くにさくロゴ
1978/05/30 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 社会労働委員会 第10号
姉妹サイト
 
1978/05/30 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 社会労働委員会 第10号

#1
第087回国会 社会労働委員会 第10号
昭和五十四年五月三十日(水曜日)
   午後一時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     橋本  敦君     小笠原貞子君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     竹内  潔君     斎藤栄三郎君
     片山 甚市君     上田  哲君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     斎藤栄三郎君     竹内  潔君
     上田  哲君     片山 甚市君
     柄谷 道一君     井上  計君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     竹内  潔君     岩動 道行君
     小笠原貞子君     安武 洋子君
     井上  計君     柄谷 道一君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     竹内  潔君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         対馬 孝且君
    理 事
                遠藤 政夫君
                斎藤 十朗君
                片山 甚市君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                上原 正吉君
                亀長 友義君
                田代由紀男君
                竹内  潔君
                高杉 廸忠君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                安武 洋子君
                柄谷 道一君
                下村  泰君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  金子 一平君
       厚 生 大 臣  橋本龍太郎君
       運 輸 大 臣  森山 欽司君
       労 働 大 臣  栗原 祐幸君
       自 治 大 臣  澁谷 直藏君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       田中 六助君
   政府委員
       人事院事務総局
       任用局長     長橋  進君
       総理府人事局次
       長        川崎 昭典君
       大蔵省主計局次
       長        禿河 徹映君
       厚生省医務局長  佐分利輝彦君
       厚生省年金局長  木暮 保成君
       社会保険庁年金
       保険部長     持永 和見君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  山地  進君
       労働省労働基準
       局長       岩崎 隆造君
       労働省職業安定
       局長       細野  正君
       自治省行政局公
       務員部長     砂子田 隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       労働大臣官房統
       計情報部雇用統
       計課長      佐野  厚君
       労働省職業安定
       局業務指導課長  田淵 孝輔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○社会保障制度等に関する調査(年金問題に関す
 る集中審議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十五日、橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。
 また、昨二十九日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(対馬孝且君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 片山甚市君の一時委員異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に片山甚市君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(対馬孝且君) 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 本日は、理事会の申し合わせにより年金問題について集中審議を行います。
 なお、大蔵大臣から、他の委員会に出席の関係上、一時四十五分に退席したいという申し出がございますので、あらかじめ御了承願います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○安恒良一君 きょう年金の集中審議で、私が出席を要求しておりました大臣は厚生大臣、労働大臣、大蔵大臣、自治大臣、運輸大臣、官房長官、こういうふうにお願いをしておったわけです。しかし、大蔵大臣の場合には、ほかの委員会、決算委員会との関係があるということでやむを得ないのですが、官房長官の場合にはきのう都合が悪いなどという話は聞いていません。聞いていませんが、きょうになって何か都合が悪いということで、これは大変遺憾であります。法案があればここで法案審議ストップと、こういうことになるんですが、法案がなくて集中審議ですから。で、なぜかというと、皆さんがお並びにならないと質問がしにくい部面がかなりあるわけです。ですから、そういう点では若干ダブるかもわかりません。
 そこで、大蔵大臣がおいでになるときにひとつお聞きをしておきたいんですが、まず御承知のように、わが国が急速な高齢社会を迎える、こういう中で年金財政が非常に膨張をしている。そこで、このピンチを切り抜けるためにも、具体的な年金対策について方針を決めなければならぬ、こういうことは私もよくわかっているわけであります。そういう中で、今回の問題の一つとして問題になっておりますのは、いわゆる年金財政のピンチを切り抜ける一つの重要な方法として、支給開始年齢の引き上げといいますか、これをそれぞれがそれぞれなりに考えられている。たとえば、一つの例を挙げますと、国家公務員共済等の共済年金については、すでに本国会に法案が出ておりまして、現在五十五歳を二十年の経過措置を経て六十歳にしたいと、こう言っている。厚生大臣の方は、この前、本年度の年金改正の審議のときにお聞きしたのでありますが、年金懇等の答申を受けて、これは準備を進められている段階でありますが、できれば来年度の改正の際には現在六十歳支給を二十年のこれまた経過措置をして六十五歳にしたいと、こう言われている。しかも、厚生大臣の御意向としては、もちろんその場合はできれば共済年金も一緒にそろえたい、こういうことなんですね。ところが、この前大蔵省の主計局次長は、いや、共済年金に関してはそういう考えを持っておりませんと、こういう政府部内の食い違いがあったわけです。
 そこで、私がお聞きをしたいのは、それかといって、じゃ年金財政が今日どういうふうになっているかというのを見ますと、率直に言って、これは後から細かく数字を挙げながら聞いていきますけれども、たとえば、これから二十年後の昭和七十五年を考えますと、厚生年金の場合は被保険者十人で二人の年金受給者を賄うことになる、共済の場合には十人で四人を賄わなきゃならぬ、こういう比率になるわけですね。しかも共済年金の方が厚生年金に比べると非常に財政上苦しい状況にある。ところが、一方苦しい方は二十年かけて六十歳にする、比較的楽な方は同じ時期に二十年かけて六十五にするというのは、全く国民から言うとつじつまが合わないわけですね。でありますから、こういう点について、その共済年金というのは大蔵大臣だけの所管ではありません、自治大臣、運輸大臣、大蔵大臣それぞれに分かれています。しかし、何といっても財政の中心というのは大蔵になりますから、ひとつ大蔵大臣に以上のような点を、どういうお考えでいま言ったようなちぐはぐが政府部内で起こっていくのか。でなければ、率直なことを言いまして、二十一世紀になってもいわゆる共済年金と厚生年金の支給開始年齢は食い違ったままいくと。このことについては非常に国民的な意見があるところでありますから、まずその点をひとつお聞きをしたいと思うわけであります。
 それから、その次の問題として、これも大蔵大臣以下各大臣おいでになるときにお聞きをしておきたいと思いますが、率直に申し上げまして、私はこのような年金というものは、いま各省が縦割りにばらばらに持っておりますから、今後政策の一元化を配慮する必要がある。そこで、年金懇からは各制度に対して共通したチェックをしろと、そして各制度に必要な処置をとることを勧告するということで、年金数理委員会の設置を年金懇は言っているわけですね。ところが年金数理委員会だけでは問題にならないんじゃないか。当面する年金制度の改革を私は国家的な大事業であるというふうに考えます。そこで、この国家的大事業をいまの縦割り行政でやっておったのではとても整合性のある年金ができない。
 そこで、私は二つのことを考えたらどうかと思うんでありますが、一つは年金行政の一本化のために各省の共済部門をも統括し、かつ医療、社会福祉、公的扶助等についても一元的に議論ができる包括する省、こういうことから考えますと、私は現在の行政機構を一部整理再編成いたしまして、社会保障省というのを設置をする、その大臣の所管のもとで一元的に年金改正について議論を進めていったらどうか。いまのように大蔵省、自治省、運輸省、それから厚生省、ばらばらでやっておったのではとてもうまくいかないから、そういうことをひとつ考える必要があるんではないだろうか。
 それから第二番目には、やはり国権の最高機関として国会があるわけでありますから、私は、国会が明確なイニシアチブをとって年金改正というものを進めていかなければならない。それがこれまた国会の場合でも、たとえば共済年金は衆議院では大蔵委員会がやる、参議院に参りますとこれは内閣委員会がやる、国民年金と厚生年金は社会労働委員会で衆参がやっている、農民年金になりますと農林委員会でやっている。こういうふうに、国会の審議も各委員会がばらばらでやる。もちろん国会の場合には連合審査方式というのがあります。しかしこの連合審査方式というのはなかなか時間がかかる。そこで私は、これだけの国家的な大事業をやるためには、国会の中にも年金改革のための特別委員会というものを設けて、そこで、いま申し上げたように共済、国民年金、それから厚生年金、農民年金等々、総合的に国会の場において一元的に審議をする、そういう特別委員会を国会に設けて、衆参に設けて議論をしてみたらどうか、こういうふうに考えます。
 以上、これはちょっと大蔵大臣並びに関係大臣お並びですから、いま言った二つの点についての所見をそれぞれの大臣から話をしてください。
#7
○国務大臣(金子一平君) いま安恒さんから御指摘のございましたとおり、今後の老齢化社会への移行、これは大変な財政問題を迎えるわけでございまして、そこで、年金制度基本構想懇談会の御報告にもございますように、年金財政等の面からわが国の被用者年金の支給開始年齢は、公的年金部分については共済組合を含めて今後長期的に六十五歳に引き上げることが望ましいということを指摘しておられます。方向としては、私もそのとおり各年金の間で整合性を持つのが当然と考えております。ただ、一遍に共済年金をそれじゃ十年、五十五歳から六十五歳まで一遍に引き上げていいかというと、それはいろいろ問題もあると思うのでございまして、共済年金が職域年金的な性格をあわせ持っておる点や、職員の生活設計の面、雇用の面等を考慮いたしまして、当面六十歳の年金支給開始年齢を実現させることが現実的ではないかということを考えまして、今回の共済年金法の改正を御提案申し上げているような次第でございますが、これは年金懇の御報告の線にも私は沿ったものと考えておる次第でございます。
 それから、第二点の機構を一元化したらどうかということでございますが、たとえば年金省でございますか、社会保障省、これは将来の問題としては、あるいはそういうことも考えられるかもしれませんが、いま直ちに機構改革を行って一元化していくということは、そこまでは私どもも考えておりませんので、むしろ今後の各種の年金制度を改革していくに当たりましては、やはり厚生省が中心となって、それぞれの年金がやはりそれぞれの歴史を持ち、幾つかの過程を経て今日のような段階になっておりますので、厚生省を中心に、今後特に公的年金の面において各種年金が整合性が図られますように努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#8
○安恒良一君 ちょっとほかの大臣、大蔵大臣がお急ぎのようですから……。
 いま大蔵大臣ね、あなたの言われたことに大変矛盾があるんですね。というのは、年金懇をも含めて共済年金の――私は断っておきたいのは、共済年金の支給開始年齢を六十五歳にしろとか、厚生年金を六十五歳にしろということを決して言っているわけじゃないんです。私は六十歳で実はそろえるのが正しいと思っています。それは後で各大臣と理論展開をしたいと思います。このことははっきりさせておきます。ただ、あなたのいま言われたことの中から言いますと非常に矛盾があるのは、年金懇の答申なり、厚生大臣は、これから二十年かけて厚生年金も共済年金も六十五歳にしたいという御希望がある。そしてあなたは、いや当面これから二十年かけて六十歳に持っていきたいと、そうすると二十一世紀を迎える。で、二十一世紀を迎えてもまだ五歳の開きはいまと同じのまま進めていこうという考え方については、いろいろこれは年金懇その他からも指摘がされているわけです。それからまた、あなたは言葉では厚生省を中心にやりたいと言いながら、実際厚生大臣は、できれば共済年金も含めてこれから二十年の経過措置の中でやることが望ましいと言っておるのに、言葉だけでは厚生省中心と言いながら、実際やろうとしていることは全くちぐはぐなことがやられようとしているわけですね。
 それからいま一つ私がお尋ねしてあなたがお答えにならなかったのは、国会の審議のあり方も、いまのように、あるものは内閣委員会でやっている、あるものは大蔵委員会でやる、あるものは社労委員会で、ばらばらにやるよりも、これは国家的大事業としての年金改正をやっていくためには、これから一、二年、国会の中にこの種の特別委員会というものを衆参に設置をして、そこで総合的な見地から議論をする、そして国会の最高の調査スタッフ等をそろえながら調査をし研究をする、そういう中で整合性を持たせることの方がいいんではないか、こういうことについても大蔵大臣お聞きをしていますから。
 それからいま一つは、財政上についても、共済と厚年を比べるときに、財政上の行き詰まりといいますか、問題は共済の方が多いじゃないか、厚年の方が比較的まだ楽じゃないか。にもかかわらずに、共済の方は二十年かけて六十でいいと言われている根拠なり考え方についてもお聞きをしましたがお答えになっていませんから、その点を大蔵大臣、どうぞ。
#9
○国務大臣(金子一平君) 国会の審議につきまして、どの場所で国会で御審議いただくかという問題につきましては、これは国会でお決めいただくことでございますからあえて触れませんでした。その点は御了承いただけると思います。
 それから、二十年かけて六十五歳なり六十歳と言っていますのは、私どもの立場といたしましては、現在の五十五歳の支給年齢を六十歳に上げるにつきましては、やはり相当の経過的な措置を講ずる必要がありますから、やはり十年なり二十年なりの経過措置を講じながら漸次引き上げの方向に持っていくつもりでおります。そういう意味で申し上げたわけでございまして、厚生大臣の方から後からお話があると思いますけれども、仮に、六十五歳に厚生年金の方を引き上げるのが方向として正しいということでございますならば、今後やはり私どももその実施過程においてだんだんと各種年金に整合性を持たせるように努力をしてまいるつもりでございます。
#10
○安恒良一君 大臣以外の人の答弁は大臣が帰った後でいいから、大臣はそこまでしか答弁できないというなら同僚が大臣に質問しますから。
#11
○高杉廸忠君 いずれ厚生大臣、労働大臣にはお伺いしますが、まず、時間の関係でありますから大蔵大臣にお伺いをしたいんですが、年金と直接は関係がありませんが、現在、国立らい療養所に入っておられる外国人の方、特に韓国でありますが、これがいま年金に見合うような給与金として支給をされているわけですけれども、その算定のまず根拠を簡潔にひとつ伺って、その後に要望を申し上げたいと思います。時間の範囲内で終わりたいと思いますから、まず根拠をひとつ教えていただきたい。
#12
○国務大臣(金子一平君) 国立らい病院の患者に対する給与金、これは毎年度の予算措置で支給しておるわけでございまして、法的な根拠とおっしゃると、それはございません。こういう患者を放てきしておくわけにいきませんから、むしろ人道的見地から予算措置をとっておると御了承いただいても結構でございますが、御要求があれば、今後もこれまでの経緯等を踏まえまして、適切な措置を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
#13
○高杉廸忠君 時間がありませんからお願いだけ申し上げて、あとは厚生大臣等に詳しく申し上げますが、毎年予算編成期になりますと、ハンセン氏病の方、らいの患者さん方が大蔵省に押しかけて、主計官の方々に、いま特に申し上げました韓国の方を中心にした外国人の方の給与金については、歴史的な経過等を十分お話しするというのは、毎年同じことを繰り返している。私は、もうすでに大平内閣としても予算編成として早期に取りかかるという時期でありますから、今後そういうことのないように、患者さん方が一々大蔵省の担当官の方々に、過去の歴史的な経過等を含めたお話をするようなことじゃなくて、将来にわたって、これは衆議院の去る四月九日の国民年金法の改正に対しての審議の際の附帯決議にありますから、これらの趣旨を十分尊重していただいて、いま申し上げましたことの繰り返しのないように、大臣としては、特に在任中はもちろんでありますが、将来にわたってひとつ引き継ぎ等も十分に行っていただきたい、これはお願いであります。それについての御見解を伺って終わります。
#14
○国務大臣(金子一平君) いまの点、ただいまお話のございました点につきましては、これは厚生大臣とも十分相談しながら適切な措置をとってまいりたいと考えておる次第でございます。
#15
○小平芳平君 大蔵大臣に伺いますが、いま安恒委員から質問があった点でありますが、年金の支給開始年齢を引き上げるということを大蔵省は今国会に提案をしております。その点について、安恒委員の質問に対して大蔵大臣は、年金懇の報告に沿った大蔵省の措置であるというふうに答弁をしておられますが、しかし、実際問題は、これから厚生省が中心になって、厚生年金の支給開始年齢を引き上げるということを厚生省は提案するかのように報道されている。そのことについてこれから集中審議が行われるわけでありますが、その前に大蔵省の見解を伺いたいことは、厚生省が所管するところの厚生年金は、現在支給開始年齢は六十歳なんです。六十五歳に引き上げようということを厚生省は言い出している。ところが、大蔵省が所管するところのこの共済年金は、現在五十五歳を六十歳に引き上げますということを提案しているんですが、何とこれから二十年かかるわけでしょう。ですから、本当に厚生年金と共済年金を合わせようというような気持ちがあるのかないのか。で、いろいろ職域年金の性格がある、その他いろんな説明は私も若干は存じておりますので、そういう御説明は時間の関係で簡単で結構なんですが、要するにいま伺いたい点は、本当に年金懇の趣旨に沿って、大蔵省も厚生省に同調して、各種制度がばらばらなんですが、合わせようというお気持ちがあるのかどうか、それを伺いたいわけであります。それが第一点。
 それからもう一点は、やはり同じように改正案を提案しておりますが、高額所得者に対する年金の一部停止についてです。この点については、予算委員会で私が質問したときに厚生大臣は、要するに厚生年金の高額所得者という、高額なんというわけじゃないけれども、在職老齢年金の一部停止に比べたならば、大蔵省が今国会で提案しているこの年金の一部停止などは、官民格差の最たるものであって、そうして厚生大臣としては非常に不満に思っていると、私どもも大変官民格差の最たるものとして、日ごろから不平満々でありますと、こういうような答弁を厚生大臣はしているわけですが、そういう点についても大蔵大臣は、格差を縮めようというお考えで取り組んでいこうとなさるのかどうか、その根本的な取り組みを伺いたいのです。
#16
○国務大臣(金子一平君) 第一点の問題につきましては、先ほども安恒さんに申し上げたことでございますが、私どもといたしましては、今後の高齢者社会を迎えて財政の負担の点にも十分配慮せなきゃいけませんので、二十年かけて、いろんな経過措置は講じますが、六十歳にこの際引き上げたいということで今回御提案をいたした次第でございます。厚生省の方は、年金懇の報告が出ましたので、今後その年金の引き上げについてはいろいろ御検討されると思うんでありまするが、私どもは、やはり将来の問題としては、職域年金の部分はこれは別でございますけれども、公的年金の部分につきましては、あるべき姿としてはやはりできるだけ合わせていくような努力をしなきゃいかぬ、そういう気持ちを持っておることには間違いございません。
 それから、いま一つ、二段目の年金の支給制限について官民格差があるじゃないかという御指摘でございますが、これは元来あっちゃいかぬことでございまして、今回改正案で、前年の年金以外の給与に係る所得が六百万以上ある者で、退職年金の額が百二十万以上である者につきましては支給を制限することにいたしております。いろいろ従来問題が出ておりました公庫、公団の役員に限らず、一定の条件に該当するような高額所得者につきましては、したがって当然この制限がひっかかってくる。私どもは、できるだけそういう点につきましても今後努力を重ねたいと考えております。
#17
○小平芳平君 きわめてわずかな時間に考え方を伺うこと自体非常に無理なんですけれども、結論としては、大蔵省がこの国会に提案をしているこの程度の改正、要するに支給開始年齢を六十歳に引き上げていくということ、これは私も、経過措置も要らない、いますぐ六十にしろ、来年からしろなんて言っているんじゃありません、当然。いろんな事情があることは承知しておりますが、これからいまこの当委員会が始めようという審議は、年金に対する全体の集中審議をいま始めようとしているところでありますので、大蔵省としては、二十年がかりで六十歳に持っていくということが、年金懇の趣旨に沿っている、つまり官民格差を解消するということになるんだというお考えなんですね。
 それから、高額所得者の一部停止にしましても、これは厚生年金に比べたら天地の違いという以外にないくらいの大きな開きがなおかつ残るわけなんです。今回改正いたしましてもなおかつそれが残る。そのことを橋本厚生大臣は、官民格差の最たるものとして日ごろから不平満々でありますと、むしろ今後できるだけそのバランスをとっていきたいということを考えておるテーマでありますと、こう言っているわけなんです。ですから、やっぱり大蔵大臣も精神としてはそれは同じだと、考え方は。ただ少し変わっているとすれば、今回の改正程度で大分格差は縮まったんだと、同一歩調をとっているんだと、その辺ですか。
#18
○国務大臣(金子一平君) 第一点の問題につきましては、とにかく一刻も早く今日の共済年金の支給年齢を改正いたしまして、財政赤字の圧縮に努めていきたいということでございまして、今後ほかの年金の方でいろんな改正が行われれば、これはもう当然それに合わせた見直しを一定の時期にはまたやらざるを得ないんじゃないかというふうに私は考えているわけでございます。
 それから、第二点の支給制限の問題でございますが、これは企業年金の性格を共済年金――つまり恩給時代のあれがあるわけでございまして、この部分の計算の仕方が実は厚生年金と違っておるわけでございます。しかし、そういう問題を別にしてその他の部分はできるだけ歩調を合わせるような方向でやることは、これは当然だと思っております。計算の仕方がこれはまた具体的に事務当局、政府委員から御説明させますけれども、ちょっと違っておる点だけは共済年金の性格上やむを得ないというふうに御了承賜りたいと存じます。
#19
○安恒良一君 それじゃ、何か審議の仕方がえらいちぐはぐになりましたから、順序立てて、あとの大臣は全部おそろいだと、こういうことですから、官房長官も間もなくお見えになると思いますのでひとつ質問をしたいと思います。
 まず、私は今回の年金懇が橋本厚生大臣に提出しました改革の方向については、前回の審議の際に、まあ新聞の表現をかりまして、心を忘れた年金の改正であるとか、吟味された懐石料理を期待しておったら簡単なお茶づけでお茶を濁されて大変不満であるとか、こういうことで、総論的にはもう論評いたしておりますからその重複を避けたいと思います。
 きょうここでお聞きしたいことは、まずこれは厚生大臣と労働大臣に支給開始年齢の関係についてお聞きをしたいと思いますが、私は、いまさっきもお聞きしましたところ、やはり大蔵大臣は、二十年かけて今度は現在の五十五を六十歳にしたいと、厚生大臣は前回の討論の際に、これまたできれば二十年かけて六十五歳にしたいと、こういうふうに言われた。それから厚生年金の女子も、現在は五十五ですが、これも大体六十五歳にしたいと、こういうことを御主張されています。その前提に立って私はお聞きしたいんですが、私の前提は、支給開始年齢は六十歳で、雇用労働者の年金は全部二十年なら二十年の経過措置をしてやった方がいいじゃないかというまず前提を持っています。そういう上でお聞きをしたいんですが、私は支給開始年齢の引き上げというのは非常にこれは重要な問題だと思うんです。これはなぜかというと、すでに現在年金を払い込んでいる人々が、それぞれ自分の支給開始年齢というのを考えて老後の生活設計を立てているわけです。でありますから、これを急に変動しますと大変老後の生活設計が狂います。そこで、どうしても長期展望を持たなきゃならぬ。そこで一番問題になるのは私は定年制との関係だと思いますが、報告書は、徐々に定年は延長されている、こう言っています。しかし、年金懇の資料を見ましても、労働省提出資料を見ましても、現在民間企業は五十五歳定年が四一%ある、それから六十歳定年が三三%、ですから、六十歳定年というのは三三ですから、六十歳以下というのが六七%もあるわけであります。ですから、年金懇も定年の延長を含め高齢者の雇用政策を強化、こういうことが支給条件を切り上げる絶対の条件だと、こういうふうに言っているわけですね。ですから、私は民間の労働者であろうと官公の労働者であろうと、まず六十歳をやるとする場合には定年と年金の完全なドッキングがないとだめだと思うのであります。それなのに、現状はいま言ったとおりなのに、もう厚生大臣は年金懇を受けて六十五歳にしたいなどというお考えをお持ちだというところ、これでは厚生年金受給者はどうして老後生活が立てられるだろうかという点があります。ですから、ここの関係。
 それから、いま一つ私が聞きたいのは、この支給開始年齢の切り上げということについては非常に政府は熱心です。ところが、雇用確保には余り力を入れてないんではないかと思います。その一つの例を挙げてみましょう。
 昭和二十九年に支給開始年齢を、いわゆる二十年の経過措置で五十五歳から六十歳に引き上げることを当時決めたわけであります。その当時も、年金の引き上げと雇用については、定年延長については努力するという答弁があっております。そこの点では労働大臣にお聞きをしたい。本当にあなたたちが六十歳定年延長を呼びかけられたのは何年でしたでしょうか、これは労働大臣にお聞きをしたい。
 それから、いま一つお聞きをしたいことは、橋本厚生大臣と栗原労働大臣の間では、昭和六十年には六十歳定年の実現の約束を取りつけたと、橋本厚生大臣は、誇らしげと言ったらいけませんが、ある程度言っておられる。ところが、その具体的な実現方法があるんでしょうか。具体的な実現方法がなくて、ただ単に約束を取りつけたと、こんなことでは安心なりません。これは厚生大臣と労働大臣にお聞きをします。六十年までに具体的に六十歳の定年制を実現させる、現在は六十歳定年というのはまだ三三%しかないわけですから、その具体的な方法について。
 以上、定年と年金の支給開始年齢問題について、厚生大臣並びに労働大臣にお聞きをします。
#20
○国務大臣(橋本龍太郎君) この前、年金法の審議の際に申し上げた部分とできるだけ重複を避けてお答えを申し上げたいと存じますが、一つは、安恒委員、定年制と年金の支給開始年齢を即セットでというお考えを述べられておるわけでありますが、現実には再雇用という形態もあるわけでありますし、また期間延長のような措置もなされておることも委員よく御承知のとおりであります。現在、現実に厚生年金の受給開始は、大体六十二歳という平均の数字も出ておるわけであります。そしてまた、現実の年金の将来図を見ていきます場合において将来の負担というものを考えてまいりますと、やはり私は支給開始年齢はどうしても六十五にどの時点であるにせよ引き上げを考えることは避けては通れない問題だろうと、こう思っております。ただその際に、確かに老後の個人生活の設計を狂わせる危険性を持つものでありますから、当然定年制の延長また再雇用といったものについての対応がなければ困難なことは御指摘のとおりでありまして、先般も申し上げましたように、労働大臣に協議をお願いし、その席上、これは従来からあった問題点を再確認したことではありますけれども、昭和六十年に六十歳定年を実現する方向というものを確認していただいたわけであります。
#21
○安恒良一君 具体方法。
#22
○国務大臣(橋本龍太郎君) 具体方法は労働大臣からお答えをいただくべきものであります。
 また、現実に労働省との事務レベルにおける検討も、すでに検討協議も始めておるわけでありまして、私どもはやはり、進んでいく方向として支給開始年齢の問題を避けては通れないと、そのように考えておる次第であります。
#23
○国務大臣(栗原祐幸君) 定年をいつから呼びかけたかということでございますが、六十歳ということを目標として定年の延長を掲げましたのは昭和四十八年の二月の閣議であると、こういうように承知をしております。
 それから、先ほどのお話の中で、六十歳といいますか、パーセンテージを言われましたが、六十歳以上の定年というパーセンテージは三八%でございます、以上は。そういう事実関係がございます。
 それからいま一つ、私と厚生大臣との間で昭和六十年までに六十歳の定年延長を行うよう約束したということでございますが、これはもう私、国会の各委員会あるいは本会議等で申し上げているとおり、昭和六十年を目途として六十歳定年を実現するように行政指導を積極的にやりますと、そう趣旨を厚生大臣に申し上げたわけでございます。
 それから、定年の問題と年金とのリンクの問題でございますが、私どもの立場からいたしますると、定年と年金というものが結ばれるということが望ましい状態でございます。しかし、望ましい状態ではあるけれども、年金懇の主張されておる事柄もよくわかる、これは非常に大変なことだろうと、したがって、定年と年金とのできるだけの関連ができるためには、今後厚生省並びに労働省でお互いに協議をしてまいりましょうということで、これからが協議の内容になります。
 具体的に定年についてどういうようなことをやっておるかということについて御説明を申し上げますと……
#24
○安恒良一君 簡単に具体案を、抽象的じゃなくて六十歳実現する具体案を簡単にやってください。
#25
○国務大臣(栗原祐幸君) 一番問題になりますのは、やはり年功的な賃金雇用の問題がございます。
#26
○安恒良一君 わかっている、そんなことはわかっているんだ。
#27
○国務大臣(栗原祐幸君) わかっていることは省略します。そういうことをやらなきゃいかぬと。
 それから、具体的には定年延長の計画的、具体的実現のための行政指導を強化する。具体的に言いますと、関西産業労使会議の合意と同趣旨の合意を、各ブロック、各都道府県に普及させる。関東にもこの動きが出てまいりました。それから、高年齢者雇用率の達成に関する計画の作成命令の発出と雇用率の達成指導を強化する。定年延長奨励金等の助成措置の大幅拡充とその活用を図る。それから、財界が設立いたしました高年齢者雇用開発協会も助成し、実践的な調査研究及び啓蒙指導等を行うこと。なお、今度の国会で自由民主党と野党各党との間で合意をされました、法制化を含めて審議会で審議をするということで、近く諮問を申し上げたいと考えております。
#28
○安恒良一君 まず、私は、労働大臣にはっきりしておきたいのは、昭和二十九年に五十五歳から六十歳の引き上げを行うということを言って、その当時六十歳定年制の実現に努力するということでこれはやられたわけですね。ところが、なるほど閣議で決められたのは昭和四十八年だから、私は閣議前に労働省がいつから呼びかけを始めたかということを調査しましたら、実は十三年おくれました四十二年に初めて労働省は六十歳定年を呼びかけているんです。ですから、全くずれているわけですよ。昭和二十九年に六十歳に延長することを法律で決めて、定年の実現にそのときは国会答弁では努力すると言いながら、労働省が呼びかけ始めたのは十三年の後、四十二年から呼びかけているんです。ですから、私から言わせると、厚生年金など支給開始年齢の繰り上げは積極的だけれども、定年延長には積極的でないという証拠がここにあるわけです。あなたはそれをさらに、実は閣議で決めたのは四十八年だと、こう言う。なぜそんなにずれなきゃならぬのか。少なくともあなたも言われるように、年金の支給開始時期と定年がリンクすることが望ましいことは事実なんです。現実に、いや六十二歳からもらっているとか、共済は六十歳だからというのは、これは人間は一つは定年後も働きたいという意欲があります。いま一つは、定年後の生活が、年金支給開始年齢まで生活ができない、そういう場合には勤めざるを得ないんです。五十五歳で首を切られて六十歳から厚年だけれども、五年間待てない。待てないからやむを得ず勤めておって、そういうものの数字のトータルが六十二歳からもらっているということだけであって、だれが考えても年金の支給開始年齢と定年がリンクすることはやっぱり望ましいんです。その意味から言うと、どうも口で言っていることとやっていることが違うじゃないかということの実例として、私は労働省、過去怠慢じゃないか、これが一つ。
 それからその次、厚生大臣とあなたの問題についても、私はいまあなたが言われたような具体案というものは、もう何遍も耳にたこができるほど聞いている、だから聞いたと、こう言ったわけだ。そういうことだけでは私はいけない。いわゆるこの定年制問題なり雇用再延長は労使問題だから労使に任せる、もしくは労使がやることを誘導していく、一言で言えばそういうことなんです。それじゃなかなかならぬでしょうと。すでに今日昭和五十四年になっても、まだ六十歳以上の定年が一番新しい資料で三八%ですか、そのくらいしかなってないんですからね。簡単にあなたはあと四、五年で六十歳まで延長と。私はやっぱりこうせざるを得ないと思う。まず六十歳までは官民とも年齢を理由とする解雇及び雇い入れの拒否を禁ずる、こういうことをやっぱり法制化をする。そうすれば、私は目標をきちっと立てて六十歳までは官公労の労働者も民間の労働者も、いわゆる解雇はできないということになれば定年延長ができる。そういった思い切った措置をとらないと、誘導政策だけでは、私は定年延長というのは、過去の例を調べて、いわゆる年金だけはすでに二十年の経過措置として六十歳になってしまったけれども、依然として定年だけは六十歳にならないという実例がある。私は二度とこの過ちを繰り返してはいけないと思う。そういう意味で、ひとつ私は本当に厚生大臣も労働大臣も、年金とドッキングさせようと思うならば、私は最低限まず六十歳の定年制を実現をする、そして六十歳の厚生年金支給開始、これとドッキングをする。それから共済についても、いま国会でいろいろ議論になっていることは、六十歳に延ばすことについて六十歳までの雇用の保障がないじゃないか、現実に公務員や地方公務員は五十四、五歳になると肩たたきがあると、やめていかなきゃならぬ。そこで雇用の保障を明確に六十歳までしてもらいたい。そういう中で経過措置を付して二十年間で六十歳にするというならば、これは私ども社会党としても審議に値する、こういう意見を私たちは持っているわけですから、やみくもに絶対五十五歳を守れと、こう言っているわけじゃないわけなんです。ですから、そういう点について私はひとつきょう自治大臣も運輸大臣も関係大臣お見えになっておりますが、共済をもしも六十歳にこれから二十年の経過措置をするというならば、六十歳までの雇用の保障をやはりきちっとしてもらう、そういうようなことについてのお考えはどうなんでしょうか。運輸大臣、自治大臣お見えでありますから、前のところは厚生大臣と労働大臣には私の意見として申し上げておきますし、またいま言ったような考えについて労働大臣からひとつお聞かせを願いたい。以上です。
#29
○国務大臣(栗原祐幸君) 定年の延長について労働省は怠慢であったじゃないかと、そういう御指摘は御指摘として承っておきます。ただ、私は現代とその当時では大きく社会情勢が違ってきておると思うんです。ここへまいりまして非常に高齢化社会というやつが社会全体の大きな課題になったと、それから年金そのものがまたこれ大きな社会的な問題になってきた。そういうことから、ここへ来ますと客観的な情勢というものが非常に強く出てまいりましたので、したがって、行政指導というのも私どもそれぞれやっておりますけれども、ある意味において手ごたえがあるわけです、これは。ですから行政指導をひとつ徹底をしていこうということなんです。
 それからいま一つは、せっかくの御提案もございまして、法制化の問題については関係審議会で御協議いただこう、こういうことでございますので御了承賜りたいと思います。
#30
○安恒良一君 運輸大臣、自治大臣、どうですか、いまの。
#31
○国務大臣(森山欽司君) 国鉄職員の場合について申し上げたいと思いますが、国鉄職員につきましては、労使協約で退職勧奨年齢が決められておりまして、現在その年齢は他の二公社同様五十八歳ということになっております。で、他の二公社においてはおおむね約五十八歳で退職する者が多いのでありますが、国鉄は五十五歳で退職する者が多いのが現状であります。その原因といたしましては、国鉄では多年にわたって五十五歳退職が慣行となっておりまして、民間企業等に再就職する場合に、少し若く五十五歳の方が有利であるということ等によるものと思われます。また、退職勧奨年齢につきましては、他の二公社におきましては昭和三十年代から五十八歳になっておりましたが、国鉄では昭和四十九年度、実際には昭和五十一年度から五十五歳を五十七歳、その翌年の五十二年度からさらに五十八歳に引き上げておりまして、今後の社会経済情勢の変化に対応して国鉄の労使間で十分検討が行われるべきものだと、そういうふうに考えております。
#32
○安恒良一君 ちょっと各大臣、御注意しますが、答弁になってない。私が聞いているのは、いま共済年金を国鉄も含めて六十歳にしたいという提案がこの国会に出ているじゃないですかと。そこで私は、必ずしも五十五歳を六十歳にすることを全面的に反対しているわけじゃないんですよと、国家公務員も地方公務員も三公社五現業の労働者も六十歳までは雇用を保障しますと、だから六十歳に共済年金を上げるということの提案にならないんですかということを聞いているから、そのことに対する考え方をイエス、ノーとか、間違っているとか間違ってないとか言ってもらえばいいわけで、現状がどうだこうだということでやられたのでは、一時間しか私質問時間ないから。中身は十分知っておりますから中身は結構で、そういうことについて自治大臣どうお考えですかと、それから運輸大臣どうお考えですかと、それから国家公務員は大蔵省ですから大蔵省はどうお考えですか、そのことだけ簡単に答えてください。
#33
○国務大臣(澁谷直藏君) 安恒さん、もう何もかも御承知でございますから端的にお答えをいたしますが、とにかく欧米の二倍ないし三倍のスピードで急速な老齢化社会に向かって進んでおるわけですね。そこで出てくる問題は大きく言って二つあると思うんです。一つは御指摘の雇用の問題ですよ、老齢者の雇用をどう確保するかという問題、それともう一つは老後の保障、年金、共済の問題、この二つだと思います。
 そこで、私どもは地方公務員について六十歳に繰り上げるという法案を提案をしておるわけでございますが、これはもう説明するまでもなく、一つは、やはりこの共済制度というものの財政の問題がございます。どうしてもそうせざるを得ないという問題があるわけです。そこで、雇用と年金というものをリンクさせるということが望ましいのはもう言うまでもないことですから、それで私どもは二十年かかってやろうとしておるわけでございますから、これと並行して、国も地方も定年制の導入をこれはもうどうしてもやるべきである、こういう基本的な考え方に立っておるわけでございまして、人事院いま一生懸命検討しておりまして、恐らく近いうちに国家公務員についての定年制導入についての基本的な見解というものが示される予定になっております。私どもはこの国家公務員と並行して地方公務員について定年制の導入をぜひとも実行したい。両方並行して、相まってこの異常な老齢化社会に向かっての対応を整備すべきである、このように考えております。
#34
○国務大臣(森山欽司君) 共済年金は事実上十七年かかって六十歳どいうことになるわけでございます。いま定年は五十八歳でありますが、実際上五十五歳でやめるというのが多い現状でございますから、国鉄の場合はそういう意味での実際上のギャップは当面労使間の話し合いで十分話がつくような状態になっている、そういうことを先ほど申し上げたわけでございます。
#35
○政府委員(禿河徹映君) 雇用と年金の支給開始年齢の関係につきましては自治大臣がお答えになられたとおりでございます。
 国家公務員につきましては、五十二年の十二月の二十三日に定年制の導入ということが決定を見ております。さらにことしの一月十六日の閣議了解におきまして、導入問題につきましては「人事院に対し意見を求めているところであるが、政府部内においても、現行の関連諸制度の見直しを含め、その導入についての準備検討を進める。」、こういう閣議了解がございます。そういうことで、私ども国家公務員の定年制の導入の問題につきましては人事院の御意見を求めております。それを受けて今後検討するだろうと思いますが、基本的には自治大臣等がお答えになられたとおりでございます。
#36
○安恒良一君 私の質問をこれまたすりかえて定年制問題を議論している。私はそういうことを言ってるわけじゃないんです。私の考え方は、年金の支給開始年齢と定年はドッキングをすべきであろうと、そこで、国家公務員等を今度五十五歳からいま支給されているのを六十歳にするというならば、最小限度六十歳までは、国家公務員も地方公務員も、三公社五現業の諸君も解雇しない、雇用を保障する、それをまず明らかにして労働者に安心感を与えるべきであろう、こういうことを言っているわけです。それから民間の場合は、現実にまだ六十歳の定年制すらなってないから、早急にまず六十歳にそろえ、そして支給開始年齢というのはやはり六十歳にしておって、さらに将来、それが完全にできた後どうするかという相談は、また後でやるべきことで、当面は私は雇用労働者というのは六十歳が支給開始年齢、雇用はそれまで保障する、こういうことが必要だろうということを言っているわけでありまして、もうこれ以上このことについて言いません。
 そこで今度は、その場合でも次のようなきめの細かい配慮が必要だと思います。この点についてお考えを聞いておきたいんですが、たとえば六十歳に官民ともこれから二十年――民間はなってます。共済が二十年かけてなるとしました場合でも、政府みずからも、自衛官とか消防官とか警察官等は例外措置を設けられていますね、例外措置を。私はそれだけではいけないと思うんです。たとえば深夜労働であるとか、高熱の職場等々で六十歳まで労働に耐えられない、たとえば森山運輸大臣のところの運転士さんなどというのは、とても私は六十歳まで労働に耐えられないと思う。そういう人々については、これはやはり早く支給開始をする。
 これはもう時間がありませんから、きょうは私はEC加盟国における概要についてもお聞きをしたかったんですが、それを一々聞いとったら時間ありません。私の手元に、EC加盟国がそういう職業別においてどんないわゆる特例措置をしているのか、国立国会図書館で調べていただいた事例も私は持っています。たとえば男女の場合に男方格差が認められて、女性の支給開始年齢が非常に早まっているとか、それから職業別によって、EC加盟国におきましてはそれぞれ支給開始年齢を、たとえばヨーロッパでは一応六十五歳と、こう言われながらもある職種は六十歳からやるとかというふうに、ヨーロッパでは支給開始年齢がEC加盟国各国ではきめ細かく決められている。こういう点については日本の場合も私は当然配慮すべきだと思いますが、これらの点についての考え方、これは各大臣答えてもらったら大変ですから、厚生大臣代表してそこのところどうですか。いま私が申し上げたように、共済もどっちも六十歳にそろえた場合でも、これはそういうことが必要だと思いますが、どうでしょうか。
#37
○国務大臣(橋本龍太郎君) 役所的に答弁をすれば、非常に職種によってばらつきがありますからむずかしいということを申し上げざるを得ないと思います。ただ、私は厚生年金の場合に、そうは言いましても、六十五歳まで引き上げた場合、肉体的な労働の場合で、それだけの期間できないという職種が現実に出てくると思います。そういうものをやはり考えていかなければならないというのは、私は安恒委員の意見に賛成です。
#38
○安恒良一君 ですから、何歳にということは、これはあなたと私で見解は対立していますが、たとえば六十歳の場合でも、炭鉱の労働者、船乗り、鉄道員ですね、そういう人々はそこまで勤められない、現実にこれは。そういういろいろありますから、どうかこの点は、少しEC各国における年金受給資格年齢が特定の職種について優遇されている諸外国の実例、こういうものを十分ひとつ御調査をされて、私の方もいま調査をさらに細かく進めておりますが、きめの細かい配慮をぜひお考え願いたいということを意見として申し上げておきます。
 そこで、その次について、これからが今度は大蔵省にもお聞きをしたいのですが、いまさっき大臣が答弁をしないまま行かれました。私は支給開始年齢を引き上げられる一つの理由に、財源上の必要が強調されていますね、財源上の。ところが、いまさっき私が、質問をダブってしませんが、二十年後の昭和七十五年には、厚生年金では十人加入者で二人を賄う、共済年金は四人を賄わなきゃならぬ。にもかかわらずに、共済年金はこれから二十年かけて六十歳にしよう、厚生年金は二十年かけて六十五歳にしようというのはどうしてもわからない。財政的な理由だということを大蔵大臣も答えて帰られました。その点について、共済年金の方がより財政が非常に苦しい、厚生年金の方が比較的楽なのにそういう格差をやはり今後も二十年残そうと。そこで聞きたいのは、共済年金は二十年かけて六十歳にするということで、財政上に心配はありませんかどうか、そのことを聞かしてください、それだけでいいですから。
#39
○政府委員(禿河徹映君) 年金の将来の財政問題、こういう観点から申しますと、御指摘のとおり支給開始年齢は実は高い方が財政的には楽になるわけでございます。しかし、共済につきまして現行の五十五歳を六十まで上げたいと申しますのは、一気に五歳上回る引き上げを行うというのは、職員の今後の老後の生活設計等にも影響いたしますのでなかなかとり得ない。現実的にまず六十歳の引き上げを定着させるのが実際的であろう、こういう観点で申し上げたわけでございます。
 共済の今後の財政の問題でございますが、厚生省の方でも、共済の方、年金懇の資料としていろいろ試算をされたのを出しておられますけれども、あそこにも書いてございますとおり、非常に大胆にラフに試算されたものでございます。今後の共済の財政を長期的に見ます場合には、職員の数がどういうふうに、定員がどういうふうなことで推移するのかとか、あるいは給与のレベルがどういうふうに動いていくのかとか、非常にむずかしい問題がございまして、簡単に試算をするというのもなかなかむずかしいわけでございますが、国家公務員共済につきましては、ことしの十月が一応再計算期に相なりますので、その時期に向けまして将来の財政状況というものを私どもはじいてみたいと考えております。当面の問題といたしまして私どもが試算いたしました数字を申し上げますと、現行の五十五歳の支給開始年齢というものを前提といたしまして平準保険料率を試算いたしますと、現行の財源率が千分の百三十七・七四でございますが、これは試算でございますが、再計算をいたしますと、これが百六十五・六一と、千分の二十七・八七上げなくちゃいかぬ、こういうことに相なるわけでございます。これが六十歳に支給開始年齢が上がりますと、平準保険料率が百五十三・一八、十五・四四のアップで済むと、こういう計算に相なっているわけでございます。
#40
○安恒良一君 これは官房長官にお願いしておきたいんですが、厚生年金と国民年金の財政計算資料は一応細かいのがあるわけですね。ところが、共済は自治省、大蔵省、それから運輸省に分かれておりまして、具体的数字のつかみようがないんですよ。ある場合は少しいろいろなごまかしがあるんじゃないかなんて一部言われているぐらい。私は決してそんなことはないと思いますよ。ですから、一遍これは内閣でどこかできちっと財政をつかんで出してもらいたい。このわずかな時間で議論をすることはできません。なぜかというと、率直に言って、この国会でいま共済年金の改正をいろいろ努力されておるのですがね、これはこの国会では通りっこありません、いまの実情から言うと。そうすると、共済年金の改正と厚生年金の改正を含めて議論を来年の国会はいろいろしなければならぬというときに、共通の数字がないとやっぱり私はだめだと思う。そういう意味で官房長官にお願いをしておきますが、どうか数字について統一的に私どもが議論できる数字をそろえていただきたい。自治省の数字、それから大蔵省、運輸省、これは官房長官、ぜひ数字についてお願いをしておきます。
 そこで、時間がだんだん参りましたから、中身を少し聞いていきたいんですが、これもまず前提をお断りしておきたいんですが、いわゆる給付水準についての官民格差論であります。この点についても、私は決して共済が高くて民間が低いからということで言っているわけじゃありません。たとえば前の国会の論議の中に、むしろ民間の厚年が低過ぎるんだと、共済があたりまえだと、だからそちらにさや寄せをしたらどうだと、こういう議論も同僚議員がしております。ですから、私はそういうことをきょうは言おうとしているわけじゃありませんので、まず年金懇の中でも、一定の職域年金的性格をあわせ持っていると、それから、一部職域年金的性格を有することを考慮すれば、厚生年金との間にある程度差があることはやむを得ないと考えるが、公的年金としての水準は厚生年金とおおむね同水準にしなきゃならぬと、こう言っているんですね。これも非常に抽象的でわからない。
 そこで、大蔵省にお聞きをしたいんですが、私は、少なくとも民間の厚生年金よりも共済年金の方が高い必要があるというならば、その必要理由を明確にして国民的なコンセンサスを得なきゃならぬと思います。それを明らかにされないと、俗に言われる官民格差、官民格差ということになるわけです。そこで、私は大蔵省にお聞きをしたいんですが、各省お見えになっていますが、大蔵省に代表してお聞きをしたいんですが、民間の年金よりも高い必要があるという理由を明確にしてもらいたい。その際にはどの程度高い必要があるのか。理由だけではいけません、どの程度高くあることが望ましいとあなたたちは考えられているのか。民間の年金、厚生年金に比べて共済年金は何割増しぐらいが高いのが当然あたりまえだと、こういう御主張ならばその中身について。
 それから、いま一つお聞きしておきたいのは、数字的で結構ですから、共済年金の中で公的年金部分とは何か、それから一部職域年金的部分とは何か。これは現行の数字なら数字を挙げて、この部分は公的年金でございます、この部分は職域年金と。なぜかというと、公的年金部分についてはいま大臣は答えていったわけですね、厚生年金とやっぱり横並びにしなきゃならぬと、私も思っていますと言った。しかしそれじゃ答えにならないんです。ですから、あなたたちは公的年金部分というのは共済年金のどの部分を指されているのか、金額的に言うとどういう金額なのか、この点について簡単に答えてください。
#41
○政府委員(禿河徹映君) まあ共済年金の性格でございますけれども、大臣からも御答弁申し上げましたとおり、公務員共済年金は公的年金制度として機能いたしますと同時に、公務員制度の一環としても位置づけられておりますとおり、職域年金、いわば企業年金的な性格というものもあわせ持っておるわけでございます。そういう二重の性格を持っております。その中のいわゆる公的年金部分と申しますのは、いわば厚生年金の代行部分というふうにも実は考えられるわけでございます。それに企業年金的な部分がプラスアルファされていると、こういう性格のものであると判断されると思います。
 ただ、実際の姿といたしましては、なかなか年金制度はそれぞれの制度の沿革とか目的とかいうふうなこともございますし、あるいは制度上の仕組みも異なる面がございます。共済年金の場合には公務員制度の一環として位置づけられる面もありますところから、たとえば長期在職者につきましては手厚くされておるとかいうふうな年金制度の設計の仕方も異なっております。
 こういうふうな点からいきまして、これを年金水準のその差を計量的にきちっとした姿で示せと言われましても、それはなかなか実際問題としてむずかしい、そういうことを率直にこれは申し上げざるを得ないと思います。ただ、共済年金の水準のあり方につきましては、従来から国家公務員共済組合の審議会等の場におきましてもいろいろ議論がございます。三共済の懇談会におきましても、今後の検討事項といたしまして共済組合の給付水準なり給付体系のあり方というふうな問題をさらに検討を重ねていくべきであると、こういうふうなことでもございますので、私どもそういうことでいろいろ検討を続けてまいりたいと、かように考えております。
#42
○安恒良一君 答弁は簡単にしてください。わからぬならわからぬでいいんだよ。あなたの言っておること結局わからぬのだよ、何にも。
 そこで、これも時間がなくなりますから、官房長官にちょっとお聞きをしておきたいんですが、官房長官、きょうあなたにお聞きしたいことは実は二つ三つあります。
 一つは、官房長官いまお聞きのように、非常にわが国の年金はもうばらばらなんです。しかし、これから低経済成長生活下の中の年金制度というのは、国民のニーズは非常に大切ですから年金の大改革をやっていかなければならぬと思います。それがある程度年限をかけなければならない。そこで、私は一つこういうことをお聞きしたいわけです。まず、年金の改革を一元的にやる必要があるんじゃないか。この前官房長官は、総理府の中に年金問題調査会とか懇談会があると言われましたが、あれだけではもうとても年金がうまくいかないと思います。そこでお聞きしたいことの第一点は、まず機構としては、私はこの年金行政を一本化するために、各省にいま共済部門が分かれています。国家公務員の年金は大蔵省、それから三公社五現業は運輸省、それから地方公務員は自治省がやっている、あとの年金を厚生省がやっている。これではなかなかうまくいかないから、この際は現在の行政機構を少し改革をして、たとえば社会保険省というものをつくって、社会保険省大臣のもとで年金の統合一元化についてこれから鋭意検討していくような政府みずからの機構改革が必要でないだろうか。でなければ、各大臣がばらばらでやっておったら年金財政すら横並びに並ばない。年金懇に出す厚生省のいわゆる案ですら共済については全くラフな計算だ、ここで平気で共済側はそういうことを言っているわけですからね、この点が一つです。
 それから、第二番目にお聞きしたいことは、それと並行して、私たちは、いわゆる国権の最高機関としての国会は責任持たなければなりません。その国会でも、あるものは社会労働委員会で議論している、ある年金については大蔵委員会で議論している、あるものは内閣委員会でやると。これもばらばらでやっている。それでは整合性がとれませんから、国会に早急にいわゆる年金改革のための特別委員会を設ける。そこでいま申し上げた年金全体を十分審議する。こういう特別委員会を衆議院、参議院に設けたらどうか、これが第二点目。
 それから第三点目は、この前から官房長官に宿題にしておきましたように、きょうでも依然として大蔵大臣は、二十年かけていわゆる年金の支給開始年齢を五十五歳を六十歳にしたいと、こう言われる。厚生大臣は二十年かけて厚生年金はもちろんのこと、共済年金についても六十五歳にしたいと、こう言われる。閣内不統一ではないか。これを官房長官としてはきょうまでの間に統一をしてきていただきたい、こういうことをこの前お願いしておきましたから、以上三点について、官房長官の時間がいろいろあるようでございますので、まずそのことについてお答えを願いたい。
#43
○国務大臣(田中六助君) 第一点の機構の一本化でございますが、まさしく性格や沿革がそれぞれございまして、これを直ちに一本化して審議に便利にしろという御意見、そういう構想は一応理解できますが、政府といたしましては、当面いまのところ、この前の閣議決定にもございましたように、公的年金制度調整連絡会議というものを中心にやっていくという方針でございます。
 それから第二点でございますが、国会の委員会、これまたばらばらであると、これを何とかしろという御意見でございますが、これは国会自体のお決めになることで、そのようになれば私どもももちろん異議がないわけでございます。
 それから第三点の、大蔵大臣と厚生大臣は、それぞれ年数等期限は同じでございますが年齢の方向が違うということでございますが、しかし、これは不統一ではないわけでございまして、方向としては年齢の引き上げの方に行っているわけでございまして、ただ安恒委員も御承知のように、沿革と性格、それからいろいろな諸事情がございまして、それぞれの持つ性格的な方から見まして一度にできないと、それぞれの長い間の問題もございますので。一緒の方向にということはもうこれは明らかでございます。ただ、そこに段階を設けるところの相違がございますが、これはまだいずれ調整はできるんじゃないかというふうに考えます。
#44
○安恒良一君 そうしますとあれですか、大平内閣としては、これから二十年かけた後も、厚生年金といわゆる共済年金の支給開始年齢は、一方は六十歳にしておく、一方は六十五歳でやむを得ない、こういう御見解ですか、そのことのいい悪いは別にいたしまして。二十年かけてそういう現象が出てくるわけですよ。共済年金は六十歳から支給開始が始まる、厚生年金は、あなたたちの案が通ったと仮定しますよ、そんな案は簡単には通しませんけれどね、通ったと仮定すると、いわゆる二十年後も依然として支給開始年齢は五歳の開きが出ている、それで大平内閣は行きたいんだと、こういうことですか。そのことだけはっきりしてください。
#45
○国務大臣(田中六助君) それぞれ社会情勢と申しますか、バックグラウンドがございますので、その環境、情勢に応じて対処していきたいというふうに考えます。
#46
○安恒良一君 それじゃ、どうも時間がありませんから、どうか、これはことしから来年にかけて年金問題は非常に重要になりますから、官房長官いま少し関係大臣との間に、いま言ったような問題について少し御協議を願って、いずれこの国会が終わった次の通常国会にはいろんな法律が出てくるでありましょうから、そのときには整合性が、たとえばいま一つお聞きになっておわかりのように、公的年金部分といわゆる職域年金部分の比率さえよう言わないわけです。そんなことで国民が納得するはずがないんですよ。納得するはずがないんです、国民が。そういうことについても少し御研究をお願いをしたい。
 そこであと、いろいろお聞きをしたかったんですが、一つだけお聞きをしておきます、厚生大臣にですね。
 五人未満の労働者の適用問題についてどうしようとされているのか。この審議会でも今後の研究課題のようにされていますが、私は年金の整合性を図っていく場合には、雇用された労働者が、ある者は国民年金に入っている、ある者はいわゆる厚生年金に入っているというのはいけないと思うんです。五人未満の人というのは約五百万人だと、これは厚生省の推計で五百万人の人が今日おると、それから任意包括で適用されている人が約百五十万人だと、こういうことになっていますね。そこで、適用困難な理由なんかをこれから厚生大臣から聞こうと思っておりません、何回も聞いております。しかし、いずれにしてもこの問題は何とかしなきゃならぬ、これをどうしようとされているのか、このことについて端的にひとつ言ってください。
#47
○政府委員(木暮保成君) 五人未満の事業所の方々を厚生年金に入れるということは、国会でもしばしば御指摘がございましたし、私どもも重要な課題というふうに考えているわけでございます。しかし、厚生年金の場合には、二十年、三十年の将来において、厚生年金の適用事業所に入っていたのかあるいは国民年金に入っていたのか、そこら辺がはっきりいたしませんと年金権に結びつかないという問題が起こるわけでございまして、一律に五人未満の事業所を適用するということを将来も検討すると同時に、任意包括制度の活用ということで推進をしてきておる次第でございます。
#48
○安恒良一君 厚生大臣、全くあの人たちは怠慢だと思う。私はここに昭和五十二年の四月二十一日の議事録を持ってきています。当時木暮君は何と答えているのかというと、五人未満の事業所の適用問題は長年の宿題になっていますと、「結果的には、」云々ということで、「私どもといたしましては、最重点施策として鋭意検討をしてまいってきておるわけでございます」、そういうことで、健保懇等が取り上げておりまして、健保懇の結論が秋を目標にしておるのでございますから、それと並行いたしまして私たちはさらに検討、努力をしますということを答えているわけです。これはあなた昭和五十二年に答えている、五十二年の四月に。私は過去の木暮君がどんなことをしゃべったかというのを全部議事録洗ってきょうは来ているんです。そうしておきながら、いまもまた同じようなことを答えている。あのときは最重点課題としてやりますということを社労で、しかも私たち社労は何回も何回も五人未満の適用については附帯決議をしているんです。附帯決議をもらったときは、大臣はその趣旨を体しましてと、こう答える。そして官僚も言っておきながら、五十二年から、ことしは五十四年ですよ、まる二年たっている。たとえば私はこういう宿題を出した。未適用を適用した場合に保険財政はどういうふうになるだろうか、この年金懇の中には五人未満の資料が入ってないからせめてそれを計算してくれないかということをきのう注文したら、その計算もしてないというんだから全く怠慢なんだ。何をやっているかというんだ、官僚は。二年間国会議員をだまかしている。せめてそういう計算までぐらいしたり実態を調べた上でこういう困難がありますと言うんなら私は聞くんですよ。答弁はあの人は同じことばかり言っている。二年間何をやっておったか。こういう点について、大臣、あなたの所見を聞いて私は終わりにしたい。
#49
○国務大臣(橋本龍太郎君) 二年間局長は何をやっておったかと聞かれましても、私も局長の当番ばかりしておりませんからよくわかりません。ただ、いま数字の点等で指摘を受けていたのにその作業をしていなかったとすれば、これはどういう理由でしてなかったのかも私も聞きますし、それなりにお答えをいたします。
#50
○高杉廸忠君 私は、年金制度について検討すべき諸課題、安恒委員も指摘されましたように、先般の国民年金審議については、給付水準とナショナルミニマムあるいは給付体系のあり方等々についてお尋ねをいたしました。きょうは私は単身水準と夫婦、特に世帯類型別の給付や婦人の年金関係、そして、先ほど最初にお尋ねしました大蔵大臣に対する要望も含め、ハンセン氏病関係についての御質問を申し上げたい、こういうふうに思いまして、順次厚生大臣、労働大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、まず今回の年金懇の報告を読みますと、安恒委員からも指摘されました、表現はさまざまでありますが、多くの重要問題について、率直に言って私どもは満足すべき回答が与えられていないという印象を強く受けるわけです。その代表的な例というのは、被用者の妻の国民年金の任意加入制度の取り扱い、こういうふうに言っても過言ではないと思うんですが、年金懇もこの点を十分認識して二つの解決の方法を示唆しているわけです。一つは、言うまでもなく被用者年金の中で十分な年金の保障を与えようとする行き方であります。もう一つは、被用者の妻で職業を持たない者は国民年金へ全員加入させるという方法ですね。
 そこで、厚生大臣にまず伺うんですが、いま申し上げましたそれぞれのメリット、デメリットを、この際ひとつ明らかにしていただきたいというのが一つであります。それからまた、年金懇がこういう両論併記をした、一本化できなかったその理由というもの、これはどこにあるのか、あわせてひとつ、まずお伺いをいたしたいと思います。
#51
○国務大臣(橋本龍太郎君) 年金懇の答申が出るまでの過程につきまして等の報告も含みますので、これは私詳細を存じませんから、局長からお答えをさせます。
#52
○政府委員(木暮保成君) 被用者の妻の国民年金に任意加入している制度をどう取り扱うか、基本懇の審議の中でも一番時間を割いていただいた点でございます。任意加入を廃止しまして被用者年金で被用者の妻を年金の上で見ていくという案と、任意加入の制度を続けるあるいは強制制度に切りかえるという意見と二つをいただいたわけでございます。
 それで、任意加入を廃止しまして被用者保険で被用者の妻の処遇を考えていくということのメリットでございますが、現在は被用者年金で見ておると同時に、任意加入ということで国民年金の方で被用者の妻の処遇は行われておりまして、そこに制度の入り組みがあるわけでございます。仮に任意加入の制度を廃止いたしますれば、被用者の妻は被用者年金制度でもって責任を持って処遇をするということでございますので、一応制度としてすっきりするというメリットがあろうかと思います。また、厚生年金と国民年金を比較いたしました場合に、何といっても財政的には厚生年金の方が強い基盤にあるというふうに思うわけでございますので、被用者の妻を被用者年金の基盤で見ていくということが財政的に安全な方法であるという面もあるというふうに思うわけでございます。
 一方、この任意加入の妻の制度をやめる場合の問題点でございますが、現在すでに七百万人を超える方々が任意加入をしておられまして、一番長い方は昭和三十六年の制度発足以来これに加入をして保険料を掛けてきておられるわけでございますが、この過去の実績をどういうふうに見るかという問題があるわけでございます。また、任意加入の妻の制度を廃止いたしますと、現在国民年金の場合には、その年に入りました保険料で給付を賄っていくという形に近くなっておるわけでございまして、現在任意加入の妻の方七百万人の納められておる保険料が給付に回っておるわけでございます。そういたしますと、当面この七百万人の方々の納められております保険料が入らなくなりますので、国民年金財政に大きな影響が出てくるということでございます。それからまた、任意加入制度をしておられる七百万人の方々は、やはり自分の年金を持ちたいという希望があるわけでございますので、この御希望にこたえられないということもあろうかと。それが、年金制度の場合には国民の信頼をつないでいくということが一つの大きな条件であろうかと思いますけれども、将来の年金制度に、これを簡単にやめてしまうということが国民感情の問題としましても一つの問題点になろうかというふうに思うわけでございます。
 一方、任意加入制度を継続する、あるいは強制加入にするという場合でございますが、そのメリットは一人一人の国民が何らかの年金に結びつくと。一人一年金というような言葉が審議の過程で出てまいりましたが、そういうことが可能になるわけでございまして、それが現在の国民の御希望にも沿う面があるのではないかというふうに思うわけでございます。それに対しましてデメリットでございますけれども、現在国民年金の保険料は比較的低い水準でまいったわけでございますけれども、今後かなりのスピードで保険料を上げていかなければなりません。そういたしますと、被用者の妻の方々がそういう保険料を負担していくということに困難が出てくるのではないか。それはまた、ひいては国民年金財政に一つの問題点を投げかけるということになろうかと思うわけでございます。それから、仮に被用者の妻の方々を全部加入をさしてまいりますと、長期的に見ますと国民年金から被用者の妻の方々は自分の老齢年金をもらうということになるわけでございまして、厚生年金の方をいまのままにしてまいりますと、厚生年金の方からも夫が死んだ場合にかなりの水準の遺族年金が出る、片や国民年金からは自分の納めた保険料に見合う年金が出てくるということでございまして、その調整ということが問題になってくるわけでございます。結果的には厚生年金を被用者本人の年金というふうに変質をさしていかなければならないということも考えられるわけでございまして、これはまた現在の被用者年金にとりまして大きな影響をもたらすということは、メリット、デメリットということになろうかと思うわけでございます。
 それで、なぜこの意見が一本化できなかったかということでございますが、ただいま申し上げたメリット、デメリットということとおのずから関連をしてまいると思うわけでございますが、それぞれメリットを持つとともにかなり大きなデメリットも持っておるということでございますので、なお慎重に比較検討をしまして問題を詰めていくという立場で、両論を併記して私どもに示していただくにとどまったわけでございます。
#53
○高杉廸忠君 いま局長のお答えの中に、被用者年金の中で安全にということで、被用者年金の中で妻を解決していこうと、こうお答えいただきましたが、
  〔委員長退席、理事小平芳平君着席〕
そうすると、被用者年金の中で解決していこうとしますと、幾つか細かい問題ありますが、一つ申し上げますと、じゃ一体いまの任意加入制度というのはどうしていくんだと、すぐ手をつけなきゃならない、この問題があるわけでありますね。そうしますと、その任意加入制度の期待権とか既得権あるいはすでに納めた保険料、こういうものをどういうふうにしていくのか、こういう具体的な問題になりますが、この点はどうでしょうか。
#54
○政府委員(木暮保成君) その点も非常に大きな問題点になったわけでございまして、任意加入の妻の制度を廃止いたします場合に、過去の納入保険料を何らかの形で評価しなければならないということでは、懇談会の委員の先生方皆同じ意見でございまして、その議論の過程といたしましては、すでに納めました保険料に利息をつけて返すというようなことが一案としてございましたし、また、過去の納入分につきましては、従来のルールに従ってこれは年金給付をせざるを得ないのではないかという御意見もあったわけでございますが、結果的にはやはり国民の年金に対する信頼を損わないためには、仮に廃止をいたしますにしても、従来納めました保険料に見合う保険給付は約束どおり出すということを前提に考えるべきではないかというのが先生方の御意見だったというふうに考えております。
#55
○高杉廸忠君 それから、さらに細かい被用者年金の中で解決していく二つの問題点ですけれども、障害ですね、被用者年金の中で妻が障害になった場合、あるいは高齢になって離婚ということもあり得ると思う。こういうような年金の中で明確な形できちんと位置づけをしていかないと、局長が言われるような必ずしも安全でなく不安全の状態というのはあるんじゃないかと、こういうことが言えると思うんですが、その点はどうなんですか。
  〔理事小平芳平君退席、委員長着席〕
#56
○政府委員(木暮保成君) 国民年金に任意加入する制度を存続する、あるいは強制加入にいたしますと、被用者の妻が夫と離婚するしないにかかわらず年金権が確保されますし、また当然被保険者として保険料を納めておりますので……
#57
○高杉廸忠君 いや、そうじゃなくて、被用者の年金で解決していこうという場合。
#58
○政府委員(木暮保成君) 障害になった場合にも障害年金が出るわけでございますから、仮に任意加入の制度をやめてしまいますと、現在の被用者年金制度におきましては妻が廃疾になった場合の年金保障はないわけでございます。これは現行制度としましてはひとつ割り切れておると言えるんでございます。と申しますのは、保険事故が発生しまして、それによって所得の中断なりあるいは所得が減るという場合にそれを補てんするというのが年金制度の一つの機能だと思うわけでございますが、妻の廃疾によりましては夫の収入に何の変更もないということも考えられますので、現在の制度はそういうたてまえに立っておるわけでございます。
 それから、離婚した場合でございますが、これも現在の場合には厚生年金の方から何らの処遇はないわけでございますが、この任意加入の制度をやめまして被用者保険に引き取る場合には、離婚の場合、それから妻の廃疾の場合にも何らかの手当てをすべきであろう、またそれはできるのではないかということでございまして、具体的な案は示していただいておりませんけれども、そういう前提の御議論をいただいたわけでございます。
#59
○高杉廸忠君 全度はそうしますと、無業、職業のない奥さん、妻ですね、独立の被保険者としての被用者保険に組み入れる、それから別に保険料の拠出を求める必要があるわけですね、独立するということですから。そうなった場合にその基準といいますか、保険料の徴収基準というのが出てくると思うんです。ところが、奥さんは収入がないわけですから、そうした場合に何を根拠に、何を基準にそういう保険料を徴収をして、そして何を基準に今度は給付というものをしていくのか、これを非常に明確にしていかなきゃならぬわけですね。その点について何を基準にするのか、徴収する場合も給付する場合も。
#60
○政府委員(木暮保成君) 現行の国民年金の場合に、任意加入でない場合でございますね、強制加入で夫も妻も入っておるという場合でございますが、夫に収入があって妻には収入がないという場合もかなり多かろうと思うわけでございます。現在の国民年金のたてまえといたしましては、夫と妻とそれぞれ加入をしていただく、それぞれ保険料を納めていただくということになっておるわけでございますが、その保険料につきましては夫婦が連帯をして納めていただくと、こういう形になっておるわけでございまして、仮に任意加入の制度を強制に切りかえるという場合にも、そういう制度の延長上で考えることになろうかと思います。その際、今度の基本懇でも指摘をいただいておりますけれども、保険料というのはやはり世帯単位でもって納入をするということでございますし、年金給付というものを世帯で受けてその生活の支えにするということでございますので、やはり保険料につきましても給付につきましても、仮に夫婦個人個人に納めてもらい、あるいは支給するにしましても、世帯単位で考えていくべきであろうという御指摘をいただいておるわけでございますが、そういう線で考えていくということになろうかと思います。
#61
○高杉廸忠君 いずれにしましても、いま申し上げましたように、被用者年金の保険の抜本的な改革というか、そういうことになるわけですね。
 そうすると、年金懇で私は長い間大変御苦労をされてせっかく勉強したんですから、私は広く国民に世論を喚起して、こういうように集中審議をするように国会でも大いに議論していこうというならば、ならば私は両論併記とかそういう抽象的な問題じゃなくて、もっと具体的にそういう議論のできるような素材というか資料といいますか、勉強した成果を私は出していただきたいというのが願いなんです。少なくとも、先ほど申し上げました諸点について、少なくとも総合性、整合性というのを安恒委員も指摘をし、私も国民年金審議については幾つか申し上げたんですけれども、そういう作業を、長い間年金懇大変御苦労なんですが、何でそういう作業ができなかったんですか、私の方はどうも理解できないんです。少なくともこういう国民的な非常な関心事でありますから、私どもも高齢化社会を迎える、それに向けて国会も集中審議、私どもは熱心に審議するように集中しているわけですから、そういう作業がなぜ年金懇でできなかったんだろうかという、ひとつその辺の率直な実情を私に教えていただきたいと思うんです。
#62
○政府委員(木暮保成君) この被用者の妻の任意加入制度の取り扱いの問題でございますが、先ほども申し上げましたように、基本懇の審議のかなり多くの時間を割いて検討していただいたわけでございます。それで、二つの方法のいずれかによる以外にはないわけでございますが、その一つ一つがそれぞれ長所を持つと同時に、一方では大きな影響を厚生年金なり国民年金なりに持つわけでございまして、三年間の時間をかけていただいたわけでございますけれども、どの点を見ましても余り大きな問題なしにやれるという見通しまでつかなかったわけでございまして、委員の先生方の御努力には非常に感謝をいたしておる次第でございます。事柄のむずかしさということだったと思うわけでございます。
#63
○高杉廸忠君 まあ集中審議をして、これからも私ども対応していくわけですが、幾つかの細かい点を指摘しますと幾つも課題が残っているわけですね。いま年金懇で大変御苦労いただいた経過についてはわかりますが、せっかく集中審議をしていくというならば、もっと具体的な審議に値する結果を私は出していただきたかったということなんです。
 で、先ほど来から御答弁いただいて感じますのは、国民年金に全員が強制加入方式になるということになると、かなりいままでの国民年金の考え方で基本的には大きな改革になるわけですね。そうしますと、加入者として自営業者がありますね、それから家族従事者、またそれらの奥さん、妻ですね、それから零細企業の被用者、またその被用者保険の被用者の妻、こういういま申し上げました五つに分類していくと、そういうような異質のグループというものを包含することになるわけです。そうなると、これらを一まとめにした制度運用というのが、局長としては運営が非常にスムーズに円滑に運営されると思いますか、そういうことで所見をちょっと伺いたいと思います。
#64
○政府委員(木暮保成君) 自営業者の年金制度というものは、世界各国見ましても余り比較になるようなものはないんでございます。全国民を対象とすると、被用者、自営業者、そういうものを差別なく一つの年金制度にするというのはもちろんあるわけでございますが、被用者年金をまず一つのグループとしてやり、残りのかなりの大きな国民の部分、いま御指摘の自営業者を初めそういう方々を年金制度一つに取り込んでおるという例はないのでございまして、御指摘のとおりさまざまな所得分布でございますし、また生活実態も非常にいろいろ分かれておりますので、年金制度としましては運営が非常にむずかしいということでございます。それで、保険料の取り方、給付の仕方一つ考えましても、それぞれ違った立場の方々を前提としておりますので、現在は定額で保険料を取り、定額で給付をすると、こういう形になっておるわけでございます。
#65
○高杉廸忠君 国民年金の定額拠出とか、それから期間比例、定額給付という年金システムですね、問題点が指摘されて、いままでも安恒委員も私も数回にわたって指摘したんですけれども、保険料拠出面で所得比例要素を導入するということになるとますます困難になるんじゃないかと思うんですね。こういう所得比例要素を導入することについては年金懇ではどういうように考えておられるんですか。
#66
○政府委員(木暮保成君) 今度いただきました年金懇の意見では、先ほど先生が御指摘のように、さまざまな所得階層の国民、あるいはさまざまな職業の国民を被保険者にしておりますので、定額を中心としてやるということはやむを得ないんだと、しかし、所得比例の要素を加えるということについては、事務当局でさらに研究を進めるようにという御意見をいただいておるわけでございます。
#67
○高杉廸忠君 私は、先ほどの被用者年金制度でも幾つか申し上げましたように、国民年金への強制加入方式という、まあ両論併記でありましたが、単にそういう提案というのでなくて、それを採用した場合、幾つか問題点、デメリット、メリットありましたから、それを採用した場合に具体的にこういう点とこういう点というやっぱり関係を明確にしていく必要があると、こういうように思うんです。先ほども申し上げましたとおりに、せっかく年金懇で長い間勉強されて大変御苦労いただいたと思うものですから、われわれが具体的にそういう検討材料にできるようなもの、こういうものが欲しかったわけです。そこで私はきわめて不十分であるし非常に残念だというのはその点なんです。しかも、いずれの方向をとるにしても重大な問題点がたくさんあります。
 そこで、私は基礎年金構想ですね、こういうものも採用して問題を解決していくのも一つの方法ではないかと、こういうふうに思うんですが、その点についての見解をひとつ伺いたいと思います。
#68
○政府委員(木暮保成君) 基礎年金構想をどういうふうに考えるかという点につきまして、これも基本懇で大きな時間を割いていただいた事項の一つでございます。それで、中間報告には、基本懇自体基礎年金構想の試案を出しておったわけでございますが、今度いただきました報告では、基礎年金構想というものをいますぐやるということにはいろいろな難点があろう、基礎年金が目指しておりまする政策目標につきまして、基礎年金によらない段階的な改善でもってその政策目標を達成していくというような立場をとるべきだという御意見をいただいたわけでございます。
#69
○高杉廸忠君 年金制度は、言うまでもなく各種の検討事項を平面的にとらえることでなくて、先ほど安恒委員も指摘しましたように、一つを動かせば他を連動して動かさなくてはならぬ、立体的、連動的、そういう作業というものが必要であることは言うまでもないんですが、大臣が、先般、一つは任意加入の被用者の妻の老齢年金を今後とも保障していこうと述べられましたし、私は遺族年金の関係で言うならば、その遺族年金の水準が、物価等いろいろな水準が変わってくると思うんですが、それはそういう何といいますか、大臣、水準が変わった場合でも、移動があった場合でも、私の聞き間違いならばいいんですけれども、大臣はたしか遺族年金についての水準が、年金の水準等の移動があった場合は、それはまあ保障できないようなニュアンスの答弁があったように私は記憶しているんですが、遺族になった場合は、その老夫婦が老齢年金を受給する場合には現在の水準程度というものを私は保障していくという意味で理解していいんでしょうか。その辺がちょっと、先般御答弁の中には私のような理解ができるかどうかちょっと心配だったものですからこの際伺いたいんです。
#70
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう高杉委員よく御承知のとおり、現行遺族年金は二分の一というルールになっております。ただ、この遺族年金の水準を将来六割なり七割なりあるいは八割なり、どこが設定すべき一番いい線かわかりませんけれども、そういう水準に変えた場合やはり条件は変わってくるということを申し上げたつもりでありました。
#71
○高杉廸忠君 それじゃ、遺族年金について問題点をちょっと集中してみたいと思うんですが、すでに社会保険審議会の厚生年金保険部会において来年度の再計算を目指していま検討に入っているんじゃないかと思うんです。それは、従来の扶養加給制度から脱皮をしまして、基本年金の五割という水準を引き上げる方向で御検討をいただいているのかどうか。いま大臣が言われたように六割なり七割なりもしお考えがあれば、当然来年度予算に組み込まなきゃならぬ問題ですから、現在のその保険審議会の厚生年金保険部会で検討をされ、来年度に向けて対応されるというのはどういうことになりますか。
#72
○政府委員(木暮保成君) 基本懇の御意見が出ましたので、大臣の御方針として来年度再計算をできるならしたいということで厚年部会の御検討を開始していただいております。で、ただいま先生の御指摘の二つの点につきましても、先般まとめていただきました検討事項の中に入っておるわけでございますので、基本懇の考え方あるいはいま先生のおっしゃられたような考え方につきまして御検討をいただけるというふうに思っております。
#73
○高杉廸忠君 五十一年に、まあ私ども承知しているところでは、遺族年金の給付割合を引き上げる際に、他の制度の所要財源を試算した段階で、その額を予算化することは非常に困難であるというので現行制度になったということを聞いているわけですね。で、これは世帯類型に目を向けたものでそれなりに評価をする面があるんですが、これを引き上げる財源というものは当然もし五割から六割となれば必要なんでしょう。その辺来年度の予算についてはどういう水準にし、どういう財源で、もうすでに大平内閣は通常より早く予算編成というものをしていくという方向で、かなり前向きな姿勢の中でお取り組みになっているわけだと思うんですが、その点どうなんでしょうか。
#74
○政府委員(木暮保成君) 厚生年金の場合には二割の国庫負担がございますけれども、たてまえといたしましては保険料を財源としまして給付をするということでございます。したがいまして、いろいろの給付改善をいたしますと保険料を引き上げるという問題は出てくるわけでございますが、この点につきましては、基本懇等の御指摘もあるわけでございますけれども、いまの厚生年金の財政状況は将来非常に大変なことになるということでございますので、まあぜい肉を落とすと申しますか、そういう面も結びつけて考えていかなきゃならない問題だと思うわけでございます。
 遺族年金に限って申しますと、遺族年金は日本の場合には五割で、五十一年から寡婦加算がついておりますけれども、たとえば子供のない若い未亡人の方にも同じ条件で年金が出るとか、そういう面がございます。そういうところの見直しということも当然一緒にしなければならないというふうに思っておるわけでございます。
#75
○高杉廸忠君 まあ遺族年金に集中しますと、いま局長からお答えがあったように、遺族年金の引き上げを行いますと、本人に老齢年金の受給権があるわけですね、こういう場合はこの併給調整ということが問題になるわけですね。そういう際に、まあここでは基本的な問題になるかと思いますけれども、年金というものを個人の単位で考えていく、世帯単位で考えるべきではないということになりますわね、そうなりますと。年金懇答申ではこの辺が一つ明確でない点だろうと思うんです。年金権の確立は個人単位で、それから給付水準は世帯単位でと、こういうような理解をしていかざるを得ないと思うんです。そうしますと、社会保険方式、負担と給付というのはある程度見合い関係にありますから、この年金権の確立を個人単位に、給付水準を世帯単位にという考え方、こういう場合に理論的にはどういうようにその説明ができるんでしょう。その辺がちょっと私にも理解ができないところです。
#76
○政府委員(木暮保成君) いま御指摘の点が基本懇の一つの基本的な認識だったわけでございます。厚生年金ができ、国民年金ができました当初は、自営業者の方は夫婦で国民年金に入っていただく、一方サラリーマンの場合には、夫がサラリーマンの年金に入りまして、妻の方は夫が老齢年金を受けますときにはその扶養家族という形で取り扱い、夫が亡くなられた場合には遺族年金を受けると、こういうことを頭に描いておったわけでございます。ところが、現実には女子の方も産業戦線にどんどん出ていくということで、夫も妻も厚生年金ということがかなり出てまいっておりますし、また、主婦の立場でとどまっておられます場合にも国民年金に任意加入するということで、夫も妻も厚生年金と国民年金から年金をもらうと、そういうことがもう大勢としてそういう方向に向かっておるという認識をされたわけでございます。したがいまして、また国民の希望等から考えまして、いまの趨勢と合わせますときに、個人個人が何らかの年金に結びつくということで考えていくべきであろうと、まあ一人一年金という言葉が審議の過程で出てまいりました。ところが一方、いまの厚生年金で言えば、老齢年金は夫婦が暮らせるということを一つ目標としておるわけでございまして、夫も妻も厚生年金に入っておるというようなことでございますと、その世帯は二人分の年金が二つ出ると、まあごく大ざっぱにいえば四人分の年金ということになりかねないわけでございます。で、一方任意加入をしないサラリーマンの世帯では夫の年金まあ二人分と、今度は逆に夫は厚生年金、妻は任意加入をしておりますと、いわば厚生年金から二人分、妻が一人分というようなことになるわけでございまして、非常にそこに過不足が出てくると、これはどうしても年金が個人個人に結びついていくということを認めると同時に、給付の調整としましては、世帯の実態に即した調整をしなければなるまいということでございまして、具体的に御提案はいただいておりませんけれども、調整措置を考えるということを私どもに宿題として出されたというふうにとっておるわけでございます。
#77
○高杉廸忠君 限られた時間がだんだん参りますので、少し論点を変えまして労働大臣にちょっと伺いたいんですが、先ほど同僚の安恒委員から幾つかの問題が指摘されましたし、雇用の継続と年金の支給開始年齢との関係についてもかなり詳しく詳細に言われました。私は、この年金の問題と雇用の問題というのはきわめて密接不可分であるというふうに思うわけですが、この際労働大臣に伺いたいのは、わが国の高年齢層の労働力率――労働率ですね、どの程度になっているかという点であります。これは、アメリカ、西ドイツと比較してどうなっているかということをあわせ伺いたいと思いますし、二つ目として、わが国において労働力率の高い理由ということですね、私も資料あります。ここの総理府統計の労働力調査の表を見ますと、こういう諸外国との比較もあります。この点について、まず労働大臣からこの二つの点について伺いたいと思います。
#78
○説明員(佐野厚君) 昭和五十三年の高年齢者の労働力率を総理府の労働力調査で見ますと、五十五歳から五十九歳層が六八・六%、それから六十から六十四歳層が五六・四%、六十五歳以上層が二六・八%で、これを五十五歳以上で見ますと四四・四%となっております。
 で、これをアメリカ、西ドイツと比較いたしますと、五十五歳以上の合計では、日本は昭和五十三年の数字でございますが、四四・四%、これに対しまして、アメリカは昭和五十二年に当たる数字ですけれども三二・六%、西ドイツが、昭和五十二年四月の数字でございますが二〇・七%ということになっておりまして、アメリカ、西ドイツとも日本より低くなっております。
 これを年齢階級別に見ますと、五十五歳から五十九歳層では日本が六八・六%であるのに対しまして、アメリカは六四・一%、西ドイツは五八・七%となっております。で、六十から六十四歳層では、日本が五六・四%に対しまして、アメリカが四六・三%、西ドイツは二七・六%となっております。で、六十五歳以上層では、日本が二六・八%に対しまして、アメリカは一二・四%、西ドイツは五・八%という状況になっております。
#79
○政府委員(細野正君) わが国の労働力率が、非常に高齢者について高い理由というお尋ねでございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、一義的にこの理由というのを申し上げるのは困難かと思うわけでございますが、一般に言われておりますのは、わが国の場合に労働力率が非常に高いと言われております農家とか商業等の自営業種の世帯のウエートが高いということが一つの原因として挙げられているわけでございます。
 なお、年金との絡みについて御関心のようでございますけれども、諸外国の場合に、ある程度年金の高さが労働力率に影響があるということが統計的にも言われておるわけでございますが、わが国の場合に、いろいろな角度から検討してみたわけでございますが、現在までのところ、年金と、それから労働力率の高さにつきましては有意的な数字が、どうも過去の数字を分析した限りでは出てこないというふうな状況でございます。
#80
○高杉廸忠君 いまのお答えのように、アメリカ、西ドイツの高齢者の非労働力化の動きというのは、やっぱり年金制度の整備が一つの要因になっていると、こういうように思うんです。
 さらにお尋ねしますが、高年齢者の雇用について、先ほども安恒委員も指摘しましたが、定年制度を定めている企業の再雇用制度ですね、それから勤務延長制度、こういうものをどういうように労働省の方ではつかんでおられるのか。それからまた、そういう制度をとっている企業、これはどの程度の割合を全体の企業として占めているのか。それからその賃金ですね、その賃金はどの程度減額になっているのか。私も若干の資料あります。確認の意味でお答えをいただきたいと思います。
#81
○説明員(佐野厚君) 昭和五十三年一月に実施いたしました雇用管理調査によりますと、定年制のある企業のうち、再雇用制度または勤務延長制度を採用しております企業の割合は七九%になっております。これらの制度を採用している企業を一〇〇といたしますと、再雇用制度のみとする企業が五八・六%、それから勤務延長制度のみとする企業が二六・四%、両制度併用とする企業が一五・〇%ということになっております。
 それから、再雇用あるいは勤務延長の場合の賃金の状況でございますけれども、まず再雇用後につきまして見ますと、賃金が上がるかまたは変わらないとする企業は二六・六%、下がるとする企業が五九・四%ということになっております。で、賃金が下がるという企業を一〇〇として見ますと、減額率が一〇%未満である企業が二二・五%、減額率が一〇%以上二〇%未満である企業が三六・八%、減額率が二〇%以上三〇%未満である企業が二九・二%、減額率が三〇%以上である企業が一〇・八%ということになっております。で、また勤務延長制度の場合でございますが、賃金が上がるかまたは変わらないとする企業が六四・五%、下がるとする企業は一九・九%ということになっております。で、賃金が下がるとする企業を一〇〇として見た場合に、減額率が一〇%未満である企業が二五・二%、減額率が一〇%以上二〇%未満である企業が四〇・二%、減額率が二〇%以上三〇%未満である企業が二五・六%、減額率が三〇%以上である企業が八・四%ということになっております。
#82
○政府委員(細野正君) 再雇用制度なり勤務延長制度をどういうふうに考えるかと、こういうお尋ねがございました。この制度によりまして高年齢者の雇用が維持をされるという意味では、私どもは一応評価ができるんではなかろうか、こういうふうに思っておるわけなんです。ただしその場合に、再雇用の対象になる、あるいは勤務延長の対象になるという方々が全員でありますと、ほぼ定年の場合と余り変わらないわけでございますが、余りしぼられているというふうな場合につきましてはやはり問題がございまして、そういう意味で本来的には年功的な賃金雇用慣行を直しながら、定年を延長するというのがやっぱり本来の筋ではなかろうかと、こういうふうに考えているわけであります。
 それからもう一つ、再雇用制度につきましては、私どもは、いま申し上げましたような賃金問題等についての話が労使間でなかなかつきにくい、そのために定年の延長がむずかしいという場合につきましては、むしろ再雇用制度を採用しましてそれによってしばらくやって、それを定年延長に切りかえるというやり方も非常に現実的な方法でありまして、そういう二つの側面から一応は評価できる制度ではないかと考えているわけであります。
#83
○高杉廸忠君 年齢別賃金格差を次に聞きたいんですけれども、私も資料いただいておりますから、確認の意味でお尋ねをしますが、ピーク時の賃金額に対してどの程度のウエートを占めているかという、たとえば男子ピーク時の五十歳から五十四歳まで、こういうもので出ておりますが、この中で平均三割以上も定額給与月額が減額していることですね、これは資料で見れば明らかなんです。したがって、定年後の労働条件がいかに悪くなっているかという私は証明書になっているんだと思うんです。その点が一つです。
 それから、単に再雇用につながっているということでは年金受給開始年齢をおくらせる根拠とはなり得ない。これは先ほど、もう詳細にわたって安恒委員からも指摘されましたし、私は最後に労働大臣にお答えをいただきたいんですが、先ほど来の安恒委員の質疑を通じて感じることは、定年制を六十年までに六十歳にするという大臣のお気持ち。しかし、労働省がすでに二十九年に呼びかけて二十年たっているわけです。そういう中にもかかわらず、六十歳定年がまだ非常に実現をしない、まだ二、三年かかるというような大臣の六十年目標でありますから。そうなりますと、いま私が賃金格差だとか、わが国の高齢者の雇用、労働力、それを見ても、少なくとも六十五歳になったらこれは大変なことになるし、六十歳になってもそれまでの間、再雇用ではすでに元気なときの最高賃金の三割減なんですね、再雇用されていても。ですから、そういうやはり雇用と年金の支給開始というのはリンクしなさいというのはその辺です。しかも、雇用と賃金というものはやっぱり完全に保障していくと、そこに定年制があり、そこからの年金支給開始年齢というのは結びつくものである、こういうふうに思うんです。したがって、いま申し上げました二点についてお答えをいただき、最後に労働大臣から御決意を伺い、労働大臣に対しては質問を終わりたいと思います。
 あと厚生大臣残っておる問題でちょっとありますのでお願いをしたいと思います。
#84
○政府委員(細野正君) 再雇用された場合に賃金が下がるという御指摘でございまして、私どもの調査でも下がり方は大体先生御指摘のような状況になっておるわけでございます。ただ問題は、わが国の賃金体系というものが、定年というものがあることを前提にして、そこまではだんだんだんだん高くすると、こういう仕組みになっておりますから、したがいまして、その定年を過ぎた後もその高さを維持するのが当然であるという議論にはなかなかなりにくいんじゃなかろうかと。したがいまして、その定年を延長する場合に、労使の間の話し合いにももちろんよりますけれども、当然下がるという場合が多いというふうに私どもは考えますし、またそうでなければ、社会的に定年延長というものが普及するということはむずかしいんじゃなかろうかというふうに考えるわけであります。そういう意味で、下がり方についてのいろいろの御議論はあるかと思いますが、下がるのはやむを得ないところであり、その場合に、むしろ下がってもなおかつ就職が困難だというところに大問題があるわけでありまして、そういう意味で、私どもは定年の問題をやる場合に、まずその年功的な賃金あるいは退職金あるいは人事管理、そういうものを直しながら定年を延長するということについて一生懸命いま努力をしているというのが私どもの考え方でございます。
#85
○国務大臣(栗原祐幸君) いま政府委員から申し上げたことで大体尽きるわけでございますが、私から確認の意味で申し上げます。
 私どもといたしましては、定年と年金というのはできるだけ、老後の保障という問題もございますので関連をして考えていくべきであると。しかし、具体的にどうそれを詰めていくかという問題は、先ほど申し上げましたとおり、厚生省の方とよく連絡をとりながら具体的に進めていくということだろうと思います。
 なお、定年の延長の問題につきまして、行政指導というものがそう簡単にいくかという再度のお尋ねのようでございますが、私は、いままでとこれからとはずいぶん違うと思うんです。先ほども申しましたとおり、高年齢化社会にいやでもおうでも突っ込んでいるということを国民が身をもって感ずるようになってきている。しかも、年金の問題は年金の問題として財政的に非常に大きな課題だということがございますので、これは行政指導するのに全く絶好の時期だ。いままでの二十九年からのやつは蓄積であると、そういうように考えてこれは処置すべきものであると、こう考えております。
#86
○高杉廸忠君 大臣から非常に前向きなお答えをいただきまして敬意を表しますが、いずれにしても、いま大臣からお話しのように非常にいい機会であります。ひとつ今後とも先導的な役割りを果たしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 最後になりましたが、厚生大臣からこの際お答えをいただきたいんですが、最初に御質問のときに大蔵大臣にお願いを申し上げました。国民年金とは直接――まあ年金ではありませんが、現在ハンセン氏病、国立らい療養所におられる外国人の方、特に韓国人の方が多いのですけれども、いま月額四万八千百三十三円の給付金が支給されております。これは先ほど大蔵大臣への御質問と同時に御要望も申し上げたとおり、大臣この際、いままで歴史的な経過があることはもう大臣も十分御承知のとおりです。昭和二十八年の予防法改正以来から、こういう問題も、まあ私の方もかかわってきたわけであります。長い歴史的な経過は省きます。きょうも傍聴に何人か代表の方が来ておりますから、まあ来年度の編成も近いし、将来にわたって、これは給与金についてはいろいろな名称もあろうかと思いますが、間違いなく将来も保障していくというふうなお答えをまずいただきたいのが一つであります。
 それから、大蔵大臣にもお願いしておきましたように、毎年毎年予算編成期にこうした患者の方々が大蔵省に押しかけて、主計官並びに当局に説明するようなことのないように、まあひとつ厚生大臣からも十分引き継いでいただいて、大蔵大臣にも将来にわたって実現していくというひとつお約束もいただければ私はあえて意見を申し上げないで済むと思います。最後に厚生大臣から、これらについてのお考えと、これについてのひとつ今後の御決意を伺って質問を終わりたいと思います。
#87
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま御指摘になりました患者給与金、国民年金の拠出制障害年金に準じて支出をされていることは御承知のとおりであります。私ももう細かい議論を申し上げようとは思いません。ちょうどいい機会でありまして、主計局次長もおられるわけでありますから、その前で私はあえて申し上げますけれども、私の首がいつまで続くか続かないかにかかわらず、今後ともこの支給に対しては確保できるものと私は思っておりますし、余り御心配をかけるようなことのないように、だれが厚生大臣を務めておりましょうとも続く性格のものであると思います。
#88
○小平芳平君 まず、四月十八日の年金懇の報告について、初めからずっと話題に出ておりますの、で、この報告に関連する問題を最初に質問いたします。
 厚生省としては、この年金懇の報告で、特にこのおしまいの方に出ております「当面の改善」という三項目、この点は次の国会へ法律改正を提案するということなんでありますか。
#89
○政府委員(木暮保成君) 基本懇から、当面の改善事項としまして三項目のお示しをいただいておるわけでございます。で、それぞれにつきましては関係審議会がある問題もございますけれども、大臣の意向としましては、できるだけ来年度におきまして財政再計算をして織り込みたいということで、関係審議会の御審議をお願いをしておるわけでございますが、その御審議を待ちまして、厚生省の案を決めて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#90
○小平芳平君 年金懇のこの報告は、現行の分立した体系を前提として考えていると、要するに制度の整理統合ということは考えてないと、そういう理解でよろしいですか。
#91
○政府委員(木暮保成君) 今度いただきました報告では、現在の八つの制度を前提としてできるだけの改善をしていくという方向をお示しいただいたわけでございます。
#92
○小平芳平君 私たちが、きょうもそうですし、この前の国民年金の一部改正の審議のときもそうでしたが、この三項目の指摘の中で、特に第一に出てくるのが支給開始年齢の引き上げが出てまいります。この支給開始年齢の引き上げは、雇用対策と相まって提案されるのでなくては、実際労働者は困るんだということを各委員がそういう立場でもう何回となく繰り返して意見を申し上げ、また答弁を受けているわけであります、御承知のとおり。で、そういうところから、特にこの支給開始年齢を六十五歳に引き上げるというこの考え方は、そう簡単に次の国会に法律改正を提案して何年かで実現するという、そのことだけで論議されては困ると、雇用との関係、そうしてまた、実際退職していかなくてはならない高齢労働者の生活保障との関係で考えなくてはだめではないか、これはこの報告でも指摘しているわけですから。したがって、実際問題が、どうしてこういうことを各委員とも繰り返して申し上げるか、それは先ほども高杉委員からもおっしゃっていたように、実際、厚生年金の支給開始が六十歳にもうなっているにもかかわらず、実際問題五十五歳定年がまだいまだに残っているわけですから、それと同じように六十五歳まで働く職場があるという何の保障もない、ただ年金支給開始年齢だけが六十五歳に延ばされてしまったということがないようにということを繰り返して皆さんが主張しているし、私も主張しているんです。いかがですか。
#93
○国務大臣(橋本龍太郎君) これもたびたび繰り返して申し上げておることでありますが、現在の人口の高齢化の実態、また将来へ向かっての推移、そしてそれによってふえていく給付費、そしてそれに必要な財源、それを負担すべき若年層の負担というものを考えてまいりますと、私どもは支給開始年齢引き上げの問題はやはり避けて通れない問題だと受けとめております。そして、それについては、やはり年金としての立場から言うたらば、一日も早くその改善に着手する必要があることは言うまでもありません。しかし同時に、御指摘のように個々の方々の老後の生活の設計の問題でありますから、それに対して雇用の問題が付随しておることはこれも間違いのないことであります。ですから私どもは、いますでに六十歳になろうとしておられる方からいきなり六十五に引き上げるというようなことは一度も申しておらないのも御承知のとおりでありまして、相当期間の年数をかけて、よく二十年という言葉を使っておりますけれども、それぐらいの期間をかけて引き上げを図っていきたい。同時に、労働省当局の方には、そうした声にこたえられるだけの労働情勢というものをつくり出していただきたいということをお願いを申し上げておるわけでありまして、先般の審議の際にも申し上げましたように、昭和六十年な目途として六十歳定年の実現ということをすでに労働省の方も出しておられるわけでありますから、私どもは決してそれを切り離して議論をしておるつもりはないわけであります。
#94
○小平芳平君 そうしますと、もう一度厚生大臣と労働大臣に、もう簡単で結構ですから、伺いますが、厚生大臣はこの六十五歳支給開始という改正を出す、国会に提案するというふうにもうスタートしているんだということでありますか。それから労働省は、六十歳定年は昭和六十年に実施できるとともに、また六十五歳支給開始になる段階では、そう雇用の不安は起こさない。特に年齢による差別、年齢が高いということで職場を追われる、あるいは職場に受け入れられないということは起こさないということが言えますか。
#95
○国務大臣(橋本龍太郎君) 早急に着手すべきという御指摘をいただいた事項は支給開始年齢ばかりではないことは御承知のとおりであります。ですから、私どもはこの支給開始年齢の問題もそうでありますし、遺族年金の改善の問題もそうでありますし、こうしたものについて明年度の国会に御審議が願えるような状況をつくり出すべく、現在社会保険審議会、また国民年金審議会に御論議を願っておるわけであります。そして、それぞれ社会保険審議会の場合におきましては厚生年金部会において、また国民年金審議会におきましては小委員会を設置していただきまして、これらの問題点についての御論議を十分願いまして、それを受けとめて、その結果最終の判断をいたすということであります。
#96
○国務大臣(栗原祐幸君) 定年の問題につきましては、昭和六十年をめどに六十歳定年を実現する、そのために最大の努力をいたしたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。そして、御指摘のとおり、それでは六十五歳に年金が引き上げられたときには、そのときにはもう六十五歳の人も全部雇用の場が持てるように責任を持つのか、こういうお話でございますけれども、責任を持つ持たぬという言葉は別といたしまして、もう高齢化社会になってくるわけでございますから、本当に働ける人、働きたいという人は、そういう高年齢にかかわらずそういう職場を確保することが、これは私どもはもとよりでございまするが政府全体として考えねばならぬことであると、こう考えております。ただ、先ほど来申し上げましたとおり、私どもは老後保障というものと、雇用と定年というものとはできるだけつながってあるべきだ、そのために厚生省と労働省とそれぞれ困難な問題は抱えておるけれども、お互いにいろいろの意見を聞きながら、ひとつ結び合わせていくための具体的な方途を考えようじゃないかという態度でおるわけでございます。
#97
○小平芳平君 労働大臣としまして、これから十年先、二十年先の責任を持つ持たないということをここで論議しようということ自体、それは意味のないことだと思いますが、ただ、労働省の姿勢としては、先ほど来厚生大臣は、たとえ大臣がかわってもとおっしゃっているんですが、これは労働省の姿勢としては、仮に雇用面で非常に立ちおくれていると、年金制度が財政問題等によってずいぶん早く六十五歳支給開始ということに進もうとしている場合でも、そうした雇用全体を見比べた上で、もっと支給開始年齢の延長は待てとか、おくらせろとか、十分そういう意見は言っていかなくちゃいけない。これは当然のことでしょう。
#98
○国務大臣(栗原祐幸君) 私はそういう仮定といいますか、そういう場合にはということをここで論議することがむしろ適当でないと思うんです。そのことがどうなりますかというと、それでは、そういうことだから定年制の延長などという問題についてそれほどがんばらなくてもいいじゃないかとか、あるいは年金の改革ですね、改正といいますか、年金問題についてそれほどやらなくてもいいんじゃないかというような議論に立ち至るおそれもありますので、この段階でそのことについて労働省がコメントすることは適当でない。むしろ、われわれとしては先ほど来申し上げましたとおり、いわゆる年金と雇用とが結びつくようにできるだけの努力をいたします、そういたしたいということで、みずからをむち打つことの方が適当ではないかと、こう考えます。
#99
○小平芳平君 それはそうですよね。私が申し上げたいことは、労働省は雇用を、あるいは労働者のそうした意味の社会的地位、経済的地位、それを守るために労働省があるんでしょうということを申し上げているのであって、年金の財政のために労働省があるんじゃないんですから、言うまでもなく。
 それで、年金懇の御指摘の中には、分立した体系はそのまま前提として考えるということで、局長も先ほど答弁されましたが、そうして、当面の改善の事項を考える場合に、制度間の格差是正というものは厚生省は考えるんですか、どうですか。
#100
○政府委員(木暮保成君) 今度の基本懇をお願いをしました理由の一つは、八つの制度に分かれておりまする年金につきまして、横断的に検討していただくということだったわけでございます。で、その結果、やはり各制度を横に並べてみまして、まあ沿革的な理由はあるにしましても、現在の時点で特に理由のなくなったアンバランスにつきましては調整をしていくようにという御意見をいただいたわけでございます。で、この点につきまして、それぞれの制度の置かれている事情は違いますので、早急に調整をするということもむずかしいかと思いますけれども、関係各省連絡をとりながら調整に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。で、この点につきましては、すでに基本懇の御意見をいただきました直後、公的年金の閣係各省連絡協議会を開いていただきまして、各省の御検討をお願いをしておる次第でございます。
#101
○小平芳平君 ちょっと騒がしくてよく聞こえないんですが、じゃ、格差についてはまた具体例でもって質問いたしますので。
 これはどういうふうに扱われますか、財政調整。
#102
○政府委員(木暮保成君) 今度の基本懇の御報告では、基本年金というのを現在の時点ですぐやることはむずかしかろうと、八つの制度を前提といたしましてできるだけの合理化に努めていけということなんでございますが、それにいたしましても、各制度が置かれております年金制度外の事情はいろいろ違うわけでございます。社会経済状況の変化によりまして、年金の担い手になる現役の被保険者が少なくなるような制度もございますし、それからまた、そういう産業経済の変化のおかげと申しますか、そういうことで現役の被保険者がわりあい多く集まっておる制度もあるわけでございまして、そういう面からくる制度間の財政状況のアンバランスということがあるわけでございます。それに対しましては財政調整を行って、各年金制度の努力の外にある原因によって起きたアンバランスを是正していくべきだという御意見をいただいておるわけでございます。ただし、各年金制度の置かれております事情は違いますので、財政調整につきましてもできるだけ年金制度の設計を同じようにして、それから財政調整に踏み切るべきではなかろうかという手順も御意見としていただいておるわけでございますので、先ほど御指摘の各制度のバランスをできるだけまずとるということをして、その後財政調整も考えていきたいというふうに思っております。
#103
○小平芳平君 各制度間のバランスをとるということはどういうことですか、具体的にお尋ねしたい。
 それから、財政調整は、若年労働者が集まる職場と、それから高齢者がふえる一方というような職場と、その両制度間の財政を調整するというわけですか。
 どういう基準を設けて、とにかく二つの制度があるいは幾つかの制度がある中で、このいずれも基本は保険料で制度は動いているわけです。片方の制度からと別の方の制度との間で財政を調整するということは、お金を片方から取って片方へ出すのでしょうけれども、どういうことを想定されてそういうようなことをおっしゃっているわけですか。
#104
○政府委員(木暮保成君) 各制度の調整をとる事項は何かということでございますが、これは給付の立て方、そういう点につきまして大きな違い、小さな違い、いろいろあるわけでございますので、各間につきまして公的年金関係各省連絡協議会を通じまして煮詰めてまいりたいと思います。
 財政調整につきましてはいまお話しのとおりでございまして、各制度が必要とする保険料を取らないというようなことによって財政が悪化しているのをほかの制度が助けるということは考えておりませんわけで、社会経済情勢の変化によりまして、ある制度には若い現役の被保険者がたくさん集まる、ある制度は卒業して年金受給者が大ぜいいるのにそこに入ってくる被保険者が少ないというような年金制度外の要因に基づくものは、やはり公平の原理から分担し合っていいんじゃないかということでございます。
 具体的な方法につきましては、今度の報告において特に御指摘がないのでございますけれども、中間報告におきましては、二つの方法をケーススタディとして出していただいておるわけでございます。
 一つは、各年金制度を見渡しまして、最低の年金給付に必要な部分を被保険者の構成によって分担してもいいのではないかという案が一つでございまして、もう一つは、国民年金に二重加入をするというような方法で調整するということが考えられるだろうということでございまして、最終報告には特に具体的な方法を御指摘いただいていないわけでございますが、現実の問題としましては、その二つをモデルとして私ども検討してまいりたいというふうに考えております。
#105
○小平芳平君 財政問題としては、この不足する分は一般会計で賄おうということですか、この報告は。あるいは厚生省のいまの考えは、とにかく年金制度は保険料がたてまえですね、その保険料で不足する分は一般会計から出すようになっているんじゃないですか、国庫補助を出すように。そうじゃないですか。
#106
○政府委員(木暮保成君) 今度の御意見では、やはり現在かなりの国庫負担が入っておりますけれども、特に言葉としては出てまいりませんけれども、国庫負担がこれ以上ふえていくということはかなりむずかしいのではないかという立場に立っているのではないかというふうに思うわけでございます。で、具体的にはやはり保険料を中心にしていくべきであろうと、だんだん負担が重くなればなるほど、給付との関連が明確な保険料でいくのが国民の理解を得やすいのではないかということで、税方式をとるべきだという御意見をいただいておるというふうに考えております。
#107
○小平芳平君 そこで、公明党の……
#108
○政府委員(木暮保成君) 委員長、ちょっと間違えました。
 保険料の場合には、給付と負担の関係は明確でございますので、いま税方式と申し上げたと思いますが、保険料方式をとっていくべきであるというふうに御意見をいただいております。
#109
○小平芳平君 要するに、税方式を社会保障制度審議会の建議はとっていることも御承知のとおりでありますね。また、公明党が提案した二階建て年金もそうした考えをとっていたわけでありますが、そこでもう一つ、保険料と国庫負担でいく場合、この報告をもとにして考えた場合、無年金者は依然として残るですね。私たちは、この無年金者をなくさなくてはいけない、皆年金というたてまえだけじゃなくて、実際問題、無年金者を全部なくすということで考えを進めたことがありますが、依然として、いまの報告に基づく厚生省の考え方では、無年金者は特例納付で救われる程度であって依然として残るということですか。
#110
○政府委員(木暮保成君) 制度審議会の考えられました基本年金、それから公明党の基本年金、いずれも無年金者を出さないということを大きなねらいにしておりますことを承知いたしておるわけでございます。それで、制度審議会の場合にも公明党の場合にも、無拠出で年齢到達だけを条件にしておりますので、これは無年金は発生しないわけでございますけれども、税方式をとるということがまあ必然的な前提になるわけでございます。で、その点につきまして基本懇では、やはり税方式に切りかえるのはいろいろな問題があるということで、社会保険方式を基本に考えるということになりましたので、理屈の筋の上ではやはり無年金者が出るということは避けられないわけでございます。その点につきましては、運用面その他で政府は十分無年金者が出ないような努力をすべきだという御指摘をいただいておるわけでございます。
#111
○小平芳平君 無年金者が実際問題出てしまうという局長のいまのお話が、実は非常に重要な課題だということを申し上げまして、次へ参ります。
 被用者の妻の国年へ任意加入、この点について先ほどずいぶんお話がありましたが、局長の御答弁は、たとえばこういうことを答弁しておられたですか、利息をつけて保険料を返すということも検討されたみたいな。とにかく被用者の妻の国民年金の任意加入者が激増したですね、激増した。そのことをいかにも、この報告においてかあるいは厚生省年金局においてか、重荷で困るみたいな説明をしていたようにとれますが、いかがですか。
#112
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど高杉委員の御質問に対して局長が御答弁をいたしましたのは、これは懇談会の中で交わされた論議について説明しろということでございましたので、私自身に対しての御質問でありましたけれども、途中経過を存じませんから、その懇談会の中での論議を局長から紹介をさせたということでありまして、厚生省年金局長としてそういう考え方を申したものではございません。むしろ私どもは、いま被用者の妻の任意加入の問題は非常に大きな問題でありますだけに、この前、年金の審議の際にも、率直に申し上げまして五十五年の再計算にはちょっととても間に合う自信がない、ただ現実に七百万を超える任意加入をしておられる方があるという事実は無視できないことだと、これについての結論についてはもう少し時間をいただきたいということを申し上げたわけでありまして、いま小平さんから御指摘になりましたような部分は、懇談会における途中経過の報告をしろという御質問に対する局長からの説明であることを御了解願いたいと思います。
#113
○小平芳平君 それは了解いたしております。
 私がお尋ねしたい趣旨は、厚生大臣あるいは年金局の考えはそうじゃないかもしれませんが、いかにも、七百万となってしまったからには無視できない存在だみたいな言い方をなさるけれども、そういうような無視するなんてもってのほかです、それはね。で、一体この任意加入制度はどういう理由でこういう制度ができたんですか。
#114
○政府委員(木暮保成君) 正確ではないかもしれませんけれども、私ども承っておりますのは、国民年金法の制度審議会の審議の席上で、被用者の妻が離婚をしたと、高齢になって離婚をした場合の年金の保障はどうなるんだろうかということが議題に出まして、それに対する対策として任意加入というようなことを考えたらどうだろうかということで、そういう制度をとるということになったというふうに承っております。
#115
○小平芳平君 ちょっと、それだけの説明じゃ問題じゃないですか。七百万人の任意加入者が出たというのに、そのきっかけはというと、離婚した場合困るからっていう、そんな説明だけで通りますか。
#116
○政府委員(木暮保成君) いま任意加入の妻の制度が果たしている機能、役割りというものは別でございますが、こういう制度が議論の対象になり、こういうふうに実を結んだきっかけはそういうことだったというふうに承っております。
#117
○小平芳平君 じゃ、いま果たしている役割りはいかがです。
#118
○政府委員(木暮保成君) まあきっかけは別といたしまして、任意加入の制度ができまして、その過去を振り返ってみますと、当初から大ぜいの方が入っておるということではなく、だんだんだんだん任意加入を希望し、入る方がふえてきておると、こういう状況でございます。で、それをどういうふうに見るかということでございますが、やはり一つには、年金制度というものがだんだん国民の間に定着をしてまいりまして、自分の年金はどうなるのだろうかということを国民の皆さんが考えるようになり、こういう制度があるならば老後の保障として利用したいということだったというふうに思います。
#119
○小平芳平君 要するに、厚生年金の遺族年金の水準が低いということがもう決定的な理由ですね。うそだと思うなら任意加入していらっしゃる人に聞いてみてください。厚生年金の遺族年金で被用者の妻の方が生活が十分できるという目安がつけば、わざわざ入らなくても老後は心配ないということになるでしょう。その部分が、老後の生活が心配ないということになれば大きく変わりませんか、話がですね、私の考えですから、それは感じたままですから。それから、いまでも東京都のたとえば広報紙「都のお知らせ」という中で、サラリーマンの奥さんも国民年金に加入しましょうと、ビラを配っているんですね。あるいは町を歩いていても広報板に出ておりますですね。そういう宣伝文句が張ってあるんです。そういうふうに宣伝しているのは御存じですか、あるいは厚生省はそういう宣伝されてもらっちゃ困るんですか、あるいは大いに宣伝してもらいたいのですか。
#120
○国務大臣(橋本龍太郎君) どうも小平さん、ちょっと誤解があるんじゃないかと私思うんですが、先ほどからこの年金懇の答申について私ども御説明申し上げまして、先ほども私から申し上げたように、厚生省としての考え方ではないと。その無視できないという言い方けしからぬとおしかりを受けましたけれども、年金懇の御意見の二つある一つの考え方は、ある意味では現在七百万ある方々を無視する考え方であります。私どもは二案併記でお答えをいただき両方を検討する立場でありますから、その両方を公平に検討しなければなりませんけれども、しかし実態を無視することはできないという意味で申し上げたのでありまして、そこには誤解がないようにしていただきたいんです。
 そうしますと、実は厚生年金の水準そのものは遜色のないところまで世界的に来ておるということは、これはお認めがいただけると思うんですね。老後保障の中で確かにこれは所得保障というものがその中核であることは間違いありません。ただ、高齢者の要するに生活保障対策ということになれば、年金によるいわゆる所得保障以外にも、いわゆるその保険医療の確保のための対策あるいはその他の各種の福祉施策、また住宅の確保とか、私はそういうものが全部総合的に考えられていく中で、これで十分であるとか、十分でないとかという方向が出てくるものだろうと思うんです。そうなりました場合に、いま御指摘になりましたように、いろいろな問題があることは私も決して否定をいたしません。しかし、年金の水準自体でいくならば、私は国際的な水準まで到達しつつあると、しておると考えております。同時に、いま私は国民年金の妻の任意加入の制度が非常に活用されてきた原因の一つには、厚生年金の水準が低いという、遺族年金の水準が低いという、これは二分の一という考え方自体に対して私どもは再検討しようとしておるわけですから、このままでいいとは決して申しませんけれども、そういう問題とは全然別個に、いわゆる世帯単位の年金から個人単位の年金へという国民の意識の移り変わりのようなものが私は大変大きなウエートを占めておるような気がしてならないんです。私どもがあちらこちらで伺う御意見の中にも、いわゆる世帯単位の年金というものとは別に、要するに自分本位の、自分中心の個人の年金を持ちたいというニードというものは相当強いという感じがいたします。そして現在この制度はそういう意味でも活用されておるわけであります。ですから、東京都ばかりではなく、どこの都道府県におきましてもそうした広報活動も当然行われておると思いますし、特例納付についての呼びかけと同じように、こうした制度に対する活用を呼びかけるもの、いわゆる広報活動というものは当然行われていいだろうと、私どもはそのように理解をいたしております。
#121
○小平芳平君 遺族年金の額が少ないということを私は重要な部分だと申し上げたんですが、厚生大臣は世帯単位の年金と、また個人単位の年金という考え方について指摘をなさいましたが、私も全く同感です、その点については。全く同じ考えであります。ありますが、この東京都に限らず、では何のためにこういう加入を進めているのですか、また加入を進めているのは厚生省が進めているのですか、いかがですか。
#122
○政府委員(木暮保成君) 現在国民の方々の年金に対する関心非常に強うございまして、私どもの方といたしましても、現行制度をできるだけ国民によく理解していただくということは大切なことだというふうに考えておるわけでございます。で、任意加入の妻の制度をどうするかということはございますけれども、現実に国民年金に入っている入っていないという場合に、当座を考えましても、不幸にしてけがをされたという場合には任意加入をしておった場合には障害年金が出るというふうなことがございますので、将来の制度改正は別といたしまして、現行制度の理解を国民にしていただくPRはしていかなければならないというふうに考えております。
#123
○小平芳平君 私がお尋ねしている点は、厚生省が推進しているのですかどうか、それだけはっきり答えてください。
 それから当座はけがをした場合、障害者になった場合、あるいは離婚した、あるいは御主人が亡くなった場合ということはもちろんありますね。それゆえに厚生省がこの任意加入を推進しているんですか、あるいは厚生省は全くそういうことは知らぬ顔しているけれども地方自治体が勝手にやっているんですか、いかがですか。
#124
○政府委員(木暮保成君) 推進しているかどうかという点なかなかお答えをしにくいわけでございますが、現行制度というものそれぞれ機能しておるわけでございますので、それは国民に十分知っていただくという必要はあるわけでございまして、そういう立場でPRをしておるということでございます。
#125
○小平芳平君 とにかく責任ある制度、責任ある行政でないと困るということを申し上げたいわけです、初めからこの問題を取り上げている趣旨はですね。仮に、厚生省は被用者の妻にこの任意加入をすると有利ですよということを、厚生省は推進をしてないのに地方公共団体か、あるいは民間のある団体が勝手にそういうことを推進されて迷惑だということじゃないでしょう。それをはっきり言っておくのが当然じゃないですか、それは。
#126
○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、現に国民に利用していただくためにつくっておる制度があるわけなんですから、それを活用していただくようにPRをするのは私は当然のことだと思うんです。ですから、それはわざわざ強いて推進をしているのだとか、ブレーキをかけているのだとかいうことではありませんで、当然厚生省としてなすべき活動をしておる、そしてそれは都道府県を通じてそうした知識の周知徹底を図るということであると御理解をいただく以外に、私は特に推進をしているとか、特に推進をしないのだとかという性格のものとは違うと思うんです。
#127
○小平芳平君 何か、同じことをそんなにむずかしいことを言わなくていいじゃないですか。同じことでしょう、私が申し上げていることも。そんなふうにこだわることがおかしいじゃないですか。
 それはそれとしまして、先ほどの厚生年金の遺族年金が二分の一ということは非常に再検討すべき段階であると、手をつけるというふうに厚生大臣はおっしゃっていらっしゃるわけですが、私もそれは必要なことだと思いますが、ここでいろんな制度によりまして、夫の亡くなった場合の遺族年金の二分の一と、妻が別個に加入していた制度の老齢年金と、それが全額支給を受けられる場合と、それから高い方を選択するというふうになる場合とありますですね、ですからそういう点の調整は必要でしょう。
#128
○政府委員(木暮保成君) その点の調整はぜひ進めていかなければならないというふうに考えております。
#129
○小平芳平君 それは最初から申し上げている次の国会の改正に入るわけですか。それで、次のことをお答えいただきたいですが、当面の改善策として三点挙げられているその中の婦人の年金権ということについて私がいま質問をいたしております。で、その婦人の年金権を考える場合に、いまのこの遺族年金の二分の一、この二分の一はいかにも実情に合わないということ、これはもう大臣が先ほどおっしゃったとおり。それから次に、制度によるばらばらですね、これをどうなさるか一つ。それから、あるいはこの保険料率を男女をどういうふうに見るかとか、あるいは支給開始年齢が五歳違うのはどう見るかとかいうことも指摘されておりますですね、こういう点はどういうふうな方針でしょうか。
#130
○政府委員(木暮保成君) いま御指摘の点につきましては、社会保険審議会の厚生年金部会あるいは国民年金審議会で御検討をいただく予定になっておりますので、その御意見を踏まえまして対処をしてまいりたいというふうに考えております。
#131
○小平芳平君 もちろん踏まえてということになるでしょうが、いま厚生省の考えはありませんか。
#132
○政府委員(木暮保成君) いま御指摘いただいた点は、これからの年金制度にとって必ず取り組んでいかなければならない問題だと思っておりますが、そういう観点からも関係審議会で御検討していただき、御意見をいただいた上で厚生省の具体的な対処方針は決めたいというふうに考えております。
#133
○小平芳平君 では、次に問題が変わりますけれども、公務員の定年制につきまして先ほどもちょっとお話が出ておりましたが、新聞にはときどき、公務員の定年制について政府はこういうような方針を立てたというようなことが報道されることがありますが、この点についてはどういう取り組みになっておりますか。
#134
○政府委員(川崎昭典君) 国家公務員の定年制につきましては、先生おっしゃいますように、政府としまして導入するものとするという方針を決定いたしておりますが、現在人事院に意見を求めておる段階でございます。したがいまして、まだ具体的にどうするということが打ち出せる段階ではございませんけれども、総理府としましては、各省庁における職員の構成とか退職管理の実情の把握とか、あるいは各国の制度と、そういったものを研究しておる状況でございます。
#135
○小平芳平君 この点についても先ほどの質問でよく念を押されておりましたように、この定年ということは退職させるということにも一つはなりますけれども、職場を保障するということにもなるわけでありまして、とにかくこの年金支給開始年齢というものが非常にいま動こうとしておりますね、したがって定年制についての段取り等はまだまとまっていないということでありますが、考え方としましては、この年金支給開始だけが先に行っちゃって、で、途中で労働者は肩をたたかれて職場を追われるというようなことは、あり得ないですね、ないようにしなくちゃいけないと思うんですね。
#136
○政府委員(川崎昭典君) ただいま先生御指摘の点も踏まえまして、人事院から御回答をいただいた段階におきまして十分慎重に検討いたしたいというふうに考えております。
#137
○小平芳平君 それから共済組合について、共済組合は、特に保険料率はずいぶん各制度によって違いますけれども、この点はいかがでしょうか。国庫負担率も違いますが、標準報酬の上限、下限については、これもやっぱり違いますけれども、こういう点について検討をされますか。
#138
○政府委員(禿河徹映君) 共済組合の制度は現在二十幾つかに実は分かれておるわけでございます。一つの保険団体といたしまして二十幾つから成っております。この辺につきまして、私ども基本的には、あるいは将来の方向といたしましてはできるだけ統一一元化できればその方向に持っていきたいと、こういう気持ちがございます。今回国会に御提案いたしております共済法の改正案におきましても、国家公務員共済で申しますと、いわゆる連合会加入の組合のほかに、現在それから外れております印刷、造幣、林野、建設、その四組合を連合会に加入すると、こういう道を実は開きたいということで御提案もいたしておるわけでございます。何分にも保険グループというものがそういうことでまだ分立いたしております関係上、保険数理に基づいて計算をいたしますと、どうしてもそこに財源率の差というものも出てまいります。したがいまして掛金の差というものも出てまいるわけでございます。したがいまして、そこは制度上いかんともなしがたい面があるわけでございますが、先ほど申しましたとおり、できるだけ大きな保険グループにまとまっていくということが望ましいことは事実でございます。ただ、現実の問題といたしましてそれぞれの財政状況等が異なります。そういう点から、私ども今後とも努力はしていきたいと思いますけれども、各組合間におきますいわば利害の対立と申しますか、利害の異なる面がございまして、なかなか一朝一夕にはいきにくい点があると、こういう状態でございます。
 それから、なお国庫負担の問題につきましては、原則といたしまして共済組合、私ども一五%の負担ということにいたしておりますが、特に財政力が弱い、多額の負担にたえにくいという、たとえば私学とかあるいは農林とか、そちらのものにつきましては一八%、さらに別の加算で別途の負担をする。その財政力、負担力に応じましてやはりある程度の配慮をせざるを得ないということで差があるわけでございます。
 それから第三点の、共済組合におきましても、たとえばその上限の額に差があるのはなぜかと、こういうお尋ねでございますが、まあ共済で申しますと、恐らく国家公務員共済等が上限三十八万円、公企体共済といいますか、国鉄共済につきましてはこの上限がない、そういうふうなことをお指しになったことだと思いますけれども、これはいろいろそのときの事情はあったかと思いますが、主としてその沿革によるものという面が強いかと思います。ただ、その理由として考えられますのは、国家公務員共済の場合、その俸給の限度額といたしまして行政職(一)の最高号俸、一等級の十五号俸というものをその最高限として従来からやってきておるわけでございまして、それが現在三十八万円になっておると、こういうことでございます。したがいまして、国家公務員の場合、指定官職あるいはそれに相当する者以上というものはこの限度でその支給も頭打ち、掛金の方も頭打ちということに実は相なっているわけでございます。ただ、公企体共済の場合には、国家公務員の指定職俸給表の適用を受けます者に相当するものは、それぞれもうその公企体の役員に大体相当するということで、役員ぐらいになりますと、その組合の長期給付の規定の適用を受けないということになっておりますので、特にまあ公企体につきましては、そういう俸給の最高限度額というものを設ける必要は特にないと、こういうところから来たものだと思われます。
#139
○小平芳平君 これで私の質問終わりますが、厚生大臣に一つ伺って終わりたいのですが、厚生大臣は、年金懇のお考えと、それから厚生省の考えとあるんだということ、それはまあ当然だと思います。当面の改善についてはまだ十分に触れていない面もありますけれども、当面の改善事項については関係審議会に図って成案を得たら国会へ提案するということでありますが、そのほかの点はいかがでしょうかということです。そのほかの点について、特に制度が分立していることを前提として物事を進めていくというこの年金懇の考えについての大臣のお考えはどうかということ、あるいは全部統合しろということを私が言っているわけではないのです。これは各制度を前提としながら、基本年金を別建てでつくるというような考えも建議されていることも御承知のとおりでありますが、そういうことによって無年金者をなくそうという考え方について、大臣はどうお考えになっていらっしゃるか、それから特に財政問題で財政調整についてどうお考えか、それらの点についてお答えいただきたい。
#140
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうどこの前の年金審議の際、安恒委員にその辺のところを御質問を受けてお答えをいたしましたときにも率直に申しましたのが、この共済基準のもとに財政調整を行えという部分についてもこれは相当慎重な検討を要する課題でありますだけに、これは少々時間をかしていただかないといまいきなりの判断ができないと、また先ほど申し上げました妻の任意加入の問題等につきましても、これは五十五年の再計算には間に合わせると言うだけの自信がありませんということを申しました。また、私どもいまこの年金懇の御意見というものをベースに、各共済にわたるような問題につきましては、総理府にあります公的年金制度調整連絡会議に問題提起をいたしまして、まあ共済組合関係の給付水準でありますとか、給付体系、また支給開始の年齢についてはそれぞれの制度で御検討願いたい。同時に、経過的年金の引き上げについての各年金制度の共通の負担をするという考え方については、これはできるだけ早い機会に厚生省が具体案を作成して提案を行うということをその席上で申し上げておりまして、これは五十五年度予算編成等との絡みもありますので、概算要求締め切り直後ぐらいまでには、その考え方について連絡会議にお示しを申したいということを考えておるわけであります。また、年金数理委員会の設置につきましても、これはできるだけ早い機会に厚生省としての具体案を作成して提案を行うということにいたしておりまして、これは概算要求に乗り得る時期に結論を出したい、具体案を作成したいということを考えておるわけでございます。同時にまた、業務処理体制の合理化、一元化について、小委員会を設置して関係各省で協議を行うという方針について御賛成をいただきましたが、これは間もなく発足をいたすというふうに考えております。総体的に、いま申しましたように各制度にわたる問題もありますので、この公的年金制度調整連絡会議を活用しつつ、関係各省とも連絡をとりながら準備を進めてまいりたいと、現在そのように考えております。
#141
○目黒今朝次郎君 私は、きょうは災害対策委員会がずっと並行してやっておりましたんで、いまも続行中で、同僚の皆さんが質問してダブっておったらおわびしますが、その点は時間の都合上、それはもう安恒さんあるいは高杉さんに答弁したと、時間の省略上そう言ってもらえば結構ですから。
 私は現在八本の年金があると、いろんな形で。そして年金懇が三年間も苦労して今回報告を出して、きょう集中審議と、こうなったわけですがね、厚生省なり政府として、いろんな形態の年金が歴史を持っておるわけでありますが、今後の年金懇の審議に当たっても、今後の年金問題を議論する際に、大体八つある年金のどの年金あたりをたたき台にしてずっと整理して、それであたりの年金をずっと吸収調整していくと、そういう作業で行おうとしておるのか、もう八本は八本として全然ばらばらにしておって新しいものを創造して、その創造をしたものをつくり上げて八本の問題を結果的に統合していくと、そういう仕組み方をしようとするのか。年金問題が、もうこれほど高齢化社会で、どこにいっても年金の問題を知らない者はないというぐらい年金が普及し、また国民が期待して緊急の課題になっている、そういう際に、どういう道筋といいますか、選択目標でやろうとしているのか、その考え方をちょっと参考までに聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#142
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは目黒さんもよく御承知のとおり、八つの公的年金制度がそれぞれ独自の沿革を持ち、また対象とするグループの実態も異なっているわけであります。しかし、こういう事情を考えてみますと、本当に実態が相当異なっておりますものは二つに分けられる。一つは被用者のグループ、一つは農業に従事しておる方でありますとかあるいは自営業者のようなグループという、二つのグループに分けて考えられるし、また考えていかなければいけないのではないかと思います。そういう問題のとらえ方をいたしますと、被用者の大半をカバーしておりますのは厚生年金でありますし、また農業従事者あるいは自営業者の方々をカバーをしておりますのは国民年金でありますから、この二つの制度を軸として考えていくべきであろうと、そのように思います。
#143
○目黒今朝次郎君 わかりました。そうしますと、今回の年金懇のこの作業の過程において、そういうことを頭に置きながら関係する年金の当事者、たとえば共済については共済の当事者、国民年金なら国民年金の当事者、と言っては変だけれども、関係市町村の意見を聞くとか、そういうことを吸収しながら年金懇という報告書をまとめたのかどうか、実際の作業ですね、どういう作業でまとめたのか、そういう関係を吸収しながらまとめた報告書なのか、あるいは全然、そういうことはなかなか制度的にややこしいから、そういうことはある程度整理をして、独自の年金という形でずっと作業を進めた年金懇の報告なのか、この辺の兼ね合いを参考までに聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#144
○政府委員(木暮保成君) 基本懇は各界の方々からお集まりをいただいたわけでございますが、いま先生御指摘のような共済の直接の代表者とか、そういうことではございませんで、共済にもよく精通をしておられる方とか、そういう方々にお集まりいただきまして、懇談会のメンバー限りで検討を進めていただいたわけでございます。
#145
○目黒今朝次郎君 そうするとあれですか、専門の方に委嘱したということはわかりますが、その作業の過程で、たとえば共済年金であれば共済年金の、まあわれわれ国鉄で言えば国鉄の当事者と組合の意見とか、あるいは公務員の年金であれば公務員の管理側と組合の皆さんであるとか、そういう関係当事者の意見をくみ上げながらつくった報告書という色合いは非常に薄いと、こう認識していいんでしょうか。
#146
○政府委員(木暮保成君) 共済組合につきまして、十分専門的な知識をお持ちの委員に参加していただいて検討していただいたわけでございますが、いま先生のおっしゃるように、直接各共済組合なら共済組合からのヒヤリングをするというようなことはいたしておりません。
#147
○目黒今朝次郎君 それはわかりました。
 それからもう一つは、この報告書が出た際に、いろんな新聞の論評なり雑誌の指摘を見てみますと、年金本来の姿よりも、むしろ財政計算の方が先行をして、財政から逆算してこの六十五になったのだという、推論というか議論というか、そういうことがずっと、きょう私も何枚か持ってきて、その共通している点はその財政計算、財政だけが、あるいは負担という問題だけが先行して、年金とは何なのかという本質論の議論、年金と定年はどうあるべきか、年金と住宅はどうあるべきか、年金と医療はどうあるべきか、高齢化社会は一体どういう青写真であるべきかという認識がむしろ薄れて、財政計算だけが先行したと、こういうような批判があるわけでありますが、そういう批判との関連で、おたくがいろいろ出しておる試算表の中に、いわゆる大蔵省が新しい七カ年計画の経済の見通しなどを頭に置きながら、大蔵省がどの程度この財政計算に関与しておったのか、いやいや全然、ちょっと参考意見を聞くだけであって厚生省が主体的にやったというのか、あるいは財政計算については大蔵省が相当タッチしたんだと、その辺の認識について、これは厚生省と大蔵省からどんな関係であったか教えてもらいたい、こう思うんです。
#148
○政府委員(木暮保成君) 今度の懇談会は、各方面の年金の専門の方にお集まりをいただいて審議をしていただいたわけでございます。で、審議を進める場合に当たりましては、厚生省の年金局が事務当局になりまして、先生方の御要求に従って資料を作成し、あるいは問題点の整理等を命ぜられてやってきたわけでございます。で、厚生省といたしましても、事務当局としての仕事を分担したということにとどまっておりまして、年金の財政計算につきまして大蔵省の意見を聴したというようなことはございません。
#149
○政府委員(禿河徹映君) ただいま厚生省の方から御答弁ございましたとおり、私どもお求めに応じまして、この年金懇の審議の過程におきまして、厚生省の方からお話がございました、まあ基礎資料と申しますか、そういうものは御協力はいたしましたけれども、それについてどうだこうだとかいう意見とか、そういうふうなことを申し述べたというようなことはございません。
#150
○目黒今朝次郎君 そうすると、予算委員会あたりで成長率の論争したり、物価の上昇ね、物価の論争したり、大体経済動向五年、十年とか、十五年とかと、これは大分年次計算の方は計算に頭が痛くなるくらい先のことを考えてこうやっているんですがね。そうしますと、私はどうも、そこに財政問題ということに議論を置くとすれば、大蔵省なり通産省なり、内閣全体の一体将来の財政状況、経済計画というものと無関係に、無関係にと言っちゃ語弊がありますが、相当深いかかわり合いのもと私は年金の展望というものがあってしかるべきであって、いま大蔵省が言ったような若干の成長率何とかという程度の話はあったけれども、実際の生の計算の問題にはタッチしていらっしゃらないということがはっきりすれば、私はもう一本この点はそういう面では重大なやっぱり欠陥を持っていると。その点で大蔵省、それから経済企画庁、あるいは官房長などを入れて、こういう問題をやっぱり再度見直さないと、いわゆる厚生省案だけが一人歩きをすると、こういうような結果になるんじゃないでしょうか。その点は、これは厚生大臣いかがでしょう。これについてまず大臣の方から、私はこれは政治論争だから大臣の方からお答え願いたい。局長では私は不満ですな、やっぱり厚生大臣ですよ、これは。
#151
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事務的な内容を含んでおりますので、局長から説明させます。
#152
○政府委員(木暮保成君) 懇談会の御検討の経過でございますが、確かに先生のおっしゃるように、二十年先、三十年先、五十年先の経済の状況を見通して年金の構想を立てるということも一つだと思うのでございますけれども、非常に動く社会経済情勢を、五十年先というようなふうに見通すのはなかなかむずかしい問題があろうかと思うわけでございます。現実に基本懇で御検討いただきましたのは、そういう要素ももちろんあるわけでございますが、人口の老齢化の進行に伴いまして被保険者と受給者の割合がどういうふうに変わっていくか、そういう経済情勢にもかかわらず人口の老齢化が進んでいき、それが若年層と申しますか、現役の負担にどういうふうにはね返っていくかと、そういうふうな側面を中心にして御検討をいただいたわけでございます。
#153
○目黒今朝次郎君 いや私は、言っているのはわかりますがね。それは年金局長が作業をやっていることについて私は否定しないんですよ。ただ、それだけでは片手落ちじゃありませんかと。しかし、日本の経済がどうなっていくのか、それから今度労働大臣に聞くと、労働大臣がこの前新しい新経済計画で失業率がダウンすると、失業率がダウンするということは、裏を返せば、労働者、失業者が多くなるということなんだけれども、この失業者のふえぐあいの問題と、年金と雇用と定年というのは一体どういうかかわり合いを持つんだろうか、それと全体の一体お年寄りの老齢化社会をどういうふうに見て、どういう位置づけをして、その際に年金というものがどういう機能を発揮するんだと、こういうことを総対的に議論しないと、厚生省のやっていることは否定しませんが、老齢化社会でこうふえていく、これは一つの道筋でありますからこれは否定しませんが、これと同じくらいのウエートを持っている雇用の問題、大蔵省の経済の見通しの問題、共通する産業構造の変革の問題、第三次産業の問題、こういう問題を全部青写真にして、そこでさあどうするか、こういう議論をしないと、国民に何だか困った困ったと不安だけ植えつける。どうも六十から六十五になる、年齢が上がるが定年の方はちっとも進まない、一体この間どうするのだろうかという、老齢化社会に向かっていく国民に不安感だけ与えちゃって、ちっとも年金が老後の社会生活を保障するという大事な機能をむしろ国民が不信を持ってくるということになりかねない、こう私は思うから心配しているんですよ。だから、やっぱりもう一回私は労働大臣、それから厚生大臣もそうであるし、大蔵省とか、通産省あたりを入れて、この年金懇の持つ使命は、一面は否定しません。一面は否定しませんが、全体の面を持っていないというやっぱり私は不十分さがあるんではないかと、その点を政府全体としてやっぱりもう一回洗い直しながら、われわれが言っている意見をくみ入れながらどうしようやということを、やはり一年なら一年、二年なら二年、十分に作業をしてから国会に提案をしても遅くはない。片手落ちであれば、われわれは結局片手落ちであるから十分な審議はできませんよと言って審議自体が長引いてしまう。長引けば長引くほど国民に不安感を与える、こういう悪循環になりませんか。私はそう思うんですが、いかがでしょうか。
#154
○国務大臣(橋本龍太郎君) 申しわけありません、ちょっと質問の趣旨を取り違えておりました。いまそういう御指摘も確かに私は一面あり得るものだと思います。確かに年金懇は厚生大臣の諮問機関でありますから、年金プロパーから問題を組み立てていく、そういう点を踏まえまして、私どもはいま来年度の再計算年次というものを念頭に置いておりますけれども、同時に、いまありましたような御批判にもたえられるような論議を尽くさなければならぬことも事実でありまして、現在社会保険審議会の厚生年金部会と、また国民年金審議会の方におきましても小委員会をおつくりをいただきまして御論議を願っておるところでございます。そこの中におきまして、これは各側の代表がおられるわけでありますから、こうしたところの御議論も十分踏まえて私どもは今後の対応をしてまいりたいと、そのように思います。
#155
○目黒今朝次郎君 労働大臣、ちょっと。
#156
○国務大臣(栗原祐幸君) 年金と定年の問題につきましては、先ほどお話を申し上げたんです。
 要旨を申し上げますと、年金と定年というのはできるだけ関連性を持たせると、それが望ましいと、そのためにそれなりの努力をいたしたいと。今後どういう問題が出てくるか、その問題点については、お互いに厚生省と労働省とよく詰めていきましょうという話をしたわけです。
 いま御指摘の総合的にやれという問題は、私もそう思いますよ。しかし、それは初めから総合的にこうやるんだということでなしに、この問題がだんだん発展しますと総合的にならざるを得ないわけですね。たとえば、じゃ昭和何年の労働人口はどのくらいなんだと、そのときの勤労者の所得はどうなんだ、その勤労者の所得を保障するためには経済成長というものはどうなっていかなきゃならぬかと、そういうふうに発展をいたしますから、ですから、そういう意味合いでは最終的には総合的なものにならざるを得ないと思います、いろいろと。私は総合的な側面というものをまず最初に議論するというのも一つの方法でしょうけれども、個別的な問題から入っていけば必ずそこに入らざるを得ないというふうに考えております。
#157
○目黒今朝次郎君 労働大臣も昭和六十年に六十歳定年というやつを合い言葉に、当面最大の努力をするということは社労の労働日に表明していることですから、それはそれなりに私も尊重してぜひやってもらいたいと思うんです。
 ただ、私はいろんな定年とか――定年というのは、公務員には定年制ありませんから誤解のないようにしておきますが、審議の便宜上定年という言葉を使わしてもらえば、定年と年金の受給というやつは、私はやっぱり原則的にはイコールであるべきだ、接点とすべきだと。そういう点では従来の共済組合法というのはそれなりに私は性能を持っておったと、こう思うんですよ。しかし、いま政府部内で議論されている考え方は、共済にしても今回の六十五歳の問題にしても、俗に言う定年と支給開始を、せっかく制度的にはりっぱな共済組合のような制度があるのに全体を通じてこれを離そう離そうということは、制度的には逆行していくんじゃなかろうかと。いわゆる高齢化社会のお年寄りの生活を守るという面から見ると、現行の制度はりっぱであって、そのりっぱな制度を他の年金に波及する努力こそすれ、切り離すというのは高齢化社会に逆行するものだと。しかも、中高年齢の雇用という問題はきわめて厳しいという現状はますますふえていく、厳しくなっていくんですから、それを両方合わせるとお年寄りには厳しいんじゃありませんかと、政府のあり方が。こういうふうにも私はなってくると思うんです。ですから、私は労働大臣が六十年、六十歳定年と、こういうことを言っているんですから、六十五歳論争をやっぱりたな上げして、当面六十歳定年、六十歳年金支給ということにまず最大の努力をして、そのでき上がりを見ながらもう一回六十五歳を考えると、そういう二段ロケットでも遅くはないではないかと、余り年寄りをいじめなさんなと。私も五十六歳であと十年たてば六十六になりますが、戦前、戦中、戦後を通じてやってきたわれわれの先輩を含めて、余り経済大国日本は、二番目と胸を張るわりあいにはお年寄りには冷たい制度の改悪じゃありませんかということが、私でなくて一般のお年寄りたちはそう見ているんですよ。ですから、どうですか、労働大臣、厚生大臣、両大臣いらっしゃるんだから、六十年、六十歳というやつを一応やってみて、でき上がりを見てまた考えると、そういう弾力的なことを考えたらどうですか。そのために私がいま大蔵大臣に言ったらなるほどなと、こう言っているんだから、その辺のやつをどうですか、両大臣、簡単で結構ですから。
#158
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、雇用と年金の支給開始の年齢というものが、老後保障の観点から見ればできる限り関連していることが望ましいことは決して私も否定をいたしません。しかし、現実の年金の置かれている情勢というもの、高齢化社会、またそれに伴う老齢人口の増、給付費の増、それに伴う若年層の負担の増というものを考えていきますと、私どもはこれは支給開始年齢の引き上げというものはどちらにしても踏み越えていかなければならない一つのポイントだと思うんです。また同時に、これは共済の方について私が言及する立場ではいまありませんけれども、厚生年金の場合には、これは企業規模も違えば業種、職種等によってのばらつきも非常に大きいわけでありますから、その定年年齢そのものも現行においては相当差異がございます。それだけに、一定の年齢にリンクして支給を行うということ自体なかなかこれは困難な問題が現実にあるわけです。しかも、いま厚生年金の場合には、これは再雇用とか延長とか、いろいろな問題が伴っていることではありますけれども、厚生年金、現実に受給開始年齢は六十二歳にすでに来ておるわけでありますから、こうした状況もやはり私は実態としては考えていただきたい。また、それでないと、現実に私どもこれからの年金制度の改正というものを進めることができなくなってしまうということも御理解をいただきたいと思うんです。
#159
○国務大臣(栗原祐幸君) いま厚生大臣からも話がございましたし、また年金懇の報告というものも私は国務大臣としてよく理解できるんです。これはもう大変なことだと思います。ですから、これに対しましては、私どもどう定年と年金との関係を持っていくか、つなげるようにお互いに努力をする、そういう具体的なことで仕事をしていかなければならぬのじゃないか。私は、当然国務大臣であると同時に労働大臣でございますから、雇用の問題、特に高年齢者の雇用の問題について責任持つのはあたりまえでありまして、最善の努力をいたしたい、こういうことでございます。
#160
○目黒今朝次郎君 これは、時間がありませんから、それでは年金問題を論ずる際に頭に置いてもらいたいという細かい例ですが、ことしの三月、国鉄の私たちの仲間が大分退職しました。で、国鉄はいま定年制はありませんが、俗に肩たたきと言われるのが五十七歳になって、ことしから五十八歳。労働大臣の言う六十年、六十歳に向けていま労使で協議しながら一年一年延びてきているんです。ところが、延びても全然恩恵を受けることのできない仕事場があるんです。簡単に言えば新幹線の運転士であるとか、在来線の特急、急行の運転士だとか、それから夜間高速特急であるとか、運輸大臣は夜間列車はやめるとかばかなことを言っているけれども、それは別にして、お魚とか野菜は夜間にあれ運ぶんですから、朝市に持ってくるんですから、夜間長大列車、九十五キロから百キロで飛ばして無停車でくると、そういう夜間特急貨物列車、そういうのが走っているんです。こういう方々は、率直に言ってもう五十五でやっとなんですよ、五十五でやっと。むしろ五十でやめたい、五十で。新幹線を調べると新幹線の平均年齢は三十五歳です。新幹線というのはもう四十になったら、速度が速いからちょっと勘が鈍い、事故でも起こしたら大変だというので四十の方は乗っておりません、新幹線は。みんな三十代です。こうして見ますと、三月にやめた方々をずっとできるだけ調べてみたら、五十五歳でやめる方が六百九十七名いました。これは全部本線のハンドルを持っている方々です、九九%。それから五十七歳でやめた機関士が百四十七名おりました。この方々を全部当たってみると、いわゆる駅の、ステーションのあの構内で入れかえをしている方々、それからいま大分昔と変わりまして、車庫から――新幹線で言えば新幹線の車庫から東京駅の発車のホームまで持ってきますね、あの車庫からホームに持ってくるのは四十代、五十代、六十代の年配の方なんです。これを後ろに向けて新大阪の方へ発車していく運転士は三十代の運転士なんです。いわゆる車庫から出発線まで持ってくるのはお年寄りの方々、俗に小運転とわれわれは言っていますが、小運転であるとか構内関係、そういう労働が非常に軽い方々がやっぱり五十七歳まで働いて、五十七歳でやめている。その方が、調べてみたら百四十七名は全部そういう本線外の運転士という方々が五十七歳まで走っている。本線はもうほとんど五十五でもきつい。新幹線は四十以下、こういう形で年齢別が仕事の特異性からあるわけですね。だから、普通列車とか昼間の短距離列車は別問題として、夜間特急とか超特急とか、そういう列車は年齢が延びても勤めることができない。肉体が許さぬし、安全面から責任が持てない。そういう肉体の面と安全の面から自動的にやめざるを得ない、そういう方がいまいらっしゃるわけなんです。こういうことは、他の看護婦の皆さんとか、あるいは重労働の皆さんとか、そういう産業別にいろいろあると思うんですが、こういう方々についてはやっぱり私は特例を設けるか、あるいは国鉄の例としてお伺いしておきたいんですが、たとえば本線業務は五十五だと、あるいは五十だと。新幹線は四十、本線は五十。これを終われば乗務でない、労働条件を切り下げない別の仕事に転換をさせる、制度的に。転換する制度をつくって、その制度で五十五なり五十七なり六十なり、その論争は今後するとして、そういうものに対応する制度をつくっていく、あるいはそこでやめて特例措置を講ずる、その二つの道があると思うんです。これは結局、国鉄あたりで運用から見ると、これは別な制度をつくるとなると要員にも影響するし、大蔵省が一番いやがっている金もかかることでありますから、何はともあれ、私はこういう仕事が現存する以上は、やっぱり何らかの対策を立ててやらないとその方々には申しわけない、こう思うんです。ですから、たとえば私の職場の特急とか新幹線の例を言いましたけれども、これと同じ類する問題が各産業にも私はあると思うんです、厚生年金の場合にあっても、あるいは共済年金の場合にあっても。こういうことについては十分に私は配慮してもらいたいものだな、こう思うんですが、これは厚生大臣、それから運輸大臣、金がかかる場合がありますから、例外の措置をつくる場合に大蔵省もそういう場合には前向きに検討する意思があるかどうか。いやそれは金がかかる、貧乏国鉄首切って、首を切った金でやれ、こういってやるには余りにも冷淡過ぎると思うので、金を握っている大蔵省の方でどう思っているのか。まあ私は具体的に検討してほしい、こう思うので、おのおの関係大臣から、なるほど目黒いいことを言う、大いに考えよう、そういうぐあいにしてもらえば一番いいのでありますが、そういうことも含めて御回答願いたい。いまの点、簡単で結構です。
#161
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど安恒さんにもお答えをしたところでありますが、これは安恒さんの分も含め、いいことを言われると私も思います。ただ、まじめな話、局長たちに聞いてみますと、事務的には非常に困難があるということを申します。事実、なかなか制度の組み立ての上で問題があるかもしれません。しかし、やはり私も六十五歳に仮に厚生年金を引き上げていった時点において、体力的に限界がある職種というのはあり得ると思いますから、そうした場合についての工夫は当然必要だと思います。
#162
○政府委員(山地進君) 目黒先生御指摘のとおり、国鉄の退職者は五十五歳というのが非常に多いということは私もよく承知しておるところでございまして、こういう方々をどういうふうな特例措置でカバーしていくのか。公企体の共済組合法には五十二条の重労働職種というものがございますが、こういった職種にどういった基準で選んだらいいんだろうか、あるいはこういう職種の方々が多くなれば、当然またこれは負担増という問題が起こってくる。いろいろなむずかしい問題がございますので、私ども鋭意検討しております。
 それから、こういう職種の方々を今後国鉄内でどういうふうに扱っていくかということは、国鉄労使が非常に真剣に取り組んでいく課題であろうと、かように考えておりまして、その方向で国鉄とよく話していきたい、かように考えておる次第であります。
#163
○政府委員(禿河徹映君) 大蔵省の方といたしましても、関係各省の御検討を踏まえまして、十分協議検討させていただきたいと思います。
#164
○目黒今朝次郎君 私、もう時間がなかったんで、自分の一番身内の問題だけずっとアンケート調査して、なぜやめたか、六百九十七名と百四十七名の本人が書いたアンケートは全部私は持っておりますから、必要だったらいつでもコピーとってお分けします。しかし私は乗務員だけでなくて、他の職種にもいっぱいあるということで、わかりやすく一例として挙げたんですから、そういうことも含めてひとつ関係各省で御協力なり御検討を願いたいということを、これは要請いたしまして、あと皆聞いたら関連しておったようでありますから、これで質問を終わります。どうも御苦労さんでした。
#165
○安武洋子君 私は、まず最初に厚生大臣に基本的な問題についてお伺いをいたします。
 年金制度と申しますのは、年金制度基本懇の報告にも述べられておりますし、また先ほどから論議にもなっておりますように、制度を国民の安定した老後の生活の基盤となり得るように、制度自体、長い将来にわたって揺るぎないような維持発展をさせなければいけないというふうに思うわけですし、またそのように政府も書いておられます。総合的な高齢者対策、すなわち、これは大臣もおっしゃっておられましたけれども、医療とか雇用とか福祉施設とか、あるいは物価、住宅、こういう対策などもございますけれども、年金というのは老後の重要な生活の基盤になっていると思うんです。そういう年金を、年金制度基本懇の報告のように大改正をするというふうなことになりますと、私は国民的な合意の中でこういうことはやらないといけないというふうに思うわけなんです。それで大臣にお伺いいたしますけれども、やはり国民的な合意を得てこういう改正をやるというふうになれば、改正をおやりになるという基本的な姿勢をお持ちかどうかということを最初にお伺いしておきます。
#166
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに御指摘のように、こういう問題、全面的な改正をしていきます場合に、国民的な合意が必要なことは間違いがありません。ことに個々の方々の老後生活の設計にもかかわることでありますから、経過措置その他についても万全を期さなければならぬことは当然であろうと私も思います。
#167
○安武洋子君 社会保障審議会は、五十年の十二月に、「今後の老齢化社会に対応すべき社会保障の在り方について」と、こういう内閣総理大臣に対しての建議をいたしております。各論では年金だけが受給開始年齢を順次おくらせていくという方向が出ておりますけれども、老後で欠かせない医療の無料化の継続とか、あるいはその年齢の引き下げとか、これは国民が非常に要望いたしておりますけれども、その方向ははっきりと打ち出されていないわけなんです。また、雇用問題では高齢化問題懇談会をスタートさせたばかりです。住宅というのは持ち家主義というふうになっておりますし、物価は、御存じのように世界の主要都市の中で東京都が一番高いと言われているように、世界で先進国の中では日本が一番高い、こういう状態です。こういう中で、年金の支給年齢の引き上げのみを先行さす、こういうことは、私は、先ほどの年金とはそもそも何ぞというふうなことで、やはり年金というのは老後の対策の中心的な地位だと、こういう立場を占めているというのにこの年金の支給開始の年齢の引き上げのみを先行させるというのは、これは国民の安定した老後の生活基盤を維持するどころか、それを突き崩していく、こういう方向では私は国民の合意というものは得られないと思いますけれども、この点いかがでございましょうか。
#168
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただし、ですから年金制度全体から議論をいたしますと、先ほどから繰り返して申しておりますように、現在の高齢化社会の到来というものの中で、現実に高齢者がふえていき、またそれに要する給付費はふえていく。そして同時に、そのために若年者に対する負担がふえていく。西ドイツあたりでも一八・五%というのがきりきりの数字というようなことも聞いておりますけれども、保険料負担にこのままでいったら若年層が耐えられなくなる事態もある程度先には予測がされるわけであります。そうすれば、もちろん雇用とかその他の問題と関連がないと、私は決して先ほどから申し上げておりません。しかし、そういうことと同時に、年金の支給開始年齢というものも上げていかざるを得ないということもこれは事実であります。ですから逆に一方では労働大臣にお願いをし、従来から労働省がとっておられる昭和六十年には六十歳定年を実現するという方向へついての格段の御努力をお願いをしながら、こうした対応をとろうとしているわけでありまして、二十年ぐらいの時間をかけて五歳の引き上げを図らざるを得ないというのは、現実の年金の状態からいっても私はやむを得ないことではないかと考えております。
#169
○安武洋子君 私、やはり一番最初にお伺いいたしましたように、国民的な合意を得ると、そのことを基本に置くとおっしゃいました。しかし、いまの御答弁では私は納得できないわけなんです。と申しますのは、懇談会の中でもこういうことは一致していないと、年齢の引き上げについては反対の意見があるというふうにも記されております。それから、ストレートに、非常に超高年齢化するから若年層に対して負担がふえるんだと、こういう御議論をなさいます。しかし、確かに高齢化社会に移っていきます。ということは、政府としては老齢対策というのがますます重要になってくる、政府としては本腰を据えて老齢対策を打ち出さなければならない時期を迎えているんだ、非常に大きな情勢の変化に対応するような、そういう対策を求められている時期だと思うんです。そして、年金というのは将来に向けて、やはりこれは揺るぎない制度にしなければならないということも言われているわけです。ですから、私はストレートに若年層に負担がふえると、財源だけを固定的に考えられていくということはおかしいと思うんです。ですから、私やはり国民の合意を得ようと思われるならば、いまの労働者の置かれているいろんな立場、そういうことはなおざりにもできませんし、いまのような厚生大臣の御答弁では私は国民の合意は得られない、最初の御答弁とは少し違うんじゃなかろうかと、こういうふうに思いますが、もう一度簡単で結構です、御答弁伺います。
#170
○国務大臣(橋本龍太郎君) 簡単でということでありますから簡単に申し上げます。得られるように努力をいたします。
#171
○安武洋子君 私、わが国の労働者の置かれている労働条件というのは、これは先進諸国に比べまして非常に劣悪だと思うんです。年金の支給開始の年齢だけを引き上げる前に労働条件の整備を何よりも私はすべきだというふうに思うんです。
 そこで、一つだけ申し上げますけれども、まず労働時間短縮につきましては、これは大平総理大臣が四月に開かれました日米欧委員会の中で、週休二日制の推進と、こういう御発言をなさっていらっしゃるわけです。これは大平総理の御発言でございますので、じゃ私ここで伺いますが、いつまでに完全に週休二日制を全産業で実施するというめどをお持ちなんでしょうか、お伺いいたします。
#172
○国務大臣(栗原祐幸君) わが国の労働条件が諸外国に比べてみて劣悪であると断定をされましたけれども……
#173
○安武洋子君 先進諸国。
#174
○国務大臣(栗原祐幸君) 先進諸国と比べて劣悪であると断定をされましたけれども、さようなことはございません。私、先ごろ先進国労働大臣会議に行きましたけれどもそういう議論は一つもない。むしろ日本はどうして雇用政策をやっているのか、日本はうらやましいという雰囲気があったんです。あなた笑いますけれども本当ですよ。
#175
○安武洋子君 後で申し上げます。
#176
○国務大臣(栗原祐幸君) それから、具体的な週休二日制とか時間短縮につきましては政府委員からお答えいたします。
#177
○政府委員(岩崎隆造君) 週休二日制の推進につきまして、私どもはすでに数年前から呼びかけて相当進展はしております。ただ、この点について先進諸国と比べまして若干見劣りがするという点は免れないと思いますが、私どもいつまでにどれだけということを必ずしもこの場で申し上げる段階ではないと思います。一昨年の中央労働基準審議会の公労使一致の御意見を踏まえまして、また、昨年の衆参両院の雇用安定に関する決議の趣旨を踏まえまして、私ども現在鋭意その御趣旨に従いまして行政指導に努めているところでございまして、いつまでに一〇〇%ということをいま申し上げられる段階ではございません。
#178
○安武洋子君 労働大臣、先ほどそうおっしゃいましたけれども、労働省御自身がお出しになっている通達の中で、「労働時間対策の推進について」というのがございますけども、この中には、やはり労働時間を短縮するということは、「換言するば、仕事をより多くの人々の間で分け合うためにも、労働時間の短縮は欠くことのできないものとなってきた。」ということと、それから「国際社会の場で、」「日本の労働時間は長過ぎる」と、「この問題は避けて通れないものとなるに至った。」というふうに労働省自身がお書きでございます。ですから、「この時期においてこそ、着実に労働時間の短縮、週休二日制の普及の歩みを進めなければならない。」、これは労働省でございますが、こういうふうに書かれてございます。それで、私はその点についてはまだ後でも申し上げとうございますけれども、これは経済企画庁の資料でございます。この中には、「自由時間に恵まれている人(週休二日制勤務体制の人)の方が運動・スポーツを実践しており、運動充足度が高く、かつ加齢による体力低下の鈍化傾向がみられる。」と、これだけじゃないんです。「自由時間を活用して体力づくり運動を行うことによって入院に対して約一四%、入院外約一八%の医療費軽減効果があり、これは五十三年度の国民医療費(推定約十兆円)に対して一兆六千億円程度の医療費が軽減できるという大胆な推計を行ったものである。」、大臣、週休二日制だけで一兆六千億円程度の医療費が軽減できる、国の財政がこれだけ軽減できるというふうな推定が、これは経済企画庁から出ているわけなんです。ですから、私は申し上げたいんですけれども、週休二日制というのはこれは急いでおやりになるべきではないかというふうに重ねてお伺いいたしますが、いかがでございましょうか。
#179
○国務大臣(栗原祐幸君) いまお話のあった時間短縮の問題、それはそのとおり書いてある。しかし、あなたのおっしゃったのは、日本の労働条件が先進諸国の中で非常に劣悪だと、こう言われたから、劣悪という言葉はひどいではないかという話をしたのです。たとえば賃金の問題とか厚生福祉の問題とか、いろいろありますよ。全体から見ますと決して日本の労働条件が劣悪だなどという言葉で私は御論議をいただくことは御遠慮いただきたいと思うんです。
 ただ、この問題についてはこれ以上申し上げませんけれども、週休二日制の問題、時間短縮の問題は、長期的に見ますれば、これは生産性を上げるという問題もありまするし、あるいは雇用を拡大するという面もあるし、それから国際的にやはりこの面についてはおくれておりますから、その国際的な協調の面からしっかりやらにゃならぬと、そういうつもりでいまやっているわけでございます。
#180
○安武洋子君 労働条件の問題につきまして後でもう一度議論させていただきます。ちょっと置いておきまして、年金の支給開始年齢の六十五歳引き上げと、雇用、定年延長との結合の保障があるのかどうかということが先ほどから論議になっておりました。政府がどういうふうな責任をお持ちになるのかということが論議の中で出ておりましたけれども、いま私考えますのに、非常に中高年、特に高年齢者の雇用状況というのは深刻をきわめているわけです。で、この年金の支給年齢と、それから雇用が結びつくということが非常に好ましいことで、そういう努力をしたいと労働大臣が御答弁なさっておられましたけれども、私は五十二年度の決算を見てみたんです。そうしますと、労働省としては、確かに定年延長するとかあるいは継続雇用するとか、高年齢者を雇用するとかというふうなことでいろんな制度を設けてそういうものに予算を組んでおられます。しかし、定年延長奨励金をとってみましても、これは予算に比しまして支出というのはわずか五・六%です。継続雇用奨励金というのが五一・五%、高齢者雇用奨励金三四・一%、執行率は非常にどれも悪いわけです。というのは、私はこれは制度の実効が上がっているからもうお金は要らないんだということではなくって、実効が上がらないのに予算が未執行になっているということ。これは、こういう制度が雇用とか定年延長に余り役に立っていないという一例だというふうに思うわけです。ですから、私は再雇用というふうなこともおっしゃいますけれども、再雇用を実際に調査してみても、ガードマンとか高速の料金を受け取る人とかというふうに、非常に労働条件が悪い高齢者は再雇用の先しかないというふうなことも聞いているわけなんです。私は、こういう中で年金を受給する年齢だけを引き上げていくというのはやはり無謀ではなかろうかというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
#181
○政府委員(細野正君) 先ほど労働大臣からもお答えがございましたように、問題があるから、したがって非常に問題を抱えている年金について手をつけるなというふうなことではなくて、年金は非常に財政的に危機的な問題もあり、これについてやはり財政をきちんとして充実した年金制度が維持できるようにするという方向にやはり向かうべきでありましょうし、私どもはそれに関連しまして高齢者の雇用を確保できるように努力すベきものでありまして、そういう意味で、先ほど定年延長というものの伸び方が遅いではないかという御指摘がございました。確かに今後の高齢化の状況を考えますと、いままで、特にこの不況期に入ってからの定年延長の伸び方が六十歳以上のところで伸び悩んでいるという問題がございます。五十五歳のところの減り方は高度成長のときと同じような減り方をしておるわけであります。そういう意味では、不況下でも定年延長は進んでいるというふうに私ども思っております。しかし、六十歳以上のところの伸びが鈍ったという点は確かに問題点でございまして、しかし同時に、けさほど来御議論ございましたように、非常に高齢化のスピードが速いということについての労使の認識自体も急速に現在高まりつつあるわけでありまして、そういう状況の中で、私どもは定年延長というものを、現在のところは総論的には労使ともよくおわかりでございますが、問題は、各論についての労使の意見の一致をさせるというところに問題があり、その点についても、御存じのように関西の産業労使会議におきまして各論についてのいわば申し合わせができる等々、そういう点についての進捗状況も見られますので、この機に私どもは十分効果の上がる行政をやってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#182
○安武洋子君 私は年金に全く手をつけるなとは申し上げておりません。年金に手をおつけになる前に労働条件の整備を先行させるべきではないかということで先ほどから一貫して御質問申し上げているわけです。私は、先ほども申し上げましたけれども、日本は先進諸国の中では世界で一番生活しにくいと、こういうふうに言われております。このことは賃金とか年金とかの実質価値が低いということでもあるわけです。さらに、わが国の労働時間とかあるいは労働条件は非常におくれていると思うんです。御否定なさいましたけれども、その一つの指標といたしましてILO条約の批准状況があると思うんです。
 お伺いいたしますけれども、五十四年一月現在、フランスとかあるいはイタリア、オランダ、イギリス、西独、そして日本ですね、こういう百五十一条約中の批准状況というのは一体どうなっているかお答えいただきとうございます。
#183
○政府委員(岩崎隆造君) ILO条約の批准本数は、本年一月一日現在でいまお話しの国で申しますと、フランスが百二、イタリアが七十八、オランダが七十八、イギリス七十二、西ドイツが六十一であります。なお、わが国は三十六となっております。
#184
○安武洋子君 いま御答弁いただきましたように、それだけ日本のILOの条約批准状況というのはおくれているわけです。その中で、特に労働時間に関するILO条約というのは十五条約あると思うんです。しかし日本は一本もこれを批准いたしておりませんね。一号条約というのは一九一九年にこれは採択されている。いまから六十年前、半世紀以上前なんです。こういうときに採択されている条約なんですけれども、これも残業の規制の立場が明確でないからまだ批准ができない、こういうありさまです。こういう労働条件の改善を先行さすべきではなかろうかということを私は先ほどから申し上げているんです。と申しますのは、わが国は国際的にも経済力では世界で第二位なんです。ですから、こういう状態では私はやはりいけないと、こういうところに力を注がれるべきではなかろうかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
#185
○政府委員(岩崎隆造君) 先生御案内のように、わが国の条約批准のたてまえといたしまして、国内法令が条約に適合するということを前提要件と考えておりまして、たとえば国内法令が若干でも適合しないということであれば、その関係で批准するためには国内法令の整備を先行するという方針を終始堅持しております。そういう観点から、ただいま御指摘の点、労働時間関係のILO条約は十五件あることはお話しのとおりでございますが、その基本的なことにつきましては、すでに戦後の労働基準法その他の法令でおおよそ充足しておりますが、いま御指摘のような点、時間外労働の規制の問題とか、有給休暇の場合にも若干の問題というようなことで、条約に必ずしも一〇〇%適合していないということから批准はできていないということでございます。
#186
○安武洋子君 そのとおりで、国内法令が適合していなければ批准はできないわけです。ですから、私は国内法令が適合するようにやはり労働条件の改善を行うべきだということを再三繰り返して申し上げております。
 年次有給休暇のお話も出ましたけれども、この年次有給休暇条約、これ百三十二号でございます。一九七〇年ですが、これは先進国の実態と申しますのは、六カ月働けば資格がついて三労働週を与える、こういうふうなことになっておりますし、二労働週は連続して与えるというふうな実態もございます。それから、これに比べますとわが国の労働基準法というのは、一年働いて資格ができて六日からスタート、ずいぶんと差がございます。
  〔委員長退席、理事小平芳平君着席〕
ですから、私先ほどから繰り返して申し上げておりますけれども、経済力ではわが国は資本主義の国の中では世界第二位、しかし労働条件はやはり余りにもおくれ過ぎているということを強調して申し上げておるんです。こういう点で、労働条件の改善というのを先行させていただく、そういうお約束、いかがでございましょう、労働大臣、していただけますでしょうか。
#187
○政府委員(岩崎隆造君) いま御指摘の年次有給休暇に関する条約は、まず五十二号条約がございます。これはわが国の場合、それがいま御指摘のその前の年に、一年間に八割以上の労働日に対する労働がなければならぬということを要件としている点が異なりますのと、継続ないし分割してできるという点が異なっているために批准をしておらないわけでございますが、後の百三十二号条約はまだ新しい条約でございまして、批准国もそう多くないという状況もございます。いずれにしましても、年次有給休暇の問題一つとりますと、わが国のいままでの労働者のこの休暇に対する意識と申しますか、そういった労働慣行というものの上に立って戦後規定されたものでございまして、こういうものを、私どももできるだけ年次有給休暇を継続して取得するということを推奨はしておりますが、そういう労使慣行の相当の成熟を待って国内法制の整備ができるならばそのときに条約が批准できる要件ができるだろう、このように考えております。
#188
○安武洋子君 この年金懇の報告書の中ですが、この中で「保険料率、支給開始年齢の男女差」の項でございます。ここにこういうことが書いてございます。女子の場合です。「平均寿命が長いため、年金受給期間も男子より相当長いことから、所要の保険料率はむしろ男子の場合より高く算出されることも考慮しなければならない。」と書いてあります。これじゃまるで女子が長生きすることが悪いように受け取れます。長生きするから保険料はたくさん出せ、端的に言えばこういうことになるんです。しかし、これは女子だけの問題ではないと思います。女子であれ男子であれ寿命というのは個人差がございます。そして、これは私はどういう考え方から出ているかというと、何せ長生きをすれば保険金たくさんやらなければならない、そういうことを出し惜しみするという考え方からこういう発想は出てくるのではないかと思うんです。
  〔理事小平芳平君退席、委員長着席〕
まあ老人医療の無料化のときに、そういうことをすれば枯れ木に水をやるようなものだと言って物議を醸しましたけれども、やはり同じような考え方に根差しているのではないか。女子の平均寿命が長いから保険料を男子よりもたくさん算出するということは、私は法のもとの平等に反するものではないかというふうに思います。平均的に女性が長生きをするからということで、法のもとで差別をして不平等でよいものかどうかということをお伺いいたします。
#189
○政府委員(木暮保成君) 現在、厚生年金では男子の保険料は千分の九十一でございます。それに対しまして女子の場合には千分の七十三でございます。諸外国の例を見ますと、男女の保険料率は同じでございますけれども、日本の場合には戦後の婦人の労働条件等を勘案いたしまして、年金に結びつく可能性が少ないというようなことが考慮されまして、保険料率が男子に比べて低く設定をされておったということだろうと思います。それが、現在は国民年金ができまして皆年金体制になったわけでございますので、そういう面から掛け捨てということもなくなりましたし、女子の労働条件というものも男子と並んできつつあるわけでございます。そういう意味から、男女の保険料率を同じにしてもいいんじゃないかという御意見でございまして、男女の差別をつけろということよりむしろ同じにしろという御意見というふうに考えております。
#190
○安武洋子君 「高く算出されることも考慮しなければならない。」と書いてあるわけですよ。そして、男女の賃金が並んできているというのも私は御認識が違うと思います。男女の賃金の差というのは日本の場合は五八%ぐらいではなかろうかというふうに思います。それで、しかも同じところに続けて、これは「特段の存在理由のなくなった男女差は、その解消を図るべきである。」、こういうふうに書いてありまして、支給開始年齢は「男子と合わせていくこと」、こういうことを検討せいと書いてあるわけです。これじゃまるで男女差は、いまや寿命の差だけだということにもなるじゃありませんか、こういうことになると。わが国の男女の賃金差、これは先進国に比べますとずいぶんと差があります。一例を挙げますと、オーストラリアでは男子と女子の賃金差というのは九四・一%です。フランスでは八六・四%、日本の資料が出てきましたが、五五・八%です。これだけ差がある。そして、定年差別についても五十二年から五カ年計画で解消を図るというテンポです。しかも、五十六年度に五十五歳までの差別を解消する計画だ、こういうことです。私ども婦人の願いというのは、雇用における男女差別の是正ということなんです。先進国の水準から見ましても非常におくれている。これを是正するということを先行さすべきではなかろうかというふうに思うんですね。こういう報告というのは女性は絶対に納得しない、こういうものは許さないと思いますが、これはひとつ大臣にお伺いいたします。いかがお考えでございましょうか。
#191
○政府委員(木暮保成君) 男女の賃金格差があるということは事実でございまして、私どもの厚生年金の標準報酬の統計上も男子の方が標準報酬は高くなっております。厚生年金の場合には、御存じのように年金の額を決めるに当たりまして、定額部分と報酬比例部分とその二つの部分から成っておりまして、定額部分はどういう賃金の経過を経た人も同じ扱いをいたしております。
#192
○安武洋子君 そんな細かいことを言ってないんです。
#193
○政府委員(木暮保成君) いや、その点は非常に大切なことなんでございますが……
#194
○安武洋子君 ちょっと時間がないので急いでください。
#195
○政府委員(木暮保成君) はい。そういうことで、男女に限らず低賃金の方には有利な年金が計算されるという形になっておるわけでございます。
#196
○安武洋子君 いまのことはわかっていてもう私質問申し上げております。だけどね、ここのところにも書いてあるんです。「年金受給期間も男子より相当長いことから」と、それで「所要の保険料率はむしろ男子の場合より高く算出される」、こう書きながら、「支給開始年齢についても、原則として、男子と合わせていくこと」、こんなことを書かれるからこそ、私は先ほどこれは女性は絶対に納得しないということを申し上げているわけです。こういう点で大臣、こんなものでよいというふうにお思いかどうかということを私はお伺いしておりますので、厚生大臣の御答弁を求めます。
#197
○国務大臣(橋本龍太郎君) 年金懇は年金懇としてのお考えで答申をいただいたわけでありまして、その中で、私どもは早期に着手をすべきものとしての支給開始年齢の問題と同時に、遺族年金の問題、また経過的年金の問題等を来年度の再計算において実施しようとしておるわけでありまして、部分的に御論議をいただきますと、非常に私どもとしてはこれを書いた本人ではございませんので、お答えをしづらい部分があることを御了承願います。
#198
○安武洋子君 私は、年金懇の答申をベースに置いてということを先ほどから御答弁でございますので、大臣にお伺いしたんです。こういうことを私は了承できないということを申し添えまして、次に進ませていただきます。
 労災保険のスライド率につきまして質問申し上げますけれども、労災保険のスライド率といいますのは現在一〇%でございます。しかし、現在の低成長下では一〇%以上の賃上げというのは、昨年をごらんいただきましてもことしをごらんいただきましてもわかるように、実現をいたしておりません。こういうことになりますと、労働災害被害者の遺族とか、あるいは障害が残っている人、休業補償を受けている人、こういう人たちの生活を保障するということは大変むずかしくなるわけです。私は早急にスライド率の見直しをしていただきたいと思うんです。
 なお、年金は物価上昇の五%以上になっている上に、昨年は四・二%でございましたけれども特例として五%並みでスライドをいたしております。で、労災保険は改正をいたしましてもう四年を経過しているわけです。私は、本当は賃上げごとに毎年毎年見直していくのが本当だというふうに思いますけれども、そこまでは申し上げません。いまの一〇%というのをせめて見直していただきたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。
#199
○政府委員(岩崎隆造君) 現在の労災保険のスライド制のたてまえ、これは賃金の上昇率を基準にして決めておりまして、これは過去においては賃金の上昇率が物価の上昇率をずいぶん上回っていたということが傾向であったわけです。それで、そういうようなことで物価の上昇率を厚生年金の場合には五%といっておりますのを、賃金の上昇率では一〇%ということを改定のめどにしておったわけですが、最近の物価と賃金との関係等について若干異なった傾向が見えておりますことは先生の御指摘のとおりでございます。私どもとしても検討をいたしておるところでございます。
#200
○安武洋子君 ぜひ前向きに検討をされまして、早く結論をお出しいただきたいということを御要請申し上げます。
 次に移らせていただきますけれども、私は勤労者の職業生活に関する意識調査、これを調べてみたんです。そうしますと、男子は、五十歳から五十四歳層では五割が定年の延長を希望している。それから今後の職業生活上の希望につきましては、七割が賃金の引き上げを望んでいるということなんです。ところが労働省は、「高年齢者雇用対策の推進について」と、こういう通達をお出しでございますけれども、定年延長を指導するに当たっては基本的な考え方としてこれをお出しでございます。
 この中で主なところ三点でございますけれども、「労働能力、労働内容に応じ、横ばいないし低下するような賃金体系」、あるいは「延長後の期間を加算しない退職金制度」、それから「ラインからスタッフへ移行するような人事管理システム」、こういう三点を挙げてなさいます。私は、これはいま申し上げました労働者の願いに水をぶっかけるようなものではないかというふうに思うんです。しかも、これはいまサラリーマンの賃金といいますのは、平均四十六・七歳で鈍り始めて五十三・六歳でほぼ完全にストップと、こういうことを追認しているということになると思うんです。ただ追認するだけではなくて、こういうことを指導なさいますと、いまただでさえ悪い労働条件に、さらに拍車をかけて中高年の賃金低下を招く、労働条件の悪化を招くというふうに思うわけですが、こういう通達は私はおやめになるべきだというふうに思いますが、いかがでございますか。
#201
○政府委員(細野正君) 現在高齢化のテンポの中で一番問題になっているのが定年の延長という問題でございますが、それの一番阻害要因となっている問題が賃金の問題、あるいは退職金の問題、あるいは人事が停滞するというふうな問題であります。それをどうしてもそこのところを解決しないと定年の延長というものは社会的に進むことが非常にむずかしい、それは私どもの考え方であるのみならず、学識経験者で構成されております賃金制度研究会等の報告におきましてもそういう御報告がございますし、それから、御存じの関西における産業労使会議におきまして、代表的な労使が定年延長を含む雇用延長をするためのいわば前提条件ということで、労使の間に理解された前提条件の中でも明確にされているわけでありまして、そういう意味で、むしろ定年延長を実現するためにいまお挙げになりましたような三点というものは、どうしても実施しなきゃならぬという総論は大体労使とも御意見が一致しつつあるわけでありますけれども、実際問題として、各論でなかなか御意見の一致がむずかしいというのが定年延長の一番阻害要因になっておるわけでございます。そういう意味で、いま申し上げましたようなことについての労使がコンセンサスを得られて定年がスムーズに延長されるように私どもは今後とも努力してまいりたいと、こう思っておるわけであります。
#202
○安武洋子君 時間がありませんので、私はこれはみんなの国民の願い、いま申し上げました願いに背くものであるということだけは申し添えておきます。
 それで、保険料の負担でございますね、これはだれが主に責任を持つべきか、これは今後とも大きな課題であろうと思うんです。イギリス、フランス、イタリアでは負担割合がどうなっているかをいまお伺いしようと思ったんですけれども、私が手に持っておりますのでこれはお伺いしないで、日本とはずいぶんと違うと、労使の負担割合というのは、もうこれは使用者側が圧倒的に多い、倍以上のところもありますし、倍のところもあるということで、わが国では労使折半になっているわけです。労働者の負担軽減の方向で、私はやはりこれも合意と制度の充実に欠かせない方向であろうと思うわけですが、真剣にやはり検討なさるべきではないかと、そういう意思をお持ちかどうか、こういうことを聞きまして、ちょうど時間でございますので質問を終わらせていただきます。
#203
○国務大臣(橋本龍太郎君) 安武さん、都合のいい国だけを拾われたんですが、そうしますと、たとえば西ドイツ、アメリカという五〇、五〇の折半の国もございます。これは私は必ずしも保険料負担だけの問題だけではなく、それぞれの事業所得に対する課税等にバランスをとらなければこの問題の比較は困難だと思います。日本の場合には、これは医療保険とかあるいは失業保険等々含めまして原則として労使折半が法定されておるところでありますから、これを変えるということは被用者保険全体の費用負担のあり方にかかわる重要な問題でありますだけに慎重に対処したいものだと思います。
#204
○柄谷道一君 私は、社労委の委員として五年、その以前は社会保険審議会の委員として長い間この年金問題と深いかかわりを持っておりました。その経験の中から、わが国の公的年金制度は幾つかの問題点を内蔵している、こう感ぜざるを得ません。
 その一つは、公的年金制度と密接不可分の関連にある重要政策分野との有機的関連が欠如しているという点ではないかと思うのでございます。多くの委員からも指摘されましたけれども、特に公的年金における年金支給開始年齢と定年年齢を切り離して考えることはできないと思いますし、いままで各大臣もこれが連動することが望ましいということは述べておられたところでございます。こういう考え方を一方に持ちつつも、年金制度基本懇は、年金費用負担等の関係を重視いたしまして、今後長期的には六十五歳に引き上げる必要があるという改革の方向を厚生大臣に報告しております。私は今後の老齢化社会の見通し、年金成熟度等を踏まえながら、また他面定年と年金との連動を配慮しつつこの問題にどう対応していくか、これがきわめて重要な政策課題であろうと思うのでございます。
 そこで、まず厚生大臣にお伺いするわけでございますが、長期的には六十五歳、こう報告されているわけでございますが、厚生大臣としては、いま私が述べましたようないろいろの諸点を配慮して、六十五歳とする時期をいつごろお考えであるのかお伺いをいたします。
#205
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま柄谷さんから御指摘をいただきました問題点につきましては、私どもも同様に思います。むしろ雇用面ばかりではなく、その後の生活を考えれば、医療であるとか、いろいろな分野に関連をすることは、これは間違いがありません。同時に、年金制度自体から考えて、こうした答申をいただきまして私どもが第一に着手した点は、労働省との間において、雇用という面について再雇用あるいは定年延長、いろいろなやり方があろうかと思いますが、年金の支給開始が、要するに定年の年齢とできるだけ近いことが望ましいことは間違いないわけでありますから、そうした点についての労働省への御努力をお願いしたわけであります。まあ労働省としては、昭和六十年までに六十歳という方針をすでに出しておられたわけでありますから、それを再確認を願い、事務的に両省の検討は先般来すでに始めたわけであります。そうした状態を踏まえまして、私どもは社会保険審議会の厚生年金部会において御検討願うわけでありますが、そうした御意見をいただきました上で、五十五年度に再計算を繰り上げて実施をし、その中において遺族年金の問題とか、あるいは経過的年金の問題等と含めて厚生年金における支給開始年齢の引き上げについては着手したいものだと考えております。おくらせればおくらせるだけこれは傷が深くなる性格のものでもありますから、できるだけその意味では五十五年度の再計算からこれに着手をいたしたいわけです。いま私どもが考えておりますのは、前回五歳引き上げをいたしました際に、二十年かけて五十五歳から六十歳への引き上げを図ってきたわけでありまして、ほぼ同様の期間を一応いま描いておるわけでありますが、ほぼその程度ぐらいの時間が一番至当ではなかろうか。いま労働省の方で従来から考えておられる中にも、これは労働大臣おられますけれども、七十年代の後半ぐらいにはもう一つ定年を先まで延ばしていくのだというようなお話も出ておるわけでありまして、そうしたスピードとも内容は合っていくもの、そのように思っております。
#206
○柄谷道一君 きょう同僚委員の質問に対しまして大臣は、その場合といえども、いわゆる高年齢者の労働能力等も考えて、職種別といいますか、そういう面において一律に六十五歳にしていくのではなくて、当然そういう配慮というものはきめ細かにする必要があると思うと、こういうお答えがございました。そのようなお考えと理解してよろしゅうございますか。
#207
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは先ほども御答弁を申し上げたわけでありますが、事務的には非常にむずかしいということが従来から強く言われております。また、年金局長に先ほどもう一度念を押して確かめてみましても、事務的あるいは技術的には年金の設計その他の上で大変大きな問題点があることは間違いがありません。ただ同時に、やはり六十五歳という支給開始年齢を想定しました場合においては、やはり私は本当に体力的に無理な職場というのはあると思うんです。それだけに、その場合たとえば特定職種を限定し、その場合には早くから年金の支給開始をするかわりに特例納付を認めるようなやり方がいいのか、あるいは在職老齢のような方式をとるのがいいのか、どういう方式がいいのか、これは私いまわかりません。ただ、素朴に考えて、最初たしか安恒委員から御指摘を受けたんじゃなかったかと思いますけれども、私はやはりそういうものは考えないと年金制度全体がうまく機能しないのではないだろうかという気持ちを持っております。
#208
○柄谷道一君 大蔵省にお伺いいたしますけれども、各種共済制度、二十年かけて支給開始年齢を六十歳にしよう、この公的年金制度の官民格差、これは非常に各方面で議論されてきたところでございます。現在も五歳の格差がございました。今後二十年先を展望いたしますと、いま仮にわれわれ賛成する、否ということは別として、この基本懇どおりの発想というものが進みますと、二十年先に厚生年金は六十五歳でございます。その時点において共済は六十歳でございます。依然として官民格差の縮小というものは行われず、現在の五歳の格差はそのままその時点まで引き延ばされていくという結果に相なります。一方、恩給は現在五十五歳支給でございます。これも多少性格は違うとはいえ、老後の所得保障の一つであることは否定することができません。といたしますと、この官民格差の存在、その縮小及び解消に対する大きな世論という視点を踏まえまして、大蔵省としては今度の基本懇の答申、これは厚生大臣になされた報告でございますけれども、これをどう踏まえて、今後どう対処されようとしておるのか、官民格差縮小という視点からお考えをお伺いしたいと思います。
#209
○政府委員(禿河徹映君) 公的年金につきましては、厚生大臣から御答弁がまさにありましたとおり、私どもといたしましても、将来の人口構成の高齢化と制度の成熟化と、こういう事態を踏まえまして、この年金懇の答申にございますとおり、やはりその負担が過大なものとならないように、それから、大幅な費用負担の増加が避けられないという実情の中で、早期にそれに対する手だてを講じていかなくちゃならないという御意見、まさにそのとおりだと考えております。
 具体的に共済年金の点でお答えいたしますと、初めに私どもの大蔵大臣からも御質問に対しまして御答弁申し上げましたとおり、こういう今後の老齢化社会への移行とともに、ますますやはり財政問題が容易ならぬ事態となるのは明らかなので、年金懇で言われておりますとおり、今後長期的には六十五歳に引き上げることが望ましいということは共済年金についても言えると思います。ただ、実際問題といたしまして、共済年金が職域年金的な性格をあわせ持っておりますことや、職員の生活設計の面あるいは雇用の面等を考慮いたしました場合には、当面六十歳の支給開始年齢を実現させることが実際に即応したものであると、かように考えておるわけでございます。
 さらに、今後の共済組合の年金制度のあり方につきましては、支給開始年齢の問題も含めまして、年金財政あるいは厚生年金等の他の公的年金制度の動向等を踏まえまして、あるいはまた公務員制度の一環としての性格ということにも配慮しながら、私ども関係方面とも十分協議をしながらさらに検討を進めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#210
○柄谷道一君 恩給はどうですか。
#211
○政府委員(禿河徹映君) 恩給の方は直接私どもの所管でございませんで、ちょっと総理府恩給局の関係とも相談をいたしませんと何ともお答えが、いま現段階ではいたしかねるわけでございます。
#212
○柄谷道一君 いま禿河次長は、雇用の面など考えれば、六十五歳、いわゆる公的年金制度を一線にそろえることは望ましいが、当面は六十歳と、こう言われたわけですね。私は、予算委員会で自治大臣に御質問いたしましたところ、それに対応するように定年もいま検討中であるが、なるべく連動するように配慮をしようという趣旨の御答弁がございました。そうなりますと、大変取り上げられてまいりましたこの官民格差の問題について、どうしても国民、特に民間産業に働いている人々からすると、まだ依然としていわゆる士農工商――士をお役人とすれば工商は差がつけられているという意識から抜け出ることができないのではないか、この点は指摘だけいたしておきます。
 そこで、これは労働大臣にお伺いいたしたいんですが、私も大正二けたの生まれでございます。ここにおられます厚生大臣を除きまして、正面に座っておられる方はいずれも大正二けたないしは一けたのお生まれであろうと思います。私は、大正時代に生きてきた者、これの生活実態をこの際考えてみたいと思うのでございます。青春時代はまさに戦争時代でございました。そして戦後、命長らえて日本に復員し、あのインフレの中で、しかも飢餓の中で戦後復興に努力してきたお互いに人間でございます。そして、当時はまだ年功序列賃金の現在よりももっと激しい時代で、いわゆるその序列賃金の下の方に位置したわけでございます。それを耐えながら子弟の教育に専念し、かつ高度経済成長時代に貢献をしながら、一たん減速経済になりますと、いわゆる減量経営という名のもとに多くの者が職場から去り、かつ再就職は、中高年の有効求人倍率がきわめて低い、こういう中で雇用の不安にさらされ、しかもやっと年金の支給年齢を間近に控えようとして、再び財政上の理由からという名のもとに年金の支給開始年齢が引き上げられようとしておるわけでございます。
 私はそういう状態を考えますと、いま定年を過ぎて、五十五歳を過ぎて中小企業で働き、また近く定年を迎えようとするこういう人々の心境というものを考えますと、これで老後の生活設計が根底から覆された、こういう気持ちを強く持ち、老後生活に対して大きな不安を抱いている、これはもう疑うことのできない生活実感なんですね。同じ大正の世代の生まれとして、栗原労働大臣、このことをどう御理解なさっておられますか。
#213
○国務大臣(栗原祐幸君) 柄谷さんのいまのお話は私もしみじみ承りました。そして、「同じ河原の枯れススキ」という歌がかつてはやりました。恐らく中高年齢者の方で再就職できない人の心境はそうではないかと思います。私はそのことを十分に考えた上で、いま微力ではございますが皆さんの御協力をいただきまして、定年制の延長あるいは雇用の拡大のために微力を尽くしているわけでございます。ですから、そういう意味では私はあなたのお気持ちを体してこれからもがんばりたいと思います。
 なお、年金との関連でございます。実は私は年金の問題について、国務大臣としてある程度年金懇や厚生大臣の取り組みに理解を示しておりますのは、やはり私どもはバトンを次の世代にしっかり渡していかなければならぬ。いま年金問題をこのままにしておいて、手をつけちゃならぬと、いろいろ何だかんだ言って手をつけないでいたらどうなるか、時間がたてばたつほどこれはもう破産状態になりますね。その結果どうか、われわれも困りますけれども、次の世代の人たち、これもなかなか困る問題だと思うんです。そういう意味合いで、全部整合してから出発しろという議論、わからぬじゃない。わからぬじゃないけれども、この辺で、そういうお考えならばわれわれの方もそれに協力しましょう、むしろそういう年金支給開始年齢の引き上げがありますよと、それを災いを転じて福となすように定年延長に積極的に取り組んでいこう、私はそういうつもりでいまやっているわけでございます。あなたの心を込めた御質問に対しては、私も心を込めてそうお答えをするわけでございます。
#214
○柄谷道一君 これは私の悩みというよりも、いわゆる私と同世代の大正の人間がいまひとしく心の中に心配しておる問題であろうと思ったので、私はあえて質問したわけです。
 私は、確かに財政的視点から見れば、現在の厚生年金の成熟度が六%、これが昭和八十五年には約三〇%台に達するであろう。その財政の視点からして、いわゆる負担の限界というものを考えながら支給開始年齢が検討される、これは私は頭から間違いではないと思うんです。しかし、いま大臣が言われましたように、やはりその場合は定年制というもののかかわりというものを、本当にきめ細かく配慮する政治の心がなければ、私はこの大正の世代に生きてきた者の労苦に報いる政治の道では決してないと、こう思うんです。
 そこで、私はこういう視点から、時代を先駆けするという意味を含めて、定年を含む年齢差別禁止法の制定ということを提唱いたしました。定年問題については雇用審議会に諮問をしようというところまでやってまいりました。しかし、現実の問題としてこれをとらえてみると、労働省の予定どおりいきましても昭和六十年なんですね、六十歳定年が一般化するであろうという目標が。しかも、この雇用審議会の審議のめどは二、三年を目途としたいと、こう大臣前回答えられましたですね。一方、厚生大臣は昭和五十五年に財政再計算期を早めて、そのときから段階的ではあるけれども支給開始年齢の引き上げに着手せざるを得ないと、こう言われたんです。そうしますと、これはウサギとカメなんですよ。受給開始年齢だけはウサギの速度で早まっていく、定年の延長の方は御努力はされることは私は期待しますけれども、これはしょせんカメなんですね。ますますこの差というものは開いていく。そこで、ウサギはやっぱり居眠りしてもらわなきゃならぬのですよ。そこでカメがやっと追いつくということになるんですね。私はそう思うのでございますけれども、大臣、六十年に六十歳定年化を一般化すると、これはあと一、二年たてば大体それが一般化するであろうかどうかの傾向はつかめます。どうしても誘導政策をもってしてはそれがむずかしいと御判断なさる場合には法制化に踏み切られますか、この点をお伺いしておきたいと思います。
#215
○政府委員(細野正君) 先生も御案内のように、たとえば高度成長の過程におきまして六十歳定年が二年間ぐらいで十数%伸びたというようなときもあるわけでございまして、そういう意味で、けさほど来御議論がございましたように、かなり定年を延長しなければならぬという機運が労使間にも起きてきております。それから、その場合の具体的な実施の仕方についての各論的なゴーイングについても、たとえば関西の労使会議を初め、あるいは最近関東におきましても日経連を含めて行われるというような、そういう動きも出てきておるわけでありまして、したがいまして、私どもは現段階におきましては全力を尽くしてやればかなりその機運は出てきている。したがって、六十年、六十歳定年というものを実現をしなければいかぬし、また実現の可能性についてもかなりその条件は整いつつあるんじゃないか、こう思ってせっかく努力中でございますから、したがいまして、できなかったときはという条件づきの御質問に対してお答えをするのははなはだ適当でないわけでありますが、ただ、雇用審議会におきまして御議論をいただいておる最中におきましては、やはりそれまでの間における定年延長の実績というようなものは、その御議論の中の有力な一つの議論の要因にはなっているというふうに私どもは考えているわけでございます。
#216
○柄谷道一君 私は労働大臣、やはり大臣御自身が労使の交渉に期待する、それで強力な指導をされる、それは結構でしょう。しかし、それでなおかつ定年延長が伸びていく、しかもこれは老齢化社会の中でストップをかけ得られない一つの命題であるとするならば、これで成果が上がらない場合は断を下さざるを得ないというだけの強い決意を持って行政指導をされ、初めてその行政指導に実効というものがあらわれてくるのではないだろうか。いま局長が言われましたように、結果を見て、いまのところ一生懸命やるからと、まあまあ期待してくれだけではどうも私はそれで安心できないんですが、大臣からひとつお答えを願いたい。
#217
○国務大臣(栗原祐幸君) いま局長からも話しましたように、審議会で法制化を含めて、あるいは各党からいろいろ年齢差別禁止法とか、そういうような資料もございますね、そういうものも全部出しまして、そこで御議論願うわけですよ。これ、雇用審議会に諮問する前に、私がもし結論がうまくできないようだったらそのときはなんということを言うのは、これは審議会にお願いするのに対してはなはだ謙虚でない、こう思います。ただ、だからといって私は逃げているわけじゃない。これは本当に真剣に取り組まなきゃならぬ、むしろこの審議会の場を定年延長ができるように積極的に活用したい、これが私の心境でございます。
#218
○柄谷道一君 私はそうした場を定年延長と、これはいま大臣の決意を素直に私受けとめましてその成果を見守りたいと、こう思うんでございますが、私は、その定年延長とともに、やはり行政当局としても、たとえば高齢者にふさわしい職種の開発の問題、職業分野の開拓の問題、さらには再雇用の促進の問題、これらに対する総合的高齢者の雇用対策というものが、これと並行して進まなければならないと思うんです。もちろん賃金体系その他の問題は労使の問題でございます。しかし、私がいま指摘しましたのは、主として行政の力によって強力にこれを誘導していかなければならない政策課題であると思うのでございます。私たちの要求を入れまして、今度部分的な補強は行われましたけれども、私は現状それで十分の効果が上がり得る制度であるかどうかについてはなお多くの疑問を持つ者の一人でございます。この点に対する労働大臣の対応の姿勢についてお伺いをいたします。
#219
○国務大臣(栗原祐幸君) これは前々から申し上げてあるとおり、雇用を創出するという、一体どの方へ雇用を創出するのかというのは大問題でございまして、そのためにいろいろと皆さんのお知恵もかりてこれから進めていこうという段階です。特に雇用の創出、どういう方面にいくかという問題につきましては、経済全体の問題もありますし、通産省とか建設省とか厚生省とか、いろいろ各分野にまたがっておりますね、そういったところできめ細かく詰めていく、あるいは調査もしなきゃならぬ、そういったものを総合的にやる。私前々から申し上げましたとおり、いままでの労働政策というのは後追い政策だと、これからは後追い政策じゃいけないということを申し上げていますが、それを具体的に現実的に一歩一歩――すぐにできるものじゃございません、一歩一歩――一歩一歩だから、じゃのろくていいかというと、そういう意味じゃございませんよ。とにかく余り飛び離れてここで調子のいいことを言ってもできないんです、これは。われわれの持っている能力を全部出し切ってやっていく、着実にやっていく、そういうことをやってみたいと思います。
#220
○柄谷道一君 私は、いずれにいたしましても、現在の雇用情勢について現実を見詰めた場合に、多くの委員から指摘されましたように、定年制の実態、失業者やさらに年齢別有効求人倍率の実態などの諸指標が示すごとく、現在中高年齢層の雇用を取り巻く諸情勢というものはきわめて深刻である、この一語に尽きると思うのでございます。したがって、私は単に年金財政の視点からこの問題をとらまえるというのではこれらの現実に対応できない。私は、支給開始年齢の引き上げは、やはり定年六十五歳制のこれと相並行する定着というものがあって初めてこれは国民的な合意を得られるものであろうという点だけを強く指摘しておきたいと思います。
 そこで、厚生大臣にお伺いいたしますが、厚生大臣、昭和の若々しい世代なんでございますが、いま老後の生活設計というものが非常に立てにくいという実態の中にあるんですね。そこで、これは一つの提言でございますけれども、少なくとも――少なくともという表現をあえて使っておきます。現在まだ多くの定年制が存在しております。現在五十五歳以上の者についてはどういう経過措置を講ずるかは別でございますけれども、現在の六十歳支給開始年齢というものは変更させないというだけのことをここで御明言願いまして、少なくともいま支給年齢を目前にしている者に対して安心を与えていただきたいと、これをお願いするわけですが、いかがでしょう。
#221
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府自体とすれば、いま支給開始年齢の問題について、先ほどから申し上げておりますように、社会保険審議会に御検討願っておるわけでございますし、その御意見をいただいた上で結論を出し、具体案を提示しようとしているわけでありますから、これは私が明言をすることがいいのかどうか。先ほどの大正二けた同士の会話にも同じような場面がありましたが、世代の若い方から言うとそういうことも言いたくなるんです。ただ、いずれにしても、やはり本当に老後生活の設計を崩す危険性を持つことであることは間違いありませんから、そうした点については十分気をつけて対応していきたいということのみ昭和二けたとしては申し上げます。
#222
○柄谷道一君 ぜひ、この経過措置というものが非常に重要でございますから、私はいま男子のことだけ申し上げましたけれども、女子における昭和一けた、これは多くの方が戦争未亡人であり、または戦争のために婚期を失し、いわゆる寡婦、独身者が非常に多いという世代でもございます。まあ私はそういう点、経過措置についてやはり政治というものは心のこもった配慮というものを加えていかなければ、私はこれは老後生活に一層の大きな不安を助長するであろうと、その点だけは指摘しておきたいと思います。
 そこで、私は国民年金法の一部改正審議のときにも御指摘申し上げたところでございますけれども、現行の公的年金制度の第二の問題点は、現行のいわゆる公約ベースの年金水準ですね、これはやはり長期加入を前提としたいわゆる数値でございます。現実には、老後生活を保障するという機能は現在不十分であると思うのでございます。たとえば、現在各種老齢年金受給者の六割以上はいわゆる何らかの意味における経過年金の受給者でございます。その数は私の知るところ五百三十万人に上っている、こう承知いたしております。これらは公約ベースの長期加入を前提とした水準以下のところに置かれているわけですね。私はそういう意味において、わが国の年金は先進国並みになったなったということがよく言われておりますけれども、現存のこの年金制度というものはまだ経過的時期でございますから、その域に達していない。これが正確な現状に対する受けとめ方であろうと、こう思います。そこで、老齢福祉年金に代表されます無年金者、または五年年金に代表されます短期加入者の水準、これについては、現状、老後の生活保障という名に値しないものでございますから、当然次期年金再計算期の場合は、これらの思い切った是正というものが加えられてしかるべきであると、こう思いますが、厚生大臣いかがでございますか。
#223
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かにこれは次期の再計算における最大の問題の一つであることは間違いがありません。そしてまた、現実に老齢年金受給者のうち、六割以上の方が経過年金受給者であることも間違いないんですけれども、ですから、そういう意味では、年金懇におきましても非常に重要な課題だという御指摘を受けたわけでありますが、これを現実に引き上げてまいります場合に考えなければならないことは、一つは制度の本来的な年金とのバランスの問題、それからまた、長期的な年金財政に与える影響というものをどうしてもこれは考慮せざるを得ないわけでありまして、その場合、引き上げについては財源についての検討を十分にしなければ対応ができないと思います。こうした経過的な年金の水準をどう定めるかということについては、確かに国民年金全体のまた給付水準の設定にも深くかかわってまいるわけでありまして、私どもとしては国年審でいま十分御審議をいただきたいということを考えておりますし、同時に、経過年金の水準を仮に大幅に引き上げるという場合に、その場合の必要な巨額の財源というものをどう調達していくのかということにつきましては、年金懇でも言われているような新税の導入による一般財源の拡充の方式であるとか、あるいは各公的年金制度による共同の負担など、新たな財源措置についての検討を加えていかなければならないと考えております。いま私たちは、経過的年金の引き上げについて、各年金制度の共通の負担とする考え方については、できるだけ早い機会に厚生省自身も具体案を作成して提案をするということを公的年金制度連絡調整会議の席上でも申しておりまして、五十五年度予算編成との絡みからいきまして、概算要求の締め切り直後ぐらいにはそうしたものを提起をいたさなければならないのではなかろうかと、そのように状況を判断をしているところであります。
#224
○柄谷道一君 私は年金制度の欠陥、これは時間が余りありませんので、すべてを指摘する余裕がないんでございますが、いまこの経過年金の際にも触れましたように、一つにはナショナルミニマム、いわゆる最低限度の生活水準の保障というものが確立されていないというところに一つの問題点があると思います。第二には、物価や賃金の上昇など、いわゆる経済変動に対応する機能というものが果たして十分であるのかどうかというところにも問題があります。第三には、八つの公的年金制度の間に、年金水準はもちろんでございますが、支給開始年齢、在職老齢の年金の取り扱い、遺族年金の範囲など、給付条件面やさらに負担面において依然として大きな格差があることだと思います。第四には、夫婦単位の年金と個人単位の年金が混在し、このために妻の年金権が確立されていないということであります。第五番目には、遺族年金の給付水準が、若干の改善はございましたけれども、依然として欧米諸国のそれと比較してまだ低位にあるということであります。六番目には、制度の仕組みが複雑難解で、生涯設計を立てにくいという面を残しております。七番目には、年金積立金の管理運用に対する体制がこれでよいのかどうかという問題でございます。そして八番目には、業務処理体制の一元的整備というものがまだおくれている、こういうことが指摘されるわけでございます。私は時間がございましたならば、これらの問題について指摘をしたいのでございますけれども、これは多くの識者が指摘いたしております現在の公的年金制度の欠陥でございます。これらの問題をやはり総合的に検討し、改善するという姿勢がなければ、ただ支給開始年齢だけを引き上げていく、これではこの矛盾解決には役立たないわけですね。私はこうして考えますと、これは非常にむずかしい問題でございます。とすれば効率的な資源の配分、所得再配分の徹底と運用、こういう視点からニーズをよく精査いたしまして、優先順位を定め、一体どういう順序で何からその改革というものを計画的に進めていくとか、こういう方針の確立も必要でございます。また、国民が連帯して、これは世代間の年金というのは連帯でございますから、国民の各層が連帯しつつ、国民合意の中から新しい年金制度に対するいわゆる連帯意識の高揚ということがなければ、幾らこの国会の場で議論をいたしましても、これが定着するはずはございません。また、不公正税制の是正とか、福祉新税の創設とか、保険料率、または受益者負担の適正化という財源措置が、この際洗い直されなければならないのではないか、私はそういうことを考えますと、これは何としても中期社会保障計画というものをやはり総合的に策定する、その部分としての年金というものが存在する、こういう位置づけをしていくことが必要ではないかと思いますし、私は当院の予算委員会でもこのことを強く主張してきたところでございます。私は、この問題は本当に不可欠の政治課題であろうと思うのでございますけれども、厚生大臣及び労働大臣、両大臣のこれに対する率直な所見をお伺いいたしたいと思うわけです。
#225
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点、ナショナルミニマムを確立すべきだという御意見につきましては、現在の経過的年金の水準から御議論をいただくと、私は確かにそういう点が成り立つと思います。それは否定しません。ただ、経過的年金の受給者というものは、今後時間の経過とともに徐々にこれは減少していくわけでありまして、本来的な年金を受給される方がふえていくわけでありますから、私はいまの時点においては、確かに経過的年金の受給者に対する対策は非常に重要な政策課題であることを否定いたしませんし、その意味で五十五年の再計算時における一つの大きな課題と受けとめておりますけれども、今後の給付水準全体というか、一般の問題ではないのではなかろうかという感じがしてなりません。ただし、ですから、当面の重要政策課題であることは間違いありません。
 それから、いま非常に多くの分野に触れられて御議論をいただいたわけですが、確かに支給開始年齢の引き上げだけが年金の持つ問題点ではありません。これはもうそのとおりであります。そして、いま遺族年金の改善の問題にしましても、これは私は、禿河次長きょう一日ずっと聞いておられて、まさかこのままでよろしいなんて来年の予算編成におっしゃるほど非情な人だとは決して思いませんから、大蔵省も当然協力をして、来年度の年金改正には臨んでもらうと期待をいたしております。また、経過的年金の問題につきましても、それぞれいま御検討を願っておる審議会の御意見を踏まえて対応するつもりであります。
 それからまた、個別にずっと御指摘のありました問題の中で、先ほどちょっと経過的年金についての各制度からの協力体制の問題等には触れましたけれども、御指摘をいただきました中で業務処理体制の一元化の問題等につきましても、ようやく関係各省の間で、小委員会を設置して協議のできる体制までやっとこぎつけてきたというような状態でありまして、総体的にあらゆる角度から、長期的また計画的な年金制度のあり方を検討すべきであるという御指摘はそのとおりであると私も思います。
 ただ、それを踏まえて、中期あるいは長期の社会保障計画を設立すべきである。これは予算委員会のときにも御指摘をいただき、論議をいたした点でありますけれども、私どもとしては、現在年金制度もこれから大きく変わろうといたしておる、また医療保険制度も、一昨年の十一月でありましたか、本院のこの社会労働委員会に渡辺厚生大臣がお示しをした方向に従っての改正を行おうとしている、いわば社会保障中期計画の本当に中心の柱となるべき年金と医療保険が現在動きつつあるさなかでありまして、数量的に非常にとらえづらい状態にありますだけに、いまの時点で計画策定ということは非常に困難だと思います。ただ、昭和六十年代に向けての社会保障施策の全面的なあり方、またその考え方というものにつきましては、いま社会保障長期計画懇談会で御検討をお願いをいたしておるわけでありまして、基本的な問題点の方向づけがなされた段階でないと長期計画の策定というには無理があろうと、そのように思います。
 年金についての御指摘は私もそのとおりに理解をいたします。
#226
○国務大臣(栗原祐幸君) 後段の長期的なものでございますが、私も結論的には厚生大臣と同じであります。というのは、これはそういう中期的、長期的な見通しがあって一つ一つ整合的にやっていくのが一番いいと思うんですよ。しかし、現在のこの問題というのは、そういうことをやっておれば――結論的に言いますと、すぐまとまればいいんですけれどもなかなかまとまらない、というと日がたっていく、日がたつことによってますますこの制度そのものに対する改善といいますか、改革ということがおくれるということなんです。そういう意味合いで、私は、それはそれなりに手をつけざるを得ないというならば、それは御理解いたしましょうと。しかし、これはいろいろの方面に波及しますから、最終的には総合的に締めくくらないといけない。ですから、どちらからやるかという問題でございますけれども、柄谷さんのおっしゃることもよくわかるんです。しかし、方法論として、実行論として考えてみますとそういうむずかしさがあるのではないか、こう考えております。
#227
○柄谷道一君 時間が参りましたので、私はまだまだ多く語りたいのでございますが、きょうは年金問題に対するいわば序論の質問でございます。これは非常に重要な課題でございますので、両大臣にお願いいたしておきますけれども、私は審議会に諮って十分審議されることも当然でございますけれども、各党間の意思の疎通、合意の形成というものについて、両大臣に積極的な御努力を賜りたいことを要望しまして私の質問を終わります。
#228
○下村泰君 委員長にひとつお願いがあるんですが、省エネルギー問題が大きく扱われていまして、実際にこの委員会の部屋も暑いし、皆さん上着をつけてぼけっとしているような感じになっておるのですが、節約の意味からいっても、これからひとつ冷房のきくまで上着なしでやろうということ、いかがでございましょうか。
#229
○委員長(対馬孝且君) まことに省エネルギーにふさわしい御提案でございますので、これは委員会規則の規制はございませんけれども、下村さんのおっしゃるとおり一応申し合わせとして上着を脱ぐということにいたしたい、このように思っておりますので、各会派で申し合わせたいと思っております。
#230
○下村泰君 言葉が別に洋服を着るわけじゃないと思うのですから、しゃべっているやつは涼しい方がいいと思います。何ですか、いま委員部の方は、別にそういう規約はないから上着を取っても構わないのだとおっしゃいましたけれども、構わないと言われたって、大臣が脱がないのにこっちが脱ぐわけにいかないですが、まあ私は脱がしてもらいますから。
#231
○委員長(対馬孝且君) どうぞ。
#232
○下村泰君 では、この前労働大臣に、作業所に助成してくださいということをお願いしました。ところが、茨城県のアスナロ社というところが自動車部品の組み立てをしておりまして、資本金が百万、従業員がわずか六人、そのうち三人が障害者。それから平塚のパラエースという会社、これは電気部品の製造で、資本金が二百五十万、十一人中十人が障害者。こういう会社からこちらの方へ電話が参りまして、大変関係者が期待をしているわけです。
 で、この要綱ですね、雇用関係があればこうするよという要綱というものの発表あるいは通知というのはなさっていらっしゃいましょうか。
#233
○説明員(田淵孝輔君) 身体障害者雇用促進協会の方でそういう事務を取り扱っておりまして、職業安定所の職員も同行いたしまして、もう数回関係者の方々とお打ち合わせをしているというふうに承知しております。
#234
○下村泰君 これがいま大変大きな反響がありまして、労働大臣、あちらこちらから問い合わせがあるし、それから電話がありますし、これはこういった作業をしていらっしゃる方々にとっては大変な福音になっているわけです、いま。ですから、できるだけ規約にとらわれずに、もちろん、それは何でもかんでもいいというわけにいかないでしょうけれども、できるだけ枠を広げて、そして多くの作業所に御援助してくださることをお願いしておきます。これが厚生省と労働省と両省が非常に関係の深いもので毎度申し上げておりますけれども、状態が違えば労働省、体が悪い方がいて現在治療をしていると厚生省というふうに常に線引きがむずかしいところの問題でございますので、どうぞひとつ、今後とも両省の大臣でお心をお合わせくださることをお願いしておきます。
 と申しますのは、実はこういう例があるんですよ。五十三年十月十二日の第八十五国会の予算委員会で、建設大臣にお願いしまして、身体障害者に対する有料道路通行料金の優遇措置ということをお願いしたんです。なりました。大変ありがたいことです、これは。大ぜいの方が喜ばれるんです。ところがその後がいかんのですね、建設省から厚生省に来たわけですね、この所管ということで。その厚生省が都庁の方に通知をしたのが五月十六日なんですよ。これはいいんですよ、別に質問するわけじゃありませんから、お話は聞いててください。大臣にも聞いていただきたいんです。で、五月十六日に通知がありまして、都の方でも担当でもめたんだそうです、これどこにするかということで。そして、それが結局は東京都民生局心身障害者福祉部福祉課というところが担当することになった。今度は各区市町村の福祉事務所に窓口を置こうということになりましてね、割引証というのを発行する。ところが、この割引証がまだ印刷されていないわけです。急遽この割引証というものの印刷に入る。そしていまこのパンフレット、私これ持っていますけれども、これはわずか一万部しかないんです。これもあわててつくって刷ったんですよ、これは。そうして、今度は割引証に押す印鑑があるわけです。その印鑑も急遽彫りまして、二個ずつ八十一カ所に配布した。都の広報課では広報が間に合わない。ですから六月のうちには通知が出せない、七月になるであろうと言われている。それから、今度はそれを取り扱う各ランプですね、たとえば有料道路に乗りますと出口がございます。ここの出口でもってこの作業に当たる方の教育が、これがまた全然できないわけですね。これが、両大臣聞いてくださいよ、各省庁の連絡が悪いとこういう大きなミスになりますね。というのは五十四年六月の一日なんです、これ実施するのが。そしてあした三十一日で、あさってなんです。あさってからやるというのに、このパンフレットはわずか一万部しか刷ってないし、利用者に対する広報をどうするか。早く知った人が行きますね、出口でこれ問題になりますよ、出口の人はわからないんですから。そんなものは聞いてませんよと、そんな印鑑どこでつくって押してきたんですかというようなことになりましょう、これ。料金の取り方もわからぬわけですね、半額といったって。これはいかにお役所仕事――私は役所責めたくはないんですよ、責めたくはないんだけど、こういう方たちにとっては、これは物すごい喜びなんですよ。大臣はお体も達者ですから、またほかにいらっしゃる方全部丈夫そうな顔していらっしゃるから、大して気になさらぬでしょうけれども、本意に身体障害者にとっては、ことに車は足と同じなんですから、そういう方たちにとっては大変な喜びです。その喜びが一挙にして粉砕されるんでしょう、これ。こういうようなお役所同士の連絡のあり方ということについて私は大変疑問を持つんですよ。ですから、こういうことすらがこんな状態なんだから、果たして身障者のそういう作業所の問題なぞは、両大臣がどのぐらいのお話し合いをなさったことがあるのか、一度参考のために聞かせていただきたいと思います。
#235
○国務大臣(栗原祐幸君) いま行政がすみずみまで十分行き届いていないという実例を言われまして、その点については私もよく承りました。私ども厚生大臣とこの問題について話をすると同時に、事務当局を、しょっちゅうこれで連絡とっておりますから、今後そういう御指摘を受けないように注意をいたしたいと、こう考えております。
#236
○下村泰君 それはもちろん両大臣がこういうことでそうのべつ幕なしに細かくお話はできるはずもありませんし、かといって事務を担当なさっていらっしゃる方々が、両大臣のおなかの中がわからぬことには、うっかり勝手にやると今度はこういう首の座の問題になってきますわね。せっかく栄進の座がいま目の前にある、よけいなことして、おまえはペケなんというようなことになって、とてもじゃないけど手が出せない、口もきけないという状態になったんでは、せっかくの機能が一つも動かないことになりますから、そういうことはくれぐれもお願いしておきます。
 私の方はもう労働大臣結構でございますから、どうぞお休みくださいませ。厚生大臣もすぐに解放しますからどうぞそんな心配した顔をしないで。私の場合には時間いっぱいやろうという腹づもりは一つもございません。
 それから、年金についてこの間大臣が大変いいお答えを出してくださいまして、所得の抑える額を少しでも引き上げると。私から額をふやしてはどうかということについて、逆に所得を引き上げることによって措置を考えようと。これが大変な反響ですわ、喜ばれていますよ。これは大変な善政ですわ。そして各障害者からこういう返事が返ってきています。今後安心して働ける、それから働きがいが出てきた、こういうことを言っています。ですから、これは一日も早くやっていただきたいと思いますけれどもね。それから、大田福祉工場の伊東所長が、「責任者として障害者にも一生懸命働らいてもらいたい、出来るだけ賃上げもしたいし、住宅手当なども増額して、企業として、障害者に自立の意欲をもっと高めたいと努力しているが、反面所得制限をオーバーした人にその分工場が負担する事も出来ず常にジレンマを感じ悩んでいる、厚生大臣の言葉に経営者としても大いに期待したい」と、こういうふうに語っています。言葉遣いは「期待したい」なんて、期待しておりますよと、こういうことになるんですが、今後福祉工場などは経営努力や障害者自身の努力によって生産性の向上もあります。また、賃金水準も上がってまいりますと思われますけれども、とにかく全国的に大きな波紋が及んでいることは事実なんです。で、まあ特段の御配慮を願いたいんですが、来年度のことですが、どの程度上がりますか、その額はまだ言えませんか。
#237
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはいまちょっと金額まで私も何とも申し上げようがありませんので、申しわけありません。
#238
○下村泰君 ただ、大臣の腹づもりとして、できるだけ引き上げてやるというひとつお気持ちだけはお願いをしたいと思います。
 それから、年金局長にお伺いしますけれども、たびたび年金局長にもお伺いしているんですが、幾らお伺いしても、私もよく年金の問題でわからないんですけれども、たとえば障害福祉年金の場合でも、今年度百五十万二千円、来年度は百五十八万円になりますよと、こうなんですけれども、所得制限は九十万と。ここのところの何といいますか、内容の説明といいますか、これが非常に何か障害者自身にはわかりにくいらしいんですがね、これはどういうような説得といいますか、説明といいますか、なさっていらっしゃるんでしょうか。この間もたしか聞いたような気がしますけれども。
#239
○政府委員(持永和見君) 先生おっしゃいました九十万、百五十万二千円の関係でございますけれども、九十万と申しますのは所得ベース、いわゆる都道府県民税の課税対象としての所得ベースでございます。百五十万二千円というのは収入のベースでございます。粗収入と申しますか、全体の収入のベースでございます。国民年金の場合には、御承知のとおり対象が自営業者でございますとか、農業者、そういった人たちが多いために、非常に課税対象となる所得の把握について必要経費のとらえ方がいろいろ区々に変わってまいります。したがいまして、私どもといたしましては、九十万という所得ベースで周知徹底をするという方策をとっております。で、できるだけそういう形で今後とも九十万というその課税所得の対象としての所得ベース、これが限度額とのつながりで一番わかりやすいと思いますので、そういう意味で九十万というベースでの周知徹底を図っておりますが、今後ともそういう方向でまいりたいと思っております。
#240
○下村泰君 そのつまり説明ですね、PR、内容の。これがわかりにくいというんですよ。そこのところの説明というのはどういうふうに。
#241
○政府委員(持永和見君) いま申し上げましたように、国民年金の対象者の方々が非常に収入の形態が区々でございます。したがいまして、その収入――税というのは、御承知のとおり収入から必要経費を引いたものが課税対象の所得になるわけです。その課税対象の所得に対しまして何%という税率を掛けて税を出す。こういうことになっておるわけでございまして、したがって、その勤労所得などと違いまして、いま申し上げた自営業者とか農業所得の方々が非常に多いために、必要経費の算定が非常に区々でございますので、したがいまして、収入ベースで周知徹底するということについてはいろいろと誤解がおありになろうと思いますので、できるだけ所得ベースで周知徹底するということにいたします。できるだけ、この辺もう少しわかりやすく私どもの方も工夫をして、おわかりやすいような形での周知徹底をさらに図ってまいりたいと思っております。
#242
○下村泰君 それから、年金相談センターですか、三三四−三一三一というんですかね、「ミミヨリナハナシデミイミイ」と私は読んでおるんですけれども、ここにいま、私の会館の方に障害者の人に私は一人働いてもらっているんですけれども、宮内君というんですが、その彼が電話をいたしましたところがなかなかかからない。三十分以上かからなかった。かかって、いらいらしてかっときて話をしたら、これが非常に向こうがペースがお上手で、非常に懇切丁寧な説明をされたそうです。すばらしいんだそうです、この相談員が。ここはすばらしい。ところが、数が少ないために出が悪いというんですが、大臣これ何とか配慮していただけますか。
#243
○政府委員(持永和見君) 御指摘のように、三三四−三一三一というのは、私どもの高井戸の業務課の庁舎にございます年金相談センターだと思います。年金相談センターは、年金受給者が非常にふえてまいりまして、年金に関する受給者なり被保険者の方々の相談が非常にふえてまいりましたので、五十二年に設置いたしまして、現在二十四台の専用電話をつけまして、それで相談に応じております。大体、一日二千件から三千件、もうとにかく朝から夜までひっきりなしに電話がかかってくる状態でございます。
 ところが片一方、年金受給者の増加が、このところ、先生も御承知のように、一年に百万以上もふえるというような状況でございまして、そういった意味合いで、相談ケースがウナギ登りに上がっております。また、たまたま五月の時期は厚生年金の定期支払いの期月でございまして、そういった支払い問題に絡みますいろいろな相談もふえてまいりまして、大変御迷惑をかけたかと思います。私どもといたしましては、現在のその業務のあり方が、御承知のように、年金の関係の被保険者の記録あるいは受給者の記録というのはすべて高井戸の庁舎に集中いたしておりまして、そこでないと個別的な、あるいは具体的な相談ができないというような仕組みになっております。そのために、個々の被保険者の方々が社会保険事務所にお出かけになって相談されても、一々高井戸に問い合わせしなければならぬとかいうような状態でございます。したがって、そういう状態を機構的に解決しなければ、とても高井戸庁舎だけではウナギ登りに上がる相談件数をこなすことはできませんので、私どもといたしましては、五十四年度、本年度からでございますけれども、全国の社会保険事務所と、それから業務課の記録をオンラインでつなぎまして、社会保険事務所に端末機を置きまして、そこで個別的、具体的な相談ができるような体制をしきたいということで、現在準備を進めている段階でございます。したがって、これができますれば、受給者の方が社会保険事務所に行けば、そこで現在電話相談で高井戸におかけになっているような相談内容が、個々の、二百五十ぐらいですけれども、その社会保険事務所でできるというようなことで、そういう形での解決を図ってまいりたいというふうに考えております。
#244
○下村泰君 それを聞いて安心しました。実は、この年金相談センターというのは、いわゆる障害者のは受けつけないわけですね。
#245
○政府委員(持永和見君) 厚生年金、国民年金に関します年金関係の相談をすべて受け付けておりますから、国民年金なり厚生年金の障害年金関係の相談であれば、これは当然受け付けることになると思います。
#246
○下村泰君 実は、うちにいる宮内君というのがお電話を申し上げましたところが、大変懇切丁寧に説明されたそうです。本人が喜んでおりました。ただ残念なことは、なかなか出ない、あれがもしすぐに出てくれたらなおうれしかったと。ああいう人たちというのは私らと感情がまたちょっと違いますので、できるだけそういう人たちの心が安らぐようにしてやってほしいと思います。
 まだお時間はありますけれども、長くなりましたから私はこの辺で遠慮させていただきます。この次またやりますから。
#247
○委員長(対馬孝且君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#248
○委員長(対馬孝且君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト