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1978/02/22 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 社会労働委員会 第3号
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1978/02/22 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第087回国会 社会労働委員会 第3号
昭和五十四年二月二十二日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     森下  泰君     林  ゆう君
     小笠原貞子君     小巻 敏雄君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     田代由紀男君     降矢 敬雄君
     林  ゆう君     森下  泰君
     小巻 敏雄君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         対馬 孝且君
    理 事
                遠藤 政夫君
                片山 甚市君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                上原 正吉君
                竹内  潔君
                降矢 敬雄君
                高杉 廸忠君
               目黒今朝次郎君
                渡部 通子君
                小笠原貞子君
                柄谷 道一君
                下村  泰君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  橋本龍太郎君
       労 働 大 臣  栗原 祐幸君
   政府委員
       厚生大臣官房長  大和田 潔君
       厚生大臣官房会
       計課長      加藤 陸美君
       厚生省公衆衛生
       局長       田中 明夫君
       厚生省環境衛生
       局長       山中  和君
       厚生省医務局長  佐分利輝彦君
       厚生省薬務局長  中野 徹雄君
       厚生省社会局長  山下 眞臣君
       厚生省児童家庭
       局長       竹内 嘉巳君
       厚生省保険局長  石野 清治君
       厚生省年金局長  木暮 保成君
       厚生省援護局長  河野 義男君
       社会保険庁医療
       保険部長     此村 友一君
       社会保険庁年金
       保険部長     持永 和見君
       労働大臣官房長  関  英夫君
       労働大臣官房会
       計課長      増田 雅一君
       労働大臣官房審
       議官       松井 達郎君
       労働省労政局長  桑原 敬一君
       労働省労働基準
       局長       岩崎 隆造君
       労働省婦人少年
       局長       森山 眞弓君
       労働省職業安定
       局長       細野  正君
       労働省職業訓練
       局長       石井 甲二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関
 する調査
 (厚生行政の基本施策に関する件)
 (労働行政の基本施策に関する件)
 (昭和五十四年度厚生省関係予算に関する件)
 (昭和五十四年度労働省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、田代由紀男君が委員を辞任され、その補欠として降矢敬雄君が選任をされました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(対馬孝且君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題といたします。
 まず、厚生行政の基本施策について、橋本厚生大臣から所信を聴取いたします。橋本厚生大臣。
#4
○国務大臣(橋本龍太郎君) 社会労働委員会の御審議に先立ちまして、厚生行政について所信の一端を申し述べたいと思います。
 わが国の経済は、石油ショック以後の長い回復過程にあり、景気はようやく明るさを見せつつあるとはいいながら、今後かつてのような経済の高度成長は望むべくもありません。他方、人口の老齢化は着実に進行し、わが国社会はさまざまな局面において高齢化社会への対応を迫られております。社会保障の分野におきましても、年金、医療保険を初めとし、児童福祉、社会福祉など各般にわたり、長期的かつ総合的観点に立った施策の見直しが要請されております。
 私は、これら厚生行政の課題と積極的に取り組み、国民相互の連帯に支えられた福祉社会の建設のため、専心してまいる考えであります。
 昭和五十四年度の予算案の編成に当たりましては、厳しい財政状況のもと、施策の重点化、効率化に十分意を用いつつ、真に福祉を必要とする分野へのきめ細かい配慮を加えたところであり、私としては、国民生活の安定のために必須の社会保障施策については、着実な前進を図るべく最善の努力を払ったところであります。
 この結果、厚生省予算は総額七兆五千五百四十一億円、前年度に比し一二・六%増と堅実な伸びを示しました。
 以下、昭和五十四年度における主要な施策を申し述べます。
 第一に所得保障の改善についてであります。
 昨今の経済社会情勢にかんがみ、厚生年金等の拠出制年金について、昭和五十三年度の消費者物価上昇率は五%を超えない見込みでありますが、特例的に物価上昇率に応じた年金額の引き上げを実施することといたしました。
 老齢福祉年金を初めとする福祉年金、児童扶養手当、特別児童扶養手当並びに福祉手当については、本年八月から、老齢福祉年金を月額一万六千五百円から一万八千円に引き上げる等消費者物価の上昇率を上回る額の引き上げを実施いたすことといたしました。
 なお、本格的な年金時代を迎え、激増する年金受給者一人一人に対し、適切なサービスを提供するため、全国の社会保険事務所と社会保険庁を直結するオンラインシステム化の計画に着手することといたしました。
 第二に、医療保険制度についてであります。
 健康保険制度につきましては、最近の経済環境の中で、医療費の増高が続き、かつてない厳しい情勢にあり、最も緊急に対応を迫られている重要な課題であります。こうした状況に対処すべく、健康保険法等の一部改正法案をさきの通常国会に提出し、現在継続審査の取り扱いとなっているところでありますので、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに同法案の可決成立がなされますようお願いする次第であります。
 国民健康保険につきましては、その財政は依然として厳しい状況にありますが、来年度におきましては、臨時財政調整交付金千三百十二億円など総額一兆九千五百億円余の国民健康保険助成費を計上し、健全な運営の確保に努めたところであります。
 なお、老人保健医療対策につきましては、新たな制度の創設について検討を加えてまいりましたが、目下のところ成案を得るまでに至っておりません。作業のおくれに対しおわびいたすとともに、今後、関係方面とも鋭意調整の上具体案を取りまとめ、できるだけ早期に実施に移せるよう努力したいと考えております。
 第三に、社会福祉施策についてであります。
 今後の老人対策としては、年金などの所得保障の充実と並んで、生きがいを持って明るい老後を送るための施策の充実と地域ぐるみの老人のケアがきわめて重要な課題であると考えております。
 来年度は、このような観点に立った新しい施策の展開に努め、老人の持つ能力を生かし、社会への貢献を促す生きがいと創造の事業と地域においてきめ細かいサービスを提供するディサービス事業を実施することといたしました。
 身体障害者の福祉につきましては、新たに障害者福祉都市の実施など、その充実に努めますとともに、埼玉県所沢市に国立身体障害者リハビリテーションセンターを開設し、身体障害者のための総合的リハビリテーションの実施、調査研究、専門技術者の養成を一体的に行うことといたしております。
 以上のほか、低所得世帯の福祉の向上のため、世帯更生資金について、貸付原資の大幅な増額を図るとともに、生活保護について、生活扶助基準を八・三%引き上げる等の改善を行うことといたしております。
 戦傷病者、戦没者遺族等の援護につきましても、障害年金等の引き上げを図るとともに、原子爆弾被爆者対策につきましても特別手当の額を大幅に引き上げる等所要の改善を行うことといたしております。
 第四に、国際児童年特別対策についてであります。
 本年は、国連の決議により国際児童年とされ、各国において、児童の福祉を向上するための施策を推進することが要請されております。次代の社会を担う児童の健全な育成と資質の向上を図ることの重要性は、幾ら強調しても強調し過ぎることはありません。このような考え方に立ち、来年度の最重点施策としての国際児童年特別対策を取り上げ、心身障害児対策、母子保健対策、保育対策、健全育成対策、小児医療対策など各般にわたる児童福祉施策の充実を図りますとともに、国際児童年を記念する各種記念行事、記念事業を実施することといましました。
 第五に、保健医療対策につきましては、救急医療を初め、僻地医療対策、公的病院等の財政対策の一層の推進を図りますとともに、循環器疾患、がん、腎不全、難病等についての専門的医療施設の整備、研究体制の充実に努めることといたしております。
 また、医師の研修体制の充実を図りますとともに、看護婦、理学療法上等の養成についても今後の医療の動向を踏まえ、適切な施策を講ずることといたしております。
 生涯を通じる健康づくりとその啓蒙普及を図る国民健康づくり対策につきましては、二年目を迎え、「自分の健康は自分でつくりだす」、この運動の定着化を図りますとともに、内容の充実に努め、総合的な国民健康づくりを進めてまいりたいと考えております。
 次に、医薬品の安全性と有効性の確保につきましては、従来行政運用により努力を重ねてまいりましたが、新薬承認の厳格化、医薬品の再評価の実施等を主な内容とする薬事法の一部改正を行い、その徹底を図るとともに、懸案となっております医薬品副作用被害者の救済制度の創設を図る所存であります。食品、家庭用品の安全確保につきましても、消費保護の観点に立ち、一層推進することといたしております。
 また、国民の快適な生活環境づくりに欠くことのできない水道施設、廃棄物処理施設につきましては、重点的にこれらの整備を図り、水道水源の確保、水道の広域化の促進、廃棄物処理施設の計画的整備を進めることといたしております。
 さらに、環境衛生関係営業につきましては、その振興を図るため、環境衛生金融公庫の融資枠の増額等の措置を講ずることといたしました。
 以上が厚生行政の主要課題でありますが、そのいずれをとりましても国民生活に密接な問題ばかりであります。私は皆様方の御支援を得つつ、全力を挙げて取り組む覚悟でありますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
#5
○委員長(対馬孝且君) 次に、労働行政の基本施策について、栗原労働大臣から所信を聴取いたします。栗原労働大臣。
#6
○国務大臣(栗原祐幸君) 社会労働委員会の御審議に先立ち、当面の労働行政について所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を得たいと思います。
 現在、わが国の経済は、緩やかな景気回復の基調にありますが、雇用失業情勢は、完全失業者が百万人以上の高水準で推移し、また有効求人倍率も最近やや上昇傾向が見られるもののなお求職超過の状態にあり、依然として厳しい状況が続いております。また、今後も、構造不況業種等における雇用問題など不安要因もあって、雇用失業情勢は、いましばらく楽観を許さない状況が続くものと思われます。
 こうした中で、雇用問題の解決は現在国政の最重要課題となっており、安定成長経済下において、勤労者の生活の安定と福祉の向上を担う労働行政の果たすべき役割りが非常に大きなものとなってきております。私は、この大切な時期に労働大臣を拝命し、その責務の重大さを痛感している次第でありますが、関係省庁と密接な連携を保ちながら、当面次のような事項に重点を置いて、幅広い労働行政を積極的に推進していく所存でありますので、皆様方の御協力を特にお願いをいたします。
 第一は、さきにも述べたとおり依然として厳しい状況下にある雇用問題の解供であります。
 雇用情勢の改善のためには、景気の回復がまず重要でありますので、政府は、昭和五十四年度は六・三%の経済成長を達成し、これを雇用の拡大に結びつけていくこととしております。それと同時に、雇用対策面においても、各種の就職援護措置の大幅強化に加えて、民間の活力を生かす方向での雇用の開発、拡大を図る強力な措置を講ずることが必要であります。
 このため、昭和五十四年度政府予算案におきましては、中高年齢者の雇用機会の開発を主体として十万人の雇用創出を図る雇用開発事業の創設など、雇用対策関係予算の大幅拡充を図ったところであります。私は、今後とも、雇用増大のための施策を初め各般の施策を積極的に活用して、中高年齢者の雇用の安定に重点を置いた強力な雇用対策を展開していく所存であります。また、同時に、関係省庁に対しても雇用対策について協力を要請するとともに、雇用問題政策会議の開催により広く国民各層からの意見も取り入れて、政府の総力を挙げて雇用問題の解決に取り組む所存であります。
 なお、雇用対策の重要な柱の一つである職業訓練につきましては、昨年職業訓練法の改正を見たところであり、本年はこれに基づいて、機動的、効果的な離転職者訓練の実施に努めるとともに、職業能力開発協会の設立等により、民間、公共が一体となった生涯職業訓練体制の確立を図っていく所存であります。
 第二は、働く人々の適正な労働条件の確保と福祉の向上であります。
 労働時間の短縮、週休二日制の推進につきましては、勤労者福祉の向上、国際協調の確保、あるいは長期的に見た雇用機会の維持確保等の観点から、中央労働基準審議会の建議及び昨年五月の衆参両院の雇用の安定に関する決議を踏まえて、積極的に行政指導を進めていく所存であります。
 労働災害防止の問題につきましては、これまで一貫して減少を続けてきた労働災害が昭和五十一年から微増の傾向にあり、特に建設業における労働災害が全体の労働災害の三分の一程度を占めておりますので、建設業を重点として労働災害防止対策を一段と強化してまいりたいと考えております。
 職業病対策につきましては、化学物質の有害性調査制度を中心とする改正労働安全衛生法の円滑な施行に努めるとともに、作業環境の改善、健康診断の徹底、中高年齢者を初めとする勤労者の健康管理の充実にさらに努力してまいる所存であります。
 また労災保険制度につきましては、その適正な運用に努めるとともに、より一層の改善のため制度の見直しを行いたいと考えております。
 さらに、財形制度など勤労者福祉の向上を図る諸施策の充実に一層努力してまいる所存であります。
 そのほか、最低賃金の履行確保、賃金、工賃の不払いの防止と解決など、厳しい情勢下にあって勤労者の保護に欠けることのないよう十分配慮してまいる所存であります。
 第三は、職場における男女平等の促進と勤労婦人福祉対策の充実であります。
 職場における男女平等の促進につきましては、昨年十一月、労働基準法研究会から、男女平等法の制定を初め婦人労働法制の基本的方向について貴重な報告をいただいたところでありますので、この報告の趣旨を十分尊重して、適切に対処してまいりたいと考えております。また、勤労婦人の福祉の向上のための諸対策を、今後とも積極的に推進してまいる所存であります。
 第四に、健全で安定した労使関係の形成については、産業労働懇話会や、昨年十一月発足した公共企業体等労働問題懇話会等の場を通じて、労使及び労使と政府の間の対話を一層促進し、安定した労使関係の形成へ向けてさらに努力を傾注してまいる所存であります。
 もとより賃金問題を初めとする労使間の諸問題は、労使の自主的な話し合いを通じて解決されるべき問題でありますが、今後とも労使が全国民的な広い視野に立って話し合いを行い、良識ある対応をされるよう強く期待いたしております。
 最後に、労働外交の推進については、労働組合指導者等の国際交流の拡大、ILOなど国際機関への積極的協力、技術協力や海外広報活動の拡充等により、労働面からの国際的な相互理解を一層促進してまいる所存であります。
 以上、当面の労働行政の重要事項について私の所信を申し上げましたが、委員各位の一層の御鞭撻と御協力をお願い申し上げる次第であります。よろしくお願いいたします。
#7
○委員長(対馬孝且君) 次に、昭和五十四年度厚生省関係予算につきまして説明を聴取いたします。加藤会計課長。
#8
○政府委員(加藤陸美君) 昭和五十四年度厚生省所管予算の概要につきまして、お手元にお配りいたしております資料に基づき簡単に御説明いたします。
 まず、予算総額は七兆五千五百四十億八千八百万円でございます。対前年度伸び率は一一二・六%でございます。
 次のページは、厚生省の予算を主要経費別に掲げたものでございまして、一番下の右の行に一九・六、これは一般会計総予算に対して厚生省予算は一九・六%のシェアを占めております。
 以下、個別事項の主な内容について御説明を申し上げます。
 目次を三枚飛ばしていただきまして、まず、国際児童年特別対策であります。
 第一の柱が、早期療育などの心身障害児対策の推進であります。精神薄弱の発生防止のため、新たにクレチン症の検査を行うこととしております。
 次のページにまいりまして、第二の柱は、母子保健対策の推進であります。三ページになっておりますが、子供の難病対策の推進のため、小児ぜんそくについて年齢を延長するとともに、小児がんの通院治療を新たに対象に加えております。
 第三の柱として、保育所整備及び児童の遊び場づくりなどの健全育成対策の推進を図ることといたしております。
 第四に、小児医療対策の充実を図ることといたしております。小児病院を子供の医療センターとして活用すべく整備するとともに、地方でも国立病院を活用して基盤を整備することとしております。次のページにまいりまして、新たに小児診療部門運営費の助成を計上し、特殊病床の運営費を助成することとしております。
 最後の柱が、国際児童年記念行事記念事業の実施であります。中央こどもの国において国際児童フェスティバルを開催することとし、水泳、サッカー等の行事を計画いたしております。以下各種の新しい記念事業を予定いたしておりますが、一番下の行に、国際児童年記念児童健全育成事業の助成が予定されております。各都道府県での記念事業に対する助成でございまして、記念モデル児童遊園あるいはモデルキャンプ事業等を助成するものであります。
 以上が国際児童年特別対策の予算の概要であります。
 次のページからは福祉に関する基盤整備であります。
 まず、老人福祉対策であります。生きがい対策といたしましては、老人クラブ等助成を充実するほか、新たに生きがいと創造の事業を助成することとし、木工、園芸、養魚等老人の能力活用を通じて社会参加を図ろうとするものであります。
 次のページに移りまして、下の方でございますが、新たにディサービス事業費を計上しております。これは在宅老人で体の弱い人に、週一、二回家族と一緒に特別養護老人ホームの特設施設にリフトバスでお連れして、入浴サービス、食事介護の指導等を行うものであります。
 次のページは、在宅身体障害者対策の充実であります。障害者の社会参加促進を図るため、県に対する助成の単価を一千万円に引き上げ、対象事業も盲導犬育成などを追加することとしております。また、改めて障害者福祉都市の指定を開始し、今回は中都市も対象として福祉サービス等のソフト面に力点を置き、二年継続して助成することにより対策の定着を図り、身障者在宅対策の充実を図ることとしております。このほか、次のページになりますが、電動車いすの給付を行うこととし、また、福祉手当は月額七千円に増額することとしております。さらに身体障害者実態調査を行う予定であります。
 十二ページでは、特別児童扶養手当を増額して、障害福祉年金と同額の月額二万七千円といたしております。
 十四ページをお願いいたします。国立身体障害者リハビリテーションセンターを開設するものであります。所沢に建設されておりまして、五十四年七月スタートの予定で、運営費、施設費合わせて三十五億九千五百万円を計上いたしております。
 次は、母子家庭等の福祉対策であります。母子福祉貸付金に二十五億の資金追加を予定しております。下の方でありますが、児童扶養手当は母子福祉年金にあわせて手当月額を二万三千四百円に引き上げております。
 次は十六ページの中ほどで、児童手当の手当額を増額いたしております。低所得世帯分を月額六千五百円にいたしております。
 十八ページにまいりまして、生活保護の改善についてであります。消費水準の上昇に見合って生活扶助基準を八・三%引き上げるとともに、少人数世帯の処遇充実を図ることといたしております。
 下の方にまいりまして、世帯更生資金につきましては、貸付原資の追加額を三十九億円計上いたしております。
 次のページは社会福祉施設の関係であります。社会福祉施設の整備費は六百五十億といたしております。また施設運営の改善といたしましては、職員の増員及びその処遇の改善をきめ細かに図っております。
 次に、三枚めくっていただきまして、国民健康づくり対策でございますが、五十三年度に引き続いて各施策を充実しておりますほか、二十五ページの中ほどになっておりますが、県段階での指導推進を新たに実施する経費を計上いたしております。
 次、二十六ページでございます。保健医療に関する基盤整備の推進であります。
 まず、医療施設等の施設整備費の助成は、総合いたしまして四十四億を計上し、新たに理学療法士養成所の助成を追加いたしております。設備整備費の助成では、僻地対策で次のページになっておりますが、ヘリコプターの助成等が新規で加わっております。
 下の方にまいりまして、救急医療対策につきましては百二十六億を計上し、昭和五十二年度以来計画的に重点施策として伸ばしてまいっております。
 次、四枚めくっていただきまして三十一ページ、保健衛生施設、公衆衛生関係でございますが、施設整備費は総合して助成費を五十六億計上いたしております。市町村保健センターの整備に重点を置くとともに、幾つかの助成対象を新たに加えております。
 次のページは難病対策でございまして、一番下の方に特定疾患治療研究の一疾患の増加ば、アミロイドージスを追加することといたしております。
 次、二枚めくっていただきまして三十四ページの下の方、がん対策であります。国立がんセンター経費として九十二億、地方の国立病院、療養所経費として二十七億を計上しております。次のページ中ごろにがんの実態調査費を計上しております。
 循環器疾患対策では、従来施策を充実いたしておりますが、次のページ中ごろに、国立循環器病センターの経費として七十八億を計上いたしております。大阪に建設したものでございますが、いよいよフル回転に入るわけでございます。同時に、地方ネットを整備していくため、地方循環器病センター経費十五億等を予定いたしております。
 次は、脳卒中リハビリ等対策であります。これからの重要問題といたしまして二十七億を計上して、まず病床整備を行うとともに、マンパワーの確保を図ることとしております。
 次のページ中ごろに、肝炎研究の推進のため、新規に五千万円の研究費を計上しております。
 二枚めくっていただきまして三十九ページ、伝染病対策につきましては、国際保健対策の強化を図るため、特殊感染症高度安全検査室の整備を予定しております。ラッサ熱、マールブルグ病等特殊な外来伝染病に備えるものであります。また、検疫体制の関係では、空港検疫出張所四カ所の新設が予定されておりまして、国際臨時便が直接着陸できるように検疫出張所とするものであります。
 次、二枚めくっていただきまして四十一ページ、医師、看護婦、保母等の養成確保対策の充実であります。
 まず、医師の臨床研修費の関係で、来年度予定数四千五百二十七人でありまして、医学部の卒業生が順次増加してきております。また、下の方にまいりまして、指導者研修経費を新たに計上し、臨床研修の指導をする医師の質的向上を図るため先生の研修を行うものであります。さらに、地域医療研修センター整備を予定し、国立病院を活用して各地域の医師の生涯教育に役立てようとするものであります。
 次に、看護職員の養成確保及び処遇の改善につきましては所要の施策を充実いたしております。
 四十七ページまで飛ばしていただきまして、年金制度に入ります。
 まず、共通事項といたしまして、年金額の物価スライドによる給付改善を四%予定計上いたしております。
 また、厚生年金保険及び船員保険の改善としては、第一に在職老齢年金の支給制限の緩和であります。第二に遺族年金の改善でありまして、寡婦加算額を月額千円ずつ引き上げることといたしております。
 次に、福祉年金の改善は、老齢福祉年金を月額一万八千円に、障害福祉年金の一級の月額を二万七千円に引き上げることといたしております。
 次、四十九ページにまいりまして医療保険制度についてであります。
 政府管掌健康保険は、継続審議をお願いいたしております改正法案に従った内容であります。まず、医療給付については、本人、家族同一の水準とし、患者負担はここに記載いたしてございますとおり改めることとしまして、その結果、本人、家族とも平均的負担率は約一割七分となる予定となっております。高額療養費については、二万円を超えた部分について行うように改善いたします。なお、現金給付について、埋葬料を七万円に、分娩費を十二万円にそれぞれ引き上げることとしております。国庫補助率は一八・二%を予定いたしております。また、保険料率は標準報酬月額及び賞与等の千分の七十を予定しております。実施時期は昭和五十四年八月一日を予定いたしております。
 一番下の行、船員保険疾病部門の国庫補助を三億増の十五億計上いたしております。
 次のページ中ごろ、国民健康保険助成費でありますが、一兆九千五百十四億二千九百万円を計上いたしておりまして、大部分が療養給付費補助金であります。なお、臨時財政調整交付金は千三百十二億でございます。助産費補助金の補助基準額を八万円にアップすることとしております。
 次、三枚めくっていただきまして五十四ページ、医薬品副作用被害救済制度についてであります。医薬品副作用被害救済基金を創設することとし、今年度は事務費二億を計上いたしております。
 次のページからは医薬品、食品の安全対策であります。
 医薬品の安全対策といたしましては、薬事法を整備するとともに、このページの中ほどにありますように、新たに新薬開発研究費二億を計上しております。
 次は食品の安全対策でございまして、「食品衛生の日」等の新規施策を予定するとともに、食品添加物規制強化対策費といたしまして、今回スクリーニング試験――変異原性試験を加えることといたしております。
 次のページにまいりまして、五十七ページから六十ページまでは、水道、廃棄物処理等の生活環境施設の整備費でありまして、いわゆる公共事業関係であります。まとめて申し上げますと、全体で厚生省関係は二四・五%の伸びとなっており、一般公共事業の中では高い方の伸び率であります。
 六十ページの中ごろ、廃棄物の広域最終処分場計画の推進の調査費が二億計上されております。なお、広域最終処分場計画調査の対象地域として中部圏が新たに加えられております。
 次は、国際医療協力の推進であります。
 まず、国際医療協力センターの整備でありますが、将来、国際協力事業団を通じながら東南アジア等に医師派遣、受け入れ研修を行うための医療協力センターをつくり上げる準備をするものであります。
 次に、協力事業の推進でありますが、当面は研修、研究を充実することといたしております。
 原爆被爆者対策の充実につきましては、所得制限の緩和を図るとともに、特別手当を五万四千円に引き上げることといたしまして、関連手当もそれぞれアップすることとしております。このほか尿潜血検査の新設を初め、きめ細かな新規事業を計上いたしております。
 二枚めくっていただきまして六十四ページ、戦没者遺族等の援護に入ります。
 遺骨収集はフィリピン、マリアナ諸島等を予定し、また慰霊巡拝はビスマーク・ソロモン諸島を初め中国も予定に入っております。慰霊碑建設はラバウル、ビルマを考えております。
 次に、引揚者等援護でありますが、中国引揚者援護範囲の拡大と援護対策の強化を図ることといたしております。
 次のページにまいりまして、戦没者の遺族に対する特別弔慰金等の支給の関係でありますが、まず、公務扶助料等の受給権を失った遺族に特別弔慰金を支給することとしております。次に、戦傷病者の妻に対する特別給付金の支給でありますが、御主人の症状が年とともに重くなったような気の毒な奥様方に特別給付金を支給できるようにするものであります。
 一番下の行、遺族年金等の改善は、恩給に見合って改善することといたしております。
 次は、環境衛生関係営業の振興についてでありますが、六十八ページの上の方でございます。環境衛生営業振興指針作成費を計上するとともに、公衆浴場について確保対策調査研究を予定いたしております。
 また、下の方にまいりまして、環境衛生金融公庫につきましては、貸付計画を二千九百十億円とするとともに、貸付条件の改善でございますが、貸付限度額の引き上げと利率の引き下げを図っております。
 最後の六十九ページでは、中ごろに覚せい剤対策のため、国民の理解を深めることを中心に特別推進費を計上いたしております。
 年金オンラインシステムの実施につきましては九億円を計上し、年金相談の体制を整備することといたしております。
 なお、七十ページからは厚生省所管の各特別会計の歳入歳出予算の一覧表をつけてございますが、説明は省略させていただきます。
 以上でございます。
#9
○委員長(対馬孝且君) 次に、昭和五十四年度労働省関係予算につきまして説明を聴取をいたします。増田会計課長。
#10
○政府委員(増田雅一君) お手元の資料に基づきまして、昭和五十四年度労働省関係予算案の概要について御説明申し上げます。
 まず最初に、一ページの予算規模でございますが、労働省関係の昭和五十四年度一般会計予算額は、左から三段目にございますように、四千八百六十一億八千五百万円でございまして、前年度に比較いたしまして五百七十二億四千万円、一三・三%の伸びとなっております。
 次に、労働保険特別会計予算額は二兆六千四百八十七億八千万円でございまして、対前年二千八百四十億九千万円、一二%の伸びとなっております。
 また、石炭及び石油対策特別会計の予算額は百七十三億二千百万円で、対前年五億七百万円、三%の伸びとなっております。
 以上、労働省所管予算額の合計は三兆一千五百二十二億八千六百万円、対前年三千四百十八億三千七百万円、一二・二%の伸びとなっております。
 以下、主要事項につきまして概要を御説明申し上げます。
 まず、二ページの第一の1の緊急雇用対策の推進等でございますが、現下の雇用情勢にかんがみまして、昨年十二月異例の追加要求をした結果の予算でございます。
 その内容は、第一に、(1)の民間の活力を生かした雇用創出として、雇用保険の雇用安定事業の中に雇用開発事業を設け、二ページの内容欄に掲げました支給期間と助成率について大幅に改善した中高年齢者雇用開発給付金、雇用保険受給者等雇用開発給付金及び、三ページの一番上にございます特定不況業種離職者雇用開発給付金の支給を行うものでございます。
 また、三ページの内容欄の2の職業転換対策事業として中高年齢者雇用開発給付金の新設でございますが、これは、特定不況業種離職者等求職手帳所持者等のように、雇用保険受給者でない中高年齢者を雇用した事業主に支給するもので、その経費は一般会計から支弁することとし、昭和五十四年度には二十五億円を計上しております。
 以上の施策によりまして、合わせて十万人の雇用創出を見込んでおります。
 緊急雇用対策の第二の柱として、三ページの(2)の定年延長奨励金、継続雇用奨励金の大幅拡充がございますが、これは定年延長奨励金の額を、中小企業の場合対象者一人につき年額三十万円に、大企業の場合同じく二十万円に増額するとともに、支給対象者の範囲を拡大すること及び継続雇用奨励金の大幅な増額を図るものでございます。
 第三の柱は、(3)の雇用保険の特例措置の実施等でございまして、その一は、四十五歳以上の雇用保険受給者につき全国的に六十日間の給付延長をすることであり、その二は、職業訓練受講前後の一定期間をも訓練延長給付の対象とするものでございます。
 緊急雇用対策の第四の柱は、(4)の雇用問題政策会議の開催でございまして、現下の雇用問題の解決処理について、政府全体として国民各層の御意見を伺い、これを雇用政策に反映させようとするものでございます。
 三ページの一番下から四ページにかけましての特定不況地域離職者等に対する臨時特別対策の実施は、昨年の第八十五回臨時国会で成立いたしました特定不況地域離職者臨時措置法の施行に係る予算でございます。
 四ページの3の離転職者訓練では、(1)にございますように、雇用保険受給者を早期に職業訓練に誘導するための能力再開発適応講習を新たに実施することとしております。
 また、一番下の4の不況下における労働条件の確保のための対策として、不況地域ごとに労働条件確保対策協議会を設置することといたしております。
 五ページの第二の産業経済の構造的変化に対応する施策のうち、雇用施策としては、雇用安定資金の積極的活用、職業転換給付等の増額等を図るほか、1の(3)の内容欄に掲げました学識経験者を中心とする雇用発展職種研究開発委員会を設置して、雇用吸収力のある分野を探究することといたしております。
 その次の六ページから七ページにかけましては、職業訓練関係施設の増強、給付金及び補助金の増額の予算を計上してあります。
 それから八ページの一番上の3では、安定成長下における労働経済の総合的体系的分析及び的確な予測の実施のために、総合的労働経済モデルを開発することといたしております。
 第三の高齢者対策としては、定年延長を中心に雇用対策を積極的に推進するほか、九ページの中ごろ、2にございます中高年齢労働者の総合的健康管理対策として、健康管理システムの試行のための施設の整備及び要員の養成をすることといたしております。
 第四の勤労者福祉対策としては、十ページの(1)の労働時間の短縮、週休二日制普及促進等の対策を引き続き積極的に推進するための予算を計上しておりますほか、各般にわたる福祉対策を推進することとしております。
 勤労者福祉施設につきましては、十一ページに掲げたような小型の施設を中心とした整備を進めてまいることとしております。
 次のページに移りまして、第五の安全衛生、労災の関係では、十三ページの(3)の振動・騒音障害対策として、旧式チェーンソーの買いかえ促進のため、新型チェーンソーの購入代金の一部を補助する制度を新設するほか、建設業及び下請企業の安全衛生対策を重点として進めるとともに、十四ページにございますような葬祭料の引き上げそのほかの労災補償制度の改善を進めてまいることとしております。
 十五ページにまいりまして、第六の勤労婦人問題では、(2)の職場における男女平等の促進のために、採用、処遇及び解雇に関する男女平等のガイドラインを作成する研究委員会を設置し、また、(4)にございますように育児休業制度の普及のための奨励金の増額等を図っております。
 十六ページにまいりまして、第七の特別の配慮を必要とする人々のための施策の充実でございますが、これは心身障害者、建設労働者、季節・出かせぎ労働者、同和対策対象地域住民、寡婦、特定離職者対策でございますが、このページから十九ページに掲げましたように、雇用対策を中心にしてこれらの方の保護を積極的に推進することとし、特に心身障害者の雇用促進のためには、十六ページの中ごろの(2)にございますような助成金の新設増額等、身体障害者雇用納付金制度の積極的活用を図ることとしております。
 第八の労使関係の問題は、十九ページにございますが、引き続き政労使の話し合いによる合理的な労使関係の形成を進めることとしており、その一つのあらわれとして、このページの下の方でございますが、(1)の公共企業体等の労使の話し合いの場である公共企業体等労働問題懇話会の設置の予算を計上しております。
 第九の労働外交の関係では、二十ページの中ごろ(1)の多角的な技術協力の展開のため、新たに海外へ進出する技能労働者に対し、進出先の国の言語、生活様式等の研修をあわせ行うこととし、(3)の国際交流の推進のためには、招聘する先進国労働組合指導者の数の増加等の予算を計上しております。
 最後に、二十一ページの労働行政機能の整備としては、内容欄の2にございます労働保険及び職業紹介業務処理の効率化を図るとともに、3の労働行政職員の研修機能を強化する労働行政大学校の建設の予算を計上いたしました。
 簡単でございますか、以上で労働省関係の予算の説明を終わらせていただきます。
#11
○委員長(対馬孝且君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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