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1978/03/27 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 社会労働委員会 第4号
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1978/03/27 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 社会労働委員会 第4号

#1
第087回国会 社会労働委員会 第4号
昭和五十四年三月二十七日(火曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 二月二十三日
    辞任         補欠選任
     降矢 敬雄君     田代由紀男君
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     安恒 良一君     阿具根 登君
 三月一日
    辞任         補欠選任
     竹内  潔君     三善 信二君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     三善 信二君     竹内  潔君
     阿具根 登君     安恒 良一君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     森下  泰君     下条進一郎君
    目黒今朝次郎君     秋山 長造君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
    委員長         対馬 孝且君
    理 事
                遠藤 政夫君
                斎藤 十朗君
                片山 甚市君
                小平 芳平君
    委 員
                上原 正吉君
                亀長 友義君
                下条進一郎君
                田代由紀男君
                竹内  潔君
                福島 茂夫君
                秋山 長造君
                高杉 廸忠君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                柄谷 道一君
                下村  泰君
   衆議院議員
       社会労働委員長  森下 元晴君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  橋本龍太郎君
   政府委員
       厚生政務次官   山崎  拓君
       厚生省公衆衛生
       局長       田中 明夫君
       厚生省環境衛生
       局長       山中  和君
       厚生省医務局長  佐分利輝彦君
       厚生省薬務局長  中野 徹雄君
       厚生省薬務局審
       議官       本橋 信夫君
       厚生省社会局長  山下 眞臣君
       厚生省児童家庭
       局長       竹内 嘉巳君
       厚生省保険局長  石野 清治君
       厚生省年金局長  木暮 保成君
       厚生省援護局長  河野 義男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部景
       品表示指導課長  土原 陽美君
       厚生大臣官房企
       画室長      新津 博典君
       厚生省環境衛生
       局指導課長    林   崇君
       厚生省児童家庭
       局母子衛生課長  福渡  靖君
   参考人
       全国消費者団体
       連絡会事務局長  大野 省治君
       全国環境衛生同
       業組合中央会理
       事長       佐々木 進君
       全国クリーニン
       グ協議会会長   加藤  宏君
       全国クリーニン
       グ業環境衛生同
       業組合連合会専
       務理事      宮坂  功君
       全国美容組合連
       合会事務局次長  内堀 平市君
       全日本美容業環
       境衛生同業組合
       連合会専務理事  泉  忠利君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障制度等に関する調査
 (厚生行政の基本施策に関する件)
○環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律
 の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二月二十三日、降矢敬雄君が委員を辞任され、その補欠として田代由紀男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(対馬孝且君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に全国消費者団体連絡会事務局長大野省治君、全国環境衛生同業組合中央会理事長佐々木進君、全国クリーニング協議会会長加藤宏君、全国クリーニング業環境衛生同業組合連合会専務理事宮坂功君、全国美容組合連合会事務局次長内堀平市君及び全日本美容業環境衛生同業組合連合会専務理事泉忠利君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(対馬孝且君) 社会保障制度等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○目黒今朝次郎君 この前厚生大臣からプリントを渡されていろいろ伺ったんですが、私もいままで予算委員会におりまして、今回二年ぶりで社労にまた帰ってきたわけでありますが、ひとつ大臣に、いままで私も特にお世話になったのは、昭和四十九年ですから当時の田中厚生大臣、渡辺大臣、小沢大臣、そういうまあ三代を通じていろいろ議論をしてきたわけでありますが、ちょっと失礼でございますが、各大臣が、本会議とか予算委員会あるいは社労はもちろんのこと、それから特別委員会などで従来厚生省の考え方といって述べたことについては、橋本大臣もそれを一貫性のあるものとして受けとめて今後の厚生行政をやっていくと、このように受けとっていいかどうか、冒頭お考えを聞かせてもらいたいと、こう思うんです。
#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 目黒委員から御指摘のありました点については、それぞれ前任閣僚の答弁はその責任を後任の私として当然負わなければならぬわけでありますし、さらにそれを発展させて努力をしていきたいと、そのように考えております。
#8
○目黒今朝次郎君 まあよろしくお願いします。
 それからもう一つは、私はちょうど植物人間の問題を取り上げまして、当時仙台の市立病院の問題を取り上げて議論しました。そのとき大臣も、忙しい体ではあるけれども、そういう政治の手を待っておる、行政の手を待っておるところには、できれば機会を見て小まめに実態をはだで感じて、そこから厚生行政のあるべき姿を求めていくと、そういう話がありまして、植物人間の問題については、当時の田中厚生大臣は一回もまだ接したことはなかったという発言があったんですが、ことしは大臣の所信表明の中にいろんなことがあるわけでありますが、若い大臣でありますから、できる限りそういう具体的な問題に接して、その中から方針を立てるという、そういうお考えがあるかどうか。あるかないかというよりも、私としては厚生という仕事から見てぜひそういう取り組みを、大臣みずからも、各局長も、厚生省全般についてそういうはだの通った行政をぜひやってもらいたいなと、こう思うんですがいかがでしょうか。
#9
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは御指摘のとおり、私どもの仕事としてはその現場の実感をつかむことが何といっても一番基本に必要なことだと思います。ですから、私どもとしてもできる限り多くの場所に足を運び、多くの実際の姿を自分の目で見ていくように努めていきたいと、そのように考えております。
#10
○目黒今朝次郎君 そうすると、この所信表明の一番最後にあります「以上が厚生行政の主要課題でありますが、そのいずれをとりましても国民生活に密接な問題ばかりであります。」と、私は皆様方の御支援を得つつ、全力を挙げて取り組む覚悟であります」と、こう述べておることは、大臣を頂点として末端の――末端と言っては語弊かありますが、厚生行政を預かる方々全体を含めて、こういう姿勢で取り組むんだというふうに確認していいですか。
#11
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、これはもう本当にある意味では一定の任期を終われば去らなければならぬポストでありますけれども職員は、これは厚生行政というものにみずからの使命感を持ち、みずから選んでこの職に入ってくれた人たちでありますから、当然足並みをそろえて一致結束して事に当たっていけると考えております。
#12
○目黒今朝次郎君 これは時間のやりくりがちょっとわかりませんでしたので、若干ちぐはぐになると思うんですが、時間があるようでありますからもう一つお伺いしますが、そういう仕事の性質からいってですね、これは私はこの委員会で議論する内容についても、与党、野党を含めて、できれば全体の理解を得ながら前に進むと、そういうことが望ましいであろうし、逆に裏を返せば、問題がある点は大いに議論して、そして議論の中からその結論を求めていくという努力も必要だろうし、いやしくも私は厚生行政の問題について立法措置その他について、まあいま議論されているダグラスとかロッキードとかという問題じゃありませんが、そういう不愉快な、不明朗な関係で業界との渡り合いといいますか、そういうことがあってはならないと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) そういう角度からの御指摘をいただきますと、現在私ども、実は国立病院の中に不祥な事態を現に抱えておりまして、司法当局の捜査を受けておる部分を持っております。そういう状態でありますだけに、一〇〇%胸を張ってお答えのできないことは非常に残念でありますし、まことにまたこうした事態を起こしておることも遺憾でありますが、基本的に目黒さんの御指摘のとおりであるべきだと私も考えております。
#14
○目黒今朝次郎君 これは午後の環境衛生に関する問題に絡む問題ですけれども、私は、厚生大臣の政治姿勢に関係するからちょっとお伺いしますが、この法案については、御存じのとおり、促進をしてくださいという方々と中身をもっと見直してくださいという方々と、両面から来ておるわけですね。それは午後から議論されると思うんですが、しかしその中で、私はこの資料をもらって見ている間にちょっと不可解なことを目にとめたんですよ。これは「ぜんび速報」という賛成派の機関誌ですが、この中に、これは五十三年一月十五日発行、去年ですね、「国会の社会労働問題を扱う社会労働委員会での支柱をなす、橋本龍太郎(岡山二区)、相沢英之(鳥取全県一区)、」、それから「斎藤十朗(三重・参院地方区)、小沢辰男(新潟一区)、斎藤邦吉(福島三区)、田中正巳(北海道三区)、」と、こういうように個人名を全部挙げてこういう方々に積極的なことをやれと。まあこれはこれで私はいいと思ったんです。ところが、別な資料を見ておったら、これも「週刊美容」というやはり同じグループの機関紙なんです。それを見ますと、約一億円の政治資金を集めて、その主な支出予定は政治団体への寄付金四千五百万、代議士の後援会費助成が三千三百万、選挙時の陣中見舞い五百万、後援会活動費二百万、それから事務所経費八百万、計一億と。この金を使っていま問題になっている環境備法案を成立させなさいと、こういう仕組みになっているんですね。ですから、私はこの四千五百万という金は、これは自由民主党・国民会議に政治献金になったのかどうか調べる時間がありませんでした。ただ、代議士の後援会費三千三百万ですから、この代議士の後援会費の中にいま読み上げた方々が有力分子として上がっているんですね。そうすると、大臣もこの方々から見れば政治献金をされる重要ポストと、こういうことになるのですが、環境整備の法案等についてこれほどまでに政治献金云々という議論をしなければ、この問題の解決にならぬものかどうかという疑問と、前段で大臣が言った、そういうことがあってはならないということとのかかわり合いを、この際やっぱり明らかにしてもらわないと、午後の法律を審議するに何かつっかかるものがあると、そういうことではなりませんので、大臣の身辺を含めて、これらに関する問題について見解を聞かしておいてもらいたいと、こう思います。足りない点はわれわれ後で調査します。
#15
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は、雑誌によりましては一億ではなくて五億円業界が集めたなどという話もございます。いろんな当時話が流れ飛んでおります中には、一億説、三億説、一番多かったのは五億円ぐらいの話が大きかったんじゃなかったでしょうか。そして、それについていろいろな憶測も当時飛んでおりました。私自身からいたしますと、本当にそのうわさどおり一番すごかったのは、たしか五億円業界が全部で集めた中で、一億円私がもらうというのが一番すごい話だったと思います。そこまで大きなスケールの話になりますと、これはまあ本当に心楽しく聞いている以外に方法のない話でありまして、私自身も、そういう意味ではいろいろな話が飛んでおりましたことをよく承知をいたしております。ことに、私自身が昨年の環衛法の改正案を起草いたします自民党側の責任者でありましたし、またそういうポストに事実あったわけでありますから、有力議員かどうかは別として、最も関係が深いと言われたことは私も決して否定をいたしません。そして、衆議院段階におきましても、当時、これを提案してから継続審議になりました後、いろいろなお話が各党からもございました。そして、最終的にそうした世間のいろいろな誤解を防ぐ意味でも、当初、むしろ私は起草の責任を明らかにするために、私自身が法案作成者として提案理由の説明もいたしたわけでありますが、むしろそれは撤回した方がいいのではないか、そして与野党の合意のもとに委員長提出として法律案をまとめた方がいいのではないかという御注意も各党の方々からいただきまして、むしろそういうふうに各党の足並みがそろうならそれにこしたことはありませんので、私自身の案も撤回をしたわけであります。
 まあ、そういう意味では、人様がうわさをされることにつきましては、これは一々、それがあることだ、ないことだと説明をすることもできません。それからまた、報道機関が、そうした話を聞かれていろいろ活字になさることについても、私どもとしてそれに対して物を言うにも限界がございます。ですから、事実関係はむしろ、いま目黒さん、私の方も調査をすると言っておられたわけでありますから、御調査をいただけば結構でありますし、私自身の後援会の中には、恐らく環衛団体からの政治献金、また環衛関係者からの個人の政治献金というものはあると思いますし、克明な額等は覚えておりませんが、少なくともそれほどたくさん何億円もちょうだいをした記憶は私はございません。
#16
○目黒今朝次郎君 業界の機関誌が、発行責任者も編集責任者も明確になっておるものですから、そううそ偽りはないと思うのです。ただ、どの程度どういう形になったかということについては、いま大臣から率直に話もありましたのでそれ以上私は申しません。ただ、こういうものを通じての立法行動というのは、厚生行政という点から見ると余り好ましくないなという点を私が感じたものですから提起しました。その他の問題については、後ほど自分で調べてみて問題があればしかるべくまたお伺いするということにしたいと存じます。
 それで、私はこの所信表明を読んでみて、ことしは国際児童年特別対策という点が非常にクローズアップされている。それから、スモンとかサリドマイドの関係などもありましたので、医薬品の安全性と有効性の関係から、薬事法の改正あるいは救済制度の確立、こういう問題がクローズアップされておるので、この委員会でいままで二回ほど、去年の七月十七日小平先生、それから十月十七日同じ委員会で下村先生の提案もあった問題点について、国際児童年にふさわしい方向を探求するために若干お伺いしたいと思うのです。
 それは、サリドマイドの問題でいろいろ調査されたわけでありますが、その認定から外れたと言っては語弊がありますが、それに似通った先天性四肢障害児の問題等について、厚生省として今日までどういう取り組みをしてきたのか概括的にお伺いしたいと、こう思うんです。
#17
○政府委員(竹内嘉巳君) 先天性四肢障害の発生につきましては、幾つかの部分的な調査が学問的にありますだけで、調査研究の積み重ねがまだ不足をしておるわけであります。現状では発生の実態を全面的に十分把握しているという状態ではございません。ただ、私どもといたしましては、心身障害研究という予算をいただいておりまして、昭和四十七年度から、先天異常、つまり四肢障害の問題を含めて先天異常の問題について、その先天異常の早期発見のシステム、あるいは全国的規模における外表奇形等の把握方法の作成といったような問題について検討を進めまして、いわばその結果が、昭和五十二年に一歳半の幼児健診をスタートするというふうに行政を積み重ねてきたわけであります。少なくとも、いま先生から御指摘いただきました先天性の四肢障害の問題に限定をしていきますと、私どもとしては、今後先天異常のモニタリングシステムというものを研究する中で、先天異常全体の問題としてひとつこの先天性四肢障害の問題の実態把握というものに取り組みたいと、こういった状況にございますことを御報告しておきます。
#18
○目黒今朝次郎君 これはサリドマイドの問題があったことも、あると思いますが、五十年の八月三十日に、こういう先天性四肢障害児を持つ親御さんたちが集まって、父母の会を八十名程度で発足したことは御存じだと思うんですが、その後今日まで何回ほどこれらの方々の代表とお会いになっていますか。
#19
○政府委員(竹内嘉巳君) 厚生省として、私のいま承知しておりますのは四回ほどというふうに理解をいたしております。
#20
○目黒今朝次郎君 四回、昭和五十一年の七月二十二日が第一回で、去年の十一月十八日四回目、四回お会いしておるんですが、この方々のお会いした状況を、ずっとお話を伺ったり、あるいは議事録の内容を見せてもらったり、話を聞いておりますと、第一番目は、これは大臣にも聞いてもらいたいんですが、こういうお母さん方は最初八十人で始まったけれども、現在は五百十人の家族の方がいらっしゃると、二年前ですね、約三年ですか、八十人で発足したのが現在は五百十人だと。ですから、八十名で踏み切らなければ、まだまだこういう問題が水面下に葬り去られておったと思うんですよ。勇気のあるお母さん方が八十名立ち上がって、そして呼びかけて現在五百十名と、そして四回の話し合いをしていらっしゃると。その中で、後で中身は聞きますが、毎回出てくる方々が顔ぶれがかわる。そして、顔ぶれがかわるのは役所ですからしようがないとしても、そのかわった諸君が前段の引き継ぎがどうもあいまいだと、せっかくお母さん方が、手のない、指のない子供を連れて、あるいは家に置いて自分たちがカンパをして東京まで来て、そして厚生省に二時間、三時間話しているのに、前段からもう一回話さないと本論に入れないと、そういうことをずっと繰り返しているんですね。私は、これは行政にとってはきわめて不まじめだと思うんですよ。かわったらかわったで結構、結構だけれども、前回はどういう話し合いがあって、どういう問題点があって、今回お会いするときはどういう問題について答えてやらなけりゃならぬなと、こういうことが私は行政として当然取り組まれるべきだと、こう思うんですがね。この辺、私は反省点としてやはり局長に考えてもらう必要があると思うんです。
 もう一つは、いろいろ忙しいでしょうけれども、二年半か三年に四回の話し合いですからね、担当の課長ぐらい一回出て、あるいは局長でも五分でも十分でも出て、基本的な問題についてはこうだと話してやるぐらいの私は親切さがあっていいと。みんな安全課の課員、補佐。補佐がいいとか悪いとか言いませんよ、それは悪いとは言いませんが、やはり二回や三回に一回は責任者が出てしかじかだと言ってやるべきだと、こう思うんですが、反省も含めて今後の心構えについて局長なり大臣から聞かせてもらいたいと、こう思うんです。
#21
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘の点につきまして、私どももおっしゃることについて十分理解をして前向きに対応いたしたいと思っております。ただ、お言葉をいただきまして、私ども自身考えておりますことは、昨年十月に当委員会におきまして、下村先生からこの問題について、厚生省では窓口が一定していないと、そのためにそういう繰り返しが行われると、こういう御指摘ございました。率直に申しまして、私どもの方の受けとめ方といたしましても、親御さんたちの会の問題提起の仕方によって、いわば担当の課が、あるいは局が変わるという場合もあるわけであります。ただ、そうは申しましても、いま先生から御指摘いただきましたように、この問題それ自体について、やはり基本的に子供の福祉という観点から、私どもは児童家庭局で、心身障害児の対応を任務といたしますわが局として当然対応すべきだと判断をいたしまして、昨年、本件につきましては児童家庭局が窓口となって今後対応いたしますというふうにお答えをいたしました。また、その後も正式の話し合いという場ではございませんけれども、非公式といいますか、テレビの番組等においても、私どもの方の専門家である主管課長が出席をするというようなことも対応してまいったわけであります。今後ともこういった問題について、決して私としても、あるいはまた所管の課長としても、御指摘にありましたように、またもう一度最初から話をしなければというような事態にならないよう十分注意をいたしまして対応をしてまいりたいと、かように考えております。
#22
○目黒今朝次郎君 その課長とか局長の出席も、やっぱり内容によっては私は考慮すべきだと思うんですが、いかがですか。
#23
○政府委員(竹内嘉巳君) 十分そういう点についても私どもも考えて、やはりお答えをする以上は責任を持ってお答えをしなければなりませんので、その限りでは、常にその場で即答できるということもいたしかねる点もあろうかと思いますけれども、十分この問題についてはわれわれも勉強もさせていただきますし、またそれなりに関係の団体からの意見も聞きながら前向きにこれは対処してまいりたいと、かように考えております。
#24
○目黒今朝次郎君 この前下村先生が質問した後の、これは十一月十八日、厚生省応接室でやった父母の会の議事録ですから、必ずしも照合したわけじゃありませんから不備な点もあると思うんです。これ読んでいると、薬事課に関係ある部分はわかりませんわかりませんて、まあわかりませんはいいんですけれども、わかりませんというだけでもう切れちまうんですね。安全課も、それは私の担当じゃありませんと。担当じゃありませんが、厚生省全体の問題ですから、それらの問題についてはもう一度関係課と十分相談するなり、あるいは担当者を呼ぶなり、そういうことで御期待なり、問題に答えましょうと、そういう姿勢が全然ないでしょう。ぶつぶつぶつぶつ。だから横の連動性がない。これでは来る方が怒るのはあたりまえですよ。幾ら窓口になっても何にもならぬ、これは。私は、これが大臣に冒頭言った、やっぱりはだの温まる行政と。なっておらぬということだ、このことでは。何回しても同じことなんだ、これでは。はなはだしいのは、私これ聞いて腹立ちましたね、先天性四肢障害児はお前らが悪いんだと言わんばかりに言っているでしょう、これは。これはそうですよ、お前らが悪いんだ、生まれてくる瞬間が悪いんだと。そんなことで厚生行政が成り立ちますか。私は、それでなかったらそれでなかったと言って担当者に変改してもらいたいんです。前段の一、二、三回の議事録はそれは了解しましょう、窓口がなかったから。下村先生が出て窓口一本化して、そうしてこのやりとりを見ますと、どうも私は、いま局長の言ったことも、前段申し上げた大臣のことも、私もばかで質問しているわけじゃないんだから、どういう布陣で最後の大臣の見解を求めるかということがあってやったんですからね、こういうことじゃ困ります、これは率直に。もう少し姿勢を正してください。どうですか。
#25
○国務大臣(橋本龍太郎君) いまの目黒さんめ御指摘を聞いておりますと、厚生省の事務当局の対応に、確かに私がちょっと聞いておりましても問題があったように思います。よく御質問の趣旨、私も体しましたが、局長以下もここで伺っておるわけでありますから、今後よく気をつけるようにさせたいと思います。
#26
○目黒今朝次郎君 それは言葉だけのあやにならないように、実際に実を結ぶように要請しておきますし、私たちも注意深く皆さんの取り組み方を見ていきたいと、こう思います。
 それで、せっかく出ましたから、昭和四十六年にこの四肢欠陥症実態調査をやったと。このやりとりを見ますと、この資料はないと、もう。しかし、その資料がないと言っていながら、父母の会の方が五千九十二人ですと言ったら、いやいや、これは五千五百五十五人ですというふうに厚生省側が訂正しているんですね、これは。父母の会が言っているのを厚生省が訂正しておれば、訂正するだけの根拠の私は資料があったと思うんです。これは私も聞いています。別な身障者団体から、こういう調査をするのはプライバシーの問題と人権の問題があるので、その点をどうするんだという一部都道府県から問題が出ていろいろ議論があったということは私も承知しています。承知していますが、それとこの資料があるないでは、私は別問題だと思うんですよ。これだけの全国調査をやって相当金も使ったんでしょうし、これが現在ないというのはどういうことなんですかな。私は、ないということは事役所に関してはそんなことはあり得ないと思うんですよ。ないというなら当時の管理責任者はだれなのか、実行責任者はだれなのか、だれの、どこの許可をもらってこれを焼却したのかと。その点の経緯を明らかにされないと五千五百五十五人分の実態調査を都道府県から集めて、サリドマイドの問題が解決したからいいですという、そういう逃げ口上ではお役所の仕事はなりませんぞと、こう言うんです、私は。この辺はどうなんですか。
#27
○政府委員(中野徹雄君) 私どもの承知しております範囲内におきましては、この調査はサリドマイドということを念頭に置きながら全体で調査を実施したというふうに聞いておりますが、当初の設計段階では、第一次調査及び第二次調査に区分して実施をするということでございまして、第一次調査は昭和四十六年十二月一日現在で、全国の先天性四肢欠損症児等の概況を把握するために行ったものでございます。これは、全国の小中学校及び児童福祉施設等の協力を得て実施したわけでございますけれども、被調査者の協力、人権問題というようなこともございまして、私の承知しております範囲内では、自治体側の反対意見等もございましてこの調査が完結しなかったというふうに聞いております。で、この調査は、具体的には都道府県及び学識経験者から成る先天性四肢欠損症児等の実態調査研究班というものをつくりまして、そこに委託して行ったものだというふうに聞いておるわけでございます。結局、この調査が人権問題等の絡みにおきまして完結をしていないというふうに私どもは承知しておりまして、その調査結果についての資料がいかなるものであるか、どこまでいったかということは、私ただいまの時点では承知しておりません。後ほど確かめまして御報告をいたしたいと思います。
#28
○目黒今朝次郎君 そんな局長ね、そんなことはわれわれ素人じゃないからわかっているの。私が聞いているのは、この資料は現在どうなっていますかと聞いているんです。わからないというなら、じゃ、当時のこの計画の立案者、立案責任者、予算、決算、研究班の方々、それを全部調べて資料出しなさいよ。
#29
○政府委員(中野徹雄君) 先ほど申し上げましたように、調査が結局中途で中止されたという経緯もございますので、先生御指摘の点は調べまして御報告いたします。
#30
○目黒今朝次郎君 あのね、どこどこ県、どこどこ県の反対意見があってやめたということは私も知っていますよ。だから、中止になったということと、そのせっかく調べた五千五百五十五人の資料、後で出てくる馬場班とか何とかという研究班もまだプロジェクトをつくってやっているんでしょう。そういう関係のつながりということで、厚生行政で一貫して使えないんですか。そんな私は場当たり主義の調査はないと思うんですよ。だから、ずばり言って、都合が悪いからもう焼却してしまったのか、もうサリドマイドの問題も解決してあとは関係ないと、これ以上厚生行政は責任負いたくないと、何というか、先を見通してむしろ焼却、棄却した方がいいと、そういう行政の判断でパアにしちゃったのか。私も国鉄屋だけれども、この前清水トンネルで事故起きたけれども、北陸トンネルの問題でああいうトンネル事故の問題で五年でも十年でもちゃんと資料持っていますよ。その資料持ちながら北陸トンネル事故は何、今度の新幹線のトンネル事故は何、結びつけてトンネル内の事故をどうするかと。それは研究屋として役所として当然じゃないですか。四十六年の資料がなくなったというのはどういうかっこうでなくなったかね、それはやっぱり行政責任も明らかにして出してもらいたい。単に資料でなくて、これは委員会に、私は委員会に提出を要請します。
 委員長、いいですか、委員会に提出を要求します。
#31
○政府委員(中野徹雄君) 調査が完了しなかったということは事実でございますが、その経緯及びその残存資料については、私らの方で確かめまして正確に御報告をいたしたいと、かように考えます。
#32
○委員長(対馬孝且君) 委員会に提出をしてください。
#33
○目黒今朝次郎君 では、よろしくお願いします。
 では、その研究班のそれが出たついでに、これも父母の会との話し合いの際に、第一回ですからこれはいつですかな、五十一年の七月二十二日の段階で、厚生省側からこの具体的な取り組みについて説明しているんですね。この問題、専門に研究班設けて、馬場先生という馬場研究班を設けて、この馬場研究班が中心になって、あと二人ですか、木田先生とか、そういう方々をやって大体三年計画でこの問題について固めながら対応していきたいというこの五十一年の構想は、非常にそれなりに父母の方々に私は勇気を与えたと思うんですよ。それが今日段階になってしまうと、この前、理事の斎藤先生、三月二日、父母の会の方との懇談会に斎藤先生は自由民主党を代表して、私は社会党を代表して、それから小笠原先生の秘書が共産党を代表していらっしゃって話をしたんですがね、これらに対する馬場班を中心とした取り扱いなり今後の展望についてどういうふうになっているのか、少し具体的に聞かしてもらいたいとこう思うんですよ。
#34
○政府委員(竹内嘉巳君) ただいま御指摘の先天性四肢障害に関する臨床的研究でございますが、日本大学医学部の小児科の馬場先生を研究班長といたしまして昭和五十年度からスタートいたしました。五十一年、五十二年、そして五十三年度も二百五十万円の研究費で進めてまいりまして、なおこの点をさらに整理をいたしまして、先天異常のモニタリングシステムの研究という形で、五十四年度にもさらにこの研究を引き続くという形で私どもとしては対処いたしております。
 で、ただ、この臨床的研究は、症例等の問題もございまして、馬場先生のお話を伺いましても、当初予定したほど急ピッチでというわけにはなかなかまいりませんで、現在四肢障害の鑑別診断、染色体異常との関連、それから四肢奇形とエックス線上の所見といったようなことをサブテーマにしながらこの臨床研究というものを進めていただいておるわけであります。私どもといたしましても、この臨床研究の中から、これをさらに疫学的に進める意味で先天異常のモニタリングシステムというものを、この五十四年度に積極的に、これまでの研究成果をもとにして進展をしていただく、その段階で先天異常の実態把握、先天異常の統計と疫学的研究による発生要因の解明、先天異常発生の防止のための措置と、こういった点に研究の焦点をしぼってまいりたいと、かように考えておるところであります。
#35
○目黒今朝次郎君 もう時間がありませんからこれを読みませんが、担当者の話を聞いていますと、馬場研究班の研究成果というのはどの程度に把握されて、今後の展望でどういうふうに絡まりを持ってくるんだろうかということになると、必ずしも担当者の皆さんの説明は、いま局長の言うような説明だときわめて整然としているんだけれども、この立ち会いに――立ち会いって、説明に来た諸君の議事録の内容を読ましてもらうと、なかなか、あいまいもことしてわかったようなわからないような、途中でぽたんと落ちてしまうようなかっこうではっきりしないですよ。
 そうすると、いまこの馬場研究班の成果と今後の展望等については、いま局長が言った五十四年を目安にしながら、後で述べた三つの項などを中心に何とか体制整備をやっていくんだと、そういうのが厚生省の考えだというように確認してもいいわけですな。
#36
○政府委員(竹内嘉巳君) 先生いま御確認いただいたような趣旨で結構でございますが、ただ、その研究班の対応だけで学問的に物事が解明するという段階にいくかどうか、この点は、行政の立場では学問のあり方論について介入をいたしかねますので、その辺は先生方の研究の成果をできるだけ私どもは行政サイドに取り入れられるように努めたいと思っておりますが、学問の進展それ自体、あるいは研究の仕方それ自体に、実は行政側からあれこれと指図がましいことを申し上げるのもいかがかというふうに私どもは理解をいたしております。
 なお、つけ加えさしていただいて恐縮でございますが、昨年の十一月に、親の会の方々と担当者との間のやりとりの問題で、明確でなかったという御指摘ございますが、この点は実はやむを得ない点もございまして、こういった研究班の進展状況その他につきましては、それ以後において、先生方とのいわば五十三年度の研究のある程度の目安について御相談をいただいて、先ほど御説明いたしましたような目安を私どもの方として持つに至ったわけでございますので、その段階においてはまだ研究の中途でございまして、事務的な段階で一つ一つ研究班の研究成果をあれこれと指図がましく申し上げることを私どもは差し控えておりますので、御了承いただきたいと思います。
#37
○目黒今朝次郎君 私もその研究班に携わっておる方々、先生にお会いしていろいろ話もしました。二百万とか二百五十万ではどうにもならぬとか、あるいはいま局長の言ったとおり、研究の自主性の尊重は結構なんだけれども、自主性の尊重イコール任せっきりということと紙一重だと、紙一重。だから、やっぱりなかなかむずかしい関係あるでしょうけれども、研究の自主性と行政のピッチという関係がいろいろむずかしい点もあろうけれども、やはり私は、その二百五十万の金を三百万、五百万にするための努力も、われわれもしてやれるだろうし、同時にまた、先生方と父母の会の皆さんを含めて一応話をしながら、やっぱり親の方は、現実にもう指がない、手がないというあれを受けておるわけでありますから、非常に焦る気持ちは私はわかると思うんです、私は親でありませんからわかりませんが。ですから、そこに本人たちと研究の自主性と、中に立つ行政の何とも言えないなまぬるさというんですか、スピードがうまくいかないという三点が渦巻いているんですから、その辺をやっぱり行政の方でも考えて、親切にしてやるし、あるいは足りない面は野党のわれわれにも相談して、この問題については少し金を取ろうじゃないかと、大蔵省少しやろうじゃないかというぐらいの私たちも努力はすべきだと思うんです。そういうことで、投げっ放しということじゃなくて、私がいま言った呼吸を十分受けとめて、馬場研究班の取り扱いなどについても御配慮願いたいものだと、これは要望しておきます。
 この馬場研究班をやるんですが、私は長野県で五十二年の四月ですか、五十二年の四月だか五月、若干ずれる点もあると思いますが、長野県で三者で何か調査をしたと、そういう情報を得ているんですが、この長野県の調査の実態などについて厚生省側で受け取っておるかどうか、受け取ったとすればどういう措置をしているか聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#38
○政府委員(竹内嘉巳君) ただいまの長野県での三者の研究というのは、そういうプランがあることについては承知いたしておりますけれども、研究があるいは調査が実施されたということについてはまだ承っておりません。私どもとして理解をいたしておりますのは、これからそういうことをやりたいということについて御相談があるというふうに承っておる段階でございます。
#39
○目黒今朝次郎君 これは承っておるということだけでなくて、やはり地方自治体が一番身近なところにおるんですから、そういうプランがあった場合に、やっぱり厚生省側は積極的に助言をするとか、助成をするとか、あるいは先生方の派遣をして合流してやるとか、そういうむしろ前向きの方向にこの地方自治体の動きというのをとらえてもらいたいなと、こう思うんですが、長野県だけでなくて、何か厚生省の話によると、いろんな研究班も結構だけれども、地方自治体の調査についてはむしろ歓迎するのだという意味の、おたくの課の方の発言もありますから、それといまの局長の発言はちょっと矛盾しているなと思うんですが、そういうことも含めて地方自治体の問題については指導してもらいたいと、こう思うんですが。
#40
○政府委員(竹内嘉巳君) 私は決して矛盾しているとは思っておりませんで、むしろ私どもとしては、各自治体が自主的にそういう問題に取り組まれるということについて御相談がいただければ、私どもとしてできる限りの援助は、人の面においてもあるいは財政的な面においても許される限りいたしてきておりますし、またこれからもいたすつもりでおります。また研究班としても、これらの自治体の自主的な研究について、馬場先生あたりの研究班も積極的にこれに関心をお持ちのようでございますので、それとのドッキング等についても、私どもの許される範囲内で最大限協力はしてまいりたい、かように考えております。
#41
○目黒今朝次郎君 この調査の関係でいろんな方から手紙をもらって、私持っているんですがね。やると、プライバシーの問題とか何とかということが絡んじゃって、地方自治体も家族の方もなかなか表面に出したがらない。それだけ問題の深刻さを私は持っていると思うんですよ、この問題は。それで、実際父母の会の方々どうなんですかと、私聞いたら、これ調べて会の方皆持っているんですよ、これ。これは表裏全部です。発生の状況、問題点、自分がおかしいなあと、ここがおかしかったなと思うやつを皆やっぱり記録とっているんですよ、この方々は。症状の状態も全部ね、これ、いろいろな症状があります。ですから、馬場研究班も、長野の自治体の皆さんも、こういうお母さん方が積極的にこの問題の解明に協力しようと、そういう姿勢をとっているんですから、臨床的な研究ということについては、この約五百十名近いお母さん方が献身的にやろうとしているんですから、自分の子供のためにも、あるいは人類のためにも、こういう方々に積極的に協力をしてもらう、あるいはいろんな資料を提供してもらう、それを分折、集計していくということが、私は最も生きた研究材じゃないかと、こう思うんですよ。だから、こういうものを私たちは厚生省なり政府なりが、むしろ積極的に活用して、やはり原因の解明をしていく、そして予防の手を打っていくということが私はなぜとれないのかなというのが非常に残念なんですよ。これは政治的な判断もありますから大臣に聞きたいと思うんですが、馬場研究班とかプロジェクトとか、いろいろありますけれども、こういう生きた材料をぜひ有効に、馬場研究班にしてもあるいは厚生省にしても活用するという判断なり方向性をぜひとってもらいたいなと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#42
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、不敏にしてそうしたお母さん方の御研究自身の内容を承知しておりませんので正確なことはちょっと申し上げられませんけれども、むしろいま伺っておりまして、そのお母さん方のおまとめになっておられる、その親御さん方のおまとめになっておられる資料というものは、私は研究班にとっても活用できる性格のものではないかと感じております。それを前提にして、活用できるものでありますならばそれを十分活用してもらうように研究班に働きかけることは当然できることだと思いますし、またやらなければいけないことだと思います。ですから、むしろそこから先になりますと、今度は、私は専門家ではありませんので、むしろ厚生省の中のそうしたものについて鑑定のできる諸君に、もしお母様方に見せていただけますならば活用させていただくように努力をしてみたいと、そのように思います。
#43
○目黒今朝次郎君 では局長ね、いま大臣がそういう発言をしたんで、そこから――専門屋だと言うからね、大臣が遠慮しながら各局長さんに迷惑かけないように慎重に慎重に発言されてそのぐらいなんだから。だからこのネタあるんですからね、ネタあるんですから、そう冷たいことを言わないで、馬場研究班なら馬場研究班に厚生省として研究テーマをやる際に、こういうやっぱりお母さん方が自分の体験で貴重な記録あるんですから、かかった病院まで皆書かれています、どこどこの病院の何婦人科、何産姿さん、かぜ引いた、あるいはちょっとぐあい悪くて黄体ホルモン飲んだとか飲まないとか、皆書かれているんです。こういう貴重な記録があるんですから、この記録をひとつ厚生省の方で受け取って、馬場研究班にこれも含めて十分検討してほしいという臨床調査的なことを、やっぱりおたくの方から積極的に研究班の方にお願いすると、提供するということが必要ではないかと、行政として。それをどう受けとめて、どういうふうに分析して、どういう成果に結びつけるかは研究班の皆さんの努力でしょう。そこまで私は行政の責任があると、やるべきだと、こう思うんで、大臣の本当に慎重な発言を受けて、局長の見解を聞きたいと、こう思うんです。
#44
○政府委員(竹内嘉巳君) 大臣の見解と全く同一でございます。私どもとしても、データとして、むしろ最初に私もお答え申し上げましたように、この種のものについてのデータの収集というのはなかなかむずかしいものがございますので、その限りでは積極的に研究班の方に私どもの方からもお願いをして、検討材料にしていただくようにお願いをしてまいりたいと、かように考えております。
#45
○目黒今朝次郎君 じゃ、そのような配慮方お願いします。
 それから、時間がありませんから、私も余り専門屋であれじゃないですがね、この前、下村先生がやった黄体ホルモンの関係でちょっとお伺いしますが、週刊雑誌にも大分でかく出ておるし、朝日新聞の記事にも西ドイツのあれが大分出ておるんですが、やはりこの黄体ホルモンというのは何か問題があるようですね。流産防止のためにやると、で、このお母さん方も大体三〇%はこの黄体ホルモンを飲んでいらっしゃるという記録も出ておるわけなんですが、ただ、この黄体ホルモンの再評価の問題についていろいろ説明をされておるようであります。ありますが、この黄体ホルモンは流産防止には確かに一定の有効性があるという点は再評価の段階でも言っておるという記録を読んでいます。しかし、この副作用調査会で見ると、アメリカの二つの論文なども含めてやはり問題点があるなと、問題点はあるけれどもこうだと断定するまではまだ至っていないと、そういう両面を抱えていると、そういうホルモン剤だという点はいろんな記録なりおたくの答弁でわかっておるわけでありますが、この認識はいまでも変わってないですか。
#46
○政府委員(本橋信夫君) ただいま先生が御指摘のこの黄体ホルモンによります奇形の発生との関連性のことでございますが、数年来外国におきまして心臓奇形あるいは四肢奇形との関係につきましていろいろ議論のあるところでございます。ある論文によりますと、有意の差をもって奇形と黄体ホルモンとの関係があるという論文もございますし、また有意の差が見られないという論文もございます。したがいまして、私どもといたしましては、黄体ホルモン、まあ流産防止剤と奇形との関係につきまして、昭和四十九年、五十年にわたりまして東芝中央病院の名誉院長でいらっしゃいます森山先生をお願いをいたしまして研究班をつくって、この関係につきまして研究をしていただいたわけでございますが、そこでも十分な明確なその関係づける結論が出ておりません。で、ただいま御指摘のように、昭和五十年六月に再評価の部会で流産防止には有効であるという推定がされておるわけでございまして、ただしこの黄体ホルモン剤につきましては、妊娠中の適用というものをすべて削除をしております。また従来、薬の施用に当たりまして、医師の判断によりまして適宜増減というふうな言葉も使っておりましたけれども、それも削除をしております。そういうことで、適正な使われ方をされるように、厚生省副作用情報等々を通じまして医師の方々にもお願いをしておるわけでございまして、結論的に申しますと、ただいま先生がおっしゃいましたような、黄体ホルモンと奇形発生との関連につきましては、いまだ結論が得られてないという状況でございます。
#47
○目黒今朝次郎君 そうすると、ここはおたくたち専門家だから、私は素人として、確かに私は子供三人いますからそんな想定はちょっとおかしいですが、まあ子供がいない、子供が欲しいと、それから、働いていると、職業婦人で。ところが流産しそうだと、薬を飲もうと、黄体ホルモンをね。黄体ホルモンを飲むときに、うまくいけば流産防止になるけれども、万が一――こういう外国の資料あるんですから、西ドイツの資料もあるんですから、万が一いろんなあれがあると指のない子供さん、先天性四肢障害児が産まれる可能性もありますよということを、黄体ホルモンなら黄体ホルモンを患者に与える前にそういうことをやはり患者に言って、それで患者がお父さんと相談して、どうかなと、子供は欲しいけれども最悪の場合そうなってもしようがないなといって薬を飲む、この患者の選択権というものは私はやはり与えるべきだと思うんです、こういう事故を防ぐためには。全然そうではないと言ってもゼロではないんですからね、いろんな疑いあるんですから。疑いあるから学会で議論されているんだから、そういう疑いがある、議論されている薬については、これは薬事法の改正にも関係しますが、そういう疑わしい一面を持っている場合には、お医者さんが患者に与える場合には内容を話して患者に選択権を与える、それぐらいまで私はやるべき筋合いのものだと、そう思うんですが、いかがでしょうか。
#48
○政府委員(本橋信夫君) この黄体ホルモンと四肢奇形との関連につきましては、医薬品のその黄体ホルモンの使用上の注意のところに、従来こういった黄体ホルモンと奇形の発生について有意の差をもって発生があるという報告があるという使用上の注意を記載しておりまして、それを施用されますお医者さん方がそこを十分お読みいただきまして、そして施用をしていただくということになろうかと思います。
#49
○目黒今朝次郎君 はっきりわからぬですね。おたくの方の記録にもあるけれども、結局黄体ホルモンは副作用調査会で完全に安全であるという断定はまだできていない、しかし流産防止には有効性があるという点は再評価委員会であったと。安全性の問題についていろんな議論があって、副作用調査会でも検討中だと、まだ議論していると。議論している、検討している段階で、別な面では患者さんにぽんぽんぽんぽん黄体ホルモン飲みなさいということはちょっと間違っていませんかということを私は言っているんです。どうしても子供が欲しいというなら、相談して、万々一こういう事態もあるかもしれませんぞということは、情報として提供するか何らかの形でやっぱり注意を喚起して、患者さんに選択権を与えるという筋道をとるべきじゃないですかと言っているんですよ。そんなのは全然教えないで飲ましちゃえというのか、こんなこと全然関係ないと。その辺回りくどく言いませんから、有効性と安全性に心配があるというこの薬をどういうふうに指導するんですか。
#50
○政府委員(中野徹雄君) 先生の御指摘の問題、非常に微妙な問題でございまして、御承知のように、あらゆる医薬品につきましては、その有効性の反面、医薬品には当然ある程度の副作用は伴うという問題はあるわけでございます。その場合に、臨床医家に対しまして、われわれとしましてはその副作用についての警告を十分副作用情報によって与えているわけでございますが、その場合に臨床医家が、副作用について患者にさらにそれを断って了承を得てやるというふうにするかどうか、その問題については、私はむしろ臨床医家のいわば判断にお任せしているということでございまして、その副作用は、非常に確度の高いものから非常に低いものまでいろいろございます。そこで、一つの御意見として臨床医家において患者に対してその副作用情報を直接に教え、その上で、承諾を得た上で施用するかどうかという問題、確かに問題としてはございますが、これは非常に臨床医家と患者の間のいわば医療の現場における判断の問題でございまして、私どもといたしましては、その臨床医家にその警告を与えて、その上での処置は医療の第一線における医師のいわば御判断の問題というふうに考えておるところでございます。
#51
○目黒今朝次郎君 時間が来ましたが、しかし、これは薬事法の改正の問題でやっぱり篤と議論をしたい問題だと思うんですよ。私は二年前、労働省担当で安全衛生法の改正で、新しい何とかかんとか、大分これ議論して労働省からも大分おしかりを受けたんだけれども、私は同じ性質のものだと思う。これだけの高度社会でいろんな化学物質が出てくるんですから。農薬のサルの関係も同じ、農薬でサルの関係もあるんですから、いままでかって。そういう一点でも疑わしい点があればむしろ発売を禁止して、その問題についてもう少し臨床データを集める。これはメーカーのデータばかりもらってたってしようがないんですよ。メーカーというのは売るんだから。薬の問題はもうここで言いませんけれども、メーカーのデータだけもらってああでもこうでもないと言ったってしようがないでしょう。
  〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕
なるほど変だなと思ったら一時中止をして、そして、そういうような薬を使った方々の追跡調査をやって、臨床的にも基礎的にも大丈夫だとなったら禁止を解除するし、自信がなければ禁止は禁止で押し通すと、そのぐらいのやっぱり慎重さがないと、こういう変な形で多くの方々に迷惑をかけていくと、こういうことになると思うんですよ。私は議論としては、疑わしい薬については直ちに発売を禁止して、その疑わしいところを徹底して追求する、その疑いが晴れた段階でまた販売を再開する、晴れなければそのまま禁止すると、それぐらいの私は薬に対する厳しい態度をとらなければ薬にかかわる災害はなくならないと、こう私は私の考えだけ述べて、あとは薬事法の問題で議論しましょう。
 それから大臣ね、最後に、これは私もこの本を読ませてもらって私自身も涙が出てくるんですが、これは子供に何の罪もないですよ、出てくる子供に。出てくる子供に何の罪もないですよ。この娘さんが五つか六つになってお人形遊びをするころになって、お母さん、大きくなったら私のおなかから出る子供さん、やっぱり手がないんですかということを親が聞かれた場合に、親は何と答弁します。答弁しようないですよ。だから、身障度合いが重い軽いという問題も一面ではあるけれども、それ以前の問題が、この問題は私は絡んでいると、こう思うんです。ですから、さっき言った馬場研究班も含めて早急に、この前小平先生は、これは単に厚生省だけでなくて文部省にも関係がある、農林省にも関係がある、農薬の関係があるから。環境庁にも関係がある、政府全体として総合的なプロジェクトをつくって問題の解明をすべきだと、そういう提起をやっておったんですが、私も同感です。これはやっぱり馬場研究班が当面やるとして、政府全体としてどうあるべきかという点を、国務大臣として私は大臣に要請をして、見解を聞いて質問を終わります。
#52
○国務大臣(橋本龍太郎君) いまずっと御意見を伺っておりまして、私どもとしても大変参考になる幾つかの御注意をいただきましたことにお礼を申し上げます。
 私としては、まずいま馬場研究班の研究を進めている最中でありますから、それをまず完成させることに当面はやはり最善を尽くすべきではないだろうか、そして、その中から生まれてきましたものについて、それが本当に学齢に達しているお子さんの問題として文部省にも考えてもらわなければならない、またその他の省庁において考えてもらわなければならないことが当然あると思いますが、まずやはり医学的に追跡をしております研究班の成果を待ちたい、そのように思います。
 先ほど話のありました、せっかく親御さん方がおまとめになった資料というものは、これはぜひ私はやはり活用させていただけるようにどうか御協力をいただきたいと、そのように思います。
#53
○小平芳平君 大臣の所信に対する質問ですが、きわめて時間が限られており、本日は特に限られておりますので、若干飛び飛びになって恐縮ですが質問をしたいと思います。
 初めに、先ほど厚生大臣は、病院汚職についてまことに遺憾であるというふうな御発言がありましたが、その点は私がいまここで何らかを究明しようという何ものもありませんし、またそういう立場でもありませんが、ただ、はっきりしておいていただきたいことは、第一に、国立病院でそういう汚職が発生したこと、そのこと自体まことに遺憾であるということが一つと、それからもう一つ、新聞その他ニュースで大きく報道されていることは、厚生省自体がそういう賄賂とか上納金をもらうとか、あるいはもてなしを受けるという、そういう構造的なものが問題だというこの指摘、一般的な指摘は二点あろうかと思います。そういう点についてのお考えを伺いたい。
#54
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほども遺憾の意を表明しましたように、これは私どもとして何ら弁解の余地を持たない事件であります。私はまず第一に、現在せっかく司法当局の捜査も進行中でありますので、この捜査の終了まで私は事態をまず、何らその捜査の妨害をするというようなことではなくずっと見守りたいと、まず第一に私はそう思います。そして、この機会において司法当局から徹底的な指摘を受ける、それがまず至当でありましょう。そうして、その上で今度は厚生省自身として、仮に司法上の罪には問われない場合でありましても、当然それなりの内部における処分というものをしていかなければならぬと思います。ただしそれは、私は一部の報道になされておりますように、厚生省の幹部職員までがそうした実態を知った上で供応を受けていたとか、そういう事実があるとはとうてい私には信じられません。それだけに、そうした風評を立てられたことについて、これはやはり私どもその後において十分な反省と検討を行わなければならないと思います。
 たまたま報道機関等においてもいろいろと御論議を受けておりますが、従来の病院の会計勘定の中で、いわゆる雑収入というもの、これはそれぞれの国立病院あるいは療養所の自由裁量にその使途を任せてきたところでありますが、そうしたところから問題が起きているということが事実であるならば、こうした点についても私どもは従来とは考え方を変えて対処しなければならぬと考えております。
 現在の時点におきましてはこの程度でお許しをいただきまして、今後の事態の推移によってそれなりの判断をしてまいりたい。率直にそのように感じております。
#55
○小平芳平君 ただいまの厚生大臣の御発言は、まことに私もそれで了解できるわけですが、問題は、たとえば朝日新聞のきのうの夕刊を見ましても、厚生省の局次長の談話ですか、まあそうした談話は、新聞に対する談話ですから意を十分に尽くしてないことはわかしますが、それならばなおさらもう少しはっきりすべきことははっきりしておく必要があろうかと思うわけです。それで、特に上級幹部までが知っていてもてなしを受ける、そういうことは考えられないというふうにいま大臣も述べておられますが、たとえば課長までならもてなしを受ける、あるいは何かをもらうことがあり得るが、それ以上の幹部は絶対そういうことがあり得ないというようなことなのか、その辺の組織的な、構造的な、一般的な疑問というのがあるわけです。それで、特にきのうの談話などを見ますと、病院は全くけしからぬと、弁解の余地がないと、しかし厚生省に限って言えば「組織ぐるみで循環しているとは信じられない」というような表現は一体何を言わんとしているのか。全くそういうことは厚生省本省は関係ないと言わんとしているのか、その辺はいかがですか。
#56
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、いま私も次長の談話として掲載されておりますものを読んでおりますけれども、恐らく記事として要約をされる過程で言葉のニュアンスの変わりとか、いろんな点はあろうかと思います。ただ私は、これは次長も申したかったことでありましょうし、私個人としても同じ感じを持っておりますが、これは上級幹部といいますか、要するに厚生省の職員の諸君が、言われるような賄賂でありますとかつけ届けでありますとか、いろいろな書き方をされておりますけれども、性格のものだと知って、たとえば食事をともにしたとか、いろいろ書かれておりますけれども、そういうことがあったとは私には思えないのであります。ただ、たまたまこれは私ども自体もこれから十分考えなければならぬことでありますけれども、一緒に御飯を食べようや、そして仲間うちで食べたつもりで仲間うちのだれかが割り勘を払わずに立てかえてくれたと思っておった。そしてまたあるときは、今度は同じような仲間、友人関係のつもりで食事をして、今度は自分が自分のポケットから勘定を払ったと言っておりますような中に、あるいはもしそういう金銭が紛れ込んでおったとしたら、これはそれはわからなかったかもしれません。そして、当事者としてはそういう自覚なしにそれを受けていた場合があるいはあるかもしれません。しかし、そういう点についてまでいまいろいろな御指摘を受けているわけでありまして、私どもとしては、たとえばどこまでならいいとか、だれまでならいいとかという性格のものではない。これはそれこそ別に厚生省の本省職員の問題だけではなく、出先までを含めて私は同じことだろうと思います。ただ、その場合にたまたま、それこそ関東甲信越地方医務局のときに同僚であった方たちが、その当時からの仲間うちの交際をする、あるいは厚生省の医務局とその病院との、これは一つのグループでありますから、仲間うちのつもりで交際をするということとの接点部分は、大変ある意味では人間関係でありますから微妙な部分も含んでおろうと思います。いま小平さんから御指摘を受けましたような角度で私どもは実は解明をしていくだけのまだ態勢になっておりません。むしろ捜査の進捗を待ち、その終結をした時点において、先ほど私が申し上げましたように省としての反省、またそれに対して今後とるべき姿勢の検討といったようなことはしなければならぬと思います。ただ、基本的には私は、ですから高級幹部だからいかぬ、あるいはだれだからいかぬ、だれ以下ならいいんだというような性格のものとは違うと、そのように思います。
#57
○小平芳平君 わかりました。
 それから、次に私が伺いたいと思いますのは難病対策についてですが、特にスモンの救済について、この点についても二月二十二日、広島判決の後、厚生大臣から見解の発表があったんですが、
  〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕
まず、これもきのうの夕刊などには、スモンを五十四年度で本格的に解決できる年にしようというような意気込みが報道されておりましたが、それらの点についていかがですか。
#58
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、ちょうど広島地裁の判決のありました日が衆議院の社会労働委員会の定例日でありまして、判決の直後において御質問がありまして、その際に私がお答えを申し上げたことですべて尽きておるつもりであります。そのとき私が申しましたのは、本当に広島地裁の判決というもの、従来以上に厳しいものだということと同時に、ここまで今日事態が進んできた中において、もう本当にこの辺でスモン問題というものに根本的な解決を講じなきゃならないと。患者さんの救済というものを行うためにも一括解決を目指す時期が到来したのではないだろうか。ただ、患者の方々からは、実はその「もう」という言葉で大変私はおしかりを受けましたが、私としては、むしろようやく、その他の問題については別として、患者救済の一点については田辺製薬も国の方針に同調するということを、私どもにも大森表明をされ、裁判所の方にもそういうことを提示をされた、また意見を述べられた。また近いうちに、東京地裁においていまお願いをいたしております投薬証明のない患者の方々に対して可部和解の延長線上どう対応するかについての御意見もちょうだいできるであろうと。そうすれば、問題として患者の方々との間に残るものは、患者の方々の恒久対策に対する御要望、これをどう私どもとして受けとめていくかということでありまして、一括解決を図れるタイミングが来たのではないだろうかと、そのように考えた次第であります。ただ、それと同時に、新聞にも報じられておりましたが、たとえば従来から問題になっておりました、はり、きゅうの問題一つをとりましても、なお医学的には研究をする必要のある部分が残っておったわけでありまして、そうした問題についても、本年度の予算において対応するつもりで今日私どもはおるわけであります。
#59
○小平芳平君 「もう」というところが一カ所と、「一括」という意味がどういう意味かということなんですね。とにかく国は、中野薬務局長が再三、国は控訴すべきでない、控訴しないで恒久補償に前進すべきだという要求に対して次から次へ控訴していくと。いろいろ聞いてみますと、全部の地裁で全部判決が出て、それを全部国が控訴して争うということも法律上は何らどうということはないらしいんですが、あり得ることだそうなんですが、しかし、少なくとも現実に被害が発生している。それで、それは国と製薬会社の責任であると判決が出ると。しかも、すでに四地裁で判決が出ている、あと二十何地裁を待つのかどうか、あるいはそういう二十何地裁が出てもすべて控訴するのかどうかですね。したがって、そこで伺いたいことは、一括解決ということは、とりあえず控訴はすると、そこで判決が確定しないうちにまず控訴はしておくと、しかし、ただ国は控訴して争うというだけじゃなくて、そこに解決の道を探っているということ。そのあらわれが、五十四年度予算には、これは新聞に出ているように了解してよろしいんですか、難病対策費が平均三千万円ほどであったと、一疾患平均が。それが、スモンは五十四年度は一億円つけて本格的な解消を目指すということが報道されておりますが、それらの点についてのお考えはいかがですか。
#60
○政府委員(中野徹雄君) 当委員会におきましても、私どもの立場というのを何回か御報告したところでございますけれども、私どもが、現在まで出ました判決について控訴しました――まあ今後の判決についていろいろ予測とかいうようなことは差し控えたいと存じますが、これは、国の製造承認に伴う不法行為責任についての国としての法律的な理解につきまして上級審の判断を仰ぐという姿勢で控訴をしたわけでございます。もちろん、その判決も四つの裁判所におきましてそれぞれ違っている面がございます。賠償額も違っている面がございます。また、理論的にも、たとえば東京地裁につきましては一部国が勝訴をしている、国の面には免責されているというケースもございまして、私どもとしましては、やはり全国画一的な、統一的な解決を目指すということになりますと、現時点では、少なくともやはり東京地裁の勧告に基づくところの和解が最善なるものというふうに考えているところでございます。
 で、一括ということの意味でございますが、これは私ども再三にわたりまして、患者さんたちのグループであるとか、あるいは代理人の方々ともお話し合いをしております。その際に、全体的に田辺の参加、それから投薬証明のないものの扱い、これについて問題の解決が図られました際には、結局患者さん方との間で残ってくる問題は、先ほど大臣の御指摘のありました、恒久対策の中身がいかなるものになるかという点にしぼられているというふうに考えておるわけでございます。すでに和解で進んでおりますケースにつきましても、これは恒久対策については依然として今後の協議事項というふうになっているわけでございますし、また和解に参加しておられない患者さんたちの御要求も、結局恒久対策をいかにするかという一点にしぼられてきているというふうに考えます。したがいまして、その点の合意が得られるならば、私どもとしては全国一括の解決ができるというふうに判断をしているということでございまして、もちろん、信念に基づいてあくまでも判決を求めるという少数の方はおられるかもしれません。そのこと自身は法律的な決着を待たなければいけませんが、私としては、そのような点が確保されれば全体的な解決は可能なものであり、十分に見込みがあるというふうに判断しているところでございます。
 なお、一億円の件につきましては、実はこれは治療費ではございませんので、研究費でございます。従前、スモンの何と申しますか、治療法の研究というものについては、いろいろな若干の成果はございますが、この研究費を大幅に増額をいたしまして、特に東洋医学系統の手法も加味してスモンの治療法の確立に努力をするということのあらわれとしまして、一億円の予算を公衆衛生局の方にお願いをいたしまして、東洋医学系統の方々の参加も得て有効な治療法の研究をいたしたい、かような趣旨でございまして、治療費とは別でございます。研究費でございます。
#61
○小平芳平君 したがって、私がそうした経過はもう何回もこの委員会で押し問答しておりますから了解いたしておりますが、全国統一的な一括解決を目指すために控訴しているんだと、だから、控訴は判決が確定する前に控訴しないとそこで確定しますから。そこで、その統一的な一括解決を目指すために、一億円の調査研究費まではもう五十四年度予算に入っている、入れて予算編成している、したがってそのことが恒久対策への一歩であるということでよろしいかと、こういうふうにお尋ねしているわけです。
#62
○政府委員(中野徹雄君) 恒久対策の中身は、非常に患者さん方の御希望としてもいろいろ多岐にわたっておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、現在のところ的確な、かつ有効な治療方法というようなものが、いろんな御意見はありますけれども必ずしも確立されておらない。したがって、スモンの治療方法の開発と申しますか、これがまあ恒久対策のいわば国の責任において行うべきものの非常に大きな柱の一本であることは確かでございます。もちろんそのほかに恒久対策もいろいろございますが、そこで、一つの恒久対策の一本の柱として、治療方法の確立のための努力をすると、そのために研究者の方々にもお集まりいただきましてこの研究を推進していくというためにこの予算の増額計上をお願いしたわけでございまして、これはまあその恒久対策の政府の行うべき施策のうちの一つというふうに御理解をいただきたい。
#63
○小平芳平君 それはもちろん一つですからよろしいですが、そうしますと、五十四年度予算では、治療法研究のために一億円、それから、治療費は、これは公費負担の分が別に幾ら計上してあるんですか。
#64
○政府委員(中野徹雄君) 五十四年度予算に計上いたしました予算の柱といたしましては、一つにはこの研究はいま申し上げた一億というふうなことがございます。それ以外に患者さん方の御希望といたしまして、スモンのいわば治療のセンターでございますね、このようなものが国としても努力をしてもらいたいということが一つございまして、これは医務局の方にお願いをいたしまして、難病病床等整備費 これは予算的には総額が四十三億ございますけれども、この予算の中から特定の医療施設を選びまして、スモンまあセンターというような言葉が適当かどうかは別といたしまして、そのようなものを整備していくと。具体的に関西方面に一つの候補の医療施設も考えております。それから、先生御承知のとおりに、都立でございますけれども、府中病院に非常にこのスモンの研究のエキスパートがおられますので、これは都立ではございますが、ここにお願いしまして東の方のセンターというふうなことでその位置づけをしていただくというふうなことがございます。
 それから、昨年来、先生よく御承知のとおりの、はり、きゅう、マッサージの実施につきましては、全体といたしまして、特定疾患治療研究費が全体では二十億五十四年度予算としてはお願いをいたしておるわけでございまして、この中で考えていくというふうなことがございます。世帯更生資金は、全体として今年度の予算は三十九億というふうになっているようでございますが、その世帯更生資金の枠にスモン用も含まれているということでございます。ただ、もちろんこれは現在までの実績をごく最近調査をいたしまして、相当数の十二月からの実施の実績が上がってきておりますけれども、これが幾らになるかということは必ずしも数字的には確定をいたしませんので、全体の予算の中に含まれているというふうに御理解をいただきたいと思います。
#65
○小平芳平君 いまの一億円の中身の説明をなさったと思うんですが、治療研究費の方ですね、治療費の公費負担の方、これは要するに前年度に準じて負担をするということだけですか。それにしても、要するに患者さんの団体からいろいろ要求があった場合、局長がいつもぼかしてしか答えていない点は、スモンの対策費に国は幾ら計上しているんだということですね。ですから、私も初めていま一億円ということ、その中身についての説明を聞いたんですけれども、ですから、そういう点は明らかにできるものは国の方針としてこういう方針ですと言った方がいいと思うんです。したがいまして、スモンの場合は、先ほど来説明の調査研究費と、ほかに治療研究費は従来どおりつけます、計上しておりますと、当然これはね、公費負担の分ですから。したがって、そのほか世帯更生資金が十億円ほどふえていますね、これはこの一億円に入っているんじゃないわけでしょう、治療研究費にも入っていませんですよね。それから、はり、きゅうの公費負担の分は、これは国が負担しないんですか。
#66
○政府委員(中野徹雄君) ちょっと私の御説明が足りなくてまことに恐縮でございますが、一億円と申しますのは、いわゆる狭い意味での研究費でございますね、狭い意味での研究費の枠が、五十四年度では、これは公衆衛生局の問題でございますが、大体十三億程度のものが全体として組まれていると。その中に治療研究という狭い意味のものがスモンのために一億円のプロジェクトを組むということが、いわば予算の編成の際に合意に達しているわけでございます。それ以外に、もちろん公費負担でございますね、それから、もちろんそこには上積み分としてのはり、きゅう、マッサージの無料化の分も含むわけでございますが、これは全体としてのいわば自己負担の肩がわりという意味での治療費としては、予算としては全体で二十億ほど五十四年度は組まれておるわけでございます。この中に、あんま、はり、きゅう、マッサージの分も含めて国の費用が計上されておるということでございます。
 それから世帯更生資金につきましては、スモン分という明確な内訳は持っておりませんが、増額されて三十九億計上されたもので、スモンの方々の分もカバーし得るということで予算をお願いをしているというふうに御理解いただきたいと思います。
#67
○小平芳平君 意見は別としまして、時間が来ますので、その御説明はわかりました。なお細かい点は後ほどまた伺いたいと思います。
 次に、ベーチェット病の原因究明ですが、この場合は北里大学のミニブタによる実験の結果で大分原因がわかってきたということは報道にもされておりますし、また厚生省でも、大分前の発表ですから把握しておられると思います。この北里大学の研究は厚生省がどう評価しておられるか。それからまた、特に私が伺いたいことは、この大学教授の先生方が、これだけの大学で実験やったんだから、それで軽い人は必ず治癒できるというところまでこぎつけたんだから、あとは国がちゃんと予算をつけて、本格的にこの原因の究明と治療研究をやるべきだという御意見でありましたが、当然そういう御意見は厚生省にも来ていると思いますが、どういう計画になっておりますか。
#68
○政府委員(田中明夫君) ベーチェット病の原因究明につきましては、御案内のように昭和四十七年以来特定疾患ベーチェット病調査研究班において、治療法の研究とともに重要な課題として取り組んでいるところでございます。先生御指摘のミニブタを使っての実験でございますが、これはベーチェット病の調査研究班員でございます北里大学の石川教授が、ミニブタに燐、塩素、銅等を微量に投与して、皮膚、口腔粘膜あるいは消化管にベーチェット病に似た病変を発現させた実験でございまして、この実験の方法、ミニブタに発現した病変についての解釈などにつきまして、同じ研究班の研究班員の中にいろいろと異論がございまして、研究班として、このミニブタの実験結果によりまして直ちに農薬等をベーチェット病の原因であるというふうに特定することにつきましては否定的な意見であるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この実験をさらに進めていただくということで、ベーチェット病の真の原因の究明が進むように研究班の方にお願いしているという段階でございまして、残念ながらまだベーチェット病の真の原因が究明されたという事態には至っていないというふうに解釈しております。
#69
○小平芳平君 経過を説明するとそういうことでしょうが、一たん新聞に、ニュースでベーチェット病の原因がわかったと、軽い人は治癒できるということが伝わりますと期待を持つわけです。ですから、とにかくどういう方法、手段でも、自分のこの難病の原因がわかった、自分の難病が回復の見込みが立ったということはどれほどの期待を持たせることになるか、これはもう想像以上のものがあると思いますね。したがいまして、いまのような、そういう意見もあるが別の意見もあるということで立ち消えたのでは、もし本当にそうだったら取り返しがつかないわけでしょう、そういう点どう思いますか。
#70
○政府委員(田中明夫君) 新聞に取り上げられました経過につきましては、私どもつまびらかにしないわけでございますけれども、一たび新聞に取り上げられますと、いま先生御指摘のようないろいろな反応が起きてくるわけでございまして、その当該新聞におきましても、研究班の班長の清水先生、あるいは厚生省の担当課長である三橋課長の意見も付記されておりまして、先ほど私が申し上げたような観点からのコメントがなされているわけでございますけれども、先ほど私が申し上げましたように、この研究につきましては、研究班としてはまだ肯定的な結論に達しておりませんので、私どもといたしましては、さらに研究を推し進めていただきまして、ベーチェット病の真の原因究明に努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#71
○小平芳平君 そういう程度の取り組みでいいか私は非常に疑問に思いますが、かといって専門的な先生方の研究ですから、それに対してどうということは私にはできませんけれども、もう少し、こういう実験をしてこういう結果が出たと、したがって原因はこうで治療法はこうだというところまで、これは完全な研究成果として成立していないからより一層国が力を入れてやってほしいということを報告しているわけでしょう、国が力を入れて。いかがですか、厚生大臣。
#72
○国務大臣(橋本龍太郎君) 結局、こうした難病の場合に、私どもが一番、ジレンマにいつも陥りますのは、複数の研究に従事をしていただく方々の中で学説が分かれてしまったときであります。いまもはしなくも御質問の中からそうした問題が出ておるわけでありますが、私どもとしてはできるだけ十分な研究環境をつくり、それによって一日も早くその解決に努めていただくようにお願いを申し上げるということで今後も努力をしてまいりたいと、そのように思います。
#73
○小平芳平君 厚生大臣、ずっと前々から十分御承知のように、原因不明、特に公害の場合など原因不明だと言われてきた、それがある段階で研究発表があった、しかし、それはまだ承認されていないといわれていながら、ずっと経過をたどってきたいろんなことはよくもう御承知のとおりですし、私もここで繰り返して申し上げませんが、いまおっしゃったような趣旨で積極的に進めるという方向を絶えず持っていただきたいと思うんです。そういう意見もあったが反対意見もあったからただ見ていたというんじゃ行政の役目は立たないと思うんですね、この難病対策は。
 それから、最後に時間の関係でこの一問で終わりなんですが、厚生大臣もこれもよく御承知のことで、老齢年金を課税対象から外すべきだという意見のあること。しかし、課税対象から年金を外すということは、これはいろいろな大蔵省の基本的な考えから無理だというような意見。そこで、少なくとも控除額、租税特別措置法の控除額は据え置きになっているんですね。ですから、時間の関係で全部申し上げますが、据え置きになっている、したがいまして、毎年のようにここのところ標準年金は上がっていくわけですから、それで控除額は据え置かれたんでは、これは年金受給者の収入が毎年減っていくことは目に見えているわけですね。そうしてまた課税対象人員も飛躍的に何千人から何十万というふうにふえる、そういう現状ですね。したがいまして、この場合などは、少なくとも控除額の大幅引き上げは当然実現しなきやならないでしょう。
#74
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは御指摘のとおりでありまして、実はことしの予算編成時におきましても、私どもは控除額のもっと大幅な引き上げというものを財政当局と折衡したわけでありますが、遺憾ながらそこまで実現が至らなかったということでありまして、これはやっぱり何といいましても、今後年金のウエートが増せば増すほどこの問題は深刻になるわけでありますから、私どもとしても、今後ともに老齢年金に対する課税の問題につきましては改善に努力をしていきたいと考えております。
#75
○小平芳平君 努力していかれる上において、これは五十四年度ですでにこの引き上げが決まったやに報道されながら、しかしそうはなっていないわけですが、したがって、次は財政当局が云々というよりも、とにかく従来の繰り返しでなくて必ず改善できなくちゃならないわけです。必ず改善しなければいけないですね。
#76
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は年金を取り巻く環境は御承知のとおりでありまして、私ども四月の半ばぐらいに基本懇からの御答申をいただいて、年金全体についての構想をこれから整理をしていかなければならぬわけでありますが、その中において、やはり避けて通れない今後の私どもの目標の一つであろうと、そのように考えております。
#77
○小笠原貞子君 国際児童年がマスコミを通しても大きく宣伝されている中で、私たちにとってやっぱり一番そこに期待するものは子供の幸せな生活、健康、健全な成育ということが一番望まれるわけでございます。お祭り騒ぎになるのではないかという心配も一方にありながら、厚生省としても母子保健法の抜本改正に目をつけたいと、そしてまた母子保健制度基本問題検討費というものも予算にお組みいただきました。そしてまたその検討の課題の中に、第一に新生児の死亡率低下や先天性障害児に対する医学的研究のあり方というような問題もお取り上げいただきましたので、大変私たちは期待するところでございます。先ほど目黒議員からもいろいろと質疑がありましたけれども、この先天性四肢障害児の問題、これも非常に大きな問題、ぜひその基本問題検討委員会の一つの課題として御検討いただきたいということをお願いしたいと思います。いかがでございますか、一言で簡単にお答えをいただきたいと思います。
#78
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは当然検討課題の一つになると私どもも考えております。
#79
○小笠原貞子君 ありがとうございました。
 そこで、先ほど伺っておりましたら、長野でいろいろ実態調査などやられているということも聞いたけれども、その後どうなったかわからないというようなお話でございまして大変心細い次第でございます。私も社労におりまして、厚生省の仕事というのは大変な仕事でございます、もういろいろな問題抱えて。だから厚生省だけで全部任せてくれ、やってやろうなんということは言えないと思うわけなんで、そういうことからいたしますと、それぞれでやっている調査というようなものも十分参考にしなければならないと、そう思うわけで、もっと厚生省としても全国的に目を光らしていただいて、どういうふうな援助ができるか、どういうふうにそれが活用できるかという目を向けておいていただきたいと思うわけです。長野の場合にも五十三年三月いっぱいで回収という段階に入っております、医師会が中心になって。それでまだそれが十分な回収までいっていないというようなところで、ちょっとおくれているようでございますが、そういうものがせっかく調査されたら早く回収されるようにされなければ、どこに問題があってどう援助すればいいかというふうな御配慮もいただいて、それも一つの参考にしていただきたいと思うのです。それから、神奈川県では御承知の須川豊先生が一万五千人対象にしてモデル調査をなさいましたですね。それなども当然その検討の課題に入れるというふうにしていただきたいということです。つまり厚生省だけで大変だ、できないんだというのじゃなくて、やっているいろいろなそういう調査なども集めて、そしてそれを参考にしていただくというようなやり方というものが必要だと思うので、その辺のところをまた一言でお答えをいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(橋本龍太郎君) これ、大変一言で申し上げるのはむずかしいのでありますけれども、基本から逆に申し上げれば、そうした資料を先ほどの目黒先生のお話にもありましたように、私どもは活用させていただける資料は幾らでも活用したいと思います。ですから、積極的にむしろ独自の活動をされた場合にそういうものをデータとしてちょうだいができれば、これは私どもとしては一番ありがたいことだと思います。
#81
○小笠原貞子君 先天異常学会の前会長の須川豊氏がいろいろ出していらっしゃるんですけれども、先天異常が増加しているのか、それとも増加していないのかというところは学問的にも非常に意見として議論が分かれるところだと。で、しかし両者が一致するところがあると。それは何かと言えば、先天異常の増加を来すような潜在的要因がふえている、潜在的、社会的要因がふえているというところでは一致しているというふうにお書きになっていらっしゃいます。これは重要な一致でございます。で、その認識が一致したと、そしてそこでモニタリングシステムの早急な設置の必要性ということでも一致したというふうに指摘されているわけです。
 で、先ほど、いろいろこれから調査もすると、そしてモニタリングシステムを充実していって、そして原因究明し治療対策を考えるというふうな発展的な御発言がございました。しかしそこで大事なことは、各地でいろんな方たちが調査されるというようなことも、ばらばらな基準の調査では、持ち込まれてもこれまた大変なことで、きっと大臣もお悩みになっていらっしゃるところだろうと思うんです。それで、須川先生がこういうふうに言っていらっしゃるんですね、先天異常の早急な確立をしなければならないと、対策について。で、それは大学等の研究機関のみの研究でなく、衛生行政の参加が強く望まれる、そして次のような研究企画が推進されなければならないと。第一には「観察すべき先天異常を選択し、その診断基準を定める。」、第二に「病院や保健所における先天異常の発見とその措置を行う場合、この基準にしたがって集計し、各個の観察が地域的にも、年次的にも比較検討できるようにする」ことが必要だと。第三には「妊婦の生活態様や分娩時の状態の観察記録を統一する。」、つまり、もう調査するとかいろいろと言われても、基準がなければこれはちょっと大変なことになるわけで、私はこれは大変重要な御指摘だと思ったわけですけれども、この点については大臣どういうふうにお考えになり、努力されようとなさいますか。
#82
○国務大臣(橋本龍太郎君) 小笠原さん非常によく御存じでありまして、私どもの抱えている問題点をそのまま御質問の中で指摘をされたように思うんであります。事実、私どもはこのモニターの対象となる先天異常の選定と、診断基準の統一化というものがこの問題の一番の基本でありますから、そこがまだ学問的に確定をしていない状況で、モニタリングシステムの制度化というものについて非常な不安も持っております。そこで、ことし心身障害研究の中で、先天異常のモニタリングシステムに関する具体的な研究に着手することにしておりまして、できるだけ早く、こうしたものの統一した基準ができるような状態に持っていきたい、そのように考えております。
#83
○小笠原貞子君 で、当然必要な基準でございますし、それは専門家の意見などを尊重されなければならないわけです。まあ方向はわかったわけですけれども、それがわかっただけではまだ心配なんですね。大体早急にと言われても、一年たつのか二年たつのかというような問題、大変不安なんです。先ほどから聞いていますと、総論は賛成、大変いい御答弁いただいたわけですけれども、各論にいきますと大変心配がございますが、そういう点で大体どういうふうなめどでおやりになるか、それを推進するのはおたくなんだから、こっちは一生懸命やっているんだけれども、おやりになるのはおたくなんだから、具体的にそういうふうなめども持って、やり方だとかなんだとかというような、もうちょっと各論具体的にお考えになっているのか。まあ、つくっていまおっしゃらなくてもいいです。なかったらないと率直におっしゃっても結構なんですけれども、その辺いかがですか。
#84
○政府委員(竹内嘉巳君) お答えいたします。
 先ほど先生がお読みいただきました須川先生の論文の中にも現在進歩しつつある医学の中でも、最もおくれた分野であるのがこの先天異常学、つまり、学問の段階でも先天異常学それ自体が確立していない、いわばそういう状態でございます。その中で、私どもとしては、しかしこの問題が緊急性があるということで、先天異常のモニタリングシステムの問題を五十四年度の研究課題として、須川先生や先ほどの馬場先生などにも働きかけてこの問題に取り組んでいただこうということにいたしているわけであります。したがって、行政といたしましては、あくまでもその学問の分野がぜひ行政の面に応用できるような、適用できるような形になれば、すぐさまこれを取り入れていきたいと、かように考えております。その限りでは、ひとつ私どもの方も条件づくりとして最大限の努力を払いながら、この先天異常学のいわば確立の中でこの対応ができますようにという姿勢でございますので、御指摘のように、いますぐいつごろというような年次的なめどを聞かれましても、私どもまずその学問の方の確立を期待をいたしたいと、かように考えて、そのための条件づくりに全力を挙げたいと、かように考えております。
#85
○小笠原貞子君 両方なんですよね。いろいろと、この問題どうなっているかと言うと、いやそれは専門家の研究班に研究していただいていますというところで切れちゃうわけなんですよね。で、研究班としても、自分たちが研究したことがどういうふうに行政に反映されるか、行政に反映するためにはどういうふうか方角からの、角度からの研究が必要かというふうに、向こうは向こうなりにいろいろ行政に対しての要望もあろうかと思うわけなんです。だから、研究班の研究を待ってそれから物を考えますというんじゃなくて、やっぱり両方の立場ですね、研究班の学問的な立場と、行政としてそれをどう生かすかという立場での密接な連絡の上に立って、早急に具体化されるということを希望いたします。お答えいただかなくてももうそれは当然のこと、もしだめだなんと言ったらとんでもないことですからね。それはそういうことで御答弁は要りません。
 それから、親の会の方たち一番お困りになったのは、どこへ相談に行ったらいいかということで、いろいろ皆さん御努力いただきまして児童家庭局というのになりました。しかし、具体的に親の会としてやってほしいというのは、先天異常センターの建設、いますぐはできないかもしれないけれども、先天異常センターの建設と疫学調査というようなことも言っていらっしゃいます。で、いろいろな財政的な問題もございましょうけれども、将来的にはそういうものも検討していきたいというふうにお答えいただけると思うんですが、それと同時に、東京とか、中央に近いところはいいですけれども、地方に行きますと、東京のどこ、厚生省の児童家庭局まで行くわけにいかないということになれば、地方としてもこういうところがセンターとして窓口になりますよというような、そういう本当に悩みを持ったお母さんたちの手助けになるような、そういうものも御配慮いただきたいと思います。
 済みません、簡単にお願いします。
#86
○政府委員(竹内嘉巳君) 簡単にお答えさしていただきます。
 ただいまのセンター論につきましては、将来の問題として前向きに検討はさしていただきたいと思います。
 なお、五十二年度から、私どもはこれまでの障害研究の治験をもとにいたしまして、代謝異常の検査を、行政的にもうすでにレベルの段階に適用いたしております。そういうふうに積極的に対応してまいっておることだけをつけ加えさしていただきます。
#87
○小笠原貞子君 それから、調査していただくわけで、もう本当にこれは遅いぐらいで、もう調査というものを早急に、また実効ある調査をしていただきたいと、そう思うわけなんで、まあそこで、いろいろと御検討いただくと思いますけれども、ぜひ私お願いしたいのはやっぱりあの当事者ですよ、一番問題抱えて具体的に考えていらっしゃるというようなことから、その調査の内容とか方法なんかについても、また親の会の方たちといろいろお話し合いの機会も持っていただきたい。それはもうおたくから言わせれば素人の親だというふうにお思いになるかもしれないけれども、その親に関しては子供のこと一生懸命ですから、決して素人なんというものじゃありません。先ほど目黒さんが申し上げましたけれども、これも実に細かく御苦労の中でつくっていらっしゃいますので、その調査についてもぜひ親の会の方たちの意見も聞いてあげていただきたいということと、それからもう一つ、具体的に大臣お願いしたいんですけれども、やっぱり大臣若いし健康でいらっしゃるから、なかなか実感としてはおつかみになれないと思うんです。一度そのお子さんとお母さんと短時間で結構ですから会ってあげてほしい。前渡辺厚生大臣、口唇口蓋裂の子供さんたちとも会っていただきましてね、ぜひ会って、そしていろいろ判断していただきたい。簡単なことなんでそれもお願いしたいと思います。いかがですか。
#88
○国務大臣(橋本龍太郎君) おまえは健康だから同情がないと言われますが……
#89
○小笠原貞子君 いや、同情ないとは言わない。
#90
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は障害者を親に持ち、今日まで育っております。
#91
○小笠原貞子君 いや、十分それは存じ上げております。しかし、先天性異常というのはその辺でしょっちゅう会うということでもございません。ぜひ一度会って、そういう御経験も持っていらっしゃれば、障害者をお持ちになって御苦労なすった大臣だから、なお一層わかっていただけるんじゃないかと、それぐらいの希望は持たせてあげていただきたいと思います。長い時間とは申しません。ぜひ機会を見てお会いになっていただきたいと思います。前も厚生大臣、ちょっとこういう質問の後、お会いいただいたこともございますので。
#92
○国務大臣(橋本龍太郎君) 機会を見てそうした場もつくるように考えておきたいと思います。
#93
○小笠原貞子君 お忙しい中だと思いますけれども、ぜひお願いをいたします。
 それから、三月三十日から三十一日に専門医師が沖繩に派遣されるということでございますが、これは第三次のサリドマイド認判定作業というふうに考えてよろしいのでしょうか。そして、もしもほかの地方でもこういうような要求があった場合には受け入れていただくというふうに考えてもよろしいでしょうか。
#94
○政府委員(竹内嘉巳君) 沖繩で行われるというのはサリドマイドの調査の第三次というふうに私ども承っておりまして、その件につきましては、大変恐縮でございますが、主管が薬務局でございますものですから、正確に他の方にも云々ということについての御答弁は保留をさせていただきたいと思います。
#95
○小笠原貞子君 突然お伺いしたことで御準備もなかったかと思います。ぜひお伝えいただきたいと思います。今後そういうような要請がありましたら、ぜひ要請にとたえていただきたいという要望をお伝えいただきたいと、そう思います。
 それから、先天性の四肢の異常というだけではなくて、新生児を本当に健康に生かしていくというためにもいろいろとなすべきことがたくさんあると思うわけです。もう御承知だと思います。五十三年の六月に行政管理庁が、心身障害児の教育及び保護育成に関する行政監察結果に基づく勧告というようなものも出しております。時間がございませんので中身全部読むことは省略をいたしますけれども、そこで、いま大事だなというふうに考えられることは、これも御存じだと思いますが、要望されております団体は、新生児管理改善促進連合、医師会から産婦人科学会、小児科学会、新生児学会、小児外科学会、日本母性保護医協会、小児保健協会、看護協会、まだあります。いろいろなそういう専門家の団体から、ぜひ新生児緊急医療の一環としての新生児集中医療設備、NICuの全国各地における設置促進を強く要望するというのが出されているわけでございます。これも伺いますればなかなか簡単にできるものではないと思いますけれども、やはりこれがないと、本当にもう各分野にわたってまいりますので、ぜひこの要望にこたえて努力をしていただくというふうにお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
#96
○政府委員(佐分利輝彦君) NICUの整備につきましては、現在御審議をいただいております予算案の中に新規の補助事項として計上いたしておりますし、それは設備の補助金でございますけれども、そういった部門の運営費についての補助金も新たに計上いたしております。
#97
○小笠原貞子君 お金で片づくものではございませんで、専門医だとか看護体制だとか、いろいろと大変な問題が絡まってまいりますけれども、ぜひその御努力をもっともっとやっていただきたいということでぜひお願いしたいと思います。何よりもこういう異常児を出さないというようなためには、早期発見が大事だということはもう当然のことでございます。先天性代謝異常等の検査の充実で、今年度新しくクレチン症検査というものの費用が出されて大変ありがたいと思ったわけでございます。このほかにもいろいろとたくさんの検査しなければならないというような問題があろうかと思いますけれども、具体的にいま考えられているというようなものがございましたら一言お伺いしたいと思います。
#98
○政府委員(竹内嘉巳君) 先天性代謝異常検査は、昭和四十六年度から始めました心身障害研究の研究成果を行政の面に実行に移したわけであります。現在行っておりますフェニールケトン尿症とか楓糖尿症とかいうような五疾患のほか、先天性代謝異常という範疇ではございませんけれども、クレチン症も新たにスタートしたわけでございますが、現在私どもが専門家の意見を聞いておる限り、現在の科学、医学の進歩の中で検査に移せるものはすべてもうクレチン症で整備してございます。新たにこれからどのような研究成果があらわれるか、あらわれ次第それは即刻といってもいいように私どもは行政に移す用意はございますけれども、具体的な病名等について学者の先生から正式なお答えあるいは御意見はまだ承っておりませんので、十分研究をさしていただきたい、かように考えております。
#99
○小笠原貞子君 いろいろやっていただきまして前進してきたことは認めます。このクレチン症検査の問題で札幌で担当者から聞きました。札幌の場合には全新生児に実施しております。その結果、五十三年度で費用は二千万円かかりました。発見された異常は五人のお子さんでございました。全新生児に実施して、そして五人ということをいろいろ考えてまたお話を伺いましたら、担当の責任者がこう言っていました。確かに五人のために二千万円というお金は非常にお金がかかるように見えるけれども、しかし、これが精薄児になってしまってかかる費用というのは、これはもうこんなものじゃございません。いろいろございます。一人に大体一億ぐらいはかかるだろうと、こういうふうなことも言われているわけでございます。そういたしますと、早期発見というのにちょっとお金はかかるけれども、早期発見で治療すれば精薄児というのが完全に治るんですね、いまもう医学も進みまして。いろいろと伺いますとそういうふうに伺いました。そういたしますと、フェニールケトン症も去年やってもらった、ことしはクレチン症も入ったということで大変ありがたいんだけれども、私たちがお願いするのは、そこまで医学が発達して、そして検査というのもそんなに手数のかかることでもなくてということになれば、これは全新生児に適用されるような努力が必要だということでございますね。その辺について、相当のパーセンテージにまでいっているかもしれないけれども、その抜けたところで一人というようなことになっても困る。やろうと思えばできる、精薄を出さないで済むというようなところにまで来ているのに、新生児の検査が抜けたということで精薄をつくり出すということはもう本当に大人の責任だと思うわけなので、全新生児への適用も含めて検討をしていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
#100
○政府委員(竹内嘉巳君) おっしゃるとおり、私どもも全員漏れなくという実施体制にいきたいという希望を持っており、またそういう体制をできるだけとるように努力はいたしております。ただ現実の問題として、漏れなく来ていただくためには、やはりそれなりのPR活動、あるいはいろいろな母子保健関係の要員の養成と申しますか、というものも必要になってまいります。そういった意味で、その辺についても努力をしながら、この全員漏れなくということが現実に達成できますようにわれわれも予算的にも行政的にも今後とも努力は続けてまいりたいと、かように思っております。
#101
○小笠原貞子君 もうぜひその努力は本当に大切なことなんですから、一人の子供を精薄にするかどうかというような、一人にとっては一生の問題ですから、その辺のところも繰り返して言いますけれども、ぜひそういう立場での御努力をいただきたいと思うわけです。来ないというような親もいると、それは確かにそうだと思うんです。それをどう啓蒙するかというのが、また保健所とか地域とかのお母さんたちの関係というような総合的なものが必要になってまいります。先ほどの先天性四肢異常の問題なんかでも、たとえば母子手帳の中に一枚はがきを加えていただいて、そういう異常があったらこれを出しなさいというような、そういう手も考えられますし、やっぱりみんなが持つ母子手帳を活用して、そういうものの早期発見、そして調査も正確にできるというような、母子手帳の利用についてもまた御検討いただきたいと思うんですが、よろしゅうございますね。
#102
○政府委員(竹内嘉巳君) 郵便料も決して安くはございませんので、私どもとしては、こうした面についての予算措置等についても、今後十分検討をさしていただきたいと思っております。
#103
○委員長(対馬孝且君) もうまとめに入ってください。
#104
○小笠原貞子君 はい、もう一問です。
 いままでいろいろ申し上げましたけれども、札幌なんかでも未熟児健診が三カ月、六カ月、一歳、一歳半、三歳児、そのほかにボイタ療法による運動発達のクリニックなども系統的にやられているわけですね。だから、こういう問題は系統的にやることと、そして制度に乗せていくというこの両方が非常に大事だと思うわけなので、ぜひその制度化などについても、検討委員会の課題として御検討をいただきたいということが一つです。
 それから、最後の質問になりますけれども、受診の徹底ということが何よりも大事です、この早期発見の場合に。ところが御承知のように、いま働く婦人がたくさんふえました。また、中小零細企業の方たちも大変お忙しい中でというような問題もございます。自治体では、再健診のために出張健診なども実施しておりますけれども、ぜひ勤労婦人のための夜間健診というような面など多様なやり方というものも検討していただいて、そして受診の徹底を図ると。来ないから悪いんだというんじゃなくて、働いていて来れないというような方たちのためにも夜間健診というようなものも、いますぐ全国的にやれと言っても無理かもしれません。しかし、そういうことも検討していただくということがなければ、やっぱり忙しい方、お勤めの方などという方は漏れるというようなこともございますので、受診の徹底を図る努力、夜間健診というような、出張健診も結構です。そういうような点も御検討いただきたいということ、これを質問して終わりにしたいと思います。
#105
○政府委員(竹内嘉巳君) 私どもも乳幼児の健診につきましては、乳児期には一般健診が二回、精密健診が二回と、こう診ておりますし、それから一歳半、三歳というふうに系統的にやってきておるつもりでございます。この系統論については、私どもも十分今後の問題点として配意してまいりたいと思います。
 それからなお、夜間健診等の問題でございますが、現在私どもも保健所だけではということで、一般の医療機関に行っても健診が受けられるように、予算措置その他行政的な配慮も十分努力をしてきたつもりでございます。ただ、夜間健診それ自体につきますると、場所の問題、人の問題等について、果たして本当にうまく御要望にこたえられるかどうかについていささかまだ自信がございませんけれども……
#106
○小笠原貞子君 やってみなきゃだめ。わからないじゃない。
#107
○政府委員(竹内嘉巳君) できるだけ私どもとしては、こういった全員健診の実施率が一〇〇%になるような努力として十分考えさしていただきたいと思っております。
#108
○小笠原貞子君 やらないうちからむずかしいなんて大臣首を横に振っていたってだめですからね、ぜひ御検討ください。
 終わります。
#109
○柄谷道一君 最初に、社会保障中期計画の策定について、これは厚生大臣というよりもむしろ国務大臣としてお尋ねをいたしたいと思います。
 個人貯蓄率の国際比較を昭和五十一年度でながめてみますと、アメリカの五・七%、イギリスの一一・三%、西ドイツの一二・九%、フランスの一三%に対しまして日本は二二・四%、二ないし三倍の高さを示しております。しかも、これは減速経済に入りました昭和四十八年ないし四十九年を一つの契機といたしまして、貯蓄率は急速に上昇の傾向を示しております。この原因が一体那辺にあるとお考えになりますか。
#110
○説明員(新津博典君) 一般的に、貯蓄率を国際比較しまして、その相違がどこにあるかというのは、実は各国それぞれの生活慣習の相違とか、あるいは意識の問題とかあって容易ではないわけでございますが、技術的にといいますか、制度的に申し上げますと、日本の場合、定期収入のほかに諸外国にないようなボーナス制度の充実というようなことがあって、制度的に貯蓄率を高める要因になっておるというのが一点。
 それからもう一点は、個人貯蓄の個人という中に、小売商店など多数の個人企業が含まれておりまして、その貯蓄率が高い、この二点が通常高い理由というふうに言われております。
#111
○柄谷道一君 いまの室長の御答弁は、きわめて一般的な御答弁だろうと思うんです。私は貯蓄増強中央委員会が実施しております貯蓄に関する世論調査、この中で最も重点を置いている貯蓄目的は一体何か、この設問に対しまして、病気などの不時に備えるもの、これが三四・五%、子供の教育費、結婚資金、これが一七・六%、住宅関係が一七・三%、そして老後の生活に対する備え、これが一三・二%、合計で八二・六%を占めているわけでございます。で、耐久消費財の購入とかレジャー、いわゆる将来の生活内容を充実させようという目的で貯蓄している者は合わせて二%にしかすぎません。
 私は、確かに国民性その他もありますけれども、こうした世論調査の結果というものを冷静に見詰めますと、国民が疾病、老後、子弟の教育、住宅、こういったものに対して非常に不安を持っている、そういう先行きの不安に対する生活防衛の手段としてこの貯蓄というものが行われていることを世論調査は端的に示していると思うんです。ということは、言葉をかえれば、私は貯蓄率の高さは、これらの不安解消に対する政策の貧困に比例すると、こう思うのでございますが、これは橋本大臣いかがですか。
#112
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは大変お答えをしにくい部分でありますが、率直な感じを言えば、私は柄谷さんの指摘されるような要因も決してないとは思いません。思いませんが、そればかりだとも実は思わないのでして、これはやはり一つの国民的な貯蓄性向というもの、これはいま一般的という御評価をいただきましたけれども、企画室長から御答弁を申し上げたような要因もあろうと思います。ただし、私はその中で柄谷さんの言われるような要因があることも否定はいたしません。
#113
○柄谷道一君 私は、大臣も否定はされなかったわけです。これはいろんな要因の積み上げであろうと思うけれども、特に減速経済に入ってから貯蓄率が非常に高くなったということは、高度経済成長時代と比較して先行きが非常に不安が累増してきた。これが情勢が、いま企画室長の言われたような理由で貯蓄率が高いとすれば、なぜ昭和四十八、九年から貯蓄率が急速に上昇し出したのかという説明はつかないと思うんですね。しかし、この問題だけを議論しておりましても、これはもう平行線だろうと思うんです。
 そこで、大臣も一つの大きい要因としてそういうものがあることは否定しないと、こう言われたわけですから、そういう国民の先行き不安を解消していくということになりますと、どうしても社会保障中期計画、そして、国民にわが国の社会保障の中期的展望を示すということがきわめて重要な課題になってくると、こう思うんです。そこで、昭和五十一年五月十四日に閣議決定されております昭和五十年代前期経済計画を読んでみますと、社会保障の欄に、「各制度を通じて社会的公正の確保と制度の効率化を図る見地から見直しを行い、適正で合理的な給付と負担のあり方について、国民的合意を得るよう努める。これらを具体化するための社会保障長期計画を早期に策定する。」と、昭和五十一年にこれが決まっているわけでございます。で、翌年五十二年の一月二十五日、わが党の佐々木委員長が本会議でこの点に対して質問いたしております。そのときに渡辺当時の厚生大臣は、民社党の出しております五ヵ年計画に触れながら、これから一年かけて検討する必要があると、いわゆる一年先にこの計画の提示を図っていこうという姿勢を示されたわけでございます。それからもう二年経過いたしております。今日に至るもこの社会保障中期計画が策定されなかった原因は一体何なのか、その理由を明らかにしていただきたい。
#114
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、御指摘のような問答があったことは私も記憶をいたしております。ただ現在、これは柄谷さんよく御承知のように、わが国の社会保障の将来について、今後の社会的また経済的諸条件の変化に対応して国民福祉を総合的に見直していくと同時に、まあ各般の施策の充実を図っていくという一つの基本課題と同時に、人口構造の老齢化に伴う負担の増というものをどう国民に合意を求め、その中でどう給付を位置づけていくかという別な観点からの実は問題もあるわけであります。社会保障の裁来展望というものを長期計画といったような形にしていくためには、その中心になるやはり年金あるいは医療というもののまず基本的な将来図を定めなければなりません。私どもは、いま年金について基本構想懇談会の御意見が四月の大体半ばぐらいにちょうだいをできるという見通しになりましたので、これを踏まえて早急な案をまとめて各界に御提示をし、いろいろな方面から御意見を伺おうというつもりでおりますし、また医療保険につきましては、いわゆる十四項目に基づくその第一着手としての健康保険法改正案というものをいま国会に御審議をお願いをしておるところでありまして、まずこうしたところから私どもは足場を固めていきたいと考えているわけであります。確かに、五十一年また四十八年の経済計画におきましては、社会保障の長期計画ということを言われたわけでありますけれども、そうした状態を踏まえて、今回の新七カ年計画の中には、長期的な展望に立って、社会保障の体系的な整備を進める。」という文言に改められておるわけでありまして、それは今日においてもイランの情勢等がよく状況を示しておりますとおりに、今後の経済情勢の変動とか、社会保障体制全体のその整備目標というものを数量的に把握するには、いろんな意味での困難な要素が加わってきつつあるという状況を踏まえたものでありまして、私どもは、その基本になる医療と年金というものについての基本的な将来図を、一つはこの基本懇の御答申をいただいた後すぐに作業にかかるわけでありますし、医療につきましては十四項目をお示しをして、それに基づいた御検討を国会にもお願いをしておるところでございます。
#115
○柄谷道一君 ちょっと視点を変えますけれども、本国会に、予算委員会に財政五カ年計画が大蔵省から提示されております。その政府の財政五カ年計画の策定に際しまして、あらかじめ厚生大臣は意見を聴取されたのか、またその意向が盛り込まれた財政計画であるのか、いかがですか。
#116
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回国会に大蔵省がお示しをいたしました財政収支試算は、あくまでもこれは新経済七カ年計画の基本構想に従って大蔵省が大蔵省の考え方として作成をしたものでありまして、事前に、これは厚生省ばかりではなく、ほかの省庁も同じだと思いますが、事前に意見を求められてはおりません。
#117
○柄谷道一君 私は、財政五カ年計画というものを国会に提示するということになる限り、その財政の根幹をなすべき、たとえば社会保障の五カ年の展望ないしは行政改革の展望、さらに税制改革等にかかわる展望、または産業の減速経済下におけるビジョンとその体制、こういう各論というものが、コンクリートされないまでもある程度そういう各論というものに対する一つのものを持って、その上に財政計画というものが大蔵省によって総合判断して決められ、提示されるというものでないと、財政五カ年計画というのは一体何の意味を持つものであろうかと。いた大臣が言われましたように、年金制度が今後変わるかもしれない、医療制度が根本的に変わるかもしれない、そういった要因の変化は、特に社会保障関係は予算に占める比率が高いわけでございますから、この財政五カ年計画を根底から変えていく要因にもなりかねないと私は思うんですね。大蔵省が独自に出されたと言うんですけれども、橋本大臣、そういう財政計画、意味があるとお考えでございますか。
#118
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かにそういう御議論も成り立とうかと思います。ただ、一口に財政計画といいましても、さまざまな内容、性格というものが考えられるわけでありまして、中期展望を財政の面で行うについて、これは社会保障等個別制度の将来プログラムというものを踏まえたものであることは、これはもう望ましいことであるには間違いありません。しかし、なかなかこれは実際に実現をさせるとなると、私はいろんな困難な問題があろうかと思います。現在、財政当局自身もそうした御批判を受けて、財政制度審議会において財政計画等特別部会というものを設けて、鋭意検討をしておられるということを聞いておりまして、将来において、こうした事態がやはり改善されていくことが望ましいことはもちろんですが、なかなか実現をさせることにはいろんな問題があろうかと思います。
#119
○柄谷道一君 私は、高度経済成長時代の財政運営ということになりますと、いわゆる国家財政全体のパイが浮かび出てくる。問題はそのパイをいかにして配分するか、こういう政治のパターンなんですね。それを称して私は大蔵主導型の政治と、こう言うべきだろうと思うのです。しかし、私は率直に今後の時代というものを展望した場合に、果たしてそれであっていいのであろうかと、むしろ国民の福祉、こういうものが中心に据えられて、それを踏まえた上での政治の方向が位置づけられてくる、そういうふうに政治の転換というものを図っていかなければならないと、こう思えて仕方がないわけです。で、私は、厚生省というのは単にパイの配分ではなくて、社会保障中期計画の策定等を通じて国民の先行き不安を解消する。それは個人消費に結びつきますし、経済全体の動きにそれが波及していくわけですね。今度はわれわれの要求によって年金が二万円に八月からなるであろう、こういう与党からの回答をいただいておる――政府からの回答をいただいておるわけですけれども、この年金の増額というものと今度は経済、これも重大な関連を持つんですね。そうしてみると、私は率直に、厚生省よ強くなれ、厚生大臣よ力を持てと、むしろわが国の政治を動かすのは大蔵省にあらずしてその実厚生省がその主役たるべきではないかと、そういう時代というものをやはり目指して厚生省が大臣のもとにこの際奮起する、それがこれからの時代だろうとぼくは思うんです。新進気鋭の大臣ができ上がったわけでございますので、ひとつ大臣の力強い決意をここで篤と伺いたいと思うんです。
#120
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御激励をいただいて大変感謝をいたします。
 ただやはり私は、必ずしも柄谷さんが言われるように、たとえば社会福祉あるいは社会保障、それがまず優先して、それから財政がついてくるということが、これは本当にいいかどうかについては多少考えを異にする部分がございます。それは、国民の求める福祉のニーズというものの中には非常に多様なものがあるわけでありますから、これを厚生省の部分だけで全部をこなしていくことはできません。それは住宅についても、あるいは教育の面についても、いろいろな角度の要望はあるわけでありまして、それをやはり、今度は国民の負担し得る限界の中でどう配分していくかということについては、やはり総合的な調整機能というものは必要になるだろうと思います。その限りにおいて私どもは全力を尽くして努力をしてまいりますし、御声援をお願いをいたしますし、また厚生省もできるだけ強くなるように相努めますけれども、必ずしも厚生省が全部の主導権をとらなければならぬと、またそれがベストであるとは私は言い切れないような気がいたします。
#121
○柄谷道一君 ぼくは、確かに全体的な総合調整が必要であること、これは否定しませんよ。しかし、高度経済成長時代のように、ただパイを取り合うという、そういう位置に厚生省が置かれるべきではないと。これはもう大臣も御同感だろうと思うんですね。したがって、ぼくは厚生省というのは社会保障、福祉という視点だけではなくて、その福祉と今度は経済、それを支払い得るための税制のあり方、こういったものに対して、より積極的に厚生省としての視点から政治全般に対する発言を強化していく、そういう時代だろうということを指摘いたしておるわけです。この点は同感でしょう。
#122
○国務大臣(橋本龍太郎君) まるっきり同感であります。
#123
○柄谷道一君 そこで中期計画、これから策定されていくわけですけれども、体系的整備を図るという言葉で片づけられているんですけれども、これは中期計画の策定を断念されたということですか、社会保障中期計画。
#124
○国務大臣(橋本龍太郎君) 社会保障長期計画自体は、私どもは今後においてなお取り進めていこうと考えております。ただそれは、本当にこれは長期計画という名のとおりに必ずしも私は新七カ年計画に足を引っ張られるべきものだとも思っておりませんし、あくまでも社会保障としての基本線に立った長期計画というものは、当然作業を今後も進めてまいりたいと思っております。
#125
○柄谷道一君 その作業の時期的目標はどの辺に置いておられますか。
#126
○国務大臣(橋本龍太郎君) 長期計画懇談会、現在まだ作業を続けておられるわけでありまして、まだいま、企画室長に確かめてみましたところ、いつまでという時期設定をする段階には至っておらないということでありまして、できるだけ早く作業が完結するように今後ともお願いをしてまいりたいと思います。
#127
○柄谷道一君 その作業を進めるに当たって、その前提となる一つの大きな柱は年金問題でございます。まあ四月中旬に基本懇の答申がなされるというふうに承知しておるわけでございますが、それを受けて厚生省の当然検討が始まるわけですね。いつの国会にその答申に基づく年金抜本改正案を提示しようとお考えでございますか。
#128
○国務大臣(橋本龍太郎君) この点につきましては、答申の中身が最終的にどうなるのか、どのような方向を示唆されるのかつまびらかにしておらない状況で、確たることは申し上げかねると思います。ただ、それを前提にしてお聞きをいただきたいと思うのでありますが、私は少なくとも、今回基本懇からちょうだいをし、そしてそれをもとにしながら、同時に、従来各党からもいろいろな御意見をちょうだいをしておりますし、また政党以外の団体からもいろいろな御意見があり、さらに社会保障制度審議会等の御意見等もすでに出されておるわけであります。そうしたものを踏まえて案をつくっていきます場合に、私は、厚生省としては法律案の形にして国会に上程をする以前の問題として、そうしたものの中から厚生省としてあるべき将来の年金の姿というものを一つの体系に組み立てた時点で、私は関係者の方々に、いろいろな審議会等ももちろんありましょうし、また国会の場もありましょうし、あるいは各団体との懇談の場もありましょうが、そうしたところでそれについての御意見を伺うという作業が一つ入るべきだと思っております。ですから、そういう案の骨子といいましょうか、方向づけというようなものについては、私は少なくとも概算要求を八月末に提出をし、その後一定の期間の中にはまとめ上げないといかぬだろうと、そのように思っておりますし、またその段階において、いま出されております各種の御意見の中には相当ばらついている部分もあるわけで、その中の合意がどういうかっこうでいただけるか、そこに最終の時間的なものはかかってくるだろうと、そのように思います。
#129
○柄谷道一君 私は、年金というのはやっぱり長期、中期、これを展望しつつ、具体的年金構想というものを固めていかなければならぬ。非常にこれは大事業なんですね。
 そこで、これは昨年の五月九日に小沢前厚生大臣に質問したわけでございますけれども、確かに大臣言われましたように行政ベース、これは審議会がある、基本懇がある、そこらで十分審議をし、また関係団体と大臣が意見を交換される、これは行政ベースにおける国民合意をつくり上げていこうという一つの手段なんですね。私はそれとあわせて、立法府自体も、これは与野党全部年金構想それぞれ持っているんです。民社党も持っております。そういうものを大臣が虚心坦懐に聴取しつつ、出てきた法律案に対する賛否を問うというその以前の問題として、いわゆる立法府自体が年金に対する合意を得るためのやっぱり努力というものを当然行うべきではないかという点を提言しましたところ、小沢前厚生大臣非常に賛意を示されたわけですね。ただいまの橋本大臣の御答弁は、それを受けたより意欲的な姿勢だと受けとめてよろしゅうございますか。
#130
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御承知のとおり、私は衆議院の社労委員長のときに、医療保険制度について、同じような各党の意見の交換の場を持ちたいということで小委員会をつくった張本人であります。いま私の立場は、国会に対して指図がましいことを申し上げる立場ではございませんけれども、その気持ちにおいては小沢大臣と同様にお受け取りをいただきたいと思います。
#131
○柄谷道一君 きょうは時間がございませんので、年金のその各論につきましては、国民年金法改正のときに篤とまた掘り下げて御質問をいたしたいと思います。
 ただ私、ここで最後に要望を申し上げておきたいんですけれども、厚生省よ強くなれということをさきに言ったんですけれども、これは定年問題も同様なんですね。この年金問題の帰趨するところ、どうしても老齢化社会に対応する負担の限界ということが問題になってくる。そうすると、この雇用保障と、それから年金という所得保障、これをどう連動させるか、この議論を抜きにして年金論は成り立ってこないと思うんです。で、定年問題は労働省の所管であるというだけではこれは済まされないんですね。当然私は、この年金というものを踏まえた上での定年制度のあり方、これについて厚生省がやはり閣議をリードし、労働省をリードする、その姿勢なくしてはこの年金問題の解決が非常に困難であろう、こういう点を指摘いたしておきたいんです。大臣の所見を伺いまして私の質問を終わります。
#132
○国務大臣(橋本龍太郎君) いまの御指摘は私も全くさように思います。しかし、同時に年金自体から言えば、現実に将来を考えていきますときに、支給開始年齢の引き上げという事態は、これは避けては通れません。その場合において、当然個人の老後生活の安定に非常に大きな影響を及ぼす問題でありますから、その場合に雇用政策との絡みが出てくることは当然であります。昨年から、厚生省、労働省の間でそうした意見の交換をいたしておりますが、労働省としての基本的認識においては私どもに同調してくれておりますので、今後ともになお協議を進め、定年制延長というもの自体においても政府全体が積極的に取り組めるように努力をしてまいりたいと、そのように思います。
#133
○下村泰君 まず伺いますが、医道審議会というのがありますが、厚生省の諮問機関に。この医道審議会というのは何をやるところなんですか。
#134
○政府委員(佐分利輝彦君) 医道審議会は、医師、歯科医師につきまして、いろいろと不始末がございましたときに、その行政処分をやる、その判断をするという使命が一つと、それから、死体解剖の資格を与える審査を行う、こういった二つの使命を持っております。
#135
○下村泰君 そのメンバーの構成は大体どんなふうになっているんですか。
#136
○政府委員(佐分利輝彦君) 一般学識経験者を中心といたしまして、職能代表として日本歯科医師会長、日本医師会長、そういった方々も入っております。
#137
○下村泰君 その場合、一番そこで重要な役を果たすのはどなたなんですか。
#138
○政府委員(佐分利輝彦君) 当然会長でございます。
#139
○下村泰君 実は私は、きょうは菊田医師の問題を中心として、子捨て、子殺しの問題を厚生大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、これからまた、そういった問題をどういうふうに処理なさるのかというようなことについてきょうはお伺いしようと思ったんですが、厚生省側の方から一切そのことに関してはノーコメントであると、お答えができないんだという状況になったと。その状況は何だと言ったら、医道審議会が流れたと、その原因はいま申し上げられませんと、こういう御返事でした。そしてけさ私は、もうそれではそれでよろしいと。それは厚生省側の方でもこういう場でお答えしにくい問題もありましょう。それから、橋本厚生大臣とは、大臣が初めて衆議院に当選なさったときに初めてラジオでインタビューをしたのも私ですし、因縁浅からぬ仲でありますから、大臣の困るようなことをお聞きしてはお気の毒だと思ってきのう撤回した。で、けさの新聞を拝見したら、読売新聞、毎日新聞、朝日新聞に、実に哀れな佐分利さん、あなたの姿も写っているわけですね。そして、日比谷公園をうろうろと、何か後ろ姿はちょうど、何といいますかな、食用ガエルのあれですわ、食用ガエルが洋服を着たような武見会長の後ろ姿、その横に佐分利さん、あなた自身が一生懸命説得してなさる写真、これが毎日新聞に出ていました。これ見たとき私は憤然としたんですよ。庶民の言葉で言えばどたまへきたというやつです、これは。こんな一人の人のことで、たとえばこの人が、それは幾ら生来カメラぎらいか知りませんけれども、カメラがそばへ来たからといって、そのカメラマンをその審議の場から追い出した、怒気鋭く追い出した、ここまでは許せますよ、これは。確かにカメラマン悪いのがおるんですからね、私なんかでも商売でよく知っておりますから。中にはずうずうしくて、人の感情をまるで無視するやつもいますから。で、そのカメラマンを外へ追い出すまではわかりますよ。それによって何も、おのれが一番大事な審議、しかも自分が一番責任を持たなければならない、しかも医師のモラルまでも追及しなければならない審議会の一番責任を持つ方が、みずからこんな、審議会をほうり出していくような、私はむしろこの武見会長を医道審議会にかけるべきだと思いましたよ。それでもう私は頭へきましてね、改めてもう一回やろうかと思ったけれども、頭へくるより先に血が逆流していましてね、しゃべっているうちにだんだん腹立ってきますんで、大体。橋本厚生大臣、これ聞くのは非常に気の毒なんだけれども、こういうふうに振り回されて、一体厚生省というのは、これは国民の目から見ますと何のことはない、動脈硬化を起こしたくそじじいに、厚生省という日本全体、全国民のめんどうを見なきゃならない厚生省が、一老人に振り回されているという感じしか受けないんですよね。どういうふうにお考えになりますか、それは余り言いにくいことは言わぬで結構ですけれども。
#140
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、昨日流れた後において報告を医務局長から聞きました。また、けさ報道機関の方々からその状況も聞きましたが、昨日の事態だけをとって論議をするならば、私は一部の報道機関の方々に事前の打ち合わせ、取材時間をどの程度にするとか、そういったものについてのルールを破られたという行為があったことは事実だと思います。ですから、それ自体についてとやかくを言いたくはありません。ただ、いまそういう下村さんの御指摘でありますけれども、そう言いつつ私どもは、いままで大変問題になっており、しかもそう言っては大変、私はちょっと申し上げにくい部分がありますけれども、歴代の厚生大臣、お手をおつけにならなかった診療報酬の審査、監査の強化、指導監査の強化といったようなものも現実にすでに動き出しておる状態でありまして、私は必ずしも厚生省が振り回されてばかりいるとも思っておりません。私どもは自分の職務をそのまま忠実に果たすだけであります。
#141
○下村泰君 こいつは余り突っ込んでもおもしろい話じゃございませんから……。
 さて、改めまして口唇口蓋裂のことに関してお尋ねをいたしますけれども、前々からこの口唇口蓋裂については窓口の問題が再三再四出されておるんですが、この間も厚生省の方へ伺いましたらば、まだ何か窓口がはっきりしないというふうに患者のお母様方がおっしゃっているんですが、実際にどこで完璧に引き受けているんでしょう、いま、窓口は。
#142
○政府委員(佐分利輝彦君) この問題は先生もよく御存じのように、医務局、保険局、児童局、社会局等にまたがった問題でございますので非常に複雑でございますけれども、昨年の国会でもお約束いたしましたように、一応の窓口は医務局の歯科衛生課にいたしましょうということになっております。
#143
○下村泰君 そこで、佐分利さんもちゃんとお答えくださっているんですよね、以前に、医務局の歯科衛生課でございますと。ところが、どうもそこへ行ってもらちが明かないという苦情が非常に多いんですよ。ですから、その内情を佐分利さん、もう一度検討してみていただけませんかね。どうも窓口が徹底しておらないようなんです。佐分利さん自身はそういうふうにおっしゃっているんですけれども、下の方の方のぐあいがどうも悪いんですがね、一度お調べになってみてください。
#144
○政府委員(佐分利輝彦君) 社会保険の問題とか育成医療の問題ということになりますと、医務局が責任を持って直ちにお答えはできないわけでございますけれども、いろいろ親の会等から御要望がございますれば、関係各局に連絡をいたしまして逐次改善を見つつあると私どもは考えております。
#145
○下村泰君 それでことしの二月の二十四日、口唇口蓋裂友の会、会長酒井藤子さんですが、メンバーの代表が二十四名、たしか小笠原先生も御一緒に厚生省に行ってくださったというふうに聞いておりますけれども、そういったような悩みを含めましてお話しをしたところ、二月十六日の全国課長会議にそれらの内容を盛り込んで通達したと言われたと言うんですけれども、どういう全国課長会議で話が出て、どういうことを通達したんでしょうか、おわかりでしょうか。
#146
○説明員(福渡靖君) ことしの二月十六日の母子衛生主管課長会議で指示をいたしました。通達は出しておりません。その内容は、口蓋裂に対する相談、指導体制の一層の整備を各県で図るようにということで指示をしております。ことに保健所等行政機関と医療機関の連携を密にして十分な体制を整えるようにということを申し上げております。
#147
○下村泰君 それで、二十三区内に住んでいる口唇口蓋裂のお子さんを持つ親御さんが、一週間ぐらい前、三月の二十日ごろでしょうか、保健所に行ったんですな。ところが、保健所では全然そういう知らせを受けていない、通達でなくて指示ならば、指示を受けていない、その人の名前も言えません、言うとおっかないからと言うんだ。だから、だれが出したというのはこっちはわかっているけれども、言いませんけれども、これはあえて。そういうふうな末端にまで御指示なさったんでしょうけれども、全然指示されていないと、保健所の方が。言われれば私の方は実行しますと。ところが言われていない。それから、この間も私はたしか問題にしたはずですけれども、いわゆる産婦人科のお医者さんが赤ちゃんを取り上げたときに口唇口蓋裂の場合にはどう処置をしなきゃならないか。これも厚生省の方から完全にそういうお医者様方にはお知らせをしてくれと、また指示をしてくれ、通達も出してくれ、いろいろ都にお願いもしてくれということを申し上げたはずなんですけれども、いまだにそういった連絡がついていないということは一体どういうことなんでしょうかな。
#148
○説明員(福渡靖君) 御指摘のように、私どもが直接指示、指導をするのは都道府県レベルでございます。それで、保健所までの指導ということになりますと都道府県を通じてということになりますので、そういう点については私どもも今後は十分に指導が末端までいくように都道府県に重ねて指導したいと、このように考えております。
#149
○下村泰君 いまのあなたのお話、ぼくは揚げ足とるのいやなんだけれども、いまのあなたのお話ですと、つまり都道府県に指示をしますと、悪いのは向こうなんだと。今度都道府県にいけば、いやその途中がまだ悪いんだと。これじゃいつまでたっても徹底しませんわね。いまのお話、厚生大臣どう受けとめましょうか。
#150
○国務大臣(橋本龍太郎君) 地方自治体の方に対する指示といえば、やはりこれは都道府県を通さなければならぬことは課長が申したとおりです。ただ、それが的確に今度はその先におりておらないとすれば、これは私ども自治省を通じてなり何なり、そういう努力をもう一度してみなければならぬと、そのように思います。
#151
○下村泰君 そういうところのいわゆるプレーがいつもできてないんですね。私が申し上げるなわ張り根性が強過ぎるというのはそういうところの一つのあらわれじゃないかと思いますが。厚生大臣の所信表明の中にも、ことしは国際児童年で、「次代の社会を担う児童の健全な育成と資質の向上を図ることの重要性は、幾ら強調しても強調し過ぎることはありません。」、こういうふうに御自分でちゃんとおっしゃっている。ですから、したがって口唇口蓋裂に悩んでいるお子さんを持つ親御さん、またそれに悩んでいるお子さんも例外ではないということですね。
 実は、せんだって私、名古屋に行きまして、三月の二十日に参りまして、向こうにゆたか福祉会というのがありまして、ここで十周年の記念行事が行われましたので私もお話に行ったんですが、その明くる日の朝の新聞を見てびっくりしたんですが、愛知県西春日井郡西枇杷島町というところでお孫さんがみつくちなんです。びっくりしておばあちゃんが、四日後でしたか、入院してみつくちの手術をするように準備がなされている。ところがそのおばあちゃんが、昔かたぎなんでしょうね、そのお子さんをうつ伏せにして窒息死させてしまったという記事にぶつかったわけです。そうしますと、この地方ではこういうことがまだあるんだそうですよ。患者の親たちの最大の悩みは、子供が手術を受けるまでの四ヵ月間、しゅうとめや年寄りたちのこんな子はとてもうちのお墓に入れるわけにはいかぬ、こういう感覚がまだ残っているんですね、地方へ行くと。うちのお墓に入れるわけにいかぬたって、何もじじばばが産んだわけじゃあるまいし、これのまた原因というのは、この間いろいろお伺いしたんですが、佐分利さんは、どの程度まで専門家にお聞きになっていますか、みつくちの生まれる原因というのを。
#152
○政府委員(佐分利輝彦君) 余り詳しくは聞いておりません。一般向けの本などを読んだ程度でございます。
#153
○下村泰君 ちょっと私もど忘れして出てこないんですが、東京の歯医者さんの中でも優秀な何か有名な方なんだそうですが、その方にいろいろ伺ったんですけれども、胎児になる前、胎芽のときにこういう症状になるのではないかと、そこまではわかっている。そうしましたら、関西地区が非常に多いんですってね。残されたのは関西の空気じゃないかと言うんですよ。大気ですね。これしかいまのところ原因は考えられないと、こんなようなところまではいったんだそうですが、依然としてまだつかめていないと、こういうお話でした。とにかく四百人から五百人に一人ずつ出てくることは事実ですし、またこの間もいろいろとこの機会にも述べさしていただきましたけれども、一次、二次修正までは健康保険がきくにしても、今度はデンマークとかスウェーデンのように、その子供の成長するまでの年月を通じて完璧に矯正するまでのシステムをつくってほしいということを私はこの間申し上げたんだ。で、そのプロジェクトチームをこれからおつくりになってやるお考えはありませんかと問うたときに、たしか渡辺前厚生大臣は、そのような線に沿うよう努力しますというようなお答えだったんですけれども、あれからもう二年たっていますが、どうなんでしょう。多少なりともその動向は変わりましたでしょうか。
#154
○政府委員(佐分利輝彦君) この問題は先生も御存じのように口腔外科、矯正歯科またスピーチセラピー――言語療法、こういった広範な領域にわたる複雑な問題でございますので、将来のはっきりしたりっぱな構想を練るために、ただいま小児歯科保健対策検討会で御審議をいただいているところでございます。ただ、先生も御存じのように、現在二十七ございます歯科大学あるいは大学歯学部において口蓋裂、兎唇の手術はできるわけでございますが、先ほど申し上げましたような歯列矯正とかスピーチセラピーも一緒に包括的にできるところはまだ十くらいしかないわけでございます。したがって、これは口腔外科学会等にお願いして、できるだけ全大学でできるように努力していただくように努めるとともに、たとえば国立の医療センターとかあるいは国立の名古屋病院でもやっているわけでございますし、また現在七つございます国立、公立の子供病院等でもやっておりますので、そういったところの機能の強化も図っているところでございます。
#155
○下村泰君 いまお話の出た名古屋病院は大変優秀な技術を持っていらっしゃるそうなんですけれども、何せ足りな過ぎますね、こういう関係のお医者さんが。そこへもってきて、こういう武見会長みたいな方がいたらどうにもならないと思いますけれどもね、どうしても出てきますな。
 そこで大臣に伺いますが、いずれにしましても、当分保険がきかないにしても多額な金を要するんですな、この矯正する場合に。ことに不正咬合の場合よけいそうなんです。ですから、こういう方たちに少なくとも多少の補助金とか助成金とか、そういうような形でめんどう見るようなお考えはありますか、ありませんか。
#156
○国務大臣(橋本龍太郎君) 結論から先に申しますが、補助金等でめんどうを見るという考えはありません。むしろ保険給付の対象に取り込むことを考えた方がいいと私どもは考えておりまして、むしろその意味では、口蓋裂に対する歯列矯正を保険給付の対象とするかどうかについて次回の診療報酬改定時に中医協に御審議を願うべくいま専門部会等に研究を御依頼をしている段階であります。ですから、むしろ私はそちらの方向の方がいいのではないだろうかという考え方を持っております。
#157
○下村泰君 それでは最後に、これでもう皆さんおなかが減って目が回ってくるでしょうからこの辺にしますが、一言、じゃ大臣にお願いしますが、ただいま私が申しましたようないわゆるプロジェクトチームですね、そういったものを将来つくって、いまも大臣がおっしゃいましたが、少なくとも保険の方を少しでもかかわり合いになるように、そして将来は、お国でめんどう見てもらえるような方向に進めるお約束はしていただけますか。いますぐにとはこれは言いませんけれども、そういう方向にいくことをお約束できるでしょうか。
#158
○国務大臣(橋本龍太郎君) そういう覚悟でこの小児歯科保健対策検討会というものもスタートをさせているわけでありますから、できるだけの努力をしてまいりたいと思います。
#159
○下村泰君 はい、ありがとうございました。
#160
○委員長(対馬孝且君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩をいたします。
   午後一時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二分開会
#161
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院社会労働委員長森下元晴君から趣旨説明の聴取をいたします。森下君。
#162
○衆議院議員(森下元晴君) ただいま議題となりました環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。
 本案は、近時における環境衛生関係営業を取り巻く諸情勢にかんがみ、営業の健全な発展を図るとともに、消費者の利益の擁護を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一は、過当競争の防止のための措置でありまして、環境衛生同業組合が大企業者との間に締結する特殊契約の対象に、大企業者がその事業活動を実質的に支配する企業も加えることといたしております。
 第二は、環境衛生同業小組合制度の新設でありまし三営業者の自主的な組織による共同施設事業等の一層の充実を図るため、環境衛生同業組合の同意を得て組合の地区内の一部の区域を地区とする環境衛生同業小組合を設けることができることといたしております。
 第三は、振興指針の策定及び振興計画の認定でありまして、営業の健全な発展を通じて公衆衛生の向上及び消費者の利益を図るため、厚生大臣は、振興指針を策内するとともに、同業組合または同業小組合の作成する振興計画を認定し、これに基づく事業に対する税制及び資金のあっせんについての措置を講ずることといたしております。
 第四は、経営指導体制の整備でありまして、衛生水準の維持向上及び消費者の利益の保護を図るため、各都道府県に一個の都道府県環境衛生営業指導センターを、全国に一個の全国環境衛生営業指導センターを設けることとしたしております。
 第五は、営業方法または取引条件に係る表示の適正化等に関する制度の整備でありまして、消費者の選択の利便を図るため、全国環境衛生営業指導センターが厚生大臣の認可を受けて、役務の内容等の表示の適正化等に関する標準営業約款を作成し、この約款に基づき営業しようとする営業者を都道府県環境衛生営業指導センターに登録することができることといたしております。
 以上が、本案の提案理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#163
○委員長(対馬孝且君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより参考人の方々から本案についての御意見を聴取することにいたします。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただきまことにありがとうございました。皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の本案審査の参考にしたいと存じております。
 これより参考人の方々に順次御意見をお述べ願うのでありますが、議事の進行上、お一人十分程度でお述べを願い、参考人の方々の御意見の陳述が全部終わりました後、委員の質疑を行うことといたしますので、御了承願います。
 それでは、まず大野参考人にお願いいたします。
#164
○参考人(大野省治君) 私は全国消費者団体連絡会を代表いたしまして、環衛法の一部改正に反対する立場の見解を表明したいと思います。
 意見の中身は、一つは、本来環衛法が衛生立法ではないんだということを明らかにさせたいと思います。二つ目は、カルテル体質の環衛同業組合を助長させるような内容の改正ではいけない、今回の改正案はそういう内容であるということを指摘したい。以上二点を骨子として意見の要点を述べさしていただきます。
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の制定当時において、消費者団体と環衛業者団体との間に大きな意見の対立があった。そして、激論を闘わした経過があったということをまず御認識いただきたいと思います。この法律の名称から最初の六文字を取っていただければはっきりすると思うわけですが、環境衛生関係という六文字を消してお読みになれば、営業の運営規制の法律であるということが明らかになります。独占禁止法の適用除外を目的とした同業組合法であるということが御理解いただけるものと思います。六法全書などでも、この法律を社会法の編に入れておりますけれども、分類上やはり経済法編に入れることがむしろ妥当ではないかというふうに思っておるくらいでございます。
 衛生の向上という目的は、いわば反射的利益にすぎないものであって、実態は同業組合の規制を、組合員はもとより、組合員以外に対しても及ぼそうと、こういう強権的な内容を持つ法律なのであります。つまるところ、全国段階では適正化基準であり、都道府県段階では適正化規程といったものが強権的な内容というわけでございます。
 私たち消費者団体は、このような基準や規程が同業組合幹部の意のままに活用されては困ると恐れまして、立法のときに、つまり約二十二年ぐらい前の時点ですけれども、強く反対したわけでございます。法律が制定されましてからも、私たち消費者団体は中央環境衛生適正化審議会や、都道府県の適正化審議会において、適正化基準や規程の作成に対し粘り強く抵抗を続けて今日に至っております。消費者団体の一致した強い反対によってこれら適正化基準や規程の悪用を食いとめるということで成果があったというように私たちは考えております。
 このように、環境法については消費者団体として長年にわたるいわく因縁があるために、今国会に提出された改正法案がどのように扱われるのだろうか、深い関心を持って見守っているところでございます。全国消費者団体連絡会に参加する主婦連合会や生活協同組合など十九団体を初め、全国消費者大会に参加した消費科学連合会など約五十の団体、それに全国地域婦人団体連絡協議会など消費者六団体などの場でも、環衛法の改悪に反対する態度表明を行っておりますので、各政党の委員諸先生方の特段の御考慮をお願いをしておきます。また、本法制定のときには、参議院は良識の府として二院制の長所を生かして修正の議決を加えて衆議院へ差し戻していただくと、こういう私にして見れば感激的な場面があったということを今回も特に思い起こしていただきたいのであります。
 本法の運用に対しては、消費者団体の代表として木下保雄さんとか、春野鶴子さん、三巻秋子さんたちが先頭になって抵抗し今日に至っており、同業組合の幹部の皆さん方の思うようになかなかいかないということは、適正化規程、適正化基準については前述のとおりでございます。そんなところから環衛同業組合の幹部の皆さんが思いついたのが今回の改正であろう。ねらいもおのずから明白となるのではないでしょうか。
 環衛同業組合はカルテル体質の組合であり、組合員に対する規制だけでなくアウトサイダーに対する規制を志向しております。適正化規程の適用地区を、都道府県単位からさらに小回りのきくようにしようという条項が当初の原案にはありましたけれども、これは私たちの反対運動もあり、また衆議院段階での各党の修正で辛うじて削除されました。削除は当然のことであります。
 衆議院から参議院へ今回回付されました法案のうちになお問題が残されております。したがって、消費者団体は、本改正法案が審議未了、廃案となるということを望むものでありますけれども、もしもというときのために、これだけはということを三点だけ削除していただきたいということをあえて申し述べておきたいと思います。
 第一の点は、環衛同業組合の小組合ですね、環同小組合の設立に関する条項について削除を求めたいということです。小組合は環同組合の末端機構として、カルテルあるいはやみカルテルの実効を上げるための五人組監視網として動くおそれがあります。共同利用事業をするというならば、環同組合でなく中小企業協同組合法に基づいて結成すればよいのです。中小企業等協同組合法の第八条第二項には事業協同小組合があり、商業、サービス業などの場合には五人と言わず二人でも結成できるというようになっております。環同小組合は人数規定というものがありませんから、環同組合の上部の幹部の意に反する者があったならば、いろいろと差別される余地も考えられるわけです。私たちは、このような小組合条項というものは、ここでは要らないんじゃないかと思います。削除をすべきだと思います。
 第二の点を述べますと、本改正法案の実施に伴う国家予算が、二億一千万円程度というふうになっておりますが、このうちの大部分は新設される指導センターのためのもので、一億五千万円以上使われるというふうにも聞いております。衛生上の指導は保健所その他それぞれの法律、業法があります。その所管の場で行われておるわけです。その上にまた屋上屋を重ねるというような形の機能のセンターに対してこんなに多額のお金が必要なのかということです。税金のむだ遣い、末端の理容、美容、クリーニング業の皆さん方に対しても決して利益ではない、私たち消費者にとっても利益ではないと思います。アウトサイダーに対するにらみをきかせる有害センターとなるおそれが大きいので、この点は削除していただきたいと思うわけです。なお、同業組合幹部と天下り役人との結びつきを助長するのではないかというおそれも考えられます。また、消費者行政に対する予算が余り大きくないというものと比べても片手落ちであり、税の使い方の不公平を強めるというふうにも思います。特に慎重な御検討をお願いします。
 三点目は、標準営業約款の条項の削除を求める点でございます。この条項の性格は明白であります。環境衛生適正化基準や規程は、審議会の場で検討しなければならないわけで、巧みにここで抜け道をつくろうというわけだと思います。手をかえて適正化規程の代替物をつくり上げることがねらいですから、消費者側の意見が反映させられる道はありません。たとえば、役務の内容を統一的に表示するということはカルテルそのものであります。適正化規程や基準は環衛法の第五十八条三項によって審議会で議論することが定められております。ところが、これは審議会で議論しなくてもいいということになるわけです。また、こういう類似の法律で不当表示防止法というものがありますが、このような約款を設けるようなときには公正取引委員会が公聴会を開いたり、問題があれば審判に付すというようなことにもなっております。このようなずさんな手続で、しかも消費者団体の意見を封じ、不当景品類及び不当表示防止法の適用を逃れるようなやり方、独占禁止法、公正取引委員会からの監視を回避しようというようなやり方を内容とする法案なので、これは消費者としてどうしても納得がいかないというのも当然だと思います。
 今回の改正法案づくりにおいても、事前に消費者団体の意見は残念ながら聞かれませんでした。環衛同業組合の圧力だけで作業が進められたような感じを受けております。消費者団体は後でこれを知って驚きあわてたわけで、それだけに憤りも大きかったと言えます。
 改正法案で新設される第五十七条の二をちょっと見ますと、営業停止命令が出されるということになりますが、員外者も含む全事業者への強制力を強化するということを意味しております。現行法でも罰金十万円という処分があるのに、どうしてこんなにまた強権を求めようとするのか、同業組合幹部の発想方法はちょっと理解いたしかねます。
 終わりに、いま選挙前の落ちつかない時期でありますので、環衛法のような問題を持った法律に対しましては即断は禁物であります。たとえば商工委員会の方にもやはり意見を聞くだとか、慎重にも慎重を期して取り扱っていただきたいと思います。結論を急ぐことのないように、特に先生方に御要望申し上げて消費者団体としての意見の表明を終わります。
#165
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。
 次に、佐々木参考人にお願いいたします。
#166
○参考人(佐々木進君) ただいま御紹介いただきました全国環境衛生同業組合中央会理事長佐々木でございます。中央会を代表いたしまして、環衛法の一部改正について意見を述べさせていただきます。
 まず、環衛業界の現状でありますが、御承知のとおり環衛業は理容、美容、クリーニング業等を初めといたしますサービス業並びに飲食店営業まで入れまして十七の業種を含んでおります。これらの営業は、その業者の八〇%以上が従業員二名以下の零細小規模経営者の集まりであります。他産業と比べますと経済的に非常に弱い業種に属しております。また、環衛業は比較的少ない資本で開業ができまするから、新規開業が非常に多く、昭和五十二年度における施設数は百九十五万に達しております。これを昭和四十五年と比較いたしますと、実に三三%の増加と相なっております。また、最近の不況のあらしの中で、製造業などから大企業の流入が環衛業に始まっております。さらに、雇用の停滞が深刻化する中で、環衛業に新規加入しようとする小規模店舗が続出しているありさまであります。このように、私どもの業界は他産業の不況の受けざら的な様相を呈しておりまして、今後とも大資本の流入は相次ぐことが予測されておりますし、私どもの業界をめぐる経済環境はますます厳しく、深刻化することが予想されているのであります。
 このような急激な営業人口の増加と大資本の流入によりまして、私ども零細業界であります環衛業は、ややもいたしますと原価を無視した値下げ、ダンピング競争、不当な景品の供与などを含めた過当競争が発生しがちでありまして、健全な経営を維持することがますます困難になっているわけであります。したがって、調整事業が必要になってくるわけでありますが、業者といたしましては、いたずらに調整事業にのみ依存するのではなく、経営の近代化、合理化、消費者需要への対応を通じまして、業の振興を図る必要を考えている次第であります。
 今回の提出されました環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の改正案は、中小零細業者の協業化、共同経済事業の促進、営業の近代化、合理化を図るための環衛小組合制度、振興事業にかかわる内容、調整事業の一部手直し、消費者の選択の利便を図るための標準営業約款制度の創設など、私ども環衛業界が希求いたしております内容が盛り込まれておりまするから、この一部改正案の成立を心から念願をする次第であります。
 次に、今回の改正案の中でとりわけ問題とされております調整事業につきまして私どもの意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
 さきに申し上げましたように、過度の競争が生じざるを得ない状態に追い込まれているのでありまして、このような状態のもとで零細企業者の生活を維持し、法により定められました衛生措置を確保するためには、適正化規程などの調整事業に最後の活路を求めざるを得ない場合も生じてくることを御理解願いたいのであります。ただ、安易に調整事業に頼ることは極力避けねばならないことは当然でございます。今回の改正案では、この調整事業の適用を必要とするような事態の発生に適切に対処する、すなわち緊急避難的性格をより明確にするため、適正化規程に期間を付することを初め、近年特に大資本が子会社等の形態をとって流入する状態に対応するため、特殊契約の相手方に大企業のダミーを加えること、大企業の進出等に当たって情報収集能力に劣る環境衛生同業組合が厚生大臣に調査を申し出ることができることなど、われわれ営業者が喫緊のこととして求めているところの事項が盛り込まれているのであります。
 さて、指導センターの設置につきましては、いろいろな御意見をあちらこちらからお伺いするわけでありますが、これはむしろ他のたとえば商工会または商工会議所等の会員である比較的大きい業者が、それら一連の経営指導や情報提供のサービス等を受けておられるわけでありまして、私ども中小零細業者が大多数を占める環境衛生営業者は、これらの指導体制の網からこぼれた非常に小さな業者であります。しかも、私どもは物的なものより人的なものを中心とした営業でございまするので、当然国の適切な御指導をいただくような仕組みをいただくことが好ましいわけでありまして、その運営等につきましては、私ども十六団体の方から運営者等も出てくることでありましょうし、また専門家等を用意いたしまして経営指導や消費者の苦情処理等が指示されるわけでございまするから、これが役所の天下り的なものにつながるおそれはないわけでありまして、商工会議所や中小企業団体中央会もそのようなことがないということを承っており、私どもに限ってそういうことが発生するということは、これは少し事実に対する誤認ではないか、このように考える次第であります。
 また、環衛組合には共同経済事業をしてよろしいという規定があるわけでございまするけれども、この規定を運用しようといたしましても、原材料の品質、輸送などの関係で全県的なエリアでは実施できない業種があり、一定の限られた区域でそれらの共同経済事業をすることが、業の近代化、合理化につながるということで小組合制度というものが設けられることになっておりますが、これは大企業のチェーン化戦略に対抗し、生業規模の飲食店等が食材調達経路を合理化し、共同の材料保管、配送システム、従業員教育等を行うことにより、地域の消費者の方々に安全で質のよいサービスをできる、だけ安い価格で提供できる仕組みを促進するものであると私どもは非常に期待いたしておるわけでございます。
 次に、営業の振興対策についての内容でありますが、私どもは、製造業のように機械化や省力化をし得る部分が非常に少のうございます。御承知のように労働集約的で手工業的な要素を持っておるわけでありまして、当然これら環衛業に存在する特殊な衛生上の特別規制などの要件を基礎とした振興事業というものが必要になってくるわけであります。
 さらに、消費者の利便の問題につきましては、昭和四十八年二月二十七日の国民生活審議会の答申の中にも「消費者の選択の指針とするため、その内容の表示を促進するとともに、クリーニング等についてはその規格化を検討すべきである。」ということが指摘されております。国民生活審議会には当然消費者代表も御参加されているわけでございまして、これらの答申に御同意なさったと思うわけでございますが、私どもは今回標準営業約款を制度化することによりまして、提供するサービスの内容あるいは施設の内容の表示を適正に行いますとともに、現在社会的にいろいろ問題になっております損害賠償を明確にするそれらの内容を付しました標準営業約款を制度化するということが、消費者の利便あるいは利益の増進に寄与するものと考えております。
 以上のように、今回の法律改正の内容は、単に調整事業のみを目的としたものではございません。中小企業の二五%から三〇%を占める中小企業の最も下位に属する環境衛生営業の近代化、合理化というものを促進することを目的として案の内容が作成されておりまするので、全国環境衛生同業組合中央会といたしましては、ぜひ一日も早く先生方の御尽力によりましてこの法案が国会を通過して、いままでほとんど日の当たらない業種でございました環衛業にわずかでも曙光をお当ていただきたく、心からお願いを申し上げまして私の意見といたします。
#167
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。
 次に、加藤参考人にお願いいたします。
#168
○参考人(加藤宏君) ただいま御紹介いただきました全国クリーニング協議会会長加藤宏でございます。
 環境衛生関係営業の適正化に関する法律の一部を改正する案を審議される本委員会に、われわれの意見を申し述べる機会をお与えいただきましたことに対しまして深く謝意を表する次第でございます。
 法の改正に対するわれわれの主張を申し上げます。
 この法律の改正案の目的を要約すれば、公衆衛生の向上増進、また国民生活の安定寄与を大きな柱としております。この改正の目的の達成は、現行法をもっても十分可能であります。特に法を改正する必要はないというふうなこれまでの一貫した主張に私ども変わりはございません。その理由といたしましては、一つ、改正法案は過当競争の防止を大きく取り上げておりますが、過当競争のために本法の目的が阻害された例をまだ見ておりません。許された自由経済の中で、優勝劣敗の一部現象をもって過当競争に結びつけることは当を得てはいないのではないかと考えます。特にサービス業においては、直接消費者大衆の生活につながるので、常に向上発展を目指して、それぞれの業者がいかにしたら時代の趨勢にマッチし、どうしたら利用者、消費者の指向にこたえられるかを、日夜心を砕いて血のにじむ企業努力を続けているのが現状でございます。この努力や研さんを怠っている一部の者が落後することは、自由経済下、必然の成り行きではないでしょうか。国の基幹産業であればまた別でありますが、サービス業は多種多様のやり方で大衆の指向にこたえねばなりません。しかるに環同組合は、この業のABCを直ちに過当競争に結びつけ、公衆衛生の向上増進、国民生活の安定向上の名によって営業の自由化を制限し、さらに統制を強めるがごとき法改正の申請はこじつけもはなはだしく、これこそ消費者大衆の指向を無視し、業者の向上意欲をそぎ、伸びようとする芽を摘んで、業全体の向上発展を阻害するものと言うべきであります。
 二番目、振興指針あるいは振興計画、指導センター並びに標準営業約款等、環境衛生営業の振興及び経営の指導体制の整備についてであります。
 本法第一条の目的の中に「営業者の組織の自主的活動を促進する」と掲げられておりますが、この法改正により、指導官庁、指導センター、環同組合をつなぐ一連の指導体制を強化しようとしております。これでは、本法案の目的とする自主的活動促進とは全く逆の結果となることを恐れるのであります。われわれ業者は、業の経営も技術的問題も、少なくともプロをもって任ずるには、それぞれの特色を生かして血のにじむ努力を続けて初めて存続し発展していけるのが常態であります。しかるに、型にはまった官公署の画一的指導がかえって業者の自主的活動を抑える結果となることを恐れるものであります。けだし、まことに好条件に恵まれた官公営事業と、しからざる民間企業との実績が実はその逆であるという事実は、この間の事情を端的に立証するものではないでしょうか。
 衛生上の問題や行政指導については、厚生省をトップに各県の保健所があり、企業の経営施策については、現在すでに官公及び民営で多くの指導機関が存在し、各地消費者センターなどで相談あるいは情報提供、指導に応じております。この上さらに屋上屋を架するがごとき体制を必要とするかどうか、はなはだ疑問とするところであります。これこそ経費、人員のむだであるばかりでなく、新たに設けられる一連の指導体制が、率直に言わせていただくならば、環同組合の一部ボスをのさばらせる悪い結果を招くものであることを、心ある者は大変憂慮いたしておる次第でございます。
 三番目、本改正法は環衛組合の組織強化法であり、行政官庁がその後ろ盾となってこれにてこ入れするものであることは、環同組合の請願書とその運動経過及びその内容によって明らかであります。すなわち、危機に瀕しつつある組合組織を、法によって立て直し、組合が、否その一部指導者が権力をもって市場統制を図ろうとするもので、これこそ自由民主主義の邪道として許されるべきものではありません。けだし権力は両刃の剣で、これを行使する者によって正義の剣ともなり邪悪の魔剣ともなることは改めて申すまでもありません。今回の環衛法改正案の成立必至と見た全国クリーニング環境衛生同業組合連合会は、去る二月二十七日、会長の名をもって、クリーニング機械メーカー、機材商に対し、クリーニング業者に機械を入れてこれを指導し、それが低料金になると業界ビジョンで目指す付加価値増大の方向と全く相反するので、そのような事実に対しては、全国的に不買運動を起こす云々といったような恫喝に等しい警告文書を送付しております。これこそ環同組合の性格の一端のあらわれかと見ることができます。ゆえに、もし本法が成立いたしますと、一段と組合の権力意識を助長し、業界は公正自由の営業が妨げられ、向上発展の芽を摘む恐るべき結果を招くことになることは必至であります。
 四番目、本法の制定には業界の大多数が反対しております。しかるに、その真実の声が誤まり伝えられておりますことはまことに遺憾と申さねばなりません。先般衆議院の社労委におきまして、参考人としての陳述に当たり、環同組合の代表者は、われわれ反対者側を百名そこそこの一握りの任意団体云々と言って、自分たち推進者の多数であることを誇示いたしましたが、これは故意か、あるいは木を見て山を見ない全くの誤認であろうかと思うのであります。
 厚生省昭和五十二年十二月の実態調査によりますと、クリーニング業は全国総数十万四千三百二、一般クリーニング所五万八千四百五、取次所四万五千八百九十七と発表しております。このうち環同組合員は約三万と自称しておりますが、実際には二万七千ぐらいと言われ、さらにその二万七千の中にはわれわれ全協会員及び無関心派も含まれておりますので、この法改正を推進しようとする実際の数は、全業者数に比べてきわめてわずかであると判断せざるを得ません。すなわち、業者の大多数は本法の成立に反対であるばかりでなく、その背後にある一般消費者はことごとく反対であります。この事実に目を覆い、改正を推し進められることは悔いを後日に残す結果となるものと考えられます。
 すでに五十三年度版厚生白書でも指摘しておりますように、環境衛生関係の体質は弱く、クリーニング業においてもこれを改善するため、当局は十数年来近代化の方向へ指導してきました。われわれはこの近代化の施策に沿って設備の機械化を図り、経営の合理化に努めてまいりました。そのため現在では各部門に自動化、省力化が進んで、いまやクリーニングの近代工場は全く昔日の比ではありません。一方、環同組合員の多数は依然として古い設備、経営のやり方に甘んじ、近代化の意欲を欠いております。こうした努力と退嬰との差が今日の業界の両極化の現象を呈しておるのであります。これら両極の業者を一方的に一つの法律で規制しようとするところに大きな無理があるのであります。これをしてもなお改正をされるならば、去る二月十五日貴委員会の方々に提出いたしました要望書に述べましたように、法の対象を環同組合員にのみの限定適用に改めていただきたく、重ねてお願い申し上げます。
 最後に、結びといたしまして、この環衛法、営業の適正化問題は、その根は深いが浮上は昭和五十三年四月、五月ごろからで、環同組合の陳情、請願に端を発しております。その唱えるところは、全国何百万業者の危機にあるといい、組合の健全な発達について当局の法的措置を要望したもので、これが達成は環衛業者の悲願であり、全業者の意思であるかのごとく僣称しております。これは環同組合の危機に瀕した組織運営上の内的問題を、法の庇護によって食いとめようとするところにもろもろの混乱した問題を生み、内的問題の領域を超えて、業全体の消長を左右するところまで広げて、最後のツケを消費者に回すという改悪であると断ぜざるを得ないのであります。
 何とぞ、本案を御審議いただく最後の機会といたしまして、参議院の良識の府に御心頼申し上げております。本社会労働委員会の大局に根ざした御高配をお願い申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
#169
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。
 次に、宮坂参考人にお願いいたします。
#170
○参考人(宮坂功君) ただいま御紹介のありました全国クリーニング環境衛生同業組合連合会専務理事の宮坂功であります。私は、環衛業種の一つであるクリーニング業界が環衛法改正に関しどのような考え方を持っているか御説明申し上げたいと思います。
 まず、クリーニング業の置かれている現況について申し上げますと、第一番目はクリーニング施設数でございます。クリーニング業は、昭和五十二年末におきまして一般クリーニング所は約五万八千店、クリーニングの受付及び引き渡しだけを行ういわゆる取次店は約四万五千店であります。そして、このクリーニング施設数の増減の傾向を見ますと、昭和四十五年と昭和五十二年の対比におきまして、この七年間に一般のクリーニング所は五一一%の増加でありますが、取次所においては実に九四・五%という激増振りを示しております。このことから見ましても、顧客の争奪競争がいかに著しく激化しているかということがうかがえます。
 次に、クリーニング施設の従業員規模を見ますと、その八九%が従業員二人以下という零細規模であり、零細な環境衛生業全体の中でもその零細性が一段と強い業種であります。これは総理府の事業所統計調査による数字であります。一方、激増している取次所の多くは、クリーニング業界の中では比較的大企業のものに属しておりまして、この点で業界の大部分を占める中小零細企業の競争力は著しく弱体化しつつあるということが言えるわけであります。
 次に、クリーニングに対する需要の傾向を見ますと、これはやはり総理府の家計調査年報によるものですが、一世帯当たり年間のクリーニング支出額は、昭和四十五年から五十二年にかけまして、名目で六千三百三十九円から一万一千五百四十三円へと八二%の増加を見ております。しかし、この間の消費者物価上昇率は一〇三・六%に達しておりますので、これを勘案いたしますと、実質では約一二・六%の減少ということになります。
 このように、停滞ないし減少ぎみの需要に対し供給側の競争状態は前述のように激化しておりまして、このためクリーニング業界は全国的に激しい過当競争の状態に陥っております。一例を挙げますと、九州のある地区におきましては、Mチェーン――実名は控えますか、このチェーン店か一斉に何でも一点百八十円という料金を打ち出しました。これは業界としては常識外の料金でありますが、これに対抗するため、この地区のHクリーニング店、これもチェーン店を持っておりますが、この店が何でも一点百四十円という料金を打ち出しました。さらにこれに刺激されましたT店は、何でも一点八十円から百円という全くむちゃくちゃな値段を打ち出し、その地区の同業者は軒並み値を下げざるを得ないことになってしまったわけであります。このような状況は、全国他の地区でも多かれ少なかれ起きておりまして、このため転廃業施設の数も、全体的に施設数が増加している反面、昭和五十二年度におきましても、五十二年度末において約七千軒にも上っておりますのが実情であります。
 このように激烈な過当競争の中にあって、クリーニング業界の平均的な売り上げを見てみますと、これは昭和五十年に私どもが調べた数字でありますが、従事者三人の店で平均の年間売り上げがたったの六百十九万円であります。この中から材料費を支払い、機械の償却をし、運搬、包装その他諸経費を払ったら一体幾ら残るでありましょうか。年間六百十九万円というちょっとした大企業の高級サラリーマン一人の給料の中で材料その他の諸経費を差し引き、そのささやかな残りを三人で分け合っているというのが実情であります。
 次に、今般の環衛法改正につきまして、わが業界としての評価を申し上げたいと思います。
 総括的に言うならば、今回の環衛法改正法案は、いままで申し上げたようなクリーニング業界の実態において中小零細業者の経営の振興を促進するため、また過当競争による大多数の業者の経営の悪化を防ぐためにぜひとも必要なものでありまして、大いにその内容を評価をし、かつ一日も早くこれが成立することを熱望しているものであります。その理由及び背景等についてこれから申し上げることにいたします。
 私どもは、自由主義経済ということが現在のわが国の基本的な姿勢であることは承知しております。しかしながら、わが国の憲法で保障されている自由とは、あくまでも公序良俗の前提に立ったものでありまして、極論すれば、人を殺す自由はないということはいまさら言うまでもありません。同様に、経済社会におきましても、秩序なき恣意的な自由があるとは私どもは考えておりません。資本のある者、力の強い者が弱肉強食的な自由を持つとすれば、そこにはもう政治の力も法の必要もなくなるのではないでしょうか。いままでとかく国の産業政策から置き去りにされてきた環衛業が、前にも申し述べましたような苦境に立たされているとき、国は何らかの政策をそこに講じていただきたいと思うわけであります。私どもは無条件に国の保護のみを要求するつもりは全くありません。少なくとも苦境の中にありながらも自助努力によって自分の進む道を切り開こうとする零細業者にとりまして、努力をしさえすれば道は開けるのだという方向だけは示していただきたいのであります。
 この意味におきまして、今回の環衛法改正は、従来日の当たらなかった環衛業に対し他の中小企業団体法等並みの施策を講じてくれております。たとえば、クリーニング業の経営について国がその振興指針を作成し、これに沿って努力する者には相応の援助をするという点、また指導センターを設け、適切な経営指導をしようとする点などもろ手を挙げて賛成するものであります。
 次に、私どもクリーニング業自体が考えている現在の苦境の打開策について若干申し述べたいと思います。私どもは、業界内だけでなく業界外の学識者や衣料製造その他の関連業界の知恵もおかりして、この四年くらいをかけましてクリーニング業界ビジョンを策定いたしましたが、その底流となる基本的な考え方だけをかいつまんで申し述べますと、まず第一に、昭和三十年代から四十年代前半の私どもの考え方についての反省であります。当時のわが国の高度経済成長下にありまして、これはもう国是とも言うべき近代化、合理化に向かって私どもは進んだわけであります。しかし、そこに思い違いがあったのは、当時の風潮として、機械化イコール省力化イコール量産化というような、こういう考え方一辺倒になったことであります。クリーニング業界ビジョンはこのことを強く指摘し、「クリーニング業は製造業ではなく、サービス業である」、また「その限りにおいてもクリーニング業界が第一に考えるべきことは、自分勝手な店内の合理化ではなく、消費者のニーズの変化に対応できる店づくりである」ということを述べております。また「多様化、ファッション化する衣料と消費者ニーズに対応できる第一の条件は、機械や洗剤の改良よりも、それを使いこなし、また、衣料の特性を診断し、その最適な処理を行い得る人間作りが大切である」としております。
 こういった観点から、私どもが現在特に力を入れていることは、店主を含めた従業員の教育ということであります。今般の環衛法改正によって示されるであろう国の振興指針、これによって、こういった方針が打ち出され、また新たに設けられる指導センターによってその指導がなされ、また、やはり法改正によって明示されるでありましょう技能検定によってクリーニング従事者の資質の向上を図るといった、このような一連の効果に私どもは大きな期待を寄せているものであります。
 また、クリーニング事故に対する消費者のクレームが非常に多いことにかんがみ、私どもクリーニング環境衛生同業組合では、クリーニング研究所をつくってその防止策を図り、また起きてしまった事故については、できるだけスムーズにこれを解決すべく、クリーニング賠償基準をつくるなど自主的な努力を重ねておりますが、この種のことは、やはり国が関与して定めた標準営業約款、すなわち今回の環衛法改正に盛られているものでありますが、この標準営業約款により、よりオーソライズされた形で行うことが消費者の利益にもつながることだと考えております。私どもがこのように理解し期待している今回の環衛法改正なのであります。
 最後に次の点だけ補足説明さしていただきたいと存じます。
 まず、クリーニング業界の大多数の意見は私どもが代表しているということであります。申し上げるまでもなく、私どもは厚生省の指導監督のもとに環衛法に基づいてつくられた法定の団体であります。そして、全国クリーニング業者約五万八千四百のうち、約三万四千五百を組合員としており、その組織率は六〇%であります。そして、この環衛法改正をしていただくことについては、早くから組織内での論議を重ね、全国連合会においても、昭和五十二年五月二十七日開催の昭和五十二年度通常総会、昭和五十二年十一月二十三日開催の臨時総会、さらには、昭和五十三年五月二十六日開催の昭和五十三年度通常総会において、引き続き環衛法改正の促進をすべき旨の最高機関での意思決定をいたしております。さらに昨年四月には、これに加えて全国の組合員及びその従業員等から七万人の署名陳情を得ておりますが、組合内コンセンサンスを得るための努力は十分にしたつもりであります。これに対して、反対を表明している団体の会員数は全業者数の一%にも満たないごく一部であります。しかしながら、私どもは、たとえ一部の反対とはいえ、お互いの理解を深めることの必要性を感じて現在努力を続けていることを申し添えます。
 以上のことにつきまして、先生方の御賢察をお願いいたしまして私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#171
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。
 次に、内堀参考人にお願いいたします。
#172
○参考人(内堀平市君) 御紹介にあずかりました全国美容組合連合会事務局次長の内堀平市でございます。全国美容組合連合会といっても、環同組合と違いまして二つあるわけでございまして、その片方の組合の事務局次長でございます。
 私たちはこの改正法案に対しては全面的に反対するものであります。ということは、現在の環衛法、これによって十分可能であるということです。改正になって、まず第一点を挙げてみますと、要綱の第二の「過当競争の防止」ということがありますけれども、過当競争の防止がこの改正案によってできるでしょうか、これは絶対にできません。ということは、ある程度の規制、こういうことは現法にあるのです、第九条。こういうものによって規定されておりますので、ある程度の料金の規制はできる。しかしながら、それ以上店舗の規制をしようとするならば、強行するとするならば、これは憲法二十二条「職業選択の自由」に違反するという、つまり法律に触れるというような改正案であります。絶対にこの過当競争の防止というのはこの改正案によってはできないということ。
 それから、非常に懸念する、われわれがどうしても納得できないというのは、要綱の第五「経営指導体制の整備」、こういうことでございますけれども、これはつまり新組織を設けることでございますが、この新組織はどうしてできるのか、これは環同組合のボス化を助長させるための応援としか考えられない。ということは、この経営指導体制の整備といいながら、われわれがいままでやった、つまり施設、資材、薬品等そういったようなものは、全部その筋がチェックして、それを許可になったものでなけりゃ使用できないということになっております。それでこの指導センターは何をやるかというと、環同組合とタイアップをしまして、環同組合の強力なつまり援助をするということがうかがえる。これは要綱第七項にあります組合、連合会は審査事業をすることができる、「加えること」ということになっておりますけれども、一体この審査事業とは何かと、漠然としてはなはだ理解に苦しむものでありますが、いわゆる修正前の検定制度とほかならないと思うんです。検定制度というのは、十六業種ですからこの環衛法といっても非常に業種によって違いがある。
 ここで私が述べたいのは、理容と美容について申し上げたいのでありますが、理容、美容については免許制でございます。しかる後に、昭和四十三年に改正されました管理美容師というものがある、管理理容師というものがある。資格を持っていながらさらにその上にまた資格をつくったと。それでまたこの環衛法の改正によって、審査と言われるが、これは非常に検定制度と思わざるを得ない、これ以外にはないと断定するつもりであります。そうして、またこれが資格になったならば、われわれは三重の資格になるんです。いま人の命を預かる医師でさえ免許があれば営業できるという、そういう時代に、われわれ理美容師が何で三重の規制を受けなければならないか。ほかの改正点は現行法でできる。できないのはこの指導センターなんです。指導センターによって環同組合に力をつけ、そしてそういう何重もの規制をし、言葉は悪いかもしれませんけれども、いわゆる金もうけの道具に使っておる。それから、官僚のつまり横流しというか、天下りというか、そういう巣をつくるということにほかならないということでございます。
 ほんの一部でございますけれども、こういったような、つまりわれわれの経済的な法律は中小企業基本法、これによって擁護されている。それから、料金等を規制しようと思っても、消費者保護基本法、独禁法、こういうものによって阻まれてできないということが明らかであるにもかかわらずこの改正案を出してきた。こういうものはまことにわれわれとしては納得できないし、理解もできないということでございます。
 この改正運動についてちょっと申し上げたいのですけれども、非常に不明朗な点があるということです。たとえば、環同組合というのは、法律で各都道府県に一個しか認められていない組合であります。いわば公認の組合。その組合が特定政党の党友を募集したり、特定政党の特定の代議士の後援会をつくったり、そうして一軒にしてみれば千円かもわからぬけれども、非常に多額な金を集め、それを堂々と環同組合は政治資金に使おうと発表をしているわけであります。法律の内容もそうでありますけれども、こういう不明朗な運動のもとにでき上がったのが、いわゆるこの改正案だと言っても過言ではないと思います。この証拠は全部われわれは手に入れて持っておりますけれども、非常に不吉な、なすべからざるものをやって、そうしてこういうふうな、つまり必要ない改正をしていただこうということで陳情してきたわけです。われわれは、政治家に対する後援会あるいは政治資金、こういうものは少しもおかしくない、当然であるということを考えております。しかしながら、その間に環衛法の改正と引きかえにそういうものをやったらどうかということです。いま問題になっておりますロッキードあるいはグラマン、そういうものと、小さいと大きいだけで全く同じだと断言さぜるを得ない。
 法律の内容を、時間があればもっともっと詳しく申し述べたいのでありますが、以上をもって私の意見を終わります。
#173
○委員長(対馬孝且君) どうもありがとうございました。
 次に、泉参考人にお願いいたします。
#174
○参考人(泉忠利君) ただいま御指名をいただきました全日本美容業環境衛生同業組合連合会の専務の泉でございます。本日は、連合会を代表いたしまして、このたびの環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部改正問題に関し、美容業界が置かれております状況などについて申し述べさしていただきたいと存じます。
 まず、美容業の現状でございますが、美容所の数は、厚生省の調べによりますと、昭和五十三年の時点で約十四万一千四百店舗となっております。これを昭和三十五年当時に比べますと二一六%、四十五年に比べますと一二一%の増加となっております。この間平均して毎年約七千九百軒の店舗が転廃業いたしておりますが、これを差し引いても、平均して毎年約四千五百店舗がふえております。この間人口は平均いたしまして一%程度の増加率であるのに対し、美容所の数は毎年その三倍に当たる三%の増加率を示しております。次に、総理府の事業所統計調査から、従業員数の規模から見ますと、昭和四十七年においては、店主を含めて四人以下の店舗が企業者の九一・八%、昭和五十年では二人以下の店舗が七三・八%に達しております。その後も年々零細化が進んでおります。一方需要面については、総理府の家計調査年報によりましても、パーマネント及びセットの利用回数は年々激減いたしております。
 このように、美容業は構造不況、すなわち需要と供給のアンバランスに基づく長期から慢性的な不況に陥っております。近年これがますます深刻化しておる次第でございます。このような構造不況を売り上げ規模の面からお示しいたしますと、昭和五十二年六月の厚生省の調査によれば、全業者の九二%を占めている個人経営の従業者数別一店舗当たりの年間の平均売上高は、一人規模の店舗で年間百三十三万円、二人規模の店舗で二百三十八万円、三人規模の店舗で三百七十三万、四人規模で五百四十一万といったきわめて悲惨な状態に置かれております。加えて、近年の経済不況は美容業界に製造業など第二次産業からの相次ぐ新規参入をもたらしております。さらに、近年美容業界内部においても、若年、未熟練技術者によるきわめて安易な新規開業がとみに増加いたしております。こうした新規参入並びに若年、未熟練営業者は、えてして正常な原価を無視した低料金営業、あるいは射幸的な景品つき営業、深夜営業などに走りがちなため、ただでさえ経営不安に陥っている他の大多数の勤勉でまじめな営業者を不公正な競争に巻き込み、業の公正な競争秩序を乱しております。またこうした不公正営業者の多くは、幸か不幸かわずか数年にして倒破産いたしておりますが、最も遺憾なことは、こうした安かろう悪かろう式の営業が消費者からの社会的信頼を失墜させていることであります。これが業の健全な発展をますます困難にしているところであります。
 今回提出されました改正案に盛り込まれております調整事業の一部手直し、消費者の利便を図り、あわせて営業の振興を図るための振興指針の策定、振興計画事業、指導センターの創設及び標準営業約款制度などによる指導体制の整備は、さきに申し上げました美容業界の苦境を克服し、公正な競争基盤を確立し維持していくためには必要不可欠な要件であると存じております。何とぞ一日も早い成立を心からお願い申し上げる次第でございます。
 次に、まことに遺憾なことでございますが、私ども美容業界の内部のきわめて少数の方ではございますが、今回の法改正について反対を表明しておられますが、そのことについて意見を加えさせていただきたいと存じます。
 まず、調整事業について、今回の改正は、営業者が過剰であるので店舗開設の抑制あるいは営業料金等の規制を目的に法制化をしようとしているが、規制の強化は無理であり、営業の自由を侵すもので反対だと主張されております。この主張は事実誤認もはなはだしいものでありまして、開業規制については、改正案のどこを見ていただいてもこのような個所はございません。また、料金の規制強化と言っておりますが、先生方も御承知のとおり、もともと本法は昭和二十年から三十年当時、すでに構造不況などにより激烈な過当競争の状態に置かれていた環衛業者の適切な衛生措置が阻害されもしくは阻害されるおそれがある事態、または健全な経営が阻害されもしくは阻害されるおそれがある事態を営業者の自主的努力によって解決することを主要な目的として昭和三十二年に制定されたものであります。また、適正化規程の設定については、消費者代表も加わった環境衛生適正化審議会の意見を聞き、さらに公正取引委員会と協議の上初めて認可されるものでありまして、消費者の利益を損なうことのないよう厳しいチェックが行われるシステムとなっております。この点については今後とも何ら変更がないものであります。
 また、営業の自由を侵害するので反対だとのことでありますが、資本主義経済下にあって自由な競争は指摘されるまでもないことでありますが、先ほどから申し上げておりますように、公正な競争基盤の確立こそが真の自由競争を確保し得る道であり、これなくして社会の需要の変化に対応したサービスの提供や衛生水準の維持など、美容業の有する社会的使命は果たし得ないものと思料いたしております。次に、近代化を促進しその振興を図るための振興計画事業は、経済的には環境衛生金融公庫の融資制度によって十分であり、振興計画については当該組合が自主的に実施すべきものであって法制化すべきではないと言われております。これも、御高承のとおり、環境衛生金融公庫は、業の近代化、合理化を目的として昭和四十二年に設立され、店舗等における設備の近代化が図られたものでありますが、業の近代化、合理化については、設備資金の融資制度のみで事が足りるといった安易なものではないと考えております。もちろん、振興事業は法制化されましても強制されるものではなく、あくまでも組合が自主的に実施するものでありますが、この制度の趣旨は、業及び組織の零細性、脆弱性、弱体性などにかんがみ、国にその指針を示していただき、その系統立った振興指針に基づき組合が自主的努力によって振興を図り、これを通じて営業の健全な発展、公衆衛生の向上及び消費者の利益を図ろうとするものであります。
 次に、技術開発、技能訓練及び技能審査については、現行の養成制度並びに美容師資格制度で十分であるとのことでありますが、先ほど来申し上げておりますように、低料金営業などによる過当競争は技術の荒廃化をもたらしており、このことは技術そのものの提供を営業の内容とする美容業にとってはきわめて憂慮すべき問題となっております。安全で質のよいサービスを適正な価格で提供することが業としての社会的使命であることに思いをいたせば、反対の方の主張はそれこそ消費者無視もはなはだしいものであります。
 このように、本法改正について反対を唱えている方の主張はきわめてあいまいなもので、取るに足らないものだと存じます。どうか、社会労働委員会の先生方におかれましては、美容業界の圧倒的多数の業者が希求をしております改正法案を、一日も早く成立させていただきますよう、重ねてお願い申し上げまして、私の意見を終わらしていただきたいと存じます。ありがとうございました。
#175
○委員長(対馬孝且君) ありがとうございました。
 以上で、参考人各位の御意見の陳述を終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#176
○安恒良一君 それでは、政府側と参考人と、両方に漸次お聞きをしていきますから、ひとつお答えを願いたいと思います。
 まず第一に、いまクリーニング業界の現状について、賛成、反対の両派から、率直に言って自分の方が多数だ多数だと、こういう話があったんですが、その実態について、厚生省、私が資料要求をしておきましたから、まずクリーニング業界の実態について説明をしてください。
#177
○説明員(林崇君) クリーニング業につきましては、現在組合員の数はお手元に安恒先生御要求の資料で出してございますけれども、三万四千四百九十三名でございます。一方アウトサイダー、非組合員につきましては、二万九千二百八十名ということでございまして、組織率は五四・一%でございます。
#178
○安恒良一君 そこでお聞きをしたいんですが、これをちょっと見ますと、東京なんかはアウトサイダーの方がこの資料で多いわけですよね。東京の場合は五千八百五十三名と六千六百三十九と、こういうことなんです。明らかにアウトサイダーの人はみんな反対だと、こう言っているわけです。そういうふうに地域的に見てアウトサイダーの人が多い場合、その人たちが反対のとき、今回ここで決められるいろんなことの拘束力はどうなりますか。
#179
○政府委員(山中和君) 今回議員立法でこの環衛法改正が出ておりますが、それの遵守義務ということになろうかと思います。これは組合員、非組合員にかかわらず、たとえば全国環境衛生指導センターあるいは都道府県環境衛生指導センター、こういうものにつきましては、今度は環衛組合ということではなくて、財団法人として、第三者機関として法人を組織いたしますので、これによりまして、非組合員あるいは組合員にかかわらずそれによって差別されることはないわけでございます。したがいまして、いま一例申し上げましたが、大部分のいろいろな拘束という意味の、あるいは拘束というとちょっと当たらないかと思いますが、そういう傾向の問題につきましては、組合員、非組合員を差別するということはほとんどございません。
#180
○安恒良一君 そんなことは聞いていない。人の質問に正確に答えなさい。差別なんかと聞いていない。
#181
○政府委員(山中和君) 失礼申し上げました。拘束力は両方平等でございます。
#182
○安恒良一君 両方平等だと言うけど、アウトサイダーが多い方が、たとえば指導センターなら指導センターで決められたことに反対だと言ったとき、その人の数が多いときにどうしてそれが拘束になるんですか、どうしてそれが拘束になるんですか、私は地域的に見て多いところは多いから、そのことを聞いている。そういうことをこの法律はやろうとしているのかと聞いているんです。その少数の方が、いわゆるアウトサイダーが多い場合でもそのアウトサイダーをこの法律によってくくろうとしておるのかどうかということを聞いている。
#183
○政府委員(山中和君) これは実例を申し上げますが、指導センターということに例をとりますと、これは非組合員が多くとも、そこのセンターにおきまして、第三者機関としてセンターが行うべきいろいろな業務というものをいたすわけでございますから、これは非組合員の方に不利益となるということはないと考えております。そのためにこれを法人として、第三者機関としてやろうとしておるものと解釈しております。
#184
○安恒良一君 まず、それではこれも厚生省側に聞きますが、消費者の利益、消費者の利益とこう言っておられ、それがためだと言うんですが、衆議院においても消費者団体反対、参議院においても消費者団体こぞって反対、こう言っているわけですね、こぞって反対。しかも消費者の利益と言いながら、この法律をつくる、まあ議員立法ですけど、どうして消費者の意見を事前に聞かないのかと、こう言っている。その点についてどう考えますか。私は、消費者のためと言うならば、議員立法であろうとだれであろうと、これは厚生大臣が大臣になる前に考えたらしいから厚生大臣に聞くんだけど、どうしてこの法律をつくるときに、それだけ消費者の利益のためと言うならば消費者団体の意見を聞かないんですか。初めて、私ども衆議院、参議院で議論をするときに参考人として呼んでいるにすぎない。なぜ消費者の意見が聞かれなかったか、そのことを聞かしてください。
#185
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、私がいまお答えをするのが適切かどうか、はなはだ判断に苦しむわけでありますが、衆議院の社会労働委員会の理事会においてこの骨子を示せと言われました時点、まだ作業の中途でありまして、各省調整をやっておる最中でございました。そしてその後、その当時の正確な日時等は私もいま記憶をいたしておりませんけれども、こういう大体原案であるということをお示しを申し上げた段階は、各党事前に知りたいからというお話で、まだ最終案になります前のものをお届け申し上げたはずでございます。ですから、これは各省との調整、また法制局の審査等を受けております過程の中で、消費者団体を、あるいは消費者の利益を代表する立場の各省庁の意見というものも当然聞いておった、そういう過程で私は処理を当時はいたしておりました。ただ、現在出されております案は、私の案を撤回した後、与野党で御相談になりまして変更を加えられたものでありますから、その過程の経緯については私が申し上げるのは適切でないと思います。
#186
○安恒良一君 委員長、それじゃ大臣で答弁できないところがあるんでしたら提案者を呼んでください、提案者を。提案者を呼んでください。提案者が来るまでほかのことを聞いておきますから、提案者を呼んでください。
#187
○委員長(対馬孝且君) 続行してください。
#188
○安恒良一君 まず、私お聞きをしたいのは、それならば今度は厚生大臣として橋本さんにお聞きをしますが、実は私、衆議院の社労の議事録を読みました。春野参考人が述べられたことを聞いて、大変、厚生省がこういうことをしていいのかどうかということを私は疑いたくなるんですが、実は厚生省の環境衛生局の林課長が、消費者団体との話し合いに環同組合の幹部を連れていっていると。そしてその中で、これは決して値上げ法ではありません、こういうことをそこでしゃべっておる。そこで、消費者団体並びに六婦人団体の名において、厚生省と環同組合との癒着ではないかという公式の抗議文が出ていると、こういうことが載っている。私は、そうでなくても、後から順次問いただしていきますが、これは一部政党の幹部といわゆる環同組合との癒着問題、さらに厚生省の癒着じゃないかという、この疑いが持たれているんですが、そういう中にそういうことをしたということが公式に春野参考人から述べられているんです。私は全くそういう行動は厚生省の官僚としてやるべきことでないと思うのですね。それは議員立法でつくっているんならつくっている最中に、厚生省が案内をして、しかもその案の中身について厚生省の一課長がしゃべるというのはどういうことなんですか、そのことについてどのようにお考えになりますか。
#189
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま安恒さんから御指摘になりました件につきまして、十月十一日付で厚生省の環境衛生局長から、その公開質問状に対する回答を申し上げております。その骨子は、「今回貴団体代表者と全国環境衛生同業組合中央会との会合に担当課長等を出席させることとしたのは、この会合のあっせん者という立場を考慮したものであり、また、その関連において、話合いの過程で行政当局に対するご質問等があればそれにお答えすることといたしたいという趣旨」であったということであります。「また、担当課長の発言は、厚生省としては法の運用に当たってこの改正法案が成立をみた場合においても真に利用者、消費者の利益に資することとなるよう、関係営業者及び環境衛生同業組合等の関係団体に対する指導監督を厳正に行う方針であり、例えば適正化規程の設定に関しても、それが料金の値上げ等の手段として悪用されるというような事態は、今後とも生じさせることのないよう万全を期したい旨をご説明申し上げたものであります。」、このような回答をいたしておるということであります。
#190
○安恒良一君 たとえば、添加物その他いろんな問題で、消費者団体がぜひ厚生省に勉強会があるから来てくれと、こういうときには出ていかないというんです。そして、頼みもしないのに押しかけ女房で出てきて、いまになったらそういう答弁内容整えているかわからぬけれども、これはテープでもそのときのやつ起こしてみなきゃいかぬ。しかし、私はこういう行動はよくないと思う。今後もこういうことやるんですか、厚生省。国民に誤解を与えますよ、こういうことは。頼みもしないのに出ていって、そしていまになるともっともらしく、こういうことは答えました、ああいうこと答えました、言った言わぬは水かけ論になるでしょう、後から。そのときテープでもとっておけば別ですよ。そういうことがいわゆる官僚と一部団体の癒着ということに、そしてそれが政治不信につながる。そういう点についてどうですか。
#191
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは安恒さんの御指摘でありますけれども、大変微妙な問題を含んでおると思います。たとえば、きょうお見えの参考人の方々の中に、クリーニング業界の方、賛成、反対両方の立場の方をお招きのようでありますか、このクリーニング団体――環衛同業組合と全協の両者の話し合いにも、実は厚生省はその土台づくりをし、話し合いのあっせんをしたこともございますし、また、理容業界、美容業界の間で接点部分についての論議が闘わされましたときにも、これは逆に、両団体のむしろ御要望もあって役所が仲介に入ったりしておることもございます。ですから、一概に私は、こういう場合に絶対厚生省の係官が出席をしないと申し上げるわけにはいかないと思います。ですから、これは個々のケースにおいて、やはりそういうお話し合いの中に役所が入った方がいいと判断をされる場合には、当然担当官は出席をいたすことになろうと思いますし、さもないときにはそれはもちろん御遠慮するのが筋でありましょう。
#192
○安恒良一君 いや、ぼくは両方から出てきてくれというときに出ていくななんという、そんなばかなこと言ってないんですよ。そんなものはあたりまえだ。役所はサービスするんだから。そうじゃなくして、今回のこのケースのことを言っている。今回消費者団体から、厚生省の担当課長出てきてくれという要望があったんですか、婦人団体から。そんなことないじゃないですか。そういう要望があったときには当然ですよ。それから、大きな紛争なんかが起こって、行政当局としてどうしてもやはり割って入らなきゃならぬこともあることも、そんなことは百も承知しているんですよ。そんなこと聞いているんじゃない。今回の場合のやり方については、消費者団体から要望がないのに――それはなるほど一方からは頼まれたでしょう、橋渡ししてくれと。しかし、その場合にはちゃんと消費者団体に断って、こうこうこういうことをしたいんだと、そこで消費者団体もよかろうというときに初めて出ていくべきじゃないですか。片っ方から頼まれたからといってすぐ出ていくと言うから癒着ということになるんだ、癒着。そのことをぼくは言っている。一般論じゃだめだ、一般論。今回の場合のことについて言っているのだ。
#193
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、これが出ていったのがあるいは不適切であったかもしれないと、この時点にさかのぼって考えれば、あるいはそういう判断もいまからできるかもしれませんが、当時としては厚生省はいま申し上げたような趣旨で出席をしたということでありますし、私どもこれから個別のケースについては十分気をつけて判断をしたいと思います。
#194
○安恒良一君 まあこれはあなたが大臣のときじゃないんだからね、あなたばっかり責めても。局長、どうなんだ。こんなやり方というものは国民に疑惑を――橋本さんはその後大臣になったんだからやむを得ない。私が言ったように、両方から希望されるとか、どうしても厚生省として割って入らなきゃならぬというときはいいと言うんだ。そうでないときに押しかけ女房というのはよくないじゃないかと言っている、一方が頼んだだけ。そのことどうなんだ、君は、環衛局長。
#195
○政府委員(山中和君) 当時の状況を申し上げますと、会合のあっせんをしたということで私が出したわけでございますが、片っ方の消費者団体に対して、このことにつきましてやっぱり了解を得るとか、そういうことをしなかったのは遺憾だと思います。
#196
○安恒良一君 わかりました。遺憾と言うんなら、今後こんなばかげたことをして疑惑を持たれないようにしてください。厚生行政というのは国民に対するサービス行政なんだから、国民から疑惑を持たれたら終わりなんだ。
 そこで、今度は具体的な法律の中身について少しお聞きをしたいと思いますが、まず要綱の第三項に、環境衛生同業小組合の設置があります。問題は、カルテルは小地域であればあるほど私は容易にできると思います。現在は、たとえば料金なら料金の場合に都道府県単位にやられているのでありますが、今回は、小組合によっていろんなことが決められる、こういうふうになっておりますが、私は、小組合によりますと、いわゆる隠れたカルテルの危険性が一層増すと思いますが、この小組合の規模はどういうふうにするか。たとえば、いまは料金なら料金については都道府県単位に関係審議会なんかの意見を聞きながら決めているわけですね、これは。ですから、今回は環境衛生同業小組合の設置要綱が第三項にありますが、そこのところの小地域であれば小地域であるほど私は問題が出てくると思いますが、そういう点についての歯どめはどうするつもりなんですか。
#197
○政府委員(山中和君) 環境衛生同業小組合のこの制度でございますが、これはその小組合の事業といたしましては、環境衛生同業組合の事業で現在法定化されております共同経済事業というのがございます。たとえば、飲食店で共同に物を購入するとかいうものでございますが、そういう場合につきまして、いまの例のように、たとえば飲食店営業でもって生鮮食料の共同購入事業をやると、こういうような場合には県単位ではちょっと無理であるという場合があるわけでございます。こういうときにその小組合という制度をつくりまして、そこで共同購入事業とか共同事業ということをするということでございまして、料金とか、それから販売価格の制限とか、そういうような調整事業をやるものではないわけでございます。したがいまして、この小組合の大きさということの御質問でございますが、もちろんこれは政令によって決めることで、現在どのくらいということはまだ考えておりませんが、これはたとえば現在保健所単位とか、そういういまの環同組合の支部というのもあるやに聞いておりますが、そういうあるいは保健所単位ぐらいと、そのくらいの規模ということで、やたらと小さい規模で共同購入事業というものをやるというふうには考えておりません。
#198
○安恒良一君 そうすると、保健所単位ということになると人口十万ぐらいですか。
#199
○政府委員(山中和君) この共同事業というものの、今回の法改正の趣旨を照らしまして、やはり私先ほど申し上げました支部というような感じでとらえますと、私保健所の管轄単位ぐらいじゃないかと申し上げましたので、その場合の人口とか、そういう問題はまたこれから詰めなければならぬと思います。したがいまして、十万と、一般に保健所十万と言いますが、都市においてもずいぶん人口が違っておりますし、そういう意味におきまして人口何万ということはちょっとこの際まだ申し上げられないんじゃないかと思います。
#200
○安恒良一君 まだ申し上げられないじゃ、そんなあいまいなことでは困るんだよ。環境衛生同業小組合の設置基準というのは非常に重要であって、この要綱の第三項を見る限りにおいてわからないから聞いているのであって、あなたは保健所単位と言うから、わが国の保健所単位というのは大体人口十万人当たり一カ所と、これが保健所の設置基準になっているんだよ、若干の出入りはあっても。だから、そこのところについて、いやいやまだまだこれからですと、そんなことで法律審議できないよ。法律の審議できないよ。少なくともどういう地域、たとえば地域の広さとか、人口なら人口とか、そういうものを勘案をして、いわゆるやるならやるということを言わなけりゃ、そんなあんたあいまいなことでどうしてこの法律が審議できるんだ。審議できない、そういうことじゃ。
#201
○委員長(対馬孝且君) 委員長から政府側に申し上げますが、質問の答弁ということにやっぱりきちっと、質問と答弁がすれ違いになっては問題解明することにならぬから、その点やっぱりポイントにきちっと答えてもらうと、明快な答弁をしなさい。
#202
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、最初にちょっとおわびを申し上げたいんでありますけれども、性格が議員立法でありまして、委員会提出のものを政府が答弁するその一つの限界がありますことはお許しをいただきたいと思います。
 ただ、いま考えられておりますのは、組合の地域内として考えられている都道府県の中で、その一部を対象とするということでありますから、おおむね私どもとしては保健所単位ぐらいということを基本に考えております。
#203
○安恒良一君 さっきから私言っているように、議員立法だ、議員立法だと言うから衆議院からあれを呼んでください。そうでないと何聞いたってすぐそこで逃げられたんじゃどうにもならぬからすぐ呼んでください。担当者、答弁者を呼んでください。そして進めていきますから。でないと進みません。(「提案者呼んでこい提案者、衆議院の提案者連れてこい。休憩だ」と呼ぶ者あり)その間休憩してください。委員長、休憩を。
#204
○委員長(対馬孝且君) いま調整していますから。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#205
○委員長(対馬孝且君) 速記を始めて。
 暫時休憩いたします。
   午後三時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時十九分開会開会
#206
○委員長(対馬孝且君) それでは、ただいまから委員会を再開いたします。
 安恒君の質疑を続行いたします。
#207
○安恒良一君 それでは、もう一回そこのところを聞きますが、小組合の設置の基準ですね、基準は、たとえば人口で見られるのですか、それとも地域もしくは地域と人口の加味の中でおやりになるのですか。やはり私は、小組合の設置基準、規模というのは非常に重要だと思いますので、その点についてお答えを願いたいと思います。
#208
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま私どもといたしましては、おおむね環衛組合の支部が大体保健所単位でありますことにかんがみまして、保健所単位で設定することを至当と考えております。
#209
○安恒良一君 保健所単位ということですね。そうすると、いまさっきも私が言いましたように、保健所というのはおおむね人口十万に一カ所というのがほぼ設置基準になっていますが、それでいいですね。
#210
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大体の場合そのとおりにいけると私は思っております。ただ、大都市部のように非常に人口の密集したところ、また郡部の中で地域の分散しておりますようなところ、多少の特例はこれは必要があるかもしれません。しかし、おおむね保健所単位程度と、そのように私どもは考えております。
#211
○安恒良一君 次に、要綱第四の二でありますが、振興計画の作成、認定です。組合員たる営業者の営業の振興のための事業を組合が行なうことは、従来自主的に行っていたことでありますが、今回の改正では厚生大臣の認定を要するものとし、それを要件に租税特別措置法等を認めると、こういうふうに、行政の介入が非常に大きくなるような気が私はいたします。
 そこで、現行法の第八条によって十分にこういうことができると思いますが、現行法の第八条にこのようなことが書いてあるにもかかわらず、なぜこの振興計画の作成と認定と、こういうことをされたのか。どうも私は、いまも参考人の中からも一部御意見がありましたように、現行法の八条で十分に行えることだ、むしろこういうことをやることは組合の自主性を阻害するんじゃないかと、こういうことを言われていますが、この現行法の八条と今回の改正について、この考え方を明らかにしてもらいたい。
#212
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘のような考え方もあるいは私は成り立つかもしれないと思います。ただ、私どもがこうして考えておりますゆえんというものは、環衛業というものが、その大部分が中小というよりもすでに零細に近い企業の集合体でありますために、それぞれが経営基盤が非常に弱体でありますし、また衛生上特別の規制を受けておるようなことも一つの理由として、このような点に着目をした営業の振興を計画的に図っていく措置を講ずる必要がある、そうした観点からこうしたものを考えたと思います。また同時に、非常に人手に頼ることの大きいサービス業が中心でありますだけに、機械化また合理化に必ずしもなじまない部分等もあるわけでありまして、私どもは、この振興計画とあわせて、むしろ近促法によるよりも独自の振興指針法をつくる方がよろしいと、そのように判断をしておるわけでありまして、この部分両方あわせて考えておる次第でございます。
#213
○安恒良一君 現行法の第二節に、「組合は、第一条の目的を達成するため、次に掲げる事業を行うものとする。」ということで、一号から十二号までいろいろなことがやれるようになっているわけです。この部分のどこがいわゆる差しさわりがあってこのように変えなきゃならないのか。私は、これだけのことをやっていけば十分に、振興計画の作成とか認定とか、そういういろいろな、ここに新しく考えられているようなことを十分やれるというふうに現行法を読んでおりますから、この現行法のどこに問題があるのか。どこに問題がある、だからこういうふうに変える、こういうふうに説明してください。そうするとわかります。抽象論では困ります、現行法がきちっとしているわけですから。
#214
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かにこの第八条の一項にずっといろいろな事業が並んでおりますわけですが、たとえば一つ経済事業等を考えてみました場合、いまの時点、都道府県単位でできております環衛同業組合、必ずしもその経済事業等がうまくいっておりません。それは私は、一つは地域の広さまた構成メンバーの数の非常に多いこと等々も影響しているのではないかと、こう考えております。そうした点を考えていきますと、むしろはっきりとした振興計画、また指針といったものを考えていく方がより実態に即するのではないか、そのように判断をいたしております。
#215
○安恒良一君 いま大臣のお答え、ちょっとピントが外れているんじゃないですか。県単位では広過ぎると、そういうことになれば、その広過ぎるということは、いま言われたようにいわゆる小組合を保健所単位にやるということですから、広さの問題、量の問題は解決する。私がいま聞いていることは、いわゆる中身の問題として、第八条と今回のこの振興計画のいわゆる要綱の第二の関係で、この八条のここがやはり問題があるからこういうふうに変えたんだということを言うてもらわぬと、規模の問題はもうすでに前の議論で済んでいるわけですからね。いまあなたが答えられたのは、県単位ではいろんな支障があるとこう言うんだから、それは小組合をつくることによって解決する。問題は、いわゆる今回の新しい法律と第八条との関係について、中身で第八条にはやはりこういうところが抜けているじゃないかとか、こういうところは少し足さなければいかぬ、だからこうしたというふうに言っていただかないとわからない。
#216
○国務大臣(橋本龍太郎君) 具体的というお話で、例が少し適切を欠いたかもしれません。ただ、先ほど申し上げましたように、確かにこういう幾つかのいろいろな事業を構想しているわけでありますが、ところが、現実にこの現行法規の中でなかなかそれがうまく動いておらないという実態を考えますと、むしろ経営基盤の非常に弱体な業者の寄り集まりでありますこの業界に対して、むしろ業界独自としての振興計画を持つ方がよりベターであると判断をしておると思います。
#217
○安恒良一君 いや、大臣やっぱりあなた責任を持って答弁することになっているのだから、理事会で。そんな抽象的では困るんですよ。たとえば第八条のどの条項が動いてないからこう変えるという、中身の問題ですからね。そんな一般論をあなたに聞いているのじゃないんですよ。たとえば、この第八条の一から十二号までありますこの中のこの号がやはり問題があるとか、ここが動いてない、だから今回はこういうふうに変えるのだという御説明でないとそれは納得できないんですよ、大臣。
#218
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから私は、現行の第八条の中にいろいろな事業がありますけれども、現実にそれよりも各業種ごとに振興指針を定めていく方が実際上ベターであるというふうにいま申し上げておるわけでありまして、その場合に、結局振興指針に適合する振興計画をつくられた組合または小組合に対して資金のあっせんとか、いま御指摘ありましたように共同事業に対する税制上の優遇措置とかといったことを設けていくことによって、より実際にこうしたものを動かしていこうとしているわけであります。
#219
○安恒良一君 じゃお聞きしますが、そうするとあれですか、この第八条というのは業種ごとの適用になっているんじゃないですか、これは。あなたは業種ごとにつくった方がいいと言うが、これは第八条は業種ごとになっていますよ。いま少しきちっと答えてくださいよ、やはり。これはちゃんとこの第八条は環境全部ひっくくっているのじゃありませんよ。理髪業は理髪業、何々は何々と、これ全部業種ごとに運営できるようになっていますよ。ですから、いまの答弁も適切欠いていますね。
#220
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから先ほど申し上げたわけでありますが、たとえばこの八条の中に、こうした振興指針に基づく振興計画というものを組んだ場合の税制上の優遇措置というようなものは入っておらないわけでありまして、そうした観点から前進を図っておると、こう申し上げておるわけであります。
#221
○安恒良一君 そうしますと、税制上の優遇措置ということは、それならばこれに税制上の優遇措置をおつけ加えになればいいことじゃないですか。この八条の一から十二に書いてあることは支障がないんだと、しかも業種ごとにできるんだし、事業の振興もできるんだと。しかし、やはり中小零細企業であるからどうしても税制上の優遇措置をこの際つけてやりたいとおっしゃるならば、これは八条は八条にして、そして税制上の優遇措置のことを別途に法律でお考えになればいいことだと思いますから、やはりもう少し、局長も横についているんだから、よくそこのところをきちっと答弁してくださいよ。大臣一人で苦しんでいるわな、あなた。私は聞きながら余りいじめるのきらいだけれども、しかし肝心なところだから、ここはね。
#222
○政府委員(山中和君) 第八条は現在の環同組合の事業を規定しておるものでございます。今度は振興指針と、今度の改正につきましては。まあこの事業はここに定められておりますけれども、実際には業種によっては非常に零細でございますし、そういうことでこういう事業が進まない、進んでいないということを勘案しまして、まず厚生大臣が振興指針を決めると。振興指針というのを決めるということは、いま先生、後に税制措置があると、助成の措置があると言いますが、そのためにも振興指針として振興の目標とか、あるいはその目標達成に必要ないろんな事項とか、そういうものを指針として決めまして、やはりその指針にのっとって各必要な業種につきまして振興計画をつくると。これは一つ一つの地域でつくるわけでございまして、そういう計画をつくる。こういうやはり一つの一貫性を持った組織にしないと、いままでの法に考えておりました事業というものは振興しないということに関しまして今回振興指針をつくり、振興計画をつくるということを規定したわけでございます。
#223
○安恒良一君 何か、かなり自信のなさそうなおろおろした答弁ですが、まず聞きますと、組合員たる者の営業者の営業の振興のための事業というのは、従来から自主的にこの第八条に基づいて行ってきているわけでしょう。そうでしょう。十分に従来から行ってきている。今回の改正では、これが厚生大臣の認定を要するものとして、その認定と引きかえにその所要の要件に租税特別措置法というものが認められているわけだ。だから私はこれは行政の介入を大きくすることじゃないのかと。現行法でも必要があれば第八条の適用によって十分できることだし、むしろ参考人の中の半分は組合の自主性を阻害すると、そんなことは私たちでやれますと、こう言っているんだよ。にもかかわらずに、あなたたちがこういうことをすることについての真意を聞いているのであって、そこで私が盛んに聞いているのは、八条はどこにこの足らない点があるんだろうか。どこに足らない点があるんだろうかということになると、私がこの八条を読む限りにおいて事業の振興に関して何にも抜けているところないんですよ。事業の振興をやろうと、ただあとは何かというと、厚生省のいわゆる認定ということと引きかえに租税特別措置法と。それならそのように正直に言えばいいことであって、何か振興をやらなきゃいかぬと。振興というのはこれで十分できるんです、第八条で。いろんなことが書いてあるんだよ、これ。どうですか。
#224
○政府委員(山中和君) 今回の法改正は、やはり現在の環衛業が時代の変化とともに非常に過当競争とか、そういうことで非常に因難を来しているということに端を発しておるのでございまして、したがいまして、ここに現法で第八条に書いてありますことは現在までの組合の事業でございまして、これは事業としてここに掲げられておりますもので、これが実際にはこの事業が十分満足するほどに行われていないということから、やはりこれは振興計画というものにのっとりまして、そういうものをちゃんと策定して、それで実現をしないと実際の目的が達せられない、こういうことでございまして、したがいまして新たに振興計画というものを規定したわけでございます。振興計画をつくるに当たりましても、ただ一つの基準もなくつくるのではなかなか目的が達せられないということで、これは統制ということじゃなくて一つの指針を、非常に大まかな指針を厚生大臣が決める、こういうことになっておるわけでございます。こういうものをつくるに当たりましても、やはり中央環適等の審議会の議を経ましてつくるわけでございまして、そういう意味で官僚統制というようなことにはならないかと存じます。
#225
○安恒良一君 時間がないんだからもう少し的確にぱっぱっと答弁してください。
 事業と振興といって、振興と事業と関係ないような話をされていますけれども、この第八条でいろんな事業ができるわけでしょう、これで。しかもこの要綱も振興事業と書いてあるんだ。だから、振興と事業というのは表裏一体のものでしょう。そういう場合に、私があなたにお聞きしたいことは、たとえばクリーニング業ならクリーニング業の場合に、この第八条ではこういうふうにうまくいかないんだ、だから今回は振興事業ということで振興計画を立てればこういうふうにうまくいくんだということを、クリーニング業でもいいですし美容業でもいいから具体的に言ってください。でないと言葉のやりとり、時間がもったいない。具体的にこの事業と振興事業との関係について、クリーニング業の場合にはこういう問題点があるからここで振興計画を立てて振興事業をこうすればこういうふうにうまくいくんだと、これをちょっと説明してください。
#226
○政府委員(山中和君) 一つは美容業あるいは理容業、それから飲食業……
#227
○安恒良一君 いや、私が聞いたことはクリーニング業と美容業のことを聞いている。飲食業のことは聞いてない。
#228
○政府委員(山中和君) 美容業は非常に過当競争になっております。それで、これはこういう事業を規定いたしましても、全体が過当競争にあえいでおりますのでなかなかこの事業を進めることができないというのは現在の環境からいって御理解できるかと思います。それで、こういうことにつきましては、いろいろ共同事業やなんかも考えましてその振興計画というものをつくるということでございます。
 クリーニング業におきましては、きょう参考人の方々からの意見もありますように、これは特に環衛法ということじゃなくとも機械化できる業種であるということで、これは実際には近促法の適用も受けておるわけでございます。しかしながら、現在機械化によって、機械化するということは悪いことではございませんけれども、いろいろ機械化できないという部分もございますので、そういうところにおきましては特に実績が上がらないということで、やはり今後環衛法によった振興計画というものが必要かと存じます。
#229
○安恒良一君 わかりました、美容業は過当競争と。第八条の一、二、三を読んでごらんなさい。過当競争は完全にこれで防止できるように書いてある、第八条の一、二、三。過当競争の制限についてはここにちゃんと書いてある。「料金又は販売価格の制限」、さらに「営業方法の制限」、そこまでちゃんと書いてある。あなたの答えは適切でないじゃないか。美容業は過当競争である、だからこれによって過当競争を防止するということ、すでに第八条にきちっと過当競争の防止については書いてあるじゃないか。これを適用すればどんどんできるじゃないか。あなたの答えは適切でない。
#230
○政府委員(山中和君) ここの八条にございますのは、なるほどここの一、二、三におきまして過当競争の防止ということをもちろん目的としておるわけでございます。しかし、やはり現在の組合組織、それから組合を中心にした環衛事業という中ではなかなかこれが進まなかった、やはりこの目的が達せられなかったという現実があるわけでございます。それで、今回はこれをやはり一つの計画というのは一貫した計画としてこれを推進するということがどうしても必要だという、そういう必要性にのっとりまして振興指針、振興計画ということができたわけでございます。
#231
○安恒良一君 一貫した計画という、それがわからないんだよ、どういう意味なのか。だから私は、では美容業で議論しましょう。美容業の場合に一貫をした計画というのはどういうことなんですか。過当競争防止には一から三まで書いてあるんだけれども、この以外に一貫をした計画というのはどういうやり方をあんたたちはしようとするの、過当競争防止するために。じゃ美容業の場合に、この法律に基づいて一貫した計画、一貫した計画と盛んに言っているが、どういう計画をするのか、一貫したその計画を聞かしてくれ。
#232
○政府委員(山中和君) 一貫した計画と申しますのは、いま個々の美容業におきまして、現在あります法律にのっとります項目を実現するということを、一つの、たとえばある地域でこういうことが起こったからこうしょう、こういうことが起こったからこうしょうという個々の手当では、結果としてはなかなか、いま過当競争という一つの例を申し上げましたが、過当競争というものの最後の解消というのがなかなか困難であると。それで振興指針というのは、やはりその目標を美容業なら美容業としての、その一つの県単位なら県単位としてのどういう目標を立てるかと、あるいはその目標の達成にどういうことが考えられる、たとえばある目標年次を決めまして、そこで衛生施設の水準やサービス、そういうものの内容の目標を立てる、あるいは施設の整備計画をそこの美容の業種の中でもって決めていくと、あるいはその中で共同経済事業ができるんだったらそういうものを取り入れるというような、そのほかにも従業員の福利厚生というのもいろいろあると思います。そういうものをもう全部その一つの計画の中へ入れまして振興させないと、こういう現法における目的も達せられないと、こういう認識でございまして、それによって新振興計画というものに基づいてやろうと、こういうことでございます。
#233
○安恒良一君 また私の聞いたことをだんだん広げていってるので、窓口をしぼってやらないと時間がもったいないからね。私がいま聞いていることは、振興計画の中の振興事業の問題について聞いているんですね、振興事業の問題。その振興事業の中であなたが一番挙げられたのは、過当競争を防止をするんだと、こう言うんだから、そうすると私は第八条において過当競争は十分防止できることになっておると、じゃそれ以外に何かあるのかと聞いたんで、そしたら今度は施設から従業員の宿舎から、そんな話をしてるんじゃないんだよ。的確に答えてないじゃないの。いまあんたは過当競争で私に答えたんだから、いま過当競争のところを掘り下げて議論しないと、話を横にどんどん広げていったら時間が幾らでもたちますよ。そんな、質問時間は制限されておるからって話を横にむちゃくちゃに広げるということなら質問やめますよ、ぼくは。もう少し、窓口をしぼっていま議論しているんだから。私が聞いていることは、過当競争を防止をするということはこれで十分できるでしょうと。しかしあなたはできないとおっしゃるなら、じゃ過当競争を防止をする振興事業計画というのは何ですかと聞いている、何ですかと聞いているんです。
#234
○国務大臣(橋本龍太郎君) たとえば、いま現実の一つの例を考えてみますと、一つの都市に非常に低料金で、しかもある程度の資本力を持った理美容店が開設をしたといたします。そうしますと、その地域における零細業者にとってはこれは競争上致命的な打撃を受けるケースがあるわけでありますけれども、これをたとえば都道府県単位で見れば、それがその地域においては過度の競争でありましても、全体における過当競争ということにはなかなか認定ができないような場合もたくさんあるわけであります。で、私どもはいまそうした事態に対応して、個々の小さい業者の方たちがそれなりのサービスでありますとか、衛生施設の水準でありますとか、あるいは経営のやり方等で対抗していける状態をつくり出すためにその振興計画あるいは振興指針というものを使っていこうとしているわけでありまして、その意味では、安恒さんの御指摘になるこの第八条から、私どもはそれをより具体的に実施していく手法として振興計画、振興指針というものを考えていると、そう御理解をいただきたいと思います。
#235
○安恒良一君 それじゃさらに聞きますがね。大手資本が出てきて非常な安い料金でやると、中小零細企業を圧迫をすると、だからそれを守らなきゃならない、それに対して対抗していく方法を考えると言うんですがね、具体的にこの振興事業の中でどういうふうに対抗するんですか、そういう場合に具体的にあなたがいま言われたようなことについて。あなたは対抗手段を講じなきゃならぬと言われる。それと、いわゆる振興計画との関係はどうなるんでしょう対抗手段と。
#236
○国務大臣(橋本龍太郎君) 振興計画そのものは、基本的なたとえば共同化事業でありますとか、あるいは従業員の技術開発の研修等を中心として組まれることになるでありましょうが、これはそうした個々の小さいお店の一つの抵抗力といいますか、大手資本に対する対抗の力をつけていく私は手法だと考えております。そうしますと、たとえば安恒さん、理容、美容で例を引かれたわけでありますが、ちょっと失礼して飲食で例を引かせていただきますと、たとえば吉野家のいまの牛どんのチェーンでありますとか、あるいはそのほかにも大手フーズの非常に大きな進出というものがこのごろ目立っております。これはこれで一つの食品の流通の新しい手法としてそれなりの意義を持つものだとは思いますけれども、同時にそれによってたとえばほんとに小さな、御夫婦だけでやっておられるような飲食店に相当な影響が出ていることもこれは事実でありまして、こういう場合に、この協業化事業を利用することによって共同冷蔵でありますとか、共同購入でありますとかという事業そのものは、これは直接その経営の内容を改善していくことに役に立つわけでありますし、また技術研修等の共同事業というものは質的な向上をも生み出すものでありますし、また個々の小さな業者の方たちだけでは、その従業員のための福利厚生施設が用意できないようなものに対してもある程度のブロックの中でそうしたものをつくっていくこともできる、私どもはそういうことによって、まあ抵抗力をつけるという言い方が正確かどうかわかりませんけれども、個々の小さなお店がそれぞれの特色を持ちながら大手のものに対抗できる状態をつくり出したい、そういうことをこの中に考えておるわけであります。
#237
○安恒良一君 だんだん話が価格問題から横にそれてきましたね。最初私は価格問題で議論をしておったんですが、あなたが言われたような共同仕入れであるとか、共同の保育所、いわゆる従業員の施設をつくると、そういうことは私は何も議論をしているわけじゃないんですよね、これは。話をだからだんだん横にそらさないでくれと私が盛んに言っているのはそこなんです。私はいまさっき、当初この第八条について、現在の振興計画と第八条の関係と言われたときに、最初にあなたも、それから局長も挙げられたことは、いわゆるダンピング競争の防止のためなんだと、こう言われるから、不当価格が出てきたときの防止だと、それが一番だと言うから、それで議論しましょうと言ったら全然そのことは何にもないわけです。それでだんだん共同仕入れとか、それからいわゆる従業員の福利厚生をやると、共同化ですね。たとえば、それじゃ美容店の場合に、これによることによって美容店のどんどん共同化が進んでいきますか、具体的に美容店というもの。美容というものはそんな大きい――まあ飲食業の場合にはわかりますよ、共同仕入れ。私がだからあえて美容とクリーニングを挙げたんです。美容とクリーニング業界からいろいろな意見が来ているから。美容業の場合にいわゆるそう共同化ができますか。美容業というものはそんなにやたらに規模を共同化してみたところで問題の解決にはならぬ。というのは、これは手仕事ですからね、技術ですから。いわゆる五人よりも十人のパーマネント屋つくったら、二十人つくったらそれで対抗できるという問題じゃないですよ。そうでしょう、美容業の場合に。どうですか。
#238
○国務大臣(橋本龍太郎君) それは私は安恒さんの御指摘のとおりの要素があると思います。ただ、ですからこの法律案の中においても、振興計画または振興指針というものを強制してつくらせる姿にはしておらないわけでありまして、業界自身のこれは自主的な作成に係るもの、それを厚生大臣は認可をするという形態をとっておるわけであります。
#239
○安恒良一君 この問題はこれぐらいにしておきましょう。時間がだんだんなくなっています。そこで、あと都道府県及び全国指導センターの設置が要綱の第五にありますが、まずセンターの設置がひとつやはりいろいろ心配されているのは、いわゆる厚生省の天下り先となりはしないかと。それから第二番目には、指導センターの業界規制が強化されはしないか、それによって今度は逆に、一定の企画が推進されてそれについていけない零細企業を今度は逆排除する、こういうことがありはしないかという問題。それからその次は、センターで容認しないと。しかし、たとえばこれもわかりやすいことで言いますと、美容業なら美容業の場合にだんだん新しい技術が開発されているわけですね、美容業の場合には特に。そういう場合に新技術の導入が阻害されはしないかと、こういうことを私は指導センターの場合に考えるんですが、そこらについてはどうでしょうか。それからまた、それらについての歯どめをどうしようとされているんですか。
#240
○政府委員(山中和君) 環境衛生営業の指導センターでございますが、天下りの件が一番最初にございましたが、これはこのセンターは、たとえばその中の役員ですか、役員につきまして、別に県知事の認可とかそういうことはございませんで、自由な第三者機関の財団としまして役員を選定するので、天下りということはないと思います。それからまた、これにつきましては商工会の役員も入れるということにしてございますので、決して天下りということが通用するとは思いません。
 それから、官僚統制というお話でございますが、センターが個々を統制するというお話でございますが、実はここでのセンターとしての事業は、経営相談とか苦情処理、あるいは情報の提供やそういう意味での第三者的なサービス機関でございます。それで、財団法人として設けられるところに設けていくということでこれを進めるということをしておりますので、この統制ということはこの中には入っておらないと思います。運営に当たりましても、組合、非組合員を問いませんで、これは第三者機関の財団法人としてすべて平等に対処するということでございますから、これに対しても一部統制をしてどうこうするということは起こらないと思います。
 それからもう一つ、零細業者を圧迫するということでございますが、これはこういう営業相談、経営相談、あるいはその他のサービスをするということでございますから、これは消費者のサービスと同様にこの零細企業につきまして特に相談に乗り、あるいは指導をするという機関でございますので、決して零細を圧迫したり、あるいはいま一つ美容界における技術の導入という問題がございましたが、こういうものは合理的にそこへ組み込んでいくということで指導をなさると思いますので、そういうことはないと思います。
#241
○安恒良一君 天下りがないと思いますじゃ困るんで、この前も予算委員会で、かつて薬務局長や事務次官をしている人が製薬業界にまた近くも行くということで同僚委員から問題にされたでしょう、厚生大臣。ですから、私はやはり、なるほど指導センターの役員をどう置くかというのはみんなで相談をするということになっていますけれども、私はやはり、もしもそういう答弁をしておって、でき上がって厚生省の役人の古手が行ったときはどうしますか、あなたたち。製薬業界との関係でも、事務次官や薬務局長をしている人が製薬業界に入り、内閣に入って官房副長官になって、やめたらまた製薬業界に行く。国民は非常に疑心を持っていますよ。だから同僚議員がこの前予算委員会でも問題にしたんです。ですからそういう点について。
 それからその次、私はこのことをお聞きをしたいんですが、いわゆるこの全国指導センターが「環境衛生関係営業に関する技能の改善」、これはわかりますよ。ところが「若しくは審査」と、こうなっている。いまさっきも参考人から言われたように、理容師なら理容師、美容師なら美容師、それぞれ国家試験なり都道府県の試験をきちっと受けておる。それが審査と、この審査というのは何をやるんですか、審査というのは何を審査するのか。これが一つ。
 それからいま一つ、やはり「標準営業約款を作成すること。」とあるが、標準営業約款を作成するときに、たとえば実質上のアウトサイダーを規制するおそれがあると私は思いますが、そういうことは絶対ありませんね。アウトサイダーを標準営業約款によって規制することはないと、そういう心配はないと、こういうふうに承っていいでしょうか。
 それからいま一つお聞きしておきたいんですが、たとえば国会なら国会に理髪屋もあります。大企業なら大企業でやっているとか、いろんなところで事業内において理髪屋や美容院等もあります。それはそれぞれの特殊料金でやっています。そういうものについても今回の場合については規制はないと、こういうふうに承っていいですね。これはたくさん、労働条件にも関することですからね。以上の点について質問をします。
#242
○国務大臣(橋本龍太郎君) 審査の問題につきましては、これは技術的な問題ですので政府委員からお答えをさせます。
 最初の天下り云々のところでありますが、私どもそういうことを行うつもりはございません。ただ、それは絶対に、それでは逆に、関係者全部から厚生省から人をよこせというような場合が絶無だとは言えないわけでありまして、私はそういうことを積極的にやるつもりもありませんし、厚生省もやるつもりもありません。これははっきりそこだけは申し上げておかなきゃいかぬと思います。
 また、標準営業約款が、むしろ御質問のような心配を招くのではないかというお話でありますけれども、標準営業約款そのものが、サービス内容の多様化に伴って提供するサービスの内容と、それから、その表示の方法がまちまちであるために消費者の利益、また期待等にたがう事態が生じているようなこともありまして、利用者または消費者の選択の利便を図ることを目的として提供するサービスの内容を明らかにする。たとえばクリーニングにおける処理内容の明確化でありますとか、その表示の適正化でありますとか、損害賠償の要件、金額等をその主な内容として定めるものでありまして、この認可要件自体も明確にしておるわけでありますし、また、これを認可いたしますときには、中央環境衛生適正化審議会の意見を聞くなどの手続をきっちりとってまいりますから、業者の方々の自由な経営を侵害したり、消費者の利益に相反するような状態になったりということはないと思いますし、十分その認可に当たっては注意をしてまいりたいと思います。
 さらに、その標準営業約款そのものの中で価格については何ら触れるものではございませんから、御指摘のような事業所内における、たとえば理容、美容を例に挙げられましたけれども、そうしたものについての価格への影響を与えるというようなことは私どもは考えておりません。
#243
○政府委員(山中和君) 技能審査につきましては、技能検定ではございませんので、これは現在、たとえば理容とか美容におきましていろいろ行われております競技会とか、あるいはそういう技能のいろいろの競技会がございますが、そういうものの向上のために一層そういうものを拡充するということでこの規定を設けたわけでございまして、連合会が自主的にこういう技能競技会というようなものを行うわけでございますが、それを技能審査と申したわけでございまして、いわゆる理容師や美容師のたとえば国家試験とか、そういうものの制度とは本質的に違うわけでございまして、営業を行う上では何ら特別な資格とかそういうものは一切ございません。したがいまして、競技会を法定化すると、こう考えればよろしいかと思います。
#244
○安恒良一君 私は、ところがわからないんだよ。技術の改善向上とか、技術者の養成という、これはわかるんですよ。ところが、わざわざ「技能の改善向上若しくは審査」と書いてある。あなたが言われたように、そんなことは何も法律で書かないで、業界が自主的に技術向上したり審査会開くのはあたりまえなんです。しかしですよ、もともとこの議員立法で出されたときに、「技能者の養成若しくは検定の事業」を行うと、こうなっておった。それで衆議院ですったもんだやって、そこが今度は「審査又は技能者の養成」と直ったんでしょう。だから、あなたが言われているように単にこの連合会が技能をあれするためにコンクールをやると、その審査をやるんだったら何もこんなところに書くことないんだ。何でこんなところに「審査」と、そんなことあたりまえだ。技能のコンクールを審査するというなら、何もこんなところに書くことない。そんなこといままででもやっていることなんだ、どんどんやっている。美容師のコンクールとか理容師のコンクールとか、いろんなコンクールありますよ。これはわざわざ「技能の改善向上若しくは審査」と、こういうふうになっている。いまの説明では理解できません。
#245
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、この「審査」という文字が使われるまでの経過の御説明を申し上げた方が間違いがないと思います。
 当初私が取りまとめましたとき、確かに「検定」という文字を使っておりました。その私の時点で意味しておりましたのは、いま確かにいろいろなコンクール、審査会等がございます。ところが、それは全部独自の判断、独自の基準でそれぞれを運営しておられるわけでありまして、たとえばAのコンクールの技能、あるいはBのコンクールの技能、それが同ランクという保証は実はないわけであります。ところが、それぞれいろいろな、たとえば美容師さんの場合でも理容師さんの場合でも幾つかのそういう審査会のようなものがあるわけでありますけれども、それはコンクールで賞を受けられた方は個々のお店にその賞状を飾られる。実際上その賞状の一体意味する技能というものがどの程度の客観的評価を与えればいいものか、利用者であるわれわれはわかりません。そこで、そういうものをむしろきちんとルール化した方がいいのではないかというので私は「検定」という文字を当初使ったわけであります。ところが、いろいろな角度から、衆議院の中で参考人の方々においでをいただきまして御議論をいただいたときにも、この部分についての御注文がありまして、それを受けて、いま局長から申し上げましたような内容に変えるということで「審査」という文字に変わった。私は当時の経過としてそのように承知をいたしております。
#246
○安恒良一君 私は、連合会なら連合会が審査することは自主的でいいことなんですよ。どうもあなたの説明聞いてもわからないのは、たとえば美容なら美容というときに、全国一本の審査基準なんてないんですよ。同じパーマネント業でもいろんな、わかりやすい言葉で言うと、山野さんの系統とか何々の系統とかあって、これが画一した、何かあなたが言うようにまちまちの審査だから全国共通の審査をつくるなんて、あなた全然美容の中身わかってない、それから理容の中身もわかってない。私は専門じゃありませんよ、専門じゃありませんが、私の方がまだわかっています。そういうものは、ひとつのそれぞれ何々系統、何々系統とありましてね、そんな全国一本の審査なんて美容界じゃ何も通用しないんですよ。そこでコンクール一位になったから、これは日本全国全部一位ということにならないんですよ、これは。だから、そういう意味から言うと、あなたがいま説明されたことも全くわからない、審査というのはね。審査というのはむしろ、たとえば山野さんなら山野さんの学校の全体の系統があるとか、何々美容の系統があるとか、たくさんあります、日本で著名な方がね。その中における審査というのはわかる。しかし、それと隣と比較してこっちが一位とか二位というふうには美容というのはならないんですよ。理容でもならないんです、それは。そんなものはならないんです。ですから、その意味から言うと、審査などというのは、やはり業界が自主的にコンクールをやられて、自主的に審査されたことがいいのであって、何か一枚の、おれは一位になったからといって、全国持って回っておれは美容の一位だなんてならないんですよ。厚生大臣おわかりでしょう。あなたも頭摘みに行ってわからぬですか、そういうことが。
#247
○国務大臣(橋本龍太郎君) むしろ私が床屋さんなりに参りまして、そこのお店にその賞状が飾ってありますものの客観的判断がわからぬと、いま私は申し上げました。安恒さんが御指摘のような状態であること、事実をよく承知いたしております。ですから、私は当初検定ということで考えたのは、むしろそれに客観的な評価の基準を与えるべきだと考えたからでありまして、それが参考人の方々の御意見を衆議院で拝聴いたしました際に、こうした点でやはり「検定」は無理だというお話が出ました結果を踏まえて「審査」という文字に直ったと、その経緯を承知しておるということであります。
#248
○安恒良一君 もう時間が参ったそうですから終わりますが、客観的評価を与えることが無理なんですよ。無理なものに客観的な評価を与えると逆にやや統制になってくる。そのことだけは、美容とか理容とかいうものに全国一本の客観的評価をつくろうというあなたの頭の発想がもうそもそも実態をお知りにならない。
 そこで最後ですが、もう私は意見として、どうもやはりいままで質問をすればするほどこの問題については中身が明確になりません。私はやはり今回の改正というのは、環境衛生同業組合が、末端料金等に組合の統制が及ばないと、だから組合幹部及び官僚の指導を強化して市場制限をする、それからカルテルの強化をねらったものである、私はそういうふうに思います。さらに一部御意見もありましたが、同組合の幹部と、それに癒着をする官僚、一部の政治家による業界の支配、こういうようなにおいもいたします。そこで、後からこれは附帯決議をつけることになるそうでありますが、そういう問題については、きちっと危険性を排除するような附帯決議をつけてもらいたいということを申し上げて、私の意見を終わります。
#249
○小平芳平君 この改正案の審議が始まってから、私自身もこの議員提案の改正案が、こういう形で審議されるということはきわめて異例だというふうにはよく承知しておりますが、私もまた政府を中心に質問をいたします。
 それは、衆議院でこの改正案が通過したすぐに、厚生省のお役人が私のところへ来まして、とにかく衆議院で通ったんだから参議院ではいつやるんですか、衆議院で通ったんだからすぐにでもやってくれるんでしょう、こういうような言い方をされました。そこで私は、衆議院は衆議院、参議院は参議院、説明するまでもないこと、なぜそういうふうにあなたは飛び歩くんだというふうに言うのに対して、私たちはこの改正案を評価しているから、こういうふうに言うんです。そこで、そうですが、私はそう衆議院で通ったからといって頭から評価をしておりませんからということで別れた関係もあって、この機会を得て若干政府に質問をしたいと思います。
 まず、いまの安恒委員の質問の続きになりますが、指導センターですが、これは第三者機関としてのセンターができるということを答弁しておられましたが、財団法人でつくるんだろうと思いますが、それは中央ではだれが中心になって、どこからお金を集めるのか。各都道府県ではだれが中心になって、どこからお金を集めてつくるんですか、それが一つ。
 それで、でき上がったそのセンターの規模、それでその規模次第で次の運営費がどうなるかということになろうかと思いますが、そういう運営費はどこが負担をすることになるんですか。
#250
○政府委員(山中和君) 環境衛生営業指導センターが、だれがお金を集めて財団にするかということでございますが、これは現在実際に環同組合ができておるわけでございます。それには出資組合も非出資組合もございますが、特に出資組合におきまして、やはり寄付金その他を集めまして、あるいはその組合員の出資によりまして、それでその規定上の資金ができればセンターということになるかと思います。したがいまして、一斉にセンターができると、そういうことにはならないと思います。順次そういう基盤ができたものからセンターになっていくと、こう考えております。
 それから、運営費におきましては、これは現在環同組合を中心にいたしまして都道府県には相談室をここ三年計画でもってずっとやってきました。相談員も配置しております。そういうことに対する相談員のいろいろ事業費とか、あるいは組合の人件費とか、そういうものを現在も環衛法に基づきまして助成をいたしておるわけでございまして、それがセンターになったときにはそちらへ振りかわるという形になっていこうかと思います。
#251
○小平芳平君 そうしますと、あれですか、現在各都道府県に組合があると、環境衛生の。その組合の方が中心になって、メンバーとしては。それで、お金はその組合が出すんですか、最初。その辺ちょっとはっきりしないんですが。
 それから、そういうように現在の組合にはアウトサイダーの方が多いという御指摘もさっきあったんですが、ある場所によっては。そういう場合でも現在のその組合が中心なんですか。
#252
○政府委員(山中和君) 現在のセンターはその組合がもとになるかということでございますが、現在組合がこういういわゆる環衛法に基づきますいろいろな事業をしておるわけでございまして、これがやはり組合であれば組合員だけということになりますので、現在のたとえば商工会や何かと違う組織になっておるわけです。それではやはり零細企業の振興ということでは非常におかしいということでございまして、これをセンターに衣がえするということになろうかと思います。
  〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕
しかし、現在、ただいま御指摘のやはりアウトサイダーが非常に多いというような場合になりますと そのセンターというものは、やはりその場合に商工会ももちろん関与いたしますし、そういう地域の全部の合意を得ないとなかなかセンターというものになっていくということはやはり困難かとも思います。したがいまして、いろいろその地区のケース、ケースによって、こういう第三者機関ができる、あるいはしばらくできないということがいろいろまちまちにはなろうかと思いますが、いずれにしましても、こういう第三者機関を早くつくって振興させるということが必要であろうとわれわれは考えております。
#253
○小平芳平君 よくわかりかねるんですが、そうしますと、センターはいつごろまでにできることを期待しているんですか。一斉に年月日を決めて出発ということは全く考えられない。ですから、いつごろまでを予想をされるのか。
 それから、資金の出どころですね、資金の。それから運営費ですね、これは都道府県及び国がこの助成をするということは決めてあるんですが、運営費は主として助成を受けながらどこが運営費を負担するのかですね。はっきり申しまして、この運営費なり、業者が負担するのかどうかということをはっきりしてください。
#254
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどの局長の答弁の中で多少欠けておりました点もあわせて補足をしたいと思いますが、このセンターは、法律上書きましたとおり、これは任意につくっていくわけでありまして、いま局長が申しましたとおりに、確かに一斉に用意ドンでできるわけではございません。私どもはこれが一応全部できていくには二、三年の時間は必要ではなかろうか。仮にこの五十四年度から準備を始めたとしても、財団設立の手続等も考えますとそれぐらいの時間がかかるのではなかろうか、そのように思います。
 この法律を取りまとめてまいります過程におきまして、ことに全国商工会連合会等からもいろいろな御相談がありました中で、このセンターの中には、先ほどから御議論が出ておりますように、アウトサイダーの方々を代表するといいますか、環衛団体とは違った立場で全国組織を持っております商工会連合会としてもこの中に参入をしたいというお話があり、その道も開いておるわけであります。
  〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕
そうなりますと、構成をいたしますメンバーの中には、当然現在あります環衛同業組合の方々、またその方々が持ち寄られる出資金と同時に、商工会連合会、それぞれの地域の商工会、今度はそこに参入をされます方々が持ち寄られます出資分とができるわけでありまして、基本的な財産としてはそういうものが充てられることになります。また、運営についての費用というものは財団自身がこれは支払っていくわけでありまして、国からは経営指導その他必要業務に応じて現在行っております助成制度をそのまま移管すると、そういう形になろうかと思います。
#255
○小平芳平君 最初の出資金のところははっきりしましたが、そうすると、運営はこの出資者が負担することになりますか。
#256
○国務大臣(橋本龍太郎君) 運営の費用というものは、財団自身の積み立てられた金の果実、また、そこに参画して出資をされておる方々の支弁される費用と、そういうもので運営されることになろうと思います。ただ、その後におきまして、今度はセンターが、たとえば経営相談等を行っていく、あるいは新しい情報提供のサービスを行っていく、そういうものの中において仮に実費を徴収することができれば、そういうものはそこにまた加えられると思いますが、これはその財団の考え方、また運営の方法の問題になりますので、必ずしもいまからそれを断定するわけにはいかないと思います。
#257
○小平芳平君 これは大分仮定のこと、大分先のことを質問しているので、普通の法律改正の場合でもそこまでははっきりしないということがあろうかと思います。ただ、心配されることは、きょうの参考人の方々の御意見から考えても両論があるということ、したがって、どうしても地域のコンセンサスが得られないことには実際上財団はつくれなかろうし、つくったところで意味のないものしかできやしないかと思うわけです。その辺が先決問題だということを申し上げたいわけです。
 それから次に、先ほどもお話がありました過当競争ですが、参考人の方からもお話がありましたが、過当競争、まあ適当のある種の競争というのは当然つきものですが、それが過当と言われる、それはどういうところから判断されるのか。それから、そういう過当競争を防止しようということはなぜ現行法で不足なのかということはいかがでしょう。
#258
○政府委員(山中和君) 過当競争はどういう場合過当競争かという、いわば定義みたいなことになるかと思いますが、過当競争というのは、具体的には個々の実態で判断されるものであろうと思いますが、営業者数あるいは施設数が非常に需要に比べて大きいと、過大であるというようなことで、社会通念上正当な競争が行われないというような場合、現象面として出てくるのは、たとえば無理な料金だのあるいは販売価格を不当に引き下げるとか、あるいは合理的でない営業方法というようなことであらわれるかと思います。それで、実は現在の環衛法におきましても、この過当競争というものの判定ということにつきましては、大分古くなりますが、昭和三十四年に中央環境衛生適正化審議会で小委員会をつくりまして、そこで論議し、それを報告をいただいておりまして、それでその内容で現在やっております。簡単に申し上げますと、一定の競争圏、そこで営業者の競争がどれかに該当したらということでいろいろ項目を載せております。たとえばある業種が、相当数その中の企業の健全な経営を困難にするほど料金が、あるいは販売価格が低下しているとか、あるいは役務の内容といいますか、あるいは物ですね、販売する物の内容が非常に低下しているとか、あるいは不当な取引方法が行われておるとか、あるいは施設のある部分が非常に遊休になっておりまして、それで施設の廃止とか、そういうことが行われているとか、あるいはそのほか売上高に比して利益率が非常に低いとか、あるいは資金繰りをするにも非常に資金繰りが困難になっているとか、施設が老朽化してもそれを更新ができないとか、そういういろいろな条項を設けまして、これを通知をもって運用をしているところでございます。これも法改正後におきましては厚生大臣が告示する基準になろうかと思いますが、その際はまた中央環境衛生適正化審議会に再度意見を聞きまして、現在に合ったような判定方法というものをしていこうかと考えております。
#259
○小平芳平君 いま局長が説明されるような常識的な過当競争は法律改正を待つまでもないんでしょう。
 それから時間の関係で、いま説明されるようなことはきわめて常識であって、それは法律改正を待つまでもないことだということ、これに対するお考え。それから、先ほどもお話があった小組合ですね、小組合の新設はかえって地域的な過当競争を激化させるんじゃないかということは考えられませんか。
#260
○政府委員(山中和君) ただいま、過当競争の問題につきましては現在も対策をしておるじゃないかと、これはまことにそのとおりでございまして、したがいまして、過当競争の問題につきましては、これは適正化規程といいますか、そういう場合には期限を付するということだけで、過当競争に対する適正化基準といいますか、そういうものは現在のままでございます。
 小組合につきましては、これは全く適正化基準、そういうものとは関係がございませんので、これは小組合をつくりまして、これで共同事業をやるということが目的でございます。主に、たとえば浴場においていろいろ燃料を共同購入するとか、あるいは生鮮食料品を共同購入するとか、あるいはある場合共同炊事というようなことで対処するとか、そういう共同の事業をやるという意味で、これを県全体に広げますとどうも事業としては成り立たないと、やはりある場所で、生鮮食料品なんか特にそうでございますが、ある場所の範囲が必要だと、もう少し小さい範囲でやらなければ実効が上がらないということで小組合があるのでございまして、この適正化基準とか過当競争というものとは直接の関係はないわけでございます。
#261
○小平芳平君 厚生大臣、時間の関係でちょっと一言お尋ねしたいんですが、参考人の方が、それこそまた陳情に来られる方が屋上屋だと、こういうことはですね。そういう意見は十分お聞きになっていらっしゃると思うんですが、いやこれこれで屋上屋でないということがありますか。
#262
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど安恒委員にも御説明を申し上げましたように、御納得がなかなかいただけないんでありますけれども、振興計画あるいは振興指針というものを第八条の延長線上のものとして位置づけてより具体性を持たせていく、また現在の制度の中においては行えない保健所単位という一つの地域を設定した中における小組合の活動といったようなものは、これは私は屋上屋ではないと思っております。また、標準営業約款等を考えてみましても、その標準営業約款で定められているサービス以上のサービスをされることについては、これはだれも異議がないわけでありますが、少なくともそれがはっきりすることによって、国民がそれによって受けるサービスというものを的確に把握し得る状態が生まれるというようなこと、私はこうした点は決して屋上屋ではないと、そのように理解をいたしております。
#263
○小平芳平君 かえってこの改正によって弱者と強者の間が開くとか、消費者が不当な損害を受けるとか、そういうことはあり得ないということですか。
#264
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、公衆浴場等のたとえば重油の共同備蓄でありますとか、あるいは飲食関係の生鮮食料品の共同購入でありますとか、共同冷蔵でありますとか、こうしたものは、むしろ消費者にとってプラスに転ずる要因であると考えておりますし、御指摘のような事態はないと私は信じております。しかし実際に運用に当たりましても、いまのような御指摘については十分注意を払ってまいるつもりでおります。
#265
○小平芳平君 参考人の方に伺いたいのですが、賛成の方、もしこの改正に賛成の方で、よろしければ私の方から宮坂参考人に述べていただけばと思うんですが、要するにいろんな改正点が出ておりますが、また途中で変わった点もあるようでありますが、どういう点に一番期待されますか、ということを挙げていただけたらと思うんです。こういう改正点によって、先ほどの宮坂参考人の御意見としては、不況の中で努力さえすれば道が開かれていくという、そういう体制が必要だという御趣旨のことを発言しておられましたが、今回の改正によって何か具体的にこういう点が開かれていくんだという点があったらお話しいただけたら幸いだと思います。
 それから、反対の方、内堀参考人にもしよろしければ御発言いただければ幸いだと思いますことは、法改正の内容についてはいろいろあるけれども、ちょっと時間がなくて述べ切れないという御趣旨のことで先ほど終わったように思いましたが、やはり同じ趣旨でどういう点が一番悪法として残りそうか、要するに、いままでもずっとお話は出てきておりますけれども、あるいは陳情等も承っておりますけれども、具体的にここで御指摘があれば、お話しいただけたら幸いだと思うんです。
#266
○参考人(宮坂功君) ただいまの御質問に対して御説明を申し上げたいと思います。
 私どもクリーニング業界としては、先ほども申し上げたとおり、昭和三十年代のわれわれの考え方、これを大きく反省いたしまして、この四年ほどかけて、実は大学の先生あるいは衣料品の製造業者、あらゆる階層の人たちのお知恵をかりまして、実はクリーニング業界ビジョン、こういうものをつくりました。特にこの十年ほどの当業界の過当競争というのは非常に激しいんでして、先ほど申し上げた一例は九州の宮崎県でありますけれども、同じような事例が熊本県、あるいは関東では茨城、栃木、福島、岩手、青森、こういうところで激しくいま起こっておりまして、全国的に蔓延しようとしております。これを結局克服するには、私は、やはりどうしても今回の環衛法を改正していただいて――いままで自主的な活動だけではどうしても不十分な面があったと、たとえば一般クリーニング所のふえ方がほんのわずかなところへ、いわゆる脱サラリーマン的な方々が急に始めるところの取次店、これの約十倍です、この十年近くに。こういう激増ぶりの中で勢い事故の件数がウナギ登りになっているという実態、これは消費者代表の方もお認めになっているところでございます。そういう中で、私どもが一番欠けているのは教育事業だったということを反省したわけです。まあいろいろの組合単位あるいは支部単位で講習会等も開催しておりますけれども、どうしても、何といいますか、いままでのこの環衛法はいわゆる衛生立法的な性格の方が強うございまして、私ども環衛関係全体で言いますと、全国で約三百六十万、商工年報等で報じておりますけれども、それほどの数がありながら、都道府県に中央会であるとか、商工会であるとか、会議所、会議所連合会、こういうものはございますけれども、そういう中にこれだけ数多くいる私どものためのいわゆる環衛部会、サービス部会的なものが全然ないということなんです。小売部会であるとか、製造部会であるとか、こういった関係の指導は十二分になされておる中で私どもの指導がなされていない。そういう中で、その事故件数がウナギ登りということに対処するためのいわゆる新製品に対する技術の対応、これがどうしてもおくれてしまっているわけです。ですから、これは私どもが出し合ってつくった研究所、これもございますけれども、これもミニプラントさえまだ持てない貧弱な組織なんです。そういう中で、いませめて研究所の中ヘミニプラントを設けたいということ、それとあわせて新製品に対する技術開発をぜひやりたいんだと。そうしなければ、とてもこれだけ多様化した新製品に対応することができない、こういう一貫した実は教育事業、ここへ力を入れたい。ところが、これは都道府県に現在できておる連絡協議会あるいは環同組合連合会、こういった組織の経営指導ではとても間に合っていかないということなんです。せめてわれわれが計画を立てたその計画書は出したいと思っております。たとえば、いまいろいろ先生を煩わして……
#267
○委員長(対馬孝且君) まことに済みませんが、時間もございますので、できるだけひとつ……。
#268
○参考人(宮坂功君) クリーニング師資格等もございますけれども、これは一夜づけで受かってしまうような内容なんです。これではやはり先ほど私申し上げたような技術水準の獲得はとても無理だと、そういう計画を立てまして、せめてこれを確実に進められるように国の施策として御援助を願いたい。そういう意味で振興指針、これに対する計画、指導センターの必要性、技能向上の必要性、こういったことを一番私は念願しております。
#269
○委員長(対馬孝且君) ちょっと参考人の方にお願い申し上げますけれども、各会派の質問につきましては、できるだけ要点についてひとつ答弁をお願いしたいと、こう思います。
 それでは内堀参考人。
#270
○参考人(内堀平市君) 一番悪いというところの御指摘でございますが、われわれとしては総体、つまり全部について非常に悪いということを申し上げますが、その中で最もつくるべきでないという、つまり環境衛生指導センター、これは何が必要があってこういうものをやるかということですね。これはその第七の項にありますけれども、審査ということが厚生省でも漠然とした何か答え方ではっきりしていない、こういうことでございますけれども、審査事業、いわゆるコンクール等をやっておりますけれども、これは百害あって一利なしという、言葉は古いかもわかりませんけれども、私も石神井美容組合の組合長を長いことやっておりまして、それで、いわゆる従業員のつまり技術の高揚ということでコンクールもやりました。しかし、これにおいては弊害があるとて利益はなかったということは、一位をとった方は非常に、一位だということをつまり鼻にかけまして、つまり給料のいわゆるアップを非常に迫ってくると、こういうことで業者との間にトラブルが起きる、こういうことでありまして、非常にこのコンクール等あるいは技術の高揚といいますけれども、一部の者が審査したのではだめなんであって、いわゆる国民、つまり消費者が審査をするわけです。ですから、審査、つまりコンクールで一位になったからといって、それがお客さん、いわゆる消費者に通ずるかどうかということは非常に問題があるし、こういうものはやるべきでないと。それから、私は例を引いて申し上げますけれども、管理理美容師制度というのを先生方は御承知だと思いますが、四十三年にできました。あれのいわゆる日本理美容師協会というものは、第一回目の理事長になったのは厚生省の太宰博邦氏です。これにわれわれも交渉しましたけれども、こういうことがないとは言えない。これはもうはっきりしていると思うんです。それであとは組合のボスどもがそこに入っておるということも確かでございます。ですから、この環境衛生指導センターというものは、業界にとってプラスになることであればわれわれは反対することはない。弊害があってもこれはプラスになることは一つもないし、先ほど私が申し上げましたとおり、理美容に限っては三重の資格のようなものができるんではなかろうかと懸念するのが全国の業者であります。これを環同組合が賛成していると言っているけれども、こんな欺瞞なことはないんです。先生方がいわゆる床屋へ行って、つまり理容店へ行って聞いてみればわかります。環衛法って何ですかと聞いて答えられる人はほとんどいないんですよ。そういう業界でありながら、ボスが賛成だからといって陳情した、それがある政党と癒着をしてこういう結果になったということを言わざるを得ない。だから、この中で一番悪いのはやっぱり指導センター、つまり都道府県の指導センターと全国指導センター、いわゆる審査事業を環同組合にやらせるというこれが最も私は悪い影響を及ぼす改正案だと思います。
#271
○小笠原貞子君 私、毎日国電で来ているんですけれども、自宅を出まして十分ぐらいで国電の駅へ出ます間にクリーニング屋さんが三軒できました。それから美容院が四軒ございます。そこには組合に入っていらっしゃる方、入っていらっしゃらない方いろいろとあるわけですね。それで私もそういう洗たく屋さんや美容院の方たちにはしょっちゅうお世話になっております。いろいろ伺いますと、やはり皆さんが一番困っていらっしゃる非常な過当競争、営業が成り立たないというようなことは非常に御苦労なさっていらっしゃるわけです。きょうも各参考人の御意見を承りました。賛成、反対ともども真剣に意見を発表されたわけです。それを伺いながら、これはもう直接いまの質問の問題にならないんだけれども、本当に悲しい思いがいたしました。なぜ皆さんがそんなに苦しんでいらっしゃるのか。私の行く美容院で聞きましても、いままでは奥さんたちが一週間に一回はセットに来たんだ、ところがこの不況の中で月に二回になっちゃったというような問題、だからやっぱり私が一番言いたいことは、皆さんが本当にいま苦労していらっしゃるのは、皆さんの業界の中だけで目を見て、そしてああでもない、こうでもないなんということではなくて、やっぱり日本全体の景気の問題日本全体の政治の問題そして日本じゅうの女が美しく、男もスマートに、そして清潔な衣服を着て生活できるように、そうするためにこそ、私は皆さんに目を大きく見開いて、一緒にやっていかなければならないと、そう思って大変きょうは悲しい参考人の御意見を伺ったということなんです。
 それで、いろいろ陳情をいただいたり、それからまた法律を見せていただいたり、そしてまた御意見を伺いますと、もう私が一生懸命に調べました中でどうしてもこの法律がなければならないという、そういう理由がどうしても見つからないですね、いままで伺って。政府も大臣初めいろいろ熱心に答弁されているけれども、大変苦しい答弁ですし、非常に具体性に欠けた答弁でございました。
 そこで、政府の方々よりも、直接自分の仕事として考えていらっしゃる参考人の方にまずお伺いしたいと思うんですけれども、やっぱりこの法案の問題は振興指針とか振興計画とかいうようなところに大きな問題があると思うわけです。先ほど安恒議員も言われましたけれども、審査という問題、大臣のお答えでは審査の基準をつくっていくんだと、こういうふうなお答えだったんです。私はそれはもう大変な間違いだと思うんですね。たとえば美容を考えましても、長い髪がはやっているのもあるし、短いのが好きな人もいると。若い人の髪のスタイルと、また年配の人とは違うと。全国一律で審査して、それがどれだけの意義があることなのかどうかということですよ。それは本当に私らが、自分で自分の髪型がこう好きなんだと言って自分が決めることであって、それを全国的に審査して、一つの基準をつくらなきゃならないというのは全くこれは消費者の嗜好を無視した、そういうものを束縛するものだと思うんですね。そこで、泉参考人に、そういう点について、一体その審査の中で一応の基準をつくるというような問題についてどういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#272
○参考人(泉忠利君) 美容業の場合にヘアスタイル、ヘアスタイルと申しますか、それについての基準をというんですか、ことしの髪型はこうであろうという型を決めるというのは非常にむずかしいんじゃないかという御意見でございます。私の方の全国の連合会の中の技術部門を受け持っております全国美容講師会、美容業の中では一応名の通った先生たちが千名ほどで組織をつくっております。そこで大体春と秋に本年のヘアスタイルはこうだというふうなことでヘアスタイルを発表いたしております。ヘアスタイルを発表しますについては、やはり何と申しましても、洋髪というんですか、欧米から流れてくる知識というのが非常に多うございまして、それを受け入れまして日本流につくりましてことしのヘアスタイルはこれでいこうと。それだけではいま先生がおっしゃいましたように、御年配の方もいらっしゃいましょうし、お嬢ちゃんもいらっしゃるというふうなことで、それを基本におのおのの美容師さんがお客さんに合ったようなアレンジをしていくというふうなことで、一つのこの型でないといけないというんじゃなしに、一つのパターンを決めて、それをおのおの美容師の腕によって変化さして、アレンジしていくというふうなことでやっておりますので、やはり流行流行に沿ったときの一つのパターンというんですか、それはつくる方が消費者の要求にもこたえられるような結果になるんじゃないかと、かように存じておる次第でございます。
#273
○小笠原貞子君 そうおっしゃいますとね、それぞれ消費者の要求で違います、時期で違います、時代で違いますね。そういうようなときにその指導センターで審査して、これがいいんだとか悪いだとかという必要ないでしょう、いまやっていらっしゃるんだから。私はそう思うんですけれども、どうなんですか。どうしても審査して、一つの基準というものをつくる必要があるんですか、そういうものができますか。要望が違う、時期が違う、年代が違う、さまざまな中で、そういう審査をするという必要はないというふうに考えられるんですけれども。
#274
○参考人(泉忠利君) やはり業界ですし、絶えず技術の切磋琢磨ということは、これはもう欠くことのできないことでございまして、先生がおっしゃられるようなこともよく理解できておりますが、一応われわれの業態としましては、基準をつくる、型のパターンをつくると言うと何か語弊がありますけれども、卑近な例を申しますと、どこかの田舎の――田舎と言うと恐れ入りますか、地方の方の団体さんが上京されますと、御婦人方の、どこかの村の方でしょうか、十人が十人とも同じ髪でやっていらっしゃるというふうなことになるんじゃないかと御懸念されているんじゃないかと思いますけれども、一応年齢層、あるいはお職業等におのおのマッチしたような髪型のパターンをつくっていきたいと。それにはやはりどうしても、その審査というんですか、いま内堀さんが、審査をやったら弊害があると、一等になったら給料を上げんならぬと。これは、技術がうまくなれば給料がそれに伴って上がるのは当然なことでございます。そういうふうなことで、少々技術にわたってもこの審査というものをやって、お互いに競争、切磋琢磨をさして、そして一つの標準までに持っていきたいということで、われわれ美容師ほど、火曜日、一週間一回の休日がございますが、恐らく二回のうち一回は何かの講習会とか勉強会に出て勉強しているというふうなことで、非常にその点、美容師さんは何か新しいもの新しいものを追求いたしております。そのためにやはり目標を何か中央でつくってあげたいということでわれわれつくっているような次第でございます。そのものだけじゃなしに、それをパターンに、それを基本に勉強していただきたいということで、春、秋と毎年変わったものをつくっておるということでございます。
#275
○小笠原貞子君 議論するつもりはございませんので、一応御意見として承りましたけれども、いまの御意見だったら、これを法的に位置づけて審査するというようなことは全く必要がないというふうに私は受け取りました。
 それでは内堀さんにお伺いしたいんですけれども、まあいまの審査の問題も含めて、標準営業約款という問題がまたこれ一つの問題ですけれども、この役務の内容、商品、施設、設備について、法律または規則等の許可制であるというふうに承っておりますけれども、具体的にどういうふうになっておりますか。で、この約款についての御意見も承りたいと思います。
#276
○参考人(内堀平市君) 施設、設備、こういうものは、施設というのは、つまり保健所で審査をしまして、合格しなければ許可にならない。その使用するつまり資材、器具、こういうものは、その専門家においてやはり審査をした合格品でないとそれはお店では使えないということです。したがいまして、そういうものは、こういうわざわざ法律をつくってやらなくっても、現在そういうふうな適用を受けなければお店で使用できない、あるいは開業できないということですから、そういう必要は全くないと。それから、役務の内容、その他商品、そういうものについても、いわゆる厚生省がよくおわかりだと思うんですが、そういうものは厚生省の許可にならなければ使えないと、こういうことでございますので、改めてここで法律を改正する必要はないということでございます。
#277
○小笠原貞子君 それじゃ次の宮坂さんにお伺いしたいと思いますけれども、まあこの問題大変にぎやかになりましたのは、やはり組合員から千円のお金を取って、先ほども出ましたけれども、そして一つ、二つかしりませんけれども、まあ政党の下請機関みたいな動きが華々しく行われているというようなことも出ておりましたし、まあそれは内容がどの程度かということはいろいろ資料もございますけれども、そういうことに対して、やはり政治というのは一人一人の思想信条の自由の上に立って決めて自分が投票すべきだし、支持すべきであると。それなのに、この法律を通すために金を集めて、そしてそれでというようなことを、つまり小さいながら企業ぐるみ、業界ぐるみというような動きが事実あるというような問題についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#278
○参考人(宮坂功君) いまの先生の千円を集めたとおっしゃったことは私は全く初耳でして、反対をなさっている団体では集めたということは聞いているけれども、私の方は千円はおろか一円でも集めておりません。
#279
○小笠原貞子君 内堀さん、さっき御発言なさった……。
#280
○参考人(内堀平市君) 千円集めたということは、きょうは資料持ってまいりませんけれども、紛れもない事実です。それはもう記者会見あるいは全美環連の理事会等で公表しておりますので、八千万か八千何百万かあるわけで、それで安森君がここで発表をしておりますね。やっぱりこの使用ですね、「約一億円の政治資金の明細」ということで、「全美環連、収支計画発表」ということで、これは「週刊美容」というものが発表したわけですけれども、これも記者会見だとか、公式の理事会等で発表しているわけですから間違いないわけです。
 それからもう一つ、ちょっと質問外かもわかりませんけれども、安森君はこの技能検定試験は私が役員のうちはやらないと言っているんです。これは法律を愚弄するものですよ、こういうことは。法律を安森君が勝手にできるかと言いたいんです。こういうことだとか、もろもろの問題があるわけですよ。で、これなどは、検定は労働省の牽制のためにやったんだと、こういう大言を放っているんです。こんなばかなことがありますか。先生方もよくこういうところをごらんになるように、あるいはお聞きになって検討していただきたいと思います。
#281
○小笠原貞子君 これも議論をしていたら時間がございません。証人であれば偽証というような問題に発展しかねるかと思いますけれども、大変宮坂さんの御答弁には残念だというほかはございません。
 それでは、全国クリーニング協議会の方にお伺いしたいと思いますが、クリーニング業界の環同への非加入者はどれくらいなのか、業界内のコンセンサスはどう考えていらっしゃるか、またクリーニング環同との話し合いの経過その他についてお聞きしたいと思います。
#282
○参考人(加藤宏君) お答え申し上げます。
 環同組合との何と申しますか、話し合いと申しますか、これがひっかけられたと、こんなことを申し上げてはまことに何ですが、私ども環衛法の問題について集まったわけでありません。と申しますのは、たしか二月幾日ですか、日はちょっと忘れましたですが、将来のクリーニングの業界はどうあるべきかと、そういうふうなことについて、まあ将来話し合うべきだと、とりあえず顔合わせをやろうじゃないかということで一月の二十三日に、実はそういうことで環衛法の問題には絶対に触れないという条件のもとに会いました。ところが、その会ったしばらく後、衆議院に、全連と全協が話し合いした結果云々というふうなことで愕然といたしました。そういう事実は毛頭ありません。もし私が偽証を申し上げるような立場でありましたならば、どのような処分でも受けさしていただきたいと思います。ここに宮坂専務もいらっしゃいます。そういうことは絶対何をおいても触れずにやるというふうなことの会合がございました。
 それから、組合員の業界の数の問題でございますね。これはまあ全連の方では九〇%以上のものはこれに賛成しておるのだというふうにおっしゃっておりますけれども、先ほど厚生省の白書の数字にもございますとおり、私ども百名前後の一握り云々といいますけれども、それは一握りかどうかわかりませんが、これは数字はごまかすことはできません。そういうふうなことで、現在環同組合の組合員が物すごく脱落しておるんですね、これが実態です。これを阻止するために法の擁護が必要じゃないかというふうな私は考えじゃないかと思うんです。以上でございます。
#283
○小笠原貞子君 じゃ、参考人いいです。
#284
○委員長(対馬孝且君) 参考人の方には、長時間にわたり有意義な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。委員一同を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 どうぞ御退席をお願いします。
    ―――――――――――――
#285
○委員長(対馬孝且君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、目黒今朝次郎君が委員を辞任され、その補欠として秋山長造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#286
○小笠原貞子君 それじゃ、政府の方にお伺いしたいと思います。
 五十六条の二の、振興指針を業種ごとにつくるというふうになっておりますけれども、その内容を見ますと、中小企業近代化促進法の振興計画と、先ほどからもいろいろ議論がございました全く同じようなものだと、また近促法ではクリーニング業のみが近代化の対象になり、その他の環衛業は零細のためなじまないと言っております。通産省もそういう考え方であります。そういたしますと、上からこうした形で枠をはめてしまうということについては無理があるのではないか。内容的に近代化というのであれば、近促法になじまないと言うことと矛盾するという点が出てくると思うんですけれども、その辺のところはどういうふうにごらんになっていらっしゃいますか。
#287
○政府委員(山中和君) 環衛業の場合は非常に国民の日常生活に密着したサービスを提供する営業でございますが、その中にやはり公衆衛生の維持及び向上を図るという観点から、非常に衛生規制あるいはその指導が行われるという非常な特殊性がございます。先生申しておりましたように、機械化による合理化が必ずしもなじまない業種が非常に多いと、
  〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕
それで、たとえば一つの指導体系で考えましても、この環衛業というのはやはり衛生基準を維持するという面から厚生省、それから都道府県の衛生部という、こういう形をとっておるわけでございます。それでまあ中小企業の中でも特に零細だということでございまして、それで環衛法ができたいきさつも、やはりそういう一つの特別の体系をつくる必要がある、こういうことでこれができたわけでございまして、したがいまして、近促法とは別体系でやっていくというこういう体系ができておるわけでございます。
#288
○小笠原貞子君 こういう業界が非常に零細であるということでございます。とりわけ、そういう中で考えられるのは、事業規模の違いというものがございますし、また地域差というようないろいろな問題も出てくるわけですね、その辺の調整はどういうふうにお考えになっていらっしゃるんですか。
#289
○政府委員(山中和君) これはもちろん環衛法におきますその営業者も、やはり中小企業関係の商工会に入る資格は持っておるわけでございます。
  〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕
したがいまして、たとえば今度改正案に載っております営業センターというような問題につきましても、その役員は商工会の役員を入れるとか、それから、先ほど申し上げましたように、衛生指導行政という面からやはり商工部、そういう面との調整を常に図る、またこれの今回の立法につきましても、商工委員会あるいは本省で申しますれば通商産業省というような形でこれの調整をしたわけでございます。
#290
○小笠原貞子君 まあ振興方針で決められる内容というのは、先ほどから言われているように、各業界でそれぞれ自主的に努力されているものが多いと、まあ法制化するというのには全く私はまだ意味がないというふうに考えざるを得ないわけなんです。で、結果的に見れば、やっぱり上からの押しつけになって、そして大変だ大変だと言ってこう運動していらっしゃる中の零細なところを、結局のところは切り捨てられるという結果につながっていくのではないかという心配があるんですけれども、その心配はないと大臣言い切れますでしょうか。
#291
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はないと思います。先ほども申し上げましたように、たとえばその大手フーズの例と零細な飲食店の例で御説明を申し上げましたように、むしろ逆に実態としては、零細な業者を何とかしてそれこそ抵抗力をつけてあげなければいかぬということの方が私は実態だと考えております。
#292
○小笠原貞子君 まあ結果を見なければわからないことなので、いまの言葉を何日か後ではっきりさせることができると思うんですけれども、本当にそういうことがないように何とか努力をしなければならないと思います。
 で、次に標準営業約款についてお伺いしたいんですけれども、まあ時間的な問題もございますけれども、その内容を具体的にお考えになっていらっしゃればそれを教えていただきたいし、で、まあこの約款をつくるということは消費者がわかるようにということが主眼だと思われるわけですけれども、公取とするならば、この場合業界が自主的に不当表示防止法に基づいて公正競争規約をつくることは可能ではないのかというふうに思うんですけれども、その辺どうですか。
#293
○説明員(土原陽美君) 先生いま御指摘のように、景品表示法では、業界の方で自主的に規制をするための公正競争規約というものを認定する制度を設けております。これは不当表示、一般消費者に誤認される不当表示を防止する観点からつくるものでございまして、そういう観点から、業界の方でつくりたいという申請がございましたら、私どもは消費者の意見、あるいは公聴会を開きまして、法律に定められております公正な競争を確保するために適切であるかどうか、あるいは一般消費者とか関連事業者の利益を不当に害するおそれがないかどうかといったような要件に照らしまして、それに適合いたしますれば認定をするということになるかと思います。
#294
○小笠原貞子君 それじゃ、公取委の方ではやろうと思えばできるというお答えになったわけですけれども、そうしますと、現実にやろうと思えばそこでできることをこれでまた法制化すると、しかもセンターに登録されるということになりますと手数料まで取られるという結果になるわけで、これじゃ手数料集めじゃないかという批判がまた出てくるという裏づけになると思うんですけれども、その辺どうなんですか。
#295
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま公取さんの方からお話がありました公正競争規約について、何か全部標準営業約款が代行できるというような御答弁に聞こえたんでありますが、それだとすれば、私はちょっと、少なくとも立案の過程の御論議とは違いがあるような気がいたします。で、私どもは標準営業約款、たとえばサービス内容の明確化、たとえばクリーニングにおける処理内容の明確化でありますとか表示の適正化、また損害賠償の要件、金額等を主な内容として定められると考えておるわけでありますが、これは標準営業約款自身を考えていく過程で、特に公取さんの方からいまのような御見解は示されたかった部分でございます。そして、そういう観点から私どもは標準営業約款についてはむしろ割り切って今日までまいっておりまして、中途の経緯から考えると大変意外なお話を伺ったように思います。ですから、恐らく私が少し強く取り過ぎたのかもしれません。ただ、その標準営業約款をつくりますことは、むしろそれ以上のサービスをすることを妨げるものではないわけでありますから、少なくともそのサービスの内容を明らかにするという意味で私どもは消費者の利便を十分カバーするものと考えております。それについて登録制度の実施に要する実費程度を徴収することは、私はやむを得ないのではないだろうかといま考えておりまして、むしろ今後の課程、標準営業約款そのものをこれからつくるわけでありますから、その内容等については公取さんとまた御意見があれば御相談もいたすつもりでありますけれども、実費程度の徴収はやむを得ないのではないかと、そのように考えております。
#296
○小笠原貞子君 ちょっといま食い違いがありましたから、どうぞ公取さん。
#297
○説明員(土原陽美君) 公正競争規約は、先ほど言いましたように不当表示を防止するという観点でございます。したがいまして、この標準営業約款と重複するのかしないのか、ちょっと私は正確にはわかりませんが、景品表示法で規制しております一般消費者に誤認される不当表示を防止するという範囲で私どもは認定をするということになります。若干補足さしていただきました。
#298
○小笠原貞子君 営業約款に基づく営業者に登録されるということになりますと、標識を掲げるということになるわけですね。そうすると、具体的にどんな効果が考えられるんですか。
#299
○政府委員(山中和君) 営業約款で、いまその表示をした場合にどうかということでございますが、つまり、現在消費者がいろんな需要があるわけです。それで、そのいろんなサービスの多様化やなんかが行われているわけですね。そこで提供するサービスの内容とかそういうものが乱れているわけで、それで標準約款というものでサービスの内容をはっきりさせると、それから表示をちゃんと適正にさせると、あるいは損害賠償の範囲なども決めるわけですが、それでこういうものを表示でやった場合に、いま申し上げましたようにその中のサービスの内容、あるいは物のサービスもあるかもしれません。そういうものが非常に消費者に明確にいくわけでございます。もちろん、いまそれだけのサービスをするということの標識をするというにすぎないものでございまして、それ以上のサービス、そのほかのサービスというのは何ら関係のないことでございまして、これだけのサービスはしておりますというその標識ということでございまして、何らほかに影響を及ぼしたりするものじゃなくて、これはすべての人が、それだけの内容をやるという場合にはその標識をつけられるということでございますから、そういう効果でございます。
#300
○小笠原貞子君 そうしますと、これによって登録した者、それから登録しない者、その業者間に差別ができるとか、それから営業の内容とかその質に差があるというふうには考えていらっしゃらないわけですね。
#301
○政府委員(山中和君) ただいま申し上げましたように、これだけの内容のものがあるということでございまして、その内容を自分がやっぱり標識として、その約款に従ったサービスを進んでその標識として、それを私はちゃんとしたいと、こういう人だけがやるものでございまして、自分が、私はそういうことはやりませんと言えばこれは自由でございます。で、先ほど申し上げましたようにこういうサービスをしますというだけにすぎないものでございます。
#302
○小笠原貞子君 それでは営業約款策定の際、公式には環境衛生中央審議会ですか、の中で消費者の意見を聞くということになっているわけですけれども、指導センターが大臣に認可を求めるということがございますね、その大臣に認可を求める前にも、センター部内で消費者団体、それからその他の方とも、経験者などの意見を聞く必要があるんじゃないかということが言われておりますし、私もそう思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#303
○政府委員(山中和君) もちろんセンターをつくっていくという場合に、現在のいろいろな役員の方もおりますでしょうし、あるいは消費者関係からの人の意見もございますでしょうし、そういうものはやはり総合してそのセンターをつくっていくということになろうかと思います。決して上から、こういうセンター、これでつくれと、こういうものではございませんので、センターというものは、こういうセンターをつくることができるということでございまして、もちろんその総意がなければこれはできないものだと思っております。したがいまして、たとえば五十四年度から、あるいは五十五年度からということは私の方も申し上げられないと、こういうことになっております。
#304
○小笠原貞子君 それでは、この法案ができることによって業界の方たちの経済的なメリットは一体どこにどういうふうにあるんだろうかということなんです。
 で、小組合をつくって共同仕入れをするというふうなことが言われていますけれども、現在も仕入れなどについてはそれぞれ非常に努力を積み重ねていらっしゃるわけですね。それを小組合単位に仕入れ、流通ルートを再編するということになると、これはまた一つの大きな問題になると思うんですけれども、その辺はどう考えていらっしゃいますか。
#305
○政府委員(山中和君) 共同仕入れの事業というようなのは、もちろん中小零細企業でございますから、やはり大資本の企業の進出とか、そういうこともございまして、いろいろ経済環境が悪くなるということで共同仕入れというものを一つの例示、あるいは実際にそういう事業をやっていくということになろうかと思います。この場合、なるほど、現在どこからか仕入れているというところにつきましては、これはそれをやめて、今度は共同でやるよと、こういうことになるかと思います。しかし、これはやはり近代化をしていく、あるいはより低廉なものをサービスしていくという場合にはいたし方がないことであろうと思いますが、やはりその場合は、なるほど仕入れ先の問題もございますので、仕入れ先の経営の近代化、合理化というものもやはり努力してもらうようにわれわれの方も進めまして、それでその辺を十分配慮してこの事業はやっていきたいと、こう考えております。
#306
○小笠原貞子君 環同からの請願書を見ますと、その内容として、組織的危機に直面しているからというふうなことが言われているわけですけれども、そのことから考えて、この法律というものは業界の統制をねらっているのではないかというような疑念があると、まあいろいろきょうも出された問題ですけれども。で、そういう点から考えて、非組合員に対しては強制はしないということははっきり言われるわけですね。
#307
○政府委員(山中和君) まあ組合の統制ということではなくて、やはり第三者的に、とにかく零細で非常にこういう経済環境で困っている、あるいはこれから困っていくわけですから、それにつきまして、先ほどずっと申し上げました振興計画とかあるいは共同購入とか、そういうものを踏まえましてやっていくわけでございます。もちろん、いま何といいますか、組織の強化というお言葉が出ましたが、やはりこれはなるべく零細企業というのは一つにまとまって防衛していくというのが理想かと思います。したがいまして、やっぱり現在の組合員をふやしていったらどうかと、こう思うわけでございますが、やはりそれには組合も公正な、しかも民主的な運営をしていくことが必要だと思います。したがいまして、これが別々にあるという場合は、これは平等を欠くようなことば、やはり行政といたしましても厳に注意しなければいけないことで、これの公正を期するように努めてまいりたいと思っております。
#308
○小笠原貞子君 まあ法律がつくられるというようなことになりますと、これは一つの大きな公的な権力になってくるわけでございますので、いやがらせがあったりというようなことが本当にないように十分な監視ということに御努力をいただかなければならないと思うわけです。消費者のためと言われながら、きょうずっと伺っていても、消費者団体が全部反対をしていると、まことに消費者を抜きにした、消費者のためという言葉で私はいままでずっと準備されてきたような気がいたします。そういう立場から、私はこういう法律というのはもう全く役に立たない、かえって邪魔になるばかりだというふうに考えるわけですけれども、そういう点なども、きょうのいろいろな参考人の方の意見も十分御尊重いただきまして、本当に消費者の立場をしっかり守っていただくということを最後にしっかりと確認をさせていただきたいと思います。
#309
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘のような問題点には今後十分に留意して運営に当たりたいと思います。
#310
○柄谷道一君 提案趣旨の中にも述べられましたように、本法の改正は、営業の健全な発展を図るという視点と、消費者の利益を擁護する、この二つが柱になっております。で、環衛業の国民生活の中で果たす役割りというのはきわめて大きなものがございます。同時にまた、物価に及ぼす影響というのも大きいと思うわけでございます。衆議院におきましては、このような配慮の中から参考人の意見等も聴取いたしまして必要な修正を施しますとともに、衆議院段階におきましては、五項にわたる附帯決議をつけております。本院におきましても、後ほどこの附帯決議がなされると思うのでございますけれども、こうした修正、そうして五項目にわたる附帯決議を踏まえまして、本法成立後厚生大臣として今後どのような基本方針で環衛業に対してその行政を進められようとしておるのか、まず冒頭これをお伺いいたします。
#311
○国務大臣(橋本龍太郎君) 柄谷さん、一点大変恐縮でありますが訂正をさせていただきたいのは、修正をされたのではありませんで、衆議院は、五党共同で新たな案をおつくりになったわけであります。それに伴って、もともと私が出しておりましたものは撤回をいたしておりますので、修正ではございません。その点だけは正確にさせておいていただきたいと思います。
 そこで、いま私どもは今回の改正というものが、現在の非常に厳しい経済環境のもとにあります環衛業にとって、その経営の合理化でありますとか、近代化、さらに協業化等を進めていく上において経営基盤の安定と営業の振興に資する、同時に、国民の日常生活に非常に関係の深い業種のそろっておるところでありますだけに、その中における消費者の利益の擁護を図ることを目的として立法されたと理解をいたしております。その認識のもとに、厚生省としてはその趣旨を踏まえこの法律の運用に当たりますと同時に、都道府県環境衛生営業センターによる経営指導の充実でありますとか、振興指針の策定、また、環境衛生金融公庫による融資の拡充等の施策を一層充実してまいり、この業界の安定に資してまいりたいと思います。ことに、この法律案の作成をいたしました当時に比べて、現在いわゆる構造不況の波の中で大量の離職者が一方で発生をし、その方々の環衛業への流入ということも、これは環境業界から見れば一つの問題として出てきておるわけでありまして、私どもは新たな雇用の場を設定していくと同時に、そうした点についての配慮も考えていかなければならない、そのように考えております。
#312
○柄谷道一君 私の修正と申しましたのは、事実を曲げたんではなくて、当初の橋本私案が、形式は撤回でございますけれども、実質五会派によって修正が施され、新たな提案がなされたと、こういう意味でございますから、この点を私間違って事実を認識しているわけではございません。
 そこで、いま大臣も申されたわけでございますけれども、近年、産業構造の変化に伴いまして、第三次産業における事業所、そしてそこに雇用される労働者、これは増加の傾向にございます。また今後新しい雇用問題解決として、三次産業段階における雇用の創出ということは、これまた国家的にも重要な問題であろうと思うのでございます。ところが、第三次産業の中で相当大きなウエートを占める環衛業の実態を見ますと、やはり中小零細が圧倒的に多いわけでございます。したがって、その労働条件も部分的な例外はございますけれども、総じて見れば、その労働条件も必ずしも良好と言いがたいものがありますし、かつ一部には旧態依然たる前近代的な労使関係が存在していることもまた否めない事実であろうと、こう思うのでございます。したがって、私はこのような現状というものに対応していくためには、本法改正を一つの契機として、この環衛業の経営体質の強化を図る、そのことに対する具体的かつ積極的な施策というものが伴わなければ、本法改正の意義はまさに失われると言っても過言ではないと、こう思うわけでございます。まだ法律が制定されていないわけでございますけれども、成立をひとつ前提として、厚生大臣の今後の方針をお伺いをいたしておきたい。
#313
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘のとおり、環衛業界というものはその大半が中小というより零細企業でありまして、その経営基盤も不安定であることは間違いありません。それだけに、今後産業構造の変化に伴う事業転換あるいは再就職等による事業所の数の増、また従業員の増の傾向というものは、新しい雇用の創出としての観点から見て私どもとしてきわめて望ましいものだとは思いますけれども、同時に、それが今度は既存業者の倒産、離職といった事態を招いてしまっては、これは大変なことになることは御指摘のとおりでございます。ですから、私どもとしては、その経営基盤を安定強化をできるように積極的に指導をしていく役割りがあろうと存じます。現在厚生省において環境衛生金融公庫による近代化設備、衛生設備等の整備に必要な資金の融資を行っておりますのも、従来からそうした考え方をとってきた一つの証左でありますけれども、こうしたものをだんだんこれからも強化をしていくと同時に、各都道府県環境衛生組合連絡協議会に環境衛生営業相談室を設け、経営相談員を配置するなどの対策をしてきた、そうした努力をなお一層力を入れていきまして、経営指導員の配置等、なお増員も必要でありますし、経営指導体制の整備充実を図りながら、環衛業全体の近代化、合理化、経営の安定という一連の振興対策を進めてきているわけでございます。今後におきましても、私どもとしてはそうした努力を続けてまいり、センターの経営指導等々あわせながら業界全体の安定した発展に寄与してまいりたいと、そのように考えております。
#314
○柄谷道一君 私はいま言われましたように、経営基盤のいわゆる弱体な中小零細企業が多いこの環衛業、もちろんいま大臣が言われましたように、環衛組合等による自主的な共同事業の推進、これはもう当然必要なことでございますし、また経営指導体制を強化していく、これも当然必要なことだと思うんですね。しかし、その近代化、合理化というものは、私は一つはその中小零細の経営基盤というものを強固にするというこの一つの目的がございます。それから第二には、その近代化、合理化というものが、やはり消費者にも還元されなければならないと、こう思うんですね。第三には、その体質強化というものが今度はそこに働いておる従業員にも還元されていかなければならない。その三者の配合をどうするか、そこに私は厚生省のこれからの指導がかかってきておると認識いたしておるわけでございます。
 特にこの第三番目の問題については、これはひとつ私は労働省とも厚生省十分に連携をとりまして、いま労働基準法の適用除外事業所も多いわけですね、さりとて家内労働法の適用にもなっていないわけでございます。私は、経営基盤の強化、そして消費者に対する還元とあわせて、そこに働く人々に対するやはり指導にも、まあ所管が違いますけれども、厚生省積極的にやっぱり労働省ともお話を願って、この三位一体の新しい環衛業の体制づくりというものを目指す必要があるのではないかと、こう思えるわけでございます。再度大臣の所見をお伺いします。
#315
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど私申しましたように、その新規参入を当然迎え入れていく新たな雇用創出の場であると同時に、従来からある方々が倒産してしまったり、離職を招いてしまったりしてはいかぬということを申し上げました中には、実はいま柄谷さんから御指摘のありましたような事態も踏まえて私は申しておったつもりでありました。ですから、今後ともに労働省と十分にそうした点について相談をしながら、積極的に協力を得て安定した雇用の場としての役割りを果たせるように指導してまいりたいと思います。
#316
○柄谷道一君 問題を転じますが、環衛業の中にも、ホテル、クリーニング、飲食店等いわゆる大企業がこの業界に進出するという例が見られますし、本日配付されました厚生省の資料によりましても、各地で問題を起こしつつあるということは指摘されているところでございます。現在中小企業分野調整法という法律も存在いたしております。また環衛法の第八条第五項に、いわゆる大企業の進出にかかわる問題で、その地域における中小零細企業に重大な影響を及ぼすと、こう認められる場合、「当該営業の開始若しくは拡大を停止し、又はその計画を変更すべき旨の契約を締結することができる。」、まあ条文にこのことがうたわれているわけですね。しかし今日までの運営を見ますと、この現行法第八条第五項の発動といいますかね、これに伴う強力な行政指導というものは本当に弱いんではないか。法律にはあれど、十分にこの機能を発揮していないというふうに受けとめられて仕方がないわけでございます。特にこの大企業進出というものが、今後ますます顕著になるでありましょうし、一面中小零細の自助努力による体質強化というのは、これはもう当然それが主体になるべきでございますけれども、やはりある程度の配慮を加えながら自助努力を待つと、こういう体制をしいていきませんと、環衛業大変な事態が起こることも予測されるわけでございます。この点に対して今後の大臣としての指導の方針といいますか、ございましたら明確にお答えを願いたい。
#317
○国務大臣(橋本龍太郎君) 従来特殊契約が有効に働かなかった一つの原因として、実はその大手企業のダミーによる業界進出について、これが全然規制の対象になっておりませんでした。これが特にクリーニング等の場合にトラブルを起こした、しかも特殊契約が効果を発揮しない、発動できないという実態をつくり出した一つの原因であろうと思います。今回の改正法におきまして、そうした点についての配慮を加えておりますので、今後特殊契約の発動そのものについても、私は従来より効果的に対応できるようになったと考えておりますが、それは確かに自助努力と同時に、そうした調整等を国も積極的にやっていかなければならないことは間違いありません。環衛法、また中小企業分野調整法等を使いながら今後ともに努力をしてまいりたいと考えております。
#318
○柄谷道一君 まあそういう運用をされるわけですけれども、これは、たとえば小売業の場合、いま大型量販店、そして既存中小商店との間の摩擦が起きまして、これを調和するための機構というものが通産省でも設けられ、それには大店、いわゆる大型店舗の意見、現存する中小零細商店の意見、さらに消費者の意見、これらがその場において調整されるという一つの仕組みをつくっておるわけですね。私は、この調整の方法一つを誤りますと、それは消費者無視になってきてもなりませんし、また、消費者だけの立場を考えれば既存商店の今度は混乱と、既存環衛業の混乱という問題になってくるわけです。したがって、どういうシステムといいますか、体制で調整に当たっていくか、これは運用が非常に困難であると同時に、あえてその面は突破していかなければこの解決はならないと思うんですね。一遍いま大臣の言われましたお考えをひとつうまく実態に乗せるためのいわゆる仕組みについて、いろいろ事例があるわけですから、それを参考としつつ、また各界の意見を参酌されつつひとつ御検討願えませんでしょうか。
#319
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、調整の申し出がなされました場合、厚生大臣はそれを調整し、また裁定をしなければならぬわけでありますが、確かに一人の判断として、あるいは厚生省だけの立場として判断をした場合には誤りを生ずる危険性がこれはないとは言えません。その仕組みの点については私どもも何か考えてみたいと思います。どういうやり方がいいか、とっさにちょっと思い浮かびませんが、今後の宿題としてちょうだいをしたいと存じます。
#320
○柄谷道一君 今回の改正で、地区における賃金その他の経費の水準等を勘案して適正化規程を定めることができる、このようになっておると思います。ここで言う地区とはどのような範囲を考えておられるのか、お伺いします。
#321
○政府委員(山中和君) ここで適正化規程の地区は、組合の地区とされている現在の都道府県の地域でございます。
#322
○柄谷道一君 標準営業約款を定めることができるようになっておりますけれども、このことも、運用を誤りますとサービスの画一化になるというおそれもあるわけでございます。ただいままでの答弁で、これは最低の条件を示すものであって画一主義は避けていきたい、こういう大臣の御所見でございますけれども、そう理解してよろしゅうございますか。
#323
○国務大臣(橋本龍太郎君) そのとおりでありまして、それ以上のサービスをすることを決して禁止をするつもりはありません。
 それと、いま先ほどの機構の話でありますが、私ども中央環境衛生適正化審議会を持っておるわけでありますから、実行上はこの審議会の運用によって対処することに当面なろうと思いますので、補足をいたしておきたいと思います。
#324
○柄谷道一君 質問時間が二十分と規制されておるわけでございますので、多くの質問をする時間的余裕がないわけでございますが、私、いままでの幾つかの質問の中で指摘いたしましたように、今回の法改正は、むしろ今後の厚生省の行政指導といいますか、この法運用に係る部分がきわめて多いわけでございます。その点きょういろいろの参考人、そして各委員からも質問で指摘したところが多いわけでございますので、大臣、これらの諸点を十分配慮され、その法運用に誤りなきをぜひ期していただきたい、このことを強く要望いたしまして、時間でございますので、私の質問をやめます。
#325
○下村泰君 この改正すべき法案についてお話が始まってから承っておりますと、まず一番感じましたことは、先ほども小笠原先生がおっしゃいましたけれども、一つの法案の解釈の仕方によってなぜこういがみ合わなきゃならないのか、同じ業種の人でありながら、その業種同士がなぜ手を握って大同団結できないのか。果たしてこのそれぞれの業種の方々は、これ日本人じゃないんだろうか、そんな印象を受けました。
 いま一つは、この改正の法案が通れば、昔私は日曜学校というのに行ったことがありますが、信ずる者はだれも救われぬというような感じを受ける。先ほどから聞いておりますと、零細企業、零細企業と、この法案が通ることによってそれだけ零細企業の方々が救われるんでしょうか。さっきから盛んに零細企業の方をカバーする、庇護するというようなことをおっしゃっておりましたけれども、じゃ一体具体的にどういうふうにしてお救いになるのか、その辺からまず聞かせてください。
#326
○政府委員(山中和君) 環衛法というのがございますのは、特にこういうサービス業の中で非常に零細だということで、むしろ中小企業とはもう一つ特別な立法のようになっておるわけでございます。したがいまして、中どころじゃない小零細企業、そういうものによって占められておるこの環衛業界の振興を図ったり、そういうことをしようということでございます。たとえば、その経営基盤が非常に弱体でございますし、こういう経営基盤を強くしようと、それでないと衛生水準あるいはそれがもう一度フィードバックしまして消費者の利益にもつながらないと、こういう観点でございまして、零細企業こそ救うということでございまして、それを、零細企業は救われないということは、この改正法に関する限りむしろこれを救うためにあると、私はそういうふうに理解しております。
#327
○下村泰君 いまのあなたのお話ですと、そういう方たちのお仕事を利用させていらっしゃる消費者の方々から、じゃたとえば、衛生状態が悪いとか、サービスが悪いとかいうような苦情はあまた聞いていらっしゃいますか。
#328
○政府委員(山中和君) これはそれぞれ、いろいろ地域的にございまして、国民生活センターその他からのいろいろ消費者の苦情に関する情報がございます。たとえば、五十二年の苦情や事故の報告によりますと、美容関係で三十一件とか、クリーニング関係で百三十二件とか、いろいろ苦情が申し込まれております。苦情の内容もいろいろございますが、たとえば、コールドパーマの液とか染毛剤による皮膚障害とか、そういういろいろなものが報告されております。やはり、こういう苦情というものがありまして、その中にはいろいろ零細企業であるがゆえにそういう苦情が出る原因もあるわけでございます。したがいまして、やはり、いま零細企業を環衛法改正によりまして、この基盤を充実して衛生保持をしたいというのが今回の改正の趣旨でございます。
#329
○下村泰君 そうしますと、いまお話伺って、たとえばコールドパーマ液によってそういう被害が出たとすると、そういうものを売っている認可はどこがしているんですか。
#330
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは厚生省の薬務局の認可に係るものが多分その中にはあろうと思います。ただ、それが適切な設備のもとに適切な技術で使用されておれば問題が起こらない場合でありましても、その使用方法を誤れば、これは事故を起こすということもあるわけでありまして、一概にその認可はどこだときめつけられましても、私どもとしても困る場合がございます。
#331
○下村泰君 細かに、最先端の一番のいわゆるそういったお仕事を実際にやっていらっしゃる方々、そしてそこに行って実際に財布のひもを緩めている方々の意見というものが、今度のこの法案には一つも入ってないということがこれでよくわかりすね。これを実は春野鶴子さんという方に指摘されましてね、私たちの意見は一つも聞いてないんだと。先ほども安恒先生がおっしゃっていましたけれども、あの消費者団体の春野さんたちがお集まりになって、厚生省のお役人たちに来てくださいと、こういうお話を聞いてください、別に何もあなたの方を攻撃するわけじゃないんですと、私たちの意見だけでもいいからせめて聞いてくださいと。こういうときには一回も来なかったというんですね。そして、今度の法案のことについて、いわゆるこちらの何と言いますか、長いですな、全国環境衛生同業組合ですか、環同と言うんですか、こちらの人が説明に来ると言ったら、厚生省のお役人が案内してきたと。一体これはどういうことなんだろうかと。本当に委員会で聞いてくださいと言われましたよ。そうすると何ですかね、御用商人みたいな感じになりはしませんか、ちょっと言葉が過ぎたかもかもわかりませんけれども。
#332
○政府委員(山中和君) 先ほど具体的な例としまして、環同関係者が消費者のところに説明に行く段に、私が課長にあっせんをしたということで、それをつけさした。つけさしたというか、あっせんをしたので、その責任者としてそこへ同席させたということでございまして、先ほど安恒委員からも指摘されまして、やはり配慮をすべきじゃないかということで遺憾の意を表したわけでございます。
 それから、消費者団体につきましては、確かに現在までいろいろ厚生省といたしましても応接にいとまがないといいますか、まあわれわれ消費者のむしろ側に立ったやっぱり官庁であるということから、少し甘えたといいますか、そういうことで余り消費者団体との会見というのをやっておりませんでした。しかし、ここ数カ月来積極的に私はやっております。今後もやはり消費者との相互理解という意味で、この態度はずっと続けていこうと思っております。
#333
○下村泰君 それはそうですよ。この法案が通るか通らないかだから、あなただって一生懸命やらざるを得ないでしょう。
 ところで、先ほど承っておりますると、参考人の方々がお越しになって、クリーニング関係、それから理美容関係、この両者の御意見を聞いておりますと、ちょうど宗教人口を聞いているようなものですね、両方で言っている数を合わせますとまるで合わなくなっちゃうのです、これは。各宗教で、私の信者はこれだけいるんだということを全部合わせると日本の総人口の三倍ぐらいになりますよ。で、私東京都を調べてみたんです。東京都ですね。厚生省というのは忙しいのですな。まず美容が五四・六%、これはいわゆる環同といいますか、環境衛生同業組合連合会に入っていらっしゃる方の率ですけれども、美容が五四・六%、理容七九・六%、クリーニングが四六・九%、半分割ってますね。すし屋さんが五〇・一%、めん類が六六・五%、中華屋さんが三七・六%、カフェー、バーに至っては三〇%、非組合の方が七〇%ですね。それから料理屋さん、待合、これが三七・三%、その他飲食店が六二・七%、喫茶店が五二・八%、鳥肉屋さんが六〇・四、食肉販売が五二・〇、氷屋さん関係が七六・六、それから
 一般の興業でございますが、これが五八・九、ホテル、旅館が六二・六、おふろ屋さんが九八・三と、こういうふうなパーセンテージが出ています。もちろんこれは東京都のことでございますから全国の平均にはならないかもわかりません。むしろこれは入っていない方の方が多いのに、なぜこの法案を通さなきゃならないのか、ここに私はわからない一番大きな理由があるんです。
#334
○政府委員(山中和君) ただいま参考人の方々から賛成、反対ありましたが、いま先生東京都について言われたわけでございますが、組合員と非組合員と分けまして、非組合員は組合にもう全部反対であるということではないわけでございます。やはりいままでの環同組合というものの事業、そういうものをもっとやはり、そういう業種の方々の経営基盤を強くできるような状態をつくる、またそれの運営について、やはりセンターというような法人格を持たせて、非組合員に対しても全く平等にする、あるいはそのほか、それによって消費者に利益が返るようにしたい、こういうことが趣旨でございまして、したがいまして、確かに組合員ということだけで見ますと五〇%でございますが、これはやはりこういう法改正によりまして、経営基盤あるいは衛生の向上ということをすることによってこの業界が真に必要な業界となっていくという、そういうことでございます。したがいまして、組合員が少ないということにかかわらず、やはりこれの改正が必要だと、こういうことでございます。
#335
○下村泰君 何だかわかったようなわからないような――ちっともわからないですな。これは幾らやっていても同じでしょう。
 それから、一番やはり問題になっているのは、指導センターの設置が一番やはり問題になっているようです。それから皆さんが心配していらっしゃるのもやっぱりこの点なんですが、たとえば新しく営業をする場合。これからですよ、指導センターができた場合、新しく営業をする、新規の開店をしなきゃならない。こういうようなときには、やはりこういうところへ行って指導を受けた方がよろしいんですか、それともこういうところが認可するようなぐあいになるんですか、あるいはこういうところから推薦された方がいいということになりますか。
#336
○国務大臣(橋本龍太郎君) 新規開業の認可等について指導センターは何ら関係はございません。ただ、経営指導その他はその方が有利だろうと私は思いますから、センターを活用された方が得ではないかと思います。
#337
○下村泰君 そこが心配なんですね。つまり、活用するような場合に、それじゃこういうものをあなたお買いになった方がいいですよ、こういうのが割り安ですよとか、その設備はこういうふうにした方がよろしい、私の方がインテリアをしてあげましょう、店の中を飾ってあげましょうなんというときに、そのセンターを通じた品物ばかり買わされるような状態になる。もしそれをけった場合にはいやな顔をされるとか、後いろいろといびられるとかなんという心配もこれから先、生まれてくるんじゃないですか。いまはないにしても、必ずそんな状態になるんじゃないですか、あるいは村八分に遭うとか。
#338
○政府委員(山中和君) センターの業務は、経営相談をする、それから大体苦情処理をする、それからさらに情報の提供等をするというような、こういう業務が主体でございまして、決して、何か売る物を持ってこれを買えとか、そういう性質のものではございません。したがいまして、いまの許可とか、そういうことには一切かかわりはございません。これはやはり経営基盤の脆弱なこういう業界におきまして、経営指導する、経営相談をするというところでございますので、一切そういうことはございませんし、また、これから環衛の行政をやっていくに当たりましても、何かそういう民主的じゃない行為の行われることについては厳にこれは配慮をして、注意をしていきたいと思っております。
#339
○下村泰君 もしそういうふうになるようなことになったら、これは大変なことだと思います。先ほどから皆さんの御心配になっているのは、いわゆる厚生省からの天下り、私なんかも完全にこれは厚生省のおば捨て山と最初からにらんでいます。こういうものができれば、必ずもう厚生省おやめになった方が行くでしょう。そして、行って、その方が顔をきかしていろんなことにこれからなるような心配は当然あると思います。もしおやめになった方でも絶対にここへ行くとは断定できませんでしょう、これは個人の自由なんですからね。厚生省というところをおやめになって、その次のお仕事を選ぶのは、これは個人の自由です。そこまでは束縛できないでしょう。けれども、厚生省というそこに籍がなくなって、官庁というところをおやめになったにしても、人間と人間のつながりだけはこれは切れるものじゃないんですからね。そうすると、これは形は天下りでなくても――形は天下りでもない、退職して全然関係はないんですから、それはこういうところでお答えになる場合にはそういうふうにして理屈は通ります。言いわけもできます。しかし、やがてはそういう形になるんじゃないかということが私の心配なんです。もちろんこれお答え要りません。当然なるわけはないと言うに決まっていますからね。
 ですから、ただいまも申し上げましたとおり、もう厚生省の方としてはこれはすばらしい案なんだと、先ほどからもう皆さん方に口の酸っぱくなるほど御説明申しているんですから、もしこれができた場合、もうこれできるというような状態でしょう、いまのところは。なった場合に絶対にこういう方たちから批判を受けないようなすばらしい法の運用ができるという自信が橋本厚生大臣におありですか。任期中につくって後は知らぬ顔の半兵衛というわけにはいかぬと思いますがね。
#340
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどからお答えを申し上げておりますように、私どもはセンターそのものが完全にできるのには二、三年の歳月がかかるであろうと思います。そういう中において、先ほど安恒委員からの御指摘であったと思いますが、絶対に天下らないという保証は私もできませんということを申し上げました。それはむしろいまお話しのように、人間関係で採用される場合もありましょうし、ただそういうことでこれが曲げられて運用されるようなことのない状態をつくることにかけては全力を尽くすつもりであります。
#341
○下村泰君 結構です。
    ―――――――――――――
#342
○委員長(対馬孝且君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、森下泰君が委員を辞任され、その補欠として下条進一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#343
○委員長(対馬孝且君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#344
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#345
○委員長(対馬孝且君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。
#346
○片山甚市君 ただいま可決されました環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、第二院クラブの共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと存じますので、御賛同をお願いいたします。
 案文を朗読いたします。
   環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項につき格別の配慮を払うべきである。
 一、都道府県環境衛生営業指導センター及び全国環境衛生営業指導センターの運営については、すべての営業者に対する不公平な取り扱いが行われることのないよう指導するとともに、適正かつ民主的な構成と運営が確保されるよう配慮すること。また、商工会、商工会議所及び中小企業団体中央会の事業と相互に十分連絡調整を行うよう指導すること。
 二、環境衛生同業小組合の設立及び運営については、共同購入事業等を効率的に実施することを目的とする制度であることにかんがみ、その趣旨に沿うよう利用者又は消費者の利益の擁護、環境衛生同業組合との調整を十分図ることとし、政令による環境衛生同業小組合を設立することのできる菜種の指定及び事業の運営が適正に行われるよう配慮すること。
 三、標準営業約款においては、料金又は価格に係る表示は含まないこととし、それが利用者又は消費者の利益を図る制度であることにかんがみその運用が適正に行われるよう指導するとともに、営業者及び利用者又は消費者に対し、その趣旨を周知徹底させるよう努めること。
 四、営業者に対し利用者又は消費者に対するサービスの向上を図るとともに、料金価格等の違法な協定が行われることのないよう指導に努めること。
  右決議する。
 以上であります。
#347
○委員長(対馬孝且君) ただいま片山君から提出をされました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#348
○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本厚生大臣。
#349
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、厚生省といたしましては、その趣旨を尊重し、施策の適正な推進に努め、環境衛生関係営業の経営の健全化と利用者または消費者の利益の擁護を図るよう努力する所存であります。
#350
○委員長(対馬孝且君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#351
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#352
○委員長(対馬孝且君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本厚生大臣。
#353
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるほか、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金及び戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給対象範囲を拡大するなど一層の改善を図ることとし、関係の法律を改正しようとするものであります。
 以下この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。
 改正の第一点は、障害年金、遺族年金等の額を恩給法に準じて引き上げるとともに、遺族年金等と恩給との不均衡を是正するものであります。
 改正の第二点は、遺族年金等の支給対象範囲を、いわゆる再婚解消妻に関して拡大するものであります。
 第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正であります。これは、未帰還者の留守家族に支給される留守家族手当の月額を遺族年金に準じて引き上げるものであります。
 第三は、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部改正であります。戦没者等の遺族であって、昭和五十年四月から昭和五十四年三月までの間に、公務扶助料、遺族年金等の支給を受けている者が亡くなったもの等に対し、弔慰の意を表するため、特別弔慰金として額面十二万円の国債を支給するものであります。
 第四は、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正であります。昭和四十八年四月二日以後に戦傷病者等の妻となった者に対し、その特別な労苦に報いるため、特別給付金として額面五万円の国債を支給するものであります。
 第五は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正であります。これは、昭和五十三年の遺族援護法の改正により、遺族給与金を受ける権利を有するに至った戦没者の妻及び父母等に、特別給付金を支給するものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
#354
○委員長(対馬孝且君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案の自後の審査は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後七時一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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