その後の報告ではいま吉田参考人が言われましたように、二十二時五十四分に改めて測定したわけですけれども、そのときは一五%から二〇%、この一五%から二〇%というのは風管を生かしました関係で風が回ってくる、新しい風が送られてきますから、ガス濃度が逐次希釈されていくということだというふうに認識しております。
#51
○下田京子君 もうちょっと事実関係をお尋ねしますけれども、対策本部を設置したのは二十一時五十分、そして救護隊の第一班招集が二十二時。斉藤砿務課長外数名が入坑したのが二十二時十三分、さらに二十三時ごろ、二十二時に招集されている第一班の救護隊が入坑というこの時間的経過、事実関係は間違いございませんでしょうか、吉田参考人。
#52
○参考人(吉田俊郎君) 間違いございません。
#53
○下田京子君 さらにお尋ねしたいのは、この南大夕張の炭鉱における保安管理体制のことなんですけれども、保安統括者が所長さん。保安技術管理者が副所長さん。副保安技術管理者がお亡くなりになった砿務課長の斉藤さんというふうなことになっておりますけれども、これに事実が間違いがないかどうかと、あわせて鉱山保安法に基づいて皆さん方が鉱山救援隊を組織し、また訓練等されていると思うんですけれども、その日常的な鉱山救護隊の編成状況、その中にはいま言われているようないわゆる探検を目的とするような救出隊というものの位置づけがあるのかどうか、その辺をお尋ねします。
#54
○参考人(吉田俊郎君) 先生御質問の保安管理体制でございますが、これは先生おっしゃるとおりでございます。
 それから、救護隊の訓練でございますが、これは現在、作業班が十六個班、それから整備班が二個班、百四名の体制でございまして、かなり増強しているというふうに考えられます。
 それから、訓練でございますが、これは三カ月に一遍、岩見沢の保安センターに派遣いたしまして訓練をいたしております。
 それから、救護隊が救出作業に従事するかという御質問でなかろうかと思いますが、救護隊の使命はやはりこのような災害が起きた場合にはまず探検救出をする、それが大きな使命でございます。
 以上でございます。
#55
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 先生ちょっと追加さしていただきます。
 鉱山保安法の第六条第二項及び同規則第三十八条三項の規定で、救護隊が行う酸素呼吸器を着装しての救護活動は、一定の保安教育を終了し、必要な技能を有する者でなければ従事できないことになっております。したがって、酸素呼吸器を着装しての救助活動は救護隊員でなければできないことになっております。
#56
○下田京子君 いま局長と会社のあれですけれども、私局長には後から御答弁いただこうと思ったんですよ。救護隊というのは、いま局長が言われたように法に基づいてきちんとした装備をして入らなければならない。砿務課長以下数名が入ったことについては、正規の救護隊という位置づけではなくて、救出隊ということでお入りになった。いわゆる簡易酸素マスク、マインゼムやライフゼムを使用して入ったと、こう言っているわけですが、そうではなくて私が聞いたのは、いわゆる砿務課長さん等以下二十二時十三分に入った人たちは、正規の救護隊員として日常的なときに救護隊の練習過程の中にどういう位置づけに入っているのかということなんですよ。そしてしかも、救出隊というのはあるのかということなんですよ。言ってみれば、鉱山救護隊のいろいろの保安規程の中にそう認識しているのかどうかということを聞いているんです。
#57
○参考人(吉田俊郎君) 救出班は救護隊の中には位置づけされておりません。それから、救出班はこれはガス突出した場合、やはり周辺の係員、当該切り羽の係員がもし生きておった場合あるいは近傍の掘進係員、そういった方、それから作業員、そういった方はやはり救出作業に入るわけでございますが、そういう場合に斉藤課長が現場に指揮をとりに入ったわけでございます。そういうものをわれわれは救護隊と区別をするために救出班という言葉をあえて使ったわけでございますが、特に救護隊の中に位置づけされたものがそういう作業をやったということではございません。
#58
○下田京子君 どうもはっきりしないんですね。日常的な鉱山救護隊の練習過程の中に救出というふうな探検を目的とするようなそういう練習規程があるのかないのかと言っているんです、私は。
#59
○参考人(吉田俊郎君) 救護隊の訓練の中には探検をする訓練はございます。やっております。
#60
○下田京子君 時間がなくなりますんで、もう一点なんですけれども、災害対策本部を設置して、その災害対策本部の中には保安統括者とあるいは保安技術管理者等々いらっしゃったんでしょう。いたのかいないのか。
#61
○参考人(吉田俊郎君) おりました。
#62
○下田京子君 そうすると、その災害対策本部を設置した、その中でお亡くなりになったいわゆる副保安技術管理者であるまた責任感が強いこの斉藤課長も入坑したということになると思うんですが、そうですね。
#63
○参考人(吉田俊郎君) そうでございます。
#64
○下田京子君 それじゃ以下お尋ねしたい点は局長、私これはやはり日常的な鉱山救援隊に関するいわゆる法に基づいた救援活動というものが不十分であったということの結果出たのではないだろうか、こう思うわけなんです。なぜならば、これはこの前現地にお伺いしたときにも、労働組合側から石炭産業における保安確保の体制ということでもって幾つか御要望がありました。その中で一つは、保安監督員制度の根本的見直しをしてもらいたい、そして保安委員の作業停止権、会社の保安責任体制の明確化などを確立していただきたい、こういう要望が出ているんです。ということは、やはり日常的にも、事故が起きて、いまにして振り返ればさらにこのことを痛感して出されてきているのではないかと思うのです。指導監督の立場にある通産省としてこのことについてどういうお考えでしょうか。
#65
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) お尋ねのことは救護隊に関することだろうと思うのですが、救護隊に関しましては、先ほど私が申し上げましたように、規則につきましてこういうものでなければいけないということを明示しておるわけでございます。したがいまして、これ以外の方法において行うということについてはいかがかと思うわけでございます。
 それから、もう一つ先生のお尋ねに関係のありますことは、保安統括者または代理者というような方々がここの所長が兼務しておる、あるいは副所長が兼務しておるという、生産の体制と保安の体制というものを兼務しておるというところに問題があるのかというような御指摘かと思いますが、これは生産と保安とは不離一体であるという原則に立ちますると、むしろこういうシステムの方がはるかに能率的でいいということでございます。こういうことの方がはるかに、先生がいまお尋ねのような生産の停止とかその他につきまして命令系統はきわめて一元化できるという意味において、この現在のシステムの方が得策であるとお答え申し上げます。
#66
○下田京子君 なかなか法律的にややっこしいのですけれども、保安委員会が一つにはありますね。それからまた同時に、保安監督員というのがありますね。そして片一方には保安統括者を責任者にして生産と保安とを一体にして進めていく、こういう状況になっていますね。しかし、私が言わんとするのは、保安監督員制度というものがあるのだけれども、いま言ったような救護隊の訓練等も含めて日常的なそういう保安体制ということについて不備があるのではないかと思うわけです。その点で、保安監督員制度の根本的な見直しをするという点で、たとえば保安監督員の中には労働者からの推薦というような者も入っていると思うのですね。その労働者の推薦云々ということもあるわけですけれども、この保安監督員及び補佐員の定数をもう少し一定定数確保するということもこの際考えなければならぬのではないだろうか。同時に、権限を強化するという点で、たとえば法律第十五条になりますけれども、保安法の。その中に、保安監督員の勧告に対して、保安統括者はその内容を速やかに保安委員会に報告しなければならないというふうな項目を追加するとか、あるいは、保安監督員はその職務上の行為により不利益待遇がされないようにするとか、そういうものを盛り込んで、いわゆるチェック機能としての保安監督員制度というもののもう少し抜本的な見直しが必要な時期ではないだろうかということを提起しているわけです。
#67
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 先生のお尋ねは保安監督員というチェック要員というものをもっとふやしたらどうかという御質問でございますが、この点につきましては、その線に沿いまして検討をしてみたいと思います。
#68
○下田京子君 それから、さらに保安委員会の問題なんですけれども、鉱山保安法の二十条に「保安委員会の委員は、鉱業権者が、その鉱山の鉱山労働者の中から選任する。」と。そして第二項の中で「前項の委員の半数は、その鉱山の鉱山労働者の過半数の推せんにより選任しなければならない。但し、その推せんがないときは、この限りでない。」、こういうふうに書いてあります。この際の「半数は、」という部分、「過半数の」というその「半数は、」のところを、もっと労働者をふやすという意味で、五分の三は労働者を入れるというふうなかっこうでの問題、要するに労働者をもう少しふやしていくということを考えられないか。
 さらには、十九条で幾つか保安委員会の権限が書いてありますが、ここに新たに、鉱業権者は保安委員会の勧告に遵守の義務を負うというふうなことを考えられないだろうか。せっかくチェック機能としてあるわけですから、このチェック機関が勧告をするというところまで権限を一応与えてもしかるべきだと。勧告はできるわけですが、その勧告を遵守する義務を負うというところまで明記してはどうなんだろうか、このことについて考えられないか。いかがでしょう。
#69
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 先生のお尋ねは大変単刀直入でございます。私も単刀直入にお答え申し上げます。
 「過半数」ということで十分意味はとれると思っております。
 第二番目、あくまでもチェッカーでございます。したがって「勧告」で十分であろうと思っております。
#70
○下田京子君 それではあえて、その勧告が十分になされていると判断しているかどうかなんですけれども、いかがでしょうか。
#71
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 鉱山の保安は、原則として自主保安をたてまえとしてやっておることでございます。したがいまして、そのようなことは保安統括者が判断すべきことではないかと思います。
#72
○下田京子君 保安の問題は自主保安ということを基本にしていると、これはおっしゃる点わかります。しかし、法に基づいてそれを指導監督するそういう権限も皆さんにはございますはずですね。しかも、その自主保安が基本としてきちんと体制上末端の個々の労働者まで行き届いているかどうかというところが重要であろうかと思うのです。その点については、これは昭和五十一年の五月十四日付で石炭鉱山保安懇談会でいろいろとお出しになっていると思うのです。この時点では何点か指摘しておりますけれども、いわゆる指揮系統がどうなっているか、末端まで行き届いているかどうかを洗い直せと、こう言っているわけです。二つ目には、チェック機能が十分に働いているかどうか。いろいろと勧告したものが保安日誌には掲載されているのかどうか、あるいは、その保安日誌を受けて、きちんと行政サイドにそれがあるいは保安実施の上で生かされているのかどうか、こういうことが問題だと言っているんですね。その点で保安監督員及び保安監督補佐員が十分な機能が果たせるようにしなければならないと、こう言っているわけなんです。それらが十分であったならば、私は今度のような二次災害というものが事前にもう少し違った形で防げたんではないだろうか、そのことがあえて組合側でも保安体制確保の問題として訴えられている点ではないだろうか、こう思うんです。
 時間もありませんから、そういう認識とあわせて鉱山保安行政をこの際やはり一元化していくべきではないかという御意見がずいぶん出されております。私どももそういう意見を持っております。検討するお気持ちがあるかどうか、以上、お答えいただきまして質問を終わります。
#73
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) いまの御質問の保安統括者の命令というものが末端にまで浸透するかどうかという意味合いの議論につきましては、常日ごろ、さっき先生がおっしゃいましたような懇談会のときでも御指摘されましたし、また、それに沿いまして私どもは各会社に対しまして十分そういうことの機能が発揮できるように注意しろということを毎々申しておるところでございます。
 それから第二点、先生のおっしゃいました保安の一元化という問題は、ちょっと私、意味がよくとれませんでしたが、私どものこの鉱山保安の監督の立場と申しますのは、あくまでも生産あっての保安ということで、生産と保安とは不離一体、しかもその技術の面におきましても共通するところが多いということでございまして、そういう意味合いにおきまして通産省がこの鉱山保安の問題について監督の責任を持つという体制をしいておるわけでございます。そういう意味合いにおいて御了解願いたいと思います。
#74
○下田京子君 質問、これで終わると思ったんですが、ちょっと問題の発言なので黙っておれないので……。
#75
○小委員長(小柳勇君) はい、どうぞ言ってください。
#76
○下田京子君 監督行政の一元化という意味がよくわからないとおっしゃりながら御答弁いただいているんですね。そもそもその中で問題点は生産あっての云々というお話があったんですが、私はこれが間違いだと思うんです。生産とそれから保安と労働行政と、そういうものが一体化されていかなかったらば、本当にいい生産もできないわけなんです。同時に、この災害ということを防ぐ上での保安体制というものは確立できないわけなんです。ですから、その保安の一元化という問題、いわゆる監督行政の一元化、所管の移行という問題は、現在通産省に内部部局として置かれている問題を労働行政に移すというふうなことも含めて、これは考えてみることが必要ではないかということを私は指摘しておいたんです。御答弁要りません。
 以上です。
    ―――――――――――――
#77
○小委員長(小柳勇君) 小委員の異動について御報告いたします。
 本日、下条進一郎君、中村啓一君及び馬場富君が小委員を辞任され、その補欠として長谷川信君、岩崎純三君及び藤原房雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#78
○小委員長(小柳勇君) 質問を続けます。
#79
○藤原房雄君 限られた時間でございますので、若干の問題について御質問申し上げたいと思います。
 最初に、過日の静岡の藤枝市におきますガス事故について一点だけちょっとお伺いしたいと思いますが、これは衆議院でもいろいろ当事者といいますか、参考人の方をお呼びいたしまして論議があったようでございます。また、通産省におきましても、これをもとに今回の事故を反省いたしまして、各業者に対しまして改善といいますか、今後のあり方についていろいろ総点検を命じたと、こういうことも聞いておるわけでありますが、やっぱり今回のことで、ガス事業法によっていろいろな保安規程というのはあるわけなんですけれども、商工だけというよりも現在の、いつも各委員会で問題になっておりますが、上水道、下水道、ガス、電話、こういう地下埋設物というものが非常に多くなっておる。そういう中でやっぱりこれは各省ばらばらの行政ではいつか問題が起きるんではないかということを絶えず指摘いたしておったわけでありますけれども、こういう総合的な保安体制というものはどうしても必要じゃないかという、今回の総点検を命ずるということは、今回の事故をひとつ起点として同じ轍を踏まないようにということだろうと思いますけれども、それともう一歩進んで今後のこういう工事等につきましては、やっぱり各省、行政ごとに総合的に保安体制を確立するような恒久的な施策を考えるべきじゃないかと私は思うんです。
 資源エネルギー庁長官に、ガス事業という枠を越える話なんでちょっとあれですけれども、今回のこの事故を踏まえまして率直なひとつ長官の御所見を承りたいと思います。
#80
○政府委員(天谷直弘君) 今回の事故の原因は、下水管工事を行いまして、それを埋め戻す際のやり方に欠陥があったということかと思いますが、したがいまして、他工事の埋め戻しを適切に行わせる方策を講ずるということが事故の再発防止のために最も必要である、こういうふうに考えております。上下水道であるとか電力あるいは電話、こういう工事があるわけでございますが、他官庁所管の工事につきましては、それぞれ所管の官庁におきましてその担当の工事業者、特に工事業者といいましても末端の作業している人たちの教育訓練ということが必要かと思いますが、そういうことをよく徹底するようにそれぞれの官庁にお願いしたいと思っております。通産省といたしましてはガス事業者と他の工事業者との導管の防護協定を促進させるというのが一つ。
 第二に、埋め戻しをする際に、ガス会社の担当者に立ち会いをさせる、これをこの立ち会いを必ずやるようにその点を強化するというのが第二点であります。
 第三点といたしまして、ガス事業者をして他工事現場の見回りを強化させる、こういうような措置を講ずることによりまして、他工事に起因する事故の防止策の強化につきまして、ガス事業者を指導してまいりたいと思っております。
 さらに、ガス漏れ通報に対して早期に適切な対応を行うということが非常に必要であると思いますが、ガス事故の早期発見及び拡大防止のため、当省としましては二十三日に全ガス事業者に対しまして消費者等からガス漏れ通報があった場合においてはガス漏れの原因を徹底的に究明し、不十分な調査点検とならないよう厳しく注意を喚起したところでございますが、こういう点というのは末端まで浸透させるということが特に大切でございますので、繰り返しガス会社の注意を喚起し、指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#81
○藤原房雄君 いまお話ございましたけれども、やっぱりこの保安処置に対する事前の協議とか、それから各行政ごとでも総合的に保安体制というのは、こういうことは現在のところはそれぞれの部門でお話があるんでしょう、いまお話ございましたガス導管の防護協定、こういうものはあって、あるんでしょうけれども、現実的にその運営上といいますか、着実にそういうものがきちっと行われていないことに対しての総点検といいますか、きちっとやりなさいという指示のようでありますけれども、これは大阪で四十五年に起きました事故を反省していろんなことが考えられたんですけれども、こういう事故当時になさいます総点検といいますか、いろんな指示ということと、やっぱり恒久的な何でも法律で縛れということじゃございませんけれども、やっぱり法的にもそういうことを踏まえてきちっとしなきゃならない、私はそういうふうに思うんですが、そういうことでガス事業というのは、最近は集合住宅も非常に多くなりまして、ビルとかマンションとか、こういうところでプロパンを初めといたしましていろいろガスの事故が起きているわけですけれども、より一層ひとつ当面の問題と、それから恒久対策等御検討いただきまして万全を期していただきたいと思います。
 何と言ってもこれは責任体制が明確であるということが大事なことなんだろうと思います。ガス事業者と業者、ここらあたりの明確化といいますか、そういうことで、保安体制につきまして、それから警報器、ガス検知器、それからマンション等におきましてもガスの検知器といいますか、定期的には年に何回かやるようになっているようでありますけれども、実際その実施というのはむずかしいし、手軽なこういうガス検知器というものが開発されると、それなりにまた未然に防止できる面もあるんじゃないか、こういうことでこういう検知器等についての開発、それから早期発見のための体制、こういうものもぜひ進めていただきたい。また、ガス事業者とそれから業者との責任体制の明確化、こういうこともきちっとしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#82
○政府委員(豊島格君) ただいま先生の御指摘いただきました点、われわれも深くそのとおりだと考えておるところでございます。
 ガス検知器といいますか、警報器につきましては、すでにLPガスにつきましては実用化の段階に達しておりますが、都市ガスにつきましては非常に軽いとかいうこともございまして、なかなかガスの漏洩のみを差別的といいますか、選択してつかまえるということがむずかしいということが、まだ実用の段階に達しておらないわけですが、五十三年度、五十四年度、二年間にわたりまして二千万円ずつぐらいの国の予算を使いまして目下鋭意その開発研究に努力しておるところでございまして、できるだけ早くそれを実用化するように努めてまいりたいと思います。
 それから、ガス事業者保安体制、特に他の工事業者との関係でございますが、一応その辺の関係につきましては、それぞれの技術基準あるいは工事の基準ということで規律されて、規制されておるわけでございますが、その両者の関係をどうするか、この点につきましても先ほど長官がお答え申しましたように、防護協定その他を結ばしておるわけでございますが、今回のケースを見ましても必ずしもそれがしっくりいってないということが問題でございまして、私どもとしましては、ガス事業者の保安規程の見直しを含めまして、その辺もっとしっかりガス事業者として責任を果たすのにはどうしたらいいかということを明確化し、あるいは指導を強化していきたいと思っておりますが、さらに両者の関係につきましてガス事業者と他工事業者との関係をいかにうまく、かつ粗漏のないようにするかということにつきましては、関係の各省とも十分相談をして万全を期したいと、このように考えております。
#83
○藤原房雄君 それじゃ、ガスのことについては以上で終わります。結構です。
 石炭の関係のことについて二、三お尋ねしたいと思いますが、本日は参考人の方には大変御苦労さまでございました。痛ましい惨事を私もまた調査団の一員に加えさせていただきまして現地へ参りまして、心からお悔やみ申し上げますとともに、いま二千万トン体制ということで、また国際的にも石炭の見直しということが言われる大事なときでございます。一日も早く原因究明がなされて山がまたもとに戻ることを祈ってやまない次第でありますが、それにつきましても今回のこの事故、鋭意調査中であろうかと思います。私ども現地へ行ってお聞きした範囲内、技術的な深いことになりますと私どもよくわからないわけでありますが、気持ちとしては二度と同じようなことを起こしてはならないという意味で気のついたことを二、三申し上げる次第でございますが、まず今回のこの事故をお聞きしまして事故発生から所管庁への連絡、連絡体制というのは何か非常に時間戸惑っておる、戸惑うといいますか、時間がかかり過ぎているように私は思うんですけれども、九時ですか事故発生、二十一時事故発生ございまして、保安監督局の方が到着したのが大体夜中の十二時、そして第二次災害のあったのが一時ごろというふうに聞き及んでおるわけでありますけれども、こういう事故のときには、いち早く監督局と連携を取り合うということになっているはずだと私は思うんですけれども、これは現地でもちょっと御質問申し上げたんですが、御返答がなかったもので黙ってきたんですけれども、これは会社としてもいろいろな反省の中でまあ何かあったらしいぞということで非常に混乱しておったことは、いろいろ私もお聞きして十分にその点理解できるわけでありますけれども、中央センターがございまして機械的にコンピューターを使って、こんな施設あるんですけれども、一番肝心かなめの連絡通報体制といいますか、こういうものが――うちの中はいろいろなことがあったのかもしれません。まあうちの中でもどうなっているのかわかりませんが、役所との連絡というのは非常におくれておるように感ずるのですが、いかがでしょうか。
#84
○参考人(吉田俊郎君) 御指摘のとおり官庁に報告するのがおくれまして、大変御迷惑かけておるということを反省いたしております。このような非常に大きな事故が発生いたしましたので、当然やはりすぐに報告しなければいかぬということはかねがね現地としては考えておったんでございますが、やはり最初申しましたとおり発生の状況、現場確認というものがいろいろな状況で若干おくれたというふうな面が一つございます。それからそれを発見いたした後、やはり一刻も早く救出したい、助かっている者がいるんじゃないか、いろいろそういう情報が入ってまいりまして、やはり現地といたしましてはその辺の問題に忙殺されまして監督当局に通報するのがおくれたんじゃないか、そのような事実であろうというふうに考えております。この点は十分反省いたしまして、一刻も早く通報するように今後いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#85
○藤原房雄君 こういうときには、まず詳しい情報をつかんでということもありましょうが、第一報を入れるとか、その後詳しい状況は後ほどということとか、いろいろな事業所ではいろいろありますよね。それから、何直体制になって何人張りついているのか、中央コントロールセンターに何人いらっしゃってどういうふうになさっているのか、そこらあたりのことをよくお聞きいたしませんでしたけれども、そういうことで当面の応急対策、これは大事ですからしなければならぬでしょうけれども、それに忙殺されて時間的に非常に通報がおくれたということ、これはだれかが三菱さんというのはなかなか外に連絡したがらないなんて言っている人がいるわけじゃ決してないんですけれどもね、何かこういうことを見ますとそういう体制というものはちゃんとできていないような気がします。いま御反省のお話もございましたから深く云々するつもりもないんですけれども、ぜひそういう点でまあ同じ石につまずかないといいますか、轍を踏まないといいますか、そういうことでいろいろな反省の材料があったんだろうと思いますけれども、私どもこれを見ましてすぐ気のついた一つであったものですからお話申し上げているわけでありますが、それとやっぱり事故が起きてから第二次災害に至る三時間四時間というのは非常に大事な時間であったろうと思います。だれも二次災害が四時間後に起きるなんていうことは予測をしていらっしゃらなかったのでありますから、その四時間の間の対処の仕方ということ、いまになって考えればいろんなことがあるのかもしれませんけれども、この四時間の間の対処の仕方のことにつきましても、先ほど来同僚委員からもいろんなお話があったようなんで私もくどくど申し上げませんが、今後の問題としましてぜひひとつ御検討いただいて、改善すべき点はひとつ改善していただきたいと思います。
 それから今回の事故は、最初のガス突出ですね、このガス突出というのはメカニズム的にはまだまだ究明されない面があるということを前からも言われて、昭和五十二年ですか、歌志内でも突出事故がございました。ここはまたガスの多いところだということでありますから、相当事前のボーリングをいたしましてガス抜きをやっているわけでありますけれども、実際今回こういう事故が起きたということでありますと、いままでのやり方ではやっぱり足りなかったということなんだろうと思います。このガス突出のメカニズムについては、そしてまた、だんだん採炭現場が深部に入っているという、こういうことで、これは何もきのうきょうのことじゃない、以前からいろいろ論議されておったことでありますけれども、これは会社としてもいろんな対応策をお考えになっていらっしゃる。深部に対する保安対策、どちらかというとガス突出等についてのメカニズム等については、これは役所の方で、役所といいますか、研究機関というか、そういうところでまあやっておられるんだろうと思いますけれども、こういう研究、保安対策、こういうことについては会社としては今日までいろいろ指導機関のもとに指導を受けながら進めてきたんだろうと思いますが、どうでしょうか。これは通産省ですね、深部のことについてのいろんな研究委託というか、これが科学技術庁、文部省、それぞれから研究費をいただいていろいろ研究しているのもあるんじゃないでしょうか。現在、ガス突出、このことだけじゃないのかもしれませんが、こういう深部に対するいろんなメカニズムまたは防災、こういうものを中心としまして、石炭研究所ですか、こういうところで大分研究しているようですけれども、その概況をひとつちょっと御説明いただきたいと思いますが。
#86
○説明員(石川丘君) お答えいたします。
 ただいまお尋ねの深部保安にかかわる研究開発の実態でございますけれども、昭和五十二年の四月に参議院の商工委員会の決議、それから五十三年の六月十五日の、衆議院でございますが、石炭対策特別委員会の決議等を受けまして、毎年充実を図っておるところでございます。
 内容でございますが、保安技術開発の基礎応用研究につきましては、大学及び私どもの通産省の公害資源研究所が行っております。それから、現場適用化試験研究につきましては石炭技術研究所、それから石炭の各企業が行っておるわけでございます。御指摘の深部移行に伴う重要な研究でございますけれども、昭和四十年度から国が主体になりまして、石炭技術研究所に委託費を交付してその推進を図っているところでございます。また、大型災害防止研究につきましては、特に五十二年度から石炭特別会計から予算を支出しまして、公害技術研究所で研究を行っているところでございます。
#87
○藤原房雄君 そのほか科学技術庁から鉱山災害防止のための研究というようなことで研究委託ですか、補助金ですかね、それからまた大学と。要するにこれはもう過日のあの事故以来、とにかく深部に対してのメカニズム究明ということや、また保安対策というようなことでいろいろ論議もあったところでありますし、今日まで当局としてもやっぱりそれ相当に対処してきたんだろうと思いますけれども、ぜひひとつ五十四年度の、各省庁にまたがることかもしれませんけれども、深部に対する研究のためにどれだけの予算がどういうふうになっているか、これひとつ資料にまとめていただきまして、ぜひひとつ御提出いただきたいと思いますが、どうですか。
#88
○説明員(石川丘君) そういたします。
#89
○藤原房雄君 それからもう一つ気のつくことは――もう一つというか、会社ですね。会社の最新鋭のコンピューターを使いまして中央監視センター、そこでやっておるということで、私どもはこういう石炭産業、しかも深部の非常にむずかしい状況の中ですと遠隔操作という、まあ遠隔で測定する、そういう技術もあるのかもしれませんが、やっぱり機械に対する、機械といいますか測定器を初めといたします、そういうものに対しての甘さといいますか、そういうものがやっぱりあったんじゃないか。もう一つは、エアプラスターを初めといたしまして、いままでのように火源のない採炭という、こういうことで、確かに今日まで大きなこういう事故がなかったという、そういうところにどうも人間の弱い面をつかれたような気がしてならないんですけれども、これはやっぱり当事者として会社の責任ある立場としまして、具体的に何がどうだということになるとあるのかもしれませんけれども、この場合、これも一つの反省の材料であろうかと私は思うんですが、どうですか。
#90
○参考人(吉田俊郎君) 中央管制機能でございますが、これはコンピューターでやっているということでございます。これは実際はコンピューターというのは最初から入っておりません。連続計測監視とそれから電源の遮断と、こういったものが主たる目的でございまして、従来はそういったものもできていなかったわけでございますが、これが集中的に監視できるようなああいう体制に一応なったわけでございます。しかし、私どもは管制装置というものはあくまでもこれはダブルチェックというものを主体といたしまして、たとえばガス観測というのは定点観測、一カ所の位置に計測器を置きまして、それを管制室に情報を流す、そういった状況で各坑道にいまそれぞれ置いておりますが、ガスの湧出、出方といたしましては、これは切り羽面から出るとか側壁等から出るとかいろいろあるわけでございます。それを定点観測している、そういう機能でございますので、あくまでもやはり従来から経験を経ましたいわゆる保安係員、そういった者が足で歩きまして、十分そのガスの根源となるようなものを探して計測する、はかると、そういったものをあくまでもやはり主体として、それにプラスアルファ中央管制機構でダブルチェックすると、そういうふうな考え方をもちましてこれは設置当初から指導してきたわけでございます。そういう意味で、過信しておったんではなかろうかというふうな御意見でございますが、私どもは保安というものは、もう絶対これでいいということはございません。日常切磋琢磨、いろいろな技術を導入いたしまして、いままでやはり未知であったもの、そういったものにできるだけ万全を期していきたいと、そういう気持ちで日夜修練を積んでいるつもりでございますので、その点はひとつあしからず御理解いただきたいと思います。
 それから、突出がなかったということでございます。この南大夕張地区は非常にガスの多い山でございます。ガスの突出の多い地区でございます。そういった点を十分考慮いたしまして、何とかやはりガス突出のないような炭鉱にしようということで、技術者関係、当社の衆知を結集いたしまして、現在の対策として考えられるあらゆる対策をやってきたつもりでございます。たとえば上り掘進をやめて卸掘進にするとか、あるいはガス抜きボーリングも先ほど申しましたように徹底したボーリングを行うと、そういったこと、それから仮にガスが突出した場合に被害を防止するようなそういった対策もいろいろ講じてきたつもりでございますが、残念ながら、今回の突出が非常に規模の大きい、卸掘進でこのような突出をするということはかつて経験したことのないような突出であろうと思いますが、さような突出が出てまいりまして、非常に私どもも今後の課題といたしまして十分反省をいたしまして、さらに対策を講じてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#91
○藤原房雄君 大量の、いろいろ粛清は聞いてまいりましたけれども、ガス突出があった。ガスを抜きますね。これ、メタンガスというのは多くても薄くても爆発はしませんで、四、五%から一〇%前後ぐらいですか。だから、これは大量にガスの濃度の濃いとき、それからまた薄いときはいいんですけれども、だんだん薄まって、ある時点になりますと非常に危険なときがあるわけです。そういうことで、ガスを抜いているときには十分にその間のことは配慮しながら作業をなさっているんだろうと思いますけれども、やっぱりいまの会社のお話を聞きますと、事故は絶対起きないみたいなお話なんですけれども、現実に事故が起きているということは、その間のことについては手抜かり、ダブルチェックということで、そういうところで何人の方が実際のガスの検知をしながら作業を進めておったかというそういう具体的なことになりますと、そこにいらっしゃった方がいまお亡くなりになったとかまた病床にあるとかということで、これからそれらのことがだんだん明らかになるだろうと思うんですけれども、機械といっても機械は機械だけのことしかございませんで、やっぱり人間、その場に携わる者が最大の注意を払うと、それはいろんな機器を使って最大の注意を払って状況を判断するということが大事なことなんだろうと思います。そういう点で、私どもはほかの産業から見て特別視しているわけじゃありませんけれども、石炭鉱山としましては、確かに三菱の今回の山は近代的なということで、そういう点では私どももそういうように意識を持っておるわけですけれども、会社に甘さがあったかないかという判断は非常にむずかしいことだと思いますけれども、今後ともこういうことについて、機械は機械として、先ほどお話のありましたダブルチェックといいますか、そういうことでさらに用意周到な対策が必要なんだろうと思います。その点ひとつ、今後の原因究明の中でいろんな問題が出てこようと思いますけれども、ひとつ十分な対策を講じていただきたいと思います。
 私、次に組合の立場から、今回山に参りましていろんな要望書をいただいてまいりました。事務局にいらっしゃって大変に御苦労なさったろうと思うんでありますが、先ほどもちょっとお話ございましたが、常設の救護体制というものが非常に大事じゃないか、こういう事故が起きるたびに消防団というか、消防署のような常設のものがきちっとあって、どういう単位でつくるかということはなかなかむずかしい議論のあるところだと思いますけれども、それで絶えずこのことに専念する、そういう体制が大事だということもお聞きをいたしました。事故のことに対してのいろんな問題、時間もありませんからいろいろお聞きする時間はございませんけれども、常設の救護体制ということについて組合の皆さん方としてはどういう御議論をなさっていらっしゃるのか、そうしてまた国に対してもいろいろ要望なさっていると思うんですけれども、その間のことについてちょっとお伺いしたいと思います。
#92
○参考人(古賀徳継君) お答えいたします。
 私どもの常設の救護隊を設置してほしいという考え方は、この南夕の場合もそうでありますけれども、過去何回かの重大災害の例が示しておりますように、ほとんど災害発生から救護隊を招集するまでに一時間あるいはそれ以上の時間を要しておるわけです。これはいろいろ現場の把握、判断というものがございますから、そういった時間は必要かとも思うんですけれども、現場は一刻も争う状態ということを考えますと、常設の救護隊があれば、この常設の救護隊を即時に招集することができるんではないか。そして常設ということになれば、常時緊急の場合を想定しながら訓練を行うわけです。外国でも若干の国に常設の救護隊がございまして、非常に優秀な装備と教育、訓練の中でそういった救護活動を適切に行っているというケースがございますが、そういうケースなり、それから日本における石炭産業の災害の発生後における処置というものを考えてみた場合には、どうしても常設の救護隊が必要だと。もう一つ考えておりますのは、救護隊員になりますためには、先ほど立地公害局長が報告しておりましたようにそれぞれ資格が必要なんです。同時に人格、識見ともに優秀な者でなければならないということになりますし、現場の状況に熟知していなければまたなかなか救護活動ができないという関係もございます。そういう中から救護隊員を募集するわけですけれども、救護隊という任務にいわゆる危険性がきわめて伴うということ等から、救護隊を編成するにもなかなか苦労を伴っているということが現実としてあるわけです。幸いこの南夕の場合には十八班、百名以上の体制がとれておりますけれども、他の山では石則で決めております五班ぎりぎりのところが多いわけです。したがいまして、常設の救護隊がこの石炭鉱山がまとまっておる地区にあれば、どこの山で何が起こってもすぐに行ける、そして山のそういった自主的に編成されておる救護隊がそれを包んでいくということがあれば、安全な対策、処置というものがとられはしないかというのが炭労の考え方でございまして、これ実は五十二年から通産省の皆さん方とはいろいろ協議しておりまして、引き続きまだ今後この常設救護隊の是非をめぐって検討するということにはなっておりますんで、そういう中で十分私どもの考え方も述べていきたいと、かように考えております。
#93
○藤原房雄君 だんだん深部に、そしてまたむずかしい状況の中に置かれる。しかし、石炭はどうしても日本の固有のエネルギーとして非常に重要な立場にあるという、経営者の方もそういう使命の上に立ってお仕事をなさっていらっしゃると思いますが、それならそれなりの態勢、バックアップ、こういうものも行政としては当然のことだと思います。私どもも以前からいろいろお話は聞いておりますけれども、常設の救護隊の問題につきまして、そのほかいろんなことがありますけれども、時間がございませんからあれですが、通産省としましてもぜひひとつこれは前向きで検討していただきたい。国際的にももう石炭が非常に重要な方向に動きつつあるということと考え合わせまして、私はこれはぜひ要望しておきたいと思いますが、それに対しての御返事と、それから遺族の方に対する補償、下請の方が一人いらっしゃるわけですね。これは会社としても労使の間のいろんな関係もあろうかと思いますけれども、これらの方につきまして、特に今回は若い有能な職員の方々がお亡くなりになっているということで、これは他の委員からもお話があったかもしれませんが、私も十分なひとつ御配慮をしていただきたいものだということを一言つけ加えておきたいと思いますが、じゃ、常設のことと一言ずつお話いただいて終わりたいと思います。
#94
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 先生がおっしゃいますように、炭坑の深部移行に伴いまして、自然条件がだんだん悪くなっておるわけでございますから、この重大災害の発生の要因を未然に防止するということは非常に大事となってきておるわけでございます。私どもこれからさらにこの保安確保を最優先に考えて、そういう上に立ってこの生産を行うということで、より一層監督行政を進めていきたいと考えております。
 また、ただいま御議論になりましたこの常設救護隊でございますが、お話がありましたように、すでにこの問題につきましてはいろいろと議論が行われておるわけでございます。この常設という意味は、二つの面から考えていかなければいけないわけでありまして、一つは、いろんな炭鉱を含めて共通の意味の救護隊というようなアイデアが一つ出ているわけでございます。これにつきましては二律背反のところがありまして、いやそういうものはそれはいいかもしれないけれども、逆に言ってかえって救護に立ち上がる時間が遅くなってしまうではないかという問題もあるわけでございます。
 それからまた、山によっていろいろその自然条件あるいは技術対応ということが違うわけでございますから、そういう意味合いにおきましてそういう常設というのはどうだろうかという議論も行われておるわけでございます。
 さらに今度は、一つの鉱山について常設ということはどうかということでございますが、これは各山の実情に応じまして、その必要度に応じまして検討すべき問題であろうというふうに考えておりまして、この問題というものをいまの段階で直ちに各鉱山に一律規則化、規制するということにはまだ若干私どもとしては踏み切れないというのがこの問題点であろうかと思っております。いずれにいたしましても、この問題も含めまして十分検討していきたいと思います。
#95
○参考人(吉田俊郎君) 下請係に対する補償の問題でございますが、これは先生おっしゃるとおり対処いたしたいと思います。
  〔小委員長退席、大森昭君着席〕
#96
○柄谷道一君 本日は、三菱石炭鉱業南夕炭鉱災害問題について御質問いたしますが、小委員長の派遣報告の中にも触れておられるところでございますけれども、私も、今回の災害によって十七名のとうとい犠牲者を含めて多数の罹災者が出ましたこと、まことに残念でございますし、殉職された方々の御冥福を慎んでお祈り申し上げますとともに、御遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げ、あわせて罹災者の方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げたいと思う次第でございます。
 また本日、資源エネルギー庁長官から報告がございました藤枝市における東海都市ガスのガス爆発、これはどの視点より見ましても人災でございます。当局として再発防止のための万全の施策をとられますとともに、補償について万遺憾なきを期せられますように冒頭強く求めておきたいと存じます。
 今回の南夕炭鉱の災害は、先ほどから派遣報告の中にも触れられておりますし、さらには多くの同僚の委員より質問があったところでございますけれども、第一次災害の罹災者を救出中にガス爆発が起きて、救護隊の方々が多数死傷されるという大きな二次災害を起こしたことに問題が集中されているわけでございます。
 そこで、まず吉田参考人にお伺いしたいのでございますけれども、第一次災害で突出したガスに火がついた原因、これについては究明中であるということでございます。しかし、火源が存在しなかった、またそれを信じて救出作業に入ったという中で火が発生したという、これはもう紛れもない事実でございます。一体これはどういうことがその原因であったのか、現在究明中ではございますが、現在知り得る調査の範囲内においてその原因について再度お伺いをいたします。
  〔小委員長代理大森昭君退席、小委員長着席〕
#97
○参考人(吉田俊郎君) 第二次災害の原因である着火の点でございますが、先ほども申しましたとおり、この卸坑道には発破というものをかけていない、エアプラスターという全くガスに安全な破粋機を使っております。それから電気設備、これも運搬機関係あたりは全部エアモーターにいたしておりまして、電気設備も入っておりません。それから自然発火という問題、これも該卸では自然発火が出ておりません。そういった点で、従来ガス爆発の原因と思われるこの三つの点につきましては、最初からこれはわかっておったわけでございますが、そういったものを使っておりませんので、この辺についてはもう絶対これによる着火はないというふうに私どもは確信をしておったわけでございます。しからばなぜ着火したのかということになるわけでございますが、これにつきましては、従来から迷走電流とかあるいは漏洩電流あるいは静電気とか、そんなものがいろいろ考えられるわけでございますが、そういったものによる、従来までは余りそういった原因による爆発というものは発生しておりませんし、考えられるものはそういうものがあるんじゃないかというふうなことで、それからもう一つは安全灯でございますが、携帯している安全灯、そういった点も一応対象にいたしまして現在ガス突出の原因の究明をかねまして鋭意検討中でございますが、いまのところ残念ながらわかっておりません。私どもといたしましては何とかこういうふうな安全対策を講じてやっておりました中に、しかも、四時間もガスが突出した後、時間的に経過しております、その間何ら異常が発生しておりません、そういった中で突如として火が入ったと、しかも入った後突如としてそれが消えてしまった、そういうふうな状況でございますので、何とかしてこの原因というものを究明いたしまして、また当局の手を借りまして解明をいたしまして、今後このような事故のないようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#98
○柄谷道一君 考えられる四つの着火の原因というものはなかったこと。しかし、現に突出したガスが要因となっていわゆる着火し爆発をもたらした、これはもう紛れもない事実でございます。したがって、何らかの着火の原因というものがなければこれは爆発は起こり得ないわけです。私は、この十七人もの死者が出ているというこの現実からしても、今後のこの種災害の再発を防止するという視点からいたしましても、非常に困難ではありましょうけれども、この着火の原因というものを見定めるということは、今回の災害が残した一つの大きな教訓であろうと、こう思うわけでございます。
 そこで、私は再度お伺いいたしますけれども、この自然発火の可能性を含めて十分事前にこの安全対策というものが講ぜられていたのかどうか、この点に対して再確認でございますけれども、再度お伺いいたします。
#99
○参考人(吉田俊郎君) 自然発火を含めまして安全対策については十分配慮しておったつもりでございます。
#100
○柄谷道一君 十分に事前の安全対策は講ぜられていた、しかも考えられる着火の原因は見当たらない、しかし現に災害は起きている。こういうことになりますと、これ通産省にお伺いするんですけれども、これは私は原因の究明というものは一会社にすべてをゆだねるというべき問題ではないわけですね。これは国自体が会社及び組合と十分に連携をとって徹底的な原因の発見というものを行う。それがこのとうとい犠牲者に対しても、また今後炭鉱の中で安全に労働するという立場からしても重要なことではないかと。これはもう当然のことですね。
 そこで通産省ですね、いま参考人の言われたような現状なんでございますけれども、通産当局としては今後この原因究明について具体的に一体どういう対応策をもって臨もうとしておられますのか、お伺いいたします。
#101
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) いまいろいろ御質疑がありましたように、この問題は非常に重大な問題でございます。なおかつ、今後の保安体制というものにおきましても非常にその究明がもたらす意味が大きいと私は考えております。この意味におきまして私は、近く学識経験者よりなります五、六名の調査団を現地に派遣いたしまして、そういう中立的な、しかも学術研究の面からも学殖の深い方に十分この問題を中心とし、さらに他のいろいろの疑問点もございますので、その点も含めまして調査をしていただくということを考えております。
#102
○柄谷道一君 いまお伺いいたしましたけれども、私は、その学術専門家による公正な原因探求がなるべく早急に、しかも研究したけれどもわからなかったといううやむやの形で終わることなく、ぜひこれが明確に突きとめられるように行政当局としても一段の御努力を強くこれも求めておきたいと、こう思うわけでございます。
 そこで、再度参考人にお伺いするわけでございますけれども、同僚議員が現地を視察したその経過をいろいろ伺ってみますと、自力脱出した人はやはり装備が整っていたんだと、こうも言われております。そこで、この救出の際に二次災害防止のための万全の対策が講ぜられていたかどうか。たとえば十分なガス検知器の持参の問題、さらには完備したマスクの装備の問題、こういった点についていま、これは結果論ではございますけれども、顧みて二次災害防止のためのこれらの諸施策が十分であったとお考えか否か、この点をお伺いします。
#103
○参考人(吉田俊郎君) 当時の救出の状況を申し上げますと、一応卸内の通気の設備が整いまして、簡易酸素マスクを外して仕事ができるような体制に後方はなったんでございます。ただし、切り羽の先端は、これはまだ濃厚なガスが出ております。これに対しましては、やはり簡易酸素マスクをやって仕事をすると、そういうことはできません。しておりません。これは完全な救護隊の装備、この第一個班を入れまして最先端ではその濃厚なガスを何とかやはり集めまして、それをガス管に誘導する、そのための排気作業、そういった作業を救護隊が高濃度の中で作業をやっておったのであります。それから後方で罹災いたしました人は、先ほど申しましたように、扇風機が動き出しましたものですからガスが希釈されております。したがいまして、簡易酸素マスクはやらないでそれで作業の応援をしておった、こういう配置でございます。それで、その当時は、もう四時間もたっておりますし、全く火に対しましては異常がないということが確認されておりますので、当時はそういう体制をとっておったわけでございますが、結果論から言えば、ガス、火が入りまして、救護隊関係の者は脱出できたと、後方の者は死亡したということで、その点十分やはり反省をいたさなきゃいかぬというふうに考えております。
#104
○柄谷道一君 古賀参考人にお伺いいたしますけれども、いまお聞きになったような状態でございます。常設の救護隊設置問題につきましては、同僚の委員から質問がございましたので、私はその重複を避けたいと思いますが、救護隊が入坑するに当たりまして、安全対策という視点から労働組合の立場から、今回の問題を顧みて何らかの欠陥があったというふうにお考えになるのか。もしあるとすれば、どういうところに問題点があったとお考えになるのか、端的にお伺いいたしたい。
#105
○参考人(古賀徳継君) 二点ほどあるんではないかと思っております。
 一つは、いわゆる鉱山救護隊が招集されまして、完全装備を行いました救護隊員がまず探険に入るという手順が踏まれておったならば、あるいは助かっておったかもしれない、こういうことが一つございます。現実は残念ながら、砿務課長の命令によりまして課長代理外三名が簡易救命器を持って進入していったというところに一つの問題点があるように私どもとしては判断いたしております。
 それから二点目は、いわゆる第二次災害ということですけれども、これはいまお話がありましたように、奥の方、いわゆる切り羽の最先端の方はたくさんの突出した粉炭でふさがれております。そしてガスはまだ湧出しておったであろうと認定をしておるわけですけれども、このいわゆる約四百立米ですか、と推定される突出炭があるわけですけれども、これを風管を生かして新しい空気を入れますと空気が動きます。動きますと、この埋まっておる粉炭の中にも当然突出してきたガスが包含されておったんではないか、おるんではないか。そうしますと、四五%ばかりあるこの濃いガスが逐次いわゆる坑口の方に出ていくに従いまして薄くなってまいります。四五%が三〇になりあるいは二〇になる。そうして爆発のちょうどよろしい四%から一〇%という状態が起こり得るということを一つ想定いたしますと、最先端では救護隊が活動しておりましたけれども、その後ろの方にはほとんど素面で、風管が来ておるから大丈夫だということでやっておるんですけれども、坑道が、ずっと百九十五メーターのものが約十七、八度で下がりまして、それから二十二、三度ぐらい、ぐっと突っ込んでいっておりますから、この突っ込んでいく坑道の天井際に濃いガスが滞留しておったことが考えられるわけです。それは私も現場に入坑してまいりまして、その現場の爆発の状況というものを見てまいりましたけれども、ここに一つ持ってきておりますが、きわめてまあコークス状になった炭がついておるわけです。これは明らかに濃い部面におけるいわゆる爆発が一番しやすい条件の中で爆発したところの現物ではないのかというふうに、私ども経験上考えておりますけれども、そうなってまいりますと、ガスの検定が十分に行われていたのかどうか、それから風管を生かしたということの中で、そこにたまっておったものが逐次希釈されて上の方に出てくるという前提を考えますと、やはり素面の作業者は安全な位置に避難させるという手続がしかるべきではなかったのかな、こういうことを考えておりますが、いずれにいたしましても、課長以下重要な人物が亡くなっておりますから、これ以上申し上げると死人にむちをうつというかっこうになりますので差し控えたいんですけれども、そういうことが今後の救護隊活動の中で十分取り入れて反省しなければならない問題点であろうというふうに考えております。
#106
○柄谷道一君 これ通産省にお願いいたしておきますけれども、私はさきにこの着火の原因探求ということを指摘をいたしました。しかし、この救護の安全対策という点におきましても、いま古賀参考人から二つの点の指摘があったわけでございます。私は専門家ではございませんので、さらに深い理由はわかりませんけれども、しかし、この問題についてもやはり公正な立場から今後のやはり救護体制の万全を期すと、安全の万全を期すという視点からも、やはり反省点がなかったのか。今後の救護活動についてどういう点の配慮が必要であるのか、この点につきましても洗い直し、見直しといいますか、教訓が生かされるような調査がされますことを期待申し上げておきます。
 時間もございませんので、次に多くの委員から指摘されたところでございますが、今回の事故現場は坑口から約四千メートルも奥というふうに、最近の採炭は深部に移っております。深部はまあ気圧、そして地熱の問題を初め、この作業については危険性が高いということはこれは当然でございます。また、それに対応した安全の確保というものが図られていかなければならない、これも当然の事柄でございます。
 そこで私は、こういう点を考えますと、まあ現在の保安基準でございますけれども、果たしてこの実情に適したものであるのかどうか、これについても見直しが必要であろうと思います。さらに先には、保安技術開発、現場適応試験、深部採掘のメカニズムの研究、さらには大型災害対策に関する研究、これが行われているということは聞いたのでございますけれども、しかし今回の災害を見ますと、まだそれらの研究は現在の段階で十分実を結んでいなかったことを今回の災害は教えたと思うのでございます。この点に関する私は一層の研究の拡充が望まれると思うわけでございます。この二点につきまして当局の御意見をお伺いいたしまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。
#107
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) まことに先生のおっしゃるとおりであろうかと思います。今日の採炭というものがどんどん深部へ移行してまいりまして、それに伴う自然条件の悪化、それは同時にこの保安体制というものを維持することがますますむずかしくなってきておるということでございます。それに対応いたしますためには、まず第一にはそれに対応でき得る十分な技術を開発することが必要であり、その第二はそういうような体制に従ってこの法の規則というものを必要があればどんどん変えていくということが必要である、そういうことについてわれわれが手抜かりがあってはならないわけでございます。したがいまして、今度の非常に不幸な事故というものを再び教訓といたしまして、そのような事故の原因の究明を急ぎ、その原因の究明から得ました教訓にのっとりまして、さらにさらにわれわれといたしましては保安監督に努力を続けていきたいと思っております。
#108
○柿沢弘治君 新自由クラブの柿沢弘治でございます。きょうは三菱石炭鉱業の関係の方、吉田参考人、古賀参考人においでをいただいておりますが、各委員からすでに詳細な御質問もありましたので、私の方はそれを繰り返すことを避けていきたいと思いますので、今後とも原因の究明とさらに事故の再発防止のために各関係者の皆さん御尽力をいただきますことをお願いを申し上げまして、もうすでに予定の時間を過ぎておりますので、お引き取りをいただいて結構でございます。きょうは一日御苦労さまでございました。
#109
○小委員長(小柳勇君) ちょっと待ってください参考人の方、私から質問がありますから。
#110
○柿沢弘治君 そうですが、わかりました。
 それじゃ私の方はその点は避けまして、同時に議題になっております藤枝のガス事故について質問をしたいと思います。
 この都市ガスの漏洩による死者を出した藤枝の惨事というものは、ガスにエネルギー源に大きく依存しております都市住民に大きな不安を呼んだわけでございます。その原因等については先般の衆議院の委員会での質疑でも明らかにされておりますけれども、一つはガス漏れが発生したときにできる限り早くその状態を察知をし原因を突きとめるということが必要だと思います。その点で通産省からいただきました事故についての報告によりますと、最初の第一報というものが五月二十日の十三時三十分ということになっておりますが、そのときにはすでに死者の方が出た後でございますけども、一部新聞の報ずるところでは十九日中にも一度ガス会社に対してガス漏れの通報があった。しかし、それは異常がないということで引き揚げたというふうに伝えられておりますが、その点についてはいかがでしょう。
#111
○政府委員(豊島格君) 十九日に通報があったけれどもと、その点はどうかという御質問でございますが、私どもといたしましては五月二十四日、二十五日に立入検査を実施いたしましたところ、一応東海ガス会社にそのような通報があるということは確認されなかったわけでございますが、別途その辺の方々からもそのような通知があったということについての確認もとれませんでした。
#112
○柿沢弘治君 その点については、現地の警察当局もこの事故原因の究明については捜査をしておられるというふうに伺っておりますが、警察当局からはその点についていまの通産省説明以外の事実がございますでしょうか。
#113
○説明員(加藤晶君) お答えいたします。現在捜査を進めておるところでございますが、その通報、十九日の通報云々ということはいまだ確認いたしておりませんが、ただまあいま御質問がございまして十九日か二十日か、ガス漏れの始期の点だろうと思いますんですけれども、いままでの捜査経過でその点についてお答え申し上げたいと思います。
 この事故で亡くなられました十名のうちの二名の方につきまして、司法解剖を実施したわけでございます。そのうちの一名の方につきましては五月の十九日の午後九時から五月二十日の午前零時までの間に死亡したという法医学上の推定がなされております。また、これまでの捜査によりますれば五月十九日の夕方ごろから付近住民の方でガスが漏れているにおいを感じまして、目まいであるとか吐き気を催したという人も出てきております。したがいまして、このような点を総合勘案いたしますると、五月十九日にはやはりガスが漏出しておったんじゃないかというふうに見るべきだと思います。
#114
○柿沢弘治君 その点について通産省の方々のこの報告では、さらっと二十日の十三時三十分通報がありということからスタートをしているわけですが、もしも、これから本当に再発を防止する、そのために初期発見が必要だということであれば、その点については確認をされなかったということでとめることなく、さらにその臭気が蔓延した、その段階で住民が不安に思った。そこで、本当にガス会社に通報があったのかなかったのか、しかもそれに対して当地のガス会社がどのような措置をとったのか、徹底的に究明をしていただきたいと思いますが、その点いかがでしょう。
#115
○政府委員(豊島格君) 先ほどお答えしましたように、二十四日、二十五日のところではその辺は確認されなかったわけでございますが、私どもとしましては非常に重大な事故でございますので、できるだけそのような事態があったかどうかということは、今後とも確認について努力したいと思います。
#116
○柿沢弘治君 それから、下水道工事についての埋め戻しの際の立ち会い、それがガス会社の責任としていろいろと指摘をされております。立ち会いを求めたけれども、ガス会社の方では立会人を出さなかった。もしくは断ったということですけれども、そうした本来、法に定められているといいますか、必要とされている規定を無視した場合のガス会社側の責任というものについては、厳しく追及をしていただきたいと思うわけですが、今後のこのガス会社の処分といいますか、責任者の責任追及というのをどういう形でしていこうとしているのか、その点を伺いたい。
#117
○政府委員(豊島格君) ただいま御指摘のように立会についてしかるべき立ち会いが行われてなかったんではないか、あるいは埋め戻し工事についての立ち会いが本当にしていたのかどうかという点につきましては、これまでのところ必ずしもガス会社の対応が正しい、適切であったということではなかったんではないかというふうにわれわれ考えております。ただ、今後の問題といたしましてどのような処分をするかということにつきましては、二十四日、二十五日に行いました立入検査の結果及びその後の情報を収集した上でしかるべく処分をいたしたい、その上で考えたい、こう思っております。
#118
○柿沢弘治君 それから、ぜひその点はしっかりと後始末をしていただきたいし、それについては国会なり私どもにもぜひ御報告をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#119
○政府委員(豊島格君) 私どもといたしましては、今回の事故の重大性については十分認識しておりますし、今後このようなことが絶対にないように努力する必要があると思います。したがいまして、今回の事故に対するガス事業会社の処理につきましては十分考えておる次第でございますが、その結果については当然のこととして御報告申し上げたいと思っております。
#120
○柿沢弘治君 警察の方では、この問題は重過失罪の適用も考えられるというようなことが、これも私も新聞上で読んだわけですけれども、その辺についての現在の捜査当局のお考えというのはどうでしょうか。
#121
○説明員(加藤晶君) 現在までの捜査によりまして、これまで申し上げましたけれども、歯科医師宅前の道路の地下に埋設されておりました東海都市ガスのガス管に亀裂が発見されておるということ。それから死者及び治療を受けました方は、解剖または医師の診察等によりまして、いずれも一酸化炭素に原因して死亡あるいは障害を起こしたと認められますこと。それから亀裂したガス管付近の工事現場及び死亡者を出しました二つの世帯の家屋内において一酸化炭素が検出されましたことなどから、これは御指摘のとおり都市ガス漏出による一酸化炭素中毒事故でございます。それで、この事件はやはり過失罪に問擬すべきものであるということは当然でございますけれども、重過失罪なのか業務上過失致死傷なのかと、こういうことでございますが、その点細かく申し上げますと、本件におきましては関係の被疑者がこれが特定の業務に従事するものでありますし、その業務を行うに際して過失があったかどうかという問題でございます。そこで、まず業務上過失致死傷の罪に当たるものではないかというのがごく一般的に素直な解釈でございます。そこで、じゃ重過失致死傷罪の適用は考えられないのかということでございますけれども、この重過失致死傷罪は業務上過失致死傷罪と全く同一の刑法第二百十一条の前段、後段という関係で規定されておるわけでございまして、その処罰も全く同一でございます。そして、またこの重過失は、要するに具体的な人身に対する危険性が著しく大なる行為をする際の過失でありまして、行為者がその危険性を知っているかどうか、あるいは容易に知り得べき状態にあった場合のそれが重大な過失であるかどうかということだろうと思うわけです。ところが業務上の過失につきましては、いわば当然に重過失ということが擬制されるような関係にあるわけでございますので、この両者を一々区別する必要はなかろうかと思うわけでございます。
 ただ、先生御指摘のように、理論上この業務上過失致死罪におきましても、重過失の業務上のおそれと軽度の過失のおそれということは考え得るわけでございますけれども、現在の刑法の構成がこのようになっておりますので、私どもといたしましては、まず重過失致死傷、これについて判断をする、そしてそれに該当しないということになりますれば重過失致死傷を検討するということになろうかと思います。
#122
○柿沢弘治君 決して罪人をつくるというのが目的ではありませんけれども、前から私も指摘しておりますように、この都市ガスというものが都市住民にとっては大きな利便を与える反面、非常に大きな危険の原因になるという点では、その関係者の皆さんのその点での認識を十分持っていただくという点も含めて、今度の問題についてぜひ警察当局としてもしっかりした処理をしていただきたい。お願いを申し上げておきたいと思います。
#123
○説明員(加藤晶君) ただいま御意見がございましたように、私どももこの事故の重大性というものを十分承知いたしておりますので、慎重かつ厳正にその責任を追及してまいる所存であります。
#124
○柿沢弘治君 それから再発防止といいますか、再発の未然発見という意味で総点検を通産省としては各地区のガス会社に指令をし指示をしたということを聞いておりますけれども、この問題、ぜひ思い切ってやっていただきたいと思いますが、総点検についてはいつまでにという期限をつけて指示をしているんでしょうか。
#125
○政府委員(豊島格君) 総点検個所につきましては、非常に多いわけでございまして、昨年の四月以降今日までに至るものとして大体三万五千カ所ぐらいあるということでございまして、たとえば東京瓦斯の管内においても九千カ所ぐらいあるということで、私どもとしましては可及的速やかにということで指示をいたしておるわけでございますが、これだけの多くのものをこなすのにはやはり一カ月以上の期間はやむを得ないのじゃないか。しかし、その範囲でできるだけ早くやるということを言っておるわけでございます。
#126
○柿沢弘治君 そうしますと、具体的に東京瓦斯の管内については大体一カ月以内に点検が終わるというふうに考えてよろしゅうございますか。
#127
○政府委員(豊島格君) 東京瓦斯について申しますと、やはり鋭意やらしておるわけでございますが、六月いっぱいぐらいはどうしてもかかるのではないかと、このように考えております。
#128
○柿沢弘治君 実はその点に関連して、ちょうど藤枝の事故が報じられている時期に、東京瓦斯管内で墨田区向島三丁目四十五の一の路上でガス漏れの通報があったと、一一〇番の通報があったと。それで調べたところ、三%程度のガス漏れが認められたということが報じられております。そしてそのときにも、去る五日にも原因不明のガス臭気事故があったと言われておりますが、こうしたたとえば東京の下町の人口密集地帯については、頻繁にこうしたガス漏れに関する不安というものがわれわれのところにも訴えられるわけでございます。その点で老朽化したガス管の取りかえ、そしてこうした事故の未然防止というものを心がけていただきたいわけですが、この事故の詳細といいますか、おおよそと、そしてそれに対する再発防止のための対策というものをぜひお伺いをいたしたいと思います。通産省からお聞きするのか、それとも警察からお聞きするのか、その辺。
#129
○政府委員(豊島格君) ただいま先生の御質問のございました墨田区の路上で発生したガス漏れ事故の内容でございますが、これは五月二十四日午後十一時二十分ごろ消防署から東京瓦斯会社に対しまして墨田区向島の道路付近でガス漏れがあるとの通報がありまして、東京瓦斯は直ちに緊急出動を行い、ガス漏洩個所の調査及び復旧に努め、翌二十五日午前十一時三十五分に復旧をいたしました。その事故によりまして人身被害は発生しておりません。なお、原因につきましては通行車両の振動によって低圧本管の継ぎ手が緩んでガスが漏洩したものと推定されております。
 現在、ガス事業法におきましては大体三年に一回ガス漏洩につきまして技術基準に基づきましてガス漏れの検査をすることになっておるわけでございますが、今回も工事が行われてから落ちつくまでに相当いろいろな問題があるのではないかということで、昨年の四月以降のものについて総点検させたわけでございますが、今後とも法律の規定による三年に一回ということにこだわらず、やはり頻繁にガスの漏れがないかどうかということは調査といいますか、そういう検査をしていくということが必要だと思います。具体的にどのようにするかにつきましては、先生御指摘のように非常に古くからあるところで非常に交通が頻繁であると、重量物を積んだトラックがよく通るというようなところも一つでございますし、そのほかどのようにするかにつきましては、今後具体的にやり方についても検討し、要するにもう少し頻繁にやるということを考えていきたいと思っております。
#130
○柿沢弘治君 警察当局からは何かつけ加えることございますか。
#131
○説明員(加藤晶君) 私どもまあ第一次的にはこういう事故、事案が発生いたしました際に、それの刑事責任を、真相を明らかにして刑事責任を追及するということでございますが、その際まあ実態がいろいろ明らかになるわけでございます。そういうことにつきましては関係の官公庁にそれぞれ詳細、連絡をいたしまして、その助成、指導上役に立てていただくようにという配慮はいたしております。
#132
○柿沢弘治君 まあこれで質問を終わりたいと思いますけれども、参議院の予算委員会でも私質問をいたしましたように、ガスというものが都市住民にとっては大事なエネルギー源であると同時に、都市災害の一つの大きな原因として大変不安の原因になっているということも事実だと思います。今度のように下水道工事のちょっとした不注意、それから重量物の通行車両によってガス管が破損をするというようなことがあるわけですから、かなり大きな震度の大地震が来たときのことを考えると、私たちは大変不安に駆られるわけでございます。そうした点について政府当局、そしてガス事業に関連をしていらっしゃる事業者の皆さんの自覚とそして再教育といいますか、そういうものが必要だと思いますが、締めくくりとしてエネルギー庁長官に責任者として御意見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#133
○政府委員(天谷直弘君) われわれが現在の文明生活を営んでいくに当たりまして、ガスの供給、電気の供給等は不可欠のものでございますけれども、他方その供給にはいろいろな危険が伴うということは御指摘のとおりでございます。われわれが安全性を追求していく上に当たりましてはこれでいいということはございませんので、ガスにつきましても電気につきましても種々の見地から総合的に安全性の追求ということを高めていかなければならないと思っております。それにつきましてはエネルギー庁のみならず、各政府機関の協力ということも必要でございますので、以後ますます連絡を密にいたしまして安全の実を上げるように努力をいたしたいと考えております。
#134
○小委員長(小柳勇君) いまの問題に関連して、院の権威の上からお願いしておきますが、衆議院では藤枝の市長さんが見えて事情を釈明されたようです。私どもの方では時間的な余裕で参考人の招致できませんでした。したがって、通産省の方で市長に連絡いただきまして、事情釈明の書面をこの院の商工委員長あてにお出し願えるように手配願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#135
○政府委員(天谷直弘君) わかりました。
#136
○小委員長(小柳勇君) それから、参考人には大変お疲れでありますが、二、三点どの委員も質問いたしませんでしたので私からまとめて質問いたします。
 一つは、きょうこの委員会を開きましたのは、もうあれから十四日もたちますから原因が大体わかったであろう、したがって今後の対策をどうするかということに皆さんの注文があろうと、通産省や国会に対して注文があるだろうと思っておいで願ったわけでございます。ところが、まだ原因がもことしている、何が原因かわからないというのが大体の答弁でございましたが、あの大災害の原因はいつわかりますか、これは吉田参考人及び立地公害局長から聞きます。
#137
○参考人(吉田俊郎君) 目下、まず第二ガス抜き卸の取り明け作業を現在当局の御指導をいただきながら推進中でございまして、まだ残りがやはり八メーター程度残っております。これが全部取り明けを終わりまして、それから先ほど申しましたように調査団といいますか、そういう方に入っていただくようになるようでございますが、やはりこの災害が非常に火源の突きとめという点がいろいろございまして、若干早急には判明しないんではなかろうかというふうにも考えられます。しかし、できるだけ早くそういった権威のある方にもお願いいたしまして、この究明を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#138
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) まず第一には、いま参考人の方からもお話がありましたように、災害が起きた場所の取り明けが完了することが第一、それにつきまして監督官が立入司法捜査を行うということが第二でございます。そういたしました上で、監督局といたしまして調査結果をつくるということが一つの前提となりまして、その上に立ちまして先ほど私が申し上げましたような学識経験者による調査団を派遣して究明に当たりたいというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、およそこの調査団の派遣ということに至りますのは、多分この六月の中旬ごろではないだろうかというふうに考えております。
 その調査の結果が一体いつごろになるかということでございますが、これもいま参考人から御発言がありましたように、特にこの二次災害の火源の問題につきましては相当学問的にもむずかしい面があると思いますので、いまここの席におきましていつごろになればそれが明らかになるであろうということはちょっと申し上げられませんが、いまのような段取りに従いまして速やかに実行をいたしたいと考えております。
#139
○小委員長(小柳勇君) それでは、委員会、衆参両院とも非常に心配しておりますから、その原因調査の進捗状態を逐次御報告を願います。
 それから、あと三点。これは私、現地に行って調査した結果でまだ問題解けませんので、三点質問いたします。
 一つは、ガス抜き作業は本社でやらないで下請会社に依頼しておるのですか。簡単でいいです。
#140
○参考人(吉田俊郎君) ガス抜き作業は御指摘のとおり、当社の子会社のダイヤ・コンサルタントという会社に委託しております。これは非常にボーリング関係では優秀な会社でございまして、その会社に当社からやはり優秀なガス抜きの技術者を就職派遣をいたしまして、そして実施さしております。それからさらに当社といたしましては、ダブルチェックのためにガス抜き係という当社の係員をその上につけまして、ダブルチェックという体制でもって遺漏ないよう取り計らっておる次第でございます。
#141
○小委員長(小柳勇君) 第二点は、八番のガス抜きのところで、向かって左側は九万立米のガスを抜いておったが、右側の方は一万立米のガスしか抜いておらなかったと聞いておるが、いかがですか。
#142
○参考人(吉田俊郎君) 右側は当時一万六千立米まで抜けております。
#143
○小委員長(小柳勇君) それから第三点は、発破で掘進していく場合には百ないし百五十メーターぐらい係員が退避してから発破かけるのに、エアブラスターの場合は三十メーターのところに退避ごうをつくってそれでブラスターかけておるということですが、そのとおりですか。
#144
○参考人(吉田俊郎君) 発破の場合もブラスターの場合もいずれも三十メーターでございまして、別にブラスターだからといって――発破百五十メーターかけておりません。三十メーターでございます。全く発破と同じような態勢でブラスターも発射をいたしております。
#145
○小委員長(小柳勇君) 以上の四点が現地でいろいろ話を聞いておった中で問題にしておりまして、だれも質問がありませんでしたからきょう質問いたしましたが、深部掘進というのはこれからの私どもの大きな日本の課題ですから、あれが原因がわかりまして正常になったらもう一回エネルギー小委員会で現地を見て、これからの深部掘進に対する対策など、いまの救護隊とか保安施設など法の改正より以上に具体的にどうするかを一遍皆で勉強したいと思いますから、なるべく原因の究明と今後一体これを起こさぬためにどうするかということを十分に労使とも御研さん、御検討いただくようにお願いをいたします。
 一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には御多忙中のところ、長時間御出席をいただきましてありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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