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1978/05/08 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 農林水産委員会 第9号
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1978/05/08 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第087回国会 農林水産委員会 第9号
昭和五十四年五月八日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     多田 省吾君     原田  立君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     川村 清一君     上田  哲君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     上田  哲君     川村 清一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                大島 友治君
                山内 一郎君
                栗原 俊夫君
                相沢 武彦君
    委 員
                岩上 二郎君
                片山 正英君
                北  修二君
                小林 国司君
                野呂田芳成君
                初村滝一郎君
                川村 清一君
                坂倉 藤吾君
                丸谷 金保君
                村沢  牧君
                原田  立君
                藤原 房雄君
                河田 賢治君
                下田 京子君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
    農林水産大臣      渡辺美智雄君
   政府委員
       農林水産政務次
       官        宮田  輝君
       農林水産大臣官
       房長       松本 作衛君
       林野庁長官    藍原 義邦君
       林野庁次長    角道 謙一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       国土庁計画・調
       整局次長     白井 和徳君
       国土庁地方振興
       局山村豪雪地帯
       振興課長     羽鳥  博君
       社会保険庁医療
       保険部健康保険
       課長       北郷 勲夫君
       林野庁林政部長  佐竹 五六君
       労働省労働基準
       局安全衛生部安
       全課長      津沢 健一君
       労働省労働基準
       局安全衛生部労
       働衛生課長    林部  弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○林業等振興資金融通暫定措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 林業等振興資金融通暫定措置法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺農林水産大臣。
#3
○国務大臣(渡辺美智雄君) 林業等振興資金融通暫定措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 わが国の森林・林業は、国民生活に不可欠な林産物の供給と国土の保全、水資源の涵養等の公益的機能の維持増進等とを通じて、国民経済の発展と国民生活の向上に大きく貢献してきたところであり、このような森林・林業の果たす役割りに対する国民的要請は、今後とも一層増大するものと考えられます。
 しかしながら、最近におけるわが国林業をめぐる諸情勢はきわめて厳しいものがあり、木材需要の伸び悩み、外材の進出、経営コストの増大等により、林業の収益性は著しく悪化しております。このため、伐採、造林その他の林業生産活動は著しく停滞し、また、国内産木材の生産・流通を担う事業体も弱体化しつつあります。これらの動きが今後とも続けば、国内産木材の供給力はさらに低下し、将来にわたる森林資源の整備充実に支障が生ずるばかりでなく、国土保全等の公益的機能の低下すら懸念されるところであります。
 このため、当分の間、林業経営の改善及び国内産木材の生産・流通の合理化を図るために必要な資金の融通に関する特例措置を講ずることにより、林業並びに国内産木材の製造業及び卸売業の健全な発展に資することとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 まず第一は、基本方針の策定であります。農林水産大臣は、林業経営の改善及び国内産木材の生産・流通の合理化に関する事項についての基本方針を定めなければならないものといたしております。
 第二は、林業経営の改善のための措置であります。林業経営改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた者に対して農林漁業金融公庫が造林資金または林道資金の貸し付けを行う場合における貸付金の償還期限及び据え置き期間の特例について定めております。
 第三は、国内産木材の生産・流通の合理化のための措置であります。国内産木材の生産・流通の合理化を図るための計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた者がその計画に従って合理化を推進するのに必要な資金の調達を円滑にするための措置を講ずることといたしております。
 このほか、国内産木材の流通の合理化を図るための計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた木材卸売業者等がその計画に従って合理化を推進するのに必要な資金を借り入れることにより負担する債務について、林業信用基金は、保証を行うことができることといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(久次米健太郎君) 補足説明を聴取いたします。藍原林野庁長官。
#5
○政府委員(藍原義邦君) 林業等振興資金融通暫定措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提案いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明におきまして申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
 第一に、農林水産大臣が定める基本方針についてでありますが、これは第二条に規定いたしております。基本方針におきましては、林業の発展と国内産木材の製造業及び卸売業の発展が密接に関連していることにかんがみ、造林から木材の生産及び流通に至る各段階の合理化を一体的に推進することを旨として、定めることといたしております。
 なお、農林水産大臣は、基本方針を定めようとするときは、林政審議会の意見を聞かなければならないことといたしております。
 第二に、林業経営改善のための措置についてでありますが、これは第三条及び第四条に規定いたしております。まず、林業を営む者は、林業経営を改善するためにとるべき措置等を記載した林業経営改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受けることができることといたしております。
 この認定を受けた者に対して、農林漁業金融公庫が造林資金または林道資金の貸し付けを行う場合における貸付金の償還期限及び据え置き期間は、農林漁業金融公庫法の規定にかかわらず、造林資金にあってはそれぞれ四十五年以内及び二十五年以内において、林道資金にあってはそれぞれ二十五年以内及び七年以内において農林漁業金融公庫が定めるものといたしております。
 第三に、国内産木材の生産・流通の合理化のための措置についてでありますが、これは第五条及び第六条に規定いたしております。まず、都道府県知事は、森林組合または素材生産業者、木材製造業者、木材卸売業者もしくは木材市場開設者の組織する団体等の申請に基づき、これらの者の作成する国内産木材の生産・流通の合理化を図るためのとるべき措置等を記載した合理化計画の認定をすることができることといたしております。
 この認定を受けた者が国内産木材の生産・流通の合理化を図るためにとるべき措置を実施するのに必要な資金を調達する場合にこれを円滑にするために必要な資金の供給の事業を行う都道府県に対し、林業信用基金は、当該事業に必要な資金を貸し付けることができることといたしております。
 また、林業信用基金は、林業信用基金に出資している森林組合、木材卸売業者等で合理化計画の認定を受けたものが、国内産木材の生産・流通の合理化を図るためにとるべき措置を実施するのに必要な資金を融資機関から借り入れることにより負担する債務を保証することができることといたしております。
 第四に、林業信用基金の業務の特例に伴う所要の規定の整備についてでありますが、これは第七条に規定いたしております。すなわち、都道府県に対する資金の貸し付けの業務についての区分経理、都道府県に対する資金の貸し付けに必要な資金の一部に充てるための長期借入金及びこれに係る債務についての政府保証並びに都道府県に対する資金の貸し付けの業務に要する経費の一部補助に関する規定を設けることといたしております。
 このほか、林業信用基金かち資金の貸し付けを受けて事業を行う都道府県は、その経理を林業改善資金助成法の規定により設置する特別会計においてあわせて行うことができることといたしております。
 最後に、この法律は、公布の日から施行することといたしております。
 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。
#6
○委員長(久次米健太郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○村沢牧君 今回提案された法案は、林業経営の改善と国産材の振興を目的とする資金融通法でありますが、こうした法律の必要性は認めるものではありますけれども、現在、林業をめぐる問題が非常に多面的でありますから、他の林業施策と総合的、積極的に進めて、金融措置はこれを補完するものとして私は考えなければならないというふうに思うんであります。
 国内林業生産活動を活発に進めていくためには、造林だとか林道のような公共事業をさらに積極的に伸ばす。されには、山村振興事業だとか、また林業の担い手対策、流通対策等についてもきめ細かな施策を行って、それをやりやすくするのがこの金融措置の拡大であろうというふうに思いますけれども、この法律の林業振興に対する位置づけについて、まず考え方をお聞きをしたいと思います。
#8
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御指摘のように、非常に林業を取り巻く情勢は厳しいものがあるわけでございます。何といっても、五年とか十年とかで採算のとれるものではございません。三十年、五十年、六十年と、ものによってはもっとかかるということでございますから、当世なかなか林業に対して、積極的に山をつくっていこうという意欲がややもすると欠けがちになるわけであります。
 したがいまして、われわれといたしましては、できるだけ林業経営者に安心して木が植えられるような助成策を図っていこうというために、造林については四十五年というような非常に長期低利の資金を設けるというようなことを考えたり、あるいは基盤整備のための林道の融資期間を非常に長くするというような、二十五年にもするというような画期的なことを考えたわけであります。それによりまして、やはりこの林業の基盤整備というものを一層促進をさしていこう。
 また、もう一つは、国内材というものについて外材に押されぎみだということでは困るわけでありますから、国内材を取り扱う業者に対して何らかのメリットがあるようなことを考えて、安易に何でも安ければ外材がいいのだということだけでなくて、国内材には国内材のよさがあるわけでございますから、そういうものもよく見ていただいて、それを生産する国内材関係のいろんな業界の方々に特別な融資制度を実行して国内材の流通部門というものを強化をしていこう、それによって、ひいては流通面から林業の振興というものを図っていこうというのが、この法案の主たる目的でございます。
 以上でございます。
#9
○村沢牧君 林業振興は、資金対策を重点に置いた措置であっては発展をしてこないというふうに思うんですけれども、そのことにつきましては、これから逐次質問をしてまいります。
 そこで、五十三年度の林業白書は、先ほど大臣の説明にもありましたように、近年、林産生産活動は停滞の一途をたどっておって、このまま続くならば、国土の保全だとか水資源の涵養等の機能が著しく低下をし、山村地域社会の衰退が一層進んでくるということを明らかにしておるわけであります。林業の危機はいまに始まったことではなくて、ここ数年来言われているわけでありますけれども、一向にこの長い暗いトンネルから抜け切ることができないわけであります。このように、林業生産活動が停滞をしている原因は一体何であるというようにお考えになっていらっしゃるのか。
 と同時に、わが国の林業を振興さしていくための基本的な考え方について、見解を明らかにしてもらいたいというふうに思います。
#10
○国務大臣(渡辺美智雄君) 林業生産活動の停滞の原因でございますが、これもいろいろあるわけであります。戦時中かなりの乱伐を実はいたしてしまった。それで、戦後いろいろと造林ということにかなり力を入れてきたのですが、戦後の造林地がなお育成過程にあって全部伐採できるというような状況まで育っていないというような資源の状況、これらも林業の振興という点においていま一息というところにある。
 第二番目は、林道等の生産基盤というものが、農業などよりもやや立ちおくれの状況にある。これも率直に認めなけりゃならない。
 それから、林業生産の担い手というものが老齢化をする、過疎化をする、労働力不足になるというような点で、ここにも一つの問題点がございます。
 第四番目は、建築様式の変化等もございまして、木材需要というものについて鉄筋、プレハブ、そういうものがかなり普及した点が、木材の需要に影響しておったということも事実でございます。
 第五番目は、外材の進出でございます。特に、最近になりまして円高によって輸入の条件が有利になったということもあって、急激な外材需要が出て、それが値段の点からも量の面からも国産材を圧迫しておるということもございます。
 第六番目には、林業の経営経費が人件費の増大などもあって非常に増大をしてきた、このことが林業の収益性を上回るというようなことで、どうも林業は即効性的にもうかる仕事じゃない。一方、物価、賃金の値上がりの方が非常に急激なスピードで伸びておるというようなことも、林業に対する意欲が薄らいだという大きな原因になっておるのじゃないかというように考えておるわけであります。
 したがいまして、これらの原因というものをしっかり見詰めて、それに対する適切なできる限りの手を打っていけば、これはおのずから振興策になるということでございます。
 言うまでもなく、木材の供給というものは非常に国民生活上重要でございますが、それと同時に、やはり森林をつくっていくということは国土の保全、水資源の涵養というような公益的な機能というものにとっても、非常にこれは国民経済に重大な影響を持っておるわけでございますから、何といたしましても、林業の振興というものを今後われわれはおろそかにすることはできない。このために、基本的には、五十四年度におきましても林業生産活動の活発化と国産材供給の円滑化というものを図るための金融措置というものを充実をいたし、この法案もその一環として出されておるわけであります。また、森林総合整備事業の創設などの林業生産基盤の促進ということも、大きな柱として取り上げていかなければなりません。また、需給動向の的確なる把握、需給動向の情報の伝達、それから外材輸入の適正化の行政指導、こういうようなものをやって木材の需給のバランスをとらせ、ひいては価格の安定を図っていくということも振興策として大きな柱としなければなりません。
 次には、林業構造改善事業の充実と山村生活環境整備もしなければならないし、また林業の後継者、担い手の対策というものを強化をしていかなければなりません。これらにつきましては、いろいろな融資の問題を初め、農村、山村におけるいろんな文化的な施設の供与あるいは税金問題もありましょうし、労務対策や労働者の厚生関係のこと、こういうものも総合的にあわせて、要するに後継者とか労務者の確保、こういうものをやっぱり進めていかなければならない。
 なお、森林の資源の基本計画と林産物需給の長期見通しというものにつきましても、かなり違いが出てきておりますから、現実に合わせてこれらの改定を行って、そうして計画的な森林の振興、木材産業の育成というものをやっていきたい。こういうことを柱にして、今後、林業の振興というものに努めてまいりたいと考えておるわけであります。
#11
○村沢牧君 いま大臣から、林業が振興しないという原因について各方面にわたって答弁があったわけでありますが、それらの項目についてはだんだん指摘をし質問してまいりたいというふうに思いますが、その前に私は、林業を取り巻く現状をさらに掘り下げて考え、見通しについてこれからまずお聞きをしていきたいというふうに思うんであります。
 そこで、いま林業の生産活動が振興しない原因の一つといたしまして、木材需要の伸び悩みということがあったわけであります。
 まず、お聞きをいたしますが、木材需要の見通しについてであります。五十二年は、住宅建設や紙・パルプの生産が前年とほぼ同じ水準にとどまった。したがって、木材の需要は前年と比べて一%減の一億二百九十万立米となったということを白書は報告しておるわけであります。政府は、景気対策といたしまして、この二、三年、公共事業に重点を置いて、その中でも特に住宅建設を目玉にして予算を拡大してきたわけでありますけれども、結果においては、住宅も期待したほど伸びておりませんし、また、したがって木材の需要もふえておらない。大臣、このことは、公共事業重点のいままでの景気対策の見通しの甘さによるものではないか、あるいは公共事業中心の景気対策では期待したような成果を上げることができなかったんではないか。国務大臣としての大臣の見解を、ひとつこの際求めたいと思います。
#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) 公共事業の振興は、公共事業なりに景気に対しては私は大きな力になってきたと思います。公共事業でいろいろな公庫、公団等の住宅の建設、あるいは個人の住宅の建設、また学校等の建設というようなこともやっておるわけでありますから、それはそれなりに政府が需要の喚起という点で大きな力になっておることと存じますが、先ほども申し上げましたとおり、建築方式というものが昔のようにほとんど大部分が木材でつくられるということでなくて、最近は鉄筋とかプレハブとか、そういうものが非常に多くなってきたし、それからこういうような、何といいますか、合板でも石油の壁ができちゃったり、石油の板ができちゃったりという問題もあるし、外材の利用が非常に広がったというようなことのために、公共事業をやってはおるのだけれども、そのわりに木材需要というものに直接全部が結びつかないという点もございます。
 したがって、私は、公共事業が景気刺激策にマイナスであったことは絶対にあり得ないし、それなりの効果をもたらしてきたということは言えるのではないだろうか。ただ、いま言ったような条件があるから、昔のうちを建てるのといまのうちを建てるのとでは木材を使う数量が違うという点は言えると思います。
#13
○村沢牧君 住宅の建設の構造が大分違ってきて、木材の需要が減ってくる傾向にあることは事実であります。そこで、最近、若干建築等がふえる傾向にあるとしても、木材の需要はそれほど期待ができないというふうに思うんでありますけれども、そこで住宅も含めて、紙・パルプ等、木材需要の今後の見通しについて、ひとつこの際聞いておきたいわけです。
#14
○政府委員(藍原義邦君) 木材需要の見通しでございますが、これにつきましては、先ほど大臣からお話ございましたように、需給の見通しを四十八年に閣議決定をいたしましてつくったわけでございますけれども、この長期の需給見通しによりますと、五十六年度の総需要量は大体一億三千四百万立米くらいになるであろうというふうに推計いたしましたし、それから六十六年度には約一億四千七百万立方メートルになるというふうに見通しておりました。ところが、わが国の経済成長が、たまたまその見通しを策定いたしました年から大きな変化があったわけでございまして、そういう時期になった関係上、非常にこの見通しと現実の現在の状況とは乖離が生じております。
 そういう点で、ただいま林野庁といたしましても、林政審議会の中にこの基本計画と需給の見通しを立てるための基本計画部会を設定いたしまして、本年中にもこの作業を完了するような形で現在作業を進めておるわけでございまして、こういう観点から申し上げますと、これからの木材需給がどうなっていくかというただいまも御指摘ございましたけれども、現在作業中でいま何とも申し上げられませんけれども、先の見通しを立てるという点におきましては非常にむずかしい問題もあるわけでございますが、慎重に検討いたしまして、本年中にもその作業を完了していきたいというふうに考えておる次第でございます。
 特に、そういう中で、いまも御指摘になりました国産材等を中心にいたしましたこれからの需要の拡大でございますけれども、そういう観点から見まして、木材によります住宅の建設ということになりますと、御存じの日本独特の在来工法の住宅がございます。そういうものをやはり近代的なものにあるいは改良し、そうしてそういうものを普及していくということ、そのためのいろいろ部材の改良というような問題を含めました住宅部材流通消費改善対策、こういうものを進めていかなければいけないというふうに考えております。
 それから、御存じのように、木材技術センターというものを現在建設省と共管でつくっておりますけれども、そういう中で住宅木材、用材等の技術開発、こういうものを進めていくということ、それから間伐がこれから相当出てくるわけでございますが、そういう小径木を利用いたしまして集成加工する、そういう技術に対してのこれからの開発、そういうものに対するいろいろな事業、それから間伐材を利用いたしました製品あるいは小径木丸太の需要拡大、こういうもののためのいろいろなPRということ、こういうものと一貫いたしまして、やはり国産材のいろいろな面での用途の利用開発、こういうものの研究開発、こういうものをこれから進める中におきまして、これからの木材の需要というものをやはり活発化していかなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
#15
○村沢牧君 木材の需要の見通しについての細かいことについては、後ほど聞いてまいります。
 そこで、五十二年度の木材供給は、外材が六六・四%を占めて、国産材は三三・六%で、自給率は過去最低のものとなったわけでありますが、五十三年度は一体どういう方向になりますか。
 と同時に、これもまた将来の見通しになるわけでありますけれども、林産物の長期見通しによって、この見通しでは五十六年、六十六年、さらには九十六年というように輸入量の比率をここにあらわしているんですけれども、それはどういう傾向になってくるんですか。
#16
○政府委員(藍原義邦君) ただいま御指摘になりました現在私どもが立てております見通しによりますと、五十六年は大体三七%、六十六年は四〇%というふうな木材自給率を見通しております。それから、森林資源が大体最良の状況になるというふうに見込まれております九十六年でございますが、この時点では六二%まで自給率が向上するというふうに見込んでおるわけでございます。これに対しまして、御指摘の五十三年度の自給率の実績でございますが、大体三二%ぐらいになるであろうというふうに見込まれております。これは、いま申し上げました長期の見通しと比較いたしますと、非常に下回っておるということになるわけでございます。
#17
○村沢牧君 林野庁長官、私はこの表による五十六年度に自給率が三七%になるとか、六十六年に四〇%になるという、この表は皆さんがあらわしているから、そのことを聞いたわけじゃないです。いまお話がありましたように、五十三年度は三二%の自給率になる、五十二年度よりさらに落ち込むわけですね。こういう傾向から推測をして、五十六年には一体どういうふうになるだろうか、六十六年にはどういうふうになるだろうか、この見通しどおりでいいのかどうか、その辺についてさらに聞きたいんです。
#18
○政府委員(藍原義邦君) これから先の五十六年あるいは六十六年の問題でございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、ただいま林政審議会の中に部会をつくっていただきまして、その部会で鋭意検討を進めておるわけでございまして、いまの時点でどのくらいになるかということは、非常に申しわけございませんけれども、推計はできないわけでございます。
 ただ、私ども現在の日本の森林の状況を見ますと、日本の森林そのものの供給能力と申しますか、そういうものは、将来にわたってこの造林地が適確に生育すれば、自給率は向上する方向にあるというふうには言えると思います。ただ、これはやはりこれからの外材との関連、その他労働力の問題、いろいろな因子を含めまして検討しなければいけませんので、一概に森林のそういう能力自身があるからこういうふうになるのだということだけではなくて、総合的ないろいろな問題を検討いたしまして、今後その判断を詰めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#19
○村沢牧君 いま長官から答弁のありましたようなことは、私もあえて質問しなくてもわかるんですけれども、いま長官は、林政審議会に何か小委員会を設けて検討してもらっておるというような答弁であったわけでありますけれども、そういう見通しをつくるについても、それから、これからどんなふうな計画をつくっていくかということについても、あなたたちは林政審議会に一切お任せなんですか。林政審議会に出すもとの資料をつくっているのは、やっぱりあなたたちじゃないんですか。その辺はどうなんですか。そんなことがわからなくて、林政審議会に全部かけているんですか。
#20
○政府委員(藍原義邦君) 御指摘のとおり、林政審議会には林野庁の資料、データを提出いたしまして御審議をいただくわけでございますが、私が申し上げましたのは、したがいまして現在の森林の賦存状況、たとえばただいま九百万ヘクタール強の造林地がございます。そういうものが今後二十年ぐらいたちますと伐期に達するわけでございますから、そういう観点から見れば、自給率は向上の方向にあるということは言い得るということを申し上げたわけでございます。
 ただ、それには、現在の木材の国際状況等を見ますと、外材の状況、世界の木材資源の状況、そういうものも考えなきゃいけませんし、これから日本の林業に関係いたします労働力の問題、あるいは基盤でございます林道のこれからの開設状況、そういういろいろなものを因子といたしまして検討し、そういうものを総合判断した上で、自給率がどのくらいになってくるであろうかということを推計するのが当然であろうというふうに考えておりまして、したがいまして現時点でそういうものの個々のデータはそれぞれございますけれども、総合してどうなっていくかということについては、これからの検討の中にまつということにならざるを得ないのではなかろうかというふうに考えております。
#21
○村沢牧君 どうもはっきりしませんが、また後ほど関連して質問しますから少し進みますけれども、国内の林業が衰退をしておるということは、外材との関係を無視して考えることはできないというふうに思うんあります。外材の輸入が増加をすることが国内林業の生産活動を停滞させておることは、否めない事実だというふうに思うんです。また一面には、国産材が不足をするから外材を輸入するんだということを言われておるわけでありますけれども、しかし、従来は円高による商社の思惑や、あるいは産地国からの輸入攻勢、関税引き下げ、これらが輸入に拍車をかけていることも事実であるわけであります。政府はその秩序ある適切な輸入を図っていくということを常に言っておるわけでありますけれども、外材輸入についてどういう措置をとってきたか、またこれからとろうとするんですか。
#22
○政府委員(藍原義邦君) 外材につきましては、御存じのとおり、戦後外材が入らない時代は国産材を中心に日本の木材需要を賄ったわけでございます。特にその時点におきましては、まだ燃料も、まき、木炭というものが中心でございましたし、日本の国産の木材が建築材を含めパルプ材あるいは燃料材として使用されたわけでございます。それが、二十年の後半から三十年にかけまして国内の需要に追いつかないということで、何とかしなければいけないということから外材を入れるという方向になったわけでございまして、国産材の供給が国内の需要に見合うのであれば、その時点でもそういう事態はなかったのだろうと思いますが、日本の経済の成長に比例いたしまして木材の需要が非常に急激に伸び、その対応といたしまして外材を入れたわけでございます。
 しかしながら、その外材の輸入が年々ふえてまいりまして、需要も年々大きくなってきたということで、国産材の生産とそれから外材の輸入とが、ある意味では三十年代、四十年代の前半等におきましてはバランスはとっておったというふうにわれわれ考えておりますが、その後外材の輸入量がだんだんふえてまいり、逆にそのために国産材が圧迫されるという形も出てきたわけでございますが、外材そのものの価格が国産材の杉、ヒノキに比べまして価格が安いということ、それから均一な規格のものが大量に入るというような取引上のいろいろな有利な条件、いろいろそういう問題がございまして、外材がよけい入ってまいったために国産材が圧迫されるという状況が最近出てきたわけでございます。
 そういう観点から、林野庁といたしましても、従前からいろいろな協議会の場を通じまして関係業界を指導してきたわけでございますけれども、特に昨年の十月以降、四半期単位の輸入先別の見通しをつくりまして、これを公表するということをいたしております。これはアメリカ方面の北米材、それから南洋の材あるいはソ連から参ります北洋材、こういうものに分類いたしまして、四半期別の六カ月先の見通しをつくりまして、それを公表するという形を現在とっております。これを十月から進めまして、この需給見通しを作成するに当たりましては、関係業界の方々、関係官庁の方々、それから学識経験者等々入っていただいて、意見を交換の上でこれをつくっていくという形の中で輸入の安定を図るという方向をとっておるわけでございまして、さらに五十四年度におきましては、こういうものとあわせまして、やはりそのためには非常に的確な情報をとることが必要であろうというふうに考えております。そういう意味から、木材備蓄機構が現在やっております情報活動をさらに抜本的に拡充する、強化するということを現在考えておるところでございます。
#23
○村沢牧君 外材の輸入について、今日まで需給協議会をつくって四半期ごとの見通しをつけて公表するといういまの答弁であったわけでありますけれども、なるほど需給協議会をつくって調整はしておりますが、節度のある輸入をするためには、政府のかなり強い行政指導が私は必要とされるというように思うんであります。最近の外材の状況を見ると、特に米材の期末在庫について、これは農林水産省の資料でありますけれども、ことしの一月から三月までは期末在庫が二・六カ月、四月から六月までの見通しが二・九カ月、七月から九月までが二・六カ月ということになっているわけですね。それから、製品も一・九カ月から二カ月ということになっているわけです。これは過去に比べて大変ふえているわけです。反面、北洋材、南洋材等は最近品不足のような形になってきておるわけですけれども、このような見通しと実績、これはいまお話がありました四半期別に立てた見通しとどういう状況になっておるんですか。見通しどおりになっているんですか。
 それと同時に、いわゆる適正な在庫というのはどのくらいあればいいというふうにお考えになっていますか。
#24
○説明員(佐竹五六君) 私どもがこの三月に立てました需給見通しの在庫見通しは、御指摘のとおりでございます。前期に比べまして、若干在庫量が多くなっている傾向はございます。これは、昨年末来の米材価格の高騰等が反映してきたものというふうに想定されるわけでございます。したがいまして、私ども中央協議会の場その他の場を通しまして、この輸入量につきましては、国内需要と見合ったような形で輸入するような行政指導を行っているところでございます。
#25
○村沢牧君 あなたたちが四半期ごとに見通しを立てて公表するというお話があったんですけれども、それと比べて実績はどうなっているんだと、これでいいのか、こういう在庫が必要なのか、その辺について私は聞いているんですよ。
#26
○説明員(佐竹五六君) 適正在庫につきましては、大体一・五カ月から二カ月程度が適正であろうというふうに判断しておるわけでございまして、それからいたしますと、五十四年の四−六あるいは七−九の数字は若干多いわけでございます。それから、南方材につきましては大体四百万立米程度の港頭在庫があることが適正であろうと、かように判断しているわけでございます。
#27
○村沢牧君 適正在庫が一・五カ月から二カ月程度がいいということは、あなたたちが立てた協議会のいわゆる目標と現実は狂っているということなんですね。それに対して、狂わないような行政指導というものはできないんですか。ただ協議会だけつくって目標だけ立てたって、そのところでは指導できなければ何にもならないわけですね。その辺、農林水産省というのは、林野庁は一体どういう指導をする力を持っているんですか。
#28
○政府委員(藍原義邦君) ただいま林政部長から御説明申し上げましたとおり、確かに在庫につきましては少々多過ぎるという数字が出ております。私どもは業界その他から、これから三カ月先の業界の輸入の状況その他を聞きまして、チェックしてその数字を出しておるわけでございますが、私どもそういうものが適正な数字に対して過剰になり、あるいは過小になるという状況の場合には、こういうものについて適正な強力な行政指導をいたしまして、できるだけこういうものが適正な数字になるような指導をしていくつもりでおります。
 また今回も、これもいま御説明いたしましたのは四月から六月の数字でございますけれども、そういうかっこうで数字が出たわけでございますが、今後これらのものを見ながら、私どもといたしましてもこの協議会の中で全般的な調整をするような指導をいたしますし、また、最悪の場合には、個々の業界からそれぞれの輸入状況等もとっておりますので、そういう業界に対しての指導を私どもも強力な指導をしていく姿勢をとって、この調整を十分進めていく、適正なものにしていくということが大きなねらいでございまして、これは昨年の十月から始めまして、十月からということになりますと、四月−六月というのは第三回目という形になりますので、必ずしもいまのところ先生御指摘のような完全なものにはまだなっておりませんけれども、これを中心にいたしまして、これからの輸入についての需給のアンバラあるいは安定的な輸入というものに対する指導を強めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#29
○村沢牧君 林野庁長官、せっかく需給協議会をつくったんですから、この協議会を指導していくつもりであるというようなことやら、そういう姿勢を持っているということでなくて、あなたたちがやっぱりもっと強力な指導というか、あるいは措置というか、そのことがとれないんですか。
  〔委員長退席、理事大島友治君着席〕
ということは、これだけ在庫が多くなってきておるということは、せっかく国産材振興のための資金融通法を出しても、外材がどんどん入ってくるということになれば、これはまた法の趣旨も生かされてこないわけですし、また資金も使えないんですが、国産材を振興するのに現在のような外材の輸入状況でよろしいのかどうか、その基本的な考え方はどうなんですか。
#30
○政府委員(藍原義邦君) いまも御説明申し上げましたけれども、これは十月から始めました関係上、たとえばいま御説明申し上げました四月−六月、この辺はそれぞれの輸入業界の方におきましては、すでに契約を大体してしまっている数字が出てきておるわけでございます。今後こういうものをもとにいたしまして、これから先のあり方については十分チェックをしながら、契約をします場合、先の契約については多過ぎるではないかというチェックをしながら、私どもとしても適正な在庫になるように、適正な輸入になるような指導をし、そして需給の見通しを立てていきたいというふうに考えておりますが、この四月−六月につきましては、ちょうど始めました後の六カ月目ぐらいでございまして、すでにそれぞれの業界におきましては契約の済んでしまった数字が出たということでこういう数字が出ておりますけれども、今後はこの辺については、十分留意しながら需給の調整を図っていきたいというふうに考えております。
#31
○村沢牧君 その調整がどのようにできるのか、あるいはまた、どういう形に今後の外材の輸入がなるのかということについては私も疑問に思うわけですけれども、そこでさらにお伺いしますが、昨年来からことしにかけての東京ラウンド、これの仮調印あるいは関税の引き下げ、さらには最近の大平総理の訪米に伴って、また東京サミットを前にして関税引き下げの前倒し、こうしたことが木材の輸入に対して影響はないのかどうか、どういうふうになるというふうに判断しますか。
#32
○政府委員(藍原義邦君) 東京ラウンドの問題につきましては、MTN交渉におきまして、先生方十分御承知のとおり、米国あるいはカナダ、ニュージーランド等々から、あるいは東南アジア等から大幅な関税引き下げの問題がございまして、農林水産物の中で木材につきましてはすでに大半の物が関税ゼロになっております。ごくわずか製材品の松類の一部につきまして関税がかかっておるわけでございますけれども、それに対しても関税を下げろという声があったわけでございますが、私どもはそういう点につきまして、日本全体の木材のわずか、ささやかなものではございますけれども、深刻な影響を受けることのないような対応をしようということで努力したわけでございます。
 そういう中で、したがいまして製材品につきましては、実施時期をずっと繰り下げるというような形で関税の引き下げを考えておりますし、木材につきましては一応一九八二年から実施するという形で、すぐには実施しないという形を……。失礼いたしました。一九八四年でございます。八年間のうちの半分でございます。半分先から実施するという形をとっておりまして、その間にさらにいろいろな施策によりまして国内の林産業あるいは林業の振興を図っていくという、体質の強化というものを図ってまいりたいということを考えておる次第でございます。
#33
○村沢牧君 最近の経済情勢、先ほど申しましたように、東京ラウンドにしても、あるいはサミットにいたしましても、こういう外交、経済の関係の中で、木材等についてはこれ以上輸入がふえてくるような心配はないということなんですか。
#34
○政府委員(藍原義邦君) ただいまも申し上げましたように、関税を下げろという裏には、やはり木材をもっと輸入しろと、日本に輸出したいという要望が非常に強いということは事実でございます。したがいまして、私どもといたしましても、ただいま御審議願っております法案も、そういう意味で外材に対応する国産材の体質の強化ということをねらったわけでございますし、そういう観点かち、世界の趨勢といたしまして貿易そのものが自由化されるという趨勢でもございます。そういう中で、やはり日本の林業なり林産業が体質を強化してそういうものの競争力をつけるということが、これからの林業なり林産業を進める上での中心であろうというふうに私は考えておりますし、今後もそういう考え方で対応してまいりたいと思っております。
#35
○村沢牧君 外材に依存をしておるわが国の木材供給でありますが、しかし、世界的に見れば、森林資源は開発可能の地域からだんだん食いつぶして、日本に輸出をしている地域においても、将来素材不足の時代が来るんではないかということも一部言われておるわけですね。したがって、将来のことを思えば、外材輸入によってわが国の木材供給を埋め合わせるという、こういう安易な考え方はとるべきでないというふうに思うわけですね。したがって、国産材を振興していくという皆さんの趣旨であるわけでありますけれども、
  〔理事大島友治君退席、委員長着席〕
一体、世界の木材不足がわが国にどういう影響を及ぼしてくるのか。特に最近、ことしの林業白書はこのことを非常に強調しているわけですね。
 そのことと、またわが国では二十年後には戦後造林をした造林木が伐期に達してくる。そうなれば、木材の供給あるいは林業経営は現状より安定をするのではないかということも言われているわけでありますけれども、その見通しはどうなんですか。
#36
○政府委員(藍原義邦君) 御指摘になりましたように、ことしの白書におきましてもその辺に触れたわけでございますが、世界の現在の木材の資源賦存状況を見ますと、まず東南アジアでございますが、東南アジアにつきましては、日本が冒頭東南アジアから輸入しておりましたフィリピンにつきましてはすでに材がなくなる、そしてインドネシアあるいはマレーシア等々から輸入しておる状況でございまして、東南アジアの材につきましてもそう多くは期待できない。また一方、東南アジアについては、丸太輸出ということから製品輸出というふうな国全体の施策もございます。そういう観点から見ますと、いままでのような木材輸入、丸太の輸入ということはそう将来長く続くものではなかろうというふうに判断されますし、それからアメリカの材でございますが、米材につきましても、すでに大径木材についてはあと二十年ぐらいしかなかろう、それから先は二次林的な小径木になるのではなかろうかという推計がされております。さらにソ連材でございますが、これについてもだんだん奥地化されるということで搬出が非常にむずかしい。樹種的に見ましても、カラマツ等が中心になってくるのではなかろうかという推計がされております。
 こういう観点から見ますと、大体二十世紀の終わりになりますと、世界的にも木材の需要量というのはふえる。それに引きかえまして、供給量がそう十分でないという意見が最近大宗を占めておるわけでございまして、わが国におきましても現在大量の輸入はいたしておりますけれども、将来ともこういう形で木材輸入を中心にした木材需給を考えるべきではないということは、先生の御指摘のとおりだろうと思います。
 そういう観点から、私どもも、現在、国内の林業を推進して国内の木材生産がさらに増大される方途をとっておるわけでございますが、逆に、現在外材が多いために国産材関連の産業が衰微いたしております。この衰微がこのまま続きますと、二十年先には国産材――山には木があっても、これを製材して用材としてやれる人がいなくなったらまた大問題でございます。やはりそういう意味から、現在まだ幼齢林が多うございますから、国内の需要を十分満たすだけの生産は国内からできませんけれども、この間にやはり国産材を中心にいたします林産業あるいは林業を推進しておくことによりまして、将来期待できるであろう国内の森林からの木材生産に対応できるものを、私どもとしても考えておかなければいけないというふうに考えております。
 そういう観点から見ますと、日本の森林の現在の造林地を育てていけば、二十年先には相当量国内で賄い得る可能性はできるわけでございますが、
  〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕
全部が国内というわけにはいかないと思いますけれども、相当な量を賄える能力は山には蓄積されるというふうに考えております。
#37
○村沢牧君 私は、いままで木材の需要と供給、外材との関係あるいは国内森林資源の整備などについて現状と見通しを聞いてきたわけですけれども、いずれも林業を取り巻く情勢は大変厳しいものがあるわけであります。政府は、先ほど来お話がありますように、昭和四十八年二月「森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」を発表いたしまして、これを指針として今日まで森林計画等を立ててきたわけなんです。ところが、お聞きをしてまいりますと、この基本計画並びに見通しも、基本的な部分で計画と実績あるいはその見通しが大変違ってきておるというふうに思うわけです。この実態は一体どうなんですか。
 そこで、具体的には、この基本計画の中で森林資源整備の目標数字を掲げてあります。さらには木材生産の見通し、目標ですね、これも数字的にあらわしております。先ほど話の出ました林産物需要供給の推移表ですね、これを数字をもって示しておるのですけれども、これと照らし合わせてみて、どのように違いが生じ将来違ってくるであろうというふうに判断をされますか。ことしの林業白書も、現在のこういう計画を再検討して、基本的な考え方と長期展望を明らかにして、林業関係者の指針として機能させることが必要だということを、皆さん自身が指摘をしておるわけですね。
 そこで、この基本計画、長期見通しの見直し作業はどのように進んでいるんですか。これはいつ改定をするんですか。あわせて答弁を願います。
#38
○政府委員(藍原義邦君) ただいま御指摘になりましたように、確かに現在計画をしております基本計画あるいは長期の需給見通し、こういうものは現実とは大分乖離が出ております。その原因は、これを閣議決定いたしましたのは昭和四十八年でございますけれども、そのときに策定されております経済社会基本計画の経済成長、こういうものを前提としてこの計画なり見通しは立てたわけでございます。その後のわが国の経済成長が非常に変化したために、それに関連してこれも変わってきたわけでございます。
 そういう点で、私どもこれを現在、先ほども御説明いたしましたように改定作業に入っておるわけでございますが、やはり林業のこれからの行政推進の中心になります基本的なものは、この基本計画なり長期の見通しだろうと思います。そういう観点から、できるだけ早くこれを改定いたしまして、林業関係者の方々のこれからの林業推進のための指針にしていただかなければいけないというふうに考えておりますが、何せ非常にむずかしい問題もございますので、できるだけ早くということで考えておりまして、現時点では、本年中には何とかこの作業を終えたいというふうに考えておる次第でございます。
#39
○村沢牧君 先ほど私は、木材の需要と供給、外材の占める率等について質問をして、なお明快な答弁が得られないので保留をして、いま見通しについてまた聞いておるのですけれども、この白書でも、白書は皆さんつくったわけですね。ほかの人がつくってあなたたちに指摘をしているんじゃないんです。皆さんがつくった白書の中においても、ずいぶんこれは現状と乖離をしているんだということを言っているのです。どのように乖離をしているのですか。これはすべて、このことも林政審議会にお任せになるんですか。その全部数字を言えとは言わないけれども、どういうふうに違っているのか、こういうふうに違っているから改定をしなければならないというその内容についてどうですか。
#40
○政府委員(藍原義邦君) 乖離の数字を申し上げますと、たとえば木材需要の実績でございますけれども、五十二年現在では見通しを一六%ほど下回っております。それから国内生産量について見ますと、五十二年現在で二九%ほど下回っておるような状況でございます。
#41
○村沢牧君 それだけですか。
#42
○政府委員(藍原義邦君) いま二つの大きな点を申し上げたわけでございますが、たとえば需要につきまして、これを製材用あるいはパルプ用その他で見ますと、それぞれ製材用につきましても一五・六%、それからパルプ用材につきましては一一%、それから合板用材についても二六%というような形でそれぞれ下がっております。それから供給の面でも、先ほど申し上げましたように、国内供給は二九%、そういう形で、それぞれどの部門を見ましても、需要供給とも五十二年の実績を見ましても下がっておるわけでございます。
#43
○村沢牧君 五十二年度の実績がどの項目を見ても下がっておるということは、将来においてもさらに乖離が生じてくると、このことを裏づけているというように思うんですけれども、したがって、この基本計画も長期見通しも改定をしなければならないということです。答弁によれば、本年度中に改定するということでありますけれども、この基本計画並びに長期見通しの改定によって、同時に全国森林計画だとか、あるいは森林施業計画だとか、国有林の経営基本計画などにこれは大きな影響を及ぼしてきて、これも改定しなければならないというように思いますが、その関連はどうなんですか。
#44
○政府委員(藍原義邦君) 当然、基本計画が改定になりましたら全国森林計画、それに従いまして地域森林計画等々、改定をする必要が出てまいるわけでございます。
#45
○村沢牧君 つまり、日本の林業の計画全部を改定しなければならないということになってくるわけですね。
 そこで、私はこの際指摘をしておきたいんですが、この基本計画も長期見通しも、単なるこの数字的なつじつまを合わせるだけでなくて、現在の林産生産の停滞傾向や、あるいは林業労働力の不足、山村経済の衰退等をただ受け身になってこれをとらえるだけでなくて、先ほど申しましたような世界的な木材供給を踏まえてわが国の森林資源をどういうふうに整備をしていくのか、あるいは地域林業をどういうふうに再編成をして、林業の振興と山村を発展をさせるための林業全体のこの見通しをすべきだというふうに思うんですよ。大臣、この基本計画もすべての計画も見通しを変えなきゃいけないんですけれども、林業全体を見直すと、受け身の態勢ではなくて、発展をさせる方向でやっていくということについてどうなんでしょうか。
#46
○国務大臣(渡辺美智雄君) 森林資源の基本計画を改定するに当たりましては、やはりその国土利用計画などの他の国の計画との関係も一つは考えなきゃならぬ、また造林、林道等の目標数値、進度の見直し、これもやっぱり私はやらなきゃいかぬと思います。そればかりでなくて、将来の木材需要の多様化、森林の公益的機能の確保に応じた森林施業計画の検討等すべての問題について、これは高度経済成長下でずっと来ていますから、それはやっぱり全体的な見直しが私はどうしても避けがたいと、こういうように思っております。
#47
○村沢牧君 すべての林業全体についての見直しをこの際すべきであるということを強く私は要請をしておきますが、そこで、今回提案をされたこの法律を見ると、その第二条に「農林水産大臣は、林業経営の改善並びに国内産木材の生産及び流通の合理化に関する事項についての基本方針を定めなければならない。」というふうに規定されておるんですね。この基本方針と、いままで申し上げてきました森林資源の基本計画、長期見通し、さらには、これに即して改定をされなければならない森林計画等は無縁のものではないというふうに思うんですが、この関係はどういうふうに理解していますか。
#48
○政府委員(藍原義邦君) 確かに先生御指摘のように、総合的に見ますと無縁のものではないというふうにわれわれ考えます。ただ、そのそれぞれの個々の性格といいますか、そういうものを見てまいりますと、いま御指摘になりました森林資源の基本計画によります計画というのは、これは森林法に基づきます先ほども御指摘になりました全国森林計画の上位計画という形で位置づけられるわけでございまして、森林の保続培養と森林生産力の増進を図るためのいわば全国的な視点に立っての森林整備の達成目標、こういうものを定めたもの、具体的に見通したものでございますが、今回の法律に書いてございます基本方針、これは個別経営的な視点に立ちまして、それぞれの林業あるいは林産業、こういう産業の経営改善あるいは合理化、こういうものに関する基本的な方針を示すものでございます。
 したがって、視点が、その辺に立ってみれば異にするものであるというふうにわれわれ考えておりますが、最終的にこれも両々相まちましてこれからの林業なり林産業というものが健全な発展をしなきゃいけないという、そういう総合的なマクロから見れば、先生御指摘のような関連性は十分持ち得るものであるというふうに考えております。
#49
○村沢牧君 個々の問題についての基本方針という説明もあったわけなんですけれども、しかし、これを見れば林業経営の改善、それから国産木材の合理化を図るという基本方針ですから、これは森林資源の基本計画とも、あるいは森林法による森林計画というものともきわめて密接な関連を持ってくると思うんですね。その密接な関連を持っておるこれらの計画が、見通し等も今年いっぱいで何とか改定をしたいというふうなお話、それに関連をして森林計画も改定をしなければならない。ところが、この法律は、公布の日からこれを施行するなんて書いてありますけれども、一体これはどういうことになってくるんですか。そんな計画は抜きにしても、この基本方針をつくっていくんですか。
#50
○国務大臣(渡辺美智雄君) いま林野庁長官からお話がありましたように、そのもろもろの国全体の長期見通しや森林計画というものはもうマクロな大きなものですね。で、この法律に書いてあるのは、これはその個々の経営体というような視点に立って、その地域なりその自分の経営についての基本方針、それからその林業の経営改善計画、そういうようなことを言っているので、これはもう身の回りのもののいろんな計画を言っておるわけであります。で、長期見通しは、国全体のこれは見通しでございます。
 ただ、これは衆議院でも言われたのですが、ここで基本計画だ、森林改善計画だ、その次に合理化計画だと、三つも四つも計画ばかりつくられちゃって、一般に金を借りる人は、むずかしくなっちゃって何が何だかわけがわからなくなっちゃうじゃないかという質問がありました。確かに額面どおり読めば、それはそういうような御疑問が出るのは当然なのです。当然なのですが、やはり四十五年というような非常に長期低利の金を貸すということでありますから、もうやたらに申し込まれましても、これもなかなか需要に追いつけるものでもないし、かなりそこで縛りをかけたといえば語弊がありますが、縛りをかけたわけですね。そこで、それほどむずかしいことが書いてあるわけじゃないのです、これは文章にするとむずかしいけれどね。そこで、その選別をして、ともかく一番いいようないい計画を持った個々の経営体に金を貸しましょうということでこれがつくられておるものであります。
#51
○村沢牧君 その法律の内容については後ほどまた質問してまいりますが、そこで、この林業生産活動が停滞をしているのは、林業者の経営意欲が非常に低まったということが指摘をされておるわけですね。この林業活動を活発にしていくためには、林業者みずからが努力をしていかなければならないことは当然でありますけれども、同時に、この林業に対して明るい展望を持たせなければならないというふうに思うんであります。そこで、現在の経営意欲が低まったという、この林業者の経営マインドですね、これについては林野庁はどのように把握をしており、それから明るい展望をどのようにして持たせようとしておるんですか。
#52
○政府委員(藍原義邦君) 先生御指摘の経営マインドということになると非常にむずかしい点もあろうかと思いますけれども、私ども確かにそういう点で林業者の経営意欲といいますか、林業に対する考え方といいますか、そういうものは、先生御指摘になったと同じようなとらえ方をいたしております。というのは、やはり外材に圧迫された木材価格の低迷なり、あるいは木材の需要の減退等々、さらには経営収支の問題等々から、どうしても意欲が減退していきつつある傾向に、林業者全体がそういう方向にあるのではないかというふうにわれわれとらえております。したがいまして、そういう観点に立ちますと、先ほど来御質問ございました基本計画的なそういう長期の展望、こういうものをやっぱりはっきりさせまして、林業というものは将来こういう方向になるということをはっきりさせることが、まず何よりも必要ではなかろうかという気もいたします。
 それから同時に、これだけではやはり問題ございますから、こういう減退しております林業をいろいろな意味から歯どめにするいろいろな施策、そういうものを充実すること、さらにはこれが木材として利用される場合に、国産材の供給体制というものの整備、大きく分けますと、こういうようなものを中心にいたしましたもろもろのものをあわせて行うことによりまして、林業者に今後の明るい展望を持たせるということを私どもとしても努めてまいらなければいけないというふうに考えております。
#53
○村沢牧君 どうも私の質問も抽象的かもしれぬが、答弁も抽象的であって、何か非常に期待をするような答弁でないわけだけれども、経営マインドを高めるには全体の林業を高めていかなければできませんから、以下、国産材を考える場合に、どういう林業をつくっていったらいいのか、そういうことについて質問の方向を変えてまいります。
 大臣からも、いい山をつくるんだというお話があったわけでありますけれども、国産材を振興させるために、先ほど来指摘をしておりますように、外材との関連を抜きにしては私は考えることはできないというふうに思うんであります。この外材と国産材は、生産量において、価格において、さらに流通面においてかなりの大きな違いがあるわけですね。こうした中で、外材に対抗し得る国産林業を発展をさしていくためには、品質を重視をして林木を育成していくのか、あるいは量産を目標にするのか。つまり銘木級の優良材を生産をしていくような方向に指導していくのか、銘木ではなくて建築材、一般材の生産を高めようとしているのか、どういう指導方針をこれから高めていこうとするんですか。
#54
○政府委員(藍原義邦君) 非常にこれもむずかしい問題かと思います。
 ただ、日本の木材需要の現状を見てみますと、これは外材を含めてでございますが、やはり建築材が中心に一応使われておる、建築の中でも柱中心に使われるわけでございますが、そういう観点から見ますと、やはり日本全体の現在植えております杉、ヒノキ等を中心にいたしました国産材については、一般材としてのこれからの需要に対応した木材生産をねらいにした林業を推進するのが中心ではなかろうかと思います。
 ただそこで、たとえばヒノキだとか杉だとかの中にもなかなか優良なものもございますし、それから産地によりましては、それぞれ産地の特性もございます。したがって、中には、そういう優良材、径級は大きくなくても非常に高品質な杉、ヒノキ、節のないものをつくらせるということも地域によっては必要かと思います。また、地域によりましては、日本にしかない特殊な広葉樹をさらに大径的な大きなものにいたしまして優良材にするとか、さらにはまた針葉樹――杉、ヒノキ等につきましても、大径材にいたしまして優良材にするというものも地域的には必要かと思いますが、総じて全般的に見ますれば、やはり一般材を中心にした施策というものを中心にして今後の林業を推進するのが妥当ではなかろうかというふうに考えております。
#55
○村沢牧君 次は、わが国の林業は、地域の差だとか、あるいは林地の所有規模の差が非常に大きいわけです。したがって、二月当たりの林業所得を見れば、五十二年度で全国平均が三十二万五千円でありますけれども、最高が南関東だとか東海、南近畿等の六十五万一千円、最低が北海道の二十万一千円というような形になっておって、地域によって大きな差があるわけですね。こういう地域差の多いわが国林業で、この地域林業の振興をどういうふうに考究し指導していくのか。
 と同時に、わが国の林業の生産をしている二百五十万林家なんて言っていますけれども、この中にはきわめて零細規模の林業者もおりますし、それからある程度中堅、中核林家もある。そのほかには、社有林も公有林も国有林もあるわけですが、どういう階層にわが国林業生産を担ってもらっていこうという期待を持っておりますか。その二点について伺いたい。
#56
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かにわが国の林業は、いろいろ地域差もあるし、千ヘクタールとか千五百ヘクタールとかというような大きな林業経営をやっている人もございます。しかし、全体から見ると、五ヘクタール未満の経営体というのが全体の八八%、約九割近いものは五ヘクタール未満の小規模経営のものが多いわけでございますから、やはりこの小規模経営の人を中心に考えていかなきゃならぬじゃないのかというように考えております。したがいまして、こういうような状態からは、やはりそれぞれの地域での特性を生かしながら、林業者の自主的な経営意欲というものを助長するような施策というものを頭の中に入れて考えていかなきゃならない。
 したがって、たとえば零細の林家については、生産活動をやるにしても、いろんな林道をつくるにしても、機械を持つにしても、なかなか個人個人がみんな自分で持っていてなんていうことは経費倒れしてしまいますから、これらについてはできるだけ生産活動の共同化を図っていこうと。そのための組織もつくらなければならない。それから、三ヘクタールや四ヘクタールの林業では、毎年木を切ってそれだけで豊かな暮らしなんていうことは、言うべくしてできるわけもないわけですから、当然農業なり他の仕事と複合経営的なことをやっていただいて、それによって生活の安定を図っていくというようなことも考えていかなければなりません。
 それから、中規模や大規模の林業経営については、それは林業専業というようなことで、毎年十ヘクタールぐらいずつ伐採するとか、そういう人もあるわけですから、こういう方については、やっぱり自分だけで、ある程度林家オンリーで生活ができるのであって、しかし、だからといって、むだが多くては困るわけでございますので、やはり生産とか販売というものについて、どうやったらば合理的な方法で、むだが少なくして純利益が上がるようにするかというような点でのいろんな技術の指導や資金の助成や、あるいはいろいろなことについて、政府はそれに対する措置を講じていく必要があると、かように考えておるわけでございます。
#57
○村沢牧君 どういう林業をやっていくにいたしましても、木材価格が伴わなければ林業生産は発展をしてこないわけですし、この木材の価格は、不況の中にあっても相当の幅の上下の変動を示しておるわけでありまして、とりわけ外材価格の変動が大きく国産材価格にも影響をいたしまして、森林所有者を不安定な状況に追い込んできているわけです。ちなみに、丸太の価格に占める立木価格の比重は、昭和四十五年は大体七〇%くらいであった。ところが、五十二年には六二%というように低下をして、森林所有者にとっては不利な価格構造になってくる傾向になっておりますね。これも、外材が多くなるに従ってこういう形になってきている。最近はまた円安と産地高によって外材価格が上昇するような気配でありまするけれども、これはどういうふうに判断をしていますか。
 外材によって国内の需給関係はもちろん、価格が常に大きく左右されるということであっては、国内林業はいつも不安定な状態に置かれるわけでありまして、これに対して政府も価格問題について手をこまねいていることは許されないというふうに思うんです。まあ農産物にはこれまたそれぞれ特殊な事情がありますけれども、価格安定のためにいろいろな方法がとられておりますけれども、木材にはそんなことはないという、したがっていま申しましたように、外材価格の動向と、これがわが国林業に及ぼす影響、それから価格を安定をさしていくというようなことについて、抜本的に基本的に皆さん方が考えておりますかどうか、その辺どうですか。
#58
○国務大臣(渡辺美智雄君) 林業というのは三年、五年の話じゃありませんから、三十年とか五十年とかという非常に先を考えなければ、木を植える人がないと。そこでやっぱり一番大事なことは、これは社会的安定ですよ、何が何といったって。木を植えて、三十年先に取られちまうのじゃないかというようなことでは、植える人はだれもありませんからね。第一番目は、やはり社会的に安定しているのだということがまず必要です。
 第二番目の問題は、外材の問題もございますが、これも日本はこれから非常に――海外援助その他世界じゅうが南北問題といって、低開発地域のめんどうを見ていこうと、これは世界的な風潮になっているわけです。一方、何といっても伐採というものについては、もう切れるところはばたばた切っちゃっていますから、フィリピンでは切るところはない、したがってインドネシアとかというふうに変わっておるし、マレーシアでも奥地に入っておるということで、ソビエトでもシベリア材もかなり奥地でなければもう切れない、コストは高くなると。それから南方等の地域住民も、いままでは露天で暮らしておったようなところも、だんだん生活程度が高くなるように世界じゅうで援助をするわけですから、やはりまともな家にも入るようになるということになれば、国内需要もふえるというようなことなどで、私は二十年、三十年という長期から見ると、外材がいままでのように安易に安く手に入るという時代ではなくなるだろうと、こう思っております。したがって、こういうことも林家の人には知ってもらわなきゃならない。
 その次はインフレ問題ですね。やっぱり貯金という問題もございますが、とにかく木を植えておけば、貯金の歩合では物価が余り上がっちゃったときには非常に値打ちがなくなるよ、しかし木を植えておいたらインフレに強いよとかいうことは、やっぱり経営者のマインドとして、造林家としては貯金以上に少なくとも木を植えることがプラスになるのだという気持ちになっていただかないというと、三十年も四十年も先のことを見越して木を植えるという気持ちにはなかなかなれない。
 したがって、そういう点からも、私は木を植えてもらうには三十年、四十年という先のことをまず考えてやってもらわなきゃならぬし、もう一つは、当面の問題として、そんなこと言ったって実際問題として値段が、もうおじいちゃんの時代に植えた木が思ったように売れないというようなことになって、ともかく採算が合わないということになれば、これはあなたのおっしゃるように、なかなか植えろと言ったって植えないわけですからね。
 ですから、この価格問題ということも非常に大事な問題で、われわれといたしましては、できる限りこの輸入を秩序あるような輸入にしなきゃならぬと。いずれにしたって、ある程度は輸入せざるを得ない。しかしながら、各商社がまちまちで、自分だけもうけてやろうと思って勝手にどかっと輸入してみて、後で気がついたら、ともかくこんなに入れるのじゃなかったなんと言ったって、これはお互い損するわけですからね。そこで、そういうものは情報というものをお互いに交換し合って、結局、そんなに一人だけでもうける気になっても、みんなそんな気持ちになるとべらぼうに損するよというようなこともあれば、やはり商社の方ももうからない商売はやらないわけですからね。
 ですから、やはりみんなが損することは困るわけですから、そこらのところは政府がイニシアチブをとって、価格がそう暴騰しても困るし、暴落しても困るというようなことで、行政指導でできるだけきめ細かい価格の安定策というものを図っていくようにしたい。統制価格を決めたり均一な価格を決めるということは、言うべくしてなかなかそれは困難な問題なので、そういうような世界の木材の状況、国内の需要の状況等をながめながら、その都度その都度適切な措置をとっていく以外にはないのではないだろうかという気がするわけであります。
#59
○村沢牧君 結局、抜本的な対策を要求しても、自由経済のもとでは木材価格の安定をさせることは無理だということなんですかね。
 そのことについてまた改めて質問するとともに、大臣のいまの答弁の中で、社会的な安定を図らなければならない、木を植えても三十年先には取られてしまうようなことがあってはなんとか云々という答弁があったんですけれども、それはどういう趣旨なんですか。
#60
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一時ございましたように、たとえば山林解放だというようなことを本当に地主が思い込んだらば、それは木を植えるどころか、あわてて木を切って売ってしまうというようなことだってあり得るわけですよ。したがって、国家権力による山林の解放なんということはありませんよ、それはもうあなたが苦労して植えられた木は、子孫の繁栄のために非常に役立ちますという気持ちになってもらわぬと、現実の問題としては資本主義社会でございますから、木をせっせと植えて子孫の繁栄を図ろうという気持ちには、幾ら精神訓話をしてみたところでなかなかなれないのじゃないかと、そういう意味で申し上げたわけでございます。
#61
○村沢牧君 山林解放という言葉が出たんですが、だれが言ったか知りませんが、恐らく政府・自民党も言っていないというように思いますし、われわれ社会党も言っているわけじゃありませんからね。さもそんなことがあるような印象を与えることこそ、また不安に陥れるというように思いますから、ひとつその辺も御注意を申し上げておきたいというふうに思うんです。
 それから、価格も安定させなきゃいけない。お聞きしても抜本的な対策がなくて残念ですが、これをここで議論をいたしましても進まないというふうに思いますから先に進みます。
 次に、流通の問題ですが、この流通や販売の違いによってまた価格の差が大きくなってきたと思います。これを流通をよくしていくためには、改善をしていくためには、たとえば素材の生産から販売に至るまでの一貫した方法がとれないかどうか。現在は国有林、民有林、それぞればらばらな販売方法もとっているわけでありますけれども、国有、民有を含めて流通形態の整備、つまり市場形成、言うならば市売りだとか、あるいは木材センター、こういうものを地域でつくって組織化をして、そうして木材を安定的に供給をさしていく、こういうことをひとつやるべきではないかというふうに思うのですが、それについてのお考えはどうですか。
#62
○政府委員(藍原義邦君) 確かに、国産材が外材に対して非常に競争条件で欠けておる点については、流通の問題があろうかと思います。たとえば外材でございますと、非常に大量に船でどっと入ってきて同一規格なものが大量にあると。したがって、どこへ行っても同じようなものが買えるという状況がある。片一方、国産材について見ますと、非常に小さな流域の中に少量しかないという形で、そういう流通面から言いますと、いま御指摘のように、外材に対して国産材が非常に欠ける面があるようにわれわれも思っております。
 そういう観点から、いま先生も御指摘になりましたけれども、今後やはり国有林の販売と民有林の販売とを一緒にするというようなこと、これはまず現在国有林の販売施策の中でも、市場に出しまして競りで一緒に売ってもらうということで、市場に委託販売用材を出しております。そういう関係で、できるだけロットを大きくして、それぞれの地域で需要者の方々に買っていただこうと、これも当然必要かと思います。そういう国有林材それから民有林材が一体になった販売、これからもこの辺については、国有林といたしましても積極的に対応していきたいというふうに考えております。
 それから、素材の生産と流通の合理化を目的にいたしました素材生産業者の組織化のための指導事業、こういうものも現在進めております。それから、流通の共同化を促進するための共同取引推進事業、こういうことも現在しておりますし、それから最適な作業体系を確立するための作業体系の整備モデル事業、こういうこともしております。
 こういうことで、素材生産から流通に至ります近代化に対して、現在必ずしも十分とは言えませんけれども、そういう施策に対しましても、国としても今後力を入れていくという方向をとっておるわけでございます。
 そのほか、御存じの構造改善事業、この中におきましても、木材集荷施設の設置というような形で共販場をつくるということ、こういうことによりまして流通機構の整備を図っております。
 さらに、間伐材等につきましては、国有林におきまして予約販売的な形で五カ年間程度の予約販売、こういうようなかっこうで販売のある意味での安定ということを考えておりまして、こういう関係から、いま先生御指摘になりました流通の問題等を含めました生産から流通へ至るいろいろの問題についての近代化と申しますか、合理化と申しますか、そういうものについても私どもさらに力を入れてまいりたいというふうに考えております。
#63
○村沢牧君 国産材の振興をしていくためには、いままで私が指摘をしてまいりましたような問題とともに、いろいろな条件整備をしていかなければならないわけです。たとえば林道の整備であるとか、あるいは間伐の促進であるとか、それから担い手等、いろいろあるわけであります。
 そこで私は、この中で林業労働者に関係をして、若干これから質問してまいりたいというふうに思います。
 林業の労働力は、五十二年までは大体二十二、三万人で横ばいであったわけでありますけれども、五十三年には二十万人になって減少傾向をたどってきておるわけです。また、四十歳以上の者が占める比率が七七%で四十六年に比べると一五%も増加をしている、つまり高齢化になってきておるわけです。このことは、林業が重労働であるわりあいに低賃金である、職業病や労災事故が多くて身分が不安定である、こういう原因によるものであるわけでありますけれども、しかし、これからの林業経営を見ていくためには、きわめて重要な問題であるというふうに思うんであります。
 そこで政府は、この林業労働者の雇用を安定をさしていく、他産業並みの労働条件を確保していくためにどういう措置をとっておりますか。さらにまた、これを拡充しようとしておるんですか。その辺からまずお聞きしましょう。
#64
○国務大臣(渡辺美智雄君) 何といっても、林業を維持していくためには、森林で働く労働者がいなければできない。ところが、やはり非常に森林の労働者の組織化なんというものができてない。なかなか少ないし、おりませんからね。したがって、社会保障というような面に欠けるところが多い。退職金制度等もまだ行き渡ってないというようでは、使う方も安く使えるようだけれども、実際にはもう人がいなくなっちゃうわけですから使えない。
 したがって私は、林業労働者の確保のためには就労条件というものを改善をしたり、退職金制度を普及をさしたり、いろいろな労働者がいつくようなことを一緒になって考えてやらなきゃならない。本当にそれはどっちもいなきゃできないわけですからね。したがって私は、今後そういう問題については、特に林野庁としても、いろんな組織等を通じて林業労働者の福利厚生という点に意を用いていく必要があると、かように思っております。
#65
○村沢牧君 意を用いていく必要があるからお聞きをしているんですがね。それは当然のことですけれども、具体的にどういうことをしているんですか。また、しようとしているんですか。林野庁長官。
#66
○政府委員(藍原義邦君) ただいま大臣からも御説明があったわけでございますけれども、私どもといたしましても林業労働力の確保のために、いま他の労働力に比べまして非常に劣っておるところは、確かに社会保障制度の適用というのがある意味では劣っておるというふうに考えております。そういう観点から、たとえば退職金制度の推進、中退共でございますけれども、こういうものに乗り移るための施策というものを現在進めております。
 そういうこと、さらには構造改善対策事業の中で、労働力の確保あるいは安全対策というものをそれぞれ進めております。さらには、作業現場の環境条件をよくするという意味からも、林道の推進等々、こういうものも、やはりそういう意味から労働条件をよくすることでございますので、当然私どもといたしましてもこういうものの推進を進めておるわけでございますが、特に五十四年度につきまして見ますと、森林総合整備事業の創設、これは市町村長を中心にいたしまして、その地域の造林についての一貫した計画をつくっていただきまして、それに基づいて助成も高目にいたしまして、造林地、植えてから二十五年目までの間の助成をいろいろするという形で造林の推進を図るというようなこと、こういうことも労働条件の向上には非常に役に立つというように考えておりますし、さらに地域林業振興緊急特別対策事業、こういうものも進めております。
 それから、第三次林構といいますか、そういうものにかわるものといたしまして、新林業構造改善促進対策実験事業、こういうもので生活環境を中心にいたしましたいろいろな構造改善を進める、こういうことによりまして、地域の生活環境の改善あるいは作業環境の改善、そしてまた、労働条件の改善ということに今後とも努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#67
○村沢牧君 いま答弁のあった退職金積み立て事業、これは五十三年度から発足をして、三年間の準備期間を置いて中小企業退職金共済法に該当させていくという趣旨でやっているわけでありますが、これは三年間で中退共に加盟するという状況になりますか。お約束できますか。
#68
○説明員(佐竹五六君) 中退共の適用の要件である加入率を確保するように、私ども漸次努力しておるところでございまして、五十三年度の実績につきましても大体二万五千名ぐらいの加盟を予定したわけでございます。初年度のこともございまして、若干それを下回ったわけではございますが、まあ、何とか確保できるという見通しも得ておりますし、また、私どももそのようになお努力してまいりたいと思っております。
#69
○村沢牧君 努力をしていくことは当然のことですけれども、当初の発足したときの趣旨に照らして、三年間の準備期間を置けば中退共に適用になりますかどうか、この辺のことをお伺いしたい。
#70
○政府委員(藍原義邦君) ただいま林政部長から御説明申し上げましたように、大体予定どおりいくというふうに一応われわれは推計いたしております。
#71
○村沢牧君 次は、林業労働者の振動病、白ろう病対策について質問してまいります。
 長野県の上田保健所は、昨年の十一月からことしの二月にかけて、森林組合や林業の事業所に呼びかけて振動病の障害について調査を行ったところでありますが、その結果、驚くべきような数字があらわれてきておるんです。この調査の結果、健診を受けた人が百二十人のうち、正常と言われるのはゼロなんです。要観察が十五人、要注意、つまり作業制限をしなければならない人ですね、これが九十八人、医療を要する者七人という判定なんです。このうち、前年度までに健診を受けたことのある八十九人について見ると、前回よりも症状が好転をした人はわずかに八人であって、変わらないという人が三十四人、悪くなったという人が四十七人と、半数を上回っているんです。そして、一たんこの振動病になると、たとえ作業環境が改善をされたとしても、症状がだんだん悪化をする人が非常に多いということがはっきりあらわれてきております。これは長野県の一保健所のデータであり警告でありますけれども、長野県に限ったことではなくて、全国的にもこういう傾向ではないかと思うんですね。
 そこで、労働省おりますね。――労働省はこうした実態を把握しておるんですか。また、農林水産省はどのように判断しておられますか。両省の見解をまず聞きたい。
#72
○説明員(林部弘君) 振動病の実態につきまして、私どもの把握をいたしました数的な面について御説明いたしますと、振動病というふうに判断をする場合、なかなかこの振動病というのは診断にむずかしい問題がございますので、私どもは振動病の患者さんであるということを、一応労災の認定患者の数字の推移でもって把握をいたしておるというのが実情でございます。
 その面の数字から申し上げますというと、五十二年度中に新たに振動病として認定を受けられた方は千三百四十八人でございますし、五十一年度につきましては、八百九十九人の方が新たに振動病として認定を受けておりますし、その前の五十年度につきましては、五百五十六名の方が振動病として認定されております。これはいずれも私ども把握いたしておりますのは民有林の場合でございますから、国有林の場合は、数的には林野庁の方がお持ちなわけでございますが、そういうことでございまして、五十二年度末で療養中の方の総数は二千七百五十七名ということになっておりますので、私どもが把握をいたしております直近の時点での数字といたしましては、振動病として療養しておられる方は、五十二年度末、つまり五十三年の三月末現在で二千七百五十七名ということでございます。
 それから、健診の問題でございますが、実はこの林業関係というのは、事業主と労働者の関係というものが非常に短期間でくるくると変わるという特別な業態でございますので、なかなか現実にチェーンソーを使用する労働者の方々の数というものがどのぐらいいるのかということの把握が非常にむずかしゅうございますので、健診の実施率が何%であるかということは、率直に申し上げましてむずかしい問題でございます。ただ、どうも特別な業態でございますけれども、健診の実施状況を少しずつ実施率を上げようということで、四十八年度から健診に要します費用の二分の一程度につきまして助成措置を講じまして、しかも巡回方式の健康診断ということで健診の実施の促進を図っておりますが、四十八年当時の実績で申しますと、年間五千四百人程度の実施状況が、五十年度には六千名、五十一年度には一万六百名、五十二年度には一万四千八百名ということで、年々健診の実施というものは伸びてきているわけでございます。
 こういうこともございまして、先ほど私が毎年の新規に振動病として認知されております患者数について申し上げましたとき、先生御承知と思いますが、年々新たな認定数というものが大幅に伸びてきておるということは、健診を少しずつ実績を上げてきた成果によって、潜在的におられた患者さんの発掘というものが進んできておるのではないか、こういうふうに理解をしておるということでございます。
#73
○村沢牧君 そこで、労働省の答弁ですが、労働省は労災の認定をしたものでなければその数がわからないわけですね。そういう答弁だったわけですけれども、
  〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕
健診を受けた者の中で労災の認定に至らない者ですね、いわゆる振動病のおそれのある者、つまり精密健診回しですか、こういうふうに言われる者はどのぐらいあるんですか。
#74
○説明員(林部弘君) 精密健診と申しますか、この健診の実施につきましては、項目が一次的に行うものと二次的に行うものというようなことが指導通達の中で定められておるわけでございますけれども、先ほど申しました委託巡回方式の健診の場合でございますと、大体四〇%程度の方が二次的な健診の実施の該当者になっておるわけでございまして、これはわかりやすく申しますと、二次的な健診の項目というのは、手を冷たい状態に冷やして、それで一次健診で行ったと同じような末梢循環であるとか、あるいは末梢神経のいろいろな機能の検査をするということでございますから、二次健診回しと申しますのは、平たく申しますと、一次健診で特別他覚的な所見がなくても、自覚症状あるいはそれまで実際にチェーンソーを使う作業に従事いたしておりました業務歴とかいうようなものから判断をいたしまして、そういう一次健診と同じような検査をいわゆる冷却負荷を行った後行う、そういうことも行うということで、できるだけ判断の適正を期するというような指導がよく行き届いたこともございまして、大体先ほど申しました委託健診の数字のうちの四割程度の方が二次的な健診の項目というものも受ける形になっておる。
 これが、すべて有所見者あるいは振動病の疑いということに直にはならないわけでございますが、二次的な検査を実施している人間の数として申しますと、大体委託健診実績の四割程度の方が二次検査を受けているという状況でございます。
#75
○村沢牧君 民有林の実態について聞いたわけなんですけれども、林野庁長官、国有林関係についてはどうですか。振動病の認定者あるいは精密健診回しと言われるのはどのくらいございますか。
#76
○政府委員(藍原義邦君) 国有林につきましては、昭和四十九年をピークにいたしまして、その後認定者数は減っております。
 ちなみに数字を申し上げますと、昭和四十九年に七百八十八名の認定、五十年四百八名、五十一年二百一名、五十二年百九十五名、五十三年度が八十七名という数字になっております。だんだん減ってきておりまして、非常にある意味では喜ばしいことでございますが、まだゼロにはなっていないのは非常にわれわれも残念だという気がいたします。
 林野庁といたしましても、いまのトータルで現在三千四百六十名が認定されておられるわけでございまして、今後こういう認定者が出ないような作業のあり方あるいは機械の改良を現在進めておりまして、労働組合ともその辺の話し合いをしながら、予防には十分注意をするという形をとっておるわけでございます。
#77
○村沢牧君 長官、国有林でもっていわゆる現場に働いている人たちですね、振動病にかかりやすいような作業に従事している人たちは、国有林労働者六万数千人のうちどのくらいですか。おおよそでいいです。
#78
○政府委員(藍原義邦君) 訴え者数でございますけれども、現在五十四年の三月末現在で二千五百十五名おります。
#79
○村沢牧君 長官、そういうことでなくて、国有林の現場に働いている人たちですね、つまりチェーンソーなんか扱っている人たち、そういう現場の作業員というのはどのぐらいいるんですか。国有林全体でおおよそでいいです。
#80
○政府委員(藍原義邦君) 木を切る方のいわゆるチェーンソーを使っている作業員が約六千名、それから草を刈る方の草刈り機を使っている方が約四千名、合計で約一万名でございます。
#81
○村沢牧君 一万名の対象労働者で、三千四百六十人の認定者があるというふうに理解していいですか。
#82
○政府委員(藍原義邦君) 先ほど申しました三千四百名の方は、これはいまの一万名の外でございます。
#83
○村沢牧君 そこで、労働省、民有林の労働者は大体二十万人くらいおるわけですね。これは全部チェーンソーなんか使っているわけじゃないですけれども、二十万人おる労働者の中で二千七百五十七名の認定患者を出している。国有林はこれよりもはるかに少ないわけです。それでも三千四百六十名ですか、こういう認定患者が出ておるということですね。
 このことは、決して民有林に少ないということじゃないんですね。国有林もまだ不完全ではあるけれども、いろいろ作業条件を改善をしたり検査をしたり、その中でこういう数字が出ているわけです。民有林の場合は、長時間働きますし、出来高給であるし、もっともっと振動病にかかっている人、あるいはかかるおそれのある人はたくさんあるわけですけれども、いま労働省の発表した数字の結果から見て、労働省というのはもっと健診を高めていくということ、予防措置を講じていくように事業所を指導していくこと、こういうことを積極的にしなければならないというふうに思うんですけれども、そのことはどういうふうに反省しているんですか。やるつもりはあるんですか。
#84
○説明員(林部弘君) 昨年も私、ここで先生からいろいろと御指摘を受けたところでございますが、私どもこの振動病、特に林業におきます振動病の問題につきましては、問題の重要性というものにかんがみまして、昨年十月以降、十、十一、十二の三カ月間に、全国の林業の事業場について一斉監督をいたしておりますが、
  〔委員長退席、理事大島友治君着席〕
そういうような監督の強化というようなことを昨年も年末に行っておりますけれども、…実はそのときに若干わかった問題でございますが、すべての事業場というわけにまいりませんけれども、昨年の十月から十二月までの三カ月に把握いたしまして、かなり立ち入った監督、指導を行いました六百四十事業場に、労働者が一万三千五百人ほどおられたわけでございますけれども、実はその中で、実際チェーンソー作業に従事しておられる方は約四〇%の五千四百人足らずでございます。
 この五千四百人の方が持っておられましたチェーンソーが五千七百台程度というふうなことでございまして、そのときの調査によりますと、この六百四十事業場で私どもが確認をいたしましたチェーンソー作業従事者の五千四百五十人についての健診の実施状況を見ますというと、大体七〇%に相当する三千八百六十人の方が健診を受けておられるようでございますので、非常に限られた事業場と限られた労働者の方々の実態ではございますけれども、健診の実施率というものを考えますと、私どもが想像しておりました率よりはかなり高い健診率に上がってきておる。それは、先ほど申しましたように、委託巡回方式を始めました当時の年間実績が五千人程度だったものが、現在では一万五千人近くになっておりますから、そういうことでは相当健診の実施率というものは上がってきておるわけでございまして、そのことが現実に認定患者の伸びという形で、発掘そのものは私どもの認識としてはもっと速いスピードで発掘しなければいけないというふうには考えておりますけれども、この数年の間に相当改善されてきているのではないかという考えが一つございます。
 ただ、私ども昨年の時点で、過去の反省の上に立ってここでどういうことを考えるべきかということにつきましては、委託方式でもって健診の実施を促進するということもあるけれども、どうも民有林の場合には国有林の場合と違って、体に余りよくない、俗に三G以上のチェーンソーと言っておりますが、それがまだ民有林の場合にはかなり使われているのではないかという状況がございますので、実はこれはもう五十二年の十月から、そういうチェーンソーを譲渡したり使ってはいけないということに本来はなっておるのですけれども、法令の定めによってそういうものを使わせないようにする以前の段階で、現場でお使いになっているチェーンソーまで法的な規制をするということは非常にむずかしいわけでございますから、それはある意味では指導いたしましても野放しになるおそれがある。
 そこに着目をいたしまして、本年度から三G以上のチェーンソーについては、これはやはり御自分が木をお切りになる道具でございますから、労働者自身がお持ちになっているというようなものもかなりございますので、労働者自身の持っているチェーンソー、あるいは小規模の事業場の事業主も含めたそういうチェーンソーについては、できることならば回収をすれば一番いいわけでございますけれども、お金を出して回収をするということは現実には困難でございますから、その買いかえの促進をするための補助金を用意をするということによって――実際に働いておられるいろんな労働条件がございますから、幾ら時間制限ということを指導いたしましても徹底し切らないうらみがございます。
 率直に申しますと、体に悪いチェーンソーを取り上げてしまうということが必要ではないかということで、本年度からおおむね、まあ大体市場価格が十八万ぐらいのものが多いのじゃないかというふうに想定をいたしまして、その三分の一程度、六万円ぐらいを限度にした補助金をまず出そうと、その残りは林野庁の方で用意をしておられます融資の制度で融資を受ければ、そういう体に余り害のないチェーンソーに買いかえをすることができるのではないかということで、実はことしからそういう形の補助制度というものを用意をいたしまして、労働者自身が持っているようなチェーンソーについては新しいいいものに買いかえる措置を加える。何と申しましても健診では病気はなくなりませんので、やはり体に悪い原因を除去するという意味で、この体に悪いチェーンソーというものをそういう形で買いかえ促進をするということで、間接的に回収に等しいような効果を上げたいということで、林野庁の方とも御相談いたしまして、私どもの補助金と融資の制度をあわせて少しでもそういう意味の改善を図りたい、それは予防の措置としてはかなりな効果が上がるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  〔理事大島友治君退席、委員長着席〕
#85
○村沢牧君 労働省の方針も昨年と比べてやや前進したような観が見受けられるわけでありますが、最初に私が例に挙げました長野県の上田保健所の調査ですね、いま課長さんが把握しておるよりもかなり厳しいものがありますから、これを後ほどそちらへお届けしますから、十分検討してください。そのことを要請しておきます。
 労働省にもう一点お伺いしますが、労働者の健康を守るということは本来事業主の責任である、これが私は原則だというふうに思うんでありますが、事業主は労働者の安全を侵したり、あるいは身体を損傷することのないような万全の規制と予防措置を講じなければならないというふうに思うわけですが、その辺の見解はどういうふうに思いますか、事業主に対して。
#86
○説明員(林部弘君) 職場での労働者の安全の問題、それから衛生上の問題というのは、基準法初め労働基準監督行政の中で私どもが実際に所管しております行政の基本になる考え方というのは、事業場における労働者の安全あるいは健康の問題というのは事業者の責任においてということが原則でございますから、その意味では、私ども労働省が直接お金を出してということには、一般的な行政というのは余りなじまないのだという考え方が基本にはございます。
 ただ、先ほど申しましたように、非常に健診の実施率というものが低いということによって症状の進行というふうな事態が発生すると、それは特に零細な事業場の場合などには困るということで、健診の定着を図るという意味の奨励補助的な意味で実際に助成措置を講じておるということはございますが、基本的にはあくまで事業場における安全問題、健康問題というのは事業者の責任においてやっていただくというのが原則であると、こういうふうに考えております。
#87
○村沢牧君 私は、事業主の責任であるから労働省が補助金を出すのがけしからぬとかなんとか、そういう趣旨で申し上げたんではありませんから、その点は大いに奨励金をもっと出してやってください。
 そこで林野庁長官、いま労働省から答弁があったんですけれども、国有林であっても、やっぱり使用者である国は、この労働者のそうした安全について責任を持たなきゃならないというふうに思いますが、このことは変わりないと思いますが、どうですか。
#88
○政府委員(藍原義邦君) 振動障害の問題につきましては、林野におきましても、国有林に作業する職員の健康の保持ということは十分私どもとしても考えなければいけないというふうに考えておりまして、従前からこの対策のための、かかった方については治療対策を林野でやれる範囲のもの、そしてさらには厚生省、労働省の御協力を得てやるもの等々を考えながら対応いたしておりますし、また積極的な予防対策としては、作業時間の規制の問題あるいは振動の少ない機械の買いかえによります予防あるいは振動のない機械についての作業、こういうことを考えながらその対応をいたしておりまして、当然国有林を管理経営する責任といたしまして、作業員の労働安全については十分配慮することを、私どもの責任で考えておる次第でございます。
#89
○村沢牧君 国有林の労働者については林野庁、国がそういう注意をしていかなければならない。
 そこで、長野営林局で働いておった人たちが白ろう病になって退職をし、あるいはそのうちの一人が死亡したんですね。この死亡した人の遺族を含めて、退職した後、今日も白ろう病で大変苦しんでいる。そこで、この原因は営林署に働いた結果である、これはそうだというふうに思いますけれども、国を相手取って経済的、精神的な損失を受けたという損害賠償の民事訴訟を起こして、この五月の二十四日に第一回の公判が行われることになっているわけです。国は、やはり誠意を持って、このように苦しんでいる人たちに対して救済をすべきではないかというふうに私は思うのです。この種の裁判に対してどういうふうに思いますか。
#90
○政府委員(藍原義邦君) ただいま御指摘になりました、長野地裁松本支部に訴訟を起こされたという事例につきましては、私どもも認識いたしております。
 林野庁では、この件以外にも、秋田あるいは熊本においてもそういう事例があるわけでございますけれども、やはり国の組織でございますから、こういう方々に対します災害補償という問題につきましては、国家公務員災害補償法の定めるところに従いまして適正な対応をしておるところでございますが、今後これらの問題につきましては、さらに法廷でいろいろ明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
#91
○村沢牧君 この裁判も、先ほど申しましたように公判も近く行われます。したがって、先ほど労働省も言ったように、働く人たちの安全をやっぱり図っていく責任は使用者にあるんですから、ひとつこの裁判につきましては、裁判ですからこれ以上言いませんけれども、結果を私も見守っておりますし、国がこうした人たちを救済をしていくんだという、こういう基本的な立場を持ってひとつ臨んでもらいますことを、私は要請をしておきます。
 さて、そこで、振動病になった患者が症状がなかなかよくならない。このことは、医療制度の不十分さがあるというふうに思うのであります。職業病である振動病は、健康保険が適用されないわけですね。労災保険は、症状がかなり進んで、いわゆる認定患者にならないと労災保険は対象にならない。最も治療に必要な初期、中期のいわゆる専門治療は、自分の費用でしかこれを受けることができないわけなんですね。先ほどお話があったように、認定に至らなくてもやっぱり振動病のおそれのある患者がずいぶんあるわけなんですよ。こういう人たちは、自分の費用でしか――健康保険も使用ができないわけですね。
 昨年、私はこのことについて社会保険庁の健康保険課長に質問したところ、どちらからも給付が受けられないということはきわめて問題があるんで、どちらからでも給付が受けられないことのないように、今後考えていきたいというような答弁をされておるんですが、これはどのように改善をされましたか。厚生省と労働省にお聞きをしたい。
#92
○説明員(北郷勲夫君) 昨年、先生の御質問の中で、C患者といいますか、要医療という方は労災で医療がかかれるけれども、管理Cになっていない方々――管理A、管理Bと、こうあるわけでございますが、この方々の中に実際に医療を受ける方がおられる、この方々について中途半端に、谷間になっていると、こういう話でございました。
 その後、労働省の方ともいろいろ御相談をいたしておるわけでありますが、理論的に申しますと、これは当然管理Bと申しますのは療養の必要性が認められないと、こういう労災の方のお考えでございますので、理論的に申しますと、振動病のためにお医者さんにかかるということは理論的にはないわけでございますが、現実にはこれは実際に認定を受けます前に時間がいろいろかかるわけでございますので、その間にお医者さんにかかる、こういう場合は考えられるわけでございます。その場合には、おおむね健康保険の方で医療を受けていただいておるわけでございまして、その間、まあ私どもその後林業の比較的多いと思われます県についていろいろ事情も聞いておりますが、実際問題として、現実に問題を起こしているというような事例を私どもは聞いておりません。しかし、そういうふうな可能性もございますので、そういうふうなところにおきましては、こういうふうな谷間に陥ることがないように、個々の県につきましては機会あるたびに話をしておるところでございます。
#93
○村沢牧君 そうすると、振動病のおそれのあるというか、たとえば私が先ほど指摘したんですけれども、例に挙げました上田保健所で百二十人の診察を受けた、その中で要注意ですね、作業制限をしなければならない、こういう人たちは現に早期治療をしなければならないんですね、これが九十八人もおるんです。これらの人たちが健康保険を使って診察を受ける、あるいは短期入院をする、こういう場合においては、これは職業から来た病気であるから健康保険は使えませんということを社会保険事務所は言うわけですね。いまの答弁から言うと、そんなことのないようにこれからはしますということなんですか。
#94
○説明員(北郷勲夫君) はっきり振動病というふうに診断がおりますと、理論的には、振動病と申しますと業務上の疾病でございますので、労災の方でやっていただくことにたてまえ上なるわけでございますが、ただお医者さんのたとえばカルテに振動病というふうに書いてまいりましても、労災の方の認定はそれまでにまだ認定が完全に終了してないというようなケースがあるわけでございまして、そういう場合に健康保険の方でお断りいたしますと、労災の認定が終了するまでに谷間に陥ってしまうので、その間は私どもは健康保険の方でとりあえずお引き受けいたしまして、その後で労災保険との間でいろいろ費用の問題につきましては調整をするというような手段があるわけでございます。そういうふうな方法でやるように指導をいたしておるわけでございます。
#95
○村沢牧君 くどいようですけれども、現実そういう形でもって診断治療を受けても、ほとんど自己負担というケースがたくさんありますから、いま課長のおっしゃったように、振動病に認定をされないけれどもその間は健康保険でもって措置をする、そして基準監督署なり社会保険事務所で話をして適当な措置をとる、こういう考え方でいいわけですね。
#96
○説明員(北郷勲夫君) おおむね、そういうふうなやり方で現実は処理いたしておるわけでございます。
#97
○村沢牧君 それでは、以下、提案をされた法案に基づいて、基本的な問題について質問してまいります。
 詳細にわたっては、次回の委員会で同僚坂倉委員から質問いたしますので、私は基本的な問題について質問してまいりますが、まずこの法案ですが、林業生産活動を補完をする意味からいっても、金融対策を拡充しなければならないときにまた来ているわけでありますが、そのためには、単なる期限延長あるいはまた、国産材を使用する事業者に対して資金を融通するということだけでなくて、もっとやはり林業金融全体を発展をさしていくという、こういう考え方がなくてはならないというふうに思うんであります。
 そこで、農業には、あるいは漁業にはそれぞれ近代化資金というのがあるわけでありますけれども、林業にはなぜこの近代化資金というものがつくれないのか。
 それから、この提案された法案も、ただ暫定措置なんというものじゃなくて、もっとさらに近代化資金に代位する、かわるべきというわけにはいきませんけれども、そこまで発展をさせることができなかったのかどうか。この程度のもので、現在の林業に対処をしていくには十分であると考えておるんですか。その辺からひとつ答弁してください。
#98
○政府委員(藍原義邦君) 確かに林業は農業等に比べますと、こういう融資あるいは資金面での助成というのは、ある意味ではおくれておるということは御指摘のとおりかと思います。
 そこで、林業近代化資金がなぜできないかというまず御指摘ございましたけれども、御存じのように、森林組合がまず信用事業を現在やっておりません。そういう観点と、それから林業金融全体の中で、系統資金のカバー率がきわめて低いということがございます。この辺が農業あるいは漁業と大分性格が、実態が違っておるというようなことがございまして、現在林業には近代化資金がないわけでございますが、これについては、さらに慎重に検討を行う必要があるのじゃなかろうかというふうに考えております。
 それから、いまこの資金をなぜこういうかっこうにしたかという御指摘でございますけれども、私ども今回のこの法案の趣旨は、先ほど来御説明申し上げましたように、国産の木材というものが山の中で林業として成長過程にあり、現在使える国産材が余りない。しかしながら、二十年ぐらい先にはそれが伐期に達しまして、相当使用可能な木材として成長すると。その過程約二十年間ぐらいの間が、非常にいろいろな意味から林業あるいは林産業、国産材を中心にいたしましたそういうものが弱体化し、あるいは現在の停滞がさらに急激に度が進むという危険性もないわけではございません。
 そういう意味から、将来、現在植えております日本の木材が用材として利用可能になる期間、その間何とか国産材を中心にいたしました林業、林産事業を維持振興させておくことが将来のために非常に必要であるという観点から、この制度をいわゆる「当分の間」という形で設定したわけでございまして、そういう意味からも、あくまでも現在の山に植えております木が、将来用材として使えるに至るまでの間こういう金融措置をいたしまして、国産材を中心にいたしました林業、林産業を振興させるというのがねらいでございます。そういう意味からこの制度もつくったわけでございまして、先生の御指摘の点とは、その辺はちょっと趣旨が違うというふうにわれわれ考えておりますけれども、そういうことが現時点におきます林業振興のためには必要なのではなかろうかというふうにわれわれ判断したわけでございます。
#99
○村沢牧君 そこで、林業に林業近代化資金をつくることのできない一番大きな理由は、森林組合で信用事業を行っていないからという答弁があったわけであります。
 昨年、森林組合の単独立法をつくったわけであります。森林組合関係者はこれに大きな期待を寄せておったわけでありますけれども、最近私が森林組合を歩きましても、単独立法はできたけれども一体どこがよくなるんだ、どこがよくなったんだという、こういう率直な質問も受けるわけなんですよ。ただ法律をつくっただけで快しとしていてはいけないと思うんですね。昨年単独立法をつくるときにも、附帯決議として当委員会は幾つかの項目を要求しているんですけれども、その中でも信用事業についても検討をしろ、つくれというような要請もあったわけなんです。これについてはどのように考えておるんですか。
#100
○政府委員(藍原義邦君) 御指摘のように、森林法ができて何がよくなったかという御指摘でございますけれども、昨年できてまだ一年たつかたたないかでございますから、すぐにはそうよくなるとは私ども期待しているわけでございませんで、この法の精神を受けてこれから着実にそれぞれの単位森林組合なり連合会が、それぞれの発展の方向に向かって歩んでまいりますれば、当然強力な森林組合が徐々に育成されてくるであろうというふうに考えております。
 そういう意味から、たとえば五十四年度におきましては、森林組合の新生発展特別対策事業、こういうものも予算を組んでおります。こういう中で森林組合が、それぞれこれからの発展に向かっての計画を立てていただいて、それに対して着実にその事業計画どおりに仕事をしていただくというような考え方あるいは森林総合整備事業というものをことしからすることにいたしておりますけれども、やはり森林組合の作業班が中心になって、こういうものが運転されていくわけでございますから、そういうものの今後の進行状況あるいは新林業構造改善促進対策実験事業、こういうものを展開することによりまして、それぞれの山村におきます森林組合を中心にした林業の推進というのを図っていくこと、こういういろいろな施策が総合されまして、森林組合というものは今後健全な発展になっていくであろうというふうに思います。
 そういう点では、先生御指摘のとおり、法律ができたからそのままでよくなるわけではございませんで、それに見合ったいろいろな施策を考え、さらに森林組合自身が自分の発展のために努力をすること、これが必要なのではなかろうかというふうに考えております。
#101
○村沢牧君 林業資金を拡大する上において、民有林の担い手は森林組合だというふうに言われておるわけでありますが、森林組合のやっぱり充実強化はきわめて重要になってくるというふうに思うんです。
 そこで、私が質問した一つは、林業近代化資金等をつくれないのは、森林組合で信用事業をやってないんだからというお話があったわけなんですよ。もちろん、現在森林組合の数の三分の一は睡眠組合と言われるような状態の中で、全部この信用事業を与えるということも問題はあるでありましょうけれども、しかし、これも多年の懸案であり国会でも附帯決議まで出しているんですから、その辺についてはどのように検討されておるんですか。
#102
○政府委員(藍原義邦君) 森林組合の信用事業の問題につきましては、昨年の国会でもいろいろ御指摘がございまして、附帯決議の中にも今後の検討を進めるような御指摘があるわけでございますが、現在林野庁におきましては、五十三年度から森林組合系統組織、それから金融機関等の関係者の協力を得まして信用事業問題の調査を進めております。その内容は、十二月までに約三回ほど実行いたしまして、信用事業に関係いたします過去の経緯の洗い直しをやっておりますし、それから農林業をめぐります資金循環の検討をいたしております。さらには、信用事業能力の付与を必要とする実態と根拠についての系統の意見聴取、こういうこともしております。こういうことを含めまして検討を進めておりまして、できるだけ早い機会に結論を得たいということを考えておる次第でございます。
#103
○村沢牧君 さて、この法律は「当分の間」の暫定措置だというふうにされておるわけなんです。この「当分の間」という趣旨は何ですか。この制度に対して国が助成を何年か続けていけば、これは半恒久的なものになってくるのではないですか。一定の時期が来ればこの法律は廃止をするということなんですか。その辺の趣旨について伺いたい。
#104
○政府委員(藍原義邦君) 先ほども御説明申し上げましたけれども、現在の日本の林業の実態からいいまして、非常に国民の需要にこたえるだけの山の育ちができていないという実態。しかしながら、この林木が二十年先に育ちますれば、相当量国民の需要にこたえ得る能力を持つということ。そういうことで、私どもはその間やはり国産材を中心にいたしました林業なり、あるいは林産業というものが衰微しないで持続するということ、これが非常に必要ではなかろうかということを考えております。したがいまして、そういうことから推計いたしますと、大体昭和七十年代に入りますれば、いま申し上げましたような状況になり得るわけでございまして、その間を考えまして「当分の間」というふうに考えたわけでございますが、しかしながら、そういうことの中でも、もしいま申し上げましたような国産材が国民の需要にこたえられるような状況、あるいは国産材振興が順調にいきましていろいろな状況判断からそういう時点が来ますれば、何も昭和七十年代ということでない場合もあり得るのかもしれませんけれども、一般的な現在の林業、山の状況を見て判断いたしますと、大体昭和七十年代ごろまでを「当分の間」という判断で対応していくことが妥当ではないかというふうに考えている次第でございます。
#105
○村沢牧君 七十年までというとまだ十五、六年あるわけですけれども、それだけあれば「当分の間」でもなさそうな気がするんですがね。せっかくの「当分の間」なんてここに明記してありますから、これは簡単に廃止できるものではないというふうに理解をしておきます。
 そこで、この法律には第二条に、基本方針をつくらなければいけないということが規定をされており、第三条には、林業経営改善計画を作成して知事の認定を受けなければならない、受けることができるということになっております。
 そこで、この基本方針についてはどんなことを規定をしようとするのか。それから、改善計画についてもそうでありますけれども、従来造林資金にしても林道資金にしても、貸付条件としては森林計画と関連をさしてかなり細かく規定をしておるわけですね。これに加えてまた改善計画をつくらなければならない、そうしなければ償還期限の延長を受けることができないというようなことは、非常に何というか、ただ形式的になってしまうんではないか。こんなことまで指導する必要があるのかどうか。これは余りめんどうにすると、零細な事業者は資金を利用しにくくなってしまうんですね。したがって、この基本方針を農林水産大臣がつくることは、皆さんがつくるのはいいんですけれども、これに基づいて一体改善計画はどんなものをつくるんですか。その内容と考え方についてお聞かせください。
#106
○政府委員(藍原義邦君) まず、いま御指摘になりました基本方針あるいは改善計画でございますけれども、なぜこういうものをつくらせるのかということでございます。先ほど来御説明しておりますように、この法律のねらいは、やはりこれからの国産材を振興させるという一つの大きなねらいがございます。そういうねらいの中で、やはり現在の林業がある意味では、それぞれの個々の経営者にとって十分計画が立っていない、あるいは立てられていない、そういう実態も非常に多いわけでございますし、それからやはりこれからの国産材を振興するためには、外材等々の対応のためにも、それぞれの林産業等におきましても計画なり合理化というものを図りながら国産材の競争力を強める必要がございます。
 そういう一つの目標があるわけでございまして、そういう目標のためにもやはり国としての一つの基本方針を出しまして、その方針に基づいた改善計画をそれぞれの経営者の方々につくっていただくということ、そういう必要性が十分あるのではないかというふうに考えておる次第でございます。しかしながら、そのために零細の方々が利用できないという問題があっては非常に問題がございます。したがいまして、その辺は私どももその内容等につきましては十分考える、そしてまた、行政指導に当たりましても十分指導いたしまして、その徹底は図ってまいりたいというふうに考えております。
 そこで、林業改善資金の内容でございますけれども、簡単に申し上げますと、林業経営の現状、それから経営の改善方針、さらには事業計画、資金計画、大きく言いますとこういうようなところでございます。そこで、経営の状況ということになりますと、当然それは自分の持っている山の経営状況なり森林の現況ということになるわけでございます。それから、経営の改善方針ということにつきましては、自分がいろいろな仕事をしておられるとすれば、その方々の中における林業部門の位置づけがどうなっているか、あるいは生産基盤の整備の目標はどうしておられるか、後継者の養成なり確保の方針はどうか、経営方式なり事業実行法の改善方向はどうなのか、そういうことを持っていただこう。それから、事業計画につきましては、伐採、造林、林道の開設あるいは機械装備、それから労働力調達、こういうものに関する計画、それから資金の計画につきましては、事業計画を実施するために必要な資金の額あるいは調達方法、こういうものの計画、大体そういうものを考えておりまして、先ほど申し上げましたように、こういうものをつくるのが非常に煩瑣なために、せっかく必要な方々がこの資金が借りられないというようなことのないような行政指導は十分してまいりたいというふうに考えております。
#107
○村沢牧君 次に、国産材産業振興資金で貸し付けるところの資金の種類、貸付対象者、貸付限度額、償還期限、据え置き期間、金利等について骨子を説明してください。
#108
○政府委員(藍原義邦君) まず、資金の種類でございますけれども、資金の内容といたしまして、国産材供給近代化資金とそれから国産材加工流通システム整備資金、この二つに分けております。国産材供給近代化資金は素材生産及び素材引き取り等を計画的、安定的に行うに必要な運転資金というふうにしておりまして、それから国産材加工流通システム整備資金は国産材の利用、加工の高度化、国産材市場の整備、近代化等を図るために必要な設備資金、こういうふうに考えております。
 それから、貸付対象者でございますけれども、貸付対象者は森林組合、生産森林組合、森林組合連合会、それから素材生産業、木材製造業、木材卸売業を営む者または市場開設者及びその組織する団体等で国産材の生産または流通の合理化に関する計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた者。ただ、国産材供給近代化資金につきましては、貸付対象者は団体に限ることにいたしております。
 それから、融資条件でございますけれども、利率及び償還期限は、おおむね次に申し上げますような形にしておりまして、利率につきましては、運転資金につきましては短期が五%、長期が六・三%、設備資金につきましては六・五%ないし六・八%、こういうものを基準にして考えたいと思っております。ただ、これは四月の十七日に公定歩合の引き上げがございましたので、今後この金利の実勢の動向によりましては若干の引き上げが行われることがあるかもしれませんが、いまの段階ではこういうことを考えております。
 それから、償還期限でございますけれども、短期運転資金につきましては一年以内、長期運転資金につきましては三年以上五年以内、据え置きは三カ月以上一年以内というふうに考えております。それから、設備資金につきましては、五年以上の七年以内、そして据え置き期間は六カ月以上一年六カ月以内というふうに考えております。
 それから、貸付限度額でございますが、これはそれぞれの資金の種類等に応じました限度額を設ける予定にいたしておりますけれども、最終的なものでございませんけれども、大体五千万程度ではどうかということで現在検討中でございます。
#109
○村沢牧君 そこで、借り受け対象者の範囲ですが、国産材を振興するための資金でありますから、やっぱり国産材を多く取り扱っている業者を対象にすべきだというふうに思うんですね。しかし、現在、先ほど来指摘しておりますように、外材の輸入が六六・四%にもなっておって、多くの業者は国産材と外材とをあわせ使っており、しかも外材の方が多いという現状なんです。したがって、国産材を使うシェア、これはどの程度に皆さん方は判断をしておるんですか。また、それはどういうふうに認定をしていくんですか。
#110
○政府委員(藍原義邦君) 本来であれば、国産材振興のための施策でございますから、国産材だけを扱っておる方というふうに規定するのが妥当かと思います。ただ問題なのは、現在三分の二以上外材が入っておるという実態でございます。したがいまして、私どもといたしましては、大体国産材のシェア五〇%程度の方々を対象にして考えたらどうだろうというふうに考えております。
 それから、その判定基準でございますけれども、これは取り扱いの実績を基準といたしまして判断するように指導していきたいというふうに考えております。
#111
○村沢牧君 次に、この国産材資金の利率ですね、利息は先ほど短期運転資金が五%、設備資金や長期資金が六・三%から六・八%という説明であったわけでありますけれども、末端借り受け者はこれだけではとどまらなくて、これに加えて林業基金の保証料あるいは出資金に対する逸失利息と申しますか、これが要るわけですね。それらを加えれば、末端の負担率は大体どのくらいになりますか。五%ではないでしょう。
#112
○説明員(佐竹五六君) 御指摘のように、債務保証の保証料が必要となります。したがいまして、これが〇・六八%と、こういうことになります。それ以外にもう一つ、御指摘の逸失利息、基金の出資の利息相当分がございまして、これは一応推計いたしますと、〇・一九%ぐらいになるわけでございます。両方で、先ほど長官から御説明いたしました利率に、さらに基金の保証を受けます場合には〇・八七%程度が加算される、かようなことになるわけでございます。
#113
○村沢牧君 五%という利率であるけれども、実際には〇・八七%くらいを加算されて、くらいですから、五・九%くらいになる。そうしてみると、必ずしも私は低金利ではないというふうに思うんです。現在、業種によっては金融機関から五%以下で借り受けているところもあるし、県によっては、この種の資金を三%から四%で貸しているところもあるわけですね。これらから比べてみると、せっかく制度をつくっても、こういう利息であっては決してもう必ずしも低金利ではない、そのように指摘せざるを得ないんですが、その辺はどういうふうに判断しますか。
#114
○政府委員(藍原義邦君) いま林政部長から御説明したような形になるわけでございますが、私どもは林業信用基金におきまして、種別に調査をしたわけでございますが、これは金融機関の種別によりまして差はございますけれども、短期資金におきましては平均六・九%程度、長期資金では平均七・五%程度、こういうふうになっておりまして、こういうものから比べて、さらにこれに債務保証料等を負担するわけでございますから、そういうものに比べたら、私どもはやはりある意味では低水準ではないかと判断しております。
#115
○村沢牧君 そこで、この保証料なんですけれども、基金の保証料をつけるかどうかということは、金融機関の判断によってつけるものですか。ということは、たとえば系統金融、農林中金等の資金を利用する場合においては、従来この種の保証料はつけておらない。したがって、こういう資金を系統金融を通じてやる場合においては保証料は必要としないではないかと、このように判断するわけですね。保証料というのは、これはあくまで義務づけられるものですか、それとも金融機関の判断によってつけるものですか。
#116
○政府委員(藍原義邦君) 今回のこの資金の貸し付けにつきましては、やはり借り受け者の信用力、あるいは担保力、こういうものを補完するために、融資機関の依頼があれば原則として林業信用基金が債務を保証するということにいたしております。しかし、いま先生が御指摘になりましたように、融資機関が借り受け者の信用度から見まして、その必要がないというように判断した場合には、信用基金の債務保証は要しないことになります。したがって、これはやはり借り受け者が担保を必要とするか、債務保証を必要とするかどうか、その判断を金融機関がやりまして、それによりまして債務保証を信用基金がするという形になりますので、金融機関の方でその必要はないというものについて強制的に課すものではございません。
#117
○村沢牧君 そのことのないように、ひとつ農林水産省当局も金融機関を指導してください。
 それから、制度金融というのは、公定歩合の引き下げの場合には対応がきわめて遅いわけですね。公定歩合が下がった場合においては、制度金融の利率を下げることは遅い。しかし、これが引き上げの場合にはきわめて敏感にすぐ上がってくるわけですね。そこで、この国産材振興資金の仕組みは四倍協調融資である。つまり国、県の資金が一で、金融機関の自己資金が三という割合になっているわけですね。そこで、こういう割合になっている資金でありますから、最近のように公定歩合が引き下げになってくると、五%ということを皆さんが規定をしても、五%で果たしてとどめることができるかどうか。
 このことと、もし市中の金利がどんどん上がってくるようになってくると、融資枠が、四倍融資といっても、その枠が縮小されてくるのではないか。その辺については、国も金を出すのですから、どういう指導性と権限を持っているのですか。
#118
○政府委員(藍原義邦君) 確かに公定歩合の変動によりまして、それぞれの金融機関の貸し出し金利というのは変わってきておるわけでございますが、そういう観点から、この制度につきましても、先ほど御説明申し上げましたように、今後そういう時勢の変動によりまして、必ずしもこれが先ほど申し上げましたような金利で固定するわけではございませんで、若干の手直しはどうしても出てくるということは、御理解いただきたいと思う次第でございます。
 それからもう一点、そういう場合に、四倍協調融資をどうするかという御指摘でございますけれども、私どもといたしましても、これはやはりこういう形で考えておりまして、四倍協調融資についてはこれを変えるということは考えておりませんし、そのために必要な融資枠については十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#119
○村沢牧君 公定歩合の引き上げによって五%必ずしも維持できないという、最初から、提案するときからそういう考え方なんですが、せっかくこういう資金をつくって、五%にしますからということで国産材を振興しようということなんですね。そういうことになったとするならば、国の方でもう少し金を出すなり、あるいは利子補給をするなり何とかして、やっぱりせっかく提案する五%だけは堅持していくんだと、四倍融資をしていくんだと、そういう姿勢が提案をするときからなくちゃ、これはきわめて不安なんですが、どうなんですか。何%かわからぬような利率じゃ困るじゃないですか。
#120
○政府委員(藍原義邦君) 私どもとすれば、できるだけ先ほど申し上げましたものを堅持していきたいというように考えております。しかし、金融問題は、御存じのとおり、全体のやはりいろいろな類似金融制度とのバランスの問題もございます。したがいまして、そういうもの等勘案しながら対応しなければいけない問題がございますので、先ほど申し上げましたように、若干の手直しがあるかもしれないということを御理解をいただいておきたいということでございます。
#121
○村沢牧君 予定された時間がぼつぼつ終わりになってきますから、最後に一点だけ質問して私の質問を終わりたいと思いますけれども、公庫の資金には、いま提案をされた造林資金や林道資金以外に幾つもの種類があるわけです。したがって、林業をめぐる諸情勢の変化に対応して融資条件の改善を図っていかなければならない必要性がまだほかにもあると思うのですね。しかし、造林と林道資金だけに限って期限延長をした、これだけでいいのかどうか。
 このことと、それからさらに公庫資金の内容で、融資条件を改善すべきものが私は幾つかあるというふうに思うのです。たとえば経営改善資金の融資限度を個人は二百万しか認めておりませんが、これなんかは枠を拡大すべきである。維持資金は一人当たり六十万である。これではきわめて少ない。振興山村資金についても若干上がったようでありますけれども、他の農林漁業団体と同じような額にすべきである等々、この公庫資金の融資条件を改善すべき問題があるし、またそういう要望も出ておろうというふうに思うのですけれども、今後においてこうしたことについて検討する用意があるかどうか、最後に伺って、私の質問を終わります。
#122
○国務大臣(渡辺美智雄君) 農林漁業公庫の林業関係の資金については、毎年改善、拡充を図ってきたところではございますが、いろいろな御指摘もございまして、今後とも制度全体の問題について、その整合性等を配慮しながら改善に努めてまいりたいと考えております。
#123
○村沢牧君 時間ですから終わります。
#124
○委員長(久次米健太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十分
     ―――――・―――――
   午後二時三十二分開会
#125
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、林業等振興資金融通暫定措置法案を議題とし質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#126
○片山正英君 きょうは大臣がお留守でございまして、まことに残念ではございますが、幸い政務次官おいででございますので、いろいろの討論の中で、どうかひとつお含みいただきまして御指導を賜りたい、こうまずもってお願いを申し上げておきます。
 この法案は金融の法案でございますが、林業諸団体、木材諸団体挙げて主要な十八団体がそれぞれ陳情をしているほど、大変重要な、大変また必要な法案であろうと思います。あえて言えば、干天の慈雨のごとき法案であろうとさえ思います。そういう意味で、林野庁の御努力にまずもって敬意を表するわけでございます。
 ところで、白書の中にも大変ございますが、そしてまた先ほどの大臣の御説明の中にもございましたが、最近の林業は非常に厳しいということ、そして非常に収益性は低いんだということを大臣が重ねて言っておられます。白書にも本当に詳しく書いてございますが、あえて若干重複はいたしますが、要約していまの現状の林業、最近の林業の現状をどう判断しておられるのか、そしてまた、その判断に基づいて特に重点としてお考えになっておるのは何なのか、たくさんあると思いますが、要約して簡単にひとつまずそこからお聞きをして話を進めてまいりたい、こう思っております。まず、林野庁からお願いを申し上げます。
#127
○政府委員(藍原義邦君) ただいま御指摘になりましたように、最近の林業をめぐる状況というものは非常に厳しいものがございます。と申しますのは、たとえば拡大造林の面積の推移を見ましても、年々拡大造林の面積が落ちております。それから木材の需給を見ましても、国産材の需給が減ってきております。それから労働力を見ましても、昨年に比べますと、大体横ばいというような形ではございますけれども、わずかながら減少ぎみでもございますし、さらにその質を見ますれば、非常に老齢化をしておるというような問題。そして木材価格を見ますと、非常に価格そのものが低迷しておる。それから需要の方面におきましても、住宅その他、代替材の進出によりまして需要面がはかばかしく伸展していない。まあいろいろの問題ございます。
 そういう非常にむずかしいいまの状況の中で、これからの林業をどう推進していくか、その重点施策は何かという御質問でございますけれども、私どもとすれば、やはり林業というのは非常に気の長い仕事でもございますから、四十年、五十年先を見通すはっきりしたものを確立してやることがまず第一に必要であろう、そのために四十八年につくりました基本計画等がございますけれども、日本の大きな経済状況の変動の関係等々から、現在それがある意味で乖離をしておるということも非常に大きな問題でございます。こういうまず基本になりますものを整備し、そして資源の基本計画なり需給の見通しというものをここでもう一度見直してはっきりさせるということ、これがまず第一に必要であろうというふうに思っております。
 これについては、むずかしい作業でございますので時間が相当かかるわけでございますが、できるだけ早く対応していきたいというふうに考えておりますが、そういう基本に立ちまして、さらには林業のおくれでございます林道、造林等の基盤の整備、そしてまた労働力の確保等々、いろいろな施策はございますけれども、従来やってまいりましたものをさらに整理いたしまして、その中から重点的なものを今後とも進めてまいらなきゃいかぬわけでございますが、本日御審議いただいておりますこういう金融的な措置、こういうものも林業については非常におくれておる措置でございますので、こういうものも今後さらに積極的に拡充を図らなければいけないというふうには考えておる次第でございます。
 要は、基本的には、いま申し上げましたような気の長い仕事でございますから、先を見通すものがどうなのかということをまずはっきりさせること、これが何よりも私は必要なのではなかろうかというふうに考えております。
#128
○片山正英君 いま長官のお話は、そのとおりだと私も実は理解はしているわけでございますが、ただ、私は少し角度を変えて、こういういろいろな未解決の問題がたくさんありますが、こういう問題は何に起因しているんだろうか、どこにあるんだろうかという点を二つの面からひとつ検討してみたいと、こう思っているんです。
 それは、まず第一点は、農林水産省の中で、農業、水産と全く違う林業があります。同じ農林水産省の中で、政策的に本当に基本的に違っております。それは何かと言うと、農業関係について例を言えば、まあ一言にして言えば、保護貿易主義と申しますか、国内の生産に対して外圧からある程度保護しておる、こういう政策が一本通っております。ところが、同じ農林水産省の中で林業については、これは全く素っ裸の競争であります。そこがまず基本的に違っておる。そこがもろもろの苦しみの一つの原因の基本にあるということを、私はちょっと感ずるわけであります。そして、したがって木材価格はどうなんだろうか、そういう面から見ますと、残念ながら外材主導型であります。国内中心のことにはいきません。いまや六五%を過ぎた外材でございますだけに、まさしく外材主導型の価格体系である、ここに私は悩みの姿のもう一つを見るわけであります。
 それからもう一点、それは一つの供給側からした問題点でございますが、需要側から見る木造住宅政策、住宅というのは大変ないまわが国の基本政策の一つとさえ言われておる政策でありますけれども、その住宅政策の中における木造住宅の位置づけというのが大変不明確であります。したがって、これは住宅もそうでございますけれども、木造住宅の、非常に好景気のときは百九十万戸というくらいになるかと思うと、次の年は百三十万戸に激減するというような非常な揺さぶりがあります。この需要の変動、これが私は農林水産省のほかの物資にはちょっと見れない、需要側からかき回された原因があるわけであります。したがって、そういう問題、大きく言いますと三つの問題。かてて加えて山村における基盤整備、林業を初めとする基盤整備、人が住みやすい環境というものは都会とますます格差が起きてきておる。そこに私は、林業山村の基本的な問題があるというふうに実は思っております。
 そこで、林野庁が言っている厳しい情勢というのを数字的に把握してみたいと思って、実は林野庁ともお打ち合わせをしました。戦前からの何か統計がないだろうかというようなことでございましたが、なかなか短期間でございましたからそれを急に申し上げるのもむずかしい。したがって、私は、ちょうど統計があるようでございますが、昭和三十九年、高度成長も少し足並みがだんだん衰えようとしてきている、そしてまた、その時期に林業基本法が通っていよいよもって構造改善を開始した年、ちょうど十五年前であります。そのときを一〇〇としまして、現在までどのような指数になったのかを、次の四点についてお調べいただいたと思いますので、御回答いただきたい。
 それは、三十九年を一〇〇として、その後の一般物価はどのように伸びたのか。それから、木材価格はどのように伸びていったのか。それから、労賃あるいは育林費としてもいいでしょう、それはケースによってどのような伸びを示したのか。それから最後に、木造住宅の単価は坪当たり、あるいは平米でもいいですが、どのように伸びていったのか、この四点を数字的にお調べいただいたと思うのでございますが、お知らせをいただきたいと、こう思います。
#129
○政府委員(藍原義邦君) ただいま先生が御指摘になりましたそれぞれの価格につきまして、三十九年と五十三年を比較いたしまして倍数で申し上げますと、物価につきましては一・八倍になっております。それから木造住宅の建築費でございますが、これは三・五倍になっております。それから製材、木製品の価格でございますが、これが二・二倍でございます。それから立木の杉でございますけれども、これは一・九倍、ヒノキは三・二倍になっております。林業労賃は四・八倍でございます。それから育林費が、杉につきましては五・二倍、ヒノキについては六・五倍というふうになっておりまして、労賃、育林費の上昇が非常に著しいという形が出ております。
#130
○片山正英君 ただいまの数字は、私はいかに厳しいかというのを具体的に判断できる資料であろうと思います。
 先ほどの長官のお答えによりますと、十五年前と比較して、ちょうどこのときから林業構造改善に投資が始まった時代でありますけれども、物価総平均が一・八倍、木材が二・二倍、確かに一般物価よりは多少上回っております。しかし、木造住宅の建築費は三・五倍だと言っています。ここにも一つおかしさがあるんですね。世の中で、木材が上がったから建築費が上がったとよく言われておりますけれども、木材は二・二倍しか上がってない。にもかかわらず、建築費は三・五倍になっている。それで木材が上がってけしからぬと、こういうようなことがよく書かれておるんですが、私はそういうのを見るたびに、どうも正確なPRが足りないなということをつくづく感じておるわけですが、いま指数ではっきりしております。それが第一点。木材がいかに需要面について不遇であるかが第一点。
 それからもう一点、そうすると育林の方はどうか。木材をつくる育林はどうかというと、杉は五・二倍、ヒノキが六・四倍、こういうんですから、木材は二・二倍しか上がってないわけですから、これまた生産コストは三倍近いものが上がっているわけです。ここにもまた、非常に厳しさを数字的に示しているわけであります。こうならぬように、林業投資、林業構造改善というものが進められた当時は、そういう期待のもとに進められたはずだと思いますけれども、残念ながら結果的には、構造改善をしたにもかかわりませず、これだけの値上がりをせざるを得ない。もちろん、その中には労賃の四・二倍も含んでいるんですが、そこに大きな問題がある。これをどのように今後是正し対処していくか。これはもちろんいまの金融問題が大きく私はあずかって力があると思いますが、それだけに、ほかの金融措置とのバランスも必要でしょう。しかし、こういう側面を打開するための金融措置として初めてこの金融が取り上げられたわけでございますから、どうかそういう意味の御努力を今後ともひとつお願いを申し上げたい、こうまずもって思います。
 そこで、国土庁来ておりますか。――実はこういう姿の中で、たまたま定住圏構想というのを国土庁で打ち出されたわけであります。私も書類を拝見しておるんですが、あれはおととしの十一月ですか、閣議決定を経たわけですね。
 それで、まず最初にお伺いするのは、あれは三全総、いわゆる定住圏構想は三全総の計画として出ているわけでございます。内容を見ますと、そこに政策も入っておりますね。単なる見通しじゃありません。計画であり、政策が触れてあります。したがって、閣議決定というのは、計画の決定であると同時に、そこに盛り込まれている政策の決定、こう見て差し支えないと思いますが、よろしゅうございますか。
#131
○説明員(白井和徳君) 基本的には、そう見て差し支えないと思います。
#132
○片山正英君 そこで重ねてお願いを申し上げます。
 計画の内容について私もざっと見ただけですから、あるいは間違って落ちこぼれがあるかと思いますが、流域圏というものをつくり、そしてそれを流域単位ですから全国で二百ないし三百の一つのブロックをつくられる、その流域圏自身がそれぞれに安定をする、それには産業構造、社会構造もそれに即したものに持っていかなければならない、こういうふうに私も拝察しておるんです。そして、その流域圏を構成する因子としては、定住区というのをつくっておられる。これも、たしか二万ないし三万ぐらいの定住区をつくっておられる。この定住区はどういう考えかと思って見ますと、何か学校区ぐらいの単位にしてその中の安定をさらに図る、こういう構想であるように拝察をいたします。その定住区をさらにまた十倍ぐらいに小さくして二十万か三十万ぐらい単位の、と申しますと部落単位ぐらいになる、それぞれがまたそれの意味を持ちながら安定しなければならないと、こういうふうに理解をしておるんですが、まずその点、それでよろしゅうございましょうか。
#133
○説明員(白井和徳君) ただいま先生が御指摘になりましたように、定住圏という考え方で三全総は打ち出してあるわけです。これは、ある程度都市と農村を一体とした人間居住環境の整備という広域的な視点から成り立っているわけでございます。これは一つの生活圏域であると同時に、一つの開発圏域というような形でもって観念されておるわけです。その圏域は、いま先生御指摘のように、全国で二百から三百ぐらい展開されて、全国を覆うていくという形において国土開発行政を進めることによって国土の均衡ある発展が担保される、かように考えているわけですけれども、その定住圏をなしている圏域の下に定住区と、これは一種の日常生活圏的な圏域があるし、その下に居住区という形でもって、もう少し近隣的な関係を形成しているという社会的な関係の一つの生活圏域と申しましょうか、そういうようなものの積み重ねにおいて、最終的に定住圏という圏域が構成されるというふうに三全線では指摘しているということでございます。
#134
○片山正英君 そこでお伺いするんですけれども、ただいまの流域圏、定住圏、それを単位としましてそれぞれがやはり安定をする、都市も農村も、山村が抜けたが、山村もだと思いますが、安定をするということだろうと思います。そこで、定住圏の中の山村の位置づけというか、あるいは仕事で言えば山村の主体は林業だといいますから、林業の位置づけと申しますか、そういうものはどのようにお考えであるか、ひとつお聞かせ願いたい。
#135
○説明員(白井和徳君) 三全総は、御承知のように、二十一世紀に向けての一つの長期的な基本構想という性格を持っておるわけでして、現在三十七万平方キロの日本の国土に一億一千三百万人の人間が住んでおるわけです。超長期的には、約一億四千万ぐらいになるだろうというふうに推定しておるわけです。そうしますと、国土と人間のかかわり合いといいますか、このかかわり合いを、先生御指摘のように、安定的に確保していくということが基本的な課題であるわけでございまして、したがいまして三全総におきましては、計画課題といたしまして国土管理につきまして非常に重視してその辺を記述しているわけでございます。
 その中に、林業につきましては、御承知のように、いわゆる森林の持つ機能というもの、これはもう先ほどから御指摘がありましたように、生産的な機能が一つあります。それから、国土保全的な機能がございます。それから、やはり水資源の涵養的な機能、それからやはり国土の緑を守るという自然保護、こういうような公益的な機能を持っているものだというふうに理解しておりまして、こういう公益的な機能を持つ林業というものを、今後やはり総合的な観点から整備していく必要があるという点を指摘しております。したがいまして、そういうことは同時に森林の適切な管理、森林経営につながっていくわけでございますので、したがって、それの主体者である山村というものをやはり重視していかないと、今後やはり国土管理がうまくいかないという点を強く訴えております。しかし、これはなかなかむずかしい問題でございまして、山村におきましては人口減少が進んでいると、非常に過疎化の問題がございます。
 したがいまして、三全総におきましても、山村における振興対策ということにつきまして、それは一つは生産面における対策、それから一つはやはり生活環境を整備するということ、それからもう一つは交通ネットワークの整備、そういうものを通じまして、山村において優秀な若者が定着できる環境条件を整備していくということによって国土管理の安定が確保できる、こういう点を三全総では指摘しておるわけでございます。
#136
○片山正英君 交通ネットワーク等いろいろな問題、山村を重視しているというお話を伺ったわけですが、これについてはもう少し後でちょっと触れてみたいと思います。
 時間がありませんから進みますが、定住圏構想の中のいわゆる流域圏というのを想定されておりますが、水との関係でしょう。それをどのように判断しているか。具体的に言いますと、現状として水が大変不足する地帯、それから比較的潤沢な地帯、したがって将来そういうものをどのように活用するかということは、水資源は輸入もできないわけですから、私は一つの定住圏の考えに入っているのだろうと思う。したがって、水の不足するときにどんどん人がふえるというのも当たらぬはずでございましょうから、そういう水の問題を定住圏との関連でどのように判断しておられるか、簡単でいいですからひとつお答えをいただきたい。
#137
○説明員(白井和徳君) 短期的には非常に去年の北九州みたいな問題がございますので、広域的な利水というものはある面では関係省庁調整の上やらなければならぬと思いますけれども、超長期的に考えれば、やはり一人当たりの水の賦存量と申しますか、これは確かに先生御指摘のように、各地域によって大分差がございます。したがいまして、われわれといたしましては長期的にはやはり水資源の豊かなところに多くの人が定着できるように、そういうような政策を担保していくことが必要じゃないかというふうに考えております。
#138
○片山正英君 国土庁にばかり聞いているわけにいきませんので、最後にお伺いしたいのは、実はこういう計画を本当に地につながったように推進していただきたいのが私の願いなんです。
 そこで、たとえば経済企画庁では、この前公共投資七カ年計画二百四十兆というのを策定をいたしました。そして、これも閣議の決定を経たはずであります。これと定住圏との関係があるのかないのかというのが、私一つ疑問に思ったんです、実は。そこまで検討する余地はなかったのかもしれぬという気もしておる。
 そこで、それとの関係があったのかないのかひとつお伺いしたいのと、もう一つは、国土庁自身がこの定住圏を推進するための資金計画、投資計画、こういうものを私はおつくりになって、そしてそれを一つの指導理念として数字を示すべきじゃないだろうか。そうしなければ、どうも単なるうたい文句にすぎないのじゃないだろうかという気がしてなりません。たまたまこの前のアメリカにおける大平総理の談判の中で、いかなる議論も要りませんと、数字で示すのが本当の態度ですということを総理みずからが言っておられたのを聞いて、私もそれをまねるわけではありませんけれども、そういう投資的なもの、これが私は決め手になるんだろうと思います。そういうものをおつくりになったのか、あるいはこの七カ年計画との関係で何か検討されたのか。もしつくってないとすれば、そういうものをつくるべきだと思いますが、いかがでございましょうか、お伺いします。
#139
○説明員(白井和徳君) 新経済計画で、七カ年で社会資本投資累積額二百四十兆円という点が経済計画の基本構想で述べられています。三全総でも、今後安定成長ということで経済成長率六%程度を前提といたしまして、政府固定資本形成べースでございますが、約二百四十兆ということで十カ年の社会資本投資を担保するということを述べております。したがいまして、三全総における投資規模と、それから経済計画におきます七カ年の投資規模との間には十分調整をとっておるわけでございます。したがいまして、その辺は調整はとれているというふうに御理解いただいて結構だと思います。
 それから三全総は、御承知のように、経済計画と違いましてある程度長期にわたるものでございますので、資金のそれぞれ事業別の配分については触れておりません。で、投資の方向につきましては、これは文章表現でございますが、重点的な方向といたしまして、地方定住を推し進めていくことを一つの大きな投資の重点配分の方向にしております。それから国土の管理とか、あるいはエネルギー、住宅、こういう問題についての投資の重点方向ということで触れております。
 国土庁といたしましては、したがって資金配分につきましては、新経済計画の基本構想にございます数字につきましては十分関心を持っていますし、企画庁それから林野庁とも調整された数字と、それで三全総の趣旨に沿っていると、こういうふうに理解しているわけでございます。
#140
○片山正英君 ちょっと時間がないので本当にまずいのですが、いまの二百四十兆というのは経済企画庁の七カ年計画ですね。
#141
○説明員(白井和徳君) はい。
#142
○片山正英君 いまあなたのおっしゃった二百四十兆という国土庁のやつは、十カ年計画と言いましたですか。
#143
○説明員(白井和徳君) はい。
#144
○片山正英君 それは内容は違うんですね。
#145
○説明員(白井和徳君) はい。
#146
○片山正英君 じゃ続けますが、それと、私は結論から申しますと、やはり山村に対する位置づけをもう少し明確にしていただきたい。何か、もやっとしてはっきりしない。林野庁が協力しようにも、どうしていいかわからぬという程度の何かもやっとしているところがある。
 そこで、私はやはり課題としては、山村の定住条件の整備は何なのだと、それから具体的に言えば、人口の定住を図ることを基本目標としてどうするんだろうか、これを明確にしていただきたい。そして、できれば資金的にもぴしゃっとはいかぬに決まっているけれども、構想的に打ち出してもらいたい、これは願いなんです。そうでないと、どうも何か遠いところにいい目標はあるんだけれども、数字との関係、それから今後の基本的林野庁の態度、農林水産省の態度というものに対して何かこう割り切れない、力が入らない。それが、いま林野が非常に苦しんでいる私は根本原因だと思っている。ですから、その点、ちょっと総合的に判断できる国土庁に、ひとついいところの御答弁をお願いしたいと思っております。
#147
○説明員(白井和徳君) 先ほどの数字の問題で、三全総が二百四十兆、それから七カ年計画で二百四十兆、同じ数字じゃないのではないかということで、まさにそうでございまして、新経済七カ年計画ではあれは用地費が一つ入っているわけですね。それから、いわゆる五十三年価格になっています。ところが、三全総におきます二百四十兆というのは国民経済計算上のいわゆる数値でございまして、用地費が入っておりません。それから、価格が五十年価格でございます。したがいまして、直ちに直接比較するわけにいきませんけれども、換算すれば大体調整はとれている、かように申し上げたわけでございます。
 それから、三全総について林業なり山村のもう少し具体的な位置づけをしろと、こういうことでございますが、何せ長期的な計画でございますので、それでやはり数値につきましてはある程度担保できるものを中心にして出しているわけでして、そういうようなものにつきましては、具体的にはやはり経済計画等でもって明らかにされるのが適当ではないか。
 それから、山村の具体的な位置づけにつきましては、山村振興課長が来ておりますので、ひとつ答弁させていただきます。
#148
○説明員(羽鳥博君) 山村の定住条件の整備につきましての具体的な推進についてお尋ねと考えますので、私の方からお答えいたしますが、御承知のように、山村振興対策につきましては、昭和四十年度山村振興法が制定されまして以来、振興山村に指定されました市町村を対象に、産業基盤の整備とか、あるいは生活環境の整備、こういった面におきます他の地域との格差の是正を図る、こういうことを目的として実施されてきたわけでございます。四十年度から第一期を進めてまいりまして、四十七年度から第二期を御承知のように推進しておるわけでございますが、間もなくこれも終了するという段階にありまして、これから審議会の意見なども尊重いたしまして、第三期の山村振興対策を推進してまいりたいというふうに考えて、昭和五十四年度予算に国土庁といたしましては所要の経費を計上しておるわけでございます。
 今後の山村振興対策の方向といたしましては、審議会の意見書にもありますとおり、山村と他の地域との格差の是正を図るということ、それから先ほども御議論ございましたように、山村の農林産物の供給とか、あるいは国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全と、こういった重要な役割りを山村が果たしておるわけでございますが、そういった役割りをさらに一層推進するというために、山村におきます定住条件の整備を進めまして、人口、特に若者の定住を図ることを基本的な目標として推進したいというふうに考えておるわけでございます。そういった基本目標に照らしまして、農林業等の産業基盤の整備とか、あるいは交通、通信、医療、教育、文化、こういった生活環境の整備、こういった各種の施策の拡充強化を図ってまいりたいというふうに考えておりまして、今後とも関係の各省庁の協力を得まして施策の拡充強化に努めてまいりたい、かように考えておるわけでございます
 以上でございます。
#149
○片山正英君 じゃ、最後に要請だけを申し上げます。
 私は、定住圏構想の中を読みますと、地方の定住推進のための基盤整備に必要な投資は最重点にする、これが第一番目に書いてあるんです。それを果たしていただきたいんです。それを受けて、私は山村振興課が基本的にやってもらいたい。いまだに人口は定住していません。どんどんどんどん過疎化になっているのは山村だけですよ、いまや。ですから、人口定着というものをもう少し目標に置いて整備をしていただきたい、こう思います。
 それから、林野庁に関係したことが二つ触れてあります。流域単位として水の問題に触れまして、水は何も山の人たちが恩恵をこうむるんじゃなしに、都市の人がやっているんですから費用分担方式を確立しなさい、そういうことを検討しなさいとうたつておりますね。それが閣議決定になっております。それからもう一点は、レクリエーションの整備、これを森林の目標の一つとして整備をしなさい、これも閣議決定になっています。ですから、これは林業の大きな側面をとらえておっしゃっているんですから、これは今後林野庁にこれから引き継ぎますが、林野庁がたまたま長期需給計画、資源基本計画をいま策定中であります。それに反映するように私は国土庁にもお願いもする、林野庁にもこれからその点の質問を開始をしたい、こう思っています。国土庁は以上であります。
 それでは、森林の資源基本計画と林産物需給長期見通し、林野庁関係について、いまの定住圏構想に触れながら御質問をいたします。
 まず、第一点の基本計画の考え方、これは当然高度成長から変わったんですが、考え方とスケジュールをごく簡単にお答えをいただきます。
#150
○政府委員(藍原義邦君) 考え方とスケジュールという御指摘でございますが、考え方につきましては、まず資源の基本計画でございますけれども、これは単に森林資源がその機能を高度に発揮し得るように整備を図るという、木材を中心にいたしました機能だけではなくて、いまも御指摘になりましたようないろいろな公益的機能、そういうものも十分含めた高度発揮という考え方から、この現行計画と同じような形で基本的な考え方を打ち出していきたいと思っておりますが、そのほかに他の国土利用計画等、国でつくりましたいろいろな関係する計画がございますが、そういうものとの整合性。それから林道、造林等、目標数値が現在も出ておりますけれども、こういうものの進度の見直し、それから公益的機能あるいは木材の需要の多様化、こういうものを重視いたしました森林施業の検討、それから労働力の充足可能性の検討、こんなものをさらにいろいろと検討いたしまして、これらの目標の達成を図るための施策の方向と申しますか、そういうものも盛り込んでいきたいというふうに考えております。
 それから、需給の見通しでございますが、需給の見通しにつきましては、先生さっき御指摘になりましたように、外材との関連もございます。したがいまして、世界の木材需給の動向、あるいは海外産地国の資源の内容とか森林施策、輸出施策、こういうもの、それから外材と国産材、あるいは木材と非木材、こういうものの競合関係、こういうものを把握いたしましてさらにその関係を分析し、林業関係、あるいは林産業関係の方々が指針として有効に機能できるような長期見通しになるように努めていきたいというふうに考えております。そして、このスケジュールといたしましては、五十四年中を考えておるわけでございます。
#151
○片山正英君 私は、あちこちで懇談したり、民間の人あるいは有識者の人と話すことがあるんですが、そのときに一番この長期計画あるいは資源基本計画について林野庁にこうしてもらいたいなあというものを三、四点ほど申し上げて、御意見を伺います。
 まず、資源基本計画長期見通しというのは、従来は国民所得とのバランスとかそういうもので、過去の類推をずっとはかって大体推定してきた。もちろん、いろいろな問題もありますからそういうものを加味はしましたが、おおむね過去の推移と、国民所得がどう伸びるんだろうというようなことを類推して、大体需給計画を立てたと私は思っております。しかし、これを立てたときは高度成長時代でございましたが、いまやまさしく低成長時代、そして資源有限時代と福田前総理もかつて言われたように、そういう角度から基本的に見直さなければならないという時代に突入をしております。したがって、過去の類推というものは、それほど私は重要指針に見えない。一般の人は、それを類推したからということで、期待感が持てないような気がします。
 そこで、どういう点を明確にしていただいたらいいかと、それを申し上げたいと思うのは、まず第一点は、木材供給面におきます相手国のあり方。米材、南洋材、それからソ連材、ニュージーランド関係ですか、四つぐらいの大きな輸入国、相手の国の姿はどうなんだろう、どのようにそれが日本の輸入に関係するであろうか。先ほど村沢委員も言われましたように、ある国によっては、もう十年もたつとわからないのではないかというような不安感すらあるんじゃないかと巷間言われてさえおります。したがって、そういう国別の供給というのをどう考えていくか、これは明確にすべきだと思います。当たるか当たらぬかは別です。あくまで努力をして、それは明確にすべきじゃないだろうかと思うのが第一点。
 それから第二点は、これは木材需要関係です。これも、やはり高度成長の中で一つの類推を行われたのですが、いま木材の需要の最重点はやはり住宅でございますから、それも林野庁に関する限り木造住宅でございますから、したがって、これとの関係をもう少し需要面において明確にすべきだと私は思います。したがって、これは建設省あるいは通産省、大蔵省も入った需給委員会というのがつくられておるのは、そこに私は意義があるんだと思いますだけに、これを明確にしていただきたい、これが第二点であります。
 それから第三点は、森林資源の整備の充実、そこを明確にしなければならない。そこで、ただ一般に森林という中にも、保安林だ何だといろいろありますから、たまたま林野庁は森林の目的別調査ということを、たしか二百ヘクタールか四百ヘクタール単位に細かく調査されたはずであります。そういう調査から、この森林は何をやったらいいかというのをたしか御検討されたはずでございますが、いま手元になければ仕方ありませんが、もしございましたらその結果はどうなんだろう、それをどのように理解されておるのかというのを、お伺いしたいと思います。そういう森林資源の本当のあり方、それを明確にしていただきたい。単なる伐期は何年でございますよというだけの指導では困る。私は、そこはもっともっと地域性を含めて明確にしていただきたい。それが第三点。
 第四点は、先ほど国土庁の定住圏構想、いわゆる水とレクリエーションの場、あるいは山村重点方針も国土庁は言っておるのですが、水とレクリエーション等の機能というものを今後森林に相当期待される。それに対して、やはり私は森林資源基本計画の中に織り込まれるべきではないだろうか。
 こういう以上四点、意見を申し上げて御意見を伺いたい。
 それからもう一点、林産物需給長期見通しでございますから、木材だけじゃなくてもいいんじゃないだろうか。私は、木材と言うと普通の用材を言っているわけですが、シイタケ原木林、これはどっちの方に入るのか。薪炭の方に入るのか、木材の方に入るのかわかりませんが、シイタケがいまや農家の所得のお蚕さんを超す所得にかわってきているわけでございますから、重要な林産資源であります。それもあわせ、林産物でありますから御検討いただいておるのか、それを出していただけるのか、その点をあわせお伺いをいたしたいと思います。簡単でよろしゅうございますが、ひとつお答えいただきます。
#152
○政府委員(藍原義邦君) いま先生から、木材の需給の長期見通し等についての考え方の基本的な御指摘、五点ほどいただいたわけでございますが、先ほど私が御説明申し上げましたものもその中に一部入っておると思います。
 と申しますのは、世界の木材需給の動向だとか、海外産地国におきます資源内容だとか、あるいは国産材と外材、あるいは木材と非木材の競合関係、こういうものは先生の御指摘の中に入っておると思うわけでございますが、一つ一つ申し上げますと、過去の類推よりも相手国のあり方を明確にという御指摘でございますが、これは当然われわれもそう考えておりまして、いま申し上げましたように、海外の産地国におきます資源の状況なり施策の状況、こういうものは十分判断して対応しなければいけないと思っております。
 それから木材の需要関係、当然これは木造住宅を中心にいたします木材の利用というものがどうなってくるかということでございますし、木材と非木材の関係、あるいは国産材と外材との関連、この辺を十分的確に把握し分析する必要があろうというふうに私どもも考えております。
 それから、資源の整備の充実でございますが、これにつきましては、全国森林計画をつくる際に、先生御指摘になりましたように、四百ヘクタールのメッシュを全国に切りまして、それ別に機能別の森林の整備の目標をつくったわけでございますが、ちなみに申しますと、木材生産機能と、それから水源涵養機能、山地災害防止機能、保健保全機能、この四つに分けておりまして、木材生産機能としては、総数としてはたとえば千七百五十七万四千ヘクタールの森林がこれに該当する、あるいは水資源涵養機能とすれば千百八十万六千ヘクタールが整備すべき森林の目標である、それから山地災害防止機能につきましては三百六十六万四千ヘクタール、保健保全機能につきましては三百三十一万六千ヘクタール。これはダブる面がございますので、足して森林面積よりふえておりますけれども、そういうふうにメッシュによりましてそれぞれの森林の機能を分類したわけでございます。こういうものも十分に勘案しながら、今後の需給の見通しは考えていかなければいけないと思っております。
 それから水の問題、これも当然でございますし、またそれに関連いたします保安林の問題がございます。したがって、そういう保安林制度を中心にいたしました水との関係は十分配慮しながら、需給の見通しというものを立てていかなければいけないというふうに考えております。
 最後の特産の問題でございますが、現段階では、従来も入れておりませんでしたし、私どももいまの段階では考えておりませんでしたが、先生の御指摘もございますので、その辺については十分検討してまいりたいと思っております。
#153
○片山正英君 そうすると、大体シイタケ原木については今後検討して一つの需給見通しを立てていただくということで、あとの四点は大体御理解をいただいた、そのような方向で作成していただくと、こう理解してよろしゅうございますね。
#154
○政府委員(藍原義邦君) おおむね、先生の御指摘のような項目を入れた中で検討していきたいと思っております。
#155
○片山正英君 それじゃ最後に、それと関連するのですが、結局私見ますと、山村というのはいまだに定着しない、人口は過疎化する。いま過密過疎対策というのは確かに政府の大方針でもありながら、いまだに定着しない。それは何かというと、山村に仕事がないというのですよ。ないのじゃなしに、あるんだけれども、やるだけの体制になってない。そういう意味で仕事がない、基盤整備も非常におくれております。林道一つとっても、諸外国から見ればヘクタール当たり三分の一にしかついていないという貧弱な基盤整備ですよ。それから環境整備もしかり。したがって、そういうふうに整備すべきものがたくさんあるんだが、それができないがゆえに非常に不遇になっておる。
 私は、日本は土地は狭いのですから、人間の住む土地のパイを大きくする、そういう政策があってしかるべきだと思います。そういう意味から山村に対する投資、こういう問題を基本的に私は掘り下げていただきたい、そしてぶつけていただきたい。国土庁はその用意はあると先ほどのあれで私は解釈をするわけでございますが、そういうことを通じてこそ、林業の明るさというものがもう一遍見直されるような気がしてなりません。林業という、あるいは山村というものは、まだまだ活用すべきものが十分にあります。残念ながらいまのところでは、先ほども数字でも示したように、建築費は大変上がっても木材は上がらない、生産費は三倍も上がっている。この中で呻吟しているのが実態でございますから、そういう投資関係をもう一度ぜひ見直していただきたい、こう思います。
 時間がありませんから、ちょっと続けるわけにいかないんですが、あと二、三点になってしまったんです。実は時間があと十分しかないんですが、木材生産量、それから木材造林量あるいは林道開設量、これが昭和四十五年を基準にしますと、国内生産ですよ、伐採については四千六百万立米が三千四百万立米にダウンした、造林が三十五万ヘクタールから二十万ヘクタールにダウンした、林道は四千八百キロメートルから三千百キロメートルにダウンした。四十五年から五十二年の間にこういうふうにダウンした。このダウンしたということは、計画とどういう関係になっているか。計画を達成してダウンしているのか、計画よりはるかに下がっているのか、この実態をお知らせいただきたい。
 それから、間伐材、低質材、これが林野庁が期待している間伐材の処理、低質材の処理と現状とはどうなっているのか。
 この点だけを、ちょっと簡単でいいですからお答えいただきたいと思います。
#156
○政府委員(藍原義邦君) ただいまの全国森林計画との関連でございますけれども、計画と実行の対比でございますが、伐採につきましては大体七六%、それから人工造林量につきましては七八%、林道開設につきましては三六%、大体そういうような形でダウンしております。
#157
○片山正英君 やはり具体的に投資計画は非常に減っておる。やはりこの辺の認識を、先ほどの総体的な、マクロ的な観点からもそう言えるわけですが、具体的な実態もそうであります。したがって、この点は農林水産省として本当にほかの水産も大事です、お米も余っている、二百海里も大事だと思いますけれども、外国と素っ裸で競争しているこの林業の特殊性についても御理解を賜って、私は投資計画を明確にしていただきたい、それがないなら輸入制限をやっていただきたい、どちらかであります。そうしなければ林業は成り立ちません。山村は成り立ちません。それをまず要望して、あとはちょっと簡単な一、二の問題について触れます。
 それは、間伐材の総合対策というのを非常によくやっていただいている。ただ、ちょっと一つ問題点があるのは、間伐材安定流通促進パイロット事業というのを間伐材の総合対策の中でやってもらっている一つの事項であります。ところが、これがどうも地方へ行くと余り評判がよくない。なぜかというと、これは一県、県を単位として一割以上損をした場合に――一割といったら九〇%ですな、初めてそこまでは補償するという、県一本ですね。だから、一割は完全に損しなさいということなんです、その県全体として。一路線ならわかるんですけれども、県全体としてそうなものですから、県森連としてはとてもこれはたまらぬ、そういうことを続けたら破産してしまうからできないと、これが実態のようなんですけれども、実は時間がありませんから後で結構ですが、これの状況がどうなのか。私は再検討の余地があるんじゃないかと、こう思っておりますので、これは時間がありませんから答弁要りません。ひとつ御検討いただきたいと、こう思っております。
 それからもう一つは、間伐材をもう少し今度宣伝していただきたい。たしか三十年ほど前は木材がありませんから、植林もありませんから、間伐材なんというのは余りなかった。したがって、木材の制限をした。足場丸太には使わぬでもいいよというような制限をしてきたことも事実でしょう。しかし、いまや間伐材は余ってしようがない。林野庁の計算によると五百六十万立米毎年出てくるんだと。恐らくその半分も使っておらないでしょう。私の推定だと、二割じゃないかとさえ思っているんですが、しかし林野庁の統計によると半分近く、四割ぐらい使っているといっておりますが、しかし六割はまだ全然未定だと。したがって、これの打開を今後考えていかなければならない。
 これは労働省の人来ておられましょうか。――お伺いしたいのですが、足場丸太というのを御存じだと思います。建築をするときに昔よく使っておった。それがいま何か、地方を回りますと使っちゃいかぬという指導をしている、基準局で言っているというのです。しかし、そんなことはないだろうと言って、私、帰ってきて調べますと、使っちゃいかぬとは響いてないように思います。しかし、指導はどうも厳しい。使っちゃいかぬということに実態はなっているんですという、私は身近にそういう話を聞かされるわけです。そこで、何とかその間伐材を使っていただきたい。確かに三十年前は間伐材がありませんから使う必要はなかったが、いまは本当に使っていただきたい。
 そこで、いま労働省ではやめろと言っておるのですが、内容を見ますと使いにくいような規格なんですね。たとえば、間伐材を使っても、足場にする場合には一寸板の厚い四十センチ幅の板をずっと足場に置きなさいという、こういうことが前提であるならば、これは使いようにもないわけです。ですから、私は、三階建て、四階建てにそんなことを言っているわけじゃありませんが、せめて二階建てぐらいの木造住宅のモルタルを塗るとか、ペンキを塗るとか、といをつけるとかいろいろあるでしょうが、平家、二階建てぐらいまでについては間伐材で組んだ従来の足場丸太のやり方、これは安全の点が問題だというのならもう少し検討しなければならぬと思いますが、そういう点のいわゆる間伐材中心の足場丸太の建築に対する需要、活用、これを日本全体の立場から、安全ももちろん考えなくちゃいかぬと思いますが、不可能な規格を幾ら言われてもそれはできません。したがって、その点はぜひひとつ御検討いただきたい、こう思うのでございますが、お答えをいただきたい。
#158
○説明員(津沢健一君) 先生御指摘のように、確かに木材資源の有効利用ということも大切でございます。私どもの規則では、御案内のように丸太足場そのものを禁止しておりません。ただ、従前のような使い方だけにこだわることなく、安全で使いやすい構造とか組み立て方法というものの研究開発がさらに必要だと存じまして、そういった方法の研究開発を踏まえながら、先生が御指摘になった御趣旨に沿うように検討いたしたいと存じます。
#159
○片山正英君 御検討いただくそうで、大変ありがたいと思います。本当にごらんになっていただくとわかるのですけれども、大して高いところじゃないですから、決して危なくないと思うのです。非常にうまく組んで、昔ながらのこれはやり方ですから、ぜひ御検討いただいて間伐材が利用できるように御高配を賜りたいと、こう思っております。
 それから、もう一つお伺いしたいのは法律からでございますが、今度林業改善計画というのをおつくりになった。そして、それによって恩典の措置を与える融資をしていただく。もちろん合理化計画もございます。
 私、聞きたいのは、改善計画と森林施業計画というのがございます。この森林施業計画も県の認可を得て、場合によったら大臣の認可を得て、一つの税制等を初めとする恩典措置があるわけです。この森林施業計画と林業改善計画との相違は何なのかというのが第一点。
 それから、あと私は四分しかありませんから、これで終わりたいと思いますが、続けてもう一つ質問しますが、その改善計画と森林施業計画との相違点。それから一番心配するのは、森林施業計画というのは、たしか私の記憶では、材積成長最多の伐期齢というのが基本であります。木材が一番太るときにお切りなさいよ、平均成長最多の時期とさえ言います。それを一つの基本にして、それから五年でしたか、十年でしたか忘れましたが、上下多少のバランスがあって、それによって一つの計画が立つ、これが基本であります。量産第一主義であります。しかし、いま振り返って見ますと、私は民有林も超伐期に大分来ているところがあると思う。それは労賃の関係もあるでしょう。あるいは利用の関係もあるでしょう。カラマツなんかは、短い伐期では利用にならないんだという樹種の関係もあるでしょう。いろいろな関係がありますから、私は、それは成長最多の時期の伐期というものを中心に置く必要はないんじゃないだろうか。もう少し伐期の検討が必要な時代に入ったんじゃないだろうか。
 具体的に言うと、地域的の特性をもう少しあらわすべきじゃないだろうか、地域地域の。利用であれ、労務であれ、価値生産であれ、地域の特色を把握すべきじゃないだろうかと実は思っておるわけであります。過日打ち合わせますと、大体そういう趣旨を林野庁も十分配慮するように承ってもおりますけれども、念のためその点だけを一つお伺いをして、時間があればもう一点伺いたいんですが、なければこれでおしまいにしますが、その点をお答えいただきたいと思います。
#160
○政府委員(藍原義邦君) 初めに改善計画と施業計画との関連でございますけれども、先生十分御存じかと思いますけれども、施業計画というのは、森林所有者の森林に着目いたしまして、これは地域の施業計画に準じましてその施業の合理化、計画化をその中に盛り込んだ森林の保続培養と森林生産力の増進というものをねらいにいたしました計画でございます。一方、今回出しております法案の中にございます経営改善計画、これは個別の経営体に着目いたしまして、その経営の改善、発展をいかに促進するかということをねらいにいたしております。したがって、そのねらいという点につきましては完全に違うわけでございますけれども、一つの森林を、片一方では資源の整備という面から着目した計画、片一方は経営の改善という面から着目した計画、こういうものはある点ではやはり両々相まちながら今後の森林経営に対応していかなければいけないというふうに考えておりますので、今回提案いたしておりますこの改善計画につきましても、当然個別のそれぞれつくっておられます施業計画というものとは、十分整合性というものは照らし合わせてわれわれとしても考えざるを得ないというふうに思っておりますし、そういう点で、両計画は最終的には重複するという考え方が取り得るのではなかろうかというふうに思っております。
 それから、森林計画制度の中におきます伐期の問題を御指摘になりましたけれども、確かに樹種あるいは地域によりまして、標準伐期齢というものを決めるにはいろいろ問題のあるところがあるかもしれません。ただ私どもは、この標準伐期齢というのは地域施業計画、森林計画をつくるときにその中に盛り込む一つの基準でございまして、さらに個別に森林所有者が施業計画をおつくりになる場合には、それぞれ適正伐期齢という形で、その森林所有者がどういう森林の仕立て方をしたいのかという森林所有者の意向あるいはその地域地域におきます木材の利用のあり方、こういうものを勘案いたしまして適正伐期齢を決めております。したがいまして、個々の森林について見ますと、必ずしもその適正伐期齢というものとそれから標準伐期齢というものは合致いたしておりませんけれども、そういうことで、地域に合った伐期というものを定めながらそれぞれの計画をつくっていただいておりますので、先生の御指摘のような点は実態としては生じてはこないであろうというふうにわれわれは考えております。
#161
○片山正英君 せっかくのいい金融制度ですから、余りしちめんどうくさくやっちゃってうまくいかぬとまずいなと思って質問したら、そういうことはないということでございますからありがたいわけで、そうしていただきたい。
 最後に一つだけ、合理化計画の内容の中で、合理化計画は団体等を経て融資するという、団体等なんですが、この等というのは何を指しているのか。木材市場は当然入っているでしょうね。それから、非常に大きな組織的にやっている造林個人業者は入りますか、入りませんか。あくまで団体なんですか。その辺、団体等の範囲でございます。これをお伺いします。できるだけ幅の広いものを期待します。
#162
○政府委員(藍原義邦君) いまの先生の御指摘ちょっとよくわからないのですけれども、造林関係ですと、いまのこの改善合理化計画ではなくて……
#163
○片山正英君 間違えました。素材生産です。
#164
○政府委員(藍原義邦君) 素材生産ならわかります。素材生産は当然入ってまいります。
#165
○片山正英君 個人でいいんですね、団体でなくて。
#166
○政府委員(藍原義邦君) 運転資金については団体でございます。設備資金については個人でも結構でございます。
#167
○片山正英君 それは市場もですか、市場もそうですか。
#168
○政府委員(藍原義邦君) 市場も当然でございますが、市場の場合ですと主体は設備資金の方が多くなるのではなかろうかと思いますし、設備資金であれば個人でも結構でございます。
#169
○片山正英君 もう一遍。
 そうすると、運転資金については団体以外にはだめということですか。その辺、検討の余地があるんじゃないですか。
#170
○説明員(佐竹五六君) 団体と申しますのは、特段の法人格等がなくても、規約の定めがあって、その借り受けの主体としてふさわしい適格が備えてあればよろしいと、こういう考え方でございまして、これはこの制度全体の運用といたしまして、素材取引につきましてできるだけ共同取引を推進して、しかも長期的に素材の流通を安定化せしめると、こういうねらいが一つございますものでございますから、やはりある程度共同してその借り入れの主体になっていただくと。現在の素材生産業者あるいは製材工場等の実態から見まして、そのように運用することがこの法律のねらいを貫きます最もふさわしいものだと考えておりますが、決して非常にかたくななことを考えているわけではございませんので、やはり現地の実態に合ったように、必ずしも法人格がなくてもそれは差し支えない、かように考えておりますので、実態に即した運用をいたすようにしてまいりたいと考えております。
#171
○原田立君 現在、わが国林業は、戦前、戦後を通じて最も厳しい状況下にあるのではないかと考えるわけでありますが、生産量、価格面などから考えてみても明らかであります。このような状況を生み出した要因は一体どこにあると考えているのか、まずその点について明らかにしてもらいたい。
  〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕
#172
○政府委員(宮田輝君) 先ほど来いろいろお話がございましたけれども、最近のわが国の林業をめぐる諸情勢はきわめて厳しいものがございます。木材需要の伸び悩み、また外材の進出、経営コストの増大等によりまして、林業の収益性は著しく悪化していると言わざるを得ないわけでございます。特に木材につきましては、農産物と異なりまして自由化されている品目でございます。また、関税もきわめて限定的な形で設けられているにすぎませんので、近年の円高基調もありまして、価格と需給面で外材の影響を強く受けていることは事実であると思います。このために、森林所有者等の林業経営意欲が減退いたしまして、伐採、造林その他の林業生産活動は著しく停滞しております。その結果、国産材の生産、加工、流通を担う事業体もまた弱体化しつつあるということが言えるかと思います。
#173
○原田立君 先ほど渡辺大臣の答弁の中で、原因をしっかり見詰めて振興策を図る、国産材の円滑化を図っていくんだと、こういうふうなことの答弁があったわけでありますけれども、原因をしっかり見詰めて振興策を図る、これは当然なことだと思うんですが、国産材の円滑化を図るというのは具体的には一体どういうことですか。
#174
○政府委員(藍原義邦君) 国産材ということになりますと、まず一番先に頭に浮かびますのが山にございます森林、いわゆる立木でございます。こういう立木が伐採されまして、そしてそれが製材にかかる、そしてそれがまた市場等を通じまして住宅その他に利用される、そういう観点から国産材を円滑に運転するためには、林業とそれから林産業、こういうものを一体にして活発にしなければ国産材の振興は図り得ない。
 そういう意味から、国産材が山に立っておる木から、下で木材として利用されるまでの過程を円滑に材として流れていくようなあり方、そういう方向をとるような振興をしませんと、林業も国産材を中心にした林産業も発達進展しないということで、そういう意味から大臣も言われたと私理解をいたしておりますが、林業、国産材を振興するためには、俗に私どもも川上、川下と言っておりますけれども、山の上から山の下までが一体になった施策を講じませんと国産材は振興しない、それが円滑な今後の国産材の振興というふうにわれわれ理解いたしております。
#175
○原田立君 非常に抽象的な言い方なのでよくわからないんでありますけれども、本法案の具体的な問題を指摘する前に、林業に対する基本的施策について見解を伺っておきたい。
 まず初めに「森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」は、昭和九十六年度を目途に、実情に合わせて十年間を区切りとして見直すことになっておりますけれども、当面の目標である五十六年度の森林資源の整備目標はどのような実態と判断しているのか。人工林あるいは天然林の整備状況等もあわせてお伺いしたい。
#176
○政府委員(藍原義邦君) 御指摘の五十六年度に対しまして、整備の状況を申し上げますと、人工林の目標面積は千百五十七万ヘクタールでございますが、これに対しまして五十一年四月一日現在では九百三十八万ヘクタールということになっておりまして、その達成率は八一%ということでございます。それから、蓄積について見ますと、五十六年度目標に対しまして、五十一年四月時点では達成率は人工林では七六%、天然林では一〇〇%と、合計いたしまして九〇%ということになっております。それから、天然林の整備の目標につきましては、五十六年度で三百五十六万ヘクタールというふうになっておりますが、これにつきましては、大体九〇%達成しておるという状況でございます。
#177
○原田立君 人工林の整備を考えてみても、かなり厳しい状況下にあると判断するのが一般的見方でありますが、よほど力を入れて取り組まないと達成できる目標ではないと思うんでありますが、所見をお伺いしたい。
#178
○政府委員(藍原義邦君) 先ほど来御議論が出ておりますけれども、この基本計画に盛ります整備の目標、これにつきましても、私ども今後資源の基本計画あるいは需給の見通し等あわせまして検討を進め、今後のあり方についてはどうあるべきかということをいろいろな角度から検討し、改定をする作業を現在やっておる最中でございます。
#179
○原田立君 いろんなことを考えて作業していますだなんて、まさしく非常に抽象的な言い方で、もう少し具体論的に言ってもらわないと答弁になりません。再度、答弁を求めます。
#180
○政府委員(藍原義邦君) 御指摘のように、具体的でないという御指摘でございますが、ただいま林政審議会の中に部会をつくりまして、いろいろなデータを事務局から提出いたしまして御審議をいただくという過程でございまして、いまの段階では、どういう方向でどうなるかということは申し上げる段階まで至っておりませんので、御了解いただきたいと思います。
#181
○原田立君 また林政審議会が出て、先ほどから何度もそのことについて指摘があったわけなんですけれども、おたくの方で原案を出すんですから、林政審議会の方に余り遠慮しないで、ここで、委員会できちっと言うたらどうですか。
#182
○政府委員(藍原義邦君) 基本法によりまして、資源の基本計画なり需給の見通しは林政審議会で意見を伺うことになっておりますので、私どもその法律の精神に従って対応してまいるわけでございます。
#183
○原田立君 この基本計画及び需給の長期見通しで、十年間隔の需要量、供給量をそれぞれ明確にしてほしい。また、その場合の外材と国産材の比率はどのように見込まれるのか、明らかにしてもらいたい。以上二点。
#184
○政府委員(藍原義邦君) いま外材の比率、需給量という御指摘がございました。当然、私どもこの計画をつくります場合には需要はどうなっていくであろうか、それからそれに対して供給能力はどうなるか、それにはいろいろな因子、たとえば外国の状況等、それから、これからの木材住宅の状況等々判断して、その因子を組まなければいけないわけでございますが、そういうことを因子にいたしまして、需給というものにつきましてもいろいろな因子から割り出しましたできるだけ正確な見通しを立てていきたいということで、現在作業を進めておるわけでございます。
 それから、自給率の問題につきましても、国内にはすでに相当な面積、約九百万ヘクタールを超えた造林地ができ上がっております。これらも、ことし植えたものも五十年ぐらいたてば切れるわけでございますし、すでに昭和二十年代からずっと植えてまいったわけでございまして、そういうものが今後どういう形で伐期に到達し、どのくらいの量になるかということも十分算定し、現在の状況から判断いたしましても、自給率が現在以上に急激に下がっていく形ではなくて、将来を見通せば、自給率は趨勢としては高まっていく方向に最終的にはなるのではなかろうかというふうに判断いたしております。
#185
○原田立君 質問をした条項に答えてもらいたいんですよ。十年間隔の需要量、供給量をそれぞれ明確にしてくれと、こういうお願いをしているんです。
#186
○政府委員(藍原義邦君) そのあり方につきましては、現在、四十八年につくりました、同じように十年単位で今後もつくっていく形になろうと御理解いただければよろしいと思います。
#187
○原田立君 だから、十年間隔の需要量と供給量、量ですよ。数字を聞いているんですよ、ぼくは。
#188
○政府委員(藍原義邦君) 原案では数字は出ておりますけれども、その原案が非常に乖離があるということで私どもこれを検討しておりますので、いまの段階では申しわけございませんけれども、私どもこの数字は手持ちにまだ御説明できるような段階に至っておりません。
#189
○原田立君 森林資源に関する基本計画と重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通しにしても林業基本法に基づいて決定されており、その基本的姿勢は高度経済成長を前提とされている。現在、林政審議会で改定を検討中であるが、今回大臣の定める林業に関する基本方針ではこの点をどのようにとらえて対応する考えでいるのか、お伺いしたい。
#190
○政府委員(藍原義邦君) 今回の法律にございます基本方針とこの基本計画とは、先ほど来御説明いたしておりますように、資源の基本計画ということになりますと、これは森林資源のあり方という観点から出てまいるものでございますし、今回の法律に基づきます基本計画と申しますのは、それぞれの個別の企業のあり方から検討いたしまして基本的な方向を出す、考え方を出すわけでございまして、それとは必ずしもつながるものではございません。
#191
○原田立君 第二条に「(基本方針)」、「農林水産大臣は、林業経営の改善並びに国内産木材の生産及び流通の合理化に関する事項についての基本方針を定めなければならない。」とあるでしょう。だから、これは一体中身はどういうものなのですかと聞いているんです。
#192
○政府委員(藍原義邦君) 骨子の中身を申し上げますと、内容といたしましては、林業経営の改善に関します基本事項といたしましては、森林所有者のその森林についての経営方針を明確にすること、それから伐採、造林等の生産活動を計画化すること、それから森林組合によります住宅の推進等の事業実行法の合理化、こういう事項を経営改善に関します基本事項として考えております。
#193
○原田立君 さっぱりよくわからないんですけれども、国内森林資源の振興と並行して、外材の輸入についても長期展望に立っての対応策が必要であると思うんでありますが、石油資源についても三、四十年先には欠乏するのではないかとの見方が大勢を占めております。森林資源についても決して無限ではないのでありまして、有限であります。すでに、開発可能な地域から徐々に食いつぶし的な傾向にあります。将来においては当然不足という事態も考えられるのでありますが、外材確保に関する長期的見通しについての見解はもうお考えのことと思いますが、いかがですか。
#194
○政府委員(宮田輝君) 先生御指摘のように、木材需要は世界的に年々増加の傾向が続いております。この傾向は、今後も持続するものと考えられます。また一方におきまして、現状における木材の供給は主として亜寒帯地域と熱帯地域に賦存する天然成林に依存しておりまして、長期的に見ますと、伐採個所がだんだん奥地化するということなどによって、コストアップは必然であろうと考えられるわけでございます。また、木材供給国におきましては、発展途上国はもちろんですが、先進諸国におきましても森林資源を自国の経済発展の大きな原動力として活用するなど、いわゆる資源ナショナリズムの態度を強めております。
 したがいまして、長期的に見ますと、わが国の木材輸入環境は今後困難性を増すものと考えられます。また、今後国内需要に見合った供給の確保を図るためには、基本的には国産材の振興によって自給率の向上を図りますとともに、発展途上国の森林育成のための技術協力の促進、未利用樹の利用促進等による輸入先の多様化などを通じて外材輸入安定化を図ることが必要であると考えております。
#195
○原田立君 いまも指摘したように、開発可能な地域から徐々に食いつぶし的な傾向にあるという点をまず指摘したのが一点ですね。だから、それについての国産材の確保についての方針、これをまず具体的に立てなきゃいけない。
 それからもう一つは、外材確保に関する長期的見通しというものがなければならない。精神論的にお話をいただくのは結構なんですけれども、やはりこういうのは具体的に数字を交えて御答弁いただかないと、ちょっと納得しがたいです。なお再答弁をお願いしたい。
#196
○政府委員(藍原義邦君) いま政務次官からお答えしたとおりでございまして、現在外材が総需要量の約六五%強入っておるわけでございまして、この外材が東南アジアあるいは北米さらにはソ連からどういう形で今後入ってくるかということは、概要についてはいま政務次官がお話ししたとおりでございますが、それが具体的に数字としてどうなるかという御指摘でございますが、いまの段階では、傾向とすれば、丸太で国内に輸入されるという木材は増加の方向にはないということは言えるのではなかろうかと思いますけれども、逆に製材として国内によけい輸入するような圧力がアメリカあるいは東南アジアからかかることは、またある意味ではあり得るのではなかろうかという気もいたします。
 そういう観点から見まして、まだ国産材そのものが需要に十分見合うだけの生産ができませんので、当分の間は外材を確保することは必要でございますけれども、現時点におきましては、外材の輸入というものがある意味で国産材を圧迫しているという状況にもなっております。したがって、国内の需要に見合ったような形で安定的な輸入ができるような方途を考えていかなければいけないというふうに考えておりますが、その数字等についてどうなっていくかは、これから検討の中でこれから十年先あるいは二十年先を考えるわけでございますけれども、逆に国産材の方を見ますと、先ほども申し上げましたように九百万ヘクタール強の林地ができておりますので、こういう林地から十年先、二十年先にどの程度国産材が供給できるか、その可能量、そしてまたそれがどういう形で市場に出てくるか、いろいろな因子に制約されないか、その辺を十分検討した上で、国産材の出てくる量というものを決めなきゃいけないと思っております。
 そういう観点で、いま先生具体的な数字を言えという御指摘でございましたけれども、いまの段階では、現在言えとおっしゃれば、いまつくっております基本計画に基づく数字がいまの段階では言える数字でございまして、これをどう修正するかというのが、私ども現在事務的に詰めている段階でございます。
#197
○原田立君 わが国の木材供給量は総需要量の三分の一にまで落ち込んでしまっておりますが、木材生産量を見ると、昭和四十五年では四千五百万立方メートルだったものが五十一年では三千五百万立方メートルにまで減少。一方、造林の状況を見ると、四十五年が三十五万ヘクタールだったものが二十一万ヘクタールと低落の傾向が大きい。このような状況を生んだ原因をどう認識しているのか、また今後の対応策はいかがですか。
#198
○政府委員(藍原義邦君) 国産材の生産量が急激に落ちてきた、さらにまた造林量が落ちたという御指摘でございます。私どもこれらが、やはり現在林業が非常にむずかしい時期に達してきておるという認識の一つの因子でもあるわけでございますが、まず伐採量が落ち込んだことについてでございますが、これはやはり木材価格が低迷しておって、森林所有者が自分の山を切りたがらないといいますか、そういう傾向がやはりございます。そういう観点とあわせて、絶対量といたしましても伐期に達した林分が少ないという点、この二点から伐採量が落ちてきておるというふうに思います。
 それから、造林業の減退でございますが、これも人工造林を新しくするためには、その上に立っております木を切らなければいけない。ところが、やはり木林価格の低迷で、その上にございます前生樹を切らないということ、そういう観点から造林が進まないという方向が出ておりますし、また林業そのものの先の見通しに必ずしも十分自信を持っていただけないという観点からも、造林が進んでいないということが言えるのではなかろうかと思います。
 したがいまして、こういう問題を今後どうやって解決するかということになりますと、その解決方法とすれば、たとえば基盤整備の問題もございますし、また山村の生活環境の整備の問題もございますし、さらには外材の安定的輸入の問題もございます。林業のいろいろな施策を総合的に講じながらこれらの対応をし、今後林業が振興していく方向をとっていかなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
#199
○原田立君 わが国林業の衰退の大きな要因として、林業労働者の高齢化、労働力不足という点と、山村経済の立ちおくれという生活環境の発展の欠落が指摘できると思うのであります。林業労働力確保及び生活環境の振興、発展に対する見解はいかがですか。
#200
○政府委員(藍原義邦君) 林業労働力は確かに老齢化しておりまして、非常に確保がむずかしくなっておりますことは御指摘のとおりでございます。私どももこれからの林業を推進するためには、やはり労働力がなければ林業も推進できないわけでございまして、その確保を図る万全の努力をしなければいけないというふうに考えております。そのため、従来から御存じのとおり林道、造林等の基盤整備をやりまして、作業現場の環境を十分整備していくこと。それから、林業構造改善事業によりまして、その地域地域の林業の構造の改善を図っていくこと。あるいは生活環境の整備を図りまして、山村の生活をよりよくすること。それから、林業後継者の育成をすることによりまして後継者を確保すること。あるいは社会保障制度の一環となっております退職金制度の推進等の、社会保障制度を中心にいたしました就労条件の改善。こういういろんな問題を総合的に推進いたしまして、今後とも林業労働力の確保には対応してまいりたいというふうに思っております。
#201
○原田立君 いま長官お話のあったようなことで、若い人たちをぐっと引きつける魅力ある施策であると自負して、自信を持って言えますか。
#202
○政府委員(藍原義邦君) 林業労働を他の産業と比較いたしますと、確かに山村で働きますし、また作業現場そのものが林地でございますから、非常に傾斜等もあって環境も必ずしも十分ではないということ。さらにまた、山がございますと、これは山村でございます。したがって、都会あるいは農村に比べますと生活環境も十分でない。そういう中で林業労働力を確保しなければいけない。そのためには、現在先生が御指摘になりました、魅力のある何か施策を講じなければだめだという御指摘だろうと思います。確かにその辺におきましては、林業のむずかしさ、あるいは林業労働に対する青少年の認識を喚起するために非常にむずかしさがあることは、私どもも認識いたしております。しかしながら、そこがまた林業の特徴ではなかろうかという気もいたします。
 特に林業につきましては、木材生産だけではなくて、公益的機能というものを十分発揮させる必要がございますし、そういう観点から、他の産業等の就労条件に比較いたしましていろいろな面でむずかしさはありますけれども、その中で林業自体でとり得る施策については、十分前向きで取り組んでいきたいというふうに考えておる次第でございます。
#203
○原田立君 生活環境の整備という点については余り触れてなかったんですけれども、その点はいかがですか。
#204
○政府委員(藍原義邦君) 生活環境の整備につきましても、現在その制度をやっておりますし、さらに五十四年度からは新しい林業構造改善促進対策実験事業等におきまして、そういう内容を盛り込みました実験事業をやってまいりますし、また、林業村落振興緊急対策事業というものもことし実施することにいたしております。こういうものがやはり山村の生活環境を整備する一つの施策でございますので、こういうものに力を入れてまいりたいというふうに考えております。
#205
○原田立君 近年における林業活動は、外材の輸入増に伴い木材市況は低迷を続けており、造林や間伐など森林の管理は荒廃の一途をたどっていると見るのであります。造林の実績を見ても、昭和二十九年度の四十三万三千ヘクタール、三十六年度四十一万五千ヘクタールに対して、五十二年度ではもう実に二十万二千ヘクタールと、二十九、三十六年度のもう半分以下という実態であります。間伐についても、大部分の地域で間伐の重要性は認識しているにもかかわらず実効は上がらず、間伐対象面積は二百六十八万ヘクタールにまでふえているわけでありますが、林業の振興、生産向上を図るには、この造林や間伐はますます重要課題となってくると思うんであります。このような荒廃、低減の原因及び今後の対策をお伺いしたい。
#206
○政府委員(藍原義邦君) 造林の停滞につきましては、先ほども御説明申し上げましたけれども、やはり林業の収益性の低下、そのために林業所有者が林業経営意欲を低下したということ、これが非常に大きな原因だろうと思いますし、またそのほかにも人工造林地の対象地が旧薪炭林でございます。したがいまして、そういうものの価格が非常に輸入チップの増大のために低落しておると、そういう面で採算が合わないということから前生樹を切らない、そのために造林が進まないということが言えるかと思いますし、またその対象地が奥地化されております。そのために立地条件が非常に悪い、そういうこと、あるいは入会林野がございまして、その権利関係が非常に複雑であってなかなか造林しにくいというようなこと、こういうことと同時に、いまも御指摘になりました林業労働力の減少というような形から、林業活動というものが非常に困難になっておるのだろうというふうにわれわれ考えております。
 また一方、間伐についてでございますけれども、これは先ほども御指摘がございましたけれども、間伐の利用、これは丸太として利用するもの、あるいは製材として、製品として利用するもの、いろいろございますけれども、そういうものは需要が非常に低迷しておるということ、また間伐をするためには道路が必要でございますが、そのための林道あるいは作業道が十分整備されていないということ、それに間伐材の価格そのものも必ずしも高い値段でないために採算が合わないということ、こういうようなことが因子になりまして、間伐が推進していないというように考えております。
 これらの対策のためには、従来から造林につきましては補助あるいは融資、こういうことで対応いたしましてそれぞれの助成をしておりましたけれども、五十四年度にはまた新たに森林の総合整備事業という形で、市町村の指導のもとに造林を集団的あるいは組織的そして計画的に行います造林推進を創設いたしまして、造林の推進を図っていきたい。さらには、ただいま御審議いただいております農林漁業金融公庫の造林融資条件の改定、こういうことによりまして造林意欲を喚起していきたいと、そういうふうに考えております。
 それから、間伐の問題でございますが、これは当然間伐をするためにはまず道路の問題がございます。そういう意味で、林道なり間伐林道あるいは作業道というものについての開設の推進、それから保育間伐等に対します補助あるいは公庫の資金の融資、こういう問題、それから林業改善資金では間伐に対しましては特に無利子の間伐資金を貸し付けることができるようになっておりますし、こういうものの活用、さらにはこの間伐材をどう利用するかという需要開発の推進、そういうことを中心にいたしまして従来からも施策をしておりますけれども、さっき申し上げましたように、五十四年度からは造林事業の中に保育間伐、二十五年までの保育については助成をするような体制をとっておりますし、そういう中で保育間伐的なものは積極的に対応していただくというようなこと、それから林業構造改善事業の中にも、それなり間伐の施業指標団地の設置等いろいろな施策を講じております。
 そういう林業構造改善事業の中でも間伐の施策を推進していく方途をとっておりますので、こういう現在やっております施策を中心にいたしまして、間伐の推進を図ってまいりたいというふうに思っております。
#207
○原田立君 いまこう山に生えている木を伐採すると、そうするとまた次に植えていかなきゃいけない。植えれば、また五十年ぐらいたたなければ次が切れない。こうなると、だんだんその植林するのが奥地化していく。こうなると、どうしても林道の整備ですね、これなんか、はっきりよくやってやらないと、魅力ある仕事というふうなわけにはいかないんじゃないかと、こんなふうに思うんですけども、そこら辺のところはいかがですか。
  〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕
#208
○政府委員(藍原義邦君) 林業を推進いたします生産基盤として最も重要なのが、いま御指摘のとおり林道でございまして、そういう意味から従前から公共事業によります林道の推進をやっておりますし、さらには構造改善事業におきましても小規模な林道あるいは作業道、それから造林事業におきましても作業道を含めた造林の推進ということを現在も進めております。さらに、今後とも林道につきましては、積極的な推進を図って林業の生産基盤の拡充を図ってまいりたいというふうに思っております。
#209
○原田立君 まあ、積極的にやるということでありますからそれを了とするわけでありますけれども、なおその点は十分にしていただきたいと思うんであります。
 本法案の目的は、林業経営の改善と国内産木材の生産・流通の合理化を図るために必要な資金の融通に関する措置を講じようとするものでありますが、そこでお伺いしたいのは、過去にこの点について講じられてきた主な措置にはどのようなものがあったか、また今回本法案を提出しなければならない理由をまず確認したい。
#210
○政府委員(藍原義邦君) 林業につきましては、こういう資金制度と申しますか、金融制度というのは、農業あるいは漁業に比べまして確かにおくれておる面があるということは私どもも認識いたしております。したがいまして、こういう制度は今回がある意味では初めてだと申し上げてもいいのではなかろうかと思います。まあ、これとは少し性格は違いますけれども、改善資金というものはすでにいたしておりますけれども、それはこれとちょっと性格が違いますので、こういう性格のものは初めてだというふうに私ども理解いたしております。
 それから、今回この法案を提案いたしました理由でございますけれども、先ほど来先生御指摘のように、国産材を中心にいたします日本の林業が非常に停滞ぎみでございますし、非常にむずかしい時期に現在立ち至っております。そういう時期に、これからの国産材を中心にいたしました林業あるいは林産業を振興させるためには、林業とその木を使って生産いたします林産業、これらを一体にして推進しなければこれからの国内林業は推進できない、あるいは国産材を使いました産業は推進できないという観点から、林産業とを一体にした形での資金の融通というものを取り上げたわけでございます。
 と申しますのは、やはり木は利用されなければ切ってくれませんし、また切らなければ造林も進まないという形になりまして、この辺の循環と申しますか流れ、こういうものが山の上から下で木材を利用する過程まで一つの流れとなってスムーズに流れるような施策、そういうものを中心にしてこの金融制度は考えられるのが適当であろうという判断から、林業関係の資金それから新しくつくりました林産業関係の流通資金、こういうものを一体にしてこの法律といたしまして提案した次第でございます。
#211
○原田立君 本法案に記されている目的の内容は、余りにも包括的かつ抽象的であるように私は思うんであります。そこで、本法案で言っている改善及び合理化の具体的な指標はどこにあるのか、また本法案において措置しようとする力点はどういうところにあるのか、お伺いしたい。
#212
○政府委員(藍原義邦君) ただいまも御説明いたしましたように、この法案の趣旨は、林業並びに林産業で国産材を扱う方々を中心にいたしましてその振興を図ろうということがねらいでございますし、特にそのためには、先ほども申し上げましたように、川上から川下まで一体にして施策を講じる必要があろうというふうにわれわれ考えておるわけでございますが、一番大きな問題点になりますのは、片や林業のためには、非常に長期の産業でございますから、金融公庫からの融資というものの期間を三十五年から四十五年に延ばすというような超長期の形にして、安心して金を借りて林業を営んでいただける体制をつくりたい。
 片や金融面におきましては、外材に比較いたしまして、非常に取引条件その他が外材に比較いたしますと不利な状況にございます。そういう関係から、やはり木材の流通面におきます取引その他におきまして、共同化等を中心にいたしました改善計画、合理化計画等々つくっていただいて、ロットを大きくした中で国産材の流れを仕組んでいくべきではなかろうかということから、国産材の流通に関します流通資金あるいはそれに必要な設備資金、こういうものを比較的低利で融資をしていくと、そしてまた、融資したものにつきましては債務の保証もしていくという制度、この制度を盛り込んだこと、この二つがこの法案の大きな柱でございます。
#213
○原田立君 本法の資金枠によって、本法でいうところの造林及び林道に対する資金は賄い得るとしておりますが、仮に需要が多くて資金が不足する場合には追加する考えはあるのかどうか、これが一点。
 また、定められた償還期間内に返納できぬ事態になった林家に対しては、どのように配慮するつもりなのか、その点はいかがですか。
#214
○政府委員(藍原義邦君) 五十四年度におきますこの公庫の貸付資金額でございますが、造林資金で六百四十三億、それから林道資金で五十七億円を計上いたしております。これまでの資金需要の動向からいいまして、五十四年度におきます本特例施行の適用時期を勘案してみた場合には、この特例措置に対応した資金需要の増大には十分にこたえ得るものというふうにわれわれ考えております。
 それから次に御指摘になりました、この償還期間中に返せないものはどうかという御指摘でございますが、基本的には、四十五年という造林については長い期間になったわけでございますから、そういう計画の中でこの資金を借り入れまして、造林を推進していただくことが当然であろうというふうに考えておりますが、先生が御指摘のような、仮にもしというようなことになりましたら、それはそのときの時点で、それぞれ貸し出しております金融公庫の方で判断する問題ではなかろうかというふうに考えております。
#215
○原田立君 大臣、いまも話があって、まことにそのとおりだと思うんです。また期間もこう延ばしたんですから、当然その期間内で返すのがあたりまえだと思うんです。だけれども、やっぱり天候を相手にしての、自然を相手にしての仕事でありますから、いつ何どきどういう変化が起きるかわからないんですね。ですから、償還期間内に返納できぬような事態になる場合もあると思うんです。いま長官は、それは貸し付けた方でやるだろうというふうに言っていますけれども、そうじゃなくて、ひとつ政府の、農林水産省としての方針として、そんなような場合には十分配慮する、考慮する、こういうふうなことをはっきりと大臣の方で言ってもらえれば、安心してまたやるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#216
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、農林業は天候相手の商売ですから、あなたのおっしやるように、それはいつ災害が起きぬとは限りません。したがって、そういうような異常の事態によって元利の支払いが困難だという場合には、それは償還期限、据え置き期間、償還方法、貸付条件、こういうようなものについて、借り受け者から変更の申し出があった場合には、その借り受け者が、仮にそういう事態があっても、財産がたくさんあって預金もしっかりあるというような場合は別だけれども、個別個別の問題ですから、そういう個別案件については、これは十分に調査をした上で、真に事情やむを得ないと、こういうように認めるものについては、その資金の貸し付けに対する取り扱いと同様に、実情に即した措置を当然にこれはとっていく必要があると、こう思っています。
#217
○原田立君 本法案による改善及び合理化のための金融措置については、第一条「(目的)」の中で「当分の間」と規定されておりますが、戦後植えられた樹木の伐期は、今後二十年から二十五年後でないと到来しない。したがって、それまでの期間、本法によって措置されるのかどうか、その点はどうですか。
#218
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ、ここで「当分の間」と言っておりますが、これはいろんな関係があって「当分の間」という表現をしたのですが、先ほどもお話をいたしましたように、終戦後木を植えて、それが伐期が到来するのが一番多い部分というのは、二十年ちょっとぐらいのところが一番多いわけです。したがって、その間が問題なわけでありますから、大体まあ二十年前後、二十年ぐらいをめどにというぐらいに考えて「当分の間」と、ちょっと長いかもしれないけれども、そこらを考えておるわけです。
#219
○原田立君 林業経営の改善という観点から、現在の林業経営規模の適否をどのように認識されているか、また本法による措置によってどのくらい林家の経営規模が改善されるめどであるのか、見解をお伺いしたい。
#220
○政府委員(藍原義邦君) 先生ただいま御指摘になりました、林業の規模がどのくらいがいいかという御指摘でございますが、これは非常にむずかしい問題でございます。たとえば森林が所在する地域の自然的、社会的な条件でも違いますし、あるいは樹種それから樹齢等、資源の内容によっても変わってまいります。それから、林道等の生産基盤の整備がどうであるかということ、あるいは林業主産地としての成熟度合いがどうであるか、こういうことで、一概に望ましい経営規模はどのくらいかということは、特に林業の場合には非常にむずかしいというふうに私は考えております。さらにまた、林家のほとんどの方々は農家となっておりまして、農業その他の産業との適切な組み合わせ、こういう中で林業を営んでおられまして、そういう実態でございますので、これを必ずしもどのくらいの規模がいいかということを言うのはなかなかむずかしいので、適当ではないのではなかろうかというふうに考えております。
 先生御存じのように、現在の林家の保有規模というのは非常に零細なものが多いわけでございますし、これについて一律に規模拡大を図れと言われましても、この辺は非常にむずかしい問題でございまして、実際問題としてまた困難であろうというふうに思っておりますし、そういう意味から、やはり現在やっております林業構造改善、こういうものを推進するなり、あるいは零細な林家につきましては、当然他の産業――農業等を中心に、やはり農業等との関連で仕事をしておられるわけでございますから、他事業との複合的な経営、こういうものの実現をさらに通じまして、その林業経営の合理化を図っていくということが妥当ではなかろうかというふうに思います。
#221
○原田立君 いま長官、経営の合理化を図ると最後結論を言われたけれども、それは具体的にどういうことですか。
#222
○政府委員(藍原義邦君) たとえば共同化あるいは組織化、そういうことをいたしまして、普通に集まって仕事をしていく。そうなれば、そこで一つの規模拡大ができますし、またそれによりまして共同して機械その他を購入する等々となれば、それだけまた合理化されるわけでございますし、そういうやはり零細な林家の方々については、いま申し上げましたような共同化なり組織化ということを中心にした合理化を図っていただくことがいいのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#223
○原田立君 その問題はもう少し後でまた取り上げますけれども、次に進みますが、林野庁は現実には林業のみによって経営が可能な自立林家の存立は不可能と見ているようであり、複合経営、兼業によって林業の振興を図る姿勢であるように思えるが、そういう点はどうなのか。
 または、先ほども質問したんでありますけれども、望ましい一戸当たりの平均的な林業経営規模の具体的なビジョンと、十年後の総林家数、就業者数、専業林家所得をどのように見ているのか、その見解を示してもらいたい。
#224
○政府委員(藍原義邦君) いまも御説明申し上げましたけれども、林家でどのくらいがいいか、たとえば五十がいいか百がいいかという御指摘だろうと思いますけれども、さっき申し上げましたように、杉であり、あるいはヒノキであり、あるいはカラマツである、それによっても違ってまいりますし、それぞれの地域の実情によっても変わってまいるわけでございまして、一概にどのくらいがいいかというのは非常にむずかしい問題ではなかろうかという気がいたします。
 そういう観点と、それからいま御指摘になりました十年後どういう状況になるのかということでございますが、これも先ほど申し上げましたようなこれからの基本計画なり需給の見通しを立てる場合に、今後の山村のあり方、労働力、そういうものを十分われわれとしてもしんしゃくしながら計画を立てる必要があろうというふうに考えておりますので、その中で十分検討をして詰めてまいりたいというふうに思っております。
#225
○原田立君 長官、もう何だかさっぱりわからないような返事ばっかりしていてはだめですよ。大臣もそう思いませんか。もう精神論と抽象論と、そんなことばっかり言っておったのでは、具体的な数字が出て説明しなかったら理解なんかしやしませんよ。ここでぶりぶり文句を言ってもしょうがないから、次に進みますけれどもね。
 木材の流通業者については、国産材よりも外材を取り扱う量が多い。しかし、国産材の生産を推進するため本法案が提出されたわけでありますが、本資金を活用できるのはどのぐらいの国産材を扱ったらば適用になるのか、またその取り扱い数量をどういう方法で確認するのか。
#226
○政府委員(藍原義邦君) 林業あるいは製材業をやっておられる方というのは、非常に零細な方から非常に大きな方までございます。したがいまして、私どもは規模の大小を問うておるわけではございません。やはり国産材を中心に林産業をやっていただいておるかどうか、これを判断の基準にしたいということでございます。したがって、現在の時点では国産材振興でございますから、基本的にはできるだけ国産材をよけい扱っている方々にこの制度を活用していただきたいと思いますけれども、現在の日本の木材需給から見まして六五%以上も外材が入っている事情でございますので、大体五〇%以上国産材を扱っている方々を対象にしてこの制度は運営してまいりたいというふうに思っております。
#227
○原田立君 五〇%ということでありますけれども、まあすれすれの線というところの人は、いろいろ不平もあれば満足もすると、こういうふうなことで、たとえば四五%ぐらいのはもうだめで、五〇%はよかったとかというようなことが言えると思うんですよね。五〇%ぐらいというようなお話だったから、まあ半分ということなんだけれども、そこを余りがっちり決めちゃって、もう五〇%を少しでも欠けたらば適用はしないんだなんという、そんなやかましいことはないのでしょうね。
#228
○政府委員(藍原義邦君) これは、私どもとすれば、できるだけよけい国産材を扱っていただいている方に利用していただきたい。国産材の振興がねらいでございますから、あくまでも趣旨はそうしていきたいというふうに思っておるわけでございますが、そういう意味から大体五〇%程度というふうに考えておりまして、必ずしも四九・九だからだめだとか、五一・一だからいいということでなくて、おおむね五〇%ということで判断していくように指導してまいりたいと思っております。
#229
○原田立君 大分あいまいな返事で、現場に行くと混乱するんじゃないかというふうに私は思うのです。まあ、多少の幅はあるというふうなことで理解をしておきたいと思うんです。
 外材輸入問題について、林野庁は従来需要動向に即応して適正、円滑化を図ることが重要であるとし、関係者の協力を得て外材需給状況について検討協議を行ってきましたが、外材産地事情の的確な把握に努めつつ、前期輸入契約の促進、輸入先の多角化、さらに輸入業者による自主的な輸入調整を促進するよう行政指導を強化してきているようでありますが、その実効はどうなっているのか。また、特に業者の自主的な調整は実際的に可能なのかどうか、見解をお伺いしたい。
#230
○政府委員(藍原義邦君) 先生御存じのように、外材につきましては完全に自由化されておるわけでございまして、こういう外材の輸入を適正な輸入という形で対応するためには、それぞれ業界におきます商業ベースにおきます努力が十分重要なことでございますけれども、その誘導措置、こういうものもやはり必要であろうというふうに考えております。
 そういう観点から、林野庁におきましては短期の需給見通し、こういうものを策定いたしまして、そうしてそれを公表するという形で、安定輸入のための業界指導を現在やっております。これは昨年の十月から始めたわけでございますけれども、まだ半年やっとたつかたたないかという状況でございまして、この成果については、現時点では何とも申し上げられませんけれども、やはり輸入業者あるいは行政官庁、さらには学識経験者、そういうようないろいろな関係者が寄り集まりまして、四半期別の短期の需給の見通しを策定し、そうして公表するということは、それなりに非常に意味があるのではなかろうかというふうに考えておりますし、これを通じまして外材の輸入の適正輸入、安定輸入については、さらに私どもも努力を重ねてまいりたいというふうに思っております。
#231
○原田立君 業者の自主的な調整ということは、実際問題できますか。
#232
○政府委員(藍原義邦君) いま申し上げましたような中で、それぞれの業者がどのくらいこの次の四半期には輸入するのかということは業者から聞いておりますし、そういう中で、そのトータルの中で多い少ないの論議もされまして、次の四半期はこのくらいのベースが適当ではなかろうかという判断から、需要に見合った供給量というものを算定しながらこの需給計画をつくっておるわけでございまして、これからもこの運用次第によりましては、業者の自主的な努力というものも相当実ってくるのではなかろうかと思っておりますけれども、いまの段階では、先ほど申し上げましたように、始めまして半年強の時点でございますので、まだ十分とは言えないかもしれませんけれども、今後この行政指導を十分積み重ね、またこの場を活用することによりまして、外材輸入の安定、計画輸入というものを図っていくことが業界からも望まれておりますし、私どももそういう行政指導をさらに積極的にしていきたいと思っております。
#233
○原田立君 造林、林道等の生産基盤の整備に対しては、昨年四月の森林組合法案に対する本委員会の附帯決議におまきして、「造林不振の現状を克服するため、造林補助の強化、森林組合及び地方公共団体の造林事業拡大に必要な施策を行うこと。とくに、分収造林の推進に努めること。」という附帯決議を行ったわけでありますけれども、この決議に対する林野庁のその後の施策はどうなっていますか。
#234
○政府委員(藍原義邦君) 先ほど来、造林の不振は御指摘をいただいておるわけでございますが、いま御指摘になりました昨年の森林組合法の附帯決議に基づくその四項にございます造林の対策に対しまして、五十四年度の予算におきまして、森林総合整備事業というものを創設いたしました。これは従来、造林事業につきましては個々の森林所有者が造林することに対しての助成でございましたけれども、今回のこの制度は市町村の指導のもとに造林事業を集団的あるいは計画的、組織的に行うというような形で、面的な整備を図るというのをそのねらいにいたしております。
 そういう観点から、助成の内容も、従来造林につきましては保育等は二十年でございましたものを二十五年まで適用させるというようなこと、あるいはその補助につきましても、実質補助率を上げるというような形で助成を強化するということを考えておりますし、また、ただいま御審議願っております造林資金につきましても、公庫資金につきましても、この償還期限あるいは据え置き期間を延ばすというような形で対応いたしております。
 それから、特に御指摘になっております分収造林でございますけれども、この分収造林を推進いたしております一番中心は、県にございます公社等が中心でございます。こういう林業公社につきましても、いま申し上げました森林総合整備事業の事業主体の一つであるというふうにわれわれは考えておりますので、いま申し上げました制度をこの公社に適用させまして積極的な施策を講じ、造林の推進を図っていくつもりでございます。
#235
○原田立君 外材問題については、昭和四十六年本委員会の林業の振興に関する決議の中で、第四項で「国内需要の過半を占め、当面さらに累増する傾向にある外材の進出に対処して、長期的な観点に立った外材輸入の適正な調整措置を講ずるとともに、外材に対する輸入課徴金制度もあわせて検討すること。」と、こういうふうな一項があるわけでありますが、その後どのように処置されたのか。また、今後の外材輸入の見通しに対する所信をお伺いしたい。
#236
○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘になりました外材に対する輸入課徴金制度の検討でございますけれども、これはもう先生十分御存じのとおり、外材に対して課徴金を課するということは、いまの段階では非常に困難な問題があるというふうに考えております。
 その理由といたしますならば、先般MTNがあったわけでございますが、ようやくその実質的な合意を見たという段階でございます。こういう段階で、現行のガットにおきましても課徴金については原則として禁止されておりますし、それから逆に、輸出国におきましても、木材は輸出したいけれども丸太ではいやだ、製材に切りかえたいというような丸太輸出規制といいますか、そういう動きも非常に強い段階でございまして、課徴金をかけるというようなことにすれば逆効果も起こるということも考えられるわけでございます。それから、国内の物価政策に対する影響というものもございます。さらには、国産材は振興しなければいけませんけれども、やはり外材もいろいろ問題がございますが、逆に非木質系、木材に取ってかわったいろいろな物質、物資、こういうものとの競合がございます。
 そういう観点を考え、さらには輸入木材を原料といたします国内加工業、これも結構たくさんあるわけでございまして、そういうものの関係、その辺をもろもろ考えますと、やはり課徴金を外材に対してかけるということは、きわめて困難であるというふうに現在判断いたしております。
#237
○原田立君 ジュネーブにおける多角的貿易交渉が四月の十二日仮調印され、その結果、林産物のうち、松属の製材、加工合板、普通合板、板状の再生木材の実行税奉が決まったやに聞いておりますが、どういうふうになっておりますか。
#238
○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘になりましたようなものが、一応取り決められております。実質的な妥結を見ておりますけれども、まず松属の製材について申し上げますと、従来一〇%でございましたのを六%に下げるということで、ただし、これは一九八四年から四年間で引き下げるということにしております。それから、加工合板でございますが、これは二〇%を一五%に下げる。これも一九八四年度から四年間で引き下げる。それから、ラワン等の普通合板、六ミリ以上のものでございますが、これは二〇%のものを一七%にいたしまして、これも一九八四年度から四年間で引き下げることにしております。それから再生木材、板状のものでございますが、これは一五%のものを一二%、これはやはり一九八〇年から八年間で引き下げるという形にいたしております。
 以上、木材関係はこういうかっこうでございますが、現在木材関係で関税がかかっております松あるいは加工合板、ラワン等普通、こういうものにつきましては、木材の輸入されているものに対しての割合から言いますと、松属の製材というのはパーセントは非常に少ないわけでございますけれども、やはり特殊な地域につきましては松を中心にして林業を営み、あるいは製材をしておられますので、それらの方々への影響を十分配慮するためにも、実施年度を一九八四年度からという形にいたしまして、その間に体質の強化を図ろうという含みを持たせたわけでございます。
#239
○原田立君 そこで、これらの処置に伴い、農林水産省として特に木材輸入業者に対する影響をどの程度と見ており、その対応策としてどのように検討されておりますか。
#240
○政府委員(藍原義邦君) ただいま申し上げましたように、非常に量的には少ないものに税金、関税がかかっておるわけでございまして、全般から見れば直ちにそう大きな影響はないというふうに思っておりますが、ただし、松風を扱っておられる方についてはやはり問題もあろうということから、四年先の一九八四年度から四年間で実施するという形にしたわけでございまして、その間にこれらの業界の方々の体質改善を十分図るようなこと、それはいまも御審議願っておりますこういう融資制度、資金制度、さらにはその他のいろいろな林業施策を通じて体質改善を図るような努力、行政指導並びにそれぞれの方々も御努力をしていただくような行政を今後ともしてまいりたいというふうに考えております。
#241
○原田立君 林家の経営規模についてでありますが、先ほどもお伺いしたところ、なかなかむずかしいというふうなお話がありましたけれども、立場をちょっと別にして、林業統計要覧は統計の主要な数値が記載されたものと見ておるのでありますけれども、また林業経営規模のとり方については、どういうとり方をしているのか。その点はいかがですか。
#242
○政府委員(藍原義邦君) 林業統計要覧に載っております林家の保有する山林の状況は、農林水産省の統計情報部で行っております林業動態調査の結果によっております。この調査は、林業生産と林業経営の現状を明らかにしようとするものでございまして、調査事項が非常に多岐にわたる等、調査技術及び調査効率の観点から、林家につきましては五ヘクタール以上五百ヘクタール未満のものについて標本抽出調査を行っておるものでございます。
#243
○原田立君 実は聞きたいのは、保有山林規模別林業事業体数というこの調べについては、〇・一から一ヘクタール、一ヘクタールより五ヘクタールと、要するに五ヘクタール以下の分も含んでいるわけですよね。ところが、林家の保有する山林の状況、林業経営意識調査等の林業統計の基礎的な統計など、そのほとんどは五ヘクタールから二十ヘクタール、同じ林業統計の中でも五ヘクタールから十ヘクタール、十ヘクタールから二十ヘクタール、二十ヘクタールから三十ヘクタールと、こういうふうになっているわけでありますが、五ヘクタール未満の林業者は調査の対象となっていない。つまり、それらの零細な林家は山を保有しているが林家ではないとし、切り捨てられ、施策に供する対象の外に置かれている。これでは、林家全般の実態を掌握できないばかりか、施策の実施対象者も不明なままである。
 したがって、統計のとり方について今後改めて、こうした零細なものも施策の対象とされることを切望するのでありますが、長官並びに大臣の所見をお伺いしたいし、また、言いたいことは、五ヘクタール未満の零細林家の人たちに対しても手厚い対策というものが講じられるべきである、こういうふうに主張するんですが、これについての御答弁をいただきたい。
#244
○政府委員(藍原義邦君) 御指摘になりましたように、確かに統計情報部でやっております林業動態調査については五ヘクタール未満のものは載っておりませんけれども、先生もいま御指摘になりましたように、センサスではその辺はきちんと把握しておるわけでございます。私ども決して五ヘクタール未満であるからこれを切り捨てて施策の対象にしないということではございませんで、先ほども申し上げましたように、統計情報部でやっております林業動態調査というのは、調査の内容が非常に多岐にわたるために、そういう統計技術上の観点から五ヘクタール未満が載っておらないわけでございますが、私ども林業施策として対象にいたしますのは、決して五ヘクタール以下をないがしろにするわけではございませんで、当然小さな林家でも対象にした形で従来からいろいろな施策を組んでおりますし、今後ともこの姿勢には変わりないわけでございます。
#245
○原田立君 ちょっと大臣に聞く前にもう一つ指摘しておきたいのは、全体の林家の数は二百五十六万五千八百三十九戸、ところで五ヘクタール以下の戸数は二百二十七万四千百十八戸、もうほとんど全部と言っていいみたいな状況下にあるわけです。これらの切り捨て政策など考えていないだろうと思いますけれども、こういう人たちこそもっと手厚い対策というものを講ずるべきである、こう私は思うんです。あわせて御答弁願います。
#246
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御指摘のように、林家戸数の大体八八%ぐらいが五ヘクタール未満です。面積から言うと、約三〇%程度です。しかし、林家というものの大部分が五ヘクタール未満なわけですから零細でございます。したがって、独自に一人で林業経営をやるということはいろんな点で不利な面も多い。そこで、森林組合等の機能を強化して、そして施業計画等も、山ですからみんなつながってだれか持っているわけですから、ですから、その地域としての林業経営をやるような方向に誘導して、そうしてそれに対しては、助成の面でも金融の面でも税制の面でも、計画的に一体として地域林業の振興ということでやってもらうように行政措置を講じておるところでございまして、決して切り捨てでなくて、それを中心にしてやるのであります。
#247
○原田立君 要するに、五ヘクタール以下の方々は八八%もあって、それらの人たちをないがしろにするのでなくて、十分手厚い保護措置を講ずる、それが政府の方針である、こういうことでよろしいですね。御答弁願いたい。
#248
○国務大臣(渡辺美智雄君) いま言ったように八八%もあるわけですから、だから森林組合なんかが出動するのに、何百ヘクタールも持っているところに森林組合が出かけていったって、そういう実態が一つの企業体になっているわけですから、五ヘクタール未満の方ではなかなかできないものを、森林組合がいろいろなお世話をしましょうというようなことで、組織化をしてやっておるわけですから、五ヘクタール未満の人を非常に重視をして今後の森林行政をやってまいります。
#249
○原田立君 重要な林産物の需要及び供給に関する長期見通し、四十八年二月に出ておりますが、それによりますと、森林資源整備の目標面積の総数を二千五百三十六万ヘクタールと定め、昭和九十六年度においても同じ二千五百三十六万ヘクタールと、現状そのままの面積で決めてあるわけでありますが、そのことは、将来も林地については減少はしないとの前提に立っていると思うが、どういう認識であるのか、お伺いしたい。
#250
○政府委員(藍原義邦君) 林地につきましては、確かに林地を開発して他に転用するというようなこと、あるいは逆にまた、原野その他に木を植えまして林地になるというようなこと、いろいろなあれがございます。したがいまして、一概に減少傾向をたどるということはなかなか言い切れないのだろうとわれわれは思っております。そのために、ただいまつくっておりますこの基本計画におきましても、長期的な視点に立ちまして、森林の変動を予測することが非常に困難でございましたので、総体的には、いま申し上げましたように、なくなるものもありますけれども、また造成されるものもあるということで相殺いたしまして、大体同じ面積という形で面積掲示をしてあるわけでございます。
 ただ、これから改定する場合にどうするかということでございますけれども、御存じのとおり、国土利用計画というのは五十一年に閣議決定されておりまして、昭和六十年までに森林面積が四十一万ヘクタール減少するというふうになっております。したがいまして、今後この計画数値を使いまして調整を図ることとしてまいりたいというふうに考えております。
#251
○原田立君 出たり入ったり、ふえたり減ったりというようなことで、昭和四十六年度もそれから五十年たった昭和九十六年も同じ数だと、こういう説明だろうと思うんですけれども、五十年間にわたって同じというのは、ちょっと常識的に、はてそんなものかなというふうに思うんですけれどもね。それとも、政府としては二千五百三十六万ヘクタールは絶対に確保すると、こういうふうな決心でこういう方針を決められたのかどうか、その点はどうですか。
#252
○政府委員(藍原義邦君) 先生いま決心とおっしゃいましたけれども、先ほど御説明申し上げましたように、森林の従来の移動の状況を見ましても、確かに開発されてなくなるものもございますけれども、逆に植えつけて森林になるものもございます。そういう傾向を見ましても、大体そんなに大きな変動はないという形になっておりまして、そういう過去の経験からも見まして、今後五十年間も大きな変更はなかろうということでこの数字を挙げたわけでございまして、これを絶対確保しなければいけないという観点から出たものではございません。
#253
○原田立君 絶対確保してくださいよ、そんなあやふやな返事じゃなくて。
 それから、いま長官の答弁の中に、四十一万ヘクタール減というふうなことがちょっとあったのだけれども、その数字がよくわからないんですが、実は私のところで調べた数字では、一九七八年農林水産統計による所有形態別林野面積で見ると、昭和四十五年八月現在で二千五百二十八万五千ヘクタールであったものが、五十年一月には二千五百一万一千ヘクタールと、確実に二十七万ヘクタール減と落ち込んでおるわけでありますが、経済の発展に伴って今後さらに林地は減少していくものと思われるのであります。
 こうした流動的な側面から見ても、森林面積が四十六年と九十六年を同じ面積でとらえているのは、現実的に不可能ではないのかと思うんであります。したがって、森林資源に関する基本計画の上に立って施策を行うのは、すでに誤差を是認して施策を行うことになり、現実離れの施策であると言わざるを得ないと思うのでありますが、この点の見解はいかがですか。
#254
○政府委員(藍原義邦君) いま私が申し上げました四十一万ヘクタールと申しますのは、昭和五十
 一年の五月に閣議決定されました国土利用計画でございます。この全国計画の中で、昭和四十七年には二千五百二十三万ヘクタールございました森林を昭和六十年には二千四百八十二万ヘクタール、したがいまして、四十一万ヘクタール減という形で国土利用計画が閣議決定になっております。
 私どもは、現在ございます国土のいろいろなあり方についての一番の基本になりますのはこの国土利用計画でございますので、国土利用計画の数字を使って今後の基本計画の基本数字にしていきたいというふうに考えるわけでございます。
#255
○原田立君 いやいや、そんなことを聞いているんじゃないのですよ。だんだん減少するでしょうと言うんです。それじゃ困るんじゃないですか。あなたは減ったりふえたりするから、まあまあここら辺できちっといくでしょうと言うけれども、私の指摘しているのは、こうやって現実にもうどんどんどんどん減っている、減るというのが現状じゃないのか、それじゃいけないと、こう私は指摘しているんです。どうですか。
#256
○政府委員(藍原義邦君) 先ほど来申し上げておりましたように、具体的な数字を持っておらないので恐縮でございますけれども、私どもはやはり森林は確かに開発されて他に転用するものもございますけれども、また逆に木を植えまして森林になるところもあるわけでございまして、そういう意味からいきまして、特に日本の林地の場合は、地形の関係からも総体的にはそう大きな変動はないという判断をいたしております。したがって、その判断の中で差し引きして、具体的にいいと思われるのは、いま申し上げました国土利用計画として挙げられた数字でございますので、それを差し引いたものをこれからの森林の将来の数字という形でつかんでいきたいというふうに考えておりまして、そう大きな森林の減はないものというふうに見込んでおるわけでございます。
#257
○原田立君 そうすると、四十一万ヘクタール、いま現実に減っているわけだ。だけれど、それはまたプラスになる可能性もあるからそんな心配は要りませんよと、長官そういう説明ですね。
#258
○政府委員(藍原義邦君) たとえば、これは過去の例になって恐縮でございますけれども、三十七年の森林面積を見ますと、総数で二千四百九十五万ヘクタールでございまして、五十一年には二千五百二十六万ヘクタールということになっておりまして、森林というのは案外減ってなくなっているようでございますけれども、総体のトータルとしてはそう変動はないというふうに考えておるわけでございます。
#259
○原田立君 本年一月十六日に公表された農林水産統計速報による林家の林業経営によると、林業所得は、一般に経済成長率及び勤労所得の平均が上昇しているのに、逆に落ち込んでいる。つまり、四十八年度の林業粗収入が四十六万五千円であったものが、五十二年度は五十三万円で、一三・九%増加しているが、これに対し経営費は十二万二千円であったものが二十万五千円となり、実に六八%も増加したため、林業所得は三十四万三千円であったものが三十二万五千円と逆に六・三%も落ち込み、林業経営はとても採算の合わないものになっているのであります。そこで、林業経営に対し林野庁が過去に行ってこられた施策の効果について見解をお伺いしたい。また、林業所得の落ち込み傾向の原因と、今後の林業所得を向上させるための措置を具体的にお伺いしたい。
#260
○政府委員(藍原義邦君) 確かに御指摘になりましたように、林家の経営動向というのは粗収入については伸びておりますけれども、全体の所得ということになりますと十分でないという点、今回の白書にも記述したところでございます。
 それに対しまして、施策の効果はどうであったかという御指摘でございますけれども、私どもやはりこういう厳しい林業の実態等を把握しながら、従前からいろいろな施策を講じてきたわけでございまして、その施策が十分功を奏しなかったかどうかは別問題として、やはりそれぞれの努力によりまして、ここまで何とか維持しているというふうに理解もできるのではなかろうかと思います。
 そういう観点から、今後は林業所得の向上あるいは林業生産の活発化、こういうものに対応する施策としては、いろいろな問題から、いろいろな方向から対策を講じなければいけないというふうに考えておりますし、現在御審議いただいておりますこの法案の内容に盛り込んでおりますものもその施策の一つでございますし、さらには生産基盤の整備だとか経営の合理化だとか、いろいろな問題がございます。したがって、今後はやはり林業労働力の確保を含めましたこういう林家の経営所得の向上というものは、いろいろな施策を総合的に推進することによりましてその対策になっていくであろうというふうに考えておる次第でございます。
#261
○原田立君 国産素材の供給が細まりつつありますが、昭和四十五年当時四千六百二十四万一千立方メートルだったものが、五十二年では三千四百二十三万一千立方メートルとなっているわけでありますが、現在林野庁としては国産素材の生産・流通を円滑化するため本法案を提出したのであろうと思いますが、反面、将来予測される外材資源の枯渇、輸入の不安定性にどう対処するつもりなのか、見解をお伺いしたい。先ほども若干質問しましたけれども、なお改めてお伺いしたい。
#262
○政府委員(藍原義邦君) 確かに国内の生産量が減少傾向でございまして、外材需給率が下がっておることは御指摘のとおりでございます。したがいまして、いま先生もおっしゃったように、そういうものの対策の一環といたしまして、ただいま御審議をいただいておる制度を法律として御審議いただいておるわけでございまして、私どもといたしましても、国産材の振興を図るという形の中でいまの法律に盛られたものを中心にし、さらには、その他の施策を総合的に推進することによりまして国産材の振興を図っていかなければいけないというふうに考えております。
 一方、後段で御指摘になりました外材の輸入の問題でございますが、ここ当分の間は外材の輸入が急激に減るということは私はないであろうと思います。ただ、長い先を見ますと、長期的には必ずしも外材の輸入が的確に行われない事態も来る可能性があるということが巷間言われておりますし、そういう観点から見まして、いまの段階で国産材を中心にいたしました国内林業を推進しておくことが、将来に向かっての一番いい対応になるであろうというふうに考えております。
#263
○原田立君 いまも指摘したように、昭和四十五年に四千六百二十四万一千立方メートルの供給であったのが、実に千二百万立方メートルも今日減少して供給になっている。ものすごい差がついていますね。これは一体どこに原因があるんですか。
#264
○政府委員(藍原義邦君) 伐採量が落ち込んだ原因はいろいろあろうと思いますけれども、第一といたしまして、やはり国内の林地の賦存状況を見ますと、伐期に達した林分が非常に少ないということ、年々減ってきておるということ、それから次の問題といたしましては、やはり木材価格が外材主導型になってきて、そのために伐採をなかなかしたがらないという傾向があるということ、さらには伐採地点が奥になったり、あるいは林道整備が十分でないというようなこと、また労働力が十分でないというような問題、いろいろな問題があろうと思いますけれども、そういう総合的な問題、基本的には伐採されるべき林分がそう現在のところ多くないという問題が基本的であろうと思いますが、それに絡みましたいま申し上げましたようなもろもろのいろいろな因子が積み重なりまして、国産材の生産量が落ち込んでおるというのが実態ではなかろうかと思います。
#265
○原田立君 実に落ち込みが激しいので、びっくりするわけであります。
 輸入材の場合、近年素材に対比して製材品の伸びが大きいが、今後は米材、南洋材とも現地での丸太輸出規制の高まりにつれて、次第に加工品輸入の率がふえていく傾向にあると思いますが、その結果、わが国の港湾製材、南洋材丸太を原料とする合板メーカーに対する手当てをどうするのか。構造改善が迫られることになろうが、その対応措置について現在どのように考えられておりますか。いかがですか。
#266
○政府委員(藍原義邦君) 御指摘になりましたように、東南アジア等を中心にいたします丸太輸出を製材輸出に切りかえたいというような動きがございます。そういう観点から、やはり今後日本の合板業あるいは製材業につきましても、その辺は十分見きわめながら事業の推進を図る必要があろうと思いますけれども、そういう観点から見まして中小企業の近代化促進法がございますけれども、これに基づきます構造改善事業、こういうものを私どもとしてはやはり実施していく必要があろうというふうに考えておりまして、現在これを製材業等においては推進しておるわけでございますし、さらに合板業につきましては過剰設備の廃棄、こういう問題についても現在取り組んでおるわけでございまして、やはりこれからは外材のあり方がどうなっていくかということを見きわめながら、製材業につきましても、あるいは合板業につきましても、それぞれの構造改善を推進いたしまして体力の強化に努めていく必要があろうというふうに考えております。
#267
○原田立君 単に外材の輸入調整問題といっても、林業家を初め木材業界、木材業界の中でも加工業界、流通業界があり、また国産材、外材の取り扱いがまちまちで非常に複雑なため、その調整は相当な行政指導が不可欠ではないかと思うんであります。安定需給のための確たる対応策を示していただきたい。
#268
○政府委員(藍原義邦君) ただいま先生の御指摘の御質問、ちょっとよくわかりかねるわけでございますけれども、私どもとすれば、ただいま御審議願っておりますこの法案に盛り込んでおります木材関係の加工・流通、こういう問題、こういうものを中心にいたしまして、今後国産材を中心にした流通のあり方あるいは加工業の近代化等々というような問題と取り組んでいかなければいけない。また、ここに盛り込みましたそういう改善計画を組んでいただこうという趣旨はそういう点にもあるわけでございまして、こういうことを中心にいたしまして、今後国産材を中心にした林産業の振興を図っていけるのではなかろうかと考えております。
#269
○原田立君 これで最後にしたいと思うんですが、大臣にお伺いしますが、いままでいろいろと問題点を並べて質問してきたわけでありますが、結局、豊かな生活、実りある生活のできる林業経営というようなことがなされなければ林業は伸びていかないと、こう思うんです。そのためにも、今回の法案が出されたものと理解をするわけでありますけれども、なお一層林家の人たちが豊かな、安心して仕事ができるような施策を国としても十分講じてもらいたいと、これは強い要望でありますけれども、大臣の所信をお伺いして、私の質問を終わります。
#270
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御意見のとおりでございますから、そのように努力をいたします。
#271
○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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