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1978/03/29 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 文教委員会 第6号
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1978/03/29 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 文教委員会 第6号

#1
第087回国会 文教委員会 第6号
昭和五十四年三月二十九日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     宮之原貞光君
     大塚  喬君     安永 英雄君
 三月二十九日
    辞任        補欠選任
     塩見 俊二君     高平 公友君
     有田 一寿君     野末 陳平君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         望月 邦夫君
    理 事
                後藤 正夫君
                世耕 政隆君
                粕谷 照美君
                小巻 敏雄君
    委 員
                亀井 久興君
                山東 昭子君
                高橋 誉冨君
                高平 公友君
                増田  盛君
                久保  亘君
                松前 達郎君
                柏原 ヤス君
                白木義一郎君
                田渕 哲也君
                有田 一寿君
                野末 陳平君
   国務大臣
       文 部 大 臣  内藤誉三郎君
   政府委員
       文部大臣官房長  宮地 貫一君
       文部省初等中等
       教育局長     諸澤 正道君
       文部省大学局長  佐野文一郎君
       文部省学術国際
       局長       篠澤 公平君
       文部省社会教育
       局長       望月哲太郎君
       文部省管理局長  三角 哲生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
   説明員
       厚生省医務局医
       事課長      内藤  洌君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(望月邦夫君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、前回の委員会で趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○松前達郎君 国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案でございますが、これに関連してお伺いしたいことが若干ございますので、お伺いいたしたいと思います。
 学術局長まだ、順序が変わったんで、お見えになっていないようですが、その分は後にしておきたいと思います。
 最初にお伺いしたいのは、国・公立の大学の学部、学科の新設の場合の手続というのが、私自身は私学の方は十分知っておりますが、国・公立の場合よくわからないものですから、その辺ちょっと順序を追って御説明いただけたらと思います。
#4
○政府委員(佐野文一郎君) 公立大学の場合には、私立の場合と同じように、法律上の対応は文部大臣の認可を得て、学部、学科をつくるわけでございます。ただ、二年次審査という私立大学について適用している方法をとらないで、一年で審査をしているというところが違うわけでございます。それから、国立大学の場合には、すでに五十年の高等教育懇談会の報告が出ておりまして、これからの高等教育の整備の基本的な考え方というものが明らかにされておりますが、そういった方向を考えながら、各大学において、それぞれの大学の将来の整備についての計画と申しますか、構想と申しますか、それを長期的な展望のもとに御検討をいただきたいということを、ここ三年来各大学にはお願いをしております。そういったことを各大学においてお考えをいただいておりますけれども、それに基づいて各大学はそれぞれ学内において検討をされて、学部なり、学科なりについての新設の、大学としての考え方を取りまとめて、毎年七月に文部省の方に大学としての要求を御説明いただくわけでございます。それを十分にわれわれは伺った上で、今度は文部省としてどういう概算要求をするかということを固めていくわけでございます。その場合には、いま申しました懇談会の報告の趣旨によりまして、地方における国立大学の整備ということに重点を置き、そして現在のブロック間の収容力の格差であるとか、あるいは専門分野の不均衡の是正というようなことを考えながら、それぞれの大学の計画について私の方で検討さしていただく、そういう手続をとっております。
#5
○松前達郎君 そうしますと、文部省にその整備に関しての計画が上がってきた後は、文部省としてはもうそれに基づいてたちどころに概算要求してしまうんですか。それとも、その内容について適当であるのか、あるいはもっとこうしたらいいとか、いろいろな問題があると思うんで、そういうことを検討されるんですか、どうですか。
#6
○政府委員(佐野文一郎君) まず、各大学の長期的な整備の計画というのは、それはそれぞれの大学の御構想でございますし、わが国の大学が全体としてどういうような方向を志向されているのかということを、私の方でもあらかじめ十分に承知をしておいて、具体的な整備の計画を立てる場合の参考にしたいということが一つございます。大学のお考えになった計画を、直ちにわが方が概算要求をするということではもちろんございません。それぞれの年度において、具体的な大学の要求が出てまいりますから、その要求について私の方は十分に内容について検討をし、大学側の意見も聞いて、適切と思われるものについては、それを具体化するための努力をするということになります。もちろん、大きなプロジェクトでございますと、七月に文部省に要求が出てまいる前の段階から、事実上は大学側とその構想について協議をする、そういう手続を踏みます。
#7
○松前達郎君 そうしますと、まあ協議して検討するということはわかりますが、諮問機関みたいなものを別に置いてはございませんか、学識経験者その他を含めた。そういうので検討するということはないわけですか。
#8
○政府委員(佐野文一郎君) 大学設置審議会という機関が文部省にはございます。もちろんこれは公立と私立についての認可についての諮問機関ということではございますけれども、国立についても事実上この設置審議会に意見を伺って対応しております。したがって、私どもが概算要求をするということにつきましては、概算要求を大蔵省に提出をした後の段階になりますけれども、大学設置審議会にいわば予備的な審査をお願いをする、そして慎重な手続をもってその後の進め方を考えるということにいたしております。
#9
○松前達郎君 大蔵に出した後やられるということですね。事前に、こういうたとえば学部、学科の設置が果たして今後の日本の教育体制全体の中で、非常に前向きに考えて適当であるかどうかという事前の検討というのは、じゃ、ほとんどやられてないのが現状ですか。てれとも、以前からそういうことに関連して意見を聴取しながら判断をしていくのか、その点はいかがでしょうか。
#10
○政府委員(佐野文一郎君) 基本的な整備の方向というのは、先ほども申し上げましたように、五十一年三月の高等教育懇談会で、これからの高等教育の計画的な整備についてのお考えが示されておりますし、また、この五十一年三月の報告は、具体的には五十一年から五十五年までの期間についての整備すべき高等教育の規模の目途等を示されたものでございますけれども、五十六年以降の整備の方向というものについては、現在大学設置審議会の計画分科会で御検討をやはりいただいているわけでございます。そうした全体的な整備の方向というものについては、かつては高等教育懇談会、現在は大学設置審議会の関係分科会での御審議というものがあるわけでございます。そのほかに、たとえば現在非常に問題になっております各国立大学における人文社会系の学部の整備、これは法文学部の改組等を中心として各大学に人文社会系の学部を設けたいという意向がかなり多くあるわけでございますが、こういったものについては、それにどのように対応をしていくかという点については、別途やはり大学設置審議会の関係専門委員会の先生方等と、いわば懇談をすると申しますか、協議をして御教示を賜る、そういう機会を設けることを考えているわけでございます。
#11
○松前達郎君 それでは、この法案についてちょっとわかりにくい面といいますか、まだ私自身も内容をよく承知してない面がございますので、それについてひとつ御説明をいただきたいと思うんですが、まず最初に図書館情報大学、この図書館情報大学の新設ということが述べられておるわけですが、この内容について御説明いただきたいと思うんです。たとえば、学部ですとか、一体その中にどういうふうなカリキュラムを盛り込んで、どういう目的で、まあ目的は大体わかっておりますが、設置しようとするのか。その点、短大からの昇格という意味もあるかもしれませんけれども、その点御説明いただきたいと思います。
#12
○政府委員(佐野文一郎君) この図書館情報大学は、いま御指摘のように、現在世田谷にございます図書館短期大学を、筑波学園都市へ移転することを契機として構想されたものでございます。現在の社会における情報化の進展に伴いまして、情報センターとしての図書館の果たすべき役割りなり、機能なりが、非常に高度かつ複雑なものになってきておりますし、扱う情報の質も、量も、あるいはサービスの面でもこれが非常に高度になってきていると。こういった要請に対応をして、図書館その他各種情報資料センターにおける基幹的な専門職員の養成、さらに図書館情報学に関する理論的、実証的な研究の推進、そうしたことを目的としてこの大学はできるわけでございます。学部につきましては図書館情報学部を設け、そこに図書館情報学科を置く。学生の入学定員は一年に百二十名、別に図書館情報学部の専攻科を設けて、そこに学生を三十名入れる。付属施設としては、もちろん付属図書館を設ける。そのほか各種の外国語教育センター等のセンターを置くと。さらに大学開放事業として、現職の図書館職員を対象として長期、短期の研修、講習会を開いたり、あるいは一般社会人を対象として公開講座、講演会等を開設をしたり、あるいは付属図書館についても図書館開放事業として大学開放フロアーを付設するというような、従来の図書館短大とはかなり異なった、積極的な構想で進めているものでございます。
    ―――――――――――――
#13
○委員長(望月邦夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、塩見俊二君が委員を辞任され、その補欠として高平公友君が選任されました。
    ―――――――――――――
#14
○松前達郎君 大体内容はわかりましたけれども、そうしますとこの図書館情報大学を出た学生、卒業生ですね、これが専門職員としての知識なり、技能――技能と言っていいかどうかわかりませんが、そういうものを身につけることができると思うんですが、これは何か資格がございますね、図書館の。その資格問題はどうなっていますか、この大学出た後。
#15
○政府委員(佐野文一郎君) 公共図書館について御案内の司書の資格が要求されるわけでございますが、この大学を出た場合には、もちろん公共図書館の司書の資格は付与されるわけでございます。
#16
○松前達郎君 いまこの大学については学部が一つで、学科が一つということですから、これは短大の延長みたいな、四年制の大学に切り上げたという感じがしないでもないんですが、たとえばほかの大学で、学部の中にこういった学科を置く場合、これはいまそういうことはないでしょうけれども、置くと仮定すると、この学科をどこに所属させるのか、文学部の中に置くのか、あるいはどこに置くのかよくわかりませんが、もしかその学科を置くに適当な学部があれば、学科としてこれを設置されても一向差し支えない内容のものであるかどうか、その辺ちょっとお伺いしたいと思います。
#17
○政府委員(佐野文一郎君) 現在でも慶応大学の文学部の中に、こうした図書館情報に関する学科がございますから、大学の文学部の中に学科を置いて対応するということは、必ずしも不可能ではないかもしれませんけれども、この図書館情報大学で構想しているような形で、十分な新しい図書館情報学についての人材養成と研究教育の推進を図っていくというところまで、学科で十分対応できるかどうかの問題はあると思います。
#18
○松前達郎君 最近ではどうも図書館のそういった専門職の養成というのは非常に重要な時代に入ったと言われておるわけなんですが、そういう意味では、大学として独立するのは私決して反対ではなくて、大いに結構なことだと思うんです。その付属の図書館とか、その他いろいろ設備が要るんじゃないか。たとえば図書館だけじゃなくて、フィルムですとか、あるいはレコードですとか、その他視聴覚を含めた図書に準ずるものですね、そういうものの扱いから何から全部含めて、恐らくこれはやられるんだろうと私は思っておるわけなんで、その点ひとつ幅広い内容を持った大学に仕立て上げていただきたい、かように思うんです。
 それから次に、これは広島大学の「水畜産学部」を「生物生産学部」に変更すると。名前を呼びかえるという、これは名称変更だけですか。
#19
○政府委員(佐野文一郎君) これは単なる名称変更ではございません。もともとこの水畜産学部につきましては、四十一年度に食品工業化学という学科を設けております。したがって、その時点ですでに水畜産学部の名称が必ずしもふさわしいものでなくなってきたということはございます。しかしながら、今回の趣旨は水産学科、畜産学科、食品工業化学科という三つの学科の壁を払いまして、これを生物生産学科として、その中に水産系、畜産系、食品系の三つのコースを設ける。そしてそれによって、生物生産のメカニズムを解明をしようということでございます。何と申しますか、単なる栽培漁業学というようなことではなくて、もっと生物生産の観点から、より積極的に食物の連鎖の問題等を研究をしよう。そして水畜産の生産性を高め、学科を超えた体制のもとに、いま申しましたような生物生産のメカニズムの解明ということを進めようという趣旨でございます。私どもは単なる名称変更という.ことではなくて、従来から名称に問題があったことは事実でございますけれども、より積極的に新しいこうした生物生産の教育研究の要請にこたえようというものとして構想したものでございます。
#20
○松前達郎君 名称変更でないということなんですが、名称変更は私幾らしたって構わないと思うんで、「水畜産学部」というのは余り聞きなれない名前であるには違いないんですが、それを「生物生産学部」という、名前が適当でないから変えるというだけでも一つの理由があるんじゃないか。往々にしていままで私自身も経験したんですが、新しい名前というとなかなか抵抗があって、各方面から非常に攻撃を受けたわけですが、そういう面からいけばこういう新しい名称がどんどん出てきて、しかもふさわしい内容のものになっていくというのは、非常に結構なことだと私は思うんです。
 それから琉球大学なんですが、この琉球大学の「保健学部」ですね、これは廃止になってしまうわけですね。
#21
○政府委員(佐野文一郎君) 現在の「保健学部」は「医学部」が設置されますと、五十六年の四月に廃止になりまして、「保健学部」の保健学科が「医学部」の保健学科になるということでございます。
#22
○松前達郎君 そうしますと、「医学部」は医学科と保健学科と、この二つの学科になるわけですか。
#23
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおりでございます。
#24
○松前達郎君 わかりました。
 さて、そこでちょっと私の方でも何か納得できないというか、ちょっと不可解な面があと二つほどあるんですが、その一つは熊本大学の「法文学部」を「文学部」と「法学部」に分けようという問題ですね。これもただ単に法文と二つの字でくっついているやつを二つに分けるんだという、そういうことだけであるのか、あるいは文学部、法学部がそれぞれ違う内容を持っているから、それを分けて、それぞれ独立体として強化充実を図ろうというのか、その趣旨ですね、その辺がちょっとよくわからないので、その点をお聞かせいただきたいと思います。
#25
○政府委員(佐野文一郎君) 確かに御指摘のように、いわゆる旧制の高等学校等を母体として、昭和二十四年に文理学部であるとか、あるいは法文学部であるとか、そういった複合学部がスタートをしているわけでございます。それはそれぞれ複合学部として整備をしていくということが考えられてスタートしたものではございますけれども、その内容としては、やはり法学科、哲学科、史学科、文学科の四学科が設けられておりますので、それぞれの専門教育とともに、全学的に人文社会系の一般教育を担当しようという趣旨であったわけでございます。その後逐次法学科、文学科等について専門分野の整備が行われておりますし、さらに三十九年には教養部が独立の部局として設けられて、一般教育の担当をするというような情勢になっております。最近に至って、総合大学としての均衡のある発展を図る、さらには地域における高等教育の機会の拡大を図る、そういった観点から、熊本大学の人文社会系の分野の拡充が非常に強く要請されるに至っております。そういう趣旨で、法文学部の拡充整備が重要な課題となりまして、これまで大学で学部等改革調査経費を配分をして、具体的な検討をお願いをしてきたわけでございますけれども、その検討の結果を待って、今般「法文学部」を「法学部」と「文学部」に改組をして、さらに整備をする、そういう方法をとったものでございます。
#26
○松前達郎君 そうしますと、琉球大学の「理工学部」をまた「理学部」、「工学部」に分離しようという、そういう法律案なんですが、これについてはやはり同じようなことなんですか、それとも二つに分けた方が定員もふやせるし、予算もとれるということでやっておられるのかどうか、その辺お伺いしたいと思うんですが。
#27
○政府委員(佐野文一郎君) 琉大の「理工学部」は、沖繩の復帰前におけるいわゆる琉球政府立の琉球大学の「理工学部」、これは四十二年に設置されておりますが、それを母体として、四十七年度の国立移転とともに設置をしたものでございます。その後やはり逐次拡充整備されまして、現在理学系が五学科、工学系が四学科、計九学科の規模にまでなっております。これらの整備によりまして、それぞれ学部としての機能的な運営を確保することができる、そういう状態になりましたし、またその方がより適当であろうという判断をしたわけでございます。そこで、分離いたしまして「理学部」と「工学部」を設置をするということを考えたわけですが、理学と工学との有機的な連携関係というのは、そもそも「理工学部」をつくっている趣旨の一つになっているわけでございますけれども、そうした有機的な連携関係の確保という点については、これまでどおり両学部の間で維持をする、そして「理学部」と「工学部」が協力をして、特色のある教育研究が行われるような配慮をしていこう、これは大学側もそう考えておりますし、私どもも今回の分離に伴って、そういう配慮を十分にしていくということを考えておるわけでございます。
#28
○松前達郎君 その辺がちょっと、琉球大学の例で言うと、確かにこれはいろんないきさつがあったようでございますけれども、いわゆる複合学部と複合でない一つの学部との問題というのは、非常にこれから重要になってくるんじゃないかと思うんです。というのは、特に理工関係、これは境目がないわけですから、往々にして大学などは、こういう学部が独立すると、人の学部のことなんか全然構わなくなって、新しい研究開発に壁ができてしまって、かえって阻害をされる、こういう傾向が、大学の先生に、そういう人全部じゃないんですが、非常に多いと私は思っておるわけです。そういう面から言って、分けるということが行政的な面でいろいろな背景から分けざるを得ない。そういうときにはまた別なんですが、最近の傾向からいくと、わざわざ分ける必要もなかろうという反面もあるんじゃないか、かように思っておるわけなんですが、最近学問あるいは研究、さらに応用分野、こういう分野で非常にインターディシプリナリーといいますか、学際的な面が非常に多くなってきつつあるのが現状なんですが、そういう問題をじゃ今度大学の中で今後どういう方向に行政として推進していこうとするのか、何かそういう問題で非常に漠然たる質問ですが、文部省として考えておられることがあれば、その辺をひとつ御説明いただきたいと思います。
#29
○政府委員(篠澤公平君) ただいまの御質問につきましては、学問研究分野、大学の場合には基礎研究を中心としておりますことは申し上げるまでもないことでございます。しかしながら、さらに応用研究、あるいは開発研究という段階まで研究者の意欲もございますので、特に国民生活に深いかかわりのある、たとえばエネルギーの問題であるとか、その他そういったたぐいのものにつきましては、積極的にやはり応用研究、あるいは開発研究の方まで志向した研究をむしろ援助すべきである、こういうふうにも考えるわけでございます。そういうことで重要基礎研究につきましては、先生御案内のとおりだと思いますが、核融合であるとか、あるいは宇宙科学だとか、海洋、地震、噴火、生命科学等につきまして、それぞれ相当額の予算を計上いたしまして執行いたしておるわけでございます。
#30
○松前達郎君 特にいまおっしゃったのが大体工学――もちろん工学は研究応用の分野ですから、そういうふうな点でいろいろと学際的領域問題が出てくるんだと思うんですけれども、それと学部の分離ですね、これちょっと無理やりにこじつけているわけでもないんで、やはりこれから理工系の学部というものの分け方について、たとえば学部の中の学科を分けるのと、それから学部を二つに分けるのとでは、分ける大きさ、単位は違うかもしれないけれども、学問的な一つの、あるいは研究の分野での筋からいきますと、そう大して大きな分類じゃないと私は思っておるんです。そういう面で、たとえばこの中を見ましても、総合科学部なんという学部もありますし、いろいろ新しい呼び名の学部がどんどん出てきている。工学の中を分類すれば、生産系とエネルギー系と情報系の三つに分かれるんだろうと私思うのですが、そういう分け方もあるんじゃないか。ですから、旧態依然たる呼び名を固執して、ただ、それをいじくって分けたりしないで、何かもうちょっと新しいやり方がないもんかと、そういうふうに私は思っておるわけなんで、その点も今後検討していただければ大変幸いだと私は思っております。
 それともう一つ医科大学ですが、「旭川医科大学」に大学院を設置するというのがたしか入っておると思うんですが、旭川医科大学は、これは完成年次になりましたですか。
#31
○政府委員(佐野文一郎君) 旭川医科大学は四十八年に設置をしておりますので、五十四年度から第一回の卒業生が出るわけでございます。そこで大学院の医学研究科を設置をしようということでございます。
#32
○松前達郎君 そこで、この医学の大学院についても、先ほど申し上げたような学際的というか、必ずしも医学部そのものの延長としての大学院ではなくて、医学が取り扱う領域すべてを含めた、たとえば医療工学なんかも含めて、そういう問題までやっていくような大学院というものが考えられている。前にちょっとお伺いしたこともあるんですが、その点、その計画は現在どうなっておりますでしょうか、そういう大学院の設置に関しては。
#33
○政府委員(佐野文一郎君) いわゆる医学部の上に置かれております医学の研究科、博士課程におきましても、現在医学部以外の出身者がかなりたくさん入ってくるようになっておりますし、主として基礎医学の分野の教育研究に従事をしているわけでございます。しかしそれとは別途に、先生のいま御指摘の点は、恐らく医学の修士の課程のことであろうかと思います。五十四年度から筑波大学と大阪大学に修士の課程を設けまして、いわゆる他の学部の出身者というものを受け入れる。非常にいま医学あるいは医療というものが、他の関連領域を含めた広いものになってきておりますので、工学であるとか、あるいは物理学であるとか、生物学であるとか、そういった分野の出身者という者を受け入れて、それについて十分な医学部の基礎を持った大学が、それを生かしながら医学の基礎的な教育を行う。それによって、主として基礎医学の分野の教育研究者の養成を図ったり、あるいはそうした関連領域へ進出する者を養成をしたり、そういったことを考えようということで現在お願いをしているわけでございます。
#34
○松前達郎君 わかりました。
 それでは最後に、そういういま申し上げたようなその法律案の中での新設等で、定員が千九百六十四名ですか、増加になるはずだと思うんですが、この定員で、いわゆる大学、あるいはその他の機関に対する運営といいますか、これを賄おうというのが、スタンダードの基準というのがあろうと思いますけれども、それに見合っている数字であろうかどうか。見合っている数字であれば、もうそれで結構なわけでございますが、その点をお伺いいたします。
#35
○政府委員(佐野文一郎君) もちろん各大学と十分に御相談をしまして、現在率直に申し上げまして、定員事情というのは非常に窮屈でございますけれども、その窮屈の中でできるだけの工夫をいたしまして、大学側の教育研究の要請に対応できるような配慮をしていくつもりでございます。
#36
○松前達郎君 もう一つだけ残っておりましたが、医療技術短大ですね。これについてちょっとお伺いしておきたいんですが、現在医療技術短大の中で、二年のコースと、三年のコースというのが分かれているのがあるわけなんですね。これは看護婦の資格が違うわけです、二年と三年では。その場合、最近ではどうもほとんどの看護婦志願者というのが高いレベルの資格をとりたい、そういう傾向にあるんじゃないかと私は思うんで、その辺の傾向はお調べになっておりますでしょうか。これは前に申し上げてなかったかと思いますが。
#37
○政府委員(佐野文一郎君) 国立の医療技術短大、いままで十三つくってきているわけでございますが、これはすべて三年の課程でつくっております。御指摘のように、看護婦の養成について、従来いわゆる各種学校、現在で言えば専修学校で履修をしてきた者について、それを短大のレベルで養成をすべきであるという要請が非常に強くなっていることは事実でございますし、またその場合に、二年の課程ということではなくて、もちろん短大の場合には三年ということで対応をしなければならないような状況にあるわけでございます。
 国立の医療技術短大の看護学科について見ますと、昭和四十九年度当時に比べまして、昭和五十三年度の入学定員は三倍にふえているわけでございますけれども、その志願者の倍率は、四十九年当時二・〇倍であったものが、現在は二・六倍というような伸びを示しております。入学定員がふえても、さらにそれを上回る志願者が来ているということがございますので、やはり医療技術短大の三年の課程で勉強をしたいという要請は強いという判断をしております。
#38
○松前達郎君 私学の場合もそういう傾向が確かにあるんじゃないかと私は思うんですが、これはだんだんレベルの高い内容を持つものへ志向していくんだと、こういうふうに考えていいんじゃないかと思うので、四年制の大学に進みたいという者も大分この中から出てきているのが現状だと私は思うんです。その辺の、大学への進学の道ですね、そういうものについても非常にニーズが将来大きくなってくるんじゃないかと思うものですから、その点ひとつ今後御検討いただければというふうに、これは要望ですが、お願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#39
○粕谷照美君 厚生省の方に来ていただいておりますから、最初に岡山、長崎両大学に歯学部ができる問題点と、それから歯科医養成のことに関連して質問をいたします。
 大臣のところにもこういう要望書が行っておりますでしょうか。昨年の九月の十五日、日本歯科医師会から要望書というものがありまして、それは一体どういうことを言っているかといいますと、昭和四十年前後からこの十年余りの間に二十もの歯科大学が設立をされた。非常に歯科医の数がよけいだ。よけいになり過ぎたものですから、開業医が非常に無用の混乱を起こしている。そういう状況をつくり出したのは文部省の責任だと、こう言い切っているわけですね。それで、以後、歯科大学または大学歯学部の設立は絶対反対であると。今後「歯科大学および大学歯学部の新設ならびに入学定員の増加はすべて中止せよ。」「大学設置審議会等において歯科に関係ある場合は本会の意見を徴するよう措置せよ。」こういう非常に厳しい要望書が出ておりますけれども、大臣、これは御存じですか。
#40
○国務大臣(内藤誉三郎君) 要望書の趣旨はよく存じ上げております。
#41
○粕谷照美君 ところが日本歯科医師会が出しました「歯科医療問題の展望」というこの本、「その1」の二百三十七ページに、日本歯科医師会がマスコミに掲載した意見広告があるわけですね。そのところにどういうことを書いているかといいますと、わずかその三年前、五十年の二月に出した意見広告なんですけれども、「歯科医師が足りない」、こう言っているんですね。時間がありませんから全部を読みませんけれども、とにかく「厚生省の統計によりますと、ムシ歯のある人は全人口の九六%」、一億のうちの九六%が虫歯を持っていると、こういうわけですね。「一人平均七本以上です。じつに八億本ものムシ歯があることになります。」と、こう言っているんですね。「そのほか歯そう膿漏などの病気を含めますと、日本人のほとんどは歯科の潜在患者です。」だから、歯科医師にとっては大変なお客がいるということに私はなろうかと思います。「ところが、日本の歯科医師は人口の割には、欧米にくらべて大へん少なく、また歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士なども全く不足しています。」と。三年間の間に、多過ぎるというのと絶対不足しているという、こういう混乱した歯科医師会の統計というものは、私、どちらを信じていいのかわからないんですよ。それで厚生省の方にお伺いをしたいわけなんです。
 まず、日本の人口に比して、歯科医師というのは一体どのくらいいるのでしょうか。
#42
○説明員(内藤洌君) 昭和五十二年末の数字で申し上げますが、私どもの推計いたしましたところによりますと、歯科医師は全国で四万九千人いると見込まれております。これは人口に対比いたしますと、人口十万対四十三人ということになっております。
#43
○粕谷照美君 なぜ推計という言葉を使うのかというのが一つの問題点、それから四十三人というのは、大体人口このくらいに対してこのくらいいたらいいなという、そういう厚生省の考え方からすれば多いのか少ないのか、その辺はどうでしょうか。
#44
○説明員(内藤洌君) 推計という言葉を申し上げましたが、これは毎年末に全国の歯科医師から届け出がございますが、その届け出数を基礎にいたしまして――若干届け出漏れがありますものですから、それを補正いたしまして推計した数字でございます。
 また、歯科医師の必要数でございますけれども、厚生省といたしまして考えておりますのは、当面の目標といたしましては、昭和六十年に人口十万対にいたしまして歯科医師五十人という数を考えておるわけでございます。
#45
○粕谷照美君 それでは、この日本歯科医師会の資料によりますと、こういうことを言っているんですね。昭和六十年には人口十万人当たり五十六・一人、歯科医師一名当たり人口千七百八十二人になるだろうと。ところが、厚生省の歯科衛生課の試算によると、六十年には五万六千五百六人、人口十万人当たり四十六・八人と低く予測されている。つまり日歯の推計と厚生省の推計では、人口十万当たりの人数が違うんですね。この違いは一体どこから出てくるんですか。
#46
○説明員(内藤洌君) 私が先ほど申し上げました未届けの数を若干補正いたしました推計によりますと、昭和六十年の推計ではおおむね人口十万対にいたしまして五十六前後に達するのではないかというふうに見込んでおるわけでございます。
#47
○粕谷照美君 そうしますと、日歯と同じなんですか。
#48
○説明員(内藤洌君) 先生が先ほどお示しになりました数字でございますと、おおむね私どもの推計と一致していると考えます。
#49
○粕谷照美君 この日歯の言う、書いてある本はじゃ推計が違っているわけですね。厚生省の推計ではこうなる、われわれの推計ではこうなると言いまして、その間に違いが出ているんですよね。その違いはどこにあるのかと私は質問しているんですけれども、明確に答えていません。この「歯科医療問題の展望」、日本歯科医師会の書いているところによれば、なぜその違いが出るかというところは、「両者の差は厚生省は歯科大学の公称入学定員をそのまま計算の基礎に採用しているのに対し、前記の研究では入学時定員超過を五八%見込んでいる点に原因があろう。」と、こういうふうに言っているんです。医者の大学における定員をオーバーして入っているのと、そのままのものとを計算しているというところの違いが出てくるんであると、私はそれは当然の話だと思いますけれども、厚生省はその辺はどうお考えになりますか。
#50
○説明員(内藤洌君) 厚生省で公表しております推計数は、先ほど私が申し上げましたような推計の方法をとりまして、昭和六十年の必要数、あるいは当面の目標数というような形のものと、それから現在の入学定員とを基礎にいたしまして推計をいたしました数字というものを考えておるわけでございます。その推計数は先ほど申し上げましたように、人口十万対にいたしましておおむね五十六前後になるのではないかと考えております。ただ、これは国家試験の受験者数、あるいは試験の合格率等まだ不確定の要素がございますので、かなり大まかな推計ではございますが、私どもが一般に公表しております推計数はただいま申し上げましたような数字でございます。
#51
○粕谷照美君 そうしますと諸外国を見てみますと、十万人当たりでスウェーデンでは八十人、デンマークでは六十八人、英国では五十人、西ドイツでは五十二人、フランスでは三十九人と、こういう数字になっていますから、日本は大体世界的なレベルに達したと、こういうふうな数字で言えばあろうかと思いますけれども、歯科医師はじゃもうこれ以上ふやさなくてもいいと厚生省としては考えていらっしゃるんですか、どうですか。
#52
○説明員(内藤洌君) 昭和六十年におきまして、人口十万対五十人の歯科医師を確保したいということは、これはいわば当面の目標でございまして、現在の入学定員等からいたしますと、六十年を待たずにその当面の目標は達成できるというふうに見込まれておりますが、一般的に歯科医師の必要数そのものにつきましては、地域的に不足しているところ等もございますし、地域的な分布状況等もさらに考慮する必要があるわけでございます。したがいまして、当面はいろいろな角度から歯科医師の充足状況というものをさらに見守っていく必要があるかと考えております。
#53
○粕谷照美君 大変慎重な言い回しで、見守っていく必要があると言いましても、ちょっと問題点が大き過ぎるように思いますが、大体厚生省の考え方がわかりましたからその点では結構でございます。
 じゃ、文部省にお伺いいたしますけれども、日本歯科医師会がこの本の中に書いているところによれば、やっぱりその入学時定員超過を公然と認めて書いているわけですね。ここのところで一つお伺いをしたいのですけれども、文部省としては厚生省が大体もうこれ以上歯医者をふやす必要はないというふうに考えているというふうに判断をしているのか、でもまだやっぱり医者はつくっていかなければならない。特に国の責任でりっぱな医者をつくっていかなければならないというふうに判断をされてやっていらしたのか、その辺をお伺いいたします。
#54
○政府委員(佐野文一郎君) 人口十万人当たり五十人という、いわば目標の数値というのは、いま厚生省からもお答えを申し上げましたように、五十年を待たずに達成をされるという状況にございます。私どもは、御指摘の国立大学における歯学部のシェアというものが、医学部に対比をいたしましても、これは歴史的な経緯があるわけでございますが、従来かなり少ない、小さい、もう少し積極的に歯科医師の養成において、国の責任を考えて対応すべきであるということも十分に理解をいたしまして、四十八年以降、特に必要と認められる地域について、逐次歯学部の設置を進めてまいりましたし、また、当初四十名の入学定員でスタートをした歯学部について、それを入学定員八―十名に増員をするというような措置も講じてきたわけでございます。それによって、現在国立大学の歯学部が全体の中に占めているシェアも、当初に比べるとかなりふえているわけでございます。
 今年度お願いをいたしております岡山、長崎の両歯学部を創設をいたしました後の問題でございますが、現在創設準備を行っているところはどこもございません。これでいわば一つ区切りがついた形になっております。歯学部の設置を今後全く考えないとここで申し上げることは適切ではございませんと思いますけれども、また今後とも歯学部を設置をしていくのかと言われることについて、この時点で積極的にお答えをすることもできないわけでございます。五十人の目標数値が達成できるという状態でございますので、今後の歯学部の設置ということについては、国立大学の中にも五つないし六つの大学でなお歯学部をつくりたいという要請をしているところもございますけれども、これらにどのように対応していくかについては、関係の省庁とも十分に御相談をしながら、また歯科医師会の御意見も伺いながら、慎重に対応していかなければならないと考えております。
#55
○粕谷照美君 私、局長のおっしゃることよくわかりますけれども、私自身はもつとつくっていくべきだという考え方を持っているんです。
 先ほどからの定員オーバーの問題なんですけれども、私のところにこういう手紙が来ているんですよ。某大学の先生なんですけれども、定員オーバーを見逃しているのは文部省の責任だと。特に、大学設置審議会特別委員会の会長の大学において、しかもその会長が某大学の、やっぱり歯科大学の理事もしていらっしゃるんですけれども、そこにおいても物すごい定員オーバーをやっているじゃないかと。そして、そういうところでは定員を増加をしていくということは、自分が設置審の会長をやっているわけですから、どんどんどんどんふやしていくことができるという投書になっているんです。私もその人数を見てみました、文部省から資料をいただきましてね。その会長さんの学校はどうであろうかと、こう思いましてね。確かに大幅に上がっているんですよね。問題がない大学ならいいんですよ。裏口入学の話だとか、いろんなことが入ってきますと、私たちは、やっぱりいい大学をつくっていきたい、それと同時にやっぱり国立においても、あんなお金を出さないでも済むような、ぜひ歯医者になりたいという生徒を入れるような条件をつくってほしいと、こういう気持ちを持っているものですから、文部省は定員オーバーに対してどのような厳しい指導をされ、今後対処をされていこうとするのかお伺いしたいと思います。
#56
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおり、私立の歯学部の場合に、入学定員超過の状況があることは事実でございます。ただ、その状態が最近著しく改善をされてきていると考えております。一番ひどかった時点が四十六年度でございまして、このときには一・八倍弱というような全体としての定員超過率でございましたけれども、これが五十年度には一・五倍弱に是正をされました。先ほど御指摘の、恐らく数字を積算する場合の基礎になった数字というのは、このときの一・五倍というのが前提になっていると思いますけれども、その後五十三年度の入学状況で見ますと、入学定員二千四百名に対して、入学者は二千六百二十七名、一・〇九倍、一・一倍を割るというような状況まで来ております。歯科大学は、もちろん文部省も非常に厳しく言っておりますけれども、歯科大学協会においても、入学定員超過の状況を是正をしようということで、自主的な努力もされております。今後とも定員を厳守をするということについて、各大学に対して強く要請をしてまいりたいと考えております。
#57
○粕谷照美君 その文部省の態度はよく了解をいたしました。歯科大学のまたみずからの姿勢も大変私は高く評価をしていきたいと思います。
 それで、先ほどからどうも、大体十万人に五十人いれば十分ではないかと、こういうことのニュアンスがあるわけなんですけれども、本当に歯科医が余っているんだろうかということになれば、地域的なアンバランスが物すごいわけですね。これはどなたも認めることだと思いますけれども。
 厚生省にお伺いいたしますけれども、保健所法が昭和二十二年に改正をされまして、歯科衛生に関する事項が加わっているはずですね。全国に常勤の歯科医というのは一体どのくらいおりますでしょうか。あわせて、歯科衛生士というのはどのくらいおりますでしょうか。
#58
○説明員(内藤洌君) 五十二年末の数字でございますが、全国の保健所に勤務をいたします常勤の歯科医師は五十一名でございます。また歯科衛生士は二百十四名でございます。
#59
○粕谷照美君 数字だけ言ってくださったってだめですね。保健所が大体どのくらいあってどうだとか、こういうふうにしていただかないと、数字だけ言えば、ああなるほどたくさんいるなと、こう思うでしょう。ちょっと答えが足りないんじゃないですか。
#60
○説明員(内藤洌君) 失礼いたしました。
 全国の保護所は八百六十一カ所でございます。そのうち歯科医師につきましては五十一カ所、歯科衛生士については二百十四カ所に配置されておるわけでございます。
#61
○粕谷照美君 よくわかりました。
 そうしますと、歯科衛生士でも四分の一というものしか配置をされていない。なぜここのところに配置をされていないのかという理由が一つと、一体、そこでやるべき仕事というものはだれが請負ってやっているんでしょうか。
#62
○説明員(内藤洌君) 常勤の歯科医師が配置されておりません保健所におきましては、地域の歯科医師会の協力を得まして非常勤の形で協力を得る場合、あるいは歯科医師会そのものに協力を依頼しまして、その協力体制によりまして業務を処理する場合と両方ございます。
#63
○粕谷照美君 そうしますと、保健所法が改正されても、その機能は十分に行われていなくて、それを補うものは歯科医師の皆さんの積極的な協力によってなされているということになっているんだろうと思います。私は、この辺のところにも歯科医が十分であるということにはなっていないのではないかという気持ちが一つと、今度文部省の予算の中で歯の巡回のための車を入れるというのが入っていたように思いますが、どうでしょう。
#64
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の予算が入っていたと私も思いますが、いま手元に資料がございませんので追って御返事を申し上げます。
#65
○粕谷照美君 私は大変うれしいことだと思うんですけれども、車は配車されましたけれども一体だれが乗っていくのか、どのような形で指導されるのかという、そういう展望もこれからうんとつくっていかなければならない、こんなことを考えますと、それにふさわしいような歯科医を育てていく教育というのも非常に大事なことのように思いますけれども、ぜひ地域的な偏在をなくしていくように、それから全人口の九六%も虫歯を持っていて、八億本もの歯を治療しなければならないような条件のところには、もう少しきめ細やかな歯科医の養成というものが必要になるのではないかと、こう思いますので、ぜひ文部大臣といたしましても、この辺のところに御留意をいただいて、歯科医養成をやっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御趣旨まことに賛成でございます。
#67
○粕谷照美君 それで、その次ですが、ちょっとこの法律そのものとは直接の関係ありませんけれども、無医大県が解消されたという問題点とあわせまして、この公立と私立を入れて全部無医大県が解消されているわけなんですがね。私のいただきました、予算委員会で出していただきましたその資料を見ますと、人口十万人当たりの医師数で言えば、千葉県などは八十・七人しかおりませんし、埼玉県なんか七十・三人ぐらいしかいない。すごい医師不足なんですよね。そして埼玉県知事の畑知事なんかも、ぜひ埼玉県に医大を置きたいということで、文部省に何回も何回もお話をしているはずなんですよね。もうこれで解消されたからいいんですという態度なのか、まだこれからもいろいろとそれぞれの地域と話し合って考えていきましょうという態度なのか、その辺は大学局長いかがですか。
#68
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、埼玉県のような人口急増地域の県では、全国平均に比べて医師数が少ないという状況がございます。あるいは北海道の道東地区のように、それよりもさらにその地域についてとれば医師数が少ないというようなところはございますし、無医大県解消計画が終わっても、たとえば無国立医大県の解消をやれというような御要請が強いということも承知はいたしております。しかし、無医大県解消計画が一応琉球大学医学部の設置をもって達成をされたと申しましても、琉球大学医学部が完成するのにはまだこれから八年もかかるわけでございますし、その間年次計画をもって学部を整え、病院を整備をしていくというようなことがございます。これはいままでつくってきた医科大学についても、まだその大半は完成途上にあるという状況にございますので、私どもはこの無医大県解消計画に引き続いて、さらに新しく医科大学の設置を計画をするということは考えていないわけでございます。今後新設の国立あるいは私立の医科大学を中心として卒業生が出てくる、それがふえてくるということが見込まれるわけでございますし、漸次地域的な医師の不足の状況というものも改善されるということが期待されるわけでございます。やはりそういった推移も見ていかなければならないと考えておりますし、現在のところは、医学部なり、あるいは医科大学を新しく設置をするということを文部省としては考えておりません。
#69
○粕谷照美君 現在のところ考えていないという、その文部省自体の考え方もわかりますけれどもね、大臣、私はこれは大臣に全くお気に入らないかもしらないんですけれども、日教組の養護教員部の教育研究集会のいろいろなこの発表があるわけですね、現場の先生方の。その発表の中で特に健康診断の問題点と改善すべき点というのがあるんですよ。それでどういうことを言っているかといいますと、まず校医の問題、医師の絶対数の不足及び専門医の不足というのがまず第一番に挙げられています。一人平均、一人の子供を診るのにですよ、内科の校医さんがおいでになって二十七秒間だというんです。二十七秒間ですっと一人の子供を診て、この子は健康です、はい大丈夫ですと、こういうふうに言えるという、本当にそれだけの能力が、まあ専門家ですからあるのかもしれませんけれども、あるのかどうか私は非常に疑問が出ているわけです。一番短い例、ストップウォッチではかっているんですよ、全逓のマル生じゃないですけれども。十三秒間です。私自身も見ていましたけれども、はい後ろを向いて、そしてくるっと洋服をあれして、はい大丈夫と、こういう校医さんにも直接お目にかかっていますからね、これで本当に子供たちの心臓に疾患があるのかどうなのか、この子の脊髄はどうなのかというこの内科の健診、これができているのかどうかということについて非常に疑問を持っています。一番長くて一分二秒だと、これは兵庫県ですね。それから眼科健診、一クラス最高の四十五人としまして、東京ですけれども五分で診ているんですね。どうやってこれわかるんですかね。きわめて機械的な健康診断が行われている。特に専門医、まあ眼科が足りない、耳鼻科が不足しているために、それの健康診断そのものができていないというんです。特に内科の校医さんが診察したところでは、目に異常がない、耳や鼻には全然疾患がないというこのゼロですね。全校生徒にそういう疾患がないと、こういうことを言った地域というのが物すごくたくさんある。県もあります。僻地や離島なんかにおいては、校医はおろか、無医地区としての問題点がもう実に深刻で、巡回医師団の編成の対策というのが非常に要望されているという、こういう現場の養護教諭の方々の悩みに全くこたえていないんです。だから、子供の体がおかしいというのがほかの人たちからは統計として出てくるけれども、文部省の統計からは余り出てこないというこの矛盾もありますので、私は本当に子供たちの体を大事にしていくという観点からも、この医師の偏在、それからそういうところに医師を配置するというようなことについては、ぜひ御努力をお願いをしたい、こう思います。
 では次に移ります。
 先ほど松前委員から質問がありましたけれども、この図書館情報大学の問題について、そのこと自体に私どもは賛成なんですけれども、この図書館短大からこの大学になるということについて、やっぱり学校内部からの要望があったというふうに思いますけれども、経緯についてお話をいただきたい。
#70
○政府委員(佐野文一郎君) この大学につきましては、四十二年の九月に図書館短大を筑波研究学園都市の移転機関とするということについての閣議了解がありまして、四十五年から図書館短大で準備委員会をつくりまして、新しい大学の創設に関する調査が開始されたわけでございます。そういった図書館短期大学における御努力が四十七年以降逐年進められてまいりまして、五十年の三月に図書館短大の移転時期を五十四年度に変更をすると、そのことの閣議決定を得たわけでございます。五十年の四月に図書館短大は図書館大学(仮称)構想具体化協議会というものを設け、さらに五十二年には図書館短大に図書館大学の創設準備室、さらに図書館大学の創設準備委員会を設け、そしてその準備委員会における調査、審議の結果が、図書館大学の構想についてということで取りまとめられ、それに従っていま御提案を申し上げているような設置の段取りに進んできたわけでございます。
#71
○粕谷照美君 大体その準備室の問題点、準備室と大学側との間でこの構想というものがだんだん煮詰まってきたと、こう思いますけれども、最初からこの図書館短大側としては、いま現実に開かれようとしている図書館情報大学に対して、管理形態の中に参与とか、副学長を設けるというのがあるわけですね。それについても意思統一が行われていたのでしょうか。そんなものはもう大学側が言ったってだめなんであって、文部省としてはこう考えているんだから、このようにしなさいという形になっているのですか、それはどうなっていますか。
#72
○政府委員(佐野文一郎君) この問題もやはり、この創設準備委員会における構想の検討の段階で、創設準備委員会における議論を経て、いま御指摘のような副学長の設置というようなことが決められてきているわけでございます。
#73
○粕谷照美君 議を経てと言えば、私どもが口をはさむこともないと思うのですけれども、この筑波大学なんかは参与会が学校設置法の中にありますけれども、一体この参与というのは、そうすると省令の中に入っているのですか。
#74
○政府委員(佐野文一郎君) 筑波大学の参与会も、図書館情報大学が置こうとする参与も、大学の運営に関しまして学外の有識者の意見を聞くという点では同じでございますけれども、御案内のように、筑波大学の場合の参与会は、これは法律によって設置されたものでございますし、単に学長の諮問に応ずるということだけではなくて、必要に応じて学長に対し助言または勧告を行うという法律上の権限を持った機関でございます。しかし、図書館情報大学の参与の場合には、こうした法律上一定の権限を付与された機関として、大学の運営に関与するというものではございません。参与会を置くというのではなくて、参与を置くという個別の職務の設置の形をとりまして、その人数であるとか、任期であるとか、あるいは選考方法、あるいは意見を求める事項、そういった具体的なあり方につきましては、図書館情報大学が定めるところにゆだねられている。いずれにしても、置く場合の置き方は、御指摘のように省令で置くということになるわけでございます。
#75
○粕谷照美君 ではちょっとお伺いしますけれども、筑波大学の参与会というのが、どのような役割りを果たしてきたかということについてですけれども、+分な御討議もいただいているとは思いますが、特に先回の県会議員選挙でのこの選挙違反の事件に当たって参与会は開かれましたか、そしてその参与会はどのようなことを討議をし、そして学長に対して意見を申し出ましたでしょうか。そういう議事録があったか、役割りが果たせたかということについて御答弁ください。
#76
○政府委員(佐野文一郎君) 筑波大学の参与会は、学識経験者と地域の関係者と、さらに大学の卒業生などで構成をされているわけでございます。大学はこれまで大学の基本的な教育研究計画であるとか、あるいはその実施状況等について、参与会に報告をいたしまして、意見を求めております。筑波大学の参与会につきましては、筑波大学の大きな特色の一つである開かれた大学という点から、学外の良識ある意見を大学の運営に適切に反映させる、そういう点で重要な役割りを果たしてきていると私どもも考えております。
 そして、御指摘の選挙違反の件でございますが、ことしの三月の十二日に開催された参与会で、学長から学生の選挙違反事件の経過と、大学のとった措置について報告が行われております。それについて参与会ではいろいろと議論があったようでございますけれども、参与会として大学のとった措置について、特に意見を述べるということは行われなかったと承知しております。
#77
○粕谷照美君 大学のとった措置に対していいとか悪いとかというような意見も行われなかったというふうには思えませんですけれどもね。やっぱりその辺のところは非常に基本的な学内の運営の問題でもありますし、人権の問題でもあります。権利の行使の問題でもあります。非常に大事なことでありますから、私は参与会としてのやっぱりきちんとした意見というものをまとめて、学長に出すべきではなかっただろうか、こういう感じを持ちます。
 しかし、参与会そのものについてはいろいろな御意見がありますが、私どもは図書館情報大学におけるこの参与の制度ですね、これが創設準備委員会で、置く置かないということについて数名のスタッフで決められているというところが非常に問題だと思うのです。教授会ができてからやっぱり議論をすべきであったと、このように思いますけれども、これはいかがですか。
#78
○政府委員(佐野文一郎君) 図書館情報大学の管理形態というのは、通常の国立の短科大学の場合と同じように、基本的には教授会によって運営をされるわけでございます。副学長、参与を置くということを含めて、こうした管理運営についての構想というのは、創設準備室と創設準備委員会で自主的に検討されて、取りまとめられたものでございます。御案内のように、新しい大学をつくる場合に、その構想を検討している段階はもちろんでございますけれども、さらに創設当初の一ないし二年間というのは、まだ完全な形で教授会が構成されるに至らない、年次計画で教官が採用されてくるというようなこともございますので、通常この大学の場合に限らずに、創設準備委員会、あるいは運営委員会というものを設けまして構想を検討し、あるいは創設後しばらくの間の運営に当たるという方法をとるわけでございます。参与、副学長を設置をするということについても、この準備委員会でこれまで医科大学等で設けられてきた参与の実態というようなものを十分にお考えいただいた上で、それを置こうということをお決めいただいたものと理解をしておるわけでございます。
#79
○粕谷照美君 このような方式に対して、現在の図書館短期大学の中からも非常に大きな不満の声が出ているわけでしてね。十分に皆さんの学内の意識というものをちゃんと統一をしてやってもらうということを、今後はやっぱり文部省としても気をつけていくべきではないんだろうか、こう思いまして、次の問題に入ります。
 次は、今度は鳴門教育大学の創設に関してなんですけれども、昭和五十二年の五月に、文部省が徳島大学教育学部を母体にした教員養成大学を、鳴門市に発足させることについて協力を要請をした。基本路線は文部省側のものであるのか、地元側からぜひそういうものをやってもらいたいという要望があったのか、その辺についてお伺いします。
#80
○政府委員(佐野文一郎君) 新しい教育大学につきましては、御案内のように、昭和五十年度から兵庫の創設準備を始めたわけですが、その際にあわせて上越と鹿屋と鳴門の三つについて創設準備調査を始めたわけでございます。
 鳴門につきましては、立地条件と、それから地元の協力体制等が総合的に勘案されて、鳴門に新しい教育大学というものを構想しようということになったわけでございますし、五十三年度から創設準備に入ったわけでございます。地域から新しい教育大学をつくりたいという非常に強い要請があった、それを受けたものでございます。
#81
○粕谷照美君 地域から強い要請があったと、こう判断してよろしいわけですね、いまの局長のおっしゃることから言えば。ところで、その九カ月後の五十三年の二月の十六日、教育学部教官会議は、現時点における教育学部の分離はできない、こういう決定を行っている。また六月に創設準備室設置反対を決めておりますけれども、承知していらっしゃいますか。
#82
○政府委員(佐野文一郎君) 二月の段階で教育学部の教官会議が鳴門に設置が予定されている教員大学院大学への分離移行については、なお多くの問題があって、現時点においては分離移行はできないということをお決めになったということは承知をしております。ただ、若干これは、私は大学側というか、教育学部側に誤解があるのであって、どのような形で徳島大学との間の調整を図りながら、新しい大学をつくっていけばいいのかということを、もっと議論をしなければならないことであり、初めから一つの教育学部の分離移行ということが大前提として、動かしがたい前提としてあるというような形でお受け取りになり過ぎたのではないか。もちろん分離移行というのも一つの方向でございますけれども、どういう形で徳島大学との調整を図っていくかというのは、これから大学がお考えをいただくことではないかと思っているわけでございます。
#83
○粕谷照美君 それでわかりました。だからこそ、五十三年の七月か、八月ごろ、この準備室設置と、教育学部の分離移行を一応ペンディングして検討してもよいと、こういう形で文部省としては回答なさっているんですか。
#84
○政府委員(佐野文一郎君) 私の方は、この新しい教育大学をつくるについて、創設準備室を設けるわけですが、その設け方について、徳島大学と切り離して別途に独立した準備室を設ける。もちろん世話大学は徳島大学であるにしても、そういう形で創設準備室を設けることがいいのか、あるいは徳島大学に実質的に創設準備室を設けていく方がいいのかということを考えたわけですけれども、私どもは、やはり徳島大学に準備室を置くという形で、十分に、徳島大学が自分の問題として新しい大学の設置ということをお考えいただく方がいいという判断をし、そのようなお願いを徳島大学にしているわけでございます。そして創設準備室をつくって、その創設準備室の活動を中心として、全学的にどういう形で新しい教育大学を徳島大学との関係を含めてつくっていくかということを御議論いただけばいい、そういう考え方を持っております。そのことは、大学の学長に対してもかねて申し上げているところでございます。
#85
○粕谷照美君 私がいま持っている資料は、教官会議の決定の資料なんですね。それを文部省に認めろということ自体はちょっと言い過ぎなんですけれども、確認をしておきたいと思うんですけれども、九月の八日に学長がその創設準備室を置くに当たっての見解を出しているわけなんです。そして、その見解の中に、分離移行を前提としない準備室である、教育学部を含む徳大の意向が十分に反映される組織及び運営方法を持たなければならない、こういうことを言っているわけですが、これは、そうすると、いまの局長の説明と正しく合致しますでしょうか。
#86
○政府委員(佐野文一郎君) 教官会議がいわゆる分離移行ということについて、非常に消極的であるということは理解をしております。先ほど来申し上げておるように、新しい教育大学をつくるときに、分離移行以外に方法がない、それが絶対の条件であって、それ以外には新しい教育大学のあり方というのは考えられないんだというように、事柄を決めてかかっているわけではございません。分離移行も一つの方法であろうと思いますけれども、それ以外に徳島大学として、どういう対応をするのが最も適切であるかということをお考えいただきたいし、私どもも、徳島大学の御意向、あるいは創設準備室における検討の結果というものを十分に考えながら、新しい教育大学のつくり方を文部省としても考えていきたいと思っているわけでございます。
#87
○粕谷照美君 そういたしますと、学長はまた提案をしているわけなんですね。創設準備室設置に関する学長提案というのが、五十三年の九月八日に、どういうことを提案しているかといいますと、準備室における立案の過程で、教育学部の分離移行に関する諸問題等についても文部省と意見調整を行うという方法で十分に検討可能と、こういうふうに言われているわけですから、もし徳島大学でもって、分離移行をしないで独立をしなさいという結論が出る、創設準備委員会においてもそのような結論が出るとすれば、文部省としては、分離をしないでその大学を新たにつくるということについてもオーケーをされるというふうに理解してよろしいですか。
#88
○政府委員(佐野文一郎君) 徳島大学ないしは徳島大学に設けられた創設準備室における検討の経緯、結果、あるいはそこで取りまとめられる意見、要望というのは、十分にこれから勘案をしていかなければなりませんけれども、徳島にもう一つ徳島大学の教育学部とは全く別の形で、学部を持ったいわゆる新しい教育大学をつくるということは、私は適切ではないと思います。やはりどういう形で調整をしていくかということは、これから十分に御検討いただかなければなりませんけれども、やはり徳島大学教育学部との調整を十分に考えた上で、新しい教育大学はつくられていくべきであると考えております。
#89
○粕谷照美君 そうすると、いろいろおっしゃいましたけれども、やっぱり単独の教員養成大学はつくらないんだということになれば、分離移行しかないという逆の結論が出てくるのではないかと、非常に心配をしておるんですね、あそこの先生方が。
 それでお伺いしますけれども、もし分離移行をする、こういう結論が出たと仮定をいたしまして、そういう場合になりましたら、いまの幼稚園教諭養成課程あるいは養護教諭養成課程とか、中等教員養成課程だとか、そういうものは一緒に行くようになるんでしょうか、どうなんでしょうか。
#90
○政府委員(佐野文一郎君) まさにそこのところも一つの大きな問題になるわけであって、その点を徳島大学に置かれた創設準備室が、新しい教育大学の具体的な構想としてどのようなお考えをおとりになるかということにかかるわけでございます。私の方は、いまそこのところは決め込んでおりません。
#91
○粕谷照美君 そうしますと、こう理解してよろしいですか。それも大学側の考え方に任せるんだ、文部省としての指導というよりは向こうの意向の方が優先するというように理解をしてよろしいですか。
#92
○政府委員(佐野文一郎君) 優先とか、あるいは向こうが決まれば必ずそれでやるということを申し上げているわけではございません。やはり、創設準備室の構想がまず先である。創設準備室において構想を御検討いただく、その作業を待って、私どもも創設準備室の方と十分に相談をしながら、どういう形で教育大学をつくるかを検討したいということでございます。
#93
○粕谷照美君 したがいまして、いまのところ、どちらが先かという問題になるわけですけれども、先生方にしてみれば、そこのところがはっきりしなければ賛成も反対もなかなか言いづらいという部分があるんですね。文部省としてみれば、向こう側の意見がはっきりしなければ、自分たちとしてはこうだという意見が出せない、ここのところでやっぱり大変問題になっているんじゃないですか。その辺はどういうふうにとっていらっしゃるでしょうか。
#94
○政府委員(佐野文一郎君) 事柄が大学をつくるという非常にむずかしい作業でございますし、事の性質からして徳島大学、特にその教育学部と深くかかわるわけでございますから、私どもは、徳島大学、特にその教育学部が新しい教育大学のあり方というものについて、どのように御検討いただくかということを非常に大切なこととして考えているわけでございます。もちろんこれから創設準備室で検討が進められていく段階で、創設準備室での検討に教育学部がどのような形で参加をしていただくかというところが、創設準備室としても非常に苦心をされるところであろうと思いますけれども、創設準備室のこれからの検討作業に教育学部もぜひ積極的に御参加をいただきたい、そこで検討されていく過程で、いろいろと問題が出てくるだろうと思います。その問題が出てくる状況に応じて、何も完全に最終的な意見の取りまとめが終わるまでは、文部省と話をしないというようなことをお考えになることもないと思いますし、また私たちもそのような考え方ではございませんから、検討の進行に応じて逐次文部省と準備室との方で御相談をしていくということも当然考えられることでございますし、われわれとしては、先ほど来申し上げておりますように、創設準備室における御検討の経緯なり、あるいはその結果というものを十分に尊重するという立場に立って、文部省は文部省として、さらに検討を待って、わが方もまた検討していく。そして両者が十分に協議をしながらいい構想をまとめたい、そのように考えているわけでございます。
#95
○粕谷照美君 大学の先生にしましても、前の学校に残っていくのか、新しい学校に行くのか、このことは非常に大きな身分上の問題でもありますので、教育上の問題でもまたあるわけですから、十分に審議が当然なされなければならないと思いますけれども、文部省としても意見を聴取をしながら、大学側の意向をうんと尊重して対処をされるように希望をしまして次に移ります。
 私は、この法律の中で幾つかの学部が充実され、整備され、改組されていくということについては、先ほど松前委員の方から基本的な考え方としての疑問のようなものが出されましたけれども、私自身は一応この法律に賛成をしていきたい、こう考えているんですが、しかし学部は改組をされていく。先生がちゃんとついていく。そのことと、いま問題になっているのは、どうも事務部門が合理化の波にさらされて大変なんだということを忘れているんではないだろうか、こういう声が上がっていますけれども、どうでしょう。
#96
○政府委員(佐野文一郎君) 現在学部を改組をいたします際に、事務部を二つ設けないで一つの事務部で対応するということを考えておりますので、その点の御指摘であろうと思います。
 国立大学の事務組織のあり方というのは、現在の状況がいいというわけにはなかなかまいらない。もっと大学における教育研究組織との関連を考慮しながら、より効率的な組織編成というものについて、常に工夫をしていかなければならないと考えているところでございます。
 最近でも医科大学をつくりました場合の、従来で言えば、医学部に事務部を置き、病院にまた事務部を置くわけでございますが、新しい医科大学の場合には、医学部と病院の事務部を一本化するというようなことも考えております。そういったことと並んで、当面従来の一個の学部を分離、改組する学部改組の場合には、教育研究に支障がない、支障を来さないということがもちろん前提でございますけれども、共通の事務部を設けて、そこにおいて共通的な事務処理が可能なものについては、引き続いてその体制を維持する。そういう方針のもとに、もちろん事務長補佐というような、新しい体制に対する対応のための措置は講ずるわけでございますけれども、そういった必要な整備はしながらも、事務部の分離を行わないでいる、そういう方針をとってきているわけでございます。これは、いま申し上げましたような大学における事務処理の体制というものを、できるだけ工夫をしていきたいということから、大学側と十分に協議をして進めているものでございます。
#97
○粕谷照美君 大学側と協議をいたしましても、それは先生の方と、学長さんの方と協議をされるのかですね、職員側の方と協議をされるのかではずいぶん違うと思うんですよね。先生方の方は自分の方さえまとまっていればいいと、そういう言葉ではおっしゃらないかもしれませんけれども、ある程度その辺が確保されれば安心をしていらっしゃるかもしれませんけれども、統合される側の事務をやられる職員にとってはこれまた大変なことでありまして、その辺の話し合いというのはどういうような形で行われていますか。
#98
○政府委員(佐野文一郎君) もちろん、教官サイドだけとではなくて、大学の事務局長以下事務局のサイドとも十分に協議をし、先ほど申しましたような事務長補佐を置いて、新しい事態に対応するというようなことも行いながら進めていることでございます。
#99
○粕谷照美君 対応しながら進んでいるって、こうおっしゃれば、そういうことになれば、では、職員の組合員の方々にしてみれば、大体満足がいくという形になろうかと思いますが、非常に不満だと、いろいろな問題点が上がっていると、具体的な例を挙げまして私のところにもきのう陳情に参りました。多分文部省の方にもその話し合いに行ってるんではないかと、こう思いますけれども、どうなんでしょうね。この学部創設に当たって、教員以外の職員、つまり、事務だとか技術、用務員等についての拘束力のある基準というものを設ける必要があるんじゃないか。この辺はどうでしょう。
#100
○政府委員(佐野文一郎君) もちろん新しい大学をつくっていく場合に、事務局、事務部をどのように対応していくかということについては、これは関係省庁とも折衝をしながら固めていくことでございますから、その場合の一つの内部的なスタンダードというものは持たなきゃならないわけでございます。またそれによってやっていくわけですが、なかなか完全に一律に処理できるというわけにはまいりません。わが国の国立大学というのは、それぞれ創設された経緯がございますし、また個々の学部につきましてもそういった経緯がありますから、各大学の事務局の組織、定員のあり方、あるいは事務部の定員のあり方というのは、必ずしも一様ではないわけでございます。そういった実態というものを十分に考えながら、事務局における事務処理が教育研究に支障を及ぼすことのないように、そのことを考えながらできるだけ事務処理、事務組織の合理化、効率化というものを図っていきたいというのが私たちの考えていることでございます。
#101
○粕谷照美君 支障を及ぼすことがないようにったって、定数が減らされているわけですよね、現実には。二つの学部を自分たちが持たされるということでは、定数も減らされているのですから、事務職の方にしてみれば大変だと思うんですけれどもね。
 もっと具体的なことで言えば、評議員の選挙権なんというのは、いままで事務の方も持っていらっしゃるところが幾つかあるわけですね。そうすると、二学部、三学部、この事務の方は一つにまとめられちゃうわけです。それぞれの学部の評議員を選ぶときに、その事務の方々は三票を持ったり、二票を持ったり、投票権を持つことになりますでしょうか。
#102
○政府委員(佐野文一郎君) 学内でどのような形でその評議員をお選びになるか、そのことにかかるんだろうと思いますけれども。
#103
○粕谷照美君 ですから、いままで一学部だった場合には、もう純粋にできたわけですね。ところが、二学部、三学部の事務職が一つになるということになりますと、全部当たるわけですから、三学部一つだったら三つの投票権を持つということに理論的にならないんですか。
#104
○政府委員(佐野文一郎君) あえて申し上げれば、私どもは評議員を選ぶことに事務職員が参加をするということは適切でないと思っております。大学の御判断でそういう措置をとっているところがあるのかもしれませんけれども、それに対してどのように学部の分離に伴って対応されるかというのは、やはり大学がお考えになることだと思います。
#105
○粕谷照美君 評議員とまでいかなくても、職員厚生費の使途などを決めるための福祉委員を教職員の中から出しているなんぞというようなこともあるんですね、いままでのずっと長い慣行が。そういう場合に、二票持つんだろうか、三票持つんだろうかというようなことなんかも含めまして、大変な混乱が大学の中にできているということが一つあるわけです。
 ところで、問題は別の方に移るわけですが、事務組織が合理化された、合理化されたと言いますけれども、効率的に効率的にと、こういうふうに言われますけれどもね、効率的にするためにということで定員を削減をしながら、仕事は十分にできるようにと、なかなかめんどうなことですよね。この間の予算委員会の中でも、教育においては総定員法の中に入れないで外したらどうかという意見に対して、大平総理は、教育といえども枠外ではないと、実に厳しい態度をとられました。ですから、文部大臣の努力もよくわかるんですけれども、政府そのものの厳しい態度がある以上は、なかなか定員をふやしていくということも困難だということはわかるんですけれどもね。大学というところは、大変定員外の職員が多いところですね。一体どのくらいあるというようにつかんでいらっしゃるでしょうか。
#106
○政府委員(佐野文一郎君) いわゆる国立大学におります非常勤職員でございますが、五十三年の七月一日現在で八千五百四十人が在職をいたしております。
#107
○粕谷照美君 大臣、この非常勤職員の方々の勤務の態様なんというのを御存じでしょうか。
#108
○政府委員(佐野文一郎君) 非常勤職員の職務でございますけれども、これはやはり教育研究の特殊性等からいたしまして、従事する職種も非常に多岐にわたっております。もともと、こういった職員は、本来は臨時的、季節的な業務であるとか、あるいは仕事の量の変動する業務に従事することをたてまえとするものではございます。また、そういうようにだんだんにしていかなければならないことは明らかでございますけれども、実際問題としては、いわゆる常勤的な非常勤の職員ということで、非常に多様な仕事に従事をしていると了解しております。
#109
○粕谷照美君 私のいただきました資料によりましても、人数は先ほど局長がおっしゃったわけですけれども、本当に多様なんですね。どんな仕事をしているかと言いますと、事務の補助職員が四千二百九十一人で四八・八%ですから、事務がもう足りない、五〇%近くが、非常勤職員の半数近くが事務の補佐をやってるわけですね。そして、技術補助職員というのが大体六・二%、技能が一三・二%、労務が一五・五%、医療職員が一五・四%、教育職員もありましてね、〇・九%入っている。まさに多様な形で非常勤職員の方々が仕事をして、それがなければ大学が回っていかないという実情があるわけですね。それと同時に、勤務の年数につきましても大変変わってるんですよ。いまから十年前の一九六八年には、大体、三年未満という方が七〇%近く、六九%、それから三年以上という方が一七%いらっしゃるわけですね。ところがそれから五年過ぎまして、一九七四年になりますと、三年未満が三八・六%と、ぐうっと半分に近く減りましてね、三年から五年というのが二七%、五年から十年というのが二八%と、だんだん長期化している。一年一年で切るんです、ほんのパートですと言ったって、そうじゃないんですね。もう十年近くも働いていらっしゃる方がいる。それで、一九七八年、まあ本年は七八年度ですからあれですけれども、三年以下が三六・八%とさらに減りまして、三年から五年が一八・四%、五年から十年が二八・三%、十年以上が何と一五・四%もふえているんですね。この定員外の職員の方々は、何とかあきがあったら入れてあげるからと、こう言われて、それを頼みにして、毎年毎年ことしはどこかがあかないか、どこかがあかないかと、本当に――変な話ですけれども、祈るような思いでいるわけですね。そして、あの人が来年やめるんだと、こういうと、もう自分がそこに採用されるんだと、大きな期待を持っておりますのに、もうその時点では定員削減が来ますから、結局おやめになってもあきがない、なかなか入れない、こういう問題があるんですけれども、大臣、こんなに長く人のことを前近代的な雇用関係の中で使っていくなんていう国立大学は私ないと思うんですよね。何とかこの人たち救うことできませんか。大臣、お考えは、何かいい知恵が出ませんでしょうか。いかがでしょう。
#110
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御指摘の点、よくわかるんですけどね、やっぱり定員法の枠がありますので、その定員法の枠で欠員の補充はもちろんできますけれども、いまお話しの点はどうしても増員しなきやならぬのですよ。しかし、その中で私は必要やむを得ないものはこれは増員しなきやならぬし、しかし、いま臨時で入った人をみんな全部これを常勤にしろとおっしゃっても、それは私は無理だと思いますので、これは逐次改善するしか方法がないと思いますが、まあ御指摘の点はよくわかりますので、今後改善するように努力いたします。
#111
○粕谷照美君 大臣がそうおっしゃってくださると、非常勤の方々もどんなにお喜びになるか私はわからぬと思うんですけれども。私自身も何も八千数百人を一緒にぽんと入れなさいなんていうことを言ってるわけじゃないんですよね。長いそういう経験を持ってらっしゃる方を最優先して採用するとか、年齢は一定以下でなければ採らないなどというその枠を乗り越えて、こういう方々については大変御苦労さまでありましたと、それで優先して入れていくような条件をつくるとか、あるいは新しいところに何かができたならば、行く気持ちがあったならば、行けるような条件をつくってやるとか、そういう温かい政治的な配慮というものが必要だというふうに思いますので、ぜひそのいまのお気持ちをちゃんと伝えて、行政の中で生きるように努力をしていただきたいと、こう思います。
#112
○国務大臣(内藤誉三郎君) お気持ちは全く同感です。
#113
○粕谷照美君 どうもありがとうございました。それではよろしくお願いをいたします。
 ちょっと、先ほど一緒に触れるのを飛ばしてしまったんですけれども、琉球大学の医学部ですね、先日の新聞を見ておりましたら、これは大変難航していた問題として、献体をなかなか許さないという沖繩の風土というんですか、そういう風潮があるということについての解決、見通しというものはどのような形で行われてましたか。――質問通告をしておりませんでしたので、突然の質問で大変申しわけないんですが。
#114
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、琉大の場合に非常に問題なのが、解剖体の確保が非常に土地柄困難だということでございます。これについてはかねて県の当局に対しても、その点が琉大の医学部をつくっていく場合の非常に大きなネックになるということをお話しをし、県当局も非常に積極的に対応をしていただきまして、県の方に解剖体のいわゆる献体運動というものを積極的に進める、啓蒙運動をし、協力を求めるための組織を、県を挙げてつくるということをお考えをすでにいただいております。また、文部省の方としては、医学部をつくっていく場合に、通常の医科大学の創設の際の状況と若干異なりますけれども、特に解剖学を担当する教授を先に採用をして、その人を中心にして大学側としては献体の問題に取り組むというような配慮もしているわけでございます。もちろん困難な状況というのは、これはそう簡単に解消できるわけではございませんけれども、大学の側も、また県の御当局も、非常に積極的に考えておりますので、何とか医科大学――医学部を十分に運営していけるだけの解剖体の確保というものを実現できるのではないかという期待を持っているわけでございます。
#115
○粕谷照美君 そうしますと、献体運動をやらなければどうも困難ではないかという見通しがあるようですが、そうしますと、全国的にいえば、その他の医学部あるいは医科大では、その解剖のためのものというのはちゃんと確保できているんでしょうか。別に献体運動というようなことがなくても、ちゃんと充足しているのか、その辺はどうでしょうか。
#116
○政府委員(佐野文一郎君) ごく特別の大学を除いては、私はやはり一般的に医科大学の場合、あるいは歯科大学の場合には、実習用の解剖体の確保というのは非常にむずかしい課題になっていると思っております。それぞれの地域、それぞれの大学でいろいろと御苦心をされて、解剖用の死体を何とか確保しておられるということであろうと思います。
#117
○委員長(望月邦夫君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十七分開会
#118
○委員長(望月邦夫君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、有田一寿君が委員を辞任され、その補欠として野末陳平君が選任されました。
    ―――――――――――――
#119
○委員長(望月邦夫君) 休憩前に引き続き、国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#120
○粕谷照美君 午前中に松前委員から質問がありましたけれども、私も大阪大学、筑波大学に置かれます医科系大学院の問題についてお伺いをいたします。
 まず最初に、この大学院が機能を開始するといいますか、認知をされるといいますか、そういうそこに至るまでの手続についてはどのような形で行われますか。
#121
○政府委員(佐野文一郎君) 五十三年十月に大学設置審議会からの答申をちょうだいをしているわけでございますが、近年、医学あるいは歯学、医療等が生物学、物理学あるいは化学、工学、社会科学、そういった関連する学問分野が非常に広がっていると、そして、その進歩によって、それと融合して学際的な発展を遂げつつある、そういった状況に対応するためには、医学、歯学の大学院に新しく修士の課程を設けて、医学、歯学部以外の卒業生を対象として、広く医学あるいは歯学の基礎的分野の教育研究者等の養成を行う必要があるという、そういう御指摘をいただいたわけでございます。これを受けて大学院の設置基準と学位規則の一部改正を行いまして、五十四年度から御指摘の二大学に医科学の修士の課程を設置しようとしたわけでございます。
#122
○粕谷照美君 それで、その一部改正は行われたのですか、これから行うのですか。
#123
○政府委員(佐野文一郎君) 設置基準と学位規則の一部改正はすでに行っております。
#124
○粕谷照美君 そうしますと、もう受け付けがすでに始まっていると思うんです、募集のね。受け付けといいますか、出願手続といいますか、募集要項なども出されていると思いますが、その辺はどういう日程でやられますでしょうか。
#125
○政府委員(佐野文一郎君) この研究科は、いわゆる法律事項ではなくて、すでに大学院を持っている大学に研究科の新設をするわけでございますから、政令の制定と予算の成立によってこの研究科の設置が確定をするわけでございます。募集要項につきましては、政令の制定と予算の成立の日以後において発表することを原則といたしますけれども、政府の予算案が確定をした以後におきましては、募集要項を案として発表しても差し支えないということにしておりますので、いまはいわゆる案という形で、なおそれが確定をしていないということを明らかにした上で、一般に公にされているわけでございます。実際に入学願書の受け付けば、政令案――政令の制定と予算案の成立を待ちまして、四月二日以後に開始することになります。合格者の発表は、四月二十日までに行うことを標準として、入学者の選抜期日等はそれぞれの大学が決める、こういうことでございます。
#126
○粕谷照美君 そうしますと、その二つの大学におきます教育内容ですね、必修あるいは選択というようなもの、それぞれ特色があるような感じがしてなりませんけれども、それが詳しくわかりましたら御報告ください。
#127
○政府委員(佐野文一郎君) 必修として設けなければならない授業科目につきましては、大学設置審議会の答申の中で、「少なくとも、医学については人体形態学、人体機能学、病理病態学、社会医学及び臨床医学概論」これは必修科目として設けるべきであるという御指摘がございます。これを受けておりますので、両大学とも――大阪大学でいえば、人体形態機能学、病理病態学概論、臨床医学概論、集団社会医学概論、それと分子医学、これを必修科目として二十単位掲げておりますし、筑波大学の場合には人体構造学、人体機能学、人体病理学、臨床医学概論、社会医学概論、これを十四単位必修としているわけでございます。それ以外に、大阪大学の場合には、選択科目として分子医学概論その他多くの特論を掲げておりまして、指導教官の指示に従って、この中から十単位以上を修得すること、両方合わせて三十単位以上を修得することということになっておりますし、筑波大学の場合も、分子機能特論を初め多くの選択科目を開きまして、一、二年次を通じて、このうち十四単位を履修しなければならない。必修と選択を合わせて三十単位以上を修得をすることを要求しているわけでございます。
 両大学とも、さっき申しましたような大学設置審議会の答申に従いまして、修業年限二年で、医学、歯学を中心として関連する諸科学を統合集成した知識、技術等を履修させる、そして基礎医学の分野における教育、研究者等を養成することを目的とするという点においては同じでございますけれども、開かれている選択科目等からしましても、やや筑波大学の方が、いわゆる基礎医学の分野での研究者の養成ということだけではなくて、もう少し予防医学であるとか、あるいは医療福祉であるとか、あるいは医療施設の管理であるとか、そういった医学に深くかかわっている職業分野での専門的な学識を持つ職業人の育成ということについても考えた科目になっているように考えております。
#128
○粕谷照美君 そうしますと、ここの卒業生の活動分野というのは大体どのようなところが見込まれますか。
#129
○政府委員(佐野文一郎君) この修士課程をつくった趣旨は、いわゆる医学部以外の卒業生を対象として、その人が学部で勉強してきたことを基礎としながらも、さらに医学の勉強をしてもらって、基礎医学の分野における教育、研究者等を養成をしていく。ですからここに入った人は、原則的にはそれぞれの大学に設けられているドクターのコースへさらに進んでいくと、医学のドクターの方へ進んでいくということがむしろ期待されるし、それを原則的な姿だと考えているわけでございますけれども、しかしいま筑波について申し上げましたような、医学とあるいは医療と深くかかわる関連領域での専門的な職業人として活動をするということもあり得ることでございます。
#130
○粕谷照美君 その学生層の受け入れですけれども、社会人の入学ということが言われておりますけれども、それは一体どういうような形で、大体どんなような層から社会人の入学が受け入れられるのか、枠というようなものはありますのでし上うか。
#131
○政府委員(佐野文一郎君) 特別にその枠というものを考えているわけではなかろうと思いますけれども、筑波大学の医科学の修士課程の場合には、大学において履修形態についてかなり弾力的な取り扱いをしようとしております。これはもちろん設置基準の認めるところでございますけれども、具体的には一年以上まず在学をして、この研究科の履修要件に応じて特定の単位を修得している場合には、これは研究科教員会議の認める範囲内でございますけれども、指導教官の指導のもとに、実地調査研究、職業実習等を適当な他の場所で行うことができる、あるいは必要がある場合には、一遍休学をして職場に戻る、そして学期を単位とする一定期間復学して出校することを繰り返して、二年以上在学する、こういう形でも、これはもちろん研究科の指導を十分に受けなければできないことでございますけれども、修士の課程における勉学が可能であるという道を開いております。これは御指摘のように、この修士の課程に社会人の入学をより容易にしようという趣旨に出ているものでございます。
#132
○粕谷照美君 容易にしようということは、原則的にこういう門戸も開けていますからいらっしゃいというのと、逆に言えば、そういうことが望ましいから社会人に呼びかけていくというのと二通りあろうかと思いますけれども、そこはどういうふうに考えておられますか、大学は。
#133
○政府委員(佐野文一郎君) 筑波大学の場合には、実際問題としては、ここの第二学群の生物学類で医生物学を履修した学生等に、この修士の課程へ進みたいという希望が強いということを大学側からは伺っております。しかし、筑波大学の修士の課程というのは、すでにこの大学が置いております地域研究の修士課程、あるいは経営・政策科学の研究科――これも修士課程でございますが、このように、これらもいずれも社会人の生涯教育への門戸開放ということで、広く官庁なり、あるいは会社等に現に勤めている方を修士の課程に迎え入れるという配慮をしております。それと同じような考え方のもとに、今度の修士課程についても、履修の方法を弾力化をしているんだというふうに考えております。
#134
○粕谷照美君 日本経済新聞などによりますと、たとえば医学関係のこの図書を扱うような会社が非常にそれに興味を示して、ぜひ専門書などについての研究を進めるためにということで、そちらの方に生徒を出していきたいという関心を示しているということも載っておりましたが、いま局長おっしゃったように、官公庁関係にもといいますと、官庁では一体どのような部分がそれに該当をしますでしょうね。たとえば厚生省にお勤めになっていらっしゃる方からそういうところへ行くとか、あるいは文部省関係でもそういうところに行くとかなどというのがあるかもしれませんね。その辺のところはどうでしょう。
#135
○政府委員(佐野文一郎君) これも実際にどのように進んでいくかというのはこれからのことでございますけれども、考えられることとしては、御指摘のように環境医学なり、あるいは労働医学等の行政関係、あるいは公衆衛生、予防医学、そういった分野の行政の関係の方々、そういう人々がこの修士で勉強をしようということを考えることは十分予想されることだと思います。
#136
○粕谷照美君 そういたしますと、たとえば官公庁関係で、そういうところに行きたいと、こう希望する人がいますね。受験をいたしますね。その受験をいたしますに当たって、入ったということになりますと、やめなければならないということになれば、これはまた大変な障害になるわけですから、当然有給の教育休暇というようなものが考えられなければならないと思いますけれども、国においてはそのようなことを考える要素があるのか、どうでしょうか。
#137
○政府委員(佐野文一郎君) 現在、人事院のこれはお仕事でございますけれども、各官庁の志望者を人事院の方で選びまして、筑波大学なり、あるいは埼玉大学等のこうした社会人を受け入れている研究科に派遣をするという制度がございます。これを活用できれば最もスムーズにいくわけでございますけれども、そういうことでなくて、全く自分で勉強するということになると、御指摘のように勤務との関係でむずかしい問題がでてまいります。これからこの修士の場合に限らずに、広く一たん社会に出た者が高等教育機関で勉強をするということをできるだけ容易にし、それを進めるために有給教育休暇の制度を設けるということは、非常に有意義なことだと考えますけれども、これは文部省限りで考えることのできない、広くほかの省庁にもかかわる問題がある事柄でございます。今後の社会、経済情勢等も見ながら、やはり全体として、文部省だけではなくて、そういった他省庁にまたがるものとして、全体的に慎重に検討しなければならないことだと思っております。
#138
○粕谷照美君 まあ今回は、各二十名が募集人員ですから、そこまでいかなくても、人事院で考えている枠内で処理される問題かもしれませんけれども、しかし、ぜひその有給教育休暇については配慮をしていただきたい、このことを大臣としても大きく持ち出していただきたいと思いますけれども、いかがですか。
#139
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御趣旨はよくわかるんですが、ただ、いま局長が申しましたように、これ他省庁との関連もあるし、人事院の関係もありますし、いろいろ困難な問題ではありますけれども、せっかくつくった大学院ですから、これが円滑にいくためには、やっぱり有給教育休暇制度は私はぜひ実現さしたいと思っておりますから、人事院、関係各省とも協力して今後検討してまいりたいと思います。
#140
○粕谷照美君 大阪大学、筑波大学ということでは、関西に一つ、関東に一つと、こう並んだわけですけれども、この二つの大学が選ばれたというには、それ相応の理由があろうかと思います。その他医学部を持つ大学というのはたくさんあるわけですけれども、これからもこれを拡大をしていこうとされるのか。まずこの二つに試験的な形ということで実施をして、その成果を見て考えていこうとされるのか、その辺についてはどうお考えでしょうか。
  〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕
#141
○政府委員(佐野文一郎君) 考え方としては、いま先生が御指摘になった後者の方でございます。やはりその大学における医学部が充実をしていて、関連領域の教官による研究、あるいは教育の指導が十分に行えるということが前提になることはもちろんでございますけれども、同時に、この修士課程の性格からして、そうどんどんつくっていっていいものかどうかについては問題がございます。したがって、この二つの大学の修士課程の成果というものをむしろ十分見きわめた上で、次のステップを考える方がいい、これは設置審議会でもそういう御議論があったところでございます。
#142
○粕谷照美君 そうしますと、医科系の大学院についてはいま二つ認められた。しかし、歯科系の大学院というものについては、全然まだついていないわけですけれども、答申もなかったのか、あるいは答申はあったけれども、今回は措置されなかったというように理解してよろしいのか、それはどうでしょう。
#143
○政府委員(佐野文一郎君) この新しい医科学系の大学院の考え方というのは、もちろん歯科の場合にも同様な考え方がとられておりますし、答申では両方について同じように大学設置審議会の考え方は示されているわけでございます。しかし、具体的に歯学の方については、現在大学にこういう修士課程を置こうという計画がないということでございます。
#144
○粕谷照美君 せっかくの新しいこの動きでもありますし、私どもはこれに期待するところもまた大きいわけですから、ぜひその設置をされました目的に沿って、りっぱな仕事ができるように、今後とも文部省としても指導していただきたいということを要望いたしまして私の質問を終わります。
#145
○柏原ヤス君 図書館情報大学についてお尋ねいたします。
 その前に、まず図書館の役割りについてですが、図書出版物を初めとして、資料、情報の生産、またその利用の状況はすさまじいものがあります。いわゆる情報化社会と言われておりますが、また別の面では生涯教育の時代と言われていますが、そうした中で、国民にとって図書館の果たすべき役割りはますます重要になっていると思います。こうしたことを考えますと、図書館というものを国民の要望にこたえられるように改善、充実していかなければいけないと思いますが、大臣はこの点どうお考えでしょうか。
#146
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御趣旨のとおりです。ますますこれから図書館が広く国民のために役立って、そうしてりっぱな人間を育成するために、そういう意味で図書館情報大学に私は非常な期待をいたしておるのでございます。
#147
○柏原ヤス君 そこで、今度つくられるこの図書館情報大学の目的、性格を示された中に、現職の図書館職員の再教育に積極的な役割りを果たすとございますが、どういう具体的な構想を持っていらっしゃいますか。
#148
○政府委員(佐野文一郎君) 現在図書館大学の創設準備委員会の方で検討をしている図書館情報大学の大学開放事業の中に、御指摘の現職の図書館職員の再教育ということがあるわけでございます。学術図書館あるいは公共図書館等の館種別に、中堅図書館職員として必要な最新の知識、情報処理技術等について研修を行う、あるいはそういった課題を取り上げて集中的に講座を開いて研修を行う、そういうことを構想の中では考えております。いずれにしてもそうした現職の図書館職員の再教育を具体的にどのように進めるかということは、こういった構想をもとに具体的な内容については今後大学がそれを詰め、そうして実現をするわけでございます。
#149
○柏原ヤス君 また当面は学部と専攻科を置くということですが、大学院の設置も当然と思います。文部省としてはどういうふうにお考えになっているのか。創設準備委員会の構想を見ますと、学部の完成を待って、学部での教育研究をさらに高度に進展させる大学院を設置すると言っておりますが、文部省としては、この大学院の設置について、どういうお考えを持っていらっしゃいますか。
#150
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のような構想を創設準備委員会は持っているわけでございます。やはり文部省としては、今後における大学の検討を待ち、また、学部の整備充実を待って検討をし、対処をしたいと考えております。
#151
○柏原ヤス君 この大学の付属図書館についてお尋ねいたしますが、大学開放の一環として、図書館の開放ということをするということですが、この大学以外に、他の国立大学で現在一般市民に図書館の開放を行っているかどうか。ありましたらその大学の名前を挙げていただきたいと思います。
#152
○政府委員(篠澤公平君) 大学図書館の開放につきましては、大学図書館が第一義的には所属大学の教職員及び学生に対するサービスを行うことでございます。さらに現在は図書館、大学図書館相互の利用ということで、相互間の利用ということでの開放、それも一種の開放だと思いますが、そういうことをしておるわけでございますが、特に地域住民あるいは一般の方々に対する開放につきましては、現在必ずしもそう多数の事例が見られているとは思いませんけれども、国立大学の図書館につきましては、一般市民に対しても窓口は開かれている。図書館の各大学におきます規定を見ましても、図書館長の許可を得てどなたでも利用できるということになっております。
#153
○柏原ヤス君 この大学が図書館の開放を行えば、一つのモデルになると思います。大学開放フロアの設置という構想があるようですけど、この大学開放フロアの設置というのは、どういう形で開放したいとお考えなんでしょうか。
#154
○政府委員(篠澤公平君) このたびの図書館情報大学の開放フロアでございますが、地域住民に対するサービスという観点から、開放フロアを設けるわけでございまして、このフロアでは、特に児童、青少年図書の貸し出し等のサービスを行いますとともに、図書館におきます公開講座も実施するということで、開放の実を上げたいというふうに考えているやに承っております。
#155
○柏原ヤス君 この大学だけでなく、他の国立大学でも図書館の開放、また国立図書館との連携、これを積極的に進めてほしいと考えておりますが、そのためには人的な面の措置がどうしても必要だと。現在総定員法、そうした関係で、逆に定員が削減されています。こうした点で検討することが当然起こってくる。財政面の措置が必要だ。こうした援助措置の拡大、これはお考えでしょうか。
#156
○政府委員(篠澤公平君) 最初の御質問でも申し上げましたように、大学図書館は、当該大学の教職員と学生ということを第一義的にと申し上げたわけでございますが、逐年、図書館の職員につきましても、特に昨今は、参考業務のための必要な要員を整備するということで、人員の増も図ってきているところでございます。しかしながら、お話になりましたような形での図書館の開放に積極的にということは、なかなか容易ではないと思います。今度の図書館情報大学におきます開放を一つの参考にいたしまして、それを検討しながら、逐次進めてまいりたいというふうに考えております。
#157
○柏原ヤス君 次に、図書館全般の問題について何点かお尋ねいたします。
 図書館には、学校図書館、大学あるいは短期大学のそうした図書館、また地方公共団体の設置する公立図書館、こういうものがございます。これらの図書館を抱えている共通の問題点というものが取り上げられております。その第一には専門職員のこと、第二は図書購入費が不足であるということ、三番目には図書館相互の連携協力がもっとされなければならないというようなことが問題になっておりますが、いずれにしても、図書館活動の機能を充実させるという点のかぎは人の問題だと、こういうふうに言われております。いわゆる図書館専門職員の問題ですが、これについてお聞きしたいのですが、学校図書館には司書教諭、公立図書館には司書あるいは司書補、国立大学の図書館は特別の決まりはありませんが、国家公務員上級乙の合格者とか、中級の合格者で、図書館学を学んだ者、私立大学の図書館は大学独自で採用しているというように、それぞれみんなばらばらの資格、そして条件、そういう人たちが図書館の業務を行っています。こうした現状についてどういうお考えを持っていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
#158
○政府委員(望月哲太郎君) 私ども所管しておりますのは、社会教育施設としてのいわゆる一般の図書館でございます。それで、その図書館の専門職員としては、一定の大学におきますところの、または高等専門学校におきますところの単位の履修、あるいは文部大臣が行いますところの講習を受けた、いわゆる司書あるいは司書補が図書館の専門職員として、図書館活動の円滑な運営に従事をするということになっております。したがいまして、一応基本的には、私は図書館の職員としては司書、あるいは司書補の資格を持った者がそれに従事するということがオーソドックスな形であろうかと思います。他の職場におきますところの、たとえば学校図書館、あるいは大学の付属図書館等におきましても、やはり資格は別といたしましても、図書館についての一般的な御理解を持った方が、ある程度この仕事に従っていただくことが、よりそれらの機関の活動をも円滑に機能させるということになるんではないかと思います。
#159
○柏原ヤス君 それでは、次にお尋ねいたします。
 ユネスコの公共図書館宣言、これには、訓練を受けた有能な図書館員を必要数そろえることは、図書館サービスのために最も重要なことだと、こういうふうに言っております。図書館サービスをする図書館員、その中心者である司書、こういうものが次官通牒でも業務内容として取り上げられております。見てみますと、総務的職務として二十三項目も並んでいる。整理的職務として七十項目ぐらい、また奉仕的職務として、ずっと項目が挙げられているわけです。本当にこれがそのように果たされたならば、司書の働きというものがすばらしい効果を上げる、すばらしい文化活動ができると、こういうふうに感じますけれども、じゃ現実はどうかというと、司書というのはだれにもできるというような感じ、また図書館といえば貸し本屋のちょっと程度のいいもの、また地域からは非常に遊離して、果たして図書館が、この司書を中心にして文化活動をやっているかどうかということは疑問なんです。とにかく専門性というものが理解されてない。それにはいろいろな原因があると思いますが、私は、まず専門職員を必ず置くと、こういうふうにするとか、また受け入れる図書館側も身分や待遇などをもっと保障する、こうした点を取り上げて、専門職としての資格をとったその後の取り扱いというものを、やはり制度として整備する必要があると思いますが、この点いかがでしょうか。
#160
○政府委員(望月哲太郎君) ただいま御指摘の点でございますが、先ほど申し上げましたように、図書館には一定の資格を持った司書あるいは司書補を置きまして、できるだけ図書館の活動というものが質の高いものになるように、その機能が十分発揮できるようにするということは、これは図書館を設置する者としては当然に考えなきゃいけないことでございますし、文部省といたしましてもその点は十分配慮をいたしております。
 なお、図書館法におきましても、国庫補助を受ける場合には、図書館の館長が司書の資格を持っているということが要件になっております。そういう意味におきまして、一応図書館の機能を整備するために、司書あるいは司書補というような専門職員の立場というものを十分重視をし、その処遇、あるいは就職してから後のやはり能力を高めるための研修、あるいはその人員の面におきましても、少なくとも図書館として機能するだけの人員を確保するように設置者として努力するよう、従来から指導しているところでございますが、御趣旨のような点につきましては、私ども今後なお十分検討もし、努力もさしていただきたいと思います。
#161
○柏原ヤス君 いまのお答えを伺っていますと、十分とか、重視とか、ずいぶん力を込めておっしゃっているようですけれども、私は納得いきません。文部省がそんなに十分とか、重視とか言える現場かどうか、そういう点ですね、最後にこれからやるというようなお話ですからやっていただきたい。いままで十分やっていた、重視していたということは、そんなに大きな声では言えないと思いますね。その点どうですか。これからやるというふうに思えば、そういうふうに私が受け取れば期待をかけるわけですけれども、もう一言。
#162
○政府委員(望月哲太郎君) ただいま柏原先生からおしかりを受けましたけれども、一生懸命今後なお努力をいたすつもりでございますので、よろしくお願いいたします。
#163
○柏原ヤス君 ひとつしっかりお願いしたいと思うんですね。大臣も大いにがんばるという先ほどのお話でもございますから。
 そこで学校図書館のことについてお聞きしたいんですけれども、司書教諭、これを置かなければならないとなっていますが、小・中学校別にその状況を教えていただきたいと思います。
#164
○政府委員(諸澤正道君) 昭和五十一年度の調査によりますと、司書教諭として発令されておる教諭が小学校で二百十四人、中学校で百六十一人となっております。
#165
○柏原ヤス君 五十一年度だけをぽっつりと言えばそれでいいようなお答えですけれども、司書教諭の配置状況、私が学校基本調査報告書で見ますと、小学校の場合、四十九年は三百八十七名、それが五十年で二百九十八名に減り、五十一年では二百十四名、現在ですね、これ減っていますね。それから中学校の場合も、四十九年は三百七十五名いたのが、五十年はがたんと減って百八十七名、五十一年はさらに減って百六十一名、学校数に比べて一%にもならない程度の司書教諭が配置されているにすぎない。減っているわけですね。その原因をどうお考えですか。
#166
○政府委員(諸澤正道君) これはまことに残念なことなんですけれども、いまの学校図書館法の規定では、学校には司書教諭を置く。「司書教諭は、教諭をもって充てる。」その充てる教諭は、文部大臣が大学に委嘱して行う「司書教諭の講習を終了した者でなければならない。」こうなっておるわけで、しからばその講習の方はどうかと言えば、五十三年度の実績で言いますと、この講習で八単位か九単位の単位を修得した人が約六千名いるんですね。そのうちの五分の一強の千百人ぐらいが現職の先生だということになっておるわけですから、その実態からしましても、この講習は毎年やるわけですから、全部の学校に置くほどには至らないと思いますけれども、相当数の司書教諭になれる教諭が学校にいるはずなんですね。それがいま御指摘のように、きわめて少数しか実際には司書教諭としての発令を受けていないということでございまして、その原因はどこにあるか、私どもいまいろいろ聞きましたところでは、学校によってもちろん違いはありますけれども、言うところのその学校の図書館活動というものを相当活発に展開している学校がたくさんあるわけでございますから、そういうところでは、事実上はその司書教諭の資格を持ち、そのような仕事をなさっておる先生がおるに違いないわけですが、そういう発令がないということでございまして、これを一層活発ならしめるためには、やはり私どもとしては、いままでの努力も足りなかったわけでありますが、今後そういう資格のある方を司書教諭として発令してもらうように、一層教育委員会あるいは学校に働きかける努力をしてまいりたい、かように思うわけでございます。
#167
○柏原ヤス君 何かごまかして、私が聞いていることを率直に答えていただいてないと思うんですね。四十九年、五十年、五十一年とどんどん減っているわけでしょう。減っている原因は何かとお聞きしているのに、現職が六千人のうちの五分の一だとか、それから、一生懸命やっているところはいいというような煙に巻かないで、やはり文部省としても、原因というものを本当に的確につかまなければ、充実はできないと思うんですね。その点ここでは余りはっきり言えないんですか。
#168
○政府委員(諸澤正道君) これははっきり言えないわけではないんですけれども、実は関係者に聞いても、はっきりした理由がわからないわけです、率直に申し上げまして。というのは、要するに、図書館活動をやるわけですけれども、司書教諭の資格のある人に司書教諭としての発令をしなくても、こうなりますと、何か言えとおっしゃるので言うとすれば、これは想像ですけれども、やっぱり発令をしなくても実際にその学校の図書館活動がある程度できるという実態がありますから、そこで、その発令をせぬでもいいやということだろうぐらいしかちょっと想像ができないのでございます。
#169
○柏原ヤス君 原因が現場から聞いてはっきりしないと、現場からははっきりした原因がつかめないと言うんだったら、やっぱり文部省にあるんじゃないですか、原因が。そっちじゃない、こっちだというふうにお受けとめになるべきじゃないかと思うんですね。それは法律を見ますと、「置かなければならない」と書いてあるのに、裏には、当分の間置かないことができると書いてあるんです。こんな置かなきゃならないと言いながら、置かなくてもいいと、こういうような法律があるからだと思いますね。また、それに対して文部省が置かなくてもいいという方に重きを置いている。けれども、私は、この当分の間置かないことができると、これは急に全部置きなさいということは無理だから、配慮しながらやっていきなさいと。置かなくてもいいということは、置かなくてもいいということじゃなくて、置きなさいということになる前提でしょう。いつまでもいつまでも置かないことができるというところに力を入れてないで、やはり現場はこのように減っている、極端に減っているわけですから、配置のための対策、これが必要だと思うんです。この対策というものを文部省としてはお考えですか。
#170
○政府委員(諸澤正道君) これはいま申し上げましたように、現にもっとたくさん資格のある人はおりますし、発令すること自体は別にお金の、予算の問題でもございませんし、要するに関係者がその気になって、資格のある人にその仕事を命令するということをやっていただけばよろしいわけですから、私どもとしては、今後も引き続き関係の県の課長さんの集まりであるとか、あるいは校長会を通じてとか、いろいろな方法でこの趣旨を徹底して、そっちの方向で関係者がみんな努力をしてもらうように、いま先生がおっしゃったように、置かないことができるというような、そっちに主力を置いて私ども言うた覚えはないんですけれども、今後も一層そこには力を入れないようにしてやるようにいたしたいと思います。
#171
○柏原ヤス君 今後どのように努力されるか、研究されるか。確かにこの司書教諭の配置というものをよくしなければ、学校図書館の内容はよくならないと思うんですね。ですから、ひとつ今後の成り行きを見守らしていただきたいと思います。
 次に、学校図書館の事務職員について申し上げたいんですが、標準定数法の中に盛り込まれているその基準を見ますと、小学校の場合は三十学級以上、中学校の場合は二十四学級以上、そこに一名事務職員が置けるとなっている。現場では、小学校で約九百名、中学校では七百名しか配置されておりません。これは、この基準のように、大規模の学校のみやっと配置されているにすぎない、こういうふうに言えると思います。五十五年度に予定されている定数法の改善で、現在の基準を見直したらどうか、見直すべきじゃないか、もっと小規模の学校にも配置できるような見直しをしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕
#172
○政府委員(諸澤正道君) 学校図書館の事務を適確に処理するために、事務職員を必要な数整備するということは大変大切なことでございますが、御承知のように、この五十三年度で終わりますところの五カ年計画で、一般の事務職員の配置が、小、中合わせて三万三千校ほどございますが、その七五%の二万四千くらいまでしかいってないという実態がございますんで、どうしてもこの次の課題としては、まず事務職員の全校必置でございますね、これをやるということを第一の目標にしなければいけないかと思うんですけれども、先生御指摘のように、図書館については二十四学級、三十学級というのはかなり規模の大きいところでございますから、これらの改善についても将来の課題としては十分念頭に置いて努力をしてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
#173
○柏原ヤス君 第七十二回国会において、学校教育法及び学校図書館法の一部を改正する法律案がこの参議院では全会一致で可決されました。この内容は、司書教諭の必置制、学校司書制度の創設、こういうものを取り上げておりますが、大臣はこの案に対してどういうお考えを持っていらっしゃいますか。
#174
○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、いま柏原先生もおっしゃるように、学校の中においてはやっぱり図書館活動が中心で、しっかりやってほしいし、また、社会教育の面においては、私は図書館が社会教育活動の中心であってほしいと思うんです。そういう意味から考えますと、参議院の附帯決議の点はまことにごもっともでございますので、今後とも改善のために一層努力いたしたいと思います。
#175
○柏原ヤス君 次に、学校図書館の図書購入費についてお伺いいたしますが、昭和三十三年まではこの図書購入については国から交付金が出ておりました。ところが、蔵書の水準が一応基準に達したという名目で削除された。現在は教材費の中で教材基準に合う図書のみ負担している。こういう問題は再度復活していただきたい、図書購入費を確保するようにしたい、こう考えておりますが、いかがでしょうか。
#176
○政府委員(諸澤正道君) 確かに、学校図書館法ができてからしばらくの間は、図書館法に規定を設けて、政令で定める基準までは国が購入費の補助をしますということでありまして、数年やった結果、大体の学校が皆その基準に達したということで、いま現在は義務教育国庫負担法の中の教材費の国庫負担の一環としてやっておるということでございますが、しからば、その教材費の補助で買える図書の範囲はどのくらいかといいますと、従前の単独で国庫補助しておりました際の基準数量を一応のめどとして、それにとらわれずに、ある程度弾力的な裁量の余地のある範囲というもので適宜本が買えますよと、こういうふうにしておるわけでございますから、実際にまた現場の図書の蔵書状況等を見ましても、学校によって相当幅があるということでございまして、要するに教材費という大きな袋の中で、金額的にいいますと、たとえば中学校で十五学級ですと、ほかの備品等を含めて百三十万くらいになるわけですから、その中でどの程度本を買うかということは学校の判断にゆだねておるわけでございまして、私どもは教材費全体の袋を、これは五十三年度から十カ年計画で四千六百億の教材費の整備計画を立てておるわけでございます。それは今後物価の変動等によって多少変動がありましょうけれども、過去の十年の整備計画の金額がたしか千六百億ですから、かなりふえているわけですね。ですから、全体の袋をふやして、その中で教材である図書を相当買える幅を残しておくという方が、むしろ実際の運営としても弾力的であり、適切ではなかろうかというふうに思うわけでございまして、先生の御指摘の趣旨を踏まえて、こういうもめがうまく運営されますように、今後もよく指導してまいりたいと思うわけでございます。
#177
○柏原ヤス君 現場を御存じの上でそういうふうにおっしゃっているのかどうかなあと私は疑問です。わが党の鳥取県本部で、昨年の九月に学校図書館等に関する実態調査、これをいたしまして発表いたしました。その学校の蔵書数の格差、これを見ますと、小学校で児童一人当たり最高本を持っている学校は四十八・一冊、それに比べて最低は二・三冊、ですから蔵書数の多いところは二十倍もたくさん本を持っている。中学校を調べますと、最高に蔵書を持っているのは二十九・二冊、最低は二・九冊、十倍の差があるわけなんです。非常に学校の蔵書の数に差があると。また購入費の財源の内訳、こういう本をどういうふうにして買っているかというのを見ますと、公費で賄っている比率というのは、小学校は三四・六%、中学校は五六%、その次が大事なんですね、残り私費、父母の負担、PTAの寄付、こういうものでやっていると、小学校の場合は六五・四%、はるかに公費で賄っているよりも私費、父母負担が多いということなんです。中学校の場合は公費五六%に対して四六%というのが実態なんです。まあこれよく聞いていていただきたいと思うんですね。非常に現場というものは蔵書の問題で苦労していると、負担をしょっていると、図書購入に対して国庫負担金制度、こういうものをとらないと、ますます学校の間の蔵書の格差が大きくなる。ある学校にはたくさんあるけれども、ないところはもう依然としてない、そして父母の負担がやっぱりふえると、こういうふうに考えられますが、先ほど図書購入費についていろいろ御答弁ありましたけれども、この鳥取県本部の実態をお聞きになって、どうですか、もう少しはっきりした御答弁いただけますか。
#178
○政府委員(諸澤正道君) 鳥取県の実情というのは、いまお聞きしたわけですけれども、まあ私どもこれ調べてもらったその調査の結果ですが、たとえば目黒区の小・中学校の学校図書館の図書の整備状況等を見ましても、小学校で言うと一番少ないのが一人当たり二冊ぐらい、多いところになると十一冊ぐらいと、中学校になりますと三冊から十五冊くらいということで、相当開きのあることは事実でございます。そこで一点、その私費による購入ということは父兄負担の増ということもありまして、ただ全体の傾向としては公立小・中学校における父兄負担の総額というものは、相対的に公費負担の増と比べますと、伸び率は少なくなっているという調査もございますが、いずれにしましてもこれはできるだけ避けるようにすべきであり、またいま御指摘のように、学校間に格差があるという問題につきましては、本を買う学校側において、できるだけどの学校も相当の計画を持って本を整備していただく。私はいまの教材費の国庫負担の枠の中でこれを購入するといたしましても、それぞれの各学校が十分計画的に本を購入するという意欲を持って整備していただけるならば、相当の整備ができるんではないかというふうに考えますので、今後ともその辺の指導については一層力をいたしたいと、かように思うわけでございます。
#179
○柏原ヤス君 次に公立図書館についてお尋ねいたします。
 公立図書館の専門職員としては司書、司書補が図書館業務に当たることになっております。この司書養成の問題点として、同じ司書の資格といっても、二カ月の講習から、一方では大学院の博士課程まである、このように受けた教育の程度によって内容に差がある、しかし、図書館の職場ではすべて同じ司書でしかないと、これが司書養成の現場の問題点として挙げられているんですが、これからの図書館業務の多様化、高度化、これを考えたときには、いままでの司書、司書補の養成のあり方、これを基本的に検討し直すときが来ているのではないかと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#180
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、最近司書の資格を取る者で、大学等で図書館の講座の講習を受けて、資格を取る者が大変ふえておることは事実でございます。現実にこれらの人が職場に入った場合に、いろいろと他の形で司書の資格を取った人との間にいろいろな問題が出てくることも、いまお話のございますように、そういうことはあり得ることだと思います。ただ、いままでのところでは、私どもといたしましては、一応図書館の専門職員としては、いずれの方法で取ろうとも、司書という資格で一生懸命図書館の質の向上に努力をしていただくという考え方でまいっておりました。したがいまして、現在直ちにそこのところ、先生の御指摘のようなことを考えるというところまで私どももまだ至っておりませんけども、ただいま御指摘のような点につきまして、どういうふうにしたならば一番いいかどうかということについて、広くいろいろな角度から問題を整理をさしていただきたいと思います。
#181
○柏原ヤス君 先ほども専門職の制度として整備することということを強く申し上げましたが、公立図書館においても同様のことが言えるわけです。まあ館長で司書の資格を持っている者は約二〇%、館長でありながら司書の資格を持ってないと、そういうのが八〇%もいるわけで、専門性ということを非常に軽視していると思うんです。まあ、これは陰の口ですけれども、腰かけ的に館長になっているとか、履き捨てみたいに館長をさしているとかというようなことも言われております。余りいい言葉じゃありません。いずれにしても館長は司書の資格を持っていなくてはならないとか、あるいは司書の配置基準も非常に条件が低いわけなんですね。これをやはり高めなきゃならないんじゃないか。特に司書を必ず置かなきゃいけないと。いまは置かなくてもいいとなっている、このようなちょっと見ただけでも考えられるような改善点、こういうのが挙げられると思うんですが、いかがでしょうか。
#182
○政府委員(望月哲太郎君) お答えいたします。
 司書をできるだけ図書館に配置をして、図書館の運営の機能をできるだけレベルの高いものにし、さらにまた、先ほど来御指摘のございましたように、その司書につきましても、なお現職教育その他の措置を講じながら、そのレベルを上げていく、あるいは量的にもそういう司書の層を厚くしていくと、こういう御指摘の点は、私どももっともな御指摘だと思います。したがいまして、私どもといたしましては、少なくとも国庫補助を受ける段階におきましては、必ず先ほど申し上げましたように、館長も司書の資格がなければいけない、あるいは必ず司書等も置いていなければいけないという条件を付しておるわけでございますけれども、そういうことを一つの足がかりにいたしまして、全体として図書館の組織の充実に努力をしてまいりたいと、このように思っておるわけでございます。
 なお、最近の傾向を見てみますと、図書館というものが大変多くの方々に利用されるようになりまして、図書館に対する地方公共団体の関係者の考え方も大変変わってきておるわけでございまして、まあ、こういう時期でもございますので、いまのような御指摘の点を踏まえて、十分方策について検討もし、図書館が十分機能できるように努力をしてまいりたいと思います。
#183
○柏原ヤス君 全国の市立、町・村立の図書館、これがどんなふうに設置されておりますでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#184
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 図書館の設置率で見ますと、都道府県は一応全都道府県が図書館を設置しております。市につきましては、七七・二%が市立の図書館を設置しておるということでございますので、大体四分の三程度の市に置かれているということでございます。
#185
○柏原ヤス君 町村は。
#186
○政府委員(望月哲太郎君) 町村につきましては、一一・三%の設置率でございます。ですから町村はかなり率は低うございます。
#187
○柏原ヤス君 私が調べた状況で申しますと、大体そのようです。しかし、図書館のある市は四分の三ありますと、ないのは四分の一でございますと、割合でごまかしていますけれども、数で言うとこの四分の一というのは多いわけですね。市の数も多いのですから、多い数の四分の一というのはやっぱり多いですよ。だから百五十二図書館のない市があるわけですね。
 また、図書館のない町村となると、ほとんどない。一割しかないのですね、図書館のある町村は。ないのが約九割で二千三百十六町村、これは全く図書館がない。本当に恥ずかしい数字で、こういう席で余りこんな数は言いたくないんです。しかし、言わないとやっぱりよくなりませんので、言うのですけれども、それに対して毎年三十館ないし四十館はふえているから、今後どんどん図書館のない市、町村というものは減っていくと思います。けれども、成り行き任せじゃなくて、やはり図書館建設の促進策というものをとるべきじゃないか。また町・村立図書館については、ほとんど図書館がないのですから、中期あるいは長期的な展望に立った設置計画、これをやはり文部省としては打ち出す必要があるんじゃないかと、こういうふうに思っておりますが、その点いかがでしょうか。
#188
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 ただいま先生の御指摘のように、まず市につきまして申しますと、四分の一程度が図書館を置いておりません。これは一つは、その市の財政事情、あるいは人口の規模等からも、単独の図書館を置くのは容易でないということで、公民館の図書室、あるいは公共施設の図書室等の図書サービスに頼っているという面も今日まであったろうと思います。しかし、私どもも少なくとも市につきましては、全部の市に図書館が設置されることが望ましいと思いますので、これにつきましては、文部省といたしましても、国庫補助金のできるだけ増額を図るなどの方途により、一日も早く市に独立の図書館がすべて行き渡るようにいたしたいと思います。
 町村につきましては、やはり財政事情とか、人口規模等の問題もございますので、これらにつきましては、それぞれの地域の状況によりまして、単独の図書館を置く方がいい場合と、やはり公民館あるいは他の公共施設に図書室を置いて、それをできるだけ整備するということでいく方が現実的、実際的であるという場合もあろうかと思いますので、そこらの点につきましては、実情に即した最もいい方策を検討いたしながら、少なくともあらゆる地域に、そして、できるだけ多くの人に図書サービスというものが公の手で実施されるように努力をし、配慮もしてまいりたいと思っております。
#189
○柏原ヤス君 図書館建設の促進については建設費の補助を出している、強化している。確かに努力していらっしゃる点は、この建設予算の総額の面では見えます、建設予算の総額は少しずつふえておりますから。ところが、一館ごとの補助基準額、これを見ますと、その面積によって減らされているところがあるわけです。たとえば八百平方メートル、この面積の場合を調べますと、五十一年の補助基準額は二千八百万円、五十二年の補助基準額は二千万円に減らされています。五十三年度になるとさらに減らして千九百万円。建設費というものは年々上昇しているときに、年々減っているというのは、これで建設費の補助を強化していると言えるだろうか。五十四年度は引き上げるべきだと思います。幾らにするお考えですか。
#190
○政府委員(望月哲太郎君) この図書館の補助金の配分の基準につきましては、一応私どもといたしましても、予算の単価は一定の単価に金額を掛けたものが予算の総額になるわけでございますけれども、やはり規模別にある程度補助の段階を置く方が実際に即しておるということで、その面積ごとに補助金の単価をランクをつけて執行をしているわけでございまして、その点は、場合によりますと予算の単価よりも下回る単価で補助を受ける図書館と、規模によってはそれを上回る単価で補助を受ける図書館とが出るわけでございまして、これはわれわれの方で補助金を執行するのに、より実態に即したきめ細かい措置ということで、その限られた予算の枠の中でございますので、いまのような事態も起きるわけでございますけれども、その点はそういうことでいたしておるわけでございまして、特に単価をちびるという気持ちでやっておるわけではございません。
 なお、五十四年度につきましては、単価も若干上がりました。ただ、いま図書館をつくりたいという御希望が幸い最近は大変高くなってまいりまして、実は私どもの手元に大変多くのところから、来年の補助金をつけてもらって図書館をつくりたいと、こういうお話もございますので、そこらのところをできるだけ実情を把握した上で、五十四年度の配分計画を定めさしていただきたいと思っておりますので、ちょっと現在のところ、五十四年度の単価については、まだ申し上げる段階にはなっておりませんけれども、今後の問題といたしましては、できるだけ単価の問題によって、図書館の建設が阻害されるようなことの起きないように努力をいたしてまいりたいと思います。
#191
○柏原ヤス君 いま申し上げた、毎年減らされているこの八百平方メートルのところ、これもふえますね。
#192
○政府委員(望月哲太郎君) 先ほど申し上げましたように、来年度の地方公共団体の全体計画を見て定めたいと思っておりますので、いまのところそこのところははっきりは申し上げかねる点もございますけれども、先ほど申し上げましたように、できるだけ単価についてもきめ細かく考えさしていただきたいと思っておるところでございます。
#193
○柏原ヤス君 次に、公立図書館の図書費を見ますと、補助金がございません。図書館の充実の一つは、蔵書の充実にあると思います。そこで、諸外国に比較して一人当たりの蔵書を調べてみますと、ソ連は五冊、デンマーク、スウェーデンなどは三冊台、ハンガリー、イギリス二冊台、米国、西独約一冊。ところが、わが国は〇・三冊、三人で一冊というお粗末さなんです。図書館に行っても本が少ない、あっても魅力がない、これではどうしようもありません。新しい本が購入できるように、図書購入費に国の補助をつけるべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
#194
○政府委員(望月哲太郎君) 図書館の蔵書の問題につきましては、これは、それぞれの国の図書館のシステム、あるいはそれぞれの国民の読書習慣の違いというようなこともございますので、一概にその数量だけで単純に比較できるかどうかということについては、いろいろ問題もあろうかと思いますが、ただ、言えますことは、最近、若い人たち、あるいは子供たちが大変図書館を気楽に使うようになっているということは事実でございます。したがいまして、そういう意味におきましては、今後はやはり図書館に期待される部分というものが従来以上に大きくなっているということは、傾向としては予想されるわけでございます。そこで、図書館にやはり図書を十分整備してほしいという国民の、あるいは地域の住民の声というものが恐らく従来以上に強くなってくることは当然に予想されるわけでございます。ただ、文部省といたしましては、実は、この件につきましては、まず図書館の建物をできるだけ整備していくことが第一義的であるということで、現在のところは施設につきましての補助金の増額に最大の重点を置いて努力をいたしておるところでございまして、実は、図書の方につきましては、地方交付税の積算の費用をできるだけ増額するという方向で、現在のところは努力をしておるというような状況でございまして、当面は、やはりそういう二面的な対策で、施設も整備し、できるだけ図書も充実されるような客観的な情勢をつくり上げるということで努力をしてまいりたいと思っております。
#195
○柏原ヤス君 いまのお答えで大いにがんばっていただきたいわけです。地方交付税でやっているということですけれども、そんなことじゃどうしようもない。現実には蔵書の実態は三人に一冊という実情なんです。日本は出版活動は世界の中でもトップクラスだ。また、市・町・村立の図書館の一年間の購入の目標というものは人口の八分の一である。そのくらいはしなきやならないと言われているわけですから、そうした水準に早くなるように、可能な財源を補助して、図書館のレベルアップをしていただきたいということを強く主張いたします。
 次に、大臣にお聞きしたいんですが、図書館法の第十八条に、公立図書館の基準として、「文部大臣は、図書館の健全な発達を図るために、公立図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、」とございますが、いつまでに定めるおつもりか。それからこれについては昭和四十七年に、社会教育審議会の施設分科会図書館専門委員会から望ましい基準の案として示されております。その報告はそのままになっておりますけれども、どうなっておるのか。文部大臣の定める望ましい基準に決まらなかった、これもあわせてお聞かせいただきたいと思います。
#196
○国務大臣(内藤誉三郎君) お説のとおり、図書館が大変おくれておることは私もよく存じておりますが、ただ、局長が申しますように、文部省としては、とりあえず図書館を整備するということが、これが根本です。大平内閣は文化中心の内閣とおっしゃるんだから、私は御期待に沿いたいと思うが、具体的には局長から答弁させます。
#197
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の公立図書館の望ましい基準の問題でございますけれども、先ほど先生御指摘のように、社会教育審議会の施設分科会で、公立図書館の望ましい基準の案について、調査審議をなさいまして、昭和四十八年七月十二日に社会教育審議会の総会に案を御提出になったところでございます。それで、それを受けまして、総会でいろいろ御審議をいただきましたところ、なお複数館によるサービス網の整備などの基本的な考え方、あるいは職員の数、図書の数、その他についてより広く関係方面の意見を伺う必要があるんではないかということになりまして、都道府県あるいは指定都市図書館長会議、あるいは文部省といたしましても、昭和五十一年に社会教育課長名で各都道府県の意見を伺っておるところでございますが、そういういろいろな手当てをいたしましたところ、なおもう少し施設分科会でつくった案については、いろいろときめ細かい検討をする必要があるんではないかという御指摘があるわけでございます。
 そこで、文部省といたしましても、五十三年の社会教育調査の一環として、図書館の現状調査というものを全国的に実施をいたしたわけでございまして、いまその集計結果を取りまとめておるところでございますので、その結果が取りまとまりました段階におきまして、いままで御指摘をいただいたような問題点等も十分整理をいたした上で、なるべく早く望ましい図書館の基準を示したいと、このように考えておる次第でございます。
#198
○柏原ヤス君 わが党が昭和五十年に図書館法改正案を提出いたしました。その内容は、都道府県並びに市には図書館の設置を義務化する、また人件費、資料費などに対しては二分の一の国庫補助をつけるというものでございますが、大臣はこの案に対してどういうお考えですか。
#199
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御趣旨の点はよくわかるんですけれども、具体的に補助率をどうするかというところまでは、これはやっぱりよく関係方面と協議しないと、文部省だけでちょっと断言することは私は遠慮したいと思います。今後慎重に検討さしていただきます。
#200
○柏原ヤス君 最後に、外国では、学校が地域の文化や教育のセンターの役割りを果たすという考えから、学校図書館に公立図書館を兼ねさせる例が見られております。わが国でもこうした動きがあるとも聞いておりますが、その現状や、そうした行き方に対する評価、問題点をお伺いいたします。
#201
○政府委員(望月哲太郎君) いまの御指摘の点でございますが、私もちょっと不勉強で、外国のそういう事例についていままでのところちょっとあれをいたしておりません。ただ、問題は、図書館活動のみならず、社会教育あるいは生涯教育全般の課題として、やはり学校と地域社会とのいろいろな教育活動の連携というものを、きめ細かく計らっていくことが必要であるということは、最近各方面ても指摘をされ、かつまた、それについてのいろいろな積極的な試みも多くの地域でなされておるような状況でございますので、いまのような点につきましても当然検討すべき課題になるし、また、いろいろと実際的に今後そういう活動を取り上げるようなところも出てくるのではないかと思っております。
 ただ、私もいま初めて承ったことでございますので、お答えが十分でないことはお許しいただきたいと思います。
#202
○小巻敏雄君 内藤文部大臣にお伺いをいたします。
 国立学校設置法でもって大学を拡充をし、あるいは新設をしていくということは、基本において国民が高水準の教育を求め、高水準の研究を求める。また、国民の中で地域がこれを求めるのに対してこたえていく道でありますから、私どもとしては大いに設置されなければならぬというふうに思っておるわけです。ところが最近の場合には、賛成しようと思って提案を読むと、物が歯にはさまりまして、もろ手を挙げて賛成というふうにいきにくい場合が多いわけであります。
 法案の個別について質問をする前に、大臣にお伺いをしたいのは、一つは、ことし初めて大学の共通一次テストもやった。この一つの動機になったものは、国立大学の格差というものが、受験競争を激化させておるというのが一つの柱であったと思うんです。文部大臣も、つい先ほどまではわれわれとともに、この参議院文教委員会でこの問題には大いに議員としてタッチをしてこられたわけであります。永井文部大臣も四頭立ての馬車というふうに申しまして、今日の一種の社会病弊に近い状況の受験過熱に対して、その一本の柱は大学格差の是正ということであったはずなんです。この大学格差の是正というのは、機会あるごとに是正する必要があると思うんですけれども、新しく大学をつくる場合とか、学部を拡充する場合というのも、その一つの機会であり、新しく予算をとってきて人員を配置するわけですね。総定員法の中で人員を配置するんですから、それは一つの機会であろうと思うんですが、私は、看板を掲げられることと中身の方はうらはらに、必ずしも現実の設置の場合と、言われておる看板とは合致していないように思われるんです。なぜなら、新しく構想されてつくられる大学は、いつでも昔からアカデミーの香り高いところとはどこか違っておる。何か足りないわけなんですよ。一つは定数その他の問題もあります。しかし、いわゆる新構想型で参与がついておったり、教授会の値打ちが少し下がるというふうに考えるのは普通の考えなんですからね。副学長、参与が頭からついておったり、それから、今度は学部を分離すると、そこに事務部が学部ごとに設けられなかったり、いろんなことでみんな何か違うわけですね。こういう点について改めてお伺いするわけですが、大学の格差の中身をひとつ言って、何を解消するのか明らかにして決意を聞きたいと思うんですが、いかがですか。
#203
○国務大臣(内藤誉三郎君) 大学の格差の解消というものは、それぞれの大学が特色のある大学であってほしいと私は思うんです。それでみんな東大のまねをしたって意味ないと思うんです。ただ、東大その他長年の伝統があるから、それはある程度りっぱな大学だと私も思いますけれども、これからの大学は、むしろ地域の大学を充実していきたい、しかも特色のある大学になってほしいというのが私の願いで、それによって全体的な格差の是正というよりも、やっぱり均衡のとれた国立大学の運営を図っていきたい、こういうふうに思っておるんです。
#204
○小巻敏雄君 どうもうまくピントが合わない感じがするんですが、大学の格差と言えば、一番大きいものは、旧制帝大と戦後新しい憲法のもとに、旧高等専門学校、あるいは師範学校等を新しい理念でひとしく大学としてつくり上げていった。これは高校以下中学校等の学制改革とも相まって、新しい柱であった。それにもかかわらず、今日まで旧帝大と地方大学の中には格差がある。あるいは教育系の学部と、もとからあるその他の、旧専門学校系と旧帝大系、あるいは教育学部と医学部とか、さまざまな状況を言えば、教育条件においても、あるいは研究内容においても、到達した水準においても格差がある。これを埋めていくということが格差をなくすることではなかろうか。その上に特色というのはあるのであって、条件が低い特色とか、貧乏な特色とか、足りない特色とかいうのは特色でないと思うんですが、どうなんでしょう。
#205
○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、確かにお話のように、旧制帝大が整備されたものであること、これは認めますよね。長年の間、百年の伝統を持っているのですからね、整備されておる。しかし、これからの大学は、各地域において、それぞれ特色のある大学であって、その特定の部門については旧制帝大に負けないようなそういう大学が望ましいというので、むしろいまではそういう各地域にある大学の整備充実に文部省は重点を置いているのでございます。
#206
○小巻敏雄君 だから、特色というのは平等の上に立って特色があるわけで、不平等で、富めるものと貧しいものというのは特色でないのです。これは与えられた条件であって、同じ基礎がある上に特色がある。昔から東京大学と京都大学というのは、エリート大学という意味では似たような大学であったかもしれませんけれども、たとえば京都大学には河上さんが講義しているから、近衛文麿さんがその大学を慕っていったとか、西田哲学があるからこれを慕っていったというのが特色であって、俗にやっぱり東京学派と京都学派というふうにも言われたわけだ。特色というのはそういうものであって、今日のように、東大、京大のような特色と、駅弁大学のような特色というようなのは、これは特色でなくて、解消すべきものだというふうに思うんですが、その点は御異存ないでしような。
#207
○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は同じような大学というものは意味がないと思うんでね、私の申し上げているのは、特色のあるというのは、東大や京大のまねをすることじゃないと思うんだ。やっぱり学問の分野においても、あるいは研究の方法においても、その大学で特色のある、世界に誇るような研究をしていただけばいいと思うんで、私は東大や京大がいつまでもあぐらかいているわけにはいかぬと思うんですよ。やっぱり各大学が、みんなが一生懸命になって新しい特色を発揮してくれば、日本の大学教育のレベルは上がってくると思うんだ。東大や京大のみんなまねしょうったって、それは私は無理だと思うんでね。
#208
○小巻敏雄君 何遍聞いてもすれ違いの答弁をされますから、ひとつ局長に聞いておきますが、永井道雄さんが四頭立ての馬車と言い、大学の格差解消と言われたことはあなたも御承知のとおりだと思うんです。そこで言う大学の格差というのはどういうものなんですか。
#209
○政府委員(佐野文一郎君) やはり事柄としては、いま大臣からお答えを申し上げたように、それぞれ大学がすぐれた特色を持って発展をするように助けていくと、それによって大学の多くの峰を立てていくということだと思いますけれども、それについては問題が大きく言えば二つあるだろうと思います。
 一つは、全体に見て、大学間にたとえば旧制大学と新制大学との間には、学部、学科の構成であるとか、あるいは大学院の構成であるとか、それらについての差があるわけでございます。これはそれぞれ大学に歴史的な事情、沿革があるわけでございますから、それぞれそれに応じて規模、内容が異なっているというのは、これまた当然のことではございますけれども、やはりこれから、いま大臣からお答え申し上げましたように、地方における国立大学というものがそれぞれの将来計画を考え、地域の要請等も考えながら、自分の特色を伸ばそうとしているときに、それについて文部省もできるだけ大学の積極的な意欲というものを助ける努力をしなければいかぬということが一つあるだろうと思うんです。
 それからもう一つは、いわゆる教官当たり積算校費であるとか、あるいは学生当たりの積算校費であるとか、教官研究旅費であるとか、こういったいわゆる基準的な教育研究経費の面で具体的に相違が出ている点でございます。これはもっぱら専門分野の違いであるとか、あるいは大学院レベルの教育研究活動の必要性に着目して、そういった相違が現在あるわけでございますけれども、その相違というもの、これはそれぞれの事情に応じて、一律に適用されている共通の基準ではあるけれども、その基準の内容が違うということが、格差として指摘されている一つの問題点にもなっているわけでございます。したがって、こういった基本的な教育研究条件について、今後とも全体的にその充実を図っていかなければならないということがございます。この充実を図る場合に、現在の博士講座、修士講座、あるいは学科目、それらの間にある差であるとか、あるいは実験系と非実験系の間にある差であるとか、そういったものを一律にならして、平準化してしまうということは、私は決して合理的ではないと思います。しかし、全体としてどのようにそれを改善をしていくかということは、やはり重要な課題になるし、それはこれからの大学全体の教育研究活動を支えるものになるわけでもございますから、それには十分配意をする必要があるということでございます。ただ、教官研究旅費のように、単価の考え方が必ずしも十分合理的でないというようなものについてはもちろん是正をしていく、現在も是正の努力をしているわけでございます。
#210
○小巻敏雄君 まあ局長答弁も、部分的にはいろいろ納得のいく点もあるんですが、問題の明確な把握がわかりにくい形で答えられていると思うのです。そもそも格差というのは、個性とか個別とかいうこととは別の概念であって、一つのグループと他のグループとに水準差があるとか、そういうグレードの差があるというふうなことを格差と言うのであって、これを解消しなければ、いわばすぐれたものに対して人が殺到して、それを振り分けるために猛烈な競争が起こるんだというようなわけで、その点はあえて言いませんけれども、いまも言われましたからよろしいですがね。格差解消の一翼として、それでは、たとえば地方大学で、いままで、旧専門学校で高等商業があったところは経済学部だけと、あるいは高等工業があったところは理工系だけあって人文がないと、こういうようなところに、人文をあるところでは設けていき、人文がある程度成熟をすれば法学部を独立させたり、あるいは文学部をつくったりしていくのは、これは格差を埋めて、地方にも大輪の教育の花を咲かせようというような趣旨で、格差解消の方向で位置づけられるものだというふうに私は思っているわけなんですけれども、大きな、巨視的な政策の中ではそういうふうに位置づけられるべきものであり、またその役割りを果たしていると思うんですが、その点はどうでしょう。大臣どうでしょうね。
#211
○国務大臣(内藤誉三郎君) お説のとおりです。ですから、各地方大学における、昔の高等学校ですよね、文理学部。あの高等学校でも文学部と理学部を分けて、それで、それぞれ専門がしっかりやるように、そういう体制を整備してまいりたいと思ってるんですよ。
#212
○小巻敏雄君 私も、この法律案、いろいろ文句を言うのは、けちをつけるわけではないんです。そういうような方向で成長するようにと思ってこう言うわけですよ。たとえば私は、自分の住まいの近所には和歌山大学というようなのもありますし、滋賀大学というようなのもある。三重大学というのもあります。たとえば三重は農林を基盤にしてきましたけれども、人文系が置かれていくと。こうなれば、地元の人材供給にも、県庁にも市役所にも、やっぱり人文系から人材を送っていくでしょうし、和歌山などを見ると、その点が教育と経済だけで、地元の高校教員さえも余り出せないわけですね。こういうようなところは、いずれかの日には、理工なり、人文なりを置かれる必要もあるんじゃなかろうかと思いますしですね、こういう成長の過程としてやってもらわなければならぬと。その点で意見の違いがないようですから、そういう趣旨に立って今度の法案をいろいろながめて、御質問をしたいというふうに思うわけであります。
 まあ図書館情報大学については、参与、副学長等が頭から創設準備室で置かれて、教授会が判断する以前から方向が決まっておるということは、これは私どもとしてはそのことには賛成しかねるわけであります。しかし、まあこの点については筑波大学と違って、大学が完全に完成をすれば、そのことの可否も含めて教授会の権限になる、これは法の定めるところでありますからそのとおりであろうかと思うんですが、それだけ念を押しておきます。
#213
○政府委員(佐野文一郎君) 先ほどもお答えをしましたように、この大学の副学長制、あるいは参与の設置というのは、創設準備委員会のお考えに従ってわが方も対応をしているわけでございます。大学の管理運営については、一般の単科大学と同じように、教授会による管理運営が行われるということでございます。
#214
○小巻敏雄君 鳴門の新構想の大学の話でありますが、文部省の担当の方から話を聞いても、なかなかまあ腹に落ちないというのか、わからないですね。もう一つ、鹿児島の方でも、従前の構想では、新潟、兵庫ときて、それから徳島に、鹿児島にと、これはまあ全国をブロックに分けて、地域ブロックの要請にこたえながら、現職教員の研究に資するんだという話であったけれども、どうも違っておるようだと。鹿児島の場合は一体どうなっておるのか。それから、先ほどもお答えもあったようですけれども、重ねて聞くのですが、鳴門の場合には大学院だけを置くのか、学部も置くのか、徳島大学との関係はどうなるのか、初等教育だけであるのか、こういう問題は文部省に構想があるのかないのか、つまり、この点についてはこうしてもらいたいという方向があるのかないのか、それも含めて全部どっちでもよくて、全部準備室でいま白紙状況で討議するのか、その点はどうなんです。
#215
○政府委員(佐野文一郎君) まず、鹿屋でございますが、これは御指摘のように、昭和五十年度から、いわゆる当時で言えば教育大学院大学というものを設置をするということを予定をして、創設準備調査に入ったわけでございますけれども、その後、立地条件等を勘案をいたしまして、教育系の大学ということではなくて、より広い範囲で、ここにどのような高等教育機関を設置をしたらいいかということを検討しよう、調査しようということにいたしまして、その結果、五十四年度の予算からは、体育系の新しい高等教育機関を鹿屋につくるということで調査を進めるということに方針を決めて、お願いをいたしているわけでございます。
 鳴門の場合は、新しい教育大学というのは、兵庫、上越について御審査をいただきましたように、大学院、学部を持ち、学部のところは初等教育教員の養成ということにしぼって対応するというのが基本的な構想の形であり、そのことは鳴門につくられる新しい教育大学についても、基本的には変わりはないわけでございます。しかし、鳴門の場合には徳島大学というものがございますし、地域の状況からして、徳島大学とは全く別個に兵庫の教育大学と同じようなものを鳴門に構想をするということは適当ではございません。したがって、徳島の教育学部と十分な調整を図りながら、鳴門に新しい教育大学をつくっていくという必要がございます。そこで、文部省としては、これまでにつくっている教育大学の基本的な形というものは、一つの前提としてお考えをいただかなければなりませんけれども、しかし、いま申しましたような鳴門の場合の特殊事情がございますから、その点については、どのような形で徳島の教育学部との調整が可能であるかということについて、徳島大学の創設準備室で十分に御検討をいただきたい。そういうことでございますから、必ず兵庫なり、あるいは上越と同じ形のものを鳴門につくらなければならないんだというようにまで決め込んでいるわけではございません。これから大学の方で、準備室の方でどのように御検討が進むのか、その検討の進捗に合わせて、私の方も準備室の方と御相談をしながら、円滑な形で大学の設置ができるように、事を進めてまいりたいと考えているわけでございます。
#216
○小巻敏雄君 調整というと抽象的でわかりにくいわけですけれども、調整といっても常識で考えて、そうたくさんの調整の選択肢があるわけではないだろうと思うのですね。その一番中心的なことは、徳島大学教育学部と、それから新しい大学院とともに発足する学部とが並行して進むのか、あるいは教育学部を徳島大学で廃止して、これが新設の方で生きるのか、こういう問題が第一に最大の問題ではなかろうかと思うわけですが、その場合はどっちになるか、現地の判断も聞きながらながめていくということですか。
#217
○政府委員(佐野文一郎君) 教育学部の中の初等教育関係の課程だけが移る姿でなければだめだというふうには考えておりませんし、またいわゆる教育学部が全部分離移行をして、それを母体として学部をつくるということでは、これまでの教育大学のあり方と違うではないか、それでは困るというふうにも考えていないわけでございます。そこのところは、これからの準備室での御検討の状況を見ながら、私たちも一緒に考えてまいりたい、そう思っております。
#218
○小巻敏雄君 そうすると、これは一つの選択肢として、徳島大学の教育学部をこれはやめにして、また他の学部を置くか置かないかはこれはまた別の一編の物語になりますけれども、これは地域の事情として、この上越や兵庫のように、県民人口だって多いわけじゃありませんしね、背後でも条件が違いますから、これが一方新設の方には教育学部が置かれるけれども、それと並行して、徳島大学の方はこれを新しい観点で廃止をするというようなことになれば、初等教育という構想であっても、学部には常識的に六課程ありますから、その六課程が移行するというようなことも、現地が特にそのような方向で構想をされ、準備室がそういう方向に傾けば、その方向でやっていくということもあえて拒絶するものではないと、こういうことですか。
#219
○政府委員(佐野文一郎君) 大変微妙な問題なんですが、正直に申し上げまして。ただ、そのことについて、いま文部省大学局がそういう方向では絶対だめだと、それはもう検討してはだめだということで対応しているわけでは決してないということでございます。ただ、それでそのまま結構だということかどうかについては、そういう基本的な方向が出てくれば、それに応じて私の方もいろいろと準備室の方にさらに御検討をいただかなきやならない点が出てくるだろうとは思いますけれども、そういう方向がだめだということをいま決め込んでいるわけではありません。
#220
○小巻敏雄君 それは答弁どおりに受け取っておきたいと思うわけであります。
 あわせて、今度改めて三番目の教員養成大学の修士課程が進行中であるわけですね、準備されている。ところが今度、昨年の十二月に、非常に近い時期でありますが、「教員養成大学に設置される大学院に関する審査方針について」というのを一部改正されたわけですね。私は、まだこれ十分に内容についてお伺いしているわけではありませんから、旧のものと新のものと比べてみたくらいでは、その真意がどこにあり、新しくどういうふうに動いていくのかということはわかりにくいわけでありますが、とりあえずはっきり数字が違っておる点についてお伺いをするわけです。
 「各専攻の成立に要するマル合教員の最低数」というのが、従前からあったものに比べますと、学校教育専攻というようなのはふえておりますけれども、その他おおむね多数のところでマル合の最低数というのが、私にはレベルダウンをしておるように見えるわけであります。社会教育専攻は八であったものが六になり、理科教育は九から六になり、音楽は五から四になる、美術は六から四になる、家政教育は五から四になる、こういうことは、これは一体従来からあったのはこれによって下がるわけじゃありませんから、新しくつくるものは、基準を緩和してより安直に大学をつくりやすく、大学院をつくりやすく持っていくものじゃなかろうか、これはまあ自然な見方だろうと思うのです。それからもう一つ、基準に定めるマル合数の三分の二以上に合は置くものとする、こうやっておいて、そして社会科教育専攻、理科教育専攻についてはマル合数に準じて置け、こうやっておるわけですね。その次に「教科に係る専攻については、マル合及び合を含むものとする。」この点では従前のと変わる点があるのかないのかということです。特にその次に「教員組織審査の方法について」は、学校教育専攻について、いろいろ審査の方法を変えておりますが、従前の観点に照らして審査をするというのと、業績等を加味して判定するというのがあって、特に業績等を加味して判定するというのは、これまた従来からの感じ方ではわかりにくいわけですが、何をされようとしておるのか、これらについて改正点のポイントを御説明いただきたいと思う。
#221
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の「教員養成大学に設置される大学院に関する審査方針」でございますが、これは新しい教育大学について御審議を賜りましたこの委員会においても、その内容についての問題等が御指摘をいただいていたところでございます。そのほか、いわゆる教育大学協会における教員養成系大学院のあり方についての検討というものが大学の方で進められておりましたし、またすでに各教育系の大学学部でいろいろと大学院の構想が検討をされております。そういったことを考えながら、五十二年度から大学設置審議会の関係の専門委員会で御検討をいただいて、御指摘のように五十三年十二月の大学設置審議会の大学設置分科会においてこの改定が了承されたものでございます。
 主な改正点は、一つは、「教員養成大学(学部)におかれる大学院の目的・性格」でございますが、これが「教員養成大学におかれる大学院は、義務教育諸学校の指導的立場に立ちうる者の養成を主たる目的とする」、この点は変わりございませんけれども、古いものについては、「例えば校長、教頭、指導主事等」という例示を挙げておりましたけれども、この例示については、この国会での御審議で管理職養成を主体とするような誤解を与えるのでやめろということでございまして、これはやめております。
 それから専攻でございますけれども、教科に係る専攻について、教育研究上必要がある場合には、複数の教科を内容とする専攻とすることができるということを新しく決めております。マル合の教員の最低数につきましては、専攻の構成分野等を考えまして、いま御指摘のように、学校教育専攻、国語教育専攻では引き上げ、社会科教育専攻、理科教育専攻では引き下げるというような、全体のバランスを配慮した改定を行っております。
 御指摘の合の数については、従来はこの審査方針では触れておりませんでしたけれども、これは他の分野と同じように、合についても規定を設けることにしたものでございます。
 さらに、教科教育の科目担当の教員の審査に当たって、教育実践や、これに係る教育研究上の実績等についても配慮をするということで、いわゆる現場で十分な実績をお積みになった先生方が、大学院で指導的なお仕事をしていただけるような配慮もしょうというようなところを考えております。そういったところが主要な改正点でございます。
#222
○小巻敏雄君 合の数については今度初めてこういう目安や基準を置いたわけではなくして、従来からあったことはこれは間違いないことであって、その従来からあった基準と今度の場合には、いま申し上げたような学科では減らしておるわけでしょう。
#223
○政府委員(佐野文一郎君) 従来はマル合、いわゆる研究指導の教育官の数を決めておりましたけれども、そこのところはふやしたところと減らしたところがあるわけでございます。
#224
○小巻敏雄君 ふやしたのは一つだけで、減らしたのはたくさんあるわけですから、トータルから言えば、全体として以前より安直に置けるようになるという印象は免れることができない。これで運用されるのなら、私ども注目いたしますが、厳に安易に流れることがないようにやってもらう必要があると思います。特に前大臣の際に、法案審議のときにも、教育学教育というのは学としてどのぐらい熟しておるのかということになったら、ぼくは教育には素人だろうと思うんですけれどもね、前大臣は熟しておりませんなどと大胆不敵な答弁をなさったわけでございまして、それはまあ局長あたりがお仕込みになったのかとも思ったわけですが、この点については少なくとも基準を、一つずつの基準を上げるのでなくて、下げるというような方向については、今度の運用ともかかわって、厳重にレベルダウンにならないように、この点は確認をされる必要があるだろうと思うんですね。これはまあ何も東大のまねをすればいいのではないというのは、レベルが低くなっていいということでなくて、内容にそれぞれぬきんでた特徴を持つということなんですね。その点について、レベルを定めるものが、たとえば東大の教育学部の博士課程を持つところのバチェラーと、それからこれらのこの新構想の中であらわれてくるバチェラーとは、質が低くてもいいということではとうてい承知できないわけでありますから、その点については運用上、従来のレベルより学的に見てダウンするようなことがないようにというのは、大臣の責任としても厳格に覚えておいて、注目していただきたいと思うんです。いかがですか、大臣。
#225
○国務大臣(内藤誉三郎君) もちろん教員養成というのは、私は日本の教育で一番大事な問題だと思っているんですよ。そういう意味で、あなたのおっしゃるように、レベルダウンになってはこれはならぬと思うんです。そういう点で厳重にやりたいと思います。
#226
○小巻敏雄君 幾つかの大学での学部改組に伴う事務機構の問題でありますが、これは学部と事務の関係は、これはまあ法定事項だと思うわけですね。法律では基本的には学部ごとに事務局あるいは事務を置くのが通例であって、幾つかの学部で必要あるときには合併して事務局を置くというのは異例に属することなんではありませんか。法律の文章の真っすぐな読み取り方からすればそうなりませんか。
#227
○政府委員(佐野文一郎君) これまでに置かれている大学の場合の実態として、それぞれの学部に対応して事務部があるというのは確かにそのとおりでございますけれども、大学の事務組織についてどのようにそれをより効率的なものにし、合理的なものにしていくかということを工夫しなければならない、そういう事情がございます。そういうもとで、もちろん教育研究に支障が及ばないということが前提になりますけれども、できるだけ合理的な対応を考えていくということは、原則と例外という事柄ではなくて、やはりできるものについて積極的に考えていかなければならないことだと考えております。
#228
○小巻敏雄君 しかし、国立学校設置法施行規則の文章を読みますと、これは学部その他教養部、分校、ずっと並んでますけれども、学部について言えば学部に「その事務を処理させるため、規模に応じて、それぞれ事務部又は事務室を置く」と、大規模であれば事務部であり、小規模であれば事務室なんでしょうかね。こう書いて、これが中心で、「ただし、」で、ただし書きの中で、「必要と認められる場合には数個の学部等の事務を併せて処理する事務部を一個の学部等に置くことができる。」と、こうなっているわけですね。この場合にはどういう必要があったわけなんですか。教育上の必要であるのか、経済上の必要であるのか、その点をまず明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
#229
○政府委員(佐野文一郎君) この施行規則の二十九条の書き方というのは、まさにいまの大学の実態にあわせて書いているということだと思います。今回のいわゆる学部の改組に伴って、その事務部をあわせて学部の事務を処理する形で置いているというのは、先ほども申しましたように、大学における事務のあり方というものをより効率的な組織、編成にする、そういう対応をする必要があるということでやっているものでございます。
#230
○小巻敏雄君 「必要に応じて」というのは、実態にあわせてというふうに読みかえてもいいというのは、ぼくは御都合主義な解釈ではなかろうかと思うわけですね。せめてこの「必要」を生かすんなら、必要悪としてと言ってもらいたいところだと思うのですよ。私も総定員法というますの中で、教育問題を総定員法の枠外に出せという文部省の主張にもかかわらず、これが実っていないとすれば、教官などはどうしたって新しく設置したら、これは置かなければならぬですから、各省庁で欠員不補充をやったものを文部省で九〇%まで食ってしまうわけでしょう。だから少しは遠慮しなくちゃならぬというのが、事務室の方にしわがいっているんじゃなかろうかとか、いろいろ言いますけれども、合併した方が、一つずつ置くよりもよりよいことだというようなことは、経済上の理由以外にはないんじゃないですか。どうなんでしょうね。
#231
○政府委員(佐野文一郎君) 事務処理の態様として、共通的な事務処理が可能なものについては、できるだけそういう処理をするということは、それは私は適切なことだと思います。ただ、こういう形で事務部の体制をできるだけ効率的なものにしていくという努力を大学側に要請をし、われわれも一生懸命工夫をするというのは、いま先生御指摘のような、非常に困難な定員の事情があるということもこれまた事実でございます。
#232
○小巻敏雄君 そういうことであるならば、これは等しく各大学に要望される筋のものであって、それこそ特色があるんなら、同じ時期に建った旧制大であれ、新制大であれ、ものの中で、特色にあわせていろいろ個別差があるのなら納得いきますよ。しかし、いままで文学部のなかったところに初めて文学部を置いたら、法学部と一緒に事務所を持たなくちゃならぬとか、こんなことは新しい格差にほかならぬと私は思うわけですね。今日も引き続いて実態にあわせと言いながら、いままでの格差を温存をし、たてまえ的にもその実態に沿って進められていくもので、これはせめて必要に応じてというのがあるわけですから、ぼくは法理解釈上合法だとは思うのですけれども、この「必要」は必要悪なのであって、やっぱり充足されたり、条件が整った段階では、学部ごとに事務室を置くことが好もしいというたてまえに立つ、あるいは特に新規に学部を設置しようとするものだけがこれを受けなければならぬというような状況は格差であって、私は許されることでないと思うのです。ここで申し上げておきますが、こういう状況、ただ事務だけから見ていっては困ると思うのです。学部というところはもともと学部に教授会があって、それでこれが大学を運営するわけですから、学部という単位を越えるなんていうことは、事務の中でも大変なことだと思うのです。ぼくはこういう話を聞いたですよ。福井の例でしたかな。入学試験を実施するのはこれは学部がやる、これは大学がやるわけですね。しかし、事務職員がこれの人学事務の補佐に付き添うのはこれは当然のことですよ。ところが、以前であれば、この人文と法を一緒にやっておった時分なら、これは一緒のテストですからね。今度入学試験やるために、二つ分けたため、人文の方は人手が足りないと、法科の方に助けてもらおうと思うと、事務室は同じ事務室でありながら、教授会の方ではかっこうつかなくて、学部ごとの。一つずつ決議して、途中の学生課あたりを介して、――ほとんど笑えてくるほど骨折っていますよ。こういう状況が具体的に出てくるし、大学はそういうところだということはわかるんじゃないですか、局長いかがですか。
#233
○政府委員(佐野文一郎君) 大変私は残念なことだと思いますけれども、いまの大学の実態がそういうところだということはやはり私も認めざるを得ないと思います。しかし、そういう状況というのは直していかなきゃいけないし、そもそも学部間の壁というものを、いろんな意味でもっと低いものにしていかなければいけないわけでございます。それは教育研究の面についてもしかりでございます。実態として、現在大学でいろいろな御苦労があるということはわかりますけれども、その御苦労を超えて、やはり新しい大学のあり方というものを考えていかなければならないし、そのことは新しくつくる大学についてだけお願いをすることではなくて、これまでの既設の大学についても、事務組織の再編合理化ということについては、極力お願いをしているところでございます。なかなか古い大学というのは、そう簡単に動かないという点は、先生御指摘のとおりでございますけれども、なお私たちは既設の大学についてもいま申しましたような努力を要請をしてまいりたいと考えております。
#234
○小巻敏雄君 古い大学には歯が立たぬけれども、新設のものならかじることができるというようなのは、私やっぱりこの際に見直し、考え直してもらわなければならぬ考え方であるということを御指摘をしておきたいわけであります。結果的に見ても古い形の学部ごとに置いているところよりも、新設、分離したところの方が事務職員の総数が少なくなるでしょう、いかがですか。
#235
○政府委員(佐野文一郎君) もちろん支障のできないような措置はいたしますし、事務長補佐というようなものを置くと、そして二つの学部に対する対応ができるような、そういう配慮はいたしますけれども、全体としてできるだけ体制を効率的なものにし、合理的なものにしていくという配慮は行うわけでございます。
#236
○小巻敏雄君 まあ先ほどの質問者からも定数基準を設けることはできないのかという御質問もあったようであります。格差の問題については、これらの状況を底上げをしていくという状況なり何なりの意味ででも、何もいま比較的豊かなところをはぎ取れというようなことを言うわけではないのでありますけれども、少なくとも目標を定めて、組織的に取り扱わなければ、歯の立つところだけかじっちゃって、歯の立たないところには底なし沼に沈むようになるのかもしれませんが、何だということになると思うんです。まあその点についても、定数についての合理的な考え方を打ち立てると、これは公平にですよ、底上げの精神と格差解消の精神に従ってやっていくという考え方は持っておられませんか、大臣いかがですか。
#237
○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、教育研究の面においては大いに特色のある、そしてこれは簡素化しちゃいかぬですよ。だけど、事務組織については、これはできるだけやっぱり国民の税金でございますから、簡素、合理化ということは、これは私は当然なことだと思うので、できるところは私はやるべきだと。その場合に格差を置くことはよくないと思うので、私は研究、教育の面においては、これは大いに充実しなきゃいけない。事務組織については私は考え方があなたとはちょっと別なんですがね。
#238
○小巻敏雄君 何か考えだけを述べられて、中身がちょっとわかりませんでしたけれども、この点はおいて進みます。
 先ほどの質問者からも出ているわけですけれども、この定数の問題ですね、教官の定数については、まあいまの場合事務職員の問題は別として、格段に努力するというふうにも大臣は答えられておるわけですが、定数外職員の問題については、答えがいい割りに、結果が進まないということを指摘したいと思うのです。
 実は、この同じ場所で、昭和五十二年の四月二十一日の委員会の際に、この定数外職員の問題については松永忠二さんからかなり質問をされて、そのときにいろいろ、当時の井内さんからお答えがあったわけですが、そのときにもいろいろ定数外職員のうちで、医学部と看護婦夜勤の問題等をめぐってか、医学部関係だけ措置をしておるんですね。そのとき以来三年もたったら少しはほかの学部の方にも及ぼしたらどうだろうと思うのですけれども、その後の変遷についてどうなっていますか。
#239
○政府委員(佐野文一郎君) いま御指摘の点は、いわゆる賃金で手当てをする問題についての御指摘ではなかろうかと思います。
 御指摘のように、大学付属病院の関係で賃金による手当てを、看護業務あるいは薬剤業務、検査業務、給食業務、中央診療施設の運営、そういった関係について、たとえば産休交代の欠員補充であるとか、あるいは調剤業務のピーク時におけるパートの薬剤士であるとか、そういったものの対応のために、賃金を五十年当時十六億でございましたが、現在二十七億程度まで計上しておるというようなことはございます。
#240
○小巻敏雄君 そのころのことを思い出すんですけれども、この当時十六億、現在二十数億にわたっておるこの医学部関係のいわば予算職員と申しますかな、これの措置というのは、ちょうどその当時に、看護婦の夜勤の問題について人事院制定が出たと、そうして月八日勤務の複数配置をせよと言われると、まあずいぶんと人が要るというような事情もあって、同様な事情のあるほかの学部のものはほうっておいて、いわば外圧で、この部分だけ始末したということだと私は記憶をしておるわけですね。しかしここに道を開いたのなら、そのときの文部省答弁においても、この定数外職員については、その内容として、実は定員を増して職員を配置しなければならない職務内容というようなものを、定員外職員で雇っておるというようなものも含まれておると。しかし総定員法の関係もあり、そういうものがあるからといって、いきなり定数で処置できないので、非常に必要な部分については、少なくともこの講座費などを食わないように、明確なものは措置をしていくと。その一つとして医学部の看護婦の問題について手をつけて、十六億措置しましたと言っているのですから、その後の進行の程度で、他の学部における同様な問題いつでも出ておるわけでありますけれども、これに措置がされていないということは、私は不十分な点じゃなかろうかと思うけれども、どうですか。
#241
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、本来こういう非常勤職員というのは、臨時的、季節的な業務であるとか、あるいは仕事の量の変動が激しいときに、それに従事するということがたてまえの職員でございます。したがって、そもそも非常勤職員の在職が事実上長期化するというようなことがないように、それをできるだけ抑制をする。そうして本来の非常勤職員の働くべき仕事について、非常勤職員が働くという、そういう姿をできるだけとる努力をしてもらうということでございます。そのためには、やはり国立大学における事務の簡素化であるとか、あるいは業務の民間委託による改善であるとか、そういった改善、合理化の努力が必要でございますし、方向としてはそれによってできるだけ非常勤職員を減らすという努力をしなきやならないと思います。その点は、非常勤職員の数は若干ではございますけれども、逐年減少をしてきているわけでございます。それとともに、やはり真に増員を必要とすると認められる部門については定員を取っていくと、そしてその場合に、非常勤の職員の中で、適性その他を十分に勘案をする必要がありますけれども、可能なものについては正式な職員として採用していく、そういう方向で努力をする、そういうことでこれまでも対応をしてきておりますし、そういう方向をさらに強めてまいるということであろうと思います。
#242
○小巻敏雄君 筋論は三年前も同じ話を聞いて、ぼくは地球が三年後に戻ったかと思うくらい同じ答弁なんです。しかし、その時点で三年前に言われておることが、あのときに十六億円を支出をしておりますと、しかし予算で明確に積算していなくて、一般校費の中に食い込んでおるという金額が、五十年の決算面で見て百億を超えるという現状に全国ではなっておると、こう言われた状況は大差なく今日まで続いておりますから、その中では具体的に勤務員の矛盾と、そしてこれはあるべき姿ともかかわって問題が続いておるわけです。こういう状況の中で、一つの文部省所管の事業所の例ですけれども、私は東大の原子力研究総合センターの方から、実情について訴えられたことがありますが、定員内職員が五十四年以降ずうっと減らされてきておりまして、定員外職員がふえておるわけです、その後も。その結果どうなったかというと、内容はもうずっと勤めて、研究者同様に技術補助員とか、事務補助員といってやっておりますけれども、これらの人は永年勤続になっておるんですね。勤続数は十一年を初め一年に至るまで、平均は五年を超えていますね。こういう方々がいまして、全部女性になっていってますよ。婦人ならこういうことをさせてもいいのかというような点もあるわけです。そして、男性では勤めかねるというような状態にもなっておりますから、言われた時期よりも矛盾は改善される方向でなくて、一層重みを加えておると思います。これは続けば続くほど勤続年数は長くなるわけですから、非常に問題があるわけであります。こういったふうな問題についても、少なくともこの次以降の答弁では、少しは地球が回ったような答弁をしてもらいたいと思うわけですね。内容については、時間がございませんから、今後も引き続き問題にするとして、きょうのところはそこまででおくわけであります。
 なお、夜間学部の問題等、あるいは現職教員研修の問題等いろいろございますけれども、本日は時間の約束がございますから、最後に、現職教員研修というのが始まっていく段階になりますと、同意の問題というのが現に問題になってくるわけでありますけれども、この学生の選択権の保障というような点で、さまざまな立法段階での御答弁があった分については、額面どおりやってもらいたいと思うんですね。特に兵庫教育大においては、今年九月にはテストを行う、七月には要項が出るというわけであります。同意の基準については、文部省の具体的な指導内容と、そして具体的内容状況については委員会に実情を調べて報告をしてもらいたいと思うわけですが、どうでしょう。
#243
○政府委員(諸澤正道君) 現職教員が教員大学院を志願する際の市町村教委の同意の手続、あるいは基準といったようなものにつきましては、都道府県の教育長協議会に部会四つありまして、そのうちの三部会というのがそういう問題を扱っておりますので、ここで審議を願って、いま審議中でございます。一方、国会におきます両院の御審議の経緯等もよくそこに話しまして、そういったものを踏まえてひとつ考えをまとめてもらいたいということにいたしておりますので、文部省としましては、それらの検討が済んで結論をもらった上で必要な指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#244
○小巻敏雄君 報告はしてくれますか。こっちにも結果を調査して知らせてくれますか。
#245
○政府委員(諸澤正道君) いまのところでは、結論が出ましたならば、まあ私の考えではやっぱり適当な形で指導通達等を出したいと思っておりますので、その内容をまた御報告するようにいたしたいと思います。
#246
○小巻敏雄君 終わります。
#247
○委員長(望月邦夫君) 以上をもちまして質疑は終了いたしました。
 これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#248
○委員長(望月邦夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#249
○委員長(望月邦夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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